JP2002543553A - 吸収剤を利用した固体電解質及びその製造方法 - Google Patents

吸収剤を利用した固体電解質及びその製造方法

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JP2002543553A JP2000590240A JP2000590240A JP2002543553A JP 2002543553 A JP2002543553 A JP 2002543553A JP 2000590240 A JP2000590240 A JP 2000590240A JP 2000590240 A JP2000590240 A JP 2000590240A JP 2002543553 A JP2002543553 A JP 2002543553A
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ドン フン ジャン
サ フム キム
ハン ジュン キム
スン モ オ
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ファインセル カンパニー リミテッド
ドン フン ジャン
サ フム キム
キム・ハン・ジュン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、吸収剤を電解質膜内に導入することで、液体成分とリチウム塩が吸収できる空間を提供し、リチウムイオンに対し伝導性を持つ固体電解質、その製造方法及びその固体電解質を用いたリチウム二次電池に関するものである。 【解決手段】 上記の吸収剤は、粒子の大きさが40μm以下である高分子や無機物を使い、高分子結合剤は液体電解質に対して溶解度が低いものを用いる。上記の固体電解質は、常温で約10−4S/cm以上のイオン伝導度を持つだけでなく、水分により分解される液体電解質を電極と共にラミネーティングあるいはプレッシング等で組み立てた後、電池包装直前に添加する。そのため、電解質膜を製造する過程においては湿度と温度に影響を受けず、機械的強度が優れると同時にリチウム金属に対する反応性が低いので、リチウム二次電池の電解質として使用するのに適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、二次電池(rechargeable cell)に用いる電解質
膜(electrolyte film)に関するものである。より詳しくは、
吸収剤を含む電解質膜に、液体成分とリチウム塩(以下、二つを合わせて“液体
電解質”と称する)を導入し、二次電池の充放電過程において正極と負極間を移
動するイオンの移動経路を提供するものである。
【0002】 電池は正極と負極、それに電解質という三つの基本的な構成要素を持つ。負極
の材料としてはリチウム金属又はリチウムイオンが層間挿入(intercal
ation)できる化合物である場合が多い。より好ましくは炭素材料あるいは
高分子材料が用いられる。正極の材料としてはリチウムイオンの層間挿入ができ
る材料が大部分である。好ましくは、リチウムコバルト酸化物(LiCoO )、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)、リチウムニッケルコバルト酸
化物(LiNiCo1−y)、スピネル形リチウムマンガン酸化物(L
Mn)、二酸化マンガン(MnO)等のような酸化物あるいは高分
子材料が使える。上記の電解質膜に液体電解質を導入すればイオン伝導性マトリ
ックス(matrix)に成る。
【0003】 (背景技術) 高分子電解質を用いる電池は、液体電解質を用いる電池に比べ、液漏れのおそ
れが少なく電気化学的な安定性が優れて様々な形態に組み立てられるのみならず
、製造工程の自動化が容易である等の長所がある。
【0004】 ポリオキシエチレン(polyoxyethylene)のような高分子が金
属イオンと電気的に相互作用できる極性異種元素を含む場合には、金属イオン程
度の伝導性が得られるという事実が見付けられて以来、イオン伝導性高分子、つ
まり高分子電解質に係る研究が活発に進行されてきた。しかし、ポリオキシエチ
レンのような純粋高分子(pure polymer)だけでは、イオン伝導度
が常温においては10−8S/cm程度と極端に低いため、電池に適用可能な1
−4S/cm水準の伝導度にするためには、100℃程度の温度にしなければ
ならないといった問題点があった。従って、高分子電解質研究の主な流れは、伝
導度の改善に関するものであった。
【0005】 高分子電解質におけるイオン伝導には、高分子鎖の動きが必要であるという事
実が明らかになって、イオン伝導度を向上しようとする試みは、高分子鎖の柔軟
性を増加させる方向に進行してきた。ブロンスキーら(Blonsky et
al)は、ホスファゼン(phosphazene)結合を高分子の主鎖に導入
し、10−5S/cmの向上した伝導度の電解質を製作したが(J.Am.Ch
em.Soc.,106,6854(1984))、この電解質には、伝導度と
機械的強度が欠けていた。
【0006】 この他にも、高分子の結晶性を低下させるべく、高分子構造の変形又は無機物
質の添加等の色々な試みがなされてきたが、高分子と金属塩だけの(液体電解質
を含めない)純粋高分子電解質は、充分な伝導度が得られていないのが実情であ
る。
【0007】 これに対して、米国特許第5,219,679号のゲル形態(gel−typ
e)電解質は、高分子骨格内に液体電解質が含められたもので、機械的な物性面
では高分子特性でありながら液体電解質に近い伝導度を持ち、二次電池としての
実用可能性を見せている。すなわち、液体電解質を添加する別の活性化(act
ivation)過程を必要とせず、高分子電解質を製造する過程に既に液体電
解質の一部が含められる(高分子溶液と液体電解質の混合物をキャスティングす
る)。しかし、上記の米国特許第5,219,679号の電解質は、リチウム金
属に対して反応性のあるポリアクリロニトリル(polyacrylonitr
ile)のような高分子を含んでいるので、電池の貯蔵及び試用期間中、電解質
とリチウム電極間の反応生成物が蓄積される。その結果、界面抵抗が持続的に増
加するという問題点がある。
【0008】 一方、スクロサティら(Scrosati et al)は、リチウム金属と
の反応性が低いポリメチルメタクリルレート(polymethylmetha
crylate)を使い、ゲル形態の高分子電解質を製造した(Electro
chim.Acta.140,991(1995))。高分子成分としてポリメ
チルメタクリルレートを用いるこの電解質は、リチウム表面との反応性が低いの
で、保管中電極表面における抵抗増加現象が微少であるという長所がある。しか
し、機械的強度が脆弱であって、フィルムとして形成できる程度の強度を得るた
めには高分子含量を増加させなければならず、この過程において伝導度が10 S/cm以下に低下するという問題があった。又、ゲル形態の電解質は液体成
分を多量含んでおり、電解質の表面から起こる液体成分の気化を避けられず、貯
蔵期間中の液体成分の損失による組成変化及びこれによる伝導度の減少のおそれ
があるのみならず、液体電解質に含まれるリチウム塩が、空気中の水分と反応し
分解され、水分を極度に取り除いた除湿雰囲気が必要であるという短所があった
【0009】 米国特許第5,296,318号と米国特許第5,418,091号は、前記
問題点を補完すべく、混成(hybrid)高分子電解質システムを提供してい
る。この混成高分子電解質は、ゲルタイプ高分子電解質にある長所(液体電解質
を多量に含むため、リチウムイオンの伝導が液層を通じて進行し、液体電解質と
同等な伝導度を持つ)をそのまま生かしながら、水分の影響を敏感に受ける液体
電解質を電池包装直前に添加することにより電解質製造工程において水分の影響
を最小とすることができた。しかし、電解質膜を製造した後に液体電解質を添加
するので、電解質膜内には液体成分が吸収できる場所(site)や液体成分が
電解質膜内に浸透するための原動力(driving force)が必要であ
る。そのため、電解質膜を製造する段階において、可塑剤としてフタル酸ジブチ
ル(dibutyl phthalate)が加えられる。その後、電池組み立
てが終わってから、アルコールあるいはエーテルのような有機溶媒で可塑剤を抽
出し、液体成分が吸収できる場所を作成する。しかし、フタル酸ジブチルを抽出
する過程が化学的方法であるので、再現性が低く、電池の歩留まりが低下し、大
量生産のための自動化がしがたいという致命的短所を持っていた。
【0010】 (発明の開示) 本発明の目的は、液体電解質が吸収できる吸収剤(absorbent)を高
分子マトリックス内に添加し、固体電解質膜を作成し、液体電解質は電池組み立
てが終わった後、活性化(activation)過程で導入し、前記の従来技
術の問題点を一度に解決しようとするものである。 又、本発明の他の目的は、その固体電解質を使い優れた特性を発揮する二次電
池を開発しようとするものである。
【0011】 本明細書の「電解質膜」とは、乾燥状態で液体電解質を含まない状態の電解質
膜を意味し、「固体電解質」とは、前記の電解質膜に液体電解質を含ませること
により、イオン伝導性を持たせたものである。固体電解質は液体電解質を含むの
で完全な固体状態ではないが、基本骨格が固体状態の電解質膜から出発するため
、及び液体電解質と区別する概念として称すべく「固体電解質」という。さらに
、前記の「吸収剤」とは、液体電解質を吸収できる物質であるか、又は固体電解
質の液体電解質に対する吸収力を向上させることができる物質を意味する。
【0012】 前記電池の組み立て過程は次の通りである。 電解質膜を間に置いて、別に製作した正極及び負極をいっしょにラミネーティ
ング(laminating)、プレッシング(pressing)及び巻き取
り(winding)等の方法をもって接合させる。上記の方法で電解質膜を製
造すれば、液体電解質を電池組み立てた後に添加するので、工程上の除湿条件の
制約を最小とすることができる。又、液体電解質を吸収できる場所が既に電解質
膜を製造する段階から形成され、可塑剤等の抽出過程が不要なため、工程を単純
化し製造単価が安くなるだけでなく、自動化が容易で歩留りも向上できるといっ
た長所がある。
【0013】 本発明の固体電解質は、液体電解質が吸収できる吸収剤と、高分子結合剤及び
イオン伝導性液体電解質を含む。本発明の固体電解質はリチウムイオン伝導度が
常温において10−4S/cm以上になる。
【0014】 液体が吸収できる吸収剤は種々知られているが、大別して、水を吸収するもの
とオイル(油)を吸収するものに分けられる。水に対し吸収力が強いのは、一回
用おむつあるいは月経帯等に主に用いられる。又、オイル(油)吸収剤は、主に
海や工場などから流出される石油を除去したり、実験室等で有機溶媒を取り除く
のに使われる。本発明の吸収剤としては、多孔性高分子や無機物を使用する。上
記多孔性高分子は、側鎖にバルキー(bulky)な官能基が導入された網形高
分子又は製造工程のパラメーターを調節することにより多孔性が導入されたポリ
プロピレン(polypropylene)あるいはポリエチレン(polye
thylene)等があり、天然高分子であるパルプ(pulp)、セルロース
(cellulose)及びコルク(cork)等も使用できる。
【0015】 本発明の吸収剤としては、液体電解質の吸収性を向上させる粉末形態のいずれ
の材料でも用いられるが、好ましくは高分子粒子、鉱物粒子、メソポーラスモレ
キュラーシーブ(mesoporous molecular sieve)、
市販されている吸収剤粒子が使用できる。より好ましくはポリエチレン粒子、ポ
リプロピレン粒子、ポリスチレン(polystyrene)粒子、ポリウレタ
ン(polyurethane)粒子、パルプ、セルロース粒子、コルク粒子及
び木質粉等の合成/天然高分子粒子;粘土(clay)、パラゴナイト(par
agonite)、モンモリロナイト(montmorillonite)及び
雲母(mica)等のフィロケイ酸塩(phyllosilicates)構造
を持つ鉱物粒子;ゼオライト(zeolite)、多孔性シリカ(silica
)及び多孔性アルミナ(alumina)等の合成酸化物粒子;及びシリカ等の
酸化物/高分子材質で2〜30nmの気孔直径を持つMCM−41(Mobil
社)とMCM−48(Mobil社)等のメソポーラスモレキュラーシーブ(m
esoporous molecular sieve);またはabsorb
ent W Product(Absorption Corp.)、Ocla
nsorb(Hi Point Industries)、PP Spillo
w spill control(Aldrich社)、Leak−Sorb
spill Absorbent (Aldrich社)等の市販されている吸
収剤からなる群から選ばれた一つあるいは二つ以上の混合物が用いられる。 吸収剤は例に挙げられた種類が二つ以上結合したものの混合物である場合もあ
る。
【0016】 本発明の吸収剤としては、高分子等のような有機物より、鉱物のような無機物
がより好ましい。
【0017】 鉱物のような無機物吸収剤は、多孔性高分子のような有機物吸収剤より機械的
、熱的、電気化学的安定性が優れており、無機物吸収剤を用いた二次電池は有機
物吸収剤を使った二次電池に比べて電池特性が優れる。電池組み立てに当りプレ
ッシング又はラミネーティングの方法等で正極及び負極を組み立てる時、上記有
機物吸収剤は電解質膜あるいは極板の高分子結合剤と機械的、熱的挙動が互いに
相違しており、電池の繰り返される充放電過程において、無機物吸収剤を使う場
合より放電容量減少が大きいことが確認された。例えば、融点が低いか又は機械
的強度が弱い、高分子のような有機物からなる吸収剤は、プレッシング又はラミ
ネーティング過程において吸収力を失うおそれがある。言い換えると、高分子の
ような有機物吸収剤を使う場合には、電解質膜又は固体電解質自体としては良好
な性能があるものの、プレッシングあるいはラミネーティングの方法等をもって
電池を組み立てる場合には本性能をそのまま保持しがたい。
【0018】 これと共に、前述のように、一般的な高分子電解質ではイオン伝導が高分子鎖
の動きにより直接的に影響を受けるため、イオン伝導度に及ぼす温度の影響が非
常に大きい。特に、低温において高分子鎖の動きが鈍化しイオン伝導度が大幅減
少するため、電池性能が大変悪くなる。しかし、無機物吸収剤を用いる場合、イ
オン伝導性が向上され、さらに、温度の影響をあまり受けない無機物吸収剤を多
量に用いれば、一般的高分子電解質の特性とは違って温度の影響がより少なくな
る。又、電解質内に無機物を多量に含むことにより、高分子等の有機物が多量に
含有された電解質に比べて、発火あるいは暴発等に対する抵抗力が向上するとい
う長所もある。
【0019】 従って、二次電池の電解質膜を構成するに当たって無機物吸収剤を使うことが
有機物吸収剤を使うより望ましいことが分かる。
【0020】 吸収剤の添加量は、液体電解質を含まない乾燥状態電解質膜の重量に対し、3
0〜95重量%、より好ましくは50〜90重量%である。添加量が95重量%
以上であれば、形成された電解質膜の機械的強度が低下する。その反面、30重
量%以下であれば液体電解質を吸収する能力が低下する問題が起こる。吸収剤は
、形成する電解質膜の機械的強度と均一性を低下させないように、粒子の大きさ
が40μm以下であるのものが望ましく、特に20μm以下であるものがより好
ましい。
【0021】 前記の高分子結合剤としては、通常用いられる高分子が使用できる。 その中でも、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene flu
oride)とビニリデンフッ化物とヘキサフルオロプロピレン(hexafl
uoropropylene)の共重合体、ビニリデンフッ化物と無水マレイン
酸(maleic anhydride)の共重合体、ポリ塩化ビニール(po
lyvinylchloride)、ポリメチルメタクリレート(polyme
thylmethacrylate)、ポリメタクリレート(polymeth
acrylate)、セルローストリアセテート(cellulose tri
acetate)、ポリウレタン(polyurethane)、ポリスルホン
(polysulfone)、ポリエーテル(polyether)、ポリエチ
レンあるいはポリプロピレンのようなポリオレフィン(polyolefine
)、ポリエチレンオキサイド、ポリイソブチレン(polyisobutyle
ne)、ポリブチルジエン(polybutyldiene)、ポリビニールア
ルコール(polyvinylalcohol)、ポリアクリロニトリル(po
lyacrylonitrile)、ポリイミド(polyimide)、ポリ
ビニールホルマール(polyvinyl formal)、アクリロニトリル
ブチルジエンゴム(acrylonitrilebutyldiene rub
ber)、エチレン−プロピレン−ジエン−モノマー(ethylene−pr
opylene−diene−monomer)、テトラエチレングリコールジ
アクリレート(tetra(ethylene glycol)diacryl
ate)、ポリジメチルシロキサン(polydimethylsiloxan
e)、ポリ炭酸塩及びシリコーン高分子(polysilicon)から成る群
から選ばれた一つあるいは二つ以上の混合物かまたはこれらの共重合体が好まし
い。
【0022】 高分子結合剤の溶媒は次の通りである。NMP(N−methylpyrro
lidinone)、ジメチルホルムアミド(dimethylformami
de)、ジメチルアセトアミド(dimethylacetamide)、テト
ラヒドロフラン(tetrahydrofuran)、アセトニトリル(ace
tonitrile)、シクロヘキサノン(cyclohexanone)、ク
ロロホルム(chloroform)、ジクロロメタン(dichlorome
thane)、ヘキサメチルホスホアミド(hexamethylphosph
oramide)、ジメチルスルホキシド(dimethylsulfoxid
e)、アセトン(acetone)及びジオキサン(dioxane)から成る
群から選ばれた一つあるいは二つ以上の混合物が好ましい。
【0023】 吸収剤を含む電解質膜に吸収される液体電解質は、有機溶媒にリチウム塩を溶
解させ製造する。本発明においては、液体電解質を電解質膜に吸収させることを
「活性化」と定義する。 上記有機溶媒は電解質極性を上げイオンの解離度を向上させイオン周りの局部
的な粘度を下げることでイオン伝導を容易にすべく、極性が大きく、リチウム金
属に対する反応性がないものが好ましい。その有機溶媒の例を挙げると次の通り
である。エチレン炭酸塩(ethylene carbonate)、プロピレ
ン炭酸塩(propylene carbonate)、ジメチル炭酸塩(di
methyl carbonate)、ジエチル炭酸塩(diethyl ca
rbonate)、エチルメチル炭酸塩(ethylmethyl carbo
nate)、ガンマ−ブチロラクトン(γ−buthyrolactone)、
ジメチルスルホキシド(dimethylsulfoxide)、1,3−ジオ
キサン(1,3−dioxane)、テトラヒドロフラン(tetrahydr
ofuran)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−methyltetra
hydrofuran)、スルホラン(sulforane)、N,N−ジメチ
ルホルムアミド(N,N−dimethylformamide)、ジグリム(
diglyme)、トリグリム(triglyme)又はテトラグリム(tet
raglyme)等がある。特に、有機溶媒は高粘度溶媒と低粘度溶媒から成る
二種以上の混合液を用いるのが好ましい。
【0024】 前記リチウム塩は、格子エネルギーが小さく解離度が大きいものが好ましい。
そのリチウム塩の例を挙げると、LiClO、LiBF、LiPF、Li
AsF、LiSCN、LiCFSO、LiN(CFSO及びLi
C(CFSOから成る群から選ばれた一つあるいは二つ以上の混合物で
ある。リチウム塩の濃度は0.5〜2Mが好ましい。
【0025】 前記の液体電解質は、液体電解質を含む全体電解質総量に対し30〜90重量
%添加され、より好ましくは40〜85重量%加えられる。
【0026】 本発明の固体電解質は、従来の高分子電解質に比べて製造が容易でリチウムイ
オンの伝導が液層(liquid phase)を通じて進行されるためイオン
伝導度が高く、液体電解質を吸収させる前まで、つまり活性化する前までは水分
あるいは温度等の影響を受けないという特徴がある。
【0027】 また、本発明はこの固体電解質を製造する方法に関するものである。 本発明の固体電解質は、吸収剤と高分子結合剤の混合、この混合物の溶解、成
形及び乾燥、活性化の4段階を経て製造する。混合、溶解、成形及び乾燥までの
段階を経ることにより、乾燥固体状態の電解質膜が得られ、その後これに液体電
解質を吸収させる活性化段階を行う。
【0028】 つまり、吸収剤と高分子結合剤の混合物を高分子結合剤の溶媒に溶解させてか
ら、これを膜形態に成形した後乾燥して、10〜200μmの厚みの電解質膜を
成形し、上記乾燥状態の電解質膜にイオン伝導性液体電解質を吸収させて、本発
明の固体電解質を製造する。
【0029】 その製造方法を詳述すると次の通りである。 まずはじめに、粉末状の吸収剤(粒子の大きさが40μm以下のもの)高分子
結合剤を密閉容器内で乾式混合する。 この吸収剤と高分子結合剤の両方を溶媒に溶解させる。上記混合溶液の固形分
含量(solid content)は全体重量に対し5〜50重量%が望まし
く、5重量%以下である場合は乾燥後電解質膜の機械的強度が弱くなる。一方、
50重量%以上である場合は、高分子結合剤が充分に溶解されないか、混合溶液
の粘度が非常に大きくなる問題が生じかねない。
【0030】 高分子結合剤の溶解を円滑にし、吸収剤が互いに塊になるのを防ぐため、磁石
攪拌機(magnetic stirrer)や機械式攪拌機(mechani
cal stirrer)や遊星混合機(planetary mixer)又
は高速分散機(high speed disperser)等を用いて攪拌す
る。この過程において吸収剤が塊になることや混合途中気泡が生じることを防ぐ
ため、超音波攪拌機も用いられる。混合溶液には、さらに、場合によっては、脱
泡(defoaming)及びフィルター(filter)過程を行うこともで
きる。
【0031】 高分子結合剤が完全に溶解し吸収剤と均一に混合された後、一定の厚さにする
べく調整し、膜形態に成形する。例えば、混合溶液を、平たいガラス板かPTF
E(polytetrafluoroethylene)板に注ぎ、一定の厚さ
になるようにキャスティング(casting)することもできる。又、一定間
隔のダイ(die)に圧出してから、高分子フィルム等の基材(substra
te)上にコーティング(coating)することもできる。他にもいろいろ
な塗布法が選べる。この際、膜の厚さは10〜200μmに調節するのが好まし
い。膜の厚さが10μm以下であれば機械的強度が弱くなり、200μm以上で
あればイオン伝導性が減少するので望ましくない。 出来上がった膜を完全乾燥してから液体電解質を導入する。
【0032】 また、本発明は上記固体電解質を電解質として用いた二次電池、特にリチウム
二次電池に関するものである。
【0033】 本発明の固体電解質を使った二次電池の製造方法の一例を挙げる。 まず、上記過程から作られた電解質膜をまん中に置き、正極と負極を接合させ
て電池を構成する。電解質膜は、その中に吸収剤粉末を含んでおり;正極は正極
集電体と電気的に連結されている;負極は負極集電体と電気的に連結されている
。このアセンブリーに液体電解質を吸収させる活性化段階を経て、電池として動
作する状態に製作する。
【0034】 本発明の固体電解質を使った二次電池の断面模式図が図1である。固体電解質
(1)は、吸収剤粉末(11)と、活性化段階で吸収させた液体電解質を含んで
いる。正極(2)は正極集電体(22)と、負極(3)は負極集電体(33)と
各々電気的に連結されている。
【0035】 正極あるいは負極の製造過程を説明する。 正極あるいは負極は各々電流集電体(current collector)
と活物質層から成る。活物質層は、活物質(active material)
、導電材(conducting material)、結合剤(bindin
g material)等から成る。他にも、電池性能を向上させる目的として
各種添加剤(additives)が導入できる。正極あるいは負極に含まれる
集電体、導電体、結合剤及び添加剤は、目的により、互いに同一な場合も、相違
な場合もある。
【0036】 電流集電体は、正極あるいは負極で起こる、酸化/還元反応によって発生する
電子の移動経路を提供する。電流集電体はとしては、主に、グリッド(grid
)、箔(foil)、パンチングホイル(punching foil)、エッ
チングホイル(etching foil)等が用いられ、電池性能か製造工程
に合わせて選べる。グリッドを使用する場合、活物質充填率は上げられるが、製
造工程が難しくなる。ホイル等を使用する場合、電池性能が向上し製造工程が単
純にできるが、活物質充填率が低下する問題が起こり得る。集電体としては、銅
、アルミ、ニッケル、チタニウン、ステンレススチール、炭素等が使える。一般
に、正極用としてはアルミが、負極用としては銅が用いられる。
【0037】 活物質は、電池の充放電反応(あるいは酸化/還元反応)が実際に起こる材料
であり、電池の性能を決める一番重要な要素である。又、活物質は、活物質層内
で含有量が一番多い成分である。正極活物質としては転移金属(transit
ion metal)の酸化物(oxide)/硫化物(sulfide)等、
有機化合物、高分子化合物等が用いられる。好ましくはリチウムコバルト酸化物
(LiCoO)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO)、リチウムニ
ッケルコバルト酸化物(LiNiCo1−y)、スピネル形リチウムマ
ンガン酸化物(LiMn)、二酸化マンガン(MnO)等のような酸
化物あるいは高分子材料が用いられる。負極活物質としては、アルカリ金属(a
lkali metal)、アルカリ土類金属(alkalie earth
metal)等あるいは炭素、転移金属酸化物/硫化物、有機化合物、高分子化
合物等が使える。好ましくは炭素材料又は高分子材料が使える。活物質は電池性
能又は用途に合わせて選択するのが良い。
【0038】 導電材は、正極あるいは負極の導電性を向上させる目的で添加される材料であ
り、一般的に炭素が使われる。その中で、黒鉛(graphite)、コークス
(cokes)、活性炭(activatedcarbon)、カーボンブラッ
ク(carbon black)が好ましく、黒鉛とカーボンブラックがより好
ましい。上記の群から選ばれた一つあるいは二つ以上の導電材が用いられ、合成
品あるいは天然物質のどちらを使っても構わない。導電材は電極材料の総重量の
3〜15重量%添加され、導電材の添加量が3重量%以下程度に少ない場合には
、電気伝導性が落ちるので過電圧が生じる問題点があり得る。一方、15重量%
以上である場合には、単位嵩当りのエネルギー密度が減少し導電材による副反応
が重大となる問題点がある。
【0039】 結合剤は、活物質層の結合を強化すべく添加されるもので、主に高分子化合物
が用いられる。固体電解質膜を製造する時、用いられる上記高分子化合物を結合
剤としても使用することも、電解質膜の高分子と同一なものあるいは相溶性(m
iscibility)のあるものを用いるのが好ましい。結合剤は、電極材料
の総重量の15重量%以下添加される。結合剤の添加量が少ない場合は、電極結
合力が落ちる問題点があり得、15重量%以上である場合には、電極の加工性と
多孔性が落ちる問題点がある。
【0040】 添加剤は、電池又は電極の性能を向上する目的で添加する材料であって、目的
とする性能や用途に合わせて多様に選べる。複合電極内部あるいは集電体との結
合力を向上させる、複合電極の多孔性あるいは非結晶性を誘導する、複合電極構
成材料の分散度又は電極製造工程の効率を向上させる、活物質の過充電/過放電
を抑制する、副反応生成物を再結合(recombination)あるいは除
去する、又は液体電解質吸収力を向上させる等の、性能向上を目的として添加す
る。一般には、塩(salt)、有機/無機化合物、無機物、高分子化合物が使
われ、上記電解質膜に添加した吸収剤を選ぶこともできる。
【0041】 本発明のリチウム二次電池をさらに具体的に説明する。 まず、吸収剤と高分子結合剤の混合物を高分子結合剤の溶媒に溶解した後、こ
れを膜形態に成形してから乾燥して10〜200μmの厚さの電解質膜を形成し
、これとは別に製造された正極及び負極と一緒に、電池形態に組み立ててから液
体電解質を吸収させ製造する。使用に充分なイオン伝導性を持つ固体電解質にす
るためには、液体電解質を吸収させる活性化段階を必ず経なければならない。活
性化段階を経れば、電池として動作できる状態になるが、活性化段階を経ない場
合には、常温でのイオン伝導性がかなり落ちるので、それ自体では電解質として
使用できない。
【0042】 前述の電解質膜と組み立てる正極及び/又は負極の製造過程は次の通りである
。正極又は負極材料各々の混合物をスラリーにしてからキャスティング(cas
ting)、コーティング(coating)又はスクリーンプリンティング(
screen printing)等の方法で薄膜に成形する。その後、プレッ
シング又はラミネーティング等の方法で電流集電体と結合させ製作するか、ある
いは、電流集電体上に正極及び/又は負極を直接成形する方法で製作する。
【0043】 前記の方法で作られた電極上に、吸収剤、高分子結合剤及び溶媒からなる固体
電解質スラリーを直接塗布し電解質膜を形成する方法を選ぶことも可能である。
あるいは、別に製作して、ラミネーティングあるいはプレッシングして構成する
ことも可能である。電池が前者で製作された場合、電極と電解質膜の接合性を向
上させることが可能であるが、電極と電解質膜の製作工程条件が一致しない場合
や、工程中電極あるいは電解質膜が汚染されるかその性能が損傷しやすい場合に
は使用しがたい。別に製作し組み立てる後者の場合、電極と電解質膜の接合性が
弱いという短所はあるが、性能管理と工程設計及び設備が単純である長所の方が
より大きいので、後者の方法が前者の方法よりもさらに好ましい。
【0044】 本発明によって製造される電解質膜は、吸収剤を含んでおり、純粋な電解質膜
やゲルタイプ高分子電解質あるいは可塑剤が加えられた電解質膜のわりに機械的
強度が大きい。従って、前記プレッシングであるかラミネーティング過程におけ
る形態変化が極端に少なく、再現性が大きいので、不良率が低く大量生産が可能
であるという長所がある。すなわち、本発明によって製造される電解質膜は、性
能管理と工程設計及び設備面から見て有利な、プレッシングあるいはラミネーテ
ィング方式に、より適している、という特徴があると言える。
【0045】 (発明を実施するための最良の形態) 本実施例では、吸収剤を含んだ本発明による固体電解質及びその固体電解質を
用いた電池の製造方法を詳細に説明する。まず、固体電解質の製造及び性能調査
を行い、これと共に、固体電解質と一緒に、正極、負極を組み立てて電池を製作
し、その性能を調べる過程に関しても記述する。しかし、これらの実施例が本発
明の内容を限定するわけではなく、本発明の基本趣旨を外れない範囲内で変形が
可能である。
【0046】実施例1 20mlバイアル(vial)に吸収剤と結合剤粉末を入れてから磁石攪拌機
で5分程度乾式混合した。ここにN−メチルピロリドン(N−methyl−p
yrrolidinone;以下、NMPと略す)4mlを添加して、結合剤が
完全に溶けるまで引き続き攪拌した。吸収剤粒子が互いに塊になるのを防ぐため
、攪拌途中で、30分間超音波攪拌を行った。上記の方法で作られた混合液を、
ガラス板上に100μm程度の厚さになるようにコーティングした後、常温にお
いて2時間程度乾燥し、真空乾燥機で6時間さらに乾燥させた。この際、真空乾
燥機の温度は50℃程度に調節した。上記の方法から製造した電解質膜を液体電
解質溶液に10分程度浸し、液体電解質が完全に吸収されてから、吸収前後での
重さの変化を測定し、交流インピーダンス法を用いて伝導度を測定した。
【0047】 吸収剤と結合剤の種類、含量比による固体電解質の特性と伝導度を下記表1に
まとめた。電解質膜が液体電解質を吸収する能力を比較するため、次のように吸
収度(sorption capacity、Δab)を定義した。 Δab=[吸収された液体電解質の量(mg)]/[電解質膜の重さ(mg)]
【0048】
【表1】
【0049】実施例2(比較例) 電解質膜を製造する際に添加される吸収剤の影響を調べるため、吸収剤を添加
しなかったことを除いては、実施例1−(f)の方法と同様に電解質膜を製造し
た。製造した電解質膜は、透明で機械的強度も優れていた。しかし、液体電解質
溶液に電解質膜を10時間常温で浸したが、含浸前後の電解質膜の重さは、測定
誤差内において同一であった。又、このように製造した固体電解質のイオン伝導
度は、交流インピーダンス法で測定できなかった。
【0050】実施例3 吸収剤を含んだ固体電解質の電気化学的安定性を測定すべく、ステンレススチ
ール(#304)を作動電極として、リチウム金属を反対電極と基準電極に使い
、線形電位走査法(linear sweep voltammetry)を行
った。電位走査範囲は開回路電圧から5.4V(vs.Li/Li)までであ
り、電位走査速度は10mV/secであった。実施例1−(g)、1−(i)
及び1−(1)の方法で製造した固体電解質に対する線形電位走査法の結果を、
図2に各々A、B、Cとして表した。
【0051】実施例4 無機物吸収剤を含んだ固体電解質を用い、電池性能を試すため、酸化物正極と
炭素負極及び本発明から得られた固体電解質から成る電池を構成し、充放電テス
トを行った。構成した電池は積層形態で、正極、電解質膜及び負極をラミネーテ
ィングしてアセンブリーしてから最終的に液体電解質を吸収させた。可逆容量を
二時間に充電する速度(C/2rate)の定電流を、電池電圧が4.2Vにな
るまで印加し、再び4.2Vの定電位を印加し、電流がC/10mAに減少する
まで充電した。その後、2.5Vあるいは2.75Vまで、二時間放電速度の電
流で放電した(C/2rate)。上記の充電と放電を繰り返して、各充放電回
数による放電容量の変化を観察した。電池構成及びテスト結果を下記表2にまと
め、図3に示した。表2に示したように、固定電解質は、電解質膜に液体電解質
を吸収させた状態を表す。
【0052】
【表2】
【0053】 図3は、各々の実施例に対し、電池の充放電テストを繰り返すことにより得ら
れる各放電容量を、1回目の放電容量に対比して示したものである。上記テスト
結果から、無機物吸収剤から得られる固体電解質を使う場合(実施例4−z、a
a、cc、dd)が有機物(高分子)吸収剤を含んだ固体電解質を用いる場合(
実施例4−bb)より性能が優れていることが分かった。つまり、電解質膜ある
いは固体電解質自体のみでは性能(イオン伝導度、機械的強度等)の差が大きい
ものではないが、実際の電池適用の結果からは、無機物吸収剤を使って製造され
たものが、全体としての電池性能(充放電性能等)に、より望ましい影響を及ぼ
すという事実が分かる。
【0054】 (産業上の利用可能性) 詳述のように、吸収剤を含んだ本発明の固体電解質は、機械的強度が優れ薄膜
フィルム形態に成形が可能であるだけでなく、液体電解質に相応する高イオン伝
導度があり、一般的なゲル形態の高分子電解質とは違って微量の水分によっても
分解されるリチウム塩が電解質膜を製造する過程に導入されないので、特別な除
湿環境が要らない。又、吸収剤が電気化学的に安定で広い電気化学的なポテンシ
ャルウィンドウ(potential window)があり、電解質製造工程
が単純で大量生産のための自動化が容易であるという特徴がある。又、正極と負
極との接着力が優れ、液体電解質の導入による嵩変化が少ないため、電解質と電
極間の界面抵抗が最小化できる。無機物吸収剤を用いた場合では、機械的、熱的
、電気化学的安定性が有機吸収剤より優れ、繰り返される充放電過程において放
電容量の減少がより小さいので、リチウム二次電池用電解質として使用するのに
さらに適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の固体電解質を使った電池の断面模式図である。
【図2】 本発明の固体電解質の電気化学的安定性を測定すべく、線形電位走査法による
実験結果を示した図面である。
【図3】 無機物吸収剤を含んだ固体電解質を用いた電池の充放電実験による放電容量の
変化を、高分子吸収剤を使った電池の場合と比較した図面である。
【符号の説明】
1・・・固体電解質 2・・・正極 3・・・負極 11・・・吸収剤粉末 22・・・正極集電体 33・・・負極集電体
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年3月30日(2000.3.30)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図1】
【図2】
【図3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 キム・ハン・ジュン 大韓民国 ソウルシ ウンピョング ウン アム 2ドン 231−25 (72)発明者 ジャン ドン フン 大韓民国、ソウル、ドバン−グ、サンムン −ドン 388−33、ハンヤン アパート 8−403 (72)発明者 キム サ フム 大韓民国、キョンギ−ド、クンポ−シ、ク ムジュン−ドン 880、ハンサン モクワ アパート 138−1202 (72)発明者 キム ハン ジュン 大韓民国、ソウル、ユンピョン−グ、ユン ガン−ドン 231−25 (72)発明者 オ スン モ 大韓民国、キョンギ−ド、アンヤン−シ、 トンガン−ク、プンゲ 5−ドン 1054− 6、モクリュン ドーサン アパート 603−201 Fターム(参考) 5H029 AJ06 AJ14 AK02 AK03 AK16 AL02 AL06 AL12 AL16 AM00 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 BJ04 BJ12 CJ02 CJ06 CJ08 CJ13 DJ00 DJ13 EJ05 EJ08 EJ12 HJ01 HJ04 HJ05 HJ06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子の大きさが40μm以下である粉末状の吸収剤、高分子
    結合剤及びイオン伝導性液体電解質を包含する二次電池用固体電解質であって、 上記吸収剤は、液体電解質を含まない乾燥状態の電解質膜の総重量に対して3
    0〜95重量%の量で添加され、 上記イオン伝導性液体電解質は、液体電解質を含む電解質の総重量に対して3
    0〜90重量%の量で添加され、さらに、 上記固体電解質の厚みは、液体電解質を含まない乾燥状態において10〜20
    0μmであることを特徴とする二次電池用固体電解質。
  2. 【請求項2】 上記吸収剤が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
    ン、ポリウレタン、パルプ、セルロース、コルク及び木質粉のような多孔性高分
    子粒子;粘土、パラゴナイト、モンモリロナイト及び雲母のような鉱物粒子;ゼ
    オライト、多孔性シリカ及び多孔性アルミナのような合成酸化物粒子;酸化物又
    はポリマーから作製された2〜30nmの気孔直径を持つメソポーラスモレキュ
    ラーシーブ;及びその他市販されている吸収剤からなる群から選ばれる一つある
    いは二つ以上の混合物であり、 上記高分子結合剤が、ポリフッ化ビニリデンとビニリデンフッ化物とヘキサフ
    ルオロプロピレンの共重合体、ビニリデンフッ化物と無水マレイン酸の共重合体
    、ポリ塩化ビニール、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリレート、セルロ
    ーストリアセテート、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエチレ
    ン、ポリプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリイソブチレン、ポリブチル
    ジエン、ポリビニールアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリビ
    ニールホルマール、アクリロニトリルブチルジエンゴム、エチレン−プロピレン
    −ジエン−モノマー、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリジメチル
    シロキサン、ポリ炭酸塩及びシリコーンポリマーあるいはこれらの共重合体から
    なる群から選ばれた一つあるいは二つ以上の混合物であり、さらに、 上記イオン伝導性液体電解質が、LiClO、LiBF、LiPF、L
    iAsF、LiSCN、LiCFSO、LiN(CFSO及びL
    iC(CFSOからなる群から選ばれた一つあるいは二つ以上のリチウ
    ム塩を、エチレン炭酸塩、プロピレン炭酸塩、ジメチル炭酸塩、ジエチル炭酸塩
    、エチルメチル炭酸塩、γ−ブチロラクトン、1,3−ジオキサン、テトラヒド
    ロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、スルホラン
    、N,N−ジメチルホルムアミド、ジグリム、トリグリム及びテトラグリムから
    なる群から選ばれた一つあるいは二つ以上の混合物からなる有機溶媒に、0.5
    M〜2Mの濃度に溶解させて得られるものであることを特徴とする請求項1に記
    載の二次電池用固体電解質。
  3. 【請求項3】 上記吸収剤が、鉱物粒子、合成酸化物粒子及びメソポーラス
    モレキュラーシーブからなる群から選ばれた一つ又は二つ以上の混合物であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の二次電池用固体電解質。
  4. 【請求項4】 吸収剤と高分子結合剤との混合物を該高分子結合剤の溶媒に
    溶解させる工程、得られた溶液を膜形態に成形し、それを乾燥して電解質膜を形
    成させる工程、及び次いで得られた電解質膜にイオン伝導性液体電解質を吸収さ
    せる工程からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の二次電
    池用固体電解質の製造方法。
  5. 【請求項5】 吸収剤と高分子結合剤との混合物を該高分子結合剤の溶媒に
    溶解させる工程、得られた溶液を膜形態に成形し、それを乾燥して電解質膜を形
    成させる工程、得られた電解質膜を別個に製造された正極及び負極と共に組み立
    てて電池を形成させる工程、及び次いで得られた電池にイオン伝導性液体電解質
    を吸収させる工程により作製されることを特徴とするリチウム二次電池。
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