JP2002529759A - ポリマー組成物から製造される眼用レンズ本体 - Google Patents
ポリマー組成物から製造される眼用レンズ本体Info
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Abstract
Description
明は、眼用レンズ、好適には、表面粘着性が低下しかつアクリレート系および/
またはメタクリレート系ポリマー組成物から製造される眼内レンズに関する。
ている。眼内レンズは、損傷した天然水晶体や疾患を有する天然水晶体に代えて
、ヒトなどの哺乳類の眼内に外科手術によって移植し、患者の視力を回復させる
ことができる。
ら製造され、その材料として、屈折率1.49のポリメタクリル酸メチルなどが例示
される。しかし、近年、眼への用途において、以下の理由から、シリコーンなど
の柔軟で弾性のある材料の使用量が増大している。
よって、変形可能であるため、同じ屈折力を有する「ハード」眼内レンズの移植
の場合よりも、外科手術による眼の切開創(切れ目)は、より小さくすることが
できる。切開創が小さいため、患者の外傷は、より小さく、手術後の治癒も、よ
り迅速である。約3 mmの切開創が理想的である。なぜなら、通常の超音波白内障
手術(水晶体乳化手術)によって、天然水晶体を破砕、乳化して除去するには、
上記寸法の切開創が必要だからである。これに対し、代表的な眼内レンズ光学素
子の直径は、約6 mmである。
。当業者によく知られているように、移植を成功させるには、変形可能な眼内レ
ンズは、充分な構造的一体性と、充分な弾力性と、充分な伸長性と、変形によっ
て小さい切開創内を通過しうるに充分に小さい寸法とが必要である。もちろん、
眼内レンズは、挿入後に当初の形態に回復し、通常の使用条件下での形態を保持
するのに充分な構造的一体性を有することも必要である。
さくする必要がある。他方、レンズは、眼内レンズとして光学的に機能するには
、充分な光学的屈折力が必要である。また、眼内レンズ製造用材料の光学的屈折
率が大きければ大きいほど、より薄い眼内レンズでも、同じ光学的屈折力を得る
ことができる。
分に小さい寸法に変形して非常に小さい切開創内を通過させることが困難になっ
たり、取り扱うことが困難になるなどの問題がある。
ンズを開示する。このコポリマーは、室温で比較的硬質のホモポリマーを形成す
るメタクリル酸エステルと、室温で比較的軟質のホモポリマーを形成するアクリ
ル酸エステルとからなる。このコポリマーを、二アクリル酸エステルと架橋反応
させて、ある種のアクリレート材料を形成し、この材料は、好適には表面粘着性
低下作用を示すフルオロアクリレート由来の成分を含んでいる。しかしながら、
上記特許文献は、この文献に開示の特定のモノマーが、少なくとも約1.50の屈折
率を有するホモポリマーを形成することについて、開示も示唆もしていない。
、所望により親水性モノマー成分由来の成分を含んでいる。この成分は、コポリ
マー粘着性の低下に有効である。しかしながら、このような親水性成分は、コポ
リマー中に少量の水分を含ませるため、最終の眼内レンズ光学素子の屈折率低下
を引き起こすという、欠点を有している。
、この処理法によれば、ある種のアクリル系ポリマー、特に眼内レンズに有用な
ポリマーに伴う粘着性を減少することができる。しかしながら、このようなプラ
ズマ処理法を用いれば、付加的な製造工程を含むことになる。また、このような
プラズマ処理によって不均一な眼内レンズ表面が形成され、これにより、眼に問
題を引き起こす可能性が高い。
つ前記したような従来技術の欠点を示さずに粘着性が低下した構造材料からなる
眼用レンズを提供することが、有利であって、これが、本発明が解決しようとす
る課題である。
ンズ、例えば眼内レンズを提供する。本発明のポリマー材料は、ある種のモノマ
ーを組み合わせることによって製造され、かつ、光学的透明性および高い屈折率
に関して非常に有用な光学的特性を有することができ、しかも、この材料を用い
て、眼用レンズを形成することができる。例えば、本発明のポリマー材料を用い
れば、小さい外科切開創(好適には、最大横断方向寸法で約3 mmまたはそれ以下
のオーダーの切開創)内を通して挿入しうるような、効率的に変形可能で好適に
は折畳み可能な眼内レンズを形成することができる。重要な点は、本発明の組成
物および眼用レンズは、前記したような、フルオロアクリレート、親水性成分お
よびプラズマ処理を使用せずに、表面粘着性を低下できる点である。本発明によ
れば、本発明の組成物および眼用レンズ製造用のモノマー成分を選択することに
よって、これら組成物および眼用レンズの光学的透明性、屈折率、均質性、生体
適合性、変形可能性および製造コストに対し、殆どまたは全く悪影響を与えるこ
となく、表面粘着性の低下を達成することができる。本発明の組成物および眼用
レンズは、常法、例えば通常の重合法を用いて製造することができる。したがっ
て、本発明は、その実施が非常に効率的で容易であり、優れた特性を示すポリマ
ー材料および眼用レンズを製造することができる。
んでなる眼用レンズ本体を提供する。架橋ポリマー材料は、アクリレート、メタ
クリレートおよびそれらの混合物からなる群から選ばれる第1モノマー成分から
得られる第一成分を含む。第二成分も含み、これは、架橋ポリマー材料の架橋剤
として有効な量の第2モノマー成分から得られる。架橋ポリマー材料は、分岐鎖
アルキル基を、この分岐鎖アルキル基を有しない実質的に同じ架橋ポリマー材料
に比し、当該架橋ポリマー材料の粘着性を低下させるのに有効な量で有する。本
発明によれば、分岐鎖アルキル基を、例えば第1モノマー成分またはその一部に
含めると、意外にも、架橋ポリマー材料の表面粘着性を低下できることが、判明
した。したがって、この粘着性の低下は、フルオロアクリレートまたは親水性成
分の存在並びにポリマー材料に対する必要な処理、例えばプラズマ処理を要せず
に、達成することができる。
び角膜インレー)、コンタクトレンズおよび眼内レンズの光学素子並びに他の眼
用レンズボディの形態とすることができる。本発明の眼用レンズボディは、眼内
レンズ、特に変形可能な眼内レンズの光学素子として、特に有用である。変形可
能な眼内レンズは、その眼への挿入前に、丸め込み、折畳みまたは他の変形方法
で変形しうるように適合しているため、眼内レンズ光学素子は、比較的低い表面
粘着度を有し、これにより、眼への光学素子の挿入のための有効な変形および/
または眼における光学素子の当初形態への有効な回復を達成することが、重要で
ある。
ル基を意味する。したがって、アルキル基において、少なくとも1つの炭素原子
、好適には1またはそれ以上の炭素原子は、アルキル基の単一直鎖部分の状態で
存在するよりも、むしろ1またはそれ以上の分岐鎖の状態で存在する。また、シ
クロアルキル基も、分岐鎖アルキル基の定義に包含される。分岐鎖アルキル基は
、前記した機能を奏する限り、いずれの大きさであってもよい。好適には、分岐
鎖アルキル基は、約3〜約20の炭素原子、好適には約6〜約15の炭素原子を有する
ことができる。
架橋ポリマー材料に比し、当該架橋ポリマー材料の粘着性を低下させるのに有効
な量である。例えば、分岐鎖アルキル基を含む第1モノマー成分またはその一部
を使用することができる。ただし、本発明の架橋ポリマー材料は、全てのモノマ
ー成分を広範な割合で使用しうることを条件とする。好適には、分岐鎖アルキル
基を含むモノマー成分またはその一部は、架橋ポリマー材料の一成分であって、
この一成分は、架橋ポリマー材料を基準に、約1重量%またはそれ以下〜約50重
量%またはそれ以上、好適には約3重量%〜約25重量%の量で存在することがで
きる。
リレート、分岐鎖アルキル基含有メタクリレートおよびそれらの混合物からなる
群から選ばれる。本発明の好適な一具体例によれば、架橋ポリマー材料は、前記
した第1モノマー成分および第2モノマー成分以外の第3モノマー成分から得ら
れる第三成分を含むことができる。第3モノマー成分は、アクリレート、メタク
リレートおよびそれらの混合物からなる群から選ばれる。好適には、第1モノマ
ー成分は、分岐鎖アルキル基含有アクリレートおよびその混合物からなる群から
選ばれる。第3モノマー成分は、好適には、メタクリレートおよびその混合物か
らなる群から選ばれる。
ノマー成分の分岐鎖アルキル基と同じ炭素原子数の直鎖アルキル基を有するモノ
マー成分から得られる材料成分を、前記第一成分に代えて使用している以外は実
質的に同じ架橋ポリマー材料の粘着性よりも低下している。
高い屈折率の架橋ポリマー材料を使用することによって、比較的高い屈折力と、
約3.0 mmまたは約2.8 mmまたはそれ以下の強膜トンネル切開創を介し通過する能
力とを有するような眼用レンズ、特に眼内レンズを都合よく製造することができ
る。好適には、架橋ポリマー材料は、アリール含有基を、このアリール含有基を
有していない実質的に同じ架橋ポリマー材料の屈折率に比し、当該架橋ポリマー
材料の屈折率を増加させるのに有効な量で有する。本発明の特に好適な一具体例
によれば、第3モノマー成分が、アリール含有基を、以上のような架橋ポリマー
材料の屈折率を増加させるのに有効な量で有する。
以下のガラス転移点(Tg)を有する。眼内レンズ光学素子に関し、この好適なTg
範囲を有する架橋ポリマー材料は、室温または室温付近の温度で、折畳み法また
は他の変形方法によって変形して挿入することができる。
特徴が相互に矛盾しない限り、本発明の技術的範囲内である。
さらに詳しく説明する。図面において、同様な部分には、同様な参照番号を付し
た。
。架橋ポリマー材料は、異なるモノマー成分から得られる成分の組み合わせを含
んでなる。したがって、本発明の架橋ポリマー材料は、第一成分と、第二成分と
、所望により第三成分とを含んでなる。
びそれらの混合物からなる群から選ばれる第1モノマー成分から得られる。少な
くとも一部の第1モノマー成分は、好適には、分岐鎖アルキル基含有アクリレー
ト、分岐鎖アルキル基含有メタクリレートおよびそれらの混合物からなる群から
選ばれる。
有しない実質的に同じ架橋ポリマー材料に比し、当該架橋ポリマー材料の粘着性
を低下させるのに有効な量で有する。所望により、第1モノマー成分またはその
一部は、分岐鎖アルキル基を有する場合、好適には、当該分岐鎖アルキル基を、
粘着性を低下させるのに有効な量で有する。
はその一部は、架橋ポリマー材料の一成分を構成し、この一成分は、架橋ポリマ
ー材料全量を基準に、約1重量%またはそれ以下〜約50重量%またはそれ以上、
特に、約3〜約25重量%の量で存在することができる。
りも小さいガラス転移点を有する。
が挙げられる。 アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸2,2-
ジメチルプロピル、メタクリル酸2,2-ジメチルプロピル、アクリル酸トリメチル
シクロヘキシル、メタクリル酸トリメチルシクロヘキシル、アクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸イソペンチル、メタクリル酸イソペン
チルおよびそれらの混合物
て有効な量の第2モノマー成分から得られる。第2モノマー成分は、好適には、
多官能性を示すことができ、第1モノマー成分と、好適には第1モノマー成分お
よび第3モノマー成分の両成分と化学反応することができる。本発明の架橋ポリ
マー材料の第二成分は、当該材料に対し、所望の程度の形状記憶特性を付与する
のに充分な量で存在することができ、これにより、例えば、本発明の架橋ポリマ
ー材料から製造した眼内レンズを変形した形態から当初の形態に、ヒトの眼に存
在する条件下に妥当な期間の間に回復することができる。
よび第2モノマー成分よりも、少ない量で存在する。好適には、第2成分は、架
橋ポリマー材料において、当該材料を基準に、約1重量%未満の量で存在するこ
とができる。本発明の架橋ポリマー材料の第二成分は、架橋剤と見なすことがで
きる。この架橋性のモノマー成分は、しばしば多官能性の成分、好適には、第1
モノマー成分および第3モノマー成分の少なくとも1つの官能基と化学反応しう
る多官能性の成分から選択することができる。好適には、架橋性のモノマー成分
は、第1モノマー成分および第3モノマー成分の一方成分または両成分に伴う少
なくとも1つの官能基と化学反応しうように、選択することができる。
物質に制限されないが、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレン
グリコールジメタクリレート、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキルエス
テル、三官能性アクリレート、三官能性メタクリレート、四官能性アクリレート
、四官能性メタクリレートおよびそれらの混合物が挙げられる。
分および第2モノマー成分とは、異なった物質である。第3モノマー成分は、ア
クリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物からなる群から選ばれる。本
発明の架橋ポリマー材料の第三成分は、好適には、当該架橋ポリマー材料の一成
分として、当該架橋ポリマー材料を基準に、少なくとも約10重量%または約20重
量%の量、特に、多量な量(少なくとも約50重量%)で存在することができる。
本発明の好適な一具体例によれば、第三成分は、第3モノマー成分から得られ、
この第3モノマー成分のホモポリマーの屈折率は、少なくとも約1.50、好適には
、少なくとも約1.52または約1.54である。第3モノマー成分のホモポリマーは、
実質的に硬質である。
明の架橋ポリマー材料を基準に、好適には、少なくとも約80重量%、特に、少な
くとも約90重量%である。第1モノマー成分および第3モノマー成分は、好適に
は、これらモノマー成分の各々が他のモノマー成分と化学反応しうるように選択
することができる。
性および高い屈折率、例えば少なくとも約1.50、好適には、少なくとも約1.52ま
たは少なくとも約1.54の屈折率を有することができる。本発明の架橋ポリマー材
料の組み合わせ特性は、非常に有利であって、例えば、効率的に変形できかつ高
い屈折力を有する眼内レンズの製造を容易にすることができる。
実質的に完全に得られるようなポリマーを意味する。したがって、本発明のホモ
ポリマーには、対応するモノマー成分が、一義的、好適には、単一のモノマー成
分として包含される。少量の触媒、重合開始剤などを、通常の場合と同様に含む
ことができ、これにより、ホモポリマーの形成を容易にすることができる。加え
て、第1モノマー成分および第3モノマー成分の各成分のホモポリマーは、眼内
レンズ構造体として有用となるように、充分に高い重合度を有することができる
。
ーから製造される眼内レンズは、例えば、眼内レンズの変形によって眼の小さい
切開創を通過して挿入するために使用され特別な構造を有するシステムを用いて
も、変形することができない。第3モノマー成分からのホモポリマーは、剛性を
有するため、このようなホモポリマーから製造された眼内レンズは、変形により
小さい眼切開創に通して移植するために当該眼内レンズに力を加えても、変形、
破損および破壊などが起こらない。
重量%または少なくとも約20重量%、好適には、多量な量で存在させることがで
きる。第三成分製造用の第3モノマー成分は、この成分に関し本明細書に記載の
基準に適合するような化合物から選択することができる。好適には、この第3モ
ノマー成分は、本発明の架橋ポリマー材料に対し、第1モノマー成分からのホモ
ポリマーよりも高い屈折率を付与しうるように選択する。第3モノマー成分から
のホモポリマーは、好適には、その屈折率が少なくとも約1.50、より好適には、
少なくとも約1.52または少なくとも約1.54である。
アリール含有基を含むことを特徴とする。以下の理論に本発明が制限されること
を意図するものではないが、第3モノマー成分中にアリール含有基を存在させる
と、本発明の架橋ポリマー材料が好適にもより高い屈折率を有することを、少な
くとも促進させ、好適には、そのような高い屈折率を有することができるものと
、考えられる。第3モノマー成分が、1またはそれ以上のアリール含有基を有す
る場合、好適には、少なくとも第1モノマー成分、好適には、第1モノマー成分
および第3成分は、アリール含有基を含むことができない。この「屈折率の単一
制御」は、高い屈折率の架橋ポリマー材料を達成できる点で、非常に有効である
と共に、他のモノマー成分の選択によってフレキシブルな材料が可能となり、そ
の結果、屈折率以外の有利な特性、例えば効率的な変形/挿入が可能である眼内
レンズへの架橋ポリマー材料の変形特性を有する架橋ポリマー材料を得ることが
できる。
のに制限されないが、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸
フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸フェノキシアルキル、メタクリル
酸フェノキシアルキル、アクリル酸カルバゾール(ジベンゾピロール)、メタク
リル酸カルバゾール、アクリル酸ビフェニル、メタクリル酸ビフェニル、アクリ
ル酸ナフチル、メタクリル酸ナフチルおよびそれらの混合物が挙げられる。
するのに適合しかつ光学的に透明でしかも他の点で眼用レンズの構造材料として
の使用に適合した、架橋ポリマー材料が得られるように選択すべきである。本発
明の好適な一具体例によれば、第1、第2および第3モノマー成分は、各々、実
質的にシリコーンを含んでいないため、得られるコポリマーは、シリコーンポリ
マーではない。これらのモノマー成分は、得られる架橋ポリマー材料に対し、実
質的に悪影響を与えないような実質的に非干渉性の物質によって、置換すること
ができる。そのような置換物には、1またはそれ以上の元素、例えば酸素、窒素
、炭素、水素、ハロゲン、硫黄、リンなどおよびそれらの混合物および組み合わ
せが包含される。
たはそれ以下の温度である。このガラス転移点(Tg)は、本発明の架橋ポリマー
材料の一具体例として製造される眼内レンズ光学素子が、小さい眼切開創を通過
して挿入する前に、室温で、当該光学素子の変形(折畳み)の促進に有効である
。
、複数のモノマー成分を一緒に混合して、シート形態にキャスト成形し、高温、
例えば、約50〜約90℃の範囲に、約30分〜約8時間または約24時間またはそれ以
上の期間加熱して、重合反応を促進させる。触媒および/または重合開始剤、例
えばポリマーの重合分野で既知の物質から選択することができ、これらの物質を
モノマー混合物中に混和して、重合の反応速度を促進および/または増加させる
ことができる。重合開始剤の例として、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルペンタン
ニトリル)、2,2'-アゾビス(2-メチルプロパンニトリル)、2,2'-アゾビス(2-
メチルブタンニトリル)、過酸化物、例えば、過酸化ベンゾイル、紫外線重合開
始剤、例えば、ジエトキシアセトフェノンなどおよびそれらの混合物が挙げられ
る。
よびベンゾフェノン誘導体も、前駆体モノマー混合物中に含めることができる。
紫外線吸収性モノマー成分は、最終の架橋ポリマー材料内に重合して、この最終
の材料に対し、有効な紫外線吸収特性を付与することができる。
ー成分と第3モノマー成分とを一緒に混合して、製造することができる。この混
合物を充分にブレンドし、脱気し、例えば、約50〜約80℃の温度に加熱し、この
温度で、約15分〜約3時間保持する。得られた混合物を部分的重合反応に付し、
約25℃に冷却すると、粘稠な液体が得られる。
たは架橋性のモノマー成分並びに触媒および/または重合開始剤と、合すること
によって製造することができる。別法として、全てのモノマー成分および触媒お
よび/または重合開始剤を、一緒に合するかまたは混合することができる。粘稠
液体またはモノマー混合物を、充分にブレンドし、脱気し、金型内に注ぐ。金型
を、加熱、好適には、温度約40〜約100℃に加熱し、液体または混合物を、硬化
、好適には、約1〜約24時間硬化させる。次いで、金型の材料を、好適には温度
約70〜約130℃に、好適には約2〜約30時間所定の期間、後硬化させる。硬化およ
び後硬化ののち、金型を開いて、レンズ成形品を取り出す。
形成した架橋ポリマー材料を、円筒状レンズブランクに切断する。円筒状レンズ
ブランクを機械加工して、最終のレンズボディ、例えば、眼内レンズ光学素子を
製造する。機械加工には、低温(または極低温)におけるミリングおよびラッチ
ング(lathing)処理が包含される。
に延在する触覚器または固定部材28を備え、この固定部材28は、光学的に透明な
光学素子26に固定されている。別法として、光学素子および固定部材は、単一の
材料片から形成することができる。各触覚器28は、図示するように、その長さ方
向に沿って、実質的に均一な断面を有し、図示するように、滑らかに湾曲した領
域32と、中間レンズ結合領域34と、自由端部領域36とを備えている。図示した具
体例は、2つの対向触覚器28を備えているが、単一の触覚器および1またはそれ
以上の触覚器を光学素子に結合させた態様も、本発明に包含されるものと、理解
すべきである。
製造される。光学素子26は、通常の眼内レンズ光学素子成形法、例えば、射出成
形法、シートキャスト成形法およびボタン切断法などによって製造することがで
きる。別法として、モノマー成分を、まずチューブ内で混合し、次いでチューブ
内で硬化させる。得られたロッドを、次いでボタンに切断し、その後、眼内レン
ズ光学素子に、低温または極低温処理(cryolathe)することができる。
部材を含んでなり、この部材は、実質的に円形の断面を有しているが、所望によ
り、別の断面形態も、採用することができる。触覚器は、任意の形態をとること
ができるが、図示した触覚器28は、比較的薄く、フレキシブルであると共に、眼
内レンズ21を眼10内で支持するのに充分な強度を有する。触覚器28は、充分な支
持強度および弾性を示しかつ意図したインビボ環境で実質的に生体不活性を示す
ような材料であれば、いずれの材料であってもよい。この目的に適した材料とし
て、ポリマー材料、例えば、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリレート、2-ヒ
ドロキシメタクリレート、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリテトラフルオロエチ
レンなど、および金属、例えば、ステンレススチール、白金、チタン、タンタル
、形状記憶合金、ナイトナール(nitnal)などである。触覚器は、常法で製造す
ることができる。例えば、好適なポリマー製触覚器は、既知の熱可塑性ポリマー
成形法、例えば、射出成形法または押出成形法によって製造することができる。
の形態をとることができ、例えば、アンカー(anchoring)ループ、アンカーT構
造および他のアンカー構造などが例示され、これにより、従来法と同様に、光学
素子との機械的相互固着を達成することができる。
例えば、触覚器28のレンズ結合領域34を、光学素子26の形成に使用したモノマー
成分の混合物を充填した金型内に入れる。次いで、金型を、このモノマー混合物
から本発明の架橋ポリマー材料を形成するのに有効な条件、例えば、高温条件に
付す。レンズ結合領域34は、光学素子26に結合し、これにより、触覚器28の光学
素子への固定が達成される。別法として、触覚器28は、光学素子26に予め形成し
た凹部内に固定することができる。
を有することができる。光学素子26は、折り畳んで、長さ約3 mmの切開創に通し
てヒトの眼に挿入することができる。眼内レンズ21は、眼への挿入後、例えば、
約1秒または約20秒〜約3分間のオーダーの合理的な期間の経過ののちに当初の形
態に戻り、これにより、眼に容易に定位することができ、正常な状態では眼に存
在する天然水晶体の代用品として、実用的な長期間、使用することができる。
されるものではない。 実施例1 以下表1に示した物質をブレンドし、窒素で3分間パージし、次いで架橋ポリ
マー材料に硬化させた。
れた光学的透明性(透明度)および良好な機械的特性(低い表面粘着性または低
下した表面粘着性を含む)を有する。このコポリマーからなるロッドの直径は、
1 cmであって、このロッドを180度に折畳んだが、クラックを形成せずに、数秒
以内に当初の形態に戻った(35℃)。
0ジオプトリーの平凸レンズ(エッジ厚み0.305 mm、直径6.0 mm)を形成するた
め、光学素子の光学中心厚みを約0.737 mmとした。
対し、ポリメタクリル酸メチルを押出成形して製造した、2本の実質的に対向す
る触覚器(図1および図2、参照)を結合させた。得られた眼内レンズを、3 mmの
外科切開創に通して眼に挿入した。この挿入のために、眼内レンズを折畳んだ。
眼への挿入によって、眼内レンズは、1分未満の間に、当初の形態を回復し、こ
れにより、眼の所定の位置に固定した。自然治癒ののち、眼内レンズは、正常な
状態では眼に存在する天然水晶体の代用品として、眼において有効であって、使
用することができた。
で製造した架橋ポリマー(比較例4コポリマー)を製造し、シート形態にキャス
ト成形した。両者のコポリマーは、実施例1のコポリマーの製造法と同様な方法
で製造した。比較例4コポリマーの組成は、実施例1コポリマーの組成と実質的に
同じである。ただし、アクリル酸3,5,5-トリメチルヘキシルに代えて、アクリル
酸n-ノニルを使用した。
、一連のディスクを製造した。レンズ折畳み用の鉗子を用いて、これらのディス
クを半分に折畳んだ(角度180度)。折畳んだディスクを鉗子で30秒間保持した
後、ディスクを鉗子から、はずして、35℃の水を満たしたビーカー内に入れた。
ディスクが折畳んだ状態から解放しうるのに必要な期間を、「タック時間」とし
て記録した。また、ディスクが平らな形態または当初の形態に回復するのに必要
な期間を、「回復開放時間」として記録した。
低下したことが証明された。これら2つのコポリマーに関し、唯一の相違は、実
施例1コポリマーにおいて、分岐鎖アルキル基を含むモノマーとしてアクリル酸3
,5,5-トリメチルヘキシルが存在している点だけであるため、以上の結果から、
分岐鎖アルキル基を含むようなこのタイプのモノマーは、かかるモノマーから得
られる架橋コポリマーの粘着性、特に、かかるコポリマーを含む眼用レンズの粘
着性を低下させるのに、著しく有効であって、有利であることが判明した。
例に制限されるものではなく、種々の変形例も、本発明の技術的範囲に包含され
るものである。
Claims (20)
- 【請求項1】 架橋ポリマー材料を含んでなる眼用レンズ本体であって、 架橋ポリマー材料は、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物か
らなる群から選ばれる第1モノマー成分から得られる第一成分と、架橋ポリマー
材料の架橋剤として有効な量の第2モノマー成分から得られる第二成分とを含ん
でなり、 架橋ポリマー材料は、分岐鎖アルキル基を、この分岐鎖アルキル基を有しない
実質的に同じ架橋ポリマー材料に比し、当該架橋ポリマー材料の粘着性を低下さ
せるのに有効な量で有することを特徴とする眼用レンズ本体。 - 【請求項2】 角膜インプラント、コンタクトレンズおよび眼内レンズの光
学素子からなる群から選ばれる請求項1記載の眼用レンズ本体。 - 【請求項3】 眼内レンズの変形可能な光学素子である請求項1記載の眼用
レンズ本体。 - 【請求項4】 少なくとも一部の第1モノマー成分は、分岐鎖アルキル基を
含む請求項1記載の眼用レンズ本体。 - 【請求項5】 架橋ポリマー材料は、前記した第1モノマー成分および第2
モノマー成分を除く、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合物から
なる群から選ばれる第3モノマー成分から得られる第三成分を含んでなる請求項
1記載の眼用レンズ本体。 - 【請求項6】 架橋ポリマー材料は、前記した第1モノマー成分および第2
モノマー成分以外の第3モノマー成分から得られる第三成分を含んでなり、 この第3モノマー成分は、アクリレート、メタクリレートおよびそれらの混合
物からなる群から選ばれる請求項4記載の眼用レンズ本体。 - 【請求項7】 第1モノマー成分は、分岐鎖アルキル基含有アクリレートお
よびその混合物からなる群から選ばれ、 第3モノマー成分は、メタクリレートおよびその混合物からなる群から選ばれ
る請求項6記載の眼用レンズ本体。 - 【請求項8】 分岐鎖アルキル基は、炭素原子数3〜約20のアルキル基およ
びその混合物からなる群から選ばれる請求項1記載の眼用レンズ本体。 - 【請求項9】 分岐鎖アルキル基は、炭素原子数約6〜約15のアルキル基お
よびその混合物からなる群から選ばれる請求項1記載の眼用レンズ本体。 - 【請求項10】 架橋ポリマー材料は、少なくとも約1.50の屈折率を有する
請求項1記載の眼用レンズ本体。 - 【請求項11】 架橋ポリマー材料は、アリール含有基を、このアリール含
有基を有していない実質的に同じ架橋ポリマー材料の屈折率に比し、当該架橋ポ
リマー材料の屈折率を増加させるのに有効な量で有する請求項1記載の眼用レン
ズ本体。 - 【請求項12】 架橋ポリマー材料は、約22℃またはそれ以下のガラス転移
点を有する請求項1記載の眼用レンズ本体。 - 【請求項13】 実質的に均一である請求項1記載の眼用レンズ本体。
- 【請求項14】 架橋ポリマー材料は、当該架橋ポリマー材料の粘着性を低
下させるのに有効な親水性基を、実質的に含んでない請求項1記載の眼用レンズ
本体。 - 【請求項15】 少なくとも一部の第1モノマー成分は、次の物質からなる
群から選ばれる請求項1記載の眼用レンズ本体: アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、アクリル酸2,
2-ジメチルプロピル、メタクリル酸2,2-ジメチルプロピル、アクリル酸トリメチ
ルシクロヘキシル、メタクリル酸トリメチルシクロヘキシル、アクリル酸イソブ
チル、メタクリル酸イソブチル、アクリル酸イソペンチル、メタクリル酸イソペ
ンチルおよびそれらの混合物。 - 【請求項16】 第2モノマー成分は、次の物質からなる群から選ばれる請
求項1記載の眼用レンズ本体: テトラエチレングリコールジメタクリレート、アクリル酸アルキル、メタクリ
ル酸アルキル、三官能性アクリレート、三官能性メタクリレート、四官能性アク
リレート、四官能性メタクリレートおよびそれらの混合物。 - 【請求項17】 第3モノマー成分は、次の物質からなる群から選ばれる請
求項5記載の眼用レンズ本体: アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸フェニル、アクリル酸フェノキシアルキル、メタクリル酸フェノキシアルキ
ル、アクリル酸カルバゾール、メタクリル酸カルバゾール、アクリル酸ビフェニ
ル、メタクリル酸ビフェニル、アクリル酸ナフチル、メタクリル酸ナフチルおよ
びそれらの混合物。 - 【請求項18】 第一成分と、第二成分と、第三成分とを含む架橋ポリマー
材料を含んでなる組成物であって、 第一成分は、分岐鎖アルキル基含有アクリレート、分岐鎖アルキル基含有メタ
クリレートおよびそれらの混合物からなる群から選ばれる第1モノマー成分から
得られ、 第二成分は、架橋ポリマー材料の架橋剤として有効な量の第2モノマー成分か
ら得られ、 第三成分は、前記した第1モノマー成分および第2モノマー成分を除く、アク
リレート、メタクリレートおよびそれらの混合物からなる群から選ばれる第3モ
ノマー成分から得られ、 架橋ポリマー材料の粘着性は、前記第1モノマー成分の分岐鎖アルキル基と同
じ炭素原子数の直鎖アルキル基を有するモノマー成分から得られる材料成分を、
前記第一成分に代えて使用している以外は実質的に同じ架橋ポリマー材料の粘着
性よりも低下している ことを特徴とする組成物。 - 【請求項19】 第3モノマー成分は、アリール含有基を有し、 架橋ポリマー材料は、少なくとも約1.50の屈折率を有する請求項18記載の組成
物。 - 【請求項20】 変形させた状態で、哺乳類の眼の切開創に通して挿入する
のに適合しかつ適合した寸法を有する眼内レンズであって、 当該眼内レンズは、第一成分と、第二成分と、第三成分とを含む架橋ポリマー
材料を含んでなる架橋ポリマー材料を含んでなり、 第一成分は、分岐鎖アルキル基含有アクリレート、分岐鎖アルキル基含有メタ
クリレートおよびそれらの混合物からなる群から選ばれる第1モノマー成分から
得られ、 第二成分は、架橋ポリマー材料の架橋剤として有効な量の第2モノマー成分か
ら得られ、 第三成分は、前記した第1モノマー成分および第2モノマー成分以外の第3モ
ノマー成分から得られ、 第3成分のホモポリマーの屈折率は、少なくとも約1.50であり、 架橋ポリマー材料は、分岐鎖アルキル基を、この分岐鎖アルキル基を有してい
ない実質的に同じ架橋ポリマー材料の粘着性に比し、当該架橋ポリマー材料の粘
着性を低下させるのに有効な量で有する ことを特徴とする眼内レンズ。
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