JP2002531179A - 吸収物品に使用するための材料構造体及びかかる材料構造体を含む吸収物品 - Google Patents

吸収物品に使用するための材料構造体及びかかる材料構造体を含む吸収物品

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JP2002531179A
JP2002531179A JP2000584934A JP2000584934A JP2002531179A JP 2002531179 A JP2002531179 A JP 2002531179A JP 2000584934 A JP2000584934 A JP 2000584934A JP 2000584934 A JP2000584934 A JP 2000584934A JP 2002531179 A JP2002531179 A JP 2002531179A
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アンナ−カリン ヨルンブリンク，
エヴァ シモンズ，
エリザベト ラクソ，
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エスシーエー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は吸収物品に使用するための材料構造体、及びかかる材料構造体を含む吸収物品に関する。材料構造体（１）は液体透過性カバー層（２）、液体不透過性カバー層（３）、及びカバー層（２，３）の間に包囲された吸収構造体（４，４′）を含む。吸収構造体（４，４′）はポリラクチド繊維又はフィラメントを含み、その特性は材料構造体（１）が繰り返し湿潤を受けるときにも吸収構造体（４，４′）中への吸収のために液体透過性カバー層（２）を通る液体の迅速取得に寄与する。本発明は様々なタイプのおむつ及び失禁ガード、衛生ナプキン、パンティライナーなどの吸収衛生物品の分野内で有利に適用されることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 技術分野 本発明は吸収物品に使用するための材料構造体、及びかかる材料構造体を含む
吸収物品に関する。本発明は様々なタイプのナプキン及び失禁ガード、衛生ナプ
キン、パンティライナー及びそれらの類似物品の如き吸収衛生物品の分野内で有
利に適用されることができる。
【０００２】 発明の背景 使い捨て吸収物品に関して、排泄された体液の吸収のための良好な特性を得る
ために従来から多くの努力がなされている。この理由のため、それらの前側上に
、問題のタイプの吸収物品は特別な液体透過性前側層を与えられている。その層
は迅速な液体取得のため及び体液の繰り返し吸収後も使用者の方に面する物品の
側上に乾燥表面を与えるために設計されている。通常、この効果は前側材料を通
る液体取得のために好適に設計された開口を与えることによって及び排泄された
体液を容易に吸収しないが代わりに体液を吸収構造体の下にある層に通過させる
前側材料におけるポリマー材料を選択することによって達成される。
【０００３】 それらの後側上に、問題のタイプの吸収物品は液体不透過性後側材料を通常与
えられ、その材料は排泄された体液が使用者の衣服に染み込み汚すことを防止す
る。
【０００４】 吸収物品の従来の前側及び後側材料は合成ポリマーの不織又はフィルム材料を
通常含む。それらの材料は原油に基づいており、短期間で生分解できない。
【０００５】 埋立てによるごみ処理、時には堆肥化が使用後の使い捨て吸収物品を処分する
ために利用されているので、吸収構造体及び物品の前側及び後側材料に通常含ま
れる合成ポリマーのために短期間に生分解できる代替材料を見つける努力が従来
からなされている。
【０００６】 従って、国際特許出願No. ＰＣＴ／ＵＳ９０／０７１６９は前側及び／又は後
側材料が乳酸又はグリコール酸に基づくポリエステルを含む使い捨て吸収構造体
及び吸収物品を開示する。利用されるポリエステルは例えば埋立てによるごみ処
理において単純な加水分解によって分解できるように設計される。
【０００７】 さらに、日本特許出願ＪＰ９３−０２２１０９は１００℃より高い融点を有す
る生分解可能な熱可塑性ポリマーを開示する。そのポリマーはポリ−３−ヒドロ
キシ−プロピオネート（又は−ブチレート、−カプレオレート、−ヘプタノエー
ト又は−オクタノエート）及びそのコポリマー、ポリ−ガンマ−ブチロラクトン
、ポリエチレンスクシネート、ポリブチレンスクシネート、ポリネオペンチルス
クシネート（又は−オキサレート）、ポリグリコリド、ポリラクチド及びそれら
のコポリマー又は混合物を含むことが好ましいことが述べられている。生分解可
能なポリマーのステープル繊維は使い捨ておむつ又は衛生ナプキンのための表面
材料に、又は衛生用途のための他の材料に有用であることがクレームされている
。ＪＰ９３−０２２１０９に開示された生分解可能なステープル繊維は８０℃よ
り高い温度に抵抗性があり、疎水性、熱溶融性で、環境影響によって使用後に完
全に生分解できることがクレームされている。
【０００８】 前述から明らかなように、吸収物品、例えば幼児又は失禁症の大人のためのお
むつ又は用便練習用パンツ、失禁ガード、衛生ナプキン、パンティライナーなど
は物品使用時に使用者の方に面することを意図される物品の側上に液体透過性カ
バー層を通常含む。物品使用時に使用者から離れて面することを意図される物品
の側上に、吸収物品は液体不透過性カバー層を与えられ、液体透過性カバー層及
び液体不透過性カバー層は吸収構造体を一緒に包囲する。吸収構造体は吸収芯を
含み、それは高吸収ポリマー、いわゆる超吸収材を添加したセルロース毛羽パル
プから通常なる。
【０００９】 吸収芯と液体透過性カバー層の間に、高い湿潤性を有する多孔質開放詰物構造
体からなることができる液体取得層が通常与えられる。外側上の液体透過性カバ
ー層の高い表面乾燥性及び迅速な液体取得を得るために、液体取得層は高い親水
性、結果として吸収される液体に対する低い接触角を示すことが重要である。高
い親水性は親水性繊維、例えばビスコース繊維又はライオセル（lyocell）繊維
から液体取得層を製造することによって得られることができる。かかる再生セル
ロース繊維を伴う構造体は湿潤すると崩壊する傾向を有するので、かかる合成繊
維が液体取得層のために実際には望ましくない高い固有の疎水性を示すという事
実にかかわらず、液体取得層中に利用又は混合されることが多い。
【００１０】 従来の合成繊維を含む液体取得層の湿潤性を改良するため、即ち親水性を増大
させるために、合成繊維又は液体取得層全体は好適な界面活性剤で通常処理され
る。かかる界面活性剤処理の結果として生じうる欠点は一定の界面活性剤が特に
高い添加レベルで敏感な使用者の皮膚に刺激を与えるかもしれないことである。
かかる界面活性剤処理による従来公知の別の問題は湿潤性が体液での繰り返し湿
潤後に損なわれること、即ち界面活性剤処理によって得られた親水性が永久でな
いことである。
【００１１】 吸収物品の材料構造体中の異なる材料層の間の最大液体輸送を得るために、材
料層は互いに最も近くでできるだけ接触されるべきである。それによって、材料
層を結合するための接着剤の使用は湿潤性を損なう場合がある。なぜならば問題
の接着剤のタイプは通常疎水性を有するからである。この理由のため、材料層中
に含まれる熱可塑性繊維の熱結合は接着剤結合より好まれる。従来の合成繊維の
熱結合での欠点として認識されているものは含まれるポリマーが熱的に結合する
ことができるためには相対的に高い温度、通常１００℃よりかなり高い温度を要
求することである。吸収物品のための材料構造体を製造するとき、かかる高温は
例えば吸収芯に含まれるセルロース繊維の湿潤性を損なわずに達成することは困
難である。
【００１２】 前述から明らかなように、従来の合成繊維での別の欠点はそれらが短期間で生
分解できず、しかも短期間で更新できない原料に基づくことである。
【００１３】 発明の概要 従って、本発明の第１目的は吸収物品に使用するための材料構造体を提供する
ことであり、その材料構造体は界面活性剤の添加が全くないか又はほんの少し添
加されるだけで高い透過性の液体取得能力を有する吸収構造体を含む。
【００１４】 請求項１によれば、本発明のこの第１目的は液体透過性カバー層、液体不透過
性カバー層、及び前記カバー層の間に包囲された吸収構造体を含む材料構造体に
おいて、吸収構造体がポリラクチド繊維又はフィラメントを含み、その特性が材
料構造体が繰り返し湿潤を受けるときにも吸収構造体中への吸収のために液体透
過性カバー層を通る液体の迅速取得に寄与することを特徴とする材料構造体によ
って達成される。
【００１５】 本発明の第２目的は液体取得層を有する吸収物品に使用するための材料構造体
を提供することであり、それは別個の接着剤を用いずに相対的に低い温度で熱結
合によって下にある液体分配及び／又は液体貯蔵層に液体取得層を介して液体透
過性カバー層を結合することができ、材料構造体に含まれる層間の改善された接
触及び液体輸送を提供する。その材料構造体では液体取得層は短期間で高い生分
解性をも提供する。
【００１６】 請求項２によれば、本発明のこの第２目的は液体透過性カバー層の最も近くに
位置される液体取得層、及び液体不透過性カバー層の最も近くに位置される少な
くとも一つの液体分配及び／又は液体貯蔵層を含み、液体取得層がポリラクチド
繊維又はフィラメントから主に構成される吸収構造体によって達成される。
【００１７】 本発明の第３目的は液体透過性カバー層が繰り返し湿潤後も乾燥したままであ
るために使用者が皮膚炎症を受ける危険が全くなしに使用者の高い快適性を与え
、しかも使用時に高い液体取得能力を与える吸収物品を提供することである。
【００１８】 請求項９によれば、本発明のこの第３目的は液体透過性カバー層、液体不透過
性カバー層、及び前記カバー層の間に包囲された吸収構造体を含む吸収物品であ
って、吸収構造体がポリラクチド繊維又はフィラメントを含み、その特性が物品
が繰り返し湿潤を受けるときにも吸収構造体中への吸収のために液体透過性カバ
ー層を通る液体の迅速取得に寄与する吸収物品によって達成される。
【００１９】 本発明のさらなる目的は以下の記述から明らかになるだろう。添付される従属
請求項はこれらのさらなる目的がどのようにして達成されるかを規定する。
【００２０】 図面の簡単な記述 以下において、本発明は添付図面を参照して記載されるだろう。 図１は本発明による材料構造体の好ましい例の概略的横断面図を示す。 図２は本発明の好ましい例による吸収物品の概略的透視図を示し、その物品で
は図１に示された材料構造体が含まれ、図に描かれた横断面が点線で示されてい
る。
【００２１】 実施例１ − 単一繊維についての接触角測定 本発明を説明するために、当業者に良く知られている装置を使用して、吸収物
品に使用するための材料構造体において液体取得層として使用されることを意図
される二つの異なる不織材料から単一繊維についての接触角の一連の測定を行っ
た。
【００２２】 測定はWilhelmyの方法を使用して行われ、接触角は米国, CaliforniaのCahn I
nstrumentsによって製造されたバランススケール（balance scale）を使用して
測定された。使用されたバランススケールのモデルはＤＣＡ−３２２であり、そ
こではＤＣＡは“動的接触角（Dynamic Contact Angle）”を意味する。パーソ
ナルコンピュータ、Compac 386/20は装置を制御するために利用された。パーソ
ナルコンピュータは測定データを記録するため及び続く計算を実施するためにも
利用された。
【００２３】 上述の装置での測定は極度に敏感なバランススケールにおいて繊維を垂直につ
り下げることによって行われ、そこでは液体容器は繊維のちょうど下で移動でき
るテーブル上に置かれる。テーブルを上昇することによって、液体表面は最終的
に繊維と接触させるために近づけられる。垂直力で部分的に浸漬された繊維上に
作用する液体メニスカスは繊維が液体中に浸漬されるときに繊維のまわりに形成
される。
【００２４】 繊維に作用する垂直力は液体及び繊維の表面特性によって正又は負であること
ができる。引力、即ち正の力は繊維と液体の間の接触角が９０°より小さいとき
に作られる。繊維−液体システムが９０°より大きい接触角を示す場合（例えば
ポリプロピレン繊維が水に浸漬される場合）には、液体及び繊維は互いに反発し
、力は負になる。バランススケール上での読みを記録することによって、引力又
は反発力が測定されることができる。
【００２５】 バランススケールによって測定される引力又は反発力は下記に従う接触角に関
係する： Ｆ＝γＬｐ ｃｏｓθ＋ｍｇ−ρＬｌｇＡ 式中、Ｆ＝測定された力［Ｎ］ γＬ＝液体の表面エネルギー［Ｊ／ｍ２］ ｐ＝繊維周囲［ｍ］ θ＝境界表面繊維−液体−空気における接触角［°］ ｍ＝装着された繊維の重量［ｋｇ］ ｇ＝重力定数［ｍ／ｓ２］ ρＬ＝液体濃度［ｋｇ／ｍ３］ ｌ＝湿潤された繊維長さ［ｍ］ Ａ＝繊維の横断面積［ｍ２］
【００２６】 式中の接触角は繊維の周囲全体から計算された平均値に関係する。式中の第２
項は装着された繊維の重量を表し、式中の第３項は置き換えられた液体体積から
生じる繊維重量の減少である。通常これらの項はともに下記のように単純化され
る式で行われる接触角決定のためのコンピュータ計算プログラムにおいて考慮さ
れる。 Ｆ＝γＬｐ ｃｏｓθ
【００２７】 前進する接触角θａの値は繊維が液体中に浸漬されるときに決定され、一方後
退する接触角θｒは繊維が液体から引き出されるときに決定される。接触角θａ ，θｒは液体前部の速度に依存するので、上述の可動テーブルが一定速度で上昇
及び下降すること、及びシステムが測定中に各点において平衡に達成するために
十分に低い速度であることが重要である。さらに、試料室において規定された温
度及び湿度でかつ空気の流入、ダストなどが測定を乱すことを防止する可動テー
ブルのまわりの保護スクリーンを与えて、測定が実施される。さらに、可動テー
ブルは振動から保護される支持体上に置かれる。
【００２８】 測定のために利用されたバランススケールは三つのスケールを有し、それらの
うち二つは異なる測定精度を与え、第３のものは釣合重りで風袋を計るために利
用される。
【００２９】 問題の測定では、最高測定精度（即ち１０−６ｇ）を有するスケールが利用さ
れた。
【００３０】 液体容器が置かれるテーブルは電気モーターによって上昇及び下降され、そこ
ではテーブルのスピードは接続されたコンピュータによって制御され、測定開始
前にコンピュータディスプレイ上に表示されることができる。測定開始前に、利
用された液体の表面エネルギー及び繊維周囲はコンピュータの計算プログラムに
供給されなければならない。
【００３１】 測定を行うとき、接触角が決定されることになる繊維は繊維のない部分を残し
て接着テープの一片上に装着され、その後その付着した繊維を伴う接着テープは
最高測定精度を有するスケールにつり下げられる金属クランプにおいてクランプ
される。この前に、バランススケールは最高測定精度を有するスケールにおいて
つり下げられた金属クランプだけを用いて風袋を計られる。この後、繊維の下の
可動テーブル上に置かれた液体容器は公知の表面エネルギーを有する試験液で満
たされる。測定開始前に、繊維は液体表面に垂直に下につり下げられなければな
らず、しかもバランススケールが安定した値を示すように完全に静止しなければ
ならない。この状態が達成されると、液体容器を有するテーブルは液体表面がス
ケールにつり下げられた繊維の端から約１ｍｍのところまで上昇される。
【００３２】 測定中、コンピュータはベースラインを最初に検知し、その後テーブルは一定
の予め決められたスピードで上昇される。その場合、繊維は液体表面を通った後
も垂直に維持するために十分剛くなければならない。１又は２，３ミリメートル
の繊維が液体中に浸けられると、コンピュータはテーブルを停止するように命令
され、その後テーブルの下降が開始する。測定中、バランススケールを介して測
定されかつコンピュータによって計算された力の変化はコンピュータディスプレ
イ上に検知されることができる。測定が完了すると、前進及び後退する力曲線の
代表的部分が選択され、その後コンピュータの計算プログラムが上述のWilhelmy
の式によって所望の接触角を計算する。
【００３３】 上記方法によって、液体取得層に通常使用されるポリエステル繊維の接触角は
ポリラクチドに基づいたポリエステル繊維の接触角と比較された。
【００３４】 二つの評価された繊維（Ａ，Ｂ）は従来の商業的に入手可能なスル−エア結合
された液体取得層からのポリエステル繊維であった。かかる液体取得層は３５重
量％のポリエステル繊維（UNITIKA 4080（Ａ））及び６５重量％のポリエステル
繊維（Trevira T200（Ｂ））からなる。
【００３５】 第３の評価された繊維（Ｃ）は９９重量％のＬ−ポリラクチド及び１重量％の
Ｄ−ポリラクチドを有するポリラクチド繊維（ＰＬＡ）であった。通常、かかる
高い割合のＬ−形態は繊維を製造するときに利用される。
【００３６】 各繊維タイプ（Ａ−Ｃ）について五つの測定が行われ、その測定では繊維が接
触角θａ０及びθｒ０の測定のために水中に浸漬された。測定完了後、繊維は周
囲空気と接触した湿潤条件で５分間測定装置につり下げられたままにされ、その
後繊維は接触角θａ５及びθｒ５の測定のためにもう一度水中に浸漬された。得
られた結果は下記表から明らかである。
【００３７】繊維 θａ０ θａ５ θｒ０ θｒ５ 繊維Ａ，Unitika 4080 68° 77° 50° 50° 繊維Ｂ，Trevira T200 71° 79° 55° 54° 繊維Ｃ，ＰＬＡ 58° 73° 34° 37°
【００３８】 全ての三つの繊維が接触角測定の実施前に親水性界面活性剤で処理された。全
ての三つの繊維についてθａ５がθａｏより高い理由は界面活性剤が湿潤中に繊
維表面から少なくとも部分的に洗い流され、その結果θａ５がポリマー表面自体
を主に表すことになったためである。後退接触角θｒ０及びθｒ５がある繊維に
ついてほぼ等しいことは０分及び５分の両方の測定が本質的に同一の繊維表面で
行われていることを示す。
【００３９】 上記結果から明らかなように、特に後退接触角θｒ０及びθｒ５は二つの従来
のポリエステル繊維（Ａ及びＢ）に対してよりポリラクチド繊維（Ｃ）に対して
の方がかなり低い。従って、ポリラクチド繊維は２，３回湿潤後及び繰り返し湿
潤後の両方で従来のポリエステル繊維より高い親水性を有する。これはポリラク
チド繊維又はフィラメントを有する本発明による材料構造体に対してもし界面活
性剤が全く添加されなくても又は少量しか添加されなくても高い永続的な液体取
得能力を与える。
【００４０】 従来の合成繊維と比較したポリラクチド繊維の上記利点に加えて、上の実施例
１に開示された驚くべき効果は本発明の基礎を構成する。
【００４１】 好ましい例の詳細な記述 添付した図１には、本発明による材料構造体の好ましい例の概略的横断面図が
示されている。その構造体は失禁症の成人及び幼児のためのおむつ又は用便練習
用パンツ、失禁ガード、衛生ナプキン、パンティライナーなどの吸収物品に使用
するために意図される。図１に描かれた層厚さは全体に概略的であることに注意
されたい。
【００４２】 材料構造体１は液体透過性カバー層２、液体不透過性カバー層３、及び前記カ
バー層２，３の間に包囲された吸収構造体４，４′を含む。
【００４３】 記載された例では、液体透過性カバー層２はスパンボンド材料であるが、用途
のために好適なタイプのもの、例えば不織材料、繊維材料、スクリム材料、有孔
プラスチックフィルム、開口不織材料、又は別の好適な透過性材料からなること
ができる。液体透過性カバー層２は体液のために低い内部吸収能力を有するポリ
マーに基づくことが有利である。なぜならばカバー層２が材料構造体の繰り返し
湿潤後もできるだけ乾燥したままであることが望ましいからである。
【００４４】 記載された例では、液体不透過性カバー層３はポリエチレンフィルムであるが
、目的のために好適ないかなるタイプのもの、例えばプラスチックフィルム又は
別の液体不透過性フィルムからなることができる。
【００４５】 本発明及び好ましい例によれば、本発明による材料構造体に含まれる材料構造
体４，４′はポリラクチド繊維又はフィラメントを含む。材料構造体１を湿潤す
ると、ポリラクチド繊維（ＰＬＡ）又はフィラメントの特性は材料構造体が繰り
返し湿潤を受けた場合でも吸収構造体４，４′中への吸収のために液体透過性カ
バー層２を通る液体の迅速な取得に寄与するだろう。
【００４６】 これのための理由はＰＬＡ繊維又はフィラメントが例えばセルロース繊維又は
フィラメントとは対照的にかつ従来の合成繊維と同じ方法でそれらの剛性を維持
し、それによって吸収構造体４，４′を製造するときに設計された所望の構造も
維持するため、及びＰＬＡ繊維が原油に基づいた従来の合成繊維に対してよりか
なり良好な驚くべき湿潤特性を示すためである。それゆえ、ＰＬＡ繊維の優れた
湿潤特性は界面活性剤を全く添加しないか又は少ししか添加しなくても吸収構造
体４，４′に対して高い永続的な液体取得能力を与える。
【００４７】 本発明による材料構造体の好ましい例によれば、吸収構造体は液体取得層４′
及び一つ又は幾つかの液体分配及び／又は液体貯蔵層４を含む。液体取得層４′
は液体透過性カバー層２の最も近くに位置され、一方液体分配／液体貯蔵層４は
液体不透過性カバー層３の最も近くに位置される。
【００４８】 好ましい例では、液体取得層４′はポリラクチド繊維又はフィラメントから主
に構成され、液体分配／液体貯蔵層４は高吸収性合成ポリマー、いわゆる超吸収
材を添加したセルロース毛羽パルプを主に含有する。液体取得層４′の仕事は液
体透過性カバー層２を通って輸送される多量の液体を十分に受けることができか
つその液体を下にある液体分配及び／又は液体貯蔵層４に迅速に送ることである
。記載された例では、液体取得層４′は連続細孔構造を有する毛羽立った不織材
料であり、ポリラクチド繊維又はフィラメントから主に構成される。好ましい例
によれば、液体取得層４′は機械的ニードリングによって結合されるが、スル−
エア結合又は水噴射による結合の如き他の結合技術も有利に利用されることがで
きる。
【００４９】 液体取得層４′は層をできるだけ小さくコンパクトにするために熱結合によっ
て、特に有利にはスル−エア結合法において熱風をスル−ブローすることによっ
て有利に結合されることができる。しかしながら、前述で明らかなように、別の
好適な方法において結合された液体取得層４′を利用する本発明による材料構造
体の例も考えられる。
【００５０】 ポリラクチド以外の別のポリマーの繊維又はフィラメントが液体取得層４′に
含まれる本発明による材料構造体の例ももちろん考えられる。
【００５１】 液体取得層４′は結合不織層又は非結合多孔繊維詰物のいずれかであることが
できる。切断ＰＬＡステープル繊維及び／又は連続ＰＬＡフィラメント（いわゆ
るトウ）を有する本発明の例も考えられる。
【００５２】 本発明による材料構造体の別の例では液体分配及び／又は液体貯蔵層４もポリ
ラクチド繊維又はフィラメントを含む。この例では、ポリラクチド繊維は補強繊
維として機能することができ、それによって液体分配／液体貯蔵層４の湿潤崩壊
に対する危険を減少する。
【００５３】 本発明の別の例では、ポリラクチド繊維又はフィラメントは吸収構造体４，４
′における結合繊維として機能する。この例では、ポリラクチド繊維は液体取得
層４′内及び／又は液体分配／液体貯蔵層４内の繊維間の熱結合を与える。さら
に、ポリラクチド繊維は二つの異なる層が熱結合によって一緒に結合されるとき
に結合繊維として機能する。
【００５４】 これは例えば液体取得層４′が液体分配／液体貯蔵層４に結合されること及び
／又は液体取得層４′又は液体分配／液体貯蔵層４がその外側のカバー層２，３
に結合されることを可能にする。吸収構造体４，４′を外側のカバー層に結合す
るとき、もしカバー層２，３がある割合のポリラクチド繊維を含むなら有利であ
る。
【００５５】 ポリラクチド繊維が一つの層を結合するために又は幾つかの層を一緒に結合す
るために結合繊維として利用される例では、異なる層は例えば異なる融点を有す
る二つの異なるラクチドから形成された二構成要素繊維、ポリラクチドのコポリ
マーを含有する繊維、又は異なる特性を有する二つの異なるタイプのラクチド繊
維の混合物を含有することができる。
【００５６】 以下において、本発明による吸収物品の好ましい例は添付した図２を参照して
かつ図１に適用可能であるとき記載されるだろう。そのとき、図２に示された物
品は概略的描写にすぎないこと、及び物品が図に示されているもの以外の別の形
状又は外観を有する本発明の例が考えられることに注意されたい。
【００５７】 吸収物品５では、液体透過性カバー層２、液体不透過性カバー層３、及び前記
カバー層の間に包囲された吸収構造体４，４′を含む材料構造体１が含まれる。
【００５８】 本発明及び好ましい例によれば、吸収構造体４，４′はポリラクチド繊維又は
フィラメントを含み、その特性は物品が繰り返し湿潤を受けるときにも吸収構造
体４，４′中への吸収のために液体透過性カバー層２を通る液体の迅速取得に寄
与する。
【００５９】 上述の特徴のおかげで、吸収物品５は使用時に使用者が皮膚炎症になる危険が
全くなしに高い液体取得能力を与え、さらに高い使用者の快適性を与える。なぜ
ならば液体透過性カバー層２は繰り返し湿潤後も乾燥したままであるからである
。さらに、ポリラクチド繊維の使用は吸収物品５に対して短期間で生分解できる
材料を高い割合で与え、しかもポリラクチド繊維又はフィラメントが更新可能な
原材料に基づくので有利である。
【００６０】 従って、本発明による吸収物品５は前述に従った本発明による材料構造体１を
含み、使い捨てベビー用おむつ、用便練習用パンツ、失禁おむつ、失禁症の成人
のためのおむつパンツ、失禁ガード、衛生ナプキン、又はパンティライナーとし
て特に有利に設計される。
【００６１】 本発明は異なる例と関連して上述されたものに、又は添付図面に示されたもの
に限定されるものとしていかなる場合にも見なされるべきではなく、本発明の範
囲は請求項によって規定される。
【００６２】 さらに、本発明に従って利用されるポリラクチド繊維又はフィラメントは短期
間に分解でき、短期間に更新できかつ容易に利用可能な原材料、即ち乳酸に基づ
く。熱結合を容易にするために、利用されるポリラクチドポリマーはかなり低い
融点を有するタイプのものであることが有利である。ＰＬＡ繊維又はフィラメン
トの繊維厚さ、繊維長さ、及び繊維横断面は問題の用途に適応されなければなら
ない。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明による材料構造体の好ましい例の概略的横断面図を示す。
【図２】 本発明の好ましい例による吸収物品の概略的透視図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ａ６１Ｆ 13/53 Ａ６１Ｆ 13/18 ３３３ 13/539 ３０３ Ｂ３２Ｂ 5/02 (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｒ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ， ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，Ｋ Ｚ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ， ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，Ｓ Ｋ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 ヨルンブリンク， アンナ−カリン スウェーデン， エス−443 51 レルム， リュド ヴェステルゴルドスヴェグ 65 ビー (72)発明者 シモンズ， エヴァ スウェーデン， エス−431 66 ミョー ルンダル， ブロベルグスガタン ７ (72)発明者 ラクソ， エリザベト スウェーデン， エス−444 46 ステヌ ングスンド， タルヴィヴェルヴェーゲン 21 (72)発明者 ヒンメルマン， グニラ スウェーデン， エス−435 42 メール ンリユーケ， ザラ バックマンスヴェグ ８ Ｆターム(参考） 3B029 BA05 BA15 HA06 4C003 AA07 AA16 BA02 CA01 DA08 4C098 AA09 CC03 CC08 CC10 CC15 DD04 DD10 DD26 4F100 AK41C BA03 BA10A BA10B DG01C DG06C DG15C EC09C GB66 GB72 JD05A JD05B JD14C

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 おむつ、用便練習用パンツ、失禁ガード、衛生ナプキン、パ
    ンティライナー又はそれらの類似物品の如き吸収物品に使用するための材料構造
    体であって、前記材料構造体（１）が液体透過性カバー層（２）、液体不透過性
    カバー層（３）、及び前記カバー層（２，３）の間に包囲された吸収構造体（４
    ，４′）を含む場合において、吸収構造体（４，４′）がポリラクチド繊維又は
    フィラメントを含み、その特性が材料構造体（１）が繰り返し湿潤を受けるとき
    にも吸収構造体（４，４′）中への吸収のために液体透過性カバー層（２）を通
    る液体の迅速取得に寄与することを特徴とする材料構造体。
  2. 【請求項２】 吸収構造体（４，４′）が液体透過性カバー層（２）の最も
    近くに位置される液体取得層（４′）、及び液体不透過性カバー層（３）の最も
    近くに位置される少なくとも一つの液体分配及び／又は液体貯蔵層（４）を含み
    、前記液体取得層（４′）がポリラクチド繊維又はフィラメントから主に構成さ
    れることを特徴とする請求項１に記載の材料構造体。
  3. 【請求項３】 液体取得層（４′）が不織層又は多孔質繊維詰物を含むこと
    を特徴とする請求項２に記載の材料構造体。
  4. 【請求項４】 液体取得層（４′）が熱結合によって結合されていることを
    特徴とする請求項２又は３に記載の材料構造体。
  5. 【請求項５】 液体取得層（４′）がスル−エア結合法（through-air bind
    ing process）において熱風をスル−ブローする（through-blowing）ことによっ
    て熱結合されていることを特徴とする請求項２〜４のいずれかに記載の材料構造
    体。
  6. 【請求項６】 液体取得層（４′）が水流交絡法において水噴射でのニード
    リングによって又は機械的ニードリングによって結合されていることを特徴とす
    る請求項２又は３に記載の材料構造体。
  7. 【請求項７】 液体分配及び／又は液体貯蔵層（４）もポリラクチド繊維又
    はフィラメントを含むことを特徴とする請求項２〜６のいずれかに記載の材料構
    造体。
  8. 【請求項８】 ポリラクチド繊維又はフィラメントの一部分が吸収構造体（
    ４，４′）における結合繊維として機能することを特徴とする請求項１〜７のい
    ずれか記載の材料構造体。
  9. 【請求項９】 吸収物品であって、その吸収物品（５）において液体透過性
    カバー層（２）、液体不透過性カバー層（３）、及び前記カバー層の間に包囲さ
    れた吸収構造体（４，４′）を含む材料構造体（１）が含まれる場合において、
    吸収構造体（４，４′）がポリラクチド繊維又はフィラメントを含み、その特性
    が物品（５）が繰り返し湿潤を受けるときにも吸収構造体（４，４′）中への吸
    収のために液体透過性カバー層（２）を通る液体の迅速取得に寄与することを特
    徴とする吸収物品。
  10. 【請求項１０】 吸収物品（５）が請求項２−８のいずれかに記載の材料構
    造体（１）を含み、使い捨てベビー用おむつ、用便練習用パンツ、失禁おむつ、
    失禁症の成人のためのおむつパンツ、失禁ガード、衛生ナプキン、又はパンティ
    ライナーとして設計されていることを特徴とする請求項９に記載の吸収物品。
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