JP2002535549A - 燃料のためのフィード装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 燃料のためのフィード装置であって、電動モータ（１０）によって駆動されるフィードポンプ（８）と、電動モータ（１０）とフィードポンプ（８）とフィルタ装置（９，１９）とを収容するためのハウジング（１１）とが設けられていて、前記フィルタ装置（９，１９）が、燃料流で見てフィードポンプ（８）の上流側および／または下流側に配置されている形式のものが提案される。フィードポンプ（８）が、燃料の主流を、フィルタポットに設けられた中央の切欠きを通じて前記フィルタ装置（９，１９）の主フィルタ（１９）の流入側へ圧送するようになっている。さらに、フィードポンプ（８）に前段（３２）として、片側で開かれた側路型ポンプが設けられており、この側路型ポンプで燃料が、前置フィルタ（１９）の下流側で上昇管（３７）へ圧送可能であり、さらにこの上昇管（３７）からポットハウジング（４０）内の主段（２８）の吸込範囲へ圧送可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 背景技術 本発明は、請求項１の上位概念部に記載の形式の、燃料のためのフィード装置
に関する。

【０００２】 このような形式の、燃料のためのフィード装置は既に公知である。公知のフィ
ード装置では、燃料が燃料タンクから、たとえば自動車の内燃機関の噴射機構へ
圧送される。

【０００３】 このようなフィード装置は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第４４４４８５４
号明細書に基づき公知である。この公知のフィード装置では、フィードポンプが
電動モータによって駆動され、燃料はフィードポンプの手前では前置フィルタを
通って流れ、フィードポンプの背後では吐出圧下に主フィルタを通って案内され
る。これらの構成部分は、取外し可能なカバーを備えたフィルタポット内に配置
されており、その場合、電動モータおよびフィードポンプは中央室内に位置して
おり、主フィルタは、この中央室を同軸的に取り囲むように配置された環状室内
に位置している。

【０００４】 フィルタポット内にフィードポンプを組み立てる場合には、運動させられるポ
ンプ部分と、フィルタポットハウジング部分との間にできるだけ大きなシール性
が確保されるように配慮されなければならない。さらに、公知の装置では、まず
最初に、比較的大きな初充填量が燃料ポンプによって圧送されなければならず、
その後に、逆止弁により、主フィルタに至る燃料の流路が開放される。

【０００５】 発明の利点 請求項１の特徴部に記載の特徴を有する本発明による、燃料のためのフィード
装置には、次のような利点がある。すなわち、付加的に側路型ポンプ（Ｓｅｉｔ
ｅｎｋａｎａｌｐｕｍｐｅ；「ウエスコポンプ」「タービン型ポンプ」等とも呼
ばれる）がフィードポンプに前段として配置されており、この前段で、燃料が、
有利には側方でポットハウジングに並んで位置する上昇管を介してポットハウジ
ング内の主フィルタの吸込範囲にまで圧送される。

【０００６】 本発明による装置では、燃料タンク内に比較的少ない初充填量しか必要とされ
ないので有利である。なぜならば、燃料の吸込が、タンク底部の近くに位置する
ことのできる吸込管路を有する前段を介して行われるからである。燃料は前段の
後に上昇管を通って直接にポットハウジングに流入し、これにより、従来では必
要とされたフラップ式逆止弁またはスタート弁を不要にすることができる。燃料
フィードの終了時でも、ポットハウジングが空になることが十分に阻止される。
なぜならば、ポットハウジングが空になることは、前段と主段との間のシール箇
所を介してしか可能でなく、このことが最適なシールによって阻止され得るから
である。また、ポットハウジングの良好な残分吸出も本発明により実施可能であ
る。

【０００７】 側路型ポンプの適当な寸法設定により、特にフィードポンプのポンプ回転車の
適当な直径により、フィードポンプにおける前記前段の圧送出力を、上昇管が直
接に側路型ポンプによって充填されるように選択することができる。

【０００８】 しかし、側路型ポンプの出口と上昇管との間にジェットノズルもしくは噴流ノ
ズルが配置されていると特に有利である。この噴流ノズルは、側路型ポンプの圧
送速度が過度に小さい場合にポットハウジングの充填速度を高める。その場合、
噴流ノズル内の圧力を側路型ポンプによって簡単に形成することができる。この
場合に必要となる圧力は、前段として作用する側路型ポンプによって大きな精度
で形成され得る。このことはポットハウジング充填速度の改善をもたらす。

【０００９】 燃料によって駆動される車両の停止状態でのポットハウジング内の燃料損失を
回避するためには、フィードポンプのポンプ回転車が、フィードポンプの吸込カ
バーに設けられた、隣接した対応する面に十分に平らに載着するように側路型ポ
ンプがフィードポンプのポンプ回転車に組み込まれていると有利である。これに
より、主段の最適なシールが達成されるだけではなく、前段に対する主段のシー
ルも保証されるので有利である。場合によっては発生する軸方向力を回避するた
めには、ポンプ回転車の載着面の範囲に複数の圧力ポケットが設けられていてよ
い。圧力ポケットはポンプ回転車における圧力差によって軸方向での力補償を可
能にし、これにより摩擦力の発生が減少し、ひいては効率の改善が得られる。

【００１０】 本発明の有利な構成に関する前記特徴および別の特徴は特許請求の範囲の他に
明細書本文の記載および図面からも明らかであり、その場合、個々の特徴はそれ
ぞれ単独でまたは互いに組み合わされた形で実現されていてよい。

【００１１】 実施例の説明 図１には、公知先行技術に基づき公知の燃料フィードモジュールが示されてお
り、この場合、フィード装置２を備えた燃料タンク１の縦断面図が示されている
。フィード装置２は上方から燃料タンク１の開口３を通じて燃料タンク１内に挿
入することができる。開口３はタンクフランジ４によって閉鎖可能である。タン
クフランジ４には、フィード管路（図示しない）のための接続管片５が設けられ
ている。このフィード管路は自動車の内燃機関へ通じていて、矢印６で示した方
向で燃料を圧送する。さらに、タンクフランジ４には、内燃機関から到来した燃
料戻し管路７のための接続部と、圧力レギュレータ４２とが設けられている。本
発明を理解するために、燃料戻し管路および圧力レギュレータの機能形式につい
ては詳しく説明する必要はない。

【００１２】 フィード装置２は下側の範囲にフィードポンプ８を有しており、このフィード
ポンプ８は燃料タンク１の底部範囲から前置フィルタ９を介して燃料を吸い込む
。フィードポンプ８は電動モータ１０によって駆動される。この電動モータ１０
はフィードポンプ８の上方で、ハウジングとしてのフィルタポット１１内に中央
で位置している。電動モータ１０には、カバー１３に設けられた接続線路１２を
介して所要の電気エネルギが供給される。図１では、公知先行技術に基づき公知
のフィードポンプがポンプインペラもしくはポンプ回転車２７を備えており、こ
の場合、燃料はポンプ室２８に設けられた主段で圧送される。

【００１３】 フィードポンプ８のこの主段で圧送された燃料は電動モータ１０の上方で逆止
弁３０に到達する。この逆止弁３０は、燃料が十分に充填されると、ばね３１の
圧力に抗して従動して、矢印１８で示すように燃料を外側の室１７内へ流入させ
、ひいてはフィルタポット１１内に設けられた主フィルタエレメント１９の流入
側へ流入させる。主フィルタエレメント１９もしくはフィルタポット１１はリン
グパッキン２０を介して、流入側の外側の室１７と内側の室２１とに分割されて
いる。内側の室２１からは、通流された主フィルタエレメント１９によって濾過
された燃料が接続管片２２へ流れる。

【００１４】 接続管片２２には管接続部２３が接続されており、この管接続部２３はタンク
フランジ４への接続を形成するので、燃料は矢印２４および矢印６で示すように
、フィルタポット１１内の内側の室２１から外側のフィード管路へ流入すること
ができる。燃料戻し管路７も、管接続部２５を介して燃料タンク１の接続管片２
６に接続されている。

【００１５】 図２には、フィードポンプ８の本発明による改良形が示されている。このフィ
ードポンプ８は図１に示した公知のフィードポンプ８に比べて、前段３２が側路
型ポンプを形成するための前段３２の分だけ拡張されている。この場合、ポンプ
回転車２７には主段２８が、公知先行技術の場合と同様の形式で実現されている
。しかし、フィードポンプ８の吸込カバー３３には、タンク底部から前段３２に
よって吸い込まれる燃料のための入口３４が設けられている。この燃料は前段３
２のポンプ室内で、ポンプ回転車２７によって液体圧の増大下に出口３５へ圧送
される。

【００１６】 前段３２は、片側で開かれた側路型ポンプとしてポンプ回転車２７内に形成さ
れている。この前段３２の構成は、ポンプ回転車２７で入口３４に面した側、つ
まりタンク底部に面した側で開かれている。これにより、フィード装置の休止状
態では、ポンプ回転車２７が静圧に基づきフィードポンプ８の吸込カバー３３に
圧着される。したがって、主段２８は前段３２へ向かってシールされている。燃
料がポットハウジング４０から前段３２を介してタンク底部へ逆流することはも
はや生じない。前段３２と主段２８との間の軸方向ギャップは、ポンプ回転車２
７の重力と静圧とによってシールされる。このためには、両方の面が互いに密に
載着することができなければならない。

【００１７】 前段３２の、ポンプ回転車２７にセグメントの形で円形に延びるポンプ室は、
主段２８および前段３２の吸込範囲もしくは低圧範囲が互いに対向して位置する
ように前段３２のポンプ室が主段２８のポンプ室に隣接するように設置されると
有利である。したがって、両ポンプ室の間の漏れ損失を十分に阻止することがで
きる。なぜならば、前段３２の相対的に短いポンプ室が、主段２８の比較的高い
圧力を有する範囲に突入するようには延びていないからである。

【００１８】 この燃料は出口３５から噴流ノズル３６によって側管３７へ案内され、さらに
この側管３７を通って矢印３８で示すようにポットハウジング４０内へ案内され
る。前段３２におけるポンプ室とポンプ回転車２７の直径との適当な寸法決めに
よって、この前段３２の圧送効率を、図示していない構成においてポットハウジ
ング４０が直接的にも、つまり噴流ノズル３６なしでも充填されるように選択す
ることができる。

【００１９】 フィードポンプ８のハウジングおよび特に吸込カバー３３に対するポンプ回転
車２７の載着面４１は、十分に平らに形成されており、これにより、フィードポ
ンプ８におけるできるだけ少ない燃料損失が予想され得ることを確保することが
できる。さらに、ポンプ回転車２７に、場合によっては過度に大きな軸方向力が
発生することを回避するために、ポンプ回転車２７とフィードポンプ８のハウジ
ングとの間に圧力ポケット３９を設けることもできる。この軸方向力は、吸込カ
バー３３に接触している側における圧力に比べて、ポンプ回転車２７の上側にお
ける燃料の圧力が高いことによって生じる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 公知先行技術によるフィードポンプを備えた燃料フィードモジュールを示す図
である。

【図２】 側路型ポンプを備えたフィードポンプの本発明の１実施例を示す図である。

【符号の説明】

１ 燃料タンク、 ２ フィード装置、 ３ 開口、 ４ タンクフランジ、
５ 接続管片、 ７ 燃料戻し管路、 ８ フィードポンプ、 ９ 前置フィ
ルタ、 １０ 電動モータ、 １１ フィルタポット、 １２ 接続線路、 １
３ カバー、 １７ 室、 １９ 主フィルタエレメント、 ２０ リングパッ
キン、 ２１ 室、 ２２ 接続管片、 ２３ 管接続部、 ２５ 管接続部、
２６ 接続管片、 ２７ ポンプ回転車、 ２８ 主段、 ３０ 逆止弁、
３１ ばね、 ３２ 前段、 ３３ 吸込カバー、 ３４ 入口、 ３５ 出口
、 ３６ 噴流ノズル、 ３７ 側管、 ３９ 圧力ポケット、 ４０ ポット
ハウジング、 ４１ 載着面、 ４２ 圧力レギュレータ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＢＲ，ＪＰ，Ｋ Ｒ，ＵＳ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料のためのフィード装置であって、 電動モータ（１０）により駆動されるフィードポンプ（８）が設けられており
   、 電動モータ（１０）と、フィードポンプ（８）と、フィルタ装置（９，１９）
   とを収容するためのハウジング（１１）が設けられており、 前記フィルタ装置（９，１９）が、燃料の流れで見てフィードポンプ（８）の
   上流側および／または下流側に配置されており、フィードポンプ（８）が、燃料
   の主流を、フィルタポットに設けられた中央の切欠きを通じて前記フィルタ装置
   （９，１９）の主フィルタ（１９）の流入側へ圧送するようになっており、さら
   に、フィードポンプ（８）に前段（３２）として側路型ポンプが配置されている
   形式のものにおいて、前段（３２）が、燃料を前置フィルタ（１９）の下流側で
   上昇管（３７）とポットハウジング（４０）とを介して主段（２８）の吸込範囲
   へ圧送するようになっており、前段（３２）が、フィードポンプ（８）のポンプ
   回転車（２７）に、タンク底部（４３）に面した側で、片側で開かれた側路型ポ
   ンプとして形成されていることを特徴とする、燃料のためのフィード装置。
2. 【請求項２】 吸込カバー（３３）の、ポンプ回転車（２７）に面した面と
   、ポンプ回転車（２７）の、吸込カバー（３３）に面した面とが、特に前段（３
   ２）と主段（２８）との間の範囲で、互いに密に載着するようになっている、請
   求項１記載のフィード装置。
3. 【請求項３】 側路型ポンプが、フィードポンプ（８）のポンプ回転車（２
   ７）に組み込まれており、該ポンプ回転車（２７）が、フィードポンプ（８）の
   ハウジングの吸込カバー（３３）に設けられた対応する面にほぼ平らに載着して
   いる、請求項１または２記載のフィード装置。
4. 【請求項４】 ポンプ回転車（２７）の載着面の範囲に圧力ポケット（３９
   ）が設けられている、請求項１から３までのいずれか１項記載のフィード装置。
5. 【請求項５】 前段（３２）の吸込範囲と主段（２８）の吸込範囲とが互い
   に対向して位置するように、前段（３２）のポンプ室が主段（２８）のポンプ室
   に隣接して配置されている、請求項１から４までのいずれか１項記載のフィード
   装置。
6. 【請求項６】 側路型ポンプの出口と上昇管（３７）との間に噴流ノズル（
   ３６）が配置されており、該噴流ノズル（３６）内の圧力が側路型ポンプによっ
   て形成可能である、請求項１から５までのいずれか１項記載のフィード装置。