JP2004502406A - ヒト遺伝子およびヒト遺伝子発現産物 - Google Patents

ヒト遺伝子およびヒト遺伝子発現産物 Download PDF

Info

Publication number
JP2004502406A
JP2004502406A JP2001565907A JP2001565907A JP2004502406A JP 2004502406 A JP2004502406 A JP 2004502406A JP 2001565907 A JP2001565907 A JP 2001565907A JP 2001565907 A JP2001565907 A JP 2001565907A JP 2004502406 A JP2004502406 A JP 2004502406A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sequence
polynucleotide
gene
expression
polynucleotides
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001565907A
Other languages
English (en)
Inventor
ウィリアムズ, ルイス ティー.
エスコベド, ジャイメ
イニス, マイケル エイ.
ガルシア, パブロ ドミンゲス
サダス−クリンガー, ジュリー
ラインハルト, クリストフ
ランダッゾ, フィリッポ
ケネディー, ギウリア シー.
ポット, デイビッド
カッサム, アルタフ
ラムソン, ジョージ
ジャマナック, ラドーエ
クベンジャコフ, ラドミール
ディクソン, マーク
ジャマナック, スネザナ
ラバット, イヴァン
レシュコウィッツ, デナ
キタ, デイビッド
ガルシア, ベロニカ
ジョーンズ, ウィリアム リー
シュタッヒェ−クライン, ビルギット
Original Assignee
カイロン コーポレイション
ハイセク インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by カイロン コーポレイション, ハイセク インコーポレイテッド filed Critical カイロン コーポレイション
Publication of JP2004502406A publication Critical patent/JP2004502406A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

本発明は新規ヒトポリヌクレオチドおよびその改変体、これらがコードするポリペプチドおよびこれらの改変体に関し、これらのポリヌクレオチドに対応する遺伝子、これらの遺伝子に発現されるタンパク質に関する。本発明はまた、このような新規ヒトポリヌクレオチド、これらの対応する遺伝子または遺伝子産物を使用する診断剤および治療剤(例えば、プローブ、アンチセンス構築物、抗体を含む、これらの遺伝子およびタンパク質)に関する。

Description

【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本願は、2000年3月9日に出願された米国仮出願番号60/188,609(この出願は、本明細書中にその全体が参考として援用される)の利益を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、ヒト起源のポリヌクレオチドおよびコードされる遺伝子産物に関する。
【0003】
(発明の背景)
新規なポリヌクレオチド、特に発現される遺伝子産物をコードするポリヌクレオチドの同定は、薬物発見、診断技術、ならびに癌のような複雑な疾患の進行および性質の理解の進歩において重要である。疾患の状態または段階、発生の段階、種々の環境因子への曝露、組識の起源、組識が単離される種などにおいて異なる供給源から単離された異なる細胞型において発現される遺伝子の同定は、これらの種々の差異と関連する表現型を担う遺伝的因子を同定する鍵である。
【0004】
本発明は、新規なヒトポリヌクレオチド、これらのポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、ならびにこれらの新規なポリヌクレオチドに対応する遺伝子およびタンパク質を提供する。
【0005】
(発明の要旨)
本発明は、新規なヒトポリヌクレオチドおよびそれらの改変体、それらのコードされるポリペプチドおよびそれらの改変体、これらのポリヌクレオチドに対応する遺伝子、ならびにこれらの遺伝子によって発現されるタンパク質に関する。本発明はまた、このような新規なヒトポリヌクレオチド、それらの対応する遺伝子、または遺伝子産物を含有する診断薬および治療薬(プローブ、アンチセンスヌクレオチド、および抗体を含む)に関する。本発明のポリヌクレオチドは、配列番号1〜2396のうちの少なくとも1つの配列情報を含むポリヌクレオチドに対応する。
【0006】
本発明の種々の局面および実施形態は、本明細書中に提供される記載を読む際に当業者に容易に明らかである。
【0007】
(発明の詳細な説明)
本発明は、開示されたヌクレオチド配列を含有するポリヌクレオチド、全長cDNA、mRNAゲノム配列、ならびにこれらの配列に対応する遺伝子およびそれらの縮重改変体、ならびに本発明のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドおよびポリペプチド改変体に関する。以下の詳細な説明は、本発明によって包含されるポリヌクレオチド組成物、全長の遺伝子産物をコードするcDNAまたはゲノムDNAを得るための方法、これらのポリヌクレオチドおよび遺伝子の発現、ポリヌクレオチドおよび遺伝子の構造モチーフの同定、本発明のポリヌクレオチドに対応する遺伝子によってコードされる遺伝子産物の機能の同定、プローブとしてのならびにマッピングにおけるおよび組識プロファイリング(profiling)における提供されるポリヌクレオチドの使用、抗体を惹起するための対応するポリペプチドおよび他の遺伝子産物の使用、ならびに治療目的および診断的目的のためのポリヌクレオチドおよびそれらのコードされる遺伝子産物の使用を記載する。
【0008】
(ポリヌクレオチド組成物)
ポリヌクレオチド組成物に関する本発明の範囲としては、配列番号1〜2396のうちのいずれか1つにおいて示される配列を有するポリヌクレオチド;本明細書中に記載される生物学的材料またはストリンジェントな条件(特に高ストリンジェンシーの条件)下でのハイブリダイゼーションによって他の生物学的供給源(特にヒト供給源)から得られるポリヌクレオチド;提供されるポリヌクレオチドに対応する遺伝子;提供されるポリヌクレオチドおよびそれらの対応する遺伝子の改変体、特にコードされる遺伝子産物の生物学的活性(例えば、タンパク質ファミリーへの遺伝産物の割当ておよび/または遺伝子産物に存在する機能的ドメインの同定の結果として、提供されるポリヌクレオチドに対応する遺伝子産物に帰する生物学的活性)を保持するそれらの改変体が挙げられるが、これらに必ずしも制限されない。本発明の範囲によっておよびその範囲内で意図される他の核酸組成物は、本明細書中での開示が提供される場合、当業者に容易に明らかである。組成物の核酸に関して本明細書中で使用される場合、「ポリヌクレオチド」および「核酸」は、特に示されない限り、核酸の長さまたは構造に関して制限することを意図されない。
【0009】
本発明は、ヒト組識、具体的にはヒト結腸、乳房、および/または肺の組識において発現されるポリヌクレオチドを特徴とする。特定の目的の本発明の新規な核酸組成物は、配列番号1〜2396のいずれか1つにおいて示される配列またはその同定化配列を含む。「同定化配列」は、ポリヌクレオチド配列を独自に同定する少なくとも約10nt長〜約20nt長、通常少なくとも約50nt〜約100nt長の残基の連続性配列であり、例えば、約20ntを超える任意の連続性ヌクレオチド配列に対して、90%未満の、通常約80%〜約85%未満の配列同一性を示す。従って、本発明の新規な核酸組成物は、配列番号1〜2396のいずれか1つの連続性ヌクレオチドの同定化配列を含む全長のcDNAまたはmRNAを含む。
【0010】
本発明のポリヌクレオチドはまた、配列類似性または配列同一性を有するポリヌクレオチドを含む。配列類似性を有する核酸は、低いストリンジェンシー条件下、例えば、50℃および10×SSC(0.9M生理食塩水/0.09Mクエン酸ナトリウム)でのハイブリダイゼーションによって検出され、そして1×SSC中55℃での洗浄に供される場合、結合を保持する。配列同一性は、ストリンジェントな条件下、例えば、50℃以上および0.1×SSC(9mM生理食塩水/0.9mMクエン酸ナトリウム)でのハイブリダイゼーションによって決定され得る。ハイブリダイゼーション方法および条件は、当該分野において周知であり、例えば、米国特許第5,707,829号を参照のこと。提供されるポリヌクレオチド配列に実質的に同一である核酸、例えば、対立遺伝子改変体、遺伝子の遺伝的に変化したバージョンなどは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、提供されるポリヌクレオチド配列(配列番号1〜2396)に結合する。プローブ、特にDNA配列の標識化プローブを使用することによって、相同な遺伝子または関連の遺伝子を単離し得る。相同な遺伝子の供給源は、任意の種、例えば、霊長類、特にヒト:げっ歯類(例えば、ラットおよびマウス);イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ウマ、酵母、線虫などであり得る。
【0011】
好ましくは、ハイブリダイゼーションは、配列番号1〜2396のうちの少なくとも1つの少なくとも15の連続なヌクレオチド(nt)を使用して行われる。すなわち、開示される配列番号のうちの1つの少なくとも15の連続なntがプローブとして使用される場合、このプローブは相補的な配列を含有する核酸と優先的にハイブリダイズし、選択されたプローブに独自にハイブリダイズする核酸の同定および回収を可能にする。1つ以上の配列番号からのプローブは、それらが由来するcDNAが1つのmRNAに対応する場合、同じ核酸とハイブリダイズし得る。15ntを超えるプローブ、例えば、約18nt〜約100ntのプローブが使用され得るが、15ntは独自の同定について十分な配列であることを示す。
【0012】
本発明のポリヌクレオチドはまた、ヌクレオチド配列の天然に存在する改変体(例えば、縮重改変体、対立遺伝子改変体など)を含む。本発明のポリヌクレオチドの改変体は、本明細書中に開示されるヌクレオチド配列と推定の改変体とのハイブリダイゼーションによって、好ましくはストリンジェントな条件下でのハイブリダイゼーションによって同定される。例えば、適切な洗浄条件を使用することによって、本発明のポリヌクレオチドの改変体は、対立遺伝子改変体が、選択されるポリヌクレオチドプローブと比較して多くとも約25〜30%の塩基対(bp)の誤対合を示す場合に同定され得る。一般に、対立遺伝子改変体は、15〜25%bpの誤対合を含み、そしてさらに5〜15%、または2〜5%、または1〜2%bp程度の少なさの誤対合、ならびに単一bpの誤対合を含み得る。
【0013】
本発明はまた、配列番号1〜2396のポリヌクレオチドに対応するホモログを包含し、ここでは相同な遺伝子の供給源は、任意の哺乳動物種、例えば、霊長類、特にヒト;げっ歯類(例えば、ラット);イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ウマ、酵母、線虫などであり得る。哺乳動物種間(例えばヒトとマウス)で、ホモログは一般に、実質的な配列類似性、例えば、ヌクレオチド配列間に少なくとも75%、通常少なくとも90%、より通常少なくとも95%の配列同一性を有する。配列類似性は、参照配列に基づいて算定され、参照配列は、保存されたモチーフ、コード領域、隣接領域などのような、より長い配列のサブセットであり得る。参照配列は通常、少なくとも約18の連続するnt長、より通常には少なくとも約30nt長であり、そして比較されている完全な配列に伸長され得る。配列分析についてのアルゴリズムは、当該分野において公知である(例えば、ギャップ化BLAST(Altschulら、Nucleic Acids Res.(1997)25:3389−3402において記載される))。
【0014】
一般に、本発明の改変体は、少なくとも約65%、好ましくは少なくとも約75%、より好ましくは少なくとも約85%を超える配列同一性を有し、そしてMPSRCHプログラム(Oxford Molecular)において実行されるようなSmith−Waterman相同性検索アルゴリズムによって決定されるように、少なくとも約90%を超え得る。本発明の目的のために、パーセント同一性を算定する好ましい方法は、以下を使用するSmith−Watermanアルゴリズムである。全体的なDNA配列同一性は、以下の検索パラメーター:ギャップオープンペナルティー(gap open penalty)、12;およびギャップ伸長ペナルティー(gap extension penalty)、1を用いるアフィンギャップ(affine gap)検索を使用して、MPSRCHプログラム(Oxford Molecular)において実行されるようなSmith−Waterman相同性検索アルゴリズムによって決定されるように、65%を超えなければならない。
【0015】
本発明の核酸は、cDNAまたはゲノムDNA、ならびにそれらのフラグメント、特に生物学的に活性な遺伝子産物をコードするおよび/または本明細書中で開示される方法において有用であるフラグメントであり得る(例えば、診断において、示差的に発現される目的の遺伝子の独自の識別子(identifier)などとして)。本明細書中で使用されるように、用語「cDNA」は、ネイティブな成熟mRNA種において見出される配列エレメントの整列を共有する全ての核酸を含むことが意図され、ここでは配列エレメントは、エキソン、ならびに3’非コード領域および5’非コード領域である。mRNA種は、通常、連続するエキソンを有し、介在イントロンを伴い、存在する場合、核RNAスプライシングによって除去されて、本発明のポリぺプチドをコードする連続するオープンリーディングフレームを生成する。
【0016】
目的のゲノム配列は、列挙される配列において規定されるように、開始コドンと停止コドンとの間に存在する核酸を含み、ネイティブな染色体に通常存在する全てのイントロンを含む。これはさらに、成熟mRNAにおいて見出される3’ 非翻訳領域および5’非翻訳領域を含み得る。これはさらに、特異的な転写調節配列および翻訳調節配列(例えば、プロモーター、エンハンサーなど)を含み得、転写領域の5’および3’末端のいずれかでの約1kbの、しかし潜在的により長い隣接ゲノムDNAを含む。ゲノムDNAは、100kbp以下のフラグメントとして単離され得;そして隣接する染色体配列が実質的にない。3’および5’のいずれかでコード領域に隣接するゲノムDNA、またはイントロンにおいて時折見出されるような内部調節配列は、適切な組識、段階特異的な発現、または疾患状態特異的な発現のために必要とされる配列を含む。
【0017】
本発明の核酸組成物は、本発明のポリぺプチドの全てまたは一部をコードし得る。2本鎖または1本鎖フラグメントは、制限酵素消化によって、PCR増幅などによって、従来の方法に従ってオリゴヌクレオチドを化学的に合成することによってDNA配列から得られ得る。本発明の単離されたポリヌクレオチドおよびヌクレオチドフラグメントは、配列番号1〜2396において示されるようなポリヌクレオチド配列から選択される、少なくとも約10、約15、約20、約35、約50、約100、約150〜約200、約250〜約300、または約350の連続するntを含む。大部分について、フラグメントは、少なくとも約15nt、通常少なくとも18ntまたは25nt、および少なくとも約50の連続するnt長以上までである。好ましい実施形態において、ポリヌクレオチド分子は、配列番号1〜2396において示されるポリヌクレオチドからなる群より選択される少なくとも12ntの連続する配列を含む。
【0018】
本発明のポリヌクレオチドに特異的なプローブは、配列番号1〜2396において開示されるポリヌクレオチド配列を使用して作製され得る。プローブは、好ましくは、配列番号1〜2396のうちの対応する連続する配列の少なくとも約12、15、16、18、20、22、24、または25ntフラグメントであり、そして2、1、0.5、0.1、または0.05kb長未満であり得る。プローブは化学的に合成され得るか、または制限酵素を使用してより長いポリヌクレオチドから作製され得る。プローブは、例えば、放射性タグ、ビオチン化タグ、または蛍光タグで標識され得る。好ましくは、プローブは、配列番号1〜2396のうちの1つのポリヌクレオチドの同定化配列に基づいて設計される。より好ましくは、プローブは、配列への低い複雑性をマスクするためのマスキングプログラム(例えば、XBLAST)の適用後にマスクされないままである本発明のポリヌクレオチドのうちの1つの連続する配列に基づいて設計される(すなわち、マスキングプログラムによって生成されるマスクした配列のポリ−nストレッチの外側のポリヌクレオチドによって示されるような、マスクされない領域が選択される)。
【0019】
本発明のポリヌクレオチドは、一般的にインタクトな染色体以外として、実質的に純粋で単離されそして得られる。通常、ポリヌクレオチドは、DNAまたはRNAのいずれかとして、他の天然に存在する核酸配列を実質的に含まないように得られ、一般に少なくとも約50%、通常少なくとも約90%の純度であり、そして代表的に「組換え」であり、例えば、天然に存在する染色体において通常会合されない1つ以上のヌクレオチドによって隣接される。
【0020】
本発明のポリヌクレオチドは、直線状の分子として、または環状分子内に提供され得、そして自律的に複製する分子(ベクター)内に、または複製配列を伴わない分子内に提供され得る。ポリヌクレオチドの発現は、それら自身によって、または当該分野において公知の他の調節配列によって調節され得る。本発明のポリヌクレオチドは、当該分野において利用可能な種々の技術(例えば、トランスフェリンポリカチオン媒介性DNA移入、裸の核酸またはカプセル化された核酸でのトランスフェクション、リポソーム媒介性のDNA移入、DNAコート化ラテックスビーズの細胞内輸送、プロトプラスト融合、ウイルス感染、エレクトロポレーション、遺伝子銃、リン酸カルシウム媒介性のトランスフェクションなど)を使用して適切な宿主細胞に導入され得る。
【0021】
本発明の核酸組成物は、例えば、ポリペプチドを生成するために、生物学的サンプル(例えば、ヒト細胞の抽出物)中の本発明のmRNAの検出のためのプローブとして、ポリヌクレオチドのさらなるコピーを作製するために、リボザイムまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドを作製するために、および1本鎖DNAプローブとしてかまたは3本鎖を形成するオリゴヌクレオチドとして、使用され得る。本明細書中に記載されるプローブは、例えば、サンプル中の配列番号1〜2396において示されるようなポリヌクレオチド配列またはそれらの改変体の存在または非存在を決定するために使用され得る。これらの使用および他の使用は、以下により詳細に記載される。
【0022】
(全長のcDNA、遺伝子、およびプロモーター領域を得るためのポリヌクレオチドの使用)
開示されるポリヌクレオチドを含有する全長cDNA分子は、以下のように得られる。配列番号1〜2396のうちの1つの配列、または少なくとも12、15、18、または20ntを含有するそれらの部分を有するポリヌクレオチドは、米国特許第5,654,173号において記載されるようなプローブ設計法、クローニング法、およびクローン選択技術を使用して、cDNAライブラリーのハイブリダイズするメンバーを検出するために、ハイブリダイゼーションプローブとして使用される。cDNAのライブラリーは、正常組識もしくは腫瘍組識のような選択された組識から、または例えば、薬学的な薬剤で処置された哺乳動物の組識から作製される。好ましくは、この組識は、本発明のポリヌクレオチドが単離された組識と同じである。なぜなら、本明細書中に記載されるポリヌクレオチドおよびcDNAの両方は、発現される遺伝子を示すからである。最も好ましくは、cDNAライブラリーは、実施例において本明細書中に記載される生物学的材料から作製される。ライブラリー構築のための細胞型の選択は、本発明のポリヌクレオチドに対応する遺伝子によってコードされるタンパク質の同定が知られる後になされ得る。このことは、組識および細胞型が関連する遺伝子を発現するようであることを示し、従って、cDNAを作製するためのmRNAについての適切な供給源を示す。提供されるポリヌクレオチドがcDNAライブラリーから単離される場合、ライブラリーはヒト結腸細胞、より好ましくはヒト結腸癌細胞のmRNA、さらにより好ましくは非常に転移性の結腸細胞Km12L4から調製される。
【0023】
核酸配列ライブラリーを生成およびプローブするための技術が、例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、(1989)Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、NYにおいて記載される。cDNAは、配列番号1〜2396からの配列に基づくプライマーを使用することによって調製され得る。1つの実施形態において、cDNAライブラリーは、ポリアデニル化mRNAのみから作製され得る。従って、ポリ−Tプライマーが、mRNAからcDNAを調製するために使用され得る。
【0024】
提供されるポリヌクレオチドよりも大きく、かつ好ましくはネイティブなメッセージの完全なコード配列を含むライブラリーのメンバーが得られる。cDNA全体が得られたことを確認するために、RNA保護実験が以下のように行われる。mRNAへの全長cDNAのハイブリダイゼーションは、RNase分解からRNAを保護する。cDNAが全長でない場合、ハイブリダイズしないmRNAの部分はRNase分解に供される。これは、当該分野において公知であるように、ポリアクリルアミドゲルにおける電気泳動移動度の変化によってか、または放出されるモノリボヌクレオチドの検出によってアッセイされる。Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、(1989)Cold Spring Harbor Press、Cold Spring Harbor、NY。部分的なcDNAの末端に対して5’のさらなる配列を得るために、5’RACE(PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications、(1990)Academic Press、Inc.)が行われ得る。
【0025】
ゲノムDNAは、全長cDNAの単離に類似の様式において、提供されるポリヌクレオチドを使用して単離される。簡潔には、提供されるポリヌクレオチド、またはその部分は、ゲノムDNAのライブラリーに対するプローブとして使用される。好ましくは、ライブラリーは、本発明のポリヌクレオチドを作製するために使用された細胞型から得られるが、必ずしもそうである必要はない。最も好ましくは、ゲノムDNAは、実施例において本明細書中に記載される生物学的材料から得られる。このようなライブラリーは、Sambrookら、9.4〜9.30において詳細に記載されるように、P1またはYACのような、ゲノムの大きなセグメントを保有するために適切なベクター中にあり得る。さらに、ゲノム配列は、ヒトBACライブラリーから単離され得、これは例えば、Research Genetics、Inc.Huntsville、Alabama、USAから市販されている。さらなる5’配列または3’配列を得るために、Sambrookらにおいて記載されるように染色体ウォーキングが行われ、これによってゲノムDNAの隣接および重複するフラグメントが単離される。これらは、制限消化酵素およびDNAリガーゼを使用して、当該分野において公知であるように、マッピングされ、そしてともに継ぎ合わされる。
【0026】
本発明のポリヌクレオチド配列を使用して、対応する全長遺伝子が、cDNAライブラリーを構築およびプローブするための古典的な方法およびPCR法の両方を使用して単離され得る。いずれかの方法を使用して、ノーザンブロットが好ましくは、どの細胞株が最も高いレベルで目的の遺伝子を発現するかを決定するために、多くの細胞型に対して行われる。cDNAライブラリーを構築する古典的な方法は、Sambrookら(前出)において教示される。これらの方法を使用して、cDNAがmRNAから生成され得、そしてウイルスベクターまたは発現ベクター中に挿入される。代表的に、ポリ(A)テイルを含有するmRNAライブラリーは、ポリ(T)プライマーを用いて生成され得る。同様に、cDNAライブラリーは、本発明の配列をプライマーとして使用して生成され得る。
【0027】
PCR法が、所望のインサートを含有するcDNAライブラリーのメンバーを増幅するために使用される。この場合において、所望のインサートは、本発明のポリヌクレオチドに対応する全長のcDNA由来の配列を含む。このようなPCR法としては、遺伝子捕獲法およびRACE法が挙げられる。遺伝子捕獲は、ベクター中に多数のcDNAライブラリーを挿入することを必要とする。次いで、ベクターが1本鎖の分子を生成するように変性される。次に、ビオチン化オリゴのような基質結合化プローブが、目的のcDNAインサートを捕獲するために使用される。ビオチン化プローブは、アビジン結合化固体基質に連結され得る。PCR法は、捕獲されたcDNAを増幅するために使用され得る。全長遺伝子に対応する配列を捕獲するために、標識化プローブ配列は、本発明のポリヌクレオチド配列に基づく。ランダムプライマーまたはライブラリーベクターに特異的なプライマーが、捕獲されたcDNAを増幅するために使用され得る。このような遺伝子捕獲技術は、Gruberら、WO 95/04745およびGruberら、米国特許第5,500,356号において記載される。キットは、例えば、Life Technologies,Gaithersburg、Maryland、USAから遺伝子捕獲実験を行うために市販されている。
【0028】
「cDNA末端の迅速な増幅」(すなわちRACE)は、多くの異なるRNAからcDNAを増幅するPCR法である。cDNAは、オリゴヌクレオチドリンカーに連結され、そして2つのプライマーを使用するPCRによって増幅される。一方のプライマーは、本発明のポリヌクレオチドからの配列に基づき、これについて全長の配列が望ましく、そして第2のプライマーは、このcDNAを増幅するためにオリゴヌクレオチドリンカーにハイブリダイズする配列を含む。この方法の記載は、WO 97/19110において報告される。RACEの好ましい実施形態において、共通のプライマーが、cDNA末端に連結される任意のアダプター配列にアニールするように設計される(ApteおよびSiebert、Biotechniques(1993)15:890−893:Edwardsら、Nuc.Acids Res.(1991)19:5227−5232)。単一の遺伝子特異的RACEプライマーが共通のプライマーと対合される場合、単一の遺伝子特異的プライマーと共通のプライマーとの間の配列の優先的な増幅が生じる。RACEにおいて使用するために改変された市販のcDNAプールが利用可能である。
【0029】
別のPCRベースの方法は、cDNA配列の特定の知識を必要とすることなく、アンカー末端を伴う全長のcDNAライブラリーを作製する。この方法は、ロック−ドッキング(locking−docking)プライマー(I〜VI)を使用し、ここでは1つのプライマーの、ポリTV(I−III)は、第1鎖の合成を生じる真核生物mRNAのポリAテイルに対して固定し、そして第2のプライマーのポリGH(IV〜VI)は、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)によって付加されるポリCテイルに固定する(例えば、WO 96/40998を参照のこと)。
【0030】
遺伝子のプロモーター領域は、一般にRNAポリメラーゼIIに対する開始部位に対して5’に位置される。数百のプロモーター領域は、変異に感受性である、「TATA」ボックス(例えば、TATTAまたはTATAAの配列)を含む。プロモーター領域は、遺伝子のコード領域からのプライマーを使用して5’RACEを行うことによって得られ得る。あるいは、cDNAは、ゲノム配列についてのプローブとして使用され得、そしてコード領域に対して5’の領域は、「ウォーキングアップ」によって同定される。遺伝子が高度に発現されるか、または示差的に発現される場合、遺伝子由来のプロモーターは、異種遺伝子についての調節構築物において有用であり得る。
【0031】
一旦全長のcDNAまたは遺伝子が得られると、改変体をコードするDNAは、部位特異的変異誘発によって調製され得る(Sambrookら、15.3〜15.63において詳細に記載される)。置換されるコドンまたはヌクレオチドの選択は、変化したタンパク質構造および/または機能を達成するためのアミノ酸における任意の変化に対して、本明細書中の開示に基づき得る。
【0032】
生物学的材料からDNAまたはRNAを得る代替の方法として、本発明の1つ以上のポリヌクレオチドの配列を有するヌクレオチドを含有する核酸が合成され得る。従って、本発明は、15nt(配列番号1〜2396のうちの1つの少なくとも15の連続するntに対応する)から核酸分子の1つ以上の生物学的操作(複製および発現を含む)に適切な最大の長さにまでにわたる長さの核酸分子を含む。本発明は、(a)完全な遺伝子のサイズを有し、および配列番号1〜2396のうちの少なくとも1つを含む核酸;(b)融合タンパク質の発現を許容するように作動可能に連結される、少なくとも1つのさらなる遺伝子もまた含む(a)の核酸;(c)(a)または(b)を含有する発現ベクター;(d)(a)または(b)を含有するプラスミド;ならびに(e)(a)または(b)を含有する組換えウイルス粒子を含むが、これらに制限されない。一旦本明細書中に開示されるポリヌクレオチドが提供されると、(a)〜(e)の構築または調製は、十分に当業者の範囲内である。
【0033】
配列番号1〜2396のうちの少なくともいずれか1つの少なくとも15の連続するntを含有する核酸の配列、好ましくは配列番号1〜2396のうちの少なくともいずれか1つの配列全体は、制限されず、そしてA、T、G、および/もしくはC(DNAについて)、ならびにA、U、G、および/もしくはC(RNAについて)、またはそれらの改変された塩基(イノシンおよびシュードウラシルを含む)の任意の配列であり得る。配列の選択は、所望の機能に依存し、そして所望のコード領域、所望のイントロン様領域、および所望の調節領域によって決定され得る。配列番号1〜2396のうちのいずれか1つの配列全体が核酸内にある場合、得られる核酸は、本明細書中で、配列番号1〜2396のうちのいずれか1つの配列を含むポリヌクレオチドといわれる。
【0034】
(全長cDNAまたは全長遺伝子によりコードされるポリペプチドの発現)
提供されるポリヌクレオチド(例えば、配列番号1〜2396の1つの配列を有するポリヌクレオチド)、対応するcDNA、または全長の遺伝子は、部分的なまたは完全な遺伝子産物を発現するために使用される。配列番号1〜2396の配列を有するポリヌクレオチドの構築物はまた、合成されて生じ得る。あるいは、オリゴデオキシリボヌクレオチドの多数のメンバー由来の遺伝子およびプラスミド全体の単段階アセンブリは、例えば、Stemmerら、Gene(Amsterdam)(1995)164(1):49−53によって記載される。本方法において、アセンブリPCR(オリゴデオキシリボヌクレオチド(オリゴ)の多数のメンバー由来の長いDNA配列の合成)が記載される。この方法は、DNAシャッフリング(Stemmer,Nature(1994)370:389−391)に由来し、そしてDNAリガーゼに頼らないが、代わりにアセンブリプロセスの間により長いDNAフラグメントをますます構築するためにDNAポリメラーゼに頼る。
【0035】
適切なポリヌクレオチド構築物は、例えばSambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版、(1989)Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,NYに記載される標準的組換えDNA技術を用いて、および United States Dept.of HHS, National Institute of Health(NIH)Guidelines for Recombinant DNA Researchに記載されるような現行の規則の下で、精製される。本発明のポリヌクレオチドによりコードされる遺伝子産物は、いずれかの発現系(例えば、細菌、酵母、昆虫、両生類および哺乳動物系を含む)において発現される。ベクター、宿主細胞、およびそれらにおいて発現を得るための方法は、当該分野で周知である。適切なベクターおよび宿主細胞は、米国特許第5,654,173号に記載される。
【0036】
本明細書に提供されるポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチド分子は、一般に、ベクター中にこの分子を配置することによって増殖される。ウイルスおよび非ウイルスベクター(プラスミドを含む)が使用される。プラスミドの選択は、増殖が所望される細胞のタイプおよび増殖の目的に依存する。特定のベクターが、大量の所望のDNA配列を増幅および作製するために有用である。他のベクターは、培養中の細胞における発現に適切である。さらなる他のベクターは、動物全体またはヒトの細胞における転移および発現のために適切である。適切なベクターの選択は、十分に当該分野の技術の範囲内である。多くのこのようなベクターは、市販されている。所望の配列を含むベクターの調製のための方法は、当該分野で周知である。
【0037】
配列番号1〜2396に記載のポリヌクレオチドまたはそれらの対応する全長ポリヌクレオチドは、所望の発現特性を得るために適切なように、調節配列に連結される。これらは、プロモーター(センス鎖の5’末端またはアンチセンス鎖の3’末端のいずれかで付着される)、エンハンサー、ターミネーター、オペレーター、リプレッサー、およびインデューサーを含み得る。プロモーターは、調節され得るか、または構成性であり得る。いくつかの状況では、条件的活性プロモーター(例えば、組織特異的または発生期特異的プロモーター)を使用することが望ましいとされ得る。これらは、ベクターへの連結のために上述した技術を使用して、所望のヌクレオチド配列に連結される。当該分野で公知の任意の技術が用いられ得る。
【0038】
上記の宿主細胞のいずれか、または他の適切な宿主細胞または生物が、本発明のポリヌクレオチドまたは核酸を複製し、かつ/または発現させるために用いられる場合、得られた複製された核酸、RNA、発現されたタンパク質またはポリペプチドは、宿主細胞または生物の産物として、本発明の範囲内にある。この産物は、当該分野で公知の任意の適切な手段によって回収される。
【0039】
選択されたポリヌクレオチドに対応する遺伝子がいったん同定されると、その発現は、その遺伝子がネイティブである細胞において調節され得る。例えば、細胞の内因性遺伝子は、米国特許第5,641,670号に開示されるように外因性調節配列によって調節され得る。
【0040】
(公的に入手可能なデータベースに対してスクリーニングされる、新規遺伝子の機能的および構造的モチーフの同定)
提供されたポリヌクレオチド、cDNA、または全長遺伝子のヌクレオチド配列の翻訳物を、個々の既知配列と整列し得る。個々の配列との類似性が、本発明のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの活性を決定するために使用され得る。また、1つより多い個々の配列との類似性を呈示する配列は、個々の配列のいずれか、または両方に特徴的な活性を呈示し得る。
【0041】
最も近い隣接物のポリヌクレオチド配列の全長配列およびフラグメントは、提供されたポリヌクレオチドに対応する全長配列を同定し、そして単離するためのプローブおよびプライマーとして使用され得る。最も近い隣接物は、提供されたポリヌクレオチドに対応する全長配列のためのライブラリーを構築するために使用され得る組織または細胞タイプを示し得る。
【0042】
代表的には、選択されたポリヌクレオチドは、個々の配列との最良の整列を決定するために、6つ全てのフレームで翻訳される。配列表において本明細書中に開示された配列は、5’から3’への方向であり、そして3つのフレームでの翻訳で十分であり得る(実施例に記載のような少数の特定の例外はあるが)。これらのアミノ酸配列を、一般に、問合せ(query)配列と称し、これは、個々の配列と整列される。個々の配列を有するデータベースは、「Computer Methods for Macromolecular Sequence Analysis」 Methods in Enzymology(1996)266、Doolittle、Academic Press,Inc.a division of Harcourt Brace & Co.,San Diego、California、USAに記載されている。データベースは、Genbank、EMBL、およびDNA Database of Japan(DDBJ)含む。
【0043】
問合せ配列および個々の配列は、上記の方法およびコンピュータープログラムを用いて整列され得、そしてBLAST2.0(National Center for Biotechnology Information,Bethesda,Maryland)を含む。Altschulら、Nucleic Acids Res.(1997)25:3389−3402もまた参照のこと。別の整列アルゴリズムは、Fasta(Genetics Computing Group(GCG)パッケージで利用可能、Madison、Wisconsin、USA、Oxford Molecular Group、Inc.の完全所有子会社)である。整列のための他の技術は、Doolittle、前出に記載される。好ましくは、配列中のギャップを可能にする整列プログラムが、配列を整列させるために利用される。Smith−Watermanは、配列整列中のギャップを可能にするアルゴリズムの1つのタイプである。Meth.Mol.Biol.(1997)70:173−187を参照のこと。また、NeedlemanおよびWunsch整列法を用いるGAPプログラムが、配列を整列させるために利用され得る。代替的検索ストラテジーは、MPSRCHソフトウェアを使用する。これは、MASPARコンピューターで実行する。MPSRCHは、大規模並行コンピューターにおいて配列をスコア付けするためにSmith−Watermanアルゴリズムを使用する。このアプローチは、遠いと関連付けられた適合である配列を同定する能力を改善し、そして小さなギャップおよびヌクレオチド配列誤差に特に寛容である。提供されたポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列は、タンパク質データベースおよびDNAデータベースの両方を検索するために使用され得る。DNA配列データベースまたはタンパク質配列データベース(特許データベース(例えば、GeneSeq)を含む)のいずれかにより、本出願の出願日当時に公になった全ての配列は、本明細書中に参考として援用される。本出願の出願日当時にこれらのデータベースに寄託されたが、本出願の出願日以降ずっと公にならなかった配列もまた、本明細書中に参考として援用される。
【0044】
個々の配列および問合せ配列の整列の結果は、高類似性、弱類似性、および類似性なしの3つのカテゴリーに分けられ得る。高類似性から弱類似性までの範囲の個々の整列結果は、ポリペプチド活性および/または構造を決定するための基礎を提供する。個々の結果を分類するためのパラメーターは、以下を含む:最も強い整列が見出される整列領域長の百分率、配列同一性パーセント、およびp値。整列領域長の百分率は、最も強い整列の領域(例えば、整列した問合せ配列の対応する領域の残基と同一である残基の最も多くの数を含む個々の配列の連続的な領域)において見出された個々の配列の残基数を計数することによって算定される。この数を、問合せ配列の全残基長で割って、百分率を算定する。例えば、20アミノ酸残基の問合せ配列を、個々の配列の20アミノ酸領域と整列し得る。個々の配列は、問合せ配列のアミノ酸残基5、9〜15、および17〜19に同一であったとする。従って、最も強い整列の領域は、残基9〜19に伸長する領域である11アミノ酸ストレッチである。整列領域長の百分率は、以下の通りである:11(最も強い整列の領域の長さ)を20(問合せ配列の長さ)で割ったもの、すなわち55%。
【0045】
配列同一性パーセントは、問合せ配列と個々の配列との間のアミノ酸適合の数を計数し、そして適合の総数を最も強い整列の領域において見出された個々の配列の残基数で割ることによって算定される。従って、上記の例における同一性パーセントは、10適合を11アミノ酸で割ったもの、すなわち約90.9%である。
【0046】
p値は、整列が偶然に生じた確率である。単整列については、p値は、Karlinら、Proc.Natl.Acad.Sci.(1990)87:2264およびKarlinら、Proc.Natl.Acad.Sci.(1993)90に従って算定され得る。同じ問合せ配列を用いる多重整列のp値は、Altschulら、Nat.Genet.(1994)6:119に記載の発見的アプローチを用いて算定され得る。BLASTプログラムのような整列プログラムがp値を算定し得る(Altschulら、Nucleic Acids Res.(1997)25:3389−3402もまた参照のこと)。
【0047】
同一性または類似性を決定することについて考慮する別の要因は、類似性または同一性の位置選定である。強い局所的な整列は、たとえ整列の長さが短かったとしても、類似性を示し得る。問合せ配列の長さ全体にわたって分散された配列の同一性もまた、問合せ配列とプロフィール配列との間で類似であることを示し得る。配列が整列する領域の境界は、Doolittle、前出;BLAST2.0(例えば、Altschulら、Nucleic Acids Res.(1997)25:3389−3402を参照のこと)もしくはFASTプログラムに従って;または配列同一性が最も高い領域を決定することによって、決定され得る。
【0048】
(高類似性) 一般に、高類似性であるとみなされる整列結果では、整列領域長のパーセントは、問合せ配列の全長の、代表的には、少なくとも約55%;より代表的には、少なくとも約58%;ずっとより代表的には、問合せ配列の全残基長の少なくとも約60%である。通常、整列領域の長さのパーセントは、約62%程度の多さ;より通常には、約64%程度の多さ;ずっとより通常には、約66%程度の多さであり得る。さらに、高類似性について、整列の領域は、代表的には、少なくとも約75%の配列同一性;より代表的には、少なくとも約78%;よりずっと代表的には、少なくとも約80%の配列同一性を示す。通常、配列同一性パーセントは、約82%程度の多さ;より通常には、約84%程度の多さ;ずっとより通常には、約86%程度の多さであり得る。
【0049】
p値は、これらの方法と併用して使用される。高類似性が見出された場合、p値が約10−2以下であり;より通常には、約10−3以下であり;ずっとより通常には、約10−4以下である場合、問合せ配列は、プロフィール配列と高い類似性を有するとみなされる。より代表的には、問合せ配列が類似性が高いとみなされるには、p値は、約10−5を超えず;より代表的には、約10−10以下であり;ずっとより代表的には、約10−15以下である。
【0050】
(弱い類似性)一般に、整列結果が弱い類似性であると考えられる場合、整列領域の長さの最小のパーセントも整列の最小の長さも存在しない。弱い類似性をより充分に示すことは、整列の領域が代表的に、少なくとも約15アミノ酸残基長;より代表的に、少なくとも約20;さらにより代表的に;少なくとも約25アミノ酸残基長である場合に考慮される。通常、整列領域の長さは、約30程度のアミノ酸残基;より通常、約40程度;さらにより通常、約60程度のアミノ酸残基であり得る。さらに、弱い類似性について、整列の領域は、代表的に、少なくとも約35%の配列同一性;より代表的に、少なくとも約40%;さらにより代表的に;少なくとも約45%の配列同一性を示す。通常、配列同一性のパーセントは、約50%程度;より通常、約55%程度;さらにより通常、約60%程度であり得る。
【0051】
低い類似性が見出される場合、問合せ配列は、p値が通常、約10−2以下である場合;より通常には;約10−3以下である場合;さらにより通常には;約10−4以下である場合に、プロフィール配列と弱い配列類似性を有すると考えられる。より代表的には、弱い類似性考えられる問合せ配列について、p値は、約10−5を超えず:より通常には;約10−10を超えないかまたはこれに等しく;さらにより通常には;約10−15を超えないかまたはこれに等しい。
【0052】
(配列同一性単独によって決定される類似性)配列同一性単独が、個々の配列に対する問合せ配列の類似性を決定するために使用され得、そしてその配列の活性を示し得る。このような整列は、好ましくは配列を整列するためにギャップを許容する。代表的に、問合せ配列は、問合せ配列全体にわたる配列同一性が、少なくとも約15%;より代表的に、少なくとも約20%;さらにより代表的に、少なくとも約25%;さらにより代表的に、少なくとも約50%である場合、プロフィール配列に関連する。類似性の尺度として、配列同一性単独が、問合せ配列が通常、少なくとも80残基長;より通常、90残基;さらにより通常、少なくとも95アミノ酸残基長である場合に最も有用である。より代表的に、類似性は、問合せ配列が好ましくは100残基長;より好ましくは、120残基長;さらにより好ましくは、150アミノ酸残基長である場合に、配列同一性単独に基づいて結論付けられ得る。
【0053】
(プロフィール配列および複数の整列された配列との整列)提供されるポリヌクレオチドの翻訳物は、タンパク質ファミリーまたは共通のモチーフのいずれかを規定するアミノ酸プロフィールを用いて整列され得る。また、提供されるポリヌクレオチドの翻訳物は、タンパク質ファミリーまたはモチーフのメンバーのポリぺプチド配列を含有する複数の配列整列(MSA)に対して整列され得る。プロフィール配列またはMSAとの類似性または同一性は、提供されるポリヌクレオチドまたは対応するcDNAもしくは遺伝子によってコードされる遺伝子産物(例えば、ポリぺプチド)の活性を決定するために使用され得る。例えば、ケモカインプロフィールまたはMSAと同一性または類似性を示す配列は、ケモカイン活性を示し得る。
【0054】
プロフィールは、(1)ファミリーに属するメンバーのアミノ酸配列の整列であるMSAを作製し、そして(2)整列の統計学的表示を構築することによって、手動で設計され得る。このような方法は、例えば、Birneyら、Nucl.Acid Res.(1996)24(14):2730−2739において記載される。いくつかのタンパク質ファミリーおよびモチーフのMSAは、公的に利用可能である。例えば、Washington University(St.Louis,Missouri)から利用可能なPfamデータベースは、547個の異なるファミリーおよびモチーフのMSAを含む。これらのMSAはまた、Sonnhammerら、Proteins(1997)28:405−420において記載される。他の公的に利用可能な供給源としては、European Molecular Biology Laboratory(Heidelberg,Germany)によって提供されるワールドワイドウェブ上のものが挙げられる。これらのMSAの簡潔な記載は、Pascarellaら、Prot.Eng.(1996)9(3):249−251において報告される。MSAからのプロフィールを構築するための技術は、Sonnhammerら、前出;Birneyら、前出:および「高分子配列分析のためのコンピュータ法」、Method in Enzymology(1996)266、Doolittle,Academic Press、Inc.,San Diego、California、USAにおいて記載される。
【0055】
問合せ配列とタンパク質ファミリーもしくはモチーフとの間の類似性は、(a)プロフィールに対して問合せ配列を比較することによって、および/または(b)ファミリーもしくはモチーフのメンバーと問合せ配列とを整列することによって、決定され得る。代表的に、Searchwiseのようなプログラムが、プロフィールとしてもまた知られる複数の整列の統計学的表示に対して問合せ配列を比較するために使用される(Birneyら、前出を参照のこと)。配列およびプロフィールを比較するための他の技術は、Sonnhammerら、前出およびDoolittle、前出において記載される。
【0056】
次に、Fengら、J.Mol.Evol.(1987)25:351およびHigginsら、CABIOS(1989)5:151によって記載される方法が、問合せ配列と、MSAとしてもまた知られるファミリーまたはモチーフのメンバーとを整列するために使用され得る。配列整列は、任意の多様なソフトウェアツールを使用して作製され得る。例としては、PileUPが挙げられ、これは、複数の配列整列を作製し、そしてFengら、J.Mol.Evol.(1987)25:351において記載される。別の方法のGAPは、Needlemanら、J.Mol.Biol.(1970)48:443の整列法を使用する。GAPは、配列の全体の整列に最も良好に適している。第3の方法のBestFitは、Smithら、Adv.Appl.Math.(1981)2:482の局所的な相同性アルゴリズムを使用して適合の数を最大にするようにギャップを挿入することによって機能する。一般に、問合せ配列とプロフィールまたはMSAとの間に類似性が存在するか否かを決定するために以下の因子が使用される:(1)問合せ配列において見出される保存された残基の数、(2)問合せ配列において見出される保存された残基のパーセント、(3)フレームシフトの数、および(4)保存された残基間の間隔。
【0057】
配列の翻訳および整列の両方を行ういくつかの整列プログラムが、最も良好な整列を作成するようにヌクレオチド配列を翻訳する場合、任意の数のフレームシフトを作製し得る。整列を作成するために必要とされるフレームシフトが少ないほど、問合せとプロフィールまたはMSAとの間の類似性または同一性は強い。例えば、フレームシフトなしから生じる弱い類似性は、2つのフレームシフトから生じる強力な類似性よりも、問合せ配列の活性または構造の良好な指示であり得る。好ましくは、3つ以下のフレームシフトが、整列において見出され;より好ましくは2つ以下のフレームシフト;さらにより好ましくは、1つ以下のフレームシフト;さらにより好ましくはフレームシフトなしが、問合せとプロフィールまたはMSAとの整列において見出される。
【0058】
保存された残基は、ファミリーまたはモチーフのメンバーの全てまたはいくつかにおいて特定の位置で見出されるアミノ酸である。あるいは、位置は、アミノ酸のあるクラスのみがファミリーメンバーの全てまたはいくつかにおいて特定の位置で見出される場合、保存されていると考えられる。例えば、N末端の位置は、リジン、アルギニン、またはヒスチジンのような正に荷電されたアミノ酸を含み得る。
【0059】
代表的に、ポリぺプチドの残基は、アミノ酸または単一のアミノ酸のクラスが、全てのクラスメンバーのうちの少なくとも約40%;より代表的に、少なくとも約50%;さらにより代表的にメンバーのうちの少なくとも約60%において、特定の位置で見出される場合、保存されている。通常、残基は、クラスまたは単一のアミノ酸がファミリーまたはモチーフのメンバーのうちの少なくとも約70%;より通常、少なくとも約80%;さらにより通常、少なくとも約90%;さらにより通常、少なくとも約95%において見出される場合、保存されている。
【0060】
残基は、3つの非関連のアミノ酸;より通常、2つの非関連のアミノ酸が、メンバーのうちのいくつかまたは全てにおいて特定の位置で見出される場合、保存されていると考えられる。これらの残基は、非関連のアミノ酸が、全てのクラスのメンバーのうちの少なくとも約40%;より代表的に、少なくとも約50%;さらにより代表的に、メンバーのうちの少なくとも約60%において、特定の位置で見出される場合、保存されている。通常、残基は、クラスまたは単一のアミノ酸が、ファミリーまたはモチーフのメンバーのうちの少なくとも約70%;より通常、少なくとも約80%;さらにより通常、少なくとも約90%;さらにより通常、少なくと約95%において見出される場合、保存されている。
【0061】
問合せ配列が、プロフィールまたはMSAの保存された残基のうちの少なくとも約25%;より通常、少なくとも約30%;さらにより通常;少なくとも40%を含む場合、問合せ配列はプロフィールまたはMSAに対して類似性を有する。代表的に、問合せ配列が、プロフィールまたはMSAの保存された残基のうちの少なくとも約45%;より代表的に、少なくとも約50%;さらにより代表的に;少なくとも約55%を含む場合、問合せ配列はプロフィール配列またはMSAにより強い類似性を有する。
【0062】
(分泌性ポリぺプチドおよび膜結合性ポリぺプチドの同定)
本発明の分泌性ポリぺプチドおよび膜結合性ポリぺプチドの両方は、特に重要である。例えば、分泌性ポリぺプチドのレベルは、都合のよい体液(例えば、血液、血漿、血清、ならびに尿、前立腺液および精液のような他の体液)においてアッセイされ得る。膜結合性ポリぺプチドは、ワクチン抗原を構築するためにまたは免疫応答を誘発するために有用である。このような抗原は、膜結合性ポリぺプチドの細胞外領域の全てまたは部分を含む。分泌性ポリぺプチドおよび膜結合性ポリぺプチドの両方は、連続する疎水性アミノ酸のフラグメントを含むので、疎水性を予測するアルゴリズムが、このようなポリぺプチドを同定するために使用され得る。
【0063】
シグナル配列は通常、細胞の表面にポリぺプチドを指向するために、分泌性ポリぺプチド遺伝子および膜結合性ポリぺプチド遺伝子の両方によってコードされる。シグナル配列は通常、疎水性残基のストレッチを含む。このようなシグナル配列は、らせん構造に折畳まれ得る。膜結合性のポリぺプチドは代表的に、膜を横切り得る疎水性アミノ酸のストレッチを保有する少なくとも1つの膜貫通領域を含む。いくつかの膜貫通領域はまた、らせん構造を示す。ポリぺプチド内の疎水性フラグメントは、コンピュータアルゴリズムを使用することによって同定され得る。このようなアルゴリズムとしては、HoppおよびWoods、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1981)78:3824−3828;KyteおよびDoolittle、J.Mol.Biol.(1982)157:105−132;およびRAOARアルゴリズム、Degli Espostiら、Eur.J.Biochem.(1990)190:207−219が挙げられる。
【0064】
分泌性ポリぺプチドおよび膜結合性ポリぺプチドを同定する別の方法は、全部の6フレームにおいて本発明のポリヌクレオチドを翻訳し、そして少なくとも8個の連続する疎水性アミノ酸が存在するか否かを決定することである。少なくとも8個;より代表的には、10個;さらにより代表的には、12個連続する疎水性アミノ酸を有するこれらの翻訳されたポリぺプチドは、推定の分泌性ポリぺプチドまたは膜結合性ポリぺプチドのいずれかであることが考えられる。疎水性アミノ酸としては、アラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンが挙げられる。
【0065】
(全長遺伝子発現産物の機能の同定)
リボザイム、アンチセンス構築物、およびドミナントネガティブ変異体が、本明細書中で提供されるポリヌクレオチドに対応する遺伝子の発現産物の機能を決定するために使用され得る。これらの方法および組成物は特に、提供される新規なポリヌクレオチドが公知の機能の遺伝子をコードする配列に有意な相同性も実質的な相同性を示さない場合、有用である。アンチセンス分子およびリボザイムは、合成ポリヌクレオチドから構築され得る。代表的に、オリゴヌクレオチド合成のホスホルアミダイト法が使用される。Beaucageら、Tet.Lett.(1981)22:1859および米国特許第4,668,777号を参照のこと。合成のための自動化装置が、この化学薬品を使用してオリゴヌクレオチドを作製するために利用可能である。このような装置の例としては、Applied Biosystems,Perkin−Elmer Corp.事業部、Foster City、California,USAによるBiosearch 8600.392および394型;ならびにPerceptive Biosystems、Framingham、Massachusetts、USAによるExpediteが挙げられる。合成RNA、リン酸アナログオリゴヌクレオチド、および化学的に誘導体化されたオリゴヌクレオチドがまた生成され得、そして他の分子に共有結合的に付着され得る。RNAオリゴヌクレオチドが、例えば、RNAホスホルアミダイトを使用して合成され得る。この方法は、Applied Biosystems、392および394型、Foster City、California USAのような自動化合成器において行われ得る。
【0066】
ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドもまた、アンチセンス構築のために合成され得る。硫化試薬(例えば、アセトニトリル中のテトラエチルチウラム(thiraum)ジスルフィド(TETD)が、室温で15分間以内でヌクレオチド間のシアノエチル亜リン酸エステルをホスホロチオエートトリエステルに変換するために使用され得る。TETDは、インドール試薬を置換えるが、標準的なホスホルアミダイト化学に使用される他の全ての試薬は同じままである。このような合成法は、例えば、Applied Biosystems、392および394型を使用して自動化され得る。
【0067】
200ヌクレオチドまでの、より代表的に、100ヌクレオチド、より代表的に50ヌクレオチド;さらにより代表的に30〜40ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドが合成され得る。これらの合成フラグメントは、より大きなフラグメントを構築するためにアニールされ得、そして一緒に連結され得る。例えば、Sambrookら、前出を参照のこと。トランス切断化触媒RNA(リボザイム)は、エンドヌクレアーゼ活性を保有するRNA分子である。リボザイムは、特定の標的に対して特異的に設計され、そして標的メッセージは特異的なヌクレオチド配列を含まなければならない。これらは、細胞性RNAの背景において、任意のRNA種を部位特異的に切断するように操作される。切断事象は、mRNAを不安定にし、そしてタンパク質発現を妨げる。重要なことに、リボザイムは、インビトロまたはインビボの状況における未知の機能を表現型効果を検出することによって決定する目的で、未知の機能の遺伝子の発現を阻害するために使用され得る。1つの一般に使用されるリボザイムモチーフはハンマーヘッドであり、これについての基質配列要件は極わずかである。ハンマーヘッドリボザイムの設計、ならびにリボザイムの治療的使用は、Usmanら、Current Opin.Struct.Biol.(1996)6:527において開示される。リボザイム(ヘアピン構造のリボザイムフラグメントを含む)の生成のための方法、リボザイム特異性を増加する方法などは、当該分野において公知である。
【0068】
リボザイムのハイブリダイズ領域は、HornおよびUrdea、Nucleic Acids Res.(1989)17:6959において記載されるように改変され得るか、または分枝化構造として調製され得る。リボザイムの基本的な構造はまた、当業者によく知られる方法において化学的に変化され得、そして化学的に合成されたリボザイムは、モノマー単位によって改変される合成オリゴヌクレオチド誘導体として投与され得る。治療学的状況において、リボザイムのリポソーム媒介性の送達は、Birikhら、Eur.J.Biochem.(1997)245:1において記載されるように、細胞取込みを改善する。
【0069】
アンチセンス核酸は、RNAに特異的に結合するように設計され、RNA−DNAまたはRNA−RNAハイブリッドの形成を生じ、DNAの複製、逆転写、またはメッセンジャーRNAの翻訳の停止を伴う。選択されたポリヌクレオチド配列に基づくアンチセンスポリヌクレオチドは、対応する遺伝子の発現を妨げ得る。アンチセンスポリヌクレオチドは代表的に、転写された鎖としてアンチセンス鎖を含むアンチセンス構築物からの発現によって細胞内に作製される。開示されるポリヌクレオチドに基づくアンチセンスポリヌクレオチドは、アンチセンスポリヌクレオチドに相補的な配列を含むmRNAを結合し、および/またはその翻訳を妨げる。コントロール細胞およびアンチセンス構築物で処理された細胞の発現産物は、そのアンチセンス構築物が基づくポリヌクレオチドに対応する遺伝子のタンパク質産物を検出するために比較される。このタンパク質は、慣用的な生化学的方法を使用して単離され、そして同定される。
【0070】
広範な背景文献およびアンチセンス治療における臨床学的経験を考慮して、当業者は、さらなる潜在的な治療薬として本発明の選択されたポリヌクレオチドを使用し得る。ポリヌクレオチドの選択は、癌性細胞のゲノムの「ホットスポット」領域への結合について、先ずそれらを試験することによって狭められ得る。ポリヌクレオチドが「ホットスポット」に結合するとして同定される場合、対応する癌細胞においてポリヌクレオチドをアンチセンス化合物として試験することは、保証される。
【0071】
本明細書中に開示されるポリヌクレオチドに対応する遺伝子の機能を同定するための代替の方法として、ドミナントネガティブな変異が、ホモマルチマーとして活性である対応するタンパク質について容易に作製される。変異体ポリぺプチドは、野生型ポリぺプチド(他方の対立遺伝子から作製される)と相互作用し、そして非機能的なマルチマーを形成する。従って、変異は、基質結合ドメイン、触媒ドメイン、または細胞性局在化ドメインにおいてである。好ましくは、変異体ポリぺプチドは過剰産生される。このような効果を有する点変異が作製される。さらに、タンパク質の末端に対して種々の長さの、異なるポリぺプチドの融合は、ドミナントネガティブな変異体を生じ得る。一般的なストラテジーが、ドミナントネガティブな変異体を作製するために利用可能である(例えば、Herskowitz、Nature(1987)329:219を参照のこと)。このような技術は、タンパク質の機能を決定するために有用である機能喪失の変異を作製するために使用され得る。
【0072】
(ポリペプチドおよびそれらの改変体)
本発明のポリペプチドは、開示されたポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドおよび遺伝コードの縮重によって、開示されたポリヌクレオチドとは配列が同一でない核酸を含む。従って、本発明は、その範囲内に、配列番号1〜2396またはそれらの改変体のいずれか1つの配列を有するポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドを含む。
【0073】
一般的に、本明細書中で使用される場合、用語「ポリペプチド」は、述べられたポリヌクレオチドによってコードされる全長ポリペプチド、述べられたポリヌクレオチドによって示される遺伝子によってコードされるポリペプチドの両方、ならびにそれらの一部またはフラグメントをいう。「ポリペプチド」はまた、天然に存在するタンパク質の改変体を含み、ここでこのような改変体は、天然に存在するタンパク質に相同であるか、または実質的に類似であり、そして天然に存在するタンパク質(例えば、述べられたポリペプチドを天然に発現するヒト、マウス、またはいくつかの他の種、通常は哺乳動物種)と同一の、または異なる種の起源であり得る。一般的に、改変体のポリペプチドは、上記のパラメーターを使用するBLAST2.0によって測定されるように、本発明の差示的に発現されるポリペプチドと、少なくとも約80%、通常少なくとも約90%、およびより通常には少なくとも約98%の配列同一性を有する配列を有する。この改変体ポリペプチドは、天然に、または非天然にグリコシル化され得、すなわち、このポリペプチドは、対応する天然に存在するタンパク質において見い出されるグリコシル化パターンと異なるグリコシル化パターンを有する。
【0074】
本発明はまた、開示されたポリペプチド(または、それらのフラグメント)の相同体を含み、ここでその相同体は、他の種、すなわち、他の動物種または他の植物種から単離され、ここでこのような相同体は、通常は哺乳動物種(例えば齧歯類(例えば、マウス、ラット);家畜(例えば、ウマ、ウシ、イヌ、ネコ);およびヒト)から単離される。「相同体」は、上に同定したような、特に差示的に発現されたタンパク質に対して少なくとも約35%、通常少なくとも約40%、およびより通常少なくとも約60%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドを意味し、ここで配列同一性が、上記に記載されたパラメーターを用いてBLAST2.0アルゴリズムを使用して決定される。
【0075】
一般的に、本発明のポリペプチドは、天然に存在しない環境(例えば、それらの天然に存在する環境から分離された環境)において提供される。特定の実施形態において、本発明のタンパク質は、コントロールと比較してそのタンパク質が富化された組成物中に存在する。そのような場合、精製されたポリペプチドは提供され、ここで、精製されたとは、タンパク質が非差示的に発現されたポリペプチドを実質的に含まない組成物中に存在することを意味し、ここで、実質的に含まないとは、組成物の90%未満、通常60%未満、およびより通常50%未満が非差示的に発現されるポリペプチドから構成されることを意味する。
【0076】
改変体もまた本発明の範囲内にあり;ポリペプチドの改変体は変異体、フラグメントおよび融合体を含む。変異体は、アミノ酸置換、付加または欠失を含み得る。アミノ酸置換は、グリコシル化部位、リン酸化部位もしくはアセチル化部位を改変するか、または機能に必要ではない1つ以上のシステイン残基の置換もしくは欠失により誤折り畳みを最小にするような保存的アミノ酸置換、あるいは非必須アミノ酸を取り除くような置換であり得る。保存的アミノ酸置換は、全体の電荷、疎水性/親水性、および/または置換されたアミノ酸の立体的バルクを保存する置換である。改変体は、タンパク質の特定の領域(例えば、機能的ドメインおよび/または、ポリペプチドがタンパク質ファミリーのメンバーである場合、コンセンサス配列と関連する領域)の生物学的活性を保持または増強するように設計され得る。改変体の産生のためのアミノ酸の変更の選択は、アミノ酸のアクセス可能性(内部または外部)(例えば、Go et al.,Int.J.Peptide Protein Res.(1980)15:211を参照のこと)、改変ポリペプチドの熱安定性(例えば、Querol et al.,Prot.Eng.(1996)9:265)、所望のグリコシル化部位(例えば、Olsen and Thomsen,J.Gen.Microbiol.(1991)137:579)、所望のジスルフィド架橋(例えば、Clarke et al.,Biochemistry(1993)32:4322;およびWakarchuk et al.,Protein Eng.(1994)7:1379を参照のこと)、所望の金属結合部位(例えば、Toma et al.,Biochemistry(1991)30:97、およびHaezerbrouck et al.,Protein Eng.(1993)6:643を参照のこと)、およびプロリンループ内の所望の置換(例えば、Masul et al.,Appl.Env.Microbiol.(1994)60:3579を参照のこと)に基づき得る。システイン欠損ムテインは、USPN4,959,314に開示されるように産生され得る。
【0077】
改変体はまた、本明細書に開示のポリペプチドのフラグメント、特に生物学的に活性なフラグメントおよび/または機能的ドメインに対応するフラグメントを含む。代表的には、目的のフラグメントは、長さが少なくとも約10aa〜少なくとも約15aa、通常長さが少なくとも約50aa、そして長さが300aa程度またはより長くあり得るが、通常長さが約1000aaを超えず、ここでこのフラグメントは、任意の配列番号1〜2396の配列を有するポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド、またはその相同体と同一であるアミノ酸のストレッチを有する。本明細書に記載されるタンパク質改変体は、本発明の範囲内にあるポリヌクレオチドによりコードされる。遺伝子コードを用いて、適切なコドンを選択し、対応する改変体を構築し得る。
【0078】
(コンピューター関連実施形態)
一般に、ポリヌクレオチドのライブラリーは、配列情報のコレクションであり、この情報は、生化学的形態(例えば、ポリヌクレオチド分子のコレクションとして)、または電子形態(例えば、コンピューターシステム中および/またはコンピュータープログラムの一部として、コンピューターで読み出し可能な形態で格納されたポリヌクレオチド配列のコレクションとして)のいずれかで提供される。ポリヌクレオチドのこの配列情報は、種々の方法(例えば、遺伝子発見の供給源として、選択された細胞型で発現される配列の代表として(例えば、細胞型マーカー)、および/または所定の疾患または疾患状態のマーカーとして)で用いられ得る。一般に、疾患マーカーは、疾患に羅患したすべての細胞に、正常細胞(例えば、疾患により実質的に影響されていない同じかまたは類似の型の細胞)と比較して増加したかまたは減少したかいずれかのレベルで存在する遺伝子産物の代表である。例えば、ライブラリー中のポリヌクレオチド配列は、mRNA、ポリペプチド、またはポリヌクレオチドによりコードされるその他の遺伝子産物を表すポリヌクレオチドであり得、これは、正常(すなわち、実質的に疾患していない)乳房細胞と比較して癌に羅患した乳房腺管細胞中で過剰発現されるか、または少なく発現されるかのいずれかである。
【0079】
ライブラリーのヌクレオチド配列情報は、任意の適切な形態、例えば、電子形態または生化学的形態で具現化され得る。例えば、電子形態で具現化された配列情報のライブラリーは、例えば、i)癌細胞と正常細胞;ii)癌細胞と形成異常細胞;iii)癌細胞と癌以外の疾患または症状に羅患した細胞;iv)転移癌細胞と正常細胞および/または非転移癌細胞;v)悪性癌細胞と非悪性癌細胞(または正常細胞)および/またはvi)正常細胞と比較した形成異常細胞、との間のように、差示的に発現される(例えば、過剰発現または過少発現される)遺伝子の代表的なヌクレオチド配列を含むアクセス可能なコンピューターデータファイル(または生化学的形態での、核酸分子のコレクション)を含む。種々の疾患または疾患の段階に羅患した細胞の、他の組み合わせおよび比較は、当業者に容易に明らかである。ライブラリーの生化学的実施形態は、ライブラリー中の遺伝子の配列を有する核酸のコレクションを含み、ここで、この核酸は、以下でより詳細に記載されるように、ライブラリー中の全遺伝子またはそのフラグメントに対応し得る。
【0080】
本発明のポリヌクレオチドライブラリーは、一般に、複数のポリヌクレオチド配列の配列情報を含み、ここで、少なくとも1つのポリヌクレオチドは、「配列番号1〜2396」の任意の配列を有する。複数とは、少なくとも2、通常少なくとも3を意味し、そして「配列番号1〜2396」のすべてまでを含み得る。ライブラリー中のポリヌクレオチドの長さおよび数は、ライブラリーの性質(例えば、ライブラリーがオリゴヌクレオチドアレイ、cDNAアレイ、配列情報のコンピューターデータベースなどである場合)とともに変化する。
【0081】
ライブラリーが電子ライブラリーである場合、核酸配列情報は、種々の媒体中に存在し得る。「媒体」は、本発明の配列情報を含む、単離された核酸分子以外の製造物をいう。このような製造物は、配列が核酸で存在する場合、配列に直接適用可能ではない手段により調査され得る形態で、ゲノム配列またはそのサブセットを提供する。例えば、本発明のヌクレオチド配列、例えば、配列番号1〜2396の任意のポリヌクレオチドの核酸配列は、コンピュータ読み出し可能媒体、例えば、コンピューターによって直接読み出しかつアクセスされ得る任意の媒体上に記録され得る。このような媒体は:フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク格納媒体、および磁気テープのような磁気格納媒体;CD−ROMのような光学的格納媒体;RAMおよびROMのような電子的格納媒体;および磁気/光学的格納媒体のようなこれらのカテゴリーのハイブリッドを含むがこれらに限定されない。当業者は、現在知られたコンピューター読み出し可能な媒体のいずれもが、本発明の配列情報の記録を含む製造物を作製するためにどのように使用され得るかを容易に認識し得る。「記録された」とは、当該分野で公知の任意のこのような方法を用いて、コンピューター読み出し可能な媒体上に情報を格納するためのプロセスをいう。任意の便利なデータ格納構造が、格納された情報にアクセスするために用いられる手段を基に選択され得る。種々のデータプロセッサプログラムおよびフォーマット(例えば、ワードプロセッシングテキストファイル、データベースフォーマットなど)が、格納のために用いられ得る。配列情報に加えて、本発明のライブラリーの電子バージョンが、その他のコンピューター読み出し可能な情報および/またはその他の型のコンピューター読み出し可能なファイル(例えば、サーチプログラムソフトウェアなどを含むがこれに限定されない、例えば、サーチ可能なファイル、実行可能なファイルなど)と連結されるか、または組み合わされて提供され得る。
【0082】
コンピューター読み出し可能な形態でヌクレオチド配列を提供することにより、この情報は、種々の目的のためにアクセスされ得る。配列情報にアクセスするためのコンピューターソフトウェアは、公に利用可能である。例えば、Sybaseシステム上のgapped BLAST(Altschul et al.Nucleic Acids Res.(1997)25:3389−3402)およびBLAZE(Brutlag et al、Comp.Chem.(1993)17:203)サーチアルゴリズムを用いて、他の生物由来のオープンリーディングフレーム(ORF)に対する相同性を含むゲノム内のORFを同定し得る。
【0083】
本明細書で用いられる場合、「コンピューターを基礎にしたシステム」とは、本発明のヌクレオチド配列情報を分析するために用いられる、ハードウェア手段、ソフトウェア手段、およびデータ格納手段をいう。本発明のコンピューターを基礎にしたシステムの最小のハードウェアは、中央処理装置(CPU)、入力手段、出力手段、およびデータ格納手段を備える。当業者は、現在利用可能なコンピューターを基礎にしたシステムの任意の1つが、本発明における使用に適切であることを容易に認識し得る。データ格納手段は、上記のように本発明の配列情報の記録を含む任意の製造物、またはこのような製造物にアクセスし得るメモリーアクセス手段を含み得る。
【0084】
「サーチ手段」は、コンピューターを基礎にしたシステム上で実行される1つ以上のプログラムをいい、標的配列または標的構造モチーフ、もしくはサンプル中のポリヌクレオチドの発現レベルを、格納された配列情報と比較する。このサーチ手段を用いて、特定の標的配列または標的モチーフに一致するゲノムのフラグメントまたは領域を同定し得る。種々の既知のアルゴリズムが公に知られ、そして市販されている(例えば、MacPattern(EMBL)、BLASTNおよびBLASTX(NCBI))。「標的配列」は、6以上の連続するヌクレオチドであるか、または2以上のアミノ酸、好ましくは約10〜100アミノ酸であるか、または約30〜300ntの任意のポリヌクレオチドまたはアミノ酸配列であり得る。種々の比較手段が、(例えば、標的配列、標的モチーフ、または相対的な発現レベルを分析するために)サンプルからの配列情報とデータ格納手段との比較を達成するために、用いられ得る。当業者は、公に利用可能な相同性サーチプログラムの任意のものが、本発明のコンピューターを基礎とするシステムのサーチ手段として用いられて、標的配列およびモチーフの比較を達成し得ることを容易に認識し得る。サンプルおよびコントロール中の発現レベルを分析するためのコンピュータープログラムもまた当該分野で公知である。
【0085】
「標的構造モチーフ」または「標的モチーフ」は、任意の合理的に選択された配列または配列の組み合わせをいい、ここで配列(単数または複数)は、標的モチーフの折り畳みに際し形成される三次元立体配置を基に、または調節もしくは活性部位のコンセンサス配列を基に選択される。当該分野で公知の種々の標的モチーフが存在する。タンパク質標的モチーフは、酵素活性部位およびシグナル配列を含むがこれらに限定されない。核酸標的モチーフは、ヘアピン構造、プロモーター配列および転写因子の結合部位のような他の発現エレメントを含むが、これらに限定されない。
【0086】
入力および出力手段の種々の構造的フォーマットを用いて、本発明のコンピューターを基礎にしたシステムにおいて情報を入力および出力し得る。出力手段の1つのフォーマットは、異なるポリヌクレオチドの相対的な発現レベルをランク付けする。そのような表示は、当業者に、遺伝子発現プロフィールを決定するための相対的な発現レベルのランク付けを提供する。
【0087】
上記で論議したように、本発明の「ライブラリー」はまた、「配列番号1−2396」のポリヌクレオチドの生化学的ライブラリー、例えば、提供されたポリヌクレオチドを表す核酸のコレクションを包含する。この生化学的ライブラリーは、例えば、cDNAの溶液、固体支持体の表面と安定に結合したプローブ核酸のパターン(すなわちアレイ)などの種々の形態をとり得る。特に興味深いのは、「配列番号1−2396」の1つ以上がアレイ上に表されている核酸アレイである。アレイにより、基板の表面の1つに少なくとも2つの別個の核酸標的を有する基板を少なくとも有する製造物の物品を意味し、ここで別個の核酸の数は、かなり高く、代表的には、少なくとも10nt、通常少なくとも20ntおよびしばしば少なくとも25ntであり得る。種々の異なるアレイフォーマットが開発され、そして当業者に公知である。本発明のアレイは、種々の適用における使用を見出し、上記に列挙した例示の特許書類に開示されるような、遺伝子発現分析、薬物スクリーニング、変異分析などを含む。
【0088】
上記の核酸ライブラリーに加えて、ポリペプチドのアナログライブラリーもまた提供され、ここでライブラリーのポリペプチドは、「配列番号1−2396」によりコードされるポリペプチドの少なくとも一部分を表す。
【0089】
(有用性)
(マッピングおよび組織プロファイリングにおけるポリヌクレオチドプローブの使用)
ポリヌクレオチドプローブは、一般に配列表に示されるようなポリヌクレオチドの少なくとも12連続するntを含み、ポリヌクレオチドの染色体マッピングおよび転写レベルの検出のような種々の目的に用いられる。開示されたポリヌクレオチド配列の好適な領域についてのさらなる開示は、実施例に見出される。本明細書に開示されたポリヌクレオチドに特異的にハイブリダイズするプローブは、他の非関連配列で提供されるバックグラウンドのハイブリダイゼーションより、少なくとも5、10、または20倍高い検出シグナルを提供すべきである。
【0090】
(発現レベルの検出)
ヌクレオチドプローブを用いて、提供されたポリヌクレオチドに対応する遺伝子の発現を検出する。ノザンブロットでは、mRNAを電気泳動的に分離し、そしてプローブと接触させる。プローブは、特定サイズのmRNA種にハイブリダイズするとして検出される。ハイブリダイゼーションの量が定量されて、例えば、特定条件下で発現の相対量を決定する。プローブは、細胞に対するインサイチュハイブリダイゼーションのために用いられ、発現を検出する。プローブはまた、ハイブリダイズする配列の診断的検出のためにインビボで用いられ得る。代表的には、プローブは放射性同位体で標識される。発色団、蛍光、および酵素のような、他の型の検出可能な標識が用いられ得る。ヌクレオチドハイブリダイゼーションアッセイのその他の例は、WO92/02526およびUSPN5,124,246に記載される。
【0091】
あるいは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、少量の標的核酸を検出する別の手段である(例えば、Mullis et al、Meth.Enzymol.(1987)155:335;USPN4,683,195;およびUSPN4,683,202を参照のこと)。標的核酸とハイブリダイズする2つのプライマーポリヌクレオチドヌクレオチドを使用して、反応をプライムするために用いられる。プライマーは、配列表のポリヌクレオチドの3’および5’内の配列から構成され得る。あるいは、プライマーがこれらのポリヌクレオチドの3’側および5’側にある場合、プライマーはそれらまたは相補体にハイブリダイズする必要はない。熱安定性ポリメラーゼを用いた標的の増幅の後、この増幅された標的核酸は、当該分野で公知の方法(例えば、サザンブロット)により検出され得る。mRNAまたはcDNAはまた、(例えば、PCR増幅せずに)Sambrookら、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」(New York,Cold Spring Harbor Laboratory,1989)に記載される古典的なブロッティング技術(例えば、サザンブロット、ノザンブロットなど)によっても検出され得る。一般に、ポリメラーゼ酵素を使用して、mRNAから生成されたmRNAまたはcDNAは、ゲル電気泳動を使用して精製および分離され、そして固体支持体(例えば、ニトロセルロース)に転写され得る。この固体支持体は、標識されたプローブに曝露され、洗浄されて任意の非ハイブリダイズプローブが除去され、そしてこの標識されたプローブを含む二重鎖が検出される。
【0092】
(マッピング)
本発明のポリヌクレオチドは、対応する遺伝子が存在する染色体を同定するために使用され得る。このようなマッピングは、公知の機能を有する他の遺伝子へのその近接によって、このポリヌクレオチド関連遺伝子の機能を同定することにおいて有用であり得る。機能はまた、特定の症候群または疾患が同じ染色体にマッピングされる場合、このポリヌクレオチド関連遺伝子とされ得る。例えば、核酸配列異常の同定および定量におけるポリヌクレオチドプローブの使用は、USPN5,783,387に記載される。例示的なマッピング方法は、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)であり、これは、比較的なゲノムのハイブリダイゼーションを容易にし、DNA配列の関連するコピー数における変化の全体的なゲノム評価を可能にする(例えば、Valdes et al.,Methods in Molecular Biology(1997)68:1を参照のこと)。ポリヌクレオチドはまた、例えば、放射線ハイブリッドまたは染色体特異的なハイブリッドパネルを用いて、特定の染色体にマッピングされ得る。Leach et al.,Advances in Genetics,(1995)33:63−99;Walter et al.,Nature Genetics(1994)7:22;Walter and Goodfellow,Trends in Genetics(1992)9:352を参照のこと。放射線ハイブリッドマッピングのためのパネルは、Research Genetics,Inc.,Huntsville,Alabama,USAから入手可能である。種々のパネルを用いるマーカーのためのデータベースは、ワールドワイドウェブを通じてStanford Genome CenterおよびThe Whitehead Institute for Biomedical Research/MIT Center for Genome Researchから公的に利用可能である。統計学のプログラムRHMAPは、1つの次数対別の次数の相対的な可能性の基準を有する放射線ハイブリダイゼーションからのデータに基づくマップを構築するために用いられ得る。RHMAPは、ワールドワイドウェブを通じてUniversity of Michigan,Center for Statistical Genetics,Ann Arbor,Michiganから利用可能である。さらに、市販のプログラムは、癌のような疾患と一般に関連する染色体の領域を同定するために利用可能である。
【0093】
(組織分類または組織の特徴付け(プロファイリング))
提供されたポリヌクレオチドに対応する特定のmRNAの発現は、異なった細胞型において変動し得、そして組織特異的であり得る。異なった細胞型におけるmRNAレベルのこの変化は、組織型を決定するための核酸プローブアッセイを用いて開発され得る。例えば、配列表に列挙されたポリヌクレオチドと実質的に同一、または相補的な核酸プローブを利用したPCR、分岐DNAプローブアッセイまたはブロッティング技術は、対応するcDNAまたはmRNAの存在または非存在を決定し得る。
【0094】
組織分類は、発生器官または発生組織の特定のマーカーの発現を同定することにより、転移性の病巣のその器官または組織源を同定するために用いられ得る。ポリヌクレオチドが特定の組織型においてのみ発現され、そして転移性の病巣がそのポリヌクレオチドを発現することを見出されれば、この病巣の発生源が同定される。特定のポリヌクレオチドの発現は、対応するmRNAか、またはタンパク質産物のいずれかの検出によってアッセイされ得る。任意の法医学者に容易に明らかであるように、本明細書中で開示される配列は、非ヒト組織とヒト組織を区別する際に有用である。特に、これらの配列は、例えば、トリ、爬虫類、および両生類の組織とヒト組織を区別するのに有用である。
【0095】
(多型の使用)
本発明のポリヌクレオチドは、遺伝子の対応する領域がヒト集団において多型である場合、法医学、遺伝分析、マッピングおよび診断適用において使用され得る。遺伝子中の多型を検出するための任意の手段が使用され得、これらの手段は、タンパク質多型変異体の電気泳動、制限酵素切断に対する示差的な感受性、および対立遺伝子特異的なプローブに対するハイブリダイゼーションを含むが、これらに制限されない。
【0096】
(抗体産生)
本発明のポリヌクレオチドの発現産物、および対応するmRNAまたはcDNA、あるいは対応する完全な遺伝子が調製され得、そして実験、診断および治療目的に関する抗体を惹起するために使用され得る。対応する遺伝子が割り当てられていないポリヌクレオチドに関して、このことは、対応する遺伝子を同定するさらなる方法を提供する。このポリヌクレオチドまたは関連cDNAは、上記のように発現され、そして抗体が調製される。これらの抗体は、このポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド上のエピトープに対して特異的であり、そして細胞もしくは組織調製物において、またはインビトロ発現系の無細胞抽出物において対応するネイティブのタンパク質を沈殿あるいは結合し得る。
【0097】
選択された抗原に特異的に結合する抗体の産生方法は、当該分野で周知である。抗体を惹起するための免疫原は、本発明のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドをアジュバントと混合することによって、および/またはより大きな免疫原性タンパク質との融合タンパク質を作製することにより調製され得る。ポリペプチドはまた、他のより大きな免疫原性タンパク質(例えば、キーホールリンペット(keyhole limpet)ヘモシアニン)と共有結合され得る。免疫原は、実験動物(例えば、ウサギ、ヒツジおよびマウス)に対して抗体を作製するために、代表的に、皮内に、皮下に、または筋肉中に投与される。モノクローナル抗体は、脾臓細胞を単離し、そして骨髄腫細胞を融合してハイブリドーマを形成することにより、作製され得る。この選択されたポリヌクレオチドは、直接(例えば、筋肉中注射によって)投与され、そしてインビボで発現される。あるいは、この発現されたタンパク質は、このタンパク質の投与に匹敵する、種々のタンパク質特異的免疫応答(抗体産生を含む)を生じる。
【0098】
選択されたポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドに特異的なポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の調製は、当該分野で公知の標準方法を使用して行われる。抗体は、配列表に開示されるポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドに存在するエピトープに特異的に結合する。代表的には、少なくとも6、8、10または12個の連続したアミノ酸が、エピトープを形成するために必要とされる。非連続なアミノ酸を含むエピトープは、より長いポリペプチド、例えば少なくとも15、25または50アミノ酸を必要とし得る。この提供されたポリペプチドによってコードされるヒトポリペプチドと特異的に結合する抗体は、ウエスタンブロットまたは他の免疫化学アッセイで使用される場合、他のタンパク質で提供される検出シグナルより少なくとも5、10または20倍高い検出シグナルを提供するはずである。好ましくは、本発明のポリペプチドと特異的に結合する抗体は、検出可能なレベルで免疫化学アッセイにおいて他のタンパク質と結合せず、そして溶液からこの特異的なポリペプチドを免疫沈降し得る。
【0099】
本発明はまた、本発明のポリペプチドに特異的な天然に存在する抗体を企図する。例えば、ヒト集団における本発明のポリペプチドに対する血清抗体は、当該分野で周知の方法により(例えば、対応する選択されるポリペプチドまたは融合タンパク質が結合されるカラムに抗血清を通すことにより)精製され得る。次いで結合した抗体は、例えば、高濃度塩の緩衝液を用いてカラムから溶出され得る。
【0100】
上記で議論した抗体に加えて、本発明はまた、当該分野で周知の方法に従って遺伝的に操作された抗体、抗体誘導体(例えば、単鎖抗体、抗体フラグメント(例えば、Fabなど))を企図する。
【0101】
(診断のためのポリヌクレオチドまたはアレイ)
ポリヌクレオチドアレイは、サンプル中の多数のポリヌクレオチド配列をアッセイし得る高処理能技術を提供する。この技術は、差示的な発現について試験するための診断およびツールとして使用され、例えば、コードされたタンパク質の機能を決定し得る。アレイは、2次元マトリックスまたは結合プローブを有するアレイにおいて基板(例えば、ガラス、ニトロセルロースなど)上にポリヌクレオチドプローブをスポットすることによって作製され得る。このプローブは、共有結合によってか、または非特異的相互作用(例えば、疎水性相互作用)によってのいずれかで基板に結合され得る。ポリヌクレオチドのサンプルは、検出可能に標識され得(例えば、放射性標識または蛍光標識を使用して)、次いでプローブとハイブリダイズされ得る。プローブポリヌクレオチドに結合した標識化サンプルポリヌクレオチドを含む、二本鎖ポリヌクレオチドは、一旦このサンプルの非結合部分が洗浄されると、検出され得る。アレイを構築する技術およびこれらのアレイを使用する方法は、EP第799 897号;WO 97/29212;WO 97/27317;EP第785 280号;WO 97/02357;米国特許第5,593,839号;米国特許第5,578,832号;EP第728 520号;米国特許第5,599,695号;EP第721 016号;米国特許第5,556,752号;WO 95/22058および米国特許第5,631,734号に記載される。例えば、アレイは、遺伝子の差示的発現を試験するために使用され得、そして遺伝子機能を決定するために使用され得る。例えば、アレイが使用されて、試験細胞とコントロール細胞(例えば、癌細胞および正常細胞)との間のポリヌクレオチドの差示的発現を検出し得る。例えば、癌細胞中での特定のメッセージの高度の発現(これは、対応する正常細胞中で観察されない)は、癌特異的な遺伝子産物を示し得る。アレイの例示的な使用はさらに、例えば、Pappalaradoら、Sem.Radiation Oncol.(1998)8:217;およびRamsay、Nature Biotechnol.(1998)16:40に記載される。
【0102】
(診断における差示的発現)
本発明のポリヌクレオチドはまた、2つの細胞間の発現レベルにおける差異を検出するために(例えば、ヒトにおける異常組織または疾患組織を同定するための方法として)使用され得る。タンパク質ファミリーのプロフィールに対応するポリヌクレオチドに関して、組織の選択は、推定の生物学的機能に従って選択され得る。一般に、特定のポリヌクレオチドに対応する遺伝子の発現は、疾患であると疑われる第1の組織と第2のヒトの正常な組織との間で比較される。異常であるかまたは疾患であると疑われる組織は、ヒトの異なった組織型由来であり得るが、好ましくは、それは、同じ組織型由来である;例えば、腸管のポリープまたは他の異常な増殖は、正常な腸管組織と比較されるべきである。この正常組織は、試験サンプルの組織と同じ組織、または患者の任意の正常組織、特に目的のポリペプチド関連遺伝子を発現する組織(例えば、脳、胸腺、精巣、心臓、前立腺、胎盤、脾臓、小腸、骨格筋、膵臓および結腸の粘膜内層)であり得る。例えば、分子量、アミノ酸もしくはヌクレオチド配列、または相対的な量で比較される、2つの組織中のポリヌクレオチド関連遺伝子、mRNA、またはタンパク質間の差異は、疾患であると疑われるヒトの組織で遺伝子、またはその遺伝子を調節する遺伝子における変化を示す。差示的発現の検出および癌の診断におけるその使用の例は、米国特許第5,688,641号および同第5,677,125号に記載される。
【0103】
ヒトにおける疾患に対する遺伝的素因は、正常胎児組織に関連したレベルと、胎児組織中の本発明のポリヌクレオチドに対応したmRNAまたはタンパク質の発現レベルとを比較することによって検出され得る。この目的のために使用された胎児組織としては、羊水、絨毛膜絨毛、血液およびインビトロで受精した胚の卵割球が挙げられるが、これらに限定されない。この匹敵する正常ポリヌクレオチド関連遺伝子は、任意の組織から得られる。このmRNAまたはタンパク質は、このポリヌクレオチド関連遺伝子が発現されるヒトの正常組織から得られる。胎児ポリヌクレオチド関連遺伝子またはmRNAの同じ産物のヌクレオチド配列またはサイズにおける変化、あるいは胎児タンパク質の分子量、アミノ酸配列または相対的な量における変化のような差異は、胎児のポリペプチド関連遺伝子における生殖系列変異を示し得、これは、疾患に対する遺伝的素因を示す。一般に、差示的発現に基づく本発明の診断、予後判定および他の方法は、疾患(例えば、乳癌、肺癌、結腸癌および/またはこれらの転移形態)を有するかまたはかかりやすいことが疑われる患者から得られた試験サンプルにおける、遺伝子産物、特に差示的に発現された遺伝子産物のレベルまたは量の検出、ならびに検出されたレベルと正常な細胞(例えば、実質的に癌によって影響されない細胞)および/または他のコントロール細胞(例えば、形成異常によって影響された細胞から癌性細胞を区別するために)において見出されるレベルとを比較することを含む。さらに、この疾患の重症度は、差示的に発現された遺伝子産物の検出されたレベルと、種々の程度の重症度の疾患と関連する差示的な遺伝子産物のレベルを示すサンプルにおいて検出されたレベルとを比較することによって、評価され得る。本明細書中の用語「診断」の使用は、「予後(prognostic)」または「予後(prognosis)」を除外することを必ずしも意味せず、むしろ便利なものとして使用されることが、注意されるべきである。
【0104】
用語「差示的に発現される遺伝子」は、例えば、遺伝子産物(例えば、ポリペプチド)をコードするオープンリーディングフレーム、および/またはこのような遺伝子のイントロン、ならびに発現の調節に関与する、隣接5’および3’の非コードヌクレオチド配列(コード領域を越えて約20kbまでであるが、しかしいずれの方向においてもさらに可能である)を含み得るポリヌクレオチドを含むことが、一般的に意図される。この遺伝子は、染色体外維持のための、または宿主ゲノム内への組込みのための適切なベクターに導入され得る。一般に、少なくとも約25%、通常は、少なくとも約50%〜75%、より通常には、少なくとも約90%以上の発現レベルにおける減少に関連する、発現レベルにおける差異は、差示的に発現される目的の遺伝子、すなわち、コントロールサンプルと比較して、試験サンプルにおいては発現不足であるか、またはダウンレギュレートされる遺伝子を示す。さらに、コントロールサンプルと比較して、少なくとも約25%、通常は、少なくとも約50%〜75%、より通常には、少なくとも約90%であり、そして少なくとも約1 1/2倍、通常は、少なくとも約2倍〜約10倍であり得、そして約100倍〜約1,000倍の増加であり得る、発現の上昇に関連する発現レベルにおける差異は、差示的に発現される目的の遺伝子、すなわち、過剰発現、またはアップレギュレートされる遺伝子を示す。
【0105】
本明細書において使用される「差示的に発現されるポリヌクレオチド」は、差示的に発現される遺伝子を表す配列を含む核酸分子(RNAまたはDNA)を意味し、例えば、その差示的に発現されるポリヌクレオチドは、サンプル中で差示的に発現されるポリヌクレオチドの検出が、サンプル中の差示的に発現される遺伝子の存在と相関するように、差示的に発現される遺伝子を独自に同定する配列(例えば、遺伝子産物をコードするオープンリーディングフレーム)を含む。「差示的に発現されるポリヌクレオチド」はまた、開示されたポリヌクレオチドのフラグメント(例えば、生物学的活性を保持するフラグメント)、ならびにこの開示されたポリヌクレオチドに相同であるか、実質的に類似するか、または実質的に同一である(例えば、約90%の配列同一性を有する)核酸を含むことが意味される。
【0106】
本明細書で使用される場合、「診断」とは一般に、疾患または障害に対する被験体の感受性の決定、被験体が疾患または障害に現在罹患しているか否かの決定、ならびに疾患または障害に罹患した被験体の予後に関する決定を含む(例えば、未転移性または転移性癌の状態、癌の段階、あるいは治療に対する癌の応答性の同定)。本発明は特に、以下の状況における、被験体の診断を含む;乳癌(例えば、上皮内癌(例えば、腺管上皮内癌)、エストロゲンレセプター(ER)陽性乳癌、ER陰性乳癌、あるいは乳癌の他の形態および/または段階)、肺癌(例えば、小細胞癌、非小細胞(non−small cell)癌、中皮腫、ならびに肺癌の他の形態および/または段階)、そして結腸癌(例えば、腺腫様ポリープ、結腸直腸癌、ならびに結腸癌の他の形態および/または段階)。
【0107】
本明細書を通して使用される場合、「サンプル」または「生物学的サンプル」とは、一般に、生物学的体液または組織のサンプル、特に組織(特に診断的適用が意図された疾患(例えば腺管腺癌)に関連する型の細胞)などから得られるサンプルをいうことが意味される。「サンプル」はまた、そのようなサンプルの誘導体および画分(例えば、細胞溶解物)を含むことが意味される。このサンプルが固形組織である場合、この組織の細胞が分離され得るか、または組織切片が分析され得る。
【0108】
診断または予後において有用な本発明の方法は、代表的に、目的のサンプル中の選択された差示的に発現される遺伝子産物の存在度を、コントロールの遺伝子産物の存在度と比較して、この遺伝子産物の発現における任意の相対的な差異を決定することを含み、ここで、この差異は定性的におよび/または定量的に測定され得る。定量は、例えば、このサンプル中で検出された発現産物のレベルを、検量線に存在する産物の量と比較することにより達成され得る。比較は、以下により視覚的に行われ得る;コンピューター化された補助を用いるか、または用いない濃度測定のような技術を使用することによって;試験サンプルから単離されたmRNAのcDNAクローンの代表的なライブラリーを調製し、同じ遺伝子産物に対応するcDNAクローンの数を決定するためにライブラリー中のクローンを配列決定して、そしてその同じ遺伝子産物に対応するクローンの数を、コントロールサンプルにおけるその同じ遺伝子産物のクローンの数と比較して分析することによって;または、選択された配列もしくは配列のセットに対するハイブリダイゼーションの相対的なレベルを検出するためにアレイを使用し、そしてコントロールのハイブリダイゼーションパターンに対してそのハイブリダイゼーションパターンを比較することによって。次いで、発現における差異は、異常な発現パターンの存在または非存在と関係づけられる。サンプル中の核酸の存在度を決定するための種々の異なる方法は、当業者に公知である(例えば、WO97/27317を参照のこと)。
【0109】
一般に、本発明の診断アッセイは、配列番号1〜2396の配列に対応する、ポリヌクレオチド配列の遺伝子産物(例えば、mRNAまたはポリペプチド)の検出を含む。サンプルが入手された患者は、明らかに健康であり得るか、疾患に罹患しやすくあり得(例えば、家族歴、もしくは特定の環境因子に対する曝露により決定されるように)、または既に、本発明の遺伝子産物の変化した発現が関係する状態を有すると同定され得る。
【0110】
診断は、配列番号1〜2396に示される配列を有する、ポリヌクレオチドのうち少なくとも1つ、好ましくは、少なくとも2以上、少なくとも3以上、または少なくとも4以上によってコードされる遺伝子産物の、検出された遺伝子産物発現レベルに基づいて決定され得、そして配列番号1〜2396の全て、ならびに/あるいはさらなる診断マーカーおよび/または参照配列として役立ち得るさらなる配列に対応する遺伝子の発現の検出を含み得る。この診断方法が、患者の癌の存在または癌に対する感受性を検出するために設計される場合、このアッセイは、好ましくは、癌において差示的に発現されるポリヌクレオチドに対応する遺伝子によってコードされる遺伝子産物の検出を含む。このような差示的に発現されるポリヌクレオチドの例は、以下の実施例に記載される。本明細書中に提供されるポリヌクレオチドおよび提供されるそれらの相対的な発現レベルに関する情報を考慮すると、診断および予後においてこのようなポリヌクレオチドを使用するアッセイおよびそれらの発現レベルの検出は、当業者にとって容易に明らかである。
【0111】
任意の種々の検出可能な標識は、本発明の診断方法の種々の実施形態と関連して使用され得る。適切な検出可能な標識としては、蛍光色素(例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、ローダミン、テキサスレッド、フィコエリトリン、アロフィコシアニン、6−カルボキシフルオレセイン(6−FAM)、2’,7’−ジメトキシ−4’,5’−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン、6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、6−カルボキシ−2’,4’,7’,4,7−ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、5−カルボキシフルオレセイン(5−FAM)またはN,N,N’,N’−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA))、放射性標識(例えば、32P、35S、Hなど)などが挙げられる。検出可能な標識としては、2段階の系(例えば、ビオチン−アビジン、ハプテン−抗ハプテン抗体など)が挙げられ得る。
【0112】
本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドに対して特異的な試薬(例えば、抗体およびヌクレオチドプローブ)は、生物学的サンプル中の発現産物の存在を検出するためのキットにおいて供給され得る。このキットはまた、緩衝液、または標識成分、ならびに生物学的サンプル中の発現産物を検出および定量するための試薬を使用するための説明書を含み得る。本発明の診断方法の例示的な実施形態は、以下に、より詳細に記載される。
【0113】
(診断におけるポリペプチド検出)1つの実施形態において、試験サンプルを、差示的に発現されるポリペプチドのレベルについてアッセイする。診断は、試験サンプル中の差示的に発現されるポリペプチドの非存在もしくは存在、または変化した量を決定するための多くの方法のいずれかを使用して達成され得る。例えば、検出は、従来の方法に従って行われる、標識された抗体での細胞または組織学的切片の染色を利用し得る。細胞は、細胞質分子を染色するために透過化処理され得る。一般に、本発明の差示的に発現されるポリペプチドを特異的に結合する抗体を、サンプルに添加し、そしてこのエピトープへの結合を可能にするに十分な時間(通常は少なくとも約10分)インキュベートする。この抗体は、直接的な検出のために、検出可能に標識され得るか(例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光剤、化学発光剤などを使用して)、または結合を検出するための第2段階の抗体もしくは試薬(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合体化アビジンを伴うビオチン、蛍光化合物(例えば、フルオレセイン,ローダミン、テキサスレッドなど)に結合体化した二次抗体)と共に使用され得る。抗体結合の非存在または存在は、解離された細胞のフローサイトメトリー、顕微鏡法、放射線写真法、シンチレーションカウンティングなどを含む種々の方法によって決定され得る。差示的に発現されるポリペプチドのレベルまたは量の定性的または定量的な検出の任意の適切な代替方法(例えば、ELISA、ウエスタンブロット、免疫沈降、ラジオイムノアッセイなど)が、使用され得る。
【0114】
(mRNA検出)本発明の診断方法はまた、あるいは代わりに、本発明の差示的に発現されるポリヌクレオチドに対応する遺伝子によってコードされるmRNAの検出を含み得る。特定のmRNAを検出するための、当該分野で公知の、任意の適切な定性的または定量的方法が使用され得る。例えば、mRNAは、組織切片におけるインサイチュハイブリダイゼーションによって、逆転写酵素PCRによって、またはポリA+mRNAを含むノーザンブロットにおいて検出され得る。当業者は、これらの方法を用いて、2つのサンプル間のmRNAの転写物の大きさまたは量における差異を容易に決定し得る。サンプル中のmRNA発現レベルはまた、このサンプル由来の発現配列タグ(EST)のライブラリーの生成によって決定され得、ここで、このESTライブラリーは、このサンプルに存在する配列の代表である(Adamsら、(1991)Science 252:1651)。ライブラリー内のESTの相対表示の列挙は、出発サンプル内の遺伝子転写物の相対表示に近似するために使用され得る。次いで、試験サンプルのEST分析の結果は、参照サンプルのEST分析と比較されて、選択されたポリヌクレオチド、特に本明細書に記載の差示的に発現される遺伝子の1以上に対応するポリヌクレオチドの相対的な発現レベルを決定し得る。あるいは、試験サンプル中の遺伝子発現は、遺伝子発現の連続分析(SAGE)方法論(例えば、Velculescuら、Science(1995)270:484)またはディファレンシャルディスプレイ(DD)方法論を使用して実施され得る(例えば、米国特許第5,776,683号;および米国特許第5,807,680号を参照のこと)。
【0115】
あるいは、遺伝子発現は、ハイブリダイゼーション分析を使用して分析され得る。オリゴヌクレオチドまたはcDNAを、特定の配列の組成のDNAまたはRNAを選択的に同定または捕獲するために使用して、そして定性的にかまたは定量的に決定される、既知の捕獲配列にハイブリダイズするRNAまたはcDNAの量を使用して、サンプル中の細胞性メッセージのプール内の特定のメッセージの相対表示についての情報を提供し得る。ハイブリダイゼーション分析は、例えば、高密度フォーマットを有するアレイベースの技術(フィルター、顕微鏡用スライド、もしくはマイクロチップを含む)または分光学的分析(例えば、質量分析法)を使用する、溶液ベースの技術を使用することによって、何百〜何千もの遺伝子の相対発現の同時スクリーニングを可能にするために設計され得る。本発明の診断方法における、アレイの1つの例示的な使用は、以下により詳細に記載される。
【0116】
(診断的適用における単一の遺伝子の使用)本発明の診断方法は、単一の差示的に発現される遺伝子の発現に焦点を合わせ得る。例えば、この診断方法は、差示的に発現される遺伝子、または疾患に関連するそのような遺伝子の多型(例えば、コード領域または制御領域における多型)を検出することを含み得る。疾患に関連する多型は、遺伝子の欠失または短縮、発現レベルを変化させる変異、および/またはコードされるタンパク質の活性に影響する変異などを含み得る。
【0117】
多くの方法が、特定の配列(例えば、疾患に関連する多型)の存在について核酸を分析するために利用可能である。多量のDNAが利用可能である場合、ゲノムDNAを、直接使用する。あるいは、目的の領域を、適切なベクターにクローン化し、そして解析のために十分な量に増殖させる。差示的に発現される遺伝子を発現する細胞を、mRNAの供給源として使用し得、このmRNAは、直接的にアッセイされ得るか、または分析のためにcDNAに逆転写され得る。この核酸は、分析のために十分な量を提供するための従来の技術(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR))により増幅され得る。そして検出可能な標識は、検出を容易にするために、その増幅反応において(例えば、検出可能に標識されたプライマーまたは検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドを使用して)含まれ得る。あるいは、多型を検出する手段としてオリゴヌクレオチド連結を利用する種々の方法がまた、当該分野において公知である(例えば、Rileyら、Nucl.Acids Res.(1990)18:2887;およびDelahuntyら、Am.J.Hum.Genet.(1996)58:1239を参照のこと)。
【0118】
増幅またはクローン化されたサンプル核酸は、当該分野で公知の多くの方法の1つにより分析され得る。核酸は、ジデオキシ法、または他の方法により配列決定され得、そしてこの塩基配列を、選択された配列に対して(例えば、野性型の配列に対して)比較し得る。多型の配列または改変体の配列を用いたハイブリダイゼーションはまた、サンプル中のその存在を決定するために使用され得る(例えば、サザンブロット、ドットブロッドなどによって)。米国特許第5,445,934号またはWO95/35505に記載されるような、固体支持体に固定化されたオリゴヌクレオチドプローブのアレイに対する多型の配列または改変体の配列、およびコントロール配列のハイブリダイゼーションパターンはまた、疾患に関与する多型の配列または改変体の配列を同定する手段として使用され得る。ゲルマトリックスにおける、一本鎖立体配座多型(SSCP)分析、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)、およびヘテロ二重鎖分析は、電気泳動の移動度における変化として、DNA配列の変異により生じた立体配座の変化を検出するために使用される。あるいは、多型が、制限エンドヌクレアーゼのための認識部位を生成または破壊する場合、このサンプルを、そのエンドヌクレアーゼで消化し、そしてこの産物を、このフラグメントが消化されたか否かを決定するために大きさで分画する。分画を、ゲル電気泳動またはキャピラリー電気泳動、特にアクリルアミドゲルもしくはアガロースゲルにより行う。
【0119】
遺伝子における変異についてのスクリーニングは、そのタンパク質の機能的な特徴または抗原性の特徴に基づき得る。タンパク質切断アッセイは、タンパク質の生物学的活性に影響し得る欠失の検出において有用である。タンパク質における多型性の検出のために設計された種々のイムノアッセイは、スクリーニングの際に使用され得る。多くの多様な遺伝子変異が特定の疾患の表現型をもたらす場合、機能的タンパク質アッセイは、有効なスクリーニング手段であることが示された。コードされるタンパク質の活性は、野生型タンパク質と比較することにより決定され得る。
【0120】
(アレイを使用する診断におけるパターンマッチング)別の実施形態において、本発明の診断方法および/または予後の方法は、試験サンプル中の遺伝子の選択されたセットの発現を検出して、試験発現パターン(TEP)を作製することを含む。このTEPを、参照サンプル(例えば、ポジティブまたはネガティブコントロールサンプル)中の遺伝子の選択されたセットの発現の検出によって生成される、参照発現パターン(REP)に対して比較する。遺伝子の選択されたセットは、少なくとも1つの本発明の遺伝子(これらの遺伝子は、配列番号1〜2396のポリヌクレオチド配列に対応する)を含む。この試験サンプルがスクリーニングされるべき疾患において差示的に発現される遺伝子を含む選択された遺伝子のセットが、特に目的のものである。
【0121】
差示的な遺伝子発現の分析および診断/予後に関して本明細書で使用される場合、「参照配列」または「参照ポリヌクレオチド」とは、ポリヌクレオチドの選択されたセットをいい、この選択されたセットは、本明細書に記載の差示的に発現されるポリヌクレオチドの少なくとも1以上を含む。複数の参照配列(好ましくはポジティブおよびネガティブコントロール配列を含む)が、参照配列として含まれ得る。さらなる適切な参照配列は、GenBank、Unigene、および他のヌクレオチド配列データベース(例えば、発現配列タグ(EST)、部分配列および全長配列を含む)に見出される。
【0122】
「参照アレイ」とは、サンプルとのハイブリダイゼーションでの使用のための参照配列を有するアレイを意味し、ここで、この参照配列は、本明細書に記載される差示的に発現されるポリヌクレオチドのサブセットの全て、少なくとも1つ、またはいずれかを含む。通常、このようなアレイは、少なくとも3つの異なる参照配列を含み、そして提供される差示的に発現される配列の任意の1つまたは全てを含み得る。目的のアレイはさらに、他の遺伝子配列(特に疾患または障害(例えば、癌、形成異常、あるいは他の関係する疾患、障害もしくは状態、または無関係の疾患、障害もしくは状態)についてのスクリーニングのための他の目的の配列)の配列(多型を含む)を含み得る。アレイ上のオリゴヌクレオチド配列は、通常少なくとも長さ約12ntであり、そして提供される配列のおおよその長さであり得るか、または長さ100nt〜200nt以上のフラグメントを生成するように、隣接領域にまで伸び得る。参照アレイは、当該分野で公知の任意の適切な方法に従って作製され得る。例えば、オリゴヌクレオチドの大きいアレイを作製する方法は、光指向性(light−directed)合成技術を使用する、米国特許第5,134,854号および同第5,445,934号に記載される。コンピューター制御されたシステムを使用して、単量体の異種のアレイが、多くの反応部位での同時の結合を介して、ポリマーの異種のアレイに変換される。あるいは、マイクロアレイは、例えば、PCT公開出願番号WO95/35505に記載のように、固体基板上への予め合成されたオリゴヌクレオチドの沈着によって、生成される。
【0123】
本明細書で使用される場合、「参照発現パターン」または「REP」とは、選択された細胞型(例えば、正常細胞、癌性細胞、環境刺激に曝露される細胞など)に関連する遺伝子(特に差示的に発現される遺伝子)の選択されたセットの発現の相対レベルをいう。「試験発現パターン」または「TEP」とは、試験サンプル(例えば、mRNAが単離される、未知のまたは疑わしい疾患状態の細胞)中の遺伝子(特に差示的に発現される遺伝子)の選択されたセットの発現の相対レベルをいう。
【0124】
REPは、当該分野で周知の方法に従って、種々の方法で生成され得る。例えば、REPは、コントロールサンプルをポリヌクレオチドの選択されたセット(特に、差示的に発現されたポリヌクレオチドの選択されたセット)を有するアレイにハイブリダイズさせ、このアレイからハイブリダイゼーションのデータを獲得し、そしてTEPとのREPの容易な比較を可能にするフォーマットにそのデータを保存することによって作製され得る。あるいは、コントロールサンプル中の全ての発現された配列は、単離され得、そして配列決定され得る(例えば、コントロールサンプルからのmRNAの単離、cDNAへのmRNAの転換、そしてこのcDNAの配列決定によって)。得られた配列情報は、大まかにまたは正確に、そのサンプル中の発現された配列の同一性および相対数を反映する。次いで、この配列情報は、TEPとのREPの容易な比較を可能にするフォーマット(例えば、コンピューターに読み込み可能なフォーマット)で保存され得る。このREPは、データ保存前または保存後に正規化され得、そして/あるいは関心のより低いものであるかまたは分析を複雑にし得る、発現された遺伝子の配列を選択的に除去するように処理され得る(例えば、ハウスキーピング遺伝子に関連する配列のいくつかまたは全ては、REPデータから除外され得る)。
【0125】
TEPは、例えば、試験サンプルをポリヌクレオチドの選択されたセット(特に差示的に発現されるポリヌクレオチドの選択されたセット)を有するアレイにハイブリダイズさせる工程、アレイからハイブリダイゼーションのデータを獲得する工程、およびREPとのTEPの容易な比較を可能にするフォーマットにそのデータを保存する工程によって、REPに類似の様式で作製され得る。比較に使用されるREPおよびTEPは、同時に作製され得るか、またはTEPは、以前に作製され、そして保存されたREPに対して比較され得る。
【0126】
本発明の1つの実施形態において、REPとTEPとの比較は、参照アレイと試験サンプルをハイブリダイズする工程を含み、ここで、参照アレイは、サンプルとのハイブリダイゼーションにおける使用のための、1以上の参照配列を有する。参照配列は、全ての、少なくとも1つの、または任意の本明細書に記載される差示的に発現されるポリヌクレオチドのサブセットを含む。その試験サンプルのハイブリダイゼーションデータを獲得し、そのデータを正規化し、そして作製されたTEPを、同一のまたは類似の差示的に発現されるポリヌクレオチドの選択されたセットを有するアレイを使用して、作製されたREPと比較する。2つのサンプル間の差示的に発現される配列に対応するプローブは、他方と相対的に一方のサンプルについて、減少または増加したハイブリダイゼーション効率を示す。
【0127】
参照アレイを用いたサンプルのハイブリダイゼーションからのデータの収集の方法はまた、当該分野で周知である。例えば、参照および試験サンプルのポリヌクレオチドは、検出可能な蛍光標識を使用して生成され得、そしてサンプル中のポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションは、その検出可能な標識の存在について、基板で、顕微鏡および光を指向するための光源を用いて、マイクロアレイを走査することによって検出され得る。フォトンカウンターは、基板から蛍光を検出し、その間に、x−y平進ステージは、基板の位置を変化する。本方法において使用され得る共焦点検出デバイスは、米国特許第5,631,734号において記載される。走査レーザー顕微鏡は、Shalonら、Genome Res.(1996)6:639において記載される。適切な励起線を使用して、走査を、使用される各々の蛍光団に対して行う。走査より生成されたデジタル画像を、次に引き続く解析と組み合わせる。任意の特定のアレイエレメントについて、あるサンプル(例えば、試験サンプル)からの蛍光シグナルの比を、別のサンプル(例えば、参照サンプル)からの蛍光シグナルと比較し、そして相対的シグナル強度を決定する。
【0128】
アレイに対するハイブリダイゼーションから収集されたデータの解析の方法は、当該分野で周知である。例えば、ハイブリダイゼーションの検出が蛍光標識を含む場合、データ解析は、データが収集された基板の位置の関数として、蛍光強度を決定する工程、アウトライアー(すなわち、予め決定された統計分布から逸脱するデータ)を除去する工程、そして残存するデータから、その標的の相対的な結合アフィニティーを計算する工程を含み得る。生じたデータを、標的とプローブとの間の結合アフィニティーに従って変化する各々の領域における強度を有する画像として表示し得る。
【0129】
一般に、試験サンプルは、試験サンプルから生成されるTEPと、参照サンプル(例えば、癌、または癌の特定の病期、形成異常に関連するサンプル、癌以外の疾患に罹患したサンプル、正常サンプルなど)から生成される1以上のREPと比較することによって、疾患または非疾患状態に関連するものに対応する遺伝子発現プロフィールを有するとして分類される。TEPとREPとの間の整合または実質的な整合についての判断基準は、同じセットの参照遺伝子または実質的に同じセットの参照遺伝子の発現、ならびにこれらの参照遺伝子の実質的に同じレベルでの発現を含む(例えば、サンプルの正規化後に選択された参照配列に関連するシグナルについてサンプル間に有意な差異はないか、または、所定の参照配列に対するシグナル強度において、少なくとも約25%〜約40%より大きな差異はない)。一般に、TEPとREPとの間のパターン整合は、本発明の差示的に発現される遺伝子の少なくとも1つの、全部の、または任意のサブセットの発現における整合、好ましくは定性的または定量的な発現レベルにおける整合を含む。
【0130】
パターン整合は、手動で行われ得るか、またはコンピュータープログラムを使用して行われ得る。基板行列(例えば、アレイ)の調製、そのような行列をともなう使用のためのオリゴヌクレオチドの設計、プローブの標識、ハイブリダイゼーションの条件、ハイブリダイズされた行列の走査、および比較解析を含む、生成されたパターンの解析のための方法は、例えば、米国特許第5,800,992号に記載される。
(腫瘍増殖の阻害のための標的)
本発明のポリヌクレオチドは、治療的標的に対応し、そしてこれらの標的の発現および/または活性の修飾は、腫瘍増殖の阻害を提供し得る。例えば、ある遺伝子の過剰発現が、腫瘍の増殖または転移に関連する場合、この遺伝子産物は、その発現および/または活性を阻害して、腫瘍の増殖または転移の阻害を容易にするための標的として適している。本発明のポリヌクレオチドは、このような遺伝子に対応し得、したがって、いくつかの実施形態において、これらのポリヌクレオチドのアンチセンスを用いて、遺伝子の発現およびその対応する遺伝子産物の発現を阻害し得る。
【0131】
(癌の診断、予後、および管理)
本発明のポリヌクレオチドおよびそれらの遺伝子産物は、発癌経路に沿う最も初期の変化を検出する遺伝子または生化学的マーカー(例えば、血液もしくは組織中の)として、ならびに/または種々の治療学的および予防的介入の効力をモニターするために、特に重要である。例えば、あるポリヌクレオチドの発現のレベルは、より貧弱な予後の指標であり得、それゆえ、患者に対してより攻撃的な化学療法または放射線療法を保証し、逆もまた同じである。患者における処置の応答および結果と新規な代理の腫瘍特異的特徴との相関は、腫瘍の分子プロフィールに基づいて作製される治療の設計を許容する予後の指標を規定し得る。これらの治療は、抗体標的化および遺伝子治療を包含する。あるポリヌクレオチドの発現を決定すること、ならびに患者のプロフィールを正常な組織および疾患の改変体における公知の発現と比較することは、処置の特異性に関して、および患者の苦痛のないレベルに関しての両方で、患者についての最も良好な可能な処置の決定を許容する。ポリヌクレオチド発現のような代理の腫瘍マーカーはまた、より良好な分類のために、従って、癌の異なる形態および疾患状態を診断および処置するために、使用され得る。本発明のポリヌクレオチドの発現レベルの同定から得られ得る腫瘍学において広範に使用される2つの分類は、癌異常の病期分類、および癌組織の性質の悪性度分類である。
【0132】
本発明のポリヌクレオチドは、潜在的に悪性の事象を、それらがひどい形態学的レベルで検出可能である前に、分子レベルで検出するために、癌を有するかまたは癌に感受性の患者をモニターするために有用であり得る。さらに、癌の1つの型について重要であるとして同定される本発明のポリヌクレオチドはまた、癌の他の型の発生または発生の危険性についての関連性を有し得、例えば、ここではポリヌクレオチドは種々の癌の型にわたって差次的に発現される。従って、例えば、転移性の結腸癌について臨床学的関連性を有するポリヌクレオチドの発現はまた、胃癌または子宮内膜癌について臨床学的関連性を有し得る。
【0133】
(病期分類化)
病期分類化は、患者において癌性状態がどのくらい進行しているのかを記載するために医師により使用されるプロセスである。病期分類化は、予後の決定、処置の計画、およびそのような処置の結果の評価をする際に医師を補助する。異なる病期分類化の系は、癌の型により異なるが、しかし一般に、以下の「TNM」系を含む:腫瘍の型(Tと示される);その癌がリンパ節近辺に転移したか否か(Nと示される);およびその癌は、体のより離れた部分に転移したか否か(Mと示される)。一般に、癌が、任意のリンパ節へ広がることなく主要な病変の領域においてのみ検出可能である場合、それを病期Iと呼ぶ。癌が、最も近いリンパ節に対してのみ広がった場合、それを病期IIを呼ぶ。病期IIIにおいて、その癌は一般に、主要な病変の部位にほぼ近位のリンパ節に広がっている。体の離れた部分(例えば、肝臓、骨、脳、または別の部位)に広がった癌は、病期IVと呼ばれ、最も進行した状態である。
【0134】
本発明のポリヌクレオチドは、癌の攻撃力(例えば、転移の可能性)、ならびに体の異なる領域における存在についてのマーカーを同定することによって、病期分類化プロセスの細密な調整を容易にし得る。従って、高い転移の可能性の癌を示すポリヌクレオチドを有する病期IIの癌は、境界上の病期IIの腫瘍を、病期IIIの腫瘍に変化するために使用され得、このことはより積極的な治療を正当化する。逆に、より低い転移可能性を示すポリヌクレオチドの存在は、腫瘍のより現状を維持する病期分類化を可能にする。
【0135】
(癌の類別)
類別とは、腫瘍がそれと同じ型の正常細胞とどれくらい近く類似するかを記載するために使用される用語である。腫瘍の微視的な外見は、細胞形態、細胞組織化、および他の分化のマーカーのようなパラメーターに基づく腫瘍の程度を同定するために用いられる。一般的な規則として、腫瘍の類別は、その増殖速度または攻撃性に対応する。つまり、未分化のまたは高い程度の腫瘍は、十分に分化したまたは低い程度の腫瘍より、より急速に増殖する。以下の指針が腫瘍分類のために一般に用いられる:1)GX 程度が評価され得ない;2)G1 十分に分化されている;G2 中程度によく分化されている;3)G3 弱く分化されている;4)G4 未分化。本発明のポリヌクレオチドは、腫瘍の類別の決定において特に役立ち得る。なぜならば、それらは、腫瘍の細胞の分化状態の決定を援助し得るのみならず、それらは、腫瘍の攻撃性(例えば、転移の可能性)を決定するのに役立つ分化以外の要素も同定し得るからである。
【0136】
(肺癌の検出)
本発明のポリヌクレオチドは、被験体における肺癌の検出に使用され得る。1ダースを超える異なる種類の肺癌が存在するが、肺癌の二つの主要な型は、小細胞および非小細胞であり、それは全ての肺癌の症例の約90%を包含する。通常、より大きな気管支の一つで始まる小細胞癌腫(燕麦細胞癌腫とも呼ばれる)は、かなり急速に増殖し、そして診断時には大きくなっているようである。非小細胞肺癌(NSCLC)は、3つの一般的サブタイプの肺癌からなる。通常、類表皮癌腫(扁平上皮細胞癌腫ともよばれる)は、より大きな気管支の一つで始まり、そして比較的遅く増殖する。これらの腫瘍の大きさは、とても小さなものから、かなり大きなものまでにおよび得る。腺癌は、肺の外表面付近での増殖に始まり、そして大きさおよび増殖速度の両方において変化し得る。いくつかの増殖の遅い腺癌は、肺胞細胞癌として記載される。大きな細胞癌腫は、肺の表面付近で始まり、急速に増殖し、そして診断時には、増殖は通常かなり速くなっている。他のあまり一般的ではない形態の肺癌は、カルチノイド、円柱腫、粘膜類表皮性中皮腫、および悪性中皮腫である。
【0137】
本発明のポリヌクレオチド(例えば、正常細胞と癌性肺細胞(例えば、転移の高い潜在性を有する腫瘍細胞または低い潜在性を有する腫瘍細胞)との対比において発現の異なるポリヌクレオチド、または癌性肺細胞の型(例えば、高い転移性と低い転移性との対比)の間で発現の異なるポリヌクレオチド)は、肺癌の型の識別に用いられ得、ならびに特定の患者の癌に特異的な形質を同定し、そして適切な治療を選択する。例えば、患者の生体組織検査が、低い転移の可能性に関連するポリヌクレオチドを発現する場合、病巣を取り除くための手術において、患者の肺の大部分を残すことを正当化し得る。あるいは、たとえ転移が、病理学的検査により確認され得なかったとしても、高い転移の可能性に関連するポリヌクレオチドの発現を有するより小さい病巣は、肺組織および/または周囲のリンパ節のより徹底的な除去を正当化し得る。
【0138】
(乳癌の検出)
乳癌の大部分が、腺癌のサブタイプであり、それは以下に要約され得る:1)腺管癌インサイチュ(DCIS)(面皰癌腫を含む);2)浸潤(または侵襲性)腺管癌(IDC);3)上皮内小葉癌(LCIS);4)浸潤(または侵襲性の)小葉癌腫(ILC);5)炎症性の乳癌;6)髄様癌腫;7)粘液性癌腫;8)乳頭のパジェット病;9)葉状腫瘍;および10)管状腺癌。
【0139】
本発明のポリヌクレオチドの発現は、乳癌の診断ならびに管理および乳癌の型の識別に用いられ得る。乳癌の検出は、本発明の適切なポリペプチドの発現レベルを単独でかまたは組み合わせて用いて決定され得る。乳癌の攻撃的な性質および/または転移の可能性の決定はまた、本発明の1つ以上のポリヌクレオチドのレベルを比較すること、および癌性組織において変化することが公知の別の配列のレベル(例えば、ER発現)を比較することにより決定され得る。さらに、乳癌の発症は、ステロイドホルモン(例えば、テストステロンもしくはエストロゲン)、または他のホルモン(例えば、成長ホルモン、インシュリン)のレベルに対する示差的に発現されたポリヌクレオチドの発現の割合を調べることにより検出され得る。従って、特定のマーカーポリヌクレオチドの発現は、正常乳房組織と癌性乳房組織との間の識別、起源の異なる細胞を有する乳癌の間での識別、異なる潜在的な転移速度を有する乳癌の間での識別など、に用いられ得る。
【0140】
(結腸癌の検出)
適切な差示的発現パターンを示すポリヌクレオチドおよびそれらの対応する遺伝子および遺伝子産物は、被験体における結腸癌を検出するために使用され得る。結腸直腸癌は、ヒトにおいて最も一般的な新生物の1つであり、そしておそらく、遺伝性の新形成の最も頻繁な形態である。予防および早期検出は、結腸直腸癌の制御および治癒における重要な要素である。結腸直腸癌は、小さく、結腸内の内層上に形成する細胞の良性増殖である、ポリープとして始まる。数年の期間にわたり、これらのポリープのいくつかは、さらなる変異を蓄積し、そして癌性になる。複数の家族性の結腸直腸癌障害が同定されており、それは以下に要約される:1)家族性腺腫様ポリープ症(FAP);2)ガードナー症候群;3)遺伝性非ポリープ性結腸癌(hereditary nonpolyposis colon cancer)(HNPCC);および4)アシュケナージユダヤ人家系の家族性結腸直腸癌。本発明の適切なポリヌクレオチドの発現は、結腸直腸癌の診断、予後、および管理において使用され得る。結腸癌の検出は、これらの配列のうちのいずれか単独の発現レベルを使用するか、またはこの発現のレベルと組み合わせて決定され得る。結腸癌の凝集性質および/または転移可能性の決定はまた、本発明の1つ以上のポリヌクレオチドのレベルを比較すること、および癌性組織で変化することが公知である別の配列の全体的なレベル(例えば、p53、DCC ras、lor FAP発現)を比較することによって決定され得る(例えば、Fearon ERら、Cell(1990)61(5):759;Hamilton SRら、Cancer(1993)72:957;Bodmer Wら、Nat Genet.(1994)4(3):217;Fearon ER、Ann NY Acad Sci.(1995)768:101を参照)。例えば、結腸癌の発生は、オンコジーン(例えば、ras)または腫瘍サプレッサ遺伝子(例えば、FAPもしくはp53)のレベルに対する、本発明のポリヌクレオチドのいずれかの割合を調べることによって検出され得る。従って、特定のマーカーポリヌクレオチドの発現は、正常結腸組織と癌性結腸組織との間を識別し、起源の異なる細胞を有する結腸癌を識別し、異なる潜在的転移割合を有する結腸癌を識別するなどのために用いられ得る。
【0141】
(前立腺癌の検出)
適切な差示的発現パターンを示すポリヌクレオチドおよびそれらの対応する遺伝子および遺伝子産物は、被験体における前立腺癌を検出するために使用され得る。95%を超える原発性前立腺癌は、腺癌である。徴候および症状には、以下が挙げられ得る:頻尿(特に夜間)、排尿不能、排尿の開始または自制の困難性、弱いかまたは中断された排尿の流れ、ならびに下半身の背部、股関節部または大腿上方における頻繁な痛みまたは凝り。
【0142】
前立腺癌の多くの徴候および症状が、種々の他の非癌性状態によって引き起こされ得る。例えば、多くのこれらの徴候および症状のうちの1つの一般的な原因は、良性の前立腺肥大、すなわちBPHと呼ばれる状態である。BPHにおいて、前立腺はより大きくなり、そして流れまたは尿をブロックし得るか、あるいは性的機能を妨げ得る。本発明の方法および組成物は、前立腺癌とこのような非癌性状態との間を区別するために使用され得る。本発明の方法は、診断の従来の方法(例えば、デジタル直腸試験(digital rectal exam)および/または前立腺特異的抗原(PSA)(前立腺により産生されかつ分泌される物質)のレベルの検出)と組み合わされて使用され得る。
【0143】
(ペプチドアナログおよびアンタゴニストについてスクリーニングするためのポリヌクレオチドの使用)
本発明のポリヌクレオチドおよび対応する全長遺伝子によってコードされるポリペプチドは、ペプチドライブラリーをスクリーニングして、結合パートナー(例えば、レセプター)をコードされたポリペプチドの中から同定するために使用され得る。ペプチドのライブラリーは、当該分野において公知の方法にしたがって合成され得る(例えば、米国特許第5,010,175号およびWO91/17823を参照)。本発明のポリペプチドアゴニストまたはアンタゴニストを、当該分野で任意の利用可能な方法(例えば、シグナル伝達、抗体結合、レセプター結合、マイトジェンアッセイ、走化性アッセイなど)を使用してスクリーニングし得る。アッセイ条件は、理想的には、ネイティブな活性がインビボで示される条件(すなわち、生理的pH、温度、およびイオン強度の下で)に似ているべきである。適切なアゴニストまたはアンタゴニストは、被験体で毒性の副作用を引き起こさない濃度で、ネイティブな活性の強力な阻害または増強を示す。ネイティブなポリペプチドへの結合について競合するアゴニストまたはアンタゴニストは、ネイティブな濃度以上の濃度を必要とし得るが、一方で、このポリペプチドに不可逆的に結合し得るインヒビターは、ネイティブな濃度の桁における濃度で添加され得る。
【0144】
このようなスクリーニングおよび実験は、本発明のポリヌクレオチドに対応する遺伝子またはcDNAによってコードされる、新規のポリペプチド結合パートナー(例えば、レセプター)、および新規の結合パートナーの少なくとも1つのペプチドアゴニストまたはアンタゴニストの同定を導き得る。このようなアゴニストおよびアンタゴニストは、レセプターがネイティブである細胞または遺伝子操作の結果としてレセプターを保有する細胞でのレセプター機能を調節するか、増強するか、または阻害するために使用され得る。さらに、新規なレセプターが公知のレセプターと生物学的に重要な特徴を共有する場合、アゴニスト/アンタゴニスト結合についての情報は、公知のレセプターの改善されたアゴニスト/アンタゴニストの開発を容易にし得る。
【0145】
(薬学的組成物および治療的用途)
本発明の薬学的組成物は、治療有効量の本願発明のポリペプチド、抗体、またはポリヌクレオチド(アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびリボザイムを含む)を含み得る。本明細書中に使用される用語「治療的有効量」とは、所望の疾患もしくは状態を処置、回復、または予防するか、あるいは検出可能な治療的効果または予防効果を示す治療的薬剤の量をいう。この効果は、例えば、化学的マーカーまたは抗原レベルによって検出され得る。治療的効果はまた、身体的な症状の低減(例えば、体温の低下)を含む。被験体のための正確な有効量は、被験体のサイズおよび健康状態、状態の性質および程度、ならびに投与のために選択された治療剤または治療剤の組み合わせに依存する。従って、予め正確な有効量を特定することは有益ではない。しかし、所定の状況についての有効量は、慣用的な実験法によって決定され、そしてこれは、臨床医の裁量内である。本発明の目的のために、有効用量は、一般的に、投与される個体におけるDNA構築物について、約0.01mg/kg〜50mg/kgであるか、または0.05mg/kg〜約10mg/kgである。
【0146】
薬学的組成物はまた、薬学的に受容可能なキャリアを含み得る。用語「薬学的に受容可能なキャリア」とは、治療的薬剤(例えば、抗体またはポリペプチド、遺伝子、および他の治療的薬剤)の投与のためのキャリアをいう。この用語は、任意の薬学的キャリアをいい、これは、それ自体が組成物を受ける個体に有害な抗体の産生を誘導せず、そして過度の毒性なく投与され得る。適切なキャリアとしては、大きく、ゆっくりと代謝される高分子(例えば、タンパク質、ポリサッカライド、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーのアミノ酸、アミノ酸コポリマー、および不活化ウイルス粒子)であり得る。このようなキャリアは、当業者に周知である。治療的組成物中の薬学的に受容可能なキャリアは、水、生理食塩水、グリセロールおよびエタノールのような液体を含み得る。補助物質(例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝化物質など)もまた、このようなビヒクル中に存在し得る。代表的には、治療的組成物は、注射可能物として(液体溶液もしくは懸濁物として;注射可能物中の溶液もしくは懸濁液のために適切な固体形態のいずれかとして)調製され得、注射前に液体ビヒクルがまた調製され得る。リポソームは、薬学的に受容可能なキャリアの定義内に含まれる。薬学的に受容可能な塩類もまた、薬学的組成物中に存在し得る(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩などのような無機酸の塩類;および酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩などのような有機酸の塩類)。薬学的に受容可能な賦形剤の徹底的な議論は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Pub.Co.,N.J.1991)で利用可能である。
【0147】
(送達方法)
一旦処方されると、本発明の組成物は、(1)被験体に直接投与され得る(例えば、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドとして)か;(2)被験体から得られた細胞にエキソビボで送達され得る(例えば、エキソビボ遺伝子治療として)。組成物の直接送達は、一般的に、例えば、皮下、腹腔内、静脈内、もしくは筋肉内のいずれかで注射によって達成されるか、または組織の間質腔(interstitial space)に送達される。投与の他の様式としては、経口および肺投与、坐剤、ならびに経皮的適用、針、および遺伝子銃(gene gun)もしくはハイポスプレー(hypospray)が挙げられる。投薬処置は、単回用量スケジュールまたは複数回用量スケジュールであり得る。
【0148】
エキソビボ送達および被験体への形質転換細胞の再移植のための方法は、当該分野で公知であり、そして例えば、国際公開WO93/14778に記載される。エキソビボ適用で有用な細胞の例としては、例えば、幹細胞、特に造血細胞、リンパ球、マクロファージ、樹状細胞または腫瘍細胞が挙げられる。一般的に、エキソビボおよびインビトロ適用の両方についての核酸の送達は、例えば、デキストラン媒介トランスフェクション、リン酸カルシウム沈澱、ポリブレン媒介トランスフェクション、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、リポソームでのポリヌクレオチドの被包化、および核へのDNAの直接マイクロインジェクションによって達成され得、これらは全て、当該分野で周知である。
【0149】
一旦本発明のポリヌクレオチドに対応する遺伝子が、増殖性障害(例えば、新生物、形成異常、および過形成)と相関することが見いだされると、この障害は、提供されたポリヌクレオチド、対応するポリペプチドまたは他の対応する分子(例えば、アンチセンス、リボザイムなど)に基づいた治療的薬剤を投与することによって処置に対して敏感に反応し得る。
【0150】
本発明の薬学的組成物の用量および投与手段は、治療的組成物の特定の質、患者の状態、年齢、および体重、疾患の進行、ならびに他の関連する因子に基づいて決定される。例えば、本発明の治療的ポリヌクレオチド組成物薬剤の投与としては、局所(local)または全身投与(注射、経口投与、パーティクルガンまたはカテーテルでの投与を含む)、ならびに局所的(topical)投与が挙げられる。好ましくは、治療的ポリヌクレオチド組成物は、発現構築物を含み、この発現構築物は、プロモーターおよび本明細書中に開示されたポリヌクレオチドの少なくとも12、22、25、30、または35の連続するヌクレオチドのポリヌクレオチドセグメントを含む。種々の方法を使用して、身体の特定の部位に治療的組成物を直接投与し得る。例えば、小さな転移性病変に配置され、そして治療組成物が腫瘍体内部のいくつかの異なる位置に数回注射される。あるいは、腫瘍に作用する動脈を同定し、そして腫瘍に組成物を直接送達するために、治療的組成物がそのような動脈に注入される。壊死性の中心を有する腫瘍が吸引され、そしてここで空になった腫瘍の中心に組成物を直接注入する。アンチセンス組成物は、例えば、組成物の局所的適用によって、腫瘍の表面に直接投与される。X線画像化を使用して、特定の上記の送達方法を補助する。
【0151】
アンチセンスポリヌクレオチド、サブゲノムポリヌクレオチド、または特定の組織に対する抗体を含む治療的組成物のレセプター媒介標的化送達もまた使用される。レセプター媒介DNA送達技術は、例えば、Findeisら、Trends Biotechnol.(1993)11:202;Chiouら、Gene Therapeutics:Methods And Applications Of Direct Gene Transfer(J.A.Wolff編)(1994);Wuら、J.Biol.Chem.(1988)263:621;Wuら、J.Biol.Chem.(1994)269:542;Zenkeら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)(1990)87:3655;Wuら、J.Biol.Chem.(1991)266:338に記載される。ポリヌクレオチドを含む治療的組成物は、遺伝子治療プロトコルの局所的投与について約100ng〜約200mgのDNAの範囲で投与される。約500ng〜約50mg、約1μg〜約2mg、約5μg〜約500μg、および約20μg〜約100μgのDNAの濃度範囲もまた、遺伝子治療プロトコルの間に使用され得る。作用方法(例えば、コード遺伝子産物のレベルを増大するかまたは阻害する)および形質転換および発現の有効性のような因子は、考慮すべき事項であり、これは、アンチセンスサブゲノムポリヌクレオチドの最終的な有効性に必要とされる投薬に影響を及ぼす。より多い発現が組織のより大きな領域にわたって所望される場合、より多量のアンチセンスサブゲノムポリヌクレオチドもしくは投与の連続プロトコルでの同量の再投与、または例えば、腫瘍部位に隣接する異なる組織部分、もしくはそこに近接する組織部分への数回の投与が陽性の治療結果をもたらすために必要であり得る。全ての場合において、臨床試験での慣用的な実験法によって、最適な治療効果についての特定の範囲が決定される。抗炎症活性を有するポリペプチドまたはタンパク質をコードするポリヌクレオチドに関連する遺伝子については、適切な使用、用量、および投与が米国特許第5,654,173号に記載される。
【0152】
本発明の治療学的ポリヌクレオチドおよびポリぺプチドは、遺伝子送達ビヒクルを使用して送達され得る。遺伝子送達ビヒクルは、ウイルス起源または非ウイルス起源であり得る(概して、Jolly、Cancer Gene Therapy(1994)1:51;Kimura、Human Gene Therapy(1994)5:845;Connelly、Human Gene Therapy(1995)1:815;およびKaplitt、Nature Genetics(1994)6:148を参照のこと)。このようなコード配列の発現は、内因性の哺乳動物または異種プロモーターを使用して誘導され得る。コード配列の発現は、構成的または調節性のいずれかであり得る。
【0153】
所望のポリヌクレオチドの送達のためのウイルスベースのベクター、および所望の細胞における発現は、当該分野において周知である。例示的なウイルスベースのべヒクルとしては、組換えレトロウイルス(例えば、WO90/07936;WO94/03622;WO93/25698;WO93/25234;米国特許第5,219,740号;WO93/11230;WO93/10218;米国特許第4,777,127号;英国特許第2,200,651号;EP 0 345 242;およびWO91/02805を参照のこと)、αウイルスベースのベクター(例えば、シンドビスウイルスベクター、セムリキ森林ウイルス(ATCC VR−67;ATCC VR−1247)、ロスリバーウイルス(ATCC VR−373;ATCC VR−1246)、およびベネズエラウマ脳炎ウイルス(ATCC VR−923;ATCC VR−1250;ATCC VR 1249;ATCC VR−532)、およびアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター(例えば、WO94/12649、WO93/03769;WO93/19191;WO94/28938;WO95/11984、およびWO95/00655を参照のこと)が挙げられるが、これらに制限されない。Curiel. Hum. Gene Ther.(1992)3:147において記載されるような殺傷されたアデノウイルスに連結されるDNAの投与もまた、用いられ得る。
【0154】
非ウイルス送達ビヒクルおよび方法がまた、用いられ得、殺傷されたアデノウイルス単独に連結されるかまたは連結されないポリカチオン性の濃縮されたDNA(例えば、Curiel,Hum. Gene Ther.(1992)3:147を参照のこと);リガンド連結化DNA(例えば、Wu、J. Biol. Chem.(1989)264:16985を参照のこと);真核生物細胞送達ビヒクル細胞(例えば、米国特許第5,814,482号;WO95/07994;WO96/17072;WO95/30763;およびWO97/42338を参照のこと)、ならびに核電荷中和化、または細胞膜との融合が挙げられるがこれらに制限されない。裸のDNAもまた、用いられ得る。例示的な裸のDNAの導入方法は、WO90/11092および米国特許第5,580,859号において記載される。遺伝子送達ビヒクルとして作用し得るリポソームは、米国特許第5,422,120号;WO95/13796号;WO94/23697;WO91/14445;およびEP 0524968において記載される。さらなるアプローチは、Philip、Mol.Cell.Biol.(1994)14:2411、およびWoffendin、Proc.Natl.Acad.Sci.(1994)91:1581において記載される。
【0155】
使用のための適切なさらなる非ウイルス送達は、Woffendinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1994)91(24):11581において記載されるアプローチのような機械的送達系を含む。さらに、コード配列およびこのような配列の発現の産物は、光重合化ヒドロゲル材料の沈着または電離放射線の使用を介して送達され得る(例えば、米国特許第5,206,152号およびWO92/11033を参照のこと)。コード配列の送達のために使用され得る遺伝子送達のための他の従来の方法としては、例えば、手持ちの遺伝子移入パーティクルガン(例えば、米国特許第5,149,655号を参照のこと)の使用;移入された遺伝子の活性化のための電離放射線の使用(例えば、米国特許第5,206,152号およびWO92/11033を参照のこと)が挙げられる。
【0156】
本発明は、特に有利な実施形態を記載する以下の実施例を参照することによって、今や説明される。しかし、これらの実施形態は説明であって、本発明を制限するとしてはいかようにも解釈されないことに、留意されるべきである。
【0157】
(実施例)
以下の実施例は、主に例示の目的のために提供される。本発明の処方物、投薬量、投与の方法および他のパラメーターは、本発明の精神および範囲から逸脱することなく種々の方法においてさらに改変または置換され得ることが、当業者に容易に明白である。
【0158】
(実施例1: 生物学的な物質の供給源および生物学的な物質により発現される新規のポリヌクレオチドの概要)
cDNAライブラリーを、表4に示される細胞株から単離したmRNAから構築した。任意のポリヌクレオチドを単離される特定のライブラリーを表1(「LIBRARY」の行の下におけるエントリーの数は表4のライブラリーナンバーと相関する)に示す。
【0159】
選択された細胞株によって発現されたポリヌクレオチドを、単離および分析した;これらのポリヌクレオチドの配列は、約275〜300ヌクレオチド長であった。
【0160】
単離されたポリヌクレオチドの配列を、XBLASTマスキングプログラム(Claverie「Effective Large−Scale Sequence Similarity Searches」Computer Methods for Macromolecular Sequence Analysis、Doolitte編、Meth. Enzymol. 266:212−227 Academic Press、NY、NY(1996);特に、Claverie、「Automated DNA Sequencing and Analysis Techniques」Adamsら編、第36章、267頁 Academic Press、San Diego、1994、およびClaverieら、Comput. Chem.(1993)17:191を参照のこと)を使用して、先ずマスクし、低い複雑性の配列を排除した。一般に、マスキングは、配列の低い複雑性に起因して比較的小さい目的の配列を排除すること、および複数の配列に共通の反復領域(例えば、Alu反復)に対する類似性に基づいて複数の「ヒット」を排除すること以外は、最終的な検索結果に影響しない。次いで、残りの配列をBLASTN対GenBank検索において使用し;70%よりも大きい重複、99%の同一性、および1×10−40未満のp値を示す配列を排除した。この検索からの配列はまた、包括的なパラメーターが適合した場合に排除されたが、この配列はリボソーム由来またはベクター由来であった。
以前の検索から得られた配列を3つの群(以下の1、2、および3)に分類し、そしてBLASTX対NRP(非重複性のタンパク質)データベース検索において検索した:(1)未知(GenBank検索におけるヒットなし)、(2)弱い類似性(45%を超える同一性および1×10−5未満のp値)、ならびに(3)高い類似性(60%を超える重複、80%を超える同一性、および1×10−5未満のp値)。70%を超える重複、99%を超える同一性、および1×10−40未満のp値を有する配列を排除した。
【0161】
残りの配列を、未知(ヒットなし)、弱い類似性、および高い類似性(上述のようなパラメーター)として分類した。2つの検索を、これらの配列に対して行った。先ず、BLAST対ESTデータベース検索を行い、そして99%を超える重複、99%を超える類似性、および1×10−40未満のp値を有する配列を排除した。ヒト起源のデータベース配列に比較される場合、1×10−65未満のp値を有する配列もまた排除された。第2に、BLASTN対Patent GeneSeqデータベースを行い、そして99%を超える同一性、1×10−40未満のp値、および99%を超える重複を有する配列を排除した。
【0162】
残りの配列を、データセットにおける他の規則および重複性を使用するスクリーニングに供した。ヒト起源のデータベース配列に関して1×10−111未満のp値を有する配列を特異的に排除した。最終的な結果は、添付の配列表において配列番号1〜2396として列挙され、および表1(明細書末尾)においてまとめられる、2396個の配列を提供した。各同定されたポリヌクレオチドは、少なくとも部分的なmRNA転写物からの配列を示す。
【0163】
表1は以下を提供する:1)本明細書における使用のために各配列に割り当てられる配列番号;2)配列が出願されたクラスター;3)配列の内部識別子として使用される配列名;4)クローンにおける挿入の方向(F=順方向、R=逆方向);5)配列が単離されたクローンに割り当てられた名前;および6)配列が最初に単離されたライブラリー。提供されるポリヌクレオチドが部分的なmRNA転写物を示すので、本発明の2つ以上のポリヌクレオチドは、同じmRNA転写物および同じ遺伝子の異なる領域を示し得る。従って、2つ以上の配列番号は同じクローンに属するとして同定される場合、いずれかの配列は、全長mRNAまたは全長遺伝子を得るために使用され得る。
【0164】
(実施例2:遺伝子産物の機能を同定するための公的なデータベース検索の結果)
配列番号1〜2396を、全ての3つのリーディングフレームにおいて翻訳し、そしてヌクレオチド配列および翻訳されたアミノ酸配列を、GenBank(ヌクレオチド配列)またはNon−Redundant Protein(アミノ酸配列)データベースのいずれかにおいて、相同な配列について検索するための問合せ配列として使用した。問合せ配列および個々の配列を、BLAST 2.0プログラムを使用して、整列した(National Center for Biotechnology Information,Bethesha,Maryland;Altschulら、Nucleic Acids Res.(1997)25:3389−3402をまた参照のこと)。配列を、実施例1において上記されるように低い複雑性をマスクするためのXBLASTプログラムを使用して、反復配列またはポリA配列の検索を防ぐために種々の程度にマスクした。
【0165】
表2Aおよび2B(明細書末尾)は、1×10−2以下のp値を有する整列の要約を提供し、本発明の配列と指示された公的なデータベースの配列との間の実質的な相同性を示す。表2Aは、問合せ配列の配列番号、相同配列のGenBankデータベース登録の登録(アクセッション)番号、および整列のp値を提供する。表2Bは、問合せ配列の配列番号、相同配列のNon−Redundant Proteinデータベース登録の登録番号、および整列のp値を提供する。表2Aおよび2Bにおいて提供される整列は、本明細書の出願の直前の時点で、DNA配列またはアミノ酸配列に対して最も良好に利用可能な整列である。表2Aおよび2Bにおいて列挙される配列番号によってコードされるポリぺプチドの活性は、報告される最近接配列または密接に関連される配列の活性に実質的に同じであるかまたは実質的に類似であることが、推定され得る。最も近い配列の登録番号が報告され、最近接配列によって示される活性および機能に対する公的に利用可能な参照を提供する。それぞれの最近接配列の活性および機能に関する公的な情報は、本出願において参考として援用される。また参考として援用されるのは、配列、ならびに表2Bにおいて列挙される最近接配列およびそれらの相関する配列の推定の活性および実際の活性ならびに推定の機能および実際の機能に関する全ての公的に利用可能な情報である。整列のために使用される検索プログラムおよびデータベース、ならびにp値の算定もまた示される。
【0166】
最近接配列のポリヌクレオチド配列の全長配列またはフラグメントは、対応するポリヌクレオチドの全長の配列を同定しかつ単離するために、プローブおよびプライマーとして使用され得る。最近接配列は、対応するポリヌクレオチドの全長の配列についてのライブラリーを構築するために使用されるべき組織または細胞型を示し得る。
【0167】
(実施例3:タンパク質ファミリーのメンバー)
配列番号1〜2396を、上述に本明細書中で記載されるように、プロフィール検索を行うために使用した。本発明のポリヌクレオチドのいくつかは、公知のタンパク質ファミリーに属するポリぺプチドの特徴を有し(従って、これらのタンパク質ファミリーの新規なメンバーを示す)、および/または公知の機能的なドメインを含む、ポリぺプチドをコードすることが見出された。表は、問合せ配列の配列番号、プロフィール名およびプロフィールヒットの簡単な記載を提供する。
【0168】
【表1】
Figure 2004502406
【0169】
いくつかのポリヌクレオチドは、問合せ配列が重複するプロフィール領域を含む、および/またはこの配列が2つの異なる機能的ドメインを含む、複数のプロフィールヒットを示した。表3のそれぞれのプロフィールヒットは、以下により詳細に記載される。プロフィールについての略語(カッコ内に提供される)は、PfamデータベースおよびPrositeデータベースにおけるプロフィールを同定するために使用された略語である。Pfamデータベースは、Washington University,St.Louis(Missouri),Sanger Centre(英国);およびKarolinska Insitute Center for Genomics Resarchによってサポートされるウェブサイトを通して評価され得る。Prositeデータベースは、ExPASy Molecular Biology Serverを通して公的に利用可能である。種々のプロフィールに関してPfamデータベースおよびPrositeデータベースにおいて利用可能な公的な情報は、種々のタンパク質ファミリーおよびタンパク質ドメインの活性、機能、およびコンセンサス配列が挙げられるがこれらに制限されず、本明細書中に参考として援用される。
【0170】
(真核生物アスパルチルプロテアーゼ(asp;Pfam登録番号PF00026))配列番号2327は、新規な真核生物アスパルチルプロテアーゼをコードする遺伝子に対応する。アスパルチルプロテアーゼは、酸プロテアーゼとして公知であり(EC 3.4.23.−)、脊椎動物、真菌、植物、レトロウイルス、およびいくつかの植物ウイルスにおいて存在することが公知であるタンパク質分解性酵素の広範に分布するファミリーである(Foltmann B.、Essays Biochem.(1981)17:52;Davies D.R.,Annu.Rev.Biophys.Chem.(1990)19:189;Rao J.K.M.ら、Biochemistry(1991)30:4663)。真核生物のアスパラギン酸プロテアーゼは、2つのドメインからなる単量体の酵素である。各ドメインは、触媒性のアスパルチル残基の中心におかれる活性部位を含む。真核生物アスパルチルプロテアーゼを同定するコンセンサスパターンは:[LIVMFGAC]−[LIVMTADN]−[LIVFSA]−D−[ST]−G−[STAV]−[STAPDENQ]−x−[LIVMFSTNC]−x−[LIVMFGTA]であり、ここではDは、活性部位残基である。
【0171】
(種々の細胞活性と関連するATPアーゼ(ATPアーゼ;Pfam登録番号PF0004))配列番号:410、537、539、540、738および2209は、多様な細胞活性と関連するATPアーゼ(ATPase Associated with diverse cellular Activities:AAA)のファミリーのメンバーをコードする配列に対応する。AAAタンパク質ファミリーは、ATP結合部位を含む約220アミノ酸の保存された領域を共有する多数のATPアーゼから構成される(Froehlichら、J.Cell.Biol.(1991)114:443;Erdmannら、Cell(1991)64:499;Petersら、EMBO J.(1990)9:1757;Kunauら、Biochimie(1993)75:209−224;Confalonieriら、BioEssays(1995)17:639;AAAサーバーページを参照のこと)。AAAドメインは、1または2コピーで存在し得、ATP依存性タンパク質クランプ(clamp)として作用し(Confalonieriら(1995)BioEssays 17:639)、そしてドメインの中心部分において位置した高度に保存された領域を含む。コンセンサスパターンは以下である:[LIVMT]−x−[LIVMT]−[LIVMF]−x−[GATMC]−[ST]−[NS]−x(4)−[LIVM]−D−x−A−[LIFA]−x−R。
【0172】
(塩基性領域およびロイシンジッパー転写因子(BZIP;Pfam登録番号PF00170))配列番号1759は、塩基領域およびロイシンジッパー転写因子のファミリーの新規なメンバーをコードするポリヌクレオチドを示す。真核生物DNA結合転写因子のbZIPスーパーファミリー(Hurst、Protein Prof.(1995)2:105;およびEllenbergerら、Curr.Opin.Struct.Biol.(1994)4:12)は、配列特異的DNA結合を媒介する塩基性領域、続いて二量体化に必要とされるロイシンジッパーを含むタンパク質を含有する。このタンパク質ファミリーについてのコンセンサスパターンは以下である:[KR]−x(1,3)−[RKSAQ]−N−x(2)−[SAQ](2)−x−[RKTAENQ]−x−R−x−[RK]。
【0173】
(C2ドメイン(C2;Pfam登録番号00168))配列番号1533は、C2ドメインをコードする配列に対応し、これはカルシウム依存性のリン脂質結合(Davletov J.Biol.Chem.(1993)268:26386−26390)、またはカルシウムを結合しないタンパク質に関与する。このドメインは、イノシトール−1,3,4,5−四リン酸への結合を促進し得る(Fukudaら、J.Biol.Chem.(1994)269:29206−29211;Suttonら、Cell(1995)80:929−938)。コンセンサス配列は以下である:[ACG]−x(2)−L−x(2,3)−D−x(1,2)−[NGSTLIF]−[GTMR]−x−[STAP]−D−[PA]−[FY]。
【0174】
(DEADボックスファミリーおよびDEAHボックスファミリーのATP依存性ヘリカーゼ(Dead box helic;Pfam登録番号00270))配列番号1415、1637、および1638は、DEADボックスファミリーおよびDEAHボックスファミリー(Schmidら、Mol.Microbiol.(1992)6:283;Linderら、Nature(1989)337:121;Wassarmanら、Nature(1991)349:463)の新規なメンバーをコードするポリヌクレオチドを示す。これらのファミリーの全てのメンバーは、ATP依存性の核酸巻戻し(unwinding)に関与する。全てのDEADボックスファミリーメンバーは、多くの保存された配列モチーフを共有し、このうちのいくつかはDEADファミリーに特異的であり、他は、他のATP結合タンパク質によってか、またはヘリカーゼ「スーパーファミリー」に属するタンパク質によって共有される(Hodgman Nature(1988)333:22およびNature(1988)333:578(Errata))。これらのモチーフのうちの1つは、「D−E−A−D−ボックス」と呼ばれ、ATP−結合タンパク質のBモチーフの特別なバージョンを示す。第2のAspの代わりにHisを有するタンパク質は、「D−E−A−H−ボックス」タンパク質である(Wassarmanら、Nature(1991)349:463;Haroshら、Nucleic Acids Res.(1991)19:6331;Kooninら、J. Gen. Virol.(1992)73:989)。以下の特徴的なパターンは、両方のサブファミリーについてのメンバーを同定するために使用される:1)[LIVMF](2)−D−E−A−D−[RKEN]−x−[LIVMFYGSTN];および2)[GSAH]−x−[LIVMF](3)−D−E−[ALIV]−H−[NECR]。
【0175】
(二重特異性ホスファターゼ(DSPc;Pfam登録番号PF00782))配列番号707および1633は、二重特異性ホスファターゼのファミリーのメンバーをコードする配列に対応する。DSPは、ヘリックスα1を鎖β1に連結する「認識」領域以外は、チロシン特異的ホスファターゼの三次折畳みに非常に類似する三次折畳みを含む、Ser/Thrタンパク質ホスファターゼおよびTyrタンパク質ホスファターゼである。この三次折畳みは、VH−1関連性の二重特異性ホスファターゼ(VHR)と、タンパク質チロシンホスファターゼ(PTP)と他のDSPとの間の特異的な基質における差異を決定し得る。ホスファターゼは、細胞成長、増殖、分化、および形質転換の制御において重要である。
【0176】
(EFハンド(EFhand;Pfam登録番号00036))配列番号719は、EF−ハンドタンパク質ファミリーのメンバーをコードするポリヌクレオチドに対応し、カルシウム結合ドメインは、同じ進化的なファミリーに属する多くのカルシウム結合タンパク質によって共有される(Kawasakiら、Protein.Prof.(1995)2:305−490)。このドメインは、両側で12残基のαヘリックスドメインにより隣接する12残基ループであり、ここでカルシウムイオンは、5角形の2錐体立体配座中に配位される。結合に関与する6残基は、1位、3位、5位、7位、9位、および12位にあり;これらの残基は、X、Y、Z、−Y、−X、および−Zによって示される。12位での不変(invariant)なGluまたはAspは、Caを連結するための2つの酸素を提供する(2座(bidentate)のリガンド)。コンセンサスパターンは、完全なEFハンドループ、ならびにループに続きかつ常に疎水性であるようである最初の残基を含む:D−x−[DNS]−{ILVFYW}−[DENSTG]−[DNQGHRK]−{GP}−[LIVMC]−[DENQSTAGC]−x(2)−[DE]−[LIVMFYW]。
【0177】
(ホメオボックスドメイン(ホメオボックス;Pfam登録番号PF00046)。配列番号2306は、ホメオボックスドメインを有するタンパク質をコードするポリヌクレオチドを表す。「ホメオボックス」は、多数のDrosophilaのホメオティックタンパク質および分節(segmentation)タンパク質において最初に同定された、60のアミノ酸のタンパク質ドメインである(Gehring「Guidebook to the Homeobox Genes」、Duboule D.編、第1〜10頁、Oxford University Press、Oxford(1994);Buerglin「Guidebook to the Homeobox Genes」、第25〜72頁、Oxford University Press、Oxford(1994);Gehring Trends Biochem.Sci.(1992)17:277−280;Gehringら、Annu.Rev.Genet.(1986)20:147−173;Schofield Trends Neurosci.(1987)10:3−6)。それは、脊椎動物を含む、多くの他の動物において極めてよく保存されている。このドメインは、へリックス−ターン−へリックス型の構造を通して、DNAに結合する。ホメオボックスドメインを含むいくつかのタンパク質は、発生において重要な役割を果たす。これらのタンパク質のほとんどは、配列特異的DNA結合転写因子である。ホメオボックスドメインはまた、酵母接合型タンパク質の領域に非常に類似している。これらは、細胞型特異的様式における遺伝子発現を制御することにより、酵母の分化におけるマスタースイッチとして作用する、配列特異的DNA結合タンパク質である。
【0178】
ホメオボックスドメインの略図は、以下に示される。へリックス−ターン−へリックス領域は記号「H」(ヘリックス)、および「t」(ターン)で示される。
【0179】
【化1】
Figure 2004502406
【0180】
このパターンは、24残基長のホメオボックス配列を検出し、そしてホメオボックスドメインの位置34〜57にわたる。コンセンサスパターンは以下の通りである。:[LIVMFYG]−[ASLVR]−x(2)−[LIVMSTACN]−x−[LIVM]−x(4)−[LIV]−[RKNQESTAIY]−[LIVFSTNKH]−W−[FYVC]−x−[NDQTAH]−x(5)−[RKNAIMW]。
【0181】
(メタロチオネイン(メタロチオ:Pfam登録番号PF00131)配列番号:2318は、メタロチオネイン(MT)タンパク質ファミリーのメンバーをコードするポリヌクレオチド(Hamer Annu.Rev.Biochem.(1986)55:913−951;およびKagiら、Biochemistry(1988)27:8509−8515)、チオレート結合のクラスターを通して重金属(例えば、亜鉛、銅、カドニウム、ニッケルなど)と結合する小さなタンパク質と対応する。MTは、動物界の全体にわたって存在し、そしてまた高等植物、真菌およびいくつかの原核生物に見出される。構造的な関連に基づいて、MTは、3つのクラスに細分割される。クラスIとしては、哺乳動物のMTならびに甲殻類および軟体動物由来であるが、明かに関連する一次構造を有するMTが挙げられる。クラスIIは、クラスIのMTに一致しないか、または非常に遠い一致のみを示す種々の種(例えば、ウニ、真菌、昆虫およびラン藻)由来のMTを一緒に分類する。クラスIIIのMTは、γ−グルタミルシステイニルユニットを含む異型のポリペプチドである。このタンパク質ファミリーに対するコンセンサスパターンは、:C−x−C−[GSTAP]−x(2)−C−x−C−x(2)−C−x−C−x(2)−C−x−Kである。
【0182】
(神経伝達物質ゲート制御イオンチャネル(neur_chan;Pfam登録番号PF00065))配列番号2300は、神経伝達物質ゲート制御イオンチャネルをコードする配列に対応する。神経伝達物質ゲート制御イオンチャネルは、化学シナプスでの迅速なシグナル伝達についての分子基準を提供し、特定の神経伝達分子の結合の際に一時的にイオンチャンネルを形成するシナップス後性のオリゴマー膜貫通複合体である。神経伝達物質ゲート制御レセプターの5つの型が公知である:1)ニコチン性アセチルコリンレセプター(AchR);2)グリシンレセプター;3)γ−アミノ酪酸(GABA)レセプター;4)セロトニン5HT3レセプター;および5)グルタミン酸レセプター。神経伝達物質ゲート制御イオンチャネルからのサブユニットの全ての公知の配列は、構造的に関連し、そして大きな細胞外グリコシル化N末端リガンド結合ドメイン、続いてイオンチャンネルを形成する3つの疎水性膜貫通領域、続いて可変長の細胞内領域から構成される。第4の疎水性領域は、配列のC末端にて見出される。コンセンサスパターンは:C−x−[LIVMFQ]−x−[LIVMF]−x(2)−[FY]−P−x−D−x(3)−Cであり、ここで2つのCはジスルフィド結合によって連結される。
【0183】
(Rasファミリータンパク質(ras;Pfam登録番号PF00071))配列番号2228および配列番号2287は、低分子GTP/GDP結合タンパク質のrasファミリーをコードするポリヌクレオチドを表す(Valenciaら、1991、Biochemistry 30:4637−4648)。Rasファミリーメンバーは、一般に、特定のグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)およびGTPase活性全体の刺激因子として特定のGTPase活性化タンパク質(GAP)を必要とする。ras関連タンパク質について、最も高い程度の配列保存が、グアニンヌクレオチド結合に直接関与する4つの領域において見られる。初めの2つが、ほとんどのリン酸およびMg2+結合部位(PM部位)を構成し、そしてGドメインの前半に位置される。その他の2つの領域は、グアノシン結合に関与し、そして分子のC末端側の半分に位置される。ras関連タンパク質のモチーフおよび保存された構造特性は、Valenciaら、1991、Biochemistry 30:4637−4648に記載される。rasタンパク質の主要なコンセンサスパターンは、以下の通りである:D−T−A−G−Q−E−K−[LF]−G−G−L−R−[DE]−G−Y−Y。
【0184】
(RNA組換えモチーフ(rrm;Pfam受託番号PF00076)。配列番号662、683、708、781および783は、RNA組換えモチーフ(これはまたRRM、RBD、またはRNPドメインとして公知である)をコードする配列に対応する。このドメイン(約90アミノ酸長である)は、単鎖RNAに結合する真核生物タンパク質(Bandziulisら、Genes Dev.(1989)3:431〜437;Dreyfussら、Trends Biochem.Sci(1988)13:86〜91)中に含まれる。このRNA結合ドメイン中の2つの領域は、高度に保存されている:第1の領域は6残基の疎水性セグメント(これはRNP−2モチーフと呼ばれる)であり、第2の領域はオクタペプチドモチーフ(これはRNP−1またはRNP−CSと呼ばれる)である。このコンセンサスパターンは以下である:[RK]−G−{EDRKHPCG}−[AGSCI]−[FY]−[LIVA]−x−[FYLM]。
【0185】
(Torのキナーゼドメイン(torドメイン2))配列番号2302は、TOR脂質キナーゼタンパク質ファミリーのメンバーに対応する。このファミリーは、脂質およびプロテインキナーゼドメインを有する大きなタンパク質から構成され、そしてラパマイシン(抗真菌化合物)に対するそれらの感受性を介して特徴づけされる。TORタンパク質は、PI3キナーゼの下流のシグナル伝達および多くの他のシグナル伝達に関与する。TOR(またFRAP、RAFTとも呼ばれる)は、タンパク質合成および細胞増殖を調節する際に役割を果たし、そして酵母において、翻訳開始および初期のG1進行を制御する。例えば、Barbetら、Mol. Biol. Cell.(1996)7(1):25−42;Helliwellら、Genetics(1998)148:99−112を参照のこと。
【0186】
(WDドメイン、G−β反復(WDドメイン;Pfam受託番号PF00400))配列番号1110、1744、1993および2083は、WDドメイン/G−β反復ファミリーの新規のメンバーを示す。β−トランスデューシン(G−β)は、膜貫通レセプターによって生成されるシグナルの伝達における中間体として作用するグアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)の3つのサブユニット(α、β、およびγ)のうちの1つである(Gilman、Annu. Rev. Biochem.(1987)56:615)。αサブユニットは、GTPに結合し、そしてこれを加水分解し;βおよびγサブユニットの機能はあまり明確ではないが、それらの機能はGTPによるGDPの置換に、ならびに膜固着化およびレセプター認識に必要とされるようである。高等真核生物において、G−βは、約340アミノ酸残基の高度に保存されたタンパク質の小さな多重遺伝子ファミリーとして存在する。構造学的に、G−βは、約40残基の8つのタンデムな反復をからなり、それぞれ中心的なTrp−Aspモチーフを含む(この型の反復は、時折WD−40反復と呼ばれる)。WDドメイン/G−β反復ファミリーのコンセンサスパターンは:[LIVMSTAC]−[LIVMFYWSTAGC]−[LIMSTAG]−[LIVMSTAGC]−x(2)−[DN]−x(2)−[LIVMWSTAC]−x−[LIVMFSTAG]−W−[DEN]−[LIVMFSTAGCN]である。
【0187】
(ジンクフィンガー、C2H2型(Zincfing C2H2;Pfam受託番号PF00096))配列番号779は、核酸結合を容易にするジンクフィンガードメインを含むC2H2型のジンクフィンガータンパク質ファミリー(Klugら、Trends Biochem. Sci.(1987)12:464;Evansら、Cell(1988)52:1;Payreら、FEBS Lett.(1988)234:245;Millerら、EMBO J.(1985)4:1609;およびBerg、Proc. Natl. Acad. Sci. USA(1988)85:99)のメンバーをコードするポリヌクレオチドに対応する。
【0188】
保存された亜鉛リガンド残基に加えて、多くの他の位置もまた、C2H2ジンクフィンガーの構造完全性に重要である(Rosenfeldら、J. Biomol. Struct. Dyn.(1993)11:557)。最も良好に保存された位置は、一般に芳香族または脂肪族残基であり、第2のシステインの後ろの4つの残基に位置される。C2H2ジンクフィンガーについてのコンセンサスパターンは:C−x(2,4)−C−x(3)−[LIVMFYWC]−x(8)−H−x(3,5)−Hである。2つのCおよび2つのHは、亜鉛リガンドである。
【0189】
(実施例4:本発明のポリヌクレオチドの示差的な発現:示差的な発現のライブラリーおよび検出の記載)
本発明のポリヌクレオチドの相対的な発現レベルを、細胞株および患者組識サンプルを含む種々の提供源から調製されたいくつかのライブラリーにおいて評価した。表4は、これらのライブラリーの要約を提供し、短縮したライブラリー名(本明細書中以後使用される)、調製されたcDNAライブラリーに使用されたmRNA提供源、およびライブラリー中のクローンのおよその数を含む。
【0190】
【表2】
Figure 2004502406
【0191】
KM12L4細胞株(Morikawaら、Cancer Reseach(1988)48:6863)は、KM12C細胞株(Morikawaら、Cancer Res.(1988)48:1943〜1948)に由来する。KM12C細胞株(ほとんど転移しない)(低転移性)は、Dukes段階B外科用標本(Morikawaら、Cancer Res.(1988)48:6863)由来の、培養物中で構築された。KM12L4−Aは、KM12Cに由来する高転移性の亜系統である(Yeatmanら、Nucl.Acids.Res(1995)23:4007;Bao−Lingら、Proc.Annu.Meet.Am.Assoc.Cancer.Res(1995)21:3269)。KM12CおよびKM12C誘導細胞系(例えば、KM12L4、KM12L4−Aなど)は、結腸癌の研究のためのモデル細胞系として当該分野でよく認識されている(例えば、Morikawaら、前述;Radinskyら、Clin.Cancer Res(1995)1:19;Yeatmanら、(1995)前述;Yeatmanら、Clin.Exp.Metastasis(1996)14:246)。MDA−MB−231細胞株は、胸水から最初に単離され(Cailleau、J.Natl.Cancer.Inst.(1974)53:661)、高い転移可能性であり、そして乳癌と一致するヌードマウスにおける分化した腺癌グレードIIを形成しにくい。MCF7細胞株は、乳腺癌の胸水に由来し、そして非転移性である。このMDA−MB−231およびMCF−7細胞株は、ヒト乳癌の研究のためのモデルとして当該分野で十分に認識される(例えば、Chandrasekaranら、Cancer Res.(1979)39:870;Gastparら、J. Med Chem(1998)41:4965;Ransonら、Br J Cancer(1998)77:1586;およびKuangら、Nucleic Acids Res.(1998)26:1116を参照のこと)
MV−522細胞株は、ヒト肺癌腫に由来し、そして高い転移可能性である。UCP−3細胞株は、低い転移性のヒト肺癌腫細胞株であり;MV−522は、UCP−3の高い転移性の改変体である。これらの細胞株は、ヒト肺癌の研究のためのモデルとして当該分野において十分に認識される(例えば、Varkiら、Int J Cancer(1987)40:46(UCP−3);Varkiら、Tumour Biol.(1990)11:327;(MV−522およびUCP−3);Varkiら、Anticancer Res.(1990)10:637;(MV−522);Kelnerら、Anticancer Res(1995)15:867(MV−522);およびZhangら、Anticancer Drugs(1997)8:696(MV522)を参照のこと)。ライブラリー15〜20のサンプルは、2人の異なる患者(UC番号2およびUC番号3)に由来する。bFGF処理されたHMVECは、10ng/mlで2時間のbFGFとのインキュベーションによって調製され;VEGF処理されたHMVECは、20ng/ml VEGFとの2時間のインキュベーションによって調製された。それぞれの増殖因子とのインキュベーション後、細胞を洗浄し、そして溶解緩衝液をRNA調製のために添加した。GRRpzおよびWOca細胞株は、Donna M. Peehl博士、Department of Medicine、Stanford University School of Medicineによって提供された。GRRpzは、正常な前立腺上皮に由来した。WOca細胞株は、Gleason Grade4細胞株である。
【0192】
それぞれのライブラリーは、示されたmRNA提供源において発現されるmRNAを順に表すcDNAクローンの収集物から構成される。各ライブラリーにおける数百万の配列の分析を容易にするために、配列をクラスターに割当てた。「クローンのクラスター」の概念は、約300個の7bpオリゴヌクレオチドプローブのパネルへのそれらのハイブリダイゼーションパターンに基づくcDNAクローンのソーティング/グループ化に由来する(Drmanacら、Genomics(1996)37(1):29を参照のこと)。組織ライブラリーからのランダムなcDNAクローンを、300個の7bpオリゴヌクレオチドに中程度のストリンジェンシーでハイブリダイズさせる。各オリゴヌクレオチドは、その特定のクローンへの特異的なハイブリダイゼーションのいくつかの尺度を有する。300個のプローブについてのハイブリダイゼーションのこれらの尺度の300個の組合わせは、特異的なクローンについての「ハイブリダイゼーション特徴」に等しい。類似の配列を有するクローンは、類似のハイブリダイゼーション特徴を有する。これらの特徴を分析するためのソーティング/グループ化アルゴリズムを開発することによって、ライブラリーにおけるクローンの群が同定され得、そしてコンピューターで集められる。クローンのこれらの群は「クラスター」と呼ばれる。アルゴリズムにおける選択のストリンジェンシー(古典的なライブラリーcDNAスクリーニングプロトコルにおけるハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに類似する)に依存して、各クラスターの「純度」が制御され得る。例えば、人為的結果が、最も高いストリンジェンシーであってでも、400bp cDNAフラグメントを有するcDNAライブラリーの「web−lab」スクリーニングにおいて生じ得るので、クラスター形成の人為的結果は、コンピューターによるクラスター形成において生じ得る。本明細書中のクラスターの実行において使用されるストリンジェンシーは、一般に同じcDNAまたは密接に関連したcDNA由来であるクローンの群を提供する。密接に関連したクローンは、同じcDNAの異なる長さのクローン、高度に関連した遺伝子ファミリー由来の密接に関連したクローン、または同じcDNAのスプライス改変体の結果であり得る。
【0193】
選択したクラスターについての示差的な発現は、先ず第1のライブラリーにおいて選択したクラスターに対応するcDNAクローン(1回目におけるクローン)の数を決定し、そして第2のライブラリーにおいて選択したクラスターに対応するcDNAクローン(2回目におけるクローン)の数を決定することによって、評価された。第2のライブラリーと比較して第1のライブラリーにおいて選択したクラスターの示差的な発現は、2つのライブラリー間の発現パーセントの「比率」として表される。一般に、「比率」は:1)第1のライブラリーにおいて選択したクラスターに対応するクローンの数を、第1のライブラリーからの分析したクローンの総数で除算することによって、第1のライブラリーにおいて選択したクラスターの発現パーセントを算定し;2)第2のライブラリーにおいて選択したクラスターに対応するクローンの数を、第2のライブラリーからの分析したクローンの総数で除算することによって、第2のライブラリーにおいて選択したクラスターの発現パーセントを算定し;3)第1のライブラリーからの算定した発現パーセントを、第2のライブラリーからの算定した発現パーセントで除算することによって、算定される。ライブラリーにおける選択されたクラスターに対応する「クローンの数」が、ゼロである場合、算定を補助するために値は1に設定される。比率を算定する際に使用される式は、比較されるそれぞれのライブラリーの「深さ」、すなわち、各ライブラリーにおいて分析したクローンの総数を考慮する。
【0194】
一般に、ポリヌクレオチドは、比率の値が少なくとも約2よりも多く、好ましくは少なくとも約3よりも多く、より好ましくは少なくとも約5よりも多い場合、2つのサンプル間で有意に示差的に発現されると言われ、ここでは比率の値は、上記の方法を使用して算定される。示差的な発現の有意性は、zスコア検定(Zar、Biostatistical Analysis、Prentice Hall, Inc.、USA、「割合における差異」、296−298頁(1974))を使用して決定される。
【0195】
(実施例5:本発明のポリヌクレオチドに対応する遺伝子の示差的な発現)
例えば、高い転移可能性の癌組識に由来する細胞と低い転移性の癌細胞との間、および転移可能性の癌組識と正常な組識とに由来する細胞の間で示差的に発現される多くのポリヌクレオチド配列が、同定されている。これらの配列に対応する遺伝子の発現のレベルの評価は、診断、予後、および/または処置において(例えば、治療の合理的な設計、治療の間または治療後のモニタリングなどを容易にするために)価値があり得る。さらに、本明細書中に記載される示差的に発現される配列に対応する遺伝子は、例えば、転移表現型の発達の調節(例えば、阻害または促進)におけるそれらの関与に起因して、治療標的であり得る。例えば、正常なまたは非転移性の腫瘍細胞に比較して高い転移可能性の細胞において発現が増加される遺伝子に対応する配列は、脈管形成、分化、細胞複製、および転移のようなプロセスに関与する遺伝子配列または調節配列をコードし得る。
【0196】
本明細書中に記載される、示差的に発現されるポリヌクレオチドの相対的な発現レベルの検出は、治療の選択において臨床医を導く価値ある情報を提供し得る。例えば、転移性の細胞または高い転移可能性の細胞において発現が増加する遺伝子に対応するこれらのポリヌクレオチドの1つ以上の発現レベルを示す患者のサンプルは、患者に対するより攻撃的な処置を保証し得る。対照的に、低い転移可能性の細胞の発現レベルと関連する発現レベルに対応するポリヌクレオチド配列の発現レベルの検出は、全体の病理学が示唆するよりもポジティブな予後を保証し得る。
【0197】
従って、本明細書中に記載されるポリヌクレオチドの示差的な発現は、例えば、危険性評価、患者処置などについての、診断マーカー、予後マーカーとして使用され得る。これらのポリヌクレオチド配列はまた、他の公知の分子マーカーおよび/または生化学的マーカーと組合わせて使用され得る。以下の実施例は、特定の細胞株および患者組識サンプルからのポリヌクレオチドの相対的な発現レベルを提供する。
【0198】
上記に記載されるライブラリーの種々の組合わせを通して示差的に発現されるように同定されている、本発明のポリヌクレオチドについてのこの示差的発現データは、表5(明細書の末尾)において要約される。表5は、以下を提供する:1)ポリヌクレオチドに割当てられた配列同定番号(「配列番号」);2)上記のようにこのポリヌクレオチドが割当てられたクラスター(「CLST」);3)示差的に発現されるポリヌクレオチドの同定より得られるライブラリーの比較(「ライブラリーペアA、B」)(以下のライブラリー番号の括弧内に、比較ライブラリーの省略名が提供される);4)第1のライブラリー(「A」)に列挙されるポリヌクレオチドに対応するクローンの番号;5)第2のライブラリー(「B」)に列挙されるポリヌクレオチドに対応するクローンの数;6)「A/B」、ここでこの比較より、ライブラリーAにおけるクローンの数は、ライブラリーBにおけるクローンの数よりも大きいという所見が得られる;および7)「B/A」、ここでこの比較より、ライブラリーBにおけるクローンの数は、ライブラリーAにおけるクローンの数よりも大きいという所見が得られる。
【0199】
(実施例6:マイクロアレイベースの実験のための生物学的材料の提供源)
マイクロアレイデータに関する引き続く実施例中に記載される実験において使用される生物学的材料は、以下に記載される。
【0200】
(患者の組織サンプルの提供源)
正常組織および癌性組織を、レーザーキャプチャー顕微解剖(LCM)技術を使用して患者から収集した。この技術は当該分野で周知である(例えば、Ohyamaら、(2000)Biotechniques 29:530〜6;Curranら、(2000)Mol.Pathol.53:64〜8;Suarez−Quianら、(1999)Biotechniques 26:328〜5;Simoueら、(1998)Trends Genet 14:272〜6;Coniaら、(1997)J.Clin.Lab.Anal.11:28〜38;Emmert−Buckら、(1996)Science 274:998〜1001)を参照のこと)。表9(以下の実施例の最後のページに挿入される)は、そのサンプルが単離されるそれぞれの患者についての情報を提供し、これには以下が挙げられる:患者ID(Patient ID)およびパスレポートID(Path ReportID)(同定の目的のために患者および症状報告を割当てた番号);腫瘍の解剖学的な位置(AnatomicalLoc);原発性腫瘍サイズ(Primary Tumor Size);原発性腫瘍の評価(Primary Tumor Grade);組織学的評価(Histophathologic Grade);腫瘍が浸潤された局所部位の説明(Local Invasion);リンパ節転移の存在(Lymph Node Metastasis);リンパ節転移の発達率(試験されたリンパ節の数に対する、転移についてのリンパ節陽性の数として提供される)(Incidence Lymphonode Metastasis);限局性リンパ節の評価(Regional Lymphnode Grade);腫瘍の局在と、腫瘍から遠隔の部位への転移の同定および検出(Distant Met & Loc);遠隔の転移の説明(Description Distant Met);遠隔の転移の評価(Distant Met Grade);および患者または腫瘍についての一般所見(Comment)。腺腫は、いずれの患者においても記載されなかった;腺腫形成異常(病理学者によって過形成として記載される)が、患者ID695において記載された。結節外拡大が、2人の患者(患者ID784および同791において記載された。リンパ管侵襲が、7人の患者(患者ID128、同278、同517、同534、同784、同786および同791)において記載された。クローン様浸潤が、7人の患者において記載された(患者ID52、同264、同268、同392、同393、同784および同791)において記載された。
【0201】
(アレイ上のポリヌクレオチド)
アレイ上にスポットされるポリヌクレオチドは、cDNAライブラリーに由来するクローンのPCR増幅によって産生された。増幅のために使用されたこのクローンは、本明細書中に記載される配列(配列番号1〜2396)が由来するクローンか、またはBLAST2相同性探査によって決定されるような、本明細書中に記載される配列(配列番号1〜2396)との有意なポリヌクレオチド配列重複を有する挿入を有するクローンのいずれかである。
【0202】
(実施例7:マイクロアレイ設計)
以下の実施例において使用されるそれぞれのアレイは、同一の空間的な配置およびコントロールスポットセットを有した。それぞれのマイクロアレイを2つの領域に分離し、それぞれの領域は、それぞれの半分に32×12のスポットの12の群を有し、約9,216の総スポットを有する。この2つの領域を、アレイごとにそれぞれのクローンの少なくとも2つの複製を提供して同じようにスポットする。スポッティングを、0.5kb〜2.0kbのPCR増幅産物を使用して達成し、そして製造者推薦に従ってMolecular Dynamics Gen IIIスポッターを使用してスポットした。アレイの24領域それぞれの第1の行は、約32のコントロールスポットを有し、これは4つの陰性コントロールスポットおよび8つの試験ポリヌクレオチドを含む。
【0203】
この試験ポリヌクレオチドを、2〜600pg/スライドの濃度範囲および1:1の比で標識反応をする前に、それぞれのサンプルにスパイクする。それぞれのアレイ設計のために、2つのスライドを、標識反応において逆標識した試験サンプルでハイブリダイズした。これは、それぞれのクローンについて、それぞれのサンプルについて一方の色で2回、そしてもう一方の色で2回の約4回の重複測定、を提供した。
【0204】
(実施例8:示差的に発現する遺伝子の同定)
cDNAプローブを、実施例6に記載される患者の細胞から単離された総RNAから調製した。LCMが、実質的に同一の細胞サンプルを提供するために特異的な細胞型の単離を提供するので、これは、実質的に純粋なRNAサンプルを提供する。
【0205】
総RNAを、T7 RNAポリメラーゼプロモーターを含むプライマーを使用して、最初にcDNAに逆転写し、続いて第2鎖DNA合成を行った。次いで、cDNAをインビトロで転写し、T7プロモーター介在発現を使用してアンチセンスRNAを産生し(例えば、Luoら、(1999)Nature Med 5:117〜122を参照のこと)、次いでこのアンチセンスRNAをcDNAに変換した。このcDNAの第2のセットを、T7プロモーターを使用して、再びインビトロで転写し、アンチセンスRNAを産生した。必要に応じて、このRNAを再びcDNAに変換し、T7介在増幅の第3ラウンドまでを考慮して、さらにアンチセンスRNAを産生した。従って、この手順は、インビトロ転写の2つまたは3つのラウンドを提供し、蛍光標識に使用される最終RNAを産生した。蛍光プローブを、コントロールRNAをアンチセンスRNA混合物へまず添加することによって、およびRNA出発材料から蛍光的に標識されたcDNAを産生することによって、産生した。腫瘍RNAサンプルから調製された蛍光的に標識されたcDNAを、正常RNAサンプルから調製された蛍光的に標識されたcDNAと比較した。例えば、この正常細胞由来のcDNAプローブを、Cy3蛍光色素(緑)で標識し、そして腫瘍細胞から調製されたcDNAプローブをCy5蛍光色素(赤)で標識した。
【0206】
示差的発現アッセイを、腫瘍細胞および同じ患者の正常細胞由来の等量のプローブを混合することによって実行した。このアレイを、2時間60℃で、5×SSC/0.2%SDS/1mM EDTA中でインキュベーションすることによってプレハイブリダイズし、次いで水で3回、そしてイソプロパノールで2回洗浄した。アレイのプレハイブリダイゼーションに続いて、次いでこのプローブ混合物をアレイに対して高いストリンジェンシーな条件下でハイブリダイズした(50%のホルムアミド、5×SSCおよび0.2%SDS中で42℃で一晩)。ハイブリダイゼーションの後、このアレイを55℃で3回、以下のように洗浄した:1)1×SSC/0.2%SDS中で最初の洗浄;2)0.1×SSC/0.2%SDS中で2回目の洗浄;および3)0.1×SSC中で3回目の洗浄。 【0207】
次いでこのアレイを、Molecular Dynamics Generation III二重色レーザースキャナ/ディテクターを使用して、緑色蛍光および赤色蛍光についてスキャンした。この画像を、BioDiscoverey Autogeneソフトウェアを使用して処理し、そしてそれぞれのスキャンセット由来のデータを標準化して、正常に対する発現の相対の比を提供した。マイクロアレイ実験由来のデータを、米国出願番号第60/252,358(E.J.Moler,M.A.BoyleおよびF.M.Randazzoによって2000年11月2日に出願された、表題「Precision and accuracy in cDNA microarray data」(この出願は本明細書中において特に参考として援用される))に記載されるアルゴリズムに従って分析した。
【0208】
この実験を繰り返し、両方の「色の検出」のアッセイを実行するために、今回補色で2つのプローブを標識した。それぞれの実験を、2つ以上のスライド(1つはそれぞれの色の検出)で何回か繰り返した。このアレイ上のそれぞれの配列のための標識蛍光が、4つのアレイ由来の8つの複製のスポット/遺伝子、または2つのアレイ由来の4つの複製のスポット/遺伝子の相乗平均の比、あるいはいくつかの他の順列として発現した。このデータを、それぞれの複製領域に存在するスパイクした陽性コントロールを使用して標準化し、そしてこの標準化の正確さは、それぞれの示差の有意な最終決定に含まれた。それぞれのスポットのこの蛍光強度をまた、どのスポットがそれぞれのサンプルにおいて有意な発現レベルを検出するかどうかを決定するために、それぞれの複製領域の陰性コントロールと比較した。
【0209】
蛍光強度の統計学的な分析を、それぞれの示差的測定の正確さおよび有意性を評価するために、複製スポットのそれぞれのセットに適用し、それぞれの患者の腫瘍サンプルと正常サンプルとの間の発現レベルにおいて示差が存在しないという統計的仮説を試験するp値を生じた。マイクロアレイの最初の分析の間、この仮説を、p>10−3および示差比がこれらのスポットについて1.000に設定される場合、採用する。全ての他のスポットは、腫瘍サンプルと正常サンプルとの間の発現において有意な相違を有する。この腫瘍サンプルが、検出可能な発現を有し、正常サンプルが検出可能な発現を有さない場合、この比は1000で切捨てられる。なぜなら正常サンプルにおける発現についてのこの値は0であり、そしてこの比は数学的に有効な値でない(例えば、無限)からである。この正常サンプルが検出可能な発現を有し、そして腫瘍サンプルが検出可能な発現を有さない場合、この比は0.001で切捨てられる。なぜなら、なぜなら腫瘍サンプルにおける発現についてのこの値は0であり、そしてこの比は数学的に有効な値でないからである。これらの後者2つの場合は、本明細書中で「on/off」と称される。データベース表を、95%の信頼水準(p>0.05)を使用してまとめた。
【0210】
表10〜14:clfは、示差的発現分析の結果をまとめたものであり、ここで、一致する正常結腸細胞と比較して、結腸癌細胞中の発現レベルにおける相違は、少なくとも、分析した患者の20%以上において2倍よりも大きいかまたは等しい(「>=2×」)、2.5倍よりも大きいかまたは等しい(「>=2.5×」)、または5倍よりも大きいかまたは等しい(「>=5×」)。それぞれの表は、以下を提供する:配列番号(SEQ ID NO);一致する正常結腸組織と比較して、示唆される遺伝子の発現レベルが少なくとも2倍(「>=2×」)、2.5倍(「>=2.5×」)、または5倍(「>=5×」)の上昇を示す結腸組織を有する患者の割合;ならびにそれぞれの試験された患者サンプルについての、比のデータ(列のヘッダ「P#」は、患者の同定番号を示す(例えば、「P15」は、患者15についての割当てデータを示す)。
【0211】
一般に、ポリヌクレオチドは、少なくとも1つのサンプルにおける発現のレベルが検出可能であり、そして比の値が少なくとも1.2倍、好ましくは少なくとも1.5倍よりも大きく、より好ましくは少なくとも2倍よりも大きい場合(ここで、この比の値は、上記に記載される方法を使用して計算される)、2つのサンプルの間の有意に相違する遺伝子発現を示す。
【0212】
示差的発現の比の1は、腫瘍細胞における遺伝子の発現レベルが、同じ患者の正常結腸細胞における遺伝子発現レベルとは統計学的に相違しないことを示す。正常結腸細胞と比較して癌性結腸細胞において、1よりも有意に大きい発現比は、正常細胞と比較して癌性細胞で発現が増加することを示し、この遺伝子が、癌表現型の発達において役割を果たすこと、およびこの細胞の代謝を促進することに関するということを示す。このような遺伝子からの遺伝子産物の検出は、この細胞が癌性であるという指標を提供し得、そして治療的および/または診断標識を提供し得る。
【0213】
同様に、正常結腸細胞と比較して癌性細胞における、1よりも有意に小さい示差的発現の比は、例えば、この遺伝子はこの癌性表現型の抑制に関するということを示す。このような遺伝子によってコードされる遺伝子産物の増加する活性、またはこのような活性の置換は、化学療法のための基礎を提供する。このような遺伝子はまた、癌性細胞のマーカーとして役立ち得る(例えば、正常結腸細胞と比較して、結腸細胞における遺伝子産物の非存在または減少した存在は、この細胞が癌性であるということを示す。
【0214】
(実施例9:患者における、癌において示差的に発現する遺伝子産物の機能的分析)
癌性細胞において示差的に発現される遺伝子の遺伝子産物を、腫瘍形成における遺伝子産物の役割および機能(例えば、転移性の表現型の発達の促進または阻害)を確認するために、さらに分析する。
【0215】
(アンチセンスを使用する遺伝子産物のブロッキング発現)
癌の発達の際の単一の遺伝子の効果を、選択された配列に対応する配列に特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用を介して評価する。アンチセンスオリゴヌクレオチドを、目的の遺伝子に対応する選択された配列に基づいて調製する。このアンチセンスオリゴヌクレオチドを、試験細胞に導入し、そして対応する遺伝子の発現に対する効果、ならびに目的の表現型に対する効果を評価する(例えば、正常細胞を、癌性表現型の誘導について試験し、または癌性細胞を、癌性表現型の抑制(例えば、転移の抑制)について試験する)。
【0216】
(遺伝子産物特異的抗体および/または低分子インヒビターを使用する遺伝子産物のブロッキング機能)
本明細書中に同定される遺伝子/クラスターに対応する遺伝子産物の機能を、この細胞における遺伝子産物のブロッキング機能によって評価し得る。例えば、遺伝子産物が分泌される場合、ブロッキング抗体は産生され得、そして、例えば癌性、特に転移性の表現型への細胞の形質転換について、細胞表現型に対する効果を試験するために細胞を添加され得る。抗体を産生するために、選択された遺伝子産物/クラスターに対応するクローンを選択し、そして部分的または完全にコードする配列を示す配列を得る。次いで、この生じたクローンを発現させ、産生されたポリペプチドを単離し、そして抗体を産生した。この抗体を細胞と組み合わせ、そして腫瘍形成に対する効果を評価した。
【0217】
本明細書中で同定された遺伝子/クラスターの遺伝子産物が、公知の機能のタンパク質(例えば、特異的キナーゼもしくはプロテアーゼ)、および/または公知の機能のタンパク質ファミリー(例えば、プロテアーゼファミリーまたはキナーゼファミリーにおいて存在するドメインまたは他のコンセンサス配列を含む)に対して配列相同性を示す場合、次いで腫瘍形成におけるこの遺伝子産物の役割、ならびにこの遺伝子産物の活性を、対応するタンパク質またはタンパク質ファミリーの機能を阻害または増強する低分子を使用して試験し得る。
【0218】
当業者は、慣用的な実験のみを使用して、本明細書中に記載の本発明の特定の実施形態の多くの等価物を認識するか、または確認し得る。このような特定の実施形態および等価物は上記の特許請求の範囲によって含まれることが意図される。
【0219】
本明細書で引用された全ての刊行物および特許出願は、各個別の刊行物または特許出願が具体的にそして個別に参考として援用されるように、本明細書中において参考として援用される。いずれの刊行物の引用も、出願日に先立った開示ためのものであり、そして本発明が先行発明に基くこのような刊行物に先んじて権利が与えられないことの承認として解釈されるべきではない。
【0220】
本発明を、理解の明快さの目的のための説明および実施例においてに幾分詳細に記載したが、特定の変化および改変が添付の請求項の精神および範囲から逸脱することなく行われ得ることが、本発明の教示のもと当業者にとって容易に明らかである。
【0221】
(寄託情報)以下の物質はAmerican Type Culture Collection(CMCC=Chiron Master Culture Collection)に寄託した。
【0222】
【表3】
Figure 2004502406
【0223】
さらに、選択されたクローンのプール、ならびに特定のクローンを含むライブラリーに、「ES」番号(内部参照)を割り当て、そしてATCCに寄託した。表7(明細書末尾)は、ES寄託物のATCCの登録番号をおよび内部参照(CMCC番号)(全て本出願の出願日またはそれ以前に寄託された)を提供する。これらの寄託物の各々の中に含まれるクローンの名前が表8で(明細書末尾)される。
【0224】
上記の物質は、示された登録番号のもと、American Type Culture Collection,Rockville,Marylandに寄託された。これらの寄託物は特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の規約の下で維持される。これらの寄託物は、特許発行後の少なくとも30年間またはこの特許の実施期間のいずれかの長い方の間維持される。特許が与えられたときに、寄託された物質の公の利用可能性に対する制限の全ては、取り消し不能に取り除かれる。
【0225】
本明細書中に記載されたこれらの寄託物を、単に当業者に対する便宜のために提供され、そして寄託物が35U.S.C§112の下で必要とされることの承認ではない。寄託した物質に含まれるポリヌクレオチドの配列、ならびにこれによってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列は、参考として本明細書中で援用され、そして本明細書中の配列の記載に矛盾する場合に照合するものである。ライセンスが、寄託された物質を作製し、使用し、販売するには必要とされ得、そのようなライセンスが本明細書によって付与されない。
【0226】
(プールされたクローンの寄託物からの個々のクローンの検索)
ATCC寄託物はcDNAのクローンのプールまたはcDNAクローンライブラリーからなる場合、この寄託物は初めに各クローンを別個の細菌細胞へとトランスフェクトすることより調製された。次いで、プールまたはライブラリー内のクローンが、混成寄託物における等しい混合物のプールとして寄託された。特定のクローンは当該分野において周知の方法を使用して混成寄託物から入手し得る。例えば,特定のクローンを含む細菌細胞を、以下の工程によって同定し得る:単一のコロニーを単離する工程、オリゴヌクレオチドプローブまたはクローン挿入物の配列に特異的にハイブリダイズするように設計されたプローブ(例えば、指定された配列番号を有する、コードされたポリヌクレオチドの、マスクされてない配列に基いたプローブ)を使用する標準的なコロニーハイブリダイゼーション技術を通して特定のクローンを含むコロニーを同定する工程。このプローブは約80℃のT(AまたはTの各々について2℃そしてGまたはCの各々に対して4℃が仮定される)を有するように設計されるべきである。次いで、陽性コロニーを精選して、培養物中で増殖させ、そして組換えクローンを単離する。あるいは、このような様式で設計されたプローブがPCRに対して使用され得、例えば、cDNAを、寄託された培養物プールから精製し、そしてPCR反応においてこのプローブを使用して対応する所望のポリヌクレオチド配列を有する増幅した生成物を作製する当該分野で周知の方法に従って、核酸分子がプールされたクローンから単離され得る。
【0227】
【表4】
Figure 2004502406
【0228】
Figure 2004502406
【0229】
Figure 2004502406
【0230】
Figure 2004502406
【0231】
Figure 2004502406
【0232】
Figure 2004502406
【0233】
Figure 2004502406
【0234】
Figure 2004502406
【0235】
Figure 2004502406
【0236】
Figure 2004502406
【0237】
Figure 2004502406
【0238】
Figure 2004502406
【0239】
Figure 2004502406
【0240】
Figure 2004502406
【0241】
Figure 2004502406
【0242】
Figure 2004502406
【0243】
Figure 2004502406
【0244】
Figure 2004502406
【0245】
Figure 2004502406
【0246】
Figure 2004502406
【0247】
Figure 2004502406
【0248】
Figure 2004502406
【0249】
Figure 2004502406
【0250】
Figure 2004502406
【0251】
Figure 2004502406
【0252】
Figure 2004502406
【0253】
Figure 2004502406
【0254】
Figure 2004502406
【0255】
Figure 2004502406
【0256】
Figure 2004502406
【0257】
Figure 2004502406
【0258】
Figure 2004502406
【0259】
Figure 2004502406
【0260】
Figure 2004502406
【0261】
Figure 2004502406
【0262】
Figure 2004502406
【0263】
Figure 2004502406
【0264】
Figure 2004502406
【0265】
Figure 2004502406
【0266】
Figure 2004502406
【0267】
Figure 2004502406
【0268】
Figure 2004502406
【0269】
Figure 2004502406
【0270】
Figure 2004502406
【0271】
Figure 2004502406
【0272】
Figure 2004502406
【0273】
Figure 2004502406
【0274】
Figure 2004502406
【0275】
Figure 2004502406
【0276】
Figure 2004502406
【0277】
Figure 2004502406
【0278】
Figure 2004502406
【0279】
Figure 2004502406
【0280】
Figure 2004502406
【0281】
【表5A】
Figure 2004502406
【0282】
Figure 2004502406
【0283】
Figure 2004502406
【0284】
Figure 2004502406
【0285】
Figure 2004502406
【0286】
Figure 2004502406
【0287】
Figure 2004502406
【0288】
Figure 2004502406
【0289】
Figure 2004502406
【0290】
Figure 2004502406
【0291】
Figure 2004502406
【0292】
Figure 2004502406
【0293】
Figure 2004502406
【0294】
Figure 2004502406
【0295】
Figure 2004502406
【0296】
Figure 2004502406
【0297】
Figure 2004502406
【0298】
Figure 2004502406
【0299】
Figure 2004502406
【0300】
Figure 2004502406
【0301】
Figure 2004502406
【0302】
Figure 2004502406
【0303】
Figure 2004502406
【0304】
Figure 2004502406
【0305】
Figure 2004502406
【0306】
Figure 2004502406
【0307】
Figure 2004502406
【0308】
Figure 2004502406
【0309】
Figure 2004502406
【0310】
Figure 2004502406
【0311】
Figure 2004502406
【0312】
Figure 2004502406
【0313】
Figure 2004502406
【0314】
Figure 2004502406
【0315】
Figure 2004502406
【0316】
Figure 2004502406
【0317】
Figure 2004502406
【0318】
Figure 2004502406
【0319】
Figure 2004502406
【0320】
Figure 2004502406
【0321】
Figure 2004502406
【0322】
Figure 2004502406
【0323】
Figure 2004502406
【0324】
Figure 2004502406
【0325】
Figure 2004502406
【0326】
Figure 2004502406
【0327】
Figure 2004502406
【0328】
Figure 2004502406
【0329】
Figure 2004502406
【0330】
Figure 2004502406
【0331】
Figure 2004502406
【0332】
Figure 2004502406
【0333】
Figure 2004502406
【0334】
Figure 2004502406
【0335】
Figure 2004502406
【0336】
Figure 2004502406
【0337】
Figure 2004502406
【0338】
Figure 2004502406
【0339】
Figure 2004502406
【0340】
Figure 2004502406
【0341】
Figure 2004502406
【0342】
Figure 2004502406
【0343】
Figure 2004502406
【0344】
Figure 2004502406
【0345】
Figure 2004502406
【0346】
Figure 2004502406
【0347】
Figure 2004502406
【0348】
Figure 2004502406
【0349】
Figure 2004502406
【0350】
Figure 2004502406
【0351】
Figure 2004502406
【0352】
Figure 2004502406
【0353】
Figure 2004502406
【0354】
Figure 2004502406
【0355】
Figure 2004502406
【0356】
Figure 2004502406
【0357】
Figure 2004502406
【0358】
Figure 2004502406
【0359】
Figure 2004502406
【0360】
Figure 2004502406
【0361】
Figure 2004502406
【0362】
Figure 2004502406
【0363】
Figure 2004502406
【0364】
Figure 2004502406
【0365】
Figure 2004502406
【0366】
Figure 2004502406
【0367】
Figure 2004502406
【0368】
Figure 2004502406
【0369】
Figure 2004502406
【0370】
Figure 2004502406
【0371】
Figure 2004502406
【0372】
Figure 2004502406
【0373】
Figure 2004502406
【0374】
Figure 2004502406
【0375】
Figure 2004502406
【0376】
Figure 2004502406
【0377】
Figure 2004502406
【0378】
Figure 2004502406
【0379】
Figure 2004502406
【0380】
【表5B】
Figure 2004502406
【0381】
Figure 2004502406
【0382】
Figure 2004502406
【0383】
Figure 2004502406
【0384】
Figure 2004502406
【0385】
Figure 2004502406
【0386】
Figure 2004502406
【0387】
Figure 2004502406
【0388】
Figure 2004502406
【0389】
Figure 2004502406
【0390】
Figure 2004502406
【0391】
Figure 2004502406
【0392】
Figure 2004502406
【0393】
Figure 2004502406
【0394】
Figure 2004502406
【0395】
Figure 2004502406
【0396】
Figure 2004502406
【0397】
Figure 2004502406
【0398】
Figure 2004502406
【0399】
Figure 2004502406
【0400】
Figure 2004502406
【0401】
Figure 2004502406
【0402】
Figure 2004502406
【0403】
Figure 2004502406
【0404】
Figure 2004502406
【0405】
Figure 2004502406
【0406】
Figure 2004502406
【0407】
Figure 2004502406
【0408】
Figure 2004502406
【0409】
Figure 2004502406
【0410】
Figure 2004502406
【0411】
Figure 2004502406
【0412】
Figure 2004502406
【0413】
Figure 2004502406
【0414】
Figure 2004502406
【0415】
Figure 2004502406
【0416】
Figure 2004502406
【0417】
Figure 2004502406
【0418】
Figure 2004502406
【0419】
Figure 2004502406
【0420】
Figure 2004502406
【0421】
Figure 2004502406
【0422】
Figure 2004502406
【0423】
Figure 2004502406
【0424】
Figure 2004502406
【0425】
Figure 2004502406
【0426】
Figure 2004502406
【0427】
Figure 2004502406
【0428】
Figure 2004502406
【0429】
Figure 2004502406
【0430】
Figure 2004502406
【0431】
Figure 2004502406
【0432】
Figure 2004502406
【0433】
Figure 2004502406
【0434】
Figure 2004502406
【0435】
Figure 2004502406
【0436】
Figure 2004502406
【0437】
Figure 2004502406
【0438】
Figure 2004502406
【0439】
Figure 2004502406
【0440】
Figure 2004502406
【0441】
Figure 2004502406
【0442】
Figure 2004502406
【0443】
Figure 2004502406
【0444】
Figure 2004502406
【0445】
Figure 2004502406
【0446】
Figure 2004502406
【0447】
【表6】
Figure 2004502406
【0448】
Figure 2004502406
【0449】
Figure 2004502406
【0450】
Figure 2004502406
【0451】
Figure 2004502406
【0452】
Figure 2004502406
【0453】
Figure 2004502406
【0454】
Figure 2004502406
【0455】
Figure 2004502406
【0456】
Figure 2004502406
【0457】
Figure 2004502406
【0458】
Figure 2004502406
【0459】
Figure 2004502406
【0460】
Figure 2004502406
【0461】
Figure 2004502406
【0462】
Figure 2004502406
【0463】
Figure 2004502406
【0464】
Figure 2004502406
【0465】
Figure 2004502406
【0466】
Figure 2004502406
【0467】
Figure 2004502406
【0468】
Figure 2004502406
【0469】
Figure 2004502406
【0470】
Figure 2004502406
【0471】
Figure 2004502406
【0472】
Figure 2004502406
【0473】
Figure 2004502406
【0474】
Figure 2004502406
【0475】
Figure 2004502406
【0476】
Figure 2004502406
【0477】
Figure 2004502406
【0478】
Figure 2004502406
【0479】
Figure 2004502406
【0480】
Figure 2004502406
【0481】
Figure 2004502406
【0482】
Figure 2004502406
【0483】
Figure 2004502406
【0484】
Figure 2004502406
【0485】
Figure 2004502406
【0486】
Figure 2004502406
【0487】
Figure 2004502406
【0488】
Figure 2004502406
【0489】
Figure 2004502406
【0490】
Figure 2004502406
【0491】
Figure 2004502406
【0492】
Figure 2004502406
【0493】
Figure 2004502406
【0494】
Figure 2004502406
【0495】
Figure 2004502406
【0496】
Figure 2004502406
【0497】
Figure 2004502406
【0498】
Figure 2004502406
【0499】
Figure 2004502406
【0500】
Figure 2004502406
【0501】
Figure 2004502406
【0502】
Figure 2004502406
【0503】
Figure 2004502406
【0504】
Figure 2004502406
【0505】
Figure 2004502406
【0506】
Figure 2004502406
【0507】
Figure 2004502406
【0508】
Figure 2004502406
【0509】
Figure 2004502406
【0510】
Figure 2004502406
【0511】
Figure 2004502406
【0512】
Figure 2004502406
【0513】
Figure 2004502406
【0514】
Figure 2004502406
【0515】
Figure 2004502406
【0516】
Figure 2004502406
【0517】
Figure 2004502406
【0518】
Figure 2004502406
【0519】
Figure 2004502406
【0520】
Figure 2004502406
【0521】
Figure 2004502406
【0522】
Figure 2004502406
【0523】
Figure 2004502406
【0524】
Figure 2004502406
【0525】
Figure 2004502406
【0526】
Figure 2004502406
【0527】
Figure 2004502406
【0528】
Figure 2004502406
【0529】
Figure 2004502406
【0530】
Figure 2004502406
【0531】
Figure 2004502406
【0532】
Figure 2004502406
【0533】
Figure 2004502406
【0534】
Figure 2004502406
【0535】
Figure 2004502406
【0536】
Figure 2004502406
【0537】
Figure 2004502406
【0538】
Figure 2004502406
【0539】
Figure 2004502406
【0540】
Figure 2004502406
【0541】
Figure 2004502406
【0542】
Figure 2004502406
【0543】
Figure 2004502406
【0544】
Figure 2004502406
【0545】
Figure 2004502406
【0546】
Figure 2004502406
【0547】
Figure 2004502406
【0548】
Figure 2004502406
【0549】
Figure 2004502406
【0550】
Figure 2004502406
【0551】
Figure 2004502406
【0552】
Figure 2004502406
【0553】
Figure 2004502406
【0554】
Figure 2004502406
【0555】
Figure 2004502406
【0556】
Figure 2004502406
【0557】
Figure 2004502406
【0558】
Figure 2004502406
【0559】
Figure 2004502406
【0560】
Figure 2004502406
【0561】
Figure 2004502406
【0562】
Figure 2004502406
【0563】
Figure 2004502406
【0564】
Figure 2004502406
【0565】
Figure 2004502406
【0566】
Figure 2004502406
【0567】
Figure 2004502406
【0568】
Figure 2004502406
【0569】
Figure 2004502406
【0570】
Figure 2004502406
【0571】
Figure 2004502406
【0572】
Figure 2004502406
【0573】
Figure 2004502406
【0574】
Figure 2004502406
【0575】
Figure 2004502406
【0576】
Figure 2004502406
【0577】
Figure 2004502406
【0578】
Figure 2004502406
【0579】
Figure 2004502406
【0580】
Figure 2004502406
【0581】
Figure 2004502406
【0582】
Figure 2004502406
【0583】
Figure 2004502406
【0584】
Figure 2004502406
【0585】
Figure 2004502406
【0586】
Figure 2004502406
【0587】
Figure 2004502406
【0588】
Figure 2004502406
【0589】
Figure 2004502406
【0590】
Figure 2004502406
【0591】
Figure 2004502406
【0592】
Figure 2004502406
【0593】
Figure 2004502406
【0594】
Figure 2004502406
【0595】
Figure 2004502406
【0596】
Figure 2004502406
【0597】
Figure 2004502406
【0598】
Figure 2004502406
【0599】
Figure 2004502406
【0600】
Figure 2004502406
【0601】
Figure 2004502406
【0602】
Figure 2004502406
【0603】
Figure 2004502406
【0604】
Figure 2004502406
【0605】
Figure 2004502406
【0606】
Figure 2004502406
【0607】
Figure 2004502406
【0608】
Figure 2004502406
【0609】
Figure 2004502406
【0610】
Figure 2004502406
【0611】
Figure 2004502406
【0612】
Figure 2004502406
【0613】
Figure 2004502406
【0614】
Figure 2004502406
【0615】
Figure 2004502406
【0616】
Figure 2004502406
【0617】
Figure 2004502406
【0618】
Figure 2004502406
【0619】
Figure 2004502406
【0620】
Figure 2004502406
【0621】
Figure 2004502406
【0622】
Figure 2004502406
【0623】
Figure 2004502406
【0624】
Figure 2004502406
【0625】
Figure 2004502406
【0626】
Figure 2004502406
【0627】
Figure 2004502406
【0628】
Figure 2004502406
【0629】
Figure 2004502406
【0630】
Figure 2004502406
【0631】
Figure 2004502406
【0632】
Figure 2004502406
【0633】
Figure 2004502406
【0634】
Figure 2004502406
【0635】
Figure 2004502406
【0636】
Figure 2004502406
【0637】
Figure 2004502406
【0638】
Figure 2004502406
【0639】
Figure 2004502406
【0640】
Figure 2004502406
【0641】
Figure 2004502406
【0642】
Figure 2004502406
【0643】
Figure 2004502406
【0644】
Figure 2004502406
【0645】
Figure 2004502406
【0646】
Figure 2004502406
【0647】
Figure 2004502406
【0648】
Figure 2004502406
【0649】
Figure 2004502406
【0650】
Figure 2004502406
【0651】
Figure 2004502406
【0652】
Figure 2004502406
【0653】
Figure 2004502406
【0654】
Figure 2004502406
【0655】
Figure 2004502406
【0656】
Figure 2004502406
【0657】
Figure 2004502406
【0658】
Figure 2004502406
【0659】
Figure 2004502406
【0660】
Figure 2004502406
【0661】
Figure 2004502406
【0662】
Figure 2004502406
【0663】
Figure 2004502406
【0664】
Figure 2004502406
【0665】
Figure 2004502406
【0666】
Figure 2004502406
【0667】
Figure 2004502406
【0668】
Figure 2004502406
【0669】
Figure 2004502406
【0670】
Figure 2004502406
【0671】
Figure 2004502406
【0672】
Figure 2004502406
【0673】
Figure 2004502406
【0674】
Figure 2004502406
【0675】
Figure 2004502406
【0676】
Figure 2004502406
【0677】
Figure 2004502406
【0678】
Figure 2004502406
【0679】
Figure 2004502406
【0680】
Figure 2004502406
【0681】
Figure 2004502406
【0682】
Figure 2004502406
【0683】
Figure 2004502406
【0684】
Figure 2004502406
【0685】
Figure 2004502406
【0686】
Figure 2004502406
【0687】
Figure 2004502406
【0688】
Figure 2004502406
【0689】
Figure 2004502406
【0690】
Figure 2004502406
【0691】
Figure 2004502406
【0692】
Figure 2004502406
【0693】
Figure 2004502406
【0694】
Figure 2004502406
【0695】
Figure 2004502406
【0696】
Figure 2004502406
【0697】
Figure 2004502406
【0698】
Figure 2004502406
【0699】
Figure 2004502406
【0700】
Figure 2004502406
【0701】
Figure 2004502406
【0702】
Figure 2004502406
【0703】
Figure 2004502406
【0704】
Figure 2004502406
【0705】
【表7】
Figure 2004502406
【0706】
【表8】
Figure 2004502406
【0707】
Figure 2004502406
【0708】
Figure 2004502406
【0709】
Figure 2004502406
【0710】
Figure 2004502406
【0711】
Figure 2004502406
【0712】
Figure 2004502406
【0713】
Figure 2004502406
【0714】
Figure 2004502406
【0715】
Figure 2004502406
【0716】
Figure 2004502406
【0717】
Figure 2004502406
【0718】
Figure 2004502406
【0719】
Figure 2004502406
【0720】
Figure 2004502406
【0721】
Figure 2004502406
【0722】
Figure 2004502406
【0723】
Figure 2004502406
【0724】
Figure 2004502406
【0725】
Figure 2004502406
【0726】
Figure 2004502406
【0727】
Figure 2004502406
【0728】
Figure 2004502406
【0729】
Figure 2004502406
【0730】
Figure 2004502406
【0731】
Figure 2004502406
【0732】
Figure 2004502406
【0733】
【表9】
Figure 2004502406
【0734】
Figure 2004502406
【0735】
Figure 2004502406
【0736】
Figure 2004502406
【0737】
Figure 2004502406
【0738】
【表10】
Figure 2004502406
【0739】
Figure 2004502406
【0740】
Figure 2004502406
【0741】
【表11】
Figure 2004502406
【0742】
Figure 2004502406
【0743】
Figure 2004502406
【0744】
【表12】
Figure 2004502406
【0745】
Figure 2004502406
【0746】
Figure 2004502406
【0747】
【表13】
Figure 2004502406
【0748】
Figure 2004502406
【0749】
Figure 2004502406
【0750】
【表14】
Figure 2004502406
【0751】
Figure 2004502406
【0752】
Figure 2004502406

Claims (15)

  1. 配列番号1〜2396からなる群より選択される配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む単離されたポリヌクレオチド。
  2. 単離されたポリヌクレオチドであって、以下:
    配列番号1〜2396、配列番号1〜2396の縮重改変体、配列番号1〜2396のアンチセンス、および配列番号1〜2396の相補体、
    からなる群より選択された配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するヌクレオチド配列の少なくとも15個の連続したヌクレオチドを含む、単離されたポリヌクレオチド。
  3. ATCC寄託番号xxのクローン番号xxとして寄託されたクローンに含まれる挿入物のヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチド。
  4. 配列番号1〜2396からなる群より選択された配列のヌクレオチド配列のうち少なくとも15個連続したヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを使用する増幅プロセスにより得られる、単離されたcDNA。
  5. 増幅がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅による、請求項4に記載の単離されたcDNA。
  6. 請求項1、2、3または4に記載のポリヌクレオチドを含む、単離された組換え宿主細胞。
  7. 請求項1、2、3、または4に記載のポリヌクレオチドを含む、単離されたベクター。
  8. ポリペプチドを生成するための方法であって、該方法は以下の工程:
    請求項1、2、3または4に記載のポリヌクレオチドを含む組換え宿主細胞を培養する工程であって、該培養する工程はコードされるポリペプチドの発現に適切な条件下にある、工程;
    該宿主細胞培養物から該ポリペプチドを回収する工程、
    を包含する、方法。
  9. 請求項1、2、3、または4に記載のポリヌクレオチドによってコードされる、単離されたポリペプチド。
  10. 請求項9に記載のポリペプチドに特異的に結合する、抗体。
  11. 哺乳動物細胞の癌状態に相関して差次的に発現される遺伝子の検出方法であって、該方法が以下の工程:
    癌状態であると推測される細胞由来の試験サンプル中の少なくとも1つの差次的発現をする遺伝子産物を検出する工程であって、該遺伝子産物は遺伝子によりコードされる工程を包含し、配列番号1〜2396のうち少なくとも1つの同定している配列を含み、
    ここで、該差次的に発現される遺伝子産物の検出が、該試験サンプルが由来する細胞の癌状態と相関する、方法。
  12. 前記ポリヌクレオチドの少なくとも1つが、請求項1、2、3または4に記載のポリヌクレオチドの配列情報を含む、ポリヌクレオチドのライブラリー。
  13. 前記ライブラリーが核酸アレイで提供される、請求項12に記載のライブラリー。
  14. 前記ライブラリーがコンピュータ読取り可能形式で提供される、請求項12に記載のライブラリー。
  15. 遺伝子産物の発現を調節することよって腫瘍増殖を阻害する方法であって、該遺伝子産物が配列番号1〜2396からなる群より選択される配列によって同定される遺伝子によってコードされる、方法。
JP2001565907A 2000-03-09 2001-03-09 ヒト遺伝子およびヒト遺伝子発現産物 Withdrawn JP2004502406A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US18860900P 2000-03-09 2000-03-09
PCT/US2001/007787 WO2001066753A2 (en) 2000-03-09 2001-03-09 Human genes and gene expression products

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004502406A true JP2004502406A (ja) 2004-01-29

Family

ID=22693853

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001565907A Withdrawn JP2004502406A (ja) 2000-03-09 2001-03-09 ヒト遺伝子およびヒト遺伝子発現産物

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20030044783A1 (ja)
EP (1) EP1263956A2 (ja)
JP (1) JP2004502406A (ja)
AU (1) AU2001245619A1 (ja)
WO (1) WO2001066753A2 (ja)

Families Citing this family (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6858386B1 (en) 1998-05-21 2005-02-22 Diadexus, Inc. Method of diagnosing, monitoring, staging, imaging and treating colon cancer
US6620603B1 (en) 1998-11-10 2003-09-16 Emory University Human mitogenic oxidase
US7700359B2 (en) * 2000-06-02 2010-04-20 Novartis Vaccines And Diagnostics, Inc. Gene products differentially expressed in cancerous cells
EP2336368A1 (en) * 2000-12-07 2011-06-22 Novartis Vaccines and Diagnostics, Inc. Endogenous retroviruses up-regulated in prostate cancer
US7601825B2 (en) 2001-03-05 2009-10-13 Agensys, Inc. Nucleic acid and corresponding protein entitled 121P1F1 useful in treatment and detection of cancer
US6924358B2 (en) 2001-03-05 2005-08-02 Agensys, Inc. 121P1F1: a tissue specific protein highly expressed in various cancers
US6528268B1 (en) 2001-08-03 2003-03-04 Sequenom-Gemini Limted Reagents and methods for detection of heart failure
US8021695B2 (en) * 2002-02-15 2011-09-20 Arch Personal Care Products, L.P. Personal care composition containing leghemoglobin
US20040081653A1 (en) 2002-08-16 2004-04-29 Raitano Arthur B. Nucleic acids and corresponding proteins entitled 251P5G2 useful in treatment and detection of cancer
NZ580169A (en) * 2003-10-23 2011-04-29 Illumigen Biosciences Inc Detection of mutations in a gene associated with resistance to viral infection, OAS1 (SEQ ID NO:48)
AU2004283294B2 (en) * 2003-10-23 2011-03-17 Kineta Two, Llc Detection of mutations in a gene associated with resistance to viral infection, OAS1
US20060063184A1 (en) * 2004-09-09 2006-03-23 Felix Carolyn A Compositions and methods for the detection of DNA topoisomerase II complexes with DNA
UA95446C2 (ru) * 2005-05-04 2011-08-10 Іллюміджен Байосайєнсіз, Інк. Мутаци в генах oas1
FR2892730A1 (fr) * 2005-10-28 2007-05-04 Biomerieux Sa Methode pour detecter la presence ou le risque de developper un cancer
WO2007048978A2 (fr) * 2005-10-28 2007-05-03 Biomerieux Sa Procede de detection du cancer
US8338109B2 (en) 2006-11-02 2012-12-25 Mayo Foundation For Medical Education And Research Predicting cancer outcome
EP2806054A1 (en) 2008-05-28 2014-11-26 Genomedx Biosciences Inc. Systems and methods for expression-based discrimination of distinct clinical disease states in prostate cancer
US10407731B2 (en) 2008-05-30 2019-09-10 Mayo Foundation For Medical Education And Research Biomarker panels for predicting prostate cancer outcomes
US20130267443A1 (en) 2010-11-19 2013-10-10 The Regents Of The University Of Michigan ncRNA AND USES THEREOF
US20150284802A1 (en) 2010-11-19 2015-10-08 The Regents Of The University Of Michigan ncRNA AND USES THEREOF
US10513737B2 (en) 2011-12-13 2019-12-24 Decipher Biosciences, Inc. Cancer diagnostics using non-coding transcripts
DK3435084T3 (da) 2012-08-16 2023-05-30 Mayo Found Medical Education & Res Prostatakræftprognose under anvendelse af biomarkører
EP3504348B1 (en) 2016-08-24 2022-12-14 Decipher Biosciences, Inc. Use of genomic signatures to predict responsiveness of patients with prostate cancer to post-operative radiation therapy
US11208697B2 (en) 2017-01-20 2021-12-28 Decipher Biosciences, Inc. Molecular subtyping, prognosis, and treatment of bladder cancer
US11873532B2 (en) 2017-03-09 2024-01-16 Decipher Biosciences, Inc. Subtyping prostate cancer to predict response to hormone therapy
WO2018205035A1 (en) 2017-05-12 2018-11-15 Genomedx Biosciences, Inc Genetic signatures to predict prostate cancer metastasis and identify tumor agressiveness
CN110117619B (zh) * 2018-02-05 2022-10-11 中国科学院分子植物科学卓越创新中心 一种制备小菜蛾雄性不育品系的方法及其核酸
CN110835651B (zh) * 2018-08-17 2021-07-30 河南农业大学 检测鸡CDKN3基因启动子区indel复等位基因标记的引物、试剂盒及其应用

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU4414397A (en) * 1996-09-12 1998-04-02 Incyte Pharmaceuticals, Inc. Novel human cell division cycle proteins
AU6069300A (en) * 1999-07-02 2001-01-22 Chiron Corporation Novel human genes and gene expression products

Also Published As

Publication number Publication date
WO2001066753A2 (en) 2001-09-13
AU2001245619A1 (en) 2001-09-17
EP1263956A2 (en) 2002-12-11
WO2001066753A3 (en) 2002-08-15
US20030044783A1 (en) 2003-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7122373B1 (en) Human genes and gene expression products V
JP2004502406A (ja) ヒト遺伝子およびヒト遺伝子発現産物
JP2003518920A (ja) 新規なヒト遺伝子および遺伝子発現産物
US20070243176A1 (en) Human genes and gene expression products
JP2002519000A (ja) ヒト遺伝子および遺伝子発現産物ii
JP2002500010A (ja) ヒト遺伝子および遺伝子発現産物i
US20020076735A1 (en) Diagnostic and therapeutic methods using molecules differentially expressed in cancer cells
JP2011254830A (ja) 結腸癌に関するポリヌクレオチド
JP2002517244A (ja) 前立腺癌において示差的に調節される遺伝子および遺伝子発現産物
US20030065156A1 (en) Novel human genes and gene expression products I
US20030215803A1 (en) Human genes and gene expression products isolated from human prostate
JP2003530816A (ja) ヒト遺伝子および遺伝子発現産物
JP2003528630A (ja) ヒト遺伝子および発現産物
CA2430794A1 (en) Human genes and gene expression products isolated from human prostate
EP1466988A2 (en) Genes and gene expression products that are differentially regulated in prostate cancer

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080513