JP2002529476A - 同種異系造血細胞移植を改良するための方法及び組成物 - Google Patents

同種異系造血細胞移植を改良するための方法及び組成物

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Abstract

(57)【要約】 同種異系造血系再構築細胞移植の受容体における対宿主性移植片病を抑制又は予防する方法であって、樹状突起脂肪の数が効果的に減少していることで対宿主性移植片病を抑制又は予防できるようになっている同種異系造血系再構築細胞を当該受容体に投与することを含んで成る方法を提供する。また、同種異系造血系再構築細胞移植の受容体の生存率を高める方法であって、樹状突起細胞の数が効果的に減少していることで対宿主性移植片病を抑制又は予防できるようになっている同種異系造血系再構築細胞を当該受容体に投与することを含んで成る方法を提供する。CD34+ 細胞選択及び樹状突起前駆細胞の除去を投与する造血系再構築細胞をその移植前に準備するためのカラムを開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明の分野は受容体とは遺伝的に相違するドナーからの同種異系造血系再構
築細胞の移植のための改良された方法にあり、その存在が移植受容体の生存率の
低下に関係するそして所定のドナー造血細胞タイプの除去を包含する。
【0002】 発明の背景 同種異系骨髄移植は血液及び血液形成細胞の様々な悪性及び遺伝的疾患の好適
な処置方法である。この治療法の幅広い適用は、その患者と遺伝的に関係し、そ
の血液細胞の表層上に同一の移植抗原を共有する適当な骨髄ドナーの獲得により
制約されている。患者の25%しか遺伝的に合致した有能なドナーである兄弟を
もたない。骨髄移植は、遺伝的に合致した遺伝的に無縁なドナー由来の骨髄(国
家登録を通じて同定)を用いることにより、又は患者の移植抗原とは6種のヒト
白血球抗原のうちの1〜3種が相異する移植抗原をもつ遺伝的に近縁する兄弟又
は親を用いることにより、適当な兄弟ドナーをもたない患者ヘと提供されうる。
しかしながら、抗原的にミスマッチした遺伝的に近縁する親もしくは兄弟、又は
遺伝的に合致した遺伝的に無縁のドナーを利用すると、致命的な対宿主性移植片
病(GvHD)及び/又は移植拒絶反応の傾向は、合致した兄弟ドナーについて
の20%から、合致はするが無縁のドナー及び患者の家族に由来する合致しない
ドナーの場合の50%へと高まってしまう。更に、無縁のドナーが6種の主要移
植抗原のうちの一つでしか合致しないと、移植拒絶反応及び/又は致命的なGv
HDの発症率は60%まで高まる。
【0003】 GvHDは有意な罹病率を有する疾患である。急性GvHDを発症する患者は
その皮膚表層のほとんどの覆う水疱、胃腸出血又は激症肝栓及び黄疸が発症する
ことがある。慢性GvHDを発症する患者は、関節拘縮及び皮膚潰瘍、脱毛及び
全身るいそう症候群へと結びつく強皮症を発症することがある。急性又は慢性G
vHDを有する患者は免疫抑制され、そしてAIDS患者で発症されるものと似
かよった生命を脅かす日和見感染症のおそれがある。
【0004】 現在、現況の移植技術はT細胞の枯褐を包含し、それはかかる細胞の除去が対
宿主性移植片反応の発症率の低下をもたらすことを示す研究に基づく。ドナーの
骨髄内のT細胞はいくつかの有用な技術の一つ、例えばCD3+ 細胞の除去、E
ロゼッティング、及びダイズ凝集素の使用を介して除去される。他方、同種異系
移植の臨床試験は、表層CD34マーカーの存在に基づく造血幹細胞についての
陽性選択によるドナー骨髄の富化を利用し、多くのT細胞を除去することで実施
されている。この試験において、CD34+ 選択の後にCD2+ 細胞を除去し、
T細胞及びナチュラルキー(NK)細胞の別の集団を枯褐させる(Clarke, E.,
Potter, M.N., Steward, C.G., Cornish, J.M., Marks, D., Oakhill, A., and
Pamphilon, D.H.1997 Blood 90 (10) Suppl.1;page 37A;Abst.No.1662;“Dou
ble T-cell depletion using sequential +/- immunoaffinity or CD34+ cell
selection followed by campath-M:Effect on CD34+ and progenitor cell rec
overy”;Bunjes, D., M.Wiesneth, S.Von Harsdorf, J.Duyster, T.Shreiner,
C.Duncker, B.Macari, B.Kubanek 1997 1997 Blood 90 (10) Suppl.1;page 103
4;Abst.No.454;“T cell depleted allogeneic PBSC transplants in 30 pati
ents with hematological malignancies:Benefits and Risks”)。現況のCD
34+ 選別装置では、平均して2〜3log のT−細胞枯渇が可能で:例えば、C
D34+ 選択移植片の典型的な移植は受容性の体重1kg当り2〜4×106 個の
CD34+ 細胞及び0.1〜0.5×106 個のCD3+(即ち、T細胞)を含み
うる。しかしながら、この処置でも、かかる患者はGvHD予防を必要とする。
【0005】 更に、合致した無縁のドナー又は合致していない兄弟ドナーから移植した骨髄
からのT細胞の除去はGvHDを抑制するが、それはこの患者による同種異系骨
髄移植片の拒絶反応の発生率の上昇にも関係ある。かくして、同種異系骨髄移植
片の中に存在するリンパ球、特にT細胞は抗原的及び遺伝的にミスマッチした受
容体内でのエングラフトメントを確実するのに重要である。同種異系移植片の中
に存在するT細胞は受容体内の残留癌細胞の排除においても重要な役割を果たす
(「対白血病移植片効果」と称される現象)。
【0006】 T細胞の投与の不利な効果を最少限にするため、WallerらはGvHD応答の不
在下でエングラフトメントを増強する非増殖性T細胞を投与した(米国特許第5
,800,539号)。別の臨床研究において、Aversaら(New Engl.J.Med.339
:1186-1193)はT細胞枯褐され(E−ロゼッティングを利用して)、その後C
D34+ 選別されたドナー末梢血液単核細胞の更なる投与を骨髄又は末梢血液単
核細胞から成る完全ハロタイプミスマッチドナー移植片を受容する受容体に施し
ている。
【0007】 従って、移植技術はヒトへの最初の有効な骨髄移植が行われた30年前から徐
々に進歩してきてはいるが、同種移植片を受容する患者はその他の合併症に加え
、移植片拒絶反応及び対宿主性移植片病により死亡し続けている。同種異系骨髄
移植のための最適な手順の開発の注目に値するニーズが残っている。
【0008】 本発明は、その存在が移植片生存率の低下に関係するドナー移植片における関
連細胞タイプのファミリーの発見に基づく。1又は複数種のこのような細胞タイ
プ(樹状突起細胞及び樹状突起前駆又は創始細胞(DCP)と称する)の除去は
受容体の同種異系移植の生存率を高める。
【0009】 発明の概要 本発明は同種異系造血系再構築細胞移植の受容体における対宿主性移植片病を
抑制又は予防する方法であって、樹状突起細胞の数が効果的に減少していること
で対宿主性移植片病を抑制又は予防できるようになっている同種異系造血系再構
築細胞を当該受容体に投与することを含んで成る方法を提供する。また、同種異
系造血系再構築細胞移植の受容体の生存率を高める方法であって、樹状突起細胞
の数が効果的に減少していることで受容体の生存率を高めるようになっている同
種異系造血系再構築細胞を当該受容体に投与することを含んで成る方法を提供す
る。本発明は更に、同種異系骨髄移植受容体の生存率を高める方法であって、当
該受容体に樹状突起前駆細胞の数が受容体の体重1kg当り0.25×106 個未
満で投与されるように同種異系造血系再構築細胞を投与することを含んで成る方
法を提供する。また、造血系再構築細胞をその移植前に準備するためのカラム系
であって、CD34に特異的に結合する抗体の結合した支持体を含む第一カラム
及び樹状突起前駆細胞上で発現される細胞表層マーカーに特異的に結合する抗体
の結合した支持体を含む第二カラムを含んで成り、ここで当該第一カラムは当該
造血系再構築細胞がこの第一カラムに通されるとCD34+ 細胞の少なくとも3
0%を吸着し、そしてこの第一カラムから遊離した吸着細胞画分を当該第二カラ
ムに通し、そして樹状突起前駆細胞の表層マーカーを発現する細胞が吸着させ、
かくして樹状突起前駆細胞の数を効果的に減少させる、カラム系を提供する。
【0010】 発明の詳細な説明 本発明は本明細書に含まれている下記の定義、特定の態様の詳細な説明及び実
施例を参照することで一層容易に理解できうる。
【0011】 定義 本明細書で用いる単数形は、それを用いる文脈に応じて複数形であることもあ
る。例えば、「細胞」とは1個の細胞又は複数個の細胞を意味しうる。
【0012】 本明細書でいう「樹状突起細胞」又は「DC」とは、細胞表層上の下記のマー
カーの1もしくは複数の発現により同定される成熟抗原提示細胞を意味するか、
又は以降に定義する樹状突起前駆細胞を意味するか、又はその両者を意味する:
CD1a,CD1b及びCD1c,CD4,CD11c,CD33,CD40,
CD80,CD86,CD83及びHLA−DR。
【0013】 「樹状突起前駆細胞」、「樹状突起創始細胞」又は「DCP」は本明細書で同
義に用い、それは細胞表層上に下記のマーカーの1又は複数を発現することによ
り同定される造血細胞を意味する:CD123,CD45RA,CD36及びC
D4。
【0014】 「効果的に減少した」とは、造血系再構築細胞同種移植片内のDC及び/又は
DCPの数が下記の式を満足するほどに減少していることを意味する: 〔CD34+ 細胞の数〕−2×〔DC/DCPの数〕≧1.5×106 細胞/
受容体体重1kg
【0015】 「造血系再構築細胞」とは、分裂して血液の形成細胞要素の全てを含む子孫を
産生できる能力をもつ細胞、好ましくはヒト細胞の集団を意味する。造血系再構
築細胞の起源には骨髄(胎児及び成人の双方)及び末梢血液単核細胞(PBMC
)が含まれる。
【0016】 「ドナー」又は「ドナー起源」とは、造血系再構築細胞を本来取り出すことの
できる天然資源である動物、好ましくはヒトを意味する。
【0017】 「受容体」とは、造血系再構築細胞を移植する動物、典型的にはヒトを意味す
る。
【0018】 「同種異系」とは、その受容体が造血系再構築細胞の取り出された天然資源で
はないことを意味する。
【0019】 「移植片」及び「同種移植片」は本明細書では同義で用いており、そして受容
体へと移植される造血系再構築細胞を意味する。
【0020】 詳細な説明 本発明は同種異系造血系再構築細胞移植の受容体の生存率を高める方法であっ
て、樹状突起細胞の数が効果的に減少している同種異系造血系再構築細胞を当該
受容体に投与することを含んで成る方法を提供する。即ち、移植片内のCD34 + 細胞数、対、DC数は下記の式に従う: 〔CD34+ 細胞数〕−2×〔DC数〕≧1.5×106 細胞/受容体体重1
kg
【0021】 一の態様において、同種異系造血系再構築細胞移植の受容体の生存率を高める
方法は、樹状突起細胞の数が効果的に減少している同種異系造血系再構築細胞を
当該受容体に投与することを含んで成る。即ち、移植片内のCD34+ 細胞数、
対、DC数は下記の式に従う: 〔CD34+ 細胞数〕−2×〔DCP数〕≧1.5×106 細胞/受容体体重
1kg
【0022】 効果的に減少した移植片を反映するCD34+ 細胞及びDCPの代表的な組合
せを表1に示す。
【0023】 表1.本発明の移植片内の細胞の数 CD34+ 細胞数* DCP数* df値* 4.73 0.02 4.69 4.4 1.4 1.6 2.7 0.5 1.6 1.9 0.15 1.6 2.38 0.3 1.77 3.34 0.04 3.27 ──────────────────────────── *x106 /受容体体重1kg(df=差関数)
【0024】 理論に拘束されるわけではないが、同種移植片からの樹状突起細胞の除去は対
宿主性移植片病を抑制、そしておそらくは予防できると信じられている。従って
、別の態様において、本発明は同種異系造血系再構築細胞移植の受容体における
GvHDを抑制又は予防する方法であって、樹状突起細胞の数が効果的に減少し
た同種異系造血系再構築細胞を当該受容体に投与することを含んで成る方法を提
供する。別の態様において、同種異系造血系再構築細胞移植受容体におけるGv
HDを抑制又は予防する方法は樹状突起前駆細胞(DCP)の数が効果的に減少
した同種異系造系血系再構築細胞を投与することを含んで成る。特定の態様にお
いて、本発明は同種異系骨髄移植受容体における対宿主性移植片病を抑制又は予
防する方法であって、当該受容体に樹状突起前駆細胞の数が受容体の体重1kg当
り0.25×106 個未満で投与されるように同種異系造血系再構築細胞を投与
することを含んで成る方法を提供する。
【0025】 一の態様において、移植する造血系再構築細胞はCD34+ 表現型、即ち、C
D34細胞表層マーカーの発現について陽性的に選択されたものとする。「陽性
的に選択」とは、CD34タンパク質を発現する細胞が当業界周知の方法、例え
ば蛍光活性化セルソーティング又は免疫磁性クロマトグラフィーにより集められ
たことを意味し、本明細書における実施例及びその中の引用文献に記載されてい
る。CD34+ 造血系再構築細胞の陽性選択は造血系再構築細胞からの樹状突起
細胞の枯渇又は除去の前後に実施してよい。
【0026】 本発明の方法は造血系再構築細胞を移植するためのその他の方法及び処理と組
合せて利用してよい。例えば、本明細書において開示する方法はWallerら(米国
特許第5,800,539号)の同種異系造血細胞移植を改善するエングラフメ
ントを増強する非増殖T細胞の投与を含んで成る方法と組合せて用いてよい。他
方、又は非増殖T細胞の投与を含んで成るWallerらの方法との更なる組合せにお
いて、本発明の方法は同種異系造血細胞移植を改善するT細胞の枯渇した、CD
34+ ドナー末梢血液単核細胞の追加の投与を施すことを含んで成るAversaら(
New Engl.J.Med.339:1186-1193)により発表の方法を組合せ用いてよい。
【0027】 本発明の効果は、本発明の方法に従って造血系再構築細胞の移植された受容体
のグループにおける、このような方法に従わずに造血系再構築細胞の移植された
受容体のグループと比較しての、例えば移植後2又は3年生存した生存者の数の
増大により実証されうる。対宿主性移植片病を抑制又は予防するうえでの本発明
の効果は、臨床医に周知の臨床指数の値、例えば完全エングラフメントまでの時
間、又は移植不良の発生率の低下を測定することにより臨床環境で決定されうる
【0028】樹状突起細胞及び樹状突起前駆細胞のマーカー 樹状突起細胞(DC)は免疫反応の開始において重要な抗原提示細胞である。
in vitro培養及び特性決定に基づき、DCはおそらくは単独家系に由来する関連
細胞タイプのファミリーであると考えられる。DCの前駆細胞(DCP)は現在
多くの組織、例えば骨髄及び血液において、所定の細胞表層マーカーの発現に基
づき同定できうる。前駆細胞の1のタイプであるランゲルハンス細胞が表皮にお
いて見い出せる。ランゲルハンス細胞についての研究は、これらの未熟前駆細胞
が抗原取り込みを行うことができるが、成熟DCへと分化するまでT細胞を刺激
する有意な能力を発揮しないことを樹立した。
【0029】 樹状突起細胞ファミリーの所定の細胞タイプを規定するのに有用な様々なマー
カーが同定されている。例えば、成熟樹状突起細胞の表層上に発現されるマーカ
ーにはCD1a,CDllc,DEC−205,CD4,CD33,CD40,
CD80,CD83及びCD86が挙げられうる。典型的には、下記のマーカー
は成熟樹状突起細胞の表層では認められない:CD20,CD3,CD14,C
D16,CD2,CD45RA,CD56及びCD19。樹状突起前駆細胞上に
存在する細胞表層マーカーにはCD4,CD45RA,CD34,CD10,C
D123及びCD36が挙げられ、一方下記のマーカーは樹状突起前駆細胞の表
層上では認められない:CD11c,CD1a,CD8,CD40,CD80,
CD83及びCD86(例えばCauxらIntl.immunology 1994 6 (8):1177-1185
;SteptoeらJ.Immunology 1997 159:5483-5491;Grouardら(J.Exp.Med.1997 1
85 (6):1101-1111;O'DohertyらImmunology 1994 82:487-493;GalyらJ.immun
otherapy 1998 21 (2):132-141;StrunkらJ.Exp.Med.1997 185 (6):1131-1136
;OlweusらProc.Natl.Acad.Sci.USA 1994 94:12551-12556;PrignanoらIntl.J.
Dermatol.1998 37:116-119)を参照のこと。このようなマーカーの適切な利用
により、樹状突起細胞は樹状突起前記細胞と区別できる。
【0030】造血系再構築細胞におけるDC及び/又はDCPの除去及び/又はその数の減少 のための方法 造血系再構築細胞からの樹状突起細胞及び/又は樹状突起前駆細胞の除去は、
当業界周知の細胞選別及び回収技術(例えば、Olweus, Jら、1997 Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 94:12551-12556)、例えば限定することなく蛍光活性化セルソーデ
ィング(FACS)及び免疫磁性クロマトグラフィーを利用する様々なプロトコ
ールにより成し遂げることができる。
【0031】 例えば、造血系再構築細胞からDCを除去するには、まず造血系再構築細胞を
成熟樹状突起細胞マーカー、即ち、CD1a,CD11c,DEC−205,C
D4,CD33,CD40,CD80,CD83及びCD86のいずれかに特異
的に結合する蛍光ラベル化、例えばFITC−ラベル化抗体と接触させ、次いで
蛍光活性化フローサイトメトリーにかける。四次10進対数プロット(four dec
ade logarithmic plot)上で第二10進数(second decade)を超えるFITC
シグナルを示す細胞を除去し、CD34+ 細胞等の明るくない細胞を移植に使用
するために回収する。
【0032】 DCPの除去のために採用するプロトコールの全体的な目標は、典型的な単球
集団よりもFACS(蛍光活性化セルソーティング)において低い横分散(side
-scatter)を有することで更に特性決定されるCD3- ,CD4+ ,CD8-
現型を有する細胞集団の除去にある。しかしながら、この集団は、下記に詳細な
通り、多種多様な表現型マーカーに基づき同定及び除去できる。
【0033】 DCPの数を効果的に減少させる一のプロトコールはCD123+ 細胞の除去
にあり、CD123表層タンパク質はインターロイキン3(IL−3)レセプタ
ー(IL−3R−α)のアルファー鎖である。例えば、常磁性ビーズに結合した
CD123(Phar Mingen/Becton-Dickinson, San Diego, CA)に特異的に結合
する抗体を造血系再構築細胞と約50:1のビーズ、対、標的細胞比で接触させ
、しかる後に磁石又は磁化材料を利用してビーズを造血系再構築細胞から除去す
ることができる。別の態様において、CD123に特異的に結合する抗体を固定
化支持体に結合させ、そして造血系再構築細胞をこの支持体に通し、溶出する細
胞はDCP枯渇している。別の態様において、DCPはIL−3R−α/CD1
23タンパク質と蛍光ラベル化モノクローナル抗体との結合により蛍光活性化セ
ルソーティングにより除去できる。このような態様において、移植に利用する得
られる造血系再構築細胞はCD123を発現しないが、CD34+ 細胞を含む。
【0034】 DCPは細胞表層上のCD4タンパク質の存在に基づき造血系再構築細胞から
除去することもできる。特定の態様において、蛍光ラベル化抗CD4抗体を造血
系再構築細胞に付加する。この造血系再構築細胞を蛍光活性化フローサイトメト
リーにかけ、そしてCD4シグナルが四次10進対数プロット上の第二10進数
を超えている細胞を除去し、CD4を発現しないCD34+ 細胞等の細胞を回収
する。
【0035】 同様にして、樹状突起細胞及び/又は樹状突起前駆細胞を除去するのに有用な
その他のリガンドを常磁性ビーズに結合させ、それを造血系再構築細胞と接触さ
せ、次いでそのビーズを磁石を介して除去する。リガンドは細胞表層タンパク質
と結合する任意の分子であってよい。例えば、リガンドは抗体、サイトカイン又
はホルモンであってよい。リガンド抗体はポリクローナル又はモノクローナルで
あってよく、そして当業界周知の方法により製造できる。
【0036】 他方、このリガンドを支持体に結合させ、その上に造血系再構築細胞を通し、
そして未結合の細胞を集めてよい。別の態様において、このリガンドを蛍光ラベ
ルに接合させ、蛍光活性化サイトメトリーによる選別を介して造血系再構築細胞
からラベル化細胞を除去する。このようなプロトコールの全ての結果物はDC/
DCP−枯渇造血系再構築細胞である。抗CD123又は抗−CD4に加え、本
発明においてDCPを除去するのに有用なその他のリガンドはCD45RA抗体
及びCD36抗体である。本発明の任意のリガンドを組合せて、又は単独で使用
して、樹状突起細胞集団の効果的に減少した造血系再構築細胞を獲得することが
できる。
【0037】 他方、CD123表層タンパク質のリガンドとしてのIL−3はそれ自体造血
系再構築細胞からDCPを除去するために用いることができる。IL−3を抗体
リガンドについて前述のようにカラムに結合させるか又は常磁性ビーズに結合さ
せ、移植片からDCPを除去することができる。別の態様において、IL−3を
毒素成分に接合させ、そして造血系再構築細胞とインキュベーションする。IL
−3毒素成分接合体はDCPの表層上のIL3R−αと結合し、そして細胞の中
に取り込まれ、細胞はこの毒素成分により殺される。かくして、DCPは選択細
胞撲滅により造血系再構築細胞から排除される。ヒト細胞にとって毒性であり、
且つIL−3に共有結合させることのできる任意の成分を使用することができる
;毒素成分の例には、限定することなく、ジフテリア毒素、リシン及び百日咳毒
素、並びに当業界公知の任意のその他の毒素が挙げられる。
【0038】 DC/DCPの除去のためのこれらの技術の任意の1又は組合せを採用し、造
血系再構築細胞の同種移植片のDC/DCPの数を効果的に減少させることがで
きる。例えば、同種移植片は上記の1又は複数の技術により処理してCD4+
びCD123+ 細胞を除去することができる。他方、同種移植片は下記の組合せ
の任意のいずれかを除去するように処理することができる:CD123+ 及びC
D45RA+ 細胞;CD123+ 及びCD36+ 細胞;CD45RA+ 及びCD
36+ 細胞;CD123+ ,CD4+ 及びCD45RA+ 細胞;CD123+
CD4+ 及びCD36+ ;又はCD4+ ,CD123+ ,CD45RA+ 及びC
D36+ 細胞。特定の態様において、同種移植片はまずその表層上でCD34マ
ーカーを発現する細胞について陽性選択し、そしてかかるCD34陽性選択細胞
を次に処理して下記の組合せの任意の1つにおける細胞表層タンパク質を発現す
る細胞を除去する:CD123+ 及びCD45RA+ 細胞;CD4+ 及びCD1
23+ 細胞;CD123+ 及びCD36+ 細胞;CD45RA+ 及びCD36+
細胞;CD123+ ,CD4+ 及びCD45RA+ 細胞;CD123+ ,CD4 + 及びCD36+ ;又はCD4+ ,CD123+ ,CD45RA+ 及びCD36 + 細胞。
【0039】 DCP除去のための上記の技術のいずれかを利用し、本発明は樹状突起前駆細
胞の数が効果的に減少した造血系再構築細胞を含んで成る造血系再構築細胞の移
植を必要とする受容体への移植に適当な組成物を提供する。
【0040】 本発明は更に、移植片内のDCPの数が効果的に減少した、造血系再構築細胞
をその移植前に準備するためのカラム及びカラム系である。例えば、二重カラム
系を提供する。それはCD34に特異的に結合する抗体の結合した支持体を含む
第一カラム及び樹状突起前駆細胞上で発現される細胞表層マーカーに特異的に結
合する抗体の結合した支持体を含む第二カラムを含んで成り、ここでこの第一カ
ラムはCD34+ 細胞の少なくとも30%を吸着する。この第一カラムから(例
えば撹拌により)遊離した吸着CD34+ 細胞を第二カラムに通すが、そのカラ
ムはDCPの表層マーカーを発現する細胞を吸着するのに十分な結合抗体を含ん
でおり、かくして第二カラムの溶出(通過)画分内のDCPの数は効果的に減少
している。特定の態様において、この二重カラム系により処理した後の移植片の
細胞含有物は受容体の体重1kg当り少なくとも2×106 個のCD34+ 細胞及
び0.25×106 個未満のDCPを含む。
【0041】 別の態様において、DCPの数が効果的に減少した造血系再構築細胞をその移
植前に準備するためのカラムは、下記の群から成る組合せ群から選ばれた細胞表
層マーカーの組合せに対して特異的に結合する抗体の結合した支持体を含んで成
る:CD4及びCD123;CD123及びCD45RA;CD123及びCD
36;CD45RA及びCD36;CD123,CD4及びCD45RA;CD
123,CD4及びCD36;又はCD4,CD123,CD45RA及びCD
36。特定の態様において、このカラムはDCP上の細胞表層マーカーに対して
十分な抗体を含み、かくして造血系再構築細胞内のDCPの数は受容体の体重1
kg当り0.25×106 DCP未満となる。
【0042】 実施例 実施例1.移植患者の調査 HLAの合致した兄弟ドナー由来の非T細胞枯渇同種異系骨髄移植を受けた1
04人の患者の移植片又は同種移植片特性の統計学的調査を実施した。これらの
患者の移植前状況は下記の通りである:ブスルファン系処置(n=89)、シク
ロホスファミドによる全身照射(n=10)、及びシクロホスファミド(n=5
)。移植片内の細胞の総数は平均して受容体の体重1kg当り3×108 細胞とし
た。CD34+ 細胞の数は生存率の向上に相関した(総生存者についてはp=0
.0004、そして無疾患生存者についてはp=0.001)。更に、CD3-
,CD4+(hi) ,CD8- 低横散乱を特徴とする移植片内の細胞集団(ここでは
DCPと称す)を定量し、そして移植片内のかかる細胞の数は全生存率(OS)
及び無疾患生存率(DFS,p=0.005)と負の相関を有した。この調査で
、ドナーの年齢及び性別、CFU−GM(体重1kg当り0〜41×104 の範囲
)、総CFU(体重1kg当り4〜282×104 の範囲)、並びにT−細胞サブ
セット、NK細胞、B−細胞及び単球の相対数は任意の多変数モデルにおける有
意義な変数とはならなかった。
【0043】 かくして、CD34+ 細胞の数及び移植片内のDCPの数に基づく単純な数学
的関係(差関数、df)が下記の通りに記述できる:df=(CD34+ 細胞の
数)−2×(DCPの数)。dfについて受容体体重1kg当り1.5×106
域値はこれらの患者を2つのグループに分けた:移植片が受容体体重1kg当り1
.5×106 以上のdfを有する患者は3年目に67%のDFSを有し、それと
比べdfが受容体体重1kg当り1.5×106 未満の移植片を有する患者につい
てはDFSは34%であった。
【0044】 実施例2.選択した幹細胞の移植 ドナー起源 :HLA合致した又は非HLA合致ドナーから回収した骨髄又は末梢
血液幹細胞(PBSC)。
【0045】ドナーPBSCの回収 :PBSCを動員させるため、G−CSFを白血球搬出が
完了するまで毎日投与する。ドナーに、ドナーの実際の体重に基づきG−CSF
を10μg/kg/日で皮下受容させる。動員及び白血球搬出の間、ドナーの補助
看護についての制定規準を維持すべきである。PBSCを白血球搬出を介して集
める。白血球搬出は制定規準方法に従い、連続フロー分離装置で実施されるであ
ろう。各白血球搬出回収の終点は最少12リットルの全血の処理又は4時間の白
血球搬出のいずれかであろう。白血球搬出はドナーG−CSF治療の5+ 目に開
始し、そして受容体の実際の体重のkg当り2×106 CD34+ 細胞の標的が得
られるまで(処理後)毎日実施する(最大4日の白血球搬出)であろう。アフェ
レーシスを続けるかどうかを決定するためのCD34+ 細胞数は毎日行うフロー
サイトメトリーアッセイに基づくであろう。
【0046】ドナー細胞の調製 :骨髄又はPBSCは免疫磁性吸収細胞分離系、例えばIsolex
300システム(Baxter Immunotherapy, Irvine, CAを用い、公開のプロトコール
(例えばKvalheim G, Pharo A, Holte HらThe use of immunomagnetic beads an
d Isolex 300 gives high purity and yield of CD34+ cells from peripheral
blood progenitor cell products.Bone Marrow Transplant 1996;17 (suppl 1)
:S57;及びCancelas JA, Canais C, Querol SらCD34+ cell transplantation f
rom mobilized peripheral blood by immunomagnetic adsorption in breast ca
ncer patients.Bone Marrow Transplant 1996;17 suppl 1):S32)に従い選別
するか、又は完全自動操作である次世代Isolex 300iシステムを用い、公開のプ
ロトコール(Report Series 8, Initial Performance of Automated Isolex 300
i System in Multicenter International clinical Trials.I.Purity)に従って
選別する。これらの装置は77〜93%の平均純度範囲の最終移植片をもたらし
、選択後の細胞カウント数は1.1〜6.4×106 CD34+ 細胞1kgである
。移植片の更なるアリコートを適宜更なる点滴のために液体窒素の気相で冷凍保
存する。
【0047】 CD34+ 選択移植片を次に処理してDCPを除去する(下記実施例3参照の
こと)。受容体体重1kg当り少なくとも2×106 CD34+ 細胞及び0.25
×106 未満のDCPを含む得られるCD34+ 、DCP枯渇移植片を受容体に
点滴する。この移植片の更なるアリコートを適宜更なる点滴のために液体窒素の
気相で冷凍保存する。
【0048】ドナー細胞の移植 :上記の通りに調製したドナー細胞を中央静脈カテーテル(典
型的には胸部で)を介し、かかる移植を必要とする患者に投与する。かかるドナ
ー細胞を受容した患者はドナー細胞の点滴の1〜2日前にプレコンディショニン
グ処置を受けることがある。かかるプレコンディショニング処置はフルダラビン
、チオテパ、シクロホスファミド及びT細胞を枯渇させるための抗体の如き免疫
抑制治療との組合せにおける全身照射又はブスルファンのいずれかであろう。
【0049】 実施例3.セルソーティング セルソーティングの一般プロトコール 細胞をFITC接合CD34特異的モノクローナル抗体及びCD4,CD12
3,CD36又はCD45RAを認識するPE接合モノクローナル抗体(Becton
-Dickinson, San Jose, CA)を用いて染色する。直接接合アイソタイプー合致し
た無縁の抗体をコントロールとして使う。細胞を2%v/vの自系ヒト血漿又は
1%のヒト血清アルブミンを含むHank緩衝食塩水養液(HBSS, Mediatech, H
erndon, VA)から成る染色バッファーの中で4℃で30分かけて染色した。過剰
の抗体は10容量の染色バッファーによる希釈、しかる後の500×gでの遠心
分離により除去した。染色した細胞を直ちにFACSCANフローサイトメータ
ー(BDIS, San Jose, CA)を利用して分析するか、又はFACSVANTAGE
セルソーター(BDIS, San Jose, CA)を用いて無菌選別した。生存者核細胞に適
当な前方及び横散乱ゲートを利用し、List-modeデーターを獲得した。データー
分析はCellQuest(商標)又はLYSIS-IIソフトウェア(BDIS, San Jose, CA)を
用いて実施した。CD34+ DCP- 細胞は、対角選別ゲートがCD34発現細
胞を含み(FITC−陽性事象)、そしてDCPマーカー発現細胞を排除する(
PE−陽性事象)ように設定し、そしてCD34+ DCP- 細胞と無菌チューブ
の中で回収することにより選別した。
【0050】 実施例4.単離したDCPの特性決定 樹状突起細胞を磁性カラム分離により、リンパ球、顆粒球又は単球マーカーを
発現する系統陽細胞を吸収(枯渇)させるため、Miltenyi Biotec MACSシステム
を用い、骨髄から単離及び精製して(即ち、系統-)。CD123−PE及びCD
11c−APCを利用する系統- 集団のその後のセルソーティング(FACS Vanta
ge System、ターボソートオプション付き、第一Enterprise 488アルゴンレーザ
ー及び第二ダイレーザー使用)は、細胞表層上のこれら2種類の抗原の発現パタ
ーンに基づき2通りの樹状突起細胞の集団を示した:CD11c+ 及びCD12
- であるDC1、並びにCD123+ 及びCD11c- であるDCP2。これ
らの2種類のサブタイプの更なる分析は、DCP2集団が補助刺激分子CD80
,CD86及びCD40を発現できず、一方DCI集団はこれらのマーカーの発
現を示すことを示した。ここで論ずる通り、これらの3つのマーカーは成熟樹状
突起細胞では発現されるが、樹状突起前駆細胞上では発現されないことが知られ
ている。樹状突起前駆細胞について本明細書で開示する2つの分析方法、即ち、
一の方法としてCD4+ /CD3- 横下散乱及び第二の方法としてのCD11c - /CD123+ 間の相関を示す散乱プロットは優れた相関を示し(係数=0.
82)、これらのマーカーが同じ細胞集団を特定することが確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/06 C12R 1:91) //(C12N 5/06 C12N 5/00 E C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B029 AA09 BB11 CC01 HA10 4B065 AA93X AC12 AC20 BA24 BD14 CA44 4C087 AA01 AA02 AA04 BB44 CA21 DA07 MA66 NA06 NA07 ZA51 ZB21

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同種異系造血系再構築細胞移植の受容体における対宿主性移
    植片病を抑制又は予防する方法であって、樹状突起細胞の数が効果的に減少して
    いることで対宿主性移植片病を抑制又は予防できるようになっている同種異系造
    血系再構築細胞を当該受容体に投与することを含んで成る方法。
  2. 【請求項2】 前記樹状突起細胞が樹状突起前駆細胞である、請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 同種異系造血系再構築細胞移植の受容体の生存率を高める方
    法であって、樹状突起細胞の数が効果的に減少していることで受容体の生存率を
    高めるようになっている同種異系造血系再構築細胞を当該受容体に投与すること
    を含んで成る方法。
  4. 【請求項4】 前記樹状突起細胞が樹状突起前駆細胞である、請求項3記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 同種異系骨髄移植受容体における対宿主移植片病を抑制又は
    予防する方法であって、当該受容体に樹状突起前駆細胞の数が受容体の体重1kg
    当り0.25×106 個未満で投与されるように同種異系造血再構築細胞を投与
    することを含んで成る方法。
  6. 【請求項6】 同種異系骨髄移植受容体の生存率を高める方法であって、当
    該受容体に樹状突起前駆細胞の数が受容体の体重1kg当り0.25×106 個未
    満で投与されるように同種異系造血再構築細胞を投与することを含んで成る方法
  7. 【請求項7】 前記樹状突起細胞を蛍光活性化セルソーティングにより除去
    する、請求項1又は3記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記樹状突起細胞をa)前記造血系再構築細胞を当該樹状突
    起細胞の表層上のレセプターに特異的に結合するリガンドと接触させ、ここで当
    該リガンドは常磁性支持体に結合しており、そしてb)当該樹状突起細胞を磁石
    により当該造血系再構築細胞から除去する、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記樹状突起細胞をa)前記造血系再構築細胞を当該樹状突
    起細胞の表層上のレセプターに特異的に結合するリガンドと接触させ、ここで当
    該リガンドは常磁性支持体に結合しており、そしてb)当該樹状突起細胞を磁石
    により当該造血系再構築細胞から除去する、請求項3記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記樹状突起細胞を、前記造血系再構築細胞を樹状突起細
    胞の表層上で発現される1又は複数種のタンパク質に結合する1又は複数種のリ
    ガンドに結合した支持材料を含む1又は複数のカラムに通すことにより除去する
    、請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記樹状突起細胞を、前記造血系再構築細胞を樹状突起細
    胞の表層上で発現される1又は複数種のタンパク質に結合する1又は複数種のリ
    ガンドに結合した支持材料を含む1又は複数のカラムに通すことにより除去する
    、請求項3記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記リガンドがIL3、抗−CD123、抗−CD45R
    A、抗−CD4及び抗−CD36から成る群から選ばれる、請求項8記載の方法
  13. 【請求項13】 前記リガンドがIL3、抗−CD123、抗−CD45R
    A、抗−CD4及び抗−CD36から成る群から選ばれる、請求項9記載の方法
  14. 【請求項14】 前記リガンドがIL3、抗−CD123、抗−CD45R
    A、抗−CD4及び抗−CD36から成る群から選ばれる、請求項10記載の方
    法。
  15. 【請求項15】 前記リガンドがIL3、抗−CD123、抗−CD45R
    A、抗−CD4及び抗−CD36から成る群から選ばれる、請求項11記載の方
    法。
  16. 【請求項16】 前記樹状突起前駆細胞を、前記造血系再構築細胞をIL−
    3毒素成分接合体と接触させることにより当該樹状突起前駆細胞を当該毒素成分
    により破壊することで除去する、請求項2又は4記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記毒素成分がジフテリア毒素、リシン及び百日咳毒素か
    ら成る群から選ばれる、請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記造血系再構築細胞がCD34+ 表現型に関して陽性選
    択されたものである、請求項1又は3記載の方法。
  19. 【請求項19】 造血系再構築細胞をその移植前に準備するためのカラム系
    であって、CD34に特異的に結合する抗体の結合した支持体を含む第一カラム
    及び樹状突起前駆細胞上で発現される細胞表層マーカーに特異的に結合する抗体
    の結合した支持体を含む第二カラムを含んで成り、ここで当該第一カラムは当該
    造血系再構築細胞がこの第一カラムに通されるとCD34+ 細胞の少なくとも3
    0%を吸着し、そしてこの第一カラムから遊離した吸着細胞画分を当該第二カラ
    ムに通し、そして樹状突起前駆細胞の表層マーカーを発現する細胞を吸着させ、
    かくして樹状突起前駆細胞の数を効果的に減少させる、カラム系。
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