JP2003009873A - Gpr8に対するリガンドおよびそのdna - Google Patents

Gpr8に対するリガンドおよびそのdna

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Mika Kurihara
美香 栗原
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千恵子 北田
Taiji Asami
泰司 浅見
Yoshio Matsumoto
芳男 松本
Yuka Adachi
由佳 安達
Takuya Watanabe
卓也 渡辺
Tsukasa Sugo
司 周郷
Masako Abe
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 GPR8に対するリガンドおよびそのDNA
等の提供。 【解決手段】 GPR8と結合する能力を有するポリ
ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまた
はその塩などの提供。 【効果】 本発明のGPR8に対するリガンドは、GP
R8の発現系を用いたレセプター結合アッセイ系の開
発、肥満症などの予防・治療剤、食欲増進剤、プロラク
チン産生抑制剤などの医薬品候補化合物のスクリーニン
グなどに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は脳由来の新規ポリペ
プチドおよびそれをコードするDNA、更には該新規ポ
リペプチドを用いた医薬のスクリーニング方法、好まし
くは、本発明の新規ポリペプチドの受容体であるGPR
8(O'Dowd, B.F. et al., Genomics, 28巻, 84-91, 19
95年)と本発明の新規ポリペプチドの両者を用いた医薬
(食欲(摂食)増進剤、抗肥満剤等)のスクリーニン
グ、該スクリーニングによって得られる化合物などに関
する。
【0002】
【従来の技術】生体のホメオスタシスの維持、生殖、個
体の発達、代謝、成長、神経系、循環器系、免疫系、消
化器系、代謝系の調節、感覚受容などの重要な機能調節
は、様々なホルモンや神経伝達物質のような内在性因子
あるいは光や匂いなどの感覚刺激をこれらに対して生体
が備えている細胞膜に存在する特異的な受容体を介して
細胞が受容し、それに応じた反応をすることによって行
われている。このような機能調節によるホルモンや神経
伝達物質の受容体の多くはguanine nucleotide-binding
protein(以下、G蛋白質と略称する場合がある)と共
役しており、このG蛋白質の活性化によって細胞内にシ
グナルを伝達して様々な機能を発現させることを特徴と
する。また、これらの受容体蛋白質は共通して7個の膜
貫通領域を有する。これらのことからこうした受容体は
G蛋白質共役型受容体あるいは7回膜貫通型受容体と総
称される。このように生体機能の調節には様々なホルモ
ンや神経伝達物質およびそれに対する受容体蛋白質が存
在して相互作用し、重要な役割を果たしていることがわ
かっているが、未知の作用物質(ホルモンや神経伝達物
質など)およびそれに対する受容体が存在するかどうか
についてはいまだ不明なことが多い。近年、ヒトゲノム
DNAあるいは各種ヒト組織由来のcDNAのランダム
な配列決定による配列情報の蓄積および遺伝子解析技術
の急速な進歩によってヒトの遺伝子が加速度的に解明さ
れてきている。それにともない、機能未知の蛋白をコー
ドすると予想される多くの遺伝子の存在が明らかになっ
ている。G蛋白質共役型受容体は、7個の膜貫通領域を
有するのみでなくその核酸あるいはアミノ酸に多くの共
通配列が存在するためそのような蛋白の中から明確にG
蛋白質共役型受容体として区分することができる。一方
でこうした構造の類似性を利用したポリメラーゼ・チェ
ーン・リアクション(Polymerase Chain Reaction:以
下、PCRと略称する)法によってもこうしたG蛋白質
共役型受容体遺伝子が得られている。このようにしてこ
れまでに得られたG蛋白共役型受容体のうちには既知の
受容体との構造の相同性が高いサブタイプであって容易
にそのリガンドを予測することが可能な場合もあるが、
ほとんどの場合その内在性リガンドは予測不能であり、
これらの受容体は対応するリガンドがほとんど見い出さ
れていない。これより、これらの受容体はオーファン受
容体と呼ばれている。このようなオーファン受容体の未
同定の内在性リガンドは、リガンドが知られていなかっ
たために十分な解析がなされていなかった生物現象に関
与している可能性がある。そして、このようなリガンド
が重要な生理作用や病態と関連している場合には、その
受容体作動薬あるいは拮抗薬の開発が革新的な医薬品の
創製に結びつくことが期待される(Stadel, J. et a
l.、TiPS、18巻、430-437頁、1997年、Marchese, A. et
al.、TiPS、20巻、370-375頁、1999年、Civelli, O.
et al.、Brain Res.、848巻、63-65頁、1999年)。しか
し、これまで実際にオーファンG蛋白質共役型受容体の
リガンドを同定した例はそれほど多くない。最近、幾つ
かのグループによってこうしたオーファン受容体のリガ
ンド探索の試みがなされ、新たな生理活性ペプチドであ
るリガンドの単離・構造決定が報告されている。Reinsh
eidらおよびMeunierらは独立に、動物細胞にオーファン
G蛋白質共役型受容体LC132あるいはORL1をコ
ードするcDNAを導入して受容体を発現させ、その応
答を指標としてorphanin FQあるいはnociceptinと名付
けられた新規ペプチドをブタ脳あるいはラット脳の抽出
物より単離し、配列を決定した(Reinsheid, R. K. et
al.、Science、270巻、792-794頁、1995年、Meunier,
J.-C. et al.、Nature、377巻、532-535頁、1995年)。
このペプチドは痛覚に関与していることが報告された
が、さらに、受容体のノックアウトマウスの研究により
記憶に関与していることが明らかにされた(Manabe, T.
et al.、Nature、394巻、577-581頁、1998年)。その
後これまでにPrRP(prolactin releasing peptide)、o
rexin、apelin、ghrelinおよびGALP(galanin-like pep
tide)などの新規ペプチドがオーファンG蛋白質共役型
受容体のリガンドとして単離された(Hinuma, S. et a
l.、Nature、393巻、272-276頁、1998年、Sakurai, T.
et al.、Cell、92巻、573-585頁、1998年、Tatemoto,
K. et al.、Bichem. Biophys. Res. Commun.、251巻、4
71-476頁、1998年、Kojima, M. et al.、Nature、402
巻、656-660頁、1999年、Ohtaki, T. et al.、J. Biol.
Chem.、274巻、37041-37045頁、1999年)。一方、これ
まで明らかでなかった生理活性ペプチドの受容体が解明
された例もある。腸管収縮に関与するmotilinの受容体
がGPR38であることが明らかにされた(Feighner,
S. D. et al.、Science、284巻、2184-2188頁、1999
年)ほか、SLC-1がMCHの受容体として同定され(Chambe
rs, J. et al.、Nature、400巻、261-265頁、1999年、S
aito, Y. et al.、Nature、400巻、265-269頁、1999
年、Shimomura, Y.et al.、Biochem. Biophys. Res. Co
mmun.、261巻、622-626頁、1999年、Lembo, P. M. C. e
t al.、Nature Cell Biol.、1巻、267-271頁、1999年、
Bachner, D. et al.、FEBS Lett.、457巻、522-524頁、
1999年)、またGPR14(SENR)がurotensin II
の受容体であることが報告された(Ames, R. S. et a
l.、Nature、401巻、282-286頁、1999年、Mori, M. et
al.、Biochem. Biophys. Res.Commun.、265巻、123-129
頁、1999年、Nothacker, H.P. et al.、Nature Cell Bi
ol.、1巻、383-385頁、1999年、Liu, Q. et al.、Bioch
em. Biophys. Res. Commun.、266巻、174-178頁、1999
年)。MCHはそのノックアウトマウスが羸痩のphenot
ypeを示すことから肥満に関与することが示されていた
が(Shimada, M. et al.、Nature、396巻、670-674頁、
1998年)、その受容体が明らかにされたことにより抗肥
満剤としての可能性を有する受容体拮抗薬の探索が可能
となった。また、urotensin IIはサルに静脈内投与する
ことによって心虚血を惹起することから心循環系に強力
な作用を示すことも報告されている(Ames, R. S. et a
l.、Nature、401巻、282-286頁、1999年)。このよう
に、オーファン受容体およびそのリガンドは新たな生理
作用に関与する場合が多く、その解明は新たな医薬品開
発に結びつくことが期待される。しかし、オーファン受
容体のリガンド探索においては多くの困難さが伴うこと
が知られている。例えば、細胞に発現させたオーファン
受容体がリガンドに応答した後にいかなる2次情報伝達
系が作動するかは一般に不明であり、様々な応答系につ
いて検討する必要がある。また、リガンドの存在する組
織は容易には予想されないため種々の組織抽出物を用意
しなければならない。さらに、リガンドがペプチドであ
る場合、受容体を刺激するのに必要なリガンド量はごく
低濃度で十分であるためにこのようなリガンドの生体内
の存在量は極微量であることが多いことに加え、ペプチ
ドは蛋白分解酵素によって消化されて活性を失なった
り、非特異的吸着によって精製過程において回収が悪か
ったりするために、生体より抽出して構造決定に必要な
量を単離することは通常極めて困難である。これらの問
題によって、これまでに数多くのオーファン受容体の存
在が明らかにされながらそのリガンドが明らかにされた
受容体はごく一部に過ぎない。オーファンG蛋白質共役
型受容体として報告されているものの一つにGPR8が
ある(O'Dowd, B. F. et al.、Genomics、28巻、84-91
頁、1995年)。 GPR8はソマトスタチン受容体(S
STR3)およびオピオイド受容体(δ、κおよびμ)
と低いホモロジーがあるが、そのリガンドが何であるの
かはこれまで不明であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、GPR8の内
因性リガンドを見出し、該リガンドを直接利用する、ま
たは該リガンド(好ましくはGPR8と組み合わせて)
を用いた医薬のスクリーニング系を利用することによっ
て今までにない全く新規な作用機序を有する医薬の開発
が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者たちは上記の課
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ブタ視床下
部抽出物より、GPR8と結合する内因性リガンドを見
出し、精製することに成功した。さらに該リガンドのヒ
ト型ホモログのクローニングに成功し、該リガンドが食
欲(摂食)増進作用を有すること、GPR8アゴニスト
が食欲(摂食)増進剤、GPR8アンタゴニストが肥満
症の予防・治療剤(抗肥満薬・抗肥満剤)になること等
を見出した。これらの知見に基づいて、発明を完成する
に至った。
【0005】すなわち、本発明は、(1)配列番号:4
で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一の
アミノ酸配列を含有する蛋白質またはその塩と結合する
能力を有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩、(2)配列番号:16で表
されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミ
ノ酸配列を含有する上記(1)記載のポリペプチドもし
くはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(3)配列番号:16で表されるアミノ酸配列を有する
上記(2)記載のポリペプチドもしくはそのアミドもし
くはそのエステルまたはその塩、(4)実質的に同一の
アミノ酸配列が配列番号:6、配列番号:17、配列番
号:20、配列番号:21、配列番号:22、配列番
号:23、配列番号:24、配列番号:25、配列番
号:56、配列番号:57、配列番号:73、配列番
号:74、配列番号:91、配列番号:92、配列番
号:95、配列番号:96、配列番号:97、配列番
号:98、配列番号:99、配列番号:100、配列番
号:101、配列番号:102、配列番号:103、配
列番号:104、配列番号:105、配列番号:10
6、配列番号:107、配列番号:108、配列番号:
109、配列番号:110、配列番号:111、配列番
号:112または配列番号:113で表されるアミノ酸
配列である上記(2)記載のポリペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはその塩、(5)配列
番号:15、配列番号:42、配列番号:55、配列番
号:72または配列番号:90で表されるアミノ酸配列
を含有する上記(1)記載のポリペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはその塩、(6)上記
(1)記載のポリペプチドをコードするDNAを含有す
るDNA、(7)配列番号:18、配列番号:19、配
列番号:26、配列番号:27、配列番号:28、配列
番号:29、配列番号:30、配列番号:31、配列番
号:58、配列番号:59、配列番号:75、配列番
号:76、配列番号:93、配列番号:94、配列番
号:114、配列番号:115、配列番号:116、配
列番号:117、配列番号:118、配列番号:11
9、配列番号:120、配列番号:121、配列番号:
122、配列番号:123、配列番号:124または配
列番号:125で表される塩基配列を有する上記(6)
記載のDNA、(8)配列番号:14、配列番号:4
1、配列番号:54、配列番号:71または配列番号:
89で表される塩基配列を有する上記(6)記載のDN
A、(9)上記(6)記載のDNAを含有する組換えベ
クター、(10)上記(9)記載の組換えベクターで形
質転換された形質転換体、(11)上記(10)記載の
形質転換体を培養し、上記(1)記載のポリペプチドを
生成・蓄積せしめることを特徴とする上記(1)記載の
ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル
またはその塩の製造法、(12)上記(1)記載のポリ
ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまた
はその塩に対する抗体、(13)上記(6)記載のDN
Aまたは上記(12)記載の抗体を含有してなる診断
薬、(14)上記(6)記載のDNAに相補的または実
質的に相補的な塩基配列を有し、該DNAの発現を抑制
し得る作用を有するアンチセンスDNA、(15)上記
(1)記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩を含有してなる組成物(例、
医薬、動物薬、農薬、食品等)、(16)上記(1)記
載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス
テルまたはその塩を含有してなる医薬、(17)上記
(1)記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩を含有してなる食欲増進剤、
(18)上記(1)記載のポリペプチドもしくはそのア
ミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる
プロラクチン産生促進剤、(19)上記(1)記載のポ
リペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルま
たはその塩を用いることを特徴とする上記(1)記載の
ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル
またはその塩の活性を促進または阻害する化合物または
その塩のスクリーニング方法、(20)標識した上記
(1)記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩を用いる上記(19)記載の
スクリーニング方法、(21)さらに、配列番号:4で
表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその塩、または該
蛋白質の部分ペプチドもしくはそのアミドもしくはその
エステルまたはその塩を用いることを特徴とする上記
(19)記載のスクリーニング方法、(22)上記
(1)記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩を含有してなる上記(1)記
載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス
テルまたはその塩の活性を促進または阻害する化合物ま
たはその塩のスクリーニング用キット、(23)さら
に、配列番号:4で表されるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしく
はその塩、または該蛋白質の部分ペプチドもしくはその
アミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してな
る上記(22)記載のスクリーニング用キット、(2
4)上記(19)記載のスクリーニング方法または上記
(22)記載のスクリーニング用キットを用いて得られ
る上記(1)記載のポリペプチドもしくはそのアミドも
しくはそのエステルまたはその塩の活性を促進または阻
害する化合物またはその塩、(25)上記(19)記載
のスクリーニング方法または上記(22)記載のスクリ
ーニング用キットを用いて得られる上記(1)記載のポ
リペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルま
たはその塩の活性を促進または阻害する化合物またはそ
の塩を含有してなる医薬、(26)上記(19)記載の
スクリーニング方法または上記(22)記載のスクリー
ニング用キットを用いて得られる抗肥満剤、(27)上
記(19)記載のスクリーニング方法または上記(2
2)記載のスクリーニング用キットを用いて得られる食
欲増進剤、(28)上記(19)記載のスクリーニング
方法または上記(22)記載のスクリーニング用キット
を用いて得られるプロラクチン産生抑制剤、(29)哺
乳動物に対し、上記(1)記載のポリペプチドもしくは
そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の有効量
を投与することを特徴とする食欲増進方法、(30)哺
乳動物に対し、上記(19)記載のスクリーニング方法
または上記(22)記載のスクリーニング用キットを用
いて得られる上記(1)記載のポリペプチドもしくはそ
のアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻
害する化合物またはその塩の有効量を投与することを特
徴とする肥満の予防治療方法、(31)食欲増進剤を製
造するための、上記(1)記載のポリペプチドもしくは
そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の使用、
(32)抗肥満剤を製造するための、上記(19)記載
のスクリーニング方法または上記(22)記載のスクリ
ーニング用キットを用いて得られる上記(1)記載のポ
リペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルま
たはその塩の活性を阻害する化合物またはその塩の使
用、(33)上記(6)記載のDNAを用いることを特
徴とするトランスジェニック動物、(34)上記(9)
記載の組換えベクターにより動物に導入されることを特
徴とする上記(33)記載のトランスジェニック動物、
(35)動物が非ヒト哺乳動物である上記(33)記載
のトランスジェニック動物、(36)上記(6)記載の
DNAが不活性化されたノックアウト動物、(37)上
記(6)記載のDNAが他の遺伝子の導入により不活性
化された上記(36)記載のノックアウト動物、(3
8)他の遺伝子がレポーター遺伝子である上記(37)
記載のノックアウト動物、(39)動物が非ヒト哺乳動
物である上記(36)記載のノックアウト動物、および
(40)上記(33)または上記(36)記載の動物を
用いることを特徴とする上記(6)記載のDNAの欠損
・損傷に起因する疾病に対して効果を有する化合物また
はその塩のスクリーニング方法などに関する。
【0006】さらには、本発明は、(41)配列番号:
16で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸
配列が、配列番号:16で表されるアミノ酸配列と約9
0%以上、好ましくは約95%以上、さらに好ましくは
約98%以上の相同性を有するアミノ酸配列である上記
(1)記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくは
そのエステルまたはその塩、(42)配列番号:16で
表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列
が、配列番号:16で表されるアミノ酸配列中の1〜
5個(好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2
個、より好ましくは、1個)のアミノ酸が欠失したアミ
ノ酸配列、配列番号:16で表されるアミノ酸配列に
1〜5個(好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜
2個、より好ましくは、1個)のアミノ酸が付加したア
ミノ酸配列、配列番号:16で表されるアミノ酸配列
に1〜5個(好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1
〜2個、より好ましくは、1個)のアミノ酸が挿入され
たアミノ酸配列、配列番号:16で表されるアミノ酸
配列中の1〜5個(好ましくは1〜3個、さらに好まし
くは1〜2個、より好ましくは、1個)のアミノ酸が他
のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれら
を組み合わせたアミノ酸配列である上記(1)記載のポ
リペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルま
たはその塩、および(43)配列番号:4で表されるア
ミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列
を含有する蛋白質またはその塩と特異的に結合する能力
を有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはその
エステルまたはその塩などを提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の「配列番号:4で表され
るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
配列を含有する蛋白質またはその塩と結合する能力を有
するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエス
テルまたはその塩」としては、例えば、配列番号:4で
表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のア
ミノ酸配列を含有する蛋白質またはその塩との結合の解
離定数が1nM以下、好ましくは200pM以下、さら
に好ましくは100pM以下、特に好ましくは80pM
以下、最も好ましくは50pM以下であるポリペプチド
もしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩
などが挙げられる。本発明の配列番号:16で表わされ
るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
配列を有するポリペプチド(以下、本発明のポリペプチ
ドと称する場合がある)は、ヒトや温血動物(例えば、
モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブ
タ、ヒツジ、ウシ、サルなど)の細胞(例えば、網膜細
胞、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細
胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細
胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維
細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファー
ジ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細
胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜
細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細
胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆
細胞、幹細胞もしくは癌細胞など)もしくはそれらの細
胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位
(例、網膜、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、
視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、
胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨
髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小
腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立
腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋など、
または血球系の細胞もしくはその培養細胞(例えば、M
EL,M1,CTLL−2,HT−2,WEHI−3,
HL−60,JOSK−1,K562,ML−1,MO
LT−3,MOLT−4,MOLT−10,CCRF−
CEM,TALL−1,Jurkat,CCRT−HS
B−2,KE−37,SKW−3,HUT−78,HU
T−102,H9,U937,THP−1,HEL,J
K−1,CMK,KO−812,MEG−01など)に
由来するポリペプチドであってもよく、合成ポリペプチ
ドであってもよい。
【0008】配列番号:16で表わされるアミノ酸配列
と実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:1
6で表わされるアミノ酸配列と約90%以上、好ましく
は約95%以上、より好ましくは約98%以上の相同性
を有するアミノ酸配列などがあげられる。特に、配列番
号:16で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のア
ミノ酸配列としては、上記のアミノ酸配列の他、(i) 配
列番号:16で表されるアミノ酸配列中の1〜5個(好
ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個、より好
ましくは、1個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、
(ii) 配列番号:16で表されるアミノ酸配列に1〜5
個(好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個、
より好ましくは、1個)のアミノ酸が付加したアミノ酸
配列、(iii) 配列番号:16で表されるアミノ酸配列に
1〜5個(好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜
2個、より好ましくは、1個)のアミノ酸が挿入された
アミノ酸配列、(iv) 配列番号:16で表されるアミノ
酸配列中の1〜5個(好ましくは1〜3個、さらに好ま
しくは1〜2個、より好ましくは、1個)のアミノ酸が
他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、(v) 上記(i)
〜(iv)を組み合わせたアミノ酸配列などがあげられる。
【0009】本発明の配列番号:16で表わされるアミ
ノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペ
プチドとしては、例えば、前記の配列番号:16で表わ
されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有
し、配列番号:16で表わされるアミノ酸配列を有する
ポリペプチドと実質的に同質の活性を有するポリペプチ
ドなどが好ましい。実質的に同質の活性としては、例え
ば、本発明のポリペプチドの有する活性(例えば、後述
の疾患の予防・治療活性、受容体との結合活性、受容体
発現細胞に対する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸
遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内
cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン
酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c
−fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性な
どを促進する活性等))などがあげられる。実質的に同
質の活性とは、それらの活性が性質的に(例、生理化学
的に、または薬理学的に)同質であることを示す。配列
番号:16で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のア
ミノ酸配列の具体例としては、例えば、配列番号:6、
配列番号:17、配列番号:20、配列番号:21、配
列番号:22、配列番号:23、配列番号:24、配列
番号:25、配列番号:56、配列番号:57、配列番
号:73、配列番号:74、配列番号:91、配列番
号:92、配列番号:95、配列番号:96、配列番
号:97、配列番号:98、配列番号:99、配列番
号:100、配列番号:101、配列番号:102、配
列番号:103、配列番号:104、配列番号:10
5、配列番号:106、配列番号:107、配列番号:
108、配列番号:109、配列番号:110、配列番
号:111、配列番号:112または配列番号:113
で表されるアミノ酸配列などがあげられる。本発明のポ
リペプチドの具体例としては、例えば、配列番号:16
で表わされるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列
番号:6で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチ
ド、配列番号:17で表されるアミノ酸配列を有するポ
リペプチド、配列番号:20で表されるアミノ酸配列を
有するポリペプチド、配列番号:21で表されるアミノ
酸配列を有するポリペプチド、配列番号:22で表され
るアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:23
で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番
号:24で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチ
ド、配列番号:25で表されるアミノ酸配列を有するポ
リペプチド、配列番号:56で表されるアミノ酸配列を
有するポリペプチド、配列番号:57で表されるアミノ
酸配列を有するポリペプチド、配列番号:73で表され
るアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:74
で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番
号:91で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチ
ド、配列番号:92で表されるアミノ酸配列を有するポ
リペプチド、配列番号:95で表されるアミノ酸配列を
有するポリペプチド、配列番号:96で表されるアミノ
酸配列を有するポリペプチド、配列番号:97で表され
るアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:98
で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番
号:99で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチ
ド、配列番号:100で表されるアミノ酸配列を有する
ポリペプチド、配列番号:101で表されるアミノ酸配
列を有するポリペプチド、配列番号:102で表される
アミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:103
で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番
号:104で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチ
ド、配列番号:105で表されるアミノ酸配列を有する
ポリペプチド、配列番号:106で表されるアミノ酸配
列を有するポリペプチド、配列番号:107で表される
アミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:108
で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番
号:109で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチ
ド、配列番号:110で表されるアミノ酸配列を有する
ポリペプチド、配列番号:111で表されるアミノ酸配
列を有するポリペプチド、配列番号:112で表される
アミノ酸配列を有するポリペプチドおよび配列番号:1
13で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドなど
のGPR8と特異的に結合する能力を有するポリペプチ
ドがあげられる。また、本発明のポリペプチドは、後述
の本発明の受容体(GPR8)との結合活性、本発明の
受容体発現細胞に対する細胞刺激活性(例えば、アラキ
ドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、
細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトー
ルリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸
化、c−fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合
活性などを促進する活性等)等を有するポリペプチドの
みならず、該結合活性または細胞刺激活性を有するポリ
ペプチドの前駆体ポリペプチドをも包含する意味で用い
られる。該結合活性または細胞刺激活性を有するポリペ
プチドの前駆体ポリペプチドの具体例としては、例え
ば、配列番号:15で表されるアミノ酸配列と同一もし
くは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴
とするポリペプチド等があげられる。より、具体的に
は、配列番号:15で表わされるアミノ酸配列と実質的
に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:15で表わ
されるアミノ酸配列と約80%以上、好ましくは約90
%以上、より好ましくは約95%以上の相同性を有する
アミノ酸配列などがあげられる。特に、配列番号:15
で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配
列としては、上記のアミノ酸配列の他、(i) 配列番号:
15で表されるアミノ酸配列中の1〜15個(好ましく
は1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好まし
くは、1〜3個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、
(ii) 配列番号:15で表されるアミノ酸配列に1〜1
00個(好ましくは1〜50個、さらに好ましくは1〜
5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が付加し
たアミノ酸配列、(iii) 配列番号:15で表されるアミ
ノ酸配列に1〜15個(好ましくは1〜10個、さらに
好ましくは1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のア
ミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、(iv) 配列番号:1
5で表されるアミノ酸配列中の1〜15個(好ましくは
1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましく
は、1〜3個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換された
アミノ酸配列、(v) 上記(i)〜(iv)を組み合わせたアミ
ノ酸配列などがあげられる。配列番号:15で表される
アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列の具体例と
しては、例えば、配列番号:42、配列番号:55、配
列番号:72または配列番号:90で表されるアミノ酸
配列などがあげられる。上記前駆体ポリペプチドの具体
例としては、例えば、配列番号:15で表わされるアミ
ノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:42で表さ
れるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:5
5で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列
番号:72で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチ
ドおよび配列番号:90で表されるアミノ酸配列を有す
るポリペプチドなどがあげられる。
【0010】本発明のポリペプチドに対する受容体とし
ては、種々の受容体のうち、本発明のポリペプチドと結
合活性を有し、本発明のポリプチドにより該受容体発現
細胞の細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセ
チルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生
成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細
胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの
活性化、pHの低下、GTPγS結合活性などを促進す
る活性等)が観察されるものなどがあげられる。具体的
には、オーファンG蛋白質共役型受容体であるGPR8
(O'Dowd, B. F.et al.、Genomics、28巻、84-91頁、199
5年;配列番号:4で表されるアミノ酸配列からなる蛋
白質)、または、GPR8と実質的に同一のアミノ酸配
列、即ち、配列番号:4で表されるアミノ酸配列と実質
的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質などがあげら
れる。本発明の配列番号:4で表わされるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する蛋
白質(以下、本発明の受容体と称する場合がある)は、
ヒトや温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウ
ス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルな
ど)の細胞(例えば、網膜細胞、肝細胞、脾細胞、神経
細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウ
ム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内
皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免
疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュ
ラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸
球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨
芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細
胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくは癌細
胞など)もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組
織、例えば、脳、脳の各部位(例、網膜、嗅球、扁桃
核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延
髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生
殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、
消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、
顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、
骨、関節、骨格筋など、または血球系の細胞もしくはそ
の培養細胞(例えば、MEL,M1,CTLL−2,H
T−2,WEHI−3,HL−60,JOSK−1,K
562,ML−1,MOLT−3,MOLT−4,MO
LT−10,CCRF−CEM,TALL−1,Jur
kat,CCRT−HSB−2,KE−37,SKW−
3,HUT−78,HUT−102,H9,U937,
THP−1,HEL,JK−1,CMK,KO−81
2,MEG−01など)に由来する蛋白質であってもよ
く、合成蛋白質であってもよい。
【0011】配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:4で
表わされるアミノ酸配列と約70%以上、好ましくは約
80%以上、より好ましくは約90%以上の相同性を有
するアミノ酸配列などがあげられる。特に、配列番号:
4で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸
配列としては、上記のアミノ酸配列の他、(i) 配列番
号:4で表されるアミノ酸配列中の1〜15個(好まし
くは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ま
しくは、1〜3個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配
列、(ii) 配列番号:4で表されるアミノ酸配列に1〜
15個(好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜
5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が付加し
たアミノ酸配列、(iii) 配列番号:4で表されるアミノ
酸配列に1〜15個(好ましくは1〜10個、さらに好
ましくは1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミ
ノ酸が挿入されたアミノ酸配列、(iv) 配列番号:4で
表されるアミノ酸配列中の1〜15個(好ましくは1〜
10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは、
1〜3個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミ
ノ酸配列、(v) 上記(i)〜(iv)を組み合わせたアミノ酸
配列などがあげられる。本発明のポリペプチドに対する
受容体の部分ペプチド(以下、本発明の部分ペプチドと
称する場合がある)としては、後述の医薬等のスクリー
ニング方法に用いることのできる部分ペプチドであれ
ば、いかなるものであっていてもよいが、好ましくは、
本発明のポリペプチドに対する結合能を有する部分ペプ
チド、細胞膜外領域に相当するアミノ酸配列を含有する
部分ペプチド等が用いられる。具体的には、配列番号:
4で表されるアミノ酸配列中、1番目(Met)〜12
3番目(Phe)、301番目(Asn)〜358番目
(Lys)、548番目(Tyr)〜593番目(Ar
g)および843番目(Ala)〜895番目(Il
e)で表される部分アミノ酸配列から選択される1また
は2以上の部分アミノ酸配列を含有する部分ペプチドな
どがあげられる。
【0012】本発明のポリペプチド、受容体またはその
部分ペプチドは、ペプチド標記の慣例に従って左端がN
末端(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末
端)である。配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を
含有するポリペプチドをはじめとする、本発明のポリペ
プチドは、C末端が通常カルボキシル基(−COOH)
またはカルボキシレート(−COO-)であるが、C末端
がアミド(−CONH2)またはエステル(−COO
R)であってもよい。ここでエステルにおけるRとして
は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロ
ピルもしくはn−ブチルなどのC1-6アルキル基、例え
ば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3-8シク
ロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどの
6-12アリール基、例えば、ベンジル、フェネチルなど
のフェニル−C1-2アルキル基もしくはα−ナフチルメ
チルなどのα−ナフチル−C1-2アルキル基などのC
7-14アラルキル基のほか、経口用エステルとして汎用さ
れるピバロイルオキシメチル基などが用いられる。本発
明のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドがC
末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)
を有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエ
ステル化されているものも本発明のポリペプチドに含ま
れる。この場合のエステルとしては、例えば上記したC
末端のエステルなどが用いられる。さらに、本発明のポ
リペプチド、受容体またはその部分ペプチドには、N末
端のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)のアミノ基が
保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1-6
アルカノイルなどのC1-6アシル基など)で保護されて
いるもの、生体内で切断されて生成するN末端のグルタ
ミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミ
ノ酸の側鎖上の置換基(例えば−OH、−SH、アミノ
基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基な
ど)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基
などのC1-6アルカノイル基などのC1-6アシル基など)
で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆ
る糖蛋白質などの複合蛋白質なども含まれる。
【0013】本発明のポリペプチド、受容体またはその
部分ペプチドの塩としては、生理学的に許容される酸
(例、無機酸、有機酸)や塩基(例、アルカリ金属塩)
などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される
酸付加塩が好ましい。このような塩としては、例えば、
無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)と
の塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオ
ン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエ
ン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、
ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。本発明
のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドは、前
述したヒトや温血動物の細胞または組織から公知のポリ
ペプチドの精製方法によって製造することもできるし、
後述するポリペプチドをコードするDNAで形質転換さ
れた形質転換体を培養することによっても製造すること
ができる。また、後述のペプチド合成法に準じて製造す
ることもできる。ヒトや哺乳動物の組織または細胞から
製造する場合、ヒトや哺乳動物の組織または細胞をホモ
ジナイズした後、酸などで抽出を行ない、該抽出液を逆
相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー
などのクロマトグラフィーを組み合わせることにより精
製単離することができる。
【0014】本発明のポリペプチド、受容体、その部分
ペプチド、もしくはそれらの塩、またはそれらのアミド
体の合成には、通常市販のポリペプチド合成用樹脂を用
いることができる。そのような樹脂としては、例えば、
クロロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒド
リルアミン樹脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキ
シベンジルアルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリル
アミン樹脂、PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチル
フェニルアセトアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド
樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメ
チル)フェノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニ
ル−Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂などをあげるこ
とができる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側
鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的とするポリ
ペプチドの配列通りに、公知の各種縮合方法に従い、樹
脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂からポリペプチド
を切り出すと同時に各種保護基を除去し、さらに高希釈
溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目
的のポリペプチド、受容体、部分ペプチドまたはそれら
のアミド体を取得する。上記した保護アミノ酸の縮合に
関しては、ポリペプチド合成に使用できる各種活性化試
薬を用いることができるが、特に、カルボジイミド類が
よい。カルボジイミド類としては、DCC、N,N'-ジイソプ
ロピルカルボジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミ
ノプロリル)カルボジイミドなどが用いられる。これら
による活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt、
HOOBt)とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかま
たは、対称酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBt
エステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行な
った後に樹脂に添加することができる。保護アミノ酸の
活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、ポリ
ペプチド縮合反応に使用しうることが知られている溶媒
から適宜選択されうる。例えば、N,N−ジメチルホル
ムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド,N−メチル
ピロリドンなどの酸アミド類、塩化メチレン,クロロホ
ルムなどのハロゲン化炭化水素類、トリフルオロエタノ
ールなどのアルコール類、ジメチルスルホキシドなどの
スルホキシド類、ピリジン,ジオキサン,テトラヒドロ
フランなどのエーテル類、アセトニトリル,プロピオニ
トリルなどのニトリル類、酢酸メチル,酢酸エチルなど
のエステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用い
られる。反応温度はポリペプチド結合形成反応に使用さ
れ得ることが知られている範囲から適宜選択され、通常
約−20℃〜50℃の範囲から適宜選択される。活性化
されたアミノ酸誘導体は通常1.5〜4倍過剰で用いら
れる。ニンヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が
不十分な場合には保護基の脱離を行なうことなく縮合反
応を繰り返すことにより十分な縮合を行なうことができ
る。反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときに
は、無水酢酸またはアセチルイミダゾールを用いて未反
応アミノ酸をアセチル化することによって、後の反応に
影響を与えないようにすることができる。
【0015】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソボ
ルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシ
カルボニル、Cl-Z、Br-Z、アダマンチルオキシカルボニ
ル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2
−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノ
チオイル、Fmocなどが用いられる。カルボキシル基は、
例えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2
−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アル
キルエステル化)、アラルキルエステル化(例えば、ベ
ンジルエステル、4−ニトロベンジルエステル、4−メ
トキシベンジルエステル、4−クロロベンジルエステ
ル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシルエステル
化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド化、t−ブト
キシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化な
どによって保護することができる。セリンの水酸基は、
例えば、エステル化またはエーテル化によって保護する
ことができる。このエステル化に適する基としては、例
えば、アセチル基などの低級(C1-6)アルカノイル
基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキシカ
ルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導
される基などが用いられる。また、エーテル化に適する
基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒドロピラニ
ル基、t-ブチル基などである。チロシンのフェノール性
水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、Cl2-Bzl、2−
ニトロベンジル、Br-Z、t−ブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、例えば、
Tos、4-メトキシ-2,3,6-トリメチルベンゼンスルホニ
ル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmoc
などが用いられる。
【0016】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5-トリクロロフェノール、2,4-ジニトロフェノ
ール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノー
ル、HONB、N-ヒドロキシスクシミド、N-ヒドロキシフタ
ルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原
料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対
応するリン酸アミドが用いられる。保護基の除去(脱
離)方法としては、例えば、Pd−黒あるいはPd−炭
素などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、
また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれら
の混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルア
ミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなど
による塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによ
る還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応
は、一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれるが、
酸処理においては、例えば、アニソール、フェノール、
チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジ
メチルスルフィド、1,4-ブタンジチオール、1,2-エタン
ジチオールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効で
ある。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用
いられる2,4-ジニトロフェニル基はチオフェノール処理
により除去され、トリプトファンのインドール保護基と
して用いられるホルミル基は上記の1,2-エタンジチオー
ル、1,4-ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による
脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニア
などによるアルカリ処理によっても除去される。原料の
反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、
およびその保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性
化などは公知の基または公知の手段から適宜選択しう
る。
【0017】本発明のポリペプチド、受容体またはその
部分ペプチドのアミド体を得る別の方法としては、例え
ば、まず、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル
基をアミド化して保護した後、アミノ基側にペプチド
(ポリペプチド)鎖を所望の鎖長まで延ばした後、該ペ
プチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみを除いた
ポリペプチドとC末端のカルボキシル基の保護基のみを
除去したポリペプチドとを製造し、この両ポリペプチド
を上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の
詳細については上記と同様である。縮合により得られた
保護ポリペプチドを精製した後、上記方法によりすべて
の保護基を除去し、所望の粗ポリペプチドを得ることが
できる。この粗ポリペプチドは既知の各種精製手段を駆
使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望のポ
リペプチド、受容体またはその部分ペプチドのアミド体
を得ることができる。本発明のポリペプチド、受容体ま
たはその部分ペプチドのエステル体を得るには、例え
ば、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基を所
望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、
ポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドのアミド
体と同様にして、所望のポリペプチド、受容体またはそ
の部分ペプチドのエステル体を得ることができる。
【0018】本発明のポリペプチド、受容体またはその
部分ペプチドは、公知のペプチドの合成法に従って、あ
るいは受容体の部分ペプチドについては、受容体を適当
なペプチダーゼで切断することによって製造することが
できる。ペプチドの合成法としては、例えば、固相合成
法、液相合成法のいずれによっても良い。すなわち、本
発明のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドを
構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分と
を縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱
離することにより目的のペプチドを製造することができ
る。公知の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば、
以下の〜に記載された方法があげられる。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド合
成、広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶などを組み合わせて本発明のポリペプチド、受
容体またはその部分ペプチドを精製単離することができ
る。上記方法で得られるポリペプチド、受容体またはそ
の部分ペプチドが遊離体である場合は、公知の方法ある
いはそれに準じる方法によって適当な塩に変換すること
ができるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法ある
いはそれに準じる方法によって遊離体または他の塩に変
換することができる。本発明のポリペプチド、受容体ま
たはその部分ペプチドをコードするDNAとしては、前
述した本発明のポリペプチド、受容体またはその部分ペ
プチドをコードする塩基配列を含有するものであればい
かなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノ
ムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のcD
NA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリ
ー、合成DNAのいずれでもよい。ライブラリーに使用
するベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コ
スミド、ファージミドなどいずれであってもよい。ま
た、前記した細胞・組織よりtotalRNAまたはmRN
A画分を調製したものを用いて直接Reverse Transcript
ase Polymerase Chain Reaction(以下、RT-PCR法
と略称する)によって増幅することもできる。
【0019】本発明のポリペプチドをコードするDNA
としては、例えば配列番号:18、配列番号:19、
配列番号:26、配列番号:27、配列番号:28、配
列番号:29、配列番号:30、配列番号:31、配列
番号:58、配列番号:59、配列番号:75、配列番
号:76、配列番号:93、配列番号:94、配列番
号:114、配列番号:115、配列番号:116、配
列番号:117、配列番号:118、配列番号:11
9、配列番号:120、配列番号:121、配列番号:
122、配列番号:123、配列番号:124または配
列番号:125で表わされる塩基配列を含有するDN
A、配列番号:18、配列番号:19、配列番号:2
6、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:2
9、配列番号:30、配列番号:31、配列番号:5
8、配列番号:59、配列番号:75、配列番号:7
6、配列番号:93、配列番号:94、配列番号:11
4、配列番号:115、配列番号:116、配列番号:
117、配列番号:118、配列番号:119、配列番
号:120、配列番号:121、配列番号:122、配
列番号:123、配列番号:124または配列番号:1
25で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条
件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明のポ
リペプチドと実質的に同質の活性を有するポリペプチド
をコードするDNA、配列番号:14、配列番号:4
1、配列番号:54、配列番号:71または配列番号:
89で表わされる塩基配列を含有するDNA、または
配列番号:14、配列番号:41、配列番号:54、配
列番号:71または配列番号:89で表わされる塩基配
列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
る塩基配列を有するDNAなどであれば何れのものでも
よい。配列番号:18、配列番号:19、配列番号:2
6、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:2
9、配列番号:30、配列番号:31、配列番号:5
8、配列番号:59、配列番号:75、配列番号:7
6、配列番号:93、配列番号:94、配列番号:11
4、配列番号:115、配列番号:116、配列番号:
117、配列番号:118、配列番号:119、配列番
号:120、配列番号:121、配列番号:122、配
列番号:123、配列番号:124または配列番号:1
25、または配列番号:14、配列番号:41、配列番
号:54、配列番号:71または配列番号:89で表わ
される塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイ
ブリダイズできるDNAとしては、例えば、それぞれ配
列番号:18、配列番号:19、配列番号:26、配列
番号:27、配列番号:28、配列番号:29、配列番
号:30、配列番号:31、配列番号:58、配列番
号:59、配列番号:75、配列番号:76、配列番
号:93、配列番号:94、配列番号:114、配列番
号:115、配列番号:116、配列番号:117、配
列番号:118、配列番号:119、配列番号:12
0、配列番号:121、配列番号:122、配列番号:
123、配列番号:124または配列番号:125、ま
たは配列番号:14、配列番号:41、配列番号:5
4、配列番号:71または配列番号:89で表わされる
塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、よ
り好ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%
以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが
用いられる。ハイブリダイゼーションは、公知の方法あ
るいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クロ
ーニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et
al.,Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の
方法などに従って行なうことができる。また、市販のラ
イブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の
方法に従って行なうことができる。より好ましくは、ハ
イストリンジェントな条件に従って行なうことができ
る。ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリ
ウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20
mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜6
5℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mM
で温度が約65℃の場合が最も好ましい。より具体的に
は、(i) 配列番号:16で表わされるアミノ酸配列を含
有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列
番号:18で表わされる塩基配列を含有するDNAなど
が用いられ、(ii) 配列番号:17で表わされるアミノ
酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとし
ては、配列番号:19で表わされる塩基配列を含有する
DNAなどが用いられ、(iii) 配列番号:20で表わさ
れるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードする
DNAとしては、配列番号:26で表わされる塩基配列
を含有するDNAなどが用いられ、(iv) 配列番号:2
1で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを
コードするDNAとしては、配列番号:27で表わされ
る塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、(v) 配列
番号:22で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペ
プチドをコードするDNAとしては、配列番号:28で
表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(vi) 配列番号:23で表わされるアミノ酸配列を含有
するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番
号:29で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが
用いられ、(vii) 配列番号:24で表わされるアミノ酸
配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとして
は、配列番号:30で表わされる塩基配列を含有するD
NAなどが用いられ、(viii) 配列番号:25で表わさ
れるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードする
DNAとしては、配列番号:31で表わされる塩基配列
を含有するDNAなどが用いられ、(ix) 配列番号:5
6で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを
コードするDNAとしては、配列番号:58で表わされ
る塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、(x) 配列
番号:57で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペ
プチドをコードするDNAとしては、配列番号:59で
表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xi) 配列番号:73で表わされるアミノ酸配列を含有
するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番
号:75で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが
用いられ、(xii) 配列番号:74で表わされるアミノ酸
配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとして
は、配列番号:76で表わされる塩基配列を含有するD
NAなどが用いられ、(xiii) 配列番号:91で表わさ
れるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードする
DNAとしては、配列番号:93で表わされる塩基配列
を含有するDNAなどが用いられ、(xiv) 配列番号:9
2で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを
コードするDNAとしては、配列番号:94で表わされ
る塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、(xv) 配
列番号:95で表わされるアミノ酸配列を含有するポリ
ペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:18
で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いら
れ、(xvi) 配列番号:96で表わされるアミノ酸配列を
含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配
列番号:114で表わされる塩基配列を含有するDNA
などが用いられ、(xvii) 配列番号:97で表わされる
アミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDN
Aとしては、配列番号:115で表わされる塩基配列を
含有するDNAなどが用いられ、(xviii) 配列番号:9
8で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを
コードするDNAとしては、配列番号:116で表わさ
れる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、(xix)
配列番号:99で表わされるアミノ酸配列を含有するポ
リペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:1
17で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用い
られ、(xx) 配列番号:100で表わされるアミノ酸配
列を含有するポリペプチドをコードするDNAとして
は、配列番号:118で表わされる塩基配列を含有する
DNAなどが用いられ、(xxi) 配列番号:101で表わ
されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードす
るDNAとしては、配列番号:119で表わされる塩基
配列を含有するDNAなどが用いられ、(xxii) 配列番
号:102で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペ
プチドをコードするDNAとしては、配列番号:120
で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いら
れ、(xxiii) 配列番号:103で表わされるアミノ酸配
列を含有するポリペプチドをコードするDNAとして
は、配列番号:58で表わされる塩基配列を含有するD
NAなどが用いられ、(xxiv) 配列番号:104で表わ
されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードす
るDNAとしては、配列番号:75で表わされる塩基配
列を含有するDNAなどが用いられ、(xxv) 配列番号:
105で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチ
ドをコードするDNAとしては、配列番号:18で表わ
される塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、(xxv
i) 配列番号:106で表わされるアミノ酸配列を含有
するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番
号:18で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが
用いられ、(xxvii) 配列番号:107で表わされるアミ
ノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAと
しては、配列番号:121で表わされる塩基配列を含有
するDNAなどが用いられ、(xxviii) 配列番号:10
8で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを
コードするDNAとしては、配列番号:122で表わさ
れる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、(xxix)
配列番号:109で表わされるアミノ酸配列を含有す
るポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番
号:123で表わされる塩基配列を含有するDNAなど
が用いられ、(xxx) 配列番号:110で表わされるアミ
ノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAと
しては、配列番号:124で表わされる塩基配列を含有
するDNAなどが用いられ、(xxxi) 配列番号:6で表
わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコード
するDNAとしては、配列番号:125で表わされる塩
基配列を含有するDNAなどが用いられ、(xxxii) 配列
番号:111で表わされるアミノ酸配列を含有するポリ
ペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:12
1で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いら
れ、(xxxiii) 配列番号:112で表わされるアミノ酸
配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとして
は、配列番号:18で表わされる塩基配列を含有するD
NAなどが用いられ、(xxxiv) 配列番号:113で表わ
されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードす
るDNAとしては、配列番号:121で表わされる塩基
配列を含有するDNAなどが用いられる。
【0020】本発明の受容体をコードするDNAとして
は、例えば、配列番号:32で表される塩基配列を含有
するDNA、または配列番号:32で表わされる塩基配
列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズす
る塩基配列を有し、本発明の受容体と実質的に同質の活
性を有するポリペプチドをコードするDNAなどであれ
ば何れのものでもよい。配列番号:32で表わされる塩
基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズできるDNAとしては、例えば、それぞれ配列番号:
32で表わされる塩基配列と約70%以上、好ましくは
約80%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好
ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有
するDNAなどが用いられる。ハイブリダイゼーション
は、公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、モ
レキュラー・クローニング(Molecular Cloning)2nd
(J. Sambrook et al.,Cold Spring Harbor Lab. Pres
s, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができ
る。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の
使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
より好ましくは、ハイストリンジェントな条件に従って
行なうことができる。ハイストリンジェントな条件と
は、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ま
しくは約19〜20mMで、温度が約50〜70℃、好
ましくは約60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウ
ム濃度が約19mMで温度が約65℃の場合が最も好ま
しい。より具体的には、配列番号:4で表わされるアミ
ノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAと
しては、配列番号:32で表わされる塩基配列を含有す
るDNAなどが用いられる。本発明の受容体の部分ペプ
チドをコードするDNAとしては、前述した本発明の受
容体の部分ペプチドをコードする塩基配列を含有するも
のであればいかなるものであってもよい。また、ゲノム
DNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組
織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNA
ライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。
【0021】本発明の受容体の部分ペプチドをコードす
るDNAとしては、例えば、配列番号:32で表わされ
る塩基配列を有するDNAの部分塩基配列を有するDN
A、または配列番号:32で表わされる塩基配列とハイ
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配
列を有し、本発明の受容体と実質的に同質の活性を有す
るポリペプチドをコードするDNAの部分塩基配列を有
するDNAなどが用いられる。配列番号:32で表わさ
れる塩基配列とハイブリダイズできるDNAは、前記と
同意義を示す。ハイブリダイゼーションの方法およびハ
イストリンジェントな条件は前記と同様のものが用いら
れる。
【0022】また、本発明の受容体の部分ペプチドをコ
ードするDNAとしてより具体的には、配列番号:4で
表されるアミノ酸配列中、1番目(Met)〜123番
目(Phe)、301番目(Asn)〜358番目(L
ys)、548番目(Tyr)〜593番目(Arg)
および843番目(Ala)〜895番目(Ile)で
表される部分アミノ酸配列から選択される1または2以
上の部分アミノ酸配列を含有する部分ペプチドをコード
する塩基配列を有するDNAを含有するDNA、または
これらとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイ
ズする塩基配列を有するDNAを含有するDNAなどが
あげられる。
【0023】本発明のポリペプチド、受容体またはその
部分ペプチドをコードするDNAは、公知の方法で標識
化されていてもよく、具体的にはアイソトープラベル化
されたもの、蛍光標識されたもの(例えば、フルオレセ
インなどによる蛍光標識)、ビオチン化されたものまた
は酵素標識されたものなどがあげられる。本発明のポリ
ペプチド、受容体またはその部分ペプチド(以下、これ
らポリペプチド等をコードするDNAのクローニングお
よび発現の説明においては、これらポリペプチド等を単
に本発明のポリペプチドと略記する場合がある)を完全
にコードするDNAのクローニングの手段としては、本
発明のポリペプチドの部分塩基配列を有する合成DNA
プライマーを用いて公知のPCR法によって増幅する
か、または適当なベクターに組み込んだDNAを本発明
のポリペプチドの一部あるいは全領域をコードするDN
A断片もしくは合成DNAを用いて標識したものとのハ
イブリダイゼーションによって選別することができる。
ハイブリダイゼーションの方法は、例えば、モレキュラ
ー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Samb
rook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)
に記載の方法などに従って行なうことができる。また、
市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書
に記載の方法に従って行なうことができる。
【0024】DNAの塩基配列の変換は、公知のキッ
ト、例えば、MutanTM-super ExpressKm(宝酒造
(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))等を用いて、ODA
-LA PCR法、Gapped duplex法、Kunkel法等の公知の方法
あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことができ
る。クローン化されたポリペプチドをコードするDNA
は目的によりそのまま、または所望により制限酵素で消
化したり、リンカーを付加したりして使用することがで
きる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コドンとし
てのATGを有し、また3’末端側には翻訳終止コドン
としてのTAA、TGAまたはTAGを有していてもよ
い。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当
な合成DNAアダプターを用いて付加することもでき
る。
【0025】本発明のポリペプチドの発現ベクターは、
例えば、(イ)本発明のポリペプチドをコードするDN
Aから目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該DN
A断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に
連結することにより製造することができる。ベクターと
しては、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR322,
pBR325,pUC12,pUC13)、枯草菌由来
のプラスミド(例、pUB110,pTP5,pC19
4)、酵母由来プラスミド(例、pSH19,pSH1
5)、λファージなどのバクテリオファージ、レトロウ
イルス,ワクシニアウイルス,バキュロウイルスなどの
動物ウイルスなどの他、pA1−11、pXT1、pR
c/CMV、pRc/RSV、pcDNAI/Neoな
どが用いられる。本発明で用いられるプロモーターとし
ては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロ
モーターであればいかなるものでもよい。例えば、動物
細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモーター、
SV40プロモーター、HIV・LTRプロモーター、
CMVプロモーター、HSV-TKプロモーターなどが
あげられる。これらのうち、CMV(サイトメガロウイ
ルス)プロモーター、SRαプロモーターなどを用いる
のが好ましい。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、
trpプロモーター、lacプロモーター、recAプ
ロモーター、λPLプロモーター、lppプロモータ
ー、T7プロモーターなどが、宿主がバチルス属菌であ
る場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモータ
ー、penPプロモーターなど、宿主が酵母である場合
は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GA
Pプロモーター、ADHプロモーターなどが好ましい。
宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモータ
ー、P10プロモーターなどが好ましい。発現ベクター
には、以上の他に、所望によりエンハンサー、スプライ
シングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、
SV40複製オリジン(以下、SV40oriと略称す
る場合がある)などを含有しているものを用いることが
できる。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸
還元酵素(以下、dhfrと略称する場合がある)遺伝
子〔メソトレキセート(MTX)耐性〕、アンピシリン
耐性遺伝子(以下、Amprと略称する場合がある)、
ネオマイシン耐性遺伝子(以下、Neorと略称する場
合がある、G418耐性)等があげられる。特に、dh
fr遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞を用いてd
hfr遺伝子を選択マーカーとして使用する場合、目的
遺伝子をチミジンを含まない培地によっても選択でき
る。また、必要に応じて、宿主に合ったシグナル配列
を、本発明のポリペプチドのN端末側に付加する。宿主
がエシェリヒア属菌である場合は、PhoA・シグナル配
列、OmpA・シグナル配列などが、宿主がバチルス属菌
である場合は、α−アミラーゼ・シグナル配列、サブチ
リシン・シグナル配列などが、宿主が酵母である場合
は、MFα・シグナル配列、SUC2・シグナル配列な
ど、宿主が動物細胞である場合には、インシュリン・シ
グナル配列、α−インターフェロン・シグナル配列、抗
体分子・シグナル配列などがそれぞれ利用できる。この
ようにして構築された本発明のポリペプチドをコードす
るDNAを含有するベクターを用いて、形質転換体を製
造することができる。宿主としては、例えば、エシェリ
ヒア属菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物
細胞などが用いられる。
【0026】エシェリヒア属菌の具体例としては、例え
ば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・
DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・ア
カデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエス
エー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,1
60(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッ
ズ・リサーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,3
09(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モ
レキュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Bio
logy)〕,120巻,517(1978)〕,HB101
〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,4
1巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティック
ス(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用
いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・
サブチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジー
ン,24巻,255(1983)〕,207−21〔ジャ
ーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Bioch
emistry),95巻,87(1984)〕などが用いられ
る。酵母としては、例えば、サッカロマイセス セレビ
シエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22
-,NA87−11A,DKD−5D,20B−1
2、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccharomy
ces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピ
キア パストリス(Pichia pastoris)KM71などが
用いられる。
【0027】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイル
スがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mor
i N 細胞;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞
としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf
21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In V
ivo),13, 213-217,(1977))などが用いられる。昆虫と
しては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田
ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(198
5)〕。動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−
7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、
CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャイニーズ
ハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhfr-)細
胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−20,マウ
スミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細胞などが
用いられる。エシェリヒア属菌を形質転換するには、例
えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,2110
(1972)やジーン(Gene),17巻,107(198
2)などに記載の方法に従って行なうことができる。バ
チルス属菌を形質転換するには、例えば、モレキュラー
・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecular
& General Genetics),168巻,111(1979)
などに記載の方法に従って行なうことができる。酵母を
形質転換するには、例えば、メソッズ・イン・エンザイ
モロジー(Methods in Enzymology),194巻,18
2−187(1991)、プロシージングズ・オブ・ザ
・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オ
ブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A),75巻,1929(1978)などに記載の方法に
従って行なうことができる。
【0028】昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、
例えば、バイオ/テクノロジー(Bio/Technology, 6, 4
7-55(1988))などに記載の方法に従って行なうことがで
きる。動物細胞を形質転換するには、例えば、細胞工学
別冊8 新細胞工学実験プロトコール.263−267
(1995)(秀潤社発行)、ヴィロロジー(Virolog
y),52巻,456(1973)に記載の方法に従って
行なうことができる。このようにして、ポリペプチドを
コードするDNAを含有する発現ベクターで形質転換さ
れた形質転換体を得ることができる。宿主がエシェリヒ
ア属菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する際、
培養に使用される培地としては液体培地が適当であり、
その中には該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒素
源、無機物その他が含有せしめられる。炭素源として
は、例えば、グルコース、デキストリン、可溶性澱粉、
ショ糖など、窒素源としては、例えば、アンモニウム塩
類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カ
ゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などの無
機または有機物質、無機物としては、例えば、塩化カル
シウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウムな
どがあげられる。また、酵母エキス、ビタミン類、生長
促進因子などを添加してもよい。培地のpHは約5〜8
が望ましい。エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。
【0029】宿主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通
常約15〜43℃で約3〜24時間行ない、必要によ
り、通気や撹拌を加えることもできる。宿主がバチルス
属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で約6〜24時
間行ない、必要により通気や撹拌を加えることもでき
る。宿主が酵母である形質転換体を培養する際、培地と
しては、例えば、バークホールダー(Burkholder)最小
培地〔Bostian, K. L. ら、プロシージングズ・オブ・
ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・
オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A),77巻,4505(1980)〕や0.5%カザミノ
酸を含有するSD培地〔Bitter, G. A. ら、プロシージ
ングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サ
イエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl.
Acad. Sci. USA),81巻,5330(198
4)〕があげられる。培地のpHは約5〜8に調整する
のが好ましい。培養は通常約20℃〜35℃で約24〜
72時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿
主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する
際、培地としては、Grace's Insect Medium(Grace, T.
C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(1962))に非動化
した10%ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが
用いられる。培地のpHは約6.2〜6.4に調整する
のが好ましい。培養は通常約27℃で約3〜5日間行な
い、必要に応じて通気や撹拌を加える。宿主が動物細胞
である形質転換体を培養する際、培地としては、例え
ば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイ
エンス(Science),122巻,501(1952)〕,
DMEM培地〔ヴィロロジー(Virology),8巻,39
6(1959)〕,RPMI 1640培地〔ジャーナル
・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーショ
ン(The Journal of the American Medical Associatio
n)199巻,519(1967)〕,199培地〔プロ
シージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バ
イオロジカル・メディスン(Proceeding ofthe Society
for the Biological Medicine),73巻,1(195
0)〕などが用いられる。pHは約6〜8であるのが好
ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時
間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。以上のよ
うにして、形質転換体の細胞内、細胞膜または細胞外な
どに本発明のポリペプチドを生成せしめることができ
る。上記培養物から本発明のポリペプチドを分離精製す
るには、例えば、下記の方法により行なうことができ
る。
【0030】本発明のポリペプチドを培養菌体あるいは
細胞から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌
体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、
超音波、リゾチームおよび/または凍結融解などによっ
て菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過に
よりポリペプチドの粗抽出液を得る方法などが適宜用い
られる。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどの蛋白
質変性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活性剤が
含まれていてもよい。培養液中にポリペプチドが分泌さ
れる場合には、培養終了後、公知の方法で菌体あるいは
細胞と上清とを分離し、上清を集める。このようにして
得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれるポリペ
プチドの精製は、公知の分離・精製法を適宜組み合わせ
て行なうことができる。これらの公知の分離、精製法と
しては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方
法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子
量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィー
などの荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマ
トグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相
高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用す
る方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する
方法などが用いられる。かくして得られるポリペプチド
が遊離体で得られた場合には、公知の方法あるいはそれ
に準じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩
で得られた場合には公知の方法あるいはそれに準じる方
法により、遊離体または他の塩に変換することができ
る。なお、組換え体が産生するポリペプチドを、精製前
または精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用させることに
より、任意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に
除去することもできる。蛋白修飾酵素としては、例え
ば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニルエンドペ
プチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなど
が用いられる。
【0031】本発明のポリペプチドに対する抗体(以
下、単に本発明の抗体と称する場合がある)は、本発明
のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ
ルまたはその塩に対する抗体を認識し得る抗体であれ
ば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れで
あってもよい。本発明のポリペプチドに対する抗体は、
本発明のポリペプチドを抗原として用い、公知の抗体ま
たは抗血清の製造法に従って製造することができる。
【0032】〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクローナル抗体産生細胞の作製 本発明のポリペプチドは、温血動物に対して投与により
抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤
とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高める
ため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイント
アジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎
に1回ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温
血動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモ
ット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリがあげ
られるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原で
免疫された温血動物、例えばマウスから抗体価の認めら
れた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリ
ンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種
または異種動物の骨髄腫細胞と融合させることにより、
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製すること
ができる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の
標識化ポリペプチドと抗血清とを反応させたのち、抗体
に結合した標識剤の活性を測定することにより行なうこ
とができる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラー
とミルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、49
5 (1975)〕に従い実施することができる。融合促進剤と
しては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)や
センダイウィルスなどがあげられるが、好ましくはPE
Gが用いられる。骨髄腫細胞としては、例えば、NS−
1、P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物の
骨髄腫細胞があげられるが、P3U1が好ましく用いら
れる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫
細胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であ
り、PEG(好ましくはPEG1000〜PEG600
0)が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40
℃、好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベ
ートすることにより効率よく細胞融合を実施できる。モ
ノクローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニング
には種々の方法が使用できるが、例えば、ポリペプチド
(蛋白質)抗原を直接あるいは担体とともに吸着させた
固相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ培養上
清を添加し、次に放射性物質や酵素などで標識した抗免
疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞がマウス
の場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる)ま
たはプロテインAを加え、固相に結合したモノクローナ
ル抗体を検出する方法、抗免疫グロブリン抗体またはプ
ロテインAを吸着させた固相にハイブリドーマ培養上清
を添加し、放射性物質や酵素などで標識したポリペプチ
ドを加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出す
る方法などがあげられる。モノクローナル抗体の選別
は、公知あるいはそれに準じる方法に従って行なうこと
ができる。通常HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリ
ン、チミジン)を添加した動物細胞用培地で行なうこと
ができる。選別および育種用培地としては、ハイブリド
ーマが生育できるものならばどのような培地を用いても
良い。例えば、1〜20%、好ましくは10〜20%の
牛胎児血清を含むRPMI 1640培地、1〜10%
の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純薬工業(株))
あるいはハイブリドーマ培養用無血清培地(SFM−1
01、日水製薬(株))などを用いることができる。培
養温度は、通常20〜40℃、好ましくは約37℃であ
る。培養時間は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間
〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なう
ことができる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上
記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0033】(b)モノクローナル抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、公知の方法、例え
ば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコ
ール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体
(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過
法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテ
インGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合
を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行なう
ことができる。
【0034】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、公知あるいはそれに準じる方法に
従って製造することができる。例えば、免疫抗原(ポリ
ペプチド抗原)自体、あるいはそれとキャリアー蛋白質
との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製造
法と同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動物から本
発明のポリペプチドに対する抗体含有物を採取して、抗
体の分離精製を行なうことにより製造することができ
る。温血動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキ
ャリアー蛋白質との複合体に関し、キャリアー蛋白質の
種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、キャリ
アーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率
良くできれば、どの様なものをどの様な比率で架橋させ
てもよいが、例えば、ウシ血清アルブミンやウシサイロ
グロブリン、ヘモシアニン等を重量比でハプテン1に対
し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカプ
ルさせる方法が用いられる。また、ハプテンとキャリア
ーのカプリングには、種々の縮合剤を用いることができ
るが、グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミ
ド活性エステル、チオール基、ジチオビリジル基を含有
する活性エステル試薬等が用いられる。縮合生成物は、
温血動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あ
るいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して
抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバント
や不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投
与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程
度行なわれる。ポリクローナル抗体は、上記の方法で免
疫された温血動物の血液、腹水など、好ましくは血液か
ら採取することができる。抗血清中のポリクローナル抗
体価の測定は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様に
して測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上
記のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブ
リンの分離精製法に従って行なうことができる。
【0035】本発明のポリペプチド、受容体またはその
部分ペプチドをコードするDNA(以下、これらのDN
Aを本発明のDNAと略記する場合がある)に相補的
な、または実質的に相補的な塩基配列を有するアンチセ
ンスDNA(以下、これらのDNAをアンチセンスDN
Aと略記する場合がある)としては、本発明のDNAに
相補的な、または実質的に相補的な塩基配列を有し、該
DNAの発現を抑制し得る作用を有するものであれば、
いずれのアンチセンスDNAであってもよい。本発明の
DNAに実質的に相補的な塩基配列とは、例えば、本発
明のDNAに相補的な塩基配列(すなわち、本発明のD
NAの相補鎖)の全塩基配列あるいは部分塩基配列と約
70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは
約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を
有する塩基配列などがあげられる。特に、本発明のDN
Aの相補鎖の全塩基配列うち、本発明のポリペプチドの
N末端部位をコードする部分の塩基配列(例えば、開始
コドン付近の塩基配列など)の相補鎖と約70%以上、
好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以
上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアン
チセンスDNAが好適である。これらのアンチセンスD
NAは、公知のDNA合成装置などを用いて製造するこ
とができる。以下に、本発明のポリペプチド、本発
明のDNA、本発明の抗体、およびアンチセンスD
NAの用途を説明する。
【0036】(1)本発明のポリペプチドが関与する各
種疾病の治療・予防剤 本発明のポリペプチドは後述の実施例5〜8、20〜2
3、64などに示すとおり、GPR8(本発明の受容
体)発現細胞の細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊
離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内c
AMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸
産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−
fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性など
を促進する活性等)を有し、GPR8(本発明の受容
体)の内因性リガンドである。従って本発明のポリペプ
チドまたは本発明のDNAに異常があったり、欠損して
いる場合、または本発明の受容体または該受容体をコー
ドするDNAに異常があったり、欠損している場合に
は、例えば、拒食症、高血圧、自己免疫疾患、心不全、
白内障、緑内障、急性バクテリア髄膜炎,急性心筋梗
塞,急性膵炎,急性ウイルス脳炎,成人呼吸促迫症候
群,アルコール性肝炎,アルツハイマー病,喘息,動脈
硬化,アトピー性皮膚炎,バクテリア肺炎,膀胱がん,
骨折,乳がん,過食症,多食症,火傷治癒,子宮頸部が
ん,慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,慢性膵
炎,肝硬変,大腸がん(結腸/直腸がん),クローン
病,痴呆,糖尿病性合併症,糖尿病性腎症,糖尿病性神
経障害,糖尿病性網膜症,胃炎,ヘリコバクター・ピロ
リ感染症,肝不全,A型肝炎,B型肝炎,C型肝炎,肝
炎,単純ヘルペスウイルス感染症,水痘帯状疱疹ウイル
ス感染症,ホジキン病,エイズ感染症,ヒトパピローマ
ウイルス感染症,高カルシウム血症,高コレステロール
血症,高グリセリド血症,高脂血症,感染症,インフル
エンザ感染症,インシュリン依存性糖尿病(I型),侵
襲性ブドウ状球菌感染症,悪性黒色腫,がん転移,多発
性骨髄腫,アレルギー性鼻炎,腎炎,非ホジキン性リン
パ腫,インシュリン非依存性糖尿病(II型),非小細胞
肺がん,臓器移植,骨関節炎,骨軟化症,骨減少症,骨
粗鬆症,卵巣がん,骨ペーチェット病,消化性潰瘍,末
梢血管疾患,前立腺がん,逆流性食道炎,腎不全,リウ
マチ関節炎,精神分裂症,敗血症,敗血症ショック,重
症全身性真菌感染症,小細胞肺がん,脊髄損傷,胃が
ん,全身性エリテマトーサス,一過性脳虚血発作,結
核,心弁膜症,血管性/多発梗塞痴呆,創傷治癒,不眠
症,関節炎、下垂体ホルモン分泌不全〔例、プロラクチ
ン分泌不全(例、卵巣機能低下症、精嚢発育不全、更年
期障害、甲状腺機能低下等)〕、瀕尿、尿毒症、または
神経変成疾患等(特に拒食症等)の種々の疾病が発症す
る可能性が高い。従って、本発明のポリペプチド、本発
明のDNAは、例えば、上記の種々の疾病(特に拒食
症)の治療・予防剤などの医薬(特に、食欲(摂食)増
進剤等)として使用することができる。
【0037】本発明のポリペプチドおよび本発明のDN
Aは、例えば、生体内において本発明のポリペプチドが
減少あるいは欠損している患者がいる場合に、(イ)本
発明のDNAを該患者に投与し、生体内で本発明のポリ
ペプチドを発現させることによって、(ロ)細胞に本発
明のDNAを挿入し、本発明のポリペプチドを発現させ
た後に、該細胞を患者に移植することによって、または
(ハ)本発明のポリペプチドを該患者に投与することな
どによって、該患者における本発明のポリペプチドの役
割を十分に、あるいは正常に発揮させることができる。
本発明のDNAを上記の治療・予防剤として使用する場
合は、該DNAを単独あるいはレトロウイルスベクタ
ー、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエ
ーテッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入
した後、常套手段に従って、ヒトまたは温血動物に投与
することができる。本発明のDNAは、そのままで、あ
るいは摂取促進のための補助剤などの生理学的に認めら
れる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカ
テーテルのようなカテーテルによって投与できる。本発
明のポリペプチドを上記の治療・予防剤として使用する
場合は、少なくとも90%、好ましくは95%以上、よ
り好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上
に精製されたものを使用するのが好ましい。本発明のポ
リペプチドは、例えば、必要に応じて糖衣を施した錠
剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤な
どとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学
的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤など
の注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、本発明
のポリペプチドを生理学的に認められる担体、香味剤、
賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などととも
に一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態
で混和することによって製造することができる。これら
製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量
が得られるようにするものである。
【0038】錠剤、カプセル剤などに混和することがで
きる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスター
チ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性
セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチ
ン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグ
ネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリ
ンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチ
ェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態
がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに
油脂のような液状担体を含有することができる。注射の
ための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性
物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油など
を溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って
処方することができる。注射用の水性液としては、例え
ば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張
液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩
化ナトリウムなど)などがあげられ、適当な溶解補助
剤、例えば、アルコール(例えば、エタノールなど)、
ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリ
エチレングリコールなど)、非イオン性界面活性剤(例
えば、ポリソルベート80TM、HCO−50など)など
と併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、
大豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香酸ベン
ジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。ま
た、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム
緩衝液など)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウ
ム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清
アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤
(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸
化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は、
通常、適当なアンプルに充填される。本発明のDNAが
挿入されたベクターも上記と同様に製剤化され、通常、
非経口的に使用される。このようにして得られる製剤
は、安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血
動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、
トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、
など)に対して投与することができる。
【0039】本発明のポリペプチドの投与量は、対象疾
患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例
えば、拒食症の治療目的で本発明のポリペプチドを経口
投与する場合、一般的に成人(60kgとして)におい
ては、一日につき該ポリペプチドを約0.1mg〜10
0mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましく
は約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場
合は、該ポリペプチドの1回投与量は投与対象、対象疾
患などによっても異なるが、例えば、拒食症の治療目的
で本発明のポリペプチドを注射剤の形で成人(体重60
kgとして)に投与する場合、一日につき該ポリペプチ
ドを約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜
20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度
を患部に注射することにより投与するのが好都合であ
る。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を
投与することができる。
【0040】(2)疾病に対する医薬候補化合物のスク
リーニング 本発明のポリペプチドはGPR8のリガンドとしての機
能などを有するため、本発明のポリペプチドの機能を促
進する化合物またはその塩は、例えば、拒食症、高血
圧、自己免疫疾患、心不全、白内障、緑内障、急性バク
テリア髄膜炎,急性心筋梗塞,急性膵炎,急性ウイルス
脳炎,成人呼吸促迫症候群,アルコール性肝炎,アルツ
ハイマー病,喘息,動脈硬化,アトピー性皮膚炎,バク
テリア肺炎,膀胱がん,骨折,乳がん,過食症,多食
症,火傷治癒,子宮頸部がん,慢性リンパ性白血病,慢
性骨髄性白血病,慢性膵炎,肝硬変,大腸がん(結腸/
直腸がん),クローン病,痴呆,糖尿病性合併症,糖尿
病性腎症,糖尿病性神経障害,糖尿病性網膜症,胃炎,
ヘリコバクター・ピロリ感染症,肝不全,A型肝炎,B
型肝炎,C型肝炎,肝炎,単純ヘルペスウイルス感染
症,水痘帯状疱疹ウイルス感染症,ホジキン病,エイズ
感染症,ヒトパピローマウイルス感染症,高カルシウム
血症,高コレステロール血症,高グリセリド血症,高脂
血症,感染症,インフルエンザ感染症,インシュリン依
存性糖尿病(I型),侵襲性ブドウ状球菌感染症,悪性
黒色腫,がん転移,多発性骨髄腫,アレルギー性鼻炎,
腎炎,非ホジキン性リンパ腫,インシュリン非依存性糖
尿病(II型),非小細胞肺がん,臓器移植,骨関節炎,
骨軟化症,骨減少症,骨粗鬆症,卵巣がん,骨ペーチェ
ット病,消化性潰瘍,末梢血管疾患,前立腺がん,逆流
性食道炎,腎不全,リウマチ関節炎,精神分裂症,敗血
症,敗血症ショック,重症全身性真菌感染症,小細胞肺
がん,脊髄損傷,胃がん,全身性エリテマトーサス,一
過性脳虚血発作,結核,心弁膜症,血管性/多発梗塞痴
呆,創傷治癒,不眠症,関節炎、下垂体ホルモン分泌不
全〔例、プロラクチン分泌不全(例、卵巣機能低下症、
精嚢発育不全、更年期障害、甲状腺機能低下等)〕、瀕
尿、尿毒症、または神経変成疾患等(特に拒食症等)の
疾病の治療・予防剤など(特に食欲(摂食)増進剤等)
の医薬として使用できる。一方、本発明のポリペプチド
の機能を阻害する化合物またはその塩は、例えば肥満症
[例、悪性肥満細胞症(malignant mastocytosis)、外因
性肥満 (exogenous obesity)、過インシュリン性肥満症
(hyperinsulinar obesity)、過血漿性肥満(hyperplasmi
c obesity)、下垂体性肥満(hypophyseal adiposity)、
減血漿性肥満症(hypoplasmic obesity)、甲状腺機能低
下肥満症(hypothyroid obesity)、視床下部性肥満(hypo
thalamic obesity)、症候性肥満症(symptomatic obesit
y)、小児肥満 (infantile obesity)、上半身肥満(upper
body obesity)、食事性肥満症 (alimentary obesit
y)、性機能低下性肥満(hypogonadal obesity)、全身性
肥満細胞症(systemic mastocytosis)、単純性肥満(simp
le obesity)、中心性肥満(central obesity)など]、摂
食亢進症(hyperphagia)などの安全で低毒性な予防・治
療剤、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、自己免疫疾
患、プロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月経
症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル症候
群、アルゴンツ・デル・カスティロ症候群、フォーベス
・アルブライト症候群、リンパ腫、シーハン症候群、精
子形成異常などの安全で低毒性な予防・治療剤(プロラ
クチン産生抑制剤)、好ましくは肥満症、摂食亢進症な
どの安全で低毒性な予防・治療剤として有用である。該
スクリーニングは、本発明のポリペプチドを用いるか、
または組換え型本発明のポリペプチドの発現系を構築
し、該発現系を用いたレセプター結合アッセイ系を用い
ることによって、本発明のポリペプチドとその受容体と
の結合性を変化させる化合物(本発明のポリペプチドの
活性を促進または阻害する化合物)(例えば、ペプチ
ド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生
産物など)またはその塩をスクリーニングすることがで
きる。このような化合物には、本発明のポリペプチドの
受容体を介して細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊
離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内c
AMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸
産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−
fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性など
を促進する活性など)を有する化合物(即ち本発明のポ
リペプチドの受容体アゴニスト)と該細胞刺激活性を有
しない化合物(即ち本発明のポリペプチドの受容体アン
タゴニスト)などが含まれる。「リガンドとの結合性を
変化させる」とは、リガンドとの結合を阻害する場合と
リガンドとの結合を促進する場合の両方を包含するもの
である。
【0041】すなわち、本発明は、本発明のポリペプチ
ドを用いることを特徴とする本発明のポリペプチドの活
性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリー
ニング方法、具体的には、(i)本発明の受容体または
その部分ペプチド(以下、これらを単に本発明の受容体
と略称する場合がある)に、本発明のポリペプチドを接
触させた場合と(ii)上記した本発明の受容体に、本発
明のポリペプチドおよび試験化合物を接触させた場合と
の比較を行なうことを特徴とする本発明のポリペプチド
と本発明の受容体の結合性を変化させる化合物(本発明
のポリペプチドの活性を促進または阻害する化合物)ま
たはその塩のスクリーニング方法を提供する。本発明の
スクリーニング方法においては、(i)上記した本発明
の受容体に、本発明のポリペプチドを接触させた場合と
(ii)上記した本発明の受容体に、本発明のポリペプチ
ドおよび試験化合物を接触させた場合における、例えば
該本発明の受容体に対するリガンドの結合量、細胞刺激
活性などを測定して、比較する。
【0042】本発明のスクリーニング方法は具体的に
は、 標識した本発明のポリペプチドを、上記した本発明の
受容体に接触させた場合と、標識した本発明のポリペプ
チドおよび試験化合物を本発明の受容体に接触させた場
合における、標識した本発明のポリペプチドの本発明の
受容体に対する結合量を測定し、比較することを特徴と
する本発明のポリペプチドと本発明の受容体との結合性
を変化させる化合物(本発明のポリペプチドの活性を促
進または阻害する化合物)またはその塩のスクリーニン
グ方法、 標識した本発明のポリペプチドを、本発明の受容体を
含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合
と、標識した本発明のポリペプチドおよび試験化合物を
本発明の受容体を含有する細胞または該細胞の膜画分に
接触させた場合における、標識した本発明のポリペプチ
ドの該細胞または該膜画分に対する結合量を測定し、比
較することを特徴とする本発明のポリペプチドと本発明
の受容体との結合性を変化させる化合物(本発明のポリ
ペプチドの活性を促進または阻害する化合物)またはそ
の塩のスクリーニング方法、 標識した本発明のポリペプチドを、本発明の受容体を
コードするDNAを含有する形質転換体を培養すること
によって細胞膜上に発現した本発明の受容体に接触させ
た場合と、標識した本発明のポリペプチドおよび試験化
合物を本発明の受容体をコードするDNAを含有する形
質転換体を培養することによって細胞膜上に発現した本
発明のポリペプチドの受容体に接触させた場合におけ
る、標識した本発明のポリペプチドの本発明の受容体に
対する結合量を測定し、比較することを特徴とする本発
明のポリペプチドと本発明の受容体との結合性を変化さ
せる化合物(本発明のポリペプチドの活性を促進または
阻害する化合物)またはその塩のスクリーニング方法、
【0043】本発明の受容体を活性化する化合物(例
えば、本発明のポリペプチド)を本発明の受容体を含有
する細胞に接触させた場合と、本発明の受容体を活性化
する化合物および試験化合物を本発明の受容体を含有す
る細胞に接触させた場合における、本発明の受容体を介
した細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチ
ルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生
成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細
胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの
活性化、pHの低下、GTPγS結合活性などを促進す
る活性または抑制する活性など)を測定し、比較するこ
とを特徴とする本発明のポリペプチドと本発明の受容体
との結合性を変化させる化合物(本発明のポリペプチド
の活性を促進または阻害する化合物)またはその塩のス
クリーニング方法、および 本発明の受容体を活性化する化合物(例えば、本発明
のポリペプチドなど)を本発明の受容体をコードするD
NAを含有する形質転換体を培養することによって細胞
膜上に発現した本発明の受容体に接触させた場合と、本
発明の受容体を活性化する化合物および試験化合物を、
本発明の受容体をコードするDNAを含有する形質転換
体を培養することによって細胞膜上に発現した本発明の
受容体に接触させた場合における、本発明の受容体を介
する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチ
ルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生
成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細
胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの
活性化、pHの低下、GTPγS結合活性などを促進す
る活性または抑制する活性など)を測定し、比較するこ
とを特徴とする本発明のポリペプチドと本発明の受容体
との結合性を変化させる化合物(本発明のポリペプチド
の活性を促進または阻害する化合物)またはその塩のス
クリーニング方法などである。
【0044】本発明のスクリーニング方法の具体的な説
明を以下にする。まず、本発明のスクリーニング方法に
用いる本発明の受容体としては、本発明のポリペプチド
をリガンドとして認識するものであれば何れのものであ
ってもよいが、ヒトや温血動物の臓器の膜画分などが好
適である。しかし、特にヒト由来の臓器は入手が極めて
困難なことから、スクリーニングに用いられるものとし
ては、組換え体を用いて大量発現させた本発明の受容体
などが適している。本発明の受容体を製造するには、前
述の本発明のポリペプチドの製造方法などが用いられ
る。本発明のスクリーニング方法において、本発明の受
容体を含有する細胞あるいは該細胞膜画分などを用いる
場合、後述の調製法に従えばよい。本発明の受容体を含
有する細胞を用いる場合、該細胞をグルタルアルデヒ
ド、ホルマリンなどで固定化してもよい。固定化方法は
公知の方法に従って行うことができる。本発明の受容体
を含有する細胞としては、本発明の受容体を発現した宿
主細胞をいうが、該宿主細胞としては、前述の大腸菌、
枯草菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞などが挙げられる。
また、本発明の受容体を発現した宿主細胞は、前述の本
発明のポリペプチドを含有する発現ベクターで形質転換
された形質転換体の製造方法と同様の方法などがあげら
れる。膜画分としては、細胞を破砕した後、公知の方法
で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。細
胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナイ
ザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーやポ
リトロン(Kinematica社製)による破砕、超音波による
破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノ
ズルから噴出させることによる破砕などがあげられる。
細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離
法などの遠心力による分画法が主として用いられる。例
えば、細胞破砕液を低速(500rpm〜3000rp
m)で短時間(通常、約1分〜10分)遠心し、上清を
さらに高速(15000rpm〜30000rpm)で
通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画分とす
る。該膜画分中には、発現した本発明の受容体と細胞由
来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。
該本発明の受容体を含有する細胞や膜画分中の本発明の
受容体の量は、1細胞当たり103〜108分子であるの
が好ましく、105〜107分子であるのが好適である。
なお、発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活
性(比活性)が高くなり、高感度なスクリーニング系の
構築が可能になるばかりでなく、同一ロットで大量の試
料を測定できるようになる。
【0045】本発明のポリペプチドと本発明の受容体と
の結合性を変化させる化合物(本発明のポリペプチドの
活性を促進または阻害する化合物)をスクリーニングす
る前記の〜を実施するためには、適当な本発明の受
容体画分と、標識した本発明のポリペプチドなどが用い
られる。本発明の受容体画分としては、天然型の本発明
の受容体画分か、またはそれと同等の活性を有する組換
え型本発明の受容体画分などが望ましい。ここで、同等
の活性とは、同等のリガンド結合活性などを示す。標識
したリガンドとしては、標識したリガンド、標識したリ
ガンドアナログ化合物などが用いられる。例えば
3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識さ
れたリガンドなどを利用することができる。このうち好
ましくは、〔125I〕で標識されたリガンドである。具
体的には、本発明のポリペプチドと本発明の受容体との
結合性を変化させる化合物のスクリーニングを行うに
は、まず本発明の受容体を含有する細胞または細胞の膜
画分を、スクリーニングに適したバッファーに懸濁する
ことによりレセプター標品を調製する。バッファーに
は、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン酸バ
ッファー、トリス−塩酸バッファーなどのリガンドとレ
セプターとの結合を阻害しないバッファーであればいず
れでもよい。また、非特異的結合を低減させる目的で、
CHAPS、Tween−80TM(花王−アトラス
社)、ジギトニン、デオキシコレートなどの界面活性剤
をバッファーに加えることもできる。さらに、プロテア
ーゼによる本発明の受容体や本発明のポリペプチドの分
解を抑える目的でPMSF、ロイペプチン、E−64
(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプロテアー
ゼ阻害剤を添加することもできる。0.01ml〜10
mlの該レセプター溶液に、一定量(5000cpm〜
500000cpm)の標識した本発明のポリペプチド
を添加し、同時に10-10〜10-7Mの試験化合物を共
存させる。非特異的結合量(NSB)を知るために大過
剰の未標識の本発明のポリペプチドを加えた反応チュー
ブも用意する。反応は0℃から50℃、望ましくは4℃
から37℃で20分から24時間、望ましくは30分か
ら3時間行う。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過し、適
量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存
する放射活性を液体シンチレーションカウンターまたは
γ−カウンターで計測する。拮抗する物質がない場合の
カウント(B0)から非特異的結合量(NSB)を引いた
カウント(B0−NSB)を100%とした時、特異的
結合量(B−NSB)が例えば50%以下になる試験化
合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択すること
ができる。
【0046】本発明のポリペプチドと本発明の受容体と
の結合性を変化させる化合物(本発明のポリペプチドの
活性を促進または阻害する化合物)をスクリーニングす
る前記の〜の方法を実施するためには、本発明の受
容体を介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊
離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内c
AMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸
産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−
fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性など
を促進する活性または抑制する活性など)を公知の方法
または市販の測定用キットを用いて測定することができ
る。具体的には、まず、本発明の受容体を含有する細胞
をマルチウェルプレート等に培養する。スクリーニング
を行うにあたっては前もって新鮮な培地あるいは細胞に
毒性を示さない適当なバッファーに交換し、試験化合物
などを添加して一定時間インキュベートした後、細胞を
抽出あるいは上清液を回収して、生成した産物をそれぞ
れの方法に従って定量する。細胞刺激活性の指標とする
物質(例えば、アラキドン酸など)の生成が、細胞が含
有する分解酵素によって検定困難な場合は、該分解酵素
に対する阻害剤を添加してアッセイを行なってもよい。
また、cAMP産生抑制などの活性については、フォル
スコリンなどで細胞の基礎的産生量を増大させておいた
細胞に対する産生抑制作用として検出することができ
る。細胞刺激活性を測定してスクリーニングを行なうに
は、適当な本発明の受容体を発現した細胞が必要であ
る。本発明の受容体を発現した細胞としては、前述の本
発明の受容体発現細胞株などが望ましい。試験化合物と
しては、例えばペプチド、タンパク、非ペプチド性化合
物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出
液、動物組織抽出液などがあげられる。
【0047】本発明のポリペプチドと本発明の受容体と
の結合性を変化させる化合物(本発明のポリペプチドの
活性を促進または阻害する化合物)またはその塩のスク
リーニング用キットは、本発明の受容体またはその塩、
本発明の受容体の部分ペプチドまたはその塩、本発明の
受容体を含有する細胞、あるいは本発明の受容体を含有
する細胞の膜画分、および本発明のポリペプチドを含有
するものである。本発明のスクリーニング用キットの例
としては、次のものが挙げられる。 1.スクリーニング用試薬 測定用緩衝液および洗浄用緩衝液 Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.
05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたも
の。孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃
で保存するか、あるいは用時調製しても良い。 本発明の受容体標品 本発明の受容体を発現させたCHO細胞を、12穴プレ
ートに5×105個/穴で継代し、37℃、5%CO2
95%airで2日間培養したもの。 標識リガンド 〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識し
た本発明のポリペプチドを適当な溶媒または緩衝液に溶
解したものを4℃あるいは−20℃にて保存し、用時に
測定用緩衝液にて1μMに希釈する。 リガンド標準液 本発明のポリペプチドを0.1%ウシ血清アルブミン
(シグマ社製)を含むPBSで1mMとなるように溶解
し、−20℃で保存する。
【0048】2.測定法 12穴組織培養用プレートにて培養した本発明の受容
体を発現させた細胞を、測定用緩衝液1mlで2回洗浄
した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加える。 10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加えた
後、標識した本発明のペプチドを5μl加え、室温にて
1時間反応させる。非特異的結合量を知るためには試験
化合物の代わりに10-3Mの本発明のポリペプチドを5
μl加えておく。 反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄す
る。細胞に結合した標識された本発明のポリペプチドを
0.2N NaOH−1%SDSで溶解し、4mlの液体
シンチレーターA(和光純薬製)と混合する。 液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)
を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding
(PMB)を次の式〔数1〕で求める。 〔数1〕 PMB=[(B−NSB)/(B0−NSB)]×10
0 PMB:Percent Maximum Binding B :検体を加えた時の値 NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量) B0 :最大結合量
【0049】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、本発明のポリペプチドと本発明の受容体との結合を
変化させる(結合を阻害あるいは促進する)化合物(本
発明のポリペプチドの活性を促進または阻害する化合
物)であり、具体的には本発明の受容体を介して細胞刺
激活性を有する化合物またはその塩(いわゆる本発明の
受容体アゴニスト)、あるいは該刺激活性を有しない化
合物(いわゆる本発明の受容体アンタゴニスト)であ
る。該化合物としては、ペプチド、タンパク、非ペプチ
ド性化合物、合成化合物、発酵生産物などが挙げられ、
これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の
化合物であってもよい。上記本発明の受容体アゴニスト
であるかアンタゴニストであるかの具体的な評価方法は
以下の(i)または(ii)に従えばよい。 (i)前記〜のスクリーニング方法で示されるバイ
ンディング・アッセイを行い、本発明のポリペプチドと
本発明の受容体との結合性を変化させる(特に、結合を
阻害する)化合物を得た後、該化合物が上記した本発明
の受容体を介する細胞刺激活性を有しているか否かを測
定する。細胞刺激活性を有する化合物またはその塩は本
発明の受容体アゴニストであり、該活性を有しない化合
物またはその塩は本発明の受容体アンタゴニストであ
る。 (ii)(a)試験化合物を本発明の受容体を含有する細胞
に接触させ、上記本発明の受容体を介した細胞刺激活性
を測定する。細胞刺激活性を有する化合物またはその塩
は本発明の受容体アゴニストである。 (b) 本発明の受容体を活性化する化合物(例えば、本発
明のポリペプチドまたは本発明の受容体アゴニストな
ど)を本発明の受容体を含有する細胞に接触させた場合
と、本発明の受容体を活性化する化合物および試験化合
物を本発明の受容体を含有する細胞に接触させた場合に
おける、本発明の受容体を介した細胞刺激活性を測定
し、比較する。本発明の受容体を活性化する化合物によ
る細胞刺激活性を減少させ得る化合物またはその塩は本
発明の受容体アンタゴニストである。該本発明の受容体
アゴニストは、本発明の受容体に対する本発明のポリペ
プチドが有する生理活性と同様の作用を有しているの
で、本発明のポリペプチドと同様に安全で低毒性な医薬
(例えば、拒食症の予防・治療薬、食欲(摂食)増進
剤,下垂体ホルモン分泌不全〔例、プロラクチン分泌不
全(例、卵巣機能低下症、精嚢発育不全、更年期障害、
甲状腺機能低下等)〕の予防・治療薬等)として有用で
ある。逆に、本発明の受容体アンタゴニストは、本発明
の受容体に対する本発明のポリペプチドが有する生理活
性を抑制することができるので、肥満症[例、悪性肥満
細胞症(malignant mastocytosis)、外因性肥満 (exogen
ous obesity)、過インシュリン性肥満症(hyperinsulina
r obesity)、過血漿性肥満(hyperplasmic obesity)、下
垂体性肥満(hypophyseal adiposity)、減血漿性肥満症
(hypoplasmic obesity)、甲状腺機能低下肥満症(hypoth
yroid obesity)、視床下部性肥満(hypothalamic obesit
y)、症候性肥満症(symptomatic obesity)、小児肥満 (i
nfantileobesity)、上半身肥満(upper body obesity)、
食事性肥満症 (alimentary obesity)、性機能低下性肥
満(hypogonadal obesity)、全身性肥満細胞症(systemic
mastocytosis)、単純性肥満(simple obesity)、中心性
肥満(central obesity)など]、摂食亢進症(hyperphagi
a) などの安全で低毒性な予防・治療剤、下垂体腺腫
瘍、間脳腫瘍、月経異常、自己免疫疾患、プロラクチノ
ーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末
端肥大症、キアリ・フロンメル症候群、アルゴンツ・デ
ル・カスティロ症候群、フォーベス・アルブライト症候
群、リンパ腫、シーハン症候群、精子形成異常などの安
全で低毒性な予防・治療剤(プロラクチン産生抑制
剤)、好ましくは肥満症、摂食亢進症などの安全で低毒
性な予防・治療剤として有用である。
【0050】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合
物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出
液、動物組織抽出液、血漿などから選ばれた化合物であ
り、本発明のポリペプチドの機能を促進または阻害する
化合物である。該化合物の塩としては、前記した本発明
のポリペプチドの塩と同様のものが用いられる。
【0051】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物を上述の治療
・予防剤として使用する場合、常套手段に従って実施す
ることができる。例えば、前記した本発明のポリペプチ
ドを含有する医薬と同様にして、錠剤、カプセル剤、エ
リキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液
剤などとすることができる。このようにして得られる製
剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血
動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブ
タ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジ
ーなど)に対して投与することができる。該化合物また
はその塩の投与量は、その作用、対象疾患、投与対象、
投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、拒食症治
療の目的で本発明のポリペプチドの機能を促進する化合
物を経口投与する場合、一般的に成人(体重60kg当
たり)においては、一日につき該化合物を約0.1〜1
00mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好まし
くは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する
場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患な
どによっても異なるが、例えば、拒食症治療の目的で本
発明のポリペプチドの機能を促進する化合物を注射剤の
形で通常成人(60kg当たり)に投与する場合、一日
につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましく
は約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜
10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合であ
る。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を
投与することができる。また、例えば、肥満症症治療の
目的で本発明のポリペプチドの機能を阻害する化合物を
経口投与する場合、一般的に成人(体重60kg当た
り)においては、一日につき該化合物を約0.1〜10
0mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましく
は約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場
合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患など
によっても異なるが、例えば、肥満症治療の目的で本発
明のポリペプチドの機能を阻害する化合物を注射剤の形
で通常成人(60kg当たり)に投与する場合、一日に
つき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは
約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜1
0mg程度を静脈注射により投与するのが好都合であ
る。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を
投与することができる。 (3)本発明のポリペプチドの定量 本発明のポリペプチドに対する抗体(以下、本発明の抗
体と略記する場合がある)は、本発明のポリペプチドを
特異的に認識することができるので、被検液中の本発明
のポリペプチドの定量、特にサンドイッチ免疫測定法に
よる定量などに使用することができる。
【0052】すなわち、本発明は、(i)本発明の抗体
と、被検液および標識化された本発明のポリペプチドと
を競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化された本
発明のポリペプチドの割合を測定することを特徴とする
被検液中の本発明のポリペプチドの定量法、および(i
i)被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標
識化された本発明の別の抗体とを同時あるいは連続的に
反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定す
ることを特徴とする被検液中の本発明のポリペプチドの
定量法を提供する。上記(ii)の定量法においては、一
方の抗体が本発明のポリペプチドのN端部を認識する抗
体で、他方の抗体が本発明のポリペプチドのC端部に反
応する抗体であることが望ましい。また、本発明のポリ
ペプチドに対するモノクローナル抗体を用いて本発明の
ポリペプチドの定量を行うことができるほか、組織染色
等による検出を行なうこともできる。これらの目的に
は、抗体分子そのものを用いてもよく、また、抗体分子
のF(ab')2、Fab'、あるいはFab画分を用いて
もよい。本発明の抗体を用いる本発明のポリペプチドの
定量法は、 特に制限されるべきものではなく、被測定
液中の抗原量(例えば、ポリペプチド量)に対応した抗
体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または
物理的手段により検出し、これを既知量の抗原を含む標
準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であ
れば、いずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフロ
メトリー、競合法、イムノメトリック法およびサンドイ
ッチ法が好適に用いられるが、感度、特異性の点で、後
述するサンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。
【0053】標識物質を用いる測定法に用いられる標識
剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物
質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素として
は、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、
14C〕などが用いられる。上記酵素としては、安定で
比活性の大きなものが好ましく、例えば、β−ガラクト
シダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファタ
ーゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用
いられる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミ
ン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられ
る。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノー
ル誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられ
る。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオ
チン−アビジン系を用いることもできる。抗原あるいは
抗体の不溶化に当っては、物理吸着を用いてもよく、ま
た通常ポリペプチドあるいは酵素等を不溶化、固定化す
るのに用いられる化学結合を用いる方法でもよい。担体
としては、アガロース、デキストラン、セルロースなど
の不溶性多糖類、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、
シリコン等の合成樹脂、あるいはガラス等があげられ
る。サンドイッチ法においては不溶化した本発明のモノ
クローナル抗体に被検液を反応させ(1次反応)、さら
に標識化した別の本発明のモノクローナル抗体を反応さ
せ(2次反応)たのち、不溶化担体上の標識剤の活性を
測定することにより被検液中の本発明のポリペプチド量
を定量することができる。1次反応と2次反応は逆の順
序に行っても、また、同時に行なってもよいし時間をず
らして行なってもよい。標識化剤および不溶化の方法は
前記のそれらに準じることができる。また、サンドイッ
チ法による免疫測定法において、固相用抗体あるいは標
識用抗体に用いられる抗体は必ずしも1種類である必要
はなく、測定感度を向上させる等の目的で2種類以上の
抗体の混合物を用いてもよい。
【0054】本発明のサンドイッチ法による本発明のポ
リペプチドの測定法においては、1次反応と2次反応に
用いられる本発明のモノクローナル抗体は、本発明のポ
リペプチドの結合する部位が相異なる抗体が好ましく用
いられる。すなわち、1次反応および2次反応に用いら
れる抗体は、例えば、2次反応で用いられる抗体が、本
発明のポリペプチドのC端部を認識する場合、1次反応
で用いられる抗体は、好ましくはC端部以外、例えばN
端部を認識する抗体が用いられる。本発明のモノクロー
ナル抗体をサンドイッチ法以外の測定システム、例え
ば、競合法、イムノメトリック法あるいはネフロメトリ
ーなどに用いることができる。競合法では、被検液中の
抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させたの
ち、未反応の標識抗原(F)と、抗体と結合した標識抗
原(B)とを分離し(B/F分離)、B,Fいずれかの
標識量を測定し、被検液中の抗原量を定量する。本反応
法には、抗体として可溶性抗体を用い、B/F分離をポ
リエチレングリコール、前記抗体に対する第2抗体など
を用いる液相法、および、第1抗体として固相化抗体を
用いるか、あるいは、第1抗体は可溶性のものを用い第
2抗体として固相化抗体を用いる固相化法とが用いられ
る。イムノメトリック法では、被検液中の抗原と固相化
抗原とを一定量の標識化抗体に対して競合反応させた後
固相と液相を分離するか、あるいは、被検液中の抗原と
過剰量の標識化抗体とを反応させ、次に固相化抗原を加
え未反応の標識化抗体を固相に結合させたのち、固相と
液相を分離する。次に、いずれかの相の標識量を測定し
被検液中の抗原量を定量する。また、ネフロメトリーで
は、ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生じた
不溶性の沈降物の量を測定する。被検液中の抗原量が僅
かであり、少量の沈降物しか得られない場合にもレーザ
ーの散乱を利用するレーザーネフロメトリーなどが好適
に用いられる。これら個々の免疫学的測定法を本発明の
定量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等
の設定は必要とされない。それぞれの方法における通常
の条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本
発明のポリペプチドの測定系を構築すればよい。これら
の一般的な技術手段の詳細については、総説、成書など
を参照することができる。例えば、入江 寛編「ラジオ
イムノアッセイ〕(講談社、昭和49年発行)、入江
寛編「続ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和54年
発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、
昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」
(第2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら
編「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62
年発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」Vol. 70(Immunoch
emical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunoch
emical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunoch
emical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunoch
emical Techniques(Part D : Selected Immunoassay
s))、 同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part
E : Monoclonal Antibodies and General Immunoassay
Methods))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Technique
s(Part I : Hybridoma Technology and Monoclonal Ant
ibodies))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参
照することができる。以上のようにして、本発明の抗体
を用いることによって、本発明のポリペプチドを感度良
く定量することができる。
【0055】さらには、本発明の抗体を用いて本発明の
ポリペプチドの濃度を定量することによって、本発明の
ポリペプチドの濃度の減少が検出された場合、例えば、
拒食症、高血圧、自己免疫疾患、心不全、白内障、緑内
障、急性バクテリア髄膜炎,急性心筋梗塞,急性膵炎,
急性ウイルス脳炎,成人呼吸促迫症候群,アルコール性
肝炎,アルツハイマー病,喘息,動脈硬化,アトピー性
皮膚炎,バクテリア肺炎,膀胱がん,骨折,乳がん,過
食症,多食症,火傷治癒,子宮頸部がん,慢性リンパ性
白血病,慢性骨髄性白血病,慢性膵炎,肝硬変,大腸が
ん(結腸/直腸がん),クローン病,痴呆,糖尿病性合
併症,糖尿病性腎症,糖尿病性神経障害,糖尿病性網膜
症,胃炎,ヘリコバクター・ピロリ感染症,肝不全,A
型肝炎,B型肝炎,C型肝炎,肝炎,単純ヘルペスウイ
ルス感染症,水痘帯状疱疹ウイルス感染症,ホジキン
病,エイズ感染症,ヒトパピローマウイルス感染症,高
カルシウム血症,高コレステロール血症,高グリセリド
血症,高脂血症,感染症,インフルエンザ感染症,イン
シュリン依存性糖尿病(I型),侵襲性ブドウ状球菌感
染症,悪性黒色腫,がん転移,多発性骨髄腫,アレルギ
ー性鼻炎,腎炎,非ホジキン性リンパ腫,インシュリン
非依存性糖尿病(II型),非小細胞肺がん,臓器移植,
骨関節炎,骨軟化症,骨減少症,骨粗鬆症,卵巣がん,
骨ペーチェット病,消化性潰瘍,末梢血管疾患,前立腺
がん,逆流性食道炎,腎不全,リウマチ関節炎,精神分
裂症,敗血症,敗血症ショック,重症全身性真菌感染
症,小細胞肺がん,脊髄損傷,胃がん,全身性エリテマ
トーサス,一過性脳虚血発作,結核,心弁膜症,血管性
/多発梗塞痴呆,創傷治癒,不眠症,関節炎、下垂体ホ
ルモン分泌不全〔例、プロラクチン分泌不全(例、卵巣
機能低下症、精嚢発育不全、更年期障害、甲状腺機能低
下等)〕、瀕尿、尿毒症、または神経変成疾患等(特に
拒食症等)の疾病である、または将来罹患する可能性が
高いと診断することができる。また、本発明のポリペプ
チドの濃度の増加が検出された場合には、例えば、肥満
症[例、悪性肥満細胞症(malignant mastocytosis)、外
因性肥満 (exogenousobesity)、過インシュリン性肥満
症(hyperinsulinar obesity)、過血漿性肥満(hyperplas
mic obesity)、下垂体性肥満(hypophyseal adiposit
y)、減血漿性肥満症(hypoplasmic obesity)、甲状腺機
能低下肥満症(hypothyroid obesity)、視床下部性肥満
(hypothalamic obesity)、症候性肥満症(symptomatic o
besity)、小児肥満 (infantile obesity)、上半身肥満
(upper body obesity)、食事性肥満症(alimentary obes
ity)、性機能低下性肥満(hypogonadal obesity)、全身
性肥満細胞症(systemic mastocytosis)、単純性肥満(si
mple obesity)、中心性肥満(central obesity)など]、
摂食亢進症(hyperphagia)、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、
月経異常、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊症、
インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、キア
リ・フロンメル症候群、アルゴンツ・デル・カスティロ
症候群、フォーベス・アルブライト症候群、リンパ腫、
シーハン症候群、精子形成異常(特に肥満症等)などの
疾病である、または将来罹患する可能性が高いと診断す
ることができる。また、本発明の抗体は、体液や組織な
どの被検体中に存在する本発明のポリペプチドを検出す
るために使用することができる。また、本発明のポリペ
プチドを精製するために使用する抗体カラムの作製、精
製時の各分画中の本発明のポリペプチドの検出、被検細
胞内における本発明のポリペプチドの挙動の分析などの
ために使用することができる。
【0056】(4)遺伝子診断剤 本発明のDNAは、例えば、プローブとして使用するこ
とにより、ヒトまたは温血動物(例えば、ラット、マウ
ス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、
ウマ、ネコ、イヌ、サル、など)における本発明のポリ
ペプチドをコードするDNAまたはmRNAの異常(遺
伝子異常)を検出することができるので、例えば、該D
NAまたはmRNAの損傷、突然変異あるいは発現低下
や、該DNAまたはmRNAの増加あるいは発現過多な
どの遺伝子診断剤として有用である。本発明のDNAを
用いる上記の遺伝子診断は、例えば、公知のノーザンハ
イブリダイゼーションやPCR−SSCP法(ゲノミッ
クス(Genomics),第5巻,874〜879頁(198
9年)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・ア
カデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ユーエスエー
(Proceedings of theNational Academy of Sciences o
f the United States of America),第86巻,276
6〜2770頁(1989年))などにより実施するこ
とができる。例えば、ノーザンハイブリダイゼーション
により発現低下が検出された場合は、 例えば、拒食
症、高血圧、自己免疫疾患、心不全、白内障、緑内障、
急性バクテリア髄膜炎,急性心筋梗塞,急性膵炎,急性
ウイルス脳炎,成人呼吸促迫症候群,アルコール性肝
炎,アルツハイマー病,喘息,動脈硬化,アトピー性皮
膚炎,バクテリア肺炎,膀胱がん,骨折,乳がん,過食
症,多食症,火傷治癒,子宮頸部がん,慢性リンパ性白
血病,慢性骨髄性白血病,慢性膵炎,肝硬変,大腸がん
(結腸/直腸がん),クローン病,痴呆,糖尿病性合併
症,糖尿病性腎症,糖尿病性神経障害,糖尿病性網膜
症,胃炎,ヘリコバクター・ピロリ感染症,肝不全,A
型肝炎,B型肝炎,C型肝炎,肝炎,単純ヘルペスウイ
ルス感染症,水痘帯状疱疹ウイルス感染症,ホジキン
病,エイズ感染症,ヒトパピローマウイルス感染症,高
カルシウム血症,高コレステロール血症,高グリセリド
血症,高脂血症,感染症,インフルエンザ感染症,イン
シュリン依存性糖尿病(I型),侵襲性ブドウ状球菌感
染症,悪性黒色腫,がん転移,多発性骨髄腫,アレルギ
ー性鼻炎,腎炎,非ホジキン性リンパ腫,インシュリン
非依存性糖尿病(II型),非小細胞肺がん,臓器移植,
骨関節炎,骨軟化症,骨減少症,骨粗鬆症,卵巣がん,
骨ペーチェット病,消化性潰瘍,末梢血管疾患,前立腺
がん,逆流性食道炎,腎不全,リウマチ関節炎,精神分
裂症,敗血症,敗血症ショック,重症全身性真菌感染
症,小細胞肺がん,脊髄損傷,胃がん,全身性エリテマ
トーサス,一過性脳虚血発作,結核,心弁膜症,血管性
/多発梗塞痴呆,創傷治癒,不眠症,関節炎、下垂体ホ
ルモン分泌不全〔例、プロラクチン分泌不全(例、卵巣
機能低下症、精嚢発育不全、更年期障害、甲状腺機能低
下等)〕、瀕尿、尿毒症、または神経変成疾患等(特に
拒食症等)である可能性が高いまたは将来罹患する可能
性が高いと診断することができる。また、ノーザンハイ
ブリダイゼーションにより発現過多が検出された場合
は、例えば、肥満症[例、悪性肥満細胞症(malignant m
astocytosis)、外因性肥満 (exogenous obesity)、過イ
ンシュリン性肥満症(hyperinsulinar obesity)、過血漿
性肥満(hyperplasmic obesity)、下垂体性肥満(hypophy
seal adiposity)、減血漿性肥満症(hypoplasmic obesit
y)、甲状腺機能低下肥満症(hypothyroid obesity)、視
床下部性肥満(hypothalamic obesity)、症候性肥満症(s
ymptomatic obesity)、小児肥満 (infantile obesit
y)、上半身肥満(upper body obesity)、食事性肥満症
(alimentary obesity)、性機能低下性肥満(hypogonadal
obesity)、全身性肥満細胞症(systemic mastocytosi
s)、単純性肥満(simple obesity)、中心性肥満(central
obesity)など]、摂食亢進症(hyperphagia) 、下垂体
腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、自己免疫疾患、プロラク
チノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏
症、末端肥大症、キアリ・フロンメル症候群、アルゴン
ツ・デル・カスティロ症候群、フォーベス・アルブライ
ト症候群、リンパ腫、シーハン症候群、精子形成異常
(特に肥満症等)などである可能性が高いまたは将来罹
患する可能性が高いと診断することができる。
【0057】(5)アンチセンスDNAを含有する医薬 本発明のDNAに相補的に結合し、該DNAの発現を抑
制することができるアンチセンスDNAは、例えば、肥
満症[例、悪性肥満細胞症(malignant mastocytosis)、
外因性肥満 (exogenous obesity)、過インシュリン性肥
満症(hyperinsulinar obesity)、過血漿性肥満(hyperpl
asmic obesity)、下垂体性肥満(hypophyseal adiposit
y)、減血漿性肥満症(hypoplasmic obesity)、甲状腺機
能低下肥満症(hypothyroid obesity)、視床下部性肥満
(hypothalamic obesity)、症候性肥満症(symptomatic o
besity)、小児肥満 (infantile obesity)、上半身肥満
(upper body obesity)、食事性肥満症 (alimentary obe
sity)、性機能低下性肥満(hypogonadal obesity)、全身
性肥満細胞症(systemic mastocytosis)、単純性肥満(si
mple obesity)、中心性肥満(central obesity)など]、
摂食亢進症(hyperphagia) 、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、
月経異常、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊症、
インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、キア
リ・フロンメル症候群、アルゴンツ・デル・カスティロ
症候群、フォーベス・アルブライト症候群、リンパ腫、
シーハン症候群、精子形成異常(特に肥満症等)などの
予防・治療薬として使用することができる。
【0058】例えば、該アンチセンスDNAを用いる場
合、該アンチセンスDNAを単独あるいはレトロウイル
スベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイルス
アソシエーテッドウイルスベクターなどの適当なベクタ
ーに挿入した後、常套手段に従って実施することができ
る。該アンチセンスDNAは、そのままで、あるいは摂
取促進のために補助剤などの生理学的に認められる担体
とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテル
のようなカテーテルによって投与できる。さらに、該ア
ンチセンスDNAは、組織や細胞における本発明のDN
Aの存在やその発現状況を調べるための診断用オリゴヌ
クレオチドプローブとして使用することもできる。
【0059】(6)本発明の抗体を含有する医薬 本発明のポリペプチドを中和する作用を有する本発明の
抗体は、例えば、肥満症[例、悪性肥満細胞症(maligna
nt mastocytosis)、外因性肥満 (exogenous obesity)、
過インシュリン性肥満症(hyperinsulinar obesity)、過
血漿性肥満(hyperplasmic obesity)、下垂体性肥満(hyp
ophyseal adiposity)、減血漿性肥満症(hypoplasmic ob
esity)、甲状腺機能低下肥満症(hypothyroid obesit
y)、視床下部性肥満(hypothalamic obesity)、症候性肥
満症(symptomatic obesity)、小児肥満 (infantile obe
sity)、上半身肥満(upper body obesity)、食事性肥満
症 (alimentary obesity)、性機能低下性肥満(hypogona
dal obesity)、全身性肥満細胞症(systemic mastocytos
is)、単純性肥満(simple obesity)、中心性肥満(centra
l obesity)など]、摂食亢進症(hyperphagia) 、下垂体
腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、自己免疫疾患、プロラク
チノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏
症、末端肥大症、キアリ・フロンメル症候群、アルゴン
ツ・デル・カスティロ症候群、フォーベス・アルブライ
ト症候群、リンパ腫、シーハン症候群、精子形成異常
(特に肥満症等)などの予防・治療薬などの医薬として
使用することができる。
【0060】本発明の抗体を含有する上記疾患の治療・
予防剤は、そのまま液剤として、または適当な剤型の医
薬組成物として、ヒトまたは哺乳動物(例、ラット、ウ
サギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に
対して経口的または非経口的に投与することができる。
投与量は、投与対象、対象疾患、症状、投与ルートなど
によっても異なるが、例えば、成人の肥満症患者の治療
・予防のために使用する場合には、本発明の抗体を1回
量として、通常0.01〜20mg/kg体重程度、好
ましくは0.1〜10mg/kg体重程度、さらに好ま
しくは0.1〜5mg/kg体重程度を、1日1〜5回
程度、好ましくは1日1〜3回程度、静脈注射により投
与するのが好都合である。他の非経口投与および経口投
与の場合もこれに準ずる量を投与することができる。症
状が特に重い場合には、その症状に応じて増量してもよ
い。本発明の抗体は、それ自体または適当な医薬組成物
として投与することができる。上記投与に用いられる医
薬組成物は、上記またはその塩と薬理学的に許容され得
る担体、希釈剤もしくは賦形剤とを含むものである。か
かる組成物は、経口または非経口投与に適する剤形とし
て提供される。すなわち、例えば、経口投与のための組
成物としては、固体または液体の剤形、具体的には錠剤
(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆
粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、
シロップ剤、乳剤、懸濁剤などがあげられる。かかる組
成物は公知の方法によって製造され、製剤分野において
通常用いられる担体、希釈剤もしくは賦形剤を含有する
ものである。例えば、錠剤用の担体、賦形剤としては、
乳糖、でんぷん、蔗糖、ステアリン酸マグネシウムなど
が用いられる。
【0061】非経口投与のための組成物としては、例え
ば、注射剤、坐剤などが用いられ、注射剤は静脈注射
剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤
などの剤形を包含する。かかる注射剤は、公知の方法に
従って、例えば、上記抗体またはその塩を通常注射剤に
用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁また
は乳化することによって調製する。注射用の水性液とし
ては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬
を含む等張液などが用いられ、適当な溶解補助剤、例え
ば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール
(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ル)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、
HCO−50(polyoxyethylene(50mol)adduct of
hydrogenated castor oil)〕などと併用してもよい。
油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いら
れ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアル
コールなどを併用してもよい。調製された注射液は、通
常、適当なアンプルに充填される。直腸投与に用いられ
る坐剤は、上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に
混合することによって調製される。上記の経口用または
非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するよ
うな投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。
かかる投薬単位の剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル
剤、注射剤(アンプル)、坐剤などが例示され、それぞ
れの投薬単位剤形当たり通常5〜500mg、とりわけ
注射剤では5〜100mg、その他の剤形では10〜2
50mgの上記抗体が含有されていることが好ましい。
なお前記した各組成物は、上記抗体との配合により好ま
しくない相互作用を生じない限り他の活性成分を含有し
てもよい。
【0062】(7)DNA転移動物 本発明は、外来性の本発明のポリペプチドをコードする
DNA(以下、本発明の外来性DNAと略記する)また
はその変異DNA(本発明の外来性変異DNAと略記す
る場合がある)を有する非ヒト哺乳動物を提供する。す
なわち、本発明は、(1)本発明の外来性DNAまたは
その変異DNAを有する非ヒト哺乳動物、(2)非ヒト
哺乳動物がゲッ歯動物である第(1)記載の動物、(3)
ゲッ歯動物がマウスまたはラットである第(2)記載の
動物、および(4)本発明の外来性DNAまたはその変
異DNAを含有し、哺乳動物において発現しうる組換え
ベクターを提供するものである。本発明の外来性DNA
またはその変異DNAを有する非ヒト哺乳動物(以下、
本発明のDNA転移動物と略記する)は、未受精卵、受
精卵、精子およびその始原細胞を含む胚芽細胞などに対
して、好ましくは、非ヒト哺乳動物の発生における胚発
生の段階(さらに好ましくは、単細胞または受精卵細胞
の段階でかつ一般に8細胞期以前)に、リン酸カルシウ
ム法、電気パルス法、リポフェクション法、凝集法、マ
イクロインジェクション法、パーティクルガン法、DE
AE−デキストラン法などにより目的とするDNAを転
移することによって作出することができる。また、該D
NA転移方法により、体細胞、生体の臓器、組織細胞な
どに目的とする本発明の外来性DNAを転移し、細胞培
養、組織培養などに利用することもでき、さらに、これ
ら細胞を上述の胚芽細胞と公知の細胞融合法により融合
させることにより本発明のDNA転移動物を作出するこ
ともできる。非ヒト哺乳動物としては、例えば、ウシ、
ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモッ
ト、ハムスター、マウス、ラットなどが用いられる。な
かでも、病体動物モデル系の作成の面から個体発生およ
び生物サイクルが比較的短く、また、繁殖が容易なゲッ
歯動物、とりわけマウス(例えば、純系として、C57
BL/6系統,DBA2系統など、交雑系として、B6
C3F1系統,BDF1系統,B6D2F1系統,BAL
B/c系統,ICR系統など)またはラット(例えば、
Wistar,SDなど)などが好ましい。哺乳動物に
おいて発現しうる組換えベクターにおける「哺乳動物」
としては、上記の非ヒト哺乳動物の他にヒトなどがあげ
られる。
【0063】本発明の外来性DNAとは、非ヒト哺乳動
物が本来有している本発明のDNAではなく、いったん
哺乳動物から単離・抽出された本発明のDNAをいう。
本発明の変異DNAとしては、元の本発明のDNAの塩
基配列に変異(例えば、突然変異など)が生じたもの、
具体的には、塩基の付加、欠損、他の塩基への置換など
が生じたDNAなどが用いられ、また、異常DNAも含
まれる。該異常DNAとしては、異常な本発明のポリペ
プチドを発現させるDNAを意味し、例えば、正常な本
発明のポリペプチドの機能を抑制するポリペプチドを発
現させるDNAなどが用いられる。本発明の外来性DN
Aは、対象とする動物と同種あるいは異種のどちらの哺
乳動物由来のものであってもよい。本発明のDNAを対
象動物に転移させるにあたっては、該DNAを動物細胞
で発現させうるプロモーターの下流に結合したDNAコ
ンストラクトとして用いるのが一般に有利である。例え
ば、本発明のヒトDNAを転移させる場合、これと相同
性が高い本発明のDNAを有する各種哺乳動物(例え
ば、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラ
ット、マウスなど)由来のDNAを発現させうる各種プ
ロモーターの下流に、本発明のヒトDNAを結合したD
NAコンストラクト(例、ベクターなど)を対象哺乳動
物の受精卵、例えば、マウス受精卵へマイクロインジェ
クションすることによって本発明のDNAを高発現する
DNA転移哺乳動物を作出することができる。
【0064】本発明のポリペプチドの発現ベクターとし
ては、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミ
ド、酵母由来のプラスミド、λファージなどのバクテリ
オファージ、モロニー白血病ウィルスなどのレトロウィ
ルス、ワクシニアウィルスまたはバキュロウィルスなど
の動物ウイルスなどが用いられる。なかでも、大腸菌由
来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミドまたは酵母由
来のプラスミドなどが好ましく用いられる。上記のDN
A発現調節を行なうプロモーターとしては、例えば、
ウイルス(例、シミアンウイルス、サイトメガロウイル
ス、モロニー白血病ウイルス、JCウイルス、乳癌ウイ
ルス、ポリオウイルスなど)に由来するDNAのプロモ
ーター、各種哺乳動物(ヒト、ウサギ、イヌ、ネコ、
モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来の
プロモーター、例えば、アルブミン、インスリンII、
ウロプラキンII、エラスターゼ、エリスロポエチン、
エンドセリン、筋クレアチンキナーゼ、グリア線維性酸
性蛋白質、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、血小
板由来成長因子β、ケラチンK1,K10およびK1
4、コラーゲンI型およびII型、サイクリックAMP
依存蛋白質キナーゼβIサブユニット、ジストロフィ
ン、酒石酸抵抗性アルカリフォスファターゼ、心房ナト
リウム利尿性因子、内皮レセプターチロシンキナーゼ
(一般にTie2と略される)、ナトリウムカリウムア
デノシン3リン酸化酵素(Na,K−ATPase)、
ニューロフィラメント軽鎖、メタロチオネインIおよび
IIA、メタロプロティナーゼ1組織インヒビター、M
HCクラスI抗原(H−2L)、H−ras、レニン、
ドーパミンβ−水酸化酵素、甲状腺ペルオキシダーゼ
(TPO)、ポリペプチド鎖延長因子1α(EF−1
α)、βアクチン、αおよびβミオシン重鎖、ミオシン
軽鎖1および2、ミエリン基礎蛋白質、チログロブリ
ン、Thy−1、免疫グロブリン、H鎖可変部(VN
P)、血清アミロイドPコンポーネント、ミオグロビ
ン、トロポニンC、平滑筋αアクチン、プレプロエンケ
ファリンA、バソプレシンなどのプロモーターなどが用
いられる。なかでも、全身で高発現することが可能なサ
イトメガロウイルスプロモーター、ヒトポリペプチド鎖
延長因子1α(EF−1α)のプロモーター、ヒトおよ
びニワトリβアクチンプロモーターなどが好適である。
上記ベクターは、DNA転移哺乳動物において目的とす
るメッセンジャーRNAの転写を終結する配列(一般に
ターミネターと呼ばれる)を有していることが好まし
く、例えば、ウイルス由来および各種哺乳動物由来の各
DNAの配列を用いることができ、好ましくは、シミア
ンウイルスのSV40ターミネターなどが用いられる。
【0065】その他、目的とする外来性DNAをさらに
高発現させる目的で各DNAのスプライシングシグナ
ル、エンハンサー領域、真核DNAのイントロンの一部
などをプロモーター領域の5´上流、プロモーター領域
と翻訳領域間あるいは翻訳領域の3´下流 に連結する
ことも目的により可能である。正常な本発明のポリペプ
チドの翻訳領域は、ヒトまたは各種哺乳動物(例えば、
ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラッ
ト、マウスなど)由来の肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維
芽細胞由来DNAおよび市販の各種ゲノムDNAライブ
ラリーよりゲノムDNAの全てあるいは一部として、ま
たは肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細胞由来RNAよ
り公知の方法により調製された相補DNAを原料として
取得することが出来る。また、外来性の異常DNAは、
上記の細胞または組織より得られた正常なポリペプチド
の翻訳領域を点突然変異誘発法により変異した翻訳領域
を作製することができる。該翻訳領域は転移動物におい
て発現しうるDNAコンストラクトとして、前記のプロ
モーターの下流および所望により転写終結部位の上流に
連結させる通常のDNA工学的手法により作製すること
ができる。受精卵細胞段階における本発明の外来性DN
Aの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞のす
べてに存在するように確保される。DNA転移後の作出
動物の胚芽細胞において、本発明の外来性DNAが存在
することは、作出動物の後代がすべて、その胚芽細胞お
よび体細胞のすべてに本発明の外来性DNAを保持する
ことを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこ
の種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞のすべて
に本発明の外来性DNAを有する。本発明の外来性正常
DNAを転移させた非ヒト哺乳動物は、交配により外来
性DNAを安定に保持することを確認して、該DNA保
有動物として通常の飼育環境で継代飼育することが出来
る。受精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの転
移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の全てに過
剰に存在するように確保される。DNA転移後の作出動
物の胚芽細胞において本発明の外来性DNAが過剰に存
在することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞およ
び体細胞の全てに本発明の外来性DNAを過剰に有する
ことを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこ
の種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞の全てに
本発明の外来性DNAを過剰に有する。導入DNAを相
同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、こ
の雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該D
NAを過剰に有するように繁殖継代することができる。
【0066】本発明の正常DNAを有する非ヒト哺乳動
物は、本発明の正常DNAが高発現させられており、内
在性の正常DNAの機能を促進することにより最終的に
本発明のポリペプチドの機能亢進症を発症することがあ
り、その病態モデル動物として利用することができる。
例えば、本発明の正常DNA転移動物を用いて、本発明
のポリペプチドの機能亢進症や、本発明のポリペプチド
が関連する疾患の病態機序の解明およびこれらの疾患の
治療方法の検討を行なうことが可能である。また、本発
明の外来性正常DNAを転移させた哺乳動物は、遊離し
た本発明のポリペプチドの増加症状を有することから、
本発明のポリペプチドに関連する疾患に対する治療薬の
スクリーニング試験にも利用可能である。一方、本発明
の外来性異常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、交配に
より外来性DNAを安定に保持することを確認して該D
NA保有動物として通常の飼育環境で継代飼育すること
が出来る。さらに、目的とする外来DNAを前述のプラ
スミドに組み込んで原科として用いることができる。プ
ロモーターとのDNAコンストラク卜は、通常のDNA
工学的手法によって作製することができる。受精卵細胞
段階における本発明の異常DNAの転移は、対象哺乳動
物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在するように確保
される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において本
発明の異常DNAが存在することは、作出動物の子孫が
全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常D
NAを有することを意味する。本発明の外来性DNAを
受け継いだこの種の動物の子孫は、その胚芽細胞および
体細胞の全てに本発明の異常DNAを有する。導入DN
Aを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得
し、この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫
が該DNAを有するように繁殖継代することができる。
【0067】本発明の異常DNAを有する非ヒト哺乳動
物は、本発明の異常DNAが高発現させられており、内
在性の正常DNAの機能を阻害することにより最終的に
本発明のポリペプチドの機能不活性型不応症となること
があり、その病態モデル動物として利用することができ
る。例えば、本発明の異常DNA転移動物を用いて、本
発明のポリペプチドの機能不活性型不応症の病態機序の
解明およびこの疾患を治療方法の検討を行なうことが可
能である。また、具体的な利用可能性としては、本発明
の異常DNA高発現動物は、本発明のポリペプチドの機
能不活性型不応症における本発明の異常ポリペプチドに
よる正常ポリペプチドの機能阻害(dominant negative
作用)を解明するモデルとなる。また、本発明の外来異
常DNAを転移させた哺乳動物は、遊離した本発明のポ
リペプチドの増加症状を有することから、本発明のポリ
ペプチドまたはの機能不活性型不応症に対する治療薬ス
クリーニング試験にも利用可能である。また、上記2種
類の本発明のDNA転移動物のその他の利用可能性とし
て、例えば、 組織培養のための細胞源としての使用、 本発明のDNA転移動物の組織中のDNAもしくはR
NAを直接分析するか、またはDNAにより発現された
ポリペプチド組織を分析することによる、本発明のポリ
ペプチドにより特異的に発現あるいは活性化するポリペ
プチドとの関連性についての解析、 DNAを有する組織の細胞を標準組織培養技術により
培養し、これらを使用して、一般に培養困難な組織から
の細胞の機能の研究、 上記記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高
めるような薬剤のスクリーニング、および 本発明の変異ポリペプチドを単離精製およびその抗体
作製などが考えられる。さらに、本発明のDNA転移動
物を用いて、本発明のポリペプチドの機能不活性型不応
症などを含む、本発明のポリペプチドに関連する疾患の
臨床症状を調べることができ、また、本発明のポリペプ
チドに関連する疾患モデルの各臓器におけるより詳細な
病理学的所見が得られ、新しい治療方法の開発、さらに
は、該疾患による二次的疾患の研究および治療に貢献す
ることができる。 また、本発明のDNA転移動物から各臓器を取り出し、
細切後、トリプシンなどの蛋白質分解酵素により、遊離
したDNA転移細胞の取得、その培養またはその培養細
胞の系統化を行なうことが可能である。さらに、本発明
のポリペプチド産生細胞の特定化、アポトーシス、分化
あるいは増殖との関連性、またはそれらにおけるシグナ
ル伝達機構を調べ、それらの異常を調べることなどがで
き、本発明のポリペプチドおよびその作用解明のための
有効な研究材料となる。さらに、本発明のDNA転移動
物を用いて、本発明のポリペプチドの機能不活性型不応
症を含む、本発明のポリペプチドに関連する疾患の治療
薬の開発を行なうために、上述の検査法および定量法な
どを用いて、有効で迅速な該疾患治療薬のスクリーニン
グ法を提供することが可能となる。また、本発明のDN
A転移動物または本発明の外来性DNA発現ベクターを
用いて、本発明のポリペプチドが関連する疾患のDNA
治療法を検討、開発することが可能である。
【0068】(8)ノックアウト動物 本発明は、本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳
動物胚幹細胞および本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳
動物を提供する。すなわち、本発明は、(1)本発明の
DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、
(2)該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来の
β−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不
活性化された第(1)項記載の胚幹細胞、(3)ネオマ
イシン耐性である第(1)項記載の胚幹細胞、(4)非
ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(1)項記載の胚幹
細胞、(5)ゲッ歯動物がマウスである第(4)項記載
の胚幹細胞、(6)本発明のDNAが不活性化された該
DNA発現不全非ヒト哺乳動物、(7)該DNAがレポ
ーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ
遺伝子)を導入することにより不活性化され、該レポー
ター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの制
御下で発現しうる第(6)項記載の非ヒト哺乳動物、
(8)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(6)項記
載の非ヒト哺乳動物、(9)ゲッ歯動物がマウスである
第(8)項記載の非ヒト哺乳動物、および(10)第
(7)項記載の動物に、試験化合物を投与し、レポータ
ー遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明のD
NAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化
合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。本
発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞
とは、該非ヒト哺乳動物が有する本発明のDNAに人為
的に変異を加えることにより、DNAの発現能を抑制す
るか、もしくは該DNAがコードしている本発明のポリ
ペプチドの活性を実質的に喪失させることにより、DN
Aが実質的に本発明のポリペプチドの発現能を有さない
(以下、本発明のノックアウトDNAと称することがあ
る)非ヒト哺乳動物の胚幹細胞(以下、ES細胞と略記
する)をいう。非ヒト哺乳動物としては、前記と同様の
ものが用いられる。本発明のDNAに人為的に変異を加
える方法としては、例えば、遺伝子工学的手法により該
DNA配列の一部又は全部の削除、他DNAを挿入また
は置換させることによって行なうことができる。これら
の変異により、例えば、コドンの読み取り枠をずらした
り、プロモーターあるいはエキソンの機能を破壊するこ
とにより本発明のノックアウトDNAを作製すればよ
い。
【0069】本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺
乳動物胚幹細胞(以下、本発明のDNA不活性化ES細
胞または本発明のノックアウトES細胞と略記する)の
具体例としては、例えば、目的とする非ヒト哺乳動物が
有する本発明のDNAを単離し、そのエキソン部分にネ
オマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子を
代表とする薬剤耐性遺伝子、あるいはlacZ(β−ガ
ラクトシダーゼ遺伝子)、cat(クロラムフェニコー
ルアセチルトランスフェラーゼ遺伝子)を代表とするレ
ポーター遺伝子等を挿入することによりエキソンの機能
を破壊するか、あるいはエキソン間のイントロン部分に
遺伝子の転写を終結させるDNA配列(例えば、polyA
付加シグナルなど)を挿入し、完全なメッセンジャーR
NAを合成できなくすることによって、結果的に遺伝子
を破壊するように構築したDNA配列を有するDNA鎖
(以下、ターゲッティングベクターと略記する)を、例
えば相同組換え法により該動物の染色体に導入し、得ら
れたES細胞について本発明のDNA上あるいはその近
傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼ
ーション解析あるいはターゲッティングベクター上のD
NA配列とターゲッティングベクター作製に使用した本
発明のDNA以外の近傍領域のDNA配列をプライマー
としたPCR法により解析し、本発明のノックアウトE
S細胞を選別することにより得ることができる。また、
相同組換え法等により本発明のDNAを不活化させる元
のES細胞としては、例えば、前述のような既に樹立さ
れたものを用いてもよく、また公知 EvansとKaufmaの方
法に準じて新しく樹立したものでもよい。例えば、マウ
スのES細胞の場合、現在、一般的には129系のES
細胞が使用されているが、免疫学的背景がはっきりして
いないので、これに代わる純系で免疫学的に遺伝的背景
が明らかなES細胞を取得するなどの目的で例えば、C
57BL/6マウスやC57BL/6の採卵数の少なさ
をDBA/2との交雑により改善したBDF1マウス
(C57BL/6とDBA/2とのF1)を用いて樹立
したものなども良好に用いうる。BDF1マウスは、採
卵数が多く、かつ、卵が丈夫であるという利点に加え
て、C57BL/6マウスを背景に持つので、これを用
いて得られたES細胞は病態モデルマウスを作出したと
き、C57BL/6マウスとバッククロスすることでそ
の遺伝的背景をC57BL/6マウスに代えることが可
能である点で有利に用い得る。また、ES細胞を樹立す
る場合、一般には受精後3.5日目の胚盤胞を使用する
が、これ以外に8細胞期胚を採卵し胚盤胞まで培養して
用いることにより効率よく多数の初期胚を取得すること
ができる。また、雌雄いずれのES細胞を用いてもよい
が、通常雄のES細胞の方が生殖系列キメラを作出する
のに都合が良い。また、煩雑な培養の手間を削減するた
めにもできるだけ早く雌雄の判別を行なうことが望まし
い。
【0070】ES細胞の雌雄の判定方法としては、例え
ば、PCR法によりY染色体上の性決定領域の遺伝子を
増幅、検出する方法が、その1例としてあげることがで
きる。この方法を使用すれば、従来、核型分析をするの
に約106個の細胞数を要していたのに対して、1コロ
ニー程度のES細胞数(約50個)で済むので、培養初
期におけるES細胞の第一次セレクションを雌雄の判別
で行なうことが可能であり、早期に雄細胞の選定を可能
にしたことにより培養初期の手間は大幅に削減できる。
また、第二次セレクションとしては、例えば、G−バン
ディング法による染色体数の確認等により行うことがで
きる。得られるES細胞の染色体数は正常数の100%
が望ましいが、樹立の際の物理的操作等の関係上困難な
場合は、ES細胞の遺伝子をノックアウトした後、正常
細胞(例えば、マウスでは染色体数が2n=40である
細胞)に再びクローニングすることが望ましい。このよ
うにして得られた胚幹細胞株は、通常その増殖性は大変
良いが、個体発生できる能力を失いやすいので、注意深
く継代培養することが必要である。例えば、STO繊維
芽細胞のような適当なフィーダー細胞上でLIF(1−
10000U/ml)存在下に炭酸ガス培養器内(好ましく
は、5%炭酸ガス、95%空気または5%酸素、5%炭
酸ガス、90%空気)で約37℃で培養するなどの方法
で培養し、継代時には、例えば、トリプシン/EDTA
溶液(通常0.001−0.5%トリプシン/0.1−5
mM EDTA、好ましくは約0.1%トリプシン/1m
M EDTA)処理により単細胞化し、新たに用意した
フィーダー細胞上に播種する方法などがとられる。この
ような継代は、通常1−3日毎に行なうが、この際に細
胞の観察を行い、形態的に異常な細胞が見受けられた場
合はその培養細胞は放棄することが望まれる。ES細胞
は、適当な条件により、高密度に至るまで単層培養する
か、または細胞集塊を形成するまで浮遊培養することに
より、頭頂筋、内臓筋、心筋などの種々のタイプの細胞
に分化させることが可能であり〔M. J. Evans及びM. H.
Kaufman, ネイチャー(Nature)第292巻、154頁、1981
年;G. R. Martin プロシーディングス・オブ・ナショ
ナル・アカデミー・オブ・サイエンス・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.)第78巻、7634頁、1
981年;T. C. Doetschmanら、ジャーナル・オブ・エン
ブリオロジー・アンド・エクスペリメンタル・モルフォ
ロジー、第87巻、27頁、1985年〕、本発明のES細胞を
分化させて得られる本発明のDNA発現不全細胞は、イ
ンビトロにおける本発明のポリペプチドまたは本発明の
レセプター蛋白質の細胞生物学的検討において有用であ
る。
【0071】本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物
は、該動物のmRNA量を公知方法を用いて測定して間
接的にその発現量を比較することにより、正常動物と区
別することが可能である。該非ヒト哺乳動物としては、
前記と同様のものが用いられる。本発明のDNA発現不
全非ヒト哺乳動物は、例えば、前述のようにして作製し
たターゲッティングベクターをマウス胚幹細胞またはマ
ウス卵細胞に導入し、導入によりターゲッティングベク
ターの本発明のDNAが不活性化されたDNA配列が遺
伝子相同組換えにより、マウス胚幹細胞またはマウス卵
細胞の染色体上の本発明のDNAと入れ換わる相同組換
えをさせることにより、本発明のDNAをノックアウト
させることができる。本発明のDNAがノックアウトさ
れた細胞は、本発明のDNA上またはその近傍のDNA
配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解
析またはターゲッティングベクター上のDNA配列と、
ターゲッティングベクターに使用したマウス由来の本発
明のDNA以外の近傍領域のDNA配列とをプライマー
としたPCR法による解析で判定することができる。非
ヒト哺乳動物胚幹細胞を用いた場合は、遺伝子相同組換
えにより、本発明のDNAが不活性化された細胞株をク
ローニングし、その細胞を適当な時期、例えば、8細胞
期の非ヒト哺乳動物胚または胚盤胞に注入し、作製した
キメラ胚を偽妊娠させた該非ヒト哺乳動物の子宮に移植
する。作出された動物は正常な本発明のDNA座をもつ
細胞と人為的に変異した本発明のDNA座をもつ細胞と
の両者から構成されるキメラ動物である。該キメラ動物
の生殖細胞の一部が変異した本発明のDNA座をもつ場
合、このようなキメラ個体と正常個体を交配することに
より得られた個体群より、全ての組織が人為的に変異を
加えた本発明のDNA座をもつ細胞で構成された個体
を、例えば、コートカラーの判定等により選別すること
により得られる。このようにして得られた個体は、通
常、本発明のポリペプチドのヘテロ発現不全個体であ
り、本発明のポリペプチドまたは本発明のレセプター蛋
白質のヘテロ発現不全個体同志を交配し、それらの産仔
から本発明のポリペプチドまたは本発明のレセプター蛋
白質のホモ発現不全個体を得ることができる。
【0072】卵細胞を使用する場合は、例えば、卵細胞
核内にマイクロインジェクション法でDNA溶液を注入
することによりターゲッティングベクターを染色体内に
導入したトランスジェニック非ヒト哺乳動物を得ること
ができ、これらのトランスジェニック非ヒト哺乳動物に
比べて、遺伝子相同組換えにより本発明のDNA座に変
異のあるものを選択することにより得られる。このよう
にして本発明のDNAがノックアウトされている個体
は、交配により得られた動物個体も該DNAがノックア
ウトされていることを確認して通常の飼育環境で飼育継
代を行なうことができる。さらに、生殖系列の取得およ
び保持についても常法に従えばよい。すなわち、該不活
化DNAの保有する雌雄の動物を交配することにより、
該不活化DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴー
ト動物を取得しうる。得られたホモザイゴート動物は、
母親動物に対して、正常個体1,ホモザイゴート複数に
なるような状態で飼育することにより効率的に得ること
ができる。ヘテロザイゴート動物の雌雄を交配すること
により、該不活化DNAを有するホモザイゴートおよび
ヘテロザイゴート動物を繁殖継代する。本発明のDNA
が不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、本発明の
DNA発現不全非ヒト哺乳動物を作出する上で、非常に
有用である。また、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳
動物は、本発明のポリペプチドまたは本発明のレセプタ
ー蛋白質により誘導され得る種々の生物活性を欠失する
ため、本発明のポリペプチドまたは本発明のレセプター
蛋白質の生物活性の不活性化を原因とする疾病のモデル
となり得るので、これらの疾病の原因究明及び治療法の
検討に有用である。
【0073】(8a)本発明のDNAの欠損や損傷など
に起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物
のスクリーニング方法本発明のDNA発現不全非ヒト哺
乳動物は、本発明のDNAの欠損や損傷などに起因する
疾病に対して治療・予防効果を有する化合物のスクリー
ニングに用いることができる。すなわち、本発明は、本
発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物を投
与し、該動物の変化を観察・測定することを特徴とす
る、本発明のDNAの欠損や損傷などに起因する疾病に
対して治療・予防効果を有する化合物またはその塩のス
クリーニング方法を提供する。該スクリーニング方法に
おいて用いられる本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動
物としては、前記と同様のものがあげられる。試験化合
物としては、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド
性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物
抽出液、動物組織抽出液、血漿などがあげられ、これら
化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物
であってもよい。具体的には、本発明のDNA発現不全
非ヒト哺乳動物を、試験化合物で処理し、無処理の対照
動物と比較し、該動物の各器官、組織、疾病の症状など
の変化を指標として試験化合物の治療・予防効果を試験
することができる。試験動物を試験化合物で処理する方
法としては、例えば、経口投与、静脈注射などが用いら
れ、試験動物の症状、試験化合物の性質などにあわせて
適宜選択することができる。また、試験化合物の投与量
は、投与方法、試験化合物の性質などにあわせて適宜選
択することができる。
【0074】例えば、拒食症、高血圧、自己免疫疾患、
心不全、白内障、緑内障、急性バクテリア髄膜炎,急性
心筋梗塞,急性膵炎,急性ウイルス脳炎,成人呼吸促迫
症候群,アルコール性肝炎,アルツハイマー病,喘息,
動脈硬化,アトピー性皮膚炎,バクテリア肺炎,膀胱が
ん,骨折,乳がん,過食症,多食症,火傷治癒,子宮頸
部がん,慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,慢性
膵炎,肝硬変,大腸がん(結腸/直腸がん),クローン
病,痴呆,糖尿病性合併症,糖尿病性腎症,糖尿病性神
経障害,糖尿病性網膜症,胃炎,ヘリコバクター・ピロ
リ感染症,肝不全,A型肝炎,B型肝炎,C型肝炎,肝
炎,単純ヘルペスウイルス感染症,水痘帯状疱疹ウイル
ス感染症,ホジキン病,エイズ感染症,ヒトパピローマ
ウイルス感染症,高カルシウム血症,高コレステロール
血症,高グリセリド血症,高脂血症,感染症,インフル
エンザ感染症,インシュリン依存性糖尿病(I型),侵
襲性ブドウ状球菌感染症,悪性黒色腫,がん転移,多発
性骨髄腫,アレルギー性鼻炎,腎炎,非ホジキン性リン
パ腫,インシュリン非依存性糖尿病(II型),非小細胞
肺がん,臓器移植,骨関節炎,骨軟化症,骨減少症,骨
粗鬆症,卵巣がん,骨ペーチェット病,消化性潰瘍,末
梢血管疾患,前立腺がん,逆流性食道炎,腎不全,リウ
マチ関節炎,精神分裂症,敗血症,敗血症ショック,重
症全身性真菌感染症,小細胞肺がん,脊髄損傷,胃が
ん,全身性エリテマトーサス,一過性脳虚血発作,結
核,心弁膜症,血管性/多発梗塞痴呆,創傷治癒,不眠
症,関節炎、下垂体ホルモン分泌不全〔例、プロラクチ
ン分泌不全(例、卵巣機能低下症、精嚢発育不全、更年
期障害、甲状腺機能低下等)〕、瀕尿、尿毒症、または
神経変成疾患等(特に拒食症等)に対して治療・予防効
果を有する化合物をスクリーニングする場合、本発明の
DNA発現不全非ヒト哺乳動物に糖負荷処置を行ない、
糖負荷処置前または処置後に試験化合物を投与し、該動
物の血糖値および体重変化などを経時的に測定する。
【0075】該スクリーニング方法において、試験動物
に試験化合物を投与した場合、該試験動物の血糖値が約
10%以上、好ましくは約30%以上、より好ましくは
約50%以上低下した場合、該試験化合物を上記の疾患
に対して治療・予防効果を有する化合物として選択する
ことができる。該スクリーニング方法を用いて得られる
化合物は、上記した試験化合物から選ばれた化合物であ
り、本発明のポリペプチドの欠損や損傷などによって引
き起こされる疾患に対して治療・予防効果を有するの
で、該疾患に対する安全で低毒性な治療・予防剤などの
医薬として使用することができる。さらに、上記スクリ
ーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様
に用いることができる。該スクリーニング方法で得られ
た化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩とし
ては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸な
ど)や塩基(例、アルカリ金属など)などとの塩が用い
られ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好まし
い。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩
酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは
有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル
酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ
酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸など)との塩などが用いられる。該スクリーニン
グ方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬
は、前記した本発明のポリペプチドを含有する医薬と同
様にして製造することができる。このようにして得られ
る製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまた
は哺乳動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウ
サギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルな
ど)に対して投与することができる。該化合物またはそ
の塩の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなど
により差異はあるが、例えば、該化合物を経口投与する
場合、一般的に成人(体重60kgとして)の拒食症患
者においては、一日につき該化合物を約0.1〜100
mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは
約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合
は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などに
よっても異なるが、例えば、該化合物を注射剤の形で通
常成人(60kgとして)の拒食症患者に投与する場
合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、
好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約
0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好
都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算
した量を投与することができる。
【0076】(8b)本発明のDNAに対するプロモー
ターの活性を促進または阻害する化合物をスクリーニン
グ方法本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動
物に、試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を
検出することを特徴とする本発明のDNAに対するプロ
モーターの活性を促進または阻害する化合物またはその
塩のスクリーニング方法を提供する。上記スクリーニン
グ方法において、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動
物としては、前記した本発明のDNA発現不全非ヒト哺
乳動物の中でも、本発明のDNAがレポーター遺伝子を
導入することにより不活性化され、該レポーター遺伝子
が本発明のDNAに対するプロモーターの制御下で発現
しうるものが用いられる。試験化合物としては、前記と
同様のものがあげられる。レポーター遺伝子としては、
前記と同様のものが用いられ、β−ガラクトシダーゼ遺
伝子(lacZ)、可溶性アルカリフォスファターゼ遺
伝子またはルシフェラーゼ遺伝子などが好適である。本
発明のDNAをレポーター遺伝子で置換された本発明の
DNA発現不全非ヒト哺乳動物では、レポーター遺伝子
が本発明のDNAに対するプロモーターの支配下に存在
するので、レポーター遺伝子がコードする物質の発現を
トレースすることにより、プロモーターの活性を検出す
ることができる。例えば、本発明のポリペプチドをコー
ドするDNA領域の一部を大腸菌由来のβ−ガラクトシ
ダーゼ遺伝子(lacZ)で置換している場合、本来、
本発明のポリペプチドの発現する組織で、本発明のポリ
ペプチドの代わりにβ−ガラクトシダーゼが発現する。
従って、例えば、5−ブロモ−4−クロロ−3−インド
リル−β−ガラクトピラノシド(X−gal)のような
β−ガラクトシダーゼの基質となる試薬を用いて染色す
ることにより、簡便に本発明のポリペプチドの動物生体
内における発現状態を観察することができる。具体的に
は、本発明のポリペプチド欠損マウスまたはその組織切
片をグルタルアルデヒドなどで固定し、リン酸緩衝生理
食塩液(PBS)で洗浄後、X−galを含む染色液
で、室温または37℃付近で、約30分ないし1時間反
応させた後、組織標本を1mM EDTA/PBS溶液
で洗浄することによって、β−ガラクトシダーゼ反応を
停止させ、呈色を観察すればよい。また、常法に従い、
lacZをコードするmRNAを検出してもよい。上記
スクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその
塩は、上記した試験化合物から選ばれた化合物であり、
本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進または
阻害する化合物である。該スクリーニング方法で得られ
た化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩とし
ては、生理学的に許容される酸(例、無機酸など)や塩
基(例、有機酸など)などとの塩が用いられ、とりわけ
生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩
としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭
化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例え
ば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン
酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安
息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)
との塩などが用いられる。
【0077】本発明のDNAに対するプロモーター活性
を促進する化合物またはその塩は、本発明のポリペプチ
ドの発現を促進し、該ポリペプチドの機能を促進するこ
とができるので、例えば、拒食症、高血圧、自己免疫疾
患、心不全、白内障、緑内障、急性バクテリア髄膜炎,
急性心筋梗塞,急性膵炎,急性ウイルス脳炎,成人呼吸
促迫症候群,アルコール性肝炎,アルツハイマー病,喘
息,動脈硬化,アトピー性皮膚炎,バクテリア肺炎,膀
胱がん,骨折,乳がん,過食症,多食症,火傷治癒,子
宮頸部がん,慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,
慢性膵炎,肝硬変,大腸がん(結腸/直腸がん),クロ
ーン病,痴呆,糖尿病性合併症,糖尿病性腎症,糖尿病
性神経障害,糖尿病性網膜症,胃炎,ヘリコバクター・
ピロリ感染症,肝不全,A型肝炎,B型肝炎,C型肝
炎,肝炎,単純ヘルペスウイルス感染症,水痘帯状疱疹
ウイルス感染症,ホジキン病,エイズ感染症,ヒトパピ
ローマウイルス感染症,高カルシウム血症,高コレステ
ロール血症,高グリセリド血症,高脂血症,感染症,イ
ンフルエンザ感染症,インシュリン依存性糖尿病(I
型),侵襲性ブドウ状球菌感染症,悪性黒色腫,がん転
移,多発性骨髄腫,アレルギー性鼻炎,腎炎,非ホジキ
ン性リンパ腫,インシュリン非依存性糖尿病(II型),
非小細胞肺がん,臓器移植,骨関節炎,骨軟化症,骨減
少症,骨粗鬆症,卵巣がん,骨ペーチェット病,消化性
潰瘍,末梢血管疾患,前立腺がん,逆流性食道炎,腎不
全,リウマチ関節炎,精神分裂症,敗血症,敗血症ショ
ック,重症全身性真菌感染症,小細胞肺がん,脊髄損
傷,胃がん,全身性エリテマトーサス,一過性脳虚血発
作,結核,心弁膜症,血管性/多発梗塞痴呆,創傷治
癒,不眠症,関節炎、下垂体ホルモン分泌不全〔例、プ
ロラクチン分泌不全(例、卵巣機能低下症、精嚢発育不
全、更年期障害、甲状腺機能低下等)〕、瀕尿、尿毒
症、または神経変成疾患等(特に拒食症等)の疾病に対
する安全で低毒性な治療・予防剤(特に、食欲(摂食)
増進剤)などの医薬として有用である。また、本発明の
DNAに対するプロモーター活性を阻害する化合物また
はその塩は、本発明のポリペプチドの発現を阻害し、該
ポリペプチドの機能を阻害することができるので、例え
ば肥満症[例、悪性肥満細胞症(malignant mastocytosi
s)、外因性肥満 (exogenous obesity)、過インシュリン
性肥満症(hyperinsulinar obesity)、過血漿性肥満(hyp
erplasmic obesity)、下垂体性肥満(hypophysealadipos
ity)、減血漿性肥満症(hypoplasmic obesity)、甲状腺
機能低下肥満症(hypothyroid obesity)、視床下部性肥
満(hypothalamic obesity)、症候性肥満症(symptomatic
obesity)、小児肥満 (infantile obesity)、上半身肥
満(upper body obesity)、食事性肥満症 (alimentary o
besity)、性機能低下性肥満(hypogonadal obesity)、全
身性肥満細胞症(systemic mastocytosis)、単純性肥満
(simpleobesity)、中心性肥満(central obesity)な
ど]、摂食亢進症(hyperphagia)、下垂体腺腫瘍、間脳
腫瘍、月経異常、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不
妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大
症、キアリ・フロンメル症候群、アルゴンツ・デル・カ
スティロ症候群、フォーベス・アルブライト症候群、リ
ンパ腫、シーハン症候群、精子形成異常などの予防・治
療剤(プロラクチン産生抑制剤)などの予防・治療剤、
好ましくは肥満症、摂食亢進症などの予防・治療剤など
の医薬として有用である。さらに、上記スクリーニング
で得られた化合物から誘導される化合物も同様に用いる
ことができる。
【0078】該スクリーニング方法で得られた化合物ま
たはその塩を含有する医薬は、前記した本発明のポリペ
プチドまたはその塩を含有する医薬と同様にして製造す
ることができる。このようにして得られる製剤は、安全
で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは哺乳動物(例
えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、
ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投
与することができる。該化合物またはその塩の投与量
は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異は
あるが、例えば、本発明のDNAに対するプロモーター
活性を促進する化合物を経口投与する場合、一般的に成
人(体重60kgとして)の拒食症患者においては、一
日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは
約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20m
g投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1
回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なる
が、例えば、本発明のDNAに対するプロモーター活性
を促進する化合物を注射剤の形で通常成人(60kgと
して)の拒食症患者に投与する場合、一日につき該化合
物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜
20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度
を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物
の場合も、60kg当たりに換算した量を投与すること
ができる。一方、例えば、本発明のDNAに対するプロ
モーター活性を阻害する化合物を経口投与する場合、一
般的に成人(体重60kgとして)の肥満症患者におい
ては、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好
ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0
〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化
合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても
異なるが、例えば、本発明のDNAに対するプロモータ
ー活性を阻害する化合物を注射剤の形で通常成人(60
kgとして)の肥満症患者に投与する場合、一日につき
該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約
0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10
mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。
他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与
することができる。このように、本発明のDNA発現不
全非ヒト哺乳動物は、本発明のDNAに対するプロモー
ターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩を
スクリーニングする上で極めて有用であり、本発明のD
NA発現不全に起因する各種疾患の原因究明または予防
・治療薬の開発に大きく貢献することができる。また、
本発明のポリペプチドのプロモーター領域を含有するD
NAを使って、その下流に種々のタンパクをコードする
遺伝子を連結し、これを動物の卵細胞に注入していわゆ
るトランスジェニック動物(遺伝子移入動物)を作成す
れば、特異的にそのポリペプチドを合成させ、その生体
での作用を検討することも可能となる。さらに上記プロ
モーター部分に適当なレポータ遺伝子を結合させ、これ
が発現するような細胞株を樹立すれば、本発明のポリペ
プチドそのものの体内での産生能力を特異的に促進もし
くは抑制する作用を持つ低分子化合物の探索系として使
用できる。
【0079】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB
Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号あ
るいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、
その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があ
り得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン I :イノシン R :アデニン(A)またはグアニン(G) Y :チミン(T)またはシトシン(C) M :アデニン(A)またはシトシン(C) K :グアニン(G)またはチミン(T) S :グアニン(G)またはシトシン(C) W :アデニン(A)またはチミン(T) B :グアニン(G)、グアニン(G)またはチミン(T) D :アデニン(A)、グアニン(G)またはチミン(T) V :アデニン(A)、グアニン(G)またはシトシン(C) N :アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)もしく はチミン(T)または不明もしくは他の塩基 RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム BHA :ベンズヒドリルアミン pMBHA :p−メチルベンズヒドリルアミン Tos :p−トルエンスルフォニル Bzl :ベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Boc :t−ブチルオキシカルボニル DCM :ジクロロメタン HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール DCC :N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド TFA :トリフルオロ酢酸 DIEA :ジイソプロピルエチルアミン Gly又はG :グリシン Ala又はA :アラニン Val又はV :バリン Leu又はL :ロイシン Ile又はI :イソロイシン Ser又はS :セリン Thr又はT :スレオニン Cys又はC :システイン Met又はM :メチオニン Glu又はE :グルタミン酸 Asp又はD :アスパラギン酸 Lys又はK :リジン Arg又はR :アルギニン His又はH :ヒスチジン Phe又はF :フェニルアラニン Tyr又はY :チロシン Trp又はW :トリプトファン Pro又はP :プロリン Asn又はN :アスパラギン Gln又はQ :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸 Tyr(I) :3−ヨードチロシン DMF :N、N−ジメチルホルムアミド Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル Trt :トリチル Pbf : 2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-5-スルホ ニル Clt :2−クロロトリチル But :t−ブチル Met(O) :メチオニンスルフォキシド
【0080】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕ヒトGPR8蛋白質をコードするcD
NAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:2〕ヒトGPR8蛋白質をコードするcD
NAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:3〕5'側に制限酵素ClaIの認識する塩
基配列が付加され、また3'側に制限酵素SpeIの認識
する塩基配列が付加されたヒトGPR8蛋白質cDNA
の全塩基配列を示す。 〔配列番号:4〕ヒトGPR8蛋白の全アミノ酸配列を
示す。 〔配列番号:5〕GPR8発現CHO細胞株の各クロー
ンにおけるGPR8受容体蛋白質mRNAの発現量を測
定するために使用したriboprobeの配列を示す。 〔配列番号:6〕ブタ視床下部から精製されたGPR8
に対するリガンドペプチドのアミノ末端アミノ酸配列解
析の結果から得られたアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:7〕相補鎖がGPR8リガンドペプチドの
ヒトホモログの前駆体蛋白の一部をコードしていると推
定されるEST配列(アクセッション番号:AW007531)
を示す。 〔配列番号:8〕相補鎖がGPR8リガンドペプチドの
ヒトホモログの前駆体蛋白の一部をコードしていると推
定されるEST配列(アクセッション番号:AI500303)
を示す。 〔配列番号:9〕相補鎖がGPR8リガンドペプチドの
ヒトホモログの前駆体蛋白の一部をコードしていると推
定されるEST配列(アクセッション番号:AI990964
)を示す。 〔配列番号:10〕相補鎖がGPR8リガンドペプチドの
ヒトホモログの前駆体蛋白の一部をコードしていると推
定されるEST配列(アクセッション番号:AA744804)
を示す。 〔配列番号:11〕GPR8リガンドペプチドのラットホ
モログの前駆体蛋白の一部をコードしていると推定され
るEST配列(アクセッション番号:H31598)を示す。 〔配列番号:12〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ヒトホモログの前駆体蛋白の一部をコードするcDNA
のスクリーニングに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:13〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ヒトホモログの前駆体蛋白の一部をコードするcDNA
のスクリーニングに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:14〕ヒト脳由来cDNAから増幅されたG
PR8に対するリガンドペプチドのヒトホモログの前駆
体蛋白の一部をコードするDNA配列を示す。 〔配列番号:15〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ヒトホモログの前駆体蛋白の一部のアミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:16〕配列番号:15から推定されたGPR8
に対するリガンドペプチドのヒトホモログのアミノ酸配
列を示す。 〔配列番号:17〕配列番号:15から推定されたGPR8
に対するリガンドペプチドのヒトホモログのアミノ酸配
列を示す。 〔配列番号:18〕配列番号:16で表されるアミノ酸配列
をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:19〕配列番号:17で表されるアミノ酸配列
をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:20〕後述の実施例14で合成されたヒトGPRリ
カ゛ント゛(1-29)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:21〕後述の実施例15で合成されたヒトGPRリ
カ゛ント゛(1-28)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:22〕後述の実施例16で合成されたヒトGPRリ
カ゛ント゛(1-27)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:23〕後述の実施例17で合成されたヒトGPRリ
カ゛ント゛(1-26)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:24〕後述の実施例18で合成されたヒトGPRリ
カ゛ント゛(1-25)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:25〕後述の実施例19で合成されたヒトGPRリ
カ゛ント゛(1-24)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:26〕配列番号:20で表されるアミノ酸配列
をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:27〕配列番号:21で表されるアミノ酸配列
をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:28〕配列番号:22で表されるアミノ酸配列
をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:29〕配列番号:23で表されるアミノ酸配列
をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:30〕配列番号:24で表されるアミノ酸配列
をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:31〕配列番号:25で表されるアミノ酸配列
をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:32〕配列番号:4で表されるアミノ酸配列
をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:33〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ヒトホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの5'上
流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:34〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ヒトホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの5'上
流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:35〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ヒトホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの5'上
流側DNA配列を示す。 〔配列番号:36〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ヒトホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの3'下
流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:37〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ヒトホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの3'下
流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:38〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ヒトホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの3'下
流側DNA配列を示す。 〔配列番号:39〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ヒトホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAを得る
のに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:40〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ヒトホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAを得る
のに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:41〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ヒトホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの配列
を示す。 〔配列番号:42〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ヒトホモログの前駆体蛋白のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:43〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ブタホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの5'上
流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:44〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ブタホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの5'上
流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:45〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ブタホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの5'上
流側DNA配列を示す。 〔配列番号:46〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ブタホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの5'上
流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:47〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ブタホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの5'上
流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:48〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ブタホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの5'上
流側DNA配列を示す。 〔配列番号:49〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ブタホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの3'下
流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:50〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ブタホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの3'下
流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。
【0081】〔配列番号:51〕GPR8に対するリガン
ドペプチドのブタホモログの前駆体蛋白をコードするc
DNAの3'下流側DNA配列を示す。 〔配列番号:52〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ブタホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAを得る
のに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:53〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ブタホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAを得る
のに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:54〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ブタホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの配列
を示す。 〔配列番号:55〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ブタホモログの前駆体蛋白のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:56〕配列番号:55から推定されたGPR8
に対するリガンドペプチドのブタホモログのアミノ酸配
列を示す。 〔配列番号:57〕配列番号:55から推定されたGPR8
に対するリガンドペプチドのブタホモログのアミノ酸配
列を示す。 〔配列番号:58〕配列番号:56で表されるアミノ酸配列
をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:59〕配列番号:57で表されるアミノ酸配列
をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:60〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ラットホモログの前駆体蛋白の一部をコードするcDN
Aを得るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:61〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ラットホモログの前駆体蛋白の一部をコードするcDN
Aを得るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:62〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ラットホモログの前駆体蛋白の一部をコードするcDN
Aの配列を示す。 〔配列番号:63〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ラットホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの5'
上流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:64〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ラットホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの5'
上流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:65〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ラットホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの5'
上流側DNA配列を示す。 〔配列番号:66〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ラットホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの3'
下流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:67〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ラットホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの3'
下流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:68〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ラットホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの3'
下流側DNA配列を示す。 〔配列番号:69〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ラットホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAを得
るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:70〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ラットホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAを得
るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:71〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ラットホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの配
列を示す。 〔配列番号:72〕GPR8に対するリガンドペプチドの
ラットホモログの前駆体蛋白のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:73〕配列番号:72から推定されたGPR8
に対するリガンドペプチドのラットホモログのアミノ酸
配列を示す。 〔配列番号:74〕配列番号:72から推定されたGPR8
に対するリガンドペプチドのラットホモログのアミノ酸
配列を示す。 〔配列番号:75〕配列番号:73で表されるアミノ酸配列
をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:76〕配列番号:74で表されるアミノ酸配列
をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:77〕GPR8リガンドペプチドのマウスホ
モログの前駆体蛋白の一部をコードしていると推定され
るマウスゲノム断片配列を示す。 〔配列番号:78〕GPR8に対するリガンドペプチドの
マウスホモログの前駆体蛋白の一部をコードするcDN
Aのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:79〕GPR8に対するリガンドペプチドの
マウスホモログの前駆体蛋白の一部をコードするcDN
Aのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:80〕マウス精巣由来cDNAから増幅され
たGPR8に対するリガンドペプチドのヒトホモログの
前駆体蛋白の一部をコードするDNA配列を示す。 〔配列番号:81〕GPR8に対するリガンドペプチドの
マウスホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの5'
上流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:82〕GPR8に対するリガンドペプチドの
マウスホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの5'
上流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:83〕GPR8に対するリガンドペプチドの
マウスホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの5'
上流側DNA配列を示す。 〔配列番号:84〕GPR8に対するリガンドペプチドの
マウスホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの3'
下流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:85〕GPR8に対するリガンドペプチドの
マウスホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの3'
下流側配列を得るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:86〕GPR8に対するリガンドペプチドの
マウスホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの3'
下流側DNA配列を示す。 〔配列番号:87〕GPR8に対するリガンドペプチドの
マウスホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAを得
るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:88〕GPR8に対するリガンドペプチドの
マウスホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAを得
るのに使用した合成DNAを示す。 〔配列番号:89〕GPR8に対するリガンドペプチドの
マウスホモログの前駆体蛋白をコードするcDNAの配
列を示す。 〔配列番号:90〕GPR8に対するリガンドペプチドの
マウスホモログの前駆体蛋白のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:91〕配列番号:90から推定されたGPR8
に対するリガンドペプチドのマウスホモログのアミノ酸
配列を示す。 〔配列番号:92〕配列番号:90から推定されたGPR8
に対するリガンドペプチドのマウスホモログのアミノ酸
配列を示す。 〔配列番号:93〕配列番号:91で表されるアミノ酸配列
をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:94〕配列番号:92で表されるアミノ酸配列
をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:95〕後述の実施例44で合成されたヒトGP
R8リガンド(1-23)酸化体のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:96〕後述の実施例45で合成されたヒトGP
R8リガンド(1-22)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:97〕後述の実施例46で合成されたヒトGP
R8リガンド(1-21)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:98〕後述の実施例47で合成されたヒトGP
R8リガンド(1-20)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:99〕後述の実施例48で合成されたヒトGP
R8リガンド(1-19)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:100〕後述の実施例49で合成されたヒトG
PR8リガンド(1-18)のアミノ酸配列を示す。
【0082】〔配列番号:101〕後述の実施例50で合成
されたヒトGPR8リガンド(1-17)のアミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:102〕後述の実施例51で合成されたヒトG
PR8リガンド(1-16)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:103〕後述の実施例54で合成さブタGPR
8リガンド(1-23)酸化体のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:104〕後述の実施例55で合成されたラット
あるいはマウスGPR8リガンド(1-23)酸化体のアミノ
酸配列を示す。 〔配列番号:105〕後述の実施例12で合成されたFmoc化
ヒトGPR8リガンド(1-23)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:106〕後述の実施例56で合成された[Nα-Ac
etyl-Trp1]-ヒトGPR8リガンド(1-23)のアミノ酸配
列を示す。 〔配列番号:107〕後述の実施例57で合成されたヒトG
PR8リガンド(2-23)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:108〕後述の実施例58で合成されたヒトG
PR8リガンド(4-23)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:109〕後述の実施例59で合成されたヒトG
PR8リガンド(9-23)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:110〕後述の実施例60で合成されたヒトG
PR8リガンド(15-23)のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:111〕後述の実施例61で合成された[N-Acet
yl-Tyr2]-ヒトGPR8リガンド(2-23)のアミノ酸配列
を示す。 〔配列番号:112〕後述の実施例62で合成された[D-Tr
p1]-ヒトGPR8リガンド(1-23)のアミノ酸配列を示
す。 〔配列番号:113〕後述の実施例63で合成された[N-3-In
dolepropanoyl-Tyr2]-ヒトGPR8リガンド(2-23)のア
ミノ酸配列を示す。 〔配列番号:114〕配列番号:96で表されるアミノ酸配
列をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:115〕配列番号:97で表されるアミノ酸配
列をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:116〕配列番号:98で表されるアミノ酸配
列をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:117〕配列番号:99で表されるアミノ酸配
列をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:118〕配列番号:100で表されるアミノ酸配
列をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:119〕配列番号:101で表されるアミノ酸配
列をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:120〕配列番号:102で表されるアミノ酸配
列をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:121〕配列番号:107で表されるアミノ酸配
列をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:122〕配列番号:108で表されるアミノ酸配
列をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:123〕配列番号:109で表されるアミノ酸配
列をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:124〕配列番号:110で表されるアミノ酸配
列をコードする塩基配列を示す。 〔配列番号:125〕配列番号:6で表されるアミノ酸配列
をコードする塩基配列を示す。
【0083】後述の実施例3で得られた形質転換体、Es
cherichia coli DH5α/pAKKO-GPR8は、大阪府大阪市淀
川区十三本町2−17−85、財団法人発酵研究所(I
FO)に2001年2月27日から寄託番号IFO 1
6564として、茨城県つくば市東1−1−1 中央第
6、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託セ
ンターに2001年4月11日から受託番号FERM
BP−7540として、それぞれ寄託されている。後述
の実施例28で得られた形質転換体、Escherichia coli
TOP10/pCR2.1-TOPO Human GPR8 Ligand Precursorは、
大阪府大阪市淀川区十三本町2−17−85、財団法人
発酵研究所(IFO)に2001年2月27日から寄託
番号IFO16568として、茨城県つくば市東1−1
−1 中央第6、独立行政法人産業技術総合研究所 特
許生物寄託センターに2001年4月11日から受託番
号FERM BP−7544として、それぞれ寄託され
ている。後述の実施例32で得られた形質転換体、Esch
erichia Escherichia coli TOP10/pCR2.1-TOPO Porcine
GPR8 Ligand Precursorは、大阪府大阪市淀川区十三本
町2−17−85、財団法人発酵研究所(IFO)に2
001年2月27日から寄託番号IFO 16565と
して、茨城県つくば市東1−1−1 中央第6、独立行
政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに2
001年4月11日から受託番号FERM BP−75
41として、それぞれ寄託されている。後述の実施例3
6で得られた形質転換体、Escherichia coli TOP10/pCR
2.1-TOPO Rat GPR8 Ligand Precursorは、大阪府大阪市
淀川区十三本町2−17−85、財団法人発酵研究所
(IFO)に2001年2月27日から寄託番号IFO
16567、茨城県つくば市東1−1−1 中央第6、
独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センタ
ーに2001年4月11日から受託番号FERMBP−
7543として、それぞれ寄託されている。後述の実施
例41で得られた形質転換体、Escherichia coli TOP10
/pCR2.1-TOPO Mouse GPR8 Ligand Precursorは、大阪府
大阪市淀川区十三本町2−17−85、財団法人発酵研
究所(IFO)に2001年2月27日から寄託番号I
FO16566として、茨城県つくば市東1−1−1
中央第6、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物
寄託センターに2001年4月11日から受託番号FE
RM BP−7542として、それぞれ寄託されてい
る。
【0084】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をより詳細に
説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものでは
ない。
【0085】実施例1 ヒト脳由来cDNAを用いたP
CR法によるヒトGPR8 cDNAの増幅 ヒト脳由来poly (A) +RNA(クローンテック)を鋳型と
して、ランダムプライマーを用いて逆転写反応を行なっ
た。逆転写は、タカラRNA PCR ver 2.1キット試薬を使
用した。次にこの逆転写生成物を鋳型として用い、配列
番号:1および配列番号:2で表される合成プライマー
を用いてPCR法による増幅を行なった。合成プライマ
ーは受容体蛋白に翻訳される領域の遺伝子が増幅される
ように構築したが、その際に遺伝子の5'側に制限酵素C
laIの認識する塩基配列が付加され、3'側に制限酵素
SpeIの認識する塩基配列が付加されるように、5'側
および3'側にそれぞれの制限酵素の認識配列を付加し
た。反応液の組成は、cDNA鋳型5μl,合成DNAプ
ライマー各0.4μM、0.8mM dNTPs、pfuポリメラーゼ(ス
トラタジーン)0.5μlおよび酵素に付属のバッファー
で、総反応量は50μlとした。増幅のためのサイクルは
サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、94℃・6
0秒の加熱の後、94℃・60秒、65℃・60秒、72℃・150秒
のサイクルを35回繰り返した。増幅産物の確認は、0.8
%アガロースゲル電気泳動の後、エチジウムブロマイド
染色によって行なった。
【0086】実施例2 PCR産物のプラスミドベクタ
ーへのサブクローニングおよび挿入cDNA部分の塩基
配列の解読による増幅cDNA配列の確認 実施例1で行なったPCR反応液を0.8%の低融点アガ
ロースゲル電気泳動により分離し、バンドの部分をかみ
そりで切り出した後、細片化、フェノール抽出、フェノ
ール・クロロホルム抽出、エタノール沈殿の操作を行な
ってDNAを回収した。PCR-ScriptTM Amp SK(+)クロー
ニングキット(ストラタジーン)の処方に従い、回収し
たDNAをプラスミドベクターpCR-Script Amp SK(+)へ
サブクローニングした。これをエシェリヒア コリ(Esch
erichia coli) DH5αcompetent cell(東洋紡)に導入
して形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローン
をアンピシリン、IPTGおよびX−galを含むLB
寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌し
たつま楊枝を用いて分離し、形質転換体E. coli DH5α/
GPR8を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB
培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲ
ン)を用いてプラスミドDNAを調製した。調製したD
NAの一部に対して制限酵素ClaIおよびSpeIに
よる切断を行ない、挿入されている受容体cDNA断片
の大きさを確認した。塩基配列の決定のための反応はDy
eDeoxyTerminator Cycle Sequence Kit(PE Biosystems)
を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読
した(配列番号:3)。図1にヒトGPR8受容体蛋白
質cDNAの全塩基配列(配列番号:23)およびそれ
から翻訳されるヒトGPR8受容体蛋白質の全アミノ酸
配列(配列番号:4)を示した。
【0087】実施例3 GPR8発現CHO細胞の作製 実施例2で配列が確認されたヒト脳由来のGPR8の全
長アミノ酸配列をコードし5'側にClaI認識配列を付
加し、また3'側にSpeI認識配列を付加した遺伝子が
導入されたプラスミドによって形質転換されたE. coli
のクローンからPlasmid Midi KIt(キアゲン)を用いて
プラスミドDNAを調製し、これを制限酵素ClaIお
よびSpeIで消化してインサートDNAを切り出し
た。インサートDNAは電気泳動後、アガロースゲルか
らカミソリで切り出し、次に細片化、フェノール抽出、
フェノール・クロロホルム抽出、エタノール沈殿の操作
により回収された。このインサートDNAをClaIお
よびSpeIで切断した動物細胞発現用ベクタープラス
ミドpAKKO-111H(S. Hinuma et al.、Biochim. Biophy
s. Acta、1219巻、251-259頁、1994年、記載のpAKKO1.1
1Hと同一のベクタープラスミド)に加え、T4リガーゼ
(宝酒造)を用いてライゲーションを行ない、蛋白発現
用プラスミドpAKKO-GPR8を構築した。このプラスミドpA
KKO-GPR8で形質転換した大腸菌をDH5α/pAKKO-GPR8(Es
cherichia coli DH5α/pAKKO-GPR8)と命名した。pAKKO
-GPR8で形質転換したE. coli DH5α(東洋紡)を培養
後、Plasmid MidiKit(キアゲン)を用いてpAKKO-GPR8
プラスミドDNAを調製した。これをCellPhect Transf
ection Kit(アマシャムファルマシアバイオテク)を用
いて、添付のプロトコールに従ってCHO dhfr-細胞に導
入した。4.5μgのDNAをリン酸カルシウムとの共沈
懸濁液とし、24時間前に5 x 105または1 x 106個のCH
O dhfr-細胞を播種した直径6cmシャーレに添加した。10
%ウシ胎児血清を含むMEMα培地で1日間培養した
後、継代し、選択培地である10%透析ウシ胎児血清を含
む核酸不含MEMα培地で培養した。選択培地中に増殖
してくるGPR8発現CHO細胞である形質転換細胞の
コロニー47クローンを選択した。
【0088】実施例4 全長ヒトGPR8蛋白質mRN
Aの発現量の高いCHO/GPR8細胞株の選択 実施例3で樹立されたCHO/GPR8細胞株47クロ
ーンの全長GPR8蛋白質mRNAの発現量をCytostar
T Plate(アマシャムファルマシアバイオテク)を用
い、添付のプロトコールに従って以下のように測定し
た。CHO/GPR8細胞株の各クローンをCytostar T
Plateに1well当たり2.5 x 104個ずつ播種して24時
間培養した後、10%ホルマリンによって細胞を固定し
た。各wellに0.25% Triton X-100を添加して細胞の透
過性をあげた後、35Sラベルした配列番号:5のribopro
beを加えてハイブリダイズさせた。20μg/mlのRNase A
を各wellに加えて遊離のriboprobeを消化し、プレート
をよく洗浄した後、ハイブリダイズしたriboprobeの放
射活性をTopcounterで測定した。放射活性の高い細胞株
は、mRNA発現量が高い。mRNA発現量の高い3ク
ローン(#17,41および46)を以下に実験に用いたが、特
にクローン番号17を用いた。
【0089】実施例5 GPR8発現CHO細胞を用い
た細胞内cAMP産生量の測定 実施例4で作製したCHO/GPR8細胞およびmock C
HO細胞を24穴プレートに5 x 104 cell/wellで播種
し、48時間培養した。細胞を0.2mM 3−イソブチル
−メチルキサンチンと0.05% BSAと20mM HEPSを含むハ
ンクスバッファー(pH7.4)で洗浄した(以下、0.2mM 3
−イソブチル−メチルキサンチンと0.05%BSAと20mM HE
PSを含むハンクスバッファー(pH7.4)を、反応用バッフ
ァーと呼ぶ)。その後0.5mlの反応用バッファーを加え
て30分間培養器で保温した。反応用バッファーを除
き、新たに0.25mlの反応用バッファーを細胞に加えた
後、試料と2μMフォルスコリンを含む0.25mlの反応用バ
ッファーを細胞に加え、37℃で24分間反応させた。
100μlの20%過塩素酸を加えて反応を停止させ、次に氷
上で1時間置くことにより細胞内cAMPを抽出した。
抽出液中のcAMP量は、cAMP EIAキット(アマシャム
ファルマシアバイオテク)を用いて測定した。
【0090】実施例6 GPR8発現CHO細胞の膜画
分を用いたGTPγS結合活性の測定 GPR8発現CHO細胞膜画分に対する [35S]-Guanosi
ne 5'-(γ-thio)triphosphateの結合促進活性を以下の
方法により測定した。最初に膜画分の調整法を記載す
る。1 x 108個のCHO/GPR8細胞に10mlのホモジ
ネートバッファー(10mM NaHCO3, 5mM EDTA, 0.5mM PMS
F, 1μg/ml pepstatin, 4μg/ml E64, 20μg/ml leupep
tin)添加し、ポリトロン(12,000 rpm、1分間)を用い
て破砕した。細胞破砕液を遠心(1,000 g, 15分間)し
て上清を得た。次にこの上清を超遠心分離(Beckman ty
pe 30ローター、30,000 rpm, 1時間)し、得られた沈殿
物をGPR8発現CHO細胞膜画分とした。GTPγS
結合活性の測定は以下の通りである。GPR8発現CH
O細胞膜画分を膜希釈緩衝液(50mMトリス塩酸緩衝液(p
H 7.4), 5mM MgCl2, 150mM NaCl, 1μM GDP)で希釈し
て、蛋白質濃度30 mg/mlのアッセイ用細胞膜画分溶液を
調製した。アッセイ用膜画分溶液200μlに、51.5nM濃度
の[35S]-Guanosine 5'-(γ-thio)triphosphate(NEN
社)を2μlと試料を添加し、この混合液を25℃で一時
間保温した。混合液をフィルター濾過し、さらにフィル
ターを洗浄用バッファー(50mMトリス塩酸緩衝液(pH 7.
4), 5mM MgCl2, 1mM EDTA, 0.1% BSA)1.5mlで2回洗
浄した後、フィルターの放射活性を液体シンチレーショ
ンカウンターで測定した。
【0091】実施例7 ブタ視床下部抽出物に含まれ、
CHO/GPR8細胞株に対して特異的にcAMP産生
抑制およびGTPγS結合促進を示す活性の検出 ブタ視床下部抽出物の高速液体クロマトグラフィー(H
PLC)フラクションを以下に述べる方法で調製した。
東京芝浦臓器(株)より購入した、処理当日に屠殺して
摘出後は氷冷保存したブタ視床下部500 g(30頭分)を
細かく切断し、直ぐに沸騰した蒸留水2.0 lに投じて10
分間煮沸した。煮沸後、直ちに氷冷し、120 mlの酢酸を
加えて終濃度1.0 Mとし、ポリトロン(20,000 rpm、6分
間)を用いて破砕した。破砕液を遠心(8,000 rpm、30
分)して上清を取り、沈殿には1.0M酢酸2.0 lを加えて
再度ポリトロンによって破砕し、一晩攪拌した後、遠心
(8,000 rpm、30分)して上清を得た。上清に2倍量の
冷アセトンを4℃でゆっくり滴下した後、1回目の遠心
によって得た上清については一晩攪拌し、2回目の遠心
によって得た上清については4時間攪拌した。アセトン
を加えた抽出液は遠心(8,000 rpm、30分)して沈殿を
除き、得られた上清からエバポレーターによって減圧下
にアセトンを溜去した。アセトンを除いた抽出液に等量
のジエチルエーテルを加え、分液ロートを使って脂質を
含むエーテル層を分離して水層を回収した。エーテル脱
脂した抽出液はエバポレーターによって減圧下に濃縮し
てエーテルを完全に除去した。濃縮液をガラス繊維濾紙
(アドバンテック、DP70 (90 mmφ))で濾過し、濾液を
ガラス製カラム(30φ x 240 mm)に充填したC18(ワイ
エムシー、YMCgel ODS-AM 120-S50)カラムに添加し
た。カラムを1.0 M酢酸400mlで洗浄後、0.1%トリフル
オロ酢酸を含む60%アセトニトリル500 mlで溶出した。
溶出液を減圧下に濃縮して溶媒を溜去した後、濃縮液を
凍結乾燥した。凍結乾燥品約0.5 gを30 mlの0.1%トリ
フルオロ酢酸を含む10%アセトニトリルに溶解し、10 m
lずつをC18カラム(トーソー、TSKgel ODS-80TS (21.5
φ x 300 mm))を用いた10%から60%の0.1%トリフル
オロ酢酸を含むアセトニトリルの濃度勾配溶出法による
HPLCにかけた。HPLCは3回行なった。溶出液は6
0分画に分取し、3回分の溶出液をまとめた。各分画を減
圧下に濃縮・乾固し、残渣を0.5 mlのジメチルスルフオ
キシド(DMSO)で溶解した。上記によって得られたHP
LCフラクションのDMSO溶液を実施例5に示した方法に
よってCHO/GPR8細胞に投与し、細胞内cAMP
産生量の測定を行なった結果、分画番号30に顕著なcA
MP産生抑制活性が認められた。また同様な試料につい
てGPR8発現CHO細胞用いてGTPγS結合促進活
性を調べたところ、やはり分画番号30付近に顕著な活
性が確認された。これらの活性は他の受容体発現細胞で
は認められなかったことからブタ視床下部抽出物にGP
R8特異的なリガンド活性物質が存在することが示され
た。
【0092】実施例8 ブタ視床下部抽出物中のGPR
8発現CHO細胞に対して特異的に細胞内cAMP産生
抑制活性を示す活性物質のプロナーゼによる失活 実施例7でGPR8発現CHO細胞に対して細胞内cA
MP産生抑制活性を示したHPLC分画30を蛋白分解
酵素であるプロナーゼ(Sigma, protease TypeXIV (P51
47))で処理し、活性物質が蛋白性であるかを調べた。
上記視床下部抽出物HPLC分画(#30)2 μlを0.2 M
酢酸アンモニウム200μlに加え、これにプロナーゼ3 μ
gを添加して37℃で2時間インキュベートした後、沸騰水
中で10分間加熱してプロナーゼを失活させた。これにBS
A 0.05mgおよびCHAPS 0.05 mgを含む蒸留水2 mlを加え
てから凍結乾燥した。プロナーゼそのものあるいは加熱
および凍結乾燥の影響を調べるため、プロナーゼのみ、
HPLC分画のみおよびプロナーゼのみを加熱処理した
後にHPLC分画を加えたものについても同様に処理し
て凍結乾燥した。凍結乾燥した各試料を実施例5に示す
方法によってGPR8発現CHO細胞に添加して細胞内
cAMP産生抑制活性を測定した。ブタ視床下部抽出物
中のGPR8発現CHO細胞に対する細胞内cAMP産
生抑制活性を示す活性物質はプロナーゼによって完全に
失活したことからこの物質が蛋白もしくはペプチドであ
ることが示された。
【0093】実施例9 ブタ視床下部からのGPR8発
現CHO細胞膜画分に対して特異的にGTPγS結合促
進活性を示す活性物質の精製 GPR8に特異的なリガンド活性を示す物質をGPR8
発現CHO細胞膜画分に対するGTPγS結合促進活性
を指標としてブタ視床下部から精製した代表例を以下に
具体的に述べる。実施例7に述べた方法と全く同一の方
法により、ブタ視床下部500 g(30頭分)を1.0 M酢酸で
抽出し、アセトン沈殿およびエーテル脱脂をした後、C1
8(ワイエムシー、YMCgel ODS-AM 120-S50)カラムに吸
着させ、0.1%トリフルオロ酢酸を含む60%アセトニト
リルで溶出した。溶出液を濃縮し、凍結乾燥した後、C1
8カラム(トーソー、TSKgel ODS-80TS (21.5φ x 300 m
m))を用いたHPLCによって活性分画を得た。活性は
分画番号30に回収された。これを以下の方法によってさ
らに精製した。この分画を10%アセトニトリルを含む10
mMギ酸アンモニウム10 mlに溶解し、陽イオン交換カラ
ム(トーソー、TSKgel SP-5PW (20 mmφ x 150 mm))に
添加した後、10%アセトニトリルを含む10 mMから2.0 M
のギ酸アンモニウムの濃度勾配によってカラムを溶出し
た。活性はギ酸アンモニウム0.8 M付近に回収された。
活性分画を凍結乾燥し、0.1%トリフルオロ酢酸を含む1
0%アセトニトリル1.0 mlに溶解し、CNカラム(野村化
学、Develosil CN-UG-5 (4.6 mmφx 250 mm))に添加し
た後、0.1%トリフルオロ酢酸を含む21%から26%のア
セトニトリルの濃度勾配によって溶出した。活性はアセ
トニトリル22.1%付近に出現した。活性分画を凍結乾燥
し、0.1 mlのDMSOで溶解し、さらに0.4 mlの0.1%トリ
フルオロ酢酸を含む10%アセトニトリルを加えてODSカ
ラム(和光純薬、Wakosil-II 3C18HG(2.0 mmφx 150 m
m))に添加した後、0.1%トリフルオ酢酸を含む22.5%
から32.5%のアセトニトリルの濃度勾配によって溶出し
た。活性はアセトニトリル26.5%付近に単一ピークとし
て出現した(図2)。
【0094】実施例10 ブタ視床下部から精製された
GPR8発現CHO細胞膜画分に対して特異的にGTP
γS結合促進活性を示す活性物質のアミノ末端アミノ酸
配列の解析およびGPR8リガンドのヒトおよびラット
ホモログペプチドの前駆体蛋白の一部をコードしている
と推定されるEST配列 実施例9で精製されたGPR8発現CHO細胞膜画分に
対して特異的にGTPγS結合促進活性を示す活性物質
のアミノ末端アミノ酸配列解析を行なった。本活性物質
は実施例8に示すように蛋白またはペプチドであること
が推定されていたので、活性ピークを含む溶出液を用い
てパーキンエルマー社Procise 494 Protein Sequencer
によってアミノ末端アミノ酸配列分析を行なった。その
結果、アミノ末端から17残基までに配列番号:6に示
す配列が得られた。この配列はリガンドペプチドの一部
であると考えられた。この配列に基づいて遺伝子データ
ベースの検索を行なったところ、そのものもしくはその
相補鎖がこのペプチドの前駆体蛋白の一部をコードして
いると推定される幾つかのEST(Expressed Sequence
Tag)配列が見出された。それらのアクセッション番
号、cDNAの由来、配列の長さおよび配列番号は次の
通りである。AW007531 (anaplastic oligodendrogliom
a、438 base、配列番号:7)、AI500303 (anaplastic ol
igodendroglioma、 264 base、配列番号:8)、AI990964
(colonic mucosa from patient of Crohn's disease、
424 base、配列番号:9)、AA744804 (germinal center
B cell、375 base、配列番号:10)、H31598 (PC12 cell
s、260 base、配列番号:11)。初めの4つはヒト由来で
あり、最後の1つはラット由来である。これらのEST
のDNA配列はブタ視床下部より単離した活性ペプチド
の配列に相当するアミノ酸配列をコードする領域では極
めてよく一致してしており、また翻訳されたアミノ酸配
列はブタ視床下部より単離され明らかとなったペプチド
の配列とは5残基目のThrがValであること以外は
ほぼ一致した。以上からこれらのESTはGPR8のリ
ガンドペプチドのヒトおよびラットホモログの前駆体蛋
白の一部をコードしているものと推定した。
【0095】実施例11 GPR8リガンドペプチド前
駆体の一部をコードするヒトcDNAの増幅と増幅cD
NA配列の解読 実施例10に述べたGPR8リガンドペプチドの前駆体
蛋白の一部をコードすると推定されたEST配列に基づ
いてプライマーを設計し、ヒト脳由来cDNAよりPC
RによってGPR8リガンドペプチド前駆体の一部をコ
ードするcDNAを増幅した。ヒト脳由来poly (A) +RN
A(クローンテック)を鋳型として、ランダムプライマ
ーを用いて逆転写反応を行なった。逆転写反応には、RN
ase H活性を欠失させたMMLV由来の逆転写酵素であるRev
erTra Ace(東洋紡)を使用した。続いて実施例10に
述べたEST配列に基づいて設計した配列番号:12お
よび配列番号:13の合成DNAプライマーを用いてP
CR法による増幅を行なった。反応液の組成は、cDN
A鋳型2μl、合成DNAプライマー各0.5μM、1.6mM d
NTPs、LATaq (宝酒造)0.2μlおよび酵素に付属のバッ
ファーで、総反応量は20μlとした。増幅のためのサイ
クルはサーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、9
6℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、72℃・45秒のサイ
クルを4回、96℃・30秒、70℃・45秒のサイクルを4回、
96℃・30秒、68℃・45秒のサイクルを4回、96℃・30
秒、64℃・30秒、72℃・45秒のサイクルを5回、96℃・3
0秒、60℃・30秒、72℃・45秒のサイクルを20回繰り返
し、最後に72℃で10分間保温した。増幅産物の確認は、
3%アガロースゲル電気泳動の後、エチジウムブロマイ
ド染色によって行なった。PCR反応液を3%の低融点
アガロースゲル電気泳動により分離し、バンドの部分を
かみそりで切り出した後、QIAquick Gel Extraction Ki
t(キアゲン)を用いてDNAを回収した。TOPO TAクロ
ーニングキット(インビトロゲン)の処方に従い、回収
したDNAをプラスミドベクターpCR2.1-TOPOへサブク
ローニングした。これをEscherichia coli TOP10(イン
ビトロゲン)に導入して形質転換した後、cDNA挿入
断片を持つクローンをアンピシリンおよびX−galを
含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみ
を滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体を得
た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一
晩培養し、QIAwell 8 Plasmid KIt(キアゲン)を用い
てプラスミドDNAを調製した。塩基配列の決定のため
の反応はDyeDeoxyTerminator Cycle SequenceKit(PE Bi
osystems)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを
用いて解読し、配列番号:14に示すDNA配列を得
た。このこの配列から翻訳されるGPR8リガンドぺプ
チド前駆体蛋白の一部(配列番号:15)には予想どお
りブタ視床下部より単離されて配列が明らかになった活
性ペプチドに相当するペプチド配列が存在した。さら
に、そのC末側には通常の生理活性ペプチドが切り出さ
れると考えられるArg−Argの配列(Seidah, N.
G. et al.、Ann. N. Y. Acad. Sci.、839巻、9-24頁、1
998年)が2ヶ所存在した。このことから、GPR8のリ
ガンドペプチドのヒトホモログのアミノ酸配列は配列番
号:16および17のいずれかもしくは両方であると推
定された。
【0096】実施例12 Fmoc化ヒトGPR8 ligand (1-2
3):Fmoc-Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-H
is-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu
(配列番号:105)およびヒトGPR8 ligand (1-23):
Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Va
l-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu(配列番
号:16)の製造 市販 2-chlorotrityl resin (Clt resin,1.33mmol/g)
にFmoc-Leu を導入したFmoc-Leu-O-Clt resin(0.76mmol
/g) 0.25mmol を出発原料とし、ペプチド合成機ABI 433
A を用い Fmoc/ DCC/ HOBt法により、Fmoc-Gly, Fmoc-M
et, Fmoc-Leu, Fmoc-Leu, Fmoc-Gly, Fmoc-Ala, Fmoc-A
la, Fmoc-Arg(Pbf), Fmoc-Gly, Fmoc-Val, Fmoc-Thr(Bu
t), Fmoc-His(Trt), Fmoc-Tyr(But), Fmoc-Arg(Pbf), F
moc-Pro,Fmoc-Ser(But), Fmoc-Ala, Fmoc-Val, Fmoc-Hi
s(Trt), Fmoc-Lys(Boc), Fmoc-Tyr(But), Fmoc-Trp(Bo
c) の順に縮合を行い、Fmoc-Trp(Boc)-Tyr(But)-Lys(Bo
c)-His(Trt)-Val-Ala-Ser(But)-Pro-Arg(Pbf)-Tyr(But)
-His(Trt)-Thr(But)-Val-Gly-Arg(Pbf)-Ala-Ala-Gly-Le
u-Leu-Met-Gly-Leu-O-Clt resin 830 mg を得た。この
樹脂150mgに TFA / thioanisole / m-cresol / triisop
ropylsilane / ethanedithiol (85 / 5 / 5 / 2.5 /
2.5) 5 ml を加え、室温にて 2時間振盪した後樹脂を
ろ去し、溶媒を濃縮後エーテルを加え、粗 Fmoc-Trp-Ty
r-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-
Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leuを沈殿として得
た。これを YMC D-ODS-5-ST S-5 120A カラム(20 x 150
mm)を用いた分取HPLCで、A液: 0.1%TFA-水、B液:
0.1%TFA含有アセトニトリルによるA/B: 72/28〜52/48
への直線型濃度勾配溶出(60分)を行い、目的物を含む分
画を集め凍結乾燥し白色粉末9.7mgを得た。 質量分析による(M+H)+ 2805.7 (計算値2805.4) HPLC溶出時間 25.1 分 溶出条件 カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm) 溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜 30 / 70へ 直線型
濃度勾配溶出(35分) 流速 1.0ml/分 得られた Fmoc-Trp-Tyr-Lys-His-Val-
Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gl
y-Leu-Leu-Met-Gly-Leu 5 mg に 20% diethylamine /
DMF 1 mL を加え室温にて 2 時間撹拌した。溶媒を留
去後 YMC D-ODS-5-ST S-5 120A カラム(20 x 150mm)を
用いた分取HPLCで、A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%
TFA含有アセトニトリルによるA/B: 74/26〜64/36への直
線型濃度勾配溶出(60分)を行い、目的物を含む分画を集
め凍結乾燥し白色粉末1.2mgを得た。 質量分析による(M+H)+ 2583.6 (計算値2583.4) HPLC溶出時間 20.4 分 溶出条件 カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm) 溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜30 / 70へ 直線型
濃度勾配溶出(35分) 流速 1.0ml/分
【0097】実施例13 ヒトGPR8 ligand (1-30):Tr
p-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-
Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Arg-Se
r-Pro-Tyr-Leu-Trp(配列番号:17)の製造 市販 2-chlorotrityl resin (Clt resin,1.33mmol/g)
にFmoc-Trp(Boc) を導入したFmoc-Trp(Boc)-O-Clt resi
n(0.64mmol/g) 0.25mmol を出発原料として実施例12
と同様に配列順通りにアミノ酸を縮合、最後のTrpを導
入後樹脂から切り出す前にFmoc基を樹脂上で除去したの
ち、 TFA / thioanisole / m-cresol /triisopropylsil
ane / ethanedithiol (85 / 5 / 5 / 2.5 / 2.5)で処
理し樹脂からの切り出しと側鎖保護基の除去を同時に行
った。 粗ペプチドを実施例12と同様の方法で精製しT
rp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val
-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Arg-S
er-Pro-Tyr-Leu-Trpを得た。 質量分析による(M+H)+ 3543.4 (計算値3544.2) HPLC溶出時間 21.5 分 溶出条件 カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm) 溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜 30 / 70へ 直線型
濃度勾配溶出(35分) 流速 1.0ml/分
【0098】実施例14 ヒトGPR8 ligand (1-29):Tr
p-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-
Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Arg-Se
r-Pro-Tyr-Leu(配列番号:20)の製造 実施例12の樹脂を用い実施例13と同様に配列順にア
ミノ酸を縮合したのち樹脂からの切り出しと精製を行い
Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Va
l-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Arg-
Ser-Pro-Tyr-Leuを得る。
【0099】実施例15 ヒトGPR8 ligand (1-28):Tr
p-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-
Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Arg-Se
r-Pro-Tyr(配列番号:21)の製造 市販 2-chlorotrityl resin (Clt resin,1.33mmol/g)
にFmoc-Tyr(But) を導入したのち実施例13と同様に配
列順にアミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行
いTrp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-
Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Ar
g-Ser-Pro-Tyrを得る。
【0100】実施例16 ヒトGPR8 ligand (1-27):Tr
p-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-
Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Arg-Se
r-Pro(配列番号:22)の製造 市販 2-chlorotrityl resin (Clt resin,1.33mmol/g)
にFmoc-Proを導入したのち実施例13と同様に配列順に
アミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行いTrp-
Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gl
y-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Arg-Ser-
Proを得る。
【0101】実施例17 ヒトGPR8 ligand (1-26):Tr
p-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-
Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Arg-Se
r(配列番号:23)の製造 市販 2-chlorotrityl resin (Clt resin,1.33mmol/g)
にFmoc-Ser(But)を導入したのち実施例13と同様に配
列順にアミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行
いTrp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-
Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Ar
g-Serを得る。
【0102】実施例18 ヒトGPR8 ligand (1-25):Tr
p-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-
Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Arg
(配列番号:24)の製造 市販 2-chlorotrityl resin (Clt resin,1.33mmol/g)
にFmoc-Arg(Pbf)を導入したのち実施例13と同様に配
列順にアミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行
いTrp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-
Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg-Ar
gを得る。
【0103】実施例19 ヒトGPR8 ligand (1-24):Tr
p-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-
Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Arg(配列
番号:25)の製造 市販 2-chlorotrityl resin (Clt resin,1.33mmol/g)
にFmoc-Arg(Pbf)を導入したのち実施例13と同様に配
列順にアミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行
いTrp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-
Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu-Argを
得る。
【0104】実施例20 GPR8発現CHO細胞膜画
分を用いて測定した23残基のGPR8リガンドペプチド
のヒトホモログのGTPγS結合促進活性 実施例12で合成した23残基のGPR8リガンドペプチ
ドのヒトホモログ(以下、hGPR8L(1-23)と記載すること
がある)を種々の濃度で実施例6に記載した方法でGP
R8発現CHO細胞膜画分に投与してGTPγS結合促
進活性を測定した。結果を図3に示した。明らかにhGPR
8L(1-23)は濃度依存的にGPR8発現CHO細胞膜画分
のGTPγS結合を促進した。このことから配列番号:
16の構造を有するペプチドがGPR8に対するリガン
ドであることが明らかとなった。
【0105】実施例21 GPR8発現CHO細胞膜画
分を用いて測定した30残基のGPR8リガンドペプチド
のヒトホモログのGTPγS結合促進活性 実施例13で合成した30残基のGPR8リガンドペプチ
ドのヒトホモログ(以下、hGPR8L(1-30)と記載すること
がある)を種々の濃度で実施例6に記載した方法でGP
R8発現CHO細胞膜画分に投与してGTPγS結合促
進活性を測定した。結果を図4に示した。明らかにhGPR
8L(1-30)は濃度依存的にGPR8発現CHO細胞膜画分
のGTPγS結合を促進した。このことから配列番号:
17の構造を有するペプチドがGPR8に対するリガン
ドであることが明らかとなった。
【0106】実施例22 GPR8発現CHO細胞を用
いて測定した23残基のGPR8リガンドペプチドのヒト
ホモログの細胞内cAMP産生抑制活性 実施例12で合成したhGPR8L(1-23)を種々の濃度で実施
例5に記載した方法でGPR8発現CHO細胞に接触さ
せて細胞内cAMP産生抑制活性を測定した。結果を図
5に示した。明らかにhGPR8L(1-23)は濃度依存的にGP
R8発現CHO細胞に対して細胞内cAMPの産生を抑
制した。図中、 cAMP合成抑制活性は、フォルスコ
リンを含む反応用バッファーを添加したときの細胞内c
AMP量から反応用バッファーを添加したときの細胞内
cAMP量を減じた量を100%として、hGPR8L(1-23)を
加えたときの細胞内cAMP量から反応用バッファーを
添加したときの細胞内cAMP量を減じた量を%として
表わした。
【0107】実施例23 GPR8発現CHO細胞を用
いて測定した30残基のGPR8リガンドペプチドのヒト
ホモログの細胞内cAMP産生抑制活性 実施例13で合成したhGPR8L(1-30)を種々の濃度で実施
例5に記載した方法でGPR8発現CHO細胞に接触さ
せて細胞内cAMP産生抑制活性を測定した。結果を図
7に示した。明らかにhGPR8L(1-30)は濃度依存的にGP
R8発現CHO細胞に対して細胞内cAMPの産生を抑
制した。図7中、cAMP合成抑制活性は、フォルスコ
リンを含む反応用バッファーを添加したときの細胞内c
AMP量から反応用バッファーを添加したときの細胞内
cAMP量を減じた量を100%として、hGPR8L(1-30)を
加えたときの細胞内cAMP量から反応用バッファーを
添加したときの細胞内cAMP量を減じた量を%として
表わした。
【0108】実施例24 GPR8 ligandの摂食行動に対
する作用 Wistar雄性ラット(9週令)の側脳室(AP:8.1,L:1.
8,H:7.1mm)にペントバルビタール麻酔下でガイドカ
ニューレ(AG-8)を挿入した。その後、1週間以上回復
させてから実験を行った。回復期間中、毎日ハンドリン
グを行い、脳室内投与時のストレスを軽減させた。摂食
実験は15:00から開始した。ラットに無麻酔、無拘束下
でマイクロインジェクションカニューレを取り付け、PB
Sに溶解させた実施例12で得たペプチド(配列番号:
16で表されるアミノ酸配列からなるペプチド)または
PBSのみを5μl/minで2分間投与した。投与終了後から1
分後にマイクロインジェクションカニューレを取り外
し、あらかじめ重量を計測しておいた餌(固形飼料 CE
2:日本クレア)を自由に摂食させた。投与開始から時
間を計測し、30、60、120分後に餌を計量して摂食量を
求めた(図6)。
【0109】実施例25 ヒトGPR8リガンド前駆体
蛋白をコードするcDNAの5'上流端のクローニング 実施例11に記載したGPR8のリガンドペプチドのヒ
トホモログ(以下、ヒトGPR8リガンドと記載するこ
とがある)の前駆体蛋白の一部をコードするヒトcDN
A配列(配列番号:14)を基に作製したプライマーで
ヒト視床下部cDNAを鋳型とした5' RACE PCRを行な
い、ヒトGPR8リガンド前駆体蛋白をコードするcD
NAの5'上流塩基配列を明らかにした。5'RACE PCR ク
ローニングは、ヒト視床下部Marathon-Ready cDNA
(CLONTECH)を鋳型としてキットに添付のAP1プライマ
ーと配列番号:33の合成プライマーでPCR反応を行
ない、次にこのPCR反応液を鋳型としてキットに添付
のAP2プライマーと配列番号:34の合成プライマー
でPCR反応を行なうことにより達成された。PCR
の反応液組成と反応条件は以下のとおりである。反応液
はヒト視床下部cDNA 4μl、AP1プライマー0.5μ
M、配列番号:33の合成DNAプライマー0.5μM、0.4
mM dNTPs、LATaqポリメラーゼ(宝酒造)0.2μlおよび
酵素に付属のGC(I)バッファーで総反応量を20μlと
し、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96
℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、68℃・240秒のサイ
クルを30回繰り返し、さらに72℃で10分間保温した。次
に、キットに添付のTricine-EDTABufferで50倍希釈し
たPCR反応液2μl、AP2プライマー0.5μM、配列番
号:34の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTP
s、LATaqポリメラーゼ(宝酒造)0.2μlおよび酵素に付
属のGC(I)バッファーで総反応量を20μlとし、サー
マルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・120秒
の加熱の後、96℃・30秒、72℃・180秒のサイクルを4
回、次に96℃・30秒、70℃・180秒のサイクルを4回、
次に96℃・30秒、68℃・180秒のサイクルを17回、最
後に72℃で10分間保温した。増幅したDNAを1.2%の
アガロースゲル電気泳動により分離した後、約1,200塩
基長のDNAをカミソリで切り出し、DNAをQIAquick
Gel Extraction Kit(キアゲン)を用いて回収した。
このDNAを、TOPO TA CloningKit (Invitrogen)のプ
ロトコールに従ってpCR2.1-TOPOベクターへクローニン
グした。これをエシェリヒア コリ(Escherichia coli)
TOP10 competent cell(Invitrogen)に導入して形質転
換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシ
リンおよびX−galを含むLB寒天培地で選択し、白
色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分
離し、形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリ
ンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Ki
t (キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。
塩基配列の決定のための反応はBigDyeTerminator Cycle
Sequencing Ready Reaction Kit (PE Biosystems)を用
いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、
配列番号:35に示すDNA配列を得た。
【0110】実施例26 ヒト脳cDNAの作製 ヒト脳cDNAは、Marathon TM cDNA Amplificati
on Kit (CLONTECH)を用いてヒト脳poly A(+) RNA (CLON
TECH)から作製した。RACE PCRに供されるcDNAは1s
t strand cDNA合成を除き、キットに添付のプロトコ
ールに従って作製した。1st strand cDNAは、キット
に添付の逆転写酵素AMVの代わりに逆転写酵素MMLV (-RN
Ase H)(RevTraAce,東洋紡)を用いて、1μgのヒト脳po
ly A(+) RNAから合成した。
【0111】実施例27 ヒトGPR8リガンド前駆体
蛋白をコードするcDNAの3'下流端のクローニング 実施例11に記載のヒトGPR8リガンド前駆体蛋白の
一部をコードするヒトcDNA配列(配列番号:14)
を基に作製したプライマーでヒト脳cDNAを鋳型とし
た3' RACE PCRを行ない、ヒトGPR8リガンドをコー
ドするcDNAの3'下流塩基配列を明らかにした。3'RA
CE PCR クローニングは、ヒト脳 cDNAを鋳型として
キットに添付のAP1プライマーと配列番号:36の合
成プライマーでPCR反応を行ない、次にこのPCR反
応液を鋳型としてキットに添付のAP2プライマーと配
列番号:37の合成プライマーでPCR反応を行なうこ
とにより達成された。PCR の反応液組成と反応条件
は以下のとおりである。反応液はキットに添付のTricin
e-EDTA Bufferで50倍希釈したヒト脳cDNA 1μl、
AP1プライマー0.5μM、配列番号:36の合成DNA
プライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、LATaqポリメラーゼ
(宝酒造)0.2μlおよび酵素に付属のGC(I)バッファ
ーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Bi
osystems)を用い、96℃・120秒の加熱の後、96℃・30
秒、68℃・240秒のサイクルを30回繰り返し、さらに72
℃で10分間保温した。次に、キットに添付のTricine-ED
TA Bufferで50倍希釈したPCR反応液1μl、AP2
プライマー0.5μM、配列番号:37の合成DNAプライ
マー0.5μM、0.4 mM dNTPs、LATaqポリメラーゼ(宝酒
造)0.2μlおよび酵素に付属のGC(I)バッファーで総
反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosyste
ms)を用い、96℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、72
℃・180秒のサイクルを4回、次に96℃・30秒、70℃・1
80秒のサイクルを4回、次に96℃・30秒、68℃・180秒
のサイクルを17回、最後に72℃で10分間保温した。増
幅したDNAを1.5%のアガロースゲル電気泳動により
分離した後、約600塩基長のDNAをカミソリで切り出
し、DNAをQIAquick Gel Extraction Kit(キアゲ
ン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO TA Clonin
g Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってpCR2.1-TOP
Oベクターへクローニングした。これをエシェリヒア
コリ(Escherichia coli) TOP10 competent cell(Invit
rogen)に導入して形質転換した後、cDNA挿入断片
を持つクローンをアンピシリンおよびX−galを含む
LB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅
菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体を得た。個
々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養
し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲン)を用いてプラ
スミドDNAを調整した。塩基配列の決定のための反応
はBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready Reactio
n Kit (PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シ
ーケンサーを用いて解読し、配列番号:38に示すDN
A配列を得た。
【0112】実施例28 ヒトGPR8リガンド前駆体
蛋白をコードするcDNAのクローニング ヒト視床下部cDNAを鋳型として、ヒトGPR8リガ
ンド前駆体蛋白をコードするcDNAの5'上流塩基配列
を基に作製したプライマーとヒトGPR8リガンド前駆
体蛋白をコードするcDNAの3'下流塩基配列を基に作
製したプライマーでPCR増幅を行なうことにより、ヒ
トGPR8リガンド前駆体蛋白をコードするcDNAを
クローニングした。PCRの反応液組成と反応条件は以
下のとおりである。反応液は、ヒト視床下部Marathon-R
eady cDNA (CLONTECH) 1μl、配列番号:39の合成
DNAプライマー0.5μM、配列番号:40の合成DNA
プライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、2.5 mM MgCl2、5%
DMSO、LATaqポリメラーゼ(宝酒造)0.2μlおよび酵素に
付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサ
イクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・60秒の加熱
の後、96℃・30秒、64℃・30秒、72℃・120秒のサイク
ルを35回、最後に72℃で10分間保温した。増幅したD
NAを1.5%のアガロースゲル電気泳動により分離した
後、約700塩基長のDNAをカミソリで切り出し、DN
AをQIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン)を用い
て回収した。このDNAを、TOPO TA Cloning Kit (Inv
itrogen)のプロトコールに従ってpCR2.1-TOPOベクター
へクローニングした。これをエシェリヒア コリ(Esche
richia coli) TOP10 competent cell(Invitrogen)に
導入して形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクロ
ーンをアンピシリンおよびX−galを含むLB寒天培
地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま
楊枝を用いて分離し、形質転換体を得た。個々のクロー
ンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwel
l 8 Plasmid Kit (キアゲン)を用いてプラスミドDN
Aを調整した。塩基配列の決定のための反応はBigDye T
erminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit (PE
Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサー
を用いて解読し、配列番号:41に示すDNA配列を得
た。この配列(配列番号:41)はヒトGPR8リガン
ド前駆体蛋白をコードするためこのDNAを含むプラス
ミドで形質転換した大腸菌をTOP10/pCR2.1-TOPOヒトG
PR8リガンド前駆体(Escherichia coli TOP10/pCR2.
1-TOPO Human GPR8Ligand Precursor)と命名した。配
列番号:41に示すDNA配列には、実施例11に記載
したヒトGPR8リガンドペプチドのアミノ酸配列をコ
ードするようなフレームが存在するが、その5'上流側に
は蛋白翻訳の開始コドンであると予想されるATGが存在
しない。しかし、これまでに幾つかの蛋白でATG以外の
コドンを開始コドンとすることが予想されている例が報
告されている(ヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(H. Pra
ts etal.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、86巻、1836-1
840頁、1989年、R. Z. FlorkiewiczおよびA. Sommer、P
roc. Natl. Acad. Sci. USA、86巻、3978-3981頁、1989
年)、マウスレチノイン酸受容体β4(S. Nagpal et a
l.、Proc. Natl. Acad.Sci. USA、89巻、2718頁、1992
年)、ヒトホスホリボシルピロリン酸合成酵素(M. Tai
ra et al.、J. Biol. Chem.、265巻、16491-16497頁、1
990年)、ショウジョウバエコリンアセチル転移酵素
(H. Sugihara et al.、J. Biol. Chem.、265巻、21714
-21719頁、1990年))。これらの例ではATGに代わりLeu
をコードするCTGが開始コドンとして仮定されているこ
とが多い。ヒトGPR8リガンド前駆体蛋白においても
同様であると考え、後述のブタあるいはラットのGPR
8リガンドホモログの前駆体蛋白との比較からこれらの
前駆体蛋白における開始コドンと予想されるATGにほぼ
対応する位置に存在するCTGコドンを開始コドンと仮定
し、前駆体蛋白の配列を推定した。この仮想的ヒトGP
R8リガンド前駆体蛋白のアミノ酸配列を配列番号:4
2に示した。また、仮想的ヒトGPR8リガンド前駆体
蛋白のアミノ酸配列およびDNA配列を図8に示した。
【0113】実施例29 ブタ脊髄cDNAの作製 ブタ脊髄cDNAは、Marathon TM cDNA Amplifica
tion Kit (CLONTECH)を用いてブタ脊髄poly A(+) RNAか
ら作製した。ブタ脊髄poly A(+) RNAは、ブタ脊髄から
以下のように調製した。ブタ脊髄を、ISOGEN(日本ジー
ン)中にてポリトロンホモゲナイザーで完全に破砕し、
この破砕溶液からISOGEN溶液を用いたtotal RNA調製法
に従ってブタ脊髄total RNAを得た。次に、ブタ脊髄tot
al RNAからmRNA Purification Kit(Amersham Pharmaci
a Biotech)に添付のoligo dT celluloseカラムを用い
た クロマトグラフィーを2回行なうことにより、7μg
のブタ脊髄poly A(+) RNAを得た。RACE PCRに供したc
DNAは1st strand cDNA合成を除き、キットに添付
のプロトコールに従って作製した。1st strand cDNA
は、キットに添付の逆転写酵素AMVの代わりに逆転写酵
素MMLV (-RNAse H)(RevTraAce,東洋紡)を用いて、1
μgのブタ脊髄poly A(+) RNAから合成した。
【0114】実施例30 ブタGPR8リガンド前駆体
蛋白をコードするcDNAの5'上流端のクローニング 1回目の5'RACE PCR クローニングと、そのPCR増幅
DNAの塩基配列を利用した2回目の5'RACE PCR クロ
ーニングにより、GPR8のリガンドペプチドのブタホ
モログ(以下、ブタGPR8リガンドと記載することが
ある)の前駆体蛋白をコードするcDNAの5'上流塩基
配列を明らかにした。1回目の5'RACE PCR クローニン
グは、上記ブタ脊髄cDNAを鋳型としてキットに添付
のAP1プライマーと配列番号:43の合成プライマー
でPCR反応を行ない、次にこのPCR反応液を鋳型と
してキットに添付のAP2プライマーと配列番号:44
の合成プライマーでPCR反応を行なうことにより達成
された。PCR の反応液組成と反応条件は以下のとお
りである。反応液はキットに添付のTricine-EDTA Buffe
rで50倍希釈したブタ脊髄cDNA 4μl、AP1プラ
イマー0.5μM、配列番号:43の合成DNAプライマー
0.5μM、0.4 mM dNTPs、LATaqポリメラーゼ(宝酒造)
0.2μlおよび酵素に付属のGC(I)バッファーで総反応
量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)
を用い、96℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、68℃・1
80秒のサイクルを30回繰り返し、さらに72℃で10分間保
温した。次に、キットに添付のTricine-EDTA Bufferで
100倍希釈したPCR反応液1μl、AP2プライマー
0.5μM、配列番号:44の合成DNAプライマー0.5μ
M、0.4 mM dNTPs、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTE
CH) 0.2μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応量を
20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用
い、96℃・60秒の加熱の後、96℃・30秒、72℃・180秒
のサイクルを3回、次に96℃・30秒、70℃・180秒のサ
イクルを3回、次に96℃・30秒、68℃・180秒のサイク
ルを4回、次に96℃・30秒、64℃・30秒、72℃・180秒
のサイクルを15回繰り返し、最後に72℃で10分間保温
した。増幅したDNAを1.2%のアガロースゲル電気泳
動により分離した後、約300塩基長のDNAをカミソリ
で切り出し、DNAをQIAquick Gel Extraction Kit
(キアゲン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO T
A Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってpC
R2.1-TOPOベクターへクローニングした。これをエシェ
リヒア コリ(Escherichia coli) TOP10F' competent c
ell(Invitrogen)に導入して形質転換した後、cDN
A挿入断片を持つクローンをアンピシリン、IPTGお
よびX−galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈
するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、
形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含
むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キ
アゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配
列の決定のための反応はBigDye Terminator Cycle Sequ
encing Ready Reaction Kit (PE Biosystems)を用いて
行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列
番号:45に示すDNA配列を得た。2回目の5'RACE P
CR クローニングは、ブタ脊髄cDNAを鋳型としてキ
ットに添付のAP1プライマーと配列番号:46の合成
プライマーでPCR反応を行ない、次にこのPCR反応
液を鋳型としてキットに添付のAP2プライマーと配列
番号:47の合成プライマーでPCR反応を行なうこと
により達成された。PCRの反応液組成と反応条件は以
下のとおりである。反応液は、キットに添付のTricine-
EDTA Bufferで50倍希釈したブタ脊髄cDNA 1μl、
AP1プライマー0.5μM、配列番号:46の合成DNA
プライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、Advantage-GC 2ポリ
メラーゼ(CLONTECH) 0.2μlおよび酵素に付属のバッフ
ァーで総反応量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE
Biosystems)を用い、96℃・60秒の加熱の後、96℃・30
秒、72℃・180秒のサイクルを5回、次に96℃・30秒、7
0℃・180秒のサイクルを5回、次に96℃・30秒、68℃・
180秒のサイクルを20回繰り返し、最後に72℃で10分
間保温した。次に、キットに添付のTricine-EDTA Buffe
rで100倍希釈したPCR反応液1μl、AP2プライ
マー0.5μM、配列番号:47の合成DNAプライマー0.
5μM、0.4 mM dNTPs、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLO
NTECH) 0.2μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応
量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)
を用い、96℃・60秒の加熱の後、96℃・30秒、68℃・18
0秒のサイクルを31回繰り返し、最後に72℃で10分間
保温した。増幅したDNAを2.0%のアガロースゲル電
気泳動により分離した後、約200塩基長のDNAをカミ
ソリで切り出し、DNAをQIAquick Gel Extraction Ki
t(キアゲン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO
TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってp
CR2.1-TOPOベクターへクローニングした。これをエシェ
リヒア コリ(Escherichia coli) TOP10F' competent ce
ll(Invitrogen)に導入して形質転換した後、cDNA
挿入断片を持つクローンをアンピシリン、IPTGおよ
びX−galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈す
るクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形
質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含む
LB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キア
ゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配列
の決定のための反応はBigDyeTerminator Cycle Sequenc
ing Ready Reaction Kit(PE Biosystems)を用いて行な
い、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番
号:48に示すDNA配列を得た。
【0115】実施例31 ブタGPR8リガンド前駆体
蛋白をコードするcDNAの3'下流端のクローニング ブタGPR8リガンド前駆体蛋白をコードするcDNA
の5'上流端の塩基配列を基に作製したプライマーを用い
た3'RACE PCRクローニングにより、ブタGPR8リガン
ドペプチドの前駆体蛋白をコードするcDNAの3'下流
塩基配列を明らかにした。3'RACE PCR クローニング
は、ブタ脊髄cDNAを鋳型としてキットに添付のAP
1プライマーと配列番号:49の合成プライマーでPC
R反応を行ない、次にこのPCR反応液を鋳型としてキ
ットに添付のAP2プライマーと配列番号:50の合成
プライマーでPCR反応を行なうことにより達成され
た。PCRの反応液組成と反応条件は以下のとおりであ
る。反応液は、キットに添付のTricine-EDTA Bufferで
50倍希釈したブタ脊髄cDNA 1μl、AP1プライ
マー0.5μM、配列番号:49の合成DNAプライマー0.
5μM、0.4 mM dNTPs、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLO
NTECH) 0.2μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応
量を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)
を用い、96℃・60秒の加熱の後、96℃・30秒、72℃・12
0秒のサイクルを5回、次に96℃・30秒、70℃・120秒の
サイクルを5回、次に96℃・30秒、68℃・120秒のサイ
クルを20回繰り返し、最後に72℃で10分間保温した。
次に、キットに添付のTricine-EDTA Bufferで100倍
希釈したPCR反応液1μl、AP2プライマー0.5μM、
配列番号:50の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM
dNTPs、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.2μ
lおよび酵素に付属のバッファーで総反応量を20μlと
し、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96
℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、68℃・120秒のサイ
クルを31回繰り返し、最後に72℃で10分間保温した。
増幅したDNAを2.0%のアガロースゲル電気泳動によ
り分離した後、約650塩基長のDNAをカミソリで切り
出し、DNAをQIAquick Gel Extraction Kit(キアゲ
ン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO TA Clonin
g Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってpCR2.1-TOP
Oベクターへクローニングした。これをエシェリヒア コ
リ(Escherichia coli) TOP10F' competent cell(Invit
rogen)に導入して形質転換した後、cDNA挿入断片
を持つクローンをアンピシリンおよびX−gal、IP
TGを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクロー
ンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体
を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地
で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲン)を
用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配列の決定の
ための反応はBigDyeTerminator Cycle Sequencing Read
y Reaction Kit (PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光
式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:51に
示すDNA配列を得た。
【0116】実施例32 ブタGPR8リガンド前駆体
蛋白をコードするcDNAのクローニング ブタ脊髄cDNAを鋳型として、ブタGPR8リガンド
前駆体蛋白をコードするcDNAの5'上流塩基配列を基
に作製したプライマーとブタGPR8リガンド前駆体蛋
白をコードするcDNAの3'下流塩基配列を基に作製し
たプライマーでPCR増幅を行なうことにより、ブタG
PR8リガンド前駆体蛋白をコードするcDNAをクロ
ーニングした。PCRの反応液組成と反応条件は以下の
とおりである。反応液は、キットに添付のTricine-EDTA
Bufferで50倍希釈したブタ脊髄cDNA 1μl、配列
番号:52の合成DNAプライマー0.5μM、配列番号:
53の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、Ad
vantage 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.2μlおよび酵素に
付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサ
イクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・60秒の加熱
の後、96℃・30秒、72℃・75秒のサイクルを4回、次に
96℃・30秒、70℃・75秒のサイクルを4回、次に96℃・
30秒、68℃・75秒のサイクルを4回、次に96℃・30秒、
64℃・30秒、72℃・45秒のサイクルを5回、次に96℃・
30秒、60℃・30秒、72℃・45秒のサイクルを20回繰り
返し、最後に72℃で10分間保温した。増幅したDNAを
1.2%のアガロースゲル電気泳動により分離した後、約6
00塩基長のDNAをカミソリで切り出し、DNAをQIAq
uick Gel Extraction Kit(キアゲン)を用いて回収し
た。このDNAを、TOPO TA Cloning Kit (Invitrogen)
のプロトコールに従ってpCR2.1-TOPOベクターへクロー
ニングした。これをエシェリヒア コリ(Escherichia co
li) TOP10 competent cell(Invitrogen)に導入して形
質転換した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアン
ピシリンおよびX−galを含むLB寒天培地で選択
し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用
いて分離し、形質転換体を得た。個々のクローンをアン
ピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plas
mid Kit (キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調整
した。塩基配列の決定のための反応はBigDye Terminato
r Cycle Sequencing ReadyReaction Kit(PE Biosystem
s)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解
読し、配列番号:54に示すDNA配列を得た。この配
列(配列番号:54)はブタGPR8リガンド前駆体蛋
白をコードするためこのDNAを含むプラスミドで形質
転換した大腸菌をTOP10/pCR2.1-TOPOブタGPR8リガ
ンド前駆体(Escherichia coli TOP10/pCR2.1-TOPO Por
cine GPR8 Ligand Precursor)と命名した。配列番号:
54のDNA配列がコードするブタGPR8リガンド前
駆体蛋白のアミノ酸配列を配列番号:55に示した。こ
の前駆体蛋白のアミノ酸配列には実施例10に記載のG
PR8発現細胞膜画分に対するGTPγS結合活性を指
標にブタ視床下部より単離されたGPR8リガンドペプ
チドのアミノ酸配列分析によって明らかにされたアミノ
末端から17残基までの配列が存在した。さらにその配
列のカルボキシ末端側にはGPR8リガンドペプチドの
ヒトホモログ前駆体蛋白の場合と同様に、通常の生理活
性ペプチドが切り出されると考えられるArg−Arg
の配列(Seidah, N. G. et al.、Ann. N. Y. Acad. Sc
i.、839巻、9-24頁、1998年)が2ヶ所存在した。このこ
とから、GPR8リガンドペプチドのブタホモログのア
ミノ酸配列は配列番号:56および57のいずれかもし
くは両方であると推定された。ブタGPR8リガンド前
駆体蛋白のアミノ酸配列およびDNA配列を図9に示し
た。
【0117】実施例33 ラットGPR8リガンド前駆
体蛋白の一部をコードするcDNA断片のクローニング 実施例10に記載したように、GPR8発現細胞膜画分
に対するGTPγS結合活性を指標にブタ視床下部から
精製したペプチドのアミノ末端から17アミノ酸配列
(配列番号:6)に基づいてデータベース検索を行なっ
たところ、配列番号:11の塩基配列に合致するラット
EST塩基配列(アクセッション番号:H31598)が見出
された。このDNA配列は15アミノ酸の配列がブタ視
床下部から精製したペプチドのアミノ酸配列(配列番
号:6)と同一となる翻訳枠を持っていた。このH31598
は、ラットPC12細胞から作製したcDNAライブラリー
由来のEST 配列であり、未確定な7塩基を含む26
0塩基からなる。このH31598はGPR8リガンドのラッ
トホモログペプチド(以下、ラットGPR8リガンドと
記載することがある)の前駆体蛋白の一部をコードして
いると推定されたのでその正確な塩基配列を決定するた
め、H31598の5'塩基配列と3'塩基配列を基に作製したそ
れぞれのプライマーでラット脳Marathon-Ready cDNA
(CLONTECH)を鋳型としたPCRクローニングを行なっ
た。PCRの反応液組成と反応条件は以下のとおりであ
る。ラット脳Marathon cDNA (CLONTECH) 2μl、配列
番号:60の合成DNAプライマー0.5μM、配列番号:
61の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、Ad
vantage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.2μlおよび酵
素に付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマ
ルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・60秒の
加熱の後、次に96℃・30秒、60℃・30秒、72℃・60秒の
サイクルを35回繰り返し、最後に72℃で10分間保温し
た。増幅したDNAを4.0%のアガロースゲル電気泳動
により分離した後、約250塩基長のDNAをカミソリで
切り出し、DNAをQIAquick Gel Extraction Kit(キ
アゲン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO TA Cl
oning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってpCR2.1
-TOPOベクターへクローニングした。これをエシェリヒ
ア コリ(Escherichia coli) TOP10 competent cell(In
vitrogen)に導入して形質転換した後、cDNA挿入断
片を持つクローンをアンピシリンおよびX−galを含
むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローンのみを
滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体を得た。
個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培
養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲン)を用いてプ
ラスミドDNAを調整した。塩基配列の決定のための反
応はBigDye Terminator Cycle Sequencing ReadyReacti
on Kit (PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シ
ーケンサーを用いて解読し、配列番号:62に示すDN
A配列を得た。PCRクローニングしたDNAの塩基配
列(配列番号:62)とH31598の塩基配列との比較によ
り、1塩基欠失の読み誤りがH31598の塩基配列にあるこ
とが明らかになった。
【0118】実施例34 ラットGPR8リガンド前駆
体蛋白をコードするcDNAの5'上流端のクローニング 5'RACE PCR クローニングによりラットGPR8リガ
ンド前駆体蛋白をコードするcDNAの5'上流塩基配列
を明らかにした。5'RACE PCR クローニングは、ラット
脳Marathon-Ready cDNA (CLONTECH)を鋳型としてキ
ットに添付のAP1プライマーと配列番号:63の合成
プライマーでPCR反応を行ない、次にこのPCR反応
液を鋳型としてキットに添付のAP2プライマーと配列
番号:64の合成プライマーでPCR反応を行なうこと
により達成された。PCR の反応液組成と反応条件は
以下のとおりである。 反応液はラット脳Marathon cD
NA 2μl、AP1プライマー0.5μM、配列番号:63
の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、LATaq
ポリメラーゼ(宝酒造)0.2μlおよび酵素に付属のGC
(I)バッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサ
イクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・ 60秒の加熱
の後、96℃・30秒、68℃・120秒のサイクルを30回繰り
返し、さらに72℃で10分間保温した。次に、キットに添
付のTricine-EDTA Bufferで200倍希釈したPCR反
応液2μl、AP2プライマー0.5μM、配列番号:64の
合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、Advantag
e-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.2μlおよび酵素に付
属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマルサイ
クラー(PE Biosystems)を用い、96℃・60秒の加熱の
後、96℃・30秒、68℃・120秒のサイクルを31回、最
後に72℃で10分間保温した。増幅したDNAを1.2%の
アガロースゲル電気泳動により分離した後、約600塩基
長のDNAをカミソリで切り出し、DNAをQIAquick G
el Extraction Kit(キアゲン)を用いて回収した。こ
のDNAを、TOPO TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロ
トコールに従ってpCR2.1-TOPOベクターへクローニング
した。これをエシェリヒア コリ(Escherichia coli) TO
P10 competent cell(Invitrogen)に導入して形質転換
した後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリ
ンおよびX−galを含むLB寒天培地で選択し、白色
を呈するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離
し、形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリン
を含むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit
(キアゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。塩
基配列の決定のための反応はBigDye Terminator CycleS
equencing Ready Reaction Kit (PE Biosystems)を用い
て行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配
列番号:65に示すDNA配列を得た。
【0119】実施例35 ラットGPR8リガンド前駆
体蛋白をコードするcDNAの3'下流端のクローニング ラットGPR8リガンド前駆体蛋白をコードするcDN
Aの5'上流端の塩基配列を基に作製したプライマーおよ
びラットGPR8リガンド前駆体蛋白の一部をコードす
るcDNA断片配列を基に作製したプライマーを用いた
3'RACE PCRクローニングにより、ラットGPR8リガン
ド前駆体蛋白をコードするcDNAの3'下流塩基配列を
明らかにした。3'RACE PCR クローニングは、ラット脳M
arathon-Ready cDNA (CLONTECH)を鋳型としてキット
に添付のAP1プライマーと配列番号:66の合成プラ
イマーでPCR反応を行ない、次にこのPCR反応液を
鋳型としてキットに添付のAP2プライマーと配列番
号:67の合成プライマーでPCR反応を行なうことに
より達成された。PCRの反応液組成と反応条件は以下
のとおりである。反応液は、ラット脳Marathon-Ready c
DNA 2μl、AP1プライマー0.5μM、配列番号:6
6の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、Adva
ntage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.4μlおよび酵素
に付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマル
サイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・60秒の加
熱の後、96℃・30秒、68℃・180秒のサイクルを30回
繰り返し、最後に72℃で10分間保温した。次に、キット
に添付のTricine-EDTA Bufferで200倍希釈したPC
R反応液2μl、AP2プライマー0.5μM、配列番号:6
7の合成DNAプライマー0.5μM、0.4 mM dNTPs、Adva
ntage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.4μlおよび酵素
に付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サーマル
サイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・60秒の加
熱の後、96℃・30秒、68℃・180秒のサイクルを30回
繰り返し、最後に72℃で10分間保温した。増幅したDN
Aを1.2%のアガロースゲル電気泳動により分離した
後、約600塩基長のDNAをカミソリで切り出し、DN
AをQIAquick Gel Extraction Kit(キアゲン)を用い
て回収した。このDNAを、TOPO TA Cloning Kit (Inv
itrogen)のプロトコールに従ってpCR2.1-TOPOベクター
へクローニングした。これをエシェリヒア コリ(Esche
richia coli) TOP10 competent cell(Invitrogen)に
導入して形質転換した後、cDNA挿入断片を持つクロ
ーンをアンピシリンおよびX−galを含むLB寒天培
地で選択し、白色を呈するクローンのみを滅菌したつま
楊枝を用いて分離し、形質転換体を得た。個々のクロー
ンをアンピシリンを含むLB培地で一晩培養し、QIAwel
l 8 Plasmid Kit (キアゲン)を用いてプラスミドDN
Aを調整した。塩基配列の決定のための反応はBigDye T
erminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit (PE
Biosystems)を用いて行ない、蛍光式自動シーケンサー
を用いて解読し、配列番号:68に示すDNA配列を得
た。
【0120】実施例36 ラットGPR8リガンド前駆
体蛋白をコードするcDNAのクローニング ラット脳cDNAを鋳型として、ラットGPR8リガン
ド前駆体蛋白をコードするcDNAの5'上流塩基配列を
基にしたプライマーとラットGPR8リガンド前駆体蛋
白をコードするcDNAの3'下流塩基配列を基にしたプ
ライマーでPCR増幅を行なうことにより、ラットGP
R8リガンド前駆体蛋白をコードするcDNAをクロー
ニングした。PCRの反応液組成と反応条件は以下のと
おりである。反応液は、ラット脳Marathon-Ready cDN
A 1μl、配列番号:69の合成DNAプライマー0.5μ
M、配列番号:70の合成DNAプライマー0.5μM、0.4
mM dNTPs、Advantage 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.4μl
および酵素に付属のバッファーで総反応量を20μlと
し、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96
℃・60秒の加熱の後、、96℃・30秒、60℃・30秒、72℃
・60秒のサイクルを35回繰り返し、最後に72℃で10分
間保温した。増幅したDNAを1.2%のアガロースゲル
電気泳動により分離した後、約750塩基長のDNAをカ
ミソリで切り出し、DNAをQIAquick Gel Extraction
Kit(キアゲン)を用いて回収した。このDNAを、TOP
O TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従っ
てpCR2.1-TOPOベクターへクローニングした。これをエ
シェリヒア コリ(Escherichia coli) TOP10 competent
cell(Invitrogen)に導入して形質転換した後、cD
NA挿入断片を持つクローンをアンピシリンおよびX−
galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクロ
ーンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換
体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培
地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キアゲン)
を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配列の決定
のための反応はBigDye Terminator Cycle Sequencing R
eady ReactionKit(PE Biosystems)を用いて行ない、蛍
光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:71
に示すDNA配列を得た。この配列(配列番号:71)
は、ラットGPR8リガンド前駆体蛋白をコードするた
めこのDNAを含むプラスミドで形質転換した大腸菌を
TOP10/pCR2.1-TOPOラットGPR8リガンド前駆体(Esc
herichia coli TOP10/pCR2.1-TOPO Rat GPR8 Ligand Pr
ecursor)と命名した。配列番号:71のDNA配列が
コードするラットGPR8リガンド前駆体蛋白のアミノ
酸配列を配列番号:72に示した。この前駆体蛋白のア
ミノ酸配列には実施例10に記載のGPR8発現細胞膜
画分に対するGTPγS結合活性を指標にブタ視床下部
より単離されたGPR8リガンドペプチドのアミノ酸配
列分析によって明らかにされたアミノ末端から17残基
までの配列と5残基目および17残基目のアミノ酸のみ
が異なる類似した配列が存在した。さらにその配列のカ
ルボキシ末端側にはGPR8リガンドペプチドのヒトあ
るいはブタホモログ前駆体蛋白の場合と同様に、通常の
生理活性ペプチドが切り出されると考えられるArg−
Argの配列(Seidah, N. G. et al.、Ann. N. Y. Aca
d. Sci.、839巻、9-24頁、1998年)が2ヶ所存在した。
これらのことから、GPR8リガンドペプチドのラット
ホモログのアミノ酸配列は配列番号:73および74の
いずれかもしくは両方であると推定された。ラットGP
R8リガンド前駆体蛋白のアミノ酸配列およびDNA配
列を図10に示した。
【0121】実施例37 マウスGPR8リガンド前駆
体蛋白の一部をコードするcDNA断片のクローニング 配列番号:58の23アミノ酸残基のブタGPR8リガ
ンドペプチドをコードする塩基配列に基づいてデータベ
ース検索を行なった。セレラ社マウスゲノムデータベー
スに対して検索を行なった結果、配列番号:58の塩基
配列に類似した塩基配列を含む配列番号:77のマウス
ゲノム断片配列が見出された。この配列はGPR8リガ
ンドペプチドのマウスホモログ(以下、マウスGPR8
リガンドと記載することがある)の前駆体蛋白の一部を
コードするゲノム断片配列であることが予想された。マ
ウス精巣cDNAを鋳型として、このマウスゲノム断片
配列を基に作製したプライマーでPCR増幅を行ない、
増幅DNAの塩基配列を決定した。PCRの反応液組成
と反応条件は以下のとおりである。マウス精巣cDNA
(CLONTECH)1μl、配列番号:78の合成DNAプライ
マー0.5μM、配列番号:79の合成DNAプライマー0.
5μM、0.4 mM dNTPs、LATaqポリメラーゼ(宝酒造)0.2
μlおよび酵素に付属のGC(I)バッファーで総反応量
を20μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を
用い、96℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、68℃・120
秒のサイクルを10回繰り返し、次に96℃・30秒、64℃・
30秒、72℃・120秒のサイクルを25回繰り返し、最後に7
2℃で10分間保温した。増幅したDNAを1.5%のアガロ
ースゲル電気泳動により分離した後、約350塩基長のD
NAをカミソリで切り出し、DNAをQIAquick Gel Ext
raction Kit(キアゲン)を用いて回収した。このDN
Aを、TOPO TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコー
ルに従ってpCR2.1-TOPOベクターへクローニングした。
これをエシェリヒア コリ(Escherichia coli) TOP10 co
mpetent cell(Invitrogen)に導入して形質転換した
後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリンお
よびX−galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈
するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、
形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含
むLB培地で一晩培養し、QIAwell 8 Plasmid Kit (キ
アゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配
列の決定のための反応はBigDye Terminator Cycle Sequ
encing Ready Reaction Kit (PE Biosystems)を用いて
行ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読した(配
列番号:80)。ここに得られたPCRクローニングし
たcDNAの塩基配列(配列番号:80)は、配列番
号:78および配列番号:79のプライマーに用いた2
つの塩基配列に挟まれたマウスゲノム断片塩基配列に完
全に一致した。
【0122】実施例38 マウス脳cDNAの作製 マウス脳cDNAは、SMARTTM RACE cDNA Amplifica
tion Kit (CLONTECH)を用いてマウス脳poly A(+) RNA
(CLONTECH)から、キットに添付のプロトコールに従って
作製した。合成した1st strand cDNA溶液を、キット
に添付のTricine-EDTA Bufferで10倍に希釈し、この
溶液をRACE PCR反応に供した。
【0123】実施例39 マウスGPR8リガンド前駆
体蛋白をコードするcDNAの5'上流端のクローニング 5'RACE PCR クローニングにより、マウスGPR8リガ
ンド前駆体蛋白をコードするcDNAの5'上流塩基配列
を明らかにした。5'RACE PCR クローニングは、マウス
脳cDNAを鋳型としてSMARTTM RACE cDNA Amplifi
cation Kitに添付のUniversal Primer Mixと配列番号:
81の合成プライマーでPCR反応を行ない、次にこの
PCR反応液を鋳型としてキットに添付のNested Unive
rsal Primerと配列番号:82の合成プライマーでPC
R反応を行なうことにより達成された。PCR の反応
液組成と反応条件は以下のとおりである。 反応液はマ
ウス脳cDNA 1μl、Universal Primer Mix 2μl、配
列番号:81の合成DNAプライマー0.2μM、0.8 mM d
NTPs、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.4μl
および酵素に付属のバッファーで総反応量を20μlと
し、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96
℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、68℃・120秒のサイ
クルを30回繰り返し、さらに72℃で10分間保温した。次
に、キットに添付のTricine-EDTA Bufferで50倍希釈
したPCR反応液0.5μl、Nested UniversalPrimer 0.5
μM、配列番号:82の合成DNAプライマー0.5μM、
0.8 mM dNTPs、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH)
0.4μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応量を20
μlとし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用
い、96℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、60℃・30
秒、72℃・120秒のサイクルを30回繰り返し、さらに72
℃で10分間保温した。増幅したDNAを1.5%のアガロ
ースゲル電気泳動により分離した後、約300塩基長のD
NAをカミソリで切り出し、DNAをQIAquick Gel Ext
raction Kit(キアゲン)を用いて回収した。このDN
Aを、TOPO TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコー
ルに従ってpCR2.1-TOPOベクターへクローニングした。
これをエシェリヒア コリ(Escherichia coli) TOP10 c
ompetent cell(Invitrogen)に導入して形質転換した
後、cDNA挿入断片を持つクローンをアンピシリンお
よびX−galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈
するクローンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、
形質転換体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含
むLB培地で一晩培養し、QIAwell8 Plasmid Kit (キ
アゲン)を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配
列の決定のための反応はBigDye Terminator Cycle Sequ
encing Ready Reaction Kit(PE Biosystems)を用いて行
ない、蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番
号:83に示すDNA配列を得た。
【0124】実施例40 マウスGPR8リガンド前駆
体蛋白をコードするcDNAの3'下流端のクローニング 3'RACE PCRクローニングにより、マウスGPR8リガン
ド前駆体蛋白をコードするcDNAの3'下流塩基配列を
明らかにした。3'RACE PCR クローニングは、マウス脳
cDNAを鋳型としてSMARTTM RACE cDNA Amplifica
tion Kitに添付のUniversal Primer Mixと配列番号:8
4の合成プライマーでPCR反応を行ない、次にこのP
CR反応液を鋳型としてキットに添付のNested Univers
al Primerと配列番号:85の合成プライマーでPCR
反応を行なうことにより達成された。PCRの反応液組
成と反応条件は以下のとおりである。反応液は、マウス
脳cDNA 1μl、Universal Primer Mix 2μl、配列番
号:84の合成DNAプライマー0.5μM、0.8 mM dNTP
s、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.4μlおよ
び酵素に付属のバッファーで総反応量を20μlとし、サ
ーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・120
秒の加熱の後、96℃・30秒、68℃・120秒のサイクルを
30回繰り返し、最後に72℃で10分間保温した。次に、
キットに添付のTricine-EDTA Bufferで50倍希釈した
PCR反応液0.5μl、Nested UniversalPrimer 0.5μ
M、配列番号:85の合成DNAプライマー0.5μM、0.8
mM dNTPs、Advantage-GC 2ポリメラーゼ(CLONTECH) 0.
4μlおよび酵素に付属のバッファーで総反応量を20μl
とし、サーマルサイクラー(PE Biosystems)を用い、9
6℃・120秒の加熱の後、96℃・30秒、64℃・30秒、72℃
・120秒のサイクルを30回繰り返し、最後に72℃で10
分間保温した。増幅したDNAを1.5%のアガロースゲ
ル電気泳動により分離した後、約700塩基長のDNAを
カミソリで切り出し、DNAをQIAquick Gel Extractio
n Kit(キアゲン)を用いて回収した。このDNAを、T
OPO TA Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従
ってpCR2.1-TOPOベクターへクローニングした。これを
エシェリヒア コリ(Escherichia coli)TOP10 competen
t cell(Invitrogen)に導入して形質転換した後、cD
NA挿入断片を持つクローンをアンピシリンおよびX−
galを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクロ
ーンのみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換
体を得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培
地で一晩培養し、QIAwell8 Plasmid Kit (キアゲン)
を用いてプラスミドDNAを調整した。塩基配列の決定
のための反応はBigDye Terminator Cycle Sequencing R
eady Reaction Kit(PE Biosystems)を用いて行ない、蛍
光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:86
に示すDNA配列を得た。
【0125】実施例41 マウスGPR8リガンド前駆
体蛋白質をコードするcDNAのクローニング マウス脳cDNAを鋳型として、マウスGPR8リガン
ド前駆体蛋白をコードするcDNAの5'上流塩基配列を
基にしたプライマーとマウスGPR8リガンド前駆体蛋
白をコードするcDNAの3'下流塩基配列を基にしたプ
ライマーでPCR増幅を行なうことにより、マウスGP
R8リガンド前駆体蛋白をコードするcDNAをクロー
ニングした。PCRの反応液組成と反応条件は以下のと
おりである。反応液は、マウス脳cDNA 0.5μl、配
列番号:87の合成DNAプライマー0.5μM、配列番
号:88の合成DNAプライマー0.5μM、1.6 mM dNTP
s、LATaqポリメラーゼ(宝酒造)0.2μlおよび酵素に付
属のGC(I)バッファーで総反応量を20μlとし、サー
マルサイクラー(PE Biosystems)を用い、96℃・120秒
の加熱の後、、96℃・30秒、64℃・30秒、72℃・120秒
のサイクルを40回繰り返し、最後に72℃で10分間保温
した。増幅したDNAを1.5%のアガロースゲル電気泳
動により分離した後、約700塩基長のDNAをカミソリ
で切り出し、DNAをQIAquick Gel Extraction Kit
(キアゲン)を用いて回収した。このDNAを、TOPO T
A Cloning Kit (Invitrogen)のプロトコールに従ってpC
R2.1-TOPOベクターへクローニングした。これをエシェ
リヒア コリ(Escherichia coli) TOP10 competent cel
l(Invitrogen)に導入して形質転換した後、cDNA
挿入断片を持つクローンをアンピシリンおよびX−ga
lを含むLB寒天培地で選択し、白色を呈するクローン
のみを滅菌したつま楊枝を用いて分離し、形質転換体を
得た。個々のクローンをアンピシリンを含むLB培地で
一晩培養し、QIAwell8 Plasmid Kit (キアゲン)を用
いてプラスミドDNAを調整した。塩基配列の決定のた
めの反応はBigDye Terminator Cycle Sequencing Ready
Reaction Kit(PE Biosystems)を用いて行ない、蛍光式
自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:89に示
すDNA配列を得た。この配列(配列番号:89)は,
マウスGPR8リガンド前駆体蛋白をコードするため、
このDNAを含むプラスミドで形質転換した大腸菌をTO
P10/pCR2.1-TOPOマウスGPR8リガンド前駆体(Esche
richia coli TOP10/pCR2.1-TOPO Mouse GPR8 Ligand Pr
ecursor)と命名した。配列番号:89に示すDNA配
列には、実施例10に記載のGPR8発現細胞膜画分に
対するGTPγS結合活性を指標にブタ視床下部より単
離されたGPR8リガンドペプチドのアミノ酸配列分析
によって明らかにされたアミノ末端から17残基までの
配列と5残基目および17残基目のアミノ酸のみが異な
る類似したアミノ酸配列をコードするようなフレームが
存在する。しかし、ヒトGPR8リガンド前駆体の場合
と同様に、その5'上流側には蛋白翻訳の開始コドンであ
ると予想されるATGが存在しない。しかし、ヒトGPR
8リガンド前駆体蛋白において推測されたように、ブタ
あるいはラットのGPR8リガンドホモログの前駆体蛋
白との比較からこれらの前駆体蛋白における開始コドン
と予想されるATGにほぼ対応する位置に存在するCTGコド
ンを開始コドンと仮定し、マウスGPR8リガンド前駆
体蛋白の配列を推定した。この仮想的マウスGPR8リ
ガンド前駆体蛋白のアミノ酸配列を配列番号:90に示
した。マウスGPR8リガンドのアミノ酸配列と予想さ
れる配列のカルボキシ末端側にはGPR8リガンドペプ
チドのヒト、ブタあるいはラットホモログ前駆体蛋白の
場合と同様に、通常の生理活性ペプチドが切り出される
と考えられるArg−Argの配列(Seidah, N. G.et
al.、Ann. N. Y. Acad. Sci.、839巻、9-24頁、1998
年)が2ヶ所存在した。これらのことから、GPR8リ
ガンドペプチドのマウスホモログのアミノ酸配列は配列
番号:91および92のいずれかもしくは両方であると
推定された。なお、配列番号:91の23残基型マウス
GPR8リガンドのアミノ酸配列は、23残基型ラット
GPR8リガンドのアミノ酸配列(配列番号:73)と
一致している。仮想的マウスGPR8リガンド前駆体蛋
白のアミノ酸配列およびDNA配列を図11に示した。
【0126】実施例42 ラクトパーオキシダーゼ法を
用いた [125I-Tyr2]-hGPR8L(1-23) および[125I-Tyr10]
-hGPR8L(1-23)の作製 DMSO 5μlに溶かしたhGPR8L(1-23)(配列番号:16で
表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド)1 nmolを
0.1 M 塩化ニッケル5μl と混合し、 0.1 M HEPES (pH
7)に溶かした 0.001% 過酸化水素水 10μl、0.1 M HEP
ES (pH 7)に溶かしたラクトパーオキシダーゼ (シグマ
社) 10μg/ml を10μlおよび [125I] NaI 37 MBq (NEN
ライフサイエンスプロダクツ社) 10μlを混合後、室温
で60分反応し、以下の条件でHPLC分取した。用い
たカラムは、ODS-80TM (4.6 mm x 15 cm)(トーソー
社)、溶出液Aとして10% アセトニトリル/0.1% TFA、
溶出液Bとして60% アセトニトリル/0.1% TFAを用い、
0-0 (2 min)、0-30 (3 min)、30-38 (5 min)、38-43 (5
5 min) %B/A+Bのグラディエント溶出法を行なった。流
速は1 mL/min、カラム温度は25℃、検出は220nmの吸
光度を用いて行った。hGPR8L(1-23)には、チロシン残基
が2つ存在するので、ヨード化によって、[125I-Tyr2]-
hGPR8L(1-23)および [125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)が生成
する。このHPLC条件では、hGPR8L(1-23)が24分、[
125I-Tyr2]-hGPR8L(1-23)が30分、[125I-Tyr10]-hGPR8L
(1-23)が32分付近に溶出した。
【0127】実施例43 [125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)
を用いた受容体結合実験 実施例42に記載したように作製した[125I]-標識hGPR8
L(1-23)および実施例6に記載した方法と同様にしてヒ
トGPR8発現CHO細胞から調製した細胞膜画分を用
いて受容体結合実験を行なった。ヒトGPR8発現CH
O細胞から調製した細胞膜画分を、アッセイ用バッファ
ー(25 mM Tris-HCl、5 mM EDTA(エチレンジアミン四
酢酸)、0.05% CHAPS(3−〔(3−コラミドプロピ
ル)ジメチルアンモニオ〕−1−プロパン硫酸)、0.1
% BSA(ウシ血清アルブミン)、0.25 mM PMSF(フェニ
ルメタンスルホニルフルオライド)、1μg/ml ペプスタ
チン、20μg/ml ロイペプチン、pH 7.4)で各種濃度に
希釈後、ポリプロピレン製試験管(Falcon 2053)に200
μlずつ分注した。最大結合量(TB)を測定するために2
μlのDMSOと7 nMの[125I-Tyr2]-hGPR8L(1-23)または[
125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23) 2μlを膜画分溶液に添加し
た。また、非特異的結合(NSB)を測定するために100μ
M hGPR8L(1-23)のDMSO溶液2μlと7 nMの[125I-Tyr2]-hG
PR8L(1-23)または[125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23) 2μlを膜
画分溶液に添加した。25 ℃で60分間反応させた後、ポ
リエチレンイミン処理したワットマングラスフィルター
(GF-F)を用いて反応液を吸引ろ過した。ろ過後、γ-
カウンターを用いてろ紙上に残った放射活性を測定し、
最大結合量から非特異的結合量を引いて特異的結合量
(SB)を見積もった。[125I-Tyr2]-hGPR8L(1-23)を用い
た場合に比べて[125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)を用いた方
が、特異的結合量が2倍多かったので実際の結合実験に
は[125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)を用いた。膜画分の濃度
を変化させると膜画分の濃度に依存した[125I-Tyr10]-h
GPR8L(1-23)の特異的な結合が認められた。また、膜画
分濃度を5μg/mlに設定して阻害率(%) からhGPR8
L(1-23)の50%阻害濃度(IC50値)を算出したところ、
IC50値は0.25 nMであった。図12に種々の濃度におけ
るhGPRL(1-23)の結合阻害を示す。
【0128】実施例44 ヒトGPR8 ligand (1-23)酸化
体:Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Th
r-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met(O)-Gly-Leu
(配列番号:95)の製造 実施例12の化合物0.45 mg を 50% 酢酸水0.5 mlに溶
解後、0.3%過酸化水素水0.05 mlを 加え、室温にて8時
間放置した。減圧濃縮後SepPakにより精製し、白色粉末
0.443 mgを得た。 質量分析による(M+H)+:2599.2 (計算値2599.4) HPLC溶出時間:19.1 分 溶出条件 カラム:Wakosil-II 5C18HG (4.6 x 100 mm) 溶離液:A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い、A/B: 100/0〜0/70へ直線型濃度勾配溶
出(35分) 流速:1.0 ml/分
【0129】実施例45 ヒトGPR8 ligand (1-22):Tr
p-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-
Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly(配列番号:9
6)の製造 市販 2-chlorotrityl resin (Clt resin、1.33 mmol/g)
にFmoc-Gly を導入したのち実施例13と同様に配列順
にアミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行ない
目的物を得た。
【0130】実施例46 ヒトGPR8 ligand (1-21):Tr
p-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-
Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met(配列番号:97)
の製造 市販2-chlorotrityl resin (Clt resin,1.33mmol/g)にF
moc-Met を導入したのち実施例−13と同様に配列順に
アミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行ない目
的物を得た。
【0131】実施例47 ヒトGPR8 ligand (1-20):Tr
p-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-
Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu(配列番号:98)の製
造 市販2-chlorotrityl resin (Clt resin、1.33mmol/g)に
Fmoc-Leuを導入したのち実施例13と同様に配列順にア
ミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行ない目的
物を得た。 質量分析によるM+ :2282.8 (計算値2282.6) HPLC溶出時間:17.2 分 溶出条件 カラム:Wakosil-II 5C18HG (4.6 x 100 mm) 溶離液:A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い、A/B: 100/0〜0/70へ直線型濃度勾配溶
出(35分) 流速:1.0 ml/分
【0132】実施例48 ヒトGPR8 ligand (1-19):Tr
p-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-
Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu(配列番号:99)の製造 市販2-chlorotrityl resin (Clt resin、1.33mmol/g)に
Fmoc-Leuを導入したのち実施例13と同様に配列順にア
ミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行ない目的
物を得た。 質量分析によるM+ :2169.6 (計算値2169.5) HPLC溶出時間:16.4 分 溶出条件 カラム:Wakosil-II 5C18HG (4.6 x 100 mm) 溶離液:A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い、A/B: 100/0〜0/70へ直線型濃度勾配溶
出(35分) 流速:1.0 ml/分
【0133】実施例49 ヒトGPR8 ligand (1-18):Tr
p-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-
Gly-Arg-Ala-Ala-Gly(配列番号:100)の製造 市販2-chlorotrityl resin (Clt resin、1.33mmol/g)に
Fmoc-Glyを導入したのち実施例13と同様に配列順にア
ミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行ない目的
物を得た。 質量分析によるM+ :2056.8 (計算値2056.3) HPLC溶出時間:14.2 分 溶出条件 カラム:Wakosil-II 5C18HG (4.6 x 100 mm) 溶離液:A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い、A/B: 100/0〜0/70へ直線型濃度勾配溶
出(35分) 流速:1.0 ml/分
【0134】実施例50 ヒトGPR8 ligand (1-17):Tr
p-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-
Gly-Arg-Ala-Ala(配列番号:101)の製造 市販2-chlorotrityl resin (Clt resin、1.33mmol/g)に
Fmoc-Alaを導入したのち実施例13と同様に配列順にア
ミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行ない目的
物を得た。
【0135】実施例51 ヒトGPR8 ligand (1-16):Tr
p-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-
Gly-Arg-Ala(配列番号:102)の製造 市販2-chlorotrityl resin (Clt resin、1.33mmol/g)に
Fmoc-Alaを導入したのち実施例13と同様に配列順にア
ミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行ない目的
物を得た。
【0136】実施例52 ブタGPR8 ligand (1-23):Tr
p-Tyr-Lys-His-Thr-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-
Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu(配列番
号:56)の製造 市販2-chlorotrityl resin (Clt resin,1.33mmol/g)にF
moc-Leuを導入したのち実施例13と同様に配列順にア
ミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、精製を行ない目的
物を得た。 質量分析による(M+H)+:2585.2 (計算値2585.4) HPLC溶出時間:20.2 分 溶出条件 カラム:Wakosil-II 5C18HG (4.6 x 100 mm) 溶離液:A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い、A/B: 100/0〜0/70へ直線型濃度勾配溶
出(35分) 流速:1.0 ml/分
【0137】実施例53 ラット/マウスGPR8 ligand
(1-23):Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-Hi
s-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ser-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu
の製造 (配列番号:73および配列番号:91)実施例52と
同様に配列順にアミノ酸の縮合と樹脂からの切り出し、
精製を行ない目的物を得ることができる。
【0138】実施例54 ブタGPR8 ligand (1-23)酸化
体:Trp-Tyr-Lys-His-Thr-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Th
r-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met(O)-Gly-Leu
(配列番号:103)の製造 実施例52の化合物を用い実施例44と同様に酸化して
目的物を得た。 質量分析による(M+H)+:2601.3 (計算値2601.4) HPLC溶出時間:18.9 分 溶出条件 カラム:Wakosil-II 5C18HG (4.6 x 100 mm) 溶離液:A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い、A/B: 100/0〜0/70へ直線型濃度勾配溶
出(35分) 流速:1.0 ml/分
【0139】実施例55 ラット/マウスGPR8 ligand
(1-23)酸化体:Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-
Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ser-Gly-Leu-Leu-Met(O)
-Gly-Leu(配列番号:104)の製造 実施例53の化合物を用い実施例44と同様に酸化して
目的物を得ることができる。
【0140】実施例56 [Nα-Acetyl-Trp1]-ヒトGPR8
ligand (1-23):Ac-Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro
-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-M
et-Gly-Leu(配列番号:106)の製造 実施例12で調製した樹脂のFmoc基を除去、無水酢酸で
アセチル化した後、TFA / thioanisole / m-cresol / t
riisopropylsilane / ethanedithiol (85 / 5/ 5 / 2.
5 / 2.5)で処理し樹脂からの切り出しと側鎖保護基の除
去を同時に行った。 粗ペプチドを実施例12と同様の
方法で精製し目的物を得た。 質量分析による (M+H)+ 2626.12625.8 (計算値2627.1
2626.1) HPLC溶出時間 21.4 分 溶出条件 カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm) 溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜 30 / 70へ 直線型
濃度勾配溶出(35分) 流速 1.0ml/分
【0141】実施例57 ヒトGPR8 ligand (2-23): T
yr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly
-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu(配列番号:1
07)の製造 実施例12と同様に所望のアミノ酸配列を樹脂に導入し
た。最後のTyrを導入後樹脂から切り出す前にFmoc基を
樹脂上で除去したのち、 TFA / thioanisole /m-cresol
/ triisopropylsilane / ethanedithiol (85 / 5 / 5
/ 2.5 / 2.5)で処理し樹脂からの切り出しと側鎖保護
基の除去を同時に行った。粗ペプチドを実施例12と同
様の方法で精製し目的物を得た。 質量分析による(M+H)+ 2397.1 (計算値2397.3) HPLC溶出時間 19.9 分 溶出条件 カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm) 溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜 30 / 70へ 直線型
濃度勾配溶出(35分) 流速 1.0ml/分
【0142】実施例58 ヒトGPR8 ligand (4-23): H
is-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala
-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu(配列番号:108)の
製造 実施例12と同様に所望のアミノ酸配列を樹脂に導入し
た。最後のHisを導入後樹脂から切り出す前にFmoc基を
樹脂上で除去したのち、 TFA / thioanisole /m-cresol
/ triisopropylsilane / ethanedithiol (85 / 5 / 5
/ 2.5 / 2.5)で処理し樹脂からの切り出しと側鎖保護
基の除去を同時に行った。粗ペプチドを実施例12と同
様の方法で精製し目的物を得た。 質量分析による(M+H)+ 2106.0 (計算値2106.1) HPLC溶出時間 20.0 分 溶出条件 カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm) 溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜 30 / 70へ 直線型
濃度勾配溶出(35分) 流速 1.0ml/分
【0143】実施例59 ヒトGPR8 ligand (9-23): A
rg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met
-Gly-Leu(配列番号:109)の製造 実施例12と同様に所望のアミノ酸配列を樹脂に導入し
た。最後のArgを導入後樹脂から切り出す前にFmoc基を
樹脂上で除去したのち、 TFA / thioanisole /m-cresol
/ triisopropylsilane / ethanedithiol (85 / 5 / 5
/ 2.5 / 2.5)で処理し樹脂からの切り出しと側鎖保護
基の除去を同時に行った。粗ペプチドを実施例12と同
様の方法で精製し目的物を得た。 質量分析による(M+H)+ 1615.0 (計算値1614.9) HPLC溶出時間 20.2 分 溶出条件 カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm) 溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜 30 / 70へ 直線型
濃度勾配溶出(35分) 流速 1.0ml/分
【0144】実施例60 ヒトGPR8 ligand (15-23):
Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu(配列番号:1
10)の製造 実施例12と同様に所望のアミノ酸配列を樹脂に導入し
た。最後のArgを導入後樹脂から切り出す前にFmoc基を
樹脂上で除去したのち、 TFA / thioanisole /m-cresol
/ triisopropylsilane / ethanedithiol (85 / 5 / 5
/ 2.5 / 2.5)で処理し樹脂からの切り出しと側鎖保護
基の除去を同時に行った。粗ペプチドを実施例12と同
様の方法で精製し目的物を得た。 質量分析による(M+H)+ 901.4 (計算値901.5) HPLC溶出時間 20.2 分 溶出条件 カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm) 溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜 30 / 70へ 直線型
濃度勾配溶出(35分) 流速 1.0ml/分
【0145】実施例61 [N-Acetyl-Tyr2]-ヒトGPR8 l
igand (2-23):Ac-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-T
yr-His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly
-Leu(配列番号:111)の製造 実施例57で調製した樹脂を無水酢酸でアセチル化した
後、実施例57と同様に処理、精製し目的物を得た。 質量分析による(M+H)+ 2439.3 (計算値2439.3) HPLC溶出時間 20.2 分 溶出条件 カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm) 溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜 30 / 70へ 直線型
濃度勾配溶出(35分) 流速 1.0ml/分
【0146】実施例62 [D-Trp1]-ヒトGPR8 ligand
(1-23):D-Trp-Tyr-Lys-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-
His-Thr-Val-Gly-Arg-Ala-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Le
u(配列番号:112)の製造 実施例12のFmoc-Trp(Boc)の代りにFmoc-D-Trp(Boc)を
用い同様に目的物を得た。 質量分析による(M+H)+ 2583.4 (計算値2583.4) HPLC溶出時間 20.6 分 溶出条件 カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm) 溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜 30 / 70へ 直線型
濃度勾配溶出(35分) 流速 1.0ml/分
【0147】実施例63 [N-3-Indolepropanoyl-Tyr2]
-ヒトGPR8 ligand (2-23):3-Indolepropanoyl-Tyr-Lys
-His-Val-Ala-Ser-Pro-Arg-Tyr-His-Thr-Val-Gly-Arg-A
la-Ala-Gly-Leu-Leu-Met-Gly-Leu(配列番号:113)
の製造 実施例12のFmoc-Trp(Boc)の代りに3-Indolepropionic
acidを用い所望の樹脂を得、これをTFA / thioanisole
/ m-cresol / triisopropylsilane / ethanedithiol
(85 / 5 / 5 / 2.5 / 2.5)で処理し樹脂からの切り出し
と側鎖保護基の除去を同時に行った。粗ペプチドを実施
例12と同様の方法で精製し目的物を得た。 質量分析による(M+H)+ 2568.4 (計算値2568.4) HPLC溶出時間 21.7 分 溶出条件 カラム Wakosil-II 5C18 HG (4.6 x 100mm) 溶離液 A液: 0.1%TFA-水、B液: 0.1%TFA含有アセト
ニトリルを用い、 A/B: 100 / 0 〜 30 / 70へ 直線型
濃度勾配溶出(35分) 流速 1.0ml/分
【0148】実施例64 GPR8発現CHO細胞膜画
分を用いて測定したGPR8リガンドペプチドのヒトお
よびブタホモログの誘導体のGTPγS結合促進活性 本明細書に合成法を記載したGPR8リガンドペプチド
のヒトおよびブタホモログの誘導体を種々の濃度で実施
例6に記載した方法でGPR8発現CHO細胞膜画分に
投与してGTPγS結合促進活性を測定した。測定した
誘導体の配列番号とGTPγS結合促進活性を表1に示
した。なお、活性は50%有効濃度(EC50値)で示した。
また、実施例20および21に記載のhGPR8L(1-23)およ
びhGPR8L(1-30)のGTPγS結合促進活性も合わせて記
載した。
【0149】実施例65 GPR8発現CHO細胞膜画
分および[125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)を用いて測定した
GPR8リガンドペプチドのヒトおよびブタホモログの
誘導体の受容体結合活性 本明細書に合成法を記載したGPR8リガンドペプチド
のヒトおよびブタホモログの誘導体の受容体結合活性を
実施例43に記載した方法でGPR8発現CHO細胞膜
画分および[125I-Tyr10]-hGPR8L(1-23)を用いて測定し
た。測定した誘導体の配列番号と受容体結合活性を表1
に示した。なお、受容体結合活性は50%結合阻害濃度
(IC50値)で示した。また、実施例43に記載のhGPR8L
(1-23)の受容体結合活性も合わせて記載した。
【0150】
【表1】
【0151】実施例66 GPR8リガンドペプチドの
プロラクチン放出促進作用 Wistar雄性ラット(9週令)の第三脳室(AP:-7.1、L:0.
0、H:2.0mm)にペントバルビタール麻酔下でガイドカニ
ューレ(AG-12)を挿入した。その後、1週間以上回復さ
せてから実験を行った。回復期間中、毎日ハンドリング
を行い、脳室内投与時のストレスを軽減させた。実験の
前日に、ペントバルビタール麻酔下にて右頚静脈に採血
用のカニューレを挿入した。実験は9:00-12:00に行っ
た。ラットに無麻酔、無拘束下でマイクロインジェクシ
ョンカニューレを取り付け、PBSに溶解させた実施例1
2で得たヒトGPR8リガンドペプチド(配列番号:1
6)(n=9)またはPBSのみ(n=10)を5μl/min
で2分間投与した。投与終了後から1分後にマイクロイ
ンジェクションカニューレを取り外し、自由に行動させ
た。ペプチド投与前および投与開始から5、10、20、3
0、60分後に300μlづつ採血を行った。体内の水分量を
一定に保つために、血液を採取した後に同量の生理食塩
水を頚静脈より投与した。血液にヘパリンを加えた後に
遠心(5000rpm×10min,4℃)して血漿を分離した。血
漿中プロラクチンレベルはラットプロラクチン[125I]ア
ッセイシステム(アマシャム・ファルマシア・バイオテ
ク社)を用いたラジオイムノアッセイにより測定した。
結果を図13に示す。これより明らかに、GPR8リガ
ンドペプチドはラット脳室内投与によって血中プロラク
チン量を増加させることがわかる。
【0152】
【発明の効果】本発明のDNAまたは本発明のポリペプ
チドは、本発明のポリペプチドの有する生理作用の探
索、合成オリゴヌクレオチドプローブあるいはPCR
のプライマーの作成、GPR8のリガンドや前駆体蛋
白質をコードするDNAの入手、組換え型レセプター
蛋白質の発現系を用いたレセプター結合アッセイ系の開
発と医薬品候補化合物のスクリーニング、抗体および
抗血清の入手、DNA、抗体を用いた診断薬の開発、
中枢神経機能調節剤などの医薬の開発、遺伝子治療
等に用いることができる。
【0153】
【配列表】 [Sequence Listing] <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Ligand for GPR8 and its DNA <130> P2001-122 <150> JP 2000-191089 <151> 2000-06-21 <150> JP 2000-275013 <151> 2000-09-06 <150> JP 2001-116000 <151> 2001-04-13 <160> 125 <210> 1 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 1 atcgattaca atgcaggccg ctgggcaccc ag 32 <210> 2 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 2 actagtgccc ttcagcaccg caatatgctg cg 32 <210> 3 <211> 1023 <212> DNA <213> Human <400> 3 atcgattaca atgcaggccg ctgggcaccc agagcccctt gacagcaggg gctccttctc 60 cctccccacg atgggtgcca acgtctctca ggacaatggc actggccaca atgccacctt 120 ctccgagcca ctgccgttcc tctatgtgct cctgcccgcc gtgtactccg ggatctgtgc 180 tgtggggctg actggcaaca cggccgtcat ccttgtaatc ctaagggcgc ccaagatgaa 240 gacggtgacc aacgtgttca tcctgaacct ggccgtcgcc gacgggctct tcacgctggt 300 actgcccgtc aacatcgcgg agcacctgct gcagtactgg cccttcgggg agctgctctg 360 caagctggtg ctggccgtcg accactacaa catcttctcc agcatctact tcctagccgt 420 gatgagcgtg gaccgatacc tggtggtgct ggccaccgtg aggtcccgcc acatgccctg 480 gcgcacctac cggggggcga aggtcgccag cctgtgtgtc tggctgggcg tcacggtcct 540 ggttctgccc ttcttctctt tcgctggcgt ctacagcaac gagctgcagg tcccaagctg 600 tgggctgagc ttcccgtggc ccgagcaggt ctggttcaag gccagccgtg tctacacgtt 660 ggtcctgggc ttcgtgctgc ccgtgtgcac catctgtgtg ctctacacag acctcctgcg 720 caggctgcgg gccgtgcggc tccgctctgg agccaaggct ctaggcaagg ccaggcggaa 780 ggtgaccgtc ctggtcctcg tcgtgctggc cgtgtgcctc ctctgctgga cgcccttcca 840 cctggcctct gtcgtggccc tgaccacgga cctgccccag accccactgg tcatcagtat 900 gtcctacgtc atcaccagcc tcagctacgc caactcgtgc ctgaacccct tcctctacgc 960 ctttctagat gacaacttcc ggaagaactt ccgcagcata ttgcggtgct gaagggcact 1020 agt 1023 <210> 4 <211> 333 <212> PRT <213> Human <400> 4 Met Gln Ala Ala Gly His Pro Glu Pro Leu Asp Ser Arg Gly Ser Phe 1 5 10 15 Ser Leu Pro Thr Met Gly Ala Asn Val Ser Gln Asp Asn Gly Thr Gly 20 25 30 His Asn Ala Thr Phe Ser Glu Pro Leu Pro Phe Leu Tyr Val Leu Leu 35 40 45 Pro Ala Val Tyr Ser Gly Ile Cys Ala Val Gly Leu Thr Gly Asn Thr 50 55 60 Ala Val Ile Leu Val Ile Leu Arg Ala Pro Lys Met Lys Thr Val Thr 65 70 75 80 Asn Val Phe Ile Leu Asn Leu Ala Val Ala Asp Gly Leu Phe Thr Leu 85 90 95 Val Leu Pro Val Asn Ile Ala Glu His Leu Leu Gln Tyr Trp Pro Phe 100 105 110 Gly Glu Leu Leu Cys Lys Leu Val Leu Ala Val Asp His Tyr Asn Ile 115 120 125 Phe Ser Ser Ile Tyr Phe Leu Ala Val Met Ser Val Asp Arg Tyr Leu 130 135 140 Val Val Leu Ala Thr Val Arg Ser Arg His Met Pro Trp Arg Thr Tyr 145 150 155 160 Arg Gly Ala Lys Val Ala Ser Leu Cys Val Trp Leu Gly Val Thr Val 165 170 175 Leu Val Leu Pro Phe Phe Ser Phe Ala Gly Val Tyr Ser Asn Glu Leu 180 185 190 Gln Val Pro Ser Cys Gly Leu Ser Phe Pro Trp Pro Glu Gln Val Trp 195 200 205 Phe Lys Ala Ser Arg Val Tyr Thr Leu Val Leu Gly Phe Val Leu Pro 210 215 220 Val Cys Thr Ile Cys Val Leu Tyr Thr Asp Leu Leu Arg Arg Leu Arg 225 230 235 240 Ala Val Arg Leu Arg Ser Gly Ala Lys Ala Leu Gly Lys Ala Arg Arg 245 250 255 Lys Val Thr Val Leu Val Leu Val Val Leu Ala Val Cys Leu Leu Cys 260 265 270 Trp Thr Pro Phe His Leu Ala Ser Val Val Ala Leu Thr Thr Asp Leu 275 280 285 Pro Gln Thr Pro Leu Val Ile Ser Met Ser Tyr Val Ile Thr Ser Leu 290 295 300 Ser Tyr Ala Asn Ser Cys Leu Asn Pro Phe Leu Tyr Ala Phe Leu Asp 305 310 315 320 Asp Asn Phe Arg Lys Asn Phe Arg Ser Ile Leu Arg Cys 325 330 333 <210> 5 <211> 687 <212> RNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Riboprobe <400> 5 caaaagcugg agcuccaccg cgguggcggc cgcucuagcc cacuagugcc cuucagcacc 60 gcaauaugcu gcggaaguuc uuccggaagu ugucaucuag aaaggcguag aggaaggggu 120 ucaggcacga guuggcguag cugaggcugg ugaugacgua ggacauacug augaccagug 180 gggucugggg cagguccgug gucagggcca cgacagaggc cagguggaag ggcguccagc 240 agaggaggca cacggccagc acgacgagga ccaggacggu caccuuccgc cuggccuugc 300 cuagagccuu ggcuccagag cggagccgca cggcccgcag ccugcgcagg aggucugugu 360 agagcacaca gauggugcac acgggcagca cgaagcccag gaccaacgug uagacacggc 420 uggccuugaa ccagaccugc ucgggccacg ggaagcucag cccacagcuu gggaccugca 480 gcucguugcu guagacgcca gcgaaagaga agaagggcag aaccaggacc gugacgccca 540 gccagacaca caggcuggcg accuucgccc cccgguaggu gcgccagggc auguggcggg 600 accucacggu ggccagcacc accagguauc gguccacgcu caucacggcu aggaaguaga 660 ugcuggagaa gauguuguag uggucga 687 <210> 6 <211> 17 <212> PRT <223> Porcine <400> 6 Trp Tyr Lys His Thr Ala Ser Pro Arg Tyr His Thr Val Gly Arg Ala 1 5 10 15 Ala 17 <210> 7 <211> 438 <212> DNA <213> Human <400> 7 gccccatgag caggccagcg gcgcggccca ccgtgtggta gcggggactc gccacgtgct 60 tgtaccacgc gccggagggc agcggcagca ggagcagaag cagcagcagt gccagccgcg 120 gccggctcgc gggagccccc cgctcccctg ggcgccacgc cagggcgctc gcgtcgacgg 180 ccgcccggcg gggcgggcca cgaaccggct cggctggggt tgggcgcgca gtggagttgg 240 gacgcccagg taccggagcg caggaggctg gaggcgagcc gtgggtcccc tgcaggccca 300 gctataaccg ctcggtggcc ccgcctcgtt ccgccccctc agtaccgctg ggctccccag 360 atggggggag ggacggaggg aggagaggga accctggcag ctggcggNgg acgtgggtac 420 ttgagcacct cactgagt 438 <210> 8 <211> 264 <212> DNA <213> Human <400> 8 gatagggtga 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gctccggtga accggcccct gctaccgcta ctgctgcttc 120 tgctcttgct acctctgccc gccagcgcct ggtacaagca cgtggcgagc cctcgctatc 180 acacagtg 188 <210> 63 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 63 atgagcagcc cggaggcacg acc 23 <210> 64 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Primer <400> 64 actgtgtgat agcgagggct cgc 23 <210> 65 <211> 615 <212> DNA <213> Rat <400> 65 ctcagagctg tactaggcag gaagagggac ggccctcagg gaagggtggc cctatgctta 60 aaactttcct gtctcctctc cataagtgct ccacttgtag caactcctac caagggggca 120 tccttttgcc cctggcagcc catccttgta ttctgagacc atgcatggta ccagaactcc 180 ctccctgaca gttcccttcc tgggggcgag gaaagggtaa gcaaggagat cccccactaa 240 agcttcaagc gcagtccagc ttgcgatcta ctcattggga ggcttctagc tacccgggtt 300 ccctcttctc cctccctctc catcctcctc tcccttgggc atgtgccgcg ggggcgagcc 360 ggggcggggc cattgagaag ctgtagtcgc accaactgac tagtctcttc catcctccgg 420 agctccgacg ttctcgggga cataaaccct gttcttgtcc taacccgcca aggggccatg 480 gacttgagcg cgctggcgtc gagcagagaa 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Pro Arg Tyr His Thr Val Gly Arg Ala 1 5 10 15 Ala Gly Leu Leu Met Gly Leu 20 23 <210> 107 <211> 22 <212> PRT <213> Human <400> 107 Tyr Lys His Val Ala Ser Pro Arg Tyr His Thr Val Gly Arg Ala Ala 1 5 10 15 Gly Leu Leu Met Gly Leu 20 22 <210> 108 <211> 20 <212> PRT <213> Human <400> 108 His Val Ala Ser Pro Arg Tyr His Thr Val Gly Arg Ala Ala Gly Leu 1 5 10 15 Leu Met Gly Leu 20 <210> 109 <211> 15 <212> PRT <213> Human <400> 109 Arg Tyr His Thr Val Gly Arg Ala Ala Gly Leu Leu Met Gly Leu 1 5 10 15 <210> 110 <211> 9 <212> PRT <213> Human <400> 110 Arg Ala Ala Gly Leu Leu Met Gly Leu 1 5 9 <210> 111 <211> 22 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> Xaa on the 1st position means Ac Tyr <223> <400> 111 Xaa Lys His Val Ala Ser Pro Arg Tyr His Thr Val Gly Arg Ala Ala 1 5 10 15 Gly Leu Leu Met Gly Leu 20 22 <210> 112 <211> 23 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> Xaa on the 1st position means DTrp <223> <400> 112 Xaa Tyr Lys His Val Ala Ser Pro Arg Tyr His Thr Val Gly Arg Ala 1 5 10 15 Ala Gly Leu Leu Met Gly Leu 20 23 <210> 113 <211> 22 <212> PRT <213> Human <213> Artificial Sequence <220> Xaa on the 1st position means 3-Indolepropanoyl Tyr <223> <400> 113 Xaa Lys His Val Ala Ser Pro Arg Tyr His Thr Val Gly Arg Ala Ala 1 5 10 15 Gly Leu Leu Met Gly Leu 20 22 <210> 114 <211> 66 <212> DNA <213> Human <400> 114 tggtacaagc acgtggcgag tccccgctac cacacggtgg gccgcgccgc tggcctgctc 60 atgggg 66 <210> 115 <211> 63 <212> DNA <213> Human <400> 115 tggtacaagc acgtggcgag tccccgctac cacacggtgg gccgcgccgc tggcctgctc 60 atg 63 <210> 116 <211> 60 <212> DNA <213> Human <400> 116 tggtacaagc acgtggcgag tccccgctac cacacggtgg gccgcgccgc tggcctgctc 60 <210> 117 <211> 57 <212> DNA <213> Human <400> 117 tggtacaagc acgtggcgag tccccgctac cacacggtgg gccgcgccgc tggcctg 57 <210> 118 <211> 54 <212> DNA <213> Human <400> 118 tggtacaagc acgtggcgag tccccgctac cacacggtgg gccgcgccgc tggc 54 <210> 119 <211> 51 <212> DNA <213> Human <400> 119 tggtacaagc acgtggcgag tccccgctac cacacggtgg gccgcgccgc t 51 <210> 120 <211> 48 <212> DNA <213> Human <400> 120 tggtacaagc acgtggcgag tccccgctac cacacggtgg gccgcgcc 48 <210> 121 <211> 66 <212> DNA <213> Human <400> 121 tacaagcacg tggcgagtcc ccgctaccac acggtgggcc gcgccgctgg cctgctcatg 60 gggctg 66 <210> 122 <211> 60 <212> DNA <213> Human <400> 122 cacgtggcga gtccccgcta ccacacggtg ggccgcgccg ctggcctgct catggggctg 60 <210> 123 <211> 45 <212> DNA <213> Human <400> 123 cgctaccaca cggtgggccg cgccgctggc ctgctcatgg ggctg 45 <210> 124 <211> 27 <212> DNA <213> Human <400> 124 cgcgccgctg gcctgctcat ggggctg 27 <210> 125 <211> 51 <212> DNA <213> Porcine <400> 125 tggtacaagc acacggcgag tccccgctac cacacggtgg gccgcgccgc g 51
【0154】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒトGPR8受容体蛋白質cDNAの全塩基
配列およびそれから翻訳されるヒトGPR8受容体蛋白
質の全アミノ酸配列を示す。
【図2】 Wakosil-II 3C18HGカラムを用いたGPR8
リガンドの最終段階の精製におけるHPLCのUV吸収
と各ピークのGTPγS活性を示す。活性は矢印に示す
ピークに回収された。
【図3】 種々の濃度の23残基のGPR8リガンドペ
プチドのヒトホモログのCHO/GPR8細胞膜画分に
対するGTPγS結合促進活性を示す。
【図4】 種々の濃度の30残基のGPR8リガンドペ
プチドのヒトホモログのCHO/GPR8細胞膜画分に
対するGTPγS結合促進活性を示す。
【図5】 種々の濃度の23残基のGPR8リガンドペ
プチドのヒトホモログのCHO/GPR8細胞に対する
cAMP産生抑制活性を示す。
【図6】 GPR8リガンドペプチドの摂食量に対する
作用を示す。各値は平均値±SEMを示す(n=10)。
【図7】 種々の濃度の30残基のGPR8リガンドペ
プチドのヒトホモログのCHO/GPR8細胞に対する
cAMP産生抑制活性を示す。
【図8】 GPR8リガンドペプチドのヒトホモログ前
駆体蛋白質cDNAの全塩基配列およびそれから翻訳さ
れるGPR8リガンドペプチドのヒトホモログ前駆体受
容体蛋白質の全アミノ酸配列を示す。予想される23残
基のGPR8リガンドのヒトホモログペプチドの配列を
四角で示す。
【図9】 GPR8リガンドペプチドのブタホモログ前
駆体蛋白質cDNAの全塩基配列およびそれから翻訳さ
れるGPR8リガンドペプチドのブタホモログ前駆体受
容体蛋白質の全アミノ酸配列を示す。予想される23残
基のGPR8リガンドのブタホモログペプチドの配列を
四角で示す。
【図10】 GPR8リガンドペプチドのラットホモロ
グ前駆体蛋白質cDNAの全塩基配列およびそれから翻
訳されるGPR8リガンドペプチドのラットホモログ前
駆体受容体蛋白質の全アミノ酸配列を示す。予想される
23残基のGPR8リガンドのラットホモログペプチド
の配列を四角で示す。
【図11】 GPR8リガンドペプチドのマウスホモロ
グ前駆体蛋白質cDNAの全塩基配列およびそれから翻
訳されるGPR8リガンドペプチドのマウスホモログ前
駆体受容体蛋白質の全アミノ酸配列を示す。予想される
23残基のGPR8リガンドのマウスホモログペプチド
の配列を四角で示す。
【図12】 ヒトGPR8発現CHO細胞から調製した
細胞膜画分を用いた、[125I]で標識した23残基のヒト
GPR8リガンドに対する23残基のヒトGPR8リガ
ンドの結合阻害活性を示す図を示す。
【図13】 ラット脳室内投与したGPR8リガンドペ
プチドによる血中プロラクチン量増加を示す図を示す。
各値は平均値±SEMを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/04 C07K 7/06 4H045 43/00 111 7/08 C07K 7/06 14/00 7/08 14/47 14/00 16/18 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 G01N 33/15 Z 5/10 33/50 Z C12P 21/02 33/53 D G01N 33/15 M 33/50 33/566 33/53 33/74 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 A 33/74 B A61K 37/02 (72)発明者 原田 美穂子 茨城県つくば市東2丁目14番地5 仕黒マ ンション201号 (72)発明者 栗原 美香 大阪府吹田市山田南50番1号 武田薬品吹 田寮内 (72)発明者 北田 千恵子 大阪府堺市南向陽町1丁2番8号 (72)発明者 浅見 泰司 茨城県つくば市千現2丁目12番地14 (72)発明者 松本 芳男 茨城県つくば市松代3丁目12番地1 武田 松代レジデンス511号 (72)発明者 安達 由佳 茨城県つくば市松代3丁目12番地1 武田 松代レジデンス610号 (72)発明者 渡辺 卓也 大阪府大阪市淀川区新高6丁目14番9−B 904号 (72)発明者 周郷 司 茨城県つくば市花畑2丁目7番地26号 テ クノタウン筑波301 (72)発明者 阿部 理子 茨城県稲敷郡茎崎町高見原4丁目3番15 Fターム(参考) 2G045 AA40 BB50 DA12 DA13 DA36 DA54 FB02 4B024 AA01 AA11 BA63 BA80 CA04 DA02 DA06 EA04 GA11 4B064 AG01 AG20 CA10 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA26X AA91X AA91Y AA93Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 CA46 4C084 AA02 AA07 AA17 DC50 NA14 ZA702 ZC212 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 BA15 BA17 CA45 DA50 DA75 EA20 EA21 FA34 FA72 FA74

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:4で表されるアミノ酸配列と
    同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋
    白質またはその塩と結合する能力を有するポリペプチド
    もしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
    塩。
  2. 【請求項2】 配列番号:16で表されるアミノ酸配列
    と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する
    請求項1記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしく
    はそのエステルまたはその塩。
  3. 【請求項3】 配列番号:16で表されるアミノ酸配列
    を有する請求項2記載のポリペプチドもしくはそのアミ
    ドもしくはそのエステルまたはその塩。
  4. 【請求項4】 実質的に同一のアミノ酸配列が配列番
    号:6、配列番号:17、配列番号:20、配列番号:
    21、配列番号:22、配列番号:23、配列番号:2
    4、配列番号:25、配列番号:56、配列番号:5
    7、配列番号:73、配列番号:74、配列番号:9
    1、配列番号:92、配列番号:95、配列番号:9
    6、配列番号:97、配列番号:98、配列番号:9
    9、配列番号:100、配列番号:101、配列番号:
    102、配列番号:103、配列番号:104、配列番
    号:105、配列番号:106、配列番号:107、配
    列番号:108、配列番号:109、配列番号:11
    0、配列番号:111、配列番号:112または配列番
    号:113で表されるアミノ酸配列である請求項2記載
    のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステ
    ルまたはその塩。
  5. 【請求項5】 配列番号:15、配列番号:42、配列
    番号:55、配列番号:72または配列番号:90で表
    されるアミノ酸配列を含有する請求項1記載のポリペプ
    チドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはそ
    の塩。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のポリペプチドをコードす
    るDNAを含有するDNA。
  7. 【請求項7】 配列番号:18、配列番号:19、配列
    番号:26、配列番号:27、配列番号:28、配列番
    号:29、配列番号:30、配列番号:31、配列番
    号:58、配列番号:59、配列番号:75、配列番
    号:76、配列番号:93、配列番号:94、配列番
    号:114、配列番号:115、配列番号:116、配
    列番号:117、配列番号:118、配列番号:11
    9、配列番号:120、配列番号:121、配列番号:
    122、配列番号:123、配列番号:124または配
    列番号:125で表される塩基配列を有する請求項6記
    載のDNA。
  8. 【請求項8】 配列番号:14、配列番号:41、配列
    番号:54、配列番号:71または配列番号:89で表
    される塩基配列を有する請求項6記載のDNA。
  9. 【請求項9】 請求項6記載のDNAを含有する組換え
    ベクター。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の組換えベクターで形質
    転換された形質転換体。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の形質転換体を培養
    し、請求項1記載のポリペプチドを生成・蓄積せしめる
    ことを特徴とする請求項1記載のポリペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の製造
    法。
  12. 【請求項12】 請求項1記載のポリペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する
    抗体。
  13. 【請求項13】 請求項6記載のDNAまたは請求項1
    2記載の抗体を含有してなる診断薬。
  14. 【請求項14】 請求項6記載のDNAに相補的または
    実質的に相補的な塩基配列を有し、該DNAの発現を抑
    制し得る作用を有するアンチセンスDNA。
  15. 【請求項15】 請求項1記載のポリペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有し
    てなる組成物。
  16. 【請求項16】 請求項1記載のポリペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有し
    てなる医薬。
  17. 【請求項17】 請求項1記載のポリペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有し
    てなる食欲増進剤。
  18. 【請求項18】 請求項1記載のポリペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有し
    てなるプロラクチン産生促進剤。
  19. 【請求項19】 請求項1記載のポリペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いる
    ことを特徴とする請求項1記載のポリペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を
    促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニン
    グ方法。
  20. 【請求項20】 標識した請求項1記載のポリペプチド
    もしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩
    を用いる請求項19記載のスクリーニング方法。
  21. 【請求項21】 さらに、配列番号:4で表されるアミ
    ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
    含有する蛋白質もしくはその塩、または該蛋白質の部分
    ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまた
    はその塩を用いることを特徴とする請求項19記載のス
    クリーニング方法。
  22. 【請求項22】 請求項1記載のポリペプチドもしくは
    そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有し
    てなる請求項1記載のポリペプチドもしくはそのアミド
    もしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進または
    阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キッ
    ト。
  23. 【請求項23】 さらに、配列番号:4で表されるアミ
    ノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を
    含有する蛋白質もしくはその塩、または該蛋白質の部分
    ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまた
    はその塩を含有してなる請求項22記載のスクリーニン
    グ用キット。
  24. 【請求項24】 請求項19記載のスクリーニング方法
    または請求項22記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られる請求項1記載のポリペプチドもしくはそのア
    ミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進ま
    たは阻害する化合物またはその塩。
  25. 【請求項25】 請求項19記載のスクリーニング方法
    または請求項22記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られる請求項1記載のポリペプチドもしくはそのア
    ミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進ま
    たは阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬。
  26. 【請求項26】 請求項19記載のスクリーニング方法
    または請求項22記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られる抗肥満剤。
  27. 【請求項27】 請求項19記載のスクリーニング方法
    または請求項22記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られる食欲増進剤。
  28. 【請求項28】 請求項19記載のスクリーニング方法
    または請求項22記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られるプロラクチン産生抑制剤。
  29. 【請求項29】 哺乳動物に対し、請求項1記載のポリ
    ペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまた
    はその塩の有効量を投与することを特徴とする食欲増進
    方法。
  30. 【請求項30】 哺乳動物に対し、請求項19記載のス
    クリーニング方法または請求項22記載のスクリーニン
    グ用キットを用いて得られる請求項1記載のポリペプチ
    ドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその
    塩の活性を阻害する化合物またはその塩の有効量を投与
    することを特徴とする肥満の予防治療方法。
  31. 【請求項31】 食欲増進剤を製造するための、請求項
    1記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはその
    エステルまたはその塩の使用。
  32. 【請求項32】 抗肥満剤を製造するための、請求項1
    9記載のスクリーニング方法または請求項22記載のス
    クリーニング用キットを用いて得られる請求項1記載の
    ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステル
    またはその塩の活性を阻害する化合物またはその塩の使
    用。
  33. 【請求項33】 請求項6記載のDNAを用いることを
    特徴とするトランスジェニック動物。
  34. 【請求項34】 請求項9記載の組換えベクターにより
    動物に導入されることを特徴とする請求項33記載のト
    ランスジェニック動物。
  35. 【請求項35】 動物が非ヒト哺乳動物である請求項3
    3記載のトランスジェニック動物。
  36. 【請求項36】 請求項6記載のDNAが不活性化され
    たノックアウト動物。
  37. 【請求項37】 請求項6記載のDNAが他の遺伝子の
    導入により不活性化された請求項36記載のノックアウ
    ト動物。
  38. 【請求項38】 他の遺伝子がレポーター遺伝子である
    請求項37記載のノックアウト動物。
  39. 【請求項39】 動物が非ヒト哺乳動物である請求項3
    6記載のノックアウト動物。
  40. 【請求項40】 請求項33または請求項36記載の動
    物を用いることを特徴とする請求項6記載のDNAの欠
    損・損傷に起因する疾病に対して効果を有する化合物ま
    たはその塩のスクリーニング方法。
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