JP2002541780A - 植物リガンド依存性イオンチャンネル - Google Patents

植物リガンド依存性イオンチャンネル

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JP2002541780A JP2000602749A JP2000602749A JP2002541780A JP 2002541780 A JP2002541780 A JP 2002541780A JP 2000602749 A JP2000602749 A JP 2000602749A JP 2000602749 A JP2000602749 A JP 2000602749A JP 2002541780 A JP2002541780 A JP 2002541780A
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テュラノ,フランク・ジェイ
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Abstract

(57)【要約】 リガンド依存性イオンチャンネルタンパク質、例えばGABA受容体タンパク質として機能すると期待される組換え植物タンパク質が提供され、これらのタンパク質をコードするヌクレオチド配列も提供される。本発明はまた、本明細書に記載されるタンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む組換えベクターも提供する。さらに提供されるのは、本明細書に記載される組換えベクターを含む植物宿主細胞、トランスジェニック植物、並びに、植物を処置する方法、本明細書に記載されるタンパク質を発現する方法、植物において受容体活性を修飾する方法および植物代謝を制御する方法を含む、本明細書に記載されるヌクレオチドおよびアミノ酸配列を使用する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連出願との相互参照 本発明は、1999年3月2日に出願された、米国仮出願シリアル番号第60/122,506
号の利益を主張し、この出願の全体を参考文献として援用する。
【0002】 発明の背景 アミノ酸、γ-アミノ酪酸(GABA)は、哺乳動物の中枢神経系における主要な
神経伝達物質である。このような神経伝達物質は、一般的に、ニューロン膜を介
するイオンのコンダクタンスを制御する際に機能しており、典型的には細胞中へ
のイオンの流入を制御する際に機能している。たとえば、GABAは、脊椎動物の神
経系および無脊椎動物の神経系の両方において、シナプス伝達を阻害する様に働
く、抑制性の神経伝達物質であると考えられている。別の例としては、グルタミ
ン酸は、後シナプス膜を脱分極し、そしてシナプス伝達を促進するように働く、
興奮性の神経伝達物質である。GABAおよびグルタミン酸はともに、それぞれの受
容体に結合することによりシナプス伝達に影響しており、リガンド依存性イオン
チャンネル(ligand-gated ion channels)としても知られている。
【0003】 これらのリガンド依存性イオンチャンネルは、昆虫および動物のニューロンに
存在する。GABA受容体の3種類の一般的なクラス、GABAA、GABABおよびGABAc、が
動物のニューロンには存在する。GABA受容体は、不安、発作、認識機能(cognit
ive function)、耽溺性障害(addictive disorders)、睡眠障害そしてその他
の中枢神経系の障害を媒介するものと考えられている。GABA受容体は、バルビツ
ール酸誘導体およびベンゾジアゼピン誘導体を含む、中枢神経系に対して作用す
る多くの医薬調製物の標的であり、したがって治療的価値を有する。さらに、昆
虫のGABA受容体の機能に影響を及ぼす化合物は、殺虫剤として商業的に有用であ
る。
【0004】 GABA受容体は、昆虫界および動物界において見いだされたが、それらは植物界
においては未だ見いだされていない。しかしながら、GABAは、植物に対して特定
の有益な効果を発揮することが示された。たとえば、GABAは、Kinnersleyに対す
る米国特許第5,439,873号において示されるように、植物成長および生産性を増
大させることが示された。さらに、GABAを容易に代謝される炭素源、たとえばコ
ハク酸とともに適用した場合、このような有益な効果が増大された(米国特許第
5,604,177号)。さらに、Kinnersleyらに対する米国特許第5,840,656号に記載さ
れるように、GABAは、グルタミン酸とともに投与される場合、成長効率(fertil
izer efficiency)を増大することが示された。
【0005】 植物におけるGABAの上述した有益な結果のメカニズムは、未だ確認されていな
い。GABA-媒介性植物成長および生産性のメカニズムをよりよく理解することに
より、植物成長および生産性およびその他の有益な効果を改善するためのさらな
る方法を導き出しうる。
【0006】 発明の概要 リガンド依存性イオンチャンネル(ligand-gated ion channel)タンパク質、
例えばグルタミン酸および/またはGABA受容体タンパク質をコードすると期待さ
れるヌクレオチド配列が植物で発見されてきている。したがって、本発明は、組
換えタンパク質を含む、これらの精製植物タンパク質、該タンパク質をコードす
るヌクレオチド配列、並びに該ヌクレオチド配列およびタンパク質を使用する方
法を提供する。
【0007】 本発明の1つの側面において、植物を形質転換する方法が提供される。本発明
の1つの形式において、方法は、本明細書に記載される植物タンパク質をコード
する核酸分子を、植物細胞に導入することを含む。
【0008】 本発明の第二の側面において、植物を処置する方法が提供され、該方法は、本
明細書に記載される植物タンパク質をコードする導入ヌクレオチド配列を有する
植物を提供し、そして該植物を有効量のGABAで処置することを含む。該植物は、
GABAおよびGABAアゴニストを含む組成物で処置してもよいし、あるいはGABAアン
タゴニストまたはGABAアゴニストのみで処置してもよい。
【0009】 本発明の第三の側面において、植物代謝を制御する方法は、アンチセンスDNA
またはRNAを利用し、植物タンパク質またはRNA転写物、例えばmRNA転写物の形成
を減少させることを含む。1つの態様において、該方法は、植物GABA受容体をコ
ードすると予想される、本明細書に記載されるヌクレオチド配列に相補的なヌク
レオチド配列、またはその一部を有するアンチセンス核酸分子を、植物細胞に導
入することを含む。あるいは、アンチセンス核酸分子は、本明細書に記載される
配列から転写されるRNA配列、好ましくはmRNA配列に相補的なヌクレオチド配列
を含む。アンチセンスヌクレオチド配列は、植物の鋳型ストランドまたはRNA転
写物いずれかを含む核酸にハイブリダイズし、本明細書に記載される植物タンパ
ク質の形成を減少させる。
【0010】 本発明の第四の側面において、潜在的な植物受容体を同定する方法が提供され
、該方法は、本明細書に記載されるタンパク質をコードするヌクレオチド配列を
有するプローブを、植物核酸にハイブリダイズさせることを含む。
【0011】 本発明の第五の側面において、本明細書に記載される植物タンパク質を発現す
る方法が提供される。1つの態様において、方法は、本明細書に記載される植物G
ABA受容体をコードすると予想されるヌクレオチド配列を、宿主細胞に導入し、
そして該タンパク質受容体の発現を達成する条件下で培養することを含む。
【0012】 さらなる態様において、本明細書に記載されるような植物タンパク質をコード
するヌクレオチド配列を含む、組換え核酸分子を含む単離核酸分子が提供される
。本明細書に記載される植物タンパク質をコードするヌクレオチド配列を含む、
植物宿主細胞およびトランスジェニック植物もまた提供される。該分子、植物細
胞およびトランスジェニック植物は、本明細書に記載される植物ヌクレオチド配
列の末端5'端に機能可能であるように連結されている外来性のプロモーター配列
をさらに含んでもよい。
【0013】 好ましい態様の記載 本発明の原理の理解を促すために、ここに、好ましい実施態様を論及し、具体
的な言葉を用いてそれを記載する。それにもかかわらず、それが本発明の範囲を
制限するものではなく、本発明のこのような変更および追加の修飾、および本明
細書中に詳しく説明されるような本発明の原理の追加の応用が、本発明が関する
当業者によって通常考えられると解釈されるということは理解されるであろう。
【0014】 アラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)中でヌクレオチド配列が
見出されたが、それは、植物GABA受容体タンパク質をコード化すると考えられる
。したがって、本発明は、精製GABA受容体タンパク質を提供する。本発明は、更
に、植物GABA受容体タンパク質をコード化するヌクレオチド配列を含む単離され
た核酸分子を提供する。植物GABA受容体タンパク質をコード化するヌクレオチド
配列を含む組換え体核酸分子、植物宿主細胞およびトランスジェニック植物も提
供する。本発明の他の態様において、GABA受容体タンパク質のようなタンパク質
を発現する方法、および本明細書中に記載のヌクレオチドおよびアミノ酸配列を
使用する方法も提供する。
【0015】 本発明の第一の態様では、植物中においてリガンド依存性イオンチャンネルタ
ンパク質として機能し、したがって細胞のイオン流入を調節する能力を有すると
考えられるGABA受容体タンパク質のような精製植物タンパク質を提供する。それ
らポリペプチド受容体は、実質的に純粋である(すなわち、それらタンパク質受
容体は、それらが天然に存在する他のタンパク質を本質的に含まない、例えば、
少なくとも約95%含まない)。好ましい実施態様において、Arabidopsis thalia
na 中で最初に見出された、植物中でリガンド依存性イオンチャンネルタンパク
質として機能すると考えられるタンパク質のアミノ酸配列を、SEQ ID NO: 1また
はSEQ ID NO: 2に示す。
【0016】 本発明は、Arabidopsis thaliana アミノ酸配列に関して記載されているが、
本発明が、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示される特定のアミノ酸配列に制
限されないということは理解される。当業者は、突然変異および/または進化の
過程によって、異なった長さのおよびいろいろな成分を有する、例えば、アミノ
酸の挿入、置換、欠失等を含むポリペプチドが生じることがあり、それらは、本
明細書中に記載のアミノ酸配列相同性および好都合な官能性によって、本明細書
中に示される配列に関係しているまたは充分に類似しているということを理解す
るであろう。“GABA受容体タンパク質”という用語は、本明細書中において、概
して、本明細書中に記載の特徴を有するタンパク質を意味するのに用いられ、好
ましい例には、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示されるアミノ酸配列を有す
るポリペプチドが含まれる。この定義の範囲内および本発明の範囲内に更に含ま
れるのは、本明細書中に記載のような、細胞中へのイオン移動を調節する場合に
機能するポリペプチドの変異体である。好ましいタンパク質は、組換え体タンパ
ク質である。
【0017】 広範囲の種の植物は、一般的には、相同タンパク質を発現し且つ利用すること
が周知であるが、それらタンパク質は、上に論及される挿入、置換および/また
は欠失を含み、そしてなお、同様の機能を効果的に提供する。例えば、別の種か
ら単離されるアミノ酸配列は、SEQ ID NO: 1および2に示される配列とはある程
度異なることがありうるし、なお、触媒および調節の機能に関して同様の官能性
を有することがありうる。このような変異を含むアミノ酸配列は、本発明の範囲
内に含まれ、基準アミノ酸配列と実質的にまたは充分に類似していると考えられ
る。理論に制限されるものではないが、適当な官能性を維持するのに必要なアミ
ノ酸配列間の同一性は、特定の相互作用性配列が適切な場所にあり且つ所望の活
性を有するようなポリペプチドの三次構造の維持に関係していると考えられる。
本発明は、その好都合な結果に到達するいずれの理論にも制限されるものではな
いが、適当な空間的関係のこれら相互作用性配列を含めたポリペプチドは、たと
えその他の部分に変更があるとしても、充分な活性を有するであろうと考えられ
る。
【0018】 この点に関して、本明細書中に記載のタンパク質の変異体は、例えば、それに
、種々の植物種の中に保存されているアミノ酸が含まれる場合、またはそれに、
本明細書中に記載のタンパク質を発現する別の植物種中のある与えられた場所に
存在する非保存アミノ酸が含まれる場合、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示
されるものと機能的に同様であると考えられる。
【0019】 二つのアミノ酸配列の間に類似性が存在しうる別の方法は、一つの群のある与
えられたアミノ酸(非極性アミノ酸、非荷電極性アミノ酸、荷電極性酸性アミノ
酸または荷電極性塩基性アミノ酸など)が、同じアミノ酸群からの別のアミノ酸
で置き換えられている場合である。例えば、非荷電極性アミノ酸セリンは、一般
的には、ポリペプチド中の非荷電極性アミノ酸トレオニンで、そのポリペプチド
の官能性を実質的に変化させることなく置き換えられうることが知られている。
ある与えられた置換が酵素の官能性に影響を与えるかどうかは、過度の実験を行
うことなく、当該技術分野において知られている合成技術およびスクリーニング
検定を用いて確認することができる。
【0020】 したがって、本発明は、細胞のイオン流入を調節する場合に好ましく機能する
本明細書中に示されるアミノ酸配列と同様の、少なくともそれと約60%の同一性
を有するアミノ酸配列も包含する。好ましくは、本発明のアミノ酸配列は、これ
ら配列と少なくとも約70%の同一性、更に好ましくは、少なくとも約80%の同一
性、そして最も好ましくは、少なくとも約90%の同一性を有する。
【0021】 同一性%は、例えば、Oxford Molecular Group, Inc.(ビーバートン,OR)か
ら入手可能なMacVector計算機プログラムバージョン6.0.1を用いて配列情報を比
較することによって決定することができる。簡単にいうと、その MacVector プ
ログラムは、一致して配列する記号(すなわち、ヌクレオチドまたはアミノ酸)
の数を二つの配列の短い方の全記号数で割ったものとして同一性を定義する。そ
のプログラムを用いて、比較されるタンパク質の長さ全体にわたる同一性%を決
定することができる。MacVectorプログラムの好ましい暗黙値パラメーターには
、対合配列に関して、(1)マトリクス=BLOSUM30;(2)アラインメント速度(
Alignment speed)−速い;(3)K組(Ktuple)=1;(4)ギャップペナルティ
ー(Gap penalty)=1;トップダイアゴナル(Top diagonals)=5;ウィンドウ
サイズ(Window size)=5;多重配列に関して:マトリクス=BLOSUM系列,オー
プンギャップペナルティー=10;拡張ギャップペナルティー=0.1,遅延発散=4
0%;タンパク質ギャップパラメーター;ギャップ隔絶距離=8;残基特異的ペナ
ルティー=イエスまたはオン;親水性残基=GPSNDQEKRが含まれる。
【0022】 本発明のもう一つの態様において、Arabidopsis thalianaから最初に単離され
た、本明細書中に記載のタンパク質をコード化する単離された核酸分子を提供す
る。それらヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 1および2に示され、そこに示され
る具体的な配列に相補的な配列も本発明に包含される。これら領域は、動物GABA
受容体中のGABA受容体ドメインとの相同性を有するので、ヌクレオチド配列は、
SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2、または下記のようなそれとの実質的な類似性
を有するまたはそれとの選択される同一性%を有する配列中のヌクレオチド1〜1
305、180〜1050または240〜960にわたるヌクレオチドが含まれるのが好適である
。本発明の一つの形態において、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示されるア
ミノ酸配列と、またはSEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2中のアミノ酸1〜アミノ
酸435、アミノ酸60〜アミノ酸350およびアミノ酸80〜アミノ酸320を含むアミノ
酸配列と少なくとも約60%、好ましくは、少なくとも約70%、より好ましくは、
少なくとも約80%、そして最も好ましくは、少なくとも約90%の同一性を有する
アミノ酸配列を有するタンパク質をコード化するヌクレオチド配列を有する単離
された核酸分子を提供する。本発明は、これら典型的なヌクレオチド配列に制限
されるものではないが、それとの実質的な類似性を有する配列、および上に論及
され且つ下で更に論及されるような本明細書中に記載の植物タンパク質の変異型
をコード化する配列を含む。
【0023】 本明細書中に用いられる“単離された核酸”という用語は、その天然の環境中
にはない核酸を意味するものである。例えば、その核酸は、タンパク質、脂質お
よび他の核酸配列のような、天然にそれを伴う他の混入物から分離される。その
用語には、その天然に存在する環境またはクローンライブラリーから取り出され
たまたは精製された核酸が含まれ、そして更に、組換え体のまたはクローン化さ
れた核酸単離物および化学合成された核酸が含まれる。
【0024】 本明細書中に用いられる“ヌクレオチド配列”という用語は、デオキシリボ核
酸、リボ核酸およびそれらの誘導体を含めたヌクレオチドおよび/またはヌクレ
オシドの天然のまたは合成の直鎖状で且つ連続した配列を意味するものである。
“コード化すること”および“コーディング”という用語は、ヌクレオチド配列
が、転写および翻訳の機序によって、一連のアミノ酸を特定のアミノ酸配列に組
み立てて、例えば、特異的機能を有する活性酵素または他のタンパク質のような
機能的ポリペプチドを生じることができる情報を細胞に提供する過程を意味する
。特定のアミノ酸配列のコード化過程は、コード化されたアミノ酸を変化させな
い一つまたはそれ以上の塩基変化(すなわち、挿入、欠失、置換)を有するDNA
配列を必要とすることがありうるし、または1個またはそれ以上のアミノ酸を変
化させることがありうるが、そのDNA配列によってコード化されるポリペプチド
の機能的性質を失わない塩基変化を伴う。
【0025】 したがって、本発明が、本明細書中に記載のタンパク質をコード化する特定の
典型的なヌクレオチド配列よりも更に多く包含するということは理解される。例
えば、上に論及されるような変異アミノ酸配列をコード化する核酸配列は、本発
明の範囲内である。配列内の欠失、挿入または置換などの配列への修飾は、得ら
れたポリペプチド分子の機能的性質にほとんど影響を与えない“サイレント”変
化を生じ、本発明によって特に考えられる。例えば、遺伝コードの縮重に反映さ
れる、またはある与えられた部位で化学的に同等のアミノ酸の生産を引き起こす
ヌクレオチド配列内の変更が考えられることは理解される。したがって、疎水性
アミノ酸であるアミノ酸アラニンのコドンは、グリシンのような疎水性がより小
さい別の残基、またはバリン、ロイシンまたはイソロイシンのようなより疎水性
の残基をコード化するコドンによって置き換えられうる。同様に、アスパラギン
酸の代わりにグルタミン酸のように、一つの陰電荷残基を別のものの代わりに、
またはアルギニンの代わりにリシンのように、一つの陽電荷残基を別のものの代
わりに置換させる変化も、生物学的に同等の生成物を生じると考えられうる。
【0026】 コード化されるポリペプチド分子のN末端およびC末端部分の変更を引き起こす
ヌクレオチド変化も、概して、そのポリペプチドの活性を変化させるとは考えら
れない。ある場合には、実際上、ポリペプチドの生物学的活性への変更の作用を
研究するために、配列内に突然変異を起こさせるのが望ましいことがありうる。
考えられる修飾はそれぞれ、当該技術分野における常套技術の充分に範囲内であ
る。
【0027】 一つの好ましい実施態様において、ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 1または
SEQ ID NO: 2に示される配列全体、好ましくは、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO:
2中のヌクレオチド1〜1305にわたる配列、および本明細書中に記載の変異体と
の実質的な類似性を有する。“実質的な類似性”という用語は、本明細書中にお
いて、あるヌクレオチド配列に関して、そのヌクレオチド配列が、中程度の緊縮
条件下においてそれとハイブリッド形成する基準ヌクレオチド配列と充分に類似
した配列を有するということを示すのに用いられる。類似性を決定するこの方法
は、本発明が関する当該技術分野において周知である。簡単にいうと、中程度の
緊縮条件は、Sambrookら,Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第2版,1
巻,101-104頁,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)に、5×SSC(塩
化ナトリウム/クエン酸ナトリウム溶液)、0.5%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS
)、1.0 mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)(pH8.0)の予洗液、および55℃、5
×SSCのハイブリダイゼーションおよび洗浄条件の使用を含むと定義されている
。本発明のポリヌクレオチドの追加の必要条件は、それが、本明細書中に記載の
植物タンパク質と類似の官能性を有するポリペプチドをコード化しなければなら
ないということである。
【0028】 なおもう一つの実施態様において、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示され
るヌクレオチド配列の特定の領域との選択された同一性%を有するヌクレオチド
配列を提供する。一つの好ましい形態では、SEQ ID NO: 1かまたはSEQ ID NO: 2
に示されるヌクレオチド中の実質的な長さのヌクレオチド配列と少なくとも約70
%の同一性、より好ましくは、少なくとも約80%の同一性、そして最も好ましく
は、少なくとも約90%の同一性を有するヌクレオチド配列を提供する。例えば、
このような長さは、約100、200、300、800、900または1400ヌクレオチド以下で
あってよいしまたは配列全体であってよい。本発明の若干の形態において、それ
らヌクレオチド配列は、上で論及されるヌクレオチド1〜1305、180〜1050または
240〜960にわたるヌクレオチド配列との上述の同一性%を有する。もう一つの必
要条件は、SEQ ID NO: 1およびSEQ ID NO: 2に示されるヌクレオチド配列が、本
明細書中に記載のように機能するタンパク質、すなわち、植物細胞中へのイオン
流入を調節すると考えられるタンパク質をコード化することである。流入が調節
されうる候補イオンには、塩化物のような陰イオン、およびカルシウム、ナトリ
ウムおよびカリウムのような陽イオンが含まれる。同一性%は、例えば、アミノ
酸同一性に関して上に記載のように、MacVectorプログラムを用いて配列情報を
比較することによって決定することができる。好ましい暗黙値パラメーターには
、(1)対合配列パラメーターに関して:(a)K組=1;(b)ギャップペナルテ
ィー=1;(c)ウィンドウサイズ=4;および(2)多重配列パラメーターに関し
て:(a)オープンギャップペナルティー=10;(b)拡張ギャップペナルティー
=5;(c)遅延発散=40%;および(d)遷移=加重が含まれる。
【0029】 適当なDNA配列は、商業的に入手可能であるかまたは、当該技術分野において
知られている標準法を用いて構築されうるArabidopsis thalianaのcDNAまたはゲ
ノムライブラリーを用いたクローニング技術によって得ることができる。適当な
ヌクレオチド配列は、広範囲の種から、核酸ハイブリダイゼーションまたはポリ
メラーゼ連鎖反応(PCR)法によって、SEQ ID NO: 1およびSEQ ID NO: 2に示さ
れるもの、それとの実質的な類似性を有するヌクレオチド配列またはそれらの一
部分などの本発明によって選択されるヌクレオチド配列をプローブまたはプライ
マーとして用いて得られるDNAライブラリーから単離することができる。本発明
の好ましい形態において、本明細書中で提供されるヌクレオチド配列は、cDNA配
列である。
【0030】 或いは、適当な配列は、当該技術分野において周知である技法によって製造す
ることができる。例えば、本明細書中に記載の植物タンパク質をコード化する核
酸配列は、組換えDNA技術により、例えば、制限酵素およびDNAリガーゼを用いて
核酸を切断するまたはスプライシングすることによって構築することができる。
更に、核酸配列は、固相ホスホルアミデート技術またはPCRなどの化学合成法を
用いて構築することができる。PCRは、生産される核酸の量を増加させるのにも
用いることができる。更に、特定の核酸配列が、完全長さの化学合成を実行不能
にさせる長さを有する場合、その配列は、当該技術分野において知られている方
法によって所望の配列全体を形成するように合成され且つ一緒に連結されうるよ
り小さいセグメントに分割することができる。
【0031】 本発明のもう一つの態様において、組換え体核酸分子または組換え体ベクター
を提供する。一つの実施態様において、核酸分子には、本明細書中に記載のタン
パク質をコード化するヌクレオチド配列が含まれる。そのヌクレオチド配列は、
SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示されるヌクレオチド配列、好ましくは、SE
Q ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2中のヌクレオチド1〜1305、180〜1050または240
〜960にわたる配列との、どちらも上に定義される本明細書中に記載の選択され
る同一性%または実質的な類似性を有する。生産されるタンパク質は、SEQ ID N
O: 1、SEQ ID NO: 2または上記のそれらの変異体に示されるアミノ酸配列を有す
る。
【0032】 本発明において用いられる広範囲のベクターが知られている。例えば、λZap
およびpBluescriptを含めた、本発明において用いるのに理想的に適している種
々のプラスミドおよびファージのベクターが知られている。好ましい実施態様に
おいて、そのベクターはT−DNAベクターであってよい。代表的なT−DNAベクター
系は、次の公報、Anら(1986)EMBO J. 4:277;Herrera-Estrellaら(1983)EMB
O J. 2:987;Herrera-Estrellaら(1985)Plant Genetic Engineering, New Yor
k: Cambridge University Press, 63頁に論及されている。
【0033】 一つの実施態様において、所望の組換え体ベクターは、DNAリンカー配列を所
望のヌクレオチドインサートの5’および3’末端に連結し、それらリンカー配列
および所望のベクター中に存在する配列を特異的に認識する制限酵素を用いてそ
のインサートを切断し、同制限酵素を用いてベクターを切断し、切断されたベク
ターを切断されたインサートと混合し、そして当該技術分野において知られてい
るように、DNAリガーゼを用いてベクター中にインサートを包含させることによ
って構築することができる。
【0034】 それらベクターは、抗生物質耐性または色選択に関するものを含めた選択可能
マーカーをコード化するものなどの他のヌクレオチド配列を含んでいてよい。ベ
クターは、好ましくは、プロモーターヌクレオチド配列も含む。所望の核酸イン
サートは、好ましくは、そのプロモーターに機能的に連結している。核酸は、そ
れが他の核酸配列と独特の機能的関係に置かれる場合、プロモーター配列のよう
な別の核酸配列に“機能的に結合している”。プロモーターと所望の核酸インサ
ートとの間の機能的関係は、典型的に、核酸配列の転写が容易にされるように隣
接している核酸およびプロモーター配列を必要とする。二つの核酸配列は、更に
、それら二つの配列間の結合の性状が、(1)フレームシフト突然変異の導入を
引き起こさない;(2)所望の核酸配列の転写を支配するプロモーター領域配列
の能力を妨げない、または(3)プロモーター領域配列によって転写される所望
のヌクレオチド配列の能力を妨げない場合、機能的に結合していると言われる。
典型的には、プロモーター要素は、概して、核酸インサートコーディング配列の
上流(すなわち、5’末端)にある。
【0035】 細胞特異的プロモーター、誘導性プロモーターおよび構成性プロモーターを含
めた広範囲のプロモーターが当該技術分野において知られている。植物細胞にお
ける転写を支配するプロモーターはいずれも用いることができる。それらプロモ
ーターは、植物および植物ウイルスからのものを含めた、ウイルス、細菌または
真核性物由来であってよい。例えば、若干の好ましい実施態様において、プロモ
ーターは、カリフラワーモザイクウイルスプロモーター(CaMV)、CaMV35Sまた
は19Sなど、ゴマノハグサモザイクウイルスプロモーター(FMV 35S)、またはタ
バコモザイクウイルス(TMV)のコートタンパク質プロモーターを含めたウイル
ス由来であってよい。更に、プロモーターは、例えば、リブロース−1,3−二リ
ン酸カルボキシラーゼの小サブユニットのプロモーターであってよい。細菌由来
のプロモーターには、Herrera-Estrellaら,Nature, 303:209-213 (1983)に論及
される天然Tiプラスミドに由来するオクトピンシンターゼプロモーター、ノパリ
ンシンターゼプロモーター、および他のプロモーターが含まれる。
【0036】 プロモーターは、更に、いろいろな形の環境ストレスまたは他の刺激に反応す
るものであってよい。例えば、プロモーターは、創傷、低温、脱水、紫外線B[v
an Der Krolら(1999)Plant Physiol. 121:1153-1162]、熱ショック[Shinmyo
ら(1998)Biotechnol.Bioeng. 58:329-332]または他の熱ストレス、渇水スト
レスまたは水ストレスのような非生物ストレスによって誘導されるものであって
よい。プロモーター、更に、ウイルス[Sohalら(1999)Plant Mol.Biol. 41:75
-87]または真菌[Eulgem (1999) EMBO.J. 18:4689-4699]によって誘導される
ストレスなどの病原体ストレス、植物防御経路の一部分として[Lebel (1998) P
lant J. 16:223-233]、または光[Nagai ら(1997)Plant J. 12:1021-1034;S
ohal ら(1999)Plant Mol.Biol. 41:75-87]、二酸化炭素[Kuchoら(1999)Pl
ant Physiol. 121:1329-1338]、オーキシン、過酸化水素およびサリチル酸[Ch
enおよびSingh (1999) Plant J. 19:667-677]、糖類およびジベレリン[Luら(
1998)J.Biol.Chem. 273:10120-10131]またはアブシジン酸およびエチレン[Le
ubner-Metzgerら(1998)Plant Mol.Biol. 38:785-795]のようなホルモン類ま
たは他のシグナリング分子などの他の環境シグナルによって誘導されるストレス
を含めた生物ストレスによって誘導されるものであってよい。
【0037】 プロモーターは、当該技術分野で既知の他の構成要素による活性化を必要とす
る様にさらに選択することができ、それにより核酸配列挿入物によりコードされ
るタンパク質の産生を、所望により制御することができる。好ましいプロモータ
ーは、外来性プロモーターである。“外来性プロモーター”とは、本明細書にお
いて、ある長さのDNAの転写を促進する本来のあるいは天然のプロモーター以外
のプロモーターである、と定義する。
【0038】 ベクターは、プロモーターと協働して核酸挿入物コード配列の転写を達成する
、その他の制御構成要素、たとえばエンハンサー配列を含むことができる。“エ
ンハンサー”により、植物宿主細胞などの細胞において、プロモーター活性を刺
激することができる、ヌクレオチド配列構成要素を意味する。ベクターにはさら
に、当該技術分野において既知の3'制御配列構成要素、たとえば転写されたRNA
の安定性を増大するものなど、を含んでいてもよい。
【0039】 さらに、ベクターは、所望のヌクレオチド配列によりコードされる所望のタン
パク質を精製する際に役立つ、タグとして使用されているペプチドあるいはポリ
ペプチドをコードする、別のヌクレオチド配列挿入物を含んでいてもよい。追加
的なヌクレオチド配列は、融合タンパク質あるいはキメラタンパク質を得られる
ように、ベクター中に位置している。たとえば、当該技術分野において既知のよ
うに、そのC-末端リンカーアミノ酸にタグとして機能する他のタンパク質を連結
された本明細書中で記載されているタンパク質を、産生することができる。当業
者に既知の精製工程の後、追加的なアミノ酸配列を適切な酵素で切断する。その
後、タンパク質は、他のタンパク質あるいはその断片から、当業者に既知の方法
により、単離することができる。
【0040】 本発明の組換えベクターを使用して、宿主細胞を形質転換することができる。
したがって、たとえば、SEQ ID NO: 1あるいはSEQ ID NO: 2に記載されるアミノ
酸配列と少なくとも約60%同一であるタンパク質をコードするものなど、本明細
書中に記載されたヌクレオチド配列を有する核酸分子を、植物細胞中に導入する
ことを含む、植物を形質転換する方法を提供する。植物を形質転換する方法は、
当該技術分野において周知であり、そしてたとえば、Maniatisら(Molecular Cl
oning: A Laboratory Manual, Cold Springs Laboratory, Cold Springs Harbo
r, New York (1982))およびCurrent Protocols in Molecular Biology(John W
iley and Sons, edited by Ausubel et al. (1988))を含む参考文献中に見いだ
すことができる。植物遺伝子転移技術は、 Plant gene transfer techniques ma
y also be found in references including Frommら((1985) Proc. Nati. Acad
. Sci. USA, 82:5824-5828(リポフェクション));Crosswayら((1986) Mol.
Gen. Genet. 202:179(マイクロインジェクション));Hooykaas-Van Slogtern
ら((1984) Nature 311:763-764(T-DNA媒介性の単子葉植物の形質転換));Ro
gersら((1986) Methods Enzymol. 118:627-641(T-DNA媒介性の双子葉植物の形
質転換));Bevanら((1982) Ann. Rev. Genet. 16:357-384(T-DNA媒介性の双
子葉植物の形質転換));Kleinら((1988) Proc. Nati. Acad. Sci USA 85:430
5-4309(マイクロインジェクションボンバードメント));そしてFrommら(Nat
ure (1986) 319:791-793 (エレクトロポレーション));を含む参考文献中に
見いだすこともできる。いったん所望の核酸を宿主細胞中に導入してしまうと、
上述したように、宿主細胞はタンパク質、その変異体、を産生することができる
。したがって、本発明のさらに別の観点において、上述した本発明の組換えベク
ターを含む宿主細胞を提供する。
【0041】 原核宿主細胞および真核宿主細胞を含む、幅広い種類の宿主細胞を本発明にお
いて使用することができる。好ましい宿主細胞は、真核細胞であり、そしてたと
えば、ウキクサ、トウモロコシ、芝生(ライグラス、ギョウギシバ(Bermuda gr
ass)、ブルーグラス、フェストゥーカを含む)などの単子葉植物由来のもの、
レタス、小麦などの穀類、アブラナ科の植物(たとえば、菜種、ラディッシュお
よびキャベツ)、ナス科の植物(ピーマン、ジャガイモおよびトマトを含む)、
およびマメ科植物(大豆およびツルナシインゲンなど)などの双子葉植物由来の
もの、などの植物細胞がさらに好ましい。本発明のさらなる観点において、宿主
細胞を当該技術分野において既知なように培養し、トランスジェニック植物を産
生することができる。
【0042】 本発明の別の観点において、GABA受容体と予測されるものなどの、植物タンパ
ク質を同定する方法、を提供する。これらの方法において、上述したヌクレオチ
ド配列、および好ましくはその部分、をプローブとして使用して、その他のGABA
受容体をコードすることができるその他の同様なヌクレオチド配列を位置づける
。DNAあるいはRNAサンプルにおいて選択されたヌクレオチド配列についてスクリ
ーニングするための一般的方法は、当該技術分野において既知である。たとえば
、DNAを選択された植物から単離し、様々な制限酵素で処理し、そして放射活性
標識または蛍光標識した目的のプローブを使用するサザンブロット技術により解
析することができる。RNA断片を、ノザンブロット技術により同様に解析するこ
とができる。あるいは、商業的に利用可能なcDNAあるいはゲノムライブラリーを
スクリーニングすることができる。
【0043】 好ましい態様において、SEQ ID NO: 1あるいはSEQ ID NO: 2に記載するヌクレ
オチド配列、好ましくはヌクレオチド1〜ヌクレオチド1305の中の、約25〜約100
、好ましくは約25〜約400ヌクレオチドの長さ、そしてさらに好ましくは約25〜
約800そして約25〜約1000ヌクレオチドの長さを有するヌクレオチド配列と、少
なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を有するプローブ核酸分子を、
プローブとして使用することができる。より好ましい態様においては、プローブ
は、SEQ ID NO: 1あるいはSEQ ID NO: 2におけるヌクレオチド1〜ヌクレオチド1
305のヌクレオチド長を包含し、しかしSEQ ID NO: 1あるいはSEQ ID NO: 2に記
載のヌクレオチドの完全長を包含することもできる。その他の態様において、プ
ローブは、上記に直接的に示すヌクレオチド長に対して、少なくとも約80%同一
、もっとも好ましくは少なくとも約90%同一であるヌクレオチド配列を有する。
プローブを、その5'末端で、たとえば、ポリヌクレオチドキナーゼおよび32Pを
用いて放射活性により標識し、単離した核酸断片に対してハイブリダイズするこ
とができる。
【0044】 本発明の別の観点において、植物を処理する方法を提供する。一態様において
、方法には、本明細書中に記載されるタンパク質をコードするSEQ ID NO: 1ある
いはSEQ ID NO: 2に記載の配列に対して、少なくとも約70%同一性を有するもの
など、本明細書中に記載された導入された核酸分子を有する植物を提供すること
、そして有効量のGABAにより植物を処理すること、が含まれる。導入された核酸
分子には、ヌクレオチド配列の末端の5'末端に対して機能可能に連結されたプロ
モーター、好ましくは外来性プロモーターを含み、それにより配列を発現させ、
その後典型的には植物をGABAにより処理することができる。植物のこのような処
理は、植物の生長を刺激するだけでなく、植物ストレスの作用を減弱することを
含むその他の有益な結果を提供することができる。
【0045】 トランスジェニック植物を上述したように作成し、そして有効量のGABAにより
処理することができる。有効量のGABAは、典型的には、植物成長の刺激および植
物ストレスの減弱を含む、植物に対していくらかの有利な効果を提供するであろ
う量のGABAのことである。この量は、植物に与えられる特定の利益、導入され発
現されたポリヌクレオチド配列の数、植物の型、そして処理された植物の数、に
依存して変化しうる。しかしながら、植物は典型的には、約1 ppm〜約24,000 pp
m(約0.013 oz/エーカー(oz/A)〜約20 lbs/A)(約0.93 g/ヘクタール(g/ha
)〜約22 kg/ha)、約1 ppm〜約12,000 ppm(約0.013 oz/A〜約10 lbs/A)(約0
.93 g/ha〜約11 kg/ha)、約1 ppm〜約7,500 ppm(約0.013 oz/A〜約6.3 lbs/A
)(約0.93 g/ha〜約7.1 kg/ha)および約1 ppm〜約5,000 ppm(約0.013 oz/A〜
約4.2 lbs/A)(約0,93 g/ha〜約4.8 kg/ha)で処理する。しかしながら、植物
成長刺激に関して、約1 ppm〜約5,000 ppmの濃度およびKinnersleyに対する米国
特許出願第5,439,873号に記載された濃度を、しばしば使用する。植物ストレス
の減少が望まれる場合、約1 ppm〜約2,500 ppm(約0.013 oz/A〜約2.1 lbs/A)
(約0.93 g/ha〜約2.4 kg/ha)の濃度のGABAを典型的には使用し、約150〜600 p
pm(約1/8 lb/A〜約1/2 lb/A)(約0.14 kg/ha〜約0.56 kg/ha)の濃度をもっと
も頻繁に使用する。ppmで表されたすべての量は、重量/容量(g/ml)基準であ
る。さらに、上記の括弧内の適用比率は、1エーカーにわたって散布される特定
の溶液を、100ガロンの標準容量を使用して処理するために導かれたものである
【0046】 さらに別の態様において、GABAにより処理することに加えて、植物をGABAおよ
びGABAアゴニストを含む組成物により処理することもできる。たとえば、植物を
バクロフェンおよびたとえばシス-4-アミノペント-2-エノン酸(CACA)、イミダ
ゾール-4-酢酸(IAA)および4,5,6,7-テトラヒドロイソキサゾロ〔5,4-c〕ピリ
ジン-3-オール(THIP)を含む、当該技術分野において既知の他のGABAアゴニス
ト、により処理することができる。植物を、ピクロトキシンあるいはビキュキュ
リンなどのGABAアンタゴニストのみで処理するか、あるいはGABAアゴニストのみ
で処理し、所望するように植物代謝を制御することもできる。
【0047】 記載されたGABA、GABAアゴニストあるいはGABAアンタゴニストは、典型的には
、植物の茎葉(foliage)に対して適用するが、しかし土壌浸液(drench)とし
て投与してもよい。さらに、植物を水耕栽培で成長させる場合には、化合物およ
び組成物を植物を生長させる水溶液に適用してもよい。組成物をさらに、スプレ
ーにより適用することも好ましい。さらに、化合物および組成物を種子処理剤と
して使用してもよい。
【0048】 上述されたGABA、GABAアゴニストあるいはGABAアンタゴニストは、当該技術分
野において既知のキャリア媒体と組み合わせることが好ましい。化合物および組
成物を、たとえば、生水などの水と、あるいは選択されたミネラルが添加された
蒸留水と組み合わせることができる。あるいは、本発明の組成物を固体として使
用することもできる。このような形状において、固体を好ましくは土壌に使用す
る。
【0049】 組成物は、当業者に既知の農業用添加物あるいは製剤助剤をさらに含んでもよ
い。このような添加物あるいは助剤を使用して、スプレータンク中で組成物が十
分に拡散し、植物表面(特に葉あるいは茎葉)に組成物がくっつきあるいは浸透
し、そして植物にその他の有益なことを提供することを、確実にすることができ
る。たとえば、界面活性剤、分散剤、湿潤剤、そして結合剤を使用して、本明細
書中で記載した化合物または組成物を、スプレータンク中で分散させ、そして植
物表面に対して化合物を接着させおよび/または浸透させることができる。
【0050】 植物の代謝を制御する方法も提供する。植物の代謝の制御には、窒素同化など
の栄養利用、植物成長、植物生産性に影響を与えること、そして植物ストレスの
作用に対する植物の抵抗性を増大することを含みうる。たとえば、一形態におい
て、本発明の方法には、本明細書中に提供するヌクレオチド配列に対して相補的
なヌクレオチド配列を有するアンチセンスヌクレオチド配列を植物細胞中に導入
することを含み、これはたとえば、SEQ ID NO: 1あるいはSEQ ID NO: 2に示され
たヌクレオチド配列中のある長さのヌクレオチド、好ましくはヌクレオチド1〜
ヌクレオチド1305、に対して、少なくとも約70%同一、より好ましくは少なくと
も約80%同一、もっとも好ましくは少なくとも約90%同一であるヌクレオチド配
列、に相補的なものなどである。アンチセンスヌクレオチドは、約30〜約400ヌ
クレオチド、約30〜約800ヌクレオチド、約30〜約1400ヌクレオチド、そして約3
0〜約1800ヌクレオチドの長さを有することができる。より好ましい態様におい
て、アンチセンスヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 1あるいはSEQ ID NO: 2に示
されたヌクレオチド配列の完全長と同様の長さである。アンチセンスヌクレオチ
ド配列は、RNAを産生するストランドとして働く鋳型ストランドにハイブリダイ
ズし、転写を減少することができる。あるいは、アンチセンスヌクレオチド配列
は、本明細書中で記載されるヌクレオチド配列から転写されたmRNA配列などのRN
A配列に対して相補的であり、そしてしたがってハイブリダイズし、それにより
、コードされるタンパク質、たとえばGABA受容体、を発現するためのmRNA配列の
翻訳が減少されうる。アンチセンスヌクレオチド配列は、DNAであってもRNAであ
ってもよい。そのようなアンチセンス配列は、ヌクレオチド配列について上述し
たように、そして当該技術分野において既知のさらなる方法により産生すること
ができる。上述したアンチセンスヌクレオチド配列と実質的に同一なヌクレオチ
ド配列も、本発明の範囲内に含まれる。
【0051】 植物の代謝を制御する方法の他の形態において、方法には、本明細書中に記載
した植物GABA受容体タンパク質をコードする植物ゲノム中に存在する遺伝子の活
性を変更して所望の結果を提供するために、その遺伝子のin vivo変異生成を含
みうる。化学的方法およびDNA-挿入変異生成を含む、当業者に既知の方法により
、植物を変異させることができる。
【0052】 本発明の別の観点において、植物中で受容体活性を修飾する方法を提供する。
本発明の一形態において、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示されたアミノ酸
配列と少なくとも60%同一であるアミノ酸配列を有する植物タンパク質などの、
本明細書中に記載する植物タンパク質をコードするヌクレオチド配列を有する核
酸分子を植物細胞中に導入することを含む。
【0053】 本発明のさらに別の観点において、上述したようにGABA受容体として機能する
ことが期待される植物タンパク質を発現する方法を提供する。一態様において、
方法には、本明細書中で記載したタンパク質をコードする上述したヌクレオチド
配列あるいはその変異体を提供すること、そして上述したように宿主細胞中にヌ
クレオチド配列を導入することを含む。所望のヌクレオチド配列を、都合よく、
ベクター中に組み込んで、組換えベクターを形成することができる。組換えベク
ターをその後、当該技術分野において既知の方法に従って、宿主細胞中に導入す
ることができる。その後、当業者に周知である、植物タンパク質の発現を達成す
るのに効果的な条件下で、このような宿主細胞を培養する。その後、タンパク質
を慣習的な技術を用いて精製することができる。
【0054】 上述した発明を説明する具体的な実施例をここで参照することができる。これ
らの実施例は、好ましい態様を説明するために提供するものであり、それにより
本発明の範囲を減縮することを意図するものではないことは理解されるであろう
【0055】
【実施例】
実施例1 ウキクサ(duckweed)に対するGABAアゴニストおよびアンタゴニストの影響 動物中のGABA受容体は、Johnston, GAR(1997), Molecular Biology, Pharma
cology and Physiolosy of the GABAC Receptors, SJ EmnaおよびNG Bowery監修
, The GABA Receptors, Humana Pressに記載されるように、アンタゴニストに対
する反応に基づき、定義されてきている。GABAA受容体は、アンタゴニスト、ビ
キュキュリンに対し感受性であり、そしてアゴニスト、バクロフェンに対し非感
受性であり、そしてGABAB受容体は、ビキュキュリンに対し非感受性であり、そ
してバクロフェンに対し感受性である。GABAC受容体は、ビキュキュリンおよび
バクロフェン両方に対し非感受性である。GABAC受容体は、アンタゴニスト、ピ
クロトキシンに対し感受性である。ビキュキュリンは、GABAAに特異的であり、
そしてピクロトキシンはGABAAおよびGABAC受容体両方に特異的である。
【0056】 ウキクサ(コウキクサ(Lemna Minor L))は、Kinnersleyに対する米国特許
第5,439,873号に論じられるように、培地が水道水に1 g/lで溶解されたSolu-Sp
ray 20-20-20肥料であり、そしてpHが5.5に調整されたことを除き、Kinnersley
(米国特許第4,813,997号)に記載される一般的な方法にしたがい、成長させた
。ウキクサは、独立に、示される濃度のバクロフェン[β-(アミノメチル)-4-
クロロベンゼンプロパン酸](図1)、ピクロトキシン(コキュリン)(図2)、
ビキュキュリン([R-(R*,S*)]-6-(5,6,7,8-テトラヒドロ-6-メチル-1,3-ジ
オキソロ[4,5-g]イソキノリン-5-イル)フロ[3,4-e]-1,3-ベンゾジオキソー
ル-8(6H)-オン)(図2)またはGABAおよびバクロフェンの混合物(図3)で処
置した。
【0057】 図1に見られるように、バクロフェンは、約1 mMの濃度まで、ウキクサ成長を
促進する活性がある。さらに、図3に見られるように、バクロフェンは、ウキク
サをGABAおよびバクロフェン両方で処置した際、GABAの成長促進効果を増加させ
る。対照的に、GABAの成長促進効果は、ビキュキュリンまたはピクロトキシンを
培地に添加した際、完全に阻害される。これは、動物においてGABA受容体を通じ
て作用するGABAに影響を与える化合物は、植物で同じ方式で振る舞うことを示す
【0058】 図2に見られるように、上述のように成長させたウキクサを、独立にビキュキ
ュリンおよびピクロトキシンで処置した際、培地中のGABAの非存在下で、成長に
対する阻害効果が見られた。これは、ビキュキュリンおよびピクロトキシンが、
植物により作成されているGABAに対する影響を有することを示唆する。
【0059】 上述の結果を総合すると、動物においてGABA受容体の活性を促進しまたは阻害
する化学薬品での実験が、植物で同じ反応を有するため、GABA受容体が植物に存
在する証拠が提供される。植物におけるGABAの役割には、公表された知識はない
ため、動物においてGABA受容体の作用に影響を与える化学薬品が、植物で同じ反
応を有することは驚くべきことである。
【0060】 さらに、上述の結果を、N-末端領域が動物GABA受容体に相同性を有するタンパ
ク質をコードするヌクレオチド配列の発見と組み合わせると、植物中のGABA受容
体の存在のさらなる証拠が提供される。
【0061】 実施例2 全長cDNAおよびゲノムDNAの単離 プロトコル シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana(L.)Heynh.)生態型コロンビア(Co
l-0)種子は、シロイヌナズナ生物学的供給センター(Ohio State University、
オハイオ州コロンバス)より得た。シロイヌナズナ実生(seedling)を、回転震
蘯装置(150 rpm)上で、MS培地[MurashigeおよびSkook, Physiol. Plant 15:
485(1962)]を含むフラスコ中で、無菌条件下で成長させた。全RNA単離のため
、2日齢の実生を収集した。全RNAは、Turano, F.J.ら(1992)Plant Physiol. 1
00:374に記載されるように単離した。GenBank ACC# AC000098に相当するGLR4
に対するプライマー、5'K/OGLR4NotI(5'GCCCGCGGCC GCATGGCGAA AGCAATCAGA G
AGTTGTG-3')および3'K/OGLR4NotI(5'GCCCGCGGCC GCTTAAGTAA TTTCGCCATG TTG
TGA-3')は、商業的に合成し(Biosynthesis, Inc.、テキサス州ルイスビル)そ
してRT-PCR反応に用いた。RT-PCRには、5'RACE系(Life Technologies、メリー
ランド州ロックビル)を用い、全長cDNAクローンを同定した。プライマー、3'K
/OGLR4NotIを用い、製造者の指示にしたがい、2日齢植物から単離した1μgのポ
リ(A+)RNAから第一ストランドcDNAを合成した。第一ストランドcDNA合成の五
分の一を、両プライマー、5'K/OGLR4NotIおよび3'K/OGLR4NotIを用いた遺伝子
増幅反応のテンプレートとして用いた。増幅前に、構成要素を95℃で4分間イン
キュベーションした。遺伝子増幅反応は、94℃で1分間、68℃で1分間および72℃
で2分間、30サイクルに続き、72℃伸長を5分間行った。
【0062】 ゲノムDNAは、Turano, F.J.ら(1992)Plant Physiol 100:374に記載される
ように、24日齢シロイヌナズナの葉から単離した。PCR反応には、250 ngの各プ
ライマー(5'K/OGLR4NotIおよび3'K/OGLR4NotI)を、およそ500 ngのゲノムDN
Aと共に用いた。増幅反応前に、構成要素を95℃で10分間インキュベーションし
た。遺伝子増幅反応は、94℃で1分間、70℃で1分間および72℃で3分間、30サイ
クルに続き、72℃伸長を5分間行った。
【0063】 ゲノムDNAおよびcDNA断片両方をPCR2.1(Invitrogen Corp.、米国カリフォル
ニア州カールスバッド)に別個にクローニングし、そしてTaqジデオキシターミ
ネーターサイクルシークエンス(Applied Biosystems)法を用い、農業バイオテ
クノロジーセンター(the Center for Agricultural Biotechnology)、Univers
ity of Maryland、メリーランド州カレッジパークで配列決定した。データは、P
ower Macintosh 6500/250上で、MacVectorソフトウェアを用いて解析した。
【0064】 結果 2日齢シロイヌナズナから単離した全RNAから、リガンド依存性イオンチャンネ
ルをコードする全長cDNAクローンを同定した。推定アミノ酸配列は、Genbankの
ゲノム配列由来の11アミノ酸配列および全長cDNAクローンから推定した3つのア
ミノ酸配列と高い相同性を有する。より具体的には、該遺伝子は、動物GABA受容
体のヌクレオチド1から1305に相同性を有し、そして動物グルタミン酸受容体の
ヌクレオチド1306から配列の末端に相同性を有した。シロイヌナズナ由来の推定
リガンド依存性イオンチャンネルの巨大ファミリーは、無脊椎動物および脊椎動
物における、グルタミン酸イオンチャンネル共役型受容体タンパク質(Glu R)
をコードする遺伝子と相同性を有し、そしていくつかの場合、GABA受容体タンパ
ク質と相同性を有する。本明細書に記載されるcDNAにコードされる遺伝子は、GL
R4と名付けられた。ノーザンブロットおよびRT-PCR解析により、GLR4転写物が、
およそ2.8 kbであり、そして2および4日齢シロイヌナズナで、そして21日齢植物
の分裂組織で容易に検出されることが立証された。該データにより、該遺伝子が
、迅速な細胞分裂を経験している組織で発現されることが示唆される。
【0065】 理論により限定されるわけではないが、GABA、GABAアンタゴニストおよびGABA
アゴニストは、本明細書に記載される植物リガンド依存性イオンチャンネルのN-
末端領域でGABA様ドメインと相互作用するであろうと考えられる。本理論は、動
物GABA-BRのN-末端ドメインが、GABA-BRにおけるアゴニストおよびアンタゴニス
ト結合を特定するのに十分であることを立証する最近の実験的知見により支持さ
れる[Malitschek(1999)Mol. Pharmacol. 56(2):448-454]。
【0066】 GLR遺伝子すべての機能は未知であるが、シロイヌナズナにおけるGLR遺伝子、
並びにGABA受容体特性およびグルタミン酸受容体特性を有する遺伝子の存在は、
より高次の植物において、電気的シグナルの伝達に必要な生化学的機構の分子的
証拠を提供する。
【0067】 実施例3 アンチセンスGLR4植物の構築 GLR4の全オープンリーディングフレーム、または約25塩基対ほど小さいその一
部を、植物形質転換ベクター、例えばpBI121(Clontech、カリフォルニア州パロ
アルト)に、PCR、RT-PCRまたは慣用的なクローニング法を用い、クローニング
し、アンチセンス構築物を作成してもよい。遺伝子特異的プライマー、5'K/OGL
R4NotI(5'-GCCCGCGGCC GCATGGCGAA AGCAATCAGA GTTGTG-3’)および3'K/OGLR4
NotI(5'-GCCCGCGGCC GCTTAAGTAA TTTCGCCATG TTGTGA-3')(GenBank GLR4、ACC
# AC000098に相当)を、商業的に合成し(Biosynthesis, Inc.、米国テキサス
州ルイスビル)そしてPCRまたはRT-PCR反応に用いることができる。例えば、PCR
反応は、250 ngの各プライマーと、およそ500 ngのゲノムDNAを用いてもよい。
増幅反応前に、構成要素を95℃で2分間インキュベーションしてもよい。遺伝子
増幅反応は、94℃で1分間、65℃で1分間および72℃で2分間、30サイクルに続き
、72℃伸長を4分間行ってもよい。RT-PCRには、5'RACE系(Life Technologies、
米国メリーランド州ロックビル)またはより単純な逆転写酵素(RT)に基づく系
を用い、全長cDNAクローンを同定してもよい。プライマー、3'K/OGLR4NotIを用
い、製造者の指示にしたがい、2日齢植物から単離した1μgのポリ(A+)RNAから
第一ストランドcDNAを合成してもよい。第一ストランドcDNA合成の五分の一を、
両プライマー5'K/OGLR4NotIおよび3'K/OGLR4NotIを用いた遺伝子増幅反応のテ
ンプレートとして用いてもよい。増幅前に、構成要素を95℃で2分間インキュベ
ーションしてもよい。遺伝子増幅反応は、94℃で1分間、58℃で1分間および72℃
で2分間、30サイクルに続き、72℃伸長を5分間行ってもよい。
【0068】 ゲノムDNAまたはcDNA断片は、アンチセンス(逆)方向に、植物形質転換ベク
ターにクローニングしてもよい。該ベクターは、構成プロモーター、例えばCaMV
35Sプロモーターおよびノパリンシンターゼターミネーターを含んでもよい。ベ
クターを修飾し、生物的[Sohalら(1999)Plant Mol. Biol. 41:75-87]また
は非生物的ストレス[Ngaiら(1999)Plant J. 12:1021-1034; van Der Krol
ら(1999)Plant Physiol. 121:1153-1162; Kuchoら(1999)Plant Physiol 1
21:1329-1338]により、および/またはホルモンおよび他の情報伝達分子(Che
nおよびSingh(1999)Plant J. 19:667-677; Luら(1998)J. Biol. Chem. 27
3:10120-10131; Leubner-Metzgerら(1998)Plant Mol. Biol. 38:785-795)
により、誘導することが可能であるプロモーターを含ませてもよい。クローニン
グされた構築物の方向は、制限エンドヌクレアーゼおよびPCR解析により、確認
することが可能である。
【0069】 クローニングの完了に際し、バイナリベクター構築物を、アグロバクテリウム
・ツメファシエンスの安全化株、例えばEHA105に、そして1点修飾した(すなわ
ち浸潤培地に0.02%(v/v)Silwetを添加した)真空浸潤法[BechtoldおよびBo
uchez(1995)In planta Agrobacterium-mediated transformation of adult Ar
abidopsis thaliana plants by vaccum infiltration, Gene Transfer to Plant
s,中, I. PotrykusおよびG. Spangenberg監修(Springer-Verlag、ハイデルベル
グ)pp.19-23]を用い、シロイヌナズナ(Ws生態型)に導入してもよい。形質転
換植物から収集した種子を、発芽させ、そしてカナマイシン耐性に関し、選択し
てもよい。
【0070】 実施例4 グルタミン酸およびGABA受容体の進化的起源 節減および最近接(nearest neighbor)解析を用い、8つの推定植物GLR配列、
iGLR並びにGPCRのファミリー4のメンバー、特にmGLRおよびGABA-BRの間の進化的
関係を調べた(図4)。遺伝子座の進化歴中の組換え現象の可能性を考慮し、そ
してしたがって、ペプチドの解析を2つに分け;ペプチドのはじめのおよそ三分
の一(N-末端領域)、および後の三分の二(C-末端領域)を別個に比較した。
【0071】 実験 系統樹は、帰納的解析から生成した等しく節減性の4つの系統樹である(長さ
=6186ステップ、一貫性指数=0.649、保持指数=0.753、および適正化(rescal
ed)一貫性指数=0.488)。4つの等しく節減性の系統樹から生成した、正確なコ
ンセンサス系統樹は、hummglur7nがhummglur6nおよびratmglur4nの間に置かれた
ことを例外とし、示される系統樹と同一である。より重要な分岐群の支持は、ア
ラインメントデータセットの500の並べ換えを用いたブートストラップ値により
示される。Ecoliginhを外集団として用いた。最近接解析を用い、同様の結果を
得た(未提示)。細菌ペリプラズム結合タンパク質、動物iGLRおよび植物GLR(1
、3、および4)配列の略語および寄託番号は、Chiu, J.ら(1999)Mol. Biol. E
vol. 16:826-838に用いられるものと同一である。
【0072】 結果 植物GLRのN-末端領域のアミノ酸配列は、GPCR(G-タンパク質共役型受容体の
ファミリー4)スーパーファミリーのメンバーに関連し、そしてiGLRのメンバー
に関連しないことが結論付けられた。しかし、植物GLRのC-末端領域は、iGLRス
ーパーファミリーのメンバーに関連し、そしてGPCRのメンバーに関連しない。全
ペプチド配列を比較した結果から同様の推論を行った(データ未提示)。C-末端
領域の本解析からの結果は、最近公表された系統解析のものと一致する[Chiu,
J.ら(1999)Mol. Biol. Evol. 16:826-838]。公表された研究と共に、本研究
両方の結果から、シロイヌナズナGLRおよびiGLRのC-末端領域は、動物カイニン
酸/AMPAおよびNMDA受容体の分岐に先行する、共通の先祖遺伝子座から進化した
と結論付けることが可能である。しかし、本明細書中のN-末端領域の解析は、異
なるシナリオを支持する。シロイヌナズナGLRのN-末端領域は、GPCRのファミリ
ー4のメンバーである、GABA-BRおよびmGLRに対し相同である。これらの遺伝子座
は、植物および動物の分岐に先行する共通の先祖を共有する。
【0073】 総合すると、iGLRおよびGPCRのファミリー4の2つのメンバーは、植物および動
物界の分岐前に、GLRの異なる領域から進化したと結論付けられた。したがって
、現存するGLRの先祖は、iGLRおよびGPCRのファミリー4のメンバー両方の進化的
先祖であり、そしてしたがって、受容体の2つのスーパーファミリーの間の以前
は同定されなかった進化的なつながりを表す。
【0074】 図5に見られるように、先祖植物GLRは、BPBPから進化する。先祖GLRは、異な
る進化経路を介し、植物GLR、iGLRおよびG-タンパク質共役型受容体のファミリ
ー4のメンバー(GPCR-F4)に進化する。GLRおよびiGLRは、一連の点突然変異お
よび選択により進化する。先祖GPCR-F4は、先祖植物GLRおよびおそらくGPCR様タ
ンパク質をコードする遺伝子である、7つの膜貫通ドメイン(7-TMDP)を持つペ
プチドをコードする遺伝子の5'端の間の遺伝子変換または組換え現象から生じた
[Josefsson, L.G.ら(1997)Eur. J. Biochem. 249:415-420; Plakidou-Dymo
ck, S.ら(1998)Curr. Biol. 8:315-324; Josefsson, L.G.(1999)Gene 239
:333-340]。先祖GPCR-F4は、一連の点突然変異および選択により、mGLRおよび
GABA-BRに進化する。
【0075】 本発明は、図および先行する説明に詳細に例示されそして記載されているが、
該図および説明は、例示とみなされ、そして性質を限定するとみなしてはならず
、好ましい態様のみが示されそして記載されてきており、そして本発明の精神の
範囲内に生じるすべての変化および修飾が保護されることが望ましいと理解すべ
きである。さらに、本明細書に引用されるすべての参考文献は、当業の技術レベ
ルを示し、そして本明細書に完全に援用される。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例1により完全に記載されるように、ウキクサ成長に
対する、GABAアゴニストのバクロフェンの影響を示すグラフを示す。
【図2】 図2は、実施例1により完全に記載されるように、ウキクサ成長に
対するGABAアンタゴニスト、ピクロトキシンおよびビキュキュリンの影響を示す
グラフを示す。
【図3】 図3は、実施例1により完全に記載されるように、ウキクサにおけ
るGABA媒介性成長促進に対するGABAアゴニストおよびアンタゴニストの影響を示
すグラフを示す。BFN、バクロフェン;PIC、ピクロトキシン;4-AB、γ-アミノ
酪酸。
【図4】 図4は、N-末端(およそ三分の一)アミノ酸配列の節減解析(par
simony analysis)に基づく、細菌ペリプラズム結合タンパク質および真核受容
体の系統樹を示す。系統復元(reconstruction)に含まれた配列は、細菌ペリプ
ラズム結合タンパク質、動物イオンチャンネル共役型グルタミン酸受容体(iono
tropic glutamate receptor;iGLR)、代謝共役型グルタミン酸受容体(metabot
ropic glutamate receptor;mGLR)、およびγ-アミノ酪酸B(GABA-BR)受容体
、並びに推定植物グルタミン酸受容体(GLR)である。小文字のnは、アミノ酸残
基80から320由来のN-末端配列を示す。mGLR、GABA-BRおよび残りの植物GLRの略
語および寄託番号は以下のとおりである:ヒト代謝共役型グルタミン酸受容体1
アルファ(hummglur1alpn、ACC# U31215)、ヒト代謝共役型グルタミン酸受容
体1ベータ(hummglur1betn、ACC# U31216)、ヒトグルタミン酸受容体、代謝共
役型5(hummglur5n、ACC# NM000842)、ラット代謝共役型グルタミン酸受容体m
GluR5(ratmglur5n、ACC# D10891)、ヒトグルタミン酸受容体、代謝共役型2(
hummglur2n、ACC# NM000839)、ヒトグルタミン酸受容体、代謝共役型3(hummg
lur3n、ACC# NM000840)、ヒトグルタミン酸受容体、代謝共役型8(hummglur8n
、ACC# U92459)、マウス代謝共役型グルタミン酸受容体8(mousemglur8n、ACC
# U17252)、ヒト代謝共役型グルタミン酸受容体7(hummglur7n、ACC# U92458
)、ヒト代謝共役型グルタミン酸受容体4(hummglur4n、ACC# U92457)、ラッ
ト代謝共役型グルタミン酸受容体4(ratmglur4n、ACC# M90518)、ヒトグルタ
ミン酸受容体、代謝共役型6(hummglur6n、ACC# NM#000843)、ヒトGABAB受容
体サブユニット1a(humGABA-BR1an、ACC# AJ012185)、ラットGABAB受容体サブ
ユニット1a(ratGABA-B1an、ACC# Y10369)、ヒトGABAB受容体サブユニット1b
(humGABA-BR1bn、ACC# AJ012186)、ラットGABAB受容体サブユニット1b(ratG
ABA-B1bn、ACC# Y10370)、ヒトGABAB受容体サブユニット2(humGABA-BR2n、AC
C# AJ012188)、ラットGABAB R2受容体(ratGABA-br2n2、ACC# AJ011318)、
ラットGABA-B R2受容体(ratGABA-br2n1、ACC# AF07442)、シロイヌナズナ推
定グルタミン酸受容体2a(glr2an、ACC# AF079999)、シロイヌナズナ推定グル
タミン酸受容体2b(glr2bn、ACC# AF038557)、シロイヌナズナ推定グルタミン
酸受容体5(glr5n、ACC# AL022604)、シロイヌナズナ推定グルタミン酸受容体
6(glr6n、ACC# AL022604)、およびシロイヌナズナ推定グルタミン酸受容体7
(glr7n、ACC# AL031004)。他の略語は、Chiu, J.ら(1999)Mol. Biol. Evol
. 16:826-838に定義されるとおりである。
【図5】 図5は、実施例4に論じられるような、細菌ペリプラズム結合タン
パク質(BPBP)、植物グルタミン酸受容体(GLR)、動物イオンチャンネル共役
型グルタミン酸(iGLR)、代謝共役型グルタミン酸(mGLR)、およびガンマ-ア
ミノ酪酸B(GABA-BR)受容体遺伝子の提唱される進化歴を示す。7-TMDP、7つの
膜貫通ドメインを持つペプチドをコードする遺伝子; GPCR-F4、Gタンパク質共
役型受容体のファミリー4。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 キナースリー,アラン・エム アメリカ合衆国ミシガン州48823,イース ト・ランシング,ケンジントン・ロード 447 (72)発明者 テュラノ,フランク・ジェイ アメリカ合衆国メリーランド州21212,ボ ルチモア,ブラックバーン・レイン 6204 Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD06 CA06 CA17 CA19 CB03 4B024 AA08 AA20 BA63 CA04 CA11 DA01 EA01 FA02 GA11 HA01 HA20 4B063 QA01 QA18 QQ04 QQ09 QQ42 QQ52 QR08 QR42 QR55 QR62 QS25 QS34 QS36 QX02 4B065 AA88X AA88Y AB01 BA01 CA24 CA53 CA60 4H045 AA10 AA20 BA10 CA30 DA50 FA72 FA74

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物を形質転換する方法であって、SEQ ID NO: 1またはSE
    Q ID NO: 2に示されるアミノ酸配列に、少なくとも60%の同一性を有するアミノ
    酸配列を有するタンパク質をコードするヌクレオチド配列を持つ核酸分子を、植
    物細胞に導入することを含む、前記方法。
  2. 【請求項2】 前記ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO:
    2に示されるヌクレオチド配列に、少なくとも約70%の同一性を有するヌクレオ
    チド配列で構成される、請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 前記ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1に示されるヌクレ
    オチド配列のヌクレオチド1からヌクレオチド1305に、少なくとも約70%の同一
    性を有する、請求項2の方法。
  4. 【請求項4】 前記導入核酸分子が、前記ヌクレオチド配列の末端5'端に
    機能可能であるように連結されている外来性の(foreign)プロモーターをさら
    に含む、請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 植物タンパク質を同定する方法であって、SEQ ID NO: 1ま
    たはSEQ ID NO: 2に示されるヌクレオチド配列のヌクレオチド1からヌクレオチ
    ド1305に、少なくとも約70%の同一性を有するヌクレオチド配列を有する核酸プ
    ローブを、植物核酸にハイブリダイズさせることを含む、前記方法。
  6. 【請求項6】 前記プローブが、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示さ
    れるヌクレオチド配列のヌクレオチド1からヌクレオチド1305内の約25から約800
    ヌクレオチドの長さを有する、請求項5の方法。
  7. 【請求項7】 植物を処置する方法であって: (a)SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示されるアミノ酸配列に、少なくとも6
    0%の同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質をコードするヌクレオチ
    ド配列を有する導入核酸分子を、植物に提供し;そして (b)該植物を有効量のGABAで処置する ことを含む、前記方法。
  8. 【請求項8】 前記方法が、前記処置工程前に、前記ヌクレオチド配列を
    発現することを含む、請求項7の方法。
  9. 【請求項9】 前記ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO:
    2に示されるヌクレオチド配列に、少なくとも約70%の同一性を有するヌクレオ
    チド配列で構成される、請求項7の方法。
  10. 【請求項10】 前記ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1に示されるヌク
    レオチド配列のヌクレオチド1からヌクレオチド1305に、少なくとも約80%の同
    一性を有する、請求項9の方法。
  11. 【請求項11】 前記植物を、GABAおよびGABAアゴニストを含む組成物で
    処置する、請求項7の方法。
  12. 【請求項12】 前記アゴニストが、バクロフェン、シス-4-アミノペン
    ト-2-エノン(enoic)酸、イミダゾール-4-酢酸および4,5,6,7-テトラヒドロイ
    ソキサゾロ[5,4-c]ピリジン-3-オールからなる群より選択される、請求項11の
    方法。
  13. 【請求項13】 前記導入核酸分子が、前記ヌクレオチド配列の末端5'端
    に機能可能であるように連結されている外来性のプロモーターをさらに含む、請
    求項7の方法。
  14. 【請求項14】 植物代謝を制御する方法であって: (a)SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示されるヌクレオチド配列に、少なく
    とも約70%の同一性を有するヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列、ま
    たは前記配列から転写されたRNA配列に相補的なヌクレオチド配列を含む、アン
    チセンス核酸分子を、植物細胞に導入し、 (b)前記植物の核酸に対する前記アンチセンスヌクレオチド配列のハイブリダ
    イゼーションに有効な条件下で、前記植物細胞を培養すること を含む、前記方法。
  15. 【請求項15】 前記ヌクレオチド配列のいずれかが、長さ約30から約14
    00ヌクレオチドである、請求項14の方法。
  16. 【請求項16】 前記ヌクレオチド配列のいずれかが、長さ約30から約80
    0ヌクレオチドである、請求項14の方法。
  17. 【請求項17】 植物タンパク質を発現する方法であって: (a)SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示されるアミノ酸配列に、少なくとも
    約60%の同一性を有するアミノ酸配列を有する植物タンパク質をコードするヌク
    レオチド配列を有する単離核酸分子を、植物細胞に導入し;そして (b)前記タンパク質の発現を達成する条件下で培養する ことを含む、前記方法。
  18. 【請求項18】 前記核酸分子が、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示
    されるヌクレオチド配列に、少なくとも約70%の同一性を有するヌクレオチド配
    列を有する、請求項17の方法。
  19. 【請求項19】 前記導入工程前に、ベクターに前記ヌクレオチド配列を
    挿入することをさらに含む、請求項17の方法。
  20. 【請求項20】 前記ベクターがプラスミドベクターである、請求項19の
    方法。
  21. 【請求項21】 植物において、受容体活性を修飾する方法であって、SE
    Q ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示されるアミノ酸配列に、少なくとも約60%の
    同一性を有するアミノ酸配列を有する植物タンパク質をコードするヌクレオチド
    配列を有する核酸分子を、植物細胞に導入することを含む、前記方法。
  22. 【請求項22】 タンパク質コードヌクレオチド配列から本質的になるヌ
    クレオチド配列を含み、前記ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID N
    O: 2に示されるアミノ酸配列に、少なくとも約60%の同一性を有するアミノ酸配
    列を有する植物タンパク質をコードする、単離核酸分子。
  23. 【請求項23】 前記ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID N
    O: 2に示されるヌクレオチド配列に、少なくとも約70%の同一性を有するタンパ
    ク質コードヌクレオチド配列から本質的になる、請求項22の分子。
  24. 【請求項24】 前記ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID N
    O: 2に示されるヌクレオチド配列に、少なくとも約80%の同一性を有するタンパ
    ク質コードヌクレオチド配列から本質的になる、請求項23の分子。
  25. 【請求項25】 前記タンパク質が、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に
    示されるアミノ酸配列に、少なくとも約80%の同一性を有するアミノ酸配列で構
    成される、請求項22の分子。
  26. 【請求項26】 (a)タンパク質コードヌクレオチド配列から本質的に
    なるヌクレオチド配列であって、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示されるア
    ミノ酸配列に、少なくとも約60%の同一性を有するアミノ酸配列を有する植物タ
    ンパク質をコードする、前記ヌクレオチド配列;および (b)前記ヌクレオチド配列の末端5'端に機能可能であるように連結されている
    、外来性のプロモーター を含む、組換え核酸分子。
  27. 【請求項27】 前記ヌクレオチド配列がcDNA配列である、請求項26の分
    子。
  28. 【請求項28】 前記タンパク質が、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に
    示されるアミノ酸配列に、少なくとも約80%の同一性を有するアミノ酸配列で構
    成される、請求項26の分子。
  29. 【請求項29】 前記プロモーターが、構成プロモーター、誘導性プロモ
    ーター、および細胞特異的プロモーターからなる群より選択される、請求項26の
    分子。
  30. 【請求項30】 (a)SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示されるアミ
    ノ酸配列に、少なくとも約60%の同一性を有するアミノ酸配列を有する植物タン
    パク質をコードするヌクレオチド配列を有する導入核酸分子;および (b)前記ヌクレオチド配列の末端5'端に機能可能であるように連結されている
    、外来性のプロモーター を含む、植物細胞。
  31. 【請求項31】 前記タンパク質が、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に
    示されるアミノ酸配列に、少なくとも約80%の同一性を有するアミノ酸配列で構
    成される、請求項30の植物細胞。
  32. 【請求項32】 前記タンパク質が、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に
    示されるアミノ酸配列で構成される、請求項31の植物細胞。
  33. 【請求項33】 (a)SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示されるアミ
    ノ酸配列に、少なくとも約60%の同一性を有するアミノ酸配列を有する植物タン
    パク質をコードする導入核酸分子;および (b)前記ヌクレオチド配列の末端5'端に機能可能であるように連結されている
    、外来性のプロモーター を含む、トランスジェニック植物。
  34. 【請求項34】 前記タンパク質が、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に
    示されるアミノ酸配列に、少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列で構成
    される、請求項33のトランスジェニック植物。
  35. 【請求項35】 前記タンパク質が、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に
    示されるアミノ酸配列で構成される、請求項33のトランスジェニック植物。
  36. 【請求項36】 SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に示されるアミノ酸配
    列に、少なくとも約70%の同一性を有するアミノ酸配列を有するタンパク質を含
    む、組換えタンパク質。
  37. 【請求項37】 前記タンパク質が、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に
    示されるアミノ酸配列に、少なくとも約80%の同一性を有するアミノ酸配列を有
    する、請求項36のタンパク質。
  38. 【請求項38】 前記タンパク質が、SEQ ID NO: 1またはSEQ ID NO: 2に
    示されるアミノ酸配列に、少なくとも約90%の同一性を有するアミノ酸配列を有
    する、請求項37のタンパク質。
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