JP2002542824A - 組換えラミニン5 - Google Patents

組換えラミニン5

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JP2002542824A JP2000615755A JP2000615755A JP2002542824A JP 2002542824 A JP2002542824 A JP 2002542824A JP 2000615755 A JP2000615755 A JP 2000615755A JP 2000615755 A JP2000615755 A JP 2000615755A JP 2002542824 A JP2002542824 A JP 2002542824A
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アリエル ブタウド、
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バイオストラタム インコーポレイテッド
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    • C07K2319/02Fusion polypeptide containing a localisation/targetting motif containing a signal sequence

Abstract

(57)【要約】 本発明は、組換えラミニン5、組換えラミニン5の製造方法、組換えラミニン5を発現する細胞、及び傷の治療を加速するため、及び細胞付着及び移行(migration)を促進するための、この組換えラミニン5の使用方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 相互参照文献 本出願は1999年4月30日にファイルされた米国特許出願第60/131
,720号、1999年8月19日にファイルされた第60/149、738号
、1999年9月24日にファイルされた第60/155,945号、および2
000年2月11日にファイルされた第60/182、012号に対して優先権
を有し、同文献はすべて全体が参照文献として本発明に含まれる。
【0002】 発明の分野 本出願は、組換えラミニン5およびその使用方法に関する。
【0003】 発明の背景 基底層(基底膜)はシート状の細胞関連性細胞外マトリクスであって、細胞の
生育、組織の伸展および組織の維持において中心的役割を果たしている。実質的
にはすべての組織中に存在し、胎児の発育における最初の段階に現れる。
【0004】 基底層は多様な構造的機能および細胞間作用機能において中心的役割を果たし
ている(例えば、MalilndaおよびKleinman、Int. J.B
iochem. Cell Biol, 28:957−959(1996);
Aumailley and KRieg,J.Invest.Dermato
logy 106:209−214(1996)らの、 1.基底層は組織にとっての構造的支持物としての役割をなし、細胞にとっての
接着性基質を提供している。
【0005】 2.基底層は細胞の遊走を阻止する組織コンパートメント間におけるパーム選択
性障壁を創出し、受動的に巨大分子の交換を制御している。以上の役割は腎糸球
体基底膜によって図で示され、重要な濾過構造としての役割を果たし、ほとんど
のタンパクおよび細胞を透過しない血液・組織障壁を創出する。
【0006】 3.基底層は、反応性の高い表面を有し、胎発生および損傷修復における細胞の
遊走と伸展を促進する。外傷を受けた後、基底層は表面を提供して細胞が再生し
、正常な組織機能を保持できるようにする。
【0007】 4.基底層はその構造中に分化と組織の維持にとって重要な情報をコードしてい
る。 この情報は、インテグリン、ジストログリカンおよび細胞表面プロテオグ
リカン等の様々な受容体を解して細胞へ伝えられる。信号伝達は、 マトリック
スリガンドの存在に依存するばかりでなく、これに対応し、適度に親和性を有す
る受容体にも依存しているが、3次元マトリックスの「地図」におけるリガンド
密度等のトポグラフィカルな因子や、クラスタ受容体にとっての基底層成分の能
力にも依存して変化する。以上のマトリックス蛋白は寿命が長いため、基底層は
基底層における「表面記憶」を創り出して、現存する細胞や一過性の細胞にとっ
ての「表面記憶」を創り出している。
【0008】 基底層はその大半がIV型コラーゲンヘテロトリマーから構成され、交互に複
雑なポリメトリック構造に組み込まれている。現在までのところ、6つのIVコ
ラーゲン鎖と少なくともラミニン鎖(および12個の異なるヘテロトリメトリッ
クラミニン)が同定されている。これらの鎖が圧縮した形に押し込められて独特
な機能をもち、共有の独特な機能を保持しており、特異的テンポラル(発達性)
および空間的(組織部位特異性)パターンを保持ししている。
【0009】 ラミニンは原則的には基底層内に残っているヘテロトリメトリックな糖蛋白の
ファミリである。ラミニンは隣接する細胞受容体との相互作用を介して機能して
おり、細胞機能に強力な影響を及ぼす重大な信号分子である。ラミニンは細胞の
生育と、組織の修復および発育における分化を促進する上で、細胞/組織の表現
型を両方維持する上で重要である。
【0010】 ラミニンは、共通する構造的機構を有する巨大なマルチドメイン蛋白である。
ラミニン分子は種々のマトリックス及び細胞双方向機能を1つの分子に統合する
【0011】 ラミニン分子は、コイル状のコイルドメインを介して一体に結合されたα−、
β−及びγ−鎖からなる。このラミニン分子はα鎖、β鎖、γ鎖が互いにコイル
状のコリドメインを介して連結する構造から成っている。この構造内部にはその
他のラミニンおよび基底層分子および膜結合受容体に近い結合能を保持できるド
メインが認識されている。ドメインVI、IVb、IVaはグローブ状をしてお
り、ドメインV、IIIb、IIIa(システインを豊富に含むEGF様成分)
はロッド状をしている。(Kamiguchi et al.,Ann.Rev
.Neurosci.21:97−125(1998))。3つの鎖のドメイン
IとIIは3重螺旋状コイル−コリ構造(長鎖)の形成に関わっている。
【0012】 表1は、各々のラミニン型の構造となっている個別の鎖を示す。
【0013】
【表1】 構造的に定義された4つのラミニン・ファミリ群が同定されている。同定され
た5つのラミニン分子中最初のグループは、すべてβ1鎖とγ1鎖を共有してお
り、α鎖(α1鎖からα5鎖)の組成にはばらつきが大きかった。同定された5
個のラミニン分子のうち2番目のグループは、すべてβ2とγ1鎖を共有し、α
鎖のばらつきが大きかった。同定されたラミニン分子のうち3つめのグループは
、1個の同定されたメンバー、ラミニン5を持ち、α3β3γ2の組成の鎖を持
っていた。同定されたラミニン分子のうち4つめのグループは、新たに同定され
たγ3鎖(α2β1γ3)からなる1つの同定されたメンバを有する。
【0014】 ドメイン構造と機能の間にある関係を明らかにする上で、若干の進歩が見とめ
られてきている。(例えば、Wewer and Engvall、Neuro
musc.Discord.6:p409−418(1996年)を参照のこと
)。全体的な配列は、異なるさにおいて相同なドメインと類似していたが、ドメ
インVIの中に一番高く(ラミニンの重合化にとって鍵となる役割を担うと考え
られている)、ドメインV(タンパク−タンパクの相互作用に関わっていると考
えられている) とドメインIIIがこれに続き(エンラクチン//ニドゲン結
合;細胞接着部位の可能性がある)、ドメインIとIIの中においていちばん少
なく(共に分子内構造に関わっていると考えられており、細胞接着部位を含むと
考えられる)、ドメインGの中にも少ない。すべてのドメインが3つの鎖すべて
の中に存在するわけではない。このグローブ状Gドメイン(細胞受容体の結合に
関わっていると考えられている )は、1個の鎖の中にのみ存在している。ある
種の鎖型においては、すべての鎖の中において他のドメインが存在しないことも
ある。例えば、ドメインVIはα3、α4、およびγ2鎖の中には存在しない(
Wewer and Engvall、1996年)。
【0015】 サイズが大きくなり(>600kD)構造が独特になった結果、ラミニン分子
は電子顕微鏡で解像することができる (Wewer and Engvall
、1996年)。代表的には、ラミニンはEM中において交差型分子の格好をし
ている。交差部分の3つの単腕部は互いに分かれた3つのラミニン鎖の各々にお
けるアミノ末端部を意味している(鎖1つあたり1個の単腕部がある)。交差部
分の長腕部は3つの鎖のうちC−末端部を構成しており、これらが一緒になって
コイル状のコリ構造を成している(Wewer and Engvall、19
96年)。長腕部はグローブ状 Gドメインで終っている。
【0016】 長腕部のコイル状コリドメインはラミニンにおける3つの鎖を構築する上で重
要となっている(Yurchenco et al.,Proc.Natl.A
cad。Sci.94:10189−10194(1997年))。ジスルフィ
ド結合は架橋を形成して、長腕部の一番近傍にある3つの鎖すべてを安定化し、
長腕部の一番ジスタル領域にあるβ鎖とγ鎖を連結させる。
【0017】 培養骨格ミオチューブおよびシュヴァン細胞を使った実験を基礎とするラミニ
ン受容体利用の自己構築モデルは、リガンドが結合していない場合、ラミニンは
液状膜中に自由に拡散している受容体に結合しているものと予言している。受容
体との結合が、強制的にこういった受容体を高度に局在化した2次元濃度に追い
やり、その巨視的作用によって定められた表面ポリマを構築するようならしめて
いる。この過程において、結合している受容体もまた、再度構成され、これに合
わせて細胞骨格の再構成が行われる(Colognato,J.Cell Bi
ol.145:619−631(1999))。この認識が受容体を活性化し、
細胞発現、形状および/または挙動を変化させて信号伝達のトランスダクション
を引き起こす。
【0018】 ラミニン受容体のうち1つのクラスがインテグリンであり、これは多くの細胞
マトリクスと細胞−細胞相互作用を仲介する細胞表面受容体である。インテグリ
ンはヘテロダイマーであって、1個のαサブユニットと1個のβサブユニットか
ら構成されている。16個のαサブユニットと8個のβサブユニットが知られて
おり、少なくともαサブユニットとβサブユニットには22個の組み合わせが現
在までに同定されている。インテグリンの中には1個または複数の既知のリガン
ドのみを有するものもあり、中にはきわめて乱雑なものもある。インテグリンへ
の結合は一般に親和性が低く、2当量の陽イオンに依存している。インテグリン
はそれらのリガンドへ結合することによって活性化され、フォーカルな接着やマ
イトゲン活性化キナーゼ等のキナーゼ活性化カスケードを介して信号をトランス
ジュースしている。異なるインテグリンは異なるミニンイソフォームに多かれ少
なかれ特異的に結合する。(Aumailley et al.,in The
Laminins,Timpl and Ekblom,eds.,Harw
ood Academic Publishers,Amsterdam.12
7−158ページ)。
【0019】 ラミニン−5はカリニン、ニセイン、およびエピリグリンともいわれ、細胞の
挙動や活性のモジュレートにとって重要な役割を果たし、上皮の接着やヘミデス
モソームの構築が必要とされるに従い、臨床設定において幅広く使われることが
期待されている。(Takeda et al.,J.Invest.Derm
atol.1999年、113(1):38−42ページ)。ラミニン−5は上
皮基底層において主要な接着性リガンドであって、ケラチノサイトおよび上皮細
胞の接着を促進することが示されており、現状でのデルミス、ヘミデソモソーム
の構築をも促進するといわれる(米国特許第5,770,562号のバーゲソン
等(Burgeson et al.)、米国特許第5,422,264号のQ
uaranta and Hormia、米国特許第5,541,106号のJ
ones、米国特許第5,658,789号のQuaranta and Ho
rmia、Hormia et al.,のJ.Invest.Dermato
l.1995年10月、第105巻第4号:557−561ページ)。
【0020】 ラミニン5はまた、上皮組織の傷の治療にも必要であると考えられている(G
oldfingerら、J.Cell Sci.1999;112(Pt.16
);2615―2629)。ラミニン5での移植用ヒトケラチン生成細胞の前処
理は、移植効率を改良する(Takedaら、J.Invest.Dermat
ol.1999 Jul;113(1):38―42)。ラミニン5の添加は、
皮膚の同等モデルにおいて、基底膜の形成を加速する(Tsunenagaら、
Matrix Biol.17(8―9):603―613、1998)。ラミ
ニン5はまた、ポリマー、ヒドロキシアパタイト、及び金属を含む、非常に多様
な生物材料への上皮細胞付着をも促進する(Jonesら、米国特許第5,58
5,267号;El Ghannamら、J.Biomed.Mater.Re
s.1998 Jul;41(1):31―40)。
【0021】 ラミニン5はさらに、下記のものを促進することも証明された: 1.歯の内部基礎層板への上皮細胞接着(Mullenら、J.Period
ontal.Res.1999 Jan 34(1):16―24;Hormi
aら、J.Dent.Res.1998 Jul:77(7):1479―14
85)及びエナメルマトリックスへのエナメル芽細胞(すなわち、エナメル生産
細胞)の固定(anchorage)(Yoshibaら、Cell Tiss
ue Res.1998 Apr:292(1):143―149)。
【0022】 2.角膜上皮細胞接着(Qin及びKurpakus,Exp.Eye Re
s.1998 May 66(5):569―579)。
【0023】 3.腸上皮回復(Lotzら、Am.J.Pathol.1997 Feb:
150(2):747―760)。
【0024】 4.一次細胞培養用の効率的接着基質を供給することによる上皮細胞の試験管
内膨張。従って広範囲の新規細胞治療への用途のための基礎を供給する(Gon
zalesら、Mol.Biol.Cell.1999 Feb;10(2):
259―270;Bakerら、Exp.Cell Res.1996 Nov 1;228(2)262―270)。
【0025】 5.すい臓ベータ島細胞(Todorovら、Transplant.Pro
c.1998 Mar;30(2):455;Quaranta及びJones
、米国特許第5,510,263号;Halberstadtら、米国特許第5
,681,587号;Halberstadtら、米国特許第5,672,36
1号)、及びT細胞(Vivinus―Nebotら、J.Cell Biol
.1999 Feb 8;144(3):563―574)の増殖。
【0026】 従ってラミニン5は、上皮付着の増加及びヘミデスモソーム集合が必要とされ
るような臨床的環境に広い用途を有する。ラミニン5は、傷の治療及び組織の再
生を促進するために用いることができる。外生ラミニン5の使用は、皮膚障害、
例えば糖尿病性足潰瘍、静脈潰瘍、とこずれ、皮膚手術、やけど、及び急性外傷
の治療の加速に広い用途を有する。外生ラミニン5は、傷表面を直接治療するた
めに用いることができ、あるいは多様な医療器具、及び皮膚、角膜、胃腸、及び
歯周上皮の傷の治療用の皮膚移植片に用いることができる。ラミニン5の使用は
、器具又は移植片の生体適合性の向上を生じ、これによって、組織の組込み及び
再建(remodeling)の改良、免疫応答の減少、及び感染の可能性の減
少を生じる。ラミニン5はまた、様々な細胞型の生体外及び試験管内増殖にも有
用である。これらの細胞型には、上皮細胞、すい臓ベータ島細胞、及びT細胞、
及び組織同等物が含まれるが、これらに限定されるわけではない。従って組織培
養培地又は培地サプリメント用のラミニン5源、並びにラミニン5で被覆された
細胞成長基質は、これらの細胞型及びその他の細胞型の培養に特に有用であろう
【0027】 ラミニン5に良好な源及びこのための精製手順は、前記治療及び研究への用途
の開発用材料を供給するために必要とされる。いくつかの細胞系はラミニン5を
分泌するので、プロセス細胞及び細胞培地からのラミニン5を精製するための手
順が開発された。しかしながらこれらの方法は時間がかかるものであり、少量の
ラミニン5しか生産することができない(Rouselleら、J.Biol.
Chem.1995 270(23):13766―13770;Chengら
、J.Biol.Chem.1997、272(50):31525―3153
2)。
【0028】 しかしながら好ましい生産方法は、組換えラミニン5を生産するための、えり
抜きの細胞系を作り変えるため(engineer)の組換えDNA技術の使用
である。ラミニン5生産の組換えをベースとした方法は、組織からの精製又は培
養中の細胞系からの単離よりも優れたいくつかの利点を有する。
【0029】 1.組換え生産タンパク質は、病原体を含まない。このことはまた、内生細胞
培養生産タンパク質にもあてはまるが、ヒト組織に由来するタンパク質は、HI
V、肝炎、及びその他の感染物質による汚染のリスクを有する。
【0030】 2.タンパク質の発現レベル、従って収率は、エンコードされたタンパク質の
生産を高める、遺伝的に作り変えられた遺伝子/ベクターの使用によって改良す
ることができる。
【0031】 3.商品として見込みのある親和精製手順のための結合部位を供給する、タン
パク質鎖への追加のペプチド配列を作ることは可能である。
【0032】 4.この方法は、タンパク質領域構造の追加、置換、除去、及び/又はその他
の修飾によって、タンパク質構造/機能の修飾を提供することができる。例えば
、インテグリン結合部位(例えばRGD)、スイッチインテグリン認識部位を導
入するか、あるいは合成基質への安定した結合部位に作り変えることも望ましい
であろう。従ってラミニン鎖を発現する発現ベクターの創造は、将来の使用のた
めの非常に大きい柔軟性を発生させ、第二世代「デザイナー」ラミニンを作り出
すための基礎を生じる。
【0033】 以前の研究では、ラミニン5鎖―エンコーディングDNA配列の1つ又は2つ
でトランスフェクションされた細胞が生産されたが、どれも組換えヘテロトリマ
ーラミニン5を生産せず、組換えヘテロトリマーラミニン5を分泌する細胞系を
生産しなかった(Gagnoux―Palaciosら、J.Biol.Che
m.271:18437―18444(1996);Matsuiら、J.Bi
ol.Chem.270:23496―23503(1995))。
【0034】 従って組換えヘテロトリマーラミニン5タンパク質、組換えラミニン5の製造
方法、傷の治療及び組織の再生のため、多様な医療器具、及び皮膚、角膜、胃腸
、及び歯周上皮の傷の治療用の皮膚移植片への使用のため、様々な細胞型の生体
外及び試験管内増殖のため、及び組織培養培地、培地サプリメント用、及び細胞
成長基質の成分としての組換えラミニン5の使用方法に対して、この技術におい
てニーズが存在する。
【0035】 発明の概要 本発明は、組換えラミニン5タンパク質、組換えラミニン5の製造方法、やけ
どの治療のため、多様な医療器具、及び皮膚、角膜、胃腸、及び歯周上皮の傷の
治療用の皮膚移植片への使用のため、様々な細胞型の生体外及び試験管内増殖の
ため、及び組織培養培地、培地サプリメント用、及び細胞成長基質の成分として
の組換えラミニン5の使用方法に対する、この技術におけるニーズを満たす。
【0036】 1つの態様において、本発明は、ラミニンα3、β3、及びγ2鎖をエンコー
ドする核酸配列でトランスフェクションされた細胞を提供する。ここにおいて、
これらの細胞は、ヘテロトリマー組換えラミニン5(以後「r―ラミニン5」と
呼ぶ)に集合する個々の鎖を発現する。r―ラミニン5、又はこれらのプロセス
形態は、この細胞によって分泌される。
【0037】 さらなる態様において、本発明は、r―ラミニン5、及び実質的に精製された
r―ラミニン5、又はこれらのプロセス形態の生産方法を提供する。
【0038】 さらなる態様において、本発明は、r―ラミニン5、又はこれらのプロセス形
態を、製薬的に許容しうるキャリヤーと共に含む製薬組成物を提供する。このよ
うな製薬組成物には場合によっては、傷の治療及び組織の再生の有用性を有する
その他の化合物、例えばその他の細胞外マトリックス成分が備えられていてもよ
い。
【0039】 さらなる態様において、本発明は、 a.傷の治療及び組織の再生を加速するため; b.皮膚の移植片の性能を向上させるため; c.歯の表面への歯肉組織の付着を改良するため; d.医療器具の生体適合性を改良するため、及び e.細胞増殖を加速するために、 様々な方法に有効な量のr―ラミニン5を供給することによる、r―ラミニン
5の使用方法及びキットを提供する。本発明はまた、血管形成を調節するための
ラミニン5の使用方法及びキットをも提供する。これらのキットは、所望の効果
のために有効な量のラミニン5又はr―ラミニン5と、これらの使用説明書とを
含んでいる。
【0040】 さらなる態様において、本発明は、改良された医療器具及び移植片を提供する
。ここにおいて、この改良は、所望の用途のために有効な量のr―ラミニン5又
は本発明の製薬組成物で、これらの器具又は移植片を被覆することを含む。
【0041】 さらなる態様において、本発明は、細胞の付着及びその後の増殖、分化、又は
維持のために、細胞培養器具への細胞の付着に効果的な量のr―ラミニン5を供
給することによる、培養中の細胞の増殖のための改良された細胞培養器具を提供
する。
【0042】 別の態様において、本発明は、r―ラミニン5を含む細胞培養成長サプリメン
トを提供する。さらなる態様において、本発明は、改良された細胞培養成長培地
であって、この改良がr―ラミニン5の添加を含んでいるような培地を提供する
【0043】 好ましい実施形態の簡単な説明 すべての参考文献、特許および特許出願はその全体が参考文献としてここに含
まれる。
【0044】 この出願においては、特に言明しない限り、利用される技術は(Molecu
lar cloning:Laboratory Manual(Samboo
k,et al.,1989,Cold Spring Harbor Lab
oratory press)、Gene Expression Techn
ology(Methods in Enzymology,Vol.185、
D.Goeddel編、1991年、Academic Press、San
Diego,CA)、Methods in Enzymologyの”タンパ
ク精製へのガイド”(M.P.Deutschcer,ed.,(1990年)
Academic Press,San Diego,C)、PCRプロトコー
ル、動物細胞の培養の方法と応用(Innis、et al.,1990年)A
cademic Press,Inc.;基本技術マニュアル第2版(R.I.
Freshney、1987年、Liss,Inc.New York、NY)
、遺伝子トランスファーと発現のプロトコルp109−128、E.J.Mur
ray編、The Humana Press Inc.,Clifton、N
.J.)およびAmbion1998年カタログ(Ambion,Austin
,TX)の中に利用される周知の技術において見出されている。
【0045】 ここで「ラミニン5」と示したものは、γラミニン5と、天然発生資源から得
たヘテロトリメリック・ラミニン5の両者を含む。
【0046】 「γ−ラミニン5」なる用語は、α3、β3およびγ2ラミニンポリペプチド
鎖、あるいは細胞加工イベントの結果得られたバージョン同様に、ヘテロトリメ
リック・ラミニン5を形成できる各々の差の一部をコードするポリヌクレオチド
から成る発現ベクターによって外因的に形質転換された細胞に発現される組換え
ヘテロメリックラミニン5を含む。このようなγラミニン5は、単一または異な
る複数の有機体に由来するα3、β3およびγ2配列から成る。ラミニン5鎖の
DNA配列と、そのコードタンパクがこの発明中で周知である。(参考文献とし
て、たとえば、Gerecke et al.,J.Biol.Chem.26
9巻、11073−11080ページ(1994年)、Kallunki et
al.,J.Cell Biol.119巻、679−693ページ(199
2年)、Ryan et al.,J.Biol.Chem.269巻、227
79−22787ページ(1994年)、Iivananinen et al
.,J.Biol.Chem.274巻、14107−14111ページ(19
99年)、Galliano et al.,J.Biol.Chem.270
巻、21820−221826ページ(1995年)、Sugiyama et
al.,Eur.J.Biochem.228巻、120−128ページ(1
995年)を参照し、その全体が本発明の参考文献として含まれる)。
【0047】 本発明においては、γラミニン5は分泌タンパクであり、ER、分泌担体を指
向し、シグナル配列を含む必要がない状態でこれらタンパクが細胞外腔へ放出さ
れるのと同様に、細胞外腔をも指向している。分泌タンパクが細胞外腔へ放出さ
れるならば、分泌タンパクは細胞外工程を介して「成熟した」タンパクを作りだ
すことができる。このような加工イベントは可変性を有し、最終的な「成熟」タ
ンパクには多様なバージョンのものが得られることになる。
【0048】 実質的に精製された本発明のγラミニン5は、全長鎖と、このように加工され
たあらゆるラミニン5鎖の両方から構成される。
【0049】 ここで利用されるように、ラミニン5ポリペプチド鎖は、次の (a) 1 R1−R2−R3 2 R1−R2−R3(e) 3 R3 4 R3(e) 5 R1−R3 6 R1−R3(e) 7 R2−R3 8 R2−R3(e) から成る群から選択されたポリペプチド構造であって、R1はアミノ末端メチオ
ニンであり、R2はポリペプチドの分泌指向性を有し、ここでシグナル配列は特
別なラミニン鎖、他の分泌タンパクに対する天然シグナル配列、および人工配列
であって、R3はα3鎖、β3鎖、γ2鎖から選択された分泌ラミニン鎖であり
、 R3(e)はさらに(後述するように)エピトープタグから構成されるα3鎖、
β3鎖、γ2鎖から選択された分泌ラミニン鎖であり、ラミニン鎖アミノ酸配列
中においてあらゆる位置で置換可能であり、および/または、 (b)は(配列番号NOS.1,3,5,7,9,11,13,15,17,1
9,21,23,25,27,29,31,33,35)に開示されたラミニン
ポリヌクレオチド配列またはその一部と実質的に同様のポリヌクレオチドにコー
ドされ、 (c)は((配列番号NOS.1,3,5,7,9,11,13,15,17,
19,21,23,25,27,29,31,33,35)に開示された1つま
たは複数の組換えラミニン5鎖DNA配列あるいはその一部をコードする領域に
対して高度または軽度に厳重性を有する条件でハイブリダイズするポリヌクレオ
チドによりコードされ、 (d)は、開示されたラミニンポリヌクレオチド鎖アミノ酸配列(配列番号NO
S.2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24,26
,28,30,32,34,36)に対して少なくとも70%の相同性を有する
か、好ましくは80%の相同性、最も好ましくは90%の相同性を有する配列、
からなる1つ以上のポリペプチドである。
【0050】 「実質的に同様の」という用語は、ここに開示されたラミニン5配列のうち1
つまたは複数の定常領域を有するポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列を参
照して使われ、消去、挿入、転換、反復および置換された領域も参照されるがこ
れには限定されず、こうして生じたラミミン鎖はここに開示された配列と機能的
にみて同等である。
【0051】 例えば、定常的なポリヌクレオチドバリアントは、コード領域、非コード領域
の両者またはいずれか一方において変性していることがある。特に好ましいのは
、ポリヌクレオチドバリアントがサイレント置換、付加または消去をもたらすよ
うな変化を含むことがあっても、コードされたポリペプチドの機能または活性を
変化させていないことである。サイレント置換によって産生されたヌクレオチド
バリアントは、遺伝子コードのデジェネラシーの点からみて好ましい。さらには
、5−10個、1−5個、または1−2個のアミノ酸が置換、消去、またはいず
れかの組み合わせによって行われていることも好ましい。ポリヌクレオチドバリ
アントは、様々な理由から産生することが可能であり、特定の宿主にとってのコ
ドン発現を最適化することもこれに含まれるが、それには限定されないものとす
る(ヒトのmRNAにおけるコドンがE.Coli等の細菌性宿主によってその
mRNAのコドンに変化している)。
【0052】 天然発生型定常バリアントは「アリール性バリアント」と呼ばれ、一つの有機
体上における1本の染色体において、該当するローカスを担う遺伝子に対する複
数の変化型のうち1つを意味している(Genes II,Lewin,B.,
ed.,John Wiley & Sons,New York(1985年
))。
【0053】 これらのアリールバリアントにはポリヌクレオチドレベルまたはポリペプチドレ
ベルの両者またはいずれかのレベルでばらつきがある。ばらつきがない場合は、
突然変異技術または直接合成技術によって、非天然発生型定常バリアントが産生
される。
【0054】 周知のタンパク合成法および組換えDNA技術の方法を使い、定常ポリヌクレ
オチドバリアントを作成して、発現されたラミニン鎖ポリペプチドの特徴を改善
または変化させることがある。例えば、分泌タンパクのN−末端またはC−末端
から1つまたは複数のアミノ酸が消去することがある(Gayleet et
al.,J.Biotechnology 7:199−216ページ。アンプ
ルの証拠により、バリアントが天然型のタンパクとしばしば同様の生物活性を保
持していることが示されている(例えば、Gayleet et al.,J.
Biol Chem 268巻:22105−22111ページを参照のこと)
。さらには、ポリペプチドのN−末端またはC−末端においてアミノ酸が1個ま
たは複数消去した結果、1つまたは複数の生物活性に変化が生じるかまたは欠損
し、その他の生物学的活性は保持されていることもある。
【0055】 表現型からみてサイレントなアミノ酸の置換方法を考慮したガイダンスがBo
wie,J.U.et al.,Science 247巻:1306−131
0ページ(1990年)に提供されており、ここでは著者が、変化に対するアミ
ノ酸配列の耐性について研究した主要な方策2つについて指摘されている。
【0056】 第1の方策では、進化の過程において自然選択により起こるアミノ酸置換への
耐性について探っている。異種間におけるアミノ酸配列を比較することによって
、定常的アミノ酸配列を同定可能である。このような定常アミノ酸はタンパクの
機能にとって重要である。これとは対照的に、自然選択による置換に耐えてきた
アミノ酸の部位では、このような部位がタンパク機能にとって重要なものでない
ことを示唆している。このようにして、部位耐性アミノ酸置換はタンパクの生物
活性を保持しながらも変化を受けることが可能である。
【0057】 第2の方策では、遺伝子合成法を用いて、クローニングされた遺伝子上の特定
の部位におけるアミノ酸を変化させ、タンパク機能にとって重要な領域を同定す
る。たとえば、部位指向性突然変異またはアラニン走査性突然変異(分子中のす
べての残基において1個のアラニン突然変異を起こす)を利用できる(Cunn
ingham and Wells,Science 244巻:1081−1
085ページ(1989年))。こうしてできた突然変異分子は生物活性の試験
に利用できる。
【0058】 著者が論ずるように、こういった2つの方策から、タンパクがアミノ酸置換に
対して驚くべき耐性を有していることが明らかとなっている。著者らはさらに、
特定のタンパク内において、どのアミノ酸の変化が一定のアミノ酸の部位でpe
rmissiveとなりやすいかをも指摘している。たとえば、(タンパクの4
次構造内部に)ほとんど埋没しているアミノ酸残基は非極性側鎖を必要としてい
るのに対して、表面に出ている側鎖のほとんどは遺伝的に保護されていない。さ
らには、耐性を生じる定常アミノ酸置換は、脂肪族または疎水性アミノ酸Ala
、Val、Leu、およびIleの置換、ヒドロキシル基SerおよびThrの
置換、酸性残基AspおよびGluの置換、アミド残基AsnおよびGln、塩
基性残基Lys、Arg、およびHis、芳香族残基Phe、Tyr、Trp、
小型のアミノ酸Ala、Ser、Thr、Met、およびGlyの置換に関与し
ている。
【0059】 本発明において「実質的に同様の」特性にはまた、(i)1つまたは複数の非
定常型アミノ酸残基の置換であって、置換されたアミノ酸残基が遺伝子コードに
コードされるか、またはコードされないもの、(ii)1個の置換基を有する1
つまたは複数のアミノ酸残基の置換、(iii)ポリペプチドの安定性および/
または可溶性を増大させる化合物(例えばポリエチレングリコールなど)と成熟
ポリペプチドとの融合、および/または(iv)さらなるアミノ酸とポリペプチ
ドとの融合、例えばIgG Fc融合領域ペプチド、またはリーダー配列あるい
は分泌性配列、あるいは配列促進目的の精製をも含む。このようなバリアントポ
リペプチドは、本発明における指導から得られた周知の技術の目的に含まれるも
のとする。
【0060】 例えば、別の荷電性アミノ酸によって荷電を帯びたアミノ酸、または中性アミ
ノ酸を含むポリペプチドバリアントは、凝集しにくくなるなど性質が改善されて
いることがある。薬理学的処方が凝集すると、凝集物の免疫活性が低下すること
によって活性が上昇し、クリアランスが上昇することがある。(ピンカードらの
臨床実験免疫学:Pickard et al.,Clin.Exp.Immu
nol.2巻:331−340ページ(1967年)、ロビンらの糖尿病:Ro
bbins et al.,Diabetes 36巻:838−845ページ
(1987年)、Cleland et al.,Crit.Rev.Ther
apeutic Drug Carrier Systems第10巻:307
−377ページ(1993年))。
【0061】 「ハイブリダイゼーションの厳重性」という用語は、核酸が安定している条件
下において使われる。転換もまた、本発明において開示されたラミニン鎖ポリヌ
クレオチドノコード配列のすべてまたは一部に対する高度に厳重な条件において
(本発明で定義するように)においてハイブリダイズする核酸を含む。融合する
核酸の融合部は長さが少なくとも50塩基対であることが多い。本発明において
周知であるように、ハイブリッドの安定性はハイブリッドの融点(T)に反
映する。Tは配列の相同性が1%低下するごとにほぼ1−1.5℃ずつ低下
する。一般には、厳重性を低くした条件ではハイブリッドの反応性は達成され、
続いてばらつきが洗い去られると、厳重性は高くなる。ハイブリダイゼーション
の厳重性に対する参照は、このような洗浄条件に関係している。このようにして
、本発明で使用されるように、50%ホルムアミド、5xSSC(750mMの
NaCl、75mMのクエン酸ナトリウム)50mMのリン酸ナトリウム(pH
7.6)、5xデンハート溶液、10%硫酸デキストランから構成される溶液中
で42℃で一晩培養し、20μgを変性させて、サケ精子DNAでシアし、続い
て0.1xSSCにより約65℃でフィルタを洗うことによって高い厳重性を得
た。
【0062】 この他の実施形態は、厳重性の低い条件下で本発明のポリヌクレオチドにラミ
ニン5−コード核酸配列をハイブリダイズさせるものである。ハイブリダイゼー
ションとシグナル検出の厳重性を変化させることは、原則的にはホルムアミド濃
度(ホルムアミドの濃度を下げることによって厳重性が下がる)、塩濃度、また
は温度の調節を介して達成できる。たとえば、厳重性の低さには6XSSPE(
20XSSPE=3M NaCl、0.2M NaHPO、0.02M E
DTA、pH7.4)、0.5%SDS、30%ホルムアミド、100μg/m
lサケ精子ブロックDNAからなる溶液で37℃で培養し、続いて50℃で1X
SSPE、0.1%SDSで洗うことが含まれる。さらに、より厳重性を低くす
るには、(5XSSC等の)塩濃度を上げることによって厳重なハイブリダイゼ
ーションの後に洗浄すればよい。
【0063】 上記の条件は、ハイブリダイゼーション実験においてバックグラウンドを低く
抑える目的で代用ブロック液を加えたり、あるいは置換したりすることで達成で
きることに留意されたい。代表的なブロック液には、デンハート液、BLOTT
O、ヘパリン、変性サケ精子DNA、市販の適正な処方が含まれる。特異的ブロ
ック液には、互換性の問題があるために、上記のハイブリダイズ条件を変更する
ことの必要なものがある。
【0064】 本発明で使われるように、2つのアミノ酸または核酸における「同一性のパー
セント」は、カーリンおよびアルツシュルのアルゴリズム(Karlin an
d Altschul、Proc.Natl.Acad.Sci.USA87巻
:2264−2268ページ、1990年)の方法、カーリンおよびアルツシュ
ルらによる変法((Karlin and Altschul、Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA90巻:5873―5877ページ、1993
年)を使って決定される。このようなアルゴリズムはAltschul et
al.(J.Mol.Biol.215巻、403−410ページ、1990年
)のNBLASTおよびXBLASTプログラムに含まれている。BLASTヌ
クレオチドサーチは、NBLASTプログラムを使って実行され、スコア=10
0、単語長=12により本発明の核酸分子に対する核酸配列の相同性を得ること
ができる。BLASTタンパクサーチは、XBLASTプログラムによって実行
され、スコア=50、単語長=3により本発明のポリペプチドに対するアミノ酸
配列の相同性を得ることができる。比較目的でギャップアライメントを得るには
、Gapped BLASTを使い、Altschul et al.(Nuc
leicAcids.ResRes 25巻、3389−3402ページ、19
97年)に示すように利用する。BLASTプログラムとGapped BLA
STを使うには、それぞれのプログラムのデフォルトパラメータ(すなわちXB
LASTおよびNBLAST)を使う。http:www.ncbi.nlm.
nih.gov.を参照のこと。
【0065】 本発明における更なる実施形態は、配列番号NOS.2,4,6,8,10,
12,14,16,18,20,22,24,26,28,30,32,34に
含まれる1個または複数のポリペプチド配列あるいは画分との間に、少なくとも
70%、好ましくは80%、さらにもっとも好ましくは90%の同一性を有する
ラミニン鎖ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むことが含まれる。
【0066】 本発明において使用されるように、「α3ポリヌクレオチド」は同一名のα3
ラミニン鎖をコードするポリヌクレオチドを示す。このようなポリヌクレオチド
は次の(a)配列番号NOS.2,4,6,8,10,12またはその画分に示
す前期ポリヌクレオチドの核酸、(b)配列番号NOS.2,4,6,8,10
,12またはその画分に示す配列に対して少なくとも70%の同一性を共有し、
さらには80%、理想的には90%の同一性を有するポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチド、(c)配列番号NOS.1,3,5,7,9,11に示すコ
ード配列またはその一部と高いあるいは低い厳重性においてハイブリダイズする
α3ポリヌクレオチド、(d)(1)R1−R2−R3、(2)R1−R2−R
3(e)、(3)R3、(4)R3(e)、(5)R1−R3、(6)R1−R
3(e)、(7)R2−R3、(8)R2−R3(e)から選択された一般構造
のポリペプチドをコードし、ここでR1とR2が前述のごとくであって、R3と
R3(e)が前述のごとくではあるが分泌α3鎖ポリペプチドを構成しない、の
うち1つまたは複数の特徴を有する。
【0067】 ここで使われるように、「β3ポリヌクレオチド」は同一名のβ3ラミニン鎖
をコードするポリヌクレオチドをいう。このようなポリヌクレオチドは以下に示
す(a)配列番号14,16,18,20,22,24に示す配列のうち1つま
たは複数の配列または一部と実質的に同一なアミノ酸配列を1個含む前記ポリヌ
クレオチドの核酸、(b)配列番号14,16,18,20,22,24に示す
配列のうち1つまたは複数の配列または一部と少なくとも70%、好ましくは8
0%、理想的には90%の同一性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチド、(c)配列番号13,15,17,19,21,23に示す配列のうち
1つまたは複数のコード配列または相補的配列に対して低いまたは高い厳重性を
もってハイブリダイズするβ3ポリヌクレオチド、(d)(1)R1−R2−R
3、(2)R1−R2−R3(e)、(3)R3、(4)R3(e)、(5)R
1−R3、(6)R1−R3(e)、(7)R2−R3、(8)R2−R3(e
)から選択された一般構造のポリペプチドをコードするβ3ポリヌクレオチドで
あって、R1とR2が前述のごとくであって、R3とR3(e)が前述のごとく
ではあるが分泌β3鎖ポリペプチドを構成しない、のうち1つまたは複数の特徴
を有することができる。
【0068】 ここで使われるように、「γ2ポリヌクレオチド」は同一名のγ2ラミニン鎖
をコードするポリヌクレオチドをいう。このようなポリヌクレオチドは、(a)
配列番号26,28,30,32,34,36に示す1つまたは複数の配列に実
質的に同様なアミノ酸1個をコードする前記ポリヌクレオチドのヌクレオチド、
(b)配列番号26,28,30,32,34,36に示す配列またはその一部
と少なくとも70%、好ましくは80%、理想的には90%の同一性を共有する
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、(c)配列番号25,27,29
,31,33,35に示す配列またはその一部のうち1つまたは複数の配列に対
して高いまたは低い厳重性の条件のもとにハイブリダイズするγ2ポリヌクレオ
チド、(d)(1)R1−R2−R3、(2)R1−R2−R3(e)、(3)
R3、(4)R3(e)、(5)R1−R3、(6)R1−R3(e)、(7)
R2−R3、(8)R2−R3(e)から選択された一般構造のポリペプチドを
コードするβ3ポリヌクレオチドであって、R1とR2が前述のごとくであって
、R3とR3(e)が前述のごとくではあるが分泌γ2鎖ポリペプチドを構成し
ない、のうち1つまたは複数の特徴を有することができる。
【0069】 ここで使われるように、「エピトープタグ」という用語は、キメラタンパクの
一部として発現しているポリペプチド配列をいい、ここでエピトープタグはエピ
トープタグに対して発生する抗体の認識部位としての役割をなすか、またはタグ
を含む配列のアフィニティー精製に使うその他の分子の結合部位としての役割を
なしている。
【0070】 ここで使われるように、「生物学的互換性の増大」という用語は、急性または
慢性炎症反応の誘導を低下することをいい、協働性の非コード生物材料と比べた
場合、ラミニン5−コート性生物材料に対する移植片の周辺組織での適正な分化
の阻害を低下させることをいう。
【0071】 ここで使われるように、「移植片」は天然型およびプロステチックな移植片お
よび移植物の両方を意味する。
【0072】 一つの態様において、本発明はα3、β3、γ2ラミニン5鎖から構成される
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと人工的に連結させるプロモータ配
列から構成される組換え発現ベクターで全体的に形質転換させた細胞を提供する
。多数回形質転換させたあと、細胞は各々の組換えラミニン5鎖を発現し、ヘテ
ロトリマーに組み込まれて、細胞培養中の培地から精製することができる。
【0073】 好ましい実施形態においては、α3、β3およびγ2ラミニンポリペプチド鎖
またはその一部から構成されるcDNAsコードタンパクは、発現ベキター中へ
サブクローニングすることができる。クローニングできない場合は、1つまたは
複数のイントロンを含み、可変性5’領域と非可変性3’領域を含むラミニン5
α3、β3、および/またはγ2遺伝子配列を利用できる。
【0074】 γ−ラミニン5を発現し分泌することのできる細胞ならば何でも利用できる。
好ましくは、真核細胞が使われ、もっとも好ましくは哺乳類細胞が使われるが、
腎ア脂肪及び上皮細胞株が使われるが、これに限定されない。特に好ましいのは
内因性のラミニン5を発現しない哺乳類細胞である。炭化水素及びジスルフィド
の翻訳後修飾にはラミニン5タンパクの保持とその機能が必要であるといわれて
いる。このため、たとえば抗体産生に対する抗原を得るために別の系が有用であ
っても、機能性γ−ラミニン5を産生する真核細胞を利用できる。
【0075】 「組換え発現ベクター」は、遺伝子産物の発現を有効にする能力をもつすべて
のプロモータに対する核酸コード領域または遺伝子と人為的に連結するベクター
を含む。ラミニン5の個々の鎖を発現させるために使われるプロモータ配列は(
CMV、SV40、RSV、アクチン、EF等のあらゆるプロモータの組み合わ
せを含むがこれに限定されず)コンスティチューティブであるか、または(テト
ラサイクリン、エクジソン、ステロイド反応性を含むがこれに限定されない)誘
導性を有する。この発現ベクターは、エピソームとして宿主中で置換できるか、
または宿主の染色体DNAへ統合させる必要がある。より好適な実施形態では、
発現ベクターはプラスミドから構成されている。しかし、本発明はウイルスベク
ター等、これと同等の機能を有する別の発現ベクターを含むことを強調している
【0076】 1つの実施形態において、少なくともラミニン鎖ポリペプチド配列またはその
一部は、「エピトープタグ」をコードする核酸配列に人為的に連結しており、こ
れによって少なくとも鎖の一つが発現されたエピトープタグを伴う融合タンパク
として発現している。このエピトープタグは、結果としてできたヘテロトリメリ
ックγ−ラミニン5が機能を残している限りは、アミノ末端、カルボキシ末端、
またはγ−ラミニン5鎖の末端部内部として発現している。結果としてできたγ
−ラミニン5ヘテロトリマーのアフィニティー精製を基本として利用できる限り
は、 あらゆるエピトープタグが利用される。このようなエピトープの例は、FLAG
(Sigma Chemical,St.Louis,MO)、myc(9E1
0)(Invitrogen、Carlsbad、CA)、6−His(Inv
itrogen、Novagen、Madison、WI)、およびHA(Bo
ehringer Manheim Biochemicals)を含むが、こ
れに限定されない。
【0077】 他の実施形態では、γ−ラミニン5鎖が1番目のエピトープタグのついた機能
性タンパクとして発現しており、少なくとも1つの別のγ−ラミニン鎖が2番目
のエピトープタグのついた機能性タンパクとして発現している。これにより、何
回も精製可能となっている。この代用としては、同一のエピトープタグを使い、
1個以上のγ−ラミニン鎖を有する融合タンパクを創出することができる。
【0078】 さらなる実施形態において、エピトープタグはγ−ラミニン5鎖から開裂させ
るよう合成することができる。この代用としては、γ−ラミニン5鎖にエピトー
プタグをつけず、γ−ラミニン5を標準クロマトグラフ法により精製する方法が
あるが、ラミニン5特異性抗体またはその他のラミニン5結合分子を使ったアフ
ィニティークロマトグラフ法、イオン交換法、疎水性交換法も含まれるが、これ
に限定されない。
【0079】 発現ベクターの宿主への形質転換は周知のあらゆる技術を使って実施可能であ
り、標準細菌形質転換法、リン酸カルシウムによる沈殿反応、エレエエクトロポ
レーション、リポソームを媒体とする方法、DEAEデキストランを媒体とする
方法、ポリカチオンを媒体とする方法、またはウイルスを媒体とする方法が含ま
れるがこれらに限定されない。
【0080】 さらに好適な実施形態では、細胞が安定して形質転換される。安定したトラン
スフェクションを実施する方法と適正な形質転換細胞の選択法は本発明において
周知である。もっとも好適な実施形態において、CMV(サイトメガロウイルス
)プロモータ作動性発現ベクターはヒト腎胎児性293細胞株において使用され
る。
【0081】 1個のラミニン鎖により形質転換した細胞から採取した培地を最初にウエスタ
ンブロット法にて、鎖特異性抗ラミニン−5抗体で解析した。トランスフェクシ
ョン後、1本のラミニン鎖による発現は一般的に細胞内で起こっている。個々の
形質転換鎖に対する反応性を示すクローンは、PCR、逆転写PCR、または核
酸ハイブリダイゼーション等の適正な方法で修正し、形質転換遺伝子が取り込ま
れていることを確認している。好ましくは、ラミニン鎖特異性プライマー対を使
い、PCRによってこのようなクローンのゲノムDNAを解析する。形質転換し
、この3つの鎖すべてを産生するクローンから得た培地を、ヘテロトリメリック
ラミニン5分泌および/または活性についてウエスタンブロット法や、ケラチノ
サイト細胞接着アッセイ等の細胞への結合アッセイ等、適正な方法で詳しく解析
している。
【0082】 別の目的において、本発明は、α3鎖、β3鎖、γ2鎖から構成され、実質的
に精製されたγ−ラミニン5と、実質的に精製されたγ−ラミニン5を産生する
方法を提供する。1つの実施形態において、γ−ラミニン5は、配列番号2,4
,6,8,10,12に示す少なくとも1つの配列またはその一部と実質的に同
様なポリペプチドから構成される1つ目の鎖と、配列番号14,16,18,2
0,22,24に示す少なくとも1つの配列またはその一部と実質的に同様なポ
リペプチドから構成される2つ目の鎖と、配列番号26、28、30、32、3
4、36に示す少なくとも1つの配列またはその一部と実質的に同様なポリペプ
チドから構成される3つの鎖とで構成され、1つ目、2つ目、3つ目のポリペプ
チドは組換えによって産生され、1つ目、2つ目、3つ目の鎖は組換えヘテロト
リメリック・ラミニン5に組み込まれる。
【0083】 別の実施形態において、実質的に精製されたγ−ラミニン5は配列番号2、4
、6、8、10、12に示す配列またはその一部と実質的に少なくとも70%の
同一性を有する1つ目のポリペプチドと、配列番号14、16、18、20、2
2、24に示す配列またはその一部と実質的に少なくとも70%の同一性を有す
る2つ目のポリペプチドと、配列番号26、28、30、32、34、36に示
す配列またはその一部と実質的に少なくとも70%の同一性を有する3つ目の鎖
とから構成され、1つ目、2つ目、3つ目のポリペプチドは組換えヘテロトリメ
リックラミニン5に組み込まれる。
【0084】 好適な実施形態において、実質的に精製されたヒトγ−ラミニン5を構成する
1つ目、2つ目、3つ目のポリペプチドは、エピトープタグのついた融合タンパ
クとして発現している。
【0085】 代用としては、γ−ラミニン5はヘテロトリメリックなポリペプチド構造から
なり、個々の鎖は、(1)R1−R2−R3、(2)R1−R2−R3(e)、
(3)R3、(4)R3(e)、(5)R1−R3、(6)R1−R3(e)、
(7)R2−R3、(8)R2−R3(e)から選択された一般構造から成る。
ここでR1はアミノ末端メチオニンであり、R2はポリペプチドの分泌を指向す
る能力のあるシグナル配列であり、ここでシグナル配列は特別なラミニン鎖に対
する天然のシグナル配列か、別の分泌タンパクのシグナル配列か、あるいは人工
的配列である。R3は分泌されたα3、β3、またはγ2ラミニン鎖であり、R
3(e)は分泌されたラミニンα3、β3、及びγ2鎖であって、さらにエピト
ープタグ(前述のように)を構成し、ラミニン鎖ノアミノ酸配列内部のどこでも
置換可能である。
【0086】 好ましい実施形態において、γ−ラミニン5の精製は、トランスフェクトされ
た細胞からの培地をアフィニティカラムへ通すことにより達成される。例えば、
少なくとも1つの組換え鎖で発現したペプチドエピトープと結合する抗体又はそ
の他の結合分子をアフィニティカラムに接着させ、培地へ分泌されたγ−ラミニ
ン5を結合させる。過剰のペプチドをカラムに通すことにより、γ−ラミニン5
をカラムから取り出す。その後、溶出したタンパク質を、所望により、さらに精
製してもよい。
【0087】 溶出した画分を、ゲル電気泳動及びウェスタンブロット分析を含む任意の適切
な方法により分析する。さらなる実施形態において、精製後にペプチドエピトー
プを分解することができる。その他の実施形態において、2回又は3回の精製及
び2重又は3重に精製されたγ−ラミニン5を許容する異なるエピトープタグを
各々有する、2個又は3個の別々のγ−ラミニン鎖を、融合タンパク質として発
現させる。エピトープタグは、精製後に(1つ又は複数の)γ−ラミニン5鎖か
ら分解可能であるよう工作することができる。又は、いずれのγ−ラミニン5鎖
にもエピトープタグを融合させず、これらに限定されないが、ラミニン5特異的
抗体又はその他のラミニン5結合分子を使用したアフィニティクロマトグラフィ
を含む標準的な技術により、γ−ラミニン5を精製する。
【0088】 もう1つの態様において、本発明は、配列番号:21−22、23−24、2
9−30、及び31−32として開示された核酸配列及びタンパク質からなる、
新規なラミニンβ3及びγ2鎖の核酸及びタンパク質を提供する。
【0089】 本発明は、既に開示されたようなγ−ラミニン5と、薬学的に許容される担体
とを含む薬学的組成物をさらに提供する。本発明のこの態様によると、これらに
限定されないが、コラーゲン、他のラミニン型、フィブロネクチン、インテグリ
ン、糖タンパク質、プロテオグリカン、ヘパラン及びヘパラン硫酸プロテオグリ
カン、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、
及び角質細胞増殖因子(KGF)のような増殖因子、グリコサミノグリカン、エ
ンタクチン、ナイドジェン、並びにそれらのペプチド断片を含む、その他の薬剤
が、治療を受ける状態に応じて、薬学的組成物に含まれていてもよい。
【0090】 γ−ラミニン5を含む薬学的調製物は、任意の適当な形態で調製され、一般的
には、周知の薬学的に許容される担体と組み合わせてγ−ラミニン5を含む。担
体は、注射可能担体、局所担体、経皮担体等でありうる。調製物は、有利には、
軟膏、ゲル、クリーム、スプレー、分散剤、懸濁液、又はペーストのような、局
所投与用の形態であり得る。調製物は、さらに有利には、保存剤、抗菌剤、抗真
菌剤、抗酸化剤、浸透圧調整剤、及び類似の材料を、通常の組成及び量で含む。
本発明に従い使用するための適当な溶液は、無菌であり、意図された適用にとっ
て無害であり、かつ滅菌のような通常の薬学的操作を施すことが可能であり、か
つ/又は保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤等のような通常の佐剤を含有
していてもよい。本発明の組成物の製剤化の援助のため、Remington’
s Pharmaceutical Sciences,第15版,Mack
Publishing Co.,Easton,Pa.(1975)を参照する
ことができる。
【0091】 本発明のγ−ラミニン5を使用した様々な治療のための投薬計画は、損傷又は
状態の型、個体の年齢、体重、性別、医学的状態、状態の重度、及び投与経路を
含む、多様な要因に基づく。従って、投薬計画は、大きく変動しうるが、標準的
な方法を使用して医師により日常的に決定されうる。ラミニンは、極めて強力な
分子であり、1細胞当たり1個又は数個の分子が効果を生じうる。従って、輸送
が最適化された場合、1ミリリットル当たりピコグラム範囲の有効量が可能であ
る。ラミニンは、基底膜に不溶性の形態で存在する場合があり、ラミニンアイソ
フォーム及び条件によって、約50μg/mlという低い濃度範囲で重合する能
力を有する。ラミニンは、2〜3mg/mlという濃度でゲルへと重合すること
もできる。従って、およそ1ng/mlと10mg/mlの間、好ましくは約1
μg/mlと約3mg/mlの間の投薬レベルが、本明細書に開示された全ての
方法にとって有用である。
【0092】 治療計画も、損傷の型、個体の年齢、体重、性別、医学的状態、状態の重度、
及び投与経路を含む多様な要因に基づく、対象の状態によって変動するであろう
。例えば、γ−ラミニン5は、包帯剤を交換する必要がある頻度と同じ頻度で、
そして包帯剤を創傷表面に適用する間中、患者の創傷と接触させる創傷包帯剤を
コーティングするために使用されうる。
【0093】 同様に、投与経路は、損傷の型、個体の年齢、体重、性別、医学的状態、及び
状態の重度を含む多様な要因に基づく、対象の状態によって変動するであろう。
【0094】 さらなる態様において、本発明は、創傷治癒及び組織再生を加速するため、γ
−ラミニン5又は本発明の薬学的組成物を使用する方法を提供する。好ましい実
施形態において、γ−ラミニン5は、糖尿病性足潰瘍、静脈潰瘍、褥瘡、皮膚手
術、重度の熱傷、及び急性創傷における皮膚の治癒、並びに皮膚移植片(自家及
び人工の両方)の増強された性能を加速するために使用される。もう1つの態様
において、本発明は、有効量のラミニン5又はγ−ラミニン5と、本発明を実施
するためにラミニン5を使用するための説明書とを含む、これらの方法を実施す
るためのキットを提供する。
【0095】 1つの実施形態において、γ−ラミニン5、又はγ−ラミニン5を含む薬学的
組成物は、移植された培養ケラチノサイト又はその他の上皮細胞の、哺乳動物又
はヒトの真皮のような下層基質への接着を促進することにより、創傷治癒を増強
するために使用される。基質には、創傷表面、移植すべき培養上皮細胞のコンフ
ルエント層の基底表面、又は層を移植部位へ設置する前に創傷表面へと適用され
る創傷包帯剤のような基質が含まれうる。γ−ラミニン5は、薬学的に許容され
る担体中に、好ましくは約1ng/mlと約10mg/mlの間の量で供給され
うる。
【0096】 カリニンを含有する(即ち、ラミニンを含有する)単離された細胞マトリック
スの使用は、移植された培養ケラチノサイトの下層基質への接着を増強すること
が以前に示されている(Burgeson et al.、米国特許第5,77
0,562号)。従って、これ及びその他の研究は、ラミニン5が上皮細胞の接
着及び拡散を刺激し、従って皮膚の治癒及び皮膚移植片の使用を助長する適切な
表面を提供することを証明した(Quaranta and Hormia、米
国特許第5,422,264号;Jones、米国特許第5,541,106号
;Quaranta and Hormia、米国特許第5,658,789号
;Hormia et al.,J.Invest.Dermatol.199
5年10月 105(4):557−561;Takeda et al.,J
.Invest.Dermatol.1999年7月:113(1):38−4
2;Goldfinger et al.,J.Cell Sci.1999;
112(Pt.16):2615−2629)。
【0097】 従って、損傷を負った適切な組織へのγ−ラミニン5の添加は、細胞増殖、細
胞移動を促進し、組織再生を加速することができる。加速された治癒は、炎症反
応及び斑痕を減少させるという付加的な利益を有する。これは、γ−ラミニン5
又は本発明の薬学的組成物を(皮膚、歯周上皮細胞のような)創傷範囲に単純に
コーティングすることによって達成される場合もあるし、これらに限定されない
が、創傷包帯剤及びマトリックス、移植片基質、及び歯科用橋脚歯を含む、γ−
ラミニン5が固定されている適当な基質を提供することによって達成される場合
もある。
【0098】 組換えγ−ラミニン5の創傷修復包帯剤及びマトリックス並びに組織移植片へ
の取り込みは、正常な細胞接着、細胞増殖、及び組織発達を促進するための、天
然リガンド相互作用性表面を提供するであろう。多くの移植片は、基底板と接着
した上皮細胞層を有する組織を交換するために使用される。移植後に不適切な表
面がこれらの細胞に提供された場合、移植片は正常細胞層を回復させることがで
きない危険がある。これらの移植片へのγ−ラミニン5のコーティングの利点は
、細胞再集合を促進するために十分な程度に正常基底板表面を再現する表面が作
出される点である。
【0099】 皮膚移植片は、広範囲の皮膚表面が熱傷又は損傷を負った症例において使用さ
れる。γ−ラミニン5及び/又は本発明の薬学的組成物の適用は、斑痕組織形成
を最小限に抑えつつ、損傷を負った組織への皮膚移植片の接着及び「生着」を有
意に促進し、正常な皮膚治癒過程を促進する。
【0100】 コラーゲンに基づくマトリックスも、下層真皮の増殖を促進し、皮膚移植片の
生着を改善するため、重度の皮膚損傷に適用される。γ−ラミニン5によるコラ
ーゲンマトリックスのコーティングは、より自然なリガンド相互作用性表面を作
出し、細胞移動、細胞増殖、及び真皮の再生を促進するであろう。真皮再生及び
皮膚移植片生着の加速により、斑痕組織形成は最小限に抑えられるであろう。
【0101】 精製されたラミニン5は、歯の内側基底板への上皮細胞の接着を支持すること
が証明されており(Mullen et al.,J.Periodontal
.Res.1999年1月 34(1):16−24;Hormia et a
l.,J.Dent.Res.1998年7月;77(7):1479−148
5)、エナメル芽細胞(即ち、エナメル質産生細胞)のエナメル質マトリックス
への固定を強化すると考えられている(Yoshiba et al.,Cel
l Tissue Res.1998年4月;292(1):143−149)
。従って、もう1つの実施形態において、γ−ラミニン5又は本発明の薬学的組
成物は、歯の内側基底板への上皮細胞の接着、及び歯のエナメル質マトリックス
へのエナメル芽細胞の接着を刺激するために使用される。そのような治療は、こ
れらに限定されないが、口腔潰瘍、歯肉炎、及び歯周炎を含む、歯周病の治療に
有用である。例えば、歯から歯肉の剥離を促進する、これらに限定されないが歯
肉炎及び歯周炎を含む歯肉(付着上皮)の疾患の治療として、γ−ラミニン5又
は本発明の薬学的組成物により既存の歯をコーティングすることができる。これ
らの疾患状態は、歯肉と歯との間隙への食物及びその他の外来物質の蓄積を可能
にし、感染をもたらす。γ−ラミニン5は、歯肉の歯への再接着を促進し、従っ
て、外来物質の侵入及びその後の感染を防止するであろう。
【0102】 歯肉炎及びその他の歯周の疾患及び障害の治療において使用するため、本発明
の薬学的組成物は、トゥースクリーム(toothcreams)、トゥースペ
ースト(toothpastes)、液体磨歯剤(liquid dentif
rices)、トゥースパウダー(tooth−powders)、チューイン
ガム、錠剤等の形態であり得る。本発明の薬学的組成物は、香料、着色料、甘味
料、保存剤、界面活性剤等も含有しうる。
【0103】 精製されたラミニン−5は、初代細胞培養物のための効率的な接着基質を提供
することにより、上皮細胞(Gonzales et al.,Mol.Bio
l.Cell.1999年2月;10(2):259−270;Baker e
t al.,Exp.Cell Res.1996年11月1日;228(2)
262−270)、膵臓ベータ島細胞(Todorov et al.,Tra
nsplant.Proc.1998年3月;30(2):455;Quara
nta and Jones、米国特許第5,510,263号;Halber
stadt et al.、米国特許第5,681,587号;Halbers
tadt et al.、米国特許第5,672,361号)、及びT細胞(V
ivinus−Nebot et al.,J.Cell Biol.1999
年2月8日;144(3):563−574)のインビトロ増幅を促進すること
が示されている。従って、本発明のもう1つの態様において、γ−ラミニン5は
、細胞の接着、及びその後の増殖、分化、又は維持のための効率的な接着基質を
提供するために有効な量のγ−ラミニン5と、細胞を接触させることにより、こ
れらに限定されないが膵臓ベータ島細胞、上皮細胞、又はT細胞を含む細胞の増
殖、分化、又は維持のための細胞の接着を増強するために使用される。γ−ラミ
ニン5は、細胞培養培地補足物として細胞培養培地中に供給されてもよいし、又
は細胞増殖基質の表面上へコーティングされてもよい。いずれの場合にも、γ−
ラミニン5は、好ましくは、約1ng/mlと約10mg/mlの間の濃度で使
用される。場合によって、これらに限定されないがコラーゲン、他のラミニン型
、フィブロネクチン、インテグリン、糖タンパク質、プロテオグリカン、ヘパラ
ン硫酸プロテオグリカン、グリコサミノグリカン、エンタクチン、ナイドジェン
、及びそれらのペプチド断片を含む、細胞の接着、増殖、分化、及び/又は維持
を促進するその他の化合物と、細胞を接触させてもよい。
【0104】 細胞は、初代細胞であっても、又は細胞系であってもよい。本発明のこの態様
の方法は、インビボ、エクスビボ、又はインビトロで使用されうる。
【0105】 好ましい実施形態において、γ−ラミニン5は、細胞の基質への接着を促進し
、細胞の増殖、分化、及び/又は維持を刺激するため、基質の表面をコーティン
グするために使用される。ここで使用される基質は、任意の所望の基質であり得
る。研究的使用の場合、基質は、ガラス又はプラスチックのような単純なもので
ありうる。インビボ使用の場合、基質は、細胞増殖を支持することができる任意
の生物学的に適合性の材料でありうる。適当な基質材料には、コラーゲン、再生
コラーゲン、ポリグリコール酸、ポリガラクトース、ポリ乳酸、又はそれらの誘
導体のような材料で作成された、又はそれらでコーティングされた成形品;チタ
ン及びステンレス鋼のような生体適合性の金属;ヒドロキシアパタイトのような
プロテーゼ材料を含むセラミック材料;ポリエステル及びナイロンを含む合成重
合体;ポリスチレン;ポリアクリレート;ポリテトラフルオロエチレン、及び生
物学的分子が容易に接着しうる事実上任意のその他の材料が含まれる。特定の材
料の、本発明のγ−ラミニン5の接着を支持する能力の決定は、当業者による日
常的な実験のみを必要とする。
【0106】 さらなる態様において、本発明は、細胞のための効率的な接着基質を提供する
ために有効な量のγ−ラミニン5と膵臓ベータ細胞を接触させ、インスリン産生
膵臓ベータ島細胞の増殖を増加させること、及びその細胞をその必要のある患者
へ投与することを含む、その必要がある患者においてI型糖尿病を治療する方法
を提供する。
【0107】 2百万人近いアメリカ人が、I型(インスリン依存性)糖尿病に罹患している
。I型糖尿病においては、膵臓の島細胞内に見られるインスリン分泌ベータ細胞
が破壊される自己免疫障害のため、膵臓がインスリン分泌能を欠損している。イ
ンスリン注射は、ベータ細胞破壊を補償することができるが、血糖レベルは依然
として劇的に変動しうる。血中からのグルコース取り込み能の異常は、毒性産物
が蓄積し、失明、腎臓疾患、神経損傷を含む合併症を来す副作用を引き起こし、
そして最終的には昏睡及び死亡をもたらす。
【0108】 (米国特許第5,672,361号) 増殖させたい膵臓ベータ島細胞を、標準的な組織培養技術を使用して、マトリ
ックスでコーティングされた基質の上に置くか、又は適用した後、γ−ラミニン
5の存在下で、(米国特許第5,672,361号の開示のような)標準的な細
胞増殖培地中で増幅させる。マトリックスでコーティングされた基質上での成体
島細胞の増強された増殖を支持することができる任意の培地が、前述のように、
本発明の範囲内に含まれる。
【0109】 糖尿病患者への移植のため、胎児膵臓島細胞をγ−ラミニン5の存在下でイン
ビトロ増殖させることもできる。γ−ラミニン5の存在下での胎児膵臓島細胞の
増殖は、移植のための島細胞の収量を増加させ、従って比較的大量にこれらの細
胞を作製する必要性を解決する。さらに、その他の増殖因子の成体島細胞培養培
地への包含は、島細胞の収量をさらに増加させるであろうと企図される。
【0110】 ラミニン、又はラミニンを含有する細胞抽出物は、二相性に血管新生を制御す
ることが示されている(例えば、Nicosia et al.,Dev.Bi
ol.164:197−206(1994);Bonfil et al.,I
nt.J.Cancer 58:233−239(1994))。比較的低い濃
度(30〜300μg/ml)において、ラミニン−エンタクチン複合体は、3
次元培養物中で血管新生を刺激し、3000μg/mlにおいては、同複合体は
血管新生に対して阻害的であった。従って、もう1つの態様において、本発明は
、血管新生を制御するために有効な量のラミニン5又はそれらの薬学的組成物と
、組織又は培養基質を接触させることを含む、血管形成を制御する方法を提供す
る。一つの実施形態において、ラミニン5は、血管新生を促進するために有効な
量のラミニン5と、組織又は培養基質を接触させることにより、血管新生を促進
するために使用される。もう1つの実施形態において、ラミニン5は、血管新生
を阻害するために有効な量のラミニン5と組織又は培養基質を接触させることに
より、血管新生を阻害するために使用される。血管新生を制御するためにラミニ
ン5と接触させられる培養基質の例は、組織工学目的のため使用されるものであ
る。
【0111】 本明細書において使用されるように、「血管新生」という用語は、血管の形成
をさす。特に、血管新生は、内皮細胞が病巣において退化し、基底膜へと侵入し
、血管新生刺激の方向へ間質内を移動し、移動先の近位で増殖し、血管へと組織
化され、そして新たに合成された基底膜へと再接着する、多段階の過程である(
Folkman et al.,Adv.Cancer Res.,第43巻,
175−203頁(1985)参照)。血管新生を促進する化合物は、創傷治癒
及び皮膚移植、臓器移植(人工臓器を含む)、再閉塞による移植片不全を防止す
るための血管移植片の内皮細胞被覆の加速を促進するため、虚血状態を治療する
ため、そして炎症性疾患を治療するために使用されうる。
【0112】 さらなる態様において、本発明は、培養物中の細胞の接着、増殖、又は維持に
とって有効な量のγ−ラミニン5を含む細胞基質を提供する。基質は、前述の基
質のうちの任意のものを含みうる。好ましくは、γ−ラミニン5は、約1ng/
mlと約10mg/mlの間の濃度の溶液を使用して、基質表面上にコーティン
グされる。
【0113】 本発明のもう1つの態様において、改良された細胞培養培地が提供される。こ
こで、改良には、細胞の接着、増殖、及び/又は維持を促進するために有効な量
のγ−ラミニン5の細胞培養培地への添加が含まれる。細胞の増殖を支持するこ
とができる任意の細胞培養培地が、本発明において使用されうる。そのような細
胞培養培地には、これらに限定されないが、イーグル基本培地(Basal M
edia Eagle)、ダルベッコ改変イーグル培地(Dulbecco’s
Modified Eagle Medium)、イスコブ改変ダルベッコ培
地(Iscove’s Modified Eagle Medium)、マッ
コイ培地(McCoy’s Medium)、最少必須培地(Minimum Essential Medium)、F−10栄養混合物(Nutrien
t Mixture)、オプチ(Opti)−MEM(登録商標)血清減少培地
(Reduced−Serum Medium)、RPMI培地、及びマクロフ
ァージ−SFM培地、又はそれらの組み合わせが含まれる。
【0114】 改良された細胞培養培地は、濃縮形態(即ち:10×)又は非濃縮形態のいず
れかで供給され、液体、粉末、又は凍結乾燥物のいずれかとして供給されうる。
細胞培養物は、化学的に規定されていてもよいし、又は血清補足物を含有してい
てもよい。培養培地は、GIBCO BRL(Gaithersburg,MD
)及びSigma(St.Louis,MO)のような多くの供給元から市販さ
れている。又は、γ−ラミニン5は、細胞培養補足物として使用され、細胞培養
培地に別個に添加されてもよい。
【0115】 精製されたγ−ラミニン5は、重合体、ヒドロキシアパタイト、及び金属を含
む、極めて多様な生体材料への上皮細胞の接着を促進し、従って生体材料の生体
適合性を改良することも示されている(Jones et al.、米国特許第
5,585,267号;El Ghannam et al.,J.Biome
d.Mater.Res.1998年7月;41(1):30−40)。
【0116】 そこで、さらに別の態様において、本発明は、装置を本発明によるγ−ラミニ
ン5単独で被覆するか、装置表面の生体適合性を高める他のタンパク質または薬
剤と組み合わせて被覆することにより、生体適合性を改善した医療装置を包含す
る。被覆された装置は、細胞の付着を促進するとともに、装置の挿入部位におけ
る炎症および/または感染の危険性を抑える。この装置は、歯肉炎および歯周炎
の治療において、ガム付着上皮の接着を促進するために使用することもできる。
【0117】 装置は、成形製品、具体的には留置カテーテルかまたは経皮カテーテル、ポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)、拡張PTFE(EPTFE)、針、金属
ピン、金属棒、結腸造瘻術、経皮カテーテル、歯科アバットメント部品、外科用
メッシュであることが好ましい。さらに別の好ましい実施形態において装置は生
体内で使用される。できれば、装置は、ステンレス鋼またはチタンのような生体
に適合する金属で作られるか、または被覆されることが好ましい。あるいは、装
置はセラミクス材料か、またはポリエステル、ポリグリコール酸、ポリガラクト
ース−ポリグリコール酸共重合体などのポリマーで作られるか、被覆される。
【0118】 本発明の一つの具体的な用途は、目標とする表面への外皮の接着性を高めるこ
とである。たとえば、歯科埋め込みのための補綴を本発明のγ−ラミニンで被覆
して、歯周細胞への接着を促進することができる。典型的なケースでは、これら
の補綴には2つの分離した部品、骨に挿入されるインプラントおよび、実際に付
着上皮と接触するアバットメントが含まれる。あるいは、インプラントとアバッ
トメント部品とを単一ユニットとして入手することもできる。
【0119】 装置が天然素材か、または生分解性人工素材でメッシュ、シートまたは織物の
形で製造される場合、γ−ラミニン5は直接それらの表面に付けることができる
。次に、上皮細胞はマトリクス上で培養して、たとえば歯科アバットメント部品
、針、金属ピンまたは金属棒、留置カテーテル、結腸造瘻術用管、外科用メッシ
ュ、その他γ−ラミニンによる被覆が好ましいあらゆる装置を含め、移植または
埋め込みが可能な装置を形成させることができる。あるいは、装置を埋め込んで
細胞を生体内で接着させることもできる。上皮細胞で被覆した外科用メッシュは
、皮膚の修復に必要な皮膚となる同種異系移植に有用であろう。
【0120】 γ−ラミニン5の結合は、共有結合によらなくてももよいし(たとえば吸着)
、共有結合でて行ってもよい。具体的には、装置を本発明のγ−ラミニン5に浸
漬するか、その中で加温するか、装置にγ−ラミニン5を吹き付けることによっ
て行うことができる。好ましい実施形態によれば、装置を被覆するためのγ−ラ
ミニン5の濃度は、約1ng/mlから約10ng/mlの範囲にある。
【0121】 さらに本発明は、外皮細胞を加温する前に、装置をγ−ラミニン5で被覆する
ことを特徴とする、装置に外皮細胞を接着させる方法を提供する。
【0122】 本発明に従って作られるγ−ラミニン5の治療への応用は、たとえばタイプI
の糖尿病;糖尿病による足の潰瘍;血管の潰瘍、褥瘡、皮膚の外科的治療、火傷
、急性の負傷、皮膚移植;潰瘍の潰瘍;胃腸潰瘍;歯肉炎;および歯周炎を含む
、様々な状況や疾病の治療に使用することができる。これらの状況および疾患に
対して使用される治療上有効な量は、通常の方法によって容易に確認することが
できる。
【0123】 本発明は、次に挙げる実施例を参照することによってさらによく理解すること
ができよう。もちろん、本発明は、本明細書の特許請求の範囲に規定されており
、ここに挙げる実施例は、単に理解を助けるために記載されるものであって、本
発明の範囲を限定するものではない。
【0124】 実施例 ラミニン5は、ラミニン5分子の鎖、すなわちα3、β3およびγ2をコード
するcDNAsを含むベクターを、哺乳動物細胞に逐次移入して作られる。発現
されるヘテロ三量体組み換えラミニン5分子をアフィニテイによって精製しやす
くするため、β3遺伝子のアミノ末端に、「フラッグ」ペプチド(DYKDDD
DK)をコードするポリヌクレオチドの配列を追加的に加えた。
【0125】 IV.実験材料および方法 α3のための発現ベクター構造体(constructs) α3 cDNAの全コード配列[配列番号:1]は、標準法に従い、Zeoci
n耐性選択遺伝子を含む発現ベクターpcDNA3.1/Zeo(インビトロゲ
ン社)にクロニングした。発現ベクターは、製造者の使用説明書に従って、安定
した細胞株を作るのに使用した。
【0126】 第二のα3発現ベクターを作るために、pZeoα3発現構造体から、Kpn
I−NotI制限酵素で完全長α3cDNAを切り出した。2回消化α3断片を
発現ベクターpTargeT(プロメガ社製;マジソン、ウィスコンシン州)に
挿入してpTgTα3を調製した。この発現構造体は耐性クロン選択性G418
耐性遺伝子を含んでいる。両発現構造体は、制限酵素によるマッピングとDNA
の塩基配列の決定によって分析した。
【0127】 完全長β3鎖構造体 二つのcDNA断片、KaI5−5cおよびKaI92−1は、バージソン博
士の研究室から入手した(4)。両者は、それぞれ別々にpCRIIベクター(
インビトロゲン社)にクロニングされ、両者を合わせるとラミニン5の完全なβ
3鎖[配列番号:19]をコードする。2つの断片は、単一ベクターにクロニン
グして完全長のβ3鎖、プラスミドPCRIIβ3を得た。
【0128】 β3のための発現ベクター構造体 ラミニンβ3発現ベクター、pRCX3β3Fは、pCRIIβ3およびアミ
ノ酸末端に付加されるフラッグエピトープに対して得られる全長β3を含んで構
築された[配列番号:17−18]。pRCX3はpRC/CMV(インビトロ
ゲン社)から誘導されるベクターで、便利なクロニング部位の枠内にG418ス
ルファート、BM40(SPARC)シグナルペプチド配列およびフラッグペプ
チド配列を有するゲネチシン耐性選択遺伝子を含む。
【0129】 第2の発現ベクターは、pRCX3β3Fプラスミドから、完全なラミニンβ
3フラグペプチドをコードする領域を切り出し、それをpcDNA3.1に導入
することによって構築した。この発現構造体はゼオチン耐性選択遺伝子を含む。
【0130】 両β3発現構造体は、制限酵素によるマッピングとDNAの塩基配列の決定に
よって分析した。
【0131】 γ2のための発現ベクター構造体 完全長γ2cDNA[配列番号:29]は、pVL1393γ2(スエーデン
、カロリンスカ研究所、カルル・トリッグヴァソン博士から入手)から、Bam
H I−Kba I制限酵素で切断して切り出した。2回消化γ2断片を発現ベ
クターpcDNA3.1/Zeo(インビトロゲン社)の該当する部位に挿入し
てpZeoγ2発現構造体を作った。この発現構造体はゼオシン耐性選択遺伝子
を含んでいる。
【0132】 同様に、BamH I−NotI完全長γ2cDNA断片を発現ベクターpT
argeT(プロメガ社製)にクロニングしてpTgTγ2を作った。この発現
構造体は耐性クロン選択性G418耐性遺伝子を含んでいる。
【0133】 両発現構造体は、制限酵素によるマッピングとDNAの塩基配列の決定によっ
て分析した。
【0134】 発現構造体の塩基配列の決定 発現ベクター構造体の塩基配列は決定されており、報告された配列と発表され
ている配列とを比較した。表2は、異なるラミニン鎖に対するアミノ酸のミスマ
ッチをまとめたものである。
【0135】 α3鎖:報告された配列は発表されている配列と合致した。
【0136】 β3鎖:発表されている配列といくつかの食い違いが見られた。一個および複
数個の塩基の欠失、および挿入を配列に沿って示している。これらの塩基変化に
よってサイレント突然変異、アミノ酸の置換および挿入が生じた。これらの変化
があっても早期に終止コドンをもたらさない。従って、β3鎖は「完全長」を有
し、タンパク質が産生するものと思われる。
【0137】 γ2鎖:この鎖は3個所に塩基の変化があり、その結果3個所でアミノ酸が置
換されていると報告された。
【0138】
【表2】 ヒト腎臓の293細胞の移入 標準的な方法によって、野生型ヒト腎臓293細胞に異なる発現構造体を移入
した。二種類の移入試薬、GIBCO社製(メリーランド州ロックビル)のLI
POFECTAMINETRおよびキアジェン社製(カリフォルニア州バレンシア
)のSUPERFECTTRを使用した。実験結果(下記参照)からは、293細
胞は検知できるだけの内因性ラミニンα3、β3またはγ2鎖を発現しないこと
を示唆している。
【0139】 簡単に述べると、両方法とも、移入試薬と対象となるDNAとを混合し、それ
から短時間室温で保温し、混合物を細胞に加えるこ必要があった。移入日の細胞
密集率が50〜80%であるように、その前日に細胞を分割した。LIPOFE
CTAMINETRの移入に対してはDNA−試薬複合物を無血清培地で、SUP
ERFECTTRの移入に対しては完全培地で、2〜3時間保温した。つづいて培
地を新しい増殖培地に取り換えて、選択過程が始まるまで保温を続けた。
【0140】 選択過程は、G418耐性の選択にはゲネチシン(G418スルファート)を
400μg/ml、ゼオシン耐性の選択にはゼオシンを50μg/ml含むDM
EM F12/10%FBS中で行った。選択培地に分割し、その後、細胞増殖
巣の形成が確認されるまで2日おきに新しい選択培地を細胞に供給した。両抗生
物質を含む培地を使って、3種類のラミニン鎖を移入され、培地にγ−ラミニン
5を分泌するクローンを選別した。
【0141】 結果 1本の鎖だけを移入されたヒト腎臓293細胞からの培地を、まず、鎖特異的
アンチ−ラミニン5抗体を使ってウェスタンブロット法で分析した。細胞画分ば
かりでなく、細胞を緩衝液中に掻き出す時に得られる「マトリクス様」のものも
含む細胞も分析した。野生型293細胞培養物のウェスタンブロット分析からは
、ラミンニンα3、β3またはγ2鎖タンパク質は検出されなかった。
【0142】 移入後の単一ラミニン鎖の発現は、アンチフラッグ抗体を使用するウェスタン
ブロット分析で培地にβ3鎖反応性を示す少数のβ3クロン以外は、一般に細胞
内的である。
【0143】 移入された遺伝子の組み込みを確認するため、フラッグ抗体の反応性を示すす
べてのクロンをPCR法で調べた。このようなクロンからのゲノムDNA調製物
のPCRによる分析は、ラミニン鎖特異的プライマー対を使用して行った。増幅
生成物と、最初の発現構造体をテンプレートにしたポジテイブ対照群とを比較し
た。結果を表3に示す。同じラミニン鎖特異的プライマーおよび全RNAおよび
/またはmRNA調製物をテンプレートとして使用し、RT−PCR法によって
少数のクロンを分析した。その結果を表2に示す。
【0144】 その他のデータ(図示せず)によれば、γ−ラミニン5の成分のいくつかは分
子の大きさは精製ラミニン5のそれと違っていることを示した。具体的には、純
粋なラミニン5におけるα3の主要成分は165kDであったのに対して、γ−
ラミニン5のα3バンドは150kDおよび95kDの2本の鎖として移動した
【0145】 さらに、3本すべての鎖を作り出す確認された同時移入クロン(ゲノムPCR
法およびRT−PCR法の両分析法で検定)をケラチン細胞の細胞接着結合測定
法で分析した。
【0146】 ラミニン5のHFK細胞接着測定 使用される方法で様々なクロンからのコンデイショニングした培地に存在する
ラミニン5を測定した。試験培地に存在するラミニン5をアンチラミニンα3抗
体を通して96ウェルにトラップした(C25)。ヒトの包皮ケラチン細胞(H
FK)を蛍光標識し、処理されたウェルに加え、30分間接着させた。PBSで
洗浄する前後の蛍光強度を測定した。細胞接着百分率は、ウェルに保持された蛍
光分率に等しい。対照として、細胞をウェルに加える前に、抗インテグリンα3
β1阻害抗体(P1B5)(α3β1はラミニン5の細胞受容体である)または
非特異的対照抗体(SP2)とあらかじめ保温した。培地対照(ケラチン細胞増
殖培地(「KGM」と略記))またはDMEM F12培養基(単に「培地」と
略記)も使用した。「a2Fの表記」は関連性のないフラッグを含むタンパク質を
発現させるために移入された293細胞はからの培養基を示す。
【0147】 結果を表2(最後の欄)および図1に示す。図1では次の表示法が使用してあ
る。C5およびF10:クロンC5およびF10を作るγ−ラミニン5からのコ
ンデイショニングされた培養基;*C6および*F10:以前に収集、冷蔵して
いたコンデイショニングされた培養基。これらのデータから、いくつかのクロー
ンからの培地は細胞接着試験で陽性の結果を示していることが分かる。これは、
クロンによって作られたγ−ラミニンが生物活性を示していることを示す。この
活性はインテグリンα3β1抗体の存在によって阻害された。このことは、γ−
ラミニンがα3β1インテグリンを介して細胞に結合することを裏づけている。
【0148】 ヘテロ三量体γ−ラミニン5分子の精製を助けるために、ラミニンβ3鎖をア
ミノ末端でフラッグ配列で標識した。3本すべての鎖を移入され、3本すべての
鎖を発現することが明らかにされているクロンからの培地をアンチフラッグのカ
ラムに流し、過剰のフラッグペプチドで溶離した。溶離したフラクションをゲル
電気泳動で分析した。得られたデータは、γ−ラミニンが作られ、そして単離さ
れたことを証明している。
【0149】
【表3】 上のクロンのいくつかを選んで以下の分析を行った。すなわち、クロンF10
−5から培養基1リットルを調製し、上で述べた方法によってγ−ラミニン5を
精製した。得られたγ−ラミニン5は、HKF細胞接着試験に使用し、プレート
に直接付着させた点を除き、上に記載した手順通りに行った。結果を図2に示す
。これによれば、γ−ラミニンは、試験したすべての濃度でHFK細胞の接着性
を格段に高めることが分かる。
【0150】 電子顕微鏡写真による分析 精製したγ−ラミニンタンパク質を50μg/ml濃度に希釈したのち、70
%グリセロール/30% 0.15M炭酸水素アンモニウムに調節し、標準的な
方法に従って、ロータリーシャドーを行った。図3は、80,000倍で撮影し
た(A)γ−ラミニン5および(B)非組み換えγ−ラミニン(SCC−25(
扁平細胞のがん細胞株)コンデイショニング培地からBM165モノクロン抗体
アフィニテイクロマトグラフィによって精製)の電子顕微鏡写真である。写真右
下の横棒の長さは50nmに相当する。これらの結果から、γ−ラミニン5およ
び非組み換え精製γ−ラミニン5は、ラミニンに典型的な、類似の断面構造を形
成することが確認された。
【0151】 本発明は上で述べた好ましい実施形態に限定されるものではない。通常の当業
者であれば本発明の精神から逸脱することなく、ここに開示された好ましい実施
形態の様々な変更および修正を行うことができよう。そしてそのような変更およ
び修正はすべて本発明の範囲内に包含されるものである。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、多様なHFK細胞における多様なクローンを対象に、培地中において
γラミニン5の活性を見た細胞接着アッセイを示す棒グラフである。
【図2】 図2は、γラミニン5が平板上に直接コートされた状態での、細胞接着アッセ
イを示す棒グラフである。plb5は抗インテグリンα3β1抗体、sp2は非
特異性対照IgGを示し、C29は抗ラミニン5抗体を示す。
【図3】 図3は、γラミニン5のロータリーシャドー解析である。精製γラミニン5タ
ンパクを50μg/mlに希釈し、70%グリセロール/30%の0.1M重炭
酸アンモニウムとなるよう調整して、標準法を使い、ロータリーシャドーにかけ
た。SCC−25(扁平細胞癌細胞株)のコンディション培地から、約80.0
00倍の磁場が示されており、(A)γラミニン5、(B)「未処理の」ラミニ
ン5(BM165モノクローナル抗体アフィニティークロマトグラフィーで示さ
れている。棒印は50nmを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 29/00 A61P 1/02 4C087 31/00 1/04 4H045 A61P 1/02 9/14 1/04 17/00 9/14 17/02 17/00 27/02 17/02 C07K 14/47 27/02 C12N 1/15 C07K 14/47 1/19 C12N 1/15 C12P 21/02 C 1/19 C12R 1:91 5/06 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A C12P 21/02 E //(C12P 21/02 A61K 37/02 C12R 1:91) (31)優先権主張番号 60/155,945 (32)優先日 平成11年9月24日(1999.9.24) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 BA21 BA80 CA04 DA02 EA04 GA11 HA01 HA03 HA12 HA15 4B064 AG02 CA10 CA19 CC24 DA01 4B065 AA93X AA93Y AB01 AC14 BA02 BB19 BC41 CA24 CA44 4C081 AB01 AB19 AB31 AC08 BA12 BB04 CD112 CD34 4C084 AA02 AA06 AA07 BA44 CA25 DC50 NA14 ZA331 ZA361 ZA671 ZA681 ZA891 ZA892 4C087 AA01 AA02 AA03 BB51 BB64 NA05 NA14 ZA66 4H045 AA10 AA20 AA30 BA53 CA40 DA01 DA86 EA22 EA24 EA27 EA34 FA74 GA21 GA26 HA07

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組換えラミニン5−発現細胞。
  2. 【請求項2】 これらの細胞が、下記のもの: 実質的にα3ラミニン鎖に類似したポリペプチドを含む第一鎖; 実質的にβ3ラミニン鎖に類似したポリペプチドを含む第ニ鎖; 実質的にγ2ラミニン鎖に類似したポリペプチドを含む第三鎖; を含む組換えラミニン5を発現し、 ここにおいて、第一、第二、及び第三鎖が、組換えヘテロトリマーラミニン5
    に集合されている、請求項1に記載の組換えラミニン5―発現細胞。
  3. 【請求項3】 これらの細胞が、下記のもの: 配列番号:2、4、6、8、10、12のうちの1つ又はそれ以上、又はこれ
    らの断片と少なくとも70%同一である組換えポリペプチドを含む第一鎖; 配列番号:14、16、18、20、22、24のうちの1つ又はそれ以上、
    又はこれらの断片と少なくとも70%同一である組換えポリペプチドを含む第ニ
    鎖; 配列番号:26、28、30、32、34、36のうちの1つ又はそれ以上、
    又はこれらの断片と少なくとも70%同一である組換えポリペプチドを含む第三
    鎖; を含む組換えラミニン5を発現し、 ここにおいて、この細胞が、第一、第二、及び第三鎖を発現し、第一、第二、
    及び第三鎖が、培養された細胞によって培地中に分泌される組換えヘテロトリマ
    ーラミニン5に集合する、請求項1に記載の組換えラミニン5―発現細胞。
  4. 【請求項4】 これらの細胞が、下記のもの: 高い緊縮条件下に配列番号:1、3、5、7、9、11のうちの1つ又はそれ
    以上、又はこれらの断片のコーディング領域にハイブリダイズするポリヌクレオ
    チドによってエンコードされた第一鎖; 高い緊縮条件下に配列番号:13、15、17、19、21、23のうちの1
    つ又はそれ以上、又はこれらの断片のコーディング領域にハイブリダイズするポ
    リヌクレオチドによってエンコードされた第ニ鎖; 高い緊縮条件下に配列番号:25、27、29、31、33、35のうちの1
    つ又はそれ以上、又はこれらの断片のコーディング領域にハイブリダイズするポ
    リヌクレオチドによってエンコードされた第三鎖; を含む組換えラミニン5を発現し、 ここにおいて、この細胞が、第一、第二、及び第三鎖を発現し、第一、第二、
    及び第三鎖が、培養された細胞によって培地中に分泌される組換えヘテロトリマ
    ーラミニン5に集合する、請求項1に記載の組換えラミニン5―発現細胞。
  5. 【請求項5】 これらの細胞が、第一、第二、及び第三ポリペプチド鎖を含
    む組換えラミニン5を発現し、ここにおいて第一、第二、及び第三ポリペプチド
    鎖が各々、(1)R1―R2―R3;(2)R1―R2―R3(e);(3)R
    3;(4)R3(e);(5)R1―R3;(6)R1―R3(e);(7)R
    2―R3;及び(8)R2―R3(e)から成る群から選ばれる一般構造を含ん
    でおり、 ここにおいてR1は、アミノ末端メチオニンであり;R2は、ポリペプチドの
    分泌を命令しうるシグナル配列であり、ここにおいてこのシグナル配列は、特別
    なラミニン鎖のための天然のシグナル配列、すなわち別の分泌タンパク質のもの
    であってもよく、あるいはこれは人工的な配列であってもよく;R3は第一ポリ
    ペプチド鎖用の分泌されたα3ラミニン鎖、第二ポリペプチド鎖用の分泌された
    β3ラミニン鎖、及び第三ポリペプチド鎖用のγ2ラミニン鎖であり;R3(e
    )はR3と同一であるが、さらにエピトープタグをも含んでいる、 請求項1に記載の組換えラミニン5―発現ホスト細胞。
  6. 【請求項6】 下記のもの: a.請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の真核細胞を供給すること、 b.組換えラミニン5鎖の発現を刺激するための条件下に細胞培養培地におい
    てこれらの細胞を成長させること; c.細胞培養培地を、親和クロマトグラフィーカラムに通すことであって、こ
    のカラムが、エピトープタグに特異的に結合する化合物を含んでいること; d.未結合材料を除去するために親和カラムを洗浄すること;及び e.このカラムから結合組換えラミニン5を溶離すること、 を含む、組換えラミニン5の精製方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の方法により単離された精製組換えラミニン
    5。
  8. 【請求項8】 精製組換えラミニン5。
  9. 【請求項9】 下記のもの: 実質的にα3ラミニン鎖に類似したポリペプチドを含む第一鎖; 実質的にβ3ラミニン鎖に類似したポリペプチドを含む第ニ鎖; 実質的にγ2ラミニン鎖に類似したポリペプチドを含む第三鎖; を含み、 ここにおいて、第一、第二、及び第三鎖が、組換えヘテロトリマーラミニン5
    に集合されている、請求項8に記載の実質的に精製された組換えラミニン5。
  10. 【請求項10】 下記のもの: 配列番号:2、4、6、8、10、12のうちの1つ又はそれ以上、又はこれ
    らの断片と少なくとも70%同一である組換えポリペプチドを含む第一鎖; 配列番号:14、16、18、20、22、24のうちの1つ又はそれ以上、
    又はこれらの断片と少なくとも70%同一である組換えポリペプチドを含む第ニ
    鎖; 配列番号:26、28、30、32、34、36のうちの1つ又はそれ以上、
    又はこれらの断片と少なくとも70%同一である組換えポリペプチドを含む第三
    鎖; を含み、 ここにおいて、第一、第二、及び第三鎖が、組換えヘテロトリマーラミニン5
    に集合されている、請求項8に記載の精製組換えラミニン5。
  11. 【請求項11】 下記のもの: 高い緊縮条件下に配列番号:1、3、5、7、9、11のうちの1つ又はそれ
    以上、又はこれらの断片のコーディング領域にハイブリダイズするポリヌクレオ
    チドによってエンコードされた第一鎖; 高い緊縮条件下に配列番号:13、15、17、19、21、23のうちの1
    つ又はそれ以上、又はこれらの断片のコーディング領域にハイブリダイズするポ
    リヌクレオチドによってエンコードされた第ニ鎖; 高い緊縮条件下に配列番号:25、27、29、31、33、35のうちの1
    つ又はそれ以上、又はこれらの断片のコーディング領域にハイブリダイズするポ
    リヌクレオチドによってエンコードされた第三鎖; を含み、 ここにおいて、第一、第二、及び第三鎖が、組換えヘテロトリマーラミニン5
    に集合されている、請求項8に記載の精製組換えラミニン5。
  12. 【請求項12】 第一、第二、及び第三ポリペプチド鎖を含み、ここにおい
    て、第一、第二、及び第三ポリペプチド鎖が各々、(1)R1―R2―R3;(
    2)R1―R2―R3(e);(3)R3;(4)R3(e);(5)R1―R
    3;(6)R1―R3(e);(7)R2―R3;及び(8)R2―R3(e)
    から成る群から選ばれる一般構造を含んでおり、 ここにおいてR1は、アミノ末端メチオニンであり;R2は、ポリペプチドの
    分泌を命令しうるシグナル配列であり、ここにおいてこのシグナル配列は、特別
    なラミニン鎖のための天然のシグナル配列、すなわち別の分泌タンパク質のもの
    であってもよく、あるいはこれは人工的な配列であってもよく;R3は第一ポリ
    ペプチド鎖用の分泌されたα3ラミニン鎖、第二ポリペプチド鎖用の分泌された
    β3ラミニン鎖、及び第三ポリペプチド鎖用の分泌されたγ2ラミニン鎖であり
    ;R3(e)はR3と同一であるが、さらにエピトープタグをも含んでいる、 請求項8に記載の精製組換えヘテロトリマーラミニン5。
  13. 【請求項13】 下記のもの: a.請求項7〜12のうちのいずれか1つに記載の組換えラミニン5;及び b.製薬的に許容しうるキャリヤー、 を含む製薬組成物。
  14. 【請求項14】 傷の治療を加速するのに有効な量の、請求項7〜12のう
    ちのいずれか1つに記載の組換えラミニン5を、これを必要としている患者に投
    与することを含む、傷の治療を加速するための方法。
  15. 【請求項15】 この傷が、糖尿病性足潰瘍、静脈潰瘍、とこずれ、皮膚手
    術、やけど、急性外傷、皮膚移植片、角膜潰瘍化、胃腸潰瘍、歯周炎、及び歯肉
    炎からなる群から選ばれる、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 医療器具の生体適合性を改良するのに有効な量の、請求項
    7〜12のうちのいずれか1つに記載の組換えラミニン5と医療器具とを接触さ
    せることを含む、医療器具の生体適合性の改良方法。
  17. 【請求項17】 表面への細胞接着を促進するのに有効な量の、請求項7〜
    12のうちのいずれか1つに記載の組換えラミニン5と細胞とを接触させること
    を含む、表面への細胞接着の促進方法。
  18. 【請求項18】 I型糖尿病の生体外治療を必要とする患者における改良治
    療方法であって、この改良が、すい臓島ベータ細胞の表面への接着を促進するの
    に有効な量の、請求項7〜12のうちのいずれか1つに記載の組換えラミニン5
    の存在下に、単離されたすい臓島ベータを培養すること、これらの細胞を培養す
    ること、及びこれらの細胞を患者に再導入することから成る方法。
  19. 【請求項19】 血管形成を調節するために、血管形成を促進するのに有効
    な量のラミニン5と、これを必要としている組織とを接触させることを含む、血
    管形成の調節方法。
  20. 【請求項20】 このラミニン5が、請求項7〜12のうちのいずれか1つ
    に記載の組換えラミニン5を含んでいる、請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 改良が、細胞成長基質への細胞付着を促進するのに有効な
    量の、請求項7〜12のうちのいずれか1つに記載の組換えラミニン5で被覆さ
    れた細胞成長基質を供給することから成る、改良された細胞成長基質。
  22. 【請求項22】 改良が、細胞成長基質への細胞付着を促進するのに有効な
    量の、請求項7〜12のうちのいずれか1つに記載の組換えラミニン5を供給す
    ることから成る、改良された細胞培養培地。
  23. 【請求項23】 改良が、医療用移植器具への細胞付着を促進するのに有効
    な量の、請求項7〜12のうちのいずれか1つに記載の組換えラミニン5で被覆
    された医療用移植器具を供給することから成る、改良された医療用移植器具。
  24. 【請求項24】 医療用移植器具が、人工移植片、体内留置又は経皮カテー
    テル、ポリテトラフルオロエチレン、膨張ポリテトラフルオロエチレン、針、金
    属ピン、金属ロッド、結腸フィステル形成管、経皮カテーテル、歯科用アバット
    メントピース、又は外科用メッシュから成る群から選ばれる、請求項23に記載
    の改良された医療用移植器具。
  25. 【請求項25】 傷の治療を加速するのに有効な量の、請求項13に記載の
    製薬組成物を、これを必要としている患者に投与することを含む、傷の治療の加
    速方法。
  26. 【請求項26】 この傷が、糖尿病性足潰瘍、静脈潰瘍、とこずれ、皮膚手
    術、やけど、急性外傷、皮膚移植片、角膜潰瘍化、胃腸潰瘍、歯周炎、及び歯肉
    炎からなる群から選ばれる、請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】 医療器具の生体適合性を改良するのに有効な量の、請求項
    13に記載の製薬組成物と医療器具とを接触させることを含む、医療器具の生体
    適合性の改良方法。
  28. 【請求項28】 表面への細胞接着を促進するのに有効な量の、請求項13
    に記載の製薬組成物と細胞とを接触させることを含む、表面への細胞接着の促進
    方法。
  29. 【請求項29】 I型糖尿病の生体外治療を必要とする患者における改良治
    療方法であって、この改良が、すい臓島ベータ細胞の表面への接着を促進するの
    に有効な量の、請求項13に記載の製薬組成物の存在下に、単離されたすい臓島
    ベータを培養すること、これらの細胞を培養すること、及びこれらの細胞を患者
    に再導入することから成る方法。
  30. 【請求項30】 血管形成を調節するために、血管形成を調節するのに有効
    な量の請求項13に記載の製薬組成物と、これを必要としている組織とを接触さ
    せることを含む、血管形成の調節方法。
  31. 【請求項31】 改良が、細胞成長基質への細胞付着を促進するのに有効な
    量の、請求項13に記載の製薬組成物で被覆された細胞成長基質を供給すること
    から成る、改良された細胞成長基質。
  32. 【請求項32】 改良が、医療用移植器具への細胞付着を促進するのに有効
    な量の、請求項13に記載の製薬組成物で被覆された医療用移植器具を供給する
    ことから成る、改良された医療用移植器具。
  33. 【請求項33】 医療用移植器具が、人工移植片、体内留置又は経皮カテー
    テル、ポリテトラフルオロエチレン、膨張ポリテトラフルオロエチレン、針、金
    属ピン、金属ロッド、結腸フィステル形成管、経皮カテーテル、歯科用アバット
    メントピース、又は外科用メッシュから成る群から選ばれる、請求項32に記載
    の改良された医療用移植器具。
  34. 【請求項34】 配列番号:21、配列番号:23、配列番号:29、配列
    番号:31から成る群から選ばれる、単離されたポリヌクレオチド配列。
  35. 【請求項35】 配列番号:22、配列番号:24、配列番号:30、及び
    配列番号:32から成る群から選ばれる、単離されたポリペプチド配列。
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