JP2002538872A - 非観血的、受動的に胎児心臓を監視する装置及び方法 - Google Patents

非観血的、受動的に胎児心臓を監視する装置及び方法

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ザ ジョンズ ホプキンズ ユニバーシティ
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Abstract

(57)【要約】 母の胸部又はその近傍に配置されるセンサより得られる、母の心拍を表示する生体電位波形と、母の腹部、下背部、又はその双方に配置される腹部のセンサより得られる、母と胎児の結合した心拍を表示する波形とを、得ることのできる、胎児の心臓、母の心臓及び子宮を監視する装置並びに方法が提供される。腹部のセンサからの信号は、複数のチャネルへと分割される。腹部のセンサから得られたそれぞれのチャネルより、見積もられた母の波形を取り除くために、適応信号処理フィルタ(adaptive signal processing filter ;ASPF)アルゴリズム又はその他の適切なアルゴリズムが用いられる。システムは、参照される胎児の波形として、少なくとも1つの波形を、結果としての波形より選択する。参照される波形は、他の残りの腹部の波形に対して、胎児の生体電位心電図(electrocardiogram ;EKGf )の代表となるような増幅された胎児の信号を形成するために、好ましくはASPFアルゴリズムを再び用いて処理される。EKGf は、胎児の心拍数やその他の生体物理プロファイルパラメータを計測するために、引き続いて用いられることができる。表面筋電図(electromyogram;EMG)信号は、子宮収縮との同時の監視を考慮しており、動作による人工のノイズ(motionartifacts)の除去を改善する。

Description

【発明の詳細な説明】
(本発明の背景) 本出願は、この中に全体として援用により含められている、1999年3月1
5日に提出された米国仮特許出願60/124447号の出願日遡及の特典を主
張するものである。
【0001】 (1.発明の属する技術分野) 本発明は、概して生体医学装置に関し、特に、胎児の心電図波形(EKGf
、心拍数、心拍数の変動性、心臓のベクトルの方向、母の心拍数及び子宮収縮に
よる人工のノイズ(noise artifacts )を監視する、センサと信号処理技術とを
用いた、非観血的、受動的に胎児心臓を監視する装置及び方法より構成される。
【0002】 (2.従来の技術) 過去30年間において、米国における周産期の(perinatal )死亡率は著しい
減少をみせたにもかかわらず、現在での周産期での死の大部分は、潜在的で予防
可能な病因に帰するものと考えられている。早熟、子宮内での低酸素症、周産期
での感染及び母の合併症が、周産期における死の60%から80%もの原因とな
っている。
【0003】 適切な医療を介在させることによって、母と胎児の健康と福祉とを増進するこ
とは、産科の看護における概括的な目標である。胎児を効率的に監視することは
、絶え間ない評価を必要とし、通常は電気工学を用いて行われる。しかし、帝王
切開術による通常の出産の頻度が、近年段階的に拡大しているということは、胎
児が危機状態にあることを認識することの特性と関連して、現在の監視技術の妥
当性に疑問を呼び起こす。不必要な帝王切開術の数を減少させ、さらに、出産時
において重病である赤ん坊の数を減少させることは、一般的には、短期又は長期
のヘルスケアのコストを減少させるという試みにおいて、国民的なヘルスケアの
優先事項として挙げられている。
【0004】 この様な背景における胎児に対する評価活動は、もしそれが継続した場合に胎
児や新生児における傷害又は死となるかもしれないという条件を検出することを
意図している。胎児の状態は子宮内における心臓と血管の反応によって反映され
、胎児の心拍数を監視することにより認識される。
【0005】 医学の専門家の間では、以前から、胎児の健康を監視することは困難であるこ
とが認識されてきた。羊膜と羊水とに囲まれた子宮内における胎児の位置は様々
に変化するので、大半の検査技術を用いたのでは胎児を直接に検査するのは不可
能又は非常に困難となる。
【0006】 現在の電気を用いた胎児の心拍数の監視においては非常によい感度が示されて
はいるが、胎児の心拍数の変化とその後の不幸な新生児の結果とを結びつけるこ
とにおいては、不適切な特性と不十分な確定予測値とを示している。そのような
電気を用いた胎児の心拍数の監視は、限界があるものの、胎児の状態を評価する
際には必須の部分であり、かつ看護の標準であり続けている。
【0007】 現在での主要な胎児の非観血的監視技術は、ドップラー/分娩計測装置である
。その技術は扱いにくく、胎児や母が動くことによりデータを失いやすい。典型
的には、ドップラーエネルギー変換器(Doppler transducer)は、胎児の心臓に
超音波信号の焦点をあわせるように、母の腹部に配置される。もし胎児が変換器
に対して移動した場合、変換器が適切な位置に存在しなくなり、正確な心臓の信
号を記録しなくなる可能性が高い。実際に、ドップラー監視装置の使用では、わ
ずかな心拍数の変化を確実に解析するためには精度が十分ではない。
【0008】 ラポポート(Rapoport)による米国特許5257627号においては
、非観血的で、胎児と母の信号とを同時測定し、かつ自己診断(self-testing)
機能を備えた、携帯可能な装置が開示されている。その装置は、胎児の心拍数と
母の入力信号とを同時処理するための信号処理手段を備え、さらにまた遠隔の出
力装置へと胎児の心拍数と母の入力データとを同時に送信するような通信結合手
段を備えている。ラポポートの装置は、胎児の心拍数を検出するために超音波手
段を用いている。
【0009】 又、その他の非観血的技術も用いられている。それらには、胎児の健康を測定
するための、心電図と筋電図の信号との処理が含まれている。
【0010】 エプスタイン(Epstein)らによる米国特許4299234号において
は、得られる心拍数情報の信頼性と精度とを高めるため、心電図と筋電図型の信
号とを組み合わせた、胎児の心拍数の監視装置が開示されている。
【0011】 ベーカー(Baker)による米国特許4781200号においては、胎児の
健康に対する十分に連続した解析を行うための、必要な物が全て揃った、軽量で
持ち歩くこともできる胎児の監視システムが開示されている。その監視装置は、
母によって装着される、複数のセンサを備えたセンサ服(garment) を含む。セン
サは、胎児の心拍と、母の体内における胎児の動きとを検出する。センサによっ
て発信された信号は、信号処理装置によって処理され、そして、自動的かつ連続
的に胎児の健康を解析するために提供された、多種の分析プログラムが備えられ
ることのできる、プログラム可能なデータ処理ユニットによって解析される。セ
ンサのベルトは母の腰に巻き付けられるので、外科手術の部分をさえぎってしま
う。
【0012】 フランク(Frank)らによる米国特許5042499号においては、強い
妨害ノイズが存在する場合に微小な胎児の心電図信号を監視するような、胎児の
心拍数の監視装置が開示されている。フランクらの発明は、妊娠した患者の腹部
より、胎児のEKGf 信号と、胎児の心拍数と、正確な鼓動間の心拍数の変動性
とを非観血的に得る。操作者はEKGf 信号を注視しつつ、位置を変更できるよ
に腹部に配置された心電図の電極より別々に得られた信号から、母のEKGf
号をうまく取り除くように、胸郭の電極の対を最適な位置へ配置する。全ての患
者のための、腹部の電極の統一的な位置というものは存在しない。そのような電
極の配置は、最適な電極の方向を確認するための、訓練された医学の専門家によ
る以前の診察に左右される。
【0013】 上記の特許と、本出願において記載される全ての特許と文献とは、この中に全
体として援用により全て含められている。
【0014】 胎児の心電図波形自体を評価することにより、胎児の状態に対してより深い洞
察を行うことも可能である。残念なことに、胎児に対する直接のアクセス可能性
は、健康の尺度としての心電図に制限されている。出産の最中においては、羊膜
の嚢が破れた後には、胎児頭皮電極(fetal scalp electrode )が、胎児の皮膚
へと取り付けられる。これは、膣の開口部を介して、例えば頭皮や臀部のような
、胎児の露出している部分へと、金属線のねじ式になった電極をねじ込むという
ことを必要とする。
【0015】 電極と胎児とが直接接触していない場合には、母の大きな信号と電気的ノイズ
(例えば筋肉による人工のノイズ(muscle artifact ))の存在とによって、胎
児の心電図を実質的に認識できなくなる。胎児頭皮電極の配置は明らかに観血的
であり、母にとっては概して快適ではなく、さらに胎児、母及び治療者にとって
感染のような増加された危険を伴う。感染の問題は、AIDSのような重大なブ
ラッドボーン(bloodborne)感染の高まりつつある危険性に関連して、最近さら
に注目を集めている。
【0016】 監視技術とは無関係に、監視されている患者を産室から手術室まで移送するよ
うな緊急の必要がある時には、重大な困難がしばしば発生する。この重大な時間
に、監視装置は通常は母から取り外され、胎児は移送の最中には監視されないこ
とになる。手術室において監視装置へ再び取り付けることは(取り付けるならば
)、余分でかつ大切かもしれない時間と注意力とを必要とする。ドップラーエネ
ルギー変換器は、もし用いられたとしても、必然的に緊急の帝王切開を行う手術
部位にあることになる。同様に、頭皮電極も、取り外されるか又は切断されなけ
ればならず、再度感染の危険を増加させるような腹部切開術によって、赤ん坊と
ともに引き出される。
【0017】 従って、この確立された必要性は、胎児の心電図を監視するための、信頼でき
、正確で、非観血的な技術に対する要求を産み出している。それに加えて、その
技術は明瞭な手術部位を維持し、その技術によって母と胎児の動きに対して適応
し、さらにその技術は妊娠において関連のある部位に対して使用可能でなければ
ならない。さらに、監視装置の出力に、胎児の心拍数と心拍数の変動性の記述と
に加えて、胎児の心電図波形を含ませることは大変望ましい。母の心拍数、子宮
収縮の状態及び子宮による人工のノイズを監視することも、又望ましい。
【0018】 (発明の概要) 本発明は、胎児の生体電位波形を監視する方法を提供する。より詳細には、本
発明は、胎児の生体電位波形を生成する方法であり、かつ、胎児の心拍数、胎児
の心拍数の変動性及び/又は妊娠した母の内部における胎児の胎児心臓のベクト
ルの方向を含む、といってもこれらに限られないのであるが、多数の変数を監視
するために波形の成分を用いる方法を提供する。この方法は、母の波形を形成す
るために、母の心拍を表示する少なくとも1つの生体電位波形を計測するステッ
プと、結合した生体電位波形を得るために、母と胎児の結合した心拍を表示する
少なくとも1つの生体電位波形を計測するステップと、胎児の生体電位心電図波
形(EKGf )を表示する胎児の波形を得るために、結合した波形から母の波形
を取り除くように信号処理を用いるステップとを含んでいる。
【0019】 本発明は、胎児の生体電位波形を監視する装置も提供する。本発明は、胎児の
生体電位波形を生成する装置であり、かつ、胎児の心拍数、胎児の心拍数の変動
性及び/又は妊娠した母の内部における胎児の胎児心臓のベクトルの方向を監視
するために波形を用いる装置も提供する。その装置は、母の心拍を表示する少な
くとも1つの生体電位波形を計測するための少なくとも1つの例えば電極のよう
なセンサと、妊娠した母から得られる母の心拍と胎児の心拍との結合した心拍を
表示する少なくとも1つの生体電位波形を計測するための少なくとも1つのセン
サと、EKGf を表示する波形を形成するための結合した波形から母の波形を取
り除くことができる信号処理ハードウェア、ソフトウェア又はその混成物とを含
む。
【0020】 本発明は、上記した装置/技術に関連した問題を解決するために、適応性のあ
る信号処理方法と組み合わせて、従来の表面電極による心電図と筋電図技術とを
用いることにより、胎児及び母の心電図並びに母の筋電図の波形を、非観血的か
つ受動的に計測する。本発明は、少なくとも現在の臨床の標準と同じものである
患者の情報(例えば、胎児の心拍数/変動性、子宮収縮による人工のノイズを考
慮すること)を提供する。
【0021】 特に、本発明は、生体電位波形を得るとともに、好ましくは差分信号(differe
ntial signals)である信号を形成する、増幅器に接続された、例えば適切な皮膚
接触の電極を用いており、子宮の圧力の変化による人工のノイズを表示する筋電
図の表示に加えて、上記形成される信号として、母の胸部に配置された例えば電
極のようなセンサから得られる、母の心拍を表示する信号、及び、母の腹部、下
背部、又はその双方に配置されたセンサから得られる、母と胎児の結合した心拍
を表示する信号を表示している。母の心拍数と、心拍数の変動性と、呼吸率(re
spiration rate)とは、胸部の信号から導出される;標準的な母のEKGは、プ
レーナ電極から得られる。差分信号の代わりに、シングルエンド(single-ended
)の信号を集めてそれから“差分の対(differential pairs) ”を作ることによ
り、より多くのベクトルが形成される。
【0022】 母の腹部、下背部、又はその双方に配置されたセンサは、好ましくはセンサの
対を構成するよう配置され、そのセンサの対において各センサは他のセンサから
隔てて配置されるとともに、それぞれの対は他のセンサの対に対して実質的に十
文字の交差となるように配置されている。胎児の生体電位波形の三次元処理を達
成するために、各センサの対においてセンサ間に十分な距離があること、及びセ
ンサの対同士の間に十分な距離があることが好ましい。上記したように、センサ
は、例えば腹部領域のようなあらゆる手術部位をふさがないように配置されるこ
とが好ましい。多数のセンサで胎児と母との結合した波形を感知することによっ
て、胎児のベクトル方向を確立するためにベクトルの単一性(uniqueness)が用
いられるようにもできる。好ましくは、用いられるベクトルの数は、胎児と母の
結合した波形を表示する明瞭な信号を得るために十分なものとされる。もし単一
のセンサから十分明瞭な結合した信号が得られる場合には、結合した波形を得る
ために本発明は単一のセンサを用いて行うことができる。
【0023】 腹部の電極からの信号は、複数のチャネル(channel) に分割される。データの
確認の後、参照のために胸部の信号を用いて、腹部の電極の各チャネルより、見
積もられた母の波形を取り除くために、適応信号処理フィルタ(adaptive signal
processing filter;ASPF) アルゴリズム又は他の適切なアルゴリズムが用
いられる。そしてシステムは、例えば波高値が最も大きいような波形を、参照さ
れる胎児の波形とさせるように、結果としての波形の少なくとも1つより選択を
行う。EKGf の代表となる増幅された胎児の信号を形成するために、参照され
る波形は、母の波形が取り除かれた他の腹部の波形に対して、もう一度ASPF
又は他の適切なアルゴリズムを用いて処理される。EKGf は、胎児の心拍数及
び他の生体物理プロフィールパラメータを計測するために、引き続いて用いられ
ることができる。表面筋電図(EMG)信号は、子宮収縮との同時の監視を考慮
するとともに、骨格の筋肉と子宮収縮とによるノイズを含んだ、動作による人工
のノイズ(motion artifacts)の除去を改善する。
【0024】 本発明は完全に非観血的かつ受動の装置を提供し、そして本発明は胎児頭皮電
極に取って代わることにより感染の危険を排除する。ある実施形態においては、
全ての信号は、患者の皮膚に取り付けられた標準的なEKG電極から得られてい
る。
【0025】 本発明は、例えば探査電極の配置のようなセンサの配置が、患者集団に渡って
統一的となるような装置を提供する。さらに、センサストリップ、又はその他の
、例えば非粘着の場合のような自由に動いて定着しないセンサが、母の胸部、腹
部及び/又は背中に接触されるように用いられている本発明の実施形態において
は、患者の位置がセンサ領域に対して、回転されたり再配向されたりし得る。こ
のような実施形態においては、センサは、患者の体に対して固着されることを必
要とせずに、個々の波形を感知することができなければならない。
【0026】 本発明は、電極の配置により明瞭な手術部位が保持されるような装置を提供す
ることにより、帝王切開分娩のような手術手段を容易にし、そしてもしそのどち
らもが必要となった場合には、母の蘇生を妨害しないようにする。
【0027】 本発明は、胎児の移動により生じる、超音波装置における信号損失異常を克服
するような装置を提供する。胎児が動く度に、装置に向かったり電極を再配置し
たりする必要はなく、そのことによって、健康に関する専門的な時間と注意とを
、より生産的な患者の看護活動へ向けることができる。
【0028】 本発明は、胎児の状態に関して有用な情報を与えることが可能な胎児のEKG f 波形の完全な表現を達成するような装置を提供する。
【0029】 本発明は、胎児のEKGf 波形を解釈することにより、従属する装置が、胎児
の心臓のベクトルの瞬間的な方向を決定することができる装置を提供し、それに
よって胎児の方向を表示し、不規則な表示と関連のある分娩合併症を予測するこ
とも可能とする。
【0030】 本発明は、一連の手順に従って母のEKG信号を集めるような装置を提供する
。従って、母の健康と、可能な母−胎児間の相互作用とに関するような、補助的
な情報も直ちに利用できる。
【0031】 本発明は、患者が、自分で歩きたいと希望する場所へ、早産(pre-term)又は遅
産(prolonged labors)のいずれにおいても、歩いていくのに役立つ装置を提供す
る。
【0032】 本発明は、例えば危険の高い妊娠をした可能性のある予定日前の期間の患者の
ような、急迫でない(non-imminent)分娩の場合に用いられることのできる装置を
提供する。
【0033】 本発明は、その瞬間的な処理性能の基準を与えるような特定の監視目盛りの読
みを計算するとともに、表示するような装置を提供する。
【0034】 本発明は、心拍数変動性の情報を、少なくとも次の2つの形式で、計算し、表
示する装置を提供する:i)現在の商業用システムでも入手可能である、長期の
変動性の傾向;及びii)その瞬間の変動性に対する特定の基準。
【0035】 本発明は、余分のセンサ及び/又は処理技術を必要とせずに、複数妊娠(multi
ple gestation)を監視するような手段を提供する。
【0036】 本発明は、母の子宮収縮を監視するとともにノイズ除去のための付加的な信号
入力を提供するための手段として、筋電図(EMG)信号を一連の手順に従って
集めるような装置を提供する。それに加えて、その装置は、さらにEKGf を増
幅するように、人工のノイズを取り除くために有用なEMG入力から、能動(母
の動き)及び受動(外科手術操作、子宮収縮)の母の信号を区別し、かつ、特徴
づけることを可能とする。
【0037】 添付された図面は、本出願に含められ、本出願の一部を構成するものであり、
本発明のいくつかの実施形態を例示し、そして本発明の原理を明らかにするため
にその説明とともに用いられる。
【0038】 (本発明の詳細な説明) 本発明は、胎児の生体電位波形を監視する方法を提供する。より詳しくは、本
発明は、胎児の生体電位波形を生成する方法であり、かつ、胎児の心拍数、胎児
の心拍数の変動性及び/又は妊娠した母の内部における胎児の胎児心臓のベクト
ルの方向を監視するために、波形を用いる方法を提供する。その方法は、母の波
形を形成するため、母の心拍数を表示する少なくとも1つの生体電位波形を計測
するステップと、結合した生体電位波形を形成するために、母と胎児との結合し
た心拍数を表示する少なくとも1つの生体電位波形を計測するステップと、胎児
の心電図波形(EKGf )を表示する胎児の波形を導出するために、結合した波
形から母の波形を取り除くように信号処理を用いるステップとを含む。
【0039】 本発明は、また、胎児の生体電位波形を監視する装置、並びに胎児の心拍数、
胎児の心拍数の変動性及び/又は妊娠した母の内部における胎児の胎児心臓のベ
クトルの方向を監視する装置を提供する。その装置は、母の心拍数を表示する少
なくとも1つの生体電位波形を計測するための少なくとも1つの電極と、妊娠し
た母から得られる母と胎児の結合した生体電位波形を表示する少なくとも1つの
生体電位波形を計測するための少なくとも1つの電極と、胎児の心電図波形(E
KGf )を表示する波形を形成するための結合した波形から母の波形を取り除く
ことのできる信号処理回路とを含む。
【0040】 本発明の望ましい方法においては、母の生体電位波形は、少なくとも1つの例
えば皮膚接触の電極のようなセンサから好ましくは得られ、さらに、母の胸部、
上背部若しくはその双方の上に又は接触するように配置された、2つ又はそれ以
上のセンサから好ましくは得られる。結合した波形は、少なくとも1つの例えば
皮膚接触の電極のようなセンサから得られ、さらに、母の腹部及び/若しくは下
背部の上に又は接触するように配置された、2つ又はそれ以上のセンサから好ま
しくは得られる。望ましくは、母の腹部の上に又は接触するように配置された少
なくとも1つのセンサからの信号と、母の腹部、下背部、若しくはその双方の上
に又は接触するように配置された少なくとも1つの別のセンサからの信号とを結
合することによって、結合した波形が得られる。信号又は波形を得るための既に
記載した他の装置を用いることもでき、それらの装置は、母が寄り掛かる机や椅
子の上に備えつけるようなセンサを含むか、又は、母の皮膚表面から距離を保つ
ことのできる磁気計測装置(magnetometer)及びその類似物のような、非接触のセ
ンサを含んでいる。
【0041】 本発明において、結合した波形は、母の腹部に配置された複数のセンサより得
られる複数の信号から、そしてその信号を複数のチャネルへ分割することによっ
て、好ましくは導出され得る。その方法は、それぞれのチャネルから、得られた
母の波形を取り除いて、結果としての複数の波形を形成するとともに、結果とし
ての波形の中から、参照される胎児の波形として少なくとも1つを選択すること
を含む。選択された波形は、例えば波高値が最も大きいような波形とすることが
可能である。相関のあるノイズを取り除くために適応信号処理フィルタアルゴリ
ズムや他の適切なアルゴリズムを用いて、参照される胎児の波形として選択され
なかった、残りの結果としての波形に対して処理を行うことによって、選択され
た参照される胎児の波形は増幅される。結果としての多数の波形の有する信号強
度は比較されることができ、そして、結果としての波形の有する検出された信号
特性は、胎児の心臓のベクトルの方向及び位置を推定するために用いられること
ができる。信号処理アルゴリズムは、最小平均2乗(least mean squares ;LM
S) アルゴリズムを用いることにより、母の腹部及び/又は下背部のそれぞれの
センサから得られたそれぞれの波形に対して、母の胸部のセンサから得られた全
ての波形を動的に重み付けることができる。本発明の方法及び装置において用い
られることのできるLMSフィルタアルゴリズムの典型的な内容は、米国特許5
891045号やそこで引用されている参考文献に記載されており、それらは、
チャンシュ(Changxiu)らによる”特異値分解を用いた適応的にノイズを除去す
るための新しいアルゴリズム(A New Algorithm for Adaptive Noise Cancellat
ion Using Singular Value Decomposition)”(アクタ オートマティカ シニ
カ(Acta Automatica Sinica),第12巻第2号146頁〜153頁,1986
年4月);ダーメン(Damen )らによる”心電図における特異値分解の使用(Th
e Use of the Singular Value Decomposition in Electrocardiology)”(メデ
ィカル アンド バイオロジカル エンジニアリング アンド コンピューティ
ング(Medical & Biological Engineering & Computing),473頁〜482頁
,1982年);及びウィドロー(Widrow)による”適応干渉除去(Adaptive Int
erference Canceling )”(アダプティブ シグナル プロセッシング アプリ
ケーションズ パート IV(Adaptive Signal Processing Applications Part I
V ),第12章,ニュージャージ州 エングレウッド クリフズに所在するプレ
ンティス ホール社編(Prentice-Hall,Englewood Cliffs,NJ ),302頁〜3
67頁,1985年)であり、この中に全体として援用により全て含められてい
る。
【0042】 本発明の方法及び装置によって導出された胎児の心電図波形は、波形の映像表
示を観察したり、又は、波形と関連づけられる若しくは関連のあるような、得ら
れたデータの他の形式を検査したりすることにより、目に見える形で解析され得
る。経験を積んだ技術者は、波形の映像表現の中の何らかの異常を測定するため
に、波形を目に見える形で解析することができ、従って、胎児の健康における何
らかの異常を把握することができる。技術者たちが通常の胎児の心電図波形に慣
れることができるように、そしてその後に検査される胎児たちの異常を把握でき
るように、何年にも渡って、正常なEKGf の表又は蔵書は入手可能なようにさ
れている。経験を積んだ技術者たちは、表示された心電図波形を視覚的に検査す
ることにより、一目見るだけで、信頼でき、かつ、非観血的な方法で胎児の健康
(EKGf の正常さ)を把握できる。
【0043】 本発明の有利な実施形態によれば、母の腹部及び/又は下背部に配置されるセ
ンサは、腹部の下前方からは距離をおいて好ましくは配置され、例えば胎児の帝
王切開分娩、虫垂切除手術及びその他の手術がもし必要となった場合にそれらの
妨害とならないように、腹部の下右前部からは遠ざけられる。母の胸部に配置さ
れる皮膚センサは、例えば母を蘇生させる試みがもし必要となった場合にそれを
妨害しないように、好ましくは胸部の中央の線より離れた場所に配置される。
【0044】 関連する生体電位信号を変換するのに用いられるセンサは、好ましくは皮膚接
触の電極である。典型的な電極として、1つ又はそれ以上の側が皮膚と接触し、
他の側が電気的接触子(例えば、止めがね(snap))と接触しているような、銀
−銀 塩化物(Ag-Ag Cl)点状電極がある。皮膚は、点状電極に対してよい電気
的インターフェイスとなるように通常は準備される。例えば、皮膚をアルコール
で拭い、軽い擦過傷の状態とするとともに、電極ゲルで覆うことが可能である。
準備の後、点状電極が設置され、信号処理システムの増幅器へとつながれる。用
いるセンサが皮膚接触の電極である時には、皮膚を準備する手慣れた技術が有用
となる。貧弱な電極インターフェイスは、信号電極における過度のノイズ、外部
における干渉の可能性及び同様の問題を引き起こし得る。このような“余分の”
ノイズ又はノイズ源は、胎児の心電図波形の抽出及び増幅を妨害するような性質
をもつことが多い。
【0045】 悪い信号を取り除くため、本発明は、電極又はセンサの信号の完全さ(integri
ty) を自動的に鑑定し、評価し、確認する方法を提供する。そのような評価をな
すために用いられることのできる典型的な装置は、ジェネラル デバイス(Gener
al Devices) から手に入れることのできるプレップチェック(Prep-Check)のよう
なインピーダンス計測器なのであるけれども、インピーダンス計測をするという
ことは、例えば回路に小さな電流をかけて電圧降下を計測するといった、能動的
(active)計測がなされることを必要とする。従って、本発明の発明者は、信号の
品質を評価するために受動的な増幅器のデータを用いるという、好ましい方法を
発展させた。
【0046】 信号の品質は、周波数特性の試験を含む多種の手段によって試験され得る。E
KG信号の周波数特性(スペクトラム)は、大きな低周波数成分と、高周波数側
に向かうに従い振動しつつ減少していく成分とを有することが好ましい。本発明
においては、人工的なラインノイズ(line noise artifacts)を取り除くため、好
ましくは60Hzのノッチ(notch) フィルタを有している増幅器が用いられる。
ノッチフィルタの後には、信号は、平坦な段状のノイズをもつものへとわずかに
向上する。本発明においては、“良い”EKG信号は、好ましくは繰り返しかつ
信頼できるようにこのスペクトラムを示すが、反対に“悪い”EKG信号は、6
0Hzにおけるノッチ特性を示さず、低い周波数でかつ相対的に高い振幅の部分
でノイズの段状部に達してしまう。このような区別が、チャネルが良い又は悪い
かを確認するために用いられる。EKG信号の切片は、周波数スペクトラムを生
成するための高速フーリエ変換(fast fourier transfer;FFT) として知られ
るアルゴリズムによって、好ましくは処理される。そこで、低周波数(約2Hz
)の信号エネルギーと、60Hzにおける信号エネルギーとの比(2Hzのエネ
ルギー/60Hzのエネルギー)が計測される。用いられたセンサ及び得られた
多種の信号の特性に依存して、良いチャネルは大きな比の大きさをもつと測定さ
れたものとされ、反対に悪いチャネルは小さな比の大きさをもつことになる。最
小の比の大きさを超えないチャネルは、悪いものと判断され、以降の処理には用
いられない。“良い”信号のみを選択的に含有するという能力は、高い適応性と
頑健性とを備えている装置を提供する。
【0047】 本発明の方法及び装置に適した、信号処理及びノイズフィルタ/除去装置並び
にそのような装置の構成要素は、米国特許5853364号;5983127号
;5999845号に記載されている構成要素を含み、全体として援用によりこ
の中に含められている。
【0048】 本発明のもう1つ別の実施形態においては、本発明に係る装置は、妊娠した女
性が通常の日常活動を行う間にも彼女を監視するため、オフサイト(off-site)で
用いられることができる。その装置は、例えば温度計又は動作センサを含むこと
ができる。使用可能なものとして適切な動作センサとしては、例えば加速度計又
は傾斜計が含まれる。それらの付加される装置を、心電図波形に何らかの変化が
起こった時に患者の状態を表示するために、含めることが可能である。監視装置
によって得られた情報は、蓄積され、送信され、又は、問題となる状況を確認す
るために用いられる。そのような実施形態においては、“疑わしい(suspect) ”
出来事が発生した時に起こっていた活動に対する、補助的な測定によって、その
出来事の性質を明らかにすることが可能である。例えば、もし胎児の心拍数の低
下という出来事が確認された時には、母が横になっていたかジョギングしていた
かを区別するため、低い心拍数について詳しく解析することが有用である。可能
な動作センサが米国特許5999661号に記載されており、全体として援用に
よりこの中に含められている。
【0049】 本発明の装置は以下においてより詳しく記述され、さらに、方法を実行して上
記の装置を完全なものとするための電極と信号処理回路とを含んでいる。
【0050】 図1において、好ましい発明の形態が、機能を表すように示されている。人間
の心臓の周期的鼓動は、生体電位波形によって誘起される。ある実施形態におい
ては、差動増幅器12に接続された適切な皮膚接触電極10により、波形は非観
血的に計測されることができる。電気的に鼓動する胎児の心臓の生体電位波形は
、その母に比べて小さいものではあるが、母の波形と結合した形で存在する。
【0051】 本発明は、母、並びに、母及び胎児の、生体電位波形を得ることから開始され
ることが好ましい。母の波形は、好ましくは母の胸部及び/又は上背部で、それ
も母の胸部の中央ではなく好ましくは両側に配置される表面電極によって集めら
れることができる。“上背部”とは、胸骨に対応する位置より下側でない背中の
部分を意味する。母と胎児の波形つまり“結合した波形”は、母の腹部及び/又
は下背部、好ましくは母の腹部の側面に配置された表面電極によって集められる
。“下背部”とは、胸骨より下側の背中の部分を意味する。電極の配置構成の1
つを、図2として示す。
【0052】 本発明における臨床での重要な面は、センサ(電極)が融通のきくパターンに
配置されるということであり、換言すれば、胎児の位置、母の状態、又は母の大
きさ及び形に関係なく配置されるということである。本発明の有利な実施形態に
おいては、電極は、通常潜在的に手術部位であるような部分を明瞭に保持するよ
うに配置されることが好ましい。監視装置がうまく実行されるかどうかが、電極
の配置の変化に対して鈍感であるという事実も、等しく重大である;従って、あ
る時さまざまな点を介して監視がなされた患者に対して、監視を行う度に全く同
じ位置に電極を配置する必要はない。電極は、複数の分離した電極であってもよ
いし、又は例えば2つのように小さな個数の電極の帯であってもよい。それぞれ
の帯は複数の電極を含むことができ、好ましくは一本のケーブルの集合体のみを
含むこともできる。本発明の好ましい実施形態においては、2つの電極の帯が用
いられ、それぞれの帯には複数の電極が備えられている。電極の帯の配置は、決
まった手順であり、簡単で、素早く行うことができる。
【0053】 図3は、本発明における有用なセンサ配置案の例を示すものである。母の生体
物理波形を監視するための胸部のセンサは、皮膚接触電極30、32として示さ
れている。胎児と母の結合した生体物理波形を得るための腹部のセンサは、帯状
のセンサ34及び36として示されている。図3から分かるように、帯状センサ
34は、帯状センサ34の長手方向に沿って、複数の(図示される帯状センサで
は7個の)個々のセンサ38を備えている。同様に、帯状センサ36も、帯状セ
ンサ36の長手方向に沿って間隔をおいて、複数の(図示される帯状センサでは
7個の)センサ40を備えている。
【0054】 図4は、左側の帯状センサ42の手術の際の配置を示しており、帯状センサ4
2には長手方向に沿って間隔をおいて7個のセンサ44が配置されている。帯状
センサ42は、図3に示された左側のセンサと同じ位置に配置される。図4に示
されるように、帯状センサは、帝王切開分娩に必要な手術部位から離れた、妊娠
した母の腹部の下前方に沿って配置され、母の下腹部の曲線を包み込んでいる。
又、図4に示されるように、帯状センサ46は、帯状センサ46の長手方向に沿
って間隔をおいて配置された7個の個々のセンサ48を含んでいる。帯状センサ
46は手術部にはなく、そして帯状センサにおいては、7個の個々のセンサ48
それぞれからの信号を伝達する単一の導線50が用いられることもでき、その導
線は、さらに信号処理のために信号を伝達するように延長された導線54から電
極インターフェイス52を通じて接続されることができるということが示される
【0055】 本発明においては、異なった方向をもつ多くのベクトルが、双方の信号の型(
母のみと、母と胎児)に対して集められる。電極の対(チャネル)は、それぞれ
別々の差動増幅器へと割り当てられる。典型的なチャネルは、図3に示されるよ
うな電極のペア38’、40’を含む。全てのチャネルは、ノイズを取り除き、
以降のデジタル化のためにアンチエイリアシング(anti-aliasing) を提供するよ
うに、好ましくは増幅されるとともに、フィルタされる。ある実施形態において
は、全てのチャネルは、250サンプル/秒より少ないか又は等しいような割合
で標本化される。標本化することがデジタル化を含む場合には、16ビットより
少ないか又は等しい画面解像度が好ましい。アナログ法、アナログ/デジタルの
混成法又は標本化法の組合わせを含む、他の標本化方法を用いることもできる。
上記のチャネルの確認は、有益でなく、不正な(“悪い”)胸部のチャネルを処
理から除くことを保証するために好ましくは用いられる。
【0056】 信号処理の第1段階では、それぞれの腹部のチャネルから、見積もられた母の
(胸部の)波形を取り除くため、適応信号処理フィルタ(ASPF)が適用され
る。得られる結果は、見積もられた胎児の信号と残りのノイズとの組である。母
の心拍数、心拍数の変動性及び呼吸率が胸部の信号より導出される。標準的な母
のEKGは、プレーナ電極から得られる。
【0057】 ASPFアルゴリズムの実行方法を、(全体構成に関して)図5、(それぞれ
個々のフィルタに関して)図6において機能を表すように示す。全ての胸部のチ
ャネルは、それぞれの腹部のチャネルから、見積もられた母の(胸部の)波形の
除去を生じさせるために、個々の腹部のチャネルに対して動的に重み付けられる
。いくつかの複極式電極は、母の胸部(胸部チャネル1...N)に渡って電気
信号(参照)を計測する。いくつかの付加的な複極式電極は、母の腹部(腹部チ
ャネル1...Q)からの信号を計測する。胸部の電極は、腹部の電極(見積も
られた胎児の1...K)から母の信号を取り除くための基準として用いられる
。腹部の電極は、結果としての胎児のEKGf を導出するため増幅される。付加
的な参照信号(例えばEMG)が、ノイズ除去の最適化のために含まれるように
できる。アルゴリズムを実行するために用いられる全ての構成要素は、それぞれ
市販で入手可能である。この中に全体として援用により含められている、米国特
許5931892号に記載されたフィルタチップコプロセッサを、例えばASP
Fアルゴリズムを実行するために用いることもできる。
【0058】 好ましくは、結果としての見積もられた胎児の波形においては、腹部のベクト
ル方向に対する胎児の心臓の方向の結果として、波高値が一定の範囲を示すこと
になる。例えば波高値が最大となる波形のように、少なくとも1つの結果として
の波形が、次の処理段階において参照されるように選択される。チャネルの確認
は、非機能的な又は不正な腹部のチャネルが処理から除かれることを保証するた
めに、用いられることが好ましい。
【0059】 任意の見積もられた胎児の信号が選択され得るが、選択された参照される胎児
の波形が、図5における見積もられた胎児1になる。見積もられた胎児の信号を
選択する1つの方法は、波高値が最も大きい信号を選ぶことである。図5のAS
PFと同様のアルゴリズムを用いながら、選択された見積もられた胎児の信号は
、残りの腹部の見積もられた胎児の波形に対する処理によって、相関のあるノイ
ズを取り除くために増幅される。このステップの出力である増幅された胎児の信
号は、胎児の生体電位心電図(EKGf )の代表であり、胎児の健康を含んだ胎
児の状態を、評価するか又は監視するために用いられることができる。EKGf は、母の内部における胎児の方向を明らかにしたりすること、及び/又は生体物
理プロファイルパラメータの他の構成要素を明らかにしたりすることに加えて、
胎児の心拍数、胎児の心拍数の変動性及び近似的なエントロピーを計測すること
によって胎児の健康を評価するために用いられることができる。胎児の心拍数及
び心拍数の変動性は、好ましくはRからRの間隔のタイミングを通じて導出され
るか、又は、増幅された胎児信号、若しくは1つかそれ以上の処理された腹部信
号、のどちらかの適切な自己相関処理を行うことにより導出される。心臓のベク
トル方向から推定される胎児の位置は、腹部の電極の対に対するEKGf 波形の
信号強度と極性とによって決定される。母の心臓のベクトルを参照することによ
り、胎児の心臓のベクトルを決定することができる。腹部の列の三次元性は、信
号を損失することなく、胎児の心臓のベクトルの動きに容易に適応する。母のE
KGの表示が処理の主要な部分として集められているので、同様の生体物理プロ
ファイルが母について測定されるようにもできる。図1には示されていないが、
表面EMG信号は子宮収縮の監視を考慮しており、動作による人工のノイズの除
去を改善する。
【0060】 本発明は、シミュレートされたデータ(図7)と人間の臨床のデータ(図8)
との両方によって確認された。承認された研究プロトコル(protocol)の一部分と
して集められた、20人の被験者からの解析が、胎児の心拍数及び胎児の心拍数
の変動性の、信頼できる測定を実証するために用いられた。余分な参照信号とし
てEMGを含有させることは、EKGf 波形の導出をより完全に洗練すること、
及び他の場合では小さな波形の特徴を覆い隠してしまうような人工のノイズに狙
いを定めることに用いられることができ、一方で、母の運動筋活動度より生じる
骨格と子宮の筋肉のノイズにも関わらず、システムの頑健性を増加させる。
【0061】 監視の概念とアルゴリズムとは、胎児のEKGf 信号の見本(図7)からなる
シミュレートされたデータを用いて確認されることができる。この見本の信号に
対して、文献に報告された標準信号に比例した振幅をもつ、母の信号が加えられ
ることができる。胎児と母のEKGは、振幅と繰り返し率(repetition rate) と
についてランダムにディザー(dither)される。それに加えて、臨床の状況におい
て経験されることにより特性が明らかにされるような、基準となる(baseline)ノ
イズレベルも又この複合物に加えられる。この信号は、まず第1に母の信号を適
応的に取り除くためのアルゴリズムによって処理され、次に、一見ではよく分か
らない信号を鑑定するように、結果としての胎児の信号を適応的に増幅するため
のアルゴリズムによって処理される。臨床のデータからの結果(図8)は、同様
の処理性能を示している。
【0062】 本発明は、本発明の典型例として意図される、以下の例によってより明らかに
される。
【0063】 (実施例) 本発明による装置を用いて20人の患者が監視された。その装置は、MP10
0システム(バイオパック システムズ インコーポレイテッド(BIOPAC Syste
ms, Inc.) 製)とともに、16個のECG100B心電図増幅器(バイオパック
システムズ インコーポレイテッド製)、AcqKnowledge(バイオパック シス
テムズ インコーポレイテッド製)データ取得アプリケーション、MATLIB
装置、signal processing toolbox (マスワークス インコーポレイテッド(Ma
thWorks, Inc. )製)、数個のSilvon Diaphoretic Electrodes (ニューディメ
ンジョンズ イン メディスン(New Dimensions in Medicine(NDM))製)
及び多種のアルゴリズムを実行するためのMATLIBベースのアプリケーショ
ンコードから構成される。わずかな数の患者は、同時にドップラーを用いて監視
される。本発明のシステムとドップラー超音波との間では妨害しあうことはなく
、胎児の心拍数の測定において、その結果はよい相関を定性的に示す。20人の
患者のうち19人は、妊娠期間の28週目から36週目の範囲にあたる。残りの
患者は妊娠しておらず、システムのノイズの基準(baseline)を確立するために
監視される。患者の内二人は双子妊娠であり、心臓の表示について区別がなされ
た。
【0064】 フランクらによる米国特許5042499号に報告されていた、胎児ごとの特
有の位置とは反対に、集められた全てのデータにおいては、図2に示されるよう
な(潜在的な外科手術の部位を避けた)統一的な電極の位置が用いられた。実行
可能性を例示するため、ユーザをあつめた(user-attended) バッチ処理が用いら
れた。子宮収縮の計測を含有させること、動的処理の自動化及びリアルタイム出
力を実行することは、システムに備えさせて実行させることが可能である。
【0065】 図9は、胎児の心拍数が、例えば子宮の収縮に対応して減速する様子を監視す
る本発明の使用例を示すものである。図9のグラフに示された、胎児の心拍数と
母の心拍数との双方は、本発明の方法及び装置によって導出された。図9による
と、約48秒から約50秒までの間に、胎児の心拍数の、対応するような、通常
の減速の存在が示されている。
【0066】 本発明は、胎児の心電図波形を計測するための、信頼でき、正確で、非観血的
、かつ受動の技術である。さらに、本発明は明瞭な手術部位を保持するとともに
、母と胎児の動きに対して適応し、さらに本発明は妊娠において関連する部位に
使用可能である。監視装置の出力は、胎児の心拍数に加えて胎児の心電図の波形
を含むことができ、さらに、母の心拍数及び子宮収縮による人工のノイズに加え
て心拍数の変動性に関する記述を含んでいる。
【0067】 ここに開示された本発明の詳しい説明及び実施を考察することにより、当業者
にとって、本発明の他の実施形態は明瞭なものとなるだろう。記載した特許請求
の範囲及びそれに関する均等物によって表示される、本発明の正しい範囲と精神
とに照らして、詳細な説明と実施例は単に典型例と考えられるべきであると意図
されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の望ましい概念のブロック図である。
【図2】 本発明における典型的な電極配置及び信号チャネルを例示している図である。
【図3】 本発明の実施形態において、妊娠した母の腹部の反対となる両側へ配置される
帯状センサを示した、センサ配置方法の説明図である。
【図4】 適切な場所に配置され、電極インターフェイスへと接続された帯状センサを示
した、センサ配置方法の説明図である。
【図5】 本発明の信号処理の機能を表すブロック図である。
【図6】 本発明の信号処理で用いられる典型的な適応信号処理フィルタ(adaptive sig
nal processing filter ;ASPF)を例示する図であり、ASPFは最小平均
2乗(Least-Mean-Squares;LMS)アルゴリズムを用いている。
【図7】 シミュレートされたデータによって本発明を用いた結果を例示する図である。
信号処理アルゴリズムを確認するため、特有のシミュレートされた胎児の(基準
となる(baseline)胎児の)信号と母のEKG信号とが、腹部のノイズとともに
足しあわされている。胎児のRピークは、(母が取り除かれる)第1段階の処理
のあとで明らかとなる;(胎児が増幅される)第2段階の処理のあとでは、著し
いノイズの減少が明らかとなる。
【図8】 代表的な臨床データによる結果を例示する図である。データサンプルは、本発
明を用いて臨床の環境において集められた。3つの信号の跡は、図7の挿入図に
おいて示されたシミュレーションデータと対応する。信号の鋸形の形状は、画像
操作による人工産物(artifact)であり、システムの限界ではない。
【図9】 本発明によって得られた波形より導出された、胎児の心拍数と母の心拍数との
時間履歴を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 クリスション,ジョン,エー. アメリカ合衆国,メリーランド州 21045, コロンビア,オールダーリーフ プレイス 5796 (72)発明者 モーゼス,エドワード,ジェイ. アメリカ合衆国,メリーランド州 20853, ロックビル,ウッドクレスト ドライブ 4506 (72)発明者 スターンバーガー,ウェイン,アイ. アメリカ合衆国,メリーランド州 20777, ハイランド,ブルックス ロード 7191 Fターム(参考) 4C027 AA02 AA04 BB01 CC02 CC04 EE01 FF02 GG00 GG15 GG18 HH11 KK01 【要約の続き】 られることができる。表面筋電図(electromyogram;E MG)信号は、子宮収縮との同時の監視を考慮してお り、動作による人工のノイズ(motionartifacts)の除去 を改善する。

Claims (35)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 妊娠した母の内部における胎児の胎児心電図波形を監視する方法において、 母の波形を形成するために、母の心拍を表示する少なくとも1つの生体電位波
    形を計測するとともに、 結合した生体電位波形を形成するために、母と胎児の結合した心臓信号を表示
    する少なくとも1つの生体電位波形を計測し、さらに、 胎児の心電図波形を表示する胎児の波形を導出するために、結合した波形から
    母の波形を取り除くことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 上記母の生体電位波形は、母の胸部又はその近傍に配置される少なくとも1つ
    のセンサより得られるものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 上記結合した波形は、母の腹部、下背部、若しくはその双方に配置される、又
    はその近傍に配置される、少なくとも1つのセンサによって得られるものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 上記母の波形は、母の胸部又はその近傍に配置される、2つ又はそれ以上のセ
    ンサより得られるものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 上記結合した波形は、母の腹部、下背部、若しくはその双方に配置される、又
    はその近傍に配置される、2つまたはそれ以上のセンサによって得られるもので
    あることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 上記結合した波形は、母の腹部又はその近傍に配置される少なくとも1つのセ
    ンサと、背中部又はその近傍に配置される少なくとも1つのセンサとによって得
    られるものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 上記結合した波形が、母の腹部又はその近傍に配置されるセンサからの、複数
    の信号より構成されるものであって、 上記の方法は、さらに、上記信号を複数のチャネルへと分割するとともに、 結果としての複数の波形を形成するために、それぞれのチャネルから母の波形
    を取り除き、さらに、 参照される胎児の波形を表示するために、結果としての波形より1つの波形を
    選択することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 選択された参照される胎児の波形は、相関のあるノイズを取り除くための適応
    信号処理フィルタを用いて、参照される胎児の波形として選択されなかった、残
    りの結果としての波形に対して処理を行うことにより、増幅されるものであるこ
    とを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 さらに、多種の結果としての波形の信号強度を比較するとともに、 母の腹部、下背部、若しくはその双方に配置される、又はその近傍に配置され
    るセンサに対する、結果としての波形の検出された信号強度を用いることにより
    、 上記胎児の心臓のベクトルの方向及び位置を推定することを特徴とする請求項
    8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 上記適応信号処理フィルタは、 母の腹部、下背部、若しくはその双方に配置される、又はその近傍に配置され
    る、上記センサのそれぞれより得られる各波形に対して、 母の胸部又はその近傍に配置される少なくとも1つのセンサより得られる、全
    ての上記波形を動的に重みづけるための、最小平均2乗アルゴリズムを用いるも
    のであることを特徴とする請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 さらに、上記胎児の心電図波形を目に見える形で解析することにより、胎児の
    健康を測定することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 さらに、胎児の心拍数を表示する信号を得るために、上記胎児の心電図波形を
    処理することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 さらに、胎児の心拍数の変動性を表示する信号を得るために、上記胎児の心電
    図波形を処理することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 さらに、胎児の近似的なエントロピーを表示する信号を得るために、上記胎児
    の心電図波形を処理することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 母の胸部又はその近傍に配置される上記少なくとも1つのセンサは、 母に対してなされる蘇生の試みを妨害しないように、胸部の中心線より隔たっ
    たところに配置されていることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  16. 【請求項16】 母の腹部、下背部、若しくはその双方に配置される、又はその近傍に配置され
    る、上記少なくとも1つのセンサは、 明瞭な手術部位を提供するために、腹部の下前方より隔たったところに配置さ
    れていることを特徴とする請求項3に記載の方法。
  17. 【請求項17】 さらに、筋電図信号を用いて母の子宮収縮を計測し、 上記胎児の波形から、動作による人工のノイズを取り除くために、上記筋電図
    信号を用いることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  18. 【請求項18】 妊娠した母の内部における胎児の胎児心電図波形を監視する装置において、 母の心拍を表示する、少なくとも1つの母の生体電位波形を計測する、少なく
    とも1つの第1のセンサと、 妊娠した母より得られる、母と胎児の結合した心拍を表示する、少なくとも1
    つの結合した生体電位波形を計測する、少なくとも1つの第2のセンサと、 上記少なくとも1つの第2のセンサより得られる結合した波形より、上記少な
    くとも1つの第1のセンサより得られる母の波形を取り除くとともに、胎児の心
    電図波形を表示する胎児の波形を形成する信号処理デバイスとを備えていること
    を特徴とする装置。
  19. 【請求項19】 上記少なくとも1つの第1のセンサは、妊娠した母の胸部と接触する少なくと
    も1つの皮膚接触電極であるとともに、 上記少なくとも1つの第2のセンサは、妊娠した母の腹部、下背部、又はその
    双方と接触する少なくとも1つの皮膚接触電極であることを特徴とする請求項1
    8に記載の装置。
  20. 【請求項20】 上記少なくとも1つの第1のセンサが、2つ又はそれ以上の第1のセンサより
    構成されるものであって、 少なくとも1つの上記第1のセンサは、妊娠した母の胸部の片側に接触し、 残りの上記少なくとも1つの第1のセンサは、妊娠した母の胸部の、上記とは
    逆の側へと接触するものであることを特徴とする請求項18に記載の装置。
  21. 【請求項21】 上記少なくとも1つの第2のセンサが、2つ又はそれ以上の第2のセンサより
    構成されるものであって、 少なくとも1つの上記第2のセンサは、妊娠した母の腹部に接触し、 残りの上記第2のセンサは、妊娠した母の下背部に接触するものであることを
    特徴とする請求項18に記載の装置。
  22. 【請求項22】 上記少なくとも1つの第1のセンサ、及び、上記少なくとも1つの第2のセン
    サは、皮膚接触電極を備えていることを特徴とする請求項18に記載の装置。
  23. 【請求項23】 さらに、上記胎児の波形を目に見える形で表示するための表示デバイスを備え
    ていることを特徴とする請求項18に記載の装置。
  24. 【請求項24】 さらに複数の増幅器を備えている装置であって、 少なくとも1つの増幅器は、上記第1のセンサ又は第2のセンサのそれぞれか
    ら得られる信号を増幅することを特徴とする請求項18に記載の装置。
  25. 【請求項25】 上記少なくとも1つの第2のセンサは、2つ又はそれ以上の第2のセンサを備
    え、 上記装置は、上記第2のセンサからの信号を複数のチャネルへと分割する手段
    をさらに備え、 上記信号処理デバイスは、胎児の心拍の複数の波形を形成するために、上記複
    数のチャネルのそれぞれからの、上記少なくとも1つの第1のセンサから得られ
    た母の波形を取り除くようなデバイスを備えていることを特徴とする請求項18
    に記載の装置。
  26. 【請求項26】 参照される胎児の波形として、上記胎児の複数の波形から、波高値が最も大き
    い胎児の波形を選ぶデバイスをさらに備えていることを特徴とする請求項25に
    記載の装置。
  27. 【請求項27】 胎児の生体電位心電図を表示する増幅された胎児の信号を形成するために、上
    記少なくとも1つの第2のセンサより得られた波形に対して、上記参照される胎
    児の波形を処理する手段をさらに備えていることを特徴とする請求項25に記載
    の装置。
  28. 【請求項28】 上記の参照される胎児の波形を処理する手段は、適応信号処理フィルタアルゴ
    リズムを実行することを特徴とする請求項27に記載の装置。
  29. 【請求項29】 上記適応信号処理フィルタアルゴリズムは、最小平均2乗アルゴリズムを含む
    ことを特徴とする請求項28に記載の装置。
  30. 【請求項30】 胎児の心拍数、心拍数の変動性、近似的なエントロピー又はそれらの組合わせ
    を表示する信号を得るための上記装置より導出される、胎児の心電図の波形を処
    理するための、1つ又はそれ以上の生体物理解析プロセッサをさらに備えている
    ことを特徴とする請求項18に記載の装置。
  31. 【請求項31】 母の子宮収縮を表示する筋電図信号を計測する手段をさらに備えていることを
    特徴とする請求項18に記載の装置。
  32. 【請求項32】 胎児の波形から動作による人工のノイズを取り除く、筋電図信号を用いる処理
    手段を備えていることを特徴とする請求項31に記載の装置。
  33. 【請求項33】 母の子宮収縮を表示する筋電図信号を計測するための手段と、 増幅された胎児の信号から動作による人工のノイズを取り除く、筋電図信号を
    用いる処理手段とを備えていることを特徴とする請求項27に記載の装置。
  34. 【請求項34】 母の動作を感知するための手段と、 上記装置から得られる、胎児の心電図の波形と関連され得る動作を表示する信
    号を供給する手段とを、さらに備えていることを特徴とする請求項18に記載の
    装置。
  35. 【請求項35】 妊娠した母の内部における胎児の胎児心電図波形を監視する装置において、 母の心拍を表示する、少なくとも1つの母の生体電位波形を計測する、少なく
    とも1つの第1のセンサと、 妊娠した母より得られる、母と胎児の結合した心拍を表示する、少なくとも1
    つの結合した生体電位波形を計測する、少なくとも1つの第2のセンサと、 上記少なくとも1つの第2のセンサから得られる結合した波形より、上記少な
    くとも1つの第1のセンサより得られる母の波形を取り除くとともに、胎児の心
    電図波形を表示する胎児の波形を形成する信号処理デバイスとを備えていること
    を特徴とする装置。
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