JP2001325447A - オプション取引処理装置 - Google Patents

オプション取引処理装置

Info

Publication number
JP2001325447A
JP2001325447A JP2000140752A JP2000140752A JP2001325447A JP 2001325447 A JP2001325447 A JP 2001325447A JP 2000140752 A JP2000140752 A JP 2000140752A JP 2000140752 A JP2000140752 A JP 2000140752A JP 2001325447 A JP2001325447 A JP 2001325447A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
option
rate
exercise
margin
customer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000140752A
Other languages
English (en)
Inventor
Hitoshi Aiba
斉 相葉
Yoshio Uzuhashi
理生 埋橋
Mitsuo Yonekubo
光穂 米窪
Hiromitsu Furuhashi
弘光 古橋
Isao Kanamaru
勲 金丸
Hisatoshi Yamamoto
久敏 山本
Hiroshi Sakata
浩志 坂田
Seizo Sakata
成蔵 坂田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOKYO FOREX TRADERS SECURITIES
TOKYO FOREX TRADERS SECURITIES CO Ltd
Original Assignee
TOKYO FOREX TRADERS SECURITIES
TOKYO FOREX TRADERS SECURITIES CO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOKYO FOREX TRADERS SECURITIES, TOKYO FOREX TRADERS SECURITIES CO Ltd filed Critical TOKYO FOREX TRADERS SECURITIES
Priority to JP2000140752A priority Critical patent/JP2001325447A/ja
Publication of JP2001325447A publication Critical patent/JP2001325447A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 オプション取引をより理解しやすい取引と
し、オプション取引の利便性を向上させる。 【解決手段】 注文受付部2は、顧客からの注文を受け
付ける。チケット発行部5は、受け付けた注文に対応す
るオプションチケット17を発行する。オプションチケ
ット17は、行使レート、行使権利の諸別、清算日、及
び行使金額などのオプション取引の条件が表記されてい
る。チケット価値算出部6は、行使レートおよび実勢レ
ートデータ12に基づいて、オプションの潜在的価値を
算出する。証拠金算出部7は、オプションの潜在的価値
に基づいて、上記顧客の他の取引のための有効証拠金を
算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オプション取引を
処理する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、金融サービスの発達に伴い、様々
な金融派生商品が取引されている。そして、その中の1
つとしてオプション取引が知られている。オプション取
引とは、「プレミアム」と呼ばれる代金を支払うことに
より、ある商品を一定期間後に一定の価格で一定量売る
又は買う権利を取得する取引である。オプションとして
設定される権利は、例えば、「1ヶ月後(X年Y月Z
日)に、1ドル=105円のレートで20万ドル売る」
というようなものである。
【0003】以下、外国為替のオプション取引について
例を用いて詳しく説明する。まず、買いオプションにつ
いて説明する。ここでは、A氏が、ドル/円の為替相場
において今後ドルが値上がりすると予想し、1999年
の11月15日、実勢レートが110.50円の時に、
プレミアム60万円を支払うことにより、「1ヶ月後の
1999年12月15日に1ドル110円の行使レート
で30万ドル買う権利」をオプション取引によって取得
したものとする。
【0004】ここで、A氏の予想通りにドルが値上がり
し、1999年12月15日に実勢レートが115円に
なったものとする。この場合、例えば、利益を確定する
ために、取得したオプションを行使することにより1ド
ル=110円の行使レートで30万ドル買うと同時に、
そのときの実勢レート(115円)で30万ドル売る。
これにより、A氏は110円で買った30万ドルを11
5円で売ったことなる。従って、この場合、(115−
110)×30万ドル=150万円の収益が発生したこ
とになる。ただし、A氏は、先にオプションのプレミア
ムとして60万円を支払っているため、そのオプション
を考慮すると、差引き150万円−60万円=90万円
の利益を得ることになる。
【0005】なお、上述のようにしてオプションの行使
による取引(ここでは、「30万ドル、買い」)に対応
する取引(ここでは、「30万ドル、売り」)を実行す
ることを、「反対売買」と呼ぶことがある。一方、A氏
の予想に反してドルが値下がりし、1999年12月1
5日に実勢レートが105円になったとする。この場
合、もし、取得したオプションを行使することにより1
999年12月15日に1ドル=110円の行使レート
で実際に30万ドル買うと同時に、実勢レート(105
円)で30万ドル売ったとすると、A氏は(110−1
05)×30万ドル=150万円の評価損を被ることに
なる。したがって、この場合は、オプションを行使する
ことなく、それを放棄する方が得策となる。すなわち、
オプションを放棄すると、「1ドル=110円で30万
ドル買う」という取引は実行されず、上述の為替差損は
生じなくなるからである。ただし、オプションのプレミ
アムとして支払った60万円は返金されないので、その
分は損失となる。
【0006】図20は、「行使レート=110円、30
万ドル、買い」というオプションを購入した場合の清算
日における損益を示すグラフである。以下では、図20
を参照しながら、上記買いオプションを購入した場合の
清算日における損益を説明する。なお、図20におい
て、横軸はオプション清算日における実勢レート、縦軸
は発生する取引通算の損益を示す。
【0007】清算日の実勢レートがオプションの行使レ
ート(110円)よりもドル安である場合は、オプショ
ンを放棄することによりプレミアム60万円に相当する
損金が発生する。一方、清算日の実勢レートがオプショ
ンの行使レート(110円)よりもドル高である場合に
は、オプションを放棄するよりも行使した方が、損金が
少なくなるか或いは利益が大きくなる。オプションを行
使する場合の損益は、反対売買したものとすると、以下
の(12)式で算出される。なお、図20においては、プレ
ミアムが考慮されている。
【0008】 (実勢レート−行使レート)×30万円・・・・・(12) 次に、売りオプションについて説明する。ここでは、B
氏が、ドル/円の為替相場において今後ドルが値下がり
すると予想し、1999年の8月15日、実勢レートが
110.50円の時に、プレミアム38万円を支払うこ
とにより、「1ヶ月後の1999年9月15日に1ドル
105円の行使レートで20万ドル売る権利」をオプシ
ョン取引によって取得したものとする。
【0009】ここで、B氏の予想通りにドルが値下がり
し、1999年9月15日に実勢レートが101円にな
ったとする。この場合、B氏は、取得したオプションを
行使することにより1999年9月15日に1ドル=1
05円の行使レートで実際に20万ドル売ると同時に、
実勢レート=101円で20万ドル買う。これにより、
B氏は、101円で買った20万ドルを105円で売っ
たことなる。従って、B氏は、(105−101)×2
0万ドル=80万円の確定収益を得ることになる。ただ
し、B氏は、オプションのプレミアムとして38万円を
支払っているため、トータルでは、一連の取引で80万
円−38万円=42万円の利益を得ることになる。
【0010】一方、B氏の予想に反してドルが値上がり
し、1999年9月15日に実勢レートが110円にな
ったとする。この場合、もし、取得したオプションを行
使することにより1999年9月15日に1ドル=10
5円の行使レートで20万ドル買うと同時に、実勢レー
ト=110円で20万ドル売ったものとすると、B氏
は、(110−105)×20万ドル=100万円の評
価損が発生することになる。したがって、この場合に
は、オプションを行使することなく放棄する方が得策で
ある。ただし、オプションのプレミアムとして支払った
38万円は、損失として確定することになる。
【0011】図21は、「行使レート=105円、20
万ドル、売り」というオプションを購入した場合の清算
日における損益を示すグラフである。以下では、図21
を参照しながら、上記売りオプションを購入した場合の
清算日における損益を説明する。なお、図21において
も、図20と同様に、横軸はオプション清算日における
実勢レート、縦軸は発生する取引通算の損益を示す。
【0012】清算日の実勢レートがオプションの行使レ
ート(105円)よりもドル高である場合は、オプショ
ンを放棄することによりプレミアム38万円に相当する
損金が発生する。一方、清算日の実勢レートがオプショ
ンの行使レート(105円)よりもドル安である場合に
は、オプションを放棄するよりも行使した方が、損金が
少なくなるか或いは利益が大きくなる。オプションを行
使する場合の損益は、以下の(13)式で算出される。な
お、図21では、プレミアムが考慮されている。
【0013】(行使レート−実勢レート)×20万円・
・・・(13)となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
なオプション取引は、各種法規制があったこともあり、
主に銀行等の金融機関により行われていた。すなわち、
金融に関する知識をあまり持っていない一般の消費者
は、オプション取引を行うことは少なかった。
【0015】ところが、近年、金融サービスに関する規
制緩和の進展に伴って、上述のような一般的な消費者が
比較的簡単にオプション取引を行える環境が整いつつあ
る。しかし、オプションは、「権利」を売買するという
取引であり、具体性に欠け、取引の仕組みや性質を理解
することは必ずしも容易ではない。
【0016】また、オプション取引では、通常、清算日
に権利を行使することによって利益を確定することがで
きるが、清算日前に生じている潜在的な価値について
は、何ら評価または利用されていない。さらに、オプシ
ョンは一定期間経過後に行使できるものであるため、オ
プションの所有者は、その期間の経過後に、オプション
行使するのか放棄するのかを判断する必要がある。しか
し、顧客の中には、決められた期日にこのような判断を
することを煩わしいと感じる場合も想定される。
【0017】本発明の課題は、上述の問題を解決し、オ
プション取引をより理解しやすい取引とすることであ
る。また、本発明の他の課題は、オプション取引の利便
性を向上させることである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明によれば、オプション取引を処理するオプ
ション取引処理装置は、注文受付手段及びチケット発行
手段を備える。注文受付手段は、顧客からオプションに
ついて行使レート、行使権利の種別、清算日、および行
使金額を含む注文を受ける。チケット発行手段は、その
注文のあったオプションについて、上記受付手段が受け
付けた行使レート、行使権利の種別、清算日、および行
使金額を表記したオプションチケットを発行する。
【0019】オプションチケットは、顧客が取得した権
利の内容を示す証書のような役割を果たす。これによ
り、顧客は、権利を取得した際にその権利の内容が表記
されたオプションチケットを入手する形になるため、顧
客がオプション取引を理解し易くなる。
【0020】本発明の別の実施形態によれば、オプショ
ン取引処理装置は、データ作成手段、オプション価値算
出手段、及び証拠金算出手段を備える。データ作成手段
は、マーケットの実勢レートに基づいて実勢レートデー
タを作成する。オプション価値算出手段は、ある顧客が
取得しているオプションの行使レート及び行使金額、並
びに上記データ作成手段により作成された実勢レートデ
ータに基づいて、前記オプションの潜在的価値を算出す
る。そして、証拠金算出手段は、上記オプションの潜在
的価値を考慮して、上記顧客の証拠金を必要とする他の
取引での有効証拠金を算出する。ここで、オプションの
潜在的価値とは、例えば、清算日よりも前のある時点で
そのオプションを行使したならば得られるであろう利益
を意味する。
【0021】これにより、清算日前にオプションの潜在
的な経済的価値が算出され、他の証拠金を必要とする取
引での証拠金の算出にその価値が考慮されるため、顧客
にとってより資金効率のよい資産運用が可能となる。本
発明の更なる別の実施形態によれば、オプション取引処
理装置は、データ作成手段、オプション行使・放棄判定
手段、及びオプション行使・放棄実行手段を備える。
【0022】データ作成手段は、マーケットの実勢レー
トに基づいて実勢レートデータを作成する。オプション
行使・放棄判定手段は、オプションの行使レート及び前
記実勢レートデータに基づいて、前記オプションを行使
すべきか否かを判定する。そして、オプション行使・放
棄実行手段は、オプション行使・放棄判定手段の判定に
基づいて、オプションの行使または放棄のいずれか一方
を実行する。
【0023】これにより、オプション所有者(顧客)
は、清算日にオプションを行使すべきか放棄するのかを
判断する必要がなくなる。延いては、オプション所有者
が清算日にオプションについての判断を行うことを忘れ
る場合についても対応可能となる。
【0024】なお、上記構成において、オプション行使
・放棄実行手段は、上記オプションを行使する際にその
オプションの行使により行われる取引の反対売買を実行
するようにしてもよい。この場合、権利行使を同時に利
益が確定することになる。ここで、オプションに、さら
に上限レート又は下限レートを設け、オプションを行使
することによる利益は、行使レートと上限レート又は下
限レートとの差に基づいて限定されるようにしてもよ
い。これにより、限定される利益に対応する分だけ、プ
レミアムを安くすることができる。延いては、より安い
プレミアムでオプションを購入したいという顧客のニー
ズに応えることが可能となる。
【0025】また、更なる別の実施形態によれば、オプ
ション取引処理装置は、データ作成手段と、オプション
行使・放棄判定手段とオプション行使・放棄実行手段と
を備え、オプション行使・放棄判定手段は、清算日に至
るまでに、前記実勢レートデータが、オプションのレン
ジ上限レートを一度でも上回る、又は前記オプションの
レンジ下限レートを一度でも下回ると前記オプションを
放棄すべきと判定し、そうでない場合は前記オプション
を行使すべきと判定し、オプション行使・放棄実行手段
は、この判定に基づいて行使・放棄を実行することとし
てもよい。
【0026】これにより、オプションに行使レートの代
わりにレンジ上限レート及びレンジ下限レートを設定
し、清算日に至るまでに実勢レートデータが一度もこの
レンジを外れなければ、オプションを行使することによ
り顧客は利益を得ることが可能となる。延いては、相場
が比較的安定しているときでも、顧客は投資を行うこと
ができるような金融商品を提供することが可能となる。
【0027】ここで、オプション行使・放棄判定手段
は、清算日に至るまでではなく、清算日においてのみ、
前記実勢レートデータが、オプションのレンジ上限レー
トを上回る、又は前記オプションのレンジ下限レートを
下回ると前記オプションを放棄すべきと判定し、そうで
ない場合は前記オプションを行使すべきと判定し、オプ
ション行使・放棄実行手段は、この判定に基づいて行使
・放棄を実行することとしてもよい。
【0028】また、本発明の範囲は、上述の装置が実現
する処理の過程からなる方法をも含む。さらに、本発明
の範囲は、上述の処理をコンピュータに実行させうるプ
ログラムを記録する記録媒体、及び上述の処理をコンピ
ュータに実行させうるデータを搬送する搬送波並びにそ
の搬送波を担持する担持媒体をも含む。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態
に係わるオプション取引処理装置の構成図である。図1
に示すように、オプション取引処理装置1は、注文受付
部2、取引データ作成部3、プレミアム提示部4、チケ
ット発行部5、オプション価値算出部6、証拠金算出部
7を備える。ここで、注文受付部2、プレミアム提示部
4、および証拠金算出部7は、ネットワークNを介して
顧客Ci と接続されている。ここで、ネットワークNと
しては、電話回線網、インターネット、衛星通信網等が
考えられる。また、取引データ作成部2は、ネットワー
クNを介して取引相手CPi と接続されている。
【0030】なお、顧客Ci および取引相手CPi は、
互いに異なるネットワークに接続されていてもよいし、
同一のネットワークに接続されていてもよい。また、顧
客C i は、必ずしもネットワークを介してオプション取
引装置1に接続されていなくてもよい。
【0031】注文受付部2は、顧客Ci (i=1、2・
・・n)からオプション購入の注文を受け付けると、注
文データ10を作成する。取引データ作成部3は、マー
ケットから各通貨の実勢レートを随時取得しており、そ
の取得した実勢レートを利用して注文データ10に対応
する実勢レートデータ12を作成する。この実勢レート
は、例えば、取引相手CPi から取得する。また、取引
データ作成部3は、注文データ10に対応するプレミア
ムを表すプレミアムデータ11を作成する。このプレミ
アムの取得方法は、特に限定されるものではないが、取
引相手CPi から取得することもできる。オプション取
引処理装置1がプレミアムを算出することとしてもよ
い。なお、プレミアムデータ11および実勢レートデー
タ12は、例えば、受け付けた注文をキーとしてデータ
ベースに格納される。
【0032】プレミアム提示部4は、注文データ10に
対応するプレミアムデータ11を取得し、そのプレミア
ムデータ11に基づいて顧客Ci にプレミアムを提示す
る。これに対して、顧客Ci は、提示されたプレミアム
でオプションを購入するか否かを判断する。
【0033】チケット発行部5は、顧客Ci がプレミア
ムの価格を了承して先に注文したオプションを実際に購
入する旨を指示を出してきた場合、そのオプションの内
容を表すオプションデータ13を作成する。オプション
の内容としては、例えば、行使レート、行使権利の種
別、清算日、行使金額、プレミアムなどを含む。ここ
で、「行使権利の種別」は、例えば、「買う権利」また
は「売る権利」を識別する。そして、チケット発行部5
は、顧客Ci に対して、オプションデータ13の内容を
表記するオプションチケット17を発行する。このオプ
ションチケット17については、後述する。
【0034】オプション価値算出部6は、現在のまたは
指定された日時の実勢レートを実勢レートデータ12か
ら取得し、また、オプションの行使レート及び行使金額
をオプションデータ13から取得する。そして、オプシ
ョン価値算出部6は、取得した実勢レート、行使レート
及び行使金額に基づいて、現在または指定された日時に
おいてそのオプションを行使したならば得られるであろ
う利益をそのオプションの潜在的価値として算出する。
この算出方法については、後述する。
【0035】証拠金算出部7は、顧客Ci 毎にオプショ
ン取引の状況、及びマージン(証拠金)を用いた他の取
引であるマージン取引の状況を示す顧客データ14を参
照し、顧客Ci がマージン取引に必要とするマージンを
算出する。その際、オプション価値算出部6が算出した
オプションの潜在的価値を考慮してマージンを算出す
る。これにより、清算日前でのオプションの潜在的経済
価値を顧客のマージン取引に反映させることが可能にな
る。
【0036】なお、マージン取引とは、例えば、顧客C
i が取引業者に一定の割合のマージン(証拠金)を預け
ることにより、マージン以上の金額の商品の売買を行う
取引をいう。ここで、マージンの割合をマージンレート
という。例えば、マージンレート5%のドル/円の外国
為替取引を想定した場合、顧客Ci は、5000ドルの
マージンを取引業者に預けることにより、10万ドルの
売買を行うことが可能である。
【0037】オプション取引においてオプションを行使
する際には、顧客は、基本的に、行使金額に相当する金
額を収める必要がある。しかし、投資目的でオプション
取引を行う顧客は、額面と同じ金額を収める代りにマー
ジン取引に移行することも可能である。例えば、10万
ドルの買いオプションを所有する顧客は、オプションを
行使する際に10万ドルを収める代りに、オプションの
行使レートでの10万ドル買いのマージン取引に移行
し、同時に実勢レートでの10万ドル売りのマージン取
引を行って反対売買を成立させる(手仕舞いする)。
【0038】本実施形態によれば、オプションの潜在的
価値をマージンに考慮するため、オプションの行使時に
マージン取引に移行する場合に必要となるマージンを低
減できる。従って、顧客にとってより資金効率のよい金
融商品となる。以下、本実施形態における各データの構
造について図2〜図5を参照しながら説明する。
【0039】図2は、注文データ10の構造を示す。注
文データ10は、顧客ID、顧客氏名、オプション清算
日、通貨種類、行使レート、行使権利、行使金額を格納
する。この注文データ10は、顧客から受け付けた注文
に基づいて注文受付部2により作成される。
【0040】図3(a) は、プレミアムデータ11の構成
を示す。プレミアムデータ11は、通貨種類、清算日、
行使レート、及び各行使権利に対応するオプションのプ
レミアムを格納する。このプレミアムデータ11は、例
えば、各オプションのプレミアムを取引相手CPi から
取得し、そのプレミアムを考慮して顧客Ci に提示すべ
きプレミアムを設定することにより作成される。なお、
設定されるプレミアムに手数料等を上乗せしてもよい。
【0041】図3(b) は、実勢レートデータの構成を示
す。実勢レートデータ12は、各通貨種類別の実勢レー
トを格納する。実勢レートは、例えば、マーケット上で
成立する任意の取引におけるレート、あるいは取引相手
CPi から提示されるレートを取得し、そのレートを考
慮して設定される。
【0042】図4は、オプションデータ13の構造を示
す。オプションデータ13は、顧客が購入したオプショ
ンに係わるデータを格納する。具体的には、図4に示す
ように、オプションデータ13は、顧客が購入したオプ
ションの通貨種類、清算日、行使レート、行使権利、行
使金額、プレミアム、オプションを所有する顧客のI
D、顧客氏名、及びオプション価値を格納する。このオ
プションデータ13は、注文データ10及びプレミアム
データ11を参照することにより、通貨種類、清算日、
行使レート、行使権利、行使金額、プレミアム、オプシ
ョン所有者(顧客)のID、及び顧客氏名を取得するこ
とにより作成される。また、オプション価値(オプショ
ンの潜在的価値)は、オプション価値算出部6により算
出されてオプションデータ13の所定のフィールドに格
納される。
【0043】図5は、顧客データ14の構造を示す。顧
客データ14は、顧客毎の情報を格納し、顧客との契約
時(取引口座の開設時)に不図示の装置を用いて作成さ
れる。顧客データ14は、顧客に固有の顧客ID、顧客
氏名、現在の取引、及び預り金を格納する。取引フィー
ルドには、オプション取引データ15及びマージン取引
データ16へのポインタが格納される。
【0044】オプション取引データ15は、オプション
データ13を顧客毎に見直した内容である。また、マー
ジン取引データ16は、オプション取引とは別の取引で
あるマージン取引に係わるデータを格納する。マージン
取引データ16は、取引通貨種類、取引の約定レート、
約定金額、約定日、マージンレート、維持証拠金、オプ
ションの潜在的価値を考慮しない有効証拠金(te)、
オプションの潜在的価値を考慮した有効証拠金(rt
e)、及び過不足金を格納する。
【0045】取引通貨種類、取引の約定レート、約定金
額、約定日、及びマージンレートは、マージン取引が行
われる時に入力される。また、維持証拠金、有効証拠金
(te、rte)、および過不足金は、日々の実勢レー
トを考慮して算出され、それぞれ所定のフィールドに格
納される。
【0046】本実施形態のオプション取引処理装置1
は、現時点でオプションを行使したならば得られるであ
ろう利益をそのオプションの潜在的価値として算出し、
その算出されたオプションの潜在的価値をマージン取引
におけるマージンに反映させることができる。例えば、
オプション取引において、現時点でそのオプションを行
使したならば100万円の利益が得られるであろうと見
込まれる場合、その利益の一定の割合、例えば7割まで
を証拠金としてマージン取引に用いることができる。こ
れにより、清算前のオプションの潜在的価値をマージン
取引において運用することが可能となる。また、実際に
清算日にオプションを行使する際に、マージン取引に移
行する場合に必要なマージンが低減され、延いてはオプ
ション取引からマージン取引への移行が容易になること
が期待される。よって、本実施形態によれば、顧客にと
ってより利便性が高く、かつ資金効率のよい金融商品を
提供することが可能となる。
【0047】図6は、チケット発行部5により発行され
るオプションチケットの例を示す。図6(a) は、オプシ
ョンチケットの一例であり、図6(b) は、オプションチ
ケットと同時に発行される顧客が保管するための控えを
示す。オプションチケットには、オプションを行使する
際の行使レートであるチケットレート、清算日、行使金
額(チケット金額)、及び行使権利が売り権利なのか買
い権利なのかを識別する情報が表記されている。また、
顧客保管用控えにも、オプションチケットと同一内容、
つまり、チケットレート、清算日、行使金額、及び売り
権利又は買い権利の別が記載されている。そして、顧客
保管用控えの左側の枠内には、顧客ID、顧客氏名及び
住所などが記載されている。 図6において、売り権利
の場合を示す。
【0048】オプションチケットは、顧客が取得した権
利の内容を示す証書のような役割を果たし、オプション
を購入した際に顧客に送付される。オプションを購入こ
とにより「買う権利」を取得した場合、顧客は「買い」
と表記された買いチケットを入手する。同様に「売る権
利」を取得した場合、顧客は売りチケットを入手する。
これにより、顧客は、権利を取得した際にその権利の内
容が表記されたオプションチケットを入手する形になる
ため、顧客がオプション取引を理解し易くなる。
【0049】次に、第1実施形態に係わるオプション取
引処理装置の行う処理の手順について図7〜図10を参
照しながら説明する。図7は、オプション取引処理装置
1の概略処理の手順を示すフローチャートである。
【0050】まず、注文受付部2は、顧客Ci からオプ
ション購入の注文を受け付ける(ステップS1)。注文
の受付は、ネットワークNを介して行ってもよいし、店
頭で直接行ってもよい。なお、ネットワークNを介する
場合、通信手段としては、例えば、卓上電話、携帯電話
等の携帯端末、及びコンピュータ等が考えられる。ま
た、ネットワークNとしては、例えば、インターネッ
ト、電話回線網等のWAN(Wide Area Network )が考
えられる。そして、顧客Ci からの注文は、取引の条件
として、行使レート、行使権利の種別、清算日、及び行
使金額を含む。
【0051】注文受付部2は、顧客Ci から注文を受け
付けると、その注文に対応する注文データ10を作成す
る。そして、取引データ作成部3は、注文データ10を
参照し、注文データに対応するオプションのプレミアデ
ータ11を作成する(ステップS2)。
【0052】プレミアム提示部4は、ステップS2で作
成されたプレミアデータ11を参照し、取得して顧客C
i にオプションのプレミアムを提示する(ステップS
3)。プレミアムの提示は、ネットワークNを介して行
ってもよいし、店頭で直接行ってもよい。また、プレミ
アムは、音声で提示してもよいし、コンピュータや電
話、移動端末等に設けられた表示装置にプレミアムを表
示させてもよい。
【0053】注文したオプションのプレミアムを提示さ
れた顧客Ci は、そのオプションを購入するか否か判断
し、ネットワークNを介してその判断結果を送信する
か、或いは店頭で直接伝える(ステップS4)。ここ
で、顧客Ci がオプションを購入すると判断した場合
(ステップS4:Yes)、チケット発行部5は、オプ
ションチケット17を発行する(ステップS5)。一
方、顧客Ci がオプションを購入しないと判断した場合
(ステップS4、No)、オプション取引処理装置1は
処理を中止する。
【0054】チケット発行部5がオプションチケット1
7を発行した後、取引データ作成部3は、取引相手CP
i から取得したデータを基に、実勢レートデータ12を
作成する(ステップS6)。また、オプション価値算出
部6は、実勢レートデータ12及びオプションデータ1
3に基づいてオプションの潜在的価値を算出し、算出し
たオプションの潜在的価値をオプションデータ13の所
定のフィールドに格納する(ステップS7)。なお、オ
プションの潜在的価値の算出については後に詳しく説明
する。
【0055】続いて、証拠金算出部7は、オプションデ
ータ13及び顧客データ14を参照し、顧客Ci の取引
状況に基づいて有効証拠金を算出する(ステップS
8)。ここで算出する有効証拠金は、実勢レートを考慮
したオプションの潜在的価値が反映されている。すなわ
ち、現在の実勢レートにおいてオプションを行使したと
仮定した際に利益が得られる場合、その見込まれる利益
を考慮して有効証拠金を算出する。
【0056】証拠金算出部7は、顧客Ci がオプション
を行使または放棄することにより取引を手仕舞いするま
で、必要に応じて、一定期間毎、例えば毎日、実勢レー
トを参照することにより、オプションの潜在的価値を見
直す(ステップS9:Yes)。なお、実勢レート等の
現在の取引状況を参照して商品の価値を見直すことを
「値洗い」という。
【0057】このように、本実施形態のオプション取引
処理装置は、顧客から注文を受け付けると、その注文に
対応するオプションチケットを発行し、また、以降、清
算日までの間、オプションの潜在的価値をその顧客の他
の取引に反映させることを可能とする。これにより、金
融に関する知識を持っていない顧客に対しても取引に内
容を確実に知らせることができ、また、顧客の資金運用
の効率を向上させることが可能となる。
【0058】図8は、チケット発行部5の動作を示すフ
ローチャートである。以下、この図8を用いてチケット
発行部5の動作について説明する。顧客Ci がオプショ
ンを購入する場合、チケット発行部5は、顧客Ci を識
別するための顧客ID及び顧客氏名並びにその顧客Ci
が購入するオプションについての清算日、通貨種類、行
使レート、行使権利及び行使金額を注文データ10から
取得する(ステップS11)。また、チケット発行部5
は、オプションチケット17に表示すべきプレミアム
(顧客に提示したプレミアムと同じ)をプレミアムデー
タ11から取得する(ステップS12)。
【0059】続いて、チケット発行部5は、行使レー
ト、購入したオプションの行使金額を示すオプション金
額(チケット金額)、清算日、及び行使権利の種別、
(場合によっては、プレミアムも)をオプションチケッ
ト17に表記(すなわち、印字)し、それを発行する
(ステップS13)。そして、チケット発行部5は、取
得したデータに基づいて、顧客Ci が購入したオプショ
ン(チケットを発行したオプション)に係わるデータで
あるオプションデータ13を作成し、そのオプションデ
ータ13で顧客Ci の顧客データ14のオプション取引
データ15を更新する(ステップS14)。
【0060】このように、チケット発行部5は、オプシ
ョンチケット17を発行すると共に、顧客Ci が購入し
たオプション(発行したオプションチケット)に関する
デー タをオプションデータ13及び顧客データ14に
入力する。図9は、オプション価値算出部6の動作を説
明するフローチャートである。以下、図9を用いてオプ
ション価値算出部6の動作について説明する。
【0061】オプション価値算出部6は、まず、オプシ
ョンデータ13を参照し、通貨種類、行使金額、行使レ
ート、及び行使権利を取得する(ステップS21)。続
いて 、オプション価値算出部6は、実勢レートデータ
12を参照し、通貨種類に応じた実勢レートを取得する
(ステップS22)。例えば、オプションチケットの通
貨種類がドル/円である場合、ドル/円の実勢レートを
取得する。
【0062】さらに、オプション価値算出部6は、取得
したデータを用いてオプションチケットの潜在的価値t
vを算出する(ステップS23)。詳しくは、例えば、
以下のようにして算出する。買いオプションの場合: tv=(r−cr)×ta×er・・・・(1) 売りオプションの場合: tv=(cr−r)×ta×er・・・・(2) ここで、r :実勢レート cr:行使レート ta:行使金額 er:評価レート ・ただし、損益通貨が円の場合はer=1 ・損益通貨が円以外の場合は、円転評価レートである。
【0063】・上記(1) (2) 式において、( )内の値
がマイナスになる場合は、オプション価値=ゼロとす
る。 上記(1) 式は、行使レートで買った通貨を実勢レートで
売った場合に顧客が得るであろう利益を示し、上記(2)
式は、行使レートで売った通貨を実勢レートで買った場
合に顧客が得るであろう利益を示す。そして、これらの
計算値がオプションの潜在的経済価値である。
【0064】なお、上記(1) 、(2) 式において、( )
内の値がマイナスとなる場合は、計算式式の解、すなわ
ちオプションの潜在的価値が「ゼロ」となるとした。こ
れは、( )内の値がマイナスとなる場合は、オプショ
ンを放棄すればよいため、先に顧客が支払ったプレミア
ムに相当する金額が損失として確定するからである。換
言すれば、オプション放棄時に新たな損失は発生しない
ためである。
【0065】「評価レートer」は、損益通貨が円以外
である場合に、損益を円に転換して評価する際に用いら
れる。例えば、ユーロ/ドルのオプションの場合、損益
通貨はドルであるため、「評価レートer」としてドル
/円の実勢レートが用いられる。
【0066】このように、オプション価値算出部6は、
オプションの潜在的価値を算出すると、その算出結果を
オプションデータ13の所定のフィールドに格納する。
図10は、証拠金算出部7の動作を示すフローチャート
である。以下、図10を用いて証拠金算出部7の動作に
ついて説明する。
【0067】証拠金算出部7は、まず、顧客データ14
のマージン取引データ16を参照し、通貨種類、約定金
額、約定レート、約定日、マージンレート(証拠金率)
を取得する(ステップS31)。続いて、証拠金算出部
7は、顧客Ci の現在のマージン取引において維持する
ことを必要とされる証拠金である維持証拠金mm(メン
テナンスマージン)を算出する(ステップS32)。
【0068】維持証拠金mmは、例えば、下記(3) 式に
より算出される。この維持証拠金mmは日々変化する。 mm=r×a×mr×mt・・・・(3) ここで、r :実勢レート a :約定金額 mr:マージンレート mt:維持証拠金率 証拠金算出部7は、顧客Ci のマージン取引における有
効証拠金teを算出する(ステップS33)。有効証拠
金teは、下記(4) 式、(5) 式により算出される。この
有効証拠金teは日々変化する。
【0069】通貨1/通貨2の取引における買いポジシ
ョン時の有効証拠金の場合: te=cb+a{(r−fr)+r(i1−i2)/360}・・・・(4) 通貨1/通貨2の取引における売りポジション時の有効
証拠金の場合: te=cb+a{(fr−r)−r(i1−i2)/360}・・・・(5) 但し、cb:現金残高 a :オプションの行使金額 r :実勢レート又は評価レート fr:約定レート i1:通貨1の年率の金利 i2:通貨2の年率の金利 ここで、「買いポジション」とは、マージン取引におい
てある商品を買っている状態をいい、「売りポジショ
ン」とは、逆に売っている状態をいう。例えば、ドル/
円のマージン取引の場合、ドルを買っている状態をドル
買いポジションという。なお、ポジションをなくす(手
仕舞い)するためには、反対売買を成立させる必要があ
る。例えば、ドル買いポジションを手仕舞いするために
は、実際にドルを売る必要がある。
【0070】「約定レート」とは、買いポジション又は
売りポジションを持つときのレートをいう。なお、上記
(4) 式、(5) 式における「i1−i2」は、通貨1と通
貨2の金利差を考慮している。例えば、1999年現
在、日本の金利よりもアメリカの金利のほうが高い。そ
して、このとき、10万ドルの買いのマージン取引を行
う場合、顧客は、10万ドル相当の円を借り、10万ド
ルを貸していることになるため、その「10万ドル」に
対して日米間の金利差を受け取ることになる。この通貨
間の金利差によって生じる金額をスワップという。
【0071】さらに、証拠金算出部7は、オプションデ
ータ13を参照してオプションの潜在的価値を取得する
(ステップS34)。そして、オプションの潜在的価値
を考慮した有効証拠金rteを算出する(ステップS3
5)。ここで、オプション御潜在価値を算入した有効証
拠金rteは、以下の(6) 〜(8) 式により算出される。
【0072】rte=te+tv×T・・・・(6) ここで、買いオプションの場合、上記(6) 式に上記(1)
式を代入すると、下記の(7) 式が得られる。 rte=te+{(r−cr)×ta×T×er}・・・・(7) 一方、売りオプションの場合は、下記の(8) 式が得られ
る。
【0073】 rte=te+{(r−cr)×ta×T×er}・・・・(8) T:潜在的価値掛け目 なお、潜在的価値掛け目Tは、「0<=T<=1」の範
囲で変化する時間tの関数T(t)としてもよい。例え
ば、オプションの潜在的価値は清算日に近くなればなる
ほど、T(t)が1に近くなるように設定してもよい。
これは、オプションの清算日に近くなれば、オプション
を実際に行使した際に利益が得られる可能性が高くなる
と考えられるからである。
【0074】この場合、例えば、T(t)を以下のよう
に与えてもよい。 オプション購入時<=t<清算日の10日前 T(t)=0.5 清算日の10日前<=t<清算日の3日前 T(t)=0.6 清算日の3日前<=t<=清算まで T(t)=0.7 また、一定期間内の為替変動の偏差を算出し、潜在価値
掛け目Tを「0<=T<=1」での範囲で変化する偏差
σの関数T(σ)としてもよい。
【0075】この場合、例えば、T(σ)は、下記の
(9) 式で算出されるようにしてもよい。 T(σ)=T×(r−σ)/r ・・・・(9) また、例えば、ドル/円相場においては、1日に2円以
上の為替変動が生じている場合もあれば、1日に30銭
程度しか為替変動が生じない場合もある。このとき、上
記(9) 式によれば、一定期間の偏差が大きい場合はTが
小さくなる。これは、為替変動が激しい状況下の場合オ
プションの潜在的価値を算出してもその確度は低いと考
えられるからである。
【0076】また、Tを時間tと偏差σの関数T(t,
σ)としてもよい。例えば、T(t,σ)は、下記(10)
式で算出されるようにしてもよい。 T(t,σ)=T(t)×(r−σ)/r・・・・(10) 最後に、証拠金算出部6は、維持証拠金mmとオプショ
ンの潜在的価値を考慮した有効証拠金rteの差を算出
する(ステップS36)。ここで、「mm>rte」の
場合、その差分に相当する証拠金の追加が必要である旨
を顧客に知らせることになる。また、「mm<rte」
の場合、その差分に相当する金額を証拠金としてさらに
マージン取引を行うことが可能である。
【0077】チケットの潜在的価値を考慮した有効証拠
金rteは、オプションの潜在的価値を考慮した項tv
×Tを有効証拠金teに加算している。従って、顧客が
当初想定した方向とは逆に相場が変化した場合であって
も、オプションの潜在的価値を考慮した分だけ証拠金の
追加が不要となり、顧客にとって有利となる。
【0078】図11は、第2実施形態に係わるオプショ
ン取引処理装置の構成図である。図11に示すように、
オプション取引装置20は、注文受付部2、取引データ
作成部3、プレミアム提示部4、チケット発行部5、オ
プション行使・放棄判定部21、及びオプション行使・
放棄部22を備える。注文受付部2、取引データ作成部
3、プレミアム提示部4、チケット発行部5は、第1実
施形態において説明したので、説明を省略する。また、
注文データ10、プレミアムデータ11、及び実勢レー
トデータ12の内容も、第1実施形態と同様である。
【0079】オプション行使・放棄判定部21は、清算
日にオプションを行使するか放棄するを判定する。より
具体的には、オプション行使・放棄判定部21は、オプ
ションの清算日の指定された時刻の実勢レートを実勢レ
ートデータ12から取得し、また、そのオプションの行
使レートをオプションデータ13から取得する。そし
て、オプション行使・放棄判定部21は、取得した実勢
レートと行使レートを比較することにより、顧客Ci
とってそのオプションを行使した方が有利なのか、或い
は放棄した方が有利であるか判定する。
【0080】オプション行使・放棄実行部22は、オプ
ション行使・放棄判定部21の判定結果に基づいて、オ
プションの行使又は放棄を実行するする。図12は、オ
プション取引処理装置20の動作を示すフローチャート
である。以下、図12を用いてオプション取引処理装置
20の動作について説明する。なお、ステップS1〜S
6については、第1実施形態において図7を参照しなが
ら説明したため、説明を省略する。
【0081】ステップS6までの処理の後、第2実施形
態のオプション取引処理装置においては、オプション行
使・放棄判定部21によりオプションを行使すべきか否
かが判別される。より具体的には、まず、オプション行
使・放棄判定部21は、当該オプションが買いオプショ
ンであるか否か判定する(ステップS41)。当該オプ
ションが買いオプションである場合(ステップS41:
Yes)、オプション行使・放棄判定部21は、清算日
の決められた時刻、例えば東京時間の17時の実勢レー
トが行使レートを上回っているか否か判定する(ステッ
プS42)。ここで、清算日の所定の時刻の実勢レート
が行使レートを上回っている場合は、オプションを行使
することにより利益が得られる。従って、清算日の所定
の時刻の実勢レートが行使レートを上回っている場合
(ステップS42:Yes)は、オプションを行使すべ
きと判定するし、ステップS43へ進む。続いて、オプ
ション行使・放棄実行部22は、オプション行使・放棄
判定部21の判定結果に従って、オプションを行使し、
同時に実勢レートでの反対売買を行い、利益を確定する
(ステップS43)。
【0082】一方、清算日の所定の時刻の実勢レートが
行使レート以下である場合(ステップS42:No)
は、オプションを行使すると損失が生じるため、オプシ
ョンを放棄する方が顧客Ci にとって有利である。従っ
て、この場合は、ステップS45へ進む。そして、オプ
ション行使・放棄実行部22は、オプション行使・放棄
判定部21の判定結果に従って、オプションを放棄し、
最終損失を確定する(ステップS45)。
【0083】なお、売りオプションの場合は、買いオプ
ションにおける処理とは対称的であり、実勢レートが行
使レートを下回っている場合にオプションを行使すべき
と判定され(ステップS44:Yes)、実勢レートが
行使レート以上である場合にオプションを放棄すべきと
判定される(ステップS44:No)。そして、この反
転がされた後の手順は、買いオプションの場合と同様で
ある。
【0084】このように、本実施形態によれば、顧客に
とってオプションを行使した方が有利なのか或いは放棄
した方が有利なのかが自動的に判定され、オプションチ
ケットは、その判定結果に従って清算日に自動的に行使
又は放棄される。さらに、オプションを行使した場合
は、自動的にその行使と同時に反対売買を行って利益が
確定される。これにより、清算日に顧客自身がオプショ
ンを行使するか否か判定する必要がなくなり、また、そ
のオプションの行使に対応する反対売買の指示を出す必
要もなくなる。さらに、顧客が清算日を忘れて行使を逃
すという問題も解決する。
【0085】図13は、第3実施形態に係わるオプショ
ン取引処理装置30の構成図である。図13に示すよう
に、オプション取引処理装置30は、注文受付部2、取
引データ作成部3、プレミアム提示部4、チケット発行
部5、オプション価値算出部6、証拠金算出部7、オプ
ション行使・放棄判定部21、及びオプション行使・放
棄実行部22を備える。各部についての説明は第1実施
形態及び第2実施形態において行ったため省略する。
【0086】図14は、図13に示すオプション取引処
理装置30の処理を模式的に示す図である。オプション
取引処理装置30は、オプションの清算日に至るまで
は、実勢レートと行使レートとの差を算出することによ
りオプションの潜在的価値を算出する。そして、算出し
たオプション価値がゼロでない場合、つまり、実勢レー
トにおいてオプションを行使したならば利益が得られる
であろう場合(値洗い益がある場合)は、その算出した
オプションの潜在的価値を顧客の有効証拠金を算出する
際に考慮する。
【0087】チケットの清算日に至ると、オプション取
引処理装置30は、実勢レートと行使レートを比較す
る。そして、買いオプションについては実勢レートが行
使レートを上回っている場合、売りオプションについて
は行使レートが実勢レートを上回っている場合、そのオ
プションを行使し、同時にマージン取引において実勢レ
ートで反対売買を行い、利益を確定する。そうでない場
合、オプションを放棄して損失(プレミアムを支払った
ことによる損)を確定する。
【0088】図15は、第3実施形態のオプション取引
処理装置の動作を示すフローチャートである。図15に
示す各ステップにうち、第1実施形態及び第2実施形態
で説明した部分については省略する。第3の実施形態の
フローチャートでは、現時点が当該オプションの清算日
であるか否かを判定するステップ(ステップS40)を
設けられている。そして、清算日に至るまでは、オプシ
ョンの潜在的価値を算出し、その算出されたオプション
の潜在的価値を考慮して有効証拠金を算出する。これに
より、顧客Ci は、清算日に至る前は、オプションの潜
在的価値をマージン取引に活用することができる。
【0089】そして、清算日に至ると、自動的に損益を
評価してオプションを行使すべきか否か判定をし、その
判定結果に基づいて自動的にオプションを行使又は放棄
して損益を確定する。このとき、オプションを行使して
利益を確定する際、算出された有効証拠金を元に、マー
ジン取引によってオプションの行使によるポジションの
取得及び反対売買を行う。従って、顧客は、マージン取
引によってポジションの取得及び反対売買を行うために
必要なマージンを低減することができる。これにより、
顧客にとってより利便性の高い金融商品を提供すること
が可能となる。
【0090】上述の第1実施形態から第3実施形態にお
いて、「買いオプション」及び「売りオプション」のオ
プションチケットについて述べた。これらオプションチ
ケットでは、為替相場が顧客Ci の思惑と反対に変化し
た場合、チケットを放棄することにより損失がプレミア
ムに相当する金額に限定されるが、為替相場が顧客C i
の思惑通りに進んだ場合、利益が無限大となるという性
質がある。
【0091】しかし、顧客Ci には、利益が一定の範囲
に制限されたとしてもできるだけプレミアムが安いオプ
ションチケットに対するニーズもある。そこで、第4実
施形態に係わるオプション取引処理装置では上述のニー
ズを満たす金融商品、(以下、「オプションチケットラ
イト」という)について述べる。第4実施形態に係わる
オプション取引処理装置の構成は、第2実施形態と同様
であるため、説明を省略する。処理装置の動作も第2実
施形態とほぼ同様であるため、第4実施形態に係わる処
理装置の動作については、第2実施形態と異なる点に注
目して図11及び図12を用いて説明する。
【0092】オプションチケットライトを注文する際、
顧客Ci は、通貨種別、行使レート、行使権利の種別、
清算日及び行使金額に加えて、買いチケットの場合は上
限レート及び売りチケットの場合は下限レートを注文受
付部2に送信又は通知する。ここで、上限レートは行使
レートよりも高い必要があり、逆に下限価レートは行使
レートよりも低い必要がある。注文受付部2は、受け付
けた注文を注文データ10に格納する。ここで、通常の
オプションチケットの注文と異なり、オプションチケッ
トライトの場合、注文データ10にはさらに上限レート
又は下限レートの項目がある。
【0093】続いて、プレミアム提示部4は、プレミア
ムデータ11に基づいて、顧客から注文のあったオプシ
ョンチケットライトのプレミアムを算出し(ステップS
2)、顧客Ci に算出したプレミアムを提示する(ステ
ップS3)。第2実施形態と同様にしてチケット発行部
5はチケットを発行する(ステップS4からS5)。こ
こで、オプションチケットライトの場合、オプションチ
ケットの場合にチケットに記載される項目に加えて、上
限レート又は寡言レートが記載される。チケット発行
後、オプション行使・放棄判定部21は、チケット清算
日にチケットを行使すべきか否か判定し、判定結果に基
づいてオプション行使・放棄実行部21は、チケットを
行使又は放棄する(ステップS6、S41からS4
5)。
【0094】図16は、「買い」チケットを例として、
通常のオプションチケットとオプションチケットライト
の清算日損益グラフを示す。図16において、通常のオ
プションチケットとオプションチケットライトの行使レ
ート及び行使金額は同じで、それぞれ104円及び10
万ドルであり、並びに清算日も同じとする。通常のオプ
ションチケットの損益を実線、オプションチケットライ
トの損益を点線で示す。図16のオプションチケットラ
イトの上限レートが108円であるとすると、オプショ
ンチケットライトを行使することによる利益は、実勢レ
ートが108円以上では一定となる。一方、通常のオプ
ションチケットの場合は、実勢レートが108円以上で
も利益は増加し続ける。このように利益が限定されるた
め、オプションチケットライトのプレミアムは、通常の
オプションチケットと比べて安くなっている。
【0095】上述のように、オプションチケットライト
は、通常のオプションチケットと比べてプレミアムが安
いが、顧客Ci の思惑通りに為替相場が変化した場合の
利益は、限定されるという性質がある。利益の限定の幅
は、顧客Ci が入力する上限レート又は下限レートによ
って決定される。そして、利益が少なく限定されるほ
ど、オプションチケットライトのプレミアムも安くなる
傾向がある。
【0096】上述のオプションチケット及びオプション
チケットライトでは、為替相場が比較的大きく変動する
環境下で、為替相場がどの方向へ変動するのか顧客Ci
が予測して投資する場合の金融商品である。しかし、為
替相場はいつも大きく変動するわけではなく、むしろ為
替相場が大きく変動している期間よりも安定している期
間の方が長い。従って、為替相場が大きく変動している
期間にしか使えない金融商品だけでは、顧客Ci の投資
機会を短い期間に限定することとなる。延いては、顧客
i の資金運用効率を低下させることとなる。
【0097】そこで、顧客Ci により多くの投資機会を
提供するために、為替相場が安定しているときに収益を
見込むことができる金融商品、(以下、「レンジオプシ
ョンチケット」という)について第5実施形態で述べ
る。レンジオプションチケットでは、実勢レートが、あ
る範囲を逸脱せずに変動すると顧客Ci が予測する場合
に、顧客Ci は、その逸脱しないと予想する範囲及びそ
の期間を設定する。レンジオプションチケットは、顧客
i の思惑通りに実勢レートがその範囲を逸脱せずに推
移した場合に、顧客Ci が利益を得るという金融商品で
ある。
【0098】レンジオプションチケットには、全期間判
定タイプと、期日判定タイプとがある。全期間判定タイ
プは、チケット発行時から清算日の判定時刻までの全期
間中、継続して顧客Ci が予測したレンジ内で実勢レー
トが推移する場合に利益を得られる商品である。つま
り、実勢レートが期間中一度でもレンジを超えた場合、
顧客Ci はチケットのプレミアム(オプション料)分の
損失を被る。期日判定タイプは、清算日の判定時刻、例
えば日本時間の午後3時の実勢レートが、顧客C i が予
測したレンジ内である場合に利益を得られる商品であ
る。つまり、清算日の判定時刻の実勢レートのみに注目
するため、期間中の実勢レートがレンジを外れても、損
失にはならない。
【0099】第5実施形態に係わるオプション取引処理
装置の構成は、第2実施形態と同様であるため、説明を
省略する。以下、第5実施形態に係わる処理装置の動作
を全期間判定タイプのレンジオプションチケットを例と
して、図11及び図17を用いて説明する。
【0100】注文を受けつけ、チケットを発行するまで
は第2実施形態とほぼ同様である。まず、顧客Ci は注
文する際に、通貨種別、行使金額、清算日及び判定時刻
とともに、レンジ上限レート及びレンジ下限レートを注
文受付部2に送信又は通知する(ステップS1)。な
お、レンジ上限レートとレンジ下限レートとの差は、20
0 ポイント以上あることが望ましい。例えば、通貨種類
がドル/円の場合、レンジ上限レートとレンジ下限レー
トとの差は2円以上である。
【0101】ここで、全期間判定タイプのレンジオプシ
ョンチケットの場合、チケット注文時現在の実勢レート
が、レンジ下限レートからレンジ上限レートの範囲内
(レンジ)にあることが必要である。全期間判定タイプ
のレンジオプションチケットは、期間中の為替相場があ
まり変動しない場合の金融商品であり、レンジ内に実勢
レートが入らない場合は、顧客Ci は、為替相場が大き
く変動する場合の金融商品を購入する方が合理的だから
である。
【0102】注文受付部2は、受け付けた注文を注文デ
ータ10に格納する。ここで、通常のオプションチケッ
トの注文と異なり、レンジオプションチケットの場合、
注文データ10には行使レートの代りにレンジ上限レー
ト及びレンジ下限レートの項目がある。更に、注文受付
部2は、注文データ10の清算日の項目には、清算日及
び判定時刻まで格納する。
【0103】続いて、プレミアム提示部4は、プレミア
ムデータ11に基づいて、顧客Ciから注文があったレ
ンジオプションチケットのプレミアムを算出し(ステッ
プS2)、顧客Ci に算出したプレミアムを提示する
(ステップS3)。顧客Ci が購入を決定した場合、第
2実施形態と同様にしてチケットを発行する(ステップ
S4からS5)。但し、レンジオプションチケットの場
合、チケット及び顧客保管用控えには、レンジオプショ
ンチケットのタイプ、レンジ上限レート、レンジ下限レ
ート、清算日と判定時刻、行使金額が記載される。
【0104】続いて、オプション行使・放棄判定部21
は、実勢レートを取得し(ステップS6)、実勢レート
がレンジ上限レートとレンジ下限レートで決まるレンジ
内にあるか否か判定する(ステップS60)。オプショ
ン行使・放棄判定部21は、この判定を清算日の所定日
時まで連続して又は所定時間毎に繰り返す(ステップS
61)。清算日の判定時刻に至るまでずっと実勢レート
がレンジ内にあった場合(ステップS61:Yes)、
オプション行使・放棄実行部22は、チケットの権利を
行使し、利益を確定させ、結果を顧客に通知する(ステ
ップS62)。
【0105】利益は下記(11)式で算出される。 (レンジ上限レート−レンジ下限レート)×行使金額 ・・・・(11) オプション行使・放棄判定部21による判定の結果、清
算日の判定時刻に至るまでの間に一度でも実勢レートが
レンジから外れた場合(ステップS61:No)、オプ
ション行使・放棄実行部22は、顧客Ci にチケットの
権利を喪失した旨を通知し、チケットを放棄(この場合
はチケットの消滅といった方が現実に近い)して損失を
確定させる(ステップS63)。
【0106】なお、期日判定タイプのレンジオプション
チケットの場合、ステップS1からS5までは全期間判
定タイプと同様であるが、ステップS6以降の動作が若
干異なる。以下、期日判定タイプの場合のステップS6
以降の動作について図10及び図17を用いて説明す
る。期日判定タイプの場合、チケット発行後(ステップ
S5)、オプション行使・放棄判定部21は、実勢レー
トを取得する(ステップS6)前に、現在が清算日の判
定時刻であるか否か判定する。
【0107】現在が清算日の判定時刻でない場合、オプ
ション行使・放棄判定部21は、清算日の判定時刻に至
るまで待つ。現在が清算日の判定時刻となると、オプシ
ョン行使・放棄判定部21は、清算日の判定時刻の実勢
レートを取得して(ステップS6)、実勢レートがレン
ジ内にあるか否か判定する(ステップS60)。判定の
結果、実勢レートがレンジ内にある場合、オプション行
使・放棄実行部22は、チケットを行使して利益を確定
し(ステップS62)、そうでない場合、チケットを放
棄(消滅)して損失を確定させ(ステップS63)、結
果を顧客に通知する。期日判定タイプのレンジオプショ
ンチケットの利益も、上述の(11)で算出される。
【0108】上述のように、レンジオプションチケット
の場合、損失及び利益の額は、チケットの注文時に決ま
る。最後に、上述の各種オプションチケットのプレミア
ムの設定の仕方について、基本的な考え方を説明する。 ・相場の変動率が高いほど、オプションチケット及びオ
プションチケットライトのプレミアムは高くなる。逆
に、レンジオプションチケットのプレミアムは安くな
る。 ・チケット清算日までの期間が長いほど、オプションチ
ケット及びオプションチケットライトのプレミアムは高
くなる。逆に、レンジオプションチケットのプレミアム
は安くなる。
【0109】なお、図1、11及び13に示したオプシ
ョン処理装置は、図18に示すような情報処理装置(コ
ンピュータ)を用いて構成することができる。図18の
情報処理装置は、CPU40、主記憶装置41、入出力
装置(I/O)42、外部記憶装置43、媒体駆動装置
44、及びネットワーク接続装置45を備えており、そ
れらはバス46により互いに接続されている。
【0110】主記憶装置41は、例えば、ROM(Read
Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を
含み、上述のフローチャートの処理を記述したソフトウ
ェアプログラムおよび所定のデータを格納する。CPU
40は、主記憶装置41を利用して上記ソフトウェアプ
ログラムを実行することにより、上述のフローチャート
の処理を提供する。
【0111】また、注文受付部2、取引データ作成部
3、プレミアム提示部4、チケット発行部5、オプショ
ン価値算出部6、証拠金算出部7、オプション行使・放
棄判定部21、及びオプション行使・放棄実行部22を
実現するためのソフトウェアプログラムは、それぞれ、
主記憶装置41の特定のプログラムコードセグメントに
格納される。
【0112】入出力装置44は、例えば、入力装置はキ
ーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル等で
あり、ユーザからの指示や情報の入力に用いられる。出
力装置は、例えば、ディスプレイやプリンタ等であり、
利用者への問合わせ、処理結果等の出力に用いられる。
【0113】外部記憶装置42は、例えば、磁気ディス
ク装置、光ディスク装置、光磁気ディスク装置等であ
る。この外部記憶装置42に上述のソフトウェアプログ
ラムとデータを保存しておき、必要に応じて、それらを
主記憶装置41にロードして使用することもできる。
【0114】媒体駆動装置45は、可搬記録媒体47を
駆動し、その記録内容にアクセスする。可搬記録媒体4
7としては、メモリカード、フロッピー(登録商標)デ
ィスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memor
y )、光ディスク、光磁気ディスクなど、任意のコンピ
ュータ読み取り可能な記録媒体が用いられる。この可搬
記録媒体47に上述のソフトウェアプログラムとデータ
を格納しておき、必要に応じて、それらを主記憶装置4
1にロードして使用することもできる。
【0115】ネットワーク接続装置44は、LAN(Lo
cal Area Network)、WAN(WideArea Network )等
の任意のネットワーク(回線)を介して外部の装置と通
信し、通信に伴なうデータ変換を行う。また、必要に応
じて、上述のソフトウェアプログラムとデータを外部の
装置から受け取り、それらを主記憶装置41にロードし
て使用することもできる。
【0116】図19は、図18に示した情報処理装置に
ソフトウェアプログラムおよびデータを供給することが
できるコンピュータ読み取り可能な記録媒体を示してい
る。可搬記録媒体47に保存されたソフトウェアプログ
ラムおよびデータは、主記憶装置41又は外部記憶装置
42にロードされる。また、外部のデータベース48に
保存されているソフトウェアプログラムおよびデータ
は、回線49を介して受信され主記憶装置41又は外部
記憶装置42にロードされてもよい。そして、CPU4
0は、そのデータを用いてそのソフトウェアプログラム
を実行し、或いは、そのソフトウェアプログラムを実行
する際にそのデータを参照する。
【0117】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明は上述した実施形態に限定されるものではな
く、他の様々な変更が可能である。例えば、各実施形態
と異なるように各機能及び各データベースをネットワー
クを介して配置しても、情報の伝達される経路が異なる
のみで、各実施形態が実現する機能を実現することが可
能である。
【0118】
【発明の効果】本発明によれば、オプション取引をより
理解しやすく、簡便な取引とすることが可能となる。ま
た、本発明によれば、オプションが行使したならば利益
が出るであろう状態のときに、そのオプションの潜在的
価値を他の取引において利用することが可能となる。
【0119】さらに、本発明によれば、清算日におい
て、オプション所有者がオプションを行使するのか、放
棄するのかの判断をすることを不要とすることが可能と
なる。これにより、オプション所有者が一定期間経過後
にオプションについての判断を行うことを忘れる場合が
あるという問題を解消することができる。さらに、本発
明によれば、相場が安定しているときでも、顧客は投資
機会を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係わるオプション取引処理装置
の構成図である。
【図2】注文データの構造を示す図である。
【図3】(a) はプレミアムデータの構造、(b) は実勢レ
ートデータの構造を示す図である。
【図4】オプションデータの構造を示す図である。
【図5】顧客データの構造を示す図である。
【図6】(a) は、オプションチケットの一例であり、
(b) は、顧客が保管すべき控えの一例である。
【図7】第1実施形態に係わるオプション取引処理装置
の動作を示すフローチャートである。
【図8】チケット発行部の動作を示すフローチャートで
ある。
【図9】オプション価値算出部の動作を示すフローチャ
ートである。
【図10】証拠金算出部の動作を示すフローチャートで
ある。
【図11】第2実施形態に係わるオプション取引処理装
置の構成図である。
【図12】第2実施形態に係わるオプション取引処理装
置の動作を示すフローチャートである。
【図13】第3実施形態に係わるオプション取引処理装
置の構成図である。
【図14】第3実施形態に係わるオプション取引処理装
置の行う処理を模式的に示す図である。
【図15】第3実施形態に係わるオプション取引処理装
置の動作を示すフローチャートである。
【図16】買いチケットの場合のオプションチケットと
オプションチケットライトの清算日における最終損益を
示すグラフである。
【図17】第5実施形態に係わるオプション取引処理装
置の動作を示すフローチャートである。
【図18】情報処理装置の構成図である。
【図19】情報処理装置にプログラムおよびデータを供
給する方法を示す図である。
【図20】買いオプションの清算日における最終損益を
示すグラフである。
【図21】売りオプションの清算日における最終損益を
示すグラフである。
【符号の説明】
1、20、30 オプション取引処理装置 2 注文受付部 3 取引データ作成部 4 プレミアム提示部 5 チケット発行部 6 オプション価値算出部 7 証拠金算出部 10 注文データ 11 プレミアムデータ 12 実勢レートデータ 13 オプションデータ 14 顧客データ 15 オプション取引データ 16 マージン取引データ 17 チケット 21 オプション行使・放棄判定部 22 オプション行使・放棄実行部 40 CPU 41 主記憶装置 42 外部記憶装置 43 入出力装置 44 ネットワーク接続装置 45 媒体駆動装置 46 バス 47 可搬記録媒体 48 データベース 49 回線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 埋橋 理生 東京都港区南麻布4−11−30 南麻布渋谷 ビル5F−A トレイダーズ証券株式会社 内 (72)発明者 米窪 光穂 東京都港区南麻布4−11−30 南麻布渋谷 ビル5F−A トレイダーズ証券株式会社 内 (72)発明者 古橋 弘光 東京都港区南麻布4−11−30 南麻布渋谷 ビル5F−A トレイダーズ証券株式会社 内 (72)発明者 金丸 勲 東京都港区南麻布4−11−30 南麻布渋谷 ビル5F−A トレイダーズ証券株式会社 内 (72)発明者 山本 久敏 東京都港区南麻布4−11−30 南麻布渋谷 ビル5F−A トレイダーズ証券株式会社 内 (72)発明者 坂田 浩志 東京都港区南麻布4−11−30 南麻布渋谷 ビル5F−A トレイダーズ証券株式会社 内 (72)発明者 坂田 成蔵 東京都港区南麻布4−11−30 南麻布渋谷 ビル5F−A トレイダーズ証券株式会社 内 Fターム(参考) 5B055 BB12 CB15 CC13 EE27

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オプション取引を処理するオプション取
    引処理装置であって、 顧客から前記オプションに係わる行使レート、行使権利
    の種別、清算日、および行使金額を含む注文を受ける注
    文受付手段と、 前記注文のあったオプションについて、上記注文受付手
    段が受け付けた行使レート、行使権利の種別、清算日、
    および行使金額を表記したチケットを発行するチケット
    発行手段と、 を備えることを特徴とするオプション取引処理装置。
  2. 【請求項2】 オプション取引を処理するオプション取
    引処理装置であって、 マーケットの実勢レートに基づいて実勢レートデータを
    作成するデータ作成手段と、 ある顧客が取得しているオプションの行使レート及び行
    使金額、並びに前記データ作成手段により作成された実
    勢レートデータに基づいて、前記オプションの潜在的価
    値を算出するオプション価値算出手段と、 前記オプションの潜在的価値を考慮して、前記顧客の証
    拠金を必要とする他の取引での有効証拠金を算出する証
    拠金算出手段と、 を備えることを特徴とするオプション取引処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のオプション取引処理装
    置であって、 前記証拠金算出手段は、前記顧客の証拠金を必要とする
    他の取引で維持することが必要な維持証拠金を算出し、 前記有効証拠金と前記維持証拠金の差を算出する。
  4. 【請求項4】 オプション取引を処理するオプション取
    引処理装置であって、 マーケットの実勢レートに基づいて実勢レートデータを
    作成するデータ作成手段と、 オプションの行使レート及び前記実勢レートデータに基
    づいて、前記オプションを行使すべきか否かを判定する
    オプション行使・放棄判定手段と、 前記オプション行使・放棄判定手段の判定に基づいて、
    オプションの行使または放棄のいずれか一方を実行する
    オプション行使・放棄実行手段と、 を備えることを特徴とするオプション取引処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のオプション取引処理装
    置であって、 上記オプション行使・放棄実行手段は、上記オプション
    を行使する際は、そのオプションの行使により行われる
    取引の反対売買を実行する。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載のオプション取引処理装
    置であって、 前記オプションは、さらに上限レート又は下限レートを
    有し、 前記オプションを行使することによる利益は、行使レー
    トと上限レート又は下限レートとの差に基づいて限定さ
    れる。
  7. 【請求項7】 オプション取引を処理するオプション取
    引処理装置であって、 マーケットの実勢レートに基づいて実勢レートデータを
    作成するデータ作成手段と、 清算日に至るまでに、前記実勢レートデータが、オプシ
    ョンのレンジ上限レートを一度でも上回る、又は前記オ
    プションのレンジ下限レートを一度でも下回ると前記オ
    プションを放棄すべきと判定し、そうでない場合は前記
    オプションを行使すべきと判定するオプション行使・放
    棄判定手段と、 前記オプション行使・放棄判定手段の判定に基づいて、
    前記オプションの行使又は放棄のいずれか一方を実行す
    るオプション行使・放棄実行手段と、 を備えることを特徴とするオプション取引処理装置。
  8. 【請求項8】 オプション取引を処理するオプション取
    引処理装置であって、 マーケットの実勢レートに基づいて実勢レートデータを
    作成するデータ作成手段と、 清算日に、前記実勢レートデータが、オプションのレン
    ジ上限レートを上回る、又は前記オプションのレンジ下
    限レートを下回ると前記オプションを放棄すべきと判定
    し、そうでない場合は前記オプションを行使すべきと判
    定するオプション行使・放棄判定手段と、 前記オプション行使・放棄判定手段の判定に基づいて、
    前記オプションの行使又は放棄のいずれか一方を実行す
    るオプション行使・放棄実行手段と、 を備えることを特徴とするオプション取引処理装置。
JP2000140752A 2000-03-08 2000-05-12 オプション取引処理装置 Withdrawn JP2001325447A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000140752A JP2001325447A (ja) 2000-03-08 2000-05-12 オプション取引処理装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000063861 2000-03-08
JP2000-63861 2000-03-08
JP2000140752A JP2001325447A (ja) 2000-03-08 2000-05-12 オプション取引処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001325447A true JP2001325447A (ja) 2001-11-22

Family

ID=26587042

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000140752A Withdrawn JP2001325447A (ja) 2000-03-08 2000-05-12 オプション取引処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001325447A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003216829A (ja) * 2002-01-21 2003-07-31 Nomura Securities Co Ltd デジタルコンテンツ販売方法およびそのシステム
JP2008542930A (ja) * 2005-06-03 2008-11-27 シカゴ マーカンタイル エクスチェンジ インコーポレイテッド 取引一致エンジンにおける両建て注文の要求のためのシステムおよび方法
JP2015064681A (ja) * 2013-09-24 2015-04-09 株式会社外為オンライン サーバ装置、金融商品取引方法、およびプログラム
JP2019109778A (ja) * 2017-12-19 2019-07-04 順 石井 コンピュータプログラム、出力方法及び出力装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003216829A (ja) * 2002-01-21 2003-07-31 Nomura Securities Co Ltd デジタルコンテンツ販売方法およびそのシステム
JP2008542930A (ja) * 2005-06-03 2008-11-27 シカゴ マーカンタイル エクスチェンジ インコーポレイテッド 取引一致エンジンにおける両建て注文の要求のためのシステムおよび方法
US8498918B2 (en) 2005-06-03 2013-07-30 Chicago Mercantile Exchange, Inc. System and method for a request for cross in a trade matching engine
JP2015064681A (ja) * 2013-09-24 2015-04-09 株式会社外為オンライン サーバ装置、金融商品取引方法、およびプログラム
JP2019109778A (ja) * 2017-12-19 2019-07-04 順 石井 コンピュータプログラム、出力方法及び出力装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8036973B2 (en) Synthetic funds having structured notes
US8468036B2 (en) Efficient market for financial products
US8666873B2 (en) Systems and methods for open execution auction trading of financial instruments
US20070073608A1 (en) Cash only marketplace system for trading securities
JP2002503851A (ja) 金利スワップ取引のための方法、システム及びコンピュータプログラム製品
CA2368562A1 (en) A data processing system for providing an efficient market for loans and lines of credit
US20030233309A1 (en) System and method for providing financial instrument trading information and for trading a financial instrument
US9965806B2 (en) Principal guaranteed savings and investment system and method
US20040199442A1 (en) Method and system for offering and selling a multi-purpose currency option
Chiu et al. Payments on digital platforms: Resiliency, interoperability and welfare
US7729973B2 (en) System and method for providing a trust associated with long positions in index futures
CA2494113C (en) Synthetic funds having structured notes
US7778918B2 (en) System and method for providing an index linked to separately managed accounts
JP2001325447A (ja) オプション取引処理装置
Westerholm Lecture notes in market microstructure and trading
JP2003058712A (ja) 証拠金取引にオプション取引を組み合わせて処理する機能を有する金融取引処理装置、処理方法、その方法を実現するプログラム
JP2004133557A (ja) 受益権発行装置、受益権発行方法、及びプログラム
Alryalat et al. A Theoretical Approach to Evaluate Online and Traditional Trading on th NASDAQ Stock Exchange
Mathur INDIAN DERIVATIVE MARKETING
Skafte Denmark: Secondary Market for Government Securities, Public Debt Management, and Monetary Control
SIX SECURITIES EXCHANGE ACT OF 1934
Vega et al. Limit Order Markets
KR20090041825A (ko) 교육 및 컨설팅을 겸한 선물 옵션 서비스 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070807