JP2002534055A - ヒト遺伝子および遺伝子発現産物v - Google Patents

ヒト遺伝子および遺伝子発現産物v

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JP2002534055A JP2000548466A JP2000548466A JP2002534055A JP 2002534055 A JP2002534055 A JP 2002534055A JP 2000548466 A JP2000548466 A JP 2000548466A JP 2000548466 A JP2000548466 A JP 2000548466A JP 2002534055 A JP2002534055 A JP 2002534055A
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ジェイミー エスコベド,
マイケル エイ. イニス,
パブロ ドミンゲズ ガルシア,
ジュリー サダス−クリンガー,
クリストフ レインハード,
クラウス ギース,
フィリッポ ランダッゾ,
ジュリア シー. ケネディー,
デイビッド ポット,
アルタフ カッサム,
ジョージ ラムソン,
ラドジェ ダマナック,
ラドミール クルクベンヤコブ,
マーク ディクソン,
スネザナ ドルマナック,
アイバン ラバット,
デナ レシュコウィッツ,
デイビッド キタ,
ベロニカ ガルシア,
リー ウイリアム ジョーンズ,
バーギット スタシェ−クレイン,
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カイロン コーポレイション
ハイセク インコーポレイテッド
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    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/106Pharmacogenomics, i.e. genetic variability in individual responses to drugs and drug metabolism

Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規なヒトポリヌクレオチドおよびその改変体、それらにコードさされたポリペプチドおよびそれらの改変体に、これらのポリヌクレオチドに対応する遺伝子に、ならびにこれらの遺伝子により発現されるタンパク質に関する。本発明はまた、このような新規なヒトポリヌクレオチド、それらの対応する遺伝子、または遺伝子産物(例えば、プローブ、アンチセンス構築物、および抗体を含む、これらの遺伝子およびタンパク質)を用いる診断剤および治療剤に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、ヒト起源のポリヌクレオチドおよびコードされる遺伝子産物に関す
る。
【0002】 (発明の背景) 新規なポリヌクレオチド、特に発現される遺伝子産物をコードするポリヌクレ
オチドの同定は、薬物発見、診断技術、ならびに癌のような複雑な疾患の進行お
よび性質の理解の進歩において重要である。疾患の状態または段階、発生の段階
、種々の環境因子への曝露、起源の組識、組識が単離される種などが異なる供給
源から単離された異なる細胞型において発現される遺伝子の同定は、これらの種
々の差異と関連する表現型を担う遺伝的因子を同定する鍵である。
【0003】 本発明は、新規なヒトポリヌクレオチド、これらのポリヌクレオチドによって
コードされるポリペプチド、ならびにこれらの新規なポリヌクレオチドに対応す
る遺伝子およびタンパク質を提供する。
【0004】 (発明の要旨) 本発明は、新規なヒトポリヌクレオチドおよびそれらの改変体、それらのコー
ドされるポリペプチドおよびそれらの改変体に、これらのポリヌクレオチドに対
応する遺伝子に、ならびに遺伝子によって発現されるタンパク質に関する。本発
明はまた、このような新規なヒトポリヌクレオチド、それらの対応する遺伝子、
または遺伝子産物を含有する診断薬および治療薬(プローブ、アンチセンスヌク
レオチド、および抗体を含む)に関する。本発明のポリヌクレオチドは、配列番
号1〜2707のうちの少なくとも1つの配列情報を含むポリヌクレオチドに対
応する。
【0005】 本発明の種々の局面および実施態様は、本明細書中に提供される記載を読む際
に当業者に容易に明らかである。
【0006】 (発明の詳細な説明) 本発明は、開示されたヌクレオチド配列を含有するポリヌクレオチドに、全長
cDNA、mRNAゲノム配列、ならびにこれらの配列に対応する遺伝子および
それらの縮重改変体に、ならびに本発明のポリヌクレオチドによってコードされ
るポリペプチドおよびポリペプチド改変体に関する。以下の詳細な記載は、本発
明によって包含されるポリヌクレオチド組成物、全長の遺伝子産物をコードする
cDNAまたはゲノムDNAを得るための方法、これらのポリヌクレオチドおよ
び遺伝子の発現、ポリヌクレオチドおよび遺伝子の構造モチーフの同定、本発明
のポリヌクレオチドに対応する遺伝子によってコードされる遺伝子産物の機能の
同定、プローブとしてならびにマッピングにおいておよび組識プロファイリング
(profiling)において提供されるポリヌクレオチドの使用、抗体を惹
起するための対応するポリペプチドおよび他の遺伝子産物の使用、ならびに治療
学的目的および診断的目的のためのポリヌクレオチドおよびそれらのコードされ
る遺伝子産物の使用を記載する。
【0007】 (ポリヌクレオチド組成物) ポリヌクレオチド組成物に関する本発明の範囲としては、配列番号1〜270
7のうちのいずれか1つにおいて示される配列を有するポリヌクレオチド;本明
細書中に記載される生物学的材料またはストリンジェントな条件(特に高ストリ
ンジェンシーの条件)下でのハイブリダイゼーションによって他の生物学的供給
源(特にヒト起源)から得られるポリヌクレオチド;提供されるポリヌクレオチ
ドに対応する遺伝子;提供されるポリヌクレオチドおよびそれらの対応する遺伝
子の改変体、特にコードされる遺伝子産物の生物学的活性(例えば、タンパク質
ファミリーへの遺伝産物の割当ておよび/または遺伝子産物に存在する機能的ド
メインの同定の結果として、提供されるポリヌクレオチドに対応する遺伝子産物
に帰する生物学的活性)を保持するそれらの改変体が挙げられるが、これらに必
ずしも制限されない。本発明の範囲によっておよびその範囲内で意図される他の
核酸組成物は、本明細書中での開示が提供される場合、当業者に容易に明らかで
ある。組成物の核酸に関して本明細書中で使用される場合、「ポリヌクレオチド
」および「核酸」は、特に示されない限り、核酸の長さおよび構造に関して制限
されることを意図されない。
【0008】 本発明は、ヒト組識、具体的にはヒト結腸、乳房、および/または肺の組識に
おいて発現されるポリヌクレオチドを特徴とする。特定の目的の本発明の新規な
核酸組成物は、配列番号1〜2707のいずれか1つにおいて示される配列およ
びその同定化配列を含む。「同定化配列」は、ポリヌクレオチド配列を独自に同
定する少なくとも約10nt長〜約20nt長、通常少なくとも約50nt〜約
100nt長の残基の連続性配列であり、例えば、約20ntを超える任意の連
続性ヌクレオチド配列に対して、少なくとも90%未満の、通常少なくとも約8
0%〜約85%未満の配列同一性を示す。従って、本発明の新規な核酸組成物は
、配列番号1〜2707のいずれか1つの連続性ヌクレオチドの同定化配列を含
む全長のcDNAまたはmRNAを含む。
【0009】 本発明のポリヌクレオチドはまた、配列類似性および配列同一性を有するポリ
ヌクレオチドを含む。配列類似性を有する核酸は、低いストリンジェンシー条件
下、例えば、50℃および10×SSC(0.9M生理食塩水/0.09Mクエ
ン酸ナトリウム)でのハイブリダイゼーションによって検出され、そして1×S
SC中55℃での洗浄に供される場合、結合を保持する。配列同一性は、ストリ
ンジェントな条件下、例えば、50℃以上および0.1×SSC(9mM生理食
塩水/0.9mMクエン酸ナトリウム)でのハイブリダイゼーションによって決
定され得る。ハイブリダイゼーション方法および条件は、当該分野において周知
であり、例えば、米国特許第5,707,829号を参照のこと。提供されるポ
リヌクレオチド配列に実質的に同一である核酸、例えば、対立遺伝子改変体、遺
伝子の遺伝的に変化したバージョンなどは、ストリンジェントなハイブリダイゼ
ーション条件下で、提供されるポリヌクレオチド配列(配列番号1〜2707)
に結合する。プローブ、特にDNA配列の標識化プローブを使用することによっ
て、相同な遺伝子または関連の遺伝子を単離し得る。相同な遺伝子の供給源は、
任意の供給源、例えば、霊長類、特にヒト:げっ歯類(例えば、ラットおよびマ
ウス);イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ウマ、酵母、線虫などであり得る。
【0010】 好ましくは、ハイブリダイゼーションは、配列番号1〜2707のうちの少な
くとも1つの少なくとも15の連続なヌクレオチド(nt)を使用して行われる
。すなわち、開示される配列番号のうちの1つの少なくとも15の連続なntが
プローブとして使用される場合、プローブは相補的な配列を含有する核酸と優先
的にハイブリダイズし、選択されたプローブに独自にハイブリダイズする核酸の
同定および回収を可能にする。1つ以上の配列番号からのプローブは、それらが
由来するcDNAが1つのmRNAに対応する場合、同じ核酸とハイブリダイズ
し得る。15ntを超えるプローブ、例えば、約18nt〜約100ntのプロ
ーブが使用され得るが、15ntは独自の同定について十分な配列であることを
示す。
【0011】 本発明のポリヌクレオチドはまた、ヌクレオチド配列の天然に存在する改変体
(例えば、縮重改変体、対立遺伝子改変体など)を含む。本発明のポリヌクレオ
チドの改変体は、本明細書中に開示されるヌクレオチド配列と推定の改変体との
ハイブリダイゼーションによって、好ましくはストリンジェントな条件下でのハ
イブリダイゼーションによって同定される。例えば、適切な洗浄条件を使用する
ことによって、本発明のポリヌクレオチドの改変体は、対立遺伝子改変体が、選
択されるポリヌクレオチドプローブに関して多くとも約25〜30%の塩基対(
bp)非適合を示す場合に同定され得る。一般に、対立遺伝子改変体は、15〜
25%bp非適合を含み、そしてさらに5〜15%、または2〜5%、または1
〜2%bp程度の非適合、ならびに単一bpの非適合を含み得る。
【0012】 本発明はまた、配列番号1〜2707のポリヌクレオチドに対応するホモログ
を包含し、ここでは相同な遺伝子の供給源は、任意の哺乳動物種、例えば、霊長
類、特にヒト;げっ歯類(例えば、ラット);イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ウマ
、酵母、線虫などであり得る。哺乳動物種間(例えばヒトとマウス)で、ホモロ
グは一般に、実質的な配列類似性、例えば、ヌクレオチド配列間に少なくとも7
5%、通常少なくとも90%、より通常少なくとも95%の配列同一性を有する
。配列類似性は、参照配列に基づいて算定され、参照配列は保存されるモチーフ
、コード領域、隣接領域などのような、より長い配列のサブセットであり得る。
参照配列は通常、少なくとも約18の連続するnt長、より通常には少なくとも
約30nt長であり、そして比較されてい る完全な配列に伸長され得る。配列分析についてのアルゴリズムは、当該分野に
おいて公知である(例えば、ギャップ化BLAST(Altschulら、Nu
cleic Acids Res.(1997)25:3389−3402にお
いて記載される))。
【0013】 一般に、本発明の改変体は、少なくとも約65%、好ましくは少なくとも約7
5%、より好ましくは少なくとも約85%を超える配列同一性を有し、そしてM
PSRCHプログラム(Oxford Molecular)において実行され
るようなSmith−Waterman相同性検索アルゴリズムによって決定さ
れるように、少なくとも約90%以上であり得る。本発明の目的のために、同定
のパーセント同一性を算定する好ましい方法は、以下を使用するSmith−W
atermanアルゴリズムである。全体的なDNA配列同一性は、以下の検索
パラメーター:ギャップオープンペナルティー(gap open penal
ty)、12;およびギャップ伸長ペナルティー(gap extension
penalty)、1を用いるアフィンギャップ(affine gap)検
索を使用して、MPSRCHプログラム(Oxford Molecular)
において実行されるようなSmith−Waterman相同性検索アルゴリズ
ムによって決定されるように、65%を超えるべきである。
【0014】 本発明の核酸は、cDNAまたはゲノムDNA、ならびにそれらのフラグメン
ト、特に生物学的に活性な遺伝子産物をコードするおよび/または本明細書中で
開示される方法において有用(例えば、診断において、目的の示差的に発現され
る遺伝子の独自の識別子(identifier)としてなど)であるフラグメ
ントであり得る。本明細書中で使用されるように、用語「cDNA」は、ネイテ
ィブな成熟mRNA種において見出される配列エレメントの配置を共有する全て
の核酸を含むことが意図され、ここでは配列エレメントは、エキソン、ならびに
3' 非コード領域および5'非コード領域である。通常mRNA種は、連続する
エキソンを有し、イントロンの介在を伴い、存在する場合、核RNAスプライシ
ングによって除去され、本発明のポリぺプチドをコードする連続するオープンリ
ーディングフレームを生成する。
【0015】 目的のゲノム配列は、列挙される配列において規定されるように、開始コドン
と停止コドンとの間に存在する核酸を含み、ネイティブな染色体に通常存在する
全てのイントロンを含む。これはさらに、成熟mRNAにおいて見出される3'
非翻訳領域および5'非翻訳領域を含み得る。これはさらに、特異的な転写調節
配列および翻訳調節配列(例えば、プロモーター、エンハンサーなど)を含み得
、転写領域の5'および3'末端のいずれかでの約1kbの、しかし潜在的により
長い隣接ゲノムDNAを含む。ゲノムDNAは、100kbp以下のフラグメン
トとして単離され得;そして隣接する染色体配列が実質的にない。3'および5'
のいずれかでコード領域に隣接するゲノムDNA、またはイントロンにおいて時
折見出されるような内部調節配列は、適切な組識、段階特異的な発現、または疾
患状態特異的な発現のために必要とされる配列を含む。
【0016】 本発明の核酸組成物は、本発明のポリぺプチドの全てまたは一部をコードし得
る。2本鎖または1本鎖フラグメントは、制限酵素消化によって、PCR増幅な
どによって、従来の方法に従ってオリゴヌクレオチドを化学的に合成することに
よってDNA配列から得られ得る。本発明の単離されたポリヌクレオチドおよび
ヌクレオチドフラグメントは、配列番号1〜2707において示されるようなポ
リヌクレオチド配列から選択される、少なくとも約10、約15、約20、約3
5、約50、約100、約150〜約200、約250〜約300、または約3
50の連続するntを含む。大部分について、フラグメントは、少なくとも約1
5nt、通常少なくとも18ntまたは25nt、および少なくとも約50の連
続するnt長以上までである。好ましい実施態様において、ポリヌクレオチド分
子は、配列番号1〜2707において示されるポリヌクレオチドからなる群より
選択される少なくとも12ntの連続する配列を含む。
【0017】 本発明のポリヌクレオチドに特異的なプローブは、配列番号1〜2707にお
いて開示されるポリヌクレオチド配列を使用して作製され得る。プローブは、好
ましくは、配列番号1〜2707のうちの対応する連続する配列の少なくとも約
12、15、16、18、20、24、または25ntフラグメントであり、そ
して2、1、0.5、0.1、または0.05kb長未満であり得る。プローブ
は化学的に合成され得るか、または制限酵素を使用してより長いポリヌクレオチ
ドから作製され得る。プローブは、例えば、放射性タグ、ビオチン化タグ、また
は蛍光タグで標識され得る。好ましくは、プローブは、配列番号1〜2707の
うちの1つのポリヌクレオチドの同定化配列に基づいて設計される。より好まし
くは、プローブは、配列への低い複雑性をマスクするためのマスキングプログラ
ム(例えば、XBLAST)の適用後にマスクされないままである本発明のポリ
ヌクレオチドのうちの1つの連続する配列に基づいて設計される(すなわち、マ
スキングプログラムによって生成されるマスクした配列のポリ−nストレッチの
外側のポリヌクレオチドによって示されるような、マスクされない領域が選択さ
れる)。
【0018】 本発明のポリヌクレオチドは、一般的にインタクトな染色体以外として、実質
的な純度において単離され、そして得られる。通常、ポリヌクレオチドは、DN
AまたはRNAのいずれかとして、他の天然に存在する核酸配列を実質的に含ま
ないように得られ、一般に少なくとも約50%、通常少なくとも約90%の純度
であり、そして代表的に「組換え」であり、例えば、天然に存在する染色体にお
いて通常会合されない1つ以上のヌクレオチドによって隣接される。
【0019】 本発明のポリヌクレオチドは、直線状の分子として、または環状分子内に提供
され得、そして自律的に複製する分子(ベクター)内に、または複製配列を伴わ
ない分子内に提供され得る。ポリヌクレオチドの発現は、それら自身によって、
または当該分野において公知の他の調節配列によって調節され得る。本発明のポ
リヌクレオチドは、当該分野において利用可能な種々の技術(例えば、トランス
フェリンポリカチオン媒介性DNA移入、裸の核酸またはカプセル化された核酸
でのトランスフェクション、リポソーム媒介性のDNA移入、DNAコート化ラ
テックスビーズの細胞内輸送、プロトプラスト融合、ウイルス感染、エレクトロ
ポレーション、遺伝子銃、リン酸カルシウム媒介性のトランスフェクションなど
)を使用して適切な宿主細胞に導入され得る。
【0020】 本発明の核酸組成物は、例えば、ポリペプチドを生成するために、生物学的サ
ンプル(例えば、ヒト細胞の抽出物)中の本発明のmRNAの検出のためのプロ
ーブとして、ポリヌクレオチドのさらなるコピーを作製するために、リボザイム
またはアンチセンスオリゴヌクレオチドを作製するために、および1本鎖DNA
プローブとしてかまたは3本鎖を形成するオリゴヌクレオチドとして、使用され
得る。本明細書中に記載されるプローブは、例えば、サンプル中の配列番号1〜
2707において示されるようなポリヌクレオチド配列またはそれらの改変体の
存在または非存在を決定するために使用され得る。これらの使用および他の使用
は、以下により詳細に記載される (全長のcDNA、遺伝子、およびプロモーター領域を得るためのポリヌクレ
オチドの使用) 開示されるポリヌクレオチドを含有する全長cDNA分子は、以下のように得
られる。配列番号1〜2707のうちの1つの配列、または少なくとも12、1
5、18、または20ntを含有するそれらの部分を有するポリヌクレオチドは
、米国特許第5,654,173号において記載されるようなプローブ設計法、
クローニング法、およびクローン選択技術を使用して、cDNAライブラリーの
ハイブリダイズするメンバーを検出するために、ハイブリダイゼーションプロー
ブとして使用される。cDNAのライブラリーは、正常組識もしくは腫瘍組識の
ような選択された組識から、または例えば、薬学的な薬剤で処置された哺乳動物
の組識から作製される。好ましくは、組識は、本発明のポリヌクレオチドが単離
された組識と同じである。なぜなら、本明細書中に記載されるポリヌクレオチド
およびcDNAの両方が発現される遺伝子を示すからである。最も好ましくは、
cDNAライブラリーは、実施例において本明細書中に記載される生物学的材料
から作製される。ライブラリー構築のための細胞型の選択は、本発明のポリヌク
レオチドに対応する遺伝子によってコードされるタンパク質の同定が知られる後
になされ得る。このことは、組識および細胞型が関連する遺伝子を発現するよう
であることを示し、従って、cDNAを作製するためのmRNAについての適切
な供給源を示す。提供されるポリヌクレオチドがcDNAライブラリーから単離
される場合、ライブラリーはヒト結腸細胞、より好ましくはヒト結腸癌細胞のm
RNA、さらにより好ましくは非常に転移性の結腸細胞Km 12L4−Aから
調製される。
【0021】 核酸配列ライブラリーを生成およびプローブするための技術が、例えば、Sa
mbrookら、Molecular Cloning:A Laborato
ry Manual、第2版、(1989)Cold Spring Harb
or Press、Cold Spring Harbor、NYにおいて記載
される。cDNAは、配列配列番号1〜2707からの配列に基づくプライマー
を使用することによって調製され得る。1つの実施態様において、cDNAライ
ブラリーは、ポリアデニル化mRNAのみから作製され得る。従って、ポリ−T
プライマーが、mRNAからcDNAを調製するために使用され得る。
【0022】 提供されるポリヌクレオチドよりも大きく、かつ好ましくはネイティブなメッ
セージの完全なコード配列を含むライブラリーのメンバーが得られる。cDNA
全体が得られたことを確認するために、RNA保護実験が以下のように行われる
。mRNAへの全長cDNAのハイブリダイゼーションは、RNアーゼ分解から
RNAを保護する。cDNAが全長でない場合、ハイブリダイズしないmRNA
の部分はRNアーゼ分解に供される。これは、当該分野において公知であるよう
に、ポリアクリルアミドゲルにおける電気泳動移動度の変化によってか、または
放出されるモノリボヌクレオチドの検出によってアッセイされる。Sambro
okら、Molecular Cloning:A Laboratory M
anual、第2版、(1989)Cold Spring Harbor P
ress、Cold Spring Harbor、NY。親cDNAの末端に
対して5'のさらなる配列を得るために、5'RACE(PCR Protoco
ls:A Guide to Methods and Applicatio
ns、(1990)Academic Press、Inc.)が行われ得る。
【0023】 ゲノムDNAは、全長cDNAの単離に類似の様式において、提供されるポリ
ヌクレオチドを使用して単離される。簡潔には、提供されるポリヌクレオチド、
またはその部分は、ゲノムDNAのライブラリーに対するプローブとして使用さ
れる。好ましくは、ライブラリーは、本発明のポリヌクレオチドを作製するため
に使用された細胞型から得られるが、必ずしもそうである必要はない。最も好ま
しくは、ゲノムDNAは、実施例において本明細書中に記載される生物学的材料
から得られる。このようなライブラリーは、Sambrookら、9.4〜9.
30において詳細に記載されるように、P1またはYACのような、ゲノムの大
きなセグメントを保有するために適切なベクター中にあり得る。さらに、ゲノム
配列は、ヒトBACライブラリーから単離され得、これは例えば、Resear
ch Genetics、Inc.Huntsville、Alabama、U
SAから市販されている。さらなる5’配列または3’配列を得るために、Sa
mbrookらにおいて記載されるように染色体ウォーキングが行われ、これに
よってゲノムDNAの近接かつ重複するフラグメントが単離される。これらは、
制限消化酵素およびDNAリガーゼを使用して、当該分野において公知であるよ
うに、マッピングされ、そしてともに継ぎ合わされる。
【0024】 本発明のポリヌクレオチド配列を使用して、対応する全長遺伝子が、cDNA
ライブラリーを構築およびプローブするための古典的な方法およびPCR法の両
方を使用して単離され得る。いずれかの方法を使用して、ノーザンブロットが好
ましくは、どの細胞株が最も高いレベルで目的の遺伝子を発現するかを決定する
ために、多くの細胞型に対して行われる。cDNAライブラリーを構築する古典
的な方法は、Sambrookら(前出)において教示される。これらの方法を
使用して、cDNAがmRNAから生成され得、そしてウイルスベクターまたは
発現ベクター中に挿入される。代表的に、ポリ(A)テイルを含有するmRNA
ライブラリーは、ポリ(T)プライマーを用いて生成され得る。同様に、cDN
Aライブラリーは、本発明の配列をプライマーとして使用して生成され得る。
【0025】 PCR法が、所望のインサートを含有するcDNAライブラリーのメンバーを
増幅するために使用される。この場合において、所望のインサートは、本発明の
ポリヌクレオチドに対応する全長のcDNA由来の配列を含む。このようなPC
R法としては、遺伝子捕獲法およびRACE法が挙げられる。遺伝子捕獲は、ベ
クター中に多数のcDNAライブラリーを挿入することを必要とする。次いで、
ベクターが1本鎖の分子を生成するように変性される。次に、ビオチン化オリゴ
のような基質結合化プローブが、目的のcDNAインサートを捕獲するために使
用される。ビオチン化プローブは、アビジン結合化固体基質に連結され得る。P
CR法は、捕獲されたcDNAを増幅するために使用され得る。全長遺伝子に対
応する配列を捕獲するために、標識化プローブ配列は、本発明のポリヌクレオチ
ド配列に基づく。ランダムプライマーまたはライブラリーベクターに特異的なプ
ライマーが、捕獲されたcDNAを増幅するために使用され得る。このような遺
伝子捕獲技術は、Gruberら、WO 95/04745およびGruber
ら、米国特許第5,500,356号において記載される。キットは、例えば、
Life Technologies,Gaithersburg、Maryl
and、USAから遺伝子捕獲実験を行うように市販されている。
【0026】 「cDNA末端の迅速な増幅」(すなわちRACE)は、多くの異なるRNA
からcDNAを増幅するPCR法である。cDNAは、オリゴヌクレオチドリン
カーに連結され、そして2つのプライマーを使用するPCRによって増幅される
。一方のプライマーは、本発明のポリヌクレオチドからの配列に基づき、これに
ついて全長の配列が望ましく、そして第2のプライマーは、このcDNAを増幅
するためにオリゴヌクレオチドリンカーにハイブリダイズする配列を含む。この
方法の記載は、WO 97/19110において報告される。RACEの好まし
い実施態様において、共通のプライマーが、cDNA末端に連結される任意のア
ダプター配列にアニールするように設計される(ApteおよびSiebert
、Biotechniques(1993)15:890−893:Edwar
dsら、Nuc. Acids Res.(1991)19:5227−523
2)。単一の遺伝子特異的RACEプライマーが共通のプライマーと対合される
場合、単一の遺伝子特異的プライマーと共通のプライマーとの間の配列の優先的
な増幅が生じる。RACEにおいて使用するために改変された市販のcDNAプ
ールが利用可能である。
【0027】 別のPCRベースの方法は、cDNA配列の特定の知識を必要とすることなく
、アンカー末端を伴う全長のcDNAライブラリーを作製する。この方法は、ロ
ック−ドッキング(locking−docking)プライマー(I〜VI)
を使用し、ここでは1つのプライマーの、ポリTV(I−III)は、第1鎖の
合成を生じる真核生物mRNAのポリAテイルに対して固定し、そして第2のプ
ライマーのポリGH(IV〜VI)は、末端デオキシヌクレオチジルトランスフ
ェラーゼ(TdT)によって付加されるポリCテイルに固定する(例えば、WO
96/40998を参照のこと)。
【0028】 遺伝子のプロモーター領域は、一般にRNAポリメラーゼIIに対する開始部
位に対して5'に位置される。数百のプロモーター領域は、変異に感受性である
、「TATA」ボックス(例えば、TATTAまたはTATAAの配列)を含む
。プロモーター領域は、遺伝子のコード領域からのプライマーを使用して5'R
ACEを行うことによって得られ得る。あるいは、cDNAは、ゲノム配列につ
いてのプローブとして使用され得、そしてコード領域に対して5'の領域は、「
ウォーキングアップ」によって同定される。遺伝子が高度に発現されるか、また
は示差的に発現される場合、遺伝子由来のプロモーターは、異種遺伝子について
の調節構築物において有用であり得る。
【0029】 一旦全長のcDNAまたは遺伝子が得られると、改変体をコードするDNAは
、部位特異的変異誘発によって調製され得る(Sambrookら、15.3〜
15.63において詳細に記載される)。置換えられるコドンまたはヌクレオチ
ドの選択は、変化したタンパク質構造および/または機能を達成するためのアミ
ノ酸における任意の変化に対して、本明細書中の開示に基づき得る。
【0030】 生物学的材料からDNAまたはRNAを得る代替の方法として、本発明の1つ
以上のポリヌクレオチドの配列を有するヌクレオチドを含有する核酸が合成され
得る。従って、本発明は、15nt(配列番号1〜2707のうちの1つの少な
くとも15の連続するntに対応する)から核酸分子の1つ以上の生物学的操作
(複製および発現を含む)に適切な最大の長さにまでにわたる長さの核酸分子を
含む。本発明は、(a)完全な遺伝子のサイズを有し、および配列番号1〜27
07のうちの少なくとも1つを含む核酸;(b)融合タンパク質の発現を許容す
るように作動可能に連結される、少なくとも1つのさらなる遺伝子もまた含む(
a)の核酸;(c)(a)または(b)を含有する核酸ベクター;(d)(a)
または(b)を含有するプラスミド;ならびに(e)(a)または(b)を含有
する組換えウイルス粒子を含むが、これらに制限されない。一旦本明細書中に開
示されるポリヌクレオチドが提供されると、(a)〜(e)の構築および調製は
、十分に当業者の範囲内である。
【0031】 配列番号1〜2707のうちの少なくともいずれか1つの少なくとも15の連
続するntを含有する核酸の配列、好ましくは配列番号1〜2707のうちの少
なくともいずれか1つの配列全体は、制限されず、そしてA、T、G、および/
もしくはC(DNAについて)、ならびにA、U、G、および/もしくはC(R
NAについて)、またはそれらの改変された塩基(イノシンおよびシュードウラ
シルを含む)の任意の配列であり得る。配列の選択は、所望の機能に依存し、そ
して所望のコード領域、所望のイントロン様領域、および所望の調節領域によっ
て検出され得る。配列番号1〜2707のうちのいずれか1つの配列全体が核酸
内にある場合、得られる核酸は、本明細書中で、配列番号1〜2707のうちの
いずれか1つの配列を含むポリヌクレオチドといわれる。
【0032】 (全長cDNAまたは全長遺伝子によってコードされるポリぺプチドの発現) 提供されるポリヌクレオチド(例えば、配列番号1〜2707のうちの1つの
配列を有するポリヌクレオチド)、対応するcDNA、または全長の遺伝子は、
部分的な遺伝子産物または完全な遺伝子産物を発現させるために使用される。配
列番号1〜2707の配列を有するポリヌクレオチドの構築物はまた、合成的に
作製され得る。あるいは、遺伝子、および多数のオリゴデオキシリボヌクレオチ
ドのからのプラスミド全体の1工程のアセンブリは、例えば、Stemmerら
、Gene(Amsterdam)(1995)164(1):49〜53によ
って記載される。この方法において、アセンブリPCR(多数のオリゴデオキシ
リボヌクレオチド(オリゴ)からの長いDNA配列の合成)が記載される。この
方法は、DNAシャッフリングに由来し(Stemmer、Nature(19
94)370:389−391)、そしてアセンブリプロセスの間、DNAリガ
ーゼに依存しないが、その代わりにDNAポリメラーゼに依存して、漸増的によ
り長いDNAフラグメントを構築する。
【0033】 適切なポリヌクレオチド構築物は、例えば、Sambrookら、Molec
ular Cloning:A Laboratory Manual、第2版
、(1989)Cold Spring Harbor Press、Cold
Spring Harbor、NYにおいて記載されるような標準的なDNA
技術を使用して、および組換えDNA研究についてのHHS米国部局(Unit
ed States Dept.of HSS)、国立衛生研究所(NIH)の
ガイドラインにおいて記載される現在の規則の下に精製される。本発明のポリヌ
クレオチドによってコードされる遺伝子産物は、例えば、細菌系、酵母系、昆虫
系、両生類系、および哺乳動物系を含む任意の発現系において発現される。ベク
ター、宿主細胞、およびこれにおいて発現を得るための方法は、当該分野におい
て周知である。適切なベクターおよび宿主細胞は、米国特許第5,654,17
3号において記載される。
【0034】 本明細書中に提供されるポリヌクレオチド配列を含有するポリヌクレオチド分
子は、ベクター中にこの分子を置くことによって一般に増殖される。ウイルスベ
クターおよび非ウイルスベクター(プラスミドを含む)が使用される。プラスミ
ドの選択は、増殖が所望される細胞型および増殖の目的に依存する。特定のベク
ターは、大量の所望のDNA配列を増幅および作製するために有用である。他の
ベクターは、培養における細胞の発現のために適切である。なお他のベクターは
、動物またはヒト全体における細胞中の移入および発現に適切である。適切なベ
クターの選択は、十分に当業者の範囲内である。多くのこのようなベクターは市
販されている。所望の配列を含有するベクターの調製のための方法は、当該分野
において周知である。
【0035】 配列番号1〜2707において記載されるポリヌクレオチドまたはそれらの対
応する全長のポリヌクレオチドは、所望の発現特性を得るために適切なように調
節配列に連結される。これらとしては、プロモーター(センス鎖の5'末端また
はアンチセンス鎖の3'末端のいずれかで付着される)、エンハンサー、ターミ
ネーター、オペレーター、リプレッサー、およびインデューサーが挙げられ得る
。プロモーターは、調節性であり得るかまたは構成的であり得る。いくつかの状
況において、条件的活性プロモーター(例えば、組織特異的プロモーターまたは
発生段階特異的プロモーター)を使用することが所望され得る。これらは、ベク
ターへの連結についての上記の技術を使用して、所望のヌクレオチド配列に連結
される。当該分野における公知の任意の技術が、使用され得る。
【0036】 任意の上記の宿主細胞、または他の適切な宿主細胞もしくは生物体が、本発明
のポリヌクレオチドまたは核酸を複製および/または発現するために使用される
場合、得られる複製した核酸、RNA、発現タンパク質、またはポリぺプチドは
、宿主細胞または生物体の産物として本発明の範囲内である。産物は、当該分野
において公知の任意の適切な手段によって回収される。
【0037】 一旦、選択されたポリヌクレオチドに対応する遺伝子が同定されると、その発
現は、この遺伝子がネイティブである細胞において調節され得る。例えば、細胞
の内因性遺伝子は、米国特許第5,641,670号において開示されるような
外因性調節配列によって調節され得る。
【0038】 (公的に利用可能なデータベースに対する新規な遺伝子スクリーニングの機能
的モチーフおよび構造的モチーフの同定) 提供されるポリヌクレオチド、cDNA、または完全遺伝子のヌクレオチド配
列の翻訳は、個々の公知の配列と整列され得る。個々の配列との類似性は、本発
明のポリヌクレオチドによってコードされるポリぺプチドの活性を決定するため
に使用され得る。また、1つよりも多いの個々の配列と類似性を示す配列は、個
々の配列のいずれかまたは両方に特徴的である活性を示し得る。
【0039】 最も近い配列(neighbor)のポリヌクレオチド配列の全長の配列およ
びフラグメントが、提供されるポリヌクレオチドに対応する全長の配列を同定お
よび単離するためのプローブおよびプライマーとして使用され得る。最も近いも
のは、提供されるポリヌクレオチドに対応する全長の配列についてのライブラリ
ーを構築するために使用される組織型または細胞型を示し得る。
【0040】 代表的に、選択されるポリヌクレオチドは、個々の配列との最も良好な整列を
決定するために、6個のフレーム全てにおいて翻訳される。本明細書中の配列表
において開示される配列は、5'から3'の方向にあり、そして3つのフレームに
おける翻訳が十分であり得る(実施例において記載されるように、数個の特定の
例外を伴う)。これらのアミノ酸配列は一般に、問合せ配列と呼ばれ、これは個
々の配列と整列される。個々の配列を有するデータベースは、「Compute
r Methods for Macromolecular Sequenc
e Analysis」Method in Enzymology(1996
)266、Doolittle、Academic Press、Inc.、a
division of Harcourt Brace & Co.、Sa
n Diego、California、USAにおいて記載される。データベ
ースとしては、GenBank、EMBL、およびDNA Database
of Japan(DDBJ)が挙げられる。
【0041】 問合せ配列および個々の配列は、上述に記載される方法およびコンピューター
プログラムならびにhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov
/BLAST/にてworld wide webを介して利用可能であるBL
AST2.0を含む方法およびコンピュータープログラムを使用して整列され得
る。またAltschulら、Nucleic Acids Res.(199
7)25:3389−3402を参照のこと。別の整列アルゴリズムは、Gen
etics Computing Group(GCG)パッケージ、Madi
son、Wisconsin、USA(Oxford Molecular G
roup Inc.の全面的に所有される子会社)において利用可能なFast
aである。整列の他の技術は、Doolitte、前出において記載される。好
ましくは、配列中にギャップを許容する整列プログラムが、配列を整列するため
に利用される。Smith−Watermanは、配列整列中にギャップを許容
するアルゴリズムの1つの型である。Meth. Mol. Biol.(19
97)70:173−187を参照のこと。また、NeedlemanおよびW
unsch整列法を使用するGAPプログラムは、配列を整列するために利用さ
れ得る。代替の検索ストラテジーは、MPSRCHソフトウェアを使用し、これ
はMASPARコンピューターにおいて実行される。MPSRCHは、大規模な
並列コンピューターにおいて配列をスコア付けするためにSmith−Wate
rmanアルゴリズムを使用する。このアプローチは、遠い関連性の適合である
配列を同定する能力を改善し、そして小さなギャップおよびヌクレオチド配列エ
ラーを特に寛容する。提供されるポリヌクレオチドによってコードされるアミノ
酸配列は、タンパク質データベースおよびDNAデータベースの両方を検索する
ために使用され得る。本明細書中に参考として援用されるのは、任意のDNA配
列データベースまたはタンパク質配列データベース(特許データベース(例えば
、GeneSeq)を含む)によって本出願の出願日に公的にされていた全ての
配列である。また参考として援用されるのは、本出願の出願日にこれらのデータ
ベースに提出されていたが、本出願の出願日後まで公的にされなかった配列であ
る。
【0042】 個々の配列と問合せ配列との整列の結果は、3つのカテゴリー:高度の類似性
;弱い類似性、および類似性なしに分けられ得る。高度の類似性から弱い類似性
に及ぶ個々の整列の結果は、ポリぺプチドの活性および/または構造を決定する
ための基準を提供する。個々の結果を分類するためのパラメーターとしては:最
も強力な整列が見出される整列領域長のパーセント、配列同一性パーセント、お
よびP値が挙げられる。整列領域長のパーセントは、最も強力な整列の領域(例
えば、整列される問合せ配列の対応する領域の残基に同一である残基も最も多く
の数を含む個々の配列の連続する領域)において見出される個々の配列の残基の
数を計数することによって算定される。この数を、問合せ配列の全残基長で除算
し、パーセントを算定する。例えば、問合せ配列の20アミノ酸残基は、個々の
配列の20アミノ酸領域と整列され得る。個々の配列は、問合せ配列のアミノ酸
残基5、9〜15、および17〜19に同一であり得る。従って、最も強力な整
列の領域は、残基9〜19に伸長する領域である、11アミノ酸ストレッチであ
る。整列領域長のパーセントは:11(最も強力な整列の領域の長さ)/(問合
せ配列の長さ)20、すなわち55%である。
【0043】 配列同一性のパーセントは、問合せ配列と個々の配列との間のアミノ酸適合の
数を計数し、そして適合の合計数を最も強力な整列において見出される個々の配
列の残基の数で割ることによって算定される。従って、上述の例における同一性
のパーセントは、10適合/11アミノ酸、すなわち約90.9%である。
【0044】 p値は、整列が偶然に生成される確率である。単一の整列について、p値は、
Karlinら、Proc.Natl.Acad.Sci.(1990)87:
2264、およびKarlinら、Proc.Natl.Acad.Sci.(
1993)90に従って算定され得る。同じ問合せ配列を使用する複数の整列の
p値は、Altschulら、Nat.Genet.(1994)6:119に
おいて記載される帰納的なアプローチを使用して算定され得る。BLASTプロ
グラムのような整列プログラムは、p値を算定し得る。また、Altschul
ら、Nucleic Acids Res.(1997)25:3389−34
02を参照のこと。
【0045】 同一性または類似性を決定するために考慮する別の因子は、類似性または同一
性の位置である。強力な局所的整列は、整列の長さが短い場合であっても類似性
を示し得る。問合せ配列の長さ中に分散される配列同一性はまた、問合せ配列と
プロフィール配列との間の類似性を示し得る。配列が整列される領域の境界は、
Doolittle、前出;BLAST 2.0プログラム(Alschulら
、Nucleic Acids Res.(1997)25:3389−340
2)もしくはFASTプログラムに従って;または配列同一性が最も高い領域を
決定することによって決定され得る。
【0046】 高い類似性。一般に、高い類似性であることが考慮される整列結果において、
整列領域長のパーセントは、代表的に、問合せ配列の全長の少なくとも約55%
であり;より代表的には、問合せ配列の全長さの少なくとも58%;さらにより
代表的には;少なくとも約60%である。通常、整列領域の長さのパーセントは
、約62%;より通常約64%;さらにより通常約66%程度であり得る。さら
に、高い類似性について、整列の領域は、代表的に、少なくとも約75%の配列
同一性;より代表的に少なくとも約78%;さらにより代表的に;少なくとも約
80%の配列同一性を示す。通常、配列同一性のパーセントは、82%;より通
常84%程度;さらにより通常約86%程度であり得る。
【0047】 p値はこれらの方法に関連して使用される。高い類似性が見出される場合、問
合せ配列は、p値が約10-2未満であるかまたはこれに等しい場合;より通常;
約10-3未満であるかまたはこれに等しい場合;さらにより通常;約10-4未満
であるかまたはこれに等しい場合に、プロフィール配列と高い配列類似性を有す
ることが考慮される。より代表的に、高い類似性であることが考慮される問合せ
配列について、p値は、約10-5を超えず:より代表的に;10-10を超えない
かまたはこれに等しく;さらにより代表的に;10-15を超えないかまたはこれ
に等しい。
【0048】 弱い類似性。一般に、整列結果が弱い類似性であると考慮される場合、整列領
域の長さの最小のパーセントも整列の最小の長さも存在しない。弱い配列類似性
をより充分に示すことは、整列の領域が代表的に、少なくとも約15アミノ酸残
基長;より代表的に、少なくとも約20;さらにより代表的に;少なくとも約2
5アミノ酸長である場合に考慮される。通常、整列領域の長さは、約30アミノ
酸残基;より通常、約40程度;さらにより通常、約60程度のアミノ酸残基で
あり得る。さらに、弱い類似性について、整列の領域は、代表的に、少なくとも
約35%の配列同一性;より代表的に、少なくとも約40%;さらにより代表的
に;少なくとも約45%の配列同一性を示す。通常、配列同一性のパーセントは
、約50%程度;より通常、約55%程度;さらにより通常、約60%程度であ
り得る。
【0049】 低い類似性が見出される場合、問合せ配列は、p値が通常、約10-2未満であ
るかまたはこれに等しい場合;より通常;約10-3未満であるかまたはこれに等
しい場合;さらにより通常;約10-4未満であるかまたはこれに等しい場合に、
プロフィール配列と弱い配列類似性を有することが考慮される。より代表的に、
弱い類似性であることが考慮される問合せ配列について、p値は、約10-5を超
えず:より通常;約10-10を超えないかまたはこれに等しく;さらにより通常
;約10-15を超えないかまたはこれに等しい。
【0050】 配列同一性単独によって決定される類似性。配列同一性単独は、個々の配列に
対する問合せ配列の類似性を決定するために使用され得、そしてその配列の活性
を示し得る。このような整列は、好ましくは配列を整列するためにギャップを許
容する。代表的に、問合せ配列は、問合せ配列全体にわたる配列同一性が、少な
くとも約15%;より代表的に、少なくとも約20%;さらにより代表的に、少
なくとも約25%;さらにより代表的に、少なくとも約50%である場合、プロ
フィール配列に関連する。類似性の尺度として、配列同一性単独は、問合せ配列
が通常、少なくとも80残基長;より通常、90残基;さらにより通常、少なく
とも95アミノ酸残基長である場合に最も有用である。より代表的に、類似性は
、問合せ配列が好ましくは100残基長;より好ましくは、120残基長;さら
により好ましくは、150アミノ酸残基長である場合に、配列同一性単独に基づ
いて結論され得る。
【0051】 プロフィール配列および複数の整列された配列との整列。提供されるポリヌク
レオチドの翻訳は、タンパク質ファミリーまたは共通のモチーフのいずれかを規
定するアミノ酸プロフィールを用いて整列され得る。また、提供されるポリヌク
レオチドの翻訳は、タンパク質ファミリーまたはモチーフのメンバーのポリぺプ
チド配列を含有する複数の配列整列(MSA)に対してアラインされ得る。プロ
フィール配列またはMSAとの類似性または同一性は、提供されるポリヌクレオ
チドまたは対応するcDNAもしくは遺伝子によってコードされる遺伝子産物(
例えば、ポリぺプチド)の活性を決定するために使用され得る。例えば、ケモカ
インプロフィールまたはMSAと同一性および類似性を示す配列は、ケモカイン
活性を示し得る。
【0052】 プロフィールは、(1)ファミリーに属するメンバーのアミノ酸配列の整列で
あるMSAを作製し、そして(2)整列の統計学的表示を構築することによって
、手動で設計され得る。このような方法は、例えば、Birneyら、Nucl
.Acid Res.(1996)24(14):2730−2739において
記載される。いくつかのタンパク質ファミリーおよびモチーフのMSAは、公的
に利用可能である。例えば、http://genome.wustl.edu
/Pfam/は、547個の異なるファミリーおよびモチーフのMSAを含む。
これらのMSAはまた、Sonnhammerら、Proteins(1997
)28:405−420において記載される。ワールドワイドウェブにおける他
の供給源としては、http://www.embl−heidelberg.
de/argos/ali/ali.htmlが挙げられるか;あるいは、情報
についてALI@EMBL−HEIDELBERG.DEにメッセージが送信さ
れ得る。これらのMSAの簡潔な記載は、Pascarellaら、Prot.
Eng.(1996)9(3):249−251において報告される。MSAか
らのプロフィールを構築するための技術は、Sonnhammerら、前出;B
irneyら、前出:および「高分子配列分析のためのコンピュータ法」、Me
thod in Enzymology(1996)266、Doolittl
e,Academic Press、Inc.San Diego、Calif
ornia、USAにおいて記載される。
【0053】 問合せ配列とタンパク質ファミリーもしくはモチーフとの間の類似性は、(a
)プロフィールに対して問合せ配列を比較することによって、および/または(
b)ファミリーもしくはモチーフのメンバーと問合せ配列とを整列することによ
って、決定され得る。代表的に、Searchwiseのようなプログラムが、
プロフィールとしてもまた知られる複数の整列の統計学的表示に対して問合せ配
列を比較するために使用される(Birneyら、前出を参照のこと)。配列お
よびプロフィールを比較するための他の技術は、Sonnhammerら、前出
およびDoolittle、前出において記載される。
【0054】 次に、Fengら、J.Mol.Evol.(1987)25:351および
Higginsら、CABIOS(1989)5:151によって記載される方
法が、問合せ配列と、MSAとしてもまた知られるファミリーまたはモチーフの
メンバーとを整列するために使用され得る。配列整列は、任意の多様なソフトウ
ェアツールを使用して作製され得る。例としては、PileUPが挙げられ、こ
れは、複数の配列整列を作製し、およびFengら、J.Mol.Evol.(
1987)25:351において記載される。別の方法のGAPは、Needl
emanら、J.Mol.Biol.(1970)48:443の整列法を使用
する。GAPは、配列の全体の整列に最も良好に適合される。第3の方法のBe
stFitは、Smithら、Adv.Appl.Math.(1981)2:
482の局所的な相同性アルゴリズムを使用して適合の数を最大にするようにギ
ャップを挿入することによって機能する。一般に、問合せ配列とプロフィールま
たはMSAとの間に類似性が存在するか否かを決定するために以下の因子が使用
される:(1)問合せ配列において見出される保存された残基の数、(2)問合
せ配列において見出される保存された残基のパーセント、(3)フレームシフト
の数、および(4)保存された残基間のスペーシング。
【0055】 配列の翻訳および整列の両方を行ういくつかの整列プログラムが、最も良好な
整列を生成するようにヌクレオチド配列を翻訳する場合、任意の数のフレームシ
フトを作製し得る。整列を作製するために必要とされるフレームシフトが少ない
ほど、問合せ配列とプロフィールまたはMSAとの間の類似性または同一性は強
い。例えば、フレームシフトなしから生じる弱い類似性は、2つのフレームシフ
トから生じる強力な類似性よりも、問合せ配列の活性または構造の良好な指示で
あり得る。好ましくは、3つ以下のフレームシフトが、整列において見出され;
より好ましくは2つ以下のフレームシフト;さらにより好ましくは、1つ以下の
フレームシフト;さらにより好ましくはフレームシフトなしが、問合せ配列とプ
ロフィールまたはMSAとの整列において見出される。
【0056】 保存された残基は、ファミリーまたはモチーフのメンバーの全てまたはいくつ
かにおいて特定の位置で見出されるアミノ酸配列である。あるいは、位置は、ア
ミノ酸のあるクラスのみがファミリーメンバーの全てまたはいくつかにおいて特
定の位置で見出される場合、保存されていると考えられる。例えば、N末端の位
置は、リジン、アルギニン、またはヒスチジンのような正に荷電されたアミノ酸
を含み得る。
【0057】 代表的に、ポリぺプチドの残基は、アミノ酸または単一のアミノ酸のクラスが
、全てのクラスメンバーのうちの少なくとも約40%;より代表的に、少なくと
も約50%;さらにより代表的にメンバーのうちの少なくとも約60%において
、特定の位置で見出される場合、保存されている。通常、残基は、クラスまたは
単一のアミノ酸がファミリーまたはモチーフのメンバーのうちの少なくとも約7
0%;より通常、少なくとも約80%;さらにより通常、少なくとも約90%;
さらにより通常、少なくとも約95%において見出される場合、保存されている
【0058】 残基は、3つの非関連のアミノ酸;より通常、2つの非関連のアミノ酸が、メ
ンバーのうちのいくつかまたは全てにおいて特定の位置で見出される場合、保存
されていると考えられる。これらの残基は、非関連のアミノ酸が、全てのクラス
のメンバーのうちの少なくとも約40%;より代表的に、少なくとも約50%;
さらにより代表的に、メンバーのうちの少なくとも約60%において、特定の位
置で見出される場合、保存されている。通常、残基は、クラスまたは単一のアミ
ノ酸が、ファミリーまたはモチーフのメンバーのうちの少なくとも約70%;よ
り通常、少なくとも約80%;さらにより通常、少なくとも約90%;さらによ
り通常、少なくと約95%において見出される場合、保存されている。
【0059】 問合せ配列が、プロフィールまたはMSAの保存された残基のうちの少なくと
も約25%;より通常、少なくとも約30%;さらにより通常;少なくとも40
%を含む場合、問合せ配列はプロフィールまたはMSAに対して類似性を有する
。代表的に、問合せ配列が、プロフィールまたはMSAの保存された残基のうち
の少なくとも約45%;より代表的に、少なくとも約50%;さらにより代表的
に;少なくとも約55%を含む場合、問合せ配列はプロフィール配列またはMS
Aにより強い類似性を有する。
【0060】 (分泌性ポリぺプチドおよび膜結合性ポリぺプチドの同定) 本発明の分泌性ポリぺプチドおよび膜結合性ポリぺプチドの両方は、特に重要
である。例えば、分泌性ポリぺプチドのレベルは、都合のよい体液(例えば、血
液、血漿、血清、ならびに尿、前立腺液および精液のような他の体液)において
アッセイされ得る。膜結合性ポリぺプチドは、ワクチン抗原を構築するためにま
たは免疫応答を誘発するために有用である。このような抗原は、膜結合性ポリぺ
プチドの細胞外領域の全てまたは部分を含む。分泌性ポリぺプチドおよび膜結合
性ポリぺプチドの両方は、連続する疎水性アミノ酸のフラグメントを含むので、
疎水性を予測するアルゴリズムが、このようなポリぺプチドを同定するために使
用され得る。
【0061】 シグナル配列は通常、細胞の表面にポリぺプチドを指向するために、分泌性ポ
リぺプチドおよび膜結合性ポリぺプチドの両方によってコードされる。シグナル
配列は通常、疎水性残基のストレッチを含む。このようなシグナル配列は、らせ
ん構造に折畳まれ得る。膜結合性のポリぺプチドは代表的に、膜を横切り得る疎
水性アミノ酸のストレッチを保有する少なくとも1つの膜貫通領域を含む。いく
つかの膜貫通領域はまた、らせん構造を示す。ポリぺプチド内の疎水性フラグメ
ントは、コンピュータアルゴリズムを使用することによって同定され得る。この
ようなアルゴリズムとしては、HoppおよびWoods、Proc.Natl
.Acad.Sci.USA(1981)8:3824−3828;Kyteお
よびDoolittle、J.Mol.Biol.(1982)157:105
−132;およびRAOARアルゴリズム、Degli Espostiら、E
ur.J.Biochem.(1990)190:207−219が挙げられる
【0062】 分泌性ポリぺプチドおよび膜結合性ポリぺプチドを同定する別の方法は、全部
で6フレームにおいて本発明のポリヌクレオチドを翻訳し、そして少なくとも8
個の連続する疎水性アミノ酸が存在するか否かを決定することである。少なくと
も8個の;より代表的には、10個の;さらにより代表的には、12個の連続す
る疎水性アミノ酸を有するこれらの翻訳されたポリぺプチドは、推定の分泌性ポ
リぺプチドまたは膜結合性ポリぺプチドのいずれかであることが考慮される。疎
水性アミノ酸としては、アラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイ
シン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トレオニン、トリプ
トファン、チロシン、およびバリンが挙げられる。
【0063】 (全長遺伝子の発現産物の機能の同定) リボザイム、アンチセンス構築物、および優性ネガティブ変異体が、本明細書
中で提供されるポリヌクレオチドに対応する遺伝子の発現産物の機能を決定する
ために使用され得る。これらの方法および組成物は特に、提供される新規なポリ
ヌクレオチドが公知の機能の遺伝子をコードする配列に有意なおよび実質的な相
同性を示さない場合、有用である。アンチセンス分子およびリボザイムは、合成
ポリヌクレオチドから構築され得る。代表的に、オリゴヌクレオチド合成のホス
ホルアミダイト法が使用される。Beaucageら、Tet.Lett.(1
981)22:1859および米国特許第4,668,777号を参照のこと。
合成のための自動化装置が、この化学薬品を使用してオリゴヌクレオチドを合成
するために利用可能である。このような装置の例としては、Applied B
iosystems a division of Perkin Elmer
Corp.、Foster City、California,USAによる
Biosearch 8600.392および394型;ならびにPercep
tive Biosystems、Framingham、Massachus
etts、USAによるExpediteが挙げられる。合成RNA、リン酸ア
ナログオリゴヌクレオチド、および化学的に誘導体化されたオリゴヌクレオチド
がまた生成され得、そして他の分子に共有結合的に付着され得る。RNAオリゴ
ヌクレオチドが、例えば、RNAホスホルアミダイトを使用して合成され得る。
この方法は、Applied Biosystems、392および394型、
Foster City、California USAのような自動化合成器
において行われ得る。
【0064】 ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドもまた、アンチセンス構築のために合
成され得る。硫黄化試薬(例えば、アセトニトリル中のテトラエチルチウラム(
thiraum)ジスルフィド(TETD)が、室温で15分間以内でヌクレオ
チド間のシアノエチル亜リン酸エステルをホスホロチオエートトリエステルに変
換するために使用され得る。TETDは、インドール試薬を置換えるが、標準的
なホスホルアミダイト化学に使用される他の試薬は同じままである。このような
合成法は、例えば、Applied Biosystems、Model 39
2およびModel 394を使用して自動化され得る。
【0065】 200ヌクレオチドまでの、より代表的に、100ヌクレオチド、より代表的
に50ヌクレオチド;さらにより代表的に30〜40ヌクレオチドのオリゴヌク
レオチドが合成され得る。これらの合成フラグメントは、より大きなフラグメン
トを構築するためにアニールされ得、そして一緒に連結され得る。例えば、Sa
mbrookら、前出を参照のこと。トランス切断化触媒RNA(リボザイム)
は、エンドヌクレアーゼ活性を保有するRNA分子である。リボザイムは、特定
の標的に対して特異的に設計され、そして標的メッセージは特異的なヌクレオチ
ド配列を含まなければならない。これらは、細胞性RNAの背景において、任意
のRNA種を部位特異的に切断するように操作される。切断事象は、mRNAを
不安定にし、そしてタンパク質発現を妨げる。重要なことに、リボザイムは、イ
ンビトロまたはインビボの状況における未知の機能を表現型効果を検出すること
によって決定する目的のため、未知の機能の遺伝子の発現を阻害するために使用
され得る。1つの一般に使用されるリボザイムモチーフはハンマーヘッドであり
、これについての基質配列要件は極わずかである。ハンマーヘッドリボザイムの
設計、ならびにリボザイムの治療学的使用は、Usmanら、Current
Opin.Struct.Biol.(1996)6:527において開示され
る。リボザイム(ヘパリン構造のリボザイムフラグメントを含む)の生成のため
の方法、リボザイム特異性を増加する方法などは、当該分野において公知である
【0066】 リボザイムのハイブリダイズ領域は、HornおよびUrdea、Nucle
ic Acids Res.(1989)17:6959において記載されるよ
うに改変され得るか、または分岐化構造として調製され得る。リボザイムの基本
的な構造はまた、当業者によく知られる方法において化学的に変化され得、そし
て化学的に合成されたリボザイムは、モノマー単位によって改変される合成オリ
ゴヌクレオチド誘導体として投与され得る。治療学的状況において、リボザイム
のリポソーム媒介性の送達は、Birikhら、Eur.J.Biochem(
1997)245:1において記載されるように、細胞取込みを改善する。
【0067】 アンチセンス核酸は、RNAに特異的に結合するように設計され、RNA−D
NAまたはRNA−RNAハイブリッドの形成を生じ、DNAの複製、逆転写、
またはメッセンジャーRNAの翻訳の停止を伴う。選択されたポリヌクレオチド
配列に基づくアンチセンスポリヌクレオチドは、対応する遺伝子の発現を妨げ得
る。アンチセンスポリヌクレオチドは代表的に、転写された鎖としてアンチセン
ス鎖を含むアンチセンス構築物からの発現によって細胞内に作製される。開示さ
れるポリヌクレオチドに基づくアンチセンスポリヌクレオチドは、アンチセンス
ポリヌクレオチドに相補的な配列を含むmRNAを結合し、および/またはその
翻訳を妨げる。コントロール細胞およびアンチセンス構築物で処理された細胞の
発現産物は、そのアンチセンス構築物が基づくポリヌクレオチドに対応する遺伝
子のタンパク質産物を検出するために比較される。このタンパク質は、慣用的な
生化学的方法を使用して単離され、そして同定される。
【0068】 広範な背景文献およびアンチセンス治療における臨床学的経験を考慮して、当
業者は、さらなる潜在的な治療薬として本発明の選択されたポリヌクレオチドを
使用し得る。ポリヌクレオチドの選択は、癌性細胞のゲノムの「ホットスポット
」領域への結合について、先ずそれらを試験することによって狭められ得る。ポ
リヌクレオチドが「ホットスポット」に結合するとして同定される場合、対応す
る癌細胞においてポリヌクレオチドをアンチセンス化合物として試験することが
望まれる。
【0069】 本明細書中に開示されるポリヌクレオチドに対応する遺伝子の機能を同定する
ための代替の方法として、優性ネガティブな変異が、ホモマルチマーとして活性
である対応するタンパク質について容易に作製され得る。変異体ポリぺプチドは
、野生型ポリぺプチド(他方の対立遺伝子から作製される)と相互作用し、そし
て非機能的なマルチマーを形成する。従って、変異は、基質結合ドメイン、触媒
ドメイン、または細胞性局在化ドメインにおいてである。好ましくは、変異体ポ
リぺプチドは過剰産生され得る。このような効果を有する点変異が作製される。
さらに、タンパク質の末端に対して種々の長さの異なるポリぺプチドの機能は、
優性ネガティブな変異体を生じ得る。一般的なストラテジーが、優性ネガティブ
な変異体を作製するために利用可能である(例えば、Herskowitz、N
ature(1987)329:219を参照のこと)。このような技術は、タ
ンパク質の機能を決定するために有用である機能喪失の変異を作製するために使
用され得る。
【0070】 (ポリぺプチドおよびそれらの改変体) 本発明のポリぺプチドは、開示されるポリヌクレオチド、および開示されるポ
リヌクレオチドに対して、遺伝子コードの縮重のために、配列において同一でな
い核酸によってコードされるポリぺプチドを含む。従って、本発明は、配列番号
1〜2707のいずれかの配列を有するポリヌクレオチドまたはその改変体によ
ってコードされるポリぺプチドを本発明の範囲内に含む。
【0071】 一般に、本明細書中で使用されるように、用語「ポリぺプチド」は、示される
ポリヌクレオチドによってコードされる全長のポリぺプチド、示されるポリヌク
レオチドによって示される遺伝子によってコードされるポリぺプチドの両方、お
よびそれらの部分またはフラグメントをいう。「ポリぺプチド」はまた、天然に
存在するタンパク質の改変体を含み、ここではこのような改変体は、天然に存在
するタンパク質に相同であるかまたは実質的に類似し、そして天然に存在するタ
ンパク質と同じまたは異なる種(例えば、ヒト、マウス、または示されるポリぺ
プチドを天然に発現するいくつかの他の種、通常、哺乳動物種)の起源であり得
る。一般に、改変体ポリぺプチドは、上記のパラメーターを使用してBLAST
2.0によって測定されるように、本発明の異なって発現されるポリぺプチド
と、少なくとも約80%、通常少なくとも約90%、およびより通常少なくとも
約98%の配列同一性を有する配列を有する。改変体ポリぺプチドは、天然にグ
リコシル化されるか、または天然ではグリコシル化されない(すなわち、ポリぺ
プチドは、対応する天然に存在するタンパク質において見出されるグリコシル化
パターンとは異なるグリコシル化パターンを有する)。
【0072】 本発明はまた、開示されたポリぺプチドのホモログ(またはそれらのフラグメ
ント)を含み、ここでこのホモログは、他の種(すなわち、他の動物または植物
種)から単離され、このようなホモログは通常、哺乳動物種(例えば、マウス、
ラットのようなげっ歯類:家畜(例えば、ウマ、ウシ、イヌ、ネコ);およびヒ
トである。「ホモログ」によって、上述で同定されるように特定の特異的に発現
されるタンパク質に対して少なくとも約35%、通常少なくとも約40%、およ
びより通常少なくとも約60%のアミノ酸配列同一性を有するポリぺプチドが意
味され、ここでは配列同一性は、前出に記載されるパラメーターを用いるBLA
ST 2.0アルゴリズムを使用して決定される。
【0073】 一般に、本発明のポリぺプチドは、天然に存在しない環境において提供され、
例えば、それらの天然に存在する環境から分離されている。ある実施態様におい
て、本発明のタンパク質は、コントロールに比較してそのタンパク質について富
化された組成物中に存在する。それ自体、精製されたポリぺプチドが提供され、
ここでは精製されたとは、タンパク質が非示差的に発現されたポリぺプチドが実
質的にない組成物中に存在することが意味され、ここで「実質的にない」とは、
その組成物の90%未満、通常60%未満、およびより通常50%未満が、非示
差的に発現されるポリぺプチドから構成されることを意味する。
【0074】 また本発明の範囲内にあるのは、改変体であり;ポリぺプチドの改変体は、変
異体、フラグメント、および融合物を含む。変異体は、アミノ酸の置換、付加、
または欠失を含む。アミノ酸の置換は、保存的なアミノ酸の置換、または非必須
アミノ酸を排除するための(例えば、グリコシル化部位、リン酸化部位、もしく
はアセチル化部位を変化するため)、または機能について必須ではない1つ以上
のシステイン残基の置換または欠失によって誤った折畳みを最小にするための置
換であり得る。保存的なアミノ酸の置換は、全体的な電荷、疎水性/親水性、お
よび/または置換されるアミノ酸の立体的なバルクを保存する置換である。改変
体は、タンパク質の特定の領域(例えば、機能的ドメインおよび/または、ポリ
ぺプチドがタンパク質ファミリーのメンバーである場合、コンセンサス配列と関
連する領域)の増強された生物学的活性を、保持するかまたは有するように設計
され得る。改変体の生成についてのアミノ酸変化の選択は、アミノ酸の接近可能
性(内部対外部)(例えば、Goら、Int.J.Peptide Prote
in Res.(1980)15:211を参照のこと)、改変体ポリぺプチド
の熱安定性(例えば、Querolら、Prot.Eng.(1996)9:2
65を参照のこと)、所望のグリコシル化部位(例えば、OlsenおよびTh
omsen、J.Gen.Microbiol.(1991)137:579を
参照のこと)、所望のジスルフィド架橋(例えば、Clarkeら、Bioch
emistry(1993)32:4322;およびWakarchukら、P
rotein Eng.(1994)7:1379を参照のこと)、所望の金属
結合部位(例えば、Tomaら、Biochemistry(1991)30:
97、およびHaezerbrouckら、Protein Eng.(199
3)6:643)、ならびにプロリンループ内での所望の置換(例えば、Mas
ulら、Appl.Env.Microbiol.(1994)60:3579
)に基づき得る。システイン涸渇されたムテインは、米国特許第4,959,3
14号において記載されるように生成され得る。
【0075】 改変体はまた、本明細書中に開示されるポリぺプチドのフラグメント、特に生
物学的に活性なフラグメントおよび/または機能的ドメインに対応するフラグメ
ントを含む。目的のフラグメントは代表的に、少なくとも約10アミノ酸長から
少なくとも約15アミノ酸長、通常少なくとも約50アミノ酸長であり、および
300アミノ酸長またはそれよりも長くあり得るが、通常約1000アミノ酸長
を超えず、ここではフラグメントは、任意の配列番号1〜2707の配列を有す
るポリヌクレオチドまたはそれらのホモログによってコードされるポリぺプチド
に同一であるアミノ酸のストレッチを有する。本明細書中に記載されるタンパク
質改変体は、本発明の範囲内であるポリヌクレオチドによってコードされる。遺
伝子コードは、対応する改変体を構築するために適切なコドンを選択するために
使用され得る。
【0076】 (コンピュータに関連する実施態様) 一般に、ポリヌクレオチドのライブラリーは、配列情報の収集物であり、その
情報は、生化学的形態において(例えば、ポリヌクレオチド分子の収集物として
)、または電気形態において(例えば、コンピュータ読み取り可能な形態におい
て保存されているポリぺプチドヌクレオチド配列の収集物として、コンピュータ
システムにおけるとして、および/またはコンピュータプログラムの部分として
)のいずれかで提供される。ポリヌクレオチドの配列情報は、例えば、遺伝子発
見のための資源として、選択された細胞型において発現される配列の表示として
(例えば、細胞型のマーカー)、および/または所与の疾患もしくは疾患状態の
マーカーとして、多様な方法において使用され得る。一般に、疾患マーカーは、
正常な細胞(例えば、疾患によって実質的に影響されない同じまたは類似の型の
細胞)に比べて上昇されたまたは減少されたレベルのいずれかで、疾患によって
影響される全ての細胞に存在する遺伝子産物の表示である。例えば、ライブラリ
ーにおけるポリヌクレオチド配列は、ポリヌクレオチドによってコードされるm
RNA、ポリぺプチド、または他の遺伝子産物を示すポリヌクレオチドであり得
、正常な(すなわち、実質的に疾患のない)乳房細胞に比べて、癌によって影響
される乳管細胞において過剰発現されるかまたは抑制発現されるかのいずれかで
ある。
【0077】 ライブラリーのヌクレオチド配列情報は、任意の適切な形態(例えば、電気形
態または生化学的形態)において具現化され得る。例えば、電気形態において具
現化される配列情報のライブラリーは、例えば、i)癌細胞と正常な細胞との間
で;ii)癌細胞と形成異常細胞との間で;iii)癌細胞と癌以外の疾患また
は状態によって影響される細胞との間で;iv)転移性の癌細胞と正常な細胞お
よび/もしくは非転移性の癌細胞との間で;v)悪性癌細胞と非悪性の癌細胞(
もしくは正常な細胞)との間で、ならびに/またはvi)正常な細胞に比較した
形成異常細胞で、示差的に発現される(例えば、過剰発現されるまたは抑制発現
される)遺伝子の代表的なヌクレオチド配列を含む、利用可能なコンピュータデ
ータファイルを含む(または生化学的形態において、核酸分子の収集物)。種々
の疾患または疾患の段階によって影響される細胞の他の組み合わせおよび比較は
、当業者に容易に明らかである。ライブラリーの生化学的実施態様は、ライブラ
リー中に遺伝子の配列を有する核酸の収集物を含み、ここでは核酸は、以下によ
り詳細に記載されるように、ライブラリー中の遺伝子全体またはそのフラグメン
トに対応し得る。
【0078】 本発明のポリヌクレオチドライブラリーは、一般に、複数のポリヌクレオチド
配列の配列情報を含み、ここでは少なくとも1つのポリヌクレオチドは、配列番
号1〜2707の任意の配列を有する。複数によって、少なくとも2つ、通常少
なくとも3つが意味され、および配列番号1〜2707の全てまでを含み得る。
ライブラリー中のポリヌクレオチドの長さおよび数は、例えば、ライブラリーが
オリゴヌクレオチドアレイ、cDNAアレイ、配列情報のコンピュータデータベ
ースなどであるかどうかで、ライブラリーの性質とともに変化する。
【0079】 ライブラリーが電子ライブラリーである場合、核酸配列情報は、多様な媒体中
に存在し得る。「媒体」は、本発明の配列情報を含む、単離された核酸分子以外
の製造物をいう。このような製造物は、核酸中に存在のようには配列に直接適用
可能でない手段によって試験され得る形態においてゲノム配列またはそのサブセ
ットを提供する。例えば、本発明のヌクレオチド配列、例えば、配列番号1〜2
707のポリヌクレオチドのいずれかの核酸配列は、コンピュータ読み取り可能
な媒体、例えば、コンピュータによって直接的に読み取られおよびアクセスされ
得る任意の媒体に記録され得る。このような媒体としては:磁気保存媒体(例え
ば、フロッピーディスク、ハードディスク保存媒体、および磁気テープ):光学
保存媒体(例えば、CD−ROM);電子保存媒体(例えば、ランダムアクセス
メモリ(RAM)および読み出し専用メモリ(ROM));ならびにこれらのカ
テゴリーのハイブリッド(例えば、磁気/光学保存媒体)が挙げられるが、これ
らに制限されない。当業者は、現在公知の任意のコンピュータ読み取り可能など
のような媒体が本発明の配列情報の記録を含む製造物を作製するために使用され
得るかを容易に理解し得る。「記録される」とは、当該分野において公知である
ような任意の方法を使用して、コンピュータ読み取り可能な媒体に情報を保存す
るためのプロセスをいう。任意の便利なデータ保存構造が、保存されている情報
をアクセスするために使用される手段に基づいて選択され得る。多様なデータプ
ロセッサープログラムおよびフォーマットが、保存のために使用され得る(例え
ば、ワードプロセッシングテキストファイル、データベースフォーマットなど)
。配列情報に加えて、本発明のライブラリーの電子バージョンは、他のコンピュ
ータ読み取り可能な情報および/または他の型のコンピュータ読み取り可能なフ
ァイル(例えば、検索可能なファイル、実行可能なファイルなど、例えば、検索
プログラムソフトウェアなどを含むがこれに制限されない)と組合わせてまたは
それとともに提供され得る。
【0080】 コンピュータ読み取り可能な形態においてヌクレオチド配列を提供することに
よって、情報は多様な目的のためにアクセスされ得る。配列情報をアクセスする
ためのコンピュータソフトウェアは、公的に利用可能である。例えば、ギャップ
化BLAST(Altschulら、Nucleic Acids Res.(
1997)25:3389−3402)、およびSybaseシステムにおける
BLAZE(Brutlagら、Comp.Chem.(1993)17:20
3)検索アルゴリズムが、他の生物体からのオープンリーディングフレーム(O
RF)に対するホモログを含むゲノム内にORFを同定するために使用され得る
【0081】 本明細書中で使用されるように、「コンピュータベースのシステム」は本発明
のヌクレオチド配列情報を分析するために使用されるハードウェア手段、ソフト
ウェア手段、およびデータ保存手段をいう。本発明のコンピュータベースのシス
テムの最小のハードウェアは、中央処理装置(CPU)、入力手段、出力手段、
およびデータ保存手段を含む。当業者は、現在利用可能なコンピュータベースの
システムのいずれかが、本発明における使用のために適切であることを容易に理
解し得る。データ保存手段は、上記のような本発明の配列情報の記録を含む任意
の製造物、またはこのような製造物をアクセスし得るメモリアクセス手段を含み
得る。
【0082】 「検索手段」とは、標的配列もしくは標的構造モチーフ、またはサンプル中の
ポリヌクレオチドの発現レベルを、保存されている配列情報と比較するための、
コンピュータベースのシステムにおいて実行される1つ以上のプログラムをいう
。検索手段は、特定の標的配列または標的モチーフを適合するゲノムのフラグメ
ントまたは領域を同定するために使用され得る。多様な公知のアルゴリズムが、
公的に公知であり、および市販されている(例えば、MacPattern(E
MBL)、BLASTN、およびBLASTX(NCBI))。「標的配列」は
、任意のポリヌクレオチド、または6個以上の連続するヌクレオチドのアミノ酸
配列、または2つ以上のアミノ酸、好ましくは約10〜100個のアミノ酸、も
しくは約30〜300ヌクレオチドであり得る。多様な比較手段が、データー保
存手段との、サンプルからの配列情報の比較を達成するために(例えば、標的配
列、標的モチーフ、または相対的な発現レベルを分析するために)使用され得る
。当業者は、任意の公的に利用可能な相同性検索プログラムが、標的配列および
モチーフの比較を達成するために、本発明のコンピュータベースのシステムにつ
いての検索手段として使用され得ることを容易に認識し得る。サンプル中および
コントロール中の発現レベルを分析するためのコンピュータプログラムはまた、
当該分野において公知である。
【0083】 「標的構造モチーフ」または「標的モチーフ」は、合理的に選択される配列ま
たは配列の任意の組合せをいい、ここで配列は、標的モチーフの折畳みの際に形
成される三次元高次構造に基づいて、もしくは調節部位もしくは活性部位のコン
センサス配列に基づいて選択される。多様な標的モチーフが当該分野にある。タ
ンパク質標的モチーフは、酵素活性部位およびシグナル配列を含むが、これらに
制限されない。核酸標的モチーフは、ヘパリン構造、プロモーター配列、および
転写因子についての結合部位のような他の発現エレメントを含むが、これらに制
限されない。
【0084】 入力および出力手段についての多様な構造フォーマットが、本発明のコンピュ
ータベースのシステムにおいて情報を入力および出力するために使用され得る。
出力手段についての1つのフォーマットは、異なるポリヌクレオチドの相対的な
発現レベルを評価する。このような提示は、当業者に遺伝子発現プロフィールを
決定するための相対的な発現レベルの格付を提供する。
【0085】 上述で考察されるように、本発明の「ライブラリー」はまた、配列番号1〜2
707のポリヌクレオチドの生化学的ライブラリー(例えば、提供されるポリヌ
クレオチドを表す核酸の収集物)を包含する。生化学的ライブラリーは、種々の
形態(例えば、cDNAの溶液、固体支持体の表面と安定に会合されるプローブ
核酸のパターン(すなわち、アレイ)など)を採り得る。特に重要なのは、配列
番号1〜2707の1つ以上がアレイにおいて表される核酸アレイである。アレ
イによって、少なくとも1つの基板を、その表面の1つに少なくとも2つの異な
る核酸標的とともに有する製造物の物品が意味され、ここでは異なる核酸の数が
かなり高くあり得、代表的に少なくとも10ヌクレオチド、通常少なくとも20
ヌクレオチド、およびしばしば少なくとも25ヌクレオチドであり得る。多様な
異なるアレイフォーマットが開発され、および当業者に公知である。本発明のア
レイは、多様な適用(上述で列挙される例示的な特許文献において開示されるよ
うな、遺伝子発現分析、薬物スクリーニング、変異分析などを含む)における使
用を見出す。
【0086】 上述の核酸ライブラリーに加えて、ポリぺプチドのアナログライブラリーがま
た提供され、ここではライブラリーのポリぺプチドは、配列番号1〜2707に
よってコードされるポリぺプチドの少なくとも一部を表す。
【0087】 (利用性:マッピングおよび組識プロフィール作成におけるポリヌクレオチド
プローブの使用) ポリヌクレオチドプローブは、一般に、配列表において示されるようなポリヌ
クレオチドの少なくとも12の連続するヌクレオチドを含み、多様な目的(例え
ば、ポリヌクレオチドの染色体マッピング、および転写レベルの検出)ために使
用される。開示されるポリヌクレオチド配列の好ましい領域についてのさらなる
開示は、実施例において見出される。本明細書中に開示されるポリヌクレオチド
に特異的にハイブリダイズするプローブは、他の非関連の配列を用いて提供され
るバックグラウンドハイブリダイゼーションよりも少なくとも5、10、または
20倍高い検出シグナル伝達を提供するべきである。
【0088】 発現レベルの検出。ヌクレオチドプローブが、提供されるポリヌクレオチドに
対応する遺伝子の発現を検出するために使用される。ノーザンブロットにおいて
、mRNAは、電気泳動的に分離され、そしてプローブと接触される。プローブ
は特定の大きさのmRNA種にハイブリダイズするのとして検出される。ハイブ
リダイゼーションの量は、例えば、特定の条件下での発現の相対的な量を検出す
るために定量される。プローブは、発現を検出するために、細胞へのインサイチ
ュハイブリダイゼーションに使用される。プローブはまた、ハイブリダイズする
配列の診断的検出のために、インビボで使用され得る。プローブは代表的に、放
射性同位体で標識される。検出可能な標識の他の型が使用され得る(例えば、発
色団、蛍光体、および酵素)。核酸ハイブリダイゼーションアッセイの他の例は
、WO92/02526および米国特許第5,124,246号において記載さ
れる。
【0089】 あるいは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、小量の標的核酸を検出するた
めの別の手段である(例えば、Mullisら、Meth.Enzymol.(
1987)155:335;米国特許第4,683,195号;および米国特許
第4,683,202号を参照のこと)。標的核酸とハイブリダイズする2つの
プライマーポリヌクレオチドが、反応を開始するために使用される。プライマー
は、配列表のポリヌクレオチド内の、またはそれに対して3'および5'の配列か
ら構成され得る。あるいは、プライマーが、これらのポリヌクレオチドに対して
3'および5'である場合、これらは、ポリヌクレオチドまたは相補体にハイブリ
ダイズする必要はない。熱安定性ポリメラーゼでの標的の増幅後、増幅された標
的核酸は、当該分野において公知の方法(例えば、サザンブロット)によって検
出され得る。mRNAまたはcDNAはまた、Sambrookら、「Mole
cular Cloning:A Laboratory Manual」(N
ew York Cold Spring Harbor Laborator
y、1989)において記載される伝統的なブロッティング技術(例えば、サザ
ンブロット、ノーザンブロットなど)(例えば、PCR増幅を伴わない)によっ
て検出され得る。一般に、mRNA、またはポリメラーゼ酵素を使用してmRN
Aから作製されるcDNAは、ゲル電気泳動を使用して精製および分離され得、
そしてニトロセルロースのような固体支持体に移される。固体支持体は、標識化
プローブに曝露され、洗浄して任意の未ハイブリダイズのプローブを除去され、
そして標識化プローブを含む2重鎖が検出される。
【0090】 (マッピング) 本発明のポリヌクレオチドは、対応する遺伝子が存在する染
色体を同定するために使用され得る。このようなマッピングは、公知の機能を有
する他の遺伝子へのその近位性により、ポリヌクレオチド関連性遺伝子の機能を
同定するにおいて有用であり得る。機能はまた、特定の症候群または疾患が同じ
染色体上にマップされる場合、そのポリヌクレオチド関連性遺伝子に割り当てら
れ得る。例えば、核酸配列異常の同定および定量におけるポリヌクレオチドプロ
ーブの使用は、米国特許第5,783,387号において記載される。例示的な
マッピング法は、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)であり
、これは相対的なコピー数のDNAにおける変化の全体的なゲノム評価を可能に
するための、比較のゲノムハイブリダイゼーションを容易にする(例えば、Va
ldesら、Methods in Molecular Biology(1
997)68:1を参照のこと)。ポリヌクレオチドはまた、例えば、放射ハイ
ブリッドまたは染色体特異的ハイブリッドパネルを使用して、特定の染色体にマ
ッピングされ得る。Leachら、Advances in Genetics
(1995)33:63−99;Walterら、Nature Geneti
cs(1994)7:22;WalterおよびGoodfellow、Tre
nds in Genetics(1992)9:352を参照のこと。放射ハ
イブリッドマッピングについてのパネルは、Research Genetic
s、Inc.、Huntsville、Alabama、USAから入手可能で
ある。種々のパネルを使用するマーカーのデータベースは、http:/F/s
hgc−www.stanford.edu.;およびhttp://www−
genome.wi.mit.edu/cgi−bin/contig/rhm
apper.plにてインターネットを介して利用可能である。統計学的プログ
ラムRHMAPは、ある順序に対する別の順序の相対的な尤度の測定とともに、
放射ハイブリダイゼーションからのデータに基づいてマップを構築するために使
用され得る。RHMAPは、http//www.sph.umich.edu
/group/statgen/softwareにてインターネットを介して
入手可能である。さらに、癌のような疾患と一般に関連する染色体の領域を同定
するための市販のプログラムが利用可能である。
【0091】 (組識タイピングまたはプロフィーリング) 提供されたポリヌクレオチドに
対応する特異的なmRNAの発現は、異なる細胞型において変化し得、そして組
識特異的であり得る。異なる細胞型におけるmRNAレベルのこの変化は、組識
型を決定するための核酸プローブアッセイを用いて活用され得る。例えば、配列
表において列挙されるポリヌクレオチドに実質的に同一のまたは相補的な核酸プ
ローブを利用する、PCR、分岐化DNAプローブアッセイ、またはブロッティ
ング技術は、対応するcDNAまたはmRNAの存在または不在を決定し得る。
【0092】 組識タイピングは、転移性病変の発生的な器官または組識供給源を、その器官
または組識の特定のマーカーの発現を同定することによって、同定するために使
用される。ポリヌクレオチドが特異的な組識型においてのみ発現される場合、お
よび転移性病変がそのポリヌクレオチドを発現することが見出される場合、病変
の発生的な供給源が同定された。特定のポリヌクレオチドの発現は、対応するm
RNAまたはタンパク質産物のいずれかの検出によってアッセイされ得る。任意
の法医学科学者に容易に明らかであるように、本明細書中に開示される配列は、
非ヒト組識からヒト組識を区別するにおいて有用である。特に、これらの配列は
、例えば、鳥類、爬虫類、および両生類の組識からヒト組識を区別するために有
用である。
【0093】 (多型の使用) 本発明のポリヌクレオチドは、法医学的分析、遺伝子分析、
マッピング、および診断的適用において使用され得、ここでは遺伝子の対応する
領域は、ヒト集団における多型である。遺伝子における多型を検出するための任
意の手段が使用され得、タンパク質多型改変体の電気泳動、制限酵素切断に対す
る示差的な感受性、および対立遺伝子特異的プローブへのハイブリダイゼーショ
ンが挙げられるが、これらに制限されない。
【0094】 (抗体産生) 本発明のポリヌクレオチド、および対応するmRNA、cDNA、または完全
な遺伝子の発現産物が調製され、そして実験的な、診断的な、および治療学的な
目的のために抗体を惹起するために使用され得る。対応する遺伝子が割り当てら
れていないポリヌクレオチドについて、これは対応する遺伝子を同定するための
さらなる方法を提供する。ポリヌクレオチドまたは関連のcDNAは上記のよう
に発現され、そして抗体が調製される。これらの抗体は、ポリヌクレオチドによ
ってコードされるポリぺプチド上のエピトープに特異的であり、そして細胞もし
くは組識調製物において、またはインビトロ発現系の無細胞抽出物において、対
応するネイティブなタンパク質を沈澱し得るか、またはこれに結合し得る。
【0095】 選択された抗原に特異的に結合する抗体の産生のための方法は、当該分野にお
いて周知である。抗体を惹起するための免疫原は、本発明のポリヌクレオチドに
よってコードされるポリぺプチドをアジュバントともに混合することによって、
および/またはより大きな免疫原性タンパク質との融合タンパク質を作製するこ
とによって調製され得る。ポリぺプチドはまた、他のより大きな免疫原性タンパ
ク質(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン)に共有結合的に連結され得
る。免疫原は典型的に、抗体を生成するために、皮内、皮下、または筋肉内で、
実験動物(例えば、ウサギ、ヒツジ、およびマウス)に投与される。モノクロー
ナル抗体は、脾細胞を単離し、骨髄腫細胞を融合してハイブリドーマを形成する
ことによって作製され得る。あるいは、選択されたポリヌクレオチドが、例えば
、筋肉内注射によって直接的に投与され、そしてインビボで発現される。発現さ
れるタンパク質は、種々のタンパク質特異的免疫応答(抗体の産生を含む)を生
成し、これは、タンパク質の投与に匹敵する。
【0096】 選択されたポリヌクレオチドによってコードされるポリぺプチドに特異的なポ
リクローナル抗体およびモノクローナル抗体の調製は、当該分野において公知の
標準的な方法を使用して作製される。抗体は、配列表において開示されるポリヌ
クレオチドによってコードされるポリぺプチドに存在するエピトープに特異的に
結合する。典型的に、少なくとも6、8、10、または12の連続するアミノ酸
がエピトープを形成するために必要とされる。連続しないアミノ酸を含むエピト
ープは、より長いポリぺプチド(例えば、少なくとも15、25、または50ア
ミノ酸)を必要とし得る。提供されるポリぺプチドによってコードされるヒトポ
リぺプチドに特異的に結合する抗体は、ウェスタンブロットまたは他の免疫化学
的アッセイにおいて使用される場合、他のタンパク質を用いて提供される検出シ
グナルよりも少なくとも5、10、または20倍高い検出シグナルを提供するべ
きである。好ましくは、本発明のポリぺプチドに特異的な抗体は、免疫化学アッ
セイにおいて、検出可能なレベルで他のタンパク質に結合せず、そして特定のポ
リぺプチドを溶液から免疫沈降し得る。
【0097】 本発明はまた、本発明のポリぺプチドに特異的な天然に存在する抗体を意図す
る。例えば、ヒト集団中の本発明のポリぺプチドに対する血清抗体は、当該分野
において周知の方法によって、例えば、対応する選択されるポリぺプチドまたは
融合タンパク質が結合されるカラムに抗血清を通すことによって、精製され得る
。次いで結合された抗体は、例えば、高塩濃度を有する緩衝液を使用して、カラ
ムから溶出され得る。
【0098】 上述で考察される抗体に加えて、本発明はまた、当該分野において周知の方法
に従う、遺伝子操作された抗体、抗体誘導体(例えば、単鎖抗体、抗体フラグメ
ント(例えば、Fabなど))を意図する。
【0099】 (診断のためのポリヌクレオチドまたはアレイ) ポリヌクレオチドアレイは、サンプル中の非常に多くのポリヌクレオチド配列
をアッセイし得る高処理量の技術を提供する。この技術は、診断として、および
示差的発現を試験するための道具として、例えば、コードされるタンパク質の機
能を検出するために使用され得る。アレイは、結合されるプローブを有する二次
元マトリクスまたはアレイにおいて、基材(例えば、ガラス、ニトロセルロース
など)上にポリヌクレオチドプローブをスポットすることによって作製され得る
。プローブは、共有結合によって、または非特異的な相互作用(例えば、疎水性
相互作用)によってのいずれかで基材に結合され得る。ポリヌクレオチドのサン
プルは、検出可能に標識され(例えば、放射性標識または蛍光標識を使用する)
、次いでプローブにハイブリダイズされる。2本鎖化ポリヌクレオチドは、プロ
ーブポリヌクレオチドに結合される標識されたサンプルポリヌクレオチドを含み
、一旦、サンプルの未結合の部分が洗浄して除かれると検出され得る。アレイを
構築するための技術、およびこれらのアレイを使用する方法は、EP799,8
97;WO97/29212;WO97/27317;EP785,280;W
O97/02357:米国特許第5,593,839号;米国特許第5,578
,832号;EP728,520;米国特許第5,599,695号;EP72
1 016;米国特許第5,556,752号;WO95/22058;および
米国特許第5,631,734号において記載される。アレイは、例えば、遺伝
子の示差的発現を試験するために使用され得、そして遺伝子機能を決定するため
に使用され得る。例えば、アレイは、試験細胞とコントロール細胞との(例えば
、癌細胞と正常な細胞との)間のポリヌクレオチドの示差的発現を検出するため
に使用され得る。例えば、癌細胞における特定のメッセージの高い発現は、対応
する正常な細胞において観察されず、癌特異的遺伝子産物を示し得る。アレイの
例示的な使用はさらに、例えば、Pappalaradoら、Sem.Radi
ation Oncol.(1998)8:217;およびRamsay Na
ture Biotechnol.(1998)16:40において記載される
【0100】 (診断における特異的な発現) 本発明のポリヌクレオチドはまた、例えば、ヒトにおける異常なまたは罹患し
た組識を同定するための方法として、2つの細胞間の発現レベルにおける差異を
検出するために使用され得る。タンパク質ファミリーのプロフィールに対応する
ポリヌクレオチドについて、組識の選択は、推定の生化学的機能に従って選択さ
れ得る。一般に、特異的なポリヌクレオチドに対応する遺伝子の発現は、ヒトの
、罹患したことが疑われる第1の組識と、第2の正常な組識との間で比較される
。異常であることまたは罹患したことが疑われる組識は、ヒトの異なる組識型に
由来し得るが、好ましくはこれは、同じ組識型に由来し;例えば、腸ポリープま
たは他の異常な増殖は、正常な腸組識と比較されるべきである。正常な組識は、
試験サンプルの組識と同じ組識、または患者の任意の正常な組識、特に目的のポ
リヌクレオチド関連性遺伝子を発現する組識(例えば、脳、胸腺、精巣、心臓、
前立腺、胎盤、脾臓、小腸、骨格筋、膵臓、および結腸の粘膜内層)であり得る
。例えば、分子量、アミノ酸もしくはヌクレオチド配列、または相対的量におい
て比較される2つの組識におけるポリヌクレオチド関連性遺伝子、mRNA、ま
たはタンパク質の間の差異は、罹患したことが疑われるヒトの組識における、遺
伝子、または遺伝子を調節する遺伝子の変化を示す。示差的発現の検出または癌
の診断におけるその使用の例は、米国特許第5,688,641号および同第5
,677,125号において記載される。
【0101】 ヒトにおける疾患に対する遺伝的素因はまた、胎児組識における本発明のポリ
ヌクレオチドに対応するmRNAまたはタンパク質の発現レベルと、正常な胎児
組識における関連するレベルとを比較することによって検出され得る。この目的
のために使用される胎児組識としては、羊水、絨毛、血液、およびインビトロで
受精された胚の割球が挙げられるが、これらに制限されない。匹敵する正常なポ
リヌクレオチド関連性の遺伝子は、任意の組識から得られる。mRNAまたはタ
ンパク質は、ポリヌクレオチド関連性遺伝子が発現されるヒトの正常な組識から
得られる。胎児ポリヌクレオチド関連性遺伝子もしくはmRNAの同じ産物のヌ
クレオチド配列または大きさにおける変化、または分子量、アミノ酸配列、もし
くは胎児タンパク質の相対的な量における変化のような差異は、胎児のポリヌク
レオチド関連性遺伝子における生殖系列の変異を示し、これは、疾患に対する遺
伝的素因を示す。一般に、示差的発現に基づく本発明の診断、予後、および他の
方法は、疾患(例えば、乳癌、肺癌、結腸癌、および/またはその転移形態)を
有することが疑われる、または疾患に罹患しやすい患者から得られる試験サンプ
ル中の、遺伝子産物、特に示差的に発現される遺伝子産物のレベルまたは量の検
出、ならびに正常な細胞(例えば、癌に実質的に罹患していない細胞)および/
または他のコントロール細胞において見出されるそれらのレベルと検出されたレ
ベルとの比較(例えば、異形成に罹患した細胞から癌細胞を区別するために)を
包含する。さらに、疾患の重篤度は、示差的に発現される遺伝子産物の検出され
るレベルと、疾患の種々の程度の重篤度と関連する示差的な遺伝子産物のレベル
を示すサンプル中で検出されるレベルとを比較することによって評価され得る。
本明細書中での用語「診断」の使用は、「予後の」あるいは「予後」を排除する
ことを必ずしも意味せず、むしろ便宜のために使用される。
【0102】 用語「示差的に発現される遺伝子」は一般に、遺伝子産物(例えば、ポリぺプ
チド)をコードするオープンリーディングフレーム、ならびに/またはこのよう
な遺伝子のイントロン、および発現の調節に関与する隣接の5'および3'非コー
ドヌクレオチド配列(コード領域を超えて約20kbまでであるがいずれかの方
向において潜在的にそれ以上)を含み得るポリヌクレオチドを包含することが、
意図される。遺伝子は、染色体外での維持のために、または宿主ゲノムへの組み
込みのために、適切なベクターに導入され得る。一般に、少なくとも約25%、
通常少なくとも約50%〜70%、より通常約90%以上の発現レベルにおける
減少と関連する発現レベルにおける差異は、示差的に発現される目的の遺伝子(
すなわち、コントロールサンプルと比較して試験サンプル中で不十分に発現され
るかまたはダウンレギュレートされる遺伝子)を示す。さらに、コントロールサ
ンプルと比較して、少なくとも約25%、通常少なくとも約50%〜75%、よ
り通常少なくとも約90%の、発現の増加と関連する発現レベルの差異は、少な
くとも約1と1/2倍、通常少なくとも2倍〜約10倍であり得、そして約10
0倍〜約1000倍の増加であり得、このことは、示差的に発現される目的の遺
伝子(すなわち、過剰発現されるまたはアップレギュレートされる遺伝子)の指
標である。
【0103】 本明細書中で使用されるように「示差的に発現されるポリヌクレオチド」は、
示差的に発現される遺伝子を示す配列を含む核酸分子(RNAまたはDNA)を
意味し、例えば示差的に発現されるポリヌクレオチドは、サンプル中の示差的に
発現されるポリヌクレオチドの検出が、サンプル中の示差的に発現される遺伝子
の存在と相関されるように、示差的に発現される遺伝子を独特に同定する配列(
例えば、遺伝子産物をコードするオープンリーディングフレーム)を含む。「示
差的に発現されるポリヌクレオチド」はまた、開示されるポリヌクレオチドのフ
ラグメント(例えば、生物学的活性を保持するフラグメント)、および開示され
るポリヌクレオチドに相同な、実質的に類似の、または実質的に同一の(例えば
、約90%の配列同一性を有する)核酸を包含することが意味される。
【0104】 本明細書中で使用されるように「診断」は、一般に、疾患または障害に対する
患者の罹患しやすさの決定、被験体が疾患または障害に現在罹患しているか否か
に関する決定、および疾患または障害に罹患した被験体の予後に関する決定(例
えば、転移前のもしくは転移性の癌の状態、癌の段階、または治療に対する癌の
応答性の同定)を含む。本発明は特に、乳癌(例えば、癌腫インサイチュ(例え
ば、乳管癌腫インサイチュ)、エストロゲンレセプター(ER)−ポジティブ乳
癌、ER−ネガティブ乳癌、または乳癌の他の形態および/または段階)、肺癌
(小細胞癌腫、非小細胞癌腫、中皮腫、および肺癌の他の形態および/または段
階)、ならびに結腸癌(例えば、腺腫性ポリープ、結腸直腸癌腫、および結腸癌
の他の形態および/または段階)の状況における被験体の診断を含む。
【0105】 本明細書を通じて使用されるように「サンプル」または「生化学的サンプル」
は一般に、生物学的液体または組識のサンプル、特に組識から、特に診断適用が
設計される疾患(例えば、腺管性腺癌(ductal adenocarcin
oma))と関連する細胞の型から得られるサンプルなどをいうことを意味する
。「サンプル」はまた、このようなサンプルの誘導体および画分(例えば、細胞
溶解物)を含むことが意味される。サンプルが固形組識である場合、組識の細胞
が解離され得るか、または組識切片が分析され得る。
【0106】 診断または予後において有用な本発明の方法は典型的に、遺伝子産物の発現に
おける任意の相対的な差異を決定するための、目的のサンプル中の選択される示
差的に発現される遺伝子産物の量と、コントロールのその量との比較を包含し、
ここでは差異は、定性的におよび/または定量的に測定され得る。定量は、例え
ば、サンプル中に検出される発現産物のレベルと、標準曲線に存在する産物の量
とを比較することによって達成され得る。比較は;コンピューター処理の補助を
伴うかまたは伴わないデンシトメトリーのような技術を使用することによって;
試験サンプルから単離されたmRNAのcDNAクローンの代表的なライブラリ
ーを調製し、ライブラリー中のクローンを配列決定して同じ遺伝子産物に対応す
るcDNAクローンの数を決定し、そしてコントロールサンプル中の同じ遺伝子
産物のクローンの数に対して、同じ遺伝子産物に対応するクローンの数を分析す
ることによって;またはアレイを使用して、選択された配列もしくは配列のセッ
トへのハイブリダイゼーションの相対的なレベルを検出し、そしてハイブリダイ
ゼーションパターンをコントロールのハイブリダイゼーションパターンと比較す
ることによって、視覚的になされ得る。次いで、発現における差異は、異常な発
現パターンの存在または不在と相関される。サンプル中の核酸の量を決定するた
めの種々の異なる方法は、当業者に公知である(例えば、WO97/27317
を参照のこと)。一般に、本発明の診断アッセイは、配列番号1〜2707の配
列に対応するポリヌクレオチド配列(例えば、mRNA、またはポリぺプチド)
の遺伝子産物の検出を包含する。サンプルが得られる患者は、明らかに健常であ
り得るか、疾患(例えば、家族病歴または特定の環境因子への曝露によって決定
される)に罹患しやすくあり得るか、または本発明の遺伝子産物の変化された発
現と関連する状態を有するとして既に同定されてい得る。
【0107】 診断は、配列番号1〜2707において記載される配列を有する、少なくとも
1つの、好ましくは少なくとも2つ以上の、少なくとも3つ以上の、または少な
くとも4つ以上のポリヌクレオチドによってコードされる遺伝子産物の検出され
る遺伝子産物の発現レベルに基づいて決定され得、そして配列番号1〜2707
の全て、ならびに/またはさらなる診断マーカーおよび/もしくは参照配列とし
て作用し得るさらなる配列に対応する遺伝子の発現の検出を包含し得る。診断方
法が、癌の存在または癌に対する患者の罹患しやすさを検出するために設計され
る場合、アッセイは好ましくは、癌において示差的に発現されるポリヌクレオチ
ドに対応する遺伝子によってコードされる遺伝子産物の検出を包含する。このよ
うな示差的に発現されるポリヌクレオチドの例は、以下の実施例において記載さ
れる。提供されるポリヌクレオチドおよび本明細書中に提供されるそれらの相対
的な発現レベルに関する情報を考慮すれば、診断および予後において、このよう
なポリヌクレオチドおよびそれらの発現レベルの検出を使用するアッセイは、当
業者に容易に明らかである。
【0108】 任意の種々の検出可能なレベルは、本発明の診断方法の種々の実施態様と関連
して使用され得る。適切な選択可能な標識としては、蛍光色素(例えば、フルオ
レセインイソチオシアネート(FITC)、ローダミン、テキサスレッド、フィ
コエリトリン、アロフィコシアニン、6−カルボキシフルオロセイン(6−FA
M)、2',7'−ジメトキシ−4',5'−ジクロロ−6−カルボキシフルオロセ
イン、6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、6−カルボキシ−2',4'
,7',4,7−ヘキサクロロフルオロセイン(HEX)、5−カルボキシフル
オロセイン(5−FAM)、またはN,N,N',N',−テトラメチル−6−カ
ルボキシローダミン(TAMRA))、放射性標識(例えば、32P、35S、3
など)などが挙げられる。検出可能な標識は、2段階系(例えば、ビオチン−ア
ビジン、ハプテン−抗ハプテン抗体など)を含み得る。
【0109】 本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドに特異的な試薬(例えば、抗体
およびヌクレオチドプローブ)は、生物学的サンプル中の発現産物の存在を検出
するためのキットにおいて供給され得る。キットはまた、緩衝液または標識化成
分、および生物学的サンプル中の発現産物を検出および定量するための試薬を使
用するための説明書を含み得る。本発明の診断方法の例示的な実施態様は、以下
により詳細に記載される。
【0110】 (診断におけるポリぺプチド検出) 1つの実施態様において、試験サンプル
は、示差的に発現されるポリぺプチドのレベルについてアッセイされる。診断は
、試験サンプル中の示差的に発現されるポリぺプチドの不在もしくは存在、また
は変化した量を測定するための任意の多くの方法を使用して達成され得る。例え
ば、検出は、標識化抗体での細胞または組識学的切片の染色を利用し得、従来の
方法に従って行われ得る。細胞は、細胞質分子を染色するために透過性にされ得
る。一般に、本発明の示差的に発現されるポリぺプチドを特異的に結合する抗体
がサンプルに添加され、そしてエピトープへの結合を可能にするのに十分な期間
、通常少なくとも約10分間、インキュベートされる。抗体は、直接的な検出の
ために検出可能に標識され得るか(例えば、放射性同位体、酵素、蛍光体、化学
発光体などを使用する)、または結合を検出するための第2段階の抗体または試
薬と共同して使用され得る(例えば、ビオチンと西洋ワサビペルオキシダーゼ結
合アビジン、蛍光化合物(例えば、フルオレセイン、ローダミン、テキサスレッ
ドなど)に結合体化した二次抗体)。抗体結合の不在または存在は、種々の方法
によって決定され得、解離された細胞のフローサイトメトリー、検鏡、ラジオグ
ラフィー、シンチレーションカウンティングなどが挙げられる。示差的に発現さ
れるポリぺプチドのレベルまたは量の定性的または定量的な検出の任意の適切な
代替の方法が、使用され得る(例えば、ELISA、ウェスタンブロット、免疫
沈降、ラジオイムノアッセイなど)。
【0111】 (mRNA検出) 本発明の診断方法はまた、もしくはあるいは、本発明の示
差的に発現されるポリヌクレオチドに対応する遺伝子によってコードされるmR
NAの検出を包含する。特異的なmRNAを検出するための当該分野において公
知の任意の適切な定性的または定量的な方法が、使用され得る。mRNAは、例
えば、組識切片におけるインサイチュハイブリダイゼーションによって、逆転写
酵素PCRによって、またはポリA+mRNAを含むノーザンブロットにおいて
、検出され得る。当業者は容易に、2つのサンプル間のmRNA転写物の大きさ
または量における差異を検出するために、これらの方法を使用し得る。サンプル
中のmRNA発現レベルは、サンプルからの発現される配列タグ(EST)のラ
イブラリーの作製によって決定され得、ここではESTライブラリーは、サンプ
ル中に存在する配列の代表である(Adamsら(1991)Science
252:1651)。ライブラリー内のESTの相対的な表示の列挙は、開始サ
ンプル内の遺伝子転写物の相対的な表示を近似するために使用され得る。次いで
、試験サンプルのEST分析の結果は、参照サンプルのEST分析と比較されて
、選択されるポリヌクレオチド、特に本明細書中に記載される1つ以上の示差的
に発現される遺伝子に対応するポリヌクレオチドの相対的な発現レベルを決定し
得る。あるいは、試験サンプル中の遺伝子発現は、遺伝子発現の連続分析(SA
GE)方法論(例えば、Velculescuら、Science(1995)
270:484)またはディファレンシャルディスプレイ(DD)方法論(例え
ば、米国特許第5,776,683号;および米国特許第5,807,680号
を参照のこと)を使用して行われ得る。
【0112】 あるいは、遺伝子発現は、ハイブリダイゼーション分析を使用して分析され得
る。オリゴヌクレオチドまたはcDNAは、特異的な配列組成のDNAまたはR
NA、および定性的または定量的に決定された公知の捕獲配列にハイブリダイズ
するRNAまたはcDNAの量を選択的に同定または捕獲するために、サンプル
中の細胞性メッセージのプール内の特定のメッセージの相対的な表示についての
情報を提供するために、使用され得る。ハイブリダイゼーション分析は、例えば
、高密度形式を有するアレイベースの技術(濾過、顕微鏡スライド、もしくはマ
イクロチップを含む)、または分光学的分析(例えば、質量分析)を用いる溶液
ベースの技術を使用することによって、数百〜数千の遺伝子の相対的な発現の同
時のスクリーニングを可能にするように設計され得る。本発明の診断方法におけ
るアレイの1つの例示的な使用は、以下により詳細に記載される。
【0113】 (診断適用における単一遺伝子の使用) 本発明の診断方法は、単一の差次的
に発現される遺伝子の発現に集中し得る。例えば、診断方法は、差次的に発現さ
れる遺伝子、または疾患と関連したこのような遺伝子の多型(例えば、コード領
域または制御領域における多型)を検出する工程を包含し得る。疾患関連性の多
型は、遺伝子の欠失または短縮、発現レベルを変化するおよび/またはコードさ
れるタンパク質の活性を影響するなどの変異を含み得る。
【0114】 多くの方法が、特異的な配列(例えば、疾患関連性の多型)の存在について核
酸を分析するために利用可能である。大量のDNAが利用可能である場合、ゲノ
ムDNAが直接的に使用される。あるいは、目的の領域は、適切なベクターにク
ローン化され、そして分析のために十分な量で増殖される。差次的に発現される
遺伝子を発現する細胞は、mRNAの供給源として使用され得、これは直接的に
アッセイされ得るか、分析のためにcDNAに逆転写され得る。核酸は、分析の
ために十分な量を提供するために、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような従
来の技術によって増幅され得、そして検出可能な標識が、検出を容易にするため
に増幅反応において含められ得る(例えば、検出可能に標識されるプライマーま
たは検出可能に標識されるオリゴヌクレオチドを使用する)。あるいは、多型を
検出する手段としてオリゴヌクレオチドライゲーションを利用する種々の方法が
また、当該分野において公知である。例えば、Rileyら、Nucl. Ac
ids Res.(1990)18:2887;およびDelahuntyら、
Am.J.Hum.Genet.(1996)58:1239を参照のこと。
【0115】 増幅されたまたはクローン化されたサンプル核酸は、当該分野において公知の
多くの方法のうちの1つによって分析され得る。核酸は、ダイデオキシ法または
他の方法によって配列決定され得、塩基の配列は、選択される配列に、例えば、
野生型配列と比較され得る。多型配列または改変体配列でのハイブリダイゼーシ
ョンはまた、サンプル中のその存在を決定するために使用され得る(例えば、サ
ザンブロット、ドットブロットなどによる)。米国特許第5,445,934号
において、またはWO95/35505において記載されるように、固体支持体
に固定化されるオリゴヌクレオチドプローブのアレイに対する、多型配列または
改変体配列、およびコントロール配列のハイブリダイゼーションパターンはまた
、疾患と関連する多型配列または改変体配列を同定する手段として使用され得る
。ゲルマトリクスにおける1本鎖高次構造多型(single strand
conformational polymorphism)(SSCP)分析
、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)、およびヘテロ2本鎖分析は、電気泳動易
動度における変化としてDNA配列の変化によって作製される高次構造変化を検
出するために使用される。あるいは、多型が制限エンドヌクレアーゼについての
認識部位を作製または破壊する場合、サンプルは、エンドヌクレアーゼで消化さ
れ、そして産物の大きさが、フラグメントが消化されたか否かを決定するために
分画される。分画は、ゲル電気泳動またはキャピラリー電気泳動、特にアクリル
アミドゲルまたはアガロースゲルによって、行われる。
【0116】 遺伝子における変異についてのスクリーニングは、タンパク質の機能的なまた
は抗原性特性に基づき得る。タンパク質短縮アッセイは、タンパク質の生物学的
活性に影響し得る欠失を検出するにおいて有用である。タンパク質における多型
を検出するために設計される種々の免疫アッセイが、スクリーニングにおいて使
用され得る。多くの種々の遺伝子変異が、特定の疾患表現型を導いた場合、機能
的なタンパク質アッセイが、有効なスクリーニング道具であることを証明した。
コードされるタンパク質の活性は、野生型タンパク質との比較によって決定され
得る。
【0117】 (アレイを使用する診断におけるパターン適合化) 別の実施態様において、
本発明の診断および/または予後の方法は、試験発現パターン(TEP)を生成
するための試験サンプル中の遺伝子の選択されるセットの発現の検出を包含する
。TEPは、参照発現パターン(REP)と比較され、参照発現パターンは、参
照サンプル(例えば、ポジティブコントロールサンプルまたはネガティブコント
ロールサンプル)中の遺伝子の選択されるセットの発現の検出によって生成され
る。遺伝子の選択されるセットは、本発明の遺伝子のうちの少なくとも1つを含
み、これらの遺伝子は、配列番号1〜2707のポリヌクレオチド配列に対応す
る。特に目的のものは、試験サンプルがスクリーニングされる疾患において差次
的に発現される遺伝子を含む遺伝子の選択されるセットである。
【0118】 差次的遺伝子発現分析および診断/予後の状況において本明細書中で使用され
るように、「参照配列」または「参照ポリヌクレオチド」は、ポリヌクレオチド
の選択されるセットをいい、選択されるセットは、本明細書中に記載される差次
的に発現されるポリヌクレオチドのうちの少なくとも1つ以上を含む。複数の参
照配列(好ましくはポジティブコントロール配列およびネガティブコントロール
配列を含む)は、参照配列として含まれ得る。さらに適切な参照配列は、Gen
Bank、Unigene、および他のヌクレオチド配列データベースにおいて
見出される(例えば、発現される配列タグ(EST)、部分的な、および全長の
配列を含む)。
【0119】 「参照アレイ」は、サンプルとのハイブリダイゼーションにおける使用のため
の参照配列を有するアレイを意味し、ここでは参照配列は、本明細書中に記載さ
れる差次的に発現されるポリヌクレオチドの全て、それらのうちの少なくとも1
つ、またはそれらのうちの任意のサブセットを含む。通常このようなアレイは、
少なくとも3つの異なる参照配列を含み、そして提供される差次的に発現される
配列のいずれか1つまたは全てを含み得る。目的のアレイはさらに、他の遺伝子
配列、特に疾患または障害(例えば、癌、異形成、または他の関連のもしくは未
関連の疾患、障害、または状態)をスクリーニングするための目的の他の配列の
配列(多型を含む)を含み得る。アレイにおけるオリゴヌクレオチド配列は通常
、少なくとも12ヌクレオチド長であり、および提供される配列の長さ付近であ
り得るか、100ヌクレオチド〜200ヌクレオチド長以上のフラグメントを作
製するために隣接領域に伸長され得る。参照アレイは、当該分野において公知の
任意の適切な方法に従って生成され得る。例えば、オリゴヌクレオチドの大きな
アレイを生成する方法は、光指向性合成技術を使用する米国特許第5,134,
854号および米国特許第5,445,934号において記載される。コンピュ
ーター制御系を使用して、モノマーの異種アレイが、多くの反応部位での同時の
カップリングを介してポリマーの異種アレイへ保存される。あるいは、マイクロ
アレイは、例えば、PCT公開出願第WO95/35505号において記載され
るように、固体基材上への予め合成されたオリゴヌクレオチドの沈着によって作
製される。
【0120】 本明細書中で使用されるように「参照発現パターン」あるいは「REP」は、
遺伝子の、特に、選択される細胞型(例えば、正常な細胞、癌細胞、環境刺激に
曝露された細胞など)と関連する、差次的に発現される遺伝子の選択されるセッ
トの相対的な発現レベルをいう。「試験発現パターン」あるいは「TEP」は、
試験サンプル(例えば、未知のまたは疾患状態が疑われる細胞、これらからmR
NAが単離される)中の、遺伝子、特に、差次的に発現される遺伝子の選択され
るセットの相対的な発現レベルをいう。
【0121】 REPは、当該分野において周知の方法に従う種々の方法において作製され得
る。例えば、REPは、ポリヌクレオチドの選択されるセット(特に、示差的に
発現されるポリヌクレオチドの選択されるセット)を有するアレイに、コントロ
ールサンプルをハイブリダイズし、アレイからのハイブリダイゼーションデータ
を獲得し、そしてREPとTEPとの容易な比較を可能にするフォーマットでデ
ータを保存することによって作製され得る。あるいは、コントロールサンプル中
の全ての発現される配列は、例えば、コントロールサンプルからmRNAを単離
し、mRNAをcDNAに変換し、そしてcDNAを配列決定することによって
、単離および配列決定され得る。得られる配列情報は、サンプル中の発現される
配列の同一性および相対的な数をおよそまたは正確に反映する。次いで、配列情
報は、REPとTEPとの容易な比較を可能にするフォーマット(例えば、コン
ピューター読み取り可能なフォーマット)で保存され得る。REPは、データ保
存の前または後に正規化され得、および/またはほとんど目的でなく、かつ分析
を複雑にし得る発現される遺伝子の配列を選択的に除去するために処理され得る
(例えば、ハウスキーピング遺伝子と関連する配列のいくつかまたは全ては、R
EPデータから排除され得る)。
【0122】 TEPは、例えば、ポリヌクレオチドの選択されるセット、特に差次的に発現
されるポリヌクレオチドの選択されるセットを有するアレイに、試験サンプルを
ハイブリダイズし、アレイからのハイブリダイゼーションデータを獲得し、そし
てTEPとREPとの容易な比較を可能にするフォーマットにデータを保存する
ことによってRFPと同様に作製され得る。比較において使用されるREPおよ
びTEPは、同時に作製され得るか、またはTEPは、以前に作製され、そして
保存されたREPと比較され得る。
【0123】 本発明の1つの実施態様において、TEPとREPとの比較は、試験サンプル
と参照アレイとをハイブリダイズする工程を包含し、ここでは参照アレイは、サ
ンプルとのハイブリダイゼーションにおける使用のために1つ以上の参照配列を
有する。参照配列は、本明細書中に記載の差次的に発現されるポリヌクレオチド
の全て、それらのうちの少なくとも1つ、またはそれらのうちの任意のサブセッ
トを含む。試験サンプルについてのハイブリダイゼーションデータが獲得され、
データは正規化され、そして生成されたTEPは、差次的に発現されるポリヌク
レオチドの同じまたは類似の選択されるセットを有するアレイを使用して作製さ
れたREPと比較される。2つのサンプル間で差次的に発現される配列に対応す
るプローブは、サンプルのうちの一方について、他方にくらべて減少されるかま
たは増加されるハイブリダイゼーション効力を示す。
【0124】 サンプルと参照アレイとのハイブリダイゼーションからのデータの回収のため
の方法は、当該分野において周知である。例えば、参照サンプルおよび試験サン
プルのポリヌクレオチドは、検出可能な蛍光標識を使用して作製され得、サンプ
ルにおけるポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションは、例えば、顕微鏡また
は基材に光を当てるための光源を使用して、検出可能な標識の存在についてマイ
クロアレイをスキャンすることによって検出され得る。光子計数器は、基材から
の蛍光を検出し、一方、x−y平行移動(translation)段階は基材
の位置を変化させる。本発明の方法において使用され得る共焦点検出デバイスは
、米国特許第5,631,734号において記載される。走査型レーザー顕微鏡
は、Shalonら、Genome Res.(1996)6:639において
記載される。適切な励起線を使用するスキャンは、使用される各蛍光団について
行われる。次いで、スキャンから作製されるデジタル画像が、その後の分析のた
めに組合わされる。任意の特定のアレイエレメントについて、1つのサンプル(
例えば、試験サンプル)からの蛍光シグナルの比率は、別のサンプル(例えば、
参照サンプル)からの蛍光シグナルと比較され、そして相対的なシグナル強度が
決定される。
【0125】 アレイへのハイブリダイゼーションから回収されるデータを分析するための方
法は、当該分野において周知である。例えば、ハイブリダイゼーションの検出が
蛍光標識を含む場合、データ分析は、回収されたデータからの基材の位置の関数
として蛍光強度を決定する工程、アウトライアー(すなわち、予め決定された統
計学的分布から逸脱するデータ)を除く工程、および残りのデータから標的の相
対的な結合親和性を算定する工程を包含する。得られるデータは、標的とプロー
ブとの間の結合親和性に従って変化する各領域における強度とともに、画像とし
て提示され得る。
【0126】 一般に、試験サンプルは、試験サンプルから作製されるTEPを、参照サンプ
ルから(例えば、癌、癌の特定の状態、異形成と関連するサンプル、癌以外の疾
患に罹患したサンプル、正常サンプルなどから)作製される1つ以上のREPと
比較することによって、疾患状態または非疾患状態と関連する遺伝子発現プロフ
ィールに対応する遺伝子発現プロフィールを有すると分類される。TEPとRE
Pとの間の適合、または実質的な適合についての基準は、参照配列の同じまたは
実質的に同じセットの発現、および実質的に同じレベル(例えば、サンプルの正
規化後に選択された参照配列と関連するシグナルについて、サンプル間で有意差
がない、または所定の参照配列についてのシグナル強度における、少なくとも約
25%〜約40%を超えない差異)でのこれらの参照遺伝子の発現を含む。一般
に、TEPとREPとの間のパターン適合は、本発明の差次的に発現される遺伝
子のうちの少なくとも1つの、それらのうちの全ての、またはそれらのうちの任
意のサブセットの、発現における適合、好ましくは定性的または定量的な発現レ
ベルにおける適合を含む。
【0127】 パターン適合化は、手動で行われ得るか、またはコンピュータープログラムを
使用して行われ得る。基質マトリクス(例えば、アレイ)の調製、このようなマ
トリクスとともに使用するオリゴヌクレオチドの設計、プローブの標識化、ハイ
ブリダイゼーション条件、ハイブリダイズされたマトリクスのスキャニング、お
よび生成されるパターンの分析(比較分析を含む)のための方法は、例えば米国
特許第5,800,992号において記載される。
【0128】 (癌の診断、予後、および管理) 本発明のポリヌクレオチドおよびそれらの遺伝子産物は、発癌経路に沿う最も
初期の変化を検出する遺伝子または生化学的マーカー(例えば、血液もしくは組
織中の)として、ならびに/または種々の治療学的および予防的介入の効力をモ
ニターするために、特に重要である。例えば、あるポリヌクレオチドの発現のレ
ベルは、より貧弱な予後の指標であり得、それゆえ、患者に対してより攻撃的な
化学療法または放射線療法を保証し、逆もまた同じである。患者における処置の
応答および結果と新規な代理の腫瘍特異的特徴との相関は、腫瘍の分子プロフィ
ールに基づいて作製される治療の設計を許容する予後の指標を規定し得る。これ
らの治療は、抗体標的化および遺伝子治療を包含する。あるポリヌクレオチドの
発現を決定すること、ならびに患者のプロフィールを正常な組織および疾患の改
変体における公知の発現と比較することは、処置の特異性に関して、および患者
の苦痛のないレベルに関しての両方で、患者についての最も良好な可能な処置の
決定を許容する。ポリヌクレオチド発現のような代理の腫瘍マーカーはまた、よ
り良好な分類のために、従って、癌の異なる形態および疾患状態を診断および処
置するために、使用され得る。本発明のポリヌクレオチドの発現レベルの同定か
ら得られ得る腫瘍学において広範に使用される2つの分類は、癌異常の病期分類
、および癌組織の性質の悪性度分類である。
【0129】 本発明のポリヌクレオチドは、潜在的に悪性の事象を、それらがひどい形態学
的レベルで検出可能である前に、分子レベルで検出するために、癌を有するかま
たは癌に感受性の患者をモニターするために有用であり得る。さらに、癌の1つ
の型について重要であるとして同定される本発明のポリヌクレオチドはまた、癌
の他の型の発生または発生の危険性についての関連性を有し得、例えば、ここで
はポリヌクレオチドは種々の癌の型にわたって差次的に発現される。従って、例
えば、転移性の結腸癌について臨床学的関連性を有するポリヌクレオチドの発現
はまた、胃癌または子宮内膜癌について臨床学的関連性を有し得る。
【0130】 病期分類。病期分類は、患者において癌の状態がどのくらい進行されたかを記
載するために、医師によって使用されるプロセスである。病期分類は、予後を決
定するにおいて、処置を計画するにおいて、このような処置の結果を評価するに
おいて、医師を補助する。病期分類の系は、癌の種類とともに変化するが、一般
に以下の「TNM」系を含む:腫瘍の種類は、Tによって示され;癌がリンパ節
の近くに転移したか否かは、Nによって示され;および癌が身体のより遠位の部
分に転移したか否かは、Mによって示される。一般に、癌は、任意のリンパ節に
広がることなく原発性病変の領域においてのみ検出される場合、これは病期Iと
呼ばれる。腫瘍が最も近接のリンパ節にのみ広がった場合、これは病期IIと呼
ばれる。病期IIIにおいて、癌は一般に、原発性病変の部位にほとんど近位の
リンパ節に広がっている。身体の遠位の部分(例えば、肝臓、骨、脳、または他
の部位)に広がった癌は、病期IVであり、最も進行された病期である。
【0131】 本発明のポリヌクレオチドは、癌の攻撃性(例えば、転移可能性)、および身
体の異なる領域における存在についてのマーカーを同定することによって、病期
分類プロセスの微調律を容易にし得る。従って、高い転移可能性の癌を示すポリ
ヌクレオチドを有する病期IIの癌は、境界の病期II腫瘍を病期III腫瘍へ
変化するために使用され得、より攻撃性の治療を正当化する。逆に、より低い転
移可能性の癌を示すポリヌクレオチドの存在は、腫瘍のより保存的な病期分類を
許容する。
【0132】 癌の悪性度分類。悪性度は、腫瘍がその同じ型の正常な組織にどのくらい近く
似ているかを記載するために使用される用語である。腫瘍の顕微鏡的な見かけは
、細胞形態学、細胞組織化、および分化の他のマーカーのようなパラメーターに
基づいて腫瘍の悪性度を同定するために使用される。一般的な法則として、腫瘍
の悪性度は、その増殖の速度または攻撃性に対応し、未分化のまたは高い悪性度
の腫瘍は、十分に分化されたまたは低い悪性度の腫瘍よりも攻撃性である。以下
の指針は一般に、腫瘍を悪性度分類するために使用される:1)GX悪性度は、
評価され得ない;2)G1 十分に分化される;G2 中程度に十分に分化され
る;3)G3 不十分に分化される;4)G4 未分化。本発明のポリヌクレオ
チドは、これが腫瘍の細胞の分化の状態を決定するにおいて補助し得るのみでな
く、これらはまた腫瘍の攻撃性(例えば、転移可能性)を決定するにおいて価値
がある、分化以外の因子を同定し得るので、腫瘍の悪性度を決定するにおいて特
に価値があり得る。
【0133】 肺癌の検出。本発明のポリヌクレオチドは、被験体において肺癌を検出するた
めに使用され得る。1ダースよりも多くの異なる種類の肺癌があるが、肺癌の2
つの主な型は、小細胞および非小細胞であり、これは全ての肺癌症例のうちの約
90%を包含する。小細胞癌腫(また燕麦細胞癌腫と呼ばれる)は通常、より大
きな気管支の1つにおいて開始し、非常に迅速に増殖し、そして診断の時までに
は大きくなる傾向がある。非小細胞肺癌(NSCLC)は、肺癌の3つの一般的
なサブタイプから構成される。類表皮癌腫(また偏平上皮細胞癌腫と呼ばれる)
は通常、より大きな気管支の1つにおいて開始し、そして比較的ゆっくりと増殖
する。これらの腫瘍の大きさは、非常に小さいから非常に大きい範囲であり得る
。腺癌腫は、肺の外側の表面近くで増殖を開始し、そして大きさおよび増殖速度
の両方において変化し得る。いくつかのゆっくりと増殖する腺癌腫は、肺胞細胞
癌として記載される。大きな細胞癌腫は、肺の表面近くで開始し、迅速に増殖し
、そして診断されるときには、増殖は通常、非常に大きい。肺癌の他のあまり一
般的でない形態は、カルチノイド、円柱腫、粘膜表皮性の、および悪性の中皮腫
である。
【0134】 本発明のポリヌクレオチド、例えば、正常な細胞対癌性肺細胞(例えば、高い
または低い転移可能性の腫瘍細胞)において、もしくは癌性肺細胞の型の間(例
えば、高い転移性対低い転移性)で、差次的に発現されるポリヌクレオチドは、
肺癌の型を区別するために、ならびにある患者の癌に特異的な特徴を同定するた
めに、および適切な治療を選択するために、使用され得る。例えば、患者のバイ
オプシーが、低い転移可能性と関連されるポリヌクレオチドを発現する場合、こ
れは病変を除去するための外科手術において患者の肺のより大きな部分を残すこ
とを正当化し得る。あるいは、高い転移可能性と関連されるポリヌクレオチドの
発現を伴うより小さな病変は、転移が病理学的試験を介して同定され得ない場合
であっても、肺組織および/またはその周囲のリンパ節のより根治的な除去を正
当化し得る。
【0135】 乳癌の検出。大多数の乳癌は、腺癌腫のサブタイプであり、これは以下のよう
にまとめられ得る:1)腺管癌腫インサイチュ(DCIS)、面皰癌腫を含む;
2)浸潤性(または侵襲性)腺管癌腫(IDC);3)小葉癌腫インサイチュ(
LCIS);4)浸潤性(または侵襲性)小葉癌腫(ILC);5)炎症性乳癌
;6)髄様癌腫;7)粘液性癌腫;8)乳頭のパゲット病;9)葉状腫瘍、およ
び10)管状腺癌腫。
【0136】 本発明のポリヌクレオチドの発現は、乳癌の診断および管理において、ならび
に乳癌の型の間を区別するために使用され得る。乳癌の検出は、本発明の任意の
適切なポリヌクレオチドの発現レベルを、単独でまたは組合わせてのいずれかで
使用して決定され得る。乳癌の攻撃性の性質および/または転移可能性の決定は
また、本発明の1つ以上のポリヌクレオチドのレベルを比較し、そして癌性組織
において変化することが知られる別の配列のレベル(例えば、ER発現)を比較
することによって決定され得る。さらに、乳癌の発症は、ステロイドホルモン(
例えば、テストステロンもしくはエストロゲン)のレベルに対する、または他の
ホルモン(例えば、増殖ホルモン、インスリン)に対する、差次的に発現される
ポリヌクレオチドの発現の比率を試験することによって、検出され得る。従って
、特異的マーカーポリヌクレオチドの発現は、正常な乳組織と癌性の乳組織との
間を区別する、起源の異なる細胞を伴う乳癌の間を区別する、異なる潜在的な転
移速度を伴う乳癌の間を区別するなどのために、使用され得る。
【0137】 結腸癌の検出。適切な発現パターンを示す本発明のポリヌクレオチドは、被験
体において結腸癌を検出するために使用され得る。結腸直腸癌は、ヒトにおける
最も共通の新生物の1つであり、そしておそらく遺伝性の新生物の最も頻繁な形
態である。予防および初期の検出は、結腸直腸癌を制御および治癒するにおいて
重要な因子である。結腸直腸癌は、結腸の内層において形成する、細胞の小さな
、良性の増殖物であるポリープとして開始する。数年間の期間にわたって、これ
らのポリープのいくつかはさらなる変異を蓄積し、そして癌性になる。複数の家
族性結腸直腸癌異常が同定されており、これは以下のようにまとめられる:1)
家族性腺腫様ポリポシス(FAP);2)ガードナー症候群;3)遺伝性非ポリ
ポシス結腸癌(HNPCC);および4)Ashkenazi Jewsにおけ
る家族性結腸直腸癌。本発明の適切なポリヌクレオチドの発現は、結腸直腸癌の
診断、予後、および管理において使用され得る。結腸癌の検出は、任意のこれら
の配列の発現レベルを単独で、または発現のレベルと組合わせて使用して決定さ
れ得る。結腸癌の攻撃性の性質および/または転移可能性の決定は、本発明の1
つ以上のポリヌクレオチドのレベルを比較し、そして癌組織において変化するこ
とが知られる別の配列(例えば、p53、DCC ras、lor FAPの発
現)の総レベルを比較することによって決定され得る(例えば、Fearon
ERら、Cell(1990)61(5):759;Hamilton SRら
、Cancer(1993)72:957;Bodmer Wら、Nat Ge
net.(1994)4(3):217;Fearon ER、Ann NY
Acad Sci.(1995)768:101を参照のこと)。例えば、結腸
癌の発症は、癌遺伝子(例えば、ras)または腫瘍抑制遺伝子(例えば、FA
Pまたはp53)のレベルに対する本発明の任意のポリヌクレオチドの比率を試
験することによって検出され得る。従って、特異的マーカーポリヌクレオチドの
発現は、正常な結腸組織と癌性の結腸組織との間を区別する、起源の異なる細胞
を伴う結腸癌の間を区別する、異なる潜在的な転移速度を伴う結腸癌の間を区別
するなどのために、使用され得る。
【0138】 (ペプチドアナログおよびアンタゴニストについてスクリーニングするための
ポリヌクレオチドの使用) 本発明のポリヌクレオチドおよび対応する全長遺伝子によってコードされるポ
リぺプチドは、コードされるポリぺプチドの中からレセプターのような結合パー
トナーを同定するために、ペプチドライブラリーをスクリーニングするために使
用され得る。ペプチドライブラリーは、当該分野において公知の方法に従って合
成され得る(例えば、米国特許第5,010,175号およびWO91/178
23を参照のこと)。本発明のポリぺプチドのアゴニストまたはアンタゴニスト
は、シグナル伝達、抗体結合、レセプター結合、分裂促進アッセイ、走化性アッ
セイなどのような当該分野において公知の任意の利用可能な方法を使用してスク
リーニングされ得る。アッセイ条件は理想的には、ネイティブな活性がインビボ
で示される条件、すなわち、生理学的pH、温度、およびイオン強度下の条件に
類似するべきである。適切なアゴニストまたはアンタゴニストは、被験体におい
て毒性の副作用を引き起こさない濃度で、ネイティブな活性の強力な阻害または
増強を示す。ネイティブなポリぺプチドへの結合を競合するアゴニストまたはア
ンタゴニストは、ネイティブな濃度に等しいかまたはこれよりも大きい濃度を必
要とし得るが、ポリぺプチドに不可逆的に結合し得るインヒビターは、ネイティ
ブな濃度に類似する濃度において添加され得る。
【0139】 このようなスクリーニングおよび実験は、本発明のポリヌクレオチドに対応す
る遺伝子またはcDNAによってコードされる、レセプターのような新規なポリ
ぺプチド結合パートナー、および新規な結合パートナーの少なくとも1つのペプ
チドアゴニストまたはアンタゴニストの同定を導き得る。このようなアゴニスト
およびアンタゴニストは、レセプターがネイティブである細胞において、または
遺伝子操作の結果としてレセプターを保持する細胞において、レセプター機能を
調節、増強、または阻害するために使用され得る。さらに、新規なレセプターは
公知のレセプターと生物学的に重要な特徴を共有する場合、アゴニスト/アンタ
ゴニスト結合についての情報は、公知のレセプターの改善されたアゴニスト/ア
ンタゴニストの開発を容易にし得る。
【0140】 (薬学的組成物および治療学的使用) 本発明の薬学的組成物は、治療学的に有効な量において、本発明のポリぺプチ
ド、抗体、またはポリヌクレオチド(アンチセンスヌクレオチドおよびリボザイ
ムを含む)を含み得る。本明細書中で使用されるように用語「治療学的に有効な
量」は、所望の疾患もしくは状態を処置、軽減、または予防するための、または
検出可能な治療学的または予防的効果を示すための、治療学的薬剤の量をいう。
効果は、例えば、化学マーカーまたは抗原レベルによって検出され得る。治療学
的効果はまた、体温の低下のような身体的症状における減少を含む。被験体につ
いての正確な有効量は、被験体の大きさおよび健常度、状態の性質および程度、
ならびに投与のために選択される治療薬または治療薬の組合せに依存する。従っ
て、正確な有効量を予め特定することは有用でない。しかし、所定の状態につい
ての有効量は、日常的な実験によって決定され、および臨床医の判断の範囲内で
ある。本発明の目的のために、有効用量は、一般に、これが投与される個体にお
いて、約0.01mg/kg〜50mg/kg、または0.05mg/kg〜約
10mg/kgのDNA構築物である。
【0141】 薬学的組成物はまた、薬学的に受容可能なキャリアを含み得る。用語「薬学的
に受容可能なキャリア」は、抗体またはポリぺプチドのような治療学的薬剤、遺
伝子、および他の治療学的薬剤の投与のためのキャリアをいう。この用語は、組
成物を受ける個体に有害な抗体の生成をそれ自身誘導せず、および過度の毒性を
伴わずに投与され得る任意の薬学的キャリアをいう。適切なキャリアは、タンパ
ク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、アミノ酸コポリ
マー、および不活性なウイルス粒子のような大きな、ゆっくりと代謝される高分
子であり得る。このようなキャリアは当業者に周知である。治療学的組成物にお
ける薬学的に受容可能なキャリアは、水、生理食塩水、グリセロール、およびエ
タノールのような液体を含み得る。湿潤化剤または乳化剤、pH緩衝化剤などの
ような補助物質もまた、このようなベヒクルに存在し得る。典型的に、治療学的
組成物は、注射可能な、液体溶液または懸濁液のいずれかとして調製され;注射
の前に液体ベヒクル中に入れて溶液または懸濁液とするのに適切な固体形態もま
た、調製され得る。リポソームは、薬学的に受容可能なキャリアの規定内に含ま
れる。薬学的に受容可能な塩もまた、薬学的組成物中に存在し得る(例えば、塩
化水素塩、臭化水素塩、リン酸塩、硫酸塩などのような無機酸塩;および酢酸塩
、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩などのような有機酸の塩)。薬学的
に受容される腑形剤の徹底的な考察は、Remington's Pharma
ceutical Sciences(Mack Pub. Co.、N.J.
1991)において利用可能である。
【0142】 送達方法。一旦処方されると、本発明の組成物は、(1)被験体に直接的に投
与され得る(例えば、ポリヌクレオチドまたはポリぺプチドとして)か;または
(2)被験体に由来する細胞にエクスビボで送達され得る(例えば、エクスビボ
遺伝子治療におけるように)。組成物の直接的な送達は一般に、非経口注射(例
えば、皮下、腹腔内、静脈内もしくは筋肉内、腫瘍内、または組織の間質腔への
)によって達成される。投与の他の態様としては、経口投与および肺投与、坐薬
、および経皮適用、針、および遺伝子銃またはハイポスプレイが挙げられる。投
薬処置は、単回用量スケジュールまたは複数用量スケジュールであり得る。
【0143】 エクスビボ送達および被験体への形質転換された細胞の再移植のための方法は
、当該分野において公知であり、ならびに例えば、国際公開第WO93/147
78号において記載される。イクスビボ適用において有用な細胞の例としては、
例えば、幹細胞、特に造血幹細胞、リンパ細胞、マクロファージ、樹状細胞、ま
たは腫瘍細胞が挙げられる。一般に、エクスビボおよびインビトロ適用のための
核酸の送達は、例えば、デキストラン媒介性のトランスフェクション、リン酸カ
ルシウム沈澱、ポリブレン媒介性のトランスフェクション、プロトプラスト融合
、電気泳動、リポソーム中のポリヌクレオチドのカプセル化、および核へのDN
Aの直接的なマイクロインジェクションによって達成され得、全て当該分野にお
いて周知である。
【0144】 一旦本発明のポリヌクレオチドに対応する遺伝子が、新生物、形成異常、およ
び過形成のような、増殖異常と相関することが見出されると、異常は、提供され
るポリヌクレオチド、対応するポリぺプチド、または他の対応する分子(例えば
、アンチセンス、リボザイムなど)に基づく治療学的薬剤の投与による処置に影
響を受けやすい。
【0145】 本発明の薬学的組成物の投与の用量および手段は、治療学的組成物の特異的な
質、患者の状態、年齢、および体重、疾患の進行、ならびに他の関連の因子に基
づいて決定される。例えば、本発明のポリヌクレオチド治療学的組成物薬剤の投
与は、局所投与または全身投与を含み、注射、経口投与、パーティクルガン、ま
たはカテーテル法による投与、および局所的な投与が挙げられる。好ましくは、
治療学的ポリヌクレオチド組成物は、本明細書中に開示されるポリヌクレオチド
の少なくとも12、22、25、30、または35の連続したntのポリヌクレ
オチドに作動可能に連結されるプロモーターを含有する発現構築物を含む。種々
の方法が、治療学的組成物を身体の特定の部位に直接的に投与するために使用さ
れ得る。例えば、小さな転移性病変が位置づけられ、そして治療学的組成物は、
腫瘍の体内のいくつかの異なる位置において数回注射される。あるいは、腫瘍を
作用する動脈が同定され、そして治療学的組成物は、組成物を腫瘍に直接的に送
達するために、このような動脈に注射される。壊死癌を有する腫瘍は吸引され、
そして組成物は、腫瘍のいまや空の中心に直接的に注射される。アンチセンス組
成物は、例えば、組成物の局所的な適用によって腫瘍の表面に直接的に投与され
る。X線画像化は、いくつかの上述の送達法を補助するために使用される。
【0146】 アンチセンスポリヌクレオチド、サブゲノムポリヌクレオチド、または特定の
組織に対する抗体を含有する治療学的組成物のレセプター媒介性の標的化送達が
また、使用され得る。レセプター媒介性のDNA送達技術は、例えば、Find
eisら、Trends Biotechnol.(1993)11:202;
Chiouら、Gene Therapeutics:Methods And
Applications Of Direct Gene Transfe
r(J.A.Wolff編)(1994);Wuら、J. Biol. Che
m.(1988)263:621;Wuら、J. Biol. Chem.(1
994)269:542;Zenkeら、Proc. Natl. Acad.
Sci.(USA)(1990)87:3655;Wuら、J. Biol.
Chem.(1991)266:338において記載される。ポリヌクレオチ
ドを含有する治療学的組成物は、遺伝子治療プロトコルにおける局所投与につい
て、約100ng〜約200mgのDNAの範囲において投与される。約500
ngから約50mg、約1g〜約2mg、約5g〜約500g、および約20g
〜約100gのDNAの濃度範囲はまた、遺伝子治療プロトコルの間に使用され
得る。作用の(例えば、コードされる遺伝子産物のレベルを増強するまたは阻害
するための)方法、形質転換および発現の効力のような因子は、アンチセンスサ
ブゲノムポリヌクレオチドの最大の効力のために必要とされる投薬量を影響する
考慮すべき事柄である。組織のより大きな領域にわたってより優れた発現が所望
される場合、アンチセンスサブゲノムポリヌクレオチドのより多くの量、もしく
は投与の継続的なプロトコルにおいて再投与される同じ量、または例えば、腫瘍
部位の異なる近接のまたは近い組織部分への数回の投与が、ポジティブな治療学
的結果を達成するために必要とされ得る。全ての場合において、臨床試験におけ
る日常的な実験は、至適な治療学的効果についての特定の範囲を決定する。抗炎
症活性を有するポリぺプチドまたはタンパク質をコードするポリヌクレオチド関
連性の遺伝子についての、適切な使用、用量、および投与は、米国特許第5,6
54,173号において記載される。
【0147】 本発明の治療学的ポリヌクレオチドおよびポリぺプチドは、遺伝子送達ベヒク
ルを使用して送達され得る。遺伝子送達ベヒクルは、ウイルス起源または非ウイ
ルス起源であり得る(概して、Jolly、Cancer Gene Ther
apy(1994)1:51;Kimura、Human Gene Ther
apy(1995)5:845;Connelly、Human Gene T
herapy(1995)1:815;およびKaplitt、Nature
Genetics(1994)6:148を参照のこと)。このようなコード配
列の発現は、内因性の哺乳動物または異種プロモーターを使用して誘導され得る
。コード配列の発現は、構成的または調節性のいずれかであり得る。
【0148】 所望のポリヌクレオチドの送達のためのウイルスベースのベクター、および所
望の細胞における発現は、当該分野において周知である。例示的なウイルスベー
スのベヒクルとしては、組換えレトロウイルス(例えば、WO90/07936
;WO94/03622;WO93/25698;WO93/25234;米国
特許第5,219,740号;WO93/11230;WO93/10218;
米国特許第4,777,127号;英国特許第2,200,651号;EP 0
345 242;およびWO91/02805を参照のこと)、αウイルスベ
ースのベクター(例えば、シンドビスウイルスベクター、セムリキ森林ウイルス
(ATCC VR−67;ATCC VR−1247)、ロスリバーウイルス(
ATCC VR−373;ATCC VR−1246)、およびベネズエラウマ
脳炎ウイルス(ATCC VR−923;ATCC VR−1250;ATCC
VR 1249;ATCC VR−532)、およびアデノ随伴ウイルス(A
AV)ベクター(例えば、WO94/12649、WO93/03769;WO
93/19191;WO94/28938;WO95/11984、およびWO
95/00655を参照のこと)が挙げられるが、これらに制限されない。Cu
riel. Hum. Gene Ther.(1992)3:147において
記載されるような殺傷されたアデノウイルスに連結されるDNAの投与もまた、
用いられ得る。
【0149】 非ウイルス送達ベヒクルおよび方法がまた、用いられ得、殺傷されたアデノウ
イルス単独に連結されるかまたは連結されないポリカチオン性の濃縮されたDN
A(例えば、Curiel,Hum. Gene Ther.(1992)3:
147を参照のこと);リガンド連結化DNA(例えば、Wu、J. Biol
. Chem.(1989)264:16985を参照のこと);真核生物細胞
送達ベヒクル細胞(例えば、米国特許第5,814,482号;WO95/07
994;WO96/17072;WO95/30763;およびWO97/42
338を参照のこと)、ならびに核電荷中和化、または細胞膜との融合が挙げら
れるがこれらに制限されない。裸のDNAもまた、用いられ得る。例示的な裸の
DNAの導入方法は、WO90/11092および米国特許第5,580,85
9号において記載される。遺伝子送達ベヒクルとして作用し得るリポソームは、
米国特許第5,422,120号;WO95/13796号;WO94/236
97;WO91/14445;およびEP 0524968において記載される
。さらなるアプローチは、Philip、Mol. Cell. Biol.(
1994)14:2411、およびWoffendin、Proc. Natl
. Acad. Sci.(1994)91:1581において記載される。
【0150】 使用のために適切なさらなる非ウイルス送達は、Woffendinら、Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA(1994)91(24)
:11581において記載されるアプローチのような機械的送達系を含む。さら
に、コード配列およびこのような配列の発現の産物は、光重合化ヒドロゲル材料
の沈着または電離放射線の使用を介して送達され得る(例えば、米国特許第5,
206,152号およびWO92/11033を参照のこと)。コード配列の送
達のために使用され得る遺伝子送達のための他の従来の方法としては、例えば、
手持ちの遺伝子移入パーティクルガン(例えば、米国特許第5,149,655
号を参照のこと)の使用;移入された遺伝子の活性化のための電離放射線の使用
(例えば、米国特許第5,206,152号およびWO92/11033を参照
のこと)が挙げられる。
【0151】 本発明は、特に有利な実施態様を記載する以下の実施例を参照することによっ
て、今や説明される。しかし、これらの実施態様は説明であって、本発明を制限
するとしてはいかようにも解釈されないことに、留意されるべきである。
【0152】 (実施例) (実施例1:生物学的材料の供給源および生物学的材料によって発現される新
規なポリヌクレオチドの概要) cDNAライブラリーを、ヒト結腸癌細胞株Km12L4−A(Morika
waら、Cancer Research(1998)48:6863)、KM
12C(Morikawaら、Cancer Res.(1988)48:19
43−1948)、またはMDA−MB−231(Brinkleyら、Can
cer Res.(1980)40:3118−3129)のいずれかから構築
し、これらの細胞は、細胞から単離されたmRNAからcDNAライブラリーを
構築するために使用された。これらの細胞株によって発現される配列を単離し、
そして分析し:ほとんどの配列は、約275〜300ヌクレオチド長であった。
KM12L4−A細胞株は、KM12C細胞株に由来する。KM12C細胞株は
、不十分な転移性(低い転移性)であり、Duke病期B2の外科的標本からの
培養物において樹立された(Morikawaら、Cancer Res.(1
988)48:6863)。KML4−Aは、KM12Cに由来する非常に転移
性の亜株である(Yeatmanら、Nucl. Acids. Res.(1
995)23:4007;Bao−Lingら、Proc.Annu. Mee
t. Am. Assoc. Cancer. Res.(1995)21:3
269)。KM12CおよびKM12C由来の細胞株(例えば、KM12L4、
KM12L4−Aなど)は、結腸癌の研究についてのモデル細胞株として当該分
野において十分に認識される(例えば、Moriakawaら、前出;Radi
nskyら、Clin. Cancer Res.(1995)1:19;Ye
atmanら(1995)前出;Yeatmanら、Clin. Exp. M
etastasis(1996)14:246を参照のこと)。MDA−MB−
231細胞株は、胸水から元来単離され(Cailleau、J. Natl.
Cancer Inst.(1974)53:661)、高い転移可能性であ
り、および乳癌と一致してヌードマウスにおいて不十分に分化した腺癌病期(g
rade)IIを形成する。
【0153】 単離されたポリヌクレオチドの配列を、XBLASTマスキングプログラム(
Claverie「Effective Large−Scale Seque
nce Similarity Searches」Computer Met
hods for Macromolecular Sequence Ana
lysis、Doolitte編、Meth. Enzymol. 266:2
12−227 Academic Press、NY、NY(1996);特に
、Claverie、「自動化DNA配列決定および分析技術」Adamsら編
、第36章、267頁 Academic Press、San Diego、
1994、およびClaverieら、Comput. Chem.(1993
)17:191を参照のこと)を使用して、先ずマスクし、低い複雑性の配列を
排除した。一般に、マスキングは、配列の低い複雑性に起因して比較的小さい目
的の配列を排除すること、および複数の配列に共通の反復領域(例えば、Alu
反復)に対する類似性に基づいて複数の「ヒット」を排除すること以外は、最終
的な検索結果に影響しない。マスキングは、43個の配列の排除を生じた。次い
で、残りの配列をBLASTN対GenBank検索において使用し;70%よ
りも大きい重複、99%の同一性、および1×10-40未満のp値を示す配列を
排除した。この検索からの配列はまた、包括的なパラメーターが適合した場合に
排除されたが、配列はリボソーム由来またはベクター由来であった。以前の検索
から得られた配列を3つの群(以下の1、2、および3)に分類し、そしてBL
ASTX対NRP(非重複性のタンパク質)データベース検索において検索した
:(1)未知(GenBank検索におけるヒットなし)、(2)弱い類似性(
45%を超える同一性および1×10-5未満のp値)、ならびに(3)高い類似
性(60%を超える重複、80%を超える同一性、および1×10-5未満のp値
)。70%を超える重複、99%を超える同一性、および1×10-40未満のp
値を有する配列を排除した。
【0154】 残りの配列を、未知(ヒットなし)、弱い類似性、および高い類似性(上述の
ようなパラメーター)として分類した。2つの検索を、これらの配列に対して行
った。先ず、BLAST対ESTデータベース検索を行い、そして99%を超え
る重複、99%を超える類似性、および1×10-40未満のp値を有する配列を
排除した。ヒト起源のデータベース配列に比較される場合、1×10-65未満の
p値を有する配列もまた排除された。第2に、BLASTN対Patent G
eneSeqデータベースを行い、そして99%を超える同一性、1×10-40
未満のp値、および99%を超える重複を有する配列を排除した。
【0155】 残りの配列を、データセットにおける他の規則および重複性を使用するスクリ
ーニングに供した。ヒト起源のデータベース配列に関して1×10-111未満のp
値を有する配列を特異的に排除した。最終的な結果は、添付の配列表において配
列番号1〜1565として列挙され、および表1A(特許請求の範囲の後に挿入
される)においてまとめられる、1,565個の配列を提供した。各同定された
ポリヌクレオチドは、少なくとも部分的なmRNA転写物からの配列を示す。
【0156】 表1Aは以下を提供する:1)本明細書における使用のために各配列に割り当
てられる配列番号;2)配列が始めて出願された米国の優先特許出願の出願日;
3)優先出願に割り当てられた代理人整理番号(内部使用のため);4)優先出
願における配列に割り当てられた配列番号;5)配列の内部識別子として使用さ
れる配列名;および6)配列が単離されたクローンに割り当てられた名前。提供
されるポリヌクレオチドが部分的なmRNA転写物を示すので、本発明の2つ以
上のポリヌクレオチドは、同じmRNA転写物および同じ遺伝子の異なる領域を
示し得る。従って、2つ以上の配列番号は同じクローンに属するとして同定され
る場合、いずれかの配列は、全長mRNAまたは全長遺伝子を得るために使用さ
れ得る。
【0157】 配列番号1〜1565の配列を確認するために、自動装置の除去系を使用して
クローンをライブラリーから回収し、そして回収されたクローンのインサートを
再配列決定した。これらの「確認」配列は、配列表において配列番号1566〜
2610として提供され、そして「確認」配列のまとめは、表1B(特許請求の
範囲の後に挿入される)において提供される。表1Bは以下を提供する:1)本
明細書における使用のために各配列に割り当てられる配列番号;2)得られた「
確認」配列に割り当てられた配列名;3)「確認」配列が、配列番号1〜156
5の元来の配列と重複する配列を含むか否か(確認重複(VO))、または「確
認」配列が配列番号1〜1565の元来の配列と実質的に重複しないか否か(確
認非重複(VNO)によって示される);ならびに4)配列がVOとして示され
る場合の、示された「確認」配列を含むクローンの名前。「確認」配列は、「V
O」として示され、ここでは「確認」配列は元来の配列(例えば、配列番号1〜
1565のうちの1つ)と重複し、および/または「確認」配列は、上記のクラ
スター形成技術を使用して、元来の配列と同じクラスターに属する。クローンの
インサートは一般に、元来の配列および確認配列よりも長いので、「確認」配列
は元来の配列と同じクローンから得られ得るが、なお元来の配列を全く共有し得
ないことが可能である。しかし、このような確認配列は、上記のクラスター形成
技術を使用して、元来の配列と同じクラスターに属する。VO「確認」配列は、
元来の配列(配列番号1〜1565のうちの1つ)と同じクローン内に含まれる
。提供される重複配列が「VO」によって示される「確認」配列は、元来の配列
と相関し得、これらは、表1Aを参照することによって確認する。VNOとして
示される配列は、新規に単離された配列として処理され、そして配列番号1〜1
565の配列に関連するかもしれないし関連しないかもしれない。「確認」配列
はしばしば、元来のポリヌクレオチド配列よりも長いので、従ってさらなる配列
情報を提供する。全ての確認配列は、示されたクローン(例えば、VO配列につ
いて)、または本明細書中に記載されるcDNAライブラリー(例えば、配列表
において提供される配列から設計されるプライマーを使用して)のいずれかから
得られ得る。
【0158】 (実施例2:遺伝子産物の機能を同定するための公的なデータベース検索の結
果) 配列番号1566〜2610を、全ての3つのリーディングフレームにおいて
翻訳し、そしてヌクレオチド配列および翻訳されたアミノ酸配列を、GenBa
nk(ヌクレオチド配列)またはNon−Redundant Protein
(アミノ酸配列)データベースのいずれかにおいて、相同な配列について検索す
るための問合せ配列として使用した。問合せ配列および個々の配列を、http
://ww.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/でのworld
wide webを介して利用可能なBLAST 2.0プログラムを使用し
て、整列した(Altschulら、Nucleic Acids Res.(
1997)25:3389−3402をまた参照のこと)。配列を、実施例1に
おいて上記されるように低い複雑性をマスクするためのXBLASTプログラム
を使用して、反復配列またはポリA配列の検索を防ぐために種々の程度にマスク
した。
【0159】 表2Aおよび2B(請求の範囲の前に挿入される)は、1×10-2以下のp値
を有する整列の要約を提供し、本発明の配列と示される公的なデータベースの配
列との間の実質的な相同性を示す。表2Aは、問合せ配列の配列番号、相同配列
のGenBankデーターベース登録の登録番号、および整列のp値を提供する
。表2Aは、問合せ配列の配列番号、相同配列のNon−Redundant
Proteinデーターベース登録の登録番号、および整列のp値を提供する。
表2Aおよび2Bにおいて提供される整列は、本明細書の出願の直前の時点で、
DNA配列またはアミノ酸配列に対して最も良好に利用可能な整列である。表2
Aおよび2Bにおいて列挙される配列番号によってコードされるポリぺプチドの
活性は、報告される最も近い配列または密接に関連される配列の活性に実質的に
同じであるかまたは実質的に類似であることが、推定され得る。最も近い配列の
登録番号が報告され、最も近い配列によって示される活性および機能に対する公
的に利用可能な参照を提供する。それぞれの最も近い配列の活性および機能に関
する公的な情報は、本出願において参考として援用される。また参考として援用
されるのは、配列、ならびに表2において列挙される最も近い配列およびそれら
の関連する配列の推定の活性および実際の活性および機能に関する全ての公的に
利用可能な情報である。整列のために使用される検索プログラムおよびデータベ
ース、ならびにp値の算定もまた示される。
【0160】 最も近い配列のポリヌクレオチド配列の全長配列またはフラグメントは、対応
するポリヌクレオチドの全長の配列を同定しかつ単離するために、プローブおよ
びプライマーとして使用され得る。最も近い配列は、対応するポリヌクレオチド
の全長の配列についてのライブラリーを構築するために使用されるべき組織型ま
たは細胞型を同定し得る。
【0161】 (実施例3:タンパク質ファミリーのメンバー) 配列番号1566〜2601を、上述に本明細書中で記載されるように、プロ
フィール検索を行うために使用した。本発明のポリヌクレオチドのいくつかは、
公知のタンパク質ファミリーに属するポリぺプチドの特徴を有し(従って、これ
らのタンパク質ファミリーの新規なメンバーを示す)、および/または公知の機
能的なドメインを含む、ポリぺプチドをコードすることが見出された(表3A、
特許請求の範囲の前に挿入される)。表3Aは、問合せ配列の配列番号、プロフ
ィールヒットの簡単な記載、個々の配列内の問合せ配列の位置(「開始」および
「停止」として示される)、および個々の配列に関する問合せ配列の配向(方向
)を提供し、ここで正方向(正)は、整列が配列表において提供される配列と同
じ方向(左から右)においてであることを示し、および逆方向(逆)は、整列が
配列表において提供される配列に相補的な配列を有することを示す。
【0162】 いくつかのポリヌクレオチドは、問合せ配列が重複するプロフィール領域を含
む、および/またはこの配列が2つの異なる機能的ドメインを含む、複数のプロ
フィールヒットを示した。表3Aのそれぞれのプロフィールヒットは、以下によ
り詳細に記載される。プロフィールについての略語(カッコ内に提供される)は
、PfamデータベースおよびPrositeデータベースにおけるプロフィー
ルを同定するために使用された略語である。Pfamデータベースは、以下の任
意のURLS:http://pfam.wustl.edu/index.h
tml;http://www.sanger.ac.uk/Softwae/
Pfam/;およびhttp://www.cgr.ki.se/Pfam/を
介してアクセスされ得る。Prositeデータベースは、http://ww
w.expasy.ch/prosite/にてアクセスされ得る。種々のプロ
フィールに関してPfamデータベースおよびPrositeデータベースにお
いて利用可能な公的な情報は、種々のタンパク質ファミリーおよびタンパク質ド
メインの活性、機能、およびコンセンサス配列を含むがこれらに制限されず、本
明細書中に参考として援用される。
【0163】 (14−3−3ファミリー(14 3 3))配列番号1967は、14−3
−3タンパク質ファミリーメンバーをコードする配列に対応する。14−3−3
タンパク質ファミリーは、哺乳動物の脳組識において非常に豊富であるとして最
初に同定され、かつニューロン中に優先的に位置する、密接に関連する約30k
Dの酸性のホモ二量体タンパク質の群を含む(Aitkenら、Trends
Biochem. Sci.(1995)20:95−97;Morrison
Science(1994)266:56−57;およびXiaoら、Nat
ure(1995)376:188−191)。14−3−3タンパク質は、複
数の生物学的活性を有し、この生物学的活性は、シグナル伝達経路および細胞周
期における重要な役割を含む。14−3−3タンパク質は、キナーゼ(例えば、
PKCまたはRaf−1)と相互作用し、ならびにチロシンヒドロキシラーゼお
よびトリプトファンヒドロキシラーゼのプロテインキナーゼ依存性のアクチベー
ターとしてもまた機能し得る。14−3−3タンパク質配列は、極めて十分に保
存され、そして2つの非常に保存された領域を含み:第1は、N末端部分におい
て位置される11残基のペプチドであり;第2は、C末端部分において位置され
る20アミノ酸領域である。コンセンサスパターンは以下のようである:1)R
−N−L−[LIV]−S−[VG]−[GA]−Y−[KN]−N−[IVA
];2)Y−K−[DE]−S−T−L−I−[IM]−Q−L−[LF]−[
RHC]−D−N−[LF]−T−[LS]−W−[TAN]−[SAD]。
【0164】 (3’5’−サイクリンヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDEアーゼ)
)配列番号2366は、新規な3’5’−サイクリックヌクレオチドホスホジエ
ステラーゼをコードするポリヌクレオチドを示す。PDEアーゼは、対応するヌ
クレオシド5’1リン酸へのcAMPまたはcGMPの加水分解を触媒する(C
harbonneauら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A
.(1986)83:9308)。PDEアーゼの少なくとも7つの異なるファ
ミリーがある(Beavoら、Trends Pharmacol. Sci.
(1990)11:150;http://weber.u.washingt
on.edu/〜pde/):1)1型、カルモジュリン/カルシウム依存性P
DEアーゼ;2)2型、cGMP刺激性PDEアーゼ;3)3型、cGMP阻害
性PDEアーゼ;4)4型、cAMP特異的PDEアーゼ;5)5型、cGMP
特異的PDEアーゼ;6)6型、ロドプシン感受性cGMP特異的PDEアーゼ
;および7)7型、高い親和性のcAMP特異的PDEアーゼ。全てのPDEア
ーゼの形態は、約270残基の保存されたドメインを共有する。特徴的なパター
ンは、2つの保存されたヒスチジンを含む12残基のストレッチから決定される
:H−D−[LIVMFY]−x−H−x−[AG]−x(2)−[NQ]−x
−[LIVMFY]。
【0165】 (4回膜貫通型内在性膜タンパク質(膜貫通4))。配列番号1579および
1978の配列は、4回膜貫通型セグメント内在性膜タンパク質ファミリー(t
m4ファミリー)のメンバーをコードする配列に対応する。タンパク質のtm4
ファミリーは、進化的に関連した真核生物細胞の多くの表面抗原を含む(Lev
yら、J.Biol.Chem.(1991)266:14597;Tomli
nsonら、Eur.J.Immunol.(1993)23:136;Bar
clayら、The leucocyte antigen factbook
s(1993)Academic Press、London/San Die
go)。tm4ファミリーメンバーは、III型膜タンパク質であり、これは輸
送シグナルとしておよび膜アンカーとしての両方で機能するN末端膜アンカード
メインを含む内在性膜タンパク質である。ファミリーメンバーはまた、3つのさ
らなる膜貫通領域、少なくとも7個の保存されたシステイン残基を含み、そして
ほぼ同じ大きさである(218〜284残基)。コンセンサスパターンは、2つ
の膜貫通ドメイン間の短い細胞質ループにおいて位置される2つのシステインを
含む保存された領域に及ぶ:コンセンサスパターン:G−x(3)−[LIVM
F]−x(2)−[GSA]−[LIVMF](2)−G−C−x−[GA]−
[STA]−x(2)−[EG]−x(2)−[CWN]−[LIVM](2)
【0166】 (7回膜貫通型内在性膜タンパク質−−ロドプシンファミリー(7tm 1)
)。配列番号1652、1927、および2068は、7回膜貫通型(7tm)
レセプターロドプシンファミリーのメンバーをコードする配列に対応する。(7
tm)ロドプシンファミリーのG−タンパク質共役レセプターとしては、ホルモ
ン、神経伝達物質、およびグアニンヌクレオチド結合(G)タンパク質との相互
作用によって細胞外シグナルを導入する光レセプターが挙げられる(Stros
berg Eur. J. Biochem.(1991)196:1、Ker
lavage Curr. Opin. Struct. Biol.(199
1)1:394、Probstら、DNA Cell Biol.(1992)
11:1、Savareseら、Biochem. J.(1992)283:
1、http:/www.gcrdb.uthscsa.edu/、http:
//swift.embl−heidelberg.de/7tm/)。保存さ
れたトリプレットを含みかつまた第3の膜貫通ヘリックスの主要な部分に及ぶコ
ンセンサスパターンは、この広範なファミリーのタンパク質を検出するために使
用される:[GSTALIVMFYWC]−[GSTANCPDE]−[EDP
KRH]−x(2)−[LIVMNQGA]−x(2)−[LIVMFT]−[
GSTANC]−[LIVMFYWSTAC]−[DENH]−R−[FYWC
SH]−x(2)−[LIVM]。
【0167】 (7回膜貫通型内在性膜タンパク質−−セクレチンファミリー(7tm 2)
)配列番号1598、1719、1911、1927、2068、および234
1は、7回膜貫通型レセプター(7tm)セクレチンファミリーのメンバーをコ
ードする配列に対応する(Jueppnerら、Science(1991)2
54:1024;Hamannら、Genomics(1996)32:144
)。これらのレセプターのN末端の細胞外ドメインは、ジスルフィド結合に関与
する5つの保存されたシステイン残基を含み、第1の3つのシステインに及ぶ領
域においてコンセンサスパターンを伴う。最も高度に保存される領域のうちの1
つは、最後の膜貫通領域のC末端部分および近接する細胞内領域の開始部分に及
び、そして第2の特徴的なパターンとして使用される。2つのコンセンサスパタ
ーンは以下である:1)C−x(3)−[FYMLIV]−D−x(3,4)−
C−[FW]−x(2)−[STAGV]−x(8,9)−C−[PF];およ
び2)Q−G−[LMFCA]−[LIVMFT]−[LIV]−x−[LIV
FST]−[LIF]−[VFYH]−C−[LFY]−x−N−x(2)−V
【0168】 (種々の細胞活性と関連するATPアーゼ(ATPアーゼ))本発明のポリヌ
クレオチドのいくつかは、多様な細胞活性と関連するATPアーゼ(AAA)の
ファミリーのメンバーをコードする配列に対応する。AAAタンパク質ファミリ
ーは、ATP結合部位を含む約220アミノ酸の保存された領域を共有する多数
のATPアーゼから構成される(Froehlichら、J. Cell. B
iol.(1991)114:443;Erdmannら、Cell(1991
)64:499;Petersら、EMBO J.(1990)9:1757;
Kunauら、Biochimie(1993)75:209−224;Con
falonieriら、BioEssays(1995)17:639;htt
p://yeamob.pci.chemie.uni−tuebingen.
de/AAA/Description.html)。AAAドメインは、1ま
たは2コピーで存在し得、ATP依存性タンパク質クランプ(clamp)とし
て作用し(Confalonieriら(1995)BioEssays 17
:639)、そしてドメインの中心部分において位置した非常に保存された領域
を含む。コンセンサスパターンは以下である:[LIVMT]−x−[LIVM
T]−[LIVMF]−x−[GATMC]−[ST]−[NS]−x(4)−
[LIVM]−D−x−A−[LIFA]−x−R。
【0169】 (塩基性領域およびロイシンジッパー転写因子(BZIP))配列番号162
3は、塩基領域およびロイシンジッパー転写因子のファミリーの新規なメンバー
をコードするポリヌクレオチドを示す。真核生物DNA結合転写因子のbZIP
スーパーファミリー(Hurst、Protein Prof.(1995)2
:105;およびEllenbergerら、Curr.Opin.Struc
t.Biol.(1994)4:12)は、配列特異的DNA結合を媒介する塩
基性領域、続いて二量体化に必要とされるロイシンジッパーを含むタンパク質を
含有する。このタンパク質ファミリーについてのコンセンサスパターンは以下で
ある:[KR]−x(1,3)−[RKSAQ]−N−x(2)−[SAQ](
2)−x−[RKTAENQ]−x−R−x−[RK]。
【0170】 (C2ドメイン(C2))配列番号1715および2426は、C2ドメイン
をコードする配列に対応し、これはカルシウム依存性のリン脂質結合(Davl
etov J. Biol. Chem.(1993)268:26386−2
6390)、またはカルシウムを結合しないタンパク質に関与する。このドメイ
ンは、イノシトール−1,3,4,5−四リン酸への結合を促進し得る(Fuk
udaら、J. Biol. Chem.(1994)269:29206−2
9211;Suttonら、Cell(1995)80:929−938)。コ
ンセンサス配列は以下である:[ACG]−x(2)−L−x(2,3)−D−
x(1,2)−[NGSTLIF]−[GTMR]−x−[STAP]−D−[
PA]−[FY]。
【0171】 (システインプロテアーゼ(Cys−プロテアーゼ))配列番号2238は、
真核生物のチオール(システイン)プロテアーゼの活性部位を有するタンパク質
をコードするポリヌクレオチドを示す。システインプロテアーゼ(Dufour
Biochimie(1988)70:1335)は、活性部位システインを
含むタンパク質分解性酵素のファミリーである。触媒は、チオエステル中間体を
介して進行し、そして近くのヒスチジン側鎖によって促進され;アスパラギンは
必要不可欠な三連触媒(catalytic triad)を達成する。3つの
活性部位残基の周囲の配列は十分に保存され、および特徴的なパターンとして使
用され得る:Q−x(3)−[GE]−x−C−[YW]−x(2)−[STA
GC]−[STAGCV](ここでCは、活性部位残基である);2)[LIV
MGSTAN]−x−H−[GSACE]−[LIVM]−x−[LIVMAT
](2)−G−x−[GSADNH](ここでHは、活性部位残基である);お
よび3)[FYCH]−[WI]−[LIVT]−x−[KRQAG]−N−[
ST]−W−x(3)−[FYW]−G−x(2)−G−[LFYW]−[LI
VMFYG]−x−[LIVMF](ここでNは、活性部位残基である)。
【0172】 (DEADボックスファミリーおよびDEAHボックスファミリーのATP依
存性ヘリカーゼ(Dead box helic))配列番号1630、186
5、および2517は、DEADボックスファミリーおよびDEAHボックスフ
ァミリー(Schmidら、Mol. Microbiol.(1992)6:
283;Linderら、Nature(1989)337:121;Wass
armanら、Nature(1991)349:463)の新規なメンバーを
コードするポリヌクレオチドを示す。これらのファミリーの全てのメンバーは、
ATP依存性の核酸巻戻し(unwinding)に関与する。全てのDEAD
ボックスファミリーメンバーは、多くの保存された配列モチーフを共有し、この
うちのいくつかはDEADファミリーに特異的であり、他は、他のATP結合タ
ンパク質によってか、またはヘリカーゼ「スーパーファミリー」に属するタンパ
ク質によって共有される(Hodgman Nature(1988)333:
22およびNature(1988)333:578(Errata);htt
p://www.expasy.ch/www/linder/HELICAS
ES_TEXT.html)。これらのモチーフのうちの1つは、「D−E−A
−D−ボックス」と呼ばれ、ATP−結合タンパク質のBモチーフの特別なバー
ジョンを示す。第2のAspの代わりにHisを有するタンパク質は、「D−E
−A−H−ボックス」タンパク質である(Wassarmanら、Nature
(1991)349:463;Haroshら、Nucleic Acids
Res.(1991)19:6331;Kooninら、J. Gen. Vi
rol.(1992)73:989;http://www.expasy.c
h/www/linder/HELICASES_TEXT.html)。以下
の特徴的なパターンは、両方のサブファミリーについてのメンバーを同定するた
めに使用される:1)[LIVMF](2)−D−E−A−D−[RKEN]−
x−[LIVMFYGSTN];および2)[GSAH]−x−[LIVMF]
(3)−D−E−[ALIV]−H−[NECR]。
【0173】 (二重特異性ホスファターゼ(DSPc))二重特異性ホスファターゼ(DS
P)は、ヘリックスα1を鎖β1に連結する「認識」領域以外は、チロシン特異
的ホスファターゼの三次折畳みに非常に類似する三次折畳みを含む、Ser/T
hrタンパク質ホスファターゼおよびTyrタンパク質ホスファターゼである。
この三次折畳みは、VH−1関連性の二重特異性ホスファターゼ(VHR)と、
タンパク質チロシンホスファターゼ(PTP)と他のDSPとの間の特異的な基
質における差異を決定し得る。ホスファターゼは、細胞成長、増殖、分化、およ
び形質転換の制御において重要である。
【0174】 (EFハンド(EFhand))配列番号1595は、EF−ハンドタンパク
質ファミリーのメンバーをコードするポリヌクレオチドに対応し、カルシウム結
合ドメインは、同じ進化的なファミリーに属する多くのカルシウム結合タンパク
質によって共有される(Kawasakiら、Protein. Prof.(
1995)2:305−490)。ドメインは、両側で12残基のαヘリックス
ドメインにより隣接する12残基ループであり、ここでカルシウムイオンは、5
角形の2錐体立体配座中に配位される。結合に関与する6残基は、1位、3位、
5位、7位、9位、および12位にあり;これらの残基は、X、Y、Z、−Y、
−X、および−Zによって示される。12位での不変(invariant)な
GluまたはAspは、Caを連結するための2つの酸素を提供する(2つ(b
identate)のリガンド)。コンセンサスパターンは、完全なEFハンド
ループ、ならびにループに続きかつ常に疎水性であるようである最初の残基を含
む:D−x−[DNS]−{ILVFYW}−[DENSTG]−[DNQGH
RK]−{GP}−[LIVMC]−[DENQSTAGC]−x(2)−[D
E]−[LIVMFYW]。
【0175】 (真核生物アスパルチルプロテアーゼ(asp))本発明のいくつかのポリヌ
クレオチドは、新規な真核生物アスパルチルプロテアーゼをコードする配列に対
応する。アスパルチルプロテアーゼは、酸プロテアーゼとして公知であり(EC
3.4.23.−)、脊椎動物、真菌、植物、レトロウイルス、およびいくつ
かの植物ウイルスにおいて存在することが公知であるタンパク質分解性酵素の広
範に分布するファミリーである(Foltmann、Essays Bioch
em.(1981)17:52;Davies. Annu. Rev. Bi
ophys. Chem.(1990)19:189;Raoら、Bioche
mistry(1991)30:4663)。真核生物のアスパラギン酸プロテ
アーゼは、2つのドメインからなる単量体の酵素である。各ドメインは、触媒性
のアスパルチル残基の中心におかれる活性部位を含む。真核生物アスパルチルプ
ロテアーゼを同定するコンセンサスパターンは:[LIVMFGAC]−[LI
VMTADN]−[LIVFSA]−D−[ST]−G−[STAV]−[ST
APDENQ]−x−[LIVMFSTNC]−x−[LIVMFGTA]であ
り、ここではDは、活性部位残基である。
【0176】 (フィブロネクチンII型コラーゲン結合ドメイン(FnII型))配列番号
1968は、II型フィブロネクチンコラーゲン結合ドメインを有するポリぺプ
チドをコードするポリヌクレオチドに対応する。フィブロネクチンは、細胞表面
およびコラーゲン、フィブリン、ヘパリン、DNA、およびアクチンを含む種々
の化合物を結合する血漿タンパク質である。フィブロネクチンの配列の主要な部
分は、I型、II型、およびIII型と呼ばれるドメインの3つの型の反復から
なる(Skorstengaardetら、Eur. J. Biochem.
(1986)161:441)。II型ドメインは、フィブロネクチンにおいて
重複され、約40残基長であり、ジスルフィド結合に関与する4つの保存された
システインを含み、そしてフィブロネクチンのコラーゲン結合領域の部分である
。このファミリーのメンバーを同定するためのコンセンサスパターン(このパタ
ーンは、この全ドメインに及ぶ)は、以下のようである:C−x(2)−P−F
−x−[FYWI]−x(7)−C−x(8,10)−W−C−x(4)−[D
NSR]−[FYW]−x(3,5)−[FYW]−x−[FYWI]−C(こ
こで4つのCは、ジスルフィド結合に関与する)。
【0177】 (G−タンパク質αサブユニット(G−α))配列番号1779は、G−タン
パク質αサブユニットファミリーのメンバーをコードする遺伝子に対応する。G
−タンパク質は、細胞内エフェクター(例えば、セカンドメッセンジャー分子の
濃度を変化するイオンチャネルおよび酵素)に、細胞外で活性化された内在性膜
レセプターを共役する膜会合性のタンパク質のファミリーである。G−タンパク
質は、静止状態において、原形質膜の内表面で三量体として会合する3つのサブ
ユニット(α、β、およびγ)から構成される。αサブユニット(GTPを結合
し、そしてGTPアーゼ活性を示す)は、40〜45kDaの範囲における分子
量を有する約350〜400アミノ酸長である。17個の異なる型のαサブユニ
ットが哺乳動物において同定されており、そして配列類似性および機能の両方に
基づいて、4つの主な群:α−s、α−q、α−i、およびα−12に分類され
る(Simonら、Science(1993)252:802)。これらはし
ばしば、通常、ミリスチル酸および/またはパルミトイル酸(palmitoy
late)によりN末端でアシル化され、これらの脂肪酸改変は、膜会合および
他のタンパク質との高親和性の相互作用のために重要であり得る。
【0178】 (C末端ドメインが保存されたヘリカーゼ(ヘリカーゼ C))配列番号16
21および1652は、DEAD/Hヘリカーゼファミリーの新規なメンバーを
コードするポリヌクレオチドを示す。DEADおよびDEAHファミリーは上述
に記載される。
【0179】 (ヘリックス−ループ−ヘリックス(HLH)DNA結合ドメイン(HLH)
)配列番号2192は、HLHドメインをコードする配列に対応する。HLHド
メイン(通常約40〜50アミノ酸に及ぶ)は、多くの真核生物転写因子に存在
する。HLHドメインは、タンパク質二量体化を媒介するループを形成する種々
の長さのリンカー領域によって結合される2つの両親媒性のヘリックスから形成
される(Murreら、Cell(1989)56:777−783)。塩基性
HLHタンパク質(bHLH)(HLHドメインの近傍の約15アミノ酸残基の
余分な塩基性領域を有し、DNAに特異的に結合する)は、2つの群を含む:ク
ラスA(遍在性)およびクラスB(組識特異的)。bHLHファミリーのメンバ
ーは、E−ボックスモチーフ(CANNTG)のバリエーションを結合する。H
LHドメインによって媒介されるホモ二量体化またはヘテロ二量体化は、DNA
結合から独立しているが、DNA結合に必要とされる。なぜなら、2つの塩基性
領域がDNA結合活性に必要とされるからである。塩基性ドメインを欠損するH
LHタンパク質は、それらがヘテロ二量体を形成するので、負の調節因子として
機能するが、DNAを結合し得ない。コンセンサスパターン:[DENSTAP
]−[KTR]−[LIVMAGSNT]−{FYWCPHKR}−[LIVM
T]−[LIVM]−x(2)−[STAV]−[LIVMSTACKR]−x
−[VMFYH]−[LIVMTA]−{P}−{P}−[LIVMRKHQ]
【0180】 (Torのキナーゼドメイン)TORプロフィールは、脂質キナーゼタンパク
質ファミリーに対して指向される。このファミリーは、脂質およびプロテインキ
ナーゼドメインを有する大きなタンパク質から構成され、そしてラパマイシン(
抗真菌化合物)に対するそれらの感受性を介して特徴づけされる。TORタンパ
ク質は、PI3キナーゼの下流のシグナル伝達および多くの他のシグナル伝達に
関与する。TOR(またFRAP、RAFTとも呼ばれる)は、タンパク質合成
および細胞増殖を調節する際に役割を果たし、そして酵母において、翻訳開始お
よび初期のG1進行を制御する。例えば、Barbetら、Mol. Biol
. Cell.(1996)7(1):25−42;Helliwellら、G
enetics(1998)148:99−112を参照のこと。
【0181】 (MAPキナーゼキナーゼ(mkk))配列番号1825、1876、203
9、および2526は、MAPキナーゼキナーゼ(mkk)ファミリーのメンバ
ーを示す。MAPキナーゼ(MAPK)は、シグナル伝達に関与し、そして細胞
周期および細胞増殖の制御において重要である。MAPキナーゼキナーゼ(MA
PKK)は、MAPキナーゼをリン酸化し、そして活性化する、二重特異性プロ
テインキナーゼである。MAPKKホモログは、酵母、無脊椎動物、両生類、お
よび哺乳動物において見出されている。さらに、MAPKK/MAPKリン酸化
スイッチは、酵母におけるおよび脊椎動物における異なる経路において活性化さ
れる基本的なモジュールを構成する。MAPKKは、核に達する前にシグナルが
通過しなければならない必要不可欠なトランスデューサーである。概説について
、例えば、Biologique Biol. Cell(1993)79:1
93−207;Nishidaら、Trends Biochem Sci(1
993)18:128−31;Ruderman Curr Opin Cel
l Biol(1993)5:207−13:Dhanasekaranら、O
ncogene(1998)17:1447−55;Kieferら、Bioc
hem Soc Trans(1997)25:491−8;およびHill.
Cell Signal(1996)8:533−44を参照のこと。
【0182】 (神経伝達物質ゲート制御イオンチャネル(neur_chan))いくつか
の配列は、神経伝達物質ゲート制御イオンチャネルをコードする配列に対応する
。神経伝達物質ゲート制御イオンチャネルは、化学シナプスでの迅速なシグナル
伝達についての分子基準を提供し、特定の神経伝達分子の結合の際に一時的にイ
オンチャンネルを形成するシナップス後性のオリゴマー膜貫通複合体である。神
経伝達物質ゲート制御レセプターの5つの型が公知である:1)ニコチン性アセ
チルコリンレセプター(AchR);2)グリシンレセプター;3)γ−アミノ
酪酸(GABA)レセプター;4)セロトニン5HT3レセプター;および5)
グルタミン酸レセプター。神経伝達物質ゲート制御イオンチャネルからのサブユ
ニットの全ての公知の配列は、構造的に関連し、そして大きな細胞外グリコシル
化N末端リガンド結合ドメイン、続いてイオンチャンネルを形成する3つの疎水
性膜貫通領域、続いて可変長の細胞内領域から構成される。第4の疎水性領域は
、配列のC末端にて見出される。コンセンサスパターンは:C−x−[LIVM
FQ]−x−[LIVMF]−x(2)−[FY]−P−x−D−x(3)−C
であり、ここで2つのCはジスルフィド結合によって連結される。
【0183】 (プロテインキナーゼ(protkinase))いくつかの配列は、種々の
経路においてタンパク質のリン酸化を触媒するプロテインキナーゼをコードする
ポリヌクレオチドを示し、そして癌に関与する。真核生物のプロテインキナーゼ
(Hanksら、FASEB J.(1995)9:576;Hunter,M
eth. Enzymol.(1991)200:3:Hanksら、Meth
.Enzymol.(1991)200:38;Hanks、Curr. Op
in. Struct. Biol.(1991)1:369;Hanksら、
Science(1988)241:42)は、セリン/スレオニンおよびチロ
シンプロテインキナーゼの両方に共通の保存された触媒コアを共有するタンパク
質の非常に広範囲なファミリーに属する。プロテインキナーゼの触媒ドメインに
おいて多くの保存された領域がある。第1の領域は、触媒ドメインのN末端の端
に位置され、リジン残基の近傍における残基のグリシンリッチストレッチであり
、これはATP結合に関与することが示されている。第2の領域は、触媒ドメイ
ンの中心部分に位置され、酵素の触媒活性に重要である保存されたアスパラギン
酸残基を含む(Knightonら、Science(1991)253:40
7)。
【0184】 プロテインキナーゼプロフィールは、この第2の領域について2つの特徴的な
パターンを含む:一方は、セリン/スレオニンキナーゼに特異的であり、そして
他方はチロシンキナーゼに特異的である。第3のプロフィールは、整列(Han
ksら、FASEB J.(1995)9:576)に基づき、そして全触媒ド
メインを覆う。コンセンサスパターンは以下のようである:1)[LIV]−G
−{P}−G−{P}−[FYWMGSTNH]−[SGA]−{PW}−[L
IVCAT]−{PD}−x−[GSTACLIVMFY]−x(5,18)−
[LIVMFYWCSTAR]−[AIVP]−[LIVMFAGCKR]−K
であり、ここでKは、ATPを結合する;2)[LIVMFYC]−x−[HY
]−x−D−[LIVMFY]−K−x(2)−N−[LIVMFYCT](3
)、ここでDは、活性部位残基であり、;および3)[LIVMFYC]−x−
D−[LIVMFY]−[RSTAC]−x(2)−N−[LIVMFYC]、
ここでDは、活性部位残基である。
【0185】 (タンパク質チロシンホスファターゼ(Y ホスファターゼ)(PTPアーゼ
))配列番号1719、1769、2062、2197、および2275は、チ
ロシン特異的タンパク質ホスファターゼ、チロシン残基に付着されたリン酸基の
除去を触媒するキナーゼ(EC 3.1.3.48)(PTPアーゼ)(Fis
cherら、Science(1991)253:401;Charbonne
auら、Annu.Rev.Cell. Biol.(1992)8:463;
Trowbridge Biol. Chem.(1991)266:2351
7;Tonksら、Trends Biochem. Sci.(1989)1
4:497;およびHunter、Cell(1989)58:1013)をコ
ードするポリヌクレオチドを示す。PTPアーゼは、細胞成長、増殖、分化、お
よび形質転換の制御において重要である。PTPアーゼの複数の形態が特徴づけ
られており、そして2つのカテゴリーに分類され得る:可溶性PTPアーゼおよ
びPTPアーゼドメインを含む膜貫通レセプタータンパク質。構造学的に、全て
の公知のレセプターPTPアーゼは、可変長の細胞外ドメイン、続いて膜貫通領
域、およびC末端触媒細胞質ドメインから構成される。PTPアーゼドメインは
、約300アミノ酸からなる。2つの保存されたシステインが、活性に絶対的に
必要とされ、ここで極めて近傍における多くの他の保存された残基もまた、活性
に重要である。PTPアーゼについてのコンセンサスパターンは:[LIVMF
]−H−C−x(2)−G−x(3)−[STC]−[STAGP]−x−[L
IVMFY]であり;Cは、活性部位残基である。
【0186】 (RNA認識モチーフ(rrm))配列番号1850および2194は、RN
A認識モチーフ(またRRM、RBD、またはRNPドメインとしても知られる
)をコードする配列に対応する。このドメインは、約90アミノ酸長であり、1
本鎖RNAを結合する真核生物タンパク質において含まれる(Bandziul
isら、Genes Dev.(1989)3;431−437;Dreyfu
ssら、Trends Biochem Sci.(1988)13:86−9
1)。RNA結合ドメイン内の2つの領域は非常に保存される:第1は、6残基
の疎水性セグメント(これはRNP−2モチーフと呼ばれる)であり、第2は、
8ペプチドモチーフ(これはRNP−1またはRNP−CSと呼ばれる)である
。コンセンサスパターンは:[RK]−G−{EDRKHPCG}−[AGSC
I]−[FY」−[LIVA]−x−[FYLM]である。
【0187】 (SH2ドメイン(SH2))配列番号2441は、SH2ドメインをコード
する配列に対応する。Srcホモログ2(SH2)ドメインは、約100アミノ
酸残基のドメインを含み、これは腫瘍性タンパク質(oncoprotein)
SrcおよびFbsにおいて、ならびに多くの他の細胞内シグナル伝達タンパク
質において保存される(Sadowskiら、Mol. Cell. Biol
.(1986)6:4396−4408;Russelら、FEBS Lett
.(1992)304:15−20)。SH2ドメインは、配列特異的および厳
しいリン酸化依存性の様式において、ホスホチロシンを含有する標的ペプチドに
高親和性で相互作用することによって、細胞内シグナル伝達カスケードの調節モ
ジュールとして機能する。SH2ドメインは、2つのαヘリックスおよび6〜7
個のβ鎖からなる保存された3D構造を有する。ドメインのコアは、2つの連結
されたβシートから構成される連続的なβメアンダー(meander)によっ
て形成される(Kuriyanら、Curr. Opin. Struct.
Biol.(1993)3:828−837)。
【0188】 (チオレドキシンファミリー活性部位(Thioredox))配列番号16
18は、チオレドキシンファミリーのタンパク質をコードするポリヌクレオチド
を示す。チオレドキシンは、活性中心のジスルフィド結合の可逆性の酸化を介し
て種々のレドックス反応に関与する約100アミノ酸残基の小タンパク質である
(Holmgren. Annu. Rev. Biochem.(1985)
54:237;Gleasonら、FEMS Microbiol. Rev.
(1988)54:271;Holmgren A. J. Biol. Ch
em.(1989)264:13963;Eklundら、Proteins(
1991)11:13)。チオレドキシンは、2つのシステイン残基が分子内ジ
スルフィド結合において連結される還元形態または酸化形態のいずれかで存在す
る。レドックス活性ジスルフィド結合の周囲の配列は、十分に保存される。コン
センサスパターンは:[LIVMF]−[LIVMSTA]−x−[LIVMF
YC]−[FYWSTHE]−x(2)−[FYWGTN]−C−[GATPL
VE]−[PHYWSTA]−C−x(6)−[LIVMFYWT](ここでは
2つのCは、レドックス活性結合を形成する)。
【0189】 (トリプシン(トリプシン))配列番号1579、2290、2341、24
21、2430、および2438は、トリプシンファミリーの新規なセリンプロ
テアーゼに対応する。トリプシンファミリーからのセリンプロテアーゼの触媒活
性は、ヒスチジン(これ自身はセリンに水素結合する)に水素結合するアスパラ
ギン酸残基に関与する電荷リレー系によって提供される。活性部位セリン残基お
よびヒスチジン残基の近傍における配列は、十分に保存される(Brenner
Nature(1988)334:528)。トリプシンタンパク質ファミリ
ーについてのコンセンサスパターンは:1)[LIVM]−[ST]−A−[S
TAG]−H−C、ここでHは活性部位残基である;および2)[DNSTAG
C]−[GSTAPIMVQH]−x(2)−G−[DE]−S−G−[GS]
−[SAPHV]−[LIVMFYWH]−[LIVMFYSTANQH]、こ
こではSは、活性部位残基である。このファミリーに属することが公知である全
ての配列は、第1の保存されたグリシンが喪失した18個の異なるプロテアーゼ
を除いて、上記のコンセンサス配列によって検出される。タンパク質がセリン活
性部位特徴およびヒスチジン活性部位特徴の両方を含む場合、これが、トリプシ
ンファミリーセリンプロテアーゼである確率は、100%である。
【0190】 (WDドメイン、G−β反復(WDドメイン))配列番号2281は、WDド
メイン/G−β反復ファミリーのメンバーを示す。β−トランスデューシン(G
−β)は、膜貫通レセプターによって生成されるシグナルの伝達における中間体
として作用するグアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)の3つの
サブユニット(α、β、およびγ)のうちの1つである(Gilman、Ann
u. Rev. Biochem.(1987)56:615)。αサブユニッ
トは、GTPに結合し、これを加水分解し;βおよびγサブユニットはGTPに
よるGDPの置換に、ならびに膜固着化およびレセプター認識に必要とされる。
高等真核生物において、G−βは、約340アミノ酸残基の高度に保存されたタ
ンパク質の小さな多重遺伝子ファミリーとして存在する。構造学的に、G−βは
、約40残基の8つのタンデムな反復を有し、それぞれ中心的なTrp−Asp
モチーフを含む(この型の反復は、時折WD−40反復と呼ばれる)。WDドメ
イン/G−β反復ファミリーのコンセンサスパターンは:[LIVMSTAC]
−[LIVMFYWSTAGC]−[LIMSTAG]−[LIVMSTAGC
]−x(2)−[DN]−x(2)−[LIVMWSTAC]−x−[LIVM
FSTAG]−W−[DEN]−[LIVMFSTAGCN]である。
【0191】 (発生シグナル伝達タンパク質のwntファミリー(Wnt dev sig
n))いくつかの配列は、発生シグナル伝達タンパク質のwntファミリーの新
規なメンバーに対応する。Wnt−1(以前はint−1として公知であった)
は、このファミリーの根本のメンバーであり(Nusse、Trends Ge
net(1988)4:291)、細胞内連絡において役割を果たし、そして中
枢神経系の発達において重要である。全てのwntファミリータンパク質は、分
泌タンパク質に特徴的な以下の特徴を共有する:シグナルペプチド、いくつかの
潜在的なNグリコシル化部位、およびジスルフィド結合に関与し得る22個の保
存されたシステイン。wntタンパク質は一般に、分泌細胞の原形質膜に接着し
、それゆえわずかな細胞直径のみにわたってシグナル伝達するようである。コン
センサスパターン(3つのシステインを含む高度に保存された領域に基づく)は
、以下のようである:C−K−C−H−G−[LIVMT]−S−G−x−C。
【0192】 (ジンクフィンガー、C2H2型(Zincfing C2H2))配列番号
1735、1942、2018、2254、および2515は、核酸結合を容易
にするジンクフィンガードメインを含むC2H2型のジンクフィンガータンパク
質ファミリー(Klugら、Trends Biochem. Sci.(19
87)12:464;Evansら、Cell(1988)52:1;Payr
eら、FEBS Lett.(1988)234:245;Millerら、E
MBO J.(1985)4:1609;およびBerg、Proc. Nat
l. Acad. Sci. USA(1988)85:99)のメンバーをコ
ードするポリヌクレオチドに対応する。保存された亜鉛リガンド残基に加えて、
多くの他の位置もまた、C2H2ジンクフィンガーの構造完全性に重要である(
Rosenfeldら、J. Biomol. Struct. Dyn.(1
993)11:557)。最も良好に保存される位置は、一般に芳香族または脂
肪族残基であり、第2のシステインの後ろの4つの残基に位置される。C2H2
ジンクフィンガーについてのコンセンサスパターンは:C−x(2,4)−C−
x(3)−[LIVMFYWC]−x(8)−H−x(3,5)−Hである。2
つのCおよび2つのHは、亜鉛リガンドである。
【0193】 (実施例4:本発明のポリヌクレオチドの示差的な発現:示差的な発現のライ
ブラリーおよび検出の記載) 本発明のポリヌクレオチドの相対的な発現レベルを、細胞株および患者組識サ
ンプルを含む種々の供給源から調製されたいくつかのライブラリーにおいて評価
した。表4は、これらのライブラリーの要約を提供し、短縮したライブラリー名
(本明細書中以後使用される)、調製されたcDNAライブラリーに使用された
mRNA供給源、以下の表において使用されるライブラリーの「ニックネーム」
(カッコ内)、およびライブラリー中のコロニーのおよその数を含む。
【0194】
【表1】 KM12L4、KM12C、およびMDA−MB−231細胞株は、上記の実
施例1において記載される。MCF7細胞株は、乳腺癌腫の胸水に由来し、そし
て非転移性である。MV−522細胞株は、ヒト肺癌腫に由来し、および高い転
移可能性である。UCP−3細胞株は、低い転移性のヒト肺癌腫細胞株であり;
MV−522は、UCP−3の高い転移性の改変体である。これらの細胞株は、
ヒト乳癌および肺癌の研究のためのモデルとして当該分野において十分に認識さ
れる(例えば、Chandrasekaranら、Cancer Res.(1
979)39:870(MDA−MB−231およびMCF−7);Gastp
arら、J. Med Chem(1998)41:4965(MDA−MB−
231およびMCF−7);Ransonら、Br J Cancer(199
8)77:1586(MDA−MB−231およびMCF−7);Kuangら
、Nucleic Acids Res.(1998)26:1116(MDA
−MB−231およびMCF−7);Varkiら、Int J Cancer
(1987)40:46(UCP−3);Varkiら、Tumour Bio
l.(1990)11:327;(MV−522およびUCP−3);Vark
iら、Anticancer Res.(1990)10:637;(MV−5
22);Kelnerら、Anticancer Res(1995)15:8
67(MV−522);およびZhangら、Anticancer Drug
s(1997)8:696(MV522)を参照のこと)。ライブラリー15〜
20のサンプルは、2つの異なる患者(UC番号2およびUC番号3)に由来す
る。bFGF処理されたHMECは、10ng/mlで2時間のbFGFとのイ
ンキュベーションによって調製され;VEGF処理されたHMECは、20ng
/ml VEGFとの2時間のインキュベーションによって調製された。それぞ
れの増殖因子とのインキュベーション後、細胞を洗浄し、そして溶解緩衝液をR
NA調製のために添加した。GRRpzおよびWOca細胞株は、Donna
M. Peehl博士、Department of Medicine、St
anford University School of Medicine
によって提供された。GRRpzは、正常な前立腺上皮に由来した。WOca細
胞株は、Gleason Grade4細胞株である。
【0195】 それぞれのライブラリーは、示されるmRNA供給源において発現されるmR
NAを順に表すcDNAクローンの収集物から構成される。各ライブラリーにお
ける数百万の配列の分析を容易にするために、配列をクラスターに割当てた。「
クローンのクラスター」の概念は、約300個の7bpオリゴヌクレオチドプロ
ーブのパネルへのそれらのハイブリダイゼーションパターンに基づくcDNAク
ローンのソーティング/グループ化に由来する(Drmanacら、Genom
ics(1996)37(1):29を参照のこと)。組織ライブラリーからの
ランダムなcDNAクローンを、300個の7bpオリゴヌクレオチドに中程度
のストリンジェンシーでハイブリダイズさせる。各オリゴヌクレオチドは、その
特定のクローンへの特異的なハイブリダイゼーションのいくつかの尺度を有する
。300個のプローブについてのハイブリダイゼーションのこれらの尺度の30
0個の組合わせは、特異的なクローンについての「ハイブリダイゼーション特徴
」に等しい。類似の配列を有するクローンは、類似のハイブリダイゼーション特
徴を有する。これらの特徴を分析するためのソーティング/グループ化アルゴリ
ズムを開発することによって、ライブラリーにおけるクローンの群が同定され得
、そしてコンピューターで集められる。クローンのこれらの群は「クラスター」
と呼ばれる。アルゴリズムにおける選択のストリンジェンシー(古典的なライブ
ラリーcDNAスクリーニングプロトコルにおけるハイブリダイゼーションのス
トリンジェンシーに類似する)に依存して、各クラスターの「純度」が制御され
得る。例えば、人為的結果が、最も高いストリンジェンシーであってでも、40
0bp cDNAフラグメントを有するcDNAライブラリーの「web−la
b」スクリーニングにおいて生じ得るので、クラスター形成の人為的結果は、コ
ンピューターによるクラスター形成において生じ得る。本明細書中のクラスター
の実行において使用されるストリンジェンシーは、一般に同じcDNAまたは密
接に関連されるcDNA由来であるクローンの群を提供する。密接に関連される
クローンは、同じcDNAの異なる長さのクローン、高度に関連した遺伝子ファ
ミリーからの密接に関連したクローン、または同じcDNAのスプライス改変体
の結果であり得る。
【0196】 選択したクラスターについての示差的な発現は、先ず第1のライブラリーにお
いて選択したクラスターに対応するcDNAクローン(1回目におけるクローン
)の数を決定し、そして第2のライブラリーにおいて選択したクラスターに対応
するcDNAクローン(2回目におけるクローン)の数を決定することによって
、評価された。第2のライブラリーに比較して第1のライブラリーにおいて選択
したクラスターの示差的な発現は、2つのライブラリー間の発現パーセントの「
比率」として表される。一般に、「比率」は:1)第1のライブラリーにおいて
選択したクラスターに対応するクローンの数を、第1のライブラリーからの分析
したクローンの総数で除算することによって、第1のライブラリーにおいて選択
したクラスターの発現パーセントを算定し;2)第2のライブラリーにおいて選
択したクラスターに対応するクローンの数を、第2のライブラリーからの分析し
たクローンの総数で除算することによって、第2のライブラリーにおいて選択し
たクラスターの発現パーセントを算定し;3)第1のライブラリーからの算定し
た発現パーセントを、第2のライブラリーからの算定した発現パーセントで除算
することによって、算定される。ライブラリーにおける選択されるクラスターに
対応する「クローンの数」が、ゼロである場合、算定を補助するために値は1に
設定される。比率を算定する際に使用される式は、比較されるそれぞれのライブ
ラリーの「深さ」、すなわち、各ライブラリーにおいて分析したクローンの総数
を考慮する。
【0197】 一般に、ポリヌクレオチドは、比率の値が少なくとも約2よりも多く、好まし
くは少なくとも約3よりも多く、より好ましくは少なくとも約5よりも多い場合
、2つのサンプル間で有意に示差的に発現されると言われ、ここでは比率の値は
、上記の方法を使用して算定される。示差的な発現の有意性は、zスコア検定(
Zar、Biostatistical Analysis、Prentice
Hall, Inc.、USA、「割合における差異」、296−298頁(
1974))を使用して決定される。
【0198】 (実施例5〜12:本発明のポリヌクレオチドの示差的な発現) 例えば、高い転移可能性の癌組識に由来する細胞と低い転移性の癌組識に由来
する細胞との間、および高い転移可能性の癌組識と正常な組識とに由来する細胞
の間で示差的に発現される多くのポリヌクレオチド配列が、同定されている。こ
れらの配列に対応する遺伝子の発現のレベルの評価は、診断、予後、および/ま
たは処置において(例えば、治療の合理的な設計、治療の間または治療後のモニ
タリングなどを容易にするために)価値があり得る。さらに、本明細書中に記載
される示差的に発現される配列に対応する遺伝子は、例えば、転移表現型の発生
の調節(例えば、阻害または促進)におけるそれらの関与に起因して、治療標的
であり得る。例えば、正常なまたは非転移性の腫瘍細胞に比較して高い転移可能
性の細胞において発現が増加される遺伝子に対応する配列は、脈管形成、分化、
細胞複製、および転移のようなプロセスに関与する遺伝子配列または調節配列を
コードし得る。
【0199】 本明細書中に記載される、示差的に発現されるポリヌクレオチドの相対的な発
現レベルの検出は、治療の選択において臨床医を導く価値ある情報を提供し得る
。例えば、転移性の細胞または高い転移可能性の細胞において発現が増加する遺
伝子に対応するこれらのポリヌクレオチドの1つ以上の発現レベルを示す患者の
サンプルは、患者に対するより攻撃的な処置を保証する。対照的に、低い転移可
能性の細胞の発現レベルと関連する発現レベルに対応するポリヌクレオチド配列
の発現レベルの検出は、全体の病理学が示唆するよりもポジティブな予後を保証
し得る。
【0200】 本発明の多くのポリヌクレオチド配列は、未処理のヒト微小血管内皮細胞(H
MEC)に比較して、増殖因子で処理されたHMEC間で示差的に発現される。
増殖因子で処理されたHMECと未処理のHMECとの間で示差的に発現される
配列は、脈管形成、転移(細胞移動)、ならびに他の発生プロセスおよび発癌性
プロセスに関与する遺伝子産物をコードする配列を示し得る。例えば、未処理の
HMECに比べて増殖因子(例えば、bFGFまたはVEGF)で処理されたH
MECにおいてより高度に発現される配列は、より高い転移可能性の癌細胞のマ
ーカーとして作用し得る。結腸癌組織におけるこれらの配列の発現の検出は、こ
れらの組識における悪性の状態の達成の防止に関連する、診断、予後、および/
または処置情報を決定する際に価値があり得、そして患者についての危険性評価
において重要であり得る。従って、これらのポリヌクレオチドのうちの1つ以上
の増加したレベルを示す患者のサンプルは、可能な限り早期に悪性状態を捕らえ
るために、より密接した注意手順またはより頻繁なスクリーニング手順を保証し
得る。
【0201】 従って、本明細書中に記載されるポリヌクレオチドの示差的な発現は、例えば
、危険性評価、患者処置などについての、診断マーカー、予後マーカーとして使
用され得る。これらのポリヌクレオチド配列はまた、他の公知の分子マーカーお
よび/または生化学的マーカーと組合わせて使用され得る。以下の実施例は、特
定の細胞株および患者組識サンプルからのポリヌクレオチドの相対的な発現レベ
ルを提供する。
【0202】 (実施例5:高転移可能性乳癌細胞 対 低転移可能性乳癌細胞) 以下の表は、高転移可能性乳癌細胞と低転移可能性乳癌細胞との間に示差的に
発現される遺伝子を示すポリヌクレオチドを要約する。
【0203】
【表2】
【0204】
【表3】 (実施例6:高転移可能性肺癌細胞 対 低転移可能性肺癌細胞) 以下は、高転移可能性肺癌細胞と低転移可能性肺癌細胞との間に示差的に発現
される遺伝子を示すポリヌクレオチドを要約する。
【0205】
【表4】
【0206】
【表5】 (実施例7:高転移可能性結腸癌細胞 対 低転移可能性結腸癌細胞) 表9および10は、高転移可能性結腸癌細胞と低転移可能性結腸癌細胞との間
に示差的に発現される遺伝子を示すポリヌクレオチドを要約する。
【0207】
【表6】
【0208】
【表7】 (実施例8:高転移可能性結腸癌患者組織 対 正常患者組織) 表11は、患者組織の高転移可能性結腸癌細胞と正常結腸細胞との間に示差的
に発現される遺伝子を示すポリヌクレオチドを要約する。
【0209】
【表8】 (実施例9:高腫瘍可能性結腸組織 対 転移した結腸癌組織) 以下の表は、患者の高腫瘍可能性結腸癌細胞と高転移可能性結腸癌細胞由来の
細胞との間に示差的に発現される遺伝子を示すポリヌクレオチドを要約する。
【0210】
【表9】 (実施例10:高腫瘍可能性結腸癌患者組織 対 正常な患者組織) 表13および14は、患者組織における高転移可能性結腸癌細胞と正常結腸細
胞との間に示差的に発現される遺伝子を示すポリヌクレオチドを要約する。
【0211】
【表10】
【0212】
【表11】 (実施例11:未処理ヒト微小血管内皮細胞(HMEC)に対して、増殖因子
で刺激されたHMEC) 以下の表は、増殖因子で処理したHMECと未処理HMECとの間に示差的に
発現される遺伝子を示すポリヌクレオチドを要約する。
【0213】
【表12】
【0214】
【表13】 (実施例12:正常ヒト前立腺細胞に対して、ヒト前立腺癌細胞において示差
的に発現されるポリヌクレオチド) 以下の表は、前立腺癌細胞と正常前立腺細胞との間に示差的に発現される遺伝
子を示す、同定されたポリヌクレオチドを要約する。
【0215】
【表14】
【0216】
【表15】 (実施例13:複数のライブラリーにわたる示差的発現) 複数のライブラリーにわたって示差的に発現される遺伝子を示す多くのポリヌ
クレオチド配列が、同定された。組織または任意の起原におけるこれらの配列の
発現は、これらの組織において悪性状態の達成の予防に関連する診断的、予後的
および/または処置情報を決定する際に有益であり得、ならびに患者についての
危険度の評価において重要であり得る。これらのポリヌクレオチドはまた、例え
ば、腫瘍の転移の危険度の非組織特異的マーカーとして役立ち得る。表19は、
このデータを要約する。
【0217】
【表16】 (実施例14.本発明のポリヌクレオチドを有する連続する配列の同定) 新規なポリヌクレオチドを使用して、配列番号2611〜2707のポリヌク
レオチドのいずれかが連続する配列(例えば、ポリヌクレオチドが別のDNA配
列の5’伸長を生じる配列を提供して、所定のポリヌクレオチドおよび他のDN
A配列から構成される、より長い連続する配列の産生を生じる)の同定を容易に
するか否かを決定するために公に利用可能なデータベースおよび所有されている
(proprietary)データベースをスクリーニングした。コンティグ化
を、Wisconsin大学からのGCGのGelmergeアプリケーション
(デフォルト設定)を使用して実施した。
【0218】 これらのパラメータを使用して、97のコンティグ化配列を生成した。これら
のコンティグ化配列は、配列番号2611〜2707(表1Cを参照のこと)と
して提供する。表1Cは、コンティグ配列の配列番号、コンティグを作製するた
めに使用される配列の名前、およびコンティグを提供する対応する配列名の配列
とともに使用される、公に利用可能な試験的ヒトコンセンサス(THC)配列の
登録番号を提供する。表1Cの配列名を、表1Aおよび1Bを用いる本発明のポ
リヌクレオチドの配列番号に関連付け得る。
【0219】 従って、コンティグ化配列(配列番号2611〜2707)は、本発明のポリ
ヌクレオチド配列を含む、より長い配列を示す。次いで、コンティグ化した配列
を3つの全てのリーディングフレーム中で翻訳して、上記のようなBLASTプ
ログラムを用いて、個々の配列との最善の整列を決定した。この配列を、実施例
1において上記に記載されるような低い複雑性をマスキングするためのXBLA
STプログラムを用いてマスキングした。いくつかのコンティグ化配列は、公知
のタンパク質ファミリーに属し(従って、これらのタンパク質ファミリーの新た
なメンバーを示す)、および/または公知の機能的ドメイン(表3B、請求項の
後に挿入される)を含むポリペプチドの特徴を有するポリペプチドをコードする
ことが見出された。従って、本発明は、本明細書中で同定されるタンパク質ファ
ミリーおよび/または機能的ドメインに関連する生物学的活性を保持するフラグ
メント、融合物、ならびにこのようなポリヌクレオチドの改変体を包含する。
【0220】 示されたタンパク質ファミリーおよび機能的ドメインについてのプロフィール
の説明を、上記の実施例3において提供する。PR55についてのプロフィール
の説明を、以下に提供する。
【0221】 (プロテインホスファターゼ2A調節性サブユニットPR55(PR55)) いくつかのコンティグは、プロテインホスファターゼ2A(PP2A)調節性
サブユニットPR55を含むタンパク質をコードする配列に対応する。PP2A
は、シグナル伝達に関与する代謝酵素およびタンパク質の調節を含む細胞性機能
の多くの局面に関与するセリン/スレオニンホスファターゼである。PP2Aは
、65Kdの調節性サブユニット(PR65、サブユニットAとも呼ばれる)に
会合する触媒サブユニットから構成されるコアを含む三量体酵素である。この複
合体は、第3の可変サブユニット(サブユニットB)と会合し、これは、ホロ酵
素に対して異なる特性を与える(Mayer−Jaekelら、Trends
Cell Biol.(1994)4:287〜291)。可変サブユニットの
形態の1つは、55Kdタンパク質(PR55)であり、これは、哺乳動物にお
いて高度に保存されており、そして基質認識および適切な細胞下(subcel
lular)の区画の酵素複合体の標的化を容易にし得る。PR55サブユニッ
トは、2つの保存された15残基の配列を含む(一方は、N末端領域に位置し、
他方は、タンパク質の中央に位置する)。コンセンサスパターンは、以下である
:E−F−D−Y−L−K−S−L−E−I−E−E−K−I−N;およびN−
[AG]−H−[TA]−Y−H−I−N−S−I−S−[LIVN]−N−S
−D。
【0222】 当業者は、せいぜい慣用的である実験を使用して、本明細書中に記載される本
発明の特定の実施態様に対する多くの等価物を認識するか、または確認し得る。
このような特定の実施態様および等価物は、前記の特許請求の範囲により包含さ
れることが意図される。
【0223】 本明細書中に引用される全ての刊行物および特許出願は、各々個々の刊行物ま
たは特許出願が参考として援用されるように明確かつ個々に示されるのと同様に
、本明細書において参考として援用される。任意の刊行物の引用は、出願日より
前のその開示に対してであり、そして本発明が、先行する発明に基づいてこのよ
うな刊行物に先立つように権利を与えられないという承認として解釈されるべき
ではない。
【0224】 先述の発明は、理解の明瞭化の目的のために例示および実施例によって幾分詳
細に記載されたが、これは、特定の変更および改変が、添付の特許請求の範囲の
精神または範囲を逸脱することなくそれに対してなされ得る、本発明の教示に鑑
みて、当業者に容易に明らかである。
【0225】 (寄託情報) 以下の材料は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(CMCC=Chi
ron Master Culture Collection)に寄託された
【0226】
【表17】 さらに、選択されたクローンのプール、ならびに特定のクローンを含むライブ
ラリーは、「ES」番号(内部参照)を割り当てられ、そしてATCCに受託さ
れた。以下の表21は、ES寄託物のATCC受託番号を提供する。これらの全
ては、1999年5月13日に、またはそれ以前に寄託された。これらの寄託物
の各々を含むクローンの名前は、表において、22およびそれより大きく番号付
けられた表において提供される(特許請求の範囲の後に挿入される)。
【0227】
【表18】 本明細書中に記載される寄託物は、当業者に単に都合がいいように提供され、
そして寄託物が米国特許法112において要求される承認ではない。寄託された
材料に含まれるポリヌクレオチドの配列、ならびにそれによってコードされるポ
リペプチドのアミノ酸配列は、本明細書中に参考として援用され、そして本明細
書中の配列の書面による説明との任意の衝突の事象における制御である。寄託さ
れた材料を作製、使用、販売するためには、許可が必要であり得、そしてこのよ
うな許可は、本明細書によって付与される。
【0228】 (プールされたクローンの寄託物からの個々のクローンの回収) ATCC寄託がcDNAのクローンのプールまたはcDNAクローンのライブ
ラリーから構成される場合、この寄託物を、各クローンを別々の細菌細胞にまず
トランスフェクトすることによって調製した。次いで、プールまたはライブラリ
ー中のクローンを、複合性(composite)の寄託物中の等価な混合物の
プールとして寄託した。特定のクローンを、当該分野で周知の方法を使用して複
合性の寄託物から獲得し得る。例えば、特定のクローンを含む細菌細胞を、単一
のコロニーを単離することにより、およびクローンインサートの配列に特異的に
ハイブリダイズするように設計されたオリゴヌクレオチドプローブまたはプロー
ブ(例えば、示された配列番号を有するコードされたポリヌクレオチドのマスク
されていない配列に基づくプローブ)を使用して、標準的なコロニーハイブリダ
イゼーション技術によって特定のクローンを含むコロニーを同定することにより
、同定し得る。このプローブは、約80℃(AまたはTの各々について2℃、お
よびGまたはCの各々について4℃を仮定する)のTmを有するように設計され
るべきである。次いで、陽性コロニーを採集し得、培養中で増殖させ、そして組
換えクローンを単離した。あるいは、この様式において設計されたプローブをP
CRに使用して、当該分野で周知の方法(例えば、寄託された培養プールからc
DNAを精製することによって、および対応する所望のポリヌクレオチド配列を
有する増幅産物を生成するためにPCR反応においてこのプローブを使用して)
に従ってプールされたクローンから核酸分子を単離し得る。
【0229】
【表19】
【0230】
【表20】
【0231】
【表21】
【0232】
【表22】
【0233】
【表23】
【0234】
【表24】
【0235】
【表25】
【0236】
【表26】
【0237】
【表27】
【0238】
【表28】
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】平成12年11月20日(2000.11.20)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0227
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0227】
【表18】 本明細書中に記載される寄託物は、当業者に単に都合がいいように提供され、
そして寄託物が米国特許法112において要求される承認ではない。寄託された
材料に含まれるポリヌクレオチドの配列、ならびにそれによってコードされるポ
リペプチドのアミノ酸配列は、本明細書中に参考として援用され、そして本明細
書中の配列の書面による説明との任意の衝突の事象における制御である。寄託さ
れた材料を作製、使用、販売するためには、許可が必要であり得、そしてこのよ
うな許可は、本明細書によって付与される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12Q 1/68 A 5/00 C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/68 5/00 (31)優先権主張番号 60/085,696 (32)優先日 平成10年5月15日(1998.5.15) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/105,234 (32)優先日 平成10年10月21日(1998.10.21) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/105,877 (32)優先日 平成10年10月27日(1998.10.27) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,Z W (72)発明者 エスコベド, ジェイミー アメリカ合衆国 カリフォルニア 94507, アラモ, ラボルナ ロード 1470 (72)発明者 イニス, マイケル エイ. アメリカ合衆国 カルフォルニア 94556, モラガ, コンスタンス プレイス 315 (72)発明者 ガルシア, パブロ ドミンゲズ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94131, サン フランシスコ, チェネリー ス トリート 882 (72)発明者 サダス−クリンガー, ジュリー アメリカ合衆国 カリフォルニア 94707, ケンジントン, レキシントン ロード 280 (72)発明者 レインハード, クリストフ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94501, アラメダ, クリントン アベニュー 1633 (72)発明者 ギース, クラウス ドイツ国 デー−10115 ベルリン, シ ャウシーシュトラーセ 92 (72)発明者 ランダッゾ, フィリッポ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94133, サン フランシスコ, チェスナット ストリート 690, アパートメント 403 (72)発明者 ケネディー, ジュリア シー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94116, サン フランシスコ, カステナダ ア ベニュー 360 (72)発明者 ポット, デイビッド アメリカ合衆国 カリフォルニア 94112, サン フランシスコ, 5ティーエイチ アベニュー ナンバー102 1565 (72)発明者 カッサム, アルタフ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94602, オークランド, ハロルド ストリート 2659 (72)発明者 ラムソン, ジョージ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94556, モラガ, サンドリンハム ドライブ 232 (72)発明者 ダマナック, ラドジェ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94303, パロ アルト, イースト グリニッジ プレイス 850 (72)発明者 クルクベンヤコブ, ラドミール アメリカ合衆国 カリフォルニア 94068, サニーベール, ハバーヒル ドライブ 762 (72)発明者 ディクソン, マーク アメリカ合衆国 カリフォルニア 95025, ホリスター, ガビラン ドライブ ナ ンバービー 1411 (72)発明者 ドルマナック, スネザナ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94303, パロ アルト, イースト グリニッジ プレイス 850 (72)発明者 ラバット, アイバン アメリカ合衆国 カリフォルニア 94086, サニーベール, アカレーンズ ドライ ブ 140 (72)発明者 レシュコウィッツ, デナ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94087, サニーベール, ダーシャー ウェイ 678 (72)発明者 キタ, デイビッド アメリカ合衆国 カリフォルニア 94404, フォスター シティー, バウンティー ドライブ 899 (72)発明者 ガルシア, ベロニカ アメリカ合衆国 カリフォルニア 94086, サニーベール, アーニョ ヌーボー 396, アパートメント 412 (72)発明者 ジョーンズ, リー ウイリアム アメリカ合衆国 カリフォルニア 94086, サニーベール, アーニョ ヌーボー ナンバー412 396 (72)発明者 スタシェ−クレイン, バーギット アメリカ合衆国 カリフォルニア 94086, サニーベール, サウス マリー アベ ニュー 345 Fターム(参考) 4B024 AA12 AA19 CA04 HA11 4B063 QA01 QA19 QQ43 QQ53 QQ79 QR08 QR32 QR35 QR40 QR42 QR48 QR56 QR62 QR84 QS25 QS33 QS34 QX02 QX10 4B065 AA01X AA58X AA72X AA87X AA93Y AB01 AC14 AC20 BA01 CA24 CA44 CA46 4H045 AA10 AA11 BA10 CA10 DA75 EA20 EA50 FA71 FA74

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリヌクレオチドのライブラリーであって、該ライブラリー
    が配列番号1〜2702の少なくとも1つの配列情報を含む、ライブラリー。
  2. 【請求項2】 前記ライブラリーが核酸アレイ上で提供される、請求項1に
    記載のライブラリー。
  3. 【請求項3】 前記ライブラリーがコンピューターで読み取り可能な形式で
    ある、請求項1に記載のライブラリー。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のライブラリーであって、前記ライブラリー
    が、コントロール細胞と比較して高い転移可能性の癌細胞中に示差的に発現され
    る遺伝子に対応するポリヌクレオチドを含み、該コントロール細胞は、正常な細
    胞または低い転移可能性の細胞であり、そして配列が、配列番号1213、15
    38、1466、1356、1383、1158、441、1338、1426
    、1547、1313、841、1534、1503、829、1408、14
    47、1389、356、1492、1543、799、1437、1251、
    972、1482、1299、109、1558、1355、1548、250
    、919、358、1525、1157、150、651、1298、57、6
    25、1322、36、621、215、561、247、199、998、5
    02、1382、1181、1309、1157、1260、1185、152
    5、248、87、698、57、924、1249からなる群より選択される
    、ライブラリー。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のライブラリーであって、前記ライブラリー
    が、コントロール細胞と比較して低い転移可能性の癌細胞中に示差的に発現され
    る遺伝子に対応するポリヌクレオチドを含み、該コントロール細胞は、正常な細
    胞または高い転移可能性の細胞であり、そして配列が、配列番号248、726
    、14、699、763、20、79、715、991、1199、707、1
    128、891、1146、731、1518、340、949、1247、1
    185、924、822、728、341、1527、698、949、744
    、973、1268、1114、1032、109、973、91、982、1
    267、93、1556、1251、1206、812、1254、1220、
    766、1156、1007、981、762、876、1234、1183、
    1044、785、1069、770、778、792、822、1258、1
    224、984、841、339、1213、1201、1192からなる群よ
    り選択される、ライブラリー。
  6. 【請求項6】 配列番号1〜2707の同定化配列あるいはそれらの縮重改
    変体またはフラグメントに少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド
    配列を含む、単離されたポリヌクレオチド。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のポリヌクレオチドを含む、組換え宿主細胞
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のポリヌクレオチドによりコードされる、単
    離されたポリヌクレオチド。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のポリヌクレオチドを特異的に結合する、抗
    体。
  10. 【請求項10】 請求項6に記載のポリヌクレオチドを含む、ベクター。
  11. 【請求項11】 ATCC受託番号xx、xx、xx、xx、xx、xx、
    xx、xx、またはxxとして寄託されたクローン中に含まれるインサートのヌ
    クレオチド配列を含む、ポリヌクレオチド。
  12. 【請求項12】 哺乳動物細胞の癌状態と相関する示差的に発現された遺伝
    子を検出する方法であって、該方法が、以下: 癌であると疑われている細胞由来の試験サンプルにおいて、少なくとも1つの
    示差的に発現した遺伝子産物を検出する工程であって、該遺伝子産物が、配列番
    号1213、1538、1466、1356、1383、1158、441、1
    338、1426、1547、1313、841、1534、1503、829
    、1408、1447、1389、356、1492、1543、799、14
    37、1251、972、1482、1299、109、1558、1355、
    1548、250、919、358、1525、1157、150、651、1
    298、57、625、1322、36、621、215、561、247、1
    99、998、502、1382、1181、1309、1157、1260、
    1185、1525、248、87、698、57、924、1249、248
    、726、14、699、763、20、79、715、991、1199、7
    07、1128、891、1146、731、1518、340、949、12
    47、1185、924、822、728、341、1527、698、949
    、744、973、1268、1114、1032、109、973、91、9
    82、1267、93、1556、1251、1206、812、1254、1
    220、766、1156、1007、981、762、876、1234、1
    183、1044、785、1069、770、778、792、822、12
    58、1224、984、841、339、1213、1201、1192の少
    なくとも1つの配列に対応する遺伝子によりコードされる、工程であって、該示
    差的に発現した遺伝子産物の検出が、該試験サンプルが由来された細胞の癌状態
    と相関する、方法。
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