JP2003002674A - ガラス板の分割方法 - Google Patents
ガラス板の分割方法Info
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Abstract
する際に、アライメントマークを設けずにガラス板の両
面から正確に分割できるガラス板の分割方法を提供す
る。 【解決手段】 ガラス板10の反射防止膜12が設けら
れている面に第1ダイシング溝31を形成し、第1ダイ
シング溝31を形成した面に粘着テープ22を貼着し、
粘着テープ22が貼着されているガラス板10に光を照
射し、ガラス板10からの反射光又は透過光により第1
ダイシング溝31の位置を検出し、ガラス板10の第1
ダイシング溝31を形成した反対側の面に第1ダイシン
グ溝31に沿って第2ダイシング溝32を形成して分割
する。
Description
法に関し、特に、反射防止膜が設けられているガラス板
をチッピングを発生させずに分割できるガラス板の分割
方法に関する。
壁面に拡大投射するための液晶プロジェクターが汎用さ
れている。図4に示すように、液晶プロジェクター40
0は、光源410の光を赤R、緑G、青Bの三原色に分
光し、それぞれの光を同じ液晶画面が表示されるライト
バルブ420と呼ばれる液晶表示装置に通し、ライトバ
ルブ420を通ったそれぞれの光を合成し、投射レンズ
430で投射するものである。
ルブ420の構造の一例を図5に示す。このライトバル
ブ420は、四角筒状のケース421内に、液晶表示装
置として、入射側に対向基板422、出射側にTFT液
晶基板423が配置され、フレキシブル配線424がケ
ース外と液晶表示装置を接続している。対向基板422
の入射側表面に防塵カバーガラス425が接着され、T
FT液晶基板423の出射側の面にも防塵カバーガラス
425が接着されている。ケース421には入射側の開
口部をやや狭める見切り426が設けられている。見切
り426は、外周部のコントラストの向上、配線部の光
漏れを防止のために設けられている。
板422とTFT基板423の外面に付着するとゴミが
拡大投影表示されてしまうのを防止するため、ゴミを液
晶表示面から離間させてアウトフォーカスとすることに
よって、ゴミの付着を目立たなくする機能を有する。そ
のため、防塵カバーガラス425は、厚みが1.1mm
程度と厚くなっており、TFT液晶基板423や対向基
板422に用いられているガラスと同じ材質の石英ガラ
スやネオセラムのようなガラスが用いられる。また、光
線透過量を良好にするために、外面に反射防止膜が設け
られている。
ースとなるガラス基板に反射防止膜を真空蒸着で形成し
た後、ガラス基板の一方の面に粘着テープを貼着し、ダ
イシングブレードで所定のカッティングラインに沿って
ガラス基板を粘着テープに達するように切断し、複数の
区画に分割して、所定の形状の防塵カバーガラスを切り
出して得るものである。
ドで1回で切断する方法は、ガラス基板の切断面にチッ
ピングが発生し、切断面に欠けが生じ、不良になってし
まうという問題がある。
CD用のガラス板のカットをする際に、1回目のダイシ
ングでガラス基板にある程度溝を形成し、溝を形成した
面に粘着テープを貼り、反対側から2回目のダイシング
で1回目で形成した溝に達する溝を形成して両面からガ
ラス板を切断する方法が提案されている。
バーガラスは、LCD用のガラス基板と異なり、単に反
射防止膜が形成されたガラス板であり、ガラス板自体に
位置合わせ用の目印となるものが形成されていないた
め、2回目のダイシングを行う際に、1回目のダイシン
グで形成した溝の位置を検出することが困難で、正確な
ダイシングが困難であるという問題がある。
位置合わせ用のアライメントマークを設け、このアライ
メントマークを基準として1回目と2回目のダイシング
を行うことも可能であるが、アライメントマークを設け
た部分のガラスは製品として使えないため、歩留まりが
悪くなるという問題がある。
で、反射防止膜のみが設けられたガラス板を分割する際
に、アライメントマークを設けずにガラス板の両面から
正確に分割できるガラス板の分割方法を提供することを
目的とする。
達成するため、鋭意検討を重ねた結果、反射防止膜に粘
着テープを貼着すると、反射防止膜はその機能を失って
かえって増反射膜となり、反射防止膜がある部分とない
部分との差が明確になることを知見した。そして、1回
目のダイシングで反射防止膜が設けられている側に溝を
設け、ダイシングを行った反射防止膜が設けられている
面に粘着テープを貼着し、ガラス板に光を照射し、その
反射光又は透過光から1回目のダイシングで設けた溝に
よって反射防止膜が削られているためにこの溝を明瞭に
検出でき、反対面から正確に2回目のダイシングを行う
ことができることを見い出した。
シングで設けた溝を光学的に検出してアライメントマー
クとして利用するため、位置合わせ用のアライメントマ
ークは特に必要がなく、製造の歩留まりを向上させるこ
とができる。
れているガラス板を分割して得られた分割ガラス板は、
ガラス板に反射防止膜が設けられているだけであるた
め、一見しただけではどちらの面に反射防止膜が設けら
れているかの判定が困難である。そのため、ライトバル
ブを組み立てるときの目印として、ダイシングブレード
で表裏識別標識を設けることが有効である。
板の少なくとも一面側に反射防止膜が設けられたガラス
板の前記反射防止膜が設けられている面に所定のカッテ
ィングラインに沿って前記ガラス基板の厚さ未満の深さ
の第1ダイシング溝を形成する第1ダイシング工程と、
前記ガラス板の前記第1ダイシング溝を形成した面に粘
着テープを貼着する貼着工程と、前記ガラス板の前記第
1ダイシング溝を形成した反対側の面に前記第1ダイシ
ング溝に沿って第2ダイシング溝を形成し、前記ガラス
板を前記カッティングラインに沿って分割する第2ダイ
シング工程とを有することを特徴とするガラス板の分割
方法を提供する。
ラス板の分割方法において、前記第2ダイシング工程前
に、前記粘着テープが貼着されているガラス板に光を照
射し、ガラス板からの反射光又は透過光により前記第1
ダイシング溝の位置を検出する検出工程を有することを
特徴とするガラス板の分割方法を提供する。
ラス板の分割方法において、前記ガラス板に位置合わせ
の基準となるアライメントマークが設けられていないこ
とを特徴とするガラス板の分割方法を提供する。
ラス板の分割方法において、前記ガラス基板の一方の面
にのみ反射防止膜が設けられたガラス板を分割する際
に、前記第1ダイシング溝又は第2ダイシング溝を形成
したダイシングブレードを用いてガラス板表面に反射防
止膜が設けられている面を示す表裏識別標識を形成する
ことを特徴とするガラス板の分割方法を提供する。
法の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実
施の形態に限定されるものではない。
ラス基板の少なくとも一面側に反射防止膜が設けられた
ガラス板の反射防止膜が設けられている面に第1ダイシ
ング溝を形成する第1ダイシング工程、第1ダイシング
溝を形成した面に粘着テープを貼着する貼着工程、粘着
テープが貼着されているガラス板に光を照射し、ガラス
板からの反射光又は透過光により第1ダイシング溝の位
置を検出する検出工程、ガラス板の第1ダイシング溝を
形成した反対側の面に第1ダイシング溝に沿って第2ダ
イシング溝を形成し、ガラス板をカッティングラインに
沿って分割する第2ダイシング工程を有する。
ベースとなるガラス板としては、ガラス基板の少なくと
も一面側に反射防止膜が形成されている必要がある。典
型的には、液晶プロジェクターのライトバルブに用いら
れている防塵カバーガラスを製造するためのガラス板で
あり、ガラス基板の一方の面にのみ反射防止膜が設けら
れているガラス板を例示することができる。その他に、
CRTや液晶表示装置の前面板などを例示することがで
きる。この場合、反射防止膜はガラス基板の両面に設け
られていてもよく、また、ハードコート膜等が反射防止
膜とガラス基板との間に介在していてもよい。ガラス基
板は、ライトバルブなどに用いる場合は熱膨張率が小さ
い石英ガラスやホウケイ酸ガラスを用いるが、通常のソ
ーダ石灰ガラスや無アルカリガラス等でもよい。反射防
止膜は、単層又は多層の有機膜又は無機膜で構成される
が、特に限定されるものではない。防塵カバーガラスを
得るためのガラス板には、反射防止膜が設けられている
他は、位置合わせの基準となるアライメントマークは設
けられていない。
実施形態を示すフローチャートである。このフローチャ
ートでは、ガラス板10として、ガラス基板11の一面
側にのみ反射防止膜12が設けられているものを用いて
いる。
板11の反射防止膜12が設けられている面と反対面に
第1粘着テープ21を粘着剤層211を介して貼着する
第1貼着工程を行う。この第1粘着テープ21として
は、粘着剤層211が通常は強力な粘着力を有するが、
例えば紫外線、電子線等を照射することにより、硬化し
て粘着力が大幅に低下し、剥離し易くできる特性を有す
るものを用いることが好ましい。
ッティングラインに沿って反射防止膜12が設けられて
いる面に対して図示しないダイシングブレードを用いて
第1ダイシング溝31を設ける第1ダイシング工程を行
う。この第1ダイシング溝31の深さは、ガラス板10
を切断しないように、ガラス板10の厚さ未満とする。
テープ21に紫外線等を照射し、粘着剤層211を硬化
させて粘着力を低下させる。そして、第1粘着テープ2
1と同様の特性を有する第2粘着テープ22を反射防止
膜12の上に粘着剤層221を介して貼着した後、第1
粘着テープ21を剥離する第2貼着工程を行う。
工程を行う時のガラス板10を示している。図1(c)
に示すように、ガラス板10には、第1ダイシング溝3
1が設けられ、その部分で反射防止膜12が消失してい
る。反射防止膜12には、第2粘着テープ22が粘着剤
層221を介して貼着されている。
を抑制して透過光量を多くするように設計されている。
反射防止膜12は、空気側からガラス基板11に光が入
射するときに空気側への反射を抑制する場合と、ガラス
基板11を通過した光が空気側に抜けていくときに、ガ
ラス基板11側への反射を抑制する場合の両方に有効で
ある。ところが、反射防止膜12の表面に第2粘着テー
プ22の粘着剤層221が密着していると、粘着剤層2
21は空気より屈折率が高いために、反射防止膜12は
反射防止膜としての機能が失われ、かえって反射防止膜
がない場合よりも反射が増加し、増反射膜として機能す
る。
止膜の反射率の分光スペクトルを示すグラフである。実
線は粘着テープが貼着されていない空気との界面を有す
る場合の反射率(%)を示し、破線は粘着テープを貼着
した場合の反射率を示している。粘着テープを貼着する
ことによって反射率が顕著に増加している。400nm
から700nmの分光反射率の平均値は、空気に対して
0.62%であるが、粘着テープを貼着した場合は3.
17%と増加する。
した第1ダイシング溝31の検出を行うには、第2粘着
テープ22を反射防止膜12の上に貼着したガラス基板
11に対して、第2ダイシング溝を設けるアンカット面
側から又は粘着テープ22側からガラス基板12に対し
て垂直方向の光を照射し、その反射光又は透過光を例え
ばCCDカメラ等の撮像手段で撮像する。
2での反射量が第1ダイシング溝31の部分より多く、
第1ダイシング溝31の部分で暗くなるため、第1ダイ
シング溝31を暗部として検出することができる。ま
た、透過光が撮像された画像は、反射防止膜12が存在
する部分で反射が大きく、透過光量が少なくなってお
り、一方第1ダイシング溝31の部分で反射量が少な
く、透過光量が多いため、第1ダイシング溝31の部分
で周囲より明るくなり、第1ダイシング溝31を明部と
して検出することができる。このようなCCD画像を例
えば2値化処理して第1ダイシング溝31の位置をコン
ピュータで演算することができる。
検出した第1ダイシング溝31に対応するガラス基板1
1の対向面をダイシングブレードで第1ダイシング溝3
1と正確に重なる第2ダイシング溝32を形成し、第1
ダイシング溝31と第2ダイシング溝32とを連通させ
て、ガラス基板11を分割する第2ダイシング工程を行
う。
照射し、粘着剤層221を硬化させて粘着剤層221の
粘着力を弱め、粘着テープ22から分割した各分割ガラ
ス板100を剥離する。その後、分割ガラス板100の
寸法検査、洗浄等を行って製品として出荷する。
板10を両面から溝を形成して切断しているため、切断
面に欠けが生じ難く、不良品の発生を抑制し、歩留まり
を向上させることができる。
グを行っていないため、粘着テープの粘着剤がダイシン
グブレードに付着し、ガラスの切削片の付着によるガラ
ス基板11への損傷及び汚れ等の不都合が生じない。
的に読み取り、第1ダイシング溝31をアライメントマ
ークとして利用するので、ガラス基板11には正確に位
置合わせするためのアライメントマークを形成しなくて
もよい。そのため、アライメントマークを形成した部分
の無駄がなく、ベースとなったガラス板10の全体を分
割して製品化することが可能であり、歩留まりが良く、
生産コストを低減することができる。
2ダイシング溝32とも断面矩形のダイシングブレード
で形成し、切断面を垂直方向に形成しているが、ダイシ
ング溝の形状は問わず、例えばV字状の溝であってもよ
く、第1ダイシング溝31の幅と第2ダイシング溝32
の幅とが異なっていてもよい。
けられていても、第1ダイシング溝を光学的に検出する
方法には影響がないため、反射防止膜はガラス基板の両
面に設けられていてもよい。
ラス板に形成する表裏識別標識について説明する。
420に用いられる防塵カバーガラス425には、一方
の面にのみ反射防止膜が設けられており、ライトバルブ
420を組み立てる際にガラス基板11の反射防止膜1
2が設けられていない方の面を液晶表示装置の対向電極
422又はTFT液晶基板423面に接着剤で貼り付け
る。防塵カバーガラスを貼り付ける際に、平らな矩形状
の透明ガラス板である防塵カバーガラスのどちらの面に
反射防止膜が形成されているかを目視で判定することは
困難である。そのため、本実施形態のガラス板の分割方
法では、ガラス板に表裏識別標識を形成し、反射防止膜
が設けられている面を識別できるようにしている。
に沿って第1ダイシング溝を設けると共に、表裏識別標
識を設けた例を示しており、(a)は平面図、(b)は
一部の断面図である。
ように、ガラス板10の反射防止膜12を設けた面と反
対面に第1粘着テープ21が貼着され、図1(b)に示
したと同じ方法でガラス板10にダイシングブレードを
用いて第1ダイシング溝31が形成され、更に、同じダ
イシングブレードを用いて、表裏識別標識として、ガラ
ス板10表面を削った浅い表裏識別溝41が形成されて
いる。
に、ガラス板10の縦方向に延伸する第1ダイシング溝
31a及び右側縁をそのままわずかに図面左側に平行移
動した位置に設けられた縦方向表裏識別溝41aと、ガ
ラス基板11の幅方向に延伸する第1ダイシング溝31
b及び下縁をそのままわずか図面上側に平行移動させた
位置に形成されている横方向表裏識別溝41bとの2本
の溝を有する。
て第1ダイシング溝31にそってガラス板10を分割し
た分割ガラス板100には、分割ガラス板100の右側
面に接近した縦方向表裏識別溝41aと下側面に接近し
た横方向表裏識別溝41bの2本の表面溝が形成されて
いる。分割ガラス板100の反射防止膜12が設けられ
ている面を識別するには、縦方向表裏識別溝41aを右
側に、横方向表裏識別溝41bを下側に配置すると、反
射防止膜12が設けられている面が上になっていること
になり、反射防止膜12が設けられている面を識別する
ことができる。
ルブ420に入射側の開口部をやや狭める見切り426
が設けられているため、ライトバルブ420に装着した
ときには、光学系に影響を与えることはない。図3で
は、分かり易くするため表裏識別溝41を第1ダイシン
グ溝31と離れているようになっているが、実際にはか
なり接近して形成される。
レードで設ける方法は、第1ダイシング溝31を設けた
位置からややずれた位置に同じ間隔で同じダイシングブ
レードを用いて、第1ダイシング溝31を設ける条件を
わずかに変えるだけで形成できるため、特別な装置が不
要であり、容易に形成できる。
ガラス板の表裏を判別できれば足り、例えば反射防止膜
が設けられていない面に、第2ダイシング溝32と共に
設けてもよく、形状も溝に限定されるものではない。
アライメントマークが設けられていなくても、反射防止
膜が設けられた面に形成されたダイシング溝に沿って反
対面に正確にダイシング溝を形成してガラス板を両面ダ
イシングによって分割することができる。
ーチャートである。
る場合といない場合の反射率の違いを示すグラフであ
る。
あり、(b)は一部の断面図である。
ある。
ルブの構造を示す断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 ガラス基板の少なくとも一面側に反射防
止膜が設けられたガラス板の前記反射防止膜が設けられ
ている面に所定のカッティングラインに沿って前記ガラ
ス基板の厚さ未満の深さの第1ダイシング溝を形成する
第1ダイシング工程と、 前記ガラス板の前記第1ダイシング溝を形成した面に粘
着テープを貼着する貼着工程と、 前記ガラス板の前記第1ダイシング溝を形成した反対側
の面に前記第1ダイシング溝に沿って第2ダイシング溝
を形成し、前記ガラス板を前記カッティングラインに沿
って分割する第2ダイシング工程とを有することを特徴
とするガラス板の分割方法。 - 【請求項2】 請求項1記載のガラス板の分割方法にお
いて、 前記第2ダイシング工程前に、前記粘着テープが貼着さ
れているガラス板に光を照射し、ガラス板からの反射光
又は透過光により前記第1ダイシング溝の位置を検出す
る検出工程を有することを特徴とするガラス板の分割方
法。 - 【請求項3】 請求項1記載のガラス板の分割方法にお
いて、 前記ガラス板に位置合わせの基準となるアライメントマ
ークが設けられていないことを特徴とするガラス板の分
割方法。 - 【請求項4】 請求項1記載のガラス板の分割方法にお
いて、 前記ガラス基板の一方の面にのみ反射防止膜が設けられ
たガラス板を分割する際に、前記第1ダイシング溝又は
第2ダイシング溝を形成したダイシングブレードを用い
てガラス板表面に反射防止膜が設けられている面を示す
表裏識別標識を形成することを特徴とするガラス板の分
割方法。
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