JP2003004421A - 光ファイバ歪み計測方法 - Google Patents

光ファイバ歪み計測方法

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JP2003004421A
JP2003004421A JP2001189795A JP2001189795A JP2003004421A JP 2003004421 A JP2003004421 A JP 2003004421A JP 2001189795 A JP2001189795 A JP 2001189795A JP 2001189795 A JP2001189795 A JP 2001189795A JP 2003004421 A JP2003004421 A JP 2003004421A
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optical fiber
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Chishin Go
智深 呉
Tatsuo Horiuchi
辰夫 堀内
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NTT Infrastructure Network Corp
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NTT Infrastructure Network Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバによる歪み計測を、精度および安
定度の悪化を招くことなく、より狭い領域で可能とす
る。 【解決手段】 光ファイバ11を構造物13に装着する
際に、被装着部として自由領域Fを設け、自由領域Fの
歪み値を0(零)に設定する。光ファイバ11に、歪み
計測器15から出力される所定長のパルス光Pを入射さ
せ、入射したパルス光Pのパルス長に対応した長さL=
1mにおける被測定長部分での反射光であるブリルアン
散乱光の周波数分布を解析することで、被測定長部分
(長さL)の歪みを計測する。このとき、L=1mをX
=10cmずつずらして1m毎の歪みを順次計測し、ε
(L),ε(L),ε(L),……を得、この歪
み値相互の差ε(L)−ε(L)から、10cm分
の歪みΔε’(X)を求め、以後ε(L)−ε
(L),ε(L)−ε(L)……から、Δε
(X),Δε’(X)……を順次求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光ファイバ内に
所定長のパルス信号からなる測定光を入射させ、この入
射した測定光のパルス長に対応した光ファイバの被測定
長部分での反射光の周波数分布を解析することにより、
被測定長部分の歪みを計測する光ファイバ歪み計測方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】被測定物となる構造物などの歪みを計測
するには、歪みゲージを構造物に取り付けて行う方法が
あるが、この方法は、歪みゲージとしてその長さが2c
m〜10cmと比較的短く、これに対応して狭い領域の
歪みを計測できる利点があるものの、構造物のほぼ全域
をモニタして歪み発生場所を検知するには、構造物に歪
みゲージを多数取り付けなければならず、事前の作業が
極めて煩雑なものとなる。
【0003】これに対し、構造物の計測したい領域に1
本の光ファイバを装着し、この光ファイバ内に、所定長
のパルス信号からなる測定光を入射させ、この入射した
測定光のパルス長に対応した光ファイバの被測定長部分
での反射光の周波数分布を解析することにより、被測定
長部分の歪みを計測し、これに基づき構造物の歪みを検
知するという、光ファイバを利用した歪み計測方法があ
る。
【0004】図2は、光ファイバ内における入射光に対
する散乱光(反射光)の代表的なスペクトラムを示して
いる。このうちブリルアン散乱光は、単色性(コヒーレ
ンシー)が高い入射光が媒体中に生じる音波と相互作用
し、媒質固有の周波数だけずれるもので、この現象は、
ブリルアン周波数シフトと呼ばれている。
【0005】上記したブリルアン周波数シフトは、温度
による変化量が、歪みによる変化量に対して極めて少な
い(0.002%/℃)ため、歪みによるブリルアン周
波数シフトの変化量を計測するうえで、温度変化が小さ
い場合(5℃)には、温度の影響を無視することができ
る。このため、ブリルアン周波数シフトの変化量を求め
ることにより、光ファイバに加わった歪みを計測するこ
とが可能となる。
【0006】光ファイバ中のブリルアン散乱は、レーリ
ー散乱と比べて約2桁程度微弱なため、コヒーレント検
波技術、光周波数変換技術を採用した歪み計測器が採用
されている。
【0007】図3は、上記した歪み計測器の基本構成の
ブロック図である。光源1から発光した光周波数νの連
続光(信号光)は、光周波数変換器3によりΔνの周波
数シフトを受け、光パルス変調器5でパルス変調され、
光周波数ν+Δνのパルス光Pとして光ファイバ7の片
端から入射される。パルス光Pの入射により、光ファイ
バ7の中で生じる後方散乱光の一つであるブリルアン散
乱光Bが発生し、このブリルアン散乱光Bと参照光と
が、高感度測定が可能なコヒーレント光受信器9に入力
される。コヒーレント光受信器9では、受信信号である
ブリルアン散乱光と参照光との周波数差を小さく制御す
る必要がある。ブリルアン散乱光Bは、発生過程で周波
数がシフトするため、あらかじめ光周波数変換器3を用
いて信号光の周波数をシフトしている。
【0008】上記したブリルアン散乱光Bは、光波と光
ファイバ7中の音波との相互作用により誘起されて光周
波数が下方にシフトされ、このときのブリルアン散乱光
Bの周波数シフト分布から光ファイバの歪み分布を測定
する。
【0009】図4は、ブリルアン散乱光の光周波数分布
を示している。実線aが歪みなしの波形で破線bが歪み
ありの波形である。歪み量は、その周波数シフト量(f
2−f1)に比例することから、このシフト量を計測する
ことによって得ることができる。光ファイバ7内での計
測位置は、光パルスを光ファイバ7に入射してからその
散乱光が観測されるまでの時間を計ることによって求め
ることができる。
【0010】図5は、得られたブリルアン散乱光の波形
図である。光ファイバ7における位置Z1からZ2にわた
る歪み発生部分Zにおいて、f1からf2に周波数シフト
しているのがわかる。このときの歪みεは周波数シフト
量に比例している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した歪
み計測器は、歪み計測可能領域、すなわち最小距離分解
能が1mであり、これより短い距離の計測は精度および
安定性が期待できず、実用的ではない。このため、上記
した光ファイバを利用した歪み計測方法では、歪みゲー
ジを利用した方法に比べ、1本の光ファイバを構造物に
取り付ければよいので、事前のセンサ(光ファイバ)取
付作業の煩雑さを回避できるものの、より狭い領域の歪
みを計測できず、改善が望まれている。
【0012】そこで、この発明は、光ファイバによる歪
み計測方法において、精度および安定性の悪化を伴うこ
となく、より狭い領域の歪み計測を可能とすることを目
的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、光ファイバ内に所定長のパルス
信号からなる測定光を入射させ、この入射した測定光の
パルス長に対応した前記光ファイバの被測定長部分での
反射光の周波数分布を解析することにより、前記被測定
長部分の歪みを計測する光ファイバ歪み計測方法におい
て、前記光ファイバに、前記被測定長部分と同長でか
つ、歪み値が既知となっている自由領域を設け、この自
由領域から、光ファイバの長さ方向に沿って、前記被測
定長部分の長さLを所定数nで除して得たL/nの長さ
分だけ順次ずらして前記自由領域を含む被測定長部分の
長さLの歪みを順次計測し、この各計測値の相互に隣接
する被測定長部分の差を、前記自由領域側から順次算出
して、前記L/nの長さ分の光ファイバの歪みを連続し
て計測する歪み計測方法としてある。
【0014】請求項2の発明は、請求項1の発明の歪み
計測方法において、光ファイバの一部を被測定物に装着
し、この被測定物に装着していない部分の前記光ファイ
バに自由領域が設けられている。
【0015】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明の歪み計測方法において、自由領域を含むL/nずつ
ずれた長さL分の歪み計測値を、前記自由領域側から順
に、ε,ε,ε,……ε,……とし、前記自由
領域における測定光進行方向前方側の端部から、この前
方側ヘ向かう長さL/nずつの歪み値を、Δε’,Δ
ε’,Δε’,……Δε’,……とし、前記自由
領域における測定光の入射側端部から、測定光進行方向
前方側へ向かう長さL/nずつの歪み値を、Δε,Δ
ε,Δε,……,Δε,……とすると、 ε+Δε’=εi+1+Δε であり、この両辺を整理すると、 Δε’−Δε=εi+1−ε となる。
【0016】ここで、n=10としたうえで、 Δε’−Δε=ε−ε Δε’−Δε=ε−ε Δε’−Δε=ε−ε : : : Δε’−Δε=ε10−ε を第1の測定グループ式として、この式に自由領域の既
知の歪み値であるΔε,Δε,Δε,……,Δε
をそれぞれ代入して未知の歪み値Δε’,Δ
ε’,Δε’,……,Δε’を求め、この求めた
歪み値Δε’,Δε’,Δε’,……,Δε
を、次の第2の測定グループ式 Δε10’−Δε10=ε11−ε10 Δε11’−Δε11=ε12−ε11 Δε12’−Δε12=ε13−ε12 : : : Δε19’−Δε19=ε20−ε19 のΔε10,Δε11,Δε12,……,Δε19にそ
れぞれ代入してΔε10’,Δε11’,Δε12’,
……,Δε19’を求め、以後同様にして第m(整数)
の測定グループ式で求めた歪み値を、第m+1の測定グ
ループ式にそれぞれ代入して、第m+1の測定グループ
式における未知の歪み値を順次求める。
【0017】請求項4の発明は、請求項1ないし3のい
ずれかの発明の歪み計測方法において、自由領域の歪み
値は、初期値として0(零)に設定されている。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づき説明する。
【0019】図1は、この発明の実施の一形態に係わる
光ファイバ歪み計測方法を示す概略図である。1本の光
ファイバ11は、その一部を被測定物である構造物13
に装着してある。この光ファイバ11の構造物13より
図中で左側の被測定長部分に相当する1mの長さL分を
含む部分については、構造物13に装着しておらず、そ
の長さL分を自由領域Fとしてある。
【0020】上記した光ファイバ11の端部Sから、前
記図3に示したものと同様な歪み計測器15から出力さ
れる測定光としてのパルス光Pを入射させ、後方散乱光
であるブリルアン散乱光Bを歪み計測器15が受光して
光ファイバ11の歪みを計測し、これに基づき構造物1
3の歪みを検知する。
【0021】歪み計測器15は、従来と同様に、光ファ
イバ11における歪み計測領域をL=1mとしてあり、
精度および安定性が維持されている。そして、この実施
の形態では、上記1mの領域の歪みを計測するにあた
り、この1mの計測領域をX=10cmずつ順次ずらし
て計測する。この計測作業は、長さ1mの自由領域Fか
ら始め、この自由領域Fから順次10cmずつずらして
光ファイバ11の反端側の端部Eまで行う。自由領域F
の1mの領域を第0測定部とし、以後10cmずつずれ
た1mの領域を第1測定部,第2測定部,……,第i測
定部,……と呼ぶ。
【0022】ここで、自由領域Fの第0測定部の歪みを
ε(L)とし、第1測定部以下の歪みを、それぞれε
(L),ε(L),……,ε(L),……とす
る。上記自由領域Fは、構造物13に装着されていない
部分であるので、この自由領域Fの歪みの発生はないも
のとし、したがって歪みε(L)=0(零)であり、
これを初期値として設定する。
【0023】また、自由領域Fより図中で右側の10c
mの領域の歪みをΔε’(X)とし、第1測定部以下
の各測定部の右側の10cmの領域の歪みを、それぞれ
Δε ’(X),Δε’(X),……Δε
(X),……とする。すなわち、この歪みΔε
(X),Δε’(X),Δε’(X),……Δ
ε’(X),……は、自由領域Fにおけるパルス光P
の進行方向前方側の端部から、この前方側ヘ向かう長さ
X=10cmずつの歪み値に相当する。
【0024】さらに、第1測定部以下の各測定部の図中
で左側の10cmの範囲の歪みを、それぞれΔε
(X),Δε(X),……Δε(X),……とす
る。すなわち、この歪みΔε(X),Δε(X),
……Δε(X),……は、自由領域Fにおけるパルス
光Pの入射側端部から、パルス光Pの進行方向前方側へ
向かう長さX=10cmずつの歪み値に相当する。
【0025】そして、自由領域Fの右側の10cmの領
域の歪みΔε’(X)は、ε(L)−ε(L)に
よって求めることができる。つまり、Δε’(X)=
ε(L)−ε(L)である。これは、前述したよう
に自由領域Fのε(L)=0であり、またε(L)
の歪みが発生している1mの領域(第1測定部)は、構
造物13に装着されている右側10cmを除く左側90
cmの領域が、自由領域Fであって歪みがない領域であ
るので、ε(L)−ε(L)によってΔε
(X)が求められるのである。
【0026】また、Δε’(X)は、ε(L)−ε
(L)によって求められる。すなわち、Δε
(X)=ε(L)−ε(L)である。この場合、求
める歪み値Δε’(X)は、この歪み値を有する10
cmの領域の左側の10cmの領域の歪み値Δε
(X)が、前述したように、Δε’(X)=ε
(L)−ε(L)により既知となっており、またΔ
ε’(X)の歪み値を有する10cmの領域より左側
は自由領域Fであるので歪み値は0であり、したがって
ε(L)−ε(L)によって、ε(L)の歪みが
発生している第1測定部より右側10cmの領域の歪み
Δε’(X)が求められることになる。
【0027】 以下、同様にして、Δε’(X)=ε(L)−ε(L) Δε’(X)=ε(L)−ε(L) : : : Δε’(X)=ε10(L)−ε(L) となる。
【0028】また、Δε10’(X)を求める際には、
ε10(L)の歪み値を有する第10測定部の全域が、
自由領域Fから外れた位置にあるので、 Δε10’(X)=ε11(L)−ε10(L)−Δε
10(X) となる。ここでΔε10(X)は、既知となっているΔ
ε’(X)に等しいので、 Δε10’(X)=ε11(L)−ε10(L)−Δε
’(X) によってΔε10’(X)を求めることができる。
【0029】 以下同様にして、Δε11(X)=Δε’(X) Δε12(X)=Δε’(X) Δε13(X)=Δε’(X) : : : となるので、 Δε11’(X)=ε12(L)−ε11(L)−Δε’(X) Δε12’(X)=ε13(L)−ε12(L)−Δε’(X) Δε13’(X)=ε14(L)−ε13(L)−Δε’(X) によって、第11測定部の右側の10cmの歪み値Δε
11’,第12測定部の右側の10cmの歪み値Δε
12’,第13測定部の右側の10cmの歪み値Δε
13’……をそれぞれ求めることができる。
【0030】このように、光ファイバ11に、構造物1
3に装着しない自由領域Fを設け、この自由領域Fの歪
み値を初期値0に設定したうえで、自由領域Fを始めと
して1mの領域の歪みを10cmずつ順次計測し、図中
で右側の1mの歪み値と隣接する左側1mの領域の歪み
値との差により、10cmの領域の歪みを、連続して求
めることができる。これにより、従来の歪みゲージによ
る歪み計測方法のように、より狭い領域の歪み測定が可
能となり、歪み発生部位の特定をより正確に行うことが
できる。しかも、この場合、1本の光ファイバ11を構
造物13に取り付ければよく、歪みゲージのように、多
数のゲージを構造物に取り付けるという煩雑な事前作業
が不要である。
【0031】次に、上記したX=10cmの領域の歪み
を、連立方程式を用いて順次求める方法を説明する。例
えば、第2測定部の歪みε(L)とその右側10cm
の歪みΔε’(X)との和は、第3測定部の歪みε
(L)とその左側10cmの歪みΔε(X)との和に
等しい。つまり、 ε(L)+Δε’(X)=ε(L)+Δε
(X) である。
【0032】この式を、第i測定部と第i+1測定部と
の間で考えると、 ε(L)+Δε’(X)=εi+1(L)+Δε
(X) となり、両辺を入れ替え整理すると、 Δε’(X)−Δε(X)=εi+1(L)−ε
(L) となる。この式において、(L)および(X)を省略し
たものが次式である。
【0033】Δε’−Δε=εi+1−ε この式において、i=0,1,2,……にそれぞれ置き
換え、10個の式を一つのグループとして、第1の測定
グループ式,第2の測定グループ式,第3の測定グルー
プ式,………とすると、次のようになる。
【0034】(1)第1の測定グループ式 Δε’−Δε=ε−ε Δε’−Δε=ε−ε Δε’−Δε=ε−ε : : : Δε’−Δε=ε10−ε (2)第2の測定グループ式 Δε10’−Δε10=ε11−ε10 Δε11’−Δε11=ε12−ε11 Δε12’−Δε12=ε13−ε12 : : : Δε19’−Δε19=ε20−ε19 (3)第3の測定グループ式 Δε20’−Δε20=ε21−ε20 Δε21’−Δε21=ε22−ε21 Δε22’−Δε22=ε23−ε22 : : : Δε29’−Δε29=ε30−ε29 (4)第4の測定グループ式 : : : となる。
【0035】ここで、第1の測定グループ式(1)にお
いて、Δε,Δε,Δε,……Δεは、自由領
域Fでのものであることから、歪み値は0(零)であっ
て、0の初期値が与えられ、この初期値0を第1の測定
グループ式に代入すると、 Δε’=ε−ε Δε’=ε−ε Δε’=ε−ε : : : Δε’=ε10−ε となる。これにより、Δε’からΔε’までの10
個の各10cmの領域の歪みが求められる。
【0036】上記したΔε’からΔε’までの既知
となった10個の歪み値は、図1から明らかなように、
第2の測定グループ式におけるΔε10からΔε19
での10個の各10cmの領域の歪み値にそれぞれ等し
い。つまり、Δε’=Δε 10,Δε’=Δ
ε11,Δε’=Δε12,……,Δε’=Δε
19である。
【0037】したがって、第1の測定グループ式から求
められた既知のΔε’〜Δε’を、この値に等しい
第2の測定グループ式中のΔε10〜Δε19にそれぞ
れ代入することで、Δε10’からΔε19’までの1
0個の各10cmの領域の歪みが求められる。つまり、 Δε10’=ε11−ε10+Δε’ Δε11’=ε12−ε11+Δε’ Δε12’=ε13−ε12+Δε’ : : : Δε19’=ε20−ε19+Δε’ となる。
【0038】同様にして、この求めた第2のグループ式
のΔε10’〜Δε19’は、第3の測定グループ式に
おけるΔε20からΔε29までの10個の各10cm
の領域の歪み値にそれぞれ等しいので、既知のΔ
ε10’〜Δε19’を、この値に等しい第3の測定グ
ループ式中のΔε20〜Δε29にそれぞれ代入するこ
とで、Δε20’からΔε29’までの10個の各10
cmの領域の歪みが求められる。
【0039】このように、前のグループ式で求めた10
cmの領域の10個のそれぞれの歪み値が、次のグルー
プ式中にそれぞれ存在するので、前のグループ式中の既
知の歪み値を、次のグループ式中に順次代入すること
で、次のグループ式中の10cmの領域の10個の未知
の歪み値を順次求めることができる。このようにして各
グループ式相互で連立方程式を立てて、それを解くこと
で、光ファイバ11における10cm毎の歪み値が連続
して求められることとなる。
【0040】なお、上記実施の形態では、歪み計測器1
5の最小距離分解能が1mであることから、歪み計測領
域をL=1mとしてあるが、精度および安定性が期待で
きるものがあれば、上記Lを1mより短い距離としても
よく、逆に長い距離としてもよい。また、歪み計測領域
Lを、X=10cmずつ順次ずらして計測しているが、
このずらす長さは、10cmに限るものではなく、Lを
均等に分割できる長さであれば構わない。さらに、初期
値となる既知の歪み値についても、0(零)に限るもの
ではない。また、光ファイバ11における長さL分の自
由領域Fは、構造物13より、図1中で左側であればよ
く、図1の位置に限定されるものではない。
【0041】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1の発
明によれば、光ファイバに、被測定長部分と同長でか
つ、歪み値が既知となっている自由領域を設け、この自
由領域から、光ファイバの長さ方向に沿って、被測定長
部分の長さLを所定数nで除して得たL/nの長さ分だ
け順次ずらして自由領域を含む被測定長部分の長さLの
歪みを順次計測し、この各計測値の相互に隣接する被測
定長部分の差を、自由領域側から順次算出して、L/n
の長さ分の光ファイバの歪みを連続して計測するように
したので、被測定長部分に対し、より短い領域の歪み計
測を、精度および安定度の悪化を伴うことなく、行うこ
とができる。
【0042】請求項2の発明によれば、一部が被測定物
に装着されている光ファイバの、被測定物に装着されて
いない部分に自由領域が設けられているので、光ファイ
バの歪みを計測することで、被測定物の歪みを短い領域
について、歪みゲージを用いることなく検知することが
できる。
【0043】請求項3の発明によれば、前のグループ式
で求めたL/nの領域の10個のそれぞれの歪み値が、
次のグループ式中にそれぞれ存在するので、前のグルー
プ式中の既知の歪み値を、次のグループ式中に順次代入
することで、次のグループ式中のL/nの領域の10個
の未知の歪み値を順次求めることができ、各グループ式
相互で連立方程式を立てて、それを解くことで、光ファ
イバにおけるL/nの領域毎の歪み値を容易に連続して
求めることができる。
【0044】請求項4の発明によれば、自由領域の既知
の歪み値は、初期値として0(零)に設定されているの
で、未知のL/nの領域の歪み値を容易に求めることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態に係わる光ファイバ歪
み計測方法を示す概略図である。
【図2】光ファイバ内における入射光に対する散乱光の
代表的なスペクトラム特性図である。
【図3】歪み計測器の基本構成を示すブロック図であ
る。
【図4】ブリルアン散乱光の光周波数分布特性図であ
る。
【図5】ブリルアン散乱光の波形図である。
【符号の説明】
11 光ファイバ 13 構造物(被測定物) P パルス光(測定光) L 被測定長部分の長さ F 自由領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀内 辰夫 東京都中央区日本橋浜町2−31−1 エ ヌ・ティ・ティ・インフラネット株式会社 内 Fターム(参考) 2F065 AA65 DD03 FF41 GG04 LL02 UU05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ内に所定長のパルス信号から
    なる測定光を入射させ、この入射した測定光のパルス長
    に対応した前記光ファイバの被測定長部分での反射光の
    周波数分布を解析することにより、前記被測定長部分の
    歪みを計測する光ファイバ歪み計測方法において、前記
    光ファイバに、前記被測定長部分と同長でかつ、歪み値
    が既知となっている自由領域を設け、この自由領域か
    ら、光ファイバの長さ方向に沿って、前記被測定長部分
    の長さLを所定数nで除して得たL/nの長さ分だけ順
    次ずらして前記自由領域を含む被測定長部分の長さLの
    歪みを順次計測し、この各計測値の相互に隣接する被測
    定長部分の差を、前記自由領域側から順次算出して、前
    記L/nの長さ分の光ファイバの歪みを連続して計測す
    ることを特徴とする光ファイバ歪み計測方法。
  2. 【請求項2】 光ファイバの一部を被測定物に装着し、
    この被測定物に装着していない部分の前記光ファイバに
    自由領域が設けられていることを特徴とする請求項1記
    載の光ファイバ歪み計測方法。
  3. 【請求項3】 自由領域を含むL/nずつずれた長さL
    分の歪み計測値を、前記自由領域側から順に、ε,ε
    ,ε,……ε,……とし、前記自由領域における
    測定光進行方向前方側の端部から、この前方側ヘ向かう
    長さL/nずつの歪み値を、Δε’,Δε’,Δε
    ’,……Δε’,……とし、前記自由領域における
    測定光の入射側端部から、測定光進行方向前方側へ向か
    う長さL/nずつの歪み値を、Δε,Δε,Δ
    ε,……,Δε,……とすると、 ε+Δε’=εi+1+Δε であり、この両辺を整理すると、 Δε’−Δε=εi+1−ε となる。ここで、n=10としたうえで、 Δε’−Δε=ε−ε Δε’−Δε=ε−ε Δε’−Δε=ε−ε : : : Δε’−Δε=ε10−ε を第1の測定グループ式として、この式に自由領域の既
    知の歪み値であるΔε,Δε,Δε,……,Δε
    をそれぞれ代入して未知の歪み値Δε’,Δ
    ε’,Δε’,……,Δε’を求め、この求めた
    歪み値Δε’,Δε’,Δε’,……,Δε
    を、次の第2の測定グループ式 Δε10’−Δε10=ε11−ε10 Δε11’−Δε11=ε12−ε11 Δε12’−Δε12=ε13−ε12 : : : Δε19’−Δε19=ε20−ε19 のΔε10,Δε11,Δε12,……,Δε19にそ
    れぞれ代入してΔε10’,Δε11’,Δε12’,
    ……,Δε19’を求め、以後同様にして第m(整数)
    の測定グループ式で求めた歪み値を、第m+1の測定グ
    ループ式にそれぞれ代入して、第m+1の測定グループ
    式における未知の歪み値を順次求めることを特徴とする
    請求項1または2記載の光ファイバ歪み計測方法。
  4. 【請求項4】 自由領域の歪み値は、初期値として0
    (零)に設定されていることを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載の光ファイバ歪み計測方法。
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