JP2003005723A - 液晶表示装置及び電子機器 - Google Patents

液晶表示装置及び電子機器

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JP2003005723A
JP2003005723A JP2001190040A JP2001190040A JP2003005723A JP 2003005723 A JP2003005723 A JP 2003005723A JP 2001190040 A JP2001190040 A JP 2001190040A JP 2001190040 A JP2001190040 A JP 2001190040A JP 2003005723 A JP2003005723 A JP 2003005723A
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frame
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crystal display
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Hiroyuki Nitta
博幸 新田
Takeshi Maeda
武 前田
Tsutomu Furuhashi
勉 古橋
Toshiaki Ohashi
俊明 大橋
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶パネルに定常的な直流電圧を印加しない
ようし、輝度変化を抑えて、残像(焼き付き)及びフリ
ッカーのない良好な表示状態を得る。 【解決手段】 映像信号源401から入力される映像情
報を一旦フレームメモリ403、405に格納する。フ
レームメモリは、毎フレーム入力される映像データを逐
次格納すると共に、連続する複数フレーム分の映像デー
タを保持可能な容量を備える。フレームメモリの制御回
路402は、フレームメモリから2フレームに跨った映
像データを読み出すタイミングとなった場合に、直前の
1フレームの完結した映像データを読み出す機能を備え
る。このタイミングを、フレームメモリに対する入出力
フレーム周波数設定値によって一義的に決定する。フレ
ームメモリに対する入出力フレーム周波数設定値を最適
な状態にすることにより、定期的に入力映像データによ
る液晶パネルに印加される階調電圧を変更でき、定常的
な直流電圧の印加を抑えて残像の発生を防止することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子を用
いた液晶表示装置及び電子機器に係り、特に、如何なる
状態の映像データが入力された場合にも、定常的な直流
電圧の印加を防ぎ、焼き付き(残像)のない良好な表示
を得ることを可能にした液晶表示装置及び該液晶表示装
置を用いた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、映像信号発生装置からの入力映
像情報を表示する液晶表示装置は、液晶パネルへの直流
電圧の印加を除去して液晶パネルの焼き付き、すなわ
ち、残像の表示を防止するように制御されている。この
種の液晶パネルへの直流電圧の印加を除去する制御が行
われている液晶表示装置に関する従来技術として、例え
ば、特開平09−27934号公報等に記載された技術
が知られている。
【0003】この従来技術は、次のような処理動作を行
って液晶パネルを駆動するものである。すなわち、入力
された映像信号は、ガンマ補正回路により液晶パネルの
表示特性に合わせてガンマ補正された後、両極性映像信
号発生回路に供給される。両極性映像信号発生回路は、
所定振幅の正極性の第1映像信号と負極性の第2映像信
号とを発生し、この第1、第2映像信号をゲート回路に
供給する。ゲート回路は、反転制御信号により一定周期
で第1、第2映像信号を切り換え、この選択された第1
あるいは第2映像信号をリミッタ回路へ供給する。リミ
ッタ回路は、選択された第1、第2映像信号の振幅を制
限し、リミッタ回路により振幅制限された第1あるいは
第2映像信号がバッファ回路を介して液晶パネルに供給
される。
【0004】図25は従来技術による液晶表示装置にお
ける液晶パネルの焼き付きを防止可能とする映像信号処
理回路の構成例を示すブロック図である。図25におい
て、2501は入力映像信号、2502はクランプ回路
部、2503はガンマ補正回路、2504は両極性映像
信号発生部、2505はゲート回路、2506は極性反
転制御信号、2507はリミッタ回路、2508はバッ
ファ回路である。通常映像処理回路は、各原色信号にそ
れぞれ1個ずつ必要であるため、合計3回路が必要とな
るが、図25には1組の回路だけを示しており、1つの
回路についてのみ説明する。
【0005】図25において、入力される原色信号の1
つである入力映像信号は、クランプ回路2502により
所定の電位でペデスタルクランプされる。次に、ペデス
タル電位が所定の電位に揃えられた各原色信号は、ガン
マ補正回路2503に入力される。そして、ガンマ補正
回路2503は、ガンマ補正した映像信号を両極性映像
信号発生回路2504に出力する。両極性映像信号発生
回路2504は、ガンマ補正した映像信号から正極性、
負極性の映像信号を作成する。なお、両極性映像信号発
生回路2504には、各原色信号の振幅を同時に調整す
るゲイン調整回路、各原色信号の正負のペデスタルレベ
ルの相対電圧を変化させるブライト調整回路、回路間の
ばらつきや液晶パネルのホワイトバランスを調整するた
めに、例えば、原色信号のG信号に対して、R、B信号
のゲイン及びブライトを個々に調整する調整回路等が内
蔵されている。正、負極性の映像信号は、ゲート回路2
505に供給される。ゲート回路2505は、極性反転
制御信号2506によりフィールド毎あるいは水平周期
の整数倍の周期で正または負の映像信号を交互に選択し
て出力する。ゲート回路2505からの出力映像信号
は、リミッタ回路2507によりミッタ制御され、この
リミッタ制御された出力映像信号が、負荷回路を充分に
駆動できるようにバッファ回路2508を介した低イン
ピーダンスで出力される。
【0006】従来技術による液晶表示装置の映像信号処
理回路は、前述したように、交流反転した映像信号の平
均電圧を基準として最終出力部でリミッタをかける処理
を行っており、これにより、映像信号処理回路の電源電
圧に依存することなく、映像信号中心電圧を電源電圧の
1/2電位の制約を受けることなく、また、各種ゲイ
ン、ブライト調整範囲を制限することなく、映像信号の
平均電圧を中心に正負の映像信号を対称にリミッタをか
けることができ、液晶パネルのコントラストの低下や焼
き付き(残像)のない理想的なリミッタ動作を行って液
晶パネルへの表示を制御することが可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術は、
一定周期間隔、例えば、フレーム周期での映像信号の階
調が近い場合、その平均電圧もほぼ等しくなり、リミッ
ト値を越える部分をスライスして正、負の映像信号を対
称として入力映像信号をほぼ忠実に再現することができ
る。しかし、前述した従来技術は、一定周期間隔で極端
に階調の異なる映像信号、例えば、白データと黒データ
とが入力された場合、リミット値を超える部分をスライ
ス処理しても正、負の映像信号を対称にすることができ
ず、焼き付き(残像)を防ぐことができないという問題
点を有している。
【0008】本発明の目的は、前述した従来技術の問題
点を解決し、液晶表示装置に対して動画表示のようにフ
レーム毎に異なる映像データが入力される環境におい
て、フレームメモリを用いた動画表示の際に問題となる
隣接画面映像データ分割表示状態を防ぐための複数画面
分の映像データを保持するために備えられるフレームメ
モリを介した入出力フレーム周波数の制御方法、及び、
複数フレーム分保持された映像データの読み出し制御方
法を工夫することにより、液晶パネルに定常的な直流電
圧を印加しないようにすると共に、輝度変化を極力抑え
ることにより残像(焼き付き)及びフリッカーのない良
好な表示状態を得ることができる液晶表示装置及び該液
晶表示装置を用いた電子機器を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、液晶表示装置におい
て、フレーム間映像信号に対する階調データを比較し、
比較結果に従って残像(焼き付き)の発生の有無を判断
し、残像(焼き付き)の発生を抑止するように映像信号
処理を切り替えることにより良好な表示状態を得ること
ができる液晶表示装置及び該液晶表示装置を用いた電子
機器を提供することにある。
【0010】本発明のさらに他の目的は、液晶表示装置
において、液晶パネルに定常的な直流電流が印加されな
いようにするための手段として、3次元インターレース
−ノンインターレース変換機能等のような高価な部品を
用いることなく、単に、入出力周波数変換及び拡大処理
等に必要なフレームメモリの兼用及び小規模な論理回路
を搭載するだけで実現することのできる液晶表示装置及
び該液晶表示装置を用いた電子機器を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、映像信号発生装置からの入力映像を表示する液晶表
示装置において、映像データの書き込み及び読み出しを
同時に行う独立したフレームメモリと、それぞれのフレ
ームメモリを制御するフレームメモリ制御手段と、フレ
ームメモリから読み出された映像データをある規則性に
従って交流化するための交流化制御手段を含む液晶用ド
ライバ制御手段と、このドライバ制御手段により制御さ
れる液晶パネルとを備えたことにより達成される。
【0012】すなわち、本発明は、液晶表示装置におい
て、テレビ放送、ビデオ再生、パソコンなど映像信号源
から入力される映像情報を一旦フレームメモリに格納す
る。前記フレームメモリは、毎フレーム入力される映像
データを逐次格納すると共に、連続する複数フレーム分
の映像データを保持可能な容量を備える。さらに、前記
フレームメモリの制御回路は、前記フレームメモリから
の読み出しの際に2フレームに跨った映像データを読み
出すタイミングとなった場合に、直前の1フレーム完結
した映像データを読み出す機能を備える。このタイミン
グは、前記フレームメモリに対する入出力フレーム周波
数設定値によって、一義的に決定される。
【0013】前述した構成において、フレームメモリに
対する入出力フレーム周波数設定値を最適な状態にする
ことにより、定期的に入力映像データによる液晶パネル
に印加される階調電圧を変更でき、定常的な直流電圧の
印加を抑えて残像(焼き付き)の発生を防止することが
できる。
【0014】また、前述のフレームメモリに対する入出
力フレーム周波数設定制御による残像(焼き付き)除去
とは別に、隣接フレーム間の同一画素の階調データを合
成して液晶パネルに出力することにより、残像(焼き付
き)の発生を防止する手段を設け、連続する複数フレー
ムの入力映像データの状態を判断し、最適な制御方法を
選択することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明による液晶表示装置
の実施形態を図面により詳細に説明する。
【0016】図1は本発明の第1の実施形態による液晶
表示装置の構成を示すブロック図である。図1におい
て、101は入力映像信号、102は液晶表示装置、1
03は映像信号処理回路、104はデジタル映像信号、
105は液晶モジュール、106はドライバ制御回路、
107は交流化制御回路、108は交流化駆動信号、1
09はドライバ制御信号(交流化駆動信号を除く)、1
10はデータ・ドライバ、111はゲート・ドライバ、
112は液晶パネルである。
【0017】本発明の第1の実施形態による液晶表示装
置は、映像信号101を液晶モジュール105に出力す
る前に、良好な表示を得るために映像信号の処理を行う
映像信号処理回路103を主要な構成要素として備えて
構成される。そして、図1に示すように、本発明の第1
の実施形態による液晶表示装置102は、パソコン(以
下、PCという)、テレビ放送(以下、TVという)、
ビデオ・テープ・レコーダー(以下、VTRという)等
からの入力映像信号101を受け取って本発明による処
理を行う映像信号処理回路103と、映像信号処理回路
103からのデジタル映像信号を入力とした液晶モジュ
ール105とにより構成される。
【0018】前述において、映像処理回路103は、前
述の入力映像信号101を取り込んで、映像フォーマッ
ト変換、コントラスト、輝度等の画質調整、アナログ−
デジタル変換、色数変換及び表示サイズ変換などを行
い、デジタル映像信号104として出力する。液晶モジ
ュール105は、表示タイミングを生成し、液晶ドライ
バ制御信号109を出力するドライバ制御回路106
と、ドライバ制御回路106に内包され、液晶パネル1
12に対する映像信号の交流化を行い、交流化駆動信号
108を出力する交流化制御回路107と、液晶ドライ
バ制御信号109の一部を受け取るデータ・ドライバ1
10と、液晶ドライバ制御信号109の一部及び交流化
駆動信号108を受け取るゲート・ドライバ111と、
データ・ドライバ110及びゲート・ドライバ111に
より制御されて映像の表示を行う液晶パネル112とに
より構成される。
【0019】以下、図1を参照して、本発明の第1の実
施形態による液晶表示装置102の動作の概要を説明す
る。
【0020】映像信号処理回路103は、まず、PC、
TV、VTR等からの入力映像信号101を取り込む。
映像処理回路103は、取り込んだ入力映像信号101
に対して、本発明の目的を実現するための映像処理及び
本来映像処理制御部で行うアナログ入力映像信号のデジ
タル映像信号への変換、液晶パネル112の表示サイズ
に合わせた拡大処理、コントラスト比向上を行うための
階調補正、更に、多階調表示を行うための色数変換処理
等を施して、映像処理されたデジタル映像信号104と
して出力する。液晶モジュール105内のドライバ制御
回路106は、デジタル映像信号104を受け取り、映
像信号104をデータ・ドライバ110及びゲート・ド
ライバ111に必要なタイミングに変換し、制御信号を
生成して出力する。ドライバ制御回路106の内部に
は、液晶パネル112に対して出力する映像信号の交流
化に必要な交流化制御回路107を含む。そして、ドラ
イバ制御回路106は、データ・ドライバ110には表
示データ、タイミング信号109を出力し、ゲート・ド
ライバ111には前記交流化制御回路107より出力さ
れる交流化駆動信号108を含む制御信号を出力する。
【0021】なお、前述の交流化駆動信号108は、フ
リッカーの発生を最も抑えことができるように、各画素
の極性がフレーム毎に反転する“ドット反転フレーム交
流”での駆動信号を出力するものとする。
【0022】図2はインターレース形式による入力映像
信号を例として、残像(焼き付き)発生原因について説
明する図、図3は奇数フレーム及び偶数フレームの各デ
ータが交互に液晶モジュール105に出力された際の液
晶パネル各ラインの特定画素に対する印加信号を説明す
る図であり、以下、図2、図3を参照して、残像(焼き
付き)発生について説明する。図2は説明を簡単にする
ため、一画面が8ラインで構成されているものとし、各
ライン内の映像データが全て同一(水平方向のデータが
同一)であるものとする。図2において、入力映像信号
の原画像は、前半(1ライン目〜3ライン目)の映像デ
ータを黒(階調値:00h)とし、後半(4ライン目〜
8ライン目)までの映像データを白(階調値:FFh)
とする。また、各フレームでの原画像データが、同じ状
態、すなわち、映像信号のポーズ状態を想定する。
【0023】前述したような原画像データがインターレ
ース形式で図1に示した映像表示装置に入力された場
合、原画像データは、奇数フィールド及び偶数フィール
ドにそれぞれ時分割された状態で入力される。すなわ
ち、奇数フィールドでは原画像の奇数ラインの映像デー
タ、偶数フィールドでは原画像の偶数ラインの映像デー
タがそれぞれ入力される。各フィールドのデータは、図
1に示した映像表示装置内の映像信号処理回路103に
おいてプログレッシブ形式(ノン・インターレース形
式)の映像信号に変換され、奇数フレーム映像信号、偶
数フレーム映像信号104として順次液晶モジュール1
05に出力されることになる。ここでのプログレッシブ
形式への変換は、映像処理回路103の内部において、
入力される奇数フィールド及び偶数フィールドの各イン
ターレース形式の映像信号を、フレームメモリに書き込
み、読み出しの際に各ラインの映像データを2度読み出
すことにより実現している(以降、この制御をラインダ
ブラー処理という)。このプログレッシブ形式化された
映像信号を、そのまま液晶モジュール105に出力し、
合わせて、交流化制御回路107での駆動を“ドット反
転フレーム交流駆動”とした場合、液晶パネル112に
は、定常的な直流電圧が印加されて残像(焼き付き)現
象が発生する。
【0024】前述の図2における奇数フレーム及び偶数
フレームの各データが交互に前記液晶モジュール105
に出力された際の液晶パネル各ライン特定画素に対する
印加信号を図3に示しており、図3(a)は第1及び第
2ラインデータ、図3(b)は第5〜第8ラインデー
タ、図3(c)は第3、第4ラインデータをそれぞれ示
している。
【0025】まず、図2により説明したような映像信号
が入力された場合、図3(a)に示す第1及び第2ライ
ンデータは、偶数フレームデータ、奇数フレームデータ
に係わらず、毎フレーム黒データ(階調:00h)が液
晶モジュール105に出力される。この黒データに対し
て特定の画素に注目した場合、交流化駆動信号が、毎フ
レーム+(プラス)極性と−(マイナス)極性とを繰返
す“ドット反転フレーム交流駆動”となり、これに映像
信号である常時黒データを重畳した場合の液晶パネル1
12への印加信号は、実効値が等しく、フレーム毎に+
極性、−極性を繰返す信号となる。このため、液晶パネ
ル112は、直流電圧が印加されることなく残像も発生
しない。
【0026】図3(b)に示す第5〜第8ラインデータ
についても、前述した図3(a)の場合と同様に、毎フ
レーム白データ(階調:FFh)が液晶モジュール10
5に出力されるため、液晶パネル112への印加信号
は、実効値が等しく、フレーム毎に+極性、−極性を繰
返す信号となる。このため、液晶パネル112は、直流
電圧が印加されることなく残像も発生させない。図3
(b)の場合、白データの表示であるため、図3(a)
の場合に対して、+極性、−極性共に実効値が大きくな
っているが、直流成分が発生することはない。
【0027】図3(c)に示す第3、第4ラインデータ
の場合、奇数フレームが常時黒データ(階調:00
h)、偶数フレームが常時白データ(階調:FFh)と
なり、これらが交互に液晶モジュール105に出力され
る。液晶モジュール105の内部では、フレーム毎に
黒、白を繰返す映像データに対し、交流化制御回路10
7が出力する“ドット反転フレーム交流駆動”による交
流化駆動信号が重畳されることになる。これにより、液
晶パネル112への印加信号は、常時黒データを+極
性、白データを−極性とするため−極性の実効値が常に
大きくなり、定常的な直流電圧が発生することになる。
この直流電圧が印加されることにより、このラインに
は、残像(焼き付き)が発生することになり、第3、第
4ラインに横筋が発生する。
【0028】なお、図2、図3により説明した残像(焼
き付き)発生原因は、インターレース形式の映像信号
(VTR、DVDなどからのビデオ信号)をポーズ状態
で入力したときの条件と同一である。
【0029】図4は残像(焼き付き)の発生を回避する
ことを可能にした映像信号処理回路の概略構成を示すブ
ロック図、図5はフレームメモリの構成例を示す図であ
り、以下、本発明の実施形態により残像(焼き付き)の
発生を回避することが可能であることを説明する。図4
において、401はVTR、DVDなどのインターレー
ス形式の映像信号を生成出力する映像出力源、402は
フレームメモリ制御回路、403、405は前記映像信
号源401からのインターレース形式映像信号101を
前記フレームメモリ制御回路402による制御で保持す
るためのフレームメモリA、B、404、406は前記
フレームメモリ制御回路402とフレームメモリ40
3、405との間のインターフェース信号である。
【0030】図4に示す映像信号処理回路103は、フ
レームメモリA403、B405を用いることにより、
映像信号源401からの入力映像信号101と、液晶モ
ジュール105への出力映像信号とのフレーム周波数変
換処理(非同期化)を行うことにより、残像回避の制御
を行うものであり、フレームメモリ制御回路402及び
フレームメモリA、B403、405は、液晶表示装置
では既知の技術となっているスケーリング制御処理機能
をも備えるものである。
【0031】フレームメモリA403、B405の内部
構成例を示す図5において、図5(a)は単一フレーム
容量搭載メモリにより構成したフレームメモリの構成を
示している。すなわち、この例は、メモリチップa、
b、cの容量が、単一フレーム分であり、3つのメモリ
a〜cにより3フレーム分(フレーム1〜3)の表示デ
ータを保持することができるようにしている。図5
(b)は複数フレーム容量搭載メモリにより構成したフ
レームメモリの構成を示している。すなわち、この例
は、メモリチップdが、単独で3フレーム分(フレーム
1〜3)の表示データを保持することができようにして
いる。図5(a)、図5(b)に示す例は、共に3フレ
ーム分の表示データを保持する点で共通であるが、それ
ぞれ特徴も有している。図5(a)に示す構成は、フレ
ームデータとメモリチップとが1対1に対応しているた
め、同時に複数フレームの映像データを読み出すことが
可能である。一方、図5(b)に示す構成は、3フレー
ム分の映像データを1つのメモリチップに搭載している
ため、同時に複数フレームの映像データを読み出すこと
はできないが、メモリチップが1つであるためアドレス
バス数、データバス端子数が図5(a)の場合の約3分
の1で済むという特徴がある。なお、本発明の実施形態
による残像(焼き付き)回避の制御を行う映像信号処理
回路103は、いずれの形式のフレームメモリも使用可
能である。
【0032】図6は図4に示すフレームメモリの動作タ
イミングの概略を説明する図、図7は液晶パネルへの印
加電圧及び輝度変化の一例を説明する図であり、以下、
図6、図7を参照して、本発明の第1の実施形態による
液晶表示装置が、残像(焼き付き)の発生を回避するこ
とが可能であることを説明する。
【0033】図6に示すように、フレームメモリA40
3とフレームメモリB405とは、書き込み動作と読み
出し動作とが相反して行われる。そして、、書き込みタ
イミングは、前記映像信号源401からのインターレー
ス映像信号101の入力タイミングに依存し、図6に示
す例では、この書き込みタイミングに合わせてフレーム
周期を記述している。これに対して読み出しタイミング
は、反対側のフレームメモリが書き込み動作を行ってい
る期間使用することができ、この期間であればフレーム
メモリに格納された映像データを任意に読み出すことが
できる。すなわち、図6の上段に示すフレーム周期にお
いて、第1〜第3フレームの期間、フレームメモリA4
03が書き込み処理を行い、この間フレームメモリB4
05は、任意タイミングで映像データの読み出し処理を
行う。次に、第4〜第6フレームの期間、逆に、フレー
ムメモリB405が書き込み処理を行い、この間フレー
ムメモリA403は、任意タイミングで映像データの読
み出し処理を行う。以降、この処理を繰返す。
【0034】なお、乱れの無い表示制御を行うために
は、読み出し処理は、必ずフレーム完結する必要がある
ため、規定の書き込みフレーム数内での読み出しフレー
ム数は必ず整数倍である必要がある。一例として、図6
の下段に、4/3倍速処理時のタイミング図を示してい
る。4/3倍速処理とは、書き込みを3フレーム期間に
渡って行う間に、読み出しを4フレーム分行う処理であ
る。この場合、フレームメモリに必要な容量は3フレー
ム分であり、前述した図5(a)、図5(b)に示した
構成のいずれの構成も対応可能である。図6の下段にお
いて、第1〜第3フレーム期間に、フレームメモリA4
03に映像信号源401からのインターレース映像信号
101が書き込まれる。フレームメモリB405は、3
フレーム分の書き込み時間を4分割した各期間におい
て、メモリ内部に保持されている3フレーム分のデータ
の最も古いフレームデータのみを2度読みするようにし
て読み出す(図6では、n、n、n+1、n+2の各フ
レームの順に読み出している)。次に、第4〜第6フレ
ーム期間、入力されるインターレース映像信号101を
フレームメモリB405に書き込み、この間フレームメ
モリA403は、先に書き込まれた第1〜第3フレーム
のデータを、第1フレームデータを2度読みするように
して読み出す(図6では1st、1st、2nd、3r
dの順に読み出す)。以降、前述の処理を繰返すことに
より4/3倍速処理が行われる。
【0035】なお、前述の図2により説明したラインダ
ブラー処理は、フレームメモリA403、B405から
の読み出し制御時に、同じラインデータを連続して2度
読み出すことにより行っている。従って、入力されるイ
ンターレース映像信号101のフィールド周波数がVT
R、DVD等で一般的な60Hzの場合、ラインダブラ
ーのために読み出しクロック速度は2倍速となり、さら
に、出力フレーム周波数は、出力フレーム周波数=60
Hz(入力フィールド周波数)×4/3=80Hzとな
る。液晶パネル112は、与えられるフレーム周波数と
しては60Hzが標準であり、これより低くするとフリ
ッカー現象が現れ、高過ぎると書き込み時間が不足して
所定の階調を表示できない等の不具合が発生する。この
ため、一般的には、液晶パネル112に与えられるフレ
ーム周波数は、60Hz〜70Hz程度とする必要があ
る(上限は、パネル毎のデバイス特性により異なる)。
【0036】液晶パネルへの印加電圧及び輝度変化の一
例を説明する図7は、前記フレームメモリA403、B
405に対する書き込みを、7フレームを1つのサイク
ルとして行い、読み出しを、これに1フレーム加えた8
フレームについて書き込み1サイクル中に行っている例
である。図7において、フレーム周期は、書き込み側の
タイミングを示し、それ以外は読み出し側のタイミング
を示している。読み出し側の映像信号104は、図2に
より説明した偶数フレーム映像データが“EVN*”、
奇数フレーム映像データが“ODD*”として読み出さ
れる。ここで、前記*は、偶数、奇数のフレーム映像デ
ータ番号を示している。
【0037】従って、EVN1から2度読みされるEV
N4の1つ目のEVN4までは、1フレーム毎に黒デー
タ及び白データが交互に印加され、これに出力フレーム
毎に極性反転する“ドット反転フレーム交流駆動”の交
流化信号が重畳されるため、液晶に印加される電圧は、
図7(A)として示すように、定常的にマイナス直流電
圧が印加されることになる(図3(c)の状態)。しか
し、次の読み出しフレーム(8FLM目)で再度EVN
4データを読み出し、以降ODD4からODD7まで順
次読み出した場合、交流化信号が常時フレーム毎に+極
性と−極性とを繰り返すため、液晶に印加される電圧
は、前述した8フレームとは反対の実効値電圧となり、
また、2つ目のEVEN4から2度読みされるODD7
の1つ目のODD7までは定常的にプラス直流電圧が印
加されることになる。しかし、EVN1から2つ目のO
DD7までを1つのサイクルとした場合に、8フレーム
毎に正負極性が反転し、実効値の等しい直流電圧が印加
されることになり、残像(焼き付き)の発生を抑止する
ことが可能である。
【0038】しかし、前述した例は、輝度変化の観点か
ら考察した場合、EVN1からODD3までの6フレー
ムと、ODD4からEVN7までの6フレームはコモン
電圧に対し対称であり同一の“輝度a”となる。また、
2フレーム連続するEVN4の“輝度b”とODD7の
“輝度c”とは、“輝度b”<“輝度c”の関係にあ
り、さらに、双方の輝度は前記“輝度a”とも異なるこ
とになる。従って、図6、図7により説明した例の場
合、前述の3種類の輝度差が一定のタイミングで発生す
ることとなって、フリッカーを引き起こすことになる。
【0039】図8は図7とは別のタイミング制御を施し
た場合の液晶パネルへの印加電圧及び輝度変化の一例を
説明する図であり、以下、これについて説明する。
【0040】図8に示す例は、フレームメモリA40
3、B405に対する書き込みを299フレームを1つ
のサイクルとして行い、読み出しをこれに1フレーム加
えた300フレームを前述の書き込み1サイクルの中で
行うものである。この例において特記するべきことは、
前述した図7の場合に対し“輝度a”の期間を長く設定
していることである。この場合、読み出しの600フレ
ームが繰返し周期となり、図7の場合と同様に、“輝度
a”、“輝度b”、“輝度c”3種類の輝度差が一定の
タイミングで発生することになる。しかし、この例は、
輝度差の期間が“輝度b”、“輝度c”に比べ“輝度
a”が極端に長く、“輝度a”による安定した輝度表示
の中で一瞬“輝度b”、“輝度c”による輝度差が発生
することになるため、一瞬引きつったような表示となる
だけである。しかし、この例は、1つの“輝度a”の期
間に、プラスまたはマイナスの直流電圧が印加されるこ
とになるため、この期間が極端に長い場合、残像(焼き
付き)を回避することができないことになる。
【0041】図9は図7、図8とは別のタイミング制御
を施した場合の液晶パネルへの印加電圧及び輝度変化の
一例を説明する図であり、次に、これについて説明す
る。
【0042】図9に示す例は、フレームメモリA40
3、B405に対する書き込みを300フレームを1つ
のサイクルとして行い、読み出しをこれに1フレーム加
えた301フレームを前述の書き込み1サイクルの中で
行うものである。この例において特記するべきことは、
前述した図8の場合と同様に、“輝度a”の期間を長く
設定していること、及び、1つの読み出しサイクルが、
前述した図7、図8の例では偶数フレーム(8FLM、
300FLM)であったのに対し、奇数フレーム(30
1FLM)としたことである。この結果、図9に示す例
は、読み出しが602フレームの繰返し周期となり、
“輝度b”=“輝度c”となり、図7、図8の場合と異
なって2種類の輝度差が一定のタイミングで発生するこ
とになる。図9に示す例は、輝度差が2種類となるが輝
度差の期間が図8の場合と同様に“輝度b”、“輝度
c”に比べ“輝度a”が極端に長いため、“輝度a”に
よる安定した輝度表示の中で一瞬“輝度b”、“輝度
c”による輝度差が発生することになるため、表示状態
としては同様に一瞬引きつったような表示となる。
【0043】図10は図7〜図9とは別のタイミング制
御を施した場合の液晶パネルへの印加電圧及び輝度変化
の一例を説明する図であり、次に、これについて説明す
る。
【0044】図10に示す例はフレームメモリA40
3、B405に対する書き込みを6フレームを1つのサ
イクルとして行い、読み出しをこれに1フレーム加えた
7フレームを前述の書き込み1サイクルの中で行うもの
である。この例において特記するべきことは、前述した
図7の場合と同様に“輝度a”の期間は短いが、1つの
読み出しサイクルを奇数フレーム(7FLM)としたこ
とである。この結果、読み出しが14フレームの繰返し
周期となり、また、前述した図8の場合と同様に、“輝
度b”=“輝度c”となり、2種類の輝度差が一定のタ
イミングで発生することになる。さらに、輝度差の期間
は“輝度a”=5FLM、“輝度b”及び“輝度c”=
2FLMと近い値となっている。従って、図10に示す
例は、5:2の近い状態での交流化が行われるため図7
〜図9に示したタイミング設定の場合に比べフリッカー
及び引きつり状態の少ない良好な表示状態を得ることが
可能であり、また、液晶に直流電圧の印加される期間も
5FLMと短いため、残像(焼き付き)回避に対しても
有利な状態である。
【0045】図7〜図10により説明した各種タイミン
グ設定による例によると、本発明の実施形態によるフレ
ームメモリを用いた入出力フレーム周波数変換処理(n
倍速処理)方法は、繰返し周期を短くし、1つの読み出
しサイクルを奇数フレームとすることにより、残像(焼
き付き)を回避し、フリッカー、引きつりなどの弊害を
最小限に抑えた良好な表示状態を得ることが可能であ
る。
【0046】図11は1つの読み出しサイクルのフレー
ム数と画質との関係を実験的に求めた結果を説明する図
であり、1つの読み出しサイクルを奇数フレームとし
て、残像(焼き付き)を回避した上で良好な表示状態と
なる設定値を求めた結果を示すものである。評価方法
は、1つのサイクルのフレーム数を小さい奇数値から大
きい奇数値へと変化させた際の各設定値での表示状態を
主観評価したものである。なお、入力映像信号として
は、図2に示した最小階調値(データ:00h)と、最
大階調値(データ:FFh)とによる最も厳しい条件と
した。
【0047】図11から判るように、表示状態として許
容可能な1つのサイクルのフレーム数の設定値は9FL
M以下であり、11FLM以上ではフリッカーが発生
し、35FLM程度の設定値となると引きつり現象が発
生する。9FLM以下の奇数設定値で良好な表示状態を
得ることが可能であるが、液晶パネルの動作フレーム周
波数という観点では、この設定値が小さくなるほどフレ
ーム周波数が高くなる。前述したように、液晶パネルの
動作フレーム周波数としては60Hzを基準に、70H
z程度を上限とするものが一般的である。従って、図1
1の結果での5FLM設定値は入力映像信号のフレーム
周波数を60Hzとした場合75Hzまで上昇すること
になり、液晶パネルの仕様を越えてしまうことになる。
この結果、表示状態及び液晶パネルの仕様双方を考慮し
た場合、設定値として7FLM及び9FLMとした場合
が最適な状態となる。
【0048】図12は輝度差と画質(フリッカー)との
関係を実験的に求めた結果を説明する図であり、図2に
示したような階調差を持つ原画像に対し前述したような
本発明の実施形態による処理を施した場合の画質(フリ
ッカー)の状態を主観評価により実験で求めた結果であ
る。図12から判るように、階調差が大きくなるにつれ
てフリッカーの状態が大きくなる傾向にある。また、前
述で説明した図10に示したように最適なタイミング設
定を行った場合でも、一定周期の中で2種類の輝度デー
タ(“輝度a”と“輝度b”、“輝度c”)が存在する
ため、階調差が大きい場合に、フリッカーの発生を完全
に抑えることはできない。さらに、拡大処理によりフリ
ッカーは悪化の方向に働く。
【0049】図13は図2に示したインターレース形式
の映像信号をラインダブラー方式でI−P変換した映像
信号に拡大処理を施す際の状況について説明する図であ
る。
【0050】図13において、ラインダブラーによりフ
ィールドデータをフレームデータに変換するまでは図2
により説明した場合と同一である。この状態は、原画像
と同じ解像度(画面サイズ)であり、ビデオ入力の場合
であればVGA(640ドット×480ライン)相当の
サイズとなる。これをXGAサイズの液晶パネルにフル
画面表示する場合、1.6倍の拡大処理が必要となる。
実際の処理は、原画像全てに対し1.6倍の拡大処理を
施すことが困難であるため、拡大処理を行わない部分と
2倍拡大処理を施す部分との割合により実現する(例え
ば、原画像10ライン中6ラインに対し2倍拡大処理を
施す等)。従って、2倍拡大処理を施した部分について
は図13の右に示す状態となり、奇数フレームと偶数フ
レームとの間で階調データの異なるライン数は、拡大を
行わない場合の2倍となる(図13においては2ライン
から4ラインに増加)。この結果、異なる階調ライン部
分の増加が主観上フリッカー現象の悪化となることが想
定できる。
【0051】図14は拡大率と画質(フリッカー)との
関係を実験的に求めた結果を説明する図であり、前述で
説明した図13における原画像に対する拡大を行って、
本発明の実施形態による処理を施した場合の画質(フリ
ッカー)の状態を主観評価により実験で求めた結果であ
る。図14に示す評価は、等倍表示時に許容可能な表示
状態である映像データの拡大率を大きくしていった際の
表示状態を示したものである。図14から判るように、
図13に示した原理に従って拡大率を大きくするに従っ
て階調の異なるライン数が増加し、フリッカー現象が大
きくなることが認められた。そして、2倍の拡大の場
合、すでに許容できない程のフリッカーが発生する結果
となり、前述のビデオ入力(VGA相等)をXGAパネ
ルにフル画面表示する際の1.6倍拡大表示は、入力さ
れる映像データによっては許容できないことが想定でき
る。
【0052】前述したように、本発明の第1の実施形態
は、残像(焼き付き)の回避を完全に行うことができる
ものの、フレーム毎に異なる2つの階調差、拡大率等の
条件によってはその弊害として許容できない程のフリッ
カーを発生する可能性があるものである。
【0053】次に、フリッカーの発生を抑えて残像(焼
き付き)を回避することを可能にした本発明の第2の実
施形態について説明する。本発明の第2の実施形態は、
入力される映像データの状態を判断し、この判断結果に
対応した制御を行うものである。本発明の第2の実施形
態を説明する前に、まず、インターレース形式の入力映
像信号においても、前述で説明した本発明の第1の実施
形態で示したポーズ状態ではなく、動画状態(動きのあ
る状態)であれば残像(焼き付き)が発生しないことに
ついて説明する。
【0054】図15は動画状態である映像信号を入力し
た際に液晶パネル112に印加される電圧の状態を示す
図である。
【0055】図15において、入力されるデジタル映像
信号104は、動画状態であるために規則性はなく、フ
レーム毎に異なった階調レベルの信号が入力される。こ
れに対して交流化駆動信号は、前述したように“ドット
反転フレーム交流駆動”としているため、フレーム毎に
+極性と−極性が反転し、これに各フレームでの映像信
号が重畳されることになる。従って、液晶パネル112
に印加される電圧は、規則性が無く+側、−側にも図3
(c)により説明したような定常的な直流電圧となるこ
とはなく残像(焼き付き)は発生しない。すなわち、残
像が発生する状態とは、インターレース形式の映像信号
をラインダブラー方式でインターレース−ノン・インタ
ーレース変換(I−P変換)した際の映像信号をポーズ
状態(静止状態)にしたような場合に発生する。これを
特定画素に注目した映像信号の観点でみると、1フレー
ムおきには同じ階調データでかつ隣接フレーム間では階
調差の大きいデータとなった場合が残像(焼き付き)発
生の条件であることになる。従って、これらの状態を検
出、判断することにより残像(焼き付き)発生の有無を
判断し、最適な制御を施すことが可能となる。
【0056】図16は本発明の第2の実施形態による残
像(焼き付き)の発生を回避することを可能にした映像
信号処理回路の概略構成を示すブロック図である。図1
6において、1601は残像回避制御回路であり、他の
符号は図4の場合と同一である。
【0057】本発明の第2の実施形態は、図4に示した
第1の実施形態での映像信号処理回路の構成に対し、フ
レームメモリA403、B405から読み出した映像デ
ータをフレーム間で比較し、比較結果に基づいて残像
(焼き付き)が発生しないような制御を施す残像回避制
御回路1601を追加し、この出力映像データ1602
を液晶モジュール105に出力するようにしたものであ
る。
【0058】図16において、フレームメモリA40
3、B405及びフレームメモリ制御回路402は、イ
ンターレース形式の偶数、奇数フィールド映像信号10
1を交互に書き込み、保持した映像データをライン毎に
2度読みするラインダブラー方式で偶数、奇数フレーム
データに変換し出力すると共に、フレーム間の映像デー
タを比較して残像(焼き付き)の発生の有無を判断し、
後段の残像回避制御回路1601を制御する。前述した
ように、残像(焼き付き)発生の条件は、特定画素に注
目した映像信号の観点でみると1フレームおきには同一
階調データでかつ隣接フレーム間では階調差の大きいデ
ータとなった場合であるため、複数フレームの映像デー
タを同時に用いる必要がある。従って、図5により説明
した2つのメモリ構成のうち、図5(b)に示す複数フ
レーム容量を搭載したメモリ構成では、複数フレームの
映像データを保持できるものの、これらを同時に読み出
すことが不可能なため、本発明の第2の実施形態におい
ては、図5(a)に示した単一フレーム容量を搭載した
メモリ構成を用いている。
【0059】図17は図16に示す残像回避制御回路内
の映像データ比較による残像(焼き付き)発生検出、判
断処理について説明する図であり、次に、これについて
説明する。
【0060】図17において、1701は最も過去に入
力さ、フレームメモリA403あるいはフレームメモリ
B405に書き込まれたフレーム映像データの読み出し
状態(以下、#1リードという)、1702、1703
は前記#1リード1701に続くフレーム映像データの
読み出し状態(以下、#2リード、#3リードとい
う)、1704は前記#1リード1701から#3リー
ド1703が同時に読み出されているタイミングでの入
力インターレース映像信号101を前記フレームメモリ
A403あるいはフレームメモリB405への書き込み
状態(以下、ライトという)、1705は前記#1リー
ド1701と#2リード1702との映像データを比較
する比較回路A、1706は同じく前記#1リード17
01と#3リード1703との映像データを比較する比
較回路Bである。また、図17において、経過時間は、
フレームメモリA403、B405に入力インターレー
ス映像信号101を書き込む順序(タイミング)を意味
する。ここで説明する本発明の第2の実施形態では、一
例として、フレームメモリA403に書き込み、フレー
ムメモリB405から読み出しを行うものとする。
【0061】そして、#1リード1701、#2リード
1702、#3リード1703は、すでにフレームメモ
リB405に書き込まれている映像データを同時に読み
出し、ライト1704は、このタイミングでフレームメ
モリA403に入力インターレース映像信号101の書
き込みを行う。前記#1リード1701、#2リード1
702、#3リード1703により同時に読み出された
は映像データは、#1リード1701、#2リード17
02による映像データが比較回路A1705で比較さ
れ、#1リード1701、#3リード1703による映
像データが比較回路B1706で比較される。比較回路
A1705、比較回路B1706は、比較結果を
(a)、(b)として出力する。各比較結果の意味は、
(b)が1フレーム間隔同一画素の比較結果であり、映
像データが動画状態にあるか、ポーズ状態にあるかの判
断を行うためのものであり、(a)は隣接フレーム間同
一画素の比較結果であり、前記(b)の結果と合わせて
残像(焼き付き)発生の有無を判断するものである。
【0062】表1は前述の2つの比較結果に対する対応
の一覧を示しており、前述した2つの比較結果(a)、
(b)に対する判定は、次のように行われる。
【0063】
【表1】 すなわち、比較結果(b)が不一致の場合、比較結果
(a)の状態に係わらず、動画状態にあるものと判断
し、残像(焼き付き)の発生はないものとして、本発明
の実施形態による残像(焼き付き)回避制御を行わず、
通常状態での表示を行う(図15の状態)。逆に、比較
結果(b)が一致と判定された場合、もう1つの比較結
果(a)が関係し、比較結果(a)が不一致の場合、ポ
ーズ状態と判断し、残像(焼き付き)が発生するものと
して、本発明の実施形態による残像(焼き付き)回避制
御を行う(図3(c)の状態)。さらに、比較結果
(a)、(b)共に一致の場合、動画状態にあるものと
判断し、本発明による残像(焼き付き)回避制御は行わ
ず、通常状態での表示を行う(図15の状態)。
【0064】図18は図17に示す残像回避制御回路内
の映像データ比較による残像(焼き付き)発生検出、判
断処理に前述した映像比較結果に基づいた残像(焼き付
き)回避処理を行う演算処理回路1801を追加した場
合の処理を説明する図であり、次に、これについて説明
する。
【0065】図18において、演算回路1801の制御
アルゴリズムは、表1により説明した比較結果に対する
対応一覧に従う。すなわち、演算回路1801は、残像
(焼き付き)の発生がないと判断し、通常の表示を行う
場合、#2リード1702の映像データを出力映像デー
タとして、前記液晶モジュール105に出力する。ま
た、演算回路1801は、残像(焼き付き)の発生があ
ると判断し、これを回避する演算処理を有効にする場
合、入力された#3リード1701及び#2リード17
02による映像データを演算処理し、残像(焼き付き)
の発生しない状態にして前記液晶モジュール105に出
力する。従って、液晶モジュール105に出力される映
像データは、いずれの状態においてもフレームメモリA
403、B405からの読み出しデータを用いるため、
色数は前記フレームメモリA403、B405に格納さ
れるビット数で制限される。従って、R、G、B各8ビ
ットのフルカラーで表示を行う行う場合、前記フレーム
メモリA403、B405のデータバス幅(図18のn
ビット)は24ビットとなる。
【0066】図19は図18に示した演算処理回路18
01の構成と動作とを説明する図であり、以下、これに
ついて説明する。図19において、1901は隣接する
2つのフレームデータを加算する加算回路、1902は
加算回路1901より出力される加算データを除算し、
液晶モジュール105に出力する除算回路である。
【0067】図19において、2つのフレームデータで
あるリードデータ1及びリードデータ2は、そのまま液
晶モジュール105に出力した場合、前記図3(c)に
示した状態により残像(焼き付き)が発生するものとす
る。また、図19では、リードデータ1が白データ(階
調値:FFh)、リードデータ2が黒データ(階調値:
00h)であるとする。これら2つのデータは、加算回
路1901に入力され、加算データとして出力される
(図示例では、FFh(リードデータ1)+00h(リ
ードデータ2)=FFh(加算結果))。この加算結果
は、後段の除算回路1902に入力され、除算処理を施
して、液晶モジュール105への出力データとして出力
される。図19に示す例では、除算処理の一例として2
分の1化処理を示す。従って、液晶モジュール105へ
の出力は、常に白データ(階調値:FFh)と黒データ
(階調値:00h)との中間調データ(階調値:7F
h)となり、液晶パネルに定常的な直流電圧が印加され
ず、残像(焼き付き)のない良好な表示を実現すること
ができる。
【0068】前述した本発明の第2の実施形態は、フレ
ームメモリA403、B405のデータバス幅で表示色
数が制限される。すなわち、R、G、B各8ビットのフ
ルカラー表示を実現しようとした場合、1つのフレーム
処理に24ビットのデータバス幅が必要となり、多数の
メモリチップを搭載する必要がある。このメモリチップ
搭載量を抑えた上で残像(焼き付き)を回避することを
可能にした本発明の第3の実施形態について次に説明す
る。
【0069】図20は2フレーム間同一画素映像データ
の階調差(ビット精度)に対する残像(焼き付き)現象
検出結果を評価実験によって求めた結果を説明する図で
ある。図20において、ビット精度とは、2フレーム間
映像データの上位から何ビットを比較するかを示したも
のであり、例えば、図20に示したビット精度3とは全
8ビット中上位3ビットのみ比較し、残りの下位5ビッ
トについては比較対称外とするものである。図20に示
すように、上位3ビットが一致(全て“1”)であれ
ば、下位5ビットが何れの状態(図のようにリードデー
タ1が全て“1”、リードデータ2が全て“0”)にあ
っても一致状態とするものである。
【0070】図20に示す評価結果から判るように、残
像(焼き付き)の発生を検出可能なビット精度は、上位
3ビット以上でフレーム間データの比較を行った場合で
ある。すなわち、R、G、B各上位3ビットの合計9ビ
ットのバス幅は最低でも必要である。これに対して、メ
モリチップのデータバス幅構成は、SD_RAMを用い
た場合16ビット幅が主流である。従って、R、G、B
各データバス幅の構成を5−6−5(=16ビット)、
あるいは、5−5−5(=15ビット)とすることによ
り、メモリチップ搭載数を抑えて、精度よく残像(焼き
付き)発生の有無を判断することができる。
【0071】なお、図20に示す評価は、液晶パネルと
して、容量値が大きく、残像(焼き付き)に厳しいとさ
れているスーパーTFT液晶(横電界液晶)を用いて行
ったが、他の液晶パネル(例えば、ノーマルTFT液晶
等)を用いた場合、評価結果が異なる可能性がある。
【0072】図21は本発明の第3の実施形態による残
像(焼き付き)の発生を回避することを可能にした映像
信号処理回路の概略構成を示すブロック図であり、この
例は、図20での評価結果を踏まえて映像信号処理回路
を構成した例である。
【0073】図21に示す本発明の第3の実施形態は、
図16に示した第2の実施形態に対し、読み出すフレー
ムメモリA403、B405の搭載数を削減し、このフ
レームメモリに、ノン・インターレース形式の映像デー
タを格納するために、フレームメモリ制御部402の前
段に2ライン分のラインメモリを搭載して構成したもの
である。図21において、2101は映像信号源401
より出力されるインターレース形式の映像信号をノン・
インターレース形式に変換するための2ライン分のライ
ンメモリ、2102はラインメモリ2101を制御する
ラインメモリ制御回路、2103はラインメモリ210
1よりラインダブラー処理により出力されるノン・イン
ターレース形式の映像信号である。
【0074】図21に示す本発明の第3の実施形態にお
いて、VTR、DVDなど映像信号源401からのイン
ターレース形式の映像信号は、ラインメモリ2101に
書き込まれる。書き込まれた1ライン分の映像データ
は、ライン単位で連続2回ずつ読み出れて、ノン・イン
ターレース形式の映像信号2103に変換される。この
変換されたノン・インターレース形式の映像信号210
3は、変換と同時にフレームメモリ制御回路402を介
してフレームメモリA403、B405の何れかに書き
込まれると同時に、後段の残像回避制御回路1601に
も出力される。フレームメモリA403、B405は、
それぞれ1フレーム分のメモリ容量が搭載されており、
片方のメモリに書き込みが行われているフレームで、反
対側のメモリから読み出しがおこなわれるように制御さ
れる。従って、残像回避制御回路1601に入力される
ノン・インターレース形式の映像信号104は、ライン
メモリ2101より出力されるノン・インターレース形
式の映像信号2103と、これに対し1フレーム前の映
像信号となるフレームメモリA403、B405からの
映像信号となる。残像回避制御回路1601は、これら
の隣接する2フレーム分の映像信号104が入力され、
この映像信号に対して残像(焼き付き)を回避するよう
に演算処理を行う(詳細は後述)。
【0075】図22は図21に示したラインメモリ21
01の動作タイミングの概略を説明する図、図23は図
21に示した残像回避制御回路1601の動作の概略を
説明する図であり、以下、これらについて説明する。
【0076】ラインメモリ2101は、片方が書き込み
動作時にもう片方が読み出し動作を行うように、各1ラ
イン容量の2つのメモリにより構成される。ラインメモ
リの読み出し動作は、図22から判るように、書き込み
1ライン期間において2度の読み出し(ラインダブラ
ー)を行うようにするため、書き込み時の2倍相当のク
ロック速度で行われる。例えば、ビデオ映像であればV
GA相等であるため、書き込み時のクロック速度は30
MHz程度である。読み出し時は、これを2倍速で行う
ため60MHz相当となるが、この速度は、XGA解像
度のグラフィック映像信号に相当し、映像データバス構
成はシングル構成で対応可能である。2つのラインメモ
リ2101から交互に読み出された映像データ2103
は、フレームメモリA403、B405のいずれかに書
き込まれると同時に、残像回避制御回路1601にも入
力される。
【0077】本発明の第3の実施形態は、図23に示す
ように、図18に示した第2の実施形態での残像回避制
御回路1601の処理動作に対して、リードフレームを
1フレームのみとし、フレームメモリへ格納する映像デ
ータビット数を削減し、さらに、入力映像データをフレ
ームメモリを介さず直接演算回路2301に入力するよ
うにしており、これにより、フレーム間の映像データ比
較処理をなくし、全ての画素について演算処理を実施し
ている。
【0078】図23において、まず、前記ラインメモリ
2101によりノン・インターレース化された入力映像
データは、全ビット(本例ではR、G、B各8ビット)
が演算回路2301に入力される。これと並行に上位n
ビット分の映像データがフレームメモリに書き込まれ
る。ここで、書き込む上位nビットは、図20により説
明した2フレーム間同一画素映像データの階調差(ビッ
ト精度)に対する残像(焼き付き)現象検出結果に基づ
いて、R、G、B=5−6−5の16ビットあるいは5
−5−5の15ビットとなる。これにより、残像(焼き
付き)の回避を実現可能なビット精度による隣接フレー
ム間の同一画素データを、演算回路2301に同時入力
することができる。
【0079】図24は図23に示した演算処理回路23
01の構成と動作の概略を説明する図であり、以下、こ
れについて説明する。図24において、2401はライ
ンメモリ2101から出力されるノン・インターレース
形式映像信号のR、G、B各上位5ビットの信号、24
02は同じく下位3ビットの信号、2403はフレーム
メモリA403、B405から読み出された上位5ビッ
トの信号1701と前記信号2401とを加算する加算
回路A、2404は加算回路A2403からの加算結果
を2分の1化する除算回路、2405は除算回路240
4から出力される除算結果、2406は除算結果240
5を上位データ、ラインメモリ2101から出力される
ノン・インターレース形式映像信号の下位3ビットを下
位データとして加算する加算回路Bである。
【0080】図24に示す演算処理回路において、加算
回路A2403は、ラインメモリ2101から出力され
る映像信号のR、G、B各上位5ビットの信号2401
とフレームメモリA403、B405から読み出された
上位5ビットの信号1701とを加算し、すなわち、隣
接するフレームの同一画素の上位5ビットを加算し、そ
の加算結果を除算回路2404に出力する。除算回路2
404は、加算回路A2403からの信号を2分の1化
する。2分の1化を処理する除算回路は1ビットシフト
による簡易回路で実現可能である。この2分の1化され
た除算結果2405は、隣接するフレームの同一画素デ
ータを平均化することになるため、これを上位データ
(図示例では上位5ビット)とした場合、隣接フレーム
間で下位データ(図示例では下位3ビット)がどのよう
な値となっても残像(焼き付き)は発生しない。従っ
て、加算回路B2406は、除算結果2405を上位5
ビットデータ、ラインメモリ2101から出力されるノ
ン・インターレース形式映像信号の下位3ビットの信号
2402を下位3ビットデータとして加算し、その出力
を液晶モジュール105へのR、G、B各8ビット出力
データ1602とする。これにより、残像(焼き付き)
を回避した良好な画像の表示を実現することが可能とな
る。
【0081】また、加算回路B2406で加算する上位
5ビットと下位3ビットとの各データは、同一フレーム
のデータではなく隣接フレーム間のデータ(厳密には上
位5ビットは演算処理を施すため、どちらのデータでも
ない)となるが、残像が発生する原因が図3で説明した
ように、ラインダブラー処理によるポーズ(静止)状態
であることを考慮すると、この状態での画質への影響は
少なく許容可能である。さらに、動画である場合につい
ても、常に映像が変化しているため、連続するフレーム
映像データに規則性がなくても視覚上画質への影響は前
述と同様に少なく許容可能である。
【0082】
【表2】 表2に前述で説明した本発明の第2、第3の実施形態で
必要とするフレームメモリ数を示している。メモリチッ
プとしては、例えば、SD_RAMで汎用性のある51
2word×16bit×2bank構成のものを使用
し、また、表示解像度としてはXGA(1024ドット
×768ライン)を想定した。表2から判るように、第
2の実施形態は、メモリチップを4個必要とするのに対
して、第3の実施形態は、別途ラインメモリが2チップ
(各1ライン分)必要であるが、フレームメモリとして
のSD_RAMを2チップのみとして実現可能である。
また、これらの必要なメモリ容量を内蔵したLSI化を
想定した場合、第3の実施形態は、第2の実施形態に比
較して、約1/3のメモリ容量で実現することができ
る。
【0083】前述した本発明の第1の実施形態による液
晶表示装置によれば、通常マルチスキャン処理等の既知
の回路とされているフレームメモリを用いた入出力非同
期化のタイミング設定を工夫することにより、特別な回
路を追加することなく液晶に対する残像(焼き付き)を
回避した表示を行うことが可能となる。
【0084】また、本発明の第2の実施形態による液晶
表示装置によれば、前述のマルチスキャン用に搭載した
フレームメモリの構成及び制御方法を変更することによ
り、残像(焼き付き)を回避するための処理に伴う画質
への弊害(フリッカーの発生等)を抑えることができ
る。
【0085】さらに、本発明の第3の実施形態による液
晶表示装置によれば、残像(焼き付き)の発生する原因
を特定の条件でのものとすることにより、回路コストを
抑えた上で残像(焼き付き)を回避することができ、残
像の回避の処理に伴うフリッカーの発生等の弊害を抑え
ることができる。
【0086】また、前述した本発明の第1〜第3の実施
形態のいずれにおいても、VTR、DVDなどからのイ
ンターレース形式の映像信号がポーズ状態の場合を例に
説明したが、本発明は、これに限らず液晶モジュール1
05に与える印加電圧の状態が同じであれば(例えば、
メニュー表示等)、同一のもと見なして適用することが
できる。
【0087】前述した本発明の各実施形態による液晶表
示装置は、その応用例として、CPU、メモリ、入力装
置(キーボード、マウス等)、表示装置等を備えるP
C、WS等の情報処理装置、テレビ、VTR等の電子機
器の表示装置として使用することができ、残像(焼き付
き)を発生させることなく、鮮明な画像を表示させるこ
とができる。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、入
力される映像信号の形態がインターレス形式で、かつ、
静止状態のあらゆる形態の入力映像信号に対し、特別な
回路を追加することなく、残像(焼き付き)のない良好
な表示状態を得ることができるという効果を得ることが
できる。
【0089】また、本発明によれば、インターレース形
式の映像信号をノンインターレース形式の映像信号に変
換して表示を行う際にも、高価な部品を用いる回路を必
要とすることなく、残像(焼き付き)のない良好な表示
状態を得ることができるという効果を得ることができ
る。
【0090】さらに、本発明によれば、残像(焼き付
き)発生のない良好な表示状態を得ることができ、残像
(焼き付き)発生を回避する処理に伴うフリッカーの発
生等の弊害をも抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による液晶表示装置の
構成を示すブロック図である。
【図2】インターレース形式による入力映像信号を例と
して、残像(焼き付き)発生原因について説明する図で
ある。
【図3】奇数フレーム及び偶数フレームの各データが交
互に液晶モジュールに出力された際の液晶パネル各ライ
ンの特定画素に対する印加信号を説明する図である。
【図4】残像(焼き付き)の発生を回避することを可能
にした映像信号処理回路の概略構成を示すブロック図で
ある。
【図5】フレームメモリの構成例を示す図である。
【図6】図4に示すフレームメモリの動作タイミングの
概略を説明する図である。
【図7】液晶パネルへの印加電圧及び輝度変化の一例を
説明する図である。
【図8】図7とは別のタイミング制御を施した場合の液
晶パネルへの印加電圧及び輝度変化の一例を説明する図
である。
【図9】図7、図8とは別のタイミング制御を施した場
合の液晶パネルへの印加電圧及び輝度変化の一例を説明
する図である。
【図10】図7〜図9とは別のタイミング制御を施した
場合の液晶パネルへの印加電圧及び輝度変化の一例を説
明する図である。
【図11】1つの読み出しサイクルのフレーム数と画質
との関係を実験的に求めた結果を説明する図である。
【図12】輝度差と画質(フリッカー)との関係を実験
的に求めた結果を説明する図である。
【図13】図2に示したインターレース形式の映像信号
をラインダブラー方式でI−P変換した映像信号に拡大
処理を施す際の状況について説明する図である。
【図14】拡大率と画質(フリッカー)との関係を実験
的に求めた結果を説明する図である。
【図15】動画状態である映像信号を入力した際に液晶
パネルに印加される電圧の状態を示す図である。
【図16】本発明の第2の実施形態による残像(焼き付
き)の発生を回避することを可能にした映像信号処理回
路の概略構成を示すブロック図である。
【図17】図16に示す残像回避制御回路内の映像デー
タ比較による残像(焼き付き)発生検出、判断処理につ
いて説明する図である。
【図18】図17に示す残像回避制御回路内の映像デー
タ比較による残像(焼き付き)発生検出、判断処理に前
述した映像比較結果に基づいた残像(焼き付き)回避処
理を行う演算処理回路を追加した場合の処理を説明する
図である。
【図19】図18に示した演算処理回路の構成と動作と
を説明する図である。
【図20】2フレーム間同一画素映像データの階調差
(ビット精度)に対する残像(焼き付き)現象検出結果
を評価実験によって求めた結果を説明する図である。
【図21】本発明の第3の実施形態による残像(焼き付
き)の発生を回避することを可能にした映像信号処理回
路の概略構成を示すブロック図である。
【図22】図21に示したラインメモリの動作タイミン
グの概略を説明する図である。
【図23】図21に示した残像回避制御回路の動作の概
略を説明する図である。
【図24】図23に示した演算処理回路の構成と動作の
概略を説明する図である。
【図25】従来技術による液晶表示装置における液晶パ
ネルの焼き付きを防止可能とする映像信号処理回路の構
成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
102 液晶表示装置 103 映像信号処理回 105 液晶モジュー部 106 ドライバ制御回路 107 交流化制御回路 110 データ・ドライバ 111 ゲート・ドライバ 112 液晶パネル 401 映像信号源 402 フレームメモリ制御回路 403、405 フレームメモリ 1601 残像回避制御回路 1705、1706 比較回路 1801、2301 演算回路 1901、2403、2406 加算回路 1902、2404 除算回路 2101 ラインメモリ 2102 ラインメモリ制御回路 2502 クランプ回路 2503 ガンマ補正回路 2504 両極性映像信号発生部 2505 ゲート回路 2507 リミッタ回路 2508 バッファ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09G 3/20 622 G09G 3/20 622R 631 631D 650 650E H04N 5/66 102 H04N 5/66 102B (72)発明者 古橋 勉 神奈川県川崎市麻生区王禅寺1099番地 株 式会社日立製作所システム開発研究所内 (72)発明者 大橋 俊明 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所デジタルメディアシステ ム事業部内 Fターム(参考) 2H093 NA16 NA31 NA51 NA58 NC29 ND06 ND12 NF05 NF13 5C006 AA16 AA22 AC26 AC28 AC30 AF03 AF04 AF07 AF44 AF46 AF47 BB11 BC12 BF02 FA04 FA34 5C058 AA06 BA01 BA05 BA09 BB12 BB13 5C080 AA10 BB05 CC03 DD18 EE29 FF09 GG15 GG17 JJ02 JJ04 JJ05

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 映像信号発生装置からの入力映像を表示
    する液晶表示装置において、映像データの書き込み及び
    読み出しを同時に行う独立したフレームメモリと、それ
    ぞれのフレームメモリを制御するフレームメモリ制御手
    段と、フレームメモリから読み出された映像データをあ
    る規則性に従って交流化するための交流化制御手段を含
    む液晶用ドライバ制御手段と、このドライバ制御手段に
    より制御される液晶パネルとを備えたことを特徴とする
    液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記フレームメモリは、マルチスキャン
    制御用として備えられているフレームメモリと兼用さ
    れ、書き込み及び読み出し用にそれぞれが単一フレーム
    分の容量を1つのメモリチップに搭載したものの複数、
    あるいは、複数フレーム分の容量を1つのメモリチップ
    に搭載したものの1つにより構成されることを特徴とす
    る請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記フレームメモリは、その読み出しタ
    イミングが、書き込みタイミングより高速であり、か
    つ、書き込みフレーム数と読み出しフレーム数との割合
    が一定期間において整数比であり、かつ、前記一定期間
    での読み出しフレーム数が書き込みフレーム数に1フレ
    ーム加えたフレーム数であり、かつ、前記一定期間での
    書き込みフレーム数が偶数、読み出しフレーム数が奇数
    となるように制御されることを特徴とする請求項1記載
    の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記フレームメモリに保持された連続す
    る複数フレームの映像データの各フレームの同一位置の
    画素データを比較する比較手段と、その比較結果に従っ
    て映像データを演算処理する手段とをさらに備えたこと
    を特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記比較手段として2系統の比較手段を
    備え、それぞれの比較手段は、表示のために出力するフ
    レームを基準として、基準フレームと1つ前のフレーム
    との間での比較及び基準フレームの前後のフレーム間で
    の比較を行うことを特徴とする請求項4記載の液晶表示
    装置。
  6. 【請求項6】 入力される映像信号をその解像度に関係
    なく表示パネルに対し全画面表示するための拡大処理を
    を行う拡大処理手段をさらに備えることを特徴とする請
    求項4記載の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 前記フレームメモリは、入力される映像
    データの色数に対応したデータバス幅を有し、かつ、そ
    の書き込み速度と読み出し速度とを一致させ、あるい
    は、不一致に制御されることを特徴とする請求項4記載
    の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 前記フレームメモリとは独立にラインメ
    モリを備え、既ラインメモリによりインターレース−ノ
    ン・インターレス変換を行い、その後段に位置するフレ
    ームメモリの入出力データの形式は常にノン・インター
    レース形式であることを特徴とする請求項4記載の液晶
    表示装置。
  9. 【請求項9】 前記ラインメモリは、書き込みと読み出
    しとを同時に行うために2つが独立に備えられ、前記映
    像信号発生装置により決められる書き込み速度に対し、
    その2倍程度の速度で読み出されることを特徴とする請
    求項8記載の液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 前記フレームメモリは、書き込み及び
    読み出しを同時に行うため、それぞれ1フレーム分の容
    量を搭載したメモリチップを独立に1個ずつ備えられ、
    その書き込み及び読み出し速度が一致していることを特
    徴とする請求項8記載の液晶表示装置。
  11. 【請求項11】 前記フレームメモリは、残像発生の有
    無を判断することができるだけの映像データのビット数
    を、R、G、Bの各色データの上位ビットを優先して格
    納保持することを特徴とする請求項8記載の液晶表示装
    置。
  12. 【請求項12】 前記液晶パネルに出力される全ての画
    素データは、その上位ビットが隣接フレーム間の2つの
    階調データの中間調となるように隣接フレーム間で演算
    処理が施され、その結果と入力映像データの下位ビット
    そのものとであることを特徴とする請求項8記載の液晶
    表示装置。
  13. 【請求項13】 表示装置を有する電子機器において、
    前記表示装置が、請求項1ないし12のうちいずれか1
    記載の液晶表示装置であることを特徴とする電子機器。
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