JP2002543784A - 新規なチンパンジーエリスロポエチン(chepo)ポリペプチドおよびこれをコードする核酸 - Google Patents

新規なチンパンジーエリスロポエチン(chepo)ポリペプチドおよびこれをコードする核酸

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、単離された、新規なチンパンジーエリスロポエチン(CHEPO)ポリペプチドおよびこれらのCHEPOポリペプチドをコードする、単離された核酸分子に関する。これらの単離された核酸配列を含むベクターおよび宿主細胞、異種タンパク質に融合された本発明のCHEPOポリペプチドを含むキメラ分子、本発明のCHEPOポリペプチドに結合する抗体、ならびに本発明のCHEPOポリペプチドを生成する方法もまた提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、一般には、新規チンパンジーエリスロポエチンポリペプチド、それ
らのポリペプチドをコードする核酸分子の同定および単離、ならびにそれらポリ
ペプチドの組換え産生に関連する。
【0002】 (発明の背景) 赤血球形成、すなわち、赤血球の産生は、細胞の相殺を補うためにヒトの生涯
を通じて持続的に起こる。赤血球形成は、適切な組織酸素化のために血中に十分
な、しかし細胞の循環を妨げるほど多くはない数の赤血球を利用可能にする、非
常に正確に制御された生理的機構である。赤血球の形成は骨髄で起こり、そして
ホルモンであるエリスロポエチンの制御下にある。
【0003】 酸性糖タンパク質であるエリスロポエチンは、約34,000ダルトンの分子
量であり、α、β、およびアシアロの3つの型で存在し得る。炭水化物成分がわ
ずかに異なるα型およびβ型は、同じ有効性、生物学的活性、および分子量を有
する。アシアロ型は、末端の炭水化物(シアル酸)が除去された、α型およびβ
型である。エリスロポエチンは、体が健康な状態にある時には血漿中に非常に低
い濃度で存在する。ここでは組織は存在する数の赤血球から十分な酸素化を受け
ている。この正常な低い濃度が、通常加齢によって失われる赤血球の置換を刺激
するに十分である。
【0004】 循環中のエリスロポエチン量は、循環中の血球による酸素輸送が減少したとき
、低酸素状態下で増加する。低酸素は、出血による大量の血液の損失、照射への
過剰曝露による赤血球の破壊、高い標高または長期化した意識不明状態による酸
素取り込みの減少、または様々な形式の貧血によって起こり得る。低酸素ストレ
スを受けている組織へ応答して、エリスロポエチンは、骨髄の始原前駆体細胞の
前赤芽球への変換を刺激することによって、赤血球の産生を増加させる。この前
赤芽球は続いて成熟し、ヘモグロビンを合成し、そして赤血球として循環中に放
出される。循環中の赤血球の数が正常な組織酸素必要量に必要なものよりも多い
場合、循環中のエリスロポエチンは減少する。
【0005】 エリスロポエチンは赤血球形成の過程に必要不可欠であるので、そのホルモン
は、低いまたは不完全な赤血球産生によって特徴付けられる血液障害の診断およ
び治療の両方に潜在的に有用な適用を有する。一般には、鎌状赤血球貧血の可能
性のある治療におけるエリスロポエチンに関連する、Pennathur−Da
sら、Blood 63(5):1168−71(1984)およびHaddy
、Am.Jour.Ped.Hematol.Oncol.4:191−196
(1982)、およびエリスロポエチンが豊富な血漿の注入に対するインビボの
応答に基づく、尿毒症ヒツジの治療レジメンを記載し、そして慢性腎不全に関連
する型の貧血の調整策として、15〜40日間1日あたり10U EOP/kg
の投与量を提唱する、Eschbachら、J.Clin.Invest.74
(2):434−441(1984)を参照のこと。また、Krane、Hen
ry Ford Hosp.Med.J.31(3):177−181(198
3)も参照のこと。
【0006】 本発明者らは本明細書中で、本明細書中でCHEPOと呼ばれる、チンパンジ
ー由来の新規エリスロポエチンポリペプチドの同定および特徴付けを記載する。
【0007】 (発明の要旨) ヒトエリスロポエチンをコードする核酸と相同性を有し、本出願において「C
HEPO」と呼ばれる新規チンパンジーエリスロポエチンポリペプチドをコード
するcDNAクローンが同定された。
【0008】 1つの実施形態では、本発明はCHEPOポリペプチドをコードするヌクレオ
チド配列を含む、単離された核酸分子を提供する。
【0009】 1つの局面では、単離された核酸分子は、(a)図3(配列番号(Seq I
D No.)2および5)の、両端のアミノ酸を含めて約1または約28から約
193までのアミノ酸残基の配列を有するCHEPOポリペプチドをコードする
DNA分子、または(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して、少なくとも約
80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%の核酸配列同一性、ある
いは少なくとも約82%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%の核酸
配列同一性、あるいは少なくとも約84%の核酸配列同一性、あるいは少なくと
も約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%の核酸配列同一性、
あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%の
核酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性、あるいは少な
くとも約90%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の核酸配列同一
性、あるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約93
%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%の核酸配列同一性、あるいは
少なくとも約95%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%の核酸配列
同一性、あるいは少なくとも約97%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約
98%の核酸配列同一性、そしてあるいは少なくとも約99%の核酸配列同一性
を有するヌクレオチド配列を含む。
【0010】 別の局面では、単離された核酸分子は、(a)図3(配列番号2および5)の
、両端のアミノ酸を含めて約1または約28から約193までのアミノ酸残基の
配列を有するCHEPOポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、または(
b)(a)のヌクレオチド配列の相補鎖を含む。
【0011】 他の局面では、単離された核酸分子は、(a)図2(配列番号3)の、両端の
アミノ酸を含めて約1または約82から約579までのヌクレオチド配列を有す
るDNA分子、または(b)(a)のDNA分子の相補鎖に対して、少なくとも
約80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%の核酸配列同一性、あ
るいは少なくとも約82%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約83%の核
酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%の核酸配列同一性、あるいは少なく
とも約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%の核酸配列同一性
、あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約88%
の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性、あるいは少
なくとも約90%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の核酸配列同
一性、あるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約9
3%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%の核酸配列同一性、あるい
は少なくとも約95%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%の核酸配
列同一性、あるいは少なくとも約97%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも
約98%の核酸配列同一性、そしてあるいは少なくとも約99%の核酸配列同一
性を有するヌクレオチド配列を含む。
【0012】 別の局面では、単離された核酸分子は、(a)図2(配列番号3)の、両端の
アミノ酸を含めて約1または約82から約579までのヌクレオチド配列、また
は(b)(a)のヌクレオチド配列の相補鎖を含む。
【0013】 別の局面では、本発明は図3(配列番号2および5)の、両端のアミノ酸を含
めてアミノ酸1または約28から約193までをコードする核酸配列の相補鎖に
ハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、下記で定義するように活性なCH
EPOポリペプチドをコードする、単離された核酸分子に関する。好ましくは、
ハイブリダイゼーションはストリンジェントなハイブリダイゼーションおよび洗
浄条件下で起こる。
【0014】 さらに別の局面では、本発明は図2(配列番号3)の、両端のアミノ酸を含め
て約ヌクレオチド1または約82と約579との間の、核酸配列の相補鎖にハイ
ブリダイズするヌクレオチド配列を含む、下記で定義するように活性なCHEP
Oポリペプチドをコードする、単離された核酸分子に関する。好ましくは、ハイ
ブリダイゼーションはストリンジェントなハイブリダイゼーションおよび洗浄条
件下で起こる。
【0015】 さらなる局面では、本発明は(a)図3(配列番号2および5)の、両端のア
ミノ酸を含めて約1または約28から約193までのアミノ酸残基の配列を有す
るCHEPOポリペプチドをコードするDNA分子、または(b)(a)のDN
A分子の相補鎖と、ストリンジェントな条件下で試験DNA分子をハイブリダイ
ズさせることによって、そしてもし試験DNA分子が(a)または(b)に対し
て少なくとも約80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%の核酸配
列同一性、あるいは少なくとも約82%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも
約83%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%の核酸配列同一性、あ
るいは少なくとも約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%の核
酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは少なく
とも約88%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性
、あるいは少なくとも約90%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%
の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あるいは少
なくとも約93%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%の核酸配列同
一性、あるいは少なくとも約95%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約9
6%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%の核酸配列同一性、あるい
は少なくとも約98%の核酸配列同一性、そしてあるいは少なくとも約99%の
核酸配列同一性を有するなら、試験DNA分子を単離することによって産生され
た、単離された核酸分子に関する。
【0016】 別の局面では、本発明は(a)図3(配列番号2および5)の両端のアミノ酸
を含めて約1または約28から193までのアミノ酸残基配列と比較した場合に
、少なくとも約80%ポジティブ、あるいは少なくとも約81%ポジティブ、あ
るいは少なくとも約82%ポジティブ、あるいは少なくとも約83%ポジティブ
、あるいは少なくとも約84%ポジティブ、あるいは少なくとも約85%ポジテ
ィブ、あるいは少なくとも約86%ポジティブ、あるいは少なくとも約87%ポ
ジティブ、あるいは少なくとも約88%ポジティブ、あるいは少なくとも約89
%ポジティブ、あるいは少なくとも約90%ポジティブ、あるいは少なくとも約
91%ポジティブ、あるいは少なくとも約92%ポジティブ、あるいは少なくと
も約93%ポジティブ、あるいは少なくとも約94%ポジティブ、あるいは少な
くとも約95%ポジティブ、あるいは少なくとも約96%ポジティブ、あるいは
少なくとも約97%ポジティブ、あるいは少なくとも約98%ポジティブ、そし
てあるいは少なくとも約99%ポジティブでスコア付けされるポリペプチドをコ
ードするヌクレオチド配列、または(b)(a)のヌクレオチド配列の相補鎖を
含む、単離された核酸分子に関する。
【0017】 特定の局面において、本発明は、N末端シグナル配列および/または開始メチ
オニンを欠くCHEPOポリペプチドをコードするDNAを含む単離された核酸
分子、またはそのようなコードする核酸分子に相補的な、単離された核酸分子を
提供する。シグナルペプチドは、図3(配列番号2および5)の配列における約
アミノ酸位置1から約アミノ酸位置27まで伸長すると仮に同定された。しかし
、シグナルペプチドのC末端の境界は変わり得るが、本明細書中で最初に同定さ
れたシグナルペプチドC末端境界のどちら側にも約5アミノ酸のみである可能性
が最も高いことが記載される。ここでシグナルペプチドのC末端境界は、そのよ
うな型のアミノ酸配列エレメントを同定するための、当該分野で慣用的に採用さ
れる基準に従って同定され得る(例えば、Nielsenら、Prot.Eng
.10:1−6(1997)およびvon Heinjeら、Nucl.Aci
ds.Res.14:4683−4690(1986))。さらに、いくつかの
場合には、分泌されたポリペプチドからのシグナル配列の切断は完全には均一で
なく、1つを超える分泌された種を生じることも認識される。これらのポリペプ
チド、およびそれらをコードするポリヌクレオチドは、本発明によって企図され
る。そのために、本出願の目的のために、図3(配列番号2および5)に示した
CHEPOポリペプチドのシグナルペプチドは、図3(配列番号2および5)の
アミノ酸1からXまで伸長する。ここでXは図3(配列番号2および5)の23
から32までの任意のアミノ酸である。従って、本発明によって含まれるCHE
POポリペプチドの成熟形態は、図3(配列番号2および5)のアミノ酸Xから
193までを含むもの、および下記で記載するようなその改変体を含む。ここで
Xは図3(配列番号2および5)の23から32までの任意のアミノ酸である。
これらのポリペプチドをコードする、単離された核酸分子もまた企図される。
【0018】 別の実施形態は、例えばハイブリダイゼーションプローブとしての使用を見い
だされ得るCHEPOポリペプチドコード配列のフラグメント、または必要に応
じて抗CHEPO抗体への結合部位を含むポリペプチドをコードし得るCHEP
Oポリペプチドコードフラグメントに関する。そのような核酸フラグメントは、
通常長さが少なくとも約20ヌクレオチド、あるいは長さが少なくとも約30ヌ
クレオチド、あるいは長さが少なくとも約40ヌクレオチド、あるいは長さが少
なくとも約50ヌクレオチド、あるいは長さが少なくとも約60ヌクレオチド、
あるいは長さが少なくとも約70ヌクレオチド、あるいは長さが少なくとも約8
0ヌクレオチド、あるいは長さが少なくとも約90ヌクレオチド、あるいは長さ
が少なくとも約100ヌクレオチド、あるいは長さが少なくとも約110ヌクレ
オチド、あるいは長さが少なくとも約120ヌクレオチド、あるいは長さが少な
くとも約130ヌクレオチド、あるいは長さが少なくとも約140ヌクレオチド
、あるいは長さが少なくとも約150ヌクレオチド、あるいは長さが少なくとも
約160ヌクレオチド、あるいは長さが少なくとも約170ヌクレオチド、ある
いは長さが少なくとも約180ヌクレオチド、あるいは長さが少なくとも約19
0ヌクレオチド、あるいは長さが少なくとも約200ヌクレオチド、あるいは長
さが少なくとも約250ヌクレオチド、あるいは長さが少なくとも約300ヌク
レオチド、あるいは長さが少なくとも約350ヌクレオチド、あるいは長さが少
なくとも約400ヌクレオチド、あるいは長さが少なくとも約450ヌクレオチ
ド、あるいは長さが少なくとも約500ヌクレオチド、あるいは長さが少なくと
も約600ヌクレオチド、あるいは長さが少なくとも約700ヌクレオチド、あ
るいは長さが少なくとも約800ヌクレオチド、あるいは長さが少なくとも約9
00ヌクレオチド、そしてあるいは長さが少なくとも約1000ヌクレオチドで
ある。ここで、この文脈中で約という用語は、言及されたヌクレオチド配列の長
さプラスまたはマイナスその言及された長さの10%を意味する。好ましい実施
形態では、ヌクレオチド配列フラグメントは、図1(配列番号1)に示したヌク
レオチド配列の任意のコード領域から得られる。CHEPOポリペプチドをコー
ドするヌクレオチド配列の新規フラグメントは、多くの任意の周知の配列整列プ
ログラムを用いて、CHEPOポリペプチドをコードするヌクレオチド配列と、
他の公知のヌクレオチド配列とを整列させ、そしてどのCHEPOポリペプチド
をコードするヌクレオチド配列フラグメントが新規か決定することによって、慣
用的な方法で決定し得ることが記載される。そのようなCHEPOポリペプチド
をコードするヌクレオチド配列は全て本明細書中で企図され、そして過度の実験
なしに決定し得る。これらのヌクレオチド分子フラグメントによってコードされ
るCHEPOポリペプチドフラグメント、好ましくは抗CHEPO抗体への結合
部位を含むCHEPOポリペプチドフラグメントも企図される。
【0019】 別の実施形態では、本発明は、CHEPOをコードするヌクレオチド配列また
はその改変体を含むベクターを提供する。ベクターは、本明細書中上記で同定し
た任意の単離された核酸分子を含み得る。
【0020】 そのようなベクターを含む宿主細胞も提供される。例として、宿主細胞はCH
O細胞、E.coli、または酵母であり得る。CHEPOポリペプチドを産生
するためのプロセスがさらに提供され、そして宿主細胞をCHEPOの発現に適
切な条件下で培養する工程、および細胞培養物からCHEPOを回収する工程を
包含する。
【0021】 別の実施形態では、本発明は、本明細書中上記で同定された任意の単離された
核酸配列によってコードされる、単離されたCHEPOポリペプチドを提供する
【0022】 特定の局面では、本発明は単離されたネイティブな配列のCHEPOポリペプ
チドを提供する。それは特定の実施形態では、図3(配列番号2および5)の約
1または約28から約193までの残基を含むアミノ酸配列を含む。
【0023】 別の局面では、本発明は、図3(配列番号2および5)の両端のアミノ酸を含
めて約1または約28から約193までのアミノ酸残基の配列に対して、少なく
とも約80%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%のアミノ酸配
列同一性、あるいは少なくとも約82%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なく
とも約83%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%のアミノ酸配
列同一性、あるいは少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なく
とも約86%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約87%のアミノ酸配
列同一性、あるいは少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なく
とも約89%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約90%のアミノ酸配
列同一性、あるいは少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なく
とも約92%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約93%のアミノ酸配
列同一性、あるいは少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なく
とも約95%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%のアミノ酸配
列同一性、あるいは少なくとも約97%のアミノ酸配列同一性、あるいは少なく
とも約98%のアミノ酸配列同一性、そしてあるいは少なくとも約99%のアミ
ノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離されたCHEPOポリペプチ
ドに関する。
【0024】 さらなる局面では、本発明は、図3(配列番号2および5)の両端のアミノ酸
を含めて約1または約28から約193までのアミノ酸残基配列と比較した場合
に、少なくとも約80%ポジティブ、あるいは少なくとも約81%ポジティブ、
あるいは少なくとも約82%ポジティブ、あるいは少なくとも約83%ポジティ
ブ、あるいは少なくとも約84%ポジティブ、あるいは少なくとも約85%ポジ
ティブ、あるいは少なくとも約86%ポジティブ、あるいは少なくとも約87%
ポジティブ、あるいは少なくとも約88%ポジティブ、あるいは少なくとも約8
9%ポジティブ、あるいは少なくとも約90%ポジティブ、あるいは少なくとも
約91%ポジティブ、あるいは少なくとも約92%ポジティブ、あるいは少なく
とも約93%ポジティブ、あるいは少なくとも約94%ポジティブ、あるいは少
なくとも約95%ポジティブ、あるいは少なくとも約96%ポジティブ、あるい
は少なくとも約97%ポジティブ、あるいは少なくとも約98%ポジティブ、そ
してあるいは少なくとも約99%ポジティブでスコア付けされるアミノ酸配列を
含む、単離されたCHEPOポリペプチドに関する。
【0025】 特定の局面では、本発明は、N末端シグナル配列および/または開始メチオニ
ンを欠き、そして本明細書中上記で記載したようにそのようなアミノ酸配列をコ
ードするヌクレオチド配列によってコードされる、単離されたCHEPOポリペ
プチドを提供する。それを産生するためのプロセスも本明細書中で記載され、こ
こでそれらのプロセスは、適切なコードする核酸分子を含むベクターを含む宿主
細胞を、CHEPOポリペプチドの発現に適切な条件下で培養する工程、および
細胞培養物からCHEPOポリペプチドを回収する工程を包含する。
【0026】 さらに別の局面では、本発明は図3(配列番号2および5)の両端のアミノ酸
を含めて約1または約28から約193までのアミノ酸残基配列を含む、単離さ
れたCHEPOポリペプチド、または生物学的に活性または抗CHEPO抗体の
結合部位を提供するに十分なそのフラグメントに関する。ここで、生物学的活性
を有するまたは抗CHEPO抗体の結合部位を提供するCHEPOポリペプチド
フラグメントの同定は、当該分野において周知の技術を用いて慣用的な方法で達
成され得る。好ましくは、CHEPOフラグメントは、ネイティブなCHEPO
ポリペプチドの定性的な生物学的活性を保持している。
【0027】 さらに別の局面では、本発明は(i)試験DNA分子をストリンジェントな条
件下で、(a)図3(配列番号2および5)の両端のアミノ酸を含めて約1また
は約28から約193までのアミノ酸残基配列を有するCHEPOポリペプチド
をコードするDNA分子、または(b)(a)のDNA分子の相補鎖とハイブリ
ダイズさせること、そしてもし試験DNA分子が(a)または(b)に対して少
なくとも約80%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%の核酸配列同
一性、あるいは少なくとも約82%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約8
3%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約84%の核酸配列同一性、あるい
は少なくとも約85%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約86%の核酸配
列同一性、あるいは少なくとも約87%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも
約88%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約89%の核酸配列同一性、あ
るいは少なくとも約90%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約91%の核
酸配列同一性、あるいは少なくとも約92%の核酸配列同一性、あるいは少なく
とも約93%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約94%の核酸配列同一性
、あるいは少なくとも約95%の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約96%
の核酸配列同一性、あるいは少なくとも約97%の核酸配列同一性、あるいは少
なくとも約98%の核酸配列同一性、そしてあるいは少なくとも約99%の核酸
配列同一性を有するなら、(ii)試験DNA分子を含む宿主細胞をポリペプチ
ドの発現に適切な条件下で培養すること、そして(iii)細胞培養物からポリ
ペプチドを回収することによって産生されたポリペプチドを提供する。
【0028】 別の実施形態では、本発明は異種ポリペプチドまたはアミノ酸配列と融合した
CHEPOポリペプチドを含むキメラ分子を提供する。ここで、CHEPOポリ
ペプチドは、本明細書中上記で記載したような任意のCHEPOポリペプチド、
改変体またはそのフラグメントを含み得る。そのようなキメラ分子の例は、エピ
トープタグ配列または免疫グロブリンのFc領域に融合したCHEPOポリペプ
チドを含む。
【0029】 別の実施形態では、本発明は、本明細書中上記で記載したようなCHEPOポ
リペプチドに特異的に結合する、下記で定義するような抗体を提供する。必要に
応じて、抗体はモノクローナル抗体、抗体フラグメント、または単鎖抗体である
【0030】 さらに別の実施形態では、本発明は下記で定義するような、ネイティブなCH
EPOポリペプチドのアゴニストおよびアンタゴニストに関する。特定の実施形
態では、アゴニストまたはアンタゴニストは、抗CHEPO抗体または低分子で
ある。
【0031】 さらなる実施形態では、本発明はCHEPOポリペプチドのアゴニストまたは
アンタゴニストを同定する方法に関する。それは、CHEPOポリペプチドを候
補分子と接触させる工程、およびこのCHEPOポリペプチドによって媒介され
る生物学的活性をモニターする工程を包含する。好ましくは、CHEPOポリペ
プチドはネイティブなCHEPOポリペプチドである。
【0032】 またさらなる実施形態では、本発明はCHEPOポリペプチド、あるいは本明
細書中で記載したようなCHEPOポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニ
スト、あるいは抗CHEPO抗体を、キャリアと組み合わせて含む組成物に関連
する。必要に応じて、キャリアは薬剤学的に受容可能なキャリアである。
【0033】 本発明の別の実施形態は、CHEPOポリペプチド、本明細書中で記載したよ
うなそのアゴニストまたはアンタゴニスト、または抗CHEPO抗体に反応する
状態の処置に有用な医薬品の調製のための、CHEPOポリペプチド、またはそ
のアゴニストもしくはアンタゴニスト、または抗CHEPO抗体の使用に関する
【0034】 本発明のさらに別の実施形態は、ネイティブな配列のCHEPOポリペプチド
と比較して、1つ以上のポリペプチド領域において、好ましくは図3(配列番号
2および5)に示したCHEPOアミノ酸配列のアミノ酸位置84を囲む、およ
び/または含む領域において、変化したグリコシル化パターンを有するCHEP
Oポリペプチドに関する。種々の実施形態で、CHEPO改変体ポリペプチドは
、CHEPOポリペプチド配列のアミノ酸位置84に、またはその付近にN結合
型グリコシル化部位またはO結合型グリコシル化部位を作製するように、周知の
技術を用いて調製される。例えば、本発明によって企図されるCHEPOポリペ
プチドは、(a)図3(配列番号2および5)に示すCHEPOアミノ酸配列の
アミノ酸81−84(すなわちMet−Glu−Val−Arg;配列番号6)
が、アミノ酸配列Asn−X−Ser−X(配列番号7)またはAsn−X−T
hr−X(配列番号8)で置換され(ここでXは、Pro以外の任意のアミノ酸
である);(b)図3(配列番号2および5)に示すCHEPOアミノ酸配列の
アミノ酸82−85(すなわちGlu−Val−Arg−Gln;配列番号9)
が、アミノ酸配列Asn−X−Ser−X(配列番号7)またはAsn−X−T
hr−X(配列番号8)で置換され(ここでXは、Pro以外の任意のアミノ酸
である);(c)図3(配列番号2および5)に示すCHEPOアミノ酸配列の
アミノ酸83−86(すなわちVal−Arg−Gln−Gln;配列番号10
)が、アミノ酸配列Asn−X−Ser−X(配列番号7)またはAsn−X−
Thr−X(配列番号8)で置換され(ここでXは、Pro以外の任意のアミノ
酸である);または(d)図3(配列番号2および5)に示すCHEPOアミノ
酸配列のアミノ酸84−87(すなわちArg−Gln−Gln−Ala;配列
番号11)が、アミノ酸配列Asn−X−Ser−X(配列番号7)またはAs
n−X−Thr−X(配列番号8)で置換され(ここでXは、Pro以外の任意
のアミノ酸である)、それによってそれらの位置にN−グリコシル化部位を作製
したポリペプチドを含む。これらの改変体ポリペプチドをコードする核酸も、そ
れらの核酸を含むベクターおよび宿主細胞と同様に、本明細書中で企図される。
【0035】 (好ましい実施形態の詳細な説明) (I.定義) 用語「CHEPOポリペプチド」「CHEPOタンパク質」、および「CHE
PO」は、本明細書中で使用される場合には、ネイティブな配列のCHEPOお
よびCHEPOポリペプチド改変体(これらは本明細書中でさらに定義される)
を含む。CHEPOポリペプチドは、種々の供給源から(例えば、ヒトの組織型
から)または別の供給源から単離され得るか、あるいは組換えおよび/または合
成方法によって調製され得る。
【0036】 「ネイティブな配列のCHEPO」は、天然に由来するCHEPOと同じアミ
ノ酸配列を有しているポリペプチドを含む。このようなネイティブな配列のCH
EPOは、天然から単離され得るか、または組換えおよび/もしくは合成手段に
よって産生され得る。用語「ネイティブな配列のCHEPO」は、CHEPOの
、天然に存在している短縮型または分泌された形態(例えば、細胞外ドメイン配
列)、天然に存在している改変体の形態(例えば、選択的にスプライシングされ
た形態)、および天然に存在している対立遺伝子改変体を特に含む。本発明の1
つの実施形態においては、ネイティブな配列のCHEPOは、成熟のCHEPO
であるか、または図3(配列番号2および5)のアミノ酸1から193を含む全
長のネイティブな配列のCHEPOである。また、図3(配列番号2および5)
に開示されているCHEPOポリペプチドは、アミノ酸位置1として本明細書中
で示されているメチオニン残基で開始することが示されており、図3(配列番号
2および5)のアミノ酸位置1の上流または下流のいずれかに配置された別のメ
チオニン残基が、CHEPOポリペプチドの開始アミノ酸残基として使用され得
ることが考えられ得、そしてそのことが可能である。
【0037】 「CHEPO改変体ポリペプチド」は、以下のアミノ酸配列と少なくとも約8
0%のアミノ酸配列同一性を有している、以下に定義されているような活性なC
HEPOポリペプチドを意味する:(a)図3(配列番号2および5)に示され
ているCHEPOポリペプチドの残基1または約28から193、(b)図3(
配列番号2および5)に示されているCHEPOポリペプチドのXから193(
ここで、Xは、図3(配列番号2および5)の23から32までの任意のアミノ
酸残基である)、または(c)図3(配列番号2および5)に示されているアミ
ノ酸配列の別の特異的に誘導されたフラグメント。このようなCHEPO改変体
ポリペプチドとしては、例えば、図3(配列番号2および5)の配列のN末端お
よび/またはC末端、ならびに1つ以上の内部ドメイン中で、1つ以上のアミノ
酸残基が付加されているか、または欠失しているCHEPOポリペプチドが挙げ
られる。通常は、CHEPO改変体ポリペプチドは、少なくとも約80%のアミ
ノ酸配列同一性、あるいは、少なくとも約81%のアミノ酸配列同一性、あるい
は、少なくとも約82%のアミノ酸配列同一性、あるいは、少なくとも約83%
のアミノ酸配列同一性、あるいは、少なくとも約84%のアミノ酸配列同一性、
あるいは、少なくとも約85%のアミノ酸配列同一性、あるいは、少なくとも約
86%のアミノ酸配列同一性、あるいは、少なくとも約87%のアミノ酸配列同
一性、あるいは、少なくとも約88%のアミノ酸配列同一性、あるいは、少なく
とも約89%のアミノ酸配列同一性、あるいは、少なくとも約90%のアミノ酸
配列同一性、あるいは、少なくとも約91%のアミノ酸配列同一性、あるいは、
少なくとも約92%のアミノ酸配列同一性、あるいは、少なくとも約93%のア
ミノ酸配列同一性、あるいは、少なくとも約94%のアミノ酸配列同一性、ある
いは、少なくとも約95%のアミノ酸配列同一性、あるいは、少なくとも約96
%のアミノ酸配列同一性、あるいは、少なくとも約97%のアミノ酸配列同一性
、あるいは、少なくとも約98%のアミノ酸配列同一性、そしてあるいは、少な
くとも約99%のアミノ酸配列同一性を、以下に対して有する:(a)図3(配
列番号2および5)に示されているCHEPOポリペプチドの残基1または約2
8から193、(b)図3(配列番号2および5)に示されているCHEPOポ
リペプチドのXから193(ここで、Xは、図3(配列番号2および5)の23
から32までの任意のアミノ酸残基である)、または(c)図3(配列番号2お
よび5)に示されているアミノ酸配列の別の特異的に誘導されたフラグメント。
CHEPO改変体ポリペプチドは、天然のCHEPOポリペプチド配列を含まな
い。通常は、CHEPO改変体ポリペプチドは、少なくとも約10アミノ酸の長
さであり、あるいは、少なくとも約20アミノ酸の長さであり、あるいは、少な
くとも約30アミノ酸の長さであり、あるいは、少なくとも約40アミノ酸の長
さであり、あるいは、少なくとも約50アミノ酸の長さであり、あるいは、少な
くとも約60アミノ酸の長さであり、あるいは、少なくとも約70アミノ酸の長
さであり、あるいは、少なくとも約80アミノ酸の長さであり、あるいは、少な
くとも約90アミノ酸の長さであり、あるいは、少なくとも約100アミノ酸の
長さであり、あるいは、少なくとも約150アミノ酸の長さであり、あるいは、
少なくとも約200アミノ酸の長さであり、あるいは、少なくとも約300アミ
ノ酸の長さ以上である。
【0038】 本明細書中で同定されたCHEPOポリペプチド配列に関する「パーセント(
%)アミノ酸配列同一性」は、配列のアラインメント、および必要である場合に
は、最大のパーセント配列同一性を達成するためのギャップの導入の後での、C
HEPO配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基の割合と
して、そして配列同一性の一部としては任意の保存的置換は考慮せずに、定義さ
れる。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のためのアラインメントは
、例えば、BLAST、BLAST−2、ALIGN、ALIGN−2、または
Megalian(DNASTAR)ソフトウェアのような公に入手可能なコン
ピューターソフトウェアを使用して、当業者の範囲内である種々の方法において
達成され得る。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大のアラインメン
トを達成するために必要とされる任意のアルゴリズムを含む、アラインメントを
測定するための適切なパラメーターを決定し得る。しかし、本明細書中での目的
のためには、%アミノ酸配列同一性の値は、配列比較コンピュータープログラム
ALIGA−2を使用して以下に記載されているように得られる。ここでは、A
LIGN−2プログラムについての完全なソースコードが、以下の表1に提供さ
れる。ALIGN−2配列比較コンピュータープログラムは、Genentec
h,Inc.によって書かれており、そして表1に示されているソースコードは
、米国商標庁(Washington D.C.,20559)においてユーザ
ードキュメントとともに整理保管されている。ここでは、これは、米国著作権登
録番号TXU510087の下で登録されている。ALIGN−2プログラムは
、Genentech,Inc.,South San Francisco,
Californiaを通じて公に入手可能であるか、または表1に提供されて
いるソースコードからコンパイルされ得る。ALIGN−2プログラムは、UN
IX(登録商標)オペレーティングシステム(好ましくは、デジタルUNIX(
登録商標)V4.OD)上での使用のためにコンパイルされるはずである。全て
の配列比較パラメーターが、ALIGN−2プログラムによって設定され、そし
て変化しない。
【0039】 本明細書中での目的のために、所定のアミノ酸配列Aの、所定のアミノ酸配列
BとのまたはBに対する%アミノ酸配列同一性(これは、所定のアミノ酸配列B
とまたはBに対して特定の%アミノ酸配列同一性を有するかまたは%アミノ酸配
列同一性を含む所定のアミノ酸配列Aとして別に記載され得る)は、以下のよう
に計算される: 割合X/Yの100倍 ここでは、Xは、AおよびBのアラインメントをプログラムしている配列アライ
ンメントプログラムALIGN−2によって同一性適合としてスコア付けされた
アミノ酸残基の数である。そしてここでは、Yは、B中のアミノ酸残基の総数で
ある。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合には、B
に対するAの%アミノ酸配列同一性は、Aに対するBの%アミノ酸配列同一性と
は等しくないことが明らかである。%アミノ酸配列同一性の計算の例として、以
下の表2および表3は、PROと命名されたアミノ酸配列に対する、Compa
rison Proteinと命名されたアミノ酸配列の%アミノ酸配列同一性
を計算するための方法を示す。
【0040】 他に特に記載されていない限りは、本明細書中で使用される全ての%アミノ酸
配列同一性の値は、ALIGN−2配列比較コンピュータープログラムを使用し
て上記のように得られる。しかし、%アミノ酸配列同一性はまた、配列比較プロ
グラムNCBI−BLAST2(Altschulら、Nucleic Aci
ds Res.,25:3389−3402(1997))を使用して決定され
得る。NCBI−BLAST−2配列比較プログラムは、http://www
.ncbi.nlm.nih.govからダウンロードされ得るか、またはそう
でなければ、National Institute of Health,B
ethesda,MDから得ることができる。NCBI−BLAST2は、いく
つかの検索パラメーターを使用する。ここでは、例えば以下を含む、全てのこれ
らの検索パラメーターは、デフォルト値に設定される:マスクされていない=y
es、鎖=全て、予想される出現=10、最低の複雑性の長さ=15/5、mu
lti−pass e値=0.01、multi−passの定数=25、最終
的なギャップアラインメントについてのドロップオフ=25、およびスコアリン
グマトリックス=BLOSUM62。
【0041】 アミノ酸配列の比較のためにNCBI−BLAST2が使用される状況におい
ては、所定のアミノ酸配列Aの、所定のアミノ酸配列BとのまたはBに対する%
アミノ酸配列同一性(これは、所定のアミノ酸配列BとまたはBに対して特定の
%アミノ酸配列同一性を有するかまたは%アミノ酸配列同一性を含む所定のアミ
ノ酸配列Aとして別に記載され得る)は、以下のように計算される: 割合X/Yの100倍 ここでは、Xは、AおよびBのアラインメントをプログラムしている配列アライ
ンメントプログラムNCBI−BLAST2によって同一性適合としてスコア付
けされたアミノ酸残基の数である。そしてここでは、Yは、B中のアミノ酸残基
の総数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合
には、Bに対するAの%アミノ酸配列同一性は、Aに対するBの%アミノ酸配列
同一性とは等しくないことが明らかである。
【0042】 「CHEPO改変体ポリヌクレオチド」、またはCHEPO改変体核酸配列は
、以下に定義されているような活性なCHEPOポリペプチチドをコードし、そ
して以下のいずれかと少なくとも約80%の核酸配列同一性を有している核酸分
子を意味する:(a)図3(配列番号2および5)に示されているCHEPOポ
リペプチドの残基1または約28から193をコードする核酸配列、(b)図3
(配列番号2および5)に示されているCHEPOポリペプチドの残基Xから1
93をコードする核酸配列(ここで、Xは、図3(配列番号2および5)の23
から32までの任意のアミノ酸残基である)、または(c)図3(配列番号2お
よび5)に示されているアミノ酸配列の別の特異的に誘導されたフラグメントを
コードする核酸配列。通常は、CHEPO改変体ポリペプチドは、(a)図3(
配列番号2および5)に示されているCHEPOポリペプチドの残基1または約
28から193をコードする核酸配列、(b)図3(配列番号2および5)に示
されているCHEPOポリペプチドの残基Xから193をコードする核酸配列(
ここで、Xは、図3(配列番号2および5)の23から32までの任意のアミノ
酸残基である)、または(c)図3(配列番号2および5)に示されているアミ
ノ酸配列の別の特異的に誘導されたフラグメントをコードする核酸配列のいずれ
かと、少なくとも80%の核酸配列同一性、あるいは、少なくとも約81%の核
酸配列同一性、あるいは、少なくとも約82%の核酸配列同一性、あるいは、少
なくとも約83%の核酸配列同一性、あるいは、少なくとも約84%の核酸配列
同一性、あるいは、少なくとも約85%の核酸配列同一性、あるいは、少なくと
も約86%の核酸配列同一性、あるいは、少なくとも約87%の核酸配列同一性
、あるいは、少なくとも約88%の核酸配列同一性、あるいは、少なくとも約8
9%の核酸配列同一性、あるいは、少なくとも約90%の核酸配列同一性、ある
いは、少なくとも約91%の核酸配列同一性、あるいは、少なくとも約92%の
核酸配列同一性、あるいは、少なくとも約93%の核酸配列同一性、あるいは、
少なくとも約94%の核酸配列同一性、あるいは、少なくとも約95%の核酸配
列同一性、あるいは、少なくとも約96%の核酸配列同一性、あるいは、少なく
とも約97%の核酸配列同一性、あるいは、少なくとも約98%の核酸配列同一
性、そしてあるいは、少なくとも約99%の核酸配列同一性を有する。CHEP
Oポリヌクレオチド改変体は、ネイティブなCHEPOのヌクレオチド配列を含
まない。
【0043】 通常は、CHEPO改変体ポリヌクレオチドは、少なくとも約30ヌクレオチ
ドの長さ、あるいは、少なくとも約60ヌクレオチドの長さ、あるいは、少なく
とも約90ヌクレオチドの長さ、あるいは、少なくとも約120ヌクレオチドの
長さ、あるいは、少なくとも約150ヌクレオチドの長さ、あるいは、少なくと
も約180ヌクレオチドの長さ、あるいは、少なくとも約210ヌクレオチドの
長さ、あるいは、少なくとも約240ヌクレオチドの長さ、あるいは、少なくと
も約270ヌクレオチドの長さ、あるいは、少なくとも約300ヌクレオチドの
長さ、あるいは、少なくとも約450ヌクレオチドの長さ、あるいは、少なくと
も約600ヌクレオチドの長さ、あるいは、少なくとも約900ヌクレオチド以
上の長さである。
【0044】 本明細書中で同定されたCHEPOポリペプチドをコードする核酸配列に関す
る「パーセント(%)核酸配列同一性」は、配列のアラインメント、および必要
である場合には、最大のパーセント配列同一性を達成するためのギャップの導入
の後での、CHEPO配列をコードする核酸配列中のヌクレオチドと同一である
候補配列中のヌクレオチドの割合として同定される。パーセント核酸配列同一性
を決定する目的のためのアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST−
2、ALIGN、ALIGN−2、またはMegalian(DNASTAR)
ソフトウェアのような公に入手可能なコンピューターソフトウェアを使用して、
当業者の範囲内である種々の方法において達成され得る。当業者は、比較される
配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するために必要とされる任意
のアルゴリズムを含む、アラインメントを測定するための適切なパラメーターを
決定し得る。しかし、本明細書中での目的のためには、%核酸配列同一性の値は
、配列比較コンピュータープログラムALIGA−2を使用することによって以
下に記載されているように得られる。ここでは、ALIGN−2プログラムにつ
いての完全なソースコードが、以下の表1に提供される。ALIGN−2配列比
較コンピュータープログラムは、Genentech,Inc.によって書かれ
ており、そして表1に示されているソースコードは、米国商標庁(Washin
gton D.C.,20559)においてユーザードキュメントとともに整理
補完されている。ここでは、これは、米国著作権登録番号TXU510087の
下で登録されている。ALIGN−2プログラムは、Genentech,In
c. South San Francisco,Californiaを通じ
て公に入手可能であるか、または表1に提供されているソースコードからコンパ
イルされ得る。ALIGN−2プログラムは、UNIX(登録商標)オペレーテ
ィングシステム(好ましくは、デジタルUNIX(登録商標) V4.OD)上
での使用のためにコンパイルされるはずである。全ての配列比較パラメーターが
、ALIGN−2プログラムによって設定され、そして変化しない。
【0045】 本明細書中での目的のために、所定の核酸配列Cの、所定の核酸配列Dとのま
たはDに対する%核酸配列同一性(これは、所定の核酸配列DとまたはDに対し
て特定の%核酸配列同一性を有するかまたは%核酸配列同一性を含む所定の核酸
配列Cとして記載され得る)は、以下のように計算される: 割合W/Zの100倍 ここでは、Wは、CおよびDのアラインメントをプログラムしている配列アライ
ンメントプログラムALIGN−2によって同一性適合としてスコア付けされた
ヌクレオチドの数である。そしてここでは、Zは、D中のヌクレオチドの総数で
ある。核酸配列Cの長さが核酸配列Dの長さと等しくない場合には、Dに対する
Cの%核酸配列同一性は、Cに対するDの%核酸配列同一性とは等しくないこと
が明らかである。%核酸配列同一性の計算の例として、以下の表4および表5は
、PROと命名された核酸配列に対する、Comparison DNAと命名
された核酸配列の%核酸配列同一性を計算するための方法を示す。
【0046】 他に特に記載されていない限りは、本明細書中で使用される全ての%核酸配列
同一性の値は、ALIGN−2配列比較コンピュータープログラムを使用して上
記のように得られる。しかし、%核酸配列同一性はまた、配列比較プログラムN
CBI−BLAST2(Altschulら、Nucleic Acids R
es.,25:3389−3402(1997))を使用して決定され得る。N
CBI−BLAST−2配列比較プログラムは、http://www.ncb
i.nlm.nih.govからダウンロードされ得るか、またはそうでなけれ
ば、National Institute of Health,Bethe
sda,MDから得ることができる。NCBI−BLAST2は、いくつかの検
索パラメーターを使用する。ここでは、例えば以下を含む、全てのこれらの検索
パラメーターは、デフォルト値に設定される:マスクされていない=yes、鎖
=全て、予想される出現=10、最低の複雑性の長さ=15/5、multi−
pass e値=0.01、pulti−passの定数=25、最終的なギャ
ップアラインメントについてのドロップオフ=25、およびスコアリングマトリ
ックス=BLOSUM62。
【0047】 配列の比較のためにNCBI−BLAST2が使用される状況においては、所
定の核酸配列Cの、所定の核酸配列DとのまたはDに対する%核酸配列同一性(
これは、所定の核酸配列DとまたはDに対して特定の%核酸配列同一性を有する
かまたは%核酸配列同一性を含む所定の核酸配列Cとして別に記載され得る)は
、以下のように計算される: 割合W/Zの100倍 ここでは、Wは、CおよびDのアラインメントをプログラムしている配列アライ
ンメントプログラムNCBI−BLAST2によって同一性適合としてスコア付
けされたヌクレオチドの数である。そしてここでは、Zは、D中のヌクレオチド
の総数である。核酸配列Cの長さが核酸配列Dの長さと等しくない場合には、D
に対するCの%核酸配列同一性は、Cに対するDの%核酸配列同一性とは等しく
ないことが明らかである。
【0048】 他の実施形態においては、CHEPO改変体ポリヌクレオチドは、活性なCH
EPOポリペプチドをコードする核酸分子であり、そしてこれは、図3(配列番
号2おおよび5)に示されている全長のCHEPOポリペプチドをコードするヌ
クレオチド配列に対して、(好ましくは、ストリンジェントなハイブリダイゼー
ションおよび洗浄条件下で)ハイブリダイズし得る。CHEPO改変体ポリペプ
チドは、CHEPO改変体ポリヌクレオチドによってコードされるものであり得
る。
【0049】 用語「ポジティブ」は、上記のように行われるアミノ酸配列の同一性の比較の
状況においては、同一ではないが同様の特性を有する、比較される配列中のアミ
ノ酸残基を含む。目的のアミノ酸残基に対してポジティブな値をスコア付けする
アミノ酸残基は、目的のアミノ酸残基に対して同一であるか、または目的のアミ
ノ酸残基の好ましく置換されたもの(以下の表6において定義されている)であ
るかのいずれかである。
【0050】 本明細書中での目的のためには、所定のアミノ酸配列Aの、所定のアミノ酸配
列BとのまたはBに対するポジティブの%値(これは、所定のアミノ酸配列Bと
またはBに対して特定の%ポジティブを有するかまたは%ポジティブを含む所定
のアミノ酸配列Aとして別に記載され得る)は、以下のように計算される: 割合X/Yの100倍 ここでは、Xは、AおよびBのアラインメントをプログラムしている配列アライ
ンメントプログラムALIGN−2によって、上記に定義されているようなポジ
ティブ値をスコア付けするアミノ酸残基の数である。そしてここでは、Yは、B
中のアミノ酸残基の総数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さ
と等しくない場合には、Bに対するAの%ポジティブは、Aに対するBの%ポジ
ティブとは等しくないことが明らかである。
【0051】 本明細書中に開示されている種々のポリペプチドを記載するために使用される
場合は、「単離された」は、同定されており、そしてその天然の環境の成分から
分離されているおよび/または回収されているポリペプチドを意味する。好まし
くは、単離されたポリペプチドは、それが天然に関連している全ての成分と関連
していない。その天然の環境の混入成分は、代表的には、ポリペプチドについて
の診断的な使用または治療的な使用を妨害する材料であり、そしてこの成分とし
ては、酵素、ホルモン、および他のタンパク質性の溶質または非タンパク質性の
溶質が挙げられ得る。好ましい実施形態においては、ポリペプチドは、(1)ス
ピニングキャップシークエネーターの使用によってN末端または内部アミノ酸配
列の少なくとも15残基を得るために十分な程度まで、あるいは(2)クマシー
ブル(好ましくは、銀染色)を使用して非還元条件または還元条件下でのSDS
−PAGEによる均質まで、精製される。単離されたポリペプチドとしては、は
組換え細胞中でのインサイチュのポリペプチドが挙げられる。なぜなら、CHE
POの天然の環境の少なくとも1つの成分は存在しないからである。しかし、通
常は、単離されたポリペプチドは、少なくとも1つの精製工程によって調製され
る。
【0052】 CHEPOポリペプチドをコードする「単離された」核酸分子は、同定され、
そして通常はCHEPOをコードする核酸の天然の供給源に関連している少なく
とも1つの混入核酸分子から分離されている核酸分子である。好ましくは、単離
された核酸は、天然に関連している全ての成分と関連していない。単離されたC
HEPOをコードする核酸分子は、天然に見出される形態またはセッティング以
外である。従って、単離された核酸分子は、天然の細胞中に存在する場合には、
CHEPOをコードする核酸分子とは区別される。しかし、CHEPOポリペプ
チドをコードする単離された核酸分子は、通常はCHEPOを発現する細胞中に
含まれるCHEPOをコードする核酸分子を含む。ここでは、例えば、核酸分子
は、天然の細胞のものとは異なる染色体位置に存在する。
【0053】 用語「制御配列」は、特定の宿主生物体中に作動可能に連結されたコード配列
の発現のために必要なDNA配列をいう。原核生物に適切な制御配列としては、
例えば、プロモーター、必要に応じて、オペレーター配列、およびリボソーム結
合部位が挙げられる。真核生物細胞は、プロモーター、ポリアデニル化シグナル
、およびエンハンサーを利用することが公知である。
【0054】 核酸は、別の核酸配列と機能的な関係で配置される場合には、「作動可能に連
結される」。例えば、プレ配列または分泌リーダーのDNAは、ポリペプチドの
分泌に関与しているプレタンパク質として発現される場合には、ポリペプチドの
DNAに作動可能に連結される;プロモーターまたはエンハンサーは、それが配
列の転写に影響を与える場合には、コード配列に対して作動可能に連結される;
あるいは、リボソーム結合部位は、それが翻訳を容易にするように配置される場
合には、コード配列に対して作動可能に連結される。一般には、「作動可能に連
結される」は、連結されるDNA配列が連続しており、そしてこのDNA配列が
、分泌リーダーの場合には連続しておりそしてリーディングフレーム内にあるこ
とを意味する。しかし、エンハンサーは、連続している必要はない。連結は、便
利な制限部位での連結によって達成される。このような部位が存在しない場合に
は、合成のオリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーが、従来の実行に従っ
て使用される。
【0055】 用語「抗体」は、最も広い意味において使用され、そして例えば、単一の抗C
HEPOモノクローナル抗体(アゴニスト、アンタゴニスト、および中和抗体を
含む)、ポリペプチド特異性を有する抗CHEPO抗体組成物、単鎖抗CHEP
O抗体、および抗CHEPO抗体のフラグメントを含む(下記を参照のこと)。
用語「モノクローナル抗体」は、本明細書中で使用される場合には、実質的に均
質な抗体の集団から得られた抗体を言う。すなわち、微量で存在し得る可能性の
ある天然に存在している変異体を除く、個々の抗体を含む集団は同一である。
【0056】 ハイブリダイゼーション反応の「ストリンジェンシー」は、当業者によって容
易に決定可能であり、そして一般には、プローブの長さ、洗浄温度、および塩濃
度に依存して、経験的に計算される。一般には、より長いプローブは、適切なア
ニーリングのためにより高い温度を必要とし、一方、より短いプローブは、より
低い温度を必要とする。ハイブリダイゼーションは、一般には、相補鎖がそれら
の融解温度未満の環境に存在する場合には、変性DNAが再アニーリングする能
力に依存する。プローブとハイブリダイズが可能な配列との間でのより高い程度
の相同性が所望されるほど、より高い相対的な温度が使用され得る。結果として
、より高い相対的な温度が、反応条件をよりストリンジェントにする傾向にあり
、一方、より低い温度はストリンジェントをより低くする傾向にあることが理解
される。ハイブリダイゼーション反応のさらなる詳細およびストリンジェンシー
の説明については、Ausubelら、Current Protocols
in Molecular Biology,Wiley Interscie
nce Publishers,(1995)を参照のこと。
【0057】 「ストリンジェントな条件」または「高ストリンジェンシーの条件」は、本明
細書中で定義される場合には、以下によって同定され得る:(1)洗浄(例えば
、50℃で、0.015Mの塩化ナトリウム/0.0015Mのクエン酸ナトリ
ウム/0.1%のドデシル硫酸ナトリウム)のために、低いイオン強度および高
温を使用すること;(2)ハイブリダイゼーションの間に、ホルムアミドのよう
な変性剤(例えば、42℃で、0.1%のウシ血清アルブミンを有している50
%(v/v)ホルムアミド/0.1%のFicoll/0.1%のポリビニルピ
ロリドン/750mMの塩化ナトリウム、75mMのクエン酸ナトリウムを有す
る50mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5))を使用すること;(3)
42℃で、50%のホルムアミド、5×SSC(0.75MのNaCl、0.0
75Mのクエン酸ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH 6.8)
、0.1%のピロリン酸ナトリウム、5×デンハルト溶液、超音波処理サケ精子
DNA(50g/ml)、0.1%のSDS、および10%のデキストラン硫酸
を使用し、42℃での0.2×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)
、および55℃での50%のホルムアミドでの洗浄を伴い、続く55℃でのED
TAを含有する0.1×SSCから構成される高ストリンジェンシーの洗浄を伴
うこと。
【0058】 「中程度のストリンジェントな条件」は、Sambrookら、Molecu
lar Cloning:A Laboratory Manual,New
York:Cold Spring Harbor Press,1989に記
載されているように同定され得、そしてこれは、上記のようなような低いストリ
ンジェントの洗浄溶液およびハイブリダイゼーション条件(例えば、温度、イオ
ン強度、および%SDS)の使用を含む。中程度のストリンジェントな条件の一
例は、20%のホルムアミド、5×SSC(150mMのNaCl、15mMの
クエン酸三ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デ
ンハルト溶液、10%のデキストラン硫酸、および20mg/mlの変性剪断サ
ケ精子DNAを含有する溶液中での37℃で一晩のインキュベーション、続く約
37〜50℃での1×SSC中でのフィルターの洗浄である。当業者は、プロー
ブの長さなどの因子に順応させるために必要である場合には、温度、イオン強度
などを調節する方法を認識している。
【0059】 用語「エピトープ(で)タグ化(した)」は、本明細書中で使用される場合に
は、「タグポリペプチド」に対して融合されたCHEPOポリペプチドを含むキ
メラポリペプチドをいう。タグポリペプチドは、それに対して抗体が作製され得
るが、なおそれに対して融合されるポリペプチドの活性を妨害しないように十分
に短いエピトープを提供するために十分な残基を有する。タグポリペプチドはま
た、好ましくは、抗体が他のエピトープと実質的に交差反応しないように、かな
り特有である。適切なタグポリペプチドは、一般には、少なくとも6個のアミノ
酸残基を有し、そして通常は、約8個〜50個の間のアミノ酸残基(好ましくは
、約10個〜20個の間のアミノ酸残基)を有する。
【0060】 本明細書中で使用される場合には、「イムノアドヘシン(immunoadh
esin)」は、免疫グロブリン定常ドメインのエフェクター機能と異種タンパ
ク質(「アドヘシン」)の結合特異性を組合せる、抗体様分子をいう。構造的に
は、イムノアドヘシンは、抗体の抗原認識部位および抗原結合部位以外である(
すなわち、「異種」である)所望される結合特異性を有しているアミノ酸配列と
、免疫グロブリンの定常ドメイン配列との融合体を含む。イムノアドヘシンの接
着部分は、代表的には、レセプターまたはリガンドの少なくとも結合部位を含む
連続しているアミノ酸配列である。イムノアドヘシン中の免疫グロブリン定常ド
メイン配列は、任意の免疫グロブリン(例えば、IgG−1、IgG−2、Ig
G−3、またはIgG−4サブタイプ、IgA(IgA−1およびIgA−2を
含む)、IgE、IgD、またはIgM)から得ることができる。
【0061】 本明細書中での目的については、「活性な」または「活性」は、ネイティブの
、または天然に存在しているCHEPOの生物学的および/または免疫学的活性
を保持しているCHEPOの形態をいう。ここでは、生物学的活性は、ネイティ
ブのまたは天然に存在しているCHEPOによって保有される抗原性エピトープ
に対する抗体の産生を誘導する能力以外の、ネイティブのまたは天然に存在して
いるCHEPOによって引き起こされる生物学的機能(阻害または刺激のいずれ
か)をいう。そして、免疫学的活性は、ネイティブのまたは天然に存在している
CHEPOによって保有される抗原性エピトープに対する抗体の産生を誘導する
能力をいう。好ましい生物学的活性としては、例えば、赤血球の産生を調節する
能力、骨髄および/または他の造血組織の方向付けられた先祖細胞の表面上のレ
セプターに結合する能力、ならびに/あるいは、赤血球の増殖および/または最
終的な成熟を誘導する能力が挙げられる。
【0062】 用語「アンタゴニスト」は、最も広い意味で使用され、そして本明細書中で開
示されるネイティブなCHEPOポリペプチドの生物学的活性を、部分的または
完全にブロックする、阻害する、または中和する任意の分子を含む。同様の意味
において、用語「アゴニスト」は、最も広い意味で使用され、そして本明細書中
で開示されるネイティブなCHEPOポリペプチドの生物学的活性を模倣する任
意の分子を含む。適切なアゴニストまたはアンタゴニスト分子としては、特に、
アゴニストもしくはアンタゴニスト抗体もしくは抗体フラグメント、またはネイ
ティブなCHEPOポリペプチドのフラグメントもしくはアミノ酸配改変体、ペ
プチド、低有機分子などが挙げられる。CHEPOポリペプチドのアゴニストま
たはアンタゴニストを同定するための方法は、CHEPOポリペプチドを候補の
アゴニストまたはアンタゴニスト分子と接触させる工程、およびCHEPOポリ
ペプチドと通常は関連した1つ以上の生物学的活性の検出可能な変更を測定する
工程を包含し得る。
【0063】 「処置」は、治療的処置、および予防的(prophylactic)または
予防的(preventive)措置(measure)の両方をいう。ここで
は、目的は、標的化された病理学的状態または障害を予防することまたは遅らせ
る(軽減する)ことである。処置を必要としている者は、すでに障害を有してい
る者、障害を有する傾向にある者、および障害が予防されている者を含む。
【0064】 「慢性的な」投与は、延長された期間の最初の治療効果(活性)を最大にする
ように、急速な態様とは対照的に、持続的な態様での薬剤の投与をいう。断続的
な投与は、中断を伴わずに連続的には行われないが、むしろ本質的には周期的で
ある処置である。
【0065】 処置の目的について「哺乳動物」は、哺乳動物(ヒト、飼育動物(domes
tic animal)、および家畜動物を含む)、および動物園の動物、変種
(sport)、またはペット動物(例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ヒツジ
、ブタ、ヤギ、ウサギなど)として分類される任意の動物をいう。好ましくは、
哺乳動物はヒトである。
【0066】 1つ以上のさらなる治療剤「と組合せた」投与は、同時の(並行して)および
任意の順序での連続的な投与を含む。
【0067】 「キャリア」は、本明細書中で使用される場合には、薬学的に受容可能なキャ
リア、賦形剤、または安定剤を含む。これらは、使用される投与量および濃度で
は、それに対して暴露される細胞または哺乳動物に対して非毒性である。生理学
的に受容可能なキャリアは、しばしば、水性のpH緩衝化された溶液である。生
理学的に受容可能なキャリアの例としては、以下が挙げられる:緩衝液(例えば
、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、および他の有機酸の緩衝液);アスコルビン
酸を含む抗酸化剤;低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;タンパク質(
例えば、血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン;親水性ポリマー(
例えば、ポリビニルピロリドン);アミノ酸(例えば、グリシン、グルタミン、
アスパラギン、アルギニン、またはリジン);モノサッカライド、ジサッカライ
ド、および他の炭水化物(グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む
);キレート剤(例えば、EDTA);糖アルコール(例えば、マンニトール、
またはソルビトール);塩形成対イオン(例えば、ナトリウム);および/また
は非イオン性境界活性剤(例えば、TWEEN、ポリエチレングリコール(PE
G)、およびPLURONICS)。
【0068】 「抗体フラグメント」は、インタクトな抗体の一部、好ましくは、インタクト
な抗体の抗原結合領域または可変領域を含む。抗体フラグメントの例としては、
Fab、Fab’、F(ab’)2、およびFvフラグメント;ダイアボディー
(diabody);直鎖状の抗体(Zapataら、Protein Eng
.,8(10):1057−1062(1995));単鎖抗体分子;ならびに
抗体フラグメントから形成された多重特異的抗体が挙げられる。
【0069】 抗体のパパイン消化によって、2つの同一の抗原結合フラグメント(「Fab
」フラグメントと呼ばれる)が生じる。これらのそれぞれが、単一の抗原結合部
位および残りの「Fc」(これは、容易に結晶化する能力を反映する名称である
)フラグメントを有する。ペプシン処理によって、2つの抗原結合部位を有し、
そしてなお抗原を架橋し得るF(ab’)2フラグメントを生じる。
【0070】 「Fv」は、完全な抗原認識部位および抗原結合部位を含む最少の抗体フラグ
メントである。この領域は、密接な共有結合していない、1つの重鎖可変ドメイ
ンおよび1つの軽鎖可変ドメインの二量体から構成される。この立体配置におい
ては、それぞれの可変ドメイン中の3つのCDRが、VH−VL二量体の表面上で
の抗原結合部位を定義するように相互作用する。全部で6個のCDRが、抗体に
対して抗原結合特異性を付与する。しかし、単一の可変ドメイン(または抗原に
特異的な3個のCDRのみを含むFvの半分)が、抗原を認識しそして結合する
能力を有するが、完全な結合部位よりも親和性が低い。
【0071】 Fabフラグメントはまた、軽鎖の定常ドメインおよび重鎖の最初の定常ドメ
イン(CH1)を含む。Fabフラグメントは、抗体ヒンジ領域に由来する1つ
以上のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端での数個の残基の
付加によってFabフラグメントとは異なる。Fab’−SHは、Fab’につ
いての本明細書中での名称である。ここでは、定常ドメインのシステイン残基は
、フリーのチオール基を保有している。F(ab’)2抗体フラグメントは、通
常は、それらの間にヒンジシステインを有するFab’フラグメントの対として
産生された。抗体フラグメントの他の化学的なカップリングもまた、公知である
【0072】 任意の脊椎動物種に由来する抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの
定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、κおよびλと呼ばれる、2つの明らか
に異なる型の1つに割り当てられ得る。
【0073】 それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、免疫グロブリンは異
なるクラスに割り当てられ得る。免疫グロブリンの5個の主要なクラスが存在す
る:IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgM。そしてこれらのいくつか
は、サブクラス(アイソタイプ)(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、I
gG4、IgA、およびIgA2)にさらに分類され得る。
【0074】 「単鎖Fv」または「sFv」抗体フラグメントは、抗体のVHドメインおよ
びVLドメインを含む。ここでは、これらのドメインは、単一のポリペプチド鎖
中に存在する。好ましくは、Fvポリペプチドはさらに、VHドメインとVLド
メインとの間にポリペプチドリンカーを含む。これによって、sFvが抗原結合
のために所望される構造を形成することが可能となる。sFvの総説については
、Pluckthun、The Pharmacology of Monoc
lonal Antibodies、第113巻、Rosenburg and
Moore編、Springer−Verlag、New York、269
−315頁(1994)。
【0075】 用語「ダイアボディー(diabody)」は、2つの抗原結合部位を有する
小さい抗体フラグメントをいう。これらのフラグメントは、同じポリペプチド鎖
(VH−VL)中で、軽鎖可変ドメイン(VL)に対して連結された重鎖可変ド
メイン(VH)を含む。同じ鎖上の2つのドメイン間での対合を可能にするには
短すぎるリンカーを使用することによって、ドメインが、別の鎖の相補ドメイン
と対合するように強制し、そして2つの抗原結合部位を作製する。ダイアボディ
ーは、例えば、第EP 404,097号;第WO93/11161号;および
Hollingerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90
:6444−6448(1993)により完全に記載されている。
【0076】 「単離された」抗体は、同定され、そしてその天然の環境の成分から分離およ
び/または回収されている抗体である。その天然の環境の混入成分は、抗体の診
断的または治療的な使用を妨害する材料であり、そしてこれらの成分としては、
酵素、ホルモン、および他のタンパク質様または非タンパク質様の溶質が挙げら
れ得る。好ましい実施形態においては、抗体は、Lowry法によって決定され
るような抗体の95重量%以上を超えるまで、そして最も好ましくは、99重量
%を超えるまで、(2)スピニングキャップシークエネーターの使用によってN
末端および内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るために十分な程度まで
、あるいは(3)クマシーブル(好ましくは、銀染色)を使用して還元条件また
は非還元条件下でのSDS−PAGEによる均質まで、精製される。単離された
抗体としては、組換え細胞中でのインサイチュの抗体が挙げられる。なぜなら、
抗体の天然の環境の少なくとも1つの成分は存在しないからである。しかし、通
常は、単離された抗体は、少なくとも1つの精製工程によって調製される。
【0077】 用語「標識」は、本明細書中で使用される場合には、検出可能である化合物ま
たは組成物をいう。これは、「標識された」抗体を生成するように、抗体に対し
て直接または間接的に結合される。標識は、それ自体によって検出可能(例えば
、放射性同位元素または蛍光標識)であり得るか、あるいは酵素標識の場合にお
いては、検出可能である基質化合物または組成物の化学的な変化を触媒し得る。
【0078】 「固相」によって、それに対して本発明の抗体が接着し得る非水性のマトリッ
クスが意味される。本明細書中に含まれる固相の例としては、部分的または全体
が、ガラス(例えば、制御された孔ガラス)、ポリサッカライド(例えば、アガ
ロース)、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、および
シリコーンから形成されるものが挙げられる。特定の実施形態においては、状況
に依存して、固相は、アッセイプレートのウェルを含み得る;他のものでは、精
製カラム(例えば、アフィニティー精製カラム)である。この用語はまた、離散
性の粒子の不連続な固相(例えば、米国特許第4,275,149号に記載され
ているもの)をも含む。
【0079】 「リポソーム」は、種々の型の脂質、リン脂質、および/または境界活性剤の
、小さい小胞化合物である。これは、哺乳動物への薬物(例えば、CHEPOポ
リペプチドまたはそれに対する抗体)の送達に有用である。リポソームの成分は
、生物学的な膜の脂質の組み合わせ(arrange)と同様に、二重層の形成
において共通して準備される。
【0080】 低分子は、約500ダルトン未満の分子量を有するとして、本明細書中で定義
される。
【0081】
【表1】
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】
【表4】
【0085】
【表5】 (II.本発明の組成物および方法) (A.全長CHEPOポリペプチド) 本発明は、本出願でCHEPOと称するポリペプチドをコードする新たに同定
されそして単離されたヌクレオチド配列を提供する。特に、CHEPOポリペプ
チドをコードするDNAは、以下の実施例でさらに詳細に開示されているように
、同定しそして単離した。
【0086】 (B.CHEPO改変体) 本明細書に記載されている全長のネイティブな配列のCHEPOポリペプチド
に加えて、CHEPO改変体を調製し得ることが意図されている。CHEPO改
変体は、CHEPO DNA中に適切なヌクレオチド変化を導入し、そして/ま
たは所望のCHEPOポリペプチドを合成して調製し得る。当業者は、アミノ酸
変化によってCHEPOの翻訳後プロセスが変わり得る、例えば、グリコシル化
部位の数もしくは位置を変えるかまたは膜アンカー形成特徴を変えられ得ること
を理解する。
【0087】 ネイティブな全長配列のCHEPOまたは本明細書に記載されているCHEP
Oの種々のドメインにおける改変は、例えば、米国特許第5,364,934号
中に記載されている、例えば保存的および非保存的突然変異に関する任意の技術
や指針を使用して行われ得る。改変は、ネイティブな配列のCHEPOと比較し
たとき、CHEPOのアミノ酸配列が変化しているCHEPOをコードする1つ
以上のコドンの置換、欠失または挿入であり得る。必要に応じて、上記バリエー
ションは、CHEPOの1つ以上のドメイン中の少なくとも1個のアミノ酸を他
の任意のアミノ酸で置換することによるものである。所望の活性に悪い影響を与
えることなくどのアミノ酸残基を挿入し、置換し、または欠失させ得るのかを決
定する際の手引きは、CHEPOの配列を公知の相同性タンパク質分子の配列と
比較しそして高い相同性領域中でなされるアミノ酸配列変化の数を最小限にする
ことによって見いだされ得る。アミノ酸置換は、1つのアミノ酸を同様な構造お
よび/または化学的特性を有する別のアミノ酸で置換すること、例えばセリンに
よるロイシンの置換、即ち保存的アミノ酸置換の結果であり得る。挿入または欠
失は、必要に応じて、約1〜5個のアミノ酸の範囲内であり得る。可能な改変は
、配列内のアミノ酸の挿入、欠失または置換を系統的に行い、そして得られた改
変体を全長または成熟ネイティブな配列のが示す活性について試験することによ
って決定し得る。
【0088】 CHEPOポリペプチドのフラグメントを本明細書中で提供する。このような
フラグメントはN末端またはC末端で短縮され得るかまたは、例えば、全長の天
然タンパク質と比較したとき、内部残基を欠失し得る。特定のフラグメントは、
CHEPOポリペプチドの所望の生物学的活性に必須でないアミノ酸残基を欠失
している。
【0089】 CHEPOフラグメントは多数の従来技術のうちのいずれかで調製され得る。
所望のペプチドフラグメントは化学的に合成され得る。代替的なアプローチは酵
素的消化によって、例えば特定のアミノ酸残基によって特定される部位のタンパ
ク質を切断することが公知の酵素でタンパク質を処理するかまたは適切な制限酵
素でDNAを消化し、そして所望のフラグメントを単離することによってCHE
POフラグメントを産生することを含む。なおもう1つの適切な技術は、ポリメ
ラーゼ連鎖反応(PCR)によって、所望のポリペプチドフラグメントをコード
するDNAフラグメントを単離しそして増幅することを包含する。PCRにおい
ては、DNAフラグメントの所望の末端を規定するオリゴヌクレオチドが5’お
よび3’プライマーに使用される。好ましくは、CHEPOポリペプチドフラグ
メントは、図3に示されている天然CHEPOポリペプチド(配列番号2および
5)と少なくとも1つの生物学的および/または免疫学的活性を共有している。
【0090】 特定の実施形態においては、目的の保存的置換を好ましい置換という標題で表
6中に示す。このような置換によって生物学的活性が変化する場合には、表6中
で例示的な置換と命名されているかまたはアミノ酸クラスに関して以下でさらに
記載されている、より一層実質的な変化を導入しそして産物をスクリーニングす
る。
【0091】
【表6】 CHEPOポリペプチドの機能または免疫学的同一性の実質的な改変は、(a
)置換領域におけるポリペプチド骨格の構造、例えば、シートまたはヘリックス
コンホメーション、(b)標的部位の分子の電荷または疎水性、または(c)側
鎖のかさ高さ(bulk)の維持に対する影響が顕著に異なっている置換を選択
することによって達成される。天然に存在する残基は共通の側鎖特性に基づいて
次のようにグループ分けされる: (1)疎水性:ノルロイシン、met、ala、val、leu、ile; (2)中性の親水性:cys、ser、thr; (3)酸性:asp、glu; (4)塩基性:asn、gln、his、lys、arg; (5)鎖配向に影響を与える残基:gly、pro;ならびに (6)芳香族:trp、tyr、phe。
【0092】 非保存的置換は、これらのクラスの1つのメンバーを別のクラスと交換するこ
とを必要とする。このような置換残基を保存的置換部位内に、または、より好ま
しくは、残りの(非保存)部位内に導入し得る。
【0093】 このバリエーションは、オリゴヌクレオチド媒介性(部位特異的)変異誘発、
アラニンスキャニングおよびPCR変異誘発のような当該分野で公知の方法を使
用して行い得る。クローン化したDNAに対して、部位特異的変異誘発[Car
terら、Nucl.Acids Res.13:4331(1986);Zo
llerら、Nucl.Acids Res.、10:6487(1987)]
、カセット変異誘発[Wellsら、Gene、34:315(1985)]、
制限選択変異誘発[Wellsら、Philos.Trans.R.Soc.L
ondon SerA、317:415(1986)]または他の公知の技術を
実行して、CHEPO改変体DNAを産生し得る。
【0094】 スキャニングアミノ酸分析を使用して、連続的な配列に沿って1個以上のアミ
ノ酸を同定し得る。好ましいスキャニングアミノ酸のなかには比較的小さな中性
アミノ酸がある。このようなアミノ酸としては、アラニン、グリシン、セリンお
よびシステインが挙げられる。アラニンはβ−炭素を越えた側鎖が無くそして改
変体の主鎖コンホメーションを変えることはあまりない[Cunningham
およびWells、Science、244:1081〜1085(1989)
]ので、このグループのなかでアラニンは代表的には好ましいスキャニングアミ
ノ酸である。アラニンはまた、これが最も一般的なアミノ酸であるという理由で
、代表的には好ましい。さらに、アラニンは隠れた位置と露出した位置の両方に
しばしば見られる[Creighton、The Proteins(W.H.
Freeman & Co.、NY);Chothia、J.Mol.Biol
.、150:1(1976)]。アラニン置換によって適切な量の改変体が得ら
れない場合、アイソテリック(isoteric)アミノ酸を使用し得る。
【0095】 (C.CHEPOの改変) CHEPOの共有結合改変は本発明の範囲内に含まれる。共有結合改変の1つ
のタイプとしては、CHEPOポリペプチドの標的化されたアミノ酸残基を、C
HEPOの選択された側鎖またはN末端残基もしくはC末端残基と反応し得る有
機誘導体化剤(organic derivatizing agent)と反
応させることが挙げられる。二官能性薬剤による誘導体化は、例えば、抗CHE
PO抗体の精製方法で使用するためにCHEPOを水不溶性の支持体マトリック
スまたは表面と架橋させるために有用であり、そして逆の場合も同じである。通
常使用される架橋剤には、例えば、1,1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェ
ニルエタン、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(例
えば4−アジドサリチル酸とのエステル)、3,3’−ジチオビス(スクシンイ
ミジルプロピオネート)のようなジスクシンイミジルエステルを含むホモ二官能
性イミドエステル、ビス−N−マレイミド−1,8−オクタンのような二官能性
マレイミド、およびメチル−3−[(p−アジドフェニル)ジチオ]プロピオイ
ミデートのような薬剤が挙げられる。
【0096】 他の改変としては、グルタミニルおよびアスパラギニル残基の、それぞれ対応
するグルタミルおよびアスパルチル残基への脱アミノ化、プロリンおよびリシン
のヒドロキシル化、セリルまたはスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、
リシン、アルギニンおよびヒスチジン側鎖の−アミノ基のメチル化[T.E.C
reighton、Proteins: Structure and Mol
ecular Properties、W.H.Freeman & Co.、
San Francisco、79〜86頁(1983)]、N末端アミンのア
セチル化ならびに任意のC末端カルボキシル基のアミド化が挙げられる。
【0097】 本発明の範囲内に含まれるCHEPOポリペプチドの別のタイプの共有結合改
変としては、ポリペプチドのネイティブなグリコシル化パターンの改変が挙げら
れる。「ネイティブなグリコシル化パターンの改変」は、本発明の目的では、ネ
イティブな配列のCHEPO中に見られる1つ以上の炭水化物部分の欠失(元と
なるグリコシル化部位を取り除くか、あるいは化学的および/または酵素的手段
によってグリコシル化を欠失させるかのどちらかによって)および/またはネイ
ティブな配列のCHEPO内には存在していない1つ以上のグリコシル化部位の
付加を意味することが意図される。加えて、上記の句には、ネイティブなタンパ
ク質のグリコシル化における定性的変化が含まれており、そしてこれは存在する
種々の炭水化物部分の性質および割合の変化に係わっている。
【0098】 CHEPOポリペプチドに対するグリコシル化部位の付加は、アミノ酸配列を
改変することにより達成され得る。この改変は、例えば、ネイティブな配列のC
HEPOに(O結合型グリコシル化部位のための)1個以上のセリンまたはトレ
オニン残基を付加すること、またはこれら残基により置換することにより行われ
得る。CHEPOアミノ酸配列はDNAレベルでの変化によって、特に、所望の
アミノ酸に翻訳されるコドンが産生されるように、CHEPOポリペプチドをコ
ードするDNAを予め選択した塩基で変異させることによって、必要に応じて改
変され得る。
【0099】 CHEPOポリペプチドの炭水化物部分の数を増加させるもう1つの手段はグ
リコシドと上記ポリペプチドの化学的または酵素的カップリングによるものであ
る。このような方法は当該分野で、例えば、1987年9月11日に公開された
WO 87/05330ならびにAplinおよびWriston、CRC C
rit.Rev.Biochem.、259〜306頁(1981)中に記載さ
れる。
【0100】 CHEPOポリペプチドに存在する炭水化物部分の除去は、化学的もしくは酵
素的に達成するか、またはグリコシル化用標的として利用されるアミノ酸残基を
コードするコドンの変異的置換によって達成することができる。化学的脱グリコ
シル化技術は当該分野で公知であり、そして例えば、Hakimuddinら、
Arch.Biochem.Biophys.、259:52(1987)およ
びEdgeら、Anal.Biochem.、118:131(1981)によ
って記載されている。ポリペプチドの炭水化物部分の酵素的切断は、Thota
kuraら、Meth.Enzymol.、138:350(1987)によっ
て記載されるように種々のエンドグリコシダーゼおよびエキソグリコシダーゼを
使用して達成することができる。
【0101】 CHEPOの共有結合改変のもう1つの型には、CHEPOポリペプチドを種
々の非タンパク質ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ
プロピレングリコールまたはポリオキシアルキレン)のうちの1つと、米国特許
第4,640,835号;第4,496,689号;第4,301,144号;
第4,670,417号;第4,791,192号または第4,179,337
号中に記載されているようにして結合させることが含まれる。
【0102】 本発明のCHEPOはまた、別の異種ポリペプチドまたはアミノ酸配列と融合
したCHEPOを含んでいるキメラ分子を形成するような方法で改変され得る。
【0103】 1つの実施形態では、このようなキメラ分子はCHEPOと、抗タグ抗体が選
択的に結合し得るエピトープを提供するタグポリペプチドとの融合体を含んでい
る。上記エピトープタグは一般的にCHEPOのアミノ末端またはカルボキシル
末端に配置される。CHEPOのこのようなエピトープタグ化形態の存在は、こ
のタグポリペプチドに対する抗体を使用して検出され得る。また、エピトープタ
グを備えることによって、このエピトープタグと結合する抗タグ抗体または別の
タイプの親和性マトリックスを使用するアフィニティー精製でCHEPOを容易
に精製することができる。種々のタグポリペプチドおよびそれらのそれぞれの抗
体は当該分野で周知である。これらの例にはポリ−ヒスチジン(poly−hi
s)またはポリ−ヒスチジン−グリシン(poly−his−gly)タグ;f
lu HAタグポリペプチドおよびその抗体12CA5[Fieldら、Mol
.Cell.Biol.、8:2159〜2165(1988)];c−myc
タグおよびこれに対する8F9、3C7、6E10、G4、B7および9E10
抗体[Evanら、Molecular and Cellular Biol
ogy、5:3610〜3616(1985)];ならびに単純ヘルペスウイル
ス糖タンパク質D(gD)タグおよびその抗体[Paborskyら、Prot
ein Engineering、3(6):547〜553(1990)]が
挙げられる。他のタグポリペプチドとしては、Flag−ペプチド[Hoppら
、Bio Technology、6:1204〜1210(1988)];K
T3エピトープペプチド[Martinら、Science、255:192〜
194(1992)];−チューブリンエピトープペプチド[Skinnerら
、J.Biol.Chem.、266:15163〜15166(1991)]
;およびT7遺伝子10タンパク質ペプチドタグ[Lutz−Freyermu
thら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、87:6393〜6
397(1990)]が挙げられる。
【0104】 代替的な実施形態では、上記キメラ分子はCHEPOと免疫グロブリンまたは
免疫グロブリンの特定領域との融合体を含み得る。上記キメラ分子の二価形態(
免疫アドヘシンとも称される)では、このような融合体はIgG分子のFc領域
に対するものであり得る。上記Ig融合体は好ましくは、Ig分子内の少なくと
も1つの可変領域の代わりにCHEPOポリペプチドの可溶性(膜貫通ドメイン
欠失または不活化)形態による置換を含んでいる。特に好ましい実施形態では、
免疫グロブリン融合体はIgG1分子のヒンジ、CH2およびCH3またはヒン
ジ、CH1、CH2およびCH3領域を含んでいる。免疫グロブリン融合体の調
製に関しては、1995年6月27日に発行された米国特許第5,428,13
0号も参照のこと。
【0105】 (D.CHEPOの調製) 以下の説明は主として、CHEPO核酸を含むベクターで形質転換されるかま
たはトランスフェクションされた細胞の培養によるCHEPOの生成に関する。
もちろん、CHEPOを調製するために当該分野で周知である代替的な方法を使
用し得ることが意図されている。例えば、CHEPO配列またはその部分は、固
相技術を使用して直接的なペプチド合成で生成され得る[例えば、Stewar
tら、Solid−Phase Peptide Synthesis、W.H
.Freeman Co.、San Francisco,CA(1969);
Merrifield、J.Am.Chem.Soc.、85:2149〜21
54(1963)参照]。インビトロタンパク質合成は、手動技術を使用するか
または自動により実施され得る。自動化合成は、例えば、Applied Bi
osystems Peptide Synthesizer(Foster
City,CA)を使用し、製造者の説明書を用いて達成され得る。CHEPO
の種々の部分を化学的に別々に合成し得、そして化学的または酵素的方法を使用
して組み合わせて、全長CHEPOを生成し得る。
【0106】 (1.CHEPOをコードするDNAの単離) CHEPOをコードするDNAは、CHEPO mRNAを有し、かつそれを
検出可能なレベルで発現すると考えられる組織から調製したcDNAライブラリ
ーから得ることができる。従って、ヒトCHEPO DNAは好都合なことに、
実施例に記載されるように、ヒト組織から調製したcDNAライブラリーから得
ることができる。CHEPOをコードする遺伝子はまた、ゲノムライブラリーか
ら得られ得るか、または公知の合成方法(例えば、自動化核酸合成)によって得
られ得る。
【0107】 ライブラリーは、問題の遺伝子またはこの遺伝子によってコードされているタ
ンパク質を同定するように設計されたプローブ(例えば、CHEPOに対する抗
体または少なくとも約20〜80塩基のオリゴヌクレオチド)を使用してスクリ
ーニングすることができる。選択したプローブによるcDNAまたはゲノムライ
ブラリーのスクリーニングは、標準的な方法、例えば、Sambrookら、M
olecular Cloning:A Laboratory Manual
(New York:Cold Spring Harbor Laborat
ory Press、1989)中に記載されている方法を使用して実施され得
る。CHEPOをコードする遺伝子を単離する代替的な手段は、PCR法[Sa
mbrookら(上述);Dieffenbachら、PCR Primer:
A Laboratory Manual(Cold Spring Harb
or Laboratory Press、1995)]を使用することである
【0108】 以下の実施例はcDNAライブラリーをスクリーニングする技術を記載してい
る。プローブとして選択されるオリゴヌクレオチド配列は、擬似陽性を最小限に
するに十分な長さで且つ十分に明白でなければならない。オリゴヌクレオチドは
、好ましくは、このオリゴヌクレオチドがスクリーニングされているライブラリ
ー中のDNAび対するハイブリダイゼーションによって検出され得るように標識
される。標識化方法は当該分野で周知であり、そして32P−標識ATPのような
放射性標識の使用、ビオチン付加または酵素標識化が挙げられる。中程度のスト
リンジェンシーおよび高いストリンジェンシーを含むハイブリダイゼーション条
件は、上述のSambrookら中に提供されている。
【0109】 このようなライブラリースクリーニング方法で同定された配列は、GenBa
nkのような公的なデータベースまたは他の私的な配列データベースに寄託され
そしてそこで利用可能な他の公知の配列と比較し、そしてアラインさせ得る。こ
の分子の規定の領域内または全長配列にわたる配列同一性(アミノ酸またはヌク
レオチドレベルのどちらか)は当該分野で公知であり、かつ本明細書に記載の方
法を使用して決定され得る。
【0110】 タンパク質コード配列を有する核酸は、本明細書で初めて開示された推定アミ
ノ酸配列を使用し、そして必要な場合、前駆体を検出するために、上述のSam
brookら中に記載される従来のプライマー伸長法を使用して、選択したcD
NAまたはゲノムライブラリーをスクリーニングし、そしてcDNAに逆転写さ
れていないと思われるmRNAの中間体をプロセシングして得ることができる。
【0111】 (2.宿主細胞の選択および形質転換) 宿主細胞は、CHEPO製造のために本明細書で記載した発現またはクローニ
ングベクターでトランスフェクションするかまたは形質転換され、そしてプロモ
ーターを誘発するか、形質転換体を選択するか、または所望の配列をコードする
遺伝子を増幅するために適するように修飾した従来の栄養培地中で培養する。培
地、温度、pH等のような培養条件は、過度の実験を行うことなく当業者により
選択され得る。一般的に、細胞培養物の生産性を最大化するための原則、プロト
コールおよび実践技術は、Mammalian Cell Biotechno
logy:a Practical Approach、M.Butler編(
IRL Press、1991)および上述のSambrookら中に見ること
ができる。
【0112】 真核生物細胞のトランスフェクション方法および原核生物細胞の形質転換方法
は当業者に公知である(例えば、CaCl2、CaPO4、リポソーム媒介性およ
びエレクトロポレーション)。使用する宿主細胞に依存して、形質転換はこのよ
うな細胞に適する標準的な技術を使用して行われる。上述のSambrookら
中に記載されているような塩化カルシウムを使用するカルシウム処理、またはエ
レクトロポレーションは一般的に原核生物に対して使用される。Agrobac
terium tumefaciensによる感染は、Shawら、Gene、
23:315(1983)および1989年6月29日に公開されたWO89/
05859によって記載されているように、特定の植物細胞を形質転換するため
に使用される。このような細胞壁がない哺乳動物細胞では、Grahamおよび
van der Eb、Virology、52:456〜457(1978)
のリン酸カルシウム沈降法を使用し得る。哺乳動物細胞宿主系トランスフェクシ
ョンの一般的な局面は、米国特許第4,399,216号中に記載されている。
酵母内への形質転換は、代表的にはVan Solingenら、J.Bact
.、130:946(1977)およびHsiaoら、Proc.Natl.A
cad.Sci.(USA)、76:3829(1979)の方法に従って実施
される。しかし、DNAを細胞内に導入する他の方法(例えば核微量注入、エレ
クトロポレーション、インタクトな細胞との細菌プロトプラスト融合または多価
陽イオン、例えば、ポリブレン、ポリオルニチンによる方法)を使用し得る。哺
乳動物細胞を形質転換するための種々の技術については、Keownら、Met
hods in Enzymology、185:527〜537(1990)
およびMansourら、Nature、336:348〜352(1988)
を参照のこと。
【0113】 本明細書中に記載のベクター内のDNAをクローニングするかまたは発現させ
るための適切な宿主細胞としては、原核生物、酵母または高等真核生物細胞が挙
げられる。適切な原核生物としては、真正細菌(eubacterium)、例
えばグラム陰性またはグラム陽性生物、例えば、E.coliのようなEnte
robacteriaceaeが挙げられるが、これらに限定されない。種々の
E.coli株、例えばE.coli K12株MM294(ATCC 31,
446);E.coli X1776(ATCC 31,537);E.col
i株W3110(ATCC 27,325)およびK5 772(ATCC 5
3,635)が公的に入手可能である。他の適切な原核宿主細胞としては、En
terobacteriaceae(Escherichia(例えばE.co
li)、Enterobacter、Erwinia、Klebsiella、
Proteus、Salmonella(例えば、Salmonella ty
phimurium)、Serratia(例えば、Serratia mae
cescans)およびShigella)、ならびにBacilli(例えば
、B.subtilisおよびB.licheniformis(例えば、19
89年4月12日に公開されたDD 266,710に開示されているB.li
cheniformis 41P))、Pseudomonas(例えば、P.
aeruginosa)およびStreptomycesが挙げられる。これら
の例は限定ではなく、例示である。株W3110は組換えDNA産物発酵用の通
常の宿主株であるので、これは1つの特に好ましい宿主または親宿主である。好
ましくは、この宿主細胞は最小限量のタンパク質分解酵素しか分泌しない。例え
ば、株W3110は、この宿主に内在性のタンパク質をコードする遺伝子に遺伝
子変異を生じさせるように改変され得、このような宿主の例としては、完全な遺
伝子型tonAを有しているE.coli W3110株1A2;完全な遺伝子
型tonA ptr3を有しているE.coli W3110株9E4;完全な
遺伝子型tonA ptr3 phoA E15(argF−lac)169
degP ompT karlを有しているE.coli W3110株27C
7(ATCC 55,244);完全な遺伝子型tonA ptr3 phoA
E15(argF−lac)169 degP ompT rbs7 ilv
G karlを有しているE.coli W3110株37D6;E.coli
W3110株40B4(これは非カナマイシン耐性degP欠失変異を有する
株37D6である);および1990年8月7日に発行された米国特許第4,9
46,783号中に開示されている変異ペリプラズムプロテアーゼ(perip
lasmic protease)を有しているE.coli株が挙げられる。
あるいは、クローニングのインビトロ方法、例えばPCRまたは他の核酸ポリメ
ラーゼ反応が適している。
【0114】 原核生物に加えて、糸状菌または酵母のような真核微生物はCHEPOコード
ベクター用の適切なクローニングまたは発現用宿主である。Saccharom
yces cerevisiaeは、一般的に使用される下等真核宿主微生物で
ある。他のものとしては、Schizosaccharomyces pobe
(BeachおよびNurse、Nature、290:140[1981];
1985年5月2日に公開されたEP 139,383);Kluyverom
yces宿主(米国特許第4,943,529号;Fleerら、Bio/Te
chnology、9:968〜975(1991))、例えば、K.lact
is(MW98−8C、CBS683、CBS4574;Louvencour
tら、J.Bacteriol.、737[1983])、K.fragili
s(ATCC 12,424)、K.bulgaricus(ATCC 16,
045)、K.wickeramii(ATCC 24,178)、K.wal
tii(ATCC 56,500)、K.drosophilarum(ATC
C 36,906;Van den Bergら、Bio/Technolog
y、8:135(1990))、K.thermotoleransおよびK.
marxianus;yarrowia(EP 402,226);Picha
pastoris(EP 183,070;Sreekrishnaら、J.
Basic Microbiol.、28:265〜278[1988]);C
andida;Trichoderma reesia(EP 244,234
);Neurospora crassa(Caseら、Proc.Natl.
Acad.Sci.USA、76:5259〜5263[1979]);Sch
wanniomyces、例えば、Schwanniomyces occid
entalis(1990年10月31日に公開されたEP 394,538)
;ならびに糸状菌、例えば、Neurospora、Penicillium、
Tplypocladium(1991年1月10日に公開されたWO 91/
00357)、およびAspergillus宿主、例えばA.nidulan
s(Ballanceら、Biochem.Biophys.Res.Comm
un.、112:284〜289[1983];Tilburnら、Gene、
26:205〜221[1983];Yeltonら、Proc.Natl.A
cad.Sci.USA、81:1470〜1474[1984])およびA.
niger(KellyおよびHynes、EMBO J.、4:475〜47
9[1985])が挙げられる。メチロトローフ酵母(methylotrop
ic yeast)は本発明に適しており、そしてこれらとしては、Hanse
nula、Candida、Kloeckera、Pichia、Saccha
romyces、TorulopsisおよびRhodotorulaからなる
属から選択されるメタノールで増殖可能な酵母が挙げられるが、これらに限定さ
れない。このクラスの酵母の例示である特定の種の列挙は、C.Anthony
、The Biochemistry of Methylotrophs、2
69(1982)中に見ることができる。
【0115】 グリコシル化したCHEPOを発現するための適切な宿主細胞は、多細胞生物
から誘導される。無脊椎動物細胞の例としては、Drosophila S2お
よびSpodoptera Sf9のような昆虫細胞ならびに植物細胞が挙げら
れる。有用な哺乳動物宿主細胞株の例としては、チャイニーズ・ハムスター卵巣
(CHO)細胞およびCOS細胞が挙げられる。さらに特定の例としては、SV
40で形質転換したサル腎臓CV1株(COS−7、ATCC CRL 165
1);ヒト胚性腎臓株(293細胞または懸濁培養で増殖させるためにサブクロ
ーン化した293細胞、Grahamら、J.Gen.Virol.、36:5
9(1977));チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞/DHFR(CHO、U
rlaubおよびChasin、Proc.Natl.Acad.Sci.US
A、77:4216(1980));マウス・セルトリ細胞(TM4、Math
er、Biol.Reprod.、23:243〜251(1980));ヒト
肺細胞(W138、ATCC CCL75);ヒト肝細胞(Hep G2、HB
8065);およびマウス乳癌(MMT 060562、ATCC CCL5
1)が挙げられる。適切な宿主細胞の選択は当該分野の技術範囲内であると考え
られる。
【0116】 (3.複製可能なベクターの選択および使用) CHEPOをコードする核酸(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)は、ク
ローニング(DNAの増幅)または発現のために複製可能なベクター内に挿入さ
れ得る。種々のベクターが公的に入手可能である。ベクターは、例えば、プラス
ミド、コスミド、ウイルス粒子またはファージの形態であり得る。適切な核酸配
列を種々の手順によりベクターへ挿入し得る。一般的に、DNAは、当該分野で
公知の技術を使用して適切な制限エンドヌクレアーゼ部位内に挿入される。ベク
ター構成成分としては、一般的に、1つ以上のシグナル配列、複製起点、1つ以
上のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーターおよび転写終結配
列が挙げられるが、これらに限定されない。1つ以上のこれら構成成分を含む適
切なベクターの構築には、当業者に公知の標準的な連結技術が使用される。
【0117】 CHEPOは、直接組換え的に産生されるだけでなく、成熟型タンパク質また
はポリペプチドN末端の特定の切断部位を有しているシグナル配列または他のポ
リペプチドであり得る異種ポリペプチドとの融合ポリペプチドとしても組換え的
に産生され得る。一般に、上記シグナル配列はベクターの構成成分であり得るか
またはベクター内に挿入されるCHEPOコードDNAの一部であり得る。この
シグナル配列は、例えば、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、lppま
たは熱安定エンテロトキシンIIリーダーの群から選択される原核生物シグナル
配列であり得る。酵母から分泌させるためには、上記シグナル配列は、例えば酵
母インベルターゼリーダー、α因子リーダー(これにはSaccharomyc
esおよびKluyveromyces α因子リーダーが挙げられ、後者は米
国特許第5,010,182号中に記載されている)もしくは酸ホスファターゼ
リーダー、C.albicans グルコアミラーゼリーダー(1990年4月
4日に公開されたEP 362,179)または1990年11月15日に公開
されたWO 90/13646中に記載されているシグナルであり得る。哺乳動
物細胞発現においては、哺乳動物シグナル配列、例えば、同一種または関連種の
分泌ポリペプチド由来のシグナル配列ならびにウイルス分泌リーダーを使用して
、タンパク質の分泌を方向付け得る。
【0118】 発現ベクターとクローニングベクターは共に、1つ以上の選択された宿主細胞
内でそのベクターを複製させ得る核酸配列を含む。このような配列は種々の細菌
、酵母およびウイルスについて周知である。プラスミドpBR322由来の複製
起点は大部分のグラム陰性菌に適しており、2プラスミド起点は酵母に適してお
り、そして種々のウイルス起点(SV40、ポリオーマ、アデノウイルス、VS
VまたはBPV)は哺乳動物細胞におけるクローニングベクターに有用である。
【0119】 発現ベクターおよびクローニングベクターは代表的には、選択マーカーとも称
される選択遺伝子を含む。代表的な選択遺伝子は、(a)抗生物質または他のト
キシン、例えば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキセートまたはテトラ
サイクリンに対して耐性を付与するタンパク質か、(b)栄養要求性欠乏を補足
するタンパク質かまたは複雑な培地から入手できない重要な栄養を供給するタン
パク質をコードする(例えばBacillusのD−アラニンラセマーゼをコー
ドする遺伝子)。
【0120】 哺乳動物細胞用の適切な選択マーカーの例は、CHEPOコード核酸を取り込
む能力のある細胞の同定を可能にする選択マーカー(例えば、DHFRまたはチ
ミジンキナーゼ)である。野生型DHFRを使用する場合に適する宿主細胞は、
Urlaubら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、77:42
16(1980)によって記載されているようにして調製されそして増殖された
DHFR活性を欠失しているCHO細胞株である。酵母で使用される適切な選択
遺伝子は酵母プラスミドYRp7中に存在するtrp1遺伝子である[Stin
chcombら、Nature、282:39(1979);Kingsman
ら、Gene、7:141(1979);Tschemperら、Gene、1
0:157(1980)]。trp1遺伝子は、トリプトファン中で増殖する能
力を欠いている酵母の変異株、例えば、ATCC番号44076またはPEP4
−1[Jones、Genetics.85:12(1977)]の選択マーカ
ーを提供する。
【0121】 発現ベクターおよびクローニングベクターは通常、mRNA合成を指令するた
めにCHEPOコード核酸配列と作動可能に連結したプロモーターを含む。種々
の潜在的宿主細胞によって認識されるプロモーターは周知である。原核宿主で使
用するために適しているプロモーターとしては、−ラクタマーゼおよびラクトー
スプロモーター系[Changら、Nature、275:615(1978)
;Goeddelら、Nature、281:544(1979)]、アルカリ
ホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系[Goeddel、
Nucleic Acids Res.、8:4057(1980);EP 3
6,776]ならびにtacプロモーターのようなハイブリッドプロモーター[
deBoerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、80:21
〜25(1983)]が挙げられる。細菌系で使用するためのプロモーターはま
た、CHEPOをコードするDNAと作動可能に連結したシャイン・ダルガーノ
(S.D.)配列を含む。
【0122】 酵母宿主で使用される適切なプロモーター配列(promoting seq
uence)の例としては、3−ホスホグリセレートキナーゼ[Hitzman
ら、J.Biol.Chem.、255:2073(1980)]または他の解
糖酵素[Hessら、J.Adv.Enzyme Req.、7:149(19
68);Holland、Biochemistry、17:4900(197
8)]、例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ
、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、
グルコース−6−リン酸イソメラーゼ、3−ホスホグリセレートムターゼ、ピル
ビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラー
ゼおよびグルコキナーゼのプロモーターが挙げられる。
【0123】 増殖条件によって転写が制御されるというさらなる利点を有する誘導性プロモ
ーターである他の酵母プロモーターは、アルコールデヒドロゲナーゼ2、イソチ
トクロームC、酸ホスファターゼ、窒素代謝に関係のある分解酵素、メタロチオ
ネイン、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼならびにマルトース
およびガラクトース利用にを担う酵素のプロモーター領域である。酵母発現で使
用される適切なベクターおよびプロモーターはEP 73,657中でさらに記
載されている。
【0124】 哺乳動物宿主細胞内におけるベクターからCHEPOの転写は、例えば、ウイ
ルスのゲノムから得られるプロモーター、例えばポリオーマウイルス、鶏痘ウイ
ルス(1989年7月5日に公開されたUK 2,211,504)、アデノウ
イルス(例えば、アデノウイルス2)、ウシ乳頭腫ウイルス、トリ肉腫ウイルス
、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルスおよびシミアン・
ウイルス40(SV40)から得られるプロモーター、異種哺乳動物プロモータ
ー、例えばアクチンプロモーターまたは免疫グロブリンプロモーターから得られ
るプロモーター、ならびに熱ショックプロモーターから得られるプロモーターに
よって制御されるが、但し、このようなプロモーターは宿主細胞株と適合性であ
る。
【0125】 高等真核生物によるCHEPOをコードするDNAの転写は、ベクター内にエ
ンハンサー配列を挿入することによって増大され得る。エンハンサーは、プロモ
ーターに作用してその転写を増大させる、通常、約10から300bpまでのD
NAのシス作用性エレメントである。哺乳動物遺伝子由来の多くのエンハンサー
配列が現在公知である(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、−フェトプロテ
インおよびインスリン)。しかし、当業者は、代表的には、真核生物細胞ウイル
ス由来のエンハンサーを使用する。これらの例としては、複製起点の後側(bp
100〜270)のSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモ
ーターエンハンサー、複製起点の後側のポリオーマエンハンサーおよびアデノウ
イルスエンハンサーが挙げられる。上記エンハンサーはベクター内のCHEPO
コード配列の5’または3’位にスプライシングされ得るが、好ましくは上記プ
ロモーターの5’位に位置させる。
【0126】 真核宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒトまたは他の多細胞生物由
来の有核細胞)内で使用される発現ベクターはまた、転写終結およびmRNA安
定化に必要な配列を含む。このような配列は通常、真核生物またはウイルスのD
NAまたはcDNAの5’非翻訳領域から、そしてときには3’非翻訳領域から
得られる。これらの領域は、CHEPOをコードするmRNAの非翻訳部分にポ
リアデニル化フラグメントとして転写されるヌクレオチドフラグメントを含む。
【0127】 組換え脊椎動物細胞培養におけるCHEPOの合成に適合させることに適して
いるさらに他の方法、ベクターおよび宿主細胞はGethingら、Natur
e、293:620〜625(1981);Manteiら、Nature、2
81:40〜46(1979);EP 117,060;およびEP 117,
058中に記載されている。
【0128】 (4.遺伝子増幅/発現の検出) 遺伝子増幅および/または発現は、本明細書で提供した配列に基づいて、適切
な標識プローブを使用して、試料中で直接、例えば従来のサザンブロット法、m
RNAの転写を定量するノーザンブロット法[Thomas、Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA、77:5201〜5205(1980)]、ド
ットブロット法(DNA分析)またはインサイチュハイブリダイゼーションで測
定され得る。あるいは、DNA二重鎖、RNA二重鎖およびDNA−RNAハイ
ブリッド二重鎖またはDNA−タンパク質二重鎖を含む特定の二重鎖を認識し得
る抗体を使用し得る。これらの抗体は順次標識し得、そしてアッセイを実施し得
、そのアッセイにおいて、二重鎖が表面に結合され、その結果、表面に二重鎖が
形成されると、この二重鎖に結合した抗体の存在を検出し得る。
【0129】 あるいは、遺伝子発現を免疫学的方法、例えば、細胞または組織切片の免疫組
織化学的染色および細胞培養物または体液のアッセイによって測定して、遺伝子
産物の発現を直接定量し得る。免疫組織化学的染色および/またはサンプル液体
のアッセイに有用な抗体は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体のい
ずれかであり得、そして任意の哺乳動物において調製され得る。好都合には、こ
れら抗体はネイティブな配列のCHEPOポリペプチドに対してか、または本明
細書中で提供されるDNA配列に基づく合成ペプチドに対してか、またはCHE
PO DNAと融合しそして特定の抗体エピトープをコードする外来配列に対し
て調製され得る。
【0130】 (5.ポリペプチドの精製) CHEPOの形態物は、培養培地または宿主細胞溶解物から回収され得る。膜
と結合している場合、これは適切な境界活性剤溶液(例えば、Triton−X
100)を使用するかまたは酵素的切断によって膜から遊離され得る。CHEP
Oの発現に使用された細胞は、種々の物理的または化学的手段、例えば凍結−融
解反復、超音波処理、機械的破壊または細胞溶解剤によって破壊され得る。
【0131】 組換え細胞タンパク質またはポリペプチドからCHEPOを精製することは望
ましい。以下の手順は適切な精製手順の例である:イオン交換カラムでの分画;
エタノール沈澱;逆相HPLC;シリカまたはDEAEのような陽イオン交換樹
脂によるクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS−PAGE;硫
酸アンモニウム沈降;例えば、セファデックスG−75を用いるゲルろ過;Ig
Gのような夾雑物を除去するプロテインAセファロースカラム;およびCHEP
Oのエピトープ−タグ化形態と結合する金属キレート化カラム。種々のタンパク
質精製方法が使用され得、そしてこのような方法は当該分野で公知であり、そし
て例えば、Deutscher、Methods in Enzymology
、182(1990);Scopes、Protein Purificati
on:Principles and Practice、Springer−
Verlag、New York(1982)中に記載される。選択される精製
工程は、例えば、使用される製造方法および生成される特定のCHEPOの性質
に依存する。
【0132】 (E.CHEPOの使用) CHEPOをコードするヌクレオチド配列(またはそれらの相補鎖)は、ハイ
ブリダイゼーションプローブとしての使用を含む分子生物学分野、染色体および
遺伝子マッピングならびにアンチセンスRNAおよびDNAの産生における種々
の適用を有する。CHEPO核酸はまた、本明細書中で記載した組換え技術によ
るCHEPOポリペプチドの調製に有用である。
【0133】 全長のネイティブな配列のCHEPO cDNA(配列番号3)またはその部
分は、全長CHEPO cDNAを単離するかまたは図2に開示されているCH
EPO配列(配列番号3)と所望の配列同一性を有するさらに他のcDNA(例
えば、天然に存在するCHEPO改変体または他の種から得られるCHEPOを
コードするもの)を単離するために、cDNAライブラリーのハイブリダイゼー
ションプローブとして使用され得る。必要に応じて、これらプローブの長さは約
20〜約50塩基である。上記ハイブリダイゼーションプローブは、配列番号3
のヌクレオチド配列の少なくとも部分的に新規な領域から(ここで、その領域は
、過度の実験を行うことなく決定され得る)か、またはネイティブな配列のCH
EPOのプロモーター、エンハンサーエレメントおよびイントロンを含むゲノム
配列から誘導され得る。一例として、スクリーニング方法は、公知のDNA配列
を使用して約40塩基の選択されたプローブを合成してCHEPO遺伝子のコー
ド領域を単離することを含んでいる。ハイブリダイゼーションプローブは、32
もしくは36Sのような放射性ヌクレオチドまたは酵素標識、例えばアビジン/ビ
オチンカップリング系を介してプローブとカップリングしているアルカリホスフ
ァターゼを含む種々の標識により標識され得る。本発明のCHEPO遺伝子の配
列と相補的な配列を有している標識プローブを使用してヒトcDNA、ゲノムD
NAまたはmRNAのライブラリーをスクリーニングして、上記プローブがこの
ようなライブラリーのうちのどのメンバーとハイブリダイズするのかを決定し得
る。ハイブリダイゼーション技術は以下の実施例でさらに詳細に記載される。
【0134】 本出願で開示されているEST配列はいずれも、本明細書で開示した方法を使
用して、プローブとして同様に使用され得る。
【0135】 CHEPO核酸の他の有用なフラグメントとしては、標的CHEPO mRN
A(センス)またはCHEPO DNA(アンチセンス)配列と結合し得る一本
鎖核酸配列(RNAかまたはDNAのどちらか)を含んでいるアンチセンスまた
はセンスオリゴヌクレオチドが挙げられる。本発明によれば、アンチセンスまた
はセンスオリゴヌクレオチドはCHEPO DNAのコード領域のフラグメント
を含む。このようなフラグメントは一般的に、少なくとも約14のヌクレオチド
、好ましくは約14から30までのヌクレオチドを含んでいる。所定のタンパク
質をコードするcDNA配列に基づいてアンチセンスまたはセンスオリゴヌクレ
オチドを誘導する能力は、例えば、SteinおよびCohen(Cancer
Res.48:2659、1988)およびvan der Krolら(B
io Techniques 6:958、1988)中に記載される。
【0136】 アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドが標的核酸配列と結合すると、
二重鎖の分解増強、転写もしくは翻訳の成熟前終結(premature te
rmination)を含む幾つかの手段のうちの1つまたは他の手段によって
上記標的配列の転写または翻訳をブロックする二重鎖の形成を生じる。従って、
上記アンチセンスオリゴヌクレオチドを使用してCHEPOタンパク質の発現を
ブロックし得る。アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドはさらに、改変
された糖−ホスホジエステル骨格(または他の糖結合、例えばWO91/066
29中に記載されているもの)を有するオリゴヌクレオチドを含み、そしてその
際このような糖結合は内因性ヌクレアーゼに抵抗性である。抵抗性の糖結合を有
するこのようなオリゴヌクレオチドはインビボで安定である(即ち、酵素的分解
に抵抗し得る)が、標的ヌクレオチド配列と結合し得る配列特異性は保持してい
る。
【0137】 センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドの他の例としては、有機部分(
例えばWO 90/10048中に記載されているもの)および標的核酸配列に
対するオリゴヌクレオチドの親和性を高める他の部分(例えば、ポリ−(L−リ
シン))と共有結合しているオリゴヌクレオチドが挙げられる。さらになお、エ
リプチシンのようなインターカレート剤およびアルキル化剤または金属錯体をセ
ンスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドと結合させて、標的ヌクレオチド配
列に対するアンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドの結合特異性を改変し
得る。
【0138】 アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、CaPO4媒介性
DNAトランスフェクション、エレクトロポレーションを含む任意の遺伝子導入
方法によって、またはエプスタイン・バーウイルスのような遺伝子導入ベクター
を使用することによって、標的核酸配列を含む細胞内に導入され得る。好ましい
方法では、アンチセンスまたはセンスオリゴヌクレオチドは適切なレトロウイル
スベクター内に挿入される。標的核酸配列を含んでいる細胞は、インビボかまた
はエクスビボのどちらかで組換えレトロウイルスベクターと接触される。適切な
レトロウイルスベクターとしては、マウスレトロウイルスM−MuLVから誘導
されるもの、すなわち、N2(M−MuLVから誘導されたレトロウイルス)ま
たはDCT5A、DCT5BおよびDCT5Cと称されるダブルコピーベクター
(WO 90/13641参照)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0139】 センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドはまた、WO 91/0475
3中に記載されているように、リガンド結合分子と結合体を形成することによっ
て標的ヌクレオチド配列を含んでいる細胞内に導入され得る。適切なリガンド結
合分子としては、細胞表面レセプター、増殖因子、他のサイトカインまたは細胞
表面レセプターと結合する他のリガンドが挙げられるが、これらに限定されない
。好ましくは、上記リガンド結合分子の結合体化は、このリガンド結合分子がそ
の対応する分子またはレセプターと結合する能力、あるいはセンスもしくはアン
チセンスオリゴヌクレオチドまたはその結合体化バージョンの細胞内への侵入を
ブロックする能力には実質的に干渉しない。
【0140】 あるいは、センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドは、WO 90/1
0448中に記載されているように、オリゴヌクレオチド−脂質複合体を形成す
ることによって標的核酸配列を含む細胞内に導入され得る。このセンスまたはア
ンチセンスオリゴヌクレオチド−脂質複合体は、好ましくは、内因性リパーゼに
よって細胞内で解離される。
【0141】 密接に関連したCHEPOコード配列を同定するための配列プールを作製する
ために、上記プローブをPCR技術で使用し得る。
【0142】 CHEPOをコードするヌクレオチド配列を使用して、このCHEPOをコー
ドする遺伝子をマッピングするためおよび遺伝子疾患を有する個体の遺伝子分析
のためにハイブリダイゼーションプローブを構築し得る。本明細書中で提供され
るヌクレオチド配列は、公知の技術(例えば、インサイチュハイブリダイゼーシ
ョン、公知の染色体マーカーに対する連鎖分析およびライブラリーとのハイブリ
ダイゼーションスクリーニング)を使用して染色体および染色体の特定の領域に
マッピングされ得る。
【0143】 CHEPOのコード配列が、別のタンパク質に結合するタンパク質をコードす
る場合(例えば、CHEPOがレセプターである場合)は、CHEPOは、結合
相互作用に関与する他のタンパク質または分子を同定するためのアッセイにおい
て使用され得る。このような方法によって、レセプター/リガンド結合相互作用
のインヒビターが同定され得る。このような結合相互作用に関与するタンパク質
はまた、結合相互作用のペプチドまたは低分子インヒビターまたはアゴニストを
スクリーニングするために使用され得る。また、レセプターCHEPOは、関連
するリガンド(correlative ligand)を単離するために使用
され得る。スクリーニングアッセイは、ネイティブなCHEPOまたはCHEP
Oのレセプターの生物学的活性を模倣するリード化合物を見出すために設計され
得る。このようなスクリーニングアッセイは、化学的なライブラリーの高スルー
プットスクリーニングに敏感に反応するアッセイを含み、これは、それらを低分
子薬物候補を同定するために特に適切にする。意図される低分子としては、合成
の有機化合物、または無機化合物が挙げられる。アッセイは、タンパク質−タン
パク質結合アッセイ、生化学的なスクリーニングアッセイ、イムノアッセイ、お
よび細胞に基づくアッセイを含む種々の形式で行われ得、これらは当該分野で十
分に特徴付けられている。
【0144】 CHEPOまたはその改変された形態をコードする核酸もまた、トランスジェ
ニック動物または「ノックアウト」動物のいずれかを作製するために使用され得
、次いでこれらは、治療的に有用な試薬の開発およびスクリーニングにおいて有
用である。トランスジェニック動物(例えば、マウスまたはラット)は、トラン
スジーンを含む細胞を有する動物である。このトランスジーンは、胎児期に(例
えば、胚段階で)動物または動物の先祖に導入された。トランスジーンは、トラ
ンスジェニック動物が発生する細胞のゲノム中に組み込まれるDNAである。1
つの実施形態においては、CHEPOをコードするcDNAが、確立された技術
に従ってCHEPOをコードするゲノムDNAをクローン化するために使用され
得、そしてゲノム配列が、CHEPOをコードするDNAを発現する細胞を含む
トランスジェニック動物を作製するために使用され得る。トランスジェニック動
物(特に、マウスまたはラットのような動物)を作製するための方法は、当該分
野で従来技術となっており、そして例えば、米国特許第4,736,866号お
よび同第4,870,009号に記載されている。代表的には、特定の細胞は、
組織特異的エンハンサートを伴うCHEPOトランスジーンの取りこみのために
標的化される。胚段階で動物の生殖系に導入されたCHEPOをコードするトラ
ンスジーンのコピーを含むトランスジェニック動物が、CHEPOをコードする
DNAの増大された発現の影響を試験するために使用され得る。このような動物
は、例えば、その過剰な発現に関連する病理学的状態からの防御を付与すると考
えられる試薬についてのテスター動物として使用され得る。本発明のこの局面に
従うと、動物が試薬で処置され、そしてトランスジーンを保有していない未処置
の動物と比較した病理学的状態の減少した指標は、病理学的状態についての可能
性のある治療介入を示す。
【0145】 あるいは、CHEPOの非ヒトホモログが、CHEPO「ノックアウト」動物
を構築するために使用され得る。この動物は、CHEPOをコードする内因性の
遺伝子と、動物の胚性幹細胞中に導入されたCHEPOをコードする改変された
ゲノムDNAとの間での相同組換えの結果として、CHEPOをコードする遺伝
子を欠損しているか、またはCHEPOをコードする遺伝子が改変されている。
例えば、CHEPOをコードするcDNAは、確立された技術に従って、CHE
POをコードするゲノムDNAをクローン化するために使用され得る。CHEP
OをコードするゲノムDNAの部分が欠失され得るか、またはそれが、組込みを
モニターするために使用され得る選択可能なマーカーをコードする遺伝子のよう
な別の遺伝子で置きかえられ得る。代表的には、数キロベースの改変されていな
い隣接しているDNA(5’および3’末端の両方)が、ベクター中に含まれる
(例えば、相同組換えベクターの記載については、ThomasおよびCape
cchi,Cell,51:503(1987)を参照のこと)。ベクターが、
胚性幹細胞株中に導入され(例えば、エレクトロポレーションによって)、そし
て導入されたDNAが内因性のDNAと相同組換えされた細胞が、選択される(
例えば、Liら、Cell,69:915(1992)を参照のこと)。選択さ
れた細胞は、次いで、凝集キメラを形成するように動物(例えば、マウスまたは
ラット)の胎盤胞に注入される(例えば、Bradley、Teratocar
cinomas and Embryonic Stem Cells:A P
ractical Approach,E.J.Robertson編(IRL
,Oxford、1987)、113−152頁を参照のこと)。キメラの胚は
、次いで、適切な偽妊娠させた雌性の里親動物に移植され、そして胚は、「ノッ
クアウト」動物を作製する期間を過ごす。相同組換えされたDNAをそれらの生
殖細胞中に保有している子孫は、標準的な技術によって同定され得、そしてその
動物の全ての細胞が相同組換えされたDNAを含む動物を交配するために使用さ
れ得る。ノックアウト動物は、例えば、特定の病理学的状態に対して防御するそ
れらの能力について、およびCHEPOポリペプチドの非存在に起因する病理学
的状態のそれらの発症について特徴付けられ得る。
【0146】 CHEPOポリペプチドをコードする核酸はまた、遺伝子治療において使用さ
れ得る。遺伝子治療適用においては、遺伝子は、治療的に有効な遺伝子産物のイ
ンビボでの合成を達成するために、例えば、欠損遺伝子の置換のために、細胞中
に導入される。「遺伝子治療」は、従来の遺伝子治療(ここでは、永続的な効果
が単一の処置によって達成される)および遺伝子治療剤の投与(これは、治療的
に有効なDNAまたはmRNAの1回または反復投与を含む)の両方を含む。ア
ンチセンスRNAおよびDNAは、インビボで特定の遺伝子の発現をブロックす
るための治療剤として使用され得る。短いアンチセンスオリゴヌクレオチドは、
それらの低い細胞内濃度が細胞膜によるそれらの制限された取りこみによって生
じるにもかかわらず、インヒビターとして作用し得る細胞中に輸送され得る。(
Zamecnikら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83,
4143−4146(1986))。オリゴヌクレオチドは、例えば、それらの
負に荷電したホスホジエステル基を荷電していない基で置換することによって、
それらの取りこみを増強するように改変され得る。
【0147】 生存可能な細胞中に核酸を導入するために利用可能な種々の技術が存在する。
これらの技術は、核酸が、意図される宿主の細胞のインビトロでまたはインビボ
で培養された細胞中に導入されるかどうかに依存して、変化する。インビトロで
の哺乳動物細胞への核酸の導入に適切な技術としては、リポソーム、エレクトロ
ポレーション、マイクロインジェクション、細胞融合、DEAE−デキストラン
、リン酸カルシウム沈殿方法などの使用が挙げられる。現在好ましいインビボで
の遺伝子導入技術としては、ウイルス(代表的には、レトロウイルス)ベクター
でのトランスフェクションおよびウイルスコートタンパク質−リポソーム媒介性
トランスフェクションが挙げられる(Dzauら、Trends in Bio
technology 11,205−210(1993))。いくつかの状況
においては、核酸の供給源に標的細胞を標的化する薬剤(例えば、細胞表面の膜
タンパク質または標的細胞に対して特異的な抗体、標的細胞上のレセプターに対
するリガンドなど)を提供することが所望される。リポソームが使用される場合
は、エンドサイトーシスに関連する細胞表面の膜タンパク質に結合するタンパク
質が、例えば、特定の細胞型について向性である、キャプシドタンパク質または
そのフラグメント、循環している際にインターナライズを受けるタンパク質に対
する抗体、細胞内局在化を標的化しそして細胞内半減期を増大するタンパク質中
の取りこみを標的化および/または促進するために、使用され得る。レセプター
によって媒介されるエンドサイトーシスの技術は、例えば、Wuら、J.Bio
l.Chem.262,4429−4432(1987);およびWagner
ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87,3410−341
4(1990)によって記載されている。遺伝子作製および遺伝子治療プロトコ
ールの概要については、Andersonら、Science 256、808
−813(1992)を参照のこと。
【0148】 本明細書中に記載されているCHEPOポリペプチドはまた、タンパク質の電
気泳動の目的のための分子量マーカーとしても使用され得る。
【0149】 本明細書中に記載されているCHEPOポリペプチドまたはそのフラグメント
をコードする核酸分子は、染色体の同定に有用である。これに関しては、新規の
染色体マーカーを同定する必要性が現在存在している。なぜなら、実際の配列デ
ータに基づく比較的小数の染色体マーキング試薬だけが現在利用可能であるから
である。本発明のそれぞれのCHEPO核酸分子が、染色体マーカーとして使用
され得る。
【0150】 本発明のCHEPOポリペプチドおよび核酸分子はまた、組織のタイピングに
使用され得る。ここでは、本発明のCHEPOポリペプチドは、別のものと比較
した場合には、1つの組織中で差次的に発現され得る。CHEPO核酸分子は、
PCR、ノーザン分析、サザン分析、およびウェスタン分析のためのプローブを
作製するための使用を見出される。
【0151】 本明細書中に記載されるCHEPOポリペプチドはまた、治療剤としても使用
され得る。本発明のCHEPOポリペプチドは、薬学的に有用な組成物を調製す
るために公知の方法に従って処方され得る。それにより、そのCHEPO生成物
は、薬学的に受容可能なキャリアビヒクルとの混合物中で混合される。治療処方
物は、所望の程度の純度を有している有効成分を、最適な生理学的に受容可能な
キャリア、賦形剤、または安定剤(Remington’s Pharmace
utical Science、第16版、Osol,A.編(1980))と
混合することによって、凍結乾燥した形態または水性の溶液の形態で、保存のた
めに調製される。受容可能なキャリア、賦形剤、または安定剤は、使用される投
与量および濃度では、レシピエントに対しては非毒性であり、そしてこれらとし
て以下のものが挙げられる:緩衝液(例えば、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、
および他の有機酸の緩衝液);アスコルビン酸を含む抗酸化剤;低分子量(約1
0残基未満)のポリペプチド、タンパク質(例えば、血清アルブミン、ゼラチン
、または免疫グロブリン);親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン)
;アミノ酸(例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、また
はリジン);モノサッカライド、ジサッカライド、および他の炭水化物(グルコ
ース、マンノース、またはデキストリンを含む);キレート剤(例えば、EDT
A);糖アルコール(例えば、マンニトール、またはソルビトール);塩形成対
イオン(例えば、ナトリウムおよび/または非イオン性境界活性剤(例えば、T
WEEN(登録商標)、PLURONICS(登録商標)、またはPEG)。
【0152】 インビボでの投与に使用される処方物は、滅菌でなければならない。これは、
凍結乾燥および再構成の前または後の、滅菌の濾過膜を通した濾過によって容易
に達成される。
【0153】 本明細書中の治療組成物は、一般には、滅菌の通路口を有している容器(例え
ば、静脈内溶液バッグ、または皮下注射用の注射針によって穴を空けられ得るス
トッパーを有しているバイアル)中に配置される。
【0154】 投与の経路は、例えば、静脈内、腹膜内、大脳内、筋肉内、眼球内、動脈内、
または病変内経路による注射または注入、局所的投与、あるいは徐放システムに
よるような、公知の方法に従う。
【0155】 本発明の薬学的組成物の投与量および所望される薬物濃度は、想定される特定
の使用されるに依存して変化し得る。投与の適切な投与量または経路の決定は、
十分に当業者の技術範囲内である。動物実験は、ヒトの治療に有効な用量の決定
のための信頼できる指針を提供する。有効用量の種間のスケーリングが、Mor
denti,J.およびChappell,W.、「The use of i
nterspecies scaling in toxicokinetic
s」 Toxicokinetics and New Drug Devel
opment,Yacobiら編、Pergamon Press,New Y
ork 1989、42−96頁によって主張された原理に従って行われ得る。
【0156】 CHEPOポリペプチドまたはそのアゴニストもしくはアンタゴニストのイン
ビボでの投与が使用される場合は、通常の投与量は、投与の経路に依存して、1
日当たり約10ng/kgから100mg/kgの哺乳動物の体重まで、または
それ以上で、好ましくは、約1g/kg/日から10mg/kg/日で変化し得
る。送達の特定の投与量および方法についての指針は、以下の文献に提供される
。例えば、米国特許第4,657,760号;同第5,206,344号;また
は同第5,225,212号を参照のこと。種々の処方物が、種々の処置化合物
および種々の障害について有効であると予想される。例えば、1つの器官または
組織を標的化する投与は、別の器官または組織を標的化する様式とは異なる様式
での送達を必然的に伴い得る。
【0157】 CHEPOポリペプチドの徐放投与がCHEPOポリペプチドの投与を必要と
している任意の疾患または障害の処置に適切である放出特性を有する処方物にお
いて処方されることが所望される場合は、CHEPOポリペプチドのマイクロカ
プセル化が意図される。徐放のための組換えタンパク質のマイクロカプセル化は
、ヒトの成長ホルモン(rhGH)、インターフェロン(rhIFN)、インタ
ーロイキン−2、およびMNrgp120を用いて良好に行われている。Joh
nsonら、Nat.Med.,2:795−799(1996);Yasud
a,Biomed.Ther.,27:1221−1223(1993);Ho
raら、Bio/Technology,8:755−758(1990);C
leland、「Design and Production of Sin
gle Immunization Vaccine Using Polyl
actide Polyglycolide Microsphere Sys
tems」、Vaccine Design:The Subunit and
Adjuvant Approach,Powell and Newman
編(Plenum Press:New York,1995)、439−46
2頁;第WO97/03692号、第WO96/40072号、第WO96/0
7399号;および米国特許第5,654,010号。
【0158】 これらのタンパク質の徐放処方物は、その生体適合性および広範な生体分解特
性に起因して、ポリ乳酸−ポリコグリコール酸(PLGA)ポリマーを使用して
開発された。PLGA、乳酸、およびグリコール酸の崩壊産物は、ヒトの体から
迅速にクリアランスされる。さらに、このポリマーの分解性は、その分子量およ
び組成に依存して、数ヶ月から数年間までで調節され得る。Lewis、「Co
ntrolled release of bioactive agents
from lactide/glycolide polymer」、M.C
hasin and R.Langer(編)、Biodegradable
Polymers as Drug Delivery Systems(Ma
rcel Dekker:New York、1990)、1〜41頁。
【0159】 本発明は、CHEPOポリペプチドを模倣する化合物(アゴニスト)、または
CHEPOポリペプチドの影響を妨げる化合物(アンタゴニスト)を同定するた
めの、スクリーニング化合物によるスクリーニング方法を含む。アンタゴニスト
薬物の候補についてのスクリーニングアッセイが、本明細書中で同定された遺伝
子によってコードされるCHEPOポリペプチドに結合するか、またはそれと複
合体を形成する化合物、あるいはそうでなければ、他の細胞性タンパク質とコー
ドされるポリペプチドとの相互作用を妨害する化合物を同定するために設計され
る。このようなスクリーニングアッセイとしては、化学的なライブラリーの高ス
ループットスクリーニングに敏感に反応するアッセイが挙げられる。これによっ
て、それらは、低分子である薬物候補を同定するために特に適切にされる。
【0160】 アッセイは、タンパク質−タンパク質結合アッセイ、生化学的なスクリーニン
グアッセイ、イムノアッセイ、および細胞に基づくアッセイ(これらは、当該分
野で十分に特徴付けられている)を含む種々の形式で行われ得る。アンタゴニス
トについての全てのアッセイは、これらが、薬物候補を本明細書中で同定された
核酸分子によってコードされるCHEPOポリペプチドと、これらの2つの成分
が相互作用させるために十分な条件下でそして十分な時間、接触させることを必
要とする点で、共通している。
【0161】 結合アッセイにおいては、相互作用は結合であり、そして形成された複合体が
反応混合物中で単離され得るかまたは検出され得る。特定の実施形態においては
、本明細書中で同定された遺伝子によってコードされるCHEPOポリペプチド
または薬物候補が、固相上(例えばマイクロタイタープレート上)に、共有結合
または非共有結合によって固定される。非共有結合は一般には、CHEPOポリ
ペプチドの溶液で固体の表面をコーティングすること、および乾燥させることに
よって達成される。あるいは、固定化されるCHEPOポリペプチドに対して特
異的である固定化された抗体(例えば、モノクローナル抗体)が、固体の表面に
それをアンカーする(anchor)ために使用され得る。このアッセイは、固
定化していない成分を添加することによって行われ得る。この成分は、固定化さ
れた成分(例えば、アンカーされた成分を含むコーティングされた表面)に対す
る検出可能な標識によって標識され得る。反応が完了すると、反応していない成
分が、例えば、洗浄によって除去され、そして固体の表面上にアンカーされた複
合体が検出される。もともと固定化されていない成分が検出可能な標識を保有し
ている場合は、表面上に固定化された標識の検出は、複合体化が生じたことを示
す。もともと固定化されていない成分が標識を保有していない場合は、複合体化
は、例えば、固定化された複合体に特異的に結合する標識された抗体を使用する
ことによって、検出され得る。
【0162】 候補の化合物が、本明細書中で同定される遺伝子によってコードされる特定の
CHEPOポリペプチドトと相互作用するがそれに結合しない場合は、CHEP
Oポリペプチドとのその相互作用は、タンパク質−タンパク質相互作用を検出す
るための周知の方法によってアッセイされ得る。このようなアッセイとしては、
伝統的なアプローチ(例えば、架橋、同時免疫沈降、および勾配またはクロマト
グラフィーカラムを通じる同時精製)が挙げられる。さらに、タンパク質−タン
パク質相互作用は、ChevrayおよびNathans、Proc.Natl
.Acad.Sci.USA,89:5789−5793(1991)によって
開示されているような、Fieldsおよび共同研究者ら(Fieldsおよび
Song,Nature(London),340:245−246(1989
);Chienら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,88:9
578−9582(1991))によって記載されている酵母に基づく遺伝子シ
ステムを使用することによってモニターされ得る。多くの転写活性化因子(例え
ば、酵母のGAL4)は、以下のような2つの物理的に異なるモジュラードメイ
ンから構成される。1つは、DNA結合ドメインとして作用し、他方は、転写活
性化ドメインとして作用する。上記の刊行物に記載されている酵母の発現システ
ム(一般には、「ツーハイブリッドシステム」と呼ばれる)は、その特性を利用
し、そして以下のような2つのハイブリッドタンパク質を使用する。そのうちの
1つには、標的タンパク質がGAL4のDNA結合ドメインに融合され、そして
他方は、その中で候補の活性化タンパク質が活性化ドメインに対して融合されて
いる。GAL4活性化プロモーターの制御下にあるGAL1/lacZレポータ
ー遺伝子の発現は、タンパク質−タンパク質相互作用を通じるGAL−4活性の
再構成に依存する。相互作用するポリペプチドを含むコロニーが、−ガラクトシ
ダーゼの色素生成性基質を用いて検出される。ツーハイブリッド技術を使用して
2つの特異的なタンパク質間でのタンパク質−タンパク質相互作用を同定するた
めの完全なキット(MATCHMAKERTM)が、Clontechから市販さ
れる。このシステムはまた、特異的なタンパク質の相互作用に関与しているタン
パク質ドメインをマップするために、ならびにこれらの相互作用に重要なアミノ
酸残基を正確に指摘するためにも拡大され得る。
【0163】 本明細書中で同定されたCHEPOポリペプチドをコードする遺伝子の、他の
細胞内または細胞外成分との相互作用を妨害する化合物が、以下のように試験さ
れ得る:通常は、2つの生成物の相互作用および結合を可能にする条件下でそし
て可能にする時間で、遺伝子産物と細胞内または細胞外成分とを含有する反応混
合物が調製される。候補化合物が結合を阻害する能力を試験するために、反応は
、試験化合物の非存在下および存在下で行われる。さらに、プラセボが、ポジテ
ィブコントロールとして作用するように、第3の反応混合物に添加され得る。試
験化合物と、混合物中に存在する細胞内または細胞外成分との間での結合(複合
体の形成)は、本明細書中で上記のようにモニターされる。コントロール反応物
中での複合体の形成(しかし、試験化合物を含有する反応混合物中には存在しな
い)は、試験化合物が、試験化合物とその反応パートナーとの相互作用を妨害す
ることを示す。
【0164】 アンタゴニストについてのアッセイのために、CHEPOポリペプチドがCH
EPOポリペプチドの存在下で目的の活性を阻害する(このことは、化合物がC
HEPOポリペプチドのアンタゴニストであることを示す)化合物の特定の活性
および能力をスクリーニングするために、化合物とともに細胞に添加され得る。
あるいは、アンタゴニストは、競合阻害アッセイに適切な条件下で、膜に結合し
たCHEPOポリペプチドレセプターまたは組換えのレセプターと、CHEPO
ポリペプチドおよび可能性のあるアンタゴニストとを混合することによって、検
出され得る。CHEPOポリペプチドは、例えば、放射活性によって標識され得
、その結果、レセプターに結合したCHEPOポリペプチド分子の数が、可能性
のあるアンタゴニストの有効性を決定するために使用され得る。レセプターをコ
ードする遺伝子は、当業者に公知の多数の方法(例えば、リガンドパンニングお
よびFACSソーティング)によって同定され得る。Coliganら、Cur
rent Protocols in Immun.,1(2):Chapte
r 5(1991)。好ましくは、発現クローニングが使用される。ここでは、
ポリアデニル化されたRNAが、CHEPOポリペプチドに応答する細胞から調
製され、そしてこのRNAから作製されたcDNAライブラリーがプールに分け
られ、そしてCOS細胞またはCHEPOポリペプチドに応答しない他の細胞を
トランスフェクトするために使用される。ガラススライド上で増殖させられたト
ランスフェクトされた細胞は、標識されたCHEPOポリペプチドに対して暴露
される。CHEPOポリペプチドは、部位特異的タンパク質キナーゼの認識部位
のヨウ素化または封入を含む種々の手段によって標識され得る。固定およびイン
キュベーション後、スライドは、オートラジオグラム分析に供される。ポジティ
ブなプールが同定され、そしてサブプールが調製され、そして相互作用するサブ
プールを使用して再度トランスフェクトされ、そして再度スクリーニングされ、
最終的に推定のレセプターをコードする単一のクローンが得られる。
【0165】 レセプターの同定のための別のアプローチとして、標識されたCHEPOポリ
ペプチドは、レセプター分子を発現する細胞膜または抽出調製物と光親和的に架
橋され得る。架橋された材料は、PAGEによって解析され、そしてX線フィル
ムに曝される。レセプターを含む標識された複合体が切り出され得、ペプチドフ
ラグメントに分割され得、そしてタンパク質の微小配列決定に供され得る。微小
配列決定によって得られたアミノ酸配列を使用して、縮重オリゴヌクレオチドプ
ローブのセットを設計し、cDNAライブラリーをスクリーニングして、推定の
レセプターをコードする遺伝子を同定する。
【0166】 アンタゴニストについての別のアッセイにおいては、レセプターを発現する哺
乳動物細胞または膜調製物が、候補化合物の存在下で、標識されたCHEPOポ
リペプチドとともにインキュベートされる。次いで、化合物がこの相互作用を増
強するかまたはブロックする能力が、測定され得る。
【0167】 可能性のあるアンタゴニストのより特異的な例としては、CHEPOポリペプ
チドとの免疫グロブリンの融合体に結合するオリゴヌクレオチド、そして詳細に
は、抗体(限定的ではないが、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体、
ならびに抗体フラグメント、単鎖抗体、抗イディオタイプ抗体、ならびにそのよ
うな抗体またはフラグメントのキメラまたはヒト化バージョン、ならびにヒトの
抗体および抗体フラグメントを含む)が挙げられる。あるいは、可能性のあるア
ンタゴニストは、密接に関連するタンパク質(例えば、レセプターを認識するが
、影響は与えない、CHEPOポリペプチドの変異した形態)であり得、それに
よってCHEPOポリペプチドの作用を競合的に阻害し得る。
【0168】 別の可能性のあるCHEPOポリペプチドアンタゴニストは、アンチセンス技
術を使用して調製されたアンチセンスRNAまたはDNA構築物である。ここで
は、例えば、アンチセンスRNAまたはDNA分子は、標的化されたmRNAに
対してハイブリダイズすること、およびタンパク質の翻訳を妨げることによって
、mRNAの翻訳を直接ブロックするように作用する。アンチセンス技術は、3
重へリックスの形成、またはアンチセンスDNAもしくはRNAを通じて遺伝子
発現を制御するために使用され得る。これらの方法の両方ともが、DNAまたは
RNAに対するポリペプチドの結合に基づく。例えば、本明細書中の成熟CHE
POポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の5’コード部分が、約1
0から40塩基対の長さのアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドを設計するた
めに使用される。DNAオリゴヌクレオチドは、転写に関与している遺伝子の領
域に対して相補的であるように設計され(3重へリックス−Leeら、Nucl
.Acids Res.,6:3073(1979);Cooneyら、Sci
ence,241:456(1988);Dervanら、Science,2
51:1360(1991))、それによってCHEPOポリペプチドの転写お
よび産生を妨げる。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドは、mRNAに対し
てインビボでハイブリダイズし、そしてCHEPOポリペプチドへのmRNA分
子の翻訳をブロックする(アンチセンス−Okano,Neurochem.,
56:560(1991);Oligodeoxynucleotides a
s Antisense Inhibitors of Gene Expre
ssion(CRC Press:Boca Raton,FL,1988)。
上記のオリゴヌクレオチドは、細胞に送達され得、その結果、アンチセンスRN
AまたはDNAが、CHEPポリペプチドの産生を阻害するようにインビボで発
現され得る。アンチセンスDNAが使用される場合は、翻訳開始部位に由来する
オリゴデオキシヌクレオチド(例えば、標的遺伝子ヌクレオチド配列の約−10
位と+10位の間)が、好ましい。
【0169】 可能性のあるアンタゴニストとしては、活性化部位、レセプター結合部位、ま
たは増殖因子、あるいはCHEPOポリペプチドの他の関連する結合部位に結合
し、それによってCHEPOポリペプチドの正常な生物学的活性をブロックする
低分子が挙げられる。低分子の例としては、小さいペプチドまたはペプチド様分
子(好ましくは、可溶性のペプチド、および合成の非ペプチジル有機化合物また
は無機化合物)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0170】 リボザイムは、RNAの特異的な切断を触媒し得る酵素性のRNA分子である
。リボザイムは、相補性の標的RNAに対する配列特異的なハイブリダイゼーシ
ョン、続く内部核酸溶解性の切断によって作用する。可能性のあるRNA標的中
の特異的なリボザイム切断部位は、公知の技術によって同定され得る。さらなる
詳細については、Rossi,Current Biology,4:469−
471(1994)、およびPCT国際公開番号第WO97/33551号(1
997年9月18日に公開された)を参照のこと。
【0171】 転写を阻害するために使用される三重へリックス形成における核酸分子は、一
本鎖であり、そしてデオキシヌクレオチドから構成されるはずである。これらの
オリゴヌクレオチドの塩基の組成は、それがHoogsteen塩基対合の法則
を通じて三重ヘリックスの形成を促進するように設計される。これらは、一般に
は、二本鎖の一方の鎖上のプリンまたはピリミジンのかなり大きいストレッチを
必要とする。さらなる詳細については、例えば、PCT国際公開番号WO97/
33551号(前出)を参照のこと。
【0172】 これらの低分子は、本明細書中で上記に議論されている任意の1つ以上のスク
リーニングアッセイ、および/または当業者に周知の任意の他のスクリーニング
技術によって同定され得る。
【0173】 (F.抗CHEPO抗体) 本発明はさらに、抗CHEPO抗体を提供する。例示的な抗体としては、ポリ
クローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、二重特異的抗体、および異
種結合体抗体が挙げられる。
【0174】 (1.ポリクローナル抗体) 抗CHEPO抗体は、ポリクローナル抗体を含み得る。ポリクローナル抗体を
調製する方法は、当業者に公知である。ポリクローナル抗体は、哺乳動物中で、
例えば、免疫薬剤および所望される場合には、アジュバントの1回以上の注射に
よって惹起され得る。代表的には、免疫薬剤および/またはアジュバントは、複
数回の皮下または腹腔内注射によって哺乳動物に注射される。免疫薬剤は、CH
EPOポリペプチドまたはその融合タンパク質を含み得る。免疫される哺乳動物
中で免疫原性であることが公知のタンパク質に対して免疫薬剤を結合させること
が有用であり得る。このような免疫原性タンパク質の例としては、キーホールリ
ンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、およびダイズ
トリプシンインヒビターが挙げられるが、これらに限定されない。使用され得る
アジュバントの例としては、フロイトの完全なアジュバント、およびMPL−T
DMアジュバント(モノホスホリル脂質A、合成のトレハロースジコリノミコレ
ート(dicorynomycolate))が挙げられる。免疫プロトコール
は、過度の実験を行うことなく、当業者によって選択され得る。
【0175】 (2.モノクローナル抗体) 抗CHEPO抗体は、あるいは、モノクローナル抗体であり得る。モノクロー
ナル抗体は、KohlerおよびMilstein,Nature,256:4
95(1975)によって記載されているような、ハイブリドーマ方法を使用し
て調製され得る。ハイブリドーマ方法においては、マウス、ハムスター、または
他の適切な宿主動物が、代表的には、抗体を産生するかまたは抗体を産生し得る
リンパ球を誘発する免疫薬剤で免疫される。これらは、免疫薬剤に対して特異的
に結合する。あるいは、リンパ球は、インビトロで免疫され得る。
【0176】 免疫薬剤は、代表的には、CHEPOポリペプチドまたはその融合タンパク質
を含む。一般には、末梢血リンパ球(「PBL」)が、ヒト起源の細胞が所望さ
れる場合には使用されるか、または脾臓細胞もしくはリンパ節細胞が、非ヒト哺
乳動物供給源が所望される場合には使用されるかのいずれかである。次いで、リ
ンパ球は、適切な融合剤(例えば、ハイブリドーマ細胞を形成するためのポリエ
チレングリコール)を使用して、不死化細胞株と融合される(Goding,M
onoclonal Antibodies:Principles and
Practice,Academic Press,(1986)、59−10
3頁)。不死化細胞株は、通常は、形質転換された哺乳動物細胞であり、特に、
げっ歯類、ウシ、およびヒト起源の骨髄腫細胞である。通常は、ラットまたはマ
ウスの骨髄腫細胞株が使用される。ハイブリドーマ細胞は、好ましくは、融合さ
れていない不死化細胞の増殖または生存を阻害する1つ以上の物質を含有する、
適切な培養培地中で培養され得る。例えば、親細胞が、酵素であるヒポキサンチ
ングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)を
欠失している場合は、ハイブリドーマのための培養培地は、代表的には、ヒポキ
サンチン、アミノプテリン、およびチミジンを含む(「HAT培地」)。これら
の物質は、HGPRT欠損細胞の増殖を妨げる。
【0177】 好ましい不死化細胞株は、効率よく融合し、選択された抗体を産生する細胞に
よる抗体の安定な高レベルの発現を支持する細胞株であり、そしてこれらは、H
AT培地のような培地に対して敏感である。より好ましい不死化細胞株は、マウ
スの骨髄腫株である。これらは、例えば、Salk Institute Ce
ll Distribution Center,San Diego,Cal
ifornia およびアメリカンタイプカルチャーコレクション、Manas
sas,Virginiaから入手することができる。ヒトの骨髄腫およびマウ
ス−ヒトのヘテロ骨髄腫細胞株もまた、ヒトのモノクローナル抗体の産生につい
て記載されている(Kozbor,J.Immunol.,133:3001(
1984);Brodeurら、Monoclonal Antibody P
roduction Techniques and Application
s,Marcel Dekker,Inc.,New York,(1987)
、51−63頁)。
【0178】 ハイブリドーマ細胞が培養される培養培地は、次いで、CHEPOに対して指
向されたモノクローナル抗体の存在についてアッセイされ得る。好ましくは、ハ
イブリドーマ細胞によって産生されたモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫
沈降によって、またはインビトロでの結合アッセイ(例えば、ラジオイムノアッ
セイ(RIA)もしくは酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によって決定
される。このような技術およびアッセイは、当該分野で公知である。モノクロー
ナル抗体の結合親和性は、例えば、MunsonおよびPollard,Ana
l,Biochem.,107:220(1980)のScatchard分析
によって決定され得る。
【0179】 所望されるハイブリドーマ細胞が同定された後、クローンは、限界稀釈手順に
よってサブクローン化され得、そして標準的な方法によって増殖させられ得る(
Goding、前出)。この目的についての適切な培養培地としては、例えば、
ダルベッコ改変イーグル培地およびRPMI−1640培地が挙げられる。ある
いは、ハイブリドーマ細胞は、哺乳動物中で腹水としてインビボで増殖され得る
【0180】 サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、培養培地から単離ま
たは精製され得るか、あるいは例えば、プロテインA−Sepharose,ヒ
ドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、またはアフィ
ニティークロマトグラフィーのような、従来の免疫グロブリン精製手順によって
腹水液から単離または精製され得る。
【0181】 モノクローナル抗体はまた、米国特許第4,816,567号に記載されてい
るような組換えDNA方法によって作製され得る。本発明のモノクローナル抗体
をコードするDNAは、従来手順を使用して容易に単離されそして配列決定され
得る(例えば、マウスの抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子に対して特異
的に結合し得るオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)。本発明
のハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好ましい供給源として作用する。
一旦単離されると、DNAは、発現ベクター中に配置され得、これは次いで、サ
ルのCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細
胞(これらはそうでなければ免疫グロブリンタンパク質を産生しない)のような
宿主細胞中に、組換え宿主細胞中でモノクローナル抗体の合成を得るために、ト
ランスフェクトされる。DNAはまた、例えば、相同なマウスの配列の代わりに
、ヒトの重鎖および軽鎖の定常ドメインのコード配列で置きかえることによって
(米国特許第4,816,567号;Morrisonら、前出)、あるいは、
非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の全てまたは一部を、免疫グロブリ
ンのコード配列に対して共有的に連結することによって、改変され得る。このよ
うな非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常ドメインで置換され
得るか、またはキメラの二価抗体を作製するために、本発明の抗体の1つの抗原
結合部位の可変ドメインで置換され得る。
【0182】 抗体は、一価の抗体であり得る。一価の抗体を調製するための方法は、当該分
野で周知である。例えば、1つの方法としては、免疫グロブリン軽鎖および改変
された重鎖の組換え発現が挙げられる。重鎖は、一般には、重鎖の架橋を防ぐた
めに、Fc領域中の任意の点で短縮される。あるいは、関連するシステイン残基
が、別のアミノ酸残基で置換されるか、または架橋を防ぐように欠失させられる
【0183】 インビトロでの方法もまた、一価の抗体を調製するために適切である。そのフ
ラグメント(特に、Fabフラグメント)を産生するための抗体の設計は、当該
分野で公知の慣用的な技術を使用して達成され得る。
【0184】 (3.ヒト抗体およびヒト化抗体) 本発明の抗CHEPO抗体はさらに、ヒト化抗体またはヒト抗体を含み得る。
非ヒト(例えば、マウス)抗体のヒト化形態は、キメラの免疫グロブリン、免疫
グロブリン鎖、またはそれらのフラグメント(例えば、Fv、Fab、Fab’
、F(ab’)2、または抗体の他の抗原結合サブ配列)である。これらは、非
ヒト免疫グロブリンに由来する最小の配列を含む。ヒト化抗体としては、ヒトの
免疫グロブリン(レシピエント抗体)(その中で残基が、レシピエントの相補性
決定領域(CDR)を形成する)が、所望される特異性、親和性、および能力を
有している非ヒト種(例えば、マウス、ラット、またはウサギ)のCDR(ドナ
ー抗体)に由来する残基で置換される。いくつかの例においては、ヒトの免疫グ
ロブリンのFvフレームワーク残基は、対応する非ヒト残基によって置き換えら
れる。ヒト化抗体はまた、レシピエント抗体、および導入されたCDRまたはフ
レームワーク配列中のいずれにも見出されない残基を含み得る。一般には、ヒト
化抗体は、少なくとも1つの、そして代表的には2つの可変ドメインを実質的に
全て含む。ここでは、非ヒト免疫グロブリンのものに対応する全てのまたは実質
的に全てのCDR領域、およびFR領域の全てまたは実質的に全てが、ヒト免疫
グロブリンのコンセンサス配列のものである。ヒト化抗体はまた、最適には、免
疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、代表的には、ヒト免疫グロブ
リンの少なくとも一部を含む(Jonesら、Nature,321:522−
525(1986);Riechmannら、Nature,332:323−
329(1988);およびPresta,Curr.Op.Struct.B
iol.,2:593−596(1992))。
【0185】 非ヒト抗体をヒト化するための方法は、当該分野で周知である。一般には、ヒ
ト化抗体は、非ヒト供給源に由来するそれに導入された1つ以上のアミノ酸残基
を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、「輸入」残基と呼ばれる
。これらは代表的には、「輸入」可変ドメインから得られる。ヒト化は、本質的
には、Winterおよび共同研究者らの方法に従って、ヒト抗体の対応する配
列でげっ歯類のCDR配列を置換することによって、行われ得る(Jonesら
、Nature、321:522−525(1986);Richmannら、
Nature,332:323−327(1988);Verhoeyenら、
Science,239:1534−1536(1988))。従って、このよ
うな「ヒト化」抗体は、キメラ抗体である(米国特許第4,816,567号)
。ここでは、実質的に完全ではないヒトの可変ドメインが、非ヒト種に由来する
対応する配列によって置換されている。実際、ヒト化抗体は、代表的には、その
中のいくつかのCDR残基および可能性のあるいくつかのFR残基が、げっ歯類
の抗体中の同様の部位に由来する残基によって置換されているヒト抗体である。
【0186】 ヒト抗体はまた、ファージディスプレイライブラリーを含む、当該分野で公知
の種々の技術を使用して産生され得る(HoogenboomおよびWinte
r,J.Mol.Biol.,227:381(1991);Marksら、J
.Mol.Biol.,222:581(1991))。ColeらおよびBo
ernerらの技術もまた、ヒトのモノクローナル抗体の調製のために利用可能
である(Coleら、Monoclonal Antibodies and
Cancer Therapy,Alan R.Liss、77頁(1985)
およびBoernerら、J.Immunol.,147(1):86−95(
1991))。同様に、ヒト抗体は、トランスジェニック動物(例えば、内因性
の免疫グロブリン遺伝子が部分的または完全に不活化されているマウス)にヒト
の免疫グロブリン遺伝子座を導入することによって、作製され得る。チャレンジ
の際には、ヒト抗体の産生が観察され、これは、遺伝子の再配置、アセンブリ、
および抗体のレパートリーを含む全ての点においてヒトで見られるものに非常に
類似している。このアプローチは、例えば、米国特許第5,545,807号;
同第5,545,806号;同第5,569,825号;同第5,625,12
6号;同第5,633,425号;同第5,661,016号、および以下の科
学文献に記載されている:Marksら、Bio/Technology 10
,779−783(1992);Lonbergら、Nature 368、8
56−859(1994);Morrison,Nature 368,812
−813(1994);Fishwildら、Nature Biotechn
ology 14,845−51(1996);Neuberger,Natu
re Biotechnology 14,826(1996);Lonber
gおよびHuszar,Intern.Rev.Immunol.13:65−
93(1995)。
【0187】 (4.二重特異的抗体) 二重特異的抗体は、モノクローナル抗体(好ましくは、ヒト抗体またはヒト化
抗体)である。これは、少なくとも2つの異なる抗原に対して結合特異性を有す
る。この場合においては、1つの結合特異性は、CHEPOに対してであり、他
方は、任意の他の抗原に対して、そして好ましくは、細胞表面タンパク質または
レセプターまたはレセプターサブユニットに対してである。
【0188】 二重特異的抗体を作製するための方法は、当該分野で公知である。伝統的には
、二重特異的抗体の組換え産生は、2つの免疫グロブリン重鎖/軽鎖対の同時発
現に基づく。ここでは、2つの重鎖は異なる特異性を有する(Milstein
およびCuello、Nature,305:537−539(1983))。
免疫グロブリン重鎖および軽鎖のランダムな組合せに起因して、これらのハイブ
リドーマ(クアドローマ)は、10個の異なる抗体分子の可能性のある混合物を
生じる。これらのうちの1つだけが、正確な二重特異的構造を有する。正確な分
子の精製は、通常は、アフィニティークロマトグラフィー工程によって達成され
る。同様の手順が、1993年5月13日に公開された第WO93/08829
号、およびTrauneckerら、EMBO J.,10:3655−365
9(1991)に開示されている。
【0189】 所望される結合特異性を有する抗体の可変ドメイン(抗体−抗原結合部位)は
、免疫グロブリンの定常ドメイン配列に対して融合され得る。融合体は、好まし
くは、ヒンジ、CH2、およびCH3領域の少なくとも一部を含む、免疫グロブ
リン重鎖の定常ドメインを有する。融合体の少なくとも1つの中に存在している
軽鎖の結合に必要な部位を含む第1の重鎖定常領域(CH1)を有することが、
好ましい。免疫グロブリン重鎖融合体(および、所望される場合には、免疫グロ
ブリン軽鎖)をコードするDNAは、別の発現ベクター中に挿入され、そして適
切な宿主生物体中に同時トランスフェクトされる。二重特異的抗体の生成のさら
なる詳細については、例えば、Sureshら、Methods in Enz
ymology,121:210(1986)を参照のこと。
【0190】 第WO96/27011号に記載されている別のアプローチに従うと、抗体分
子の対の間の境界は、組換え細胞培養物から回収されるヘテロ二量体の割合を最
大にするように操作され得る。好ましい境界は、抗体の定常ドメインのCH3領
域の少なくとも一部を含む。この方法においては、第1の抗体分子の境界に由来
する1つ以上の小さいアミノ酸側鎖が、より大きな側鎖(例えば、チロシンまた
はトリプトファン)で置換される。大きな側鎖と同一であるかまたはそれと同様
の大きさを補う孔が、より小さい側鎖(例えば、アラニンまたはスレオニン)で
より大きなアミノ酸側鎖を置換することによって、第2の抗体分子の境界上に作
製される。これによって、ホモ二量体のような、他の所望されない最終生成物を
上回るヘテロニ量体の収量を増大させるための機構を提供する。
【0191】 二重特異的抗体は、全長の抗体または抗体フラグメント(例えば、F(ab) 2 二重特異的抗体)として調製され得る。抗体フラグメントから二重特異的抗体
を生成するための技術は、文献に記載されている。例えば、二重特異的抗体は、
化学的な連結を使用して調製され得る。Brennanら、Science 2
29:81(1985)は、インタクトな抗体がタンパク質分解によって切断さ
れてF(ab)2フラグメントを生じる手順を記載する。これらのフラグメント
は、近隣のジチオールを安定化させ、そして分子内ジスルフィド形成を防ぐため
に、ジチオールを複合体化する薬剤である亜ヒ酸ナトリウムの存在化で還元され
る。生成されたFabフラグメントは、次いで、チオニトロベンゾエート(TN
B)誘導体に転換される。Fab−TNB誘導体の1つが、次いで、メルカプト
エチルアミンでの還元によってFab−チオールに再転換され、そして二重特異
的抗体を形成するように等量の他のFab−TNB誘導体と混合される。産生さ
れた二重特異的抗体は、酵素の選択的な固定化のための薬剤として使用され得る
【0192】 Fabフラグメントは、E.coliから直接回収され得、そして二重特異的
抗体を形成するように化学的にカップリングされ得る。Shalabyら、J.
Exp.Med.175:217−225(1992)は、完全にヒト化された
二重特異的抗体F(ab)2分子の産生を記載している。それぞれのFabフラ
グメントは、E.coliから別々に分泌され、そして二重特異的抗体を形成す
るようにインビトロでの直接的な化学的なカップリングに供される。このように
形成された二重特異的抗体は、ErbB2レセプターを過剰に発現する細胞およ
び正常なヒトのT細胞に対して結合し得、そしてヒトの乳房腫瘍細胞標的に対し
てヒトの細胞傷害性のリンパ球の溶解活性を誘発する。
【0193】 組換え細胞培養物から直接二重特異的抗体フラグメントを作製しそして単離す
るための種々の技術もまた、記載されている。例えば、二重特異的抗体は、ロイ
シンジッパーを使用して産生されている。Kostelnyら、J.Immun
ol.148(5):1547−1553(1992)。FosおよびJunタ
ンパク質に由来するロイシンジッパーペプチドは、遺伝子融合によって、2つの
異なる抗体のFab部分に対して連結された。抗体のホモ二量体は、ヒンジ領域
で還元されて単量体を形成し、そして次いで、抗体のヘテロニ量体を形成するよ
うに再度酸化された。この方法はまた、抗体ホモ二量体の産生のためにも利用さ
れ得る。Hollingerら、Proc.Natl.Acad.Sci.US
A 90:6444−6448(1993)によって記載されているダイアボデ
ィー技術は、二重特異的抗体フラグメントを作製するための別の機構を提供する
。フラグメントは、同じ鎖上の2つのドメイン間での対合を可能にするには短す
ぎるリンカーによって軽鎖可変ドメイン(VL)に連結された重鎖可変ドメイン
(VH)を含む。従って、1つのフラグメントのVHおよびVLドメインが、別の
フラグメントの相補的なVLおよびVHドメインと対合し、それによって2つの抗
原結合部位を形成するするように仕向けられる。単鎖Fv(sFv)二量体の使
用により二重特異的抗体を作製するための別のストラテジーもまた、報告されて
いる。Gruberら、J.Immunol.152:5368(1994)。
【0194】 2つを超える結合価を有する抗体が意図される。例えば、三重特異的抗体が調
製され得る。Tuttら、J.Immunol.147:60(1991)。
【0195】 例示的な二重特異的抗体は、本明細書中の所定のCHEPOポリペプチド上の
2つの異なるエピトープに結合し得る。あるいは、抗CHEPOポリペプチドア
ームが、T細胞レセプター分子(例えば、CD2、CD3、CD28、またはB
7)、またはIgGのFcレセプター(Fc R)(例えば、FcRI(CD6
4)、Fc RII(CD32)、およびFc RIII(CD16)のような
、白血球上の分子を誘発するように結合するアームと結合され得る。その結果、
細胞は、特定のCHEPOポリペプチドを発現する細胞に対する細胞性の防御機
構に対して集中されられる。二重特異的抗体はまた、特定のCHEPOポリペプ
チドを発現する細胞に対して細胞傷害性薬剤を局在化させるために使用され得る
。これらの抗体は、CHEPO結合アーム、およびEOTUBE、DPTA、D
OTA、またはTETAのような細胞傷害性薬剤または放射性核種キレーターに
結合するアームを保有する。目的の別の二重特異的的抗体は、CHEPOポリペ
プチドに結合し、そしてさらに組織因子(TF)に結合する。
【0196】 (5.ヘテロ結合体抗体) ヘテロ結合体抗体もまた、本発明の範囲内である。ヘテロ結合体抗体は、2つ
の共有的に連結された抗体から構成される。このような抗体は、例えば、所望さ
れない細胞に対して免疫システムの細胞を標的化するため(米国特許第4,67
6,980号)、そしてHIV感染の処置のため(第WO91/00360号;
同第WO92/200373号;第EP 03089号)に提案されている。抗
体が、架橋剤を含む方法を含む、合成タンパク質化学における公知の方法を使用
してインビトロで調製され得ることが意図される。例えば、免疫毒素は、ジスル
フィド交換反応を使用して、またはチオエーテル結合を形成することによって、
構築され得る。この目的のための適切な試薬の例としては、イミノチオレートお
よびメチル−4−メルカプトブチルイミデート、ならびに、例えば、米国特許第
4,676,980号に開示されている試薬が挙げられる。
【0197】 (6.エフェクター機能の操作) 例えば、ガンの処置における抗体の有効性を増強するために、エフェクター機
能に関して本発明の抗体を改変することが所望され得る。例えば、システイン残
基が、Fc領域に導入され得、それによってこの領域中での鎖間ジスルフィド結
合形成を可能にする。このように生成されたホモ二量体抗体は、改善されたイン
ターナライゼーション能力、ならびに/または増大させられた補体によって媒介
された細胞殺傷、および抗体依存性の細胞性細胞傷害性(ADCC)を有し得る
。Caronら、J.Exp.Med.176:1191−1195(1992
)およびShopes,J.Immunol.148:2918−2922(1
9952)を参照のこと。増強された抗腫瘍活性を有するホモ二量体抗体もまた
、Wolffら、Cancer Research,53:2560−2565
(1993)に記載されているようなヘテロ二官能性の架橋リンカーを使用して
調製され得る。あるいは、二重のFc領域を有し、そしてそれによって増強され
た補体溶解およびADCC能力を有し得る抗体が、操作され得る。Steven
sonら、Anti−Cancer Drug Design,3:219−2
30(1989)を参照のこと。
【0198】 (7.免疫結合体) 本発明はまた、化学療法剤、毒素(例えば、酵素的に活性である、細菌、真菌
、植物、または動物起源の毒素、あるいはそれらのフラグメント)あるいは放射
活性な同位元素(例えば、放射活性結合体)のような細胞傷害性の薬剤に対して
結合体化した抗体を含む、免疫結合体に関する。
【0199】 このような免疫結合体の生成に有用な化学療法剤が、上記に記載されている。
使用され得る酵素的に活性な毒素およびそれらのフラグメントとしては、以下が
挙げられる:ジフテリアのA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性フラグメント、エ
キソトキシンA鎖(Pseudomonas aeruginosa由来)、リ
シンA鎖、アブリンA鎖、モデシン(modecin)A鎖、α−サリシン、A
leurites fordiiタンパク質、ジアンチン(dianthin)
タンパク質、Phytolaca americanaタンパク質(PAPI、
PAPII、およびPAP−S)、momordica charantiaイ
ンヒビター、カルシン(carcin)、クロチン(crotin)、sapa
onaria officinalisインヒビター、ゲロニン、ミトギリン(
mitogelin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェ
ノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)、お
よびトリコセシン(tricothecene)。種々の放射性核種が、放射活
性を結合された抗体の産生に利用可能である。例としては212Bi、131I、131
In、90Y、および186Reが挙げられる。
【0200】 抗体と細胞傷害性薬剤との結合体は、種々の二官能性タンパク質カップリング
剤(例えば、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオール)プロピオ
ネート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導
体(例えば、ジメチルアジピミデート(dimethyladipimidat
e)(HCL))、活性なエステル(例えば、ジスクリンイミジルスベレート)
、アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド)、ビス−アジド化合物(例えば、
ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス−ジアゾニウム誘導体
(例えば、ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミン)、ジイ
ソシアネート(例えば、トルエン2,6−ジイソシアネート)、およびビス活性
フッ素化合物(例えば、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン))を
使用して作製される。例えば、リシン免疫毒素は、Vitettaら、Scie
nce,238:1098(1987)に記載されているように調製され得る。
炭素−14−標識1−イソチオシアネートベンジル−3−メチルジエチレントリ
アミンペンタ酢酸(MX−DTPA)が、抗体に対する放射性核種の結合のため
の例示的なキレート剤である。第WO94/11026号を参照のこと。
【0201】 別の実施形態においては、抗体は、腫瘍の予備標的化における利用のための「
レセプター」(例えば、ストレプトアビジン)に対して結合され得る。ここでは
、抗体−レセプター結合体が患者に対して投与され、続いて、キレート剤を使用
して循環から結合していない結合体が除去され、次いで、細胞傷害性薬剤(例え
ば、放射性核種)に対して結合させられた「リガンド」(例えば、アビジン)の
投与が行われる。
【0202】 (8.免疫リポソーム) 本明細書中に開示されている抗体はまた、免疫リポソームとして処方され得る
。抗体を含有するリポソームが、Epsteinら、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA,82:3688(1985);Hwangら、Proc
.Natl.Acad.Sci.USA,77:4030(1098);ならび
に米国特許第4,485,045号、および同第4,544,545号に記載さ
れているように、当該分野で公知の方法によって調製される。循環時間が増強さ
れたリポソームが、米国特許第5,013,556号に開示されている。
【0203】 特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール、およびP
EGで誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含有する脂
質組成物を用いて、逆相蒸発方法によって生成され得る。リポソームは、所望さ
れる直径を有するリポソームを得るために、規定された孔の大きさのフィルター
を通じて押し出される。本発明の抗体のFab’フラグメントは、Martin
ら、J.Biol.Chem.,257:286−288(1982)に記載さ
れているように、ジスルフィド鎖間反応を通じてリポソームに対して結合体化さ
れ得る。化学療法剤(例えば、ドキソルビシン)が、必要に応じて、リポソーム
中に含まれる。Gabizonら、J.National Cancer In
st.,81(19):1484(1989)を参照のこと。
【0204】 (9.抗体の薬学的組成物) 本明細書中で同定されたCHEPOポリペプチドに特異的に結合する抗体、な
らびに本明細書中で上記で開示されるスクリーニングアッセイによって同定され
た他の分子が、薬学的組成物の形態で種々の障害の処置のために投与され得る。
【0205】 CHEPOポリペプチドが細胞内にあり、そして抗体全体がインヒビターとし
て使用される場合は、インターナライズ抗体は好ましい。しかし、リポフェクシ
ョンまたはリポソームもまた、細胞中に抗体または抗体フラグメントを送達する
ために使用され得る。抗体フラグメントが使用される場合は、標的タンパク質の
結合ドメインに特異的に結合する最も小さい阻害性フラグメントが好ましい。例
えば、抗体の可変領域の配列に基づいて、標的タンパク質配列に結合する能力を
保持しているペプチド分子が設計され得る。このようなペプチドは、化学的に合
成され得、および/または組換えDNA技術によって産生され得る。例えば、M
arascoら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:78
89−7893(1993)を参照のこと。本明細書中の処方物もまた、処置さ
れる特定の指標に必要である場合、1つを超える活性な化合物(好ましくは、互
いに有害な影響を与えない相補活性を有する化合物)を含み得る。あるいは、ま
たはさらに、組成物は、その機能を増強する薬剤(例えば、細胞傷害性薬剤、サ
イトカイン、化学療法剤、または増殖阻害因子)を含み得る。このような分子は
、意図される目的のために有効である量で組合せられて、適切に存在する。
【0206】 有効成分はまた、例えば、コアセルベーション技術によって、または境界の重
合(例えば、それぞれ、ヒドロキシメチルセルロース、またはゼラチンマイクロ
カプセル、およびポリ−(メチルメタクリレート)マイクロカプセル)によって
調製されたマイクロカプセル中に、コロイド状薬物送達システム(例えば、リポ
ソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、およ
びナノカプセル)中に、またはマイクロエマルジョン中に捕捉され得る。このよ
うな技術は、Remington’s Pharmaceutical Sci
ences、前出に開示されている。
【0207】 インビボでの投与に使用される処方物は、滅菌でなければならない。これは、
滅菌の濾過膜を通じた濾過によって容易に達成される。
【0208】 徐放調製物が調製され得る。徐放調製物の適切な例としては、抗体を含む固体
の疎水性ポリマーの半透性のマトリックスが挙げられる。このマトリクスは、例
えば、フィルムまたはマイクロカプセルのような、成形された物の形態である。
徐放マトリックスの例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2
−ヒドロキシエチル−メタクリレート)、またはポリ(ビニルアルコール))、
ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸およびエ
チル−L−グルタミン酸のコポリマー、非分解性のエチレンビニルアセテート、
分解性の乳酸−グリコール酸コポリマー(例えば、LUPRON DEPOT(
登録商標))(乳酸−グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドから構成
される注射可能なマイクロスフェア)、およびポリ−D−(−)−3−ヒドロキ
シ酪酸が挙げられる。エチレン−ビニルアセテートおよび乳酸−グリコール酸の
ようなポリマーは、100日を越えて分子を放出することが可能であるが、特定
のヒドロゲルは、より短い期間の間タンパク質を放出する。カプセル化された抗
体が長期間の間体内に留まる場合は、これらは、37℃で水分に対する暴露の結
果として、変性し得るかまたは凝集し得、それによって生物学的活性の欠失およ
び免疫原性における可能性のある変化を生じる。合理的なスラテジーが、関与す
る機構に依存して安定化のために考案され得る。凝集機構が例えば、チオ−ジス
ルフィド交換を通じた分子内S−S結合の形成であると発見される場合は、安定
化は、スルフヒドリル残基を改変すること、酸性の溶液から凍結乾燥させること
、水分含有量を制御すること、適切な添加剤を使用すること、および特異的なポ
リマーマトリックス組成物を開発することによって達成され得る。
【0209】 (G.抗CHEPO抗体の使用) 本発明の抗CHEPO抗体は、種々の有用性を有する。例えば、抗CHEPO
抗体は、CHEPOの診断アッセイ(例えば、特定の細胞、組織、または血清中
でのその発現を検出すること)において使用され得る。当該分野で公知の種々の
診断アッセイ技術(例えば、競合結合アッセイ、直接または間接的なサンドイッ
チアッセイ、および不均質な相または均質な相のいずれかの中で行われる免疫沈
降アッセイ)が使用され得る。(Zola,Monoclonal Antib
odies:A Manual of Techniques,CRC Pre
ss,Inc.(1987)、147−158頁)。診断アッセイにおいて使用
される抗体は、検出可能な部分を用いて標識され得る。検出可能な部分は、直接
または間接的に、検出可能なシグナルを産生し得るはずである。例えば、検出可
能な部分は、放射性同位体(例えば、3H、14C、32P、35S、または125I)、
蛍光、または化学発光化合物(例えば、フルオレセインイソチオシアネート、ロ
ーダミン、またはルシフェリン)、あるいは酵素(例えば、アルカリホスファタ
ーゼ、β−ガラクトシダーゼ、または西洋ワサビペルオキシダーゼ)であり得る
。検出可能な部分に対して抗体を結合体化するための当該分野で公知の任意の方
法が使用され得る。これらとしては、Hunterら、Nature,144:
945(1962);Davidら、Biochemistry,13:101
4(1974);Painら、J.Immunol.Meth.,40:219
(1981);およびNygren,J.Histochem.and Cyt
ochem.,30:407(1982)によって記載されている方法が挙げら
れる。
【0210】 抗CHEPO抗体はまた、組換え細胞培養物または天然の供給源からのCHE
POのアフィニティー精製のために有用である。このプロセスにおいては、CH
EPOに対する抗体は、適切な支持体(例えば、Sephasex樹脂または濾
紙)上に、当該分野で周知の方法を使用して固定化される。次いで、固定化され
た抗体は、精製されるCHEPOを含むサンプルと接触させられ、その後、支持
体が、固定された抗体に結合させられていCHEPOを除く、サンプル中の実質
的に全ての材料を除去する適切な溶媒で洗浄される。最後に、支持体が、抗体か
らCHEPOを解離させる別の適切な溶媒で洗浄される。
【0211】 以下の実施例は、説明の目的のみのために与えられ、そしていかなる方法にお
いても本発明の範囲を限定することは意図されない。
【0212】 本明細書中に引用されている全ての特許および参考文献は、それらの全体にお
いて参考として本明細書中で援用されている。
【0213】 (実施例) 本実施例において言及する市販の試薬は、特に記載していない場合を除き、製
造業者の使用説明書に従って使用した。以下の実施例中および本明細書中全体を
通してATCC受託番号により示す細胞の供給源は、アメリカンタイプカルチャ
ーコレクション(Manassas,VA)である。
【0214】 (実施例1:CHEPOをコードする核酸の単離) 製造業者の使用説明書に推奨されるように、Qiagenキット(cat#1
0262)を用いて、2種のチンパンジーの細胞株(ATCC CRL 160
9およびCRL 1857)よりゲノムDNAを単離した。次いで、チンパンジ
ーEpo遺伝子を、鋳型として1gのゲノムDNAおよび以下のプライマー対を
用いたPCRによって、3つの異なるフラグメント上で得た。EPO.F : 5'−ACCGCGCCCCCTGGACAG−3'(配列番号1
2)EPO.INT1.R : 5'−CATCCACTTCTCCGGCCAAAC
TTCA−3'(配列番号13)EPO.INT1F : 5'−TTTGGCCGGAGAAGTGGATGC−
3'(配列番号14)EPO.INT4R :5’−TCACTCACTCACTCATTCATTCA
TTCATTCA−3’(配列番号15)EPO.INT4F :5’−GTTGAATGAATGATTGAATGAAT
GAGTGA−3’(配列番号16)EPO.R :5’−GCACTGGAGTGTCCATGGGACAG−3’(
配列番号17) 各PCRの反応系を、10×PCR緩衝液(Perkin Elmer)を5
l、dNTP(20mM)を1l、ゲノムDNAを1g、各プライマー対を1l
、Taqポリメラーゼ(Clontech)を1l含み、H2Oで全体積を50
lにした。反応はまず94℃で4分変性させた後、94℃で1分、65℃もしく
は66℃で1分、72℃で1分の伸長を40回繰り返して増幅した。最後に72
℃で5分の伸長工程を行った。次いで、反応物をアガロースゲルを用いて分析し
た。それぞれ500bp、1200bp、および750bpのPCR産物が観察
された。次いで、PCR反応物を、Wizard kit(Promega c
at# A7170)を用いて精製した後、直接配列決定を行った。PCR産物
のDNA配列決定は、Applied Biosystems 377 DNA
Sequencer(PE/Applied Biosystems,Fos
ter City,CA)を用いて行った。用いた化学反応は、dRhodam
ineおよびBIG DYEターミネーター(PE/Applied Bios
ystems,Foster City,CA)を用いる色素ターミネーターサ
イクル配列決定法(DYE Terminator Cycle Sequen
cing)であった。配列アセンブリおよび編集はSequencher so
ftware(Gene Codes,Ann Arbor,MI)で行った。
【0215】 ヒトエリスロポエチンの配列との相同性によって5つのエキソンコードを同定
し、推定全長cDNAへと組み立てた。CHEPO cDNAのコード領域は5
79bpヌクレオチド長(図1)で193アミノ酸の推定タンパク質をコードす
る(図3)。また22、24、27番目のアミノ酸残基の後ろに予測される3つ
の推定シグナル切断部位がある。ヒトEpoのN末端配列と一致すると、おそら
く、最後のものがチンパンジーEpoの切断部位に対応する。疎水性の27アミ
ノ酸のシグナルペプチドの後ろに3つの推定Nグリコシル化部位を含む166ア
ミノ酸長の成熟タンパクを有する。CRL1609から得た推定配列中には1ヌ
クレオチド多型が存在しており、これは142位のアミノ酸をQからKへとタン
パク質配列を変更する。チンパンジーEpoタンパクとヒトEpoの配列とを整
列させると84番目のアミノ酸がただ1つ異なっていることを示す(図3)。
【0216】 (実施例2:ハイブリダイゼーション用プローブとしてのCHEPO cDN
Aの使用) 以下の方法はハイブリダイゼーション用プローブとしてのCHEPOをコード
するヌクレオチド配列の使用を記載する。
【0217】 ヒト組織cDNAライブラリー中もしくはヒト組織ゲノムライブラリー中にお
ける相同なDNA(CHEPOの天然の改変体をコードするもの)のスクリーニ
ング用プローブとして、全長もしくは成熟CHEPO(図2の配列番号3に示す
)のコード配列を含むDNAを利用する。
【0218】 いずれかのDNAライブラリーを含むフィルターのハイブリダイゼーションお
よび洗浄は以下の高ストリンジェンシー条件下で行う。放射性標識したCHEP
O由来のプローブのフィルターへのハイブリダイゼーションは50%ホルムアミ
ド、5×SSC、0.1% SDS、0.1% ピロリン酸ナトリウム、50m
M リン酸ナトリウム、pH6.8、2×デンハルト溶液そして10% 硫酸デ
キストラン中、42℃で20時間行う。フィルターの洗浄を、0.1×SSCお
よび0.1% SDSを含む水溶液中、42℃で行う。
【0219】 次いで、ネイティブなCHEPO全長配列をコードするDNAと所望の配列同
一性を有するDNAは、当該分野で公知の標準的な技術を用いて同定できる。
【0220】 (実施例3:E.coliにおけるCHEPOの発現) 本実施例では、E.coliにおける組み換え発現による非グリコシル化型C
HEPOの調製について示す。
【0221】 まず、選択したPCRプライマーを用いてCHEPOをコードするDNA配列
(図3)を増幅する。プライマーは選択した発現ベクター上の制限酵素部位に対
応する制限酵素部位を含むべきである。種々の発現ベクターが使用可能である。
適したベクターの例は、アンピシリンおよびテトラサイクリン耐性遺伝子を含む
pBR322(E.coli由来:Balivarら,Gene,2:95(1
977)参照)である。ベクターを制限酵素で消化し、脱リン酸化する。次いで
、PCR増幅した配列をベクター中に連結する。好ましくは、ベクターは抗生物
質耐性遺伝子をコードする配列、trpプロモーター、ポリHisリーダー(最
初の6個のSTIIコドン、ポリHis配列、エンテロキナーゼ切断部位を含む
)、CHEPOコード領域、λ転写ターミネーター、そしてargU遺伝子を含
む。
【0222】 次いで、連結混合物を、Sambrookら(前出)に示されている方法を用
いて、選択したE.coliを形質転換するために使用する。形質転換体を、L
Bプレート上での生育能により同定し、次いで抗生物質耐性コロニーを選択する
。プラスミドDNAを単離し得、そして制限酵素処理およびDNA配列決定によ
って同定し得る。
【0223】 選択したクローンを、抗生物質を含むLBブロスなどの液体培養培地中で一晩
増殖し得る。一晩増殖した培養物を、続いてより大きなスケールの培養へと接種
するために使用する。次いで、細胞を所望の光学密度まで増殖させ、この間に発
現プロモータースイッチが入る。
【0224】 細胞をさらに数時間培養した後、遠心分離により細胞を回収する。遠心分離に
より得られたペレットを当該分野で公知の種々の試薬を用いて可溶化し、次いで
、可溶化したCHEPOタンパク質を、タンパク質が強く結合する条件で金属キ
レートカラムを用いて精製し得る。
【0225】 CHEPOは以下に示す手法を用いてポリHisタグ化形態でE.coliで
発現させ得る。まず、選択したPCRプライマーを用いてCHEPOをコードす
るDNAを増幅する。プライマーは選択した発現ベクター上にある制限酵素部位
に対応する制限酵素部位を有しており、また、効率的かつ信頼性の高い翻訳開始
、金属キレートカラムによる迅速な精製およびエンテロキナーゼによるタンパク
質分解除去を提供する有用な他の配列を含む。次いで、ポリHisタグ化したP
CR増幅した配列を、発現ベクターに連結し、52株(W3110 fuhA(
tonA) lon galE rpoHts(htpRts)clpP(la
clq))に基づいたE.coli宿主を形質転換するために用いる。まず、形
質転換体を、50mg/mlのカルベニシリンを含むLB培地中において30℃
でO.D.600が3〜5になるまで振盪培養する。次いで、培養物をCRAP
培地(3.57g (NH42SO4、0.71g クエン酸ナトリウム2H2
、1.07g KCl、5.36g Difco酵母抽出物、5.36g Sh
effield hycase SFを500mLの水に、110 mMのMP
OS、pH7.3、0.55%(w/v)のグルコースおよび7mMの硫酸マグ
ネシウムを混合することによって調製する)中で50〜100倍に希釈し、30
℃で約20〜30時間振盪培養する。SDS−PAGEで発現を確認するために
、サンプルを取り出し、バルク培養物を遠心分離し、細胞をペレットにする。細
胞のペレットは、精製およびリフォールディングを行うまで凍結保存する。
【0226】 0.5〜1Lの培養物からのE.coliペースト(6〜10gのペレット)
を10容量(w/v)の7M グアニジンを含む20mM Tris緩衝液(p
H8)中に再懸濁する。固体の亜硫酸ナトリウムおよびテトラチオン酸(tet
rathionate)ナトリウムをそれぞれ終濃度0.1Mおよび0.02M
となるように添加し、溶液を4℃で一晩攪拌する。この工程により全てのシステ
イン残基を亜硫酸化(sulfitolization)によって保護された変
性タンパクが生じる。この溶液をBeckman Ultracentrifu
geを用いて40,000rpmで30分遠心分離する。上清を3〜5容量の金
属キレートカラム用緩衝液(6M グアニジン、20mM トリス緩衝液(pH
7.4))で希釈し、0.22ミクロンのフィルターを用いて濾過し、清澄化す
る。清澄化した抽出物を、金属キレートカラム用緩衝液で平衡化した5mlのQ
iagen Ni−NTA金属キレートカラムに供する。カラムを50mMイミ
ダゾール(Calbiochem,Utrol grade),pH 7.4を
含むさらなる緩衝液で洗浄する。250mM イミダゾールを含む緩衝液を用い
てタンパクを溶出させる。所望のタンパク質を含む画分をプールし、4℃で保存
する。タンパク質濃度はそのアミノ酸配列に基づいて計算された吸光係数を用い
て280nmの吸光度より算出する。
【0227】 タンパク質のリフォールディングは、新たに調製した20mM トリス、pH
8.6、0.3M NaCl、2.5M 尿素、5mM システイン、20mM
グリシンおよび1mM EDTAを含むリフォールディング緩衝液中にサンプ
ルをゆっくり希釈して行う。リフォールディング体積はタンパク質の終濃度が5
0〜100μg/mlになるように選択する。リフォールディング溶液は4℃で
12〜36時間緩やかに攪拌する。リフォールディング反応は終濃度0.4%に
なるようTFA(pHは約3)を添加して止める。さらなるタンパク質精製の前
に、溶液を0.22ミクロンのフィルターで濾過し、終濃度2〜10%のアセト
ニトリルを添加する。リフォールディングされたタンパク質はPoros R1
/H 逆相カラムで、移動緩衝液は0.1% TFAを用い、アセトニトリル1
0〜80%のグラジエントにより溶出させるクロマトグラフィーにかける。A2
80の吸光を示す画分のアリコートをSDS−ポリアクリルアミドゲルにより分
析し、均一にリフォールディングされたタンパクはまとめる。一般に正しくリフ
ォールディングされた種のタンパク質のほとんどは、疎水性内部が逆相カラム担
体との相互作用から保護されている最もコンパクトな状態にあるため、最も低い
アセトニトリル濃度で溶出する。凝集した種は通常、高アセトニトリル濃度で溶
出する。ミスフォールドされたタンパク質を所望の形態から分離することに加え
て、逆相工程はまた、エンドトキシンをサンプルから除去する。
【0228】 望ましくフォールドされたCHEPOポリペプチドを含む画分をまとめ、溶液
に緩やかに窒素ガスを注入してアセトニトリルを除去する。タンパク質を0.1
4M 塩化ナトリウムおよび4% マンニトールを含む20mM Hepes,
pH6.8緩衝液で透析するか、もしくはこの緩衝液で平衡化されたG 25
Superfine(Pharmacia)樹脂を用いたゲル濾過カラムにより
処方し、滅菌濾過する。
【0229】 (実施例4:哺乳動物細胞内におけるCHEPOの発現) 本実施例では、哺乳動物細胞内での組み換え発現によって潜在的にグリコシル
化型のCHEPOの調製について示す。
【0230】 発現ベクターとしてベクターpRK5(EP 307,247参照。1989
年3月15日公開)を採用する。必要に応じて、CHEPO DNAは選択した
制限酵素部位でSambrookら(前出)に記載されている連結方法を用いて
pRK5中に連結してCHEPO DNAの挿入を可能にする。得られたベクタ
ーはpRK5−CHEPOと称する。
【0231】 一つの実施形態において、選択した宿主細胞は293細胞であり得る。ヒト2
93細胞(ATCC CCL 1573)は、ウシ胎仔血清、場合により栄養成
分および/もしくは抗生物質を含む培地(例えば、DMEM)で組織培養プレー
ト中でコンフルエントになるまで増殖させる。約10gのpRK5−CHEPO
DNAは、約1gのVA RNA遺伝子をコードするDNA[Thimmap
payaら,Cell,31:543(1982)]と混ぜ、500lの1mM
Tris−HCl、0.1mM EDTA、0.227M CaCl溶液中に
溶解する。この混合物に500lの50mM HEPES(pH7.5)、28
0mM NaCl、1.5mM NaPO4溶液を滴下し、25℃で10分間沈
殿を形成させる。沈殿物を懸濁した後、293細胞に添加し、37℃で約4時間
沈澱させる。培養培地を吸引して除去し、2mlの20%グリセロールPBS溶
液を30秒間で添加する。次いで、293細胞を無血清培地で洗浄し、新たな培
地を添加して細胞を約5日間培養する。
【0232】 トランスフェクションして約24時間、培養培地を除去し、培養培地単独また
は200Ci/ml 35S−システインおよび200Ci/ml 35S−メチオ
ニンを含む培養培地に置き換える。12時間培養した後、馴化培地を集めてスピ
ンフィルターにより濃縮し、15% SDSゲルに供する。処理したゲルを乾燥
し、CHEPOポリペプチドの存在を調べるため、ある決められた時間フィルム
に感光させ得る。トランスフェクションした細胞を含む培養物をさらに(無血清
培地中で)培養し、培地を決められたバイオアッセイにより調べる。
【0233】 別の手法としては、CHEPOをSomparyracら(Proc.Nat
l.Acad.Sci.,12:7575(1981))に記載の硫酸デキスト
ラン法を用いて一過性に293細胞に導入し得る。293細胞をスピナーフラス
コ中で最大濃度まで培養させ、700gのpRK5−CHEPO DNAを添加
する。細胞をまず遠心分離して、スピナーフラスコから濃縮し、PBSで洗浄す
る。DNA−デキストラン沈殿物を菌体ペレット上で4時間インキュベートする
。細胞を20%グリセロールで90秒間処理し、組織培養培地で洗浄し、組織培
養培地、5g/ml ウシインスリンおよび0.1g/mlウシトランスフェリ
ンの入ったスピナーフラスコ中に再び導入する。およそ4日後、馴化培地を遠心
分離し、濾過により細胞、細胞片を除く。次いで、発現したCHEPOを含むサ
ンプルは透析および/もしくはカラムクロマトグラフィーのような任意の選択し
た手法を用いて濃縮および精製する。
【0234】 別の実施形態では、CHEPOをCHO細胞中で発現させ得る。pRK5−C
HEPOはCaPO4またはDEAE−デキストランのような公知の試薬を用い
てCHO細胞中にトランスフェクトし得る。上記のように、細胞培養物をインキ
ュベートし、培地を培養培地(単独)または例えば、放射性標識した35S−メチ
オニンを含む培地で置き換え得る。CHEPOポリペプチドの存在を確認した後
、培養培地を無血清培地に交換し得る。好ましくは、この培養物を、約6日間イ
ンキュベートし、次いで、馴化培地を回収する。次いで、発現したCHEPOを
含む培地を、任意の選択した手法により濃縮、精製する。
【0235】 また、エピトープタグ化CHEPOを宿主CHO細胞中で発現し得る。CHE
POはpRK5ベクターからサブクローニングし得る。サブクローニングした挿
入物を、PCRによってポリHisタグのような選択したエピトータグと共にバ
キュウロウイルス発現ベクターにインフレームで融合させ得る。次いで、ポリH
isタグ化CHEPO挿入物を、DHFRなどの選択マーカーを含むSV40由
来のベクター中に安定したクローンを選択するためにサブクローニングし得る。
最後に、CHO細胞を(前述のように)SV40由来ベクターとトランスフェク
ションし得る。前述のように発現を確認するために標識してもよい。次いで、発
現させたポリHisタグ化CHEPOを含む培養培地を、Ni2+キレートアフィ
ニティークロマトグラフィーのような種々の選択した手法を用いて濃縮および精
製し得る。
【0236】 また、CHEPOは一過性の発現手法によってCHO細胞および/もしくはC
OS細胞中、また別の安定な発現手法によってCHO細胞中で発現させ得る。
【0237】 次に示す手法によりCHO細胞中で安定な発現を行う。タンパク質をIgG構
築物(イムノアドヘシン)として発現し(ここで、各タンパク質の可溶性形態の
ためのコード配列(例えば、細胞外ドメイン)は、ヒンジ領域、CH2およびC
H2ドメインを有するIgG1の定常領域配列と融合している)、および/また
はこの発現は、ポリHisタグ化型である。
【0238】 PCRによる増幅に続き、それぞれのDNAフラグメントを、標準的な技術(
Ausubelら,Current Protocols of Molecu
lar Biology,Unit 3.16,John Wiley and
Sons(1997)を参照のこと)を用いてCHO発現ベクター中にサブク
ローニングする。CHO発現ベクターを、cDNAのシャトル(shatlli
ng)に便利になるよう、目的のDNAの5’位および3’位の制限部位への適
合性を有するように構築する。CHO細胞中での発現に使用したベクターはLu
casら(Nucl.Acids Res,24:9(1774−1779(1
996))に記載のものであり、目的のcDNAおよびジヒドロ葉酸レダクター
ゼ(DHFR) の発現を駆動するためのSV40の初期プロモーター/エンハ
ンサーを使用する。DHFRの発現によって、トランスフェクションの後のプラ
スミドの安定な維持に関する選択が可能となる。
【0239】 12μgの所望のプラスミドDNAを、市販のトランスフェクション試薬であ
るSuperfect(Qiagen)、DosperもしくはFugene(
Boehringer Mannheim)を用いて約1000万個のCHO細
胞中に導入する。細胞はLucasら(前述)によって示されているように増殖
させる。約3×107の細胞を、以下に示すさらなる増殖および生成のためにア
ンプル中で冷凍する。
【0240】 プラスミドDNAを含むアンプルを、水浴に入れて解凍し、ボルテックスによ
り混合する。内容物をピペットで10mlの培地の入った遠心管に移し1000
rpmで5分の間、遠心分離する。上清を吸引して除いた後、細胞を、10ml
の選択培地(0.2μmのフィルターで濾過したウシ胎仔血清を5%含む0.2
μmのフィルターで濾過したPS20)中に再懸濁する。次いで、細胞を90m
lの選択培地の入った100 mlスピナーにアリコートに分ける。1〜2日後
、選択増殖培地を150mL含む250mLスピナーフラスコ中に細胞を移し、
37℃でインキュベートする。さらに2〜3日後、250ml、500mlおよ
び2000mlのスピナーフラスコ中に3×105細胞/mLを播種する。細胞
培地を、遠心分離および生成培地への再懸濁により新たな培地に交換する。任意
の適切なCHO培地が使用可能であるが、米国特許第5,122,469号(1
992年6月18日発行)に記載されているものを実際には使用する。3Lの産
生スピナー中に1.2×106細胞/mLで播種する。0日目に、菌体数、pH
を測定する。1日目、スピナーからサンプリングを行い、フィルター濾過した空
気の散布を始める。2日目、スピナーからサンプリングを行う。温度を33℃に
し、500g/Lのグルコース30mLと0.6mLの10% 消泡剤(例えば
、35% ポリジメチルシロキサンエマルジョン(Dow Corning 3
65 Medical Grade Emulsion))を添加する、生産期
間全体を通じて、pHは、必要に応じて約7.2に維持するように調整する。1
0日後、もしくは生存率が70%未満に低下した後、細胞培養物を遠心分離して
集菌し、0.22μmのフィルターで濾過する。濾液を、各々4℃で保存するか
すぐに精製カラムに供するかのいずれかである。
【0241】 ポリHisタグ化構築物に関しては、Ni−NTAカラム(Qiagen)を
用いてタンパク質を精製する。精製前に、5mMの濃度になるまでイミダゾール
を馴化培地に添加する。馴化培地を、ポンプを用いて0.3M NaCl、5m
M イミダゾールを含む20mM Hepes緩衝液(pH7.4)で平衡化し
た6 mlのNi−NTAカラムに4℃、流速4.5 ml/分で導入する。導
入した後、さらに平衡化緩衝液でカラムを洗浄し、0.25M イミダゾールを
含む平衡化緩衝液を用いてタンパク質を溶出させる。続いて、高度に精製したタ
ンパク質を、25ml G25 Superfine(Pharmacia)
カラムを用いて、10 mM Hepes、0.14M NaCl、および4%
マンニトールを含む保存緩衝液(pH6.8)に脱塩し、−80℃で保存する
【0242】 イムノアドヘシン(Fc含有)構築物を、馴化培地から以下に示す方法で精製
する。馴化培地はポンプを用いて20 mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH
6.8)で平衡化した5 ml のプロテインA カラム(Pharmacia
)に供する。ロードした後、pH3.5の100mM クエン酸で溶出する前に
、平衡化緩衝液を用いてカラムを徹底的に洗浄する。溶出したタンパク質は、2
75Lの1M Tris緩衝液(pH9)を含むチューブ中に1mlの画分を回
収して直ちに中和する。続いて、ポリHisタグ化したタンパク質について上に
記載したようにして、高度に精製したタンパク質を保存緩衝液中に脱塩する。均
一性をSDS−ポリアクリルアミドゲルおよびエドマン分解を用いたN末端アミ
ノ酸配列決定によって評価する。
【0243】 (実施例5:酵母内におけるCHEPOの発現) 以下の方法は、酵母内におけるCHEPOの組み換え発現について示す。
【0244】 まず、酵母内発現ベクターは、ADH2/GAPDHプロモーターによるCH
EPOの細胞内産生、もしくは分泌を目的として設計する。CHEPOをコード
するDNAおよびプロモーターは、CHEPOの細胞内発現を行わせるために選
択したプラスミド中の適切な制限酵素部位に挿入する。分泌に関しては、CHE
POをコードするDNAを、ADH2/GAPDHプロモーターをコードするD
NAとともに、ネイティブなCHEPOのシグナルペプチドもしくは他の哺乳動
物のシグナルペプチドもしくは、例えば、酵母のα因子もしくはインベルターゼ
分泌シグナル/リーダー配列、そして(必要であれば)CHEPOの発現のため
のリンカー配列を選択したプラスミド中にクローニングし得る。
【0245】 次いで、酵母細胞、例えば酵母液AB110を、上記の発現用プラスミドを用
いて形質転換し得、また選択発酵培地中で培養し得る。形質転換された酵母の上
清は、10% トリクロロ酢酸を用いた沈殿によって分析でき、そしてSDS−
PAGEの後、クーマシーブルー染色でゲルを染色することによって分離できる
【0246】 続いて、組み換えCHEPOを遠心分離により発酵培地から酵母細胞を除去し
、次いで、選択したカートリッジフィルターを用いて培地を濃縮することで分離
および精製し得る。CHEPOを含む濃縮液を、選択したカラムクロマトグラフ
ィー樹脂を用いてさらに精製し得る。
【0247】 (実施例6:バキュウロウイルスを感染させた昆虫細胞内におけるCHEPO
の発現) 以下の方法は、バキュウロウイルスを感染させた昆虫細胞内におけるCHEP
Oの組み換え発現について示す。
【0248】 CHEPOをコードする配列を、バキュウロウイルス発現ベクターに含まれる
、エピトープタグの上流に融合する。このようなエピトープタグはポリHisタ
グおよび(IgGのFc領域のような)免疫グロブリンタグを含む。pVL 1
393(Novagen)などの市販品のプラスミド由来のプラスミドを含む種
々のプラスミドが使用可能である。簡単に述べると、CHEPOをコードする配
列もしくはその望ましい部分、例えば膜貫通タンパク質の細胞外ドメインをコー
ドする配列またはタンパク質が細胞外のものであればその成熟タンパク質をコー
ドする配列を、5’領域および3’領域と相補的なプライマーを用いるPCRに
より増幅する。5’プライマーは隣接した(選択した)制限酵素部位を含む。次
いで、産物をそれらの選択した制限酵素で消化し、発現ベクターにサブクローニ
ングする。
【0249】 組み換えバキュウロウイルスは上記のプラスミドおよびBaculoGold TM ウイルスDNA(Phamingen)をリポフェクチン(GIBCO−BR
Lより市販)を用いてSpodoptera frugiperda(「Sf9
」)細胞(ATCC CRL 1711)に対して同時トランスフェクションす
ることで作製する。28℃で4〜5日インキュベートした後、放出したウイルス
を回収し、さらに増幅するために使用する。ウイルスの感染およびタンパク質の
発現はO'Reilleyら(Baculovirus expression
vectors:A Laboratory Manual,Oxford:
Oxford University Press(1994))に記載され
るように行う。
【0250】 次いで、発現させたポリHisタグを有するCHEPOを、例えばNi2+キレ
ートアフィニティークロマトグラフィーによって以下のように精製し得る。抽出
物を、組み換えウイルスを感染させたSf9細胞からRupertら(Natu
re.362:175−179(1993))に記載されるように調製する。簡
単に述べると、Sf9細胞を洗浄し、超音波破砕用緩衝液(25mL Hepe
s、pH7.9;12.5mM MgCl2;0.1mM EDTA;10%
グリセロール;0.1% NP−40;0.4M KCl)中に再懸濁し、氷上
で20秒間の超音波破砕を2度繰り返す。破砕液を遠心分離し、上清をローディ
ング緩衝液(50mM リン酸、300mM NaCl、10% グリセロール
、pH7.8)で50倍に希釈し、0.45μmフィルターを用いて濾過する。
総ベッド体積5mLでのNi2+−NTA−アガロースカラム(Qiagenより
市販)を調製し、25mLの水で洗浄し、25mLのローディング緩衝液で平衡
化する。濾過した細胞抽出液は0.5mL/分でカラムに供する。ローディング
緩衝液を用いてA280ベースラインまでカラムを洗浄し、この時点で画分の回収
を開始する。次にカラムを非特異吸着タンパク質を溶出させる二次洗浄緩衝液(
50mM リン酸;300mM NaCl、10% グリセロール、pH6.0
)で洗浄する。再度A280ベースラインまで達した後、カラムを二次洗浄緩衝液
中0〜500mM イミダゾール勾配で展開する。1mLの画分を回収し、SD
S−PAGEの後、銀染色もしくはNi2+−NTAアルカリフォスファターゼ(
Qiagen)を用いたウエスタンブロッティングによって分析する。His10 タグが結合したCHEPOを含む画分をプールし、ローディング緩衝液で透析す
る。
【0251】 あるいは、IgGタグ(もしくはFcタグ)のついたCHEPOの精製を、公
知のクロマトグラフィー技術(例えばプロテインAもしくはプロテインGカラム
のクロマトグラフィーを含む)を用いて行い得る。
【0252】 (実施例7:CHEPOと結合する抗体の調製) 本実施例は、特異的にCHEPOと結合し得るモノクローナル抗体の調製法に
ついて示す。
【0253】 モノクローナル抗体を生成する技術は当該分野で公知であり、例えばGodi
ng(前出)に示されている。使用し得る免疫原は精製したCHEPO、CHE
POを含む融合タンパク質および細胞表面で組換えCHEPOを発現する細胞を
含む。免疫原の選択は、当業者によって過度な実験を行うことなく行われ得る。
【0254】 マウス(Balb/cなど)はフロイント完全アジュバント中で乳化したCH
EPO免疫原を皮下もしくは腹腔に1〜100μgの量注射することによって免
疫する。あるいは、免疫原をMPL−TDMアジュバント(Ribi Immu
nochemical Research,Hamilton,MT)内で乳化
して動物の後肢肉球に注射する。次いで、免疫したマウスを、10〜12日後に
、選択したアジュバント内で乳化した免疫原を用いて追加免疫する。次いで、数
週間後、またマウスにさらに免疫注射を行い、追加免疫を行ってもよい。ELI
SAアッセイで試験するため、抗CHEPO抗体を検出するために眼窩後部採血
によって血清サンプルを定期的にマウスから採取する。
【0255】 適切な抗体力価が検出された後、抗体「陽性」の動物は最終的なCHEPOの
静脈中注射を受け得る。3〜4日後、マウスを屠殺し、その脾細胞を収集する。
次いで、脾細胞を(35% ポリエチレングリコールを用いて)選択したマウス
骨髄腫細胞株(例えばP3X63AgU.1(ATCCより入手可能(No.C
RL 1597)))と融合させる。融合物からハイブリドーマ細胞が生じ、次
いで、それらを非融合細胞、骨髄腫ハイブリッド細胞および脾ハイブリッド細胞
の増殖を阻害するために、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミ
ジン)培地を含む96ウェル組織培養プレート上に撒く。
【0256】 ハイブリドーマ細胞はCHEPOに対する反応性についてELISAによって
選抜する。CHEPOに対して所望のモノクローナル抗体を分泌する「陽性」な
ハイブリドーマ細胞を決定することは、当業者の技術範囲内である。
【0257】 陽性のハイブリドーマ細胞は抗CHEPOモノクローナル抗体を含む腹水を生
成する同系Balb/cマウス腹腔内に注射され得る。あるいは、ハイブリドー
マ細胞を、細胞培養用フラスコもしくは回転ビン中で生育させ得る。腹水中で生
成されたモノクローナル抗体の精製は、硫酸アンモニウム沈殿、続いてサイズ排
除ゲル濾過クロマトグラフィーを用いて達成し得る。あるいは、プロテインAも
しくはプロテインGへの抗体の結合性を利用したアフィニティクロマトグラフィ
ーも使用し得る。
【0258】 (実施例8:特異的抗体を用いたCHEPOポリペプチドの精製) ネイティブもしくは組み換えCHEPOポリペプチドは、当該分野で標準的な
種々のタンパク質精製技術により精製され得る。例えば、プロCHEPOポリペ
プチド、成熟CHEPOポリペプチド、もしくはプレCHEPOポリペプチドは
、目的のCHEPOポリペプチドに特異的な抗体を用いたイムノアフィニティー
クロマトグラフィーにより精製する。一般に、イムノアフィニティーカラムは抗
CHEPOポリペプチド抗体を活性化したクロマトグラフィー樹脂に共有結合さ
せることにより構築される。
【0259】 ポリクローナル免疫グロブリンは硫酸アンモニウム沈澱または固定化したプロ
テインA(Pharmacia LKB Biotechnology,Pis
cataway,N.J.)での精製のいずれかにより免疫性の血清より調製さ
れる。同様にモノクローナル抗体は、マウスの腹水から硫酸アンモニウム沈澱ま
たは固定化したプロテインAのクロマトグラフィーによって調製される。部分精
製された免疫グロブリンはCnBrで活性化されたSEPHAROSETM(Ph
armacia LKB Biotechnology)のようなクロマトグラ
フィー樹脂に対して共有結合させる。抗体は樹脂と結合し、樹脂はブロックされ
、誘導体化した樹脂を製造業者の取扱説明書に基づいて洗浄する。
【0260】 このようなイムノアフィニティーカラムは、CHEPOポリペプチドを可溶化
形態で含む細胞から画分を調製することによりCHEPOポリペプチドの精製を
行う際に用いられる。この調製物は全細胞もしくは界面活性剤の添加または他の
当該分野で周知の手法により差次的な遠心分離から得られる亜細胞画分を、可溶
化して調製する。あるいは、シグナル配列を有する可溶性のCHEPOポリペプ
チドは細胞が培養された培地中に有用な量分泌され得る。
【0261】 可溶性のCHEPOポリペプチド含有調製物をイムノアフィニティーカラムを
通過させて、カラムをCHEPOポリペプチドの優先的な吸光がみられる条件下
(例えば、界面活性剤の存在下でイオン強度の高い緩衝液を用いる)で洗浄する
。次いで、抗体/CHEPOポリペプチド結合を破壊するような条件下(例えば
、約pH2〜3のような低pH緩衝液、もしくは高濃度のカオトロピック塩(例
えば、尿素もしくはチオシアネートイオン)を用いる)でカラムからの溶出を行
い、CHEPOポリペプチドを収集する。
【0262】 (実施例9:薬物スクリーニング) 本発明は任意の種々の薬物スクリーニング技術においてCHEPOポリペプチ
ドもしくはその結合フラグメントを用いて化合物のスクリーニングを行う場合に
特に有用である。このような試験に用いるCHEPOポリペプチドもしくはその
フラグメントは溶液中に遊離しているか、固体支持体に担持されているか、細胞
表面に生じているか、または細胞内に存在しているかのいずれかであり得る。薬
物スクリーニングの一つの手法は、CHEPOポリペプチドもしくはフラグメン
トを発現するための組み換え核酸で安定に形質転換されている真核生物もしくは
原核生物宿主細胞を利用する。競合的な結合アッセイで形質転換した細胞に対す
る薬剤のスクリーニングを行う。生細胞であろうが固定化細胞であろうが、この
ような細胞を標準的な結合アッセイに用い得る。例えば、CHEPOポリペプチ
ドもしくはフラグメントと試験薬剤との複合体の形成を測定し得る。あるいは、
試験薬剤によって引き起こされるCHEPOポリペプチドと標的細胞もしくは標
的レセプターとの複合体形成の減少を調べ得る。
【0263】 それ故に、本発明は、CHEPOポリペプチドの関連する疾患または障害に影
響を及ぼし得る薬物または任意の薬剤のスクリーニング手法を提示するものであ
る。これらの手法は、CHEPOポリペプチドもしくはそのフラグメントをこの
ような薬剤と接触させること、および(i)薬剤とCHEPOポリペプチドもし
くはそのフラグメントの複合体の存在、もしくは(ii) CHEPOポリペプ
チドもしくはそのフラグメントと細胞の複合体の存在を当該分野で周知の手法を
用いてアッセイすることを含む。このような競合的な結合アッセイにおいて、C
HEPOポリペプチドもしくはそのフラグメントは、代表的には標識される。適
切なインキュベーションの後、結合状態にあるCHEPOポリペプチドもしくは
そのフラグメントを分離し、そして遊離もしくは非複合体の状態にある標識の量
は、特定の薬剤がCHEPOポリペプチドへ結合する能力またはCHEPOポリ
ペプチド/細胞複合体を妨害する能力の尺度である。
【0264】 別の薬物スクリーニング技術はポリペプチドに対して適切な結合親和性を有す
る化合物のハイスループットスクリーニング技術を提供し、詳細はW0 84/
03564( 1984年9月13日公開)に示されている。簡単に述べると、
多数の異なる小サイズのペプチド試験用化合物をプラスティックピンもしくはい
くつかの他の表面のような固体基板上で合成する技術である。CHEPOポリペ
プチドに適用する場合、このペプチド試験用化合物をCHEPOポリペプチドと
反応させて、洗浄する。結合したCHEPOポリペプチドを当該分野で周知の手
法により検出する。また、精製したCHEPOポリペプチドは前述の薬物スクリ
ーニング技術に使用するプレート上に直接コーティングし得る。加えて、固体担
体上でペプチドを捕捉し、固定化する場合に非中和状態の抗体を使用し得る。
【0265】 また、本発明はCHEPOポリペプチドと特異的に結合し得る中和抗体が、C
HEPOポリペプチドもしくはそのフラグメントへの結合に関して試験化合物と
競合する場合における競合的な薬物スクリーニングアッセイの利用を意図する。
このように、抗体を、CHEPOポリペプチドに対して1つ以上の抗原性決定因
子を共有する任意のペプチドの存在の検出にも利用し得る。
【0266】 (実施例10:合理的な薬物設計) 合理的な薬物設計の最終目的は、目的の生理活性ポリペプチド(すなわち、C
HEPOポリペプチド)の構造的アナログもしくはそれと相互作用する低分子物
質(例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、またはインヒビター)を生成するこ
とである。これらの例は、いずれもCHEPOポリペプチドのより活性または安
定性の高い形としての薬剤、もしくはCHEPOポリペプチドのインビボにおけ
る機能(Hodgson,Bio/Technology,9:19−21(1
991)を参照のこと)を増強もしくは阻害する薬剤を作るために利用される。
【0267】 アプローチの一例は、CHEPOポリペプチド、もしくはCHEPOポリペプ
チド−インヒビター複合体の三次元構造をX線結晶解析、コンピューターモデリ
ング、最も代表的には、この二種類の手法の組み合わせによって決定することで
ある。分子の構造を解明し、活性部位を決定するためにはCHEPOポリペプチ
ドの形態および電荷の両方を確かめなければならない。また、それほど必要では
ないかもしれないが、相同なタンパク質の構造に基づいたモデル化を行うことで
CHEPOポリペプチドの構造に関する有用な情報を得ることもできる。どちら
の場合でも適切な構造の情報はCHEPOポリペプチド様の分子アナログをデザ
インしたり、または効果的なインヒビターを同定するために利用する。合理的な
薬物設計の有用な例としては活性や安定性を増加させた分子(Brextonお
よびWells,Biochemistry,31;7796−7801(19
92))またはネイティブなペプチドのインヒビター、アゴニスト、またはアン
タゴニストとして機能する分子(Athaudaら、J.Biochem.,1
13;742−746(1993))が挙げられる。
【0268】 上記のような機能解析を用いて選択された標的特異的な抗体を単離し、次いで
その結晶構造を解明することも可能である。このようなアプローチによって、原
則的には、引き続き行う薬物設計の基礎となるファーマコア(pharmaco
re)が得られる。機能的、薬理学的に活性な抗体に対して抗イディオタイプ抗
体(anti−id)を生成することによってタンパク質結晶学全体を考える必
要がなくなることも可能である。鏡像体の鏡像として、anti−idの結合部
位はもともとのレセプターアナログと考えられる。次いで、anti−idは化
学的もしくは生物学的に生成したペプチドバンクよりペプチドを特定し、単離す
るために使うことができる。次いで、この単離したペプチドはファーマコアとし
て作用する。
【0269】 本発明によりX線結晶解析などの分析的な研究を行うに十分量のCHEPOペ
プチドの生成が可能である。さらに、本明細書中に記載したCHEPOペプチド
のアミノ酸配列に関する知識はX線結晶解析に代わって、もしくは加えてコンピ
ューターモデル化技術を採用する指針を提供し得る。
【0270】 上記の明細書は、当業者が本願発明を実施し得るに十分なものであると考えら
れる。本明細書中に示し、述べている事象に加えて、本発明の種々の改変は、上
記の説明から当業者に明らかであり、またこれらは、本発明の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1A〜Cは、ネイティブな配列のCHEPOをコードする、ヌクレオチド配
列(ヌクレオチド134−146、667−812、1071−1157、17
60−1839、および2074−2226、他を除く)を含む、単離されたゲ
ノムDNA分子のヌクレオチド配列(配列番号1)を示す。ゲノム配列において
、開始コドン、エキソンおよびイントロンの位置、ならびに配列番号1のコード
配列によってコードされるアミノ酸配列(配列番号2)も示される。
【図1B】 図1A〜Cは、ネイティブな配列のCHEPOをコードする、ヌクレオチド配
列(ヌクレオチド134−146、667−812、1071−1157、17
60−1839、および2074−2226、他を除く)を含む、単離されたゲ
ノムDNA分子のヌクレオチド配列(配列番号1)を示す。ゲノム配列において
、開始コドン、エキソンおよびイントロンの位置、ならびに配列番号1のコード
配列によってコードされるアミノ酸配列(配列番号2)も示される。
【図1C】 図1A〜Cは、ネイティブな配列のCHEPOをコードする、ヌクレオチド配
列(ヌクレオチド134−146、667−812、1071−1157、17
60−1839、および2074−2226、他を除く)を含む、単離されたゲ
ノムDNA分子のヌクレオチド配列(配列番号1)を示す。ゲノム配列において
、開始コドン、エキソンおよびイントロンの位置、ならびに配列番号1のコード
配列によってコードされるアミノ酸配列(配列番号2)も示される。
【図2】 図2は、CHEPO分子のcDNA配列(配列番号3)およびそれによってコ
ードされるアミノ酸配列(配列番号2)を示す。
【図3】 図3は、ヒトエリスロポエチンアミノ酸配列(ヒト)(配列番号4)および本
明細書中で記載したチンパンジーエリスロポエチン(chepo)の比較を示す
。ここでCHEPO配列のアミノ酸位置142でXと示されるアミノ酸は、グル
タミン(配列番号2)またはリシン(配列番号5)のいずれかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12P 21/02 C 5/10 21/08 C12P 21/02 C12R 1:19 // C12P 21/08 1:91 (C12N 1/21 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:19) 5/00 B (C12N 5/10 C12R 1:91) (31)優先権主張番号 09/552,265 (32)優先日 平成12年4月19日(2000.4.19) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 デサウベイジ, フレドリック アメリカ合衆国 カリフォルニア 94404, フォースター シティ, シューティン グ スター アイル 187 (72)発明者 ヘンナー, デニス ジェイ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94044, パシフィカ, アンジェリタ アベニュ ー 297 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA21 BA43 CA04 CA07 CA11 DA02 DA06 DA12 EA02 EA03 EA04 FA02 GA03 GA11 HA01 HA03 4B064 AG02 AG27 CA02 CA06 CA10 CA19 CA20 CC24 DA01 DA13 4B065 AA26X AA72X AA90Y AA91X AB01 AB04 BA01 BA08 CA24 CA25 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 BA41 CA40 DA13 DA76 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 図2(配列番号3)のヌクレオチド1または約82から約5
    79までを含む、単離された核酸分子。
  2. 【請求項2】 図2(配列番号3)のヌクレオチド配列を含む、単離された
    核酸分子。
  3. 【請求項3】 図2(配列番号2)の約1または約28から約193までの
    アミノ酸残基の配列をコードするヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子
  4. 【請求項4】 図2(配列番号2)のアミノ酸残基1または約28から約1
    93までを含む、単離されたポリペプチド。
  5. 【請求項5】 図2(配列番号3)のヌクレオチド配列からなる、単離され
    た核酸分子。
  6. 【請求項6】 図2(配列番号2)のアミノ酸残基1または約28から約1
    93からなる、単離されたポリペプチド。
  7. 【請求項7】 図2(配列番号3)のヌクレオチド1または約82から約5
    79によってコードされる、単離されたポリペプチド。
  8. 【請求項8】 異種アミノ酸配列に対して融合させられた、請求項4、6、
    または7のいずれか1項に記載のポリペプチドを含む、キメラ分子。
  9. 【請求項9】 前記異種アミノ酸配列がエピトープタグ配列である、請求項
    8に記載のキメラ分子。
  10. 【請求項10】 前記異種アミノ酸配列が免疫グロブリンのFc領域である
    、請求項8に記載のキメラ分子。
  11. 【請求項11】 請求項4、6、または7のいずれか1項に記載のポリペプ
    チドに対して特異的に結合する、抗体。
  12. 【請求項12】 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項11に記載
    の抗体。
  13. 【請求項13】 前記抗体がヒト化抗体である、請求項11に記載の抗体。
  14. 【請求項14】 以下からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、ポリ
    ペプチド: 【化1】
  15. 【請求項15】 以下からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求
    項14に記載のポリペプチド: 【化2】
  16. 【請求項16】 異種アミノ酸配列に対して融合された、請求項14または
    15に記載のポリペプチドを含む、キメラ分子。
  17. 【請求項17】 前記異種アミノ酸配列が、エピトープタグ配列である、請
    求項16に記載のキメラ分子。
  18. 【請求項18】 前記異種アミノ酸配列が免疫グロブリンのFc領域である
    、請求項16に記載のキメラ分子。
  19. 【請求項19】 請求項8、9、10、16、17、または18のいずれか
    1項に記載のキメラ分子をコードする核酸配列を含む、単離された核酸分子。
  20. 【請求項20】 請求項1、2、3、5、または19のいずれか1項に記載
    の核酸分子を含む、ベクター。
  21. 【請求項21】 前記核酸分子が、ベクターで形質転換された宿主細胞によ
    って認識される制御配列に対して作動可能に連結されている、請求項20に記載
    のベクター。
  22. 【請求項22】 請求項20に記載のベクターを含む、宿主細胞。
  23. 【請求項23】 前記細胞がCHO細胞である、請求項22に記載の宿主細
    胞。
  24. 【請求項24】 前記細胞がE.coliである、請求項22に記載の宿主
    細胞。
  25. 【請求項25】 前記細胞が酵母細胞である、請求項22に記載の宿主細胞
  26. 【請求項26】 ポリペプチドの発現に適切な条件下で請求項22に記載の
    宿主細胞を培養する工程、および該細胞培養物から該ポリペプチドを回収する工
    程を包含する、ポリペプチドを産生するためのプロセス。
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