JP2003010573A - クッション材及びその製造方法 - Google Patents

クッション材及びその製造方法

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JP2003010573A
JP2003010573A JP2001200876A JP2001200876A JP2003010573A JP 2003010573 A JP2003010573 A JP 2003010573A JP 2001200876 A JP2001200876 A JP 2001200876A JP 2001200876 A JP2001200876 A JP 2001200876A JP 2003010573 A JP2003010573 A JP 2003010573A
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cushion
cushioning
adhesive
skin material
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Yoshikatsu Goto
義勝 後藤
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KOSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クッション性や耐へたり性が優れ、かつ、中
材と表皮材との間に隙間が生じず外観においても優れて
いるクッション材を提供する。 【解決手段】 中材を構成する繊維と感熱型接着剤と発
泡性粒状樹脂とを空気流を利用して混合しながら袋状の
表皮材に詰め、この表皮材の開口部を閉じて中間製品と
なし、この中間製品を熱処理することにより、繊維同士
が感熱型接着剤により相互に接着し、かつ発泡性粒状樹
脂が発泡したクッション材となす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中材と表皮材から
構成されるクッション材とその製造方法に関し、より詳
しくは、座ぶとんや背当てクッションの他、マットレ
ス、敷きぶとん、枕等の寝具、椅子などの家具、又は船
舶、車両等の座席等に単独で使用され、あるいは他の材
料と併用される、適度なクッション性(弾性)を有し、
座り心地や寝心地が良好で、かつ外観も優れたクッショ
ン材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より用いられている空気流を利用し
て製造されるクッション材の中材は、合成繊維のみから
なるものがほとんどであり、このようなクッション材に
おいてクッション性と耐へたり性(耐久性)を向上させ
るための手段として、合成繊維を感熱型繊維状接着剤と
混合して熱処理することが提案されている。
【0003】かかる手段により得られるクッション材
は、中材の性能は優れているが、熱処理により中材の収
縮が起こるため、表皮材と中材との間に隙間が生じ、従
って表皮材がたるんで、これにより商品価値が損なわれ
ているのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑み
てなされたものであり、クッション性や耐へたり性が優
れ、かつ、表皮材と中材との間に隙間が生じず、外観に
おいても優れているクッション材及びその製造方法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のクッション材
は、中材と表皮材から構成されるクッション材であっ
て、中材を構成する繊維と接着剤と発泡性粒状樹脂とを
混合状態で袋状の表皮材に詰め、この表皮材の開口部を
閉じたのち熱処理することにより得られる、前記繊維同
士が前記接着剤により相互に接着し、かつ前記発泡性粒
状樹脂が発泡したものとする(請求項1)。
【0006】前記繊維は、ポリエステル系繊維であり、
その単繊維がランダムに配列したものであることが好ま
しい(請求項2)。
【0007】前記繊維の表面には、シリコーン系樹脂が
付与されていることが好ましい(請求項3)。
【0008】上記した本発明のクッション材は、マット
レス・敷きぶとん・枕等の寝具、椅子・ソファー等の家
具のクッション材、車両・船舶等の座席シート材、敷き
パッド、背当てクッション、又は座ぶとんとして使用す
ることができる(請求項4)。
【0009】本発明のクッション材の製造方法は、中材
と表皮材から構成されるクッション材の製造方法であっ
て、中材を構成する繊維と感熱型接着剤と発泡性粒状樹
脂とを空気流を利用して混合しながら袋状の表皮材に詰
め、この表皮材の開口部を閉じて中間製品となし、この
中間製品を熱処理することにより、前記繊維同士を前記
感熱型接着剤により相互に接着させ、かつ前記発泡性粒
状樹脂を発泡させることを特徴とする(請求項5)。
【0010】上記製造方法においては、前記感熱型接着
剤が繊維状接着剤であり、この繊維状接着剤を前記繊維
と共に開繊し、混合した後、塊状にして、前記発泡性粒
状樹脂と混合しながら表皮材に詰めることが好ましい
(請求項6)。
【0011】上記製造方法は、マットレス・敷きぶとん
・枕等の寝具、椅子・ソファー等の家具のクッション
材、車両・船舶等の座席シート材、敷きパッド、背当て
クッション、又は座ぶとんとして使用されるクッション
材の製造に好適に用いることができる(請求項7)。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のクッション材の中材は、
繊維、接着剤、及び粒状発泡樹脂からなる。
【0013】繊維としては、従来よりクッション材に使
用されてきた各種繊維を使用することができる。その例
としては、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ポリ
プロピレン、及びポリエチレン等からなる各種合成繊維
が挙げられるが、これに限定されず、例えば木綿等の天
然繊維や再生繊維も使用可能である。また、2種以上の
繊維を混合して用いてもよい。これらの中ではポリエス
テル系繊維が、クッション性や耐へたり性が良好な点か
ら好ましく使用される。
【0014】繊維の太さは、風合い、クッション性及び
耐へたり性等の点から、1〜100dtexが好まし
く、3〜50dtexがさらに好ましい。また、繊維の
長さは、10mm以上が好ましく、20〜80mmがさ
らに好ましい。
【0015】かかる繊維は、断面形状が、中実、中空、
T型、扁平等の各種形状のいずれであってもよい。ま
た、捲縮を有する繊維の場合は、波形及びスパイラル型
のいずれも使用することができ、また、これらの折衷型
を使用することもできるが、クッション性、耐へたり性
の点から、スパイラル型捲縮を有する繊維が好適に使用
される。捲縮数は5〜200山/25mmが好ましく、
10〜50山/25mmがより好ましい。捲縮数が少な
いと、十分なクッション性が得られず、多すぎると加工
上トラブルが起こり易くなる。
【0016】上記繊維は、単繊維がランダムに配向して
絡みあっているのが好ましい。かかる配向によれば、圧
縮に対して、単繊維の挫屈などの圧縮反ぱつ応力が十分
に活かされるため、優れたクッション性及び耐へたり性
が得られる。
【0017】このような配向は、例えば、繊維をカード
機などで開繊した後、高速で回転するピンシリンダーに
よって小さい塊にし、得られた繊維塊を高圧空気によっ
て布帛等の容器の中に詰め込むことにより得ることがで
きる。
【0018】上記繊維は、表面にシリコーン系樹脂が付
与されていることが好ましく、これにより、繊維相互の
滑性が向上してなめらかな風合いが得られ、また耐へた
り性も向上する。
【0019】繊維表面にシリコーン系樹脂を付与するに
は、例えば、合成繊維原綿の製造の際に、シリコーン系
樹脂水溶液をスプレーや浸漬により付与して、乾燥すれ
ばよい。樹脂付着量は、繊維に対する重量比で0.1〜
1%程度が適当である。
【0020】本発明においては、上記中材を構成する繊
維を、接着剤により相互に部分的に接着する。使用する
接着剤は、加熱により溶融して接着可能となる感熱型接
着剤であればよく、合成樹脂系、ゴム系、その他いずれ
でもよい。接着剤の融解温度は繊維の融解温度より20
〜150℃程度低いのが好ましい。接着剤の形態も特に
限定されず、膜状、粒状、液状、繊維状等のいずれも使
用しうる。加工の利便性からは、合成樹脂系の繊維状接
着剤が好ましく、中でも、ポリエステルの高融点ポリマ
ーと低融点ポリマーからなる複合繊維状のものが好まし
い。
【0021】上記繊維と接着剤の混合比率は、繊維:接
着剤=30:70〜95:5(重量%、以下同様)の範
囲が好ましく、より好ましくは40:60〜90:10
の範囲である。接着剤の混合比率が5重量%未満では接
着が不十分となり、繊維成型シート材としての成型性、
形態安定性、クッション性、耐へたり性が劣る傾向にあ
り、一方、70重量%を超えると接着過剰で硬過ぎるも
のとなり、座り心地等の使用感の点で好ましくない。
【0022】中材を構成する他の要素である発泡性粒状
樹脂は、加熱により発泡して発泡樹脂粒子となる、ポリ
スチレン、ポリエチレン等の粒子であり、発泡安定性及
び耐へたり性の点からポリスチレンが好ましい。市販さ
れているものでは、不活性ガスを含有させた、大きさ1
〜5mm程度の円柱状ペレットが好適に用いられ、これ
に約100〜130℃のスチームを加えることにより発
泡させることができる。発泡倍率は、主にガスの含有量
により決まり、2〜100倍程度のものが使用できる
が、5〜50倍が好ましい。発泡後の樹脂粒子の大きさ
は、平均粒径2〜10mm程度が好ましい。
【0023】この発泡性粒状樹脂は、上記中材を構成す
る繊維と混合して表皮材に詰め込む。混合する方法は特
に限定されないが、例えば、単繊維がランダムに配向し
た繊維塊と発泡性粒状樹脂とを層状に重ね合わせて撹拌
混合する方法や、表皮材に詰め込む際に高圧空気によっ
て両者を混合する方法等を用いることができる。
【0024】上記繊維と発泡性粒状樹脂は、均一に分散
混合された状態とするのが理想的であるが、形状や比重
が異なるため、完全に均一に混合することは困難であ
り、クッション材の性能上問題のない範囲であれば、両
者が部分的に分離し、独立して存在していてもよい。
【0025】なお、本発明における中材は、上記した繊
維と発泡性粒状樹脂と接着剤からなることを必須の構成
とする。
【0026】例えば、繊維と接着剤のみからなり、発泡
性粒状樹脂を含まない場合は、上記従来技術の項でも述
べたように、繊維相互を接着するための熱処理の際に繊
維及び接着剤が収縮して中材が小さくなり、表皮層との
間に空間が生じ、商品価値のある製品となすことができ
ない。一方、繊維と発泡性粒状樹脂のみからなる場合
は、繊維相互が接着されていないため繊維が移動しやす
く、さらに、クッション性及び耐へたり性が劣り、高品
質の製品が得られない。
【0027】すなわち、本発明においては加熱により繊
維と接着剤が収縮して減少する体積が、少なくとも発泡
性粒状樹脂の発泡により増加する体積によって補填され
なければならず、減少する体積より増加する体積がやや
大きいことが望ましい。これにより、クッション性及び
耐へたり性を有するのみならず、表皮材と中材との間に
隙間が発生せず、表皮材に張りのある、性能、外観共に
優れた製品を得ることができる。
【0028】本発明における中材は、厚さが20mm以
上でなければならない。20mm以下では中材を表皮材
に入れて熱処理したときに、発泡性粒状樹脂の発泡によ
る体積増加により形状の崩れが生じ、品質の安定した製
品を得ることができず、また、仮に製造時に問題がなく
ても使用時に形状の崩れを生じるので採用することがで
きない。一方、厚さの上限は、通常は100mm程度で
ある。100mmを超えると、座ぶとん等の通常の用途
に用いるには厚すぎ、重すぎ、また高価なものとなる。
【0029】中材の比重は、0.01〜0.1g/cc
の範囲が採用可能であるが、0.02〜0.07g/c
cが好ましく、0.03〜0.05g/ccが最も好ま
しい。0.01g/cc未満では柔らかすぎ、すぐにへ
たるものしか得られず、0.1g/ccを超えると、硬
すぎて使用感の悪いものとなり、また重く、高価となる
ので使用に適さない。
【0030】本発明に係るクッション材は、マットレス
・敷きぶとん・枕等の寝具、椅子・ソファー等の家具の
クッション材、車両・船舶等の座席シート材、これら寝
具・家具・座席等の上に敷く敷きパッド、背当てクッシ
ョン、又は座ぶとん等の各種用途に使用しうるものであ
るが、これらの用途の多くにおいては、ダニが著しく発
生する可能性がある。特にヤケヒョウヒダニのすみかと
なり易いため、そのような用途に用いられるものでは、
中材にダニ忌避剤を付与することが好ましい。使用する
ダニ忌避剤は、ダニに対する忌避効果を有し、安全性の
面で問題がない物質であればどのような薬剤でもよい
が、例としては第四級アンモニウム塩系やピレスロイド
系化合物等の有機化合物が挙げられる。このようなダニ
忌避剤を、中材を構成する繊維に予め付与すればよく、
付与手段としては、例えば繊維材料へ練り込む方法や、
中材の繊維の表面に接着剤と共に固着させる方法が挙げ
られるが、これらに限定されない。また、付与量は薬剤
により異なるので、所望の効果が得られるように適宜決
定する。
【0031】ダニ忌避効果は、防ダニ加工製品協議会の
指定する「ガラス管法」により測定する。すなわち、直
径20mm、長さ100mmのガラス管にダニ培地と試
験用わたを入れ、試験用わたを通過した生存ダニの数を
読み取る。ダニ忌避性のないブランクのわたについても
同様にして試験を行い、これを5回繰り返して忌避率を
算出する。この方法により求められる忌避率が30%以
上であれば効果があると認められるが、好ましくは忌避
率が50%以上となるようにする。
【0032】また、本発明のクッション材には、用途に
よっては抗菌性を付与することも好ましい。すなわち、
汗等が原因で発生する黄色ブドウ状球菌等の繁殖を防止
するため、必要に応じて中材に抗菌剤を付与する。抗菌
剤の種類は特に限定されず、有機、無機の各種抗菌剤が
使用可能であるが、例としては、有機物では、第四級ア
ンモニウム塩化合物、クロルヘキシジン等が挙げられ、
無機物では、銀ゼオライト、硫化銅等が使用できる。抗
菌性の具体的な付与方法としては、上記したダニ忌避剤
の付与方法と同様の方法を用いることができる。
【0033】抗菌性の測定は、繊維製品新機能評価協議
会で規定する統一試験方法によるものとし、これにより
得られる静菌活性値が2以上であればよい。
【0034】なお、抗菌性を付与することにより、菌に
起因するにおいの発生を防止することもできる。
【0035】次に、本発明で用いる表皮材は、適度な通
気性を有する素材からなるものであればよく、例えば、
織物、編物、不織布等の布帛がいずれも使用可能である
が、寸法安定性が優れている点から織物が好ましい。布
帛の素材は、天然繊維、合成繊維又は両者の混紡のいず
れでもよい。
【0036】後述するように、空気流を利用した中材の
詰め込みを行うために通気性は重要であり、通気性がな
いか極めて乏しい、樹脂フィルムのような素材は使用す
ることができない。具体的には、通気性は5cc/cm
/sec以上必要であり、これより小さいと、空気流
を利用して中材を詰め込むことができない。一方、通気
量が大き過ぎるのも好ましくなく、例えば、使用時の寸
法安定性、耐久性、中材繊維の抜け防止等を考慮する
と、500cc/cm/sec以下が望ましい。な
お、通気量の測定は、JIS L1096「通気量測定
法A法」による。
【0037】表皮材は、上記のような布帛を、中材詰め
込み用の開口部だけ残して予め所望の形状の袋状に縫製
しておき、中材詰め込み後にこの開口部を縫合等により
閉じればよい。
【0038】次に、本発明のクッション材の製造方法
を、一例を挙げて説明するが、製造方法はこれに限定さ
れるものではない。
【0039】まず、中材を構成する繊維と感熱型繊維状
接着剤とをサンドイッチ状に積層し、開綿機により開綿
混合する。次に、カード機のような開綿機によりさらに
開繊混合して、高速で回転するピンシリンダーによって
かかる混合繊維を塊状にし、エアーファンにより空気と
混合して、予め用意した、一辺が開口した袋状の表皮材
の中に詰め込む。空気と混合する際に、発泡性粒状樹脂
も混合する。詰め込みが終了したら、開口部を縫合す
る。
【0040】上記により得られた中間製品を、高圧スチ
ーム処理機により、100〜130℃のスチームにより
処理し、接着剤を溶融させて繊維相互を部分的に接着す
ると同時に、発泡性粒状樹脂を発泡させることにより、
本発明のクッション材が得られる。
【0041】次に、本発明のクッション材の構造の一例
を、図を用いて説明する。
【0042】図1は、本発明の一実施例に係るクッショ
ン材Aを示す一部欠截斜視図であり、図2は、同クッシ
ョン材の中材の構造を示す模式断面図であり、図3は、
中材中の繊維相互の接着状態を示す拡大模式図である。
【0043】図1に示すように、クッション材Aは、中
材10とこの中材10が詰め込まれる表皮材20とから
なる。符号21は、表皮材20の縫合線である。
【0044】中材10は、図2に示すように、繊維11
と発泡後の発泡性粒状樹脂12からなる。表皮材20の
内部には、これらの繊維11と発泡した発泡性粒状樹脂
12が隅部まで充填され、表皮材20はその全体が張り
のある状態を保っている。発泡した発泡性粒状樹脂12
は、繊維11中にほぼ均一に分散している。なお、空気
流を利用して繊維11と発泡性粒状樹脂12の混合及び
詰め込みを行うと、表皮材20の隅部に発泡性粒状樹脂
12が集まる傾向があるが、性能上問題がない範囲であ
れば、このようなものも本発明の範囲に含まれる。
【0045】繊維11は、図3に示すように、各単繊維
がランダムに配向し、単繊維同士が接着剤13によって
部分的に接着している。繊維11がこのような構造を有
することにより、中材は適度なクッション性を有し、か
つ耐へたり性が優れたものとなる。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0047】[実施例1]中材の製造のため、繊維とし
て、ポリエステルステープル原綿(6.7dtex、4
0mm、中空断面、ケン縮数12山/25mm、ケン縮
度20%、立体ケン縮品)の表面に第四級アンモニウム
塩化合物をバインダーを用いて繊維に対する重量比で
0.7重量%付与したもの、接着剤として、ポリエステ
ルステープル複合繊維(鞘部溶融温度110℃、4.4
dtex、51mm)、発泡性粒状樹脂として、発泡性
ポリスチレン樹脂ペレット(大きさ2mm、発泡倍率3
0倍)を、重量比で78:15:7の割合となるように
用意した。
【0048】また、表皮材として、ポリエステル50
%、綿50%の平織物を、50cm×50cm(縫い代
を除く)の封筒状に縫製したものを用意した。
【0049】上記したポリエステル原綿と繊維状接着剤
をサンドイッチ構造に積層し、開綿機で混合、開綿し、
カード機に掛けてウエブ状にした。このウエブを開繊機
に掛けた後、高圧空気によって発泡性粒状樹脂と共に、
両者が均一に分散するように混合しつつ、表皮材内に吹
き込んだ。詰め込み終了後、開口部を縫合して、45c
m×45cm、厚さ6cmの中間製品を得た。
【0050】この中間製品を、真空型スチーム処理機に
より、100℃で10分間処理して本発明のクッション
材を得た。
【0051】[実施例2]繊維として、ポリエステルス
テープル原綿(6.7dtex、40mm、中空断面、
ケン縮数10山/25mm、ケン縮度17%、立体ケン
縮品)の表面にシリコーン樹脂を0.5重量%付着させ
たものを使用した以外は、実施例1と同じ材料(接着
剤、発泡性粒状樹脂及び表皮材)を用い、同じ製造方法
によって、クッション材を得た。
【0052】[比較例1]実施例1で用いたのと同じポ
リエステルステープル原綿(6.7dtex、40m
m、中空断面、ケン縮数12山/25mm、ケン縮度2
0%、立体ケン縮品)の表面に第四級アンモニウム塩化
合物をバインダーと共に重量比で0.7重量%付与した
ものを開繊機で開繊した後、塊状にして、実施例1と同
じ表皮材に入れ、開口部を縫合してクッション材を得
た。
【0053】[比較例2]実施例1で用いたのと同じポ
リエステルステープル原綿(6.7dtex、40m
m、中空断面、ケン縮数12山/25mm、ケン縮度2
0%、立体ケン縮品)の表面に第四級アンモニウム塩化
合物をバインダーと共に重量比で0.7重量%付与した
ものと、接着剤としてのポリエステルステープル複合繊
維(鞘部溶解温度110℃、4.4dtex、51m
m)とを重量比で70:30の割合で混合し、実施例1
と同じ表皮材を用い、実施例1と同様の方法により詰め
込み及び熱処理を行い、クッション材を得た。
【0054】上記実施例及び比較例で得られた各クッシ
ョン材につき、厚さ、比重、硬さ、耐久性を以下の方法
により測定し、外観を目視で観察した。結果を表1に示
す。
【0055】厚さ:0.1g/cm荷重で測定 硬さ:JIS K6401「硬さ試験」法により測定 耐久性:JIS K6401「繰り返し圧縮残留ひずみ
試験」法により測定
【0056】
【表1】
【0057】表1から分かるように、実施例1のもの
は、比較例1のものと比較すると適度な硬さ(すなわち
クッション性)を有し、耐久性も顕著に優れている。ま
た、表皮材と中材との間に隙間がなく、表皮材に張りが
あって、特に比較例2のものと比較すると、非常に優れ
た外観を有している。
【0058】実施例2のものは、実施例1のものと比較
して、耐久性がさらに優れ、また柔らかい風合いを有す
る。
【0059】
【発明の効果】請求項1〜4の発明によれば、適度なク
ッション性と、優れた耐へたり性を有し、かつ表皮材と
中材との間に隙間がない、外観においても優れたクッシ
ョン材が得られる。
【0060】請求項2のように、単繊維がランダムに配
向したポリエステル系繊維を用いることは、クッション
性と耐へたり性の向上に寄与しうる。
【0061】また、請求項3のように、繊維の表面にシ
リコーン系樹脂を付与することにより、なめらかな風合
いと、より優れた耐へたり性を得ることが可能となる。
【0062】請求項5〜7の製造方法によれば、上記し
た優れた性能と外観を兼備するクッション材が容易に得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクッション材を示す一部欠截斜視
図である。
【図2】同クッション材の中材の構造を示す模式断面図
である。
【図3】中材中の繊維相互の接着状態を示す拡大模式図
である。
【符号の説明】
A ……クッション材 10……中材 11……繊維 12……発泡性粒状樹脂 13……接着剤 20……表皮材 21……縫合線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中材と表皮材から構成されるクッション材
    であって、 中材を構成する繊維と接着剤と発泡性粒状樹脂とを混合
    状態で袋状の表皮材に詰め、この表皮材の開口部を閉じ
    たのち熱処理することにより得られる、前記繊維同士が
    前記接着剤により相互に接着し、かつ前記発泡性粒状樹
    脂が発泡したことを特徴とするクッション材。
  2. 【請求項2】前記繊維がポリエステル系繊維であり、そ
    の単繊維がランダムに配列したものであることを特徴と
    する、請求項1に記載のクッション材。
  3. 【請求項3】前記繊維の表面にシリコーン系樹脂が付与
    されたことを特徴とする、請求項1又は2に記載のクッ
    ション材。
  4. 【請求項4】マットレス・敷きぶとん・枕等の寝具、椅
    子・ソファー等の家具のクッション材、車両・船舶等の
    座席シート材、敷きパッド、背当てクッション、又は座
    ぶとんとして使用されることを特徴とする、請求項1〜
    3のいずれか1項に記載のクッション材。
  5. 【請求項5】中材と表皮材から構成されるクッション材
    の製造方法であって、 中材を構成する繊維と感熱型接着剤と発泡性粒状樹脂と
    を空気流を利用して混合しながら袋状の表皮材に詰め、 この表皮材の開口部を閉じて中間製品となし、 この中間製品を熱処理することにより、前記繊維同士を
    前記感熱型接着剤により相互に接着させ、かつ前記発泡
    性粒状樹脂を発泡させることを特徴とするクッション材
    の製造方法。
  6. 【請求項6】前記感熱型接着剤が繊維状接着剤であり、
    この繊維状接着剤を前記繊維と共に開繊し、混合した
    後、塊状にして、前記発泡性粒状樹脂と混合しながら表
    皮材に詰めることを特徴とする、請求項5に記載のクッ
    ション材の製造方法。
  7. 【請求項7】マットレス・敷きぶとん・枕等の寝具、椅
    子・ソファー等の家具のクッション材、車両・船舶等の
    座席シート材、敷きパッド、背当てクッション、又は座
    ぶとんとして使用されるクッション材を製造することを
    特徴とする、請求項5又は6に記載のクッション材の製
    造方法。
JP2001200876A 2001-07-02 2001-07-02 クッション材及びその製造方法 Pending JP2003010573A (ja)

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