JP2003006436A - 前受金を算出する機能を有する注文処理装置、前受金額算出方法及びその方法を実現するプログラム並びにそのプログラムを記録する記録媒体 - Google Patents

前受金を算出する機能を有する注文処理装置、前受金額算出方法及びその方法を実現するプログラム並びにそのプログラムを記録する記録媒体

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JP2003006436A
JP2003006436A JP2001187144A JP2001187144A JP2003006436A JP 2003006436 A JP2003006436 A JP 2003006436A JP 2001187144 A JP2001187144 A JP 2001187144A JP 2001187144 A JP2001187144 A JP 2001187144A JP 2003006436 A JP2003006436 A JP 2003006436A
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Hisatoshi Yamamoto
久敏 山本
Isao Kanamaru
勲 金丸
Seizo Sakata
成蔵 坂田
Toshio Tsugawa
敏夫 津川
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TRADERS SHOKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 差金決済取引において、前受金額を合理的に
算出することにより、金融取引を行う顧客にとって、そ
の取引の資金効率及び利便性を向上させる。 【解決手段】 注文処理装置Dは、注文受付部1、受託
判定部2、前受金額算出部4を備える。注文受付部1
は、ネットワークNを介して、顧客Cから注文の内容を
示す注文データを受け付ける。前受金額算出部4は、注
文によって指定された銘柄が対応している原資産の価格
変動に基づいて、注文を受託するために必要な前受金額
を算出する。受託判定部2は、前受金額に基づいて、そ
の注文を受託するか否か判定し、判定結果をネットワー
クNを介して顧客Cに通知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子商取引を実現
する技術に関し、特に、差金決済取引において顧客から
注文を受ける取引業者が負う顧客に対する与信リスクを
管理する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、金融サービスの発達に伴い、様々
な金融取引が活発に行われている。金融取引には、様々
な種類があり、差金決済取引もこの中に含まれる。差金
決済取引とは、予め証拠金を取引業者に預託した後、金
融銘柄を売買し、先の売買の反対売買が行なわれたとき
は、その売買に対応する数量について差額を授受して決
済する取引をいう。このような差金決済取引として、例
えば、信用取引、先物取引及びオプション取引等が挙げ
られる。
【0003】信用取引、先物取引及びオプション取引
は、総約定代金の一定割合に相当する金額を証拠金とし
て取引業者に預託すれば、取引を開始することが可能で
あるため、顧客は、約定代金が実際に持っている金額を
超えるような取引を、行うことができる。一方、受託す
る取引業者は、取引の約定から決済までの間、顧客の与
信リスクを負うことになる。従って、決済時に証拠金等
の未収が発生しないように、取引業者は顧客に対する与
信リスクに基づいて顧客の注文を受ける必要がある。
【0004】アメリカ、カナダ等のように、顧客の支払
能力や経済状態、つまり信用を、社会保険番号等の識別
番号を用いて、比較的容易に調べることが可能な状態に
ある国がある。この場合、取引業者にとって、顧客に対
する与信リスクを管理することは比較的容易である。従
って、後述の前受金額制度を採用する取引業者はなかっ
た。
【0005】一方、日本等のように、顧客の信用を調べ
ることが困難な状態にある国もある。顧客の信用を調べ
ることが困難な場合、取引業者は実際に顧客にあって資
産状況を確認するか、信用調査とは別の方法で顧客に対
する与信リスクを管理する必要がある。この方法とし
て、建玉制限の設定及び前受金制度がある。
【0006】まず、建玉制限について説明する。建玉と
は、約定した売買のうち決済未了のものをいう。建玉制
限は、この建玉の数量の上限である。一定額の資産を顧
客から預かった上で建玉制限を設定して取引を受託する
ことにより、取引業者は、顧客に対する与信リスクを限
定することが可能となる。
【0007】前受金額制度は、顧客から注文を受け付け
る際に、約定時に必要とされる約定代金又は証拠金額の
相当額、つまり前受金額を予め顧客に預託させる制度で
ある。これにより、取引業者は顧客に対する与信リスク
を軽減することが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述の建玉制限におい
て、取引業者は、受け付けた注文を約定することにより
その顧客が負う経済的リスクやその顧客の現在のポート
フォリオ全体を考慮せずに、一定額の資産につき、一定
の建玉制限を設定していた。
【0009】上述の前受金額制度においても、取引業者
は、上述の経済的リスク等を考慮せずに、1取引単位あ
たり一定額を暫定証拠金としたりすることとしていた。
そのため、実際に必要となるであろう証拠金よりもかな
り多めの資産又は前受金額を顧客に預託させていたとい
う問題があった。
【0010】そして、これらは、顧客の立場から見ると
取引の資金効率及び利便性が低下する原因となっていた
という問題があった。また、取引業者の立場から見て
も、新規の顧客の開拓及び収益の機会を失うことになっ
ていたという問題があった。本発明は、上記問題を解決
する注文処理装置、方法等を提供することを第1の課題
とする。
【0011】また、実際に顧客に会って資産状況を確認
することができないオンライン取引等を行う取引業者で
は、差金決済取引を取り扱うこと自体が困難であった。
その上、オンライン取引業者が差金決済取引を取り扱う
場合、上記問題を解決するだけでなく、注文を受け付け
てから迅速に前受金額等を算出することが可能であるこ
とも要求される。
【0012】本発明は、上記問題を解決し、かつ上記要
求も満足する注文処理装置、方法等を提供することを第
2の課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の与信リ
スクを管理するために前受金制度を採用した金融取引に
関する。本発明の1態様によれば、顧客から受け付けた
注文を処理する注文処理装置に、注文を受託するために
必要な前受金額を算出する前受金額算出手段及び注文を
処理する注文管理手段を備える。前受金額算出手段は、
前記注文によって指定された銘柄が対応している原資産
の価格変動に基づいて、前受金額を算出する。注文管理
手段は、算出された前受金額に基づいて注文を処理す
る。
【0014】これにより、注文された銘柄に応じて合理
的な前受金額を算出し、その前受金額に基づいて注文を
管理することが可能となる。従って、上述の第1の課題
を解決することが可能となる。上記の前受金額算出手段
は、前記注文が約定された場合に前記顧客が取得するポ
ジションに応じた算出方法を用いて、原資産の価格変動
によってそのポジションについて生じ得る最大損失額を
算出する。そして、その最大予測損失額を前受金額とし
て決定する。
【0015】銘柄の価格変動は、その銘柄が対応してい
る原資産の価格変動に依存する。従って、上述の最大予
測損失額は、原資産の価格が最も顧客にとって不利にな
る方向に変動すると仮定することによって算出すること
が可能である。前受金額算出部は、このように算出され
た最大予測損失額に基づいて前受金額を算出する。
【0016】算出に必要な数値が取得できないため、注
文が約定される前に証拠金額を算出することができな
い。しかし、証拠金額の暫定値を算出する方法はある。
従って、この暫定値を算出する方法を用いて、注文が約
定された場合に顧客が持つポートフォリオ全体について
必要となる証拠金額及び、現在のポートフォリオ全体に
ついて必要となる証拠金額とを算出し、両者の差に基づ
いて前受金額を算出することは可能である。しかし、こ
の方法を採用すると、前受金額を算出する処理が複雑と
なり、注文処理装置にかかる負荷が高くなる。そして、
全ての注文についてこのような処理を行うことは、現実
的ではない。一方、上記の前受金算出手段は、原資産の
価格変動によって、注文が約定された場合に顧客が取得
するポジションについて生じ得る最大予測損失額に基づ
いて前受金額を算出する。この方法は、上述の算出方法
と比較して処理が簡略である。これにより、上述の第2
の課題を解決することが可能となる。
【0017】また、上記注文処理装置は、更に、リスク
計測手段を備えることとしてもよい。リスク計測手段
は、注文が所定の条件を満たす注文である場合、前受金
算出手段が前受金額を算出する前に、注文が約定された
場合に顧客が取得するポジションについて、顧客が負う
経済的リスクを示すリスク指標を取得し、さらに、顧客
の現在のポートフォリオ全体についてもリスク指標を取
得する。リスク計測手段は、取得した両リスク指標に基
づいて、注文が約定した場合に得られる新たなポートフ
ォリオ全体の経済的リスクが、現在のポートフォリオ全
体の経済的リスクと比べて減少するか否か判定する。前
受金額算出手段は、前記経済的リスクに関する判定に基
づいて、前記注文の前記前受金額を算出する。
【0018】より具体的には、リスク計測手段が、経済
的リスクは減少すると判定した場合、前受金額は0とさ
れ、前受金額算出手段は、前受金額を算出しない。リス
ク計測手段が、経済的リスクは減少しないと判定した場
合、前受金額算出手段は、前受金額を算出する。従来、
注文の内容に関係なく、1取引単位について定額を前受
金額として決めていたが、リスク計測手段を採用するこ
とにより、経済的リスクは減少すると判定した場合、前
受金額は0とすることが可能となる。延いては、資金効
率がよい金融サービスを顧客に提供することが可能とな
る。
【0019】なお、上記において、所定の条件を満たす
注文を返済注文としてもよい。ここで、返済注文は、現
在のポートフォリオを構成するポジションの少なくとも
一部を解消する注文である。また、リスク指標を前記原
資産の価格の変化に対する前記銘柄の価格の変化率、及
び前記原資産の市場価格の変化に対する前記変化率の変
化率としてもよい。これらのリスク指標は、取引所や情
報ベンダーから取得することができる情報を用いて、比
較的簡単な式によって算出することによって取得するこ
とが可能である。また、情報ベンダーから直接これらの
リスク指標を取得することも可能である。
【0020】また、上記装置を構成する各手段によって
行われる各処理からなる方法によっても、上記課題を解
決することができる。また、上記装置を構成する各手段
により行なわれる機能と同様の制御をコンピュータに行
なわせるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可
能な記録媒体から、そのプログラムをコンピュータに読
み出させて実行させることによっても、上述の課題を解
決することができる。
【0021】また、上記プログラムを表現する、搬送波
に具現化されたコンピュータ・データ・シグナルを用い
ることにより、上記プログラムをコンピュータにダウン
ロードさせて実行させることによっても上述の課題を解
決することができる。また、上記装置を構成する各手段
により行なわれる機能と同様の制御をコンピュータに行
なわせるプログラム自体も、上述の課題を解決すること
ができるものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を用いて説明する。以下の説明において、銘柄と
してオプション及び先物を例としているが、銘柄を限定
する趣旨ではない。すなわち、前受金制度が適用しうる
取引であれば、銘柄は何でも良い。
【0023】まず、図1を用いて、本発明に係わる証拠
金前受け機能を有する注文処理装置の構成について説明
する。図1に示すように、注文処理装置Dは、顧客Cの
端末、情報ベンダーV及び取引所Eと、ネットワークN
を介して接続されている。ネットワークNとして、専用
回線等のLAN(Local Area Network)、電話回線、イ
ンターネット等のWAN(Wide Area Network)が考え
られる。なお、図1において、ネットワークNは別々に
記載されているが、同じネットワークであってもよい。
また、注文処理装置Dは、管理者とのインターフェース
を実現する入出力装置(不図示)にも接続されている。
【0024】入出力装置及び顧客Cの端末として、電
話、ファックス及び卓上用コンピュータ、並びに、携帯
電話及びラップトップコンピュータのような携帯情報端
末等が考えられる。顧客Cの端末が、携帯情報端末、例
えば、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯
電話や簡易型携帯電話等である場合、注文処理装置D
は、携帯情報端末向けの情報サービスを利用して、顧客
Cから注文を受け付けることとしてもよい。
【0025】顧客Cは、端末を介して取引の注文を取引
業者に出す。顧客Cの端末がコンピュータと情報を送受
信する機能を有する場合、注文を出す際に、顧客Cの端
末から注文の内容を示す注文データを注文処理装置Dに
送信する。注文データは、顧客Cを識別する情報及び取
引したい銘柄に関する情報を含む。また、顧客Cの端末
が情報を送受信する機能を有しない場合、顧客Cから注
文を受けた者が、不図示の入出力装置を介して注文処理
装置Dに注文データを入力することとしてもよい。な
お、以下において、顧客Cの端末は、コンピュータと情
報を送受信する機能を有すると仮定して説明するが、本
発明を限定する趣旨ではない。
【0026】情報ベンダーVは、注文処理装置Dに、銘
柄に関する情報を提供する。取引所Eは、先物やオプシ
ョン等の銘柄を取引する場所である。例えば、日本に
は、東京証券取引所、東京金融先物取引所、大阪証券取
引所等の取引所が存在する。注文処理装置Dは、注文受
付部1、受託判定部2、リスク計測部3、前受金額算出
部4、使用可能額算出部5、注文管理部6及び顧客デー
タベース(以下、データベースをDBという)7を備え
る。
【0027】注文受付部1は、顧客Cから注文データを
受信し、受信した注文データにデータ漏れがない場合、
注文を識別する注文識別情報(以下、注文IDという)
をその注文に発行し、注文データを受託判定部2に出力
する。受託判定部2は、注文IDが付された各注文デー
タに基づいて、注文が新規注文であるのか、返済注文で
あるのか判定する。注文には、新規注文と返済注文とが
ある。新規注文は、新たに銘柄を買う注文、又は、売る
注文である。新規注文が約定されると、顧客Cはポジシ
ョンを持つことになる。返済注文は、満期が到来する前
にすでに買った、又は、売った銘柄について反対売買を
行うことにより、ポジションを決済する注文である。返
済注文には、以下の2パターンがある。1つが、売った
銘柄の未決済ポジションを買い戻すパターンであり、も
う1つが、買った銘柄の未決済ポジションを転売するパ
ターンである。
【0028】注文が新規注文であると判定した場合、受
託判定部2は、注文データを前受金額算出部4及び使用
可能額算出部5に出力し、それぞれに対して、前受金額
及び使用可能額を照会する。受託判定部2は、前受金額
算出部4によって算出された前受金額と、使用可能額算
出部5によって算出された使用可能額とに基づいて、そ
の注文を受託するか否か判定する。受託判定部2は、そ
の注文を受託すると判定した場合、注文を受託する旨を
顧客Cに通知するとともに、その注文の注文データを注
文管理部6に出力する。受託しないと判定した場合、受
託判定部2は、注文を受託しない旨を顧客Cに通知す
る。顧客Cへの通知は、任意の方法を用いて行うことが
できる。例えば、ウェブページを介して行うこととして
もよいし、電子メールを介して行うこととしてもよい
し、ポケットベル(登録商標)を用いて行うこととして
もよい。
【0029】注文が返済注文であると判定した場合、受
託判定部2は、リスク計測部3にその注文の注文データ
を出力し、経済的リスクの増減を照会する。そして、そ
の注文が約定されることによって、顧客Cのポートフォ
リオ全体での経済的リスクが現在と比べて増加するか否
かの判定結果を、リスク計測部3から受ける。ここで、
ポートフォリオとは、顧客が持っているポジションの組
み合わせをいう。リスク計測部3によって経済的リスク
が増加すると判定された場合、受託判定部2は、新規注
文の場合と同様に、前受金額及び使用可能額をそれぞれ
前受金額算出部4及び使用可能額算出部5に照会し、算
出された前受金額及び使用可能額に基づいて、その注文
を受託するか否か判定する。リスクが増加しないと判定
された場合、受託判定部2は、その注文の前受金額を0
とし、その注文を受託すると判定する。判定後の処理
は、新規注文と同様である。
【0030】リスク計測部3は、注文データに基づい
て、その返済注文を出した顧客Cの取引に関する情報
(以下、顧客別取引情報という)を顧客DB7から取得
する。顧客別取引情報は、顧客Cのポートフォリオに関
する情報、各ポジションの時価、評価損益及び口座残高
等を含む。リスク計測部3は、返済注文の注文データ及
び顧客Cのポートフォリオに関する情報に基づいて、そ
の注文と顧客Cのポートフォリオのそれぞれの経済的リ
スクを示すリスク指標を算出するための情報を情報ベン
ダVから取得する。続いて、リスク計測部3は、取得し
た情報、注文データ及びポートフォリオに関する情報に
基づいて、その注文及び顧客Cのポートフォリオのリス
ク指標を計測する。リスク計測部3は、計測したリスク
指標に基づいてその注文を受託した場合にポートフォリ
オ全体のリスクが増大するか否か判定し、その判定結果
を受託判定部2に出力する。
【0031】前受金額算出部4は、注文データに基づい
て、その注文に関する情報を情報ベンダVから取得し、
取得した情報及び注文データに基づいて前受金額を算出
する。前受金額算出部4は、算出した前受金額を受託判
定部2に出力する。使用可能額算出部5は、前受金額と
して使用することが可能な金額、つまり、使用可能額を
算出する。そのために、使用可能額算出部5は、注文デ
ータに基づいて、その注文を出した顧客Cの顧客別取引
情報を顧客DB7から取得する。また、使用可能額算出
部5は、情報ベンダーVや取引所Eから証拠金を算出す
るために必要なパラメータを取得し、取得したパラメー
タ及び顧客別取引情報に基づいて、注文を受け付けた時
点の証拠金額(暫定値)を算出する。証拠金を算出する
ためのパラメータは、取引所E等によって定められ、取
引業者に提供される数値である。続いて、使用可能額算
出部5は、証拠金額、口座残高及び注文データに基づい
て使用可能額を算出し、受託判定部2に出力する。
【0032】注文管理部6は、注文に関する情報を管理
する。例えば、顧客Cから受託した注文の注文データに
基づいて取引所Eに銘柄を発注するとともに、受託した
注文の注文データを顧客DB7に格納する。また、例え
ば、注文管理部6は、約定した注文の注文データに基づ
いて顧客別取引情報を作成し、顧客DB7に格納する。
【0033】顧客DB7は、顧客の個人情報、顧客から
受託した注文の注文データ、顧客別取引情報等を格納す
る。以下、顧客DB7に格納される情報について説明す
る。顧客DB7は、注文データテーブル及び顧客別取引
情報テーブル等を含む。顧客の個人情報等、従来と同様
なデータについては、説明を省略する。図2(a)及び
図2(b)を用いて、注文データテーブル及び顧客別取
引情報テーブルのデータ構造について説明する。図2
(a)は、注文データテーブルのデータ構造の一例を示
す。注文データテーブルは、注文データを格納する。注
文データは、銘柄が先物である場合、その注文を出した
顧客の顧客ID、銘柄ID、新規注文フラグ、売り・買
いの別、限月、売買形態、枚数、注文の有効期間、注文
の受付日時、注文ID及び注文のための前受金額を含
む。銘柄がオプションである場合、注文データは、上述
の情報に加え、更にプット・コールの別を含む。
【0034】顧客IDは、顧客を識別する識別情報であ
る。銘柄IDは、注文された銘柄を識別する識別情報で
ある。新規注文フラグは、注文が新規注文であるのか、
返済注文であるのかを示すフラグであり、新規注文であ
る場合、オン(1)となる。売り・買いの別は、注文が
買い注文であるのか、売り注文であるのかを示す情報で
ある。プット・コールの別は、銘柄がオプションの場合
に格納される情報であり、オプションが行使期間内に行
使価格で売り付ける権利であるのか、買い受ける権利で
あるのかを示す情報である。なお、返済注文は、銘柄I
Dによって特定される銘柄について、顧客が現在取得し
ているポジションを解消する売買であるため、売り買い
の別を指定しなくともよい。限月とは、先物取引やオプ
ション取引における売買約定を最終的に決済しなければ
ならない月をいう。
【0035】売買形態は、どのようにして売買するのか
を示す情報である。売買形態として、成り行き、指値、
引け成り、寄り成り等がある。成り行きとは、売買を希
望する価格を指定せず、注文時に売買できる価格で売買
する売買形態である。指値とは、売買を希望する価格
(以下、指値という)を指定し、その価格で売買する売
買形態である。引け成りは、約定時をその日の取引終了
間際に行うように指定した成り行き注文である。寄り成
りは、約定時をその日の取引開始時に行うように指定し
た成り行き注文である。
【0036】枚数は、取引数量を示す情報である。ここ
で、枚とは、取引所における取引の基本となる取引数量
または受渡数量を表わす最少取引単位の呼称である。注
文の有効期間、注文の受付日時は自明であるため、説明
を省略する。注文IDは、注文を識別する情報である。
受付日時及び注文ID以外の情報は、顧客から受信した
情報に基づく。受付日時及び注文IDは、注文受付部1
によって注文データに付される。前受金額は、前受金額
算出部4によって算出される。
【0037】注文データテーブルには、受託されたが、
まだ約定されていない注文の注文データが格納される。
以下、受託されたが、まだ約定されていない注文をワー
キング注文ということもある。受託された注文の注文デ
ータは、注文管理部6によって注文データテーブルに格
納され、注文が約定されると、注文管理部6によって注
文データテーブルから削除される。
【0038】図2(a)において、銘柄が日経225オ
プションである場合の注文データが例として示されてい
る。図2(a)の1行目は、オプションの新規注文の場
合の注文データを示す。この注文データによれば、注文
された銘柄は、権利行使価格が13500円の日経22
5オプションであり、注文は、コール・オプションの売
りの新規注文であり、売買形態は指値で、価格は50
円、注文の有効期間は1日であること等が分かる。
【0039】図2(b)は、顧客別取引情報テーブルの
データ構造の一例を示す。顧客別取引情報テーブルは、
顧客別取引情報を格納する。顧客別取引情報は、顧客I
D、口座残高及びポートフォリオに関する情報等を含
む。ポートフォリオに関する情報は、顧客が現在所有し
ている銘柄の銘柄ID、銘柄の約定価格、枚数、限月、
銘柄の時価及び現在の損益等を含む。
【0040】顧客別取引情報は、顧客の口座が開設され
た時等に作成され、受託した注文が約定された場合等
に、注文管理部6によって更新される。顧客別取引情報
に含まれる情報のうち、時価及び損益以外の情報は、受
託した注文が約定された場合に、注文データ及び取引内
容に基づいて注文管理部6によって格納される。また、
時価及び損益は、その時点での取引所(例えば、取引所
の毎営業日の引け時)での市場価格に基づいて格納さ
れ、随時更新される。なお、顧客Cが代用有価証券を有
している場合、顧客別取引情報テーブルは、代用有価証
券についての情報も格納する。図2(b)において、顧
客IDがC1020である顧客Cの顧客別取引情報が例
として示されている。
【0041】次に、注文処理装置Dが行う処理について
説明する前に、証拠金の算出について説明する。現在、
先物やオプションを扱う多くの取引所は、いわゆるグロ
ーバルスタンダードとなっているSPAN(Standard P
ortfolio ANalysis of Risk)証拠金制度を採用してい
る。SPANは、シカゴ・マーカンタイル取引所(Chic
ago Mercantile Exchange:CME)が開発した証拠金
計算方法である。SPANによれば、個別銘柄ごとに経
済的リスクを評価するのではなく、ポートフォリオ全体
の経済的リスクを評価する。
【0042】従って、SPANによれば、ポートフォリ
オ内のあるポジションによって損失が生じている場合で
あっても、他方のポジションによって利益が生じていれ
ば、ポートフォリオ全体の経済的リスクは、損失と利益
の度合いに応じて、個別ポジションごとに経済的リスク
を評価する場合と比べて低めに評価される。なお、SP
ANで用いるパラメータは、SPANパラメータと呼ば
れる。SPANパラメータには、プライス・スキャンレ
ンジ、ボラティリティ・スキャンレンジ等がある。これ
らSPANパラメータは、取引所E等によって事前に定
められている。
【0043】SPAN証拠金額の算出は、(1)スキャ
ンリスク額の算出、(2)限月間割増額の算出、(3)
銘柄グループ間割引額の算出、(4)売りオプション最
低証拠金額の算出、(5)SPAN証拠金額の算出の順
に行われる。以下、各金額の算出について順に説明す
る。なお、ポートフォリオが1つのポジションのみから
なる場合、(2)及び(3)の手順は不要である。 (1)スキャンリスク額の算出 まず、原資産の価格の変動と原資産の価格の変動率の変
動との関係に基づいて、16通りのシナリオを作り、そ
れぞれについてポートフォリオ全体での損益額を計算す
る。16通りのシナリオのうち、最大の損失額をスキャ
ンリスク額とする。この計算は、同じ銘柄グループごと
に行う。銘柄グループとして、例えば、日経225グル
ープ、日経300グループ、ハイテク指数グループ等が
挙げられる。図3にスキャンリスクで用いられる16通
りのシナリオを示す。 (2)限月間割増額の算出 同じ銘柄グループであっても、限月が異なる銘柄は、一
般に価格及び価格の変動率が異なる。そこで、限月間の
値動きの差によって生じる損失額である限月間割増額を
算出する。この限月間割増額をスキャンリスク額に加算
することにより、必要以上に相殺された損失額を修正す
る。同じ銘柄グループであっても限月が異なる銘柄とし
て、例えば、日経225グループでいうと日経225先
物9月限と12月限が挙げられる。 (3)銘柄グループ間割引額 異なる銘柄グループ間であっても、値動きに相関関係が
高い場合がある。この場合の経済的リスクを相殺する銘
柄グループ間割引額を算出する。銘柄グループ間割引額
をスキャンリスク額から差し引く事により、必要以上に
算出された損失額を修正する。 (4)売りオプション最低証拠金額 同じ銘柄グループ内で本源的価値から大きく値下がりし
ている(ディープ・アウト・オブ・ザ・マネー:DOT
M)オプションがある場合、そのオプションを売ること
によるリスクを考慮するために、DOTMとなっている
オプションの売りについて、1枚あたりの最低証拠金額
を定める。 (5)SPAN証拠金額の算出 {(スキャンリスク額)+(限月間割増額)−(銘柄グ
ループ間割引額)}又は、売りオプション最低証拠金額
のいずれか大きい方がその銘柄グループの証拠金額とな
る。上述の計算をポートフォリオ内の全銘柄グループに
ついて行い、全ての銘柄グループの証拠金額を合計した
結果が、そのポートフォリオ全体のSPAN証拠金額と
なる。
【0044】証拠金所要額は、このように算出されたS
PAN証拠金額からネット・オプション・バリューの総
額を差し引いた額に相当する。ネット・オプション・バ
リューの総額は、オプションが権利行使された場合等に
生じるリスクをカバーするために考慮するものであり、
買ったオプション(買いオプション)の価値の総額から
売ったオプション(売りオプション)の価値の総額を差
し引くことによって算出される。なお、買いオプション
のネット・オプション・バリューは、常に0以上であ
り、なお、売りオプションのネット・オプション・バリ
ューは、常に0以下である。
【0045】例として、権利行使価格が14000円の
日経225のコール・オプションの1枚売りポジション
(倍率:1000)について、証拠金所要額を算出す
る。オプションの現在値は140円、SPAN証拠金額
は55万円とすると、証拠金所要額は、以下のようにな
る。
【0046】 証拠金所要額={(SPAN証拠金額)−(ネット・オプション・バリューの 総額)} =550000円−{140円×(−1)×1000} =690000円 また、更なる例として、権利行使価格が14000円の
日経225のコール・オプションの1枚買いポジション
について、証拠金所要額を算出する。オプションの現在
値は140円、SPAN証拠金額は12万円(同じ銘柄
でも売りと買いで異なる)とすると、証拠金所要額は、
以下のようになる。
【0047】 証拠金所要額=120000−140000 =−20000円 しかし、上述のSPANでは、以下の理由により、注文
が約定する前に証拠金の推定することが困難である。 ・オプションのタイプや権利行使価格等によって証拠金
額が異なる。 ・リスク評価に用いるシナリオが16通りあり、且つ、
限月間の値動きの差も考慮するため、同じ銘柄のオプシ
ョンであっても相場水準によって日々証拠金額が変動す
る。 ・ポートフォリオ全体で経済的リスクを評価するため、
返済注文であっても、証拠金所要額が必ず減少するとは
いえない。 ・ポートフォリオ全体で経済的リスクを評価するため、
新規注文であっても、証拠金所要額が必ず増加するとは
いえない。
【0048】SPANパラメータの暫定値を用いて、受
け付けた注文が約定されたと仮定したポートフォリオ全
体についてSPAN証拠金を算出することもできる。し
かし、この場合も、上述の(1)から(5)に示す複雑
な手順を行う必要があり、この手順を、受け付けた注文
の全てについて行うシステムは、現実的ではない。
【0049】上述の理由のため、注文処理装置Dは、以
下のようにして各注文の前受金額を算出する。 ・注文が返済注文である場合、注文処理装置Dは、その
注文、及び、注文を受け付けた時点の顧客Cのポートフ
ォリオ全体についてリスク指標を計測する。続いて、注
文処理装置Dは、計測したリスク指標に基づいて、その
注文が約定された場合にできる新たなポートフォリオ全
体の経済的リスクが、現在のポートフォリオ全体の経済
的リスクと比べて減少するか否か判定する。ポートフォ
リオ全体のリスクが減少すると判定した場合、注文処理
装置Dは、その注文を受託し、前受金額を0(零)とす
る。返済注文が約定されてもポートフォリオ全体のリス
クが減少しないと判定した場合、注文処理装置Dは、更
に前受金額を算出する。 ・注文処理装置Dは、受け付けた注文が約定された場合
に得られるポジションについて、生じると予測される最
大損失額に基づいて前受金額を算出する。
【0050】注文が約定された場合、ポートフォリオ全
体で顧客Cが負う経済的リスクは常に増大するのではな
く、逆に経済的リスクが減少することもある。しかし、
従来の前受金制度では、ポートフォリオ全体の経済リス
クを考慮することなく、1取引単位について一定額の前
受金額を顧客に預託させることとしていた。このため、
顧客Cは、過分な前受金額を取引業者に預託することが
必要であった。一方、本発明によれば、注文が約定され
た場合に得られるポジションの経済的リスク及び現在の
ポートフォリオ全体の経済的リスクに基づいて、また、
必要に応じてさらに、そのポジションについての予想損
失額に基づいて前受金額を算出する。これにより、取引
業者は、資金効率及び利便性が従来よりも高い金融取引
サービスを、顧客Cに提供することが可能となる。さら
に、注文処理装置Dが行う処理は、上述のSPANによ
る証拠金計算と比較して簡略であるため、前受金額を算
出するためにシステムにかかる負荷も少ない。
【0051】以下、注文処理装置Dが行う処理について
説明する。なお、以下の説明において、ネットワークN
を介して顧客C等から注文データを受信すると仮定する
が、本発明を限定する趣旨ではない。例えば、店頭又は
電話で顧客Cから取得した情報を、店員が不図示の入出
力装置を介して注文データとして取引処理装置Dに入力
することとしても良い。また、顧客は、予め取引業者か
ら顧客を識別する顧客IDを発行されており、その顧客
IDを用いて注文処理装置Dにアクセスする、又はその
顧客IDを述べて営業員に注文を行うとする。まず、図
4を用いて注文処理装置Dが注文を受け付ける処理につ
いて説明する。
【0052】まず、注文処理装置Dは、顧客Cから注文
データを受信する(ステップS1)。注文を受信する
と、注文処理装置Dの注文受付部1は、受信した注文デ
ータに受付日時を付す(ステップS2)。続いて、注文
受付部1は、受信した注文データに情報の入力漏れがあ
るか否か判定する(ステップS3)。入力漏れとして、
例えば、銘柄IDが入力されていなかったり、売買形態
が指値であるにもかかわらず、注文価格が入力されてい
なかったりする場合等が、挙げられる。
【0053】入力漏れがない場合(ステップS3:Ye
s)、注文受付部1は、注文データに注文IDを付し、
注文データを受託判定部2に出力する(ステップS
4)。続いて、受託判定部2は、後述の受託判定処理を
行う。入力漏れがある場合(ステップS3:No)、注
文受付部1は、注文の受付を拒否し、注文データに入力
漏れがあるため、その注文を受け付けられない旨を、ネ
ットワークNを介して顧客Cに通知する(ステップS
5)。
【0054】次に、受託判定処理について説明する。受
託判定処理は、注文を受託するか否か判定する処理であ
る。以下、図5を用いて受託判定処理について説明す
る。まず、受託判定部2は、注文受付部1から注文デー
タを受けると、注文データに含まれる新規注文フラグに
基づいて、注文が新規注文であるか否か判定する(ステ
ップS11)。注文は新規注文であると判定した場合
(ステップS11:新規注文)、受託判定部2は、前受
金額算出部4に前受金額を照会する。前受金額算出部4
は、注文データに基づいて、その注文を受託するために
必要な前受金額を算出する処理(後述)を行、算出結果
を受託判定部2に出力する(ステップS12)。続い
て、受託判定部2は、使用可能額算出部5に使用可能額
を照会する。使用可能額算出部5は、その注文を出した
顧客Cの顧客別取引情報及び注文データに基づいて、そ
の顧客Cの使用可能額を算出する処理(後述)を行い、
算出結果を受託判定部2に出力する(ステップS1
3)。なお、前受金額算出処理と使用可能額算出処理の
どちらを先に行っても良い。
【0055】受託判定部2は、使用可能額が前受金額以
上であるか否か判定する(ステップS14)。使用可能
額が前受金額以上である場合(ステップS14:Ye
s)、受託判定部2は、その注文を受託することを決定
し(ステップS15)、その注文を受託する旨をネット
ワークNを介して顧客Cに通知する。そして、受託判定
部2は、注文データを注文管理部6に出力する。注文管
理部6は、受託した注文を取引所Eに発注し(ステップ
S16)、受託した注文の注文データを顧客DB7の注
文データテーブルに格納し、処理を終了する。使用可能
額が前受金額未満である場合(ステップS14:N
o)、受託判定部2は、その注文の受託を拒否すること
を決定する(ステップS17)。受託判定部2は、前受
金額が足りないため注文を受託できない旨をネットワー
クNを介して顧客Cに通知する。
【0056】ステップS11において、受託判定部2
が、注文は返済注文であると判定した場合(ステップS
11:返済注文)、リスク計測部3は、その注文を出し
た顧客Cの顧客別取引情報及び注文データに基づいて、
注文が約定された場合に得られるポジション及び現在の
ポートフォリオ全体それぞれについて、顧客Cが負う経
済的リスクを計測する(ステップS18)。リスク計測
部3は、計測された経済的リスクに基づいて、その注文
が約定された場合の顧客Cのポートフォリオ全体の経済
的リスクが、現在のポートフォリオ全体の経済的リスク
と比べて減少するか否か判定する(ステップS19)。
リスク計測部3が顧客Cの経済的リスクが減少しないと
判定した場合(ステップS19:No)、処理はステッ
プS12に進む。リスク計測部3が、顧客Cの経済的リ
スクが減少すると判定した場合(ステップS19:Ye
s)、受託判定部2は、前受金額は不要(つまり、前受
金額は0)であるとし(ステップS20)、ステップS
15に進む。
【0057】以下、図6を用いて前受金額算出処理につ
いて説明する。図6に示すステップS21から25まで
のステップは、図5のステップS12に相当する。ま
ず、前受金額算出部4は、図5のステップS11におい
て、受託判定部2から注文データ及び前受金額の照会を
受ける(不図示)。前受金額算出部4は、注文データに
基づいて、前受金額を算出するために必要な情報を情報
ベンダーV又は取引所Eから取得する(ステップS2
1)。
【0058】取得する情報は、注文された銘柄に対応し
て異なる。注文された銘柄が先物である場合、前受金額
算出部4は、プライス・スキャンレンジ及び倍率を情報
ベンダーV又は取引所Eから取得する。注文がオプショ
ンの買い又は売り注文である場合、前受金額算出部4
は、SPANパラメータを情報ベンダーV又は取引所E
から取得する。ここで、倍率とは、銘柄の取引単位をい
う。例えば、銘柄が日経平均先物である場合、倍率は1
000倍である。従って、13500円の日経平均先物
1枚の約定価格は、13500×1000=1350万
円となる。
【0059】続いて、前受金額算出部4は、注文データ
に含まれる銘柄ID及び売り買いの別に基づいて、注文
が先物の注文であるのか、オプションの買い注文である
のか、オプションの売り注文であるのかを判定し(ステ
ップS22)、判定結果に応じた算出方法を用いて、前
受金額を算出する。注文された銘柄が先物であると判定
した場合(ステップS22:先物)、前受金額算出部4
は、次の式を用いて前受金額を算出する(ステップS2
3)。
【0060】前受金額=(プライス・スキャンレンジ)
×(倍率)×(枚数) 注文がオプションの買い注文であると判定した場合(ス
テップS22:オプションの買い)、前受金額算出部4
は、さらに、注文データに含まれるプット・コールの別
に基づいて、オプションがプットであるのかコールであ
るのか判定し、その判定結果に応じた算出方法を用い
て、前受金額を算出する(ステップS24)。
【0061】オプションがコールである場合、前受金額
算出部4は、取得した情報を用いて、16通りのSPA
Nシナリオのうち14番及び16番について、その注文
自体での損失額をシミュレーションする。つまり、前受
金額算出部4は、SPANシナリオ14番及び16番に
ついてのみSPANの(1)のスキャンリスクを行う。
SPANシナリオの14番及び16番は、コール・オプ
ションの買い注文によって損失が生じるシナリオのう
ち、損失額が最も大きくなると予想されるシナリオであ
る。前受金額算出部4は、SPANシナリオの14番及
び16番について算出された損失額のうち大きい方の金
額を、その注文の前受金額とする。
【0062】オプションがプットである場合、前受金額
算出部4は、取得した情報を用いて、今度は、SPAN
シナリオのうち12番及び15番について、コールの場
合と同様の処理を行う。プット・オプションの買い注文
の場合、損失額が最も大きくなると予想されるシナリオ
は、SPANシナリオの12番及び15番だからであ
る。前受金額算出部4は、SPANシナリオの12番及
び15番について算出された損失額のうち大きい方の金
額を、その注文の前受金額とする。
【0063】注文がオプションの売り注文であると判定
した場合(ステップS22:オプションの売り)、前受
金額算出部4は、さらに、注文データに含まれるプット
・コールの別に基づいて、オプションがプット・オプシ
ョン(以下、単にプットということもある)であるのか
コール・オプション(以下、単にコールということもあ
る)であるのか判定し、その判定結果に応じた算出方法
を用いて、前受金額を算出する(ステップS25)。
【0064】オプションがコールである場合、前受金額
算出部4は、取得した情報を用いて、SPANシナリオ
のうち15番及び11番について、その注文自体での損
失額をシミュレーションし、さらに、売りオプション最
低証拠金額を算出する。つまり、前受金額算出部4は、
SPANシナリオ15番及び11番についてSPANの
(1)の手順を行うとともに、そのオプションを売った
場合についてSPANの(4)の手順を行う。前受金額
算出部4は、SPANシナリオの15番及び11番につ
いて算出された損失額並びに売りオプション最低証拠金
額のうち最も大きい金額を、その注文の前受金額とす
る。
【0065】オプションがプットである場合も、コール
である場合とほぼ同様の処理を行う。両者で異なる点
は、オプションがプットである場合、SPANシナリオ
が、15番及び11番の代わりに13番及び16番にな
る点である。なお、上述のように算出した前受金額に手
数料等を加えることとしても良いし、100%以上の係
数を乗じることとしても良い。前受金額算出部4は、ス
テップS23からS25のようにして前受金額を算出
し、算出した前受金額を受託判定部2に出力し、処理
は、図5のステップS13に進む。
【0066】実際に必要な証拠金に最も近い前受金額の
算出方法は、現在のポートフォリオ全体と注文が約定し
た後のポートフォリオ全体とのそれぞれについて、16
通りのシナリオに基づいて証拠金を算出し、その結果に
基づいて前受金額を算出することがであると考えられ
る。しかし、前受金額を算出する段階では、ポートフォ
リオ全体について証拠金を算出するために必要な数値が
入手できない。また、SPANパラメータの暫定値を用
いて、注文が約定された後のポートフォリオ全体につい
てSPAN証拠金を算出することも可能であるが、その
場合であっても、受け付けた注文それぞれについて、そ
のような複雑な処理を行うシステムは、実用に適さな
い。
【0067】そのため、注文処理装置Dによれば、注文
が約定された場合のポジションについてのみ、最も多く
の証拠金が必要となる可能性が高いシナリオについての
損失額、及び、必要に応じてDOTMの場合についての
証拠金額を算出し、算出された金額に基づいて前受金額
を算出する。従って、従来の1取引単位について前受金
額を一定額とする場合と比べて、顧客Cに対する取引業
者の与信リスクを回避するために十分な前受金額を簡略
に、かつ、より正確に算出することが可能となる。
【0068】以下、図7を用いて使用可能額算出処理に
ついて説明する。図7に示すステップS31から35ま
でのステップは、図5のステップS13に相当する。ま
ず、使用可能額算定部5は、受託判定部2から使用可能
額の照会を受けると、使用可能額算出部5は、注文デー
タに含まれる顧客IDを検索キーとして、顧客DB7の
顧客別取引情報テーブルから、注文を出した顧客Cの顧
客別取引情報を取得する(ステップS31)。顧客別取
引情報には、顧客Cのポートフォリオに関する情報が含
まれる。使用可能額算出部5は、取引所E及び・又は情
報ベンダーVから、顧客Cのポートフォリオについて必
要な証拠金額を算出するために、注文を受け付けた日に
適用されるSPANパラメータを取得する(暫定値を含
む)(不図示)。
【0069】使用可能額算出部5は、取得したSPAN
パラメータ及び顧客Cの顧客別取引情報に基づいて、現
時点での証拠金額を算出する(ステップS32)。使用
可能額算出部5は、顧客IDを用いて顧客DB7の注文
データテーブルを参照し、その顧客Cのワーキング注文
の注文データが格納されている場合、その顧客Cのワー
キング注文の前受金額を取得する。使用可能額算出部5
は、顧客別取引情報及び証拠金額等に基づいて、使用可
能額を算出する(ステップS33)。より具体的には、
使用可能額算出部5は、口座残高から、算出した証拠金
額及びワーキング注文の前受金額の合計を減算すること
により、使用可能額を算出する。使用可能額の算出式
は、以下の通りになる。
【0070】使用可能額=現金残高(先物評価損益を含
む)−証拠金額−ワーキング注文の前受金額の合計 ここで、証拠金額は、注文が新規注文である場合と、返
済注文である場合とで異なる。証拠金額は、当初証拠金
額と維持証拠金額の2種類がある。上述の証拠金(SP
AN証拠金)は、維持証拠金である。当初証拠金とは、
新規注文を約定する際に必要となる証拠金であり、一般
に証拠金額の100%以上に設定されている。当初証拠
金額が維持証拠金額の何倍であるのかは、取引所によっ
て異なる。日本では、当初証拠金と維持証拠金とが同じ
場合であることが多い。なお、代用有価証券がある場
合、使用可能額算出部5は、代用有価証券残高を算出し
て、現金残高に加算することとしてもよい。代用有価証
券残高の算出方法は、自明であるため、これについての
説明を省略する。
【0071】使用可能額算出部5は、算出した使用可能
額を受託判定部2に出力し、算出された使用可能額に基
づいて、受託判定部2はステップS14以降の処理を行
う。以下、図8を用いてリスク計測処理について説明す
る。図8に示すステップS41からS49までのステッ
プは、図5のステップS18及びS19に相当する。
【0072】まず、図5のステップS11において受託
判定部2から経済的リスクの照会を受けると、リスク計
測部3は、注文データに含まれる顧客Cの顧客IDを検
索キーとして、顧客DB7から顧客別取引情報を取得す
る。続いて、リスク計測部3は、注文データ及び顧客別
取引情報に含まれるポートフォリオに関する情報に基づ
いて、受け付けた注文及び現在のポートフォリオそれぞ
れのリスク指標を算出するために必要な情報を、情報ベ
ンダーV又は取引所Eから取得する(ステップS4
1)。例えば、リスク指標を算出するために、ブラック
・ショールズ式(以下、BS式という)を利用する場
合、現在の原資産の市場価格Sと権利行使価格Xと非危
険利子率rと満期までの期間T−t及び原資産の価格変
動性σとを含む5つのパラメータがあるが、これらのパ
ラメータは、情報ベンダーV等から入手可能である。B
S式は、オプションのプレミアムを算出する式であり、
この式は、広く知られているため、この式について説明
することを省略する。なお、情報ベンダーVによって
は、リスク指標を提供している場合もある。この場合、
BS式からリスク指標を算出しないで、情報ベンダーV
から取得したリスク指標をそのまま、或いは適宜加工し
て使用することとしてもよい。
【0073】続いて、リスク計測部3は、受け付けた注
文のリスク指標と、現在のポートフォリオ全体のリスク
指標とを算出する。また、注文が約定した場合に得られ
る新たなポートフォリオ全体のリスク指標も算出する
(ステップS42)。注文のリスク指標は、注文に含ま
れる各銘柄のリスク指標の加重(銘柄のリスク指標と枚
数との積を全銘柄について合計したもの。ただし、売り
の場合、枚数に−1を乗算する)を算出することによっ
て得ることができる。同様に、ポートフォリオ全体のリ
スク指標は、ポートフォリオに含まれる各銘柄のリスク
指標の加重を算出することによって得ることができる。
【0074】リスク指標には、例えば、デルタ(δ)、
ガンマ(γ)、セータ(θ)等が知られている。本発明
では、δ及びγを用いることとする。δは、原資産の市
場価格の変化に対する銘柄の価格の変化率を示す。δ
は、原資産の市場価格SについてBS式を微分すること
によって算出することができる。つまり、BS式をfで
表すと、δは、以下の式で算出することができる。
【0075】
【数1】
【0076】コール・オプションの場合、0<δ<1で
あり、プット・オプションの場合、−1<δ<0であ
る。なお、銘柄がオプションではなく、先物である場
合、δは定数となる。例えば、先物の売り建てのδを−
1、先物の買い建てのδを1とすることとしてもよい。
【0077】γは、原資産の市場価格の変化に対するデ
ルタの変化率を示す。γは、原資産の市場価格Sについ
てデルタを微分することによって算出することができ
る。つまり、BS式をfで表すとすると、γは、以下の
式で算出することができる。
【0078】
【数2】
【0079】イン・ザ・マネー(ITM)及びアウト・
オブ・ザ・マネー(OTM)の場合、ガンマは小さくな
り、アット・ザ・マネー(ATM)の場合、γは大きく
なる。なお、銘柄がオプションではなく、先物である場
合、γは0となる。以下、注文のδ及びγをδo 及びγ
o とし、現在のポートフォリオ全体のδ及びγをδp
びγp とし、注文が約定された場合に得られる新たなポ
ートフォリオ全体のδ及びγをδo+p 及びγo+pとす
る。
【0080】続いて、リスク計測部3は、γp >0、且
つ、γo <0、且つ、(γp +γo)>0であるか否か
判定する(ステップS43)。ステップS43の判定で
でYesであった場合、リスク計測部3は、注文を受託
するとポートフォリオ全体の経済的リスクが減少すると
判定する(ステップS48)。リスク計測部3は、判定
結果を受託判定部2に出力し、受託判定部2は、ステッ
プS20以降を行う。
【0081】ステップS43の判定は、ステップS44
からS47までの判定において、本来は、注文が約定さ
れた場合に得られる新たなポートフォリオ全体の経済的
リスクが、現在のポートフォリオ全体の経済的リスクよ
りも減少するにもかかわらず、リスクが増加すると判定
されてしまうケースを、ステップS44以降の処理に入
る前に除外するために設定されている。後述の具体例の
例1)は、このケースに該当する。
【0082】ステップS43の判定でNoであった場
合、リスク計測部3は、δp ×δo >0であるか否か判
定する(ステップS44)。δp ×δo>0であると判
定した場合(ステップS44:Yes)、リスク計測部
3は、受け付けた注文が約定された場合の新たなポート
フォリオの経済的リスクは、現在のポートフォリオの経
済的リスクから減少しないと判定する(ステップS4
9)。リスク計測部3は、判定結果を受託判定部2に出
力し、受託判定部2は、ステップS12以降を行う。
【0083】上述のように、注文が約定されたときに得
るポジション又は現在のポートフォリオ全体で顧客Cが
とっているポジションが、先物又はコール・オプション
の買い建て並びにプット・オプションの売り建てに傾い
ている(いわゆるロング・ポジション)場合、δo 又は
δpは常に正の値であり、逆に、先物又はプット・オプ
ションの買い建て並びにコール・オプションの売り建て
に傾いている(いわゆるショート・ポジション)場合、
δo 又はδpは常に負の値である。従って、δp ×δo
0でなければ、現在のポートフォリオ全体で顧客Cがと
っているポジションと注文が約定された時に得るポジシ
ョンとで、顧客Cが経済的リスクを負う方向が異なるこ
とを意味する。
【0084】例えば、ポートフォリオ全体でとっている
ポジションがロング・ポジションであり、注文が約定さ
れた時に得るポジションが先物の売り建て(ショート・
ポジションに該当する)である場合が、このケースに該
当する。この場合、注文が約定された後のポートフォリ
オ全体の経済的リスクが、現在のポートフォリオ全体の
経済的リスクよりも減少する可能性があるため、リスク
計測部3は、ステップS44以降の判断を引き続いて行
う。
【0085】一方、δp ×δo >0である場合、注文が
約定された後のポートフォリオ全体でのポジションは、
現在のポートフォリオ全体でのポジションと同じ方向
に、より経済的リスクを取るように変化することにな
る。従って、δp ×δo >0である場合、リスク計測部
3は、注文が約定された場合のポートフォリオの経済的
リスクは、現在のポートフォリオの経済的リスクから減
少しないと判定することとしている。
【0086】δp ×δo >0でないと判定した場合(ス
テップS44:No)、リスク計測部3は、さらに、γ
p ×γo >0であるか否か判定する(ステップS4
5)。γ p ×γo >0であると判定した場合(ステップ
S45:Yes)、上述のステップS49に進み、リス
ク計測部3は、注文が約定された場合のポートフォリオ
全体の経済的リスクは現在より減少しないと判定する。
【0087】上述のように、γは、δの変化率である。
γp ×γo >0でなければ、両者の符合が異なることに
なる。よって、ある方向に原資産の市場価格が変動した
場合、注文が約定された時のポートフォリオのδo は、
現在のポートフォリオのδpと反対の方向に変動するこ
とを意味する。このような場合、経済的リスクが減少す
る可能性があるため、リスク計測部3は、ステップS4
4以降の判断を引き続いて行うこととしている。
【0088】γp ×γo >0でないと判定した場合(ス
テップS45:No)、リスク計測部3は、更に、δp
の絶対値|δp |と、δo+p の絶対値|δo+p |とを比
較する(ステップS46)。|δp |<|δo+p |であ
ると判定した場合(ステップS46:Yes)、リスク
計測部3は、ステップS49に進み、注文が約定した場
合のポートフォリオ全体の経済的リスクは、現在のポー
トフォリオ全体の経済的リスクから減少しないと判定す
る。
【0089】δの絶対値は、ポジションがコール又はプ
ットの方向にどの程度偏っているかを示す。ステップS
44において、δp の符合とδo の符合は、異なること
が判定されている。しかし、例えば、|δp |が、|δ
o+p |の半分未満である場合、注文が約定された後のポ
ートフォリオ全体によって、顧客Cは、現在のポートフ
ォリオ全体でとっているポジションと反対のポジション
で、現在以上の経済的リスクを負うこととなる可能性が
ある。|δp |と|δo+p |とを比較することにより、
リスク計測部3は、このような場合を、経済的リスクが
減少しないと判定することが可能となる。
【0090】|δp |<|δo+p |でないと判定した場
合(ステップS46:No)、リスク計測部3は、さら
に、γp の絶対値|γp |と、γo+P の絶対値|γo+p
|とを比較する(ステップS47)。|γp |<|γ
o+p |であると判定した場合(ステップS47:Ye
s)、リスク計測部3は、ステップS49に進み、注文
が約定した場合のポートフォリオ全体の経済的リスク
は、現在のポートフォリオ全体の経済的リスクより減少
しないと判定する。逆に、|γp |<|γo+p |でない
と判定した場合(ステップS47:No)、リスク計測
部3は、注文が約定した場合のポートフォリオ全体の経
済的リスクは、現在のポートフォリオ全体の経済的リス
クより減少すると判定する(ステップS48)。
【0091】γの絶対値は、原資産の市場価格の変動に
よってどの程度損益が変化するかを示す。ある方向に原
資産の市場価格が変動した場合、注文が約定された時の
ポートフォリオのδo は、現在のポートフォリオのδp
と反対の方向に現在以上に変動するようになる可能性も
ある。γの場合も、δの場合と同様に、|γp |と|γ
o+p |とを比較することにより、このような場合を、経
済的リスクが減少しないと判定することが可能となる。
【0092】以下、具体例を示して、リスク計測処理を
説明する。 例1)コール・オプションとプット・オプションからな
るポートフォリオを持つ顧客が、コールを1枚転売する
場合 ポートフォリオの内訳は、以下の通りである。
【0093】コールのリスク指標:δ=0.20、γ=0.00
2 、2枚の買い プットのリスク指標:δ=-0.25 、γ=0.003 、2枚の
買い このポートフォリオ全体のリスク指標は、δp =0.20×
2+(-0.25×2)=-0.10 及び、γp =0.002 ×2+0.0
03 ×2=0.010 となる。
【0094】注文の内容は、コール1枚の返済(転売)
であるため、注文が約定された場合のポジションのリス
ク指標は、上記から、δo =0.20×(−1)=-0.20 及
びγ o =0.002 ×(−1)=-0.002である。従って、γ
p >0且つγo <0且つγo+γp >0である。故に、
ステップS43の判定でYesとなるため、注文が約定
された後のポートフォリオ全体の経済的リスクは、減少
すると判定される。なお、この例は、ステップS43が
なければ、後続のステップS44以降において、注文が
約定された後のポートフォリオ全体の経済的リスクは、
減少しないと判定されてしまうケースに該当する。しか
し、実際は、オプションの買いポジションの返済注文で
あるため、既に顧客は取引に必要な代金を支払ってい
る。従って、コールの転売によって新たな代金の支払い
が必要になることはありえない。ステップS43によっ
て、このような不合理が排除されていることが分かる。
【0095】例2)権利行使価格16000円の日経平
均のコール(コール1)及び15500円の日経平均の
コール(コール2)からなるポートフォリオを持つ顧客
が、プットを1枚買う場合 ポートフォリオの内訳は、以下の通りである。
【0096】コール1のリスク指標:δ=0.30、γ=0.
002 、3枚の買い コール2のリスク指標:δ=0.45、γ=0.0025、2枚の
売り このポートフォリオ全体のリスク指標は、δp =0.30×
3+0.45×(−2)=0 及び、γp =0.002 ×3+0.0
025×(−2)=0.0010となる。
【0097】注文されたプット1枚買いのリスク指標:
δ=-0.25 及びγ=0.003 δp =0であるため、δp ×δo =0となる。従って、
ステップS44でNoとなり、この注文が約定された後
のポートフォリオ全体の経済的リスクは、現在のポート
フォリオと比べて減少しないと判定される。
【0098】以下、図9を用いて、注文が約定された後
の処理について説明する。注文が約定されると、注文管
理部6は、取引所Eから約定通知を受ける(ステップS
51)。約定通知には、少なくとも約定価格及び約定枚
数を含む。注文管理部6は、注文IDを用いて顧客DB
7の注文データテーブルを参照し、約定した注文の注文
データを取得する(ステップS52)。
【0099】注文管理部6は、注文データに含まれる顧
客IDを用いて、顧客別取引情報テーブルを参照し、顧
客IDに対応する顧客別取引情報を注文データ及び約定
価格に基づいて更新する(ステップS53)。より具体
的には、注文管理部6は、注文が約定されることによっ
て得られたポジションをポートフォリオに追加するよう
に、顧客別取引情報を更新する。
【0100】続いて、注文管理部6は、注文データテー
ブルから、約定された注文の注文データを削除する(ス
テップS54)。これにより、約定された注文は、ワー
キング注文に該当しないこととなる。注文管理部6は、
顧客IDに対応する顧客Cに、注文が約定した旨をネッ
トワークNを介して通知する(ステップS55)。
【0101】注文管理部6は、注文の取消処理等も行
う。以下、例として、注文の取消処理について、簡単に
説明する。顧客Cは、注文が約定される前に、例えば、
受託判定部2から注文を受託する旨の通知を受信した際
に、注文を取消すことができる。顧客Cは、注文を取消
す旨の指示を注文処理装置Dに送信する。ここで、注文
を取消す旨の指示には少なくとも、取消したい注文の注
文IDを含む。注文受付部2は、顧客Cから注文を取消
す旨の指示を受け付け、注文管理部6に出力する。注文
管理部6は、注文IDを用いて顧客DB7の注文データ
テーブルを検索し、取り消すよう指示された注文の注文
データを削除し、注文を取消した旨を顧客Cに通知す
る。
【0102】本実施形態において説明した注文処理装置
D等及び顧客の端末等は、図10に示すようなコンピュ
ータ(情報処理装置)を用いて構成することができる。
図10のコンピュータ10は、CPU11、メモリ1
2、入力装置13、出力装置14、外部記憶装置15、
媒体駆動装置16、及びネットワーク接続装置17を備
え、それらはバス18により互いに接続されている。
【0103】メモリ12は、例えば、ROM(Read Onl
y Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含
み、処理に用いられるプログラムとデータを格納する。
CPU11は、メモリ12を利用してプログラムを実行
することにより、必要な処理を行う。
【0104】図1に示す注文処理装置Dを構成する各部
及び顧客の端末は、それぞれメモリ12の特定のプログ
ラムコードセグメントにプログラムとして格納される。
入力装置13は、例えば、キーボード、ポインティング
デバイス、タッチパネル等であり、ユーザからの指示や
情報の入力に用いられる。出力装置14は、例えば、デ
ィスプレイやプリンタ等であり、コンピュータ10の利
用者への問い合わせ、処理結果等の出力に用いられる。
【0105】外部記憶装置15は、例えば、磁気ディス
ク装置、光ディスク装置、光磁気ディスク装置等であ
る。この外部記憶装置15に上述のプログラムとデータ
を保存しておき、必要に応じて、それらをメモリ12に
ロードして使用することもできる。
【0106】媒体駆動装置16は、可搬記録媒体19を
駆動し、その記録内容にアクセスする。可搬記録媒体1
9としては、メモリカード、メモリスティック、磁気デ
ィスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memor
y)、光ディスク、光磁気ディスク、DVD(Digital V
ersatile Disk)等、任意のコンピュータで読み取り可
能な記録媒体が用いられる。この可搬記録媒体19に上
述のプログラムとデータを格納しておき、必要に応じ
て、それらをメモリ12にロードして使用することもで
きる。
【0107】ネットワーク接続装置17は、LAN、W
AN等の任意のネットワーク(回線)を介して外部の装
置を通信し、通信に伴なうデータ変換を行う。また、必
要に応じて、上述のプログラムとデータを外部の装置か
ら受け取り、それらをメモリ12にロードして使用する
こともできる。
【0108】図11は、図10のコンピュータにプログ
ラムとデータを供給することのできるコンピュータで読
み取り可能な記録媒体、及び、伝送信号を示している。
上述の実施形態において説明した各装置に相当する機能
を汎用的なコンピュータに行なわせることも可能であ
る。そのためには、実施形態において説明した図4から
図9に示すフローチャートにおいて、各部によって行な
われる処理と同様のものをコンピュータ10に行なわせ
るプログラムを、コンピュータで読み取り可能な記録媒
体19に予め記憶させておく。そして、図11に示すよ
うに、媒体駆動装置16を用いて、記録媒体19からプ
ログラムをコンピュータ10に読み出させて該コンピュ
ータ10のメモリ12や外部記憶装置25に一旦格納さ
せ、そのコンピュータ10の有するCPU11にこの格
納されたプログラムを読み出させて実行させるように構
成すればよい。
【0109】また、記録媒体19からプログラムをコン
ピュータに読み出させる代わりに、プログラム(デー
タ)提供者が有するデータベース20から、通信回線
(ネットワーク)21を介して、プログラムをダウンロ
ードすることとしてもよい。この場合、例えば、データ
ベース20を有し、プログラムを送信するコンピュータ
では、上記プログラムを表現するプログラム・データを
プログラム・データ・シグナルに変換し、変換されたプ
ログラム・データ・シグナルをモデムを用いて変調する
ことにより伝送信号を得て、得られた伝送信号を通信回
線21(伝送媒体)に出力する。プログラムを受信する
コンピュータでは、受信した伝送信号をモデムを用いて
復調することにより、プログラム・データ・シグナルを
得て、得られたプログラム・データ・シグナルを変換す
ることにより、プログラム・データを得る。なお、送信
側のコンピュータと受信側のコンピュータの間を接続す
る通信回線21(伝送媒体)がデジタル回線の場合、プ
ログラム・データ・シグナルを通信することも可能であ
る。また、データベース20を有し、プログラムを送信
するコンピュータと、プログラムをダウンロードするコ
ンピュータとの間に、電話局等のコンピュータが介在し
ても良い。
【0110】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明は上述した実施形態に限定されるものではな
く、他の様々な変更が可能である。例えば、上述の注文
処理装置Dを構成する各部及びDBを、1つのサーバで
はなく、2以上のサーバに分割して備え、それらのサー
バが連動することにより注文処理装置Dを実現すること
としても良い。
【0111】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、注文によって指定された銘柄が対応している原資
産の価格変動に基づいて、合理的に、かつ、迅速に前受
金額を算出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】注文処理装置の構成図である。
【図2】顧客データベースに格納される各テーブルのデ
ータ構造の一例を示す図である。
【図3】スキャンリスクで用いられるシナリオを示す表
である。
【図4】注文受付処理を示すフローチャートである。
【図5】受託判定処理を示すフローチャートである。
【図6】前受金額算出処理を示すフローチャートであ
る。
【図7】使用可能額算出処理を示すフローチャートであ
る。
【図8】リスク計測処理を示すフローチャートである。
【図9】注文約定後の処理を示すフローチャートであ
る。
【図10】コンピュータの構成図である。
【図11】コンピュータにプログラム及びデータを供給
することができる、記録媒体及び伝送信号を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 注文受付部 2 受託判定部 3 リスク計測部 4 前受金額算出部 5 使用可能額算出部 6 注文管理部 7 顧客データベース 10 コンピュータ 11 CPU 12 メモリ 13 入力装置 14 出力装置 15 外部記憶装置 16 媒体駆動装置 17 ネットワーク接続装置 18 バス 19 可搬記録媒体 20 データベース 21 回線 C 顧客 D 注文処理装置 E 取引所 N ネットワーク V 情報ベンダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金丸 勲 東京都港区南麻布4−11−30 南麻布渋谷 ビル5F−A トウキョウフォレックスト レイダーズ証券株式会社内 (72)発明者 坂田 成蔵 東京都港区南麻布4−11−30 南麻布渋谷 ビル5F−A トウキョウフォレックスト レイダーズ証券株式会社内 (72)発明者 津川 敏夫 東京都港区南麻布4−11−30 南麻布渋谷 ビル5F−A トウキョウフォレックスト レイダーズ証券株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顧客から受け付けた注文を受託するため
    に必要な前受金額を算出する制御をコンピュータに実行
    させるプログラムであって、 前記注文によって指定された銘柄が対応している原資産
    の価格変動に基づいて、前記前受金額を算出する、 ことを含む処理を前記コンピュータに実行させることを
    特徴とするプログラム。
  2. 【請求項2】 前記注文が約定された場合に前記顧客が
    取得するポジションを判定し、 前記ポジションの判定結果に基づいて、前記前受金額の
    算出方法を決定する、 ことを更に含む処理を前記コンピュータに実行させるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
  3. 【請求項3】 前記原資産の価格変動によって、前記ポ
    ジションについて生じ得る最大予測損失額を算出し、 前記最大予測損失額を前記前受金額として決定する、 ことを更に含む処理を前記コンピュータに実行させるこ
    とを特徴とする請求項2に記載のプログラム。
  4. 【請求項4】 前記注文が所定の条件を満たす注文であ
    る場合、前記前受金額を算出する前に、前記注文が約定
    された場合に前記顧客が取得する前記ポジションについ
    て、前記顧客が負う経済的リスクを示すリスク指標を取
    得し、 前記顧客の取引情報に基づいて、前記顧客の現在のポー
    トフォリオ全体について前記リスク指標を取得し、 前記ポジションについての前記リスク指標と、前記ポー
    トフォリオ全体についての前記リスク指標とに基づい
    て、前記注文が約定した場合に得られる新たなポートフ
    ォリオ全体の経済的リスクが、現在のポートフォリオ全
    体の経済的リスクと比べて減少するか否か判定し、 前記ポジションの判定結果に基づいて、前記前受金額の
    算出方法を決定する、 ことを更に含む処理を前記コンピュータに実行させるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    プログラム。
  5. 【請求項5】 前記経済的リスクに関する判定におい
    て、前記新たなポートフォリオ全体の経済的リスクが減
    少すると判定した場合、前記前受金額を0として算出す
    る、 ことを更に含む処理を前記コンピュータに実行させるこ
    とを特徴とする請求項4に記載のプログラム。
  6. 【請求項6】 返済注文を前記所定の条件を満たす注文
    として判定する、 ことを更に含む処理を前記コンピュータに実行させるこ
    とを特徴とする請求項4に記載のプログラム。
  7. 【請求項7】 前記原資産の価格の変化に対する前記銘
    柄の価格の変化率と、前記原資産の市場価格の変化に対
    する前記変化率の変化率とを、前記リスク指標として設
    定する、 ことを更に含む処理を前記コンピュータに実行させるこ
    とを特徴とする請求項4に記載のプログラム。
  8. 【請求項8】 顧客から受け付けた注文を受託するため
    に必要な前受金額を算出する制御をコンピュータに実行
    させるプログラムを記録した、前記コンピュータで読み
    取り可能な記録媒体であって、 前記注文によって指定された銘柄が対応している原資産
    の価格変動に基づいて、前記前受金額を算出する、 ことを含む処理を前記コンピュータに実行させるプログ
    ラムを記録した記録媒体。
  9. 【請求項9】 顧客から受け付けた注文を受託するため
    に必要な前受金額を算出する前受金額算出方法であっ
    て、 前記注文によって指定された銘柄が対応している原資産
    の価格変動に基づいて、前記前受金額を算出する、 ことを含むことを特徴とする前受金額算出方法。
  10. 【請求項10】 顧客から受け付けた注文を処理する注
    文処理装置であって、 前記注文によって指定された銘柄が対応している原資産
    の価格変動に基づいて、前受金額を算出する前受金額算
    出手段と、 算出された前記前受金額に基づいて、前記注文を処理す
    る注文管理手段と、 を備えることを特徴とする注文処理装置。
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