JP2003002243A - 農作業機 - Google Patents

農作業機

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JP2003002243A JP2001186393A JP2001186393A JP2003002243A JP 2003002243 A JP2003002243 A JP 2003002243A JP 2001186393 A JP2001186393 A JP 2001186393A JP 2001186393 A JP2001186393 A JP 2001186393A JP 2003002243 A JP2003002243 A JP 2003002243A
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邦夫 土井
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修 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 農作業機の安全性を向上させること。 【解決手段】 本発明では、エンジンをボンネットで被
覆してなる農作業機において、ボンネットに、同ボンネ
ットを係止するための係止部と、ボンネットをロックす
るためのロック部とをそれぞれ設け、同ロック部を開閉
蓋で被覆するとともに、同開閉蓋の内側にてロック部の
ロック操作及びロック解除操作が行えるべく構成するこ
ととした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農作業機に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の農作業機は、自走可能に構成した
走行機体の後部に作業機を昇降可能に配設しており、走
行機体は、機体フレームの前側上部に原動機部を配設
し、同原動機部の後方に運転操作部を配設していた。
【0003】運転操作部は、座席の前方位置に所定間隔
を開けてステアリングシャフトを回動自在に配設し、同
ステアリングシャフトの先端部にステアリングホイール
を取付けており、ステアリングシャフトは、フロントコ
ラムカバーで被覆していた。
【0004】原動機部は、機体フレームの前側上部にエ
ンジンを載設し、同エンジンの上方位置に燃料タンクを
配設し、これらエンジンと燃料タンクの前方及び左右側
方をボンネットで被覆し、エンジンと燃料タンクの後方
を前記フロントコラムカバーで被覆していた。
【0005】そして、機体フレームの前側上部にステッ
プを載設し、同ステップの前端部にボンネットの前端部
を係止する一方、フロントコラムカバーの左右側部にボ
ンネットの左右側部をノブネジで固定することにより、
或いは、フロントコラムカバーの前側にボンネットの後
端部をフロントコラムカバーの内部に収容したロックカ
ム機構で固定することにより、機体にボンネットを取付
けていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
農作業機にあっては、フロントコラムカバーの左右側部
にボンネットの左右側部をノブネジで固定していたた
め、固定具であるノブネジが外観表面に露出しており、
機体前方からの乗降時等に作業者の身体に誤ってノブネ
ジが接触することによってノブネジが破損するおそれが
あり、また、エンジン等のメンテナンスのためにボンネ
ットを取外す際には、左右両方のノブネジを外す作業が
必要であり、メンテナンス作業が煩雑なものとなるおそ
れがあった。
【0007】また、フロントコラムカバーにボンネット
をロックカム機構で固定したものにあっては、かかるロ
ックカム機構のロック操作及びロック解除操作を行うた
めの操作レバーが運転操作部に設けられており、作業者
の身体が誤って操作レバーに接触してしまった場合にボ
ンネットが不意に脱落してしまうのを防止するために複
雑な構造にする必要があり、また、エンジン等のメンテ
ナンスのためにボンネットを取外す際には、わざわざ運
転操作部にて操作レバーを操作しなければならず、メン
テナンス作業が煩雑なものとなるおそれがあった。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、エ
ンジンをボンネットで被覆してなる農作業機において、
ボンネットに、同ボンネットを係止するための係止部
と、ボンネットをロックするためのロック部とをそれぞ
れ設け、同ロック部を開閉蓋で被覆するとともに、同開
閉蓋の内側にてロック部のロック操作及びロック解除操
作が行えるべく構成した。
【0009】また、前記開閉蓋は、機体の前端部に開閉
自在に設けた前側カバーであることとした。
【0010】また、前記開閉蓋は、ボンネットに開閉自
在に設けた給油用の給油口蓋であることとした。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係る農作業機は、自走可
能に構成した走行機体の後部に作業機としての植付機を
昇降可能に連設しており、走行機体は、前後方向に向け
て伸延する機体フレームの下方に走行部を配設する一
方、機体フレームの前側上部に原動機部を配設し、同原
動機部の後方位置に運転操作部を配設している。
【0012】運転操作部は、座席の前方に所定間隔を開
けてステアリングシャフトを回動自在に配設し、同ステ
アリングシャフトの先端部にステアリングホイールを取
付けている。
【0013】原動機部は、機体フレームの前端上部にエ
ンジンを載設し、同エンジンの直上方位置に燃料タンク
を配設している。
【0014】そして、機体フレームの前端上部に平面視
略U字状のフロントステップをその二又状の先端部分を
エンジンの左右側方に向けて伸延させた状態で載設する
とともに、フロントステップの二又状の先端部間に前側
カバーを開閉自在に配設し、これらフロントステップと
前側カバーの上部に前側から順にボンネットとフロント
コラムカバーを載設しており、かかるボンネットによっ
てエンジンと燃料タンクの前方及び左右側方を被覆し、
また、フロントコラムカバーによってエンジンと燃料タ
ンクの後方を被覆している。
【0015】しかも、ボンネットには、同ボンネットを
係止するための係止部と、ボンネットをロックするため
のロック部とをそれぞれ設けており、同ロック部を開閉
蓋で被覆するとともに、同開閉蓋の内側にてロック部の
ロック操作及びロック解除操作が行えるように構成して
いる。
【0016】このように、ボンネットのロック部を開閉
蓋で被覆するとともに、同開閉蓋の内側にてロック部の
ロック操作及びロック解除操作が行えるようにしている
ため、外観上にロック部が露出しておらず、ロック部に
作業者の身体が誤って接触することがなくなる。
【0017】これにより、不意にロックが解除されてボ
ンネットが脱落するのを未然に防止することができ、安
全性を向上させることができる。
【0018】しかも、外観上にロック部が露出していな
いために、デザイン上において良好なものとすることが
できる。
【0019】特に、前記開閉蓋として、機体の前端部に
開閉自在に設けた前側カバーを用いた場合には、機体の
前方でボンネットの着脱作業を行うことができ、エンジ
ン等のメンテナンス作業の作業性を向上させることがで
きる。
【0020】また、前記開閉蓋として、ボンネットに開
閉自在に設けた給油用の給油口蓋を用いた場合には、ロ
ック部を被覆するために開閉蓋を別途設ける必要がなく
なり、構成する部品点数を削減することができ、製造コ
ストや部品管理コストの低廉化や機体の軽量化を図るこ
とができる。
【0021】
【実施例】以下に、本発明の一実施例について図面を参
照しながら具体的に説明する。尚、本実施例では、本発
明に係る農作業機として田植機1を例にとり説明してい
るが、本発明に係る農作業機は、田植機1に限定される
ことなく、トラクタ、コンバイン、野菜移植機などの各
種農作業に用いられる作業機にも適用できるものであ
る。
【0022】田植機1は、図1に示すように、自走可能
に構成した走行機体2の後部に植付機3を昇降機構4を
介して昇降可能に連設している。
【0023】走行機体2は、図1に示すように、機体フ
レーム5の下方に走行部6を配設する一方、機体フレー
ム5の前部に原動機部7を配設し、同原動機部7の後方
位置に運転操作部8を配設している。
【0024】以下に、走行機体2の各部の構造について
詳細に説明する。
【0025】[機体フレーム5]まず、機体フレーム5
の構造について説明すると、機体フレーム5は、図1〜
図3に示すように、前後方向に向けて伸延させるととも
に略中央部から後側を上方に向けて屈曲させた左右一対
のセンターフレーム構成体9,10の前端部間に中央部分を
左右幅方向に向けて伸延させるとともに左右側部で屈曲
させて左右側部を後方に向けて伸延させた平面視略コ字
状の円筒状の前側フレーム構成体11を架設するととも
に、センターフレーム構成体9,10の前側中途部間に左右
幅方向に向けて伸延させた中空矩形状の予備苗載台支持
フレーム構成体12を架設し、また、センターフレーム構
成体9,10の中途部間に左右幅方向に向けて伸延させた円
筒状のステップ支持フレーム構成体13と正面視で略門型
の円筒状の座席支持フレーム構成体14の基端部とを架設
し、さらには、センターフレーム構成体9,10の後端部間
に背面視で略門型の中空矩形状のリヤフレーム構成体15
の上部を架設している。
【0026】また、機体フレーム5は、前側フレーム構
成体11の中央部と予備苗載台支持フレーム構成体12の中
央部との間にエンジン16を載置するための矩形平板状の
エンジン支持体17を前後方向に向けて伸延させた状態で
架設しており、同エンジン支持体17の後端には、ステア
リング機構18を支持するための矩形平板状のステアリン
グ支持体19を延設している。
【0027】また、機体フレーム5は、予備苗載台支持
フレーム構成体12の左右端部に予備苗載台20を構成する
予備苗載台支持支柱21の基端部をブラケット22を介して
それぞれ取付けており、かかる予備苗載台支持フレーム
構成体12の左右端部に前側フレーム構成体11の左右端部
を連結し、これら予備苗載台支持フレーム構成体12と前
側フレーム構成体11の右側部間にバッテリー23を載置す
るための矩形平板状のバッテリー支持体24を架設し、さ
らには、センターフレーム構成体9, 10と予備苗載台支
持フレーム構成体12との交差部近傍に左右一対のステッ
プ支持支柱51,52を上方に向けて立設している。
【0028】このように、本実施例では、左右一対のセ
ンターフレーム構成体9,10の前端部間に前側フレーム構
成体11を横架するとともに、同前側フレーム構成体11の
左右側部を予備苗載台支持フレーム構成体12の左右側部
に連結しているため、予備苗載台20の荷重を予備苗載台
支持フレーム構成体12の左右端部で受けるだけでなく前
側フレーム構成体11の左右端部でも受けることになり、
これら予備苗載台支持フレーム構成体1 2と前側フレー
ム構成体11とが協働して重量物である予備苗載台20を支
持している。
【0029】これにより、予備苗載台支持フレーム構成
体12の強度を確保するために予備苗載台支持フレーム構
成体12を太く形成する必要がなくなり、予備苗載台支持
フレーム構成体12の軽量化や低廉化を図るとともに、機
体全体の軽量化や低廉化を図っている。
【0030】また、機体フレーム5は、図4〜図6に示
すように、前側フレーム構成体11の中央上部に左右一対
のステアリングシャフト支持フレーム構成体25,26の前
端部を取付け、両ステアリングシャフト支持フレーム構
成体25,26の後端部にステアリングシャフト27を回動自
在に支持する円筒状のステアリングポスト28を略U字状
のブラケット29を介して取付けている。
【0031】さらに、機体フレーム5は、図2、図3及
び図7に示すように、門型のリヤフレーム構成体15の左
右側部に左右一対の円筒状のステップ支持フレーム構成
体30,31の基端部を取付けるとともに、これらリヤフレ
ーム構成体15の角部とステップ支持フレーム構成体30,3
1の基端部との間にリヤデッキ支持ブラケット32,33を取
付けている。各ステップ支持フレーム構成体30,31は、
基端部を左右幅方向に向けて伸延させるとともに、中途
部で屈曲して、先端部を前後方向に向けて伸延させた形
状となっている。
【0032】[走行部6]次に、走行部6の構造につい
て説明すると、走行部6は、図1〜図3に示すように、
機体フレーム5に設けたステアリング支持体19の後部に
ミッションケース34の前部を取付け、同ミッションケー
ス34の前部に左右一対のフロントアクスルケース35,36
を連動連結し、各フロントアクスルケース35,36に前車
輪37を連動連結している。
【0033】また、走行部6は、ミッションケース34の
後部に左右幅方向に向けて伸延させたリヤアクスルケー
ス38を連動連結し、同リヤアクスルケース38の左右端部
に後車輪39をそれぞれ連動連結している。かかるリヤア
クスルケース38は、左右側上部を機体フレーム5のリヤ
フレーム構成体15の基端部に取付けている。
【0034】このように、機体フレーム5のステアリン
グ支持体19にミッションケース34を取付けるとともに、
同ミッションケース34の後端部に連設したリヤアクスル
ケース38を機体フレーム5のリヤフレーム構成体15に取
付けることによって、機体フレーム5とミッションケー
ス34及びリヤアクスルケース38とが一体となって強固な
機枠を構成しており、しかも、図3に示すように、中途
部から後上方に向けて屈曲させたセンターフレーム構成
体9,10の後部とリヤフレーム構成体15とミッションケー
ス34及びリヤアクスルケース38とで略三角形状のトラス
構造を構成しており、これらによって、機体の剛性を高
めて、機体の走行安定性を向上させている。
【0035】また、本実施例では、平面視においてミッ
ションケース34とフロントアクスルケース35,36とで形
成される凹部に左右のセンターフレーム構成体9,10を貫
通させることによって、センターフレーム構成体9,10の
位置を従来よりも低くして、機体の低重心化を図って走
行安定性を向上させるとともに、車高を低くすることに
よって乗降性を向上させている。
【0036】[原動機部7]次に、原動機部7の構造に
ついて説明すると、原動機部7は、図1〜図4に示すよ
うに、機体フレーム5のエンジン支持体17にエンジン16
を載設し、同エンジン16の上方に燃料タンク40を配設す
るとともに、エンジン16の左側部にマフラー59を連設
し、同マフラー59の前端部に排気筒60を前側下方に向け
て突設し、同排気筒60の先端部に排気口61を形成してお
り、これらエンジン16や燃料タンク40やマフラー59をボ
ンネット62で被覆している。
【0037】また、原動機部7は、エンジン16の後方左
側部と前方右側部とに駆動軸41,42をそれぞれ突出させ
ており、エンジン16の後方左側部に突出させた駆動軸41
には、走行部6に動力を伝達するための走行動力伝達機
構43を連動連結する一方、エンジン16の前方右側部に突
出させた駆動軸42には、発電機構44を連動連結してい
る。
【0038】すなわち、原動機部7は、エンジン16の後
方左側部に駆動軸41を突設し、同駆動軸41の先端部に走
行動力伝達機構43の一部を構成するベルト式無段階変速
の変速装置45を連動連結するとともに、同変速装置45の
左側部に同軸上に植付機3等を油圧駆動するための油圧
ポンプ46を取付け、同油圧ポンプ46にもエンジン16の駆
動軸41を連動連結している。走行動力伝達機構43は、エ
ンジン16の駆動軸41に変速装置45の出力側プーリー47を
取付ける一方、ミッションケース34の前方左側部に突出
させた入力軸48に入力側プーリー49を取付け、これら出
力側プーリー47と入力側プーリー49との間に伝動ベルト
50を懸架しており、エンジン16の動力を変速装置45で変
速した後にミッションケース34とフロントアクスルケー
ス35,36やリヤアクスルケース38を介して前後車輪37,39
に伝達している。
【0039】一方、原動機部7は、エンジン16の前方右
側部に駆動軸42を突設し、同駆動軸42の先端部に発電機
構44を連動連結しており、かかる発電機構44は、エンジ
ン16の駆動軸42の先端部に出力側プーリー53を取付ける
一方、機体フレーム5の右側のセンターフレーム構成体
10の前側部に立設した発電機支持支柱54と右側のステッ
プ支持支柱52との間に発電機55を取付け、同発電機55の
入力軸56に入力側プーリー57を取付け、これら出力側プ
ーリー53と入力側プーリー57との間に伝動ベルト58を懸
架している。
【0040】このように、本実施例では、エンジン16の
左右側方に駆動軸41,42をそれぞれ突出させるととも
に、エンジン16の左側方に走行動力伝達機構43を配設す
る一方、エンジン16の右側方に発電機構44を配設し、エ
ンジン16の左側方に突設した駆動軸41に走行動力伝達機
構43を連動連結し、エンジン16の右側方に突設した駆動
軸42に発電機構44を連動連結しているため、運転操作部
8の前方に配設したエンジン16のさらに前方に発電機構
44を配設していた従来の農作業機に比べて、運転操作部
8よりも前方側の機体長を可及的に短くすることができ
る。
【0041】これにより、運転操作部8からの前方視界
がエンジン16や発電機構44を被覆するボンネット62によ
って遮られることがなくなり、走行時の安全性を向上さ
せることができる。
【0042】また、機体の前方側の機体長が短くなるこ
とで、最小旋回半径を小さくすることができ、旋回性能
を向上させることができ、しかも、前方側の機体長が短
くなる分だけ機体の前後長も短くなり、機体の小型化を
図ることができる。
【0043】特に、エンジン16をはさんで発電機構44と
は反対側にエンジン16の排気口61を配設しているため、
エンジン16の排気口61から排出される高温の排気が発電
機構44とは反対側に排出されることになり、排気が直接
的に発電機構44に吹きかかることがなくなり、これによ
って、エンジン16からの排気によって発電機構44の外観
が汚損されるのを防止することができるとともに、発電
機構44の周辺の温度上昇を防止することができて、発電
機構44の高温に起因する故障を未然に防止することがで
きる。
【0044】しかも、機体フレーム5に形成したステッ
プ支持支柱52で発電機構44の一部を構成する発電機55を
支持しているため、ステップ支持支柱52が、発電機55を
支持するための支柱としても機能することになり、発電
機55を支持するための支持部材を別途設ける必要がなく
なり、これによって、部品点数を削減することができ、
部品管理コストや製造コストの低廉化を図ることができ
るとともに、機体の軽量化を図ることができる。
【0045】また、本実施例では、左右一対のセンター
フレーム構成体9,10の前端部間に前側フレーム構成体11
を横架するとともに、同前側フレーム構成体11の左右端
部を予備苗載台支持フレーム構成体12の左右側部に連結
することによって、図2に示すように、平面視におい
て、左右一対のセンターフレーム構成体9,10の前側部と
前側フレーム構成体11の中途部と予備苗載台支持フレー
ム構成体12の中途部とで囲まれた閉ループ状の領域S1が
形成されるとともに、同じく平面視において、センター
フレーム構成体9,10の前方左右側部にセンターフレーム
構成体9,10の前側部と前側フレーム構成体11の左右側部
と予備苗載台支持フレーム構成体12の左右側部とで囲ま
れた左右一対の閉ループ状の領域S2,S3が形成されてい
る。
【0046】そして、本実施例では、平面視において、
中央の領域S1の内部にエンジン16と変速装置45を配設す
るとともに、左側の領域S2の内部に油圧ポンプ46を配設
し、右側の領域S3の内部にバッテリー23を配設してい
る。
【0047】このように、重量物であるエンジン16を中
心に同じく重量物であるバッテリー23と油圧ポンプ46と
を左右に振り分けて配置して、左右の重量バランスを良
好なものとし、機体の走行安定性を向上させている。
【0048】また、平面視で中央の領域S1の内部にエン
ジン16と変速装置45を配設しているため、エンジン16や
変速装置45の周囲にセンターフレーム構成体9,10の前側
部と前側フレーム構成体11の中途部と予備苗載台支持フ
レーム構成体12の中途部とが存在することになり、セン
ターフレーム構成体9,10の前側部と前側フレーム構成体
11の中途部と予備苗載台支持フレーム構成体12の中途部
とが畦等の障害物からエンジン16や変速装置45を保護
する保護部材として機能することになり、これらの保護
部材によりエンジン16や変速装置45の破損を防止するこ
とができ、農作業機の長寿命化を図ることができ、しか
も、エンジン16や変速装置45を保護するための保護部材
を別途設ける必要がなくなり、これによっても、農作業
機の軽量化や低廉化を図ることができる。
【0049】また、平面視で左側の領域S2の内部に油圧
ポンプ46を配設しているため、油圧ポンプ46の周囲にセ
ンターフレーム構成体9,10の前側部と前側フレーム構成
体11の側部と予備苗載台支持フレーム構成体12の側部と
が存在することになり、センターフレーム構成体9,10の
前側部と前側フレーム構成体11の側部と予備苗載台支持
フレーム構成体12の側部とが畦等の障害物から油圧ポン
プ46を保護する保護部材として機能することになり、こ
れらの保護部材により油圧ポンプ46の破損を防止するこ
とができ、農作業機の長寿命化を図ることができ、しか
も、油圧ポンプ46を保護するための保護部材を別途設け
る必要がなくなり、これによっても、農作業機の軽量化
や低廉化を図ることができる。
【0050】一方、平面視で右側の領域S3の内部にバッ
テリー23を配設しているため、バッテリー23の周囲にセ
ンターフレーム構成体9,10の前側部と前側フレーム構成
体11の側部と予備苗載台支持フレーム構成体12の側部と
が存在することになり、センターフレーム構成体9,10の
前側部と前側フレーム構成体11の側部と予備苗載台支持
フレーム構成体12の側部とが畦等の障害物からバッテリ
ー23を保護する保護部材として機能することになり、こ
れらの保護部材によりバッテリー23の破損を防止するこ
とができ、農作業機の長寿命化を図ることができ、しか
も、バッテリー23を保護するための保護部材を別途設け
る必要がなくなり、これによっても、農作業機の軽量化
や低廉化を図ることができる。
【0051】これらエンジン16やバッテリー23や油圧ポ
ンプ46は、図1、図4及び図8に示すように、平板状の
フロントステップ63で被覆されている。
【0052】かかるフロントステップ63は、前側中央部
に前端部の一部を開放させた切欠部64を形成して、平面
視で略U字状に形成しており、その二又状となっている
先端部分をエンジン16の左右側方に向けて伸延させた状
態で機体フレーム5に形成したステップ支持支柱51,52
の上部に載設している。
【0053】また、フロントステップ63は、二又状の前
部に形成した切欠部64に前側カバー65を開閉自在に配設
しており、同前側カバー65は、下端部に略円筒状のボス
66,66を形成し、同ボス66,66を前側フレーム構成体11の
中央部に挿入することによって、前側フレーム構成体11
を中心に前後に開閉可能となっている。
【0054】そして、前側カバー65の内側方にエンジン
16のエンジンオイル検油兼給油口67を位置させている。
【0055】このように、本実施例では、フロントステ
ップ63の前側中央部に切欠部64を形成することにより、
フロントステップ63を平面視で略U字状に形成したこと
により、フロントステップ63を取外す際にフロントステ
ップ63とエンジン16等の機体前部に位置する部材とが干
渉しにくくなり、フロントステップ63を容易に着脱する
ことができ、フロントステップ63を取外して行うメンテ
ナンス作業の作業性を向上させている。
【0056】特に、フロントステップ63の前側中央部に
形成した切欠部64に開閉蓋として機能する前側カバー65
を配設することによって、フロントステップ63を取外す
ことなく前側カバー65を開閉するだけで、エンジン16の
下部やエンジン16に連動連結した走行動力伝達機構43の
メンテナンス作業を行うことができるようになり、メン
テナンス作業の作業性を向上させている。
【0057】しかも、前側カバー65の内側方にエンジン
16のエンジンオイル検油兼給油口67を位置させることに
よって、フロントステップ63を取外すことなく前側カバ
ー65を開閉するだけで、エンジンオイルの検油や給油作
業を行うことができるようになり、エンジンオイルの検
油や給油作業の作業性を向上させている。
【0058】また、フロントステップ63の前側中央部に
形成した切欠部64には、開閉蓋に替えてウインチやポン
プ等のアタッチメントを装着できるようにすることもで
きる。
【0059】かかるフロントステップ63の上部には、前
方から順にボンネット62とフロントコラムカバー68を載
設しており、ボンネット62によってエンジン16と燃料タ
ンク40の前方及び左右側方を被覆するとともに、フロン
トコラムカバー68によってエンジン16と燃料タンク40の
後方を被覆している。これらボンネット62とフロントコ
ラムカバー68とは、一体となって機体前部を構成してお
り、ボンネット62が前側ボンネット構成体として機能す
る一方、フロントコラムカバー68が後側ボンネット構成
体として機能するようになっている。
【0060】ボンネット62は、図5及び図9に示すよう
に、下部の左右幅よりも上部の左右幅を狭くすることに
よって正面視で略中央部よりも上部側に凹部69,69を形
成している。かかる凹部69は、ボンネット62の左右側面
に連続する滑らかな曲面で形成している。
【0061】このように、本実施例では、ボンネット62
の上部に正面視で凹部69を形成することによって、ボン
ネット62の下方側部に設けたフロントステップ63の上面
を作業者が移動する際に、ボンネット62の上部と作業者
との間隔を広くすることができ、これにより、走行機体
2の後部に施肥機135を搭載した場合(図10参照)に肥
料を補給するため作業者が肥料袋を持ってフロントステ
ップ63上をボンネット62に沿って移動する際に、肥料袋
をボンネット62の上部に形成した凹部を通過させること
ができるので、肥料袋を運搬する作業者が楽な姿勢で余
裕を持ってフロントステップ63の上面を移動できる。
【0062】特に、ボンネット62に形成した凹部69を曲
面で形成しているため、仮に肥料袋の運搬時に肥料袋が
ボンネット62に接触したとしても、肥料袋を損傷させる
ことがなく、肥料袋の破損により肥料が飛散し機体に付
着することによって錆びが発生したり、或いは、飛散し
た肥料を掃除する手間を未然に防止することができる。
【0063】かかるボンネット62は、前端下部に係止部
70を形成する一方、後端上部にロック部71を形成してい
る。
【0064】すなわち、ボンネット62は、図4及び図5
に示すように、前端下部に係止部70としての舌片70aを
形成し、一方、ステアリングシャフト支持フレーム構成
体25,26の中途部間に左右幅方向に伸延させたブラケッ
ト72を横架し、同ブラケット72の中央下部に係止片73を
設け、同係止片73に横長孔状の係止孔74を穿設し、同係
止孔74に前記舌片70aを挿入することによって、機体フ
レーム5にボンネット62の前端部を係止している。
【0065】一方、ボンネット62は、後側上部に開口75
を形成し、同開口75に燃料タンク40の給油口76を位置さ
せるとともに、開口75に給油用の給油口蓋77を開閉自在
に取り付け、さらには、開口75の上端縁にロック部71と
しての舌片71aを形成し、同舌片71aにロック部材である
ノブネジ81を挿通するためのノブネジ挿通孔78を穿設
し、一方、ステアリングポスト28の上端部にブラケット
79を前方に向けて突設し、同ブラケット79の前端部に雌
ネジ80を取付けており、ボンネット62のノブネジ挿通孔
78に挿通したノブネジ81を雌ネジ80に螺着することによ
り、ボンネット62を機体に固定している。かかるノブネ
ジ81は、給油口蓋77の内側に位置しており、給油口蓋77
を開き、給油口蓋77の内側部にてノブネジ81を回動操作
することによって、ボンネット62のロック操作やロック
解除操作を行うようになっている。
【0066】このように、本実施例では、ボンネット62
に同ボンネット62を係止するための係止部70と、ボンネ
ット62をロックするためのロック部71とをそれぞれ設け
て、同ロック部71を開閉蓋としての給油口蓋77で被覆す
るとともに、同開閉蓋(給油口蓋77)の内側にてロック
部71のロック操作及びロック解除操作が行えるようにし
ている。
【0067】そのため、外観上にロック部71が露出して
おらず、ロック部71に作業者の身体が接触することがな
くなり、ロックが解除されてボンネット62が脱落してし
まうのを複雑な構造とすることなく未然に防止すること
ができ、安全性を向上させることができるとともに、外
観上にロック部71が露出していないために、デザイン上
において良好なものとすることができる。
【0068】特に、開閉蓋としてボンネット62に開閉自
在に設けた給油用の給油口蓋77を用いているため、ロッ
ク部71を被覆するために開閉蓋を別途設ける必要がなく
なり、構成する部品点数を削減することができ、製造コ
ストや部品管理コストの低廉化や機体の軽量化を図るこ
とができる。
【0069】ここで、本実施例では、ロック部71を被覆
する開閉蓋として給油口蓋77を用いているが、図11に示
すように、ボンネット62の下端部に開閉自在に設けた前
側カバー65を開閉蓋として用いることもできる。尚、図
11中では、前述した図4における構成のものとほぼ同等
の機能を有する部材には、同一の符号を用いている。
【0070】すなわち、図11に示すように、ボンネット
62は、前端下部にロック部71としての舌片71aを形成
し、同舌片71aにロック部材としてのノブネジ81を挿通
するためのノブネジ挿通孔78を穿設する一方、ステアリ
ングシャフト支持フレーム構成体25,26の中途部間に左
右幅方向に伸延させたブラケット72を横架し、同ブラケ
ット72の中央部に雌ネジ80を形成し、同雌ネジ80に舌片
71aのノブネジ挿通孔78に挿通したノブネジ81を螺着す
ることによって、機体フレーム5にボンネット62を螺着
している。かかるノブネジ81は、前側カバー65の内側方
に位置しており、前側カバー65によって被覆されてい
る。
【0071】一方、ボンネット62は、後端後部に係止部
70としての舌片70aを形成する一方、フロントコラムカ
バー68の前端上部に係止凹部82を形成し、同係止凹部82
に舌片70aを係止している。
【0072】このように、ボンネット62のロック部71を
被覆する開閉蓋として機体の前端部に開閉自在に設けた
前側カバー65を用いた場合には、機体の前方でボンネッ
ト62の着脱作業を行うことができ、エンジン16等のメン
テナンス作業の作業性を向上させることができる。
【0073】[運転操作部8]次に、運転操作部8の構
造について説明すると、運転操作部8は、図1及び図4
に示すように、機体フレーム5の座席支持フレーム構成
体14の中央上部に座席83を取付け、同座席83の前方に所
定間隔を開けてステアリングシャフト27を回動自在に配
設し、同ステアリングシャフト27をステアリングポスト
28で回動自在に支持するとともに、同ステアリングポス
ト28をフロントコラムカバー68で被覆し、同フロントコ
ラムカバー68の右側方に操作レバー(主変速レバー84a
や苗継レバー84b)や左右ブレーキペダル(図示省略)
を配設する一方、フロントコラムカバー68の左側方にク
ラッチペダル85を配設している。図中、104は、ステア
リングシャフト27の上端に取付けたステアリングホイー
ルである。
【0074】座席83の直前方位置には、図4及び図16〜
図18に示すように、ステアリングポスト28にブラケット
86を介して取付けた横長矩形箱型状のキースイッチパネ
ル87を配設している。
【0075】キースイッチパネル87は、上面に各種の警
告ランプ88a〜88d(例えば、苗継作業を促す警告ランプ
88a、肥料の補給を促す警告ランプ88b、肥料の詰まりを
知らせる警告ランプ88c、左右ブレーキペダルの連結が
解除されていることを知らせる警告ランプ88d等)やス
イッチ89a〜89c(例えば、警告ブザー停止スイッチ89
a、エンジン始動・停止切替スイッチ8 9b、植付深さ自動
調整入切スイッチ89c等)を配設するとともに、後側面
(座席83に対向する側面)の右側下部に凹部90を形成
し、同凹部90にキースイッチ91を配設し、同キースイッ
チ91にキー92を挿入するようにしており、凹部90は、キ
ースイッチ91に装着するキー92の後端が平面視でキース
イッチパネル87の後端部から突出しない深さに形成して
いる。
【0076】このように、本実施例では、キースイッチ
パネル87の上面に警告ランプ88a〜88dを配設することに
よって、作業者は運転操作中に警告ランプ88a〜88dを容
易に視認することができ、運転操作の安全性を向上させ
ることができる。特に、キースイッチパネル87の上面前
部を水平面とし、かかる水平面に警告ランプ88a〜88dを
配置することで、作業者が警告ランプ88a〜88dを視認し
易いようにするとともに、キースイッチパネル87の上面
後部を作業者の目線に合わせて前高後低の傾斜状に形成
し、かかる傾斜面にスイッチ89a〜89cを配置すること
で、作業者がスイッチ89a〜89cを操作し易いようにし
て、運転操作の安全性を向上させている。
【0077】また、キースイッチパネル87の側面に形成
した凹部90にキースイッチ91を配設することによって、
キースイッチ91にキー92を挿入した場合に、キー92の後
端部がキースイッチパネル87の側面から突出する突出量
を可及的に少なくすることができ、これにより、作業者
の身体が誤ってキー92の後端部に接触するおそれが少な
くなり、キー92の誤動作を防止できて安全性を向上させ
ることができる。
【0078】しかも、雨天時にキースイッチ91に雨水が
直接接触することがなくなり、キースイッチ91の内部に
雨水が浸入するおそれがなくなり、キースイッチ91の故
障を防止することができる。
【0079】特に、凹部90を座席83に対向する側面に形
成しているため、作業者が座席83に座りながら容易にキ
ー92の操作を行え、操作性を向上させることができると
ともに、作業者の前方側の空間を広くすることができ
て、快適に運転操作を行うことができる。
【0080】また、凹部90をキースイッチ91に装着する
キー92の先端が平面視でキースイッチパネル87から突出
しないように形成しているため、キースイッチ91にキー
92を挿入しても、作業者の身体が誤ってキー92の後端部
に接触するおそれがなくなり、キー92の誤動作を防止で
きて安全性を向上させることができる。
【0081】また、運転操作部8は、図4及び図12に示
すように、ステアリングシャフト27の基端部にパワース
テアリング用のトルクジェネレータ93の上端部を連動連
結し、同トルクジェネレータ93の下端部に減速機構94
(図13参照)を収容したステアリングケース95を連動連
結しており、かかるステアリングケース95は、従来のよ
うにミッションケース34の内部に形成するのではなく、
ミッションケース34とは別個独立した別体として形成し
ている。
【0082】これらトルクジェネレータ93とステアリン
グケース95は、エンジン16とミッションケース34の間に
配設している。
【0083】すなわち、エンジン16の後方下部に形成さ
れた凹部96にトルクジェネレータ93を上面を後上方へ向
けて傾斜させた状態で配設する一方、ミッションケース
34の前方下部に形成された凹部97にステアリングケース
95を上面を後上方へ向けて傾斜させた状態で配設してい
る。
【0084】このように、本実施例では、ステアリング
ケース95とミッションケース34とを別体に形成すること
によって、農作業機の仕様を変更する際には、仕様変更
に応じてステアリングケース95の配設位置を適宜変更す
るだけでよく、ミッションケース34自体の形状を変更す
る必要がなくなり、これにより、農作業機の仕様変更を
迅速かつ容易に行えるようにしている。
【0085】しかも、ステアリングケース95やトルクジ
ェネレータ93をエンジン16とミッションケース34との間
に配設することによって、エンジン16とミッションケー
ス34との間に形成された空間を有効に利用して機体のコ
ンパクト化を図ることができるようにしている。
【0086】特に、エンジン16の後部とミッションケー
ス34の前部に凹部96,97をそれぞれ形成し、両凹部96,97
間にステアリングケース95やトルクジェネレータ93を配
設することによって、ステアリングケース95やトルクジ
ェネレータ93を配設するためのスペースとして十分なス
ペースを確保することができるようにしている。
【0087】しかも、エンジン16の後方下部とミッショ
ンケース34の前方下部とに凹部96,97をそれぞれ形成
し、両凹部96,97間にステアリングケース95やトルクジ
ェネレータ93を前低後高の傾斜状に配設することによっ
て、エンジン16とステアリングケース95とトルクジェネ
レータ93とミッションケース34とを密接させて集中的に
配設することができ、より一層機体のコンパクト化を図
ることができるようにしている。
【0088】かかるトルクジェネレータ93とステアリン
グケース95の取付構造について説明すると、図4及び図
12に示すように、機体フレーム5にエンジン16を支持す
るために設けたエンジン支持体17の後端にステアリング
ケース95を支持するためのステアリング支持体19を延設
し、同ステアリング支持体19の上部にトルクジェネレー
タ93を載設する一方、ステアリング支持体19の下部にス
テアリングケース95を配設し、これらトルクジェネレー
タ93とステアリングケース95とを左右2本づつの合計4
本のボルト98で機体フレーム5のステアリング支持体19
を介して直接的に締結し、さらには、同ステアリング支
持体19の後端部とミッションケース34の前端部とをブラ
ケット99を介して連結する一方、ステアリングケース95
の後端下部にミッションケース34の前端下部を補強支持
体100を介して連結している。
【0089】このようにして、本実施例では、図12に示
すように、エンジン支持体17の前端部(前側フレーム構
成体11)とステアリング支持体19の後端部(ブラケット
99とミッションケース34との締結部であるボルト101)
と補強支持体100の後端部(補強支持体100とミッション
ケース34との締結部であるボルト102)とが側面視で仮
想三角形103の各頂点に位置するように構成している。
【0090】そのため、エンジン16とミッションケース
34とをステアリングケース95を介して強固に連結するこ
とができるとともに、エンジン支持体17自体の強度を良
好に確保することができて、これにより、機体の剛性を
向上させることができる。
【0091】しかも、本実施例では、トルクジェネレー
タ93とステアリングケース95との間に機体フレーム5を
構成するステアリング支持体19を介在させて、同ステア
リング支持体19にトルクジェネレータ93とステアリング
ケース95とを取付けている。
【0092】このように、トルクジェネレータ93とステ
アリングケース95とを同一部材である機体フレーム5の
ステアリング支持体19に取付けているため、取付構造を
簡略化することができ、取付に要する部品点数を削減す
ることができ、これにより、製造コストや部品管理コス
トを低廉化することができるとともに、機体の軽量化を
図ることができる。
【0093】また、トルクジェネレータ93を機体フレー
ム5のステアリング支持体19に取付けているため、ステ
アリングホイール104にかかる荷重を機体フレーム5の
ステアリング支持体19で受けることになり、ステアリン
グケース95にかかる荷重を軽減することができ、ステア
リングケース95を従来のものよりも軽量化することがで
き、これによっても機体の軽量化を図ることができる。
【0094】特に、トルクジェネレータ93とステアリン
グケース95とを機体フレーム5のステアリング支持体19
を介して直接的に締結しているため、締結箇所が一箇所
に集中することになり、組立作業性やメンテナンス性を
向上させることができる。
【0095】トルクジェネレータ93は、図13及び図14に
示すように、トルクジェネレータ本体105の下端部であ
ってトルクジェネレータ本体105とステアリングケース9
5との間にケース体106を覆設しており、かかるケース体
106によってトルクジェネレータ本体105の内部に形成さ
れたパワーステアリング用のオイルの循環流路を密閉す
るように構成している。図中、107は、オイル吸入口、1
08はオイル排出口である。
【0096】かかるケース体106は、トルクジェネレー
タ本体105のオイルを排出するためのドレン開口109を後
端部に形成している。図中、110はドレンパイプであ
る。
【0097】また、トルクジェネレータ93は、トルクジ
ェネレータ本体105の下端部に突出させた中間軸111の先
端部にケース体106に回動自在に設けた出力軸112の基端
部を連結し、同出力軸112の先端部に出力ギヤ113を取付
けている。図中、114はベアリング、115はパッキンであ
る。
【0098】一方、ステアリングケース95は、図13及び
図15に示すように、ステアリングケース本体116の上部
開口をステアリングケース蓋117で覆設しており、内部
に減速機構94を収容配設している。尚、本実施例では、
トルクジェネレータ93が密閉構造となっており、トルク
ジェネレータ93の内部を循環するオイルがステアリング
ケース95の内部に流入することがないため、ステアリン
グケース95は密閉構造とする必要はない。
【0099】減速機構94は、ステアリングケース本体11
6とステアリングケース蓋117とで回動自在に支持した入
力軸118の上部に大径変速ギヤ119を取付けるとともに、
入力軸118の下部に小径変速ギヤ120を取付け、一方、ス
テアリングケース本体116の後部で回動自在に支持した
出力軸121の上部に扇状の旋回ギヤ122を取付け、これら
小径変速ギヤ120と旋回ギヤ122とを噛合させている。
【0100】また、ステアリングケース95は、ステアリ
ングケース本体116の後方下部に出力軸121を下方に向け
て突出させ、同出力軸121の下端部に板状のピットマン
アーム123を取付け、同ピットマンアーム123の前端部に
左右一対のドラッグリンク124,125を連動連結してお
り、かかるドラッグリンク124,125は、左右のフロント
アクスルケース35,36に設けたナックルアーム(図示省
略)に連動連結している。
【0101】さらに、ステアリングケース95は、ステア
リングケース本体116の下面に円弧状の溝126を刻設する
一方、ピットマンアーム123の上面にピン127を上方に向
けて突出させており、かかるピン127が溝126に沿って回
動移動するようにし、しかも、溝126の両端部にピン127
が当接することによって、ピットマンアーム123の回動
を阻止するようにしている。このように、ステアリング
ケース95に形成した溝126をステアリングホイール104の
切れ角ストッパーとして用いることで、構成する部品点
数を減少させながら、切れ角の精度を向上させている。
【0102】そして、ステアリングケース蓋117とステ
アリング支持体19とに貫通孔128,129をそれぞれ穿設
し、トルクジェネレータ93の下端部に突設した出力軸11
2をケース体106や貫通孔128,129を貫通させることによ
って、出力軸112と出力ギヤ113とをステアリングケース
95の内部に挿通し、ステアリングケース95の内部で出力
ギヤ113と大径変速ギヤ119とを噛合させることによっ
て、トルクジェネレータ93とステアリングケース95とを
連動連結している。
【0103】このように、本実施例では、トルクジェネ
レータ93とステアリングケース95との間に設けたケース
体106でトルクジェネレータ93を密閉しているため、ス
テアリングケース95を密閉構造とする必要がなく、トル
クジェネレータ93とステアリングケース95とを密閉構造
とするためのパッキンや締結具が必要なくなり、部品点
数を削減することができ、これにより、製造コストや部
品管理コストの低廉化を図ることができるとともに、機
体の軽量化を図ることができる。
【0104】しかも、トルクジェネレータ93とケース体
106とを取外し、トルクジェネレータ93に替えて適宜の
連結具を装着するだけで、パワーステアリング機能を有
しない仕様のものに迅速かつ容易に仕様変更することが
できる。
【0105】また、トルクジェネレータ93とケース体10
6とが密閉構造となっているため、ステアリングケース9
5からトルクジェネレータ93とケース体106とを取外して
も、トルクジェネレータ93とケース体106とからオイル
が漏れるおそれがなく、これにより、メンテナンスの作
業性を向上させることができる。
【0106】特に、ケース体106にトルクジェネレータ
本体105のオイルを排出するためのドレン開口109を形成
しているため、ドレイン開口109からトルクジェネレー
タ93の内部のオイルを抜き去ることができ、トルクジェ
ネレータ93のメンテナンス作業を容易に行うことができ
る。
【0107】また、トルクジェネレータ93の出力軸112
をケース体106を貫通させてステアリングケース95に挿
通することによって、トルクジェネレータ93をステアリ
ングケース95に連動連結しているため、トルクジェネレ
ータ93の出力軸112をステアリングケース95の入力軸と
して兼用することができ、部品点数を削減することがで
き、これにより、製造コストや部品管理コストの低廉化
や機体の軽量化を図ることができる。
【0108】また、運転操作部8は、図1及び図8に示
すように、座席83の周囲にステップ130を配設してお
り、かかるステップ130と前記フロントステップ63とで
床部を形成している。
【0109】ステップ130は、前端部をフロントステッ
プ63の後端部に連設しており、左右側部に乗降用のサイ
ドステップ131,132を形成している。
【0110】尚、ステップ130とフロントステップ63と
の分割位置(ステップ130の前端及びフロントステップ6
3の後端の位置)は、従来よりも機体後方側に位置さ
せ、ステアリングホイール104の後端直下方位置近傍と
しており、これにより、フロントステップ63を取外すだ
けで変速装置45のメンテナンス作業を行うことができ、
また、分割位置が機体後方側に移動した分だけステップ
130を小型軽量化することができ、ステップ130の着脱作
業を容易なものすることができる。
【0111】また、ステップ130は、座席83の直下方を
側面視で凹状に形成することによって作業者の足元に凹
部133を形成しており、これにより、作業者の足元を広
くして、快適に運転操作できる。
【0112】さらに、ステップ130は、左右両端部を後
車輪39の左右側方まで伸延させることによって、湿田等
で後車輪39の外側に取付ける補助車輪(図示省略)の前
側上方を被覆するようにしており、これにより、機体側
方にて苗継レバー84 bを操作する際に作業者に泥土がか
かるのを防止することができ、また、ステップ130自体
が広くなることで苗継時や肥料補給時の作業性を向上さ
せることができ、さらには、ステップ130上の物体が落
下して補助車輪に巻き付くのを防止することができる。
【0113】そして、ステップ130は、図8に示すよう
に、略中央部において機体フレーム5のステップ支持フ
レーム構成体13で支持されており、また、左右後端部に
おいて機体フレーム5のステップ支持フレーム構成体3
0,31で支持されている。
【0114】かかるステップ130の左右後端部を支持す
るステップ支持フレーム構成体30,31は、ステップ130の
みならずステップ130の後方に配設した機体後端部を覆
うリヤデッキ134をも支持している。
【0115】すなわち、各ステップ支持フレーム構成体
30,31は、基端部を左右幅方向に向けて伸延させるとと
もに、中途部で屈曲して、先端部を前後方向に向けて伸
延させた形状となっており、左右幅方向に向けて伸延す
る基端部でリヤデッキ134を支持し、一方、前後方向に
向けて伸延する先端部でステップ130を支持している。
【0116】そして、リヤデッキ134は、リヤフレーム
構成体15の角部とステップ支持フレーム構成体30,31の
基端部との間に設けたリヤデッキ支持ブラケット32,33
で固定している。
【0117】かかるリヤデッキ支持ブラケット32,33に
は、図10に示すように、リヤデッキ134に替えて施肥機1
35を取付けることができるようになっている。
【0118】このように、本実施例では、機体フレーム
5にステップ130を支持するためのステップ支持フレー
ム構成体30,31を設け、同ステップ支持フレーム構成体3
0,31でリヤデッキ134をも支持するように構成している
ため、機体フレーム5に設けたステップ支持フレーム構
成体30,31だけでステップ130のみならず同ステップ130
の後方に配設したリヤデッキ134をも支持することがで
き、これにより、リヤデッキ134を支持するための専用
部材を別途設ける必要がなくなり、農作業機を構成する
部品点数を削減することができるので、製造コストや部
品管理コストを低減することができるとともに、機体の
軽量化を図ることができる。
【0119】特に、ステップ支持フレーム構成体30,31
の基端部を左右幅方向に向けて伸延させるとともに、先
端部を前後方向に向けて伸延させ、同先端部でステップ
130を支持する一方、基端部でリヤデッキ1 34を支持す
るようにしているため、ステップ支持フレーム構成体3
0,31を製造容易で安価なものとすることができ、より一
層農作業機の低廉化を図ることができる。
【0120】また、ステップ支持フレーム構成体30,31
の基端部にリヤデッキ134を装着するためのリヤデッキ
支持ブラケット32,33を設け、同リヤデッキ支持ブラケ
ット32,33に、リヤデッキ134に替えて施肥機135を装着
できるようにしているため、施肥機135を装着するため
の部材を別途用意する必要がなくなり、これによって
も、部品点数の削減による低廉化や機体の軽量化を図る
ことができる。
【0121】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0122】すなわち、請求項1に係る本発明では、エ
ンジンをボンネットで被覆してなる農作業機において、
ボンネットに、同ボンネットを係止するための係止部
と、ボンネットをロックするためのロック部とをそれぞ
れ設け、同ロック部を開閉蓋で被覆するとともに、同開
閉蓋の内側にてロック部のロック操作及びロック解除操
作が行えるように構成しているため、外観上にロック部
が露出しておらず、ロック部に作業者の身体が接触する
ことがなくなり、ロックが解除されてボンネットが脱落
するのを従来のような複雑な構造を用いることなく未然
に防止することができ、安全性を向上させることができ
る。
【0123】しかも、外観上にロック部が露出していな
いために、デザイン上において良好なものとすることが
できる。
【0124】また、請求項2に係る本発明では、前記開
閉蓋として、機体の前端部に開閉自在に設けた前側カバ
ーを用いているため、機体の前方でボンネットの着脱作
業を行うことができ、エンジン等のメンテナンス作業の
作業性を向上させることができる。
【0125】また、請求項3に係る本発明では、前記開
閉蓋として、ボンネットに開閉自在に設けた給油用の給
油口蓋を用いているため、ロック部を被覆するために開
閉蓋を別途設ける必要がなくなり、構成する部品点数を
削減することができ、製造コストや部品管理コストの低
廉化や機体の軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】田植機を示す左側面図。
【図2】機体フレームを示す平面図。
【図3】同左側面図。
【図4】原動機部を示す左断面側面図。
【図5】ステアリングシャフト支持フレーム構成体を示
す正面図。
【図6】同平面図。
【図7】ステップ支持フレーム構成体を示す背面図。
【図8】ステップを示す平面図。
【図9】ボンネットを示す正面図。
【図10】施肥機を示す左側面図。
【図11】他実施例としてのボンネットを示す左断面側
面図。
【図12】ステアリング機構を示す側面図。
【図13】トルクジェネレータとステアリングケースと
を示す側面断面図。
【図14】トルクジェネレータを示す平面図。
【図15】ステアリングケースを示す底面図。
【図16】キースイッチパネルを示す側面図。
【図17】同正面図。
【図18】同平面図。
【符号の説明】
1 田植機 2 走行機体 3 植付機 4 昇降機構 5 機体フレーム 6 走行部 7 運転操作部 8 原動機部 9,10 センターフレーム構成体 11 前側フレーム構成体 12 予備苗載台支持フレーム構成体 13 ステップ支持フレーム構成体 14 座席支持フレーム構成体 15 リヤフレーム構成体 16 エンジン 17 エンジン支持体 18 ステアリング機構 19 ステアリング支持体 20 予備苗載台 23 バッテリー 24 バッテリー支持体 25,26 ステアリングシャフト支持フレーム構成体 27 ステアリングシャフト 28 ステアリングポスト 30,31 ステップ支持フレーム構成体 32,33 リヤデッキ支持ブラケット 34 ミッションケース 35,36 フロントアクスルケース 37 前車輪 38 リヤアクスルケース 39 後車輪 40 燃料タンク 41,42 駆動軸 43 走行動力伝達機構 44 発電機構 45 変速装置 46 油圧ポンプ 51,52 ステップ支持支柱 54 発電機支持支柱 55 発電機 59 マフラー 61 排気口 62 ボンネット 63 フロントステップ 64 切欠部 65 前側カバー 67 エンジンオイル検油兼給油口 68 フロントコラムカバー 70 係止部 71 ロック部 77 給油口蓋 81 ノブネジ 83 座席 87 キースイッチパネル 88 警告ランプ 91 キースイッチ 92 キー 93 トルクジェネレータ 94 減速機構 95 ステアリングケース 100 補強支持体 103 仮想三角形 104 ステアリングホイール 106 密閉蓋 109 ドレン開口 112 出力軸 130 ステップ 134 リヤデッキ 135 施肥機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 修 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ー農機株式会社内 (72)発明者 三宅 康司 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤンマ ー農機株式会社内 Fターム(参考) 3D004 AA00 AA03 BA05 CA04 DA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンをボンネットで被覆してなる農
    作業機において、 ボンネットに、同ボンネットを係止するための係止部
    と、ボンネットをロックするためのロック部とをそれぞ
    れ設け、同ロック部を開閉蓋で被覆するとともに、同開
    閉蓋の内側にてロック部のロック操作及びロック解除操
    作が行えるべく構成したことを特徴とする農作業機。
  2. 【請求項2】 前記開閉蓋は、機体の前端部に開閉自在
    に設けた前側カバーであることを特徴とする請求項1記
    載の農作業機。
  3. 【請求項3】 前記開閉蓋は、ボンネットに開閉自在に
    設けた給油用の給油口蓋であることを特徴とする請求項
    1記載の農作業機。
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