JP2003009326A

JP2003009326A - 活線点検器具

Info

Publication number: JP2003009326A
Application number: JP2001183878A
Authority: JP
Inventors: Haruhiko Sakamoto; 晴彦坂本; Masaki Kouno; 正樹功野; Kazushi Nakauchi; 一志中内; Toshimitsu Tezuka; 利充手塚; Junji Morohoshi; 純司諸星
Original assignee: Tokyo Electric Power Co Inc; Sumiden Transmission and Distribution Systems Products Corp
Current assignee: Sumiden Transmission and Distribution Systems Products Corp; Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
Priority date: 2001-06-18
Filing date: 2001-06-18
Publication date: 2003-01-10

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】架空送配電線における碍子の割れなどを点検
する際、正確な点検が可能で、点検結果の記録に適した
活線点検器具を提供する。【解決手段】カメラと、カメラの外周を保護する絶縁
性の保護カバー8と、絶縁性の本体1と、カメラを本体1
に対して首振り自在に装着する絶縁性の角度調整具2
と、前記本体1に内蔵されてカメラで撮像した画像を電
送する電送手段とを具える。このような活線点検器具を
絶縁棒5の先端に装着し、カメラで点検個所を撮影す
る。得られた画像は、電送手段により無線にて電送さ
れ、地上の受信手段で受信される。受信手段で受信した
画像は、モニタ12に表示して点検したり、ビデオなどの
記録手段に記録して保存することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、架空送配電線など
における碍子の割れの有無や、送配電線の引留めクラン
プ口元部における素線切れなどの点検に最適な活線点検
器具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、架空送配電線を支持する碍子の破
損や引留めクランプ口元部における送配電線素線の破
断、あるいは送配電線の接続部材や付属部材の取り付け
のゆるみなどを点検するため、絶縁棒の先端にミラーを
取り付けた器具が利用されている。

【０００３】この器具は、絶縁棒の先端に角度変更可能
にミラー取り付けたものである。地上または鉄塔上に位
置する作業者は、絶縁棒の根元側を持ち、先端側を架空
送配電線の点検個所に近づけてミラーに反射した映像を
目視することにより点検を行う。

【０００４】また、別の点検技術として、望遠カメラを
用いて点検個所を撮影することも行われている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の活線点
検技術では以下の問題があった。

【０００６】ミラー付きの絶縁棒を用いた技術で
は、小さなミラーに映った映像を地上または鉄塔上から
確認することは非常に難しい。また、目視できる作業者
が一人に限られ、複数人による正確な点検判断ができな
い。その上、点検結果を直接記録しておくことができな
いと言う問題がある。

【０００７】望遠カメラを用いた点検技術では、撮
影できる方向が限られ、送配電線や腕金の裏側など、死
角になる個所は点検できないという問題があった。

【０００８】従って、本発明の主目的は、より正確な点
検が可能で、点検結果の記録に適した活線点検器具を提
供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明活線点検器具は、
カメラを用いて撮影した画像を無線にて作業者の手元に
電送できるように構成することで上記の目的を達成す
る。

【００１０】すなわち、本発明活線点検器具は、カメラ
と、カメラの外周を保護する絶縁性の保護カバーと、絶
縁性の本体と、カメラを本体に対して首振り自在に装着
する絶縁性の角度調整具と、前記本体に内蔵されてカメ
ラで撮像した画像を電送する電送手段とを具えることを
特徴とする。

【００１１】このような活線点検器具を絶縁棒の先端に
装着し、カメラで点検個所を撮影する。得られた画像
は、電送手段により無線にて電送され、地上や鉄塔上の
受信手段で受信される。受信手段で受信した画像は、モ
ニタに表示して点検したり、ビデオなどの記録手段に記
録して保存することができる。また、撮影した画像をモ
ニタにて表示することが可能なため、複数人により正確
な点検判断を行うことができる。さらに、保護カバー、
本体、角度調整具の全てが絶縁材料で構成されているた
め、操作者が誤って本発明器具を活線に接触させても点
検器具や送配電設備を損傷させたりするおそれがなく、
安全に点検作業を行うことができる。

【００１２】以下、本発明の構成要件について、詳しく
説明する。

【００１３】カメラは、撮影した画像の光エネルギーを
電気信号に変換する素子を用いたカメラが好適である。
これにより、撮影した画像を信号化し、無線にて送信す
ることが容易にできる。カメラの好適な具体例として
は、CMOS（Complementary Metal-Oxide Semiconducto
r）イメージセンサが挙げられる。

【００１４】カメラの保護カバーは、活線に触れても点
検器具や送配電設備に電気的支障がないように、絶縁材
料で構成する。そのカバーの開口部などに偏光フィルタ
を具えることが好ましい。偏光フィルタにより撮影対象
の反射を低減して、一層見やすい画像を得ることができ
る。

【００１５】本体は、カメラで撮像した画像を電送する
電送手段を内蔵するケースである。一般的には、円筒状
のものが好ましい。さらに、電送手段及びカメラに電力
を供給する電源も収納する。電源は充電式のバッテリが
好適である。円筒状のケース内にバッテリ室を形成し、
そこにバッテリを収納して電送手段やカメラの駆動に必
要な電力を供給する。バッテリ室は、円筒状のケースの
外周にてスライド自在の円筒状蓋部にて開閉することが
好適である。この蓋部はケースの軸方向にスライドする
ことで容易にバッテリ室の開閉ができ、かつケース外周
への突出量を極力抑えることができる。さらに、電送手
段の一部となる送信用アンテナも本体内に収納すること
が好ましい。

【００１６】角度角度調整具は、本体に対するカメラの
向きを変更する部材である。この調整具によりカメラの
向きを自在に変え、地上から死角になる個所でも容易に
撮影することができる。一般に、ユニバーサルジョイン
トを多数連結したような構成が好適である。一例として
は球と、球にはめ込まれたソケットとを多数連結し、多
関節状屈曲する角度調整具が挙げられる。この調整具
も、活線に対して接触しても問題がないように絶縁材料
で構成する。

【００１７】受信手段は、電送手段からの画像を受信で
きるものであれば、その構成は問わない。画像を表示す
るモニタと一体型のものでも別構成のものでもいずれで
も良い。モニタと別構成の場合、受信手段に設けた画像
の出力端子を介してモニタに接続すれば良い。

【００１８】受信手段で受信した画像は記憶手段により
記録することが好ましい。記憶手段としては、ビデオ、
DVDなどが利用できる。点検結果を記録することで、後
日、何度でも点検結果を確認することができる。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。

【００２０】（点検器具の構成）図1は本発明点検器具
の平面図、図２は図１の器具を装着する絶縁棒の平面
図、図３は本発明器具から送信された画像を受信する受
信装置の概略構成図、図４は本発明点検器具と受信装置
付きモニタを示す説明図である。

【００２１】本発明器具は、本体１の一端に角度調整具
2を介してカメラ3が装着され、他端に絶縁棒5との連結
部4を具える構成である（図１）。この器具は、使用
時、図2に示す絶縁棒5の先端に装着して利用する。

【００２２】本体1は、FRP（Fiber Reinforced Plast
ics）製の円筒状のケースで、内部にはカメラ3の画像を
送信する送信機（電送手段）が収納されると共にバッテ
リ室が形成されている。

【００２３】本例では、2411MHzの周波数で画像信号を
出力でき、送信距離が30m程度の送信機を用いた。送信
機は送信アンテナも具えているが、このアンテナも本体
内における連結部側に収納されている。

【００２４】バッテリには単3型の充電式乾電池、1.2V
×4本を用いる。このバッテリにより、ほぼ12時間以上
の連続使用が可能である。

【００２５】バッテリ室の開閉は、本体1の外周に沿っ
てスライド自在の筒状蓋部6にて行う。この蓋部6は、外
周面にローレット加工が施された絶縁性プラスチック材
からなるもので、本体1の軸方向にスライドすることで
バッテリ室の開閉を行う。

【００２６】さらに、本体1の連結部側端部には、電源
スイッチ7が設けられている。このスイッチ7をオンにす
ることで、カメラ3及び送信機を駆動でき、無線にて撮
影した画像を送信できる状態となる。

【００２７】本体1の両端部には角度調整具2の支持板や
連結部4との接合部があり、これらはビスにより本体と
一体化されているが、そのビスも絶縁性のものを用いる
ことで、器具の絶縁性能を高めた。

【００２８】角度調整具2は、球と、球の外周にはめ込
まれるソケットとを多数連結して複数の関節を形成した
もので、本体1に対してカメラ3の角度を自在に変更する
ことができる。本例では、本体1の先端側から後端側に
至るほぼ180°の範囲にわたってカメラ3の向きを変更す
ることができる角度調整具2を用いた。この角度調整具2
はプラスチックで構成され、絶縁性が保たれている。カ
メラ3に接続されるリード線は、この角度調整具内を貫
通して本体内に導かれる。

【００２９】カメラ3には超小型カメラを用いた。より
具体的にはCMOSイメージセンサを用いたカメラが利用で
きる。本例では、CMOSイメージセンサを用い、焦点距離
が5cm以上の単焦点のカメラとした。このカメラ3の外周
は、プラスチック製の円筒状保護カバー8で囲まれてい
る。この保護カバー8により、カメラ3が活線に接触して
もアークなどの電気的損傷を受けないように構成した。
本例における保護カバー8は、長さ：80mm、外径：48m
m、厚さ：2mm、材質：プラスチックである。さらに、図
示していないが、本例では、保護カバー8の先端開口部
に偏光フィルタを装着した。偏光フィルタを用いること
で、撮影対象からの反射により画像が見難くなることを
防止できる。

【００３０】連結部4は、絶縁棒5の先端が挿入される円
筒状のもので、L型の切欠9が形成されている。切欠9
は、本体1の軸方向に伸びる軸方向部9Aと、軸方向部9A
に連続して周方向に伸びる周方向部9Bとを具える。この
切欠9に後述する絶縁棒5の固定ナット10を係合して絶縁
棒5と本体1とを連結する。

【００３１】以上のような点検器具は、保護カバー先端
から連結部末端までの距離が500mm，重量が約500gであ
る。

【００３２】一方、絶縁棒5は、図2に示すように、一端
に固定ナット10が装着された伸縮自在のFRP製の棒であ
る。固定ナット10は、絶縁棒5にねじ結合されたボルト
軸10Aと、その上端に取り付けられたつまみ部10Bとを有
する。絶縁棒5と連結部4との連結は、まず切欠9の軸方
向部9Aにボルト軸10Aをはめ込み、次に本体1を周方向に
回転させてボルト軸10Aを周方向部9Bにまではめ込む。
そして、つまみ部10Bを回してつまみ部10Bと絶縁棒5と
の間で連結部4を締め付けて本体1を固定する。

【００３３】本例では、細棒と太棒とからなる2段伸縮
式で、1000〜1855mmの範囲で伸縮可能な絶縁棒とした。
細棒の外径は24mm、内径は21mm、太棒の外径は29mm、内
径は26mmである。また、75kV/30cmの絶縁耐力を有する
絶縁棒とした。

【００３４】受信装置は、図3および4に示すように、バ
ッテリからなる電源11と、電源11に接続される受信機内
蔵のビデオモニタ12を具える。ここでは、受信機とビデ
オモニタが一体のものを使用したが、両者は別構成でも
構わない。その場合、受信機の出力端子にモニタを接続
すれば良い。本例では、さらにビデオモニタ12にデジタ
ルビデオカメラ13を接続して、画像を記録できるように
構成した。デジタルビデオカメラ13で記録した画像は、
容易にパソコンに取り込むことができる。

【００３５】（利用方法）上記の器具の利用手順を説明
する。 (1)本体1を絶縁棒5の先端に装着する。 (2)角度調整具2を適宜屈曲させ、カメラ3の向きを設定
する。 (3)本体1に設けた電源スイッチ7をオンにする。 (4)受信装置も電源11をオンにし、モニタ12にカメラ3の
画像を表示できるようにする。

【００３６】(5)点検結果を記録する場合、受信装置を
ビデオカメラ13などに接続しておく。 (6)絶縁棒5を適宜な長さに調整し、点検個所にカメラ3
を近づける。 (7)碍子など、架空送配電線における点検個所をカメラ3
で撮影し、その画像を受信装置に電送してモニタ12に表
示させる。 (8)モニタ12の画像を目視して点検個所に不具合がない
かどうかを判断する。 (9)その後、必要に応じて撮影された画像をビデオカメ
ラ13などに保存する。

【００３７】（試験例）高圧試験室にて、荷電した電線
に本発明器具の保護カバーを接近させ、画像の状態を確
認した。

【００３８】判断基準としては、保護カバーをAC77kV
の充電部に接触させた際、点検器具に損傷が生じないこ
と、保護カバーをAC77kVの充電部に接近させた際、隔
離距離15cm以上で画像に乱れが生じないこと、の2点と
した。

【００３９】その結果を表1に示す。表1に示すように、
77kVの試験電圧で保護カバーを接触させたときには画像
に乱れが生じたが、隔離距離12cmでは画像の乱れもな
く、実用上支障のないことが確認された。

【００４０】

【表１】

【００４１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明点検器具に
よれば、次の効果を奏することができる。

【００４２】カメラで撮影した画像をモニタに出力す
ることで、目視が困難な高所や遠距離個所における活線
の点検を容易に行うことができる。

【００４３】本体、保護カバー、絶縁棒が全て絶縁材
料で構成されていることにより、点検器具や送配電設備
の損傷、作業者の感電を防止することができる。

【００４４】本体に対してカメラの角度を調整する角
度調整具を用いることで、地上や鉄塔上からは死角に当
たる個所でも無理なく撮影することができる。

【００４５】電送された画像を記憶手段に記録するこ
とで、必要なときに何度でも点検画像を見ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明点検器具の平面図である。

【図２】本発明点検器具を装着する絶縁棒の平面図であ
る。

【図３】本発明点検器具の画像を受信する受信装置の概
略構成図である。

【図４】本発明点検器具と受信装置付きモニタを示す説
明図である。

【符号の説明】

1 本体 2 角度調整具 3 カメラ 4 連結部 5 絶縁棒 6 蓋部 7 スイッチ 8 保護カバー 9 切欠 9A 軸方向部 9B 周方向部 10 固定ナット 10A ボルト軸 10B つまみ部 11 電源 12 ビデオモニタ 13 デジタルビデオカメラ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者功野正樹兵庫県伊丹市北河原字当田20番地の２住電朝日精工株式会社内 (72)発明者中内一志東京都千代田区内幸町一丁目１番３号東京電力株式会社内 (72)発明者手塚利充東京都千代田区内幸町一丁目１番３号東京電力株式会社内 (72)発明者諸星純司東京都千代田区内幸町一丁目１番３号東京電力株式会社内Ｆターム(参考） 5G367 BB10

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項1】カメラと、カメラの外周を保護する絶縁性の保護カバーと、絶縁性の本体と、カメラを本体に対して首振り自在に装着する絶縁性の角
度調整具と、前記本体に内蔵されてカメラで撮像した画像を電送する
電送手段とを具えることを特徴とする活線点検器具。
【請求項２】さらに、カメラの正面に装着される偏光
フィルタを具えることを特徴とする請求項１に記載の活
線点検器具。
【請求項３】さらに、前記本体が先端に連結される絶
縁棒を具えることを特徴とする請求項１に記載の活線点
検器具。
【請求項４】さらに、電送手段からの画像を受信する
受信手段と、受信手段で受信した画像の出力端子とを具えることを特
徴とする請求項１に記載の活線点検器具。
【請求項５】さらに、出力端子から出力された画像を
表示するモニタを具えることを特徴とする請求項４に記
載の活線点検器具。
【請求項６】さらに、受信手段で受信した画像を記録
する記憶手段を具えることを特徴とする請求項４に記載
の活線点検器具。