JP2002543762A - ヒトclaxタンパク質およびその可溶性融合タンパク質をコードするdna分子 - Google Patents

ヒトclaxタンパク質およびその可溶性融合タンパク質をコードするdna分子

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JP2002543762A
JP2002543762A JP2000606624A JP2000606624A JP2002543762A JP 2002543762 A JP2002543762 A JP 2002543762A JP 2000606624 A JP2000606624 A JP 2000606624A JP 2000606624 A JP2000606624 A JP 2000606624A JP 2002543762 A JP2002543762 A JP 2002543762A
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acid sequence
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シャオロン・チェン
パトリシア・エム・デイビス
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Abstract

(57)【要約】 ヒトC-型レクチンおよび3つのホモログをコードする単離された新規cDNA配列を提供する。本願ではこれらを「CLAX」(C-type Lectin Activation Expressed)タンパク質と呼ぶ。本発明はそれら核酸配列の使用法、本願が開示する核酸配列によってコードされるポリペプチド、CLAXタンパク質の全部または一部(例えば細胞外領域)を有する融合タンパク質、新規CLAXに特異的な抗体、新規CLAXのリガンドおよび阻害因子を包含する。CLAXの遺伝子はリンパ系組織と活性化T細胞で特異的に発現するが、休止Tリンパ球では発現しない。本発明は感染性、炎症性およびアレルギー性疾患を予防および処置するための医薬組成物における有用性に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願の説明) 本願は1999年3月25日に出願された米国仮出願第60/126,149号の利益を主張す
る。
【0002】 (技術分野) 本発明は概して感染、炎症よびアレルギーの分野に属する。より具体的には本
発明は、リンパ系細胞の活性化と分化の制御および調整に役立ちうる3つのポリ
ペプチドをコードする3つの新規DNA分子に関する。また本発明は、それらの遺伝
子を含んでなる発現ベクター、それらの発現ベクターを含んでなる宿主細胞、そ
れらの遺伝子によって産生されるタンパク質、それらタンパク質の製造方法およ
びそれら遺伝子およびタンパク質の使用方法に関する。
【0003】 (背景技術) ナチュラルキラー(NK)細胞はある種の細菌、寄生虫およびウイルスに対する
先天的な免疫応答に関与するリンパ球である(Lanier,L.L.(1998)Annu.Rev.I mmunol. 16:359-393)。NK細胞はII型膜貫通タンパク質(アミノ末端細胞内)の
レクチン様レセプタースーパーファミリーを発現させる。それらの細胞外ドメイ
ンはC-型レクチンの構造的特徴を持っている(Ryan,J.C.ら(1997)Immunol.Re v. 155:79-89)。このスーパーファミリーはLy-49(マウスおよびラット)、NKR
-P1(マウス、ラットおよびヒト)、NKG2(ヒトおよびラット)ならびにCD94(
ヒト)を含む数ファミリーからなっている。これらのタンパク質は、ヒト12番染
色体、マウス6番染色体およびラット4番染色体に見出されるNK遺伝子複合体(NK
C)という一つの遺伝子領域によってコードされている。同じファミリー内でも
様々なレセプターがNK細胞機能を活性化したり、阻害したりすることが明らかに
なっている(Vely,F.(1997)J.Immunol. 159:2075-2077)。多くの場合、個々
のレセプターによって媒介される様々な活性は、これらのレセプターの細胞質ド
メインおよび膜貫通ドメインの様々な構造に関連づけられている。
【0004】 例えば、正に荷電した残基(アルギニンまたはリジン)をその膜貫通ドメイン
内に持つネズミLy-49DおよびLy-49HならびにヒトNKG2Cは、DAP12膜アダプタータ
ンパク質と会合することによってNK細胞を活性化することが明らかにされている
(Smith,K.M.ら(1998)J.Immunol. 161:7-10;Lanier,L.L.ら(1998)Immuni ty 8:693-701)。DAP12はその膜貫通領域に負に荷電した残基(アスパラギン酸
)を含有し、細胞質ドメインにはITAM(immunoreceptor tyrosine-based activa
ting motif;チロシンに基づく免疫レセプター活性化モチーフ)を含有する。CD
94/NKG2Cの架橋が起こると、DAP12のITAM中のチロシン残基がリン酸化され、ZAP
-70やSykなどのチロシンキナーゼを動員する。
【0005】 一方、膜貫通領域中に荷電残基を持たず細胞質ドメインにITIM(immunorecept
or tyrosine-based inhibitory motif;チロシンに基づく免疫レセプター阻害モ
チーフ)を含有するネズミLy-49Aは、NK細胞傷害性を阻害することが実証されて
いる(Nakamura,M.C.ら(1997)J.Exp.Med. 185:673-684)。阻害活性はLy-49A
のITIMドメインによって動員される細胞質チロシンホスファターゼSHP-1によっ
て媒介される。チロシンホスファターゼSHP-1は隣接するアダプタータンパク質
とキナーゼを脱リン酸化して活性化シグナルを終結させることができる。
【0006】 NKC中に見出される遺伝子は、他のC-型レクチン、例えばCD69や、最近同定さ
れたレセプターAICLなどもコードしている(Lopez-Cabrera,M.ら(1993)J.Exp .Med. 178:537-547;Hamann,J.ら(1997)Immunogenetics 45:295-300)。他の
NK細胞レセプターの制限された発現とは異なり、CD69とAICLはどちらもリンパ球
、単球および顆粒球を含む造血細胞上に幅広く発現される。これらは休止細胞で
は発現されないが、活性化によりすばやく誘導される。CD69はリンパ球の最初期
活性化マーカーとして知られている。CD69はその細胞内ドメインに荷電残基を持
たないが、抗CD69 mAbはT、BおよびNK細胞の活性化とサイトカイン産生を誘導で
きる(Testi,R.ら(1994)Immunol.Today. 15:479-483)。
【0007】 レクチン様レセプタースーパーファミリーのメンバーは多様な生物学的活性を
持ち、免疫細胞機能と密接な関係にあることから、当業者はこのファミリーの新
規メンバーを同定することに関心を持っている。新規な遺伝子およびタンパク質
の同定と研究により、免疫細胞機能の根底にある機序をより良く理解できるよう
になり、免疫反応または免疫疾患の調節または制御が可能になるだろう。
【0008】 (発明の概要) 本発明は、配列番号2(図2A)に示す新規「CLAX」タンパク質(C-type Lectin
,Activation eXpressedの略)と、該CLAXタンパク質をコードする核酸配列(配
列番号1)とを包含する。また、該CLAXタンパク質のホモログをコードする核酸
配列(図2B、2Cおよび2D)も本発明に包含される。本明細書ではこれらのホモロ
グをクローン7B(配列番号3に示す核酸配列、配列番号4に示すアミノ酸配列)、
クローン2I(配列番号5に示す核酸配列、配列番号6に示すアミノ酸配列)および
クローン4A(配列番号7に示す核酸配列、配列番号8に示すアミノ酸配列)と呼ぶ
。単離されたcDNAのヌクレオチド配列を推定アミノ酸配列と共に本明細書に開示
する。上記クローンのcDNA遺伝子はアメリカンタイプカルチャーコレクション(
American Type Culture Collection)に寄託され、ATCC HuCLAX-7B(クローン7B
)、ATCC HuCLAX-2I(クローン2I)およびATCC HuCLAX-4A(クローン4A)という
受託番号が与えられている。
【0009】 本発明者らは、これらの新規CLAXタンパク質ホモログをコードするクローンを
配列決定し、その推定タンパク質の一次配列を決定した。本明細書に開示する新
規CLAXタンパク質の核酸配列とアミノ酸配列は、配列決定したクローンから決定
されたものである。これらの新規CLAXタンパク質はヒトCD69の既知配列に対して
配列同一性を示す。
【0010】 本発明のCLAXタンパク質は、(1)本明細書に開示するCLAXのcDNAを適当な発
現ベクターに挿入し、(2)その発現ベクターを適当なトランスフェクション宿
主にトランスフェクトし、(3)トランスフェクトされた宿主を適当な培養培地
で生育し、(4)その培養培地から同タンパク質を精製することによって製造で
きる。
【0011】 したがって本発明は、CLAXタンパク質をコードする配列を持つ単離精製された
核酸分子(好ましくはDNA分子)、または本発明のCLAXタンパク質に特有な前記
核酸分子のオリゴヌクレオチド断片を提供する。本発明の好ましい一態様では、
単離精製された核酸分子が配列番号1(図2A)に示す配列を持つ。もう一つの好
ましい態様では、単離精製された核酸分子が配列番号3(図2B)に示す配列を持
つ。さらにもう一つの好ましい態様では、単離精製された核酸分子が配列番号5
(図2C)に示す配列を持つ。本発明のさらにもう一つの好ましい態様では、単離
精製された核酸分子が配列番号7(図2D)に示すヌクレオチド配列を持つ。
【0012】 また本発明は、相補的ヌクレオチド塩基配列に水素結合した本発明の核酸分子
またはそのオリゴヌクレオチド断片を含んでなる二本鎖核酸分子も包含する。
【0013】 「単離精製された核酸」「実質的に純粋な核酸」(例えば実質的に純粋なDNA
)という用語は、次の一方または両方に当てはまる核酸分子を指す:(1)その
核酸が由来する生物の天然のゲノム中でその核酸のすぐ隣にある配列(例えばコ
ード配列)の一方または両方(すなわち5'末端に一つ、3'末端に一つ)がすぐ隣
にはない核酸分子、または(2)その核酸の起源である生物内ではその核酸と一
緒に存在する核酸配列を実質的に含まない核酸分子。この用語は、例えばベクタ
ー(例:自律複製型プラスミドまたはウイルス)に組み込まれているか、または
原核生物もしくは真核生物のゲノムDNAに組み込まれている組換えDNA、または他
のDNA配列とは無関係な独立した分子(例えばPCRまたは制限エンドヌクレアーゼ
処理によって生成するcDNAまたはゲノムDNA断片)として存在する組換えDNAを包
含する。実質的に純粋なDNAまたは単離精製されたDNAには、付加されたCLAX配列
をコードするハイブリッド遺伝子の一部である組換えDNAも包含される。
【0014】 本発明はその一態様として、(a)配列番号2に示すアミノ酸配列を持つタンパ
ク質の全部または一部をコードする配列を含んでなる単離精製された核酸分子、
(b)(a)に相補的な核酸配列、(c)(a)に対して少なくとも80%、より好まし
くは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なく
とも98%の配列同一性を示す核酸配列、または(d)少なくとも18塩基長であっ
てストリンジェントな条件で(a)または(b)にハイブリダイズする(a)また
は(b)の断片を提供する。ある一態様では、上記核酸配列が(a)配列番号1に
示す配列、(b)配列番号1に相補的な核酸配列、および(c)(a)または(b)に
対して少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少な
くとも95%、最も好ましくは少なくとも98%の配列同一性を有する配列を含んで
なる。
【0015】 天然配列と突然変異型配列の間の相同性の程度(一致率)は、例えばこの目的
に通常使用されるコンピュータープログラムを使ってそれら2つの配列を比較す
ることによって決定できる。適切なプログラムの一つはDevereuxら(1984)Nucl .Acids Res. 12:387に記載のGAPコンピュータープログラムである。GAPプログラ
ムは、SmithおよびWaterman(1981)Adv.Appl.Math. 2:482によって改訂されたN
eedlemanおよびWunsch(1970)J.Mol.Biol. 48:433の整列法を利用している。簡
単に述べると、GAPプログラムでは、整列した記号(すなわちヌクレオチドまた
はアミノ酸)のうち一致する記号の数を、それら2つの配列の短い方の記号の総
数で割った値を一致率と定義する。
【0016】 本明細書で使用する「ストリンジェントな条件」という用語は、あるヌクレオ
チド配列が、本明細書に示すアミノ酸配列を持つタンパク質をコードする配列を
含んでなる単離精製された核酸分子または(b)(a)に相補的な核酸配列にハイ
ブリダイズするような、当技術分野で知られている条件を包含する。好ましい一
態様として、ストリンジェントな条件は、50%ホルムアミド、5×SSPE(750mM N
aCl、50mM NaH2PO4および5mM EDTA)、5×デンハルト液、0.1%SDSおよび100μg
/ml変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中、42℃での終夜インキュベーションからな
る。当業者は条件を適当に変更してよい。ストリンジェントな条件でのポリヌク
レオチドのスクリーニングは、Nature 313:402-404(1985)に記載の方法に従っ
て行なうことができる。ストリンジェントな条件で本発明のポリヌクレオチドと
ハイブリダイズできるポリヌクレオチド配列は、例えばここに開示するDNA配列
のアレル変異体であってもよいし、他の起源に由来するものであってもよい。核
酸ハイブリダイゼーションの一般的技法は、Sambrookらの「Molecular Cloning
:A Laboratory Manual」(第2版,コールドスプリングハーバー研究所,ニュー
ヨーク・コールドスプリングハーバー(1984))およびHaymesらの「Nucleic Ac
id Hybridization:A Practical Approach」(IRL Press,ワシントンD.C.(198
5))に開示されており、これらの刊行物は参照によって本明細書に組み込まれ
るものとする。
【0017】 本発明はもう一つの態様として、(a)配列番号4(クローン7B、図2B)に示す
アミノ酸配列を持つタンパク質の全部または一部をコードする配列を含んでなる
単離精製された核酸分子、(b)(a)に相補的な核酸配列、(c)(a)に対して少
なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95
%、最も好ましくは少なくとも98%の配列同一性を示す核酸配列、または(d)
少なくとも18塩基長であってストリンジェントな条件で(a)または(b)にハイ
ブリダイズする(a)または(b)の断片を提供する。
【0018】 本発明はもう一つの態様として、(a)配列番号6(クローン2I、図2C)に示す
アミノ酸配列を持つポリペプチドをコードする配列を含んでなる単離精製された
核酸分子、(b)(a)に相補的な核酸配列、(c)(a)に対して少なくとも80%、
より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、最も好まし
くは少なくとも98%の配列同一性を示す核酸配列、または(d)少なくとも18塩
基長であってストリンジェントな条件で(a)または(b)にハイブリダイズする
(a)または(b)の断片を提供する。
【0019】 本発明はもう一つの態様として、(a)配列番号8(クローン4A、図2D)に示す
アミノ酸配列を持つタンパク質の全部または一部をコードする配列を含んでなる
単離精製された核酸分子、(b)(a)に相補的な核酸配列、(c)(a)に対して少
なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95
%、最も好ましくは少なくとも98%の配列同一性を示す核酸配列、または(d)
少なくとも18塩基長であってストリンジェントな条件で(a)または(b)にハイ
ブリダイズする(a)または(b)の断片を提供する。
【0020】 また本発明は、(a)配列番号1(図2A)に示す配列を含んでなる単離精製され
た核酸分子、(b)(a)に相補的な核酸配列、(c)(a)に対して少なくとも80%、
より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、最も好まし
くは少なくとも98%の配列同一性を示す核酸配列、または(d)少なくとも18塩
基長であってストリンジェントな条件で(a)または(b)にハイブリダイズする
(a)または(b)の断片も提供する。
【0021】 さらに本発明は、(a)配列番号3(クローン7B、図2B)に示す配列を含んでな
る単離精製された核酸分子、(b)(a)に相補的な核酸配列、(c)(a)に対して
少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも
95%、最も好ましくは少なくとも98%の配列同一性を示す核酸配列、または(d
)少なくとも18塩基長であってストリンジェントな条件で(a)または(b)にハ
イブリダイズする(a)または(b)の断片を提供する。
【0022】 さらに本発明は、(a)配列番号5(クローン2I、図2C)に示す配列を含んでな
る単離精製された核酸分子、(b)(a)に相補的な核酸配列、(c)(a)に対して
少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも
95%、最も好ましくは少なくとも98%の配列同一性を示す核酸配列、または(d
)少なくとも18塩基長であってストリンジェントな条件で(a)または(b)にハ
イブリダイズする(a)または(b)の断片を提供する。
【0023】 さらに本発明は、(a)配列番号7(クローン4A、図2D)に示す配列を含んでな
る単離精製された核酸分子、(b)(a)に相補的な核酸配列、(c)(a)に対して
少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも
95%、最も好ましくは少なくとも98%の配列同一性を示す核酸配列、または(d
)少なくとも18塩基長であってストリンジェントな条件で(a)または(b)にハ
イブリダイズする(a)または(b)の断片を提供する。
【0024】 また本発明は置換、欠失もしくは挿入突然変異を含む1または複数の構造突然
変異を持つ本発明の核酸分子およびアミノ酸分子を包含する。例えばシグナルペ
プチドを欠失させてもよいし、保存的アミノ酸置換を施して、生物学的能力また
は活性を依然として保っているタンパク質を生成させてもよい。
【0025】 さらに本発明は、本発明の核酸分子またはそのオリゴヌクレオチド断片と、そ
の核酸分子またはオリゴヌクレオチド断片に作動可能に連結された発現制御配列
とを含んでなる組換え分子も包含する。本発明の組換え分子を含んでいる形質転
換体宿主細胞も提供する。
【0026】 もう一つの側面として本発明は、本発明のCLAXタンパク質をコードする新規遺
伝子を含んでいる細胞もしくは精製された細胞調製物、または本発明のCLAXタン
パク質をコードする遺伝子を別の形で異常発現(misexpression)させる細胞も
しくは精製された細胞調製物を特徴とする。この細胞調製物は、ヒトまたは非ヒ
ト細胞(例えばマウス細胞やラット細胞などのげっ歯類動物細胞、ウサギ細胞ま
たはブタ細胞)から構成させることができる。好ましい態様として本細胞は、CL
AX導入遺伝子、例えば異種型CLAX遺伝子、例えばヒトに由来する遺伝子(非ヒト
細胞の場合)を含有する。CLAX導入遺伝子は異常発現(例えば過剰発現または過
少発現)させることができる。別の好ましい態様として本細胞は、内因性CLAX遺
伝子を異常発現させる遺伝子(例えば内因性CLAX遺伝子の発現を増加させる遺伝
子)、または発現が妨害されている遺伝子(例えばノックアウト)を含有する。
そのような細胞は、CLAXアレルの突然変異または異常発現に関係する障害を研究
するための薬剤スクリーニング用のモデルとして役立ちうる。
【0027】 さらに本発明は、本発明の核酸分子を含んでなるプラスミドも提供する。 また本発明は、本発明の新規CLAXまたはその活性部分も包含する。生物学的に
有能または活性な形の上記タンパク質またはその一部をここでは「活性CLAXまた
はその一部」ともいう。
【0028】 さらに本発明は、本発明のCLAXタンパク質のエピトープまたは同タンパク質の
一部に対して特異性を有する抗体も包含する。これらの抗体はポリクローナル抗
体であってもモノクローナル抗体であってもよい。本抗体は検出可能な物質で標
識することができ、それらは例えば組織および細胞中の本発明の新規CLAXを検出
するために使用できる。さらに本発明の抗体またはその一部を使ってCLAX発現細
胞を破壊する標的指向型抗体(例えば抗体-毒素融合タンパク質または放射標識
抗体)を作製することもできる。
【0029】 また本発明により、本発明の新規CLAXタンパク質の一部もしくは全部または同
タンパク質の一部をコードするヌクレオチドプローブの構築が可能になる。した
がって本発明は、本発明の新規CLAXの性質または同タンパク質に特有なペプチド
の性質を示すタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含んでなるプローブに
も関係する。本プローブは、例えば検出可能な(例:放射性)物質で標識するこ
とができ、それはヌクレオチド配列の混合物から本発明の新規CLAXタンパク質の
性質を示すタンパク質をコードするヌクレオチド配列を選択するために使用でき
る。
【0030】 また本発明は、その生殖細胞と体細胞の全てが本発明の組換え分子、好ましく
は本発明のCLAXまたはその一部をコードする本発明の核酸分子を含んでなる組換
え分子を含有しているトランスジェニック非ヒト動物(例えばマウスやラットな
どのげっ歯類動物、ウサギもしくはブタ)またはトランスジェニック胚も提供す
る。上記組換え分子は、構造突然変異を持つ本発明のCLAXをコードする核酸配列
を含んでなる分子であってもよいし、本発明のCLAXタンパク質もしくはその一部
をコードする核酸配列と、天然タンパク質の発現を駆動する調節配列とは異なる
1または複数の調節配列とを含んでなる分子であってもよい。もう一つの好まし
い態様では、上記の動物が、異常発現(例えば過剰発現)するCLAX遺伝子または
発現しないCLAX遺伝子(例えばノックアウト)を持つ。そのようなトランスジェ
ニック動物は、本発明CLAXの突然変異または異常発現に関係する疾患を研究する
ためのモデルとして役立ちうる。
【0031】 さらに本発明は、本発明の新規CLAXに結合しかつ/または本発明の新規CLAXを
調整する能力を持つ物質を同定する方法であって、その物質と新規CLAXタンパク
質または同タンパク質の一部との複合体の形成が可能な条件で本発明の新規CLAX
または同タンパク質の一部を反応させ、物質-CLAX複合体、遊離の物質、非複合
体化CLAXまたはCLAXの活性化についてアッセイすることからなる方法も提供する
【0032】 本発明の一態様は、本発明の新規CLAXタンパク質、そのイソ型または同タンパ
ク質の一部に結合する能力を持つリガンドを同定する方法であって、本発明の新
規CLAXタンパク質、そのイソ型または同タンパク質の一部を、同タンパク質、イ
ソ型または同タンパク質の一部に結合する能力を持つ可能性がある少なくとも1
つのリガンドと、リガンド-レセプタータンパク質複合体の形成が可能な条件で
反応させ、リガンド-レセプタータンパク質複合体、遊離のリガンド、非複合体
化CLAXタンパク質またはCLAXタンパク質の活性化についてアッセイすることから
なる方法を提供する。この方法の好ましい一態様では、本発明の新規CLAXタンパ
ク質、そのイソ型または同タンパク質の一部に結合しそれを活性化または不活性
化する能力を持つリガンドが同定される。
【0033】 また本発明は、新規CLAXタンパク質と、そのCLAXに結合できる物質との相互作
用のアゴニストまたはアンタゴニストの存在について培地をアッセイする方法で
あって、既知濃度のCLAXタンパク質を用意し、そのCLAXを、当該CLAXに結合でき
る物質およびアゴニストまたはアンタゴニスト候補と、物質-CLAX複合体の形成
が可能な条件で反応させ、物質-CLAX複合体、遊離の物質、非複合体化CLAX、ま
たはCLAXタンパク質の活性化についてアッセイすることからなる方法にも関係す
る。
【0034】 さらに本発明は、活性化された本発明のCLAXタンパク質または同タンパク質の
イソ型もしくは一部に結合できる物質を同定する方法であって、活性化された本
発明のCLAXまたは同タンパク質のイソ型もしくは一部を、そのCLAX、同タンパク
質のイソ型または一部と結合できる可能性のある少なくとも1つの物質と、物質-
活性化CLAX複合体の形成が可能な条件で反応させ、物質-CLAX複合体、遊離の物
質、または非複合体化CLAXについてアッセイすることからなる方法も提供する。
この方法は、活性化された本発明のCLAXタンパク質またはその一部に結合するタ
ンパク質を含有する細胞内リガンド、または活性化された本発明のCLAXによる影
響を他の形で受けうる細胞内リガンドを同定するために使用できる。
【0035】 本発明のCLAXまたはその断片(または該CLAXもしくはその断片をコードする核
酸)と1または複数の追加成分(例えば担体、希釈剤または溶剤)とを含む組成
物も、本発明の範囲に包含される。追加成分は、その組成物をインビトロまたは
インビボでの医薬用途または獣医学的用途に役立つものにする成分であることが
できる。
【0036】 もう一つの側面として本発明は、ある障害(例えば本発明CLAXのレベルまたは
生物活性が異常であるか望ましくないこと、または本発明のCLAXに特異的に結合
するリガンドのレベルが異常であるか望ましくないことを特徴とする障害)の危
険にさらされている哺乳動物(例えばヒト)の処置方法に関する。例えば本発明
のCLAXは、本発明のCLAXに結合することがわかっているリガンドの除去または遮
断に役立ちうる。本発明CLAXタンパク質の可溶型(例えば本レセプターの断片)
も本発明の範囲に包含され、それらは、本発明のポリペプチドをリガンドに結合
させてそのリガンドが膜結合型CLAXと相互作用するのを妨げることによって本レ
セプターの活性化を阻害するために使用できる。
【0037】 また、本発明CLAXの全部または一部を含んでなる融合タンパク質も本発明の範
囲に包含される。本融合タンパク質は配列番号2に示す本発明CLAXの細胞外領域
の全部または一部を含んでなることが好ましい。本発明CLAXの細胞外部分の全部
または一部は、別の分子またはポリペプチド(例えば免疫グロブリン(「Ig」)
タンパク質のヒンジおよび/または定常領域)に結合させることができる。また
、CLAXの全部または一部を含み、さらに別のレセプター分子の細胞外ドメインも
含んでなる可溶性融合タンパク質(例えばN末端側がネズミCD8の細胞外ドメイン
でC末端側がCLAXの細胞外ドメイン)も、本発明の範囲に包含される。可溶性融
合タンパク質の具体例を図4に示す。
【0038】 本発明の主たる目的は、本明細書に開示するその配列によって同定される新し
いヒトCLAXの同定である。本発明のさらなる目的は、上述のように、cDNAの使用
法、CLAXタンパク質、新規CLAXに特異的なモノクローナル抗体、本発明のCLAXタ
ンパク質の一部を含んでなる融合タンパク質および新規CLAXのリガンドである。
【0039】 (詳細な説明) 本発明は新規CLAXタンパク質の核酸およびアミノ酸配列ならびに3つのCLAXホ
モログの核酸およびアミノ酸配列を提供する。
【0040】 本発明の核酸は本発明に従って様々な方法で使用できる。例えば、本発明の核
酸は、CLAXおよびその変異体に近縁のタンパク質をコードする他のDNA配列をハ
イブリダイゼーションによって選択する目的で、他のcDNAおよびゲノムDNAライ
ブラリーをスクリーニングするためのDNAプローブとして使用することができる
。また、本発明の核酸は、他の生物に由来するCLAXおよびその変異体のタンパク
質をコードする他のDNA配列をハイブリダイゼーションによって選択する目的で
、他のcDNAおよびゲノムDNAライブラリーをスクリーニングするためのDNAプロー
ブとして使用することもできる。これらの核酸プローブはRNAまたはDNAであるこ
とができ、放射性核種で標識されていてもされていなくてもよく、非放射活性法
(すなわちビオチン)で使用してもよい。(通常はイオン強度、温度および/ま
たはホルムアミドの存在の組み合わせを使ってハイブリダイゼーションTmを操作
することにより)様々なストリンジェンシー条件でスクリーニングを行なうこと
で、近い類縁関係にあるホモログまたは遠い類縁関係にあるホモログを単離する
ことができる。配列番号1に由来する少なくとも18核酸の核酸配列が本明細書に
開示する核酸配列にハイブリダイズするストリンジェンシー条件は、例えば50%
ホルムアミド、5×SSPE(750mM NaCl、50mM NaH2PO4および5mM EDTA)、5×デン
ハルト液、0.1%SDSおよび100μg/ml変性剪断サケ精子DNAである。
【0041】 核酸は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を使ってcDNAまたはゲノムDNAを増幅
するためのプライマーを作製するためにも使用できる。本発明の核酸配列は、cD
NA要素中の隣接する配列を同定するためにも使用できる。また本発明の核酸配列
は、炎症性およびアレルギー性疾患においてCLAXおよびその変異体をコードする
核酸配列を検出する目的で診断的にも使用できる。そのような突然変異の検出は
、ゲノムおよび/またはcDNA配列決定、SSCPおよびサザンブロットを含む標準的
なDNA解析技術によって決定できる。
【0042】 本明細書に開示するCLAXとそのホモログをコードする核酸配列は、CLAXタンパ
ク質、そのホモログおよび/または可溶型のCLAXおよびそのホモログ/変異体を得
るための手段になる。本発明CLAXのポリペプチドとその可溶型は、CLAXの特徴、
例えばその構造、作用機序ならびに炎症およびアレルギーにおける役割の研究に
有用である。可溶型のCLAXおよびその変異体はモノクローナル抗体およびポリク
ローナル抗体の産生に使用できる。CLAXタンパク質とそのホモログは、ELISA、
免疫沈降、免疫組織化学またはウェスタンブロット解析によって炎症性およびア
レルギー性疾患を診断するために、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗
体を使って検出することができる。CLAXタンパク質を研究することで機能ドメイ
ンをさらに詳しく記述することができ、またそのようにCLAXタンパク質を使用す
ることで、類似の活性を持つ化合物をモデル化することができる。また、本明細
書に開示するCLAXタンパク質とそのホモログは、CLAXタンパク質機能を模倣、調
節または他の形で調整する可能性のある天然産物および合成化合物をスクリーニ
ングするために、細胞に基づくインビボアッセイおよび無細胞インビトロアッセ
イに使用することもできる。 本発明の核酸およびポリペプチドの他の様々な使用法は以下に詳述する。
【0043】 核酸 本発明は新規CLAXタンパク質をコードする核酸配列および3つのCLAXホモログ
の核酸配列を提供する。本核酸分子はDNA分子であることが好ましい。本発明の
好ましい一態様は、以下に示す配列(配列番号9)のヌクレオチド6〜587からな
る核酸配列(配列番号1)を提供する。
【化1】
【0044】 また、CLAXタンパク質のホモログをコードする核酸配列、例えばCLAXクローン
7Bの核酸配列(配列番号3)、CLAXクローン2Iの核酸配列(配列番号5)およびCL
AXクローン4Aの核酸配列(配列番号7)も、本発明の範囲に包含される。上に挙
げた配列のコード領域が好ましい。
【0045】 これらの核酸配列の一つに相補的な核酸配列も本発明の範囲に包含される。こ
れらの核酸配列にハイブリダイズする核酸配列も好ましい。CLAXおよびそのホモ
ログをコードする本明細書に記載の配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列
(例えばDNA配列)の場合、そのヌクレオチド配列は少なくとも約15連続ヌクレ
オチド、より好ましくは約18連続ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも約20
〜30連続ヌクレオチドの長さ(該連続ヌクレオチドは配列番号1、配列番号3、配
列番号5、配列番号7または配列番号9に含まれるもの)であることが好ましい。
【0046】 また、遺伝コードの縮重ゆえに本明細書に開示する核酸配列とは異なっている
核酸配列(すなわち本明細書に記載のヌクレオチド配列がコードするアミノ酸配
列と同じアミノ酸配列をコードする核酸配列)も本発明に包含される。
【0047】 現時点で好ましい配列はヒトcDNAライブラリーから単離されたものであるが、
本発明の核酸は様々な供給源から単離することができる。産生されるポリペプチ
ド分子の正確なアミノ酸配列は、最初のDNA配列によって異なる。
【0048】 本発明の核酸は当業者に周知の様々な方法、例えば(1)その配列を含有する
ゲノムDNAまたは相補DNA(cDNA)からの二本鎖DNA配列の単離、(2)DNA配列の化
学合成、および(3)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるDNA配列の合成など(た
だしこれらに限らない)を使って得ることができる。
【0049】 上記第1の方法では、CLAXおよび/またはそのホモログの全部もしくは一部をコ
ードするDNA配列を同定するために、ゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリ
ーをスクリーニングすることができる。新規CLAXタンパク質をコードする配列に
関するゲノムDNAまたはcDNAライブラリーのスクリーニングには様々な技術を使
用できる。この技術は、例えばCLAXをコードする配列に相補的な配列を持つ標識
一本鎖DNAプローブを使用するものであってもよい。例えば、一本鎖型に変性さ
せたゲノムDNAまたはcDNAのクローン化コピー中の配列を同定するために、DNA/D
NAハイブリダイゼーション法を使用することができる。適当なプローブとしては
、同じ種または近縁の種から得たCLAXおよびその変異体のcDNA、合成オリゴヌク
レオチドなどが挙げられる。免疫ブロット法を使って、上記のコード配列に隣接
する配列をコードするDNA配列を同定するために、ゲノムライブラリーまたはcDN
Aライブラリーをスクリーニングすることができる。
【0050】 ハイブリダイゼーション法に適した典型的スクリーニング法の一つでは、ゲノ
ムDNAまたはcDNAライブラリーをまず寒天プレート上に広げ、次にそれらのクロ
ーンをフィルターメンブレン(例えばニトロセルロース膜)に移す。通常、ゲノ
ムライブラリーは、EMBL3もしくはEMBL4またはその誘導体などのベクターか、コ
スミドライブラリー、P1ファージライブラリーまたはYACライブラリーに含まれ
る。cDNAライブラリーは通常、λgt10、λgt11またはλZapなどのベクターに含
まれる。次に、CLAXおよびそのホモログの全部または一部をコードするゲノムDN
AまたはcDNAを含有するクローンを同定するために、上記のクローンにDNAプロー
ブをハイブリダイズさせることができる。もう一つの選択肢として、λgt11また
はλZapなどのベクターを含有する適当な大腸菌株を、そのベクター中のcDNAイ
ンサートに対応するタンパク質の断片を含有する融合タンパク質を合成するよう
に誘導することもできる。それらの融合タンパク質はフィルターメンブレン(例
えばニトロセルロース)に転写できる。次に、CLAXおよび/またはそのホモログ
の全部または一部を同定するために、その融合タンパク質に抗体を結合させるこ
とができる。
【0051】 第2の方法として、CLAXおよびその変異体をコードする本発明の核酸を化学的
に合成することができる。例えば15〜50ヌクレオチドの短いオリゴヌクレオチド
は直接合成できる。それより長いオリゴヌクレオチドの場合は、CLAXおよび/ま
たはそのホモログをコードするDNA配列を一連の50〜100塩基オリゴヌクレオチド
として合成し、ヌクレオチドの正しい一次配列が形成されるように、それら一連
のオリゴヌクレオチドを(適当な末端制限部位を介して)逐次連結することがで
きる。
【0052】 第3の方法として、CLAXおよび/またはそのホモログをコードする本発明の核酸
は、PCRを使って合成することができる。簡単に述べると、標的DNA配列の反対鎖
にハイブリダイズする一般に少なくとも15塩基長の合成DNAオリゴヌクレオチド
対(PCRプライマー)を使って、その間に挟まれた標的配列上のDNA領域を酵素的
に増幅する。テンプレートの熱変性、プライマーのアニーリング、およびアニー
ルしたプライマーの3'末端のDNAポリメラーゼによる伸長というサイクルを繰り
返すことにより、PCRプライマーを境界とするセグメントの増幅が起こる。
【0053】 CLAXおよびそのホモログをコードする本発明の核酸を改変して(すなわち突然
変異させて)、本明細書に開示するCLAXまたはそのホモログの様々な生物学的活
性類似体を追加して製造することもできる。そのような突然変異は突然変異させ
たコドンによってコードされるアミノ酸配列を変化させてもよいし、それらはサ
イレント突然変異であってアミノ酸配列を変化させなくてもよい。これらの改変
アミノ酸は、例えば当技術分野で知られている様々な方法を使って、コードされ
ているポリペプチド中の1または複数のアミノ酸の欠失、置換、挿入または付加
が突然変異によってもたらされるように、CLAXおよびそのホモログをコードする
核酸を突然変異させることによって製造できる。例えば指定部位突然変異誘発法
を使用できる。また、指定部位突然変異誘発用のキットを業者から購入してもよ
い。破壊、欠失および切断法も使用できる。本発明ポリペプチドの製造または使
用には突然変異が有利な場合がある。例えばこれらの突然変異はタンパク質の機
能を改変したり(例えばより高い活性またはより低い活性をもたらしたり)、タ
ンパク質の精製がより容易な、より高レベルのタンパク質産生を可能にしたり、
核酸中に制限エンドヌクレアーゼ認識部位を追加したりすることができる。その
ような改変核酸およびポリペプチド分子はすべて本発明の範囲に包含される。ヌ
クレオチド配列またはポリペプチド配列に関して本願で使用する「改変」という
用語は、個別に別段の制限を設けない限り、天然に見出される野生型配列とは相
違するヌクレオチド配列またはポリペプチド配列を意味する。
【0054】 発現ベクター さらに本発明は、CLAXおよびそのホモログの全部または一部をコードするDNA
配列を含んでなる発現ベクターに関する。発現ベクターは図2A〜2Dに示すヌクレ
オチド配列(配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7および配列番号9)
を持つDNA配列の全部または一部を含有することが好ましい。CLAXおよびその変
異体の全部または一部をコードするDNA配列に作動可能に連結された1または複数
の調節DNA配列を含む発現ベクターはさらに好ましい。この文脈で使用される「
作動可能に連結」という用語は、CLAXおよび/またはそのホモログの全部または
一部をコードするDNA配列の複製および/または発現をその調節DNA配列が指図で
きることを意味する。
【0055】 本発明に有益な発現ベクターは「プラスミド」の形をとることが多い。プラス
ミドとは、ベクター型としては染色体に束縛されない環状二本鎖DNAループを指
す。しかし本発明は、等価な機能を果たし今後当技術分野に知られるようになる
他の形態の発現ベクターも包含するものとする。本発明の発現ベクターは、CLAX
またはそのホモログをコードするDNA配列を適当な宿主細胞(例えばCHO細胞、ジ
ャーカット細胞およびEB細胞)の染色体に安定に組み込むためにも使用できる。
【0056】 通例、本発明に有用な発現ベクターは、複製起点、CLAXおよび/またはそのホ
モログの全部または一部をコードするDNA配列と、その5'側(すなわち上流)に
位置するプロモーター、転写終結配列およびベクターの残りの部分を含有する。
発現ベクターは当技術分野で知られている他のDNA配列、例えば発現産物の安定
性に備えた安定性リーダー配列、発現産物の分泌に備えた分泌リーダー配列、構
造遺伝子の発現を調整できるようにする配列などを含んでもよい。
【0057】 本発明の遺伝子コンストラクトは、本発明のCLAXおよび/またはそのホモログ
またはアゴニストもしくはアンタゴニスト型のCLAXタンパク質もしくはCLAXペプ
チドをコードする核酸を送達するための遺伝子治療プロトコールの一部として使
用することもできる。本発明は、生体内でCLAXタンパク質のトランスフェクショ
ンと発現を達成するための発現ベクターを、その特徴とする。本発明のCLAXタン
パク質の発現コンストラクトは生物学的に有効な任意の担体(例えばCLAX遺伝子
を生体内の細胞に効果的に送達できる任意の製剤または組成物)を使って投与で
きる。その方法としては、組換えレトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴
ウイルスおよび単純ヘルペスウイルス1型を含むウイルスベクターまたは組換え
細菌プラスミドもしくは真核細胞プラスミドへの対象遺伝子の挿入が挙げられる
。ウイルスベクターは細胞を直接トランスフェクトする。細胞をウイルスベクタ
ーに感染させることの利点は、標的細胞の大部分がその核酸を受容できる点であ
る。当技術分野ではウイルス送達系がいくつか知られており、本発明を実施する
場合はそれらを利用することができる。
【0058】 ウイルス導入法の他に、ウイルスによらない方法を使用して、動物の組織でCL
AXを発現させることもできる。ほとんどの非ウイルス的遺伝子導入法は、哺乳動
物細胞が巨大分子の取り込みと細胞内輸送に利用する通常の機構によるものであ
る。このタイプの遺伝子送達系の代表例としてはリポソーム系、ポリリジンコン
ジュゲート、人工ウイルスエンベロープなどがある。本発明のDNAは遺伝子コン
ストラクトの直接注入またはエレクトロポレーションによって細胞に導入するこ
ともできる。
【0059】 臨床的には、いずれも当技術分野で知られている数多くの方法のいずれかによ
って、治療用CLAX遺伝子のための遺伝子送達系を患者に導入することができる。
例えば遺伝子送達系の医薬製剤は全身的に例えば静脈内注射によって導入するこ
とができ、標的細胞における本タンパク質の特異的形質導入は、主としてその遺
伝子送達媒体がもたらすトランスフェクションの特異性、またはレセプター遺伝
子の発現を制御する転写調節配列による細胞型もしくは組織型発現、またはその
組み合わせによって起こる。
【0060】 遺伝子治療用コンストラクトの医薬製剤は、本質的に、許容できる希釈剤中の
遺伝子送達系からなるか、遺伝子送達媒体が包埋されている徐放性マトリックス
からなることができる。また、遺伝子送達系全体を完全な状態で組換え細胞から
産生させることができる場合(例えばレトロウイルスベクター)、医薬製剤はそ
の遺伝子送達系を産生する1または複数の細胞から構成されてもよい。
【0061】 本発明のもう一つの側面は「アンチセンス」治療における単離された核酸の使
用に関する。本明細書でいう「アンチセンス」治療とは、コードされているタン
パク質の発現が例えば転写および/または翻訳の阻害などによって抑制されるよ
うに、本発明のCLAXまたはそのホモログをコードする細胞mRNAおよび/またはゲ
ノムDNAに細胞内で特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドまたはその
誘導体を投与すること、またはそれらをインサイチューで生成させることを指す
。一般に「アンチセンス」治療とは、当技術分野で広く使用されている一連の技
術を指し、オリゴヌクレオチド配列への特異的結合に依拠する任意の治療を包含
する。
【0062】 ポリペプチド さらに本発明は、CLAXおよび/またはそのホモログの全部または一部を含んで
なるポリペプチド分子も包含し、該ポリペプチド分子は好ましくは図2A(配列番
号2)および図3(配列番号4、配列番号6および配列番号8)に示すアミノ酸配列
の全部または一部を有する。CLAXおよび/またはそのホモログの一部を含んでな
るポリペプチド分子の場合、ポリペプチド分子は少なくとも5〜8連続アミノ酸、
より好ましくは少なくとも15〜20連続アミノ酸の長さであることが好ましい。
【0063】 本明細書では全てのアミノ酸配列を、通常どおり、左から右の方向にアミノ酸
末端からカルボキシ末端に向かって記載する式で表す。
【0064】 本発明のポリペプチドは合成的手段によって、すなわちその成分アミノ酸から
当業者に知られている方法で化学合成することによって得ることができる。例え
ば固相法を使用できる。本ポリペプチドはCLAXおよび/またはそのホモログの全
部または一部をコードするDNA配列を発現する原核もしくは真核宿主細胞での生
産によって得ることもできる。本ポリペプチドはCLAXおよび/またはそのホモロ
グの全部または一部をコードするDNA配列によってコードされるmRNAからインビ
トロで翻訳してもよい。例えば配列番号1に示すヌクレオチド配列を上述のよう
にPCRを使って合成し、適切な発現ベクターに挿入し、次にそれを使って適切な
宿主細胞を形質転換することができる。次にその組換え宿主細胞を培養して、CL
AXおよび/またはそのホモログを製造することができる。これらの手段によって
ポリペプチドを製造する方法は当技術分野で知られており、本明細書でも説明す
る。
【0065】 このようにして製造したポリペプチドは次に様々なタンパク質精製技術を使っ
てある程度まで単離、精製することができる。例えばイオン交換、ゲル濾過、イ
ムノアフィニティーなどのクロマトグラフィー法を使用できる。
【0066】 本発明のポリペプチドは広範囲にわたって様々な方法で使用できる。例えば本
ポリペプチドは本ポリペプチドを結合できるポリクローナル抗体またはモノクロ
ーナル抗体を既知の方法で製造するために使用できる。次にそれらの抗体はイム
ノアッセイ法、ラジオイムノアッセイ、酵素イムノアッセイまたは免疫細胞化学
を使って試料(例えば細胞試料)中の本発明ポリペプチドを検出するために使用
できる。また本抗体は、様々な供給源から本発明のポリペプチドを単離または精
製するためのアフィニティークロマトグラフィーにも使用できる。
【0067】 本発明のポリペプチドは決定されたDNA配列および推定アミノ酸配列を使って
定義された。遺伝コードは縮重しているので、本発明のポリペプチドの製造には
、図2および図3に記載のアミノ酸配列またはその一部と同じアミノ酸配列をコー
ドする他のDNA配列を使用できる。
【0068】 さらに本発明は、寄託されたcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列
を持つCLAXタンパク質およびそのホモログならびにそのポリペプチドの断片、類
似体および誘導体に関する。配列番号4、配列番号6および配列番号8に示すポリ
ペプチドは本発明の範囲に包含される。
【0069】 本明細書で言及する寄託物は特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関する
ブダペスト条約の条項に従って維持される。これらの寄託物は単に当業者の便宜
のために提供されるのであって、米国特許法第112条の下に寄託が要求されるこ
とを容認するものではない。寄託物に含まれるポリヌクレオチドの配列とそれが
コードするポリペプチドのアミノ酸配列は参照によって本明細書に組み込まれる
ものとし、万一本明細書に記載する配列の説明と何らかの矛盾が生じた場合は前
者に従う。上記寄託物の製造、使用または販売には許諾が必要な場合があり、本
明細書はそのような許諾を与えるものではない。
【0070】 本明細書に開示する新規CLAXタンパク質およびそのホモログの類似体も本発明
の範囲に包含される。類似体は天然に存在する本発明のCLAXとはアミノ酸配列が
相違するか、配列が関与しない形で相違するか、またはその両者であることがで
きる。非配列的修飾には本発明のCLAXタンパク質のインビボまたはインビトロで
の化学的誘導体化が包含される。非配列的修飾にはアセチル化、メチル化、リン
酸化、カルボキシル化またはグリコシル化が包含される。
【0071】 好ましい類似体としては、例えば、1もしくは複数の保存的アミノ酸置換また
は本発明タンパク質の生物学的活性を消失させない1もしくは複数の非保存的な
アミノ酸の置換、欠失または挿入によって野生型配列と相違している配列を持つ
本発明の新規CLAXおよびホモログタンパク質が挙げられる。通例、保存的置換と
しては、類似する特徴を持つアミノ酸間での置換、例えば次の各グループ内での
置換が挙げられる:(バリン、グリシン)(グリシン、アラニン)(バリン、イ
ソロイシン、ロイシン)(アスパラギン酸、グルタミン酸)(アスパラギン、グ
ルタミン)(セリン、スレオニン)(リジン、アルギニン)および(フェニルア
ラニン、チロシン)。他の保存的アミノ酸置換は次の表から選択できる。
【表1】 保存的アミノ酸置換
【0072】 本発明に包含される他の類似体には、タンパク質またはペプチドの安定性を増
加させる改変を施されたものがある。例えばそのような類似体はそのタンパク質
またはペプチド配列中に1または複数の(ペプチド結合の代わりをする)非ペプ
チド結合を含有しうる。また、天然のL-アミノ酸以外の残基、例えばD-アミノ酸
または非天然もしくは合成アミノ酸(例えばβ-またはγ-アミノ酸)を含む類似
体も包含される。
【0073】 考えられる他の変異体として、上述したポリペプチドの塩およびエステルなら
びに上述したポリペプチドの前駆体、例えばメチオニン、N-ホルミルメチオニン
およびリーダー配列などのN末端置換部分を持つ前駆体が挙げられる。これらの
変異体は全て本発明の範囲に包含される。
【0074】 また本発明はスクリーニング法にも関係する。当技術分野では作製した突然変
異体遺伝子産物のスクリーニングに関して様々な技術が知られている。大きい遺
伝子ライブラリーをスクリーニングするための技術では、遺伝子ライブラリーを
複製可能な発現ベクターにクローニングし、得られたベクターのライブラリーで
適当な細胞を形質転換し、所望の活性(例えばこの場合は本発明のCLAXタンパク
質へのリガンドの結合)の検出が可能な条件で遺伝子を発現させることが多い。
当技術分野で知られている技術は、例えばランダム突然変異導入法などによって
生成した多数の配列をスクリーニングするためのハイスループット解析に適応さ
せることができる。
【0075】 ツーハイブリッドアッセイは本発明のCLAXタンパク質またはそのホモログに結
合するタンパク質またはペプチドの断片もしくは類似体を同定するために使用で
きる。これらにはアゴニストまたはアンタゴニストが含まれうる。スクリーニン
グアッセイの一方法では、候補タンパク質または候補ペプチドを細胞またはウイ
ルス粒子の表面にディスプレイし、ディスプレイされた産物を介して適当なレセ
プタータンパク質に結合する特定細胞または特定ウイルス粒子の能力を「パンニ
ングアッセイ」で検出する。同様に、検出可能な標識を持つリガンドを使って、
潜在的に機能的なペプチドホモログを評価することもできる。蛍光標識リガンド
(例えばレセプター)を使って、リガンド結合活性を保持しているホモログを検
出することができる。蛍光標識リガンドの使用により、蛍光顕微鏡下に目視検査
して分離するか、FACSによって分離することが可能になる。
【0076】 ハイスループットアッセイの後、例えばアゴニストとアンタゴニストの識別に
利用できるさらなる生物学的活性を同定するために、二次スクリーニングを行な
うことができる。使用する二次スクリーニングのタイプは、試験する必要がある
所望の活性に依存するだろう。例えば、本発明のCLAXとその各リガンドとの相互
作用を阻害する能力を使って一次スクリーニングの一つで単離された一群のペプ
チド断片からアンタゴニストを同定できるようなアッセイを開発することができ
る。したがって断片および類似体を作製し、それらの活性を試験する方法は、当
技術分野では知られている。いったん目的の配列が同定されたら、アゴニストま
たはアンタゴニスト性の類似体、断片および/またはリガンドを得ることは、当
業者にとっては日常的作業にすぎない。
【0077】 本発明は薬剤スクリーニングアッセイも提供する。本発明の精製組換えCLAXま
たはその断片を製造することにより、当業者はそれらを利用して、正常な細胞機
能のまたは細胞シグナル伝達におけるそれらの役割のアゴニストまたはアンタゴ
ニストである薬物のスクリーニングを行なうことができる。一態様として、本ア
ッセイでは、本発明のCLAXと天然に存在するリガンドとの間の結合を調整する化
合物の能力を測定する。「調整」という用語はCLAXタンパク質の増加、減少、活
性化または不活化を包含する。CLAXタンパク質に結合できるペプチド、タンパク
質、小分子および抗体を含む本発明のCLAXタンパク質に対するリガンドを同定す
るのに役立つアッセイは、ここに包含される。様々なアッセイ形式が役立ち、当
業者に知られている。
【0078】 化合物および天然抽出物のライブラリーを試験する多くの薬剤スクリーニング
プログラムでは、与えられた期間内に調査される化合物の数を最大にするために
、ハイスループットアッセイが望ましい。例えば精製または半精製タンパク質を
使って得られるような無細胞系で行われるアッセイは、試験化合物によって媒介
される分子標的の変化を迅速に生じさせ比較的容易に検出できるように作製でき
る点で、一次スクリーニングとして好ましいことが多い。
【0079】 本発明のCLAXタンパク質を調整する方法も本発明の範囲に含まれる。CLAXレセ
プターに結合しその活性を調整できるペプチド、タンパク質、小分子および抗体
を含む本発明のCLAXタンパク質に対するリガンドは、ここに包含される。これら
の化合物はCLAXタンパク質の活性を調整するのに役立ち、CLAX関連障害の処置に
も役立つ。「CLAX関連障害」とは、CLAXタンパク質がその障害または疾患の代謝
経路に調節的役割を果たしている任意の障害または疾患状態を指す。そのような
障害または疾患としては感染、自己免疫疾患およびアレルギーなどを挙げること
ができる。本明細書で使用する「処置」という用語は、ある患者における特定の
障害の症状の緩和、特定の障害に関連する確認可能な測定値の改善、または特定
の免疫、炎症または細胞応答(移植片拒絶など)の防止を指す。
【0080】 本発明は、本発明のCLAXタンパク質と特異的に反応する抗体またはその一部も
包含する。抗タンパク質/抗ペプチド抗血清またはモノクローナル抗体は標準的
な既知の方法で作製できる。マウス、ハムスターまたはウサギなどの哺乳動物を
免疫原型の本ポリペプチドで免疫することができる。タンパク質またはペプチド
に免疫原性を付与する技術には、担体へのコンジュゲート化または当技術分野で
知られる他の方法がある。本発明のCLAXの免疫原性部分はアジュバントの存在下
で投与することができる。免疫化の進行は血漿または血清中の抗体価の検出によ
ってモニターできる。
【0081】 本明細書で使用する「抗体」という用語は、本発明のCLAXタンパク質および/
またはホモログとやはり特異的に反応するその断片を包含するものとする。抗体
は従来の技術を使って断片化し、それらの断片をその有用性に関して完全な抗体
と同じ方法でスクリーニングすることができる。例えばF(ab')2断片は抗体をペ
プシンで消化することによって生成させることができる。得られたF(ab')2断片
を処理してジスルフィド橋を還元すると、Fab'断片を得ることができる。本発明
の抗体はさらに、本発明のCLAXタンパク質を認識しこれに結合するキメラおよび
ヒト化分子を包含するものとする。
【0082】 本発明のCLAXタンパク質に対するモノクローナル抗体およびポリクローナル抗
体ならびにFab'、sFvおよびF(ab')2などの抗体断片は、どちらも本発明のCLAXタ
ンパク質の作用を遮断するために使用でき、本発明の特定のCLAXまたはホモログ
の役割の研究を可能にする。あるいは、そのような抗体を治療的に使用して、処
置対象哺乳動物(例えばヒト)において本発明のCLAXタンパク質を遮断すること
もできる。好ましい一態様として、本発明の抗体を含んでなる治療用組成物は医
薬的に許容できる担体、溶剤または希釈剤も含むことができ、当技術分野で知ら
れているシステムによって投与できる。
【0083】 本発明の抗体は本発明のCLAXタンパク質のアゴニスト候補としても役立ちうる
。そのようなアゴニスト抗体はレセプターを凝集し架橋するのに役立ち、それが
シグナル伝達、増殖、分化および/または細胞死(アポトーシス)を誘発する。
【0084】 本発明のCLAXタンパク質またはその断片に特異的に結合する抗体は、本発明の
CLAXの存在量を評価しその発現をパターン化するために、組織試料の免疫組織化
学的染色にも使用できる。抗体は、組織または体液中の本発明のCLAXタンパク質
を検出しそのレベルを評価するための免疫沈降法、免疫ブロット法および酵素結
合免疫吸着測定法(ELISA)で診断的に使用することもできる。
【0085】 以下の実施例では本発明をさらに具体的に説明する。これらの実施例は本発明
の範囲の限定を意図するものではなく、本発明のさらなる理解に役立つだろう。
【0086】 (実施例) 実施例1 新規CLAXおよびその変異体の同定 1.バイオインフォマティックス CD69はリンパ球、好中球、好酸球、血小板および表皮ランゲルハンス細胞を含
む造血細胞に広く発現される。これは休止状態では発現しないが、活性化される
と迅速に誘導される。CD69はリンパ球の最初期活性化マーカーである。抗CD69 m
AbはT、BおよびNK細胞の活性化とサイトカイン産生を誘導できる。これらの機能
はそのホモログの解明に役立ちうる。
【0087】 TIGR発現配列タグ(EST)データベースに対してヌクレオチド配列(6フレーム
翻訳物)を検索するクエリー配列として、ヒトCD69の完全長ポリペプチド配列を
使用した。TBLASTNソフトウェア(Basic Local Alignment Search Tool)を実行
することにより、活性化T細胞から2つの関連ESTが同定された。それらのESTをht
tp://www.ncbi.nlm.nih.gov/EntrezのENTREZを使って引き出した。引き出したES
TをIncyte PharmaceuticalsのLifeSeqプログラムに読み込み、Incyte ESTデータ
ベースを検索するクエリーヌクレオチド配列として使用した。TBLASTXソフトウ
ェアプログラムの使用により、さらに5つのESTが同定された。GCGアセンブリー
ソフトウェアを使って、それら7つのESTを一つの連続したプロジェクト(コンテ
ィグ)にアセンブルした(図1)。このコンティグcDNAは新規II型膜タンパク質
をコードし、C-型レクチンスーパーファミリーに属する(図2A)。その推定アミ
ノ酸配列はアミノ酸配列が最も近いヒトCD69と41%のアミノ酸一致率を示す。こ
の新規cDNAを本発明者らは「CLAX」タンパク質と名付けた。
【0088】 2.CLAXの細胞外ドメインのPCRクローニング CLAXコンティグのヌクレオチド配列に従って、BamHI制限部位を持つセンスプ
ライマーオリゴヌクレオチド(5'-CTAGGATCCAAGAGCTAACTGCCATCAAGAGCC-3')(
配列番号10)とXbaI制限部位を持つアンチセンスプライマー( 5'-CATTCTAGATGC
CTGGCACTACTGGCACCTTTG-3')(配列番号11)を、Life Technologies(メリーラ
ンド州ゲーサーズバーグ)で合成した。LPS活性化ヒトTHP-1細胞から調製したRN
Aから、CLAXの細胞外ドメインをコードするDNA断片を、RT-PCR(reverse transc
ription-coupled PCR)で増幅した。そのPCR産物を、BamHI制限部位の上流にマ
ウスCD8の細胞外ドメインのcDNAを含有するベクターCDM7B-に直接クローニング
した。そのCDM7B-CLAXコンストラクト中の挿入DNA(CLAX-18)の両鎖をジデオキ
シ連鎖停止法によって配列決定したところ、CLAXのコンティグのDNAセグメント
と一致していた。
【0089】 3.CLAXとその変異体をコードするcDNAの単離 ヒト白血球由来のλTriplEx cDNAライブラリーをClontech(カリフォルニア州
パロアルト)から購入した。そのライブラリーを、CLAX-18コンストラクトのBam HI-XbaI cDNA断片を精製することによって作製した[32P]dCTPランダムプライ
ム標識DNAプローブでスクリーニングした。製造者の助言に従い、ナイロン転写
膜をハイブリダイゼーション溶液1中、42℃で16時間ハイブリダイズさせた。ハ
イブリダイゼーション後、膜を2×SSCおよび0.1%SDS(3回交換)中、室温で30
分間洗浄し、次いで1×SSCおよび0.1%SDS中、65℃で60分間洗浄した。陽性プラ
ークを平板培養し、同じCLAX-18特異的DNAプローブによる2回目のハイブリダイ
ゼーションに関してスクリーニングを行なった。さらに、陽性λTriplExプラー
クを、Clontechが供給する別の宿主大腸菌でpTriplExのプラスミドクローンに変
換した。単離されたpTriplExのcDNAをジデオキシ連鎖停止法によって両鎖とも配
列決定した。異なるCLAX細胞外ドメインをコードする3つのクローンが同定され
た。クローン7BはCLAXのコンティグと一致する配列をコードする。クローン2Iは
そのORFにフレームシフト突然変異を含み、C末端の最後の37アミノ酸残基がクロ
ーン7Bと異なるポリペプチドになっている。クローン4Aは細胞外ドメイン内で切
断されている。クローン7B、クローン2Iおよびクローン4AのDNA配列の各部分は
、PCRクローニングによって単離されたクローンのDNA配列と一致する。3形態のC
LAXはすべてcDNAライブラリーのスクリーニングとPCRクローニングの両方で得る
ことができるので、CLAXとそのホモログは自然界に存在することが、この結果か
ら示唆される。異なる形態のcDNAは選択的スプライシングの結果として存在する
のだろう。
【0090】 4.CLAX cDNA配列の決定 CLAX cDNAの全ヌクレオチド配列(配列番号9)を図2Aに示す。ヌクレオチド配
列から推定されるオープンリーディングフレームはヌクレオチド番号6のメチオ
ニンコドンで始まり、TGA停止コドンの前のヌクレオチド番号587で終わる(配列
番号1はこの読み枠を表す)。推定アミノ酸配列のKyte-Doolittleのハイドロパ
シープロットにより、26アミノ酸長の膜貫通ドメインが予測される(図3A、下線
部)。正に荷電したアルギニン残基が膜貫通ドメイン内に位置する。クローン7B
とクローン2Iには2つの推定N-グリコシル化部位があり、クローン4Aには1つの推
定N-グリコシル化部位がある。
【0091】 CLAX cDNAヌクレオチド配列に対するホモロジー検索により、CLAXとそのホモ
ログは新規な未知遺伝子であることがわかった。しかしCLAX-7B、2Iおよび4Aの
細胞外ドメインと、Ca2+依存性C-型レクチンスーパーファミリーのメンバーであ
るいくつかのII型内在性膜タンパク質の炭水化物認識ドメイン(CRD)との間に
は有意なホモロジーが認められた。それらの中ではヒトCD69が最も近くヒトCLAX
-7Bとのアミノ酸一致率は41%である。ニワトリ17.5はCLAX-2Iおよび4Aに最も近
く、アミノ酸一致率はそれぞれ35%および25%である。興味深いことに、CLAX C
RDと高い配列ホモロジーを示すこれらのC-型レクチンはすべて免疫学的機能に関
与している。これらの遺伝子の大半は、ヒト12番染色体のNK遺伝子複合体中に位
置する。それらは、CD69とニワトリ17.5の他に、活性化誘導(activation-induc
ed)C-型レクチン(AICL)、アシアロ糖タンパク質、CD94、マスト細胞機能関連
抗原(MAFA)、IgEのII型レセプター(FcεRII/CD23)、ナチュラルキラー抗原L
y-49である。CLAXのCRDと上記レクチンのいくつかのCRDのアミノ酸配列を整列さ
せると、この76〜79アミノ酸長のドメイン内に11残基の絶対的保存(トリプトフ
ァン4残基、システイン3残基、グリシン2残基およびロイシン2残基)が認められ
る(図3B)。さらにこれらのタンパク質にはWIGLアミノ酸モチーフとCFYFSアミ
ノ酸モチーフが高度に保存されている。
【0092】 実施例2 CLAXおよびその変異体の融合タンパク質のクローニングと発現 1.CLAXおよびその変異体の融合タンパク質の構築 CLAXおよびその変異体の細胞外ドメインをコードするDNA断片(CLAX-18、CLAX
-13およびCLAX-5)をRT-PCRによって上述のように増幅した。そのPCR産物を、Ba m HI挿入部位の上流にマウスCD8(mCD8)の細胞外ドメインのcDNAを含有するベク
ターCDM7B-に直接クローニングした。図4に示すように、得られたコンストラク
トは、N末端にmCD8を持ちC末端側にCLAXを持つ可溶性融合タンパク質をコードす
る。CDM7B-コンストラクト中の挿入DNAセグメントをジデオキシ連鎖停止法によ
って両鎖とも配列決定した。
【0093】 2.トランスフェクション CDM7B-CLAXとその変異体コンストラクトを、DEAE-デキストラン沈殿法により
、COS-7細胞に一過性にトランスフェクトした。簡単に説明すると、75%コンフ
ルエントのCOS-7細胞を5%NuSerum DMEM培地中でDEAE-デキストラン/DNAの混合
物と共に3時間インキュベートした後、10%DMSO/PBSで2分間ショック処理した。
その細胞を10%FCS DMEM培地中、37℃で一晩培養し、次に無血清DMEMでさらに7
日間培養した。さらなる分析と精製を行なうために上清を収集した。
【0094】 3.酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)とウェスタンブロットによる融合タン
パク質の検出 ここで使用した方法は融合タンパク質のmCD8部分を検出するように設計されて
いる。まず上清におけるCLAX融合タンパク質の発現をELISAによって調べた。簡
単に説明すると、炭酸/重炭酸塩緩衝液(pH9.6)中の2μg/ml抗mCD8モノクロー
ナル抗体(mAb)53.6を使って、Dynatech Immunon II96ウェルプレートを4℃で
一晩コーティングした。そのプレートをLAV EIA標本希釈液で1時間ブロッキング
し、PBS/ツウィーン緩衝液で3回洗浄した。1ウェルあたり100μlの上清試料を加
え、室温で1時間インキュベートした。インキュベーション後、プレートを洗浄
し、次いで2μg/mlのビオチン化検出mAb53.6をウェルに加えた。ウェルに加えた
アビジン結合ペルオキシダーゼが媒介する呈色反応によって試料を読み取った。
上清試料と精製融合タンパク質はmAb53.6によるウェスタンブロットでも検出さ
れた。14%ポリアクリルアミドゲルを使って不連続SDS-PAGEを行なった。
【0095】 4.CLAXおよびその変異体の融合タンパク質の精製 mCD8に対するmAb53.6をプロテインGセファロースビーズに固定化することによ
って免疫アフィニティーカラムを作製した。この53.6被覆ビーズを化学リンカー
DMPI(Pierce)によって共有結合し、0.2Mエタノールアミン(pH8)でクエンチ
した。試料をカラムにのせる前に、ビーズをPBSで3回洗浄した。CLAX-18、CLAX-
13およびCLAX-5の上清をそれぞれ3本の独立したカラムにのせた。そのカラムを1
00ベッド体積のPBSで洗浄した。CLAX-18、CLAX-13およびCLAX-5の融合タンパク
質を溶出緩衝液(1.25M硫酸アンモニウム、20mM Hepes、0.05%アジドを含有す
るPBS中の35%プロピレングリコール)でカラムから溶出した。
【0096】 実施例3 CLAXおよびその変異体の遺伝子の発現 1.RNAの単離とノーザンブロット解析 25μgの全RNAを変性1.2%アガロース-5%ホルムアミドゲルによる電気泳動に
かけ、Optitranニトロセルロース膜(Schleicher & Schuell、ニューハンプシャ
ー州キーン)に転写した。RNAを臭化エチジウムで染色することにより、試料の
充填量が等しいことを確認した。ヒト組織mRNAブロットはClontechから購入した
。BamHI-XbaIcDNA断片を精製し、ランダムプライム標識キットを使って[32P]dC
TPで標識することにより、ヒトCLAX特異的プローブを作製した。膜をExpressHyb
溶液中、68℃で60分間ハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーション後、膜を
2×SSCおよび0.1%SDS(3回交換)中、室温で30分間洗浄し、次いで1×SSCおよ
び0.1%SDS中、65℃で60分間洗浄した。
【0097】 2.末梢血単核細胞からのTリンパ球の単離と、抗原非特異的活性化Tリンパ球
の生成 末梢血単核細胞(PBMC)をフィコール-ハイパック密度勾配遠心分離法により3
人の健常献血者から得た。そのPBMCをヒツジ赤血球(SRBC)と混合し、1000rpm
で5分間遠心分離した。そのペレットを氷上で1時間インキュベートした後、培地
で穏やかに再懸濁させた。そのPBMC-SRBC混合物をフィコール-ハイパック密度勾
配で再び遠心分離した。低張液による溶解でSRBCを除去することにより、SRBCロ
ゼット形成したTリンパ球を単離した。PBSで2回洗浄した後、インキュベーショ
ンなしのTリンパ球を休止T細胞(図6の0時間)とした。抗CD3モノクローナル抗
体(G19-4)で被覆した6ウェルプレートで、残りのTリンパ球をインキュベート
した。様々な時点で細胞を収集した(図6の8時間、24時間、48時間および72時間
)。各試料の全RNAを調製し、ノーザンブロット解析にかけた。
【0098】 明解に理解されるように例示を目的として本発明を多少具体的に説明したが、
一定の変更態様を本願特許請求の範囲内で実施できることは明らかだろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のCLAXタンパク質に関するクローニング戦略の概略図であ
る。ヒトCLAXをコードする核酸配列の最初の部分は、ゲノム研究所(The Instit
ute for Genomic Research: TIGR)のESTデータベースから、ヒトCD69 cDNAのホ
モロジー検索によって得た。TIGRとIncyte Pharmaceuticals(カリフォルニア州
パロアルト)のデータベースを使ってESTのコンティグを構築した。
【図2A】 本発明のCLAXタンパク質のヌクレオチド配列(配列番号1)と
推定アミノ酸配列(配列番号2)。
【図2B】 本発明のCLAXホモログをコードするクローン7Bのヌクレオチド
配列(配列番号3)と推定アミノ酸配列(配列番号4)。
【図2C】 本発明のCLAXホモログをコードするクローン2Iのヌクレオチド
配列(配列番号5)と推定アミノ酸配列(配列番号6)。
【図2D】 本発明のCLAXホモログをコードするクローン4Aのヌクレオチド
配列(配列番号7)と推定アミノ酸配列(配列番号8)。
【図3A】 CLAXホモログの予想アミノ酸配列の比較。膜貫通領域を構成す
るアミノ酸は、Kyte-Doolittleのハイドロパシープロットにより、1本の下線(
実線)で示すように決定された。膜貫通領域の荷電アルギニン残基はボールド体
で記載し、下線が引かれている。保存されたシステインはボールド体で記載され
ている。推定N結合型グリコシル化部位の下には実線が2本引いてある。CLAXクロ
ーン2Iおよびクローン4Aのアミノ酸配列のうち、CLAXクローン7Bのアミノ酸配列
と相違する部分をイタリック体で記載する。
【図3B】 CLAXクローン7B、2Iおよび4Aと、ヒトCD69、ニワトリ17.5、ヒ
トAICL、ヒトASGPR、ヒトCD94、ヒトMAFAおよびヒトCD23のC-型レクチンドメイ
ンのアミノ酸配列の整列。星印は保存されたアミノ酸残基を表す。ボールド体は
C-型レクチンドメインで保存されるアミノ酸モチーフを表す。
【図4】 CLAX-18、CLAX-5およびCLAX-13と名付けたCLAXタンパク質の可溶
性融合タンパク質のアミノ酸配列。CLAX-18、CLAX-5およびCLAX-13の細胞外ドメ
インをコードするアミノ酸配列をボールド体で記載する。CLAX-5およびCLAX-13
のアミノ酸配列のうち、CLAX-18のアミノ酸配列と相違する部分に下線を引く。
【図5】 様々な組織におけるCLAX発現のノーザンブロット解析。表示した
ヒト組織から得た2.5μgのポリアデニル化RNAを使ってノーザンブロットを調製
した(Clontech、カリフォルニア州パロアルト)。そのブロットを、CLAX-18のc
DNA断片に相当する32P標識cDNAプローブでハイブリダイズし、オートラジオグラ
フィーで可視化した。RNA標品の位置を左側にkbの単位で示す。約2.5kbと4.0kb
の2本の転写物を右側の矢印で示す。これらの転写物はリンパ系組織(骨髄と胎
児肝臓を除く)に検出され、非リンパ系組織(前立腺、精巣、卵巣、小腸および
結腸)には検出されなかった。
【図6】 Tリンパ球活性化中のCLAX遺伝子の転写動態に関するノーザンブ
ロット解析。ヒトTリンパ球を固定化抗CD3 mAbによって活性化した。表示した活
性化時点で得た25μgの全RNAをノーザンブロットの各レーンに充填した。そのRN
Aを変性1.2%アガロース-6%ホルムアルデヒドゲルでの電気泳動にかけ、Optitr
anニトロセルロース膜に転写した。そのブロットを、CLAX-18のcDNA断片に相当
する32P標識cDNAプローブとハイブリダイズさせ、オートラジオグラフィーによ
って可視化した。RNA標品の位置を左端にkbの単位で示す。約2.5kbと4.0kbの2本
の転写物は活性化Tリンパ球(8、24、48および72時間)には検出されたが、休止
T細胞(0時間)には検出されなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/15 C12N 1/19 4H045 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 G01N 33/15 Z C12P 21/02 33/50 Z G01N 33/15 33/53 D 33/50 A61K 48/00 33/53 C12P 21/08 // A61K 38/00 C12N 15/00 ZNAA 48/00 5/00 A C12P 21/08 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,UZ ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 シャオロン・チェン アメリカ合衆国08540ニュージャージー州 プリンストン、マンドン・コート206番 (72)発明者 パトリシア・エム・デイビス アメリカ合衆国19067ペンシルベニア州ヤ ードリー、サクソニー・レイン605番 (72)発明者 ピーター・エイ・キーナー アメリカ合衆国18901ペンシルベニア州ド イルズタウン、サドルビュー・レイン2番 Fターム(参考) 2G045 AA40 BB20 DA36 FB03 4B024 AA01 BA43 BA56 BA63 CA04 DA02 EA04 GA11 HA01 4B064 AG20 AG27 CA10 CA19 CC24 DA01 4B065 AA90X AA94Y AA99Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA25 CA44 4C084 AA06 AA07 AA13 BA01 BA08 BA22 BA23 DA39 ZB022 ZB111 ZB131 ZB321 ZC412 4H045 AA10 AA11 AA20 BA10 BA41 CA40 DA50 DA75 EA28 EA50 FA74

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号2に記載のアミノ酸配列を含んでなるCLAXタンパク
    質の全部または一部をコードする単離精製された核酸分子。
  2. 【請求項2】 (a)配列番号1に示す核酸配列、(b)(a)の相補配列、ま
    たは(c)遺伝コードの縮重ゆえに(a)もしくは(b)と相違する核酸配列を含
    んでなる請求項1の核酸配列。
  3. 【請求項3】 配列番号4に示すアミノ酸配列を含んでなるCLAXタンパク質
    ホモログの全部または一部をコードする単離精製された核酸配列。
  4. 【請求項4】 (a)配列番号3に示す核酸配列、(b)(a)の相補配列、ま
    たは(c)遺伝コードの縮重ゆえに(a)もしくは(b)と相違する核酸配列を含
    んでなる請求項3の核酸配列。
  5. 【請求項5】 配列番号6に示すアミノ酸配列を含んでなるCLAXタンパク質
    ホモログの全部または一部をコードする単離精製された核酸配列。
  6. 【請求項6】 (a)配列番号5に示す核酸配列、(b)(a)の相補配列、ま
    たは(c)遺伝コードの縮重ゆえに(a)もしくは(b)と相違する核酸配列を含
    んでなる請求項5の核酸配列。
  7. 【請求項7】 配列番号8に示すアミノ酸配列を含んでなるCLAXタンパク質
    ホモログの全部または一部をコードする単離精製された核酸配列。
  8. 【請求項8】 (a)配列番号7に示す核酸配列、(b)(a)の相補配列、ま
    たは(c)遺伝コードの縮重ゆえに(a)もしくは(b)と相違する核酸配列を含
    んでなる請求項7の核酸配列。
  9. 【請求項9】 請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載の核酸分子および
    その核酸分子に作動可能に連結された発現制御配列を含んでなる発現ベクター。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載の核酸分子およ
    びその核酸分子に作動可能に連結された発現制御配列を含んでなる発現ベクター
    を含む形質転換体宿主細胞。
  11. 【請求項11】 配列番号2に示すアミノ酸配列を含んでなるCLAXタンパク
    質。
  12. 【請求項12】 配列番号4、配列番号6および配列番号8に示すアミノ酸配
    列からなる群より選択されるアミノ酸配列を含んでなるCLAXタンパク質ホモログ
  13. 【請求項13】 CLAXタンパク質またはそのホモログの製造方法であって、
    a)該CLAXタンパク質またはそのホモログをコードする請求項1、2、3、4、5、6
    、7または8の核酸配列を適当な発現ベクターに挿入する段階、 b)該発現ベクターを適当なトランスフェクション宿主細胞にトランスフェクト
    する段階、 c)トランスフェクトされた該宿主細胞を適当な培養培地で生育する段階、 d)該培養培地からCLAXタンパク質またはそのホモログを精製する段階、 を含む方法。
  14. 【請求項14】 請求項2、4、6または8の核酸配列にストリンジェントな条
    件でハイブリダイズする単離された核酸配列であって、配列番号1、配列番号3、
    配列番号5、配列番号7または配列番号9に由来する少なくとも15の連続した核酸
    を含有する核酸配列。
  15. 【請求項15】 請求項11に記載のCLAXタンパク質に特異的な抗体。
  16. 【請求項16】 モノクローナル抗体である請求項15の抗体。
  17. 【請求項17】 請求項12に記載のCLAXタンパク質ホモログに特異的な抗体
  18. 【請求項18】 モノクローナル抗体である請求項17の抗体。
  19. 【請求項19】 a)請求項11のCLAXタンパク質をコードする核酸配列を適
    当な発現ベクターに挿入し、 b)該発現ベクターを適当なトランスフェクション宿主細胞にトランスフェクト
    し、 c)トランスフェクトされた該宿主細胞を適当な培養培地で生育し、 d)該培養培地から腫瘍壊死因子レセプターを精製すること によって製造される請求項11のCLAXタンパク質。
  20. 【請求項20】 a)請求項12のCLAXタンパク質ホモログをコードする核酸
    配列を適当な発現ベクターに挿入し、 b)該発現ベクターを適当なトランスフェクション宿主細胞にトランスフェクト
    し、 c)トランスフェクトされた宿主細胞を適当な培養培地で生育し、 d)該培養培地から腫瘍壊死因子レセプターを精製する、 ことによって製造される請求項12のCLAXタンパク質ホモログ。
  21. 【請求項21】 請求項11のCLAXタンパク質または該CLAXタンパク質の一部
    に結合できるリガンドを同定する方法であって、 (a)該CLAXタンパク質または該CLAXタンパク質の一部を、該CLAXタンパク質ま
    たは該CLAXタンパク質の一部に結合できる可能性のあるリガンドと、リガンド-C
    LAXタンパク質複合体の形成が可能な条件で反応させる段階、および (b)リガンド-CLAXタンパク質複合体、遊離のリガンド、非複合体化CLAXタンパ
    ク質またはCLAXタンパク質の活性化についてアッセイする段階、 を含む方法。
  22. 【請求項22】 請求項12のCLAXタンパク質ホモログまたは該CLAXタンパク
    質ホモログの一部に結合できるリガンドを同定する方法であって、 (a)該CLAXタンパク質ホモログまたは該CLAXタンパク質ホモログの一部を、該C
    LAXタンパク質ホモログまたは該CLAXタンパク質ホモログの一部に結合できる可
    能性のあるリガンドと、リガンド-CLAXタンパク質ホモログ複合体の形成が可能
    な条件で反応させる段階、および (b)リガンド-CLAXタンパク質ホモログ複合体、遊離のリガンド、非複合体化CL
    AXタンパク質ホモログまたはCLAXタンパク質ホモログの活性化についてアッセイ
    する段階、 を含む方法。
  23. 【請求項23】 第2のポリペプチドに結合された配列番号2に示すCLAXタン
    パク質の全部または一部を含んでなる融合タンパク質。
  24. 【請求項24】 ヒトIgG分子のヒンジおよび/または定常領域の全部または
    一部に結合された配列番号2に示すCLAXタンパク質の細胞外部分を含んでなる請
    求項23の融合タンパク質。
  25. 【請求項25】 第2のポリペプチドに結合された配列番号4、配列番号6ま
    たは配列番号8に示すCLAXタンパク質ホモログの全部または一部を含んでなる融
    合タンパク質。
  26. 【請求項26】 ヒトIgG分子のヒンジおよび/または定常領域の全部または
    一部に結合された配列番号4、配列番号6または配列番号8に示すCLAXタンパク質
    ホモログの細胞外部分を含んでなる請求項25の融合タンパク質。
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