JP2003001698A - 樹脂製多層タンクのフランジ成形方法及び樹脂製多層タンクのフランジ構造 - Google Patents

樹脂製多層タンクのフランジ成形方法及び樹脂製多層タンクのフランジ構造

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JP2003001698A
JP2003001698A JP2001193152A JP2001193152A JP2003001698A JP 2003001698 A JP2003001698 A JP 2003001698A JP 2001193152 A JP2001193152 A JP 2001193152A JP 2001193152 A JP2001193152 A JP 2001193152A JP 2003001698 A JP2003001698 A JP 2003001698A
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Yozo Nagai
洋三 永井
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層パリソンを用いたブロー成形で作成する
樹脂製多層タンクにフランジを形成する場合に、安定し
たバリア層の配置が可能なフランジ形成方法を提供す
る。 【解決手段】 フランジ10に形成されるOリング22
配置用の凹条溝28の外側の外周フランジの形成量をフ
ランジ10の形成予定部に連なる多層パリソン18の肉
厚に応じて増減する。すなわち、多層パリソン18の肉
厚が厚い場合に外周フランジを大きくし、多層パリソン
18の肉厚が薄い場合に外周フランジを小さくする。そ
の結果、少なくとも多層パリソン18の外層部樹脂14
aの移動が抑制され、その内部に含まれるバリア層16
の移動量をコントロールすることが可能になり、フラン
ジ10に対して安定したバリア層16の配置を行うこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂製多層タンク
のフランジ成形方法及び樹脂製多層タンクのフランジ構
造、特にバリア層を有する多層パリソンを用いてブロー
成形して膨張形成するタンクの壁の一部を折り畳み圧縮
してフランジを形成する時に、フランジ内の最適位置に
バリア層を配置することができるフランジ成形方法及び
フランジ構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から自動車等の車両において燃料等
の液体を収容するタンクは、その軽量化や製造の容易化
を図ることが要求され、通常プラスチック製のタンクが
使用されている。このようなプラスチック製のタンクを
製造するための素材としては、成形性、強度及びコスト
面等を考慮すると、高密度ポリエチレンの使用が考えら
れる。高密度ポリエチレンで形成したタンクで液体の収
容、特に燃料(ガソリンや軽油等)等を収容する場合、
タンクは、高い不透過性が要求される。前述した高密度
ポリエチレンは、成形性や強度の点で優れている反面、
ガソリン等の液体を透過させてしまうという性質を有す
る。その結果、長時間ガソリン等を収容した状態で放置
した場合、ガソリン等の液体が徐々にタンクの壁面に浸
透し透過して漏れてしまう。
【0003】そこで、例えば、特開昭63−26042
4号公報には、図5(a)〜(c)に示すように、高密
度ポリエチレンからなる主材樹脂層(外層部樹脂100
a、内層部樹脂100b)で、ガソリン等の液体に対す
る非透過性の高いナイロン樹脂等からなる、いわゆるバ
リア層102をサンドイッチした多層パリソン104を
用いてタンクを成形する方法が示されている。多層パリ
ソン104は、成形型(本型A、入子型B)のキャビテ
ィ内に配置され、その後、ブロー成形により成形型のキ
ャビティに沿って膨張させることにより、成形性、強
度、液体の非透過性に優れた三層構造からなる中空体
(所定の追加工を施して樹脂製多層タンクとする)10
6を形成することができる。
【0004】このように形成される中空体106は、例
えば、収容液体の汲み上げを行うために、中空体106
の一部に開口を設けポンプ等を接続する。その接続部分
には、一般にシール部材としてOリング等が配置され、
ポンプ等の付属部品の接続部分からの液体の漏れを防ぐ
ようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したよ
うなポンプ等の付属部品を中空体106に固定する場
合、図5(b)に示すような固定用のフランジ108を
形成する必要がある。すなわち、多層パリソン104を
用いたブロー成形により中空体106を形成する場合、
多層パリソン104が柔らかい間に中空体106の壁面
106aに対してほぼ直角な面を有するフランジ108
を形成する。この場合、図5(a),(b)に示すよう
に、多層パリソン104の一部を本型Aと入子型Bで挟
み込み、入子型Bを本型Aに対して接近させて、多層パ
リソン104に折り畳み圧縮処理を施すことにより形成
する。この圧縮処理の時、多層バリソン104は融けた
状態であるため、多層バリソン104の内部のバリア層
102は任意の方向に移動可能である。その結果、圧縮
時にフランジ108の形成予定部から余剰な高密度ポリ
エチレンと共にバリア層102がフランジの内周側(図
5(b)の場合、図中右側)に押し出されてしまう場合
がある。つまり、フランジ108にバリア層102が安
定して存在しない場合が生じる。特に、自動車の燃料タ
ンクのように形状が複雑な場合、多層パリソン104を
均一に膨張させても、部分毎に形状が異なるため、膨張
のバランスによって展開される樹脂の量(厚み)が変化
したり(必要最低限度の厚みは確保できるように設計さ
れている)、フランジ形成予定部への侵入量が微妙に変
化して、フランジ108のバリア層102の配置にばら
つきが生じる。
【0006】上述のように、バリア層102が最適位置
に配置されない場合、バリア層102のシール性が十分
に発揮されない場合がある。つまり、図5(c)に示す
ように、フランジ108に配置されるOリング110等
のシール部材までは、タンク外壁面等を伝わってタンク
内の液体が達する。この時、フランジ108の少なくと
もOリング110の配置される部分の直下位置まで、好
ましくは直下位置よりさらに外側(図5(c)中左側)
の位置まで、バリア層102が配置されないと、Oリン
グ110の周囲から高密度ポリエチレンを介して滲み出
る液体の量が多くなる。そのため、その滲み出し対策の
ためにさらなるシール構造の追加や、複雑なシール構造
の形成が必要になり、設計や製造工程が煩雑になった
り、製造コストが増加するという問題がある。
【0007】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あり、多層パリソンを用いてブロー成形で作成した樹脂
製多層タンクにフランジを形成する場合に、容易な構造
で安定したバリア層の配置が可能で、容易に十分なシー
ル効果を得ることのできる樹脂製多層タンクのフランジ
の成形方法及び樹脂製多層タンクのフランジ構造を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、本発明は、外層部樹脂と内層部樹脂の間に
少なくとも一層のバリア層を有する多層パリソンを用い
てブロー成形して膨張形成するタンクの壁の一部を折り
畳み圧縮してフランジを形成する樹脂製多層タンクのフ
ランジの成形方法であって、前記フランジの形成予定部
に連なる膨張後の多層パリソンの肉厚を検出する検出ス
テップと、検出した多層パリソンの肉厚に応じて、フラ
ンジに形成されるシール部材の配置領域の外側の外周フ
ランジの形成量を増減調整する調整ステップと、を含む
ことを特徴とする。
【0009】また、上記のような目的を達成するため
に、本発明は、外層部樹脂と内層部樹脂の間に少なくと
も一層のバリア層を有する多層パリソンを用いてブロー
成形して膨張形成するタンクの壁の一部を折り畳み圧縮
してフランジを形成する樹脂製多層タンクのフランジ構
造であって、前記フランジに形成されるシール部材の配
置領域の外側の外周フランジの形成量を前記フランジの
形成予定部に連なる膨張後の多層パリソンの肉厚に応じ
て増減することを特徴とする。
【0010】ここで、ブロー成形時にフランジの形成予
定部に連なる膨張後の多層パリソンの肉厚が厚い場合、
フランジの形成予定部の多層パリソンの肉厚も厚くなる
傾向にある。逆に膨張後の多層パリソンの肉厚が薄い場
合、フランジの形成予定部の多層パリソンの肉厚も薄く
なる傾向にある。そして、多層パリソンの肉厚が厚い場
合、バリア層の外側の外層部樹脂の量が増加する。逆に
肉厚が薄い場合、バリア層の外側の外層部樹脂の量が減
少する。従って、多層パリソンの肉厚が厚い場合と薄い
場合で同じ形状のフランジを形成した場合、多層パリソ
ンの肉厚が厚い方が外層部樹脂の移動量が多く、バリア
層をフランジの内周側に押し出す。そこで、フランジに
形成されるシール部材の配置領域の外側の外周フランジ
の形成量を多層パリソンの肉厚に応じて増減する。すな
わち、多層パリソンの肉厚が厚い場合に外周フランジを
大きくし、多層パリソンの肉厚が薄い場合に外周フラン
ジを小さくする。その結果、フランジの外周側から内周
側に向かって移動する外層部樹脂の移動が抑制され、バ
リア層の移動量をコントロールすることが可能になり、
安定したバリア層の配置を行うことができる。
【0011】また、上記のような目的を達成するため
に、本発明は、上記構成において、前記調整ステップ
は、前記シール部材の配置領域の外側の外周フランジの
半径方向の長さと前記フランジの形成予定部に連なる多
層パリソンの肉厚との比を、前記フランジの周方向の各
位置について、実質的に一定にすることを特徴とする。
【0012】また、上記のような目的を達成するため
に、本発明は、上記構成において、前記シール部材の配
置領域の外側の外周フランジの半径方向の長さと前記フ
ランジに形成予定部に連なる多層パリソンの肉厚との比
は、前記フランジの円周方向の各位置について、実質的
に一定であることを特徴とする。
【0013】ここで、実質的に一定とは、完全な一定を
意味するものではなく、所定許容量を含む一定である。
【0014】この構成によれば、フランジの形成予定部
に連なる多層パリソンの肉厚が不安定な場合でもバリア
層の移動がフランジ全周で抑制され、安定したバリア層
の配置を容易に行うことができる。
【0015】また、上記のような目的を達成するため
に、本発明は、上記構成において、前記調整ステップ
は、前記フランジの厚みを実質的に一定にしたまま、前
記シール部材の配置領域の外側の外周フランジ半径方向
の長さを部分的に変更して、外周フランジの形成量を調
整することを特徴とする。
【0016】また、上記のような目的を達成するため
に、本発明は、上記構成において、前記フランジの厚み
を実質的に一定にしたまま前記シール部材の配置領域の
外側の外周フランジの半径方向の長さを部分的に変更し
て外周フランジの形成量の増減を行うことを特徴とす
る。
【0017】この構成によれば、シール部材の配置領域
の内周側のシール領域に影響を与えることなく、バリア
層の配置コントロールを容易に行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
(以下、実施形態という)を図面に基づき説明する。
【0019】図1(a)には、本実施形態の樹脂製多層
タンクのフランジの成形方法を用いて成形したフランジ
10を有する樹脂製多層タンク(以下、単にタンクとい
う)12(フランジ10とその周囲のみ図示)が示され
ている。また、図1(b)には、フランジ10の上面図
が示されている。タンク12は、前述したように、成形
性や強度を考慮して形成される。具体的には、例えばポ
リエチレンからなる外層部樹脂14a及び内層部樹脂1
4bで、ナイロンからなるバリア層16をサンドイッチ
した多層パリソン18をブロー成形を用いて膨張させて
中空体を形成する。そして、図5(a)、(b)に示す
方法と同様な折り畳み圧縮処理を行うことにより、タン
ク12の一部にフランジ10を形成する。なお、図1
は、完成したタンク12の使用状態が示されている。す
なわち、タンク12に形成された開口部12aには、タ
ンク12の内部に収容された液体(例えば、ガソリン等
の燃料)を汲み上げる汲上げポンプ20が前記開口部1
2aの周囲に配置されたシール部材(例えば、Oリン
グ)22を介して装着されている。また、タンク12の
フランジ10の下方には、前記汲上げポンプ20をタン
ク12の開口部12aの周囲に配置されたOリング22
に押圧固定してタンク12の密閉性を維持するキャップ
24を螺合するためのスクリューリング26が装着され
ている。なお、キャップ24には開口24aが形成さ
れ、汲上げポンプ20からの配管20a,20b等が外
部に延びている。
【0020】本実施形態の特徴的事項は、図1(b)に
示すように、フランジ10の外周部分の形状が内周部分
の開口部12aの形状(円形)と異なる非円形形状とす
ることで、フランジ(後述する外周フランジ)の形成量
を調整しているところである。つまり、部分的にフラン
ジ10の半径が異なっている。後述するが、このフラン
ジ10の半径は、フランジ10(フランジ10の形成予
定部)に連なるタンク12の多層パリソン18の肉厚に
よって変化する。なお、図1(b)に示すように、タン
ク12の開口部12aは、ほぼ円形形状を呈し、当該開
口部12aの周囲に配置されるOリング22の配置領域
である凹条溝28(ハッチング部分)もほぼ円形形状を
呈している。従って、本実施形態において、フランジ1
0は、凹条溝28の外側の長さが部分的に異なってい
る。
【0021】前述したように、多層パリソン18を用い
てブロー成形を行う場合、周囲の形状や多層パリソン1
8の膨張の仕方等により、膨張完了時の多層パリソン1
8の肉厚が変化する。多層パリソン18の肉厚が厚いと
いうことは、バリア層16の外側の外層部樹脂14a及
び内側の内層部樹脂14bの厚みが厚いということであ
る。このように部分毎に多層パリソン18の肉厚が変化
した状態で、フランジ10を形成するために折り畳み圧
縮すると、多層パリソン18の肉厚が厚い部分では、フ
ランジ10の形成予定部からより多くの外層部樹脂14
a及び内層部樹脂14bが押し出される。その結果、バ
リア層16もフランジ10の形成予定部外に押し出され
る。この押し出され量が、多層パリソン18の厚みによ
って変化するので、バリア層16の位置がフランジ10
の部分毎に異なりバリア層16の配置が不安定にしてし
まう。
【0022】そこで、本実施形態では、フランジ10の
形成時の外層部樹脂14a及び内層部樹脂14bの押し
出される量、特に外層部樹脂14aの量をコントロール
することで、バリア層16の位置を所望の位置に維持す
るようにしている。具体的には、フランジ10の外周方
向への突出量を変化させる。つまり、図2(a)に示す
ように、フランジ10の形成予定部のある部分に連なる
多層パリソン18の垂直部分の厚みA1に応じて、フラ
ンジ10の凹条溝28の外側の外周フランジ10Aの長
さA2を決定する。同様に、図2(b)に示すように、
フランジ10の形成予定部のある部分に連なる多層パリ
ソン18の垂直部分の厚みB1に応じて、フランジ10
の凹条溝28の外側の外周フランジ10Bの長さB2を
決定する。つまり、フランジ10上の任意の部分の外周
フランジ10Aや外周フランジ10Bを形成するために
最適な量の外層部樹脂14a及び内層部樹脂14bを供
給すれば、その移動量を最小にすることが可能になり
る。その結果、バリア層16の移動量をコントロールす
ることが可能になり、最適な位置にバリア層16を配置
することができる。なお、図2(a)は、図1(b)の
線分a−aで切断した断面であり、図2(b)は、図1
(b)の線分b−bで切断した断面であり、タンク12
において、線分a−aの部分が線分b−bの部分より厚
みが厚くなっている例を示している。なお、図2
(a),(b)において、フランジ10の厚みCは、フ
ランジ10の全周でほぼ均一であるとする。
【0023】例えば、図2(a)に示すように、フラン
ジ10に連なる多層パリソン18の垂直部分の厚みA1
が厚い場合、形成しようとする外周フランジ10Aの長
さA2を長くすれば、フランジ10の形成時に折り畳み
圧縮処理を行う際に、多層パリソン18が厚く外層部樹
脂14a及び内層部樹脂14bが多く存在する場合で
も、外周フランジ10Aの形成領域に多くの外層部樹脂
14a及び内層部樹脂14bが収容可能になる。その結
果、圧縮時に押し出される外層部樹脂14a及び内層部
樹脂14bの量が抑制され、外層部樹脂14aと内層部
樹脂14bで挟まれたバリア層16の移動量も軽減され
る。一方、図2(b)に示すように、フランジ10に連
なる多層パリソン18の垂直部分の厚みB1が薄い場
合、形成しようとする外周フランジ10Bの長さB2を
短くすれば、フランジ10の形成時に折り畳み圧縮処理
を行う際に、多層パリソン18が薄く外層部樹脂14a
及び内層部樹脂14bが少ない場合でも、バリア層16
が表面に露出したりすること無くフランジ10を所定の
厚みで形成することが可能になる。つまり、バリア層1
6を最適な位置に配置することが可能になる。
【0024】ところで、バリア層16は、Oリング22
の配置位置からタンク12の内部に収容する液体が外層
部樹脂14aに浸透し漏れ出すことを防止するために設
ける必要がある。従って、バリア層16は、シール部材
であるOリング22の直下、望ましくは、図3に示すよ
うに、Oリング22の中心より外側まで延びて配置され
ることが好ましい。前述したように、フランジ10のあ
る部分に連なる多層パリソン18の垂直部分の厚みに応
じて、フランジ10の凹条溝28の外側の外周フランジ
の長さを決定することにより、図3に示すように、バリ
ア層16をフランジ10の所望位置に配置することがで
きる。つまり、フランジ10の全周に対してバリア層1
6の最適な配置を行うためには、多層パリソン18の垂
直部分の厚みと外周フランジの長さの比を一定にするこ
とが必要なる。例えば、上述した線分a−aの位置にお
ける(A2/A1)と線分b−bの位置における(B2/
B1)が等しく(あるいは所定範囲以内、例えば±10
%程度に)なるように調整することが必要になる。前述
したように、多層パリソン18の垂直部分の厚みは、タ
ンク12の形状によりフランジ10の周方向で異なるの
で、外周フランジの長さを調整することになる。なお、
フランジ10は、装着する汲上げポンプ20の支持とタ
ンク12内の密閉性を維持できればよいので、Oリング
22を配置する凹条溝28の内側の形状が維持できれば
よく、フランジ10の機能上、凹条溝28の外側の形状
は任意である。本実施形態においては、キャップ24及
び螺合するためのスクリューリング26を大きくするこ
とにより、フランジ10の外周フランジの外周径の変動
を吸収することが可能となる。
【0025】なお、外周フランジの長さを定める場合、
例えば、A2/A1の値が小さくなりすぎると、つまり、
多層パリソン18の垂直部分の厚みA1に対して、フラ
ンジ10の凹条溝28の外側の外周フランジの長さA2
が短か過ぎると、バリア層16がOリング22の直下ま
で来なくなる虞があり、逆にA2/A1の値が大きすぎる
場合、つまり、多層パリソン18の垂直部分の厚みA1
に対して、フランジ10の凹条溝28の外側の外周フラ
ンジの長さA2が長が過ぎると、凹条溝28が寸法通り
にできなかったり、フランジ10にボイドが形成された
りする。従って、(A2/A1)等の比は、予めシミュレ
ーション等に基づき適宜選択することが望ましい。
【0026】このように、フランジ10に配置するOリ
ング22用の凹条溝28の外側の大きさ、つまり外周フ
ランジの半径方向の長さをフランジ10の全周について
調整することにより、バリア層16を所望の位置に配置
することが可能になる。その結果、新たなシール構造を
追加したり、複雑な構造にする必要がなく、タンク12
の十分なシールを容易かつシンプルな構造により行うこ
とができる。
【0027】なお、上述した例では、フランジ10の厚
みCを一定にした場合に、外周フランジの半径方向に長
さを変更することで、外周フランジの形成量の調整を行
う例を示したが、フランジ10の形成時に、外周フラン
ジの形成量の調整が行われればよく、例えば、図4に示
すように、外周フランジ10Cの高さC1を増減するこ
とにより、外周フランジ10Cで収容可能な外層部樹脂
14aや内層部樹脂14bの量を変化させてもよい。こ
の場合、高さC1に応じて、タンク12に装着するキャ
ップ24の内部形状に逃げを設けたり、汲上げポンプ2
0の上部フランジの形状を調整する必要が生じる場合が
ある。また、フランジ10の圧縮形成後に、高さC1を
凹条溝28の内側の高さに応じて、削り取ってフランジ
10全体の厚みを調整するようにしてもよい。
【0028】上述した実施形態では、タンク内の液体を
汲み上げる汲上げポンプを装着するフランジを形成する
例を示したが、タンクに形成するフランジであれば、フ
ランジの用途は任意であり、本実施形態と同様に、容易
な構成によりシール性の向上を行うことができる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、フランジの形成予定部
に連なる多層パリソンの肉厚が厚い場合に外周フランジ
を大きくし、多層パリソンの肉厚が薄い場合に外周フラ
ンジを小さくすることにより、フランジ形成時の外層部
樹脂の移動が抑制され、バリア層の移動量をコントロー
ルすることが可能になり、安定したバリア層の配置を行
うことができる。その結果、容易かつシンプルな構成に
より、樹脂製多層タンクのフランジ部分のシール性を向
上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る樹脂製多層タンクの
フランジの成形方法を用いて成形したフランジを有する
樹脂製多層タンクのフランジ及びその周囲の構造を説明
する説明図である。
【図2】 本発明の実施形態に係る樹脂製多層タンクの
フランジの成形方法を用いて成形した部分的に形状の異
なるフランジを説明する説明図である。
【図3】 本発明の実施形態に係る樹脂製多層タンクの
フランジの成形方法を用いて成形したフランジの形状を
説明する説明図である。
【図4】 本発明の実施形態に係る樹脂製多層タンクの
フランジの成形方法を用いて成形したフランジの他の形
状を説明する説明図である。
【図5】 樹脂製多層タンクのフランジの成形方法及
び、形成時のバリア層の位置を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 フランジ、12 樹脂製多層タンク(タンク)、
12a 開口部、14a 外層部樹脂、14b 内層部
樹脂、16 バリア層、18 多層パリソン、20 汲
上げポンプ、22 Oリング、24 キャップ、26
スクリューリング、28 凹条溝。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外層部樹脂と内層部樹脂の間に少なくと
    も一層のバリア層を有する多層パリソンを用いてブロー
    成形して膨張形成するタンクの壁の一部を折り畳み圧縮
    してフランジを形成する樹脂製多層タンクのフランジの
    成形方法であって、 前記フランジの形成予定部に連なる膨張後の多層パリソ
    ンの肉厚を検出する検出ステップと、 検出した多層パリソンの肉厚に応じて、フランジに形成
    されるシール部材の配置領域の外側の外周フランジの形
    成量を増減調整する調整ステップと、 を含むことを特徴とする樹脂製多層タンクのフランジ成
    形方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法において、 前記調整ステップは、 前記シール部材の配置領域の外側の外周フランジの半径
    方向の長さと前記フランジの形成予定部に連なる多層パ
    リソンの肉厚との比を、前記フランジの周方向の各位置
    について、実質的に一定にすることを特徴とする樹脂製
    多層タンクのフランジ成形方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の方法にお
    いて、 前記調整ステップは、 前記フランジの厚みを実質的に一定にしたまま、 前記シール部材の配置領域の外側の外周フランジ半径方
    向の長さを部分的に変更して、外周フランジの形成量を
    調整することを特徴とする樹脂製多層タンクのフランジ
    成形方法。
  4. 【請求項4】 外層部樹脂と内層部樹脂の間に少なくと
    も一層のバリア層を有する多層パリソンを用いてブロー
    成形して膨張形成するタンクの壁の一部を折り畳み圧縮
    してフランジを形成する樹脂製多層タンクのフランジ構
    造であって、 前記フランジに形成されるシール部材の配置領域の外側
    の外周フランジの形成量を前記フランジの形成予定部に
    連なる膨張後の多層パリソンの肉厚に応じて増減するこ
    とを特徴とする樹脂製多層タンクのフランジ構造。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のフランジ構造において、
    前記シール部材の配置領域の外側の外周フランジの半径
    方向の長さと前記フランジに形成予定部に連なる多層パ
    リソンの肉厚との比は、前記フランジの円周方向の各位
    置について、実質的に一定であることを特徴とする樹脂
    製多層タンクのフランジ構造。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5記載のフランジ
    構造において、 前記フランジの厚みを実質的に一定にしたまま前記シー
    ル部材の配置領域の外側の外周フランジの半径方向の長
    さを部分的に変更して外周フランジの形成量の増減を行
    うことを特徴とする樹脂製多層タンクのフランジ構造。
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