JP2002534456A - 卵巣癌の治療方法、ポリホスホエステル組成物、及びその生分解性物品 - Google Patents

卵巣癌の治療方法、ポリホスホエステル組成物、及びその生分解性物品

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JP2002534456A
JP2002534456A JP2000593290A JP2000593290A JP2002534456A JP 2002534456 A JP2002534456 A JP 2002534456A JP 2000593290 A JP2000593290 A JP 2000593290A JP 2000593290 A JP2000593290 A JP 2000593290A JP 2002534456 A JP2002534456 A JP 2002534456A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インビボで各種の異なる抗腫瘍剤を、それらがパクリタキセルのような小さな疎水性医薬であれあるいは治療に有用な蛋白などの大きな嵩ばる生体高分子であれ、腹膜内にコントロ−ルしながら放出する方法の必要性が存在している。 【解決手段】 卵巣癌を有している哺乳類の患者を治療するための腹膜内投与に適する生分解性ポリマー組成物であって、該組成物は、(a) 少なくとも1つの抗腫瘍剤と、(b) 式Iで示される繰返しモノマー単位よりなる生分解性ポリマーよりなり、 【化75】 式中、Xは−O−又は−NR4で、このR4はH又はアルキルであり、Yは−O−、−S−又はNR4−であり、R1とR2はそれぞれ2価の有機部分であり、Lは炭素数が1−20で分岐又は直鎖の2価の脂肪族基、脂環式基又は次式を有する基であり、 【化76】 R3はH、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環又はヘテロシクロオキシよりなる群より選ばれたものであり、そして、nは約5−5,000であり、前記ポリマー組成物は、前記患者の腹膜内への前記抗腫瘍剤の放出期間を延ばし、前記ポリマー組成物は、前記癌からの半数生存率を、前記生分解性ポリマーは含まないが同じ量の前記抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与することによって得られる半数生存率に比べて、少なくとも約10%増加させる生分解性ポリマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の背景技術】
1.発明の分野 本発明は、卵巣癌の治療方法に関し、特に、生分解性のポリホスホエステル組
成物から抗腫瘍剤を長期に放出させる方法に関するものである。 2.関連技術の説明 パクリタキセルのような抗腫瘍剤は時折卵巣癌の治療に使用されてきた。例え
ば、パクリタキセルの生理食塩液を卵巣癌を有する女性の腹膜腔に長期にわたっ
て毎週注入する治療が試みられてきた。Francisら、“Phase I FeasibILity and
PharmacoLogic Study of WeekLy IntraPeritoneaL PacLitaxeL:A GynecoLogic
OncoLogy GrouP PILot Study”,J.of CLinicaL OncoLogy,13:12,2961−67
(1995).しかし、このやり方で効果を挙げるためには、しばしば薬の投与量と
液量が多大になってしまい、腹痛、吐き気、嘔吐、白血球減少、疲労などのいく
つもの毒性による問題を生じている。さらに、投与の繰返しとそれに伴う不快感
も不便であることが多く、時々、患者に拒否されてしまうこともある。 こうして、インビボで各種の異なる抗腫瘍剤を、それらがパクリタキセルのよ
うな小さな疎水性医薬であれあるいは治療に有用な蛋白などの大きな嵩ばる生体
高分子であれ、腹膜内にコントロ−ルしながら放出する方法の必要性が存在して
いる。しかも、生理食塩水や有機溶剤などの生理的に受容可能な液体ベヒクルが
相当量存在することを要求せずに抗腫瘍剤が有効に放出されることが好ましい。
また、周囲の軟組織への傷を最小にしながら放出を引き伸ばすことができる生分
解性ポリマー組成物の必要性も引き続き存在している。 生体適合性ポリマー物質は各種の治療薬デリバリ−及び医療上の移植への適用
に用いられてきた。もし、医療上の移植が薬のデリバリ−や他のコントロ−ルさ
れた放出システムとしての使用を意図しているのであれば、生分解性ポリマーキ
ャリ−の使用は治療薬をコントロ−ルされたやり方で局所的に配達する1つの有
効な手段である。Langerら.,“ChemicaL and PhysicaL Structures of PoLyme
rs as Carriers for ControLLed ReLease of Bioactive Agents”,J.Macro, S cience Rev. Macro. Chem. Phys .,C23:1,61−126(1983)参照。このやり方
では、要求される薬の全量が少なくなり、有毒な副作用を最小限にすることがで
きる。 ポリマーは、時折治療薬を局所的に放出を維持させるキャリヤ−として使用さ
れている。Leongら.,“PoLymeric ControLLed Drug DeLivery”,AdVAnced Dr ug DeLivery Rev .,1:199〜233(1987);Langer,“New Methods of Drug De
Livery”,Science,249:1527〜33(1990);Chienら.,NoveL Drug DeLivery Systems (1982)参照。このようなデリバリ−システムは治療効果の増進と全体
としての毒性の減少の可能性を提供する。可能な固体の生分解性材料として研究
された合成ポリマーのクラスの例には、ポリエステル(Pittら、BiodegradabLe
Drug DeLivery Systems Based on AliPhatic PoLyesters:APPLication to cont
racePtives and Narcotic Antagonists,ControLLed ReLese of Bioactive Mate riaLs . 19〜44(Richard Baker ed., 1980);PoLy (amino acids)及びシュ
−ドポリアミノ酸(PuLaPuraら.,“Trends in the DeveLoPment of Bioresorb
abLe PoLymers for MedicaL APPLications”,J.of BiomateriaLs APPL.,6:
1,216〜50(1992);ポリウレタン(Bruinら,.“BiodegradabLe Lysine Diis
ocyanate−based PoLy(GLycoLide−co−εCaProLactone)−Urethane Network
in ArtificiaL Skin”,BiomateriaLs, 11:4,291〜95(1990);ポリオルト
エステル(HeLLerら.,“ReLease of Norethindrone from PoLy(Ortho Esters
)”,PoLymer Engineering Sci.,21:11,727〜31(1981):及びポリアンハ
イドライド(Leongら.,“PoLyanhydrides for ControLLed ReLease of Bioact
ive Agents”,BiomateriaLs 7:5,364〜71(1986)が含まれる。 ポリホスフェ−ト、ポリホスホネ−ト及びポリホスファイトと呼ばれるホスホ
エステル結合を有するポリマーが知られている。Penczekら.,Handbook of PoL ymer Synthesis , ChaPter 17:“PhosPhorus−Containing PoLymers”(Hans R
.KricheLdorf ed.,1992)参照。それぞれリン原子に結合されている異なる側
鎖を有するこれらの三つのクラスの化合物のそれぞれの構造は次の通りである。
【化37】 これらのポリマーの多用性は、反応の多重性が知られているリン原子の多能か
ら来ている。その結合は3P軌道や各種の3C−3P混成軌道を含み、d軌道も受け入
れられるのでsPd混成軌道もまた可能である。こうして、これらのポリホスホエ
ステルの物理化学的性質はRまたはR’基のどちらかを変えることによって容易に
変えることができる。このポリマー生分解性は基本的にこのポリマーの主鎖にお
ける生理学的に不安定なホスホエステル結合によるものである。主鎖や側鎖を操
作することによって広範囲の生分解率を得ることができる。 ポリホスホエステルの付加的特徴は官能側基を利用しうることである。リンは
5価になりうるので、薬の分子あるいは他の生物学的活性物質をこのポリマーに
化学的に結合させることができる。たとえば、−o−カルボキシル基を持ってい
る薬を加水分解可能なホスホエステル結合を介してリンに結合させることができ
る。Leong, USP 5,194,581, USP 5,256,765参照。この主鎖におけるP−O
−C基はポリマーのガラス転移温度も下げ、さらに重要なことに特性決定と処理
に望ましい普通の有機溶剤への溶解性を与える。 共に出願中の米国特許出願09/053,648とWO89/44021には生分解性テレフタレ
−トポリエステル−ポリホスフェ−ト組成物が開示されており、米国特許出願09
/053,649とWO98/44020には鎖がホスホエステルによって延ばされたポリマーを
含む生分解性組成物が開示されており、米国特許出願09/070,204と国際出願PCT
/US98/09185にはポリ脂環式ホスホエステル化合物よりなる生分解性組成物が開
示されている。しかしながら、これらの開示にはいずれも特に卵巣癌を治療する
ための生分解性ポリホスホエステル組成物の用途は示唆されていない。 こうして、不快感や毒性や長期にわたる定期的投与を最小にした卵巣癌の治療
を成功させる困難な問題のための新しい方法と物質が相変らず必要である。
【発明の要約】
此度発明された生分解性ポリマー組成物は、 卵巣癌を有している哺乳類の患者を治療するための腹膜内投与に適する生分解
性ポリマー組成物であって、該組成物は、 (a) 少なくとも1つの抗腫瘍剤と、 (b) 式Iで示される繰返しモノマー単位よりなる生分解性ポリマーよりなり
【化38】 式中、Xは−O−又は−NR4で、このR4はH又はアルキルであり、 Yは−O−、−S−又はNR4−であり、 R1とR2はそれぞれ2価の有機部分であり、 Lは炭素数が1−20で分岐又は直鎖の2価の脂肪族基、脂環式基又は次式を有す
る基であり、
【化39】 R3はH、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環又はヘテ
ロシクロオキシよりなる群より選ばれたものであり、そして、 nは約5−5,000であり、 よりなり、卵巣癌環を有している哺乳類の患者を治療するために腹膜内に投与す
るのに適している。このポリマー組成物は、前記患者の腹膜内への抗腫瘍剤の放
出期間を延ばす。さらに、本発明のポリマー組成物は前記癌からの半数生存率を
、前記生分解性ポリマーは含まないが同じ量のこの抗腫瘍剤を含んでいる組成物
を投与することによって得られる半数生存率に比べて少なくとも約10%増加させ
る。 本発明はまた、巣癌を有している哺乳類の患者を治療するために腹膜内に挿入
するのに適する固体物品であって、該物品は、 (a)少なくとも1つの抗腫瘍剤と、 (b)前記の式Iで示される繰返しモノマ−単位よりなる生分解性ポリマー よりなる生分解性ポリマー組成物よりなるものである。 本発明の更に別の態様においては、卵巣癌を有している哺乳類の患者を抗腫瘍
剤の長期放出によって治療する方法であって、次の工程よりなり、 (a) 該抗腫瘍剤を、式Iで示される繰返しモノマー単位を有する生分解性
ポリマーに組み合わせて組成物を形成し、そして、 (b) 該組成物を前記患者の腹膜に、挿入された組成物が少なくとも一部が
卵巣癌腫瘍に接するように、インビボで挿入することよりなり、 前記癌からの半数生存率が、前記生分解性ポリマーは含まないが同じ量の前記
抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与することによって得られる半数生存率に比べ
て、少なくとも約10%増加することを特徴とする方法が提供される。 本発明の組成物は、多種類の抗腫瘍剤、例えばパクリタキセルのような疎水性
医薬から蛋白のような大きな水溶性高分子まで、を相当量のデリバリ−液を必要
とせずに長期間にわたってデリバ−するのに使用することが可能である。本発明
の方法は、抗腫瘍剤が放出される有効投与期間を著しく増加させて、この方法で
治療することによって患者の生存期間を予期せぬ程度まで増加させるのに使用す
ることができる。さらに、卵巣癌という重病を、副作用を最小にして、かつ相当
量の輸液を腹膜内に導入する同期的注入治療の不快感なく治療を行うことができ
る。 [発明の詳細な説明] [本発明のポリマー組成物] ここで使用されている“哺乳類の患者”の表現は、マウス、ラット、モルモッ
ト、猫、犬、人間、牛、馬、羊あるいは他の家畜などの如何なる哺乳類の患者も
意味している。“卵巣癌を有している哺乳類の患者”の表現は、現実はこの病気
の症状がある患者、手術、化学療法又は他の治療などのこの病気を治療する他の
やり方から回復しつつある患者、及び過去にこの病気から少なくとも部分的に回
復した患者や女性の親類の相当類がこの病気に罹っているあるいは罹っていたと
診断された患者などの卵巣癌の危険性が平均より大きいと単に信じている者を含
むがこれらに限定されない。 ここで使用されている“治療”の用語は、 (i)ある病気、不調及び/又は状態に罹りやすくなっているかもしれないが
まだ罹っているとは診断されていない動物をこの病気、不調又は状態にならない
ように防止すること、 (ii)この病気、不調、状態を抑えること、すなわち、それが進行しないよう
抑えること、及び (iii)この病気、不調、状態軽減すること、すなわちこの病気、不調及び/
又は状態を退行させること、を含む。 “脂肪族”の用語は、直鎖、分岐あるいは環状のアルカン、アルケン又はアル
キンを意味する。本発明のポリ脂環式ホスホエステル組成物における好ましい直
鎖又は分岐脂肪族基は約1から20の炭素原子を有するものである。好ましい脂環
式基は、1以上の不飽和部分、すなわち二重又は三重結合を有しているが芳香性
のないものである。 ここで使用されている“アリ−ル”の用語は、4n+2のπ電子を有する不飽和
環状炭素化合物を意味する。ここで使用されている“複素環式”の用語は、環の
1以上の原子か炭素以外、例えば窒素、酸素あるいは硫黄である、飽和又は不飽
和の環式化合物を意味する。“ヘテロアリ−ル”は4n+2の電子を有する複素環
式化合物を意味する。 ここで使用されている“非阻害性置換基”の用語は、そのモノマ−と反応せず
、その重合反応を触媒、停止あるいは他の妨害をせず、そして得られたポリマー
と分子内又は分子間反応による反応をしない置換基を意味する。 本発明の生分解性で注入可能なポリマー組成物は式Iで示される繰返しモノマ
−単位を有するポリマーよりなる。
【化40】 式中、Xは−O−又は−NR4−で、R4はH又は、メチル、エチル、1,2−ジメチルエ
チル、n−プロピル、イソプロピル、2−メチルプロピル、2,2−ジメチルプロピ
ル又は第3ブチル、n−ペンチル、第3ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル等の
アルキルである。 式IにおけるY基は−O−、−S−又は−NR4−で、R4は前記定義の通りである。 R1とR2はそれぞれ、無置換又は1以上の非阻害性置換基で置換されていてもよ
い2価の有機部分であることができ、この部分とその置換基はこのポリマーの重
合、共重合又は生分解反応を望ましくなく阻害しない限り、如何なるものであっ
てもよい。特に、R1とR2はそれぞれ分岐又は直鎖の脂肪族基、好ましくは炭素数
が約1〜20のものであることができる。R1とR2は例えばアルキレン、例えばメチ
レン、エチレン、1−メチルエチレン、1,2−ジメチルエチレン、n−プロピレン
、イソプロピレン、2−メチルプロピレン、2,2’−ジメチルプロピレン又は第3
ブチレン、n−ペンチレン、第3ペンチレン、n−ヘキシレン、n−ヘプチレン
、n−オクチレン、n−ノニレン、n−デシレン、n−ウンデシレン、n−ドデ
シレン、等であることができる。 R1とR2はまたアルケニレン、例えばエテニレン、プロペニレン、2−ビニルプ
ロペニレン、n−ブテニレン、3−エテニルブチレン、n−ペンテニレン、4−(
3−プロペニル)ヘキシレン、n−オクテニレン、1−(4−ブテニル)−3−メチ
ルデシレン、ドデセニレン、2−(3−プロペニル)ドデシレン、ヘキサデセニレ
ン等であることができる。R1とR2はまたアルキニレン、例えばエチニレン、プロ
ピニレン、3−(2−エチニル)ペンチレン、n−ヘキシニレン、オクタデセニニ
レン、2−(2−プロビニル)デシレン等であることができる。 R1とR2はまた非阻害性置換基、例えばヒドロキシ、ハロゲン又は窒素基で置換
された、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン基などの脂肪族基であること
ができる。このような基の例には、2−クロロ−n−デシレン、1−ヒドロキシ−3
−エテニルブチレン、2−プロピル−6−ニトロ−10−ドデシニレン等が含まれる
が、これらには限定されない。 さらに、R1とR2は脂環式基、例えばシクロペンチレン、メチルシクロペンチレ
ン、シクロヘキシレン、シクロヘキセニレン等であることができる。 R1とR2はそれぞれ2価の芳香族基、例えばフェニレン、ベンジレン、ナフタレ
ン、フェナントレニレン等、又は非阻害性の置換基で置換された2価の芳香族基
であってもよい。さらに、R1とR2はそれぞれ2価の複素環式基、例えばピロリレ
ン、フラニレン、チオフェニレン、アルキレン−ピロリレン−アルキレン、ピリ
ジレン、ピリジニレン、ピリミジニレン等、又はこれらの非阻害性置換基で置換
された如何なるものであってもよい。 好ましくは、R1とR2は炭素数が約1〜20のものであって、アルキレン基、脂環
式基、フェニレン基又は下記の式を有する2価の基である。
【化41】 式中、Zは酸素、窒素又は硫黄であり、nは1ないし3である。より好ましくは
、R1とR2はそれぞれ1〜7個の炭素原子を有する分岐又は直鎖のアルキレン基であ
る。最も好ましくは、R1とR2はそれぞれメチレン基、エチレン基、n−プロピレ
ン、2−メチル−プロピレン又は2,2’−ジメチルプロピレン基である。 本発明の1つの態様においては、R1とR2の一方又は両方加生理的環境で放出さ
れうる形態の抗腫瘍剤であることができる。このやり方で抗腫瘍剤がポリホスホ
エステル主鎖の1部になっているときには、本発明の組成物の分解によって形成
されるポリマーマトリックスとして放出される。 本発明のポリマー組成物におけるLは、いかなる炭素数が1〜20の2価の分岐又
は直鎖脂肪族基、脂環式基、又は次式の基であることができる。
【化42】 Lが分岐又は直鎖アルキレン基である場合には、炭素数が1〜7のアルキレン基、
例えば2−メチルメチレン又はエチレンであることが好ましい。Lが脂環式基であ
る場合には、それがこの組成物のポリマーの重合又は生分解反応を阻害しない限
り如何なる2価の脂環式基であってもよい。有用な無置換及び置換脂環式L基の具
体例には、シクロアルキレン基、例えばシクロペンチレン、2−メチルシクロペ
ンチレン、シクロヘキシレン、2−クロロシクロヘキシレン等、シクロアルケニ
レン等、例えばシクロヘキセニレン、及び1以上の側部に環が融合又は架橋によ
って付加されている構造を有するシクロアルキレン基、例えばテトラリニレン、
デカリニレン及びノルピナニレン等が含まれる。 本発明のポリマー組成物におけるR3は、H、アルキル、アルコキシ、アリ−ル
、アリ−ルオキシ、複素環式及びヘテロシクロオキシ残基よりなる群から選ばれ
る。 R3がアルキル又はアルコキシである場合には、好ましくは約1から約20の炭素
原子、より好ましくは約1から約15の炭素原子、最も好ましくは約1−7の炭素原
子を含む。このような基の例には、メチル、メトキシ、エチル、エトキシ、n−
プロピル、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブチル、−C8H17、非阻害性置
換基、例えばハロゲン、アルコキシ又はニトロで置換されたアルキル、生物学的
に活性な物質と共役してペンダント医薬デリバリ−システムを形成しているアル
キル等が含まれる。 R3がアリ−ル又はそれに対応するアリ−ルオキシ基である場合には、それは典
型的には約5から約14、好ましくは約5から12の炭素原子を含んでおり、互いに融
合した1以上の環を含んでいてもよい。特に適する芳香族基にはフェニル、フェ
ノキシ、ナフチルアントラセニル、ファナントレニル等が含まれる。 R’が複素環式又はヘトロシクロオキシの場合には、それは典型的には約5から
約14の環形成原子、好ましくは約5から約12の環形成原子と、1以上の異種原子を
含む。適する複素環式基の例には、フラン、チオフェン、ピロ−ル、イソピロ−
ル、3−イソピロ−ル、ピラゾ−ル、2−イソイミダゾ−ル、1,2,3−トリアゾ
−ル、1,2,4−トリアゾ−ル、オキサゾ−ル、チアゾ−ル、イソチアゾ−ル、1
,2,3−オキサジアゾ−ル、1,2,4−オキサジアゾ−ル、1,2,5−オキサジア
ゾ−ル、1,3,4−オキサジアゾ−ル、1,2,3、4−オキサトリアゾ−ル、1,2
,3,5−オキサトリアゾ−ル、1,2,3−ジオキサゾ−ル、1,2,4−ジオキサゾ
−ル、1,3,2−ジオキサゾ−ル、1,3,4−ジオキサゾ−ル、1,2,5−オキサ
トリアゾ−ル、1,3−オキサチオ−ル、1,2−ピラン、1,4−ピロン、1,2−ピ
ロン、1,4−ピロン、1,2−ジオキシン、1,3−ジオキシン、ピリジン、N−ア
ルキルピリジニウム、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5−トリアジ
ン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−オキサジン、1,3
,2−オキサジン、1,3,5−オキサジン、1,4−オキサジン、o−イソオキサジ
ン、P−イソオキサジン、1,2,5−オキサチアジン、1,2,6−オキサチアジン
、1,4,2−オキサジアジン、1,3,5,2−オキサジアジン、アゼピン、オキセ
ピン、チエピン、1,2,4−ジアゼピン、インデン、イソインデン、ベンゾフラ
ン、イソベンゾフラン、チオナフテン、イソチオナフテン、インド−ル、インド
レニン、2−イソベンザゾ−ル、1,4−ピリンジン、ピランド[3,4−b]−ピロ
−ル、イソインダゾ−ル、インドキサジン、ベンゾキサゾ−ル、アントラニル、
1,2−ベンゾピラン、1,2−ベンゾピロン、1,4−ベンゾピロン、2,1−ベンゾ
ピロン、2,3−ベンゾピロン、キノリン、イソキノリン、1、2−ベンゾジアジン
、1,3−ベンゾジアジン、ナフチリジン、ピリド[3,4−b]−ピリジン、ピリ
ド[3,2−b]−ピリジン、ピリド[4,3−b]ピリジン、1,3,2−ベンゾキ
サジン、1,4,2−ベンゾキサジン、2,3,1−ベンゾキサジン、3,1,4−ベン
ゾキサジン、1,2−ベンズイソキサジン、1,4−ベンズイソキサジン、カルバゾ
−ル、キサントレン、エクリジン、プリン、等が含まれる。好ましくは、R3が複
素環式又はヘテロシクロオキシの場合には、それがフラン、ピリジン、N−アル
キルピリジン、1,2,3−及び1,2,4−トリアゾ−ル、インデン、アントラセン
並びにプリン環よりなる群から選ばれる。 特に好ましくい態様においては、R3はアルキル基、アルコキシ基、フェニル基
フェノキシ基又はヘテロシクロオキシ基であり、さらに好ましくは、1から10個
の炭素原子を有するアルコキシ基である。最も好ましくは、R3はエトキシとヘキ
シルオキシ基である。 一方、この側鎖R3は例えばイオン結合や共有結合でポリマー主鎖にペンダント
結合させた抗腫瘍剤や他の生物学的に活性な物質であることができる。このペン
ダントシステムでは、抗腫瘍剤や他の生物学的に活性な物質は生理学的な状態の
下で開裂されるリン原子に結合しているR3として放出される。 “n”の数はポリマーに要求される生分解性と放出特性によって大きく変わる
ことができるが、典型的には約5から1,000の間で変わる。nは好ましくは約5か
ら約500であり、最も好ましくは約5から約200である。 本発明の方法で使用されるときには、このポリマー組成物は、卵巣癌を有する
患者の腹膜内への抗腫瘍剤の放出を、好ましくは1週間より長く、より好ましく
は2週間より長く延ばす。さらに好ましくは、この時間は約3週間より長く延ばさ
れ、最も好ましくは4週間より長く、例えば4週間から1年間延ばされる。 さらに、本発明の方法による組成物を使用することによって、この癌からの半
数生存率を、本発明の生分解性ポリマーは含まないが同量の抗腫瘍剤を含む組成
物を投与して得られる半数生存率と比べて少なくとも約10%増加させることがで
きる。この半数生存率は、好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なく
とも約30%、最も好ましくは少なくとも約40%の倍率で増加させる。 本発明の組成物で用いられるポリマーは、好ましくは、
【化43】
【化44】
【化45】
【化46】 式中、R1、R2、R3及びnは前記定義の通りである。 よりなる群より選ばれる。 式IIのポリマーでは、R5はR1とR2と同じ群から選ばれ、そして、Lは好ましく
は次式を有する群である。
【化47】 式IIにおけるx:yのモル比は、ポリマーに所望される溶解度、所望のガラス転
移温度(Tg)、ポリマーの所望安定性、最終ポリマーの所望の剛さ、及びこのポ
リマーに望まれる生分解性と放出特性によって大きく変わりうる。しかしながら
、x:yのモル比は典型的には約20:0と1:20の間で変わる。yがoである場合に
は、形成されたポリマーはホモポリマーである。しかしながら、好ましくは、x
:y比は約1:15から約15:1、より好ましくは約10:1から約1:1である。 x:yのモル比をコントロ−ルする最も一般的なやり方は、当該ポリマーを合成
するときに“x”部分と“y”部分の供給比をかえることである。供給比は99: から1:99まで、例えば95:5、90:10、85:15、80:20、75:25、70:30、65
:35、60:40、55:45、50:50、45:55、20:80、15:85等に容易に変えるがで
きる。このモノマ−供給比は、好ましくは約90:10から約50:50まで、より好ま
しくは約80:20から約50:50まで、そして、最も好ましくは約80:20から約50:
50まで変わる。 生分解性ポリマーが式IIを有している場合には、R3は好ましくはアルコキシ、
アリ−ルオキシ又はヘテロシクロオキシで、xは約0.1から30、より好ましくは約
0.2から20、最も好ましくは≧1(例えば、約2−20)で、yは2である。 式IIIとIVの好ましいポリマーでは、
【化48】
【化49】 M1とM2は、それぞれ独立に、(1)約1−20の炭素原子、より好ましくは約1−
7の炭素原子を有する分岐又は直鎖脂肪族基、又は(2)約1−20の炭素原子を有
する分岐又は直鎖オキシ、カルボキシ又はアミノ脂肪族基、例えばエトキシレン
、2−メチルエトキシレン、プロポキシレン、ブトキシレン、ペントオキシレン
、デドシルオキシレン、ヘキサデシルオキシレン等であり、 xとyはそれぞれ約1から1,000であり、 x:yのモル比は、ポリマーに望まれる生分解性と放出特性によって大きく変わ
りうるが、約1であり、 n:(x又はy)のモル比は、ポリマーに望まれる生分解性と放出特性によって
大きく変わりうるが、典型的には約200:1と1:200の間、好ましくは100:1と1
:100の間、より好ましくは約50:1から約1:50まで変わり、そして、 q:rのモル比もまた、ポリマーに望まれる生分解性と放出特性によって大き
く変わりうるが、典型的には約1:20と200:1の間、好ましくは1:150から150:
1の間、そして最も好ましくは約1:99と99:1の間で変わる。 式IIIにおいて、M1とLは好ましくは1から7の炭素原子を持つ。より好ましくは
、M1はエチレン基又はメチル置換メチレン基であり、Lはエチレン基である。 式IVにおいて、M1とM2はそれぞれ好ましくは分岐又は直鎖のアルキレン又は
アルコキシレン基であり、より好ましくは1〜20の炭素原子を有するものである
。さらに好ましくは、M1とM2の少なくとも一方が、−(CH2a−、−(CH2a
−O−、及び−(CH2a−O−(CH2b−、式中、aとbはそれぞれ1−7である
、よりなる群より選ばれた式を有するアルキレン又はアルコキシレン基である。 M1とM2のいずれかが1−20の炭素原子を有する分岐又は直鎖のオキシ脂肪族基
である場合には、それはまた、例えば、ジオキシアルキレン、例えば、ジオキシ
アルキレン、例えばジオキシメチレン、ジオキシエチレン、1,3−ジオキシプロ
ピレン、2−メトキシ−1,3−ジオキシプロピレン、1,3−ジオキシ−2−メチル
プロピレン、ジオキシ−n−ペンチレン、ジオキシ−n−オクタデシレン、メト
キシレン−メトキシレン、エトキシレン−メトキシレン、エトキシレン−エトキ
シレン、エトキシレン−1−プロポキシレン、ブトキシレン−n−プロポキシレ
ン、ペンタデシルオキシレン−メトキシレン等であることができる。M1とM2が分
岐又は直鎖のジオキソ脂肪族基である場合には、それは好ましくは式−O−(CH 2a−O−又は−O−(CH2a−O−(CH2b−、式中、aとbはそれぞれ1−7で
ある、を有するものである。 M1又はM2のいずれかが1−20の炭素原子を有する分岐又は直鎖のカルボキシ脂
肪族基である場合には、それはまた、例えば2価のカルボン酸エステル、例えば
ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、
酢酸n−ブシル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸アリル、アクリル酸t−ブ
チル、酪酸n−ブチル、クロル酢酸ビニル、2−メトキシカルボニルシクロヘキ
サノン、2−アセトキシシクロヘキサノン等に対応する2価のラジカルなどである
ことができる。M1又はM2が分岐又は直鎖のカルボキシ脂肪族基である場合には、
それは好ましくは式−CHR’−O−CHR”−、式中、R’とR”はそれぞれ独立にH、
アルキル、アルコキシ、アリ−ル、アリ−ルオキシ、複素環式又はヘテロシクロ
オキシである、を有するものである。 M1又はM2のいずれかが1−20の炭素原子を有する分岐又は直鎖のアミノ酸脂肪
族基である場合には、それは2価のアミン、例えば−CH2NH−、−(CH22N、−
CH2(C2H5)N−、−n−C4H9−NH−、−TC4H9−、NH−、−CH2(C3H6)N−、−C2 H5(C3H6)N−、−CH2(C8H17)N−等であることができる。M1又はM2が分岐又は
直鎖のアミノ脂肪族基である場合には、それは好ましくは、式−(CH2a−NR’
、式中、R’はH又は低級アルキルで“a”は1から7まである、を有するものであ
る。 M1及び/又はM2は好ましくは、式−O−(CH2a−、式中aは1から7である、
を有するアルキレン基であり、そして最も好ましくは、2価のエチレン基である
。別の特に好ましい態様においては、M1とM2はそれぞれn−ペンチレンと酢酸メ
チルに対応する2価のラジカルである。 好ましい態様においては、式IIIとIVのLは、1−20の炭素原子を有する分岐又
は直鎖脂肪族基、より好ましくは1から7の炭素原子を有するアルキレン基、例え
ばエチレンやメチル置換エチレンである。 式IVの特に好ましい別のポリマーでは、M1又はM2はそれぞれアルキレン又はア
ルコキシレン基であり、Lはアルキレン基であり、Xは−O−であり、そして、R3
はアルコキシ基である。最も好ましくは、本発明に用いられる生分解性ポリマー
は式VIで示される繰返しモノマ−単位よりなるものである。
【化50】 式中、x:yのモル比は約1であり、n:(x又はy)のモル比は約200:1と1:200
の間であり、そしてnは約5−5,000である。 用いられるポリマーが式Vを有している場合には、
【化51】 好ましくは、R1とR2はそれぞれ独立に直鎖又は分岐脂肪族、 例えば、1から7の炭素原子を有する分岐又は直鎖アルキレン基、例えばメチレン
やエチレンであって、無置換又は1以上の非阻害性置換基で置換されたものであ
り、 Lは2価の脂環式基、例えばシクロヘキシレンであって、無置換又は非阻害性置換
基で置換されたものであり、 R3はH、アルキル、アルコキシ、アリ−ル、アリ−ルオキシ、複素環式又はヘテ
ロシクロオキシよりなる群より選ばれたもの(好ましくはアルコキシ、例えばエ
トキシやヘキシルオキシ)であり、そして、 nは約5−5,000、より好ましくは5か500である。 本発明の組成物に用いられるポリマーの分子量は、硬い固体状態(より高い分
子量)が望まれるか、あるいは、流動しうるもしくは柔軟な状態(より低い分子
量)が望まれているかによって大きく変わりうる。しかしながら、一般的には、
重量平均分子量(Mw)では、典型的には約2,000から約400,000ダルトンまで、
好ましくは約2,000から約200,000ダルトンまで、そして、さらに好ましくは約
2,000から60,000ダルトンまで変わる。最も好ましくは、このMwは約10,000か
ら55,000の間で変わる。数平均分子量(Mn)もまた大きく変わりうるが、一般
的には、約1,000から約200,000ダルトン、好ましくは約1,000から約100,000
ダルトンまで、さらに好ましくは約1,000から約50,000ダルトンまでの範囲に
入る。最も好ましくは、Mnは約8,000と45,000ダルトンの間で変わる。 分子量を決定する好ましい方法のひとつは、例えば、混合床カラム、CH2CL2
剤、光散乱式検出器及びオフラインdn/dcのゲルパ−ミエ−ションクロマトグラ
フィ−(“GPC”)によるものである。 本発明で用いられるポリマーのガラス転移温度(Tg)は、R1とR2における分岐
度、ポリマーをつくるのに用いられるリン含有モノマ−の相対割合等によって大
きく変わりうる。本発明の物品が硬い固体である場合には、Tgは好ましくは約−
10℃から約80℃、より好ましくは約0と50℃の間、最も好ましくは約25℃から約3
5℃の間の範囲内である。 別の形態では、Tgは、本発明の組成物を体温で流動しうるように保てる充分に
低いことが好ましい。そこで、本発明で用いられるポリマーのガラス転移温度は
、好ましくは約0から約37℃、より好ましくは約0から約25℃である。 本発明で使用される生分解性ポリマーは好ましくはそれ自身が生体適合性を有
するのに充分に純粋であり、生分解の際に生体適合性を残している。“生体適合
性”は生分解産物やポリマー自身が無毒であり、血管形成組織に注入され、ある
いは密着させて置かれたときに最小限の組織への刺激をもたらすにすぎない。生
体適合性の要求は、本発明のポリマー組成物では有機溶剤を存在させる必要がな
いのでより容易に達成される。 しかしながら、本発明で使用されるポリマーは合成、精製及び取扱いを容易に
するために1以上の一般の有機溶媒に溶けることが好ましい。一般の有機溶媒に
は、エタノ−ル、クロロホルム、ジクロロメタン(ジメチルクロライド)、アセ
トン、酢酸エチル、DMAC、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、及び
ジメチルスルホキシドなどの溶媒が含まれる。このポリマーは上記の溶媒の少な
くとも1つに溶けることが好ましい。 本発明のポリマーは、追加の生体適合性モノマ−単位が生分解性と本発明の望
ましい流動性を阻害しない限り、このモノマ−単位も含むことができる。この追
加のモノマ−単位は目的とする医薬デリバリ−に望まれる正確な放出プロフィ−
ル又は他の用途に望まれる生分解の正確な速度の設計により大きな適応性を与え
うる。しかしながら、この追加のモノマ−単位を使用するときには、それらは生
成される生分解性コポリマーが所望の物性、例えば硬さ、粘度、流動性、柔軟性
あるいは特定の形態など、を有することが保証されるように充分少ない量を使用
すべきである。 このような追加の生体適合性モノマ−の例には、他のポリホスホエステル、ポ
リラクチド、ポリグリコライド、ポリカプロラクトン、ポリアンハイドライド、
ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステルアミド、ポリオルトエステル、ポリジ
オキサノン、ポリアセタ−ル、ポリケタ−ル、ポリカ−ボネ−ト、ポリオルトカ
−ボネ−ト、ポリホスファゼン、ポリヒドロキシ酪酸エステルポリヒドロキシ吉
草酸エステル、ポリアルキレンオキザレ−ト、ポリアルキレンサクシネ−ト、ポ
リリンゴ酸、ポリアミノ酸、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコ−ル、
ポリヒドロキシセルロ−ス、キチン、キトサンに見出される繰返し単位、及び上
記物質のコポリマー、3元共重合体、又は組合せ又は混合物を含む。 追加のモノマ−単位が使用される場合には、より結晶化度が低く、かつより疎
水性が大きいものが好ましい。望ましい物性をもった特に好ましい繰返し単位は
、非品質領域がより多い、ポリラクチド、ポリカプロラクトン、及びそれらとグ
リコライドとのコポリマー由来のものである。ホスホエステルポリマーの一般合成 ポリホスフェ−トを製造する最も普通の一般反応は下記の式によるホスホロジ
クロリデ−トとジオ−ルの間の脱塩酸反応である。
【化52】 大部分のポリホスフェ−トは、適当に置換されたジクロライドとジオ−ルとの
縮合によっても得られる。 ポリホスフェ−トは、グリコ−ルから二段縮合反応によって製造されている。
グリコ−ルと反応させるのに20%モル過剰量のジメチルホスファイトが使用され
、次いで高温によってオリゴマ−中のメトキシホスホニル末端基を除去する。 溶融重縮合の利点は溶媒と多量の他の添加剤の使用を避けて精製をより簡単に
できることである。それはまた、適度に高分子量のポリマーを提供することがで
きる。しかしながら、しばしばある程度厳密な条件が要求され、直鎖酸分解(も
し水が存在していれば加水分解)をもたらす。もしポリマーの主鎖が高分子ラジ
カルの再結合が続いて起こる水素原子引抜きや酸化を受けやすい場合には、架橋
反応のような望ましくない熱で引き起こされる副反応もまた起こりうる。 これらの副反応を最少限にするために重合反応はまた溶液中で行なうことがで
きる。溶液重縮合反応はプレポリマーとリン成分の両方が共通の溶媒に溶けるこ
とが必要である。一般的には塩素化有機溶媒、例えばクロロホルム、ジクロロメ
タンあるいはジクロロエタン等が使用される。 溶液重合は好ましくは等モル量の反応体と化学量論量の酸受容体、通常はピリ
ジンやトリエチルアミン等の第三アミンの存在下で行なわれる。 反応時間は溶融重合より溶液重合のほうが長くなりやすい。しかしながら、全
体としてより温和な反応条件を用いることができるので、副反応を最小限にする
ことができ、より敏感な官能基をポリマーに組み込むことができる。さらに、高
分子量の達成は溶液重合ではより少なくなりそうである。 高分子量ポリマーを高い反応速度で得たいときには界面重縮合法を用いること
ができる。温和な条件によって副反応を最小限にすることができ、溶液法におけ
る出発物質のジオ−ルとジクロリデ−トの間の化学量論的な当量への必要性もな
い。しかしながら、酸クロライドの加水分解がアルカリ性水相で起こりうる。水
に対していくらかの溶解度をもっている感受性ジクロリデ−トは一般的には重合
よりむしろ加水分解される。クラウンエ−テルや第三アンモニウムクロライドの
ような相移動触媒を、イオン化されたジオ−ルを界面へ移動させて重縮合反応を
容易にするために使用することができる。界面重縮合後のポリマーの収率と分子
量は反応時間、モノマ−のモル比率、混ざり合わない溶媒の容量比率、酸受容体
の種類、及び相移動触媒の種類と濃度によって影響される。 この重合反応の目的は、(i)2価の有機繰返し単位と(ii)ホスホエステル繰
返し単位よりなるポリマーを形成することにある。その結果物はホモポリマー、
比較的均質なコポリマー、幾分不均質な微小結晶構造を有するブロックコポリマ
ーでありうる。これら3つの態様はいずれもコントロ−ルされた放出をする媒体
としての用いるのに適している。 一方、このプロセスは、塊状でも、溶液でも、界面重縮合でもあるいは他の如
何なる好都合な重合方法でよいが、好ましくは溶液条件下のプロセスである。特
に有用な溶媒には、メチレンクロライド、クロロホルム、テトラヒドロフラン、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、他の多種の不活性な
有機溶媒が含まれる。 特に、溶液重合反応が用いられるときには、重合反応の間酸受容体を存在させ
るとよい。酸受容体の特に好ましいクラスには、第3アミン、例えばピリジン、
トリメチルアミン、トリエチルアミン、置換アニリン、及び置換アミノピリジン
等が含まれる。最も好ましい酸受容体は置換アミノピリジン4−ジメチルアミノ
ピリジン(“DMAP”)である。 本発明の特に好ましい態様においては、例えば、式III又はIVの生分解性ポリ
マーは次のステップからなる方法によって製造される: (a) 式VII、VIIIまたはIX
【化53】
【化54】
【化55】 式中、M1、M2およびXは上記に定義したとおりである。 を有する複素環式化合物と式 H−Y−L−Y−H 式中、YおよびLは上記に定義したとおりである。 を有する開始剤とを反応させて以下に示した式XまたはXI
【化56】
【化57】 式中、X、M1、M2、Y、L、x、y、qおよびrは上記に定義した とおりである。 を有するプレポリマーを生成させ、そして (b) さらにこのプレポリマーを式XII
【化58】 「haro」はBr、CLまたはIであり、R3は上記に定義したとおりで ある。 を有するホスホロジハリデ−トを反応させて式IIIまたはIVの該ポリマーを生成
させる。 第1反応ステップ(a)の機能は、開始剤を使用して式VII、VIIIまたはIXの複
素環式化合物の環を開環することである。有用な式VII、VIIIまたはIXの複素環
式化合物の例は、カプロラクトン、カプロラクタム、グリシン無水物のようなア
ミノ酸無水物、シクロアルキレンカ−ボネ−ト類、ジオキサノン類、グリコリド
類、ラクチド類等が包含される。 本発明の化合物が式IIIを有する場合は、M1を含む式VIIの複素環式化合物の一
つだけを用いてステップ(a)におけるプレポリマーを製造してもよい。本発明
の化合物が式IVを有する場合は、そのときはステップ(a)においてM1を含む式V
IIの複素環式化合物とM2含む式VIIIの複素環式化合物とを組み合わせて使用して
もよい。あるいは、本発明の化合物が式IVを有する場合は、M1およびM2の両方を
含む式IXの複素環式化合物の一つをステップ(a)に使用することができる。 適当な開始剤の例は少なくとも2個の活性水素を含む幅広い種類の化合物 (H−Y−L−Y−H) 式中、Lは結合基で、上記に定義されており、Yは−O−、−S−、 または−NR4、このR4は上記に定義されているとおりである、 が包含される。結合基Lは直鎖基、例えばアルキレンでよいが、これはまた1以上
のさらなる活性水素を含む基で置換されていてもよい。例えば、Lはおのおのが
−OH、−SH、または−NH2のような活性化された活性水素部位を生ずる、1以上の
追加的なアルキル基で置換された直鎖アルキレン基であってもよい。この方法に
おいては、分岐した活性水素開始剤を用いて種々の分岐したポリマーを製造して
、得られるポリマーが所望とする性質を有するように設計することができる。し
かしながら、分岐したポリマーを酸塩化物と反応させるときは、架橋したポリマ
ーになって了う。 反応ステップ(a)は、使用する溶媒、反応体の副反応の形成しやすさ、およ
び触媒の存在に応じて幅広い温度で行うことができる。しかしながら好ましくは
、反応ステップ(a)は融解条件の約0から約+235℃までの温度で行われる。カ
チオン性またはアニオン性の触媒のいずれかを用いてある程度低い温度が可能で
あろう。 一方、この反応ステップ(a)は塊状でも、溶液でも、界面重縮合でも、ある
いは他のいかなる好都合な重合方法でもよい。好ましくは、この反応ステップ(
a)は融解条件下で行われる。 特に有用な式Xのプレポリマーの例は次のものが包含される。 (i) ポリカプロラクトンから得られたOH−末端プレポリマー H−[−O(CH25−CO−]x−O−CH2−CH2−O−[−CO−(CH25−O−]y−H
; (ii) ポリカプロラクタム(ナイロン6)から得られたNH−末端プレポリマ
ー H−[−NH−(CH25−CO−]x−NH−CH2−CH2−NH−[−CO−(CH25−NH−
y −H; (iii) ポリラクチドから得られたOH−末端プレポリマー H−[−OCH(CH3)−CO−]x−O− CH2−CH2−O−[−CO−CH(CH3)−O−]y −H;および (iv) ポリトリメチレンカ−ボネ−トから得られたOH−末端プレポリマー H−[−O(CH23−O−CO]x−O− CH2−CH2−O−[−CO−O−(CH23−O−
y −H 特に有用な式VIのプレポリマーの例は次のものが包含される。 (i) ラクチドおよびグリコリドから得られたOH−末端コポリマー
【化59】 (ii) ラクチドおよびカプロラクトンから得られたOH−末端コポリマ−
【化60】 ;および (iii) グリコリドカプロラクトンから得られOH−末端コポリマー
【化61】 ステップ(b)の重合反応の目的は、(i)ステップ(a)の結果製造されたプ
レポリマーと、(ii)連続するホスホリル化された単位からなるポリマーを生成
させることにある。結果として得られるブロックコポリマーは、特にコントロ−
ルされた放出をする媒体として用いるのに適している微結晶構造を有している。 本発明の重合ステップ(b)は、通常ステップ(a)の温度よりもやや低い温度
で行われるが、用いる重合反応の種類、1以上の触媒の存在、所望とする分子量
および反応体の望まない副反応のしやすさによってやはり大きく変わりうる。融
解条件が使用されるときは、温度は約0〜150℃から変わりうる。しかしながら
、重合ステップbが溶液重合反応で行われるときには、一般的に約−40と100℃
との間の温度で行われる。抗腫瘍剤 一般的に言って、本発明の抗腫瘍剤は、卵巣癌を抑制し、破壊し、あるいは防
止するために選択される薬理的な戦略に基づいて巾広く変更しうる。この抗腫瘍
剤は単一物又は組合せ物として記載されている。組成物、物品及び方法は、水溶
性の小さいものはもとより水溶性の大きな抗腫瘍剤でもそれとともに使用されて
、コントロ−ルされた放出速度を有するデリバリ−システムをつくり出すように
設計されている。 抗腫瘍剤の語は、アルキル化剤、例えばカルボプラチンやシスプラチン等、ナ
イトロジェンマスタ−ドアルキル化剤、ニトロソウレアアルキル化剤、例えばカ
ルムスチン(BCNU)等、代謝拮抗物質、例えばフルオロウラシル(5−FU)やゲ
ムシタビン等、ホルモン性抗腫瘍剤、例えばゴセレリン、ロイプロリド、タモキ
シフェン等、天然抗腫瘍剤、例えばアルデスロイキン、インタ−ロイキン−2、
ドセタキセル、エトポサイド(VP−16)、インタ−フェロンα、パクリタキセル
、及びトレチノイン(ATRA)等、抗生物質天然抗腫瘍剤、例えばブレオマイシン
、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、及びマイトマイシン等
、並びにビンカアルカロイド天然抗腫瘍剤、例えばビンブラスチンやビンクリス
チン等が含まれるがこれらに限定されない。抗腫瘍剤は好ましくはパクリタキセ
ル、BCNU、カルボプラチン及びシスプラチンよりなる群から選択される。最も好
ましい抗腫瘍剤はパクリタキセルである。 さらに、次の追加の医薬を、それら自身は抗腫瘍剤であるとは考えられていな
くても、抗腫瘍剤と組み合わせて使用しうる。それらは、ダクチノマイシン、ダ
ウノルビシンHCL、ド−セタキセル、ドキソルビシンHCL、エポエチンα、エトポ
サイド(VP−16)、ガンシクロビルナトリウム、ゲンタマイシン硫酸塩、インタ
−フェロンα、ロイプロライド酢酸塩、メペリジンHCL、メタドンHCL、ラニチジ
ンHCL、ビンブラスチン硫酸塩、及びジドブジン(AZT)である。例えば、フルオ
ロウラシルは、最近エピネフリンと牛コラ−ゲンと組合せると特に有効な組合せ
となる処方がなされた。 さらに、下記のアミノ酸、ペプチド、ポリペプチド、蛋白、多類及び他の大き
な分子もまた使用しうる。それらは、変異種及び類縁体を含むインタ−ロイキン
1〜18、インタ−フェロン又はサイトカイン、例えばインタ−フェロンα,β及
びγ等、ホルモン、例えば黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)及び類縁体、
並びにゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)等、成長因子、例えば形質転換成長
因子−β(TGF−B)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、神経成長因子(NGF)、成長
ホルモン放出因子(GHRF)、上皮増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子相同因
子(FGFHF)、肝細胞成長因子(HGF)、及びインシュリン成長因子(IGF)、腫
瘍壊死因子α及びβ(TNF−αとβ)、侵入阻止因子−2(IIF−2)、骨形態形成
蛋白1−7(BMP1−7)、ソマトスタチン、サイモシン−α−1、γ−グロブリン、
ス−パ−オキシドジスムタ−ゼ(SOD)、補体因子、抗血管形成因子、抗原物質
、並びにプロドラッグである。 特に好ましい態様においては、本発明の組成物は、他の生物学的に活性な物質
、好ましくは治療薬又はプロドラッグ、例えば、他の化学療法剤、抗生物質、抗
ウィルス剤、抗菌剤、抗炎症薬、及び抗凝血薬、癌ワクチンへの適用に有用な抗
原又は対応するプロドラッグ、を含んでいてもよい。 抗腫瘍剤及び/又は他の生物学的に活性な薬剤は各種の形態で使用しうる。こ
れらには、体内に移植され、注入されあるいは他の手段で置かれたときに生物学
的に活性化される、非帯電分子、分子錯体、塩、エ−テル、エステル、アミド、
等の形態が含まれるが、これらには限定されない。 特に好ましい態様においては、 (a) パクリタキセルと、 (b) 式VIで示される繰返しモノマ−単位よりなる生分解性ポリマーよりな
り、
【化62】 よりなる。生分解と放出特性 生分解性ポリマーは、それらがインビボでの療法の間に分解しうる点で非生分
解性ポリマーとは異なっている。これは、一般にこのポリマーがそのモノマ−の
サブユニットまでの分解を含んでいる。原理的には、本発明で用いられるポリマ
ーの究極の加水分解産物は脂環式ジオ−ル、脂肪族アルコ−ル及びホスフェ−ト
である。これらの分解産物は全て無毒になりうるものである。しかしながら、加
水分解の中間のオリゴマ−産物は性質が異なっているかもしれない。こうして、
体内への挿入が意図されている生分解性ポリマーの毒性は、それが明らかに無毒
モノマ−構造物から合成されたものであったとしても、典型的には1以上の毒性
分析をしてから決定される。 毒性及び/又は生体適合性の試験方法は沢山の方法が当業者に知られている。
しかしながら、1つの典型的なインビボでの毒性アッセイは、GT3TKB腫瘍細胞の
ような生きている腫瘍細胞を用いて次のように行われる。 200μLの各種の濃度のポリマー分解産物をヒト胃癌細胞(GT3TKB)を104/ウ
ェル摂種した96ウェル組織培養プレ−トに入れる。このポリマー分解産物をGT3T
KB細胞と48時間インキュベ−トする。このアッセイの結果を、組織培養ウェル内
の相対成長値%対分解ポリマー濃度でプロットすることができる。 ポリマーはまた、例えばラットの皮下へ移植又は注入してこの挿入部位で有意
のレベルでの刺激や炎症なしにこのシステムが加水分解することを確認するなど
の周知の生体適合性テストで評価かすることもできる。 式Iのポリマーは、通常このポリマーのホスホエステル結合の加水分解の作用
として少なくとも部分的にコントロ−ルされている生分解速度によって特徴づけ
られる。他の因子もまた重要である。例えば、 生分解性ポリマーのインビボでの寿命はまたその分子量、結晶化度、生物学的
な安定性及び架橋度によって変わる。一般的には、分子量が大きくなる程、結晶
化度が高くなる程、そして生物学的な安定性が大きくなる程、生分解は遅くなる
。さらに、このポリマーの分解速度は、長さの異なる側鎖を選択することによっ
てさらにコントロ−ルすることができる。従って、分解時間は非常に広く、好ま
しくは1日未満から数ヵ月まで変えられる。 従って、側鎖の構造は生物学的に活性な物質からなる組成物の放出挙動に影響
を及ぼす。例えば、リン側鎖をより親油性に、より疎水性にあるいは嵩ばった基
へ変えることにより分解プロセスをスロ−ダウンさせるであろうことが期待され
る。こうして、嵩ばった芳香族側鎖よりも小さな脂肪族基側鎖をもたせることに
よって、ポリマー組成物からの放出が通常速くなる。 ここで用いられている“放出期間を延ばし”の表現は、限定なしに放出の各種
の形態、例えばコントロ−ルされた放出、時間を定めた放出、持続された放出、
遅れた放出、長時間の作用、脈状デリバリ−、各種の速度で起こる直ちの放出を
含む。放出期間の延長、コントロ−ルされた放出、時間を定めた放出、持続され
た放出、遅れた放出、長時間の作用、脈状デリバリ−又は直ちの放出が得られる
可能性は、当業者が入手できる周知の方法と技術を用いて実施できる。これらの
特定の技術や方法は本発明の発明的特徴を構成しない。ポリマー組成物 抗腫瘍剤は治療に有効な量が用いられるが、それは用いる抗腫瘍剤の種類によ
って大きく変わる。組成物に組み込まれる抗腫瘍剤の量もまた所望の放出プロフ
ィ−ル、生物学的効果を要求される薬剤の濃度、及び生物学的に活性な物質が治
療のために放出されなければならない時間の長さに依存している。生物学的に活
性な物質は、好ましくは本発明のポリマーマトリックスと各種の充填レベルで、
好ましくは室温で有機溶剤を必要とせずに混合される。 この組成物に望まれる物性を維持するための受容可能な溶液又は分散液の粘度
を除いて、組み込まれる抗腫瘍剤の量には臨界的上限はない。デリバリ−システ
ムに組み込まれる抗腫瘍剤の下限はこの医薬の活性と治療に必要な時間の長さに
依存している。こうして、抗腫瘍剤の量は所望の生理学的な効果を生み出せない
程少なくはなく、また、抗腫瘍剤の放出がコントロ−ルされなくなってしまう程
多くない量にすべきである。 典型的には、抗腫瘍剤は、これらの制限内であって、約1%から約65%までの
量を本デリバリ−システムに含有させることができる。しかしながら、特によく
効く抗腫瘍剤では、より少ない量で治療の薬効レベルを達成しうる。 さらに、本発明のポリマー組成物は、他の生体適合性ポリマー又はコポリマー
がこの組成物の生分解性や物理的特性を望ましくなく阻害しない限り、本発明の
ポリマーとこの追加のポリマー又はコポリマーとの混合物よりなるものであって
もよい。本発明のポリマーとこのような他のポリマーとの混合物は、目標とする
医薬デリバリ−システムに望まれる正確な放出プロフィ−ルや望まれる生分解の
正確な速度の設計により大きな柔軟性をもたらすだろう。このような追加の生体
適合性ポリマーの例には、他のポリホスホエステル、ポリカ−ボネ−ト、ポリエ
ステル、ポリオルトエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリイミノカ−ボネ
−ト、及びポリアンハイドライドが含まれる。 薬剤として受け入れられるキャリヤ−は広範囲の材料からなるものであること
ができる。特に限定されないが、そのような材料には特定の医薬組成物をつくる
ための希釈剤、結合剤及び接着剤、滑剤、崩壊剤、着色料、増量剤、芳香剤、甘
味料、及びその他の各種の材料、例えばバッファ−及び吸着剤などが、これらの
追加の材料がいずれも本発明のポリマー組成物に望まれる生体適合性、生分解性
及び物理的状態を阻害しない条件で含まれる。 抗腫瘍剤又はいくつかの他の生物学的に活性な物質のデリバリ−のために、こ
の薬剤又は物質をポリマー組成物に加える。この薬剤又は物質はこのポリマー組
成物に溶かして手頃な一定の濃度の均質な溶液としてもよく、あるいはポリマー
組成物に分散して所望の“充填”(生物学的に活性な物質を含む全組成物のグラ
ム当りのこの生物学的に活性な物質のグラム数、通常はパ−セントで表わされる
)レベルの懸濁液又は分散液としてもよい。 一方、生分解性ポリマー又は生物学的に活性な薬剤を無毒な少量の溶媒に溶か
して、より効率的に、柔軟な又は流動可能な組成物内に生物学的に活性な薬剤の
非品質のモノリシックな分布又は微細分散物をつくることができるが、好ましい
態様においては、流動可能な組成物をつくるのに溶媒を必要としないというのが
本発明の利点である。さらに、溶媒の使用は避けることが好ましい。なぜなら、
一旦溶媒を含む組成物の全部又は一部を体内に入れると、この溶媒はポリマーか
ら消散あるいは拡散して体内で処理し除去しなければならず、これは病気(及び
/又はこの病気のための他の治療)によって既に害され悪影響を受けている身体
の浄化能力に余計な負担を与えるからである。 しかしながら、溶媒を本発明のポリマー組成物の混合を容易にしあるいは流動
性を維持するために用いるときには、この溶媒は無毒であるがあるいは生体適合
性でなければならず、しかも必要最少量を使用しなければならない。明らかに有
毒な溶媒は生体内は入れられる如何なる材料、たとえそれが部分的であっても、
使用してはならない。このような溶媒は、また、投入部位の組織の刺激や壊死を
もたらすものであってはならない。 使用に適する生体適合性溶媒の例には、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロ
リドン、エタノ−ル、プロピレングリコ−ル、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テト
ラヒドロフラン、カプロラクタム、ジメチルスルホキシド、オレイン酸、又はノ
−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オンを含む。好ましい溶媒には、溶媒和能
力と生体適合性の点でN−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、ジメチルス
ルホキシド及びアセトンが含まれる。 本発明のポリマー組成物は柔軟なあるいは流動可能な材質でありうる。“流動
可能な”によって意味するものは、体温においてそれを含む空間の形状を時間を
越えて呈する能力である。これには、例えば、ある部位にスプレ−し、例えば24
ゲ−ジ針を嵌め込んだ手動操作注射器による注入、あるいはカテ−テルで送入可
能な液体組成物が含まれる。 また、“流動可能な”の用語に含まれるものは、高粘性であるが相変らず流動
可能な物質を注ぎ、チュ−ブから絞り出しあるいは手動手段のみによって発揮さ
れる注入圧よりも大きな注入圧を出しうる市販の圧力注入器具のいずれかによる
注入によって所望の部位に送入できる室温で高粘性の“ゲル状”物質である。使
用されるポリマー自身が流動可能であれば、本発明のポリマー組成物は、それが
粘性であったとしても、生体適合性溶媒が微量あるいは残留量残っていても、流
動可能な溶媒を含む必要はない。ポリマーの粘度はポリマーの主鎖にシクロヘキ
サンジメタノ−ルのシス−とトランス異性体を混合させることはもとより、ポリ
マーの分子量によっても調整可能である。 本発明のポリマー組成物は各種のル−トで投入可能である。例えば、もし流動
可能であれば、それを注入して内臓又は組織を被覆しあるいはカプセル化する一
時的な生体力学的なバリヤ−を注入後に形成することができる。本発明のポリマ
ー組成物はまた固体の移植可能な器具のコ−ティングをつくるのに使用すること
もできる。 しかしながら、最も重要なことは、本発明のポリマー組成物は、抗腫瘍剤を、
それが大きな生体高分子であったとしてもずっとコントロ−ル可能で有効な放出
をもたらすことである。移植及びデリバリ−システム その最も簡単な形態は、生分解性ポリマーデリバリ−システムは抗腫瘍剤をポ
リマー主鎖に不安定な(生分解性の)結合が組み込まれているポリマーマトリッ
クスに溶解又は分散させた溶液又は分散物よりなる。特に好ましい態様において
は、本発明の組成物よりなる固体物品が、移植、注入、腹腔鏡を用いる手術ある
いは治療される患者の腹腔内に入れる他の手段、例えば目に見える癌組織の除去
手術中や後、によって腹膜内に挿入される。 この組成物の抗腫瘍剤及びポリマーは物質なマトリックスを形成してもよく、
あるいは生物学的に活性な物質がポリマーのなかに何らかの方法でカプセル化さ
れていてもよい。例えば、生物学的に活性な物質がまず微小球のなかにカプセル
化され、次に、少なくとも微小球構造体の1部が維持されるやり方でポリマーと
組み合わせる。あるいは、生物学的に活性な物質が、本発明のポリマーに溶解さ
れるというよりはむしろ小さな液滴として分解されるのに充分な程ポリマーに対
して不活性であってもよい。 構造用医療器具として、本発明のポリマー組成物は、この組成物がインビボで
無毒の残留物に分解するということに加えて、腹膜内への挿入に適する特定の化
学的、物理的及び機械的な性質を有する多種類の物理的な形態を提供する。 生分解性医薬デリバリ−物品はいくつかのやり方でつくることができる。この
ポリマーは通常の押出し又は射出成形技術を用いて溶融加工することができ、あ
るいは、これらの産物は適当な溶媒に溶解してこの器具を形成し、次いで溶媒を
蒸発又は抽出除去によって、例えば噴霧乾燥でつくることができる。これらの方
法によって、ポリマーをほとんどいかなるサイズあるいは所望の形態の物品、例
えば移植可能な固体ディスクやウエハ−、あるいは注入可能な棹、微小球又は他
の微粒子、に形成することができる。典型的な医療物品には、他の移植器具に配
置される分解性の布や被覆用の薄片としての移植物なども含まれる。 抗腫瘍剤は一般的に、ポリマーマトリックスがインビボで分解するのと少なく
とも同じ速さでこのマトリックスから放出される。いくつかの抗腫瘍剤では、こ
の薬剤は、このポリマーが非拡散性物質が体液に晒されているところで分解され
た後にはじめて放出される。ポリマーが分解しはじめると、このポリマーマトリ
ックスに完全に取囲まれれている生物学的に活性な物が遊離しはじめる。 しかしながら、このメカニズムでは、固体の移植構造物に物理的にからまって
いる長いパプチド鎖はこのマトリックスとともに分解しやすく、ペプチド鎖の残
りから離れて、分子の不完全なフラグメントが放出される。本発明のポリマー組
成物が柔軟であるように設計されているときには、このポリマーは典型的にはペ
プチドあるいは蛋白が部分的に放出された後に分解されるだろう。特に好ましい
メカニズムにおいては、ペプチド鎖が本発明の組成物から放出されているときに
、この組成物は、相変らず柔軟であり、大きな蛋白分子の少なくとも1部を、こ
のポリマーマトリックス自身あるいはポリマーの生分解より先に拡散させる。 組成物からの蛋白の初期放出速度は、それ故に般的ニマトリックス構造内の流
路によって拡散がコントロ−ルされ、その速度は蛋白の分子量に反比例する。一
旦ポリマー分解が始まると、このマトリックス内に残っている蛋白は浸蝕力によ
っても放出されうる。 本発明の生分解性非晶質マトリックスは、典型的には他の鎖と会合しているポ
リマー鎖を含んでいる。これらの会合は、水素結合又はファンデルワ−ルス相互
作用又はポリマーの結晶領域間又はイオン性の相互作用ではなく、マトリックス
内でのポリマー鎖の単なるからみつきで起こりうる。あるいは、ブロックコポリ
マーの合成又は2つの異なるポリマーの混合を物理的及び機械的性質が広範囲で
変化した粘性の“パテ状”の物質をつくるのに用いることができる。 特に好ましい態様では、本発明の組成物は体内に注入するのに充分に流動可能
である。腹膜腔内に注入あるいは他の手段で挿入された後、この組成物による組
織への刺激が最小であることは特に重要である。 一つの態様においては、本発明のポリマー組成物は、液体として例えば注入に
よって投与され、その注入部位の周り医薬をとどめておくのに充分に粘性であっ
て、柔らかな医薬デリバリ−の“デポ”を形成するのに用いることができる。こ
うして形成されたデポの分解時間は、選択したポリマーとその分子量によって数
日から1年あるいはそれ以上にまで変えることができる。ポリマー組成物を流動
可能な形態で使用することによって、切開を行う必要性を除くことができる。い
ずれにしても、柔軟なあるいは流動可能なデリバリ−の“デポ”は、体内に占め
る空間の形を、周囲の組織の傷を最小にして調整するだろう。 本発明のポリマー組成物は、柔軟あるいは流動可能である場合には、腹膜など
の空洞を含む体内のどこにでも置くことができ、開いている傷にスプレ−するこ
とが注ぎ込むとかあるいは手術中にデリバリ−システムの部位として使用するこ
とができる。この組成物が流動可能である場合には、本発明の組成物は、例えば
腹部手術などの後の種類の異なる組織が互いに直接癒着しないように、組織、臓
器、人工装具をカプセル化する能力で一時的なバリヤ−として働くように使用す
ることもできる。 一旦挿入されると、本発明のポリマー組成物は生物学的液、例えば血液、内臓
分泌物、粘膜などと少なくとも一部が接触状態にされなければならない。移植又
は注入された組成物は、そのマトリックス内に含まれている抗腫瘍剤をコントロ
−ルされた速度でこの物質が使い尽されるまで放出され、硬い、柔軟なあるいは
流動可能な生分解性ポリマーマトリックスからの拡散又は溶解の一般ル−ルに従
う。 次の実施例は本発明の好ましい態様を説明するものであるが、何ら本発明を限
定するものではない。全てのポリマー分子量は平均分子量である。全てのパ−セ
ントは、特に注記がない限り、最後のデリバリ−システムあるいは調製される処
方の重量パ−セントであり、全ての合計は100重量%と等しい。
【実施例】
[実施例1] コポリマーP(BHET−EOP/TC,80:20)の合成
【化63】 アルゴン気流下で、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレ−ト(BHET)
10g、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)9.61g、及びメチレンクロライド70mL
をロ−トを備えた250 mLフラスコの入れた。このフラスコのなかの溶液を攪拌し
ながら−40℃まで冷し、エチルホスホロジクロリデ−ト(EOP)(使用前に蒸留
した)5.13gをメチレンクロライド20 mLに溶解した溶液をロ−トを通じて滴下し
て加えた。添加完了後、この混合物を室温で4時間攪拌してBHET−EOPホモポリマ
ーを生成させた。 テレフタロイルクロライド(TC)1.60g(ALdrich ChemicaL ComPanyから入手
して使用前にヘキサンで再結晶した。)をメチレンクロライド20 mLに溶解した
溶液を1滴づつ加えた。温度を約45〜50℃まで徐々に上げ、この反応混合物を一
夜還流させてコポリマーP−(BHET−EOP/TC)を生成させるホモポリマーP(BHET
−EOP)と追加のモノマ−TCの共重合を完結させた。 溶媒を蒸発させ、残渣を約100 〜200 mLのクロロホルムに再溶解した。このク
ロロホルム溶液を飽和NaCl溶液で3回洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、エ−テルに
入れて急冷した。この沈殿物をクロロホルムに再溶解し、エ−テルに入れて再度
急冷した。その結果強靱なオフホワイトの固形沈殿物を濾取して真空下で乾燥し
た。収率82%このP(BHET−EOP/TC,80/20)の構造を図1及び2に示すように1H−
NMR 、31P−NMR及びFT−1Rスペクトルで確かめた。この構造をまた元素分析で確
認したところ、理論値と極めて相関していた。この元素分析の結果を図3に示す
。 P(BHET−EOP/TC,80/20)の分子量は最初にポリスチレンを検定の標準に用い
たゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ−(GPC)で測定した。得られたグラ
フから、図4に示すように、重量平均分子量(Mw)が約6100で数平均分子量(Mm
)が約2200であることが決定された。蒸気圧浸透圧法(“VPO”)で求めたこの
コポリマーのMw値は約7900であった。これらの分子量を調べた結果もまた図3に
示されている。 [実施例2] P(BHET−EOP/TC)の供給比の変化 本発明の一連の他のP(BHET−EOP/TC)コポリマーを、最初の重合ステップと
共重合ステップにおいてそれぞれ用いたEOPとTCの供給比を変えたほかは、実施
例1で述べた方法に従って作製した。その結果は後記する表1に示されている。こ
のEOP/TCの供給比から下記の式の“x”の値を計算することができる。例えば、
実施例1で作製されたP(BHET−EOP/TC,80/20)ではxは8である。
【化64】
【表1】 *エチルホスホロジクロリデ−トのテレフタロイルクロライドに対する供給比
[実施例3] ホモポリマーP(BHDPT−EOP)の合成と単離
【化65】 上記の実施例5で作製したBHDPTモノマ−と酸受容体4−ジメチルアミノピリジ
ン(DMAP)をメチレンクロライドに溶解した。その溶液をドライアイス/アセト
ン浴を用いて−70℃に冷却し、等モルのエチルホスホロジクロリデ−ト(EOP)
をゆっくり加えた。反応混合物を次いで加熱し、一夜還流した。この重合で生成
した塩を濾過で除去した。残ったポリマー溶液(濾液)を飽和NaCl濾過で3回洗
浄し、このホモポリマーをジエチルエ−テル中に沈殿させた。 [実施例4] コポリマーP(BHDPT−EOP/TC)の合成
【化66】 P(BHDPH−EOP)とTCのコポリマーを上に示す2段溶液共重合法で合成した。BH
DPTとEOPの反応を室温で1時間進行させた後、反応フラスコをドライアイス/ア
セトン浴中で冷却した。適量のTC(TCとEOPのモル数の和をBHDPTのモル数と等し
くした)をこのフラスコにゆっくり加えた。この反応混合物を次いで加熱し、一
夜還流した。重合で生成した塩を濾過で除去した。残ったコポリマー溶液(濾液
)を飽和NaCl溶液で3回洗浄し、このコポリマーをジエチルエ−テル中に沈殿さ
せた。 [実施例5] ポリホスホエステルP(BHDPT−HOP/TC)の合成
【化67】 P(BHDPH−HOP)とTCのコポリマーを2段溶液共重合法で合成した。BHDPTとHOP
の反応を室温で1時間進行させた後、反応フラスコをドライアイス/アセトン浴
中で冷却した。適量のTC(TCとHOPのモル数の和をBHDPTのモル数と等しくした)
をこのフラスコにゆっくり加えた。この反応混合物を次いで加熱し、一夜還流し
た。共重合の間に生成した塩を濾過で除去した。残ったコポリマー溶液(濾液)
を飽和NaCl溶液で3回洗浄し、このコポリマーをジエチルエ−テル中に沈殿させ
た。 [実施例6] 他のジオ−ル変種 構造的にBHETとBHDPTのものに関連しているジオ−テレフタレ−トを、TCをそ
の構造を下記に示すn−プロピレンジオー又は2−メチルプロピレンのどちらかと
反応させて対応するジオールテレフタレ−トを生成させて合成した。
【化68】 これらのジオ−ルテレフタレ−トを次いでEOPと反応させて対応するホモポリ
マーを生成させた。このようにして生成させたホモポリマーは実施例4で前述し
たように、TCとの第2の反応で本発明のコポリマーを製造するのに利用した。 [実施例7] P(BHET−EOP/TC)コポリマーのガラス転移温度 示差走査熱量法(DSC)により決定したP(BHET−EOP/TC,80/20)とP(BHET−
EOP/TC,50/50)のガラス転移温度(Tg)はそれぞれ24.5℃と62.2℃であった。
これら2つのポリマーのDSC曲線を図4に示す。EOP/TC供給比の異なる4つの追加の
P(BHET−EOP/TC)のTgを決定し、その結果を表にして下記の表2に示した。
【表2】 *エチルホスホロジクロリデ−トのテレフタロイルクロライドに対する供給比 TgはEOPの減少割合とTCの増加割合に従って増加した。 [実施例8] P(BHDPT−EOP/TC)コポリマーのガラス転移温度 テレフタロイルクロライド(TC)の増加割合のP(BHDPT−EOP/TC)ポリマーの
Tgへの影響の研究も行った。 結果を下記の表3に示す。
【表3】 *BHDPTのモル量と等しくしたTCとEOPの合計モル量 [実施例9] 各種R基のガラス転移温度 R基を変えた次の一連のジオ−ルから作製したコポリマーのガラス転移温度(
Tg)への影響を示す研究も行った。
【化69】 式中、Rは−CH2CH2−;−CH2CH2CH2−;−CH2 CH(CH3)CH2−;と−CH2CH(CH32CH2−である。結果を下記の表4に示す。
【表4】 表4に示すように、R基の大きさや分岐度が増すに従ってTgが増加した。また、
これらのポリマーはTgの変化に従って物理的な状態も変わった。特に、Tgが増す
につれて、ポリマーはゴム状から微粉に変わった。 [実施例10] 本発明のポリマーの溶解度 ホモポリマーP(BHET−EOP,100/0)と次のブロックコポリマー P(BHET−EOP/TC,95/5) P(BHET−EOP/TC,90/10) P(BHET−EOP/TC,85/15) P(BHET−EOP/TC,80/20)及び P(BHET−EOP/TC,50/50) の有機溶媒への溶解度を求めた。テストに用いた有機溶媒はクロロホルム、メチ
レンクロライド、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)
及びジメチルスルホキシド(DMSO)であった。これらの溶媒度テストの結果を下
記の表5にまとめた。
【表5】 これらの結果は、これらのポリマーの有機溶媒への溶解度はEOP/TC比が増加す
るに従って増加することを示した。 [実施例11] ポリマーの粘度 供給比を変えた一連のP(BHET−EOP/TC)の極限粘度をウッベローデ粘度計で
クロロホルム中で40℃で測定した。結果を下記の表6に示す。
【表6】 *エチルホスホロジクロリデートのテレフタロイルクロライドに対する供給比 +クロロホルムに溶けなかったのでP(BHET−EOP,50/50)の極限粘度は決定
されたなかった。 [実施例12] インビトロ分解 P(BHET−EOP/TC,80/20)とP(BHET−EOP/TC,85/15)のフィルムを溶液流延
法でつくり、真空下で2日間乾燥した。これらのフィルムシートから厚さ1mm直径
6mmのディスクを切り取った。各コポリマーの3枚のディスクを37℃のリン酸塩緩
衡生理食塩溶液(PBS)(0.1M,PH7.4)に入れた。ディスクを時間を変えてこの
PBSから取り出して蒸留水で洗浄し、一夜乾燥した。 サンプルの経時による分子量と減量の変化を分析し、図7Aと7Bに示した。P(
BHET−EOP/TC,80/20)の重量平均分子量は3日間で約20%減少した。18日後には
P(BHET−EOP/TC,85/15)とP(BHET−EOP/TC,80/20)のディスクはそれぞれ
約40%と20%重量を失っていた。 このデータはコポリマーの分解速度の細かい調整の実行可能性を示しており、
ホスフェート成分(EOP)の増加に従って加水分解滑性が増加することを確認し
た。 同じプロセスを、EOPとTCの供給比の異なるP(BHDPT−EOP)コポリマーについ
て繰返した。図6は、ホモポリマーP(BHDPT−EOP)と次のブロックコポリマー P(BHDPT−EOP/TC,85/15) P(BHDPT−EOP/TC,75/25)及び P(BHDPT−EOP/TC,50/50) の経時による分子量の変化を測定した分解の程度をグラフにしたものである。 [実施例13] P(BHET−EOP/TC)コポリマーのインビボ分解とインビトロでの
パクリタキセルの放出 重量損失で測定したP(BHET−EOP/TC,80/20)のインビボ分解を図7Aと図7Bに
示す。インビトロでのフィルムからのパクリタキセルの放出を図7Cに示す。 [実施例14] P(BHET−EOP/TC,80/20)のインビトロ生体適合性/細胞毒性
P(BHET−EOP/TC,80/20)コポリマーの細胞毒性を、コポリマーP(BHET−EOP
/TC,80/20)で被覆したカバースリップの上でヒト胚性腎(HEK)細胞を培養す
ることによって評価した。対照としてHEK細胞をTCPSで被覆したカバ−スリップ
の上でも培養した。コポリマーを被覆したカバ−スリップの上で培養した細胞は
全時において正常な形態を示し、同じHEK細胞をTCPSの上で培養したときのかな
り少ない量と比較すると、72日間かなりの増殖を示した。 [実施例15] P(BHET−EOP/TC,80/20)のインビボ生体適合性 100mgポリマーウエハ−スをP(BHET−EOP/TC,80/20)と対照として生体適合
性であることが知られている乳酸とグリコール酸のコポリマー(75/25,“PLGA
”)から作製した。これらのウエハ−スを麻酔した成熟SPFスプラ−ク−ド−リ
−ラットの右脚の筋肉層の間に挿入した。ウエハ−スを一定時間後に回収し、そ
の周囲の組織を次の評点を用いた免許保有病理学者による組織病理学的解析用に
調製した。 スコア 炎症レベル 0 炎症なし 0〜200 わずかな炎症 200〜400 軽い炎症 400〜600 中程度の炎症 600を越える ひどい炎症 この組織病理学的解析の結果を下記の表7に示す。
【表7】 ホスホエステルコポリマーP(BHET−EOP/TC,80/20)はPLGA対照ウエハ−スと
同様の受け入れ可能な生体適合性を有していることが示された。 [実施例16] FITC−BSAをカプセル化したP(BHET−EOP/TC,80/20)微小球の
作製 微小球を、モデル蛋白医薬としてFITC標識牛血清アルブミン(FITC−BSA)を
用いて二段エマルジョン/溶媒抽出法を通じて作製した。FITC−BSA溶液(10mg
/mI)の100μLを、P(BHET−EOP/TC,80/20)100mgを1mLのメチレンクロライド
に溶解した溶液に加え、氷上で15秒間音波処理して乳化した。このエマルジョン
をただちに1%ポリビニルアルコール(PVA)と5%NaClの渦化水溶液に注ぎ入れ
た。この渦化は1分間維持した。得られたエマルジョンを、激しく攪拌されてい
る0.3%PVAと5%NaClの水溶液20mLに注ぎ入れた。2%イソプロパノール溶液25mL
を加え、この混合物を1時間攪拌して抽出を完全に行なわせた。得られた微小球
を3000×gで遠心して集め、3回水洗してから凍結乾燥した。内部水相に水を用い
たほかは同じやり方で空の微小球を作製した。 これらの製造条件は、カプセル化率を向上させ、微小球の形態を改善し及び破
裂放出を最少化するよう最適にされた。得られた微小球の大部分は直径が5から2
0μmの間にあり、表面形状は滑らかであった。電子顕微鏡で見た微小球の大きさ
と滑かさを図8に示す。 FITC−BSAの充填レベルは、0.5NNaOH溶液で一夜微小球を加水分解した後FITC
を測定することによって決定した。充填レベルは、FITC−BSA溶液のシリ−ズを
用いて作成した標準曲線と比較することによって決定した。1.5,14.1及び22.8
重量%の蛋白充填レベルが容易に得られた。 微小球によるFITC−BSAのカプセル化率は蛍光分析によって捕捉されたFITC−B
SAの量を最初の量と比較することにより、異なる充填レベルにおいて決定した。
下記の表8に示すように、84.6と99.6%のカプセル化率が得られた。これらの結
果から、70〜90%のカプセル化率が容易に得られることがわかる。
【表8】 さらに、カプセル化されたFITC−BSAが微小球内で均一に分布していることを
共焦点(confocaL)蛍光顕微鏡による観察で確認した。 [実施例17] リドカインを含むP(BHDPT−EOP/TC,50/50)微小球の作製 1.35gのPVAと270mLの脱イオン水を合わせて600mLビーカー内に05%w/vポリ
ビニルアルコール(PVA)水溶液を作製した。この溶液を1時間攪拌し濾過した。
900mgのP(BHDPT−EOP/TC,50/50)コポリマーと100mgのリドカインを9mLのメチ
レンクロライドに加えて渦化混合し、コポリマー/医薬溶液を作製した。 前記PVA溶液をオーバーヘッドミキサーで800rpmで攪拌しながら前記ポリマー
/医薬混合物を滴下した。これを1.5時間攪拌した。こうして生成された微小球
を次いで濾過し、脱イオン水で洗浄し、一夜凍結乾燥した。この実験では3.7%
のリドカインを含む微小球625mgが得られた。 リドカイン含有微小球はまたP(BHDPT−HOP/TC,50/50)からも同じプロセス
で作製した。この実験では5.3%W/Wリドカインを含む微小球676mgが得られた。
[実施例18] P(BHET−EOP/TC,80/20)コポリマーから作製された微小球のイ
ンビトロでの放出動力学 FITC−BSAを含むP(BHET−EOP/TC,80/20)微小球5mgでPH7.4のリン酸塩緩衡
生理食塩溶液(PBS)1mLに懸濁し、37℃に加熱したシェ−カ−に入れた。時間を
変えて懸濁液を3000×gで10分間回転させ、上清液500μLをサンプルとして引き
抜き、新しいPBSと置換した。微小球からのFITC−BSAの放出は引き抜いたサンプ
ルの蛍光強度を519nmで測定して追跡した。 スケールアップして、50mgのP(BHET−EOP/TC,80/20)微小球を10mLのリン酸
塩緩衡生理食塩溶液(PBS)が入っているバイアル中に懸濁した。このバイアル
をインキュベーター内で37℃に加熱し220rpmで振盪した。上清液のサンプルを時
間を変えて引き抜いて置換し、サンプルから放出されるFITC−BSAの量は492nmの
分光測定によって分析した。 PBS中37℃でカプセル化されたFITC−BSAの80%を超える量が最初の2日以内に
放出され、10日後にはさらに約5%が放出された。充填レベルの異なるP(BHET−
EOP/TC,80/20)からのFITC−BSA放出動力学は図11に示してある。 [実施例19] P(BHDPT−EOP/TC,50/50)コポリマーから作製された微小球の
インビトロでの放出動力学 リドカインを充填した約10mgのP(BHDPT−EOP/TC,50/50)微小球をシェーカ
ーに置かれた37℃のPBS(0.1M,PH7.4)に入れた。インキュベートしている溶液
からサンプルを定期的に引き抜いて、このサンプルから放出されるリドカインの
量をHPLCで測定した。得られた放出動力学を図10,11に示す。 P(BHDPT−HOP/TC,50/50)から作製した微小球についても同じ方法で行なっ
た。この微小球から放出されるリドカインの放出動力学もまた図10,11に示す。
[実施例20] 細胞に対するコポリマーのインビトロでの細胞毒性アッセイ P(BHET−EOP/TC,80/20)微小球を濃度を変えて96−ウエル組織培養プレート
に加えた。このウエルにヒト胃癌細胞(GT3TKB)を104細胞/ウエルの量で接種
した。この細胞を37℃で48時間微小球とともにインキュベートした。その結果の
細胞増殖速度をMTTアッセイで分析し、組織培養ウエル内のコポリマー微小球の
濃度に対する%相対増殖としてプロットした。結果を図14に示す。 [実施例21] ポリマー分解産物のGT3TKB腫瘍細胞への毒性アッセイ 次のポリマーのそれぞれ約100−150mgを20mLの1M NaOHに入れた37℃で1−2日
間別々に分解した。 PLLA(Mw=14,000) P(BHDPT−EOP) PCPP:SA(20:80) ポリL−リジン(Mw=88,000) これらのポリマーの全てで完全な分解が観察された。この溶液を20mLの1MHCI
で中和した。 各種濃度のこの分解ポリマー産物の約200μLを96ウエル組織培養プレートに入
れ、ヒト胃癌細胞(GT3TKB)を104/ウエルの量で接種した。分解ポリマー産物を
このGT3TKB細胞とともに48時間インキュベートした。このアッセイの結果を組織
培養ウエル内の分解ポリマーの濃度に対する%相対増殖としてプロットし、図13
に示した。 追加の毒性アッセイをBHETモノマーから作製した微小球とBHET−EOPホモポリ
マーから作製した微小球について行い、LAとPLLAから作製した微小球と比較し
た。このアッセイの結果を組織培養セル内のポリマー又は微小球の濃度に対する
%相対増殖としてプロットし、図14に示した。 [実施例22] ポリ(L−ラクチド−コ−エチルホスフェート)[ポリ (LAEG−EOP)]の合成
【化70】 (3S)−cis−3,6−ジメチル−1,4−ジオアン−2,5−ジオン(L−ラクチド
)(アルドリッチ ケミカル会社から入手し、酢酸エチルを用いて再結晶、昇華
、再び酢酸エチルを用いて再結晶した)20g(0.139モル)およびエチレングリコ
ール(99.8%、無水、アルドリッチから入手)を乾燥アルゴンで満たされた250m
Lの丸底フラスコに入れた。フラスコを真空下に閉じ、140℃に加熱された炉に入
れた。フラスコを時々振とうさせながらこの温度で48時間保持した。 次いで、フラスコを乾燥アルゴンで充満し、135℃に加熱した油浴中に入れた
。アルゴン気流下、攪拌しながらエチルホスホロジクロリデ−ト1.13gを添加し
た。1時間攪拌後、系に低真空(約20mmHg)をかけ、一夜放置した。仕上げ前の1
時間、高真空をかけた。冷却後、ポリマーをクロロホルム200mLに溶解し、1リッ
トルのエーテルに2回クエンチし僅かに灰色がかった白色沈殿とし、真空下に乾
燥した。 得られたポリマーは、図6、図7に示すように目的とする生成物ポリ(L−ラク
チド−コ−エチルホスフェ−ト)[P(LAEG−EOP)]であることがNMR分光学に
よって確認した。 [実施例23] P(LAEG−EOP)の諸性質 (xまたはy)/n=10:1のP(LAEG−EOP)を実施例22において上述したように
調製した。得られたポリ(ホスホエステル−コ−エステル)ポリマーをポリスチ
レンを標準として用いてGPCによって分析し、得られたグラフは図16に示すよう
に、Mw33,000、Mn4800と確定した。 粘度をクロロホルム(CH3Cl)中、40℃で測定し、0.315dL/gと測定した。ポ
リマーは酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、テトラヒドロフラン、N−メチルピドリドン、ジメチルホルムアミドおよび
ジメチルスルホキシドに可溶であった。ポリマーは脆いフィルムを形成し、Tgは
図17A、図17Bに示すようにDSCによって51.5℃と測定された。 [実施例24] ポリ(L−ラクチド−コ−へキシルホスフェート)[ポリ(LAEG
−HOP)]の合成 EOP(エチルホスホロジクロリデート)の代わりにヘキシルホスホロジクロリ
デ−ト(「HOP」)を用いた以外は、実施例22に記載された方法によって、次の
構造を有する2番目のポリ(L−ラクチド−ホスフェート)についても製造した。
【化71】 [実施例25] P(LAEG−EOP)およびP(LAEG−HOP)の諸性質 実施例22のホスホエステル−コ−エステル重合体、P(LAEG−EOP)および実施
例24のポリマー、P(LAEG−HOP)の重量平均分子量(Mw)は図18に示したように
、測定標準としてポリスチレンを用いてゲル透過クロマトグラフィ(GPC)によ
って先ず測定した。各サンプルを室温の大気に晒したまま周囲無保護貯蔵容量試
験を行った。1ヶ月後、各ポリマーのMwを再度測定した。その結果(図19にプロ
ットした)、P(LAEG−EOP)のMwは無保護周囲条件の1ヶ月後約1/3減少したが
、P(LAEG−HOP)のMwはかなり一定に止まり、わずかな増加さえ示した。図20も
参照。 次いで、各ポリマーから50℃、200MPa.の圧力で圧縮成型によって分解研究用
のディスクを作成した。ディスクは直径4mm、厚さ1.5mm、重量40mgであった。分
解研究はディスクを0.1MのPBS(pH7.4)4mL中、37℃に入れて行った。反復試料
を8日迄異なった時点で取り除き、蒸留水で洗浄し、一夜真空下で乾燥した。試
料を重量損失、分子量変化(GPC)について分析した。それらの結果を図4A、
図4B、図10Aおよび図10Bに示す。P(LAEG−EOP)およびP(LAEG−HOP)のい
ずれのポリマーもは好都合な分解プロファイルを示した。 [実施例26] P(LAEG−EOP)のインビボ生体適合性 P(LAEG−EOP)、そして参考試料として生体適合性であると知られている乳酸
とグリコ−ル酸のコポリマー[「PLGA(RG755)」]から、それぞれポリマー薄
片100mgを形成した。これらの薄片を麻酔をかけられた成育SPFスプラグ−ドウレ
イ(SPrague−DawLey)系ラットの右肢筋肉層間に挿入した。所定時間に薄片を
取り出した。そして周辺の組織は次の得点を用いて認定された病理学者によって
組織病理学分析用に用意された。 得 点 刺激レベル 0 刺激なし 0〜200 僅かな刺激 200〜400 少ない刺激 400〜600 中位の刺激 600以上 激しい刺激 組織病理学分析の結果を下記表9に示す。
【表9】 図23についても参照。ホスホエステルコポリマーP(LAEG−EOP)はPLGA参考薄
片によって示されたのと同様な許容生体適合性を有することが示された。 雄のS−Dラットに微小球を筋肉注射後同様の試験を行い、移植部位のマクロフ
ァ−ジカウントと刺激スコアを表にして下記に示す。
【表10】 #=平均カウント *この群では2区のみ存在 雄のS−Dラットに筋肉注射後同様の試験を行い、移植部位のマクロファ−ジカ
ウントと刺激スコアを表にして下記に示す。
【表11】 #=平均カウント [実施例27] 理論上10%の充填レベルのFITC−BSAを含有するコポリマー微小
球の調製 P(LAEG−EOP)100mgの塩化メチレン1mL溶液にFITC−BSA溶液100mL(水に溶解
して100mg/mL)を添加し、氷の上で15秒間超音波によって乳化させた。得られ
た乳化液を直ちに5%NaClの1%ポリビニルアルコール(PVA)溶液の渦5mLに注ぎ
、渦を1分間保持した。次いで、このように形成した乳化液を5%NaClの03%PVA
溶液20mLに注ぎ、激しく攪拌させた。イソプロパノールの2%溶液25mLを添加し
、その混合物を1時間攪拌し続けて完全な抽出を行った。得られた微小球を3000X
gの遠心分離によって集め、水で3回洗浄し、凍結乾燥した。 第2水層として5%NaCl溶液又は更にPEG8000を1%含む5%NaCl溶液を用いて異
なった配合の微小球を作成した。混合物を一夜攪拌することによって溶媒を蒸発
する溶媒蒸発によって微小球を形成させる他の技術を使用した。 [実施例28] カプセル化効率および充填レベルの評価 微小球を0.5%NaOHで一夜加水分解させた後、FITCを検定してFITC−BSAの充
填レベルを測定した。FITC−BSAの量は、FITC−BSA一連の0.5N NaOH溶液を造る
ことによって描かれた標準曲線と比較した。微小球のカプセル化効率は、蛍光分
析法によって溜まったFITC−BSAを溶液中の初量と比較することによって測定し
た。カプセル化効率(%)および充填レベル(%)を下記表12に示す。
【表12】 [実施例29] コポリマーの細胞毒性 P(LAEG−EOP)を含有する微小球を異なった濃度で96−ウエル組織培養板に添
加した。次いで、人胃癌細胞(GT3TKB)を104細胞/ウエルの割合で接種した。
そして、細胞をウエル中の微小球と共に37℃、48時間培養した。細胞増殖率をM
TT検定法によって分析し、その結果を図24に示したように、相対成育%対組織
培養ウエル中のコポリマー微小球濃度としてプロットした。 [実施例30] 成形方法の微小球からのFITC−BSA放出効果 本発明の重合体微小球50mgを、PBS10mLを入れたバイアル中に懸濁し、バイア
ルを培養器中で37℃、220rpm.の回転率で振とうさせた。上澄み液を種々の時点
で取り、放出したFITC−BSAの量を492nm、分光光度計によって分析した。その結
果を図25に示したように、微小球からのFITC−BSAの累積放出%対時間としてプ
ロットした。 [実施例31] 非溶媒層としてポリビニルアルコールを用いてリドカインを含有
するP(LAEG−EOP)微小球の調製 600mLビーカー中でPVA1.05gと脱イオン水210mLと合わせて脱イオン水溶液中の
ポリビニルアルコール(PVA)05%w/v溶液を調製した。その溶液を1時間攪拌
し、濾過した。塩化メチレン7mL中にポリマー630mgとリドカイン70mgとを合わせ
、渦によって混合してポリマー/薬剤溶液を調製した。PVA溶液をオーバーヘッ
ドミキサ−を用いて500rpm.で混合し、これにポリマー/薬剤溶液を滴下した。3
0分の混合後、冷脱イオン水200mLを攪拌しているPVA溶液に添加した。得られた
混合物を全体で3.5時間攪拌した。形成した微小球を濾別、脱イオン水で洗浄し
、一夜凍結乾燥した。 このようにしてリドカイン4.2%w/wを充填させた微小球を得た。 約10mgの微小球を37℃、振とう機上のホスフェ−ト緩衝食塩水(0.1M,pH7.4)
に入れ、きちんとサンプリングした。その結果を図25に示したように、放出した
リドカイン%対日数時間としてプロットした。 [実施例32] P(DAEG−EOP)の合成 ポリ(L−ラクチド−コ−プロピルホスフェート)のd,Lラセミ混合物[「P(
DAPG−EOP)」]を次のように調製した。
【化72】 生産物は有機溶媒に溶ける白い固体として得られた。反応条件によって、次に
まとめて示すように極限粘度と分子量の異なるものが得られた。
【表13】 [実施例33] 非溶媒層としてシリコン油を用いてリドカインを有するP(DAPG
−EOP)微小球体の調製 「スパン−85」の商品名でアルドリッチから商業的に入手し得るソルビタン−
トリオレエート2%が、400mLビーカー中で「スパン−85」3mLとシリコン油150mL
とを合わせ、500rpm.にセットしたオ−バ−ヘッド攪拌機を用いて混合すること
によって調製された。上記実施例33で調製した重合体400mgおよびリドカイン100
mgを塩化メチレン4.5mLに溶解してポリ(L−ラクチド−コ−エチルホスホネ−ト
)P(DAEG−EOP)のDLラセミ混合物ポリマー/薬剤溶液を調製した。得られたポ
リマー/薬剤溶液をシリコン油/スパン混合物に攪拌しながら滴下した。この混
合物を1時間15分攪拌した。このようにして形成した微小球を濾別、石油エーテ
ルで洗浄してシリコン油/スパン混合物を除去し、一夜凍結乾燥した。 このようにしてリドカイン7.6%w/wを充填した微小球を得た。約10mgの微小
球を37℃、振とう機上のホスフェート緩衝食塩水(0.1M,PH7.4)に入れ、き
ちんとサンプリングした。その結果をパクリタキセルを含むP(DAPG−EOP)微小
球についても図26A、26B、26C、26D、26E及び26Fに示すように、同様のデータ
が得られた。放出したリドカイン%対日数時間としてプロットした。 [実施例34] マウス腹腔におけるポリ(ホスホエステル)微小球の生物適合性 本発明の生分解性ポリ(ホスホエステル)微小球の生体適合性を次のとおり試
験した。 凍結乾燥したポリ(L−ラクチド−コ−エチルホスフェート)微小球30mg/mL
の3試料を調製し、第1番目の試料は75ミクロンより大きい直径を有し、第2番目
の試料は75〜125ミクロンの範囲内の直径を有し、そして第3番目の試料は125〜2
50ミクロンの範囲内の直径を有する。各試料を開始体重25gの雌マウス1グループ
18匹に腹腔内注入した。各グループの動物を2,7,14日並びに1,2,3ヶ月に秤
量、殺し、剖検した。剖検時に検出した障害は0は処置に対して何らの反応を示
さず、4は処置に対して激しい反応を示すことを以て0から4の等級で等級をつけ
た。 炎症障害は腹腔表面あるいは脂肪組織内で微小球と連合しているところに限っ
て観察され、異物単離およびカプセル化には適応した。中皮過形成と局部ないし
多局部的に支持する腹膜脂肪織炎2〜7日目に観察されたが、大食細胞浸潤、炎症
性巨大細胞の形成並びに後期の殺しでの微小球の繊維状カプセル化によって徐々
に分解された。連合した炎症反応と共に微小球の肝臓および横隔膜への時折の付
着も見られた。微小球に関連した障害は腹腔または胸器官内で見られなかった。
研究期間に亘って検出された微小球は初期の殺しでは透明に見えたが、後期では
体内では結晶性物質と発展した。体成育に何らの効果は観察されなかった。腹膜
反応は微小球にじかに隣接している場所に限って観察されたが、主要な胸または
腹腔器官にはっきりとした有害効果は全く伴わなかった。 雄及び雌のS−Dラットの腹膜内にDAPG−EOPを同様に注入して次の結果を得た
【表14】 a 試験期間中に死亡又は瀕死の状態で屠殺された動物を示す。 M=雄,F=雌 [実施例35] ポリホスホエステルP(トランス−CHDM−HOP)の合成
【化73】 アルゴン気流下で、10gのトランス−1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル(CHD
M)、1.794gの4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、15.25mL(14.03g)のN−メ
チルモルホリン(NMN)、及び50mLのメチレンクロライドをロ−トを備えた250mL
フラスコに移した。このフラスコのなかの溶液を攪拌しながら−15℃まで冷却し
、15.19gのヘキシルホスホロジクロリデ−ト(HOP)を30mLのメチレンクロライ
ドに溶解した溶液をロ−トを通じて加えた。反応混合物の温度を沸点まで徐々に
上界させ、一夜還流温度に保った。 この反応混合物を濾過し、濾液を蒸発乾固した。残渣を100mLのクロロホルム
に再溶解した。この溶液をHClとNaClの混合物の0.1M溶液で洗浄し、無水Na2SO4
上で乾燥し、500mLエ−テルに入れて急冷した(quenched)。生成した流動可能
な沈殿物を集めて真空下で乾燥し、粘稠なシロップの流動性をもつ透明な淡黄色
ゲル状のポリマーを得た、このポリマーの収率は70〜80%であった。P(トラン
ス−CHDM−HOP)の構造を、図27に示す31P−NMRと1H−NMRスペクトルと、FT−
IRスペクトルで確認した。分子量(Mw=8584:MN=3076)は、ポリスチレンを
検定標準として、図28に示すように、ゲルパ−ミエ−ションクロマトグラフィ−
(GPC)で決定した。 [実施例36] ポリホスホエステルP(シスとトランス−CHDM−HOP)の合成 ポリホスホエステルP(シス/トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル
ヘキシルホスフェ−トを、シスとトランス−1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル
の混合物を出発物質に用いた点を除いて、実施例34で前述した方法に従って作製
した。期待通り、生成したシス/トランス−P(CHDM−HOP)は実施例34で得られ
たトランス異性体よりも粘性が少なかった。 [実施例37] 低分子量P(CHDM−HOP)の合成 アルゴン気流下で、10gのトランス−1,4−シクロヘキサンジメタ ノ−ル(CHDM)、15.25mL(14.03g)のN−メチルモルホリン(NMM)、及び50mL
のメチレンクロライドをロ−トを備えた250mLフラスコに移した。このフラスコ
のなかの溶液を攪拌しながら−40℃まで冷却した。15.19gのヘキシルホスホロジ
クロリデ−ト(HOP)を20mLのメチレンクロライドに溶かした溶液をロ−トを通
じて加え、追加の10mLのメチレンクロライドを用いてロ−トを通じて洗い落した
。この混合物を徐々に室温まで高め、4時間攪拌した。 この反応混合物を濾過し、濾液を蒸発乾固した。残渣を100mLのクロロホルム
に再溶解した。この溶液を0.5M HCl−混合物溶液で洗浄し、飽和NaCl溶液で溶液
で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥し、1:5エ−テル−石油混合物に入れて急冷した
。生成したオイル状沈殿物を集めて真空下で乾燥し、透明な淡黄色粘稠物質を得
た。この生成物の構造を1H−NMR、31P−NMR及びFT−IRスペクトルで確認した
。 [実施例38] ポリホスホエステルP(トランス−CHDM−BOP)の合成
【化74】 アルゴン気流下で、10gのトランス−1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル(CHD
M)、0.424g(5%)の4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、15.25mL(14.03g)
のN−メチルモルホリン(NMM)、及び50mLのメチレンクロライドをロ−トを備え
た250mLフラスコに移した。このフラスコのなかの溶液を攪拌しながら−40℃ま
で冷却した。13.24gのブチルホスホロジクロリデ−ト(BOP)を20mLのメチレ
ンクロライドに溶解した溶液をロ−トを通じて加え、追加の10mLのメチレンクロ
ライドを用いてロ−トを通じて洗い落した。この混合物を沸点まで徐々に加熱し
、4時間還流した。この反応混合物を濾過し、濾液を60℃より低く保つように注
意しながら蒸発乾固した。残渣を100mLのクロロホルムに再溶解した。この溶液
を0.5MHcl−NaCl溶液と飽和NaCl溶液で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、1:5エ−
テル−石油混合物に入れて急冷した。生成したオイル状沈殿物を集めて真空下で
乾燥し、透明な淡黄色粘稠物質を得た。 [実施例39] P(トランス−CHDM−HOP)の流動学的性質 P(トランス−CHDM−HOP)は室温で流動可能なゲル状であった。このポリマー
は25℃における定常粘度が327Pa・s(図29Bに示す。)、流水活性エネルギーが6
7.5KJ/mol(図29Aに示す。)であった。 [実施例40] P(トランス−CHDM−HOP)のインビトロでの細胞毒性 カバースリップをスピンコーティング法によりP(トランス−CHDM−HOP)でコ
ーティングした。このコーティングされたカバ−スリップを乾燥し、フード付の
UV照射を一夜行って殺菌した。P(トランス−CHDM−HOP)でコーティングしたカ
バースリップの1枚を6ウエルプレートの各ウエルの底に置いた。5×105個のHE
K293(ヒト胚性腎)細胞を各ウエルに入れ、37℃で72時間培養した。その結果
得られた細胞形態を、組織培養ポリスチレン(TCPS)を陽性対照として用いて調
べた。P−(CHDM−HOP)の表面で成長した細胞は、図30に示すように、ややより
遅い速度で増殖した。しかしながら、このポリマー表面で成長した細胞の形態は
TCPSの表面で成長した細胞の形態と似ていた。 [実施例41] P(CHDM−アルキルホスフェート)のインビトロでの分解 次のポリホスフェートを前述のようにして作製した。
【表15】 各ポリマーのサンプル50mgを5mLの0.1M,pH7.4のリン酸塩緩衡生理食塩溶液(PB
S)中で37℃でインキュベートした。程々の時点で上澄液を注き出し、ポリマー
サンプルを3回蒸留水で洗った。次いで、ポリマーサンプルをクロロホルムで抽
出し、このクロロホルム溶液を蒸発乾固した。当初の50mgサンプルと比較した減
量を分析した。PBS中でのポリホスフェートのインビトロでの分解速度における
側鎖の構造の効果を図31にグラフで示す。 [実施例42] P(CHDM−HOP)によるインビトロでの蛋白放出プロフィール ポリマーP(CHDM−HOP)を蛋白FITC−BSA(牛血清アルブミン、蛋白、蛍光標
識でラベルされている)と2:1(w/w)の比率(33%充填)で混合した。このポ
リマー蛋白混合物の測定された量(66mg又は 104mg)を10mLのPBS(0.1 M,pH7.4)、リン酸塩緩衡液に入れた。 一定間隔(およそ毎日)でサンプルを遠心し、上澄の緩衡液を除いて吸収分光分
析(501nm)にかけ、そして、新しい量の緩衡液をサンプルに加えた。時間に対
してFICT−BSAの累積放出パーセントをプロットして得られた放出曲線を図32に
グラフで表す。両方とも蛋白の充填レベルは33重量%であった。 [実施例43] 各種の充填レベルでのインビトロでの蛋白放出プロフィール FITC−BSAをP(CHDM−HOP)と異なる充填レベル(1%,10%及び30%)で室温
で混合物が均質のペーストになるまで混合した。60mgのこの蛋白充填ポリマーペ
ーストを6mLの0.1mgリン酸塩緩衡液に入れ、37℃で一定で振盪を行った。各種の
時点でサンプルを遠心し、上澄液を新しい緩衡液と交換した。上澄液中の放出さ
れたFITC−BSAを501nmでUV分光分析法で測定した。充填レベルの関数としてのFI
TC−BSAのインビトロでの放出動力学を図7にグラフで示す。 [実施例44] FITC−BSAのインビトロでの蛋白放出動力学における 側鎖構造の影響 次のポリマーを前述のようにして作製した。 P(CHDM−EOP) P(CHDM−BOP)及び P(CHDM−HOP) FITC−BSAを各ポリマーと10%充填レベルで室温で混合して均質のペーストに
した。60mgのこの蛋白充填ポリマーペーストを6mLの0.1mgリン酸塩緩衡液に入れ
、37℃で一定振盪を行った。各種の時点でサンプルを遠心し、上澄液を新しい緩
衡液と交換した。上澄液中の放出されたFITC−BSAを501nmでUV分光分析法で測
定した。10%充填レベルでのFITC−BSAのインビトロでの蛋白放出動力学におけ
る側鎖の変化のインビトロでの効果を図34にグラフで示す。 [実施例45] インビトロでのP(CHDM−HOP)からの低分子量医薬の放出 ドキソルビシン、シスプラチン又は5−フロオロウラシルを含むP(CHDM−HOP
)ペーストをそれぞれ100mgのP(CHDM−HOP)に1mgの所望の薬を室温で混合して
作製した。60mgの薬充填ペーストのアリコットを6mLの0.1Mリン酸塩緩衡液に入
れ37℃で一定振盪することを、それぞれ試験される薬に対する3つのサンプルに
対して行った。各種の時点で上澄液を新しい緩衡液と交換した。ドキソルビシン
と5−クルオロウラシルの上澄液でのレベルをそれぞれUV分光分析法で484nm及
び280nmで定量した。シスプラチンのレベルは原子吸光分光分析器で測定した。P
(CHDM−HOP)からのこれらの低分子量薬の放出を図9Aに示す。 P(CHDM−HOP)からのパクリタキセルのような疎水性低分子医薬の放出を図9B
に示す。 [実施例46] P(CHDM−HOP)からのドキソルビシンとシスプラチンのインビト
ロでの放出プロフィール 300mgのP(CHDM−HOP)に6mgのドキソルビシンと6mgのシスプラチンを室温で
混合し均一の分散物を形成してペーストを作製した。100mgのこのペーストのサ
ンプルを10mLのリン酸塩緩衡液(pH7.4)中で37℃で振盪しながらインキュベ−
トした。異なる時点でサンプルを遠心し、9mLの上澄液を引き抜いて新しい緩衡
液と交換した。引き抜いた上澄液は484nmで分光測定分析して引き抜いた上澄液
中に放出されたドキソルビシンの量を求め、シスプラチンの放出は原子吸光分光
分析器で測定した。P(CHDM−HOP)からのシスプラチンとドキソルビシンの同時
放出を図36にグラフで示す。 [実施例47] P(トランス−CHDM−HOP)のインビボでの生体適合性 ポリマーP(トランス−CHDM−HOP)を実施例1に記載した方法で合成した。注
入を容易にするためにエチルアルコ−ルを容量%で10%と20%のレベルでポリマ
ー加えて粘度を減少させた。このポリマーのみの25μL、10%アルコールを含む
ポリマー25μL及び20%アルコールを含むポリマー25μLのサンプルをスプラーク
デューリーラットの背筋に注入した。注入部位の組織を注入3日後又は13日後に
採取し、パラフィン組織用に処理し、ヘマトキシレン、エオシン塗料で染色し、
分析した。医薬グレードのシリコンオイルを対照群のラットには注入した。 エタノールで希釈したポリマーを注入したラットの背筋部位の組織検査を行っ
たところ、急性の刺激に対する応答はみられなかった。マクロフアージの存在レ
ベルは医薬グレードのシリコンオイルを注入した対照群と同程度であり、3日目
又は13日目に取り出したサンプルのいずれにおいても神経糸は存在しなかった。
[実施例48] インビトロでの腫瘍モデルにおけるインターロイキン−2とドキ
ソルビシンのP(CHDM−HOP)からのコントロールされたデリバリー 凍結乾燥したインターロイキン−2(“IL−2”)をキロンから購入し、マウス
インターフェロン−γ(“mIFN−γ”)はベーリンガーマンハイムから入手し、
ドキソルビシン塩酸塩(“DOX”)はシグマから入手した。6−8週令のC57BL/6
マウスはチャールスリバーから入手した。攻撃性ミエローマ細胞株B16/F10はマ
ウスに腫瘍を発生させるのに用い、この細胞は毎週継代して維持した。ポリマー
P(CHDM−HOP)は実施例1に記載した方法で合成した。 マウスは表16に示すようにランダムにグループに割り当てた。ミエローマ細胞
株の細胞で腫瘍注入した日を0日とした。各マウスはリン酸塩緩衡生理食塩溶液
(PBS)に入れた腫瘍細胞50μL(105)を左の脇腹皮下注入した。3日目と7日目
に、腫瘍を有するマウスの右脇腹に次のいずれかの処方で注入を行った。(1)I
L−2の大きな丸薬、(2)DOXの大きな丸薬、(3)IL−2のポリマーペースト、(
4)DOXのポリマーペースト、(5)IL−2とDOXを両方含むポリマーペースト、(6
)IL−2とmIFN−γを両方含むポリマーペースト、対照群と陰性対照群には3日目
又は7日目には注入をしなかった。 IL−2又はDOXの大きな丸薬調剤は注入直前にIL−2又はDOXの適当量を50μLの
等張溶液に溶解して調製した。IL−2、DOX、IL−2とDOXの両方の混合物は又はIL
−2とmIFN−γの混合物のポリマーペーストの処方は、50μLの殺菌したP(CHDM
−HOP)にこの薬を均質になるまで混合して調製した。
【表16】 瘍成長28日目と42日目に各種のマウスの腫瘍の大きさを測定した。その結果を
下記の表17に示すが、この表は28日目と42日目の腫瘍の体積の成長の数値データ
と薬でグループ化された実験で生き残ったマウスの数を示している。腫瘍の体積
はOsiekaら,1981の方法に従って、長さと巾の2乗の積の半分として計算した。
【表17】 *平均の標準誤差 これらの測定に基いて、28日目(腫瘍移植後4週間)の腫瘍の大きさを図37に
、42日目(腫瘍移植後6週間)のものを図38にそれぞれグラフで示した。これら
のグラフは、腫瘍をもっているマウスに対して与えられた治療の相違によって細
分化されてプロットされている。 28日目の結果は、対照群(治療なしの腫瘍)とIL−2の丸薬注入と比べて、ポ
リマーIL−2ペースト注入を受けたマウスのグループは腫瘍の成長を遅らせるこ
とに成功した。しかしながら、7日目までポリマー/IL−2ペースト注入を受けて
いないマウスのグループでは7日目までに腫瘍は既にかなりの大きさになってい
て、腫瘍の大きさの有意な減少は観察されなかった。 すぐれた腫瘍の減少はIL−2とDOXの組合せで得られた、IL−2とDOXの両方を含
むポリマーペーストの注入で治療した腫瘍の平均サイズは対照群の腫瘍と比べて
かなり小さかった。特に、3日目にIL−2とDOX/ポリマーペーストを受けたマウ
スの平均の腫瘍サイズは、対照群のものが2458mm3であったのに対し、657.3mm3
であった。治療が腫瘍成長7日目まで遅れても、IL−2とDOXの両方を含むポリマ
ーペースト処方ではやはり治療効果がみられた。 IL−2とDOXの両方を含むポリマーペーストの3日目の注入が腫瘍の成長を遅ら
せる最もよい結果を与えることが腫瘍成長42日目の結果によっても認められた。
本発明のポリマーペーストにおけるIL−2とDOXの組合せの療法では、より多くの
試験動物で腫瘍のサイズがより小さくなった。図15に示す分布データによれば、
IL−2とDOXを組み合わせたポリマーペースト療法では、DOXのみのポリマーペー
スト注入の場合の範囲の内側にある唯一のマウスと比較して、1000mm3より小さ
い腫瘍を持つ4匹のマウスがいた。腫瘍成長42日目での評価のように、IL−2 単
独では最も望ましい効果は得られないこともまた明らかにされた。28日目での小
さな腫瘍サイズの良好な分布にもかかわらず、長期間の生存データはこの時点で
の腫瘍成長の進行ばかりでなく、長期間継続するコントロ−ルされたIL−2 のデ
リバリ−の欠如によっても悪影響を受けているように思われた。IL−2とDOXの両
方のポリマーペースト処方では、ポリマーはゆっくり分解し、治療剤の拡散速度
をずっと徐々に低下させていく。 しかしながら、各グループ内の腫瘍サイズの分布の有意差から、表17に見られ
るような平均の腫瘍サイズは完全な画をもたらさない。本発明の治療の意義のよ
り充分な理解は、腫瘍移植後6週間の腫瘍サイズの分散度を示す図38の分布グラ
フと、DOX単独又はIL−2とDOXの組合せを含むペーストを3日目に注入した動物の
群を除いて、42日目の測定の前に全てのグループのマウスが大量死したことを示
す図39の生存曲線の比較データによって得ることができる。こうして、これらの
データは全体として、ペーストに入れたIL−2とDOXの組合せの療法によって腫瘍
の成長をかなり遅らせ、延命させることを示している。 DOSを含むポリマーペースト注入後約3−4日の早い死は、少なくとも1因がこれ
らの弱い動物に与えるDOXの毒性作用によるものと思われた。DOX丸薬は早い死を
もたらさなかったが、これは丸薬で注入されたDOXの体内での早い分配と排除に
よるのであろう。 [実施例49] パクリタキセルのP(CHDM−HOP)又はP(CHDM−HOP)への含有 P(CHDM−HOP)とP(CHDM−EOP)のポリマーのそれぞれ100mgをエタノ−ルに
約50%の濃度で溶解した。ポリマーが完全に溶解してから、5mgのパクリタキセ
ル粉末(化学療法薬)をこの溶液に加えてこの粉末が完全に溶解するまで攪拌し
た。この溶液を氷水に注入してポリマー組成物を沈殿させた。得られた懸濁液を
遠心し、傾瀉し、一夜凍結乾燥して粘稠なゲル状生成物を得た。 [実施例50] パクリタキセルのP(CHDM−HOP)とPC(HDM−EOPからのインビ
トロでの放出 試験する実施例20のパクリタキセルポリマー処方の両方5mgを1.7mLの小型プラ
スチック遠心管に入れて、80%PBSと20%PEG400の混合緩衝液1mLとともに37℃で
インキュベートした。供試する各処方の4つのサンプルを調製した。およそ毎日
である特定時点で、このPBS:PEG緩衝液をHPLCによるパクリタキセル分析用に注
ぎ出し、この小型遠心管に新しい緩衝液を加えた。この放出研究は26日目で停止 し、この時点でポリマーに残っているパクリタキセルを溶媒で押出してパクリタ キセルの物質収支を求めた。 両ポリマーからのパクリタキセルの放出で得られた放出関係を図18に示す。パ
クリタキセルの全回収率はP(CHDM−HOP)処方では65%、P(CHDM−HOP)処方で
は75%であった。 [実施例51] P(DAPG−EOP)からのパクリタキセルのインビトロでの放出 P(DAPG−EOP)微小球を、酢酸エチルを溶媒とし0.5%PVA水溶液を非溶媒と
して用いて、溶媒蒸発法で調製した。得られた微小球は球状で、粒径は約20−15
0μmの範囲最も好ましくは20−50μmである。 この微小球からのパクリタキセルのインビトロの放出をPBS(pH7.4)中37℃で
行った。シンクの状態を維持するために、PBSの上にオクタノール層を設けて放
出されるパクリタキセルを連続的に抽出した。放出されたパクリタキセルはHPLC
法を用いて定量し、ポリマーのインビトロでの質量損失を重量分析で求めた。微
小球からのパクリタキセルのインビボでの放出は、図41に示すように、ポリマー
の質量損失と同時にゆっくりと連続して行われた。 [実施例52] P(DAPG−EOP)からのパクリタキセルのインビボでの放出 P(DAPG−EOP)微小球を実施例52で前述したようにして作製し、ヌードマウス
でこの微小球からのパクリタキセルのインビボでの放出を調べた。注入後1日、1
4日及び28日目に各試験動物から血漿を採取し、パクリタキセルの濃度を、HPLC
でMS−MS検出法で分析した。研究の効率化のために、ヒト卵巣癌細胞株OVCAR3を
キャリヤー動物から採取して試験動物の腹膜内に注入した。パクリタキセル又は
生分解性ポリマーなしのパクリタキセルを包有させたP(DAPG−EOP)微小球もま
た細胞注入1日後に腹膜内投与した。この動物の生存率もまたモニターした。 微小球の1回の腹膜内投与で、血漿中のパクリタキセルの持続レベルは、表18
に示すように、少なくとも28日まで得られた。
【表18】 パクリタキセルの同じような量を腹膜内に投与した場合には、このヌードマウ
スはこの投与にはその毒性のために耐えられなかった。 この生分解性ポリマー微小球デリバリーシステムは、動物モデルOVCAR3での卵
巣癌の治療に驚く程有効であった。図42に示すように、生分解性ポリマーなしの
パクリタキセルに比べて優れた効果が得られた。 [実施例53] P(DAPG−EOP)パクリタキセルの半数生存データ 10mg/kg又は40mg/kgのパクリタキセルを含むP(DAPG−EOP)微小球を、卵巣
癌を有する試験動物の腹膜内へ注入した。他の試験動物にはパクリタキセルを市
販のTaxolの商品名の有機溶媒に溶かして同じ投与レベルで注入した。試験動物
をモニターして半数生存期間を記した。結果を下記にまとめて示す。
【表19】 これらの結果を図43にグラフで示すが、パクリタキセルを生分解性微小球の形
で投与した試験動物の半数生存期間は予想できない程大きく増加していることが
示されている。 投与レベルを変えて比較したところ次のように同様なデータが得られた。
【表20】 これらの結果を図44にグラフで示すが、パクリタキセルを生分解性微小球の形
で投与した試験動物の半数生存期間は予想できない程大きく増加していることが
確認された。図45と46は、このデータを別のグラフで示したものである。 これまで説明したきた本発明は、多くのやり方に変えられることは明らかであ
ろう。このような変更は本発明の精神と範囲からの離脱とはみなされないもので
あり、全てのこのような変更は次のクレームの範囲に含まれることを意味してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aは、P(BHET−EOP/TC,80/20)の1H−NMRスペクトルを示し、
図1Bは31P−NMRスペクトルを示す。
【図2】 図2は、P(BHET−EOP/TC,80/20)のFT−IRIペクトルを示す。
【図3】 図3Aは、P(BMET−EOP/TC,80/20)とP(BHET−HOP/TC,90/10)
の分子量と元素分析を示し、図3BはP(BHET−EOP/TC,80/20)のGPCクロマトグ
ラムを示す。
【図4】 図4Aは、P(BMET−EOP/TC,80/20)のDSC曲線を示し、図4BはP(B
HET−EOP/TC,50/50)のDSC曲線を示す。
【図5】 図5Aと5Bは、P(BMET−EOP/TC,80/20)とP(BHET−EOP/TC,85/
15)のインビトロでの分解データを示すものである。
【図6】 図6は、インビトロでの分解の間のP(BHDPT−EOP)とP(BHDPT−E
OP/TC)ポリホスホエステルの分子量の変化を示すものである。
【図7】 図7Aと7Bは、P(BHET−EOP/TC)のインビトロでの分解を重量又は
質量損失で示し、図7CはP(BHET−EOP/TC,80/20)フィルムからのパクリタキ
セルのような疎水性小分子のコントロ−ルされたデリバリ−を示すものである。
【図8】 図8は、FITC−BSAを含むP(BHET−EOP,80/20)微小球の電子顕微
鏡写真である。
【図9】 図9Aは、微小球からのFITC−BSAの放出動力学での充填レベルの効
果を示し、9BはCHDMポリマーからのパクリタキセルのような疎水性小分子のコン
トロ−ルされたデリバリ−を示すものである。
【図10】 図10は、P(BHDPT−EOP/TC)コポリマー微小球からのリドカイン
の放出を示すものである。
【図11】 図11は、P(BHET−EOP/TC,80/20)微小球の細胞毒性を示すもの
である。
【図12】 図12は、4つの異なるポリマーについての相対細胞成長(%)と
組織培養ウェル(mg/mL)内の分解されたポリマー濃度との毒性アッセイプロッ
トを示すものである。
【図13】 図13は、P(BHET−EOP/TC,80/20)微小球の細胞毒性を示すもの
である。
【図14】 図14は、本発明のポリマーであるP(LAEG−EOP)の1H−NMRスペ
クトルを示す。
【図15】 図15は、本発明のポリマーであるP(LAEG−EOP)の31P−NMRスペ
クトルを示す。
【図16】 図16Aと16Bは、本発明の2つのポリマーの示差走査熱量計データ
を示すものである。
【図17】 図17は、本発明のポリマーのGPC分析の結果をグラフの形で示し
たものである。
【図18】 図18は、本発明の2つのポリマーを室温で空気に1ヶ月間晒した後
のMwの変化を示すものである。
【図19】 図19は、本発明のポリマーの室温における貯蔵安定性を示すもの
である。
【図20】 図20Aと20Bは、本発明の2つのポリマーで製作したディスクをPBS
中37℃での8日間の重量変化(21A)とMwの変化(21B)を示すものである。
【図21】 図21Aと21Bは、本発明の2つのポリマーで製作したディスクのイ
ンボトロでの重量損失(22A)とMwの変化(22B)を示すものである。
【図22】 図22は、本発明のポリマーの生体適合性データを示すものである
【図23】 図23は、本発明のポリマーP(LAEG−EOP)の微小球の細胞毒性デ
ータを示すものである。
【図24】 図24Aは、本発明のポリマーの微小球の放出速度への製作方法の
影響を示すものであり、24Bは本発明のポリマーの微小球からのリドカインの放
出を示すものである。
【図25】 図25(A)から25(E)は全部インビトロでのP(DAPG−EOP)ポリ
マーの分解と放出データを示すものである。
【図26】 図26は、31P−NMRと1H−NMRによって決定されたP(トランス−CH
DM−HOP)の構造を示すものである。
【図27】 図27は、P(シス−/トランス−CHDM−HOP)のクロマトグラムと
分子量分布を示すものである。
【図28】 図28Aは、P(トランス−CHDM−HOP)の振動数の関数としての活
性エネルギ−をグラフで表わしたものであり、図28Bは対応する粘度を示してい
る。
【図29】 図29Aは、72時間インキュベ−ション後のP(CHDM−HOP)表面に
生育したHEK293細胞を示しており、図29Bは、72時間インキュベ−ション後のTCP
S表面に生育したHEK293細胞を示している。
【図30】 図30は、本発明の3つのポリホスホエステルのリン酸塩緩衡液中
でのインビトロでの分解速度に対する側鎖構造の影響をグラフで表わしたもので
ある。
【図31】 図31は、33%が充填されたP(CHDM−HOP)ポリマーからの生体高
分子であるFITC−BSAの放出曲線を示すものである。
【図32】 図32は、30%、10%及び1%の充填レベルを関数としてFITC−BSA
のインビトロでの放出動力学をグラフで表わしたものである。
【図33】 図33は、10%充填レベルでのFITC−BSAの蛋白放出動力学への側
鎖構造のインボトロでの影響をグラフで表わしたものである。
【図34】 図34は、P(CHDM−HOP)からの低分子量医薬(ドキソルビシン、
シスプラチン及び5−フルオロウラシル)の放出を示すものである。
【図35】 図35は、組織培養培地でのP(CHDM−HOP)マトリックスからのIL
−2の放出の検量線を示している。
【図36】 図36は、インビボでのメラノ−マ腫瘍モデルの腫瘍移植後4週間
のマウスの腫瘍サイズの分布を示すものである。
【図37】 図37は、インビボでのメラノ−マ腫瘍モデルの腫瘍移植後6週間
のマウスの腫瘍サイズの分布を示すものである。
【図38】 図38は、インビボでのメラノ−マ腫瘍モデルの4つの異なる治療
グループを時間を関数として生存率を示したものである。
【図39】 図39は、本発明の2つのポリマー組成物、の放出曲線を示してお
り、この組成物の1つはP(CHDM−EOP)内に化学療法剤パクリタキセルを含むも
のであり、もう1つはP(CHDM−HOP)ポリマー内にパクリタキセルを含むもので
ある。
【図40】 図40は、卵巣癌動物モデル(OVCAR3)でのP(DAPG−EOP)ポリマ
ー中のパクリタキセルと溶剤中のパクリタキセルの効き目を示すものである。
【図41】 図41は、OVCAR3卵巣動物モデルでのパクリタキセルを含むP(DAP
G−EOP)の効き目を示すものである。
【図42】 図42は、OVCAR3卵巣動物モデルでのパクリタキセルを含むP(DAP
G−EOP)の効き目を示すものである。
【図43】 図43は、OVCAR3卵巣動物モデルでのパクリタキセルを含むP(DAP
G−EOP)の効き目をさらに示すものである。
【図44】 図44は、OVCAR3卵巣動物モデルでのパクリタキセルを含むP(DAP
G−EOP)の効き目をさらに示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/337 A61K 31/337 47/24 47/24 47/34 47/34 A61P 35/00 A61P 35/00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4C076 AA06 AA11 AA31 AA53 AA58 AA67 AA71 AA84 BB32 CC27 DD63 EE24 FF32 FF68 4C084 AA17 BA44 MA05 MA16 MA27 MA37 MA43 MA44 MA67 NA12 ZB26 4C086 AA01 AA02 BA05 MA05 MA16 MA27 MA37 MA43 MA44 MA67 ZB26

Claims (181)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 卵巣癌を有している哺乳類の患者を治療するための腹膜内投
    与に適する生分解性ポリマー組成物であって、該組成物は、 (a) 少なくとも1つの抗腫瘍剤と、 (b) 式Iで示される繰返しモノマー単位よりなる生分解性ポリマーよりなり
    、 【化1】 式中、Xは−O−又は−NR4で、このR4はH又はアルキルであり、 Yは−O−、−S−又はNR4−であり、 R1とR2はそれぞれ2価の有機部分であり、 Lは炭素数が1−20で分岐又は直鎖の2価の脂肪族基、脂環式基又は次式を有す
    る基であり、 【化2】 R3はH、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環又はヘテ
    ロシクロオキシよりなる群より選ばれたものであり、そして、 nは約5−5,000であり、 前記ポリマー組成物は、前記患者の腹膜内への前記抗腫瘍剤の放出期間を延ば
    し、 前記ポリマー組成物は、前記癌からの半数生存率を、前記生分解性ポリマーは
    含まないが同じ量の前記抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与することによって得
    られる半数生存率に比べて、少なくとも約10%増加させる生分解性ポリマー組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記ポリマー組成物は、前記癌からの半数生存率を、前記生
    分解性ポリマーは含まないが同じ量の前記抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与す
    ることによって得られる半数生存率に比べて、少なくとも約20%増加させる請求
    項1の組成物。
  3. 【請求項3】 前記ポリマー組成物は、前記癌からの半数生存率を、前記生
    分解性ポリマーは含まないが同じ量の前記抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与す
    ることによって得られる半数生存率に比べて、少なくとも約30%増加させる請求
    項1のポリマー組成物。
  4. 【請求項4】 前記ポリマー組成物の1回の投与で前記抗腫瘍剤の放出期間を
    少なくとも28日以上に延ばす請求項1のポリマー組成物。
  5. 【請求項5】 前記ポリマーが次の群から選ばれたものである請求項1のポリ
    マー組成物。 【化3】 【化4】 【化5】 及び 【化6】 式中、M1とM2はそれぞれ独立に(1) 炭素数1−20の分岐又は直鎖脂肪族基又は(
    2) 炭素数1−20の分岐もしくは直鎖、オキシ、カルボキシもしくはアミノ脂肪族
    基であり、 x:yのモル比は約1であり、 n:(x又はy)のモル比は約200:1から1:200の間であり、そして q:rのモル比は約1:99から99:1の間である。
  6. 【請求項6】 卵巣癌を有している哺乳類の患者を治療するための腹膜内投
    与に適する生分解性ポリマー組成物であって、該組成物は、 (a) 少なくとも1つの抗腫瘍剤と、 (b) 式IIで示される繰返しモノマー単位よりなる生分解性ポリマーよりなり
    、 【化7】 式中、R1とR2の各々は2価の有機部分であり、 R3はアルコキシ、アリールオキシ及びヘテロシクロオキシよりなる群より選ば
    れたものであり、 xは≧1であり、 yは2であり、そして nは約5−5,000であり、 前記ポリマー組成物は、前記患者の腹膜内への前記抗腫瘍剤の放出期間を延ば
    し、 前記ポリマー組成物は、前記癌からの半数生存率を、前記生分解性ポリマーは
    含まないが同じ量の前記抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与することによって得
    られる半数生存率に比べて、少なくとも約10%増加させる生分解性ポリマー組成
    物。
  7. 【請求項7】 前記ポリマー組成物の1回の投与で前記抗腫瘍剤の放出期間を
    少なくとも28日以上に延ばす請求項6のポリマー組成物。
  8. 【請求項8】 R1とR2はそれぞれ独立にアルキレン基、脂環式基、フェニレ
    ン基又は次式の2価の基である請求項6の組成物。 【化8】 式中、Zは酸素、窒素又は硫黄であり、mは1−3である。
  9. 【請求項9】 R1とR2はそれぞれ独立に炭素数1−7のアルキレン基である請
    求項6の組成物。
  10. 【請求項10】 R1とR2はそれぞれエチレン基である請求項6の組成物。
  11. 【請求項11】 R1とR2はそれぞれn−プロピレン基である請求項6の組成物。
  12. 【請求項12】 R1とR2はそれぞれ2−メチルプロピレン基である請求項6の組
    成物。
  13. 【請求項13】 R1とR2はそれぞれ2,2’−ジメチルプロピレン基である請求
    項6の組成物。
  14. 【請求項14】 R3はアルコキシ基又はフェノキシ基である請求項6の組成物
  15. 【請求項15】 R3は炭素数1−7のアルコキシ基である請求項6の組成物。
  16. 【請求項16】 R3はエトキシ基である請求項6の組成物。
  17. 【請求項17】 xは約0.1から約30であり、yは2である請求項6の組成物。
  18. 【請求項18】 xは約0.2から約20であり、yは2である請求項6の組成物。
  19. 【請求項19】 xは約2から約20であり、yは2である請求項6の組成物。
  20. 【請求項20】 卵巣癌を有している哺乳類の患者を治療するための腹膜内投
    与に適する生分解性ポリマー組成物であって、該組成物は、 (a) 少なくとも1つの抗腫瘍剤と、 (b) 式III又はIVで示される繰返しモノマー単位よりなる生分解性ポリマーよ
    りなり、 【化9】 【化10】 式中、Xは−O−又は−NR4−で、このR4はH又はアルキルであり、 Yは−O−、−S−又は−NR4−であり、 M1とM2はそれぞれ独立に(1) 炭素数1−20の分岐又は直鎖脂肪族基又は(2) 炭
    素数1−20の分岐もしくは直鎖、オキシ、カルボキシもしくはアミノ脂肪族基で
    あり、 Lは炭素数1−20で分岐又は直鎖の2価の脂肪族基であり、 R3はH、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環又はヘテ
    ロシクロオキシよりなる群より選ばれたものであり、 x:yのモル比は約1であり、 n:(x又はy)のモル比は約200:1から1:200の間であり、そして q:rのモル比は約1:99から99:1の間であり、そして、 nは約5−5,000である。 前記ポリマー組成物は、前記患者の腹膜内への前記抗腫瘍剤の放出期間を延ば
    し、 前記ポリマー組成物は、前記癌からの半数生存率を、前記生分解性ポリマーは
    含まないが同じ量の前記抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与することによって得
    られる半数生存率に比べて、少なくとも約10%増加させる生分解性ポリマー組成
    物。
  21. 【請求項21】 前記ポリマー組成物の1回の投与で前記抗腫瘍剤の放出期間
    を少なくとも28日以上に延ばす請求項20のポリマー組成物。
  22. 【請求項22】 M1とLはそれぞれ分岐又は直鎖のアルキレン基である請求項2
    0の組成物。
  23. 【請求項23】 M1とLはそれぞれ1から7の炭素原子を有している請求項20の
    組成物。
  24. 【請求項24】 M1はエチレン基又はメチル置換メチレン基であり、Lはエチ
    レン基である請求項20の組成物。
  25. 【請求項25】 R3はアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基
    、又はヘテロシクロオキシ基である請求項20の組成物。
  26. 【請求項26】 R3は炭素数1〜7のアルコキシ基である請求項20の組成物。
  27. 【請求項27】 R3はエトキシ基である請求項20の組成物。
  28. 【請求項28】 M1とM2はそれぞれ分岐又は直鎖アルキレン基である請求項20
    の組成物。
  29. 【請求項29】 少なくともM1とM2のうちのひとつが−(CH2a−、−(CH2
    a−O−及び−(CH2a−O−(CH2b−からなり、aとbはそれぞれ1−7である
    群から選ばれた式を有するアルキレン又はアルコキシレン基である請求項20の組
    成物。
  30. 【請求項30】 少なくともM1とM2のうちのひとつが−CHR’−CO−O−CHR’
    ’の式を有し、式中、R’とR’’はそれぞれ独立にH、アルキル、アルコキシ、
    アリール、アリールオキシ、複素環式又はヘテロシクロオキシである請求項20の
    組成物。
  31. 【請求項31】 M1とM2のそれぞれが1−7の炭素原子を有している請求項20の
    組成物。
  32. 【請求項32】 Xが−O−である請求項20の組成物。
  33. 【請求項33】 Xが−NR4−である請求項20の組成物。
  34. 【請求項34】 M1とM2はそれぞれアルキレン又はアルコキシレン基であり、 Lはアルキレン基であり、 Xは−O−であり、かつ R3はアルコキシ基である 請求項20の組成物。
  35. 【請求項35】 x:yのモル比が約1である請求項20の組成物。
  36. 【請求項36】 q:rのモル比が約1:99と99:1の間である請求項20の組成物
  37. 【請求項37】 xとyのそれぞれが約1から1,000である請求項20の組成物。
  38. 【請求項38】 n:(x又はy)のモル比が約100:1と1:100の間にある請求
    項20の組成物。
  39. 【請求項39】 卵巣癌を有している哺乳類の患者を治療するための腹膜内投
    与に適する生分解性ポリマー組成物であって、該組成物は、 (a) 少なくとも1つの抗腫瘍剤と、 (b) 式Vで示される繰返しモノマー単位よりなる生分解性ポリマーよりなり、 【化11】 式中、R1とR2はそれぞれ独立に、無置換又は1以上の非阻害性置換基で置換さ
    れた直鎖又は分岐の脂肪族基であり、そして、 Lは2価の脂環式基であり、 R3は、H、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環式又は
    ヘテロシクロオキシであり、かつnは約5−5,000であり、 前記ポリマー組成物は、前記患者の腹膜内への前記抗腫瘍剤の放出期間を延ば
    し、 前記ポリマー組成物は、前記癌からの半数生存率を、前記生分解性ポリマーは
    含まないが同じ量の前記抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与することによって得
    られる半数生存率に比べて、少なくとも約10%増加させる生分解性ポリマー組成
    物。
  40. 【請求項40】 前記ポリマー組成物の1回の投与で前記抗腫瘍剤の放出期間
    を少なくとも28日以上に延ばす請求項39のポリマー組成物。
  41. 【請求項41】 R1とR2はそれぞれ炭素数1−7の分岐又は直鎖アルキレン基で
    ある請求項39の組成物。
  42. 【請求項42】 R1とR2はそれぞれメチレン基又はエチレン基である請求項39
    の組成物。
  43. 【請求項43】 R3はアルコキシ基である請求項39の組成物。
  44. 【請求項44】 R3はヘキシルオキシ基である請求項39の組成物。
  45. 【請求項45】 nは5から500である請求項39の組成物。
  46. 【請求項46】 Lは無置換又は非阻害性置換基で置換された脂環式基である
    請求項39の組成物。
  47. 【請求項47】 Lはシクロヘキシレンである請求項39の組成物。
  48. 【請求項48】 前記ポリマーは溶液重合法で作製されたものである請求項1
    の組成物。
  49. 【請求項49】 前記ポリマーは溶融重合法で作製されたものである請求項1
    の組成物。
  50. 【請求項50】 前記ポリマーは生体適合性モノマー単位が加えられているか
    、あるいは他の生体適合性ポリマーがブレンドされている請求項1の組成物。
  51. 【請求項51】 前記ポリマーは、アセトン、ジメチレンクロライド、クロロ
    ホルム、酢酸エチル、DMAC、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド及び
    ジメチルスルホキシドよりなる群から選ばれた溶剤の少なくとも1つに溶けるも
    のである請求項1の組成物。
  52. 【請求項52】 前記抗腫瘍剤がパクリタキセルよりなるものである請求項1
    の組成物。
  53. 【請求項53】 前記ポリマーの分子量(Mw)が約2,000から400,000ダルトン
    である請求項1の組成物。
  54. 【請求項54】 前記抗腫瘍剤と前記ポリマーが非品質のモノリシックマトリ
    ックスを形成している請求項1の組成物。
  55. 【請求項55】 微粒子、柔軟フィルム、粘稠液、ウェハー又は杆の形態の請
    求項1の組成物。
  56. 【請求項56】 噴霧乾燥、微小球の形態の請求項1の組成物。
  57. 【請求項57】 該組成物が約5−15重量%の抗腫瘍剤を含んでいる請求項1の
    組成物。
  58. 【請求項58】 卵巣癌を有している哺乳類の患者を治療するための腹膜内投
    与に適する生分解性ポリマー組成物であって、該組成物は、 (a) パクリタキセルと、 (b) 式VIで示される繰返しモノマー単位よりなる生分解性ポリマーよりなり
    、 【化12】 式中、x:yのモル比は約1であり、n:(x又はy)のモル比は約200:1と1:200
    の間にあり、そしてnは約5−5,000であり、 前記ポリマー組成物は、前記患者の腹膜内への前記抗腫瘍剤の放出期間を延ば
    し、 前記ポリマー組成物は、前記癌からの半数生存率を、前記生分解性ポリマーは
    含まないが同じ量の前記抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与することによって得
    られる半数生存率に比べて、少なくとも約10%増加させる生分解性ポリマー組成
    物。
  59. 【請求項59】 卵巣癌を有している哺乳類の患者を治療するために腹膜内に
    挿入するのに適する固体物品であって、該物品は、 (a) 少なくとも1つの抗腫瘍剤と、 (b) 式Iで示される繰返しモノマー単位よりなる生分解性ポリマーよりなり
    、 【化13】 式中、Xは−O−又は−NR4で、このR4はH又はアルキルであり、 Yは−O−、−S−又はNR4−であり、 R1とR2はそれぞれ2価の有機部分であり、 Lは炭素数が1−20で分岐又は直鎖の2価の脂肪族基、脂環式基又は次式を有す
    る基であり、 【化14】 R3はH、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環又はヘテ
    ロシクロオキシよりなる群より選ばれたものであり、そして、 nは約5−5,000であり、 前記ポリマー組成物は、前記患者の腹膜内への前記抗腫瘍剤の放出期間を延ば
    し、 前記ポリマー組成物は、前記癌からの半数生存率を、前記生分解性ポリマーは
    含まないが同じ量の前記抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与することによって得
    られる半数生存率に比べて、少なくとも約10%増加させる生分解性ポリマー組成
    物よりなる物品。
  60. 【請求項60】 ポリマー組成物の1回の投与で前記抗腫瘍剤の放出期間を少
    なくとも28日以上に延ばす請求項59の物品。
  61. 【請求項61】 前記組成物は、前記癌からの半数生存率を、前記生分解性ポ
    リマーは含まないが同じ量の前記抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与することに
    よって得られる半数生存率に比べて、少なくとも約20%増加させる請求項59の物
    品。
  62. 【請求項62】 前記組成物は、前記癌からの半数生存率を、前記生分解性ポ
    リマーは含まないが同じ量の前記抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与することに
    よって得られる半数生存率に比べて、少なくとも約30%増加させる請求項59の物
    品。
  63. 【請求項63】 前記ポリマーが次の群から選ばれたものである請求項59の物
    品。 【化15】 【化16】 【化17】 及び 【化18】 式中、M1とM2はそれぞれ独立に(1) 炭素数1−20の分岐又は直鎖脂肪族基又は(
    2) 炭素数1−20の分岐もしくは直鎖、オキシ、カルボキシもしくはアミノ脂肪族
    基であり、 x:yのモル比は約1であり、 n:(x又はy)のモル比は約200:1から1:200の間であり、そして q:rのモル比は約1:99から99:1の間である。
  64. 【請求項64】 卵巣癌を有している哺乳類の患者を治療するために腹膜内に
    挿入するのに適する固体物品であって、該物品は、 【化19】 式中、R1とR2の各々は2価の有機部分であり、 R3はアルコキシ、アリールオキシ及びヘテロシクロオキシよりなる群より選ば
    れたものであり、 xは≧1であり、 yは2であり、そして nは約5−5,000であり、 前記ポリマー組成物は、前記患者の腹膜内への前記抗腫瘍剤の放出期間を延ば
    し、 前記ポリマー組成物は、前記癌からの半数生存率を、前記生分解性ポリマーは
    含まないが同じ量の前記抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与することによって得
    られる半数生存率に比べて、少なくとも約10%増加させる生分解性ポリマー組成
    物。
  65. 【請求項65】 ポリマー組成物の1回の投与で前記抗腫瘍剤の放出期間を少
    なくとも28日以上に延ばす請求項64の物品。
  66. 【請求項66】 R1とR2はそれぞれ独立にアルキレン基、脂環式基、フェニレ
    ン基又は次式の2価の基である請求項64の物品。 【化20】 式中、Zは酸素、窒素又は硫黄であり、mは1−3である。
  67. 【請求項67】 R1とR2はそれぞれ独立に炭素数1−7のアルキレン基である請
    求項64の物品。
  68. 【請求項68】 R1とR2はそれぞれエチレン基である請求項64の物品。
  69. 【請求項69】 R1とR2はそれぞれn−プロピレン基である請求項64の物品。
  70. 【請求項70】 R1とR2はそれぞれ2−メチルプロピレン基である請求項64の
    物品。
  71. 【請求項71】 R1とR2はそれぞれ2,2’−ジメチルプロピレン基である請求
    項64の物品。
  72. 【請求項72】 R3はアルコキシ基又はフェノキシ基である請求項64の物品。
  73. 【請求項73】 R3は炭素数1−7のアルコキシ基である請求項64の物品。
  74. 【請求項74】 R3はエトキシ基である請求項64の物品。
  75. 【請求項75】 xは約0.1から約30であり、yは2である請求項64の物品。
  76. 【請求項76】 xは約0.2から約20であり、yは2である請求項64の物品。
  77. 【請求項77】 xは約2から約20であり、yは2である請求項64の物品。
  78. 【請求項78】 卵巣癌を有している哺乳類の患者を治療するために腹膜内に
    挿入するのに適する固体物品であって、該物品は、卵巣癌を有している哺乳類の
    患者を治療するための腹膜内投与に適する生分解性ポリマー組成物よりなり、該
    組成物は、 (a) 少なくとも1つの抗腫瘍剤と、 (b) 式III又はIVで示される繰返しモノマー単位よりなる生分解性ポリマーよ
    りなり、 【化21】 【化22】 式中、Xは−O−又は−NR4−で、このR4はH又はアルキルであり、 Yは−O−、−S−又は−NR4−であり、 M1とM2はそれぞれ独立に(1) 炭素数1−20の分岐又は直鎖脂肪族基又は(2) 炭
    素数1−20の分岐もしくは直鎖、オキシ、カルボキシもしくはアミノ脂肪族基で
    あり、 Lは炭素数1−20で分岐又は直鎖の2価の脂肪族基であり、 R3はH、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環又はヘテ
    ロシクロオキシよりなる群より選ばれたものであり、 x:yのモル比は約1であり、 n:(x又はy)のモル比は約200:1から1:200の間であり、そして q:rのモル比は約1:99から99:1の間であり、そして、 nは約5−5,000である。 前記ポリマー組成物は、前記患者の腹膜内への前記抗腫瘍剤の放出期間を延ば
    し、 前記ポリマー組成物は、前記癌からの半数生存率を、前記生分解性ポリマーは
    含まないが同じ量の前記抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与することによって得
    られる半数生存率に比べて、少なくとも約10%増加させる生分解性ポリマー組成
    物。
  79. 【請求項79】 前記ポリマー組成物の1回の投与で前記抗腫瘍剤の放出期間
    を少なくとも28日以上に延ばす請求項78の物品。
  80. 【請求項80】 M1とLはそれぞれ分岐又は直鎖のアルキレン基である請求項7
    8の物品。
  81. 【請求項81】 M1とLはそれぞれ1から7の炭素原子を有している請求項78の
    物品。
  82. 【請求項82】 M1はエチレン基又はメチル置換メチレン基であり、Lはエチ
    レン基である請求項78の物品。
  83. 【請求項83】 R3はアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基
    、又はヘテロシクロオキシ基である請求項78の物品。
  84. 【請求項84】 R3は炭素数1〜7のアルコキシ基である請求項78の物品。
  85. 【請求項85】 R3はエトキシ基である請求項78の物品。
  86. 【請求項86】 M1とM2はそれぞれ分岐又は直鎖アルキレン基である請求項78
    の物品。
  87. 【請求項87】 少なくともM1とM2のうちのひとつが−(CH2a−、−(CH2
    a−O−及び−(CH2a−O−(CH2b−からなり、aとbはそれぞれ1−7である
    群から選ばれた式を有するアルキレン又はアルコキシレン基である請求項78の物
    品。
  88. 【請求項88】 少なくともM1とM2のうちのひとつが−CHR’−CO−O−CHR’
    ’の式を有し、式中、R’とR’’はそれぞれ独立にH、アルキル、アルコキシ、
    アリール、アリールオキシ、複素環式又はヘテロシクロオキシである請求項78の
    物品。
  89. 【請求項89】 M1とM2のそれぞれが1−7の炭素原子を有している請求項78の
    物品。
  90. 【請求項90】 Xが−O−である請求項78の物品。
  91. 【請求項91】 Xが−NR4−である請求項78の物品。
  92. 【請求項92】 M1とM2はそれぞれアルキレン又はアルコキシレン基であり、 Lはアルキレン基であり、 Xは−O−であり、かつ R3はアルコキシ基である 請求項78の物品。
  93. 【請求項93】 x:yのモル比が約1である請求項78の物品。
  94. 【請求項94】 q:rのモル比が約1:99と99:1の間である請求項78の物品。
  95. 【請求項95】 xとyのそれぞれが約1から1,000である請求項78の物品。
  96. 【請求項96】 n:(x又はy)のモル比が約100:1と1:100の間にある請求
    項78の物品。
  97. 【請求項97】 卵巣癌を有している哺乳類の患者を治療するために腹膜内に
    挿入するのに適する固体物品であって、該物品は、卵巣癌を有している哺乳類の
    患者を治療するための腹膜内投与に適する生分解性ポリマー組成物よりなり、該
    組成物は、 (a) 少なくとも1つの抗腫瘍剤と、 (b) 式Vで示される繰返しモノマー単位よりなる生分解性ポリマーよりなり、 【化23】 式中、R1とR2はそれぞれ独立に、無置換又は1以上の非阻害性置換基で置換さ
    れた直鎖又は分岐の脂肪族基であり、そして、 Lは2価の脂環式基であり、 R3は、H、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環式又は
    ヘテロシクロオキシであり、かつnは約5−5,000であり、 前記ポリマー組成物は、前記患者の腹膜内への前記抗腫瘍剤の放出期間を延ば
    し、 前記ポリマー組成物は、前記癌からの半数生存率を、前記生分解性ポリマーは
    含まないが同じ量の前記抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与することによって得
    られる半数生存率に比べて、少なくとも約10%増加させる生分解性ポリマー組成
    物。
  98. 【請求項98】 前記ポリマー組成物の1回の投与で前記抗腫瘍剤の放出期間
    を少なくとも28日以上に延ばす請求項97の物品。
  99. 【請求項99】 R1とR2はそれぞれ炭素数1−7の分岐又は直鎖アルキレン基で
    ある請求項97の物品。
  100. 【請求項100】 R1とR2はそれぞれメチレン基又はエチレン基である請求項9
    7の物品。
  101. 【請求項101】 R3はアルコキシ基である請求項97の物品。
  102. 【請求項102】 R3はヘキシルオキシ基である請求項97の物品。
  103. 【請求項103】 nは5から500である請求項97の物品。
  104. 【請求項104】 Lは無置換又は非阻害性置換基で置換された脂環式基である
    請求項97の物品。
  105. 【請求項105】 Lはシクロヘキシレンである請求項97の物品。
  106. 【請求項106】 前記ポリマーは溶液重合法で作製されたものである請求項5
    9の物品。
  107. 【請求項107】 前記ポリマーは溶融重合法で作製されたものである請求項5
    9の物品。
  108. 【請求項108】 前記ポリマーは生体適合性モノマー単位が加えられている
    か、あるいは他の生体適合性ポリマーがブレンドされている請求項59の物品。
  109. 【請求項109】 前記ポリマーは、アセトン、ジメチレンクロライド、クロ
    ロホルム、酢酸エチル、DMAC、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド及
    びジメチルスルホキシドよりなる群から選ばれた溶剤の少なくとも1つに溶ける
    ものである請求項59の物品。
  110. 【請求項110】 前記抗腫瘍剤がパクリタキセルよりなるものである請求項5
    9の物品。
  111. 【請求項111】 前記ポリマーの分子量(Mw)が約2,000から400,000ダルト
    ンである請求項59の物品。
  112. 【請求項112】 前記抗腫瘍剤と前記ポリマーが非品質のモノリシックマト
    リックスを形成している請求項59の物品。
  113. 【請求項113】 前記抗腫瘍剤が前記ポリマーに包まれてカプセル化されて
    いる請求項59の物品。
  114. 【請求項114】 前記物品が、血管形成組織内に移植又は注入されたときに
    、非腫瘍組織への刺激が極めて少ないものである請求項59の物品。
  115. 【請求項115】 前記物品が、柔軟フィルム、ウェハー又は杆の形態をして
    いる請求項59の物品。
  116. 【請求項116】 前記物品が、1以上の注入可能な微粒子の形態をしている請
    求項59の物品。
  117. 【請求項117】 噴霧乾燥、微小球の形態の請求項59の物品。
  118. 【請求項118】 該組成物が約5−15重量%の抗腫瘍剤を含んでいる請求項59
    の物品。
  119. 【請求項119】 卵巣癌を有している哺乳類の患者を治療するために腹膜内
    に挿入するのに適する固体物品であって、該物品は、卵巣癌を有している哺乳類
    の患者を治療するための腹膜内投与に適する生分解性ポリマー組成物よりなり、
    該組成物は、 (a) パクリタキセルと、 (b) 式VIで示される繰返しモノマー単位よりなる生分解性ポリマーよりなり
    、 【化24】 式中、x:yのモル比は約1であり、n:(x又はy)のモル比は約200:1と1:200
    の間にあり、そしてnは約5−5,000であり、 前記ポリマー組成物は、前記患者の腹膜内への前記抗腫瘍剤の放出期間を延ば
    し、 前記ポリマー組成物は、前記癌からの半数生存率を、前記生分解性ポリマーは
    含まないが同じ量の前記抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与することによって得
    られる半数生存率に比べて、少なくとも約10%増加させる生分解性ポリマー組成
    物。
  120. 【請求項120】 卵巣癌を有している哺乳類の患者を抗腫瘍剤の長期放出に
    よって治療する方法であって、次の工程よりなり、 (a) 該抗腫瘍剤を、式Iで示される繰返しモノマー単位を有する生分解性ポ
    リマーに組み合わせて組成物を形成し、そして、 【化25】 式中、Xは−O−又は−NR4で、このR4はH又はアルキルであり、 Yは−O−、−S−又はNR4−であり、 R1とR2はそれぞれ2価の有機部分であり、 Lは炭素数が1−20で分岐又は直鎖の2価の脂肪族基、脂環式基又は次式を有す
    る基であり、 【化26】 R3はH、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環又はヘテ
    ロシクロオキシよりなる群より選ばれたものであり、そして、 nは約5−5,000である。 (b) 該組成物を前記患者の腹膜に、挿入された組成物が少なくとも一部が卵
    巣癌腫瘍に接するように、インビボで挿入することよりなり、 前記癌からの半数生存率が、前記生分解性ポリマーは含まないが同じ量の前記
    抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与することによって得られる半数生存率に比べ
    て、少なくとも約10%増加することを特徴とする方法。
  121. 【請求項121】 ポリマー組成物の1回の投与で前記抗腫瘍剤の放出期間を少
    なくとも28日以上に延ばす請求項120の方法。
  122. 【請求項122】 前記組成物は、前記癌からの半数生存率を、前記生分解性
    ポリマーは含まないが同じ量の前記抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与すること
    によって得られる半数生存率に比べて、少なくとも約20%増加させる請求項120
    の方法。
  123. 【請求項123】 前記組成物は、前記癌からの半数生存率を、前記生分解性
    ポリマーは含まないが同じ量の前記抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与すること
    によって得られる半数生存率に比べて、少なくとも約30%増加させる請求項120
    の方法。
  124. 【請求項124】 前記ポリマーが次の群から選ばれたものである請求項120の
    方法。 【化27】 【化28】 【化29】 及び 【化30】 式中、M1とM2はそれぞれ独立に(1) 炭素数1−20の分岐又は直鎖脂肪族基又は(
    2) 炭素数1−20の分岐もしくは直鎖、オキシ、カルボキシもしくはアミノ脂肪族
    基であり、 x:yのモル比は約1であり、 n:(x又はy)のモル比は約200:1から1:200の間であり、そして q:rのモル比は約1:99から99:1の間である。
  125. 【請求項125】 卵巣癌を有している哺乳類の患者を抗腫瘍剤の長期放出に
    よって治療する方法であって、次の工程よりなり、 (a) 該抗腫瘍剤を、式Iで示される繰返しモノマー単位を有する生分解性ポ
    リマーに組み合わせ、そして、 【化31】 式中、R1とR2の各々は2価の有機部分であり、 R3はアルコキシ、アリールオキシ及びヘテロシクロオキシよりなる群より選ば
    れたものであり、 xは≧1であり、 yは2であり、そして nは約5−5,000である。 (b) 該組成物を前記患者の腹膜に、挿入された組成物が少なくとも一部が卵
    巣癌腫瘍に接するように、インビボで挿入することよりなり、 前記癌からの半数生存率が、前記生分解性ポリマーは含まないが同じ量の前記
    抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与することによって得られる半数生存率に比べ
    て、少なくとも約10%増加することを特徴とする方法。
  126. 【請求項126】 ポリマー組成物の1回の投与で前記抗腫瘍剤の放出期間を少
    なくとも28日以上に延ばす請求項125の方法。
  127. 【請求項127】 R1とR2はそれぞれ独立にアルキレン基、脂環式基、フェニ
    レン基又は次式の2価の基である請求項125の方法。 【化32】 式中、Zは酸素、窒素又は硫黄であり、mは1−3である。
  128. 【請求項128】 R1とR2はそれぞれ独立に炭素数1−7のアルキレン基である
    請求項125の方法。
  129. 【請求項129】 R1とR2はそれぞれエチレン基である請求項125の方法。
  130. 【請求項130】 R1とR2はそれぞれn−プロピレン基である請求項125の方法
  131. 【請求項131】 R1とR2はそれぞれ2−メチルプロピレン基である請求項125
    の方法。
  132. 【請求項132】 R1とR2はそれぞれ2,2’−ジメチルプロピレン基である請求
    項125の方法。
  133. 【請求項133】 R3はアルコキシ基又はフェノキシ基である請求項125の方法
  134. 【請求項134】 R3は炭素数1−7のアルコキシ基である請求項125の方法。
  135. 【請求項135】 R3はエトキシ基である請求項125の方法。
  136. 【請求項136】 xは約0.1から約30であり、yは2である請求項125の方法。
  137. 【請求項137】 xは約0.2から約20であり、yは2である請求項125の方法。
  138. 【請求項138】 xは約2から約20であり、yは2である請求項125の方法。
  139. 【請求項139】 卵巣癌を有している哺乳類の患者を抗腫瘍剤の長期放出に
    よって治療する方法であって、次の工程よりなり、 (a) 該抗腫瘍剤を、式III又はIVで示される繰返しモノマー単位を有する生分
    解性ポリマーに組み合わせ、そして、 【化33】 【化34】 式中、Xは−O−又は−NR4−で、このR4はH又はアルキルであり、 Yは−O−、−S−又は−NR4−であり、 M1とM2はそれぞれ独立に(1) 炭素数1−20の分岐又は直鎖脂肪族基又は(2) 炭
    素数1−20の分岐もしくは直鎖、オキシ、カルボキシもしくはアミノ脂肪族基で
    あり、 Lは炭素数1−20で分岐又は直鎖の2価の脂肪族基であり、 R3はH、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環又はヘテ
    ロシクロオキシよりなる群より選ばれたものであり、 x:yのモル比は約1であり、 n:(x又はy)のモル比は約200:1から1:200の間であり、そして q:rのモル比は約1:99から99:1の間であり、そして、 nは約5−5,000であり、かつ (b) 該組成物を前記患者の腹膜に、挿入された組成物が少なくとも一部が卵
    巣癌腫瘍に接するように、インビボで挿入することよりなり、 前記癌からの半数生存率が、前記生分解性ポリマーは含まないが同じ量の前記
    抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与することによって得られる半数生存率に比べ
    て、少なくとも約10%増加することを特徴とする方法。
  140. 【請求項140】 前記ポリマー組成物の1回の投与で前記抗腫瘍剤の放出期間
    を少なくとも28日以上に延ばす請求項139の方法。
  141. 【請求項141】 M1とLはそれぞれ分岐又は直鎖のアルキレン基である請求項
    139の方法。
  142. 【請求項142】 M1とLはそれぞれ1から7の炭素原子を有している請求項139
    の方法。
  143. 【請求項143】 M1はエチレン基又はメチル置換メチレン基であり、Lはエチ
    レン基である請求項139の方法。
  144. 【請求項144】 R3はアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ
    基、又はヘテロシクロオキシ基である請求項139の方法。
  145. 【請求項145】 R3は炭素数1〜7のアルコキシ基である請求項139の方法。
  146. 【請求項146】 R3はエトキシ基である請求項139の方法。
  147. 【請求項147】 M1とM2はそれぞれ分岐又は直鎖アルキレン基である請求項1
    39の方法。
  148. 【請求項148】 少なくともM1とM2のうちのひとつが−(CH2a−、−(CH2a−O−及び−(CH2a−O−(CH2b−からなり、aとbはそれぞれ1−7である
    群から選ばれた式を有するアルキレン又はアルコキシレン基である請求項139の
    方法。
  149. 【請求項149】 少なくともM1とM2のうちのひとつが−CHR’−CO−O−CHR’
    ’の式を有し、式中、R’とR’’はそれぞれ独立にH、アルキル、アルコキシ、
    アリール、アリールオキシ、複素環式又はヘテロシクロオキシである請求項139
    の方法。
  150. 【請求項150】 M1とM2のそれぞれが1−7の炭素原子を有している請求項139
    の方法。
  151. 【請求項151】 Xが−O−である請求項139の方法。
  152. 【請求項152】 Xが−NR4−である請求項139の方法。
  153. 【請求項153】 M1とM2はそれぞれアルキレン又はアルコキシレン基であり
    、 Lはアルキレン基であり、 Xは−O−であり、かつ R3はアルコキシ基である 請求項139の方法。
  154. 【請求項154】 x:yのモル比が約1である請求項139の方法。
  155. 【請求項155】 q:rのモル比が約1:99と99:1の間である請求項139の方法
  156. 【請求項156】 xとyのそれぞれが約1から1,000である請求項139の方法。
  157. 【請求項157】 n:(x又はy)のモル比が約100:1と1:100の間にある請求
    項139の方法。
  158. 【請求項158】 卵巣癌を有している哺乳類の患者を抗腫瘍剤の長期放出に
    よって治療する方法であって、次の工程よりなり、 (a) 該抗腫瘍剤を、式Vで示される繰返しモノマー単位を有する生分解性ポリ
    マーに組み合わせ、そして、 【化35】 式中、R1とR2はそれぞれ独立に、無置換又は1以上の非阻害性置換基で置換さ
    れた直鎖又は分岐の脂肪族基であり、そして、 Lは2価の脂環式基であり、 R3は、H、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、複素環式又は
    ヘテロシクロオキシであり、かつnは約5−5,000である。 (b) 該組成物を前記患者の腹膜に、挿入された組成物が少なくとも一部が卵
    巣癌腫瘍に接するように、インビボで挿入することよりなり、 前記癌からの半数生存率が、前記生分解性ポリマーは含まないが同じ量の前記
    抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与することによって得られる半数生存率に比べ
    て、少なくとも約10%増加することを特徴とする方法。
  159. 【請求項159】 前記ポリマー組成物の1回の投与で前記抗腫瘍剤の放出期間
    を少なくとも28日以上に延ばす請求項158の方法。
  160. 【請求項160】 R1とR2はそれぞれ炭素数1−7の分岐又は直鎖アルキレン基
    である請求項158の方法。
  161. 【請求項161】 R1とR2はそれぞれメチレン基又はエチレン基である請求項1
    58の方法。
  162. 【請求項162】 R3はアルコキシ基である請求項158の方法。
  163. 【請求項163】 R3はヘキシルオキシ基である請求項158の方法。
  164. 【請求項164】 nは5から500である請求項158の方法。
  165. 【請求項165】 Lは無置換又は非阻害性置換基で置換された脂環式基である
    請求項158の方法。
  166. 【請求項166】 Lはシクロヘキシレンである請求項158の方法。
  167. 【請求項167】 前記ポリマーは溶液重合法で作製されたものである請求項1
    20の方法。
  168. 【請求項168】 前記ポリマーは溶融重合法で作製されたものである請求項1
    20の方法。
  169. 【請求項169】 前記ポリマーは生体適合性モノマー単位が加えられている
    か、あるいは他の生体適合性ポリマーがブレンドされている請求項120の方法。
  170. 【請求項170】 前記ポリマーは、アセトン、ジメチレンクロライド、クロ
    ロホルム、酢酸エチル、DMAC、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド及
    びジメチルスルホキシドよりなる群から選ばれた溶剤の少なくとも1つに溶ける
    ものである請求項120の方法。
  171. 【請求項171】 前記抗腫瘍剤がパクリタキセルよりなるものである請求項1
    20の方法。
  172. 【請求項172】 前記ポリマーの分子量(Mw)が約2,000から400,000ダルト
    ンである請求項120の方法。
  173. 【請求項173】 前記抗腫瘍剤と前記ポリマーが非品質のモノリシックマト
    リックスを形成している請求項120の方法。
  174. 【請求項174】 前記抗腫瘍剤が前記ポリマーに包まれてカプセル化されて
    いる請求項120の方法。
  175. 【請求項175】 前記物品が、血管形成組織内に移植又は注入されたときに
    、非腫瘍組織への刺激が極めて少ないものである請求項120の方法。
  176. 【請求項176】 前記組成物が粘稠液である請求項120の方法。
  177. 【請求項177】 前記組成物が固体物品の形態にされている請求項120の方法
  178. 【請求項178】 前記物品が、柔軟フィルム、ウェハー又は杆の形態をして
    いる請求項120の方法。
  179. 【請求項179】 前記物品が、1以上の注入可能な微粒子の形態をしている請
    求項120の方法。
  180. 【請求項180】 該組成物が約5−15重量%の抗腫瘍剤を含んでいる請求項12
    0の方法。
  181. 【請求項181】 卵巣癌を有している哺乳類の患者をパクリタキセルの長期
    放出によって治療する方法であって、次の工程よりなり、 (a) 該パクリタキセルを、式VIで示される繰返しモノマー単位を有する生
    分解性ポリマーに組み合わせ 【化36】 式中、x:yのモル比は約1であり、n:(x又はy)のモル比は約200:1と1:200
    の間にあり、そしてnは約5−5,000であり、 (b) 該組成物を前記患者の腹膜に、挿入された組成物が少なくとも一部が
    卵巣癌腫瘍に接するように、インビボで挿入することよりなり、 前記癌からの半数生存率が、前記生分解性ポリマーは含まないが同じ量の前記
    抗腫瘍剤を含んでいる組成物を投与することによって得られる半数生存率に比べ
    て、少なくとも約10%増加することを特徴とする方法。
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