JP2003004080A - 塑性流動抵抗型ダンパ装置 - Google Patents
塑性流動抵抗型ダンパ装置Info
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- JP2003004080A JP2003004080A JP2001185247A JP2001185247A JP2003004080A JP 2003004080 A JP2003004080 A JP 2003004080A JP 2001185247 A JP2001185247 A JP 2001185247A JP 2001185247 A JP2001185247 A JP 2001185247A JP 2003004080 A JP2003004080 A JP 2003004080A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 大変形時だけでなく小変形時においても優れ
た制振性能を有した塑性流動抵抗型ダンパ装置を提供す
る。 【解決手段】 シリンダ1と、該シリンダ1を軸心線方
向に貫通するピストンロッド2と、該ピストンロッド2
に固着されたピストン4と、該シリンダ1内に充填され
た塑性流動体6と、該ピストン4の一側の室5Aと他側
の室5Bとを連通しており、該塑性流動体6が連通可能
なチョーク部3と、を有する塑性流動抵抗型ダンパ装置
において、該シリンダ1内に充填された塑性流動体6の
常圧での体積VEを該シリンダ内のスペースの容積VS
以上とする。
た制振性能を有した塑性流動抵抗型ダンパ装置を提供す
る。 【解決手段】 シリンダ1と、該シリンダ1を軸心線方
向に貫通するピストンロッド2と、該ピストンロッド2
に固着されたピストン4と、該シリンダ1内に充填され
た塑性流動体6と、該ピストン4の一側の室5Aと他側
の室5Bとを連通しており、該塑性流動体6が連通可能
なチョーク部3と、を有する塑性流動抵抗型ダンパ装置
において、該シリンダ1内に充填された塑性流動体6の
常圧での体積VEを該シリンダ内のスペースの容積VS
以上とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築、土木あるい
は機器などの各種の構造物における振動を減衰するため
のダンパ装置に係り、特に塑性流動抵抗型ダンパ装置に
関する。
は機器などの各種の構造物における振動を減衰するため
のダンパ装置に係り、特に塑性流動抵抗型ダンパ装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】建築、土木あるいは機器などの各種の構
造物においては、地震や風による振動を低減する目的で
ダンパ装置を設けることが行なわれている。このダンパ
装置は、構造物の変位が集中するところ(各方向に大き
な振幅が生じるところ)に装着される。この種のダンパ
装置は、減衰の対象となる変位の形態により、層間ダン
パシステム、ジョイントダンパシステム、部材内ダンパ
システムの3つに分類することができる。また、前記ダ
ンパ装置は、使用する減衰材料により、履歴型ダンパ装
置、粘性抵抗型ダンパ装置、電磁力型ダンパ装置の3つ
に分類することができる。前記履歴型ダンパ装置として
は、鋼製弾塑性ダンパ、鉛押出し型ダンパ、摩擦ダンパ
などが使用されている。また、前記粘性抵抗型ダンパ装
置としては、オイルダンパ、粘性ダンパ、粘弾性ダンパ
などが使用されている。さらに、前記電磁力型ダンパ装
置としては、磁気ダンパ、ERダンパなどが使用されて
いる。
造物においては、地震や風による振動を低減する目的で
ダンパ装置を設けることが行なわれている。このダンパ
装置は、構造物の変位が集中するところ(各方向に大き
な振幅が生じるところ)に装着される。この種のダンパ
装置は、減衰の対象となる変位の形態により、層間ダン
パシステム、ジョイントダンパシステム、部材内ダンパ
システムの3つに分類することができる。また、前記ダ
ンパ装置は、使用する減衰材料により、履歴型ダンパ装
置、粘性抵抗型ダンパ装置、電磁力型ダンパ装置の3つ
に分類することができる。前記履歴型ダンパ装置として
は、鋼製弾塑性ダンパ、鉛押出し型ダンパ、摩擦ダンパ
などが使用されている。また、前記粘性抵抗型ダンパ装
置としては、オイルダンパ、粘性ダンパ、粘弾性ダンパ
などが使用されている。さらに、前記電磁力型ダンパ装
置としては、磁気ダンパ、ERダンパなどが使用されて
いる。
【0003】本発明は、特に、上記粘性抵抗型ダンパ装
置の一種である塑性流動抵抗型のダンパ装置に係わるも
のである。
置の一種である塑性流動抵抗型のダンパ装置に係わるも
のである。
【0004】この塑性流動抵抗型ダンパ装置は、シリン
ダと、該シリンダを貫通するピストンロッドと、該ピス
トンロッドに固着されたピストンと、該シリンダ内に充
填された塑性流動体とを備えている。通常の塑性流動抵
抗型ダンパ装置にあっては、ピストンの外周面とシリン
ダの内周面との間にチョーク部と称される小間隙があい
ており、ピストンの一側と他側とが該チョーク部を介し
て連通している。ピストンロッドに対しその軸心線方向
に振動が加えられると、シリンダ内の一方の室(ピスト
ンの一側の室)内の塑性流動体が該チョーク部を介して
他方の室に移動し、この移動に際しての塑性流動体の塑
性変形(流動抵抗)により振動が減衰される。
ダと、該シリンダを貫通するピストンロッドと、該ピス
トンロッドに固着されたピストンと、該シリンダ内に充
填された塑性流動体とを備えている。通常の塑性流動抵
抗型ダンパ装置にあっては、ピストンの外周面とシリン
ダの内周面との間にチョーク部と称される小間隙があい
ており、ピストンの一側と他側とが該チョーク部を介し
て連通している。ピストンロッドに対しその軸心線方向
に振動が加えられると、シリンダ内の一方の室(ピスト
ンの一側の室)内の塑性流動体が該チョーク部を介して
他方の室に移動し、この移動に際しての塑性流動体の塑
性変形(流動抵抗)により振動が減衰される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この塑性流動抵抗型ダ
ンパ装置にあっては、上記の通り、ピストンとシリンダ
との間のチョーク部を塑性流動体が通過するときの流動
抵抗により振動が減衰されるのであるが、種々の研究の
結果、この減衰特性はシリンダ内への塑性流動体の充填
率に大きく影響されることが見出された。具体的には、
塑性流動体の充填圧力と振動の振幅と、振動減衰特性と
の間には密接な関係があることが見出された。
ンパ装置にあっては、上記の通り、ピストンとシリンダ
との間のチョーク部を塑性流動体が通過するときの流動
抵抗により振動が減衰されるのであるが、種々の研究の
結果、この減衰特性はシリンダ内への塑性流動体の充填
率に大きく影響されることが見出された。具体的には、
塑性流動体の充填圧力と振動の振幅と、振動減衰特性と
の間には密接な関係があることが見出された。
【0006】本発明は各種の条件下でも優れた振動減衰
特性を示す塑性流動抵抗型ダンパ装置を提供することを
目的とする。
特性を示す塑性流動抵抗型ダンパ装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の塑性流動抵抗型
ダンパ装置は、シリンダと、該シリンダを軸心線方向に
貫通するピストンロッドと、該ピストンロッドに固着さ
れたピストンと、該シリンダ内に充填された塑性流動体
と、該ピストンの一側と他側とを連通しており、該塑性
流動体が連通可能な連通部と、を有する塑性流動抵抗型
ダンパ装置において、該シリンダ内に充填された塑性流
動体の常圧での体積VEは該シリンダ内のスペースの容
積VS以上であることを特徴とするものである。
ダンパ装置は、シリンダと、該シリンダを軸心線方向に
貫通するピストンロッドと、該ピストンロッドに固着さ
れたピストンと、該シリンダ内に充填された塑性流動体
と、該ピストンの一側と他側とを連通しており、該塑性
流動体が連通可能な連通部と、を有する塑性流動抵抗型
ダンパ装置において、該シリンダ内に充填された塑性流
動体の常圧での体積VEは該シリンダ内のスペースの容
積VS以上であることを特徴とするものである。
【0008】かかる塑性流動抵抗型ダンパ装置は、振幅
の大小にあまり影響されることなく優れた振動減衰特性
を示す。即ち、充填された塑性流動体の常圧での体積V
Eとシリンダ内のスペースの容積VSとの比VE/VS
が1.0以上であると十分な振動減衰特性が得られる。
の大小にあまり影響されることなく優れた振動減衰特性
を示す。即ち、充填された塑性流動体の常圧での体積V
Eとシリンダ内のスペースの容積VSとの比VE/VS
が1.0以上であると十分な振動減衰特性が得られる。
【0009】VE/VSが1.0よりも小さいと、振幅
が大きいときには十分な振動減衰特性を発揮するが、振
幅が小さいときには吸収エネルギー量が著しく低くな
り、塑性流動抵抗型ダンパ装置の制振特性が低いものと
なる。
が大きいときには十分な振動減衰特性を発揮するが、振
幅が小さいときには吸収エネルギー量が著しく低くな
り、塑性流動抵抗型ダンパ装置の制振特性が低いものと
なる。
【0010】このVE/VSの値は、25℃において
1.01〜1.03であることが望ましい。
1.01〜1.03であることが望ましい。
【0011】本発明の塑性流動抵抗型ダンパ装置では、
その使用下限温度(例えば−30℃)においてもVEが
VS以上であること(VE/VSが1.0以上であるこ
と)が好ましい。これにより、使用温度に関わりなく、
微小振動時でも十分な制振効果が発揮される。
その使用下限温度(例えば−30℃)においてもVEが
VS以上であること(VE/VSが1.0以上であるこ
と)が好ましい。これにより、使用温度に関わりなく、
微小振動時でも十分な制振効果が発揮される。
【0012】なお、使用温度が上昇すると、シリンダ内
部の塑性流動体が熱膨張し、塑性流動体の内圧が増大す
る。
部の塑性流動体が熱膨張し、塑性流動体の内圧が増大す
る。
【0013】本発明の塑性流動抵抗型ダンパ装置では、
その使用上限温度(例えば+80℃)においてもシリン
ダ内部圧力が極端に大きくならないようにするために、
使用上限温度におけるVE/VS比が1.02〜1.0
6であることが望ましい。
その使用上限温度(例えば+80℃)においてもシリン
ダ内部圧力が極端に大きくならないようにするために、
使用上限温度におけるVE/VS比が1.02〜1.0
6であることが望ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を説明する。図1(a)は本発明の実施の形態に
係る塑性流動抵抗型のダンパ装置の長手方向の縦断面図
であり、図1(b)は図1(a)のB−B線に沿う断面
図である。
の形態を説明する。図1(a)は本発明の実施の形態に
係る塑性流動抵抗型のダンパ装置の長手方向の縦断面図
であり、図1(b)は図1(a)のB−B線に沿う断面
図である。
【0015】中空円筒形のシリンダ1の内部を通してピ
ストンロッド2が挿通され、該ピストンロッド2にはシ
リンダ1の内径との間にチョーク部(狭隘部)3を形成
するピストン4が固着されている。シリンダ1とピスト
ンロッド2との間に形成されるシリンダ室5内には塑性
流動体6が収容(充填)されている。この塑性流動体6
としては、例えば未加硫ゴムやシリコンゴムなどが使用
される。前記シリンダ室5は前記ピストン4により両側
のシリンダ室5A、5Bに区分されており、これらのシ
リンダ室5A、5Bは前記チョーク部3を通して連通し
ている。前記塑性流動体6は、これらのシリンダ室5
A、5B及び前記チョーク部3内の空間に収容されてい
る。
ストンロッド2が挿通され、該ピストンロッド2にはシ
リンダ1の内径との間にチョーク部(狭隘部)3を形成
するピストン4が固着されている。シリンダ1とピスト
ンロッド2との間に形成されるシリンダ室5内には塑性
流動体6が収容(充填)されている。この塑性流動体6
としては、例えば未加硫ゴムやシリコンゴムなどが使用
される。前記シリンダ室5は前記ピストン4により両側
のシリンダ室5A、5Bに区分されており、これらのシ
リンダ室5A、5Bは前記チョーク部3を通して連通し
ている。前記塑性流動体6は、これらのシリンダ室5
A、5B及び前記チョーク部3内の空間に収容されてい
る。
【0016】前記ピストンロッド2の先端部(図1中の
左端部)には、該ピストンロッドを一方の構造物(不図
示)に連結するためのピストンロッド取付部材7が設け
られている。このピストンロッド取付部材7は、該部材
7に形成された雌ねじにピストンロッド2の先端部に形
成された雄ねじをねじ込むとともにロックナット8を締
結することにより、該ピストンロッド2に対して軸方向
位置調節可能に固定されている。
左端部)には、該ピストンロッドを一方の構造物(不図
示)に連結するためのピストンロッド取付部材7が設け
られている。このピストンロッド取付部材7は、該部材
7に形成された雌ねじにピストンロッド2の先端部に形
成された雄ねじをねじ込むとともにロックナット8を締
結することにより、該ピストンロッド2に対して軸方向
位置調節可能に固定されている。
【0017】このピストンロッド取付部材7には、ダン
パ装置を一方の構造物に取付けるための取付け孔17が
形成されている。前記シリンダ1の反対側端部(図1中
の右側端部)には、該シリンダ1を他方の構造物(不図
示)に連結するためのシリンダ取付部材9が固定されて
いる。このシリンダ取付部材9には、ダンパ装置を他方
の構造物に取付けるための取付け孔18が形成されてい
る。
パ装置を一方の構造物に取付けるための取付け孔17が
形成されている。前記シリンダ1の反対側端部(図1中
の右側端部)には、該シリンダ1を他方の構造物(不図
示)に連結するためのシリンダ取付部材9が固定されて
いる。このシリンダ取付部材9には、ダンパ装置を他方
の構造物に取付けるための取付け孔18が形成されてい
る。
【0018】前記シリンダ1の図1中の左側端部には、
前記塑性流動体6を前記シリンダ室5内に収容保持する
ための第1のシリンダ室端面部材10が位置決め固定さ
れている。この第1のシリンダ室端面部材10はシリン
ダ1の内径部に嵌合された後溶接又は蝋付けで位置決め
固定されている。また、前記シリンダ1の図1中の右側
端部には、前記塑性流動体6を前記シリンダ室5内に収
容保持するための第2のシリンダ室端面部材11が位置
決め固定されている。この第2のシリンダ室端面部材1
1は前記シリンダ取付部材9と一体の部材つまり該シリ
ンダ取付部材9の一部で形成されている。該第2のシリ
ンダ室端面部材11(すなわちシリンダ取付部材9)
は、シリンダ1の内径部に嵌合された後溶接又は蝋付け
で該シリンダ1に対して位置決め固定されている。この
場合、前記第1及び第2のシリンダ室端面部材10及び
11の外径部に形成した雄ねじ部を前記シリンダ1の両
端部に形成した雌ねじ部にねじ込んで嵌合してもよい。
前記塑性流動体6を前記シリンダ室5内に収容保持する
ための第1のシリンダ室端面部材10が位置決め固定さ
れている。この第1のシリンダ室端面部材10はシリン
ダ1の内径部に嵌合された後溶接又は蝋付けで位置決め
固定されている。また、前記シリンダ1の図1中の右側
端部には、前記塑性流動体6を前記シリンダ室5内に収
容保持するための第2のシリンダ室端面部材11が位置
決め固定されている。この第2のシリンダ室端面部材1
1は前記シリンダ取付部材9と一体の部材つまり該シリ
ンダ取付部材9の一部で形成されている。該第2のシリ
ンダ室端面部材11(すなわちシリンダ取付部材9)
は、シリンダ1の内径部に嵌合された後溶接又は蝋付け
で該シリンダ1に対して位置決め固定されている。この
場合、前記第1及び第2のシリンダ室端面部材10及び
11の外径部に形成した雄ねじ部を前記シリンダ1の両
端部に形成した雌ねじ部にねじ込んで嵌合してもよい。
【0019】前記ピストンロッド2の図1中の右側部分
(前記ピストンロッド取付部材7の反対側部分)は、シ
リンダ1の外方に延び出しており、その延び出し部分は
前記シリンダ取付部材9に形成された中心孔12により
摺動自在に嵌合支持されている。前記第1のシリンダ室
端面部材10の内径部には、ピストンロッド2の摺動面
を封止するためのシール材13と該シール材13を位置
決め保持するための保持部材(リテーナ)14が装着さ
れている。同様に、前記第2のシリンダ室端面部材11
(本実施例ではシリンダ取付部材9の左端部分に形成さ
れている)の内径部にも、ピストンロッド2の摺動面を
封止するためのシール材15と該シール材15を位置決
め保持するための保持部材(リテーナ)16が装着され
ている。
(前記ピストンロッド取付部材7の反対側部分)は、シ
リンダ1の外方に延び出しており、その延び出し部分は
前記シリンダ取付部材9に形成された中心孔12により
摺動自在に嵌合支持されている。前記第1のシリンダ室
端面部材10の内径部には、ピストンロッド2の摺動面
を封止するためのシール材13と該シール材13を位置
決め保持するための保持部材(リテーナ)14が装着さ
れている。同様に、前記第2のシリンダ室端面部材11
(本実施例ではシリンダ取付部材9の左端部分に形成さ
れている)の内径部にも、ピストンロッド2の摺動面を
封止するためのシール材15と該シール材15を位置決
め保持するための保持部材(リテーナ)16が装着され
ている。
【0020】この実施の形態においては、前記ピストン
ロッド2とピストン4は別体の部品として加工(製造)
され、該ピストン4を該ピストンロッド2の所定位置に
嵌合した後、該ピストン4は溶接又は蝋付けにより該ピ
ストンロッド2に位置決め固定されている。この場合、
前記ピストン4に形成した雌ねじ部を前記ピストンロッ
ド2に形成した雄ねじ部にねじ込んで嵌合してもよい。
ロッド2とピストン4は別体の部品として加工(製造)
され、該ピストン4を該ピストンロッド2の所定位置に
嵌合した後、該ピストン4は溶接又は蝋付けにより該ピ
ストンロッド2に位置決め固定されている。この場合、
前記ピストン4に形成した雌ねじ部を前記ピストンロッ
ド2に形成した雄ねじ部にねじ込んで嵌合してもよい。
【0021】以上説明したダンパ装置は、地震や風など
の加振力により相対変位(振動)する2つの構造物のそ
れぞれに前記ピストンロッド取付部材7と前記シリンダ
取付部材9を連結して使用されるものである。
の加振力により相対変位(振動)する2つの構造物のそ
れぞれに前記ピストンロッド取付部材7と前記シリンダ
取付部材9を連結して使用されるものである。
【0022】本発明のダンパ装置は、例えば、2つの建
物(構造物)の間に取付けて使用するジョイントダンパ
システムに用いることができる。また、本発明のダンパ
装置は、例えば建物の層間にブレース状に斜めに配設さ
れ、層間変位振動を吸収させることができる。
物(構造物)の間に取付けて使用するジョイントダンパ
システムに用いることができる。また、本発明のダンパ
装置は、例えば建物の層間にブレース状に斜めに配設さ
れ、層間変位振動を吸収させることができる。
【0023】このように構成された塑性流動抵抗型ダン
パ装置に対し振動が加えられ、ピストン4がシリンダ1
に対して移動すると、シリンダ1とピストンロッド2と
の間に形成されるシリンダ室5内に収容された塑性流動
体6が前記チョーク部3を通して前記ピストン4で区分
されたシリンダ室5A、5B間を移動し、この際の塑性
流動体6の塑性流動抵抗(内部損失)により振動を吸収
し、それによって振動を減衰する。
パ装置に対し振動が加えられ、ピストン4がシリンダ1
に対して移動すると、シリンダ1とピストンロッド2と
の間に形成されるシリンダ室5内に収容された塑性流動
体6が前記チョーク部3を通して前記ピストン4で区分
されたシリンダ室5A、5B間を移動し、この際の塑性
流動体6の塑性流動抵抗(内部損失)により振動を吸収
し、それによって振動を減衰する。
【0024】すなわち、シリンダ1内の塑性流動体6の
容積は一定であるので、ピストン4とシリンダ1が相対
的に移動すると、塑性流動体6はピストン4の外径面と
シリンダ1の内径面との間のチョーク部(狭隘部)3を
通過して移動する。このとき、ピストン4の外径面に作
用する剪断応力(塑性流動抵抗)が減衰力として作用す
る。この減衰力の大きさは、同一塑性流動体のもとで
は、チョーク部3の隙間寸法、ピストン4の外径面の面
積、ピストン4の移動速度などによって変化する。
容積は一定であるので、ピストン4とシリンダ1が相対
的に移動すると、塑性流動体6はピストン4の外径面と
シリンダ1の内径面との間のチョーク部(狭隘部)3を
通過して移動する。このとき、ピストン4の外径面に作
用する剪断応力(塑性流動抵抗)が減衰力として作用す
る。この減衰力の大きさは、同一塑性流動体のもとで
は、チョーク部3の隙間寸法、ピストン4の外径面の面
積、ピストン4の移動速度などによって変化する。
【0025】塑性流動体6を減衰材として用いることに
より、鉛押し出し型ダンパ装置と比較して、緩速変形時
の抵抗が小さい。また、減衰力の発現は塑性流動体6が
前記チョーク部(狭隘部)3を通過するときの抵抗によ
るので、減衰力の温度依存性が小さい。
より、鉛押し出し型ダンパ装置と比較して、緩速変形時
の抵抗が小さい。また、減衰力の発現は塑性流動体6が
前記チョーク部(狭隘部)3を通過するときの抵抗によ
るので、減衰力の温度依存性が小さい。
【0026】本発明では、シリンダ1内に充填された塑
性流動体6の常圧における体積VEは、シリンダ1内の
スペースの容積(即ち、シリンダ1の内容積からピスト
ン4の体積及びシリンダ1内のピストンロッド2の体積
を減じた容積)VS以上としている。即ち、VE/VS
≧1.0である。このようにすることにより、微小振幅
時のループの乱れによるエネルギー吸収特性の劣化を防
止することができる。
性流動体6の常圧における体積VEは、シリンダ1内の
スペースの容積(即ち、シリンダ1の内容積からピスト
ン4の体積及びシリンダ1内のピストンロッド2の体積
を減じた容積)VS以上としている。即ち、VE/VS
≧1.0である。このようにすることにより、微小振幅
時のループの乱れによるエネルギー吸収特性の劣化を防
止することができる。
【0027】本発明では、塑性流動抵抗型ダンパ装置の
使用温度が下限(例えば−30℃)にまで低下して塑性
流動体が最も収縮した状態になっても、VE/VS≧
1.0であるようにする。VE/VS≧1.0とするこ
とにより、塑性流動体6は通常はシリンダ1内に加圧充
填されていることになる。本発明では、塑性流動抵抗型
ダンパ装置の使用温度が上限(例えば+80℃)にまで
上昇し、塑性流動体6が最も膨張した状態になっても、
シリンダ内の塑性流動体6の圧力が過大とならないよう
にするのが望ましく、好ましくは使用上限温度において
もVE/VSが1.1以下特に1.02〜1.06であ
るようにするのが望ましい。常温(25℃)では、VE
/VSは1.01〜1.06特に1.01〜1.03で
あることが好ましい。
使用温度が下限(例えば−30℃)にまで低下して塑性
流動体が最も収縮した状態になっても、VE/VS≧
1.0であるようにする。VE/VS≧1.0とするこ
とにより、塑性流動体6は通常はシリンダ1内に加圧充
填されていることになる。本発明では、塑性流動抵抗型
ダンパ装置の使用温度が上限(例えば+80℃)にまで
上昇し、塑性流動体6が最も膨張した状態になっても、
シリンダ内の塑性流動体6の圧力が過大とならないよう
にするのが望ましく、好ましくは使用上限温度において
もVE/VSが1.1以下特に1.02〜1.06であ
るようにするのが望ましい。常温(25℃)では、VE
/VSは1.01〜1.06特に1.01〜1.03で
あることが好ましい。
【0028】
【発明の効果】以上の通り、本発明によると、大変形時
だけでなく小変形時においても優れた制振性能を有した
塑性流動抵抗型ダンパ装置が提供される。
だけでなく小変形時においても優れた制振性能を有した
塑性流動抵抗型ダンパ装置が提供される。
【図1】図1(a)は本発明の実施の形態に係る塑性流
動抵抗型のダンパ装置の長手方向の縦断面図であり、図
1(b)は図1(a)のB−B線に沿う断面図である。
動抵抗型のダンパ装置の長手方向の縦断面図であり、図
1(b)は図1(a)のB−B線に沿う断面図である。
1 シリンダ
2 ピストンロッド
3 チョーク部
4 ピストン
5(5A,5B) シリンダ室
6 塑性流動体
7 ピストンロッド取付部材
8 ロックナット
9 シリンダ取付部材
10,11 シリンダ室端面部材
Claims (6)
- 【請求項1】 シリンダと、 該シリンダを軸心線方向に貫通するピストンロッドと、 該ピストンロッドに固着されたピストンと、 該シリンダ内に充填された塑性流動体と、 該ピストンの一側と他側とを連通しており、該塑性流動
体が連通可能な連通部と、を有する塑性流動抵抗型ダン
パ装置において、 該シリンダ内に充填された塑性流動体の常圧での体積V
Eは該シリンダ内のスペースの容積VS以上であること
を特徴とする塑性流動抵抗型ダンパ装置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記塑性流動体の常
圧での体積VEは、該塑性流動抵抗型ダンパ装置の使用
下限温度においても前記スペースの容積VS以上である
ことを特徴とする塑性流動抵抗型ダンパ装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2において、前記塑性流動
体の常圧での体積V Eと前記スペースの容積VSとの比
VE/VSは、25℃において1.01〜1.03であ
ることを特徴とする塑性流動抵抗型ダンパ装置。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
て、前記塑性流動体の常圧での体積VEと前記スペース
の容積VSとの比VE/VSは、該塑性流動抵抗型ダン
パ装置の使用上限温度において1.02〜1.06であ
ることを特徴とする塑性流動抵抗型ダンパ装置。 - 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
て、前記塑性流動体は未加硫ゴム又はシリコンゴムであ
ることを特徴とする塑性流動抵抗型ダンパ装置。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項におい
て、前記連通部は、前記ピストンの外周面とシリンダの
内周面との間の間隙部よりなることを特徴とする塑性流
動抵抗型ダンパ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001185247A JP2003004080A (ja) | 2001-06-19 | 2001-06-19 | 塑性流動抵抗型ダンパ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001185247A JP2003004080A (ja) | 2001-06-19 | 2001-06-19 | 塑性流動抵抗型ダンパ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003004080A true JP2003004080A (ja) | 2003-01-08 |
Family
ID=19024861
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001185247A Pending JP2003004080A (ja) | 2001-06-19 | 2001-06-19 | 塑性流動抵抗型ダンパ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003004080A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013194887A (ja) * | 2012-03-22 | 2013-09-30 | Ckd Corp | ショックアブソーバ |
CN110924288A (zh) * | 2019-11-13 | 2020-03-27 | 株洲时代新材料科技股份有限公司 | 一种黏滞阻尼器 |
-
2001
- 2001-06-19 JP JP2001185247A patent/JP2003004080A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013194887A (ja) * | 2012-03-22 | 2013-09-30 | Ckd Corp | ショックアブソーバ |
CN110924288A (zh) * | 2019-11-13 | 2020-03-27 | 株洲时代新材料科技股份有限公司 | 一种黏滞阻尼器 |
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