JP2003000261A - 新規ポリペプチドおよびそのdna - Google Patents

新規ポリペプチドおよびそのdna

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JP2003000261A
JP2003000261A JP2001187238A JP2001187238A JP2003000261A JP 2003000261 A JP2003000261 A JP 2003000261A JP 2001187238 A JP2001187238 A JP 2001187238A JP 2001187238 A JP2001187238 A JP 2001187238A JP 2003000261 A JP2003000261 A JP 2003000261A
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salt
ser
gly
ester
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JP2001187238A
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English (en)
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Toshibumi Kita
俊文 喜多
Yoshihisa Taniyama
佳央 谷山
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アポリポタンパクA−Iに結合する能力を有
する、キュービリンの部分フラグメントとアポリポタン
パクA−Iの結合を促進または阻害する化合物を探索す
るためのスクリーニング方法等の構築、およびスクリー
ニング方法等により得られる化合物を含有してなる予防
・治療剤の提供。 【効果】 本発明の化合物等は、キュービリンが関与す
る各種疾病の予防・治療剤等に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キュービリンの部
分ペプチドおよびその機能に関する。
【0002】
【従来の技術】HDL−コレステロール(HDL(高密
度リポタンパク)に含まれるコレステロール、以下、H
DL−Cと略称することがある)値は冠動脈疾患におい
て負の危険因子として知られ、その上昇を目的とした薬
剤開発は以前から試みられてきたが、フィブラート系薬
剤をはじめとするこの様な試みはHDL−Cを有意な差
を持って上昇させるが、十分ではない。また、この様な
HDL−Cの上昇は、結果的要素を表現するものであ
り、動脈硬化病巣からのコレステロールの引き抜きが真
の目的である限り、その引き抜きの主体となるアポリポ
タンパクA−I(アポA−I(以下、apo A-Iと記載す
ることがある))の上昇こそが必要とされる技術である
ことが、近年のトランスジェニックマウスなどの研究か
ら明らかとなってきている。apo A-Iは血漿中でその殆
どがHDLとしてリン脂質、コレステロール、コレステ
ロールエステルなどと複合体として存在し、これらは主
に肝で異化代謝されるが、高トリグリセリド血症などで
は、トリグリセリド(以下、TGと記載することがあ
る)含量の増加したHDLは各種のlipaseの働きによっ
てより小さな、apo A-I粒子へと変換され、これらは主
に腎で異化代謝されることが知られている。腎での異化
代謝は、尿細管濾過を通過した小粒子apo A-Iが近位尿
細管内で再吸収とそれに続く分解を受けることによって
成立する。Kozyrakiらは尿細管上皮に発現し、ビタミン
B12−内因子複合体やLDL受容体関連タンパク(L
RP)結合タンパク(以下、RAPと記載することがあ
る)を結合することが知られるキュービリン分子(GenB
ank登録番号AF034611)がapo A-Iとも結合することを報
告している(Nature Medicine Vol. 5, No. 6, 656-661
(1999); Proc. Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 96, 1015
8-10163 (1999)等)。しかし、キュービリンとapo A-I
の結合の血清apo A-I濃度やHDL濃度、あるいは動脈
硬化症との関連については明らかにされていない。apo
A-Iとキュービリンの結合は、高TG血症などで問題と
なる低HDL血症の治療薬開発や動脈硬化の根本的治療
薬開発に重要な知見となる可能性があるが、これらの薬
剤開発のため、キュービリン分子内のapo A-I結合ドメ
インを限定していくことは、例えば抗キュービリンapo
A-I結合サイト抗体の開発や、低分子化合物の探索など
に極めて有用である。このように、キュービリン分子内
にapo A-I結合サイトが限局して存在するという知見
は、臨床応用を考える上で極めて重要であり、その同定
は待ち望まれていた。また、apo A-Iとキュービリン部
分フラグメントとの結合を阻害する物質を投与すること
による、血中apo A-I濃度の上昇、HDL濃度の上昇、
さらには動脈硬化症の治療薬は、高TG血症や高コレス
テロール血症、動脈硬化性疾患の治療のために待ち望ま
れていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】キュービリン上のapo
A-I結合サイトを同定し、同定した結合サイトを含むキ
ュービリンのフラグメントとapo A-Iの結合を阻害する
化合物を探索するためのスクリーニング方法の構築、お
よび構築したスクリーニング方法により得られる化合物
を含有してなる医薬を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】キュービリン分子内のap
o A-I結合サイトを限局することは、キュービリンのapo
A-I結合フラグメントそのものや、これに対する抗体
や、あるいはまたapo A-Iとの結合を阻害することを特
徴とする低分子化合物の臨床応用につながる。本発明者
らは、鋭意研究を重ねた結果、キュービリンのCUB7-CUB
14のフラグメントペプチド(Blood 91, 3593-3600 (199
8))およびCUB9-CUB14のフラグメントペプチドにapo A-
I結合活性を見いだした。また本フラグメントを用いたa
po A-I結合測定実験系を開発した。これらの知見に基づ
いて、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、(1)アポリポタンパクA
−Iに結合する能力を有する、キュービリンの部分フラ
グメントであるポリペプチド、そのアミド、もしくはそ
のエステルまたはその塩、(2)ポリペプチドが配列番
号:10で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的
に同一のアミノ酸配列を有することを特徴とするポリペ
プチドである、前記(1)記載のポリペプチド、そのア
ミド、もしくはそのエステルまたはその塩、(3)ポリ
ペプチドが配列番号:10で表されるアミノ酸配列を有
する、前記(1)記載のポリペプチド、そのアミド、も
しくはそのエステルまたはその塩、(4)ポリペプチド
が配列番号:19で表されるアミノ酸配列と同一もしく
は実質的に同一のアミノ酸配列を有することを特徴とす
るポリペプチドである、前記(1)記載のポリペプチ
ド、そのアミド、もしくはそのエステルまたはその塩、
(5)ポリペプチドが配列番号:19で表されるアミノ
酸配列を有する、前記(1)記載のポリペプチド、その
アミド、もしくはそのエステルまたはその塩、(6)前
記(1)記載のポリペプチドをコードするDNAを含有
するDNA、(7)配列番号:9で表される塩基配列を
含有する前記(6)記載のDNA、(8)配列番号:2
2で表される塩基配列を含有する前記(6)記載のDN
A、(9)前記(6)記載のDNAを含有する組換えベ
クター、(10)前記(9)記載の組換えベクターで形
質転換された形質転換体、(11)前記(10)記載の
形質転換体を培養し、該ポリペプチドを生成せしめるこ
とを特徴とする前記(1)記載のポリペプチド、そのア
ミド、もしくはそのエステルまたはその塩の製造法、
(12)前記(1)記載のポリペプチド、そのアミド、
もしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、(1
3)前記(1)記載のポリペプチド、そのアミド、もし
くはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とす
る前記(1)記載のポリペプチドまたはその塩の活性を
促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニン
グ方法、(14)前記(1)記載のポリペプチドまたは
その塩を含有してなる前記(1)記載のポリペプチド、
そのアミド、もしくはそのエステルまたはその塩の活性
を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニ
ング用キット、(15)前記(13)記載のスクリーニ
ング方法または前記(14)記載のスクリーニング用キ
ットを用いて得られる、前記(1)記載のポリペプチ
ド、そのアミド、もしくはそのエステルまたはその塩の
活性を促進または阻害する化合物またはその塩、(1
6)前記(13)記載のスクリーニング方法または前記
(14)記載のスクリーニング用キットを用いて得られ
る前記(1)記載のポリペプチド、そのアミド、もしく
はそのエステルまたはその塩の活性を促進または阻害す
る化合物またはその塩を含有してなる医薬、(17)前
記(13)記載のスクリーニング方法または前記(1
4)記載のスクリーニング用キットを用いて得られる前
記(1)記載のポリペプチド、そのアミド、もしくはそ
のエステルまたはその塩の活性を促進する化合物または
その塩を含有してなる腎障害、腎炎、腎症、尿タンパク
症、神経障害またはビタミンB12欠乏症の予防・治療
剤、(18)前記(13)記載のスクリーニング方法ま
たは前記(14)記載のスクリーニング用キットを用い
て得られる前記(1)記載のポリペプチド、そのアミ
ド、もしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害す
る化合物またはその塩を含有してなる高脂血症、高トリ
グリセリド血症、低HDL血症、低アポリポプロテイン
A−I血症、食事後高脂血症、糖尿病、肥満、動脈硬化
症、心筋梗塞または狭心症の予防・治療剤、(19)前
記(1)記載のポリペプチド、そのアミド、もしくはそ
のエステルまたはその塩を含有してなる医薬、(20)
前記(1)記載のポリペプチド、そのアミド、もしくは
そのエステルまたはその塩を含有してなる糖尿病、肥
満、動脈硬化症、高脂血症、高トリグリセリド血症、低
HDL血症、低アポリポプロテインA−I血症または神
経障害の予防・治療剤、(21)請求項6記載のDNA
を用いることを特徴とする診断剤。(22)前記(1
2)記載の抗体を含有してなる診断剤、(23)哺乳動
物に対して、前記(13)記載のスクリーニング方法ま
たは前記(14)記載のスクリーニング用キットを用い
て得られる前記(1)記載のポリペプチド、そのアミ
ド、もしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進す
る化合物またはその塩を含有してなる腎障害、腎炎、腎
症、尿タンパク症、神経障害またはビタミンB12欠乏
症の予防・治療方法、(24)哺乳動物に対して、前記
(13)記載のスクリーニング方法または前記(14)
記載のスクリーニング用キットを用いて得られる前記
(1)記載のポリペプチド、そのアミド、もしくはその
エステルまたはその塩の活性を阻害する化合物またはそ
の塩の有効量を投与することを特徴とする高脂血症、高
トリグリセリド血症、低HDL血症、低アポリポプロテ
インA−I血症、食事後高脂血症、糖尿病、肥満、動脈
硬化症、心筋梗塞または狭心症の予防・治療方法、(2
5)高脂血症、高トリグリセリド血症、低HDL血症、
低アポリポプロテインA−I血症、食事後高脂血症、糖
尿病、肥満、動脈硬化症、心筋梗塞または狭心症の予防
・治療剤の製造のための、前記(13)記載のスクリー
ニング方法または前記(14)記載のスクリーニング用
キットを用いて得られる前記(1)記載のポリペプチ
ド、そのアミド、もしくはそのエステルまたはその塩の
活性を阻害する化合物またはその塩の使用、(26)哺
乳動物に対して、前記(1)記載のポリペプチド、その
アミド、もしくはそのエステルまたはその塩の有効量を
投与することを特徴とする糖尿病、肥満、動脈硬化症、
高脂血症、高トリグリセリド血症、低HDL血症、低ア
ポリポプロテインA−I血症または神経障害の予防・治
療方法、(27)糖尿病、肥満、動脈硬化症、高脂血
症、高トリグリセリド血症、低HDL血症、低アポリポ
プロテインA−I血症または神経障害の予防・治療剤の
製造のための、請求項1記載のポリペプチド、そのアミ
ド、もしくはそのエステルまたはその塩の使用等に関す
る。さらには、本発明は、(28)配列番号:10また
は配列番号:19で表されるアミノ酸配列と実質的に同
一のアミノ酸配列が、それぞれ配列番号:10または配
列番号:19で表されるアミノ酸配列と約50%以上
(好ましくは約60%以上、さらに好ましくは約70%
以上、より好ましくは約80%以上、特に好ましくは約
90%以上、最も好ましくは約95%以上)の相同性を
有するアミノ酸配列である上記(2)または(4)記載
のポリペプチド、そのアミド、もしくはそのエステルま
たはその塩、(29)配列番号:10でまたは配列番
号:19表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ
酸配列が、それぞれ配列番号:10または配列番号:
19で表されるアミノ酸配列中の1または2個以上(好
ましくは、1〜30個程度)のアミノ酸が欠失したアミ
ノ酸配列、配列番号:10または配列番号:19で表
されるアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、
1〜30個程度)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、
配列番号:10または配列番号:19で表されるアミ
ノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30
個程度)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ
酸配列、またはそれらを組み合わせたアミノ酸配列で
ある上記(2)または(4)記載のポリペプチド、その
アミド、もしくはそのエステルまたはその塩等を提供す
る。さらに本発明のDNA、およびポリペプチド、その
アミドもしくはそのエステルまたはその塩等は、分子量
マーカー、組織マーカー、染色体マッピング、遺伝病の
同定、プライマー、プローブの設計等の基礎研究に利用
できる可能性がある。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のアポリポタンパク(プロ
テイン)A−Iに結合する能力を有する、キュービリン
の部分フラグメントであるポリペプチド(以下、本発明
のポリペプチドと称することがある)は、ヒトや温血動
物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、
ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サル等)の細胞(例え
ば、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細
胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細
胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維
細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファー
ジ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細
胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜
細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細
胞、もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、
幹細胞もしくはガン細胞等)もしくはそれらの細胞が存
在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(例、嗅
球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳
皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、
肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋
肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸
腺、脾臓、唾液腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎
盤、子宮、骨、軟骨、関節、骨格筋等に由来するポリペ
プチドであってもよく、組換えポリペプチドであっても
よく、合成ポリペプチドであってもよい。また、本発明
のポリペプチドがシグナルペプチドを有している場合
は、ポリペプチドを効率よく細胞外に分泌させることが
できる。
【0006】アポリポタンパクA−Iに結合する能力を
有する、キュービリンの部分フラグメントはキュービリ
ンの部分ペプチドであって、アポリポタンパクA−Iに
結合する能力を有するものであればいかなる部分ペプチ
ドでもよいが、配列番号:10で表されるアミノ酸配列
と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポ
リペプチド、配列番号:19で表されるアミノ酸配列と
同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリ
ペプチドが好ましい。
【0007】配列番号:10で表されるアミノ酸配列と
実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:10
で表されるアミノ酸配列と約50%以上、好ましくは約
60%以上、さらに好ましくは約70%以上、より好ま
しくは約80%以上、特に好ましくは約90%以上、最
も好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配
列等が挙げられる。配列番号:19で表されるアミノ酸
配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番
号:19で表されるアミノ酸配列と約50%以上、好ま
しくは約60%以上、さらに好ましくは約70%以上、
より好ましくは約80%以上、特に好ましくは約90%
以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有するア
ミノ酸配列等が挙げられる。
【0008】本発明の配列番号:10で表されるアミノ
酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプ
チドとしては、例えば、前記の配列番号:10で表され
るアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、
配列番号:10で表されるアミノ酸配列を有するポリペ
プチドと実質的に同質の性質を有するポリペプチド等が
好ましい。本発明の配列番号:19で表されるアミノ酸
配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチ
ドとしては、例えば、前記の配列番号:19で表される
アミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配
列番号:19で表されるアミノ酸配列を有するポリペプ
チドと実質的に同質の性質を有するポリペプチド等が好
ましい。実質的に同質の性質としては、例えば、アポリ
ポタンパクA−Iと結合すること等が挙げられる。実質
的に同質とは、それらの性質が定性的に同質であること
を示す。したがって、アポリポタンパクA−Iとの結合
能等の性質が同等(例、約0.1〜100倍、好ましく
は約0.5〜10倍、より好ましくは0.5〜2倍)で
あることが好ましいが、この性質の程度、ポリペプチド
の分子量等の量的要素は異なっていてもよい。
【0009】また、配列番号:10または配列番号:1
9で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配
列を含有するポリペプチドとしてより具体的には、例え
ば、それぞれ配列番号:10または配列番号:19で
表されるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましく
は、1〜30個程度、好ましくは1〜10個程度、さら
に好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が欠失したア
ミノ酸配列、配列番号:10または配列番号:19で
表されるアミノ酸配列に1または2個以上(好ましく
は、1〜30個程度、好ましくは1〜10個程度、さら
に好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が付加したア
ミノ酸配列、配列番号:10または配列番号:19で
表されるアミノ酸配列に1または2個以上(好ましく
は、1〜30個程度、好ましくは1〜10個程度、さら
に好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が挿入された
アミノ酸配列、配列番号:10または配列番号:19
で表されるアミノ酸配列中の1または2個以上(好まし
くは、1〜30個程度、好ましくは1〜10個程度、さ
らに好ましくは数(1〜5)個)のアミノ酸が他のアミ
ノ酸で置換されたアミノ酸配列、またはそれらを組み
合わせたアミノ酸配列を含有するポリペプチド等のいわ
ゆるムテインも含まれる。上記のようにアミノ酸配列が
挿入、欠失または置換されている場合、その挿入、欠失
または置換の位置としては、特に限定されないが、配列
番号:10または配列番号:19で表されるアミノ酸配
列中のapo A−I結合に必須でない位置等が挙げら
れる。
【0010】本明細書におけるポリペプチドは、ペプチ
ド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右
端がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:1
0で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをは
じめとする、本発明のポリペプチドは、C末端が通常カ
ルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレート
(−COO-)であるが、C末端がアミド(−CON
2)またはエステル(−COOR)であってもよい。
ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチ
ル等のC1-6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シ
クロヘキシル等のC3-8シクロアルキル基、例えば、フ
ェニル、α−ナフチル等のC6-12アリール基、例えば、
ベンジル、フェネチル等のフェニル−C 1-2アルキル基
もしくはα−ナフチルメチル等のα−ナフチル−C1-2
アルキル基等のC7-14アラルキル基のほか、経口用エス
テルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基等が用
いられる。本発明のポリペプチドがC末端以外にカルボ
キシル基(またはカルボキシレート)を有している場
合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化されて
いるものも本発明のポリペプチドに含まれる。この場合
のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステル
等が用いられる。さらに、本発明のポリペプチドには、
N末端のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)のアミノ
基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基等のC
1-6アルカノイル等のC1-6アシル基等)で保護されてい
るもの、生体内で切断されて生成するN末端のグルタミ
ン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ
酸の側鎖上の置換基(例えば−OH、−SH、アミノ
基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基等)
が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基等の
1-6アルカノイル基等のC1-6アシル基等)で保護され
ているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ポリペ
プチド等の複合ポリペプチド等も含まれる。
【0011】本発明のポリペプチドの塩としては、生理
学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸)や塩基
(例、アルカリ金属塩)等との塩が用いられ、とりわけ
生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩
としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭
化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢
酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハ
ク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、
メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩等が用
いられる。本発明のポリペプチドまたはその塩は、前述
したヒトや温血動物の細胞または組織から公知のポリペ
プチド(タンパク質)の精製方法によって製造すること
もできるし、後述するポリペプチドをコードするDNA
を含有する形質転換体を培養することによっても製造す
ることができる。また、後述のペプチド合成法に準じて
製造することもできる。ヒトや哺乳動物の組織または細
胞から製造する場合、ヒトや哺乳動物の組織または細胞
をホモジナイズした後、酸等で抽出を行ない、該抽出液
を逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフ
ィー等のクロマトグラフィーを組み合わせることにより
精製単離することができる。
【0012】本発明のポリペプチドまたはその塩、また
はそのアミド体の合成には、通常市販のポリペプチド
(タンパク質)合成用樹脂を用いることができる。その
ような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹脂、ヒド
ロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミノ
メチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルアルコール樹
脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹
脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセトアミド
メチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−(2',4'-ジ
メトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェノキシ樹
脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fmocアミノ
エチル)フェノキシ樹脂等を挙げることができる。この
ような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基を適当に
保護したアミノ酸を、目的とするポリペプチドの配列通
りに、公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合させ
る。反応の最後に樹脂からポリペプチドを切り出すと同
時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で分子内
ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的のポリペプチ
ドまたはそれらのアミド体を取得する。上記した保護ア
ミノ酸の縮合に関しては、ポリペプチド合成に使用でき
る各種活性化試薬を用いることができるが、特に、カル
ボジイミド類がよい。カルボジイミド類としては、DC
C、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、N−エ
チル−N’−(3−ジメチルアミノプロリル)カルボジ
イミド等が用いられる。これらによる活性化にはラセミ
化抑制添加剤(例えば、HOBt、HOOBt)ととも
に保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、対称酸
無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエス
テルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なった
後に樹脂に添加することができる。
【0013】保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用
いられる溶媒としては、ポリペプチド(タンパク質)縮
合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選
択されうる。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド,
N,N−ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリドン
等の酸アミド類、塩化メチレン,クロロホルム等のハロ
ゲン化炭化水素類、トリフルオロエタノール等のアルコ
ール類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ピ
リジン,ジオキサン,テトラヒドロフラン等のエーテル
類、アセトニトリル,プロピオニトリル等のニトリル
類、酢酸メチル,酢酸エチル等のエステル類あるいはこ
れらの適宜の混合物等が用いられる。反応温度はポリペ
プチド(タンパク質)結合形成反応に使用され得ること
が知られている範囲から適宜選択され、通常約−20〜
50℃の範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ
酸誘導体は通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒ
ドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合
には保護基の脱離を行なうことなく縮合反応を繰り返す
ことにより十分な縮合を行なうことができる。反応を繰
り返しても十分な縮合が得られないときには、無水酢酸
またはアセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸を
アセチル化することによって、後の反応に影響を与えな
いようにすることができる。
【0014】原料のアミノ基の保護基としては、例え
ば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソ
ボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキ
シカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマンチルオキ
シカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホ
ルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニル
ホスフィノチオイル、Fmoc等が用いられる。
【0015】カルボキシル基は、例えば、アルキルエス
テル化(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、
t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロ
ヘプチル、シクロオクチル、2−アダマンチル等の直鎖
状、分枝状もしくは環状アルキルエステル化)、アラル
キルエステル化(例えば、ベンジルエステル、4−ニト
ロベンジルエステル、4−メトキシベンジルエステル、
4−クロロベンジルエステル、ベンズヒドリルエステル
化)、フェナシルエステル化、ベンジルオキシカルボニ
ルヒドラジド化、t−ブトキシカルボニルヒドラジド
化、トリチルヒドラジド化等によって保護することがで
きる。
【0016】セリンの水酸基は、例えば、エステル化ま
たはエーテル化によって保護することができる。このエ
ステル化に適する基としては、例えば、アセチル基等の
低級(C1-6)アルカノイル基、ベンゾイル基等のアロ
イル基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基等の炭酸から誘導される基等が用いられる。ま
た、エーテル化に適する基としては、例えば、ベンジル
基、テトラヒドロピラニル基、t-ブチル基等である。チ
ロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、例え
ば、Bzl、Cl2−Bzl、2−ニトロベンジル、B
r−Z、t−ブチル等が用いられる。ヒスチジンのイミ
ダゾールの保護基としては、例えば、Tos、4−メト
キシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル、D
NP、ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Tr
t、Fmoc等が用いられる。
【0017】原料のカルボキシル基の活性化されたもの
としては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エ
ステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノー
ル、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニ
トロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロ
フェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N
−ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル〕
等が用いられる。原料のアミノ基の活性化されたものと
しては、例えば、対応するリン酸アミドが用いられる。
保護基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd−黒
あるいはPd−炭素等の触媒の存在下での水素気流中で
の接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンスルホン
酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸
あるいはこれらの混合液等による酸処理や、ジイソプロ
ピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピ
ペラジン等による塩基処理、また液体アンモニア中ナト
リウムによる還元等も用いられる。上記酸処理による脱
離反応は、一般に約−20〜40℃の温度で行なわれる
が、酸処理においては、例えば、アニソール、フェノー
ル、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾー
ル、ジメチルスルフィド、1,4−ブタンジチオール、
1,2−エタンジチオール等のようなカチオン捕捉剤の
添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾール保
護基として用いられる2,4−ジニトロフェニル基はチ
オフェノール処理により除去され、トリプトファンのイ
ンドール保護基として用いられるホルミル基は上記の
1,2−エタンジチオール、1,4−ブタンジチオール
等の存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナト
リウム溶液、希アンモニア等によるアルカリ処理によっ
ても除去される。
【0018】原料の反応に関与すべきでない官能基の保
護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関
与する官能基の活性化等は公知の基または公知の手段か
ら適宜選択しうる。ポリペプチドのアミド体を得る別の
方法としては、例えば、まず、カルボキシ末端アミノ酸
のα−カルボキシル基をアミド化して保護した後、アミ
ノ基側にペプチド(ポリペプチド)鎖を所望の鎖長まで
延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保
護基のみを除いたポリペプチドとC末端のカルボキシル
基の保護基のみを除去したポリペプチドとを製造し、こ
の両ポリペプチドを上記したような混合溶媒中で縮合さ
せる。縮合反応の詳細については上記と同様である。縮
合により得られた保護ポリペプチドを精製した後、上記
方法によりすべての保護基を除去し、所望の粗ポリペプ
チドを得ることができる。この粗ポリペプチドは既知の
各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥す
ることで所望のポリペプチドのアミド体を得ることがで
きる。ポリペプチドのエステル体を得るには、例えば、
カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基を所望の
アルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、ポリ
ペプチドのアミド体と同様にして、所望のポリペプチド
のエステル体を得ることができる。
【0019】本発明のポリペプチドまたはその塩は、公
知のペプチドの合成法に従って製造することができる。
ペプチドの合成法としては、例えば、固相合成法、液相
合成法のいずれによっても良い。すなわち、本発明の部
分ペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸
と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合
は保護基を脱離することにより目的のペプチドを製造す
ることができる。公知の縮合方法や保護基の脱離として
は、例えば、以下の〜に記載された方法が挙げられ
る。 M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シン
セシス (Peptide Synthesis), Interscience Publisher
s, New York (1966年) SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptid
e), Academic Press, NewYork (1965年) 泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株)
(1975年) 矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タン
パク質の化学IV、 205、(1977年) 矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド合
成、広川書店 また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留
・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー
・再結晶等を組み合わせて本発明のポリペプチドポリペ
プチドを精製単離することができる。上記方法で得られ
るポリペプチドが遊離体である場合は、公知の方法ある
いはそれに準じる方法によって適当な塩に変換すること
ができるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法ある
いはそれに準じる方法によって遊離体または他の塩に変
換することができる。
【0020】本発明のポリペプチドをコードするDNA
としては、前述した本発明のポリペプチドをコードする
塩基配列を含有するものであればいかなるものであって
もよい。また、ゲノムDNA、前記した細胞・組織由来
のcDNA、合成DNAのいずれでもよい。ライブラリ
ーに使用するベクターは、バクテリオファージ、プラス
ミド、コスミド、ファージミド等いずれであってもよ
い。また、前記した細胞・組織より全RNAまたはmR
NA画分を調製したものを用いて直接Reverse Transcri
ptasePolymerase Chain Reaction(以下、RT−PCR
法と略称する)によって増幅することもできる。
【0021】本発明のポリペプチドをコードするDNA
としては、例えば、配列番号:9または配列番号:22
で表される塩基配列を含有するDNA、または配列番
号:9または配列番号:22で表される塩基配列とハイ
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配
列を有し、本発明のポリペプチドと実質的に同質の性質
(例、免疫原性等)を有するポリペプチドをコードする
DNA等を有し、本発明のポリペプチドと実質的に同質
の性質を有するポリペプチドをコードするDNAであれ
ば何れのものでもよい。配列番号:9で表される塩基配
列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズで
きるDNAとしては、例えば、配列番号:9で表される
塩基配列と約60%以上、好ましくは約70%以上、さ
らに好ましくは約80%以上の相同性を有する塩基配列
を含有するDNA等が用いられる。配列番号:22で表
される塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイ
ブリダイズできるDNAとしては、例えば、配列番号:
22で表される塩基配列と約60%以上、好ましくは約
70%以上、さらに好ましくは約80%以上の相同性を
有する塩基配列を含有するDNA等が用いられる。
【0022】ハイブリダイゼーションは、公知の方法あ
るいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クロ
ーニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et
al.,Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の
方法等に従って行なうことができる。また、市販のライ
ブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方
法に従って行なうことができる。より好ましくは、ハイ
ストリンジェントな条件に従って行なうことができる。
ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリウム
濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20mM
で、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜65℃
の条件を示す。配列番号:10で表されるアミノ酸配列
を有する本発明のポリペプチドをコードするDNAとし
ては、配列番号:9で表される塩基配列を有するDNA
等が、配列番号:19で表されるアミノ酸配列を有する
本発明のポリペプチドをコードするDNAとしては、配
列番号:22で表される塩基配列を有するDNA等用い
られる。
【0023】本発明のポリペプチドを完全にコードする
DNAのクローニングの手段としては、本発明のポリペ
プチドの部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを
用いてPCR法によって増幅するか、または適当なベク
ターに組み込んだDNAを本発明のポリペプチドの一部
あるいは全領域をコードするDNA断片もしくは合成D
NAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーション
によって選別することができる。ハイブリダイゼーショ
ンの方法は、例えば、モレキュラー・クローニング(Mo
lecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Sp
ring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法等に従っ
て行なうことができる。また、市販のライブラリーを使
用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行
なうことができる。DNAの塩基配列の置換は、PCR
や公知のキット、例えば、MutanTM−super
Express Km(宝酒造)、MutanTM−K
(宝酒造)などを用いて、ODA−LA PCR法、G
apped duplex法、Kunkel法等の公知
の方法あるいはそれらに準じる方法に従って行なうこと
ができる。クローン化されたポリペプチドをコードする
DNAは目的によりそのまま、または所望により制限酵
素で消化したり、リンカーを付加したりして使用するこ
とができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コド
ンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終止
コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有してい
てもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドン
は、適当な合成DNAアダプターを用いて付加すること
もできる。本発明のポリペプチドの発現ベクターは、例
えば、(イ)本発明のポリペプチドをコードするDNA
から目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA
断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連
結することにより製造することができる。
【0024】ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミ
ド(例、pBR322,pBR325,pUC12,p
UC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB11
0,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド
(例、pSH19,pSH15)、λファージ等のバク
テリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイル
ス,バキュロウイルス等の動物ウイルス等の他、pA1
−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RSV、
pcDNAI/Neo等が用いられる。本発明で用いら
れるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用いる宿主
に対応して適切なプロモーターであればいかなるもので
もよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場合は、
SRαプロモーター、SV40プロモーター、LTRプ
ロモーター、CMVプロモーター、HSV-TKプロモ
ーター、β-アクチン等が挙げられる。これらのうち、
CMV(サイトメガロウイルス)プロモーター、SRα
プロモーター等を用いるのが好ましい。宿主がエシェリ
ヒア属菌である場合は、trpプロモーター、lacプ
ロモーター、recAプロモーター、λPLプロモータ
ー、lppプロモーター、T7プロモーター等が、宿主
がバチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、
SPO2プロモーター、penPプロモーター等、宿主
が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプ
ロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター
等が好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘド
リンプロモーター、P10プロモーター等が好ましい。
【0025】発現ベクターには、以上の他に、所望によ
りエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加
シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以
下、SV40oriと略称する場合がある)等を含有し
ているものを用いることができる。選択マーカーとして
は、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfrと
略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(MT
X)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amp
と略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子(以
下、Neoと略称する場合がある、Geneticin耐性)
等が挙げられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイニー
ズハムスター細胞を用いてdhfr遺伝子を選択マーカ
ーとして使用する場合、組換え体細胞をチミジンを含ま
ない培地によっても選択できる。また、必要に応じて、
宿主に合ったシグナル配列を、本発明のポリペプチドの
N端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である場
合は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列等
が、宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラーゼ
・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列等が、宿
主が酵母である場合は、MFα・シグナル配列、SUC
2・シグナル配列等、宿主が動物細胞である場合には、
インシュリン・シグナル配列、α−インターフェロン・
シグナル配列、抗体分子・シグナル配列等がそれぞれ利
用できる。本発明のポリペプチドが上記のようなシグナ
ル配列を有する場合、本発明のポリペプチドは細胞外へ
効率よく分泌される。このようにして構築された本発明
のポリペプチドをコードするDNAを含有するベクター
を用いて、形質転換体を製造することができる。
【0026】宿主としては、例えば、エシェリヒア属
菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞等
が用いられる。エシェリヒア属菌の具体例としては、例
えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12
・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・
アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエ
スエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,
160(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・アシ
ッズ・リサーチ,(Nucleic Acids Research),9巻,
309(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・
モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecular B
iology)〕,120巻,517(1978)〕,HB10
1〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,
41巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティッ
クス(Genetics),39巻,440(1954)〕等が用
いられる。バチルス属菌としては、例えば、バチルス・
サブチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジー
ン,24巻,255(1983)〕,207−21〔ジャ
ーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Bioch
emistry),95巻,87(1984)〕等が用いられ
る。酵母としては、例えば、サッカロマイセス・セレビ
シエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22
-,NA87−11A,DKD−5D,20B−1
2、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomy
ces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピ
キア・パストリス(Pichia pastoris)KM71等が用
いられる。
【0027】昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがA
cNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodop
tera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia ni
の中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のH
igh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞または
Estigmena acrea由来の細胞等が用いられる。ウイルス
がBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mori
N 細胞;BmN細胞)等が用いられる。該Sf細胞とし
ては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21
細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In Viv
o),13, 213-217,(1977))等が用いられる。昆虫として
は、例えば、カイコの幼虫等が用いられる〔前田ら、ネ
イチャー(Nature),315巻,592(1985)〕。
動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−7(CO
S7),Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO
(以下、CHO細胞と略記)、dhfr遺伝子欠損チャ
イニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhf
)細胞と略記)、マウスL細胞、マウスAtT−2
0、マウスミエローマ細胞、ラットGH3、ヒトFL細
胞等が用いられる。
【0028】エシェリヒア属菌を形質転換するには、例
えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエ
ー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,2110
(1972)やジーン(Gene),17巻,107(198
2)等に記載の方法に従って行なうことができる。バチ
ルス属菌を形質転換するには、例えば、モレキュラー・
アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecular &
General Genetics),168巻,111(1979)等
に記載の方法に従って行なうことができる。酵母を形質
転換するには、例えば、メソッズ・イン・エンザイモロ
ジー(Methods in Enzymology),194巻,182−
187(1991)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・
ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),7
5巻,1929(1978)等に記載の方法に従って行
なうことができる。昆虫細胞または昆虫を形質転換する
には、例えば、バイオ/テクノロジー(Bio/Technolog
y),6, 47-55(1988))等に記載の方法に従って行なうこ
とができる。動物細胞を形質転換するには、例えば、細
胞工学別冊8 新細胞工学実験プロトコール.263−
267(1995)(秀潤社発行)、ヴィロロジー(Vi
rology),52巻,456(1973)に記載の方法に従
って行なうことができる。このようにして、ポリペプチ
ドをコードするDNAを含有する発現ベクターで形質転
換された形質転換体を得ることができる。宿主がエシェ
リヒア属菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する
際、培養に使用される培地としては液体培地が適当であ
り、その中には該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒
素源、無機物その他が含有せしめられる。炭素源として
は、例えば、グルコース、デキストリン、可溶性澱粉、
ショ糖等、窒素源としては、例えば、アンモニウム塩
類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カ
ゼイン、酵母エキス、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽
出液等の無機または有機物質、無機物としては、例え
ば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マ
グネシウム等が挙げられる。また、酵母エキス、ビタミ
ン類、生長促進因子等を添加してもよい。培地のpHは
約5〜8が望ましい。
【0029】エシェリヒア属菌を培養する際の培地とし
ては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地
〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journa
l of Experiments in Molecular Genetics),431−
433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York1
972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを
効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルア
クリル酸のような薬剤を加えることができる。宿主がエ
シェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約
3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加える
こともできる。宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常
約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通
気や撹拌を加えることもできる。宿主が酵母である形質
転換体を培養する際、培地としては、例えば、バークホ
ールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L.
ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデ
ミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー
(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,4505
(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培地
〔Bitter, G. A. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナ
ショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・
ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. US
A),81巻,5330(1984)〕が挙げられる。
培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は
通常約20〜35℃で約24〜72時間行ない、必要に
応じて通気や撹拌を加える。宿主が昆虫細胞または昆虫
である形質転換体を培養する際、培地としては、Grace'
s Insect Medium(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Natur
e),195,788(1962))に非動化した10%ウシ血清等の
添加物を適宜加えたもの等が用いられる。培地のpHは
約6.2〜6.4に調整するのが好ましい。培養は通常
約27℃で約3〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹
拌を加える。宿主が動物細胞である形質転換体を培養す
る際、培地としては、例えば、約5〜20%の胎児牛血
清を含むMEM培地〔サイエンス(Science),122
巻,501(1952)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー
(Virology),8巻,396(1959)〕,RPMI
1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メ
ディカル・アソシエーション(The Jounal of the Amer
ican Medical Association)199巻,519(196
7)〕,199培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサ
イエティ・フォー・ザ・バイオロジカル・メディスン
(Proceeding of the Society for the Biological Med
icine),73巻,1(1950)〕等が用いられる。p
Hは約6〜8であるのが好ましい。培養は通常約30〜
40℃で約15〜60時間行ない、必要に応じて通気や
撹拌を加える。以上のようにして、形質転換体の細胞
内、細胞膜または細胞外に本発明のポリペプチドを生成
せしめることができる。
【0030】上記培養物から本発明のポリペプチドを分
離精製するには、例えば、下記の方法により行なうこと
ができる。本発明のポリペプチドを培養菌体あるいは細
胞から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体
あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超
音波、リゾチームおよび/または凍結融解等によって菌
体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により
ポリペプチドの粗抽出液を得る方法等が適宜用いられ
る。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジン等の蛋白質変性
剤や、トリトンX−100TM等の界面活性剤が含まれて
いてもよい。培養液中にポリペプチドが分泌される場合
には、培養終了後、公知の方法で菌体あるいは細胞と上
清とを分離し、上清を集める。このようにして得られた
培養上清、あるいは抽出液中に含まれるポリペプチドの
精製は、公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行な
うことができる。これらの公知の分離、精製法として
は、塩析や溶媒沈澱法等の溶解度を利用する方法、透析
法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動法等の主として分子量の差を利
用する方法、イオン交換クロマトグラフィー等の荷電の
差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィー
等の特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマ
トグラフィー等の疎水性の差を利用する方法、等電点電
気泳動法等の等電点の差を利用する方法等が用いられ
る。
【0031】かくして得られるポリペプチドが遊離体で
得られた場合には、公知の方法あるいはそれに準じる方
法によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた
場合には公知の方法あるいはそれに準じる方法により、
遊離体または他の塩に変換することができる。なお、組
換え体が産生するポリペプチドを、精製前または精製後
に適当な蛋白修飾酵素または蛋白分解酵素等を作用させ
ることにより、任意に修飾を加えたり、ポリペプチドを
部分的に除去することもできる。これらの酵素として
は、例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニル
エンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダ
ーゼ等が用いられる。かくして生成する本発明のポリペ
プチドまたはその塩の存在は、特異抗体を用いたエンザ
イムイムノアッセイやウエスタンブロット解析等により
測定することができる。
【0032】本発明のポリペプチドまたはその塩に対す
る抗体は、本発明のポリペプチドまたはその塩を認識し
得る抗体であれば、ポリクローナル抗体、モノクローナ
ル抗体の何れであってもよい。本発明のポリペプチドま
たはその塩に対する抗体は、本発明のポリペプチドを抗
原として用い、公知の抗体または抗血清の製造法に従っ
て製造することができる。 〔モノクローナル抗体の作製〕 (a)モノクローナル抗体産生細胞の作製 本発明のポリペプチドまたはその塩は、温血動物に対し
て投与により抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは
担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産
生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完
全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は通
常2〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行われる。
用いられる温血動物としては、例えば、サル、ウサギ、
イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニ
ワトリが挙げられるが、マウスおよびラットが好ましく
用いられる。モノクローナル抗体産生細胞の作製に際し
ては、抗原で免疫された温血動物、例えばマウスから抗
体価の認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に
脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産
生細胞を同種または異種動物の骨髄腫細胞と融合させる
ことにより、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを
調製することができる。抗血清中の抗体価の測定は、例
えば、後記の標識化ポリペプチドと抗血清とを反応させ
たのち、抗体に結合した標識剤の活性を測定することに
より行なうことができる。融合操作は既知の方法、例え
ば、ケーラーとミルスタインの方法〔ネイチャー(Natu
re)、256、495 (1975)〕に従い実施することができる。
融合促進剤としては、例えば、ポリエチレングリコール
(PEG)やセンダイウィルス等が挙げられるが、好ま
しくはPEGが用いられる。
【0033】骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、
P3U1、SP2/0、AP−1等の温血動物の骨髄腫
細胞が挙げられるが、P3U1が好ましく用いられる。
用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数
との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、PE
G(好ましくはPEG1000〜PEG6000)が1
0〜80%程度の濃度で添加され、約20〜40℃、好
ましくは約30〜37℃で約1〜10分間インキュベー
トすることにより効率よく細胞融合を実施できる。モノ
クローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングに
は種々の方法が使用できるが、例えば、ポリペプチド抗
原を直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マ
イクロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、
次に放射性物質や酵素等で標識した抗免疫グロブリン抗
体(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウ
ス免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテイン
Aを加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出す
る方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸
着させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射
性物質や酵素等で標識したポリペプチドを加え、固相に
結合したモノクローナル抗体を検出する方法等が挙げら
れる。モノクローナル抗体の選別は、公知あるいはそれ
に準じる方法に従って行なうことができる。通常HAT
(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加
した動物細胞用培地で行なうことができる。選別および
育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できるもの
ならばどのような培地を用いても良い。例えば、約1〜
20%、好ましくは約10〜20%の牛胎児血清を含む
RPMI 1640培地、約1〜10%の牛胎児血清を
含むGIT培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブ
リドーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬
(株))等を用いることができる。培養温度は、通常約
20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間
は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間であ
る。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができ
る。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清
中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0034】(b)モノクローナル抗体の精製 モノクローナル抗体の分離精製は、公知の方法、例え
ば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコ
ール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体
(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過
法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテ
インG等の活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を
解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行なうこ
とができる。
【0035】〔ポリクローナル抗体の作製〕本発明のポ
リクローナル抗体は、公知あるいはそれに準じる方法に
従って製造することができる。例えば、免疫抗原(ポリ
ペプチド抗原)自体、あるいはそれとキャリアー蛋白質
との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製造
法と同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動物から本
発明のポリペプチドまたはその塩に対する抗体含有物を
採取して、抗体の分離精製を行なうことにより製造する
ことができる。温血動物を免疫するために用いられる免
疫抗原とキャリアー蛋白質との複合体に関し、キャリア
ー蛋白質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比
は、キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して
抗体が効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率
で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミンや
ウシサイログロブリン、ヘモシアニン等を重量比でハプ
テン1に対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の
割合でカプルさせる方法が用いられる。また、ハプテン
とキャリアーのカプリングには、種々の縮合剤を用いる
ことができるが、グルタルアルデヒドやカルボジイミ
ド、マレイミド活性エステル、チオール基、ジチオビリ
ジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。縮
合生成物は、温血動物に対して、抗体産生が可能な部位
にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。
投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイント
アジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与し
てもよい。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約
3〜10回程度行なわれる。ポリクローナル抗体は、上
記の方法で免疫された温血動物の血液、腹水等、好まし
くは血液から採取することができる。抗血清中のポリク
ローナル抗体価の測定は、上記の抗血清中の抗体価の測
定と同様にして測定できる。ポリクローナル抗体の分離
精製は、上記のモノクローナル抗体の分離精製と同様の
免疫グロブリンの分離精製法に従って行うことができ
る。
【0036】本発明のポリペプチドをコードするDNA
(以下、本発明のDNAと称することもある)に相補的
な、または実質的に相補的な塩基配列を有するアンチセ
ンスDNAとしては、本発明のDNAに相補的な、また
は実質的に相補的な塩基配列を有し、該DNAの発現を
抑制し得る作用を有するものであれば、いずれのアンチ
センスDNAであってもよい。本発明のDNAに実質的
に相補的な塩基配列とは、例えば、本発明のDNAに相
補的な塩基配列(すなわち、本発明のDNAの相補鎖)
の全塩基配列あるいは部分塩基配列と約70%以上、好
ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、
最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列
等が挙げられる。特に、本発明のDNAの相補鎖の全塩
基配列うち、本発明のポリペプチドのN末端部位をコー
ドする部分の塩基配列(例えば、開始コドン付近の塩基
配列等)の相補鎖と約70%以上、好ましくは約80%
以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約
95%以上の相同性を有するアンチセンスDNAが好適
である。これらのアンチセンスDNAは、公知のDNA
合成装置等を用いて製造することができる。
【0037】以下に、本発明のポリペプチド、そのアミ
ド、もしくはそのエステルまたはその塩(以下、本発明
のポリペプチドと略記する場合がある)、本発明のポリ
ペプチドをコードするDNA(以下、本発明のDNAと
略記する場合がある)、本発明のポリペプチド、そのア
ミド、もしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体
(以下、本発明の抗体と略記する場合がある)、および
アンチセンスDNAの用途を説明する。
【0038】(1)キュービリンが関与する各種疾病の
治療・予防剤 キュービリンは生体内で膜タンパクとして存在し、アポ
リポプロテインA−Iと結合するが、キュービリンのア
ポリポプロテインA−I結合能を有する部分フラグメン
トである本発明のポリペプチドは、血液中のアポリポプ
ロテインA−Iと結合することで、アポリポプロテイン
A−Iの異化を抑えることができる。従って、本発明の
ポリペプチドおよび本発明のDNAは、糖尿病、肥満、
動脈硬化症、高脂血症、高トリグリセリド血症、低HD
L血症、低アポリポプロテインA−I血症または神経障
害の治療・予防剤等の医薬として使用することができ
る。例えば、(イ)本発明のDNAを該患者に投与し、
生体内で本発明のポリペプチドを発現させることによっ
て、(ロ)細胞に本発明のDNAを挿入し、本発明のポ
リペプチドを発現させた後に、該細胞を患者に移植する
ことによって、または(ハ)本発明のポリペプチドを該
患者に投与すること等によって、該患者における本発明
のポリペプチドの役割を十分に発揮させることができ
る。本発明のDNAを上記の治療・予防剤として使用す
る場合は、該DNAを単独あるいはレトロウイルスベク
ター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシ
エーテッドウイルスベクター等の適当なベクターに挿入
した後、常套手段に従って、ヒトまたは温血動物に投与
することができる。本発明のDNAまたは本発明のDN
Aが挿入されたベクターは、そのままで、あるいは摂取
促進のための補助剤等の生理学的に認められる担体とと
もに製剤化され、通常,非経口的に例えば、遺伝子銃や
ハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投
与できる。本発明のポリペプチドを上記の治療・予防剤
として使用する場合は、少なくとも90%、好ましくは
95%以上、より好ましくは98%以上、さらに好まし
くは99%以上に精製されたものを使用するのが好まし
い。
【0039】本発明のポリペプチドは、例えば、必要に
応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、
マイクロカプセル剤等として経口的に、あるいは水もし
くはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、
または懸濁液剤等の注射剤の形で非経口的に使用でき
る。例えば、本発明のポリペプチドを生理学的に認めら
れる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定
剤、結合剤等とともに一般に認められた製剤実施に要求
される単位用量形態で混和することによって製造するこ
とができる。これら製剤における有効成分量は指示され
た範囲の適当な用量が得られるようにするものである。
錠剤、カプセル剤等に混和することができる添加剤とし
ては、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガン
ト、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースの
ような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸
等のような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような
潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味
剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのような
香味剤等が用いられる。調剤単位形態がカプセルである
場合には、前記タイプの材料にさらに油脂のような液状
担体を含有することができる。注射のための無菌組成物
は注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰
子油等のような天然産出植物油等を溶解または懸濁させ
る等の通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ
糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビ
トール、D−マンニトール、塩化ナトリウム等)等が挙
げられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例え
ば、エタノール等)、ポリアルコール(例えば、プロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール等)、非イオ
ン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート80TM、HC
O−50等)等と併用してもよい。油性液としては、例
えば、ゴマ油、大豆油等が挙げられ、溶解補助剤として
安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール等と併用しても
よい。また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナ
トリウム緩衝液等)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザル
コニウム、塩酸プロカイン等)、安定剤(例えば、ヒト
血清アルブミン、ポリエチレングリコール等)、保存剤
(例えば、ベンジルアルコール、フェノール等)、酸化
防止剤等と配合してもよい。調製された注射液は、通
常、適当なアンプルに充填される。
【0040】このようにして得られる製剤は、安全で低
毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例え
ば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツ
ジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル等)に対して
投与することができる。本発明のポリペプチドの投与量
は、対象疾患、投与対象、投与ルート等により差異はあ
るが、例えば、糖尿病、肥満、動脈硬化症、高脂血症、
高トリグリセリド血症、低HDL血症、低アポリポプロ
テインA−I血症または神経障害等の治療目的で本発明
のポリペプチドを経口投与する場合、一般的に成人(6
0kgとして)においては、一日につき本発明のポリペ
プチドを約1mg〜1000mg、好ましくは約10〜
500mg、より好ましくは約10〜200mg投与す
る。非経口的に投与する場合は、本発明のポリペプチド
の1回投与量は投与対象、対象疾患等によっても異なる
が、例えば、糖尿病、肥満、動脈硬化症、高脂血症、高
トリグリセリド血症、低HDL血症、低アポリポプロテ
インA−I血症または神経障害等の治療目的で本発明の
ポリペプチドを注射剤の形で成人(体重60kgとし
て)に投与する場合、一日につき該ポリペプチドを約1
〜1000mg程度、好ましくは約1〜200mg程
度、より好ましくは約10〜100mg程度を患部に注
射することにより投与するのが好都合である。他の動物
の場合も、60kg当たりに換算した量を投与すること
ができる。
【0041】(2)疾病に対する医薬候補化合物のスク
リーニング (i)キュービリンの発現量が異常に亢進している場
合、例えば、高脂血症、高トリグリセリド血症、低HD
L血症、低アポリポプロテインA−I血症、食事後高脂
血症、糖尿病、肥満、動脈硬化症、心筋梗塞、狭心症等
の種々の疾病が発症する。したがって、キュービリンの
アポリポプロテインA−I結合を阻害する化合物または
その塩は、例えば、高脂血症、高トリグリセリド血症、
低HDL血症、低アポリポプロテインA−I血症、食事
後高脂血症、糖尿病、肥満、動脈硬化症、心筋梗塞、狭
心症等の治療・予防剤等の医薬として使用できる。 (ii)一方、キュービリンは生体内で膜タンパクとして
存在し、アポリポプロテインA−Iと結合するため、キ
ュービリンまたはそのDNA等に異常があったり、欠損
している場合あるいは発現量が異常に減少している場
合、例えば、腎障害、腎炎、腎症、尿タンパク症、神経
障害、ビタミンB12欠乏症等の種々の疾病が発症す
る。したがって、キュービリンのアポリポプロテインA
−I結合を促進する化合物またはその塩は、例えば、腎
障害、腎炎、腎症、尿タンパク症、神経障害、ビタミン
12欠乏症等の治療・予防剤等の医薬として使用でき
る。
【0042】したがって、キュービリンの機能を阻害ま
たは促進する化合物またはその塩のスクリーニングを行
うためにキュービリンを用いることを考えることができ
る。しかし、キュービリンは3,500個以上のアミノ
酸からなる巨大なタンパクであり、apo A-Iとの結合を
促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニン
グ方法を実施する際、非特異的な吸着や結合、キュービ
リン分子自体の分解、といった欠点があり、高感度で効
率のよいスクリーニング方法を実施することは困難であ
る。一方、本発明のポリペプチドを用いたスクリーニン
グ方法にはそのような欠点はなく、該スクリーニング方
法を用いることにより本発明のポリペプチドとapoA-Iと
の結合を阻害または促進する化合物またはその塩を高感
度かつ効率良くスクリーニングすることができる。かか
る化合物またはその塩はキュービリンとapo A-Iの結合
を阻害または促進するため、上記各種疾患の治療・予防
剤等の医薬として用いることができる。
【0043】すなわち、本発明は、 1)本発明のポリペプチドを用いることを特徴とする
キュービリンとapo A-Iとの結合を阻害する化合物もし
くはその塩(「(2)疾病に対する医薬候補化合物のス
クリーニング」において阻害剤と略記する場合があ
る)、またはキュービリンとapo A-Iとの結合を促進す
る化合物もしくはその塩(「(2)疾病に対する医薬候
補化合物のスクリーニング」において促進剤と略記する
場合がある)のスクリーニング方法、本発明のポリペ
プチドを含有することを特徴とする、阻害剤または促進
剤のスクリーニング用キット(「(2)疾病に対する医
薬候補化合物のスクリーニング」において本発明のスク
リーニング用キットと称することもある)を提供し、よ
り具体的には、例えば、 2)(i)本発明のポリペプチドにapo A-Iを接触さ
せた場合と(ii)本発明のポリペプチドにapo A-Iおよ
び試験化合物を接触させた場合との比較を行なうことを
特徴とする促進剤または阻害剤のスクリーニング方法、
本発明のポリペプチドおよびapo A-Iを含有すること
を特徴とする、促進剤または阻害剤のスクリーニング用
キットを提供する。具体的には、上記スクリーニング方
法においては、例えば、(i)と(ii)の場合におけ
る、本発明のポリペプチドに対するapo A-Iの結合量ま
たはapo A-Iに対する本発明のポリペプチドの結合量な
どを測定して、比較することを特徴とするものである。
【0044】これらの結合量は、公知の方法あるいはそ
れに準じる方法などに従って測定することができる。試
験化合物としては、例えば、ペプチド、タンパク、非ペ
プチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出
液、植物抽出液、動物組織抽出液などがあげられ、これ
ら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合
物であってもよい。ペプチドとしては、apo A-Iの部分
ペプチドが好ましい。例えば、上記(ii)の場合におけ
る結合量が上記(i)の場合に比べて、約20%以上、
好ましくは30%以上、より好ましくは約50%以上阻
害する試験化合物をキュービリンとapo A-Iの結合を阻
害する化合物として、一方、上記(ii)の場合における
結合量が上記(i)の場合に比べて、約20%以上、好
ましくは30%以上、より好ましくは約50%以上上昇
させる試験化合物をキュービリンとapo A-Iの結合を促
進する化合物として選択することができる。
【0045】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩
は、上記した試験化合物、例えば、ペプチド、タンパ
ク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細
胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などから
選ばれた化合物であり、キュービリンの機能(例、アポ
リポプロテインA−I結合など)を促進または阻害する
化合物である。該化合物の塩としては、上記した本発明
のポリペプチドの塩と同様のものが用いられる。
【0046】以下に、該スクリーニング方法について具
体的に記載する。該スクリーニングはSPA法(シンチ
レーションプロキシミティーアッセイ、Anal Biochem.
1987 Mar; 161(2): 494-500)、蛍光結合アッセイ、表
面プラズモンセンサーを用いた方法またはそれらに準じ
た方法により行うことができる。 〔I〕SPA法は具体的には以下のようにして行うこと
ができる。 SPAビーズに本発明のポリペプチドを直接または間接
的に結合させ、(i)放射性同位元素で標識したapo A-I
と、または(ii)放射性同位元素で標識したapo A-Iお
よび試験化合物と混合する。次に、(i)と(ii)の場
合における、蛍光強度を測定して、比較することを特徴
とするものである。より具体的には、 SPAビーズに本発明のポリペプチドを結合させる。
結合様式としては、ビーズに本発明のポリペプチドを直
接結合してもよいし、間接的に結合してもよい。直接結
合する方法としては、SPAビーズに添付の取扱説明書
に記載の方法により行うことができる。また、間接的に
結合する方法としては、(i)銅で表面がコートされた
SPAビーズを用い、ヒスチジンタグの付加された本発
明のポリペプチドとSPAビーズを結合させる方法、
(ii)グルタチオンで表面がコートされたSPAビーズ
を用い、GSTと本発明のポリペプチドの融合タンパク
とSPAビーズを結合させる方法、(iii)二次抗体で
表面がコートされたSPAビーズを用い、本発明のポリ
ペプチドに対する抗体をリンカーとして用いて、本発明
のポリペプチドとSPAビーズを結合させる方法、(i
v)二次抗体で表面がコートされたSPAビーズを用
い、FLAGやmycなどのタグに対する抗体をリンカ
ーとして用いて、本発明のポリペプチドにかかるタグを
付加したポリペプチドとSPAビーズを結合させる方
法、(v)ストレプトアビジンで表面がコートされたS
PAビーズを用い、ビオチンで標識された本発明のポリ
ペプチドとSPAビーズを結合させる方法、(vi)スト
レプトアビジンで表面がコートされたSPAビーズを用
い、FLAGやmycなどのタグに対する抗体をビオチ
ン標識したものをリンカーとして用いて、本発明のポリ
ペプチドにかかるタグを付加したポリペプチドとSPA
ビーズを結合させる方法などが挙げられる。本発明のポ
リペプチドが糖鎖を有している場合は、(vii)WGA
(wheat germ agglutinin)で表面がコートされたSP
Aビーズを用い、本発明のポリペプチドとSPAビーズ
を結合させる方法も用いることができる。このようなコ
ーティングしたSPAビーズは公知の方法またはそれに
準じた方法により作製してもよいが、アマシャムファル
マシアバイオテックから入手することが簡便である。 (i)本発明のポリペプチドにタグを付加する場合、
タグとしては、この分野で通常使用される、特異的に検
出できるあればいかなるものでも用いることができる。
本発明のポリペプチドとapo A-Iとの結合に影響を与え
ない、FLAG(Asp-Tyr-Lys-Asp-Asp-Asp-Asp-Lys)
やmyc(Glu-Gln-Lys-Leu-Ile-Ser-Glu-Glu-Asp-Le
u)のような数個のアミノ酸からなるタグ、ヒスチジン
タグなどが好ましい。かかるタグと本発明のポリペプチ
ドとの融合体を発現させることにより、タグの付加した
本発明のポリペプチドを得ることができる。融合体はpF
LAG-CMV-1、pSecTagまたはpcDNA3.1/Hisのようなベクタ
ーに本発明のポリペプチドをコードするDNAを挿入
し、大腸菌、COS7やCHOなどの適当な宿主細胞に
導入し、該細胞の細胞内、細胞膜または細胞外から生成
することにより得ることができる。タグが付加される位
置は本発明のポリペプチドのいかなる部位でもよいが、
apo A-Iとの結合に影響を与えない部位が好ましい。以
下、タグの付加された本発明のポリペプチドをTag-CUBI
IIと称することがある。 (ii)GSTと本発明のポリペプチドとの融合タンパク
は公知の方法またはそれに準じた方法により作製するこ
とができる。融合部位は本発明のポリペプチドのいかな
る部位でもよいが、apo A-Iとの結合に影響を与えない
部位が好ましい。 (iii)apo A-Iを放射性同位元素(例、〔125I〕、〔
131I〕、〔3H〕、〔14C〕、〔35S〕、〔33P〕等)
で標識する場合、標識は公知の方法またはそれに準じた
方法により行うことができる。具体的にはapo A-Iを4
0mlの0.4Mのglycine−NaOH緩衝液p
H8.5に50μg/mlの濃度に溶解し、125Iを1
mCi添加してラベリング反応を進行させる。50μl
のクロラミンT溶液(4mg/ml)を加え、15分間
室温に保持し、その後16 mg/mlのmetabisulfit
eを100μl添加し、10分撹拌する。反応液を40
mlのアセトン/ジエチルエーテル(3:1,v/v)
で抽出し、得られた沈殿を乾燥し、リン酸緩衝液に溶
解、同緩衝液に透析することで125I標識apo A-Iを得る
ことができる。 (iv)抗タグ抗体をビオチンで修飾する場合、抗タグ抗
体はFLAGまたはmycのようなタグを抗原として用
いて公知の方法またはそれに準じた方法により作製する
ことができる。該抗体はモノクローナル個体であっても
ポリクローナル抗体であってもよい。抗タグ抗体は市販
のものを用いてもよく、抗myc抗体はクローン9E1
0(シグマ社)などを、抗FLAG抗体はクローンM1
(シグマ社)などを用いることができる。抗タグ抗体や
本発明のポリペプチドのビオチン修飾は公知の方法また
はそれに準じた方法により行うことができるが、具体的
には抗タグ抗体や本発明のポリペプチドを1 mg/mlの濃
度の炭酸緩衝液(0.1M炭酸水素ナトリウム、0.1
M塩化ナトリウム、pH8.3)溶液に調製し、Sulfo-
NHS-Biotin(Pierce社)1mg/mlの水溶液を50μ
l添加し、反応液を4℃で一晩緩やかに混合する。その
後反応液を150mM塩化ナトリウムを含む20mMト
リス塩酸緩衝液pH7.4に透析することでビオチン修
飾することができる。 (v)上記(i)〜(iv)の処理を行い、シンチレーター
により蛍光強度を測定する。試験化合物を加えたことに
より蛍光強度が下がった場合、該化合物は阻害剤として
選択することができ、蛍光強度が上がった場合、該化合
物は促進剤として選択することができる。
【0047】さらに具体的な操作手順を以下に示す。す
なわち、150mM塩化ナトリウム、1.0mM塩化カ
ルシウム、0.1%アジ化ナトリウムを含む20mMト
リス塩酸緩衝液pH7.4(以下結合反応緩衝液と省略
する)中に、ストレプトアビジンYttrium silicateタイ
プSPAビーズ1mg、ビオチン修飾抗mycモノクロ
ーナル抗体(9E10、シグマ社製)0.5μl、精製
した本発明のポリペプチド(CUBIII−myc−Hi
sフラグメント)10−200ng、放射性ヨードラベ
ルしたapo A-Iを250,000cpm、非標識apo AI
を10pmolから100pmolを混合し、液量20
0μlにする。本反応液を25℃で1時間緩やかに混合
した後に、卓上遠心機にて1,000rpm、2分遠心
し、SPAビーズを沈殿し、シンチレーションカウンタ
にてSPAビーズから発する蛍光を測定する。結合阻害
あるいは結合促進物質の評価の目的には、被検体を上記
の結合緩衝液に溶解し、反応液200μlに含める。被
検体を含まない場合のシンチレーションカウントを10
0%とし、シンチレーションカウントを変化させる物質
を評価する。本発明のスクリーニング用キットは、標識
apo A-I、各種コーティングを施したSPAビーズおよび本
発明のポリペプチドなどを含有するものである。
【0048】〔II〕本発明のフラグメントペプチドをコ
ートしたプレートを用いて蛍光apoA-I結合アッセイを行
う。 具体的には以下のようにして行う。本発明のポリペプチ
ドを固相化した後に、標識apo A-Iと試験化合物とを混
合し、インキュベート後、洗浄し、結合した標識apo A-
Iの量を適当な方法で定量する。具体的には、本発明の
ポリペプチドを蛍光測定用高結合能型マイクロプレー
ト、例えば Black Clini plate enhanced binding (Lab
systems)に適当な濃度、例えば0.1−10μg/m
lの濃度に緩衝液に希釈して、インキュベートすること
によって固相化する。緩衝液としては、例えば、20m
M Tris−HCl(pH7.4),500mM Na
Cl,2mM CaCl2および0.1%アジ化ナトリウ
ムを含む緩衝液を用いることができる。一晩以上のイン
キュベーションによって固相化した後に、適当なブロッ
キング試薬によって非特異結合を抑えるが、これには例
えばSuperBlock TBS (Pierce社)などを用いることがで
きる。ブロッキング後に結合反応に用いる緩衝液で洗浄
し、標識apo A-Iおよび試験化合物の混合液をマイクロ
プレートのウェル上でインキュベートすることにり競合
結合反応を行う。用いる緩衝液としては、例えば、20
mM Tris−HCl(pH7.4),150mM N
aCl,1mM CaCl2,0.1%アジ化ナトリウム
および5% Block−Ace(大日本製薬)を含む
緩衝液などが用いられる。また、apo A-I分子の標識に
は、例えば、Sulfo-NHS-LC-LC-Biotinなどが用いられ
る。具体的には、apo A-Iを、50mM sodium bicarbo
nate pH8.5 に1mg/mlの濃度に調製し、1mg/
mlの濃度に純水に溶解したSulfo-NHS-LC-LC-Biotinを
1/10容混合し、一晩4℃でインキュベートすること
によってビオチン標識apo A-Iを作成する。競合結合反
応液中のビオチン標識apo A-Iの濃度としては、例えば
0.1μg/ml程度の濃度を用いることができる。洗
浄後の結合したビオチン標識apo A-I量の定量には、例
えばβ-Galactosidase標識Streptavidinなどが用いられ
る。また、その活性測定には4-Methylumberifellil-β-
D-galactopyranoside などが用いられる。この場合、3
65nm付近の励起光、および460nm付近の蛍光発
光を測定することで、本発明のポリペプチドに特異的に
結合した標識apo A-Iの量を定量算出することができ
る。
【0049】〔III〕表面プラズモンセンサーを用いた
方法はBIACORETM 3000(ビアコア)等を使
用して、添付の使用説明書に記載の方法またはそれに準
じた方法により行うことができるが、具体的には以下の
ようにして行うことができる。 本発明のポリペプチドをセンサーチップに直接または間
接に結合させ、(i)apo A-I溶液をセンサーチップにア
プライするか、または(ii)試験化合物を含んだapo A-
I溶液をセンサーチップにアプライし、(i)と(ii)
の場合における、表面プラズモンを測定して、比較する
ことを特徴とするものである。試験化合物を加えたこと
により蛍光強度が下がった場合、該化合物は阻害剤とし
て選択することができ、蛍光強度が上がった場合、該化
合物は促進剤として選択することができる。より具体的
には、 本発明のポリペプチドをセンサーチップに固定させ
る。固定化様式としては、センサーチップに本発明のポ
リペプチドを直接固定化させてもよいし、間接的に固定
化してもよい。直接固定化させる場合、いかなる方法に
よって結合させてもよいが、NHS−エステルとして共
有結合させる方法が好ましい。間接的に固定化させる方
法としては、上記の方法に準じた方法を用いることがで
きる。また、apo A-Iをセンサーチップに固定し、本発
明のポリペプチドの溶液をセンサーチップにアプライし
てもよい。 次に、apo A-I溶液をセンサーチップにアプライす
る。 表面プラズモンを測定する。 具体的には、センサチップCM5を0.2MのN-ethyl-
N'-(3-dimethylaminopropyl)-carbodiimideと0.05
MのN-hydroxysucciniimideの水溶液を一対一で混合し
た溶液で処理し、10mMの酢酸ナトリウムpH4.0
に溶解した40μg/mlの濃度の本発明のポリペプチ
ド(CUBIII−myc−Hisフラグメント)をアプ
ライすることで、センサチップCM5に本発明のポリペ
プチド(CUBIII−myc−Hisフラグメント)を
固定する。ブロッキングには、1Mのエタノールアミン
pH8.5をアプライする。結合測定の緩衝液として
は、10mMリン酸2水素ナトリウム、150mM塩化
ナトリウム、1.0mM塩化カルシウム、0.1%アジ
化ナトリウムを含む緩衝液pH7.4を用いる。本緩衝
液で平衡化し、プラズモン変化が安定化した後に、本緩
衝液で50−500nMに希釈したapo AIをアプライ
し、表面プラズモンの変化を測定する。結合阻害あるい
は結合促進物質の評価の目的には、被検体を上記の緩衝
液に溶解し、apo AI溶液に含める。被検体を含まない場
合の表面プラズモン変化と被検体を混合した場合の表面
プラズモン変化を比較することにより、結合阻害あるい
は結合促進物質を評価する。本発明のスクリーニング用
キットは、ポリペプチドまたはapo A-Iの固定化された
センサーチップおよび、apo A-Iまたはポリペプチド等
を含むものである。本発明のスクリーニング方法または
スクリーニング用キットを用いて得られる化合物または
その塩は、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性
化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽
出液、動物組織抽出液、血漿等から選ばれた化合物であ
り、本発明のポリペプチドの機能を促進または阻害する
化合物である。該化合物の塩としては、前記した本発明
のポリペプチドの塩と同様のものが用いられる。
【0050】本発明のスクリーニング方法またはスクリ
ーニング用キットを用いて得られる化合物を上述の治療
・予防剤として使用する場合、常套手段に従って実施す
ることができる。例えば、前記した本発明のポリペプチ
ドを含有する医薬と同様にして、錠剤、カプセル剤、エ
リキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液
剤等とすることができる。このようにして得られる製剤
は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血動
物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、
ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サル等)に対して投与
することができる。該化合物またはその塩の投与量は、
その作用、対象疾患、投与対象、投与ルート等により差
異はあるが、例えば、腎炎、腎症、高HDL血症、高ア
ポリポプロテインA−I血症、タンパク尿の治療の目的
で本発明のポリペプチドとapo A-Iとの結合を促進する
化合物を経口投与する場合、一般的に成人(体重60k
gとして)においては、一日につき該化合物を約0.1
〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好
ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与
する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾
患等によっても異なるが、例えば、腎炎、腎症、高HD
L血症、高アポリポプロテインA−I血症、タンパク尿
の治療の目的で本発明のポリペプチドとapo A-Iとの結
合を促進する化合物を注射剤の形で通常成人(60kg
として)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.
01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程
度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射
により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、
60kg当たりに換算した量を投与することができる。
一方、例えば、高脂血症、高トリグリセリド血症、低H
DL血症、低アポリポプロテインA−I血症、食事後高
脂血症、動脈硬化症、心筋梗塞、狭心症等の治療の目的
で本発明のポリペプチドとapo A-Iとの結合を阻害する
化合物を経口投与する場合、一般的に成人(体重60k
gとして)においては、一日につき該化合物を約0.1
〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好
ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与
する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾
患等によっても異なるが、例えば、高脂血症、高トリグ
リセリド血症、低HDL血症、低アポリポプロテインA
−I血症、食事後高脂血症、動脈硬化症、心筋梗塞、狭
心症等の治療の目的で本発明のポリペプチドとapoA-Iと
の結合を阻害する化合物を注射剤の形で通常成人(60
kgとして)に投与する場合、一日につき該化合物を約
0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20m
g程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈
注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合
も、60kg当たりに換算した量を投与することができ
る。
【0051】(3)本発明のポリペプチドまたはその塩
の定量 本発明のポリペプチドに対する抗体(以下、本発明の抗
体と略記する場合がある)は、本発明のポリペプチドお
よびキュービリン(以下、「(4)本発明のポリペプチ
ドまたはその塩の定量」項において本発明のポリペプチ
ドと記載することがある)を特異的に認識することがで
きるので、被検液中の本発明のポリペプチドの定量、特
にサンドイッチ免疫測定法による定量等に使用すること
ができる。すなわち、本発明は、(i)本発明の抗体
と、被検液および標識化された本発明のポリペプチドと
を競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化された本
発明のポリペプチドの割合を測定することを特徴とする
被検液中の本発明のポリペプチドの定量法、および(i
i)被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標
識化された本発明の別の抗体とを同時あるいは連続的に
反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定す
ることを特徴とする被検液中の本発明のポリペプチドの
定量法を提供する。
【0052】また、本発明のポリペプチドに対するモノ
クローナル抗体(以下、本発明のモノクローナル抗体と
称する場合がある)を用いて本発明のポリペプチドの定
量を行なえるほか、組織染色等による検出を行なうこと
もできる。これらの目的には、抗体分子そのものを用い
てもよく、また、抗体分子のF(ab')2、Fab'、あ
るいはFab画分を用いてもよい。本発明の抗体を用い
る本発明のポリペプチドの定量法は、特に制限されるべ
きものではなく、被測定液中の抗原量(例えば、本発明
のポリペプチド量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体
−抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出
し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した
標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定法
を用いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イ
ムノメトリック法およびサンドイッチ法が好適に用いら
れるが、感度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法
を用いるのが特に好ましい。標識物質を用いる測定法に
用いられる標識剤としては、例えば、放射性同位元素、
酵素、蛍光物質、発光物質等が用いられる。放射性同位
元素としては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、
3H〕、〔14C〕等が用いられる。上記酵素として
は、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β
−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフ
ォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵
素等が用いられる。蛍光物質としては、例えば、フルオ
レスカミン、フルオレッセンイソチオシアネート等が用
いられる。発光物質としては、例えば、ルミノール、ル
ミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニン等が用いら
れる。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビ
オチン−アビジン系を用いることもできる。
【0053】抗原あるいは抗体の不溶化にあたっては、
物理吸着を用いてもよく、また通常ポリペプチドあるい
は酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合
を用いる方法でもよい。担体としては、アガロース、デ
キストラン、セルロース等の不溶性多糖類、ポリスチレ
ン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、ある
いはガラス等が挙げられる。サンドイッチ法においては
不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反応
させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモノ
クローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化
担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の
本発明のポリペプチド量を定量することができる。1次
反応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行
なってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化
剤および不溶化の方法は前記のそれらに準じることがで
きる。また、サンドイッチ法による免疫測定法におい
て、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は
必ずしも1種類である必要はなく、測定感度を向上させ
る等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよ
い。本発明のサンドイッチ法による本発明のポリペプチ
ドの測定法においては、1次反応と2次反応に用いられ
る本発明のモノクローナル抗体は、本発明のポリペプチ
ドの結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられ
る。すなわち、1次反応および2次反応に用いられる抗
体は、例えば、2次反応で用いられる抗体が、本発明の
ポリペプチドのC端部を認識する場合、1次反応で用い
られる抗体は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を
認識する抗体が用いられる。
【0054】本発明のモノクローナル抗体をサンドイッ
チ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメト
リック法あるいはネフロメトリー等に用いることができ
る。競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に
対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原
(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し
(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被
検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として
可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコー
ル、前記抗体に対する第2抗体等を用いる液相法、およ
び、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、
第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗
体を用いる固相化法とが用いられる。イムノメトリック
法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識
化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離する
か、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体と
を反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体
を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次
に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を
定量する。また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは
溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量
を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈
降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用する
レーザーネフロメトリー等が好適に用いられる。
【0055】これら個々の免疫学的測定法を本発明の定
量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の
設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の
条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発
明のポリペプチドの測定系を構築すればよい。これらの
一般的な技術手段の詳細については、総説、成書等を参
照することができる。例えば、入江 寛編「ラジオイム
ノアッセイ〕(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編
「続ラジオイムノアッセイ〕(講談社、昭和54年発
行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭
和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第
2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編
「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年
発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」Vol. 70(Immunochem
ical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochem
ical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochem
ical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochem
ical Techniques(Part D:Selected Immunoassays))、
同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E:Mono
clonal Antibodies and General Immunoassay Method
s))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part
I:Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodie
s))(以上、アカデミックプレス社発行)等を参照するこ
とができる。以上のようにして、本発明の抗体を用いる
ことによって、本発明のポリペプチドを感度良く定量す
ることができる。さらには、本発明の抗体を用いて本発
明のポリペプチドの濃度を定量することによって、本発
明のポリペプチドの濃度の増多または減少が検出された
場合、例えば、高脂血症、高トリグリセリド血症、低H
DL血症、低アポリポプロテインA−I血症、食事後高
脂血症、動脈硬化症、心筋梗塞、狭心症等の疾病であ
る、または将来罹患する可能性が高いと診断することが
できる。また、本発明の抗体は、体液や組織等の被検体
中に存在する本発明のポリペプチドを検出するために使
用することができる。また、本発明のポリペプチドを精
製するために使用する抗体カラムの作製、精製時の各分
画中の本発明のポリペプチドの検出、被検細胞内におけ
る本発明のポリペプチドの挙動の分析等のために使用す
ることができる。
【0056】(4)遺伝子診断剤 本発明のDNAは、例えば、プローブとして使用するこ
とにより、ヒトまたは温血動物(例えば、ラット、マウ
ス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、
ウマ、ネコ、イヌ、サル等)における本発明のポリペプ
チドをコードするDNAまたはmRNAの異常(遺伝子
異常)を検出することができるので、例えば、該DNA
またはmRNAの損傷、突然変異あるいは発現低下や、
該DNAまたはmRNAの増加あるいは発現過多等の遺
伝子診断剤として有用である。本発明のDNAを用いる
上記の遺伝子診断は、例えば、公知のノーザンハイブリ
ダイゼーションやPCR−SSCP法(ゲノミックス
(Genomics),第5巻,874〜879頁(1989
年)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカ
デミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ユーエスエー
(Proceedings of theNational Academy of Sciences o
f the USA),第86巻,2766〜2770頁(19
89年))等により実施することができる。例えば、ノ
ーザンハイブリダイゼーションにより発現低下が検出さ
れた場合やPCR−SSCP法によりDNAの突然変異
が検出された場合などは、例えば、腎障害、腎炎、腎
症、尿タンパク症、神経障害、ビタミンB12欠乏症等
の疾病である可能性が高いと診断することができる。一
方、ノーザンハイブリダイゼーションにより発現過多が
検出された場合などは、例えば、高脂血症、高トリグリ
セリド血症、低HDL血症、低アポリポプロテインA−
I血症、食事後高脂血症、動脈硬化症、心筋梗塞、狭心
症等の疾病である可能性が高いと診断することができ
る。
【0057】(5)本発明の抗体を含有する医薬 本発明のポリペプチドの活性を中和する作用を有する本
発明の抗体は、例えば、本発明のポリペプチドの発現過
多に起因する疾患の治療・予防剤等の医薬として使用す
ることができる。本発明の中和抗体はキュービリンのap
o A-Iに対する結合部位またはその近傍を特異的に認識
するため、阻害剤と同様に、例えば、高脂血症、高トリ
グリセリド血症、低HDL血症、低アポリポプロテイン
A−I血症、食事後高脂血症、動脈硬化症、心筋梗塞、
狭心症等の治療・予防剤等の医薬として使用できる。こ
のような目的には、抗体分子そのものを用いてもよく、
また、抗体分子のF(ab')2、Fab'、あるいはFa
b画分を用いてもよい。本発明の抗体を含有する上記疾
患の治療・予防剤は、そのまま液剤として、または適当
な剤型の医薬組成物として、ヒトまたは温血動物(例、
ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サ
ル等)に対して経口的または非経口的に投与することが
できる。投与量は、投与対象、対象疾患、症状、投与ル
ート等によっても異なるが、例えば、高脂血症、高トリ
グリセリド血症、低HDL血症、低アポリポプロテイン
A−I血症、食事後高脂血症、動脈硬化症、心筋梗塞、
狭心症等の治療の目的で、本発明の抗体を1回量とし
て、通常0.01〜20mg/kg体重程度、好ましく
は0.1〜10mg/kg体重程度、さらに好ましくは
0.1〜5mg/kg体重程度を、1日1〜5回程度、
好ましくは1日1〜3回程度、静脈注射により投与する
のが好都合である。他の非経口投与および経口投与の場
合もこれに準ずる量を投与することができる。症状が特
に重い場合には、その症状に応じて増量してもよい。本
発明の抗体は、それ自体または適当な医薬組成物として
投与することができる。上記投与に用いられる医薬組成
物は、上記またはその塩と薬理学的に許容され得る担
体、希釈剤もしくは賦形剤とを含むものである。かかる
組成物は、経口または非経口投与に適する剤形として提
供される。すなわち、例えば、経口投与のための組成物
としては、固体または液体の剤形、具体的には錠剤(糖
衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒
剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、シ
ロップ剤、乳剤、懸濁剤等があげられる。かかる組成物
は公知の方法によって製造され、製剤分野において通常
用いられる担体、希釈剤もしくは賦形剤を含有するもの
である。例えば、錠剤用の担体、賦形剤としては、乳
糖、でんぷん、蔗糖、ステアリン酸マグネシウム等が用
いられる。
【0058】非経口投与のための組成物としては、例え
ば、注射剤、坐剤等が用いられ、注射剤は静脈注射剤、
皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤等の
剤形を包含する。かかる注射剤は、公知の方法に従っ
て、例えば、上記抗体またはその塩を通常注射剤に用い
られる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁または乳
化することによって調製する。注射用の水性液として
は、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を
含む等張液等が用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、
アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非
イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、HCO−
50(polyoxyethylene(50mol)adduct of hydrogenat
ed castor oil)〕等と併用してもよい。油性液として
は、例えば、ゴマ油、大豆油等が用いられ、溶解補助剤
として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール等を併用
してもよい。調製された注射液は、通常、適当なアンプ
ルに充填される。直腸投与に用いられる坐剤は、上記抗
体またはその塩を通常の坐薬用基剤に混合することによ
って調製される。上記の経口用または非経口用医薬組成
物は、活性成分の投与量に適合するような投薬単位の剤
形に調製されることが好都合である。かかる投薬単位の
剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、注射剤(アン
プル)、坐剤等が例示され、それぞれの投薬単位剤形当
たり通常5〜500mg程度、とりわけ注射剤では5〜
100mg程度、その他の剤形では10〜250mg程
度の上記抗体が含有されていることが好ましい。なお前
記した各組成物は、上記抗体との配合により好ましくな
い相互作用を生じない限り他の活性成分を含有してもよ
い。
【0059】本明細書および図面において、塩基やアミ
ノ酸等を略号で表示する場合、IUPAC−IUB Co
mmision on Biochemical Nomenclature による略号ある
いは当該分野における慣用略号に基づくものであり、そ
の例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり
得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 cDNA :相補的デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン RNA :リボ核酸 mRNA :メッセンジャーリボ核酸 dATP :デオキシアデノシン三リン酸 dTTP :デオキシチミジン三リン酸 dGTP :デオキシグアノシン三リン酸 dCTP :デオキシシチジン三リン酸 ATP :アデノシン三リン酸 EDTA :エチレンジアミン四酢酸 SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
【0060】Gly :グリシン Ala :アラニン Val :バリン Leu :ロイシン Ile :イソロイシン Ser :セリン Thr :スレオニン Cys :システイン Met :メチオニン Glu :グルタミン酸 Asp :アスパラギン酸 Lys :リジン Arg :アルギニン His :ヒスチジン Phe :フェニルアラニン Tyr :チロシン Trp :トリプトファン Pro :プロリン Asn :アスパラギン Gln :グルタミン pGlu :ピログルタミン酸
【0061】また、本明細書中で繁用される置換基、保
護基および試薬を下記の記号で表記する。 Me :メチル基 Et :エチル基 Bu :ブチル基 Ph :フェニル基 TC :チアゾリジン−4(R)−カルボキサミド基 Tos :p−トルエンスルフォニル CHO :ホルミル Bzl :ベンジル Cl2−Bzl :2,6−ジクロロベンジル Bom :ベンジルオキシメチル Z :ベンジルオキシカルボニル Cl−Z :2−クロロベンジルオキシカルボニル Br−Z :2−ブロモベンジルオキシカルボニル Boc :t−ブトキシカルボニル DNP :ジニトロフェニル Trt :トリチル Bum :t−ブトキシメチル Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール HOOBt :3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ− 1,2,3−ベンゾトリアジン HONB :1−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカル ボキシイミド DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0062】本願明細書の配列表の配列番号は、以下の
配列を示す。 〔配列番号:1〕実施例1で用いられたセンス鎖プライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:2〕実施例1で用いられたアンチセンス鎖
プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:3〕実施例1で用いられたセンス鎖プライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:4〕実施例1で用いられたアンチセンス鎖
プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:5〕実施例1で得られたキュービリン部分
ペプチドをコードするcDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:6〕実施例1で得られたキュービリン部分
ペプチドをコードするcDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:7〕実施例1で用いられたセンス鎖プライ
マーの塩基配列を示す。 〔配列番号:8〕実施例1で用いられたアンチセンス鎖
プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:9〕ヒトキュービリンの部分フラグメント
IIIをコードするcDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:10〕ヒトキュービリンの部分フラグメン
トIIIのアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:11〕実施例1で用いられたセンス鎖プラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:12〕実施例1で用いられたアンチセンス
鎖プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:13〕実施例1で用いられたセンス鎖プラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:14〕実施例1で用いられたアンチセンス
鎖プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:15〕実施例1で用いられたセンス鎖プラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:16〕実施例1で用いられたアンチセンス
鎖プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:17〕実施例1で用いられたセンス鎖プラ
イマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:18〕実施例1で用いられたアンチセンス
鎖プライマーの塩基配列を示す。 〔配列番号:19〕ヒトキュービリンの部分フラグメン
トであるCUB9−CUB14のフラグメントペプチド
のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:20〕ヒトキュービリンの部分フラグメン
トであるCUB7−CUB12のフラグメントペプチド
をコードするcDNAの塩基配列を示す。 〔配列番号:21〕実施例5で用いられたポリぺプチド
のアミノ酸配列を示す。 〔配列番号:22〕ヒトキュービリンの部分フラグメン
トであるCUB9−CUB14のフラグメントペプチド
をコードするcDNAの塩基配列を示す。
【0063】後述の実施例1で得られた形質転換体エシ
ェリヒア・コリ(Escherichia coli)DH5α/pTB
2116は、平成12(2000)年6月19日から茨
城県つくば市東1−1−1 中央第6の独立行政法人産
業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託番号F
ERM BP−7190として、平成12(2000)
年6月1日から大阪府大阪市淀川区十三本町2−17−
85の財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IF
O 16438として寄託されている。後述の実施例4
で得られた形質転換体エシェリヒア・コリ(Escherichi
a coli)DH5α/pTB2231は、平成13(20
01)年5月24日から茨城県つくば市東1−1−1
中央第6の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物
寄託センターに寄託番号FERM BP−7607とし
て、平成13(2001)年5月17日から大阪府大阪
市淀川区十三本町2−17−85の財団法人・発酵研究
所(IFO)に寄託番号IFO 16626として寄託
されている。
【0064】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をより詳細に
説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものでは
ない。
【0065】実施例1 ヒトキュービリンの部分フラグメントをコードするcD
NAのクローニング ヒト小腸由来cDNA Libraryを用いて以下の要領でPCR
を行うことによりヒトキュービリン の部分フラグメン
トをコードするcDNAのクローニングを行った。ヒト
小腸由来Marathon Ready cDNA(Clontech社)を用い
て、配列番号:1で表されるオリゴDNAをセンス鎖プ
ライマーとして、配列番号:2で表されるオリゴDNA
をアンチセンス鎖プライマーとしてPCRを行い、ヒト
キュービリン部分ペプチドをコードするcDNA(配列
番号:5)を得た。同じく配列番号:3及び配列番号:
4で表されるオリゴDNAをセンス鎖及びアンチセンス
鎖プライマーとしてPCRを行い、ヒトキュービリン部
分ペプチドをコードするcDNA(配列番号:6)を得
た。配列番号:5で表わされる塩基配列を有するcDN
Aおよび配列番号:6で表わされる塩基配列を有するc
DNAを混合し、これらを鋳型として、配列番号:7で
表されるオリゴDNAをセンス鎖プライマーとして、配
列番号:8で表されるオリゴDNAをアンチセンス鎖プ
ライマーとしてPCRを行い、BamHI及びNotI
によって制限酵素処理を施し、同様な制限酵素処理を施
したベクターpSecTag2(Invitrogen)に組み込
むことによって、Igκシグナル配列を上流に、またMy
cおよびHisタグを下流に付加した真核細胞発現ベク
ターに、ヒトキュービリンの部分フラグメントIII
(配列番号:10、ヒトキュービリン成熟体タンパクの
アミノ酸配列(図1〜2)中、1165〜2091番目
のアミノ酸からなるアミノ酸配列を有する。CUB7-CUB14
のフラグメントペプチドに相当する。)をコードする、
配列番号:9で表される全長2781bpからなるcD
NAをクローニングした。また、同様にして、Caco
−2細胞から精製したmRNAからランダムプライマー
を用いてRT−PCRを行って取得したcDNAを用い
て、配列番号:11で表されるオリゴDNAをセンス鎖
プライマーとして、配列番号:12で表されるオリゴD
NAをアンチセンス鎖プライマーとしてPCRを行い、
部分フラグメントI(ヒトキュービリン成熟体タンパク
のアミノ酸配列(図1〜2)中、25〜816番目のア
ミノ酸からなるアミノ酸配列を有する。)をコードする
cDNAを、配列番号:13で表されるオリゴDNAを
センス鎖プライマーとして、配列番号:14で表される
オリゴDNAをアンチセンス鎖プライマーとしてPCR
を行い、部分フラグメントII(ヒトキュービリン成熟
体タンパクのアミノ酸配列(図1〜2)中、474〜1
390番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列を有す
る。)をコードするcDNAをそれぞれ上記発現ベクタ
ーにクローニングした。さらに、同様にして、ヒト小腸
由来Marathon Ready cDNA(Clontech社)を用いて、配
列番号:15で表されるオリゴDNAをセンス鎖プライ
マーとして、配列番号:16で表されるオリゴDNAを
アンチセンス鎖プライマーとしてPCRを行い、部分フ
ラグメントIV(ヒトキュービリン成熟体タンパクのア
ミノ酸配列(図1〜2)中、1852〜2804番目の
アミノ酸からなるアミノ酸配列を有する。)をコードす
るcDNAを、配列番号:17で表されるオリゴDNA
をセンス鎖プライマーとして、配列番号:18で表され
るオリゴDNAをアンチセンス鎖プライマーとしてPC
Rを行い、部分フラグメントV(ヒトキュービリン成熟
体タンパクのアミノ酸配列(図1〜2)中、2569〜
3623番目のアミノ酸からなるアミノ酸配列を有す
る。)をコードするcDNAをそれぞれ上記発現ベクタ
ーにクローニングした。また、前述のごとく、ヒト キ
ュービリンの部分フラグメントIIIをコードするcD
NA(配列番号:9)をpSecTag2ベクターに組
み込むことによって得られたプラスミドpTB2116
を公知の方法に従い大腸菌(Escherichia coli)DH5
αに導入して、形質転換体:大腸菌(Escherichia col
i)DH5α/pTB2116を得た。
【0066】実施例2 ヒトキュービリンの部分フラグメントのCOS7細胞で
の発現 COS7細胞に、実施例1で得られた配列番号:9で表
わされる塩基配列を有するcDNAを含有する発現ベク
ターpTB2116を、トランスフェクション試薬であ
るTransFast(Promega)を用いて一過性にトランスフェ
クトした。その後、無血清培地に置換することで配列番
号:10で表わされるアミノ酸配列を有するポリペプチ
ド(部分フラグメントIII)を無血清上清中に産生さ
せた。同様に、部分フラグメントI、II、IVおよび
Vについても発現ベクターをCOS7細胞にトランスフ
ェクトし、それらの部分フラグメントを無血清上清中に
産生させた。発現の確認のため、得られたそれぞれの培
養上清の一部について非還元条件下にSDS−PAGE
(12.5%ゲル)を行い、セミドライ方式でPVDF
膜に転写した後、抗Mycモノクローナル抗体9E10
(Sigma)を用いたウエスタンブロッティングによ
って検出した。図3に示すように、オーバーラップする
ヒトキュービリン部分フラグメントI〜VがCOS7細
胞で発現し、培養上清へ分泌していることが確認され
た。
【0067】実施例3 ヒトアポリポタンパクA−I結合樹脂と、ヒトキュービ
リン部分フラグメントとの相互作用 ヒトアポリポタンパクA−I(Sigma)2mgと膨潤したC
NBr-activated sepharose (Amersham Pharmacia)1ml
との割合で、0.5M NaCl, 0.1M NaHCO3を含むpH8.3の結
合用緩衝液中で4℃下、一晩混合することによってヒト
アポリポタンパクA−Iを架橋結合したsepharose樹脂
を作製した。作製したヒトアポリポタンパクA−I結合
樹脂50μlと実施例2で得た部分フラグメントI〜V
を含有する培養上清それぞれ200μlを4℃下に一晩
混合し、遠心分離により、非結合画分を除いた後に、0.
2%のウシアルブミンを含むD−MEM培地(Gibco)40
0μlで4回洗浄し、さらにD−MEM培地で1回洗浄
し、続いて20mM EDTAを含むD−MEM培地に混合し、
5分間インキュベートした後に、遠心分離によってED
TA選択的溶出画分を得た。非結合画分及びEDTA選
択的溶出画分についてそれぞれSDS−PAGE(1
2.5%ゲル)を行い、セミドライ方式でPVDF膜に
転写した後、抗Mycモノクローナル抗体9E10(Si
gma)を用いて検出した。図4に示すように、部分フ
ラグメントIIIのみがヒトアポリポタンパクA−I結
合樹脂と結合し、EDTAによって選択的に溶出される
ことが明らかとなった。このことから、ヒトキュービリ
ンのヒトアポリポタンパクA−Iとの結合部位は部分フ
ラグメントIII(CUB7-CUB14のフラグメントペプチド
に相当する)であることが明らかとなった。
【0068】実施例4 CUB9-CUB14フラグメントペプチドのapo A-I結合作用 さらにヒトアポリポタンパクA−I結合部位を絞り込む
ことを目的として、配列番号:19で表されるCUB9-CUB
14のフラグメントペプチドに相当するアミノ酸配列(ヒ
トキュービリン成熟体タンパクのアミノ酸配列(図1〜
2)中、1391−2091番目のアミノ酸からなるア
ミノ酸配列を有する。)をコードするcDNAおよび配
列番号:20で表されるCUB7-CUB12のフラグメントペプ
チドに相当するアミノ酸配列をコードするcDNAを、
実施例1で用いた発現ベクターにサブクローニングし
た。上記ヒトCUB9-CUB14のフラグメントペプチドをコー
ドするcDNA(配列番号:22)を、pSecTag
2ベクターに組み込み、得られたプラスミドpTB22
31を、公知の方法に従い大腸菌(Escherichia coli)
DH5αに導入して、形質転換体:大腸菌(Escherichi
a coli)DH5α/pTB2231を得た。これらのキ
ュービリン部分フラグメントを、実施例2と同様の方法
でCOS7細胞上清に発現せしめ、実施例3と同様にヒ
トアポリポタンパクA−I結合樹脂との相互作用を調べ
た。CUB9-CUB14のフラグメントペプチドを含有する部分
タンパクは、ヒトアポリポタンパクA−I結合樹脂と結
合した(図5)。これより、ヒトキュービリンのヒトア
ポリポタンパクA−Iとの結合部位は、CUB9-CUB14のフ
ラグメントペプチドであることが明らかとなった。
【0069】実施例5 CUB9-CUB14フラグメントペプチドのapo A-I結合作用 CUB9-CUB14のフラグメントペプチドをコードするcDN
A(配列番号:22)を昆虫細胞発現用バキュロウイル
スに組み込んだ。具体的には、配列番号:21で表され
るアミノ酸配列(CUB9-CUB14のフラグメントペプチドの
C末端にMycタグ及びHisタグを付加)をコードす
るcDNAを、pFastBacベクターにサブクローニングし
た。これを用いて定法に従いバキュロウイルスを構築
し、昆虫細胞HiFive cellでの培養上清発現系を作製し
た。培養上清中に発現されたCUB9-CUB14のフラグメント
ペプチドを有する部分タンパクは、実施例4と同様の方
法によりヒトアポリポタンパクA−I結合樹脂と結合す
ることが判明した(図5)。これより、昆虫細胞に発現
したCUB9-CUB14のフラグメントペプチドも、ヒトアポリ
ポタンパクA−Iと結合することが明らかとなった。
【0070】実施例6 CUB9-CUB14のフラグメントペプチドの精製 実施例5で得られた昆虫細胞発現CUB9-CUB14のフラグメ
ントペプチドを、C末端に付加したHisタグを利用し
て精製した。具体的には、培養上清を50%飽和硫酸アン
モニウム条件下で沈殿生成し、沈殿を遠心(12000 g, 3
0分)により収集した。得られた沈殿を20 mM Tris-HCl
(pH7.4), 500 mM NaCl, 10 mM Imidazole, 0.1%アジ化
ナトリウムを含む緩衝液に溶解した。得られた溶解液を
0.1M NiSO4を負荷し、同緩衝液で平衡化したHiTrapChel
ating column(Amersham Pharmacia)にアプライし、同
緩衝液で洗浄した後、同緩衝液で10 mM Imidazole から
200 mM Imidazoleまでの直線グラジエントを形成せし
め、CUB9-CUB14のフラグメントペプチドを溶出した。得
られた溶出画分をSDS−PAGE(12.5%ゲル)
にかけ、CBB染色したものを図6Aに、セミドライ方
式でPVDF膜に転写した後、抗Mycモノクローナル
抗体9E10(Sigma)を用いて検出したものを図
6Bにそれぞれ示す。これらの結果から、溶出画分には
CUB9-CUB14のフラグメントペプチドが主成分として含ま
れていることが判明した。
【0071】実施例7 CUB9-CUB14のフラグメントペプチドとapo A-Iとの結合
の定量 実施例5で得られた昆虫細胞発現型CUB9-CUB14のフラグ
メントペプチドを、20mM Tris-HCl, 500 mM NaCl, 2 mM
CaCl2, 0.1%アジ化ナトリウムを含む緩衝液に終濃度1
-5μg/mlとなるように溶解し、100 μl/wellにて蛍光イ
ムノアッセイ用プレート(Clini plate Black enhanced
binding, Flow lab.)上でインキュベートし、固相化
した。200 μl/wellのSuperBlock TBS(Pierce)で非特
異結合部位をブロックした後に、ビオチン付加ヒトアポ
リポタンパクA−Iとインキュベートし、洗浄後ストレ
プトアビジンβガラクトシダーゼと反応せしめ、洗浄後
に定法によりβ−ガラクトシダーゼ活性を測定すること
により、固相化したCUB9-CUB14のフラグメントペプチド
とヒトアポリポタンパクA−Iの結合を定量化した。結
合反応および洗浄には20 mM Tris-HCl (pH7.4), 150 mM
NaCl, 1 mM CaCl 2, 0.1%アジ化ナトリウム, 5%(v/
v) Block-Ace (大日本製薬)を含む緩衝液を用いた。図
7に示すように、CUB9-CUB14のフラグメントペプチドの
固相化量依存的、ビオチン付加ヒトアポリポタンパクA
−Iの用量依存的な結合反応が認められた。また、結合
は強固であり結合反応後の長時間(2〜3時間)の洗浄
でも結合量に変化は認められず、結合曲線からアポリポ
タンパクA−Iのおよその親和性(Kd)は、20-100 nM
レベルと判断できる。
【0072】実施例8 スクリーニング方法 実施例5で得られた昆虫細胞発現型CUB9-CUB14のフラグ
メントペプチドを、3μg/mlの濃度で100 μl/wellにて
蛍光イムノアッセイ用プレート(Clini plateBlack enh
anced binding, Flow lab.)上でインキュベートし、固
相化し、200μl/wellのSuperBlock TBS(Pierce)で非
特異結合部位をブロックした後に、ビオチン付加ヒトア
ポリポタンパクA-I(終濃度0.1 μg/ml)と試験化合物
とを一晩インキュベートし、洗浄後、100 μl/wellでス
トレプトアビジンβガラクトシダーゼ0.05 U/mlと1時
間反応せしめ、洗浄後、0.5 mM 4-Methylumbelliferil
β-D-galactopyranosideを、10 mM K2HPO4, 150 mM NaC
l 2 mM MgCl2, 0.1%アジ化ナトリウム, 0.2% BSAを含
むpH 7.0に調製した緩衝液に溶解した反応液を加えてイ
ンキュベートし、励起光365nm、吸光460 nmにて測定し
た。また、結合反応および洗浄には20 mM Tris-HCl (pH
7.4), 150 mM NaCl, 1 mM CaCl2, 0.1%アジ化ナトリウ
ム, 5%(v/v) Block-Ace (大日本製薬)を含む緩衝液を
用いた。
【0073】
【発明の効果】本発明のポリペプチド(そのアミド、も
しくはそのエステルまたはその塩)および本発明のDN
Aは、糖尿病、肥満、動脈硬化症、高脂血症、高トリグ
リセリド血症、低HDL血症、低アポリポプロテインA
−I血症または神経障害の治療・予防剤等の医薬として
使用することができる。また、本発明のポリペプチドを
用いるスクリーニング方法またはキットにより得られ
る、キュービリンのアポリポプロテインA−I結合を阻
害する化合物またはその塩は、例えば、高脂血症、高ト
リグリセリド血症、低HDL血症、低アポリポプロテイ
ンA−I血症、食事後高脂血症、糖尿病、肥満、動脈硬
化症、心筋梗塞、狭心症等の治療・予防剤等の医薬とし
て、およびキュービリンのアポリポプロテインA−I結
合を促進する化合物またはその塩は、例えば、腎障害、
腎炎、腎症、尿タンパク症、神経障害、ビタミンB12
欠乏症等の治療・予防剤等の医薬として使用できる。さ
らに、本発明の抗体は、本発明のポリペプチドおよびキ
ュービリンを特異的に認識することができるので、被検
液中の本発明のポリペプチドの定量等に使用することが
でき、かつ、本発明のポリペプチドの発現過多に起因す
る疾患の治療・予防剤等の医薬として使用できる。本発
明のDNAは、例えば、プローブとして使用することに
より、遺伝子診断剤としても有用である。
【0074】
【配列表】 <110> Takeda Chemical Industries, Ltd. <120> Novel Polypeptide and its DNA <130> P2001-153 <150> JP 2000-188306 <151> 2000-06-22 <150> JP 2001-122125 <151> 2001-04-20 <160> 22 <210> 1 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 1 tgcgggggta atctcaccac ttc 23 <210> 2 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 2 ctgcagttct gattgtttgg ataa 24 <210> 3 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 3 tatccaaaca atcagaactg ca 22 <210> 4 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> <400> 4 gctcttgtga aaggatgcat tgaag 25 <210> 5 <211> 1451 <212> DNA <213> Human <400> 5 tgcgggggta atctcaccac ttcaagcggc acgttcatat ctcccaacta cccgatgccc 60 tattaccaca gctctgaatg ctactggtgg ttgaaatcta gccacggcag cgcatttgaa 120 ctggaattca aagactttca cttggagcat catccaaact gcactttaga ttacctggct 180 gtatatgatg gcccaagtag caactctcat ctgctaactc agctttgtgg ggatgagaaa 240 ccccctctta ttcgttctag tggagacagc atgtttataa aactgaggac agatgaaggt 300 cagcaaggac gtggcttcaa ggctgaatac cggcagacat gtgagaatgt ggtaatagtc 360 aatcaaacct atggcatctt agagagtata gggtatccga atccttattc tgaaaatcag 420 cattgcaact ggaccatccg ggcaacaaca ggcaacactg tgaactacac atttttagca 480 tttgacttgg aacatcacat aaactgctcc acagattatt tagagctcta tgatggacca 540 cggcagatgg gacgctactg tggagtagac ctgccccctc cagggagtac tacaagctcc 600 aagcttcaag tgctgctcct tacagatggg gttggccgcc gtgagaaagg atttcagatg 660 cagtggtttg tttacggttg tggtggagag ctgtctgggg ccacaggctc cttcagcagc 720 cccgggttcc ccaacaggta tccaccaaac aaggagtgta tctggtacat taggacggac 780 cccgggagta gcattcagct caccatccat gacttcgatg tggagtatca ttcaaggtgc 840 aactttgatg tcttggagat ctatggaggc cccgatttcc actctcccag aatagcccaa 900 ctgtgtaccc agagatcacc tgagaacccc atgcaggtct ccagcactgg aaatgagcta 960 gcaattcgat tcaagaccga cttgtccata aatgggagag gcttcaatgc gtcatggcaa 1020 gcagtcactg gaggttgtgg tgggattttc caggctccca gtggagagat acattctcca 1080 aattacccca gtccttatag gagcaacaca gactgttctt gggtcattcg ggttgacaga 1140 aatcatcgtg ttctcttgaa cttcactgac tttgatcttg aatcacaaga ctcttgtatt 1200 atggcatacg atggcttaag ctccacaatg tcccgccttg ccaggacgtg tggaagggag 1260 cagctggcta accccatcgt ctcctcagga aacagcctct tcttgagatt tcagtctggc 1320 ccttccagac agaacagagg cttccgagct caattcaggc aagcctgcgg aggccacatc 1380 ctcaccagct catttgatac tgtttcctct ccacggttcc ctgccaatta tccaaacaat 1440 cagaactgca g 1451 <210> 6 <211> 1353 <212> DNA <213> Human <400> 6 tatccaaaca atcagaactg cagctggatc attcaagcgc aacctccatt aaatcatatc 60 accctctctt ttacccactt tgaacttgaa agaagcacaa cgtgtgcacg tgactttgta 120 gaaattttgg atggcggcca cgaagacgcg cccctccgag gccgttactg tggcaccgac 180 atgccccatc ctatcacatc cttcagcagc gccctgacgc tgagattcgt ctctgattct 240 agcatcagtg ctgggggttt ccacaccacg gtcaccgcat cagtgtcggc ttgtggtgga 300 acgttctaca tggctgaagg catcttcaac agccctggct acccagacat ttatccccct 360 aatgtggaat gtgtctggaa catcgtcagt tcccctggca accggctcca gctgtctttt 420 atatctttcc agttggaaga ctctcaggac tgcagcagag attttgtgga gatccgtgaa 480 ggaaatgcca cgggtcactt ggtgggacga tactgtggaa actccttccc tctcaattat 540 tcttccatcg ttggacatac cctgtgggtc agatttatct cagatggttc tggcagcggc 600 acgggcttcc aggccacatt tatgaagata tttggcaatg ataatattgt gggaactcat 660 gggaaagtcg cctctccttt ctggcctgaa aactacccac ataactccaa ttaccaatgg 720 acagtaaatg tgaatgcatc tcacgttgtc catggtagaa tcttggagat ggacatagaa 780 gaaatacaaa actgctatta tgacaaatta aggatctatg atgggcctag cattcacgcc 840 cgcctaattg gagcttactg tggtacccag actgaatctt tcagctccac tggaaattct 900 ttgacatttc atttttactc cgactcttca atctcaggga agggattcct tctggagtgg 960 tttgcagtgg atgcacctga tggtgtttta cctaccattg ctccaggtgc ttgtggtggc 1020 ttcctgagga cgggagatgc acccgtgttt ctcttctccc cgggctggcc tgacagttac 1080 agtaatagag tggactgtac gtggctcatc caggctcccg actctaccgt ggaactcaac 1140 attctttccc tggacattga atctcaccga acgtgtgcct atgatagcct tgtgatacga 1200 gatggagata ataacttggc ccagcagcta gcagttctct gtggcagaga gatccctggg 1260 cccatccggt ctactggaga gtacatgttc atccgcttca cctcggactc cagtgtaacc 1320 agggcaggct tcaatgcatc ctttcacaag agc 1353 <210> 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Ala Leu Thr Leu Arg Phe Val Ser Asp Ser Ser Ile Ser Ala 545 550 555 560 Gly Gly Phe His Thr Thr Val Thr Ala Ser Val Ser Ala Cys Gly Gly 565 570 575 Thr Phe Tyr Met Ala Glu Gly Ile Phe Asn Ser Pro Gly Tyr Pro Asp 580 585 590 Ile Tyr Pro Pro Asn Val Glu Cys Val Trp Asn Ile Val Ser Ser Pro 595 600 605 Gly Asn Arg Leu Gln Leu Ser Phe Ile Ser Phe Gln Leu Glu Asp Ser 610 615 620 Gln Asp Cys Ser Arg Asp Phe Val Glu Ile Arg Glu Gly Asn Ala Thr 625 630 635 640 Gly His Leu Val Gly Arg Tyr Cys Gly Asn Ser Phe Pro Leu Asn Tyr 645 650 655 Ser Ser Ile Val Gly His Thr Leu Trp Val Arg Phe Ile Ser Asp Gly 660 665 670 Ser Gly Ser Gly Thr Gly Phe Gln Ala Thr Phe Met Lys Ile Phe Gly 675 680 685 Asp Ser Ser Val Thr 690 <210> 21 <211> 767 <212> PRT <213> Human <400> 21 Met Glu Thr Asp Thr Leu Leu Leu Trp Val Leu Leu Leu Trp Val Pro 5 10 15 Gly Ser Thr Gly Asp Ala Ala Gln Pro Ala Arg Arg Ala Val Arg Ser 20 25 30 Leu Val Pro Ser Ser Asp Pro Cys Gly Gly Glu Leu Ser Gly Ala Thr 35 40 45 Gly Ser Phe Ser Ser Pro Gly Phe Pro Asn Arg Tyr Pro Pro Asn Lys 50 55 60 Glu Cys Ile Trp Tyr Ile Arg Thr Asp Pro Gly Ser Ser Ile Gln Leu 65 70 75 80 Thr Ile His Asp Phe Asp Val Glu Tyr His Ser Arg Cys Asn Phe Asp 85 90 95 Val Leu Glu Ile Tyr Gly Gly Pro Asp Phe His Ser Pro Arg Ile Ala 100 105 110 Gln Leu Cys Thr Gln Arg Ser Pro Glu Asn Pro Met Gln Val Ser Ser 115 120 125 Thr Gly Asn Glu Leu Ala Ile Arg Phe Lys Thr Asp Leu Ser Ile Asn 130 135 140 Gly Arg Gly Phe Asn Ala Ser Trp Gln Ala Val Thr Gly Gly Cys Gly 145 150 155 160 Gly Ile Phe Gln Ala Pro Ser Gly Glu Ile His Ser Pro Asn Tyr Pro 165 170 175 Ser Pro Tyr Arg Ser Asn Thr Asp Cys Ser Trp Val Ile Arg Val Asp 180 185 190 Arg Asn His Arg Val Leu Leu Asn Phe Thr Asp Phe Asp Leu Glu Ser 195 200 205 Gln Asp Ser Cys Ile Met Ala Tyr Asp Gly Leu Ser Ser Thr Met Ser 210 215 220 Arg Leu Ala Arg Thr Cys Gly Arg Glu Gln Leu Ala Asn Pro Ile Val 225 230 235 240 Ser Ser Gly Asn Ser Leu Phe Leu Arg Phe Gln Ser Gly Pro Ser Arg 245 250 255 Gln Asn Arg Gly Phe Arg Ala Gln Phe Arg Gln Ala Cys Gly Gly His 260 265 270 Ile Leu Thr Ser Ser Phe Asp Thr Val Ser Ser Pro Arg Phe Pro Ala 275 280 285 Asn Tyr Pro Asn Asn Gln Asn Cys Ser Trp Ile Ile Gln Ala Gln Pro 290 295 300 Pro Leu Asn His Ile Thr Leu Ser Phe Thr His Phe Glu Leu Glu Arg 305 310 315 320 Ser Thr Thr Cys Ala Arg Asp Phe Val Glu Ile Leu Asp Gly Gly His 325 330 335 Glu Asp Ala Pro Leu Arg Gly Arg Tyr Cys Gly Thr Asp Met Pro His 340 345 350 Pro Ile Thr Ser Phe Ser Ser Ala Leu Thr Leu Arg Phe Val Ser Asp 355 360 365 Ser Ser Ile Ser Ala Gly Gly Phe His Thr Thr Val Thr Ala Ser Val 370 375 380 Ser Ala Cys Gly Gly Thr Phe Tyr Met Ala Glu Gly Ile Phe Asn Ser 385 390 395 400 Pro Gly Tyr Pro Asp Ile Tyr Pro Pro Asn Val Glu Cys Val Trp Asn 405 410 415 Ile Val Ser Ser Pro Gly Asn Arg Leu Gln Leu Ser Phe Ile Ser Phe 420 425 430 Gln Leu Glu Asp Ser Gln Asp Cys Ser Arg Asp Phe Val Glu Ile Arg 435 440 445 Glu Gly Asn Ala Thr Gly His Leu Val Gly Arg Tyr Cys Gly Asn Ser 450 455 460 Phe Pro Leu Asn Tyr Ser Ser Ile Val Gly His Thr Leu Trp Val Arg 465 470 475 480 Phe Ile Ser Asp Gly Ser Gly Ser Gly Thr Gly Phe Gln Ala Thr Phe 485 490 495 Met Lys Ile Phe Gly Asn Asp Asn Ile Val Gly Thr His Gly Lys Val 500 505 510 Ala Ser Pro Phe Trp Pro Glu Asn Tyr Pro His Asn Ser Asn Tyr Gln 515 520 525 Trp Thr Val Asn Val Asn Ala Ser His Val Val His Gly Arg Ile Leu 530 535 540 Glu Met Asp Ile Glu Glu Ile Gln Asn Cys Tyr Tyr Asp Lys Leu Arg 545 550 555 560 Ile Tyr Asp Gly Pro Ser Ile His Ala Arg Leu Ile Gly Ala Tyr Cys 565 570 575 Gly Thr Gln Thr Glu Ser Phe Ser Ser Thr Gly Asn Ser Leu Thr Phe 580 585 590 His Phe Tyr Ser Asp Ser Ser Ile Ser Gly Lys Gly Phe Leu Leu Glu 595 600 605 Trp Phe Ala Val Asp Ala Pro Asp Gly Val Leu Pro Thr Ile Ala Pro 610 615 620 Gly Ala Cys Gly Gly Phe Leu Arg Thr Gly Asp Ala Pro Val Phe Leu 625 630 635 640 Phe Ser Pro Gly Trp Pro Asp Ser Tyr Ser Asn Arg Val Asp Cys Thr 645 650 655 Trp Leu Ile Gln Ala Pro Asp Ser Thr Val Glu Leu Asn Ile Leu Ser 660 665 670 Leu Asp Ile Glu Ser His Arg Thr Cys Ala Tyr Asp Ser Leu Val Ile 675 680 685 Arg Asp Gly Asp Asn Asn Leu Ala Gln Gln Leu Ala Val Leu Cys Gly 690 695 700 Arg Glu Ile Pro Gly Pro Ile Arg Ser Thr Gly Glu Tyr Met Phe Ile 705 710 715 720 Arg Phe Thr Ser Asp Ser Ser Val Thr Arg Ala Gly Phe Asn Ala Ser 725 730 735 Phe His Lys Ser Pro Arg Gly Gly Pro Glu Gln Lys Leu Ile Ser Glu 740 745 750 Glu Asp Leu Asn Ser Ala Val Asp His His His His His His 755 760 765 <210> 22 <211> 2103 <212> DNA <213> Human <400> 22 tgtggtggag agctgtctgg ggccacaggc tccttcagca gccccgggtt ccccaacagg 60 tatccaccaa acaaggagtg tatctggtac attaggacgg accccgggag tagcattcag 120 ctcaccatcc atgacttcga tgtggagtat cattcaaggt gcaactttga tgtcttggag 180 atctatggag gccccgattt ccactctccc agaatagccc aactgtgtac ccagagatca 240 cctgagaacc ccatgcaggt ctccagcact ggaaatgagc tagcaattcg attcaagacc 300 gacttgtcca taaatgggag aggcttcaat gcgtcatggc aagcagtcac tggaggttgt 360 ggtgggattt tccaggctcc cagtggagag atacattctc caaattaccc cagtccttat 420 aggagcaaca cagactgttc ttgggtcatt cgggttgaca gaaatcatcg tgttctcttg 480 aacttcactg actttgatct tgaatcacaa gactcttgta ttatggcata cgatggctta 540 agctccacaa tgtcccgcct tgccaggacg tgtggaaggg agcagctggc taaccccatc 600 gtctcctcag gaaacagcct cttcttgaga tttcagtctg gcccttccag acagaacaga 660 ggcttccgag ctcaattcag gcaagcctgc ggaggccaca tcctcaccag ctcatttgat 720 actgtttcct ctccacggtt ccctgccaat tatccaaaca atcagaactg cagctggatc 780 attcaagcgc aacctccatt aaatcatatc accctctctt ttacccactt tgaacttgaa 840 agaagcacaa cgtgtgcacg tgactttgta gaaattttgg atggcggcca cgaagacgcg 900 cccctccgag gccgttactg tggcaccgac atgccccatc ctatcacatc cttcagcagc 960 gccctgacgc tgagattcgt ctctgattct agcatcagtg ctgggggttt ccacaccacg 1020 gtcaccgcat cagtgtcggc ttgtggtgga acgttctaca tggctgaagg catcttcaac 1080 agccctggct acccagacat ttatccccct aatgtggaat gtgtctggaa catcgtcagt 1140 tcccctggca accggctcca gctgtctttt atatctttcc agttggaaga ctctcaggac 1200 tgcagcagag attttgtgga gatccgtgaa ggaaatgcca cgggtcactt ggtgggacga 1260 tactgtggaa actccttccc tctcaattat tcttccatcg ttggacatac cctgtgggtc 1320 agatttatct cagatggttc tggcagcggc acgggcttcc aggccacatt tatgaagata 1380 tttggcaatg ataatattgt gggaactcat gggaaagtcg cctctccttt ctggcctgaa 1440 aactacccac ataactccaa ttaccaatgg acagtaaatg tgaatgcatc tcacgttgtc 1500 catggtagaa tcttggagat ggacatagaa gaaatacaaa actgctatta tgacaaatta 1560 aggatctatg atgggcctag cattcacgcc cgcctaattg gagcttactg tggtacccag 1620 actgaatctt tcagctccac tggaaattct ttgacatttc atttttactc cgactcttca 1680 atctcaggga agggattcct tctggagtgg tttgcagtgg atgcacctga tggtgtttta 1740 cctaccattg ctccaggtgc ttgtggtggc ttcctgagga cgggagatgc acccgtgttt 1800 ctcttctccc cgggctggcc tgacagttac agtaatagag tggactgtac gtggctcatc 1860 caggctcccg actctaccgt ggaactcaac attctttccc tggacattga atctcaccga 1920 acgtgtgcct atgatagcct tgtgatacga gatggagata ataacttggc ccagcagcta 1980 gcagttctct gtggcagaga gatccctggg cccatccggt ctactggaga gtacatgttc 2040 atccgcttca cctcggactc cagtgtaacc agggcaggct tcaatgcatc ctttcacaag 2100 agc 2103
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒトキュービリン成熟体タンパクのアミノ酸配
列を示す(図2につづく)。
【図2】ヒトキュービリン成熟体タンパクのアミノ酸配
列を示す(図1よりつづく)。
【図3】実施例2で行われたウエスタンブロッティング
の結果を示す。図中、レーンCは、pSecTag2を
トランスフェクトしたCOS7細胞を、レーンIおよび
IIは、それぞれヒトキュービリン部分フラグメントI
およびIIをコードするcDNAをpSecTag2に
組み込んだ発現ベクターをトランスフェクトしたCOS
7細胞を、レーンIIIはpTB2116をトランスフ
ェクトしたCOS7細胞の培養上清を、レーンIVおよ
びVは、それぞれヒトキュービリン部分フラグメントI
VおよびVをコードするcDNAをpSecTag2に
組み込んだ発現ベクターをトランスフェクトしたCOS
7細胞を示す。また、「細胞内」はそれぞれの細胞の破
砕物を、「培養上清」はそれぞれの細胞の培養上清を電
気泳動したゲルからブロットしたPVDF膜を示す。
【図4】実施例3で行われたウエスタンブロッティング
の結果を示す。図中、レーンI〜Vは部分フラグメント
I〜Vを含有する培養上清を、レーンMは分子量マーカ
ーをそれぞれ示す。また、「Elution」はEDTA選択
的溶出画分を、「Pass」は非結合画分をそれぞれ電気泳
動したゲルからブロットしたPVDF膜を示す。
【図5】実施例4及び5で行われたウエスタンブロッテ
ィングの結果を示す。各ブロッティングの左端は分子量
マーカーの泳動を示す。Mock、Cub7-12、Cub9-14、Cub7
-14、Cub13-20はそれぞれCOS7細胞にトランスフェ
クションしたベクターを示し、Mockはベクターのみ、Cu
b7-12はCUB7-CUB12のフラグメントペプチドをコードす
るcDNAを発現するベクター、Cub9-14はCUB9-CUB14
のフラグメントペプチドをコードするcDNAを発現す
るベクター、Cub7-14は実施例3のフラグメントIII
に相当し、Cub13-20は実施例3のフラグメントIVに相
当する。図中、SampleはヒトアポリポタンパクA−I結
合樹脂にアプライしたサンプル溶液を、Passはカラム通
過フラクションを、Washは洗浄時溶出フラクションをEl
utionはEDTAによる溶出フラクションを示す。Pass
の図中、約70kDaに認められるバンドは高濃度のア
ルブミンによる非特異的な認識バンドと考えられる。
【図6】実施例6で行われたウエスタンブロッティング
(A)及びCBBステイン(B)の結果を示す。各レー
ンのNo.は実施例6中、10 mMから200 mMまでのImida
zoleグラジエントによる溶出フラクションのNo.を示
す。
【図7】実施例7で行われたビオチン付加ヒトアポリポ
タンパクA−I結合曲線を示す。図中、FIUは蛍光測
定装置で定量した測定値を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 3/06 A61P 9/10 4H045 3/10 101 9/10 13/12 101 25/00 13/12 C07K 14/47 25/00 16/18 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 G01N 33/15 Z 5/10 33/50 Z C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA G01N 33/15 5/00 A 33/50 A61K 37/02 Fターム(参考) 2G045 AA34 AA35 BB10 BB14 BB20 BB29 BB51 CB01 DA13 DA36 FB02 FB03 FB05 4B024 AA01 AA11 BA44 BA80 CA04 DA01 DA02 DA05 DA11 EA01 EA02 EA03 EA04 FA02 GA11 HA01 HA03 HA15 4B064 AG01 CA01 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA01X AA57X AA87X AA93Y AB01 AB02 BA01 BA08 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA02 AA17 BA01 BA22 CA53 DC50 ZA022 ZA362 ZA452 ZA702 ZA812 ZC242 ZC332 ZC352 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA40 DA00 DA76 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アポリポタンパクA−Iに結合する能力
    を有する、キュービリンの部分フラグメントであるポリ
    ペプチド、そのアミド、もしくはそのエステルまたはそ
    の塩。
  2. 【請求項2】 ポリペプチドが配列番号:10で表され
    るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
    配列を有することを特徴とするポリペプチドである、請
    求項1記載のポリペプチド、そのアミド、もしくはその
    エステルまたはその塩。
  3. 【請求項3】 ポリペプチドが配列番号:10で表され
    るアミノ酸配列を有する、請求項1記載のポリペプチ
    ド、そのアミド、もしくはそのエステルまたはその塩。
  4. 【請求項4】 ポリペプチドが配列番号:19で表され
    るアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸
    配列を有することを特徴とするポリペプチドである、請
    求項1記載のポリペプチド、そのアミド、もしくはその
    エステルまたはその塩。
  5. 【請求項5】 ポリペプチドが配列番号:19で表され
    るアミノ酸配列を有する、請求項1記載のポリペプチ
    ド、そのアミド、もしくはそのエステルまたはその塩。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のポリペプチドをコードす
    るDNAを含有するDNA。
  7. 【請求項7】 配列番号:9で表される塩基配列を含有
    する請求項6記載のDNA。
  8. 【請求項8】 配列番号:22で表される塩基配列を含
    有する請求項6記載のDNA。
  9. 【請求項9】 請求項6記載のDNAを含有する組換え
    ベクター。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の組換えベクターで形質
    転換された形質転換体。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の形質転換体を培養
    し、該ポリペプチドを生成せしめることを特徴とする請
    求項1記載のポリペプチド、そのアミド、もしくはその
    エステルまたはその塩の製造法。
  12. 【請求項12】 請求項1記載のポリペプチド、そのア
    ミド、もしくはそのエステルまたはその塩に対する抗
    体。
  13. 【請求項13】 請求項1記載のポリペプチド、そのア
    ミド、もしくはそのエステルまたはその塩を用いること
    を特徴とする請求項1記載のポリペプチドまたはその塩
    の活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスク
    リーニング方法。
  14. 【請求項14】 請求項1記載のポリペプチドまたはそ
    の塩を含有してなる請求項1記載のポリペプチド、その
    アミド、もしくはそのエステルまたはその塩の活性を促
    進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング
    用キット。
  15. 【請求項15】 請求項13記載のスクリーニング方法
    または請求項14記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られる、請求項1記載のポリペプチド、そのアミ
    ド、もしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進ま
    たは阻害する化合物またはその塩。
  16. 【請求項16】 請求項13記載のスクリーニング方法
    または請求項14記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られる請求項1記載のポリペプチド、そのアミド、
    もしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進または
    阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬。
  17. 【請求項17】 請求項13記載のスクリーニング方法
    または請求項14記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られる請求項1記載のポリペプチド、そのアミド、
    もしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進する化
    合物またはその塩を含有してなる腎障害、腎炎、腎症、
    尿タンパク症、神経障害またはビタミンB12欠乏症の
    予防・治療剤。
  18. 【請求項18】 請求項13記載のスクリーニング方法
    または請求項14記載のスクリーニング用キットを用い
    て得られる請求項1記載のポリペプチド、そのアミド、
    もしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害する化
    合物またはその塩を含有してなる高脂血症、高トリグリ
    セリド血症、低HDL血症、低アポリポプロテインA−
    I血症、食事後高脂血症、糖尿病、肥満、動脈硬化症、
    心筋梗塞または狭心症の予防・治療剤。
  19. 【請求項19】 請求項1記載のポリペプチド、そのア
    ミド、もしくはそのエステルまたはその塩を含有してな
    る医薬。
  20. 【請求項20】 請求項1記載のポリペプチド、そのア
    ミド、もしくはそのエステルまたはその塩を含有してな
    る糖尿病、肥満、動脈硬化症、高脂血症、高トリグリセ
    リド血症、低HDL血症、低アポリポプロテインA−I
    血症または神経障害の予防・治療剤。
  21. 【請求項21】 請求項6記載のDNAを用いることを
    特徴とする診断剤。
  22. 【請求項22】 請求項12記載の抗体を含有してなる
    診断剤。
  23. 【請求項23】 哺乳動物に対して、請求項13記載の
    スクリーニング方法または請求項14記載のスクリーニ
    ング用キットを用いて得られる請求項1記載のポリペプ
    チド、そのアミド、もしくはそのエステルまたはその塩
    の活性を促進する化合物またはその塩を含有してなる腎
    障害、腎炎、腎症、尿タンパク症、神経障害またはビタ
    ミンB12欠乏症の予防・治療方法。
  24. 【請求項24】 哺乳動物に対して、請求項13記載の
    スクリーニング方法または請求項14記載のスクリーニ
    ング用キットを用いて得られる請求項1記載のポリペプ
    チド、そのアミド、もしくはそのエステルまたはその塩
    の活性を阻害する化合物またはその塩の有効量を投与す
    ることを特徴とする高脂血症、高トリグリセリド血症、
    低HDL血症、低アポリポプロテインA−I血症、食事
    後高脂血症、糖尿病、肥満、動脈硬化症、心筋梗塞また
    は狭心症の予防・治療方法。
  25. 【請求項25】 高脂血症、高トリグリセリド血症、低
    HDL血症、低アポリポプロテインA−I血症、食事後
    高脂血症、糖尿病、肥満、動脈硬化症、心筋梗塞または
    狭心症の予防・治療剤の製造のための、請求項13記載
    のスクリーニング方法または請求項14記載のスクリー
    ニング用キットを用いて得られる請求項1記載のポリペ
    プチド、そのアミド、もしくはそのエステルまたはその
    塩の活性を阻害する化合物またはその塩の使用。
  26. 【請求項26】 哺乳動物に対して、請求項1記載のポ
    リペプチド、そのアミド、もしくはそのエステルまたは
    その塩の有効量を投与することを特徴とする糖尿病、肥
    満、動脈硬化症、高脂血症、高トリグリセリド血症、低
    HDL血症、低アポリポプロテインA−I血症または神
    経障害の予防・治療方法。
  27. 【請求項27】 糖尿病、肥満、動脈硬化症、高脂血
    症、高トリグリセリド血症、低HDL血症、低アポリポ
    プロテインA−I血症または神経障害の予防・治療剤の
    製造のための、請求項1記載のポリペプチド、そのアミ
    ド、もしくはそのエステルまたはその塩の使用。
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