JP2002537798A - マイコバクテリアの培養 - Google Patents

マイコバクテリアの培養

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JP2002537798A JP2000602751A JP2000602751A JP2002537798A JP 2002537798 A JP2002537798 A JP 2002537798A JP 2000602751 A JP2000602751 A JP 2000602751A JP 2000602751 A JP2000602751 A JP 2000602751A JP 2002537798 A JP2002537798 A JP 2002537798A
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ウィリアム ジェイムズ,ブライアン
マーシュ,フィリップ
エス. チャドウィック,ジェイムズ
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マイクロバイオロジカル リサーチ オーソリティ
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    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、マイコバクテリアの培養方法を提供する。この方法は、攪拌しながらそしてマイコバクテリア細胞の実質的に均質な懸濁液が維持されるために十分なデタージェントの存在下で、バッチ培養または連続培養のいずれかで、マイコバクテリアを培養する工程を含む。好適な方法によれば、マイコバクテリアは、35℃±10℃の温度で、少なくとも1%の溶存酸素圧で、6.9±0.9のpHで、少なくとも0.02/時間の希釈速度で、そして単一細胞の実質的に均質な懸濁液を維持するために十分なデタージェントの存在下で攪拌しながら、連続培養で増殖される。本発明はまた、マイコバクテリアの培養のための増殖培地を提供し、この培地は、炭素源、マイトジェン、少なくともMg、K、P、およびSを含む微量元素、ならびに窒素源を含む。本発明の別の局面によれば、マイコバクテリオファージの培養方法が提供され、この方法は、上記のようなマイコバクテリアの培養工程、およびこのマイコバクテリアをマイコバクテリオファージと接触させる工程を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、マイコバクテリアの培養方法、そのための増殖培地、およびマイコ
バクテリオファージの培養方法に関する。
【0002】 マイコバクテリアに関連する健康リスクは、長年にわたって知られており、そ
して数種によって引き起こされる疾患は、主な世界的保健問題の原因である。
【0003】 結核(TB)の原因となるMycobacteriaの抗生物質耐性株の出現により、感染
症に罹患したヒトの死亡数が増加している。M.bovisの弱毒化株に基づくTBワ
クチン(BCG)は、数年間有効であるが、未知の理由のため、その防御は特定
の人種集団に限定される。マイコバクテリアは、クローン病のようないくつかの
他の症状にも関連している。
【0004】 さらに、いくつかのマイコバクテリア種に由来する産物の接種が、有益な効果
を有する免疫応答の変化を媒介し得るという徴候がある。したがって、このタイ
プの産物は、現在、TBおよび癌を含むある範囲の症状に対する治療的有用性を
研究するために評価を受けている。
【0005】 マイコバクテリアに基づく薬学的産物の研究および生産に関連する主な問題は
、細菌増殖に関する困難性である。従来の方法は、固体寒天斜面上での増殖を含
み、そしてその結果、このタイプのアプローチを用いて産物を製造する工程は、
非常に労力を要しそしてコストがかかる。これらのプロセスは、バッチバリエー
ションに導くことをあまり明瞭に示さない。
【0006】 改良された培養プロセスの開発は、比較的遅い増殖速度および細菌凝集の問題
について限定された進歩をしたにすぎない。バッチ培養プロセスは、毒力、およ
び/または必須成分の明らかな損失に関連している。
【0007】 今日まで、大部分の研究は、長期にわたり表面菌膜としてまたは攪拌分散培養
物として、M.tuberculosisを増殖してきた。使用した培地は、微量元素とともに
炭素源、窒素、および緩衝化塩を含む比較的簡単なものであり、そして巨大分子
培地成分を含まない高収量物を得るように設計された。グリセロールは、豊富な
増殖を確実にするために必須の炭素源と考えられる。
【0008】 結核菌の培養のための培地は、AM.REV.TUBERC.56巻, 1947年, 334-345頁にDup
osらによって記載されている。「Tween(登録商標)-アルブミン」培地という増殖
培地が使用され、これは、0.01〜0.05%のTween(登録商標)80および0.5〜1.0%
のアルブミンを含む。この増殖培地は、従来、この分野で使用される標準的増殖
培地であった。Wayne L.G. (Infection and Immunity, 1977年9月, 528-530頁)
は、この同じ培地を使用し、そしてMycobacterium tuberculosisについては17〜
18時間の平均世代時間を報告している。Lowrieら(Journal of General Microbio
logy, 110巻, 1979年, 431-441頁)は、同じ培地の濃縮したバージョンを使用し
ている。Wayne L.G.による総説(Tuberculosis: Pathogenesis, Protection, and
Control, American Society for Microbiology発行, 1994年, 73-83頁)はまた
、この領域におけるほとんどの公表された研究が、0.02%のTween(登録商標)80
および0.5%のウシ血清アルブミンをどのように用いたかを記載している。ここ
では、アルブミンは、Tween(登録商標)80から遊離した微量のオレイン酸の毒性
効果からバシラスを防御するために使用されている。YoumansおよびYoumansは、
1959年に、0.05%のTween(登録商標)80が、マイコバクテリアの増殖を顕著に遅
延させることを報告している。
【0009】 現行の培養方法および培養培地についての他の問題は、バシラスの平均世代時
間、すなわち倍加時間、がかなり長いことである。マイコバクテリアの商業的生
産のためには、バシラスおよびバシラス産物(例えば、酵素)のより高い収量が
得られ得るように、倍加時間を減少させることが望ましい。代表的には、培養物
が、使用可能な容量の産物を得るために集められ得る前に、少なくとも2または
3週の培養期間が必要であることが見出されている。
【0010】 この領域で広く発表しているWayne L.G.は、デタージェント含有培地中でのマ
イコバクテリアの増殖により、毒力が減少することを報告しており、これは重大
な不利な点である。
【0011】 マイコバクテリアの現行の培養方法が、かなり低収率であることも見出されて
いる。Lowrieらは、約8×10細菌/mlの収量を得たが、0.016/時間の非常に低
い希釈速度にすぎず、これは、約43時間の倍加時間を示している。Wayneは、よ
り迅速な倍加時間を有する培養物を記載しているが、4×10CFU/mlの範囲の細
胞密度にすぎない。したがって、倍加時間が減少するが、高い細菌密度を維持す
る培養物を提供することが望まれている。
【0012】 増加した収量でマイコバクテリアを生産することが望まれている。細菌毒力の
維持は、ワクチン調製の目的には望ましいが、毒力表面エピトープを有する無毒
力細菌の生産も、ワクチン調製のために望ましい。高収量のBCGマイコバクテ
リアは、BCGワクチンの製造に特に有用である。現在、ワクチン成分は、数百
あるいは数千の個々のフラスコを使用して行われている。これは、バッチ間変動
があり、非常に非効率的であるが、連続培養方法または大規模発酵槽培養は、こ
の非効率的な方法に代わるために利用可能ではない。
【0013】 本発明の目的は、マイコバクテリアのバッチまたは連続培養物、特に、細菌毒
力を維持する連続培養物(または毒力細胞表面エピトープを有する無毒力細菌)
を提供することであり、そして所定のおよび一定の特性の細胞を提供することで
ある。他の目的は、マイコバクテリアの培養のための増殖培地を提供することで
ある。
【0014】 上述のように、従来の培養方法は、比較的低収量のマイコバクテリアを得てい
た。次に、これは、高収量のマイコバクテリオファージ培養方法に問題があるこ
とを意味している。この点で、従来の固相調製方法では、本来、ファージ収量は
限定されているが、従来の液相収量は、特に、培養培地に利用可能なマイコバク
テリア宿主の濃度に依存している。したがって、本発明のさらなる目的は、従来
技術の低収量問題を克服/緩和するマイコバクテリオファージの培養方法を提供
することである。
【0015】 したがって、本発明の第1の局面は、マイコバクテリアの培養方法を提供し、
この方法は、攪拌しながらそして少なくとも0.1%(v/v)のデタージェントの存在
下で、バッチ発酵槽培養または連続培養で、このマイコバクテリアを培養する工
程を含む。十分なデタージェントを存在させて、細胞の実質的に均質な懸濁液を
維持する。
【0016】 好ましくは、本発明の方法は、35℃±10℃の温度で、少なくとも1.0%の溶存
酸素圧で、6.9±0.9のpHで、バッチ発酵槽培養または連続培養で、このマイコ
バクテリアを増殖する工程を含む。
【0017】 より詳細に以下に記載される特定の実施態様によって説明される、本発明の使
用において、およびMycobacteria tuberculosisを使用して、発明者らは、バッ
チおよび連続培養システムの両方から高収量の細菌を得る方法を開発した。さら
に、発明者らは、本発明の実施態様の方法を使用して生成したマイコバクテリア
が、M.tuberculosisの標準的なモルモット感染モデルで証明されるように、非常
に毒力があることを示した。実際、これらの方法を使用して増殖したMycobacter
ia tuberculosisの力価は、固体寒天斜面方法を使用して増殖したM.tuberculosi
sに匹敵する。
【0018】 本発明の特定の実施態様では、連続培養の定常状態におけるM.tuberculosisの
増殖は、1.2g/l細胞乾燥重量のバイオマス収量を得た。この連続培養において、
およびバッチ培養においても、増殖した細胞は、Middlebrook寒天斜面上で増殖
した細胞に匹敵する毒力を示し、これは、ケモスタット培養における長期間の、
M.tuberculosisまたはM.bovisのようなマイコバクテリア種の増殖に対するこれ
らの方法の適切性を強く示す。
【0019】 したがって、本発明の方法は、増加した細胞密度でおよび減少した平均世代時
間すなわち倍加時間での増殖を可能にするという利点がある。本発明の方法を使
用して、毒力決定基の発現が維持されていることが、さらなる有利点である。し
たがって、この方法は、BCGワクチンへの組み込みのような、マイコバクテリ
アの生産への適用がある。
【0020】 本発明において、用語「バッチ培養」は、微生物を接種した固定された容量の
培養培地をいう従来の意味で使用される。誘導期という調節の期間の後、生物は
増殖および繁殖し始めて、指数増殖と呼ばれるその環境中で可能な最大の増殖速
度に達する。多数の世代の後、必須栄養物質が枯渇し、または毒性代謝物が蓄積
され、増殖が遅くなり、そして最終的には増殖を終える。これは、閉鎖系であり
、そしてその環境は、生物の増殖につれて常に変化している。このタイプの培養
は、代表的には、50〜500mlの振盪フラスコ中で行われており、そこでは温度の
みが制御されるが、本発明の実施態様においては、温度、pH、および酸素が制
御されている。本発明の方法のさらなる利点は、環境パラメータの制御によって
バッチ間変動が減少して、より一致した組成および細菌の不均質性が減少した培
養物になり、これは、これらの培養物からのワクチン成分の生産において非常に
重要である。
【0021】 用語「発酵槽培養」は、pHおよび通気のような環境パラメータについてより
制御して操作されたバッチ培養の1つのタイプに関して同様に使用される。発酵
槽は、通常は生産のために使用され、したがって培養容量はより大きい。
【0022】 用語「連続培養」は、代表的には、培地が連続的に添加されそしてオーバーフ
ロー培養物が連続的に除去される一定容量の培養をいうために使用される。新鮮
な培地中の増殖成分を添加することによって、生物は、繁殖し続ける。このシス
テムが平衡に達すると、細胞数および栄養状態は一定のままであり、これは定常
状態といわれる。
【0023】 最後に、用語「ケモスタット培養」とは、現在最も普通のタイプの連続培養デ
バイスをいう。一般的に、培養を制御するために、炭素源のような必須栄養物質
濃度、および流速の、2つのエレメントが使用される。接種後、培養物は、必須
栄養物質が枯渇するまで増殖し、そして増殖を制限するが、制限的栄養物質を含
む新鮮な培地の連続添加により連続した増殖が可能になる。細胞密度は、添加さ
れた制限的栄養物質の濃度によって制御される。制限的栄養物質は、培地処方を
操作することによって変化され得る。培地添加速度は、培養物の増殖速度(世代
時間)を制御する。
【0024】 本発明の方法において、培養温度は35℃±10℃、より好ましくは35℃±5℃に
維持されることが好ましく、そして本発明の特定の実施態様では、この好適な温
度は、連続的マイコバクテリア増殖について3週以上にわたり維持されている。
連続操作において、培養培地のpHは、代表的には、pH6.9の±0.9以内、より
好ましくはpH6.9の±0.5以内である。pHは、pH修正の要求に従って、培養
培地への酸またはアルカリ溶液の添加によって制御され得る。以下に記載の本発
明の特定の実施態様では、0.5Mの濃度の水酸化ナトリウムおよび0.5Mの濃度の
硫酸が使用される。培養物の溶存酸素濃度は、代表的には、少なくとも初期レベ
ルで40%(v/v)空気飽和、好ましくは少なくとも50%である。
【0025】 デタージェントは、実質的に均質な懸濁液中に懸濁した高比率のマイコバクテ
リアを、好ましくは単一細胞、または2〜10バシラス、好ましくは2〜5バシラ
スを含む小凝集塊として維持するための分散剤として、本発明の方法において存
在する。1つの実施態様では、総マイコバクテリア細胞重量の少なくとも50%、
好ましくは少なくとも75%、特に好ましくは少なくとも90%が、上記のように懸
濁される。
【0026】 一旦このように分散されると、細胞は、比較的一定のおよび制御された条件下
でより高い増殖速度を可能にする環境で増殖し得る。出願人はいかなる理論にも
縛られることを望まないが、一旦マイコバクテリアがこれまでの培養方法におけ
るように菌膜を形成すると、これらはその後分散され得ない−したがって、本発
明は、バシラスがこのような菌膜になることによる損失を抑制または減少させる
ことによってこれまでの方法を改善し得ることが可能である。使用されるいくつ
かのデタージェントは、培養培地中に毒性成分をゆっくりと放出するので、存在
するデタージェントの量を高くして、デタージェントまたはその成分のいずれか
の量が毒性レベルに達するリスクを冒すべきではない。同様に、過剰のデタージ
ェントは、培養物の発泡を生じ得、そしてこれは避けるべきである。デタージェ
ントのレベルは、適切には、少なくとも0.1%(v/v)であり得る。
【0027】 本発明の有利な効果および特定の実施態様で得られる結果は、同様に広範囲の
デタージェントのいずれを使用しても実現され得ると考えられるが、アニオン性
デタージェント、特にソルビタンのエステルおよびそれらの誘導体が好ましい。
特に良好な結果は、ソルビタンエステルのポリエタン-ジイル誘導体、すなわち
、Tween(登録商標)80を使用して得られており、他のこのようなエステルには、T
ween(登録商標)20、Tween(登録商標)40、およびTween(登録商標)60がある。デタ
ージェントの存在にもかかわらず、アルブミンは、マイコバクテリアの増殖を遅
延させることなく増殖培地から省かれ得ることが見出されている。
【0028】 マイコバクテリアのバッチ培養のための本発明の方法の使用において、デター
ジェントは、0.1〜1.0%(v/v)、より好ましくは0.1〜0.5%(v/v)、最も好ましく
は約0.2%(v/v)で存在し得る。
【0029】 マイコバクテリアの連続培養のための本発明の方法の使用において、デタージ
ェントは、少なくとも0.1%(v/v)、より好ましくは少なくとも0.15%(v/v)、お
よび最も好ましくは約0.2%で存在し得、そのレベルは、さらに好ましくは、1.0
%を超えず、そして通常0.7%を超えない。培養が連続的に操作される場合、培
地は、培養物に連続的に導入され、導入の速度は、希釈速度として表される。本
発明の培養は、少なくとも0.02/時間の希釈速度で連続的に行われ得、高収量の
細菌を得、そしてこれらの細菌は、その毒力を保存していることが見出されてい
る。少なくとも0.025/時間の希釈速度も維持され得、そして特定の実施態様で
は、約0.03/時間の希釈速度が連続培養で達成され、これは約24時間の平均倍加
時間を示す。
【0030】 本発明はさらに、第2の局面において、マイコバクテリアの培養のための増殖
培地を提供し、これは、 炭素源; マイトジェン; 少なくともMg、K、P、およびSを含む微量元素; 窒素源;および 少なくとも0.1%(v/v)のデタージェント を含む。
【0031】 炭素源は、好ましくは、グルコース、グリセロール、およびアミノ酸、ならび
にこれらの炭素源の組み合わせから選択される。マイトジェンは、細胞分割を誘
導するために存在し、そして好ましくはアスパラギンであるが、無機源からの他
のマイトジェンも適切である。増殖培地中の微量元素は、好ましくはCa、Mg
、Zn、Co、Cu、Mn、Fe、K、およびそれらの混合物から選択され、そ
して窒素源は、アミノ酸およびアンモニウム塩から選択される。
【0032】 増殖培地は、必要に応じて、さらに、アラニン、アルギニン、アスパラギン、
アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、イソロイシン、ロイシン、フェニル
アラニン、セリン、およびそれらの混合物から選択されるアミノ酸成分を含む。
アミノ酸成分は、培地中における窒素源に寄与し得る。
【0033】 他の任意の成分は、イノシトール、チアミン、パントテン酸カルシウム、コエ
ンザイムA、ニコチンアミド、ビオチン、DL-チオクト酸、およびそれらの混合
物から選択されるビタミン/補因子成分、好ましくはビオチン;ならびに水酸化
ナトリウム、グルタチオン、グリセロール、ヘミン、ピルビン酸ナトリウム、お
よびα-ケトグルタル酸から選択される1つ以上の成分、好ましくはグリセロー
ルおよび/またはピルビン酸である。
【0034】 したがって、本発明の特に好ましい実施態様は、マイコバクテリアの培養方法
を提供し、この方法は、バッチ培養または連続培養で、少なくとも0.1%(v/v)デ
タージェントの存在下で攪拌することによって、単一細胞の実質的に均質な懸濁
液を維持しながら、および上記の培地の組み合わせによる増殖培地の存在下で、
マイコバクテリアを培養する工程を含む。
【0035】 本発明のマイコバクテリア培養方法および培地は、Mycobacteria tuberculosi
s複合体(MTC)のすべてのメンバーならびにその変異体および組換え体形態
の培養に適切である。1つの実施態様では、この方法および培地が、M.tubercul
osisの培養に使用されるが、M.bovisおよび他の日和見マイコバクテリアの培養
にも適切である。
【0036】 本発明の第3の局面によれば、上記のようにマイコバクテリアを培養する工程
、およびこのマイコバクテリアをマイコバクテリオファージと接触させる工程を
含む、マイコバクテリオファージの培養方法が提供される。好ましい実施態様で
は、ファージは、マイコバクテリア液体培養物に直接添加され得る。
【0037】 マイコバクテリオファージの関連としては、その変異体および組換え体形態が
挙げられる。
【0038】 マイコバクテリオファージは、マイコバクテリアに感染しそして複製し得る任
意のファージである。マイコバクテリオファージは、感染するマイコバクテリア
に特異的である必要はない。しかし、ファージは、所定のマイコバクテリア種ま
たはその亜種に対する特異性を示すことが好適であり得る。
【0039】 1つの実施態様では、ファージ培養方法は、M.tuberculosis、M.bovis、およ
び/またはM.paratuberculosisに感染し得るファージを培養するために用いられ
る。
【0040】 ファージ培養方法は、M.tuberculosisに感染し得、そして好ましくはこれに特
異的であるファージの培養に特に適切である。
【0041】 本発明の特定の実施態様では、培養されるべきファージは、D-34(受託番号AT
CC 4243-B1)、LG(受託番号ATCC 25618-B1)、DS6A(受託番号ATCC 25618-B2)
、およびD29(Fromanら、1954)からなる群より選択される。
【0042】 本発明のこの局面での使用に好ましいマイコバクテリオファージは、溶菌感染
を引き起こし得るファージである。これは、後のファージ採集を容易にする。
【0043】 このファージ培養方法によれば、増殖のために感受性のあるマイコバクテリア
を必要とする、天然または遺伝子操作したまたは化学的に改変したバクテリオフ
ァージが、効果的に生成され得る。
【0044】 したがって、予防的または治療的用途を有し、そして全体的にまたは部分的に
遺伝子送達システムとしても使用され得る、マイコバクテリオファージまたは成
分部分またはファージ核酸は、臨床的および商業的適用に適切な量で増殖および
製造され得る。
【0045】 マイコバクテリアの増殖は、上記培養培地を使用して制御された培養システム
で行われる。
【0046】 ファージの増殖を容易にするために、培地は、マイコバクテリア細胞表面上の
ファージ吸着を促進および/または補助し得る作用物質を取り込んで改変され得
る。
【0047】 好ましい作用物質としては、ウシ血清アルブミン、およびカチオンのような細
胞表面吸着促進特性を有する他の分子が挙げられる。使用において、代表的には
、後者が、約0.015Mの濃度で用いられる。
【0048】 1つの実施態様では、作用物質は、0.01〜1%w/vの間、好ましくは0.05%〜0
.5%w/vの間の最終濃度で添加される。代表的な最終濃度は、約0.1%w/vである
【0049】 作用物質は、好ましくは、マイコバクテリオファージの接種の前または実質的
に同時にマイコバクテリア培養培地に添加される。
【0050】 本発明のマイコバクテリア培養培地はデタージェントを含むので、接種するフ
ァージのデタージェントへの曝露を減少または最小にすることが好ましい。なぜ
なら、デタージェントの存在が、おそらくマイコバクテリア細胞壁上へのファー
ジの吸着を妨害することにより、ファージ増殖に有害な影響を有し得るからであ
る。上述のように、作用物質の使用は、潜在的なデタージェントに関連した問題
を緩和する助けとなり得る。
【0051】 このために、多くの方法工程が、接種するファージの培養培地中に存在するデ
タージェントへの曝露を減少/最小にするために提供される。これらには、以下
が挙げられる: (i)ファージ接種の前にデタージェントの濃度を減少させる工程。これは、例
えば、マイコバクテリア培養培地の攪拌を止めて、マイコバクテリアを重力によ
って沈殿させ、その後、デタージェント含有培地を培養容器の上部から除去し、
そしてデタージェントを含まない新鮮な培地に置換し得ることによって達成され
得る; (ii)(i)の代わりとして、新鮮なデタージェントを含まない培地が、培養
容器に添加されて全体のデタージェント濃度が希釈され得る;または (iii)上記(i)と同様に、細菌の沈殿が、凝集剤の使用によって促進され
る。デタージェント含有培地の除去およびデタージェントを含まない培地との置
換後、抗凝集剤が添加されて、凝集剤の効果を逆転/中和し得る。
【0052】 好ましい実施態様では、ファージ接種後およびファージ感染を樹立するために
十分な時間の後、培地のデタージェント濃度は、例えば、ファージ接種前と実質
的に同じ濃度まで上昇し得、それによって再度最適なマイコバクテリア増殖条件
を提供する。
【0053】 ファージ増殖のために、感染性ファージシード培養物(すなわち、接種物)は
、代表的には、例えば、リン酸緩衝化生理食塩溶液中の力価の高い懸濁液(例え
ば、10〜1010pfu/ml)で−20℃にて保存されたシードバンクストックから調
製される。
【0054】 感染性ファージシード培養物は、精製されたまたは半精製されたファージの形
態、あるいは、ファージと、例えば、振盪フラスコもしくはより小さい培養容器
中で生成されたファージ感染したマイコバクテリアとの混合物の形態を取り得る
【0055】 ファージシード接種の時間は、用いられるマイコバクテリア、培地、ファージ
、および感染用量多重度(MOI)に従って変化し得る。代表的には、MOIは
、10マイコバクテリアに対して1ファージの範囲にあるが、用いられる系に従
って変化され得る。
【0056】 ファージ接種は、マイコバクテリア増殖周期中の任意の時点で生じ得る。好ま
しくは、接種は、細菌対数増殖の開始の約25〜35時間後に行われる。代表的には
、接種は、細菌対数増殖の開始の30時間後に行われる。
【0057】 培養条件は、好ましくは、さらに24時間にわたってモニターおよび維持されて
、所望の数のバクテリオファージ複製サイクルを生じさせる。
【0058】 ファージの精製は、従来のクロマトグラフィー方法、例えば、適切なリガンド
を発現するように操作されているファージに対するイムノアフィニティー精製、
または濾過した培養物からのファージの遠心分離とその後の適切な緩衝液への再
懸濁で達成され得る。
【0059】 いくつかの場合には、ファージ誘導溶解をさらに受けなければならない感染し
た細胞は、従来の濾過方法によって集められ、そして機械的または化学的または
超音波によって溶解されて、含まれたファージを放出し得、これは次いで上記の
ようにさらに精製され得る。
【0060】 本発明は、ここで、以下の特定の実施態様を参照して説明され、図面によって
説明される。
【0061】 図1を参照すると、培地リザーバー1は、培地添加ポンプおよびライン2によ
って培養容器6に取り付けられる。ガラス培養容器6は、温度プローブ7、酸素
電極8、給気口およびスーパージャー9、排気口10、pH電極11、アルカリ
添加ライン12、および酸添加ライン13が接続されるチタン上部板を備える。
培養容器の内容物の試料は、試料口14を介して取り出され得、そして培養容器
からの排出液は流出するかまたは排出液リザーバー15にポンプで吸い出される
。図1の残りの特徴は、マグネチックスターラーユニット3;加熱パッド4;お
よびマグネチックバー5である。
【0062】 この連続培養装置は、以下の実施例に記載のように、マイコバクテリアの連続
培養に使用される。
【0063】 図2は、M.tuberculosisの連続培養を説明する。接種後、培養物を4日間バッ
チで操作した。次いで、培地添加を流加バッチ様式で開始した。連続培地添加を
、300時間で開始した。
【0064】 図3は、エアロゾルチャレンジ後のモルモット肺における生菌M.tuberculosis
を示し(エラーバー+標準偏差を示す)、そしてM.tuberculosisの毒力における
培養様式の影響を比較する。ケモスタット増殖細胞の毒力を、ABCD ModTB培地お
よびMiddlebrook寒天上で指数増殖バッチ中期まで増殖した細胞と比較した。平
板増殖した細胞でのモルモットチャレンジは、古典的疾患プロセスを生じ、感染
後3週まで、モルモット肺において指数増殖し、肺のカウントが、肺あたり10 〜10c.f.uに達した。3週後、肺カウントは、わずかに下降した。少ない数の
バシラスを、感染の2週後に脾臓組織で検出し、その後21日目まで指数増加した
。バッチおよびケモスタット増殖細胞の両方での感染は、匹敵する疾患プロセス
を生じ、これは培養毒力を保持したことを示す。
【0065】 図4は、図3と同様にエアロゾルチャレンジ後のモルモット脾臓における生菌
M.tuberculosisを説明する(エラーバー+標準偏差を示す)。
【0066】 実施例1 材料および方法 株 M.tuberculosis H37Rv株(NCTCカタログ番号7416)−M.tuberculosisの代表的
な株を用いて研究を行った。ストック培養物を、Middlebrook 7H10+OADC上で37
±2℃にて3週間増殖し、集め、そして脱イオン水での濃厚懸濁液として−70℃
にて保存した。
【0067】 培養培地 化学的に規定された培養培地を開発し、そしてCAMRマイコバクテリア培地と命
名した(以下の添付資料1を参照のこと)。この培地を、Millipore水精製シス
テムからの高品質水を用いて調製し、そして0.07μm孔径の酢酸セルロースメン
ブランフィルターカプセル(Sartorius Ltd)を通過させて濾過滅菌した。Middl
ebrook 7H10+OADC寒天を使用して、接種培養物を調製し、ケモスタット試料中
の培養可能な細菌数を数え、そして培養純度を評価した。
【0068】 培養装置 培養実験を、1リットルのガラス容器中で500mlの実容量で行った。培養物を
、容器の下方に配置したマグネチックスターラーとカップリングした培養容器中
に置いたマグネチックバーによって攪拌した。培養条件を、連続的にモニターし
、そして上部板の封入口を通って培養液に挿入されたセンサープローブに連結さ
れた、Anglicon Microlab Fermentation System (Brighton Systems, Newhaven)
によって制御した。酸素濃度を、ガルバーニ酸素電極(Uniprobe, Cardiff)を
用いてモニターし、そして攪拌速度のフィードバック制御によって制御した。温
度を、Anglicon温度プローブによってモニターし、そして培養容器の下方に配置
された加熱パッドによって維持した。培養pHを、Ingold pH電極(Mettler-T
oledo, Leicester)を用いて測定し、そして水酸化ナトリウム(0.5M)または
硫酸(0.5M)のいずれかの自動添加によって制御した。連続培養については、
培養システムを、培地リザーバーからの栄養物質添加を制御することによって操
作し、そして一定の培養容量を、容器の側面に備えられたオーバーフローチュー
ブによって維持した。
【0069】 接種および培養 容器を、350mlの滅菌培養培地で満たし、そしてパラメータを、37℃±2℃、
pH6.9±0.2、および約70%空気飽和の溶存酸素圧で安定化させた。濃厚接種物
懸濁液を、Middlebrook寒天培養物を再懸濁することによって調製し、滅菌脱イ
オン水中、37±2℃にて3週間増殖した。接種物を、培養容器に無菌的に移して
、540nmにて約0.25の初期培養濁度を得た。接種後、培養を、約50時間で行った
。培養物が指数増殖期に入ったときに、さらに100mlの培地を添加し、そしてバ
ッチ増殖を、光学密度および生菌カウント測定によってモニターした。
【0070】 連続培養については、培養物を接種し、そして詳述のように約50時間で培養し
た。次いで、培養物が指数増殖に入り、24時間後に、培地を添加(約100ml)し
て48時間流加バッチ様式で培養を行った。次いで、連続培養を、0.03/時間[24
時間の平均世代時間(MGT)に等価]の希釈速度で開始した。培養パラメータ
を、50%(v/v)空気飽和の溶存酸素圧、37±2℃、およびpH6.9±0.2で維持し
た。増殖を、光学密度、乾燥重量、および生菌カウント測定によってモニターし
た。
【0071】 培養物分析 培養試料の光学密度を、水を対照としてUV-260分光光度計(Pye Unicam)にお
いて540nm(OD540)で記録した。培養バイオマスを、乾燥重量分析によって
測定した。試料を、4%(v/v)ホルムアルデヒドで少なくとも24時間処理し、そ
して予め乾燥し予め秤量した0.45μmの孔径のナイロンメンブランフィルター(G
elman Sciences)を通して真空下で濾過した。メンブランを、10mlの脱イオン水
でリンスし、その後一定重量になるまで再乾燥し、そして再秤量した。
【0072】 総生菌カウントを、滅菌脱イオン水で試料を10倍連続希釈し、そしてMiddlebr
ook 7H10プレート上に適切な希釈の100μlアリコートを3枚一組でプレーティン
グすることによって行った。プレートを、37℃にて3週間インキュベートし、形
成したコロニー数を数えた。培養純度を、Middlebrook 7H10およびBlood寒天上
に正味の試料をプレーティングし、そして37℃にてインキュベートすることによ
ってチェックした。
【0073】 結果 バッチ培養 M.tuberculosis H37Rv株の増殖を、0.2% Tween(登録商標)80を補充したCAMR
マイコバクテリア培地中で行った。接種後、培養は、指数増殖に入る前の約50時
間の誘導期を有する代表的なバッチ増殖動力学を伴った。約14時間の最小倍加時
間を記録した。培養物は、主として単一細胞懸濁液であった。
【0074】 連続培養 24時間のMGTでの定常状態増殖は、連続培養の開始後正常に10日間に及んだ
。培養物は、約5×10cfu/mlを含む濃厚懸濁液であり、約1.2g/l細胞乾燥重量
のバイオマス収量であった。細胞は、時折20細胞までの細菌塊を有する2〜3μ
m長の短桿菌であった。主な炭素源であるグリセロールは、定常状態での増殖中
に枯渇せず、1.25g/lの残留濃度であった。Tween(登録商標)80は、0.1%の量で
存在し、そしてM.tuberculosisの増殖が、均質懸濁液中で実質的に単一細胞とな
り、ケモスタット培養を促進する増殖速度で行われることを可能にした。Tween(
登録商標)80の不在下で増殖した培養物は、大きな細胞塊および表面菌膜を形成
し、そして連続培養はできなかった。
【0075】 この培養の操作中に行われた他の観察は、長期連続生産について、規則的な間
隔、すなわち5〜6時間ごとに、容器を清浄にするまたは清浄な容器に移す必要
があり得ることを示す。マイコバクテリアは、時々容器壁に付着する傾向があり
、連続培養を妨害する。そして発明者らは、少なくとも20%空気飽和まで酸素圧
を低下させることが、この問題に対抗する助けとなることを、別に見いだしてい
る。
【0076】 毒力に対する培養様式の影響 バッチおよびケモスタット増殖細胞の毒力を、Middlebrook寒天上で増殖した
細胞と比較した。プレート増殖した細胞でチャレンジしたモルモットは、感染後
3週まで、モルモット肺において指数増殖での古典的疾患プロセスを生じ(図3
)、肺カウントが肺あたり10〜10c.f.u.に達した。少ない数のバシラスを、
感染の2週後に脾臓組織で検出し、その後21日目まで指数増加し、その後、増殖
速度は衰えた(図4)。バッチおよびケモスタット増殖細胞の両方での感染は、
匹敵する疾患プロセスを生じ、これは培養毒力を保持したことを示す。
【0077】 したがって、本発明は、高収量でおよび毒力を損失することのない、分散した
マイコバクテリアのバッチおよび連続培養の方法を提供し、そしてまたそのため
の増殖培地を提供する。本発明の培養物において、例えば、細菌サブユニット、
ワクチン用途のためのバシラス全体、および免疫治療のためのバシラス全体の製
造について、ワクチン成分の大規模および一貫した生産が可能である。
【0078】 実施例2 マイコバクテリオファージの生産 マイコバクテリオファージ: マイコバクテリオファージ、例えば、D-34(受託番号ATCC 4243-B1)は、M.tu
berculosisに特異的である。ストックバクテリオファージを、液体培養または軟
寒天オーバーレイから調製し、そしてPBS中10〜1010pfu/mlの高力価懸濁液
として−20℃にて保存する。
【0079】 M.tuberculosisの生育およびバクテリオファージの増殖: M.tuberculosis H37Rv株の生育を、実施例1に既述のようにCAMRマイコバクテ
リア培地を使用して制御された培養システムで行う。
【0080】 ファージ増殖については、CAMRマイコバクテリア培地を、0.1%(w/v)ウシ血清
アルブミン(BSA)を添加して改変する。接種後、培養を行い、そして540nm
での濁度をモニターして、指数増殖の開始を測定する。ストックバクテリオファ
ージ懸濁液をゆっくりと融解し、そして対数増殖開始後30時間目に培養物に添加
する。
【0081】 10バシラスに対して1ファージの感染多重度を使用する。培養条件を、連続的
にモニターし、そしてさらに24時間または2サイクルのファージ増殖が生じるま
で維持する。バクテリオファージ複製は、培養物濁度および酸素利用状況の変化
をモニターすることによって追跡され得る。
【0082】 培養物を、10,000gにて15分間の遠心分離によってペレットにし、そしてバク
テリオファージを含む上清を保持する。バクテリオファージを限外濾過によって
濃縮し、リン酸緩衝化生理食塩液で洗浄し、そして0.45μm酢酸セルロースメン
ブランフィルターを通過させて濾過滅菌する。濃縮したバクテリオファージ懸濁
液の力価を、従来の軟オーバーレイ方法を使用して、M.tuberculosisに対して決
定する。
【0083】 参考文献 Lowrie, D.B., Arber, V.R., およびJackett, P.S. (1979). Phagosome-lysos
ome fusion and cyclic adenosine 3:5-monophosphate in macrophages infecte
d with Mycobacterium microti, Mycobacterium bovis BCG and Mycobacterium
leraemurium. J. Gen. Micro. 110:431-441。 Ratledge, C. (1983). Nutrition, growth and metabolism. 185-271頁. Ratl
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al and environmental aspects. Acad Press。 Wayne, L.G. (1977). Synchronised replication of Mycobacterium tubercul
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gainst virulent M. tuberculosis. (I) Isolation and Activity. American J.
of Public Health, 44巻, 1326-1333頁。
【0084】 添付試料1
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】 上記のCAMR培地は精製されており、そして非必須成分は以下のように省かれて
いる。
【0089】
【表4】
【0090】
【表5】
【0091】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の連続培養装置の概略図である。
【図2】 連続培養の開始の前および後の540nmでの光学密度のグラフである。
【図3】 本発明の培地を使用して増殖した細菌でのエアロゾルチャレンジ後の、モルモ
ット肺における生菌M.tuberculosisを示すグラフである。
【図4】 本発明の培地を使用して増殖した細菌でのエアロゾルチャレンジ後の、モルモ
ット脾臓における生菌M.tuberculosisを示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:325) (C12N 7/00 C12R 1:32) (C12N 7/00 C12R 1:325) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ジェイムズ,ブライアン ウィリアム イギリス国 エスピー4 0ジェイジー ウィルトシャー,ソールズベリー,ポート ン ダウン(番地なし),シーエイエムア ール,マイクロバイオロジカル リサーチ オーソリティ内 (72)発明者 マーシュ,フィリップ イギリス国 エスピー4 0ジェイジー ウィルトシャー,ソールズベリー,ポート ン ダウン(番地なし),シーエイエムア ール,マイクロバイオロジカル リサーチ オーソリティ内 (72)発明者 チャドウィック,ジェイムズ エス. イギリス国 エスピー4 0ジェイジー ウィルトシャー,ソールズベリー,ポート ン ダウン(番地なし),シーエイエムア ール,マイクロバイオロジカル リサーチ オーソリティ内 Fターム(参考) 4B065 AA36X AA98X BB02 BB06 BB08 BB12 BB15 BB20 BB34 BC02 BC06 BC12 CA45

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 M.avium以外のマイコバクテリアの培養方法であって、攪拌
    しながらそして少なくとも0.1%(v/v)のデタージェントの存在下で、バッチ発酵
    槽培養または連続培養で、該マイコバクテリアを培養する工程を含む、方法。
  2. 【請求項2】 35℃±10℃の温度で前記マイコバクテリアを培養する工程を
    含む、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 pHを6.9±0.9で維持する工程を含む、請求項1または2に
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも1%(v/v)空気飽和の初期溶存酸素濃度で前記マ
    イコバクテリアを培養する工程を含む、請求項1から3のいずれかの項に記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 M.tuberculosis、M.bovis、およびM.vaccaeから選択される
    マイコバクテリアの培養のための、請求項1から4のいずれかの項に記載の方法
  6. 【請求項6】 デタージェントが0.1〜1.0%(v/v)で存在する、マイコバク
    テリアのバッチ培養のための、請求項1から5のいずれかの項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 デタージェントが約0.2%(v/v)で存在する、請求項6に記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 マイコバクテリアの連続培養のための、請求項1から5のい
    ずれかの項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 デタージェントが少なくとも0.15%(v/v)で存在する、請求
    項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記培養が、少なくとも0.02/時間の希釈速度で連続的に
    行われる、請求項8または9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記培養が、少なくとも0.025/時間の希釈速度で連続的
    に行われる、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 35℃±10℃の温度で、少なくとも1%の溶存酸素圧で、6.
    9±0.9のpHで、少なくとも0.02/時間の希釈速度で、前記マイコバクテリアを
    連続培養で増殖させる工程を含む、請求項8または9に記載の方法。
  13. 【請求項13】 マイコバクテリアの培養のための増殖培地であって、 炭素源; マイトジェン; 少なくともMg、K、P、およびSを含む微量元素; 窒素源;および 0.1%(v/v)より多いデタージェント を含む、増殖培地。
  14. 【請求項14】 前記炭素源が、グルコース、グリセロール、およびアミノ
    酸から選択される、請求項13に記載の増殖培地。
  15. 【請求項15】 前記マイトジェンがアスパラギンである、請求項13また
    は14に記載の増殖培地。
  16. 【請求項16】 Ca、Mg、Zn、Co、Cu、Mn、Fe、K、および
    それらの混合物から選択される微量元素を含む、請求項13から15のいずれか
    の項に記載の増殖培地。
  17. 【請求項17】 前記窒素源が、アミノ酸およびアンモニウム塩から選択さ
    れる、請求項13から16のいずれかの項に記載の増殖培地。
  18. 【請求項18】 アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、
    グルタミン酸、グリシン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、セリン
    、およびそれらの混合物から選択されるアミノ酸成分を含む、請求項17に記載
    の増殖培地。
  19. 【請求項19】 イノシトール、チアミン、パントテン酸カルシウム、コエ
    ンザイムA、ニコチンアミド、ビオチン、DL-チオクト酸、およびそれらの混合
    物から選択されるビタミン/補因子成分をさらに含む、請求項13から18のい
    ずれかの項に記載の増殖培地。
  20. 【請求項20】 水酸化ナトリウム、グルタチオン、グリセロール、ヘミン
    、ピルビン酸ナトリウム、およびα-ケトグルタル酸から選択される1つ以上の
    成分をさらに含む、請求項13から19のいずれかの項に記載の増殖培地。
  21. 【請求項21】 請求項13から20のいずれかの項に記載の増殖培地の存
    在下で、前記マイコバクテリアを培養する工程を含む、請求項1から12のいず
    れかの項に記載の方法。
  22. 【請求項22】 請求項1から12または21のいずれかの項に記載のマイ
    コバクテリアの培養工程、および該マイコバクテリアをマイコバクテリオファー
    ジと接触させる工程を含む、マイコバクテリオファージの培養方法。
  23. 【請求項23】 前記マイコバクテリアにおけるマイコバクテリオファージ
    吸着を促進および/または補助するための作用物質で、該マイコバクテリアをチ
    ャレンジする工程を含む、請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 チャレンジが、前記マイコバクテリアを前記マイコバクテ
    リオファージと接触させる前または実質的に同時に生じる、請求項23に記載の
    方法。
  25. 【請求項25】 前記マイコバクテリア培養培地に存在するデタージェント
    への前記ファージの曝露を減少または最小にする工程を含む、請求項22から2
    4のいずれかの項に記載の方法。
  26. 【請求項26】 ファージ感染を樹立させる工程、および次いで前記デター
    ジェント濃度を少なくとも0.1%(v/v)デタージェントまで上昇させる工程を含む
    、請求項25に記載の方法。
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