JP2002543143A - 角膜の瘢痕、混濁およびかすみを無くす生化学的方法 - Google Patents

角膜の瘢痕、混濁およびかすみを無くす生化学的方法

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JP2002543143A JP2000615023A JP2000615023A JP2002543143A JP 2002543143 A JP2002543143 A JP 2002543143A JP 2000615023 A JP2000615023 A JP 2000615023A JP 2000615023 A JP2000615023 A JP 2000615023A JP 2002543143 A JP2002543143 A JP 2002543143A
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Abstract

(57)【要約】 ここに開示の発明は、角膜コラーゲン線維の組織崩壊を無くして視力を改善する生科学的方法に関する。角膜コラーゲン線維の組織崩壊は、角膜瘢痕、角膜混濁、および角膜のかすみに見られる。さらに、この発明は、角膜に対する事故による外傷が原因の、ならびに視力および視覚の質を改善するために行う放射状角膜切開術(RK)、光化学角膜屈折矯正手術(PRK)およびレーザインシトゥ角膜曲率成形方法(LASIK)などの屈折矯正手術が原因の角膜コラーゲン線維の組織崩壊を無くす生科学的方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
ここに開示する発明は、角膜の瘢痕、混濁およびかすみを無くす生化学的方法
に関する。
【0002】
【発明の背景】
角膜は、眼の前部にあって光が通過する透明なドームである。眼の焦点集光(f
ocus)または光屈折(refracting)の能力の約80%は、角膜が担っている。視力
の減退と視覚消失は、角膜の外傷、角膜の瘢痕または角膜を混濁させる他の原因
で起こる角膜透明度の欠乏によって生じる。
【0003】 重篤な角膜混濁が見られる眼の全世界における罹患数は、三百万を超えると推
定されており、これに対して毎年二十万を超える新しい症例が加わっている。有
意な視覚障害を伴う角膜混濁の現在の治療法は、角膜ドナー由来の組織を使用す
る、全層角膜移植術(PKP)または薄層角膜移植術(LKP)と呼ばれる角膜
移植の形態を取る。この外科的方法は、安全でかつ有効であると一般に見なされ
ているが、移植不全または移植片拒絶、およびドナーの角膜を通しての感染症(
例えば、狂犬病、HIVなど)または外科的処置を通しての感染症(例えば、H
IV、ブドウ球菌の感染症など)を含む危険性を伴う。各種の副次的影響がある
にもかかわらず、実施することができる角膜移植手術の数は、移植するのに利用
できる角膜の数によって限定されている。現在まで、移植体として適切なドナー
の角膜組織の入手可能性は、患者人口の要望を満たすことができないできた。
【0004】 眼の屈折異常を修正する現在の方法、例えば、眼鏡、コンタクトレンズ、放射
状角膜切開術、光学的角膜屈折矯正手術またはレーザインシトゥ(in situ)角膜
曲率形成術は、角膜の混濁を無くすのに役立たない。予備的証拠は、放射状角膜
切開術、光学的角膜屈折矯正手術およびレーザインシトゥ角膜曲率形成術は、患
者によっては、角膜の混濁を起こすことがあることを示唆している。
【0005】 角膜の透明性低下を治療するのに要望されているのは、透明性の向上した角膜
を生成する生化学による非外科的治療法である。ここに教示する方法および組成
物は、永年にわたって求められていた上記要望を満たすものである。
【0006】
【発明の概要】
ここに開示する発明は、角膜コラーゲン線維の組織崩壊を無くして視力を改善
する生化学的方法に関する。角膜コラーゲン線維の組織崩壊は、角膜の瘢痕、角
膜の混濁および角膜のかすみに見られる。さらに、この発明は、角膜に対する事
故による外傷が原因で、または視力および視覚の質を改善するために行う放射状
角膜切開術(RK)、光学的角膜屈折矯正手術(PRK)およびレーザインシト
ゥ角膜曲率形成術(LASIK)などの屈折矯正手術(refractive surgery)が原
因で起こる角膜コラーゲン線維の組織崩壊を無くす生化学的方法に関する。
【0007】
【発明の委細】
ここに開示する発明は、非外科的の生化学的な組成物と方法を使用して角膜の
透明度を改善することに関する。被検哺乳類の眼における角膜瘢痕、角膜混濁、
および角膜のかすみを含む光学収差を、角膜の手術なしで無くす生化学的方法は
、角膜の歪みの源を治療することによって達成される。ここに開示の発明の組成
物および方法は、角膜支質の糖タンパク質類とプロテオグリカン類を生化学的に
改変することによって、角膜コラーゲンの組織崩壊を減少させることに関する。
【0008】 角膜は、眼の透明な多成分構造体であり、光がこれを透過して網膜に到達する
。角膜の光に対する透明性は、角膜支質の独特な細胞外マトリックスによって生
じる。その支質は、糖タンパク質類およびプロテオグリカン類の水和マトリック
ス中に埋包された密充填平行コラーゲン線維の膠原性層板に器質化された組織層
である。その原繊維構造の大きさ、規則性および正確な間隔は、角膜の透明性に
とって不可欠の物理的特性である(Maurice の1957年の文献)。
【0009】 角膜の透明性を確立し維持する、角膜の糖タンパク質類とプロテオグリカン類
の役割は、十分に分かっていない。支質のプロテオグリカン類は、コラーゲン線
維の間隔を調整する役割を演じているという仮説が立てられている。(Hassell
他の1983年の文献)。プロテオグリカン類の正確な役割はまだ不明確である
が、プロテオグリカン類は、角膜の水和、厚さおよび透明度に影響すると考えら
れている。(Borcheding 他の1975年の文献)。発有中を除いて、角膜中の
ヒアルロナンの機能的意義(Toole と Trelstad の1971年の文献)およびあ
る種の角膜異常におけるヒアルロナンの機能的意義(Fitzsimmons 他の1994
年の文献)は、まだ不明である。
【0010】 ある種の不透明なヒトの角膜瘢痕の場合では、瘢痕に異常に大きな直径でかつ
不規則な原線維間間隔を有するコラーゲン原線維が含まれていることが見出され
ている。(Schwarz と Keyserlingk の1969年の文献)。しかし、ウサギの
角膜の創傷が治癒している間、早期の不透明な瘢痕は、組織中に不規則な間隔を
おいて位置している概して正常な直径のコラーゲン原線維を含有している。その
コラーゲン原線維の直径は、一年間の治癒後に際立って変化することはなく、原
線維間の間隔が正常に戻り、同時に瘢痕の混濁が減少する。(Cintron と Kubli
n の1977年の文献および Cintron 他の1978年の文献)。
【0011】 Hassell 他著による1983年の論文は、原線維間の間隔が大きい不透明な瘢
痕は、通常の大きさのグリコサミノグリカン側鎖を有する異常に大きいコンドロ
イチン硫酸プロテオグリカン類も含有していることを示した。また、これらの不
透明な瘢痕は、ケラタン硫酸プロテオグリカンを欠いていたが、ヒアルロン酸を
含有していた。ウサギの角膜創傷の角膜瘢痕中のプロテオグリカン類をその瘢痕
に隣接する正常の角膜と比較して生化学的に分析した結果は、これらの領域は、
互いに明確に異なるプロテオグリカン類を合成することを示している。(Cintro
n 他の1990年の文献)。
【0012】 Hassell 他(1980年)は、角膜斑ジストロフィの患者から手術中に得た角
膜試料片を分析した。Hassell 他は、正常な角膜由来の細胞が、サルやウシの角
膜中に存在しているのと類似のコンドロイチン硫酸プロテオグリカンとケラタン
硫酸プロテオグリカンの両者を合成することを発見した。角膜斑ジストロフィの
細胞は、正常なコンドロイチン硫酸プロテオグリカンを合成したが、ケラタン硫
酸も熟成ケラタン硫酸プロテオグリカンも合成しなかった。代わりに、この細胞
は、異常に大きなオリゴ糖側鎖を有する糖タンパク質類を合成した。
【0013】 上術のように、角膜に対する各種の外傷は、角膜に瘢痕または混濁をもたらす
。瘢痕組織自体の不透明性は、治癒過程で増殖しかつ損傷していない角膜組織に
見られるのと同じレベルの組織を欠いている角膜コラーゲン線維が原因である。
ドナー角膜由来の角膜組織を角膜移植体の形態で使用する全層角膜移植術が、角
膜の瘢痕または混濁を無くすのに現在利用できる唯一の外科手術である。全層角
膜移植術に付随する解決目標は、(a)手術のためのヒトドナーの角膜の入手可
能性、(b)ドナー角膜の適合性および移植片生存の確率、(c)ドナー角膜の
移植片の拒絶、(d)ドナー角膜の感染症である。ここに説明する発明の組成物
と方法は、全層角膜移植術に替わる非外科手術の手法を提供する。
【0014】 角膜の透明性は、上記角膜の外傷に見られるのよりも微妙に変化することがあ
る。ある場合は、単光収差が起こって、被検者の眼の視力(VA)を低下させる
ことがある。網膜のモザイク構造に基づくと、ヒトの眼の視力は、20/10(
日本式=2.0)以上であり得るが、そのように優れた視力が得られることは希
である。次善のレベルの視力をもたらす二つの光学的条件は、瞳孔の大きさによ
る回折と単色収差である。(Campbell 他の1974年の文献)。回折によって
起こる視力の限界は、瞳孔の直径が大きくなるにつれて小さくなり、2mmより
小さい瞳孔にのみ重要な役割を演じる。しかし、ヒトの眼のより高度の光学的誤
差(収差)は、逆の挙動を呈し、瞳孔の直径が大きくなるにつれて増大すること
がある。
【0015】 ヒトの角膜と水晶体の形は、これらの収差が最小限になるように、自然に設計
されている。発明者らが知るところでは、ヒトの眼の単行収差について、今まで
、個々の大きなシリーズで組織的に研究されたことはない。(Howland 他の19
77年の文献)。したがって、標準的な母集団についての平均値が利用できない
。しかし、光学収差の導入による視力の損失は、屈折矯正手術の出現と臨床上深
く関連していると思われる。。
【0016】 近視や乱視に対する屈折矯正手術、例えば、放射状角膜切開術(RK)、光学
的角膜屈折矯正手術(PRK)およびレーザインシトゥ角膜曲率形成術(LAS
IK)などの屈折矯正手術(refractive surgery)は、中心領域が平坦で周縁に向
かうにつれて度が強くなる非生理学的な角膜の形を引き起こす。この形は、光学
収差を大きくして(Seiler T 他の1993年の文献)、(Pallikaris I.の19
98年の文献)、低いライティング条件下(Seiler T.他の1994年の文献)
および低コントラストの視力検査によって(Verdon W.の1996年の文献)検
出される視力損失を生じる。角膜の屈折矯正手術のこれら副次的影響は、未知の
次元の公衆衛生の問題点を生じる可能性がある。
【0017】 PRKおよびLASIKを行った後の角膜の波面収差の比較が、一方の眼にP
RK手術を受け他方の眼にLASIK手術を受けた左右双方近視(bilateral myo
pia)の22名の患者の期待された無作為試験(prospective randomized study)で
比較された。(Oshika, T 他の1999年の文献)。手術する前に、3mmから
7mmまでの小突起拡張をシミュレートすると、全収差が5〜6倍になった。手
術後、同じ拡張によって、PRKを受けた群では全収差が25〜32倍になり、
そしてLASIKを受けた群では全収差が28〜46倍になった。光学的角膜屈
折矯正手術とレーザインシトゥ角膜曲率形成法の両者とも、全波面収差を有意に
増大し、その値は、12ヶ月の追跡期間を通して、術前のレベルに戻らなかった
【0018】 LASIKを行った後のウサギの角膜創傷の治癒過程を評価する角膜創傷治癒
試験を、LASIK手術を行ってから、1ヶ月後、2ヶ月後および9ヶ月後に行
った。上記ウサギの角膜を定期的に組織病理学的評価を行ったところ、LASI
K手術を行ってから9ヶ月後でも、角膜皮弁(corneal flap)の界面に沿って組織
の崩壊したコラーゲン線維が認められた。これらの試験結果は、LASIK手術
によって引き起こされた角膜収差と創傷の治癒過程がLASIKの手術を行って
から9ヶ月後も続いたことを示している。(Kato, T の1999年の文献)。こ
こに開示する発明の方法と組成物は、現代の屈折矯正手術の副次的影響の光学収
差を克服する手段を提供するものである。
【0019】 特定の作用機構に限定されないで、PK、PRK、LASIKその他の外科的
方法によって起こる各種の角膜収差は、治癒過程中に起こる角膜コラーゲンの組
織崩壊が原因であると、理論づけられている。例えば、LASIK手法に従って
、角膜皮弁が外科手術部位を覆うように配置された後に、角膜コラーゲンが形成
されて、切開部分を封鎖する。このコラーゲンが形成される場合、そのコラーゲ
ンは、手術による影響を受けなかった角膜の領域に位置しているコラーゲンより
も器質化が一段階かそこら低いコンフォメーションで配置されていると考えられ
る。この物質が再び器質化(reorganization)されると、前記手術から起こる光学
収差が減少するであろう。
【0020】 したがって、ここに開示の発明は、角膜に対する事故による外傷、または視力
および視覚質を改善するための近視、遠視及び乱視に対する屈折矯正手術、例え
ば放射状角膜切開術(RK)、光学的角膜屈折矯正手術(PRK)およびレーザ
インシトゥ角膜曲率形成術(LASIK)が原因で起こる、角膜収差と角膜コラ
ーゲン線維の組織崩壊を無くす生化学的方法に関する。
【0021】
【発明の実施の形態】
<角膜コラーゲンを再器質化する酵素と試薬> ここに開示の発明は、被験者の視力を改善するために被験者の角膜に特定の組
成物を導入する技術思想を提供するものである。使用する組成物は、角膜のコラ
ーゲン線維を再び器質化する幾種類もの酵素又は他の試薬を含む。特に重要なも
のは、角膜のコラーゲン線維をデコレート(decorate)しているかまたは角膜コラ
ーゲン線維と関わり合っている各種の成分を、変質させ、消化しまたは他の方法
で分解する働きをする酵素類である。しかし、ここに開示の発明の方法と組成物
は、これらの酵素や試薬を使用することに限定されず、投与されて各種の異なる
作用機構によって角膜コラーゲン線維を再器質化することができる他の化学薬剤
を含む。
【0022】 ここに開示の発明の一実施態様では、角膜支質と接触すると、角膜のプロテオ
グリカン類の分解速度を加速して角膜コラーゲンを再器質化する酵素の、角膜コ
ラーゲン線維を再器質化する量が投与される。その結果の再器質化によって、角
膜の瘢痕、角膜の不透明そして角膜の濁りを透明化する。
【0023】 各種のグリコアミノグリカナーゼ酵素がここに開示の発明に使用される。これ
らの酵素類は、全て、角膜の不透明を透明化する作用を提供する特性及び角膜の
収差と角膜コラーゲン線維の組織崩壊を無くす性能を呈する。具体的な酵素とし
ては、ヒアルロニダーゼ、ケラチナーゼ、コンドロイチナーゼAC、コンドロイ
チナーゼB、コンドロイチナーゼABC、およびコンドロイチン4スルファター
ゼがある。
【0024】 各種のメタロプロテイナーゼ酵素が、ここに開示の発明での使用のために意図
されている。これらのメタロプロテイナーゼ酵素は、角膜不透明の透明化作用を
呈し、かつ角膜の収差および角膜コラーゲン線維の組織崩壊を無くす性能を持っ
ている。適切な酵素の具体例としては、マトリックスメタロプロテイナーゼ−1
、マトリックスメタロプロテイナーゼ−2、マトリックスメタロプロテイナーゼ
−3、およびマトリックスメタロプロテイナーゼ−9がある。
【0025】 角膜不透明の透明化作用並びに角膜収差および角膜コラーゲン線維の組織崩壊
を無くす性能を呈する各種のプロテインキナーゼも、ここに開示の発明での使用
のために意図されている。そのような酵素の具体的例としては、ストレプトキナ
ーゼおよびウロキナーゼがある。
【0026】 これらの酵素に加えて、角膜コラーゲンの原線維構造を変更し改変する、当該
技術分野で公知の他の酵素を、ここに開示の発明の方法で使用することもできる
。適切な酵素類は、角膜コラーゲン又はその成分の改変を誘発して、角膜の不透
明と角膜の光学収差を低下させる。
【0027】 <配合物> ここに開示の発明は、角膜コラーゲンの再器質化を起こすのに有効ないくつか
の各種配合物を意図している。この発明の一実施態様は、角膜コラーゲン再器質
化酵素を含有する注射用溶液の調合を意図している。その注射用溶液は、その溶
液を実質的に等張にし、かつ目に注射するのに適切なpHにする何らかの不活性
成分を含有している。そのような注射用溶液は、最初、凍結乾燥して乾燥状態に
し、その後、使用する前に再構成することができる。
【0028】 チメロサールを含有しないこの発明の注射用ヒアルロニダーゼ製剤の一般的な
配合物を下記の[表1]に示す。
【0029】
【表1】
【0030】 この成分配合物は、最初にこれら成分を滅菌水に溶解し、得られた溶液を滅菌
濾過することによって製造され、続いて水剤として調剤されるかまたは凍結乾燥
されて乾燥組成物になる。その凍結乾燥された組成物は、包装され、その後使用
する前に緩衝塩類溶液又は滅菌等張食塩液で再構成することができる。そのよう
な緩衝塩類溶液は、典型的には、0.64%の塩化ナトリウム、0.075%の
塩化カリウム、0.048%の塩化カルシウム二水和物、0.03%の酢酸ナト
リウム三水和物、0.17%のクエン酸ナトリウム二水和物、pHを調整するた
めの水酸化ナトリウム/塩酸を含有し、注射用の水で100%にしてある。
【0031】 保存剤のチメロサールを含有していない多種類のヒアルロニダーゼ酵素を使用
することができるが、この明細書において使用される用語「ヒアルロニダーゼA
CS」は、好ましいヒアルロニダーゼを称し、このヒアルロニダーゼは、分子量
が100,000を越える画分、60,000〜70,000の画分および40
,000未満の画分(10%SDS−PAGE)を欠いている。このようなヒア
ルロニダーゼは、羊の精巣から抽出することができ、要求があり次第、米国92
131−1029、カリフォルニア州、サンディエゴ、ヒルバートストリート、
9939所在の Biozyme Biochemicals から入手可能である。出願人らは、ヒア
ルロニダーゼACSがこのような特定の具体的な分子量分布をしていることによ
り、他のヒアルロニダーゼ製剤よりも目に対する毒性が低く、しかもいくつもの
眼科用途において望ましい治療効果を示すことを確認した。
【0032】 この発明の好ましいヒアルロニダーゼ(ACS)が上記の特定の具体的な分子
量分布と特定の酵素活性の特徴を有し、および/またはその配合物からチメロサ
ールが除去されているので、チメロサールで保蔵された他のヒアルロニダーゼ製
剤であれば毒作用を起こすであろう投与量レベルで投与したとき、目に対し非毒
性であるヒアルロニダーゼ製剤が提供される。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】 以下の諸実施例に記載されているように、[表2]〜[表5](上記)に記載
のヒアルロニダーゼACSとしての特定の具体的な好ましい配合物を、目に有意
な毒性を起こすことなく、角膜不透明を無くすことに必ずしも限定されない望ま
しい治療効果を起こす投与量レベルで、目の支質に直接、注射し、局所塗布しま
たはコンタクトレンズにより投与することができる。
【0038】 <角膜コラーゲンを再器質化する適切な酵素類と試薬類およびその投与量の決
定> ここに開示の発明の方法に使用される各種の試薬と酵素などの角膜コラーゲン
を再器質化する化学薬剤、並びにそれら試薬と酵素の適切な投与量は、当業技術
者が日常的な実験で決定することができる。そのような実験としては、プラスチ
ック製モデルソケットに取り付けたドナーの眼球に対する酵素または試薬の投与
量の試験、または実験動物に対するそのような投与量の試験がある。簡単に述べ
ると、酵素または試薬が、毒性を生じることなく、角膜コラーゲンの再器質化に
有効であるかどうかを決定するために、その酵素または試薬は、第一に、哺乳類
に対し医薬として許容できる担体賦形剤に混合される。好ましくは、その酵素ま
たは試薬は、凍結乾燥された(乾燥粉末)の形態で、等張食塩水に溶解されてい
る。しかし、当業技術者は、酵素または試薬の機能を妨げない各種の医薬として
許容できる担体を使用できることを、理解するであろう。対象の化合物の各種投
与量の試験も、同様の手順に従って行われる。
【0039】 次いで、試験投与量の酵素または試薬の溶液を、その角膜コラーゲンを再器質
化する作用と毒作用を確認するために、試験角膜に投与する。候補物を試験する
一つの手法では、試験酵素または試薬がまず角膜に投与される。この手法は、ヒ
トの角膜に対する酵素または試薬の作用を確認するのに特に好ましい。なぜなら
ば、このやり方では、生きている人間を実験に使うことなく、人の角膜を試験で
きるからである。
【0040】 次いで、試験投与量の酵素または試薬をドナーの角膜に投与する。この投与は
、例えば、酵素を角膜に注射することによって行うことができる。通常、水晶体
は、このステップで水が目に導入されることと眼の屈折率が変化することにより
不透明になる。試験期間が経過した後、取り付けた角膜を次いで検査して、角膜
コラーゲンの再器質化が起こったかどうかを確認し、そして再器質化が起こった
ならば、その程度を確認する。注射が原因の毒性も確認する。
【0041】 角膜の上記検査は、例えば、角膜の透明度を測定する細隙灯検査法、角膜の厚
さを測定する測厚法、角膜の引張り強さの測定法、角膜の膨張性の測定法、およ
び中央角膜の曲率を測定する角膜曲率測定法によって実施することができる。こ
れら試験で得た測定値を、試薬または酵素を投与する前に得た測定値と比較する
【0042】 その上に、取り付けられた眼球の処理された角膜は、処理後の角膜の強さと生
存度を測定する他のいくつかの試験に付することができる。例えば、光学顕微鏡
法、走査型、X線回析分析法型および透過型電子顕微鏡法を利用して角膜の形態
を検査することができ、組織培養を行って、処理後の角膜の細胞の生存可能性を
測定し、処理後の角膜のコラーゲンその他の構造成分の生化学的試験を行うこと
ができる。
【0043】 提供された眼球と角膜に対する上記諸試験は、特定の酵素または試薬の使用が
角膜の透明度を向上させ、しかも角膜細胞の生存度を低下させず、または角膜の
構造の統合性を損傷しないということを立証するのに使用することができる。し
かし、実験動物の角膜に対し酵素または試薬を使用して試験することは、候補の
酵素または試薬には、提供された眼の試験中に発見されない予想外の作用が生き
ている哺乳類に対して全くないことを保証するためにも望ましい。特定の試験酵
素または試薬の作用を試験するために、医薬として許容できる担体の溶液中の試
験投与量を、実験動物、この場合哺乳類、に投与して、その試薬をその実験動物
の角膜に送達する。
【0044】 実験動物の角膜への試薬の投与に続いて、その動物の角膜に対して以下の検査
、すなわち角膜、前眼房、および虹彩の透明度を測定する細隙灯検査、角膜の厚
さを測定する側厚、角膜の表面の解剖学的形態の変化を評価するコンピュータ使
用角膜局所描画、角膜の弾性の測定、眼圧を測定する眼圧測定、眼神経および網
膜を評価するための眼底鏡検査、角膜の中央曲率を測定する角膜曲率測定、屈折
異常を測定する網膜検影、角膜上皮の損傷を確認するためフルオレセインまたは
ローズベンガルでの染色、および間接的な検眼鏡検査を実施することができる。
これらの試験で測定された値は、酵素または試薬を投与する前に測定した値おぽ
び動物の治療しない眼について測定された値と比較することができる。
【0045】 さらに、実験動物の治療された角膜は、他のいくつかの試験に付して、治療後
の角膜の透明度、強さおよび生存可能性を確認することができる。例えば、光学
顕微鏡法、走査型および透過型電子顕微鏡法を使用して、角膜の形態を検査する
ことができ、組織培養を行って、治療後の角膜の細胞の生存可能性が測定され、
そして治療後に、生化学的試験を、角膜のコラーゲンおよび他の構造成分につい
て行うことができる。
【0046】 ここに開示されていない、角膜コラーゲンを改変する他の酵素と試薬およびこ
のような既知および未知の酵素と試薬の適正な投与量は、酵素および酵素の投与
量の決定について先に記載したようにして、決定することができる。
【0047】 <投与方法> 発明者は、角膜の瘢痕および角膜の混濁を非外科的に一掃する方法を考え出し
たのである。これらの方法は、一般に、角膜の混濁の透明化を促進するのに有効
な量の試薬または酵素の角膜コラーゲンを再器質化する量を、角膜と接触させる
ことを含んでいる。ここに開示の発明の角膜混濁透明化方法は、角膜の他の外科
操作や外科的切除なしで実施することができるので、全層角膜移植術に伴う潜在
的危険と合併症を避けることができる。
【0048】 被検者の角膜のコラーゲンを再器質化するのに用いる前記酵素と試薬は、当該
技術分野で知られている如何なる方法でも投与することができる。例えば、一実
施態様では、酵素または試薬は、角膜に近い部位で直接目に注射される。この実
施態様では、酵素または試薬は、含有されている酵素または試薬の有効性を変え
ない医薬として許容できる担体に混合されなければならない。
【0049】 ここに開示の発明の特定の一実施態様では、角膜コラーゲンを再器質化する酵
素または試薬の投与経路は、支質内注射による経路である。この実施態様では、
先に列挙した角膜コラーゲンを再器質化する酵素または試薬を一種以上含有する
注射用溶液が、針を通して、眼の前部の中に位置している支質中に直接、注射さ
れる。
【0050】 ここに開示の発明の別の実施態様では、角膜コラーゲンを再器質化する酵素と
試薬が、被検者の眼に、点眼液の形での局所塗布によって投与される。望ましい
濃度の酵素または試薬を被検者の角膜に投与するため、十分な滴数の点眼液が塗
布(供給)される。点眼液投与法は、注射法でもたらされる被検者の角膜に対す
る不快感が少ないことから、注射ベースの投与より優れている。
【0051】 さらに別の実施態様では、眼を渡って角膜中への拡散を促進する代替手法が使
用してもよい。このような手法としては、例えば、リポソームを使用して活性の
酵素または試薬を送達するやり方がある。酵素または試薬は、リポソームに包み
込まれ、そのリポソームは、角膜上皮の脂質溶解性膜を横切って角膜支質中に入
ることができる。拡散を促進するその他の手法として、眼の外膜を、酵素および
試薬が一層よく透過できるようにするため電流を使用するやり方(イオン導入法
として知られている)がある。
【0052】 別の実施態様では、イオン導入法を利用して、角膜コラーゲン再器質化試薬が
投与される。この手法を利用すると、塩の溶液を流れる電流が、試薬を荷電粒子
として眼の中へと進ませる。
【0053】 ここに開示の発明のさらに別の実施態様では、角膜コラーゲンを再器質化する
酵素と試薬が、コンタクトレンズを使用することによって角膜に投与される。こ
こに開示の発明の一実施態様の一例として、角膜コラーゲンを再器質化する量の
角膜コラーゲン器質化試薬が、剛性コンタクトレンズ、好ましくは通気性のコン
タクトレンズの内部のチャンバ中に充填される。あるいは、酵素または試薬は、
これを吸収できるソフトレンズを、酵素または試薬を含有する溶液中に浸漬する
ことによって、該ソフトレンズ中に充填または含浸させることができる。酵素ま
たは試薬は、ソフトレンズと剛性レンズを組み合わせたものにも充填することが
できる。
【0054】 角膜コラーゲンを再器質化する酵素または試薬を投与するため使用するコンタ
クトレンズの以下の全ての実施態様において、酵素または試薬は、前記レンズ内
のチャンバからまたはレンズの材料から(酵素または試薬がソフトレンズ中に含
浸される場合)拡散する(放出される)ように、投与される。異なるコンタクト
レンズ送達賦形剤の投与量は、当業技術者が日常的な実験によって最適化するこ
とができる。
【0055】 ここに開示の発明のコンタクトレンズによる一投与方法において、角膜コラー
ゲンを再器質化する酵素と試薬は、剛性コンタクトレンズを使用して眼に供給す
ることができる。これらのレンズは、公知のフッ素シリコーンアクリル酸樹脂の
レンズ材料で製造することができ、その材料は通気性である。レンズは、角膜コ
ラーゲンを再器質化する酵素または試薬を蓄えるための内部チャンバを備えてい
る。そのチャンバは、好ましくは、レンズの前面と後面の間に、レンズ全体を囲
む、半径方向に対称の空間を構成している。
【0056】 この発明の目的のための剛性レンズは、後部部材と前部部材をコンタクトレン
ズボタン(contact lens button)から、旋盤による切削、成形またはフライス削
りによって作製し、これら後部部材と前部部材は、組立て時に、当該技術分野で
公知の接合技術または接着剤を使用してともに結合して単一レンズを製造するこ
とができる。前記チャンバは、最終的にレンズを組み立てる前に、レンズの後部
要素の凸表面に環状凹みを旋盤切削することによって製作することができる。こ
こに開示の発明に従って、各種の寸法を使用することができ、好ましいレンズは
、幅が約1.0mm〜約1.5mmで深さが約0.05mm〜約0.10mmの
環状チャンバを備えている。
【0057】 チャンバと眼の間を流体が流通できるようにして、角膜コラーゲンを再器質化
する酵素または試薬を角膜中へ除放しやすくするため、複数の微視的通孔がレン
ズの後部に設けられる。これらの通孔は、機械またはレーザによるドリリングに
よって、またはレンズの前部要素と後部要素を組み合わせる前に成形することに
よって設けることができる。一つの実施態様では、これら通孔は、マイクロカー
ボン(microcarbon)ドリルビットを有する機械ドリルを使用してドリルされる。
【0058】 眼瞼のポンプ作用は、自然の流涙と相俟って、角膜コラーゲンを再器質化する
酵素または試薬の前記小通孔を通しての放出を助長する。好ましくは、これらの
通孔は、マイクロカーボンのビットで機械的にドリルすることによって作られ、
約0.002mmから約0.010mmの直径、好ましくは約0.005mmの
直径を有する。当業技術者にとって明らかであろうが、これら通孔の数と直径を
変えて、除放特性を変化させることができる。しかし、一般に、上記に特定した
範囲内の直径の場合、約3個から約10個の通孔を使用することが考えられる。
【0059】 レンズの一実施態様において、レンズの後部は、中心点の厚さが約0.12m
mであり、環状凹みは、約0.075mmの深さまで旋盤で掘削される。各々直
径が約0.005mmの通孔を、チャンバの底部にドリルで開け、チャンバの周
縁に等間隔で配置して、レンズの後面との連通を取る。レンズ内の通孔の数は、
チャンバからの角膜コラーゲン再器質化酵素または試薬の望ましい投与速度に応
じて変える。
【0060】 レンズの前部は、中心点の厚さが約0.12mmであり、その後、後部に固着
して、前記環状凹部を封じ込んでチャンバを形成させて、全中心厚さが約0.2
4mmのレンズを形成する。接合は、3M(米国ミネソタ州セントポール)が販
売している Concise(商標)エナメル接合剤系などの接合剤の少量を付けること
によって達成することができる。コンタクトレンズの後部と後部を結合する他の
手段は、当業技術者にとっては明らかであろう。
【0061】 ここに開示の発明の他の局面では、積層して合わされている2つの層で構成さ
れたコンタクトレンズが提供される。ここに開示の発明のコンタクトレンズのこ
の有利な設計においては、角膜コラーゲンを再器質化する酵素または試薬を蓄え
るためのより大きなチャンバを作り出すことができる。
【0062】 このコンタクトレンズの場合、コンタクトレンズの前部が前表面と後表面を有
して作られる。コンタクトレンズの後部も前表面と後表面を有して作られる。前
部の後表面の外周縁(outer merimeter)は、コンタクトレンズ後部の前表面の外
周縁と同じ曲率半径を有するように設計される。このようにして、前部の後表面
と後部の前表面を積層し合わせると、前部および後部の外周縁の間にシールが形
成される。
【0063】 しかしながら、コンタクトレンズ前部の中心部分において、後表面は、コンタ
クトレンズの後部の中心部分の前表面よりも急な曲率半径を有していてもよい。
このように曲率半径が急であると、前部と後部を積層して合わせると、コンタク
トレンズの前部の中心部分と後部の中心部分の間にチャンバが形成される。その
チャンばの容積は、当業技術者には明らかであるように、中心部分の後表面およ
び中心部分の前表面の曲率半径を変えることによって調節することができる。
【0064】 製造の前に、この設計のコンタクトレンズの後部の中心部分に一つ以上の通孔
が作られる。これらの通孔は、マイクロカーボンビットで機械的ドリリングを行
うことによって、またはアルゴンレーザなどのレーザによって作することができ
、そして約0.002mm〜約0.010mmの直径、好ましくは約0.005
mmの直径を有する。それら通孔の数と直径は、当業技術者には明らかであるよ
うに、除放特性を調節するため変えることができる。したがって、角膜コラーゲ
ンを再器質化する酵素または試薬の投与量をチャンバから小出しする速度は、コ
ンタクトレンズの後部の中心部分に存在する通孔の大きさと数によっておおむね
制御される。しかしながら、一般に直径が上記の特定の範囲内にある場合、約3
〜約10個の通孔の使用が意図される。これらの通孔は、チャンバと、コンタク
トレンズを着用している被検者の眼の表面との間を連通させるため、コンタクト
レンズの後部の中心付近の周りにに間隔をおいて配置されてもよい。
【0065】 このレンズの好ましい実施態様では、レンズの後部は、中心点の厚さを約0.
125mmとすることができる。レンズの前部は、中心点の厚さを約0.125
mmとすることができる。その前部と後部が合わされると、中心の全体の厚みが
約0.24mmのレンズができる。その接合は、3M(米国ミネソタ州セントポ
ール)が販売している Concise(商標)エナメル接合剤系などの十分な量の接合
剤をつけることによって達成することができる。他の接合方法も当業技術者にと
って明らかであろう。
【0066】 ここに開示の発明のこの実施態様のレンズは、公知のフッ素シリコーンアクリ
ル酸樹脂のレンズ用材料で製造することができる。そのような剛性レンズは、コ
ンタクトレンズボタンから、後部要素と前部要素を旋盤で切削するか、成形する
か、またはミリングを行うことによって製造することができる。前部要素と後部
要素を製造した後、これら要素を、当該技術分野で知られている接合技術、接着
剤、または他の取付け方法を使用して固着され、一体のレンズを形成することが
できる。例えば、エナメル接合剤系を使用してコンタクトレンズの前部と後部を
合わせることができる。そのような接合剤系の一例は、3M(米国ミネソタ州セ
ントポール)が販売している Concise(商標)エナメル接合剤系である。
【0067】 ここに開示の発明のこの局面のコンタクトレンズの代替実施態様では、レンズ
の中心部分に位置するチャンバではなくて、周縁に位置するチャンバを有するレ
ンズが提供される。その実施態様では、積層し合わされている前部と後部で構成
することができる。その実施態様では、チャンバが、レンズの中間の部分に設け
られる。
【0068】 別の実施態様では、チャンバは、レンズの前部の後表面の領域であって、その
レンズの前部の後表面の残り部分に見られる曲率の半径より急な曲率の半径を有
する領域を設けることによって、レンズの中間部分に形成される。チャンバを設
けたコンタクトレンズの上記実施態様の場合のように、レンズ中に含有して被検
者に投与することができる角膜コラーゲン再器質化酵素または試薬の体積は、レ
ンズの中間部分におけるレンズの内側部分の後表面の曲率半径およびレンズの中
間部分におけるレンズ後部の前表面の曲率半径によって概ね決定される。
【0069】 レンズの後部もまた、レンズの中間部分においてレンズの後部を貫通する通孔
を備えている。これらの通孔は、チャンバの内容物を、チャンバから被検者の眼
へと移動させる働きをする。これら通孔の数と大きさが、角膜コラーゲン再器質
化酵素または試薬を眼に送達する速度を概ね決定する。
【0070】 チャンバを設けたコンタクトレンズの実施態様について、レンズの前部と後部
を積層し合わせることによって製造される場合を説明してきたが、当業技術者は
、先に述べたチャンバを形成する他の方法も可能であることが分かるであろう。
【0071】 ここに開示の発明のさらなる送達方法によれば、ソフトレンズのバンデージま
たはシールドに、角膜コラーゲンを再器質化する酵素または試薬の投与量を含浸
させるかまたは装填させる。次いで、そのソフトレンズを角膜に適正に当てがっ
て数時間着用して、前記酵素または試薬を角膜中に放出させる。その酵素または
試薬が角膜のコラーゲンを十分に改変した後、そのソフトレンズは溶解されるか
または外される。
【0072】 他のタイプのソフトレンズ材料は、酵素または試薬を含有する溶液を少量しか
吸収せず、その溶液をより迅速に放出する傾向がある。そのような材料の例は、
Vistacon and Wesley Jessen から入手できる etafilcon A および phemfilcon
A などの普通の親水性のソフトレンズ材料である。これらのレンズには、使い捨
てまたは長時間着用の種類がある。水分含有が約58%から約70%のレンズが
、ここに開示の方法に有用であると分かるであろう。
【0073】 <用途分野> ここに開示の発明の意図している一つの用途は、角膜混濁を治療することであ
る。角膜の混濁は、年齢とともに、角膜コラーゲンがその組織を失うにつれ、ま
たは何らかの外傷の結果として、起こってくる。ここに開示の発明の組成物と方
法は、そのような角膜の混濁を無くすのに有用である。
【0074】 ここに開示の発明の意図している他の用途は、各種の角膜手術の結果起こる不
規則性を修復し、かつやはり各種の角膜手術の結果起こる屈折異常を改善するこ
とである。考えられるこれらの手術としては、光学的角膜屈折矯正手術(PRK
)、LASIK、放射状角膜切開術、角膜移植片移植法および白内障手術がある
。例えば、LASIKは、世界中で行われている極めて普通の処置法になってい
る。この技術自体は、非常に成功しているが、角膜コラーゲンの組織崩壊が原因
の、この治療の副作用の事件が増えている。ここに開示の発明を使用すると、各
種の外科手術を使用しての角膜の外科手術再形成に続いて、被検者の視力を改善
することができる。
【0075】 この発明のこの実施態様では、LASIK処置を受けたことがある患者が同定
され、許容可能な角膜コラーゲン再器質化試薬が選択される。角膜コラーゲン再
器質化試薬の投与は、外科処置を行う前、実施中または行った後に実施すること
ができる。一実施態様でほ、被検者は、角膜コラーゲン再器質化試薬を、外科処
置の後に受け、角膜の適切な治癒が容易になる。上術したように、意図する投与
経路としては、注射と局所投与がある。
【0076】 同様に、ここに開示の発明は、他の角膜処置、例えば角膜移植片移植手術およ
び白内障手術の成功するチャンスを大きくすることもできる。角膜移植のような
外科処置が臨床で失敗する最も一般的な理由の一つは、他の点では成功している
外科手術に続いての残留屈折異常が存在することである。ここに開示の組成物と
方法を使用すると、疾病、外科手術または他の条件の結果として起こる屈折異常
を修正することができる。また、ここに開示の発明の組成物と方法は、外科的処
置の結果の視力を改善することによって、望ましくない屈折異常を無くすのに現
在必要とされる後続の手術を行う必要性を減少させまたは無くす。
【0077】 ここに開示の発明の上記の方法を利用してこれらのさらなる臨床上の利点を実
効あらせるために、角膜混濁、角膜コラーゲンの組織崩壊が見られる被検者、ま
たは角膜の処置を受けたことがある視検者を第一に同定する。このような同定は
、角膜の混濁があり、角膜コラーゲンの組織崩壊があり、または角膜の処置を受
けたことがあることが、個体について診断できる眼の専門医または当該技術に長
けた他の開業医によって通常達成される。先に述べた投与方法を次いで使用して
、角膜コラーゲンの再器質化を誘発し、視力を高める。
【0078】
【実施例】
実施例I <ウサギにおけるチメロサール、ヒアルロニダーゼ(ACS)およびヒアルロニ
ダーゼ(Wydase(登録商標))の眼に対する毒性> 体重が1.5kg〜2.5kgのニュージーランドクロス種(New Zealand Cro
ss variety)52頭(雄26頭、雌26頭)の健康なウサギに、同定のため個々
にマークを付けて、個々に懸垂ケージ中に収容した。これらの動物には、随意に
飲める水道水とともに、一日一回市販のペレット化されたウサギ用食餌を与えた
【0079】 これらの動物は、4頭ずつ(雄2頭、雌2頭)の13グループに分けた。各グ
ループの2頭の動物(雄1頭、雌1頭)を選んで、処置前の眼底撮影とフルオレ
セイン血管造影を行った。
【0080】 上記眼底撮影は、実験動物を拘束し、視神経、網膜アーケードおよび眼底を視
覚化して、Kodak Gold 200ASAフィルムを装填した KOWA(登録商標)RC-3 眼底カメラを使って行った。
【0081】 フルオレセイン血管造影は、2%滅菌フルオレセイン溶液1.5mlを、耳の
縁の静脈(marginal ear vein)を通して注射して行った。注射後約30秒に、視
神経、網膜血管および眼底の部位を特定し次第、フルオレセインが見えるように
なった。
【0082】 翌日、各動物に34mg/kgの塩酸ケタミンと5mg/kgのキシラジンの
混合物を静脈投与することによって麻酔をかけた。開瞼器を使用して眼瞼を後退
させ、次いでヨードーポピドン洗浄液で眼を消毒した。
【0083】 緩衝塩類溶液(BSS)、BSS+チメロサール、(Wydase(登録商標))ま
たはヒアルロニターゼ(ACS)のいずれかの実験処置剤を、1ccのツベルクリ
ンシリンジに30ゲージ0.5インチの針を取り付けて使用して、注射により投
与した。この実施例で使用したヒアルロニターゼ(ACS)溶液は、チメロサー
ルを含有せず、前記[表2]に記載の具体的な好ましいヒアルロニナーゼ(AC
S)配合で構成されていた。各実験動物グループに投与した実験処置剤は、以下
のとおりであった。
【0084】
【表6】
【0085】 注射の翌日(1日目)、眼底撮影とフルオレセイン血管造影を受けた26頭の
動物を、投与前の検査と同じ方法を使用して観察した。
【0086】 注射後の2日目、投与前および1日目に眼底撮影とフルオレセイン血管造影を
受けた13頭の雄ウサギ、および撮影に選ばれなかった13頭の雌ウサギを、ペ
ントバルビタールナトリウムベースの薬物で安楽死させた。次いで、眼を外科手
術で取り出し、pH7.37の0.1Mリン酸塩緩衝食塩水と2.5%グルタル
アルデヒド固定溶液内に入れた。他方、一頭の無作為に選んだウサギをペントパ
ルウビタールの注射で安楽死させ、次いで前記グルタルアルデヒド溶液を左心房
に心臓内注射することによって固定して、摘出した眼の組織的知見に対する前記
固定処置の影響を確認した。
【0087】 7日目に、先に前記撮影と血液造影を行った13頭の雌ウサギについて、先に
述べた方法で同じ観察を行った。
【0088】 投与から7日後に残りの26頭の動物を上述のようにして安楽死させた。それ
らの眼を、2日目に固定したのと同じやり方で固定した。また、一頭の無作為に
選んだウサギに、先に無作為に選んだ動物について上述したのと同じ心臓内グル
タルアルデヒド固定処置を実施した。
【0089】 この実施例で処置した動物の眼を、処置剤に関連する毒性の証拠のため、肉眼
と顕微鏡で検査した。各処置グループの毒性または非毒性の組織学的証拠の概要
を記載した表を以下の[表7]に示す。
【0090】 まとめると、BSSで処置した対照グループの眼には、投与から2日後と7日
後に毒性は認められなかった。
【0091】 BSS+チメロサール(0.0075mg)で処置した第2グループの動物の
眼には、2日目に毒性が認められなかったが、7日目には血液網膜関門の破損が
あったという証拠を示した。
【0092】 BSS+チメロサール(0.025mg)で処置した第3グループの動物は、
投与後2日目と7日目に重篤な処置関連の毒作用を示した。
【0093】 1IUの投与量の Wydase(登録商標)で処置した第4グループの動物には、
2日目と7日目に毒性は認められなかったが、15IU〜150IUの範囲内の
投与の Wydase(登録商標)で処置した第5〜8グループの動物の眼は、投与後
2日目と7日目に、概して投与に関連した毒作用を示した。
【0094】 1IU〜150IUの範囲内の投与量のヒアルロニダーゼ(ACS)で処置し
た第9〜13処置グループの動物の眼には、投与後2日目と7日目に毒作用の証
拠は認められなかった。
【0095】 したがって、チメロサールとチメロサール含有 Wydase(登録商標)の配合物
は、試験した投与量でウサギの眼に毒作用を起こすが、ヒアルロニダーゼ(AC
S)は、試験した投与量でこれらの動物に毒作用を全く起こさなかった。
【0096】 7日目に行った検査の結果を、[表7]にまとめてある。[表7]に示されて
いるように、全投与量が1IU〜150IUで、BSS+チメロサール(0.0
075mg)およびヒアルロニダーゼ(Wydase(登録商標))で処置されたウサ
ギの眼に、有意な毒作用が7日目に観察された。対照的に、1〜150IUの投
与量のヒアルロニダーゼ(ACS)で処置した動物の眼には、毒作用が全く認め
られなかった。
【0097】
【表7】
【0098】 実施例II <ウサギの角膜に注射したチメロサール、ヒアルロニダーゼおよびヒアルロニ
ダーゼ(Wydase(登録商標))の眼に対する毒性> 体重が1.5kg〜2.5kgのニュージーランドクロス種の20頭の健康な
ウサギに、同定のため個々にマークを付けて、個々に懸垂ケージ内に収容した。
これらの動物は、随時に飲める水道水とともに、一日一回市販のペレット化され
たウサギ用食餌を与えた。
【0099】 これら動物は、5頭ずつの4グループに分けた。20頭の全動物は、ウサギの
角膜の処置前の健康状態を調べるため、細隙灯生体顕微鏡検査法とフルオレセイ
ン染色法で、処置前に検査した。
【0100】 翌日、各動物に34mg/kgの塩酸ケタミンと5mg/kgのキシラジンの
混合物を静脈投与することによって麻酔をかけた。開瞼器を使用して眼瞼を後退
させ、次いでヨードーポビドン洗浄液で眼を消毒した。
【0101】 暖衝塩類溶液、ヒアルロニダーゼ(Wydase(登録商標))またはヒアルロニダ
ーゼ(ACS)のいずれかの実験処置剤を0.3ccのツベルクリンシリンジに
29ゲージ0.5インチの針を取り付けて使用して、注射により投与した。この
実施例で使用したヒアルロニダーゼ(ACS)溶液は、チメロサールを含有せず
、先に述べた具体的な好ましいヒアルロニダーゼACS配合で構成されていた。
【0102】 各動物グループに投与した実験処置剤は、次のとおりであった。(表8:PC
T=無番)
【0103】
【表8】
【0104】 注射後の1日目、7日目、15日目および30日目に、それら動物の目を、処
置剤に関連する毒性の証拠のため、肉眼と生体顕微鏡で検査した。
【0105】 まとめると、BSSで処置したグループと未処置の対照グループに毒性は認め
られなかった。
【0106】 チメロサールで保蔵された、ヒアルロニダーゼ(Wydase(登録商標))で処置
された第2グループの動物の眼には、毒性が認められた。ヒアルロニダーゼ(A
CS)で処置された第3および第4のグループの動物の目には、毒性が認められ
なかった。
【0107】 したがって、チメロサールを含有する Wydase(登録商標)の配合物は、試験
した投与量でウサギの眼に毒作用を起こすと結論される。しかし、ヒアルロニダ
ーゼ(ACS)は、試験した投与量で、これらの動物に対し毒作用を全く起こさ
なかった。
【0108】 実施例III <ヒトドナーの角膜におけるヒアルロニダーゼの角膜混濁透明化効能> 支質の瘢痕を有するヒトのドナー角膜を、死亡後24〜48時間内に入手した
。その角膜を撮影して、その瘢痕の所在を記録した。次いで、その角膜を臓器培
養器中に72時間入れた。その培養培地は、コンドロイチン硫酸、EGF、デキ
ストラン、セレンおよびビタミンAを補充した血清を含有していない改変ダルベ
ッコMEMで構成されているものであった。前記培地が10〜12ml入ってい
る10mmの滅菌培養皿内で、上皮の側を上にして培養した。次いで、その皿を
37℃で5%CO2の雰囲気の加湿インキュベータ内のロックプラットフォーム
の上に置い揺動させ、その組織の上皮表面を空気:液体の界面に間欠的に暴露さ
せた。
【0109】 3日目に、注射針の先端の斜面を角膜中央(mid-cornea)の方に向けて、滅菌食
塩水で再構成されたヒアルロニダーゼ(ACS)(500IU/20μl)を、
瘢痕に隣接して、試験角膜に支質内注射した。対照グループの角膜には、3日目
に食塩水を注射した。次いで、全ての角膜を培養器に戻した。その試験角膜に、
その後、7日目に上記のようにしてヒアルロニダーゼ(ACS)(500IU/
20μl)を注射した。
【0110】 これらの角膜を、瘢痕の消散について毎日検査した。消散は、角膜の混濁の有
無によって確認した。実験が終わったとき、角膜を再び撮影し、次いで光学顕微
鏡および電子顕微鏡によって検査するため処理した。
【0111】 <試験結果> 角膜は、培養中、膨潤がごく僅かで良好な形態を保持した。これらの角膜は、
ヒアルロニダーゼ(ACS)を注射する前に、72時間培養し、その培養系自体
が瘢痕の形態に影響しないことを保証した。この実験の試験結果を下記表にまと
めた。上記培養期間中に、瘢痕の外観に変化が全く認められなかった。ヒアルロ
ニダーゼ(ACS)を角膜支質中に注射した直後に、その注射部位に局部的なか
すみが生じる。そのかすみは、液体が支質中に注入されたことが原因と考えられ
、典型的に、注射後4〜8時間内に消失した。これまで、瘢痕があるヒト角膜を
合計14個試験したが、14症例中12症例において、その瘢痕は、ヒアルロニ
ダーゼ(ACS)で処置した後2〜4日内に裸眼検査ではもはや見えなかった。
これらの瘢痕は、IOL挿入後に通常見られる手術後の周辺の瘢痕から事故によ
る外傷が原因で生じる瘢痕まで、タイプと位置が様々である。発明者らが検査し
た瘢痕の大部分は、起源が不明であった。
【0112】 ヒアルロニダーゼ(ACS)の支質内注射は、角膜移植法に代わる処置として
、角膜混濁を消散させるのに非常に有効であるようである。(表9:PCT=無
番)
【0113】
【表9】
【0114】 実施例IV <ヒトのドナー角膜の超微細構造に対するヒアルロニダーゼの作用> ヒトのドナー角膜を、ドナーが死亡してから24〜48時間内に入手して、以
下の実施例に使用した。次いで、これらの角膜を切断し、1%グルテルアルデヒ
ド溶液で固定し、処理して、プラスチック中に埋包するかまたは臓器培養器に入
れた。培養器に入れた角膜は、次のようにグループ分けをした:a)処置しない
対象、b)食塩水を注射した対照、およびc)ヒアルロニダーゼを注射した(5
00IU/20μl)処置グループ。こららの角膜を、10〜12mlの培地が
入っている10mmの滅菌培養皿内で上皮側を上にして培養した。その培地は、
コンドロイチン硫酸、EGF、デキストラン、セレンおよびビタミンAを補充し
た血清を含有していない改変ダルベッコMEMで構成されていた。次いで、上記
培養皿を37℃で5%CO2雰囲気の加湿インキュベータ内のロッカープラット
ホーム上において揺動させて、その組織の上皮表面を空気:液体の界面に間欠的
に暴露させた。
【0115】 処置期間の終りに、これらの角膜を切断し、1%グルテルアルデヒド溶液で固
定し、処理して、プラスチック内に埋包した。支質中央領域からの全横断切片(
1μm)を染色し、次いで光学顕微鏡法で検査した。さらに、超薄切片(0.1
μm)を続いて切り取り、透過型電子顕微鏡で検査した。コラーゲン原線維密度
の超微細構造上の変化を、電子顕微鏡写真(倍率124,000倍)から180
mm2あたりのコラーゲン原線維の平均数を計数することによって測定した。こ
の試験結果を[表10](PCT=TABLE VIII)にまとめた。
【0116】
【表10】
【0117】 <試験結果> 試験結果は、ヒアルロニダーゼ酵素を注射してから48時間後、コラーゲン線
維の再器質化が18.68%増加していることを示している。80歳女性の角膜
のコラーゲン線維の圧縮および再器質化の度合は、未処置の65歳男性の角膜と
比べて統計的に非常に有意な差がある。ヒアルロニダーゼ(ACS)を器質内に
注射することは、角膜コラーゲン線維を再器質化するのに非常に有効であった。
【0118】 実施例V <ヒトにおけるヒアルロニダーゼの角膜混濁透明化効能> この試験では、角膜混濁を有する2名のヒト患者を、1号患者には500IU
の投与レベルでそして2号患者には800IUの投与レベルで、ヒアルロニダー
ゼを一回支質内注射することによって処置した。この実験の観察結果を[表11
](PCT=TABLE IX)にまとめた。
【0119】
【表11】
【0120】 この実施例で処置された上記2名の患者では、角膜の混濁は、ヒアルロニダー
ゼ(ACS)の一回の支質内注射から30日以内に十分に透明になった。これら
の患者において、ヒアルロニダーゼ処置をしなかったなら、このような角膜の透
明化は起こらなかったであろう。
【0121】 実施例VI <角膜瘢痕を消失させるためのヒアルロニダーゼの使用> 角膜瘢痕が見られる女性患者が、彼女の視力を改善するためには角膜コラーゲ
ンの再器質化が必要であると同定される。その患者を、[表4]に開示したよう
にヒアルロニダーゼACSの支質内注射でもって処置する。この医薬組成物を、
角膜瘢痕を含有する眼の支質中に注射する。
【0122】 ここに開示の発明のヒアルロニダーゼACSによる処置は、眼の健康状態のベ
ースラインを確認するため完全な眼科検査を実施した後に開始される。その眼科
検査は、間接的な検眼鏡検査、細隙灯生体顕微鏡検査、周辺網膜の検査、眼圧の
測定、視力(裸眼および最良矯正)測定および総体的症状の検査である。
【0123】 上記予備検査の後、患者の冒されている眼に、ヒアルロニダーゼACSの支質
内注射を行う。両方の眼が冒されている場合は、別々に処置してもよい。処置さ
れる眼は、50IUの上記ヒアルロニダーゼACSの眼科溶液を含有する組成物
の40μlを支質内に注射して、角膜コラーゲン線維の再器質化を促進し、時間
の経過とともに、角膜瘢痕が消失する。
【0124】 処置の後、患者の眼を1日目、2日目、7日目、15日目、30日目および6
0日目に検査する。各検査日に、患者は、角膜瘢痕の透明化が監視される。上記
処置期間の終わりに、角膜の瘢痕は消失している。
【0125】 実施例VII <角膜の混濁を消失させるためのヒアルロニダーゼの使用> 角膜の混濁が見られる女性患者が、彼女の視力を改善するためには角膜コラー
ゲンの再器質化が必要であると同定される。角膜コラーゲンを再器質化する医薬
組成物を、角膜混濁を含有する眼に、[表4]に開示した組成物で前処理したソ
フトコンタクトレンズを介して局所投与する。この処置の結果、角膜混濁は消失
する。
【0126】 実施例VIII <放射状角膜切開術(RK)の後に視力を改善するためのヒアルロニダーゼの
使用> RKを受けた後、電灯のまわりのグレアまたはスターバースト(starbursts)(
かすみ)を含む視力が弱くなった徴候を呈している被検者が、角膜コラーゲン線
維の再器質化が必要であると同定される。RK手術の間に、臨床医は、角膜に、
メスを使って、車輪のスポークに似ているパターンの一連の切れ目(通常4〜8
本)をつける。これらの切れ目は、かなり深く、角膜の厚みの90%に達するこ
とがある。その切れ目は、V字形に似ており、角膜中央部を弛緩または平坦化さ
せ、角膜周辺部を急勾配にする。角膜の構造のこれら変化によって、角膜中央の
ドームが低くなって、非矯正視力が改善される。これらの切開が行われた後に、
その切れ目の端縁は、くっつき合って治癒する。この治療過程の間に、コラーゲ
ン線維は、くっつき合うが、この切開領域の線維の組織構造は、角膜の変わって
いない部分に見られる組織構造と同じレベルの組織構造ではない。これらの部位
においてコラーゲン線維の組織構造(器質化)が欠けていることによって、角膜
のかすみを生じることが多い。
【0127】 RK手術から約1週間後に、被検者は、[表4]に開示されているヒアルロニ
ダーゼ含有溶液を注射される。RK手術中にできた切開領域の角膜コラーゲン線
維は、ヒアルロニダーゼを投与することによって再器質化される。この処置の結
果、角膜のかすみは消失する。
【0128】 実施例IX <放射状角膜切開術(RK)中に視力を改善するためのヒアルロニダーゼの使
用> 実施例XIIIに概して述べたようなRKを受けている被検者に、角膜に切開
が行われた直後に[表4」に開示したヒアルロニダーゼ含有溶液を注射する。ヒ
アルロニダーゼの投与の結果、RK手術中にできた切開領域を治癒させる角膜コ
ラーゲン線維は、非処置の眼で治癒した線維よりも一層器質化される。RKに対
するこの補助処置は、角膜のかすみを防止するのに役立つ。
【0129】 実施例X 光学的角膜屈折矯正手術(PRK)の後に視力を改善するためのヒアルロニダ
ーゼの使用> PRKを受けた後、電灯のまわりのグレアまたはスターバースト(かすみ)を
含む視力が弱くなった徴候を呈している被検者が、角膜コラーゲン線維の再器質
化を必要であると同定される。PRK法は、RKの場合に行われるような角膜に
切れ目を入れるのではなく、エキシマーレーザを使用して、眼の表面の直径5〜
9mmの領域を削り取る。この方法は、軽い近視から中位の近視までの場合、角膜
の厚さの僅か5〜10%を取り除き、そして強度の近視の場合は、厚さの30%
まで、すなわちほぼヒトの毛髪1〜3本の太さの厚さを削り取る。この方法の主
な利点は、角膜のドームの一体性と強度が保持されることである。エキシマーレ
ーザは、193nmの波長に設定され、顕微鏡的に微小な角膜細胞層を、隣接す
る細胞を損傷することなく取り除くことができる。この方法によって、臨床医は
、眼にほんの僅かの外傷しか与えないで、角膜に極めて正確で具体的特定の変形
を行うことができる。
【0130】 角膜がPRK手術から回復するにつれて、角膜のコラーゲン線維は修復され再
び接合される。角膜コラーゲン線維の組織は、この治癒過程の間、損傷して、角
膜のかすみが生成する。
【0131】 PRK手術から約1週間後、被検者は、[表4]に開示されているヒアルロニ
ダーゼ含有溶液を注射される。PRK手術中にできた切開領域のコラーゲン線維
は、ヒアルロニダーゼが投与された結果、再び器質化される。
【0132】 実施例XI <光学的角膜矯正手術(PRK)中に視力を改善するためのヒアルロニダーゼ
の使用> 実施例Xに説明したようなPRKを受けている被検者に、[表4]に開示され
ているヒアルロニダーゼ含有溶液を、液滴の形態で、レーザ処置の直後に投与す
る。PRK手術中にできた切開領域の角膜コラーゲン線維は、ヒアルロニダーゼ
が投与された結果、再器質化される。PK対するこの補助処置は、角膜のかすみ
を防止するのに役立つ。
【0133】 実施例XII <LASIKの後に視力を改善させるためのヒアルロニダーゼの使用> LASIKを受けた後、電灯のまわりのグレアまたはスターバースト(かすみ
)を含む視力が弱くなった徴候を呈している被検者が、角膜コラーゲン線維の再
器質化を必要であると同定される。臨床医が、マイクロケラトーム(microkerato
me)または他の類似の装置を使用して、角膜を側部からスライスしてフラップを
作る。この装置の一部が、スライスを行っている間、角膜を平坦にし、均一な厚
さのフラップを作り出すようにする。臨床医師が、完全なフラップを作り出すた
めに、極度の精密さと注意を行使しなければならないのは、この段階である。フ
ラップを作り出した後、この組織を折り返して、角膜の内層を露出させる。
【0134】 フラップを折り返しておいて、臨床医は、ここでPRKに類似のエキシマーレ
ーザで処置された角膜の内層に屈折矯正を行う。処置が完了したとき、そのフラ
ップを元の位置に戻して、処置が完了する。眼は、この時点で、フラップを適正
位置にしっかり保持する自然吸引機能を有する。臨床医は、フラップを再配置す
るとき、非常に優れた適合を保証するために、注意を払わなければならない。上
皮の配置構成が殆ど乱されていないので、患者は、手術後に、高い快適レベルを
報告する。しかしながら、フラップが完全に再配置された場合でも、フラップの
周縁にある程度の組織破壊を起こしながら、角膜コラーゲン線維が修復される。
【0135】 LASIK手術からほぼ1日後、被検者に、[表4]に開示されているヒアル
ロニダーゼ含有溶液を注射する。LASIK手術中にできた切開領域における角
膜コラーゲン線維は、ヒアルロニダーゼを投与した結果、再器質化される。PK
に対するこの補助処置は、角膜のかすみを防止するのに役立つ。
【0136】 実施例XIII <LASIK実施中に視力を改善するためのヒアルロニダーゼの使用> LASIKを受けている患者に、[表4]に開示されているヒアルロニダーゼ
含有溶液を、液滴の形態で、実施例XIIに記載されているように角膜の表面再
建を行った直後に投与する。ヒアルロニダーゼ含有溶液を投与した後、フラップ
を再配置(resort)し、治癒させる。フラップを再配置した後、その角膜コラーゲ
ン線維は修復され、、LASIKで処置された角膜組織であってヒアルロニダー
ゼ含有溶液で処置されていない角膜組織と比べて、より器質化された具合に成長
する。RKに対するこの補助処置は、角膜のかすみを防止するのに役立つ。
【0137】
【付言】 以上の詳細な説明と実施例は、特定の実施様態に関してこの発明を説明してき
た。ここに開示の発明の意図された精神と範囲から逸脱することなく、ここに記
載の具体的な実施様態と配合物から各種の変形を作ることができることは、当業
技術者にとって理解されるであろう。したがって、そのような合理的な変形は、
全てこの出願の特許請求の範囲に含まれると意図されている。
【0138】
【文献類】
ここに挙げる文献類は、それら全体をここに援用する次第である。
【0139】 Borcherding, M., Blacik, L., Sittg, A., Bizzell, J., Breen, M., and
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on the morphology of collagen fibrils formed in vitro. Collagen Relat. R
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【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年6月13日(2001.6.13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角膜の瘢痕、混濁およびかすみを無くす医薬を製造するため
    の、角膜の瘢痕、混濁およびかすみを透明化する酵素の使用。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の使用において、 前記酵素がグリコアミノグリカナーゼ類、メタロプロテアーゼ類、およびプロ
    テインキナーゼ類からなる群から選ばれる ことを特徴とする使用。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の使用において、 前記グリコアミノグリカナーゼがヒアルロニダーゼ、ケラチナーゼ、コンドロ
    イチナーゼAC、コンドロイチナーゼβ、コンドロイチンABC、コンドロイチ
    ン4スルファターゼおよびこれらの組合せからなる群から選ばれる ことを特徴とする使用。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の使用において、 前記グリコアミノグリカナーゼがヒアルロニダーゼである ことを特徴とする使用。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の使用において、 前記ヒアルロニダーゼが1〜8000国際単位で投与される ことを特徴とする使用。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の使用において、 前記ヒアルロニダーゼが精製された形態にある ことを特徴とする使用。
  7. 【請求項7】 請求項7に記載の使用において、 前記ヒアルロニダーゼが、10%のSDS−PAGEを使用して100,00
    0を超えるヒアルロニダーゼ分子量の部分、60,000〜70,000の間の
    ヒアルロニダーゼ分子量の部分、あよび40,000未満のヒアルロニダーゼ分
    子量の部分を欠いている ことを特徴とする使用。
  8. 【請求項8】 請求項2に記載の使用において、 前記メタロプロテイナーゼがメタロプロテイナーゼ1、2、3、および9から
    なる群から選ばれる ことを特徴とする使用。
  9. 【請求項9】 請求項2に記載の使用において、 前記プロテインキナーゼ酵素がストレプトキナーゼおよびウロキナーゼからな
    る群から選ばれる ことを特徴とする使用。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の使用において、 皮質内注射によって投与が行われる ことを特徴とする使用。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の使用において、 局所供給によって投与が行われる ことを特徴とする使用。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載の使用において、 コンタクトレンズによって投与が行われる ことを特徴とする使用。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の使用において、 前記投与ステップが単一回行われる ことを特徴とする使用。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載の使用において、 前記投与ステップが少なくとも2回行われる ことを特徴とする使用。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載の使用において、 前記角膜の混濁が、白内障手術、角膜移植、R)、PRKおよびLASIKか
    らなる群から選ばれた外科的処置が原因である ことを特徴とする使用。
  16. 【請求項16】 角膜の瘢痕、混濁およびかすみを透明化する量の酵素を投
    与するステップを含んでなり、 それにより角膜の瘢痕、混濁およびかすみが無くなることを特徴とする 角膜の混濁を透明化する方法。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の方法において、 前記酵素がグリコアミノグリカナーゼ類、メタロプロテアーゼ類、およびプロ
    テインキナーゼ類からなる群から選ばれる ことを特徴とする方法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の方法において、 前記グリコアミノグリカナーゼがヒアルロニダーゼ、ケラチナーゼ、コンドロ
    イチナーゼAC、コンドロイチナーゼβ、コンドロイチンABC、コンドロイチ
    ン4スルファターゼおよびこれらの組合せからなる群から選ばれる ことを特徴とする方法。
  19. 【請求項19】 請求項17に記載の方法において、 前記グリコアミノグリカナーゼがヒアルロニダーゼである ことを特徴とする方法。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の方法において、 前記ヒアルロニダーゼが1〜8000国際単位で投与される ことを特徴とする方法。
  21. 【請求項21】 請求項19に記載の方法において、 前記ヒアルロニダーゼが精製された形態にある ことを特徴とする方法。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の方法において、 前記ヒアルロニダーゼが、10%のSDS−PAGEを使用して100,00
    0を超えるヒアルロニダーゼ分子量の部分、60,000〜70,000の間の
    ヒアルロニダーゼ分子量の部分、あよび40,000未満のヒアルロニダーゼ分
    子量の部分を欠いている ことを特徴とする方法。
  23. 【請求項23】 請求項17に記載の方法において、 前記メタロプロテイナーゼがメタロプロテイナーゼ1、2、3、および9から
    なる群から選ばれる ことを特徴とする方法。
  24. 【請求項24】 請求項17に記載の方法において、 前記プロテインキナーゼ酵素がストレプトキナーゼおよびウロキナーゼからな
    る群から選ばれる ことを特徴とする方法。
  25. 【請求項25】 請求項16に記載の方法において、 皮質内注射によって投与が行われる ことを特徴とする方法。
  26. 【請求項26】 請求項16に記載の方法において、 コンタクトレンズによって投与が行われる ことを特徴とする方法。
  27. 【請求項27】 請求項16に記載の方法において、 局所供給によって投与が行われる ことを特徴とする方法。
  28. 【請求項28】 請求項16に記載の方法において、 前記投与ステップが単一回行われる ことを特徴とする方法。
  29. 【請求項29】 請求項16に記載の方法において、 前記投与ステップが少なくとも2回行われる ことを特徴とする方法。
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