JP2003004468A - ナビゲーション装置及びその地図表示方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 隣接領域に進入する前に隣接領域の地図情報
を取得できる確率を向上する。 【解決手段】 車両の移動に応じて通信により情報セン
ターから隣接領域の地図情報を取得し、該地図情報に基
づいて車両位置周辺の地図表示するナビゲーション装置
において、(1)車両が隣接領域に接近した時、ナビゲー
ション制御装置11は高精度の地図をサーバ(情報センタ
ー)6に要求し、(2)通信不能により情報センターから地
図の取得ができなければ、以後、所定時間経過後または
所定距離走行後、順次精度が低下した地図を情報センタ
ーに要求し、(3)情報センターから取得した地図をディ
スプレイユニット12に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はナビゲーション装置
及びその地図表示方法に係わり、特に、車両の移動に応
じて通信により外部装置から隣接領域の地図情報を取得
し、該地図情報に基づいて車両位置周辺の地図を表示す
るナビゲーション装置及びその地図表示方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】インターネット通信、移動体通信等の通
信技術の進歩により、外部装置より通信により所望の情
報を取得することが可能になっている。このように通信
により情報を取得する方法によれば、情報記憶媒体を購
入する必要がなく、又、記憶媒体駆動装置が不要であ
り、装置の小型化、低廉化が可能になり、しかも、最新
の情報を得ることができる。ナビゲーション分野におい
ても、外部の情報センターより車両位置周辺の地図情報
を取得して表示することにより高価な地図記憶媒体が不
要なナビゲーション装置（通信ナビゲーション装置）が
提案されている。すなわち、通信ナビゲーション装置で
は、地図を表示する場合、一度情報センターからダウ
ンロードして走り出し、その地図情報がカバーするエ
リアを外れそうになったとき、隣接領域の地図情報を情
報センターに要求し、該センターより地図情報をダウ
ンロードし、該ダウンロードされた地図情報に基づい
て地図表示する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】地図情報を情報センタ
ーに要求し、該センターより確実に地図情報を取得でき
れば何ら問題は生じない。しかし、以下の(1)〜(4)の場
合、情報センターと通信ができず地図情報を取得するこ
とができない。すなわち、(1) ビル、トンネル等で電波
が遮断される場合、(2) 発信者数が携帯電話のサービス
許容範囲を越えている場合、(3) 公衆電話網における交
換機が輻輳状態になった場合、(4) 情報センターのサー
バが扱えるユーザ数以上のユーザがサービスを受けるた
めに接続しようとする場合、などにおいて通信不能にな
り、情報センターから地図情報を取得することができな
い。

【０００４】かかる場合、以後、地図情報の取得を試み
るが、走行により車両が隣接領域に進入しても隣接領域
の地図情報を取得できない場合がある。例えば、隣接領
域に進入する前に情報センターと交信可能とならない場
合、あるいは、交信可能になっても走行により車両が隣
接領域の傍まできているため、地図情報を受信中に隣接
領域に進入してしまう場合等である。かかる場合、車両
が隣接領域に進入しても車両周辺の地図を表示すること
ができずナビゲーションができなくなるが、従来のナビ
ゲーション装置ではかかる対策がなされていない問題が
ある。

【０００５】以上より、本発明の目的は、隣接領域に進
入する前に地図情報を取得できる確率を向上することで
ある。本発明の別の目的は、隣接領域に進入する前に地
図情報を取得できなければ、「ナビゲーションができな
い旨」を表示してドライバに通報することである。本発
明の別の目的は、隣接領域に進入する前に該隣接領域の
地図情報を取得できなければ、予め取得してある経路誘
導情報を用いて矢印案内表示してドライバにナビゲーシ
ョン情報を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の第１は、車両の
移動に応じて通信により外部装置から隣接領域の地図情
報を取得し、該地図情報に基づいて車両位置周辺の地図
を表示するナビゲーション装置における地図表示方法で
あり、(1)車両が隣接領域に接近した時、高精度の地図
を外部装置に要求し、(2) 通信不能により外部装置から
地図の取得ができなければ、以後、順次精度が低下した
地図を外部装置に要求し、(3)外部装置から取得した地
図を表示する。又、通信不能により外部装置から地図の
取得ができなければ、所定時間経過後あるいは所定距離
走行後に精度が低下した地図を順次要求し、最低精度の
地図の取得に失敗したとき、「ナビゲーション表示がで
きない旨」、あるいは、予め取得してある経路誘導情報
を用いて矢印案内表示する。精度の低い地図は、地図情
報に含めるコンテンツ量を少なくすることにより、ある
いは、広域地図の一部地図に拡大処理を施すことにより
得られる。

【０００７】又、本発明の第２は、車両の移動に応じて
通信により外部装置から隣接領域の地図情報を取得し、
該地図情報に基づいて車両位置周辺の地図を表示するナ
ビゲーション装置であり、(1) 外部装置と通信するため
の通信装置、(2) 車両が隣接領域に接近したことを検出
する検出部、(3)隣接領域に接近した時、高精度の地図
を外部装置に要求し、通信不能により外部装置から高精
度の地図の取得ができなければ、以後、順次精度が低下
した地図を外部装置に要求する地図要求手段、(4) 外部
装置から取得した地図を表示する地図表示手段、を備え
ている。本発明のナビゲーション装置及びその表示方法
によれば、隣接領域に近づく程情報センターに要求する
地図の精度を低下し、情報センターがダウンロードする
地図情報量が少なくなって通信時間を短縮できる。この
ため、隣接領域に進入する前に地図情報を取得できる確
率を向上することができる。又、隣接領域に進入する前
に地図情報を取得できなければ、「ナビゲーションがで
きない旨」を表示してドライバに通報するため、ドライ
バは状況を理解して運転を継続できる。又、隣接領域に
進入する前に該隣接領域の地図情報を取得できなけれ
ば、予め取得してある経路誘導情報を用いて矢印案内表
示する。このようにすれば、隣接地図情報を取得できな
くても簡易な矢印案内表示ができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】(ａ)構成 図１は本発明を適用できるネットワーク構成及びナビゲ
ーション装置の構成図である。１は車両、２は車載装
置、３はＧＰＳ衛星、４は移動網及び公衆網を含む電話
網、５はＩＰ網、６はＩＰ網に接続して地図情報をダウ
ンロードする情報センター（サーバ）、７は車載装置を
サーバに接続するプロバイダである。サーバ６は、車載
装置２からの要求に応じて地図データを提供する。車載
装置２は、携帯電話で電話網４を経由し、プロバイダ７
に接続してＩＰ網５にアクセスし、サーバ６は車両の位
置に応じた地図をダウンロードする。なお、情報センタ
ーを公衆電話網に直接接続し、インターネットを介さず
車載装置と通信するように構成することもできる。

【０００９】車載装置２において、８は携帯電話機、９
はナビゲーションシステムであり、ナビゲーション制御
装置１１、地図やメニュー等を表示するディスプレイユ
ニット１２、ナビゲーション制御のための各種操作入力
を行なう操作部１３を有している。ナビゲーション制御
装置１１において、バス２０にＣＰＵ（プロセッサ）２
１、メモリ２２、画像描画部２３、通信インタフェース
(ASIC)２４、操作部１３が接続されている。メモリ２２
は各種制御プログラムを記憶するプログラム記憶部、ダ
ウンロードされた地図情報を記憶する地図情報記憶部、
ダウンロードされた誘導経路情報を記憶する誘導経路記
憶部等が設けられている。地図情報記憶部は、メモリ量
を削減するためにたとえば１枚の図葉データを記憶する
容量しか割り当てられていない。画像描画部２３は図葉
データに基づいて地図画像を生成してＶＲＡＭ（図示せ
ず）に記憶し、該地図画像をディスプレイユニット１２
に表示する。通信インタフェース２４には、ＧＰＳ受信
機２５、車両方位を検出するためのジャイロ２６、所定
距離走行毎に発生するパルスを検出して走行距離を測定
するための走行パルス検出センサ２７、携帯電話機８が
接続されている。

【００１０】（ｂ）ダウンロード情報 情報センター（サーバ）６は、ナビゲーション制御装置
１１からの要求により図２に示すように出発地ＳＰから
目的地ＤＰまでの誘導経路ＩＲＴを探索し、(1) 誘導経
路情報、(2) 誘導経路が含まれる地図を表示するための
図葉ＭＵ₁〜ＭＵnの番号、(3) 先頭のの図葉ＭＵ₁の図
葉データをダウンロードする。誘導経路情報は、図３
（Ａ）、（Ｂ）に示すように出発地ＳＰから目的地ＤＰ
までの誘導経路ＩＲＴ上に存在する全ノードＮ₀〜Ｎmの
位置(経緯度)及び交差点フラグなどを含んでいる。この
誘導経路情報に基づいて、ナビゲーション制御装置１１
は誘導経路ＩＲＴを他の道路と識別可能に表示でき、し
かも、交差点拡大図及び進行方向を矢印で表示すること
ができる。又、誘導経路情報と車両現在位置とを連携す
ることにより、矢印案内を行なうことができる。なお、
誘導経路情報に交差点名、交差路数を含めれば、より分
かりやすい矢印案内ができる。

【００１１】（ｃ）図葉 地図は縮尺レベルに応じて適当な大きさの経度幅、緯度
幅の図葉に区切られており、図葉は例えば図４に示すよ
うに１枚の図葉を４分割したデータユニット（４分割図
葉）にまとめられており、１データユニットが１画面に
相当している。地図データは、(1)道路リスト、ノード
テーブル、交差点構成ノードリスト、隣接ノードリスト
等からなる道路レイヤ、(2)地図画面上の道路、建物、
河川等を表示するための背景レイヤ、(3)市町村名、道
路名などを表示するための文字レイヤなどから構成され
ている。(2)、(3)の情報やランドマークを含む地図は高
精度地図であり、背景レイヤとランドマークを含む地図
は中精度地図であり、誘導経路及び該誘導経路に交差す
る道路の一部を含む地図は低精度地図である。すなわ
ち、表示する地図の情報量により地図精度が変化し、情
報量が多くなるほど精度が高くなる。又、図５に示すよ
うに所定の縮尺１／ｎの広域地図の１部(斜線部)ＭＰ１
を縦/横２倍に拡大した縮尺２／ｎの地図ＭＰ１′は、
拡大しない縮尺２／ｎの地図に比べて精度が低下する。

【００１２】（ｄ）地図取得／表示処理 図５は本発明の地図取得及び表示処理フローである。サ
ーバ（情報センター）６は、ナビゲーション制御装置１
１からの要求により目的地ＤＰまでの誘導経路情報、該
誘導経路が含まれる地図を表示するための図葉ＭＵ₁〜
ＭＵnの番号、先頭の図葉ＭＵ₁の図葉データをダウンロ
ードする。ナビゲーション制御装置１１はダウンロード
された情報を保持すると共に、図葉データに基づいて地
図を発生してディスプレイユニット１２に表示し、又、
誘導経路情報に基づいて誘導経路を他の道路と識別可能
に表示する。かかる状態において、ナビゲーション制御
装置１１は走行により車両が図葉境界より例えば３分以
内の領域に到来したかチェックする（ステップ１０
１）。時速60kmで走行中であるとすれば、図葉境界より
3k以内の領域に進入したかチェックする。

【００１３】３分以内の領域に到来すれば、ナビゲーシ
ョン制御装置１１は、情報センター６に隣接領域の図葉
番号を提示して高精度地図を要求する（１回目の発呼、
ステップ１０２）。ついで、ナビゲーション制御装置１
１は、高精度地図を受信できたかチェックし（ステップ
１０３）、受信できれば、該高精度地図を表示する（ス
テップ１０４）。高精度地図は１分程度で受信が完了す
る情報量を有する地図である。一方、情報センターと通
信ができず高精度地図を取得できなければ、以後、例え
ば１分経過したかチェックする（ステップ１０５）。１
分経過すれば、ナビゲーション制御装置１１は、情報セ
ンター６に隣接領域の図葉番号を提示して中精度地図を
要求する（２回目の発呼、ステップ１０６）。

【００１４】ついで、ナビゲーション制御装置１１は、
中精度地図を受信できたかチェックし（ステップ１０
７）、受信できれば、該中精度地図を表示する（ステッ
プ１０４）。中精度地図は３０秒程度で受信が完了する
情報量を有する地図である。一方、情報センター６と通
信ができず中精度地図を取得できなければ、以後、例え
ば３０秒経過したかチェックする（ステップ１０８）。
３０秒経過すれば、ナビゲーション制御装置１１は、情
報センター６に隣接領域の図葉番号を提示して低精度地
図を要求する（３回目の発呼、ステップ１０９）。つい
で、ナビゲーション制御装置１１は、低精度地図を受信
できたかチェックし（ステップ１１０）、受信できれ
ば、該低精度地図を表示する（ステップ１０４）。低精
度地図は１０秒程度で受信が完了する情報量を有する地
図である。

【００１５】一方、情報センター６と通信ができず低精
度地図を取得できなければ、エラー表示する（ステップ
ステップ１１１）。例えば、「ナビゲーションガイドが
できなくなりましたので、注意して運転してください」
とメッセージを表示する。なお、エラー表示に変えて、
誘導経路情報と現在位置情報を連携して矢印案内するこ
とができる。矢印案内とは、交差点までの距離、交差点
名称、交差点での進行方向等を表示するものである。つ
いで、ナビゲーション制御装置１１は、間欠的に情報セ
ンター６に高精度地図情報を要求、かつ、取得して表示
し（ステップ１１２）、以後、始めに戻る。以上では、
ステップ１０５、１０８において、所定時間経過したこ
とを監視し、以降の処理を実行したが、所定距離走行し
たことを監視して以降の処理を実行することもできる。
以上、本発明を実施例により説明したが、本発明は請求
の範囲に記載した本発明の主旨に従い種々の変形が可能
であり、本発明はこれらを排除するものではない。

【００１６】

【発明の効果】以上本発明によれば、隣接領域に近づく
程、情報センターに要求する地図の精度を低下し、これ
により情報センターがダウンロードする地図情報量が少
なくなって通信時間を短縮できるため、隣接領域に進入
する前に地図情報を取得できる確率を向上することがで
きる。又、本発明によれば、隣接領域に進入する前に地
図情報を取得できなければ、「ナビゲーションができな
い旨」を表示してドライバに通報するため、ドライバは
状況を理解して運転を継続することができる。又、本発
明によれば、隣接領域に進入する前に該隣接領域の地図
情報を取得できなければ、予め取得してある経路誘導情
報を用いて矢印案内表示するから、ドライバは簡易な矢
印案内表示に従って運転を継続することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用できるネットワーク構成及びナビ
ゲーション装置の構成図である。

【図２】誘導経路と図葉の関係説明図である。

【図３】誘導経路を構成するノード及び誘導経路情報説
明図である。

【図４】図葉及び地図精度の説明図である。

【図５】広域地図の一部を拡大することにより精度が低
下した地図の取得例である。

【図６】本発明の地図取得／表示処理フローである。

【符号の説明】

１ 車両 ２ 車載装置 ３ ＧＰＳ衛星 ４ 移動網及び公衆網を含む電話網 ５ ＩＰ網 ６ 情報センター（サーバ） ７ プロバイダ ８ 携帯電話機 ９ ナビゲーションシステム １１ ナビゲーション制御装置 １２ ディスプレイユニット １３ 操作部 ２１ ＣＰＵ（プロセッサ） ２２ メモリ ２３ 画像描画部 ２４ 通信インタフェース ２５ ＧＰＳ受信機 ２６ ジャイロ ２７ 走行パルス検出センサ

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両の移動に応じて通信により外部装置
   から隣接領域の地図情報を取得し、該地図情報に基づい
   て車両位置周辺の地図を表示するナビゲーション装置に
   おける地図表示方法において、 隣接領域に接近した時、高精度の地図を外部装置に要求
   し、 通信不能により外部装置から地図の取得ができなけれ
   ば、以後、順次精度が低下した地図を外部装置に要求
   し、 外部装置から取得した地図を表示する、 ことを特徴とするナビゲーション装置における地図表示
   方法。
2. 【請求項２】 地図の取得ができなければ、所定時間経
   過後あるいは所定距離走行後に前記精度が低下した地図
   を順次要求し、最低精度の地図の取得に失敗したとき、
   ナビゲーション表示ができない旨を通知する、 ことを特徴とする請求項１記載の地図表示方法。
3. 【請求項３】 最低精度の地図の取得に失敗したとき、
   予め取得してある経路誘導情報を用いて矢印案内表示す
   る、 ことを特徴とする請求項１記載の地図表示方法。
4. 【請求項４】 地図情報に含めるコンテンツ量を少なく
   することにより地図の精度を低下する、 ことを特徴とする請求項１記載の地図表示方法。
5. 【請求項５】 広域地図の一部領域の地図情報に拡大処
   理を施して前記精度が低下した地図をナビゲーション装
   置に提供する、 ことを特徴とする請求項１記載の地図表示方法。
6. 【請求項６】 前記外部装置への要求タイミングは、自
   車位置が隣接領域境界に達するまでの間に、外部装置と
   複数回の交信が可能となるタイミングで行われる、 ことを特徴とする請求項１記載の地図表示方法。
7. 【請求項７】 車両の移動に応じて通信により外部装置
   から隣接領域の地図情報を取得し、該地図情報に基づい
   て車両位置周辺の地図を表示するナビゲーション装置に
   おいて、 外部装置と通信するための通信装置、 車両が隣接領域に接近したことを検出する検出部、 隣接領域に接近した時、高精度の地図を外部装置に要求
   し、通信不能により外部装置から地図の取得ができなけ
   れば、以後、順次精度が低下した地図を外部装置に要求
   する地図要求手段、 外部装置から取得した地図を表示する地図表示手段、 を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
8. 【請求項８】 前記外部装置への要求タイミングは、自
   車位置が隣接領域境界に達するまでの間に、外部装置と
   複数回の交信が可能となるタイミングで行われる、 ことを特徴とする請求項７記載のナビゲーション装置。