JP2002535014A - 癌の遺伝マーカーを生物学的サンプルにおいて検出するための核酸配列 - Google Patents

癌の遺伝マーカーを生物学的サンプルにおいて検出するための核酸配列

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Abstract

(57)【要約】 前立腺特異抗原(PSA)、前立腺特異膜抗原(PSMA)又はヒトカリクレイン2(hK2)をコードするヒト前立腺関連遺伝マーカーをコードする核酸、特にmRNAの存在を検出するための核酸配列が開示される。ターゲット配列の増幅と増幅された配列の検出を含む方法に使用される、前立腺関連遺伝マーカーRNAを増幅して検出する核酸配列の好ましい組み合わせが開示される。前立腺関連遺伝マーカーの核酸、特にmRNAの存在を非前立腺起源の生物学的サンプルにおいて検出する方法が開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、癌マーカーとして役立つ核酸の、生物学的サンプルにおける検出に
関し、特に、生物学的サンプルにおいて個別又は一緒に存在するときに生物体の
癌、特に前立腺癌及び乳癌の存在を指示する、前立腺特異抗原(PSA)、前立
腺特異膜抗原(PSMA)、及び/又はヒト腺カリクレイン(hK2)をコード
する核酸を特異的に検出する方法に関する。
【0002】 発明の背景 前立腺癌は、男性、特に60歳以上の男性の主要な死因である。この癌の生物
学的攻撃性は個体間で大きく異なり、臨床上の重大性に進展しない潜在腫瘍とし
てとどまる癌もあれば、2〜3年以内に致命的な疾患へ急速に進行して転移する
癌もある。前立腺腫瘍の臨床診断及び段階付けは、指直腸診(DRE)、コンピ
ュータ断層撮影(CT)スキャン及び/又は直腸内磁気共鳴画像(MRI)に基
づいている。さらに、前立腺組織に特異的であるか又は高度に発現されている分
子マーカーを有する細胞の検出が診断に使用されてきた。
【0003】 前立腺特異抗原(PSA)は前立腺の上皮細胞において高濃度で産生されて前
立腺の管へ分泌されるプロテアーゼである。PSAは前立腺癌(前立腺の腺癌)
を検出するための分子マーカーである。前立腺の酸ホスファターゼ(PAP)は
、前立腺転移を検出するための血清マーカーとして使用されているもう1つの分
泌酵素である。前立腺特異膜抗原(PSMA)は、骨及びリンパ節の転移を含む
前立腺癌組織においてやはり高度に発現されていて、特徴づけられ、単離され、
そしてそれをコードする遺伝子がクローン化されている(Israeli et al., への
米国特許第5,538,866号;O'Keefe D. S. et al., 1998, Biochim. Bio
phys. Acta 1443 (1-2): 113-127)。ヒト腺カリクレイン−2(hK2)は、前
立腺癌に結びつけられているもう1つの前立腺関連タンパク質である(Partin A
. W. et al., 1999, Urology 54 (5): 839-845; Darson M. F. et al., 1999, U
rology 53 (5): 939-944)。
【0004】 研究者たちはまた前立腺特異マーカーの存在を乳房組織及び/又は乳房分泌物
と関連づけてきた(Yu H. & Berkel H., 1999, J. La. State Med. Soc. 151 (4
): 209-213)。例えば、良性又は悪性の乳房腫瘍と乳房の嚢胞液におけるPSA
の検出が明示されている(Diamandis, E. P. et al., 1994, Breast Cancer Res
. Treat. 32: 291-300; Yu, H. et al., 1994, Clin. Biochem. 27: 75-79; Mon
ne, M. et al., 1994, Cancer Res. 54: 6344-6347; Malatesta M. et al., 199
9, Breast Cancer Res. Treat. 57(2): 157-163; Romppanen J. et al., 1999,
Br. J. Cancer 79 (9-10): 1583-1587)。ヒトカリクレイン−2も乳房腫瘍と正
常な乳房分泌物に発現されている(Black M. H. et al., 2000, Br. J. Cancer
82 (2): 361-367)。乳癌には米国女性人口の約10%が罹患し、したがって、
この疾患に関連した癌マーカーの検出には臨床上の有用性がある。
【0005】 前立腺癌又は乳癌のような癌が臓器内にとどまり、局部侵襲性である(つまり
、前立腺癌では、被膜又は精嚢に浸透している)か、又は離れた部位へ転移して
いるかを決定することは、癌の予後判定と適切な治療法の決定の両方に重大な影
響を及ぼす。従って、癌の転移を検出する有効な方法は医学的に重要である。例
えば、前立腺癌の骨組織又は骨盤リンパ節への転移を検出することがこの疾患の
進行を段階づけるのに使用されてきた。これらの部位にある転移性の前立腺癌細
胞は、組織学的検査、PSA特有の免疫細胞学、又はPSA・mRNAを検出す
る逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)(Deguchi, T. et al.,
1993, Cancer Res. 53: 5350-5354)により検出され得る。前立腺癌細胞はまた
、血流に入ることで遠い部位へ広がり、そこでこの細胞は転移が成立し得ると推
定されている。検出可能な前立腺特異抗原(PSA)及び/又はPSA合成細胞
が循環血に存在していることは、潜在的な前立腺癌の転移(「血行性微小転移」
と言われる場合もある)を示唆する異常な状況である。ただし、循環する固形癌
細胞のなかで最終的に転移性の沈着物になるのはその約0.01%にすぎない(
Moreno, J. G. et al., 1992, Cancer Res. 52: 6110-6112)。同様に、女性に
おいて異常量のPSAを検出することは乳癌の存在を示す可能性がある(Yu H.
& Berkel H., 1999, J. La. State Med. Soc. 151 (4): 209-213)。
【0006】 様々な前立腺組織抗原と反応するモノクローナル抗体が開示されている(Bazi
net et al. による米国特許第4,970,299号、Freeman et al.による第
4,902,615号、Chu et al.による第4,446,122号及び再発行R
e 33,405号、McEwan et al.による第4,863,851号、Ueda et al
.による第5,055,404号、Horoszewiczによる第5,763,202号、
及び Banderによる第5,773,292号)。体液中の全PSA、フリーPS
A(α−1−アンチキモトリプシン又は「ACT」に結合していない)及びPS
A−ACT複合体を測定するためのモノクローナル抗体をベースとした免疫アッ
セイが、良性前立腺肥大症(BHP)の患者と前立腺癌の患者とを区別するため
の診断法として開示されている(Lilja et al.による米国特許第5,614,3
72号、Luderer et al.による米国特許第5,698,402号及び第5,71
0,007号)。他の既知の免疫アッセイは血清の全PSAを測定し、血清中の
フリーPSAとPSA−タンパク質複合体を区別するが、前立腺癌患者の血清で
は後者がより高い濃度になる傾向がある(Dowell et al.による米国特許第5,
672,480号)。羊水のPSA濃度も、抗体をベースとするアッセイにより
判定されるように、胎児の異常を示唆するものとして妊娠期間に関連づけられて
いる(Diamandisによる米国特許第5,579,534号)。
【0007】 末梢血におけるPSA−合成細胞のRT−PCR検出も、D1〜D3段階の病
態、及び前立腺腫瘍細胞による被膜浸透と関連づけられている(Moreno, J. G.
et al., 1992, Cancer Res. 52: 6110-6112; Katz, A. E. et al., 1994, Urolo
gy 43: 765-775; Croce et al.による米国特許第5,506,106号、5,6
88,649号及び5,674,682号;Vessella, R. L. et al., 1992, Pr
oc. Am. Soc. Cancer Res. 33: Abstract No. 2367; Diamandis, E. P. & Yu, H
., 1995, Clin. Chem. 41: 177-179)。一般に、RT−PCRアッセイは、血液
サンプルからRNAを得ること、このRNAをcDNAへ逆転写すること、PS
A遺伝子の様々な個別領域に相補的なプライマー対を使用してこのcDNAを増
幅させること、及び特定サイズのDNAをゲル上で観察することによってこの増
幅されたDNAの存在を証明することに基づく。DNAのPCR増幅は、繰り返
される連続の熱変性、プライマーアニーリング及び合成の諸工程を必要とする(
Mullis et al.による米国特許第4,683,195号、4,683,202号
及び4,800,159号)。増幅されたDNAはまた、制限エンドヌクレアー
ゼ消化、PSA特異オリゴヌクレオチドを用いたプロービング(例、サザンブロ
ッティング)、及び/又はDNA配列決定によりさらに特徴づけられる場合があ
る。他のタイプの固形腫瘍(メラノーマ、神経芽細胞腫、乳癌、頚部癌)の微小
転移も他の細胞マーカーについてのRT−PCRアッセイを使用して検出されて
いる(Wu, A. et al., 1990, US & Can. Acad. Pathol. Ann. Mtg., Abstract N
o. 641.; Smith B. et al., 1991, Lancet 338: 1227-1229; Naito, H. et al.,
1991, Eur. J. Cancer 27: 762-765; Mattano, Jr., L. A. et al., 1992, Can
cer Res. 52: 4701-4705; Sobel et al.による米国特許第5,543,296号
及び5,766,888号)。
【0008】 PSAは腺カリクレインとして知られるセリンプロテアーゼ群のメンバーであ
る。ヒトカリクレインには、膵臓/腎臓カリクレイン(hK1)、前立腺特異腺
カリクレイン(hK2又はHPSK)及びPSA(hK2としても知られている
)が含まれ、関連する遺伝子(それぞれhKLK1、hKLK2及びhKLK3
又はPSA)によりコードされる。上記タンパク質及び遺伝子の化学的及び構造
上の類似性のために、免疫アッセイにおいて個々のタンパク質を、核酸検出法に
おいて個々の遺伝子又はその対応するmRNAを区別し得ることが重要である。
hK2の発現は前立腺癌及び乳癌と関連づけられてきた(Black M. H. et al.,
2000, Br. J. Cancer 82 (2): 361-367; Partin A. W. et al., 1999, Urology
54 (5): 839-845; Darson M. F. et al., 1999, Urology 53 (5): 939-944)。
ヒト前立腺特異腺カリクレインと特異的に反応してPSAとは反応しない抗体(
抗hK2)が記載されている(Tindall et al.による米国特許第5,516,6
39号; Bandman et al.による米国特許第5,786,148号)。ヒトカリ
クレインの遺伝子配列が知られている(Bandman et al.による米国特許第5,7
86,148号;GenBank受入れ番号NM005551、M21895、
M27274、M24543、M21897、M26663、M21896、S
75755、U17040、S39329及びM18157)。
【0009】 RT−PCRアッセイにおけるPSA・mRNAの増幅とDNA産物の検出に
有用な核酸配列がいくつか記載されている(例えば、Deguchi, T. et al., 1993
, Cancer Res. 53: 5350-5354; Katz, A. E. et al., 1994, Urology 43: 765-7
75; Moreno, J. G. et al., 1992, Cancer Res. 52: 6110-6112; Croce et al.
による米国特許第5,506,106号、5,688,649号及び5,674
,682号)。前立腺組織外の部位にある前立腺関連遺伝マーカー(例、PSA
、PSMA及び/又はhK2)の検出は、特に男性の前立腺癌と男性及び女性の
乳癌の癌転移を検出し、それにより適切な治療法を示すことに有用である。この
ように、前立腺関連遺伝マーカー、即ち、診断情報を提供する特定mRNAの配
列の遺伝的な発現の存在を特異的に検出するのに使用される核酸配列及び方法に
ついての臨床上のニーズが存在する。微小転移において出現するような、このm
RNAを含有する比較的少数の細胞を生物学的サンプルにおいて検出するのに有
用なレベルで上記の前立腺関連マーカーmRNAを検出することについて、特に
ニーズが存在する。
【0010】 発明の概要 本発明は、前立腺特異抗原(PSA)をコードする核酸、特にmRNAを非前
立腺の生物学的サンプルにおいて検出及び/又は定量するためのアッセイ法に向
けられている。特に、本発明には、PSA特異核酸を増幅して、増幅されたそれ
にハイブリダイズするのに有用な好ましい核酸配列が含まれる。
【0011】 本発明の1つの側面によれば、SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO
:43のいずれか1つの配列を有するオリゴヌクレオチドが提供される。 本発明のもう1つの側面は、SEQ ID NO:15〜SEQ ID NO
:43のいずれか1つの配列からなるターゲット結合配列、並びに所望により増
幅反応に必要とされる隣接配列を含んでなるオリゴヌクレオチドである。好まし
い態様では、増幅反応に必要とされる隣接配列はポリメラーゼ結合配列であり、
より好ましくは、このポリメラーゼ結合配列はT7・RNAポリメラーゼに結合
する。好ましい態様は、SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:14の
いずれか1つである配列を有するオリゴヌクレオチドである。
【0012】 本発明のもう1つの側面は、前立腺特異抗原(PSA)のターゲット核酸配列
に特有の検出アッセイに使用されるオリゴヌクレオチドの組み合わせである。こ
の組み合わせは、PSA発現遺伝子配列のエクソンに含まれる第一のPSA特異
配列と特異的にハイブリダイズするか、又はPSA発現遺伝子配列の2つのエク
ソンを連結する結合点に及ぶ、第一の増幅プライマ―として役立つ第一のオリゴ
ヌクレオチド;PSA発現遺伝子配列のエクソンに含まれる、別の、重複しない
第二のPSA特異配列と特異的にハイブリダイズするか、又はPSA発現遺伝子
配列の2つのエクソンを連結する結合点に及ぶ、第二の増幅プライマ―として役
立つ第二のオリゴヌクレオチド;及びPSA発現遺伝子配列の1つまたはそれ以
上のエクソンに含まれる第三のPSA特異配列と特異的にハイブリダイズする、
検出プローブとして役立つ第三のオリゴヌクレオチドを含む。好ましくは、第一
のPSA特異配列は、PSAのエクソン2、エクソン3若しくはエクソン4に含
まれるか、又はエクソン2及び3、又はエクソン3及び4を連結する結合点に及
ぶ配列である。好ましくは、第二のPSA特異配列は、PSAのエクソン3、エ
クソン4若しくはエクソン5に含まれるか、又はエクソン3及び4若しくはエク
ソン4及び5を連結する結合点に及ぶ配列である。好ましくは、第三のPSA特
異配列は、PSAのエクソン2、エクソン3、エクソン4若しくはエクソン5の
内部に含まれるか、又はPSAのエクソン2及び3、エクソン3及び4、若しく
はエクソン4及び5を連結する結合点に及ぶ。特に好ましいオリゴヌクレオチド
の組み合わせは、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、SE
Q ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:21
及びSEQ ID NO:26からなる群から選択される配列を含んでなる第一
のオリゴヌクレオチド;SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:31
、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO
:34、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID
NO:38、SEQ ID NO:40及びSEQ ID NO:41からな
る群から選択される配列を含んでなる第二のオリゴヌクレオチド;及び、SEQ
ID NO:1、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ
ID NO:4、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:6、SEQ
ID NO:8及びSEQ ID NO:14からなる群から選択される配列
を含んでなる第三のオリゴヌクレオチドである。追加の好ましい第一、第二、及
び第三のオリゴヌクレオチドの組み合わせは、その順で、以下の配列を有する: SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:30及びSEQ ID N
O:1; SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:30及びSEQ ID N
O:1; SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:30及びSEQ ID N
O:1; SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:35及びSEQ ID N
O:1; SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:30及びSEQ ID N
O:4; SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:30及びSEQ ID N
O:5; SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:30及びSEQ ID N
O:6; SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:31及びSEQ ID N
O:2; SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:31及びSEQ ID N
O:3; SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:33及びSEQ ID N
O:2; SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:33及びSEQ ID N
O:3; SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:32及びSEQ ID N
O:2; SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:32及びSEQ ID N
O:3; SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:34及びSEQ ID N
O:2; SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:34及びSEQ ID N
O:3; SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:37及びSEQ ID N
O:8; SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:38及びSEQ ID N
O:8; SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:37及びSEQ ID N
O:8; SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:38及びSEQ ID N
O:8; SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:40及びSEQ ID N
O:14; SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:37及びSEQ ID N
O:14; SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:41及びSEQ ID N
O:14; SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:40及びSEQ ID N
O:8; SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:41及びSEQ ID N
O:8; SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:37及びSEQ ID N
O:8; SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:40及びSEQ ID N
O:8;又は SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:41及びSEQ ID N
O:8。
【0013】 第一、第二及び第三のオリゴヌクレオチドの特に好ましい組み合わせは、その
順で、以下の配列を有する: SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:30及びSEQ ID N
O:1; SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:30及びSEQ ID N
O:1; SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:37及びSEQ ID N
O:8; SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:40及びSEQ ID N
O:14; SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:41及びSEQ ID N
O:14; SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:37及びSEQ ID N
O:8; SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:40及びSEQ ID N
O:8;又は SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:41及びSEQ ID N
O:8。
【0014】 他の態様では、第一、第二及び第三のオリゴヌクレオチドの組み合わせは、少
なくとも1つのヘルパープローブオリゴヌクレオチドをさらに包含する。ある組
み合わせに包含される好ましいヘルパープローブオリゴヌクレオチドは、SEQ
ID NO:27又はSEQ ID NO:28の配列を有するオリゴヌクレ
オチド、又はこれらの配列を有するオリゴヌクレオチドの組合せからなる。第一
、第二、及び第三のオリゴヌクレオチド、及びヘルパープローブオリゴヌクレオ
チドの特に好ましい組み合わせは、その順で、以下の配列を有する: SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO
:8及びSEQ ID NO:27; SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO
:8、SEQ ID NO:27及びSEQ ID NO:28; SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO
:8、SEQ ID NO:27及びSEQ ID NO:28; SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO
:8、SEQ ID NO:27及びSEQ ID NO:28; SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO
:8、SEQ ID NO:27及びSEQ ID NO:28; SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:43、SEQ ID NO
:8、SEQ ID NO:27及びSEQ ID NO:28;又は SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO
:8、SEQ ID NO:27及びSEQ ID NO:28。
【0015】 より好ましくは、第一、第二、及び第三のオリゴヌクレオチド、及びヘルパー
プローブオリゴヌクレオチドの特に好ましい組み合わせは、その順で、以下の配
列を有する: SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO
:8、SEQ ID NO:27及びSEQ ID NO:28; SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO
:8、SEQ ID NO:27及びSEQ ID NO:28; SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO
:8、SEQ ID NO:27及びSEQ ID NO:28;又は SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO
:8、SEQ ID NO:27及びSEQ ID NO:28。
【0016】 本発明の1つの側面は、前立腺特異抗原(PSA)、前立腺特異膜抗原(PS
MA)又はヒトカリクレイン2(hK2)をコードする少なくとも1つの発現遺
伝子配列の少なくとも一部が含まれるターゲット核酸を含有する核酸サンプルを
提供すること;次いで、ターゲット核酸又はその相補体と特異的にハイブリダイ
ズする配列を含有する少なくとも1つのプライマーオリゴヌクレオチドを前記タ
ーゲット核酸とハイブリダイズさせること;少なくとも1つのポリメラーゼ活性
を使用することによってターゲット核酸の複数の増幅産物を産生させること;タ
ーゲット核酸の少なくとも1つの増幅産物と特異的にハイブリダイズするプロー
ブオリゴヌクレオチドを提供すること;及び増幅産物とハイブリダイズしたプロ
ーブから生じるシグナルを検出することの工程を含んでなる、核酸を含有する生
物学的サンプルにおいて前立腺関連のターゲット核酸を検出する方法である。好
ましい態様では、少なくとも1つのプライマーオリゴヌクレオチドがSEQ I
D NO:15〜SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:46、SE
Q ID NO:48のいずれか1つの配列、又はSEQ ID NO:30〜
SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:47又はSEQ ID NO
:49のいずれか1つのターゲット結合配列を含む。1つの態様では、ターゲッ
ト核酸がPSA・mRNAであり;少なくとも1つのプライマーオリゴヌクレオ
チドが、PSA・mRNAの少なくとも一部に相補的な配列とプロモーター配列
である配列とからなるプロモーター−プライマーオリゴヌクレオチド、及び、P
SA・mRNAに相補的な核酸鎖と特異的にハイブリダイズする少なくとも1つ
のプライマーオリゴヌクレオチドを含み;及び、プローブオリゴヌクレオチドが
PSA・mRNAの増幅産物と同じであるセンスのそれと特異的にハイブリダイ
ズする。好ましくは、プロモーター−プライマーオリゴヌクレオチドがSEQ
ID NO:30〜SEQ ID NO:43のいずれか1つの配列を含み、及
び、PSA・mRNAに相補的な核酸鎖と特異的にハイブリダイズするプライマ
ーオリゴヌクレオチドがSEQ ID NO:15〜SEQ ID NO:29
のいずれか1つの配列を含む。もう1つの態様では、ターゲット核酸がPSMA
・mRNAであり;少なくとも1つのプライマーオリゴヌクレオチドが、PSM
A・mRNAの少なくとも一部に相補的な配列とプロモーター配列である配列と
からなるプロモーター−プライマーオリゴヌクレオチド、及び、PSMA・mR
NAに相補的な核酸鎖と特異的にハイブリダイズする少なくとも1つのプライマ
ーオリゴヌクレオチドを含み;及び、プローブオリゴヌクレオチドがPSMA・
mRNAの増幅産物と同じであるセンスのそれと特異的にハイブリダイズする。
好ましくは、プロモーター−プライマーオリゴヌクレオチドがSEQ ID N
O:49の配列を含み、及び、PSMA・mRNAの増幅産物と同じであるセン
スのそれと特異的にハイブリダイズするプライマーオリゴヌクレオチドがSEQ
ID NO:48の配列を含む。もう1つの態様では、ターゲット核酸がhK
2・mRNAであり;少なくとも1つのプライマーオリゴヌクレオチドが、hK
2・mRNAの少なくとも一部に相補的な配列とプロモーター配列である配列と
からなるプロモーター−プライマーオリゴヌクレオチド、及び、hK2・mRN
Aに相補的な核酸鎖と特異的にハイブリダイズする少なくとも1つのプライマー
オリゴヌクレオチドを含み;及び、プローブオリゴヌクレオチドがhK2・mR
NAの増幅産物と同じであるセンスのそれと特異的にハイブリダイズする。好ま
しくは、プロモーター−プライマーオリゴヌクレオチドがSEQ ID NO:
47の配列を含み、及び、hK2・mRNAの増幅産物と同じであるセンスのそ
れと特異的にハイブリダイズするプライマーオリゴヌクレオチドがSEQ ID
NO:46の配列を含む、請求項14に記載の方法である。好ましくは、検出
工程が、SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:14、SEQ ID
NO:27、SEQ ID NO:28又はSEQ ID NO:50のいずれ
か1つの配列からなる少なくとも1つのプローブオリゴヌクレオチドを使用する
。この方法の1つの態様は、PSAをコードする発現遺伝子配列とPSMA又は
hK2をコードする少なくとも1つの発現遺伝子配列についてアッセイすること
を含む。好ましい態様では、核酸サンプルは、ヒト前立腺組織、末梢血、乳房組
織、腎臓組織、小腸、肺組織、肝臓組織又はリンパ節から単離したRNA、より
好ましくはmRNAである。好ましい態様では、検出工程は均質な検出アッセイ
におけるシグナルを検出する。
【0017】 発明の詳細な説明 本発明には、ヒトPSA遺伝子のセグメントに特有の核酸配列が含まれ、これ
は前立腺組織からは採取されない生物学的サンプルから調製された核酸において
PSA特異配列を検出する方法に使用される。さらに本発明には他の前立腺関連
遺伝マーカーであるヒトPSMA遺伝子及びhK2遺伝子のセグメントに特有の
核酸配列が含まれ、これらは、乳房組織を含む非前立腺組織の生物学的サンプル
から調製された核酸において、有用な癌検出マーカーである前立腺関連配列を検
出する方法に使用される。この非前立腺組織には、例えば、血液、リンパ節、乳
房又は乳房の嚢胞、腎臓、肝臓、肺、筋肉、胃又は小腸の組織が含まれる。本発
明には、非前立腺組織内のPSA特異配列、PSMA及び/又はhK2配列を個
別にか又は一緒に増幅して検出するための核酸配列群を組み合わせる好ましい方
法も含まれる。この好ましい方法では、加熱サイクリングを必要とせずにPSA
、PSMA及び/又はhK2のmRNA配列が増幅され、この増幅された配列が
均質アッセイ系において検出される。この方法には、末梢血、リンパ節又は骨髄
のような非前立腺組織サンプルに由来するRNAサンプルを調製するための単純
化された方法が場合により含まれるが、他の非前立腺組織も使用され得る。好ま
しいRNA調製法は比較的単純であり、生物学的サンプルにおいて比較的少ない
量で出現するmRNA種の分析及び検出に適したRNAを提供する。
【0018】 ヒトPSA遺伝子の配列は知られていて、数多くのデータベースで利用可能で
ある(GenBank及びEMBLデータベース、受入れ番号:AF00754
4、X05332、M26663、X07730、M21895、M21896
、M21897、S75755、U17040、X13942、X14810、
M24543、M27274;「X」ではじまる受入れ番号はEMBLデータベ
ースの配列を示す)。ヒト腺カリクレイン−1に関連する遺伝子の配列(Acc
.No.S39329)も、ヒト前立腺特異膜抗原配列(GenBank Ac
c.No.M99487)と同じように知られている。図1に示すように、PS
A及びカリクレイン−1の遺伝子は類似の構造特性を共有し、4個の内部イント
ロン(I1〜I4と表示)により分離された5個のエクソン(E1〜E5と表示
)が含まれる。非翻訳5’及び3’領域を含むPSA遺伝子の完全な配列は約6
.8kbに及ぶ。PSA遺伝子と他のカリクレイン遺伝子ファミリーメンバーと
の構造及び配列上の類似性のために、PSA特異プライマー及びプローブとして
役立つ好適なPSA配列部分は、非前立腺組織サンプルにあるPSA特異核酸を
増幅して検出する方法にきわめて重要である(即ち、カリクレイン核酸の増幅及
び/又は検出から生じる偽陽性を回避するために)。PSA特異配列を検出する
のに使用される本発明の好ましいプローブ、プライマー及びプロモーター−プラ
イマーを(そのSEQ ID NO:とともに)表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】 図2〜4は、発現されるヒトPSA遺伝子配列(HSPSAR,Acc.No
.X05332の1,466bp)に比較した上記配列の相対位置を示し、エク
ソンとイントロンスプライス部位の相対位置を図の下に示す。図2を参照すると
、SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:5とSEQ ID NO:7
〜SEQ ID NO:14の配列を有するプローブの相対位置が示される。上
記の好ましいプローブは、エクソン2、3及び4においてPSA配列に特異的で
ある。PSAのイントロン3配列(SEQ ID NO:6)に特有のプローブ
は図2に示されていない。図3を参照すると、SEQ ID NO:15〜SE
Q ID NO:29の配列を有するプライマーの相対位置が示される。これら
の好ましいプライマーは、エクソン2、3、4において、及びスプライス連結部
(SEQ ID NO:28)を含んで広がるエクソン2及び3において、PS
A配列に特異的である。図4を参照すると、SEQ ID NO:30〜SEQ
ID NO:43の配列を有するプロモーター−プライマーのターゲット結合
配列の相対位置が示される。これらの好ましいターゲット結合配列はエクソン3
、4、5においてPSA配列に特異的である。
【0022】 hK2配列を増幅して検出するのに好ましいプライマーは、GTCAGAGC
CTGCCAAGATCACAG(SEQ ID NO:46)の配列を有し、
好ましいプロモーター−プライマーは、TAAATTAATACGACTCAC
TATAGGGAGACCACCAGCACACAACATGAACTCTGT
C(SEQ ID NO:47)の配列を有する。増幅されたhK2配列を検出
するのに適した標識プローブは、表1に示したSEQ ID NO:1の配列を
使用する。
【0023】 PSMA配列を増幅して検出するのに好ましいプライマーは、CAGATAT
GTCATTCTGGGAGGTC(SEQ ID NO:48)の配列を有し
、好ましいプロモーター−プライマーは、TAAATTAATACGACTCA
CTATAGGGAGACCAAATTCTTCTGCATCCCAGCTTG
C(SEQ ID NO:49)の配列と、配列CTCAGAGTGGAGCA
GCTGTTGTTC(SEQ ID NO:50)が含まれる標識プローブを
有する。
【0024】 本発明には、PSA特異RNA種を検出して定量する方法も含まれるが、これ
が特に重要であるのは,これらのmRNA種が非前立腺組織から調製されるRN
Aサンプルでは比較的少ない量しか出現しないからである。本発明の他の態様に
は、前立腺に関連したPSMA及びhK2のRNA種を検出する方法が含まれる
が、これらが個別にか又はそれぞれ互いにか又はPSA配列とともに検出される
ときに重要になるのは、これらも非前立腺組織において見出されるときに前立腺
癌及び乳癌の癌マーカーとなるからである。さらに、上記前立腺関連マーカー(
PSA、PSMA及びhK2)を個別にか又は組み合わせて検出することが臨床
的に重要であるのは、それぞれの患者に由来する癌が1種又はそれ以上のマーカ
ーを発現する場合があるので、この諸マーカーの1つ又はそれ以上を検出するこ
とで、たった1つのマーカーの存在だけを試験した場合に得られるかもしれない
偽陰性の可能性が減らせるからである。上記の方法は、前立腺の生検を必要とし
ない医学的診断と前立腺癌の治療に対する患者の応答を臨床的にモニターするの
に有用である。この方法は、PSA特異mRNAのような前立腺関連RNAの比
較的低いレベルの存在を検出するのに十分な感度があるので、それらは前立腺癌
及び/又は乳癌の再発又は転移を検出するのに有用である。本方法のもう1つの
利点は、ターゲット配列の様々なエクソンに特異的な増幅プライマーが、スプラ
イスされて近傍にあるエクソンが連結したmRNAだけを増幅するので、それに
より、生物学的サンプル中に混在しているゲノムDNAから生じる可能性のある
偽陽性の増幅及び検出をなくせることである。本発明のそのような態様では、ゲ
ノム配列のエクソンがイントロン配列により分かれているために、2つのプライ
マー結合部位間の全領域が効率よく増幅されないので、ゲノムDNAの検出が除
外され、従って検出されない。
【0025】 本発明には、PSA、PSMA及びhK2核酸配列に特異的なマーカーを含む
、ヒト前立腺関連遺伝マーカーを増幅して検出するための核酸配列の好ましい組
み合わせも含まれる。
【0026】 本明細書の随所で提供される定義に加え、いくつかの用語を以下のように定義
した。他に示すか又は定義することがなければ、本明細書に使用されるあらゆる
科学及び技術の用語は、当業者により通常理解されるのと同じ意味を有する。本
明細書に使用される多くの用語の一般的な定義については、Dictionary of Micr
obiology and Molecular Biology, 2nd ed. (Singleton et al., 1994, John Wi
ley & Sons, New York, NY), The Harper Collins Dictionary of Biology (Hal
e & Marham, 1991, Harper Perennial, New York, NY) 及び Dorland's Illustr
ated Medical Dictionary, 27th ed. (W. A. Dorland, 1988, W. B. Saunders C
o., Philadelphia, PA) に提供される。
【0027】 「ヌクレオチド配列」又は「核酸配列」は、相補的な塩基配列を有するもう1
つのDNA又はRNAの核酸鎖と水素結合し得る直線状の情報含有分子に沿った
窒素性塩基の配列を意味する。この用語は、そのような情報含有分子をヌクレオ
チドのポリマーそのものに限定することを意味せず、ポリマー内に1つ又はそれ
以上のヌクレオチド類似体又は非塩基性ユニットを含有する分子構造も包含する
。ポリマーは、糖部分又はリボース又はデオキシリボースの置換物(例えば、2
’−ハロゲン化物か、メトキシ置換されたペントース糖)を含有する塩基サブユ
ニットを含み、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、及びペプチド連結の
ような、ホスホジエステル結合以外の連結により連結される場合がある。
【0028】 「オリゴヌクレオチド」は、2種又はそれ以上の化学サブユニットのポリマー
鎖を意味し、各サブユニットは、ヌクレオチド塩基部分、糖部分、サブユニット
を線状の空間配置においてつなぐ連結部分を含んでなる。オリゴヌクレオチドは
そのようなサブユニットを1000個まで含有し得るが、一般には、約5〜約1
0個のサブユニットの下限と約20〜約1000個のサブユニットの上限範囲に
あるサブユニットを含有する。最も一般的なヌクレオチド塩基部分は、グアニン
(G)、アデニン(A)、シトシン(C)、チミン(T)及びウラシル(U)で
あるが、水素結合し得る他の稀であるか又は修飾されたヌクレオチド塩基(例、
イノシン又はI)も当業者によく知られている。最も一般的な糖部分はリボース
及びデオキシリボースであるが、2’−O−メチルリボース、ハロゲン化された
糖、及び他の修飾された異なる糖もよく知られている。連結基は通常リン含有部
分であり、普通はホスホジエステル連結であるが、他の既知のリン酸含有連結(
例、ホスホロチオエート、メチルホスホネート)と当技術分野で知られているリ
ンを含有しない連結(例えば、「ペプチド核酸」又はPNAに見出されるペプチ
ド様の連結)も含まれる。このように、PNAはこのオリゴヌクレオチドの定義
に該当すると考えられる。同様に、オリゴヌクレオチドには、少なくとも1つの
塩基部分が、例えばプロピン基の付加により修飾されたものが含まれるが、但し
、(1)修飾された塩基部分がG、A、C、T又はUと非共有結合を形成する能
力を保持すること、及び(2)少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド塩基部
分を含んでなるオリゴヌクレオチドが相補的な単鎖核酸とハイブリダイズするこ
とが立体的に妨害されないことの限りにおいてである。特定の条件(例えば、温
度、塩濃度)の下で相補的な核酸鎖とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの
能力は、当業者によく知られるように、塩基部分の配列によって支配される(Sa
mbrook, J. et al., 1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2nd ed.
(Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 特に、pp.
7.37-7.35 及び 11.47-11.57)。
【0029】 「増幅」は、意図された特定のターゲット核酸配列(PSA、PSMA又はh
K2)の少なくとも一部分を含有するターゲット核酸の多重コピーを産生するこ
とを意味する。この多重コピーはアンプリコン又は増幅産物と言われる場合があ
る。好ましくは、増幅されるターゲットは、完全なターゲット遺伝子(イントロ
ン及びエクソン)より少ない配列か、又は発現されるターゲット遺伝子配列(エ
クソン及び隣接非翻訳配列のスプライスされた転写物)を含有する。例えば、P
SA特異アンプリコンは、PSAターゲットポリヌクレオチドの内部位置にハイ
ブリダイズし、そこからポリマー化を開始する増幅プライマーを使用することに
より、PSAターゲットポリヌクレオチドの一部を増幅することによって産生し
得る。好ましくは、この増幅される部分は、様々な既知の方法のいずれかを使用
して検出され得る、検出可能なターゲット配列を含有する。
【0030】 「核酸増幅条件」は環境条件を意味し、それには、塩濃度、温度、温度サイク
リングの有無、核酸ポリメラーゼ、ヌクレオシド三リン酸、及び、核酸増幅法を
使用してターゲット核酸又はその相補鎖の多重コピーの産生を可能にする補助因
子の存在が含まれる。核酸増幅に関する多くの既知の方法では、二本鎖の核酸を
選択的に変性してプライマーをハイブリダイズするために熱サイクリングが必要
とされる。例えば、ポリメラーゼ連鎖反応又はPCR(米国特許第4,683,
195号;4,683,202号;4,800,159号;4,965,188
号)では、変性、プライマー対の反対鎖へのアニーリング、ターゲット配列のコ
ピーを指数関数的に増加させるプライマー伸長のサイクルが何度も使用される。
RT−PCRと呼ばれる変法では、逆転写酵素(RT)を使用してmRNAから
相補DNA(cDNA)をつくり、次いでこのcDNAをPCRにより増幅して
多数のDNAコピーを産生する。リガーゼ連鎖反応又はLCR(Weiss, R. 1991
, Science 254: 1292)は、ターゲット核酸の隣接領域にハイブリダイズし、D
NAリガーゼを使用して共有結合される相補的なDNAオリゴヌクレオチドの2
セットを使用し、熱変性、ハイブリダイゼーション及び連結のサイクルを繰り返
して、検出可能な二本鎖連結オリゴヌクレオチド産物を産生する。もう1つの方
法は、鎖置換増幅又はSDA(Walker, G. et al., 1992, Proc. Natl. Acad. S
ci. USA 89: 392-396; 米国特許第5,270,184号及び5,455,16
6号)であり、ここでは、ターゲット配列の反対の鎖へプライマー配列の対をア
ニールさせること、dNTP[α]Sの存在下でプライマーを伸長させ、二重鎖
の半ホスホロチオエート化されたプライマー伸長産物を産生すること、半修飾さ
れた制限エンドヌクレアーゼ認識部位をエンドヌクレアーゼ介在ニッキングする
こと、及び、ニックの3’末端からポリメラーゼ介在性のプライマー伸長を実施
して、既存の鎖を置換し、次のラウンドのプライマーアニーリング、ニッキング
及び鎖置換のために鎖を産生することのサイクルを使用して、幾何学的な増幅産
物を生じさせる。好熱性SDA又はtSDAは、本質的に同じ方法においてより
高い温度で好熱性のエンドヌクレアーゼ及びポリメラーゼを使用する(欧州特許
出願0684,315号)。他の増幅法には、核酸ベースの配列増幅又はNAS
BA(米国特許第5,130,238号)、RNAレプリカ−ゼ(Qβレプリカ
−ゼ)を使用してプローブ分子そのものを増幅する方法(Lizardi, P. et al.,
1988, BioTechnol. 6: 1197-1202)、転写ベースの増幅法(Kwoh, D. et al., 1
989, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 1173-1177)、自己持続性の配列複製(G
uatelli, J. et al., 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 1874-1878)、及
び、ターゲット配列の多重RNA転写物を産生する転写介在増幅(Kacian & Ful
tzによる米国特許第5,480,784号及び5,399,491号)が含まれ
る。既知の増幅法に関するさらなる論考については、Persing, David H., 1993,
"In Vitro Nucleic Acid Amplication Techniques" in Diagnostic Medical Mi
crobiology: Principles and Applications (Persing et al., Eds.,), pp. 51-
87 (American Society for Microbiology, Washington, DC) を参照のこと。
【0031】 本発明の好ましい転写ベースの増幅系はRNAポリメラーゼを利用して、ター
ゲット領域のRNA転写物を多数合成する(Kacian & Fultzによる米国特許第5
,480,784号及び5,399,491号)。転写介在増幅(TMA)は、
逆転写酵素及びRNAポリメラーゼの存在下でターゲット核酸とハイブリダイズ
するプロモーター−プライマーを使用し、二本鎖プロモーターを形成させる。次
いで、RNAポリメラーゼの活性により、RNA転写物とハイブリダイズし得る
第二のプライマーの存在下でTMAのさらなるラウンドの鋳型になり得るRNA
転写物が産生される。熱変性を必要とするPCR、LCR又は他の方法と異なり
、TMAは等温法であり、RNA−DNAハイブリッドのRNA鎖を消化するR
NアーゼHの活性を使用することによって、DNA鎖をプライマー又はプロモー
ター−プライマーとのハイブリダイゼーションに利用可能なようにする。一般に
、このRNアーゼH活性は、増幅のために供されるレトロウイルスの逆転写酵素
とともに使用される。
【0032】 「プライマー」又は「増幅プライマー」は、ターゲット核酸又はその相補体の
領域に結合し、このターゲット核酸の核酸増幅を促進し得るオリゴヌクレオチド
を意味する。ほとんどの場合、プライマーは、核酸ポリメラーゼにより伸長され
得るフリーの3’末端を有する。すべての増幅プライマーには、ターゲット核酸
の少なくとも1つの鎖と直接か又はターゲット配列に相補的である鎖のいずれか
一方と、相補的な塩基相互作用を介してハイブリダイズし得る塩基配列が含まれ
る。増幅プライマーは、より長い核酸産物を産生する酵素活性の基質として役立
つ。
【0033】 例えば、PCRでは、増幅プライマーは、変性した二本鎖ターゲットDNAの
反対鎖にアニールし、このプライマーは熱安定なDNAポリメラーゼにより伸長
されて二本鎖DNA産物を産生し、これが熱で変性され、冷却され、増幅プライ
マーにアニールされ、そしてこのプライマーは多数サイクル(例えば、約20〜
約50回の熱サイクル)の間にポリメラーゼ活性により伸長される。
【0034】 もう1つの例であるTMAでは、1つの増幅プライマーは、ターゲットRNA
とハイブリダイズする「プロモーター−プライマー」であり、逆転写酵素(RT
)がターゲットRNAのcDNAコピーを産生する一方、RNアーゼHの活性が
ターゲットRNAを分解する。このプロモーター−プライマーは、ターゲット配
列にハイブリダイズし得るターゲット結合配列の5’に位置するプロモーター配
列(二本鎖になったときに機能性になる)を含むオリゴヌクレオチドである。こ
のターゲット結合配列はこの配列の3’位でターゲットRNAの結合部位とハイ
ブリダイズして増幅され得る。二本鎖になると、プロモーター配列はRNAポリ
メラーゼに結合し、プロモータープライマーがハイブリダイズしているターゲッ
ト配列の転写を開始させる。プロモーター−プライマーは、T7・RNAポリメ
ラーゼ認識に特定した場合、「T7−プライマー」と言われる場合がある。ある
状況では、プロモーター−プライマー、又はそのようなプロモーター−プライマ
ーの亜集団の3’末端がプライマー伸長を妨害又は抑制するように修飾される場
合がある。次いで、第二の増幅プライマーがcDNAに結合し、RTが別のDN
A鎖を産生し、機能性のRNAプロモーターを一端に含有する二本鎖DNAを生
じる。第二の増幅プライマーは、ターゲットRNAの相補体(即ち、cDNA鎖
)にハイブリダイズし得るターゲット結合配列を含む。これは、「T7プライマ
ー」と区別するために「非T7プライマー」と言われる場合がある。RNAポリ
メラーゼはこのプロモーター配列を使用して、多数のRNA転写物(すなわち、
アンプリコン)を、概して約100〜1,000コピー産生する。新たに合成さ
れた各アンプリコンが第二の増幅プライマーとアニールし得て、これがRTによ
り伸長されてDNAコピーを産生するのに対し、RNアーゼH活性はこのRNA
:DNA二重鎖のRNAを分解する。次いで、プロモーター−プライマーは新た
に合成されたDNAに結合し、RTにより二本鎖のDNAが創出され、それから
RNAポリメラーゼが多数のアンプリコンを産生する。このようにして、2種の
増幅プライマーを使用して、10億倍の等温増幅が達成され得る。
【0035】 増幅プライマーの「ターゲット結合配列」とは、ターゲット特異性を決定する
部分である。なぜなら、この部分がターゲットの核酸鎖又はその相補鎖にアニー
ルし得るからである。ターゲット結合配列がハイブリダイズする相補的なターゲ
ット配列はプライマー結合配列と言われる。プライマーに追加の機能配列を必要
としないプライマー又は増幅方法(例えば、PCR増幅)では、プライマー配列
は本質的にターゲット結合配列からなる。一方、他の方法(例えば、TMA又は
SDA)では、ターゲット結合配列に隣接した追加の特殊な配列が含まれる(例
えば、プロモーター−プライマーのターゲット結合配列に隣接したRNAポリメ
ラーゼプロモーター配列、又はSDAプライマーの制限エンドヌクレアーゼ認識
配列)。例えば、表1に示した好ましいPSA特異ターゲット結合配列では、S
EQ ID NO:15〜SEQ ID NO:29が追加の機能配列を含まな
い増幅プライマーであり、SEQ ID NO:30〜SEQ ID NO:4
3はターゲット結合配列(下線なし)以外の追加の機能配列(下線部分)を含む
T7プロモーター−プライマーであり、下線を施した配列は好ましいT7ポリメ
ラーゼプロモーター配列である。本発明のすべてのプライマー及びプローブ配列
は標準的な in vitro 合成法を使用して合成し得ることが当業者には理解されよ
う。また、多種多様な増幅法での使用に適したプライマーをつくるために、追加
の特殊な配列(例えば、プロモーター又は制限エンドヌクレアーゼ認識配列)を
付加するための定法を使用して本明細書に開示されるプライマー配列を修飾し得
ることも理解されるだろう。同様に、本明細書に記載されるプロモーター−プラ
イマー配列は、プロモーター配列を除去することによって、追加の機能配列を使
用しないPCRのような増幅法に適した、本質的にはターゲット結合配列である
増幅プライマーを産生するように修飾し得る。
【0036】 例えば、国立医学図書館の国立バイオテクノロジー情報センター(National C
enter for Biotechnology Information at the National Library of Medicine
)から入手可能なBLASTNアルゴリズムのようなアルゴリズムのデフォルト
変数を用いる並置アルゴリズムを使用するか、又は以前に詳しく記載された(Sh
uler et al., 1991, Proteins 9 (3): 180-190)ような多重並置構築・分析作業
用(「MACAW」;Multiple Alignment Construction and Analysis Workben
ch)アルゴリズムを使用して、既知のHSPSAR配列を有するPSAエクソン
の既知配列とヒトカリクレインのエクソン配列(HUMKAL2、HUMKAL
2a、HUMKAL2b、HUMKAL2c、HUMKAL2d、HSKALL
I及びHUMPSAA)と並置することによって、SEQ ID NO:1〜S
EQ ID NO:43のプライマー及びプローブのPSA特異配列とSEQ
ID NO:46及び47のhK2特異プライマー配列を選択した。上記の配列
群を並置した後で、他の配列との最少量の同一性を含有する、プライマー又はプ
ローブが所望されるPSAエクソンの領域又はhK2領域を同定した。それらの
配列から、プライマー又はプローブにとって好適な長さ及びGC含量を有するオ
リゴヌクレオチド配列を選択し、試験のために合成した。ある場合では、以前に
詳しく記載された(Matzura and Wennborg, Complete Applications in the Bio
sciences, 1996, Vol. 12, No. 3, pp 247-9)ようなRNAの二次構造を計算す
るアルゴリズムを使用することによって、選択されたプライマー又はプローブの
予測二次構造を決定した。ヒトPSMAについてのSEQ ID NO:48及
びSEQ ID NO:49のプライマーとSEQ ID NO:50のプロー
ブも同様に設計して選択した。配列の並置と二次構造の予測にアルゴリズムを援
用したが、当業者ならば上記の工程をマニュアルで容易に実施し得る。
【0037】 「ターゲット配列」は、標識されたオリゴヌクレオチドプローブを使用して、
少なくともその一部が検出され得る核酸鎖のヌクレオチド塩基配列を意味する。
プライマーはターゲット配列の一部に結合するが、ターゲット配列が二本鎖の核
酸である場合は、両方の相補鎖が含まれる。
【0038】 「均等なRNA」は、Tの代わりにUが適切に置換されている、デオキシリボ
核酸(DNA)と同じヌクレオチド塩基配列を有するリボ核酸を意味する。同様
に「均等なDNA」は、UがTに適切に置換されている以外はRNAと同じヌク
レオチド塩基配列を有するDNAのことである。当業者には、「核酸」及び「オ
リゴヌクレオチド」という用語がDNA又はRNAの塩基配列か、DNA及びR
NAの塩基配列の合成的な組み合わせのいずれかを有する分子構造を意味し、「
非塩基(abasic)」残基が含まれる、その類似体も含むことを理解されよ
う。
【0039】 「固形支持体」は、オリゴヌクレオチド又は核酸との結合に利用し得るフリー
の化学基を含んでなる、アッセイ法の溶媒及び温度条件下ではほとんど溶けない
素材を意味する。好ましくは、固形支持体は、ターゲット核酸と直接的又は間接
的に結合するように設計されたオリゴヌクレオチドと共有的にカップルする。タ
ーゲット核酸がmRNAである場合、固形支持体に付着したオリゴヌクレオチド
は、好ましくはポリT配列である。好ましい固形支持体はミクロン又はサブミク
ロンサイズのビーズ又は球体のような粒子である。例えば、シリカ、ポリアクリ
レート、ポリアクリルアミド、金属、ポリスチレン、ラテックス、ニトロセルロ
ース、ポリプロピレン、ナイロン又はそれらの組み合わせのような多種多様な固
形支持体の素材が考慮される。より好ましくは、固形支持体は、磁気コアを有す
る固形支持体のように、磁場によってある場所に付着され得る。特に好ましい支
持体は、単分散磁気球体(即ち、均質サイズ±約5%)である。
【0040】 増幅産物を「検出すること」とは、例えば、標識プローブを増幅産物の一部へ
ハイブリダイズさせることのような、増幅された核酸の存在を判定する様々な方
法のいずれかを意味する。標識プローブとは、別の配列と特異的に結合し、例え
ば、蛍光部分、化学発光部分、放射性同位体、ビオチン、アビジン、酵素、酵素
基質又は他の反応基であり得る検出可能な基を含有するオリゴヌクレオチドであ
る。好ましくは、標識プローブには、(米国特許第5,283,174号に記載
されるような)好適な条件下で化学発光的に検出され得るアクリジニウムエステ
ル(AE)部分が含まれる。他のよく知られた検出技術には、例えば、ゲル濾過
、ゲル電気泳動及びアンプリコンの視覚化、及び高速液体クロマトグラフィー(
HPLC)が含まれる。検出工程は定性的か定量的かのいずれかであり得るが、
非前立腺サンプルにおける前立腺関連遺伝子の発現(例えば、PSA特異mRN
A)のレベル(これは前立腺癌及び/又は乳癌の転移又は再発の程度を示す)を
決定するには、PSA特異的又は他の前立腺関連遺伝子のアンプリコンの定量的
な検出が好ましい。
【0041】 ターゲットポリヌクレオチドを精製して検出するアッセイは、しばしば、ター
ゲットポリヌクレオチドを固形支持体上に捕捉することを含む。固形支持体は、
ターゲットポリヌクレオチド精製法の1回又はそれ以上の洗浄工程の間、ターゲ
ットポリヌクレオチドを保持する。ターゲットポリヌクレオチドを捕捉してその
存在を検出するためのハイブリダイゼーションサンドイッチ技術は、固形支持体
に結合したプローブによりターゲットポリヌクレオチドを捕捉すること、及び捕
捉されたターゲットポリヌクレオチドへ検出プローブをハイブリダイズさせるこ
とを含む(Ranki et al.による米国特許第4,486,539号)。ターゲット
ポリヌクレオチドへハイブリダイズしない検出プローブは固形支持体から速やか
に洗浄除去される。こうすれば、残っているラベルは、初めにサンプルに存在し
たターゲットポリヌクレオチドと結びついている。もう1つの方法は、ターゲッ
トポリヌクレオチドと固形支持体上に固定されたポリヌクレオチドの両方にハイ
ブリダイズするメディエーターポリヌクレオチドを使用するが、メディエーター
ポリヌクレオチドは、ターゲットポリヌクレオチドを固形支持体へつなげて結合
ターゲットを産生させる(Stabinskyによる米国特許第4,751,177号)
。標識プローブはこの結合ターゲットとハイブリダイズし得るが、結合しなかっ
た標識プローブは固形支持体から洗浄除去され得る。
【0042】 mRNAを検出するための多くの方法、特に増幅を包含するものは、増幅及び
検出に先立ってRNA及び/又はmRNAを十分精製することを必要とし、しば
しばグアニジウムチオシアネートのような劇物を含む(Sambrook, J. et al., 1
989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2nd ed. (Cold Spring Harbor
Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY), pp. 7.37-7.57; Lin, L. et al
., 1993, "Simple and Rapid Sample Preparation Methods for Whole Blood an
d Blood Plasma" in Diagnostic Molecular Microbiology, Principles and App
lications (Persing, D. H. et al., Eds., American Society for Microbiolog
y, Washington, DC), pp. 605-616)。本発明の1つの態様は、非前立腺の生物学
的サンプルを調製しRNAを得るための簡便かつ迅速な方法を使用するが、前立
腺癌及び/又は乳癌の細胞を非前立腺組織において検出するために、このRNA
から前立腺関連mRNA(例えば、PSA特異mRNA)を増幅して検出し得る
。非前立腺の生物学的サンプルは、末梢血又は骨髄のような造血系の組織、血漿
、リンパ節を含む非前立腺の生検組織、呼吸器系組織又は滲出液、胃腸組織、尿
、糞、精液又は他の体液ないし物質であり得る。好ましいサンプル調製法は最少
限の専門技術を必要とし、標準的な実験機器と比較的廉価な試薬を使用して、増
幅に適したターゲットmRNAを産生する一方、染色体DNAに見出される潜在
的に交叉反応する配列から生じ得る偽陽性を回避するものである。この好ましい
簡便なサンプル調製法は、染色体DNAを十分抽出して(粘度を低下させるため
に)剪断することをなくし、潜在的に有害な試薬(例えば、グアニジウム化合物
、フェノール又はクロロホルム)の使用を回避し、工程数を最少化し、それによ
りサンプルの損失を最少化して、少量のmRNA種の検出を増加させる。
【0043】 本発明の方法には、PSA特異核酸、特にmRNAのような前立腺関連遺伝マ
ーカーを検出するか又は定量する方法が含まれる。この方法には、前立腺関連遺
伝マーカーのターゲット配列を潜在的に含有する非前立腺の生物学的サンプルを
、ターゲット遺伝子配列(PSA、PSMA及び/又はhK2)と特異的にハイ
ブリダイズし得る第一のプライマー又はプロモーター−プライマーと接触させる
こと、及び、ターゲット特有の増幅産物(「アンプリコン」)を産生する核酸増
幅条件の下で、少なくとも1つの核酸ポリメラーゼ活性を提供することが含まれ
る。好ましくは、このターゲット特有の増幅産物は、この特有のターゲット配列
に相補的な領域と、増幅されたターゲット配列に特有の標識オリゴヌクレオチド
プローブとハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることによりプロ
ーブ:ターゲットのハイブリッドを形成し得る少なくとも1つのプローブ結合部
位とを含んでなる、複数の核酸鎖である。この方法にはまた、非前立腺の生物学
的サンプルにおける前立腺関連遺伝マーカー核酸の存在を示すものとして、標識
プローブ:ターゲットのハイブリッドを検出することが含まれる。好ましい態様
には、比較的簡略なサンプル調製法を使用して、生物学的サンプルからターゲッ
ト核酸の基質を調製することがさらに含まれる。さらに、この検出工程には、ア
ッセイにおいてターゲットの検出を高める、増幅されたターゲット核酸の一部に
特有の1種又はそれ以上のヘルパープローブが含まれる場合がある。ヘルパープ
ローブが検出を高める機序に束縛されることを望まないが、一般に、ヘルパープ
ローブは増幅されたターゲット配列にハイブリダイズして二次構造を除去するか
、又は他のやり方で、検出される配列に他のプローブが結合する能力を高めると
考えられる。好ましくは、前立腺関連遺伝マーカーのターゲット配列がRNAで
ある場合、標識オリゴヌクレオチドプローブは同じセンスのものである。
【0044】 本発明の1つの態様では、増幅工程にはプロモーター−プライマーだけが使用
され、プローブはアンプリコンの一部をターゲットにする。単一のプロモーター
−プライマーが反対センスのプライマーがないままに利用される場合、ターゲッ
トRNAは、ターゲットRNAと同じセンスのプローブを使用して検出され、(
Kacian et al.による米国特許第5,554,516号にかつて詳しく説明され
たように)増幅された相補核酸の内部に位置する塩基配列領域とハイブリダイズ
し得る。
【0045】 本発明の好ましい態様では、ヒトPSA、PSMA及び/又はhK2遺伝子配
列に特有の選択プライマーが、プロモーター−プライマーとプロモーター配列の
ない増幅プライマーの両方を使用する転写介在増幅において使用され、増幅産物
は、均質アッセイにおいて検出され得るプローブとともに検出される(Kacian &
Fultzによる米国特許第5,480,784号及び5,399,491号;Kaci
an et al.による米国特許第5,554,516号;Arnold et al. への米国特
許第5,283,174号;欧州特許出願EP0709466号を参照のこと)
。上記の一般的な増幅及び検出の方法は当技術分野で周知である。好ましい増幅
法は、RNAである増幅された核酸又はアンプリコンを産生し、さらにより好ま
しくは、ターゲット配列に相補的である(即ち、ターゲットと反対のセンス)増
幅RNAを主に産生する。従って、ターゲットがmRNAであり、仮に(+)セ
ンス鎖と指定すれば、アンプリコンは、好ましくは(−)センス鎖である。その
ようなアンプリコンを検出するプローブは、増幅された配列と特異的にハイブリ
ダイズし得る(即ち、アンプリコンの一部に相補的である)任意の配列である。
かつて記載された(米国特許第5,480,784号及び5,399,491号
)ような転写介在増幅(「TMA」)法を使用すれば、プロモーター−プライマ
ーは(−)センスであり、鋳型のターゲット核酸は(+)センスであり、産生さ
れるアンプリコンは(−)センスである。
【0046】 本発明の方法は実質的に等温であり、核酸増幅の温度サイクリングやPSA特
異的な連続増幅用のネスティドプライマーを必要としないので、PSA特異配列
を検出する先行法より好ましい。本発明の特に好ましい態様では、増幅工程にお
いて使用される2種のプライマーの1つは、前立腺関連遺伝マーカーのmRNA
に結合するT7(−センス)プロモーター−プライマーであり、2種のプライマ
ーのもう1つは、このmRNAを鋳型として使用してT7プロモーター−プライ
マーを伸長させる逆転写酵素の活性から産生されたcDNA産物に結合する非T
7(+センス)プライマーである。このT7プロモーター−プライマーは、ター
ゲット結合配列の5’末端にT7・RNAポリメラーゼ認識配列を含有するが、
非T7プライマーはT7・RNAポリメラーゼ認識配列を含有せず、本質的にタ
ーゲット結合配列からなる。好ましいプロモーター−プライマーは約35〜45
ntの間の下限と約45〜100ntの間の上限がある長さの範囲を有する。好
ましくは、プロモーター−プライマーは約40〜70ntの長さであり、より好
ましくは、約45〜55ntの長さである。好ましくは、プロモーター−プライ
マーのT7プロモーター配列は約25〜30ntの長さであり;特に好ましいT
7プロモーター配列には、SEQ ID NO:44又はSEQ ID NO:
45が含まれる。PSA特異プロモーター−プライマーの好ましいターゲット結
合領域は、ヒトPSA遺伝子のエクソン配列と、好ましくはエクソン3、4又は
5のいずれか1つの内部で、特異的にハイブリダイズする。転写介在増幅におい
てプロモータープライマーとともに使用されるプライマーは、本質的に、ヒトP
SA、PSMA又はhK2遺伝子の配列に特有のターゲット結合配列からなる。
好ましいPSA特異配列は、エクソン内部か、又は2つのエクソンのスプライス
連結部に及ぶPSA配列に結合し、より好ましくは、ヒトPSA遺伝子のエクソ
ン2、3又は4のいずれかに特有なターゲット結合配列を有する、又はエクソン
2及び3のスプライス連結部に及ぶ。プライマーは、好ましくは、約15〜20
ntの下限と約25〜100ntの範囲内に上限を有する範囲内の長さを有し、
より好ましくは、約15〜30ntの範囲であり、最も好ましくは、約20〜2
5ntの範囲の長さである。表1に示すように、好ましいPSA特異プライマー
はSEQ ID NO:15〜SEQ ID NO:29の配列を有し、好まし
いPSA特異プロモーター−プライマーはSEQ ID NO:30〜SEQ
ID NO:43の配列を有するる(ここではプロモーター配列に下線をし、タ
ーゲット結合配列には下線がない)。
【0047】 本発明の1つの側面は、非前立腺組織から採取したサンプルに存在するmRN
A中のPSA特異ターゲット配列を増幅すること、及び、増幅された生成物を非
前立腺組織内に存在する前立腺癌又は乳癌の細胞の程度として検出し、それによ
り乳癌の存在や前立腺癌の転移を示す方法である。核酸プローブを検出するため
の均質な化学発光検出アッセイは好ましい態様であるが、当業者ならば、ハイブ
リダイズしたプローブを検出するには、酵素、酵素基質、蛍光、発光、化学発光
及び電気化学発光の分子、放射核種及び蛍光原子に基づいたラベルのような、当
技術分野でよく知られている他のラベル及び検出法を容易に使用し得るし、ゲル
電気泳動又は濾過、増加吸光、濃色シフト、又はHPLCといった標準法を使用
して増幅産物を検出し得るだろう。好ましい均質アッセイは非均質アッセイ(つ
まり、ハイブリダイズしたプローブのシグナルをハイブリダイズしていないプロ
ーブによるシグナルから差別化するために物理的な分離を必要とするアッセイ)
に対する利点を有するが、均質検出という側面は本発明にとって決定的ではない
。好ましくは、蛍光又は化学発光のラベルがこのプローブに取込まれ、より好ま
しくは、ラベルは化学発光性のアクリジニウムエステル(AE)である。
【0048】 本発明の方法に使用されるプローブは検出されるアンプリコンの任意の領域へ
ターゲットされ得て、好ましくは、プローブはターゲット核酸と同じセンスであ
る。例えば、PSA特異プローブは、イントロン又はエクソン配列のいずれかに
ハイブリダイズし得るが、好ましくは、PSA遺伝子のエクソン(例えば、エク
ソン2、3又は4)内にあるか、又はエクソンのスプライス部位に及ぶ(例えば
、エクソン3の3’末端とエクソン4の5’末端に及ぶ)か、又はPSA遺伝子
イントロンの内部(例えば、イントロン3の内部)にある配列とハイブリダイズ
する。プローブ配列は、約5〜100ntの長さの範囲内にあり得るが、好まし
くは約10〜50ntの長さであり、より好ましくは約20〜25ヌクレオチド
の長さである。好ましいプローブ配列には、SEQ ID NO:1〜SEQ
ID NO:14を(表1に示すヒトPSA遺伝子内のその全般的な位置で)有
するものが含まれる。好ましくは、このプローブはAEで標識され、TMA反応
の増幅RNA産物とハイブリダイズする。
【0049】 本発明のプライマー及びプローブは、多種多様な周知の方法のいずれかにより
単離される核酸基質を使用する増幅及び検出の方法において使用し得る。ターゲ
ットmRNAは、TMAにおける使用に適したmRNAを産生する以下の比較的
簡単な方法により製造され得る。この方法では、少なくとも約150mMの可溶
な塩、好ましくはハロゲン化リチウム塩、キレート剤及び非イオン性界面活性剤
を、核のDNA又はRNAの実質的な放出を起さずに細胞の細胞膜を溶かすのに
有効な量だけ含有する溶解液に細胞懸濁液を接触させることによって、生物学的
サンプル(例えば、末梢血又は骨髄細胞)中の細胞を溶かした。細胞懸濁液と溶
解液を約1:1〜1:3の比率で混合し、溶解液の界面活性剤濃度を約0.5%
〜1.5%(v/v)の間とした。多種多様な既知の非イオン性界面活性剤のい
ずれもが溶解液において有効である(例えば、TRITON(登録商標)タイプ
、TWEEN(登録商標)タイプ及びNPタイプ)が、典型的には、溶解液はオ
クチルフェノキシポリエトキシエタノールの界面活性剤、好ましくは1% TR
ITON(登録商標)X−102を含んでいた。この方法は主に細胞懸濁液を含
有する生物学的サンプル(例えば、血液及び骨髄)について使用されてきたが、
それは、細胞を個別にか又は小さな塊へ分離するための標準的な刻み、篩い、及
び/又はタンパク分解法を使用して細胞が分離されれば、他の組織についても同
じように有効である。細胞の溶解後、放出された全RNAは安定であったが、追
加のRNアーゼ阻害剤がなくても、少なくとも2時間は室温で、有意なRNA分
解を起こすことなく保存し得る。全RNAはさらに精製せずに増幅に使用し得る
し、又は、mRNAのポリA部分へのアフィニティー結合に概して依存した標準
法を使用してmRNAを単離し得る。
【0050】 好ましくは、mRNAの単離には上記の溶解混合物へ加えた不溶性の粒子に付
いたポリ−dTオリゴヌクレオチドから本質的になる捕捉粒子を使用し、ポリ−
dT部分をポリ−A・mRNAへアニールし、この粒子をこの混合物から物理的
に分離した。一般に、超常磁性の粒子を使用し、容器の外側へ磁場をかけること
によって分離した。好ましくは、約1mlの溶解混合液へ、約1〜100ピコモ
ル/mg(好ましくは10〜100ピコモル/mg、より好ましくは10〜50
ピコモル/mg)の密度で連結したdT14又はdT30を有する約300μgの粒
子の懸濁液(標準的なリン酸緩衝化生理食塩水(PBS),pH7.4、100
mM NaCl)を加えた。任意の超常磁性粒子を使用し得るが、典型的には、
粒子はラテックス又はシリカでコートされた磁気コア(Serodyn又はDy
nalから市販されている)であり、標準法(Lund et al., Nuc. Acid Res., 1
988, 16: 10861-10880)を使用して、これにポリ−dTオリゴヌクレオチドを付
けた。この粒子を含有する溶解混合液を穏やかに混合し、約22℃〜42℃で約
30分インキュベートした後、試験管の外側に磁場をかけて、mRNAの付いた
粒子をこの混合液から分離し、上澄液を除去した。上記のような標準の再懸濁法
と磁気分離を使用して、粒子を1回又は数回、一般的には3回洗浄した。次いで
、粒子を緩衝液に懸濁し、すぐに増幅に使用するか又は冷凍保存した。
【0051】 サンプル調製に実質的に影響を及ぼすことがなければ、多くの変数を変化させ
てよい。例えば、粒子洗浄工程の回数は変えてよいし、粒子は他の手段(例えば
、濾過、沈澱、遠心分離)により上澄液から分離し得る。固形支持体は、特定の
ターゲット配列に相補的である、それに結合した核酸捕捉プローブを有する場合
があり、このターゲット核酸と非特異的に結合する任意の粒子又は固形支持体(
例えば、Arnold et al.による米国特許第5,599,667号に記載のような
ポリカチオン性の支持体)を使用し得る。増幅のためには、標準の低塩溶出法を
使用して捕捉粒子から単離RNAを放出させるか、又はポリ−dTとの塩基対合
にも固相マトリックスとの他の相互作用にも関わらないRNAの領域に結合する
プライマーを使用して、粒子上に保持させながら増幅した。上記の具体的な容量
や比率は決定的ではなく、核内物質の有意な放出が起こらない限りは、変えても
よい。小規模の調製には振盪混合が好ましいが、他の混合法に換えてもよい。し
かし、重要なのは、生物学的組織由来のサンプルを凝集させないように処理すべ
きことであり、溶解液のイオン強度は少なくとも約150mM、好ましくは15
0mM〜1Mとする。より低いイオン強度では核内物質(例えば、DNA)の混
入につながり、これが粘度を高め、増幅及び/又は検出の工程に干渉し、偽陽性
を産生させる可能性があるからだ。RNAの分解を防ぐには溶解液にリチウム塩
が好ましいが、他の可溶塩(例えば、NaCl)を1種又はそれ以上の既知RN
アーゼ阻害剤と組み合わせるのも同等に有効だろう。
【0052】 表2は、米国特許第5,399,491号、5,480,784号及び5,5
54,516号の先行記載とほとんど同じようにTMAを使用し、米国特許第5
,283,174号の先行記載とほとんど同じ均質保護アッセイで検出するとき
の、PSA、PSMA及びhK2遺伝マーカーの増幅及び検出に使用されるプラ
イマー及びプローブの(ヘルパープローブを含むか又は含まない)好ましい組み
合わせを列挙する。各行は好ましい組み合わせを表す。この中で、PSA・mR
NAを増幅して検出するのに特に好ましい組み合わせを、表2の行の各欄に星印
(★)で示す。表2の最後の2つのエントリーは、hK2ターゲット(SEQ
ID NO:46、47及び1)とPSMAターゲット(SEQ ID NO:
48、49及び50)を特に増幅して検出するためのプライマー及びプローブで
ある。
【0053】 多種多様な生物学的サンプルからの核酸が、本明細書に記載のプライマー及び
プローブを用いた前立腺関連マーカーmRNAの増幅及び検出の方法を試験する
のに使用されてきたが、それには、PSA・cDNAの in vitro 転写物、PS
A・cDNAの in vitro 転写物でスパイクした全血、前立腺癌細胞系(LNC
aP細胞、Horoszewicz J. S. et al., 1983, Cancer Res. 43: 1809-1818; A
TCC No.CRL−10995)、LNCaP細胞でスパイクした全血、末
梢血、乳房組織細胞、肺細胞から単離した全RNA、及び、前立腺癌細胞、リン
パ節、乳房組織細胞、腎臓細胞、小腸組織細胞及び白血球のゲノムDNAから単
離し、それぞれ試験したポリ−A・RNAが含まれる。全RNA(肺、乳腺及び
前立腺由来)とポリ−A・RNA(腎臓、肝臓、リンパ節、乳腺、小腸及び前立
腺由来)を標準法(Chirgwin et al., 1979, Biochem. 18: 5294 の方法、クロ
ーンテク・ラボラトリーズ社、パロアルト、CAから市販のオリゴ(dT)セル
ロースを用いて選択されるポリ−A・RNAを用いる)を用いて調製した。実質
的に同じ方法を使用して、正常ヒトドナーの末梢血から全RNA及びポリ−A・
RNAを調製した。
【0054】 PSA・cDNAの in vitro 転写物はベクター(pBluscript S
K−;Adams et al., 1985, Nature 377 (3): 174)に存在するPSA・cDN
Aクローン(ATCC,受入れ番号106527より入手)を用いて調製するか
、又は約1.2kbのPSA・cDNAフラグメントを in vitro 転写物の調製
に使用する別のベクター(pSP64 ポリ(A)ベクター)へサブクローン化
した。標準法を使用してプラスミドDNAを調製及び精製し、cDNA挿入物の
3’位での酵素消化により線状にし、RNAポリメラーゼを使用して転写した。
標準的な方法及び試薬(Epicenter Technologies,Co
rp.,マジソン、WIのAMPLISCRIBE翻訳キットで供給される)を
使用して転写物を製造した。
【0055】
【表3】
【0056】 他に断らなければ、本明細書において利用されるか又は考慮される技術は当業
者に周知の標準法である。以下の態様の実施例は、説明だけのために提供される
【0057】
【実施例】
実施例1:生物学的サンプルの溶解とmRNAの単離 約250μlの非凝固性末梢血又は骨髄を約750μlの溶解液へ加えた。上
記2つの成分の各比率は決定的ではなく、ほぼ1:1の比から1:3の成分比で
サンプルを溶解することが可能である。最も一般的に使用される溶解液は、50
mM HEPES(pH7.5),1M LiCl、5mM EDTA及び1%
TRITON(登録商標)X−102から構成された。「非凝固」とは、血液
又は骨髄を回収と同時に約2mM〜約20mMのEDTA、又は有効量のヘパリ
ン又は当技術分野で既知の類似した抗凝固剤で処理したことを意味する。この混
合液へ、約10〜50ピコモルのポリdT/粒子1mgの密度で連結したdT14 又はdT30を有する約300μgの超常磁性粒子の懸濁液(PBS溶液、pH7
.4、140mM NaCl含有)を加えた。ポリdT粒子を含有する溶解混合
液を振盪により穏やかに混合し、約22℃〜42℃で約30分インキュベートし
た。試験管の外側に磁場をかけることによって、mRNAの付いた粒子をこの混
合液から分離し、上澄液を除去した。約1mlの洗浄溶液(50mM HEPE
S(pH7.5),5mM EDTA,150mM NaCl及び0.1%(w
/v)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS))にそれを再懸濁し、約3〜5秒間振
盪により混合してビーズを懸濁させることによって粒子を1〜3回洗浄し、上記
のようにビーズを上澄液から分離し、この上澄洗液を捨てた。洗浄後、粒子を緩
衝液(10mM HEPES,pH7.5、1mM EDTA)250μlに懸
濁し、後の使用のために−30℃で保存するか、又はすぐに使用した。増幅法に
おける使用では、RNAの付いた粒子は直接使用するか、ときには標準溶出法(
例えば、加熱)を使用して、この付いたRNAを捕捉粒子から遊離させた。固形
粒子の存在は増幅を妨害しなかったので、RNAの付いた粒子を使用する簡便性
が追加のRNA単離工程より好まれた。
【0058】 実施例2:PSA特異mRNAの増幅及び検出 既知PSA配列の転写介在増幅におけるプライマー及びプロモーター−プライ
マーの様々な組み合わせの相対効率を初めに試験するために、非T7(+)プラ
イマーとT7(−)プロモーター−プライマーの各組み合わせを使用して、PS
A遺伝子配列の(上記のような)in vitro 転写物を増幅した。増幅後、アクリ
ジニウムエステルで標識した単一プローブを使用して、相対光単位(「RLU」
)として化学発光シグナルを検出する、Arnold et al.による米国特許第5,2
83,174号に記載の通りの均質保護アッセイにおいて、この増幅産物を検出
した。すべての実験サンプルは同一3検体で試験し、3回の試験の平均RLUを
算出した。上記の実験ではプロモーター−プライマーとプローブはすべての反応
で同じであったが、非T7プライマーは変化させた。T7プロモーター−プライ
マー(SEQ ID NO:30)はPSAのエクソン4に特有であり、プライ
マーはPSAのエクソン3(SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:
17及びSEQ ID NO:18)に特有であり、プローブはPSAのエクソ
ン3(SEQ ID NO:1)に特有である。
【0059】 簡略に言うと、様々な数(103、104若しくは105個の分子、又は転写物
を含まない陰性対照)の in vitro 転写物を含有する溶液50μlを、160m
M Tris−HCl(pH7.5)、100mM MgCl2、70mM K
Cl、20%(w/v)ポリビニルピロリドン、4種のリボヌクレオシド三リン
酸(ATP、GTP、CTP及びUTP)各16mM、4種のデオキシリボヌク
レオシド三リン酸(dATP、dGTP、dCTP及びdTTP)各4mM、4
00nM(15ピコモル)を含有する増幅試薬25μlの入った試験管へ加えた
。この実施例で試験した3種の組み合わせでは、反応あたり15ピコモル(約4
00nMに相当する)のT7プロモーター−プライマーはSEQ ID NO:
30の配列を有し、そして400nM(15ピコモル)の非T7プライマーは、
SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17又はSEQ ID NO
:18の配列を有した。各反応液は60℃で10分インキュベートしたが、ター
ゲット核酸における分子内塩基対合を溶かし得る任意の温度が適している(例え
ば、約60℃〜70℃の間、より好ましくは約65℃〜約67℃の間)。次いで
、各反応液を約42℃で5分インキュベートした後、酵素試薬(組換えMMLV
逆転写酵素2000ユニット、組換えT7・RNAポリメラーゼ2000ユニッ
ト、8mM HEPES(pH7.5)、50mM N−アセチル−L−システ
イン、0.04mM 酢酸亜鉛、80mM トレハロース、140mM Tri
s−HCl(pH8.0)、70mM KCl、1mM EDTA、0.01%
(w/v)フェノールレッド、10%(v/v)TRITON(登録商標)X−
102及び20%(v/v)グリセロールを含有する25μl)を加え、この反
応液を穏やかに混合し、42℃で約1時間インキュベートした。この増幅法によ
り、ターゲットRNAに反対のセンスの増幅RNAが産生された。
【0060】 100mM コハク酸リチウム(pH4.7)、1.2M LiCl、15m
M アルドリチオール−2、2%(w/v)ラウリル硫酸リチウム(LLS)、
20mM EDTA、20mM エチレングリコール−ビス−(β−アミノエチ
ルエーテル)N,N,N’,N’−テトラ酢酸(EGTA)、3% エタノール
及び、Arnold et al., への米国特許第5,585,481号に記載の通りの方
法を使用して非ヌクレオチドリンカーを介して連結された化学発光性のアクリジ
ニウムエステル(AE)で標識された、SEQ ID NO:1を有するハイブ
リダイゼーションプローブ7.5nMを含有するプローブ試薬100μlを使用
して、増幅されたRNAを検出した。この検出溶液を反応液へ加え、60℃で3
0分間インキュベートして、プローブの増幅ターゲットへのハイブリダイゼーシ
ョンを可能にした。
【0061】 プローブ(SEQ ID NO:1)を、以下の工程を含む均質保護アッセイ
(HPA)において検出した。非結合プローブ上のAEラベルを加水分解するた
めに、上記の混合液へアルカリ溶液(600mM ホウ酸ナトリウム、pH8.
5及び1%(v/v)TRITON(登録商標)X−100)300μlを加え
た。ハイブリダイズしたプローブ上のAEラベルが二重らせんと結合しているこ
とにより加水分解から保護されているのに対し、ハイブリダイズしていないプロ
ーブ上のAEラベルは加水分解から保護されていないので、ハイブリダイズしな
いプローブは検出されない。この溶液を60℃で10分インキュベートし、5分
間室温で冷やし、30mM 過酸化水素と1mM 硝酸を含有する溶液200μ
lと混合し、直後に1M NaOH及び2%(w/v)ZWITTERGENT
(登録商標)3−14を含有する溶液200μlを加えた。ルミノメーター(例
えば、LEADER(登録商標)50)を使用して化学発光を検出し、相対光単
位(「RLU」)で測定して出力した。
【0062】 上記の試験の結果を表3に示す。ここでは、プライマー及びプロモーター−プ
ライマーの各組み合わせについての3回の試験それぞれについて検出されたRL
Uの平均数が表示されている。PSA転写物なし(陰性対照)と103、104
は105個の転写物それぞれを使用して、プライマー及びプロモーター−プライ
マーの各組み合わせを試験した。
【0063】
【表4】
【0064】 表3に示す結果は、この実施例で試験したプライマー及びプロモーター−プラ
イマーの3種の組み合わせが様々なレベルの増幅をもたらすこと、同一のプロー
ブですべて検出され、103個のコピーのターゲットRNAがアッセイに含まれ
るときはすべてバックグラウンド以上のシグナルをもたらすことを示した。この
3種の組み合わせのなかで最良の結果を与えたのはSEQ ID NO:18と
SEQ ID NO:30の組み合わせであり、この系では、104個のターゲ
ットRNAのコピーがアッセイに含まれるとき、検出が飽和した。
【0065】 実施例3:前立腺組織由来の全RNA及びポリ−A・RNAにおけるPSA・ mRNAの増幅及び検出 この実施例では、プライマー、プロモーター−プライマー及びプローブの多数
の組み合わせを使用して、上記のように前立腺から調製した全RNAサンプルの
なかに含まれるPSA特異mRNAを増幅して検出した。
【0066】 転写介在増幅及び化学発光検出の工程は、実質的に実施例2の記載通りに実施
した。初め、このアッセイの感度を決定するために、様々な数の前立腺細胞のR
NA含量を表す、1pg〜10ngの範囲にわたり、全RNAを使用した。つま
り、試験サンプル中の全RNAは、以下のように、算出される細胞数と同等であ
った:1pgは1個より少ない細胞(約0.1個の細胞)と同等であり、10p
gは約1個の細胞と同等であり、100pgは約10個の細胞に同等であり、1
,000pg(1ng)は約100個の細胞に同等であり、10,000pg(
10ng)は約100個の細胞に同等である。ある実験では、全範囲のRNA濃
度を試験しなかった。RNAを加えない陰性対照(バックグラウンド)をすべて
の試験に含め、すべての試験は同一3検体で実施し、平均RLUで表4に報告し
た。表4は、増幅に使用し、多くのAE標識プローブで検出した、非T7(+)
プライマー及びT7(−)プロモーター−プライマーの数多くの組み合わせにつ
いての結果を示す。
【0067】
【表5】
【0068】 表4に示された結果からわかるように、プライマー、プロモーター−プライマ
ー及びプローブの組み合わせはすべて、RNAを加えなかった各組み合わせのバ
ックグラウンドシグナルに比較して、反応液へ加えた全RNAサンプルのなかに
PSA・mRNAを検出した。さらに、1pg程度のRNAを加える(0.1個
の細胞に存在していると算出される量にほぼ同等である)と、バックグラウンド
より有意に高いシグナルが概ね検出された。
【0069】 上記の結果は、前立腺組織から単離したポリ−A・RNAを使用する別の実験
において確かめられた。ポリ−dTオリゴヌクレオチドが約dT14〜dT30の長
さで、磁気粒子に共有的に連結しているポリ−dTハイブリダイゼーションを使
用して、前立腺のポリ−A・RNAを単離した;使用した精製工程(磁気分離と
洗浄)は実施例1の記載と実質的に同じであった。前立腺の全RNAが約5%の
PSA特異mRNAを含むと予測されたので、増幅及び検出のサンプルへ加える
ポリ−A・RNA(即ち、精製したmRNA)の量をそれに応じて減少させた。
1つの試験セットでは、前立腺組織由来のポリ−A・RNAを反応あたり5pg
又は0.5pgで同一3検体の試験管へ加え、表4に示した結果の記載と実質的
に同じようにSEQ ID NO:18及びSEQ ID NO:30(プライ
マー)、SEQ ID NO:1(プローブ)の組み合わせを使用して、これを
増幅して検出した。5pgの前立腺mRNAでは、検出された平均RLUは1,
404,286であり、0.5pgでは、検出された平均RLUは392,55
8であった。上記の結果は、PSA特異ターゲットをさらに精製することが、必
ずしも増幅及び検出に必要ではないものの、0.5pg程度のmRNAについて
検出し得るシグナルを産生することを示している。
【0070】 増幅反応へ加えられるヘルパープライマーが検出シグナルを高めるかどうかを
判定するために、以下の実施例に記載のように、一連の増幅及び検出実験を実施
した。
【0071】 実施例4:ヘルパープローブを用いたPSA特異ターゲットの増幅及び検出 本実施例は、1種又はそれ以上のヘルパープローブを加えることで検出される
シグナルが増加し、前立腺組織から単離した0.1pg未満の全RNA中に存在
するPSA特異配列の検出が好ましい増幅及び検出系を使用して可能になること
を示す。以下の試験では、実質的に実施例2及び3の記載通りに増幅を実施した
が、但し、検出工程で使用するAE標識プローブとともに約100ピコモルのヘ
ルパープローブオリゴヌクレオチドを増幅反応液へ加えた。次いで、上記のよう
に増幅を進行させた後、上記のように化学発光を検出した。PSA特異ターゲッ
トは、実施例3の記載のように、前立腺組織から単離した全RNAにおいて提供
し、0.016pg〜10pgの範囲の濃度で試験した。上記実験でのヘルパー
プローブはSEQ ID NO:27(PSAのエクソン2)とSEQ ID
NO:28(PSAのエクソン2及び3の連結点に及ぶ)であった。上記試験の
結果を表5に示すが、シグナルは試験した各RNA濃度の同一3検体サンプルの
平均を表す。
【0072】
【表6】
【0073】 この増幅及び検出系がPSA・mRNAの検出に特異的であることを示すため
に、前立腺組織から単離した全RNA(クローンテク、パロアルト、CAより入
手)について増幅及び検出反応を実施し、正常ドナーの末梢血から得た白血球(
「WBC」)から単離した全RNAで実施したものと比較した。ヘルパープロー
ブ(SEQ ID NO:27及びSEQ ID NO:28)を、約100ピ
コモルの濃度で、上記増幅反応液のすべてに含ませ、非T7プライマー、T7プ
ロモーター−プライマー及びプローブの4種の異なる組み合わせを含めた。上記
の試験では、前立腺の全RNAを各反応につき10pg又は1pgで使用し、こ
れに対し、比較のために、少なくとも10,000倍以上のWBC全RNA(各
反応につき1μg又は100ng)を使用した。各反応のセットにつきRNAを
加えない陰性対照を含め、すべての反応を同一3検体で試験し、3回の試験の平
均値(平均RLU)として結果を表示した。この結果を表6に示す。
【0074】
【表7】
【0075】 表6に示した結果からわかるように、試験したプライマー及びプローブの4種
の各組み合わせは、前立腺の全RNA中のPSA特異ターゲットRNAを増幅し
て検出した。対照的に、PSA特異ターゲットmRNAを含有するとは考えられ
ない正常ドナー由来のWBC全RNAを含む、同一条件下のサンプルについては
、結果はほとんど陰性であった。即ち、前立腺の全RNAに比較して、10,0
00倍〜1,000,000倍以上のWBC全RNAを反応に使用しても、偽陽
性は観察されなかった(つまり、1pgの前立腺RNAで観察されるものと同等
の結果は得られなかった)。表6では、100ngのWBC全RNAとSEQ
ID NO:21、SEQ ID NO:41及びSEQ ID NO:8の組
み合わせを使用した試験で比較的高い平均RLU(平均RLU:16,136)
が得られたが、これは1つの試験管で43,485RLUが検出されたためであ
り、このセットの残り2つの試験管がほとんど陰性対照と同じであった(2,4
58及び2,464RLU)ことから、この1回の高い結果は異物混入か作業者
の過失によるものであろう。
【0076】 別の試験で、SEQ ID NO:26の非T7(+)プライマー、SEQ
ID NO:40のT7プロモーター−プライマー及びSEQ ID NO:8
のプローブの組み合わせを、各反応につき10pg〜0.001pgの範囲の前
立腺全RNAとともに使用する(即ち、各反応につき10、5、1、0.5、0
.1、0.05、0.01又は0.005pgを使用する)増幅及び検出アッセ
イにおいて、PSA特異ターゲット配列の検出の直線性を測定した。試験アリコ
ートは、10pgのアリコートを1:2及び1:10に希釈して5pg及び1p
gのアリコートを得て、次いで5pgのアリコートを1:10に連続希釈して0
.5、0.05及び0.005pgのアリコートを得て、1pgのアリコートを
同様に希釈して0.1及び0.01pgのアリコートを得た。すべてのアッセイ
を同一3検体で実施し、陰性対照は反応液に前立腺全RNAを含まなかった。上
記アッセイの結果を図5に図示して示すが、ここでX軸とY軸はいずれも対数ス
ケールであり、「正味平均RLU」は、実験サンプルの平均RLUから陰性対照
結果の平均値を差引いた値を意味する。図5を参照すると、実験結果を点の記号
及び点線で示し、上記の結果から計算された回帰直線を実線で示す(R2の適合
値は0.9776に等しい)。全RNAの10倍連続希釈系列内の結果を同じよ
うに図示し、10、1、0.1及び0.01pgの群の中でR2を算出するとR2 値は0.9997であり、そして5、0.5、0.05及び0.005pgの群
では、R2値は0.9879であった。上記の結果は、本明細書に記載の増幅及
び検出系がPSA特異ターゲット核酸の検出について定量的であることを示す。
【0077】 実施例5:変性ゲノムDNAにおけるPSAターゲット配列の増幅及び検出 末梢WBCから単離したRNAを用いた実施例4で得られたネガティブな結果
がWBCにおけるPSA遺伝子発現の不足によるものであることを示すために、
末梢WBCから得られる変性及び非変性ゲノムDNAを使用して、増幅及び化学
発光検出アッセイを実施した。ゲノムDNAは正常なPSA遺伝子を含有すると
考えられるが、その非変性状態では、増幅用プライマーや検出用プローブはそれ
に接近できないだろう。この実験では、非T7(+)プライマーはSEQ ID
NO:18で、T7プロモーター−プライマーはSEQ ID NO:30で
、AE標識プローブはSEQ ID NO:30であった。陽性対照は、実質的
に実施例2のように調製したPSA遺伝子の in vitro 転写物であり、各反応に
つき100コピー、各反応につき10コピー、及び各反応につき1コピーとして
使用した。陰性対照は、核酸ターゲット(DNA又はRNA)を加えずに実施し
た反応物であった。WBCのゲノムDNAを標準的なDNA単離法を使用して単
離し、剪断して溶液内の粘度を低下させ(Sambrook, J. et al., Molecular Clo
ning, A Laboratory Manual (2nd Ed.), Vol. 1-3, Cold Spring Harbor Labora
tory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989)、変性させるか又はさせないで、
各反応につき約5μg、0.5μg及び0.05μgで使用した。DNAは約1
0分間で95℃へ加熱して変性させ、次いですぐに冷やした。増幅及び検出のア
ッセイは実質的に実施例2及び3の記載通りに実施し、各サンプルにつき同一3
検体の試験の結果を平均RLUとして表7に示す。
【0078】
【表8】
【0079】 表7に示す結果は、WBCのゲノムDNAがPSA遺伝子配列を含有し、DN
Aが変性したときは、反応液へ加えられるターゲットの量の減少に一致してシグ
ナルが減少して、増幅されて検出されたことを示す。対照的に、WBCの非変性
DNAは比較的高いバックグラウンドを示したものの、試験した2つの濃度でほ
とんど同じで、同一条件の下で0.5μgのWBC変性DNAについて検出され
たシグナルの1/10未満であった。
【0080】 実施例6:前立腺のポリ−A・RNAとPSA・in vitro 転写物の増幅 この実施例では、プライマー及びプローブの好ましい組み合わせを使用して増
幅及び検出の結果を比較する。ターゲット核酸は前立腺組織から単離したポリ−
A・RNAか又はPSA・cDNA配列の in vitro 転写物のいずれかであった
。前立腺のポリ−A・RNAは、実質的に実施例1及び3の記載通りに、固形支
持体に固定化したポリ−dTオリゴマーへのハイブリダイゼーションを使用して
単離し、in vitro 転写物は、実質的に実施例2の記載通りに調製した。増幅及
び検出法は、非T7(+)プライマーとしてSEQ ID NO:16を有する
オリゴヌクレオチドを、T7(−)プロモーター−プライマーとしてSEQ I
D NO:32を有するオリゴヌクレオチドを、プローブとしてSEQ ID
NO:2を有し、AEで標識したオリゴヌクレオチドを使用して、実施例2〜4
の記載通りに実質的に実施した。ターゲット配列を、試験管あたり10,000
コピーの in vitro 転写物か又は試験管あたり0.875ngのポリ−A含有前
立腺RNAの算出濃度で増幅反応液へ加えるか、又は陰性対照の試験管にはRN
Aを加えずに、各組み合わせにつき同一3検体で増幅反応を実施した。平均の結
果は、陰性対照では4,022RLU、in vitro 転写物のサンプルでは8,8
58RLU、及びポリ−A・RNAサンプルでは1,791,197であった。
つまり、上記試験において検出された化学発光は他の実施例に比較して相対的に
低かったが、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:32及びSEQ
ID NO:2の組み合わせは、陰性対照に比較して、2種の陽性サンプル(
PSA・in vitro 転写物と前立腺mRNA)においてPSA特異ターゲット核
酸を増幅して検出することができた。
【0081】 実施例7:臨床の末梢血サンプルにおけるPSA特異ターゲットの増幅及び検 本実施例では、良性前立腺肥大か前立腺癌のいずれかを有すると疑われる人々
に由来する末梢血の臨床サンプルを試験した。末梢血のサンプルは前立腺の手術
直前(術前)と前立腺の外科的除去の直後(術後)で採取した。比較のために、
前立腺癌細胞系(LNCaP細胞;ATCC No.CRLI−10995)の
既知数の細胞、又はPSA特異 in vitro 転写物(実施例2に記載)を正常人か
ら採取した末梢血と混合した。臨床又は対照の血液サンプルを溶解し、実質的に
実施例1の記載通りに、磁気粒子に付いたポリ−dTオリゴマーの系を使用して
mRNAを単離した。各アッセイにつき、臨床サンプルの溶解液を約1.2ml
使用し、比較のためにLNCaP細胞の溶解液を約1.0ml使用した。増幅及
び検出法は、非T7(+)プライマーとしてSEQ ID NO:18を有する
オリゴヌクレオチドを、T7(−)プロモーター−プライマーとしてSEQ I
D NO:30を有するオリゴヌクレオチドを、プローブとしてSEQ ID
NO:1を有し、AEで標識したオリゴヌクレオチドを使用して、実質的に実施
例2〜4の記載通りに実施した。ターゲット配列を(1)約50〜100ngの
全RNA(各臨床サンプルの各反応につき約2.5〜5ngのmRNAに相当す
る)、(2)各反応につき算定濃度2,000又は200又は20コピーの in
vitro 転写物、及び(3)各反応につき約10個の細胞、1個の細胞、0.1個
の細胞に等しいと算定されるLNCaP細胞において、増幅反応液へ加え、各サ
ンプルにつき同一3検体で反応を実施した。陰性対照にはRNAを加えなかった
。各反応セットの同一3検体についての平均RLU結果、又は陰性対照に関する
9回の反応の平均RLUを表8に示す。
【0082】
【表9】
【0083】 上記の結果に基づけば、このプライマー及びプローブが、1個のLNCaP細
胞の当量を含有するサンプルにおいて検出されるように、約1.0ml容量の末
梢血にある1つの癌細胞の当量より少ない量のPSA特異ターゲットRNAを検
出し得ることが明らかである。in vitro・PSA遺伝子転写物を含有する血液サ
ンプルに基づけば、このアッセイが血液サンプル中にある20コピーほどの転写
物を検出し得ることが明らかである。これら陽性対照とターゲットRNAを加え
ない陰性対照において得られた結果の比較により、臨床サンプルNo.1におい
て検出されたRLUは、末梢血におけるPSA特異ターゲットの存在を示し、こ
の患者の前立腺癌が血液へ発散する細胞になっていて、転移した可能性があるこ
とを示唆する。対照的に、臨床サンプルNo.2〜4は、このアッセイにおいて
検出されるPSA特異核酸を含有せず、これらの患者では前立腺癌ではなく、良
性前立腺肥大(「BPH」)があることを示唆した。試験したすべての臨床サン
プルで、個々の患者から得た術前及び術後のサンプルに検出されたRLUのレベ
ルは、有意には異なっていなかった。BPHを示唆するRLUレベルを有する患
者では、これは予想されたことである。臨床サンプルNo.1を提供した患者で
、手術直後の末梢血において検出し得るPSA特異ターゲットRNAが存在して
いたのは、PSA・mRNAを発現する細胞、おそらくは前立腺癌細胞が依然と
して末梢血に存在し、癌細胞の発散又は転移を示唆することを示している。
【0084】 臨床サンプルのさらなる試験では、末梢血においてPSA特異ターゲットRN
Aを検出する同一のアッセイ系を使用して、全部で30個のサンプルを試験した
:そのうち5個は正常対照から、15個は臨床的に前立腺癌を有すると診断され
た患者から、10個は臨床的にBPHと診断された患者からのものである。各反
応物は約500ngの全RNAを含み、各サンプルは同一3検体でアッセイした
。5,000より大きい平均RLUが検出されたサンプルを前立腺癌について陽
性(+)として記録し、残りは前立腺癌について陰性(−)として記録した。正
常対照サンプルのすべてとBPH患者由来の10サンプルのうち9個は陰性であ
った。PSA特異ターゲットRNAが陽性であったサンプルには、臨床的に前立
腺癌を有すると診断された患者からの15サンプルのうち11個とBPHと診断
された患者の1サンプルが含まれた。上記の結果は、末梢血におけるPSA特異
ターゲットのアッセイが大部分の症例で臨床症状と一致することを示す。前立腺
と診断され、PSA特異ターゲットが血液中に検出されなかった患者では、癌が
転移してないか、又は血液中に発散していない可能性がある。
【0085】 実施例8:様々な生物学的サンプルにおけるPSA特異ターゲットの増幅及び 検出 前立腺特異抗原(PSA)は前立腺組織の癌に関連づけられてきたが、増幅及
び検出のアッセイを他のヒト組織から単離したRNAに対して実施し、それら組
織において検出されるPSA特異ターゲットの相対レベルを測定した。特に断ら
なければ、すべての組織は正常ドナー(つまり、非癌性組織)から入手した。ア
ッセイは、ヒト組織サンプルから単離した全RNAか又はポリ−A・RNAのい
ずれかを使用して、実質的にこれまでの実施例の記載通りに、SEQ ID N
O:18を有するオリゴヌクレオチドを非T7(+)プライマーとして、SEQ
ID NO:30を有するオリゴヌクレオチドをT7(−)プロモーター−プ
ライマーとして、SEQ ID NO:1の配列を有するオリゴヌクレオチドを
AE標識化プローブとして使用して、各サンプルにつき同一3検体で実施した。
これらのアッセイの結果を表9に示すが、陰性対照の結果はターゲットRNAを
加えないで実施した12回の反応の平均である。
【0086】
【表10】
【0087】 別の実験で、ヒト前立腺組織、末梢血、乳房組織、腎臓組織、肝臓組織、小腸
及びリンパ節から単離したポリ−A・RNAを、上記と同じプライマー及びプロ
ーブの組み合わせを使用して、同様の増幅及び検出アッセイにおいて比較した。
前立腺組織のmRNAは各反応につき5fg又は0.5fgでアッセイし、他の
生物学的起源由来のmRNAは各反応につき5ng及び0.5ngでアッセイし
た。上記の条件下で、PSA特異ターゲットの配列は前立腺組織、乳房組織、腎
臓組織、小腸及びリンパ節において検出されたが、肝臓組織や血液には陰性対照
(つまり、RNAを加えない反応)以上のシグナルが検出されなかった。検出さ
れた相対シグナル(同一2検体アッセイの平均RLU)は、乳房組織、腎臓組織
、小腸及びリンパ節に存在するPSAターゲット核酸が前立腺組織に存在するも
のの1/105〜1/106未満であることを示した。
【0088】 上記の結果は、このPSAターゲット検出系が前立腺組織以外の組織にある比
較的少ない量のターゲットさえ検出し得ることを示している。このアッセイで試
験した組織のいくつか(肝臓と末梢血)がPSA特異ターゲットについて陰性で
あったので、PSA遺伝子が必ずしも前立腺以外のすべてのヒト組織でより低レ
ベルで発現されているわけではないことを示す。従って、PSAターゲットは、
選択される他のヒト組織の癌性又は前癌性状態についての一般的なマーカーにな
り得る。検出されるPSA特異ターゲットの(例えば、末梢血における)増加は
、転移した前立腺癌又は他のタイプの癌についての指標になり得る。
【0089】 実施例9:様々な生物学的サンプルにおけるPSA、PSMA及びhK2ター ゲットの増幅及び検出 PSAだけでなく、他の前立腺関連癌マーカーターゲットであるPSMA及び
hK2も非前立腺組織におけるこれらのターゲットmRNAの存在を検出するの
に有用である。この実施例では、ヒト組織から単離した全RNA及びポリ(A)
RNAについて増幅及び検出アッセイを実施し、上記組織内のPSA、PSMA
及びhK2特異ターゲットの相対レベルを測定した。組織はすべて正常ドナー(
即ち、非癌性組織)から入手し、実質的に実施例8の記載通りに、各サンプルに
つき同一3検体で実施した。各試験サンプルで、RNA又はポリ(A)RNAの
既知量は表10に示す通りであり、ここでは5ngのポリ(A)RNAが約10
0ngの全RNAに相当する。PSAの検出には、SEQ ID NO:18を
有する非T7(+)プライマー、SEQ ID NO:30を有するT7(−)
プロモーター−プライマー及びSEQ ID NO:1を有するAE標識プロー
ブを使用して、転写介在増幅を実施した。PSMAの検出には、SEQ ID
NO:48を有する非T7(+)プライマー、SEQ ID NO:49を有す
るT7(−)プロモーター−プライマー及びSEQ ID NO:50を有する
AE標識プローブを使用して、転写介在増幅を実施した。hK2の検出には、S
EQ ID NO:46を有する非T7(+)プライマー、SEQ ID NO
:47を有するT7(−)プロモーター−プライマー及びSEQ ID NO:
1を有するAE標識プローブを使用して、転写介在増幅を実施した。RLUの検
出は実質的に上記の通りであった。同一3検体のサンプルについて実施したアッ
セイの平均RLU結果を各結果について表10に示す(NDは「実施せず」を意
味する)。
【0090】
【表11】
【0091】 表10に示した結果は、この実施例で使用した増幅及び検出法が、少なくとも
10fgの全RNAを含有する前立腺サンプル、少なくとも1ngの全RNAを
含有する乳房サンプル、少なくとも100ngの全RNAを含有する肺サンプル
、及び、リンパ節、腎臓及び小腸から単離した少なくとも50pgのポリ(A)
RNAを含有するサンプルにおいて、PSA特異RNAを検出したことを示す。
hK2については、このアッセイは、前立腺の全RNA(少なくとも10pg/
サンプル)、乳房の全RNA(少なくとも100ng/サンプル)、及びリンパ
節のポリ(A)RNA(少なくとも500pg/サンプル)において、この遺伝
マーカーRNAを検出した。PSMAについては、このアッセイは、前立腺の全
RNA(少なくとも10pg/サンプル)、乳房の全RNA(少なくとも1ng
/サンプル)、肺の全RNA(少なくとも1ng/サンプル)、及びリンパ節(
少なくとも50pg/サンプル)、腎臓(少なくとも50pg/サンプル)及び
小腸(少なくとも5pg/サンプル)から単離したポリ(A)RNAにおいて、
この遺伝マーカーRNAを検出した。正常血液から単離したRNAでは、プライ
マー及びプローブのいかなる組み合わせも遺伝マーカー(PSA、hK2、PS
MA)を検出せず、hK2は、他の組織では、PSA又はPSMAに比較して概
して低い量で検出された。表10はまた、このアッセイが定量的であり、検出の
飽和点(上記の実験では約2.5x106RLU)まではサンプル中のターゲッ
ト特異RNAの量に比較的比例しているRLUを検出することを示している。こ
のように、標準滴定実験を使用すれば、サンプル中のターゲットRNAの相対量
を定量的に決定し得る。
【0092】 実施例10:臨床サンプルにおけるPSA、PSMA及びhK2ターゲットの 増幅及び検出 この実施例では、臨床サンプル(良性前立腺肥大(BPH)又は前立腺癌(C
aP)を有する患者から採取した末梢血、又は正常対照から採取した血液)を、
アッセイ実施者が試験サンプルの起源を知らない盲検法で試験した。標準的なグ
アニジウムイソチオシアネート抽出法(Sambrook, J. et al., 1989, Molecular
Cloning, A Laboratory Manual, 2nd ed. (Cold Spring Harbor Laboratory Pr
ess, Cold Spring Harbor, NY), pp. 7.37-7.57)を使用して、臨床サンプルか
ら全RNAを単離した。TMAを使用する増幅と実質的に本明細書ですでに記載
した検出については、PSA・RNAの検出については500ng、hK2・R
NAの検出については500ng、及びPSMAの検出については100ngを
使用して、各サンプルを同一2検体でアッセイした。PSA検出では5,000
RLUより高く、hK2検出では10,000RLUより高く、PSMA検出で
は1,500RLUより高いカットオフ点を上回る検出シグナルを産生したもの
を陽性サンプルとし、各ターゲットについてのカットオフ点を下回るシグナルを
産生したものを陰性サンプルとした。プライマー及びプローブは実施例9に記載
のアッセイで使用したものと同じであった(PSAでは、SEQ ID NO:
18、30及び1;PSMAでは、SEQ ID NO:48、49及び50;
hK2では、SEQ ID NO:46、47及び1)。上記アッセイの結果を
表11に示す。サンプルを採取したヒトの病態に応じてサンプルを群分けした。
【0093】
【表12】
【0094】 表11の結果は、サンプルドナーの臨床状態とPSAの検出との間に概して正
の相関性があることを示す。このアッセイでは、14名の前立腺癌患者のうち1
1名が陽性で、10名のBPH患者のうち1名だけが陽性で、正常対照は誰も陽
性ではなかった。hK2の検出も前立腺癌の状態と正の相関を示した(14名の
うち7名が陽性だった)が、正常対照の1名が陽性で、10名のBPH患者のう
ち3名が陽性だった。PSMAの検出はドナーの臨床状態と強い相関を示さなか
ったが、PSMA陽性と判定された3名の前立腺癌患者のうち2名については、
PSAについても陽性だった。1名の前立腺癌患者(標本10)はPSMAだけ
が陽性で、2名の前立腺癌患者はhK2だけが陽性だった。上記の結果は、この
アッセイが臨床サンプルから単離したRNAにおいて個別の癌遺伝マーカーを特
異的に検出すること、及び各マーカーが、単独でも他の1〜2種の前立腺関連癌
遺伝マーカーと組み合わせても、前立腺癌と相関する分子マーカーを検出するの
に有用であることを示している。前立腺癌の症状を示すが1つの遺伝マーカー(
例えば、PSA)で陰性と判定された患者に対しては、別のマーカー(例えば、
hK2)が陽性シグナルを生じる可能性があり、それにより、1つだけのマーカ
ーの結果に依拠することから生じ得る偽陰性診断の可能性を減らすことになる。
1つの前立腺関連遺伝マーカー(例えば、PSA)について陽性と判定された前
立腺患者では、別の遺伝マーカー(例えば、PSMA又はhK2)で得られる陽
性の結果は、この陽性診断の裏付けをさらに加えるか、又は腫瘍増殖の程度を示
すものを提供することに使用し得る。いずれの症例でも、非前立腺のサンプルで
陽性の結果が得られたので、この結果は転移が起きているという診断を裏付ける
可能性がある。
【0095】 本明細書に示した実施例は、先述の特許請求の範囲により規定される本発明の
好ましい態様をより詳しく説明するためのものである。本発明の法的同等物であ
る態様はすべて本発明の特許請求の範囲内にあると考えられる。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、PSA遺伝子の構造と、以下に示す受け入れ番号(Acc.No.)
を使用する、GenBank及び/又はEMBLから入手可能な様々なPSA及
びカリクレイン−1の配列の並置を示す概略図であり、ここで閉じた四角(黒四
角)はエクソン1〜5(「E1」、「E2」、「E3」、「E4」及び「E5」
)を示し、開いた四角(白四角)はイントロン(「I1」、「I2」、「I3」
及び「I4」を特に表示し、第一のエクソンに先行するか又は最後のエクソンに
続くイントロンは表示しない)を示すが、0〜6,800の塩基番号を表すスケ
ールにわたってイントロン及びエクソンの相対位置が示される。図で示した既知
のPSA遺伝子配列を以下のように表示する:「HSPSAR」(1,466b
p;Acc.No.X05332)、「HUMAPS」(1,446bp;Ac
c.No.M26663)、「HSPSA」(1,729bp;Acc.No.
X07730)、「HUMPAA」(1,415bp;Acc.No.M218
95)、「HUMPAB」(1,654bp;Acc.No.M21896)、
「HUMPAC」(658bp;Acc.No.M21897)、「S7575
5」(569bp;Acc.No.S75755)、「HSU17040」(9
90bp;Acc.No.U17040)、「HSPSA1」(389bp;A
cc.No.X13940)、「HSPSA2」(287bp;Acc.No.
X13941)、「HSPSA3」(372bp;Acc.No.X13942
)、「HSPSA4」(281bp;Acc.No.X13943)、「HSP
SA5」(900bp;Acc.No.X13944)、「HSPSAG」(5
,873bp;Acc.No.X14810)、「HUMPSANTIG」(6
,153bp;Acc.No.M24543)及び「HUMPSAA」(7,1
30bp;Acc.No.M27274)、及びヒト腺カリクレイン−1の配列
「S39329」(1,541bp;Acc.No.S39329)。
【図2】 図2は、発現されるPSA遺伝子(HSPSAR,Acc.No.X0533
2の1,466bp配列に基づく)の大部分を表す実線にわたり本発明の様々な
プローブ(SEQ ID NO.を使用して左側に列挙される)の相対位置を示
す概略図であり、エクソン1〜5(E1、E2、E3、E4及びE5と表示され
る)の位置を実線の上に示し、欠失されるイントロン1〜4(I1、I2、I3
及びI4と表示される)のスプライス連結部位を実線の下に示す。
【図3】 図3は、発現されるPSA遺伝子(HSPSAR、Acc.No.X0533
2の1,466bp配列に基づく)の大部分を表す実線にわたり本発明の様々な
プローブ(SEQ ID NO.を使用して左側に列挙される)の相対位置を示
す概略図であり、エクソン1〜5(E1、E2、E3、E4及びE5と表示され
る)の位置を実線の上に示し、欠失されるイントロン1〜4(I1、I2、I3
及びI4と表示される)のスプライス連結部位を実線の下に示す。
【図4】 図4は、発現されるPSA遺伝子(HSPSAR、Acc.No.X0533
2の1,466bp配列に基づく)の大部分を表す「HSPSAR」と表示され
た実線にわたり本発明の様々なプローブ(SEQ ID NO.を使用して左側
に列挙される)の相対位置を示す概略図であり、エクソン1〜5(E1、E2、
E3、E4及びE5と表示される)の位置を実線の上に示し、欠失されるイント
ロン1〜4(I1、I2、I3及びI4と表示される)のスプライス連結部位を
実線の下に示す。
【図5】 図5は、各反応あたり前立腺の全RNAを10、5、1、0.5、0.1、0
.05、0.01又は0.005pg含有するアッセイにおける、PSA特異タ
ーゲットの増幅及び化学発光(正味平均RLU)の検出との直線性を示す図であ
り、実験結果を点線及び点の記号として示し、計算された回帰直線を実線で示す
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クラーク,トーマス・ジェイ,ジュニア アメリカ合衆国カリフォルニア州92126, サンディエゴ,トーマス・ヘイズ・レーン 11698 Fターム(参考) 4B024 AA12 BA80 CA01 CA12 HA12 4B063 QA01 QA19 QQ01 QQ42 QQ53 QR08 QR42 QR56 QR62 QS25 QS34 QS36 QX02

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SEQ ID NO:1〜SEQ ID NO:43、SE
    Q ID NO:46〜SEQ ID NO:50のいずれか1つ、又はその相
    補的若しくはRNA均等物の配列を有する単離オリゴヌクレオチド。
  2. 【請求項2】 SEQ ID NO:15〜SEQ ID NO:43、S
    EQ ID NO:46、SEQ ID NO:48のいずれか1つ、又はその
    相補的若しくはRNA均等物の配列からなるターゲット結合配列、並びに所望に
    より増幅反応に使用される機能を有する隣接配列を含んでなるオリゴヌクレオチ
    ド。
  3. 【請求項3】 隣接配列がポリメラーゼ結合配列である、請求項2に記載の
    オリゴヌクレオチド。
  4. 【請求項4】 前立腺特異抗原(PSA)のターゲット核酸配列に特有の検
    出アッセイに使用される、請求項1に記載のオリゴヌクレオチドの部分集合を形
    成するオリゴヌクレオチドの組み合わせであって: PSA発現遺伝子配列のエクソンに含まれる第一のPSA特異配列と特異的に
    ハイブリダイズするか、又はPSA発現遺伝子配列の2つのエクソンを連結する
    結合点に及ぶ、第一の増幅プライマ―として役立つ第一のオリゴヌクレオチド; PSA発現遺伝子配列のエクソンに含まれる、別の、重複しない第二のPSA
    特異配列と特異的にハイブリダイズするか、又はPSA発現遺伝子配列の2つの
    エクソンを連結する結合点に及ぶ、第二の増幅プライマ―として役立つ第二のオ
    リゴヌクレオチド;及び PSA発現遺伝子配列の1つまたはそれ以上のエクソンに含まれる第三のPS
    A特異配列と特異的にハイブリダイズする、検出プローブとして役立つ第三のオ
    リゴヌクレオチド; を含んでなる、前記オリゴヌクレオチドの組み合わせ。
  5. 【請求項5】 第一のオリゴヌクレオチドがエクソン2、エクソン3若しく
    はエクソン4に含まれる第一のPSA特異配列と特異的にハイブリダイズするか
    、又はエクソン2及び3若しくはエクソン3及び4を連結する結合点に及び、そ
    して第二のオリゴヌクレオチドがエクソン3、エクソン4若しくはエクソン5に
    含まれる第二のPSA特異配列と特異的にハイブリダイズするか、又はエクソン
    3及び4若しくはエクソン4及び5を連結する結合点に及ぶ、請求項4に記載の
    オリゴヌクレオチドの組み合わせ。
  6. 【請求項6】 第三のオリゴヌクレオチドがエクソン2、エクソン3、エク
    ソン4若しくはエクソン5に含まれる第三のPSA特異配列と特異的にハイブリ
    ダイズするか、又はPSA発現遺伝子配列のエクソン2及び3、エクソン3及び
    4、若しくはエクソン4及び5を連結する結合点に及ぶ、請求項4に記載のオリ
    ゴヌクレオチドの組み合わせ。
  7. 【請求項7】 第一のオリゴヌクレオチドが、SEQ ID NO:15、
    SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:
    20、SEQ ID NO:21及びSEQ ID NO:26、又はそれらの
    相補的若しくはRNA均等物からなる群から選択される配列を含み; 第二のオリゴヌクレオチドが、SEQ ID NO:30、SEQ ID N
    O:31、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:33、SEQ I
    D NO:34、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SE
    Q ID NO:38、SEQ ID NO:40及びSEQ ID NO:4
    1、又はそれらの相補的若しくはRNA同等物からなる群から選択される配列を
    含み;及び 第三のオリゴヌクレオチドが、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO
    :2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO
    :5、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8及びSEQ ID N
    O:14、又はそれらの相補的若しくはRNA同等物からなる群から選択される
    配列を含む、請求項4に記載のオリゴヌクレオチドの組み合わせ。
  8. 【請求項8】 第一、第二、及び第三のオリゴヌクレオチドの組み合わせが
    、その順で、以下の配列からなる、請求項4に記載のオリゴヌクレオチドの組み
    合わせ: SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:30及びSEQ ID N
    O:1; SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:30及びSEQ ID N
    O:1; SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:30及びSEQ ID N
    O:1; SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:35及びSEQ ID N
    O:1; SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:30及びSEQ ID N
    O:4; SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:30及びSEQ ID N
    O:5; SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:30及びSEQ ID N
    O:6; SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:31及びSEQ ID N
    O:2; SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:31及びSEQ ID N
    O:3; SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:33及びSEQ ID N
    O:2; SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:33及びSEQ ID N
    O:3; SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:32及びSEQ ID N
    O:2; SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:32及びSEQ ID N
    O:3; SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:34及びSEQ ID N
    O:2; SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:34及びSEQ ID N
    O:3; SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:37及びSEQ ID N
    O:8; SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:38及びSEQ ID N
    O:8; SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:37及びSEQ ID N
    O:8; SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:38及びSEQ ID N
    O:8; SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:40及びSEQ ID N
    O:14; SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:37及びSEQ ID N
    O:14; SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:41及びSEQ ID N
    O:14; SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:40及びSEQ ID N
    O:8; SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:41及びSEQ ID N
    O:8; SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:37及びSEQ ID N
    O:8; SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:40及びSEQ ID N
    O:8;又は SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:41及びSEQ ID N
    O:8。
  9. 【請求項9】 前記組み合わせが少なくとも1つのヘルパープローブオリゴ
    ヌクレオチドをさらに包含する、請求項4に記載のオリゴヌクレオチドの組み合
    わせ。
  10. 【請求項10】 ヘルパープローブオリゴヌクレオチドがSEQ ID N
    O:27又はSEQ ID NO:28の配列を含むか、又はSEQ ID N
    O:27及びSEQ ID NO:28のオリゴヌクレオチドの組み合わせであ
    る、請求項9に記載のオリゴヌクレオチドの組み合わせ。
  11. 【請求項11】 核酸を含有する生物学的サンプルにおいて前立腺関連ター
    ゲット核酸を検出する方法であって、 前立腺特異抗原(PSA)、前立腺特異膜抗原(PSMA)又はヒトカリクレ
    イン2(hK2)をコードする少なくとも1つの発現遺伝子配列の少なくとも一
    部が含まれるターゲット核酸を含有する核酸サンプルを提供すること; ターゲット核酸又はその相補体と特異的にハイブリダイズする配列を含有する
    少なくとも1つのプライマーオリゴヌクレオチドを前記ターゲット核酸とハイブ
    リダイズさせること; 少なくとも1つのポリメラーゼの活性を使用することによってターゲット核酸
    の複数の増幅産物を産生させること; ターゲット核酸の少なくとも1つの増幅産物と特異的にハイブリダイズするプ
    ローブオリゴヌクレオチドを提供すること;及び 増幅産物とハイブリダイズしたプローブから生じるシグナルを検出すること:
    という工程を含んでなる、前記方法。
  12. 【請求項12】 ターゲット核酸がPSA・mRNAであり; 少なくとも1つのプライマーオリゴヌクレオチドが、PSA・mRNAの少な
    くとも一部に相補的な配列とプロモーター配列である配列とからなるプロモータ
    ー−プライマーオリゴヌクレオチドと、PSA・mRNAに相補的な核酸鎖と特
    異的にハイブリダイズする少なくとも1つのプライマーオリゴヌクレオチドを含
    み;及び プローブオリゴヌクレオチドがPSA・mRNAの増幅産物と同じであるセン
    スのそれと特異的にハイブリダイズする、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 ターゲット核酸がPSMA・mRNAであり; 少なくとも1つのプライマーオリゴヌクレオチドが、PSMA・mRNAの少
    なくとも一部に相補的な配列とプロモーター配列である配列とからなるプロモー
    ター−プライマーオリゴヌクレオチドと、PSMA・mRNAに相補的な核酸鎖
    と特異的にハイブリダイズする少なくとも1つのプライマーオリゴヌクレオチド
    を含み;及び プローブオリゴヌクレオチドがPSMA・mRNAの増幅産物と同じであるセ
    ンスのそれと特異的にハイブリダイズする、請求項11に記載の方法。
  14. 【請求項14】 ターゲット核酸がhK2・mRNAであり; 少なくとも1つのプライマーオリゴヌクレオチドが、hK2・mRNAの少な
    くとも一部に相補的な配列とプロモーター配列である配列とからなるプロモータ
    ー−プライマーオリゴヌクレオチドと、hK2・mRNAに相補的な核酸鎖と特
    異的にハイブリダイズする少なくとも1つのプライマーオリゴヌクレオチドを含
    み;及び プローブオリゴヌクレオチドがhK2・mRNAの増幅産物と同じであるセン
    スのそれと特異的にハイブリダイズする、請求項11に記載の方法。
  15. 【請求項15】 少なくとも1つのプライマーオリゴヌクレオチドが、SE
    Q ID NO:15〜SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:46
    、SEQ ID NO:48のいずれか1つの配列、又はSEQ ID NO:
    30〜SEQ ID NO:43、SEQ ID NO:47若しくはSEQ
    ID NO:49のいずれか1つのターゲット結合配列を含む、請求項11に記
    載の方法。
  16. 【請求項16】 プロモーター−プライマーオリゴヌクレオチドがSEQ
    ID NO:30〜SEQ ID NO:43のいずれか1つの配列を含み、及
    び、PSA・mRNAに相補的な核酸鎖と特異的にハイブリダイズするプライマ
    ーオリゴヌクレオチドがSEQ ID NO:15〜SEQ ID NO:29
    のいずれか1つの配列を含む、請求項12に記載の方法。
  17. 【請求項17】 プロモーター−プライマーオリゴヌクレオチドがSEQ
    ID NO:49の配列を含み、及び、PSMA・mRNAの増幅産物と同じで
    あるセンスのそれと特異的にハイブリダイズするプライマーオリゴヌクレオチド
    がSEQ ID NO:48の配列を含む、請求項13に記載の方法。
  18. 【請求項18】 プロモーター−プライマーオリゴヌクレオチドがSEQ
    ID NO:47の配列を含み、及び、hK2・mRNAの増幅産物と同じであ
    るセンスのそれと特異的にハイブリダイズするプライマーオリゴヌクレオチドが
    SEQ ID NO:46の配列を含む、請求項14に記載の方法。
  19. 【請求項19】 検出する工程が、SEQ ID NO:1〜SEQ ID
    NO:14、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:28又はSE
    Q ID NO:50のいずれか1つの配列からなる少なくとも1つのプローブ
    オリゴヌクレオチドを使用する、請求項11に記載の方法。
  20. 【請求項20】 請求項11に記載の方法であって、PSAをコードする発
    現遺伝子配列とPSMA又はhK2をコードする少なくとも1つの発現遺伝子配
    列についてアッセイすることを含む、前記方法。
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