JP2002534089A - 顆粒球形成活性を有するg−csf変異体相当核酸およびタンパク質 - Google Patents

顆粒球形成活性を有するg−csf変異体相当核酸およびタンパク質

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規な顆粒球形成活性タンパク質(GPA)および核酸に関する。さらに、本発明は、G−CSF関連疾患の処置におけるこれらのGPAタンパク質の使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は1999年1月6日出願のU.S.S.N.60/115,131および
1999年2月5日出願のU.S.S.N.60/118,831の継続出願である
【0002】 (技術分野) 本発明は新規な顆粒球形成活性(GPA)タンパク質および核酸に関する。本
発明はさらにG−CSF関連疾患の処置におけるこれらのGPAタンパク質の使
用に関する。
【0003】 (背景技術) コロニー刺激因子はタンパク質ホルモンの一種であり、顆粒球など特定血液細
胞型の増殖と機能を刺激する。顆粒球は微生物侵入者や細胞残渣を呑み込み貪食
し、感染応答に重要である。顆粒球は血流中で6〜12時間の寿命しかなく、そ
れらが機能すると破壊される。従って、血液骨髄幹細胞が迅速に定常的に顆粒球
を生成することが必要である。顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)は、顆粒
球、特に好中球の増殖と分化にとって必須のタンパク質である。
【0004】 しかし、その急速な代謝回転の結果として、顆粒球数は骨髄損傷、例えば、化
学療法剤と放射線を含む伝統的な癌治療法での治療、またはAIDSなどの免疫
障害などのための骨髄損傷により、急速に顕著に低下する。従って、hG−CS
Fでの治療は癌治療の副作用の一部を最少化すること、同様に抑制された免疫系
の治療に有効であることが示されている。 しかし、野生型のhG−CSFは幾つかの欠点、例えば、貯蔵安定性の問題、
並びに血流中での半減期が短いという欠点を有する。
【0005】 この目的のためには、G−CSFの変異体が知られている;参照、例えば、U
SP5,214,132;5,399,345;5,79O,421;5,58
1,476;4,999,291;4,810,643;4,833,127;
5,218,092;5,362,853;5,830,705;5,580,
755;5,399,345および5,416,195およびそこに引用された
文献。
【0006】 しかし今なお有意な安定性と顆粒球形成活性の両方を示すタンパク質の必要性
がある。従って、本発明の目的は好中球障害処置用の顆粒球形成活性(GPA)
タンパク質、核酸および抗体を提供することにある。
【0007】 (発明の開示) 上に概説した目的に従い、本発明はhG−CSFとの同一性が約95〜97%
以下であるアミノ酸配列を含んでなる非天然型GPAタンパク質(例えば、該タ
ンパク質は自然界に見出されない)を提供する。該GPAタンパク質は少なくと
も1つのG−CSFタンパク質の生物活性を有する;例えば、該GPAタンパク
質はG−CSFレセプターをもつ細胞を刺激し増殖させる。従って、本発明は図
1に示すように、hG−CSF配列と比較して、少なくとも約5個のアミノ酸置
換を有するアミノ酸配列のGPAタンパク質を提供する。
【0008】 さらなる態様において、本発明は実質的にhG−CSFの3次元バックボーン
構造に相当する3次元バックボーン構造を有する非天然型GPAコンホーマーを
提供する。該コンホーマーのアミノ酸配列とhG−CSFのアミノ酸配列とは同
一性が約95%以下である。一態様において、該コンホーマーは該コンホーマー
のコア領域に少なくとも約90%の非同一アミノ酸を有する。他の態様において
、該コンホーマーは該コンホーマーのコア領域に少なくとも約100%の非同一
アミノ酸を有する。
【0009】 さらなる態様において、変化位置は、14、17、20、21、24、27、
28、31、32、34、38、78、79、85、89、91、99、102
、103、107、109、110、113、116、120、145、146
、147、148、151、153、155、156、157、160、161
、164、168および170から選択される位置でのアミノ酸残基から選択さ
れる。好適な態様では少なくとも約5または10の変異を含む。
【0010】 さらなる態様において、本発明は非天然型GPAタンパク質をコードする組換
え核酸、該組換え核酸を含んでなる発現ベクター、および該組換え核酸と発現ベ
クターとを含んでなる宿主細胞を提供する。
【0011】 なおさらなる態様において、本発明は本発明のGPAタンパク質の製造方法を
提供し、該方法は該核酸の発現に適した条件下に組換え核酸を含んでなる宿主細
胞を培養することを含んでなる。該タンパク質は必要に応じて回収し得る。
【0012】 さらなる態様において、本発明は本発明のGPAタンパク質と医薬担体とを含
んでなる医薬組成物を提供する。 なおさらなる態様において、本発明は本発明のGPAタンパク質を患者に投与
することを含んでなるG−CSF応答性疾患の処置方法を提供する。このG−C
SF疾患とは骨髄抑制療法、慢性好中球減少症、または末梢血始原細胞収集など
であり得る。
【0013】 (図面の簡単な説明) (図1) 図1はヒトG−CSFの核酸配列(配列番号1)およびアミノ酸配列(配列番
号2)を描出する。 (図2) 図2は各GPAセットの可変残基を描出する。
【0014】 (図3) 図3は幾つかの好適なGPA配列を描出する。第1行目(配列番号1)はhG
−CSF配列である。変化を記していない配列はhG−CSF配列と同じままで
ある。第2行目(配列番号3)はGPAタンパク質、bndry4 2であり、
可変境界残基をもつ;24の異なる位置が変化可能であった。第3行目(配列番
号4)はGPAタンパク質、bndry4 コア4であり、可変境界残基をもつ
;これは24の異なる境界位置を利用するが、開始鋳型として設計したコア4の
最適配列を用いた。第4行目(配列番号5)はGPAタンパク質、bndry4 ADであり、可変境界残基を有する;しかし、境界残基は外側の2つのヘリッ
クス(AとD;14の可変残基位置)上で選択したが、その理由は当初の計算が
、ヘリックス傾向の最も顕著な変化がこれらの位置での修飾から生じること、;
ヘリックス傾向の改善は安定性を改善させる可能性があることを示唆したからで
ある。第5行目(配列番号6)はGPAタンパク質、bndry4 AD コア
4であり、14の可変境界残基をもつ;開始鋳型として設計したコア4の最適配
列を再度使用した。第6行目(配列番号7)はGPAタンパク質、コア4であり
、26の異なる可変コア位置を利用した。第7行目(配列番号8)はGPAタン
パク質、コア4 V153Aであり、25の可変コア位置を利用した。第8行目
(配列番号9)はGPAタンパク質、コア3であり、34のコア可変位置を有し
ていた。
【0015】 (図4) 図4はコア4GPA配列のモンテカルロ分析を描出する。左側にhG−CSF
配列を示す;位置番号は第2列に示し、基底状態の配列は第3列に示し、トップ
1000のモンテカルロ配列に見出されるアミノ酸すべての出現数を最終列に示
す。例えば、17位置では、hG−CSFのアミノ酸はシステインであり;GP
Aタンパク質では、トップ1000配列の73.6%がこの位置がロイシンであ
り、該配列の22.9%ではイソロイシンであった。 (図5) 図5はコア4vGPA配列のモンテカルロ分析を描出する。左側にhG−CS
F配列を示す;位置番号は第2列に示し、基底状態の配列は第3列に示し、トッ
プ1000のモンテカルロ配列に見出されるアミノ酸すべての出現数を最終列に
示す。例えば、17位置では、hG−CSFのアミノ酸はシステインであり;G
PAタンパク質では、トップ1000配列の69.7%がこの位置がロイシンで
あり、該配列の5.1%ではバリンであり、そして該配列の25.1%ではイソロ
イシンであった。
【0016】 (図6) 図6はコア3GPA配列のモンテカルロ分析を描出する。左側にhG−CSF
配列を示す;位置番号は第2列に示し、基底状態の配列は第3列に示し、トップ
1000のモンテカルロ配列に見出されるアミノ酸すべての出現数を最終列に示
す。 (図7) 図7はbndry4 2GPA配列のモンテカルロ分析を描出する。左側にh
G−CSF配列を示す;位置番号は第2列に示し、基底状態の配列は第3列に示
し、トップ1000のモンテカルロ配列に見出されるアミノ酸すべての出現数を
最終列に示す。 (図8) 図8はbndry4 コア4GPA配列のモンテカルロ分析を描出する。左側
にhG−CSF配列を示す;位置番号は第2列に示し、基底状態の配列は第3列
に示し、トップ1000のモンテカルロ配列に見出されるアミノ酸すべての出現
数を最終列に示す。 (図9) 図9はbndry4 AD GPA配列のモンテカルロ分析を描出する。左側
にhG−CSF配列を示す;位置番号は第2列に示し、基底状態の配列は第3列
に示し、トップ1000のモンテカルロ配列に見出されるアミノ酸すべての出現
数を最終列に示す。 (図10) 図10はbndry4 AD コア4GPA配列のモンテカルロ分析を描出す
る。左側にhG−CSF配列を示す;位置番号は第2列に示し、基底状態の配列
は第3列に示し、トップ1000のモンテカルロ配列に見出されるアミノ酸すべ
ての出現数を最終列に示す。
【0017】 (図11) 図11A、11Bおよび11Cは3種のGPAタンパク質に対する遺伝子配列
を描出する;図11Aはコア3GPAタンパク質、図11Bはコア4GPAタン
パク質、そして図11Cはコア4vGPAタンパク質のものである。 (図12) 図12は完全長遺伝子と可能なすべての変異体のPCRによる合成を描出する
。完全長遺伝子に対応するオーバーラップオリゴヌクレオチド(黒棒、工程1)
を合成し、加熱し、アニーリングする。Pfu・DNAポリメラーゼを、アニー
リングしたオリゴヌクレオチドに加えてDNAの5'@3'合成に至らしめ(工程
2)、より長鎖のDNAフラグメントを生成させる(工程3)。加熱とアニーリ
ングの繰返しサイクル(工程4)により一部完全長分子を含む長鎖DNAの生成
に至らしめる。これらは完全長遺伝子の末端に対応するプライマー(矢印)を用
い、2度目のPCRにより選択することができる(工程5)。 (図13) 図13は円二色性(CD)分光法による methG−CSFおよび数種のGPA
タンパク質の熱安定性を描出する。CDはタンパク質の二次構造含量を直接測定
し、温度または化学的変性に応答して構造が喪失していくのを追跡することがで
きる。図13は methG−CSFに比べてコア4の熱安定性が上昇していること
を示す。 (図14) 図14は methG−CSFおよび3種のGPAタンパク質に応答する細胞増殖
を描出する。hG−CSFレセプターを発現するBaF/3細胞の細胞増殖を、
BrdU取込みによりモニターし、タンパク質濃度に対しプロットして示す。Brd
U取込みは蛍光ELISAにより評価する。図は methG−CSFに比較したコ
ア4の生物活性の増大を示す。 (図15) 図15は methG−CSFとコア4の貯蔵安定性の動力学をサイズ排除クロマ
トグラフィーHPLCによりモニターして描出する。この2種のタンパク質は5
%ソルビトール、10mM酢酸ナトリウム、0.004%トゥイーン−80中、
pH4.0で培養し、50℃に保存した。タンパク質濃度は300μg/mlで
あった。単量体タンパク質はそのままと考えられた。 (図16) 図16はhG−CSFおよび本発明新規GPAタンパク質の一部についての融
解温度(Tm)および吸光係数を描出する。
【0018】 (発明を実施するための最良の形態) 本発明は顆粒球形成活性を有する新規タンパク質および核酸を目的とする(本
明細書では場合により“GPAタンパク質”および“GPA核酸”という)。こ
のタンパク質は、WO98/47089およびU.S.S.N.09/127,92
6(両文献の全文を出典明示により本明細書の一部とする)に記載された既知シ
ステムを用いて生成させるが、このシステムはコンピューターモデル化システム
であり、タンパク質それ自体の生物機能を必ずしも損なうことなく非常に安定な
タンパク質の生成を可能とする。この方法において、新規なGPAタンパク質と
核酸を生成するが、これらは野生型の酵素に比較して複数の変異を有しながら、
顕著な活性を保持し得るものである。
【0019】 本発明のGPAタンパク質を生成させ、評価するために使用されるコンピュー
ター計算による方法について以下に簡単に説明する。好適な態様において、一次
ライブラリーを生成させるのに使用するコンピューター計算による方法は、以下
に記載されたタンパク質設計オートメーション(PDA)である;U.S.S.N.
S60/061,097;60/043,464;60/054,678;09
/127,926およびPCT US98/07254(これらの文献はすべて
を出典明示により本明細書の一部とする)。簡単に説明すると、PDAは以下の
ように説明し得る。既知のタンパク質構造を出発点として用いる。最適化すべき
残基を次いで同定するが、それは全配列であってもよいし、その部分セット(群
)でもよい。次いで、変異させるべき各位置の側鎖を除去する。タンパク質バッ
クボーンと残りの側鎖からなる得られた構造は鋳型(テンプレート)と呼ぶ。次
いで、各可変残基の位置を好ましくは、コア残基、表面残基、または境界残基と
して分類する;各分類はその位置にとって可能なアミノ酸残基のサブセットを定
義する(例えば、コア残基は一般に疎水性残基のセットから選択し、表面残基は
一般に親水性残基から選択し、また、境界残基はどちらでもよいとする)。各ア
ミノ酸は各側鎖の可能なすべてのコンホーマー、いわゆる回転異性体の別個のセ
ットにより表すことができる。このように、バックボーンとして最適な配列に到
達するためには、すべての可能な回転異性体の配列を選別しなければならず、そ
の場合、各バックボーンの位置はすべてのその可能な回転異性体状態における各
アミノ酸またはアミノ酸のサブセットにより、従って回転異性体のサブセットに
より占拠され得る。
【0020】 次いで、2セットの相互作用を各回転異性体についてそれぞれの位置で計算す
る;回転異性体側鎖とバックボーンのすべてまたは一部との相互作用(“単一”
エネルギー、回転異性体/鋳型または回転異性体/バックボーンエネルギーとも
呼ぶ)、および回転異性体側鎖とそれぞれ他の位置にあるすべての他の可能な回
転異性体との、または他の位置のサブセットとの相互作用(“ダブルス”エネル
ギー、回転異性体/回転異性体エネルギーとも呼ぶ)。これら相互作用の各エネ
ルギーは様々なスコアリング関数を使用して計算するが、それはファンデルワー
ルス力のエネルギー、水素結合エネルギー、二次構造傾向のエネルギー、表面積
溶媒和エネルギー、および静電気などを含む;しかし、これらに限定されるもの
ではない。このように、各回転異性体相互作用の総エネルギーは、バックボーン
と他の回転異性体と共に計算し、マトリックスの形状で保存する。
【0021】 回転異性体セットの個別の性質は、試験すべき回転異性体配列の数の単純な計
算を可能とする。各位置当たりm個の可能な回転異性体をもつ長さnのバックボ
ーンは、m個の可能な回転異性体配列を有し、その数は配列の長さとともに指
数的に増加し、リアルタイムでの計算を扱い難くするか、不可能とする。従って
、このコンビナトリアル研究の問題を解消するために、“デッドエンド削除”(
DEE)計算を実施する。DEE計算は、もし第一の回転異性体の最悪の総相互
作用が第二の回転異性体の最良の総相互作用よりもなお良いのであれば、第二の
回転異性体は全体として最適な解の部分とはなり得ないという事実にもとづいて
いる。回転異性体すべてのエネルギーがすでに計算されているので、DEE法は
回転異性体を試験し削除するために配列の長さを計算することが必要なだけで、
計算は相当にスピードアップする。DEEは回転異性体の対または回転異性体の
組合わせを比較することが可能であり、結局は全体としての最適なエネルギーを
表す単一の配列を決定することになる。
【0022】 全体としての解が見出された以上、モンテカルロの検索を実施し、DEE解の
近傍の配列についてランク付けしたリストを作成し得る。DEEの解から出発し
て、ランダムな位置を他の回転異性体に変化させ、新たな配列のエネルギーを計
算する。もし新たな配列が容認基準に合致するならば、それをもう一つの出発跳
躍点として使用する。既定数の跳躍に従って、配列についてランク付けしリスト
を作成する。さらに、当業者が認めるように、モンテカルロ検索は完了していな
いDEE操作から実施し得る;すなわち、多くの配列をもつ部分的なDEE操作
を用い、モンテカルロリストを作成する。
【0023】 U.S.S.N.09/127,926に概説されているように、タンパク質バッ
クボーン(天然型タンパク質では、窒素、カルボニル炭素、α−炭素、およびカ
ルボニル酸素を含んでなり、それらはα−炭素からβ−炭素へのベクトル方向に
沿っている)は、コンピューター分析に先立って、超二次構造パラメーターと呼
ばれるパラメーターのセットを変えることにより変更し得る。
【0024】 タンパク質構造バックボーンを作成し(上に概説したような変更により)、コ
ンピューターにインプットすると、ハッキリしている水素をもしその構造内に含
めていないならば加える(例えば、その構造がX線結晶解析により作成されたの
であれば、水素を加えねばならない)。水素を加えた後、構造のエネルギー最少
化を行い、水素並びに他の原子、結合角および結合距離を緩和させる。好適な態
様において、これは原子配位座の共役勾配最小化(Mayo et al., J. Phys. Chem
. 94: 8897 (1990))の多くの工程を実施することにより実施し、静電気をもた
ないドライディング(Dreiding)力場を最小とする。一般に、約10ないし約2
50工程が好ましく、最も好ましいのは50工程である。
【0025】 GPAバックボーン構造は、少なくとも1つの可変残基位置を有する。hG−
CSFタンパク質と等価位置で異なり得る各GPA残基を“可変残基”と呼ぶ。
当技術分野で知られているように、一般にタンパク質の残基またはアミノ酸には
該タンパク質のN−端から始めて順番に番号を付す。従って、そのN−端にメチ
オニンを有するタンパク質は、残基またはアミノ酸の1位にメチオニンを有する
と言い、それに隣接する残基は2、3、4、などと言う。野生型(すなわち、天
然型)タンパク質は、回転異性体が幾つあっても、各位置に少なくとも20種の
アミノ酸の1つを有している。本明細書において“可変残基位置”とは、特定の
残基または回転異性体、一般には野生型hG−CSF残基または回転異性体とし
て、固定的でない、設計しようとするタンパク質のアミノ酸位置を意味する。
【0026】 好適な態様において、タンパク質の残基位置はすべて可変である。すなわち、
それぞれのアミノ酸側鎖は本発明方法において変更し得る。 別の好適な態様においては、タンパク質の残基位置の幾つかのみが可変であり
、残りのものは“固定”されている、すなわち、それらは定まったコンホメーシ
ョンにおいて特定のアミノ酸と3次元構造において同一であるとされるものであ
る。ある実施態様においては、固定位置はその当初のコンホメーションのままと
する(これは使用する回転異性体ライブラリーの特定の回転異性体と互いに関連
するものでも、しないものでもよい)。あるいは、残基は非野生型残基として固
定してもよい;例えば、既知の部位特異的変異誘発技法が、特定の残基が望まし
いこと示している(例えば、タンパク質分解部位を除くか、または活性部位を変
化させるために)場合には、該残基は特定のアミノ酸として固定してもよい。あ
るいは、本発明方法は以下に考察するように、あらたな変異を評価するために使
用することができる。別の好適な態様において、固定位置は“浮動”していても
よい;その位置のアミノ酸は固定するが、そのアミノ酸の異なる回転異性体につ
いて試験する。この態様では、可変性残基は少なくとも1個であるか、または総
残基数の0.1%ないし99.9%で任意の位置であってもよい。従って、例えば
、2〜3個(または1個)の残基だけ、またはその間で可能性のあるすべての残
基の殆どを変えることも可能である。
【0027】 好適な態様において、固定し得る残基とは構造的にまたは生物学的に機能する
残基であるが、これらに限定されるものではない。例えば、生物活性にとって重
要であることの分かっている残基、例えば、結合パートナーに対し結合部位を形
成する残基(リガンド/レセプター、抗原/抗体など)、生物機能に重要なリン
酸化またはグリコシル化部位、または構造的に重要な残基、例えば、ジスルフィ
ド架橋、金属結合部位、臨界水素結合残基、プロリンまたはグリシンなどのバッ
クボーンコンホメーションにとって重要な残基、パッキング相互作用にとって重
要な残基などはすべて、コンホメーション内にまたは単一回転異性体として固定
するか、または“浮動”させてもよい。
【0028】 同様に、可変残基として選択し得る残基は不所望の生物学的寄与を付与する残
基、例えば、タンパク質分解に対する感受性、二量化または凝集部位、免疫応答
に導き得るグリコシル化部位、望ましくない結合活性、望ましくないアロステリ
ー、結合を保存したままの望ましくない生物活性などを付与する残基であっても
よい。
【0029】 好適な態様において、各可変位置はコア、表面または境界残基位置として分類
されるが、ある場合には以下に説明するように、可変位置をグリシンとし、バッ
クボーンの歪みを最小としてもよい。
【0030】 一態様においては、コア残基のみが可変残基である;別の態様では、コア、境
界および表面可変残基;コアおよび表面可変残基;コアおよび境界可変残基;表
面および境界可変残基;並びに表面可変残基のみ、または境界可変残基のみを含
むGPAタンパク質を設計する方法を利用する。一般に、好適な態様では表面可
変残基を利用しないが、それは不所望の抗原性に導き得るからである;しかし、
GPAタンパク質の治療使用に関係しない適用においては、表面残基を変えるこ
とが望ましい。
【0031】 コア、表面または境界の分類は幾つかの方法で実施し得るが、これは当業者も
認めることであり、WO98/47089(出典明示により本明細書の一部とす
る)に概説されている。好適な態様において、該分類は側鎖を含む当初タンパク
質バックボーン構造の実視走査を介して実施し、タンパク質モデル化の当業者の
主観的評価にもとづき分類を割振る。あるいは、好適な態様では鋳型Cα原子の
みを用いてコンピューター計算した溶媒接近可能な表面に関連づけてCα−Cβ
ベクトルの方向性の評価に利用する。好適な態様においては、標的の折れ曲がり
Cα原子のみに溶媒接近可能な表面は、約4ないし約12Åの範囲のプローブ半
径をもつコノリイ(Connolly)アルゴリズムを用いて作成するが、プローブ半径
は約6ないし約10Åが好ましく、8Åが特に好ましい。用いられるCα半径は
約1.6ないし約2.3Åの範囲、好ましくは約1.8ないし約2.1Åの範囲、取
分け好ましいのは1.95Åである。残基は、a)そのCαがCα−Cβベクト
ルに沿って溶媒接近可能な表面に至る距離が約4〜6Åより大きい場合、特に好
ましくは約5.0Åより大きい場合、およびb)そのCβの最近接表面点までの
距離が約1.5〜3Åより大きい場合、特に好ましくは約2.0Åより大きい場合
に、コア位置と分類される。残りの残基は、そのCαがCα−Cβベクトルに沿
って溶媒接近可能な表面に至る距離とCβの最近接表面点までの距離の合計が、
約2.5〜4Å未満、特に好ましくは約2.7Å未満である場合に、表面位置と分
類される。残りすべての残基は境界位置と分類される。
【0032】 GPAタンパク質の適切なコアおよび境界位置について以下に概説する。 各可変位置をコア、表面または境界のいずれかに分類した後、アミノ酸側鎖の
セット、従って回転異性体のセットを各位置に割り当てる。すなわち、特定の位
置でプログラムが考え得る可能なアミノ酸側鎖のセットを選択する。次いで、可
能なアミノ酸側鎖を選択した後、特定の位置で評価すべき回転異性体のセットを
決めることができる。このように、一般にコア残基は、アラニン、バリン、イソ
ロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、およびメ
チオニン(一部態様においては、ファンデルワース・スコアリング関数のαスケ
ーリング因子が下記のように低い場合、メチオニンはセットから除く)からなる
疎水性残基の群から選択し、各コア位置の回転異性体のセットは潜在的にこれら
8種のアミノ酸側鎖に対する回転異性体を含む(もしバックボーン非依存ライブ
ラリーを用いるならば、回転異性体はすべて、またもし回転異性体依存のバック
ボーンを用いるならば、サブセット)。同様に、表面位置は一般に、アラニン、
セリン、スレオニン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、グルタミン
酸、アルギニン、リジンおよびヒスチジンからなる親水性残基の群から選択する
。各表面位置の回転異性体のセットは、従って、これら10種の残基に対する回
転異性体を含む。最後に、境界位置は一般に、アラニン、セリン、スレオニン、
アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、グルタミン酸、アルギニン、リジ
ン、ヒスチジン、バリン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、チロシ
ン、トリプトファン、およびメチオニンから選択される。各境界位置の回転異性
体のセットは、従って潜在的にこれら17種の残基に対するすべての回転異性体
を含む(ただし、システイン、グリシンおよびプロリンは、使用し得るが、使用
しないものと仮定する)。さらに、一部の好適な態様においては、18種の天然
型アミノ酸のセット(システインとプロリンはすべて除くが、これらは特に破壊
的であることが知られている)を使用する。
【0033】 このように、当業者も認めるように、残基位置を分類することには、計算回数
を減らすという計算上の利点がある。また、承知すべきことは、コア、境界およ
び表面残基のセットは上記のものから変更する場合もあり得ることである;例え
ば、ある場合には、1個以上のアミノ酸を加えるか、または可能なアミノ酸のセ
ットから差引く。例えば、二量化または多量化する、あるいはリガンド結合部位
をもつある種のタンパク質は、疎水性の表面残基を含み得るなどである。さらに
、ヘリックス“キャッピング”またはα−ヘリックス双極子と好ましい相互作用
を成し得ない残基は、可能な残基のセットから差引いてもよい。このアミノ酸群
の修飾は残基毎に実施する。
【0034】 好適な態様において、プロリン、システインおよびグリシンは可能なアミノ酸
側鎖のリストには含めず、従って、これらの側鎖についての回転異性体は使用し
ない。しかし、好適な態様においては、可変残基位置が0°を超えるФ角(すな
わち、1)先行するアミノ酸のカルボニル炭素;2)現下の残基の窒素原子;3
)現下の残基のα−炭素;および4)現下の残基のカルボニル炭素;により限定
される二面角)をもつとき、その位置はバックボーンの歪みを最小とするように
グリシンに割当てる。
【0035】 有力な回転異性体の群は各可変残基位置に割振るが、その処理はU.S.S.N.
09/127,926およびPCT/US98/07254に概説されているよ
うに実施する。この処理工程は最適化タンパク質配列を生成させるために、該回
転異性体同士の相互作用およびタンパク質バックボーンとの相互作用を分析する
ことを必然的に伴う。非常に単純化すると、この処理は当初多くのスコアリング
関数を用い、回転異性体とバックボーンそれ自体との、または他の回転異性体と
の相互作用エネルギーを計算することからなる。好適なPDAスコアリング関数
は、ファンデルワース・ポテンシャル・スコアリング関数、水素結合ポテンシャ
ル・スコアリング関数、原子溶媒和スコアリング関数、二次構造傾向スコアリン
グ関数、および静電気スコアリング関数などであるが、これらに限定されるもの
ではない。さらに以下に説明するように、少なくとも1つのスコアリング関数を
用いて各位置に配点するが、スコアリング関数は位置分類により、またはα−ヘ
リックス双極子との好適な相互作用などの他の考慮により異なってもよい。以下
に概説するように、計算に使用する総エネルギーは、特定の位置で用いた各スコ
アリング関数のエネルギーの総和であり、式1で一般に示される: 式1 Etotal=nEvdw+nEas+nEh-bonding+nEss+nEelec 式1において、総エネルギーはファンデルワース・ポテンシャルのエネルギー(
vdw)、原子溶媒和エネルギー(Eas)、水素結合エネルギー(Eh-bonding
、二次構造エネルギー(Ess)および静電気相互作用のエネルギー(Eelec)の
総和である。記号nは0または1であり、該記号を特定残基の位置について考慮
すべきか否かにより左右される。
【0036】 U.S.S.N.60/061,097、60/043,464、60/054,
678、09/127,926およびPCT/US98/07254に概説され
ているように、これらスコアリング関数のいずれかの組合わせを、単独でまたは
組合わせて使用することができる。使用すべきスコアリング関数を各可変位置に
ついて同定した後、計算による分析の好適な第一段階は、各可能な回転異性体と
該タンパク質の残余のすべてもしくは一部との相互作用を決定することを含んで
なる。すなわち、1つ以上のスコアリング関数によって測定するように、各可変
残基位置での各可能な回転異性体とバックボーンまたは他の回転異性体との相互
作用エネルギーを計算する。好適な態様においては、各回転異性体と該タンパク
質の残余全部、すなわち、全鋳型とすべての他の回転異性体、との相互作用を計
算する。しかし、上に概説したように、タンパク質の一部分、例えば、より大き
なタンパク質のドメインをモデルとすることのみが可能であり、従って、ある場
合には、該タンパク質すべてを考慮する必要はない。
【0037】 好適な態様において、計算処理の第一段階はすべての位置における各回転異性
体の相互作用の2セットについて計算することにより実施する;回転異性体側鎖
と鋳型またはバックボーンとの相互作用(“シングルス”エネルギー)、および
回転異性体側鎖とすべての他の位置における他の可能な回転異性体との相互作用
(“ダブルス”エネルギー)であって、その位置が変化するか、または浮動する
かによる。理解すべきことは、この場合のバックボーンがタンパク質構造バック
ボーンの原子並びにいずれか固定化された残基の原子、両方を含むことであり、
その場合、固定化された残基はアミノ酸の特定のコンホメーションと定義される
【0038】 このようにして、“シングルス”(回転異性体/鋳型)エネルギーはスコアリ
ング関数の一部または全部を用いて、すべての可変残基位置でのすべての可能な
回転異性体とバックボーンとの相互作用を計算する。このように、水素結合スコ
アリング関数については、回転異性体のすべての水素結合原子とバックボーンの
すべての水素結合原子を評価し、すべての可変位置における各可能な回転異性体
についてEHBを計算する。同様に、ファンデルワース・スコアリング関数につ
いては、回転異性体のすべての原子を鋳型のすべての原子と比較し(一般に、そ
れ自身の残基のバックボーン原子は除く)、すべての可変残基位置における各可
能な回転異性体についてEvsWを計算する。さらに、一般にはファンデルワール
ス・エネルギーは、もし元素が3つ以下の結合で接合しているならば一般には計
算しない。原子溶媒和スコアリング関数については、鋳型表面に対する回転異性
体の表面を測定し、すべての可変残基位置における各可能な回転異性体について
asを計算する。二次構造傾向スコアリング関数もシングルス・エネルギーと考
えられ、従って、総シングルス・エネルギーはEas項を含む。当業者が認めるよ
うに、これらエネルギー項の多くは、回転異性体と鋳型位置間の物理的距離に左
右されてゼロに近い;すなわち、2つの部分が遠ざかる程、エネルギーは低下す
る。
【0039】 “ダブルス”エネルギー(回転異性体/回転異性体)を計算するには、各可能
な回転異性体の相互作用エネルギーをすべての他の可変残基位置においてすべて
の可能な回転異性体と比較する。このようにして、“ダブルス”エネルギーは、
スコアリング関数の一部またはすべてを用いて、すべての可変残基位置における
すべての可能な回転異性体と、すべての他の可変残基位置におけるすべての可能
な回転異性体との相互作用を計算する。このように、水素結合スコアリング関数
については、第一回転異性体のすべての水素結合原子とすべての可能な第二回転
異性体のすべての水素結合原子を評価し、いずれか2つの可変位置に対する各可
能な回転異性体についてEHBを計算する。同様に、ファンデルワース・スコア
リング関数については、第一回転異性体のすべての原子をすべての可能な第二回
転異性体のすべての原子と比較し、2つごとの可変残基位置における各可能な回
転異性体対についてEvsWを計算する。原子溶媒和スコアリング関数については
、第一回転異性体の表面をすべての可能な第二回転異性体の表面に対して測定し
、2つごとの可変残基位置における各可能な回転異性体対についてEasを計算す
る。二次構造傾向スコアリング関数は“ダブルス”エネルギーとして実施する必
要がないが、それは“シングルス”エネルギーの一要素と考えられるからである
。当業者が認めるように、これら二重エネルギー項の多くは、第一回転異性体と
第二回転異性体間の物理的距離に左右されてゼロに近い;すなわち、2つの部分
が遠ざかる程、エネルギーは低下する。
【0040】 シングルスおよびダブルス・エネルギーを計算し、保存したならば、次の計算
処理工程を始め得る。U.S.S.N.09/127,926およびPCT/US9
8/07254に概説されているように、好適な態様ではデッドエンド削除(D
EE)工程、好ましくは、モンテカルロ工程を利用する。
【0041】 計算処理は最適化したGPAタンパク質配列のセットを結果として与える。こ
れらの最適化したGPAタンパク質配列は一般にバックボーンとして利用した野
生型hG−CSF配列とは有意に異なる。
【0042】 このように、最も広い意味で、本発明は顆粒球形成活性を有するGPAタンパ
ク質を目的とする。本明細書にて“顆粒球形成活性”または“GPA”とは、以
下に定義するように、該タンパク質が顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)の
生物機能の少なくとも1種、好ましくはそれ以上を示すことを意味する。
【0043】 本明細書にて“タンパク質”とは、少なくとも2つの共有結合により結合した
アミノ酸を意味し、タンパク質、ポリペプチド、オリゴペプチドおよびペプチド
を包含する。該タンパク質は天然型のアミノ酸およびペプチド結合ででき上がっ
ているか、または合成ペプチド様構造、一般に合成方法に依存する構造を有する
。本明細書にて使用する場合の“アミノ酸”または“ペプチド残基”とは、天然
型のアミノ酸および合成アミノ酸両方を意味する。例えば、ホモ−フェニルアラ
ニン、シトルリンおよびノルロイシンは本発明のアミノ酸と考えられる。“アミ
ノ酸”はまたプロリンおよびヒドロキシプロリンなどのイミノ酸残基も包含する
。側鎖は(R)または(S)の立体配置いずれでもよい。好適な態様において、
アミノ酸は(S)−またはL−立体配置である。もし非天然型側鎖を用いるなら
ば、非アミノ酸置換基を、例えば、生体内での分解を防止するかまたは遅延させ
るために使用してもよい。非天然型アミノ酸を含むタンパク質は場合により合成
してもよいし、組換えにより調製してもよい;参照文献:van Hest et al., FEB
S Lett 428: (1-2) 68-70 May 22 1998; Tang et al., Abstr. Pap Am. Chem. S
218: U138-U138 Part 2 August 22, 1999(両文献を出典明示により本明細書の
一部とする)。
【0044】 本発明のGPAタンパク質は、G−CSFの少なくとも1種の生物機能を示す
。本明細書において“顆粒球コロニー刺激因子”または“G−CSF”とは、野
生型のG−CSFを意味する。該G−CSFは如何なる生体からのものであって
もよく、特に哺乳動物からのG−CSFが好ましい。適当な哺乳動物はげっ歯類
(ラット、マウス、ハムスター、モルモットなど)、霊長類、畜産動物(ヒツジ
、ヤギ、ブタ、ウシ、ウマなどを包含する)であが、これらに限定されるもので
はなく、最も好適な態様においては、ヒトからのものである(本明細書において
はこれを場合によりhG−CSFといい、図1に描出した配列のものである)。
当業者が認めるように、ヒト以外の哺乳動物からのG−CSFにもとづくGPA
はヒトの疾患の動物モデルに使用し得る可能性がある。様々な哺乳動物種のGI
番号は以下のとおりである:ウシ442671;イヌ442673;ヒツジ31
0382;ネコCAA69853;ブタ2411469;マウス309248;
ラット1680659。
【0045】 本発明のGPAタンパク質は、少なくとも1種のG−CSFの生物機能を示す
。本明細書において“生物機能”または“生物学的性質”とはG−CSFのいず
れか1つの性質または機能を意味し、細胞増殖を刺激する能力、特に顆粒球と取
分け好中球を産生する造血幹細胞の能力;重度の慢性好中球減少症の治療能力;
末梢血始原細胞収集での使用;骨髄移植療法を高める能力;並びにCFU−Gm
型細胞の刺激を包含するが、これらに限定されるものではない。
【0046】 好適な態様において、生物機能は顆粒球形成活性(GPA)である。GPAは
G−CSFレセプターを有する細胞を刺激し増殖させる化合物の能力と定義する
。しかし、ある態様において、GPAタンパク質はGPA活性をもたないことが
ある。
【0047】 好適な態様において、GPAの定量に使用するアッセイ・システムは実施例に
記載したように、ヒト・クラス1G−CSFレセプターをコードする遺伝子を安
定的に移入したBa/F3細胞を用いる生体外システムである;参照:Young et
al. Protein Sci. 6:1228-1236 (1997)(出典明示によりその全文を本明細書の
一部とする)。このシステムにおいて、細胞増殖はBrdU取込みの機能として測
定するが、これは増殖する細胞の核酸内に取込まれる。少なくとも約20%バッ
クグランドを超える増加、好ましくは少なくとも約50%、そして取分け好まし
いのは少なくとも約100%、500%および1000%増加がGPAの標しで
ある。別のアッセイ法としては、Zsebo et al, Immunobiology 172:175-184 (19
86)(出典明示によりその全文を本明細書の一部とする)に記載されたCFU−
GM細胞アッセイ法である。
【0048】 好適な態様においては、生体内システムがGPAの検定に使用し得る。例えば
、適切なシステムはUSP4,999,291(出典明示によりその全文を本明
細書の一部とする)に記載されているものである。一般に、生体内アッセイ法で
はGPAタンパク質(または遺伝子治療の場合にはGPA核酸)を適切な動物に
投与し、次いで該動物の顆粒球数をモニターする(またはある場合にはリンパ球
のモニターがなされる)ことが必要である。一般に、好中球、顆粒球またはリン
パ球数が、対応する赤血球数の増加なくして増加するのはG−CSFの標しであ
る。同様に、有用な生体内アッセイ・システムは以下のとおりである:オスc5
7BL/6Nマウスにシクロホスファミド(CPA)200mg/kgを単回腹
腔内注射して好中球減少症とする。開始から24時間後、およびCPA投与の日
から4日連続して、マウスに1日100μg/kgのrhG−CSF、新規顆粒球
形成タンパク質、または対照ビークルを静脈内注射投与する。顆粒球形成活性は
、5日目に眼窩後から採血し、白血球数と多形核好中球数を計測することにより
検定する。参照:Hattori et al., Blood 75:1228-1233 (1990) (出典明示によ
りその全文を本明細書の一部とする)。
【0049】 好適な態様において、GPAタンパク質の宿主動物における抗原性プロフィー
ルは、宿主G−CSFの抗原性プロフィールに似ているか、好ましくは一致する
;すなわち、GPAタンパク質は免疫応答に向けて宿主生体(例えば、患者)を
有意には刺激しない;すなわち、いずれの免疫応答も臨床的には関連性がなく、
アレルギー応答も抗体による該タンパク質の中和もない。すなわち、好適な態様
においては、GPAタンパク質は付加した、またはG−CSFと異なるエピトー
プを含んでいない。本明細書において“エピトープ”または“決定基”とは抗体
を生成するか、および/または抗体に結合するタンパク質の一部分を意味する。
このように、殆どの場合、GPAタンパク質に対し有意な量の抗体は生成しない
。一般に、これは以下に概説するように、表面残基を有意に変えるのではなく、
新たなグリコシル化が免疫応答を生じさせるように、グリコシル化が起こるよう
なアミノ酸残基を表面に付加することによって達成する。
【0050】 本発明のGPAタンパク質および核酸は天然型のG−CSFとは識別し得る。
“天然型のG−CSF”は自然に存在するものであって、対立遺伝子変異体を含
んでいる;代表的な配列は図1に示したヒトの配列(hG−CSF)である。認
識すべきことは、特に断らない限り、すべての位置表示番号はこのヒトG−CS
F配列に基いている。すなわち、当業者が認めるように、G−CSFタンパク質
とGPAタンパク質を並列にすると、以下に概説するように、標準的なプログラ
ムを用い、2つのタンパク質間の“等価”の位置を同定することができる。この
ように、本発明のGPAタンパク質と核酸は非天然型である;すなわち、自然界
には存在しない。
【0051】 このように、好適な態様において、GPAタンパク質は残基の少なくとも3%
、野生型G−CSFの配列と異なるアミノ酸配列を有する。すなわち、本発明の
GPAタンパク質がG−CSFアミノ酸配列と同一なのは約97%未満である。
従って、もし図1に示したアミノ酸配列に対し該タンパク質配列の全体の相同性
が、好ましくは約97%未満、より好ましくは約95%未満、さらにより好まし
くは約90%未満、そして最も好ましくは約85%未満であるならば、タンパク
質は“GPAタンパク質”である。一部の態様において、相同性は約75〜80
%の低さである。別の言い方をするなら、174残基のhG−CSF配列にもと
づくと、GPAタンパク質はhG−CSF配列とは異なる少なくとも約5個の残
基を有する(3%)、すなわち、GPAタンパク質はhG−CSF配列とは異な
る5個から30個までの残基を有する。ある場合に、GPAタンパク質はhG−
CSF配列とは3または4個の異なる配列を有する。好適なGPAタンパク質は
10〜24個の異なる残基を有し、取分け好ましくは約10〜約14個である(
すなわち、該タンパク質の6〜8%がhG−CSFに一致しない)。
【0052】 このコンテキストにおいて相同性とは配列の類似性または同一性を意味するが
、好ましくは同一性である。当技術分野で知られているように、多くの異なるプ
ログラムを用いて、タンパク質(または以下に考察する核酸)が既知の配列に対
し配列同一性または類似性を有するか否か同定することができる。配列同一性お
よび/または類似性は技術上既知の標準的技法を用いて決定する;例えば、Smit
h & Waterman, Adv. APPI. Math., 2:482 (1981)の局部的な配列同定アルゴリズ
ム、Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol., 48:443 (1970)の配列同定整列アルゴ
リズム、Pearson & Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 85:2444 (1988)
の類似性検索方法、これらアルゴリズムのコンピューター処理実施(GAP、B
ESTFIT、FASTAおよびTFASTA、Wisconsin Genetics Software
Package, Genetics Computer Group, 575 Science Drive, Madison, WI)、 the
Best Fit sequence program described by Devereux et al., Nucl. Acid Res.,
12:387-395 (1984)に記載された最良近似配列プログラムなどであるが、これら
に限定されるものではない;好ましくはデフォルト値設定を用いるか、または精
査による。好ましくは、パーセント同一性を以下のパラメーターにもとづき、高
速DBにより計算する;不整合ペナルティ1;ギャップ・ペナルティ1;ギャッ
プ・サイズ・ペナルティ0.33;およびジョイニング・ペナルティ30;“Cur
rent Methods in Sequence Comparsion and Analysis”Macromolecule Sequenci
ng and Synthesis, Selected Methods and Applications、pp127-149(1988),
Alan R. Liss, Inc.。
【0053】 有用なアルゴリズムの一例はPILEUPである。PILEUPは前進性の一
対とした配列を用い、一群の関連配列から多重配列の整列を創り出す。これはま
た整列創出に用いたクラスターの関係を示すツリーをプロットすることもできる
。PILEUPは Feng & Doolittle, J. Mol. Evol. 35:351-360 (1987)の前
進整列法を単純化して使用する;この方法は Higgins & Sharp CABIOS 5:151-15
3 (1989)が記載の方法と同様である。有用なPILEUPパラメーターはデフォ
ルト・ギャップ重み3.00、デフォルト・ギャップ長さ重み0.10、および加
重エンド・ギャップなどである。
【0054】 有用なアルゴリズムのもう一つの例は、Aitschul et ai., J. Mol. Bioi., 21
5, 403410, (1990) および Karlin et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 9
0:5873-5787 (1993)に記載されたBLASTアルゴリズムである。特に有用なB
LASTプログラムはWU−BLAST−2プログラムであって、Altschul et
al., Methods in Enzvmoloov, 266:460-480 (1996); http://blast.wustl/edu/b
lasV README.htmlから得られた。WU−BLAST−2は幾つかの検索パラメー
ターを使用し、その殆どがデフォルト値に設定する。調整可能なパラメーターは
以下の値に設定する:重なりスパン=1;重なりフラクション=0.125;ワー
ド閾値(T)=11。HSP SおよびHSP 2Sのパラメーターは動的値であ
り、特定の配列の構成と問題の配列を検索している特定のデータベースの構成に
従ってプログラムそれ自体により確立する;しかし、その値は調整して感度を上
げてもよい。
【0055】 さらなる有用なアルゴリズムは Altschul et al., Nucl. Acids Res., 25:338
9-3402 に報告されたギャップBLASTである。ギャップBLASTはBLO
SUM−62置換スコアを使用する;閾値Tパラメーターは9に設定する;非ギ
ャップ・エクステンションを引き金とするツーヒット法;κのギャップ数に10
+κのコストを課す;Xuを16に設定し、Xgはデータベース検索段階では4
0に、アルゴリズムの出力段階では67に設定する。
【0056】 %アミノ酸配列同一性値は整合同一残基数を整列した領域内の“より長い”配
列の残基総数で割ることにより決定する。“より長い”配列とは整列した領域内
の最も実際的な配列である(整列スコアを最大とするためにWU−Blast−
2により導入したギャップは無視する)。
【0057】 同様の方法で、本明細書にて同定されたポリペプチドのコーディング配列に関
し“パーセント(%)核酸配列同一性”は、細胞周期タンパク質のコーディング
配列におけるヌクレオチド残基と一致する候補配列のヌクレオチド残基の百分比
と定義する。好適な方法では、デフォルト・パラメーターに設定したWU−BL
AST−2のBLASTNモジュールを利用するが、重なりスパンと重なりフラ
クションをそれぞれ1と0.125に設定する。
【0058】 整列は整列すべき配列内にギャップを導入することを含む。さらに、図1の配
列によりエンコードされるタンパク質よりも多いまたは少ないアミノ酸を含む配
列については、配列同一性の百分比を、アミノ酸の総数に関連して一致するアミ
ノ酸数にもとづき決定する。このように、例えば、一態様において、図1に示し
た配列よりも短い配列の配列同一性は、下記に考察するように、より短い配列の
アミノ酸数を用いて決定する。パーセント同一性の計算では、相対的な重みを配
列の変化、例えば、挿入、欠失、置換などの種々の表徴に割振るものではない。
【0059】 一態様において、同一性のみ正(+1)に配点し、ギャップを含む配列変化の
すべての形状は“0”の値を割振るが、これが配列類似性の計算に際し、下記の
ように加重したスケールまたはパラメーターの必要性を排除する。パーセント配
列同一性は、例えば、整合する同一残基数を、整列した領域の“より短い”配列
の総残基数で割り、100を掛けることにより計算することができる。“より長
い”配列は整列した領域に最も実際的な配列を有する配列である。
【0060】 このように本発明のGPAタンパク質は図1に示したアミノ酸配列よりもより
短くてもより長くてもよい。このように、好適な態様においてGPAタンパク質
内に含まれるのは、本明細書に描出した配列の部分またはフラグメントである。
GPAタンパク質のフラグメントは、もしa)それらが少なくとも1つの抗原エ
ピトープを分け持ち;b)少なくとも指示した相同性を有し;c)そして好まし
くは本明細書に定義したGPA生物活性をもつならば、GPAタンパク質と考え
られる。
【0061】 好適な態様において、以下に詳細に説明するように、GPAタンパク質は、野
生型G−CSFに比較して、本明細書に概説したものよりもさらにアミノ酸の変
化を含んでいる。さらに、本明細書に概説したように、本明細書に描出した変化
のいずれかは何らかの方法で組合わせてさらなる新規なGPAタンパク質を形成
させてもよい。
【0062】 さらに、GPAタンパク質は、例えば、エピトープまたは精製タグの付加、本
明細書に概説したように、他の融合配列の付加などにより、図面に示したものよ
りも長鎖に調製することができる。例えば、本発明のGPAタンパク質はIL−
11などの他の治療タンパク質に融合するか、または薬物動態を目的として、F
cまたは血清アルブミンなどの他のタンパク質に融合することができる。参照、
例えば:USP5,766,883および5,876,969(両文献の全文を
出典明示により本明細書の一部とする)。
【0063】 好適な態様において、GPAタンパク質はコアおよび境界残基に可変残基を含
んでなる。 hG−CSFコア残基は以下のとおりである:位置17、21、24、28、
31、35、41、47、54、56、75、78、82、85、88、89、
92、95、99、103、106、110、113、114、117、140
、149、150、151、152、153、154、157、160、161
および168。従って、好適な態様において、GPAタンパク質はこれらの位置
から選択される可変位置を有する。
【0064】 好適な態様において、GPAタンパク質はhG−CSFのコア残基からのみ選
択された可変位置を有する。あるいは、少なくとも主要部(51%)の可変位置
はコア残基から選択され、好ましくは少なくとも約75%の可変位置が、また特
に好ましくは少なくとも約90%の可変位置がコア残基位置から選択される。特
に好ましい態様ではhG−CSFに比較してコア可変位置のみが変化している。
【0065】 特に好ましい態様は、GPAタンパク質がhG−CSFに比較したときに可変
コア位置をもつ場合であって、それを図面に示す。 一態様において、可変コア位置は他の19種のアミノ酸のいずれかに変化して
いる。好適な態様において、可変コア残基はAla、Val、Phe、Ile、
Leu、TyrおよびTrpから選択する。
【0066】 hG−CSF境界残基は以下のとおりである:位置14、20、27、32、
34、38、77、79、84、91、99、102、107、109、116
、120、145、146、147、155、156、164および170。従
って、好適な態様において、GPAタンパク質はこれらの位置から選択した可変
位置を有する。
【0067】 好適な態様において、境界コア位置は他の19種のアミノ酸のいずれかに変化
している。好適な態様において、可変境界残基はAla、Val、Leu、Il
e、Asp、Asn、Glu、Gln、Lys、Ser、ThrおよびHis(
好ましくはプロトン化His)から選択する。
【0068】 好適な態様において、本発明のGPAタンパク質は少なくとも1個のアミノ酸
位置において野生型のG−CSFタンパク質とは異なる配列を有し、その位置は
14、17、20、21、24、27、28、31、32、34、38、78、
79、85、89、91、99、102、103、107、109、110、1
13、116、120、145、146、147、148、151、153、1
55、156、157、160、161、164、168および170である;
アミノ酸位置のセットを略示する図2を参照。
【0069】 各位置の好適なアミノ酸はhG−CSFを含み、図3〜10に示す。このよう
に、例えば、17位での好適なアミノ酸はLeu、ValおよびIleであり、
21位ではVal、Ile、Phe、AlaおよびTyrなどである。
【0070】 好適な変化は以下のとおりである:Leu14I1e;Cys17Leu;C
ys17Leu;Cys17I1e;Gln20Leu;Val21I1e;V
al21Ala;Val21Phe;Val21Tyr;Ile24Ala;I
le24Val;Ile24Leu;Asp27Glu;Asp27Ser;G
ly28Ala;Gly28Leu;Leu31Val;Gln32Leu;G
ln32Val;Gln32I1e;Lys34Glu;Lys34Gln;L
ys35I1e;Lys35Val;Thr38His;Thr38Val;T
hr38I1e;Thr38Glu;Thr38Lys;Leu78Phe;L
eu78Ala;Leu78Val;Leu78I1e;Leu78Tyr;H
is79Leu;Leu82Ala;Leu82Phe;Tyr85Val;T
yr85I1e;Tyr85Phe;Tyr85Trp;Leu89Phe;L
eu89Trp;Ala91Lys;Leu99Glu;Thr102Lys;
Thr102Val;Thr102Leu;Thr102I1e;Thr102
Glu;Thr102Gln;Leu103Val;Leu103I1e;Le
u103Ala;Leu106Val;Gln107I1e;Gln107Va
l;Gln107Leu;Val109Glu;Val109Asp;Val1
09Gln;Val11OAla;Val11OLeu;Val110I1e;
Phe113Ala;Phe113Leu;Thr116I1e;Thr116
Val;Thr116Leu;Thr116Glu;Thr116Lys;Il
e117Ala;Ile117Val;Ile117Leu;Ile117Ph
e;Ilel17Trp;Gln120Leu;Gln145Glu;Arg1
46Lys;Arg146Gln;Arg147Glu;Arg147Lys;
Ala148Asp;Ala148Thr;Val151I1e;Val153
I1e;Ser155I1e;His156Leu;Leu157Ala;Le
u157Val;Leu157I1e;Phe160Trp;Leu161Ph
e;Ser164Ala;Leu157I1e;Phe160Trp;Leu1
61Phe;Leu161Ala;Leu161Val;Val167Ala;
Leu168Phe;His170Asp;His170Leu;His170
Glu;His170Gln;およびHis170Lys。これらは個々にまた
は組合わせて実施し、いずれの組合わせも可能である。しかし、本明細書に概説
するように、好適な態様では各GPAタンパク質において、少なくとも4個の、
好ましくはそれ以上の可変位置を利用する。
【0071】 取分け好適な配列は以下のものからなる群より選択される:[C17L、G2
8A、L78F、Y85F、L103V、V110I、F113L、V151I
、V153IおよびL168F];[C17L、G28A、L78F、Y85F
、L103V、V110I、F113L、V151I、V153I、L168F
、L14I、Q20L、D27E、Q32L、K34E、T38H、H79L、
A91K、T102K、Q107I、D109E、T116I、Q120L、R
146K、R147E、A148D、S155I、H156L、S163A];
および[L14I、Q20L、D27E、Q32L、K34E、T38H、H7
9L、A91K、T102K、Q107I、D109E、T116I、Q120
L、R146K、R147E、A148D、S155I、H156L、S163
A]。
【0072】 好適な態様において、GPAタンパク質は位置17、24、35、41、18
、68、26、174、170、167、44、47、23、20、28、12
7、138、13、121または124に唯一単一の可変位置を有しない。同様
に、GPAタンパク質の好適な態様では127および138または37および4
3での2つの可変位置のみを有しない。好適な態様において、GPAタンパク質
は17、24および41;17、24および35;および17、35および41
での3つの可変位置のみを有しない。さらに、好適なGPAタンパク質は17、
24、35および41での4つの可変位置のみを有しない。
【0073】 好適な態様において、本発明のGPAタンパク質はhG−CSFのコンホーマ
ーである。本明細書にて“コンホーマー”とはタンパク質バックボーン3D構造
が実質的に同じであるが、アミノ酸鎖が有意に異なる構造のタンパク質を意味す
る。すなわち、本発明のGPAタンパク質はコンホーマーセットを限定し、その
場合、セットのタンパク質すべてがバックボーン構造を共有するが、その配列に
はなお少なくとも3〜5%の差を有する。このコンテクストにおいて“バックボ
ーン”とは側鎖ではない原子を意味し、その窒素、カルボニル炭素と酸素、およ
びα−炭素、およびその窒素とα−炭素に付着した水素である。コンホーマーを
考察するためには、タンパク質がhG−CSF構造からわずかに2Å、好ましく
はわずかに1.5Å、取分け好ましいのはわずかに1Åであるバックボーン原子
をもたねばならない。一般に、これらの距離は2つの方法で決定し得る。一態様
においては、各可能性のあるコンホーマーを結晶化し、その3次元構造を決定す
る。あるいは、前者には長い時間が掛るので、各可能性のあるコンホーマーの配
列をPDAプログラムに掛け、それがコンホーマーであるかどうかを決定する。
【0074】 GPAタンパク質はGPA核酸によりエンコードされているとして同定しても
よい。該核酸の場合には、核酸配列全体の相同性がアミノ酸の相同性と釣り合っ
ていても、異なる生体の遺伝子コードとコドンに縮重のあることを考慮する。従
って、核酸の配列相同性が該タンパク質配列の相同性よりも低くても高くてもよ
いが、相同性の低いことが好ましい。
【0075】 好適な態様において、GPA核酸はGPAタンパク質をコードする。当業者が
認めるように、遺伝子コードの縮重により、非常に数多い核酸が造られ得るが、
そのすべてが本発明のGPAタンパク質をコードする。このように、特定のアミ
ノ酸を同定すると、当業者はGPAのアミノ酸配列を変えることのない方法で1
つ以上のコドンの配列を単に改変することにより、異なる核酸を幾らでも造るこ
とができることになる。
【0076】 一態様において、核酸相同性はハイブリダイゼーションの研究を経て決定する
。このように、例えば、図1に示した核酸配列またはその補体に高度緊縮条件下
でハイブリダイズし、かつGPAタンパク質をコードする核酸はGPA遺伝子と
考えられる。
【0077】 高度緊縮条件は技術上既知である;参照、例えば:Maniatis et al., Molecul
ar Cloning: A Laboratory Manual, 2d Edition, 1989, and Short Protocols i
n Molecular Biology, ed. Ausubel, et al.(両文献を出典明示により本明細書
の一部とする)。緊縮条件は配列依存性であり、異なる環境で異なる。より長い
配列はより高い温度でハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションへの
広範な手引きは、Tijssen, Techniques in Biochemistry and Molecular Biolog
y--Hybridization with Nucleic Acid Probes, "Overview of principles of hy
bridization and the strategy of nucleic acid assays" (1993)(生化学およ
び分子生物学における技術−−核酸プローブによるハイブリダイゼーション、“
ハイブリダイゼーションの原理と核酸アッセイの戦略についての概観”)に見出
される。一般に、緊縮条件は規定されたイオン強度とpHでの特定配列にたいす
る熱融点(Tm)未満の約5〜10℃となるように選択する。Tmは標的に相補
性のプローブの50%が平衡状態で標的配列(標的配列が過剰に存在するので、
Tmにて50%のプローブが平衡状態で占拠される)に(規定されたイオン強度
、pHおよび核酸濃度下で)ハイブリダイズする温度である。緊縮条件とは塩濃
度がpH7.0〜8.3にて約1.0M未満のナトリウムイオン、典型的には約0.
01〜1.0Mのナトリウムイオン濃度(または他の塩)であり、温度が短いプ
ローブ(例えば、10〜50個のヌクレオチド)については少なくとも約30℃
であり、長いプローブ(例えば、50個を超えるヌクレオチド)については少な
くとも約60℃の条件である。緊縮条件はホルムアミドなどの不安定化剤を添加
することによっても達成し得る。
【0078】 他の態様において、低緊縮ハイブリダイゼーション条件が用いられる;例えば
、中庸のまたは低い緊縮条件を、技術上知られているように用いてもよい;参照
:Maniatis and Ausubel (上記)および Tijssen (上記)。
【0079】 本発明のGPAタンパク質および核酸は組換え体である。本明細書にて用いる
場合、“核酸”とはDNAまたはRNAのいずれかをいうか、またはデオキシ−
およびリボヌクレオチドの双方を含む分子をいう。該核酸とはセンスおよびアン
チセンス核酸を含むゲノムDNA、cDNAおよびオリゴヌクレオチドを含む。
かかる核酸はまたそのリボース−リン酸バックボーンに改変を加えて、生理的環
境でのかかる分子の安定性と半減期を増大させることができる。
【0080】 該核酸は二本鎖でも一本鎖でもよく、または二本鎖または一本鎖配列の両方の
部分を含んでいてもよい。当業者が認めるように、一本鎖(“ワトソン”Watson
)の描写はまた他方の鎖(“クリック”Crick)の配列を規定する;このように、
図1に描写した配列は補体の配列をも包含する。本明細書にて“組換え核酸”と
いう用語は、一般にはエンドヌクレアーゼによる核酸の巧みな操作により当初生
体外で形成され、天然には通常見出されない形状の核酸を意味する。このように
、線形で単離されたGPA核酸、または正常では結合していないDNA分子を連
結することにより生体外で形成した発現ベクターが本発明の目的である組換え体
と考えられる。組換え核酸を調製し、それを宿主細胞または生体に導入すると、
それが非組換えにより、すなわち、生体外での操作よりもむしろ宿主細胞の生体
内細胞機構を用いて複製する;しかし、かかる核酸は一旦組換えにより産生され
ると、続いて非組換えにより複製されるが、本発明の目的にとってはなお組換え
体と考える。
【0081】 同様に、“組換えタンパク質”とは組換え技法を用いて、すなわち、上に描写
した組換え核酸の発現を介して調製されたタンパク質である。組換えタンパク質
は少なくとも1つ以上の特徴により天然型のタンパク質と識別される。例えば、
該タンパク質はその野生型宿主と通常会合しているタンパク質および化合物の一
部またはすべてから単離または精製することが可能であり、従って、実質的に純
粋である。例えば、単離されたタンパク質は自然状態では、通常、所定のサンプ
ル中に総タンパク質重量の好ましくは少なくとも約0.5%、より好ましくは少
なくとも約5%を構成する会合物質の少なくとも一部を伴っていない。実質的に
純粋なタンパク質は総タンパク質重量の少なくとも約75%、好ましくは少なく
とも約80%、特に好ましくは少なくとも約90%を含んでなる。この定義は1
つの生体から異なる生体または宿主細胞でのGPAタンパク質の生産を包含する
。あるいは、該タンパク質は、該タンパク質が上昇した濃度レベルで産生される
ように、誘導性プロモーターまたは高発現プロモーターを使用して、通常見られ
るよりも有意に高い濃度で調製してもよい。さらに、本明細書に概観したGPA
タンパク質はすべて、下記に考察するように、アミノ酸の置換、挿入および欠失
、好ましくは置換を含むので、自然界には通常見出されない形状である。
【0082】 本発明のGPAタンパク質の定義には、本明細書中で概説し、図にも示したG
PA配列のアミノ酸配列変種も含まれる。即ち、このGPAタンパク質は、hG
−CSFと比較して余分の変異し得る位置を有して得。これらの変種は、3種の
クラス;置換性、挿入性、または削除性、の1ないしそれ以上のクラスに属する
。これらの変種は、通常前記概説のように、当技術分野で周知のカセットまたは
PCR変異生成またはその他の技術を用い、GPAタンパク質をコードしている
DNA中のヌクレオチドの部位特異性変異生成により、該変種をコードするDN
Aを生成させ、さらにこのDNAを組換え体細胞培養物中で発現させて調製する
。しかしながら、確立されたインビトロ合成技術により、残基が約100−15
0に及ぶ変種GPAタンパク質フラグメントを取得できる。アミノ酸配列変種に
は、変異性質が予め定められている特徴、それにより天然に生起する対立遺伝子
型またはGPAタンパク質アミノ酸配列の種間型変異とは異なるものとする性質
、がある。これらの変異種は、典型的には、天然に生起する類似体と同じ性質の
生物学的活性を顕わすが、以下に詳述するようなさらに修飾された特徴を有する
変異種も選択できる。
【0083】 アミノ酸配列変異を導入する部位または領域は予め定めるとはいえ、変異それ
自体を予め定める必要はない。例えば、与えられた部位での変異を最適に達成す
るために、標的コドンまたは領域においてランダム変異生成を誘起し、発現した
GPA変異種群から所望活性の最適組合わせのものをスクリーンしてもよい。既
知配列のDNA中の予め定められた部位で置換変異を起させる技術、例えば、M
13プライマー変異生成およびPCR変異生成は周知である。変異種群のスクリ
ーニングはGPAタンパク質活性のアッセイを用いて行う。 アミノ酸置換は、典型的には単一の残基についてのものであり、挿入は通常約
1ないし20アミノ酸のオーダーであるが、それ以上の相当大きな挿入も許容さ
れ得る。削除は約1ないし約20残基の範囲にあるが、ある場合にはそれ以上と
なり得る。
【0084】 置換、削除、挿入またはそれらの任意の組合わせを、最終誘導体に到達するた
めに使用し得る。一般にこれらの変更は僅かのアミノ酸について行い、分子の変
化を最小限のものとする。しかしながら、それ以上の大きな変更もある種の環境
下では許容され得る。一般的に、GPAタンパク質の特性における変化が小さい
ことが望ましい場合は、置換を下記チャートに従って行う: チャート1元の残基 置換例 Ala Ser Arg Lys Asn Gln,His Asp Glu Cys Ser,Ala Gln Asn Glu Asp Gly Pro His Asn,Gln Ile Leu,Val Leu Ile,Val Lys Arg,Gln,Glu Met Leu,Ile Phe Met,Leu,Tyr Ser Thr Thr Ser Trp Tyr Tyr Trp,Phe Val Ile,Leu
【0085】 機能および免疫学的同一性における実質的変化を来すには、チャート1に示し
たものより保守性がより少ない置換分を選択する。例えば、変化させる領域内の
ポリペプチドバックボーンの構造:例えば、アルファ―ヘリカルまたはベータ―
シート構造;標的部位における分子の荷電または疎水性;または側鎖の嵩高さ、
に一層顕著に影響する置換は以下のようにして行う。一般にポリペプチドの特性
に最大の変化を生じると期待される置換は、(a)親水性残基例えばセリルまた
はスレオニルを、疎水性残基例えばロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル
、バリルまたはアラニルと(または、により)置換する;(b)システインまた
はプロリンを他の任意の残基と(または、により)置換する;(c)陽性荷電側
鎖例えばリジル、アルギニル、またはヒスチジルを有する残基を、陰性荷電残基
例えばグルタミルまたはアスパルチルと(または、により)置換する;または(
d)嵩高い側鎖を有する残基例えばフェニルアラニンを、側鎖を有しないもの例
えばグリシンと(または、により)置換する、などの置換である。
【0086】 これらの変異種は、元のGPAタンパク質と、典型的に同じ性質の生物学的活
性を顕わし、そして同じ免疫応答を誘発するが、必要なときはGPAタンパク質
の特性を修飾した変異種を選択することもできる。あるいは、この変異種を、G
PAタンパク質の生物学的活性を変更するように設計することもできる。例えば
、グリコシル化部位を変化させるかまたは除去することができる。同様に、生物
学的機能を変化させることができ、例えば、ある場合には顆粒球増強活性を強く
または弱くさせることが望ましい。 本発明のGPAタンパク質および核酸は、多種の方法で調製できる。当業者に
は明らかであるが、当技術分野でよく知られている標準的技術を用いてタンパク
質を合成することができる。明示的に参照して本明細書の一部とする、Willken
et al., Cur. Opin. Biotechnol/ 9:412-26 (1998) を参照。
【0087】 あるいは、そして好ましくは、これら本発明のタンパク質および核酸は、組換
え技術を用いて調製できる。本発明のGPAをコードしている核酸を使用して各
種の発現ベクターを調製できる。これらの発現ベクターは、自己複製余分染色体
性ベクターであっても、宿主ゲノム中に取込まれるベクターのいずれであっても
よい。これらの発現ベクターには、一般に、GPAタンパク質をコードする核酸
に作用可能なように連結した、転写および翻訳調節核酸が含まれる。「対照配列
」の用語は、特定宿主生物中に作用可能なように連結したコード化配列の発現に
必要なDNA配列を意味する。 原核生物に適する対照配列は、例えば、プロモーター、所望によりオペレータ
ー配列、およびリボソ−ム結合部位、を含む。真核細胞はプロモーター、ポリア
デニル化シグナル、およびエンハンサーを利用することが知られている
【0088】 核酸は、他の核酸配列と官能的に関係するように置かれたとき「作用可能なよ
うに連結している」。例えば、前駆配列または分泌リーダーのためのDNAは、
それがポリペプチドの分泌に関与する前駆タンパク質として発現するとき、ポリ
ペプチドのDNAと作用可能なように連結しており;プロモーターまたはエンハ
ンサーは、それが配列の転写に影響するとき、コード化配列と作用可能なように
連結している;またはリボソーム結合部位が、それが翻訳を促進するように配置
されるとき、コード化配列と作用可能なように連結している。一般に、「作用可
能なように連結している」とは、連結しているDNA配列が接触していること、
および分泌リーダーの場合は、接触しかつ読取り段階にあることを意味する。し
かしながら、エンハンサーは、接触していなくてもよい。連結は、好適な制限部
位でのライゲーションにより達成される。そのような部位が存在しない場合は、
合成オリゴヌクレオチドアダプターまたはリンカーを、常法に従って使用する。
一般に、転写および翻訳調節核酸が、融合タンパク質の発現に使用する宿主細胞
には適合する;例えば、Bacillus 属における融合タンパク質の発現には、Bacil
lus 属由来の転写および翻訳調節核酸配列を好適に使用する。多様な宿主細胞に
対して、多様な型の適合する発現ベクター、および適切な調節配列が、当業界で
よく知られている。
【0089】 一般に、転写および翻訳調節配列には、それらに限定するものではないが、プ
ロモーター配列、リボソーム結合部位、転写開始および停止配列、翻訳開始およ
び停止配列、およびエンハンサーまたは活性化配列、などが含まれる。好ましい
実施態様では、調節配列はプロモーターおよび転写開始および停止配列を含む。 プロモーター配列は、構成的または誘動プロモーターのいずれをもコードする
。これらのプロモーターは、天然に生起するプロモーターであっても、ハイブリ
ッドプロモーターであってもよい。1つ以上のプロモーター要素を結合するハイ
ブリッドプロモーターは、当業界によく知られており、本発明に有用である。好
ましい実施態様では、これらのプロモーターは、細胞、殊に哺乳動物細胞内で高
度な発現を可能とする強力なプロモーター、例えば、CMVプロモーター、特に
それとTet調節要素との組合わせ、である。
【0090】 加えて、発現ベクターは、付加的な要素を含んでいてもよい。例えば、この発
現ベクターは、2種の複製システムを有していてもよく、そのようにして2種の
宿主生物例えば発現用の哺乳動物または昆虫の細胞中で、およびクローニングお
よび増殖用の原核動物宿主中で維持可能としたものであってもよい。さらに、発
現ベクターを組込むには、該発現ベクターは、発現構成体の側面に接する、宿主
細胞ゲノムとの少なくとも1つの配列相同性、好ましくは2つの相同配列を含有
する。組込むベクターは、ベクター中への取り込みに適切な相同配列を選択して
宿主細胞中の特定個所を指向するものとしてもよい。組込むベクターに対する構
成体は当技術分野で周知である。 加えて、好ましい実施態様では、発現ベクターは選択できる標識遺伝子を含有
し、形質転換宿主細胞の選択を可能にする。選択遺伝子は当技術分野でよく知ら
れており、使用する宿主細胞ごとに変る。
【0091】 好ましい発現ベクター系は、レトロウイルスベクター系であり、いずれも参照
して明示的に本明細書の一部とするPCT/US97/01019 およびPCT/US97/01048 に総
括的に記載されている。 本発明のGPA核酸は、細胞中に導入する。「中に導入する」またはその文法
的に均等な表現は、該核酸がその後の核酸発現に適した態様で細胞内に入り込む
ことを意味する。この導入方法は、以下で論じるように、標的細胞型によってほ
ぼ決まってくる。方法を例示すれば、CaPO沈殿、リポソーム融合、リポフ
ェクチン(登録商標)、電気穿孔(electroporation)、ウイルス感染、その他な
どがある。本発明のGPA核酸は、宿主細胞のゲノム中に安定に組込む(例えば
、下記概説のレトロウイルスによる導入により)ことができ、あるいは細胞質中
に一時的にまたは安定的に(即ち、通常のプラスミッドを使用し、標準調節配列
、選択マーカー、その他を利用して)存在させることもできる。
【0092】 本発明のGPAタンパク質は、GPAタンパク質をコードしている核酸を含有
する発現ベクターで形質転換した宿主細胞を、GPAタンパク質の発現を誘起ま
たは生起させる適切な条件下に培養することにより生成する。GPAタンパク質
の発現に適切な条件は、発現ベクターおよび宿主細胞の選択により変るが、当業
者によれば通常の実験によって容易に探知し得る。例えば、発現ベクター中の構
成的プロモーターの使用は、宿主細胞の成長および増殖を最適化することが必要
とするが、誘導プロモーターの使用では誘導に適した生育条件が必要となる。加
えて、ある実施態様では、収穫の時期が重要となる。例えば、昆虫細胞発現で使
用するバクロウイルス系では、溶菌性ウイルスであり従って、収穫時期が生成物
の収率に決定的であり得る。 適切な宿主細胞には、酵母、細菌、古細菌、放線菌、および昆虫、および哺乳
類細胞を含む動物細胞が含まれる。特に好適なのは、Drosophila melangaster
細胞、Saccharomyces cerevisiaeおよびその他の酵母、大腸菌、Bacillus subti
lis、SF9細胞、C129細胞、293細胞、Neurospora、BHK、CHO、
COS、Pichia Pastoris、その他である。
【0093】 好ましい実施態様では、GPAタンパク質を哺乳動物細胞中で発現させる。哺
乳動物の発現系も当技術分野で既知であり、レトロウイルスの系を含む。哺乳動
物のプロモーターは、哺乳動物のRNAポリメラーゼを結合し、mRNA中への
融合タンパク質コード配列の下流方向(3’)転写を開始する能力がある全ての
DNA配列である。プロモーターは、通常コード化配列の5’末端近位に配置さ
れている転写開始領域、および、転写開始部位の上流に位置する25−30塩基
対を使用するTATAボックスを有する。このTATAボックスは、RNAポリ
メラーゼIIが正しい部位でRNA合成を始めるよう指令しているものと思われ
る。哺乳動物プロモーターは、典型的にはTATAボックスの上流100ないし
200塩基対内に位置している、上流プロモーターエレメント(エンハンサーエ
レメント)をも含有する。上流プロモーターエレメントは、そこで転写が開始す
る速度を決めており、いずれの方位においても作用し得る。ウイルス性遺伝子は
、しばしば高度に発現し広範囲の宿主に適合するので、哺乳動物のウイルス性遺
伝子由来のプロモーターが、哺乳動物用プロモーターとして特徴的である。その
例には、SV40初期プロモーター、マウスの乳癌ウイルスLTRプロモーター
、アデノウイルス主要後期プロモーター、ヘルペス単式(simplex)ウイルスプロ
モーター、およびCMVプロモーターなどが含まれる。
【0094】 典型的には、哺乳動物細胞により認識される、転写終了とポリアデニル化の配
列は、翻訳停止コドン方向の3’に位置している調節領域であり、従って、プロ
モーターエレメントと一緒にコード化配列に接している。成熟mRNAの3’末
端は、部位―特異的翻訳後開裂およびポリアデニル化により形成する。転写ター
ミネーターおよびポリアデニル化シグナルの例には、SV40由来のものが含ま
れる。 好ましい実施態様において、可変位置の組合わせを行う場合は、GPAタンパ
ク質をコードしている核酸を各種組合わせ技術を用いて作成する。例えば、米国
特許第5811238、5605721および5830721号、並びに関連特
許群(それらは参照して全て明示的に本明細書の一部としている)に概説されて
いるような「シャフリング」技法
【0095】 好ましい実施態様では、図12に一般的に描出したように、プールしたオリゴ
ヌクレオチドを用いて多数回PCR反応を行う。この実施態様では、重なり合わ
せるオリゴヌクレオチドを完全長遺伝子に対応するように合成する。さらにまた
、これらのオリゴヌクレオチドは、各可変位置またはサブセットにおいて全ての
異なるアミノ酸を代表し得る。 好ましい実施態様では、これらのオリゴヌクレオチドを同じ比率でプールして
おき、多数回PCR反応を実施して、可変位置の組合わせを含有する完全長配列
を創出する。 好ましい実施態様では、異なるオリゴヌクレオチドを、図3−10に示してい
るような確率分布表に対応する相対的量で加える(特定位置にある確率論的機会
はアミノ酸が異なると異なる)。従って、例えば図4に示しているように、上位
1000配列のうち、103位は、バリンであることが35%、ロイシンである
ことが26%、そしてイソロイシンであることが31%である。多数回PCR反
応は、このようにして、所望組合わせの各種アミノ酸を所望比率で有する完全長
配列を与える。
【0096】 必要となるオリゴヌクレオチドの総数は、変異させようとする位置の数および
それらの位置で考慮されようとしている変異数の函数である: (各所定位置に対するオリゴ数)+M1+M2+M3+ ・・・・Mn=(必要となるオリゴの総数) 式中Mnは、配列中のn位において考慮されているアミノ酸の数である。
【0097】 好ましい実施態様では、重なり合わせる各オリゴヌクレオチドが変異位置を1
個所だけ含むが;別の実施態様では、変異位置がこれを可能とするには互いに近
過ぎ、オリゴヌクレオチド毎に多数の変異が全ての可能性の完全組換えを生じて
しまうのが常である。即ち、各オリゴは、変異させようとする単一の位置、また
は変異させようとする1以上の位置に対するコドンを含有できる。変異させよう
とする多数位置は、オリゴ長が作用不能になるのを防ぐため配列中で近接してい
なければならない。オリゴヌクレオチド上の多数の可変位置に対しては、その組
合わせをコードしているオリゴヌクレオチドを含めたりまたは排除したりするこ
とにより、可変残基の特定組合わせをライブラリー中に含めたりまたは排除した
りできる。必要となるオリゴヌクレオチドの総数は、多数の可変位置が単一のオ
リゴヌクレオチドによりコード化されている場合には増大する。アニーリングし
た領域は一定のまま残る、即ち参照配列の配列を有するところである。
【0098】 コドンを挿入または削除したオリゴヌクレオチドを、異なる長さのタンパク質
を発現するライブラリーの創出に使用することができる。殊に、挿入または削除
のためのコンピューター化配列スクリーニングにより、異なる長さのタンパク質
を定義する二次ライブラリーを生成させることができ、それらはプールした異な
る長さのオリゴヌクレオチドのライブラリーにより発現させ得る。 好ましい実施態様では、エラー―プローンPCRを実施する。米国特許第56
05793、5811238、および5830721号参照(いずれも参照して
本明細書の一部とする)。これは、最適配列上でまたはGPAセットの上位メン
バー上で実施できる。この実施態様では、コンピューター化スクリーニングによ
り見出された最適GPA配列に対する遺伝子を合成できる。エラー―プローンP
CRを、次いで、可変残基を変異位置(バイアスオリゴヌクレオチド)でコード
している最適配列遺伝子上でオリゴヌクレオチドの存在下に実施する。オリゴヌ
クレオチドの加入は、二次ライブラリー中に変異を導入するのに有利なバイアス
を創出する。あるいは、ある種の変異に対するオリゴヌクレオチドのみがライブ
ラリーをバイアス化するのに使用できる。
【0099】 好ましい実施態様では、エラー―プローンPCRを、図12に概略を示した重
ね合わせオリゴヌクレオチド法と組合わせて実施する。 好ましい実施態様では、エラー―プローンPCRによる遺伝子切り混ぜを、最
適配列の遺伝子上で、バイアスオリゴヌクレオチドの存在下に実施し、変異比率
を反映したDNA配列ライブラリーを創出できる。バイアスオリゴヌクレオチド
の選択は、多様な方法で行うことができる;それらはその頻度に基づき選択され
得、すなわち、高変度頻度の位置をコードするオリゴヌクレオチドを使用し得る
;他に、殆どの可変性位置を含むオリゴヌクレオチドを用い得、そのため、多様
性が増大する;GPAタンパク質のセットをランク付けするならば、上部スコア
リング位置の数を用い、バイアスオリゴヌクレオチドを生じ得る;無作為の位置
を選択し得る;少しはある上部スコアリングおよび少しはある低部スコアリング
を選択し得る;などである。重要なことは、好ましい可変性の位置および配列に
基く新規配列を作成することである。同様に、GPAタンパク質の上部のセット
を、従来のシャッフルする方法または図12のオーバーラッピングオリゴヌクレ
オチド法を使用して“シャッフル”し得る。
【0100】 哺乳類宿主、および他の宿主に外来性核酸を導入する方法は、当分野に既知で
あり、使用する宿主細胞により変更される。技術には、デキストラン仲介トラン
スフェクション、リン酸カルシウム沈殿、ポリブレン仲介トランスフェクション
、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、ウイルス感染、リポソーム中
へのポリヌクレオチドのカプセル化、および核へのDNAの直接のマイクロイン
ジェクションが含まれる。本明細書で概要説明するように、特に好ましい方法は
、PCT US97/01019(引用によりこの文書に加える)に記載に従い、
レトロウイルス感染を利用する。
【0101】 当業者が認識するように、本発明で使用される哺乳類細胞の型は、広く変化し
得る。当業者が認識するように、シュードタイプとすることによる系の修飾は、
使用されるすべての真核生物、好ましくは高等真核生物に可能であるが、基本的
に、任意の哺乳類細胞を使用し得、マウス、ラット、霊長類およびヒトの細胞が
特に好ましい。以下に十分記載するように、スクリーニングは、細胞が生体活性
ペプチドの存在下、選択可能な表現型を示すのため、セットアップする。より以
下で記載するように、広範囲の種々の病状に含まれる細胞型は、細胞内のペプチ
ドの存在の結果として変化した表現型を示す細胞を選択し得るように適当なスク
リーニングを設計し得る限り、特に有用である。
【0102】 したがって、適当な細胞型には、すべての型の腫瘍細胞(特に、黒色腫、骨髄
白血病、肺、乳、卵巣、結腸、腎臓、前立腺、膵臓および精巣の癌)、心筋細胞
、内皮細胞、上皮細胞、リンパ球(T細胞およびB細胞)、マスト細胞、エオシン
好性白血球、血管の脈管内膜細胞、肝細胞、単核白血球を含む白血球、造血(hae
mopoetic)、神経、皮膚、肺、腎臓、肝臓および筋細胞の幹細胞のような幹細胞(
分化および脱分化ファクターでのスクリーニングに使用する場合)、破骨細胞、
軟骨細胞および他の結合組織細胞、ケラチン生成細胞、メラニン生成細胞、肝細
胞、腎細胞、および含脂肪細胞を含むがこれらに限らない。適当な細胞にはまた
、JurkatT細胞、NIH3T3細胞、CHO、Cosなどを含むがこれらに限ら
ない既知の研究細胞が含まれる。ATCC細胞系カタログ参照(引用によりこの
文書に明白に加える)。
【0103】 ある実施態様では、細胞は、さらに遺伝学的に工作され得、すなわち、GPA
核酸以外の外来性核酸を含み得る。
【0104】 好ましい実施態様では、GPAタンパク質は、細菌性システムにおいて発現さ
れる。細菌性発現システムは、当分野では既知である。
【0105】 適当な細菌性プロモーターは、細菌性RNAポリメラーゼの結合およびmRN
AへのGPAタンパク質のコーディング配列の下流(3')転写を開始し得る任意
の核酸配列である。細菌性プロモーターは、コーディング配列の5'末端に近接
するように通常おかれる転写開始領域を有する。この転写開始領域は、典型的に
、RNAポリメラーゼ結合部位および転写開始部位を含む。配列をコードする代
謝経路酵素は、特に有用なプロモーター配列を提供する。例には、ガラクトース
、ラクトースおよびマルトースのような糖代謝酵素から誘導されるプロモーター
配列、およびトリプトファンのような生合成酵素から誘導される配列を含む。バ
クテリオファージ由来のプロモーターもまた、使用され、当分野に既知である。
加えて、合成プロモーターおよびハイブリッドプロモーターもまた、有用であり
、例えば、tacプロモーターは、trpおよびlacプロモーター配列のハイ
ブリッドである。更に、細菌性プロモーターには、細菌性RNAポリメラーゼを
結合し、転写を開始することができる非細菌性起点の天然に生ずるプロモーター
が含まれ得る。
【0106】 機能性プロモーター配列に加えて、有効なリボゾーム結合部位が望ましい。E.
coliでは、リボゾーム結合部位は、シャイン-ダルガルノ(SD)配列と呼ばれ、
開始コドンおよび開始コドンの上流3−11ヌクレオチドに位置する長さ3−9
ヌクレオチド配列を含む。
【0107】 発現ベクターはまた、細菌中でGPAタンパク質の分泌を供与するシグナルペ
プチド配列を含み得る。シグナル配列は、典型的に、当分野に既知であるように
、細胞からのタンパク質分泌を指示する疎水性アミノ酸を含むシグナルペプチド
をコードする。タンパク質は、増殖培地(グラム陽性細菌)中か、または細胞の内
側と外側の膜の間に位置するペリプラズム空間(グラム陰性細菌)中の何れかへ分
泌する。
【0108】 細菌性発現ベクターはまた、形質転換された細菌株を選択し得る選択マーカー
を含み得る。適当な選択マーカーには、アンピシリン、クロラムフェニコール、
エリスロマイシン、カナマイシン、ネオマイシンおよびテトラサイクリンのよう
な薬剤に細菌を耐性とする遺伝子が含まれる。選択マーカーはまた、ヒスチジン
、トリプトファンおよびロイシン生合成経路におけるもののような生合成遺伝子
が含まれる。
【0109】 これらの構成要素は発現ベクター中にアセンブルされる。細菌の発現ベクター
は当分野に既知であり、数ある中で、Bacillus subtilis、E. coli、Streptococ
cus cremoris、およびStreptococcus lividansのベクターが含まれる。細菌性発
現ベクターは、塩化カルシウム処理、エレクトロポレーションおよび他のものの
ような当分野に既知の技術を使用して、細菌性宿主細胞中に形質転換される。
【0110】 ある実施態様では、GPAタンパク質は、昆虫細胞中で産生される。昆虫細胞
の形質転換用の発現ベクター、および特にバキュロウイルスを基とする発現ベク
ターが当分野に既知である。
【0111】 好ましい実施態様では、GPAタンパク質は、酵母細胞中で産生される。酵母
発現システムは、当分野に既知であり、Saccharomyces cerevisiae、Candida al
bicansおよびC. maltosa、Hansenula polymorpha、Kluyveromyces fragilisおよ
びK. lactis、Pichia guillerimondiiおよびP. pastoris、Schizosaccharomyces
pombe、およびYarrowia lipolyticaの発現ベクターを含む。酵母における発現
に好ましいプロモーター配列には、誘導性GAL1、10プロモーター、アルコ
ールデヒドロゲナーゼ、エノラーゼ、グルコキナーゼ、グルコース−6−ホスフ
ェートイソメラーゼ、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ
、ヘキソキナーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、3−ホスホグリセレートムターゼ
、ピルビン酸キナーゼ由来のプロモーター、および酸ホスファターゼ遺伝子が含
まれる。酵母選択性マーカーには、ツニカマイシンに耐性を供与するADE2、
HIS4、LEU2、TRP1、およびALG7;G418に耐性を供与するネ
オマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子;および銅イオン存在下で酵母を増
殖させ得るCUP1遺伝子が含み得る。
【0112】 加えて、本発明のGPAポリペプチドは、更に他のタンパク質に融合され得、
望ましいならば、例えば発現を増加し得る。
【0113】 ある実施態様では、本発明のGPA核酸、タンパク質および抗体は、スカホー
ルド以外の標識で標識する。本明細書で“標識する”とは、化合物が少なくとも
1つの要素、放射性同位元素または当該化合物を検出し得るように取付けられた
化学的化合物を有することを意味する。通常、標識は、a)放射活性を有するか
または安定同位元素であり得る放射性標識、b)抗体または抗原であり得る抗体
標識およびc)色の色素または蛍光色素の3つのクラスに分類される。標識は、
化合物中の任意の場所に挿入され得る。
【0114】 一旦作成すると、GPAタンパク質は、共有結合的に修飾され得る。1つの型
の共有結合性修飾には、GPAタンパク質の標的アミノ酸残基と、選択した側鎖
またはGPAタンパク質のNもしくはC末端残基と反応し得る有機性誘導剤との
反応が含まれる。以下に十分に記載するように、二官能性試薬による誘導は、例
えば、抗GPA抗体の精製またはアッセイのスクリーニングの方法に使用の水不
溶性支持体マトリクスまたは表面へのGPAの架橋に有用である。通常使用され
る架橋剤には、例えば、1,1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェニルエタン、
グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルを含み、例えば4
−アジドサリチル酸、同種二官能性(homobifunctional)イミドエステルを有する
エステルであり、3,3'−ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)のよう
なジスクシンイミジルエステル、ビス−N−マレイミド−1,8−オクタンのよ
うな二官能性マレイミドおよびメチル−3−[(p−アジドフェニル)ジチオ]プロ
ピオイミデートのような試薬を含む。
【0115】 他の修飾には、グルタミルおよびアスパルチル残基それぞれに相当するグルタ
ミニルおよびアスパラギニル残基の脱アミノ化、プロリンおよびリシンのヒドロ
キシル化、セリルまたはスレオニル残基のヒドロキシ基のリン酸化、リシン、ア
ルギニンおよびヒスチジン側鎖の"−アミノ基のメチル化[T.E. Creighton, Prot
eins: Structure and Molecular Properties, W.H. Freeman & Co., San Franci
sco, pp.79-86(1983)]、N−末端アミンのアセチル化、および任意のC−末端カ
ルボキシル基のアミド化が含まれる。
【0116】 本発明の範囲内に含まれるGPAタンパク質の他の型の共有結合性修飾には、
ポリペプチドの天然グリコシル化パターンを変化させることが含まれる。“天然
のグリコシル化パターンを変えること”とは、本明細書において、天然配列のG
PAポリペプチドに見られる1つまたはそれ以上の炭水化物成分を検出すること
、および/または天然配列のGPAポリペプチドに存在しない1つまたはそれ以
上のグリコシル化部位を付加すること、を意味することを目的とする。
【0117】 GPAポリペプチドへのグリコシル化部位の付加は、そのアミノ酸配列を変え
ることにより実施し得る。その変化は、例えば、天然配列のGPAポリペプチド
への1つまたはそれ以上のセリンまたはスレオニン残基の付加によるか、または
天然配列のGPAポリペプチドへの1つまたはそれ以上のセリンまたはスレオニ
ン残基による置換により、行い得る(O−連結グリコシル化部位)。GPAアミノ
酸配列は、所望により、DNAレベルでの変化を介して変化し得、特に、コドン
が望ましいアミノ酸に翻訳されるように作成されるように、GPAポリペプチド
をコードするDNAを事前に選択した塩基位置で変異させることにより、変化し
得る。
【0118】 GPAポリペプチドにおける炭化水素部分の数を増加する他の方法は、ポリペ
プチドに対するグリコシドの化学的または酵素学的結合による。その方法は、当
分野で述べられており、例えば、1987年9月11日付け発行のWO87/0
5330、およびAplin and Wriston, CRC Crit. Rev. Biochem., pp. 259-306
(1981)に述べられている。
【0119】 GPAポリペプチドに存在する炭化水素部分の除去は、化学的または酵素学的
に、またはグリコシル化の標的であるアミノ酸残基をコードするコドンの変異置
換により、実施し得る。化学的脱グリコシル化技術は、当分野に既知であり、例
えば、Hakimuddin, et al., Arch. Biochem. Biophys., 259:52 (1987)およびEd
ge et al., Anal. Biochem., 118:131 (1981)により述べられている。ポリペプ
チドの炭化水素部分の酵素学的切断は、Thotakura et al., Meth. Enzymol., 13
8:350 (1987)により述べられているような種々のエンド−およびエキソ−グルコ
シダーゼの使用により実施され得る。
【0120】 GPAの他の型の共有結合性修飾には、米国特許番号4,640,835、4,
496,689、4,301,144、4,670,417、4,791,192また
は4,179,337に記載の方法により、種々の非タンパク質性ポリマーの1つ
、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリオキ
シアルキレンに対しGPAポリペプチドを連結させることを含む。
【0121】 本発明のGPAポリペプチドはまた、多少修飾され、他の、異種性ポリペプチ
ドまたはアミノ酸の配列に融合したGPAポリペプチドを含むキメラ分子を形成
する。ある実施態様では、そのキメラ分子には、GPAポリペプチドと、抗−タ
グ抗体が選択的に結合し得るエピトープを供与するタグポリペプチドとの融合が
含まれる。当該エピトープタグは、GPAポリペプチドのアミノ−またはカルボ
キシル末端に通常位置する。GPAポリペプチドのそのエピトープタグ化形成体
の存在は、タグポリペプチドに対する抗体を用い検出され得る。また、エピトー
プタグが提供されると、エピトープタグに結合する抗−タグ抗体または他の型の
親和性マトリクスを用いる親和性精製によりGPAポリペプチドが容易に精製さ
れ得る。他の態様では、キメラ分子は、GPAポリペプチドと、免疫グロブリン
または免疫グロブリンの特定領域との融合を含み得る。キメラ分子の二価形態の
場合、そのような融合は、IgG分子のFc領域に対するものであり得る。
【0122】 種々のタグポリペプチドおよびその各抗体は当分野に既知である。例には、ポ
リヒスチジン(ポリ−his)またはポリ−ヒスチジン−グリシン(ポリ−his
−gly)タグ、flu HAタグポリペプチドおよびその抗体12CA5[Field
et al., Mol. Cell. Biol., 8:2159-2165(1988)]、c−mycタグおよびその
8F9、3C7、6E10、G4、B7および9E10抗体[Evan et al., Mole
cular and Cellular Biology, 5:3610-3616(1985)]、およびHerpes Simplexウイ
ルスグリコプロテインD(gD)タグおよびその抗体[Paborsky et al., Protein
Engineerign, 3(6):547-553(1990)]が含まれる。他のタグポリペプチドには、F
lag−ペプチド[Hopp et al., BioTechnology, 6:1204-1210(1988)]、KT3
エピトープペプチド[Martin et al., Science, 255:192-194(1992)]、チュービ
ュリンエピトープペプチド[Skinner et al., J. Biol. Chem., 266:15163-15166
(1991)]、およびT7遺伝子10タンパク質ペプチドタグ[Lutz-Freyermuth et a
l., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:6393-6397(1990)]が含まれる。
【0123】 好ましい実施態様では、GPAタンパク質は、発現後精製するかまたは単離す
る。GPAタンパク質は、サンプル中に存在する他の成分に依存する当業者に既
知の種々の方法で単離するか、精製し得る。標準的な精製方法には、電気泳動、
分子、免疫ならびにイオン交換、疎水性、アフェニティーおよび逆相HPLCク
ロマトグラフィーを含むクロマトグラフの技術、ならびにクロマトフォーカシン
グ(chromatofocusing)が含まれる。例えば、GPAタンパク質は、標準的な抗−
ライブラリー抗体カラムを用い精製し得る。タンパク質濃縮と組合せる、限外濾
過およびダイアフィルトレーション技術もまた有用である。適当な精製技術にお
ける一般的なガイダンスには、Scopes, R., Protein Purification, Springer-V
erlag, NY (1982)参照。ある程度の精製の必要性は、GPAタンパク質の使用に
依存して変化する。幾つかの例では、精製は必要ない。精製の好ましい方法は、
実施例で概略する。
【0124】 一旦作成されると、本発明のGPAタンパク質および核酸には多くの適用にお
ける使用が見られる。好ましい実施態様では、GPAタンパク質は、G−CSF
−関連疾患を処置する患者に適用される。
【0125】 本明細書で用いる“G−CSF関連疾患”または“好中球減少性”または“G
−CSF応答性疾患”または“病状”なる語は、GPAタンパク質を伴う化合物
の投与により改善され得る疾患、化学療法および放射線療法を含む癌治療に関連
する好中球減少;放射線偶発症候;骨髄移植;骨髄抑制疾患(bone marrow suppr
ession condition)、例えばAIDSに関連するもの;顆粒球機能異常により特
徴付けられる骨髄異形成症候群;重篤な感染症などを含むがこれらに限らない、
疾患を意味する。加えて、本発明のGPAタンパク質による処置は、末梢血液前
駆細胞の回収の促進に使用され得る。
【0126】 好ましい実施態様では、治療的に有効用量のGPAタンパク質を患者に投与す
る。本明細書における“治療的に有効用量”なる語は、投与目的の効果を生ずる
用量を意味する。その正確な用量は、処理の目的に依存し、当業者が既知の技術
を用いることにより確かめることができる。好ましい実施態様では、約5μg/
kgの用量を用い、静脈かまたは皮下で投与する。当分野に既知のように、GP
A崩壊の調節、全身対局所の送達、および新規プロテアーゼの合成の割合、なら
びに年齢、体重、一般的な健康状態、性別、日常の食べ物、投与時間、薬物の相
互作用および病状の程度が、必要であり、当業者によって、通常の実験を用い確
認することができる。
【0127】 本発明の目的の“患者”には、ヒトおよび他の動物、特に哺乳類の両方、およ
び生物が含まれる。そのため、当該方法は、ヒトの治療および獣医学的適用の両
方に適用される。好ましい実施態様では、当該患者は、哺乳類であり、最も好ま
しい実施態様では、患者はヒトである。
【0128】 本発明のGPAタンパク質の投与は、経口、皮下、静脈内、鼻腔内、経皮、腹
膜内、筋肉内、肺内、膣、直腸、または眼球内を含むがこれらに限らない、種々
の経路で行い得る。幾つかの例では、例えば、創傷および炎症の処置において、
GPAタンパク質は、直接、溶液またはスプレーとして適用され得る。
【0129】 本発明の医薬組成物には、患者への投与に適当な型のGPAタンパク質を含む
。好ましい実施態様では、医薬組成物は、薬学的に許容される塩として存在する
ような水溶性型であり、それは、酸および塩基、両方の付加塩を含むことを意味
する。“医薬的に許容される酸付加塩”なる語は、生物学的に有効な遊離塩基を
保持し、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸、および酢
酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、蓚酸、マレイン酸、コハク酸、
フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン
酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などのような有機
酸で形成された、生物学的にまたはその他の理由で望ましくないものではない塩
をいう。“医薬的に許容される塩基付加塩”には、ナトリウム、カリウム、リチ
ウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ア
ルミニウム塩などのような無機塩基から誘導されるものが含まれる。特に好まし
いものは、アンモニア、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム
塩がである。薬学的に許容される有機性非毒性塩基から誘導された塩には、第一
級、第二級および第三級アミン、天然に生ずる置換アミンを含む置換アミン、環
状アミンおよびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリ
エチルアミン、トリプロピルアミンのような塩基性イオン交換樹脂、およびエタ
ノールアミンが含まれる。
【0130】 医薬組成物はまた、1つまたはそれ以上の以下のものを含み得る:血清アルブ
ミンのような担体タンパク質;NaOAcのような緩衝液;微晶質セルロース、
ラクトース、コーンおよび他のデンプンのようなフィルター;結合剤;人工甘味
料および他の香料剤;着色剤およびポリエチレングリコール。更なるものが当分
野に既知であり、種々の製剤に使用される。
【0131】 好ましい実施態様では、GPAタンパク質は、治療薬剤として投与され、上記
概要のように製剤化される。同様にGPA遺伝子(GPAコーディング領域の全
長配列、部分配列、または調節配列の何れも含む)が、当分野で知られるように
遺伝子治療の適用で投与され得る。これらGPA遺伝子には、当業者により評価
されるように、遺伝子治療(すなわち、ゲノム中への組み込みのために)またはア
ンチセンス組成物の何れかとしてのアンチセンス適用が含まれ得る。
【0132】 好ましい実施態様では、GPAタンパク質をコードする核酸はまた、遺伝子治
療に使用され得る。遺伝子治療の適用では、遺伝子は、例えば欠損遺伝子の置換
に治療的に有効な遺伝的産物のインビトロでの合成を行うため、細胞中に導入さ
れる。“遺伝子治療”には、永久的な効果が一回の処置で生じる通常の遺伝子治
療、および治療的に有効なDNAまたはmRNAの一度または繰返しの投与を含
む遺伝子治療医薬の投与の両方を含む。アンチセンスRNAおよびDNAは、イ
ンビトロで特定遺伝子の発現を阻止する治療医薬として使用され得る。短いアン
チセンスオリゴヌクレオチドは、細胞膜による制限的な吸収が原因となる低細胞
内濃度にもかかわらず、阻害剤として作用する細胞中に導入され得ることが既に
示されている(Zamecnik et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 83:4143-414
6[1986])。オリゴヌクレオチドは、例えば、陰性荷電のリン酸ジエステル基を非
荷電基で置換することにより、吸収を促進するように修飾し得る。
【0133】 生存能力のある細胞中に核酸を導入することができる技術が種々存在する。当
該技術は、核酸が培養された細胞中にインビトロで導入されるか、または目的宿
主の細胞中にインビボで導入されるか、何れかによって変化する。インビトロで
の哺乳類細胞中へ核酸を適当に導入する技術には、リポソーム、エレクトロポレ
ーション、マイクロインジェクション、細胞融合、DEAE−デキストラン、リ
ン酸カルシウム沈殿法などの使用が含まれる。現在、好ましいインビボ遺伝子導
入技術には、ウイルス性(典型的にはレトロウイルス)ベクターによるトランスフ
ェクションおよびウイルス性コートタンパク質リポソーム仲介トランスフェクシ
ョンが含まれる[Dzau et al., Trends in Biotechnology, 11:205-210(1993)]。
幾つかの状態では、細胞表面膜タンパク質または標的細胞に特異的な抗体、標的
細胞上のレセプターに対するリガンドなどのような標的細胞を標的とする医薬を
伴う核酸源を供与することが望ましい。リポソームを用いる場合、エンドサイト
シスに関連する細胞表面タンパク質に結合するタンパク質をターゲッティングに
使用し得、および/または例えば、特定の細胞型に親和性のキャプシッドまたは
そのフラグメント、サイクリングの開始となるタンパク質の抗体、細胞内局在化
を標的とし細胞内半減期を促進するタンパク質の吸収の促進に使用し得る。レセ
プター仲介エンドサイトシスの技術は、例えば、Wu et al., J. Biol. Chem., 2
62:4429-4432(1987)およびWagner et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 87
:3410-3414(1990)に述べられている。遺伝子マーキングおよび遺伝子治療プロト
コールの概観の場合、Anderson et al., Science, 256:808-813(1992)参照。
【0134】 好ましい実施態様では、GPA遺伝子は、単一遺伝子またはGPA遺伝子群の
組合せの何れかで、DNAワクチンとして投与される。裸のDNAワクチン(nak
ed DNA vaccine)は通常当分野で知られている。Brower, Nature Biotechnology,
16:1304-1305(1998)。DNAワクチンとして遺伝子を使用する方法は、当業者
に既知であり、GPA患者において発現するためのプロモーター下にGPA遺伝
子またはGPA遺伝子の一部をおくことが含まれる。DNAワクチンとして使用
するGPA遺伝子は、全長のGPAタンパク質をコードし得るが、より好ましく
はGPAタンパク質から誘導したペプチドを含むGPAタンパク質の一部をコー
ドし得る。好ましい実施態様では、患者は、GPA遺伝子から誘導した多数の核
酸配列を含むDNAワクチンで免疫する。同様に、本明細書に定義のように多数
のGPA遺伝子またはその部分で患者を免疫可能である。理論と結びつくことな
く、DNAワクチン、細胞毒性T細胞、ヘルパーT細胞および抗体をコードする
ポリペプチドの発現が誘導され、GPAタンパク質を発現する細胞を認識し、破
壊するかまたは排除する。
【0135】 好ましい実施態様では、DNAワクチンは、DNAワクチンと共にアジュバン
ト分子をコードする遺伝子を含む。そのアジュバント分子には、DNAワクチン
によりコードされるGPAポリペプチドに対する免疫原的応答を増加するサイト
カインを含む。更なる、または他のアジュバントは、当業者に既知であり、本発
明における使用が見出される。
【0136】 以下の実施例は、上記発明を用いる方法をより十分に述べ、本発明の種々の態
様の実施を意図する最善の形式を開示するための役割をする。これらの実施例は
、本発明の範囲を制限する役割をするものでは決してないが、むしろ例証を目的
として存在する。本明細書中で引用のすべての参考文献は、引用によりこの文書
にそのまま加える。
【0137】 実施例 新規GPAタンパク質の設計および特性解析 タンパク質の設計 要約:新規な顆粒球生成タンパク質(GPAタンパク質)は、WO98/47089および
U.S.S.N.09/127,926(それらの両方は引用によりこの文書に、明白に、そのまま
加える)に述べられているようなProtein Design Automationを用いタンパク質の
埋め込まれたコアの残基を同時に最適化することにより設計した。幾つかのコア
設計は、1027−1028配列の見込みに相当する、考慮された25−34残
基を備えていた。溶媒にさらされない残基は、分子表面の変化を最小とするため
、および設計された新規タンパク質の類似体の抗原性の可能性を制限するため、
設計した。計算には、16 Silicon Graphics R10000 CPUで12−24時間を必要
とした。各設計から全体的に最適化した配列を特性解析に選択した。設計したタ
ンパク質では、合計174残基のうち、10−14残基が、hG−CSFから変
化していた。14−24の境界位置を最適化し12−20変異残基を生じるよう
、更なる設計を行った。これらの設計は、鋳型構造としてのコア設計の1つから
得られた最適の配列を用い繰返し、12−20変異から最適な配列を再び生じた
。全体的に最適な配列のみを、PDAの高緊縮性および非常に低い偽陽性率のた
めに実験用に、選択した。
【0138】 コンピュータープロトコール 鋳型構造調製:鋳型構造を、ホモロジーモデリングを用い作成した。ヒトG−
CSFの結晶構造はより低い解像度であり、64位と74位の間のジスルフィド
結合を抑制することを含む鍵となるフラグメントを喪失するため、ウシG−CS
F(PDB記録1bgc)の結晶構造を、モデリングの開始点として使用した。ウ
シG−CSFはまた、当該配列が同じ長さであり174アミノ酸のうち142が
同一(81%)であるため、ヒトG−CSFの良好なモデルとなる。ウシの配列と
は異なる32残基を、これらの位置のヒトの残基で置換し、置換側鎖の立体配座
は、PDAを用い最適化した。当該最適化は、167位を除くすべての置換残基
上で当初行い、典型的なPDAパラメーターを用いた(ファンデル・ワールスス
ケールファクターを0.9にセットし、十分な深さの可能性あるH−結合を8.
0kcal/molにセットし、溶媒和ポテンシャルは、2型溶媒和を用い非極
性埋め込みエネルギー(nonpolar burial energy)0.048kcal/molで
、非極性暴露増加係数(nonpolar exposure multiplication factor)1.6で計
算した)。167位の場合、ウシG−CSFのGlyを、この位置(Val)のヒ
ト残基で置換した。しかし、64位と74位の間のジスルフィド結合と167位
との間の立体的圧迫のために、この位置のValを、あまり制限されない立体的
圧迫を用い最適化した(ファンデル・ワールススケールファクターは典型的な値
0.9の代わりに0.7を用いPDAを作動した)。次いで、その全体的構造を
、共役傾き最小化およびDreiding IIの力の場を用い、50のステップで最小化
した。この最小化構造をすべての設計の鋳型として使用した。
【0139】 設計ストラテジー:コア残基を、これら位置の最適化により安定性が改善され
(安定化は同様の他の部位での修飾から得られるけれども)得るため、設計のため
に選択した。コア設計はまた、分子表面への変化を最小とし、そのため抗原性の
設計タンパク質の可能性を制限する。PDA計算は、3つのコア設計で行った;
コア3は、変化し得る34コアの位置を有し、コア4は26を有し、そしてコア
4vは25を有する(参照図2)。コア3の可変性位置は、完全長のらせんから選
択されるが、コア4およびコア4vの可変性位置は、らせんの内部(末端ではな
い)から選択された。疎水性アミノ酸のみが、可変性コアの位置となり得た。こ
れらには、Ala、Val、Phe、Ile、Leu、TyrおよびTrpを含
んでいた。Glyはまた、ウシ野生型構造でGlyを有する可変性位置となり得
る(28、149、150および167位)。MetおよびProはなり得なかっ
た。
【0140】 2つの境界設計もまた行った:bndry4 2は24の可変性境界残基を有
しており、bndry4 ADは14を有していた(図2参照)。bndry4 AD設計は外側2つのらせん(AおよびD)上の境界残基に限定され、これは、ら
せんの性質の最も明白な変化がこれらの位置での修飾から生じることが当初の計
算から示唆されるからであり、我々は、らせんの性質の改善が安定性の改善を導
き得ると認識した。2つの更なる境界設計は、同一の境界位置を変化させるが、
鋳型としてコア4設計から最適配列を使用し得るように、行った(bndry4
core4およびbndry4 AD core4)。すなわち、これら
設計は、コア4PDA計算から生ずる10コア変異(アミノ酸および立体配座)を
維持する必要があった(図3参照)。境界設計は、可変性位置で以下のアミノ酸で
行うことができた:Ala、Val、Leu、Ile、Asp、Asn、Glu
、Gln、Lys、Ser、ThrおよびHsp(プロトン化His)。Met、
Pro、Cys、Gly、Arg、および芳香性Trp、Tyr、およびPhe
は行えなかった。
【0141】 PDA計算 すべての設計のためのPDA計算は、a2h1p0回転異性体ライブラリーを
用い行った。このライブラリーは、DunbrackおよびKarplus(Dunbrack and Karpl
us, 1993)のバックボーン依存回転異性体ライブラリーに基づくが、芳香性およ
び疎水性アミノ酸のより多くの回転異性体を含む;すべての芳香性アミノ酸の回
転異性体のXおよびX角の値および他の疎水性アミノ酸X角の値は、Dunb
rackおよびKarplusライブラリーで報告されている平均値についての標準偏差は
±1の広がりを持っていた。典型的なPDAパラメーターを用いた:ファンデル
・ワールススケールファクターを0.9にセットし、十分な深さの可能性あるH
−結合を8.0kcal/molにセットし、溶媒和ポテンシャルは、2型溶媒
和を用い非極性埋め込みエネルギー(nonpolar burial energy)0.048kca
l/molで、非極性暴露増加係数(nonpolar exposure multiplication factor
)1.6で計算し、二次構造スケールファクターを0.0にセットした(二次構造
の性質は考慮しなかった)。計算には、16 Silicon Graphics R10000 CPUで12
−24時間を必要とした。
【0142】 最適な配列 各設計のPDAにより選択された最適な配列を図3に示す。コア設計では、1
0から14残基が野生型と比較すると変化しており、その一方、境界設計は、b
ndry4 2では20変異を生じ(すべて設計された4つのらせん)、bndr
y4 ADでは12変異を生じた(設計されたAおよびDのらせんのみ)。鋳型に
コア4の変異を含めると、同じ数の境界変異を生じるが(bndry4 cor
e4では20;bndry4 AD core4では12)、異なるアミノ酸は
幾つかの変異位置で選択した。
【0143】 モンテ・カルロ分析 PDAによって得た配列のモンテ・カルロ分析による、基底状態(最適)のアミ
ノ酸、並びにアミノ酸は各変異し得る位置で許容されるアミノ酸とそれらの出現
の頻度を示す(図4から10を参照)。
【0144】 クローニングおよび発現 概要:met hG−CSFに関する遺伝子を、伸張した部分的オーバーラッ
プオリゴヌクレオチド(約100塩基)から合成し、PCR増幅した;(図1B
参照)。コドンの取扱いは、E.Coliに関して至適化し、いくつかの制限部
位を次のクローニングを容易にするように遺伝子導入した。これら一部分の遺伝
子をベクター内でクローニングし、配列決定のためにE.Coliに遺伝子導入
した。ついで、これら遺伝子断片の数個を、発現ベクター(pET17もしくは
pET17)内で隣接する部位にクローニングし、met hG−CSF(52
8塩基)に対する完全長遺伝子を形成させ、発現のためにE.Coliに遺伝子
導入した。タンパク質を、E.Coliで、不溶性の含有体に発現させ(データは
示していない)、その同一性を、市販のMabアゴニストhG−CSFを使用し
てSDS‐PAGEのイムノブロットによって確認した。全ての新規GPAのタ
ンパク質に対して類似の方法を行い、全てが発現した(データは示していない)
【0145】 クローニング 遺伝子をクローニングするために、部分的に相補的な対をなしたオリゴヌクレ
オチドを合成し、10分間、70℃に加熱し、室温に冷却するアニーリングを行
った。オーバーラップオリゴヌクレオチド(100量体)を、クレノーフラグメ
ントを使用して、37℃、1時間、伸張させた。ついで、これらの伸張したオリ
ゴヌクレオチドを、各末端20ヌクレオチドに相補的なプライマーを用いてPC
Rのためのテンプレートとして使用した。PCR産物を、ベクターpCR−Bl
unt(Invitrogen)で製造者の指示に従ってクローニングし、Glico-BRL Subc
loning Efficiency E.Coli DH5αに遺伝子導入した。幾つかのコロニーからのD
NAを、Qiagen Miniprep Spin Kit を用いて単離し、Applied Biosystem 377XL
自動化蛍光DNAシークエンサーを用いて配列を決定した。
【0146】 発現 タンパク質を発現させるために、配列決定した遺伝子をNovagen's pET21a(+)
ベクターのNdelとXhol部位との間にサブクーローニングを行い、E.C
oli BL21(DE3)細胞に遺伝子導入した。タンパク質の発現を、37℃
で振盪しながら0.5OD550の濃度になるまでCirclegrow 培地(Bio 101)中
でE.Coli細胞を増殖させて誘起させた。ついで、終濃度1mMになるまで
IPTGを添加し、増殖をさらに3時間行った。発現タンパク質はN末端でMet
を組込んでいる;我われの番号付与はその隣の残基のThrで開始する。
【0147】 タンパク質の発現を確認するために、IPTGの添加前と3時間のインキュベ
ーションの終了時に、各10μlの試料を採取した。これらの試料を、15%S
DSポリアクリルアミドゲルによる電気泳動を行い、コマジーブルーR250で
染色した。予想分子量を有するタンパク質の発現が、容易に観察し得た。タンパ
ク質がG−CSFであるという確認を、N末端の20個のアミノ酸もしくはC末
端の18個のアミノ酸残基に指向するモノクローナル抗体を用いるイムノブロッ
ト分析によって得た(Santa Cruz Biotechnology)。
【0148】 単離および精製 概要:タンパク質は界面活性剤で含有体を可溶化して、該タンパク質を本来の
ジスルフィド結合の形成を促進するためにCuSOの存在下で再生(リフォー
ルディング)することにより単離した。可溶化されたタンパク質混合物を、サイ
ズ排除カラム(size exclusion colmun)上に重層し、凝集物から単量体タンパク
質をおよび調製物から不純物を分離した。単量体のmet hG−CSF含有画分を
回収し、逆相HPLCによって純度を評価した。95%以上の純度を確認した。
設計したGPAタンパク質は、野生型met hG−CSFよりも若干遅く溶出した
【0149】 HPLCの精製 該混合物を、サイズ排除カラム(Pharmaciaより購入したSuperdex pep 75樹脂
で充填した10mm×300mm)に直接重層し、カラム用緩衝液(100mM NaSO4,
50 mM Tris, pH7.5)を使用して、0.8ml/分の流速で溶出した
。該ピークを、214nmおよび280nmの二重波長でUV検出器によりモニター
した。アルブミン、カーボニックアンヒドレート、シトクロムCおよびアプロチ
ニンを使用して、溶出時間に対するタンパク質の分子サイズを計算した。各タン
パク質に対して予想される溶出時間周辺に溶出する単量体ピークを回収し、生物
物理学的特徴付けのために、緩衝液を10mM NaOAC(pH4)にかえた
。長期貯蔵用には、5%のソルビトール、0.004% トゥィーン80および10
mM NaOAcの緩衝液(pH4)を使用した。該タンパク質は、0.1%TFEを
含むアセトニトリル勾配を使用して、C4カラム(3.9mm×150mm)で逆相HPLC
によって>98%の純度と判定した。
【0150】 含有体からの単離および再生 含有体を単離するため、E.Coli細胞を、Beckman J2-17 ローターにおい
て、8000rpmで遠心分離により沈殿させた。該細胞を、沈殿細胞のgあたり
5mlの50mM Tris-HCl(pH8.0)、10mM MgClに再懸
濁した。リゾチームを0.1mg/mlの終濃度で添加し、該細胞を、30℃、3
0分間インキュベーションした。次いで、該細胞を、急速に凍結させて溶かし、
DNアーゼ1を10μg/mlの濃度で添加した。37℃、30分間のインキュ
ベーション後、該含有体を、12000rpm、30分間の遠心分離によって単離
し、50mM Tris-HCl(pH8.0)、10mM MgCl2を用いて2
回洗浄した。
【0151】 該タンパク質沈殿物を洗浄し、2%のサルコシル(sarkosyl)、50mM T
ris(pH8.0)に完全に溶解し、次いで、該混合物にCuSO4を20uM
の濃度に達するまで添加した。該混合物を、8−10時間撹拌し、空気酸化下に
ジスルフィド結合を形成させることにより該タンパク質を再生した。
【0152】 分光学的特徴付与 概要:タンパク質構造を円偏光二色性(CD)分光法により決定した。試験し
たhG‐CDFおよびGPAタンパク質に対するCD分光分析は、公表されてい
るmet hG−CSFのスペクトルと各々ほぼ同一であった。これらのスペクトル
は、GPAタンパク質とmet hG−CSFに対し、高度に類似した2次元構造お
よび3次元折りたたみを示すものであった。温度安定性を、ヘリカルタンパク質
構造に対する判別に有用な波長222nmでのCDシグナルの温度依存性をモニタ
ーすることによって評価した。該タンパク質の温度安定性を、met hG−CSF
よりも約10℃以上の安定性を有するコア4およびmet hG−CSFとほぼ同様
の温度安定性を有するコア3およびコア4vに関して図13に示してある。以前
に発表されたPDA設計タンパク質の場合と同様に、安定性の増加の由来は、側
鎖の親水性のくぼみとパッキング相互作用との間の改善されたバランスによるも
のであるようであった。コア変異位置の幾つかを野性型に戻すことによって誘導
した別の3つのGPAタンパク質(sm0, fm3およびfm4)の温度安定性を図3に
示した。
【0153】 分光学的特徴付け 図16に示した吸光度を用いて、該タンパク質の濃度を280nm波長でUV検
出器により決定した。CDスペクトルを、ペルチエ(Peltier)温度コントロール
ユニット を備えたAviv202DS分光器で測定した。楕円率を、(+)10‐樟脳硫酸
によって計算した。温度推移曲線を、10mMのNaOAc緩衝液中、5秒の平均
時間および3分間の平衡で、222nmの波長で記録した。各タンパク質の溶解温
度(Tm)を、温度に対する222nmでの楕円率の微分曲線から誘導した。これら
のTm値は、使用した濃度で(〜0.1mg/ml)、同じタンパク質に対して1°以
内で再現性があった。温度変性曲線を図13に示した。コア4とコア4vおよび
コア3およびそれらから誘導した3つのタンパク質(sm0, fm3およびfm4)に対
するTm値のカーブを、図16に示した。
【0154】 インビトロ生物学的活性 概要:図14は、met hG−CSFおよび3つのGPAタンパク質に対する用
量作用曲線を示す。マウス白血球を、ヒトG−CSF受容体に遺伝子導入し、白
血球増殖をG−CSF受容体によるG−CSFシグナル活性に依存性とした。白
血球増殖を、ELISAによって測定した臭化ウラシルの結合(BrdU)によ
って測定した。GPAタンパク質の顆粒球生成活性を、タンパク質濃度の関数と
して増殖細胞を定量して測定した。また、2つのhG−CSF試料、一方は明細
書中に記載したような方法で得たもの、もう一方はR&Dシステムズから市販さ
れているhG−CSF、も測した。用量作用曲線は、met hG−CSFの約2倍
の効力を示したコア4を除いて、全てのタンパク質について非常に類似していた
。図15は、met hG−CSF対照試料の典型的な96ウェルプレートのELI
SAの外観を示す。用量作用アッセイ(8回反復)の統計学的分析により、コア4
はその他のGPAタンパク質およびmet hG−CSFよりも高度に有意に効力が
強かった。該効果の原因は明らかでなく、受容体に対する親和性の増加または細
胞培養アッセイ条件におけるコア4の安定性の増加または組み合わせであろう。
【0155】 細胞培養 増殖試験で使用した細胞はヒトクラス1G−CSF受容体をコードした遺伝子
で安定にトランスフェクションしたBa/F3(murine lymphoid)である。これら
の細胞を、5%CO2、37℃、高湿度RPM1 medium 1640(Gibco-BRL)中で維持し
た。それらを、2-3日毎に新しい培地で10倍希釈し継代した。
【0156】 細胞増殖アッセイ G−CSFに応答した細胞増殖を、製造者による説明書に従ってBrdU特異
的ELISAによって定量した5‐ブロモ−2'‐デオキシウリジン(BrdU)結
合体によって検出した。簡単に言うと、1×10〜1×10Ba/F3細胞
/mlを、G−CSF量(1×10pg/ml〜1×10pg/ml)を変えて、1
0μlのBrdUの添加前に42時間インキュベーションした。さらに22時間
インキュベーションした後、該細胞を分解し、FixDenat(Baehringer Manheim)
を用いてDNAを変性した。次いで、DNAへのBrdUの結合を、BrdUに
対するペルオキシダーゼ・コンジュゲートモノクローナル抗体を利用するELI
SAを用いて定量した。ペルオキシダーゼ活性を、BioRad Model 550マイクロタ
イターリーダーによって450nmで測定した。通常、各試験は、4プレートに広
げた8回の反復を含む。データをKaleidagraph(Synergy Software)およびStatis
tica(Statsoft)によって分析した。
【0157】 貯蔵安定性 コア4に関する貯蔵安定性を、Neupogenの市販剤で使用したものと組成が同一
の溶液条件下で37℃および50℃の両温度でインキュベーションして評価した
。凝集がG−CSFの不活性化の主な機構であるので、加速分解をサイズ排除ク
ロマトグラフィーによる単量体タンパク質の消失を観察することにより追跡した
。至適化した配合条件であっても、コア4は、met hG−CSF以上にさらに有
意に安定であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はヒトG−CSFの核酸配列(配列番号1)およびアミノ酸
配列(配列番号2)を描出する。
【図2】 図2は各GPAセットの可変残基を描出する。
【図3】 図3は幾つかの好適なGPA配列を描出する。第1行目(配列番
号1)はhG−CSF配列である。変化を記していない配列はhG−CSF配列
と同じままである。第2行目(配列番号3)はGPAタンパク質、bndry4 2であり、可変境界残基をもつ;24の異なる位置が変化可能であった。第3
行目(配列番号4)はGPAタンパク質、bndry4 コア4であり、可変境
界残基をもつ;これは24の異なる境界位置を利用するが、開始鋳型として設計
したコア4の最適配列を用いた。第4行目(配列番号5)はGPAタンパク質、
bndry4 ADであり、可変境界残基を有する;しかし、境界残基は外側の
2つのヘリックス(AとD;14の可変残基位置)上で選択したが、その理由は
当初の計算が、ヘリックス傾向の最も顕著な変化がこれらの位置での修飾から生
じること、;ヘリックス傾向の改善は安定性を改善させる可能性があることを示
唆したからである。第5行目(配列番号6)はGPAタンパク質、bndry4 AD コア4であり、14の可変境界残基をもつ;開始鋳型として設計したコ
ア4の最適配列を再度使用した。第6行目(配列番号7)はGPAタンパク質、
コア4であり、26の異なる可変コア位置を利用した。第7行目(配列番号8)
はGPAタンパク質、コア4 V153Aであり、25の可変コア位置を利用し
た。第8行目(配列番号9)はGPAタンパク質、コア3であり、34のコア可
変位置を有していた。
【図4】 図4はコア4GPA配列のモンテカルロ分析を描出する。左側に
hG−CSF配列を示す;位置番号は第2列に示し、基底状態の配列は第3列に
示し、トップ1000のモンテカルロ配列に見出されるアミノ酸すべての出現数
を最終列に示す。例えば、17位置では、hG−CSFのアミノ酸はシステイン
であり;GPAタンパク質では、トップ1000配列の73.6%がこの位置が
ロイシンであり、該配列の22.9%ではイソロイシンであった。
【図5】 図5はコア4vGPA配列のモンテカルロ分析を描出する。左側
にhG−CSF配列を示す;位置番号は第2列に示し、基底状態の配列は第3列
に示し、トップ1000のモンテカルロ配列に見出されるアミノ酸すべての出現
数を最終列に示す。例えば、17位置では、hG−CSFのアミノ酸はシステイ
ンであり;GPAタンパク質では、トップ1000配列の69.7%がこの位置
がロイシンであり、該配列の5.1%ではバリンであり、そして該配列の25.1
%ではイソロイシンであった。
【図6】 図6はコア3GPA配列のモンテカルロ分析を描出する。左側に
hG−CSF配列を示す;位置番号は第2列に示し、基底状態の配列は第3列に
示し、トップ1000のモンテカルロ配列に見出されるアミノ酸すべての出現数
を最終列に示す。
【図7】 図7はbndry4 2GPA配列のモンテカルロ分析を描出す
る。左側にhG−CSF配列を示す;位置番号は第2列に示し、基底状態の配列
は第3列に示し、トップ1000のモンテカルロ配列に見出されるアミノ酸すべ
ての出現数を最終列に示す。
【図8】 図8はbndry4 コア4GPA配列のモンテカルロ分析を描
出する。左側にhG−CSF配列を示す;位置番号は第2列に示し、基底状態の
配列は第3列に示し、トップ1000のモンテカルロ配列に見出されるアミノ酸
すべての出現数を最終列に示す。
【図9】 図9はbndry4 AD GPA配列のモンテカルロ分析を描
出する。左側にhG−CSF配列を示す;位置番号は第2列に示し、基底状態の
配列は第3列に示し、トップ1000のモンテカルロ配列に見出されるアミノ酸
すべての出現数を最終列に示す。
【図10】 図10はbndry4 AD コア4GPA配列のモンテカル
ロ分析を描出する。左側にhG−CSF配列を示す;位置番号は第2列に示し、
基底状態の配列は第3列に示し、トップ1000のモンテカルロ配列に見出され
るアミノ酸すべての発現数は最終列に示す。
【図11】 図11A、11Bおよび11Cは3種のGPAタンパク質に対
する遺伝子配列を描出する;図11Aはコア3GPAタンパク質、図11Bはコ
ア4GPAタンパク質、そして図11Cはコア4vGPAタンパク質のものであ
る。
【図12】 図12は完全長遺伝子と可能なすべての変異体のPCRによる
合成を描出する。完全長遺伝子に対応するオーバーラップオリゴヌクレオチド(
黒棒、工程1)を合成し、加熱し、アニーリングする。Pfu・DNAポリメラ
ーゼを、アニーリングしたオリゴヌクレオチドに加えてDNAの5'@3'合成に
至らしめ(工程2)、より長鎖のDNAフラグメントを生成させる(工程3)。
加熱とアニーリングの繰返しサイクル(工程4)により一部完全長分子を含む長
鎖DNAの生成に至らしめる。これらは完全長遺伝子の末端に対応するプライマ
ー(矢印)を用い、2度目のPCRにより選択することができる(工程5)。
【図13】 図13は円二色性(CD)分光法による methG−CSFおよ
び数種のGPAタンパク質の熱安定性を描出する。CDはタンパク質の二次構造
含量を直接測定し、温度または化学的変性に応答して構造が喪失していくのを追
跡することができる。図13は methG−CSFに比べてコア4の熱安定性が上
昇していることを示す。
【図14】 図14は methG−CSFおよび3種のGPAタンパク質に応
答する細胞増殖を描出する。hG−CSFレセプターを発現するBaF/3細胞
の細胞増殖を、BrdU取込みによりモニターし、タンパク質濃度に対しプロット
して示す。BrdU取込みは蛍光ELISAにより評価する。図は methG−CS
Fに比較したコア4の生物活性の増大を示す。
【図15】 図15は methG−CSFとコア4の貯蔵安定性の動力学をサ
イズ排除クロマトグラフィーHPLCによりモニターして描出する。この2種の
タンパク質は5%ソルビトール、10mM酢酸ナトリウム、0.004%トゥイ
ーン−80中、pH4.0で培養し、50℃に保存した。タンパク質濃度は30
0μg/mlであった。単量体タンパク質はそのままと考えられた。
【図16】 図16はhG−CSFおよび本発明新規GPAタンパク質の一
部についての融解温度(Tm)および吸光係数を描出する。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年7月24日(2000.7.24)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】 (図3) 図3は幾つかの好適なGPA配列を描出する。第1行目(配列番号18)はh
G−CSF配列である。変化を記していない配列はhG−CSF配列と同じまま
である。第2行目(配列番号3)はGPAタンパク質、bndry4 2であり
、可変境界残基をもつ;24の異なる位置が変化可能であった。第3行目(配列
番号4)はGPAタンパク質、bndry4 コア4であり、可変境界残基をも
つ;これは24の異なる境界位置を利用するが、開始鋳型として設計したコア4
の最適配列を用いた。第4行目(配列番号5)はGPAタンパク質、bndry
ADであり、可変境界残基を有する;しかし、境界残基は外側の2つのヘリ
ックス(AとD;14の可変残基位置)上で選択したが、その理由は当初の計算
が、ヘリックス傾向の最も顕著な変化がこれらの位置での修飾から生じること、
;ヘリックス傾向の改善は安定性を改善させる可能性があることを示唆したから
である。第5行目(配列番号6)はGPAタンパク質、bndry4 AD
ア4であり、14の可変境界残基をもつ;開始鋳型として設計したコア4の最適
配列を再度使用した。第6行目(配列番号7)はGPAタンパク質、コア4であ
り、26の異なる可変コア位置を利用した。第7行目(配列番号8)はGPAタ
ンパク質、コア4 V153Aであり、25の可変コア位置を利用した。第8行
目(配列番号9)はGPAタンパク質、コア3であり、34のコア可変位置を有
していた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/15 C12N 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A C12P 21/02 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ペイジ・ルオ アメリカ合衆国91007カリフォルニア州ア ーカディア、ウエスト・フェアビュー943 番 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA30 CA04 DA06 EA04 GA11 HA01 HA12 4B064 AG06 CA02 CA19 CC24 CE09 DA01 DA05 4B065 AA26X AA93Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA44 CA45 4C084 AA02 AA06 AA07 BA01 BA02 DA19 NA14 ZA51 ZB21 4H045 AA10 AA20 AA30 BA10 CA40 DA11 EA22 EA28 FA74 GA20

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 hG−CSFとの同一性が約95%以下のアミノ酸配列を
    含んでなり、該GPAタンパク質が細胞をG−CSFレセプターで刺激して増殖
    させるものである、非天然生起型GPAタンパク質。
  2. 【請求項2】 hG−CSF配列と対比して少なくとも約5アミノ酸が置
    換したアミノ酸配列を含んでなり、該GPAタンパク質が細胞をG−CSFレセ
    プターで刺激して増殖させるものである、非天然生起型GPAタンパク質。
  3. 【請求項3】 hG−CSFの三次元バックボーン構造と実質的に対応す
    る三次元バックボーン構造を有する非天然生起型GPAコンホーマーであって、
    該コンホーマーのアミノ酸配列と該hG−CSFのアミノ酸配列との同一性が約
    95%以下であるコンホーマー。
  4. 【請求項4】 非同一性アミノ酸が少なくとも約90%該コンホーマーの
    コア領域内にある、請求項3に記載のコンホーマー。
  5. 【請求項5】 非同一性アミノ酸が100%該コンホーマーのコア領域内
    にある、請求項4に記載のコンホーマー。
  6. 【請求項6】 hG−CSFタンパク質と対比して少なくとも5アミノ酸
    の置換を含んでなり、該置換のうち少なくとも5置換が、14,17,20,2
    1,24,27,28,31,32,34,38,78,79,85,89,9
    1,99,102,103,107,109,110,113,116,120
    ,145,146,147,148,151,153,155,156,157
    ,160,161,164,168および170位から選択される位置における
    アミノ酸残基から選択されるものである、非天然生起型GPAタンパク質。
  7. 【請求項7】 該GPAタンパク質の少なくとも10アミノ酸が置換され
    たものである、請求項6に記載の非天然生起型GPAタンパク質。
  8. 【請求項8】 該10置換が、17,28,78,85,103,110
    ,113,151,153および168位でなされたものである、請求項7に記
    載の非天然生起型GPAタンパク質。
  9. 【請求項9】 該置換が、17L,28A,78F,85F,103V,
    110I,113L,151I,153Iおよび168Fである、請求項8に記
    載の非天然生起型GPAタンパク質。
  10. 【請求項10】 14,17,20,27,28,32,34,38,7
    8,79,85,91,102,103,107,109,110,113,1
    16,120,146,147,148,151,153,155,156,1
    64および168位における置換を含む、請求項6に記載の非天然生起型GPA
    タンパク質。
  11. 【請求項11】 該置換が、14I,17L,20L,27E,28A,
    32L,34E,38H,78F,79L,85F,91K,102K,103
    V,107I,109E,110I,113L,116I,120L,146K
    ,147E,148D,151I,153I,155I,156L,164Aお
    よび168Fである、請求項10に記載の非天然生起型GPAタンパク質。
  12. 【請求項12】 14,20,27,32,34,38,79,91,1
    02,107,109,116,120,146,147,148,155,1
    56および163位における置換を含む、請求項6に記載の非天然生起型GPA
    タンパク質。
  13. 【請求項13】 該置換が、14I,20L,27E,32L,34E,
    38H,79L,91K,102K,107I,109E,116I,120L
    ,146K,147E,148D,155I,156Lおよび163Fである、
    請求項12に記載の非天然生起型GPAタンパク質。
  14. 【請求項14】 請求項1、請求項2または請求項6に記載の非天然生起
    型GPAタンパク質をコード化している組換え核酸。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の組換え核酸を含んでなる発現ベクタ
    ー。
  16. 【請求項16】 請求項1、請求項2または請求項6に記載の組換え核酸
    を含んでなる宿主細胞。
  17. 【請求項17】 請求項15に記載の発現ベクターを含んでなる宿主細胞
  18. 【請求項18】 請求項16に記載の宿主細胞を、該組換え核酸の発現に
    適した条件下に培養することを含む、非天然生起型GPAタンパク質の生成法。
  19. 【請求項19】 さらに該GPAタンパク質を回収することを含む、請求
    項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 請求項1、請求項2または請求項6に記載のGPAタン
    パク質、および医薬的担体、を含んでなる医薬組成物。
  21. 【請求項21】 請求項1、請求項2または請求項6に記載のGPAタン
    パク質を患者に投与することを含んでなる、G−CSF応答性疾患を処置する方
    法。
  22. 【請求項22】 該疾患が骨髄―抑制療法である、請求項21に記載の方
    法。
  23. 【請求項23】 該疾患が慢性好中球減少症である、請求項21に記載の
    方法。
  24. 【請求項24】 該疾患が末梢血液前駆細胞回収である、請求項21に記
    載の方法。
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