JP2002530427A - 活性タン白の連続単離方法 - Google Patents

活性タン白の連続単離方法

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JP2002530427A
JP2002530427A JP2000583943A JP2000583943A JP2002530427A JP 2002530427 A JP2002530427 A JP 2002530427A JP 2000583943 A JP2000583943 A JP 2000583943A JP 2000583943 A JP2000583943 A JP 2000583943A JP 2002530427 A JP2002530427 A JP 2002530427A
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ワルネリイ、フィリップ
ドーリイ、マール、セドリック
ジュイレルラ、マルセル、アレクサンドル
クルリエ、シモン
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ソシエテ デ プロデユイ ネツスル ソシエテ アノニム
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    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
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Abstract

(57)【要約】 本発明は活性植物物質タン白または発酵培地から活性タン白を単離する方法に関し、この方法は植物物質または発酵培地から抽出した酵素溶液に含有される活性タン白を適当な有機溶媒で単一工程で、特別の反応器で連続沈澱させることにあり、反応器の条件は非変性タン白沈澱を得るように調整し、次に沈澱は連続分離前熟成工程を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明の主題は活性タン白、特に植物または発酵培地から酵素の新規連続単離
方法および抽出装置である。
【0002】 (技術の状態) 酵素は生鮮食品のフレーバの生物発生に主要な役割を演ずる。酵素が触媒する
合成方法は食品にその味およびその特徴的香りを与える。残念なことに、食品の
包装中、これらの化合物はしばしば失われ、または熱分解し、これらを合成する
酵素は失活する。
【0003】 工業では、生鮮製品はその味およびその香りを失う。これは主として安定で、
衛生的に欠点のない製品にするために加えられる処理による。香りの原因となる
揮発性の高い分子は最初に消失し、新鮮な味の原因となるものは損われ、酵素は
失活する。その場合食品は一層容易に保存できるが真の味に欠ける。
【0004】 この問題を解決するために、合成された味増強剤が導入される。このほとんど
「天然」でない方法はこれらの製品に求める味を回復する新規方法となる傾向が
ある。このようなことは特に、果実および野菜のような植物をベースとする製品
の場合である。
【0005】 ヒュイットらが提案する1方法(米国特許第2,924,521号明細書)は
新鮮植物物質から酵素を抽出し、次に方法の終りに相当する酵素を再導入するこ
とにより食品の天然フレーバを再生することにある。植物酵素を抽出し、冷アセ
トンで数回沈澱させる。このような間欠的(バッチ)抽出方法は遅く、従って条
件は再現性が低く、低生産性となる。
【0006】 内因性酵素の有効な単離は味回復方法の鍵工程である。多数の文献が内因性植
物酵素のこのような抽出または単離方法を記載する。
【0007】 例えば、米国特許第4,728,613号明細書は不溶性油−水混合物の2相
のうちの1つに含まれる酵素を豊富化する方法を記載する。この特許明細書には
記載されていないが、酵素はやはり単離すべきである。この方法は数工程を要し
、従って遅く、たいくつする。さらに、工業的使用とは相容しない低収量であり
、これは酵素活性部分が各工程で失われるからである。
【0008】 一方、このような方法は植物酵素の連続単離はできず、他方では得られる酵素
の収量および活性は一般に非常に低い。 本発明はこれらの問題を改善することを目的とする。
【0009】 (発明の要約) このため、植物物質または発酵培地から「活性」タン白を単離する本発明方法
では、1工程で、適当な有機溶媒で、植物物質または発酵培地から抽出した酵素
溶液に含まれる活性タン白を特別の反応器で連続沈澱させ、そのタン白は植物物
質のジュースをベースとする溶液に含有され、反応器の条件は非変性タン白の沈
澱を得るようにセットし、次に沈澱を連続的に分離する。
【0010】 接触時間、撹拌速度、溶媒の温度および量は沈澱タン白の品質および量を決定
する。従って、これらのパラメータは非変性タン白の沈澱を得るように調整する
。こうして、酵素の場合、「活性」分子が得られる。
【0011】 タン白沈澱の熟成工程は反応器で沈澱後その成分粒子の寸法を大きくするため
に適用できる。例えば、連続反応器で垂直タービンで混合することにより、また
は静置ミキサーにより得ることができる。
【0012】 本発明方法により非変性の、従って活性のタン白抽出物、特に酵素を得ること
ができる。このような方法を使用して、抽出収量および酵素活性は通例方法即ち
、バッチ方法により得ることができるものよりはるかに高い。
【0013】 本発明の別の主題は多量の活性タン白を連続単離できる反応器である。例えば
、一層高活性のペクチンメチルエステラーゼ(PME)およびペルオキシダーゼ
(POX)および高量のタン白を抽出することができる(表1参照)。角度を有
する形、好ましくはT−形のセルから成る。反応条件は容易に調整でき、方法を
各型のタン白に最適化することができる。
【0014】 この反応器は他の反応器と比較して簡単な形状寸法を有する利点も有し、操作
および洗浄が非常に容易にできる。
【0015】 本発明は最終的にはこうして得た非変性タン白抽出物および例えば、スープお
よび他の植物をベースとする製品、ベビーフードのような各種食品のフレーバお
よび味を再生するためのその使用に関する。
【0016】 本方法は生物工業技術分野で「後続加工」、すなわち例えば生物発酵器で微生
物が生産した酵素の分離に適用することもできる。
【0017】 (発明の詳細な説明) 「新鮮な味またはフレーバ」とは新鮮なトマトのフレーバおよび味、すなわち
、例えば工業的トマトジュースに見出されない生で、酸っぱく、かつ軽いノート
を意味する。
【0018】 「活性タン白」とはトマトに含まれる酵素を意味し、これは非変性であること
が分かる味および香りの一部原因となる。これらの活性タン白は例えば、ペルオ
キシダーゼ(POX)、酸性ホスファターゼ(AP)、ペクチンメチルエステラ
ーゼ(PME)またはアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)のような酵素であ
る。
【0019】 本発明を実施するために、植物物質として、果実(または)野菜、すなわち任
意の食用植物の、例えば種子、根、塊茎、茎、葉、花または果実を使用すること
ができる。それでも尚植物の使用は好ましく、そのため天然の新鮮な味を増強し
たい。天然の味が不快であるか、または加熱後の味が求められる植物、従って、
例えば特にアスパラガス、ガーデンピー、大豆、馬鈴薯、穀類、クロウメモドキ
、セイヨウカリンは特に除かれる。
【0020】 好ましい植物のうち、例えば一層特別の葉、特にニラ、ウイキョウおよびキャ
ベツ、茎、特にダイオウおよびブロッコリ、或る種の根、特にニンジン、玉ねぎ
、ハツカダイコン、セロリおよびビート、塊茎、特にキャッサバ、および果実、
特にトマト、クルゼット、ナス、バナナ、リンゴ、アンズ、メロン、スイカ、西
洋ナシ、西洋スモモ、桃、サクランボ、キウイおよびプラムを挙げることができ
る。
【0021】 植物として、植物のうちに含まれると考えることができる食用性の高いマッシ
ュルーム、特に例えばAgaricus bisporus,Pleurotu
s ostreatus,Boletus edulisまたはLentinu
s edodesを使用することもできる。
【0022】 また工業的植物「廃棄物」、例えば皮、葉および枝などを有利に使用すること
ができる。
【0023】 植物物質はジュース形に調製し、次に溶液ができるだけ多く酵素を含有するよ
うに処理することができる。この最初の抽出工程は特定の反応器で実際に単離す
る工程前に最高量の酵素を可溶化することにある。そのため、植物物質は均質化
し、次に均質物のpHを5〜8.5、好ましくは7.0にすることができる。塩
、例えば塩化ナトリウムを次に添加できる。全体の塩濃度は0.25〜1M、好
ましくは0.5Mでよい。次に不溶性部分は例えば、遠心分離により除去できる
。各酵素の最適条件は表2に示す。こうして得た上澄液はそこから活性タン白を
単離するために反応器で凍結または直接処理できる。酵素の抽出収量は例えば、
トマトの場合50〜100%である。
【0024】 単離する酵素含有溶液はセル、2つの「入口」(酵素溶液および溶媒)枝管お
よび「出口」枝管(沈澱物形の酵素単離物に対する)から成る反応器にこうして
連続導入される。出口枝管は入口管に対し好ましくは90°の角度、すなわちT
−形セルを形成する。他の角度も使用できる。
【0025】 単離する酵素含有溶液と有機溶媒との混合は次に反応容器で行なう。
【0026】 溶媒はアルコール、特にエタノール、または任意の他の誘導有機溶媒から選択
することが好ましい。溶媒は反応器セルの入口枝管の1つを通してセルに直接注
入される。アルコールはその最終濃度が40〜95マス%、好ましくは80%で
あるように使用するのが好ましい。
【0027】 反応器の条件は非変性タン白の沈澱を得るように調整される。接触時間および
冷却温度は好ましくは、酵素が変性しないように混合物の内部温度が低温に保持
されるように選択される。このため、−15°〜+18℃、好ましくは約0℃の
温度は例えば反応器に使用される。タン白沈澱物は反応器に通した後0〜30分
、好ましくは30秒、溶媒と接触させることが好ましい。
【0028】 各種酵素を単離する最適条件はT−形反応器の最終温度0℃、最終エタノール
濃度80%および沈澱物と溶媒との接触時間約30秒であることが好ましい。
【0029】 沈澱物懸濁液は酵素溶液および溶媒の入口に対し好ましくは90°の角度を形
成する出口を通して連続排出される。懸濁液の粒度は1〜2μで変わりうる。
【0030】 反応器で沈澱後単離を完了するために、沈澱物懸濁液は熟成工程にかけること
ができる。この工程は懸濁液の粒度を増加することができる。このため、連続撹
拌タンク型反応器または静置ミキサーを使用することができる。混合時間および
速度の条件は十分な大きさの粒子または凝集体を得るために調整することが好ま
しい。こうして、沈澱物懸濁液は例えば100〜400rpm速度(1175〜
4700のレノルズ(Re)数)で10〜60秒、好ましくは300rpm(R
e約3500)で20秒、垂直らせんを供された撹拌タンクで4℃に近い温度で
混合し、または例えば4℃で30秒静置ミキサーで混合することができる。熟成
後得た沈澱は平均して500μまでの大きさであることができる凝集体を含む。
次に沈澱は連続分離する。
【0031】 沈澱タン白の連続的分離は簡単な遠心分離により得ることが好ましい。ペレッ
トを回収し、次に貯蔵する。上澄は蒸留カラムで除去または処理し、こうして回
収したエタノールは方法に再循環する。 こうして得た酵素抽出物は次に、例えば水を添加せずに直接凍結し、または凍
結乾燥する。
【0032】 酵素活性の25〜100%を保全することができ、これらの値は酵素の脆さに
よる(表1〜3)。例えば、トマトの場合、PME活性の25〜50%、POX
活性の80〜100%、ADH活性の70〜100%、APの80〜100%を
回収することができる。さらに、タン白の単離収量は50〜95%であることが
できる。
【0033】 本発明方法は通例方法またはバッチ式方法により通常得られるものより高い酵
素の単離収量を得ることもできる(表4)。
【0034】 本発明の別の主題によれば、反応器は例えば、ミキサーを有しないPlexi
glasから製造したT−形セルであることが好ましい。反応器の形状はできる
だけデッドスペースの少ないようなものであり、流入流は混合物容積の底部で好
ましくは直径約1.5mmの流入管の直径と同一であることが好ましく、排出流
は他の2管に対し垂直で、上部にある。排出管の直径は流入流のものより1/3
大きいことが好ましい。例えば、流入管が1.5mmである場合、2mmでよい
。これらの直径は反応器を通過する処理量により変化できるが、これらは好まし
くは約5〜20cm/秒、例えば好ましくは11cm/秒の接触時間に起源酵素
流の速度を確保するために選択すべきである。これにより酵素の変性をできるだ
け避けながら良好な混合を行なうことができる。
【0035】 この装置は例えば、入口では4cmおよび出口では約5.2cmのオーダの反
応器の枝管の寸法により1日に14tまでのトマトを処理することができる。
【0036】 本発明の別の主題は化粧品または食品の製造に本発明により単離した酵素また
は内因性タン白の使用に関する。
【0037】 こうしてこの酵素を使用してスープ、ベビーフード、野菜ピューレまたはジュ
ース、または調製した肉製品のような調製品のフレーバまたは味を再生すること
ができる。方法は特に例えば、トマト、ニンジン、玉ねぎから「活性剤」の抽出
に有効であることを立証する。例えばトマトを植物物質として選択する場合、本
発明方法により連続抽出した酵素は例えばトマトジュース、トマトピューレ、す
べてのトマトをベースとする深凍結および新鮮製品、例えばピザ、ラザーニアに
使用できる。
【0038】 本方法は「後続加工」、すなわち、例えば生物発酵器で微生物が生産した酵素
の分離、に対し生物工学分野に適用することもできる。
【0039】 本発明は下記する例により以下に詳細に説明する。これらの例は本発明主題の
説明として示すもので、任意の仕方でそこに限定を構成するものではない。%は
特記しない限り重量による。
【0040】 例1 トマトから酵素の単離 このため、トマトは洗浄し、次にジュースに加工する。次にジュースは特別の
反応器における実際の単離工程前に最大量の酵素を可溶化するために最初の、い
わゆる抽出工程により処理する。すなわち、植物物質は均質化し、次に均質物の
pHは苛性ソーダ溶液を添加して7.0にする。次にNaClを最終塩濃度が0
.5Mであるように添加する。次に不溶性部分は遠心分離により除去する。こう
して得た上澄は凍結し、またはこれから活性タン白を単離するために反応器で直
接処理する。 単離する酵素含有溶液は次にT−形反応器の入口枝管の1つを通して導入する
。エタノールは反応器セルの他の入口枝管を通して直接セルに注入する。最終エ
タノール濃度は80%である。 得られる非変性タン白沈澱は入口枝管に対し90°に置いたT枝管を通して連
続的に排出する。混合物の温度は約0℃である。沈澱物の懸濁液は次に垂直ター
ビンにより約20秒(接触時間)烈しく混合する。次に沈澱は遠心分離により連
続分離する。ペレットを回収し、次に貯蔵する。上澄は除去、または蒸留カラム
で処理でき、こうして回収したエタノールは方法に再循環する。 酵素抽出物は直接凍結(水を添加せずに)、または凍結乾燥する。 本発明方法によりこうして単離した酵素は、例えば伝統的バッチ方法により得
ることができるものよりかなり高い活性収量を有する。 実施が容易な本方法は従って活性タン白の連続的単離に特に有効である。表1
はペクチンメチルエステラーゼ(PME)、ペルオキシダーゼ(POX)、アル
コールデヒドロゲナーゼ(ADH)および酸性ホスファターゼ(AP)に対し回
収した活性収量(%)を示す。
【0041】 例2.ニンジンから酵素の単離 ニンジンは例1記載のように調製する。連続沈澱条件は80%エタノールと、
最終温度は0℃である。 表2はアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)および酸性ホスファターゼ(A
P)について回収した活性収量を示す。
【0042】 例3.玉ねぎから酵素の単離 玉ねぎも例1のように調製する。連続沈澱条件は80%エタノールおよび最終
温度0℃である。 表3は例えばシステインスルホキシドリアーゼ(CSL)およびペルオキシダ
ーゼ(POX)について回収した活性収量を示す。
【0043】 例4.酵素の他のバッチ単離方法 a)エタノールによるバッチ沈澱方法 バッチ反応器および垂直らせんを使用する。94%w/wエタノールは最初に
反応器に存在するトマト抽出物に添加して、目的の濃度を得、ついで混合物の撹
拌を継続する。 次に、例えばペクチンメチルエステラーゼ活性の回収を測定する。77%の最
終濃度では、この値は混合物の温度により0〜20%に変動する。さらに、この
酵素は過度に長時間エタノールと接触させたままにすると、非可逆的に変性する
。活性は上澄液では測定できないことも注目すべきである。 b)ポリエチレングリコール(PEG)による沈澱方法 トマト抽出物は33.3%PEG8000溶液とバッチ反応器で混合し、4℃
に冷却する。僅かな沈澱が12.35%の最終PEG濃度から現れる。 次に溶液は4℃で10分、2000gで遠心分離する。ペレットを回収し、沈
澱後存在する酵素活性を測定する前に水に溶解する(エタノールによる沈澱に対
するように)。 結果は表4に示す。 酵素活性の収量はこのようなバッチ方法では非常に低い。PEGによる沈澱方
法の場合、最終溶液は粘稠で、遠心分離および取扱い(ポンプ操作)が困難であ
る。さらに、25%PEGから、遠心分離後ペレットを得ることができない。
【0044】 例5.最初の酵素抽出に対する条件の最適化 トマトジュースから各種酵素の最初の抽出を最適化するために、4.2(中性
pH)〜8.5のpH値およびNaCl濃度の増加(0〜6%)に対し回収酵素
の活性を測定した。 そのため、4.5kgのトマトを洗浄し、次いでジュースに加工した。ジュー
スは1.1kg、初期pH4.2(トマトのもの)の4画分に分割した。画分2
,3および4のpHはそれぞれ5.5,7および8.5に、10,14および1
8gの20%苛性ソーダ溶液を添加して調整する。次に各画分は、0,1.48
,2.91,4.31,5.66%のマス濃度に相当する増加NaCl量0,2
.25,4.5,6.75および9gを含有する容器に分配する。 撹拌しながら4℃で45分インキュベーション後、各種酵素溶液は2000g
で10分遠心分離する。上澄を回収し、次に各溶液に対しタン白由来の窒素量お
よび次の酵素:ペルオキシダーゼ、酸性ホスファターゼ、リポキシゲナーゼ、ア
ルコールデヒドロゲナーゼ、ペクチンメチルエステラーゼ、ポリガラクチュロナ
ーゼの活性を測定する。 結果は表5に示す。これらは各型の酵素の抽出の最適条件を示す。抽出に対し
もっとも満足できる全体的結果を示す条件はpH7および塩濃度3%である。
【0045】 例6.各種酵素の単離条件の最適化 単離方法を最適化するために、各種沈澱パラメータ(最終エタノール濃度、反
応器の温度、撹拌または沈澱熟成時間)を変え、酵素活性の回収率を沈澱後測定
した。各酵素の最適沈澱条件は表6に示す。 一般的最適条件は80%エタノール、0℃、撹拌せず、および沈澱と溶媒の接
触時間約30秒(烈しく撹拌しながら)である。
【0046】 例7.沈澱に対する熟成条件の最適化 単離方法を最適化するために、反応器の出口で得た沈澱物懸濁液は垂直タービ
ンを装着した撹拌タンクで4℃の温度で撹拌処理する。粒子の大きさは100〜
400rpm(Re,1175〜4700)の混合速度に対し測定する。 撹拌時間および速度は沈澱粒子の中間の大きさおよびその凝集に大きな効果を
有する。最適条件は約20秒、300rpmの速度である。
【0047】 例8.T−形反応器とCSTRの収量の比較 いくつかのトマトジュースの各種沈澱試験をT−形反応器で、最適条件下、す
なわち80%エタノールおよび最終温度0℃で行なった。これらの試験は同じ条
件下で、180rpmの混合速度によりCSTR(連続撹拌タンク反応器)の場
合と比較する。結果は表8に示す。 これらの比較試験はエタノールおよび混合条件に一層敏感な或る種の酵素(P
ME、など)の単離に対しCSTRと比較したT−形反応器の利点を示す。全体
的収量(タン白窒素)は実質的にT−形反応器の場合に高く、これはこの正確な
場合に一層良い単離であることを実証する。
【0048】 例9.フレーバおよび味の再生 単離した内因性酵素により処理したトマトをベースとする製品の官能評価を行
なった。このため、例1記載の方法により得た単離酵素は0.1M NaClを
含む水に溶解し、次に2基質:稀釈トマトペーストおよびトマトジュースと各種
濃度で混合する。 処理試料および未処理試料は37℃で1時間インキュベートする。次に各種試
料についてパネルが次のように試験する。 −数試料の味およびフレーバの記載および試験者の好み、 −3角試験では、3試料を調製し、そのうちの2つは同一である。試験者はそ れらに対し異ると思われる試料を決定する。 下記注釈では、添加酵素量は%で示す。例えば、100gのトマトペースト
(最初600gの生鮮トマトに相当する)を10%の酵素により処理する場合、
これは60gの生鮮トマトの沈澱後回収された酵素量を製品に添加したことを意
味する。次の観察を行なった。 −10%未満の酵素を使用する場合、処理および未処理試料間に差はみられな い。 −10〜30%の添加により生鮮トマトに相当する快い味を生ずる(軽いノー トを有する僅かな酸度)、 −20%酵素による三角試験では、パネルは100%認識する、 −40%以上の量では、こうして処理した試料は酸および未熟さの高いノート を有することをパネルは見出した。 これらの結果は、各種食品の味およびフレーバを再生するために、本発明によ
り得た酵素沈澱のポテンシャルを示しかつ確認する。トマトの味およびフレーバ
の発現に必要ないくつかの酵素は従ってこの抽出物に存在し、かつ活性である。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年12月16日(2000.12.16)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】 ヒュイットらが提案する1方法(米国特許第2,924,521号明細書)は
新鮮植物物質から酵素を抽出し、次に方法の終りに相当する酵素を再導入するこ
とにより食品の天然フレーバを再生することにある。植物酵素を抽出し、冷アセ
トンで数回沈澱させる。このような間欠的(バッチ)抽出方法は遅く、従って条
件は再現性が低く、低生産性となる。 また、米国特許第4,066,549号明細書はヒトの血漿から活性タン白の
連続単離方法を記載する。この方法によれば、このタン白は沈澱剤により沈澱さ
せる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 9/16 C12N 9/16 B 9/18 9/18 9/26 9/26 Z (72)発明者 ジュイレルラ、マルセル、アレクサンドル スイス国 ローザンヌ 26、ベール − シェ − レ − ブラン、 シュマン プラズ − ドム − ニコー、10 (72)発明者 クルリエ、シモン スイス国 サビニュイ、サンティエ ド クルタライ、1 Fターム(参考) 4B029 AA27 BB12 DB01 GB05 4B050 CC07 DD13 FF03 FF04 LL02 4H045 AA10 AA20 AA30 AA40 BA10 CA30 DA89 EA01 GA01 GA05 GA15

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物物質または発酵培地から抽出した酵素溶液に含有される
    活性タン白を、適当な溶媒で連続的に、かつ特定の反応器で単一工程で沈澱させ
    、反応器の条件は非変性タン白の沈澱を得るように調整し、次に沈澱を連続的に
    分離することからなる、植物物質または発酵培地から活性タン白の単離方法。
  2. 【請求項2】 植物物質は果実および種実、根、塊茎、茎、葉または花から
    成る野菜により形成される食用植物群から単独、または組合せて選択する、請求
    項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 活性タン白は酵素、特にペルオキシダーゼ(POX)、ペク
    チンメチルエステラーゼ(PME)、ポリガラクチュロナーゼ(PG)、アルコ
    ールデヒドロゲナーゼ(ADH)または酸性ホスファターゼ(AP)である、請
    求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 酵素溶液は植物物質または発酵培地から均質ジュースを調製
    することにより得られ、該ジュースは5〜8.5、好ましくは7のpHに調整し
    、1.5〜6%、好ましくは3%の塩を補充する、請求項1から3のいずれか1
    項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 沈澱は連続分離前、熟成工程処理を行なう、請求項1から4
    のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 熟成工程は成分粒子の寸法を大きくするのに十分な速度およ
    び時間で沈澱を混合することにある、請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 熟成工程で沈澱は撹拌タンクで、4℃の温度で10〜60秒
    、100〜400rpmで、または静置ミキサーで4℃で約30秒混合する、請
    求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 有機溶媒はアルコール、特にエタノール、または任意の他の
    誘導有機溶媒である、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 反応器の条件は最終温度が−14°〜18℃、好ましくは0
    ℃および最終溶媒濃度が約80%である、請求項1から8のいずれか1項に記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 タン白沈澱は反応器を通過後0〜30分、好ましくは30
    秒、溶媒と接触させる、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 タン白の単離収量は50〜95%である、請求項1から1
    0のいずれか1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 トマトから酵素は25〜100%、特にPMEでは25〜
    50%、POXでは80〜100%、ADHでは70〜100%およびAPでは
    80〜100%の回収活性を有する、請求項1から11のいずれか1項に記載の
    連続単離により得た酵素抽出物。
  13. 【請求項13】 セルは2つの「入口」枝管を有し、1つは単離する活性タ
    ン白を含有する溶液に対するためのもの、もう1つは有機溶媒に対するためのも
    の、および出口枝管は得たタン白沈澱に対するためのものであり、入口枝管は出
    口枝管に対し規定角度を形成する、熱調整可能なセルから成る、活性タン白の連
    続単離装置。
  14. 【請求項14】 出口枝管は「入口」枝管に対し90°の角度を形成する、
    請求項13記載の装置。
  15. 【請求項15】 スープ、ベビーフード、調製ミールまたは調製肉のような
    野菜をベースとする食品の味およびフレーバを再生するため請求項12記載の抽
    出物の使用。
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