JP2003009793A - 麺類の製造方法 - Google Patents

麺類の製造方法

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JP2003009793A JP2001196789A JP2001196789A JP2003009793A JP 2003009793 A JP2003009793 A JP 2003009793A JP 2001196789 A JP2001196789 A JP 2001196789A JP 2001196789 A JP2001196789 A JP 2001196789A JP 2003009793 A JP2003009793 A JP 2003009793A
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Takumi Harada
琢己 原田
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JCS KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 麺類を冷凍状態で保存しても変色せず、いわ
ゆる冷凍焼けを起こし難くし、特に素麺などの麺線の細
い麺類を冷凍した後で解凍しても生地が劣化せず、歯ご
たえが充分で麺線が切れずに当初の長さが保てる麺類の
製造方法とすることである。 【解決手段】 セラミックス質基材の表面に、四三酸化
鉄(Fe34)およびアナターゼ型酸化チタン(Ti
2)の各結晶体を含むガラス質被覆層を形成した粒状
の接触型水質改良剤を設け、この接触型水質改良剤に接
触した水を小麦粉を必須成分とする麺類生地材に混合
し、この生地から麺類を製造する方法とし、またはこの
麺類を水に浸して加熱調理し、この加熱調理済み麺類を
冷凍することからなる冷凍麺類の製造方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、うどんや素麺そ
の他の麺類の製造方法に関し、さらに加熱調理された麺
類を冷凍状態にして製品化する冷凍麺類の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、加熱調理済の冷凍麺類として
は、うどん、蕎麦、中華麺、マカロニ、スパゲッティな
どが知られている。麺類は、元来穀物を粉状に粉砕し、
水を加えて混合(混練も含めていう。)したものを加熱
調理して食する食べ方の一形式である。
【0003】麺に使う原料は、小麦粉、蕎麦粉などの
他、米粉、トウモロコシ粉、大豆粉などの穀物粉、また
はイモ類、豆類などの澱粉などでも良く、小麦粉は必須
成分である。
【0004】小麦粉は、水で捏ねると蛋白質がグルテン
を形成し、独特の粘りを生ずるので、これが粘結物質
(いわゆるツナギ)の役割をして麺線が形成できるよう
になる。麺線は、原料を水で捏ねたものを生地とし、こ
れを延ばす、平たく伸ばして細く切る、小さな穴から押
出すなどの周知の手法で形成されている。
【0005】このような麺線は、乾燥した麺と生麺に大
別でき、いずれも食する直前に茹で上げるか、または蒸
して加熱調理する。因みに、加熱調理された状態で流通
できるように簡易包装するか、または完全密封包装し、
これを冷凍したうどんなどの冷凍麺類も知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、うどん等の従
来の冷凍麺類は、冷凍状態で長く保存すると、本来の色
が部分的に失われ、または全体的に失われて、いわゆる
冷凍焼けを起こすという問題点がある。
【0007】具体的に、茹でたうどんを冷凍した場合の
冷凍やけの症状は、部分的に白っぽくなったり、その部
分が再び茹でた際に硬くて食感が悪くなるというもので
ある。
【0008】また、特に素麺などの麺線の細いもので
は、一旦、冷凍し、食する直前に解凍または再加熱調理
すると、生地の品質が劣化し、特に弾力性が失われて歯
ごたえがなくなり不味になる。素麺が、当初の弾力性や
しなやかさを失って麺線が短く切れ、甚だしい場合は蛋
白質が溶け出して食感が悪くなる場合もある。
【0009】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決して、麺類を冷凍状態で保存しても変色せず、
いわゆる冷凍焼けを起こし難いものに製造することであ
る。
【0010】また、素麺などの麺線の細い麺類を冷凍し
た後、食するときに解凍しても生地が劣化せず、歯ごた
えが充分で本来の麺類の食感を保ち得る冷凍麺類とし、
特に素麺の場合に、自然解凍しても麺線が切れずに当初
の長さが保て、蛋白質が溶け出さない冷凍麺類を製造す
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明においては、セラミックス質基材の表面
に、四三酸化鉄(Fe34)およびアナターゼ型酸化
チタン(TiO2)の各結晶体を含むガラス質被覆層を
形成した粒状の接触型水質改良剤を設け、この接触型水
質改良剤に接触した水を小麦粉を必須成分とする麺類生
地材に混合し、得られた生地から麺線を形成することか
らなる麺類の製造方法としたのである。
【0012】また、セラミックス質基材の表面に、四三
酸化鉄(Fe34)およびアナターゼ型酸化チタン
(TiO2)の各結晶体を含むガラス質被覆層を形成し
た粒状の接触型水質改良剤を設け、この接触型水質改良
剤に接触した水を小麦粉を必須成分とする麺類生地材に
混合し、この生地から形成された麺類を水に浸して加熱
調理し、この加熱調理済み麺類を冷凍することからなる
冷凍麺類の製造方法としたのである。
【0013】ガラス質被覆層の必須成分として、所定の
結晶体を含む接触型水質改良剤は、四三酸化鉄(Fe3
4)およびアナターゼ型酸化チタン(TiO2)の各結
晶体が不安定な結晶型であり、また四三酸化鉄は強磁性
でかなりよく電気を通し、錯基外の鉄イオンが容易に荷
電を交換し得るものであり、また酸化チタンは酸化鉄と
固溶体をつくり、これらは水に接触した際に何らかの物
理化学的な作用を及ぼしていると考えられる。
【0014】そのため、上記した工程からなるこの発明
の麺類の製造方法では、特定の接触型水質改良剤に接触
通過した水が小麦粉に混ざった際に、冷凍状態を経て解
凍されても粘り気のあるグルテンがその性質を充分に発
揮し、また浸透した小麦粉の蛋白質やデンプンが冷凍状
態でもその特性を失わないようになる。また、そのため
に、麺類を冷凍状態で保存しても緻密で均質な生地が形
成されており、酸化しにくいので変色せず、いわゆる冷
凍焼けを起こし難いものになると考えられる。
【0015】また、同様の理由により、素麺などの麺線
の細い麺類を冷凍した後、解凍しても生地が劣化せず、
歯応えが充分にあって本来の麺類の食感を保っている冷
凍麺類になり、特に解凍後に麺線が短く切れず、当初の
長さを保っていて、しかも蛋白質が溶け出さない素麺な
どの冷凍麺類を製造できる。
【0016】また、四三酸化鉄(Fe3 4)およびア
ナターゼ型酸化チタン(TiO2)に加えて、酸化ジル
コニウム(ZrO2)もしくは酸化アルミニウム(Al
2 3)または両者併用した結晶体を配合した接触型水
質改良剤を使用することにより、上記作用がより確実に
なる。
【0017】なお、後述する実施例の試験結果からも明
らかなように、所定の結晶体を含むガラス質被覆層を有
する接触型水質改良剤は、これに接触通過した水の性質
を麺類製造に適したように変化させると考えられる。
【0018】さらに試験結果から推定すると、接触型水
質改良剤は、接触した水の極性を高め、グルテンなどの
蛋白質の分子構造と均一に結合する、すなわち、蛋白質
と水分子が結晶構造的に結合しやすくなっているものと
推測される。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明に用いる接触型水質改良
剤のセラミックス質基材は、特にその成分を限定せずに
採用できるが、できれば常温で遠赤外線を多く発生する
材料または磁性体の材料が好ましい。この発明に用いる
セラミックス質基材の材料としては、酸化アルミニウム
(Al2 3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化チタン(T
iO2)、酸化スズ(SnO2)、チタン酸バリウム(B
aTiO3)、硫化カドミウム(CdS)、窒化ケイ素
(Si3 4)、炭化ケイ素(SiC)、炭素(C)、
酸化ケイ素(SiO2)、フェライト、ジルコニア(Z
rO2)、窒化ホウ素(BN)などの周知のセラミック
ス材料を例示できる。
【0020】特に、マグネタイト(Fe3 4)、アル
ミナ(Al2 3)、酸化ケイ素(SiO2)を所定の割
合(例えば、この順に38重量%、34重量%、28重
量%)を配合したものは、後述の実験結果からも明らか
なように好ましいものである。
【0021】このようなセラミックス質基材は、整粒し
た原料粉末配合物を球状、楕円球状、円柱その他のペレ
ット状、多面体状などに成形し、または水処理用装置の
水接触面に塗布する等した後、この成形体等を仮焼して
固形状化する。例えば前記マグネタイト38重量%、ア
ルミナ34重量%、酸化ケイ素28重量%を配合したも
のは、800℃で仮焼することにより、所要の硬度に焼
成が可能である。
【0022】また、この発明のガラス質被覆層の結晶成
分に用いる四三酸化鉄(Fe3 4)は、天然には磁鉄
鋼(マグネタイト)として産出するものである。この結
晶は、等軸晶系に属する逆スピネル型構造であり、融点
1538℃で強磁性であり導電性である。この導電性
は、結晶構造をFeIIFeIII 〔Fe3 4 〕で示すと
錯基外の鉄イオンが容易に荷電を交換し得るためといわ
れている。
【0023】四三酸化鉄は、ガラス質被覆層に10〜2
0重量%の割合で配合することが好ましい。なぜなら、
10重量%未満の少量ではアナターゼ型酸化チタンに作
用する鉄イオン量が不足するからであり、20重量%を
越える多量ではアナターゼ型酸化チタン量およびSiO
2 ・nH2 O等のガラス質の量が不足することになって
好ましくないからである。
【0024】この発明に用いるアナターゼ型酸化チタン
(TiO2)は、チタンの結晶型として知られるアナタ
ーゼ(アナタースとも呼ばれる。)、ブルーカイト、ル
チルのうちの一つであり、700〜1000℃に加熱す
るとルチルに転移する正方晶系の結晶型である。アナタ
ーゼ型酸化チタンは、工業材料として市販されており、
紙の抄込み・コーティング剤、化学繊維のつや消し、ゴ
ムの着色剤用のものを利用できる。酸化チタンは、化学
的に安定であり、熱濃硫酸、フッ化水素酸以外の無機
酸、有機酸、アルカリ、溶剤に侵されないし、耐熱性や
耐候性もよく、毒性がない。
【0025】このようなアナターゼ型酸化チタンは、ガ
ラス質被覆層に40〜80重量%の割合で配合すること
が好ましい。なぜなら、40重量%未満の少量では主に
なる鉄イオンに対する触媒作用が所期した程度より弱く
なるからであり、80重量%を越える多量ではアナター
ゼ型酸化チタンの触媒作用を補助するために主になる鉄
イオン量および表面積を大きくするためのSiO2 ・n
2 O等のガラス質量が不足することになって好ましく
ないからである。
【0026】この発明に用いる酸化ジルコニウム(Zr
2)は、水酸化ジルコニウムの加熱により得られ、通
常、ハフニウムを2%以下含有するものを使用できる。
結晶型は、バッデリ型とジルコニア型の2種があるが、
後者は冷・温水に可溶性であるためこの発明に使用でき
ず、前者の結晶型を使用できる。この酸化ジルコニウム
は、耐食性が極めて大きく、単斜晶系結晶で融点270
0℃である。
【0027】この発明に用いる酸化アルミニウム(Al
2 3) は、工業的にはアルミナと呼ばれるものである
が、水に溶けない結晶型としてα−Al2 3 のものを
使用できる。なお、γ−Al2 3 は、化学反応性が高
く、水に溶けて両性を示すものであり、この発明には使
用し難いものである。なお、このようなアルミナを添加
することにより、ガラス質被覆層の強度が増し耐圧性が
向上する。
【0028】ところで、この発明におけるガラス質被覆
層は、前記各結晶体を分散状態に保持する非晶質(アモ
ルファス)の固体である。ガラス質を形成する三次元網
目状の高分子としては、酸化ケイ素の網目状構造の中に
アルカリ金属やアルカリ土類金属などが部分的に入った
ものが安定していて好ましい。ガラス質は、殆どの元素
をその構造中に取り込むことができるものであり、具体
例としては、シリカ(SiO2)の網目状構造だけから
なる石英ガラス、Na2 O・CaO・5SiO2を中心
とした組成をもつソーダ石灰ガラス、ホウ酸とケイ酸が
共重合した網目をもつホウケイ酸ガラスなどが挙げられ
る。
【0029】このようなガラス質被覆層で前記各結晶体
を分散状態に保持するには、前記仮焼後の成形体である
セラミックス質基材の表面に、ガラス成分(好ましくは
10〜30重量%)に四三酸化鉄、アナターゼ型酸化チ
タン、酸化ジルコニウムおよび酸化アルミニウムの各結
晶体を混ぜ、さらに水を加えた釉薬状の懸濁液を塗布
し、これを所定温度で焼成する。
【0030】焼成時の温度条件は、前記各結晶体が所定
の結晶型を維持し、かつガラス質が溶融する温度であれ
ばよく、例えばFe3 4 、TiO2 、SiO2 ・nH
2 O、Al2 3 およびZrSiO2 を含有する懸濁液
を塗布して焼成する場合は、1300℃で2時間程度保
持する焼成条件が好ましく、TiO2 およびSiO2
nH2 Oを含有する懸濁液を塗布して焼成する場合は、
950℃で2時間程度保持する熱量での焼成条件が好ま
しい。
【0031】接触型水質改良剤に接触した水を製造する
には、球状やパイプ状などに形成された接触型水質改良
剤を小型の容器に充填し、容器に形成した通水路の一端
から他端へ通水するだけでよく、さらには必要に応じて
循環させることで複数回の接触通過とすることも好まし
いことである。
【0032】この発明でいう麺類は、特にうどん、素麺
に限定されるものではなく、その他に例えば、蕎麦、中
華麺、マカロニ、スパゲッティなど周知の麺類の何れで
あってもよい。
【0033】すなわち、小麦粉を必須成分とする麺類生
地材は、小麦粉を結着剤とするか、または主原料とした
ものであり、小麦粉に混合する他の原料としては、蕎麦
粉、米粉、トウモロコシ粉、大豆粉などの穀物粉、また
はイモ類、豆類などの澱粉などの周知の麺類材料が挙げ
られる。
【0034】麺類生地材に混ぜる水の量は、麺の種類に
よって適量とされる周知の量であり、例えば素麺では加
水率35〜40%程度である。このような生地から成形
された麺類は、通常の水道水などの水、好ましくは接触
型水質改良剤に接触した前記の水に浸して加熱され、こ
の加熱によって麺類を茹でるか、または蒸して加熱調理
した後、この麺類を冷まして、さらに冷凍する。
【0035】
【実施例および比較例】〔実施例1〜3〕マグネタイト
(Fe3 4)38重量%、アルミナ(Al2 3)34
重量%、酸化ケイ素(SiO2)28重量%配合した混
合物を球状(直径1.5〜3cm)に予備圧縮成形し、
1300℃で2時間焼成して球形セラミックス基材を成
形し、その表面に下記の表1に示す配合割合でFe3
4 、TiO2 、SiO2 ・nH2 O、Al2 3 および
ZrSiO2 を配合した水性懸濁物を浸漬法により塗布
し、950℃で2時間加熱してその表面がアナターゼ型
酸化チタンの結晶体を含有するガラス質になるように焼
成し、球状の接触型水質改良剤を各30kgずつ得た。
【0036】
【表1】
【0037】実施例1〜3の球状の接触型水質改良剤を
ステンレス鋼管製の筒状の透水装置の2枚の多孔板の間
に25kg収容し、バルブを開けて水道水を流量1.8
リットル/秒で流通させ、3〜5秒間で透水装置内を通
過して球状の水質改良剤に接触通過させた。
【0038】得られた所定の水を用いて(1)手延べ冷凍
素麺または(2)冷凍うどんを以下の工程で製造した。
【0039】(1)手延べ冷凍素麺 小麦粉に塩と上記の所定の水を混ぜ合わせて加水率35
〜40重量%の生地を作り、ロールで圧力を加えながら
各工程を2〜3時間かけて熟成させながらロールで加圧
して各工程2〜3時間で熟成させ、生地を6層以上重ね
て徐々に圧力を加えながら薄くロールに通して厚さ1c
m程度の長く薄い生地を作った。そして、次に、これに
油を塗りながら直径4cmの丸い生地を作り、さらに直
径1cmの太さの生地を作った。
【0040】そして、1cmの太さの生地を2本の管に
8の字に掛け、約2mまで延ばし、その後に生地が縮み
ながら乾燥するようにし、所定の乾燥状態になったとこ
ろで食べやすい所定の長さに裁断した。次に、これを前
記した所定の水を加熱し沸騰させた水で茹でた後、一食
分(約120グラム)ずつまとめて−38〜−40℃に
冷凍し、ラップ包装をした後、ポリエチレン製袋で包装
した。
【0041】(2)冷凍手延べうどん 小麦粉に塩と上記の所定の水を混ぜ合わせて加水率40
〜45重量%の生地を作り、ロールで圧力を加えながら
各工程を2〜3時間かけて熟成させながらロールで加圧
して各工程2〜3時間で熟成させ、生地を6層以上重ね
て徐々に圧力を加えながら薄くロールに通して厚さ1c
m程度の長く薄い生地を作った。
【0042】そして、幅5mm程度に裁断して麺を形成
し、これを前記した所定の水を加熱し沸騰させた水で茹
でた後、一食分(200g)ずつまとめて−38〜−4
0℃に冷凍し、ラップ包装をした後、ポリエチレン製袋
で包装した。なお、上記製法工程において、従来の製法
に比べて水分の蒸発が抑制されて6%程度歩留まりが向
上した。
【0043】上記のようにして得られた冷凍麺類のう
ち、特に素麺について以下の評価試験を行ない、その結
果を表2中に示した。 (a) 冷凍麺を常温に自然解凍したとき、箸でつまむと
自重で短く切断されるか否かを評価した。表中、切断さ
れるを×印、切断されないを○印で示した。 (b) 冷凍麺を常温に自然解凍したとき、生地が劣化し
て歯応えや弾力性がなく不味であるか、否かを成人男女
各10人のパネラーで評価した。表中、不味である評価
が多数の場合に×印、美味である評価が多数の場合を○
印で示した。 (c) 冷凍麺を常温に自然解凍したとき、麺同士がくっ
付いて団子状になるか否かを評価した。表中、団子状に
なる場合を×印、そうならない場合を○印で示した。 (d) 冷凍麺を−18℃で4ヶ月保存した後、冷凍焼け
の有無を評価した。表中、冷凍焼けがある場合を×印、
冷凍焼けがない場合を○印で示した。 (e) 冷凍麺を常温に自然解凍したとき、色、味、にお
い、歯応えなど総合的にみて不味であるか、否かを成人
男女各10人のパネラーで評価した。表中、不味である
評価が多数の場合に×印、美味である評価が多数の場合
を○印で示した。
【0044】
【表2】
【0045】〔比較例1〜8〕実施例1〜3の所定の水
に代えて、接触型水質改良剤として比較例1では活性炭
(椰子殻活性炭)、比較例2では麦飯石(岐阜県産)、
比較例3ではトルマリン(中国産電気石)、比較例4で
は医王石(石川県産)、比較例5ではゼオライト(住友
化学社製)、比較例6では花崗岩(兵庫県産)、比較例
7では備長炭(和歌山県産)、比較例8では竹炭(徳島
県産)を用い、これらをそれぞれステンレス鋼管製容器
に各試料1kg収容し、この容器に水道水を1リットル
入れて12時間試料を浸漬して得られた水を用いて(1)
手延べ冷凍素麺または(2)冷凍うどんを上記同様の工程
で製造した。
【0046】上記のようにして得られた冷凍麺類のう
ち、特に素麺について前記(a)〜(e)の評価試験を行な
い、それらの結果を表2中に併記した。
【0047】表2の結果からも明らかなように、比較例
のものは、全ての評価項目について不良な結果であった
が、実施例は全ての評価項目について、良好であるとの
評価が得られた。すなわち、実施例のものは、麺類を冷
凍状態で保存しても緻密で均質な生地が形成されてお
り、酸化しにくいので変色せず、いわゆる冷凍焼けを起
こし難いと考えられた。
【0048】また、実施例のものは、素麺などの麺線の
細い麺類を冷凍した後、解凍しても生地が劣化せず、歯
応えが充分にあって本来の麺類の食感を保っている冷凍
麺類になり、特に解凍後に麺線が短く切れず、当初の長
さを保っていて、しかも蛋白質が溶け出さない素麺など
の冷凍麺類を製造できた。
【0049】(3)半生手延べ冷凍うどん 小麦粉に塩と上記の所定の水を混ぜ合わせて加水率40
〜45重量%の生地を作り、ロールで圧力を加えながら
各工程を2〜3時間かけて熟成させながらロールで加圧
して各工程2〜3時間で熟成させ、生地を6層以上重ね
て徐々に圧力を加えながら薄くロールに通して厚さ1c
m程度の長く薄い生地を作った。
【0050】そして、幅5mm程度に裁断して麺を形成
し、所定量(200g,250g,300g)ずつまと
めて−38〜−40℃に冷凍し、ラップ包装をした後、
ポリエチレン製袋で包装した。なお、上記製法工程にお
いて、従来の製法に比べて水分の蒸発が抑制されて6%
程度歩留まりが向上した。
【0051】(4)冷凍手打ちうどん 中力の小麦粉に、自然塩を混ぜ合わた塩水を48〜51
重量%の割合で入れてよくミキシングし、生地を作り一
定の量で熟成させた。この後、圧延をし、再度熟成し
た。縦横双方に圧延をして麺線に裁断し、これを茹で上
げた。これを3段階の水温の水槽で水洗いをし、2℃の
水に浸漬をし麺温を下げた。この後、水切りをした後、
所定量(100g,130g,200g,230g,2
50g,300g)に計量し、トレーに入れ−38〜−
40℃の冷凍庫にて約30分で凍結し、その後、取り出
してラップ包装をしたものを半製品とし、さらにポリエ
チレン製袋で包装したものを製品とした。なお、上記製
法工程において、従来の製法に比べて水分の蒸発が抑制
されて6%程度歩留まりが向上した。
【0052】(5)冷凍中華麺 強力の小麦粉に、32〜40重量%加水すると共にかん
水と塩を入れてよく掻き回し、さらに15〜20分ミキ
サーで攪拌した。これをロールに掛けて巻き取り、熟成
後、2枚重ねにして再びロールで圧延した。その後、1
時間熟成させた後、1枚だけで圧延し、さらに薄く圧延
をして麺線に裁断し、これを2分茹上げた。これを冷水
に浸漬し、水切りした後、所定量(110g,120
g,130g)に計量し、トレーに入れ−38〜−40
℃の冷凍庫にて約20分で凍結し、その後、取り出して
ラップ包装をしたものを半製品とし、さらにポリエチレ
ン製袋で包装したものを製品とした。なお、上記製法工
程において、従来の製法に比べて水分の蒸発が抑制され
て6%程度歩留まりが向上した。
【0053】(6)冷凍焼きそば麺 強力の小麦粉に、32〜40重量%加水すると共にかん
水と塩を入れてよく掻き回し、さらに15〜20分ミキ
サーで攪拌した。これをロールに掛けて巻き取り、熟成
後、2枚重ねにして再びロールで圧延した。その後、1
時間熟成させた後、1枚だけで圧延し、さらに薄く圧延
をして麺線に裁断し、これを蒸して水洗いする工程を2
回繰り返した後、所定量(120g,150g,300
g)に計量し、トレーに入れ−38〜−40℃の冷凍庫
にて約20分で凍結し、その後、取り出してラップ包装
をしたものを半製品とし、さらにポリエチレン製袋で包
装したものを製品とした。なお、上記製法工程におい
て、従来の製法に比べて水分の蒸発が抑制されて6%程
度歩留まりが向上した。
【0054】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、セラ
ミックス質基材の表面に、所定のガラス質被覆層を形成
した粒状の接触型水質改良剤とし、この接触型水質改良
剤に接触した水を小麦粉に混合し、この生地から麺類を
製造する方法とし、またはこの麺類を冷凍する冷凍麺類
の製造方法としたので、麺類を冷凍状態で保存しても変
色せず、いわゆる冷凍焼けを起こし難い麺類を製造でき
るという利点がある。
【0055】また、接触型水質改良剤に接触した水を小
麦粉に混合して生地とし、これから形成された素麺など
の麺線の細い麺類を冷凍する製法では、食するときに解
凍しても生地が劣化せず、歯ごたえが充分で本来の麺類
の食感を保ち得る冷凍麺類が得られ、特に素麺の場合に
は、自然解凍しても麺線が切れずに当初の長さが保て、
蛋白質が溶け出さない冷凍麺類を製造できるという利点
がある。
【0056】また、接触型水質改良剤が、四三酸化鉄
(Fe3 4)およびアナターゼ型酸化チタン(Ti
2)に加えて、酸化ジルコニウム(ZrO2)もしくは
酸化アルミニウム(Al2 3)または両者併用した結
晶体を含むガラス質被覆層を形成した接触型水質改良剤
である場合には、上記の効果がより確実に奏される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス質基材の表面に、四三酸化
    鉄(Fe34)およびアナターゼ型酸化チタン(Ti
    2)の各結晶体を含むガラス質被覆層を形成した粒状
    の接触型水質改良剤を設け、この接触型水質改良剤に接
    触した水を小麦粉を必須成分とする麺類生地材に混合
    し、得られた生地から麺線を形成することからなる麺類
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 接触型水質改良剤が、四三酸化鉄(Fe
    3 4)およびアナターゼ型酸化チタン(TiO2)に加
    えて、酸化ジルコニウム(ZrO2)もしくは酸化アル
    ミニウム(Al2 3)または両者併用した結晶体を配
    合した接触型水質改良剤である請求項1記載の麺類の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 セラミックス質基材の表面に、四三酸化
    鉄(Fe34)およびアナターゼ型酸化チタン(Ti
    2)の各結晶体を含むガラス質被覆層を形成した粒状
    の接触型水質改良剤を設け、この接触型水質改良剤に接
    触した水を小麦粉を必須成分とする麺類生地材に混合
    し、得られた生地から形成された麺線を水に浸して加熱
    調理し、この加熱調理済み麺類を冷凍することからなる
    冷凍麺類の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009054100A1 (ja) 2007-10-26 2009-04-30 Nisshin Foods Inc. 冷凍麺類、その冷凍麺類の製造方法、及び冷凍やけ防止用コーティング液

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