JP2003527859A - 新規ポリペプチドおよびそれをコードする核酸 - Google Patents

新規ポリペプチドおよびそれをコードする核酸

Info

Publication number
JP2003527859A
JP2003527859A JP2001569361A JP2001569361A JP2003527859A JP 2003527859 A JP2003527859 A JP 2003527859A JP 2001569361 A JP2001569361 A JP 2001569361A JP 2001569361 A JP2001569361 A JP 2001569361A JP 2003527859 A JP2003527859 A JP 2003527859A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypeptide
nucleic acid
novx
protein
sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001569361A
Other languages
English (en)
Inventor
レイモンド ジェイ. ジュニア トーピア,
クムド マジャンダー,
スティーブン ケイ. スペイデルナ,
グレンダ スミスソン,
ピーター エス. メゼス,
コリン エイ.エム. バーネット,
Original Assignee
キュラジェン コーポレイション
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by キュラジェン コーポレイション filed Critical キュラジェン コーポレイション
Publication of JP2003527859A publication Critical patent/JP2003527859A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • A61P1/16Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system for liver or gallbladder disorders, e.g. hepatoprotective agents, cholagogues, litholytics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • A61P1/18Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system for pancreatic disorders, e.g. pancreatic enzymes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • A61P17/06Antipsoriatics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/28Drugs for disorders of the nervous system for treating neurodegenerative disorders of the central nervous system, e.g. nootropic agents, cognition enhancers, drugs for treating Alzheimer's disease or other forms of dementia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P3/00Drugs for disorders of the metabolism
    • A61P3/04Anorexiants; Antiobesity agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/10Drugs for disorders of the cardiovascular system for treating ischaemic or atherosclerotic diseases, e.g. antianginal drugs, coronary vasodilators, drugs for myocardial infarction, retinopathy, cerebrovascula insufficiency, renal arteriosclerosis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/14Vasoprotectives; Antihaemorrhoidals; Drugs for varicose therapy; Capillary stabilisers

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Child & Adolescent Psychology (AREA)
  • Diabetes (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Obesity (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Psychiatry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規の単離されたNOVXポリヌクレオチドおよびNOVXポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドを提供する。NOVXポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体、またはNOVXのポリペプチド、ポリヌクレオチドもしくは抗体の、任意の誘導体、改変体、変異体もしくはフラグメントがまた、提供される。本発明はさらに、NOVXのポリペプチド、ポリヌクレオチドおよび抗体が、病理学的状態の広い範囲の検出および処置に利用される方法、ならびに他の使用を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、一般的に、核酸およびそれによってコードされるポリペプチドに関
する。
【0002】 (発明の背景) 本発明は、一般的に、核酸およびそれによってコードされるポリペプチドに関
する。より詳細には、本発明は、細胞質、核、膜結合、および分泌ポリペプチド
をコードする核酸、ならびにこれらの核酸およびポリペプチドを産生するための
ベクター、宿主細胞、抗体および組換え方法に関する。
【0003】 (発明の要旨) 本発明は、新規なポリペプチドをコードする新規なポリヌクレオチド配列の発
見に一部基づく。
【0004】 従って、一つの局面において、本発明は、配列番号1、3、5、7、9、11
、13、15、17、19、21または23の配列、あるいはそれらのフラグメ
ント、ホモログ、アナログまたは誘導体を含む単離された核酸分子を提供する。
この核酸は、例えば、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18
、20、22または24のアミノ酸配列を含むポリペプチドに少なくとも85%
同一なポリペプチドをコードする核酸配列を含み得る。この核酸は、例えば、ゲ
ノムDNAフラグメント、またはcDNA分子であり得る。
【0005】 本明細書中に記載される核酸の一つ以上を含むベクター、および本明細書中に
記載されるベクターまたは核酸を含む細胞もまた、本発明に含まれる。
【0006】 本発明はまた、上記核酸分子のいずれかを含むベクターを用いて形質転換され
た宿主細胞に関する。
【0007】 別の局面において、本発明は、NOVX核酸および薬学的に受容可能なキャリ
アまたは希釈剤を含む薬学的組成物を含む。
【0008】 さらなる局面において、本発明は、実質的に精製されたNOVXポリペプチド
(例えば、NOVX核酸によってコードされるNOVXポリペプチドのいずれか
、ならびにそのフラグメント、ホモログ、アナログ、および誘導体)を含む。本
発明はまた、NOVXポリペプチドおよび薬学的に受容可能なキャリアまたは希
釈剤を含む薬学的組成物を含む。
【0009】 なおさらなる局面において、本発明は、NOVXポリペプチドに特異的に結合
する抗体を提供する。抗体は、例えば、モノクローナル抗体またはポリクローナ
ル抗体、ならびにそれらのフラグメント、ホモログ、アナログ、および誘導体で
あり得る。本発明はまた、NOVX抗体および薬学的に受容可能なキャリアまた
は希釈剤を含む薬学的組成物を含む。本発明はまた、上記核酸分子のいずれかに
よってコードされるポリペプチドのエピトープに結合する単離された抗体に関す
る。
【0010】 本発明はまた、上記薬学的組成物のいずれかを含むキットを含む。
【0011】 本発明はさらに、NOVX核酸(例えば、NOVX核酸を含むベクター)を含
む細胞を提供し、そしてこの核酸によってコードされるNOVXポリペプチドを
発現するのに十分な条件下で細胞を培養することによってNOVXポリペプチド
を産生するための方法を提供する。次いで、発現されたNOVXポリペプチドは
、細胞から回収される。好ましくは、細胞は、ほとんどまたは全く内因性のNO
VXポリペプチドを産生しない。細胞は、例えば、原核生物細胞または真核生物
細胞であり得る。
【0012】 本発明はまた、サンプルをNOVXポリペプチドまたはNOVX核酸に特異的
に結合する化合物と接触させ、そして存在する場合、複合体形成を検出すること
によって、このサンプル中のNOVXポリペプチドまたはNOVX核酸を同定す
る方法に関する。
【0013】 本発明はさらに、NOVXポリペプチドを化合物と接触させ、NOVXポリペ
プチドの活性が改変されるか否かを決定することによって、NOVXポリペプチ
ドの活性を調節する化合物を同定する方法を提供する。
【0014】 本発明はまた、NOVXポリペプチドを化合物と接触させ、その化合物が、N
OVXポリペプチドの活性を改変するか、NOVXポリペプチドに結合するか、
またはNOVXポリペプチドをコードする核酸分子に結合するか否かを決定する
ことによって同定されるNOVXポリペプチド活性を調節する化合物に関する。
【0015】 別の局面において、本発明は、被験体のNOVX関連障害の存在またはこの障
害の素因を測定する方法を提供する。この方法は、被験体からサンプルを提供す
る工程、およびこの被験体サンプル中のNOVXポリペプチドの量を測定する工
程を包含する。次いで、被験体サンプル中のNOVXポリペプチドの量を、コン
トロールサンプル中のNOVXポリペプチドの量と比較する。コントロールタン
パク質サンプル中のNOVXポリペプチドの量に対する被験体のタンパク質サン
プル中のNOVXポリペプチドの量における変化は、この被験体が、組織増殖関
連状態を有することを示す。コントロールサンプルは、好ましくは、対等の個体
(すなわち、年齢、性別、または他の一般的状態の類似する個体であって、組織
増殖関連状態を有することが疑われていない個体)から取られる。あるいは、コ
ントロールサンプルは、被験体が組織増殖関連障害を有すると疑われていないと
きのその被験体から取られ得る。いくつかの実施形態において、NOVXは、N
OVX抗体を使用して検出される。
【0016】 さらなる局面において、本発明は、被験体のNOVX関連障害の存在またはこ
の障害の素因を決定する方法を提供する。この方法は、核酸サンプル(例えば、
RNAまたはDNAまたはその両方)を被験体から提供する工程、および被験体
の核酸サンプル中のNOVX核酸の量を測定する工程を包含する。次いで、被験
体核酸中のNOVX核酸サンプルの量を、コントロールサンプル中のNOVX核
酸の量と比較する。コントロールサンプル中のNOVXの量に対するサンプル中
のNOVX核酸の量における変化は、この被験体がNOVX関連障害を有するこ
とを示す。
【0017】 なおさらなる局面において、本発明は、NOVX関連障害を処置するか予防す
るかまたは遅延させる方法を提供する。本方法は、このような処置または予防ま
たは遅延が望ましい被験体に、NOVX核酸、NOVXポリペプチド、またはN
OVX抗体を、被験体のNOVX関連障害を処置、予防、または遅延するのに十
分な量で投与する工程を包含する。
【0018】 他に規定しない限り、本明細書中で使用される全ての技術的用語および科学的
用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって共通して理解されるのと同じ
意味を有する。本明細書中に記載される方法および材料と類似または等価な方法
または材料が、本発明の実施または試験において使用され得るが、適切な方法お
よび材料は以下に記載される。本明細書中で言及されるすべての刊行物、特許出
願、特許、および他の文献は、その全体が参考として援用される。矛盾する場合
には、定義を含む本明細書が優先される(control)。さらに、材料、方
法、および実施例は、例示のみであって限定することを意図しない。
【0019】 本発明の他の特徴および他の利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲
から明らかとなる。
【0020】 (発明の詳細な説明) 本発明は、新規なヌクレオチドおよびそれによってコードされるポリペプチド
を提供する。新規な核酸配列およびそれらのポリペプチドが本発明に含まれる。
それらの配列は、集合的に「NOVX核酸」または「NOVXポリヌクレオチド
」と呼ばれ、そして対応するコードされるポリペプチドは、「NOVXポリペプ
チド」または「NOVXタンパク質」と呼ばれる。他に示されない場合、「NO
VX」は、本明細書中に開示された新規な配列のいずれかをいうことを意味する
。表1は、NOVX核酸およびそれらがコードするポリペプチドの要約を提供す
る。実施例1は、新規な核酸がどのようの同定されたかについての記載を提供す
る。
【0021】
【表1】 NOVX核酸およびそれらがコードするポリペプチドは、種々の用途および内
容において有用である。本発明に従う種々のNOVX核酸およびポリペプチドは
、先に記載されたタンパク質に対するドメインおよび配列の関連性の存在に従っ
て、タンパク質ファミリーの新規なメンバーとして有用である。さらに、NOV
X核酸およびNOVXポリペプチドはまた、NOVXポリペプチドが属するファ
ミリーのメンバーであるタンパク質を同定するために使用され得る。
【0022】 例えば、NOV1は、生理学的なイオンバランスおよびニューロンシグナル伝
達を維持する際に重要な塩素イオンチャネルファミリーのタンパク質のメンバー
と相同性である。従って、本発明に従うNOV1核酸、NOV1ポリペプチド、
NOV1抗体および関連する化合物は、変化したイオン調節および神経シグナル
伝達によって特徴付けられる障害(例えば、嚢胞性線維症、長期QT(long
QT)症候群に見られる不整脈(arrythmia)、Dent病、バータ
ー症候群、気管支炎および静脈洞炎)における治療的および診断的用途に有用で
ある。
【0023】 また、NOV2は、ケラチノサイト分化において重要な脂肪酸結合タンパク質
のファミリーと相同性である。本発明に従うNOV2核酸、NOV2ポリペプチ
ド、NOV2抗体および関連化合物は、異常なケラチノサイト分化によって特徴
付けられる障害(例えば、扁平上皮癌および損傷性乾癬皮膚)において治療的お
よび診断的用途に有用である。
【0024】 さらに、NOV3は、細胞増殖および分化において重要なインシュリン様増殖
因子結合タンパク質のファミリーと相同性である。従って、本発明に従うNOV
3核酸およびNOV3ポリペプチド、NOV3抗体および関連化合物は、増殖性
障害およびアポトーシス障害(例えば、癌、アルツハイマー病、および肥満症)
の治療および診断用途において有用である。
【0025】 また、NOV4は、ケラチノサイトおよび他の細胞型における細胞骨格の安定
性に重要なサイトケラチン−18ファミリーのタンパク質と相同性である。従っ
て、本発明に従うNOV4核酸、NOV4ポリペプチド、NOV4抗体および関
連化合物は、肝臓、膵臓、および腸の障害(例えば、慢性肝炎および薬物誘導肝
毒性)の治療的および診断的用途で有用である。
【0026】 さらに、NOV5およびNOV12は、ペプチドプロセシングにおいて重要な
カルボキシペプチダーゼファミリーのタンパク質と相同性である。従って、本発
明に従うNOV5およびNOV12核酸、NOV5およびNOV12ポリペプチ
ド、NOV5およびNOV12抗体ならびに関連化合物は、膵臓の代謝障害、例
えば、急性膵炎の治療的および診断的用途で有用である。
【0027】 また、NOV6は、肥満細胞活性化および移動に重要な肥満細胞プロテアーゼ
−6ファミリーのタンパク質と相同性である。従って、本発明に従うNOV6核
酸、NOV6ポリペプチド、NOV6抗体および関連化合物は、免疫系の障害、
例えば、感染性炎症性腹膜炎の治療的および診断的用途で有用である。
【0028】 さらに、NOV7は、生理学的なイオンバランスおよび神経学的なシグナル伝
達を維持する際に重要な硫酸アニオンチャネルファミリーのタンパク質のメンバ
ーと相同性である。従って、本発明に従うNOV7核酸、NOV7ポリペプチド
、NOV7抗体および関連化合物は、変化した硫酸アニオン調節および神経シグ
ナル伝達によって特徴付けられる障害(例えば、ペンドレッド症候群、変形性形
成異常症および他の骨格性形成異常症)の治療的および診断的用途で有用である
【0029】 なおさらに、NOV8〜9は、細胞外マトリクスとの細胞相互作用を制御する
ことによって、細胞の形状および運動性の調節に重要なサイトスタチン(cyt
ostatin)様タンパク質のファミリーと相同性である。従って、本発明に
従うNOV8〜9核酸、NOV8〜9ポリペプチド、NOV8〜9抗体および関
連化合物は、変化した細胞形態、運動性、およびアポトーシスによって特徴付け
られる障害(例えば、癌および虚血性損傷)の治療的および診断的用途で有用で
ある。
【0030】 最後に、NOV10〜11は、神経シグナル伝達およびリンパ球化学誘因性(
chemoattraction)において重要なタンパク質のケモカインレセ
プターファミリーと相同性である。従って、本発明に従うNOV10〜11核酸
、NOV10〜11ポリペプチド、NOV10〜11抗体および関連化合物は、
損傷および感染に対する変化した免疫応答によって特徴付けられる障害(例えば
、AIDS、急性肺損傷、成人呼吸窮迫症候群および多発性硬化症)の治療的お
よび診断的用途で有用である。
【0031】 NOVX核酸およびNOVXポリペプチドはまた、NOVX活性または機能を
阻害するかまたは高める分子をスクリーニングするために使用され得る。詳細に
は、本発明に従う核酸およびポリペプチドは、例えば、神経発生、細胞分化、細
胞運動性、細胞増殖、造血、創傷治癒および、新脈管形成を調節するかまたは阻
害する小分子の同定のための標的として使用され得る。
【0032】 本発明に従うNOVX核酸およびNOVXポリペプチドについてのさらなる有
用性は、本明細書中に記載される。
【0033】 (NOV1) 本発明に従うNOV1配列は、塩素イオンチャネルファミリーのタンパク質に
関連するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。NOV1核酸は、19番ヒ
ト染色体において見出される。NOV1核酸およびこの核酸がコードするポリペ
プチドは、表2に示される配列を含む。開示された核酸(配列番号1)は、73
9ヌクレオチドの長さであり、ヌクレオチド1〜3においてATG開始コドンで
始まり、ヌクレオチド737〜739においてTAA終止コドンで終わるオープ
ンリーディングフレーム(ORF)を含む。代表的なORFは、28,017.
3ドルトン(Da)の予測された分子量を有する246アミノ酸ポリペプチド(
配列番号2)をコードする。NOV1ポリペプチドのPSORT分析は、0.7
900の確実性で血漿膜タンパク質を予測する。SIGNALP分析は、配列番
号2の53位と54位との間におそらく存在する切断部位を有するシグナルペプ
チドの存在を示唆する。
【0034】
【表2】 NOV1核酸は、表3に示されるように、ヒトクロリドチャネルタンパク質P
64様mRNA(human chloride channel prote
in P64−like mRNA)(CC64;GenBank登録番号:A
K001624)と高度な相同性(92%同一性)を有する。NOV1ポリペプ
チドはまた、表4に示されるように、細胞内ヒトクロリドチャネルポリペプチド
(intracellular human chloride channe
l polypeptide)(ICCP;EMBL登録番号:AAF1905
5)と相同性(78%同一性、85%類似性)を有する。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】 細胞膜内に存在するトランスポーター、チャネル、およびポンプは、細胞内の
イオンの適切なバランスを維持するために重要であり、そして神経から組織まで
シグナルを伝達するのに重要である。イオンチャネルおよびトランスポーター内
の欠陥の結果は、それらがどこに位置するかおよびそれらのカーゴ(cargo
)が何であるかに依存して、異なる。心臓において、カリウムチャネル内の欠陥
は、電気インパルスの適切な伝達を可能にせず、長期のQT症候群に見られる不
整脈を生じる。肺において、上皮細胞内に見られるナトリウムおよびクロリドト
ランスポーターの不全は、嚢胞性線維症のうっ血を導き、一方で、難聴、ペンド
レッド症候群の最も一般的な遺伝形態の1つは、硫酸塩トランスポーターの欠陥
と関連付けられるようである。
【0037】 クロリドチャネル(CLC)は、細胞興奮性の調節、経上皮輸送、細胞容量調
節、および細胞内オルガネラの酸性化において重要な役割を担う。この種々の機
能は、幾つかの非関連遺伝子ファミリーに属する遺伝子によってコードされる大
多数の異なるクロリドチャネルを必要とする。このクロリドチャネルのCLCフ
ァミリーは、哺乳動物の9個の公知のメンバーを有し、これは差次的な組織分布
を示し、そして血漿膜および細胞内オルガネラの両方において機能する。CLC
タンパク質は、約10〜12個の膜貫通ドメインを有する。それらは、おそらく
、ダイマーとして機能し、そして2個のポアを有し得る。部位指向変異原性によ
って変更されるチャネルの機能的発現は、それらの構造と機能との関係に重要な
識見を導いてきた。それらの生理学的関連性は、3つのヒト遺伝疾患(先天性筋
緊張症、Dent疾患およびバーター症候群)から明らかであり、それらのメン
バーの幾つかにおける変異およびノックアウトマウスモデルから生じる(Jen
tschら、1999、Pfluger Arch.437:783を参照のこ
と)。
【0038】 遺伝性腎臓尿細管障害の最近の研究は、ECFにおける最も豊富に存在するア
ニオン、Cl−の調節において、クロリドチャネルおよびコトランスポーター(
cotransporter)の同定および役割を容易にしてきた。従って、電
位ゲートクロリドチャネル、CLC−5の機能の損失を生じる変異は、Dent
疾患に関連し、これは、低分子量タンパク尿症、高カルシウム尿症、腎石症、お
よび腎臓不全によって特徴付けられる。別の電位ゲートクロリドチャネル、CL
C−Kbの変異は、バーター症候群の形態を関連し、一方で、バーター症候群の
他の形態は、ブメタニド感受性ナトリウム−カリウム−クロリドコトランスポー
ター(NKCC2)およびカリウムチャネル、ROMK内の変異によって引き起
こされる。最終的に、サイアザイド感受性ナトリウム−クロリドコトランスポー
ター(NCCT)の変異は、Gitelman症候群と関連する(Thakke
r、1999、Adv Nephrol.Necker Hosp.29:28
9を参照のこと)。これらの研究は、ミネラルホメオスタシスを調節する腎臓尿
細管機構およびクロリドチャネルの役割の幾つかを解明するのに役立ってきた。
【0039】 クロリドチャネル機能不全のより顕著なケースは、嚢胞性線維症である。嚢胞
性線維症(CF)は、多システムが関与する遺伝性疾患であり、ここで膜を通る
不完全なクロリド輸送は、脱水分泌を引き起こす。嚢胞性線維症(CF)は、お
よそ2000人に一人に影響を及ぼし、コーカサス集団における最も一般的で致
命的な遺伝性疾患の1つにする。嚢胞性線維症膜貫通コンダクタンスレギュレー
ター(CFTR)CL−チャネルの機能不全はまた、疾患の広範なスペクトルと
関連付けられる(Hwang & Sheppard,1999,Trends
Pharmacol.Sci.20:448を参照のこと)。CF遺伝子、嚢
胞性線維症膜貫通コンダクタンスレギュレーター(CFTR)によってコードさ
れるタンパク質は、環式アデノシンモノホスフェート調節クロリドチャネルとし
て機能する。CFTR変異を検出する能力は、種々の状態(慢性気管支炎、鼻ポ
リープを伴う副鼻腔炎、膵臓炎、および男性の不妊症)との関連の理解を導いて
きた(Choudariら、1999、Gastroenterol.Clin
.North Am.28:543)。CFTRのモジュレーターのための研究
において、CFTR Cl−チャネルと直接に相互作用する薬理学的薬剤が同定
されてきた。幾つかの薬剤は、チャネルゲーティングを制御するヌクレオチド結
合ドメインと相互作用することによってCFTRを刺激し、一方で、他の薬剤は
、チャネルポア内で結合すること、およびCl−浸透を妨げることによってCF
TRを阻害する。CFTRの分子薬理学の知識は、CFTRの機能不全によって
引き起こされる疾患のための新たな処置を導き得る。
【0040】 NOV1は、クロリドチャネルファミリの新たなメンバーを表す。NOV1は
、ヒト染色体19のためのマーカーとして使用され得る。NOV1は、クロリド
チャネルタンパク質ファミリー内に含まれる遺伝子の発現における変化を決定す
る際に有用である。NOV1は、クロリドチャネル関連タンパク質のメンバーの
発現における変更に関連した障害の処置において有用な新たな診断学的または治
療学的組成物を提供することによって、当該分野における要求を満足する。本発
明のNOV1核酸、ポリペプチド、抗体、および他の組成物は、種々の疾患およ
び病状(非限定的な例として、嚢胞性線維症、先天性筋緊張症、Dent疾患、
X連結腎臓尿細管障害、白質脳症、悪性高熱、高血圧、長期QT症候群で見られ
る不整脈、Dent疾患、バーター症候群、気管支炎、副鼻腔炎および他の病状
および障害に関するものが挙げられる)の処置および/または診断において有用
である。
【0041】 (NOV2) 本発明に従うNOV2配列は、タンパク質の脂肪酸結合タンパク質ファミリー
に関するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。NOV2核酸は、ヒト染色
体5に見られる。NOV2核酸およびそのコードしたポリペプチドは、表5に示
される配列を含む。開示される核酸(配列番号3)は、550ヌクレオチド長で
あり、ヌクレオチド27〜29でATG開始コドンにより開始し、そしてヌクレ
オチド543〜545でTAA停止コドンにより終結するオープンリーディング
フレーム(ORF)を含む。代表的なORFは、予測された分子量19,464
.4Daを有する172アミノ酸ポリペプチド(配列番号4)をコードする。N
OV2ポリペプチドのPSORT分析は、0.3600の確実性を有するミトコ
ンドリアマトリクスタンパク質を予測する。SIGNALP分析は、シグナルペ
プチドの欠損を示唆する。
【0042】
【表5】 NOV2核酸は、表6に示されるように、ヒト染色体5(そのクローンCTB
−139P6(CHR5;GenBank登録番号:AC010293)を含む
)の特徴づけされていない領域と高度な相同性(99%同一性)を有する。NO
V2ポリペプチドは、表7に示されるように、ヒト上皮脂肪酸結合タンパク質ポ
リペプチド(human epidermal fatty acid−bin
ding protein polypeptide)(FABP;EMBL登
録番号:Q01469)と相同性(71%同一性、79%類似性)を有する。N
OV2ポリペプチドはまた、表8に示されるように、ヒトメラニン形成インヒビ
ターポリペプチド(human melanogenic inhibitor
polypeptide)(hMI;PatP登録番号:R55866)と相
同性(71%同一性、79%類似性)を有する。
【0043】
【表6】
【0044】
【表7】
【0045】
【表8】 ここで、|は、同一性を示し、そして+は類似性を示す。
【0046】 哺乳動物細胞における脂肪酸代謝は、β酸化については、原形質膜とミトコン
ドリアまたはペルオキシソームとの間、ならびに脂質合成については、他の細胞
性小器官の間の、脂肪酸の流入に依存する。脂肪酸結合タンパク質(FABP)
ファミリーは、小さいサイトゾルタンパク質から構成される。このタンパク質は
、それらの疎水性リガンドの取りこみ、輸送、および可溶化に関与していると考
えられる。このファミリーのメンバーは、高度に保存された配列および三次構造
を有する。脂肪酸結合タンパク質は、まず、インテスティン(FABP2;OM
IM−134640)中で単離され、そして肝臓(FABP1;OMIM−13
4650)で、線状筋(FABP3;OMIM−134651)、脂肪細胞(F
ABP4;OMIM−600434)、および表皮組織(E−FABP;GDB
ID:136450)中で遅れて見出される。
【0047】 表皮脂肪酸結合タンパク質(E−FABP)は、乾癬患者の皮膚からMads
enおよび共同研究者により新規なケラチノサイトタンパク質としてクローニン
グされた(Madsenら、1992、J.Invest.Dermatol.
99:299を参照のこと)。後に、定量的ウエスタンブロット分析を用いて、
Kingmaおよび共同研究者は、ウシE−FABPが、皮膚に加えて、網膜、
精巣、および水晶体中で発現されることを示した(Kingmaら、1998、
Biochemistry 37:3250を参照のこと)。E−FABPはも
ともと、乾癬患者の皮膚から同定されたので、これはまた、乾癬関連脂肪酸結合
タンパク質(PA−FABP)としても公知である。PA−FABPは、細胞質
タンパク質であり、そしてケラチノサイトで発現される。これは、乾癬の皮膚に
おいて非常に上方制御されている。これは、脂肪酸結合タンパク質の他のメンバ
ーと類似性を共有し、そしてトランスポーターのfabp/p2/crbp/c
rabpファミリーに属している。PA−FABPは、脂肪酸と高い特異性(c
18鎖長で最高の親和性)を有していると考えられる。鎖長の減少または二重結
合の導入は、親和性を低下する。PA−FABPは、ケラチノサイト分化に関与
し得る。
【0048】 乾癬におけるE−FABPの発現の免疫組織化学的局在化、基底細胞腺腫およ
び扁平上皮癌を実行して、脂肪酸の輸送において、細胞レベルで、間接的な情報
を得た(Masouyeら、1996、Dermatology 192;20
8)。E−FABPは、正常皮膚および非損傷性乾癬皮膚において、上部有棘層
および顆粒層に局在化した。対照的に、損傷性乾癬上皮は、非角質化口腔粘膜と
同様、全ての上部基底層(suprabasal layer)においてE−F
ABPを強力に発現した。基底層は、これらのサンプルのいずれにおいてもE−
FABP反応性を発現しない。従って、基底細胞腺腫は、E−FABPが陰性で
あり、一方、扁平上皮癌の十分分化された細胞のみがE−FABPを発現した。
このことは、E−FABP発現が、ケラチノサイト分化の予定に関連しているこ
と、およびE−FABPの推定の役割が、皮膚の脂質バリアーの形成に限定され
ないはずであることを示唆する。E−FABP発現のパターンは、細胞性FA輸
送を摸倣するので、本発明者らは、結果として、損傷性の乾癬皮膚および口腔粘
膜が、正常な表皮および非損傷性乾癬表皮よりも脂肪酸についてより高度の代謝
/輸送を有することを示唆する。
【0049】 NOV2は、脂肪酸結合タンパク質ファミリーの新しいメンバーを示す。NO
V2は、ヒト第5染色体についてもマーカーとして用いられ得る。NOV2は、
脂肪酸結合タンパク質ファミリー内に含まれる遺伝子の発現における変化の決定
に有用である。NOV2は、脂肪酸結合タンパク質関連タンパク質のメンバーの
発現における変更に関連する障害の処置において有用な新しい診断組成物または
治療組成物を提供することにより、当該分野における必要性を満たす。本発明の
NOV2の核酸、ポリペプチド、抗体および他の組成物は、種々の疾患および病
理(非限定的な例として、乾癬皮膚およびガン、例えば、基底細胞腺腫および扁
平上皮癌を含むものを含む)の処置および/または診断において有用である。
【0050】 (NOV3) 本発明に従うNOV3配列は、インスリン様増殖因子ファミリーのタンパク質
に関連するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。NOV3核酸は、ヒト第
10染色体において見出される。NOV3核酸およびその核酸がコードするポリ
ペプチドは、表9に示される配列を含む。開示された核酸(配列番号5)は、9
15ヌクレオチド長であり、そしてオープンリーディングフレーム(ORF)を
含む。このオープンリーディングフレームは、ヌクレオチド1〜3のATG開始
コドンで開始し、そしてヌクレオチド913〜915のTGA停止コドンで終わ
る。代表的ORFは、予想分子量32,944.7Daの304アミノ酸ポリペ
プチド(配列番号6)をコードする。NOV3ポリペプチドは、腎臓、脾臓、甲
状腺、脳および唾液腺中で検出されるようである。NOV3ポリペプチドのPS
ORT分析により、0.8200の確実性で分泌タンパク質が予想される。SI
GNALP分析は、配列番号6の位置30と31との間に切断部位が存在する可
能性が最も高い、シグナルペプチドの配列を示唆する。
【0051】
【表9】 NOV3核酸は、表10に示すように、クローンRP11−108L7(CH
R10;GenBank登録番号:AL133215)を含む、ヒト第10染色
体の特徴付けされていない領域と高程度の相同性(100%同一性)を有する。
NOV3ポリペプチドは、表11に示すように、ヒトプロスタサイクリン刺激因
子−2ポリペプチド(PSF2;PATP登録番号:Y93650)と、高程度
の相同性(99%同一性)を有する。NOV3核酸の発現パターンを、実施例3
に示すように、発現プロファイリングにより分析した。
【0052】
【表10】
【0053】
【表11】 ここで、|は、同一性を示し、そして+は類似性を示す。
【0054】 インスリン様増殖因子結合タンパク質(IGFBP)ファミリーは、6つの構
造的に異なるが非常に相同性のタンパク質を含む。それらは、血清および他の生
物学的液体、組織抽出物、および細胞培養培地中で同定された。ヒトIGFBP
−4、−5および−6をコードするcDNAは、クローニングされ、そしてユビ
キチン(Ub)−IGFBP融合タンパク質として酵母中でこれらのBPを発現
した。組換え、ヒト(rh)IGFBP含有酵母溶解物の非還元条件下での12
5I−IGF IIを用いたウエスタンリガンドブロッティングは、それぞれ、
24〜26、30〜32および24〜26kDaの見かけの分子質量でIGFB
P−4、−5、および−6に対する特異的結合を示す。このことは、融合タンパ
ク質のプロセシングを示す。高性能液体クロマトグラフィー精製rhIGFBP
は、事実上、ネイティブのBPと同じアミノ酸組成、アミノ酸数、およびNH2
末端配列を有する。IGF Iに対するrhIGFBP−6の親和性(Ka=8
.5×10(8)M−1)を除いて、IGF IおよびIGF IIについての
3つのIGFBPの親和性定数は、1.7と3.3×10(10)M−1との間
にあり、すなわち、I型IGFレセプターのIGF IおよびIGF II親和
性よりも25〜100倍高い。過剰に存在する場合、rhIGFBP−4、−5
、および−6は、ヒト造骨細胞中のIGF IおよびII刺激DNAおよびグリ
コーゲン合成を阻害したが、rhIGFBP−6は、その比較的低いIGF I
親和性定数に一致してIGF Iに対して弱い阻害効果しか有さない。IGFB
Pは、IGF媒介細胞増殖および代謝の制御に寄与する(Kieferら、19
92、J.Biol.Chem.267;12692を参照のこと)。
【0055】 インスリン様増殖因子タンパク質は、ガンの進行に関連する。T1A12/m
ac25(新規なインスリン様増殖因子結合様タンパク質関連遺伝子)の下方制
御は、乳癌腫の疾患進行に関連する。乳癌の発生および進行に必須の遺伝子を規
定するため、Burgerおよび共同研究者らは、サブトラクティブハイブリダ
イゼーションおよび示差的ディスプレイクローニング技術を利用して、適合した
正常組織および腫瘍組織由来の乳房細胞株から950を超えるcDNAを単離し
た。これらのうち、102のcDNAを、DNA配列決定およびノーザンブロッ
ト分析により特徴付けた。GenBank検索により、これらの遺伝子の1つで
あるT1A12がmac25(インスリン様増殖因子結合タンパク質関連遺伝子
)に同一であることが示された。T1A12/mac25タンパク質のC末端領
域に対して生成された抗体を用いて、60の原発性乳房腫瘍におけるその遺伝子
の発現を試験した。12の良性腫瘍、16のインサイチュの腺管癌および32の
浸潤管癌種の部位を試験した。強力な免疫ペルオキシダーゼ染色を、正常な小葉
および管の管腔表皮細胞において、嚢胞および線維腺腫のアポクリン細胞におい
て、観察した。過形成性細胞およびDCIS細胞において、中度から弱度のタン
パク質発現を見出したが、侵襲的癌腫細胞において特異的染色は検出されなかっ
た。PACクローンを用いるFISHマッピングは、T1A12/mac25遺
伝子を4q12〜13に局在化した。対の正常乳房組織および腫瘍乳房組織にお
いて4qについてもマーカーを用いて、マイクロサテライト長多形性(micr
osatellite length polymorphism)を研究した
。サンプルの33%(10/30)が、D4S189およびD4S231マイク
ロサテライトマーカーで多形性であることが見出され、そしてLOHをこれらの
参考的サンプルの50%(5/10)において検出した。このデータは、T1A
12/mac25発現が、4q染色体上の異形接合性の損失を伴う乳癌の進行中
に、廃止されることを示す。従って、T1A12/mac25は、腫瘍サプレッ
サー様の機能を有し、そしてその発現は、より好ましい状態の疾患(より予後が
良好である)を示す(Burgerら、Oncogene 16:2459を参
照のこと)。
【0056】 NOV3は、インスリン様増殖因子ファミリーの新しいメンバーを示す。NO
V3は、ヒト第10染色体についてのマーカーとして用いられ得る。NOV3は
、インスリン様増殖因子タンパク質ファミリー内に含まれる遺伝子の発現におけ
る変化を同定するのに有用である。NOV3は、NOV3は、インスリン様増殖
因子タンパク質関連タンパク質のメンバーの発現における変更に関連する障害の
処置において有用な新しい診断組成物または治療組成物を提供することにより、
当該分野における必要性を満たす。本発明のNOV3の核酸、ポリペプチド、抗
体および他の組成物は、種々の疾患および病理(非限定的な例として、細胞増殖
性障害、例えばガンを含むものを含む)の処置および/または診断において有用
である。
【0057】 (NOV4) 本発明に従うNOV4配列は、サイトケラチン−18ファミリーのタンパク質
に関連するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。NOV4核酸およびその
核酸がコードするポリペプチドは、表12に示される配列を含む。開示された核
酸(配列番号7)は、1,299ヌクレオチド長であり、そしてオープンリーデ
ィングフレーム(ORF)を含む。このオープンリーディングフレームは、ヌク
レオチド5〜7のATG開始コドンで開始し、そしてヌクレオチド1,286〜
1,288のTAA停止コドンで終わる。代表的ORFは、予想分子量48,0
96.8Daの427のアミノ酸ポリペプチド(配列番号8)をコードする。N
OV4ポリペプチドのPSORT分析により、0.5500の確実性で小胞体膜
中の局在が予想される。SIGNALP分析により、シグナルペプチドの欠損が
示唆される。コード配列の推定非翻訳領域上流および下流に下線を付している(
配列番号7)。
【0058】
【表12】 NOV4核酸は、表13に示すように、ヒトケラチン−18mRNA(K−1
8;GenBank登録番号:M26326)と高程度の相同性(90%同一性
)を有する。NOV4ポリペプチドは、表14に示すように、、ヒトケラチン−
18mポリペプチド(hK−18;GenBank登録番号:S05481)と
相同性(82%同一性、89%類似性)を有する。
【0059】
【表13】
【0060】
【表14】 ここで、|は、同一性を示し、そして+は類似性を示す。
【0061】 中間体フィラメント(IF)は、細胞骨格に密接に関与するようである、細胞
タンパク質の構造的に関連するファミリーである。全てのIFにより共有される
、共通の構造モチーフは、可変のN末端ドメインおよびC末端ドメインに隣接す
る中央のαヘリックス「ロッドドメイン(rod domein)」である。こ
のロッドドメイン(IFの基準的特性)は、進化の間に高度に保存されている。
しかし、可変末端は、公知のIFを、それらの異なるアミノ酸配列により、6つ
の別個の型に分類することを可能にする(SteinerおよびRoop、19
88,Annu.Rev.Biochem.57:593を参照のこと)。ケラ
チンは、I型およびII型を構成する;中間径フィラメント、デスミン、ビメン
チン、GFAP、およびペリフェリン(peripherin)、はIII型を
構成し;神経フィラメントはIV型を構成し、そして核ラミンズはV型を構成す
る。Nestin(600915)はVI型として分類されている(Lenda
hlら、1990、Cell 60:585を参照のこと)。酸性ケラチンは、
KRT9〜KRT19の遺伝子によりコードされる。これらの遺伝子は、ヒト染
色体第12染色体上に位置し得るKRT18を除いて、マウス第11染色体およ
びヒト第17染色体上に位置する(後を参照のこと)。基本的なケラチンは、遺
伝子KRT1〜KRT8によりコードされる。これらの遺伝子は、マウス第15
染色体およびヒト第12染色体上に位置する。
【0062】 Kuおよび共同研究者らは、点変異体K18を発現し、そして慢性肝炎を発症
し、かつ肝細胞ケラチンフィラメントの破壊と関係する肝細胞の脆弱性を生じる
トランスジェニックマウスを記載した。これらは、変異体K18を発現するトラ
ンスジェニックマウスが、アセトアミノフェンの急速投与、またはグリセオフル
ビンの慢性摂取後の肝毒性に対して非常に感受性であることを示した。著者らは
、肝毒性に対する素因は、ケラチン変異に直接起因すると結論付けた。なぜなら
ば、正常なヒトK18を発現する非トランスジェニックマウスまたはトランスジ
ェニックマウスは、より耐性であるからである。肝毒性は、致死率、肝臓の組織
病理学、および生化学的血清試験における有意な差異により表された。ケラチン
のグリコシル化は、全てのグリセオフルビンを食餌したマウスにおいて減少した
。一方、ケラチンのリン酸化は、正常なK18を発現するマウスにおいて劇的に
優位に増加した。リン酸化は、部分的肝切除後に増加した部位と異なる部位を伴
うように思われたグリセオフルビン食餌後の正常なK18において増加する。非
変異ケラチンにおけるこの劇的なリン酸化の増加は、肝細胞に対して生存の利点
を提供し得ることをKuおよび共同研究者らは述べている(Kuら、J.Cel
l Biol.131:1305を参照のこと)。
【0063】 K8/18は、肝臓、膵臓、および小腸において見出される型の上皮の中の主
用なケラチン対である。変異体ケラチン18を発現するトランスジェニックマウ
スは、既に述べたように、慢性肝炎を発症し、そして薬物誘導性肝毒性に対する
感受性を増加させる。KRT18における変異についての未知の原因の肝疾患を
有する患者を研究することにより、Kuおよび共同研究者らは、生殖系列伝達さ
れた原因不明の肝硬変を有する患者におけるhis127leu(H127L)
KRT変異を記載した。肝臓体外移植組織から単離された、または細菌における
発現後単離された変異体KRT18は、正常なヒト肝臓または細菌発現されたK
RT18と比較した場合、二次元ゲル分析における変化した移動を示した。イン
ビトロでアセンブリされた変異体KRT18および野生型KRT8の電子顕微鏡
検査は、正常なKRT8/18アセンブリと比較した場合に、アセンブリの欠損
を示した。この結果は、KRT18における変異が、ヒトにおける原因不明の肝
硬変に対する素因になることを示唆する(Kuら、1997、J.Clin.I
nvest.99:19を参照のこと)。
【0064】 NOV4とは、サイトケラチン−18ファミリーの新規のメンバーを示す。N
OV4は、サイトケラチン−18タンパク質ファミリー内に含まれる遺伝子の発
現における変化を決定するのに有用である。NOV4は、サイトケラチン−18
様タンパク質関連タンパク質のメンバーの発現における変化と関連する障害の処
置に有用である新規の診断用組成物または治療用組成物を提供することにより、
当該分野における必要を満たす。本発明のNOV4核酸、ポリペプチド、抗体、
および他の組成物は、種々の疾患および病状(制限されない例として、肝障害(
例えば、原因不明の肝硬変)を伴う疾患および病状を含む)の処置および/また
は診断において有用である。
【0065】 (NOV5) 本発明に従うNOV5配列は、メタロカルボキシペプチダーゼファミリーのタ
ンパク質に関連するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。NOV5核酸は
、ヒト第20染色体に位置する。NOV5核酸およびそのコードされたポリペプ
チドは、表15に示される配列を含む。NOV5核酸は、精巣細胞、脾臓細胞、
唾液腺細胞、脳細胞、心臓細胞、甲状腺細胞、骨髄細胞、肺細胞、腎臓細胞、子
宮細胞、卵巣細胞および生殖細胞において発現されるようである。開示された核
酸(配列番号9)は、2,202ヌクレオチドの長さであり、ヌクレオチド1−
3のATG開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド2,200−2,200の
TGA終止コドンで終結するオープンリーディングフレーム(ORF)を含む。
代表的なORFは、81,573.8Daの推定分子量を有する733個のアミ
ノ酸ポリペプチド(配列番号10)をコードする。NOV5ポリペプチドのPS
ORT分析は、0.5487の確実度でリソソーム局在、および0.5469の
確実度で分泌タンパク質を予想する。SIGNALP分析は、配列番号10の2
0位と21位の間のに最も有望な切断部位を伴う、シグナルペプチドの存在を示
唆する。
【0066】
【表15】 NOV5ポリペプチドは、表16に示すように、マウスメタロカルボキシペプ
チダーゼCPX−1ポリペプチド(CPX1;EMBL登録番号Q9Z100)
と相同性(84%の同一性、89%の類似性)を有する。また、NOV5ポリペ
プチドは、表17に示すように、特徴付けされていない、ヒトタンパク質APG
04(APG04;PatP登録番号B36174)と高度な相同性を有する。
【0067】
【表16】 ここで「|」は、同一性を示し、そして「+」は類似性を示す。
【0068】
【表17】 ここで「|」は、同一性を示し、そして「+」は類似性を示す。
【0069】 メタロカルボキシペプチダーゼは、広範な遺伝子発現パターンおよびインビボ
での機能を有する遺伝子ファミリーのメンバーである。Cpe(fat)/Cp
e(fat)マウス(これは、点変異に起因して、カルボキシペプチダーゼE(
CPE)活性を欠く)が、減少した量の神経内分泌ペプチドを、さらにプロセシ
ングし得るという最近の知見は、さらなるカルボキシペプチダーゼ(CP)が、
このプロセシング反応に関与することを示唆した。CPE遺伝子ファミリーの新
規のメンバーについての検索は、CPD、CPZ、AEBP1、およびCPX−
2の発見を導いた。AEBP1およびCPX−2と同様に、CPX−1は、種々
のタンパク質のジスコイジンドメインに類似する配列を有する160のアミノ酸
のN末端領域を含む。CPX−1の410残基のCP様ドメインは、AEBP1
およびCPX−2と54%〜62%のアミノ酸配列同一性を有し、そしてCPE
サブファミリーの他のメンバーと33%〜49%のアミノ酸同一性を有する。し
かし、他のCPの触媒活性に重要ないくつかの活性部位の残基は、CPX−1に
おいて保存されない。さらに、バキュロウイルス系またはマウスAtT−20細
胞株のいずれかにおいて発現されたCPX−1は、標準的なCP基質を切断しな
い。ノーザンブロット分析は、精巣および脾臓において最も高いレベルのCPX
−1 mRNAを示し、そして唾液腺、脳、心臓、肺、および腎臓においてより
低いレベルを示す。胚組織および胎児マウス組織におけるCPX−1 mRNA
のインサイチュハイブリダイゼーションは、原始軟骨および骨格構造の豊富な、
頭および胸郭を介する発現を示した。頭において、高レベルのCPX−1 mR
NAは、鼻の間葉、耳の原始軟骨構造、および髄膜に関係する。胸郭では、CP
X−1 mRNAは、複数の発達中の骨格構造(肋骨、脊椎および長骨の原基の
軟骨細胞よび軟骨膜細胞を含む)において発現される。CPX−1は、発達にお
ける役割(恐らく、そのジスコイジンドメインを介する細胞相互作用を媒介する
)を有し得る。(Leiら、1999、DNA Cell Biology 1
8:175を参照のこと)。
【0070】 NOV5は、メタロカルボキシペプチダーゼファミリーのタンパク質の新規の
メンバーを示す。NOV5は、メタロカルボキシペプチダーゼタンパク質ファミ
リー内に含まれる遺伝子の発現における変化を決定する際に有用である。NOV
5は、、精巣細胞、脾臓細胞、唾液腺細胞、脳細胞、心臓細胞、甲状腺細胞、骨
髄細胞、肺細胞、腎臓細胞、子宮細胞、卵巣細胞および生殖細胞を同定するのに
有用である。NOV5は、メタロカルボキシペプチダーゼ関連タンパク質ファミ
リーのタンパク質のメンバーの発現の際の変化に関連する障害の処置に有用であ
る新規の診断用または治療用組成物を提供することにより、当該分野における必
要を満たす。本発明のNOV5核酸、ポリペプチド、抗体、および他の組成物は
、種々の疾患および病状(制限されない例として、膵臓の代謝障害(例えば、急
性膵炎)を伴う疾患および病状)の処置および/または診断に有用である。
【0071】 (NOV6) 本発明に従うNOV6配列は、タンパク質の肥胖細胞プロテアーゼ−6ファミ
リーに関連するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。NOV6核酸および
そのコードされたポリペプチドは、表18に示される配列を含む。開示された核
酸(配列番号11)は、846ヌクレオチド長であり、そしてヌクレオチド6〜
8のATG開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド840〜842のTGA終
止コドンで終わるオープンリーディングフレーム(ORF)を含む。代表的なO
RFは、30,570.1Daの予測された分子量を有する278アミノ酸のポ
リペプチド(配列番号12)をコードする。NOV6のPSORT分析は、0.
8650の確実性でリソソーム局在を予測する。SIGNALP分析は、配列番
号12の位置17と18の間の最も切断されやすい部位とともに、単一ペプチド
が存在することを示唆する。
【0072】
【表18】 NOV6核酸は、クローンLA16−303A1(CHR16;GenBan
k登録番号:HS303A1)を含むヒト第16染色体の特徴付けされていない
領域との相同性(99%同一性)を有し、これは表19に示される。NOV6ポ
リペプチドは、マウス肥満細胞プロテアーゼ−6前駆体ポリペプチド(MCP6
;SwissProt登録番号:P21845)との相同性(51%同一性、8
9%類似性)を有し、これは表20に示される。NOV6ポリペプチドはまた、
ヒトβ−トリプターゼ前駆体ポリペプチド(HBTP;SwissProt登録
番号:P20231)との相同性を有し、これは表21に示される。NOV6核
酸の発現プロファイリングは、実施例4に記載される。
【0073】
【表19】
【0074】
【表20】
【0075】
【表21】 用語肥満細胞症は、1つ以上の器官において、肥満細胞の異常増殖および蓄積
によって特徴付けられる障害の異種群を表す。疾患の皮膚および全身の改変体が
記載されている。肥満細胞障害は、他の局面(例えば、家族の病歴、年齢、疾患
の過程、または共同性骨髄性新生物の存在)に従って、分類されている。しかし
、今までに、一般的に、受け入れられた疾患基準は、失われている。最近、多く
の診断(疾患関連)マーカーが、肥満細胞症において、同定されている。これら
は、脂肪細胞酵素トリプターゼ、CD2および肥満細胞増殖因子レセプターc−
kit(CD117)を含む。この肥満細胞酵素トリプターゼは、血清−および
免疫組織化学的マーカーとして益々使用され、疾患の実質的な蔓延(腫瘍性肥満
細胞の負荷)が評価される。新規な肥満細胞症マーカーの臨床的重要性は、現在
調査中である。最初の結果は、それらが、疾患の描写のための信頼のおける基準
を規定するのに有用であり得る。
【0076】 NOV6は、タンパク質の肥満細胞プロテアーゼ−6ファミリーの新しいメン
バーを表す。NOV6は、肥満細胞プロテアーゼ−6タンパク質ファミリー内に
含まれる遺伝子の発現における変化を決定する際に有用である。NOV6は、タ
ンパク質の肥満細胞プロテアーゼ−6関連タンパク質ファミリーのメンバーの発
現における変質に関連した障害の処置に有用な新しい診断または治療組成物を提
供することによって、当該分野での必要性を満たす。本発明のNOV6核酸、ポ
リペプチド、抗体、および他の組成物は、1つ以上の器官(皮膚、耳および脳を
含むが、これらに限定されない)における肥満細胞の異常増殖および蓄積により
特徴付けられる障害、ならびに以下のような他の病理学および疾患関連する潜在
的な治療適用において有用である:血友病、特発性血小板減少性紫斑病、自己免
疫疾患、アレルギー、免疫欠損、移植、対宿主性移植片病、貧血、毛細血管拡張
性運動失調、リンパ水腫、扁桃腺炎、過凝固(hypercoagulatio
n)、および乳児突然死症候群。
【0077】 本発明のNOV6核酸およびタンパク質、またはそのフラグメントは、診断適
用においてさらに有用であり得、ここで、NOV6核酸またはタンパク質の存在
または量が評価される。
【0078】 (NOV7) 本発明に従うNOV7配列は、タンパク質のスルフェートアニオントランスポ
ーターファミリーに関連するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。NOV
7核酸は、副腎で発現されるようである。NOV7核酸およびそのコードされた
ポリペプチドは、表22に示される配列を含む。この開示された核酸(配列番号
13)は、2,145ヌクレオチド長であり、そしてヌクレオチド70〜72の
ATG開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド1969〜1971のTGA終
止コドンで終わるオープンリーディングフレーム(ORF)を含む。代表的なO
RFは、67,472.4Daの予測された分子量を有する633アミノ酸のポ
リペプチド(配列番号14)をコードする。NOV7ポリペプチドのPSORT
分析は、0.8000の確実性でペルオキシソーム局在を予測する。SIGNA
LP分析は、単一ペプチドの欠如を示唆する。ORFの推定非翻訳の上流および
下流は、配列番号13中に、下線が引かれている。
【0079】
【表22】 NOV7核酸は、ヒトスルフェートアニオントランスポーターmRNA(SA
T1;GenBank登録番:AF297659)との、高度の相同性(99%
同一性)を有し、これは、表23に示される。NOV7ポリペプチドは、ラット
スルフェートアニオントランスポーター1ポリペプチド(SAT1;Swiss
Prot登録番号:P45380)との相同性(74%同一性、81%類似性)
を有し、これは、表24に示される。
【0080】
【表23】
【0081】
【表24】 スルフェートアニオントランスポータータンパク質は、アニオン交換体のスー
パーファミリーのメンバーである。組織中でのスルフェート組み込みにおいて役
割を果たす、2つの脊椎動物スルフェートトランスポーターは、アニオン交換体
のスーパーファミリーのメンバーである:変形性形成異常スルフェートトランス
ポーター(これは、変形性形成異常および特定の他の骨格異常形成における変異
体である)、およびアデノーマにおける下方制御されたもの(これは、家族性塩
化物性下痢(chloride diarrhea))。サブトラクティブハイ
ブリダイゼーションによって、Schweinfestおよび共同研究者らは、
腫瘍サプレッサー候補遺伝子についてのcDNAを、正常な結腸組織cDNAラ
イブラリーから単離し、これを彼らは、DRA(アデノーマにおいて下方制御さ
れている)を呼んだ。正常な結腸の粘膜に限定されているようであるその発現は
、結腸のアデノーマおよび腺癌において有意に減少し、そして腫瘍形成において
早期に下方制御された(Schweinfestら、1993、Proc.Na
t.Acad.Sci.U.S.A.90:4166を参照のこと)。これら2
つのスルフェートトランスポーターは、12の膜貫通ドメインを含み、アニオン
交換体インヒビターDIDSに感受性である。Girardおよび共同研究者ら
は、HEVECが、DIDSアニオン交換体インヒビターに対するそれらの差示
的感受性によって規定されるスルフェートトランスポーターの2つの機能的クラ
スを発現することを示した。彼らは、ヒトHEVEC由来のDIDS耐性スルフ
ェートトランスポーターの分子的特徴付けを報告し、SUT1と表記した(Gi
rardら、1999、Proc.Nat.Acad.Sci.U.S.A.9
6:12772を参照のこと)。SUT1は、ナトリウム結合アニオントランス
ポーターのファミリーに属し、そしてラット腎臓ナトリウム/スルフェートコト
ランスポーターNaSil、およびヒトならびにラットナトリウム/ジカルボキ
シレートコトランスポーターNADC1/SDCT1およびNADC3/SDC
T2との、40〜50%アミノ酸同一性を示す。機能発現は、cRNA注入Xe
nopus leavis卵母細胞における機能発現研究は、SUT1が、高レ
ベルのナトリウム依存するフェート輸送を媒介し、これは、DIDS阻害に対し
て耐性であることが示された。ノーザンブロット分析は、SUT1が、胎盤にお
ける大量発現とともに、高度に制限された組織分布を示すことが示した。逆転写
−PCR分析は、SUT1およびDTDSTが、HEVECにおいて同時発現さ
れることを示した。SUT1およびDTDSTは、それぞれ、HEVECにおけ
るスルフェート取り込みのDIDS耐性成分およびDIDS感受性成分に対応し
得る(Girardら、1999、Proc.Nat.Acad.Sci.U.
S.A.96:12772を参照のこと)。
【0082】 Girardおよび共同研究者らはまた、SUT1 cDNAのヌクレオチド
2579〜2833に対応する配列標的化部位(STS)を見出すことによって
、SUT1遺伝子を7q33にマッピングし得る。このSTSは、D7S509
で第7染色体にマッピングされ、これは、7q33を7q32の近くにマッピン
グする。彼らは、7q33上のマーカーD7S500とD7S509との間にマ
ッピングしたSUT1 cDNAに対する配列同一性でETを同定することによ
って、これらのマッピングデータを確認した(Girardら、1999、Pr
oc.Nat.Acad.Sci.U.S.A.96:12772を参照のこと
)。
【0083】 NOV7は、タンパク質のスルフェートアニオントランスポーターファミリー
の新しいメンバーである。NOV7は、スルフェートアニオントランスポーター
タンパク質ファミリー内に含まれる遺伝子の発現における変化を決定する際に有
用である。NOV7は、タンパク質のスルフェートアニオントランスポーター関
連タンパク質ファミリーのメンバーの発現における変化と関連した障害の処置に
有用な新しい診断または治療組成物を提供することによって、当該分野での必要
性を満たす。本発明のNOV7核酸、ポリペプチド、抗体、および他の組成物は
、種々の疾患および病理学の処置および/または診断において有用であり、それ
らには、非限定的な例示の目的で、ペンドレッド症候群、骨格形成異常、変形性
形成異常、癌、アデノーマが挙げられる。
【0084】 (NOV8) 本発明に従うNOV8配列は、タンパク質のサイトスタチンファミリーに関連
するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。NOV8核酸は、ヒト第1染色
体に同定される。NOV8核酸は、表25に示される配列を含む。開示された核
酸(配列番号15)は、406ヌクレオチド長であり、そしてヌクレオチド1〜
3のATG開始コドンで始まり、そしてヌクレオチド397〜399のTTA終
止コドンで終わるオープンリーディングフレーム(ORF)を含む。代表的なO
RFは、15,599.6Daの予測された分子量を有する132アミノ酸のポ
リペプチド(配列番号16)をコードする。NOV8のPSORT分析は、0.
6400の確実性でペルオキシソーム配置を予測する。SIGNALP分析は、
単一ペプチドの欠如を示唆する。ORFの推定非翻訳の下流は、配列番号15中
に、下線が引かれている。
【0085】
【表25】 NOV8核酸は、ヒトサイトスタチンII mRNA(CYT2;Patn登
録番号:T74751)との相同性(88%同一性)を有し、これは、表26に
示される。NOV8ポリペプチドは、ヒトサイトスタチンIIポリペプチド(C
YT2;Patn登録番号:W22408)との相同性(80%同一性、86%
類似性)を有し、これは、表27に示される。NOV8ポリペプチドはまた、ヒ
ト脂肪酸−結合タンパク質(FABP;SwissProt登録番号:O155
40)との相同性(80%同一性、、86%類似性)を有し、これは、表28に
示される。NOV8核酸の発現プロファイリングは、実施例6に記載される。
【0086】 (表26)
【0087】
【表26】 (表27)
【0088】
【表27】 |は、同一性を示し、そして+は類似性を示す。
【0089】 (表28)
【0090】
【表28】 |は、同一性を示し、そして+は類似性を示す。
【0091】 (NOV9) 本発明によるNOV9配列は、サイトスタチンファミリーのタンパク質に関連
するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。NOV9核酸は、ヒト第1染色
体に同定された。NOV9核酸およびそのコードされるポリペプチドは、表29
に示される配列を含む。開示される核酸(配列番号17)は、418ヌクレオチ
ド長であり、そしてヌクレオチド4〜6のATG開始コドンで始まりヌクレオチ
ド409〜411のTAA終止コドンで終わる、オープンリーディングフレーム
(ORF)を含む。代表的ORFは、135アミノ酸ポリペプチド(配列番号1
8)をコードする。このORFの上流および下流の推定非翻訳領域は、配列番号
17において下線を付される。
【0092】 (表29)
【0093】
【表29】 NOV9核酸は、ヒトサイトスタチンII mRNA(CYT2;Patn登
録番号T74751)と相同性(88%同一性)を有する。NOV9ポリペプチ
ドは、ヒトサイトスタチンIIポリペプチド(CYT2;PatP登録番号W2
2408)と相同性(80%同一性、86%類似性)を有する。NOV9ポリペ
プチドはまた、ヒト脂肪酸結合タンパク質(FABP;SwissProt登録
番号O15540)と相同性(80%同一性、86%類似性)を有する。NOV
9ポリペプチドの領域はまた、表30に示されるように、NOV8と高い程度の
相同性(100%)を有する。
【0094】 (表30)
【0095】
【表30】 |は同一性を示す。
【0096】 細胞外マトリクス(ECM)への細胞接着の低分子量インヒビターとして微生
物培養ブロスから元来単離されたサイトスタチンは、インビボでB16黒色腫細
胞に対して抗転移活性を有する。ECMへの細胞接着のサイトスタチンによる阻
害が調べられている(Kawadaら、1999、Biochim.Bioph
ys.Acta 1452:209を参照のこと)。サイトスタチンは、病巣接
着キナーゼ(FAK)のチロシンリン酸化およびフィブロネクチンへのB16細
胞上のパキシリンの接着を阻害した。FAKの量はサイトカインにより影響され
なかったが、電気泳動により遅く移動するパキシリンが出現した。アルカリホス
ファターゼ処理により、サイトスタチンに誘導された遅く移動するパキシリンは
消失した。さらに、サイトスタチンは、細胞内セリン/スレオニンがリン酸化さ
れたタンパク質を増加し、タンパク質ホスファターゼ2A(PP2A)の選択的
インヒビターであることが見出された。サイトスタチンは、基質p−ニトロフェ
ニルホスフェートに対して非競合的様式でPP2Aを阻害した(IC(50)は
、0.09μg/ml)が、PP1、PP2Bおよびアルカリホスファターゼを
含む他のタンパク質ホスファターゼに対しては、100μg/mlであってさえ
、明らかな効果を有さなかった。対照的に、サイトスタチンアナログであるデホ
スホサイトスタチンは、PP2Aに対して阻害効果を有さず、FAKおよびパキ
シリンを含むB16細胞接着に影響しなかった。これらの結果は、サイトスタイ
ンが、PP2A型タンパク質セリン/スレオニンホスファターゼを阻害すること
により、病巣接触タンパク質(例えば、パキシリン)の修飾を介する細胞接着を
阻害することを示す。
【0097】 別のアポトーシス誘導物質であるバクトボリンと比較してのサイトスタチンに
よるアポトーシスの示差的誘導が、分析された。ほとんどの固形腫瘍細胞が造血
性癌細胞よりも抗癌剤誘導性アポートシスに感受性ではないので、Kawada
および共同研究者らは、固形腫瘍由来細胞株および造血性癌由来細胞株について
のモデルとして、それぞれ、B16黒色腫細胞およびEL−4リンパ腫細胞を使
用した。B16細胞におけるアポトーシスが、バクトボリンにより強力に誘導さ
れるが、サイトスタチンによっては弱く誘導されることが見出された。対照的に
、EL−4細胞におけるアポトーシスは、サイトスタチンによって強力に誘導さ
れるが、バクトボリンによって弱く誘導された(Kawadaら、1999、J
pn.J.Cancer Res.90:219を参照のこと)。
【0098】 ヒトサイトスタチンをコードするヌクレオチド配列は、細胞増殖を阻害しそし
て細胞分化を調節するために使用され得る。この遺伝子によりコードされるサイ
トスタチンIIポリペプチドは、被検体における腫瘍増殖を阻害するためにも、
神経系細胞の増殖を刺激するためにも、または毒素因子から神経系細胞を防御す
るためにも、または哺乳動物におけるウイルス感染または微生物感染を処置する
ためにも、使用され得る。サイトスタチンによる造血の活性は、可能な免疫抑制
活性または造血の系統特異的刺激を示す。従って、サイトスタチンは、免疫抑制
を要する状態を処置するために使用され得る。サイトスタチンに対するアンタゴ
ニストは、免疫系または造血系における欠損または増強を誘導するために、イン
ビトロまたはインビボで使用され得る。それらは、例えば、心筋細胞肥大または
白血病を処置するために処置するために使用され得る。このサイトスタチン遺伝
子産物はまた、新脈管形成を調節するため、種々の癌(乳癌、脳および他の腫瘍
を含むが、これらに限定されない)の転移を阻害するためにも、使用され得る。
サイトスタチンポリペプチドは、とりわけ、胸部発達およびミルク生成を調節す
るために使用され得る。サイトスタチン由来ポリペプチドのレチノイド結合能力
は、インビボまたはインビトロで光受容細胞に対して使用され得る。サイトスタ
チンポリペプチドはまた、小脳顆粒細胞および光受容細胞において、虚血初期の
間に誘導される酸化的ストレスと関連する脂質過酸化、アポトーシス、および興
奮性アミノ酸誘導性細胞死からの防御を提供するために使用され得る。
【0099】 NOV8〜9は、サイトスタチンファミリータンパク質の2つの新規なメンバ
ーを示す。NOV8とNOV9との間の高い程度の相同性は、NOV8〜9がサ
イトスタチンファミリータンパク質の新規なサブファミリーを構成することおよ
びサブファミリー特異的結合タンパク質を同定するために有用であることを示す
。NOV8〜9は、サイトスタチンタンパク質ファミリー内に含まれる遺伝子の
発現における変化を決定する際に有用である。NOV8〜9は、サイトスタチン
関連タンパク質ファミリータンパク質のメンバーの発現の変化と関連する障害の
処置において有用な、新規な診断用組成物または治療用組成物を提供することに
よって、当該分野における必要性を満たす。本発明のNOV8〜9の核酸、ポリ
ペプチド、抗体、および他の組成物は、種々の疾患および病因の処置および/ま
たは診断において有用であり、その疾患および病因としては、限定的例としてで
はないが、細胞の形状、運動性およびアポトーシスにより特徴付けられる障害に
関するもの(例えば、癌および虚血性損傷)が挙げられる。
【0100】 (NOV10) 本発明によるNOV10配列は、ケモカインレセプターファミリータンパク質
に関連するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。NOV10核酸は、ヒト
第1染色体上で同定された。NOV10核酸およびそのコードされるポリペプチ
ドは、表31に示される配列を含む。開示される核酸(配列番号19)は、1,
119ヌクレオチド長であり、そしてヌクレオチド1〜3のATG開始コドンで
始まりヌクレオチド1,117〜1,119のTGA終止コドンで終わる、オー
プンリーディングフレーム(ORF)を含む。代表的ORFは、推定分子量42
,793.9Daである、372アミノ酸ポリペプチド(配列番号20)をコー
ドする。NOV10ポリペプチドのPSORT分析は、確実性0.6400で形
質膜タンパク質を予測する。SIGNALP分析は、配列番号20の47位と4
8位との間に切断部位がおそらく存在する、シグナルペプチドの存在を示唆する
【0101】 (表31)
【0102】
【表31】 NOV10ポリペプチドは、表32に示されるように、ヒトケモカインレセプ
ターI型(HCR1;SwissProt登録番号P32246)と相同性(2
9%同一性、51%類似性)を有する。
【0103】 (表32)
【0104】
【表32】 (NOV11) 本発明によるNOV11配列は、ケモカインレセプターファミリータンパク質
に関連するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。NOV11核酸は、ヒト
第1染色体上で同定された。NOV11核酸およびそのコードされるポリペプチ
ドは、表33に示される配列を含む。開示される核酸(配列番号21)は、1,
343ヌクレオチド長であり、そしてヌクレオチド2〜4のATG開始コドンで
始まりヌクレオチド1,061〜1,063のTGA終止コドンで終わる、オー
プンリーディングフレーム(ORF)を含む。代表的ORFは、353アミノ酸
ポリペプチド(配列番号22)をコードする。NOV11ポリペプチドのPSO
RT分析は、確実性0.6400で形質膜タンパク質を予測する。SIGNAL
P分析は、配列番号22の47位と48位との間に切断部位がおそらく存在する
、シグナルペプチドの存在を示唆する。このORFの上流および下流の推定非翻
訳領域が、配列番号21にて下線を付される。
【0105】
【表33】 NOV11ポリペプチドは、ヒトケモカインレセプターI型(HCR1;Sw
isssProt登録番号:P32246)との相同性(29%の同一性、51
%の類似性)を有する。NOV11はまた、表34に示されるように、NOV1
0ポリペプチドとの高い程度の相同性(99%の同一性)を有する。NOV11
核酸の発現プロフィールを、実施例5に記載する。
【0106】
【表34】 ケモカインレセプターは、損傷および感染に対する防御免疫応答の重要な部分
としての、白血球の遊走および活性化を媒介するGタンパク質結合レセプターで
ある(Rojoら、1999 Biol.Res.32:263を参照のこと)
。さらに、ケモカインレセプターは、CD4陽性細胞に感染するためにHIV−
1によって使用される。ケモカインレセプター認識およびシグナル伝達の構造的
基礎が、現在研究されている。ケモカインの高分解能X線回析およびNMR分光
法によって、これらのペプチド全てが、その低い程度の一次配列相同性に関わら
ず、共通のフォールディングパターンを示すことが示されている。ケモカインの
機能的モチーフは、変異誘発研究によって同定され、そしてレセプター認識およ
び活性化についての可能性のある機構が提唱されているが、ケモカインレセプタ
ーの高分解能構造データは、依然として入手可能でない。レセプターキメラを用
いた研究により、主要な選択性決定基としての推定細胞外ドメインが同定された
。この細胞外ドメインにおける単一アミノ酸置換は、レセプター特異性に重大な
変化を生じ、これらのドメイン中のモチーフが、共通の活性化モチーフに対する
限定的障壁として作動することを示唆する。同様に、ケモカインレセプターのH
IV−1の使用は、このレセプターの1以上の細胞外ドメインが、このウイルス
エンベロープタンパク質gp120上の保存ドメインおよび可変ドメインと相互
作用することを伴い、これは、高度に複雑な相互作用を示す。ケモカインとのレ
セプターの相互作用およびHIV−1とのレセプターの相互作用のための構造的
要件を解明することは、ケモカイン認識およびレセプター活性化の機構の理解に
重要な洞察を提供する。さらに、この情報は、効果的な免疫調節および抗HIV
−1治療剤の設計を大幅に容易にし得る。
【0107】 ケモカインは、小さいサイトカイン様分子のスーパーファミリーであり、これ
らのサイトカイン様分子は、それらが種々の細胞型(特に、リンパ起源の細胞型
)の遊走を媒介する能力に主に基づいて、説明されている(Zlotnick
Aら、;1999、Crit Rev Immunol.19:1を参照のこと
)。これらの分子に対するレセプターは、全て7回膜貫通ドメインGタンパク質
結合レセプターであり、これらは、歴史的に、低分子薬物に対する優れた標的で
あった。この事実は、大規模のDNAデータベース探索の出現およびケモカイン
レセプターもまたHIVに対するコレセプターであるという認識と組み合わせて
、かなりの速度でこの分野において発見をもたらした。このプロセスは、公知の
ケモカインおよびケモカインレセプターの数の拡大のみならず、ケモカインが関
与する種々の機能のより大きな理解を含んできた。
【0108】 ケモカインおよびケモカインレセプターは、白血球の発生および機能を制御す
る重要な因子として現れた(Pelchen−Matthews Aら、;19
99、Immunol Rev.168:33を参照のこと)。近年の研究によ
って、これらの本質的な役割に加えて、ケモカインおよびケモカインレセプター
の両方が、ウイルス感染およびウイルス複製に重要な役割を果たすことが示され
た。ケモカインレセプターが、霊長類免疫不全ウイルスのレセプター/融合体複
合体の重要な要素であるだけでなく、ケモカインもまた、ウイルス侵入および感
染に影響し得る。多くのウイルス(特に、ヘルペスウイルス)は、ケモカインお
よびケモカインレセプターをコードし、ケモカインおよびケモカインレセプター
は、親ウイルスおよび他の関連のウイルスの両方の複製に影響する。ケモカイン
レセプターの細胞表面発現は、膜輸送経路とのそれらの相互作用を介して調節さ
れる。リガンドは、エンドサイトーシスを介して、レセプターの内部移行および
下方調節を誘導し、そして再利用がエンドソーム内で調節される。ケモカインが
細胞をHIV感染から防御する機構の一部は、特定のケモカインレセプターコレ
セプターのリガンド誘導性の内部移行を介する。さらに、細胞表面への新しく合
成されたレセプターの輸送を調節する機構が存在し得る。
【0109】 好酸球は、アレルギー疾患の病態生理において中心的役割を果たす(Simo
n Lら、2000、Immunol Cell Biol 78:415を参
照のこと)。好酸球の遊走を調節する機構は複雑であるが;ぜん息応答の初期お
よび後期の両方において産生されるケモカインおよびサイトカインは、好酸球の
動員において協力するようである。特に、エオタキシンとIL−5との間に固有
の相乗作用が存在する。ケモカイン/サイトカインの協同性の役割は、細胞外マ
トリクス、接着分子/インテグリン相互作用、レセプター分極およびレセプター
凝集、ならびに細胞内シグナル伝達経路の収束および分岐において研究されてき
た。好酸球が遊走する機構を理解することによって、アレルギー応答の特定の成
分を減弱するための特定の治療ストラテジーの開発が可能である。
【0110】 多発性硬化症(MS)の病因における組織炎症の役割についての新しい情報に
より、白血球輸送に関連する効果的かつ特効性の治療剤が探索されてきた(Ra
nsohoff RMら、2000、Expert Opin Investi
g Drugs 9:1079を参照のこと)。MSの理解におけるこれらの発
達は、白血球の血管外遊出の分子機構の解明および組織炎症を調節するために必
要とされる知識ベースの提供における進歩によって補完される。ケモカインおよ
びそれらのレセプターが、特に興味深い。ケモカインは、白血球の遊走事象の広
範なスペクトルを調節する化学誘引ペプチドの大きいファミリーを構成する。
【0111】 NOV10およびNOV11は、ケモカインファミリーのタンパク質の新しい
サブファミリーを表す。NOV10〜11は、ケモカインタンパク質ファミリー
内に含まれる遺伝子の発現における変化の決定において有用である。NOV10
〜11は、ケモカイン関連タンパク質ファミリーのメンバーのタンパク質の発現
の改変に関連する障害の処置に有用である、新しい診断組成物および治療組成物
を提供することによって、当該分野における必要性を満足する。本発明のNOV
10〜11の核酸、ペプチド、抗体および他の組成物は、種々の疾患および病理
の処置および/または診断において有用である。これらの疾患および病理として
は、非限定的な例として、病原体に対する応答の変更によって特徴付けられる障
害に関連する疾患および病理(例えば、HIVおよび肝炎)、および神経上皮障
害(例えば、形成異常、癌、ならびに外傷および手術から生じる損傷)が挙げら
れる。
【0112】 (NOV12) 本発明に従うNOV12配列は、カルボキシペプチダーゼファミリーのタンパ
ク質に関連するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。NOV12核酸およ
びそのコードされるポリペプチドは、表35に示される配列を含む。開示された
核酸(配列番号23)は、2,392ヌクレオチド長であり、そしてヌクレオチ
ド233〜235のATG開始コドンで開始しヌクレオチド2,283〜2,1
85のTGA終止コドンで終了する、オープンリーディングフレーム(ORF)
を含む。この代表的なORFは、推定分子量74,326.3Daの650アミ
ノ酸のポリペプチド(配列番号24)をコードする。NOV12ポリペプチドの
PSORT分析は、0.4513の確実度でミトコンドリアマトリクス局在を予
測する。SLGNALP分析は、シグナルペプチドの欠失を示唆する。
【0113】
【表35】 NOV12ポリペプチドは、表36に示されるように、ヒト膜結合タンパク質
PRO1310ポリペプチド(P1310;PatP 登録番号:Y66645
)との高い程度の相同性(99%の同一性、99%の類似性)を有する。また、
NOV12ポリペプチドは、表37に示されるように、ヒト肺腫瘍特異的抗原ポ
リペプチド(HLTA;PatP 登録番号:B44409)との高い程度の相
同性(94%の同一性、97%の類似性)を有する。
【0114】
【表36】
【0115】
【表37】 カルボキシペプチダーゼ様タンパク質は、細胞分化において重要である。La
yneおよび共同研究者は、大動脈カルボキシペプチダーゼ様タンパク質(ジス
コイジン様ドメインおよびカルボキシペプチダーゼ様ドメインを有する新規なタ
ンパク質)が血管平滑筋細胞の分化の間に、上方制御されることを見出した。血
管平滑筋細胞の表現型調節は、動脈硬化症の病因において重要な役割を果たす。
ヒトの大動脈平滑筋細胞で発現されるタンパク質のスクリーニングにおいて、L
ayneらは、大動脈カルボキシペプチダーゼ様タンパク質(ACLP)と命名
される新規な遺伝子産物を同定した。約4−キロベースのヒトcDNAおよびそ
のマウスホモログは、それぞれ1158アミノ酸および1128アミノ酸のタン
パク質をコードし、この両方は、85%同一である。ACPLは、シグナルペプ
チド、リジンリッチおよびプロリンリッチな11アミノ酸の繰返しモチーフ、ジ
スコイジン様ドメイン、ならびにC末端ドメインを含む非核タンパク質であり、
これは、カルボキシペプチダーゼEに対する39%の同一性を有する。ウエスタ
ンブロット分析およびインサイチュハイブリダイゼーションにより、Layne
らは、成体大動脈において大量のACLP発現を検出した。ACLPは、成体マ
ウスの大動脈平滑筋細胞において優先的に発現されるが、外膜組織または他の数
種の組織において発現されなかった。培養したマウスの大動脈の平滑筋細胞にお
いて、ACLP mRNAおよびACLPタンパク質は、血清飢餓後に2〜3倍
上方制御された。インビトロ分化系における平滑筋細胞に対して最近開発された
神経堤細胞を使用して、Layneおよび共同研究者は、ACLP mRNAお
よびACLPタンパク質が、神経堤細胞において発現されないが、これらの細胞
の分化により劇的に上方制御されることを見出した。これらの結果は、ACLP
が、分化した血管平滑筋細胞において役割を果たし得ることを示す(Layne
ら、1998、J.Biol Chem 273:15654を参照のこと)。
【0116】 NOV12は、カルボキシペプチダーゼファミリーのタンパク質の新しいメン
バーを示す。NOV12は、カルボキシペプチダーゼタンパク質ファミリー内に
含まれる遺伝子の発現における変化を決定する際に有用である。NOV12は、
カルボキシペプチダーゼ関連タンパク質ファミリーのタンパク質のメンバーの発
現における変化に関連する障害の処置に有用である、新規の診断組成物または治
療組成物を提供することによって、当該分野での必要性を満たす。本発明のNO
V12の核酸、ポリペプチド、抗体、および他の組成物は、種々の疾患および病
理の処置および/または診断において有用である。これらの疾患および病理には
、血管平滑筋細胞の分化障害(例えば、心不全、アテローム性動脈硬化症、高血
圧および発作)を含む、非制限的な例が挙げられる。
【0117】 本発明の核酸およびタンパク質は、異常な細胞増殖、細胞分化および細胞移動
(例えば、癌、新脈管形成、アテローム性動脈硬化症、および肥満症)、神経学
的障害(例えば、発作、ペンドレッド症候群、多発性硬化症およびアルツハイマ
ー病、ケラチノサイト欠損(例えば、損傷性乾癬性皮膚炎)、虚血性障害(例え
ば、糖尿病性網膜症)、肝性障害(例えば、硬肝変)、および膵臓障害(例えば
、急性膵臓炎)によって特徴付けられる障害に関係する、潜在的な治療適用に有
用である。例えば、硫酸アニオントランスポーター様タンパク質をコードするc
DNAは、ペンドレッド症候群および他のこのような障害を処置するための遺伝
子治療において有用であり得、そして硫酸アニオントランスポーター様タンパク
質は、それを必要とする被験体に投与する場合に有用であり得る。非制限的な例
において、本発明の組成物は、イオン調節系の障害を被った患者の処置に有用性
を有する。クロリドチャネル様タンパク質をコードする新規な核酸、および本発
明のクロリドチャネル様タンパク質、またはそのフラグメントは、嚢胞性線維症
、デント(Dent)病、バター症候群およびギテルマン(Gittelman
)症候群の処置、疾患の病理の理解を助ける種々の障害の機能分析のための強力
なアッセイ系の開発、および種々の障害に対する新規の薬物標的の開発において
さらに有用であり得る。これらはまた、診断的適用において使用され得、ここで
核酸またはタンパク質の存在または量が、評価される。これらの材料は、治療方
法または診断方法における使用のための、本発明の新規な物質に対して免疫特異
的に結合する抗体の産生においてさらに有用であり得る。
【0118】 (NOVX核酸) 本発明の核酸は、NOVXポリペプチドまたはNOVXタンパク質をコードす
る核酸を含有する。本明細書において使用されるように、用語ポリペプチドおよ
びタンパク質は、交換可能である。
【0119】 いくつかの実施形態において、NOVS核酸は、成熟NOVXポリペプチドを
コードする。本明細書中で使用される場合、本明細書中に記載されるポリペプチ
ドまたはタンパク質の「成熟」形態は、天然に存在するポリペプチドあるいは前
駆体形態またはプロタンパク質の産物に関係する。天然に存在するポリペプチド
、前駆体またはプロタンパク質としては、非制限例として、対応する遺伝子によ
ってコードされる完全長遺伝子産物が挙げられる。あるいは、本明細書中で記載
されるオープンリーディングフレームによってコードされる、ポリペプチド、前
駆体またはプロタンパク質として規定されている。産物「成熟」形態は、さらに
非制限例として、遺伝子産物が産生される細胞中で発生し得る、1以上の天然に
存在するプロセッシング工程の結果として発生する。ポリペプチドまたはタンパ
ク質の「成熟」形態に導くこのようなプロセッシング工程の例としては、オープ
ンリーディングフレームの開始コドンによってコードされる、N−末端メチオニ
ン残基の切断、またはシグナルペプチドまたはリーダー配列のタンパク分解性切
断が挙げられる。従って、残基1〜N(ここで、残基1は、N−末端メチオニン
である)を有する、前駆体ポリペプチドまたはタンパク質から生じる成熟形態は
、N−末端メチオニンの除去後に残った残基2〜N末端を有する。あるいは、残
基1〜Nを有する前駆体ポリペプチドまたはタンパク質から生じる成熟形態(こ
こで、残基1〜残基MのN末端シグナル配列が切断される)は、残った残基M+
1〜残基Nを有する。本明細書中でさらに使用されるように、ポリペプチドまた
はタンパク質の「成熟」形態は、タンパク質分解性切断事象以外の、翻訳後改変
事象の工程から生じ得る。このようなさらなるプロセスとしては、非制限例とし
て、グリコシル化、ミリストイル化、またはリン酸化が挙げられる。一般に、成
熟ポリペプチドまたは成熟タンパク質は、結果として、これらのプロセスの1つ
のみの作用、またはそれらの任意の組み合わせから得られ得る。
【0120】 NOVX核酸としては、とりわけ、配列番号1、3、5、7、9、11、13
、15、17、19、21または23で提供される配列の核酸あるいはそれらの
フラグメントである。さらに、本発明には、配列番号1、3、5、7、9、11
、13、15、17、19、21または23の変異体核酸または改変体核酸ある
いはそれらのフラグメントが挙げられ、任意のこれらの塩基は、配列番号1、3
、5、7、9、11、13、15、17、19、21または23に示される対応
する塩基から変化され得、NOVX様の活性および生理学的機能(すなわち、新
脈管形成の調節、ニューロン発生)の少なくとも1つを維持するタンパク質をさ
らにコードする。本発明には、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15
、17、19、21または23の核酸配列の相補体(それらのフラグメント、誘
導体、アナログおよびそれらのホモログを含む)がさらに挙げられる。本発明は
、その構造が化学的改変を含む、核酸または核酸フラグメントあるいはそれらの
相補体をさらに含む。
【0121】 本発明の1つの局面は、NOVXタンパク質またはそれらの生物学的に活性な
部分をコードする単離された核酸分子に関する。また、NOVXをコードする核
酸(例えば、NOVX mRNA)を同定するためにハイブリダイゼーションプ
ローブとして使用するための十分な核酸フラグメントおよびNOVX核酸分子の
増幅または変異のためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマーとして使用
するためのフラグメントも含まれる。本明細書において使用されるように、用語
「核酸分子」は、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)、RNA
分子(例えば、mRNA)、ヌクレオチドアナログを使用して産生されるDNA
またはRNAのアナログ、ならびにそれらの誘導体、フラグメントおよびホモロ
グを含むことが意図される。核酸分子は、一本鎖または二本鎖であり得るが、好
ましくは、二本鎖DNAである。
【0122】 「プローブ」とは、種々の長さの核酸配列をいい、好ましくは、使用に依存し
て、少なくとも約10ヌクレオチド(nt)、100nt、または例えば、約6
,000ntほどの大きさの間である。プローブは、同一、類似または相補的な
核酸配列の検出において使用される。より長いプローブは、通常、天然供給源ま
たは組換え供給源から入手され、非常に特異的であり、そしてオリゴマーよりも
はるかに遅くハイブリダイズする。プローブは、一本鎖または二本鎖であり得、
そしてPCR、メンブレンベースのハイブリダイゼーション技術またはELIS
Aのような技術において特異性を有するように設計される。
【0123】 「単離された」核酸分子は、この核酸の天然の供給源中に存在するその他の核
酸分子から分離されているものである。単離された核酸分子の例としては、ベク
ター中に含まれる組換えDNA分子、異種宿主細胞中に維持される組換えDNA
分子、部分的または実質的に精製された核酸分子、および合成DNAまたはRN
A分子が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、「単離された」核
酸は、この核酸が由来する生物のゲノムDNA中でこの核酸に天然に隣接する配
列(すなわち、この核酸の5’末端および3’末端に位置する配列)を含まない
。例えば、種々の実施形態で、単離されたNOVX核酸分子は、この核酸が由来
する細胞のゲノムDNA中でこの核酸に天然で隣接する、約50kb、25kb
、5kb、4kb、3kb、2kb、1kb、0.5kb、または0.1kb未
満のヌクレオチド配列を含み得る。さらに、「単離された」核酸分子、例えば、
cDNA分子は、組換え技術により産生される場合、その他の細胞物質または培
養培地を実質的に含まないか、または化学的に合成される場合、化学物質前駆体
もしくはその他の化学物質を実質的に含まないものであり得る。
【0124】 本発明の核酸分子、例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15
、17、19、21もしくは23のヌクレオチド配列を有する核酸分子、または
これらのヌクレオチド配列の任意の相補体は、標準的な分子生物学的技法および
本明細書で提供される配列情報を用いて単離され得る。ハイブリダイゼーション
プローブとして、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19
、21または23の核酸の全部または一部を使用して、NOVX核酸配列は、標
準的なハイブリダイゼーションおよびクローニング技術(例えば、Sambro
okら(編)、MOLECULAR CLONING:A LABORATOR
YY MANUAL第2版、Cold Spring Harbor Labo
ratory Press、Cold Spring Harbor、NY、1
989;およびAusubelら、(編)、CURRENT PROTOCOL
S IN MOLECULAR BIOLOGY、John Wiley&So
ns、New York、NY、1993)を用いて単離され得る。
【0125】 本発明の核酸は、標準的なPCR増幅技法に従って、テンプレートとしてcD
NA、mRNAあるいはゲノムDNA、および適切なオリゴヌクレオチドプライ
マーを用いて増幅され得る。このように増幅された核酸は、適切なベクター中に
クローン化され、そしてDNA配列分析により特徴付けられ得る。さらに、NO
VXヌクレオチド配列に対応するオリゴヌクレオチドは、標準的な合成技術、例
えば、自動化DNA合成機を用いることにより調製され得る。
【0126】 本明細書で用いられる用語「オリゴヌクレオチド」は、一連の連結されたヌク
レオチド残基をいい、このオリゴヌクレオチドは、PCR反応で用いられ得る十
分な数のヌクレオチド塩基を有する。短いオリゴヌクレオチド配列は、ゲノム配
列もしくはcDNA配列に基づき得るか、またはそれから設計され得、そして特
定の細胞もしくは組織において、同一、類似もしくは相補的DNAまたはRNA
を増幅し、確認し、もしくはその存在を示すために用いられる。オリゴヌクレオ
チドは、約10nt、50nt、または100ntの長さ、好ましくは約15n
t〜30ntの長さを有する核酸配列の部分を含む。1つの実施形態では、10
0ntより少ない長さの核酸分子を含むオリゴヌクレオチドは、さらに、配列番
号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21もしくは23の少
なくとも6個連続するヌクレオチド、またはその相補体を含む。オリゴヌクレオ
チドは、化学的に合成され得、そしてプローブとして用いられ得る。
【0127】 別の実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、配列番号1、3、5、7
、9、11、13、15、17、19、21、もしくは23に示されるヌクレオ
チド配列またはこのヌクレオチド配列の一部分の相補体である核酸分子を含む。
配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21または23
に示されるヌクレオチド配列に相補的である核酸分子は、配列番号1、3、5、
7、9、11、13、15、17、19、21または23に示されるヌクレオチ
ド配列に十分相補的である核酸分子であり、配列番号1、3、5、7、9、11
、13、15、17、19、21または23に示される核酸配列に対しミスマッ
チがほとんどまたは全くなく水素結合し得、それによって安定な二本鎖を形成す
る。
【0128】 本明細書で用いる用語「相補的」は、核酸分子のヌクレオチド単位間のWat
son−CrickまたはHoogsteen塩基対形成をいい、そして用語「
結合」は、2つのポリペプチドまたは化合物または関連ポリペプチドまたは化合
物またはその組合せ間の物理的または化学的相互作用を意味する。結合は、イオ
ン性、非イオン性、ファンデルワールス性、疎水性相互作用などを含む。物理的
相互作用は直接的であるかまたは間接的であり得る。間接的相互作用は、別のポ
リペプチドまたは化合物を介するか、またはその効果に起因し得る。直接的結合
は、別のポリペプチドもしくは化合物を介して、またはその効果に起因して生じ
ない、その他の実質的な化学的中間体がない相互作用をいう。
【0129】 さらに、本発明の核酸分子は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、1
5、17、19、21もしくは23の核酸配列の一部のみ(例えば、プローブま
たはプライマーとして使用され得るフラグメント、あるいはNOVXの生物学的
に活性な部分をコードするフラグメント)を含み得る。本明細書中に提供される
フラグメントは、少なくとも6個の(連続する)核酸配列または少なくとも4個
の(連続する)アミノ酸配列(それぞれ、核酸の場合には、特異的なハイブリダ
イゼーションを可能にし、またはアミノ酸の場合には、エピトープの特異的な認
識を可能にするに十分な長さ)として規定され、そして全長配列未満のせいぜい
いくらかの部分である。フラグメントは、選択された核酸配列またはアミノ酸配
列の任意の連続する部分に由来し得る。誘導体は、直接的にかまたは改変もしく
は部分的置換によってかのいずれかでネイティブな化合物から形成される核酸配
列またはアミノ酸配列である。アナログは、ネイティブな化合物に類似する構造
を有する(しかし、同一ではない)が、特定の成分または側鎖に関してそれとは
異なる核酸配列またはアミノ酸配列である。アナログは、合成物であり得るか、
または進化的に異なる起源に由来し得、そして野生型と比較して、類似の代謝活
性または反対の代謝活性を有し得る。
【0130】 誘導体およびアナログは、以下に記載のように、誘導体またはアナログが、修
飾された核酸またはアミノ酸を含む場合、全長、または全長以外のものであり得
る。本発明の核酸またはタンパク質の誘導体またはアナログは、種々の実施形態
において、本発明の核酸もしくはタンパク質に、同一の大きさの核酸またはアミ
ノ酸配列にわたって、または整列した配列に比較した場合(この整列は、当該分
野で公知であるコンピューター相同性プログラムによって実施される)、少なく
とも約70%、80%、85%、90%、95%、98%、もしくは99%もの
同一性(好ましい同一性は、80〜99%)で実質的に相同であるか、あるいは
そのコードする核酸がストリンジェントの、中程度にストリンジェントの、また
は低いストリンジェントの条件下で上記のタンパク質をコードする配列の相補体
にハイブリダイズし得る、領域を含む分子を包含するが、これらに限定されない
。例えば、Ausubelら、CURRENT PROTOCOLS IN M
OLECULAR BIOLOGY、John Wiley & Sons、N
ew York、NY、1993、および以下を参照のこと。例示のプログラム
は、Gapプログラム(Wisconsin Sequence Analys
is Package、Version 8 for UNIX(登録商標)、
Genetics Computer Group、University R
esearch Park、Madison、WI)(デフォルト設定を使用、
これは、SmithおよびWatermanのアルゴリズム(Adv.Appl
.Math.、1981、2:482−489、これらは、その全体が参考とし
て本明細書中に援用される)を使用する)である。
【0131】 「相同な核酸配列」もしくは「相同なアミノ酸配列」、またはその改変体とは
、上記で考察したように、ヌクレオチドレベルまたはアミノ酸レベルにおける相
同性によって特徴付けられる配列をいう。相同なヌクレオチド配列は、NOVX
ポリペプチドのアイソフォームをコードする配列をコードする。アイソフォーム
は、例えば、RNAの選択的スプライシングの結果として、同一の生物の異なる
組織において発現され得る。あるいは、アイソフォームは、異なる遺伝子によっ
てコードされ得る。本発明において、相同なヌクレオチド配列は、ヒト以外の種
(哺乳動物が挙げられるが、これに限定されず、従って、例えば、マウス、ラッ
ト、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマおよび他の生物が挙げられ得る)のNOV
Xポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む。相同なヌクレオチド配列
はまた、天然に生じる対立遺伝子改変体および本明細書に記載されるヌクレオチ
ド配列の変異体が挙げられるが、これらに限定されない。しかし、相同的ヌクレ
オチド配列は、ヒトNOVXタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含まな
い。相同核酸配列は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18
、20、22または24の保存的アミノ酸置換(以下を参照のこと)、およびN
OVX活性を有するポリペプチドをコードする核酸配列を含む。NOVXタンパ
ク質の生物学的活性は以下に記載されている。相同的アミノ酸配列は、ヒトNO
VXポリペプチドのアミノ酸配列をコードしない。
【0132】 ヒトNOVX遺伝子のクローニングから決定されたヌクレオチド配列は、他の
細胞型(例えば、他の組織由来)におけるNOVXホモログ、ならびに他の哺乳
動物由来のNOVXホモログを同定および/またはクローニングする際の使用の
ために設計されるプローブおよびプライマーの作製を可能にする。このプローブ
/プライマーは、代表的には、実質的に精製されたオリゴヌクレオチドを含む。
このオリゴヌクレオチドは、代表的には、配列番号1、3、5、7、9、11、
13、15、17、19、21もしくは23の少なくとも約12個、約25個、
約50個、約100個、約150個、約200個、約250個、約300個、約
350個または約400個以上の連続するセンス鎖ヌクレオチド配列;または配
列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21もしくは23
のアンチセンス鎖ヌクレオチド配列;あるいは配列番号1、3、5、7、9、1
1、13、15、17、19、21もしくは23の天然に存在する変異体の少な
くとも約12個、約25個、約50個、約100個、約150個、約200個、
約250個、約300個、約350個または約400個以上の連続するセンス鎖
ヌクレオチド配列に、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオ
チド配列の領域を含む。
【0133】 ヒトNOVXヌクレオチド配列に基づくプローブは、同じまたは相同なタンパ
ク質をコードする転写物またはゲノム配列を検出するために使用され得る。種々
の実施形態において、このプローブはさらに、プローブに付着した標識基を含み
、例えば、この標識基は放射性同位体、蛍光化合物、酵素、または酵素補因子で
あり得る。このようなプローブは、NOVXタンパク質を誤って発現する細胞ま
たは組織を同定するための診断試験キットの一部として、例えば、被験体由来の
細胞のサンプル中のNOVXをコードする核酸のレベルを測定すること(例えば
、NOVX mRNAレベルを検出すること、またはゲノムNOVX遺伝子が変
異しているかまたは欠失しているか否かを決定すること)によって使用され得る
【0134】 「NOVXの生物学的に活性な部分を有するポリペプチド」は、本発明のポリ
ペプチドの活性に類似するが必ずしも同一ではない活性を示すポリペプチドをい
い、用量依存性の有無に関わらず、特定の生物学的アッセイにおいて測定される
ような成熟形態を含む。「NOVXの生物学的に活性な部分」をコードする核酸
フラグメントは、NOVXの生物学的活性(NOVXタンパク質の生物学的活性
は、以下に記載される)を有するポリペプチドをコードする、配列番号1、3、
5、7、9、11、13、15、17、19、21もしくは23の一部を単離し
、NOVXタンパク質のコードされた部分を発現させ(例えば、インビトロでの
組換え発現によって)、そしてNOVXのコードされた部分の活性を評価するこ
とによって調製され得る。例えば、NOVXの生物学的に活性な部分をコードす
る核酸フラグメントは、必要に応じて、ATP結合ドメインを含み得る。別の実
施形態おいて、NOVXの生物学的に活性な部分をコードする核酸フラグメント
は、1つ以上の領域を含む。
【0135】 (NOVXの改変体) 本発明はさらに、遺伝コードの縮重に起因して、配列番号1、3、5、7、9
、11、13、15、17、19、21もしくは23に示されるヌクレオチド配
列とは異なる核酸分子を包含する。それにより、これらの核酸は、配列番号1、
3、5、7、9、11、13、15、17、19、21もしくは23に示される
ヌクレオチド配列によってコードされるタンパク質(例えば、配列番号2、4、
6、8、10、12、14、16、18、20、22または24のポリペプチド
)と同じNOVXタンパク質をコードする。別の実施形態において、本発明の単
離された核酸分子は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18
、20、22または24に示されるアミノ酸配列を有するタンパク質をコードす
るヌクレオチド配列を有する。
【0136】 配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21もしくは
23に示されるヒトNOVXヌクレオチド配列に加えて、NOVXのアミノ酸配
列における変化を導くDNA配列多型は、集団(例えば、ヒト集団)内に存在し
得ることが、当業者によって理解される。NOVX遺伝子中のこのような遺伝的
多型は、天然の対立遺伝子のバリエーションに起因して、集団内の個体間に存在
し得る。本明細書中で使用される場合、用語「遺伝子」および「組換え遺伝子」
は、NOVXタンパク質、好ましくは哺乳動物のNOVXタンパク質をコードす
るオープンリーディングフレームを含む核酸分子をいう。このような天然の対立
遺伝子のバリエーションは、代表的には、NOVX遺伝子のヌクレオチド配列に
おいて1〜5%の変動性を生じ得る。天然の対立遺伝子バリエーションの結果で
あり、そしてNOVXの機能的活性を変化させない、NOVX内の任意および全
てのこのようなヌクレオチドのバリエーションならびに得られるアミノ酸多型は
、本発明の範囲内であると意図される。
【0137】 さらに、他の種由来のNOVXタンパク質をコードし、従って、配列番号1、
3、5、7、9、11、13、15、17、19、21もしくは23のヒト配列
とは異なるヌクレオチド配列を有する核酸分子は、本発明の範囲内にあることが
意図される。本発明のNOVXのcDNAの天然の対立遺伝子改変体およびホモ
ログに対応する核酸分子は、本明細書中に開示されるヒトNOVX核酸に対する
その相同性に基づいて、ストリンジェントハイブリダイゼーション条件下で、標
準的なハイブリダイゼーション技術に従うハイブリダイゼーションプローブとし
てヒトcDNAまたはその一部を用いて単離され得る。例えば、可溶性ヒトNO
VX cDNAは、ヒトの膜結合NOVXに対するその相同性に基づいて単離さ
れ得る。同様に、膜結合ヒトNOVX cDNAは、可溶性ヒトNOVXに対す
るその相同性に基づいて単離され得る。
【0138】 従って、別の実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、少なくとも6ヌ
クレオチド長であり、そしてストリンジェント条件下で配列番号1、3、5、7
、9、11、13、15、17、19、21もしくは23のヌクレオチド配列を
含む核酸分子にハイブリダイズする。別の実施形態では、この核酸は、少なくと
も10、25、50、100、250、500または750ヌクレオチド長であ
る。別の実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、コード領域にハイブリ
ダイズする。本明細書中で用いられる場合、用語「ストリンジェント条件下でハ
イブリダイズする」は、ハイブリダイゼーションおよび洗浄に関して、互いに少
なくとも60%相同なヌクレオチド配列が代表的には互いにハイブリダイズした
ままである条件を記載することを意図する。
【0139】 ホモログ(すなわち、ヒト以外の種由来のNOVXタンパク質をコードする核
酸)または他の関連配列(例えば、パラログ(paralogs))は、特定の
ヒト配列の全てまたは一部をプローブとし、核酸ハイブリダイゼーションおよび
クローニングに関して当該分野で周知の方法を使用して、低い、中程度の、また
は高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーションによって入手され得る。
【0140】 本明細書で用いられる場合、語句「ストリンジェントハイブリダイゼーション
条件」は、その条件下で、プローブ、プライマーまたはオリゴヌクレオチドが、
その標的配列にハイブリダイズするが、その他の配列にはハイブリダイズしない
条件をいう。ストリンジェントな条件は配列依存性であり、そして異なる状況で
異なる。より長い配列は、より短い配列より高い温度で特異的にハイブリダイズ
する。一般に、ストリンジェントな条件は、規定されたイオン強度およびpHで
、特定の配列の熱融解点(Tm)より約5℃低いように選択される。このTmは
、標的配列に相補的なプローブの50%が、平衡状態で標的配列にハイブリダイ
ズする(規定されたイオン強度、pHおよび核酸濃度下)温度である。標的配列
は一般に過剰で存在するので、Tmでは、50%のプローブが平衡状態で占有さ
れている。代表的には、ストリンジェントな条件は、pH7.0〜8.3で、塩
濃度が約1.0Mナトリウムイオンより少なく、代表的には約0.01〜1.0
Mナトリウムイオン(またはその他の塩)、そして温度が短いプローブ、プライ
マーまたはオリゴヌクレオチド(例えば、10nt〜50nt)について少なく
とも約30℃、そしてより長いプローブ、プライマーおよびオリゴヌクレオチド
について少なくとも約60℃であるような条件である。ストリンジェントな条件
はまた、ホルムアミドのような、脱安定化剤の添加で達成され得る。
【0141】 ストリンジェント条件は、当業者に公知であり、そしてCURRENT PR
OTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wi
ley & Sons,N.Y.(1989),6.3.1−6.3.6に見出
され得る。好ましくは、この条件は、互いに少なくとも約65%、約70%、約
75%、約85%、約90%、約95%、約98%または約99%相同な配列が
、代表的には互いにハイブリダイズしたままであるような条件である。ストリン
ジェントハイブリダイゼーション条件の非限定的な例は、6×SSC、50mM
Tris−HCl(pH7.5)、1mM EDTA、0.02% PVP、
0.02% Ficoll、0.02% BSA、および500mg/ml変性
サケ精子DNAを含む高塩緩衝液中での65℃でのハイブリダイゼーションであ
る。このハイブリダイゼーションに、0.2×SSC、0.01% BSA中で
の50℃での1回以上の洗浄が続く。ストリンジェント条件下で配列番号1、3
、5、7、9、11、13、15、17、19、21もしくは23の配列にハイ
ブリダイズする、本発明の単離された核酸分子は、天然に存在する核酸分子に対
応する。本明細書中で使用される場合、「天然に存在する」核酸分子とは、天然
に存在する(例えば、天然のタンパク質をコードする)ヌクレオチド配列を有す
る、RNA分子またはDNA分子をいう。
【0142】 第2の実施形態では、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17
、19、21もしくは23またはそれらのフラグメント、アナログもしくは誘導
体のヌクレオチド配列を含む核酸分子に、中程度のストリンジェンシー条件下で
ハイブリダイズし得る核酸配列が提供される。中程度のストリンジェンシーハイ
ブリダイゼーション条件の非限定的な例は、55℃での6×SSC、5×デンハ
ルト溶液、0.5% SDSおよび100mg/ml変性サケ精子DNA中での
ハイブリダイゼーション、続いて1×SSC、0.1% SDS中での37℃で
の1回以上の洗浄である。用いられ得る中程度のストリンジェンシーの他の条件
は、当該分野で周知である。例えば、Ausubelら(編),1993,CU
RRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY
,John Wiley & Sons,NYおよびKriegler,199
0,GENE TRANSFER AND EXPRESSION,A LAB
ORATORY MANUAL,Stockton Press,NYを参照の
こと。
【0143】 第3の実施形態では、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17
、19、21もしくは23、またはそれらのフラグメント、アナログもしくは誘
導体のヌクレオチド配列を含む核酸分子に、低ストリンジェンシー条件下でハイ
ブリダイズし得る核酸が提供される。低ストリンジェンシーハイブリダイゼーシ
ョン条件の非限定的な例は、35%ホルムアミド、5×SSC、50 mM T
ris−HCl(pH7.5)、5mM EDTA、0.02% PVP、0.
02% Ficoll、0.2% BSA、100mg/mlの変性サケ精子D
NA、10%(重量/容量)デキストラン硫酸中での40℃でのハイブリダイゼ
ーション、続いて2×SSC、25mM Tris−HCl(pH7.4)、5
mM EDTAおよび0.1% SDS中での50℃での1回以上の洗浄である
。用いられ得る低ストリンジェンシーの他の条件は、当該分野で周知である(例
えば、種交差ハイブリダイゼーションについて用いられるように)。例えば、A
usubelら(編),1993,CURRENT PROTOCOLS IN
MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley & Sons
,NYならびにKriegler,1990,GENE TRANSFER A
ND EXPRESSION,A LABORATORY MANUAL,St
ockton Press,NY;ShiloおよびWeinberg,198
1,Proc Natl Acad Sci USA 78:6789−679
2を参照のこと。
【0144】 (保存的変異) 集団中に存在し得る、NOVX配列の天然に存在する対立遺伝子改変体に加え
て、当業者は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、
21もしくは23のヌクレオチド配列への変異によって変化が導入され得、それ
によって、NOVXタンパク質の機能的能力を変更することなく、コードされる
NOVXタンパク質のアミノ酸配列に変化がもたらされることをさらに理解する
。例えば、「非必須」アミノ酸残基にてアミノ酸置換をもたらすヌクレオチド置
換は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21もし
くは23の配列において行われ得る。「非必須」アミノ酸残基は、生物学的活性
を有意に変更することなく、NOVXの野生型配列から、変更され得る残基であ
り、一方、「必須」アミノ酸残基は、生物学的活性に必要とされる。例えば、本
発明のNOVXタンパク質の間で保存されているアミノ酸残基は、特に変更を受
け入れ難いと予測される。
【0145】 本発明の別の局面は、活性に必須ではないアミノ酸残基における変化を含む、
NOVXタンパク質をコードする核酸分子に関する。このようなNOVXタンパ
ク質は、アミノ酸配列が、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、
18、20、22、もしくは24とは異なるが、生物学的活性をなお保持する。
1つの実施形態では、単離された核酸分子は、タンパク質をコードするヌクレオ
チド配列を含み、ここで、このタンパク質は、それぞれ、配列番号2、4、6、
8、10、12、14、16、18、20、22、もしくは24のアミノ酸配列
に少なくとも約75%の相同性であるアミノ酸配列を含む。好ましくは、この核
酸分子によってコードされるタンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、1
2、14、16、18、20、22、もしくは24に少なくとも約80%相同性
であり、より好ましくは配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、1
8、20、22、もしくは24に少なくとも約90%、約95%、約98%相同
性であり、そして最も好ましくは少なくとも約99%相同性である。
【0146】 タンパク質に相同なNOVXタンパク質をコードする単離された核酸分子は、
配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21もしくは2
3のヌクレオチド配列に1以上のヌクレオチドの置換、付加または欠失を導入す
ることにより作製され得、その結果、1以上のアミノ酸の置換,付加または欠失
が、コードされるタンパク質に導入される。
【0147】 変異は、標準技術(例えば、部位特異的変異誘発およびPCR媒介変異誘発)
によって配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21も
しくは23のヌクレオチド配列に導入され得る。好ましくは、保存的アミノ酸置
換が、1以上の推定非必須アミノ酸残基にて作製される。「保存的アミノ酸置換
」は、アミノ酸残基が類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換される、アミノ酸
置換である。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該分野で定義
されている。これらのファミリーとしては、以下が挙げられる:塩基性側鎖を有
するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有する
アミノ酸(例えば、アルパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有する
アミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン
、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、
バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、
トリプトファン)、β分枝側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン
、イソロイシン)および芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェ
ニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)。従って、NOVX中の推定され
た非必須アミノ酸残基は、同じ側鎖のファミリー由来の別のアミノ酸残基で置換
される。あるいは、別の実施形態では、変異は、NOVXコード配列の全てまた
は一部に沿って(例えば、飽和変異誘発(saturation mutage
nesis)によって)ランダムに導入され得、そして得られる変異体は、NO
VXの生物学的活性についてスクリーニングされて、活性を維持する変異体を同
定し得る。配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21
もしくは23の変異誘発に続いて、コードされるタンパク質は、当該分野で公知
の任意の組換え技術によって発現され得、そしてこのタンパク質の活性が決定さ
れ得る。
【0148】 1つの実施形態では、変異NOVXタンパク質は、以下についてアッセイされ
得る:(1)他のNOVXタンパク質、他の細胞表面タンパク質、または生物学
的に活性なそれらの部分と、タンパク質:タンパク質相互作用を形成する能力、
(2)変異NOVXタンパク質と、NOVXのレセプターとの間の複合体形成;
(3)変異NOVXタンパク質が細胞内標的タンパク質またはその生物学的に活
性な部分に結合する能力;(例えば、アビジンタンパク質);(4)NOVXタ
ンパク質に結合する能力;あるいは(5)抗NOVXタンパク質抗体に特異的に
結合する能力。
【0149】 (アンチセンスNOVX核酸) 本発明の別の局面は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17
、19、21もしくは23またはそのフラグメント、アナログもしくは誘導体の
ヌクレオチド配列を含む核酸分子にハイブリダイズし得るかまたは相補的である
、単離されたアンチセンス核酸分子に関する。「アンチセンス」核酸は、タンパ
ク質をコードする「センス」核酸に相補的である(例えば、二本鎖cDNA分子
のコード鎖に相補的であるかまたはmRNA配列に相補的である)ヌクレオチド
配列を含む。特定の局面では、少なくとも約10、約25、約50、約100、
約250もしくは約500ヌクレオチドまたは全体のNOVXコード鎖、または
それらの一部のみに相補的な配列を含む、アンチセンス核酸分子が提供される。
配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、もしく
は24のNOVXタンパク質のフラグメント、ホモログ、誘導体およびアナログ
をコードする核酸分子、または配列番号1、3、5、7、9、11、13、15
、17、19、21もしくは23のNOVXの核酸配列に相補的なアンチセンス
核酸がさらに提供される。
【0150】 1つの実施形態では、アンチセンス核酸分子は、NOVXをコードするヌクレ
オチド配列のコード鎖の「コード領域」に対してアンチセンスである。用語「コ
ード領域」とは、アミノ酸残基に翻訳されるコドンを含む、ヌクレオチド配列の
領域をいう(例えば、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18
、20、22、もしくは24に対応する、ヒト(huma)NOVXのタンパク
質コード領域)。別の実施形態では、このアンチセンス核酸分子は、NOVXを
コードするヌクレオチド配列のコード鎖の「非コード領域」に対してアンチセン
スである。用語「非コード領域」とは、コード領域に隣接する、アミノ酸に翻訳
されない、5’配列および3’配列をいう(すなわち、5’非翻訳領域および3
’非翻訳領域ともいわれる)。
【0151】 本明細書中に開示されるNOVXをコードするコード鎖配列(例えば、配列番
号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21もしくは23)を
考慮すれば、本発明のアンチセンス核酸は、WatsonおよびCrickまた
はHoogsteenの塩基対合の規則に従って設計され得る。アンチセンス核
酸分子は、NOVX mRNAのコード領域全体に相補的であり得るが、より好
ましくは、NOVX mRNAのコード領域または非コード領域の一部にのみア
ンチセンスであるオリゴヌクレオチドである。例えば、アンチセンスオリゴヌク
レオチドは、NOVX mRNAの翻訳開始部位を取り囲む領域に相補的であり
得る。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、長さが約5、約10、約1
5、約20、約25、約30、約35、約40、約45または約50ヌクレオチ
ドであり得る。本発明のアンチセンス核酸は、当該分野で公知の手順を用いて、
化学的合成または酵素連結反応を用いて構築され得る。例えば、アンチセンス核
酸(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド)は、天然に存在するヌクレオチ
ド、またはこの分子の生物学的安定性を増大させるように、もしくはアンチセン
ス核酸とセンス核酸との間で形成される二重鎖の物理的安定性を増大させるよう
に設計された種々に改変されたヌクレオチドを用いて化学的に合成され得る(例
えば、ホスホロチオエート誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチドが用いられ
得る)。
【0152】 アンチセンス核酸を作製するために用いられ得る改変されたヌクレオチドの例
としては以下が挙げられる:5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−
クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセ
チルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5−カルボキシ
メチルアミノメチル2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラ
シル、ジヒドロウラシル、β−D−ガラクトシルクエオシン(galactos
ylqueosine)、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチ
ルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデ
ニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−
アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキ
シアミノメチル−2−チオウラシル、β−D−マンノシルクエオシン(mann
osylqueosine)、5’−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−
メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル
−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、シュードウラシル、クエオシン(
queosine)、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−
チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ
酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオ
ウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(
acp3)w、および2,6−ジアミノプリン。あるいは、このアンチセンス核
酸は、核酸がアンチセンス方向でサブクローニングされた発現ベクターを用いて
生物学的に生成され得る(すなわち、挿入された核酸から転写されたRNAは、
以下の小節にさらに記載される、目的の標的核酸に対してアンチセンス方向であ
る)。
【0153】 本発明のアンチセンス核酸分子は、代表的には被験体に投与されるか、または
インサイチュで生成され、その結果それらは、NOVXタンパク質をコードする
細胞性mRNAおよび/またはゲノムDNAとハイブリダイズするか、またはそ
れに結合し、それによってこのタンパク質の発現を、例えば転写および/または
翻訳を阻害することによって阻害する。ハイブリダイゼーションは、安定な二重
鎖を形成する従来のヌクレオチド相補性によってか、または例えばDNA二重鎖
に結合するアンチセンス核酸分子の場合には、二重らせんのメジャーグルーブ(
major groove)における特異的相互作用を介してであり得る。本発
明のアンチセンス核酸分子の投与経路の例としては、組織部位での直接的注射が
挙げられる。あるいは、アンチセンス核酸分子は、選択された細胞を標的化する
ように改変され得、次いで全身に投与される。例えば、全身投与のために、アン
チセンス分子は、それらが選択された細胞表面上に発現されたレセプターまたは
抗原に特異的に結合するように改変され得る。これは、例えば、そのアンチセン
ス核酸分子を細胞表面レセプターまたは抗原に結合するペプチドまたは抗体に連
結することによる。このアンチセンス核酸分子はまた、本明細書中に記載される
ベクターを用いて細胞に送達され得る。アンチセンス分子の十分な細胞内濃度を
達成するために、アンチセンス核酸分子が強力なpol IIプロモーターまた
はpol IIIプロモーターの制御下に置かれているベクター構築物が、好ま
しい。
【0154】 なお別の実施形態において、本発明のアンチセンス核酸分子は、α−アノマー
核酸分子である。α−アノマー核酸分子は、相補的RNAと特異的な二本鎖ハイ
ブリッドを形成する。ここで、通常のβ−ユニットとは対照的に、鎖は、互いに
平行に走行する(Gaultierら(1987)Nucleic Acids
Res 15:6625〜6641)。このアンチセンス核酸分子はまた、2
’−o−メチルリボヌクレオチド(Inoueら、(1987)Nucleic
Acids Res 15:6131〜6148)またはキメラRNA−DN
Aアナログ(Inoueら(1987)FEBS Lett 215:327〜
330)を含み得る。
【0155】 このような改変としては、非制限的な例として、改変塩基、および糖リン酸バ
ックボーンが改変または誘導体化された核酸が挙げられる。これらの改変は、少
なくとも一部は、改変された核酸の化学的安定性を増強するために実施され、そ
の結果、それらは、例えば、被験体での治療的適用におけるアンチセンス結合核
酸として使用され得る。
【0156】 (NOVXリボザイムおよびPNA部分) なお別の実施形態において、本発明のアンチセンス核酸はリボザイムである。
リボザイムは、一本鎖核酸(例えば、mRNA)を切断し得るリボヌクレアーゼ
活性を有する触媒性RNA分子であり、これらは、その一本鎖核酸に対して相補
領域を有する。従って、リボザイム(例えば、ハンマーヘッド型リボザイム(H
aselhoffおよびGerlach(1988)Nature 334:5
85〜591に記載される))を使用して、NOVX mRNA転写物を触媒的
に切断し、それによってNOVX mRNAの翻訳を阻害し得る。NOVXをコ
ードする核酸に特異性を有するリボザイムは、本明細書中に開示されるNOVX
DNAのヌクレオチド配列(すなわち、配列番号1、3、5、7、9、11、
13、15、17、19、21もしくは23)に基づいて設計され得る。例えば
、活性部位のヌクレオチド配列が、NOVXをコードするmRNA内で切断され
るヌクレオチド配列に相補的である、テトラヒメナL−19 IVS RNAの
誘導体が構築され得る。例えば、Cechら、米国特許第4,987,071号
;およびCechら、米国特許第5,116,742号を参照のこと。あるいは
、NOVX mRNAを使用して、RNA分子のプールから、特異的リボヌクレ
アーゼ活性を有する触媒性RNAを選択し得る。例えば、Bartelら(19
93)Science 261:1411〜1418を参照のこと。
【0157】 あるいは、NOVX遺伝子発現は、NOVXの調節領域(例えば、NOVXの
プロモーターおよび/またはエンハンサー)に相補的なヌクレオチド配列を標的
化し、標的細胞中でNOVX遺伝子の転写を妨害する三重らせん構造を形成する
ことによって阻害され得る。一般には、Helene.(1991)Antic
ancer Drug Des.6:569〜84;Heleneら(1992
)Ann.N.Y.Acad.Sci.660:27〜36;およびMaher
(1992)Bioassays 14:807〜15を参照のこと。
【0158】 種々の実施形態において、NOVXの核酸は、塩基部分、糖部分またはリン酸
骨格で改変され、例えば、その分子の安定性、ハイブリダイゼーションまたは可
溶性を改善し得る。例えば、核酸のデオキシリボースリン酸骨格を改変して、ペ
プチド核酸を生成し得る(Hyrupら(1996)Bioorg Med C
hem 4:5〜23を参照のこと)。本明細書中で使用される場合、用語「ペ
プチド核酸」または「PNA」は、デオキシリボースリン酸骨格が偽ペプチド骨
格によって置換され、そして4つの天然の核塩基(nucleobase)のみ
が保持されている核酸模倣物(例えば、DNA模倣物)をいう。PNAの中性の
骨格は、低いイオン強度の条件下でDNAおよびRNAに対する特異的ハイブリ
ダイゼーションを可能にすることが示されている。PNAオリゴマーの合成は、
上記のHyrupら(1996);Perry−O’Keefeら(1996)
PNAS 93:14670〜675において記載されるような標準的固相ペプ
チド合成プロトコルを用いて行われ得る。
【0159】 NOVXのPNAは、治療的適用および診断的適用において使用され得る。例
えば、PNAは、例えば転写または翻訳の停止を誘導することまたは複製を阻害
することによる、遺伝子発現の配列特異的調節のためのアンチセンスまたは抗遺
伝子剤として使用され得る。NOVXのPNAはまた、例えばPNA指向性PC
Rクランピングによる遺伝子における一塩基対変異の分析において;他の酵素(
例えば、S1ヌクレアーゼ)と組み合わせて使用される場合の人工制限酵素とし
て(Hyrup B.(1996)上記);またはDNA配列およびハイブリダ
イゼーションのプローブもしくはプライマーとして(Hyrupら(1996)
上記;Perry−O’Keefe(1996)、上記)、使用され得る。
【0160】 別の実施形態において、NOVXのPNAは、例えば、それらの安定性または
細胞性取り込みを増強するために、PNAに脂溶性基または他のヘルパー基を結
合することによって、PNA−DNAキメラの形成によって、またはリポソーム
もしくは当該分野において公知の薬物送達の他の技術の使用によって改変され得
る。例えば、PNAおよびDNAの有利な特性を組合せ得る、NOVXのPNA
−DNAキメラが生成され得る。PNA部分が高い結合親和性および特異性を提
供する一方で、そのようなキメラは、DNA認識酵素(例えば、RNase H
およびDNAポリメラーゼ)がDNA部分と相互作用するのを可能にする。PN
A−DNAキメラは、塩基のスタッキング、核塩基間の結合数および方向を考慮
して選択される適切な長さのリンカーを使用して連結され得る(Hyrup(1
996)上記)。PNA−DNAキメラの合成は、Hyrup(1996)上記
およびFinnら(1996)Nucl Acids Res 24:3357
〜63において記載されるように行われ得る。例えば、DNA鎖は、標準的なホ
スホラミダイトカップリング化学を用いて固体支持体上で合成され得、そして改
変されたヌクレオシドアナログ(例えば、5’−(4−メトキシトリチル)アミ
ノ−5’−デオキシ−チミジンホスホルアミダイト)が、PNAとDNAの5’
末端との間に使用され得る(Magら(1989)Nucl Acid Res
17:5973〜88)。次いで、PNAモノマーが段階様式でカップリング
され、5’PNAセグメントおよび3’DNAセグメントを有するキメラ分子を
生成する(Finnら(1996)上記)。あるいは、5’DNAセグメントお
よび3’PNAセグメントを用いて、キメラ分子が合成され得る。Peters
enら(1975)Bioorg Med Chem Lett 5:1119
〜11124を参照のこと。
【0161】 他の実施形態において、オリゴヌクレオチドは、以下のような他の付属の基を
含み得る:ペプチド(例えば、インビボで宿主細胞レセプターを標的化するため
)、または細胞膜を横切る輸送を容易にする因子(例えば、Letsinger
ら、1989、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.86:6
553〜6556;Lemaitreら、1987、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.84:648〜652;PCT公開番号WO88/09810を
参照のこと)、または血液脳関門(例えば、PCT公開番号WO89/1013
4を参照のこと)。さらに、オリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーション誘
発切断剤(例えば、Krolら、1988、BioTechniques 6:
958〜976を参照のこと)、またはインターカレーター剤(例えば、Zon
,1988、Pharm.Res.5:539〜549を参照のこと)で改変さ
れ得る。この目的のために、オリゴヌクレオチドは、別の分子(例えば、ペプチ
ド、ハイブリダイゼーション誘発架橋剤、輸送剤、ハイブリダイゼーション誘発
切断剤など)に結合され得る。
【0162】 (NOVXポリペプチド) 本発明のNOVXポリペプチドは、その配列が配列番号2、4、6、8、10
、12、14、16、18、20、22または24に提供されるNOVX様タン
パク質を含む。本発明はまた、なおそのNOVX活性および生理学的機能を維持
するタンパク質、またはその機能的フラグメントをコードするが、その任意の残
基が配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22また
は24に示される対応する残基から変化し得る、変異体または改変体タンパク質
を含む。いくつかの実施形態において、この変異体または改変体タンパク質にお
いて、20%までまたはそれ以上の残基がそのように変化され得る。いくつかの
実施形態において、本発明に従ったNOVXポリペプチドは、成熟ポリペプチド
である。
【0163】 一般に、NOVX様機能を保持するNOVX改変体は、配列中の特定位置の残
基が他のアミノ酸により置換され、そしてさらに、親タンパク質の2つの残基間
にさらなる残基を挿入する可能性、および親配列から1つ以上の残基を欠失する
可能性を含む。任意のアミノ酸置換、挿入または欠失が、本発明に包含される。
好適な状況では、この置換は、上記で規定されるような保存的置換である。
【0164】 本発明の1つの局面は、単離されたNOVXタンパク質、およびその生物学的
に活性な部分、またはその誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモログに
関する。抗NOVX抗体を惹起するための免疫原としての使用に適するポリペプ
チドフラグメントもまた提供される。1つの実施形態では、ネイティブなNOV
Xタンパク質が、標準的なタンパク質精製技法を用いる適切な精製スキームによ
り、細胞または組織供給源から単離され得る。別の実施形態では、NOVXタン
パク質は、組換えDNA技法により生産される。組換え発現の代替えとして、N
OVXタンパク質またはポリペプチドは、標準的なペプチド合成技法を用いて化
学的に合成され得る。 本発明の1つの局面は、単離されたNOVXタンパク質
、およびその生物学的に活性な部分、またはそれらの誘導体、フラグメント、ア
ナログもしくはホモログに関する。抗NOVX抗体を惹起するための免疫原とし
ての使用のために適切なポリペプチドフラグメントもまた提供される。1つの実
施形態において、ネイティブなNOVXタンパク質は、標準的なタンパク質精製
技術を用いる適切な精製スキームによって、細胞または組織供給源から単離され
得る。別の実施形態において、NOVXタンパク質は、組換えDNA技術によっ
て産生される。組換え発現に代わるものとして、NOVXタンパク質またはポリ
ペプチドは、標準的なペプチド合成技術を用いて化学合成され得る。
【0165】 「単離された」または「精製された」タンパク質またはその生物学的に活性な
部分は、NOVXタンパク質の由来する細胞または組織供給源由来の細胞性物質
または他の夾雑タンパク質を実質的に含まないか、あるいは化学合成される場合
に化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない。用語「細胞性物質を実質
的に含まない」は、NOVXタンパク質の調製物を含み、この調製物において、
NOVXタンパク質が単離または組換え産生される細胞の細胞性成分から、NO
VXタンパク質は分離されている。1つの実施形態において、用語「細胞性物質
を実質的に含まない」は、非NOVXタンパク質(本明細書中において「夾雑タ
ンパク質」とも呼ばれる)を約30%未満(乾燥重量にて)、より好ましくは非
NOVXタンパク質を約20%未満、なおより好ましくは非NOVXタンパク質
を約10%未満、そして最も好ましくは非NOVXタンパク質を約5%未満有す
る、NOVXタンパク質の調製物を含む。NOVXタンパク質またはその生物学
的に活性な部分が組換え産生される場合、好ましくは、調製物はまた培養培地を
実質的に含まない。すなわち、培養培地は、そのタンパク質調製物の容量の約2
0%未満、より好ましくは約10%未満、そして最も好ましくは約5%未満を示
す。
【0166】 用語「化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」は、タンパク質が
、そのタンパク質の合成に関与する化学前駆体または他の化学物質から分離され
ているNOVXタンパク質の調製物を含む。1つの実施形態において、用語「化
学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない」は、化学前駆体または非NO
VXの化学物質を約30%未満(乾燥重量にて)、より好ましくは化学前駆体ま
たは非NOVX化学物質を約20%未満、なおより好ましくは化学前駆体または
非NOVX化学物質を約10%未満、そして最も好ましくは化学前駆体または非
NOVX化学物質を約5%未満有する、NOVXタンパク質の調製物を含む。
【0167】 NOVXタンパク質の生物学的に活性な部分は、全長NOVXタンパク質より
少ないアミノ酸を含み、そしてNOVXタンパク質の少なくとも1つの活性を示
す、NOVXタンパク質のアミノ酸配列(例えば、配列番号2、4、6、8、1
0、12、14、16、18、20、22または24に示されるアミノ酸配列)
に十分に相同なアミノ酸配列、またはNOVXタンパク質のアミノ酸配列に由来
するアミノ酸配列を含むペプチドを含む。代表的には、生物学的に活性な部分は
、NOVXタンパク質の少なくとも1つの活性を有するドメインまたはモチーフ
を含む。NOVXタンパク質の生物学的に活性な部分は、例えば、長さが10、
25、50、100またはそれより多いアミノ酸であるポリペプチドであり得る
【0168】 本発明のNOVXタンパク質の生物学的に活性な部分は、NOVXタンパク質
間に保存される上記の同定されたドメインの少なくとも1つ(例えば、TSRモ
ジュール)を含み得る。さらに、タンパク質の他の領域が欠失している他の生物
学的に活性な部分は、組換え技術によって調製され得、そしてネイティブなNO
VXタンパク質の機能的活性のうちの1つ以上について評価され得る。
【0169】 1つの実施形態において、NOVXタンパク質は、配列番号2、4、6、8、
10、12、14、16、18、20、22または24に示されるアミノ酸配列
を有する。他の実施形態において、NOVXタンパク質は、配列番号2、4、6
、8、10、に実質的に相同であり、そして以下に詳細に議論されるように、天
然の対立遺伝子改変体または変異誘発に起因してアミノ酸配列が異なるが、配列
番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22または24の
タンパク質の機能的活性を保持する。従って、別の実施形態において、NOVX
タンパク質は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20
、22または24のアミノ酸配列に少なくとも約45%相同なアミノ酸配列を含
み、そして、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、
22または24のNOVXタンパク質の機能的活性を保持するタンパク質である
【0170】 (2つ以上の配列間の相同性の決定) 2つのアミノ酸配列または2つの核酸の相同性の百分率を決定するために、配
列は、至適な比較の目的のために整列される(例えば、ギャップは、配列間の最
適な整列について比較される配列のいずれかに導入され得る)。次いで、対応す
るアミノ酸位置またはヌクレオチド位置でのアミノ酸残基またはヌクレオチドが
比較される。第1の配列中の位置が、第2の配列中の対応する位置と同じアミノ
酸残基またはヌクレオチドで占められる場合、分子はその位置で相同である(す
なわち、本明細書中で使用される場合、アミノ酸または核酸の「相同性」は、ア
ミノ酸または核酸の「同一性」と等価である)。
【0171】 核酸配列の相同性は、2つの配列間の同一性の程度として決定され得る。相同
性は、当該分野において公知のコンピュータープログラム(例えば、GCGプロ
グラムパッケージにおいて提供されるGAPソフトウェア)を用いて決定され得
る。NeedlemanおよびWunsch 1970 J Mol Biol
48:443〜453を参照のこと。核酸配列比較のための以下の設定(GA
P作製ペナルティー、5.0、およびGAP伸長ペナルティー、0.3)を用い
てGCG GAPソフトウェアを使用すると、上記で言及される類似の核酸配列
のコード領域は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19
、21または23に示されるDNA配列のCDS(コード)部分と、好ましくは
少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、
少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99
%の同一性の程度を示す。
【0172】 用語「配列同一性」は、2つのポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列
が、特定の比較領域にわたって、残基毎を基準として同一である程度をいう。用
語「配列同一性のパーセンテージ」は、以下により算出される:この比較領域に
わたって最適に整列された2つの配列を比較すること、両方の配列において同一
の核酸塩基(例えば、核酸の場合にはA、T、C、G、U、またはI)が存在す
る位置の数を決定し、一致した位置の数を導くこと、この一致した位置の数を、
比較領域の内の位置の総数(すなわち、ウインドウサイズ)で除算すること、お
よびその結果を100で乗算して、配列同一性のパーセンテージを導くこと。用
語「実質的な同一性」は、本明細書中で使用される場合、ポリヌクレオチド配列
の特徴を示し、ここでこのポリヌクレオチドは、比較領域にわたり参照配列と比
較して、少なくとも80%の配列同一性、好ましくは少なくとも85%の配列同
一性、そして頻繁には90〜95%の配列同一性、より通常には少なくとも99
%の配列同一性を有する配列を含む。用語「陽性(positive)残基の百
分率」は、以下により算出される:その比較領域にわたって最適に整列された2
つの配列を比較すること、同一のアミノ酸および保存的アミノ酸置換が、上記の
ように両方の配列において存在する位置の数を決定し、一致した位置の数を導く
こと、この一致した位置の数を、比較領域中の位置の総数(すなわち、ウインド
ウサイズ)で除算すること、およびその結果を100で乗算して、陽性残基の百
分率を導くこと。
【0173】 (キメラタンパク質および融合タンパク質) 本発明はまた、NOVXキメラタンパク質または融合タンパク質を提供する。
本明細書中で使用される場合、NOVX「キメラタンパク質」またはNOVX「
融合タンパク質」は、非NOVXポリペプチドに作動可能に連結された、NOV
Xポリペプチドを含む。「NOVXポリペプチド」は、NOVXに対応するアミ
ノ酸配列を有するポリペプチドをいうが、「非NOVXポリペプチド」は、NO
VXタンパク質に対して実質的に相同ではないタンパク質(例えば、NOVXタ
ンパク質とは異なり、かつ同一でかまたは異なる生物体に由来するタンパク質)
に対応するアミノ酸配列を有するポリペプチドをいう。NOVX融合タンパク質
において、このNOVXポリペプチドは、NOVXタンパク質のすべてまたは一
部分に対応し得る。1つの実施形態では、NOVX融合タンパク質は、NOVX
タンパク質の少なくとも1つの生物学的に活性な部分を含む。別の実施形態では
、NOVX融合タンパク質は、NOVXタンパク質の少なくとも2つの生物学的
に活性な部分を含む。融合タンパク質において、用語「作動可能に連結された」
は、NOVXポリペプチドおよび非NOVXポリペプチドが、インフレームで互
いに融合されていることを示すことが意図される。非NOVXポリペプチドは、
NOVXポリペプチドのN末端またはC末端に融合され得る。
【0174】 例えば、1つの実施形態では、NOVX融合タンパク質は、第2のタンパク質
の細胞外ドメインに連結されたNOVXポリペプチドを含む。このような融合タ
ンパク質は、NOVX活性を調節する化合物についてのスクリーニングアッセイ
でさらに利用され得る(このようなアッセイは、以下に詳細に記載される)。
【0175】 別の実施形態においては、この融合タンパク質は、GST−NOVX融合タン
パク質であり、ここではNOVX配列が、GST(すなわち、グルタチオンS−
トランスフェラーゼ)配列のC末端に融合される。このような融合タンパク質は
、組換えNOVXの精製を容易にし得る。
【0176】 別の実施形態においては、この融合タンパク質は、NOVX−免疫グロブリン
融合タンパク質であり、ここでは1つ以上のドメインを含むNOVX配列が、免
疫グロブリンタンパク質ファミリーのメンバーに由来する配列に融合される。本
発明のこのNOVX−免疫グロブリン融合タンパク質は、薬学的組成物中に取り
込まれ、そして被験体に投与されて、細胞の表面上でNOVXリガントとNOV
Xタンパク質との間の相互作用を阻害し、それによってインビボのNOVX媒介
信号伝達を抑制し得る。1つの非限定的な例においては、意図される本発明のN
OVXリガンドは、NOVXレセプターである。このNOVX−免疫グロブリン
融合タンパク質を用い、NOVX同族リガンドの生体利用性に影響を与え得る。
NOVXリガンド/NOVX相互作用の阻害は、増殖障害および分化障害(例え
ば、癌)の両方の処置、および細胞生存を調節(例えば、促進または阻害)する
こと、ならびに急性および慢性炎症性障害および過形成創傷治癒(例えば、過形
成性瘢痕およびケロイド)に、治療的に有用であり得る。さらに、本発明のこの
NOVX−免疫グロブリン融合タンパク質は、被験体中で抗NOVX抗体を産生
するための免疫原として用いられ得、NOVXリガンドを精製し、そしてNOV
XリガンドとのNOVXの相互作用を阻害する分子を同定するスクリーニングア
ッセイで用いられ得る。
【0177】 本発明のNOVXキメラまたは融合タンパク質は、標準的な組換えDNA技法
により産生され得る。例えば、異なるポリペプチド配列をコードするDNAフラ
グメントを、従来の技法に従って、例えば、連結のための平滑末端または粘着(
stagger)末端、適切な末端を提供するための制限酵素消化、必要に応じ
て粘着(cohesive)末端のフィルイン、所望しない連結を避けるための
アルカリホスファターゼ処理、および酵素的連結を採用することにより、インフ
レームで一緒に連結する。別の実施形態では、融合遺伝子を、自動化DNA合成
機を含む従来技法により合成し得る。あるいは、遺伝子フラグメントのPCR増
幅を、キメラ遺伝子配列を生成するために次いでアニールおよび再増幅され得る
、2つの連続遺伝子フラグメント間の相補的オーバハングを生じるアンカープラ
イマーを用いて実施し得る(例えば、Ausbelら(編)CURRENT P
ROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY、John W
iley&Sons、1992を参照のこと)。さらに、融合成分(例えば、G
STポリペプチド)をすでにコードした多くの発現ベクターが市販されている。
NOVXをコードする核酸は、この融合成分がNOVXタンパク質にインフレー
ム連結されるように、このような発現ベクター中にクローン化され得る。
【0178】 (NOVXアゴニストおよびアンタゴニスト) 本発明はまた、NOVXアゴニスト(模倣物)として、またはNOVXアンタ
ゴニストとして機能するNOVXタンパク質の改変体に関する。NOVXタンパ
ク質の改変体、例えば、NOVXタンパク質の離散した点変異または短縮型が、
変異誘発により生成され得る。NOVXタンパク質のアゴニストは、天然に存在
する形態のNOVXタンパク質と実質的に同じ生物学的活性、またはその生物学
的活性のサブセットを保持し得る。NOVXタンパク質のアンタゴニストは、天
然に存在する形態のNOVXタンパク質の1つ以上の活性を、例えば、NOVX
タンパク質を含む細胞シグナル伝達カスケードの下流または上流メンバーに競合
的に結合することにより阻害し得る。従って、特異的生物学的効果が、限られた
機能の改変体を用いた処理により惹起され得る。1つの実施形態では、このタン
パク質の天然に存在する形態の生物学活性のサブセットを有する改変体を用いた
被験体の処置は、NOVXタンパク質の天然に存在する形態を用いた処置に対し
て被験体におけるより少ない副作用を有する。
【0179】 NOVXアゴニスト(模倣物)として、またはNOVXアンタゴニストのいず
れかとして機能するNOVXタンパク質の改変体は、NOVXタンパク質アゴニ
ストまたはアンタゴニスト活性のためのNOVXタンパク質の変異体、例えば短
縮型変異体のコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることにより同
定され得る。1つの実施形態では、NOVX改変体の多彩なライブラリーは、核
酸レベルのコンビナトリアル変異誘発により生成され、そして多彩な遺伝子ライ
ブラリーによりコードされる。NOVX改変体の多彩なライブラリーは、例えば
、合成オリゴヌクレオチドの混合物を、潜在的なNOVX配列の縮重セットが、
個々のポリペプチドとして、あるいは、その中にNOVX配列のセットを含む(
例えば、ファージディスプレイのための)より大きな融合タンパク質のセットと
して発現可能であるように、遺伝子配列に酵素的に連結することにより産生され
得る。縮重オリゴヌクレオチド配列から潜在的なNOVX改変体のライブラリー
を産生するために用いられ得る種々の方法がある。縮重遺伝子配列の化学的合成
は、自動化DNA合成機中で実施され得、次いでこの合成遺伝子は、適切な発現
ベクター中に連結される。遺伝子の縮重セットの使用は、1つの混合物において
、潜在的なNOVX配列の所望のセットをコードする配列のすべての供給を可能
にする。縮重オリゴヌクレオチドを合成する方法は当該分野で公知である(例え
ば、Narang(1983)Tetrahedron 39:3;Itaku
raら(1984)Annu Rev Biochem 53:323;Ita
kuraら(1984)Science 198:1056;Ikeら(198
3)Nucl Acid Res 11:477を参照のこと)。
【0180】 (ポリペプチドライブラリー) さらに、NOVXタンパク質コード配列のフラグメントのライブラリーを用い
て、NOVXタンパク質の改変体のスクリーニングおよび引き続く選択のための
NOVXフラグメントの多彩な集団を生成し得る。1つの実施形態では、コード
配列フラグメントのライブラリーは、NOVXコード配列の二本鎖PCRフラグ
メントを、1分子あたり約1つのみのニックが生じる条件下、ヌクレアーゼで処
理すること、二本鎖DNAを変性させること、異なるニック産物からのセンス/
アンチセンス対を含み得る二本鎖DNAを形成するためにこのDNAを再生する
こと、S1ヌクレアーゼを用いた処理により再形成された二本鎖から一本鎖部分
を除去すること、および得られるフラグメントライブラリーを発現ベクター中に
連結することにより生成し得る。この方法により、NOVXタンパク質の種々の
サイズのN末端および内部フラグメントをコードする発現ライブラリーが派生し
得る。
【0181】 点変異または短縮により作成されたコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産
物をスクリーニングするため、選択された性質を有する遺伝子産物のcDNAラ
イブラリーをスクリーニングするためのいくつかの技法が当該分野で公知である
。このような技法を、NOVXタンパク質のコンビナトリアル変異誘発により生
成された遺伝子ライブラリーの迅速スクリーニングに適用可能である。大きな遺
伝子ライブラリーをスクリーニングするための、高スループット分析に適した最
も広く用いられる技法は、代表的には、遺伝子ライブラリーを複製可能な発現ベ
クター中にクローニングすること、得られるベクターのライブラリーで適切な細
胞を形質転換すること、およびこのコンビナトリアル遺伝子を、所望の活性の検
出が、その産物が検出された遺伝子をコードするベクターの単離を容易にする条
件下で発現することを含む。ライブラリー中の機能的変異体の頻度を増大する新
規技法であるリクルーシブエンセブル変異誘発(REM)を、スクリーニングア
ッセイと組み合わせて用い、NOVX改変体を同定し得る(ArkinおよびY
ourvan(1992)PNAS 89:7811−7815;Delgra
veら(1993)Protein Engineering 6:327−3
31)。
【0182】 (NOVX抗体) NOVXタンパク質に対する抗体、またはNOVXタンパク質のフラグメント
もまた、本発明に含まれる。本明細書中で使用される場合、用語「抗体」は、免
疫グロブリン分子、および免疫グロブリン(Ig)分子の免疫学的に活性な部分
(すなわち、抗原に特異的に結合する(免疫反応する)抗原結合部位を含む分子
)をいう。このような抗体としては、ポリクロナール抗体、モノクロナール抗体
、キメラ抗体、単鎖抗体、Fabフラグメント、Fab' フラグメントおよびF(ab' )2 フラグメント、ならびにFab発現ライブラリーが挙げられるが、これらに限定
されない。一般的に、ヒト由来の抗体分子は、IgG、IgM、IgA、IgE
およびIgDの任意のクラスに関連し、これらは分子内に存在する重鎖の性質に
よってお互いに異なる。特定のクラスは同様にサブクラス(例えば、IgG1
IgG2など)を有する。さらに、ヒトにおいては、軽鎖はκ鎖またはλ鎖であ
り得る。本明細書中で抗体に対する参照は、ヒト抗体種のすべてのこのようなク
ラス、サブクラスおよび型に対する参照を含む。
【0183】 本発明の単離されたNOVX関連タンパク質は、抗原、またはその一部もしく
はフラグメントとして役立つことが意図され得、そしてさらに、免疫原として使
用され、ポリクロナール抗体およびモノクロナール抗体の調製のための標準的な
技術を用いて、抗原に免疫特異的に結合する抗体を生成し得る。全長タンパク質
が使用され得るか、あるいは本発明は、免疫原として使用するための抗原の抗原
性ペプチドフラグメントを提供する。抗原性ペプチドフラグメントは、全長タン
パク質のアミノ酸配列(例えば、配列番号2、4、6、8、10、12、14、
16、18、20、22または24において示されるアミノ酸配列)の少なくと
も6アミノ酸残基を含み、そしてそれらのエピトープを含み、その結果このペプ
チドに対して惹起された抗体は、全長タンパク質またはこのエピトープを含む任
意のフラグメントと特定の免疫複合体を形成する。好ましくは、抗原性ペプチド
は、少なくとも10アミノ酸残基、または少なくとも15アミノ酸残基、または
少なくとも20アミノ酸残基、または少なくとも30アミノ酸残基を含む。この
抗原性ペプチドにより含まれる好ましいエピトープは、そのペプチド表面上に位
置するタンパク質の領域であり;通常、これらは親水性領域である。
【0184】 本発明の特定の実施形態では、抗原性ペプチドにより包含される少なくとも1
つのエピトープは、NOVXタンパク質の表面上に位置するNOVX関連タンパ
ク質の領域、例えば、親水性領域である。ヒトNOVX関連タンパク質配列の疎
水性分析は、NOVX関連タンパク質のどの領域が特に親水性であるか、そして
それ故、抗体産生を標的にするために有用な表面残基をコードするようであるか
を示す。抗体産生を標的にする手段として、親水性および疎水性の領域を示すヒ
ドロパシープロットを、例えば、フーリエ変換とともにまたはなしの、Kyte
DoolittleまたはHopp Woods法を含む、当該分野で周知の
任意の方法により生成し得る。例えば、それらの全体が本明細書に参考として援
用される、HoppおよびWoods、1981、Proc.Nat.Acad
.Sci.USA 78:3824−3828;KyteおよびDoolitt
le 1982、J.Mol.Biol.157:105−142を参照のこと
。抗原性タンパク質またはその誘導体、フラグメント、アナログもしくはホモロ
グ内の1つ以上のドメインに対して特異的な抗体はまた、本明細書中で提供され
る。
【0185】 本発明のタンパク質、またはその誘導体、フラグメント、アナログ、ホモログ
もしくはオルソログは、これらのタンパク質成分に免疫特異的に結合する抗体の
産生における免疫原として利用され得る。
【0186】 当該分野において公知の種々の手順が、本発明のタンパク質、またはその誘導
体、フラグメント、アナログ、ホモログもしくはオルソログに対して指向される
ポリクロナール抗体またはモノクロナール抗体の産生のために使用され得る(例
えば、Antibodies:A Lamoratory Manual,Ha
rlow E,およびLane D,1998,Cold Spring Ha
rbor Laboratory Press,Cold Spring Ha
rbor、NY(本明細書中に参考として援用される)を参照のこと)。これら
の抗体のうちのいくつかは、以下で考察される。
【0187】 (ポリクロナール抗体) ポリクロナール抗体の産生のために、種々の適切な宿主動物(例えば、ウサギ
、ヤギ、マウスまたは他の動物)は、ネイティブなタンパク質、その合成改変体
、または前記の誘導体を用いる1以上の注射によって免疫され得る。適切な免疫
原性調製物は、例えば、天然に存在する免疫原性タンパク質、免疫原性タンパク
質を提示する化学的に合成されたポリペプチド、または組換え的に発現される免
疫原性タンパク質を含み得る。さらに、このタンパク質は、免役されている哺乳
動物において免疫原性であることが知られている第2のタンパク質に結合体化さ
れ得る。このような免疫原性タンパク質の例としては、キーホールリンペットヘ
モシアニン、血清アルブミン、ウシサイログロブリン、および大豆トリプシンイ
ンヒビターが挙げられるが、これらに限定されない。この調製物はさらに、アジ
ュバントを含み得る。種々のアジュバントが免疫学的応答を増加させるために使
用され、このようなアジュバントとしては、Freund’s(完全および不完
全)、ミネラルゲル(例えば、水酸化アルミニウム)、界面活性物質(例えば、
リゾレシチン、プルロニック(pluronic)ポリオール、ポリアニオン、
ペプチド、油乳濁液、ジニトロフェノールなど)、ヒトにおいて使用可能なアジ
ュバント(例えば、Bacille Calmette−GuerinおよびC
orynebacterium parvum)または類似の免疫刺激剤が挙げ
られるが、これらに限定されない。使用され得るアジュバントのさらなる例とし
ては、MPL−TDMアジュバント(モノホスホリルリピドA、合成トレハロー
スジコリノミコレート)が挙げられる。
【0188】 免疫原性タンパク質に対して指向されるポリクロナール抗体分子は、哺乳動物
から(例えば、血液から)単離され得、そして周知の技術(例えば、プロテイン
AまたはプロテインGを用いるアフィニティクロマトグラフィー(これは、主に
免疫血清のIgG画分を提供する))によってさらに精製され得る。続いて、ま
たは代替的に、求められている免疫グロブリンの標的である特定の抗原またはそ
の抗原のエピトープがカラムに固定され、免疫アフィニティクロマトグラフィー
によって免疫特異的抗体を精製し得る。免疫グロブリンの精製は、例えば、D.
Wilkinson(The Scientist(The Scientis
t,Inc.,Philadelphia PAより発行)、第14巻、第8号
(2000年4月17日)、25〜28頁)によって考察される。
【0189】 (モノクローナル抗体) 本明細書で用いられる用語「モノクローナル抗体」(MAb)または「モノク
ローナル抗体組成物」は、独特の軽鎖遺伝子産物および独特の重鎖遺伝子産物か
らなる唯一の分子種の抗体分子を含む抗体分子の集団をいう。特に、モノクロー
ナル抗体の相補性決定領域(CDR)は、すべての分子の集団に同一である。従
って、MAbは、抗原への独特の結合親和性によって特徴付けられる抗原の特定
のエピトープと免疫反応可能な抗原結合部位を含む。
【0190】 モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ方法(例えば、KohlerおよびM
ilstein,Nature,256:495(1975)に記載されるよう
な方法)を使用して調製され得る。ハイブリドーマ方法において、マウス、ハム
スター、または他の適切な宿主細胞は、免疫因子で代表的に免疫され、免疫因子
に特異的に結合する抗体を産生するか、または産生し得るリンパ球を誘発する。
あるいは、リンパ球は、インビトロで免疫され得る。
【0191】 免疫因子としては、代表的に、タンパク質抗原、そのフラグメントまたはその
融合タンパク質が挙げられる。一般的には、以下のいずれかである:ヒト起源の
細胞が望まれる場合は、末梢血リンパ球が使用され、または非ヒト哺乳動物供給
源が望まれる場合は、脾臓細胞またはリンパ節細胞が使用される。次いで、適切
な融合因子(例えば、ポリエチレングリコール)を使用して、リンパ球を不死化
細胞株に融合し、ハイブリドーマ細胞を形成する(Goding,Monocl
onal Antibodies:Principles and Pract
ice,Academic Press(1986)第59−103頁)。不死
化細胞株は、哺乳動物細胞、特にげっ歯類、ウシおよびヒト起源の骨髄腫細胞に
通常形質転換される。通常ラットまたはマウスの骨髄腫細胞株が使用されるハイ
ブリドーマ細胞は、1以上の物質(融合されていない不死化細胞の増殖も生存も
阻害する)を適切に含む適切な培養培地中で培養され得る。例えば、親の細胞が
酵素、ヒポキサンチングアニンンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPR
TまたはHPRT)を欠く場合、ハイブリドーマからの培養培地は、代表的にヒ
ポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジンを含み(「HAT培地」)、そ
れらの物質はHGPRT欠失細胞の増殖を阻害する。
【0192】 好ましい不死化細胞株は、効率的に融合する細胞株であり、それらは選択され
た抗体産生細胞の安定な高レベルの抗体の発現を支持し、そしてHAT培地のよ
うな培地に敏感である。より好ましい不死化細胞株はマウス骨髄腫細胞株であり
、それらを、例えば、Salk Institute Cell Distri
bution Center,San Diego,Californiaおよ
びAmerican Type Culture Collection,Ma
nassas,Virginiaから得ることが可能である。ヒト骨髄腫および
マウス−ヒト骨髄腫細胞株はまた、ヒトモノクローナル抗体の産生について記載
される(Kozbor,J.Immunol.,133:3001(1984)
;Brodeurら、Monoclonal Antibody Produc
tion Techniques and Application,Marc
el Dekker,Inc.,New York,(1987)第51−63
頁)。
【0193】 次いで、ハイブリドーマ細胞が培養される培養培地は、抗原に対するモノクロ
ーナル抗体の存在についてアッセイされ得る。好ましくは、ハイブリドーマ細胞
によって産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降によって決定
されるか、またはインビトロ結合アッセイ(例えば、ラジオイムノアッセイ(R
IA)または酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA))によって決定さ
れる。このような技術およびアッセイは、当該分野で公知である。モノクローナ
ル抗体の結合親和性は、例えば、MunsonおよびPollard,Anal
.Biochem.,107:220(1980)のスキャッチャード分析によ
って決定され得る。好ましくは、標的抗原に対する高い程度の特異性および高結
合親和性を有する抗体が、単離される。
【0194】 所望のハイブリドーマ細胞が同定された後、希釈手順を限定することによって
、クローンをサブクローニングし得、そして標準方法によって増殖し得る。例え
ば、この目的のために適切な培養培地としては、Dulbecco’s Mod
ified Eagle’s MediumおよびRPMI−1640培地が挙
げられる。あるいは、ハイブリドーマ細胞は、哺乳動物内の腹水としてインビボ
で増殖され得る。
【0195】 サブクローンによって分泌されたモノクローナル抗体は、従来の免疫グロブリ
ン精製手順(例えば、タンパク質Aセファロース、ヒドロキシアパタイトクロマ
トグラフィー、ゲル電気泳動、透析、またはアフィニティークロマトグラフィー
)によって、培養培地または腹水から、単離または精製され得る。
【0196】 モノクローナル抗体はまた、組換えDNA方法(例えば、米国特許第4,81
6,567号に記載される方法)によって作製され得る。本発明のモノクローナ
ル抗体をコードするDNAは、従来の手順を使用して(例えば、マウス抗体の重
鎖および軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合し得るオリゴヌクレオチドプロ
ーブを使用することによって)容易に単離され得、そして配列決定され得る。本
発明のハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好ましい供給源として役立つ
。一旦単離されると、DNAは、発現ベクターに配置され得、次いでそれらは、
宿主細胞(例えば、さもなければ免疫グロブリンタンパク質を産生しないサルC
OS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、または骨髄腫細胞)に
トランスフェクトされ、組換え宿主細胞内でのモノクローナル抗体の合成を得る
。DNAはまた、例えば、相同なマウス配列の代わりにヒト重鎖および軽鎖定常
ドメインをコードする配列の置換(米国特許第4,816,567号;Morr
ison,Nature 368,812−13(1994))によってか、ま
たは非免疫グロブリンポリペプチドについてのコード配列のすべてまたは一部の
配列をコードする免疫グロブリンへの共有結合的な連結によって改変され得る。
このような非免疫グロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常領域に置換さ
れ得るか、または本発明の抗体の1つの抗原結合部位の可変領域に置換され得、
キメラ二価の抗体を作製する。
【0197】 (ヒト化抗体) 本発明のタンパク質抗原に対する抗体は、さらにヒト化抗体またはヒト抗体を
含み得る。これらの抗体は、投与された免疫グロブリンに対するヒトの免疫応答
を引き起こさないヒトへの投与に適する。抗体のヒト化形態は、キメラ免疫グロ
ブリン、免疫グロブリン鎖またはそれらのフラグメント(例えば、Fv、Fab
、Fab’、F(ab’)2または他の抗体の抗原結合配列)であり、それらは
主にヒト免疫グロブリンの配列から構成され、そして非ヒト免疫グロブリンに由
来する最小の配列を含む。ヒト化は、ヒト抗体の対応する配列についてのげっ歯
類CDRまたはCDR配列の置換によって、Winterおよび共同研究者の方
法(Jonesら、Nature,31:522−525(1986);Rie
chmannら、Nature,332:323−327(1988);Ver
hoeyenら、Science,239:1534−1536(1988))
の後に達成され得る。(米国特許第5,225,539号もまた参照のこと。)
いくつかの場合において、ヒト免疫グロブリンのFv骨格(framework
)残基は、対応する非ヒト残基によって置換される。ヒト化抗体はまた、患者の
抗体においても、移入されたCDRまたは骨格配列においても見出されない残基
を含み得る。一般に、ヒト化抗体は、すべての少なくとも1つ、および代表的に
は2つの可変領域を実質的に含む。これらの領域内で、すべてのまたは実質的に
すべてのCDR領域は非ヒト免疫グロブリンの領域に対応し、そしてすべてまた
は実質的にすべての骨格領域はヒト免疫グロブリンコンセンサス配列の領域に対
応する。ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)、代表的には、ヒ
ト免疫グロブリンの少なくとも一部を必要に応じて含む(Jonesら、198
6;Riechamannら、1988;およびPresta、Curr.Op
.Struct.Biol.,2:593−596(1992))。
【0198】 (ヒト抗体) CDRを含む軽鎖および重鎖の両方の全体配列がヒト遺伝子から本質的に生じ
る抗体分子に、ヒト抗体は十分に関連する。このような抗体を、「ヒト抗体」、
または「十分なヒト抗体」と本明細書中で呼ぶ。ヒトモノクローナル抗体は、ト
リオーマ(trioma)技術によって調製され得る;ヒトB細胞ハイブリドー
マ技術(Kozborら、1983 Immunol Today 4:72を
参照のこと)およびヒトモノクローナル抗体を産生するためのEBVハイブリド
ーマ技術(Coleら、1985:MONOCLONAL ANTIBODIE
S AND CANCER THERAPY,Alan R.Liss,Inc
.,第77−96頁)。ヒトモノクローナル抗体は、本発明の実行において使用
され得、そしてヒトハイブリドーマの使用によってか(Coteら、1983.
Proc Natl Acad USA 80:2026−2030を参照のこ
と)、またはインビトロでのEpstein Barr Virusを用いたヒ
トB細胞による形質転換によって(Coleら、1985:MONOCLONA
L ANTIBODIES AND CANCER THERAPY,Alan
R.Liss,Inc.,第77−96頁を参照のこと)産生され得る。
【0199】 さらに、ヒト抗体はまた、さらなる技術(ファージディスプレイライブラリー
(HoogenboomおよびWinter,J.Mol.Biol.,227
:381(1991);Marksら、J.Mol.Biol.,222:58
1(1991))を含む)を使用して産生され得る。同様に、ヒト免疫グロブリ
ン位置をトランスジェニック動物(例えば、内因性免疫グロブリン遺伝子が、部
分的または完全に不活化されているマウス)に導入することによって、ヒト抗体
は作製され得る。チャレンジの際にヒト抗体産生が観察され、このことはすべて
の点(遺伝子再配列、アセンブリー、および抗体レパートリーを含む)でヒトに
おいて観察されたものに密接に類似する。このアプローチは、例えば、以下に記
載される:米国特許第5,545,807号;同第5,545,806号;同第
5,569,825号;同第5,625,126号;同第5,633,425号
;同第5,611,016号、およびMarksら(Bio/Technolo
gy 10、779−783(1992));Lonbergら(Nature
368 856−859(1994));Morrison(Nature
368、812−13(1994));Fishwildら(Nature B
iotechnology 14、845−51(1996));Neuber
ger(Nature Biotechnology 14、826(1996
));ならびにLonbergおよびHuszar(Intern.Rev.I
mmunol.13 65−93(1995))。
【0200】 ヒト抗体は、抗原によるチャレンジに応答して動物の内因性抗体よりもヒト抗
体を十分に産生するように改変されたトランスジェニック非ヒト動物を使用して
、さらに産生され得る。(PCT刊行物WO94/02602を参照のこと。)
非ヒト宿主における重免疫グロブリン鎖および軽免疫グロブリン鎖をコードする
内因性遺伝子は、耐えられなくなっており、そしてヒト重鎖および軽鎖免疫グロ
ブリンをコードする活性な位置は、宿主のゲノムに挿入される。例えば、要求性
ヒトDNAセグメントを含む酵母人工染色体を使用して、ヒト遺伝子は組み込ま
れる。次いで、すべての所望の改変を提供する動物を、完全な改変の相補体より
もより少ない改変の相補体を含む中間トランスジェニック動物を雑種することに
よって子孫として得る。このような非ヒト動物の好ましい実施形態は、マウスで
あり、PCT刊行物WO96/33735およびWO96/34096に開示さ
れるようにXenomousTMと呼ばれる。この動物は、ヒト免疫グロブリンを
十分に分泌するB細胞を産生する。目的の免疫原を有する免疫後の動物から(例
えば、ポリクローナル抗体の調製)、あるいは動物由来の不死化されたB細胞(
例えば、モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ)から、抗体を直接得る
ことが可能である。さらに、ヒト可変領域を有する免疫グロブリンをコードする
遺伝子は、抗体を直接得るために回復され、そして発現され得るか、または抗体
のアナログ(例えば、1本鎖Fv分子)を得るために、さらに改変され得る。
【0201】 内因性免疫グロブリン重鎖の発現を欠く非ヒト宿主(マウスとして例証される
)を作製するための方法の例は、米国特許第5,939,598号に記載される
。それを、以下の工程を包含する方法によって得ることが可能である:位置の再
配列を防ぎ、そして再配列された免疫グロブリン重鎖位置の転写物の形成、およ
び選択マーカーをコードする遺伝子を含む標的ベクターによって影響される欠失
を防ぐために、胚幹細胞における少なくとも1つの内因性重鎖位置由来のJセグ
メント遺伝子を欠失する工程;およびトランスジェニックマウス(その体細胞お
よび生殖細胞は、選択マーカーをコードする遺伝子を含む)を、胚幹細胞から作
製する工程。
【0202】 目的の抗体(例えば、ヒト抗体)を産生する方法は、米国特許第5,916,
771号に開示される。それは以下の工程を包含する:重鎖をコードするヌクレ
オチド配列を含む発現ベクターを、培養中の1つの哺乳動物宿主細胞に導入する
工程、軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む発現ベクターを、別の哺乳動物
宿主細胞に導入する工程、およびハイブリッド細胞を形成するために2つの細胞
融合する工程。ハイブリッド細胞は、重鎖および軽鎖を含む抗体を発現する。
【0203】 この手順のさらなる改善において、免疫原上の臨床的に関連するエピトープを
同定する方法、および関連するエピトープに高い親和性で免疫特異的に結合する
抗体を選択する相関する方法は、PCT刊行物WO99/53049に開示され
る。
【0204】 (Fabフラグメントおよび1本鎖抗体) 本発明に従って、技術は、本発明の抗原性タンパク質に特異的な1本鎖抗体の
産生に適用され得る(例えば、米国特許第4,946,778号を参照のこと)
。さらに、方法は、Fab発現ライブラリーの構築に適用され得(例えば、Hus
eら、1989 Science 246:1275−1281を参照のこと)
、タンパク質またはその誘導体、フラグメント、アナログまたはホモログについ
ての所望の特異性を有するモノクローナルFabフラグメントの迅速かつ効果的な
同定を可能にする。タンパク質抗原に対するイディオタイプを含む抗体 フラグメント((i)抗体分子のペプシン消化によって産生されるF(ab')2フラ
グメント;(ii)F(ab')2フラグメントのジスルフィド架橋を還元することに
よって産生されたFabフラグメント(iii)ペプシンおよび還元剤を用いた抗
体分子の処理によって産生されたFabフラグメント、および(iv)Fvフラグ
メントを含むが、これらに限定ない)は、当該分野で公知の技術によって産生さ
れ得る。
【0205】 (二重特異的抗体) 二重特異的抗体は、モノクローナル抗体(好ましくはヒトモノクローナル抗体
またはヒト化されたモノクローナル抗体)であって、これは少なくとも2つの異
なる抗原に対して結合特異性を有する。この場合において、結合特異性の1つは
、本発明の抗原性タンパク質に対してである。第2の結合標的は、任意の他の抗
原であり、そして有利には細胞表面タンパク質あるいはレセプターまたはレセプ
ターサブユニットである。
【0206】 二重特異的抗体を作製する方法は、当該分野で公知である。伝統的に、二重特
異的抗体の組換え生成は、2つの免疫グロブリンの重鎖/軽鎖の対の同時発現に
基づき、ここでこの2つの重鎖は異なる特異性を有する(Milsteinおよ
びCuello、Nature,305:537−539(1983))。免疫
グロブリンの重鎖および軽鎖のランダムな組み合わせのために、これらのハイブ
リドーマ(クアドローマ)は、10の異なる抗体分子の潜在的混合物を作製し、
このうち1つのみが正確な二重特異的構造を有する。この正確な分子の精製は、
通常アフィニティークロマトグラフィー工程によって達成される。同様の手順は
、1993年5月13日開示のWO93/08829、およびTrauneck
erら、1991 EMBO J.、10:3655−3659において開示さ
れる。
【0207】 所望の結合特異性(抗体−抗原結合部位)を有する抗体可変ドメインは、免疫
グロブリン定常領域配列に融合され得る。この融合は、好ましくは免疫グロブリ
ン重鎖定常ドメインを有し、ヒンジ、CH2、およびCH3領域の少なくとも部
分を含む。この融合物中の少なくとも1つに存在する軽鎖結合のために必要な部
位を含む第1の重鎖定常領域(CH1)を有することが好ましい。この免疫グロ
ブリン重鎖融合体、および所望の場合、この免疫グロブリン軽鎖をコードするD
NAは、別々の発現ベクターに挿入され、そして適切な宿主生物体に同時トラン
スフェクトされる。二重特異的抗体の作製のさらなる詳細は、例えば、Sure
shら、Methods in Enzymology,121:210(19
86)を参照のこと。
【0208】 WO96/27011に記載される別のアプローチに従って、抗体分子の対の
間の界面は、組換え細胞培養物から回収されるヘテロダイマーのパーセンテージ
を最大化するために操作され得る。好ましい界面は、抗体定常領域のCH3領域
の少なくとも一部を含む。この方法において、第1の抗体分子の界面からの1つ
以上の小さなアミノ酸側鎖は、より大きな側鎖(例えば、チロシンまたはトリプ
トファン)で置換される。大きな側鎖についての同一または同様のサイズの代償
的な「空洞」は、大きなアミノ酸側鎖を小さなアミノ酸側鎖(例えば、アラニン
またはスレオニン)で置換することによって、第2の抗体分子の界面上に生成さ
れる。このことは、ホモダイマーのような他の不必要な最終生成物よりも、ヘテ
ロダイマーの収量を増加するための機構を提供する。
【0209】 二重特異的抗体は、全長抗体または抗体フラグメント(例えば、F(ab’)2 二重特異的抗体)として調製され得る。抗体フラグメントから二重特異的抗体
を作製するための技術は、文献において記載される。例えば、二重特異的抗体は
、化学結合を使用して調製され得る。Brennanら、Science 22
9:81(1985)は、インタクトな抗体がタンパク分解的に切断されてF(
ab’)2フラグメントを作製する手順を記載する。これらのフラグメントは、
ビシナルジチオールを安定化し、そして分子間ジスルフィド形成を阻止するため
に、ジチオール錯化剤ナトリウム亜ヒ酸塩の存在下で還元される。次いで、この
作製されたFab’フラグメントは、チオニトロベンゾエート(TBN)誘導体
に変換される。次いで、Fab’−TBN誘導体の1つは、メルカプトエチルア
ミンでの還元によってFab’−チオールに再変換され、そしてこれは等モル量
の他のFab’−TBN誘導体と混合されて二重特異的抗体を形成する。生成さ
れた二重特異的抗体は、酵素の選択的固定化のための薬剤として使用され得る。
【0210】 さらに、Fab’フラグメントは、E.coliから直接回収され得、そして
化学的にカップリングされて二重特異的抗体を形成する。Shalabyら、J
.Exp.Med.175:217−225(1992)は、完全にヒト化され
た二重特異的抗体F(ab’)2分子の生成を記載する。各Fab’フラグメン
トは、E.coliから別々に分泌され、そしてインビトロの化学的カップリン
グに供され、二重特異的抗体を形成する。従って、形成されたこの二重特異的抗
体は、ErbB2レセプターを過剰発現する細胞および正常なヒトT細胞に結合
し得、そしてヒト胸部腫瘍標的に対するヒト細胞傷害性リンパ球の溶解性活性を
誘因し得る。
【0211】 組換え細胞培養物から直接二重特異的抗体フラグメントを作製し、そして単離
するための種々の技術が記載されてきた。例えば、二重特異的抗体は、ロイシン
ジッパーを使用して産生される。Kostelnyら、J.Immunol.1
48(5):1547−1553(1992)。FosおよびJunタンパク質
由来のロイシンジッパーペプチドは、遺伝子融合によって2つの異なる抗体のF
ab’部分に結合される。この抗体ホモダイマーは、ヒンジ領域で還元されてモ
ノマーを形成し、次いで再酸化されて抗体ヘテロダイマーを形成する。この方法
はまた、抗体ホモダイマーの産生のために使用され得る。Hollingerら
、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444−6448
(1993)に記載されるこの「ディアボディー(diabody)」技術は、
二重特異的抗体フラグメントを作製するための代替的な機構を提供した。このフ
ラグメントは、短すぎて同じ鎖上の2つのドメインの間を対にできないリンカー
によって軽鎖可変領域(VL)に接続された重鎖可変領域(VH)を含む。従って
、1つのフラグメントのVHおよびVLドメインは、別のフラグメントの相補的な
LおよびVHドメインと対になるように強制され、これによって2つの抗原結合
部位が形成する。単鎖Fv(sFv)ダイマーの使用によって二重特異的抗体フ
ラグメントを作製するための別のストラテジーもまた、報告されてきた。Gru
berら、J.Immunol.152:5368(1994)を参照のこと。
【0212】 2つ以上の結合価を有する抗体が意図される。例えば、三重特異的抗体が調製
され得る。Tuttら、J.Immunol.147:60(1991)。
【0213】 例示的な二重特異的抗体は、2つの異なるエピトープに結合し得、このうち少
なくとも1つは、本発明のタンパク質抗原に起源を有する。あるいは、免疫グロ
ブリン分子の抗抗原性アームは、T細胞レセプター分子のような白血球(例えば
、CD2、CD3、CD28、またはB7)、あるいはIgGに対するFcレセ
プター(Fc R)(例えば、Fc RI(CD64)、Fc RII(CD3
2)およびFc RIII(CD16))上の標的化分子に結合するアームに、
特定の抗原を発現する細胞に対する細胞の防御機構に焦点を合わせるように結合
され得る。二重特異的抗体はまた、特定の抗原を発現する細胞に対する細胞傷害
性因子に指向するために使用され得る。これらの抗体は抗原結合アーム、および
細胞傷害性因子または放射性核種キレーター(例えば、EOTUBE、DPTA
、DOTA、またはTETA)に結合するアームを保有する。目的の別の二重特
異的抗体は、本明細書中に記載のタンパク質抗原に結合し、そしてさらに組織因
子(TF)に結合する。
【0214】 (ヘテロ接合体抗体) ヘテロ接合体抗体はまた、本発明の範囲内である。ヘテロ接合体抗体は、2つ
の共有結合した抗体からなる。このような抗体は、例えば、免疫系細胞を不必要
な細胞に標的化するために(米国特許第4,676,980号)、およびHIV
感染の処置のために(WO91/00360;WO92/200373;EP0
3089)提案されてきた。この抗体(架橋剤を含む抗体を含む)は、インビト
ロで、合成タンパク質化学において公知の方法を使用して調製され得ることが意
図される。例えば、免疫毒素は、ジスルフィド交換反応の使用またはチオエーテ
ル結合の形成によって構築され得る。この目的のための適切な試薬の例としては
、イミノチオレートおよびメチル−4−メルカプトブチルイミデート、ならびに
例えば米国特許第4,676,980号において開示される試薬が挙げられる。
【0215】 (エフェクター機能操作) 本発明の抗体を、エフェクター機能について、例えば癌の処置における抗体の
効力を増大するように改変することが望ましい。例えば、システイン残基は、F
c領域に導入され得、これによってこの領域における鎖間ジスルフィド結合の形
成を可能にする。従って、作製されるこのホモダイマー抗体は、改良されたイン
ターナリゼーションの可能性および/または増加した補体媒介細胞死滅、ならび
に抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を有し得る。Caronら、J.Exp.
Med.、176:1191−1195(1192)およびShopes、J.
Immunol.148:2918−2922(1992)を参照のこと。増大
した抗腫瘍活性を有するホモダイマー抗体はまた、Wolffら、Cancer
Research、53:2560−2656(1993)に記載されるヘテ
ロ二官能性架橋剤を使用して調製され得る。あるいは、抗体は操作され得、これ
は二重のFc領域を有し、そしてこれによって増大した補体溶解およびADCC
の可能性を有し得る。Stevensonら、Anti−Cancer Dru
g Design,3:219−230(1989)を参照のこと。
【0216】 (免疫接合体) 本発明はまた、細胞傷害性の薬剤(例えば、化学療法剤、毒素(例えば、細菌
、真菌、植物、または動物起源の酵素学的に活性な毒素、あるいはそれらのフラ
グメント)、または放射性同位体(すなわち、放射性接合体))に結合した抗体
を含む免疫接合体に関する。
【0217】 このような免疫接合体の作製において有用な化学療法剤は、上記に記載される
。使用され得る酵素学的に活性な毒素およびそれらのフラグメントとしては、ジ
フテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性フラグメント、外毒素A鎖(Pse
udomonas aeruginosa由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、
モデシン(modeccin)A鎖、α−サルシン、Aleurites fo
rdiiタンパク質、ジアンチン(dianthin)タンパク質、Phyto
laca americanaタンパク質(PAPI、PAPII、およびPA
P−S)、momordica charantiaインヒビター、クルシン(
curcin)、クロチン(crotin)、sepaonaria offi
cinalisインヒビター、ゲロニン(gelonin)、ミトゲリン(mi
togellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノ
マイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)、およ
びトリコテセン(tricothecen)が挙げられる。種々の放射性核種は
、放射性結合した抗体の作製のために利用可能である。その例としては、212
i、131I、131In、90Y、および186Reが挙げられる。
【0218】 抗体および細胞傷害性因子の接合体は、種々の二官能性タンパク質結合因子(
例えば、N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオール)プロピオネー
ト(SPDP)、イミノチオラン(iminothiolane)(IT)、イ
ミドエステルの二官能性誘導体(例えば、ジメチルアジピミデート HCL)、
活性エステル(例えば、ジスクシンイミジルスベレート)、アルデヒド(例えば
、グルタルアルデヒド(glutareldehyde))、ビスアジド化合物
(例えば、ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン)、ビス−ジアゾニ
ウム誘導体(例えば、ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミ
ン)、ジイソシアネート(例えば、トリエン2,6−ジイソシアネート)、およ
びビス−活性フッ素化合物(例えば、1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベ
ンゼン))を使用して作製される。例えば、リシン免疫毒素は、Vitetta
ら、Science,238:1098(1987)に記載されるように調製さ
れ得る。炭素−14−標識1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレ
ントリアミン五酢酸(MX−DTPA)は、放射性ヌクレオチドの抗体への結合
のための例示的なキレート剤である。WO94/11026を参照のこと。
【0219】 別の実施形態において、腫瘍の前標的化における利用のために、この抗体は、
「レセプター」(例えば、ストレプトアビジン)に結合され得、ここで抗体−レ
セプター接合体は患者に投与され、続いて除去剤を使用して結合していない接合
体が循環から除去され、次いで細胞傷害性因子に次々に結合する「リガンド」(
例えば、アビジン)が投与される。
【0220】 (NOVX組換え発現ベクターおよび宿主細胞) 本発明の別の局面は、NOVXタンパク質、またはそれらの誘導体、フラグメ
ント、アナログ、もしくはホモログをコードする核酸を含むベクター、好ましく
は発現ベクターに関する。本明細書中で使用される場合、用語「ベクター」は、
これが接続された別の核酸を輸送し得る核酸分子をいう。ベクターの1つの型は
「プラスミド」であり、これはさらなるDNAセグメントが連結し得る環状の二
本鎖DNAループをいう。ベクターの別の型はウイルス性ベクターであり、ここ
でさらなるDNAセグメントはこのウイルス性ゲノムに連結され得る。特定のベ
クターは宿主細胞中で自発的に複製し得、この中に導入される(例えば、細菌の
複製起源を有する細菌ベクターおよびエピソームの哺乳類ベクター)。他のベク
ター(例えば、非エピソーム哺乳類ベクター)は、宿主細胞に導入される際に宿
主細胞のゲノムに組み込まれ、そしてこれによって宿主のゲノムと同調して複製
される。さらに、特定のベクターは、これが作動可能に連結される遺伝子の発現
を指向し得る。このようなベクターは、本明細書中で「発現ベクター」といわれ
る。一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、しばしばプラス
ミドの形態である。本明細書において、「プラスミド」および「ベクター」は、
このプラスミドはベクターの最も一般的に使用される形態であるため、交換可能
に使用され得る。しかし、本発明は、ウイルス性ベクター(例えば、複製欠損レ
トロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルス)のような発現ベクタ
ーのこのような他の形態を含むことを意図し、これは等価な機能を果たす。
【0221】 本発明の組換え発現ベクターは、本発明の核酸を、宿主細胞における核酸の発
現に適切な形態で含み、これはこの組換え発現ベクターが、発現のために使用さ
れる宿主細胞に基いて選択される1つ以上の調節配列を含むこと意味し、これは
発現される核酸配列に作動可能に連結される。組換え発現ベクターにおいて、「
作動可能に連結」は、目的のヌクレオチド配列が、ヌクレオチド配列の発現を可
能にする(例えば、このベクターが宿主細胞に導入される場合、インビトロ転写
/翻訳系または宿主細胞において)ような様式で調節配列に連結されることを意
味することを意図する。
【0222】 用語「調節配列」は、プロモーター、エンハンサーおよび他の発現制御エレメ
ント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むことを意図する。このような調
節配列は、例えば、Goeddel、GENE EXPRESSION TEC
HNOLOGY:METHODS IN ENZYMOLOGY 185、Ac
ademic Press、San Diego、Calif.(1990)に
記載されている。調節配列は、多くの型の宿主細胞においてヌクレオチド配列の
構成的発現を指向する配列、および特定の宿主細胞のみにおいてヌクレオチド配
列の発現を指向する配列(例えば、組織特異的調節配列)を含む。発現ベクター
の設計が形質転換されるべき宿主細胞の選択、所望のタンパク質の発現のレベル
などのような因子に依存し得ることは当業者に理解される。本発明の発現ベクタ
ーは、宿主細胞に導入され、それにより、本明細書に記載されるような核酸によ
りコードされるタンパク質またはペプチド(融合タンパク質または融合ペプチド
を含む)(例えば、NOVXタンパク質、NOVXタンパク質の変異形態、融合
タンパク質など)を生成し得る。
【0223】 本発明の組換え発現ベクターは、原核生物細胞または真核生物細胞における、
NOVXタンパク質の発現のために設計され得る。例えば、NOVXタンパク質
は、細菌細胞(例えば、Escherichia.coli)、昆虫細胞(バキ
ュロウイルス発現ベクターを用いる)、酵母細胞または哺乳動物細胞において発
現され得る。適切な宿主細胞は、Goeddel、GENE EXPRESSI
ON TECHNOLOGY:METHODS IN ENZYMOLOGY
185、Academic Press、San Diego、Calif.(
1990)においてさらに考察される。あるいは、組換え発現ベクターは、例え
ば、T7プロモーター調節配列およびT7ポリメラーゼを用いて、インビトロで
転写および翻訳され得る。
【0224】 原核生物におけるタンパク質の発現は、最も頻繁には、融合タンパク質または
非融合タンパク質のいずれかの発現を指向する構成的プロモーターまたは誘導性
プロモーターを含むベクターを有するEscherichia.coliにおい
て実行される。融合ベクターは、そこにコードされるタンパク質に、通常、組換
えタンパク質のアミノ末端に、多数のアミノ酸を付加する。このような融合ベク
ターは、代表的には、以下の3つの目的のために役立つ:(i)組換えタンパク
質の発現を増加させること;(ii)組換えタンパク質の溶解度を増加させるこ
と;および(iii)親和性精製においてリガンドとして作用することによって
組換えタンパク質の精製の際に補助すること。しばしば、融合発現ベクターにお
いて、タンパク質分解の切断部位が、融合部分の結合部に導入され、そして融合
タンパク質の精製の後に、組換えタンパク質が組換えタンパク質の融合部分から
分離されることを可能にする。このような酵素、およびその同族の認識配列は、
第Xa因子、トロンビン、およびエンテロキナーゼを含む。代表的な融合発現ベ
クターとしては、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)、マルトース
E結合タンパク質、またはプロテインAを、それぞれ、標的の組換えタンパク質
に融合するpGEX(Pharmacia Biotech Inc;Smit
h and Johnson(1988)Gene 67:31−40)、pM
AL(New England Biolabs,Beverly,Mass.
)およびpRIT5(Pharmacia,Piscataway,N.J.)
が挙げられる。
【0225】 適切な誘導性非融合E.coli発現ベクターの例としては、pTrc(Am
rannら(1988)Gene 69:301−315)およびpET 11
d(Studierら、GENE EXPRESSION TECHNOLOG
Y:METHODS IN ENZYMOLOGY 185,Academic
Press,San Diego,Calif.(1990)60−89)が
挙げられる。
【0226】 E.coliにおける組換えタンパク質発現を最大化するための1つのストラ
テジーは、組換えタンパク質をタンパク質分解的に切断する能力が損なわれた宿
主細菌中でタンパク質を発現させることである。例えば、Gottesman,
GENE EXPRESSION TECHNOLOGY:METHODS I
N ENZYMOLOGY 185,Academic Press,San
Diego,Calif.(1990)119−128を参照のこと。別のスト
ラテジーは、各アミノ酸についての個々のコドンが、E.coliにおいて優先
的に利用されるように、発現ベクターに挿入される核酸の核酸配列を変更するこ
とである(例えば、Wadaら(1992)Nucl.Acids Res.2
0:2111−2118を参照のこと)。本発明の核酸配列のこのような変更は
、標準的なDNA合成技術によって実行され得る。
【0227】 別の実施形態において、NOVX発現ベクターは、酵母発現ベクターである。
酵母Saccharomyces.cerivisaeにおける発現のためのベ
クターの例には、pYepSec1(Baldariら、(1987)EMBO
J 6:229−234)、pMFa(KurjanおよびHerskowi
tz、(1982)Cell 30:933−943)、pJRY88(Sch
ultzら、(1987)Gene 54:113−123)、pYES2(I
nvitrogen Corporation,San Diego,Cali
f.)、およびpicZ(InVitrogen Corp.,San Die
go,Calif.)が挙げられる。
【0228】 あるいは、NOVXは、バキュロウイルス発現ベクターを使用して、昆虫細胞
中で発現され得る。培養された昆虫細胞(例えば、SF9細胞)中でタンパク質
の発現のために利用可能なバキュロウイルスベクターには、pAcシリーズ(S
mithら(1983)Mol Cell Biol 3:2156−2165
)およびpVLシリーズ(LucklowおよびSummers(1989)V
irology 170:31−39)が挙げられる。
【0229】 なお別の実施形態において、本発明の核酸は、哺乳動物発現ベクターを使用し
て、哺乳動物細胞中で発現される。哺乳動物発現ベクターの例には、pCDM8
(Seed(1987)Nature 329:840)およびpMT2PC(
Kaufmanら(1987)EMBO J 6:187−195)が挙げられ
る。哺乳動物細胞中で使用される場合、発現ベクターの制御機能は、しばしば、
ウイルスの調節エレメントによって提供される。例えば、一般に使用されるプロ
モーターは、ポリオーマ、アデノウイルス2、サイトメガロウイルス、およびシ
ミアンウイルス40に由来する。原核生物細胞および真核生物細胞の両方のため
の他の適切な発現系については、例えば、Sambrookら、MOLECUL
AR CLONING:A LABORATORY MANUAL.第2版、C
old Spring Harbor Laboratory,Cold Sp
ring Harbor Laboratory Press,Cold Sp
ring Harbor,N.Y.,1989の第16章および第17章を参照
のこと。
【0230】 別の実施形態において、組換え哺乳動物発現ベクターは、特定の細胞型(例え
ば、組織特異的調節エレメントを使用して核酸を発現する)中で優先的に核酸の
発現を指向し得る。組織特異的調節エレメントは、当該分野で公知である。適切
な組織特異的プロモーターの非限定的な例としては、アルブミンプロモーター(
肝臓特異的;Pinkertら(1987)Genes Dev 1:268−
277)、リンパ特異的プロモーター(CalameおよびEaton(198
8)Adv Immunol 43:235−275)、特に、T細胞レセプタ
ープロモーター(WinotoおよびBaltimore(1989)EMBO
J 8:729−733)および免疫グロブリン(Banerjiら(198
3)Cell 33:729−740;QueenおよびBaltimore(
1983)Cell 33:741−748)のプロモーター、ニューロン特異
的プロモーター(例えば、ニューロフィラメントプロモーター;Byrneおよ
びRuddle(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA
86:5473−5477)、膵臓特異的プロモーター(Edlundら(19
85)Science 230:912−916)、および乳腺特異的プロモー
ター(例えば、ミルク乳清プロモーター;米国特許第4,873,316号およ
び欧州出願公開第264,166号)が挙げられる。発生的に調節されるプロモ
ーターもまた含まれる(例えば、マウスホックス(murine hox)プロ
モーター(KesselおよびGruss(1990)Science 249
:374−379)およびα−フェトプロテインプロモーター(Campesお
よびTilghman(1989)Genes Dev 3:537−546)
【0231】 本発明はさらに、アンチセンス方向で発現ベクターにクローニングされた本発
明のDNA分子を含む組換え発現ベクターを提供する。すなわち、そのDNA分
子は、NOVX mRNAに対してアンチセンスであるRNA分子の発現(DN
A分子の転写によって)を可能にする様式で調節配列に作動可能に連結される。
種々の細胞型におけるアンチセンスRNA分子の連続的な発現を指向する、アン
チセンス方向でクローニングされた核酸に作動可能に連結される調節配列が選択
され得る。例えば、アンチセンスRNAの構成的発現、組織特異的発現、または
細胞型特異的発現を指向する、ウイルスプロモーターおよび/もしくはエンハン
サー、または調節配列が選択され得る。アンチセンス発現ベクターは、組換えプ
ラスミド、ファージミド、または弱毒化されたウイルスの形態であり得、ここで
はアンチセンス核酸は、高効率調節領域の制御下で産生され、その活性は、ベク
ターが導入される細胞型によって決定され得る。アンチセンス遺伝子を使用する
遺伝子発現の調節の議論については、例えば、Weintraubら、「Ant
isense RNA as a molecular tool for g
enetic analysis」、Reviews−Trends in G
enetics、第1巻(1)1986を参照のこと。
【0232】 本発明の別の局面は、本発明の組換え発現べクターが導入された宿主細胞に関
する。用語「宿主細胞」および「組換え宿主細胞」は、本明細書中で、交換可能
に使用される。このような用語は、特定の対象の細胞をいうのみでなく、そのよ
うな細胞の子孫または潜在的な子孫をいうことが理解される。変異または環境的
影響のいずれかに起因して、特定の改変は次の世代において存在し得るので、こ
のような子孫は、実際、親の細胞と同一でないかもしれないが、なお、本明細書
中で使用されるような用語の範囲内に含まれる。
【0233】 宿主細胞は、任意の原核生物細胞または真核生物細胞であり得る。例えば、N
OVXタンパク質は、細菌細胞(例えば、E.coli)、昆虫細胞、酵母また
は哺乳動物細胞(例えば、ヒトチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)また
はCOS細胞)で発現され得る。他の適切な宿主細胞は、当業者に公知である。
【0234】 ベクターDNAは、従来的な形質転換またはトランスフェクション技術を介し
て原核生物細胞または真核生物細胞に導入され得る。本明細書中で使用される場
合、用語「形質転換」および「トランスフェクション」とは、外来性の核酸(例
えば、DNA)を宿主細胞中に導入するための当該分野で認識される種々の技術
をいうことを意図し、これらには、リン酸カルシウムまたは塩化カルシウム共沈
殿、DEAEデキストラン媒介トランスフェクション、リポフェクション、また
はエレクトロポレーションが含まれる。宿主細胞を形質転換またはトランスフェ
クトするための適切な方法は、Sambrookら(MOLECULAR CL
ONING:A LABORATORY MANUAL.第2版、Cold S
pring Harbor Laboratory,Cold Spring
Harbor Laboratory Press,Cold Spring
Harbor,N.Y.,1989)および他の実験室マニュアルに見出され得
る。
【0235】 哺乳動物細胞の安定なトランスフェクションについては、使用される発現ベク
ターおよびトランスフェクション技術に依存して、細胞のほんの一部のみが外来
DNAをそのゲノム中に組み込み得ることが知られている。これらの要素を同定
および選択するために、選択マーカー(例えば、抗生物質に対する耐性)をコー
ドする遺伝子が、一般的には目的の遺伝子とともに宿主細胞に導入される。種々
の選択マーカーには、薬物に対する耐性を付与するマーカー(例えば、G418
、ハイグロマイシン、およびメトトレキセート)が含まれる。選択マーカーをコ
ードする核酸は、NOVXをコードするベクターと同じベクター上で宿主細胞に
導入され得るか、あるいは別々のベクター上で導入され得る。導入された核酸と
ともに安定にトランスフェクトされる細胞は、薬物選択によって同定され得る(
例えば、選択マーカー遺伝子を取り込んだ細胞は生存するが、他の細胞は死滅す
る)。
【0236】 本発明の宿主細胞(例えば、培養中の原核生物宿主細胞および真核生物宿主細
胞)は、NOVXタンパク質を産生(すなわち、発現)するために使用され得る
。従って、本発明はさらに、本発明の宿主細胞を使用して、NOVXタンパク質
を産生するための方法を提供する。1つの実施形態において、この方法は、NO
VXタンパク質が産生されるような適切な培地中で、本発明の宿主細胞(ここに
、NOVXタンパク質をコードする組換え発現ベクターが導入されている)を培
養する工程を包含する。別の実施形態において、この方法はさらに、培地または
宿主細胞からNOVXを単離する工程を包含する。
【0237】 (トランスジェニックNOVX動物) 本発明の宿主細胞はまた、非ヒトトランスジェニック動物を作製するために使
用され得る。例えば、1つの実施形態において、本発明の宿主細胞は、NOVX
タンパク質コード配列が導入される、受精した卵母細胞または胚性幹細胞である
。次いで、このような宿主細胞は、非ヒトトランスジェニック動物を作製するた
めに使用され得、ここで外因性のNOVX配列は、それらのゲノムまたは相同組
換え動物(ここで内因性のNOVX配列が変更されている)に導入される。この
ような動物は、NOVXタンパク質の機能および/または活性を研究するため、
およびNOVXタンパク質の活性のモジュレーターを同定および/または評価す
るために有用である。本明細書中で使用される場合、「トランスジェニック動物
」とは、非ヒト動物、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくは、ラットまた
はマウスのような齧歯動物であり、ここでこれらの動物の1つ以上の細胞は、導
入遺伝子を含む。トランスジェニック動物の他の例には、非ヒト霊長類、ヒツジ
、イヌ、ウシ、ヤギ、ニワトリ、両生類などを含む。導入遺伝子は、細胞のゲノ
ムに組み込まれ(この細胞からトランスジェニック動物が発生する)、そして成
熟動物のゲノムに残存する外因性のDNAであり、それによって、このトランス
ジェニック動物の1つ以上の細胞型または組織においてコード遺伝子産物の発現
を指向する。本明細書中で使用される場合、「相同組換え動物」とは、非ヒト動
物であり、好ましくは哺乳動物、より好ましくはマウスであり、ここで、内因性
NOVX遺伝子は、この内因性の遺伝子と、動物の発生の前に動物の細胞(例え
ば、動物の胚細胞)に導入された外因性DNA分子との間の相同組換えによって
、変更されている。
【0238】 本発明のトランスジェニック動物は、NOVXをコードする核酸を、(受精し
た卵母細胞の雄性前核に導入することによって例えば、マイクロインジェクショ
ン、レトロウイルス感染によって)、およびこの卵母細胞が偽妊娠雌性フォスタ
ー動物(foster animal)中で発生することを可能にすることによ
って作製され得る。配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、1
9、21または23を含む配列は、非ヒト動物のゲノムに導入遺伝子として導入
され得る。あるいは、ヒトNOVX遺伝子の非ヒトホモログ(例えば、マウスN
OVX遺伝子)は、ヒトNOVX cDNAに対するハイブリダイゼーションに
基づいて単離され得(上述にさらに記載される)、そして導入遺伝子として使用
され得る。イントロン配列およびポリアデニル化シグナルもまた導入遺伝子中に
含まれ、その導入遺伝子の発現の効率を増大させ得る。組織特異的調節配列(単
数または複数)は、特定の細胞に対して、NOVXタンパク質の発現を指向する
ために、NOVX導入遺伝子に作動可能に連結される。胚の操作およびマイクロ
インジェクションを介するトランスジェニック動物(特に、マウスのような動物
)を生成するための方法は、当該分野で従来的になっており、そして例えば、米
国特許第4,736,866号;同第4,870,009号;および同第4,8
73,191号;ならびにHogan 1986、MANIPULATING
THE MOUSE EMBRYO,Cold Spring Harbor
Laboratory Press,Cold Spring Harbor,
N.Y.に記載されている。同様の方法は、他のトランスジェニック動物の作製
のために使用される。トランスジェニック初代動物は、そのゲノムにおけるNO
VX導入遺伝子の存在および/またはその動物の組織または細胞中のNOVX
mRNAの発現に基づいて同定され得る。次いで、トランスジェニック初代動物
は、導入遺伝子を有するさらなる動物を繁殖させるために使用され得る。さらに
、NOVXタンパク質をコードする導入遺伝子を有するトランスジェニック動物
は、さらに、他の導入遺伝子を有する他のトランスジェニック動物へと繁殖させ
得る。
【0239】 相同組換え動物を作製するために、欠失、付加、または置換が導入されて、そ
れによってNOVX遺伝子が変化(例えば、機能的に破壊)されている、少なく
とも、NOVX遺伝子の一部を含むベクターを調製する。NOVX遺伝子は、ヒ
ト遺伝子(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、1
9、21または23のDNA)であり得るが、より好ましくは、ヒトNOVX遺
伝子の非ヒトホモログである。例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、1
3、15、17、19、21または23のヒトNOVX遺伝子のマウスホモログ
は、マウスゲノムにおいて内因性NOVX遺伝子を変更するのに適切な相同組換
えベクターを構築するために使用され得る。1つの実施形態において、そのベク
ターは、相同組換えに際して、内因性NOVX遺伝子が、機能的に破壊される(
すなわち、機能的タンパク質をもはやコードしない;「ノックアウト」ベクター
ともいわれる)ように設計される。
【0240】 あるいは、このベクターは、相同組換えの際に、内因性NOVX遺伝子が変異
されるか、あるいはさもなければ、変更されるが、なお機能性タンパク質をコー
ドするように設計される(例えば、上流の調節領域を変更して、それによって内
因性NOVXタンパク質の発現を変更し得る)。相同組換えベクターにおいて、
NOVX遺伝子の変更された部分は、NOVX遺伝子のさらなる核酸によって、
その5’末端および3’末端で隣接され、相同組換えが、ベクターによって運ば
れる外因性NOVX遺伝子と胚幹細胞中の内因性NOVX遺伝子との間で起こる
ことを可能にする。さらなる隣接するNOVX核酸は、内因性遺伝子との首尾よ
い相同組換えに十分な長さである。代表的に、数キロベースの隣接するDNA(
5’末端および3’末端の両方)が、ベクターに含まれる。例えば、相同組換え
ベクターの記載について、Thomasら(1987)Cell 51:503
を参照のこと。このベクターは、胚幹細胞株に導入され(例えば、エレクトロポ
レーションによって)、この導入されたNOVX遺伝子が、内因性NOVX遺伝
子と相同組換えされた細胞が、選択される(例えば、Liら(1992)Cel
l 69:915を参照のこと)。
【0241】 次いで、この選択された細胞を、動物(例えば、マウス)の胚盤胞へ注入して
、凝集キメラを形成する。例えば、Bradley(1987)のTERATO
CARCINOMAS AND EMBRYONIC STEM CELLS:
A PRACTICAL APPROACH、Robertson編、IRL、
Oxford 113頁〜152頁を参照のこと。次いで、キメラ胚を、適切な
偽妊娠雌性フォスター動物に移植し得、そしてこの胚を、一定期間置く。それら
の胚芽細胞中に相同組換えDNAを保有する子孫を使用して、動物を繁殖し得、
ここで、この動物の全ての細胞は、導入遺伝子の生殖系列伝達によって、この相
同組換えDNAを含む。相同的組換えベクターおよび相同的組換え動物を構築す
るための方法が、さらに以下に記載される;Bradley(1991)Cur
r.Opin.Biotechnol.2:823−829;PCT国際公開番
号:WO90/11354;WO91/01140;WO92/0968;およ
びWO93/04169。
【0242】 別の実施形態において、導入遺伝子の調節された発現を可能にする選択された
系を含む、非ヒトトランスジェニック動物が産生され得る。このような系の1つ
の例は、バクテリオファージP1のcre/loxPリコンビナーゼ系である。
cre/loxPリコンビナーゼ系の記載については、例えば、Laksoら、
1992、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:6232−
6236を参照のこと。リコンビナーゼ系の別の例は、Saccharomyc
es cerevisiaeのFLPリコンビナーゼ系である(O’Gorma
nら、1991、Science 251:1351−1355を参照のこと)
。cre/loxPリコンビナーゼ系が導入遺伝子の発現を調節するために使用
される場合、Creリコンビナーゼおよび選択されたタンパク質の両方をコード
する導入遺伝子を含む動物が、必要となる。このような動物は、例えば、2種の
トランスジェニック動物(一方は選択されたタンパク質をコードした導入遺伝子
を含み、他方はリコンビナーゼをコードした導入遺伝子を含む)を交配すること
による、「二重の」トランスジェニック動物の構築によって提供され得る。
【0243】 本明細書中に記載されるトランスジェニック非ヒト動物のクローンがまた、W
ilmutら、1997、Nature 385:810−813に記載される
方法に従って、産生され得る。簡単には、トランスジェニック動物由来の細胞(
例えば、体細胞)を、単離および誘導し、増殖サイクルから出し、そしてG0
に入らせ得る。次いで、この静止細胞を、例えば、電気パルスの使用により、静
止細胞が単離される同種動物由来の、摘出された卵母細胞へ融合し得る。次いで
、この再構築された卵母細胞を培養し、これにより、これは桑実胚または未分化
胚芽細胞に発達し、次いで、偽妊娠雌性フォスター動物に移される。この雌性フ
ォスター動物の産生子孫は、この細胞(例えば、体細胞)が単離される動物のク
ローンである。
【0244】 (薬学的組成物) 本発明のNOVX核酸分子、NOVXタンパク質、および抗NOVX抗体(こ
れはまた、本明細書中で「活性化合物」といわれる)、ならびにそれらの誘導体
、フラグメント、アナログ、およびホモログが、投与に適した薬学的組成物に組
み込まれ得る。このような組成物は、代表的に、核酸分子、タンパク質または抗
体、および薬学的に受容可能なキャリアを含む。本明細書中で使用される場合、
「薬学的に受容可能なキャリア」は、薬学的な投与に適合した、任意および全て
の溶媒、分散液、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延
剤(delaying agent)などを含むことが意図される。適切なキャ
リアは、当該分野における標準的な参考書である、Remington’s P
harmaceutical Sciencesの最新版(本明細書中で参考と
して援用される)に記載される。このようなキャリアまたは賦形薬の好ましい例
としては、水、生理食塩水、フィンガー溶液、デキストロース溶液、および5%
ヒト血清アルブミンを含むが、これらに限定されない。リポソームおよび非水性
ビヒクル(例えば、不揮発性油)はまた、使用され得る。薬学的に活性物質であ
る、このような媒体および薬剤の使用は、当該分野で周知である。この活性化合
物と不適合性である任意の従来の媒体または薬剤の範囲を除いて、組成物におけ
るその使用は、意図される。補足的な活性化合物はまた、この組成物に組み込ま
れ得る。
【0245】 本明細書中に開示された抗体は、免疫リポソームとして処方され得る。この抗
体を含むリポソームは、当該分野で公知の方法によって調製される(例えば、E
psteinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82:36
88(1985);Hwangら、Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA,77:4030(1980);および米国特許第4,485,045号お
よび同第4,544,545号において記載される)。増強された循環時間を有
するリポソームは、米国特許第5,013,556号に開示される。
【0246】 特に、有用であるリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール、お
よびPEG誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG−PE)を含有す
る脂質組成物との逆層蒸発法によって生成され得る。リポソームは、規定された
孔径のフィルターを通って押し出され、所望の直径を有するリポソームを生じる
。本発明の抗体のFabフラグメントは、Martinら、J.Biol.Ch
em.,257:286−288(1982)に記載のようにジスルフィド交換
反応を介してリポソームに結合体化され得る。化学治療剤(例えば、Doxor
ubicin)は、必要に応じてリポソーム内に含まれ得る。Gabizonら
、J.National Cancer Inst.,81(19):1484
(1989)を参照のこと。
【0247】 本発明の薬学的組成物は、その意図される投与の経路と適合可能に処方される
。投与経路の例としては、非経口(例えば、静脈内、皮内、皮下)、経口(例え
ば、吸入)、経皮的(すなわち、局所的)、粘膜を越えて、および直腸投与が挙
げられる。非経口、皮内、または皮下適用のために使用される溶液または懸濁液
としては、以下の成分が挙げられ得る:滅菌賦形薬(注射のための水、生理食塩
水溶液、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコ
ールまたは他の合成溶媒);抗菌性剤(例えば、ベンジルアルコールまたはメチ
ルパラベン);抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウム)
;キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA));緩衝液(例え
ば、アセテート、シトラートまたはホスフェート);および張度の調整のための
薬剤(例えば、塩化ナトリウムまたはデキストロース)。pHは、酸または塩基
(例えば、塩酸または水酸化ナトリウム)を用いて調整され得る。非経口調製物
は、ガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジまたは複数用量
バイアルに封入され得る。
【0248】 注射使用に適した薬学的組成物は、滅菌の水溶液(ここで、水溶性)または分
散液および滅菌注射可能な溶液または分散液の即席調製のための滅菌粉末を含む
。静脈内投与について、適切なキャリアには、生理食塩水、静菌性水、Crem
ophor ELTM(BASF、Parsippany、N.J.)またはリン
酸塩緩衝化生理食塩水(PBS)が挙げられる。全ての場合において、組成物は
、滅菌性であるべきであり、そして容易な注入性(syringeabilit
y)が存在する程度に流動的であるべきである。これは、製造および保存の条件
下で安定でなければならず、そして、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に
対して維持されるべきである。このキャリアは、例えば、以下を含む溶媒または
分散媒体であり得る:例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロ
ール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)ならび
にそれらの適切な混合物。適切な流動性が、例えば、レシチンなどのコーティン
グの使用によって、分散に関しては、要求される粒子サイズを維持することによ
って、および界面活性剤を使用することによって維持され得る。微生物の作用の
予防は、種々の抗菌および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フ
ェノール、アスコルビン酸、チメロサールなど)によって達成され得る。多くの
場合、組成物中に等張剤(例えば、糖、マンニトール(manitol)、ソル
ビトールなどのポリアルコール、塩化ナトリウム)を含むことが好ましい。注射
可能組成物の長期の吸収は、吸収を遅らせる薬剤(例えば、アルミニウムモノス
テアレートおよびゼラチン)を組成物に含ませることによってもたらされ得る。
【0249】 滅菌注射可能溶液は、必要量のこの活性化合物(例えば、NOVXタンパク質
あるいは抗NOVX抗体)を、適切な溶媒中に、上記で列挙される成分の1つま
たは組み合わせと共に組み込み、必要な場合、続いて濾過滅菌することによって
調製され得る。一般的に、分散液は、活性化合物を、基本分散媒体および上記で
列挙される成分から必要とされる他の成分を含む滅菌ビヒクル中へ組み込むこと
によって調製される。滅菌注射可能溶液の調製のための滅菌粉末の場合において
、調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥であり、これにより、活性成分および予
め滅菌濾過されたその溶液からの任意のさらなる所望の成分の粉末を得る。
【0250】 経口組成物は、一般的に、不活性希釈剤または食用キャリアを含む。これらは
、ゼラチンカプセルに封入され得るか、または錠剤へ圧縮され得る。経口治療投
与の目的のために、この活性化合物は、賦形剤とともに組み込まれ得、そして錠
剤、トローチ剤、またはカプセル剤の形態で使用され得る。経口組成物はまた、
マウスウォッシュ(mouthwash)としての使用のために流体キャリアを
使用して調製され得、ここで、この流体キャリア中のこの化合物は、経口的に適
用され、そして素早く動かされ(スイッシュ)(swish)、そして吐き出さ
れるか、または飲み込まれる。薬学的に適合性の結合剤、および/またはアジュ
バント材料が、この組成物の一部として含まれ得る。錠剤、丸剤、カプセル剤、
トローチ剤などが、以下のいずれかの成分または同様の性質を有する化合物を含
み得る:結合剤(例えば、微結晶セルロース、ガムトラガントまたはゼラチン)
;賦形剤(例えば、デンプンまたはラクトース)、崩壊剤(例えば、アルギン酸
)、Primogel、またはコーンスターチ;滑沢剤(例えば、ステアリン酸
マグネシウムまたはSterotes);グライダント(glidant)(例
えば、コロイド状二酸化ケイ素);甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリ
ン);あるいは香味剤(例えば、ペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレ
ンジフレーバー)。
【0251】 吸入による投与について、この化合物は、適切な噴霧剤(例えば、二酸化炭素
のような気体)を含む圧縮容器またはディスペンサー、あるいは噴霧器から、エ
アロゾルスプレーの形態で送達される。
【0252】 全身的投与はまた、経粘膜手段または経皮手段により得る。経粘膜投与または
経皮投与について、浸透されるバリアに対して適切な浸透剤が、処方において使
用される。このような浸透剤は、一般的に、当該分野で公知であり、そして、例
えば、経粘膜投与については、界面活性剤、胆汁酸塩、およびフシジン酸誘導体
が挙げられる。経粘膜投与は、鼻スプレーまたは坐剤によって達成され得る。経
皮投与については、この活性化合物は、当該分野で一般的に公知である軟膏剤、
軟膏、ゲル、またはクリーム剤へ処方される。
【0253】 この化合物はまた、直腸送達のための坐剤の使用(例えば、ココアバターおよ
び他のグリセリドのような従来の坐剤ベースと共に)または保持浣腸の形態で調
製され得る。
【0254】 1つの実施形態において、この活性化合物は、身体からの迅速な排出に対して
この化合物を保護するキャリアを用いて調製され(例えば、制御放出処方物)、
これには、移植片およびマイクロカプセル化された送達系が挙げられる。酢酸エ
チレンビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステ
ル、およびポリ乳酸のような、生分解性、生体適合性ポリマーが使用され得る。
このような処方物の調製のための方法は、当該業者には明らかである。これらの
材料はまた、Alza Corporation and Nova Phar
maceuticals,Inc.から商業的に入手可能である。リポソーム懸
濁液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体を含む、感染させた細胞へ標的
化されるリポソームを含む)がまた、薬学的に受容可能なキャリアとして使用さ
れ得る。これらは、例えば、米国特許第4,522,811号に記載されるよう
な、当業者に公知の方法に従って調製され得る。
【0255】 投与の容易さおよび投薬量の均一性のために、投薬単位形態で、経口組成物ま
たは非経口組成物を処方することが、特に有益である。本明細書で使用される投
薬単位形態は、処置される被験体のための単位投薬量として適切な、物理的に個
々の単位をいい;各単位は、必要とされる薬学的キャリアと関連して、所望の治
療的効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含む。本発明の投薬単
位形態についての詳細は、この活性化合物の固有の特性、および達成される特定
の治療効果、ならびに個体の処置のためのこのような活性化合物を調合する当該
分野に固有の制限によって決定されるか、あるいはこれらに直接依存する。
【0256】 本発明の核酸分子は、ベクターに挿入され得、そして遺伝子治療ベクターとし
て使用され得る。遺伝子治療ベクターは、被験体へ、例えば、静脈内注射、局所
投与(米国特許第5,328,470号を参照のこと)または定位注射(例えば
、Chenら(1994)Proc.Natl.Sci.USA.91:305
4−3057を参照のこと)によって送達され得る。遺伝子治療ベクターの薬学
的調製物には、受容可能な希釈剤中の遺伝子治療ベクターが挙げられ得、または
遺伝子送達ビヒクルが組み込まれる徐放性マトリックスを含み得る。あるいは、
完全な遺伝子送達ベクターが、組換え細胞からインタクトで産生され得(例えば
、レトロウイルスベクター)、この薬学的調製物は、遺伝子送達系を産生する1
以上の細胞を含み得る。
【0257】 本発明のタンパク質に特異的に結合する抗体、ならびに本明細書中で開示され
るスクリーニングアッセイによって同定される他の分子は、薬学的組成物の形態
で種々の障害の処置のために投与され得る。このような組成物を調製する際に関
する原理および考慮、ならびに成分の選択の際の手引きは、例えば、Remin
gtonのThe Science And Practice Of Pha
rmacy 第19編(Alfonso R.Gennaroら、編)Mack
Pub.Co.,Easton,Pa:1995;Drug Absorpt
ion Enhancement:Concepts,Possibiliti
es,Limitations,And Trends,Harwood Ac
ademic Publishers,Langhorne,Pa.,1994
;およびPeptide And Protein Drug Deliver
y(Advances In Parenteral Sciences,Vo
l.4)、1991、M.Dekker,New York.に提供される。抗
原性タンパク質が、細胞内にあり、そして完全な抗体が、インヒビターとして使
用される場合、抗体を内在化することが、好ましい。しかし、リポソームはまた
、抗体または抗体フラグメントを細胞に送達するために使用され得る。抗体フラ
グメントが、使用される場合、標的タンパク質の結合ドメインに特異的に結合す
る最小の抑制フラグメントが、好ましい。例えば、抗体の可変領域配列に基づい
て、標的タンパク質配列に結合する能力を維持するペプチド分子は、設計され得
る。このようなペプチドは、化学的に合成され得、そして/または組み換えDN
A技術によって産生され得る。例えば、Marascoら、1993 Proc
.Natl.Acad.Sci.USA,90:7889−7893を参照のこ
と。本明細書中の処方物はまた、処置される特定の指標について必要な1より多
くの活性化合物を含み得、好ましくは、互いに悪影響を与えない相補的活性を有
する化合物を含み得る。あるいは、またはさらに、この組成物は、その機能を増
強する薬剤(例えば、細胞毒性剤、サイトカイン、化学療法剤または増殖抑制剤
)を含み得る。このような分子は、意図される目的のために有効である量で組み
合わせて適切に存在する。活性成分はまた、例えば、コアセルベーション技術ま
たは界面重合化によって調製されたマイクロカプセル(例えば、それぞれ、ヒド
ロキシメチルセルロースまたはゼラチン−マイクロカプセルおよびポリ−(メタ
クリル酸メチル)マイクロカプセル)で、コロイド状薬物送達系(例えば、リポ
ソーム、アルブミン微粒子、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、およびナノカプ
セル)またはマクロエマルジョンにおいてトラップされ得る。
【0258】 インビボ投与のために使用される処方物は、滅菌である。これは、滅菌濾過膜
を通す濾過によって容易に達成される。
【0259】 徐放性調製物は、調製され得る。徐放性調製物の適切な例としては、抗体を含
有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが挙げられ、このマトリックス
は、成形された粒子(例えば、フィルムまたはマイクロカプセル)の形態である
。徐放性マトリックスの例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ
(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール))
、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸のコポ
リマーおよびエチル−L−グルタメート、非分解性エチレン−ビニルアセテート
、分解性乳酸−グリコール酸コポリマー(例えば、LUPRON DEPOTTM (乳酸−グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドで構成される注入可能
なミクロスフェア)、ならびにポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸が挙げら
れる。エチレン−ビニルアセテートおよび乳酸−グリコール酸のようなポリマー
は、100日を超えて分子の放出を可能にする一方で、特定のヒドロゲルは、よ
り短い期間でタンパク質を放出する。
【0260】 薬学的組成物は、投与のための使用説明書をとともに、容器、包装、またはデ
ィスペンサーに含まれ得る。
【0261】 (スクリーニング方法および検出方法) 本発明の単離された核酸分子は、NOVXタンパク質を発現するために(例え
ば、遺伝子治療適用の際に宿主細胞における組み換え発現ベクターを介して)使
用され、NOVX mRNA(例えば、生物学的サンプルにおける)またはNO
VX遺伝子における遺伝的病変を検出し得、かつ以下にさらに記載されるような
NOVX活性を調節し得る。さらに、NOVXタンパク質は、NOVXタンパク
質活性または発現を調節する薬物または化合物をスクリーニングし、ならびにN
OVXタンパク質の不十分かもしくは過剰な産生またはNOVXタンパク質形態
の産生の減少またはNOVX野生型タンパク質と比較して異常な活性によって特
徴づけられる障害を処置するために使用され得る。さらに、本発明の抗NOVX
抗体は、NOVXタンパク質を検出および単離し、ならびにNOVX活性を調節
するために使用され得る。例えば、NOVX活性は、成長および分化、抗体産生
、および腫瘍増殖を含む。
【0262】 本発明は、さらに、本明細書中に記載されるスクリーニングアッセイによって
同定される新規の薬剤および上記される処置のためのそれらの使用に関する。
【0263】 (スクリーニングアッセイ) 本発明は、調節因子、すなわち、NOVXタンパク質に結合するか、あるいは
例えば、NOVXタンパク質発現またはNOVXタンパク質活性に対して刺激効
果または阻害効果を有する、候補化合物または候補薬剤、あるいは試験化合物ま
たは試験薬剤(例えば、ペプチド、ペプチド模倣物、低分子または他の薬物)を
同定するための方法(本明細書中において「スクリーニングアッセイ」とも称さ
れる)を提供する。本発明はまた、本明細書中で記載されるスクリーニングアッ
セイにおいて同定される化合物を含む。
【0264】 1つの実施形態において、本発明は、NOVXのタンパク質またはポリペプチ
ド、あるいはその生物学的に活性な部分の膜結合形態に結合するか、またはそれ
ら膜結合形態の活性を調節する、候補化合物もしくは試験化合物をスクリーニン
グするためのアッセイを提供する。本発明の試験化合物は、当該分野において公
知のコンビナトリアルライブラリー法における任意の多数のアプローチを使用し
て得られ得、これらのライブラリーには、以下が挙げられる:生物学的ライブラ
リー;空間的にアクセス可能な平行固相もしくは溶液相ライブラリー;逆重畳を
要する合成ライブラリー法;「1ビーズ1化合物」ライブラリー法;およびアフ
ィニティークロマトグラフィー選択を使用する合成ライブラリー法。生物学的ラ
イブラリーアプローチはペプチドライブラリーに限定されるが、他の4つのアプ
ローチは、ペプチド、非ペプチドオリゴマーもしくは化合物の低分子ライブラリ
ーに適用可能である(Lam(1997)Anticancer Drug D
esign 12:145)。
【0265】 本明細書中で使用される場合、「低分子」とは、約5kD未満の分子量、最も
好ましくは約4kD未満の分子量を有する組成物をいうように意味される。低分
子は、例えば、核酸、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣体、糖、脂質また
は他の有機分子もしくは無機分子であり得る。化学的および/または生物学的混
合物(例えば、真菌、細菌または藻類抽出物)のライブラリーは、当該分野で公
知であり、そして本発明のアッセイのいずれかを用いてスクリーニングされ得る
【0266】 分子ライブラリーの合成のための方法の例は、当該分野において、例えば以下
に見出され得る:DeWittら(1993)Proc Natl Acad
Sci U.S.A.90:6909;Erbら(1994)Proc Nat
l Acad Sci U.S.A.91:11422;Zuckermann
ら(1994)J Med Chem 37:2678;Choら(1993)
Science 261:1303;Carrellら(1994)Angew
Chem Int Ed Engl 33:2059;Carellら(19
94)Angew Chem Int Ed Engl 33:2061;およ
びGallopら(1994)J Med Chem 37:1233。
【0267】 化合物のライブラリーは、溶液中で(例えば、Houghten(1992)
Biotechniques 13:412〜421)、あるいはビーズ上(L
am(1991)Nature 354:82〜84)、チップ上(Fodor
(1993)Nature 364:555〜556)、細菌(Ladner
米国特許第5,223,409号)、胞子(Ladner 米国特許第5,23
3,409号)、プラスミド(Cullら(1992)Proc Natl A
cad Sci USA 89:1865〜1869)またはファージ上(Sc
ottおよびSmith(1990)Science 249:386〜390
;Devlin(1990)Science 249:404〜406;Cwi
rlaら(1990)Proc Natl Acad Sci U.S.A.8
7:6378〜6382;Felici(1991)J Mol Biol 2
22:301〜310;Ladner、米国特許第5,233,409号)にお
いて示され得る。
【0268】 1つの実施形態において、アッセイは細胞ベースのアッセイであり、ここで、
膜結合形態のNOVXタンパク質、またはその生物学的に活性な部分を細胞表面
上に発現する細胞が、試験化合物と接触され、そしてこの試験化合物が、NOV
Xタンパク質に結合する能力が、決定される。例えば、細胞は、哺乳動物起源ま
たは酵母細胞であり得る。この試験化合物がNOVXタンパク質に結合する能力
の決定は、例えば、その試験化合物を放射性同位体標識または酵素標識とカップ
リングさせて、その結果、この試験化合物のNOVXタンパク質またはその生物
学的に活性な部分に対する結合が、複合体におけるその標識化合物を検出するこ
とによって決定され得ることによって達成され得る。例えば、試験化合物は、12 5 I、35S、14C、または3Hで直接的または間接的のいずれかで標識され得、そ
してその放射性同位体が、放射線放射の直接の計数により、またはシンチレーシ
ョン計数により、検出され得る。あるいは、試験化合物は、例えば、西洋ワサビ
ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、またはルシフェラーゼで酵素的に
標識され得、そしてこの酵素的標識が、適切な基質の生成物への転換を決定する
ことにより、検出され得る。1つの実施形態において、このアッセイは、膜結合
形態のNOVXタンパク質、またはその生物学的に活性な部分をその細胞表面上
に発現する細胞を、NOVXと結合する公知の化合物と接触させて、アッセイ混
合物を形成する工程、このアッセイ混合物に試験化合物を接触させる工程、なら
びにこの試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力を決定する工程を
包含し、ここで、この試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力を決
定する工程が、この試験化合物が、公知の化合物と比較して、NOVXまたはそ
の生物学的に活性な部分と優先的に結合する能力を決定する工程を包含する。
【0269】 別の実施形態において、アッセイは、細胞ベースのアッセイであり、これは、
膜結合形態のNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を細胞表面上
で発現する細胞を、試験化合物と接触させる工程、ならびにこの試験化合物が、
NOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分の活性を調節(例えば、刺
激または阻害)する能力を決定する工程を包含する。この試験化合物が、NOV
Xまたはその生物学的に活性な部分の活性を調節する能力の決定は、例えば、N
OVXタンパク質が、NOVX標的分子に結合またはこれら標的分子と相互作用
する能力を決定することによって、達成され得る。本明細書中において使用する
場合には、「標的分子」とは、NOVXタンパク質が自然に結合または相互作用
する分子であり、例えば、NOVXタンパク質を発現する細胞表面上の分子、第
二の細胞表面上の分子、細胞外環境中の分子、細胞膜の内部表面と会合する分子
、または細胞質分子である。NOVX標的分子は、非NOVX分子あるいは本発
明のNOVXタンパク質またはポリペプチドである。1つの実施形態において、
NOVX標的分子は、シグナル伝達経路の構成要素であり、これは、細胞膜を通
って細胞内への細胞外シグナル(例えば、化合物が膜結合NOVX分子に結合す
ることにより発生するシグナル)の伝達を促進する。その標的は、例えば、触媒
活性を有する第二の細胞内タンパク質、または下流シグナル分子のNOVXとの
会合を容易にするタンパク質であり得る。
【0270】 NOVXタンパク質がNOVX標的分子に結合するかまたはその標的分子と相
互作用する能力の決定は、直接的結合を決定するための上記方法の1つにより、
達成され得る。1つの実施形態において、NOVXタンパク質がNOVX標的分
子に結合するかまたはその標的分子と相互作用する能力の決定は、その標的分子
の活性を決定することにより、達成され得る。例えば、この標的分子の活性は、
その標的の細胞セカンドメッセンジャー(すなわち、細胞内Ca2+、ジアシルグ
リセロール、IP3など)の誘導を検出すること、適切な基質への標的の触媒活
性/酵素活性を検出すること、レポーター遺伝子(検出可能なマーカー(例えば
、ルシフェラーゼ)をコードする核酸に作動的に連結されたNOVX応答性調節
エレメントを含む)の誘導を検出すること、または細胞応答(例えば、細胞生存
度、細胞分化、または細胞増殖)を検出することにより、決定され得る。
【0271】 なお別の実施形態において、本発明のアッセイは、無細胞アッセイであり、N
OVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分を試験化合物に接触させる工
程、ならびにその試験化合物がNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な
部分と結合する能力を決定する工程を包含する。この試験化合物の、NOVXタ
ンパク質への結合は、上記のように、直接的または間接的にのいずれかで決定さ
れ得る。1つのこのような実施形態において、このアッセイは、NOVXタンパ
ク質またはその生物学的に活性な部分を、NOVXを結合する公知の化合物に接
触させて、アッセイ混合物を形成する工程、このアッセイ混合物を試験化合物に
接触させる工程、ならびにその試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する
能力を決定する工程を包含し、ここで、この試験化合物がNOVXタンパク質と
相互作用する能力を決定する工程は、この試験化合物が、公知の化合物と比較し
て、NOVX、またはその生物学的に活性な部分と優先的に相互作用する能力を
決定する工程を包含する。
【0272】 さらに別の実施形態において、アッセイは、無細胞アッセイであり、NOVX
タンパク質またはその生物学的に活性な部分を試験化合物と接触させる工程、な
らびにその試験化合物がNOVXタンパク質またはその生物学的に活性な部分の
活性を調節(例えば、刺激または阻害)する能力を決定する工程を包含する。こ
の試験化合物がNOVXの活性を調節する能力の決定は、例えば、NOVXタン
パク質が、NOVX標的分子に結合する能力を、直接的結合の決定のための上記
方法の1つによって決定することにより、達成され得る。代替の実施形態におい
て、この試験化合物がNOVXタンパク質の活性を調節する能力の決定は、NO
VXタンパク質が、NOVX標的分子をさらに調節する能力を決定することによ
り、達成され得る。例えば、この標的分子の適切な基質に対する触媒活性/酵素
活性は、上記のように決定され得る。
【0273】 なお別の実施形態において、無細胞アッセイは、NOVXタンパク質またはそ
の生物学的に活性な部分を、NOVXタンパク質を結合する公知の化合物に接触
させてアッセイ混合物を形成する工程、このアッセイ混合物を試験化合物と接触
させる工程、ならびにこの試験化合物がNOVXタンパク質と相互作用する能力
を決定する工程を包含し、ここで、この試験化合物がNOVXタンパク質と相互
作用する能力の決定は、NOVXタンパク質が、NOVX標的分子と優先的に結
合するか、またはその標的分子の活性を優先的に調節する能力を決定する工程を
包含する。
【0274】 本発明の無細胞アッセイは、NOVXタンパク質の、可溶性の形態または膜結
合形態の両方の使用に受け入れられる。膜結合形態のNOVXタンパク質を含む
無細胞アッセイの場合には、NOVXタンパク質の膜結合形態が溶液中に維持さ
れるように、可溶化剤を利用することが望ましくあり得る。このような可溶化剤
の例には、非イオン性界面活性剤が挙げられ、例えば、n−オクチルグルコシド
、n−ドデシルグルコシド、n−ドデシルマルトシド、オクタノイル−N−メチ
ルグルカミド、デカノイル−N−メチルグルカミド、Triton(登録商標)
X−100、Triton(登録商標)X−114、Thesit(登録商標)
、イソトリデシルポリ(エチレングリコールエーテル)n(Isotridec
ypoly(ethylene glycol ether)n、N−ドデシル
−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパンスルホネート、3−(3−
コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ−1−プロパンスルホネート(3−(3
−cholamidopropyl)dimethylamminiol−1−
propane sulfonate)(CHAPS)、または3−(3−コラ
ミドプロピル)ジメチルアンモニオ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホネー
ト(3−(3−cholamidopropyl)dimethylammin
iol−2−hydroxy−1−propane sulfonate)(C
HAPSO)である。
【0275】 本発明の上記アッセイ方法の1つより多い実施形態において、NOVXタンパ
ク質またはその標的分子のいずれかを固定して、そのタンパク質の一方または両
方の非複合形態からの複合形態の分離を促進し、そしてそのアッセイの自動化に
適用させることが、望ましくあり得る。試験化合物の、NOVXタンパク質への
結合、または候補化合物の存在下および非存在下での、NOVXタンパク質の標
的分子との相互作用は、これらの反応物を収容するために適切な任意の容器内で
、達成され得る。このような容器の例には、マイクロタイタープレート、試験管
、および微小遠心管が挙げられる。1実施形態において、そのタンパク質の一方
または両方がマトリックスに結合することを可能にするドメインを付加する融合
タンパク質が、提供され得る。例えば、GST−NOVX融合タンパク質または
GST標的融合タンパク質は、グルタチオンセファロースビーズ(Sigma
Chemical、St.Louis、MO)またはグルタチオン誘導体化マイ
クロタイタープレート上に吸着され得、次いでこれらは、試験化合物と合わせら
れるか、あるいは試験化合物および吸着されない標的タンパク質、またはNOV
Xタンパク質のいずれかと合わせられ、そしてこの混合物が、複合体形成に貢献
する条件下(例えば、塩およびpHに関して生理学的条件)でインキュベートさ
れる。インキュベーションに続いて、ビーズまたはマイクロタイタープレートウ
ェルを洗浄して、結合していないあらゆる成分を除去し、ビーズの場合にはマト
リックスを固定し、例えば上記のように、複合体を直接的または間接的のいずれ
かで決定する。あるいは、複合体がマトリックスから解離され得、そしてNOV
Xタンパク質の結合レベルまたは活性レベルを、標準的な技術を使用して決定し
得る。
【0276】 タンパク質をマトリックスに固定するための他の技術がまた、本発明のスクリ
ーニングアッセイにおいて使用され得る。例えば、NOVXタンパク質、または
その標的分子のいずれかが、ビオチンとストレプトアビジンとの結合を利用して
、固定され得る。ビオチニル化NOVXタンパク質、または標的分子は、当該分
野において周知の技術を使用して、ビオチン−NHS(N−ヒドロキシスクシン
イミド)から調製され得(例えば、ビオチニル化キット、Pierce Che
micals、Rockford、Ill.)、そしてストレプトアビジンで被
覆した96ウェルのプレート(Pierce Chemical)のウェルに固
定され得る。あるいは、NOVXタンパク質、または標的分子と反応性であるが
NOVXタンパク質のその標的分子への結合を妨害しない抗体が、そのプレート
のウェルに誘導体化され得、そして結合していない標的またはNOVXタンパク
質が、抗体の結合によってウェル内にトラップされ得る。このような複合体を検
出するための方法には、GST固定複合体に関しての上記のものに加えて、NO
VXタンパク質または標的分子と反応性の抗体を使用する、複合体の免疫検出、
ならびにNOVXタンパク質、または標的分子に関する酵素活性の検出に依存す
る酵素結合アッセイが挙げられる。
【0277】 別の実施形態において、NOVXタンパク質発現のモジュレーターは、細胞を
候補化合物と接触させ、そして細胞中のNOVX mRNAまたはタンパク質の
発現を決定する方法において同定される。候補化合物の存在下でのNOVX m
RNAまたはタンパク質の発現レベルは、候補化合物の非存在下でのNOVX
mRNAまたはタンパク質の発現レベルと比較される。次いで、候補化合物は、
この比較に基づいて、NOVX mRNAまたはタンパク質発現のモジュレータ
ーとして同定され得る。例えば、NOVX mRNAまたはタンパク質の発現が
候補化合物の非存在下より、その存在下における方が大きい(すなわち、統計的
に有意に大きい)場合、この候補化合物は、NOVX mRNAまたはタンパク
質の発現の刺激物質として同定される。あるいは、NOVX mRNAまたはタ
ンパク質の発現が候補化合物の非存在下よりその存在下の方が少ない(統計的に
有意に少ない)場合、この候補化合物は、NOVX mRNAまたはタンパク質
の発現のインヒビターとして同定される。細胞中のNOVX mRNAまたはタ
ンパク質の発現レベルは、NOVX mRNAまたはタンパク質を検出するため
に本明細書中に記載の方法によって決定され得る。
【0278】 本発明のなお別の局面において、NOVXタンパク質は、ツーハイブリッドア
ッセイまたはスリーハイブリッドアッセイにおいて「ベイトタンパク質」として
使用されて(例えば、米国特許第5,283,317号;Zervosら(19
93)Cell 72:223−232;Maduraら、1993 J.Bi
ol.Chem.268:12046−12054;Bartelら、1993
Biotechniques 14:920−924;Iwabuchiら、
1993 Oncogene 8:1693−1696;およびBrent W
O94/10300を参照のこと)、NOVX(「NOVX結合タンパク質」ま
たは「NOVX−bp」)に結合するか、またはこれと相互作用し、そしてNO
VX活性を調節する他のタンパク質を同定し得る。このようなNOVX結合タン
パク質はまた、例えば、NOVX経路の上流または下流エレメントとしてNOV
Xタンパク質によるシグナル伝達に関与するようである。
【0279】 ツーハイブリッドシステムは、分離可能なDNA結合ドメインおよび活性化ド
メインからなる、大部分の転写因子のモジュール的性質に基づく。簡潔には、こ
のアッセイは、2つの異なるDNA構築物を利用する。一方の構築物においては
、NOVXをコードする遺伝子が公知の転写因子(例えば、GAL−4)のDN
A結合ドメインをコードする遺伝子に融合される。他方の構築物においては、D
NA配列のライブラリー由来の、未同定タンパク質(「プレイ」または「サンプ
ル」)をコードするDNA配列が、公知の転写因子の活性化ドメインをコードす
る遺伝子に融合される。「ベイト」および「プレイ」タンパク質がインビボで相
互作用して、NOVX依存性複合体を形成し得る場合、この転写因子のDNA結
合ドメインおよび活性化ドメインは、非常に近くにある。近位にあることにより
、転写因子に応答性の転写調節部位に作動可能に連結されたレポーター遺伝子(
例えば、LacZ)の転写を可能にする。レポーター遺伝子の発現が検出され得
、そして機能的転写因子を含む細胞コロニーは、単離され得、そしてNOVXと
相互作用するタンパク質をコードするクローニングされた遺伝子を得るために使
用され得る。
【0280】 本発明はさらに、上記のスクリーニングアッセイにより同定される新規な薬剤
および本明細書中に記載されるような処置のためのこの薬剤の使用に関する。
【0281】 (検出アッセイ) 本明細書中で同定されるcDNA配列の一部分またはフラグメント(および対
応する完全な遺伝子配列)は、ポリヌクレオチド試薬として多くの方法で使用さ
れ得る。例えば(限定はされない)、これらの配列を使用して、(i)微量の生
物学的サンプルから個体を同定し得る(組織型決定);および(ii)生物学的
サンプルの法医学的識別を助け得る。これらの適用のうちのいくつかは、以下の
節において記載される。
【0282】 (組織型決定(tissue typing)) 本発明のNOVX配列は、わずかな生物学的サンプルから個体を識別するため
に使用され得る。この技術において、個体のゲノムDNAは、1つ以上の制限酵
素で消化され、そして同定のために独特のバンドを生成するためにサザンブロッ
ト上でプローブされる。本発明の配列は、RFLP(米国特許第5,272,0
57号に記載の「制限フラグメント長多型」)のためのさらなるDNAマーカー
として有用である。
【0283】 さらに、本発明の配列を用いて、個体のゲノムの選択された部分について実際
の塩基ごとにDNA配列を決定する代替的技術を提供し得る。従って、本明細書
中に記載のNOVX配列を用いて、配列の5’末端および3’末端から2つのP
CRプライマーを調製し得る。次いで、これらのプライマーを使用して、個体の
DNAを増幅し得、引き続いて、配列決定し得る。
【0284】 このように調製された個体由来の対応するDNA配列のパネルは、各個体が、
対立遺伝子差異に起因するこのようなDNA配列の独特のセットを有するので、
唯一の個体識別を提供し得る。本発明の配列は、個体由来および組織由来の配列
のこのような識別を得るために使用され得る。本発明のNOVX配列は、ヒトゲ
ノムの部分を独特に表す。対立遺伝子変異は、これらの配列のコード領域におい
てある程度生じ、そして非コード領域においてより大きな程度に生じる。個々の
ヒト間での対立遺伝子変異は、各500塩基につき約1回の頻度で生じると見積
もられる。対立遺伝子変異の多さは、制限フラグメント長多型(RFLP)を含
む単一ヌクレオチド多型(SNP)に起因する。
【0285】 本明細書中で記載の配列の各々は、ある程度、標準物質(これに対して個体か
らのDNAが識別の目的で比較され得る)として使用され得る。より多くの多型
が非コード領域で生じるので、個体を区別するために、それほど多くの配列が必
要であるわけではない。非コード配列は、おそらく10〜1,000プライマー
のパネルを用いてポジティブな個体識別を不自由なく提供し得る。これらのプラ
イマーは、各々が100塩基の増幅された非コード配列を生じる。推定コード配
列(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、2
1または23における配列)が使用される場合、ポジティブな個体識別に関する
プライマーのより適切な数は、500〜2,000である。
【0286】 (予測医療) 本発明はまた、診断アッセイ、予後アッセイ、薬物ゲノム(pharmaco
genomics)およびモニタリング臨床試験が、予後(予測)の目的に使用
され、これによって個体を予防的に処置する、予測医療の分野に関する。従って
、本発明の1つの局面は、NOVXタンパク質および/または核酸の発現、なら
びにNOVXの活性を、生物学的サンプル(例えば、血液、血清、細胞、組織)
の関連で決定し、これによって、異常なNOVXの発現または活性に関連して、
個体が疾患または障害に罹患するかどうか、あるいは障害を発症するリスクがあ
るかどうかを決定する。異常なNOVX発現活性に関連した障害としては、例え
ば、異常な細胞増殖、細胞分化および細胞移動によって特徴付けられる障害(例
えば、癌、新脈管形成、アテローム性動脈硬化症および肥満)、神経学的障害(
例えば、発作、ペンドレッド症候群、多発性硬化症およびアルツハイマー病)ケ
ラチノサイト欠損症(例えば、損傷性乾癬皮膚)、虚血性障害(例えば、糖尿病
性網膜症)、肝臓障害(例えば、肝硬変)ならびに膵臓障害(例えば、急性膵炎
)が挙げられる。
【0287】 本発明はまた、個体が、NOVXのタンパク質、核酸の発現または活性と関連
した障害を発症するリスクがあるかどうかを決定するための予後的(または予測
的)アッセイを提供する。例えば、NOVX遺伝子における変異が、生物学的サ
ンプルにおいてアッセイされ得る。このようなアッセイは、予後的または予測的
な目的に使用され得、これによってNOVXのタンパク質、核酸の発現または生
物学的活性によって特徴付けられるかまたはそれに関連した障害の発病の前に個
体を予防的に処置する。
【0288】 本発明の別の局面は、個体におけるNOVXタンパク質、核酸の発現または活
性を決定するための方法を提供し、これによって、その個体についての適切な治
療的または予防的因子(本明細書において「薬物ゲノム」とよばれる)を選択す
る。薬物ゲノムは、個体の遺伝型(例えば、特定の因子に対して応答する個体の
能力を決定するために試験された個体の遺伝型)に基づいた、個体の治療的また
は予防的処置のための因子(例えば、薬物)の選択を可能にする。
【0289】 本発明のなお別の局面は、臨床試験におけるNOVXの発現または活性に対す
る因子(例えば、薬剤、化合物)の影響をモニタリングすることに関する。
【0290】 これらおよび他の因子は、以下の節でさらに詳細に記載される。
【0291】 (診断アッセイ) 生物学的サンプルにおけるNOVXの存在または非存在を検出するための例示
的な方法は、試験被験体から生物学的サンプルを得る工程、およびその生物学的
サンプルをNOVXタンパク質またはNOVXタンパク質をコードする核酸(例
えば、mRNA、ゲノムDNA)を検出し得る化合物もしくは薬剤とを接触させ
、その結果、NOVXの存在が、その生物学的サンプルにおいて検出される、工
程を包含する。NOVXのmRNAまたはゲノムDNAを検出するための薬剤は
、NOVXのmRNAまたはゲノムDNAにハイブリダイズし得る、標識された
核酸プローブである。この核酸プローブは、例えば、全長のNOVX核酸(例え
ば、SEQ ID NO:1、3、5、7、9、11、13、15、17、19
、21もしくは23またはその部分の核酸(例えば、少なくとも、15、30、
50、100、250もしくは500ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドであ
り、そしてストリンジェントな条件下でNOVXのmRNAまたはゲノムDNA
と特異的にハイブリダイズするに十分である核酸))であり得る。本発明の診断
アッセイにおける使用のための他の適切なプローブは本明細書中に記載される。
【0292】 NOVXタンパク質を検出するための1つの薬剤は、NOVXと結合し得る抗
体、好ましくは、検出可能な標識を有する抗体である。本発明のタンパク質に対
する抗体は、タンパク質の局在および/または定量化に関連する、当該分野で公
知の方法において使用され得る(例えば、適切な生理学的サンプル内のタンパク
質のレベルの測定における使用のため、診断方法における使用のため、タンパク
質の画像化における使用のためなど)。所定の実施形態では、タンパク質に対す
る抗体または抗原結合ドメインを含むその誘導体、フラグメント、アナログまた
はホモログは、薬理学的に活性な組成物として使用される。
【0293】 本発明のタンパク質に特異的な抗体は、標準技術(例えば、免疫親和性クロマ
トグラフィまたは免疫沈降)によって、タンパク質を単離するために用いられ得
る。このような抗体は、細胞からの天然のタンパク質抗原の精製および宿主細胞
において発現される組換え的に産生された抗原の精製を容易にし得る。さらに、
抗原タンパク質の発現の量およびパターンを評価するために、このような抗体を
用いて(例えば、細胞の溶解液または細胞上清における)抗原タンパク質を検出
し得る。このタンパク質に対する抗体は、例えば、所定の処置レジメンの有効性
を決定するために、臨床試験の手順の一部として組織におけるタンパク質レベル
を診断的にモニターするために用いられ得る。検出は、抗体を検出可能物質にカ
ップリングする(すなわち、物理的に連結する)ことにより容易にされ得る。検
出可能な物質の例としては、種々の酵素、補欠分子団、蛍光物質、発光物質、生
物発光物質および放射性物質が挙げられる。適切な酵素の例としては、西洋ワサ
ビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼまたはア
セチルコリンエステラーゼが挙げられ;適切な補欠分子団複合体の例としては、
ストレプトアビジン/ビオチンおよびアビジン/ビオチンが挙げられ;適切な蛍
光物質の例としては、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイソ
チオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミン(dichloro
triazinylamine)フルオレセイン、ダンシルクロリドまたはフィ
コエリトリンが挙げられ;発光物質の例としては、ルミノールが挙げられ;生物
発光物質の例としては、ルシフェラーゼ、ルシフェリンおよびエクオリンが挙げ
られ、そして、適切な放射性物質の例としては125I、131I、35Sまたは3Hが
挙げられる。
【0294】 抗体は、ポリクローナルであり得るか、またはより好ましくはモノクローナル
抗体であり得る。インタクトな抗体またはそのフラグメント(例えば、Fabま
たはF(ab’)2)が使用され得る。用語「標識(された)」とは、プローブ
または抗体に関して、検出可能な物質をそのプローブもしくは抗体にカップリン
グさせる(すなわち、物理的に連結する)ことによって、そのプローブまたは抗
体を直接標識すること、ならびに、直接標識される別の試薬との反応性によって
、そのプローブもしくは抗体を間接的に標識をすることを包含することが意図さ
れる。間接的な標識の例としては、蛍光標識された二次抗体を用いる一次抗体の
検出、および蛍光標識されたストレプトアビジンを用いて検出され得るようにビ
オチンを用いるDNAプローブの末端標識が挙げられる。用語「生物学的サンプ
ル」とは、被験体から単離された、組織、細胞および生物学的流体ならびに被験
体に存在する組織、細胞および流体を含むことが意図される。すなわち、本発明
の検出方法を用いて、生物学的サンプル中のNOVXのmRNA、タンパク質ま
たはゲノムDNAを、インビトロおよびインビボで検出し得る。例えば、NOV
X mRNAの検出のためのインビトロ技術としては、ノーザンハイブリダイゼ
ーションおよびインサイチュハイブリダイゼーションが挙げられる。NOVXタ
ンパク質の検出のためのインビトロ技術としては、酵素結合免疫吸着アッセイ(
ELISA)、ウェスタンブロット、免疫沈降および免疫蛍光が挙げられる。N
OVXゲノムDNAを検出するためのインビトロ技術としては、サザンハイブリ
ダイゼーションが挙げられる。さらに、NOVXタンパク質の検出のためのイン
ビボ技術としては、標識された抗NOVX抗体を被験体に導入することが挙げら
れる。例えば、その抗体は、放射性マーカーを用いて標識され得る。この被験体
における放射性マーカーの存在および位置は、標準的な画像化技術によって検出
され得る。
【0295】 1つの実施形態において、この生物学的サンプルは、その試験被験体からのタ
ンパク質分子を含む。あるいは、その生物学的サンプルは、その試験被験体から
のmRNA分子またはその試験被験体からのゲノムDNA分子を含み得る。好ま
しい生物学的サンプルは、被験体から従来の手段によって単離された末梢血白血
球サンプルである。
【0296】 1つの実施形態において、本発明の方法はさらに、コントロール被験体からコ
ントロール生物学的サンプルを得る工程、そのコントロールサンプルを、NOV
Xのタンパク質、mRNAもしくはゲノムを検出し得る化合物または薬剤と接触
させ、その結果、NOVXのタンパク質、mRNAまたはゲノムDNAの存在が
その生物学的サンプルにおいて検出される、工程、およびそのコントロールサン
プルにおけるNOVXのタンパク質、mRNAまたはゲノムDNAの存在と、そ
の試験サンプルにおけるNOVXのタンパク質、mRNAまたはゲノムDNAの
存在とを比較する工程を包含する。
【0297】 本発明はまた、生物学的サンプルにおけるNOVXの存在を検出するためのキ
ットを包含する。例えば、このキットは、以下を備え得る:生物学的サンプルに
おいてNOVXのタンパク質またはmRNAを検出し得る、標識された化合物ま
たは薬剤;そのサンプルにおいてNOVXの量を決定するための手段;およびそ
のサンプルにおけるNOVXの量を標準と比較するための手段。この化合物また
は薬剤は、適切な容器内にパッケージングされ得る。このキットは、さらに、N
OVXタンパク質または核酸を検出するためにキットを用いるための説明書を備
え得る。
【0298】 (予後アッセイ) 本明細書において記載された診断方法をさらに利用して、NOVXの異常発現
または異常活性に関連した疾患もしくは障害を有するか、またはその発症の危険
性を有する被験体を同定し得る。例えば、本明細書に記載されるアッセイ(例え
ば、上述の診断アッセイまたは下記のアッセイ)を利用して、NOVXのタンパ
ク質、核酸の発現または活性に関連する障害を有するかまたはその発症の危険性
を有する被験体を同定し得る。このような障害としては、異所性細胞増殖、分化
および移動により特徴付けられる障害(例えば、癌、新脈管形成、アテローム性
動脈硬化症および肥満症)、神経性障害(例えば、発作、ペンドレッド症候群、
多発性硬化症、アルツハイマー病)、ケラチノサイト欠損(例えば、損傷性乾癬
皮膚)虚血性障害(例えば、糖尿病性網膜症障害)、肝臓障害(例えば、硬化性
肝炎)、および膵臓障害(例えば、急性膵炎)が挙げられる。
【0299】 あるいは、この予後アッセイを利用して、疾患または障害を有するかまたはそ
の発症の危険性を有する被験体を同定し得る。従って、本発明は、NOVXの異
常発現または異常活性に関連する疾患もしくは障害を同定するための方法を提供
する。ここで、試験サンプルは、被験体から得られ、そしてNOVXのタンパク
質または核酸(例えば、mRNA、ゲノムDNA)が検出され、ここで、NOV
Xのタンパク質または核酸の存在は、NOVXの異常発現または異常活性に関連
する疾患または障害を有するかまたはその発症の危険性を有する被験体について
の診断指標である。本明細書において使用される場合「試験サンプル」とは、目
的の被験体から得られた生物学的サンプルをいう。例えば、試験サンプルは、生
物学的流体(例えば、血清)、細胞サンプル、または組織であり得る。
【0300】 さらに、本明細書に記載される予後アッセイを使用して、被験体に薬剤(例え
ば、アゴニスト、アンタゴニスト、ペプチド模倣物、タンパク質、ペプチド、核
酸、低分子、または他の薬物候補)を投与してNOVXの異常発現または異常活
性に関連する疾患または障害を処置し得るか否かを、決定し得る。例えば、この
ような方法を使用して、被験体が障害のための薬剤で有効に処置され得るか否か
を決定し得る。従って、本発明は、NOVXの異常発現または異常活性に関連す
る障害についての薬剤を用いて、被験体が有効に処置され得るか否かを決定する
ための方法を提供する。ここで、試験サンプルが得られ、そしてNOVXのタン
パク質または核酸が検出される(例えば、ここで、NOVXのタンパク質または
核酸の存在は、この薬剤が投与されてNOVXの異常発現または異常活性に関連
する障害が処置され得る被験体についての、診断指標である)。
【0301】 本発明の方法はまた、NOVX遺伝子における遺伝的損傷を検出し、それによ
って、その損傷遺伝子を有する被験体が異常な細胞増殖および/または分化によ
って特徴付けられる障害についての危険性を有するか否かを決定するためにも使
用され得る。種々の実施形態において、この方法は、その被験体からの細胞のサ
ンプルにおいて、NOVXタンパク質をコードする遺伝子の統合性に影響を与え
る少なくとも1つの変更によって特徴付けられる遺伝的損傷の存在または非存在
、あるいはNOVX遺伝子の誤発現を検出する工程を包含する。例えば、そのよ
うな遺伝的損傷は、以下の少なくとも1つの存在を確認することによって検出さ
れ得る:(i)NOVX遺伝子からの1つ以上のヌクレオチドの欠失;(ii)
NOVX遺伝子への1つ以上のヌクレオチドの付加;(iii)NOVX遺伝子
の1つ以上のヌクレオチドの置換、(iv)NOVX遺伝子の染色体再配置;(
v)NOVX遺伝子のメッセンジャーRNA転写物のレベルにおける変更、(v
i)NOVX遺伝子の異常改変(例えば、ゲノムDNAのメチル化パターンの異
常改変)、(vii)NOVX遺伝子のメッセンジャーRNA転写物の非野生型
スプライシングパターンの存在、(viii)NOVXタンパク質の非野生型レ
ベル、(ix)NOVX遺伝子の対立遺伝子の欠失、ならびに(x)NOVXタ
ンパク質の不適切な翻訳後修飾。本明細書において記載されるように、当該分野
において、NOVX遺伝子における損傷を検出するために使用され得る、多数の
公知のアッセイ技術が存在する。好ましい生物学的サンプルは、従来手段によっ
て被験体から単離された末梢血白血球サンプルである。しかし、有核細胞を含む
任意の生物学的サンプルが使用され得、これには、例えば、頬粘膜細胞が挙げら
れる。
【0302】 特定の実施形態において、損傷の検出は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(
例えば、米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号を参
照のこと)(例えば、アンカーPCRまたはRACE PCR)、あるいは、連
結連鎖反応(LCR)(例えば、Landegranら(1988)Scien
ce 241:1077−1080;およびNakazawaら(1994)P
roc.Natl.Acad.Sic.USA 91:360−364を参照の
こと)におけるプローブ/プライマーの使用を包含する。後者は、NOVX遺伝
子における点変異を検出するために特に有用であり得る)(Abravayaら
,1995 Nucl Acids Res 23:675−682を参照のこ
と)。この方法は、患者から細胞のサンプルを収集する工程、核酸(例えば、ゲ
ノム、mRNAまたはその両方)をそのサンプルの細胞から単離する工程、NO
VXの遺伝子に特異的にハイブリダイズする1つ以上のプライマーとその核酸サ
ンプルとを、NOVX遺伝子(存在する場合)のハイブリダイゼーションおよび
増幅が生じるような条件下で接触させる工程、ならびに増幅産物の存在もしくは
非存在を検出する工程、またはその増幅産物のサイズを検出する工程およびその
長さをコントロールサンプルと比較する工程を包含し得る。PCRおよび/また
はLCRは、本明細書中に記載される変異を検出するために使用される技術のい
ずれかとともに予備的増幅工程として使用されることが望ましくあり得ることが
予想される。
【0303】 代替的な増幅方法としては、以下が挙げられる:当業者に周知な技術を用いた
、その増幅された分子の検出の前の、自己維持配列複製(Guatelliら、
1990、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874−
1878を参照のこと)、転写増幅系(Kwohら、1989、Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA 86:1173−1177を参照のこと)、
Qβレプリカーゼ(Lizardiら、1988、BioTechnology
6:1197を参照のこと)、または他の任意の核酸増幅方法。これらの検出
スキームは、核酸分子が非常に極少数で存在する場合に、そのような核酸分子の
検出のために特に有用である。
【0304】 代替の実施形態において、サンプル細胞からのNOVX遺伝子における変異は
、制限酵素切断パターンにおける変更によって同定され得る。例えば、サンプル
およびコントロールのDNAが単離され、増幅され(必要に応じて)、1つ以上
の制限エンドヌクレアーゼを用いて消化され、そしてフラグメント長の大きさが
ゲル電気泳動によって決定され、そして比較される。サンプルDNAとコントロ
ールDNAとの間のフラグメント長の大きさにおける差異は、そのサンプルDN
Aにおける変異を示す。さらに、配列特異的なリボザイムの使用(例えば、米国
特許第5,493,531号を参照のこと)を使用して、リボザイム切断部位の
発生または喪失によって特異的な変異の存在についてスコア付けし得る。
【0305】 他の実施形態において、NOVXにおける遺伝子変異は、サンプル核酸および
コントロール核酸(例えば、DNAまたはRNA)を、数百または数千のオリゴ
ヌクレオチドプローブを含む高密度アレイに対してハイブリダイズさせることに
よって同定され得る(Croninら(1996)Human Mutatio
n 7:244−255;Kozalら(1996)Nat.Med.2:75
3−759)。例えば、NOVXにおける遺伝子変異は、Croninら(前出
)に記載されるように光生成DNAプローブを含む二次元アレイにおいて同定さ
れ得る。手短には、プローブの第一ハイブリダイゼーションアレイを用いて、サ
ンプルおよびコントロールにおける長いストレッチのDNAにわたって走査し、
連続的に重複するプローブの線形アレイを作成することによって、その配列間の
塩基変化を同定し得る。この工程は、点変異の同定を可能にする。この工程に第
二のハイブリダイゼーションアレイが続き、これは、検出される全ての改変体ま
たは変異体に相補的な、より小さな特化されたプローブアレイを用いることによ
る特定の変異の特徴付けを可能にする。各変異アレイは、一方が野生型遺伝子に
対して相補的であり、そして他方が変異遺伝子に対して相補である並行プローブ
セットから構成される。
【0306】 なお別の実施形態において、当該分野で公知の種々の配列決定反応のいずれか
を使用して、NOVX遺伝子を直接配列決定し得、そしてサンプルNOVX配列
と対応する野生型(コントロール)配列とを比較することによって、変異を検出
し得る。配列決定反応の例としては、MaxamおよびGilbert(197
7)Proc.Natl.Acad.Sic.USA 74:560またはSa
nger(1977)Proc.Natl.Acad.Sic.USA 74:
5463によって開発された技術に基づくものが挙げられる。診断アッセイを実
施する場合、種々の自動化配列決定手順のいずれかを利用し得ることもまた意図
される(例えば、Naeveら(1995)Biotechniques 19
:448を参照のこと)。これらには、質量分析法による配列決定法(例えば、
PCT国際公開番号WO 94/16101;Cohenら(1996)Adv
Chromatogr 36:127−162;およびGriffinら(1
993)Appl Biochem Biotechnol 38.:147−
159を参照のこと)が含まれる。
【0307】 NOVX遺伝子における変異を検出するための他の方法としては、切断剤から
の保護を使用して、RNA/RNAもしくはRNA/DNAのヘテロ二重鎖に基
づくミスマッチ塩基を検出する方法が挙げられる(Myersら(1985)S
cience 230:1242)。一般に、「ミスマッチ切断」の当該分野の
技術は、野生型のNOVX配列を含む(標識された)RNAまたはDNAを、組
織サンプルから得られた潜在的な変異体RNAまたはDNAとハイブリダイズさ
せることによって形成されるヘテロ二重鎖を提供する工程によって始まる。この
二本鎖の二重鎖を、二重鎖の一本鎖領域(例えば、そのコントロールとサンプル
の鎖との間の塩基対ミスマッチに起因して存在するもの)を切断する薬剤を用い
て処理する。例えば、RNA/DNA二重鎖を、RNaseを用いて処理し得、
そしてDNA/DNAハイブリッドを、そのミスマッチ領域を酵素的に消化する
ことに対して、S1ヌクレアーゼを用いて処理し得る。他の実施形態において、
DNA/DNAまたはRNA/DNAのいずれかの二重鎖を、ミスマッチ領域を
消化するために、ヒドロキシルアミンまたは四酸化オスミウム、およびピペリジ
ンを用いて処理し得る。そのミスマッチ領域の消化後、次いで、得られた物質を
変性ポリアクリルアミドゲル上で、大きさにより分離して、変異の部位を決定す
る。例えば、Cottonら(1988)Proc Natl Acad Sc
i USA 85:4397;Saleebaら(1992)Methods
Enzymol 217:286−295を参照のこと。1つの実施形態におい
て、コントロールのDNAまたはRNAは、検出のために標識され得る。
【0308】 なお別の実施形態において、ミスマッチ切断反応は、二本鎖DNAにおけるミ
スマッチ塩基対を認識する1つ以上のタンパク質(いわゆる「DNAミスマッチ
修復」酵素)を、細胞のサンプルから得られたNOVX cDNAにおける点変
異を検出およびマッピングするために規定された系において使用する。例えば、
E.coliのmutY酵素は、G/AミスマッチでAを切断し、そしてHeL
a細胞からのチミジンDNAグリコシラーゼは、G/TミスマッチでTを切断す
る(Hsuら(1994)Carcinogenesis 15:1657〜1
662)。例示的な実施形態に従って、NOVX配列(例えば、野生型NOVX
配列)に基づくプローブは、試験細胞由来のcDNAまたは他のDNA産物にハ
イブリダイズされる。二重鎖は、DNAミスマッチ修復酵素を用いて処理され、
そしてその切断産物(もしあれば)は、電気泳動プロトコルなどから検出され得
る。例えば、米国特許第5,459,039号を参照のこと。
【0309】 他の実施形態において、電気泳動の移動度における変化は、NOVX遺伝子に
おける変異を同定するために使用される。例えば、一本鎖コンホメーション多型
(SSCP)は、変異体と野生型核酸との間の電気泳動の移動度における差異を
検出するために使用され得る(Oritaら(1989)Proc Natl
Acad Sci USA:86:2766、またCotton(1993)M
utat Res 285:125〜144;Hayashi(1992)Ge
net Anal Tech Appl 9:73〜79を参照のこと)。サン
プルおよびコントロールNOVX核酸の一本鎖DNAフラグメントは、変性され
、そして再生される。一本鎖核酸の二次構造は、配列に従って変化し、電気泳動
の移動度において得られる変化は、1つの塩基変化の検出さえも可能にする。D
NAフラグメントは、標識され得るか、または標識されたプローブを用いて検出
され得る。アッセイの感度は、DNAよりもむしろ、二次構造が配列中の変化に
対してより感受的であるRNAを使用することによって増強され得る。1つの実
施形態において、本発明の方法は、ヘテロ二重鎖分析を利用して、電気泳動の移
動度における変化に基づいて二本鎖のヘテロ二重鎖分子を分離する。例えば、K
eenら(1991)Trends Genet 7:5を参照のこと。
【0310】 なお別の実施形態において、一定勾配の変性剤を含有するポリアクリルアミド
ゲルにおける変異体または野生型フラグメントの移動は、変性勾配ゲル電気泳動
(DGGE)を使用してアッセイされる。例えば、Myersら(1985)N
ature 313:495を参照のこと。DGGEが分析の方法として使用さ
れる場合、DNAは、例えば、PCRにより約40bpの高融点GCリッチDN
AのGCクランプを付加することによって、完全には変性されないことを確実す
るように改変される。さらなる実施形態において、温度勾配は、コントロールお
よびサンプルDNAの移動度における差異を同定するために、変性剤勾配の代わ
りに使用される。例えば、RosenbaumおよびReissner(198
7)Biophys Chem 265:12753を参照のこと。
【0311】 点変異を検出するための他の技術の例としては、以下が挙げられるが、これら
に限定されない:選択的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、選択的増
幅、または選択的プライマー伸長。例えば、オリゴヌクレオチドプライマーは、
既知の変異が中心的に配置されるように調製され得、次いで、完全なマッチが見
出される場合にのみハイブリダイゼーションを許容する条件下で標的DNAにハ
イブリダイズされる。例えば、Saikiら(1986)Nature 324
:163);Saikiら(1989)Proc Natl Acad.Sci
USA 86:6230を参照のこと。このような対立遺伝子特異的オリゴヌ
クレオチドは、このオリゴヌクレオチドがハイブリダイズ膜に付着され、そして
標識された標的DNAとハイブリダイズされる場合に、PCR増幅された標的D
NAまたは多くの異なる変異にハイブリダイズされる。
【0312】 あるいは、選択的PCR増幅に依存する対立遺伝子特異的増幅技術は、本発明
と合わせて使用され得る。特異的増幅についてのプライマーとして使用されるオ
リゴヌクレオチドは、分子の中心において(その結果、増幅は、差次的ハイブリ
ダイゼーションに依存する)(Gibbsら(1989)Nucleic Ac
ids Res 17:2437〜2448)か、あるいは適切な条件下でミス
マッチが妨げられ得るかまたはポリメラーゼ伸長を減少し得る、1つのプライマ
ーの3’の最末端で、目的の変異を保有し得る(Prossner(1993)
Tibtech 11:238)。さらに、切断に基づく検出を行うために、変
異領域に新規な制限部位を導入することは、切断に基づく検出を行うために望ま
しくあり得る。例えば、Gaspariniら(1992)Mol Cell
Probes 6:1を参照のこと。特定の実施形態において、増幅はまた、増
幅用Taqリガーゼを使用して実施され得ることが予測される。例えば、Bar
any(1991)Proc Natl Acad Sci USA 88:1
89を参照のこと。このような場合において、連結は、5’配列の3’末端に完
全なマッチが存在する場合にのみ生じ、増幅の存在または非存在を探索すること
によって、特定の部位における既知の変異の存在を検出することを可能にする。
【0313】 本明細書中に記載される方法は、例えば、本明細書中に記載れる少なくとも1
つのプローブ核酸または抗体試薬を含む、予めパッケージングされた診断キット
を利用することによって実施され得、これは、例えば、NOVX遺伝子を含む疾
患または疾病の症状または家族病歴を示す患者を診断するための臨床的設定にお
いて簡便に使用され得る。
【0314】 さらに、NOVXが発現される任意の細胞型または組織(好ましくは、末梢血
白血球)は、本明細書中に記載される予後アッセイにおいて利用され得る。しか
し、有核細胞を含む任意の生物学的サンプル(例えば、頬粘膜細胞を含む)が、
使用され得る。
【0315】 (薬理ゲノム学(Pharmacogenomics)) NOVX活性(例えば、NOVX遺伝子発現)に対する刺激性または阻害性の
影響を有する因子、すなわちモジュレーターは、本明細書中に記載されるスクリ
ーニングアッセイによって同定されるように、異常な細胞増殖、分化および移動
により特徴付けられる障害(例えば、癌、新血管形成、アテローム硬化症および
肥満)、神経学的障害(例えば、発作、ペンドレッド症候群、多発性漿膜炎およ
びアルツハイマー病)、ケラチノサイト欠損(例えば、損傷性乾癬の皮膚)、虚
血性障害(例えば、糖尿病性網膜症)、肝臓障害(例えば、肝硬変)、ならびに
膵臓障害(例えば、急性膵炎)を処置(予防的または治療的に)するために個体
に投与され得る。このような処置と合わせて、個体の薬理ゲノム学(すなわち、
個体の遺伝子型と外来化合物または薬物に対するその個体の応答との間の関係に
ついての研究)が、考慮され得る。治療剤の代謝における差異は、薬理学的に活
性な薬物の用量と血中濃度との間の関係を変更することによって、重篤な毒性ま
たは治療の失敗を導き得る。従って、個体の薬理ゲノム学は、個体の遺伝子型の
考慮に基づく予防的または治療的処置のために有効な薬剤(例えば、薬物)の選
択を許容する。このような薬理ゲノム学は、さらに、適切な投薬量および治療剤
レジメンを決定するために使用され得る。従って、NOVXタンパク質の活性、
NOVX核酸の発現、あるいは個体におけるNOVX遺伝子の変異含量が決定さ
れて、それによって個体の治療的または予防的処置のために適切な薬剤を選択し
得る。
【0316】 薬理ゲノム学は、罹患された人おける変更された薬物の性質および異常な作用
に起因して、薬物に応答する臨床的に有意な遺伝性変更を扱う。例えば、Eic
helbaum、1996、Clin Exp Pharmacol Phys
iol,23:983〜985およびLinder、1997、Clin Ch
em,43:254〜266を参照のこと。一般に、2つの型の薬理ゲノム学状
態が、区別され得る。薬物が身体に作用する方法を変更する1つの因子として伝
達される遺伝的状態(変更された薬物作用)、または身体が薬物に作用する方法
を変更する1つの因子として伝達される遺伝的状態(変更された薬物代謝)。こ
れらの薬理ゲノム学状態は、稀な欠損としてか、または多型としてのいずれかで
生じ得る。例えば、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)欠損
は、一般的な遺伝性酵素病であり、この主な臨床的合併症は、酸化剤薬物(抗マ
ラリア剤、スルホンアミド、鎮痛薬、ニトロフラン)の摂取およびソラマメの消
費後の溶血である。
【0317】 例示的な実施形態として、薬物代謝酵素の活性は、薬物作用の強度および持続
期間の両方の主要な決定因子である。薬物代謝酵素(例えば、N−アセチルトラ
ンスフェラーゼ2(NAT2)およびシトクロムP450酵素CYP2D6およ
びCYP2C19)の遺伝的多型の発見は、幾人かの患者が予期される薬物効果
を得ないか、または標準的かつ安全な用量の薬物を摂取した後に過大な薬物応答
および深刻な毒性を示すことに関しての説明を提供した。これらの多型は、集団
において2つの表現型(高い代謝能を持つ人(extensive metab
olizer)(EM)および低い代謝能を持つ人(poor metabol
izer)(PM))で表現される。PMの有病率は、異なる集団の間で異なる
。例えば、CYP2D6をコードする遺伝子は高度に多型であり、そしていくら
かの変異がPMにおいて同定されており、この全ては機能的CYP2D6の非存
在に至る。CYP2D6およびCYP2C19の低い代謝能を持つ人は、彼らが
標準的な用量を受ける場合に、かなり頻繁に過大な薬物応答および副作用を経験
する。代謝産物が活性な治療的部分である場合、そのCYP2D6形成代謝産物
であるモルヒネによって媒介されるコデインの鎮痛効果について実証されるよう
に、PMは治療的応答を示さない。他の極端なものは、標準的な用量に応答しな
い、いわゆる超迅速な代謝能を持つ人である。最近、超迅速な代謝の基準となる
分子は、CYP2D6遺伝子増幅に起因していることが同定されている。
【0318】 従って、NOVXのタンパク質の活性、NOVXの核酸の発現、あるいは個体
におけるNOVXの遺伝子の変異内容を決定して、それによって、その個体の治
療的または予防的処置のために適切な薬剤を選択し得る。さらに、薬理ゲノム学
の研究を使用して、個体の薬物応答性の表現型の同定に対して薬物代謝酵素をコ
ードする多型対立遺伝子の遺伝子型を適用し得る。この知見は、用量または薬物
選択に適用される場合、有害な反応または治療の失敗を回避し得、従って、被験
体をNOVXの調節因子(例えば、本明細書中に記載される例示的なスクリーニ
ングアッセイの1つによって同定される調節因子)を用いて処置する場合に治療
的または予防的効率を増強し得る。
【0319】 (臨床試験中の効果のモニタリング) NOVXの発現または活性(例えば、異常な細胞増殖および/または分化を調
節する能力)に対する薬剤(例えば、薬物、化合物)の影響をモニタリングする
ことは、基本的な薬物スクリーニングおよび臨床試験に適用され得る。例えば、
本明細書中に記載されるようなスクリーニングアッセイによって決定される、N
OVXの遺伝子発現、タンパク質レベルを増加するため、またはNOVX活性を
アップレギュレートする薬剤の効力は、減少したNOVXの遺伝子発現、タンパ
ク質レベル、またはダウンレギュレートしたNOVXの活性を示す被験体の臨床
試験においてモニターされ得る。あるいは、スクリーニングアッセイによって決
定される、NOVXの遺伝子発現、タンパク質レベルを減少、またはNOVXの
活性をダウンレギュレートする薬剤の効力は、増加したNOVXの遺伝子発現、
タンパク質レベル、またはアップレギュレートしたNOVXの活性を示す被験体
の臨床試験においてモニターされ得る。このような臨床試験において、NOVX
の発現または活性、および好ましくは、例えば、増殖または神経障害に関与する
ような他の遺伝子が、「リードアウト(読み出し)(read out)」、す
なわち、特定の細胞の応答性のマーカーとして使用され得る。
【0320】 例えば、NOVXを含む遺伝子(これは、NOVX活性(例えば、本明細書中
に記載されるようなスクリーニングアッセイにおいて同定される)を調節する薬
剤(例えば、化合物、薬物または低分子)を用いる処置によって、細胞内で調節
される)が、同定され得る。従って、細胞性増殖障害に対する薬剤の効果を研究
するために、例えば、臨床試験において、細胞が単離され得、そしてRNAが調
製され得、そしてNOVXおよびこの障害に関与する他の遺伝子の発現のレベル
について分析され得る。遺伝子発現のレベル(すなわち、遺伝子発現パターン)
は、本明細書中に記載されるように、ノーザンブロット分析もしくはRT−PC
Rによるか、あるいは産生されるタンパク質の量を測定することによるか、本明
細書中に記載されるような方法の1つによるか、あるいはNOVXまたは他の遺
伝子の活性のレベルを測定することによって、定量され得る。この様式で、この
遺伝子発現パターンは、この薬剤に対する細胞の生理学的応答の指標であるマー
カーとして作用し得る。従って、この応答状態は、この薬剤を用いる個体の処置
の前、および処置の間の種々の時点で、決定され得る。
【0321】 1つの実施形態において、本発明は、薬剤(例えば、アゴニスト、アンタゴニ
スト、タンパク質、ペプチド、核酸、ペプチド模倣物、低分子、または本明細書
中に記載されるスクリーニングアッセイによって同定される他の薬物候補物)を
用いる、被験体の処置の効力をモニタリングするための方法を提供し、これは、
以下の工程を包含する:(i)薬剤の投与の前に、被験体から投与前サンプルを
得る工程;(ii)この投与前サンプルにおいて、NOVXのタンパク質、mR
NA、またはゲノムDNAの発現のレベルを検出する工程;(iii)この被験
体から1つ以上の投与後サンプルを得る工程;(iv)この投与後サンプルにお
いて、NOVXのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現または活性
のレベルを検出する工程;(v)この投与前サンプルにおけるNOVXのタンパ
ク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現または活性のレベルを、この投与後
サンプルにおけるNOVXのタンパク質、mRNA、またはゲノムDNAの発現
または活性のレベルと比較する工程;ならびに(vi)従って、この被験体に対
する薬剤の投与を変更する工程。例えば、この薬剤の増加した投与は、検出され
るよりも高いレベルにNOVXの発現または活性を増加することが(すなわち、
この薬剤の効力を増加すること)望ましくあり得る。あるいは、この薬剤の減少
した投与は、検出されるよりも低いレベルにNOVXの発現または活性を減少す
ることが(すなわち、この薬剤の効力を減少すること)望ましくあり得る。
【0322】 (処置方法) 本発明は、異常なNOVXの発現または活性に関連する障害の危険性のある(
または感受性)か、またはこの障害を有する被験体を処置する予防的および治療
的の両方の方法を提供する。異常なNOVX発現に関連する障害には、例えば、
異常な細胞増殖、分化および移動により特徴付けられる障害(例えば、癌、新血
管形成、アテローム硬化症および肥満)、神経学的障害(例えば、発作、ペンド
レッド症候群、多発性漿膜炎およびアルツハイマー病)、ケラチノサイト欠損(
例えば、損傷性乾癬の皮膚)、虚血性障害(例えば、糖尿病性網膜症)、肝臓障
害(例えば、肝硬変)、ならびに膵臓障害(例えば、急性膵炎)が挙げられる。
これらの治療方法は、以下により詳細に記載される。
【0323】 (疾患および障害) (その疾患または障害に罹患していない被験体と比較して)増加したレベルま
たは生物学的活性によって特徴付けられる疾患および障害は、活性を拮抗する(
すなわち、低減または阻害する)治療剤を用いて処置され得る。活性を拮抗する
治療剤は、治療的または予防的な様式で、投与され得る。利用され得る治療剤と
しては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(i)上記ペプチド、ま
たはそのアナログ、誘導体、フラグメントもしくはホモログ;(ii)上記ペプ
チドに対する抗体;(iii)上記ペプチドをコードする核酸;(iv)相同組
換えによって上記ペプチドの内因性機能を「ノックアウトする」ために利用され
る、アンチセンス核酸および「機能不全性」である(すなわち、上記ペプチドに
対するコード配列のコード配列内の異種挿入に起因する)核酸の投与、(例えば
、Capecchi、1989、Science 244:1288〜1292
を参照のこと);または(v)上記ペプチドとその結合パートナーとの間の相互
作用を変化させる、調節因子(すなわち、インヒビター、アゴニストおよびアン
タゴニスト(本発明のさらなるペプチド模倣物または本発明のペプチドに対して
特異的な抗体を含む))。
【0324】 (その疾患または障害に罹患していない被験体と比較して)減少したレベルま
たは生物学的活性によって特徴付けられる疾患および障害は、活性を増加させる
(すなわち、活性に対するアゴニストである)治療剤を用いて処置され得る。活
性をアップレギュレートする治療剤は、治療的または予防的な様式で、投与され
得る。利用され得る治療剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されな
い:上記ペプチド、またはそのアナログ、誘導体、フラグメントもしくはホモロ
グ;あるいはバイオアベイラビリティーを増加させるアゴニスト。
【0325】 増加したレベルまたは減少したレベルは、ペプチドおよび/またはRNAを定
量することによって、容易に検出され得る。この定量は、患者の組織サンプルを
(例えば、生検組織から)入手し、そしてそのサンプルを、その発現したペプチ
ド(または上記ペプチドのmRNA)のRNAレベルまたはペプチドレベル、構
造および/または活性をインビトロでアッセイすることによる。当該分野におい
て周知の方法としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:イムノア
ッセイ(例えば、ウェスタンブロット分析、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)
ポリアクリルアミドゲル電気泳動が後に続く免疫沈降、免疫細胞化学などによる
)および/またはmRNAの発現を検出するためのハイブリダイゼーションアッ
セイ(例えば、ノーザンアッセイ、ドットブロット、インサイチュハイブリダイ
ゼーションなど)。
【0326】 (予防的方法) 1つの局面において、本発明は、被験体において異常なNOVXの発現または
活性と関連する疾患または状態を、NOVXの発現または少なくとも1つのNO
VX活性を調節する薬剤をこの被験体に投与することによって予防するための方
法を提供する。異常なNOVXの発現または活性によって引き起こされるかまた
はこれらに起因する、疾患にかかる危険がある被験体は、例えば、本明細書中に
記載の診断アッセイまたは予後アッセイのいずれか、またはそれらの組み合わせ
によって、同定され得る。予防薬剤の投与は、疾患または障害が予防されるか、
あるいはその進行を遅らせられるように、このNOVX異常の特徴である症状の
発現の前に行い得る。このNOVX異常の型に依存して、例えば、NOVXアゴ
ニスト薬剤またはNOVXアンタゴニスト薬剤が、その被験体を処置するために
使用され得る。その適切な薬剤は、本明細書中に記載のスクリーニングアッセイ
に基づいて決定され得る。本発明の予防方法は、以下の小区分において、さらに
議論される。
【0327】 (治療方法) 本発明の別の局面は、治療目的のためにNOVXの発現または活性を調節する
方法に関する。本発明の調節方法は、細胞を、その細胞に関するNOVXタンパ
ク質活性の活性のうちの1つ以上を調節する薬剤と接触させる工程を包含する。
NOVXタンパク質活性を調節する薬剤は、核酸またはタンパク質、NOVXタ
ンパク質の天然に存在する同族リガンド、ペプチド、NOVXペプチド模倣物、
または他の低分子のような、本明細書中に記載されるような薬剤であり得る。1
つの実施形態において、この薬剤は、NOVXタンパク質活性のうちの1つ以上
を刺激する。このような刺激薬剤の例としては、活性なNOVXタンパク質、お
よびその細胞に導入されたNOVXをコードする核酸分子が挙げられる。別の実
施形態において、この薬剤は、NOVXタンパク質活性のうちの1つ以上を阻害
する。このような阻害薬剤の例としては、アンチセンスNOVX核酸分子、およ
び抗NOVX抗体が挙げられる。これらの調節方法は、インビトロで(例えば、
その薬剤とともにその細胞を培養することによって)、あるいはインビボで(例
えば、被験体にその薬剤を投与することによって)実施され得る。このように、
本発明は、NOVXのタンパク質または核酸分子の、異常な発現または異常な活
性によって特徴付けられる、疾患または障害に罹患した個体を処置する方法を提
供する。1つの実施形態において、この方法は、NOVXの発現または活性を調
節する(例えば、アップレギュレートまたはダウンレギュレートする)薬剤(例
えば、本明細書中に記載のスクリーニングアッセイによって同定される薬剤)あ
るいはそのような薬剤の組み合わせを投与する工程を包含する。別の実施形態に
おいて、この方法は、NOVXのタンパク質または核酸分子を、低減したかまた
は異常な、NOVXの発現または活性を補償するための治療として、投与する工
程を包含する。
【0328】 NOVX活性の刺激は、NOVXが異常にダウンレギュレートされている状況
、および/またはNOVX活性の増加が有益な効果を有するようである状況にお
いて、望ましい。このような状況の1つの例は、被験体が、異常な細胞増殖およ
び/または細胞分化によって特徴付けられる障害(例えば、癌または免疫関連)
を有する場合である。このような状況の別の例は、被験体が免疫不全疾患(例え
ば、AIDS)を有する場合である。
【0329】 本発明の抗体(ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、およ
び完全なヒト抗体を含む)は、治療剤として使用され得る。このような薬剤は、
一般的に、被験体における疾患および病理を処置または予防するために使用され
る。抗体調製物(好ましくは、その標的抗原について高い特異性および高い親和
性を有するもの)は、被験体に対して投与され、そして一般的に、その標的との
結合に起因して効果を有する。このような効果は、所定の抗体分子と問題の標的
抗原との間の相互作用の特異的性質に依存して、2つの種類のうちの1つであり
得る。第1の例では、抗体の投与は、標的とそれが天然に結合する内因性リガン
ドとの結合を抑止または阻害し得る。この場合、抗体は、標的に結合し、そして
天然に存在するリガンドの結合部位をマスクし、ここでそのリガンドは、エフェ
クター分子として働く。従って、レセプターは、シグナル伝達経路を媒介する。
そのリガンドは、シグナル伝達の原因である。
【0330】 あるいは、その効果は、標的分子上のエフェクター結合部位への結合によって
、抗体が生理学的結果を誘発するものであり得る。この場合、標的(存在し得な
いかまたは疾患もしくは病理を欠損し得る内因性リガンドを有するレセプター)
が、代理のエフェクターリガンドとして抗体を結合して、レセプターによって、
レセプターに基づくシグナル伝達事象を開始する。
【0331】 治療的に有効な量の本発明の抗体は、治療目的を達成するために必要とされる
量を一般的にいう。上記のように、これは、いくつかの場合において標的の機能
を妨害し、そして他の場合において生理学的応答を促進する、抗体とその標的抗
原の間の結合相互作用であり得る。投与されるために必要とされる量は、その特
異的抗原についての抗体の結合親和性にさらに依存し、そしてまた、その量は、
投与される抗体が、その抗体が投与される自由な体積の他の被験体から枯渇され
る速度に依存する。本発明の抗体または抗体フラグメントの治療的有効用量の一
般的な範囲は、非限定的な量として、約0.1mg/kg体重〜約50mg/k
g体重である。一般的な投薬の頻度は、例えば、毎日2回〜1週間に1回の範囲
であり得る。
【0332】 (治療剤の生物学的効果の決定) 本発明の種々の実施形態において、適切なインビトロまたはインビボアッセイ
を行って、特定の治療剤の効果およびその投与が罹患組織の処置を示すか否かを
決定する。
【0333】 種々の特定の実施形態において、インビトロアッセイが患者の障害に関与する
代表的な細胞型で行われ、所定の治療剤がこの細胞型に対して所望の効果を発揮
するか否かを決定し得る。治療において使用する化合物は、ヒト被験体において
試験する前に適切な動物モデル系において試験され得る。これらの動物モデル系
としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ラット、マウス、ニワ
トリ、ウシ、サル、ウサギなど。同様に、インビボ試験については、当該分野で
公知の任意の動物モデル系が、ヒト被験体に対する投与の前に使用され得る。
【0334】 本発明はさらに、以下の実施例において記載され、この実施例は、特許請求の
範囲において記載される本発明の範囲を限定しない。
【0335】 (実施例) (実施例1:本発明の核酸を同定する方法) 新規な核酸配列を、GenBankによって利用可能にされたGenomic
Daily Filesに対して実行したCuraGen Corporat
ionの配列ファイルを使用するTblastNによって同定した。核酸配列を
、エキソンの選択を含むプログラムGenScanTMによってさらに予測した。
これらを、BLAST検索を用いて類似性によってさらに改変した。次いで配列
を、見かけの不一致について手動で補正し、それによって全長タンパク質をコー
ドする配列を得た。
【0336】 (実施例2:NOV11(CG54656−05)核酸をクローニングする方
法) NOV11(登録番号CG54656−05)の配列を、インシリコでの配列
の予測によって、cDNAフラグメントの実験室でのクローニングによって誘導
した。全長DNA配列、またはその配列の一部、またはその両方のいずれかを網
羅するcDNAフラグメントをクローニングした。インシリコ予測は、Cura
genが権利を有する配列データベースまたは公的なヒト配列のデータベースに
おいて利用可能であり、そして全長DNA配列またはそのいくらかの部分のいず
れかが提供される。
【0337】 研究室クローニングを、以下に要約される方法の1つ以上を使用して実行した
: SeqCallingTM技術:cDNAを、種々のヒトサンプルより誘導する
。このサンプルは、複数の組織型、正常および疾患状態、生理的状態、および異
なるドナー由来の発生学的状態を表す。サンプルを、組織全体、初代細胞または
組織培養初代細胞または細胞株として得た。細胞および細胞株を、遺伝子発現を
調節する生物学的薬剤(例えば、増殖因子、ケモカイン、またはステロイド)で
処理し得た。次いで、誘導されたcDNAを、CuraGenが権利を有するS
eaCalling技術を使用して配列決定した。配列の追跡(trace)を
、手動で評価し、そして適切な場合、訂正のために編集した。すべてのサンプル
からの配列の追跡を一緒に集めて、ときどき公的なヒト配列を含め、バイオイン
フォマティックプログラムを使用して各アセンブリについてコンセンサス配列を
産生する。各アセンブリをCuraGen Corporationのデータベ
ースに含める。配列を、アセンブリについての成分として含め、このとき、別の
成分との同一性の程度は、50bpにわたって少なくとも95%であった。各ア
センブリは遺伝子またはその部分を表し、そして改変体(例えば、単一ヌクレオ
チド多型(SNP)、挿入、欠失、および他の配列改変体を形成するスプライシ
ング)の情報を含む。
【0338】 エキソン連結:CG54656−05配列をコードするcDNAを、以下のプ
ライマーを使用してポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってクローニングした
: CAGCTCGCTGTCTTGGTGGTC(配列番号64)および TCACAGGATGATGACACAAGCTCC(配列番号65) プライマーを、本発明のcDNA/タンパク質配列の全長またはいくらかの部
分(1以上のエキソン)のインシリコ予測に基づいて設計した。これらのプライ
マーを使用して、以下の組織に由来する発現したヒト配列を含むプールからcD
NAを増幅した:副腎、骨髄、脳−扁桃、脳−小脳、脳−海馬、脳−黒質、脳−
視床、脳−全体、胎児脳、胎児腎臓、胎児肝臓、胎児肺、心臓、腎臓、リンパ腫
−ラージ、乳腺、膵臓、下垂体、胎盤、前立腺、唾液腺、骨格筋、小腸、脊髄、
脾臓、胃、精巣、甲状腺、気管、および子宮。
【0339】 複数のクローンを配列決定し、そしてこれらのフラグメントを一緒に集め、と
きどき公的なヒト配列を含め、バイオインフォマティックプログラムを使用して
各アセンブリについてコンセンサス配列を産生する。各アセンブリをCuraG
en Corporationのデータベースに含める。配列を、アセンブリに
ついての成分として含め、このとき、別の成分との同一性の程度は、50bpに
わたって少なくとも95%であった。各アセンブリは遺伝子またはその部分を表
し、そして改変体(例えば、単一ヌクレオチド多型(SNP)、挿入、欠失、お
よび他の配列改変体を形成するスプライシング)の情報を含む。
【0340】 物理的クローン:オープンリーディングフレーム全体を網羅するエキソン連結
によって誘導したPCR産物を、InvitrogenからのpCR2.1ベク
ターにクローニングして、クローンGM38019075_A.698002.
B7を提供した。
【0341】 (実施例3:NOV3(CG53063−01または94115520 EX
T)の発現プロフィール生成) パネル1.3(表38):このプロフィールを、特異的遺伝子プローブおよび
プライマーセット(Ag809)を用いて、37の正常ヒト組織および59のヒ
ト癌細胞株のパネルから生成した。この遺伝子は、正常胎児心臓および成体脾臓
において高度に発現され、そしてより少ない程度には、正常精巣、前立腺、卵巣
、乳腺、気管、胃、結腸直腸組織、脳、下垂体および唾液腺において発現される
【0342】 パネル4D(表39):このプロフィールを、いくつかのヒト細胞株のパネル
から生成した。これらのヒト細胞株は、処理していないか、または免疫応答を調
節する広範な種々の因子で処理したかのいずれかであった。このパネルは、正常
結腸が高レベルでこの転写物を発現するが、それに対して3つの異なる炎症性腸
疾患組織は発現しなかったことを示す。
【0343】
【化1】
【0344】
【表38】
【0345】
【表39】 (実施例4:NOV6(CG53980−01またはAL031704 A)
の発現プロフィール生成) パネル1.3(表40):このプロフィールを、特異的遺伝子プローブおよび
プライマーセット(Ag547)を用いて、37の正常ヒト組織および59のヒ
ト癌細胞株のパネルから生成した。この遺伝子は、正常精巣、胎盤および結腸直
腸組織において高度に発現される。
【0346】 パネル4D(表41):このプロフィールを、いくつかのヒト細胞株のパネル
から生成した。これらのヒト細胞株は、処理していないか、または免疫応答を調
節する広範な種々の因子で処理したかのいずれかであった。このパネルは、正常
結腸が高レベルでこの転写物を発現するが、それに対して3つの異なる炎症性腸
疾患組織は発現しなかったことを示す。
【0347】
【化2】
【0348】
【表40】
【0349】
【表41】 (実施例5:NOV11(CG54565−05)の発現プロフィール生成) パネル4D(表42):CG54656−05転写物を、炎症性サイトカイン
での処理後に、3つの異なる上皮細胞型においてアップレギュレートする。2つ
の細胞株は、肺組織(NCI H292気管細胞株)および肺毛細血管上皮細胞
起源である。ヒト臍帯静脈上皮細胞(HUVEC)もまた、活性化の際にこの転
写物の発現をアップレギュレートする。
【0350】
【化3】
【0351】
【表42】 (実施例6:NOV8(CG58604または416 d 14 A)の発現
プロフィール生成) CG58604転写物のTaqMan発現プロフィール生成: パネル1.1(表43および45):脳を除き、大部分の正常組織においてこ
の転写物の発現は非常に低い。正常肺におけるこの転写物の発現は、非常に低い
【0352】 パネル4D(表44および46):CG58604の肺線維芽細胞発現は、I
L−13により高度にアップレギュレートされる。この転写物はまた、IL−4
処理表皮線維芽細胞で発現される。
【0353】
【化4】
【0354】
【表43】
【0355】
【表44】
【0356】
【表45】
【0357】
【表46】 (他の実施形態) 本発明は、その詳細な説明とともに記載されてきたが、前述の説明は例示であ
って、本発明の範囲を限定することを意図するのではない。本発明の範囲は、添
付の特許請求の範囲の範囲により規定される。他の局面、利点および改変は、上
記の特許請求の範囲の範囲内にある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 39/395 A61P 1/16 4C084 48/00 1/18 4C085 A61P 1/16 3/04 4C086 1/18 9/10 4H045 3/04 9/14 9/10 17/06 9/14 25/28 17/06 35/00 25/28 C07K 14/47 35/00 16/18 C07K 14/47 C12N 1/15 16/18 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12Q 1/02 1/21 1/68 A 5/10 G01N 33/15 Z C12Q 1/02 33/50 Z 1/68 33/53 D G01N 33/15 M 33/50 33/566 33/53 C12P 21/08 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 A // C12P 21/08 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 60/190,972 (32)優先日 平成12年3月22日(2000.3.22) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/191,199 (32)優先日 平成12年3月22日(2000.3.22) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/191,947 (32)優先日 平成12年3月24日(2000.3.24) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/192,665 (32)優先日 平成12年3月28日(2000.3.28) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/192,657 (32)優先日 平成12年3月28日(2000.3.28) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/192,984 (32)優先日 平成12年3月28日(2000.3.28) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/192,664 (32)優先日 平成12年3月28日(2000.3.28) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/192,836 (32)優先日 平成12年3月29日(2000.3.29) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/193,843 (32)優先日 平成12年3月31日(2000.3.31) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US, UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 マジャンダー, クムド アメリカ合衆国 コネチカット 06905, スタンフォード, シルバー ヒル レ ーン 140 (72)発明者 スペイデルナ, スティーブン ケイ. アメリカ合衆国 コネチカット 06037, ベルリン, ディアフィールド ドライ ブ 261 (72)発明者 スミスソン, グレンダ アメリカ合衆国 コネチカット 06405, ブランフォード, 32エイ, メイン ストリート 81 (72)発明者 メゼス, ピーター エス. アメリカ合衆国 コネチカット 06371, オールド ライム, クラークス レー ン 7 (72)発明者 バーネット, コリン エイ.エム. アメリカ合衆国 コネチカット 06471, ノース ブランフォード, ボックス エル, フォクソン ロード 1739 Fターム(参考) 2G045 AA40 DA12 DA13 DA14 DA36 FB02 FB03 4B024 AA01 AA11 BA02 BA14 BA31 BA41 BA63 CA01 CA04 CA09 DA02 DA06 EA02 EA04 FA02 GA11 GA18 GA19 HA03 HA14 4B063 QA01 QA18 QQ20 QQ42 QR32 QR38 QR48 QR55 QR77 QR82 QS25 QS34 QS39 QX02 QX07 4B064 AG27 CA10 CA20 CC24 DA01 DA13 4B065 AA26X AA90X AB01 AC14 BA02 CA24 CA33 CA44 CA46 4C084 AA02 AA07 AA13 BA01 BA02 BA08 BA22 BA23 BA31 CA18 DA01 DA40 DC01 NA14 ZA151 ZA161 ZA331 ZA441 ZA451 ZA661 ZA701 ZA751 ZA891 ZB261 ZC351 ZC412 4C085 AA13 AA14 BB11 CC02 CC03 CC21 DD62 EE01 4C086 AA01 AA03 EA16 MA01 MA04 NA14 ZA15 ZA16 ZA33 ZA44 ZA45 ZA66 ZA70 ZA75 ZA89 ZB26 ZC35 ZC41 4H045 AA10 AA11 AA30 BA10 CA40 DA38 DA50 DA76 DA86 DA89 EA20 EA50 FA72 FA74

Claims (43)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単離されたポリペプチドであって、以下: a)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22ま
    たは24からなる群より選択されるアミノ酸配列の成熟形態; b)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22ま
    たは24からなる群より選択されるアミノ酸配列の成熟形態の改変体であって、
    ここで、該成熟形態中の任意のアミノ酸が異なるアミノ酸に改変され、ただし、
    該成熟形態の配列中の15%以下のアミノ残基がそのように改変される、改変体
    ; c)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22ま
    たは24からなる群より選択されるアミノ酸配列; d)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22ま
    たは24からなる群より選択されるアミノ酸配列の改変体であって、ここで該選
    択された配列中で特定される任意のアミノ酸が異なるアミノ酸に改変され、ただ
    し、該配列中の15%以下のアミノ酸残基がそのように改変される、改変体;お
    よび e)a)〜d)のいずれかのフラグメント からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、ポリペプチド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリペプチドであって、該ポリペプチドが
    、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22または
    24からなる群より選択される配列の天然に存在する対立遺伝子改変体である、
    ポリペプチド。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のポリペプチドであって、ここで、前記改変
    体が単一ヌクレオチド多型の翻訳である、ポリペプチド。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のポリペプチドであって、該ポリペプチドが
    請求項1に記載の改変体ポリペプチドであり、ここで、前記選択された配列中で
    特定される任意のアミノ酸が保存的置換を提供するように改変される、ポリペプ
    チド。
  5. 【請求項5】 単離された核酸分子であって、該核酸分子が、以下: a)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22ま
    たは24に提供されるアミノ酸配列の成熟形態; b)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22ま
    たは24からなる群より選択されるアミノ酸配列の成熟形態の改変体であって、
    ここで、該選択された配列の該成熟形態中の任意のアミノ酸が異なるアミノ酸に
    改変され、ただし、該成熟形態の配列中の15%以下のアミノ残基がそのように
    改変される、改変体; c)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22ま
    たは24からなる群より選択されるアミノ酸配列; d)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22ま
    たは24からなる群より選択されるアミノ酸配列の改変体であって、該選択され
    た配列中で特定される任意のアミノ酸が異なるアミノ酸に改変され、ただし、該
    配列中の15%以下のアミノ酸残基がそのように改変される、改変体; e)配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22も
    しくは24からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドまたは該
    ポリペプチドの任意の改変体の、少なくとも一部をコードする核酸フラグメント
    であって、ここで、該選択された配列の任意のアミノ酸が異なるアミノ酸に改変
    され、ただし、該配列中の10%以下のアミノ酸残基がそのように変化される、
    核酸フラグメント;および f)該核酸分子のいずれかの相補体 からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸配
    列を含む、核酸分子。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子が
    天然に存在する対立遺伝子核酸改変体のヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
  7. 【請求項7】 改変体ポリペプチドをコードする請求項5に記載の核酸分子
    であって、ここで、該改変体ポリペプチドが天然に存在するポリペプチド改変体
    のポリペプチド配列を有する、核酸分子。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子が
    前記改変体ポリペプチドをコードする単一ヌクレオチド多型を含む、核酸分子。
  9. 【請求項9】 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子が
    以下: a)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21また
    は23からなる群より選択されるヌクレオチド配列; b)ヌクレオチド配列であって、ここで、配列番号1、3、5、7、9、11
    、13、15、17、19、21または23からなる群より選択されるヌクレオ
    チド配列中の1つ以上のヌクレオチドが、該選択された配列からなる群より選択
    されるヌクレオチドから異なるヌクレオチドに改変され、ただし、15%以下の
    ヌクレオチドがそのように改変される、ヌクレオチド配列; c)配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21また
    は23からなる群より選択される配列の核酸フラグメント;および d)核酸フラグメントであって、ここで、配列番号1、3、5、7、9、11
    、13、15、17、19、21または23からなる群より選択されるヌクレオ
    チド配列中の1つ以上のヌクレオチドが、該選択された配列からなる群より選択
    されるヌクレオチドから異なるヌクレオチドに改変され、ただし、15%以下の
    ヌクレオチドがそのように改変される、核酸フラグメント; からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
  10. 【請求項10】 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子
    が、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21または
    23からなる群より選択されるヌクレオチド配列または該ヌクレオチド配列の相
    補鎖にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする、核酸分子。
  11. 【請求項11】 請求項5に記載の核酸分子であって、ここで、該核酸分子
    が、以下:前記選択されたヌクレオチド配列のコード配列において特定される任
    意のヌクレオチドが、該選択された配列からなる群より選択されるヌクレオチド
    から異なるヌクレオチドに改変され、ただし、該選択されたコード配列中の15
    %以下のヌクレオチドがそのように変化されるヌクレオチド配列、および第1の
    ポリヌクレオチドに相補的な単離された第2のポリヌクレオチド、 を含む、核酸分子。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の核酸分子を含む、ベクター。
  13. 【請求項13】 前記核酸分子に作動可能に連結されたプロモーターをさら
    に含む、請求項12に記載のベクター。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載のベクターを含む、細胞。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載のポリペプチドに免疫特異的に結合する、
    抗体。
  16. 【請求項16】 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項15に記載
    の抗体。
  17. 【請求項17】 前記抗体がヒト化抗体である、請求項15に記載の抗体。
  18. 【請求項18】 サンプル中の請求項1に記載のポリペプチドの存在または
    量を測定するための方法であって、該方法は、以下: (a)該サンプルを提供する工程; (b)該サンプルを該ポリペプチドに免疫特異的に結合する抗体に導入する工
    程;および (c)該ポリペプチドに結合する抗体の存在または量を測定して、それによっ
    て該サンプル中のポリペプチドの存在または量を測定する工程 を包含する、方法。
  19. 【請求項19】 サンプル中の請求項5に記載の核酸分子の存在または量を
    測定するための方法であって、該方法は、以下: (a)該サンプルを提供する工程; (b)該サンプルを該核酸分子に結合するプローブに導入する工程;および (c)該核酸分子に結合する該プローブの存在または量を測定して、それによ
    って該サンプル中の該核酸分子の存在または量を測定する工程 を包含する、方法。
  20. 【請求項20】 請求項1に記載のポリペプチドに結合する因子を同定する
    方法であって、該方法は、以下: (a)該ポリペプチドを該因子に導入する工程;および (b)該因子が該ポリペプチドに結合するか否かを測定する工程 を包含する、方法。
  21. 【請求項21】 病態の処置における使用のための潜在的な治療因子を同定
    するための方法であって、ここで、該病態は、請求項1に記載のポリペプチドの
    異常な発現または異常な生理学的相互作用に関連し、該方法が、以下: (a)請求項1に記載のポリペプチドを発現しかつ該ポリペプチドに起因する
    特性または機能を有する細胞を提供する工程; (b)該細胞を候補物質を含有する組成物と接触させる工程;および (c)該物質が該ポリペプチドに起因し得る該性質または該機能を改変するか
    否かを測定し、これによって、該物質の存在中に観察された改変が、該細胞を該
    物質を欠く組成物と接触させた際に観察されない場合、該物質が潜在的な治療因
    子として同定される、工程 を包含する、方法。
  22. 【請求項22】 請求項1に記載のポリペプチドの活性を調節するための方
    法であって、該方法が、請求項1〜4に記載のポリペプチドを発現する細胞サン
    プルを、該ポリペプチドの活性を調節するに十分な量で該ポリペプチドに結合す
    る化合物と共に導入する工程を包含する、方法。
  23. 【請求項23】 請求項1に記載のポリペプチドと関連する病態を処置また
    は予防する方法であって、該方法が、そのような処置または予防が所望される被
    験体に、該被験体の該病態を処置または予防するに十分な量で請求項1に記載の
    ポリペプチドを投与する工程を包含する、方法。
  24. 【請求項24】 前記被験体がヒトである、請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 請求項1に記載のポリペプチドと関連する病態を処置また
    は予防する方法であって、該方法が、そのような処置または予防が所望される被
    験体に、該被験体の該病態を処置または予防するに十分な量でNOVX核酸を投
    与する工程を包含する、方法。
  26. 【請求項26】 前記被験体がヒトである、請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】 請求項1に記載のポリペプチドと関連する病態を処置また
    は予防する方法であって、該方法が、そのような処置または予防が所望される被
    験体に、該被験体の該病態を処置または予防するに十分な量でNOVX抗体を投
    与する工程を包含する、方法。
  28. 【請求項28】 前記被験体がヒトである、請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 請求項1に記載のポリペプチドおよび薬学的に受容可能な
    キャリアを含有する、薬学的組成物。
  30. 【請求項30】 請求項5に記載の核酸分子および薬学的に受容可能なキャ
    リアを含有する、薬学的組成物。
  31. 【請求項31】 請求項15に記載の抗体および薬学的に受容可能なキャリ
    アを含有する、薬学的組成物。
  32. 【請求項32】 請求項29に記載の薬学的組成物を1つ以上の容器に含む
    、キット。
  33. 【請求項33】 請求項30に記載の薬学的組成物を1つ以上の容器に含む
    、キット。
  34. 【請求項34】 請求項31に記載の薬学的組成物を1つ以上の容器に含む
    、キット。
  35. 【請求項35】 ヒトの疾患と関連する症候群を処置するための医薬品の製
    造における治療剤の使用であって、該疾患が請求項1に記載のポリペプチドと関
    連する病態から選択され、ここで、該治療剤が請求項1に記載のポリペプチドで
    ある、使用。
  36. 【請求項36】 ヒトの疾患と関連する症候群を処置するための医薬品の製
    造における治療剤の使用であって、該疾患が請求項1に記載のポリペプチドと関
    連する病態から選択され、ここで、該治療剤がNOVX核酸である、使用。
  37. 【請求項37】 ヒトの疾患と関連する症候群を処置するための医薬品の製
    造における治療剤の使用であって、該疾患が請求項1に記載のポリペプチドと関
    連する病態から選択され、ここで、該治療剤がNOVX抗体である、使用。
  38. 【請求項38】 請求項1に記載のポリペプチドと関連する病態に対する活
    性もしくは潜伏のモジュレーターまたは該病態の性質をスクリーニングするため
    の方法であって、該方法が、以下: a)請求項1に記載のポリペプチドと関連する病態に対する増加した危険性の
    試験動物に試験化合物を投与する工程であって、ここで、該試験動物は請求項1
    に記載のポリペプチドを組み換え発現する、工程; b)工程(a)の該化合物を投与する工程の後に該試験動物中の該ポリペプチ
    ドの活性を測定する工程;および c)該試験動物における該タンパク質の活性を、該ポリペプチドが投与されて
    いないコントロール動物における該ポリペプチドの活性と比較する工程であって
    、ここで、該コントロール動物と比較した該試験動物中の該ポリペプチドの活性
    における変化は、該試験化合物が請求項1に記載のポリペプチドと関連する病態
    の潜伏のモジュレーターまたは該病態の性質であることを示す、工程 を包含する、方法。
  39. 【請求項39】 請求項38に記載の方法であって、ここで、前記試験動物
    が、野生型試験動物と比較して増加したレベルで、試験タンパク質導入遺伝子を
    発現するかまたはプロモーターの制御下で該導入遺伝子を発現する、組換え試験
    動物であり、ここで、該プロモーターは、該導入遺伝子のネイティブな遺伝子プ
    ロモーターではない、方法。
  40. 【請求項40】 第1の哺乳動物被験体における請求項1に記載のポリペプ
    チドの変化したレベルと関連する疾患の存在または該疾患の性質を決定するため
    の方法であって、該方法が、以下: a)該第1の哺乳動物被験体由来のサンプル中の該ポリペプチドの発現レベル
    を測定する工程;および b)工程(a)の該サンプル中の該ポリペプチドの量を、該疾患を有さないこ
    とが既知であるかまたは該疾患にかかりにくいことが既知の、第2の哺乳動物被
    験体由来のコントロールサンプル中に存在する該ポリペプチドの量と比較する工
    程であって、 ここで、該コントロールサンプルと比較した場合の該第1の被験体における該
    ペプチドの発現レベルにおける変化が、該疾患の存在または該疾患の性質を示す
    、工程 を包含する、方法。
  41. 【請求項41】 第1の哺乳動物被験体における請求項5に記載の核酸分子
    の変化したレベルと関連する疾患の存在または該疾患の性質を決定するための方
    法であって、該方法が、以下: a)該第1の哺乳動物被験体由来のサンプル中の該核酸の量を測定する工程;
    および b)工程(a)の該サンプル中の該核酸の量を、該疾患を有さないことが既知
    であるかまたは該疾患にかかりにくいことが既知の、第2の哺乳動物被験体由来
    のコントロールサンプル中に存在する該核酸の量と比較する工程であって、 ここで、該コントロールサンプルと比較した場合の該第1の被験体における該
    核酸のレベルにおける変化が、該疾患の存在または該疾患の性質を示す、工程 を包含する、方法。
  42. 【請求項42】 哺乳動物において病理学的状態を処置する方法であって、
    該方法が、該病理状態を緩和するに十分な量でポリペプチドを該哺乳動物に投与
    する工程を包含し、ここで、該ポリペプチドが、配列番号2、4、6、8、10
    、12、14、16、18、20、22または24からなる群より選択されるア
    ミノ酸配列またはそれらの生物学的に活性なフラグメントを含むポリペプチドに
    少なくとも95%同一なアミノ酸配列を有するポリペプチドである、方法。
  43. 【請求項43】 哺乳動物の病理学的状態を処置する方法であって、該方法
    が、該病理学的状態を緩和するに十分な量で請求項15に記載の抗体を該哺乳動
    物に投与する工程を包含する、方法。
JP2001569361A 2000-03-20 2001-03-20 新規ポリペプチドおよびそれをコードする核酸 Withdrawn JP2003527859A (ja)

Applications Claiming Priority (23)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US19076800P 2000-03-20 2000-03-20
US19083500P 2000-03-20 2000-03-20
US60/190,768 2000-03-20
US60/190,835 2000-03-20
US19097200P 2000-03-22 2000-03-22
US19119900P 2000-03-22 2000-03-22
US60/190,972 2000-03-22
US60/191,199 2000-03-22
US19194700P 2000-03-24 2000-03-24
US60/191,947 2000-03-24
US19266500P 2000-03-28 2000-03-28
US19265700P 2000-03-28 2000-03-28
US19266400P 2000-03-28 2000-03-28
US19298400P 2000-03-28 2000-03-28
US60/192,984 2000-03-28
US60/192,664 2000-03-28
US60/192,657 2000-03-28
US60/192,665 2000-03-28
US19283600P 2000-03-29 2000-03-29
US60/192,836 2000-03-29
US19384300P 2000-03-31 2000-03-31
US60/193,843 2000-03-31
PCT/US2001/009093 WO2001070978A2 (en) 2000-03-20 2001-03-20 Polypeptides and nucleic acids encoding same

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003527859A true JP2003527859A (ja) 2003-09-24

Family

ID=27582713

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001569361A Withdrawn JP2003527859A (ja) 2000-03-20 2001-03-20 新規ポリペプチドおよびそれをコードする核酸

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP1232266A2 (ja)
JP (1) JP2003527859A (ja)
AU (1) AU4592001A (ja)
CA (1) CA2374073A1 (ja)
WO (1) WO2001070978A2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004533211A (ja) * 2000-11-27 2004-11-04 アリーナ・フアーマシユーチカルズ・インコーポレーテツド ヒトgタンパク質共役レセプターの内因性バージョンおよび非内因性バージョン
JP2013511104A (ja) * 2009-11-16 2013-03-28 マイクロソフト コーポレーション ブロブとしての仮想ハードドライブ管理

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2374073A1 (en) * 2000-03-20 2001-09-27 Curagen Corporation Novel polypeptides and nucleic acids encoding same
AU2001259565A1 (en) * 2000-05-04 2001-11-12 Incyte Genomics, Inc. Proteases
US20010051361A1 (en) * 2000-05-15 2001-12-13 Wei Shao Isolated human transporter proteins, nucleic acid molecules encoding human transporter proteins, and uses thereof
CA2412521A1 (en) * 2000-06-13 2001-12-20 Merck Patent Gesellschaft Mit Beschraenkter Haftung Thyrotropin-releasing hormone receptor-like gpcr (gprfwki)
AU2001272497A1 (en) * 2000-06-23 2002-01-02 Bayer Aktiengesellschaft Regulation of human mast cell protease 6-like enzyme
WO2002048358A2 (en) * 2000-12-14 2002-06-20 Bayer Aktiengesellschaft Regulation of human chemokine-like receptor
WO2003027142A1 (fr) * 2001-09-21 2003-04-03 Yamanouchi Pharmaceutical Co., Ltd. Nouveau recepteur couple a la proteine g

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5658758A (en) * 1995-03-24 1997-08-19 Human Genome Sciences Inc Polynucleotides encoding cytostatin I
US6063594A (en) * 1997-01-31 2000-05-16 Incyte Pharmaceuticals, Inc. DNA encoding a novel human anion channel
CA2374073A1 (en) * 2000-03-20 2001-09-27 Curagen Corporation Novel polypeptides and nucleic acids encoding same
CA2417195A1 (en) * 2000-07-27 2002-02-07 Incyte Genomics, Inc. G-protein coupled receptors

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004533211A (ja) * 2000-11-27 2004-11-04 アリーナ・フアーマシユーチカルズ・インコーポレーテツド ヒトgタンパク質共役レセプターの内因性バージョンおよび非内因性バージョン
JP2013511104A (ja) * 2009-11-16 2013-03-28 マイクロソフト コーポレーション ブロブとしての仮想ハードドライブ管理
US10628086B2 (en) 2009-11-16 2020-04-21 Microsoft Technology Licensing, Llc Methods and systems for facilitating communications with storage

Also Published As

Publication number Publication date
EP1232266A2 (en) 2002-08-21
WO2001070978A3 (en) 2002-06-27
WO2001070978A2 (en) 2001-09-27
CA2374073A1 (en) 2001-09-27
AU4592001A (en) 2001-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6960651B2 (en) TANGO 332 polypeptides
US20070031439A1 (en) Novel protein related to melanoma-inhibiting protein and uses thereof
CA2451454A1 (en) Therapeutic polypeptides, nucleic acids encoding same, and methods of use
CA2442574A1 (en) Novel proteins and nucleic acids encoding same
JP2003508030A (ja) 新規ポリペプチドおよびそれをコードする核酸
NZ527087A (en) Type 2 cytokine receptor and nucleic acids encoding same
JP2003527859A (ja) 新規ポリペプチドおよびそれをコードする核酸
JP2003529355A (ja) Wnt−7b様ポリペプチドおよびそれをコードする核酸
US20040023874A1 (en) Therapeutic polypeptides, nucleic acids encoding same, and methods of use
JP2003529350A (ja) ポリペプチドおよびそれをコードする核酸
US20030148485A1 (en) Novel polypeptides and nucleic acids encoding same
CA2443770A1 (en) Proteins and nucleic acids encoding same
JP2003514530A (ja) ポリペプチドおよびそれらをコードする核酸
WO2003025147A2 (en) Novel polynucleotides and proteins encoded thereby
US20030152939A1 (en) Novel secreted proteins and polynucleotides encoding them
JP2003526369A (ja) 新規ポリヌクレオチドおよび同一物をコードする核酸
JP2003507070A (ja) 活性化tリンパ球において発現される新規なポリヌクレオチドおよびそれによってコードされるタンパク質
WO2001036635A2 (en) Neurite outgrowth-promoting factor homologue and nucleic acids encoding same
US20030148935A1 (en) Novel nuclear factor polypeptides and nucleic acids encoding same
US20030087815A1 (en) Novel polypeptides and nucleic acids encoding same
US20030190708A1 (en) Novel hepatoma-derived growth factor-like proteins, polynucleotides encoding them and methods of use
JP2003509017A (ja) ヒトabc2輸送体およびその使用
US20030216308A1 (en) Novel polypeptides and nucleic acids encoding same
JP2003527108A (ja) ポリペプチドおよびポリペプチドをコードする核酸
JP2003511076A (ja) 大動脈カルボキシペプチダーゼ様タンパク質およびそれをコードする核酸

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080603