JP2003004906A - レンズアレイユニットの製造方法および光学装置 - Google Patents

レンズアレイユニットの製造方法および光学装置

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JP2003004906A
JP2003004906A JP2001184817A JP2001184817A JP2003004906A JP 2003004906 A JP2003004906 A JP 2003004906A JP 2001184817 A JP2001184817 A JP 2001184817A JP 2001184817 A JP2001184817 A JP 2001184817A JP 2003004906 A JP2003004906 A JP 2003004906A
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lens array
lens
manufacturing
convex portion
array unit
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JP2001184817A
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English (en)
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泰弘 ▲吉▼川
Yasuhiro Yoshikawa
Motoyuki Uehara
基志 上原
Tsutomu Hasegawa
力 長谷川
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Rohm Co Ltd
Original Assignee
Rohm Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光学的性能に優れたレンズアレイユニットを、
簡易な方法により製造する技術を提供することをその課
題としている。 【解決手段】 第1レンズアレイ1と第2レンズアレ
イ2とが接続され、あるいはレンズアレイ1と遮光部材
3とが接続されたレンズアレイユニットの製造方法にお
いて、第1レンズアレイ1と第2レンズアレイ2との接
続、レンズアレイ1と遮光部材2との接続を、超音波振
動を供給することにより行う。好ましくは、第1および
第2レンズアレイ1,2のうちの一方のレンズアレイ
1、あるいはレンズアレイ1および遮光部材3のうちの
一方1に凸部14aを設ける一方で、他方2(3)に凹
部24aを設け、超音波振動を供給することにより、少
なくとも凸部14aの表面および凹部24aの内面を溶
融ないし軟化させつつ凹部24aに凸部14aを嵌合す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、画像読み取り装
置などの光学装置、および光学装置に組み込まれること
によって所望の物体像を結像させる用途に用いられるレ
ンズアレイユニットの製造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ファクシミリ装置やスキャナ装置に組み
込まれる画像読み取り装置においては、ライン状に並べ
られた複数の受光素子を利用することにより、原稿の画
像を正立等倍で読み取る場合が多い。この場合、原稿と
複数の受光素子との間に結像手段を設け、この結像手段
により、原稿の画像を上記複数の受光素子上に正立等倍
で結像させる必要がある。そこで、従来においては、両
面のそれぞれに複数の凸レンズ面を並べたレンズアレイ
を一体成形し、これを複数積層してレンズアレイユニッ
トとして結像手段を構成することがある(図1および2
参照)。
【0003】レンズアレイユニットを製造する場合に
は、全ての受光素子上に適切な像を結像させるために、
レンズアレイ相互の平行性を確保しつつ、レンズアレイ
間の距離を設計値通りとし、しかもレンズアレイのレン
ズどうしの光軸を一致させた状態でレンズアレイどうし
を接続する必要がある。
【0004】レンズアレイどうしを接続する方法として
は、一方のレンズアレイに複数の凸部を設ける一方で他
方のレンズアレイに複数の凹部を設け、これらの凸部の
凹部を嵌合させる方法が挙げられる。また、嵌合状態を
適切に維持すべく、嵌合部分に接着剤を介在させること
も考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、凸部や
凹部に相対的に大きな寸法誤差が生じた場合には、凹部
に対して凸部を適切に嵌合させることができず、レンズ
アレイ相互の平行性が確保できなかったり、レンズアレ
イのレンズ相互の光軸がずれてしまったり、あるいはレ
ンズアレイ間の距離が設計値通りとならなかったりする
場合がある。また、接着剤を用いる場合には、凸部と凹
部との間に介在させる接着剤の量を適切に制御しなけれ
ば、その量の多少により、同様な問題が生じ得る。しか
も、接着剤の量が多過ぎた場合には、凹部がからはみ出
した接着剤がレンズに付着することもあり、その場合に
は接着剤によりレンズ特性が変わってしまう。とくに、
いわゆる瞬間接着剤を使用した場合には、接着剤の硬化
時の白化現象によりレンズ特性に与える影響が大きくな
ってしまう。
【0006】本願発明は、このような事情のもとで考え
出されたものであって、光学的特性に優れたレンズアレ
イユニットを、簡易な方法により製造する技術を提供す
ることをその課題としている。また、本願発明は、その
ようなレンズアレイユニットが組み込まれた光学装置を
提供することを他の課題としている。
【0007】
【発明の開示】上記の課題を解決するため、本願発明で
は、次の技術的手段を講じている。
【0008】すなわち、本願発明の第1の側面により提
供されるレンズアレイユニットの製造方法は、複数のレ
ンズが長手方向に並んだ第1レンズアレイおよび第2レ
ンズアレイを、これらのレンズアレイの各レンズの光軸
が一致するように接続したレンズアレイユニットを製造
する方法であって、上記第1レンズアレイと上記第2レ
ンズアレイとの接続を、超音波振動を供給することによ
り行うことを特徴としている。
【0009】超音波振動の供給により第1レンズアレイ
と第2レンズアレイとを接続する場合には、第1および
第2レンズアレイのうちの一方のレンズアレイに凸部を
設け、他方のレンズアレイに凹部を設けておくのが好ま
しい。この場合、超音波振動を供給すれば、少なくとも
凸部の表面および凹部の内面の一方が溶融ないし軟化
し、凹部に対して凸部が嵌合される。凸部の表面または
凹部の内面には、超音波振動を供給したときに超音波エ
ネルギを集中させるための突起を設けておくのが好まし
い。もちろん、平面と凸部との間で、これらのうちの一
方を溶融ないし軟化させることによりレンズアレイどう
しを接続することもできる。
【0010】この製造方法においては、接着剤を使用し
ていないため接着剤の量のバラツキなどに起因した問題
は生じ得ない。しかも、超音波振動の供給により、凸部
の表面や凹部の内面を溶融ないし軟化させて凹部に凸部
を嵌合させるようにすれば、凸部や凹部に多少の寸法誤
差が生じてしても、凹部に対して凸部を確実に嵌合させ
ることができるようになる。その結果、第1レンズアレ
イと第2レンズアレイとの平行性、距離および各レンズ
アレイのレンズ相互の光軸ずれを抑制することができ
る。したがって、上記製造方法によれば、光学的特性に
優れたレンズアレイユニットを提供できるようになる。
【0011】レンズアレイユニットにおいては、隣接す
るレンズ間でのクロストークを防止するために、第1レ
ンズに遮光手段を設けることがあり、遮光手段としては
樹脂材料により一体成形された遮光部材が用いられるこ
とがある。この場合、第1レンズアレイと第2レンズア
レイとを接続する際の超音波振動の供給により、第1レ
ンズアレイに対して遮光部材を接続してもよい。そうす
れば、遮光部材を組み付ける作業を別途行う必要がない
ために、作業性に優れ、コスト的にも有利となる。
【0012】超音波振動による接続では、少なくとも一
方の部材が溶融ないし軟化するために、遮光部材と第1
レンズアレイとが異なる材料により形成されている場合
であっても、遮光部材を第1レンズアレイに接続するこ
とができる。
【0013】超音波振動の供給により第1レンズアレイ
と第2レンズアレイとを接続する場合に凸部や凹部が溶
融ないし軟化させる方法では、超音波エネルギの供給過
多により、必要以上に第1レンズアレイと第2レンズア
レイの距離が近づき過ぎてしまうことが懸念される。こ
の問題に対しては、第1レンズアレイおよび第2レンズ
アレイの一方のレンズアレイに、他方のレンズアレイに
向けて延びるとともに、凸部と凹部とが嵌合したときに
他方のレンズアレイと干渉するストッパ部を設ければ良
い。そうすれば、凸部や凹部が必要以上に溶融ないし軟
化したとしても、ストッパ部により第1レンズアレイと
第2レンズアレイの距離が一定に維持され、また第1レ
ンズアレイと第2レンズアレイの平行性が確保できるよ
うになる。
【0014】超音波振動は、たとえば凸部と凹部とを仮
嵌合させた仮組立体を形成した後、この組立体に対して
供給される。この場合に、超音波振動を供給する時間
は、仮組立体に対して超音波振動を付与してからの第1
レンズアレイと第2レンズアレイとの間の距離の変動を
予め測定して当該距離が一定化する時間範囲を測定して
おき、当該時間範囲内に設定される。
【0015】当該時間範囲内で第1レンズアレイと第2
レンズアレイとの間の距離が一定化するのは、凹部に対
して凸部が完全に嵌合した状態となっているからであ
る。したがって、超音波供給時間が短過ぎて凹部に対し
て凸部が十分に嵌合しきれずに第1レンズアレイと第2
レンズアレイとの間の距離が大きくなり過ぎたり、ある
いは凸部または凹部が必要以上に溶融ないし軟化して第
1レンズアレイと第2レンズアレイとの間の距離が必要
以上に小さくなり過ぎることを回避することができるよ
うになる。
【0016】また、本願発明の第2の側面においては、
複数のレンズが長手方向に並んだレンズアレイに対し
て、複数の貫通孔を有する遮光部材を、上記複数の貫通
孔が上記各レンズの正面に位置するように配置したレン
ズアレイユニットを製造する方法であって、超音波振動
を供給することにより、上記レンズアレイと上記遮光部
材とを接続することを特徴とする、レンズアレイユニッ
トの製造方法が提供される。
【0017】この製造方法においても、上述した本願発
明の第1の側面に係る発明と同様に、接着剤を使用しな
いため、光学的特性に優れたレンズアレイユニットを提
供することができるようになる。
【0018】レンズアレイと遮光部材とを接続する場合
においても、レンズアレイと遮光部材のうちの一方に凸
部を設ける一方で他方に凹部を設け、凸部と凹部とを仮
嵌合させた仮組立体に対して超音波振動を供給すること
により、少なくとも凸部の表面および凹部の内面の一方
を溶融ないし軟化させつつ凸部を凹部に嵌合させるのが
好ましい。この場合、仮組立体に対して超音波振動を付
与してからのレンズアレイと遮光部材との間の距離の変
動を予め測定して当該距離が一定化する時間範囲を測定
しておき、当該時間範囲内に、仮組立体に対して超音波
振動を付与する時間が設定される。
【0019】凸部の表面や凹部の内面を溶融ないし軟化
させれば、凸部や凹部に寸法誤差が生じていても凸部と
凹部の嵌合状態を所望通りとすることができるようにな
るため、遮光部材とレンズアレイとの平行性どなどを確
保できる結果、遮光部材の貫通孔をレンズアレイのレン
ズの正面に適切に位置させることができるようになる。
【0020】凸部の表面および凹部の内面は、テーパと
しておくの好ましい。そうすれば、レンズに対して遮光
部材が精度良く位置決めされるとともに、超音波振動が
効率良く摩擦面(テーパ面)において摩擦熱に変換され
る。その結果、遮光部材がレンズアレイとは異なる材料
に形成されている場合、たとえばレンズアレイがPMM
Aにより形成され、遮光部材がPMMAよりも溶融温度
の高いPCにより形成されている場合であっても、レン
ズアレイに対して遮光部材を確実に接着できるようにな
る。ここで、テーパ面の傾斜角度は、垂直面に対する傾
斜角度が1〜10度とされる。
【0021】もちろん、遮光部材またはレンズアレイの
一方に凸部を設け、平面と凸部との間で、これらのうち
の一方を溶融ないし軟化させることにより遮光部材とレ
ンズアレイを接続することもできる。
【0022】超音波振動は、たとえば縦振幅超音波を供
給可能な超音波ホーンを仮組立体の超音波供給面に押圧
した状態で供給される。この場合、超音波供給面には、
たとえば周波数が10〜30kHzである超音波振動を
供給することにより、合計20〜40Jのエネルギが供
給される。
【0023】また、本願発明の第3の側面においては、
物体から進行してくる光を集束させることにより、上記
物体の像を所定の位置に結像させるための結像手段を備
えた光学装置であって、上記結像手段として、上述した
本願発明の第1の側面または第2の側面に係るレンズア
レイユニットの製造方法により得られたレンズアレイユ
ニットが用いられていること特徴とする、光学装置が提
供される。
【0024】好ましい実施の形態においては、原稿を照
明するための光源と、光電変換機能を有する複数の受光
素子と、をさらに備えており、上記原稿によって反射さ
れた光を上記レンズアレイユニットによって集束させる
ことにより、上記原稿の画像を上記複数の受光素子上に
結像させる構成とされている。つまり、上述したレンズ
アレイユニットは、画像読み取り装置に対して好適に採
用できる。
【0025】上述した本願発明の第1および第2の側面
に係る製造方法により得られるレンズアレイユニット
は、光学的特性に優れたものであるため、このようなレ
ンズアレイユニットを備えた光学装置では、原稿などの
物体の像を、受光素子上などといった所定の位置に適切
に結像させることができるようになる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の好ましい実施の
形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0027】図1ないし図3は、本願発明に係る製造方
法により得られるレンズアレイユニットの一例を示して
いる。レンズアレイユニットUは、第1レンズアレイ1
と、第2レンズアレイ2と、遮光部材3とを具備して構
成されている。
【0028】第1レンズアレイ1は、一定間隔で直線状
の1列に並んだ複数の第1レンズ11と、これら複数の
第1レンズ11に繋がって一体に形成された第1ホルダ
部10とを含むレンズアレイ本体1aを具備して構成さ
れている。第2レンズアレイ2は、その基本的な構造が
第1レンズアレイ1と共通するものであり、一定間隔で
直線状の1列に並んだ複数の第2レンズ21と、これら
複数の第2レンズ21に繋がって一体に形成された第2
ホルダ部20とを含むレンズアレイ本体2aを具備して
構成されている。レンズアレイ本体1a,2aは、いず
れも一定方向に延びたブロック状であり、透光性を有す
る合成樹脂製である。レンズアレイに使用する合成樹脂
としては、たとえばPMMA(ポリメタクリル酸メチ
ル)、あるいはPC(ポリカーボネート)が挙げられ
る。
【0029】第1レンズ11は、軸Cの方向に間隔を隔
てた凸状曲面としての第1および第2レンズ面11a,
11bを有する両凸レンズとされている。第2レンズ2
1は、軸Cの方向に間隔を隔てた凸状曲面としての第3
および第4レンズ面21a,21bを有する両凸レンズ
とされている。第1、第2、第3および第4レンズ面1
1a,11b,21a,21bは、後述するように、そ
れらによって正立等倍像を結像可能な曲率とされてい
る。上記した各レンズ面は、球面状または非球面状のい
ずれであってもかまわない。上記各レンズ面を球面にす
れば、その製造が容易となる。これに対し、上記各レン
ズ面を非球面にすれば、収差を少なくすることができ
る。
【0030】なお、第1および第2レンズ11,21
は、必ずしも両凸レンズである必要はない。たとえば、
第2レンズ面11bを平面状にした場合であっても、正
立等倍像を結像可能である。第1および第2レンズ1
1,21のそれぞれの配列ピッチは、たとえば1mm程
度である。上記したレンズ面11a,11b,21a,
21bのそれぞれの投影面直径は、たとえば0.6〜
1.0mm程度である。ただし、本実施の形態において
は、第2レンズ面11bと第3レンズ面21aとが投影
面直径が略同一とされている点を除き、基本的には、第
1レンズ面11aから第4レンズ面21bに向かうにし
たがって上記レンズ面の投影面直径が徐々に大きくなる
ように構成されている。
【0031】第1および第2ホルダ部10,20の互い
に対向する面10b,20aの長手方向両端部のそれぞ
れには、凸部13と段部23aを備えた凹部23とが設
けられている。これら凹部13と凸部23の先端部とが
嵌合することにより、第1および第2レンズアレイ1,
2は互いに重ね合わされて接続されているとともに、第
1および第2レンズ11,12のそれぞれの軸Cどうし
が合わされている。第1ホルダ部10の面10bには段
部23aが当接しており、これにより第2レンズ面11
bと第3レンズ面21aとの間隔が規定されている。面
10b,20aの長手方向中間部には、第1および第2
レンズ11,21を避けるようにして、複数組の凸部1
4aと凹部24aとが設けられている。図3に良く表れ
ているように第1および第2レンズアレイ1,2は、こ
れら凸部14aと凹部24aとの嵌合作用によっても互
いに位置決めが図られている。面20bにはさらに、第
2レンズ21を避けるようにして複数の凸部24bが設
けられている。これらの凸部24bは、面10bに当接
するものでありストッパ部として機能する。したがっ
て、第2レンズ面11bと第3レンズ面21aとの間隔
は、凸部14a、凹部24aおよび凸部24bによって
も規定されている。なお、第1レンズアレイに凹部を設
けるとともに、第2レンズアレイに凸部を設けてもよ
い。
【0032】遮光部材3は、図2によく表われているよ
うに、第1および第2レンズアレイ1,2と同様に、一
定方向に延びたブロック状またはシート状であり、適度
な厚みを有している。この遮光部材3は、線膨張率が第
1レンズアレイ1に近く、黒色に着色しやすい樹脂材
料、たとえばPCにより形成されている。この遮光部材
3には、第1および第2レンズ11,21に対応する複
数の貫通孔30が直線状の列状に配列されて設けられて
おり、貫通孔30の内壁面30aも黒色とされている。
【0033】遮光部材3には、面(裏面)31bおよび
面(側面)31cの双方に開放する複数の凹部35が、
この遮光部材3の長手方向に間隔を隔てて設けられてい
る。これに対し、第1レンズアレイ1の第1ホルダ部1
0の面10aには、複数の凸部15が設けられている。
面31bには、第1レンズ1側に開口した複数の凹部3
6が設けられている。これらの凹部36は、開口側に向
かうほど広口となる(断面積が大きくなる)テーパ状と
されている。これに対して、第1レンズアレイ1の面1
0aには、複数の凸部16が設けられている。これらの
凸部16は、頂部に向かうほど断面積が小さくなってい
る。もちろん、遮光部材に凸部を設け、第1レンズアレ
イに凹部を設けてもよい。
【0034】図3に良く表れているように、遮光部材3
は、それら複数の凹部35,36と凸部15,16とが
嵌合することにより、第1レンズアレイ1の第1ホルダ
部10の面10aに接触または接近するようにして重ね
合わされて取り付けられている。これにより、遮光部材
3の各貫通孔30は、各第1レンズ面11aの正面に位
置し、かつ開口している。
【0035】各第1レンズ面11aの一部は、各貫通孔
30に嵌入した状態とされている。図1に良く表われて
いるように、遮光部材3の面(表面)31aの一側縁部
には、少なくとも1つの凹部37が設けられている。凹
部37は、後述する光学装置Aにおいて遮光部材3の位
置決めを図るのに利用される部分である。
【0036】次に、上記構成のレンズアレイユニットU
を用いて画像を結像させる場合の一例について、図4を
参照して説明する。
【0037】図4に示す光学系においては、遮光部材3
の正面(図面上方)の始点Sから出発した光が、遮光部
材3の各貫通孔30を通過すると、この光は第1レンズ
11および第2レンズ21を順次通過してから、第2レ
ンズアレイ2の背後の結像点Rに達する。この場合、共
通の軸C上に並ぶ第1および第2レンズ11,21が光
を屈折させる作用により、従来のロッドレンズにみられ
る光の蛇行現象と同等の現象が得られる。その結果、始
点Sにある物体(a→b→c)の正立等倍像(a′→
b′→c′)を結像点Rに形成することができる。換言
すると、この光学系においては、各第1レンズ11の第
1レンズ面11aが、物体(a→b→c)の倒立縮小像
を形成するとともに、その倒立縮小像は、それよりも後
段の第2、第3および第4レンズ面11b,21a,2
1bによって拡大され、かつ反転される結果、結像点R
には物体の正立等倍像が結ばれるのである。
【0038】上記光学系においては、第1レンズアレイ
1の正面に遮光部材3が設けられており、第1ホルダ部
10の面10aが遮光部材3によって覆われているため
に、始点Sから進行してきた光が第1ホルダ部10内に
進行せずに第1レンズ11を進行するようにすることが
できる。また、たとえば符号n1で示すように、始点S
から軸Cに対して大きな傾斜角度で進行する光線(始点
Sからの広がり角度が大きい光線)については、遮光部
材3により第1レンズ11への入射が妨げられるため、
始点Sからの広がり角度が小さい光線のみを入射させる
ことが可能となる。その結果、遮光部材3を配置するこ
とにより隣接するレンズ11,21間でのクロストーク
を抑制することができるようになる。
【0039】上記した構成の第1および第2レンズアレ
イ1,2および遮光部材3は、次に説明する方法により
製造することができる。
【0040】まず、第1レンズアレイ1および第2レン
ズアレイ2を製造するためには、図5および図6に示し
たような樹脂成形品4を形成する。この樹脂成形品4
は、第1レンズ1となるべき第1レンズアレイ領域1′
および第2レンズ22′となるべき第2レンズアレイ領
域が、その幅方向に一定間隔隔てて交互に並んで複数、
たとえば4個ずつ形成されたものである。第1レンズア
レイ領域1′と第2レンズアレイ領域2′との間の領域
(境界領域)12′の幅寸法は、後述する回転刃50の
厚み寸法に対応している。第1レンズアレイ領域1′お
よび第2レンズアレイ領域2′には、複数の第1レンズ
11および第2レンズ21、および凸部13,14a,
15,16,24bや凹部23,24aに相当する部分
が形成されている。また、凹部24aの底面には、図6
(b)に示したように半球状の突起24cが設けられて
いる。この突起24cは、後述する超音波振動の供給時
に超音波エネルギを集中させるためのものである。ま
た、凸部14a,15,16は、テーパ面を有するもの
として構成してもよい。その場合には、テーパ面の傾斜
角度は、垂直面に対して1〜10度とされる。
【0041】このような樹脂成形品4は、金型を用いた
樹脂成形によって形成することができる。より具体的に
は、上金型および下金型によって形成されるキャビティ
内にPMMAなどの透明樹脂を溶融状態で充填した後、
これを固化させてから型抜きを行うことにより形成する
ことができる。
【0042】第1レンズアレイ1および第2レンズアレ
イ2は、樹脂成形品4を切断することによって得ること
ができる。樹脂成形品4の切断には、図7ないし図9に
示したようにマルチ回転刃5が利用される。
【0043】このマルチ回転刃5は、複数の回転刃50
が同一軸心上に並設されたものであり、1つの回転軸5
1の回転により複数の回転刃50が同時に回転するよう
に構成されている。回転刃50の枚数は、第1レンズア
レイ領域1′および第2レンズアレイ領域2′の合計数
に1を加えた枚数とされ、たとえば図5や図7に示した
ように第1レンズアレイ領域1′および第2レンズアレ
イ領域2′が4個ずつ設けられている場合には、回転刃
50の枚数は9枚とされる。隣接する回転刃50の間に
は、スペーサ52が配置されており、各回転刃50の間
隔が一定に保たれている。スペーサ52の厚みは、第1
レンズアレイ領域1′および第2レンズアレイ領域2′
の幅寸法に対応している。
【0044】各回転刃50は、たとえば樹脂成形品4の
長さ寸法が20〜30cm、厚み寸法が0.5〜2.0
mmとされている場合には、たとえば直径が5〜15c
m、厚み寸法が0.1〜0.5mmのものが使用され
る。回転刃50の刃50aの数は、たとえば100〜2
00とされ、個々の刃50aは、たとえばノコ刃とされ
ている。回転刃50の構成する素材としては、メタル超
鋼が挙げられる。
【0045】このようなマルチ回転刃5を用いる場合、
樹脂成形品4を支持台6上に固定した状態で樹脂成形品
4の切断が行われる。支持台6は、樹脂成形品4におけ
る支持台6との対向面40側の凸レンズ部分11A,2
1Aをすっぽりと収容する凹部60、および切断時に樹
脂成形品4から突出する回転刃50の刃先が干渉しない
ようにするための凹部61が、樹脂成形品4の長手方向
に延びるようにして複数設けられたものである。
【0046】実際に樹脂成形品4を切断する場合には、
樹脂成形品4を支持台6に対して位置合わせした後、樹
脂成形品4における第1レンズアレイ領域1′および第
2レンズアレイ領域2′の両サイドに各回転刃50を位
置合わせする。その後、回転軸51を回転させることに
より回転刃50を回転させつつ、回転刃50を樹脂形成
品4の長手方向に移動させることにより、図10に示し
たように第1レンズアレイ領域1′および第2レンズア
レイ領域2′の両サイドに切断溝42が形成される。こ
のとき、回転刃50と樹脂成形品4が接触する部分に
は、図7および図8に示したように水を供給するのが好
ましい。
【0047】上記した寸法に樹脂成形品4が形成され、
上記した寸法の回転刃50を使用する場合には、回転刃
50の回転数は、たとえば2000〜6000rpm、
回転刃50の移動速度は、たとえば500〜2000m
m/minとされる。
【0048】さらに、図10に示したカットラインLに
沿って切断することにより第1レンズアレイ1および第
2レンズアレイ2が得られる。カットラインLでの樹脂
成形品4の切断は、回転刃を用いて行ってもよいし、そ
の他の方法であってもよい。
【0049】以上に説明した切断方法では、樹脂成形品
4の長手方向に沿った切断に対して複数の回転刃50を
有するマルチ回転刃5を用いているため、1枚の回転刃
を用いて切断する場合に比べて生産性がよい。また、一
枚の回転刃により1ずつ切断溝を形成するする場合に
は、2個目以降の切断溝を形成する際に、その切断溝の
方向に第1レンズアレイ領域1′または第2レンズアレ
イ領域2′が逃げたり撓んだりしてしまうことが懸念さ
れる。これに対して、スペーサ52によりその間隔が固
定化されたマルチ回転刃5では、隣接する回転刃50間
に第1レンズアレイ領域1′または第2レンズアレイ領
域2′が拘束されるために、切断時の逃げや撓みを抑制
できるようになり、所望通りの直線性をもった切断溝を
形成し、また切断面を鏡面に近づけることができるよう
になる。
【0050】一方、回転刃50と樹脂成形品4との間に
水を与えて切断すれば、切断領域もしくはその近傍領域
が冷却されるとともに切粉を排出するため、回転刃50
と樹脂成形品4との摩擦熱により樹脂成形品4が溶融
し、あるいは必要以上に軟化してしまうことを抑制でき
る。この点においても、切断面を鏡面に近づけることが
できる。そのため、切断面への切断バリやホコリの付着
を抑制し、また切断バリにホコリが付着することによる
悪影響も抑制できる。したがって、マルチ回転刃を用い
た樹脂成形品の切断では、バリやホコリの付着に起因し
た光学的特性の劣化を抑制しつつ、レンズアレイを安価
に提供できるようになる。
【0051】なお、樹脂成形品4では、第1レンズアレ
イ領域1′および第2レンズアレイ領域2′の双方が形
成されていたが、第1レンズアレイ領域のみが形成され
た樹脂成形品と、第2レンズアレイ領域2′のみが形成
された樹脂成形品とをそれぞれ別個に準備し、各々を樹
脂成形品を個別に切断することにより、第1レンズアレ
イ1と第2レンズアレイ2とを別個に得るようにしても
よい。
【0052】遮光部材3についても、金型を用いた樹脂
成形により製造することができる。この場合、各貫通孔
30については、金型の形状を工夫することによって樹
脂成形の際に形成することが可能であるが、遮光部材3
の原型となる樹脂成形品に機械加工あるいはレーザ加工
などを施すことによって形成することもできる。また、
第1レンズアレイ1や第2レンズアレイ2の場合と同様
に、複数の遮光部材形成領域が形成された板状の樹脂成
形品を切断して複数の遮光部材3を同時に得てもよい
し、金型における1つのキャビティから1つの遮光部材
3を得るようにしてもよい。また、遮光部材3の凹部3
5,36は、これに嵌合する凸部15,16がテーパ面
を有するものとして構成されている場合には、凹部3
5,36の内面も対応する部分についてはテーパ面とさ
れる。
【0053】レンズアレイユニットUは、第1および第
2レンズアレイ1,2どうしを重ねて合わせて接続する
とともに、第1レンズアレイ1に遮光部材3を重ね合わ
せて接続することにより製造することができる。第1お
よび第2レンズアレイ1,2どうしの接続、および第1
レンズアレイ1と遮光部材3との接続は、凹部24a,
36と凸部14a,15,16をそれぞれ仮嵌合させた
仮組立体U′(図11および図12参照)の嵌合部分
を、超音波溶着することにより行われる。
【0054】超音波溶着は、図11および図12に示し
たように複数のエアシリンダ70により上下動可能とさ
れたチャック台71上に仮組立体U′を保持した状態
で、超音波ホーン72により仮組立体U′に超音波振動
を付与することにより行われる。
【0055】エアシリンダ70は、たとえばチャック台
71の四隅に設けられており、個々のエアシリンダ70
に対して1つのエア圧調整器(図示略)が接続されてい
る。つまり、各々のエアシリンダ70のエア圧が自動的
に同一となるように構成されてチャック台71の水平性
が維持されるとともに、エア圧を調整することによりチ
ャック台71を上下動させることができ、仮組立体U′
に対して均一な押圧力を作用させることができるように
なっている。
【0056】チャック台71には、複数の保持溝71a
が設けられている。保持溝71aは、たとえば仮組立体
U′における第4レンズ面21bを有する凸レンズ部分
21Bをすっぽりと収容する凹部として形成される。保
持溝71aの個数は設計事項であるが、たとえば図5に
示した樹脂成形品のように、1つの樹脂成形品4により
第1レンズアレイ1および第2レンズアレイ2が4個ず
つ得られる場合には、1つの樹脂成形品4から4つの仮
組立体U′が得られるため、これに対応させて保持溝7
1aを4個設けてもよい。
【0057】超音波ホーン72は、チャック台71に保
持された全ての仮組立体U′を覆い得る平面視面積を有
している。この超音波ホーン72は、図外の超音波発振
子に接続されており、この超音波発振子によりたとえば
縦振動が付与され、それが仮組立体U′における遮光部
材3の一面30bに供給される。本実施の形態では、超
音波ホーン72により仮組立体U′に供給される超音波
は、たとえば周波数が10〜30kHz、振幅が10〜
30μmとされる。
【0058】実際に超音波溶着を行う場合には、図12
および図13に良く表れているように凹部24a,36
に対して凸部14a,15,16を完全に嵌合させてい
ない仮組立体U′(図13参照)をチャック台71に保
持させ、エアシリンダ70によりチャック台71を上動
させることにより各仮組立体U′を、位置固定された超
音波ホーン72に当接させて各仮組立体U′に対して押
圧力を作用させる。そして、たとえば圧力センサ(図示
略)により仮組立体U′と超音波ホーン72との間に作
用する圧力を測定しておき、その値が所定の値に達した
段階で超音波ホーン72ひいては仮組立体U′に対して
超音波を付与する。このときに供給される超音波は、上
記した周波数および振幅を有する縦振幅である。仮組立
体U′に対しては、少なくとも超音波溶着が終了するま
でチャック台71により押圧力が付与される。
【0059】仮組立体U′に対して超音波を供給した初
期は、図15にA→Bで示したようにチャック台71か
らの押圧力により凹部24a,35に対してさらに深く
凸部14a,15が侵入して図13に符号xで示した面
間距離(ホルダ部の面10b,20aの間の距離)が小
さくなる。この初期段階においては、超音波エネルギ
は、第1レンズアレイ1の凸部16と遮光部材3の凹部
36との接触面に集中的に供給され、上記接触面が溶融
ないし軟化して、図14に示したように凹部36内に凸
部16が完全に嵌合される。このとき、第1レンズアレ
イ1の凸部15が遮光部材3の凹部35に嵌合し、第1
レンズアレイ1と遮光部材3との間の近接が抑止される
と同時に、上記接触部分への超音波エネルギの集中が回
避される。
【0060】この状態では、図14に示したように第1
レンズアレイの凸部14aと第2レンズアレイ2の凹部
24aとが完全に嵌合しておらず、突起24cが凸部1
4aと接触しているので、凸部14aと突起24cの接
触部分に超音波エネルギが集中する。これにより、突起
24cまたは凸部が溶融ない軟化するにしたがって、図
15にB→Cで示したように面間距離xが小さくなり、
最終的には凹部24a内に凸部14aが完全に嵌合され
て図3に示したよう状態となる。このとき、第2レンズ
アレイ2の凸部24bが第1レンズアレイ1の面10b
に干渉し、第1レンズアレイ1と第2レンズアレイ2の
近接が抑止され、図15にC→Dで示したように面間距
離xは一定となる。この段階で超音波振動の供給を終了
するが、かりに超音波振動の供給を継続すれば、今度は
第2レンズアレイ2の凸部24bが溶融ないし軟化し、
凸部24bがストッパ部としての機能を果たさなくなる
ため、図15にD→Eで示したように面間距離xがさら
に小さくなる。
【0061】以上の説明では、便宜上、遮光部材3と第
1レンズアレイ1とが接続された後に第1レンズアレイ
1と第2レンズアレイ2とが接続される場合を例にとっ
て説明したが、これらの3部材は後述するように極めて
短時間で接続されるため、必ずしも第1段階目の接続と
第2段階目の接続とを明確に区別できるものではない。
【0062】超音波溶着では、たとえば第1および第2
レンズアレイ1,2がPMMAで形成されるとともに、
遮光部材3がPCで形成され、突起24cの高さ(曲率
半径)が100〜200μmである場合には、仮組立体
U′に対して上記した条件の超音波振動を付与すれば、
面間距離Xが定距離となる時間範囲(図15のCD)
は、0.1〜0.3secとなり、この時間範囲内に供
給される超音波エネルギの合計は、20〜40Jとな
る。
【0063】このように、3部材1,2,3を同時に超
音波溶着する場合には、最後に接続部分が溶融ないしは
軟化させられる2部材、たとえば超音波ホーン72から
遠い2部材1,2に着目し、これらの間の距離が一定と
なる時間範囲(図15のC→D)を予め計測しておき、
その時間範囲内において超音波振動の供給を停止すれば
よい。こうすることにより、必要以上に接続部分が溶融
ないし軟化してレンズ間距離が小さくなりすぎたり、あ
るいは嵌合不十分によりレンズ間距離が大きくなりすぎ
ることを回避することができるようになる。しかも、極
めて短時間で超音波溶着を終了することができるために
生産性に優れており、また接着剤を使用して接続する場
合のようにレンズ11,21への接着剤の付着などに起
因した光学的特性の悪化を回避することができるように
なる。
【0064】また、レンズアレイユニットUでは、遮光
部材3がレンズアレイ1,2と異なる材料により形成さ
れることがあるが、超音波溶着では、相互に接続される
2部材のうちの少なくとも一方の接続部分を溶融ないし
軟化させればよいため、異種材料により形成された2部
材を接続することができる。しかも、異種材料により形
成された部材を含む3部材以上を適切かつ同時的に接続
することができる。
【0065】もちろん、遮光部材と第1レンズアレイを
接続した後にさらに第2レンズアレイを接続し、あるい
は第1レンズアレイと第2レンズアレイを接続した後に
さらに遮光部材を接続してもよい。その場合において
も、2部材の間の距離は図15に示したグラフと同じよ
うな傾向を示す。そのため、2部材間距離が一定となる
時間範囲を予め測定しておき、その時間範囲において超
音波振動の供給を停止すれば、これらの2部材を適切に
接続できるようになる。
【0066】また、1つまたは3つ以上のレンズアレイ
と遮光部材とにより構成されたレンズアレイユニット、
あるいは遮光部材がないか、遮光膜などによりレンズア
レイに直接遮光部を形成する構成のレンズアレイユニッ
トにおいても、超音波溶着を利用して製造することがで
きる。
【0067】図16は、本願発明に係る光学装置の一例
である画像読み取り装置を示している。
【0068】同図に示す光学装置Aは、透明板80と、
この透明板80を上面部において支持する合成樹脂製の
ケース81と、このケース81の底面部に組み付けられ
た基板82とを有している。この基板82の表面上に
は、主走査方向(紙面と直交する方向)に間隔を隔てて
列状に並べられた複数の光源83と、これら複数の光源
83と同方向に並べられた複数の受光素子84とが配置
されている。各光源83は、たとえば発光ダイオードを
用いて構成されている。各受光素子84は、光電変換機
能を有するものであり、光を受けると、その受光量に対
応した出力レベルの信号(画像信号)を出力する。
【0069】透明板80と各受光素子84との間には、
上述のレンズアレイユニットUが配置されている。レン
ズアレイユニットUは、第1および第2レンズ11,2
1の列が上記主走査方向に延びるようにして組み込まれ
ている。ケース81には、遮光部材3の各凹部37に対
応する突起81aが設けられており、この突起81aが
各凹部37に係入されていることにより、ケース81に
対する遮光部材3の位置決め、および遮光部材3の上方
への浮き上がり防止が図られている。透明板80の表面
部のうち、各貫通孔30および各第1レンズ11に対向
する部分がライン状の画像読み取り領域Laである。
【0070】各光源83から発せられた光は、ケース8
1に収容された導光部材86を介して画像読み取り領域
Laに照射されるようになっている。導光部材86は、
たとえば透明なPMMA製またはPC製である。ただ
し、本願発明はこれに限定されず、導光部材86を用い
ることなく、あるいは導光部材86とは異なる形態の導
光部材を用いることにより、各光源83から発せられた
光を画像読み取り領域Laに導くようにしてもかまわな
い。画像読み取り領域La上には、原稿Gを搬送するた
めのプラテンローラ87が設けられている。
【0071】この光学装置Aにおいては、各光源83か
ら発せられた光が画像読み取り領域Laまで導かれ、原
稿Gを照明する。原稿Gによって反射された光は、レン
ズアレイユニットUに向けて進行する。すると、図4に
おいて説明した作用により、複数の受光素子84上に
は、画像読み取り領域Laにおける原稿Gの1ライン分
の画像が正立等倍で結像する。このため、複数の受光素
子84からは、原稿Gの画像に対応する1ライン分の画
像信号が出力される。このような読み取り処理は、原稿
Gがプラテンローラ87によって副走査方向に搬送され
る過程において複数回にわたって繰り返し実行される。
この光学装置Aにおいては、原稿画像の結像手段とし
て、上述した方法により製造されたレンズアレイユニッ
トUが用いられている。したがって、光学的特性に優れ
た光学装置Aが廉価に提供される。
【0072】本願発明の具体的な構成は、上述の実施形
態に限定されるものではなく、種々に設計変更自在であ
る。
【0073】たとえば、本願発明に係る光学装置は、原
稿画像を読み取るための画像読み取り装置に限定される
ものではない。本願発明に係るレンズアレイユニットを
利用することにより、液晶表示器やその他のディスプレ
イ機器の画面に表示された画像を所定の個所に結像させ
て表示させるようにした光学装置として構成することも
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る製造方法により得られるレンズ
アレイユニットの一例を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示すレンズアレイユニットの断面図であ
る。
【図3】(a)は図1のX1−X1線に沿う断面図、
(b)は図1のX2−X2線に沿う断面図である。
【図4】図1に示すレンズアレイユニットの作用説明図
である。
【図5】第1レンズアレイおよび第2レンズアレイを形
成するための樹脂成形品の平面図である。
【図6】(a)は図5のX3−X3線に沿う断面図、
(b)は図5のX4−X4線に沿う断面図である。
【図7】図5に示した樹脂成形品に切断溝を形成する工
程を説明するための平面図である。
【図8】図7のX5−X5線に沿う断面図である。
【図9】図7のX6−X6線に沿う断面図である。
【図10】切断溝を形成した樹脂形成品の平面図であ
る。
【図11】超音波溶着工程を説明するためのチャック台
と仮組立体の斜視図である。
【図12】超音波溶着工程を説明するための仮組立体セ
ット時の断面図である。
【図13】超音波溶着前の仮組立体の断面図であり、
(a)は図2のX1−X1線に相当する断面図、(b)
は図2のX2−X2線に相当する断面図である。
【図14】超音波溶着工程時の仮組立体の断面図であ
り、(a)は図2のX1−X1線に相当する断面図、
(b)は図2のX2−X2線に相当する断面図である。
【図15】超音波溶着工程時における面間距離の経時的
変動を示すグラフである。
【図16】本願発明に係る光学装置の一例である画像読
み取り装置の断面図である。
【符号の説明】
U レンズアレイユニット U′ 仮組立体 A 光学装置 1 第1レンズアレイ 11 第1レンズ 14a,15,16 凸部(第1レンズアレイの) 2 第2レンズアレイ 21 第2レンズ 24a 凹部(第2レンズアレイの) 24b 凸部(ストッパ部としての) 3 遮光部材 36 凹部(遮光部材の) 30 貫通孔(遮光部材の) 31 一面(超音波供給面としての) 72 超音波ホーン 81 ケース 83 光源 84 受光素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 力 京都市右京区西院溝崎町21番地 ローム株 式会社内 Fターム(参考) 5C072 AA01 BA04 DA08 DA25

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のレンズが長手方向に並んだ第1レ
    ンズアレイおよび第2レンズアレイを、これらのレンズ
    アレイの各レンズの光軸が一致するように接続したレン
    ズアレイユニットを製造する方法であって、 上記第1レンズアレイと上記第2レンズアレイとの接続
    を、超音波振動を供給することにより行うことを特徴と
    する、レンズアレイユニットの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記第1レンズアレイおよび上記第2レ
    ンズアレイのうちの一方のレンズアレイには凸部が設け
    られ、他方のレンズアレイには凹部が設けられており、 超音波振動を供給することにより、少なくとも上記凸部
    の表面および上記凹部の内面の一方を溶融ないし軟化さ
    せつつ上記凹部に上記凸部を嵌合する、請求項1に記載
    のレンズアレイユニットの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記凸部の表面または上記凹部の内面に
    は、超音波振動の供給時に超音波エネルギを集中させる
    ための突起が設けられている、請求項2に記載のレンズ
    アレイユニットの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記第1レンズアレイと上記第2レンズ
    アレイとを超音波溶着する際の超音波の供給により、上
    記第1レンズアレイに対して遮光部材を接続する、請求
    項1ないし3のいずれかに記載のレンズアレイユニット
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記遮光部材は、上記第1レンズアレイ
    とは、異なる材料により形成されている、請求項4に記
    載のレンズアレイユニットの製造方法。
  6. 【請求項6】 上記第1レンズアレイおよび上記第2レ
    ンズアレイの一方のレンズアレイには、他方のレンズア
    レイに向けて延びるとともに、上記凸部と上記凹部とが
    嵌合したときに他方のレンズアレイと干渉するストッパ
    部が設けられている、請求項2ないし5のいずれかに記
    載のレンズアレイユニットの製造方法。
  7. 【請求項7】 上記凸部と上記凹部とを仮嵌合させた仮
    組立体に対して超音波振動を付与することにより上記第
    1レンズアレイと上記第2レンズアレイを接続する工程
    を含む製造方法であって、 上記仮組立体に対して超音波振動を付与してからの上記
    第1レンズアレイと上記第2レンズアレイとの間の距離
    の変動を予め測定して当該距離が一定化する時間範囲を
    測定しておき、当該時間範囲内に、上記仮組立体に対し
    て超音波振動を付与する時間を設定する、請求項2ない
    し6のいずれかに記載のレンズアレイユニットの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 複数のレンズが長手方向に並んだレンズ
    アレイに対して、複数の貫通孔を有する遮光部材を、上
    記複数の貫通孔が上記各レンズの正面に位置するように
    配置したレンズアレイユニットを製造する方法であっ
    て、 超音波振動を供給することにより、上記レンズアレイと
    上記遮光部材とを接続することを特徴とする、レンズア
    レイユニットの製造方法。
  9. 【請求項9】 上記レンズアレイと上記遮光部材のうち
    の一方には凸部が設けられ、他方には凹部が設けられて
    おり、 上記凸部と上記凹部とを仮嵌合させた仮組立体に対して
    超音波振動を供給することにより、少なくとも上記凸部
    の表面および上記凹部の内面のうちの一方を溶融ないし
    軟化させつつ上記凸部を上記凹部に嵌合し、かつ、 上記仮組立体に対して超音波振動を付与してからの上記
    レンズアレイと上記遮光部材との間の距離の変動を予め
    測定して当該距離が一定化する時間範囲を測定してお
    き、当該時間範囲内に、上記仮組立体に対して超音波振
    動を付与する時間を設定する、請求項8に記載のレンズ
    アレイユニットの製造方法。
  10. 【請求項10】 上記凸部はテーパ面を有するととも
    に、上記凹部における上記テーパ面と対応する部分は、
    テーパ面とされている、請求項9に記載のレンズアレイ
    ユニットの製造方法。
  11. 【請求項11】 上記遮光部材は、レンズアレイとは異
    なる材料により形成されている、請求項8ないし10の
    いずれかに記載のレンズアレイユニットの製造方法。
  12. 【請求項12】 上記超音波振動は、縦振幅超音波を供
    給可能な超音波ホーンを、上記組立体における超音波供
    給面に押圧した状態で供給される、請求項1ないし11
    のいずれかに記載のレンズアレイユニットの製造方法。
  13. 【請求項13】 上記超音波供給面には、周波数が10
    〜30kHzである超音波振動を供給することにより、
    合計20〜40Jのエネルギが供給される、請求項12
    に記載のレンズアレイユニットの製造方法。
  14. 【請求項14】 物体から進行してくる光を集束させる
    ことにより、上記物体の像を所定の位置に結像させるた
    めの結像手段を備えた光学装置であって、 上記結像手段として、請求項1ないし13のいずれかに
    記載したレンズアレイユニットの製造方法により得られ
    たレンズアレイユニットが用いられていること特徴とす
    る、光学装置。
  15. 【請求項15】 原稿を照明するための光源と、光電変
    換機能を有する複数の受光素子と、をさらに備えてお
    り、 上記原稿によって反射された光を上記レンズアレイユニ
    ットによって集束させることにより、上記原稿の画像を
    上記複数の受光素子上に結像させる構成とされている、
    請求項14に記載の光学装置。
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