JP2003005760A - 試聴システム及び販売方法 - Google Patents

試聴システム及び販売方法

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JP2003005760A
JP2003005760A JP2001184036A JP2001184036A JP2003005760A JP 2003005760 A JP2003005760 A JP 2003005760A JP 2001184036 A JP2001184036 A JP 2001184036A JP 2001184036 A JP2001184036 A JP 2001184036A JP 2003005760 A JP2003005760 A JP 2003005760A
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JP2001184036A
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English (en)
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Eiko Okumura
瑛子 奥村
Tomoko Okumura
知子 奥村
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GONSHICHI SHOTEN KK
Original Assignee
GONSHICHI SHOTEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】視覚と聴覚の双方を通じて購入意欲をそそるう
え試聴者それぞれに的確な情報を提供できるばかりか効
率良く購入へと導くようにする。 【解決手段】多数のオーディオデータを保持していて通
信回線網10を介して配信する配信装置11〜13と、
試聴対象品に付された識別情報を含ませた配信要求を送
出しうる多数の試聴端末40と、視聴者情報の集合体2
8を保持する記憶手段と、配信要求に基づいて集合体2
8に対し情報蓄積を行うとともにその情報に基づいて配
信制限を視聴者毎に行う視聴者管理手段とを備える。こ
れにより、来店者が売場に陳列されている商品を見なが
らどれでも簡単に試聴できるうえ、その試聴に伴って関
連情報が視聴者毎に蓄積されて情報の提供ばかりか試聴
の片寄り解消までなされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、商品の記録内容
を試聴可能とする試聴システム、及びそれを用いて提供
される試聴サービスを伴う記録媒体の販売方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】音楽等のオーディオデータを記録したC
D等の記録媒体は、それが商品である場合、ケース等に
収納したうえで封止されているのが通例であり、それを
破ると商品価値が失われてしまう。そのため、従来の試
聴装置は、試聴専用の記録媒体を幾つか商品とは別に用
意し、それらを試聴に供しうるようケースから出した状
態で格納しておき、メニュー等に基づいて選択されたも
のを再生するようになっている。一方、売場では、商品
であるCD等を陳列棚に多数並べて、CDジャケットや
CD自体に印刷された文字や絵等の視覚情報を見易く提
供することで、消費者の購買意欲を惹起するようになっ
ている。また、新商品やキャンペーン対象商品等につい
ては、その情報を載せたチラシやポスター等を来店者に
配って、更に購買意欲を高めることも行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の試聴システム及び販売方法では、聴覚情報の
提供と視覚情報の提供とが別個に行われていたため、売
場に試聴サービスを導入してもコストが掛かる割には販
売成果が得られなかった。また、従来の試聴システムで
は、一部とは言え貴重な売場面積が占有されるうえ、試
聴対象が限定されがちである。そこで、試聴サービスの
導入によって売場の販売量が増進するよう、売場に陳列
されている商品を見ながらどれでも簡単に試聴を行える
ようにすることが重要な課題となる。また、チラシ等を
来店者へ闇雲に配っても、来店者の興味と店側の思惑と
が一致することは少なくて、なかなか売上に結び付かな
いので、来店者に的確な情報を提供することも要請され
る。
【0004】さらに、簡単に試聴できるようになって試
聴サービスの利用者が増えても、サービスだけを目当て
に来た者で売場が溢れるようになったのでは、却って、
売り上げの増進が阻まれることにもなりかねない。そこ
で、売場に来て試聴した者が商品を購入する割合を高め
るべく、売上に貢献しない来店者の滞留を少なくできる
ようにすることも要請されるが、その実現に際しては試
聴システムを利用することにより便利なものを簡素で安
価に具現化しうるよう更なる工夫を凝らすことが技術的
な課題となる。この発明は、このような課題を解決する
ためになされたものであり、視覚と聴覚の双方を通じて
購入意欲をそそるうえ試聴者それぞれに的確な情報を提
供しうるばかりか効率良く購入へと導く試聴システム及
び販売方法を実現することを目的とする。
【0005】また、売場を歩き回りながら商品を見て試
聴するのが簡単に行えるようになると、商品を見ていな
いものまで簡単に試聴したくなるが、メニュー等を利用
した従来の手法は、それを使うだけでも煩雑なのに、陳
列商品を見ながら行う試聴と使い分けるのは、もっと煩
雑である。そこで、陳列商品を見ながら行う試聴と見な
いで行う試聴とを統合して、何れも簡単行えるようにす
ることが望ましい。そして、それらを簡便に低コストで
具体化することが更なる課題となる。この発明は、この
ような課題も解決するためになされたものであり、視覚
と聴覚の双方を通じて購入意欲をそそるうえ見ないもの
まで簡単に試聴でき更に試聴者それぞれに的確な情報を
提供しうるばかりか効率良く購入へと導く試聴システム
及び販売方法を実現することも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために発明された第1乃至第6の解決手段について、
その構成および作用効果を以下に説明する。
【0007】[第1の解決手段]第1の解決手段の試聴
システムは、出願当初の請求項1に記載の如く、多数の
オーディオデータを保持していて通信回線網を介して配
信する配信装置と、試聴対象品に付された識別情報を含
ませた配信要求を送出しうる多数の試聴端末と、視聴者
情報の集合体を保持する記憶手段と、前記配信要求に基
づいて前記集合体に対し情報蓄積を行うとともにその情
報に基づいて配信制限を視聴者毎に行う視聴者管理手段
とを備えたものである。なお、それらの記憶手段や視聴
者管理手段は、前記配信装置に又はそれと前記試聴端末
との通信経路中に存する他の装置に、纏めて又は分散し
て設けられる。
【0008】このような第1の解決手段の試聴システム
にあっては、オーディオデータの記録媒体を販売するに
際し、売場に陳列されている商品がそのまま試聴対象品
にもなる。そこで、商品を見て興味を引かれた来店者
は、試聴端末を利用して配信要求を出す。その際、その
商品すなわち試聴対象品に付されている識別情報を含ま
せる。そうすると、その識別情報がその試聴端末から配
信装置に送られ、それに応じて、対応するオーディオデ
ータが通信回線網を介して試聴端末に配信され、試聴端
末から再生音が出力される。これにより、売場に陳列さ
れている商品を見ながらどれでも簡単に試聴を行えるこ
ととなる。しかも、配信装置が通信回線網を介して売場
の外に置かれるので、売場の一部占有の不都合が解消・
緩和される。そのため、この試聴システムは、視覚と聴
覚の双方を通じて購入意欲をそそるものとなる。
【0009】また、この試聴システムでは、試聴が繰り
返されると試聴に関する情報が視聴者毎に蓄積されるこ
とから、その蓄積情報を参照することで、試聴した来店
者がどのようなジャンルに興味を持っているのかといっ
たことを高い確度で推定することができるので、来店者
に的確な情報を提供することが可能となる。さらに、そ
の蓄積情報に基づいて視聴者毎に配信制限も行われるこ
とから、試聴ばかり続けて商品を購入しないような来店
者は、試聴が自動的に制限されるので、早めに売場を去
ることとなる。これにより、有効な試聴サービスを片寄
ること無く多くの来店者に提供して売上を伸ばすことが
できる。
【0010】しかも、それに必要なシステムは、視聴者
情報の集合体を利用して基本の試聴システムを一部拡張
する程度のことで具体化できるので、コストを掛けない
で簡便に実現することができる。したがって、この発明
によれば、視覚と聴覚の双方を通じて購入意欲をそそる
うえ試聴者それぞれに的確な情報を提供しうるばかりか
効率良く購入へと導く試聴システムを実現することがで
きる。
【0011】[第2の解決手段]第2の解決手段の試聴
システムは、上記の第1の解決手段の試聴システムであ
って、試聴端末と視聴者管理手段とが配信要求に加えて
検索要求も扱うように拡張されるとともに、検索要求に
含まれている識別情報に基づいて識別情報の集合体に対
する検索を行って別の識別情報を選定する検索手段が追
加されたものである。この検索手段や識別情報の集合体
も、上述した視聴者管理手段や視聴者情報の集合体と同
様に、前記配信装置に又はそれと前記試聴端末との通信
経路中に存する他の装置に、纏めて又は分散して設けら
れる。
【0012】すなわち、第2の解決手段の試聴システム
は、出願当初の請求項2に記載の如く、多数のオーディ
オデータを保持していて通信回線網を介して配信する配
信装置と、試聴対象品に付された識別情報を含ませた配
信要求と検索要求とを送出しうる多数の試聴端末と、前
記検索要求に含まれている識別情報に基づいて識別情報
の集合体に対する検索を行って別の識別情報を選定する
検索手段と、前記配信要求および前記検索要求に基づい
て(すなわち配信要求を受けたときにはその配信要求に
基づき検索要求を受けたときにはその検索要求に基づい
て)視聴者情報の集合体に対する情報蓄積を行うととも
にその情報に基づいて配信制限を視聴者毎に行う視聴者
管理手段とを備えたものである。
【0013】このような第2の解決手段の試聴システム
にあっては、来店者が或る商品の試聴に続けて別の商品
も試聴したいときには、商品・試聴対象品の識別情報の
取得と配信要求の送出とを繰り返しても良いが、次の試
聴対象品に拘りがなければ、試聴端末の操作等にて識別
情報の集合体に対する検索の要求を出しても良い。そう
すると、検索手段によって、既に試聴した先の商品の識
別情報を用いて検索が行われ、識別情報の集合体の中か
ら別の識別情報が選出され、それに基づく配信要求が出
される。後は、それに対応するオーディオデータが配信
されるので、来店者はそれも試聴することができる。こ
れにより、商品を見て試聴を行った後は他の商品を見て
も見なくても簡単に次の試聴が行えることとなる。
【0014】しかも、商品を見ないで行う試聴のとき
は、店の容易した識別情報の集合体を利用して自動的に
次候補が選定されるので、来店者は手軽で気楽に試聴を
繰り返すことができる。また、売場の店側では、識別情
報の集合体を準備する際に商品の陳列状態に対応させた
商品リスト等を利用する等のことで、簡便に、大方の者
の試聴時行動パターンに適合した次候補を選定すること
ができる。そのうえ、識別情報の集合体の並び等を工夫
して特定商品に誘導したり、未だ陳列していない商品で
もその識別情報を集合体に含めておくことで取り敢えず
試聴だけでも提供可能にする、といったことまで簡単か
つ迅速に行える。
【0015】そして、このような検索に基づく試聴につ
いても、その実行に伴って試聴に関する情報が視聴者毎
に蓄積される。これにより、視聴者毎の蓄積情報が一段
と豊富になる。そして、その蓄積情報を参照すること
で、来店者の興味等をより高い確度で推定することがで
きるので、一層的確な情報を提供することが可能とな
る。したがって、この発明によれば、視覚と聴覚の双方
を通じて購入意欲をそそるうえ見ないものまで簡単に試
聴でき更に試聴者それぞれに一層的確な情報を提供しう
るばかりか効率良く購入へと導く試聴システムを実現す
ることができる。
【0016】[第3の解決手段]第3の解決手段の試聴
システムは、出願当初の請求項3に記載の如く、上記の
第1,第2の解決手段の試聴システムであって、前記視
聴者管理手段が、配信制限を行う際に蓄積情報の個数に
基づいてそれを行うようになっている、というものであ
る。
【0017】このような第3の解決手段の試聴システム
にあっては、試聴件数の多寡に対応して試聴が制限され
るので、確実に、過剰な試聴を抑えることができる。し
かも、個数が判れば足りるので、視聴者情報の集合体等
が簡便なもので済む。したがって、この発明によれば、
視覚と聴覚の双方を通じて購入意欲をそそるうえ試聴者
それぞれに的確な情報を提供しうるばかりか効率良く購
入へと導く試聴システムを簡便に実現することができ
る。
【0018】[第4の解決手段]第4の解決手段の試聴
システムは、出願当初の請求項4に記載の如く、上記の
第2の解決手段の試聴システムであって、前記視聴者管
理手段が、配信制限を行う際に前記配信要求に基づく蓄
積情報と前記検索要求に基づく蓄積情報とで異なる重み
を付けて積算量を算出しその積算量に基づいて配信制限
を行うようになっている、というものである。
【0019】このような第4の解決手段の試聴システム
にあっては、明確に興味を感じたとき等に陳列商品を見
ながら行う試聴と、漠然とした興味の下で探しながら商
品を見ないで行う試聴とで、制限の仕方・程度が変えら
れる。このように試聴の態様に応じてサービス量を加減
することにより、購入しそうな来店者に多く試聴サービ
スが提供されるので、高い確度で試聴が購入に結びつく
こととなる。したがって、この発明によれば、視覚と聴
覚の双方を通じて購入意欲をそそるうえ見ないものまで
簡単に試聴でき更に試聴者それぞれに一層的確な情報を
提供しうるばかりか一層効率良く購入へと導く試聴シス
テムを実現することができる。
【0020】[第5の解決手段]第5の解決手段の試聴
システムは、出願当初の請求項5に記載の如く、上記の
第1〜第4の解決手段の試聴システムであって、前記視
聴者管理手段が、情報蓄積を行う際には時系列を維持す
るとともに(配信や検索に基づく試聴に関する情報に加
えて)購入に関する情報も蓄積するようになっており、
しかも、配信制限を行う際にはその購入情報に基づいて
制限を解除または緩和するようになっている、というも
のである。
【0021】このような第5の解決手段の試聴システム
にあっては、商品を購入した場合、その者の試聴制限が
解除または緩和される。このように購入実績に応じてサ
ービス量を加減することにより、購入意欲を持った来店
者に多く試聴サービスが提供されるので、より高い確度
で試聴が購入に結びつくこととなる。したがって、この
発明によれば、視覚と聴覚の双方を通じて購入意欲をそ
そるうえ試聴者それぞれに的確な情報を提供しうるばか
りか更に効率良く購入へと導く試聴システムを実現する
ことができる。
【0022】[第6の解決手段]第6の解決手段の販売
方法は、出願当初の請求項6に記載の如く、上記の第1
〜第5の解決手段の試聴システムにおける視聴者情報の
集合体を売場対応で複数設けるとともに、各売場でオー
ディオデータの記録媒体を販売するに際して前記試聴端
末の貸出を行う、というものである。又は各売場でオー
ディオデータの記録媒体を販売するに際して売場の特定
情報を付加して試聴の案内表示を行う、というものであ
る。
【0023】このような第6の解決手段の販売方法すな
わち試聴サービスを伴う記録媒体の販売方法にあって
は、それぞれの売場で独自に商品を揃えたときでも、幾
つかの売場で品揃えを統一したときでも、何れにして
も、識別情報を付して試聴対象品を商品棚等に陳列すれ
ば、それらの試聴に必要なオーディオデータの配信を受
けることができる。また、来店者に関する情報を収集す
ることができる。しかも、それぞれの売場毎に分けて、
売場を訪れた者の情報が収集されるので、常連客か一見
さんか等の区別も含めて把握することが可能となる。
【0024】これにより、従来は売場毎に必要であった
試聴専用記録媒体の追加や入換の作業が不要となり、商
品の品揃えに試聴対象品の品揃えが追い付かないといっ
た不都合も無くなる。しかも、それぞれの売場で異なる
客層等に木目細かく適合した情報提供サービスまで提供
することができるとともに、試聴の制限も各売場で視聴
者毎にきめ細かく行える。したがって、この発明によれ
ば、視覚と聴覚の双方を通じて購入意欲をそそるうえ試
聴者それぞれに的確な情報を提供できるばかいりか効率
良く購入へと導くこともでき更に試聴対象がどの売場で
も豊富になる販売方法を実現することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】このような解決手段で達成された
本発明の試聴システム及び販売方法について、これを実
施するための幾つかの形態を説明する。これらの実施形
態は、上述の課題に加えて以下の更なる課題も解決しよ
うとするものである。すなわち、陳列商品を見ながら行
う試聴と見ないで行う試聴とを統合して何れも簡単行え
るようにするに際し、試聴したい商品を多数陳列されて
いるものの中から探し出すのも厄介なのでそれまで簡単
行えるようにするものである。それも簡便に低コストで
具体化しようとするものである。
【0026】また、商品の宣伝・広告は視覚に訴えると
特に良いことから、流行歌等の販売促進用にしばしばプ
ロモーションビデオも作成されているので、その有効利
用を図るのも重要であり、それを簡便に低コストで具体
化することも課題となる。そして、試聴サービスの利用
が増進すると、それが試聴のみであっても試視まで可能
なものであっても、来店者が試聴に気を取られて場内放
送を聞き逃すということも増えてくるが、非常時の連絡
などは試聴サービスの享楽中であっても確実に聞き取ら
れるようにすることが必要であり、それを簡便に低コス
トで具体化することも課題となる。
【0027】さらに、インターネット(通信回線網)や
携帯電話の発達により、記録媒体を引き渡さなくても、
音楽や動画をオンラインで配信することも可能となった
が、従来のオンライン配信は、そもそも記録媒体の引き
渡しを不要にしようとするものなので、売場へ出向いて
商品を見てから購入を決めたいという者には不向きであ
り、オーディオデータの受信が直ちにその購入または譲
受を意味するので、試聴にも適さない。そこで、試聴サ
ービスの導入によって売場の販売量が増進するよう、売
場に陳列されている商品を見ながらどれでも簡単に試聴
を行えるようにするに際し、広く普及している携帯電話
機をサービス提供手段に利用することで、各売場におけ
る費用負担や設備投資が少なくて済むように工夫を凝ら
すことも課題となる。
【0028】[第1の実施の形態]本発明の第1の実施
形態は、上述した第1の解決手段の試聴システムであっ
て、前記視聴者管理手段が、情報蓄積を行うために、前
記試聴端末の何れかを前記集合体の何れかと動的に又は
固定的に対応付ける対応確立手段と、前記配信要求を出
した試聴端末に対応する視聴者情報を前記集合体のうち
から特定する視聴者特定手段と、その特定した視聴者情
報を前記配信要求に基づいて更新する視聴者情報更新手
段とを備えている、というものである。これらの手段
も、前記配信装置に又はそれと前記試聴端末との通信経
路中に存する他の装置に、纏めて又は分散して設けられ
る。
【0029】この場合、試聴に用いられた又は用いられ
ようとしている試聴端末が、対応確立手段によって、視
聴者情報の集合体のうちの何れかと動的に又は固定的に
対応付けられる。通常は、その端末の借受者や所有者な
どの使用者に割り振られた視聴者情報と対応付けられ
る。そして、そのような対応が確立されていることを前
提として、上述したような配信を行う際にはそれに並行
して、視聴者特定手段によって、視聴者情報の集合体の
うちから、配信要求を出した試聴端末に対応する視聴者
情報が特定されるとともに、視聴者情報更新手段によっ
て、その特定した視聴者情報が配信要求に基づいて更新
される。これにより、試聴が繰り返されるとそれに伴っ
て自然に試聴に関する情報が視聴者毎に蓄積されること
となる。
【0030】[第2の実施の形態]本発明の第2の実施
形態は、上述した第2の解決手段の試聴システムであっ
て、前記視聴者管理手段が、情報蓄積を行うために、前
記試聴端末の何れかを視聴者情報の集合体の何れかと動
的に又は固定的に対応付ける対応確立手段と、前記配信
要求または前記検索要求を出した試聴端末に対応する視
聴者情報を前記の視聴者情報の集合体のうちから特定す
る視聴者特定手段と、その特定した視聴者情報を前記配
信要求または前記検索要求に基づいて更新する視聴者情
報更新手段とを備えている、というものである。これら
の手段も、前記配信装置に又はそれと前記試聴端末との
通信経路中に存する他の装置に、纏めて又は分散して設
けられる。この場合、検索に基づく試聴についても、そ
の実行に伴って自然に試聴に関する情報が視聴者毎に蓄
積される。
【0031】[第3の実施の形態]本発明の第3の実施
形態は、上述した第2の実施形態の試聴システムであっ
て、前記視聴者情報更新手段が、前記検索要求に基づく
更新を試聴状況に応じて選択的に行うようになってい
る、というものである。この場合、試聴対象品の識別情
報を特定して行う試聴の場合は視聴者がそれに興味を示
したことが明確なのに対し検索に基づく試聴の場合は視
聴者がそれに興味を示すことが明確と言い切れないこと
に基づき、試聴に関する情報の蓄積が試聴状況に応じて
選択的に行われて、有効な情報だけが蓄積されるので、
蓄積情報に基づく推定の確度が更に高まることとなる。
【0032】[第4の実施の形態]本発明の第4の実施
形態は、上述した解決手段や実施形態の試聴システムで
あって、前記試聴端末が、前記検索要求として複数種類
のものを送出しうるものであり、前記検索手段が、その
種類に応じて前記識別情報の集合体に対する検索と付加
情報の集合体の双方に対する検索との何れか一方または
双方を行うようになっている、というものである。
【0033】この場合、試聴端末を使用して来店者が売
場に陳列されている商品を見ながらどれでも簡単に試聴
を行えるとともに、その試聴の後は、識別情報の集合体
に対する検索を利用して次の候補を簡単かつ迅速に試聴
できるばかりか、さらに、来店者が試聴後に別の商品を
探したいが何処へ移動すれば良いか判らないようなとき
には、試聴端末の操作等にて付加情報の集合体に対する
検索の要求を出しても良い。そうすると、検索手段によ
って、既に試聴した先の商品の識別情報を用いて検索が
行われ、付加情報の集合体の中から対応する付加情報が
選出されるので、来店者はそれを参考にして売場内で好
みの商品を探すことができる。これにより、商品を見て
試聴を行った後は未だ見ぬ商品を探すのも楽になる。そ
れも基本の試聴システムを一部拡張する程度のことで具
体化できるのでコストを掛けないで簡便に実現すること
ができる。
【0034】[第5の実施の形態]本発明の第5の実施
形態は、上述した実施形態の試聴システムであって、前
記付加情報と前記オーディオデータとが同じ方式で符号
化されている、というものである。この場合、検索にて
選出された付加情報が試聴端末から音響で出力されるの
で、試聴しながら探し歩くのに都合がよい。しかも、携
帯容易性の重視される試聴端末に機能追加を課すことな
く具体化できるので、実現が容易で、追加コストも余り
掛からないで済む。
【0035】[第6の実施の形態]本発明の第6の実施
形態は、上述した試聴システムを用いて行う販売方法で
あって、上記の第4,第5の実施形態の試聴システムに
おける識別情報の集合体および付加情報の集合体を売場
対応で複数設けるとともに、各売場でオーディオデータ
の記録媒体を販売するに際して前記試聴端末の貸出を行
う、というものである。又は各売場でオーディオデータ
の記録媒体を販売するに際して売場の特定情報を付加し
て試聴の案内表示を行う、というものである。
【0036】この場合、それぞれの売場で独自に商品を
揃えたときでも、幾つかの売場で品揃えを統一したとき
でも、何れにしても、識別情報を付して試聴対象品を商
品棚等に陳列するとともに、それに基づいて各集合体を
調製すれば、それらの試聴に必要なオーディオデータの
配信を受けることができるうえ、それぞれの売場での商
品陳列状態に合致した適切な次候補選定や探索向け案内
情報の提供が行われることにもなる。これにより、従来
は売場毎に必要であった試聴専用記録媒体の追加や入換
の作業が不要となり、商品の品揃えに試聴対象品の品揃
えが追い付かないといった不都合も無くなるといったこ
とに加えて、売場事情を反映した適切な検索サービスま
で提供することができる。
【0037】[第7の実施の形態]本発明の第7の実施
形態は、上述した解決手段や実施形態の試聴システムで
あって、下記の中継装置が一台以上設けられ、上記試聴
端末と上記配信装置とが以下のようになっている、とい
うものである。すなわち、試聴端末は、それぞれ、試聴
対象品に対して直に又は間接的に付されている識別情報
を読み取る読取手段と、その情報の送信およびオーディ
オデータの受信を行う無線の通信手段と、前記オーディ
オデータに基づいて音響出力の処理を行う再生手段とを
具えたものである。また、中継装置は、それらの試聴端
末から前記識別情報を受信するとともに前記オーディオ
データの送信を行う無線の通信基地的手段と、通信回線
網を介して前記識別情報に基づくオーディオデータの配
信要求を送出するとともに配信されたオーディオデータ
を前記通信基地的手段の送信に供する中継処理手段とを
具えたものである。さらに、配信装置は、多数のオーデ
ィオデータを保持する記憶手段と、前記通信回線網を介
して前記配信要求を受け付ける配信管理手段と、その要
求に対応するものを前記多数のオーディオデータから選
出して配信する配信実行手段とを具えたものである。し
かも、上記中継装置に、識別情報の集合体と付加情報の
集合体とを記憶保持する手段に加えて、上述した検索手
段も設けられており、その検索手段は、前記試聴端末か
ら受けた前記識別情報を用いて検索を行うようになって
いる。
【0038】この場合、配信装置と試聴端末との間に中
継装置を介在させたことにより、多数必要な試聴端末に
ついてその通信能力等を局所に絞り込んで小形かつ安価
にすることができる。しかも、中継装置は、売場に対応
していれば良いので、すなわち売場が無線通信可能範囲
に入ってさえいれば足りるので、確実に、売場の一部占
有の不都合が解消・緩和される。また、試聴端末は、無
線通信方式で携帯容易なので、売場を歩き回るときでも
負担にならない。
【0039】[第8の実施の形態]本発明の第8の実施
形態は、上述した解決手段や実施形態の試聴システムで
あって、下記の中継装置が一台以上設けられ、上記試聴
端末と上記配信装置とが以下のようになっている、とい
うものである。すなわち、試聴端末は、それぞれ、試聴
対象品に対して直に又は間接的に付されている識別情報
を読み取る読取手段と、その情報の送信を行うとともに
オーディオデータ及びビデオデータの受信を行う有線で
活線挿抜の可能な又は無線の通信手段と、前記オーディ
オデータに基づいて音響出力の処理を行うとともに前記
ビデオデータに基づいて映像出力の処理を行う再生手段
とを具えたものである。また、中継装置は、それらの試
聴端末から前記識別情報を受信するとともに前記オーデ
ィオデータ及び前記ビデオデータの送信を行う通信基地
的手段と、通信回線網を介して前記識別情報に基づくオ
ーディオデータ及びビデオデータの配信要求を送出する
とともに配信されたオーディオデータ及びビデオデータ
を前記通信基地的手段の送信に供する中継処理手段とを
具えたものである。さらに、配信装置は、多数のオーデ
ィオデータ及びビデオデータを保持する記憶手段と、前
記通信回線網を介して前記配信要求を受け付ける配信管
理手段と、その要求に対応するものを前記多数のオーデ
ィオデータ及びビデオデータから選出して配信する配信
実行手段とを具えたものである。しかも、上記中継装置
に、識別情報の集合体と付加情報の集合体とを記憶保持
する手段に加えて、上述した検索手段も設けられてお
り、その検索手段は、前記試聴端末から受けた前記識別
情報を用いて検索を行うようになっている。
【0040】このような試聴システムは、上述した第7
実施形態の試聴システム等を拡張したものであり、オー
ディオデータに加えてそれに対応するビデオデータが有
ればそれも配信されて試聴端末で見ることができる、と
いうものである。これにより、売場に陳列されている商
品を見ながらどれでも簡単に試聴および試視を行えるこ
ととなる。また、試聴端末も、無線通信方式で或いは有
線であっても活線挿抜の可能なものの採用によって、携
帯容易性が維持されている。しかも、そのような商品又
は商品見本の視認および録音内容の試聴に加えて関連ビ
デオの試視までも簡単に行えるシステムが試聴システム
の拡張にて簡便に低コストで具体化される。
【0041】[第9の実施の形態]本発明の第9の実施
形態は、上記の第7、第8の実施形態の試聴システムで
あって、前記中継装置に対応して販売端末が設けられ、
前記試聴端末が、前記読取手段を用いて又は他の入力手
段を用いて購入指示を入力可能なものであり且つその指
示も前記通信手段にて送信するものであり、前記中継装
置および前記配信装置の何れか一方または双方が、前記
購入指示を前記販売端末に通知するものであり、前記販
売端末が、前記購入指示に基づいて受注品名提示等の受
注管理処理を行うようになっている、というものであ
る。
【0042】この場合、商品の試聴や試視を行ってその
購入を決めた来店者が試聴端末にて購入指示を出すと、
その指示が販売端末に通知されて受注管理処理に供され
る。そして、その受注管理処理に基づき自動で或いは店
員の手作業で、購入品が取り揃えられる。これにより、
来店者は、購入品を持ち歩かなくても、試聴しながら又
は試聴および試視を行いながら買い物を継続しうること
となる。そして、試聴端末の返却や代金の支払い等に応
じて速やかに購入品を受け取ることができる。
【0043】[第10の実施の形態]本発明の第10の
実施形態は、上記の第9の実施形態の試聴システムであ
って、前記販売端末が、前記中継装置に代わって、前記
集合体を記憶保持するとともに、その検索を行うように
なっており、前記中継装置は、その検索を前記販売端末
に依頼するようになっている、というものである。
【0044】受注管理処理を担う販売端末には、ほとん
どの場合、商品リスト等のデータが具えられており、そ
れをそのまま流用して或いは適宜なデータ変換を施すこ
とで、識別情報の集合体が簡単に出来上がる。その更新
等も商品リスト等の更新の一環として自然に行える。こ
のような販売端末を利用することにより、次候補検索用
データの確立や維持までも容易かつ確実に行えることと
なる。
【0045】[第11の実施の形態]本発明の第11の
実施形態は、上述した解決手段の試聴システムであっ
て、インターネット(通信回線網)接続の可能な携帯電
話機を試聴端末として用いるとともに、下記の販売端末
が売場毎に設けられ、上記配信装置が以下のようになっ
ている、というものである。すなわち、販売端末は、通
信回線網を介して購入指示を受けるとそれに基づいて受
注品名提示等の受注管理処理を行うものである。また、
配信装置は、単体で又は分散して設けられ、前記通信回
線網を介して前記複数の販売端末および多数の携帯電話
機と通信可能に結ばれたものであって、さらに、多数の
オーディオデータと試聴対象品の識別情報の集合体と付
加情報の集合体とを纏めて又は分散して保持する単体の
又は分散設置された記憶手段と、何れかの携帯電話機か
ら送出された配信要求を前記通信回線網経由で受けると
その要求から試聴対象品の識別情報を抽出しそれに対応
するものを前記多数のオーディオデータから選出して要
求元の携帯電話機へ配信する直接配信手段と、この手段
と別に設けられ又はその一部もしくは全部を利用・共有
して設けられて上記検索手段の一部を成し何れかの携帯
電話機から送出された識別情報検索の検索要求を前記通
信回線網経由で受けると同じ携帯電話機による直前の配
信要求から得た試聴対象品の識別情報を用いて前記集合
体の一方を検索して別の識別情報を選出しそれに対応す
るものを前記多数のオーディオデータから選出して要求
元の携帯電話機へ配信する検索配信手段と、この手段と
共に上記検索手段を構成し何れかの携帯電話機から送出
された付加情報検索の検索要求を前記通信回線網経由で
受けると同じ携帯電話機による直前の配信要求から得た
試聴対象品の識別情報を用いて前記集合体の他方または
双方を検索して対応する付加情報を選出して要求元の携
帯電話機へ送る情報提供手段と、前記配信要求または前
記検索要求を出した携帯電話機から購入指示を受けると
それ(即ち前記購入指示と前記配信要求と前記検索要求
とのうち何れか一つ又は複数のもの)に基づいて売場を
特定し前記複数の販売端末のうちその売場に設けられて
いるものに前記購入指示を送信する購入指示転送手段と
を具えている。
【0046】この場合、インターネット接続機能の具わ
った携帯電話機を保持している来店者は、売場に陳列さ
れている商品を見ながらどれでも簡単に試聴を行えるば
かりか、購入品を持ち歩かなくても、試聴しながら買い
物を継続しうることとなる。そして、代金の支払い等に
応じて速やかに購入品を受け取ることができる。また、
それぞれの売場に導入されるものは販売端末だけであ
り、その販売端末も既存装置の機能増強か置き換え程度
で済むことが多いので、売場の一部占有の不都合が解消
・緩和される。さらに、携帯電話機は、携帯が容易なの
で、売場を歩き回るときでも負担にならない。
【0047】[第12の実施の形態]本発明の第12の
実施形態は、上述した第11実施形態の試聴システムで
あって、前記配信装置は、前記集合体が各売場に対応し
て複数設けられていて、その検索に際して前記配信要求
と前記検索要求との何れか一方または双方に基づいて売
場を特定し前記集合体のうちでその売場に対応するもの
を検索用に選出するようになっている、というものであ
る。
【0048】この場合、売場毎に識別情報の集合体が使
い分けられる。そこで、識別情報の集合体を準備する際
に、それぞれの売場における商品の陳列状態に識別情報
の並び等を対応させる等のことで、各売場で商品の陳列
状態が異なっていても容易に、何れの売場でもそこの商
品陳列状態に適合した次候補が選定されることとなる。
【0049】[第13の実施の形態]本発明の第13の
実施形態は、上述した第12実施形態の試聴システムで
あって、前記複数の販売端末がそれぞれ前記集合体のう
ち設置先の売場に対応するものを前記配信装置に送信す
るようになっている、というものである。
【0050】この場合、試聴対象品の識別情報の集合体
や付加情報の集合体がそれぞれ対応付けられている売場
に設置された販売端末からアップロードされるが、受注
管理処理を担う各販売端末には、ほとんどの場合、設置
先の売場に関する商品リスト等のデータが具えられてお
り、それをそのまま流用して或いは適宜なデータ変換を
施すことで、次候補検索用データである識別情報の集合
体が簡単に出来上がる。その更新等も商品リスト等の更
新の一環として自然に行える。このように各売場の販売
端末を利用することにより、それぞれの売場に対応する
複数・多数の集合体についてその確立や維持までも容易
かつ確実に行える。
【0051】[第14の実施の形態]本発明の第14の
実施形態は、上述した第11〜第13の実施形態の試聴
システムであって、前記配信装置が、前記多数のオーデ
ィオデータに加えてそれぞれに対応したビデオデータ及
びそれを間引き圧縮したスナップデータも保持してお
り、オーディオデータの配信に際してそれに対応するス
ナップデータの配信も行うようになっている、というも
のである。
【0052】この場合、オーディオデータの配信に際し
てそれに対応するスナップデータが有ればそれも配信さ
れることから、試聴用の携帯電話機に画像表示機能が具
わっていれば、そして最近の携帯電話機はほとんどその
ようになっているので、大抵、その映像も見ることがで
きる。なお、ビデオデータをそのまま配信するのでな
く、それを間引き圧縮したスナップデータを配信するよ
うになっているので、通信負荷は軽くて済み、既存の携
帯電話機でも無理なく使用することができる。
【0053】[第15の実施の形態]本発明の第15の
実施形態は、上述した解決手段および実施形態の試聴シ
ステム及び販売方法であって、前記配信装置が、前記多
数のオーディオデータに加えてそれぞれに対応したプリ
ントデータも保持しており、前記中継装置および前記配
信装置の何れか一方または双方が、前記販売端末への購
入指示の通知に際して、その指示に対応するオーディオ
データ及びプリントデータも引き渡すものであり、前記
販売端末が、その引き渡されたオーディオデータを記録
媒体に書き込むとともに、その引き渡されたプリントデ
ータに基づいて前記記録媒体の印刷面に対し又はその付
属物の印刷面に対し印刷を行うようになっている、とい
うものである。
【0054】この場合、売り切れてしまった商品や元々
在庫していなかった商品について購入指示があると、そ
の売場で、記憶媒体へのデータの書き込みに加えてラベ
ル面やジャケット等への印刷までも動的に行われる。そ
して、それらを組み上げれば、対応する商品が出来上が
る。
【0055】[第16の実施の形態]本発明の第16の
実施形態は、上述した第15実施形態の試聴システムで
あって、前記中継装置および前記配信装置の何れか一方
または双方が、前記販売端末への購入指示の通知に際し
て、その指示に対応するビデオデータを引き渡すもので
あり、前記販売端末が、その引き渡されたビデオデータ
を前記記録媒体に追記する又は他の記録媒体に書き込む
ようになっている、というものである。
【0056】この場合、商品が動的に出来上がるのに加
えて、その商品に対応したプロモーションビデオ等の関
連商品または添付サービス品まで動的に出来上がる。
【0057】[第17の実施の形態]本発明の第17の
実施形態は、上述した解決手段および実施形態の試聴シ
ステムであって、中継装置に対応して次の放送装置が設
けられている、というものである。すなわち、その放送
装置には前記オーディオデータの符号化と同じ符号化を
行う符号化処理手段が具わっていて、その放送装置は放
送データに対し常に又は選択的に前記符号化処理手段に
よる処理を施してからそれを前記中継装置に送るように
なっている。しかも、前記中継装置は、上述の手段に加
えて、その放送データを受けるとそれを前記通信基地的
手段の送信にて前記複数の試聴端末へ一斉に送る放送処
理手段も具えている。
【0058】この場合、売場で試聴中の来店者に向けて
一斉連絡等の放送を行うときや、売場やその周りに向け
て非常事態の場内放送等を行う際には、その放送内容が
そのまま手動で又は自動で転送等されて放送データとな
り、あるいは同じ内容のものが放送データとして再入力
等され、その放送データが放送装置に授けられる。する
と、その放送データは、配信用オーディオデータと同じ
符号化処理が放送装置によって施され、それから中継装
置を経て複数の試聴端末へ一斉に送られる。
【0059】これにより、各試聴端末で試聴に割り込ん
で放送が優先実行されるので、試聴中の者にも一斉放送
が確実に聞き取られることとなる。特に試聴が連続して
いてそれに聞き入っている状態では場内放送を聞き逃し
易いので、見ないものまで簡単に試聴できるという状況
の下では効果抜群である。また、試聴システムを利用し
て具体化したので、すなわち中継装置の少々の機能アッ
プとそれに対応させて放送装置を設置することで具体化
しているので、実現が容易で追加コストも余り掛からな
いで済む。
【0060】このような解決手段や実施形態で達成され
た本発明の試聴システム及び販売方法について、これを
実施するための具体的な形態を、以下の第1〜第14実
施例により説明する。図1〜図5に示した第1実施例
は、上述した第1〜第4,第6の解決手段に加えて第1
〜第7の実施形態も具現化したものである。図6〜図8
に示した第2実施例は、それに加えて上述した第5の解
決手段や,第9,第10,第17の実施形態も具現化し
たものであり、図9に示した第3実施例や、図10に示
した第4実施例、図11に示した第5実施例は、その変
形例である。図12に示した第6実施例は、上述した第
15の実施形態も具現化したものである。これら第1実
施例〜第6実施例は、試聴のみのシステム等に関する。
【0061】また、図13及び図14に示した第7実施
例は、上述した第1〜第6の解決手段に加えて第1〜第
3,第8〜第10,第17の実施形態を具現化したもの
であり、図15に示した第8実施例は、その変形例であ
る。また、図示を割愛した第9実施例や、図16に示し
た第10実施例は、上述した第15,第16の実施形態
も具現化したものである。これら第7実施例〜第10実
施例は、試聴に加えて試視も可能なものに関する。
【0062】さらに、図17及び図18に示した第11
実施例は、上述した第1〜第6の解決手段に加えて第1
〜第3,第11〜第14の実施形態を具現化したもので
ある。図19に示した第12実施例は、上述した第15
の実施形態も具現化したものであり、図示を割愛した第
13実施例や、図20に示した第14実施例は、上述し
た第16の実施形態も具現化したものである。これら第
11実施例〜第14実施例は、試聴端末に携帯電話機を
流用している。なお、それらの図示に際しては、簡明化
等のため、装置の外観や電子回路構造などは図示を割愛
して、ブロック図を多用し、発明の説明に必要なものや
関連するものを中心に示した。
【0063】
【第1実施例】本発明の試聴システムの第1実施例につ
いて、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。
図1は、そのシステム全体のブロック図であり、図2
は、検索対象の商品リスト(識別情報の集合体)及び音
声案内データ(付加情報の集合体)のデータ構造図でで
あり、図3は、視聴者管理のための視聴者リスト(視聴
者情報の集合体)及び端末リスト(視聴端末情報の集合
体)のデータ構造図である。
【0064】このシステムは(図1参照)、CDショッ
プ等の売場で販売を促進する等のために、商品やその見
本として陳列されている陳列品50を対象にしてその中
身すなわちメディア51(オーディオデータの記録媒
体)に記録されている音楽等を来店者に試聴させるサー
ビスの提供を可能とするものであり、その際に、多くの
売場で共通の提供者から試聴用オーディオデータのオン
ライン配信が受けられるようにもすべく、それぞれの売
場に対応させて中継装置20が分散設置されるととも
に、それらと提供側の配信装置11〜13とがインター
ネット10(通信回線網)を介して交信可能にされる。
さらに、それぞれの売場には、多数の試聴端末40も備
え付けられる。
【0065】配信装置は、それぞれがコンピュータシス
テムからなる複数のサーバ11〜13に分散して具体化
されており、そのうち配信管理サーバ11(配信管理手
段)は、各中継装置20が配信要求を出す宛先になって
いる。そのため、配信管理サーバ11は、他のサーバ1
2,13に関する管理データを保持しており、インター
ネット10を介して配信要求が送られてくると、それを
受け付けてそれに含まれている識別情報や配信先が適切
か否かのチェック等を行ってから又はそれを行いなが
ら、識別情報を管理データに照らして適切なサーバを他
のサーバ12,13から選出し、それに配信実行を委託
するようになっている。
【0066】配信装置のうちA社サーバ12は、A社が
配信権を持っている音楽等のオーディオデータをハード
ディスク等に記憶保持するとともに、配信管理サーバ1
1から転送されてきた配信要求に応じてそれに対応する
ものを自己の保持する多数のオーディオデータから選出
してインターネット10経由で配信するようになってい
る。B社サーバ13も、オーディオデータはB社に配信
権のあるものになっているが、同様のものである。各オ
ーディオデータは、メディア51に記録されている符号
化データと同じでも良く、他の符号化方式に変換したも
のでも良く、試聴用に一部が抜粋されたものでも良い。
【0067】中継装置20は、通信機能を付加したコン
ピュータシステムからなり、具体的には、インターネッ
ト10経由での交信を可能とするゲートウェイ21と、
プログラム処理にて中継処理や検索処理を行う情報処理
装置22と、対応する売場に導入された多数の試聴端末
40を相手に無線通信を行う基地局23とが、例えば、
イントラネットで疎に結合されたものや、バスラインで
密に結合されたものとなっている。基地局23は、それ
ぞれの試聴端末40を周波数チャネルや端末番号など適
宜手法で識別しながら通信を行って、それらの試聴端末
40から識別情報を受信すると端末番号などの必要情報
も付加して情報処理装置22に引き渡すようになってい
る。
【0068】情報処理装置22には、この例では識別情
報のうち特定のものが次候補選定指示(識別情報検索指
示)とアップテンポな又はスローテンポな曲の陳列箇所
への移動位置選定指示(2種類の付加情報検索指示)と
に割り当てられている等のことに基づき、基地局23か
ら受け取った識別情報が検索指示を意味する特定のもの
かそれとも試聴指示すなわち試聴対象メディア51の識
別用の多数のうちの一つなのか或いは視聴者情報と試聴
端末40との対応確立を指示するものなのかを判別する
判定処理ルーチンと、判別結果が試聴指示のときにはそ
れに基づいてオーディオデータの配信要求のメッセージ
を作成する中継処理ルーチンと、判別結果が検索指示の
ときには商品リスト26(識別情報の集合体)や音声案
内データ27(付加情報の集合体)を対象に検索処理を
行う検索処理ルーチンと、判別結果が対応確立指示のと
きには視聴者リスト28(視聴者情報の集合体)や端末
リスト29(試聴端末情報の集合体)にアクセスして情
報蓄積等を行う視聴者管理ルーチンとがインストールさ
れている。
【0069】商品リスト26及び音声案内データ27は
(図2参照)、内蔵の又は外付けのメモリやハードディ
スク等の記憶手段に、テーブルやファイル等の検索可能
な又は検索に適したデータ形式で、記憶保持されてい
る。そのうち商品リスト26には、試聴対象となる多数
商品の一般的な情報に加えて、商品それぞれに対応させ
て識別情報が含まれている。例えば図2の例では番号が
そのまま識別情報として用いられるようになっている
が、そのような一連番号とは別の番号や記号などを用い
るようになっていても良い。
【0070】音声案内データ27には、それぞれの番号
すなわち識別情報に対応させて、その曲よりアップテン
ポな曲としてその売場の勧める曲の陳列位置に関する音
声案内データと(図2では案内(64)の列を参照)、
その曲よりスローテンポな曲としてその売場の勧める曲
の陳列位置に関する音声案内データと(図2では案内
(65)の列を参照)が含められている。しかも、その
音声案内データは、何れも、サーバ12,13に保持さ
れている配信用オーディオデータに施されている符号化
方式で符号化されていて、試聴端末40へ送れば再生し
て聞けるようになっている。
【0071】このような集合体26,27に対する検索
処理では、直前の試聴指示の識別情報、即ちそれまでに
基地局23から受け取った識別情報のうち試聴対象メデ
ィア51識別用のものであって最後のものが用いられる
が、その処理の内容は検索指示の種類に応じて異なる。
検索指示が次候補選定指示のときは、直前の試聴指示の
識別情報と異なる別の識別情報を商品リスト26の中か
ら選出して、それを恰も基地局23から受け取った如く
新たな試聴指示として中継処理ルーチンに引き渡すよう
になっている。選定の具体的な内容は、例えば、リスト
の並び順における隣の識別情報を選定する比較的単純な
ものでも良く、振幅の拡張を伴って左右に振りながら選
定するのでも良く、識別情報以外の例えば歌手名等も参
照して関連度の高いものを優先して選定するようになっ
ていても良い。
【0072】検索指示が移動位置選定指示であってアッ
プテンポな曲の陳列箇所への案内を求めるもののとき
は、音声案内データ27における該当列(図2では案内
(64)の列)の中から、直前の試聴指示の識別情報に
対応したデータを選び出し、その音声案内データを基地
局23経由で要求元の試聴端末40へ送信するようにな
っている。これに対し、検索指示が移動位置選定指示の
うちスローテンポな曲の陳列箇所への案内を求めるもの
のときは、音声案内データ27における該当列(図2で
は案内(65)の列)の中から、直前の試聴指示の識別
情報に対応したデータを選び出し、その音声案内データ
を基地局23経由で要求元の試聴端末40へ送信する。
情報処理装置22はそのようになっている。
【0073】視聴者リスト28やそれに関係する端末リ
スト29は(図3参照)、内蔵の又は外付けのメモリや
ハードディスク等の記憶手段に、テーブルやファイル等
のアクセス容易なデータ形式で、記憶保持されている。
この記憶手段は上述した記憶手段と別のものでも兼用さ
れる同一物でも良い。端末リスト29には、該当する売
場で使用される試聴端末40の番号とポインタとの組
が、試聴端末40の台数分、含まれている。
【0074】視聴者リスト28には、アドレスの判明し
ているメモリに割り付けられた基点のポインタが一つ
と、ヒープ領域等から切り出して追加可能に確保された
メモリ領域に割り振られた多数の視聴者情報とが、含ま
れている。各視聴者情報は、ポインタと識別番号(視聴
者識別番号・視聴者の識別情報)と属性との組からな
る。その属性の項目には、属する視聴者情報の蓄積原因
が配信要求なのか検索要求なのかを区別可能なフラグ等
がセットされるようになっている。
【0075】視聴者管理ルーチンは、判別結果が対応確
立指示のときに判定処理ルーチンによって呼び起こされ
る他、中継処理ルーチンが配信要求のメッセージを作成
したとき又はそれに応じてオーディオデータの配信があ
ったときにも中継処理ルーチンによって呼び起こされ
る。また、検索処理ルーチンが商品リスト26を対象に
検索処理を行って次候補を選定したとき又はそれに応じ
てオーディオデータの配信があったときにも検索処理ル
ーチンか中継処理ルーチンによって呼び起こされる。そ
の際、配信要求等を出した試聴端末40の番号が通知さ
れるようになっている。さらに、対応確立指示に応じて
呼び起こされたときには、視聴者特定用の識別番号も通
知される。この例では「9」で始まる多数の番号が視聴
者特定用に確保されている。
【0076】視聴者管理ルーチンは、判定処理ルーチン
からの呼出に応じてその指示を出した試聴端末40を視
聴者リスト28の何れかと動的に対応付ける処理を行う
対応確立サブルーチンと、中継処理ルーチン及び検索処
理ルーチンからの呼出に応じてその配信要求または検索
要求を出した試聴端末40に対応する視聴者情報を視聴
者リスト28のうちから特定する視聴者特定サブルーチ
ンと、その特定した視聴者情報を配信要求または検索要
求に基づいて更新する視聴者情報更新サブルーチンと、
その特定した視聴者情報に基づいて該当視聴者に関する
配信を必要であれば制限することで視聴者毎に配信制限
を行う配信制限サブルーチンとを単独で又は適宜組み合
わせて使うようになっている。
【0077】対応確立サブルーチンは、視聴者リスト2
8の中から視聴者の識別番号すなわち視聴者識別番号の
一致するものを探して見つかればそのデータ組を選出し
見つからなければその識別番号を含ませたデータ組とそ
れに後続する空のデータ組との対を追加するとともに、
端末リスト29の中から試聴端末40の番号が一致する
データ組を選び出してそのポインタが視聴者リスト28
中の選出済みデータ組を指すようにする。なお、識別番
号が対応解除を指示する特定のものである場合には、端
末リスト29中の該当ポインタ値を「NULL」にして
何処も指さないようにする。視聴者特定サブルーチン
は、先ず端末リスト29の中から試聴端末40の番号が
一致するデータ組を選び出し、そのポインタの指すとこ
ろに従って視聴者リスト28のうちから対応する視聴者
情報を特定するようになっている。
【0078】視聴者情報更新サブルーチンは、視聴者リ
スト28中で特定されたデータ組に後続するデータ組に
アクセスして、それが空であればそれに試聴対象品の識
別番号を含ませ、それが空で無ければ新たに空のデータ
組を確保してそれに試聴対象品の識別番号を含ませたう
えでポインタにて繋ぎ込むようになっている。その際、
その属性の項目には、更新処理が配信要求に基づいて行
われることになったのか、それとも検索要求に基づいて
行われることになったのかを、フラグ等でセットするよ
うにもなっている。これらのルーチンによる視聴者情報
の更新は、検索要求に基づく場合、配信されたオーディ
オデータの全部または所定割合以上の試聴が済んだ後
で、実行される。又は要求時に更新されるが試聴の早い
段階での打ち切り時には元に戻される。このように試聴
状況に応じて選択的に行われるようになっている。
【0079】配信制限サブルーチンは、該当視聴者に関
して視聴者リスト28中に蓄積されているデータ組を数
え上げる等のことを行い、それで得られた蓄積情報の個
数に基づいて、その数と例えば所定値「50」との比較
を行って、制限を課すべきか否かを決定し、そのうえ
で、蓄積情報の個数が所定値を超えていたら、その後の
配信を止めるようになっている。また、配信制限サブル
ーチンは、該当視聴者に関して視聴者リスト28中に蓄
積されているデータ組の属性も調べて、それが配信要求
に基づく蓄積情報であることを示していれば例えば重み
係数「2」を付与し、それが検索要求に基づく蓄積情報
であることを示していれば例えば異なる重み係数「0.
5」を付与して、それらを積み上げる等の演算を行い、
それで算出された積算量に基づいて、その量と例えば所
定値「60」との比較を行って、制限を課すべきか否か
を決定し、そのうえで、積算量が所定値を超えていた
ら、その後の配信を止めるようにもなっている。これら
2種類の配信制限は、それぞれ独立に、且つ中継装置2
0毎に即ち売場毎に、而も動的に、選択可能となってい
る。
【0080】ゲートウェイ21は(図1参照)、情報処
理装置22から出されたオーディオデータの配信要求を
インターネット10経由で配信管理サーバ11へ送信す
るようになっている。その際、配信要求に配信アドレス
等の必要情報が付加されるようにもなっている。また、
ゲートウェイ21は、その配信要求に応じてインターネ
ット10経由で配信されて来たオーディオデータを情報
処理装置22に引き渡すようになっている。情報処理装
置22はそれを基地局23に引き渡すようになってお
り、基地局23はそれを要求元の試聴端末40に送信す
るようになっている。
【0081】試聴端末40は、それぞれが、携帯容易な
ように小形軽量に纏められた端末本体41と、それにフ
レキシブルなケーブル等で信号送受可能に接続されたヘ
ッドホン42及びバーコードリーダ43とを具えてい
る。バーコードリーダ43は試聴対象品の識別情報等を
読み取る読取手段として用いられ、ヘッドホン42は試
聴のために再生された音を発するオーディオ出力手段と
して用いられるものである。端末本体41は、バッテリ
駆動のマイクロプロセッサシステムからなり、基地局2
3を相手にして識別情報を送信するとともにオーディオ
データを受信するための無線通信回路も内蔵している。
端末本体41には、受信したオーディオデータをバッフ
ァリングするのに十分な記憶容量をもったメモリが装備
されるとともに、そのオーディオデータに基づいてアナ
ログ音響信号を再生しそれをヘッドホン42に出力する
オーディオ再生ルーチンやアンプ回路など(再生手段)
も具わっている。
【0082】さらに、端末本体41には、バーコードリ
ーダ43で読み取ったコードデータを入力するコード読
取ルーチンがインストールされており、そのコードが各
メディア51の識別情報なのか別の情報なのかをこの段
階では区別することなく、そのコードデータを無線通信
回路に引き渡して送信させるようになっている。また、
この端末本体41は、来店者等が許可無く持ち去るのを
防止する等のために、常態では可能な無線通信が出来な
くなったり、常態では受けないはずの盗難防止電波や不
可視光に感応したりすると、アラームを発するようにも
なっている。
【0083】この第1実施例の試聴システムを使用した
販売方法およびそのときのシステム動作を、図面を引用
して説明する。図4は、売場における商品の陳列状況を
示し、(a)が陳列品の外観図、(b)が陳列棚の正面
図である。また、図5は、視聴に伴う視聴者リスト及び
端末リストの更新状況を示し、(a)が先、(b)が後
である。
【0084】この試聴システムの導入に際し、サーバ1
1〜13は国内または国外で通信事情の良いところに設
置され、中継装置20はそれぞれ対応する売場のサービ
スカウンタの内側や売場裏の倉庫の中などに設置され、
試聴端末40は、対応する売場の入口のところに置かれ
た箱や棚などに入れられる。そして、各売場で、CD等
のメディア51を陳列して販売するとともに、その試聴
を希望する来店者には試聴端末40が貸し出される。各
売場の出口等には、その返却箱なども置かれる。試聴端
末40の貸出場には、お客様ノート(帳面)や,来店者
登録端末,ポイントカード発行機,お得意さま優待カー
ドなどを置き、それらを利用して、試聴端末40を貸し
出す際に、「9……」の視聴者識別番号(視聴者の識別
情報)を各来店者に割り振るとともに、繰り返して来店
したリピータには出来るだけ同じ視聴者識別番号を繰り
返して割り当てる。その割当てをシステムに通知する際
に例えばバーコードリーダ43を利用するのであれば上
記ノート等に視聴者識別番号を通常の文字に加えてバー
コードでも印刷しておく。
【0085】メディア51は(図4(a)参照)一般に
透明ケース等に納められて陳列・販売されるが、その陳
列品50にはメディア51に加えてジャケット52や歌
詞カード等も収納されており、しばしばメディア51や
ジャケット52等にはそれに割り振られたバーコード5
3(試聴対象品の識別情報)が印刷されている。それが
無い場合や、それが有っても別に識別情報を付した方が
良い場合には、陳列品50の透明な包装フィルム等にバ
ーコード53が貼付される。例えば陳列品50がメディ
ア51を抜き取られたりダミーで置き換えられた見本で
ある場合や、売場ごとに異なる情報を付加したい場合な
ど、陳列品50を陳列するときにバーコード53を貼付
する方が便利である。
【0086】バーコード53の付された陳列品50は、
次々と売場の陳列棚60に並べられるが(図4(b)参
照)、その陳列棚60には、次候補選定指示(識別情報
検索指示)に割り当てられた特定のバーコード63も何
カ所かに貼り付けられる。そのバーコード63には、
「ただいま試聴中のCDに続けて隣り等のCDも順に試
聴なさりたい方はこのバーコードをお手持ちの試聴端末
のリーダで読み取って下さい」といった説明文も案内の
ため提示される。また、陳列棚60には、試聴した曲よ
りもアップテンポな曲のところへ導く移動位置選定指示
(付加情報検索指示)に割り当てられた特定のバーコー
ド64も何カ所かに貼り付けられ、そのバーコード64
には、「ただいま試聴中のCDよりもアップテンポな曲
をお探しの方はこのバーコードをお手持ちの試聴端末の
リーダで読み取って下さい」といった説明文も提示され
る。
【0087】さらに、陳列棚60には、試聴した曲より
もスローテンポな曲のところへ導く移動位置選定指示
(付加情報検索指示)に割り当てられた特定のバーコー
ド65も何カ所かに貼り付けられ、そのバーコード65
には、「ただいま試聴中のCDよりもスローテンポな曲
をお探しの方はこのバーコードをお手持ちの試聴端末の
リーダで読み取って下さい」といった説明文も提示され
る。また、陳列棚60における陳列品50の並び順に商
品リスト26におけるデータの並び順を出来るだけ一致
させておく。音声案内データ27の各アイテムには、そ
れぞれの商品よりもアップテンポ又はスローテンポなも
のが陳列されている陳列棚の絶対位置や相対位置などを
音声で知らせる符合化データをセットしておく。案内先
が無いときやデータの準備が間に合わないときは、お詫
びの音声データをセットしておく。こうして、来店者に
陳列品50の試聴サービスを提供する準備が調う。
【0088】そして、そのような売場を訪れた来店者
は、試聴を希望しない場合は一般の売場のときと同様に
陳列品50を見て購入するか否かを決めれば良いが、試
聴を希望する場合、先ず入口で試聴端末40を借り受け
る。その際、店の者は、その試聴端末40にて来店者に
割り当てた視聴者識別番号を読み取らせる。すると、そ
の識別番号が、試聴端末40から中継装置20の情報処
理装置22に送られ、試聴端末40の端末番号と共に、
視聴者管理ルーチン下の対応確立サブルーチンの処理に
付される。そして(図5(a)参照)、例えば端末番号
が「3」で視聴者識別番号が「9…1」の場合、視聴者
リスト28の基点ポインタから始まる一次リンクから視
聴者識別番号「9…1」のデータ組が探し出されるとと
もに、端末リスト29における端末番号「3」のデータ
組のポインタが、視聴者識別番号「9…1」のところを
指すように書き替えられる。
【0089】それから、来店者は、借りた試聴端末40
を持って陳列棚60の陳列品50を見て歩きながら、気
に入った陳列品50が見つかって、それを試聴したいと
思ったときには、その陳列品50を手に取り、そのバー
コード53を試聴端末40付属のバーコードリーダ43
に読み取らせる。そうすると、そのバーコード53の読
取情報すなわち陳列品50の識別情報が、試聴端末40
から中継装置20へ無線で送られる。中継装置20で、
その識別情報は、端末番号と共に、視聴者管理ルーチン
下の視聴者特定サブルーチンと視聴者情報更新サブルー
チンの処理に付される。そして、端末リスト29におけ
る端末番号「3」の相方のポインタに従って視聴者リス
ト28における視聴者識別番号「9…1」のデータ組を
特定し、それに後続するデータ組から始まる二次リンク
に、新たなデータ組を追加挿入して、それに陳列品50
の識別情報を含ませる。
【0090】また、それと並行して、陳列品50の識別
情報は、中継処理によって中継装置20からインターネ
ット10経由で配信管理サーバ11へ送られ、そこでA
社サーバ12かB社サーバ13の何れか該当する方に振
り分けられる。それから、そのサーバでは当該識別情報
に対応するオーディオデータが検索され、そのオーディ
オデータが、インターネット10及び当該売場の中継装
置20を介して、当該試聴端末40にダウンロードされ
再生される。こうして、簡単に、視聴者は陳列品50を
目で見るとともにその内容を耳で聞くことができる。ま
た、それに伴って自動的に、視聴者リスト28には、視
聴者毎に分けて、試聴履歴データが蓄積される(図5
(a),(b)の右上部分を対比して参照)。
【0091】そのうえで、例えば、近隣の陳列品50も
試聴して見たい気もするが、次の試聴対象品に対する興
味は具体的ではない等のため、陳列品50の取り出しと
入れ戻しをいちいち繰り返すのは厄介だと感じているよ
うなときには、読み取り易いところのバーコード63を
バーコードリーダ43で読み取る。そうすると、そのバ
ーコード63の読取情報が試聴端末40から中継装置2
0へ無線で送られ、そこで次候補選定指示であると判別
されて、情報処理装置22の検索処理に回される。
【0092】そして、先に試聴したばかりのメディア5
1の識別情報を用いて、商品リスト26の中からその次
に位置する別の識別情報が一つ選定され、それに基づい
てオーディオデータの配信要求が作られる。さらに、そ
の要求が中継装置20からインターネット10経由で配
信管理サーバ11へ送られ、そこでA社サーバ12かB
社サーバ13の何れか該当する方に振り分けられる。そ
れから、そのサーバでは当該識別情報に対応するオーデ
ィオデータが検索され、そのオーディオデータが、イン
ターネット10及び当該売場の中継装置20を介して、
当該試聴端末40にダウンロードされ再生される。
【0093】こうして、次の陳列品50の試聴が、それ
には手を掛けなくても、それを目視確認しなくても、簡
単に行える。また、そのような試聴のときにも、試聴の
完遂等を条件として、試聴履歴データが視聴者リスト2
8に自動蓄積される。さらに繰り返してバーコード63
の読み取りを行えば、同様の処理が再度行われて、次の
次の陳列品50も続けて試聴することができる。
【0094】また、そのようにして試聴しても、好みの
曲に巡り会えそうもない、と感じたようなときには、売
場に表示された案内図等を見ながら探し歩いても良い
が、目標が漠然としていて、例えば、もう少しアップテ
ンポなものを聴きたいといった場合には、読み取り易い
ところのバーコード64をバーコードリーダ43で読み
取る。そうすると、そのバーコード64の読取情報が試
聴端末40から中継装置20へ無線で送られ、そこでア
ップテンポな曲のところへの移動位置選定指示であると
判別されて、情報処理装置22の検索処理に回される。
そして、先に試聴したばかりのメディア51の識別情報
を用いて、音声案内データ27における案内(64)の
列の中から対応する音声案内データが一つ選び出され、
それが基地局23を介して当該試聴端末40に送信され
再生される。
【0095】それを聞き、その案内に従って売場内を移
動すれば、来店者は、より楽に、好みの曲に近づくこと
ができる。逆に、もう少しスローテンポなものを聴きた
いときには、同様にしてバーコード65を読み取れば良
い。こうして、音声案内によって導かれつつ試聴を繰り
返すことで、来店者は、素早く而も手軽に、好みの商品
を探し出すことができる。その後、試聴を終えた来店者
は、借りた試聴端末40を返却する。
【0096】店側に返された試聴端末40で対応解除の
特定識別番号を読み取らせると、端末リスト29におけ
る該当ポインタが「NULL」にされて、試聴端末と視
聴者情報との対応関係が切れる。また、新規の来店者が
試聴を希望して例えば端末番号「1」の試聴端末40を
借り受けるとともに識別番号「9…4」が割り振られる
と、それを含ませたデータ組が、視聴者リスト28にお
ける一次リンクに追加されるとともに、端末リスト29
における端末番号「1」の相方のポインタにて指され
る。そして、その来店者が試聴すると、視聴者リスト2
8において後続するデータ組に陳列品50の識別番号が
含められるとともに、そこのポインタが二次リストの基
点とされる(図5(b)参照)。
【0097】こうして、この試聴システムを導入した売
場では、陳列品50にバーコード53を貼付するといっ
た準備作業を行うことで気軽に、ほぼ総ての商品につい
てそれを見ながら試聴するという試聴サービスを提供す
ることができるうえ、一旦そのような試聴を行った後
は、同じ手順による同様の試聴サービスを繰り返し提供
できるのに加えて、商品を見ないで試聴するというサー
ビスも提供することができる。さらには、売場毎の商品
陳列状況を反映した音声案内までも提供することができ
る。しかも、オンライン配信を利用してコストアップを
抑えつつサービス提供がなされる。
【0098】また、そのような試聴サービスを提供した
見返りに、視聴者リスト28には視聴者毎に分けて試聴
履歴データが蓄積されるので、店側は、そのデータを利
用して、客層の分類を行ったり、割引率や景品等を変え
てみたり、好みに合いそうなパンフレットを渡したり、
買いに来そうな新曲等については広告や案内を郵送した
り電子メールで配送したり等、高い確度で売場の売上に
貢献する種々の手を打つことができる。
【0099】さらに、そのような試聴サービスや情報を
提供したこと等によって、試聴を希望する来店者が溢れ
るほど増えた売場では、そこの中継装置20の情報処理
装置22の配信制限サブルーチンによる配信制限を有効
にする。そうすると、試聴を何度も繰り返してその件数
や重み付け積算量が所定値を超えた試聴者については配
信が止められるので、一部の来店者が試聴サービスを独
り占めしてしまうことは出来なくなる。そして、より多
くの来店者に試聴サービスを利用してもらうことができ
る。その際、売場の混み具合や来店者の入れ替わり状況
などを見ながら、配信制限の種類選択や所定値の加減な
ども木目細かく行うことにより、試聴サービスの利用効
率やその集客効果等を更に向上させることもできる。
【0100】
【第2実施例】図6,図7に示した本発明の試聴システ
ムが上述した第1実施例のものと相違するのは、それぞ
れの売場で中継装置20に対応して販売端末30及び放
送装置70が設けられている点と、それに伴って中継装
置20の情報処理装置22が次のように改造されている
点である。なお、図6は、中継装置20及び販売端末3
0の構成を示すブロック図であり、図7は、放送装置7
0の構成を示すブロック図である。
【0101】情報処理装置22については、この例では
上述の次候補選定指示や移動位置選定指示の他にもう一
つの識別情報が特定の役割に確保されて、それが購入指
示に割り当てられていることに基づき、判定処理ルーチ
ンが基地局23から受け取った識別情報の判別に際して
購入指示か否かも判別するように拡張されている。ま
た、その判別結果が購入指示のときにはそれを販売端末
30に通知する受注処理ルーチンが追加インストールさ
れている。さらに、検索処理ルーチンと商品リスト26
と音声案内データ27とが無くなって、その代わりに、
判定処理ルーチンによる判別結果が検索指示のときには
検索依頼の通知を販売端末30に送る検索依頼処理ルー
チンがインストールされている。その検索依頼通知には
直前の試聴指示の識別情報が含められるようになってい
る。
【0102】販売端末30は、受注管理ルーチンのイン
ストールされたマイクロプロセッサシステム等からな
り、そのプログラム処理によって、購入指示に基づいて
該当商品の品名や在庫情報を検索等にて求めてリストア
ップしたり、そのリストから販売済みのものを落とした
りするようになっている。また、情報処理装置22から
消えた検索処理ルーチンと商品リスト26と音声案内デ
ータ27が移設されている。検索処理ルーチンは、次候
補選定や移動位置選定の検索依頼に応じて検索を行いそ
の結果を返すように改造されているが、その他の処理内
容は変わっていない。商品リスト26は、受注管理用の
データベースから独立していても良いが、明示的に設け
るのでなく、受注管理用データベースに従属させても良
い。データ構造かアクセス手法を工夫すれば、受注管理
用データベースをそのまま商品リスト26に流用できる
ことも多い。
【0103】同様に、視聴者管理ルーチンと視聴者リス
ト28と端末リスト29も情報処理装置22から販売端
末30に移され、情報処理装置22はそれらに処理を依
頼するようになっている。さらに、販売端末30には、
中継装置20から購入指示を受け取るための通信ユニッ
トに加えて、受注した商品名等のリスト表示を行うため
のディスプレイや、リスト更新の指示等を入力するため
のキーボード等も付設されている。
【0104】また、販売端末30に購入指示(購入に関
する情報)が送られてくるのを利用して、より木目細か
く視聴者情報の収集と試聴の制限とが行えるよう、販売
端末30の視聴者管理ルーチンと視聴者リスト28が拡
張されている。すなわち、購入指示を受けたときにも、
その陳列品50の識別情報を含む視聴者情報が視聴者リ
スト28に追加され、その属性の項目には、購入指示に
起因するものであることを示すデータ(購入情報)がセ
ットされるようになっている。その際、該当試聴者に関
する二次リストの最後尾に追加することで、視聴者毎に
時系列が維持されるとともに、その二次リストを順に辿
れば時系列に沿った試聴履歴データが得られるようにな
っている。
【0105】そして、そのような購入情報を含んだ蓄積
情報に基づいて配信を制限するときには、数種類の制限
解除等の処理を行うが、それらの処理は、それぞれ独立
に、且つ中継装置20毎に即ち売場毎に、而も動的に、
実行するか否かが選択できるようになっている。その制
限解除等の具体的な処理内容としては、購入情報の蓄積
が一つでも有ればその視聴者に関する制限を完全に解除
するものや、購入情報の蓄積個数に応じて上述の所定値
「50」や「60」を引き上げるもの、最後に購入情報
が蓄積されたところから後の蓄積情報に限って計数や積
算の対象にするもの、購入情報が蓄積された前後で重み
付けを変えるもの等が挙げられる。
【0106】情報処理装置22には、放送装置70から
送られてくる放送データが配信用オーディオデータと同
じ方式で符号化されていることを前提として、放送処理
ルーチンもインストールされている。そして、放送デー
タが放送装置70から送られてくると、それを受け取っ
て一旦バッファリングし、それから、それを基地局23
に送ってその送信に供する。そのとき、中継処理ルーチ
ンの処理を続行可能な適宜タイミングで中断させて、放
送処理を優先割込させるとともに、該当売場の総ての試
聴端末40又は少なくとも試聴中の総ての試聴端末40
に対して同時に又は送信可能なものから次々に放送デー
タを送信するようになっている。
【0107】放送装置70は(図7参照)、売場で試聴
中の来店者を対象にして店員等の音声案内等を放送する
のに便利なものであり、通信ケーブル等を介して情報処
理装置22と送信可能に結ばれるとともに放送データ処
理用のMPU72(マイクロプロセッサ)を内蔵した本
体71と、放送したい音声等を入力するため本体71に
着脱可能に又は固定的に装備されたマイク73と、放送
を行うか否か等の動作モードを手動操作で切り替えるた
めマイク73とは別個に又はマイク73に付随して設け
られたスイッチ74とを具えている。
【0108】放送装置70は、マイク73から本体71
に送られた音信号をA/D変換回路にてデジタルの放送
データにしてからMPU72に取り込むようになってお
り、MPU72は、プログラム処理によって、サーバ1
2,13に保持されている配信用オーディオデータに施
されているのと同じ符号化処理を、取り込んだ放送デー
タに施すようになっている。また、MPU72は、動作
モードの判別を行って、放送すべきモード下では、符号
化した放送データを情報処理装置22へ送信するように
なっている。
【0109】この第2実施例の試聴システムを使用した
販売方法およびそのときのシステム動作を、図面を引用
して説明するが、ここでも、上述した第1実施例との相
違点を中心に述べる。図8は、陳列棚の正面図であり、
売場における商品の陳列状況を示し、上述した図4
(b)に対応している。
【0110】このシステムでは、売場に中継装置20を
設置する際に、販売端末30と放送装置70もそれぞれ
対応する売場のレジのところ等に設置される。また、売
場の陳列棚60には、上述したバーコード63,64,
65に加えて、購入指示に割り当てられた特定のバーコ
ード61も何カ所かに貼り付けられる。そのバーコード
61には、「試聴中のCDを購入希望の方はこのバーコ
ードをお手持ちの試聴端末のリーダで読み取って下さ
い」といった説明文も案内のため提示される。なお、商
品リスト26や音声案内データ27のセットアップ等は
販売端末30で行う。視聴者リスト28や端末リスト2
9の初期化も必要であれば販売端末30で行う。さら
に、放送装置70は、電源を切っておくか、電源を投入
するとともにスイッチ74を操作して動作モードを放送
しないモードにしておく。こうして、来店者に陳列品5
0の試聴サービスを提供する準備が調う。
【0111】そして、そのような売場を訪れ試聴を希望
する来店者は、上述のようにして陳列品50を見ながら
或いは見ないで試聴を行う。陳列品50を見ないで行う
試聴に関して商品リスト26や音声案内データ27に対
する検索処理が中継装置20に代わって販売端末30に
て実行される以外、試聴の手順は上述したのと同じに遂
行される。それに伴う視聴者リスト28への情報蓄積も
同様に遂行される。また、試聴した来店者がその商品を
購入したいと思ったとき、その者は、試聴中でも試聴後
でも良いから、同じ試聴端末40を用いてバーコード6
1も読み取らせる。
【0112】そうすると、そのバーコード61の情報
は、試聴端末40から中継装置20へ無線で送られた
後、中継装置20によって購入指示と判別されて受注処
理に回される。そして、それによって試聴中の又は試聴
直後の陳列品50のバーコード53の情報と共に販売端
末30へ通知のために送られる。販売端末30では、そ
の購入情報が視聴者リスト28に蓄積されるとともに、
該当する陳列品50の品名等が受注リストに加えられデ
ィスプレイに表示される。
【0113】この表示を見て、店員は、裏の倉庫等から
陳列品50に対応する商品を売場のレジのところに運び
込んで取り揃えておく。そこで、購入指示を出した来店
者は、陳列品50を持ち歩かなくても、レジのところへ
来て料金を支払えば、速やかに目的の商品を受け取るこ
とができる。その後、来店者は借りた試聴端末40を返
却し、店員は販売端末30のキーボードの操作等にて受
注リストを更新する。なお、陳列品50の並べ替え等を
行ったときにも、販売端末30のキーボードの操作等に
て商品リスト26を更新する。
【0114】また、この場合も、試聴希望の来店者が増
えた売場では配信制限を有効にすることで多くの来店者
に試聴サービスが提供されるが、この場合は、購入情報
の蓄積されている視聴者に関しては試聴の制限が解消・
緩和される。そのため、売場が混んでいるようなときで
も、購入実績の有る来店者には確実に試聴サービスが提
供されることから、上得意のリピート客に的を絞って売
場に惹き付けておくことも可能となるので、試聴サービ
スへの投資が高効率で売上に寄与することとなる。
【0115】さらに、上述した試聴サービスの提供中に
それを享受している来店者に向けて一斉に緊急連絡を行
う必要が生じたとき、店員は、放送装置70に必要であ
れば電源を投入したうえでスイッチ74を操作してその
動作モードを放送するモードに切り替える。それから、
マイク73を持って連絡事項を言う。そうすると、その
連絡事項の放送データが、放送装置70によって符号化
処理を施されて中継装置20に渡され、中継装置20に
よって各試聴端末40に配布され、それら多数の試聴端
末40から試聴中の者に音声で伝えられる。その間は陳
列品50の試聴が中断されるが、その中断は一時的であ
り、割り込んだ放送の終了後は試聴端末40の出力内容
が元に戻り試聴も続行される。こうして、試聴のために
ヘッドホン42で耳を塞いでいる者に対しても、売場か
らの連絡が確実かつ一斉に届く。しかも、試聴システム
を利用してコストアップを抑えつつ売場毎の放送提供が
なされる。
【0116】
【第3実施例】図9に放送装置のブロック構成図を示し
た本発明の試聴システム及び販売方法が上述した第2実
施例のものと相違するのは、放送装置70の機能が拡張
されている点である。具体的には、売場だけでなくその
周りにまで一斉放送を行う場内放送装置75と信号ケー
ブル等で接続されていて、それから場内放送用の放送デ
ータが送られてくると、それをマイク73からの音声入
力と同様にA/D変換してMPU72に取り込むように
なっている。また、符号化済みの又は符号化していない
オーディオデータ76をメモリやハードディスク等に予
めダウンロードしておく手段や、オーディオデータ76
をCDプレーヤ等から逐次デジタルデータで取り込む手
段なども付加されている。さらに、MPU72は、マイ
ク73からの放送データと、場内放送装置75からの放
送データと、オーディオデータ76とのうちから、何れ
か適宜なものを動作モードに応じて選択し、それを符号
化して情報処理装置22へ送信するようになっている。
その際、符号化処理も送信も必要なときだけ行われるよ
うになっている。
【0117】この場合もマイク73による放送が上述の
場合と同様に行われる他、この場合は、場内放送装置7
5から防災アナウンス等の場内放送が自動転送されて来
ると、それも同様にして符号化され情報処理装置22に
送信される。そして、オーディオデータの配信に優先し
て放送される。また、それぞれの売場で推薦している曲
は、オーディオデータ76として放送装置70に取り込
まれて、マイク73や場内放送装置75からの放送が無
ければ情報処理装置22へ送られる。その際それには優
先フラグが付されないので、そのオーディオデータは、
中継装置20から総ての試聴端末40に配布放送される
訳で無く、配信装置12,13から配信を受けている試
聴端末40を除いた他の試聴端末40に配布放送され
る。配信装置12,13からオーディオデータの配信が
あればそれがオーディオデータ76に優先して試聴端末
40に送られるので、オーディオデータ76は、バック
グラウンドで放送される。こうして、試聴端末40を利
用した幾種類かの一斉放送が行われるが、それらの放送
の実行停止や優先順位などはモード設定にて適宜セット
される。
【0118】
【第4実施例】図10に試聴端末のブロック図を示した
本発明の試聴システムが上述した第1〜第3実施例のも
のと相違するのは、バーコードリーダ43が端末本体4
1に固定されている点と、次候補選定指示等の検索指示
や購入指示を入力するためのキー44が付設されるとと
もにその操作に応じて検索指示や購入指示を中継装置2
0に送る指示送出ルーチンがインストールされている点
と、ヘッドホン42がコネクタ45にて自在に着脱しう
るようになっている点である。
【0119】この場合、キー44を操作することによ
り、バーコード61が有っても無くても、明確かつ簡単
に購入指示を出すことができる。また、バーコード6
3,64,65が有っても無くても、明確かつ簡単に次
候補選定指示や移動位置選定指示を出すことができる。
視聴者識別番号も、バーコードリーダ43に代えて又は
それに加えてキー44から入力することができる。さら
に、ヘッドホン42が交換可能になっているので、自分
のヘッドホン42を使いたい者は、ヘッドホン42を持
参するとともに、ヘッドホン無しの端末本体41を借り
て、試聴することもできる。
【0120】
【第5実施例】図11に中継装置と販売端末との関係を
ブロック図で示した本発明の試聴システムが上述した第
1〜第4実施例のものと相違するのは、中継装置20と
販売端末30との交信もインターネット10を介して行
われるようになっている点である。この場合、中継装置
20と販売端末30との間に専用の通信手段を設ける必
要が無い。また、中継装置20が購入指示を販売端末3
0へ直接に通知するのでなく一旦インターネット10経
由で配信装置へ上げ、それに応じて配信装置が適切な販
売端末30へ購入指示を転送するようにしても良い。
【0121】
【第6実施例】図12に販売端末等のブロック図を示し
た本発明の試聴システムが上述した第1〜第5実施例の
ものと相違するのは、店頭で動的に商品を製造する手段
が付加された点である。
【0122】具体的には、サーバ12,13が、それぞ
れ、多数のオーディオデータに加えてそれぞれのオーデ
ィオデータに対応したプリントデータも保持していて、
中継装置20から購入指示を受け付けると、それを販売
端末30に通知するとともに、その際に、その指示に対
応するオーディオデータに加えて対応プリントデータも
引き渡すようになっている。プリントデータには、ジャ
ケット52への印刷に必要なデータと、メディア51へ
の印刷に必要なデータとが、適宜な圧縮を施したうえ
で、含められている。
【0123】また、販売端末30には、上述した受注管
理用のディスプレイ31やキーボード32に加えて、ダ
ウンロードしたオーディオデータをメディア51に書き
込むためのCD−Rドライブ等のレコーダ33と、やは
りダウンロードしたプリントデータに基づいてメディア
51の印刷面に対して印刷を行うメディアプリンタ34
と、それに付属するジャケット52の印刷面に対して印
刷を行うジャケットプリンタ35とが、付設されてい
る。そのための書込ルーチンや印刷ルーチンもインスト
ールされている。
【0124】この場合、購入指示が出されると、対応す
るオーディオデータ及びプリントデータが該当売場の販
売端末30に配信され、そこでメディア51への書込お
よび印刷とジャケット52の印刷とが行われるので、そ
れらをケースに納めて封をすれば、受注した商品が売場
で作り上げられる。こうして、来店者が試聴を終えて商
品を受け取りにレジへ来たときには、その商品が恰も在
庫されていたかのように速やかに購入者・来店者に渡さ
れる。そのため、商品が売り切れてしまったときは勿
論、そもそも商品を在庫しておかなくても、所望の商品
を販売することができる。しかも、それに必要なシステ
ムは、基本の試聴システムを一部改造することで安価に
構築される。
【0125】
【第7実施例】図13に全体ブロック図を示した本発明
の試聴システムは、陳列品50に関する音楽等の試聴サ
ービスを可能にするとともに更にその音楽等に関連する
プロモーションビデオ等を試し見ることまでも可能とす
るものであり、そのために、試聴端末40がヘッドホン
42に代えてヘッドマウントディスプレイ(HMD)4
7を装備したものとなっている。また、オーディオデー
タよりデータ量の多いビデオデータをリアルタイムで配
信するために中継装置20と試聴端末40との通信には
有線で活線挿抜の可能なものが採用されている。
【0126】これらの相違点について詳述すると、サー
バ12,13には、オーディオデータに加えてビデオデ
ータも記憶保持されており、サーバ12,13は、配信
要求に応じてオーディオデータを配信する際に、そのオ
ーディオデータと関連するビデオデータも有れば一緒に
又は後続して配信するようになっている。ビデオデータ
が作られていない場合はその配信は省略される又は不存
在を詫びるビデオデータが配信される。ビデオデータ
は、MPEG等の一般的な動画用規格で符号化・圧縮し
たものでも他の方式で符号化・圧縮したものでも良く、
試視用に一部が抜粋されたものでも良い。
【0127】中継装置20のうち基地局23は、複数・
多数のジャック25が接続されている通信ケーブル24
を介して、任意のジャック25にプラグ46を挿着され
た試聴端末40と通信を行い、それらの試聴端末40か
ら識別情報を受信すると端末番号などの必要情報も付加
して情報処理装置22に引き渡すようになっている。通
信ケーブル24等を利用した通信には、ジャック25へ
のプラグ46の挿抜に電源の入れ直しやその他の再初期
化が不要で、気軽にコネクタ着脱の行える活線挿抜が可
能な方式が採用される。例えば、活線挿抜可能で高速な
IEEE1394が好適であるが、USBやその他の方
式でも良い。
【0128】試聴端末40に導入されたHMD47は、
端末本体41にフレキシブルなケーブル等で信号送受可
能に接続されて、試聴のために再生された音を発するオ
ーディオ出力手段として用いられると共に試視のために
再生された動画を映すビデオ出力手段として用いられる
ものである。端末本体41に内蔵された通信回路から延
びて出たフレキシブルなケーブルの先端にはプラグ46
が接続されており、このプラグ46のジャック25への
挿着に応じて端末本体41は通信可能になるとともにバ
ッテリの充電も行うようになっている。また、端末本体
41には、オーディオデータに加えて受信したビデオデ
ータをもバッファリングするのに十分な記憶容量をもっ
たメモリが装備されている。さらに、オーディオ再生ル
ーチンとともにビデオデータに基づいてアナログ映像信
号を再生するビデオ再生ルーチン又は再生回路やそれら
の信号をHMD47に出力するアンプ回路など(再生手
段)も具わっている。
【0129】この第7実施例の試聴システムを使用した
販売方法およびそのときのシステム動作を、図面を引用
して説明するが、上述した第1〜第6実施例との相違点
を中心に述べる。図14は、陳列棚の正面図であり、売
場における商品の陳列状況とともにジャック25の配置
状態を示している。
【0130】バーコード53の付された陳列品50を並
べた売場の陳列棚60には、中継装置20から通信ケー
ブル24が延びて来ており、その通信ケーブル24に接
続されたジャック25は、プラグ46挿入口を露出させ
た状態で陳列棚60の正面側・陳列側に分散して装着さ
れる(図14参照)。そして、そのような売場を訪れて
試聴端末40を借り受けた来店者は、陳列棚60の陳列
品50を試聴および試視したいと思ったときには、その
陳列品50を手に取るとともに、試聴端末40のプラグ
46を近くのジャック25に射し込んでから、手にした
陳列品50のバーコード53を試聴端末40付属のバー
コードリーダ43に読み取らせるとともに、試聴端末4
0付属のHMD47を頭部に装着する。
【0131】そうすると、そのバーコード53の読取情
報すなわち陳列品50の識別情報が、試聴端末40から
中継装置20へ送信され、さらに中継装置20からイン
ターネット10経由で配信管理サーバ11へ送られ、そ
こでA社サーバ12かB社サーバ13の何れか該当する
方に振り分けられる。それから、そのサーバでは当該識
別情報に対応するオーディオデータ及びビデオデータが
検索され、そのオーディオデータ等が、インターネット
10及び当該売場の中継装置20を介して、当該試聴端
末40にダウンロードされ再生される。
【0132】こうして、簡単に、陳列品50を目で見た
うえでその内容を耳で聞くことができるとともに関連の
プロモーションビデオ等まで見ることができる。また、
この試聴システムを導入した売場では、陳列品50にバ
ーコード53を貼付するといった準備作業を行うことで
気軽に、ほぼ総ての商品についてそれを見ながら試聴す
るという試聴サービスに加えて映像にて更に購買意欲を
駆り立てる試視サービスまでも提供することができる。
しかも、オンライン配信を利用してコストアップを抑え
つつサービス提供がなされる。また、視聴者リスト28
を少し拡張して試聴だけのものと試視まで行ったものと
を区別可能に情報蓄積する等のことで、情報提供等も、
より的確なものとなる。
【0133】
【第8実施例】図15に試聴端末のブロック図を示した
本発明の試聴システムが上述した第7実施例のものと相
違するのは、バーコードリーダ43が端末本体41に固
定されている点と、次候補選定指示等の検索指示や購入
指示に加えてビデオ要求を入力するためのキー44が付
設されるとともに検索指示や購入指示キーの操作に応じ
てその指示を中継装置20に送る指示送出ルーチンがイ
ンストールされている点と、ビデオデータの配信をオー
ディオデータの配信要求から独立させてビデオ要求キー
の操作に応じて要求するビデオ要求ルーチンもインスト
ールされている点と、HMD47がコネクタ48にて自
在に着脱しうるようになった点と、ヘッドホン42もコ
ネクタ45にて自在に着脱しうるようになっている点で
ある。
【0134】この場合、キー44を操作することによ
り、バーコード61,63,64,65が有っても無く
ても、明確かつ簡単に購入指示や検索指示を出すことが
できる。また、ビデオ要求もキー44の操作にて選択的
・追加的に出せるので、取り敢えず幾つか試聴したうえ
で特に気に入ったものだけ試視も行う、といったことも
簡単にできる。さらに、HMD47を持ち歩きたくない
者は、端末本体41にHMD47を装着する代わりにヘ
ッドホン42を装着することで、手軽に試聴サービスを
享受することができる。また、ヘッドホン42やHMD
47が交換可能になっているので、自分のヘッドホン4
2等を使いたい者は、ヘッドホン42等を持参するとと
もに、ヘッドホン42等の付いていない端末本体41を
借りて、試聴等することもできる。
【0135】
【第9実施例】図示は割愛したがこの試聴システムが上
述した図12の第6実施例のもの等と相違するのは、購
入指示に応じてオーディオデータやプリントデータが販
売端末30へ配信される際に対応するビデオデータも配
信されるようにサーバ11〜13や中継装置20が改造
されている点と、販売端末30にビデオ書込ルーチンが
追加インストールされている点である。
【0136】この場合、配信されたビデオデータは、レ
コーダ33を利用して、オーディオデータの書込の済ん
だ記憶媒体に追記される。そのビデオデータも、売場か
ら配布された試視サービス専用プログラムを自宅のパソ
コン等にインストールしておけば、所望の度に繰り返し
見ることができる。
【0137】
【第10実施例】図16に販売端末等のブロック図を示
した本発明の試聴システムが上述した第9実施例のもの
と相違するのは、販売端末30にVTR36が追加接続
されている点と、ビデオ書込ルーチンの書込先がそれに
なった点と、配信されたビデオデータをVTR36対応
のビデオ信号に変換するビデオデータ変換ルーチン又は
回路が販売端末30に追加されている点である。
【0138】この場合、ビデオデータは、オーディオデ
ータの書き込まれたCD等の記録媒体に追記されるので
なく、他の記録媒体であるビデオテープに書き込まれ
る。そのため、その映像は一般的なビデオ機器で再生し
て見ることができる。
【0139】
【第11実施例】本発明の試聴システムの第11実施例
について、その具体的な構成を、図面を引用して説明す
る。図17は、そのシステム全体のブロック図である。
【0140】このシステムは、CDショップ等の売場で
販売を促進する等のために、商品やその見本として陳列
されている陳列品50を対象にしてその中身すなわちメ
ディア51(オーディオデータの記録媒体)に記録され
ている音楽等を来店者に試聴させるサービスの提供を可
能にするとともに更にその音楽等に関連するプロモーシ
ョンビデオ等を試し見ることまでも可能とするものであ
り、その際に、多くの売場で共通の提供者から試聴用オ
ーディオデータ及び試視用ビデオデータのオンライン配
信が受けられるようにもすべく、しかも来店者の携帯電
話機80を利用することにより各売場では販売端末30
以外の設備投資をほとんど行わなくてもサービス提供を
開始できるようにすべく、それらと提供側の配信装置1
1〜13とがインターネット10(通信回線網)を介し
て交信可能にされる。この例では、携帯電話機80から
配信装置11〜13への送信には電子メールを使用し、
配信装置11〜13から携帯電話機80への返信・配信
には携帯電話機80の通話機能を使うことにする。
【0141】配信装置は、上述したように複数のサーバ
11〜13に分散して具体化されており、それら11〜
13がそれぞれにインストールされたプログラムに基づ
いて協動することにより、直接配信手段と検索配信手段
と購入指示転送手段とが具現化されるようになってい
る。そのうち、配信管理サーバ11(配信管理手段)
は、携帯電話機80からインターネット10を介して電
子メールで送られてきた配信要求等を受け付けて売場対
応で捌くようになっている。そのため、配信管理サーバ
11は、上述した管理データに加えて、各売場に割り振
られた複数・多数のメールボックスも管理しており、メ
ールアドレスを利用して配信先の売場を特定するととも
に配信先の携帯電話機80の電話番号も特定し、その売
場情報および電話番号を配信実行委託のとき等には識別
情報に付加して送るようになっている。
【0142】また、配信管理サーバ11は、次の試聴の
候補の自動選定を指示する検索要求や移動位置の選定を
指示する検索要求も同様に電子メールで携帯電話機80
から受けるとともに、それに関してもやはりメールアド
レスや配達履歴データ等から売場情報や電話番号を得る
ようになっている。しかも、各販売端末30からインタ
ーネット10経由で商品リスト26や音声案内データ2
7が送信されて来るとその最新のコピーを保持するよう
にもなっているが、その際、各販売端末30毎に区分け
して検索可能に保持することで、商品リスト26のコピ
ー(試聴対象品の識別情報の集合体)それぞれを各売場
に対応させるとともに、音声案内データ27のコピー
(付加情報の集合体)それぞれも各売場に対応させる。
そして、その検索要求を出した携帯電話機80と同じも
のがそれ以前に配信要求を出していれば、その配信要求
または検索要求に基づいてその要求を出した携帯電話機
80の使われている売場を特定したうえで、複数の商品
リスト26のコピー及び複数の音声案内データ27のコ
ピーのうちその売場に対応するものを対象にして、検索
を行うようになっている。
【0143】その検索処理に際しては、同じ携帯電話機
80による直前の配信要求から得た試聴対象品の識別情
報を用いて、即ちそれまでに同じ携帯電話機80から試
聴指示のために送られてきた試聴対象メディア51識別
用の識別情報のうち最後のものを用いて、検索を行うよ
うになっている。その具体的な内容は上述したのと同様
であるが、検索にて選出された識別情報や音声案内デー
タは他のサーバ12,13の何れかに送って残りの処理
を委ねるようになっている。さらに、サーバ11は、購
入指示も同様に電子メールで携帯電話機80から受ける
とともに、それに関してもやはりメールアドレスや配達
履歴データ等から売場情報や電話番号を得るようになっ
ている。その購入指示は配信管理サーバ11自身がイン
ターネット10を介して販売端末30へ転送するように
しても良いが、この例における配信管理サーバ11は、
購入指示も、売場情報や電話番号を付加して、他のサー
バ12,13のうちから選出したものに送り、そのサー
バに販売端末30への購入指示の転送も委託するように
なっている。
【0144】さらに、配信管理サーバ11には、配信要
求や検索要求に随伴して視聴者情報の蓄積処理や配信制
限を行うために、上述した視聴者管理ルーチンもインス
トールされている。そのルーチンは、情報蓄積等を売場
対応で行うために、複数・多数の視聴者リスト及び端末
リストを扱えるように拡張されている。それらのリスト
は各売場の販売端末30に保持されている視聴者リスト
28や端末リスト29のコピーであり、何れかが更新さ
れるとインターネット10を介して更新内容が他方へ通
知されるので配信管理サーバ11と各販売端末30とで
リスト内容が同じに維持されるようになっている。ま
た、試聴端末40として携帯電話機80が用いられるこ
とから、端末番号には電話番号が用いられる。視聴者識
別番号にも同じ電話番号を用いて固定的に対応させても
良く、その場合には端末リスト29に未登録の電話番号
の使用に応じて自動的に対応確立サブルーチンを起動す
る等のことで利便性を更に高めることも可能であるが、
携帯電話機の買い換えによる番号変更等を考慮して、こ
の例でも、上述したように特定範囲の識別番号を割り振
るようになっている。
【0145】配信装置のうちサーバ12,13は、上述
したオーディオデータ及びビデオデータに加えて、その
ビデオデータに所定のデータ圧縮処理を施して自動生成
したスナップデータも記憶保持している。その圧縮処理
は、少なくとも時間軸に沿って画像を間引くようになっ
ており例えば単位時間当たりのフレーム数を減らすよう
になっており、大抵、各画像の精細度がテレビジョン受
像器の画面精細度よりも粗くされるようにもなってい
る。また、オーディオデータの配信に際して、そのオー
ディオデータと関連するスナップデータも有れば一緒に
又は後続して配信されるが、スナップデータが作られて
いない場合はその配信は省略される又は不存在を詫びる
スナップデータが配信されるようになっている。配信管
理サーバ11から購入指示が転送されて来ると、それに
付加されている売場情報に基づいて該当する売場の販売
端末30へ、その購入指示を電話番号や試聴中の又は直
前に試聴したオーディオデータの関連情報と共に転送す
るようにもなっている。
【0146】サーバ12,13から携帯電話機80への
配信には、携帯電話機80の通話機能等を利用して簡便
に配信を行うべく、インターネット10に加えて再生局
82と電話回線網81も介在するようになっている。す
なわち、再生局82は、サーバ12,13からインター
ネット10経由で受けたデジタルのオーディオデータを
再生してアナログ信号を生成する手段と、電話回線網8
1を介して携帯電話機80に自動ダイヤルする手段とを
具えている。それらの手段は複数・多数の並行処理が可
能なようになっている。また、電話回線網81は携帯電
話用の一般的な設備を利用できるので、通話料金が安く
なるよう各電話会社のものを使い分けるとともに、幾つ
かの地域に分けてそれぞれに再生局82を設置すると良
い。検索にて選定された音声案内データも同様にして携
帯電話機80へ送信するようになっている。
【0147】販売端末30は、商品リスト26や音声案
内データ27は上述の例と同様に保持しているが、その
検索処理は行わないで、データ26,27を配信管理サ
ーバ11へアップロードするようになっている。すなわ
ち、明示的に送信指示が与えられたときや、明示的な送
信指示が無くても商品リスト26や音声案内データ27
が更新されたときには、それをインターネット10経由
で配信管理サーバ11へ送信するようになっている。そ
の際、配信管理サーバ11での次候補選定等の検索処理
に必要なデータ項目だけ例えば陳列商品の識別情報の配
列部分等を抜き出して送信するようにしても良いが、こ
の例では商品リスト26や音声案内データ27をそのま
ま送信するようになっている。
【0148】携帯電話機80は、電話に必須の通話機能
に加えて、インターネット10へ電子メールを送出でき
るものであれば良く、それだけで、それぞれの来店者が
所有・保持しているものがそのまま試聴端末として試聴
サービスに使用可能である。さらに、液晶画面等の画像
表示手段も具わっていれば、スナップデータの試視サー
ビスにも使用可能である。
【0149】この第11実施例の試聴システムを使用し
た販売方法およびそのときのシステム動作を、図面を引
用して説明する。図18は、売場における商品の陳列状
況を示し、(a)が陳列品の外観図、(b)が陳列棚の
正面図である。
【0150】この試聴システムの導入に際し、サーバ1
1〜13は上述したように国内または国外で通信事情の
良いところに設置され、再生局82は電話回線網81と
接続し易いところに分散設置され、販売端末30は各売
場においてレジのところ等に設置される。携帯電話機8
0は来店者のものを使用するので提供者側や売場側で準
備する必要が無い。各売場では、CD等のメディア51
を陳列して販売がなされるとともに、その試聴を希望す
る来店者に向けて所定の案内表示が張り出される。
【0151】メディア51(図18(a)参照)の陳列
品50には識別情報としてバーコード53に代えて識別
番号54が付される。識別番号54は、来店者が目視で
読み取れる文字が印刷されていれば、バーコード53と
共に印刷されていても単独であっても良い。識別番号5
4の付された陳列品50も、上述したように売場の陳列
棚60に並べられるが(図18(b)参照)、その陳列
棚60には、案内表示用のシール62も見易いところ何
カ所かに貼り付けられる。そのシール62には、例えば
「試聴をご希望の方は対象商品の識別番号を電子メール
にてアドレス*****へ送信して呼出をお待ち下さ
い。また、試聴中の方がそのCDに続けて隣り等のCD
も順に試聴なさりたいときは別のメールアドレス###
##へ送信して下さい。さらに、ただいま試聴中のCD
よりもアップテンポな曲をお探しの方はメールアドレス
+++++へ送信して下さい。スローテンポな曲をお探
しの方はメールアドレス−−−−−へ送信して下さい。
そのCDを購入希望の方は他のメールアドレス%%%%
%へ送信して下さい。」といった説明文が印刷されてい
る。そのメールアドレスは、そこの売場に割り振られた
固有のものであり、売場ごとに異なる。さらに、販売端
末30を操作等して、商品リスト26及び音声案内デー
タ27を配信管理サーバ11へアップロードさせてお
く。こうして、来店者に陳列品50の試聴サービスを提
供する準備が調う。
【0152】そして、そのような売場を訪れた来店者
は、試聴を希望しない場合は一般の売場のときと同様に
陳列品50を見て購入するか否かを決めれば良いが、試
聴や試視を希望する場合は携帯電話機80を持ち込む。
そして、陳列棚60の陳列品50を見て気に入った陳列
品50が有り、それを試聴等したいと思ったときには、
その陳列品50に付されている識別番号54を読むとと
もに、シール62印刷の案内表示に従って、その番号を
メールアドレス*****へ電子メールにて送る。
【0153】そうすると、その識別番号54の識別情報
が電話回線網81及びインターネット10経由で配信管
理サーバ11へ送られ、そこでは、視聴者管理ルーチン
によって該当売場の視聴者リスト28のコピーに対して
情報蓄積のための更新処理が行われるとともに、当該識
別情報がA社サーバ12かB社サーバ13の何れか該当
する方に振り分けられる。それから、そのサーバでは当
該識別情報に対応するオーディオデータ及びスナップデ
ータが検索され、そのオーディオデータ等が、インター
ネット10を介して、配信要求の電子メールを出した携
帯電話機80との通話料金の安い電話回線網81に近い
再生局82にダウンロードされる。そして、その再生局
82から要求元の携帯電話機80への呼出が行われるの
で、その着信音に応じて携帯電話機80を通話状態にす
ると、再生局82にてオーディオデータ等の再生が行わ
れるとともに、その再生音が再生局82から携帯電話機
80へ伝送される。その携帯電話機80に映像表示機能
も具わっていれば、それを利用してスナップデータも動
画風に再生され表示される。こうして、簡単に、陳列品
50を目で見たうえでその内容を耳で聞くことができる
とともに関連のプロモーションビデオ等まで見ることが
できる。
【0154】そのうえで、例えば、近隣の陳列品50も
試聴して見たい気もするが、次の試聴対象品に対する興
味は具体的ではない等のため、陳列品50の取り出しと
入れ戻しをいちいち繰り返すのは厄介だと感じているよ
うなときには、同じ携帯電話機80を用いて、別のメー
ルアドレス#####へ送信する。この場合、識別情報
は入れなくて良く、とにかくメールを出せば良いので、
手軽に送信することができる。そして、そのようにする
と、そのメールは、配信管理サーバ11へ送信され、そ
こで次候補の検索を指定する検索要求であると判別され
て、商品リスト26のコピーを検索対象にした検索処理
に回される。
【0155】その際、配信管理サーバ11によって、多
数の商品リスト26のコピーのうちからメールアドレス
で特定した売場に対応するものが検索用に選出されると
ともに、同じ電話番号の携帯電話機80を利用して現在
試聴されている又は直前に試聴されたものの識別番号
(識別情報)が求められる。そして、その識別情報を用
いて、選出した商品リスト26のコピー中から、その次
に位置する別の識別情報が一つ選定される。それから、
その識別情報が、サーバ12,13の何れか該当する方
に振り分けられ、そこで当該識別情報に対応するオーデ
ィオデータ及びスナップデータが検索され、そのオーデ
ィオデータ等が検索要求を出した携帯電話機80に近い
再生局82にダウンロードされ、その再生音や映像が要
求元の携帯電話機80にて出力される。また、この場合
も、配信管理サーバ11では視聴者管理ルーチンによっ
て視聴者リストのコピーが情報蓄積のため更新され、そ
れに追随して該当売場の販売端末30における視聴者リ
スト28も更新される。
【0156】こうして、次の陳列品50の試聴が、それ
には手を掛けなくても、それを目視確認しなくても、簡
単に行える。さらにメールアドレス#####へ電子メ
ールを繰り返して送れば、同様の処理が再度行われて、
次の次の陳列品50も続けて試聴することができる。ま
た、この試聴システムを導入した売場では、陳列品50
に識別番号54を貼付するといった準備作業を行うこと
で気軽に、ほぼ総ての商品についてそれを見ながら試聴
するという試聴サービスを提供することができるうえ、
一旦そのような試聴を行った後は、同じ手順による同様
の試聴サービスを繰り返し提供できるのに加えて、商品
を見ないで試聴するというサービスも提供することがで
きる。しかも、携帯電話とオンライン配信を利用してコ
ストアップを抑えつつサービス提供がなされる。
【0157】また、そのようにして試聴しても、好みの
曲に巡り会えそうもない、と感じたようなときには、売
場に表示された案内図等を見ながら探し歩いても良い
が、目標が漠然としていて、例えば、もう少しアップテ
ンポなものを聴きたいといった場合には、同じ携帯電話
機80を用いて、別のメールアドレス+++++へ送信
する。この場合も、識別情報は入れなくて良い。そし
て、そのようにすると、そのメールは、配信管理サーバ
11へ送信され、そこでアップテンポな曲のところへの
移動位置選定指示であると判別されて、音声案内データ
27のコピーを検索対象にした検索処理に回される。そ
して、先に試聴したばかりのメディア51の識別情報を
用いて、音声案内データ27における案内(64)の列
の中から対応する音声案内データが一つ選び出され、そ
れがインターネット10を介して検索要求を出した携帯
電話機80に近い再生局82にダウンロードされ、その
再生音が要求元の携帯電話機80から発せられる。
【0158】それを聞き、その案内に従って売場内を移
動すれば、来店者は、より楽に、好みの曲に近づくこと
ができる。もう少しスローテンポなものを聴きたいとき
には、同様にしてメールアドレス−−−−−へ送信すれ
ば良い。こうして、この場合も、音声案内によって導か
れつつ試聴を繰り返すことで、来店者は、素早く而も手
軽に、好みの商品を探し出すことができる。
【0159】さらに、上述したような試聴や試視を行っ
たうえでそれを購入したいと思えば、試聴中でも試聴後
でも良いから、同じ携帯電話機80を用いて、もう一つ
のメールアドレス%%%%%へ電子メールを送る。この
ときも識別情報を入れる必要がない。そして、そのよう
なメール送信を行うと、そのメールは、配信管理サーバ
11へ送信されて購入指示と判別され、その購入指示
は、サーバ12,13へ転送された後、インターネット
10を介して販売端末30へ通知のために送られる。そ
の販売端末30は携帯電話機80にて来店者が購入指示
を出した売場に設置されているものであり、その通知に
は当該携帯電話機80の電話番号と試聴中の又は試聴直
後の陳列品50の識別番号54も含められている。その
情報に基づいて、販売端末30では、該当する陳列品5
0の品名等が受注リストに加えられディスプレイに表示
される。
【0160】この表示を見て、店員は、裏の倉庫等から
陳列品50に対応する商品を売場のレジのところに運び
込んで取り揃えておく。そこで、購入指示を出した来店
者は、陳列品50を持ち歩かなくても、レジのところへ
来て料金を支払えば、速やかに目的の商品を受け取るこ
とができる。その後、店員はキーボードの操作等にて受
注リストを更新する。こうして、この試聴システムを導
入した売場では、陳列品50に識別番号54を貼付する
とともに陳列棚60や壁等にシール62等で案内表示す
るといった準備作業を行うことで気軽に、ほぼ総ての商
品についてそれを見ながら試聴するという試聴サービス
に加えて映像にて更に購買意欲を駆り立てる試視サービ
スまでも提供することができる。しかも、携帯電話とオ
ンライン配信を利用してコストアップを抑えつつサービ
ス提供がなされる。また、携帯電話機80を利用した場
合でも、自然に視聴者情報が蓄積されるので、各種の情
報提供や配信制限等を的確に行うことができる。
【0161】
【第12実施例】図19に販売端末等のブロック図を示
した本発明の試聴システムが上述した第11実施例のも
のと相違するのは、店頭で動的に商品を製造する手段が
付加された点である。すなわち、図12に示した第6実
施例の販売端末30を、図17に示した第11実施例に
導入したものである。この場合も、携帯電話を用いた購
入指示に応じて売場で必要な商品等が売場で必要な時に
製造されるので、購入もスムーズで更に在庫も不要な又
は少なくて済む試聴システムが売場負担の少ない態様で
実現される。しかも、基本の試聴システムを一部改造す
ることで安価に構築される。
【0162】
【第13実施例】図示は割愛したがこの試聴システムが
上述した第12実施例のものと相違するのは、購入指示
に応じてオーディオデータやプリントデータが販売端末
30へ配信される際に対応するビデオデータも配信され
るようにサーバ11〜13が改造されている点と、販売
端末30にビデオ書込ルーチンが追加インストールされ
ている点である。この場合も、上述した第9実施例と同
様に、配信されたビデオデータは、レコーダ33を利用
して、オーディオデータの書込の済んだ記憶媒体に追記
される。
【0163】
【第14実施例】図20に販売端末等のブロック図を示
した本発明の試聴システムが上述した第13実施例のも
のと相違するのは、販売端末30にVTR36が追加接
続されている点と、ビデオ書込ルーチンの書込先がそれ
になった点と、配信されたビデオデータをVTR36対
応のビデオ信号に変換するビデオデータ変換ルーチン又
は回路が販売端末30に追加されている点である。この
場合も、上述した第10実施例と同様に、ビデオデータ
は、オーディオデータの書き込まれたCD等の記録媒体
に追記されるのでなく、他の記録媒体であるビデオテー
プに書き込まれる。そのため、その映像は一般的なビデ
オ機器で再生して見ることができる。
【0164】
【その他】なお、上記の各実施例で、図1や図13等に
示したものは、サーバ11〜13が3台、中継装置20
と販売端末30と放送装置70も3組、試聴端末40も
売場毎に3台であったが、それらの台数や組数は、それ
に限られるものでなく任意であり、売場毎に異なってい
ても良い。また、販売端末30への購入指示の通知は、
上述したように中継装置20だけ又はサーバ11〜13
だけが行うようにしても良いが、それに限らず、符合確
認等にて二重発注防止措置がなされていれば双方が発注
するようにしても良い。
【0165】さらに、試視も可能な上記第6〜第10実
施例にあっては、販売端末30と試聴端末40との通信
が有線によるものであったが、その通信は、それに限ら
れる訳でなく、通信容量が足りれば、無線でも良く、そ
の方が使い易い。また、上記の各実施例では、識別情報
の集合体と付加情報の集合体が商品リスト26と音声案
内データ27とに分かれていたが、両集合体は、別のフ
ァイルやテーブル等に分かれている必然性は無く、検索
可能であれば、一のデータベース等に統合されていても
良い。
【0166】また、携帯電話機80を利用した上記第1
1〜第14実施例にあっては、携帯電話機80から配信
装置11〜13へ配信要求等を送信する手段は、上述し
た電子メールに限られる訳で無く、それに代えて又はそ
れに加えてウェブブラウザ等を利用するようにしても良
い。さらに、携帯電話機80がデジタルデータの配信に
対応していれば、通話機能を使わなくても通信機能だけ
で試聴等がサポートされるので、再生局82は迂回可能
または不要になり、電話回線網81の負担も少なくて済
む。
【0167】また、購入指示や検索要求は、先の配信要
求等で売場と電話番号と識別番号とが特定済みであれ
ば、電子メールやウェブブラウザ等の利用に加えて、携
帯電話機80のキー操作を利用することも可能である。
例えば、次候補選定指示は試聴中に又はその後にキー
「1」を押下し、アップテンポな曲の陳列箇所への移動
位置選定指示は試聴中に又はその後にキー「2」を押下
し、スローテンポな曲の陳列箇所への移動位置選定指示
は試聴中に又はその後にキー「3」を押下し、購入指示
は試聴中に又はその後にキー「0」を押下する、といっ
たことで要求の送受等が可能であり、その方が使い易
い。さらに、スナップデータの配信をオーディオデータ
の配信に常に随伴させる必要は無く、両者の配信を個別
に行うか一緒に行うか等を選択して要求しうるようにし
ても良い。
【0168】また、視聴者リスト28の具体化には柔軟
性に富むポインタ利用のリンクを採用したが、そのよう
なリンクは、上述したようなシングルのものに限られる
訳でなく、逆向きにも辿れるダブルリンクであっても良
い。それは端末リスト29やその他のデータ構造にも適
用可能であるが、迅速なアクセスの観点からは、端末リ
スト29にはスカラー形の配列や,ハッシング用のテー
ブル等が適している。さらに、端末リスト29は視聴者
リスト28に統合させても良く、端末番号と視聴者識別
番号とを同じにした場合等には容易に統合することがで
きる。
【0169】また、上記各実施例では、配信を制限する
ときに配信を止めるようにしたが、その代わりに又はそ
れと選択可能に、一回当たりのデータ量を短縮するよう
にしても良い。あるいは、試聴可能なジャンルや陳列棚
60等の範囲を制限するようにしても良い。さらに、購
入指示は出したがキャンセル等にて実際の購入には至ら
なかったような場合には、該当する購入情報を視聴者リ
スト28から取り除くようにしても良く、あるいは商品
引渡の確認入力を待って購入情報を視聴者リスト28に
含ませるようにしても良い。
【0170】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第1の解決手段の試聴システムにあっては、試聴端末
を使用して来店者が売場に陳列されている商品を見なが
らどれでも簡単に試聴を行えるとともに、その試聴に伴
って関連情報が視聴者毎に蓄積されて情報の提供ばかり
か試聴の片寄り解消までなされるようにしたことによ
り、視覚と聴覚の双方を通じて購入意欲をそそるうえ試
聴者それぞれに的確な情報を提供しうるばかりか効率良
く購入へと導く試聴システムを実現することができたと
いう有利な効果が有る。
【0171】また、本発明の第2の解決手段の試聴シス
テムにあっては、試聴端末を使用して来店者が売場に陳
列されている商品を見ながらどれでも簡単に試聴を行え
るとともに、その試聴の後は次の試聴の候補が検索にて
選出されうるようにしたうえで、何れの試聴についても
それに伴って関連情報が視聴者毎に蓄積されて情報の提
供ばかりか試聴の片寄り解消までなされるようにしたこ
とにより、視覚と聴覚の双方を通じて購入意欲をそそる
うえ見ないものまで簡単に試聴でき更に試聴者それぞれ
に一層的確な情報を提供しうるばかりか効率良く購入へ
と導く試聴システムを実現することができたという有利
な効果を奏する。
【0172】さらに、本発明の第3の解決手段の試聴シ
ステムにあっては、試聴件数の多寡に対応して試聴が制
限されるようにしたことにより、視覚と聴覚の双方を通
じて購入意欲をそそるうえ試聴者それぞれに的確な情報
を提供しうるばかりか効率良く購入へと導く試聴システ
ムを簡便に実現することができたという有利な効果が有
る。
【0173】また、本発明の第4の解決手段の試聴シス
テムにあっては、試聴の態様に応じてサービス量が加減
されるようにもしたことにより、視覚と聴覚の双方を通
じて購入意欲をそそるうえ見ないものまで簡単に試聴で
き更に試聴者それぞれに一層的確な情報を提供しうるば
かりか一層効率良く購入へと導く試聴システムを実現す
ることができたという有利な効果を奏する。
【0174】また、本発明の第5の解決手段の試聴シス
テムにあっては、購入実績に応じてサービス量が加減さ
れるようにもしたことにより、視覚と聴覚の双方を通じ
て購入意欲をそそるうえ試聴者それぞれに的確な情報を
提供しうるばかりか更に効率良く購入へと導く試聴シス
テムを実現することができたという有利な効果が有る。
【0175】また、本発明の第6の解決手段の試聴シス
テムにあっては、各売場で識別情報付きの試聴対象品を
陳列すれば試聴サービスが提供されるとともに試聴に伴
って売場毎に視聴者情報が収集され試聴制限もなされる
ようにしたことにより、視覚と聴覚の双方を通じて購入
意欲をそそるうえ試聴者それぞれに的確な情報を提供で
きるばかいりか効率良く購入へと導くこともでき更に試
聴対象がどの売場でも豊富になる販売方法を実現するこ
とができたという有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の試聴システム及び販売方法の第1実
施例について、そのシステム構成を示すブロック図であ
る。
【図2】 検索対象の商品リスト(識別情報の集合
体)及び音声案内データ(付加情報の集合体)のデータ
構造図である。
【図3】 視聴者管理のための視聴者リスト(視聴
者情報の集合体)及び端末リスト(視聴端末情報の集合
体)のデータ構造図である。
【図4】 売場における商品の陳列状況を示し、
(a)が陳列品の外観図、(b)が陳列棚の正面図であ
る。
【図5】 視聴に伴う視聴者リスト及び端末リスト
の更新状況を示し、(a)が先、(b)が後である。
【図6】 本発明の試聴システム及び販売方法の第2実
施例について、中継装置および販売端末の構成を示すブ
ロック図である。
【図7】 放送装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図8】 商品陳列棚の正面図である。
【図9】 本発明の試聴システム及び販売方法の第3実
施例について、放送装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図10】 本発明の試聴システム及び販売方法の第4
実施例について、試聴端末のブロック構成図である。
【図11】 本発明の試聴システム及び販売方法の第5
実施例について、中継装置と販売端末との関係を示す部
分のブロック図である。
【図12】 本発明の試聴システム及び販売方法の第6
実施例について、販売端末等のブロック構成図である。
【図13】 本発明の試聴システム及び販売方法の第7
実施例について、そのシステム構成を示すブロック図で
ある。
【図14】 商品陳列棚の正面図である。
【図15】 本発明の試聴システム及び販売方法の第8
実施例について、試聴端末のブロック構成図である。
【図16】 本発明の試聴システム及び販売方法の第1
0実施例について、販売端末等のブロック構成図であ
る。
【図17】 本発明の試聴システム及び販売方法の第1
1実施例について、そのシステム構成を示すブロック図
である。
【図18】 売場における商品の陳列状況を示し、
(a)が陳列品の外観図、(b)が陳列棚の正面図であ
る。
【図19】 本発明の試聴システム及び販売方法の第1
2実施例について、販売端末等のブロック構成図であ
る。
【図20】 本発明の試聴システム及び販売方法の第1
4実施例について、販売端末等のブロック構成図であ
る。
【符号の説明】
10 インターネット(通信回線網) 11 配信管理サーバ(配信管理手段、配信装置) 12 A社サーバ(配信実行手段、配信装置) 13 B社サーバ(配信実行手段、配信装置) 20 中継装置 21 ゲートウェイ(通信回線網アクセス手段) 22 情報処理装置(演算装置、中継・視聴者管理
・受注・放送処理) 23 基地局(有線で活線挿抜の可能な又は無線の
通信基地的手段) 24 通信ケーブル(電気・光ケーブル) 25 ジャック(活線挿抜用コネクタ) 26 商品リスト(検索に供する識別情報の集合
体、又はその素) 27 音声案内データ(検索に供する付加情報の集
合体、又はその素) 28 視聴者リスト(視聴者情報の集合体、又はそ
の素) 29 端末リスト(視聴端末情報の集合体、又はそ
の素) 30 販売端末 31 ディスプレイ(受注品名提示手段、受注管理
手段) 32 キーボード(操作入力部材、受注管理手段) 33 レコーダ(書込手段、動的に店頭で商品を製
造する手段) 34 メディアプリンタ(印刷手段、動的な店頭で
の商品製造手段) 35 ジャケットプリンタ(印刷手段、動的な店頭
での商品製造手段) 36 VTR(ビデオテープレコーダ、書込手段、
動的商品製造手段) 40 試聴端末 41 端末本体(通信手段、読取手段、オーディオ
再生手段) 42 ヘッドホン(イヤホン、小形スピーカ、オー
ディオ出力手段) 43 バーコードリーダ(読取手段) 44 キー(操作部材、購入指示入力手段) 45 コネクタ(着脱自在化手段) 46 プラグ(活線挿抜用コネクタ) 47 HMD(ヘッドマウントディスプレイ、音響
映像出力手段) 48 コネクタ(着脱自在化手段) 50 陳列品(収納ケース、記録媒体の付属物、商品・
見本、試聴対象品) 51 メディア(CD、DVD、オーディオデータ
の記録媒体) 52 ジャケット(同封・同梱の印刷物、記録媒体
の付属物) 53 バーコード(記号、文字、印刷や貼付等され
た識別情報) 54 識別番号(記号、文字、印刷や貼付等された
識別情報) 60 陳列棚(売場) 61 バーコード(購入指示) 62 シール(売場情報を含んだ試聴および購入の
案内表示) 63 バーコード(次候補選定指示、識別情報検索
指示) 64 バーコード(移動位置選定指示、付加情報検
索指示) 65 バーコード(移動位置選定指示、付加情報検
索指示) 70 放送装置 71 本体(電子回路格納部) 72 MPU(マイクロプロセッサ、デジタルシグ
ナルプロセッサ) 73 マイク(音声等入力手段) 74 スイッチ(手動操作部材) 75 場内放送装置 76 オーディオデータ(メモリ、プレーヤ) 80 携帯電話機(試聴端末) 81 電話回線網 82 再生局
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06F 17/60 324 G06F 17/60 324 326 326 502 502 506 506 G07F 17/00 G07F 17/00 B

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数のオーディオデータを保持していて通
    信回線網を介して配信する配信装置と、試聴対象品に付
    された識別情報を含ませた配信要求を送出しうる多数の
    試聴端末と、視聴者情報の集合体を保持する記憶手段
    と、前記配信要求に基づいて前記集合体に対し情報蓄積
    を行うとともにその情報に基づいて配信制限を視聴者毎
    に行う視聴者管理手段とを備えた試聴システム。
  2. 【請求項2】多数のオーディオデータを保持していて通
    信回線網を介して配信する配信装置と、試聴対象品に付
    された識別情報を含ませた配信要求と検索要求とを送出
    しうる多数の試聴端末と、前記検索要求に含まれている
    識別情報に基づいて識別情報の集合体に対する検索を行
    って別の識別情報を選定する検索手段と、を保持する記
    憶手段と、前記配信要求および前記検索要求に基づいて
    視聴者情報の集合体に対する情報蓄積を行うとともにそ
    の蓄積情報に基づいて配信制限を視聴者毎に行う視聴者
    管理手段とを備えた試聴システム。
  3. 【請求項3】前記視聴者管理手段が、配信制限を行う際
    に蓄積情報の個数に基づいて行うものであることを特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載された試聴システ
    ム。
  4. 【請求項4】前記視聴者管理手段が、配信制限を行う際
    に前記配信要求に基づく蓄積情報と前記検索要求に基づ
    く蓄積情報とで異なる重みを付けて算出した積算量に基
    づいて行うものであることを特徴とする請求項2記載の
    試聴システム。
  5. 【請求項5】前記視聴者管理手段が、情報蓄積を行う際
    には時系列を維持するとともに購入に関する情報も蓄積
    するものであり、配信制限を行う際にはその購入情報に
    基づいて制限を解除または緩和するものであることを特
    徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載された試
    聴システム。
  6. 【請求項6】請求項1乃至請求項5に記載された試聴シ
    ステムにおける視聴者情報の集合体を売場対応で複数設
    けるとともに、各売場でオーディオデータの記録媒体を
    販売するに際して前記試聴端末の貸出を行う又は売場の
    特定情報を付加して試聴の案内表示を行う、試聴サービ
    スを伴う記録媒体の販売方法。
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