JP2002530104A - カリウムチャンネル相互作用物質及びその利用法 - Google Patents

カリウムチャンネル相互作用物質及びその利用法

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JP2002530104A JP2000583959A JP2000583959A JP2002530104A JP 2002530104 A JP2002530104 A JP 2002530104A JP 2000583959 A JP2000583959 A JP 2000583959A JP 2000583959 A JP2000583959 A JP 2000583959A JP 2002530104 A JP2002530104 A JP 2002530104A
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マリア ベティー
フアイ ピン リン
ウェンキアン アン
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、カリウムチャンネルに結合すると共にカリウムチャンネル媒介活性を変調するたんぱく質をコードする、PCIP核酸分子と名付けられた単離された核酸分子を提供するものである。さらに本発明は、アンチセンス核酸分子、PCIP核酸分子を含有する組換え発現ベクタ、前記発現ベクタを導入したホスト細胞、及び、内部のPCIP遺伝子が導入された又は破壊された非ヒトトランスジェニック動物、を提供する。さらに本発明は、単離されたPCIPたんぱく質、融合たんぱく質、抗原性ペプチド及び抗PCIP抗体をも提供するものである。本発明の組成を利用した診断方法も提供されている。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 発明の背景 ほ乳類の細胞膜は数多くの細胞及び組織の構造的一体性及び働きにとって重要
である。膜生理学で特に注目されているのは、様々な薬理学的、生理学的、及び
細胞のプロセスを直接コントロールする働きをする膜貫通イオンチャンネルの研
究である。カルシウム、ナトリウム、及びカリウムチャンネルを含め、数多くの
イオンチャンネルが同定され、その各々について、脊椎動物及び昆虫細胞におけ
るそれらの役割を調べる研究がなされている。 【0002】 カリウムチャンネルは、正常な細胞ホメオスタシスを維持するのに関与してい
るために、大きな関心が寄せられてきた。これらカリウムチャンネルの多くは、
細胞膜電位の変化に応答して開口する。数多くの電位開口型カリウムチャンネル
が同定されており、それらの電子生理学的及び薬理学的性質が特徴付けられてい
る。カリウム電流はナトリウム又はカルシウム電流よりも多様であり、さらに外
部刺激に対する細胞の応答の決定に関与している。カリウムチャンネルの多様性
、及びそれらの重要な生理学的役割は、様々な障害の治療用作用薬を開発するた
めのターゲットとしてのそれらの可能性を、強く示唆するものである。 【0003】 カリウムチャンネルで最も特徴付けられているクラスの一つに、電位開口型カ
リウムチャンネルがある。このクラスの基本的仲間は、ドゥロソフィラ・メラノ
ガスタのShaker遺伝子がコードするたんぱく質である。Shal又はKv4ファミリの
たんぱく質は、様々な初代細胞から記録されている、多くの天然A型電流の根底
にある電位開口型カリウムチャンネルである。Kv4チャンネルは、心臓活動電位
の再分極で主要な役割を担っている。ニューロンでは、Kv4チャンネル、及びそ
れらが成しているかも知れないA電流は、発火速度の変調、活動電位の開始、及
び、シナプス入力に対する樹状突起の応答のコントロールに、重要な役割を果た
している。 【0004】 ニューロンの基本的な機能は、シグナルを受け取り、伝導し、送り出すことで
ある。異なるクラスのニューロンが運ぶシグナルの目的は違っていても、シグナ
ルの形は常に同じであり、ニューロンの細胞膜を透過する電位の変化から成って
いる。ニューロンの細胞膜は電位開口型陽イオンチャンネルを含有するが、この
チャンネルが、電位(活動電位又は神経インパルスとも呼ばれる)に細胞膜を透
過させ、かつこの細胞膜に沿って伝播させる役目を担っている。 【0005】 Kvファミリのチャンネルには、とりわけ(1)各活動電位の後に膜を再分極さ
せて、その細胞を再度の発火に向けて備える、遅延整流カリウムチャンネル、及
び、(2)閾値下の電位で主に活性であり、興奮性細胞が発火閾値に達する速度
を低下させる働きをする、高速で不活化する(Aタイプ)カリウムチャンネル、
がある。活動電位伝達にとって重要であることに加え、さらにKvチャンネルは、
例えばシナプスの入力など、脱分極に対する応答をコントロールし、神経伝達物
質の放出にも一役かっている。これらの活性の結果、電位開口型カリウムチャン
ネルは、ニューロンの興奮性の主要な調節物質となっている(Hille B., Ionic
Channels of Excitable Membranes, Second Edition, Sunderland, MA: Sinaue
r, (1992))。 【0006】 Kvカリウムチャンネルスーパーファミリには、膨大な構造上かつ機能上の多様
性がある。この多様性は、複数の遺伝子が存在することと、同じ遺伝子から生じ
たRNA転写産物の選択的スプライシングが行われることの両方によってもたら
されている。にもかかわらず、公知のKvカリウムチャンネルのアミノ酸配列は高
い類似性を示す。そのすべてが、ポアを形成する四つのα-サブユニットから構
成されていると考えられ、またいくつかは、四つの細胞質(β-サブユニット)
ポリペプチドを有していることが分かっている(Jan L.Y. et al. (1990) Trend
s Neurosci 13:415-419, and Pongs, O. et al. (1995) Sem Neurosci. 7:137-1
46)。公知のKvチャンネル(α-サブユニットは、ドゥロソフィラから最初に単離
されたチャンネルに対するそれらのホモロジに基づいて名付けられた四つのサブ
-ファミリに分類されている。即ち、Kv1又はShaker関連サブファミリ、Kv2又はS
hab関連サブファミリ、Kv3又はShaw関連サブファミリ、及びKv4又はShal関連サ
ブファミリである。 【0007】 Kv4.2及びKv4.3は、Kvチャンネル(Shal関連サブファミリのα-サブユニッ
ト)の例である。Kv4.3は、脳幹のモノアミン作動性及び前脳のコリン作動性ニ
ューロンで高度に発現し、その部位で神経伝達物質ドーパミン、ノルエピネフリ
ン、セロトニン、及びアセチルコリンの放出に関与しているという点で、固有な
神経解剖学的分布を持つ。 【0008】 このチャンネルはさらに、皮質錐体細胞及び介在ニューロンで高度に発現して
いる((Serdio P. et al. (1996) J. Neurophys 75:2174-2179)。興味深いこと
に、Kv4.3ポリペプチドは、対応するmRNAを発現するニューロンで高度に発現し
ている。Kv4.3ポリペプチドはこれらの細胞の細胞体樹状突起膜で発現するが、
この部位で、急速な不活化K+コンダクタンスに貢献していると考えられる。Kv
4.2mRNAは脳内で幅広く発現し、対応するそのポリペプチドもまた、細胞外樹状
突起膜内に濃縮されているようであり、この部位で急速な不活化K+コンダクタ
ンスに貢献している(Sheng et al. (1992) Neuron 9:271-84)。これらの細胞
体樹状突起AタイプKvチャンネルは、Kv4.2及びKv4.3と同様、例えば閾値下シナ
プス応答の統一や、逆行伝播性の活動電位のコンダクタンスなど、学習及び記憶
の根底にあるプロセスに関与していると考えられる(Hoffman D.A. et al. (199
7) Nature 387:869-875)。 【0009】 このように、Kv4.2又はKv4.3サブユニットを有するカリウムチャンネルなど、
カリウムチャンネルたんぱく質と相互作用し、かつその活性を変調するたんぱく
質は、これらのチャンネルを発現する細胞において、例えば活動電位の伝導、細
胞体樹状突起興奮性及び神経伝達物質の放出など、神経又は心臓の興奮性を変調
するための新規な分子ターゲットを提供するものである。加えて、これらのたん
ぱく質をコードする遺伝子の遺伝子病変の検出を、例えばてんかん、脊髄小脳失
調、不安、うつ病、年齢に関連した記憶喪失、偏頭痛、肥満、パーキンソン病又
はアルツハイマー病などの中枢神経系障害、又は、心不全、高血圧、心房性細動
、拡張型心筋症、突発性心筋症、又は口峡炎などの心臓血管性障害の診断及び治
療に利用できるかも知れない。 【0010】 内容の表 A.発明の概要 −4− B.図面の簡単な説明 −12− C.発明の詳細な説明 −18− I.単離された核酸分子 −33− II.単離されたPCIPたんぱく質及び抗PCIP抗体 −54− III.組換え発現ベクタ及びホスト細胞 −68− IV.薬剤組成 −78− V.本発明の利用及び方法 −86− A.スクリーニング検定 −88− B.検出検定 −97− 1.染色体のマッピング −97− 2.組織分類 −100− 3.法医学的生物学における部分的PCIP配列の利用 −101− C.予測的医療 −102− 1.診断検定 −103− 2.予後検定 −105− 3.臨床実験中の効果の観察 −111− D.治療の方法 −113− 1.予防方法 −113− 2.治療方法 −114− 3.薬理ゲノミックス −116− D. 例 −119− 【0011】 発明の概要 本発明は、少なくとも部分的に、カリウムチャンネルたんぱく質と相互作用す
る遺伝子産物をコードする新規な核酸分子、又は、カリウムチャンネルたんぱく
質と相互作用する本発明の遺伝子産物に実質的なホモロジを持つ(パラログ)新
規な核酸分子、の発見に基づくものである。カリウムチャンネルたんぱく質は、
例えば、Kv4.2又はKv4.3サブユニットを有するカリウムチャンネルである。本発
明の核酸分子、及びそれらの遺伝子産物は、ここでは「カリウムチャンネル相互
作用たんぱく質」、「PCIP」、又は「KChIP」核酸分子及びたんぱく質分子と言
及されている。本発明のPCIPたんぱく質は、カリウムチャンネルたんぱく質と結
合するなど相互作用し、カリウムチャンネルたんぱく質の活性を変調し、及び/
又は、例えば神経細胞又は心臓細胞などの細胞におけるカリウムチャンネル媒介
活性を変調するものである。本発明のPCIP分子は、例えば神経細胞又は心臓細胞
のプロセスなど、様々な細胞プロセスを調節する変調作用薬として有用である。
従って、態様の一つでは、本発明は、PCIPたんぱく質をコードする単離された核
酸分子を提供するものである。別の態様では、本発明は、PCIPたんぱく質又は生
物学的に活性なその部分をコードする単離された核酸分子や、PCIPをコードする
核酸を検出するためのプライマ又はハイブリダイゼーションプローブとして適し
た核酸断片を提供するものである。 【0012】 実施例の一つでは、本発明のPCIP核酸分子は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SE
Q ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID
NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO
:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:3
5、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48
、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、
SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71に示されたヌクレオチド配列(例えばこのヌク
レオチド配列の全長に対して)、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938、9
8939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、98946、98947、98948、989
49、98950、98951、98991、98993、又は98994として寄託されたプラスミドのD
NAインサートのヌクレオチド配列に対して、又はこれらの相補体に対して、少
なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、
90%、95%、98%又はそれ以上同一である。 【0013】 別の好適な実施例では、当該の単離された核酸分子は、SEQ ID NO:1、SEQ ID
NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13
、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、
SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SE
Q ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ
ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID
NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71に示されたヌクレオチド配列、又はこ
れらの相補体、を含む。別の好適な実施例では、当該の核酸分子は、SEQ ID NO:
1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ
ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ I
D NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID
NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO
:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:5
6、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71のヌクレオチド配列、又は
、これらの相補体、のうちの少なくとも300、350、400、426、47
1、又は583個のヌクレオチドの断片を含む。 【0014】 別の実施例では、PCIP核酸分子は、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6
、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、S
EQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ
ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ I
D NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID
NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のアミ
ノ酸配列に対して、又はATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、9
8941、98942、98943、98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、989
51、98991、98993、又は98994として寄託されたプラスミドのDNAインサート
によってコードされたアミノ酸配列に対して、充分に同一なアミノ酸配列を有す
るたんぱく質をコードするヌクレオチド配列を含む。好適な実施例の一つでは、
PCIP核酸分子は、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ
ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID
NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID N
O:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:
40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57
、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のアミノ酸配列に対して、又
はATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、
98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、又
は98994として寄託されたプラスミドのDNAインサートによってコードされた
アミノ酸配列に対して、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、
75%、80%、85%、90%、95%、又はそれ以上同一であるアミノ酸配
列を有するたんぱく質をコードするヌクレオチド配列を含む。 【0015】 別の好適な実施例では、単離された核酸分子は、1v、9q、p19、W28559、KChIP
4a、KChIP4b、33b07、1p、及びラット7sたんぱく質のアミノ酸配列をコードする
ものである。さらに別の好適な実施例では、当該核酸分子は、SEQ ID NO:2、SEQ
ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID N
O:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:
24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34
、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51、
SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、又
はSEQ ID NO:72のアミノ酸配列、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938、9
8939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、98946、98947、98948、989
49、98950、98951、98991、98993、又は98994として寄託されたプラスミドのD
NAインサートによってコードされたアミノ酸配列、を有するたんぱく質をコー
ドするヌクレオチド配列を含む。さらに別の好適な実施例では、当該核酸分子は
、少なくとも426、471、又は583個のヌクレオチド長であり、(ここで
説明するような)PCIP活性を有するたんぱく質をコードするものである。 【0016】 本発明のもう一つの実施例は、非PCIPたんぱく質をコードする核酸分子に比較
してPCIP核酸分子を特異的に検出する核酸分子、好ましくはPCIP核酸分子、を特
徴とする。例えば、実施例の一つでは、このような核酸分子は、少なくとも42
6個、400−450個、471個、450−500個、500−550個、5
83個、550−600個、600−650個、650−700個、700−7
50個、750−800個又はそれ以上のヌクレオチド長であり、そして緊縮条
件下で、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9
、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、
SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SE
Q ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ
ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID
NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71に示さ
れたヌクレオチド配列、ATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、9
8941、98942、98943、98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、989
51、98991、98993、又は98994として寄託されたプラスミドのDNAインサート
のヌクレオチド配列、又は、これらの相補体、を含む核酸分子にハイブリダイズ
するものである。好適な実施例では、当該核酸分子は、(例えば連続した)少な
くとも15個のヌクレオチド長であり、そして緊縮条件下で、SEQ ID NO:7のヌ
クレオチド93-126、360-462、732-825、1028-1054、又は1517-1534にハイブリダ
イズするものである。別の好適な実施例では、当該核酸分子は、SEQ ID NO:7の
ヌクレオチド93-126、360-462、732-825、1028-1054、又は1517-1534を含む。 【0017】 別の好適な実施例では、当該核酸分子は、(例えば連続した)少なくとも15
個のヌクレオチド長であり、そして緊縮条件下で、SEQ ID NO:13のヌクレオチド
1-14、49-116、137-311、345-410、430-482、503-518、662-693、1406-1421、14
41-1457、1478-1494、又は1882-1959にハイブリダイズする。別の好適な実施例
では、当該核酸分子は、SEQ ID NO:13のヌクレオチド1-14、49-116、137-311、3
45-410、430-482、503-518、662-693、1406-1421、1441-1457、1478-1494、又は
1882-1959を含む。 【0018】 好適な実施例では、当該核酸分子は、(例えば連続した)少なくとも15個の
ヌクレオチド長であり、そして緊縮条件下で、SEQ ID NO:35のヌクレオチド932-
1527、1548-1765、1786-1871、1908-2091、2259-2265、又は2630-2654にハイブ
リダイズする。別の好適な実施例では、当該核酸分子は、SEQ ID NO:35のヌクレ
オチド932-1527、1548-1765、1786-1871、1908-2091、2259-2265、又は2630-265
4を含む。 【0019】 別の好適な実施例では、当該核酸分子は、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID
NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:
16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26
、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、
SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SE
Q ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72の
アミノ酸配列、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、989
41、98942、98943、98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951
、98991、98993、又は98994として寄託されたプラスミドのDNAインサートに
よってコードされたアミノ酸配列、を含むポリペプチドの自然発生型対立遺伝子
バリアントをコードするものであり、そしてこの核酸分子は、SEQ ID NO:1、SEQ
ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO
:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:2
3、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33
、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、
SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SE
Q ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71を含む核酸分子に緊縮条件下でハ
イブリダイズする。 【0020】 本発明のもう一つの実施例では、例えばPCIP核酸分子のコドン鎖など、PCIP核
酸分子に対してアンチセンスである、単離された核酸分子が提供される。 【0021】 本発明のもう一つの態様は、PCIP核酸分子を含むベクタを提供するものである
。いくつかの実施例では、前記ベクタは組換え発現ベクタである。別の実施例で
は、本発明は、本発明のベクタを含有するホスト細胞を提供するものである。さ
らに本発明は、たんぱく質、好ましくはPCIPたんぱく質、を、当該たんぱく質が
生成されるように、非ヒトほ乳類細胞などのほ乳類ホスト細胞など、組換え発現
ベクタを含有する本発明のホスト細胞を、適した媒質中で培養することによって
、生成する方法を提供するものである。 【0022】 本発明の別の態様は、単離された又は組換えのPCIPたんぱく質及びポリペプチ
ドを特徴とするものである。実施例の一つでは、この単離されたたんぱく質、好
ましくはPCIPたんぱく質は、少なくとも一個のカルシウム結合ドメインを含む。
好適な実施例の一つでは、当該のたんぱく質、好ましくはPCIPたんぱく質、は、
少なくとも一個のカルシウムドメインを含み、そしてSEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4
、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SE
Q ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ
ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID
NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID N
O:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID
NO:72のアミノ酸配列に対し、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938、989
39、98940、98941、98942、98943、98944、98945、98946、98947、98948、98949
、98950、98951、98991、98993、又は98994として寄託されたプラスミドのDN
Aインサートによってコードされたアミノ酸配列に対し、少なくとも約50%、
55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、
又はそれ以上同一であるアミノ酸配列を有する。別の好適な実施例では、前記た
んぱく質、好ましくはPCIPたんぱく質、は、少なくとも一個のカルシウム結合ド
メインを含み、そしてカリウムチャンネル媒介活性を変調するものである。さら
に別の好適な実施例では、前記たんぱく質、好ましくはPCIPたんぱく質、は、少
なくとも一個のカルシウム結合ドメインを含み、そしてSEQ ID NO:1、SEQ ID NO
:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、S
EQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ
ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ I
D NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID
NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO
:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71のヌクレオチド配列を含む核酸分子に、
緊縮条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を有する核酸分子によってコ
ードされている。 【0023】 さらに別の実施例では、本発明は、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6
、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、S
EQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ
ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ I
D NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID
NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のアミ
ノ酸配列を有するたんぱく質のフラグメントを特徴とするものであり、ただしこ
のとき前記フラグメントは、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID
NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:
18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28
、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、
SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SE
Q ID NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のアミノ酸配列の
うちの、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98
942、98943、98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、9899
1、98993、又は98994として寄託されたプラスミドのDNAインサートによって
コードされたアミノ酸配列のうちの、少なくとも15個のアミノ酸(例えば連続
したアミノ酸)を含むものである。別の実施例では、前記たんぱく質、好ましく
はPCIPたんぱく質、は、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8
、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、
SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SE
Q ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ
ID NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID
NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のアミノ酸配列を有す
る。 【0024】 別の実施例では、本発明は、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ I
D NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO
:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:2
7、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37
、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、
SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又
はSEQ ID NO:71のヌクレオチド配列に対し、又はその相補体に対し、少なくとも
約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%
、95%、又はそれ以上同一であるヌクレオチド配列を有する核酸分子によって
コードされた、単離されたたんぱく質、好ましくはPCIPたんぱく質、を特徴とす
る。 【0025】 本発明のたんぱく質又はその生物学的活性部分を、非PCIPポリペプチド(例え
ば異種のアミノ酸配列)に操作により連結して融合たんぱく質を形成してもよい
。さらに本発明は、例えばモノクローナル又はポリクローナル抗体など、本発明
のたんぱく質、好ましくはPCIPたんぱく質、に特異的に結合する抗体を特徴とす
るものである。加えて、PCIPたんぱく質、又はその生物学的活性部分を薬剤組成
中に組み込んでもよく、選択によってはこの薬剤組成に薬学的に容認可能な担体
を含めてもよい。 【0026】 さらに別の態様では、本発明は、PCIP核酸分子、たんぱく質又はポリペプチド
の存在が生物試料中で検出されるよう、PCIP核酸分子、たんぱく質、又はポリペ
プチドを検出することの出来る作用薬に生物試料を接触させることによって、生
物試料中のPCIP核酸分子、たんぱく質又はポリペプチドの存在を検出する方法を
提供するものである。 【0027】 別の態様では、本発明は、PCIP活性の存在が生物試料中で検出されるよう、PC
IP活性の指標を検出することのできる作用薬に、生物試料を接触させることによ
って、生物試料中のPCIP活性の存在を検出する方法を提供する。 【0028】 別の態様では、本発明は、細胞中のPCIP活性が変調されるよう、PCIP活性を変
調する作用薬に、PCIPを発現できる細胞を接触させるステップを含む、PCIP活性
を変調する方法を提供する。一実施例では、前記作用薬はPCIP活性を阻害するも
のである。別の実施例では、前記作用薬はPCIP活性を刺激するものである。一実
施例では、前記作用薬は、PCIPたんぱく質に特異的に結合する抗体である。別の
実施例では、前記作用薬は、PCIP遺伝子の転写、又は、PCIPmRNAの翻訳を変調さ
せることによって、PCIPの発現を変調するものである。さらに別の実施例では、
前記作用薬は、PCIPmRNA又はPCIP遺伝子のコドン鎖に対してアンチセンスである
ヌクレオチド配列を有する核酸分子である。 【0029】 実施例の一つでは、本発明の方法は、PCIP変調物質である作用薬を被験体に投
与することによって、異所性のPCIPたんぱく質又は核酸発現又は活性を特徴とす
る障害を有する被験体を治療するために用いられる。実施例の一つでは、前記PC
IP変調物質はPCIPたんぱく質である。別の実施例では、前記PCIP変調物質はPCIP
核酸分子である。さらに別の実施例では、前記PCIP変調物質は、ペプチド、ペプ
チドミメティック、又はその他の小型分子である。ある一つの好適な実施例では
、異所性PCIPたんぱく質又は核酸発現を特徴とする前記障害はCNSの障害又は
心臓血管の障害である。 【0030】 本発明は、さらに、(i)PCIPたんぱく質をコードする遺伝子の異所性修飾又
は変異、(ii)前記遺伝子の誤調節、及び(iii)PCIPたんぱく質の異所性
の翻訳後修飾、のうちの少なくとも一つによって特徴付けられる遺伝子変化の存
在又は非存在を同定するための診断検定を提供し、前記遺伝子の野生型は、PCIP
活性を持つたんぱく質をコードするものである。 【0031】 別の態様では、本発明は、PCIP活性を有するPCIPたんぱく質を含む指標組成物
を提供し、前記指標組成物をテスト化合物に接触させ、そして前記テスト化合物
が前記指標組成物中のPCIP活性に及ぼす影響を判定することでPCIPたんぱく質の
活性を変調する化合物を同定する、といった方法により、PCIPたんぱく質に結合
する、又はPCIPたんぱく質の活性を変調する化合物を同定する方法を提供する。 【0032】 本発明のその他の特徴及び長所は、以下の詳細な説明及び請求の範囲から明白
となるであろう。 【0033】 発明の詳細な説明 本発明は、少なくとも部分的に、カリウムチャンネルたんぱく質と相互作用す
る遺伝子産物をコードする新規な核酸分子、又は、カリウムチャンネルたんぱく
質と相互作用する、本発明の遺伝子産物に対して実質的なホモロジを持つ遺伝子
産物をコードする新規な核酸分子(パラログ)、の発見に基づくものである。カ
リウムチャンネルたんぱく質は、例えば、Kv4.2又はKv4.3サブユニットを有する
カリウムチャンネルである。本発明の核酸分子、及びそれらの遺伝子産物は、こ
こでは「カリウムチャンネルインタラクティングたんぱく質」、「PCIP」、又は
「KChIP」核酸及びたんぱく質分子と言及されている。好ましくは、本発明のPCI
Pたんぱく質が、例えば神経細胞又は心臓細胞などの細胞中のカリウムチャンネ
ルたんぱく質に結合する、カリウムチャンネルたんぱく質の活性を変調する、及
び/又は、例えばカリウムチャンネル媒介活性を変調するなど、相互作用すると
よい。 【0034】 ここで用いられる場合の「PCIPファミリ」という術語は、本発明のたんぱく質
及び核酸分子に言及する場合、ここで定義したPCIP活性を有する二つ又はそれ以
上のたんぱく質又は核酸分子を意味するものとして意図されている。このような
PCIPファミリの構成員は、天然発生型でも、又は非天然発生型のものでもよく、
また同じ又は異なる種を由来とするものでもよい。例えば、PCIPファミリには、
ヒト起源の第一たんぱくや、ヒト起源のその他の異なるたんぱく質が含まれてい
てもよく、又はその代わりにヒト以外の起源の相同体を含めることもできる。 【0035】 ここで互換可能に用いられているように、「PCIP活性」、「PCIPの生物活性」
、又は「PCIPの機能的活性」とは、標準的な技術に基づいてin vivo又はin vitr
oで調べたときに、PCIPたんぱく質、ポリペプチド又は核酸分子が、PCIP反応性
細胞又はPCIPたんぱく質基質に及ぼす活性を言う。実施例の一つでは、PCIP活性
は、例えばPCIP標的分子との会合など、直接の活性である。ここで用いられる場
合の「標的分子」又は「結合相手」とは、PCIP媒介機能が達成されるように、天
然でPCIPたんぱく質が結合する又は相互作用する相手の分子である。PCIP標的分
子は非PCIP分子でも、あるいは本発明のPCIPたんぱく質又はポリペプチドであっ
てもよい。一例としての実施例では、PCIP標的分子はPCIPリガンドである。ある
いは、PCIP活性は、例えば当該PCIPたんぱく質のPCIPリガンドとの相互作用が媒
介する細胞シグナリング活性など、間接的な活性である。PCIPの生物活性をここ
に解説する。 【0036】 例えば、本発明のPCIPたんぱく質は以下の活性のうちの一つ又はそれ以上を有
すると考えられる。(1)それらはカリウムチャンネルたんぱく質又はその一部
分と相互作用(例えば結合)できる、(2)それらはカリウムチャンネルたんぱ
く質又はその一部分のリン酸化状態を調節できる、(3)それらはカルシウムと
会合(例えば結合)することができると共に、例えばカリウムチャンネル又はG
たんぱく共役レセプタをカルシウム依存的態様でリン酸化するなど、カルシウム
依存性キナーゼとして作用できる、(4)それらはカルシウムと会合(例えば結
合)できると共に、例えばカルシウム依存性転写因子として働くなど、細胞プロ
セスにおいてカルシウム依存的態様で働くことができる、(5)それらは、例え
ば細胞に有利な影響を与えるなどのために、細胞(例えば感覚神経細胞又は運動
神経細胞などの神経細胞、又は心臓細胞など)内でカリウムチャンネル媒介活性
を変調できる、(6)それらは、例えば神経細胞又は心臓細胞など、細胞内のク
ロマチン形成を変調できる、(7)それらは、例えば神経細胞又は心臓細胞など
、細胞内のベシクル輸送及びたんぱく質輸送を変調できる、(8)それらは、例
えば神経細胞又は心臓細胞など、細胞内のサイトカインシグナリングを変調でき
る、(9)それらは、カリウムチャンネルたんぱく質又はその一部分の、細胞骨
格との会合を調節できる、(10)それらは、細胞増殖を変調できる、(11)
それらは神経伝達物質の放出を変調できる、(12)それらは膜の興奮性を変調
できる、(13)それらは膜の静止電位に影響を与えられる、(14)それらは
活動電位の波形及び周波数を変調できる、及び(15)それらは興奮の閾値を変
調できる。 【0037】 ここで用いられる「カリウムチャンネル」には、興奮性細胞におけるシグナル
の受容、伝導及び伝達に関与するたんぱく質又はポリペプチドが含まれる。カリ
ウムチャンネルは、典型的には、例えば神経細胞、心臓細胞、骨格筋細胞及び平
滑筋細胞、腎細胞、内分泌細胞、及び卵細胞など、電気的興奮性細胞で発現し、
例えばポアを形成するサブユニット及び細胞質サブユニットから成るなど、ヘテ
ロ多量体構造を形成することができる。カリウムチャンネルの例には、(1)電
位開口型カリウムチャンネル、(2)リガンド開口型カリウムチャンネル、及び
(3)機械的開口型カリウムチャンネル、がある。カリウムチャンネルの詳細な
解説は、例えば、その内容の言及をもってここに編入することとするKandel E.R
. et al., Principles of Neural Science, second edition, (Elsevier Scienc
e Publishing Co., Inc., N.Y. (1985)を参照されたい。本発明のPCIPたんぱく
質は、例えばKv4.3サブユニット又はKv4.2サブユニットを有するカリウムチャン
ネルなど、と相互作用することが示されている。 【0038】 ここで用いられる場合の「カリウムチャンネル媒介活性」には、例えば神経細
胞又は心臓細胞のカリウムチャンネルなど、神経系又は心臓内などでのシグナル
の受容、伝導又は伝達に関連したカリウムチャンネルに関与する活性が含まれる
。カリウムチャンネル媒介活性には、神経細胞及び心臓細胞などの細胞からのド
ーパミン又はノルエピネフリンなどの神経伝達物質の放出や、膜の静止電位、活
動電位の波形及び周波数、及び興奮の閾値の変調や、例えば神経細胞又は心臓細
胞内などにおける、閾値下シナプス応答の統一や逆行伝播性の活動電位の伝導と
いったプロセスの変調、が含まれる。 【0039】 本発明のPCIPたんぱく質はカリウムチャンネル媒介活性を変調するため、カリ
ウムチャンネルが関連する障害、及び/又は、神経系が関連する障害の新規な診
断作用薬及び治療作用薬として有用であろう。さらに、本発明のPCIPたんぱく質
は、ほ乳類の心臓においてIto(過渡的外向き電流)として知られる電位開口型
K+電流の根底にある、例えばKv4.2又はKv4.3サブユニットを有するカリウムチ
ャンネルなど、Kv4カリウムチャンネルを変調するものである(Kaab S. et al. (
1998) Circulation 98(14):1383-93; Dixon J.E. et al. (1996) Circulation R
esearch 79(4):659-68; Nerbonne JM (1998) Journal of Neurobiology 37(1):3
7-59; Barry D.M. et al. (1998) Circulation Research 83(5):560-7; Barry D
.M. et al. (1996) Annual Review of Physiology 58:363-94。この電流が、活
動電位の間の心筋細胞の迅速な再分極の根底にある。さらにそれは、心筋細胞が
次の活動電位を発火させる閾値に達する速度をコントロールすることによって、
心拍間の間隔にも参与している。 【0040】 この電流が心臓肥大の患者では下方調節されていることもさらに知られており
、その結果心臓の活動電位の延長が起きている。これらの患者では、活動電位の
延長が、心筋内のカルシウム負荷及びカルシウムの扱いに変化を生じさせている
と考えられ、この変化が、心臓肥大から心不全へという心疾患の進行に寄与して
いる((Wickenden et al. (1998) Cardiovascular Research 37:312)。興味深
いことに、本発明のいくつかのPCIP(例えばSEQ ID NO:13、15、17、19、21、23
、及び25に示した9ql、9qm、9qs)は、Kv4.2又はKv4.3サブユニットを含有する
カリウムチャンネルに結合し、かつこれを変調し、カルシウム結合EFハンドド
メインを含んでいる。これらのPCIP遺伝子に変異があることが原因で、これらの
カルシウム結合PCIPたんぱく質自体の発現に欠陥があったり、又はこれらのPCIP
及びKv4.2又はKv4.3チャンネル間の相互作用に欠陥があると、心筋内のKV4.3又
はKv4.3(Im)電流が低下すると考えられるため、PCIP発現を変化させるか、又は
、これらのPCIP及びKv4.2又はKv4.3間の相互作用を変調する治療作用薬は、心臓
肥大から心不全へという疾患の進行を遅延させる又は防止する上で非常に貴重な
作用薬となるかも知れない。 【0041】 ここで用いられる場合の「カリウムチャンネル関連障害」には、カリウムチ
ャンネル媒介活性の誤調節を特徴とする障害、疾患又は状態が含まれる。カリウ
ムチャンネル関連障害は、末梢から脳への感覚インパルスの伝達、及び/又は、
脳から末梢への運動インパルスの伝導、反射の統一、感覚インパルスの解釈、及
び感情的、知的(例えば学習及び記憶)、又は運動プロセスに悪影響を及ぼす場
合がある。カリウムチャンネル関連障害は、さらに、心筋線維を刺激して収縮さ
せる電気的インパルスに悪影響を与える場合もある。カリウムチャンネル関連障
害の例には、神経系関連障害や、心臓血管の障害がある。 【0042】 ここで用いられる「神経系関連障害」には、神経系を冒す障害、疾患又は状態
が含まれる。カリウムチャンネル関連障害及び神経系関連障害の例には、例えば
記憶喪失、失行症、失認症、健忘性失名詞症、健忘性空間識障害、クリューヴァ
ー‐ビューシー症候群、アルツハイマー関連記憶喪失(Eglen R.M. (1996) Phar
macol. and Toxicol. 78(2):59-68; Perry E.K. (1995) Brain and Cognition 2
8(3):240-58)及び学習障害など、記憶及び学習の障害などの認知の障害、例え
ば視覚的幻覚、知覚障害、又はレーヴィ小体痴呆に関連する譫妄などの、意識を
冒す障害、分裂影響性障害(Dean B. (1996) Mol. Psychiatry 1(1):54-8)や、
気分変動を伴う分裂病(Dean B. (1996) Mol. Psychiatry 1(1):54-8)、抑うつ
的疾患(一次又は二次的)、感情障害(Janowsky D.S. (1994) Am. J. Med. Gen
etics 54(4):335-44)、睡眠障害(Kimura F. (1997) J. Neurophysiol. 77(2):
709-16)、例えばうつ(Riemann D. (1994) J. Psychosomatic Res. 38 Suppl.
1:15-25; Bourgin P. (1995) Neuroreport 6(3): 532-6)、逆説睡眠障害(Saka
i K. (1997) Eur. J. Neuroscience 9(3):415-23)、睡眠覚醒、及び、睡眠中の
体温又は呼吸抑制障害(Shuman S.L. (1995) Am. J. Physiol. 269(2 Pt 2):R30
8-17; Mallick B.N. (1997) Brain Res. 750(1-2):311-7)に罹患した患者のREM
睡眠障害、が含まれる。神経系の関連する障害のその他の例には、例えば過敏性
腸症候群に関連した疼痛(Mitch C.H. (1997) J. Med. Chem. 40(4):538-46; Sh
annon H.E. (1997) J. Pharmac. and Exp. Therapeutics 281(2):884-94; Boua
ziz H. (1995) Anesthesia and Analgesia 80(6):1140-4; or Guimaraes A.P. (
1994) Brain Res. 647(2):220-30)や胸部の疼痛など、疼痛を生ずる機序を冒
す障害、例えばパーキンソン病の関連する排便障害(Finn M. (1997) Pharmacol
. Biochem. & Behavior 57(1-2):243-9; Mayorga A.J. (1997) Pharmacol. Bioc
hem. & Behavior 56(2):273-9)などの排便の障害(Monassi C.R. (1997) Physi
ol. and Behav. 62(1):53-9)、例えばインシュリン分泌過多の関連する肥満(M
accario M. (1997) J. Endocrinol. Invest. 20(1):8-12; Premawardhana L.D.
(1994) Clin. Endocrinol. 40(5): 617-21)などの摂食障害、例えば糖尿病性多
渇症などの飲水障害(Murzi E. (1997) Brain Res. 752(1-2):184-8; Yang X. (
1994) Pharmacol. Biochem. & Behavior 49(1):1-6)、例えばアルツハイマー病
、アルツハイマー病に関連する痴呆(例えばピック病)、パーキンソン病及びそ
の他のレーヴィ拡散小体疾患、多発性硬化症、筋萎縮性多発性硬化症、進行性核
上麻痺、てんかん、脊髄小脳失調、てんかん性症候群、及びヤコブ−クロイツフ
ェルト病などの神経変性障害や、例えばうつ、分裂性障害、コルサコフ精神病、
躁病、不安障害、双極性感情障害又は恐怖症などの精神医学上の障害、例えば偏
頭痛などの神経学的障害、脊髄損傷、卒中、及び頭部外傷、がある。 【0043】 ここで用いられる場合の「てんかん」には、脳の正常な電気的機能の障害によ
って起きる、よくある神経学的障害が含まれる。正常な脳機能においては、何百
万の小さな電荷が脳内の神経細胞から身体のあらゆる部分に向かって移動する。
てんかん患者では、この正常なパターンが、突然かつ異常な電気エネルギの激し
いバーストによって遮られるが、そのバーストが、その人の意識、身体運動、又
は感覚に即座に影響することがある。これらの物理的変化はてんかん発作と呼ば
れている。発作には二つのカテゴリがある。脳の一区域で起きる部分発作、及び
、脳全体の神経細胞に影響する汎発性発作、である。てんかんは、出生前又は出
生後の脳損傷、頭部の外傷、栄養不良、いくつかの感染性疾患、脳腫瘍、及びい
くつかの毒、が原因であることがある。しかしながら、多くの場合、その原因は
不明である。てんかんの起きる前には、発作の前触れを示す、不安、又は前兆と
呼ばれる感覚的不快感がある。患者によってはまちまちであるてんかん発作切迫
の兆候には、点滅する光又は「日輪様」などの視覚的現象がある場合がある。最
近、てんかんの遺伝子連鎖が染色体10qのマーカD10S192: 10q22-q24(Ottman et
al. (1995) Nature Genetics 10:56-60)に見つかった。多数あるてんかんの形
には、大発作、ジャクソンてんかん、家族性進行性ミオクロニーてんかん、小発
作、レノックス−ゲシュタウト症候群、熱性けいれん、精神運動、及び側頭葉、
が含まれる。ここで解説した観察は、部分てんかんの治療を開発する上で特に有
用である。 【0044】 ここで用いられている「失調」には、脳の正常な電気的機能の乱れによって起
きる、よくある神経学的障害が含まれる。脊髄小脳失調タイプ1(SCA1)は、ヒ
ト主要組織適合性複合体(HLA)への連鎖に基づき、染色体6番の短腕に遺伝
学的に連鎖した常染色体優性障害である。例えば、H. Yakura et al. (1974) N
. Engl. J. Med., 291, 154-155; and J. F. Jackson et al. (1977) N. Engl
. J. Med 296, 1138-1141を参照されたい。SCA1はHLAのテロメア側の、6番染色
体の短腕のマーカDS6S89に密接に連鎖していることが示されている。例えばL.
P. W. Ranum et al., Am. J. Hum. Genet., 49, 31-41 (1991); and H. Y
. Zoghbi et al., Am. J. Hum. Genet., 49, 23-30 (1991)を参照されたい
。ここで解説した観察は、幼児発症脊髄小脳失調(IOSCA)の治療を開発するの
に特に有用である。 【0045】 ここで用いられる「心臓血管の障害」には、例えば心臓など、心臓血管系を冒
す障害が含まれる。心臓血管の障害の例には、動脈硬化、虚血性再潅流損傷、再
狭窄、動脈の炎症、血管壁のリモデリング、心室のリモデリング、心室の急速ペ
ーシング、冠状微小塞栓症、頻脈、徐脈、圧負荷、大動脈の屈曲、冠状動脈結紮
、血管心臓疾患、心房細動、長QT症候群、うっ血性心不全、洞結節機能不全、口
峡炎、心不全、高血圧、心房細動、心房粗動、拡張型心筋症、突発性心筋症、心
筋梗塞、冠状動脈疾患、冠状動脈けいれん、又は不整脈、が含まれる。好適な実
施例では、心臓血管の障害は、異常なIto電流に関連するものである。 【0046】 PCIPファミリの構成員のうちのいくつかは、例えば共通の構造ドメイン又はモ
チーフ、あるいはここて定義された充分なアミノ酸又はヌクレオチド配列ホモロ
ジなど、共通の構造上の特徴を有している場合がある。このようなPCIPファミリ
の構成員は天然発生型でも、非天然発生型でもよく、同じ又は異なる種を由来と
するものでもよい。例えば、PCIPファミリに、ヒト由来の第一のたんぱく質や、
ヒト由来のその他の別個のたんぱく質を含めても、又は、ヒト以外を由来とする
相同体を含めることができる。 【0047】 例えば、共通の構造上の特徴を有するPCIPファミリの構成員には、少なくとも
一個の「カルシウム結合ドメイン」を含めてもよい。ここで用いられる場合に、
「カルシウム結合ドメイン」という術語は、カルシウム結合に関与する、例えば
EFハンド (Baimbridge K.G. et al. (1992) TINS 15(8): 303-308)などのア
ミノ酸ドメインを含む。好ましくはカルシウム結合ドメインは、コンセンサス配
列: EO・・OO・・ODKDGDGO・・・EF・・OO. (SEQ ID NO:41)
に実質的に同一である配列を有するとよく、ただしこのときOはI、L、V又は
Mであってよく、そして「・」は特に好適な残基がない位置を指し示す。記載し
た各残基は、配列のうち25%を越えて存在しており、下線を引いたものは配列
のうち80%を越えて存在している。ヒト1vたんぱくのアミノ酸残基126-154及
び174-202、ラット1vたんぱくのアミノ酸残基126-154及び174-202、ラット1vlた
んぱくのアミノ酸残基137-165及び185-213、ラット1vnたんぱくのアミノ酸残基1
42-170、マウス1vたんぱくのアミノ酸残基126-154及び174-202、マウス1vlたん
ぱくのアミノ酸残基137-165及び185-213、ヒト9qlたんぱくのアミノ酸残基144-1
72、180-208、及び228-256、ヒト9qmたんぱくのアミノ酸残基126-154、162-190
、及び210-238、ヒト9qsたんぱくのアミノ酸残基94-122、130-158、及び178-206
、ラット9qmたんぱくのアミノ酸残基126-154、162-190、及び210-238、ラット9q
lたんぱくのアミノ酸残基131-159、167-195、及び215-243、ラット9qcたんぱく
のアミノ酸残基126-154、162-190、及び210-238、ラット8tたんぱくのアミノ酸
残基99-127、135-163、及び183-211、マウス9qlたんぱくのアミノ酸残基144-172
、180-208、及び228-256、サル9qsたんぱくのアミノ酸残基94-122、130-158、及
び178-206、ヒトp19たんぱくのアミノ酸残基94-122、130-158、及び178-206、ラ
ットp19たんぱくのアミノ酸残基19-47及び67-95、及び、マウスp19たんぱくのア
ミノ酸残基130-158、166-194、及び214-242はカルシウム結合ドメイン(EFハ
ンド)を含んでいる(図21を参照されたい)。サルKChIP4a及びKChIP4bたんぱ
くのアミノ酸残基116-127及び152-163もカルシウム結合ドメインを含んでいる。 【0048】 別の実施例では、本発明の単離されたPCIPたんぱく質は、約100から200
のアミノ酸残基長、好ましくは150から200のアミノ酸残基長、そしてより
好ましくは185のアミノ酸残基長のアミノ酸配列を含み、かつ三本のEFハン
ドを含む、少なくとも一個の保存されたカルボキシル末端ドメインの存在に基づ
いて同定される。本発明のPCIPたんぱく質は、好ましくは、ラット1v、ラット9q
、又はマウスp19(図21、25、及び41を参照されたい)のカルボキシル末
端の185個のアミノ酸残基に少なくとも約70%、71%、74%、75%、
76%、80%又はそれ以上同一であるカルボキシル末端ドメインを含むとよい
。 【0049】 さらに共通の構造上の特徴を有するPCIPファミリの構成員を表Iに挙げ、下に
解説する。本発明は、完全長のヒト、マウス、及びラット1vcDNAクローン、1vス
プライスバリアント1vlの完全長マウス及びラットcDNAクローン、1vスプライス
バリアント1vnの部分的ラットcDNAクローン、及びこれらのcDNAがコードするた
んぱく質、を提供するものである。さらに本発明は、完全長のヒト及びマウス並
びに部分的ラット9qlcDNAクローン、9qlスプライスバリアント9qmの完全長ヒト
及びラットcDNAクローン、9qlスプライスバリアント9qsの完全長ヒト及びサルcD
NAクローン、9qlスプライスバリアント9qcの完全長ラットcDNAクローン、9qlス
プライスバリアント8tの部分的ラットcDNAクローン、及び、これらのcDNAがコー
ドするたんぱく質を提供する。さらに本発明は、完全長マウス及びヒト並びに部
分的ラットp19cDNAクローン、及びこれらのcDNAがコードするたんぱく質を提供
する。p19の完全長ヒトcDNAクローンと、このヒトp19cDNAの3’端を表す部分的
クローンp193が提供される。加えて、本発明は、部分的ヒトW28559cDNAクローン
及びこのcDNAがコードするたんぱく質を提供する。さらに本発明は、完全長サル
クローンKChIP4a、及び対応する完全長スプライスバリアントKChIP4b、並びに、
これらのcDNAがコードするたんぱく質を提供するものである。 【0050】 例えば共通の構造上の特徴を持たないPCIPファミリの構成員など、その他のPC
IPファミリの構成員を表IIに挙げ、下に解説する。本発明は、完全長のヒト及
び部分長のラット33b07クローン及びこれらのcDNAによってコードされたたんぱ
く質を提供する。さらに本発明は、部分長のラット1pクローン及びこのcDNAによ
ってコードされたたんぱく質も提供する。加えて、本発明は部分長ラット7sクロ
ーン及びこのcDNAにコードされたたんぱく質を提供するものである。 【0051】 さらに本発明は、既に同定されたcDNA(29x、25r、5p、7q、及び19r)を表すP
CIPファミリの構成員を提供する。既に同定されたこれらのcDNAは、ここでは、P
CIPファミリ構成員、即ち、ここで説明するようなPCIP活性を有する分子、とし
て同定されている。従って、本発明は、例えばこれらのcDNAをスクリーニング検
定、診断用検定、予後検定、及びここで説明した処置法など、これら既に同定さ
れているcDNAを用いる方法を提供するものである。 【0052】 本発明のPCIP分子は、当初、(例1で詳述された)酵母二種ハイブリッド検定
法を用いて調べたように、ラットKv4.3サブユニットのアミノ末端の180個の
アミノ酸と相互作用するというそれらの能力に基づいて同定された。さらに、そ
の他のカリウムサブユニットを用いた結合研究を行って、Kv4.3及びKv4.2に関す
るPCIPの特異性を実証した。次に、in situ局在化、免疫組織化学的方法、共免
疫沈殿法、及びパッチ・クランプ法を用いて、本発明のPCIPが、カリウムチャン
ネル、特に4.3又は4.2サブユニットを含むものと相互作用し、かつ変調すること
を明確に実証した。 【0053】 いくつかの新規なヒト、マウス、サル及びラットPCIPファミリ構成員が同定さ
れ、ここでは1v、9q、p19、W28559、KChIP4、33b07、1p、及びラット72たんぱく
質及び核酸分子と言及されている。1vポリペプチドをコードするヒト、ラット及
びマウスcDNAは、それぞれSEQ ID NO:1、3、及び5と表され、図1、2、及び3
で示されている。脳内では1vmRNAは新皮質及び海馬の介在ニューロン、視床網様
体核及び手綱内側、窩底前脳及び線条体コリン作動性ニューロン、上丘及び小脳
顆粒細胞で高度に発現している。その1vポリペプチドは、1vmRNAを発現する細胞
の細胞体、樹状突起、軸策及び軸策末端で高度に発現している。1v遺伝子のスプ
ライスバリアントはラット及びマウスで同定されており、それぞれSEQ ID NO:7
、9、及び11と表され、図4、5、及び6で示されている。1vポリペプチドはKv4
.3又はkv4.2サブユニットを含むカリウムチャンネルとは相互作用するが、Kv1.1
サブユニットとは相互作用しない。ノーザンブロットで調べると、1v転写産物(
mRNA)は主に脳内で発現している。 【0054】 8tcDNA(SEQ ID NO:29)は、SEQ ID NO:30に相当する約26kDの分子量を有
するポリペプチドをコードしている(図15を参照されたい)。この8tポリペプ
チドはKv4.3又はKv4.2サブユニットを含むカリウムチャンネルとは相互作用する
が、Kv1.1サブユニットとは相互作用しない。ノーザンブロット及びin situデー
タで調べると、8tmRNAは主に心臓内及び脳内で発現している。8tcDNAは9qのスプ
ライスバリアントである。 【0055】 さらにヒト、ラット、サル及びマウス9qcDNAも単離された。スプライスバリア
ントにはヒト9ql(SEQ ID NO:13、図7)、ラット9ql(SEQ ID NO:15、図8)、
マウス9ql(SEQ ID NO:17、図9)、ヒト9qm (SEQ ID NO:19、図10)、ラッ
ト9qm(SEQ ID NO:21、図11)、ヒト9qs(SEQ ID NO:23、図12)、サル9qs
(SEQ ID NO:25、図13)及びラット9qc(SEQ ID NO:27、図14)が含まれる
。さらに9qのゲノムDNA配列も決定されている。エキソン1及びそのフランキ
ングイントロン配列(SEQ ID NO:46)を図22Aに示す。エキソン2から11及
びそのフランキングイントロン配列(SEQ ID NO:47)は図22Bに示されている
。9qポリペプチドは、Kv4.3又はKv4.2サブユニットを含むカリウムチャンネルと
は相互作用するが、Kv1.1サブユニットとは相互作用しない。ノーザンブロット
及びin situデータで調べると、9qたんぱく質は主に心臓内及び脳内で発現して
いる。脳内では9qmRNAは新線条体、海馬形成、新皮質錐体細胞、及び介在ニュー
ロン、並びに視床、上丘、及び小脳で高度に発現している。 【0056】 さらにヒト、ラット及びマウスP19cDNAも単離された。ヒトP19をSEQ ID NO:31
及び図16並びにSEQ ID NO:39及び図20(3’配列)に示す。ラットP19はSE
Q ID NO:33及び図17に示し、マウスP19をSEQ ID NO:35及び図18に示す。P19
ポリペプチドはKv4.3又はKv4.2サブユニットを含むカリウムチャンネルとは相互
作用するが、Kv1.1サブユニットとは相互作用しない。ノーザンブロット分析で
調べると、P19転写産物(mRNA)は、主に脳内で発現している。 【0057】 PCIP分子の部分的ヒトパラログも単離された。このパラログはここではW28559
と言及されており、SEQ ID NO:37及び図19で示されている。 【0058】 さらにサルKChIP4a及びそのスプライスバリアントKChIP4b、KChIP4c、及びKCh
IP4dも単離された。サルKChIP4aをSEQ ID NO:48及び図23に示す。サルKChIP4b
をSEQ ID NO:50及び図24に示す。サルKChIP4cをSEQ ID NO:69及び図35に示
す。サルKChIP4dをSEQ ID NO:71及び図36に示す。 【0059】 完全長ラット33b07cDNAのヌクレオチド配列、及び、ラット33b07ポリペプチド
の予測されるアミノ酸配列をそれぞれ図26及びSEQ ID NO:52及び53に示す。ラ
ット33b07cDNAは、分子量が約44.7kDで407個のアミノ酸長であるたん
ぱく質をコードしている。ラット33b07は、rKv4.3N及びrKv4.2Nに結合するが、
酵母2種ハイブリッド検定ではrKv4.2Nに対して僅かに優先的に結合する。 【0060】 完全長ヒト33b07cDNAのヌクレオチド配列、及び、ヒト33b07ポリペプチドの予
測されるアミノ酸配列を、それぞれ図27及びSEQ ID NO:54及び55に示す。 【0061】 部分長ラット1pcDNAのヌクレオチド配列、及び、ラット1pポリペプチドの予測
されるアミノ酸配列を、それぞれ図28及びSEQ ID NO:56及び57に示す。ラット
1p cDNAは、分子量約28.6kDで267個のアミノ酸長であるたんぱく質を
コードしている。ラット1pはrKv4.3N及びrKv4.2Nに結合するが、酵母二種ハイブ
リッド検定では、僅かにrKv4.3Nに優先的に結合する。 【0062】 部分長ラット7scDNAのヌクレオチド配列、及び、ラット7sポリペプチドの予測
されるアミノ酸配列を、それぞれ図29及びSEQ ID NO:58及び59に示す。ラット
7scDNAは、分子量約28.6kDで270個のアミノ酸長のたんぱく質をコード
している。ラット7sは、rKv4.3N及びrKv4.2Nに結合するが、酵母二種ハイブリッ
ド検定では、rKv4.3N に優先的に結合する。 【0063】 本発明の配列を以下、表I及びIIに要約する。 【表I】 本発明の新規なポリヌクレオチド及びポリペプチド(特記する場合を除き完全
長) 【0064】 *コドン配列の座標を括弧内に示す。最初のコラムは、同定されたPCIPを示し
、コラム2は各PCIPについて同定された様々な核酸の形を示す。 【0065】 【表II】 本発明の新規なポリヌクレオチド及びポリペプチド(特記する場合を除き完全
長) 【0066】 *コドン配列の座標を括弧内に示す。最初のコラムは、同定された四つのファ
ミリのPCIPを示し、コラム2は各PCIPについて同定された様々な核酸の形を示す
。新規な分子も示されている。 【0067】 ヒト、ラット及びサルPCIPをコードするヌクレオチド配列を含有するプラスミ
ドは、1998年11月17日に、20110−2209、バージニア州マナサ
ス、ユニバーシティ・ブルバード10801、アメリカン・タイプ・カルチャー
・コレクション(ATCC)に寄託されており、上に解説した受託番号を受けて
いる。これらの寄託物は、特許手続の目的のために、インターナショナル・リコ
グニション・オブ・ザ・デポジット・オブ・マイクロオーガニズムに関するブダ
ペスト条約の条件下で維持されている。これらの寄託物は単に当業者の便宜上作
製されたものであり、米国特許法第112条のもとで寄託が求められたことを承
認したものではない。 【0068】 ヒトp19(クローンEphP19)及びヒト33b07(クローンEph33b07)をコードする
cDNA分子を含有するクローンは、それぞれがある特定のcDNAクローンを持つ一個
の組換えプラスミドを有する二つの株の混合液を表す複合寄託物の一部として、
受託番号PTA−316で、1998年7月8日にアメリカン・タイプ・カルチ
ャー・コレクション(バージニア州マナサス)に寄託されている。(hP19及びh3
3b07の混合物のATCC株名称はEphP19h33b07mixである)。 【0069】 株を区別し、特定のcDNAクローンを持つ株を単離するには、一アリクォートの
混合液を、100μg/mlのアンピシリンを補ったLBプレートに別々のコロ
ニになるように垂らし、個々のコロニを成長させ、その後プラスミドDNAを、
標準的なミニプレパレーション法を用いて抽出することができる。次に、DNA
ミニプレパレーションの試料をNotIで消化し、その産物を、標準的なDNA電気
泳動条件を用いて0.8%のアガロースゲルで分離することができる。この消化
の結果、以下のバンド・パターンが生じる。EphP19:7kb9(一本のバンド)、E
ph33b07:5.8kb(一本のバンド)。 【0070】 本発明の様々な態様を以下の小項で詳述する。 【0071】 I.単離された核酸分子 本発明の一態様は、PCIPたんぱく質又はその生物学的に活性な部分をコードす
る単離された核酸分子や、PCIPをコードする核酸分子(例えばPCIPmRNA)を同定
するためのハイブリダイゼーション・プローブとして用いるのに充分な核酸断片
、及び、PCIP核酸分子の増幅又は変異のためのPCRプライマとして用いる断片に
関するものである。ここで用いられる「核酸分子」という術語は、DNA分子(
例えばcDNA又はゲノムDNA)及びRNA分子(例えばmRNA)、並びにヌクレオチド類
似体を用いて作製されたDNA又はRNAの類似体を包含するものとして意図されてい
る。核酸分子は一本鎖でも二本鎖でもよいが、好ましくは二本鎖のDNAである。 【0072】 「単離された」核酸分子とは、核酸の天然源中に存在するその他の核酸分子か
ら分離されたものである。好ましくは、「単離された」核酸は、その核酸を得る
もととなった生物のゲノムDNA中、天然で当該核酸の両側にある配列(即ち、そ
の核酸の5’端及び3’端に位置する配列)が付いていないとよい。例えば、様
々な実施例では、単離されたPCIP核酸分子は、その核酸を得たもとの細胞のゲノ
ムDNA中、天然では当該核酸分子の両側にある、約5kb、4kb、3kb、2
kb、1kb、0.5kb又は0.1kb未満のヌクレオチド配列を含んでいて
もよい。さらに、cDNA分子など、「単離された」核酸分子は、その他の細胞物質
や、又は、組換え技術により生成した場合には培地を実質的に含んでいないかも
知れず、又は化学合成した場合には化学的前駆体又はその他の化学成分を実質的
に含んでいなくともよい。 【0073】 本発明の核酸分子、例えばSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID
NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:1
7、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27
、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、
SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SE
Q ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又は
SEQ ID NO:71のヌクレオチド配列、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938
、98939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、98946、98947、98948、
98949、98950、98951、98991、98993、又は98994として寄託されたプラスミドの
DNAインサートのヌクレオチド配列、又はそれらの一部分、を有する核酸分子
など、は標準的な分子生物学的技術及びここに提供した配列情報を用いて単離が
可能である。SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID N
O:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:1
9、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29
、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、
SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SE
Q ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71の
ヌクレオチド配列、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940
、98941、98942、98943、98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、
98951、98991、98993、又は98994として寄託されたプラスミドのDNAインサー
トのヌクレオチド配列、の、全部又は部分をハイブリダイゼーション・プローブ
として用いることで、PCIP核酸分子を、標準的ハイブリダイゼーション技術及び
クローニング技術を用いて(例えばSambrook, J., Fritsh, E. F., and Maniati
s, T. Molecular Cloning: A Laboratory Manual. 2nd, ed., Cold Spring Har
bor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989に説かれたように)単離することができる。 【0074】 さらに、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:
9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19
、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、
SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SE
Q ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ
ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71のヌ
クレオチド配列、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、9
8941、98942、98943、98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、989
51、98991、98993、又は98994として寄託されたプラスミドのDNAインサート
のヌクレオチド配列、の全部又は一部分を包含する核酸分子を、SEQ ID NO:1、S
EQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID
NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO
:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:3
3、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47
、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、
SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71のヌクレオチド配列、又は、AT
CCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、9894
4、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、又は98
994として寄託されたプラスミドのDNAインサートのヌクレオチド配列、の配
列に基づいてデザインした合成オリゴヌクレオチド・プライマを用いたポリメラ
ーゼ連鎖反応(PCR)によって単離することもできる。 【0075】 本発明の核酸は、cDNA、mRNA、又は代替的にはゲノムDNAを、標準的PCR増
幅技術に基づくテンプレート及び適したオリゴヌクレオチド・プライマとして用
いて増幅することができる。このようにして増幅した核酸を適したベクタ内にク
ローンし、DNA配列分析によって特性付けてもよい。さらに、PCIPヌクレオチド
配列に対応するオリゴヌクレオチドは、標準的合成技術、例えば自動DNAシンセ
サイザを用いるなどによって作製することができる。 【0076】 好適な実施例の一つでは、本発明による単離された核酸分子は、SEQ ID NO:1
、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ
ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID
NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID N
O:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:
47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56
、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71に示されたヌクレオチド配列
、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、9
8943、98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、989
93、又は98994として寄託されたプラスミドのDNAインサートのヌクレオチド
配列、又は、これらのヌクレオチド配列のいずれかの一部分、を含む。 【0077】 別の好適な実施例では、本発明の単離された核酸分子は、SEQ ID NO:1、SEQ I
D NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:1
3、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23
、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、
SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SE
Q ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ
ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71に示されたヌクレオチド配列、又は
、ATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、
98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、又
は98994として寄託されたプラスミドのDNAインサートのヌクレオチド配列、
又はこれらのヌクレオチド配列のいずれかの一部分、の相補体である核酸分子を
含む。SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、S
EQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ
ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ I
D NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID
NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO
:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71に示され
たヌクレオチド配列に対して、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938、989
39、98940、98941、98942、98943、98944、98945、98946、98947、98948、98949
、98950、98951、98991、98993、又は98994として寄託されたプラスミドのDN
Aインサートのヌクレオチド配列、に対して、相補な核酸分子とは、SEQ ID NO:
1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ
ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ I
D NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID
NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO
:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:5
6、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71に示されたヌクレオチド配
列に、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、9894
2、98943、98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991
、98993、又は98994として寄託されたプラスミドのDNAインサートのヌクレオ
チド配列にハイブリダイズすることで安定な二重鎖を形成できるよう、SEQ ID N
O:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9に示
したヌクレオチド配列に、又はATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98
940、98941、98942、98943、98944、98945、98946、98947、98948、98949、9895
0、98951、98991、98993、又は98994として寄託されたプラスミドのDNAイン
サートのヌクレオチド配列に、充分相補なものである。 【0078】 さらに別の好適な実施例では、本発明の単離された核酸分子は、SEQ ID NO:1
、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ
ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID
NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID N
O:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:
47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56
、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71に示されたヌクレオチド配列
の全長に対して、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、9
8941、98942、98943、98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、989
51、98991、98993、又は98994として寄託されたプラスミドのDNAインサート
のヌクレオチド配列の全長に対して、又はこれらのヌクレオチド配列のいずれか
の一部分に対して、少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、7
5%、80%、85%、90%、95%、又はそれ以上同一であるヌクレオチド
配列を含むものである。 【0079】 さらに、本発明の核酸分子は、例えば、プローブ又はプライマとして利用可能
である断片、あるいはPCIPポリペプチドの生物学的に活性な部分をコードする断
片など、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9
、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、
SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SE
Q ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ
ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID
NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71の核酸
配列、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、9894
2、98943、98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991
、98993、又は98994として寄託されたプラスミドのDNAインサートのヌクレオ
チド配列、のごく一部分を含むものでもよい。PCIP遺伝子のクローニングから決
定されたヌクレオチド配列があると、その他のPCIPファミリー・メンバーや、そ
の他の種を由来とするPCIP相同体を同定する、及び/又は、クローニングするの
に利用するようデザインされたプローブ及びプライマの作製が可能となる。 【0080】 このプローブ/プライマは、典型的には実質的に精製されたオリゴヌクレオチ
ドを含む。このオリゴヌクレオチドは、典型的には、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3
、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ
ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ I
D NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID
NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO
:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:5
8、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71のセンス配列、又は、ATCCに受託番号98936
、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、98946、
98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、又は98994として寄託され
たプラスミドのDNAインサートのヌクレオチド配列、又は、SEQ ID NO:1、SEQ
ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO
:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:2
3、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33
、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、
SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SE
Q ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71のアンチセンス配列、又は、ATCC
に受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944
、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、又は989
94として寄託されたプラスミドのDNAインサートのヌクレオチド配列、あるい
はSEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ I
D NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID
NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO
:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:4
6、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54
、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71、又は、ATCC
に受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944
、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、又は989
94として寄託されたプラスミドのDNAインサートのヌクレオチド配列の、天然
発生対立遺伝子バリアント又は突然変異体、のうちの少なくとも約12又は15
個、より好ましくは約20又は25、さらにより好ましくは30、35、40、
45、50、55、60、65、又は75個の連続したヌクレオチドに、緊縮条
件下でハイブリダイズするようなヌクレオチド配列の一領域を含む。一実施例で
は、本発明の核酸分子は、350−400、400−450、450−500、
550−600、650−700、750−800、850−900、949、
950−1000、又はそれ以上のヌクレオチド長であり、かつ、SEQ ID NO:1
、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ
ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID
NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID N
O:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:
47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56
、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71の核酸分子、又は、ATCCに受
託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、989
45、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、又は98994と
して寄託されたプラスミドのDNAインサートのヌクレオチド配列、に、緊縮ハ
イブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするものである。 PCIPヌクレオチド配列に基づいたプローブを用いて、同じ又は相同のたんぱく
質をコードする転写産物又はゲノム配列を検出してもよい。好適な実施例では、
本プローブには、さらに、標識群をそれに付着させて含み、この標識群は例えば
放射性同位元素でも、蛍光性化合物でも、酵素でも、又は酵素コファクターでも
よい。このようなプローブを、PCIPたんぱく質を誤発現する細胞又は組織を同定
するための診断用テスト・キットの部分として用いることができ、例えば被験体
から採った細胞試料中のPCIPをコードする核酸量を測定したり、例えばPCIPmRNA
量を検出したり、又はゲノムPCIP遺伝子が変異したか、又は削除されたかどうか
を判定するなどに、用いることができる。 【0081】 「PCIPたんぱく質の生物学的に活性な部分」をコードしている核酸断片は、(
例えば生体外での組換え発現によるなど)、PCIP生物活性(PCIPたんぱく質の生
物活性は既に説明されている)を有するポリペプチドをコードするSEQ ID NO:1
、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ
ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID
NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID N
O:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:
47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56
、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71のヌクレオチド配列、又は、
ATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98
944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、又は
98994として寄託されたプラスミドのDNAインサートのヌクレオチド配列、の
一部分を単離し、PCIPたんぱく質のうちのコードされた部分を発現させ、PCIPた
んぱく質のうちのコードされた部分の活性を評価することによって、作製するこ
とができる。 【0082】 本発明は、さらに、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、
SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ
ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ I
D NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID
NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO
:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID
NO:71に示されたヌクレオチド配列、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938
、98939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、98946、98947、98948、
98949、98950、98951、98991、98993、又は98994として寄託されたプラスミドの
DNAインサートのヌクレオチド配列、とは遺伝暗号の縮重のために異なるが、
SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID
NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO
:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:3
1、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46
、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、
SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71に示されたヌク
レオチド配列、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、989
41、98942、98943、98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951
、98991、98993、又は98994として寄託されたプラスミドのDNAインサートの
ヌクレオチド配列、によってコードされたものと同じPCIPたんぱく質をコードす
るような核酸分子をも包含する。別の実施例では、本発明に基づく単離された核
酸分子は、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:
10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20
、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、
SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SE
Q ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ
ID NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72に示したアミノ酸配列を有するたん
ぱく質をコードするヌクレオチド配列を有するものである。 【0083】 SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ I
D NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID
NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO
:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:4
6、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54
、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71に示されたPC
IPヌクレオチド配列、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、9894
0、98941、98942、98943、98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950
、98951、98991、98993、又は98994として寄託されたプラスミドのDNAインサ
ートのヌクレオチド配列に加え、当業者であれば、PCIPたんぱく質のアミノ酸配
列中の変化につながるようなDNA配列の多型も一集団中(例えばヒトの集団)に
存在する可能性があることも理解されよう。PCIP遺伝子のこのような遺伝子多型
性は、天然の対立遺伝子のバリエーションのために、一集団中の個体同士間に存
在する場合がある。ここで用いられる場合の「遺伝子」及び「組換え遺伝子」と
いう術語は、PCIPたんぱく質、好ましくはほ乳類のPCIPたんぱく質をコードする
開放読み取り枠を含む核酸分子を言い、さらに非コーディング調節配列及びイン
トロンを含めることができる。 【0084】 ヒトPCIPの対立遺伝子バリアントには、機能的及び非機能的PCIPたんぱく質の
両方が含まれる。機能的対立遺伝子バリアントは、PCIPリガンドに結合する能力
、及び/又は、ここに解説したPCIP活性のいずれかを変調できる能力、を維持し
ているヒトPCIPたんぱく質の自然発生型のアミノ酸配列変異体である。機能的対
立遺伝子バリアントは、典型的には、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6
、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、S
EQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ
ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ I
D NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID
NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のアミ
ノ酸のうちの一つ又はそれ以上に保存的置換を含有するのみ、又は、このたんぱ
く質の重要でない領域に、重要でない残基の置換、削除又は挿入を含有するのみ
であろう。 【0085】 非機能的対立遺伝子バリアントは、PCIPリガンドに結合する能力、及び/又は
、ここに解説したPCIP活性のいずれかを変調できる能力、を持たないヒトPCIPた
んぱく質の自然発生型のアミノ酸配列変異型である。非機能的対立遺伝子バリア
ントは、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10
、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、
SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SE
Q ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ
ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID
NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のアミノ酸配列に非保存的置換、削除
又は未成熟のトランケーションを含有する、又は、重要な残基又は重要な領域に
置換、削除又は挿入を含有することであろう。 【0086】 さらに本発明は、ヒトPCIPたんぱく質の非ヒトオーソログを提供するものであ
る。ヒトPCIPたんぱく質のオーソログとは、非ヒト生物から単離され、かつ同じ
PCIPリガンド結合及び/又はヒトPCIPたんぱく質のカリウムチャンネル媒介活性
変調を有するたんぱく質である。ヒトPCIPたんぱく質のオーソログは、SEQ ID N
O:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、
SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、SE
Q ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ
ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID
NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID N
O:70、又はSEQ ID NO:72に実質的に同一なアミノ酸配列を含むため、簡単に同定
できる。 【0087】 さらに、その他のPCIPファミリー・メンバーをコードし、従ってSEQ ID NO:1
、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ
ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID
NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID N
O:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:
47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56
、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71のPCIP配列、又は、ATCCに受
託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、989
45、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、又は98994と
して寄託されたプラスミドのDNAインサートのヌクレオチド配列とは異なるヌ
クレオチド配列を有するような核酸分子も、本発明の範囲内にあると意図されて
いる。例えば、別のPCIPcDNAを、ヒトPCIPのヌクレオチド配列に基づいて同定し
てもよい。 【0088】 さらに、異なる種を由来とするPCIPたんぱく質をコードし、従ってSEQ ID NO:
1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ
ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ I
D NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID
NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO
:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:5
6、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71のPCIP配列、又は、ATCCに
受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、9
8945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、又は98994
として寄託されたプラスミドのDNAインサートのヌクレオチド配列とは異なる
ヌクレオチド配列を有するような核酸分子も、本発明の範囲内にあると意図され
ている。例えば、マウスPCIPcDNAを、ヒトPCIPのヌクレオチド配列に基づいて同
定することができる。 【0089】 本発明のPCIP cDNAの天然の対立遺伝子バリアント及び相同体に相当する核酸
分子は、ここに開示したcDNA又はそれの部分を、緊縮ハイブリダイゼーション条
件下で標準的ハイブリダイゼーション技術に基づいてハイブリダイゼーションプ
ローブとして用いることで、ここに開示したPCIP核酸に対するそれらのホモロジ
ーに基づいて単離することができる。 【0090】 従って、別の実施例では、本発明による単離された核酸分子は、少なくとも1
5、20、25、30又はそれ以上のヌクレオチド長であり、緊縮条件下で、SE
Q ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO
:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:2
1、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31
、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、
SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SE
Q ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71のヌクレオチド配
列、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942
、98943、98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、
98993、又は98994として寄託されたプラスミドのDNAインサートのヌクレオチ
ド配列のヌクレオチド配列、を含む核酸分子にハイブリダイズするものである。
別の実施例では、本核酸は少なくとも30、50、100、150、200、2
50、300、307、350、400、450、500、550、600、6
50、700、750、800、850、900、949、又は950個のヌク
レオチド長である。ここで用いられる、「緊縮条件下でハイブリダイズする」と
いう術語は、相互に少なくとも60%相同であるヌクレオチド配列が、多くの場合
相互にハイブリダイズしたままでいられるハイブリダイゼーション条件及び洗浄
条件を述べるものとして意図されている。好ましくは、この条件とは、相互に少
なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、さらにより好ましくは少なく
とも約85%又は90%相同である配列が、多くの場合相互にハイブリダイズしたまま
でいられる条件である。このような緊縮条件は、当業者に公知であり、Current
Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, N.Y. (1989), 6.3.1-6.
3.6に見ることができる。好適な、しかし非限定的な緊縮ハイブリダイゼーショ
ン条件の一例は、約45℃の6倍の塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC
)中でのハイブリダイゼーション、続いて、0.2×SSC、50℃、好ましく
は55℃、そしてより好ましくは60℃又は65℃の0.1%のSDS中での一回
又はそれ以上の洗浄、という条件である。好ましくは、緊縮条件下でSEQ ID NO:
1の配列にハイブリダイズさせる、本発明の単離された核酸分子は、天然発生型
の核酸分子に相当するとよい。ここで用いられる場合の「天然発生型の」核酸分
子とは、天然で発生するヌクレオチド配列を有する(例えば天然のたんぱく質を
コードする)RNA又はDNA分子を言う。 【0091】 集団中に存在する可能性のあるPCIP配列の天然発生型の対立遺伝子バリアント
に加え、当業者であれば、突然変異により、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID
NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:1
5、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25
、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、
SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SE
Q ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ
ID NO:69、又はSEQ ID NO:71のヌクレオチド配列、又は、ATCCに受託番号98936
、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、98946、
98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、又は98994として寄託され
たプラスミドのDNAインサートのヌクレオチド配列、に変化が起きて、PCIPた
んぱく質の機能上の能力が変わらないまま、コードされたPCIPたんぱく質のアミ
ノ酸配列が変化する場合もあることを理解されよう。例えば、「重要でない」ア
ミノ酸残基でのアミノ酸置換を起こすようなヌクレオチドの置換が、SEQ ID NO:
1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ
ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ I
D NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID
NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO
:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:5
6、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71に示されたヌクレオチド配
列、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942
、98943、98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、
98993、又は98994として寄託されたプラスミドのDNAインサートのヌクレオチ
ド配列、のなかに起きてもよい。「重要でない」アミノ酸残基とは、その生物活
性を変化させることなくPCIPの野生型の配列(例えばSEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4
、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SE
Q ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ
ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID
NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID N
O:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID
NO:72の配列など)から変化してもよい残基であり、他方、「重要な」アミノ酸
残基とは生物活性にとって必要なものである。例えば、本発明のPCIPたんぱく質
のうちで保存されているアミノ酸残基は、特に変化になじまないと予測される。
さらに、本発明のPCIPたんぱく質と、PCIPファミリたんぱく質のその他の構成員
との間で保存されたその他のアミノ酸残基も変更になじまないと考えられる。 【0092】 従って、本発明のさらに一つの態様は、活性にとって重要でないアミノ酸残基
に変化を含んだ、PCIPたんぱく質をコードする核酸分子に関するものである。こ
のようなPCIPたんぱく質は、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID
NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:
18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28
、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、
SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SE
Q ID NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72からはアミノ酸配
列の上では異なるが、生物活性は維持したものである。実施例の一つでは、当該
の単離された核酸分子は、ある一つのたんぱく質をコードするヌクレオチド配列
を含むが、このたんぱく質は、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ I
D NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID N
O:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:
28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38
、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、
SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72に少なくとも約
50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、
95%、又はそれ以上同一であるアミノ酸配列を含む。 【0093】 SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ
ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID
NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID N
O:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:
49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:59
、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のたんぱく質に相同なPCIPたんぱく質をコー
ドする単離された核酸分子は、一つ又はそれ以上のアミノ酸置換、追加又は削除
が、コードされたたんぱく質に導入されているように、一つ又はそれ以上のヌク
レオチド置換、追加、又は削除を、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、S
EQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ I
D NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID
NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO
:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:5
0、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69
、又はSEQ ID NO:71に示されたヌクレオチド配列、又は、ATCCに受託番号98936
、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、98946、
98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、又は98994として寄託され
たプラスミドのDNAインサートのヌクレオチド配列に、導入することで、作製
が可能である。SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID
NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO
:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:2
9、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39
、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、
SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71
に示されたヌクレオチド配列、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938、989
39、98940、98941、98942、98943、98944、98945、98946、98947、98948、98949
、98950、98951、98991、98993、又は98994として寄託されたプラスミドのDN
Aインサートのヌクレオチド配列に対する突然変異の導入は、例えば位置指定突
然変異誘発及びPCR媒介突然変異誘発など、標準的な技術によって行うことがで
きる。好ましくは、保存的なアミノ酸置換は、一つ又はそれ以上の予測される重
要でないアミノ酸残基で行うとよい。「保存的なアミノ酸置換」とは、アミノ酸
残基を、同様な側鎖を有するアミノ酸残基に置換するものである。同様な側鎖を
有するアミノ酸残基のファミリーが当業において定義されている。これらのファ
ミリーには、塩基性の側鎖を持つアミノ酸(例えばリシン、アルギニン、ヒスチ
ジン)、酸性の側鎖を持つアミノ酸(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸)、
電荷を持たない極性の側鎖を持つアミノ酸(例えばグリシン、アスパラギン、グ
ルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性の側鎖を持つ
アミノ酸(例えばアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェ
ニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分枝側鎖を持つアミノ酸
(例えばスレオニン、バリン、イソロイシン)、及び芳香族の側鎖を持つアミノ
酸(例えばチロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)が含ま
れる。このように、PCIPたんぱく質中で予測される重要でないアミノ酸残基を置
換するには、同じ側鎖ファミリーの別のアミノ酸残基に置換するのが好ましい。
選択によっては、別の実施例として、飽和突然変異誘発など、PCIPコドン配列の
全部又は一部にわたって突然変異をランダムに導入することもでき、その結果生
じた変異体をPCIPの生物活性に関してスクリーニングして、活性を維持した突然
変異体を同定してもよい。SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO
:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17
、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、
SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SE
Q ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ
ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSE
Q ID NO:71、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941
、98942、98943、98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、
98991、98993、又は98994として寄託されたプラスミドのDNAインサートのヌ
クレオチド配列、に対して突然変異誘発を行った後で、コードされたたんぱく質
を組換えにより発現させ、そのたんぱく質活性を調べてもよい。 【0094】 ある好適な実施例では、変異PCIPたんぱく質を、(1)カリウムチャンネルた
んぱく質又はその一部分と相互作用(例えば結合)できる、(2)カリウムチャ
ンネルたんぱく質又はその一部分のリン酸化状態を調節できる、(3)カルシウ
ムと会合(例えば結合)することができると共に、例えばカリウムチャンネルを
カルシウム依存的態様でリン酸化するなど、カルシウム依存性キナーゼとして作
用できる、(4)カルシウムと会合(例えば結合)できると共に、例えばカルシ
ウム依存性転写因子として働くなどができる、(5)例えば細胞に有利な影響を
与えるなどのために、細胞(例えば神経細胞、又は心臓細胞など)内でカリウム
チャンネル媒介活性を変調できる、(6)神経伝達物質の放出を変調できる、(
7)膜の興奮性を変調できる、(8)膜の静止電位に影響を与えられる、(9)
活動電位の波形及び周波数を変調できる、及び(10)興奮の閾値を変調できる
、といった能力について検定してもよい。 【0095】 上述したPCIPたんぱく質をコードする核酸分子に加えて、本発明の別の態様は
、それに対してアンチセンスである単離された核酸分子に関するものである。「
アンチセンス」核酸は、例えば、二本鎖cDNA分子のコドン鎖に対して相補や、mR
NA配列に対して相補であるなど、ある一つのたんぱく質をコードする「センス」
核酸に対して相補であるヌクレオチド配列を含む。従って、アンチセンス核酸は
、センス核酸に水素結合することができる。アンチセンス核酸は、PCIPコドン鎖
全体に対して相補であっても、又は、そのごく一部分に対して相補であってもよ
い。実施例の一つでは、アンチセンス核酸分子は、PCIPをコードするヌクレオチ
ド配列のコドン鎖の「コドン領域」に対してアンチセンスである。「コドン領域
」という術語は、翻訳されてアミノ酸残基になるコドンを含んだヌクレオチド配
列の領域を言う。別の実施例では、このアンチセンス核酸分子は、PCIPをコード
するヌクレオチド配列のコドン鎖の「非コドン領域」に対してアンチセンスであ
る。「非コドン領域」という術語は、アミノ酸に翻訳されない、コドン領域の両
側にある5'及び3'側の配列(即ち、5'非翻訳領域及び3’非翻訳領域とも言及さ
れている)を言う。 【0096】 ここに開示したPCIPをコードするコドン鎖配列があれば、本発明のアンチセン
ス核酸も、ワトソン・クリックの塩基対の法則に基づいてデザインすることがで
きる。このアンチセンス核酸分子は、PCIP mRNAのコドン領域全体に対して相補
であってもよいが、より好ましくは、PCIP mRNA のコドン領域又は非コドン領域
のごく一部分に対してアンチセンスであるオリゴヌクレオチドであるとよい。例
えば、このアンチセンスオリゴヌクレオチドは、PCIP mRNAの翻訳開始位置の周
りの領域に相補であってもよい。アンチセンス・オリゴヌクレオチドは、例えば
約5、10、15、20、25、30、35、40、45又は50ヌクレオチド長であってもよい。
本発明のアンチセンス核酸は、当業で公知の手法を用いた化学合成法や酵素連結
反応法を用いて構築することができる。例えば、アンチセンス核酸(例えばアン
チセンスオリゴヌクレオチドなど)は、自然発生型のヌクレオチドを用いたり、
又は、当該分子の生物学的安定性を高めるようデザインされた、又は、アンチセ
ンス核酸とセンス核酸との間に形成される二重鎖の物理的安定性を高めるようデ
ザインされた、様々に修飾されたヌクレオチドを用いてもよく、例えばホスホロ
チオエート誘導体及びアクリジン置換ヌクレオチドを利用することもできる。こ
のアンチセンス核酸を作製するのに用いることのできる修飾されたヌクレオチド
の例には、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨー
ドウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキ
シヒドロキシルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウ
リジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、ベータ
-D-ガラクトシルキュェオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチ
ルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-
メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチ
ルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオ
ウラシル、ベータ-D-マンノシルキュェオシン、5'-メトキシカルボキシメチルウ
ラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラ
シル-5-オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、キュェオシン、
2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル
、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキ
シ酢酸(v)、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル
)ウラシル、(acp3)w、及び、2,6-ジアミノプリンが含まれる。選択によって
は、本アンチセンス核酸は、一個の核酸をアンチセンス方向でサブクローンして
ある発現ベクタを用いて、生物学的に作製することもできる(即ち、挿入された
核酸から転写されたRNAが、目的の標的核酸にとってアンチセンス方向のものと
なる。以下の項で詳述する)。 【0097】 本発明のアンチセンス核酸分子は、典型的には、PCIPたんぱく質をコードする
細胞内のmRNA及び/又はゲノムDNAにハイブリダイズ又は結合するよう、従って
例えば転写及び/又は翻訳を阻害することなどによって、このたんぱく質の発現
を阻害するよう、被験体に投与したり、又はin situで生成させる。ハイブリダ
イゼーションは、安定な二重鎖を形成する従来のヌクレオチド相補性によるもの
でも、又は、例えば、DNA二重鎖に結合するアンチセンス核酸分子の場合には、
二重らせんの大溝間の特異的相互作用によるものでもよい。本発明のアンチセン
ス核酸分子の投与経路の一例には、一組織部位への直接の注射がある。選択に応
じて、アンチセンス核酸分子を、選択された細胞を標的にするよう修飾した後に
全身投与してもよい。全身投与には、例えば、細胞表面レセプタ又は抗原に結合
するペプチド又は抗体に当該のアンチセンス核酸分子を連結させるなど、選択さ
れた細胞表面上で発現しているレセプタ又は抗原に特異的に結合するようにアン
チセンス分子を修飾してもよい。さらに、当該のアンチセンス核酸分子を、ここ
で説明するベクタを用いて細胞に送達することもできる。アンチセンス分子の細
胞内濃度を充分にするには、アンチセンス核酸分子が強力なpol II又はpol III
プロモータの制御下に来るようなベクタ・コンストラクトが好ましい。 【0098】 さらに別の実施例では、本発明のアンチセンス核酸分子はα−アノマー核酸分
子である。α−アノマー核酸分子は、相補なRNAと特異的に二本鎖のハイブリッ
ドを形成するが、このとき、通常のベータユニットとは対照的に、これらの鎖は
互いに並行になる(Gaultier et al. (1987) Nucleic Acids. Res. 15:6625-664
1)。さらにアンチセンス核酸分子には、2'-o-メチルリボヌクレオチド(Inoue e
t al. (1987) Nucleic Acids Res. 15:6131-6148)又はキメリックRNA-DNA類似体
(Inoue et al. (1987) FEBS Lett. 215:327-330)を含めることができる。 【0099】 さらに別の実施例では、本発明のアンチセンス核酸はリボ酵素である。リボ酵
素は、リボヌクレアーゼ活性を持つ触媒的RNA分子であり、それらにとって相補
な領域を持つmRNAなどの一本鎖核酸を開裂させることができる。従って、リボ酵
素(例えば、(Haselhoff and Gerlach (1988) Nature 334:585-591に説かれた
)ハンマーヘッドリボ酵素)を用いると、PCIP mRNA転写産物を触媒的に開裂さ
せ、それによりPCIP mRNAの翻訳を阻害することができる。PCIPをコードする核
酸に対する特異性を有するリボ酵素は、ここに開示したPCIP cDNAのヌクレオチ
ド配列(即ち、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID
NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO
:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:2
9、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39
、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、
SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71
、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、9
8943、98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、989
93、又は98994として寄託されたプラスミドのDNAインサートのヌクレオチド
配列)に基づいてデザインすることができる。例えば、中にある活性位置のヌク
レオチド配列が、PCIPをコードするmRNA中の開裂させようとするヌクレオチド配
列に相補であるようなTetrahymena L-19 IVS RNAの誘導体を構築することができ
る。 Cech氏らの米国特許第4,987,071号、及びCech氏らの米国特許第5,116,742
号を参照されたい。選択によっては、PCIP mRNAを用いて、特異的リボヌクレア
ーゼ活性を有する触媒的RNAを、RNA分子のプールの中から選抜することもできる
。例えば、Bartel, D. and Szostak, J.W. (1993) Science 261:1411-1418を参
照されたい。 【0100】 選択に応じては、PCIP遺伝子の発現を、PCIPの調節領域(例えば PCIPプロモ
ータ及び/又はエンハンサ)に相補なヌクレオチド配列をターゲッティングして
、標的細胞中のPCIP遺伝子の転写を妨げるよう三重らせん構造を形成させること
で阻害することができる。概略的には、Helene, C. (1991) Anticancer Drug De
s. 6(6):569-84; Helene, C. et al. (1992) Ann. N.Y. Acad. Sci. 660:27-36;
and Maher, L.J. (1992) Bioassays 14(12):807-15を参照されたい。 【0101】 さらに別の実施例では、本発明のPCIP核酸分子を、塩基部分、糖部分又はリン
酸塩骨格で修飾することで、例えばその分子の安定性、ハイブリダイゼーション
、又は可溶性などを高めることができる。例えば、核酸分子のデオキシリボース
ホスフェート骨格を修飾して、ペプチド核酸を生成させてもよい(Hyrup B. et
al. (1996) Bioorganic & Medicinal Chemistry 4 (1): 5-23を参照されたい)
。ここで用いられる「ペプチド核酸」又は「PNA」という術語は、デオキシリボ
ースホスフェートの骨格がプソイドペプチドに置換され、僅かに四種類の天然の
核酸塩基が残っているような、例えばDNAミミックなどの核酸ミミックを言う。P
NAの中性骨格があることで、低イオン強度の条件下でDNA及びRNAの特異的ハイブ
リダイゼーションが可能となることが示唆されている。PNAオリゴマの合成は、
上記のHyrup B. et al. (1996) ; Perry-O'Keefe et al. Proc. Natl. Acad. Sc
i. 93: 14670-675に説かれているように、標準的な固相ペプチド合成プロトコル
を用いて行うことができる。 【0102】 PCIP核酸分子のPNAを治療用及び診断用に利用することができる。例えばPNAを
、例えば転写又は翻訳停止を誘導したり、又は複製を阻害するなどによって遺伝
子の発現を配列特異的に変調するアンチセンス又はアンチジーン作用薬として用
いることができる。PCIP核酸分子のPNAは、さらに、(例えばPNA指定PCRクラン
ピングなど)遺伝子の一個の塩基対の突然変異の分析に利用したり、その他の酵
素と組み合わせて用いた場合には「人工の制限酵素」として用いたり(例えばS1
ヌクレアーゼ(上記のHyrup B.(1996))、又はDNAの配列決定用又はハイブリダ
イゼーション用のプローブ又はプライマとして用いることができる(上記のHyru
p B.(1996)、上記のPerry-O'Keefe)。 【0103】 別の実施例では、例えば親油性又はその他のヘルパー基をPNAに誘引したり、P
NA-DNAキメラを形成させたり、又は、リポソームなどの当業で公知の薬剤送達技
術を用いるなどして、PCIPのPNAを修飾してもよい。例えばPCIP核酸分子のPNA-D
NAキメラを作製すると、PNA及びDNAの有利な特性が組み合わせられることであろ
う。このようなキメラでは、PNA部分に高い結合親和性及び特異性を提供させつ
つ、DNA認識酵素(例えばRNAseH及びDNAポリメラーゼなど)をDNA部分に相互作
用させることができる。PNA-DNAキメラは、塩基の積み重ね、核酸塩基間の結合
数、及び配向(上記のHyrup B.(1996))という点で選択された適切な長さのリ
ンカを用いてつなげることができる。PNA-DNAキメラの合成は、上記のHyrup B.(
1996)及びFinn P.J. et al. (1996) Nucleic Acids Res. 24 (17): 3357-63)
に解説されたとおりに行うことができる。例えば、DNAの鎖は、固体の支持体上
に、標準的なホスホールアミジトカップリング化学を用いて合成することができ
、そして修飾されたヌクレオシド類似体、例えば5'-(4-メトキシトリチル)アミ
ノ-5'-デオキシ-チミジンホスホールアミジトなど、をPNAとDNAの5’端との間
に用いることができる(Mag, M. et al. (1989) Nucleic Acid Res. 17: 5973-8
8)。次に、PNAの単量体を段階的にカップリングして、5' PNAセグメント及び3'
DNAセグメントを持つキメラ分子を作製する(上記のFinn P.J. et al. (1996)
)。あるいは、キメラ分子を、5' DNAセグメント及び3' PNAセグメントから合成
することもできる(Peterser, K.H. et al. (1975) Bioorganic Med. Chem. Let
t. 5: 1119-11124)。 【0104】 別の実施例では、当該のオリゴヌクレオチドには、例えば(in vivoでホスト
細胞のレセプタを標的化させるための)ペプチドなどのその他の付属の基や、又
は、細胞膜(例えばLetsinger et al. (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. US. 86:
6553-6556; Lemaitre et al. (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:648-652;
PCT Publication No. W088/09810を参照されたい)又は血液脳関門(例えばPCT
公報No. W089/10134を参照されたい)の透過を促す作用薬を含めてもよい。加え
て、オリゴヌクレオチドを、ハイブリダイゼーション・トリガード開裂作用薬(
例えばKrol et al. (1988) Bio-Techniques 6:958-976)又は介在作用薬(例え
ばZon (1988) Pharm. Res. 5:539-549を参照されたい)で修飾してもよい。この
目的のために、オリゴヌクレオチドをその他の分子(例えばペプチド、ハイブリ
ダイゼーション・トリガード架橋作用薬、輸送作用薬、又はハイブリダイゼーシ
ョン・トリガード開裂作用薬)に結合させてもよい。 【0105】 II. 単離されたPCIPたんぱく質及び抗PCIP抗体 本発明の一態様は、単離されたPCIPたんぱく質、及びその生物学的活性部分や
、抗PCIP抗体を生じさせるイムノゲンとして用いるのに適したポリペプチド・フ
ラグメントに関する。実施例の一つでは、天然の PCIPたんぱく質を、細胞又は
組織源から、適した精製スキームによって、標準的なたんぱく質精製技術を用い
て単離することができる。別の実施例では、PCIPたんぱく質を、組換えDNA技術
によって作製する。組換え発現の代わりに、PCIPたんぱく質又はポリペプチドを
、標準的なペプチド合成技術を用いて化学合成してもよい。 【0106】 「単離された」又は「精製された」たんぱく質又はその生物学的活性部分とは
、当該PCIPたんぱく質を採取した細胞又は組織源にある細胞物質又はその他の汚
染たんぱく質が実質的にない、あるいは、化学合成した場合には、化学的前駆体
又はその他の化学物質が実質的にないものである。「細胞物質が実質的にない」
という言語には、それを単離した又は組換えにより作製したもととなった細胞の
細胞成分から、当該たんぱく質が分離されているようなPCIPたんぱく質のプレパ
ラートが含まれる。一実施例では、「細胞物質が実質的にない」という言語には
、(乾燥重量で)約30%未満の非PCIPたんぱく質(ここでは「汚染たんぱく質」
とも言及されている)、より好ましくは約20%未満の非PCIPたんぱく質、さらに
より好ましくは約10%未満の非PCIPたんぱく質、そして最も好ましくは約5%未満
の非PCIPたんぱく質を有するPCIPたんぱく質のプレパラートが含まれる。PCIPた
んぱく質又はその生物学的活性部分を組換えにより作製した場合には、さらに、
培地が実質的にないことが好ましく、即ち、培地が、当該たんぱく質プレパラー
トの体積の約20%未満、より好ましくは約10%未満、そして最も好ましくは約5%未
満であるとよい。 【0107】 「化学的前駆体又はその他の化学物質が実質的にない」という言語には、当該
たんぱく質の合成に関与した化学的前駆体又はその他の化学物質から、当該たん
ぱく質が分離されているようなPCIPたんぱく質のプレパラートが含まれる。一実
施例では、「化学的前駆体又はその他の化学物質が実質的にない」という言語に
は、(乾燥重量で)約30%未満の化学的前駆体又は非PCIP化学物質、より好まし
くは約20%未満の化学的前駆体又は非PCIP化学物質、さらにより好ましくは約10%
未満の化学的前駆体又は非PCIP化学物質、そして最も好ましくは約5%未満の化学
的前駆体又は非PCIP化学物質、を有するPCIPたんぱく質のプレパラートが含まれ
る。 【0108】 ここで用いられる、PCIPたんぱく質の「生物学的に活性な部分」には、PCIP分
子と非PCIP分子との間の相互作用に参与するPCIPたんぱく質の一フラグメントが
含まれる。PCIPたんぱく質の生物学的に活性な部分には、例えばSEQ ID NO:2、S
EQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID
NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID N
O:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:
34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51
、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、
又はSEQ ID NO:72に示したアミノ酸配列など、完全長PCIPたんぱく質よりも少な
い数のアミノ酸を含み、かつ、PCIPたんぱく質の少なくとも一つの活性を示す、
PCIPたんぱく質のアミノ酸配列に対して充分同一な、又は、PCIPたんぱく質のア
ミノ酸配列を由来とする、アミノ酸配列を含むペプチドが含まれる。典型的には
、生物学的に活性な部分には、例えばカリウムチャンネルサブユニットの結合な
ど、PCIPたんぱく質の活性のうちの少なくとも一つを持つドメイン又はモチーフ
が含まれる。PCIPたんぱく質の生物学的に活性な部分は、例えば10、25、5
0、100、200、又はそれ以上のアミノ酸長であるポリペプチドであっても
よい。PCIPたんぱく質の生物学的に活性な部分は、カリウムチャンネル媒介活性
を変調する作用薬を開発するためのターゲットとして利用できる。 【0109】 一実施例では、PCIPたんぱく質の生物学的に活性な部分は、少なくとも一つの
カルシウム結合ドメインを含む。 【0110】 本発明のPCIPたんぱく質の好適な生物学的に活性な部分に、上に特定した構造
ドメインのうちの少なくとも一つが含まれるであろうことは、理解されたい。PC
IPたんぱく質の、より好適な生物学的に活性な部分には、上に特定した構造ドメ
インのうちの少なくとも二つが含まれよう。さらに、当該たんぱく質のその他の
領域が削除されたようなその他の生物学的に活性な部分を、組換えにより作製し
、もとのPCIPたんぱく質の機能的活性のうちの一つ又はそれ以上について、評価
してもよい。 【0111】 ある好適な実施例では、PCIPたんぱく質は、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ
ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID N
O:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:
26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36
、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、
SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72
に示したアミノ酸配列を有する。別の実施例では、PCIPたんぱく質は、SEQ ID N
O:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、
SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、SE
Q ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ
ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID
NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID N
O:70、又はSEQ ID NO:72に実質的に相同であると共に、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO
:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、
SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SE
Q ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ
ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID
NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ
ID NO:72のたんぱく質の機能上の活性を維持しながらも、上のI項で詳述したよ
うに、天然の対立遺伝子のバリエーション又は突然変異誘発が原因で、アミノ酸
配列では異なるものである。従って、別の実施例では、PCIPたんぱく質は、SEQ
ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:
12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22
、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、
SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:49、SE
Q ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ
ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のアミノ酸配列に少なくとも約50%、55%、6
0%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又はそれ以
上同一であるアミノ酸配列を含むたんぱく質である。 【0112】 本発明の単離されたたんぱく質、好ましくは1v、9q、p19、W28559、KChIP4a、
KchIP4b、33b07、1p、又は7sたんぱく質、は、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ
ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID N
O:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:
26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36
、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、
SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72
のアミノ酸配列に充分同一なアミノ酸配列を有するか、又は、SEQ ID NO:1、SEQ
ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO
:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:2
3、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33
、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、
SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SE
Q ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71に充分同一なヌクレオチド配列に
よってコードされている。ここで用いられる「充分同一な」という術語は、第一
及び第二のアミノ酸又はヌクレオチド配列が共通の構造上ドメイン又はモチーフ
及び/又は共通の機能的活性を持つよう、第二のアミノ酸又はヌクレオチド配列
に対して、充分な、又は、最小の数の同一又は等価(例えば同様な側鎖を有する
アミノ酸など)なアミノ酸残基又はヌクレオチドを含む第一のアミノ酸又はヌク
レオチド配列を言う。例えば、共通の構造上ドメインを持つと共に、当該ドメイ
ンのアミノ酸配列にわたって少なくとも30%、40%、又は50%の同一性、
好ましくは60%の同一性、より好ましくは70%から80%、そしてさらによ
り好ましくは90から95%の同一性を有すると共に、少なくとも一個及び好ま
しくは二個の構造ドメイン又はモチーフを含有するアミノ酸又はヌクレオチド配
列を、ここでは充分に同一であると定義している。さらに、少なくとも30%、
40%、又は50%、好ましくは60%、より好ましくは70から80%、又は
90から95%の同一性を持ち、共通の機能的活性を持つアミノ酸又はヌクレオ
チド配列を、ここでは充分に同一であると定義している。 【0113】 好適なたんぱく質は、少なくとも一つのカルシウム結合ドメイン、及び好まし
くは一つのPCIP活性を有するPCIPたんぱく質である。その他の好適なたんぱく質
は、少なくとも一つのカルシウム結合ドメインを有するPCIPたんぱく質であるが
、好ましくは、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID
NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO
:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:2
9、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39
、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、
SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71
のヌクレオチド配列を含む核酸分子に、緊縮ハイブリダイゼーション条件下でハ
イブリダイズするヌクレオチド配列を有する核酸分子によってコードされたもの
であるとよい。 【0114】 二つのアミノ酸配列間、又は、二つのヌクレオチド配列間のパーセント同一性
を判定するには、最適に比較できるように、配列のアラインメントを行う(例え
ば、第二のアミノ酸又は核酸配列に最適にアラインメントさせるには、第一及び
第二のアミノ酸又は核酸の配列の一方又は両方にギャップを導入することができ
、比較が目的の場合には非相同な配列を無視してもよい)。好適な実施例では、
比較の目的のためにアラインメントさせた基準配列の長さは、基準配列の少なく
とも30%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、さらによ
り好ましくは少なくとも60%、そしてさらにより好ましくは少なくとも70%、80%
、又は90%の長さである(例えば、第二の配列を、177個のアミノ酸残基を有
するSEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、SE
Q ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ
ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID
NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID N
O:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:
59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のPCIPアミノ酸配列にアラインメントさせ
る場合は、少なくとも80、好ましくは少なくとも100、より好ましくは少な
くとも120、さらにより好ましくは少なくとも140、そしてさらにより好ま
しくは少なくとも150、160、又は170個のアミノ酸残基をアラインメン
トさせる)。次に、対応するアミノ酸位置又はヌクレオチド位置にあるアミノ酸
残基又はヌクレオチドを比較する。第一の配列のうちの一箇所が、第二の配列の
対応する位置にあるのと同じアミノ酸残基又はヌクレオチドで占められている場
合、これら分子はその位置において同一である(ここで用いられるアミノ酸又は
核酸の「同一性」は、アミノ酸又は核酸の「ホモロジ」に同等である)。二つの
配列の間にあるパーセント・同一性は、二つの配列を最適にアラインメントする
のに導入せねばならないギャップの数、及び各ギャップの長さ、を考慮に入れた
、これら配列が共有する同一の位置の数の関数である。 【0115】 二つの配列間の配列の比較、及び、パーセント同一性の決定は、数学的アルゴ
リズムを用いて行うことができる。ある一つの実施例では、二つのアミノ酸間の
パーセント同一性は、Blosum62マトリックス又はPAM250マトリックスのいずれか
を用いて、ギャップ・ウェイトっを16、14、12、10、8、6、又は4、
及びレングス・ウェイトを1、2、3、4、5、又は6にして用い、(http://w
ww.gcg.comで得られる)GCGソフトウェア・パッケージの中のGAPプログラム
に組み込まれたニードルマン及びワンク(J. Mol. Biol. (48):444-453(1970))
のアルゴリズムを用いて決定する。さらに別の好適な実施例では、二つのヌクレ
オチド配列間のパーセント同一性は、(http://www.gcg.comで得られる)GCG
ソフトウェア・パッケージの中のGAPプログラムを用い、NWSgapdna.CMPマトリ
ックスを用い、そして40、50、60、70、又は80のギャップ・ウェイト
、及び1、2、3、4、5、又は6のレングス・ウェイトを用いて決定する。別
の実施例では、二つのアミノ酸又はヌクレオチド配列間のパーセント同一性は、
PM120ウェイト残基表、12のギャップ・レングス・ペナルティ及び4のギャッ
プ・ペナルティを用いて、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれたE
.マイヤーズ及びW.ミラー(CABIOS, 4:11-17(1989))のアルゴリズムを用い
て決定する。 【0116】 さらに本発明の核酸及びたんぱく質の配列を「質問配列」として用いて、例え
ばその他のファミリ構成員又は関連する配列を同定するためなど、公開データベ
ースに対して検索を行うことができる。このような検索を、Altschul, et al. (
1990) J. Mol. Biol. 215:403-10のNBLAST及びXBLASTプログラム(バージョン2.
0)を用いて行ってもよい。BLASTヌクレオチド検索を、NBLASTプログラムを用い
、スコア=100、ワード長=12にして行うと、本発明のPCIP核酸分子に相同なヌク
レオチド配列を得ることができる。BLASTたんぱく質検索を、XBLASTプログラム
を用い、スコア= 50、ワード長= 3にして行うと、本発明のPCIPたんぱく質分子
に相同なアミノ酸配列を得ることができる。比較のために、ギャップのあるアラ
インメントを行うには、ギャップドBLASTをAltschul et al., (1997) Nucleic A
cids Research 25(17):3389-3402に説かれたように利用することができる。BLAS
T及びギャップドBLASTプログラムを利用する場合、各プログラムのデフォルト・
パラメータ(例えばXBLAST及びNBLAST)を利用できる。http://www.ncbi.nlm.nih
.gov.を参照されたい。 【0117】 また本発明はPCIPキメリック又は融合たんぱく質を提供するものである。ここ
で用いられる場合のPCIP「キメリックたんぱく質」又は「融合たんぱく質」は、
非PCIPポリペプチドに操作により連結させたPCIPポリペプチドを含む。「PCIPポ
リペプチド」とは、PCIPに相当するアミノ酸配列を有するポリペプチドを言い、
一方「非PCIPポリペプチド」とは、例えばPCIPたんぱく質とは異なり、かつ同じ
又は異なる生物を由来とするたんぱく質など、PCIPたんぱく質に実質的に相同で
ないたんぱく質に相当するアミノ酸配列を有するポリペプチドを言う。PCIP融合
たんぱく質中では、当該のPCIPポリペプチドは、PCIPたんぱく質の全部又は一部
に相当するものであってもよい。好適な実施例の一つでは、PCIP融合たんぱく質
は、PCIPたんぱく質の少なくとも一つの生物学的に活性な部分を含む。別の好適
な実施例では、PCIP融合たんぱく質は、PCIPたんぱく質の少なくとも二つの生物
学的に活性な部分を含む。融合たんぱく質中において、「操作により連結させた
」とは、当該のPCIPポリペプチド及び非PCIPポリペプチドは、相互にイン−フレ
ームで融合されていることを意図されている。非PCIPたんぱく質は、PCIPポリペ
プチドのN末端又はC末端に融合させてもよい。 【0118】 例えば、ある一つの実施例では、この融合たんぱく質は、PCIP配列をGST配列
のC末端に融合させたGST-PCIP融合たんぱく質である。このような融合たんぱく
質によって、組換えPCIPの精製が容易となる。 【0119】 別の実施例では、当該融合たんぱく質は、そのN末端に異種のシグナル配列を
含んだPCIPたんぱく質である。特定のホスト細胞(例えばほ乳類のホスト細胞)
では、PCIPの発現及び/又は分泌を、異種のシグナル配列を利用することで増加
させることができる。 【0120】 本発明のPCIP融合たんぱく質を薬剤組成に組み込み、被験体にin vivoで投与
してもよい。PCIP融合たんぱく質を用いて、PCIP基質の生物学的利用能に影響を
与えてもよい。PCIP融合たんぱく質の利用は、例えばアルツハイマー病、アルツ
ハイマー病に関連する痴呆(例えばピック病)、パーキンソン病及びその他のレ
ーヴィ拡散小体疾患、多発性硬化症、筋萎縮性多発性硬化症、進行性核上麻痺、
てんかん、脊髄小脳失調、及びヤコブ−クロイツフェルト病などの神経変性障害
や、例えばうつ、分裂性障害、コルサコフ精神病、躁病、不安障害、又は恐怖症
などの精神医学上の障害や、例えば健忘症又は年齢に関連した記憶障害などの学
習又は記憶の障害や、例えば偏頭痛などの神経学的障害、など、CNSの障害な
どのカリウムチャンネルが関連する障害の処置にとって治療上有用であろう。さ
らにPCIP融合たんぱく質の利用は、例えば動脈硬化、虚血性再潅流損傷、再狭窄
、動脈の炎症、血管壁のリモデリング、心室のリモデリング、心室の高速ペーシ
ング、冠状微小塞栓症、頻脈、徐脈、圧負荷、大動脈の屈曲、冠状動脈結紮、血
管心臓疾患、心房細動、又はうっ血性心不全などの心臓血管の障害など、カリウ
ムチャンネルが関連する障害の処置にも治療上有用であろう。 【0121】 さらに、本発明のPCIP融合たんぱく質は、被験体内で抗PCIP抗体を生成させる
イムノゲンとして利用したり、PCIPリガンドを精製するのに用いたり、そしてPC
IPのPCIP基質との相互作用を阻害する分子を同定するスクリーニング・検定でも
利用することができる。 【0122】 好ましくは、本発明のPCIPキメリックたんぱく又は融合たんぱく質を、標準的
な組換えDNA技術によって作製するとよい。例えば、異なるポリペプチド配列を
コードするDNA断片を従来技術に基づいてイン−フレーム(原語:in-frame)で
相互に連結することができ、このような従来技術には、平滑末端又は付着末端を
連結に利用する方法や、適した末端にするための制限酵素による消化、適する場
合には付着末端の充填、望ましくない接合を防ぐためのアルカリホスファターゼ
処理、及び酵素連結法などがある。別の実施例では、この融合遺伝子を、自動DN
Aシンセサイザを含む従来の技術によって合成することができる。選択によって
は、遺伝子断片のPCR増幅を、アンカープライマを用いて行うことができ、こ
れによって二つの連続した遺伝子断片間に相補なオーバーハング部分が生じるが
、次にこのオーバーハング部分をアニールして再増幅すると、キメリック遺伝子
配列を作製できる(例えば、Current Protocols in Molecular Biology, eds. A
usubel et al. John Wiley & Sons: 1992を参照されたい)。さらに、既に融合
成分(例えばGSTポリペプチド)がコードしてある数多くの発現ベクタが市販さ
れている。PCIPをコードする核酸をこのような発現ベクタ内にクローンすると、
融合部分をイン−フレーム(原語:in-frame)でPCIPたんぱく質に連結すること
ができる。 【0123】 さらに本発明は、PCIPアゴニスト(ミメティックス)又はPCIPアンタゴニスト
のいずれかとして働く、PCIPたんぱく質の変異体にも関するものである。PCIPた
んぱく質の変異体は、例えばPCIPたんぱく質の離散点変異又はトランケーション
など、突然変異誘発によって作製することができる。PCIPたんぱく質のアゴニス
トは、天然発生型のPCIPたんぱく質と実質的に同じ、又はそれより少ない組の生
物活性を維持していてもよい。PCIPたんぱく質のアンタゴニストは、例えばPCIP
たんぱく質のカリウムチャンネル媒介活性を競合的に変調することなどによって
、天然発生型のPCIPたんぱく質の活性のうちの一つ又はそれ以上を阻害すること
ができる。このように、機能の限られた変異体による処置によって、特異的な生
物学的作用を引き出すことができる。実施例の一つでは、天然発生型の当該たん
ぱく質よりも少ない組の生物活性を有する変異体で被験体を処置すると、天然発
生型のPCIPたんぱく質で処置した場合に比較して、被験体に対する副作用が少な
い。 【0124】 実施例の一つでは、PCIPアゴニスト(ミメティックス)又はPCIPアンタゴニス
トのいずれかとして働くPCIPたんぱく質の変異体を、PCIPたんぱく質アゴニスト
又はアンタゴニスト活性について、ある一つのPCIPたんぱく質の、例えばトラン
ケーション変異体など、突然変異体のコンビナトリアルライブラリをスクリーニ
ングすることによって、同定してもよい。一実施例では、PCIP変異体のふ入りの
ライブラリは、核酸レベルでのコンビナトリアル突然変異誘発によって生成され
たものであり、ふ入りの遺伝子ライブラリによってコードされている。PCIP変異
体のふ入りのライブラリは、例えば、合成オリゴヌクレオチドの混合物を遺伝子
配列中に酵素によって連結させることで作製が可能であり、その結果、縮重組の
潜在PCIP配列を、個々のポリペプチドとして、又はその代わりに、その内部に当
該の組のPCIP配列を含有した、より大きな組の融合たんぱく質(例えばファージ
展示のために)として発現させることができる。縮重オリゴヌクレオチド配列か
ら潜在PCIP変異体のライブラリを作製するのに利用可能な方法は多様なものがあ
る。変性遺伝子配列の化学合成を自動DNAシンセサイザで行ってもよく、次にこ
の合成遺伝子を適した発現ベクタ内に結紮してもよい。縮重組の遺伝子を用いる
と、所望の組の潜在PCIP配列をコードする配列の全てを一種類の混合液で提供す
ることができる。縮重オリゴヌクレオチドを合成する方法は当業において公知で
ある(例えばNarang, S.A. (1983) Tetrahedron 39:3; Itakura et al. (1984)
Annu. Rev. Biochem. 53:323; Itakura et al. (1984) Science 198:1056; Ike
et al. (1983) Nucleic Acid Res. 11:477.を参照されたい)。 【0125】 加えて、PCIPたんぱく質コーディング配列の断片のライブラリを用いて、PCIP
断片のふ入りの集団を作製することができ、この集団をスクリーニングにかけ、
PCIPたんぱく質の変異体を選抜することができる。ある一つの実施例では、コー
ディング配列断片のライブラリを作製できるが、その作製法は、ニッキングが一
分子当たり約一回だけ起きるような条件下で、PCIPコーディング配列の二本鎖P
CR断片をヌクレアーゼで処理するステップと、この二本鎖DNAを変性させるス
テップと、このDNAを再結合させて、異なるニッキング産物から出来たセンス/
アンチセンス対を含んでいる可能性のある二本鎖DNAを形成させるステップと、
再形成された二重鎖から、S1ヌクレアーゼによる処理によって一本鎖部分を取り
除くステップと、その結果出来た断片ライブラリを発現ベクタ内に結紮するステ
ップを含む。この方法により、様々な大きさのPCIPたんぱく質のN末端、C末端
、及び、内部断片をコードした発現ベクタを得ることができる。 【0126】 点変異又はトランケーションにより作製したコンビナトリアルライブラリの遺
伝子産物をスクリーニングするための技術、及び、選択された性質を有する遺伝
子産物についてcDNAライブラリをスクリーニングする技術は、複数のものが当業
において公知である。このような技術を、PCIPたんぱく質のコンビナトリアル突
然変異誘発によって作製された遺伝子ライブラリを迅速にスクリーニングできる
よう、適合させることができる。高スルー・プット分析になじむ、大型の遺伝子
ライブラリをスクリーニングするために最も広く用いられている技術には、典型
的には、当該遺伝子ライブラリを複製可能な発現ベクタ内にクローニングするス
テップと、その結果生じたベクタのライブラリで適した細胞を形質転換させるス
テップと、所望の活性を検出すると、その産物が検出された遺伝子をコードする
ベクタの単離が容易となるような条件下で、このコンビナトリアル遺伝子を発現
させるステップとが含まれる。ライブラリ中の機能的な突然変異体の頻度を向上
させる新しい技術であるレクルーシブ・アンサンブル(原語:recruisive ensem
ble)突然変異誘発法(REM)をこのスクリーニング検定と組み合わせて用いて、
PCIP変異体を同定することもできる(Arkin and Yourvan (1992) PNAS 89:7811-
7815; Delgrave et al. (1993) Protein Engineering 6(3):327-331)。 【0127】 実施例の一つでは、ふ入りのPCIPライブラリを分析するのに、細胞を基にした
検定を利用してもよい。例えば、発現ベクタのライブラリを、通常でカリウムチ
ャンネル媒介活性を持つ細胞系内にトランスフェクトすることができる。次に、
カリウムチャンネル媒介活性に対するPCIP突然変異体の影響を、例えば数多くの
酵素検定法で検出したり、又は神経伝達物質の放出を検出するなどして、検出し
てもよい。次に、カリウムチャンネル媒介活性の阻害の得点があった、又は、こ
の活性の増強の得点のあったプラスミドDNAをこの細胞から取り出し、個々のク
ローンをさらに特性付けてもよい。 【0128】 ポリクローナル及びモノクローナル抗体調製のための標準的な技術を用い、単
離されたPCIPたんぱく質、又はそれの部分あるいはその一フラグメントをイムノ
ゲンとして用いてPCIPに結合する抗体を作製することができる。完全長PCIPたん
ぱく質を利用してもよいが、又はその代わりに、本発明では、イムノゲンとして
用いるのにPCIPの抗原性ペプチドフラグメントを提供する。PCIPの抗原性ペプチ
ドは、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、
SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SE
Q ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ
ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID
NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID N
O:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72に示したアミノ酸配列のうちの少なくと
も8個のアミノ酸残基を含み、そして、そのペプチドに対して生じた抗体がPCIP
と共に特異的免疫複合体を形成するよう、PCIPの一個のエピトープを包含するも
のである。好ましくは、この抗原性ペプチドは、少なくとも10個のアミノ酸残
基、より好ましくは少なくとも15個のアミノ酸残基、さらにより好ましくは少
なくとも20個のアミノ酸残基、そして最も好ましくは少なくとも30個のアミ
ノ酸残基を含むとよい。 【0129】 当該の抗原性ペプチドが包含する好適なエピトープは、例えば親水性の領域な
ど、当該たんぱく質の表面上に位置するPCIPの領域や、抗原性の高い領域である
。 【0130】 PCIPイムノゲンは、典型的には、このイムノゲンで適した被験体(例えばウサ
ギ、ヤギ、マウス又はその他のほ乳類)を免疫処置することによって、抗体を作
製するのに用いられる。適したイムノゲン性製剤には、例えば、組換え発現させ
たPCIPたんぱく質又は化学合成したPCIPポリペプチドを含めてもよい。この製剤
には、さらに、フロイント完全又は不完全アジュバント、又は同様の免疫刺激性
作用薬など、アジュバントが含まれていてもよい。免疫原性PCIP製剤で適した被
験体を免疫処置すると、ポリクローナル抗PCIP抗体反応が誘起される。 【0131】 従って、本発明の別の態様は、抗PCIP抗体に関するものである。ここで用いら
れる「抗体」という術語は、免疫グロブリン分子、及び、免疫グロブリン分子の
免疫学的に活性な部分、即ち、PCIPなど、抗原に特異的に結合する(免疫反応す
る)抗原結合部位を含んだ分子、を言う。免疫グロブリン分子の免疫学的に活性
な部分の例には、F(ab)及びF(ab')2フラグメントがあるが、これらのフラグメン
トは、ペプシンなどの酵素で抗体を処理すれば作製が可能である。本発明は、PC
IPに結合するポリクローナル及びモノクローナル抗体を提供する。ここで用いら
れる「モノクローナル抗体」又は「モノクローナル抗体組成」という術語は、PC
IPの特定のエピトープと免疫反応することのできる抗原結合部位を一種のみ含ん
だ抗体分子の一集団を言う。従って、モノクローナル抗体の組成は、典型的に、
免疫反応する相手である特定のPCIPたんぱく質に対して単一の結合親和性を提示
するものである。 【0132】 ポリクローナル抗PCIP抗体は、上述したように、適した被験体をPCIPイムノゲ
ンで免疫処置することによって作製することができる。免疫処置された被験体の
抗PCIP抗体力価を、例えば、固定化させたPCIPを用いた酵素結合免疫吸着検定判
定法(ELISA)など、標準的な技術によって、一期間にわたって観察してもよい
。必要に応じ、PCIPに向けた抗体分子をほ乳類(例えば血液など)から単離し、
さらに、プロテインAクロマトグラフィなどの公知の技術によって精製して、Ig
G画分を得てもよい。免疫処置から適した時間後、例えば抗PCIP抗体力価が最も
高くなったときに、抗体を産生している細胞を被験体から採取し、これを用いて
標準的技術によってモノクローナル抗体を作製してもよく、この標準的技術には
、例えば、Kohler and Milstein (1975) Nature 256:495-497) (Brown et al. (
1981) J. Immunol. 127:539-46; Brown et al. (1980) J. Biol. Chem .255:49
80-83; Yeh et al. (1976) PNAS 76:2927-31; and Yeh et al. (1982) Int. J.
Cancer 29:269-75も参照された)によって最初に説かれたハイブリドーマ技術、
より最近のヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor et al. (1983) Immunol Toda
y 4:72)、EBV-ハイブリドーマ技術(Cole et al. (1985), Monoclonal Antibodie
s and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96)又はトリオーマ技術が
ある。モノクローナル抗体ハイブリドーマを生成する技術は公知である(概略的
にはR. H. Kenneth, in Monoclonal Antibodies: A New Dimension In Biologic
al Analyses, Plenum Publishing Corp., New York, New York (1980); E. A. L
erner (1981) Yale J. Biol. Med., 54:387-402; M. L. Gefter et al. (1977)
Somatic Cell Genet. 3:231-36を参照されたい)。簡単に説明すると、不死の細
胞株(典型的には骨髄腫)を、上述したようにPCIPイムノゲンで免疫処置したほ
乳類から採ったリンパ球(典型的には脾細胞)に融合させ、その結果生じたハイ
ブリドーマ細胞の培養上清をスクリーンにかけて、PCIPに結合するモノクローナ
ル抗体を産生するハイブリドーマを同定するのである。 【0133】 リンパ球及び不死の細胞株を融合させるために用いられる数多くの公知のプロ
トコルのいずれを、抗PCIPモノクローナル抗体を生成する目的のために応用して
もよい(例えば、上に引用したG. Galfre et al. (1977) Nature 266:55052; Ge
fter et al. Somatic Cell Genet.; 上に引用したLerner, Yale J. Biol. Med.;
上に引用したKenneth, Monoclonal Antibodiesを参照されたい)。さらに、当業
者であれば、このような方法にも数多くの変更例があり、それらも有用であろう
ことは理解されよう。典型的には、不死の細胞株(例えば骨髄腫細胞株)は、リ
ンパ球と同じほ乳類種を由来とするものである。例えば、マウスのハイブリドー
マは、本発明の免疫原性製剤で免疫処置したマウスから採ったリンパ球を不死の
マウス細胞株に融合させることによって作製することができる。好適な不死の細
胞株は、ヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジンを含有する培地(HA
T培地)に感受性のあるマウス骨髄腫細胞株である。例えばP3-NS1/1-Ag4-1、P3
-x63-Ag8.653又はSp2/O-Ag14骨髄腫株など、数多くの骨髄腫細胞株のいずれを、
標準的な技術に基づく融合相手として用いてもよい。これらの骨髄腫株はATCCか
ら入手可能である。典型的には、HAT-感受性のマウス骨髄腫細胞を、ポリエチレ
ングリコール(「PEG」)を用いてマウス脾細胞に融合させる。こうしてこの融
合から生まれたハイブリドーマ細胞をHAT培地を用いて選抜し、融合しなかった
骨髄腫細胞や、増殖性を持たずに融合した骨髄腫細胞はHAT培地で死滅するこ
ととなる(融合しなかった脾細胞は、形質転換していないために数日後に死滅す
る)。本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞は、例えば標
準的なELISA検定を用いるなどして、PCIPに結合する抗体についてハイブリドー
マの培養上清をスクリーニングすることで、検出される。 【0134】 モノクローナル抗体を分泌するハイブリドーマを作製する代わりに、組換えコ
ンビナトリアル免疫グロブリンライブラリ(例えば抗体ファージ展示ライブラリ
)をPCIPでスクリーニングすることによって、モノクローナル抗PCIP抗体を同定
及び単離することができ、こうしてPCIPに結合する免疫グロブリンライブラリの
構成員を単離することができる。ファージ展示ライブラリを作製し、スクリーニ
ングするためのキットが市販されている(例えば、ファーマシア社製のRecombin
ant Phage Antibody System, Catalog No. 27-9400-01;及びストラータジーン社
製のSurfZAPTMPhage Display Kit, Catalog No. 240612など)。さらに、抗体
展示ライブラリを作製し、スクリーニングするための利用に特になじむ方法及び
試薬の例は、例えばラドナー氏らの米国特許第5,223,409号、カン氏らのPCT国際
公開番号第WO 92/18619号、ダワー氏らのPCT国際公開番号第WO 91/17271号、ウ
ィンター氏らのPCT国際公開番号第WO 92/20791号、マークランド氏らのPCT国際
公開番号第WO 92/15679号、ブレイトリング氏らのPCT国際公開番号第WO 93/0128
8号、マカファーティ氏らのPCT国際公開番号第WO 92/01047号、ガラード氏らのP
CT国際公開番号第WO 92/09690号、ラドナー氏らのPCT国際公開番号第WO 90/0280
9号、Fuchs et al. (1991) Bio/Technology 9:1370-1372; Hay et al. (1992) H
um. Antibod. Hybridomas 3:81-85; Huse et al. (1989) Science 246:1275-128
1; Griffiths et al. (1993) EMBO J 12:725-734; Hawkins et al. (1992) J. M
ol. Biol. 226:889-896; Clarkson et al. (1991) Nature 352:624-628; Gram e
t al. (1992) PNAS 89:3576-3580; Garrad et al. (1991) Bio/Technology 9:13
73-1377; Hoogenboom et al. (1991) Nuc. Acid Res. 19:4133-4137; Barbas et
al. (1991) PNAS 88:7978-7982; 及び McCafferty et al. Nature (1990) 348:
552-554に見ることができる。 【0135】 さらに、標準的な組換えDNA技術を用いて作製することのできる、ヒト及びヒ
ト以外の両方の部分を含む、キメリック及びヒト化モノクローナル抗体など、組
換え抗PCIP抗体も本発明の範囲内にある。このようなキメリック及びヒト化モノ
クローナル抗体は、当業において公知の組換えDNA技術を用いて作製することが
でき、その方法には、例えば、ロビンソン氏らが国際出願番号PCT/US86/02269で
説いた方法や、アキラ氏らのヨーロッパ特許出願番号第184,187号、タニグチ、
M氏のヨーロッパ特許出願番号第171,496号、モリソン氏らのヨーロッパ特許出
願番号第173,494号、ノイベルガー氏らのPCT国際公開番号第WO 86/01533号、キ
ャビリー氏らの米国特許第4,816,567号、キャビリー氏らのヨーロッパ特許出願
番号第125,023号、Better et al. (1988) Science 240:1041-1043; Liu et al.
(1987) PNAS 84:3439-3443; Liu et al. (1987) J. Immunol. 139:3521-3526; S
un et al. (1987) PNAS 84:214-218; Nishimura et al. (1987) Canc. Res. 47:
999-1005; Wood et al. (1985) Nature 314:446-449; 及びShaw et al. (1988)
J. Natl. Cancer Inst. 80:1553-1559); Morrison, S. L. (1985) Science 229
:1202-1207; Oi et al. (1986) BioTechniques 4:214; Winter U.S. Patent 5,2
25,539; Jones et al. (1986) Nature 321:552-525; Verhoeyan et al. (1988)
Science 239:1534; 及びBeidler et al. (1988) J. Immunol. 141:4053-4060に
説かれた方法、がある。 【0136】 抗PCIP抗体(例えばモノクローナル抗体)を用いて、アフィニティ・クロマト
グラフィ又は免疫沈降法など、標準的技術によってPCIPを単離することができる
。抗PCIP抗体があると、天然PCIPを細胞から精製したり、ホスト細胞で発現させ
た、組換えにより生成させたPCIPを精製することが、容易に行える。さらに、PC
IPたんぱく質の豊富さ及び発現パターンを評価するために(例えば細胞溶解産物
又は細胞上清中の)PCIPポリペプチドを検出するにも、抗PCIP抗体を用いること
ができる。抗PCIP抗体を診断上で用いて、例えばある特定の治療計画の効験を調
べるためなど、臨床テスト手法の一部として、組織中のたんぱく質量を観察する
こともできる。当該抗体を検出可能な物質に結合させれば(即ち物理的に連結す
れば)、検出を容易に行える。検出可能な物質の例には、様々な酵素、補欠分子
団、蛍光物質、発行物質、生物発光物質及び放射性物質がある。適した酵素の例
には、西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、アルカリガラク
トシダーゼ、又はアセチルコリンエステラーゼ、があり、適した補欠分子団複合
体の例には、ストレプトアビジン/ビオチン及びアビジン/ビオチンがあり、適
した蛍光物質の例には、ウンベリフェロン、フルオレセイン、フルオレセインイ
ソチオシアネート、ローダミン、ジクロロトリアジニルアミンフルオレセイン、
ダンジルクロリド、又はフィコエリトリンがあり、発光物質の例にはルミノール
があり、生物発光物質の例にはルシフェラーゼ、ルシフェリン、及びエクオリン
があり、そして適した放射性物質の例には、125I、131I、35S、又は Hがある。 【0137】 III.組換え発現ベクタ及びホスト細胞 本発明の別の態様は、PCIPたんぱく質(又はそれの一部分)をコードする核酸
を含んだベクタ、好ましくは発現ベクタに関する。ここで用いられる「ベクタ」
という術語は、それが連結された相手である別の核酸を輸送することのできる核
酸分子を言う。ベクタの種類の一つは「プラスミド」であるが、この「プラスミ
ド」は、環状の二本鎖DNAループであって、その中に更なるDNA部分を連結するこ
とができるものである。ベクタの種類のもう一つはウィルスベクタであり、その
中には更なるDNA部分をそのウィルスゲノム中に連結させることができる。いく
つかのベクタは、それらが導入された先のホスト細胞内で自己複製することがで
きる(例えば最近の複製開始点を有する細菌ベクタ、及び、エピソームほ乳類ベ
クタ)。その他のベクタ(例えば非エピソームほ乳類ベクタなど)は、ホスト細
胞に導入されるや、そのホスト細胞のゲノム中に組み込まれ、従ってホストゲノ
ムと一緒に複製される。さらにいくつかのベクタは、それらが操作により連結さ
れた相手である遺伝子の発現を命令することができる。このようなベクタを、こ
こでは「発現ベクタ」と言及している。一般的には、組換えDNA技術において実
用性のある発現ベクタは、しばしばプラスミドの形である。本明細書においては
、プラスミドが最も普通に用いられている形のベクタであるため、「プラスミド
」及び「ベクタ」を互換可能に用いている場合がある。しかしながら、本発明は
、例えばウィルスベクタ(例えば複製欠陥レトロウィルス、アデノウィルス及び
アデノ随伴ウィルスなど)など、同等の機能を果たすその他の形の発現ベクタも
包含するものとして意図されている。 【0138】 本発明の組換え発現ベクタは、ホスト細胞中で当該核酸を発現させるのに適し
た形の本発明の核酸を含むが、このことは、当該の組換え発現ベクタには、発現
させようとする核酸配列に操作により連結させた、発現に向けて利用しようとす
るホスト細胞に基づいて選択された一つ又はそれ以上の調節配列が含まれること
を意味している。組換え発現ベクタ内で「操作により連結させた」とは、(生体
外の転写/翻訳系、又はベクタをホスト細胞に導入した場合にはホスト細胞内で
)当該ヌクレオチド配列の発現が可能であるような態様で、当該のヌクレオチド
配列が調節配列に連結されていることを意味するものとして意図されている。「
調節配列」という術語は、プロモータ、エンハンサ、及びその他の発現制御要素
(例えばポリアデニレーションシグナルなど)を包含するものとして意図されて
いる。このような調節配列は、例えばGoeddel; Gene Expression Technology:
Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, CA (1990)に説かれ
ている。調節配列には、数多くの種類のホスト細胞内でヌクレオチド配列の構成
的発現を命令するもの、及び、特定のホスト細胞でのみ、ヌクレオチド配列の発
現を命令するもの(例えば組織特異的調節配列など)、が含まれる。当業者であ
れば、発現ベクタのデザインは、形質転換させようとするホスト細胞、所望のた
んぱく質発現レベル、等々、といった因子に左右される場合があることは理解さ
れよう。本発明の発現ベクタをホスト細胞に導入することで、ここに説明したよ
うに、核酸にコードされた、融合たんぱく質又はペプチドを含めたたんぱく質又
はペプチド(例えばPCIPたんぱく質、変異型のPCIPたんぱく質、融合たんぱく質
、等々)を生成させることができる。 【0139】 本発明の組換え発現ベクタを、原核細胞又は真核細胞中でのPCIPたんぱく質の
発現に向けてデザインすることもできる。例えばPCIPたんぱく質を、例えばE.
coliなどの細菌細胞、(バキュロウィルス発現ベクタを用いて)昆虫細胞、酵母
細胞又はほ乳類細胞中で発現させることができる。適したホスト細胞は、さらに
、Goeddel, Gene Expression Technology: Methods in Enzymology 185, Acade
mic Press, San Diego, CA (1990)に詳述されている。選択によっては、組換え
発現ベクタを、例えばT7プロモータ調節配列及びT7ポリメラーゼを用いるなどし
て、生体外で転写及び翻訳させてもよい。 【0140】 原核生物のたんぱく質の発現はもっぱら、融合たんぱく質又は非融合たんぱ
く質のいずれかの発現を命令する構成的又は誘導性プロモータを含有するベクタ
を用いてE.coli内で行われる。融合ベクタにより、数多くのアミノ酸が、その内
部にコードされたたんぱく質に付加されるが、多くの場合、組換えたんぱく質の
アミノ末端に加えられる。このような融合ベクタは、典型的には三つの目的を果
たす。即ち、1)組換えたんぱく質の発現を増加させる、2)組換えたんぱく質
の可溶性を高める、及び3)アフィニティ精製法でリガンドとして作用すること
で、組換えたんぱく質の精製の助けとなる、である。しばしば、融合発現ベクタ
では、たんぱく分解開裂部位を、融合部分と組換えたんぱく質との間の接合位置
に導入することで、融合たんぱく質を精製した後に、その融合部分から組換えた
んぱく質が分離できるようにされている。このような酵素、及びそれらが認知す
る認識配列には、ファクターXa、トロンビン及びエンテロキナーゼがある。典型
的な融合発現ベクタには、それぞれグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(G
ST)、マルトースE結合たんぱく、又はプロテインAを標的の組換えたんぱく
質に融合させるpGEX (Pharmacia Biotech Inc; Smith, D.B. and Johnson, K.S.
(1988) Gene 67:31-40)、pMAL (New England Biolabs, Beverly, MA) 及びpRIT
5 (Pharmacia, Piscataway, NJ) がある。 【0141】 精製された融合たんぱく質はPCIP活性検定(例えば下に詳述する直接的な検定
、又は競合検定など)に用いてもよく、又は、例えば、PCIPたんぱく質に特異的
な抗体を作製するのに用いてもよい。好適な実施例の一つでは、本発明のレトロ
ウィルス発現ベクタで発現させたPCIP融合たんぱく質を、骨髄細胞を感染させる
のに利用し、この細胞をその後、照射レシピエントに移植してもよい。こうして
、この当該のレシピエントの病理を、充分な時間が経過した後(例えば六(6)
週間後)に調べる。 【0142】 適した誘導性非融合E. coli発現ベクタの例には、pTrc (Amann et al., (1988
) Gene 69:301-315)及びpET 11d (Studier et al., Gene Expression Technolog
y: Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, California (199
0) 60-89)がある。pTrcベクタからの標的遺伝子の発現は、ハイブリッドtrp-lac
融合プロモータからのホストRNAポリメラーゼの転写に依存している。pET 11dベ
クタからの標的遺伝子の発現は、共発現したウィルスRNAポリメラーゼ(T7gn1)
が媒介するT7 gn10-lac融合プロモータからの転写に依存している。このウィル
スポリメラーゼは、ホスト株BL21(DE3)又はHMS174(DE3)によって、lacUV 5プロ
モータの転写制御下にあるT7 gn1遺伝子を持つ定住プロファージから提供される
ものである。 【0143】 E. coli内での組換えたんぱく質の発現を最大にする戦略の一つは、この組換
えたんぱく質を、蛋白分解により開裂させる能力が損なわれたホスト細菌内でこ
のたんぱく質を発現させる方法である (Gottesman, S., Gene Expression Techn
ology: Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, California
(1990) 119-128)。もう一つの戦略は、各アミノ酸に対応する個々のコドンがE.
coli内で優先的に用いられるものになるよう、発現ベクタ内に挿入される核酸の
核酸配列を変更する方法である(Wada et al., (1992) Nucleic Acids Res. 20:2
111-2118)。このような、本発明の核酸配列の変更は、標準的なDNA合成技術によ
って行うことができる。 【0144】 別の実施例では、PCIP発現ベクタは、酵母発現ベクタである。酵母S.セレビジ
エでの発現に用いるベクタの例には、 pYepSec1 (Baldari, et al., (1987) Emb
o J. 6:229-234)、pMFa (Kurjan and Herskowitz, (1982) Cell 30:933-943)、p
JRY88 (Schultz et al., (1987) Gene 54:113-123)、pYES2 (カリフォルニア州
サンディエゴ、インビトロジェン社製)、及びpicZ (カリフォルニア州サンディ
エゴ、インビトロジェン社製)がある。 【0145】 選択によっては、PCIPたんぱく質を、バキュロウィルス発現ベクタを用いて昆
虫細胞内で発現させてもよい。培養昆虫細胞(例えば Sf 9細胞)内でたんぱく
質を発現させるのに利用できるバキュロウィルスベクタには、pAcシリーズ(Smit
h et al. (1983) Mol. Cell Biol. 3:2156-2165)及びpVLシリーズ(Lucklow and
Summers (1989) Virology 170:31-39)がある。 【0146】 さらに別の実施例では、本発明の核酸を、ほ乳類発現ベクタを用いてほ乳類細
胞内で発現させる。ほ乳類発現ベクタの例には、pCDM8 (Seed, B. (1987) Natur
e 329:840)及びpMT2PC (Kaufman et al. (1987) EMBO J. 6:187-195がある。ほ
乳類細胞内で用いる場合、この発現ベクタの制御機能は、しばしば、ウィルス調
節要素によって提供される。例えば、通常用いられるプロモータはポリオーマ、
アデノウィルス2、サイトメガロウィルス及びシミアンウィルス40を由来とす
るものである。原核細胞及び真核細胞の両方に適したその他の発現系については
、Sambrook, J., Fritsh, E. F., and Maniatis, T. Molecular Cloning: A La
boratory Manual. 2nd, ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Ha
rbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989の第16章及び第17
章を参照されたい。 【0147】 別の実施例では、当該の組換えほ乳類発現ベクタは、特定の細胞種で優先的に
当該核酸の発現を命令できるものである(例えば、当該核酸を発現させるのに、
組織特異的調節要素を用いる)。組織特異的調節要素は当業において公知である
。適した組織特異的プロモータの非限定的な例には、アルブミンプロモータ(肝
臓特異的、Pinkert et al. (1987) Genes Dev. 1:268-277)、リンパ系特異的プ
ロモータ(Calame and Eaton (1988) Adv. Immunol. 43:235-275)、特にT細胞レ
セプタのプロモータ(Winoto and Baltimore (1989) EMBO J. 8:729-733) 及び免
疫グロブリン(Banerji et al. (1983) Cell 33:729-740; Queen and Baltimore
(1983) Cell 33:741-748)、ニューロン特異的プロモータ(例えば神経フィラメ
ントプロモータ、Byrne and Ruddle (1989) PNAS 86:5473-5477)、膵臓特異的プ
ロモータ(Edlund et al. (1985) Science 230:912-916)、及び乳腺特異的プロモ
ータ(例えば乳清プロモータ、米国特許第4,873,316号及びヨーロッパ出願公開
番号第264,166号)がある。例えばマウスホックスプロモータ(Kessel and Gruss
(1990) Science 249:374-379)や、α-フェトたんぱくプロモータ (Campes and T
ilghman (1989) Genes Dev. 3:537-546)など、発生上で調節を受けるプロモータ
も包含されるところである。 【0148】 さらに本発明は、本発明のDNA分子を、アンチセンス方向でその内部にクロー
ンさせて含んだ組換え発現ベクタを提供するものである。即ち、このDNA分子は
、(当該のDNA分子の転写によって)PCIP mRNAに対してアンチセンスであるRNA
分子の発現が可能であるような態様で、調節配列に操作により連結されているの
である。アンチセンス方向でクローンした核酸に操作により連結させる調節配列
は、ウィルスプロモータ及び/又はエンハンサなど、様々な種類の細胞種でアン
チセンスRNA分子の継続的な発現を命令するものを選択しても、又は、アンチセ
ンスRNAの構成的、組織特異的又は細胞種特異的発現を命令するような調節配列
を選択してもよい。アンチセンス発現ベクタは組換えプラスミド、ファージミド
又は弱毒化ウィルスの形であってもよいが、この場合、アンチセンス核酸は、効
率の高い調節領域の制御下で生成されることになり、そのアンチセンス核酸の活
性は、当該ベクタが導入される細胞種によって決定することができる。アンチセ
ンス遺伝子を用いた遺伝子発現の調節に関する説明については、Weintraub, H.
et al., Antisense RNA as a molecular tool for genetic analysis, Reviews
- Trends in Genetics, Vol. 1(1) 1986を参照されたい。 【0149】 本発明の別の態様は、本発明の組換え発現ベクタを導入してあるホスト細胞に
関する。「ホスト細胞」及び「組換えホスト細胞」という術語はここでは互換可
能に用いられている。このような術語は、その特定の当該細胞だけでなく、この
ような細胞の子孫又は潜在的な子孫にも言及するものであると理解されている。
突然変異又は環境の影響のいずれかが原因で後継の世代に特定の改変が起きる可
能性があるため、事実上、このような子孫は、親細胞に同一ではないかも知れな
いが、それでも尚、ここで用いられるこの術語の範囲内に包含されている。 【0150】 ホスト細胞はいかなる原核細胞又は真核細胞でもよい。例えば、PCIPたんぱく
質を、E. coliなどの細菌細胞や昆虫細胞、酵母細胞又はほ乳類細胞(例えばチ
ャイニーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO)又はCOS細胞など)で発現させる
ことができる。その他の適したホスト細胞も当業において公知である。 【0151】 ベクタDNAを原核細胞又は真核細胞中に、従来の形質転換技術又はトランスフ
ェクション技術を通じて導入してもよい。ここで用いられる「形質転換」及び「
トランスフェクション」という術語は、リン酸カルシウム又は塩化カルシウム共
沈殿法、DEAE-デキストラン-媒介トランスフェクション、リポフェクション、又
は電気穿孔法を含め、外来の核酸(例えばDNA)をホスト細胞に導入するための
、当業で認識されている様々な技術を言うものとして意図されている。ホスト細
胞を形質転換させる、又はトランスフェクトさせるための適した方法は、 Sambr
ook, et al. (Molecular Cloning: A Laboratory Manual. 2nd, ed., Cold Spr
ing Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring
Harbor, NY, 1989)及びその他の研究用マニュアルに見ることができる。 【0152】 ほ乳類細胞の安定したトランスフェクションのためには、用いられる発現ベク
タ及びトランスフェクション技術に応じて、細胞のうちのごく僅かな割合しか、
それらのゲノムに外来のDNAを組み込めないことが知られている。これらの組込
み体を識別し、選抜するために、選択可能なマーカ(例えば抗生物質に対する耐
性)をコードする遺伝子を目的の遺伝子と一緒にホスト細胞に導入するのが一般
的である。好適な選択可能なマーカには、例えばG418、ヒグロマイシン及びメト
トレキセートなど、薬剤に対する耐性をもたらすものが含まれる。選択可能なマ
ーカをコードした核酸分子は、PCIPたんぱく質をコードしているのと同じベクタ
上でホスト細胞に導入しても、又は別のベクタに乗せて導入してもよい。導入し
た核酸が安定にトランスフェクトした細胞は、薬剤による選抜で同定することが
できる(例えば、選択可能なマーカ遺伝子を組み込んだ細胞は生き残り、その他
は死滅するであろう)。 【0153】 例えば培養液中の原核ホスト細胞又は真核ホスト細胞など、本発明に基づくホ
スト細胞を、PCIPたんぱく質を生成させる(即ち発現させる)ために用いること
もできる。従って、本発明は、さらに本発明のホスト細胞を用いてPCIPたんぱく
質を生成する方法を提供するものでもある。実施例の一つでは、本方法は、本発
明による(PCIPたんぱく質をコードする組換え発現ベクタを予め導入した)ホス
ト細胞を、PCIPたんぱく質が生成されるよう、適した媒質中で培養するステップ
を含む。別の実施例では、本方法はさらに、この媒質又はホスト細胞からPCIPた
んぱく質を単離するステップを含む。 【0154】 さらに、ヒト以外のトランスジェニック動物を作製するために、本発明のホス
ト細胞を利用することもできる。例えば、実施例の一つでは、本発明のホスト細
胞は、PCIPをコードする配列を予め導入した、授精した卵母細胞又は胚性幹細胞
である。こうして、このようなホスト細胞を用いて、外生のPCIP配列がそのゲノ
ム中に予め導入されている、ヒト以外のトランスジェニック動物や、又は、予め
内生のPCIP配列を変化させてある相同的組換え動物を作ることができる。このよ
うな動物は、PCIPの機能及び/又は活性を研究したり、そしてPCIP活性のモジュ
レータを同定する及び/又は評価する上で有用である。ここで用いられる「トラ
ンスジェニック動物」とは、当該動物の細胞のうちの一つ又はそれ以上が導入遺
伝子を含むような、ヒト以外の動物、好ましくはほ乳類、より好ましくはラット
又はマウスなどのげっ歯類、である。トランスジェニック動物のその他の例には
、ヒト以外の霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ヤギ、ニワトリ、両生類、等々が含
まれる。導入遺伝子は、一個の細胞のゲノム中に組み込まれる外生のDNAであり
、この細胞からトランスジェニック動物が発生するが、この外生のDNAは成熟し
た動物のゲノム中に留まり、従って、このトランスジェニック動物の一つ又はそ
れ以上の細胞種又は組織中で、コードされた遺伝子産物の発現を命令するもので
ある。ここで用いられる「相同的組換え動物」とは、その動物が発生する前に、
その動物の胚細胞など、その動物の内生遺伝子と、その動物の細胞に導入された
外生DNA分子との間に起きた相同的組換えによって、内生のPCIP遺伝子が変更さ
れているようなヒト以外の動物、好ましくはほ乳類、より好ましくはマウスであ
る。 【0155】 本発明のトランスジェニック動物は、例えばマイクロ注射、レトロウィルス感
染などによって、授精卵母細胞のオスの前核にPCIPをコードする核酸を導入し、
この卵母細胞を偽妊娠のメスのフォスター動物で発達させることによって、作る
ことができる。SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID
NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO
:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:2
9、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39
、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、
SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71
のPCIP cDNA配列を、導入遺伝子として、ヒト以外の動物のゲノムに導入するこ
とができる。あるいは、例えばマウス又はラットPCIP遺伝子など、ヒトPCIP遺伝
子のヒト以外の相同体を導入遺伝子として用いてもよい。選択によっては、例え
ば別のPCIPファミリ構成員など、PCIP遺伝子相同体を、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO
:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、S
EQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ
ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ I
D NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:46、SEQ ID NO:47、SEQ ID
NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO
:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71、又は、ATCCに受託番号98936、98937、9
8938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、98946、98947、989
48、98949、98950、98951、98991、98993、又は98994として寄託されたプラスミ
ドのDNAインサート、のPCIP cDNAへのハイブリダイゼーションに基づいて単
離し(上の小項Iでさらに説明されている)、導入遺伝子として用いてもよい。
さらに、イントロンの配列及びポリアデニレーション・シグナルを導入遺伝子に
含めることで、その導入遺伝子の発現効率を高めることもできる。特定の細胞に
PCIPたんぱく質の発現を命令するためにPCIP導入遺伝子に組織特異的調節配列を
操作により連結してもよい。胚の操作及びマイクロ注射によるトランスジェニッ
ク動物、特にマウスなどの動物、を作る方法は、当業で公知のものとなっており
、例えば、両方ともレダー氏らによる米国特許第4,736,866号及び第4,870,009号
、ワグナー氏らの米国特許第4,873,191号、及び、Hogan, B., Manipulating the
Mouse Embryo, (Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor,
N.Y., 1986)に説かれている。同様な方法は、その他のトランスジェニック動物
の作製にも利用されている。トランスジェニック・ファウンダー(原語:founde
r)動物は、そのゲノム中のPCIP導入遺伝子の存在、及び/又は、その動物の組
織又は細胞中のPCIP mRNAの発現、に基づいて識別することができる。こうして
トランスジェニック・ファウンダー動物を、その導入遺伝子を持つ更なる動物を
繁殖させるために用いることができる。さらに、PCIPたんぱく質をコードする導
入遺伝子を持つトランスジェニック動物を、その他の導入遺伝子を持つその他の
トランスジェニック動物にしてもよい。 【0156】 相同的組換え動物を作るには、削除、付加又は置換を予め導入して、当該PCIP
遺伝子を、例えば機能的に破壊するなど、変化させてあるPCIP遺伝子の少なくと
も一部分を含むベクタを作製する。このPCIP遺伝子はヒト遺伝子(例えばSEQ ID
NO:1のcDNA)でもよいが、より好ましくはヒトPCIP遺伝子の、ヒト以外の相同
体(例えばSEQ ID NO:3又は5のcDNA)であるとよい。例えば、マウスゲノム中の
内生のPCIP遺伝子を変更するのに適した相同的組換えベクタを構築するために、
マウスPCIP遺伝子を用いることができる。好適な実施例の一つでは、このベクタ
は、相同的組換えが起きたときに、内生のPCIP遺伝子が機能的に破壊されている
よう(即ち、機能的なたんぱく質をもはやコードしていないように。これはまた
「ノックアウト」ベクタとも呼ばれている)デザインされている。選択によって
は、相同的組換えが起きたときに、内生のPCIP遺伝子が突然変異しているか、又
はその他の点で変化しているが、それでも尚、機能的たんぱく質をコードしてい
るよう(例えば、上流の調節領域が変化しており、従ってこの内生のPCIPたんぱ
く質の発現が変更されているように)、ベクタをデザインすることもできる。こ
の相同的組換えベクタにおいては、PCIP遺伝子のうちの変化した部分は、その5
’端及び3’端の両側に、更なるPCIP遺伝子の核酸配列があるために、ベクタの
持つ外生のPCIP遺伝子と、胚性幹細胞中の内生のPCIP遺伝子との間で相同的組換
えが起きるようになっている。この付加的な、フランキングPCIP核酸配列は、内
生の遺伝子との相同組換えが成功するのに充分な長さのものである。典型的には
、数キロベースのフランキングDNA(5’端及び3’端の両方)がベクタに含め
られる(相同的組換えベクタについては、例えばThomas, K.R. and Capecchi, M
. R. (1987) Cell 51:503を参照されたい)。このベクタは(例えば電気穿孔法
により)胚性幹細胞株に導入され、そして、導入されたPCIP遺伝子が内生PCIP遺
伝子と相同的に組換えられた細胞が選抜される(例えばLi, E. et al. (1992) C
ell 69:915を参照されたい)。次に、選抜された細胞を動物(例えばマウス)の
胚盤胞内に注射して、凝集キメラを形成させる(例えばBradley, A. in Teratoc
arcinomas and Embryonic Stem Cells: A Practical Approach, E.J. Robertson
, ed. (IRL, Oxford, 1987) pp. 113-152を参照されたい)。その後、キメリッ
ク胚を適した偽妊娠のメスのフォスター動物に移植し、この胚を産期に至らせる
。相同的に組換えられたDNAをその生殖細胞に持つ子孫を用いれば、導入遺伝子
が生殖細胞系で伝えられることで、当該動物の細胞全てが相同的に組換えられた
DNAを含んでいるような動物を繁殖させることができる。相同的組換えベクタ及
び相同的組換え動物を構築する方法は、さらに、Bradley, A. (1991) Current O
pinion in Biotechnology 2:823-829、及び、ルムーレック氏らによるPCT国
際公開番号WO 90/11354号、スミシーズ氏らによるWO 91/01140号、ジルストラ氏
らによるWO 92/0968号、及びバーンズ氏らによるWO 93/04169号に説かれている
。 【0157】 別の実施例では、導入遺伝子の調節された発現を可能にする選択された系を含
んだ、ヒト以外のトランスジェニック動物を作ることができる。このような系の
一例はバクテリオファージP1のcre/loxPリコンビナーゼ系である。cre/loxPリコ
ンビナーゼ系の説明については、例えばLakso et al. (1992) PNAS 89:6232-623
6を参照されたい。リコンビナーゼ系の別の例は、サッカロミセス・セレビジエ
のFLPリコンビナーゼ系である(O'Gorman et al. (1991) Science 251:1351-1355
)。cre/loxPリコンビナーゼ系を用いて導入遺伝子の発現を調節する場合は、Cr
eリコンビナーゼ及び選択されたたんぱく質の両方をコードする導入遺伝子を含
んだ動物が必要である。このような動物は、例えば、一方が選択されたたんぱく
質をコードする導入遺伝子を含み、他方がリコンビナーゼをコードする導入遺伝
子を含んだような、二つのトランスジェニック動物を交配させるなどして、「二
重の」トランスジェニック動物の構築を通じて提供することができる。 【0158】 ここに説明された、ヒト以外のトランスジェニック動物のクローンは、Wilmut
, I. et al. (1997) Nature 385:810-813に説かれた方法に基づいても作ること
ができる。簡単に説明すると、体細胞など、トランスジェニック動物から一個の
細胞を分離し、成長周期から出てG期に入るように誘発する。次に、この静止
状態の細胞を、例えば電気パルスの利用などを通じて、この静止状態の細胞を分
離したのと同じ種の動物から採った除核卵母細胞に融合させる。こうして再構築
されたこの卵母細胞を、桑実胚又は未分化胚芽細胞に発達するまで培養し、その
後、偽妊娠のメスのフォスター動物に移す。このメスのフォスター動物から生ま
れた子供は、例えば体細胞など、当該細胞を分離した元の動物のクローンとなる
であろう。 【0159】 IV. 薬剤組成 本発明に基づく PCIP核酸分子、PCIPたんぱく質のフラグメント、及び抗PCIP
抗体(ここでは「活性化合物とも言及している)を、投与に適した薬剤組成中に
組み込むことができる。このような組成は、典型的には、当該の核酸分子、たん
ぱく質又は抗体と、薬学的に容認可能な担体とを含むものである。ここで用いら
れる場合の「薬学的に容認可能な担体」という言語は、薬学的投与に適合性のあ
る、あらゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗カビ剤、等張剤、及び
吸収遅延剤、等々を含むものとして意図されている。薬学的に活性な物質のため
のこのような媒質及び作用薬の利用法は当業において公知である。何らかの従来
の媒質又は作用薬が当該活性化合物に適合性のないものでない限り、組成中への
その利用は考察されたところである。さらに、補助的な活性化合物も組成中に組
み込んでもよい。 【0160】 本発明の薬剤組成は、意図されたその投与経路にとって適合性があるように調
合される。投与経路の例には、非経口、例えば静脈内、皮内、皮下などや、経口
(例えば吸入)、経皮(局所)、経粘膜、及び直腸投与がある。非経口、皮内、
又は皮下投与用に用いられる溶液又は懸濁液には、以下の成分を含めることがで
きる。即ち、例えば注射用の水、生理食塩水、固定油、ポリエチレングリコール
、グリセリン、プロピレングリコール又はその他の合成溶媒などの無菌の希釈剤
、ベンジルアルコール又はメチルパラベンなどの抗菌剤、アスコルビン酸又は亜
硫酸水素ナトリウムなどの抗酸化剤、エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤
、アセテート、シトレート、又はホスフェートなどの緩衝剤、及び、塩化ナトリ
ウム又はデキストロースなどの、張度を調製するための作用薬、である。pHは
、塩酸又は水酸化ナトリウムなどの酸又は塩基によって調節できる。非経口用の
製剤は、アンプル、使い捨てのシリンジ、又は、ガラス又はプラスチック製の複
数用量バイアル中に被包することができる。 【0161】 注射可能な利用に適した薬剤組成には、無菌の水性溶液(水溶性の場合)又は
分散液、及び、無菌の注射可能な溶液又は分散液の即時調整用の無菌粉末が含ま
れる。静脈内投与については、適した担体には、生理食塩水、静菌水、Cremopho
r ELTM(ニュージャージー州パーシパニー、BASF社製)又はリン酸緩衝生
理食塩水(PBS)が含まれる。全ての場合において、当該組成は無菌でなければ
ならず、容易に注射器に容れられるような程度に流動性でなければならない。ま
た製造及び保存条件下で安定でなければならず、細菌及びカビなどの微生物の汚
染作用から保護されていなければならない。担体は、例えば水、エタノール、ポ
リオル(例えばグリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレング
リコール、等々)、及び適したこれらの混合物を含有する溶媒でも分散媒でもよ
い。適した流動性は、例えばレシチンなどのコーティングを用いたり、分散液の
場合には必要な粒子の大きさを維持したり、そしてサーファクタントを利用する
などして、維持することができる。微生物の働きを防ぐには、例えばパラベン、
クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロザール、等々といった
様々な抗菌剤及び抗カビ剤によって行える。多くの場合、例えば糖類、マンニト
ール、ソルビトール、などのポリアルコールや塩化ナトリウムなどの等張剤を組
成中に含めるのが好ましいであろう。注射可能な組成の吸収を長引かせるには、
組成中に、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなど、吸収を遅ら
せる作用薬を含めるとよい。 【0162】 無菌の注射可能な溶液は、必要な量の本活性化合物(例えばPCIPたんぱく質又
は抗PCIP抗体の一フラグメント)を、必要に応じて上に列挙した成分のうちの一
つ又はそれ以上と一緒に、適した溶媒中に取り入れ、その後フィルタ滅菌するこ
とによって、調製することができる。 一般的には、分散液は、基本的な分散媒
と、上に列挙したうちで必要なその他の成分とを含んだ無菌の伝播体中に、本活
性化合物を取り入れることで調製される。無菌の注射可能な溶液を調製するため
の無菌粉末の場合には、調製の好適な方法は、真空乾燥及び凍結乾燥であり、そ
の結果、活性成分と、予め滅菌濾過したその溶液から出る更なる所望の成分とか
ら成る粉末が生成される。 【0163】 経口用組成には、一般的には、不活性の希釈剤又は食用の担体が含まれる。こ
れらをゼラチン・カプセル中に被包したり、又は圧縮して錠剤にしてもよい。経
口用の治療的投与のためには、本活性化合物に賦形剤を組み込み、錠剤、トロー
チ又はカプセルの形で用いることができる。含嗽液として用いるためには流動性
の担体を用いれば経口用の組成を調製できるが、この場合、この流動性の担体中
の当該化合物は、経口利用され、スウィッシュされ(原語:swish)るか、喀出
されるものか、又は飲み込まれる。薬学的に適合性のある結合剤、及び/又は、
アジュバント材料も、本組成の一部として含めることができる。錠剤、丸剤、カ
プセル、トローチ、等々には、以下の成分のうちのいずれか、又は同様の性質の
化合物が含まれていてもよい。即ち、微結晶性セルロース、トラガカント・ゴム
又はゼラチンなどの結合剤、でんぷん又は乳糖などの賦形剤、アルギン酸、プリ
モゲル(原語:Primogel)、又はコーン・スターチなどの崩壊剤、ステアリン酸
マグネシウム又はステロート(原語:Sterotes)などの潤滑剤、コロイド状二酸
化珪素などのグライダント(原語:glidant)、ショ糖又はサッカリンなどの甘
味料、又はペパーミント、サリチル酸メチル、又はオレンジ着香料などの着香料
、である。 【0164】 吸入による投与の場合、本化合物を、例えば二酸化炭素などの気体などの適し
た噴射剤を含有する加圧式容器又はディスペンサ、又はネブライザから出るエー
ロゾル噴霧剤の形で送達する。 【0165】 さらに全身投与は、経粘膜又は経皮手段によってもよい。経粘膜又は経皮投与
については、透過させようとする障壁に適した浸透剤を製剤中に用いる。このよ
うな浸透剤は当業において公知であり、例えば経粘膜投与の場合では、界面活性
剤、胆汁酸塩、及びフシジン酸誘導体、が含まれる。経粘膜投与は、鼻用スプレ
ー又は座薬の利用を通じて行うことができる。経皮投与の場合、本活性化合物を
、当業において広く知られているように軟膏剤、軟膏、ゲル又はクリーム中に調
合する。 【0166】 本化合物はさらに、直腸送達用に、座薬(例えばココアバター及びその他のグ
リセリドなど、従来の座薬用基剤を用いて)又は固定浣腸剤の形に調製してもよ
い。 【0167】 実施例の一つでは、本活性化合物を、インプラント及びマイクロ被包性送達系を
含め、制御放出製剤など、当該化合物が身体から急速に失われないよう保護する
担体と一緒に調製する。例えばエチレン酢酸ビニル、ポリアンヒドリド、ポリグ
リコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸、など、生分解性
、生体適合性のあるポリマーを用いることもできる。このような製剤の調整法は
当業者には明白であろう。またこれらの材料は、アルザ・コーポレーション社及
びノバ・ファーマシューティカルズ社からも市販されている。(ウィルス抗原に
対するモノクローナル抗体を感染細胞にターゲティングするリポソームを含む)
リポソーム懸濁液を薬学的に容認可能な担体として用いてもよい。これらは、例
えば米国特許第4,522,811号に説かれたように、当業において公知の方法に基づ
いて調製が可能である。 【0168】 投与を簡単にし、かつ投与量を均一にするには、経口用又は非経口用組成を単
位用量形で調合すると特に有利である。ここで用いられる単位用量型とは、処置
を施そうとする被験体に合わせて単位用量として用意された物理的に個別の単位
を言い、このそれぞれの単位は、所要の薬学的担体と一緒にしたときに所望の治
療効果を生むよう計算された、所定量の活性化合物を含有している。本発明の単
位用量形の具体的な詳細は、当該化合物に固有の特徴や、達成しようとする特定
の治療効果、そして、個人個人の処置にとっての、このような活性化合物を調合
するときに当業に内在している限界によって決定され、またこれらに直接依存し
ている。 【0169】 このような化合物の毒性及び治療効果は、例えばLD50(集団の50%にとって
致命的な用量)及びED50(集団の50%にとって治療上効果的な用量)を決定す
るなど、細胞培養又は実験動物における標準的な薬学的手法によって調べること
ができる。毒性効果及び治療効果の間の用量比は治療上の指数であり、比LD50/E
D50で表すことができる。大きな治療指数を呈する化合物が好ましい。毒性の副
作用を呈する化合物を用いてもよいが、非感染細胞への潜在的損傷を最小限にす
るため、ひいては副作用を減らすためには、このような化合物を罹患組織部位に
ターゲッティングする送達系をデザインするよう、注意が必要である。 【0170】 細胞培養検定及び動物研究から得られたデータを、ヒトで用いる一範囲の投与
量を作製するのに用いることができる。このような化合物の投与量は、好ましく
は、毒性がほとんどない、又は全くない状態でED50を含むような一範囲の血中濃
度に依存するとよい。用いる投与形及び利用する投与経路に応じて、投与量はこ
の範囲内で様々であろう。本発明の方法に用いられるいずれかの化合物について
、治療上効果のある用量を、最初に細胞培養検定で推定してもよい。細胞培養で
調べた通りのIC50(即ち、症状の半分−最大を阻害したテスト化合物濃度)を含
む循環血漿濃度範囲を得るためには、動物モデルで用量を作製してもよい。この
ような情報を用いれば、ヒトにおける有用な用量をより精確に決定することがで
きる。血漿中の量は、例えば高性能液体クロマトグラフィによって測定してもよ
い。 【0171】 ここに定義するように、たんぱく質又はポリペプチドの治療上有効量(即ち効
果的用量)は、約0.001から30mg/体重1kg、好ましくは約0.01
から25mg/体重1kg、より好ましくは約0.1から20mg/体重1kg
、そしてさらに好ましくは約1から10mg/体重1kg、2から9mg/1k
g、3から8mg/1kg、4から7mg/1kg、又は5から6mg/体重1
kgの範囲である。当業者であれば、被験体の疾患又は障害の重篤度、以前の治
療歴、全身の健康状態及び/又は年齢、及びその他に存在する疾患など、を含め
、しかしこれらに限らず、いくつかの因子が、被験体を効果的に処置するために
必要な用量を左右する場合があることは、理解されよう。さらに、治療上有効量
のたんぱく質、ポリペプチド、又は抗体による被験体の処置には、一回の処置を
含めてもよいが、又は好ましくは一連の処置を含めるとよい。 【0172】 好適な実施例の一つでは、被験体は、約0.1から20mg/体重1kgの範
囲の抗体、たんぱく質、又はポリペプチドで、約1から10週間、好ましくは2
から8週間、より好ましくは約3から7週間、そしてさらにより好ましくは4、
5又は6週間にわたって、1週間当たり一回、処置される。当業者であれば、処
置に用いる抗体、たんぱく質、又はポリペプチドの効果的な用量は、ある特定の
処置の経過にわたって増加したり、又は減少する場合があることを理解されよう
。用量の違いは、ここに解説した診断検定の結果から決定され、またこの結果か
ら明白であろう。 【0173】 本発明は、発現又は活性を変調する作用薬を包含するものである。作用薬は例
えば小型分子であってもよい。例えば、このような小型分子には、ペプチド、ペ
プチドミメティックス、アミノ酸、アミノ酸類似体、ポリヌクレオチド、ポリヌ
クレオチド類似体、ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、分子量が1モル当たり
約10,000グラム未満の有機又は無機化合物(即ち異種生物及び有機金属化
合物を含む)、分子量が1モル当たり約5,000グラム未満の有機又は無機化
合物、分子量が1モル当たり約1,000グラム未満の有機又は無機化合物、分
子量が1モル当たり約500グラム未満の有機又は無機化合物、及び塩類、エス
テル、及び、そのような化合物のその他の薬学的に容認可能な形、が含まれるが
、これらに限らない。 【0174】 小型分子の適した投薬量は、当業者である医師、獣医又は研究者の知見の範囲
内にある数多くの因子に依存すると理解されている。小型分子の投薬量は、例え
ば、処置しようとする被験体又はサンプルの正体、大きさ及び状態や、さらに該
当する場合には当該組成物を投与する経路や、その開業医が、その小型分子に望
む、本発明の核酸又はポリペプチドにへの影響によっても様々であろう。 【0175】 投薬量の例には、被験体又はサンプルの重さ1kg当たり、ミリグラム又はマ
イクログラムの小型分子(例えば1キログラム当たり約1マイクログラムから、
1キログラム当たり約500ミリグラム、1キログラム当たり約100マイクロ
グラムから、1キログラム当たり約5ミリグラム、又は、1キログラム当たり約
1マイクログラムから1キログラム当たり約50マイクログラム、が含まれる。
さらに、小型分子の適した投薬量は、変調しようとする発現又は活性に関する、
当該小型分子の効力にも依存する。このような適した投薬量は、ここに説明した
検定を用いて決定してもよい。これらの小型分子のうちの一つ又はそれ以上を、
本発明のポリペプチド又は核酸の発現又は活性を変調するために動物(例えば、
ヒト)に投与しようとする場合、医師、獣医、又は研究者は、例えば、最初は比
較的に低投薬量を処方し、その後、適切な応答が得られるまでこの投薬量を増加
させるなどしてもよい。加えて、特定の動物被験体に対する特定の投薬レベルも
、用いたその化合物の活性、被験体の年齢、体重、全身の健康状態、性別及び食
物、投与時間、投与経路、排出速度、何らかの薬物の組合せ、及び、変調しよう
とする発現又は活性の程度、を含めた様々な因子に依存するであろうと、理解さ
れている。 【0176】 さらに、抗体(又はそのフラグメント)を、例えば細胞毒素、治療用作用薬又
は放射性金属イオンなどの治療用部分に接合してもよい。細胞毒素又は細胞毒性
作用薬には、細胞にとって有害なあらゆる作用薬が含まれる。例には、タキソー
ル、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマ
イシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルキチ
ン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、マイ
トキサントロン、ミスラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステ
ロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラ
ノロール、及びプロマイシン及びこれらの類似体又は相同体が含まれる。治療用
作用薬には、代謝拮抗物質(例えばメトトレキセート、6-メルカプトプリン、6-
チオグアニン、シタラビン、5-フルオロウラシルデカルバジン)、アルキル化作
用薬(例えばメクロレタミン、チオエパクロラムブシル、メルファラン、カルム
スチン(BSNU)及びロムスチン(CCNU)、シクロトスファミド、ブサルファン、
ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、及びcis-ジク
ロロジアミンプラチナム(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン
(例えばダウノルビシン(以前はダウノマイシン)及びドキソルビシン)、抗生
物質(例えばダクチノマイシン(以前はアクチノマイシン)、ブレオマイシン、
ミトラマイシン、及びアントラマイシン(AMC))、及び抗有糸分裂作用薬(例
えばビンクリスチン及びビンブラスチン)が含まれるが、これらに限らない。 【0177】 本発明の接合体は、特定の生物応答を変調するために用いることができるが、
その薬剤部分は、伝統的な化学的治療用作用薬に限られるものと考えられてはな
らない。例えば、薬剤部分は、所望の生物活性を持つたんぱく質又はポリペプチ
ドであってよい。このようなたんぱく質には、例えばアブリン、リシンA、シュ
ードモナス毒素、又はジフテリア毒素などの毒素や、例えば腫瘍壊死因子、アル
ファ-インターフェロン、ベータ-インターフェロン、神経成長因子、血小板由来
成長因子、組織プラスミノゲンアクチベータなどのたんぱく質や、例えばリンフ
ォカイン、インターロイキン-1(「IL-1」)、インターロイキン-2(「IL-2」)
インターロイキン-6(「IL-6」)、顆粒球マクロファージコロニ刺激因子(「GM
-CSF」)、顆粒球コロニ刺激因子(「G-CSF」)、又はその他の成長因子など、
のたんぱく質を含めてもよい。 【0178】 このような治療用部分を抗体に接合する技術は公知であり、例えばArnon et a
l., "Monoclonal Antibodies For Immunotargeting Of Drugs In Cancer Therap
y", in Monoclonal Antibodies And Cancer Therapy, Reisfeld et al. (eds.),
pp. 243-56 (Alan R. Liss, Inc. 1985); Hellstrom et al., "Antibodies For
Drug Delivery", in Controlled Drug Delivery (2nd Ed.), Robinson et al.
(eds.), pp. 623-53 (Marcel Dekker, Inc. 1987); Thorpe, "Antibody Carrier
s Of Cytotoxic Agents In Cancer Therapy: A Review", in Monoclonal Antibo
dies '84: Biological And Clinical Applications, Pinchera et al. (eds.),
pp. 475-506 (1985); "Analysis, Results, And Future Prospective Of The Th
erapeutic Use Of Radiolabeled Antibody In Cancer Therapy", in Monoclonal
Antibodies For Cancer Detection And Therapy, Baldwin et al. (eds.), pp.
303-16 (Academic Press 1985), and Thorpe et al., "The Preparation And C
ytotoxic Properties Of Antibody-Toxin Conjugates", Immunol. Rev., 62:11
9-58 (1982)を参照されたい。あるいは、シーガル氏の米国特許第4,676,980号に
説かれているように、抗体を第二の抗体に接合させて抗体ヘテロ接合体を形成し
てもよい。 【0179】 本発明の核酸分子をベクタ内に挿入し、遺伝子治療ベクタとし
て用いてもよい。遺伝子治療ベクタは、例えば、静脈注射、局所投与(米国特許
第5,328,470号を参照されたい)又は定位注射(例えばChen et al. (1994) PNAS
91:3054-3057を参照されたい)によって、被験体に送達することができる。遺伝
子治療ベクタの薬学的製剤には、容認可能な希釈剤中の遺伝子治療ベクタを含め
ることができ、又はその内部に遺伝し送達伝播体を埋め込んだ遅延放出マトリッ
クスを含めてもよい。選択によっては、例えばレトロウィルスベクタなど、完全
な遺伝子送達ベクタを組換え細胞からインタクトのままで生成させられる場合に
は、この薬学的製剤に、この遺伝子送達系を生成する一つ又はそれ以上の細胞を
含めてもよい。 【0180】 この薬剤組成を、容器、パック、又はディスペンサに、投与上の指示と一緒に
容れてもよい。 【0181】 V. 本発明の利用及び方法 @ここで説明した核酸分子、たんぱく質、たん
ぱく質相同体、及び抗体を、以下の方法のうちの一つ又はそれ以上に用いること
ができる。即ち、a)スクリーニング・検定、b)予測薬(例えば診断検定、予
後検定、観察用臨床実験、及び薬理ゲノミックス)、及びc)処置の方法(例え
ば治療及び予防)、である。ここで説明したように、本発明のPCIPたんぱく質は
、以下の活性、即ち(1)カリウムチャンネルたんぱく又はその一部分と相互作
用(例えば結合)する、(2)カリウムチャンネルたんぱく又はその一部分のリ
ン酸化状態を調節する、(3)カルシウムと会合(例えば結合)すると共に、例
えばカリウムチャンネル又はGたんぱく共役レセプタをカルシウム依存的態様で
リン酸化するなど、カルシウム依存性キナーゼとして作用する、(4)カルシウ
ムと会合(例えば結合)すると共に、例えばカルシウム依存性転写因子として働
くなどができる、(5)例えば細胞に有利な影響を与えるなどのために、細胞(
神経細胞、又は心臓細胞など)内でカリウムチャンネル媒介活性を変調する、(
6)例えば神経細胞又は心臓細胞など、細胞内のクロマチン形成を変調する、(
7)例えば神経細胞又は心臓細胞など、細胞内のベシクル輸送及びたんぱく質輸
送を変調する、(8)例えば神経細胞又は心臓細胞など、細胞内のサイトカイン
シグナリングを変調する、(9)カリウムチャンネルたんぱく又はその一部分の
、細胞骨格との会合を調節する、(10)細胞増殖を変調する、(11)神経伝
達物質の放出を変調する、(12)膜の興奮性を変調する、(13)膜の静止電
位に影響を与える、(14)活動電位の波形及び周波数を変調する、及び(15
)興奮の閾値を変調する、のうちの少なくとも一つ又はそれ以上を有し、従って
、(1)カリウムチャンネルたんぱく又はその一部分の活性を変調する、(2)
カリウムチャンネルたんぱく又はその一部分のリン酸化状態を変調する、(3)
カリウムチャンネル又はGたんぱく共役レセプタのリン酸化状態をカルシウム依
存的態様で変調する、(4)カルシウムと会合(例えば結合)すると共に、カル
シウム依存性転写因子として働く、(5)例えば細胞に有利な影響を与えるなど
のために、細胞(神経細胞、又は心臓細胞など)内でカリウムチャンネル媒介活
性を変調する、(6)例えば神経細胞又は心臓細胞など、細胞内のクロマチン形
成を変調する、(7)例えば神経細胞又は心臓細胞など、細胞内のベシクル輸送
及びたんぱく質輸送を変調する、(8)例えば神経細胞又は心臓細胞など、細胞
内のサイトカインシグナリングを変調する、(9)カリウムチャンネルたんぱく
又はその一部分の、細胞骨格との会合を調節する、(10)細胞増殖を変調する
、(11)神経伝達物質の放出を変調する、(12)膜の興奮性を変調する、(
13)膜の静止電位に影響を与える、(14)活動電位の波形及び周波数を変調
する、及び(15)興奮の閾値を変調する、のに用いることができる。 【0182】 本発明に基づく単離された核酸分子は、以下にさらに説明するように、例えば
、PCIPたんぱく質を(例えば遺伝子治療での応用におけるホスト細胞内での組換
え発現ベクタを介して)発現させたり、(生体試料中で)PCIP mRNA又はPCIP遺
伝子の遺伝的変化を検出したり、そしてPCIP活性を変調したりするのに、用いる
ことができる。本PCIPたんぱく質は、PCIP基質の不充分な生成又は過剰な生成、
又は、PCIPインヒビタの生成を特徴とする障害を処置するために用いることがで
きる。加えて、本PCIPたんぱく質は、天然発生型のPCIP基質をスクリーニングし
たり、PCIP活性を変調する薬剤又は化合物をスクリーニングしたり、また、PCIP
たんぱく質の不充分又は過剰な生成や、PCIP野生型たんぱくに比べて減少した又
は異所性の活性を有するPCIPたんぱく質型の生成を特徴とする障害(例えばアル
ツハイマー病、アルツハイマー病に関連する痴呆(例えばピック病)、パーキン
ソン病及びその他のレーヴィ拡散小体疾患、多発性硬化症、筋萎縮性多発性硬化
症、進行性核上麻痺、てんかん、脊髄小脳失調、及びヤコブ−クロイツフェルト
病などの神経変性障害などのCNSの障害や、例えばうつ、分裂性障害、コルサ
コフ精神病、躁病、不安障害、双極性感情障害又は恐怖症などの精神医学上の障
害、健忘症又は年齢に関連した記憶喪失などの学習又は記憶の障害や、例えば偏
頭痛などの神経学的障害、例えば痛覚過敏又は疼痛を伴う筋肉骨格の障害などの
疼痛障害や、脊髄損傷、卒中、及び頭部外傷や、洞結節機能不全、口峡炎、心不
全、高血圧、心房細動、心房粗動、拡張型心筋症、突発性心筋症、心筋梗塞、冠
状動脈疾患、冠状動脈けいれん、又は不整脈などの心臓血管の障害を処置するた
めにも用いることができる。さらに、本発明の抗PCIP抗体は、PCIPたんぱく質を
検出及び単離したり、PCIPたんぱく質の生物学的利用能を調節したり、そしてPC
IP活性を変調するのにも用いることができる。 【0183】 A.スクリーニング検定 @本発明は、PCIPたんぱく質に結合する、例えばPC
IP発現又はPCIP活性に対して刺激又は阻害作用を有する、又は、例えばPCIP基質
の発現又は活性に対して刺激又は阻害作用を有するモジュレータ、即ち候補又は
テスト化合物又は作用薬(例えばペプチド、ペプチドミメティックス、小型分子
又はその他の薬剤)を同定する方法(ここでは「スクリーニング検定」とも言及
している)を提供するものである。 【0184】 実施例の一つでは、本発明は、PCIPたんぱく質又はポリペプチド又はその生物
学的活性部分の基質である候補又はテスト化合物をスクリーニングするための検
定を提供する。別の実施例では、本発明は、PCIPたんぱく質又はポリペプチド又
はその生物学的活性部分に結合する、又はその活性を変調する、候補又はテスト
化合物をスクリーニングする検定法を提供するものである。本発明のテスト化合
物は、生物学的ライブラリ、空間指定可能な並行固相又は溶液相ライブラリ、逆
重畳積分を要する合成ライブラリ法、「ワン・ビード・ワン・コンパウンド(原
語:one-bead one-compound)」ライブラリ法、及びアフィニティ・クロマトグラ
フィ選別を用いる合成ライブラリ法を含め、当業において公知のコンビナトリア
ルライブラリ法のうちの数多くのアプローチのいずれを用いても得ることができ
る。生物学的ライブラリ・アプローチはペプチド・ライブラリに限られるが、そ
の他の四つのアプローチは化合物のペプチド、非ペプチドオリゴマー又は小型分
子のライブラリに応用できる(Lam, K.S. (1997) Anticancer Drug Des. 12:145
)。 【0185】 分子ライブラリの合成法の例は、例えばDeWitt et al. (1993) Proc. Natl.
Acad. Sci. U.S.A. 90:6909; Erb et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA
91:11422; Zuckermann et al. (1994). J. Med. Chem. 37:2678; Cho et al.
(1993) Science 261:1303; Carrell et al. (1994) Angew. Chem. Int. Ed. Eng
l. 33:2059; Carell et al. (1994) Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 33:2061; an
d in Gallop et al. (1994) J. Med. Chem. 37:1233に見ることができる。 【0186】 化合物のライブラリは溶液中(例えばHoughten (1992) Biotechniques 13:412
-421)、又はビード上 (Lam (1991) Nature 354:82-84)、チップ(Fodor (1993) N
ature 364:555-556)、細菌上(Ladner USP 5,223,409)、胞子上(Ladner USP '409
)、プラスミド上 (Cull et al. (1992) Proc Natl Acad Sci USA 89:1865-1869)
又はファージ 上(Scott and Smith (1990) Science 249:386-390); (Devlin (19
90) Science 249:404-406); (Cwirla et al. (1990) Proc. Natl. Acad. Sci.
87:6378-6382); (Felici (1991) J. Mol. Biol. 222:301-310); (上記のLadner)
で提示させてもよい。 【0187】 実施例の一つでは、一検定は、PCIPたんぱく質又はその生物学的活性部分を発
現する細胞をテスト化合物に接触させ、そのテスト化合物が、PCIP活性を変調す
る能力、例えばカリウムチャンネル又はその一部分に結合する能力など、を調べ
る、といった細胞を基にした検定である。テスト化合物がPCIP活性を変調する能
力の判定は、例えば、黒質ニューロン細胞などの神経細胞や、心臓細胞など、PC
IPを発現する細胞からの、ドーパミンなどの神経伝達物質の放出を観察するなど
によって、行うことができる。さらに、テスト化合物がPCIP活性を変調する能力
の判定は、例えば、心臓細胞など、PCIPを発現する細胞からのIto電流又は神経
伝達物質の放出を観察することでも、行うことができる。細胞内のIto電流など
の電流は、 Hamill et al. 1981. Pfluegers Arch. 391: 85-100などに解説され
た技術を用いて、例の項で述べるようにパッチ−クランプ技術を用いて測定が可
能である。この細胞は、例えばほ乳類由来のものでもよい。PCIPが基質に結合す
る能力を変調する上でのテスト化合物の能力の判定は、例えば、PCIP基質を、放
射性同位元素又は酵素標識に結合させることで、PCIP基質のPCIPへの結合が、標
識されたPCIP基質を複合体中で検出することによって判定できるようにするなど
によって行える。例えば、化合物(例えばPCIP基質)に、直接又は間接的に12 I、35S、14C、又はHで標識し、放射線を直接計数するか、又はシン
チレーション計数を行うことで、この放射性同位元素を検出してもよい。あるい
は、化合物を、例えば西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、
又はルシフェラーゼなどで酵素的に標識し、適した基質の生成物への転化を判定
することによって、この酵素標識を検出してもよい。 【0188】 さらに、相互作用物のいずれを標識することもなく、ある化合物(例えばPCIP
基質)がPCIPと相互作用する能力を調べることも、本発明の範囲内である。例え
ば、マイクロフィジオメータを用いて、化合物とPCIPとの相互作用を、その化合
物又はそのPCIPのいずれを標識することもなく検出することができる。McConnel
l, H. M. et al. (1992) Science 257:1906-1912。ここで用いられる「マイク
ロフィジオメータ」(例えばサイトセンサ)は、光指定可能な電位差センサ(LA
PS)を用いて、細胞がその環境を酸性化する速度を測定する分析装置である。こ
の酸性化速度のは、化合物とPCIPとの間の相互作用の指標として用いることがで
きる。 【0189】 別の実施例では、検定は、PCIP標的分子(例えばカリウムチャンネル又はその
一フラグメント)を発現している細胞を、テスト化合物に接触させるステップと
、そのPCIP標的分子の活性を変調する(例えば刺激する又は阻害する)上での、
このテスト化合物の能力を調べるステップとを含む、細胞に基づく検定である。
テスト化合物の持つ、PCIP標的分子の活性を変調させる能力は、例えば、このPC
IPたんぱく質がPCIP標的分子、例えばカリウムチャンネル又はその一フラグメン
トなど、と結合する又は相互作用する能力を調べることによって、調べることが
できる。 【0190】 PCIPたんぱく質又は生物学的に活性なその一フラグメントが、PCIP標的分子と
結合する又は相互作用する能力の判定は、直接の結合を調べるための上述した方
法の一つによって行うことができる。好適な実施例の一つでは、PCIPたんぱく質
が、PCIP標的分子と結合する又は相互作用する能力の判定を、標的分子の活性を
調べることで行ってもよい。例えば、標的分子の活性は、標的の細胞内第二メッ
センジャ(即ち細胞内Ca2+、ジアシルグリセロール、IP、等々)の誘導
を検出したり、標的の適した基質の触媒/酵素活性を検出したり、(ルシフェラ
ーゼなどの検出可能なマーカをコードする核酸に操作により連結させた標的-応
答調節要素を含む)レポータ遺伝子の誘導を検出したり、又は、神経伝達物質の
放出など、標的の調節を受ける細胞応答を検出するなどによって、調べることが
可能である。 【0191】 さらに別の実施例では、本発明の検定は、PCIPたんぱく質又はその生物学的活
性部分を、テスト化合物に接触させ、そのテスト化合物がPCIPたんぱく質又はそ
の生物学的活性部分に結合する能力を調べる、といった、無細胞検定である。本
発明の検定で用いるのに好適な、当該PCIPたんぱく質の生物学的に活性な部分に
は、例えばカリウムチャンネル又はそのフラグメントや、又は高い表面確率スコ
アを持つフラグメントなど、非PCIP分子との相互作用に参与するフラグメントが
含まれる。テスト化合物のPCIPたんぱく質への結合は、上述したように直接調べ
ても、又は間接的に調べてもよい。好適な実施例の一つでは、この検定は、PCIP
たんぱく質又はその生物学的活性部分を、PCIPに結合する公知の化合物に接触さ
せて、検定混合物を形成させるステップと、この検定混合物をテスト化合物に接
触させるステップと、このテスト化合物の、PCIPたんぱく質と相互作用する能力
を調べるステップであって、このテスト化合物の、PCIPたんぱく質と相互作用す
る能力を調べる前記ステップが、公知の化合物に比較して、PCIP又はその生物学
的活性部分に、前記テスト化合物が優先的に結合するという能力を調べることを
含む、ステップ、を含む。 【0192】 別の実施例では、この検定は無細胞検定であり、この検定では、PCIPたんぱく
質又はその生物学的活性部分を、テスト化合物に接触させ、このテスト化合物が
、PCIPたんぱく質又はその生物学的活性部分の活性を変調する(例えば刺激する
又は阻害する)能力を調べる。テスト化合物がPCIPたんぱく質の活性を変調する
能力を調べるには、例えば、直接の結合を調べる上記の方法の一つによって、PC
IPたんぱく質がPCIP標的分子に結合する能力を調べることで、達成が可能である
。PCIPたんぱく質の、PCIP標的分子への結合能力の判定は、例えばリアルタイム
・バイオモラキュラー・インターアクション・アナリシス(BIA)などの技術
を用いても行うことができる。Sjolander, S. and Urbaniczky, C. (1991) Anal
. Chem. 63:2338-2345 及びSzabo et al. (1995) Curr. Opin. Struct. Biol. 5
:699-705。ここで用いられる「BIA」とは、相互作用物質のいずれにも標識を
付けることなく、リアルタイムで生理特異的な相互作用を研究する技術である(
例えばBIAcoreなど)。表面プラスモン共振(SPR)に起きる光学的現象の変化を
、生物分子間のリアルタイムの反応の指標として用いることができる。 【0193】 代替的な実施例では、テスト化合物の、PCIPたんぱく質の活性を変調する能力
の判定は、このPCIPたんぱく質がさらにPCIP標的分子の下流にあるエフェクタの
活性を変調する能力を調べることによって、達成が可能である。例えば、エフェ
クタ分子の適した標的に対する活性を調べても、又はエフェクタの適した標的へ
の結合を前述したように調べてもよい。 【0194】 さらに別の実施例では、この無細胞検定は、PCIPたんぱく質を結合させる既知
の化合物に、PCIPたんぱく質又はその生物学的活性部分を接触させて、検定混合
液を形成するステップと、この検定混合液をテスト化合物に接触させるステップ
と、テスト化合物がPCIPと相互作用する能力を判定するステップとを含み、この
テスト化合物がPCIPと相互作用する能力を判定するステップは、PCIPたんぱく質
が、PCIP標的分子に優先的に結合する、又はPCIP標的分子の活性を優先的に変調
する、能力を調べるステップを含む。 【0195】 本発明の無細胞検定は、可溶型及び/又は膜結合型の単離されたたんぱく質の
両方の利用になじむ。膜結合型の単離されたたんぱく質を用いる(例えばカリウ
ムチャンネルなど)の無細胞検定の場合には、この膜結合型の単離されたたんぱ
く質が、溶液中で維持されるよう、可溶化剤を利用するのが好ましいかも知れな
い。このような可溶化剤の例には、例えばn-オクチルグルコシド、n-ドデシルグ
ルコシド、n-ドデシルマルトシド、オクタノイル-N-メチルグルカミド、デカノ
イル-N-メチルグルカミド、Triton(R)X-100、Triton(R)X-114、Thesit(
R)、イソトリデシポリ(エチレングリコールエーテル)、3-[(3-コラミド
プロピル)ジメチルアミニオ]-1-プロパンスルホネート(CHAPS)、3-[(3-コ
ラミドプロピル)ジメチルアミニオ]-2-ヒドロキシ-1-プロパンスルホネート(
CHAPSO)、又は、N-ドデシル=N,N-ジメチル-3-アンモニオ-1-プロパンスルホネ
ートなどの非イオン性界面活性剤がある。 【0196】 本発明の上記の検定法のうちの二つ以上の実施例において、PCIP又はその標的
分子のいずれかを固定すると、このたんぱく質の一方又は両方の、複合体を形成
していない形から複合体形成型を分離するのが容易になり、また検定の自動化に
も有利なため、好ましいかも知れない。候補化合物の存在下又は非存在下におけ
る、テスト化合物のPCIPたんぱく質への結合、又は、PCIPたんぱく質の標的分子
との相互作用は、反応生成物を含有するのに適していれば、いかなる容器中で行
わせてもよい。このような容器の例には、マイクロタイタ・プレート、試験管、
及びマイクロ遠心管がある。実施例の一つでは、当該たんぱく質の一方又は両方
をマトリックスに結合させられるような一ドメインを加えた融合たんぱく質を提
供してもよい。例えば、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ/PCIP融合たんぱ
く質、又は、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ/標的融合たんぱく質を、グ
ルタチオンセファロースビーズ(ミズーリ州セントルイス、シグマケミカル社製
)又はグルタチオン誘導体化マイクロタイタプレートに吸着して、次にこれらを
、テスト化合物か、又は、テスト化合物、及び、吸着しなかった標的たんぱく質
又はPCIPたんぱく質のいずれか、に配合し、この混合液を、複合体形成を誘導す
る条件下(例えば塩及びpHについて生理学的条件)でインキュベートしてもよ
い。インキュベート後、このビーズ又はマイクロタイタプレートの穴を洗浄して
、未結合の成分を取り除き、ビーズの場合にはマトリックスを固定し、複合体を
直接又は間接的に、上に説明したように調べることができる。その代わりに、複
合体をマトリックスから解離させ、PCIPの結合又は活性レベルを標準的技術を用
いて調べてもよい。 【0197】 たんぱく質をマトリックス上に固定するその他の技術を、本発明のスクリーニ
ング検定に用いてもよい。例えば、PCIPたんぱく質又はPCIP標的分子のいずれか
を、ビオチン及びストレプトアビジンの結合を用いて固定してもよい。ビオチニ
ル化PCIPたんぱく質又は標的分子は、ビオチン-NHS(N-ヒドロキシ-スクシンイ
ミド)から、当業に公知の技術(例えばイリノイ州ロックフォード、ピアースケ
ミカルズ社製)を用いて調製することができ、ストレプトアビジンで被膜した9
6穴プレート(ピアースケミカル社製)の穴に固定することができる。選択によ
っては、PCIPたんぱく質又は標的分子に対して反応性ではあるが、PCIPたんぱく
質の、その標的分子への結合には干渉しないような抗体をこのプレートの穴に誘
導して、抗体の結合により、未結合の標的又はPCIPたんぱく質をこの穴に捕獲し
てもよい。GST固定複合体について上述したものに加え、このような複合体を検
出する方法には、PCIPたんぱく質又は標的分子に対して反応性の抗体を用いて複
合体を免疫検出する方法や、PCIPたんぱく質又は標的分子に関連する酵素活性の
検出に依拠する酵素結合検定法がある。 【0198】 好適な実施例では、候補又はテスト化合物又は作用薬が、細胞、例えば神経細
胞又は心臓細胞内のベシクル輸送及びたんぱく質輸送を変調する上でのPCIP分子
の能力を阻害する又は刺激する能力を、例えば、その内容を言及をもってここに
編入するKomada M. et al. (1999) Genes Dev.13(11):1475-85, and Roth M.G.
et al. (1999) Chem. Phys. Lipids. 98(1-2):141-52で解説された検定法を用い
てテストする。 【0199】 別の実施例では、候補又はテスト化合物又は作用薬が、カリウムチャンネルた
んぱく質又はその部分のリン酸化状態を調節する上でのPCIP分子の能力を阻害す
る又は刺激する能力を、例えばin vitroキナーゼ検定法を用いてテストする。簡
単に説明すると、PCIP標的分子、例えばこのような分子を発現する細胞系から免
疫沈殿させたカリウムチャンネルなど、を、PCIPたんぱく質及び例えば[γ-
P]ATPなどの放射性ATPと一緒に、例えば10mMのMgCl2及び5mMのMnCl2など、M
gCl2及びMnCl2 を含有する緩衝液中でインキュベートしてもよい。このインキュ
ベート後、免疫沈殿したPCIP標的分子、例えばカリウムチャンネルなど、を、SD
S-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって、還元条件下で分離し、PVDFメン
ブレンなどのメンブレンに移し、オートラジオグラフ分析する。オートラジオグ
ラフ上に検出可能なバンドが現れれば、カリウムチャンネルなどのPCIP基質がリ
ン酸化したことの指標である。PCIP基質上のどの残基がリン酸化したのかを調べ
るには、このリン酸化した基質のホスホアミノ酸分析を行うことができる。簡単
に説明すると、放射性リン酸化たんぱく質によるバンドをSDSゲルから切り離
し、部分的な酸分解を行うとよい。次に、その生成物を一次元電気泳動法で分離
し、例えばホスホイメージャなどで分析し、ニンヒドリン染色したホスホアミノ
酸標準に比較することができる。ここに説明したものなどの検定、例えば、言及
をもってその内容をここに編入するTamaskovic R. et al. (1999) Biol. Chem.
380(5):569-78などの検定を、用いてもよい。 【0200】 別の実施例では、候補又はテスト化合物、あるいは作用薬が、カルシウムと会
合する(例えば結合する)上でのPCIP分子の能力を阻害又は刺激する能力につい
て、言及をもってこの内容をここに編入することとする Liu L. (1999) Cell Si
gnal. 11(5):317-24 and Kawai T. et al. (1999) Oncogene 18(23):3471-80に
解説された検定などを用いて、テストしてもよい。 【0201】 別の実施例では、候補又はテスト化合物、あるいは作用薬が、細胞内のクロマ
チン形成を変調する上でのPCIP分子の能力を阻害又は刺激する能力について、言
及をもってその内容をここに編入することとする Okuwaki M. et al. (1998) J.
Biol. Chem. 273(51):34511-8 and Miyaji-Yamaguchi M. (1999) J. Mol. Biol
. 290(2): 547-557に説かれた検定法などを用いて、テストしてもよい。 【0202】 さらに別の好適な実施例では、候補又はテスト化合物、あるいは作用薬が、細
胞増殖を変調する上でのPCIP分子の能力を阻害又は刺激する能力について、言及
をもってその内容をここに編入することとするBaker F.L. et al. (1995) Cell
Prolif. 28(1):1-15, Cheviron N. et al. (1996) Cell Prolif. 29(8):437-46,
Hu Z.W. et al. (1999) J. Pharmacol. Exp. Ther. 290(1):28-37 and Elliott
K. et al. (1999) Oncogene 18(24):3564-73 に説かれた検定法などを用いて、
テストしてもよい。 【0203】 好適な実施例の一つでは、候補又はテスト化合物、あるいは作用薬が、カリウ
ムチャンネルたんぱく質又はその部分の細胞骨格との会合を調節する上でのPCIP
分子の能力を阻害又は刺激する能力について、言及をもってその内容をここに編
入することとするGonzalez C. et al. (1998) Cell Mol. Biol. 44(7):1117-27a
nd Chia C.P. et al. (1998) Exp. Cell Res.244(1):340-8 に説かれた検定法な
どを用いて、テストしてもよい。 【0204】 別の好適な実施例では、候補又はテスト化合物、あるいは作用薬が、膜興奮性
を変調する上でのPCIP分子の能力を阻害又は刺激する能力について、言及をもっ
てその内容をここに編入することとする Bar-Sagi D. et al. (1985) J. Biol.
Chem. 260(8):4740-4 and Barker J.L. et al. (1984) に説かれた検定法などを
用いて、テストしてもよい。 【0205】 別の好適な実施例では、候補又はテスト化合物、あるいは作用薬が、神経細胞
又は心臓細胞などの細胞内のサイトカインシグナリングを変調する上でのPCIP分
子の能力を阻害又は刺激する能力について、言及をもってその内容をここに編入
することとするNakashima Y. et al. (1999) J. Bone Joint Surg. Am. 81(5):6
03-15 に説かれた検定法などを用いて、テストしてもよい。 【0206】 別の実施例では、PCIP発現のモジュレータを一方法で同定するが、この方法で
は、候補化合物に細胞を接触させ、その細胞内のPCIP mRNA又はたんぱく質の発
現が判定される。その候補化合物存在下でのPCIP mRNA又はたんぱく質の発現レ
ベルを、その候補化合物の非存在下でのPCIP mRNA又はたんぱく質の発現レベル
と比較する。こうして候補化合物を、この比較に基づき、PCIP発現のモジュレー
タであると同定することができる。例えば、その候補化合物の非存在下よりも存
在下での方が、PCIP mRNA又はたんぱく質の発現が多い(統計学的に有意に多い
)場合、その候補化合物はPCIP mRNA又はたんぱく質発現の刺激物質と同定され
る。あるいは、PCIP mRNA又はたんぱく質の発現が、候補化合物の不在下よりも
存在下の方が少ない(統計学的に少ない)場合、その候補化合物は、PCIP mRNA
又はたんぱく質発現のインヒビタと同定される。細胞中のPCIP mRNA又はたんぱ
く質の発現レベルは、ここに説明したPCIP mRNA又はたんぱく質を検出する方法
で決定が可能である。 【0207】 本発明のさらに別の態様では、PCIPたんぱく質を、二種ハイブリッド検定又は
三種ハイブリッド検定での「ベイトたんぱく質」として用いる(例えば、ゼルボ
氏らの米国特許第5,283,317号、Zervos et al. (1993) Cell 72:223-232; Madur
a et al. (1993) J. Biol. Chem. 268:12046-12054; Bartel et al. (1993) Bi
otechniques 14:920-924; Iwabuchi et al. (1993) Oncogene 8:1693-1696; 及
びBrent WO94/10300を参照されたい)ことで、PCIPに結合する又は相互作用する
と共に、PCIP活性に関与しているその他のたんぱく質(「PCIP結合たんぱく」又
は「PCIPbp」)を同定することができる(さらに下の小項で詳述する)。このよ
うなPCIP結合たんぱく質は、さらに、例えばPCIP媒介シグナリング経路などの下
流の要素など、PCIPたんぱく質又はPCIP標的によるシグナルの伝播に関与してい
ると考えられる。あるいは、このようなPCIP結合たんぱく質はPCIP阻害剤である
可能性が高い。 【0208】 二種ハイブリッド系は、分離可能なDNA結合ドメイン及び賦活化ドメインから
成る、大半の転写因子のモジュール式の性質に基づくものである。簡単に説明す
ると、この検定は二つの異なるDNAコンストラクトを利用する。一方のコンスト
ラクトでは、PCIPたんぱく質をコードする遺伝子を、既知の転写因子(例えばGA
L-4)のDNA結合ドメインをコードする遺伝子に融合させる。他方のコンストラク
トでは、未知のたんぱく質(「プレイ」又は「サンプル」)をコードする、DNA
配列のライブラリから採ったDNA配列を、既知の転写因子の活性化ドメインをコ
ードする遺伝子に融合させる。この「ベイト」たんぱく質及び「プレイ」たんぱ
く質がin vivoで相互作用してPCIP依存性複合体を形成できるのであれば、この
転写因子のDNA結合ドメイン及び賦活化ドメインを近い位置に持ってくる。この
近さによって、転写因子に対して反応性の転写調節部位に操作により連結したレ
ポータ遺伝子(例えばLacZ)の転写が可能となる。レポータ遺伝子の発現を検出
し、この機能的な転写因子を含有する細胞コロニーを単離し、この細胞コロニー
を用いて、PCIPたんぱく質と相互作用するたんぱく質をコードするクローン化遺
伝子を得ることができる。 【0209】 さらに本発明は、上述したスクリーニング・検定によって同定された新規な作
用薬に関する。従って、ここで説明したとおりに同定された作用薬を適した動物
モデルに利用することは、本発明の範囲内である。例えば、ここで説明したよう
に同定された作用薬、(例えばPCIP変調作用薬、アンチセンスPCIP核酸分子、PC
IP特異抗体、又はPCIP結合相手)を動物モデルに用いて、このような作用薬を用
いた処置の効験、毒性、又は副作用を調べることができる。あるいは、ここで説
明したように同定した作用薬を動物モデルに用いて、このような作用薬の作用機
序を調べることもできる。さらに、本発明は、ここで説明したように、CNS障
害又は心臓血管の障害の処置など、処置のための上述のスクリーニング検定によ
って同定された新規な作用薬の利用にも関するものである。 【0210】 B. 検出検定法 ここで同定されたcDNA配列断片の一部(及びそれに相当する完全な遺伝子配列
)は、ポリヌクレオチド試薬として様々な用途に用いることができる。たとえば
、これらの配列は、i) 染色体上のそれぞれの遺伝子の地図を作製し、その結果
遺伝的疾患に関連する遺伝子領域を位置づける、ii) 微小量の生物学的サンプル
(組織型)から個人を同定できる、iii) 生物学的サンプルの法的同定を手助け
する、ことに用いることができる。これらの応用法を、以下のサブセクションに
記述する。 【0211】 1. 染色体マッピング 遺伝子配列(または配列の一部)を一度分離し、この配列を染色体上の遺伝子
位置の地図を作製するために用いることができる。このプロセスは染色体マッピ
ングと呼ばれる。したがって、ここに記述されたPCIPヌクレオチド配列の部分ま
たは断片は、染色体上のPCIP遺伝子位置のマッピングに用いることができる。染
色体へのPCIP配列のマッピングは、これらの配列と疾患に関連する遺伝子を相関
させる、重要な第一段階である。簡単に説明すると、PCIP遺伝子は、PCIPヌクレ
オチド配列からPCRプライマ(好ましくは長さ15-25 bp)を調製することで、染色
体にマッピングすることができる。PCIP配列のコンピュータ解析は、ゲノムDNA
中の一つより多いエキソンにまたがらず、その結果増幅プロセスを複雑にするプ
ライマを予測するために用いることができる。その後、これらのプライマは、個
人のヒト染色体を有する体細胞ハイブリッドのPCRスクリーニングに用いること
ができる。PCIP配列に相当するヒト遺伝子を有するそれらのハイブリッドだけが
、増殖断片を産生するだろう。 【0212】 体細胞ハイブリッドは、異なるほ乳類(たとえばヒト及びマウス細胞)から得
られた体細胞を融合して調製される。ヒト及びマウス細胞のハイブリッドが増殖
し分裂するに従い、それらはヒト染色体を任意の順序で次第に喪失するが、マウ
ス染色体は維持する。ある特定の酵素が欠失しているためにマウス細胞は増殖で
きないがヒト細胞は増殖できる培地を用いると、必要な酵素をコードする遺伝子
を有する一つのヒト染色体が維持される。種々の培地を用いて、ハイブリッド細
胞株のパネルを作成する。パネル中のそれぞれの細胞株は、単一のヒト染色体ま
たは少数のヒト染色体のいずれか、及びマウス染色体の完全セットを有し、個々
の遺伝子を特定のヒト染色体へ容易にマッピングすることができる (D'Eustach
io P. et al. (1983) Science 220:919-924)。ヒト染色体断片のみを有する体細
胞ハイブリッドは、転座及び欠失を有するヒト染色体を用いて生成することがで
きる。 【0213】 体細胞ハイブリッドのPCRマッピングは特定の配列を特定の染色体に割り当て
る迅速な方法である。シングルサーマルサイクラを用いて、一日に三つ以上の配
列を割り当てることができる。オリゴヌクレオチドプライマをデザインするため
に、PCIPヌクレオチド配列を用いて、特定の染色体から得た断片のパネルを用い
てサブローカライゼイションを行うこともできる。PCIP配列を染色体にマッピン
グするために同様に用いることができる他のマッピング戦略には、in situハイ
ブリダイゼーション(Fan, Y. et al. (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87
:6223-27に記述)、標識されたフロー選別染色体の前スクリーニング、染色体特
異的cDNAライブラリとのハイブリダイゼーションによる前選択が含まれる。 【0214】 DNA配列と分裂中期染色体スプレッドの蛍光in situ ハイブリダイゼーション
(FISH)は、ワンステップで正確な染色体位置を提供するためにさらに用いるこ
とができる。染色体スプレッドは、紡錘体を分裂させるコルセミドなどの化学物
質により、中期で分裂を遮断された細胞を用いることができる。染色体はトリプ
シンで簡単に処理され、ギームザで染色することができる。バンドの濃淡パター
ンがそれぞれの染色体上に発生し、染色体を個別に同定することができる。FISH
法は500から600塩基の長さのDNA配列までにしか用いることができない。しかし
、1000塩基よりも大きいクローンのほうが、固有の染色体位置に結合する可能性
が高く、十分なシグナル強度で容易に検出することができる。好ましくは1000塩
基、さらに好ましくは2000塩基であると、妥当な時間でよい結果を得るのに十分
であろう。この技術の総説は、Verma et al., Human Chromosomes: A Manual of
Basic Techniques (Pergamon Press, New York 1988)参照。 【0215】 染色体マッピングの試薬を、単一の染色体、または染色体上の単一部位を標識
するために個別に用いるか、または試薬のパネルを、複数の部位及び/または複
数の染色体を標識するために用いることができる。遺伝子の非コード領域に相当
する試薬は、実際、マッピング目的で用いられることが好ましい。コード配列は
遺伝子ファミリ内で保存される確率が高く、従って、染色体マッピング中のクロ
スハイブリダイゼーションの確率が高くなる。 【0216】 配列が正確な染色体位置に一度マッピングされると、染色体上の配列の物理的
な位置を遺伝子地図データと相関させることができる(そのようなデータはたと
えばV. McKusick, Mendelian Inheritance in Man, available on-line through
Johns Hopkins University Welch Medical Libraryにみられる)。そこで、同
一の染色体領域にマッピングされた遺伝子と疾患の関係は、連鎖解析により同定
され(物理的に隣接する遺伝子の共遺伝形質)、これはたとえばEgeland, J. et
al. (1987) Nature, 325:783-787に記述されている。 【0217】 さらに、PCIP遺伝子関連疾患を罹患した者と罹患していない者との間のDNA配
列の差を同定することができる。罹患者の一部もしくはすべてに突然変異がみら
れ、非罹患者に全くみられない場合、突然変異はその特定の疾患の原因因子であ
る確率が高い。罹患者と非罹患者の比較は、一般に、まず染色体の構造変化、つ
まり染色体スプレッドに肉眼で認識できる、またはDNA配列に基づくPCR法で検出
できる欠失または転座などの探索を伴う。つまり、突然変異の存在を確認し多型
性と突然変異を区別するために、数人から得られた遺伝子の完全配列決定を行う
ことができる。 【0218】 2. 組織型の分類 本発明のPCIP配列は微少量の生物学的サンプルから個人を同定するために用い
ることもできる。たとえば、米軍は、隊員の同定のために制限断片長多型性(RF
LP)を用いることを検討している。この技術では、個人のゲノムDNAは一つ以上
の制限酵素に消化され、サザンブロット法でプローブされて同定のための固有バ
ンドを生じる。この方法は、現在用いられている「ドッグ・タッグ」の喪失、交
換、または盗難により積極的な同定が困難になるという限界をこうむることはな
い。本発明の配列はRFLPのための追加DNA標識として有用である(米国特許5,272
,057に記述)。 【0219】 さらに、本発明の配列は、個人のゲノムの選択された一部分の、実際の塩基ご
とのDNA配列を決定する、代替的な方法を提供するために用いられる。したがっ
て、ここに記述されたPCIPヌクレオチド配列は、配列の5'及び3'末端からPCRプ
ライマ二つを調製するために用いることができる。そこで、これらのプライマは
、個人のDNAを増殖し、続いて配列を決定するために用いることができる。 【0220】 この方法で調製された、個人から得られた相当DNA配列のパネルは、個人に特
有の同定法を提供することができ、それは、個人それぞれが対立遺伝子の差のた
めに固有のDNA配列を有するからである。本発明の配列は、個人から及び組織か
らこのような同定配列を得るために用いることができる。本発明のPCIPヌクレオ
チド配列は、ヒトゲノムの一部を固有に表している。対立遺伝子のバリエーショ
ンは、このような配列のコード領域にある程度発生し、非コード領域にさらに多
く発生する。個々のヒトにおける対立遺伝子のバリエーションは、500塩基に一
つの頻度で発生する。ここに記述されたそれぞれの配列は、個人から採取された
DNAを同定の目的のために比較することができるような標準物質として、ある程
度用いることができる。多くの多型性が非コード領域に発生するために、個人を
識別するために必要な配列は少量でよい。非コード配列は、おそらく10から100
個のプライマのパネルで個人の積極的な同定を十分に行うことができ、それらの
プライマそれぞれが100塩基の非コード増幅配列を産生する。予測されたコード
配列が用いられる場合、積極的な個人の同定に用いられるプライマのより適切な
数は、500-2000個であると考えられる。 【0221】 ここに記述されたPCIPヌクレオチド配列から得られる試薬のパネルは、ある個
人を固有に同定するためのデータベースを作成するために用いられ、それら同じ
試薬は、後にその個人から得られた組織を同定するために用いられる。固有同定
データベースを用いると、存命または死亡している個人の積極的な同定を、非常
に少量の組織サンプルから行うことが可能である。 【0222】 3. 法生物学における部分的PCIP配列の使用 DNAに基づく同定法は法生物学にも用いることができる。法生物学は、犯罪加
害者などを積極的に同定する方法として、犯罪現場で発見された生物学的証拠の
遺伝子型を用いる科学的分野である。このような同定を行うために、PCR法が用
いられ、犯罪現場で発見された毛髪、皮膚、または血液、唾液、精液のような体
液などの組織などの非常に少量の生物学的サンプルから得られたDNA配列を増幅
することができる。増幅された配列は、その後、標準物質と比較され、その方法
で生物学的サンプルの由来の同定を可能にする。 【0223】 本発明の配列は、ヒトゲノムの特異的座位を標的とするPCRプライマなどのポ
リヌクレオチド試薬を提供するために用いられ、それにより、たとえば別の「同
定マーカ」(つまりある特定の個人に固有な別のDNA配列)を提供することによ
りDNAに基づく法的同定の信頼性を増大することができる。前述のように、実際
の塩基配列の情報は、制限酵素産生断片により形成されたパターンの正確な代替
物として、同定するために用いることができる。非コード領域を標的にした配列
はこの使用法に特に適しており、なぜなら多くの多型性が非コード領域に発生し
、この方法を用いて容易に個人を識別することができるようになるためである。
ポリヌクレオチド試薬の例には、PCIPヌクレオチド配列またはその一部で、少な
くとも20塩基、好ましくは少なくとも30塩基の長さを有するものが含まれる。 【0224】 ここに記述されたPCIPヌクレオチド配列は、脳組織などの特定の組織を同定す
るために、in situハイブリダイゼーション法などに用いられる標識プローブま
たは標識可能なプローブなどのポリヌクレオチド試薬を提供するために、さらに
用いることができる。由来が未知の組織が法病理学者に提示される場合、これは
非常に有用である可能性がある。このようなPCIPプローブのパネルは、組織を種
により、及び/または臓器型により同定するために用いることができる。 同様に、PCIPプライマまたはプローブなど、これらの試薬は、組織培養液の汚
染をスクリーンする(つまり、培養液中の異なる細胞型の混在をスクリーンする
)ために用いることができる。 【0225】 C. 予知医学: 本発明は、診断検定法、予後検定法、およびモニタリング臨床試験を予後(予
知)目的で用い、その方法により個人を予防的に治療する、予知医学の分野にも
関連する。したがって、本発明のある態様は、ある個人が、異常PCIP発現または
活性に関連した疾患または障害に苦しむかどうか、または障害を発症する危険性
があるかどうかを決定するための生物学的サンプル(たとえば、血液、血清、細
胞、組織など)に関連する、PCIPたんぱく質及び/または核酸発現とともにPCIP
活性を決定する診断検定法に関連する。本発明は、ある個人が、PCIPたんぱく質
、核酸発現または活性に伴う障害を発症する危険性があるかどうかを決定する予
後(または予知)検定法も提供する。たとえば、PCIP遺伝子の突然変異は、生物
学的サンプル中で検定することができる。このような検定法は、予後または予知
目的で用いられ、その結果、ある個人をPCIPたんぱく質、核酸発現または活性を
特徴とする、またはそれらに伴う障害の発症前に予防的に治療することができる
。 【0226】 本発明の別の態様は、臨床試験における、薬剤(薬物、化合物など)がPCIP発
現または活性に与える影響のモニタリングに関連している。 【0227】 これらまたはその他の薬剤は、次節でさらに詳細に記述する。 【0228】 1. 診断検定法 生物学的サンプル中のPCIPたんぱく質または核酸の有無を検出する例示的な方
法は、被験者から生物学的サンプルを入手し、生物学的サンプル中でPCIPたんぱ
く質または核酸の存在が検出されるように、PCIPたんぱく質またはPCIPたんぱく
質をコードする核酸(mRNA、ゲノムDNAなど)を検出可能な化合物または試薬と
生理学的サンプルを接触させることを含む。PCIP mRNAまたはゲノムDNAを検出す
る好ましい試薬は、PCIP mRNAまたはゲノムDNAとハイブリッド形成可能な標識さ
れた核酸プローブである。核酸プローブは、たとえば、核酸SEQ ID NO:1, SEQ I
D NO:3 SEQ ID NO:5, SEQ ID NO:7, SEQ ID NO:9, SEQ ID NO:11, SEQ ID NO:13
, SEQ ID NO:15, SEQ ID NO:17, SEQ ID NO:19, SEQ ID NO:21, SEQ ID NO:23,
SEQ ID NO:25, SEQ ID NO:27, SEQ ID NO:29, SEQ ID NO:31, SEQ ID NO:33, SE
Q ID NO:35, SEQ ID NO:37, SEQ ID NO:39, SEQ ID NO:46, SEQ ID NO:47, SEQ
ID NO:48, SEQ ID NO:50, SEQ ID NO:52, SEQ ID NO:54, SEQ ID NO:56, SEQ ID
NO:58, SEQ ID NO:69, またはSEQ ID NO:71などの完全長PCIP核酸、または受託
番号 98936, 98937, 98938, 98939, 98940, 98941, 98942, 98943, 98944, 9894
5, 98946, 98947, 98948, 98949, 98950, 98951, 98991, 98993, または 98994
のATCCに沈着したプラスミドのDNA挿入断片、もしくは、その一部、たとえば長
さが少なくとも15、30、50、100、250、または500ヌクレオチドで、緊縮条件下
でPCIP mRNAまたはゲノムDNAに特異的にハイブリッド形成するのに十分なオリゴ
ヌクレオチドなどであってもよい。本発明の診断検定法に用いられるその他の適
切なプローブは、ここに記述される。 【0229】 PCIPたんぱく質を検出するのに好ましい試薬は、PCIPたんぱく質に結合する能
力を有する抗体、好ましくは検出標識のついた抗体である。抗体は、ポリクロー
ナル、またはさらに好ましくはモノクローナルであってもよい。無傷の抗体また
はその断片(たとえばFabまたはF(ab')2)を用いてることもできる。プローブま
たは抗体に関連した「標識された」という言葉は、プローブまたは抗体を検出可
能な物質を結合(つまり、物理的に結合)させる直接的標識とともに、直接的に
標識された別の試薬の反応によるプローブまたは抗体の間接的標識を包含するよ
うに意図されている。間接的標識の例は、蛍光標識二次抗体、及び、蛍光標識ス
トレプトアビジンで検出できるようにビオチンを用いたDNAプローブの末端標識
を用いた一次抗体の検出を含む。「生物学的サンプル」という言葉は、被験者か
ら分離した組織、細胞、及び生物学的液体とともに、被験者の体内にある組織、
細胞、及び液体含むことを意図する。つまり、本発明の検出法はin vitro及びin
vivoの生物学的サンプル中のPCIP mRNA、たんぱく質またはゲノムDNAの検出に
用いることができる。たとえば、PCIP mRNAのin vitro検出技術には、ノーザン
ハイブリダイゼーション及びin situ ハイブリダイゼーションが含まれる。PCIP
たんぱく質検出のin vitro技術には、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、ウェス
タンブロット法、免役沈降法、及び免疫蛍光法が含まれる。PCIPゲノムDNA検出
のin vitro技術には、サザンハイブリダイゼーションが含まれる。さらに、PCIP
たんぱく質検出のin vivo技術には、標識抗PCIP抗体を被験者に導入する方法が
含まれる。たとえば、抗体は放射性マーカで標識することができ、被験者の体内
におけるその存在と位置は、標準画像技術により検出することができる。 【0230】 ある実施態様では、生物学的サンプルは被験者から得たたんぱく質分子を含む
。また、そのかわりに、生物学的サンプルは、被験者または被験者から得たゲノ
ムDNAから得たmRNAを含むこともできる。好ましい生物学的サンプルは、被験者
から従来の手法を用いて分離された血清サンプル、または脳脊髄液である。 【0231】 別の実施態様では、その方法は、対照被験者から対照生物学的サンプルを採取
し、PCIPたんぱく質、mRNA、またはゲノムDNAの存在が生物学的サンプル中で検
出されるように対照サンプルをPCIPたんぱく質、mRNA、またはゲノムDNAを検出
可能な化合物または試薬に接触させ、対照サンプル中に存在するPCIPたんぱく質
、mRNA、またはゲノムDNAと試験用サンプル中に存在するPCIPたんぱく質、mRNA
、またはゲノムDNAを比較することをさらに含む。 【0232】 本発明は、生物学的サンプル中に存在するPCIPの検出用キットも包含する。た
とえば、そのキットは、生物学的サンプル中のPCIPたんぱく質またはmRNAを検出
可能な標識された化合物または試薬、サンプル中のPCIP量を決定する手段、及び
サンプル中のPCIP量と標準量を比較する手段からなる。その化合物または試薬は
適切な容器にパッケージすることができる。そのキットは、さらに、PCIPたんぱ
く質または核酸の検出用キットの使用説明書を含むことができる。 【0233】 2. 予後検定法 ここに記述される診断方法は、さらに、異常PCIP発現または活性に伴う疾患ま
たは障害を発症している、またはその危険性のある被験者を同定するために用い
ることができる。たとえば、ここに記述される、診断前検定法または診断後検定
法などの検定法は、PCIPたんぱく質活性または核酸発現の誤調節に伴う障害、た
とえば、アルツハイマー病、アルツハイマー病に関連する痴呆(ピック病など)
、パーキンソン病及びその他のレーヴィびまん体疾患、多発性硬化症、筋萎縮性
側索硬化症、進行性核上性麻痺、てんかん、脊髄小脳失調、ヤコブ-クロイツフ
ェルト病などの神経変性障害、うつ病、分裂病、コルサコフ精神病、そう病、不
安障害、双極性感情障害、または恐怖症などの精神障害、健忘症または加齢性記
憶喪失などの学習または記憶障害、片頭痛などの神経障害、痛覚過敏または筋骨
格疾患に伴う疼痛などの疼痛性障害、脊髄損傷、脳卒中、及び頭部外傷、または
洞結節機能不全、狭心症、心不全、高血圧、心房性細動、心房性粗動、拡張型心
筋症、突発性心筋症、心筋梗塞、冠状動脈疾患、冠状動脈痙攣、または不整脈な
どの心血管疾患などを発症している、または発症する危険性のある被験者を同定
するために用いることができる。 【0234】 さらに、そのかわりに、予後検定法が、カリウムチャンネル関連障害などのPC
IPたんぱく質活性または核酸発現の誤調節に伴う障害を発症している、または発
症の危険性のある被験者を同定するために用いられる。したがって、本発明は、
異常PCIP発現または活性に伴う疾患または障害を同定する方法を提供し、その方
法では、試験用サンプルは被験者から採取し、PCIPたんぱく質または核酸(たと
えばmRNAまたはゲノムDNA)が検出され、そのPCIPたんぱく質または核酸の存在
により、異常PCIP発現または活性に伴う疾患または異常を発症している、または
発症する危険性のある被験者を診断することができる。ここで用いられる「試験
用サンプル」は、興味のある被験者から採取した生物学的サンプルをいう。たと
えば、試験用サンプルは生物学的液体(たとえば血清)、細胞サンプル、または
組織であってもよい。 【0235】 さらに、ここに記述する予後検定法は、異常PCIP発現または活性に伴う疾患ま
たは障害を治療するために、薬剤(たとえば、作動薬、拮抗薬、ペプチド様薬、
たんぱく質、ペプチド、核酸、小分子、またはその他の候補薬物など)を被験者
に投与してよいかどうかを決定するために用いられる。たとえば、CNS障害、ま
たは心血管障害用の薬剤で、被験者を効果的に治療できるかどうかを決定するた
めに、このような方法を用いることができる。したがって、本発明は、異常PCIP
発現または活性に伴う障害のための薬剤で、効果的に被験者を治療できるかどう
かを決定する方法を提供し、その方法では、試験用サンプルを採取し、PCIPたん
ぱく質または核酸発現または活性を検出する(たとえばPCIPたんぱく質または核
酸発現または活性の量により、異常PCIP発現または活性に伴う障害を治療するた
めの薬剤により治療することができる被験者を診断することができる)。 【0236】 本発明の方法は、PCIP遺伝子の遺伝子変化を検出するために用いることができ
、それにより変化した遺伝子を持つ被験者が、CNS障害または心血管障害などのP
CIPたんぱく質活性または核酸発現の誤調節を特徴とする障害の危険性があるか
どうかを決定することができる。好ましい実施態様では、この方法には、被験者
から採取した細胞サンプル中の、PCIPたんぱく質をコードする遺伝子の完全性に
影響を与える少なくとも一つの変化を特徴とする遺伝子変化の有無、またはPCIP
遺伝子の誤発現の検出が含まれる。たとえば、このような遺伝子変化は、1)PC
IP遺伝子からの一つ以上のヌクレオチドの欠失、2)PCIP遺伝子への一つ以上の
ヌクレオチドの追加、3)PCIP遺伝子の一つ以上のヌクレオチドの置換、4)PC
IP遺伝子の染色体の再配列、5)PCIP遺伝子のメッセンジャーRNA転写レベルで
の変化、6)ゲノムDNAのメチル化パターンなどのPCIP遺伝子の異常修飾、7)P
CIP遺伝子のメッセンジャーRNA転写の非野生型スプライシングパターンの存在、
8)PCIPたんぱく質の非野生型レベル、9)PCIP遺伝子の対立遺伝子喪失、及び
10)PCIPたんぱく質の不適切な翻訳後修飾、の少なくとも一つが存在している
ことを確認することで検出することができる。ここに記述するように、当業に知
られるPCIP遺伝子変化の検出検定法は数多くある。好ましい生物学的サンプルは
、従来の方法で被験者から分離した組織または血清サンプルである。 【0237】 ある実施態様では、変化の検出には、アンカーPCRまたはRACE PCRなどのポリ
メラーゼ連鎖反応(PCR)(たとえば 米国特許番号 4,683,195 及び 4,683,202参
照)、またはそのかわりの連結鎖反応(LCR)(たとえば Landegran et al. (1988
) Science 241:1077-1080; and Nakazawa et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 91:360-364参照)のプローブ/プライマの使用も関与し、後者の場合、PC
IP遺伝子の点突然変異の検出に特に有用である(Abravaya et al. (1995) Nuclei
c Acids Res .23:675-682参照)。この方法には、細胞サンプルを被験者から採取
し、核酸(たとえばゲノムRNA、mRNAまたは両方)をサンプルの細胞から分離し
、PCIP遺伝子(存在している場合)のハイブリダイゼーションまたは増幅が生じ
るような条件下でPCIP遺伝子と特異的にハイブリッド形成した一つ以上のプライ
マと核酸サンプルを接触させ、増幅生成物の有無の検出または増幅生成物の大き
さの検出を行い、対照サンプルの長さを比較する段階を含んでもよい。PCR及び
/またはLCRは、ここに記述される突然変異を検出するために用いられるどの技
術に関しても、予備増殖段階として用いられることが望ましいことが理解されよ
う。 【0238】 代替的な増幅法には、自己維持性配列複製(Guatelli, J.C. et al., (1990) P
roc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1874-1878)、転写増幅システム(Kwoh, D.Y. et
al., (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:1173-1177)、Q-ベータレプリカー
ゼ(Lizardi, P.M. et al. (1988) Bio-Technology 6:1197)、またはその他の核
酸増幅法が含まれ、その後で当業に公知の技術を用いて増幅された分子の検出を
行う。これらの検出スキームは、核酸分子の数が非常に少ない場合、その核酸分
子の検出に特に有用である。 【0239】 代替的な実施態様として、サンプル細胞のPCIP遺伝子中の突然変異は、制限酵
素開裂パターンの変化により同定することができる。たとえば、サンプル及び対
照DNAは、分離、増幅されて(任意に)、一つ以上の制限酵素で消化され、ゲル
電気泳動法で断片長を測定し、比較される。サンプルと対照DNAの断片長の差は
、サンプルDNAの突然変異を示唆する。さらに、配列特異的リボザイム(たとえ
ば 米国特許番号 5,498,531参照)は、リボザイム開裂部位の発生または損失に
より特異的突然変異の存在をスコアするために用いることができる。 【0240】 その他の実施態様では、PCIPの遺伝子突然変異は、DNAまたはRNAなどのサンプ
ル及び対照核酸を、数百または数千個のオリゴヌクレオチドプローブを有する高
密度アレイとハイブリッド形成することにより同定することができる(Cronin, M
.T. et al. (1996) Human Mutation 7: 244-255; Kozal, M.J. et al. (1996) N
ature Medicine 2: 753-759)。たとえば、PCIPの遺伝子突然変異は、Cronin, M.
T. et al. supraに記述されるように、光生成DNAプローブを有する二次元アレイ
で同定することができる。簡単に説明すると、プローブの第一ハイブリダイゼー
ションアレイは、サンプル及び対照中の長い一配列のDNAを走査し、配列重複プ
ローブの直線状アレイを作ることにより配列間の塩基変化の同定をするために用
いることができる。この段階は点突然変異の同定を可能にする。この段階の後に
、第二ハイブリダイゼーションアレイが続き、それは検出されたすべてのバリア
ントまたは突然変異種に相補的な、小さい特定化されたプローブを用いて、特異
的突然変異の特徴付けを可能にする。それぞれの突然変異アレイは、平行プロー
ブセットから成り、、一つは野生型遺伝子に相補的なもの、その他は突然変異遺
伝子に相補的なものである。 【0241】 さらに別の実施態様では、当業者の知る種々の配列決定反応はいずれも、PCIP
遺伝子を直接配列決定し、相当する野生種(対照)配列とサンプルPCIP配列を比
較することにより突然変異を検出するために用いることができる。配列決定反応
の実施例は、Maxam and Gilbert ((1977) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74:560)
またはSanger ((1977) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 74:5463)が開発した技術
を元にするものを含む。種々の自動化配列決定法はいずれも、質量分光法による
配列決定(たとえば、PCT 国際出願番号 WO 94/16101; Cohen et al. (1996) Adv
. Chromatogr. 36:127-162; 及び Griffin et al. (1993) Appl. Biochem. Biot
echnol. 38:147-159参照)を含む診断検定法((1995) Biotechniques 19:448)を行
うときに用いることができる。 【0242】 PCIP遺伝子中の突然変異を検出する他の方法には、開裂からの保護剤が、RNA/
RNAまたはRNA/DNAヘテロ二重鎖の不適性塩基の検出に用いられる方法も含まれる
。一般に、当業技術の「ミスマッチ開裂」は、野生種PCIP配列を有する(標識さ
れた)RNAまたはDNAを、組織サンプルから得られた潜在的突然変異RNAまたはDNA
とハイブリッド形成することにより形成されたヘテロ二重鎖を提供することから
始まる。二本鎖二重鎖は、対照鎖とサンプル鎖の間の塩基対ミスマッチにより存
在しうるような、二重鎖の一本鎖領域を開裂する試薬で処理される。たとえば、
RNA/DNA二重鎖は、リボヌクレアーゼで処理され、DNA/DNAハイブリッドはS1ヌク
レアーゼで処理されて、不適性領域を酵素的に消化することができる。その他の
実施例では、DNA/DNAまたはRNA/DNA二重鎖のいずれかは、ヒドロキシルアミンま
たはオスミウム四酸化物で処理し、不適性領域を消化するためにピペリジンで処
理することができる。不適性領域の消化後、突然変異部位を決定するために、生
成物質を変性ポリアクリルアミドゲルで大きさ別に分離する。たとえば、,Cotto
n et al. (1988) Proc. Natl Acad Sci USA 85:4397; Saleeba et al. (1992) M
ethods Enzymol. 217:286-295参照。好ましい実施態様では、対照DNAまたはRNA
は検出のために標識することができる。 【0243】 さらに別の実施態様では、ミスマッチ開裂反応は、細胞サンプルから得られた
PCIP cDNAの点変異の検出またはマッピングのために、限定されたシステム中の
二本鎖DNA(「DNAミスマッチ修復」酵素と呼ばれる)中の不適性塩基対を認識す
る一つ以上のたんぱく質を用いる。たとえば、大腸菌のmutY酵素は、G/Aミスマ
ッチのAを開裂し、HeLa細胞のチミジンDNAグリコシラーゼはG/TミスマッチのTを
開裂する(Hsu et al. (1994) Carcinogenesis 15:1657-1662)。例示的な実施態
様によると、PCIP配列に基づくプローブ、たとえば野生種PCIP配列などは、試験
用細胞から得られたcDNAまたはほかのDNA生成物とハイブリッド形成する。二重
鎖はDNAミスマッチ修復酵素で処理され、開裂生成物がある場合、それらは電気
泳動プロトコルまたはその類似プロトコルから検出することができる。たとえば
、米国特許番号 5,459,039参照。 【0244】 その他の実施態様では、電気泳動移動度の変化はPCIP遺伝子の突然変異を同定
するために用いられるだろう。たとえば、一重鎖高次構造多形性(SSCP)は、核
酸の変異種と野生種の電気泳動移動度の差を検出するために用いてもよい(Orita
et al. (1989) Proc Natl. Acad. Sci USA: 86:2766, see also Cotton (1993)
Mutat. Res. 285:125-144; and Hayashi (1992) Genet. Anal. Tech. Appl. 9:
73-79)。サンプル及び対照PCIP核酸の一重鎖DNA断片は、変性されて復元される
であろう。一重鎖核酸の二次構造は配列により変化し、その結果生じた電気泳動
移動度の変化により、単一塩基の変化も検出することができる。DNA断片は、標
識されるか、または標識プローブで検出されてもよい。検定法の感度は(DNAよ
りもむしろ)RNAの使用により増大し、二次構造は配列の変化にさらに感受性が
ある。好ましい実施態様では、本方法は、電気泳動移動度の変化に基づき、二本
鎖ヘテロ二重鎖分子を分離するためにヘテロ二重鎖分析を用いる(Keen et al. (
1991) Trends Genet 7:5)。 【0245】 さらに別の実施態様では、変性剤の勾配を有するポリアクリルアミドゲル中の
変異種または野生種の断片の移動を、変性勾配ゲル電気泳動法(DGGE)を用いて
検定した (Myers et al. (1985) Nature 313:495)。DGGEが分析法として使用さ
れる場合、DNAは、完全に変性しないように、たとえばPCRにより高融解高GC DNA
が約40bpのGCクランプを加えることなどにより修飾される。さらなる実施態様で
は、温度勾配が、変性勾配の代わりに用いられ、対照及びサンプルDNAの移動度
の差を同定する(Rosenbaum and Reissner (1987) Biophys Chem 265:12753)。 【0246】 点突然変異を検出するその他の技術の例には、これに限定されないが、選択的
オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション、選択的増幅、または選択的プライ
マ伸展が含まれる。たとえば、オリゴヌクレオチドプライマは、既知の突然変異
が中心に配置され、それから完全一致がみられるときのみハイブリダイゼーショ
ンが起こる条件下で標的DNAとハイブリッド形成される場合に、調製されてもよ
い。オリゴヌクレオチドがハイブリッド形成粘膜に結合し、標識された標的DNA
とハイブリッド形成するときに、このような対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチ
ドは、PCR増幅標的DNAまたは多くの異なる突然変異とハイブリッド形成する。 【0247】 また、それに代わり、選択的PCR増幅に依存する対立遺伝子特異的増幅技術が
、本発明に関連して用いられる。特異的増幅のためのプライマとして用いられる
オリゴヌクレオチドは、適切な条件下でミスマッチを防ぐ、またはポリメラーゼ
伸展を減少させる(Prossner (1993) Tibtech 11:238)分子の中央部(増幅が異
なるハイブリダイゼーションに依存するように)(Gibbs et al. (1989) Nucleic Acids Res. 17:2437-2448) 、または一つのプライマの3'末端の先端にある、興
味の対象となる突然変異を保有していてもよい。さらに、開裂に基づく検出を生
成するために、突然変異領域の新規制限部位を導入することが望ましいこともあ
る(Gasparini et al. (1992) Mol. Cell Probes 6:1)。ある実施態様では、Taq
リガーゼを増幅に用いて、増幅を行ってもよい(Barany (1991) Proc. Natl. Aca
d. Sci USA 88:189)ことは理解されなければならない。このような場合、5'配列
の3'末端が完全に一致する場合のみ連結が生じ、増幅の有無を探索することで、
特異的部位の既知の突然変異の存在の検出を可能にする。 【0248】 ここに記述された方法は、たとえば、ここに記述された少なくとも一つのプロ
ーブ核酸または抗体試薬からなるあらかじめ包装された診断キットを用いること
により実行されてよく、そのキットは、たとえばPCIP遺伝子に関与するある疾患
または疾病の症状または家族歴を呈している患者の診断のための臨床設定などに
、簡便に用いてもよい。 【0249】 さらに、PCIPが発現しているどの細胞型または組織も、ここに記述された予後
検定法に用いてよい。 【0250】 3. 臨床試験中の効果のモニタリング PCIPたんぱく質の発現または活性に与える薬剤(たとえば薬物)の影響のモニ
タリング(たとえば膜興奮性のモジュレーション、または静止時ポテンシャル)
は、基礎的な薬物スクリーニングの場合だけでなく、臨床試験にも応用すること
ができる。たとえば、ここに記述されたようなスクリーニング検定法により、PC
IP遺伝子発現を増加させるために決定された薬剤の効果は、PCIP遺伝子発現、た
んぱく質レベルの減少、またはPCIP活性の下方変調を呈する被験者の臨床試験で
モニタされる。またその代わりに、スクリーニング検定法により、PCIP遺伝子発
現、たんぱく質レベル、下方変調PCIP活性を減少させるために決定された薬剤の
効果は、PCIP遺伝子発現、たんぱく質レベルの増加、またはPCIP活性の上方変調
を呈する被験者の臨床試験でモニタされる。このような臨床試験では、PCIP遺伝
子の発現または活性、好ましくは、たとえばカリウムチャンネル関連障害に関連
が示唆される他の遺伝子は、特定細胞の発現型の「リードアウト」またはマーカ
として用いることができる。 【0251】 たとえば、制限はしないが、PCIP活性を変調する薬剤(たとえば、化合物、薬
物、または小分子)での処理により細胞内で変調された(たとえばここに記述さ
れたスクリーニング検定法により同定された)、PCIPを含む遺伝子を、同定する
ことができる。したがって、臨床試験などにおけるカリウムチャンネル関連障害
に与える薬剤の影響を研究するために、細胞を分離して、RNAを調製し、PCIP及
びカリウムチャンネル関連障害に関与が示唆されるその他の遺伝子の発現レベル
をそれぞれ分析することができる。遺伝子発現のレベル(たとえば遺伝子発現パ
ターン)は、ここに記述されたノーザンブロット分析またはRT-PCR法、またはそ
の代わりにここに記述された方法の一つ、またはPCIPまたは他の遺伝子の活性レ
ベルの測定による生成たんぱく質量の測定により、定量化することができる。こ
のように、遺伝子発現パターンは、細胞の薬剤に対する生理学的応答を示唆する
マーカとして働くことができる。したがって、この応答状態は、患者への薬剤投
与前、またはその期間中の様々な時点で決定してよい。 【0252】 好ましい実施態様では、本発明は、薬剤(たとえば作動薬、拮抗薬、ペプチド
様薬、たんぱく質、ペプチド、核酸、小分子、またはここに記述されたスクリー
ニング検定法で同定されたその他の薬物候補)を用いた被験者の治療効果をモニ
タする方法を提供し、その方法には、i) 薬剤投与前に被験者から投与前サンプ
ルを採取する、ii) 投与前サンプル中のPCIPたんぱく質、mRNA、またはゲノムD
NAの発現レベルを検出する、iii) 被験者から一つ以上の投与後サンプルを採取
する、iv) 投与後サンプル中のPCIPたんぱく質、mRNA、またはゲノムDNAの発現
または活性レベルを検出する、v) 投与前サンプル中のPCIPたんぱく質、mRNA、
またはゲノムDNAの発現または活性レベルと、投与後サンプル中のPCIPたんぱく
質、mRNA、またはゲノムDNAの発現または活性レベルを比較する、及びvi)それ
に従い被験者への薬剤投与を変化させる、という段階が含まれる。たとえば、PC
IP発現または活性を検出レベルより高くする、つまり薬剤の効果を高めるために
は、薬剤の投与量を増加させることが望ましい。そのかわりに、PCIP発現または
活性を検出レベルより低くする、つまり薬剤の効果を小さくするためには、薬剤
の投与量を減少させることが望ましい。このような実施態様に従い、PCIP発現ま
たは活性は、観察可能な表現型応答が無くても、薬剤の有効性の指標として用い
てよい。 【0253】 D. 治療法: 本発明は、異常PCIP発現または活性に伴う障害の危険性がある(または感受性
のある)、もしくはその障害を有する被験者の予防法及び治療法の両方をを提供
する。予防療法及び治療法の両方に関しては、薬理ゲノミクスの分野から得られ
た知識に基づき、このような治療が特異的に作成、または変更されてよい。ここ
で用いられる「薬理ゲノミクス」は、遺伝子配列決定、統計学的遺伝学、及び臨
床開発中及び上市された薬物の遺伝子発現分析などのゲノム技術の応用のことを
いう。さらに明確には、この言葉は、患者の遺伝子が薬物への応答を決定する方
法(たとえば、患者の「薬物応答発現型」または「薬物応答遺伝子型」など)の
研究のことをいう。したがって、本発明の別の態様は、個人の薬物応答遺伝子型
に従った、本発明のPCIP分子またはPCIPモジュレータのいずれかを用いた予防法
もしくは治療法を個人ごとに合わせて作成する方法を提供する。 【0254】 1. 予防法 ある態様では、本発明は、被験者における異常PCIP発現または活性に伴う疾患
または症状を、PCIP、もしくはPCIP発現または少なくとも一つのPCIP活性を変調
する薬剤を被験者に投与することにより予防する方法を提供する。異常PCIP発現
または活性が原因の、または関与する疾患の危険性のある被験者は、たとえばこ
こに記述される診断または予後検定法のいずれかまたは組み合わせにより、同定
される。予防薬剤の投与は、疾患または障害を予防するか、または進行を遅らせ
るように、PCIP異常に特徴的な症状の発現前に行われる。PCIP異常のタイプによ
り、たとえばPCIP、PCIP作動薬、またはPCIP拮抗薬が被験者の処置に使用される
。適切な薬剤を、ここに記述されるスクリーニング検定法に基づいて決定するこ
とができる。 【0255】 2. 治療法 本発明の別の態様では、治療目的のためのPCIP発現または活性の変調法に関係
する。したがって、例示的な実施態様では、本発明の変調法は、PCIP、もしくは
細胞に会合したPCIPたんぱく質活性の一つ以上の活性を変調する薬剤と、細胞と
の接触に関与する。PCIPたんぱく質活性を変調する薬剤は、核酸またはたんぱく
質、PCIPたんぱく質の自然発生標的分子(PCIP基質)、PCIP抗体、PCIP作動薬ま
たは拮抗薬、PCIP作動薬または拮抗薬のペプチド様薬、またはその他の小分子な
ど、ここに記述される薬剤であってもよい。ある実施態様では、その薬剤は一つ
以上のPCIP活性を刺激する。このような刺激性薬剤の例は、活性PCIPたんぱく質
、及び細胞に導入されたPCIPをコードする核酸分子を含む。別の実施態様では、
薬剤は一つ以上のPCIP活性を阻害する。このような阻害薬剤の例は、アンチセン
スPCIP核酸分子、抗PCIP抗体、及びPCIP阻害剤を含む。これらの変調法は、in v
itro(たとえば細胞と薬剤との培養による)またはかわりにin vivo(たとえば
被験者への薬剤投与による)で行われてもよい。このように、本発明は、PCIPた
んぱく質または核酸分子の異常発現または活性を特徴とする疾患または障害に悩
む患者の処置方法を提供する。このような障害の例は、たとえば、アルツハイマ
ー病、アルツハイマー病に関連する痴呆(ピック病など)、パーキンソン病及び
その他のレーヴィびまん体疾患、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、進行性核
上性麻痺、てんかん、ヤコブ−クロイツフェルト病などの神経変性障害、うつ病
、分裂病、コルサコフ精神病、そう病、不安障害、双極性感情障害、または恐怖
症などの精神障害、健忘症または加齢性記憶喪失などの学習または記憶障害、片
頭痛などの神経障害、痛覚過敏または筋骨格疾患に伴う疼痛などの疼痛性障害、
脊髄損傷、脳卒中、及び頭部外傷などのCNS疾患、または動脈硬化症、虚血性再
灌流損傷、再狭窄、動脈炎症、血管壁リモデリング、心室リモデリング、急速心
室ペーシング、冠状微小塞栓症、頻脈、徐脈、圧負荷、大動脈屈曲、冠状動脈結
紮、血管心疾患、心房性細動、遺伝性QT延長症候群、うっ血性心不全、洞結節機
能不全、狭心症、心不全、高血圧、心房性細動、心房性粗動、拡張型心筋症、突
発性心筋症、心筋梗塞、冠状動脈疾患、冠状動脈痙攣、または不整脈などの心血
管疾患を含む。ある実施態様では、本方法には、薬剤(たとえば、ここに記述さ
れるスクリーニング検定法により同定された薬剤)投与、またはPCIP発現または
活性を変調(たとえば、上方変調または下方変調)する薬剤の組み合わせ投与が
含まれる。別の実施態様では、本方法は、減少または異常PCIP発現または活性を
補償するための治療法としての、PCIPたんぱく質または核酸分子投与が関与する
。 【0256】 本発明の好ましい実施態様は、治療に有効な量のPCIP抗体を被験者に投与する
段階を含む、PCIP関連疾患または障害の治療法に関与する。ここに記述されるよ
うに、治療に有効な量の抗体(つまり有効投与量)は、約0.001から30 mg/kg体
重、好ましくは約0.01から25 mg/kg体重、さらに好ましくは約0.1から20 mg/kg
体重、よりさらに好ましくは約1から10 mg/kg体重、約2から9 mg/kg体重、約3か
ら8 mg/kg体重、約4から7 mg/kg体重、または約5から6 mg/kg体重の範囲である
。限定はしないが、疾患または障害の重篤度、既往治療法、被験者の一般的な健
康状態及び/または年齢、及びその他に罹患している疾患を含む、特定の要因が
、被験者の効果的な処置に必要な投与量に影響してもよいということは、当業者
に理解されるであろう。さらに、治療に有効な量の抗体を用いた被験者の治療は
、単独の治療を含んでもよく、または好ましくは一連の治療を含んでもよい。好
ましい実施例では、被験者は、約0.1から20mg/kg体重の範囲の抗体を、約1から1
0週間、好ましくは2から8週間、さらに好ましくは約3から7週間、よりさらに好
ましくは4、5、6週間、一週間に一度投与される。治療に用いられる抗体の有効
投与量は特定の治療の経過により増加または減少させてもよいということは理解
されるであろう。投与量の変化は、ここに記述される診断検定法の結果から生じ
てもよい。 【0257】 PCIP活性の刺激は、PCIPが異常に下方調節された場合、及び/またはPCIP活性
の増加が有益な効果をもたらしそうな場合には望ましい。たとえば、PCIP活性の
刺激は、PCIPが異常に下方調節された場合、及び/またはPCIP活性の増加が有益
な効果をもたらしそうな場合には望ましい。同様に、PCIP活性の阻害は、PCIPが
異常に上方調節された場合、及び/またはPCIP活性の減少が有益な効果をもたら
しそうな場合には望ましい。 【0258】 3. 薬理ゲノミクス 本発明のPCIP分子、及びここで記述したスクリーニング検定法により同定され
た、PCIP活性(PCIP遺伝子発現など)への刺激及び阻害効果を有する薬物または
モジュレータは、異常PCIP活性に伴うカリウムチャンネル関連疾患(たとえば、
アルツハイマー病、アルツハイマー病に関連する痴呆(ピック病など)、パーキ
ンソン病及びその他のレーヴィびまん体疾患、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化
症、進行性核上性麻痺、てんかん、脊髄小脳失調、ヤコブ-クロイツフェルト病
などの神経変性障害、うつ病、分裂病、コルサコフ精神病、そう病、不安障害、
双極性感情病、または恐怖症などの精神障害、健忘症または加齢性記憶喪失など
の学習または記憶障害、片頭痛などの神経障害、痛覚過敏または筋骨格疾患に伴
う疼痛などの疼痛性障害、脊髄損傷、脳卒中、及び頭部外傷などのCNS疾患、ま
たは動脈硬化症、虚血再灌流損傷、再狭窄、動脈炎症、血管壁リモデリング、心
室リモデリング、急速心室ペーシング、冠状微小塞栓症、頻脈、徐脈、圧負荷、
大動脈屈曲、冠状動脈結紮、血管心疾患、心房性細動、遺伝性QT延長症候群、う
っ血性心不全、洞結節機能不全、狭心症、心不全、高血圧、心房性細動、心房性
粗動、拡張型心筋症、突発性心筋症、心筋梗塞、冠状動脈疾患、冠状動脈痙攣、
または不整脈などの心血管疾患)を(予防的または治療的に)治療するために、
患者に投与することができる。このような治療に関連して、薬理ゲノミクス(つ
まり、患者の遺伝子型と、外来性化合物または薬物への患者の反応との関連性の
研究)が検討されてもよい。 治療の代謝の差が、投与量と薬理学的に活性な薬
物の血中濃度との関係を変化させることで、重篤な毒性または治療的失敗を引き
起こすこともある。したがって、内科医または臨床医は、PCIP分子またはPCIPモ
ジュレータ投与をするかどうか決定する際、及び投与量及び/またはPCIP分子ま
たはPCIPモジュレータを用いた治療法を個人に合わせる際に、関連する薬理ゲノ
ミクス研究から得られた知識の応用を考慮してもよい。 【0259】 薬理ゲノミクスは、患者において変化した薬物の素因及び異常作用のために生
じた薬物への応答における、臨床的に重要な遺伝的バリエーションを扱う。たと
えば、Eichelbaum, M. et al. (1996) Clin. Exp. Pharmacol. Physiol. 23(10-
11) :983-985 及びLinder, M.W. et al. (1997) Clin. Chem. 43(2):254-266を
参照。一般に、薬理遺伝学的症状は、二つのタイプに分けられる。薬物が体に与
える作用を変化させる単一因子として遺伝する遺伝的症状(薬物作用の変化)と
、体の薬物への作用を変化させる単一因子として遺伝する遺伝的症状(薬物代謝
の変化)である。これら薬理遺伝学的症状は、まれな遺伝的欠損か自然発生多型
性のどちらかの形で発生することがある。たとえば、グルコース-6-ホスファー
トデヒドロゲナーゼ欠損(G6PD)は、一般的な遺伝酵素欠損症で、主な臨床合併
症は、酸化薬(抗マラリア薬、スルホンアミド、鎮痛剤、ニトロフラン)摂取後
、及びソラ豆の摂取後の溶血である。 【0260】 「全ゲノム会合」として知られる、薬物応答を予測する遺伝子を同定する薬理
ゲノミクス的アプローチは、すでに知られている遺伝子関連マーカからなるヒト
ゲノムの高分解能地図(たとえば、それぞれが二つのバリアントを有する60,000
-100,000個のヒトゲノム多型性または可変性部位からなる「二多型性」遺伝子マ
ーカ地図)に、主に依存している。このような高分解能遺伝子地図は、第II/III
相薬物試験に参加している統計学的に有意な人数の患者それぞれのゲノム地図と
比較し、特に観察された薬物応答や副作用に関連するマーカを同定することがで
きる。また、このような高分解能地図は、ヒトゲノムにおける数千万個の一塩基
多型(SNP)の組み合わせから作成することができる。ここで用いられるように、
「SNP」は、一本のDNAの中の一つのヌクレオチド塩基の中に生じる、一般的な変
化である。たとえば、SNPはDNAの1000個の塩基の中に一つ生じる可能性がある。
SNPは疾患の進行に関与することもあるが、大多数は疾患に関連がないと考えら
れている。このようなSNP発生に基づいた遺伝子地図があれば、人々を、個々の
ゲノム中のSNPの特定のパターンに従って、遺伝子カテゴリに分類することがで
きる。このような方法で、遺伝的に似ている人々の中で共通にみられる特性を考
慮しながら、遺伝的に似ている人々の群に合わせて治療法を作成することができ
る。 【0261】 また、「候補遺伝子アプローチ」と呼ばれる方法は、薬物応答を予測する遺伝
子を同定するために使用することができる。この方法によると、薬物標的をコー
ドする遺伝子(たとえば本発明のPCIP)がわかれば、その遺伝子の共通バリアン
トすべてを集団中で容易に同定することができ、あるバージョンの遺伝子をもう
一つのバージョンに対して有することが、特定の薬剤応答に関連しているかどう
かを決定することができる。 【0262】 ある描写的実施様態のように、薬物代謝酵素活性は、薬物作用の強度及び持続
時間の両方の、重要な決定因子である。薬剤代謝酵素の遺伝子多型性(たとえば
、N-アセチルトランスフェラーゼ2(NAT2)及びチトクロームP450酵素CYP2D6及び
CYP2C19)の発見は、一部の患者が、期待した薬物効果を得られなかったり、標
準かつ安全用量の薬物を摂取後に過剰な薬物応答や重篤な中毒症状を示す理由を
説明している。これらの多型性は集団中に、高代謝能群(EM)及び低代謝能群(P
M)という二つの表現型を発現する。PMの有症率は集団ごとに異なる。たとえば、
CYP2D6をコードする遺伝子は多型性が高く、PMの中にはいくつかの突然変異が同
定されており、それらはすべて機能的CYP2D6を欠如している。CYP2D6及びCYD2P1
9低代謝能群は、標準用量を服用すると、きわめて頻繁に過剰な薬物応答や副作
用を経験する。もし代謝生成物が治療活性部分である場合、PMは治療応答を示さ
ず、これはCYP2D6形成代謝生成モルヒネに仲介されたコデインの鎮痛効果に証明
されたとおりである。その他の極端な場合は、超急速代謝能群で、標準用量に全
く反応しない。最近、超急速代謝の分子機序は、CYP2D6遺伝子増幅の結果である
ことが判明した。 【0263】 さらに、「遺伝子発現プロファイリング」という方法は、薬物応答を予測する
遺伝子の同定のために用いることができる。たとえば、ある薬物(たとえば、本
発明のPCIP分子またはPCIPモジュレータ)を投与した動物の遺伝子発現は、毒性
に関連する遺伝子経路のスイッチが入ったかどうかの示唆を与えることができる
。 【0264】 一つ以上の上記薬理ゲノミクスアプローチから得られた情報は、個人への適切
な投与量及び、予防法または治療法を決定するために用いることができる。この
知識は、薬物の投与または選択に応用される場合、副作用や治療的失敗を防ぎ、
その結果、PCIP分子、またはここに記述された例示的なスクリーニング検定法の
一つにより同定されたモジュレータなどのPCIPモジュレータで被験者を治療する
際に、治療または予防効果を増大することができる。 【0265】 本発明は以下の実施例によりさらに具体的に説明されるが、限定的なものとし
てとらえられてはならない。この出願全体に引用されたすべての参考文献、特許
、及び公告された特許出願の内容、及び、図及び配列リストは、それに言及する
ことによりここに編入したものである。 【0266】 実施例 本実施例には、以下の物質及び方法を用いた。 菌株、プラスミド、ベイトcDNA、及び一般微生物学的技術 【0267】 本研究に使用した基本的な酵母菌株(HF7c、Y187、)ベイト(pGBT9)及び魚
(pACT2)プラスミドは、クローンテック社(カリフォルニア州、パロアルト)
より購入した。ラットKv4.3、Kv4.2、及びKv1.1をコードするcDNAは、ワイエス-
アイエルスト・リサーチ社(865 Ridge Rd. Monmouth Junction, NJ 08852)よ
り提供された。L-ロイシン、L-トリプトファン、L-ヒスチジンを欠く合成完全培
地を含む標準酵母菌培地を調製し、酵母菌の遺伝的操作を、記述されるように行
った(Sherman(1991) Meth. Enzymol. 194:3-21)。酵母菌形質転換は、標準プロ
トコルを用いて行われた(Gietz et al. (1992) Nucleic Acids Res. 20:1425;
Ito et al. (1983) J. Bacteriol. 153:163-168)。プラスミドDNAは、標準の方
法により酵母菌株から分離された(Hoffman and Winston (1987) Gene 57:267-2
72)。 ベイト及び酵母菌株の作成 【0268】 rKv4.3の最初の180個のアミノ酸(Serdio P. et al. (1996) J. Neurophys 75
:2174-2179に記述)をPCRにより増幅し、フレーム中でpGBT9にクローニングして
、プラスミドpFWA2(以下「ベイト」)を生成した。このベイトは、2ハイブリ
ッドスクリーニング株HF7cに形質転換され、発現及び自己活性化について検査さ
れた。ベイトは、ウェスタンブロット法で発現のために確認された。rKv4.3ベイ
トは10mM 3-アミノ-1,2,3-トリアゾールの存在下では自己活性化しなかった。 【0269】 ライブラリの作成 ラット中脳組織はワイエス-アイエルスト・リサーチ社(ニュージャージー州
、モンマウス・ジャンクション)より提供された。全細胞RNAは、標準技術を用
いて、その組織から抽出された(Sambrook, J., Fritsh, E. F., and Maniatis,
T. Molecular Cloning: A Laboratory Manual. 2nd, ed., Cold Spring Harbor
Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY
, (1989))。mRNAはニューイングランド・バイオラブ社(マサチューセッツ州、
ビバリー)製ポリAスピンmRNA分離キットを用いて調製された。mRNAサンプルか
ら得られたcDNAは、ストラタジーン社(カリフォルニア州、ラジョラ)製cDNA合
成キットを用いて合成し、pACT2のEcoRI及びXhoI部位に結合して2ハイブリッド
ライブラリを生じさせた。 【0270】 2ハイブリッドスクリーニング 2ハイブリッドスクリーニングは、基本的にはBartel, P. et al. (1993) "Us
ing the Two-Hybrid System to Detect Polypeptide-Polypeptide Interactions
" in Cellular Interactions in Development: A Practical Approach, Hartley
, D.A. ed. Oxford University Press, Oxford, pp. 153-179に記述されている
とおりに行われ、rkv4.3ベイト-ラット中脳ライブラリのベイト-ライブラリ一組
が用いられた。フィルタディスク・ベータガラクトシダーゼ(beta-gal)検定は
、基本的には以前に記述されたように(Brill et al. (1994) Mol. Biol. Cell.
5:297-312)行われた。両方のレポータ遺伝子活性(ヒスチジン及びベータガラ
クトシダーゼ)が陽性であるクローンをスコアし、魚、プラスミドを酵母菌から
分離し、大腸菌株KC8に形質転換し、DNAプラスミドを精製して、その結果得られ
たプラスミドを従来の方法で配列決定した(Sanger F. et al. (1977) PNAS, 74:
5463-67)。 【0271】 特異性検査 陽性インタラクタクローンには、結合特異性検査が行われ、以前に記述された
接合スキーム(Finley R.L. Jr. et al. (1994) PNAS, 91(26):12980-12984)によ
り、関連した、及びしていないベイトのパネルに露出された。簡単に説明すると
、陽性魚プラスミドをY187へ形質転換し、そのベイトパネルはHF7cへ形質転換さ
れた。形質転換された魚及びベイト細胞を、選択された培地プレート上に縞状に
画線し、YPADプレート上に接合し、レポータ遺伝子活性について検査した。 【0272】 分析 PCIPヌクレオチドは、BLASTN 1.4.8MP プログラム (Altschul et al. (1990)
Basic Local Alignment Search Tool. J. Mol. Biol. 215: 403-410)により、核
酸ヒットについて分析された。PCIPたんぱく質は、BLASTP 1.4.9MP プログラム
により、ポリペプチドヒットについて分析された。 【0273】 例1: ラットPCIP cDNAの同定 Kv4.3遺伝子コード配列(最初の180個のアミノ酸をコードする)は、PCRによ
り増幅され、pGBT9へクローニングされて、GAL4 DNA結合ドメインKv4.3(1-180)
遺伝子融合(プラスミドpFWA2)を生成した。HF7cはこの生成物で形質転換され
た。その結果得られた菌株はL-トリプトファンを欠く合成完全培地上では増殖し
たが、L-トリプトファン及びL-ヒスチジンを欠く合成完全培地上において10mM 3
-ATの存在下では増殖せず、これは{GAL4 DNA結合ドメイン}-{vKv4.3(1-180)}
遺伝子融合は、10mM 3-ATにより許容された閾値よりも高い固有転写活性化活性
を有していないということを示唆している。 【0274】 この実施例では、酵母菌2ハイブリッド検定が行われ、その際{GAL4 DNA結合
ドメイン}-{rKv4.3(1-180)}遺伝子融合を有するプラスミドが、前述の酵母菌
2ハイブリッドスクリーニング菌株HF7cへ導入された。HF7cは次にラット中脳2
ハイブリッドライブラリで形質転換された。およそ600万個の形質転換体が得ら
れ、選択培地に蒔かれた。選択培地で増殖しベータガラクトシダーゼレポータ遺
伝子を発現したコロニーは、さらに特徴づけられ、再形質転換及び特異性検定の
対象となった。再形質転換及び特異性検査では、Kv4.3ポリペプチドへ結合する
ことのできるPCIPクローン3種(ラット1v、8t、及び9qm)を生成した。 【0275】 ラット1v遺伝子の完全長配列、及び8t及び9qの部分的配列は以下のように得ら
れた。ラットPCIPの部分的配列を用いてプローブを調製し、次に、ラット中脳cD
NAライブラリなどをスクリーニングした。陽性クローンは、標準技術を用いて同
定、増幅、及び配列決定を行い、完全長配列を得た。さらに、現存するラットPC
IP cDNA末端を迅速に増幅して(たとえば、ギブコBRL社製5' RACEを用いて)、
転写物の5'末端を完成させた。 【0276】 例2: ヒト1v cDNAの同定 ヒト1v核酸分子を得るために、ヒト海馬(カリフォルニア州パロアルト、クロ
ーンテック社)を、以下のような緊縮性の低い条件下、つまり、42℃で4時間、
クローンテック・エクスプレス・ハイブソルーション中でプレハイブリダイゼー
ションした後、42℃で一晩ハイブリダイゼーションして、スクリーニングした
。使用したプローブは、32PdCTPで標識されたラット配列のヌクレチド49-711を
含むPCR産生断片であった。フィルタは、2XSSC/0.1% SDS中、55℃で6回洗浄し
た。同様の条件は、陽性アイソレートの二次スクリーニングにも用いられた。そ
の結果得られたクローンは、ABI自動化DNAシークエンシングシステムを用いて配
列決定され、SEQ ID NO:3に見られるラット配列とともにジェンバンクデータベ
ースから得られた既知の配列とも比較した。ライブラリスクリーンから得られた
最大のクローンは、配列検証のため、引き続きpBS-KS+(カリフォルニア州ラジ
ョラ、ストラタジーン社)にサブクローニングされた。515塩基対クローンは、5
'UTRの211塩基対及び304塩基対コード領域を包括する1v遺伝子のヒト相同体を代
表して決定された。完全長cDNAを生成するために、製造者の指示に従い3' RACE
を用いた(クローンテック・アドバンテージ・PCRキット)。 【0277】 例3: 1vスプライスバリアントの分離及び性質決定 SEQ ID NO:5に示されるマウス1v及びSEQ ID NO:7に示されるラット1vlスプラ
イスバリアントは、例1に記述された2ハイブリッド検定を用いて分離した。SE
Q ID NO:7に示されるマウス1vlスプライスバリアントは、マウス脳cDNAライブラ
リをスクリーニングして分離し、SEQ ID NO:11に示されるラット1vn スプライス
バリアントはBLAST検索により分離した。 【0278】 例4: 9Q及びその他のPCIPの分離及び同定 ラット9ql(SEQ ID NO:15)はデータベース探索により分離し、ラット9qm(SE
Q ID NO:21)は2ハイブリッド検定により分離し、ラット9qc(SEQ ID NO:27)
はデータベース探索により分離した。ヒト9ql(SEQ ID NO:13)及びヒト9qs(SE
Q ID NO:23)は例2に記述したように同定した。マウス9ql(SEQ ID NO:17)、
サル9qs(SEQ ID NO:25)、ヒトp193(SEQ ID NO:39)、ラットp19(SEQ ID NO:
33)及びマウス19(SEQ ID NO:35)は、データベース探索により分離した。ラット
8t(SEQ ID NO:29)は2ハイブリッド検定を用いて同定した。W28559の配列(SE
Q ID NO:37)は、データベース探索及びジェンバンク受託番号AI352454の同定さ
れたESTを用いた配列決定により同定された。たんぱく質配列は、1v、9ql、及び
p19に強い相同性を持つ41アミノ酸領域を有することが明らかになった(図25の
アラインメント参照)。しかし、この相同領域の下流では、配列はPCIPファミリ
のものから分岐する。この配列は、PCIPファミリ構成員に見られるものと同様の
ドメインに相同する41アミノ酸ドメインを有する遺伝子を表現している可能性も
ある。 【0279】 ヒトゲノム9q配列(SEQ ID NO:46及び47)は、BACゲノムDNAライブラリ(リサ
ーチ・ジェネティクス社)のスクリーニングにより、ヒト9qm cDNA配列に基づい
て命名されたプライマを用いて分離した。二つの陽性クローンが同定され(448O
2及び721I17)配列決定された。 【0280】 例5: ラット組織における1V、8T、及び9Q mRNAの発現 ラット及びマウス多組織ノーザンブロット法(クローンテック社)は、ラット
1v配列の5'-非翻訳及び5'-コード部位(ヌクレオチド35-124、SEQ ID NO:3)(
このプローブはラット1v及びラット1vlに特異的である)、8t配列の5'コード領
域(ヌクレオチド1-88、SEQ ID NO:29)(このプローブは8tに特異的である)、
またはラット9qm配列の5'末端(ヌクレオチド1-195、SEQ ID NO:21)(このプロ
ーブは8tを除くすべての9qアイソフォームに特異的である)に配向された[32P
]-標識cDNAプローブで探索された。ブロットは標準技術を用いてハイブリッド
形成した。ラット1vプローブとハイブリッド形成したノーザンブロットは、脳RN
Aを有するレーン中のみに、2.3kbに一本のバンドがあることを明らかにし、1v発
現は脳特異的であることを示唆した。ラット8tプローブで探索されたノーザンブ
ロットは、2.4kbに主なバンドがあることを明らかにした。ラット8tバンドは心R
NAを有するレーンで最も強く、脳RNAを有するレーンにも弱いバンドがあった。9
q cDNAプローブとハイブリッド形成したノーザンブロットは、2.5kbに主なバン
ド、及び4kbより上に小さいバンドがあり、脳及び心臓に顕著に発現しているこ
とを明らかにした。小さいバンドは、不完全にスプライスまたはプロセシングさ
れた9q mRNAを表現している可能性もある。ノーザンブロット法から得られた結
果は、p19が顕著に心臓に発現していることを、さらに示唆した。 【0281】 例6: 脳における1V、8T、及び9Qの発現 脳における1v、及び8t/9q遺伝子の発現は、in situ ハイブリダイゼーション
組織化学法(ISHH)により、[35S]-標識cRNAプローブ及びRhodes et al. (199
6) J. Neurosci., 16:4846-4860に記述されたものと同様のハイブリダイゼーシ
ョン法を用いて検査された。cRNAプローブ調製のためのテンプレートは、標準PC
R法により生成された。簡単に説明すると、標的cDNAの3'-または5'-非翻訳領域
の断片を増幅し、さらにT7及びT3ポリメラーゼのプロモータ認識配列を加えるよ
うに、オリゴヌクレオチドプライマをデザインした。したがって、1v mRNAの3'-
非翻訳領域をねらった300ヌクレオチドプローブを生成するために、以下のプラ
イマを使用した。 5-TAATACGACTCACTATAGGGACTGGCCATCCTGCTCTCAG-3 (T7, 前向き、 センス; SEQ I
D NO:42) 5-ATTAACCCTCACTAAAGGGACACTACTGTTTAAGCTCAAG-3 (T3, 後ろ向き、アンチセンス
; SEQ ID NO:43)。塩基の下線部はT7及びT3プロモータ配列に相当する。8t及び9
q mRNAにより共有されている3'-非翻訳配列の325 bp領域をねらったプローブを
生成するために、以下のプライマを使用した。 5-TAATACGACTCACTATAGGGCACCTCCCCTCCGGCTGTTC-3 (T7, 前向き、センス; SEQ ID
NO:44) 5-ATTAACCCTCACTAAAGGGAGAGCAGCAGCATGGCAGGGT-3 (T3, 後ろ向き、アンチセンス
; SEQ ID NO:45)。 【0282】 1vまたは8t/9q mRNA発現のISHH局在のために処理されたラット脳組織片のオー
トラジオグラムは、1v mRNAが、グリア細胞または内皮細胞の場合とは対照的に
、ニューロンの標識に矛盾しないパターンで脳内に広く発現しているということ
を明らかにした。1v mRNAは、皮質、海馬、及び線条体介在ニューロン、視床網
様核、手網内側、及び小脳顆粒細胞中に高く発現している。1v mRNAは、黒質及
び上丘を含む中脳核、いくつかのその他の視床核、及び基底前脳の内側中隔及び
斜帯核中に、中程度に発現する。 【0283】 8t及び9qの発現を分析するために用いるプローブが、8t及び9q mRNA中と同一
の3-非翻訳領域のある領域にハイブリッド形成するために、このプローブは複合
体像を生じ、8t/9q mRNAが、上述したように1vのパターンと部分的に重複するよ
うなパターンで、脳内に広く発現していることを明らかにしている。しかし、8t
/9q mRNAは線条体、海馬形成、小脳顆粒細胞、及び新皮質中に高く発現している
。8t/9q mRNAは中脳、視床、及び脳幹中に中程度に発現する。これらの領域の多
くでは、8t./q mRNAは主細胞の他に介在ニューロン内に集中しているとみられ、
すべての領域において、8t/9q発現はグリア細胞とは対照的にニューロン内に集
中しているとみられる。 【0284】 一重及び二重標識免疫組織化学法では、PCIP及びKv4ポリペプチドは、PCIP及
びKv4 mRNAが共発現している多くの細胞型及び脳領域中に正確に共局在化してい
るということを明らかにした。たとえば、9qmは、海馬顆粒細胞及び錐体細胞の
細胞体及び樹状突起中でKv4.2と、また手網内側核中及び小脳かご細胞中でニュ
ーロンと共局在化したが、一方、1vは、後帯状皮質の第II層ニューロン、海馬介
在ニューロン中、及び小脳顆粒細胞のサブセット中でKv4.3と共局在化した。免
疫沈降分析は、1v及び9qmがラット脳粘膜中でKv4 a-サブユニットと共会合して
いることを示唆した。 【0285】 例7: COS及びCHO細胞におけるPCIP及びKv4チャンネルの共会合 COS1及びCHO細胞は、基本的には製造者(べーリンガー・マンハイム社)によ
り記述されたとおりのリポフェクトアミン・プラス法を用いて個別のPCIP(KChI
P1, KChIP2, KChIP3)のみを、またはKv4.2またはKv4.3と共に一時的に形質移入
された。形質移入後48時間で、細胞を洗浄、固定し、以前記述されたとおり(Be
kele-Arcuri et al. (1996) Neuropharmacology, 35:851-865)の免疫蛍光描出
のための処理を行った。Kv4チャンネルまたはPCIPたんぱく質に対する親和性精
製されたウサギポリクローナル抗体またはマウスモノクローナル抗体が、標的た
んぱく質の免疫蛍光検出に用いられた。 【0286】 PCIPは、それのみで発現すると、細胞質たんぱく質について予想されたとおり
にCOS-1またはCHO細胞の細胞質全体に分散的に分布した。反対に、Kv4.2及びKv4
.3ポリペプチドは、それのみで発現すると、核周囲ER及びゴルジ区画に集中し、
免疫活性は細胞外縁に集中した。PCIPがKv4a-サブユニットとともに共発現する
と、PCIPに特徴的な分散的分布が劇的に変化し、PCIPがKv4a-サブユニットとと
もに正確に共局在化した。このPCIPの再分布は、Kv1.4a-サブユニットとともに
共発現した時には発生せず、変化したPCIP局在は過剰発現の結果ではなく、これ
らのPCIPがKv4ファミリa-サブユニットと特異的に会合するということを示唆し
た。 【0287】 PCIP及びKv4ポリペプチドが密接に会合し、共形質移入細胞内に単に共局在化
しているわけではないということを確認するために、PCIPと上述したチャンネル
特異的抗体を用いた相互免疫沈降分析を行った。抗Kv4.2及び抗Kv4.3抗体が、共
形質移入細胞から調製したライセートから得られたKChIP1、KChIP2、及びKChIP3
たんぱく質を免疫沈降させる能力を有し、抗PCIP抗体が、この同じライセートか
ら得られたKv4.2及びKv4.3 a-サブユニットを免疫沈降させる能力を有すること
から、3個のPCIPポリペプチドすべてが共形質移入細胞中のKv4a-サブユニット
と共会合していることが明らかになった。その細胞は、洗浄剤とプロテアーゼ阻
害剤を有するバッファ中に溶解し、基本的には以前記述されたとおりに免疫沈降
反応のために調製された(Nakahira et al. (1996) J. Biol. Chem., 271:7084-
7089)。免疫沈降法は、Nakahira et al. (1996) J. Biol. Chem., 271:7084-70
89 及び Harlow E. and Lane, D., Antibodies:A Laboratory Manual, Cold Spr
ing Harbor Laboratory, c1988に記述されたとおりに行われた。免疫沈降法によ
り生じた生成物はSDS-PAGEによりサイズ分画され、標準の方法を用いてニトロセ
ルロースフィルタに移された。 【0288】 Kv4チャンネルの細胞質N末端がPCIPとの相互作用に十分であることを確認する
ために、KChIP1またはKChIP2を、219アミノ酸細胞質C末端全体を欠損しているKv
4.3変異体(Kv4.3DC)とともに共発現させた。一時的に形質移入されたCOS-1細
胞内で、Kv4.3DC変異体は核周囲ER及びゴルジ内で集中的にトラップされ、細胞
外縁では染色はわずかにしか、または全く見られなかった。しかしながら、KChI
P1及びKChIP2は共形質移入細胞内でKv4.3DCと共に正確に共局在化しており、さ
らにKv4.3DCはPCIP抗体により効率的に共免疫沈降しており、これらPCIPとKv4a
サブユニットの相互作用はチャンネルの細胞質C末端を必要としていないことを
示した。 【0289】 例8: 未変性組織におけるPCIP及びKv4チャンネルの共会合 PCIPが未変性組織内でKv4サブユニットと共局在化し共会合するかどうかを明
らかにするために、一重及び二重標識免疫組織化学分析及びラット脳粘膜の相互
共免疫沈降分析に、Kv4及びPCIP特異的抗体を用いた。ラット脳片の免疫組織化
学的染色は、KChIP1及びKChIP2が、ある領域で細胞型特異的な方法で Kv4.2及び
Kv4.3とともに共局在化しているということを示唆した。たとえば、KChIP1はKv4
.3とともに、海馬介在ニューロン、小脳顆粒細胞、及び小脳かご細胞及びゴルジ
細胞の樹状突起と苔状線維末端の間の特殊シナプス配列である小脳糸球体におい
て共局在化していた。KChIP2はKv4.3及びKv4.2とともに、歯状回の顆粒細胞樹状
突起、海馬及び新皮質錐体細胞の先端及び基底樹状突起、線条及び上丘を含むい
くつかの皮質下構造において、共局在化した。ラット脳全体から調製されたシナ
プス粘膜を用いて行われた共免疫沈降分析は、PCIP(KChIP1、2、及び3)は脳K+チ
ャンネル複合体においてKv4.2及びKv4.3と密接に会合しているということを明ら
かにした。抗PCIP抗体は脳粘膜のKv4.2及びKv4.3 を免疫沈降し、抗Kv4.2及びKv
4.3抗体はPCIPを免疫沈降した。PCIPポリペプチドは、いずれも抗Kv2.1抗体で免
疫沈降せず、これらPCIPと脳Kvチャンネルの会合は、Kv4aサブユニットに特異的
である可能性があることを示唆した。まとめると、これら解剖学的及び生化学的
分析は、これらPCIPが未変性Kv4チャンネル複合体の複合的な要素であることを
示唆している。 【0290】 例9: PCIPはカルシウム結合たんぱく質である KChIP1、2、及び3がCa2+と結合しているかどうかを明らかにするために、それ
ぞれのPCIPについてGST融合たんぱく質を生成し、GST-PCIPたんぱく質と、GSTか
ら酵素で分割された組み換えPCIPポリペプチドが、45Ca+2と結合する能力を、フ
ィルタオーバーレイ検定を用いて検査した(たとえば、Kobayashi et al. (1993
) Biochem. Biophys. Res. Commun. 189(1):511-7に記述)。関連していないGST
融合たんぱく質を除く3個のPCIPポリペプチドすべてが、この検定において、強
45Ca+2結合を示している。さらに、3個のPCIPポリペプチドすべてがSDS-PAGE
においてCa2+依存性の移動度シフトを示していることから、このファミリの他の
構成員のように、KChIP1、2、及び3は実際にCa2+結合たんぱく質であることを示
唆している(Kobuyashi et al. (1993) supra; Buxbaum et al. Nef (1996) Neu
ron-specific calcium sensors (the NCS-1 subfamily). In: Celio MR (ed) Gu
idebook to the calcium-binding proteins. Oxford University Press, New Y
ork, pp94-98; Buxbaum J.D., et al. (1998) Nature Med. 4(10):1177-81)。 【0291】 例10: PCIPの電気生理学的特徴づけ KChIP1(1v)、KChIP2(9ql)、KChIP3(p19)などのPCIPは脳内でKv4aサブユニット
と共局在化及び共会合しているため、これらのPCIPがKv4チャンネルのコンダク
タンス特性を変化させるかどうかというもう一つの重要な問題を解決しなければ
ならない。この問題に対処するために、Kv4.2及びKv4.3をそれのみで、または個
別のPCIPと組み合わせて発現させた。製造者(べーリンガーマンハイム社)が記
述するとおりにDOTAPリポフェクション法を用いて、CHO細胞に一時的にcDNAを形
質移入した。形質移入された細胞は、対象となる遺伝子と共に、共形質移入増強
GFPにより同定され、続いてその細胞が緑色GFP蛍光を有するかどうかを判定した
。パッチクランプ法を用いてCHO細胞の電流を測定した(Hamill et al. 1981. P
fluegers Arch. 391: 85-100)。 【0292】 CHO細胞におけるラットKv4.2aサブユニットの一時的形質移入により、典型的
なAタイプK+コンダクタンスが発現した。Kv4.2がKChIP1と共発現したことで、チ
ャンネルへのKChIP1の劇的な影響をいくつか明らかにした(図41及び表1)。最
初に、Kv4.2電流の振幅は、KChIP1の存在下で約7.5倍になった(Kv4.2のみの振
幅 = 0.60+/- 0.096 nA/細胞; Kv4.2 + KChIP1 = 4.5 +/- 0.55 nA/細胞)。細
胞表面粘膜領域の尺度である細胞電気容量に補正して電流密度に変換すると、KC
hIP1との共発現の場合、Kv4.2電流密度は12倍になり(Kv4.2 のみ = 25.5 +/- 3.
2 pA/pF; Kv4.2 + KChIP1 = 306.9 +/- 57.9 pA/pF)、KChIP1はKv4.2表面発現を
促進及び/または安定化させることを示唆した。この電流密度の増加と共に、Kv
4.2電流の活性化のための閾値の劇的な左側へのシフトが、Kv4.2とKChIP1を発現
している細胞にみられた(Kv4.2のみの活性化V1/2 = 20.8 +/- 7.0mV, Kv4.2 + K
ChIP1 = -12.1+/- 1.4 mV)。最後に、KChIP1とともにKv4.2が共発現したとき、K
v4.2不活性化の動態がかなり減速した(Kv4.2 のみの不活性時間定数 = 28.2 +/-
2.6 ms; Kv4.2 + KChIP1 = 104.1 +/- 10.4 ms)が、一方で、チャンネルの不活
性化からの回復は、Kv4.2とKChIP1が共に発現している細胞内(回復タウ = 53.6
+/- 7.6 ms)の方がKv4.2のみが発現している細胞内(回復タウ= 272.2 +/- 26.
1 ms)よりもずっと速かった。 【0293】 KChIP1、2、及び3は異なるN末端を有するが、C末端「コア」ドメイン内にかな
りのアミノ酸同一性を共有している。異なるN末端にもかかわらず、KChIP2及びK
ChIP3がKv4.2電流密度と動態に与える影響は、KChIP1により生じたものと酷似し
ていた(表1)。したがって、3個すべてのEFハンドを有する保存C末端コアド
メインがKv4電流密度及び動態を変調するのに十分であることを確認するために
、KChIP1及びKChIP2のN末端切り詰め変異体を調製した。KChIP1DN2-31及び KChI
P2DN2-67変異体は、それぞれKChIP1及びKChIP2Cを末端185アミノ酸核配列まで切
り詰めた。CHO細胞内におけるKChIP1DN2-31またはKChIP2DN2-67とKv4.2の共発現
は、Kv4.2電流密度及び動態の変化を生じさせ、完全長のKChIP1またはKChIP2に
より生じた影響と区別がつかなかった(表1)。 【0294】 これらKChIPの変調効果がKv4チャンネルに特異的であるかどうかを調査するた
め、アフリカツメガエルの卵母細胞においてKChIP1wをKv1.4及びKv2.1と共発現
させた。アフリカツメガエル卵母細胞には、標準in vitro転写技術を用いて調製
されたcRNAを1-3 ng/卵母細胞、注入した(Sambrook et al. 1989. Molecular C
loning: a laboratory manual, Cold Spring Harbor Press)。卵母細胞の電流は
二電極電圧クランプで測定した。KChIP1はKv1.4及びKv2.1電流には影響を与えな
いことが認められ(表2)、これらの機能的影響はKv4チャンネルに特異的である
といえることを示唆した。KChIPの影響に対する最終的な対照実験として、またK
ChIPがKv4電流に与える影響が発現系に独立であることを確認するために、上述
の動態分析をアフリカツメガエル卵母細胞におけるKv4.3およびKChIP mRNAの発
現後に繰り返した。卵母細胞系におけるKChIP1のKv4.3への影響は、CHO細胞にお
けるKv4.2への影響に酷似していた(表1)。 【0295】 これらKChIPがCa2+に結合していることから、もう一つの重要な問題点は、KCh
IP1のKv4.2電流への影響はCa2+依存であるかどうかを判定することである。この
問題点は、それぞれのKChIP1 EFハンドドメインに点変異を導入することで間接
的に対処された。つまり、ある変異体は最初の2個のEFハンドに点変異を有し(D 199 をAに、 G104 を Aに、 D135 を Aに、及びG140 をAに)、もう一つの変異体
は3個すべてのEFハンドに点変異を有する(D199 をAに、G104 をAに、 D135 をA
に、G140 をAに、D183 をAに、及びG188 をAに)。これらの変異は、EFハンドコ
ンセンサス内の最も高く保存されたアミノ酸にアラニンを置換した(図25; Linse
, S. and Forsen, S. (1995) Determinants that govern high-affinity Calciu
m binding. In Means, S. (Ed.)Advances in second messenger and phosphopro
tein research. New York, Ravens Press,. 30:89-150)。COS細胞内における
このKChIP1三重EFハンド変異体とKv4.2及びKv4.3との共発現は、この変異体がCO
S細胞内で共局在化し、Kv4aサブユニットと効率的に共免疫沈降することを示唆
した。しかし、これらEFハンド点変異は、KChIP1のKv4.2動態への影響を完全に
除去した(表1)。まとめると、これらの結果は、KChIP1とKv4.2の間の結合相互
作用はCa2+に独立であるが、KChIP1によるKv4.2動態の変調は、Ca2+依存か、ま
たはEFハンドドメイン内の点変異により誘発された構造的変化に感受性があるか
のいずれかであることを示唆している。 【0296】 【表1】 【0297】 【表2】 【0298】 例11: KChIP1がCOS細胞におけるKV4-aサブユニットの表面発現に与える影響 KChIP1がKv4チャンネルの表面発現を増強する能力を検査するために、KChIP1
が、Kv4チャンネルとPSD-95の表面共クラスタの形成を促進する能力を観察した
。PSD-95は、その複合体の可視化を促進するために用いる。 【0299】 Kv4.3及びPCD-95の間の相互作用を促進するために、rKv1.4のC末端にある10個
のアミノ酸(SNAKAVETDV, SEQ ID NO:73) をKv4.3のC末端に追加して、キメラKv4
.3サブユニット(Kv4.3ch)を生成した。rKv1.4のC末端にある10個のアミノ酸は
、PSD-95と会合し、Kv4.3のC末端に融合したときにPSD-95と会合する能力をKv4.
3たんぱく質に与えるために、使用された。COS-1細胞におけるKv4.3ch発現は、K
v4.3chポリペプチドが、細胞外縁に微小の検出可能なKv4.3免疫活性を示し、核
周囲細胞質にトラップされたことを明らかにした。Kv4.3chがPSD-95と共発現し
たとき、PSD-95は核周囲細胞質中にトラップされ、Kv4.3chと共局在化した。し
かし、KChIP1がKv4.3ch及びPSD-95と共発現したとき、Kv4.3ch、KChIP1、および
PSD-95の大きな斑点様の表面共クラスタがみられた。三重標識免疫蛍光法により
、これらの表面クラスタは3つすべてのポリペプチドを有することを確認し、相
互共免疫沈降分析は、三つのポリペプチドがこれら表面クラスタにおいて共会合
しているということを示唆した。対照実験では、KChIP1はPSD-95のみとは相互作
用せず、表面クラスタ中ではKv1.4及びPSD-95とは共局在化しないことを示唆し
た。まとめると、これらのデータはKChIP1がKv4.3サブユニットの細胞表面への
移行を促進する可能性があることを示唆した。 【0300】 例12: PCIPたんぱく質の特徴づけ この実施例では、PCIPたんぱく質のアミノ酸配列を既知のたんぱく質のアミノ
酸配列と比較し、様々なモチーフを同定した。 【0301】 SEQ ID NO:3に示されるアミノ酸配列である1vポリペプチドは、216個のアミノ
酸残基を含む新規のポリペプチドである。カルシウム結合に関与していると推定
されているドメインは(Linse, S. and Forsen, S. (1995) Advances in Secon
d Messenger and Phosphoprotein Research 30, Chapter 3, p89-151, edited b
y Means, AR., Raven Press, Ltd., New York)、シークエンスアラインメント
により同定された(図21参照)。 【0302】 SEQ ID NO:30に示されるアミノ酸配列である8tポリペプチドは、225個のアミ
ノ酸残基を含む新規のポリペプチドである。カルシウム結合に関与していると推
定されているカルシウム結合ドメインは(Linse, S. and Forsen, S. (1995) A
dvances in Second Messenger and Phosphoprotein Research 30, Chapter 3, p
89-151, edited by Means, AR., Raven Press, Ltd., New York)、シークエン
スアラインメントにより同定された(図21参照)。 【0303】 9qポリペプチドは、カルシウム結合に関与していると推定されているカルシウ
ム結合ドメインを含む新規のポリペプチドである(Linse, S. and Forsen, S.
(1995) Advances in Second Messenger and Phosphoprotein Research 30, Chap
ter 3, p89-151, edited by Means, AR., Raven Press, Ltd., New York (図21
参照)。 【0304】 19qポリペプチドは、カルシウム結合に関与していると推定されているカルシ
ウム結合ドメインを含む新規のポリペプチドである(Linse, S. and Forsen, S
. (1995) Advances in Second Messenger and Phosphoprotein Research 30, Ch
apter 3, p89-151, edited by Means, AR., Raven Press, Ltd., New York (図2
1参照)。 【0305】 ラット1vlのヌクレオチド配列のBLASTN2.0.7検索(Altschul et al. (1990) J
. Mol. Biol. 215:403)は、ラット1 vlがラットcDNAクローンRMUAH89(受託番
号AA849706)に類似していることを明らかにした。ラット1 vl核酸分子は、ヌク
レオチド1063から1488の範囲で、ラットcDNAクローンRMUAH89(受託番号AA84970
6)と98%同一である。 【0306】 ヒト9qlのヌクレオチド配列のBLASTN2.0.7検索(Altschul et al. (1990) J.
Mol. Biol. 215:403)は、ヒト9qlがヒトcDNAクローン1309405(受託番号AA7571
19)に類似していることを明らかにした。ヒト9ql核酸分子は、ヌクレオチド937
から1405の範囲で、ヒトcDNAクローン1309405(受託番号AA757119)と98%同一
である。 【0307】 マウスP19のヌクレオチド配列のBLASTN2.0.7検索(Altschul et al. (1990) J
. Mol. Biol. 215:403)は、マウスP19がマウスcDNAクローンMNCb-7005(受託番
号AU035979)に類似していることを明らかにした。マウスP19核酸分子は、ヌク
レオチド1から583の範囲で、マウスcDNAクローンMNCb-7005(受託番号AU035979
)と98%同一である。 【0308】 例13: 細菌細胞における組み換えPCIPたんぱく質の発現 この実施例では、PCIPは、組み換えグルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST
)融合ポリペプチドとして大腸菌に発現し、その融合ポリペプチドは分離、特徴
づけされた。特に、PCIPをGSTに融合し、この融合ポリペプチドは、菌株BI21な
どの大腸菌に発現する。BI21におけるGST-PCIP融合たんぱく質の発現は、IPTGで
誘発される。組み換え融合ポリペプチドは、誘発されたBI21菌株の粗細菌ライセ
ートから、グルタチオンビーズによる親和性クロマトグラフ法により精製される
。細菌ライセートから精製されたポリペプチドのポリアクリルアミドゲル電気泳
動分析を用いて、生成融合ポリペプチドの分子量を決定する。 【0309】 ラット1v及び9qlは、pGEX-6p-2(ファルマシア社)へクローニングした。生成
組み換え融合たんぱく質は大腸菌細胞に発現し、当業に公知の方法に従って精製
された(たとえば、Current Protocols in Molecular Biology, eds. Ausubel et
al. John Wiley & Sons: 1992に記述)。生成たんぱく質のアイデンティティは
、ラット1v及び9qlのペプチドエピトープに対して産生された抗体を用いて、ウ
ェスタンブロット法により検証された。 【0310】 例14: COS細胞における組み換えPCIPたんぱく質の発現 COS細胞のPCIP遺伝子を発現させるために、インビトロゲン社(カリフォルニ
ア州、サンディエゴ)製pcDNA/Ampベクタを用いる。このベクタは、SV40複製開
始点、アンピシリン耐性遺伝子、大腸菌複製開始点、ポリリンカ領域に続くCMV
プロモータ、及びSV40イントロン及びポリアデニル化部位を有する。PCIPたんぱ
く質全体及びHAタグ(Wilson et al. (1984) Cell 37:767)またはインフレーム
で断片の3'末端に融合したFLAGタグをコードするDNA断片は、ベクタのポリリン
カ領域へクローニングされ、それにより、CMVプロモータのコントロール下で組
み換えたんぱく質の発現を配置する。 【0311】 プラスミドを生成するために、PCIP DNA配列を二つのプライマを用いたPCRに
より増幅する。5'プライマは開始コドンから開始したPCIPコード配列の約20個の
ヌクレオチドに続く、対象の制限部位を有し、3'末端配列は、その他の対象制限
部位、翻訳終止コドン、HAタグまたはFLAGタグ、及びPCIPコード配列の最後の20
個のヌクレオチドに相補的な配列を有する。PCR増幅断片及びpCDNA/Ampベクタは
適切な制限酵素で消化され、ベクタはCIAP酵素(マサチューセッツ州ビバリー、
ニューイングランド・バイオラブズ社)を用いて脱リン酸化される。好ましくは
、選択された二つの制限部位は異なるために、PCIP遺伝子は正しい方向に挿入さ
れる。連結混合物は大腸菌細胞に形質転換され(カリフォルニア州ラジョラ、ス
トラタジーン・クローニング・システムズ社製 菌株HB101, DH5a, SUREを用い
てもよい)、形質転換培養液をアンピシリン培地プレートに蒔き、耐性コロニー
を選択した。プラスミドDNAを形質転換体から分離し、正しい断片が存在してい
るかどうかを制限分析により検査する。 【0312】 続いて、リン酸カルシウムまたは塩化カルシウム共沈法、DEAE-デキストラン
トランスフェクション法、リポフェクション法、またはエレクトロポーレーショ
ン法を用いて、COS細胞にPCIP-pcDNA/Ampプラスミドを形質移入する。宿主細胞
に形質移入する他の適切な方法は、Sambrook, J., Fritsh, E. F., and Maniati
s, T. Molecular Cloning: A Laboratory Manual. 2nd, ed., Cold Spring Har
bor Laboratory, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor,
NY, 1989の中に見つけることができる。PCIPポリペプチドの発現は、HA特異的
モノクローナル抗体を用いて、放射標識(マサチューセッツ州ボストン、NEN社
35S-メチオニン、または35S-システインを用いてもよい)及び免疫沈降(Harlo
w, E. and Lane, D. Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor L
aboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1988) により検出される。簡単に
説明すると、細胞は8時間、35S-メチオニン(または35S-システイン)で標識さ
れる。その後、培地を収集して、細胞を洗浄液(RIPAバッファ、150 mM NaCl、1
% NP-40、0.1%SDS、0.5%DOC、50 mM トリス、pH7.5)で溶解する。細胞ライセー
トと培地の両方は、HA特異的モノクローナル抗体で沈降させる。沈降したポリペ
プチドは、その後、SDS-PAGEにより分析される。 【0313】 あるいは、PCIPコード配列を有するDNAを、適切な制限部位を用いて、pCDNA/A
mpベクタのポリリンカに直接クローニングする。生成プラスミドは上述した方法
でCOS細胞に形質移入され、PCIPポリペプチドの発現は、PCIP特異的モノクロー
ナル抗体を用いて、放射標識及び免疫沈降により検出される。 【0314】 ラット1vは、ほ乳類発現ベクタpRBG4にクローニングされる。COS細胞への形質
移入は、リポフェクトアミン・プラス(ギブコBRL社製)を製造者の指示に従っ
て用いて、行われた。発現した1vたんぱく質は、ウサギまたはマウスにおいて1v
に対して産生された抗体を用いた免疫細胞化学法及び/またはウェスタンブロッ
ト法を用いて検出された。 【0315】 例15: ヒト完全長P19の同定及び特徴づけ ヒト完全長p19配列は、RACE PCRを用いて同定された。p19配列(KChIP3ともよ
ばれる)を、図16に示す。ヒトp19のアミノ酸配列はマウスp19遺伝子(SEQ ID N
O:35)と92%同一である。 【0316】 ヒトp19のたんぱく質配列を用いたTBLASTN検索は、ヒトp19が、カルセニリン
((1998) Nature Medicine 4: 1177-1181に記述)、及びプロダイノルフィン及
びc-fos転写のCa2+依存調節因子であるDREAM(Carrion et al. (1999) Nature 39
8: 80-84に記述)の、二つの配列と相同性があることを明らかにした。ヒトp19
はヌクレオチドレベルで100%カルセニリンと同一であり(ただし、3'を公表され
た配列まで延長して)、ヌクレオチドレベルで99%DREAMと同一である。 【0317】 p19(他のPCIPファミリ構成員と共に)がプレセニリンと共局在化し転写因子
として作用する能力は、ノーザンブロット法、in situ ハイブリダイゼーション
法、b-gal検定、DNA移動度検定(たとえば、Carrion et al. (1999) Nature 398
:80に記述)、及びDNA移動度スーパーシフト検定などの当業に公知の技術を用い
て、KchIPに特異的な抗体を用いて決定した。 【0318】 PCIPファミリ構成員とプレセニリンの会合を評価するのに適した他の検定は、
共免疫沈降法である(たとえば、Buxbaum et al. (1998) Nature Medicine 4:117
7に記述)。 【0319】 例16: サルKChIP4の同定及び特徴づけ この実施例では、サルKChIP4a (jlkbd352e01t1)、及び選択的にスプライスさ
れたKChIP4b (jlkbb231c04t1)、KChIP4c (jlkxa053c02)、 及び KChIP4d (jlkx0
15b10)をコードする遺伝子の同定と特徴づけについて記述する。 既知のPCIPフ
ァミリ構成員の配列を有する、特許権によって保護されたデータベースのTBLAST
N検索により、4つのクローン、jlkbb231c04t1、jlkbd352e01t1、jlkxa053c02及
びjlkx015b10を同定することができた。4つのサルクローンを得て、配列決定し
た。 【0320】 特許権により保護されたサルクローンjlkbb231c04t1、jlkbd352e01t1の配列は
、ここでKChIP4とよばれる、追加PCIPファミリ構成員の選択的スプライス変異体
と一致することが明らかになった。クローンjlkbb231c04t1はjlkbd352e01t1と比
較して822bpの欠損を有し(おそらくエキソンからスプライスされたため)、そ
の結果、最後のEFハンドドメインが欠けている。クローンjlkbd352e01t1の場合
、最後のEFハンドドメインは保存されており、C末端はPCIPファミリ構成員1v、9
ql、及びp19のものと高い相同性がある。KChIP4、1v、9ql、及びp19の相同性C末
端の、全体的な同一性は、アミノ酸レベルで71%-80%であった(アラインメント
はCLUSTALWを用いて行われた)。 【0321】 サルKChIP4c及びKChIP4dは、特許権により保護されたデータベースを検索する
ための質問としてサルKChIP4aを用いて、BLASTN検索により発見された。 【0322】 サルKChIP4a cDNAのヌクレオチド配列、及び予測されたKChIP4aポリペプチド
のアミノ酸配列は、図23、及びそれぞれSEQ ID NO:48及び49に示す。 【0323】 サルKChIP4b cDNAのヌクレオチド配列、及び予測されたKChIP4bポリペプチド
のアミノ酸配列は、図24、及びそれぞれSEQ ID NO:50及び51に示す。 【0324】 サルKChIP4c cDNAのヌクレオチド配列、及び予測されたKChIP4cポリペプチド
のアミノ酸配列は、図35、及びそれぞれSEQ ID NO:69及び70に示す。 【0325】 サルKChIP4d cDNAのヌクレオチド配列、及び予測されたKChIP4dポリペプチド
のアミノ酸配列は、図36、及びそれぞれSEQ ID NO:71及び72に示す。 【0326】 図37は、KChIP4a、KChIP4b、KChIP4c及びKChIP4dのたんぱく質配列のアライン
メントを描写している。 【0327】 ラットKChIP4は、脳内に顕著に、腎臓に弱く発現するが、心臓、脳、脾臓、肺
、肝臓、骨格筋、または精巣には発現せず、これはノーザンブロット法により示
唆されたとおりで、クローンテック社製ノーザンブロットはラットKChIP4の3'-
非翻訳領域のDNA断片でプローブされた。 【0328】 例17: ヒト及びラット33b07の同定及び特徴づけ この実施例では、ラット及びヒト33b07をコードする遺伝子の同定及び特徴づ
けを記述する。部分的ラット33b07(クローン名9o)は、rKv4.3Nをベイトとして
用い、上述した酵母菌2ハイブリッドスクリーンから陽性クローンとして分離し
た。 完全長ラット33b07クローンは、特許権により保護されたデータベースの探
索により同定された。 【0329】 完全長ラット33b07 cDNAのヌクレオチド配列及び予測されたラット33b07ポリ
ペプチドのアミノ酸配列を、図26、及びそれぞれSEQ ID NO:52及び53に示す。ラ
ット33b07 cDNAは、分子量約44.7kDを有し長さが407アミノ酸残基であるたんぱ
く質をコードする。 【0330】 ラット33b07は、酵母菌2ハイブリッド検定ではrKv4.3N及びrKv4.2Nに結合す
るが、rKv4.2Nの方がわずかに選択されやすい傾向がある。反対に、ラット33b07
はrKv1.1Nには結合せず、このことはラット33b07-Kv4N相互作用は特異的である
ことを示唆する。 【0331】 ラット33b07は、ノーザンブロット分析によって判明したように、脳内で顕著
に発現する。 【0332】 ヒト33b07相同分子種(クローン106d5)も、特許権により保護されたデータベ
ースの探索により同定された。完全長ヒト33b07 cDNAのヌクレオチド配列及び予
測されたヒト33b07ポリペプチドのアミノ酸配列は、図27、及びそれぞれSEQ ID
NO:54及び55に示す。ヒト33b07 cDNAは、分子量約45.1kDを有し長さが414アミノ
酸残基であるたんぱく質をコードする。 【0333】 ヒト33b07は、アミノ酸レベルで、ヒトKIAA0721たんぱく質(ジェンバンク受
託番号:AB018264)と99%同一である。しかし、ジェンバンク受託番号:AB01826
4は機能アノテーションを有していない。ヒト33b07は、精巣特異的(Yコード)
たんぱく質(TSP(Y)s)、SET、ヌクレオソーム・アセンブリたんぱく質(NAP)
にも相同性がある。ヒト33b07は、アミノ酸204から337の範囲でヒトSETたんぱく
質(GenBank Accession Number Q01105=U51924)と38%同一であり、アミノ酸334
から387の範囲では46%同一である。 【0334】 ヒトSETはHLA-DR会合たんぱく質II(PHAPII)) (Hoppe-Seyler (1994) Biol.
Chem. 375:113-126)とも呼ばれ、SET-CAN融合遺伝子を形成する転位作用の結果
生じる急性未分化白血病(AUL)に関連がある場合もある(Von Lindern M. et al
. (1992) Mol. Cell. Biol. 12:3346-3355)。選択的スプライス型のSETは、テン
プレート活性化因子-Iアルファ(TAF)ともよばれる。TAFは骨髄性白血病誘発に関
連があることがわかっている(Nagata K. et al. (1995) Proc. Natl. Acad. Sc
i. U.S.A. 92 (10), 4279-4283)。ヒトSETはホスファターゼ2Aの強力なたんぱ
く質阻害因子でもある(Adachi Y. et al. (1994) J. Biol. Chem. 269:2258-22
62)。NAPは、クロマチン形成変調に関与し、細胞増殖の調節に貢献していると
考えられている(Simon H.U. et al. (1994) Biochem. J. 297, 389-397)。 【0335】 したがって、33b07は、上述した同定たんぱく質への相同性のために、ホスフ
ァターゼたんぱく質阻害因子、発癌遺伝子、及び/またはクロマチン変調因子と
して機能することもある。たんぱく質阻害因子であるSETとの33b07の相同性は、
特に関心が持たれている。多くのチャンネル、特にKv4チャンネル(33b07が会合
している)は、PKC及びPKAによるリン酸化により調節されていることが知られて
いる((1998) J. Neuroscience 18(10): 3521-3528; Am J Physiol 273: H1775-8
6 (1997))。したがって、33b07は、カリウムチャンネルのリン酸化状態を調節す
ることでKv4活性を変調すると考えられる。 【0336】 例18: ラット1pの同定及び特徴づけ この実施例では、ラット1pをコードする遺伝子の同定及び特徴づけを記述する
。 部分的ラット1pは、rKv4.3Nをベイトとして用い、上述した酵母菌2ハイブリ
ッドスクリーンから陽性クローンとして分離した。 【0337】 部分長ラット1p cDNAのヌクレオチド配列、及び予測されたラット1pポリペプ
チドのアミノ酸配列を、図28、及びそれぞれSEQ ID NO:56及び57に示す。ラット
1p cDNAは、分子量約28.6kDを有し長さが267アミノ酸残基であるたんぱく質をコ
ードする。 【0338】 ラット1pは、酵母菌2ハイブリッド検定ではrKv4.3N及びrKv4.2Nに結合するが
、rKv4.3Nの方がわずかに選択されやすい傾向がある。反対に、1pはrKv1.1Nには
結合せず、このことは1p-Kv4N相互作用は特異的であることを示唆する。 【0339】 ラット1pは、ノーザンブロット分析によって判明したように、脳内で顕著に発
現する。 【0340】 ラット1pのアミノ酸配列のスコア100、ワード長3(Altschul et al. (1990) J.
Mol. Biol. 215:403)を用いてBLASTP 1.4検索を行ったところ、ラット1pはヒト
レスチン(ジェンバンク受託番号 P30622; 細胞質架橋たんぱく質-170 アルファ-
2 (CLIP-170), M97501)ともよばれる)に類似していることが明らかになった。ラ
ット1pたんぱく質は、アミノ酸残基105から182の範囲でヒトレスチンに58%同一
であり、アミノ酸残基115から186の範囲でヒトレスチンに55%同一であり、アミ
ノ酸残基173から246の範囲でヒトレスチンに22%同一であり、アミノ酸残基169
から218の範囲でヒトレスチンに22%同一であり、アミノ酸残基217から228の範
囲でヒトレスチンに58%同一である。 【0341】 レスチンは、リード-ステルンベルグ中間フィラメント会合たんぱく質とも名
付けられている。リード-ステルンベルグ細胞は、ホジキン氏病を診断するため
に用いられる腫瘍細胞である。レスチンの過剰発現はホジキン氏病の進行に関与
する因子である可能性があり(Bilbe G. et al. (1992) EMBO J. 11: 2103-13)
、レスチンは、細胞内小胞を微小管に架橋する中間フィラメント会合たんぱく質
であることが認められる(Pierre P, et al. (1992) Cell 70 (6), 887-900)。 【0342】 細胞骨格は、カリウムチャンネル活性(たとえば Honore E, et al. (1992) EM
BO J. 11:2465-2471 and Levin G, et al. (1996) J. Biol. Chem. 271:29321-2
9328参照)とともに、たとえばCa++チャンネル(Johnson B.D. et al. (1993) Neu
ron 10:797-804)またはNa+チャンネル(Fukuda J. et al. (1981) Nature 294:82
-85)のような他のチャンネルの活性も調節する。 【0343】 したがって、ラット1pたんぱく質は、レスチンたんぱく質との相同性に基づき
、細胞骨格に会合し、細胞骨格への会合を経て、Kv4などのカリウムチャンネル
活性を変調すると考えられる。 【0344】 例19: ラット7sの同定及び特徴づけ この実施例では、ラット7sをコードする遺伝子の同定及び特徴づけを記述する
。 ラット7sは、rKv4.3Nをベイトとして用い、上述した酵母菌2ハイブリッ
ドスクリーンから陽性クローンとして分離した。ラット7sは、ヒト液胞H(+)-ATP
分解酵素サブユニットA(受託番号 P38606 及び B46091) のラット相同分子種で
あり、たとえば、van Hille B. et al. (1993) J. Biol. Chem. 268 (10), 7075
-7080などに記述されている。 【0345】 部分長ラット7s cDNAのヌクレオチド配列、及び予測されたラット7sポリペプ
チドのアミノ酸配列を、図29、及びそれぞれSEQ ID NO:58及び59に示す。ラット
7s cDNAは、分子量約28.6kDを有し長さが270アミノ酸残基であるたんぱく質をコ
ードする。 【0346】 ラット7sは、酵母菌2ハイブリッド検定ではrKv4.3N及びrKv4.2Nに結合するが
、rKv4.3Nの方がわずかに選択されやすい傾向がある。反対に、7sはrKv1.1Nには
結合せず、このことは7s-Kv4N相互作用は特異的であることを示唆する。 【0347】 ラット7sは、ノーザンブロット分析で判明したように、脳及び腎臓の方が、肺
、肝臓、心臓、精巣、及び骨格筋よりも有意に高いレベルで発現する。 【0348】 例20: ラット29x及び25rの同定及び特徴づけ この実施例では、ラット29xをコードする遺伝子の同定及び特徴づけを記述す
る。 ラット29xは、rKv4.3Nをベイトとして用い、上述した酵母菌二2ハイブ
リッドスクリーンから陽性クローンとして分離した。ラット25rは29xのスプライ
スバリアントである。それらは、5'非翻訳領域が相違しているが、コード領域及
びアミノ酸レベルでは同一である。 【0349】 ラット29x cDNAのヌクレオチド配列、及び予測されたラット7sポリペプチドの
アミノ酸配列を、図30、及びそれぞれSEQ ID NO:60及び61に示す。ラット29x cD
NAは、分子量約40.4kDを有し長さが351アミノ酸残基であるたんぱく質をコード
する。 【0350】 ラット25r cDNAのヌクレオチド配列を、図31、及びSEQ ID NO:62に示す。ラッ
ト25r cDNAは、分子量約40.4kDを有し長さが351アミノ酸残基であるたんぱく質
をコードする。 【0351】 ラット29xは脾臓、肺、腎臓、心臓、脳、精巣、骨格筋及び肝臓に発現するが
、脾臓での発現のレベルが最も高く、肝臓が最も低い。 【0352】 ラット29xは、酵母菌2ハイブリッド検定ではrKv4.3N及びrKv4.2Nに結合する
が、rKv4.3Nの方がわずかに選択されやすい傾向がある。反対に、29xはrKv1.1N
には結合せず、このことは29x-Kv4N相互作用は特異的であることを示唆する。 【0353】 ラット29xは、Starr R. et al. (1997) Nature 387: 917-921に記載されてい
るラットSOCS-1(サイトカインシグナル伝達サプレッサ)、Endo T.A. et al. (
1997) Nature 387: 921-924に記載されているJAB、Naka T. et al. (1997) Natu
re 387:924-928に記載されているSSI-1(STAT誘発STAT阻害因子-1)とアミノ酸
レベルで同一である。これらのたんぱく質は、SH2ドメインを有し、JAKキナーゼ
と結合、阻害し、その結果サイトカインシグナル伝達を調節するという特徴をも
っている。 【0354】 ここで用いられる「SH2ドメイン」という言葉は、Src 相同性2ドメインとも呼
ばれ、長さ約100アミノ酸のたんぱく質ドメインを含み、、たとえば他のたんぱ
く質のホスホチロシン残基のようなホスホチロシン残基の結合に関与している。
標的部位はSH2結合部位と呼ばれる。SH2ドメインは、2本のアルファヘリクス及
び6から7本のベータ鎖からなる保存三次元構造を有する。SH2ドメインのコア
は、二枚の連結されたベータシートからなる連続ベータメアンダにより形成され
る(Kuriyan J. et al Curr. Opin. Struct. Biol. 3:828-837)。SH2ドメイン
は、配列特異的、及び厳密にリン酸化依存的な様式で、ホスホチロシン含有標的
ペプチドへの高い親和性と相互作用することにより、細胞間シグナル伝達カスケ
ードの調節モジュールとして機能する(Pawson T. (1995) Nature 373:573-580)
。いくつかのたんぱく質は複数のSH2ドメインを有し、それはリン酸たんぱく質
への結合親和性を増加させるか、または異なるリン酸たんぱく質への結合能力を
付与する。ラット29xは、SH2ドメインを、SEQ ID NO:61のアミノ酸残基219-308
に有する。 【0355】 チロシンのリン酸化はカリウムチャンネル活性を調節する(Prevarskaya N.B.
et al. (1995) J. Biol. Chem. 270:24292-24299)。JAKキナーゼは、チロシンに
あるたんぱく質をリン酸化し、チャンネル活性調節との関係が示唆される(Preva
rskaya N.B. et al. supra)。したがって、ラット29xは、SOCS-1、JAB、及びSSI
-1への相同性に基づき、JAKキナーゼ活性を変調することで、Kv4などのカリウム
チャンネル活性を変調すると考えられる。 【0356】 例21: ラット5pの同定及び特徴づけ この実施例では、ラット5pをコードする遺伝子の同定及び特徴づけを記述する
。 ラット5pは、rKv4.3Nをベイトとして用い、上述した酵母菌2ハイブリッ
ドスクリーンから陽性クローンとして分離した。 【0357】 ラット5pc DNAのヌクレオチド配列、及び予測されたラット5pポリペプチドの
アミノ酸配列を、図32、及びそれぞれSEQ ID NO:63及び64に示す。ラット5p cDN
Aは、分子量約11.1kDを有し長さが95アミノ酸残基であるたんぱく質をコードす
る。 【0358】 ラット5pは、酵母菌2ハイブリッド検定では、rKv4.3N及びrKv4.2Nに同様の強
度で結合する。反対に、5pはrKv1.1Nには結合せず、このことは5p-Kv4N相互作用
は特異的であることを示唆する。 【0359】 ラット5pは、ノーザンブロット分析によって判明したように、脾臓、肺、骨格
筋、心臓、腎臓、脳、肝臓、及び精巣で発現する。 【0360】 ラット5pは、ラットカルパクチンI L鎖またはP10(受託番号 P05943)と同一
である。P10はアネキシンII(P36)に結合してその二量体化を誘発する。P10は
、p36単量体がチロシン特異的キナーゼの好ましい標的である場合のたんぱく質
リン酸化の調節因子として機能すると考えられる(Masiakowski P. et al. (1998
) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85 (4): 1277-1281)。 【0361】 チロシンリン酸化はカリウムチャンネル活性を調節する(Prevarskaya N.B. et
al. supra) 。したがって、ラット5pは、P10との同一性のために、チロシン特
異的キナーゼの活性を変調することにより、Kv4などのカリウムチャンネル活性
を変調すると考えられる。 【0362】 例22: ラット7qの同定及び特徴づけ この実施例では、ラット7qをコードする遺伝子の同定及び特徴づけを記述する
。 ラット7qは、rKv4.3Nをベイトとして用い、上述した酵母菌2ハイブリッ
ドスクリーンから陽性クローンとして分離した。完全長ラット7qはRACE PCRによ
り得た。 【0363】 ラット7q cDNAのヌクレオチド配列、及び予測されたラット7qポリペプチドの
アミノ酸配列を、図33、及びそれぞれSEQ ID NO:65及び66に示す。ラット7q cDN
Aは、分子量約23.5kDを有し長さが212アミノ酸残基であるたんぱく質をコードす
る。 【0364】 ラット7qは、酵母菌2ハイブリッド検定では、rKv4.3N及びrKv4.2Nに同様の強
度で結合する。反対に、7qはrKv1.1Nには結合せず、このことは7q-Kv4N相互作用
は特異的であることを示唆する。 【0365】 ラット7qは、ノーザンブロット分析によって判明したように、心臓、脳、脾臓
、肺、肝臓、骨格筋、腎臓及び精巣で発現する。 【0366】 ラット7qは、RAB2(ラットRAS関連たんぱく質、受託番号P05712)とアミノ酸
レベルで同一である。RAB2は、小胞輸送及びたんぱく質輸送に関連していると考
えられている(Touchot N. et al. (1987) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 84 (
23): 8210-8214)。したがって、ラット7qは、RAB2との相同性に基づき、Kv4など
のカリウムチャンネル輸送に関連すると考えられる。 【0367】 例23: ラット19rの同定及び特徴づけ この実施例では、ラット19rをコードする遺伝子の同定及び特徴づけを記述す
る。 部分的ラット19rは、rKv4.3Nをベイトとして用い、上述した酵母菌2ハ
イブリッドスクリーンから陽性クローンとして分離した。完全長ラット19rはRAC
E PCRにより得た。 【0368】 ラット19r cDNAのヌクレオチド配列、及び予測されたラット19rポリペプチド
のアミノ酸配列を、図34、及びそれぞれSEQ ID NO:67及び68に示す。ラット19r
cDNAは、分子量約31.9kDを有し長さが271アミノ酸残基であるたんぱく質をコー
ドする。 【0369】 ラット19rは、ノーザンブロット分析によって判明したように、心臓、脳、脾
臓、肺、肝臓、骨格筋、腎臓及び精巣で発現する。 【0370】 ラット19rは、酵母菌2ハイブリッド検定ではrKv4.3N及びrKv4.2Nに結合する
が、rKv4.3Nの方がわずかに選択されやすい傾向がある。反対に、19rはrKv1.1N
には結合せず、このことは19r-Kv4N相互作用は特異的であることを示唆する。 【0371】 ラット19rは、Dickeson S.K. et al. (1989) J. Biol. Chem. 264:16557-1656
4に記述されているラットホスファチジルイノシトール(PTDINS)転写たんぱく質
アルファ(PTDINSTP, 受託番号M25758 or P16446)と同一である。PTDINSTPは、
ホスホリパーゼC-ベータ(PLC-ベータ)シグナル伝達、ホスファチジルイノシト
ール転写たんぱく質(PtdIns-TP)合成、分泌小胞形成、及びホスファチジルイ
ノシトール3-キナーゼ(PtdIns 3-キナーゼ)活性の増強に関与していると考え
られている(Cunningham E. et al. (1995) Curr. Biol. 5 (7): 775-783; (1995
) Nature 377 (6549): 544-547; and Panaretou C. et al. (1997) J. Biol. Ch
em. 272 (4): 2477-2485)。 【0372】 したがって、ラット19rは、PTDINSTPとの相同性に基づき、PLC-ベータシグナ
ル伝達経路及び/またはPtdIns 3-キナーゼシグナル伝達経路を経て、Kv4などの
カリウムチャンネル活性を調節すると考えられる。ラットp19rはKv4などのカリ
ウムチャンネル輸送にも関与していると考えられる。 【0373】 例24: ヒト9qの染色体局在 この実施例では、放射ハイブリッドパネル(パネルGB4)を用いて、ヒトPCIP
9qの染色体地図を作製した。h9qは、以前部分てんかんと関連を有することが証
明された染色体10q領域、つまりD10S192: 10q22-q24 (Ottman et al. (1995) Na
ture Genetics 10:56-60) (図43参照)を位置づけた。この観察に基づき、本発明
は、たんぱく質9qファミリが抗てんかん薬開発の標的として、及びてんかんの医
学的介入の標的として役立つことを、明白に示している。 【0374】 さらに、h9qは、以前IOSCAとの関連を有することが証明された染色体10q領域
、つまり D10S192 及びD10S1265: 10q24- Nikali (Genomics 39:185-191 (1997)
) (図42 及び 43参照)を位置づけた。この観察に基づき、本発明は、たんぱく質
9qファミリが抗脊髄小脳失調薬開発の標的として、及び脊髄小脳失調の医学的介
入の標的として役立つことを、明白に示している。 【0375】 同等物 当業者は、通常の実験法のみを用いても、ここに記述された本発明の明細実施
態様の同等物が多くあることを認識し、確認することができるであろう。このよ
うな同等物は、以下のクレームにより包含されることが意図される。 【配列表】 【図面の簡単な説明】 【図1】 ヒト1vのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌクレ
オチド配列は、SEQ ID NO:1の核酸1から1463に相当する。アミノ酸配列は、SEQ
ID NO:2のアミノ酸1から216に相当する。 【図2】 ラット1vのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌク
レオチド配列は、SEQ ID NO:3の核酸1から1856に相当する。アミノ酸配列は、SE
Q ID NO:4のアミノ酸1から245に相当する。 【図3】 マウス1vのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌク
レオチド配列は、SEQ ID NO:5の核酸1から1907に相当する。アミノ酸配列は、SE
Q ID NO:6のアミノ酸1から216に相当する。 【図4】 ラット1vlのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌ
クレオチド配列は、SEQ ID NO:7の核酸1から1534に相当する。アミノ酸配列は、
SEQ ID NO:8のアミノ酸1から227に相当する。 【図5】 マウス1vlのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌ
クレオチド配列は、SEQ ID NO:9の核酸1から1540に相当する。アミノ酸配列は、
SEQ ID NO:10のアミノ酸1から227に相当する。 【図6】 ラット1vnのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌ
クレオチド配列は、SEQ ID NO:11の核酸1から955に相当する。アミノ酸配列は、
SEQ ID NO:12のアミノ酸1から203に相当する。 【図7】 ヒト9qlのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌク
レオチド配列は、SEQ ID NO:13の核酸1から2009に相当する。アミノ酸配列は、S
EQ ID NO:14のアミノ酸1から270に相当する。 【図8】 ラット9qlのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌ
クレオチド配列は、SEQ ID NO:15の核酸1から1247に相当する。アミノ酸配列は
、SEQ ID NO:16のアミノ酸1から257に相当する。 【図9】 マウス9qlのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌ
クレオチド配列は、SEQ ID NO:17の核酸1から2343に相当する。アミノ酸配列は
、SEQ ID NO:18のアミノ酸1から270に相当する。 【図10】 ヒト9qmのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌ
クレオチド配列は、SEQ ID NO:19の核酸1から1955に相当する。アミノ酸配列は
、SEQ ID NO:20のアミノ酸1から252に相当する。 【図11】 ラット9qmのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。
ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:21の核酸1から2300に相当する。アミノ酸配列
は、SEQ ID NO:22のアミノ酸1から252に相当する。 【図12】 ヒト9qsのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌ
クレオチド配列は、SEQ ID NO:23の核酸1から1859に相当する。アミノ酸配列は
、SEQ ID NO:24のアミノ酸1から220に相当する。 【図13】 サル9qsのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌ
クレオチド配列は、SEQ ID NO:25の核酸1から2191に相当する。アミノ酸配列は
、SEQ ID NO:26のアミノ酸1から220に相当する。 【図14】 ラット9qcのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。
ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:27の核酸1から2057に相当する。アミノ酸配列
は、SEQ ID NO:28のアミノ酸1から252に相当する。 【図15】 ラット8tのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌ
クレオチド配列は、SEQ ID NO:29の核酸1から1904に相当する。アミノ酸配列は
、SEQ ID NO:30のアミノ酸1から225に相当する。 【図16】 ヒトp19のcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌ
クレオチド配列は、SEQ ID NO:31の核酸1から619に相当する。アミノ酸配列は、
SEQ ID NO:32のアミノ酸1から200に相当する。 【図17】 ラットp19のcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。
ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:33の核酸1から442に相当する。アミノ酸配列は
、SEQ ID NO:34のアミノ酸1から109に相当する。 【図18】 マウスp19のcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。
ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:35の核酸1から2644に相当する。アミノ酸配列
は、SEQ ID NO:36のアミノ酸1から256に相当する。 【図19】 ヒトW28559のcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。
ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:37の核酸1から380に相当する。アミノ酸配列は
、SEQ ID NO:38のアミノ酸1から126に相当する。 【図20】 ヒトP193のcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌ
クレオチド配列は、SEQ ID NO:39の核酸1から2176に相当する。アミノ酸配列は
、SEQ ID NO:40のアミノ酸1から41に相当する。 【図21】 ラット1v、ラット9qm、及びマウスP19たんぱくを、これらのたん
ぱく質間の保存ドメインを示すためにアライメントした概略図を示す。 【図22】 ヒト9qのゲノムDNA配列を示す。図22Aはエクソン1及びそ
のフランキングイントロン配列(SEQ ID NO:46)を示す。図22Bはエクソン2
−11及びそのフランキングイントロン配列(SEQ ID NO:47)を示す。 【図23】 サルKChIP4aのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す
。ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:48の核酸1から2413に相当する。アミノ酸配
列は、SEQ ID NO:49のアミノ酸1から233に相当する。 【図24】 サルKChIP4bのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す
。ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:50の核酸1から1591に相当する。アミノ酸配
列は、SEQ ID NO:51のアミノ酸1から233に相当する。 【図25】 KChIP4a、KChIP4b、9ql、1v、p19、及び関連するヒトパラログ(
hsnespara)W28559のアラインメントを示す。コンセンサスに同一なアミノ酸は
、黒で陰が付けられており、保存されたアミノ酸は灰色で陰が付けられている。 【図26】 ラット33b07のcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す
。ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:52の核酸1から2051に相当する。アミノ酸配
列は、SEQ ID NO:53のアミノ酸1から407に相当する。 【図27】 ヒト33b07のcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。
ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:54の核酸1から4148に相当する。アミノ酸配列
は、SEQ ID NO:55のアミノ酸1から414に相当する。 【図28】 ラット1pのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌ
クレオチド配列は、SEQ ID NO:56の核酸1から2643に相当する。アミノ酸配列は
、SEQ ID NO:57のアミノ酸1から267に相当する。 【図29】 ラット7sのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌ
クレオチド配列は、SEQ ID NO:58の核酸1から2929に相当する。アミノ酸配列は
、SEQ ID NO:59のアミノ酸1から270に相当する。 【図30】 ラット29xのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。
ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:60の核酸1から1489に相当する。アミノ酸配列
は、SEQ ID NO:61のアミノ酸1から351に相当する。 【図31】 ラット25rのcDNA配列を示す。ヌクレオチド配列は、SEQ ID
NO:62の核酸1から1194に相当する。 【図32】 ラット5pのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌ
クレオチド配列は、SEQ ID NO:63の核酸1から600に相当する。アミノ酸配列は、
SEQ ID NO:64のアミノ酸1から95に相当する。 【図33】 ラット7qのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。ヌ
クレオチド配列は、SEQ ID NO:65の核酸1から639に相当する。アミノ酸配列は、
SEQ ID NO:66のアミノ酸1から212に相当する。 【図34】 ラット19rのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す。
ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:67の核酸1から816に相当する。アミノ酸配列は
、SEQ ID NO:68のアミノ酸1から271に相当する。 【図35】 サルKChIP4cのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す
。ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:69の核酸1から2263に相当する。アミノ酸配
列は、SEQ ID NO:70のアミノ酸1から229に相当する。 【図36】 サルKChIP4dのcDNA配列及び予測されるアミノ酸配列を示す
。ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO:71の核酸1から2259に相当する。アミノ酸配
列は、SEQ ID NO:72のアミノ酸1から250に相当する。 【図37】 KChIP4a、KChIP4b、KChIP4c、及びKChIP4dのアラインメントを示
す。 【図38】 KChIP2(9ql)を伴って、又は伴わずにKv4.2を発現するCHO細胞
からの微電流を示したグラフである。細胞を−80mVで電位クランプし、200m
sの間−60mVから+50mVにステップした。様々なテスト電位でのピーク
電流振幅を右側のパネルに示す。図38はさらに、KChIP2(9ql)のKv4.2に及ぼ
す振幅及び動的影響を示した表を示す。KchIP2の発現によって、ピーク電流の振
幅、不活化時間定数、及び不活化からの回復の時間定数、並びに活性化V1/2
が変化する。 【図39】 KChIP3(p19)を伴って、又は伴わずにKv4.2を発現するCHO細胞
からの微電流を示したグラフである。細胞を−80mVで電位クランプし、200m
sの間−60mVから+50mVにステップした。様々なテスト電位でのピーク
電流振幅を右側のパネルに示す。図39はさらに、KChIP3(p19)のKv4.2に及ぼ
す振幅及び動的影響を示した表を示す。KchIP3によって、ピーク電流の振幅、不
活化時間定数、及び不活化からの回復の時間定数が変化する。 【図40】 KChIP1の共発現の結果、CHO細胞上で発現したKv4.2チャンネルの
電流密度及び動態に劇的な変化が起こることを実証した電気生理学的実験の結果
を示す。図40Aは、Kv4.2をトランスフェクトしたCHO細胞からの微電流を示す
。細胞を、−80mVの固定電位から−60乃至50mVまでのテスト電位に順
に脱分極させて電流を励起した。p/5プロトコルを用いて微電流から漏れを減
算した。電流軸を(b)と同じ倍率で示すことで、電流振幅の変化を強調した。
挿入図では、電流の活性化及び不活化の動態を示すために拡大された電流軸50
mVで、単一微電流を示した。図40Bは、(a)と同じ微電流であるが、Kv4.
2及びKChIP1に関して等量のDNAをトランスフェクトした細胞からの電流であ
る。図40Cは、Kv4.2のみ(n=11)をトランスフェクトした、又は、KChIP
1(n=9)を同時にトランスフェクトした細胞からの全電位のピーク電流振幅
を示す。図40D及び図40Eは、二つのパルスプロトコルを用いた、不活化か
らの回復を示す。Kv4.2単独(D)、及びKChIP1(E)を共発現したものを、5
0mVまでの一回目のパルスを用いて不活化状態にし、次に50mVまでの二回
目のパルスを、一回目のパルス後の様々な時点で印加する。固定電位はすべての
パルスの前後で−80mVである。図40Fは、Kv4.2(n=8)をトランスフ
ェクトした細胞、及びKv4.2とKChIP1(n=5)をトランスフェクトした細胞の
、パルス間のピーク電流の回復率の要約を示す。不活化から回復の時間定数は単
一の指数に合わせた。 【図41】 ヒトKChIPファミリの構成員を、関係の近いCa2+センシング
たんぱくのリカバリンファミリの構成員と並べたアラインメントを示す。(HIP
:ヒトヒポカルシン;NCS1:ラットニューロンカルシウムセンサ1)。このアラ
インメントは、PAM250残基ウェイト・テーブル及びデフォルトパラメータ
と一緒にクラスタル法を用いて、マッキントッシュ用のMegAlignプログラム(D
NASTARからのバージョン4.00)を用いて行われ、BOXSHADEを
用いてシェーディングされた。コンセンサスと同一の残基は黒の陰が付けられ、
保存的置換には灰色の陰が付けられている。X、Y、Z及び−X、−Y、−Zは
、EFハンドのカルシウムイオンへの結合に関係する残基の位置を表す。 【図42】 IOSCA領域の物理的マップを示す。 【図43】 IOSCA及びてんかんに関連する、h9q及び公知のマーカの位
置を示した連鎖マップを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/00 A61P 43/00 105 4C086 25/08 C07K 14/47 4H045 43/00 105 16/18 C07K 14/47 C12P 21/02 C 16/18 C12Q 1/68 A C12N 5/10 G01N 33/53 D C12P 21/02 M C12Q 1/68 33/566 G01N 33/53 C12N 15/00 ZNAA 5/00 B 33/566 A61K 37/02 (31)優先権主張番号 60/110,277 (32)優先日 平成10年11月30日(1998.11.30) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/298,731 (32)優先日 平成11年4月23日(1999.4.23) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/350,614 (32)優先日 平成11年7月9日(1999.7.9) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/350,874 (32)優先日 平成11年7月9日(1999.7.9) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/399,913 (32)優先日 平成11年9月21日(1999.9.21) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/400,492 (32)優先日 平成11年9月21日(1999.9.21) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ロホデス ケネス アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08853 ネシャニック ステーション ア トキンソン サークル 808 (72)発明者 ベティー マリア アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08853 マウントローレル ブレントウッ ド ドライブ エス 116 (72)発明者 リン フアイ ピン アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08550 プリンストン ウェルズリー コ ート 17 (72)発明者 アン ウェンキアン アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 01702 フラミングハム アパート シャ ープ 212 ウォーセスター ロード 1500 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA43 CA01 CA12 DA02 GA11 HA12 HA15 4B063 QA01 QQ08 QQ42 QQ53 QQ79 QR32 QR48 QR55 QS33 QS34 QX01 4B064 AG01 CA19 CC24 DA01 DA13 4B065 AA90X AA90Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA25 CA44 CA46 4C084 AA02 AA07 BA01 BA22 CA53 DC50 ZA022 ZA062 ZA362 ZB212 4C086 AA01 AA02 AA03 EA16 MA01 MA04 ZA02 ZA06 ZA36 ZB21 4H045 AA10 AA11 BA10 CA40 DA50 EA20 EA50 FA74

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 a)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、
    SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ
    ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ I
    D NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID
    NO:39、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO
    :56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71、ATCCに受託番号98936、
    98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、98946、98
    947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、98994、又はPTA-316として
    寄託されたプラスミドのDNAインサートのヌクレオチド配列、又はこれらの相
    補体に対して、少なくとも60%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸分子、 (b)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9
    、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、
    SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SE
    Q ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ
    ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID
    NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71、ATCCに受託番号98936、98937、9893
    8、98939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、98946、98947、98948
    、98949、98950、98951、98991、98993、98994、又はPTA-316として寄託された
    プラスミドのDNAインサートのヌクレオチド配列、又はこれらの相補体、を含
    む核酸の少なくとも583個のヌクレオチドの断片を含む核酸分子、 c)SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、
    SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SE
    Q ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ
    ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID
    NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID N
    O:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のアミノ酸配列に対して、又はATCCに受
    託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、989
    45、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、98994又はPTA
    -316として寄託されたプラスミドのDNAインサートによってコードされたアミ
    ノ酸配列に対して、少なくとも約60%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプ
    チドをコードする核酸分子、 d)SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、
    SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SE
    Q ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ
    ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID
    NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID N
    O:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のアミノ酸配列、又はATCCに受託番号98
    936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、9894
    6、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、98994又はPTA-316とし
    て寄託されたプラスミドのDNAインサートによってコードされたアミノ酸配列
    、を含むポリペプチドの断片をコードする核酸分子であって、前記断片が、SEQ
    ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:
    12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22
    、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、
    SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:49、SE
    Q ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ
    ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のアミノ酸配列、又はATCCに受託番号98936、98937
    、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、98946、98947、
    98948、98949、98950、98951、98991、98993、98994又はPTA-316として寄託され
    たプラスミドのDNAインサートによってコードされたアミノ酸配列、のうちの
    少なくとも15個の連続したアミノ酸残基を含む、核酸分子、及び e)SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、
    SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SE
    Q ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ
    ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID
    NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID N
    O:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のアミノ酸配列、又はATCCに受託番号98
    936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、9894
    6、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、98994又はPTA-316とし
    て寄託されたプラスミドのDNAインサートによってコードされたアミノ酸配列
    、を含むポリペプチドの天然発生型の対立遺伝子バリアントをコードする核酸分
    子であって、前記核酸分子が、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ I
    D NO:7、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO
    :17、SEQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:2
    7、SEQ ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37
    、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、
    SEQ ID NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71を含む核酸分子
    、又は、ATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、9
    8943、98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、989
    93、98994、又はPTA-316として寄託されたプラスミドのDNAインサートに、緊
    縮条件下でハイブリダイズする、核酸分子、 のうちのいずれかから選択される単離された核酸分子。 【請求項2】 (a)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7
    、SEQ ID NO:9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、S
    EQ ID NO:19、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ
    ID NO:29、SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ I
    D NO:39、SEQ ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID
    NO:56、SEQ ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71、又は、ATCCに受託番
    号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、
    98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、98994、又はPTA-3
    16として寄託されたプラスミドのDNAインサートのヌクレオチド配列、又はこ
    れらの相補体、を含む核酸分子、及び (b)SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10
    、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、
    SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SE
    Q ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ
    ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID
    NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のアミノ酸配列、又はATCCに受託番号
    98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、98
    946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、98994又はPTA-316と
    して寄託されたプラスミドのDNAインサートによってコードされたアミノ酸配
    列、を含むポリペプチドをコードする核酸分子、 のうちのいずれかから選択される、請求項1に記載された単離された核酸分子。 【請求項3】 ベクタ核酸配列をさらに含む、請求項1の核酸分子。 【請求項4】 異種のポリペプチドをコードする核酸配列をさらに含む、請求
    項1に記載の核酸分子。 【請求項5】 請求項1に記載の核酸分子を含有するホスト細胞。 【請求項6】 ほ乳類ホスト細胞である、請求項5に記載のホスト細胞。 【請求項7】 請求項1に記載の核酸分子を含有する、非ヒトほ乳類ホスト細
    胞。 【請求項8】 a)SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、
    SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SE
    Q ID NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ
    ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID
    NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID N
    O:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のアミノ酸配列、又はAT
    CCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、9894
    4、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、98994
    又はPTA-316として寄託されたプラスミドのDNAインサートによってコードさ
    れたアミノ酸配列、を含むポリペプチドの断片であって、SEQ ID NO:2、SEQ ID
    NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14
    、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、
    SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SE
    Q ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ
    ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、又はSE
    Q ID NO:72、又はATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、
    98942、98943、98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98
    991、98993、98994又はPTA-316として寄託されたプラスミドのDNAインサート
    によってコードされたアミノ酸配列、の少なくとも15個の連続したアミノ酸を
    含む、ポリペプチドの断片、 b)SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、
    SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SE
    Q ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ
    ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID
    NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID N
    O:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のアミノ酸配列、又はATCCに受託番号98
    936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、9894
    6、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、98994又はPTA-316とし
    て寄託されたプラスミドのDNAインサートによってコードされたアミノ酸配列
    、を含むポリペプチドの天然発生型対立遺伝子バリアントであって、前記ポリペ
    プチドが、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:
    9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19
    、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、
    SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SE
    Q ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ
    ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71、又は、ATCCに受託番号98936、989
    37、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、98946、98947
    、98948、98949、98950、98951、98991、98993、98994、又はPTA-316として寄託
    されたプラスミドのDNAインサート、を含む核酸分子に、緊縮条件下でハイブ
    リダイズする核酸分子によってコードされている、ポリペプチドの天然発生型対
    立遺伝子バリアント、 c)SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:9、S
    EQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19、SEQ
    ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、SEQ I
    D NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SEQ ID
    NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ ID NO
    :58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71、又は、ATCCに受託番号98936、98937、9
    8938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、98946、98947、989
    48、98949、98950、98951、98991、98993、98994、又はPTA-316として寄託され
    たプラスミドのDNAインサート、のヌクレオチド配列を含む核酸に対し、少な
    くとも60%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸分子によってコードされて
    いるポリペプチド、 d)SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、
    SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SE
    Q ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ
    ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID
    NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID N
    O:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のアミノ酸配列、又はATCCに受託番号98
    936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、9894
    6、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、98994又はPTA-316とし
    て寄託されたプラスミドのDNAインサートによってコードされたアミノ酸配列
    に、少なくとも60%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチド、 のうちのいずれかから選択される、単離されたポリペプチド。 【請求項9】 SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ
    ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID
    NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID N
    O:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:
    40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57
    、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のアミノ酸配列、又はATCCに
    受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、9
    8945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、98994又はP
    TA-316として寄託されたプラスミドのDNAインサートにコードされたアミノ酸
    配列、を含む、請求項8に記載された、単離されたポリペプチド。 【請求項10】 異種のアミノ酸配列をさらに含む、請求項8に記載のポリペ
    プチド。 【請求項11】 請求項8に記載のポリペプチドに特異的に結合する抗体。 【請求項12】 a)SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8
    、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、
    SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SE
    Q ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ
    ID NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID
    NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のアミノ酸配列、又は
    ATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98
    944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、9899
    4又はPTA-316として寄託されたプラスミドのDNAインサートによってコードさ
    れたアミノ酸配列、を含むポリペプチド、 b)SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、
    SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SE
    Q ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ
    ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID
    NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID N
    O:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のアミノ酸配列、又はATCCに受託番号98
    936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、9894
    6、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、98994又はPTA-316とし
    て寄託されたプラスミドのDNAインサートによってコードされたアミノ酸配列
    、を含むポリペプチドの断片であって、前記断片が、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4
    、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SE
    Q ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SEQ ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ
    ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID
    NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID N
    O:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID NO:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID
    NO:72、又はATCCに受託番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、9894
    2、98943、98944、98945、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991
    、98993、98994又はPTA-316として寄託されたプラスミドのDNAインサートに
    よってコードされたアミノ酸配列、の少なくとも15個の連続したアミノ酸を含
    む、断片、 c)SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:6、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:10、
    SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:18、SEQ ID NO:20、SE
    Q ID NO:22、SEQ ID NO:24、SEQ ID NO:26、SEQ ID NO:28、SEQ ID NO:30、SEQ
    ID NO:32、SEQ ID NO:34、SEQ ID NO:36、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:40、SEQ ID
    NO:49、SEQ ID NO:51、SEQ ID NO:53、SEQ ID NO:55、SEQ ID NO:57、SEQ ID N
    O:59、SEQ ID NO:70、又はSEQ ID NO:72のアミノ酸配列、又はATCCに受託番号98
    936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、98945、9894
    6、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、98994又はPTA-316とし
    て寄託されたプラスミドのDNAインサートによってコードされたアミノ酸配列
    、を含むポリペプチドの天然発生型対立遺伝子バリアントであって、前記ポリペ
    プチドが、SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:5、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:
    9、SEQ ID NO:11、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:19
    、SEQ ID NO:21、SEQ ID NO:23、SEQ ID NO:25、SEQ ID NO:27、SEQ ID NO:29、
    SEQ ID NO:31、SEQ ID NO:33、SEQ ID NO:35、SEQ ID NO:37、SEQ ID NO:39、SE
    Q ID NO:48、SEQ ID NO:50、SEQ ID NO:52、SEQ ID NO:54、SEQ ID NO:56、SEQ
    ID NO:58、SEQ ID NO:69、又はSEQ ID NO:71を含む核酸分子、又は、ATCCに受託
    番号98936、98937、98938、98939、98940、98941、98942、98943、98944、98945
    、98946、98947、98948、98949、98950、98951、98991、98993、98994、又はPTA
    -316として寄託されたプラスミドのDNAインサート、に、緊縮条件下でハイブ
    リダイズする核酸分子によってコードされている、天然発生型対立遺伝子バリア
    ント、 のうちのいずれかから選択されるポリペプチドを生成する方法であって、請求項
    5に記載されたホスト細胞を、前記核酸分子が発現するような条件下で培養する
    ステップを含む、方法。 【請求項13】 請求項8に記載されたポリペプチドの存在を試料中で検出す
    る方法であって、 a)前記試料を、前記ポリペプチドに特異的に結合する化合物に接触させるス
    テップと、 b)前記化合物が、前記試料中のポリペプチドに結合するかどうかを判定し、
    それによって、前記試料中の、請求項8に記載されたポリペプチドの存在を検出
    するステップと を含む、方法。 【請求項14】 前記ポリペプチドに結合する前記化合物が抗体である、請求
    項13に記載の方法。 【請求項15】 請求項8に記載のポリペプチドに特異的に結合する化合物と
    、使用に関する指示とを含むキット。 【請求項16】 請求項1に記載の核酸分子の存在を試料中で検出する方法で
    あって、 a)前記試料を、前記核酸分子に特異的にハイブリダイズする核酸プローブ又
    はプライマに接触させるステップと、 b)前記核酸プローブ又はプライマが、前記試料中の核酸分子に結合するかど
    うかを判定し、それによって、前記試料中の、請求項1に記載された核酸分子の
    存在を検出するステップと を含む、方法。 【請求項17】 前記試料がmRNA分子を含み、かつ、核酸プローブと接触せし
    められる、請求項16に記載の方法。 【請求項18】 請求項1に記載の核酸分子に特異的に結合する化合物と、使
    用に関する指示とを含むキット。 【請求項19】 請求項8に記載のポリペプチドに結合する化合物を同定する
    方法であって、 a)前記ポリペプチド、又は前記ポリペプチドを発現している細胞を、テスト
    化合物に接触させるステップと、 b)前記ポリペプチドが前記テスト化合物に結合するかどうかを判定するステ
    ップと を含む、方法。 【請求項20】 前記ポリペプチドへの前記テスト化合物の結合が、 a)テスト化合物/ポリペプチドの結合の直接検出による、結合を検出する方
    法、 b)競合結合検定を用いて、結合を検出する方法、及び c)PCIP活性の検定を用いて、結合を検出する方法 のうちのいずれかから選択される方法によって検出される、請求項19に記載の
    方法。 【請求項21】 前記ポリペプチド、又は前記ポリペプチドを発現している細
    胞を、前記ポリペプチドの活性を変調するのに充分な濃度で、前記ポリペプチド
    に結合する化合物に、接触させるステップを含む、請求項8に記載のポリペプチ
    ドの活性を変調する方法。 【請求項22】 請求項8に記載のポリペプチドの活性を変調する化合物を同
    定する方法であって、 a)請求項8に記載のポリペプチドを、テスト化合物に接触させるステップと
    、 b)前記ポリペプチドの活性に対する前記テスト化合物の影響を判定すること
    で、前記ポリペプチドの活性を変調する化合物を同定するステップと を含む、方法。 【請求項23】 異所性PCIP核酸発現又はPCIPたんぱく質活性を特徴とする障
    害を治療できる化合物を同定する方法であって、請求項1に記載のPCIP核酸分子
    の発現を変調する、又は、請求項8に記載のPCIPポリペプチドの活性を変調する
    上での、前記化合物又は作用薬の能力を検定し、ひいては、異所性PCIP核酸発現
    又はPCIPたんぱく質活性を特徴とする障害を治療できる化合物を同定するステッ
    プを含む、方法。 【請求項24】 前記障害がCNSの障害である、請求項23に記載の方法。 【請求項25】 前記障害がてんかんである、請求項24に記載の方法。 【請求項27】 前記障害が脊髄小脳失調である、請求項24に記載の方法。 【請求項28】 前記障害が心臓血管の障害である、請求項23に記載の方法
    。 【請求項29】 前記心臓血管の障害が、異常なIto電流に関連している、請
    求項28に記載の方法。 【請求項30】 一被験体に、異所性又は異常なPCIP核酸発現及び/又はPCIP
    たんぱく質活性を特徴とする障害の危険性があるかどうかを判定する方法であっ
    て、遺伝子の病変の存在又は非存在を、前記被験体から採った細胞試料中で検出
    するステップを含み、前記遺伝子の病変が、請求項8に記載のPCIPポリペプチド
    をコードする遺伝子の一体性を冒す変化、又は、請求項1に記載のPCIP核酸分子
    の誤発現、を特徴とする、方法。 【請求項31】 前記障害がCNSの障害である、請求項30に記載の方法。 【請求項32】 前記障害がてんかんである、請求項31に記載の方法。 【請求項33】 前記障害が脊髄小脳失調である、請求項31に記載の方法。 【請求項34】 前記障害が心臓血管の障害である、請求項30に記載の方法
    。 【請求項35】 前記心臓血管の障害が、異常なIto電流に関連している、請
    求項34に記載の方法。 【請求項36】 異所性又は異常なPCIP核酸発現及び/又はPCIPたんぱく質活
    性を特徴とする障害に罹患した被験体を明らかにする方法であって、前記被験体
    から生物試料を得るステップと、前記試料中で、遺伝子の病変の存在又は非存在
    を検出するステップとを含み、前記遺伝子の病変は、請求項8に記載のPCIPポリ
    ペプチドをコードする遺伝子の一体性を冒す変化、又は、請求項1に記載のPCIP
    核酸分子の誤発現、を特徴とするものであり、よって、異所性又は異常なPCIP核
    酸発現及び/又はPCIPたんぱく質活性を特徴とする障害に罹患した被験体を明ら
    かにする、方法。 【請求項37】 前記障害がCNSの障害である、請求項36に記載の方法。 【請求項38】 前記障害がてんかんである、請求項37に記載の方法。 【請求項39】 前記障害が脊髄小脳失調である、請求項37に記載の方法。 【請求項40】 前記障害が心臓血管の障害である、請求項36に記載の方法
    。 【請求項41】 前記心臓血管の障害が、異常なIto電流に関連している、請
    求項40に記載の方法。 【請求項42】 治療が起きるように、請求項8に記載のPCIPポリペプチド又
    はその部分を被験体に投与するステップを含む、カリウムチャンネル関連障害を
    有する被験体を治療する方法。 【請求項43】 前記障害がCNSの障害である、請求項42に記載の方法。 【請求項44】 前記障害がてんかんである、請求項43に記載の方法。 【請求項45】 前記障害が脊髄小脳失調である、請求項43に記載の方法。 【請求項46】 前記障害が心臓血管の障害である、請求項42に記載の方法
    。 【請求項47】 前記心臓血管の障害が、異常なIto電流に関連している、請
    求項46に記載の方法。 【請求項48】 治療が起きるように、請求項8に記載のPCIPポリペプチドを
    コードする核酸又はその部分を被験体に投与するステップを含む、カリウムチャ
    ンネル関連障害を有する被験体を治療する方法。 【請求項49】 前記障害がCNSの障害である、請求項48に記載の方法。 【請求項50】 前記障害がてんかんである、請求項49に記載の方法。 【請求項51】 前記障害が脊髄小脳失調である、請求項49に記載の方法。 【請求項52】 前記障害が心臓血管の障害である、請求項48に記載の方法
    。 【請求項53】 前記心臓血管の障害が、異常なIto電流に関連している、請
    求項52に記載の方法。 【請求項54】 カリウムチャンネル関連障害を治療するための、請求項23
    に記載の方法で同定された化合物の利用。
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