JP2003011146A - 多層成形体の製造方法 - Google Patents

多層成形体の製造方法

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JP2003011146A
JP2003011146A JP2001283893A JP2001283893A JP2003011146A JP 2003011146 A JP2003011146 A JP 2003011146A JP 2001283893 A JP2001283893 A JP 2001283893A JP 2001283893 A JP2001283893 A JP 2001283893A JP 2003011146 A JP2003011146 A JP 2003011146A
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JP2001283893A
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Yoshitaka Kobayashi
由卓 小林
Nobuhiro Usui
信裕 臼井
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 境界部が複雑な形状を有する場合であって
も、境界部の位置ずれや皺の発生を防止できる多層成形
体の製造方法を提供する。 【解決手段】 雄雌一対の金型の雄型及び雌型の間に、
平面方向に互いに隣接する第1及び第2の表皮材を配設
する。前記第1及び第2の表皮材としては、少なくとも
それらの境界部が成形体の形状に合わせて賦形された表
皮材を用い、この賦形された境界部を挟着体で挟着し、
この挟着体を表皮材の裏側に位置する金型の成形面に埋
設する。表皮材の裏側に位置する金型から溶融状熱可塑
性樹脂を供給し、この供給樹脂を金型キャビティ内に充
満させ、熱可塑性樹脂と前記表皮材とを貼り合わせて成
形体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の内装部
品、家電製品の内外装部品として有用な多層成形体の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂で形成された基材の表面に
表皮材が貼り合わされた多層成形体は、製造コスト、軽
量性、及び賦形性に優れており、自動車の内装部品(例
えば、ドアトリム、インストルメントパネルなど)、家
電製品の内外装部品をはじめ広い分野で多く使用されて
いる。
【0003】前記多層成形体としては、成形体の表面に
複数の意匠面が形成された成形体(以下、多面成形体と
称する場合がある)が知られている。例えば、柄、材質
などが異なる複数の意匠面を形成すると、基材の表面を
効果的に装飾できる。前記多面成形体としては、同一基
材で複数の意匠面を有する1枚の表皮材が基材に貼り合
わされた成形体や、基材や意匠面が異なる複数枚の表皮
材が基材に貼り合わされた成形体が知られている。複数
枚の表皮材が貼りあわされた成形体は、例えば、単一の
表皮材の裏側に溶融樹脂を供給し、表皮材と樹脂とを貼
り合わせながら成形する方法(射出成形法、圧縮成形法
など)によって多層成形体を複数個製造し、これら多層
成形体を熱融着等によって平面方向に接合することによ
って製造されている。また前記多面成形体は、射出成形
法、圧縮成形法などによって樹脂基材を製造し、この基
材の表面に複数枚の表皮材を接着することによっても製
造されている。しかし前者の方法では、基材同士の接合
部の強度が不足する場合がある。また後者の方法では表
皮材が剥離する場合がある。
【0004】これらの問題を解決する方法として、例え
ば、挟着体を用いて2枚の表皮材の境界部を挟着し、こ
の挟着体を金型の成形面に埋設し、金型から溶融樹脂を
供給して、表皮材と樹脂とを貼り合わせながら成形する
方法が知られている(特開平2−117511号公報な
ど)。図17は前記製造方法を説明するための概略断面
図であり、図18はこの製造製造方法によって製造でき
る多面成形体の平面図であり、図19は前記多面成形体
を正面からみた断面図である。
【0005】すなわち前記製造方法では、図17に示す
ように、雄雌一対の金型を使用する。そして第1及び第
2の表皮材1,2を平面方向に隣接させ、その境界部3
を挟着体30で挟着し、前記挟着体を雄型15の成形面
に埋設する。埋設後、雄型15に形成された第1のゲー
ト11から第1の表皮材1の裏面に溶融状熱可塑性樹脂
21を供給し、第2のゲート12から第2の表皮材2の
裏面に溶融状熱可塑性樹脂22を供給し、雌型14と雄
型15とで前記樹脂をプレスすることにより、成形体5
を製造している。得られた成形体5は、図18,図19
に示すように、熱可塑性樹脂製基材4の表面に、2枚の
表皮材(第1の表皮材1、第2の表皮材2)が隣接して
貼り合わされている。前記第1表皮材1及び第2表皮材
2の境界部(境界線)3は、ゆがむことなくきれいなラ
インを形成している。
【0006】しかし複雑な形状を有する成形体を製造す
る場合、例えば、ドアトリム、インストルメントパネル
などを製造する場合、境界部3及び挟着体30の形状も
複雑になる。そのため、2枚の表皮材1,2の境界部を
挟着体30で挟着しようとしても、挟着体に表皮材を沿
わせることが困難となる。その結果、境界部の位置がず
れたり、境界部付近に皺が発生し、外観を損ね易くな
る。
【0007】前記例では2枚の表皮材を用いる例につい
て示したが、1枚の表皮材を用いても、前記2枚の表皮
材を用いる例と同様に、境界部の位置がずれる場合があ
る。すなわち2枚の表皮材(第1の表皮材1、第2の表
皮材2)に代えて、第1の表皮材(表皮部)及び第2の
表皮材(表皮部)を有する1枚の表皮材を用いても、複
雑な形状の成形体を製造する場合、境界部の位置がずれ
たり、皺が発生し易くなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、その目的は、境界
部が複雑な形状を有する場合であっても、境界部の位置
ずれや皺の発生を防止できる多層成形体の製造方法を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、複数の表皮材
[複数枚の表皮材、複数の表皮材(表皮部)で構成され
た1枚の表皮材など]を金型に配設するに際して、表皮
材(表皮部)の境界部を挟着体で挟持するだけでなく、
前記表皮材(表皮部)の境界部を予め賦形しておくと、
境界部が複雑な形状を有していても、表皮材(表皮部)
の境界部に応力を発生させることなく、そのままの状態
で境界部を挟着できるため、境界部の位置ずれや皺の発
生を防止しながら多層成形体を製造できることを見出
し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明に係る多層成形体の製造
方法は、雄雌一対の金型の雄型及び雌型の間に、平面方
向に互いに隣接する第1及び第2の表皮材(第1及び第
2の表皮部を有する表皮材)を配設し、表皮材の裏側に
位置する金型から前記表皮材の裏面に溶融状熱可塑性樹
脂を供給し、この供給樹脂を金型キャビティ内に充満さ
せ、熱可塑性樹脂と前記表皮材とを貼り合わせて成形体
を製造する方法であって、前記第1及び第2の表皮材と
して少なくともそれらの境界部が成形体の形状に合わせ
て賦形された表皮材を用い、この賦形された境界部を挟
着体で挟着し、この挟着体を表皮材の裏側に位置する金
型の成形面のうち表皮材の境界部に対応する位置に埋設
してから溶融状熱可塑性樹脂を供給する点に要旨を有す
るものである。第1及び第2の表皮材は、全体に亘って
成形体の形状に合わせて賦形しておくのが好ましい。好
ましい成形方法は、プレス成形である。上記製造方法に
おいては、前記第1及び第2の表皮材の裏面に供給する
樹脂として発泡剤を含む溶融状熱可塑性樹脂(発泡性樹
脂)を用いてもよい。発泡性樹脂を用いる場合、金型キ
ャビティ内への該樹脂の充填が終了した後、金型キャビ
ティを拡大させ、該樹脂を発泡させてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明を詳細に説明するが、本発明はもとより図示例に限
定される訳ではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲
で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それ
らはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。例え
ば、以下、表皮材の表側に位置する金型として雌型を使
用し、表皮材の裏側に位置する金型として雄型を使用す
る場合を例にとって説明するが、反対、すなわち表皮材
の表側に位置する金型として雄型を使用し、表皮材の裏
側に位置する金型として雌型を使用してもよい。
【0012】図1は本発明によって製造できる多層成形
体(多層多面成形体)の一例であるドアトリムを示す平
面図であり、図2は前記成形体の底面図であり、図3は
前記成形体のA−A’線断面図である。この成形体は、
平面方向に互いに隣接する第1の表皮材1及び第2の表
皮材2を予め成形体の形状に合わせて賦形した後、その
境界部3を挟着体で挟着し、この挟着体を雄雌一対の金
型のうち雄型に埋設し、前記雄型から溶融状熱可塑性樹
脂21,22を供給して表皮材1,2と熱可塑性樹脂2
1,22とを貼り合わせて成形することによって製造さ
れている。そして境界部(境界線)3は複雑な三次元的
形状を有しているにも拘わらず、この境界部3は、ゆが
むことなくきれいなラインを形成している。以下、この
ような成形体を製造可能な本発明の製造方法について詳
細に説明する。
【0013】図4は本発明の方法で使用する挟着体の一
例を示す概略斜視図であり、図5は前記挟着体の部分拡
大断面図であり、図6は前記挟着体のB−B’線断面図
であり、図7は前記挟着体のC−C’線断面図である。
これら図4〜図7に示す挟着体30は、全体として、境
界部3に対応する複雑な立体的形状を有している。より
詳細には前記挟着体30は、挟持する表皮材1,2に対
して略対称な断面形状を有する一対の挟持片31,32
で構成されており、これら挟持片31,32は境界部3
において表皮材1,2を裏側から挟持するための挟持部
33a,33bと、溶融樹脂を収容して樹脂と表皮材
1,2とを境界部3において接着するための樹脂収容部
34とを有している。なお、挟持部33a,33bで表
皮材1,2を挟持でき、樹脂収容部34で樹脂と表皮材
1,2とを接着できると共に、全体として境界部3に対
応する形状を有している限り、挟着体30の形状は特に
限定されず、例えば、前記挟着片31,32の断面形状
は非対称であってもよい。一方前記挟着片31,32の
一部である挟持部33a,33bは略対称であることが
望ましく、例えば、完全に対称であってもよく、微細な
違い(一方の挟持部に滑り止めのための細い溝が形成さ
れており、他方の挟持部には前記溝が形成されていない
点など)を除いて対象であってもよい。
【0014】そして図8に示すように、本発明では、表
皮材1,2として、予め成形体の形状に賦形された表皮
材(以下、「予備賦形された表皮材」と称する場合があ
る)を用い、この表皮材1,2の境界部3を前記挟着体
30で挟着する。予備賦形された表皮材1,2を用いる
と、境界部が複雑な形状を有していても、そのままの状
態で境界部を挟着できる。
【0015】図9〜図11は本発明の製造方法の一例に
ついて説明するための概略断面図である。すなわち本発
明では、互いに対になって熱可塑性樹脂を成形するため
の雄型14と雌型15とで構成された金型10aを用い
る。前記雄型14の成形面には、第1の表皮材1の裏側
に溶融状樹脂を供給するための第1のゲート(樹脂供給
口)11と、前記第2の表皮材2の裏側に溶融状樹脂を
供給するための第2のゲート(樹脂供給口)12とが形
成されている。なお第1ゲート11及び第2ゲート12
は、それぞれ複数個形成されているが、図示例では簡略
して表示しており、それぞれ1個だけを図示している。
さらに、雄型14の成形面には、表皮材1,2の境界部
に対応する位置に、挟着体収容部17が形成されてい
る。
【0016】そして予備賦形された表皮材1,2を挟着
した前記図8に示す挟着体30を、前記挟着体収容部1
7に嵌入し、第1ゲート11から表皮材1の裏側に溶融
状熱可塑性樹脂21を供給し、第2ゲート12から表皮
材2の裏側に溶融状熱可塑性樹脂22を供給する(図1
0参照)。溶融状熱可塑性樹脂21,22の供給後、雌
型15を雄型14に向けて移動させ(すなわち、型締め
を開始し)、樹脂をプレスしながら金型キャビティ内に
溶融状熱可塑性樹脂21,22を充満(充填)させてい
く(図11参照)。この例では、表皮材1,2の境界部
3のみならず、表皮材1,2が全体に亘って予備賦形さ
れているため、樹脂充満時の樹脂の流れや型締めによる
表皮材の伸張が抑制され、より高度に境界部3の位置ず
れ及び皺の発生を防止できる。
【0017】型締めの完了後、樹脂を冷却・固化し、金
型10aを開放(型開き)することにより、境界部3に
位置ずれや皺がない図1〜図3に示すような成形体を得
ることができる。
【0018】なお本発明では、雌型15のうち表皮材
1,2の境界部3に対応する位置(境界予定位置)に、
境界部に沿って連続する突起部(木目込み矢)を設ける
のが望ましい。図12は前記突起部(木目込み矢)40
を備えた金型の一例を示す概略断面図である。このよう
な金型10bを用いて、前記図9〜図11の金型10a
の場合と同様に成形体を製造すると、突起部40によっ
て、境界部3の位置ずれや皺の発生をより高度に防止で
きる。
【0019】さらに本発明では、樹脂の流れをより高度
に制御するため、樹脂止め板を用いてもよい。図13〜
図15は、前記樹脂止め板を供えた金型を用いた成形体
の製造方法を説明するための概略断面図である。すなわ
ち図13に示すように、この金型10cは、雄型14の
うち境界部3に対応する位置の両側に、境界部に略沿っ
て第1の樹脂止め板51及び第2の樹脂止め板52が突
出可能に埋設されている。これら樹脂止め板51,52
は、シャフト53,54を介してシリンダー(図示せ
ず)に接続しており、このシリンダーの作動によって成
形面から突出可能であると共に、雄型14内に収容可能
でもある。
【0020】そして図13に示すように、予備賦形した
表皮材1,2を挟着体30で挟着し、この挟着体を挟着
体収容部17に嵌入すると共に、両樹脂止め板51,5
2を金型キャビティ内に突出させた状態で、第1ゲート
11及び第2ゲート12から溶融状熱可塑性樹脂21,
22を供給する。樹脂供給後、図14に示すように、雌
型15を雄型14に向けて移動させ(すなわち、型締め
を開始し)、樹脂をプレスしながら表皮材の裏側に溶融
状熱可塑性樹脂を充満させていく。樹脂止め板51,5
2の外側(すなわち境界部3が存在する側を内側とした
ときの外側)に溶融樹脂が略充満した段階で、樹脂止め
板51,52の収容を開始すると共に、樹脂のプレスを
継続して成形体を製造する(図15参照)。
【0021】上記のような方法で成形体を製造すると、
溶融状熱可塑性樹脂を充満させていく段階において、樹
脂止め板51,52を成形面から突出させ、表皮材1,
2を介して雌型15に突き当てているため、溶融樹脂2
1及び22のうちいずれか一方が先に境界部に到達する
のを防止でき、境界部3の位置ずれをより高度に防止で
きる。
【0022】なお前記各図示例では、型締めを行うに際
して、雄型14及び雌型15のいずれを移動させてもよ
く、両方を移動させてもよい。また前記各図示例では、
樹脂の供給完了後に型締めを行って樹脂をプレスするプ
レス成形によって成形体を製造する例を示したが、型締
めは必ずしも樹脂の供給完了後に行う必要はなく、樹脂
を供給しながら行ってもよい。なお樹脂の供給完了後に
型締めを行う際には、供給完了後速やかに型締めを開始
するのが望ましい。また前記各図示例では、垂直方向に
型締めを行う例を示したが、垂直方向以外の方向(例え
ば、水平方向)に型締めを行ってもよい。
【0023】さらに成形法はプレス成形に限定されず、
射出成形であってもよくプレス成形と射出成形とを組合
わせてもよい。例えば、射出成形によって成形体を製造
する場合、予備賦形した表皮材1,2を挟持した挟着体
30を雄型14に収容した後、型締めを完了させ、ゲー
ト11,12から溶融状熱可塑性樹脂を供給することに
より、成形体を製造してもよい。またプレス成形と射出
成形とを組合わせる場合、初期の樹脂供給量が少ない点
を除いては前記プレス成形の例と同様に操作し、不足す
る樹脂を適当な段階で射出供給する方法が挙げられる。
【0024】好ましい成形方法はプレス成形である。射
出成形の場合、型締めを完了した後で溶融樹脂を射出供
給するため、表皮材1,2が高圧下で溶融樹脂と接触
し、表皮材1,2が損傷する場合があるのに対して、プ
レス成形では金型を開いた状体で樹脂を供給するため、
樹脂の供給圧によって表皮材を損傷させる虞が少ない。
【0025】なお本発明においては、後述するように、
第1及び第2の表皮材の裏面に供給する樹脂として、発
泡剤を含む溶融状熱可塑性樹脂(発泡性樹脂)を使用す
ることができる。発泡性樹脂を用いる場合、得られた成
形体を金型から取り出した後で発泡させてもよいが、成
形体を金型内で発泡させるのが望ましい。
【0026】図16は、樹脂を発泡させる場合について
説明するための概略断面図である。この例では、前記図
9〜図11に示した金型10aを用いており、前記成形
(プレス成形、射出成形など)によって金型キャビティ
内への発泡性樹脂21、22の充填が完了した後[図1
1参照]、雄型14又は雌型15を型締方向とは逆の方
向に移動させることにより金型キャビティを拡大し、充
填樹脂(基材樹脂)4を発泡させている(図16)。
【0027】なお前記金型キャビティ内に溶融状の発泡
性樹脂21、22を充填する場合、充填時に雄型14及
び雌型15で形成されるキャビティクリアランスを制御
することにより発泡ガスの抜けを防止して、充填完了後
の発泡操作時の発泡不足を防止するのが望ましい。すな
わち前記キャビティクリアランスは、通常、表皮材1,
2の種類や樹脂温度などの成形条件に応じて適宜設定さ
れるが、発泡性樹脂を充填する場合にはキャビティクリ
アランスが小さくなるように留意して発泡ガスの抜けを
防止するのが望ましい。
【0028】金型キャビティ内への発泡性樹脂21、2
2の充填が完了した後は、金型キャビティの拡大に先立
って、樹脂表面層を冷却してスキン層を形成するのが望
ましい。スキン層は、厚すぎると十分な発泡倍率が得ら
れないため、十分な発泡倍率が得られる程度の厚みに制
御するのが望ましい。スキン層の厚みの制御は、例え
ば、成形品厚み、金型温度などを考慮してスキン層の形
成時間を調節することにより行うことができる。
【0029】金型キャビティを拡大するにあたって、拡
大の程度(拡大代)は、製造する製品厚み(発泡倍率)
に応じて適宜決定できる。
【0030】前記発泡方法は、図9〜11に示す金型1
0aを用いる場合に限定されず、前記他の金型10b〜
10cを含めた別の種々の金型を用いる場合にも採用で
きる。
【0031】本発明において表皮材1及び2は、必ずし
も全体に亘って予備賦形する必要はなく、少なくとも境
界部3に対応する部分を予備賦形しておけばよい。また
全体に亘って予備賦形する場合でも、成形体の凹凸形状
に完全に対応するように予備賦形する必要はなく、成形
体の凹凸形状よりも緩やかな(ぼかした)凹凸形状に成
形してもよい。
【0032】表皮材1及び2の境界部3は、挟着体30
で挟着するだけでなく、必要に応じて他の方法、例え
ば、化学的接着方法(接着剤やヒートシールによる接
着)の他、治具を用いる方法(糸による縫い付け;針、
ピン、ホッチキスなどによる固定など)と組合わせて挟
持してもよい。前記図示例では、ピン35によって固定
している。
【0033】本発明で使用する表皮材は、意匠面に境界
部がある限り表皮材の枚数は特に限定されず、例えば、
前記2枚の表皮材(第1の表皮材1、第2の表皮材2)
に代えて、第1の表皮材(表皮部)及び第2の表皮材
(表皮部)を有する1枚の表皮材を用いてもよい。1枚
の表皮材を用いる場合には、表皮材(表皮部)の境界部
を折り曲げて裏側から挟着体で挟着する。なお2枚の表
皮材を用いる場合、必ず境界部が形成されるため、第1
の表皮材と第2の表皮材とは同一であってもよく、異な
っていてもよい。
【0034】表皮材(表皮部)の数は2つに限定され
ず、3つ以上であってもよい。例えば、前記第1の表皮
材(表皮部)1及び第2の表皮材(表皮部)2に加え
て、第3の表皮材(表皮部)を形成する場合、この第3
の表皮材(表皮部)との境界部を予備賦形し、この予備
賦形した境界部を挟着体で挟着して、上記と同様にして
成形すればよい。
【0035】各表皮材(表皮部)の裏側に樹脂を供給す
るゲートの数は、それぞれ、少なくとも1つあればよ
く、表皮材(表皮部)の面積に応じて複数個形成しても
よい。これらのゲートから供給する樹脂の量やタイミン
グは成形品の大きさや形状に応じて適宜決定される。
【0036】また前記図示例では、共通の樹脂導入通路
16を通じて熱可塑性樹脂を金型内に導入し、金型内で
前記通路を分岐させることによって第1のゲート11及
び第2のゲート12から熱可塑性樹脂を供給しているも
のの、別々の樹脂導入通路(第1のゲート11用の樹脂
導入通路、第2のゲート12用の樹脂導入通路)を設け
てもよい。
【0037】本発明で使用できる表皮材としては、予備
賦形可能な表皮材である限り特に限定されず、合成樹脂
製表皮材(合成樹脂繊維を用いた表皮材、合成樹脂シー
ト又はフィルムなど)、金属箔(金属フォイル)などが
挙げられる。なお、天然繊維を用いた表皮材も、前記合
成樹脂繊維と混合することにより、又は後述の補強層と
積層することにより、予備賦形することができる。前記
繊維(合成樹脂繊維、天然繊維)を用いた表皮は、モケ
ット、トリコットなどの織物又は編物であってもよく、
不織布であってもよい。
【0038】前記繊維のうち、天然繊維としては、綿、
毛、絹、麻などが使用できる。合成樹脂繊維としては、
ナイロンなどのポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維
などが使用できる。これら繊維は、単独で又は複数組合
わせて使用でき、必要に応じて紡績(混紡など)しても
よい。不織布としては、前記繊維を用いて慣用の方法
(ニードルパンチ法、サーマルボンド法、スパンボンド
法、メルトブロー法、スパンレース法など)に従って製
造した不織布が使用できる。
【0039】前記合成樹脂シート又はフィルムとして
は、例えば、熱可塑性樹脂(例えば、ポリプロピレン、
ポリエチレンなどのポリオレフィン系熱可塑性樹脂)の
シート又はフィルム、ポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマーのシート又はフィルムが使用できる。ポリオレフ
ィン系熱可塑性樹脂(又はエラストマー)は、基材に対
する熱融着性に優れている。
【0040】前記表皮材は、必要に応じて、裏打ち層
(発泡層、補強層、耐熱層など)と積層してもよい。発
泡層としては、ポリオレフィン発泡体(ポリプロピレ
ン、ポリエチレンなどの発泡体)、ポリハロゲン化ビニ
ル発泡体(ポリ塩化ビニル発泡体など)、ポリウレタン
発泡体(軟質又は半硬質ポリウレタン発泡体など)など
が使用できる。
【0041】補強層としては、合成樹脂製不織布、合成
樹脂製シート又はフィルムが挙げられる。これら合成樹
脂製不織布及び合成樹脂製シート又はフィルムとして
は、前記表皮材で例示したものと同様のものが使用でき
る。
【0042】前記裏打ち層は、単独で又は複数組合わせ
て使用できる。また裏打ち層は、表皮材の熱融着又は裏
打ち層の熱融着のいずれかによって、表皮材と熱ラミネ
ート可能なものが好ましい。
【0043】前記表皮材は、非通気性(又は低通気性)
であるのが好ましい。非通気性(又は低通気性)の表皮
材(合成樹脂シート又はフィルムなど)を用いると、後
述の真空成形によって、簡便に表皮材を予備賦形でき
る。
【0044】表皮材1,2の賦形方法は特に限定され
ず、表皮材の種類に応じて適宜選択できる。例えば、合
成樹脂製不織布を賦形する場合、プレス成形などによっ
て熱セットすることにより賦形できる。また合成樹脂製
シート又はフィルムを表皮材や補強層として使用する場
合、溶融樹脂を直接、成形体の表皮の形状に合わせて成
形(プレス成形、射出成形など)してもよく、押出成形
などによって一旦、平坦なシート又はフィルム状に成形
した後、成形体の表皮の形状に合わせて熱セット(真空
成形、圧空成形、プレス成形などによる熱セットなど)
してもよい。好ましい賦形方法は、真空成形である。
【0045】溶融状熱可塑性樹脂21,22として使用
する熱可塑性樹脂としては、圧縮成形又は射出成形が可
能である限り特に限定されないが、例えば、ポリオレフ
ィン系樹脂(ポリプロピレン、ポリエチレンなど)、ス
チレン系樹脂(ポリスチレン、スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジ
エンブロック共重合体など)、ポリアミド系樹脂(ナイ
ロンなど)、ハロゲン含有樹脂(ポリ塩化ビニルな
ど)、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル酸エ
ステルの単独又は共重合体(アクリル樹脂など)などが
使用できる。前記熱可塑性樹脂は、熱可塑性エラストマ
ーであってもよく、例えば、オレフィン系熱可塑性エラ
ストマー[例えば、エチレン−プロピレン共重合体(E
PM)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EP
DM)]が使用できる。
【0046】前記熱可塑性樹脂(及び熱可塑性エラスト
マー)は、単独で又は2種以上組合わせて使用でき、例
えばポリマーアロイとして使用してもよい。
【0047】さらに前記熱可塑性樹脂(及び熱可塑性エ
ラストマー)は、各種添加成分、例えば、充填材(ガラ
ス繊維などの無機フィラー;有機フィラーなど)、顔
料、滑剤、帯電防止剤、安定剤などを含有していてもよ
い。
【0048】また前記熱可塑性樹脂(及び熱可塑性エラ
ストマー)は、発泡剤を含有していてもよい。この発泡
剤で樹脂を発泡させることにより、発泡基材4で形成さ
れた成形体を得ることができる。前記発泡剤としては、
熱可塑性樹脂を発泡する際に使用されている公知の化学
発泡剤(分解性発泡剤など)を使用でき、例えば、重炭
酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム
などの無機系発泡剤;N,N’−ジニトロソペンタメチ
レンテトラミンなどのニトロソ化合物;アゾジカルボン
アミド、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合
物;ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニ
ルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスル
ホニルヒドラジドなどのスルホニルヒドラジド類;p−
トルエンスルホニルセミカルバジドなどが挙げられる。
さらに、必要に応じて、サリチル酸、尿素、及びこれら
を含む発泡助剤を添加するのが好ましい。前記発泡剤
は、使用する熱可塑性樹脂の溶融温度、及び要求される
発泡倍率などを考慮して適宜選択できる。また添加量
は、成形品の要求強度、要求密度などを考慮して適宜設
定できるが、一般的には、樹脂100質量部に対して
0.1〜5質量部程度である。なお上述の発泡操作を行
う場合、化学発泡剤を熱可塑性樹脂に含有させておく方
法の他、揮発性液体発泡剤、気体発泡剤などを金型内の
溶融樹脂中に直接圧入してもよい。前記揮発性液体発泡
剤や気体発泡剤としては、二酸化炭素、窒素などが使用
できる。
【0049】本発明によれば、表皮材(表皮部)の境界
部が複雑な形状を有する場合であっても、境界部の位置
ずれや皺の発生を防止できる。そのため、複雑形状の多
層成形体(自動車のドアトリム、インストルメントパネ
ルなど)を製造するのに有利である。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、前記表皮材(表皮部)
の境界部を予め賦形し、この賦形した境界部を挟着体で
挟持しているため、境界部が複雑な形状を有していて
も、表皮材(表皮部)の境界部に応力を発生させること
なく、そのままの状態で境界部を挟着でき、境界部の位
置ずれや皺の発生を防止しながら多層成形体を製造でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明によって製造できる成形体の平
面図である。
【図2】 図2は前記図1の成形体の底面図である。
【図3】 図3は前記図1の成形体のA−A’線断面図
である。
【図4】 図4は本発明で使用する挟着体の概略斜視図
である。
【図5】 図5は前記図4の挟着体の部分拡大斜視図で
ある。
【図6】 図6は前記図5の挟着体のB−B’線断面図
である。
【図7】 図7は前記図5の挟着体のC−C’線断面図
である。
【図8】 図8は本発明の製造方法の一例を説明するた
めの図であり、予備賦形した表皮材を挟着するステップ
を示す概略断面図である。
【図9】 図9は本発明の製造方法の一例を説明するた
めの図であり、溶融状樹脂を供給・充満するステップを
示す一連の断面図のうち、第1の図である。
【図10】 図10は本発明の製造方法の一例を説明す
るための図であり、溶融状樹脂を供給・充満するステッ
プを示す一連の断面図のうち、第2の図である。
【図11】 図11は本発明の製造方法の一例を説明す
るための図であり、溶融状樹脂を供給・充満するステッ
プを示す一連の断面図のうち、第3の図である。
【図12】 図12は本発明の製造方法の他の例を示す
断面図である。
【図13】 図13は本発明の製造方法の別の例を示す
一連の断面図のうち、第1の図である。
【図14】 図14は本発明の製造方法の別の例を示す
一連の断面図のうち、第2の図である。
【図15】 図15は本発明の製造方法の別の例を示す
一連の断面図のうち、第3の図である。
【図16】 図4は本発明の製造方法の一例を説明する
ための概略断面図である。
【図17】 図17は従来の製造方法を示す断面図であ
る。
【図18】 図18は従来の方法で製造される成形体の
平面図である。
【図19】 図19は従来の方法で製造される成形体の
断面図である。
【符号の説明】
1,2…表皮材 3…境界部 21,22…溶融状熱可塑性樹脂 30…挟着体 14…表皮材の裏側に位置する金型 15…表皮材の表側に位置する金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F204 AB02 AD05 AD16 AG03 AG20 AH23 AH25 AH26 FA01 FB01 FB13 FF05 FN06 FN11 FQ15 FQ40

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雄雌一対の金型の雄型及び雌型の間に、
    平面方向に互いに隣接する第1及び第2の表皮材を配設
    し、 表皮材の裏側に位置する金型から第1及び第2の表皮材
    の裏面に溶融状熱可塑性樹脂を供給し、 この供給樹脂を金型キャビティ内に充満させ、熱可塑性
    樹脂と前記表皮材とを貼り合わせて成形体を製造する方
    法であって、 前記第1及び第2の表皮材として少なくともそれらの境
    界部が成形体の形状に合わせて賦形された表皮材を用
    い、この賦形された境界部を挟着体で挟着し、この挟着
    体を表皮材の裏側に位置する金型の成形面のうち表皮材
    の境界部に対応する位置に埋設してから溶融状熱可塑性
    樹脂を供給する多層成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 第1及び第2の表皮材の全体に亘って成
    形体の形状に合わせて賦形しておく請求項1記載の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 第1及び第2の表皮材の裏面に供給した
    溶融状熱可塑性樹脂を雌型及び雄型でプレスすることに
    より、金型キャビティ内に樹脂を充填させる請求項1又
    は2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2の表皮材の裏面に供給
    する樹脂として発泡剤を含む溶融状熱可塑性樹脂を用
    い、金型キャビティ内への該樹脂の充填が終了した後、
    金型キャビティを拡大させ、該樹脂を発泡させることを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
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