JP2002528335A - クランプを有するビードコア、そのビードコアを組み込んだタイヤ、およびその製造方法 - Google Patents

クランプを有するビードコア、そのビードコアを組み込んだタイヤ、およびその製造方法

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JP2002528335A JP2000579454A JP2000579454A JP2002528335A JP 2002528335 A JP2002528335 A JP 2002528335A JP 2000579454 A JP2000579454 A JP 2000579454A JP 2000579454 A JP2000579454 A JP 2000579454A JP 2002528335 A JP2002528335 A JP 2002528335A
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ピレリ・プネウマティチ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
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Abstract

(57)【要約】 タイヤビードのビードコアの周囲に配置され、形状記憶物質から造られた環状クランプまたはグリップ手段、ならびにこのようなクランプまたはグリップ手段を組み込んだタイヤが開示されている。環状クランプまたはグリップ手段は、周囲温度における延伸によって変形可能であり、また周囲温度を超える温度で、以前に記憶された形状に収縮し、より高い温度からより低い温度、すなわち周囲温度への下降の過程で収縮力を維持する。クランプまたはグリップ手段、好ましくは環状の金属ストラップは、特に加硫中、およびタイヤの使用中に、特定の温度範囲にわたってビードコアの種々の要素を圧縮する。かくして極限状態においてビードコアによって確実なグリップ力を保証する。環状クランプまたはグリップ手段を製造する方法およびこのようなクランプまたはグリップ手段を有するタイヤを製造する方法も記述されている。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 発明の分野 本発明は、バンド、スレッド、ビードコアグリップ手段等のような、タイヤの
ビードコア用のクランプに関する。本発明はまた、このようなクランプをタイヤ
の構造に組み込んだタイヤに関し、またタイヤを製造するための方法に関する。 【0002】 関連技術の説明 周知のように、タイヤはカーカス、トレッドバンド、およびトレッドバンドと
カーカスとの間のベルト構造体を含む。カーカス、通常少なくとも単一のプライ
は、1対のビードコアの周囲のカーカスの端部で折り返される。ビードコア、カ
ーカスの端部、およびビードコアとカーカスとの間に加え得るあらゆる充填材は
、共に一体的に機能して、タイヤの各側面にビードを形成する。 【0003】 使用時、タイヤは、互いに軸方向に変位された2つのシートを有するホイール
リムの上に配置される。タイヤの各側面の2つのビードは、2つのリムシートに
着座するように設計される。リムシートの各々は、ホイールリムの直径よりも大
きくて、タイヤビードの直径よりも大きな最外側の直径を有する端部フランジに
終端する。端部フランジは、使用中にタイヤのビードがリムから滑り落ちるのを
防止する。 【0004】 各ビードコアおよび関連ビードは、垂直端部フランジの最外側の直径よりも小
さな直径を有するので、タイヤをリム上に取り付けることができるように、タイ
ヤビードは楕円状に変形されなければならない。楕円状にタイヤビードを変形す
るための方法は、当業者に周知である。ビードの楕円軸が垂直フランジの直径よ
りも大きくなる程度に、タイヤビードが十分に変形されると、ビードをフランジ
端部の上に滑らせることができ、タイヤをリム上に位置決めし得る。 【0005】 リム上に位置決めされると、タイヤビードは、各シート上に1つずつ配置され
る。リムシートは、徐々に発散する(divergent)軸方向の断面を有する。この
結果、ビードは、端部フランジに隣接して最後に位置決めされるまでビードコア
がリムシートの上に徐々に強制されるにつれ、ビードコアと徐々に発散するリム
シートの間の弾性作用により、それぞれのリムシートを確実にグリップできる。
タイヤが膨張され、ビードの外側面がタイヤ内の空気圧によって側方フランジ(
lateral flange)に対して押圧されると、ビードの弾性的なグリップ力が増加さ
れる。タイヤリムの上を確実にグリップするタイヤの能力は、タイヤ設計の基本
的な安全面の特性である。 【0006】 タイヤ内のビードコアは異なった多くの形状を取り得る。例えば、ビードコア
は、共に束にした複数の普通の金属ワイヤ(plain metal wires)(すなわち、
円形断面を有するワイヤ)を含むことが可能である。代わりに、ビードコアは、
帯状の多くの補強要素から造られるか、あるいは大型タイヤの場合、ビードコア
は、多くの四角形または六角形の断面の金属ストラップを含み得る。大型タイヤ
については、ビードコアは、複数の同心コイルが形成されるまで、金属ストラッ
プをドラムの周囲に繰り返し卷回することによって形成される。このようにして
構成される場合、ビードコアは、複数の他のリングによって重ね合わせられる第
1のリングから本質的に造られ、他のリングの各々は、金属ストラップの追加層
をそれに先行する層上に卷回することによって形成される。 【0007】 大型タイヤ用に意図される他のビード構造では、ビードは、半径方向に重なり
合うコイル群を含み、かかるコイル群は、半径方向に重なり合うコイルを形成す
るために六角形の断面の金属ストラップをそれ自体の上に卷回することによって
形成される。重なり合うコイルは、軸方向に並んで配置されたリング群を形成す
る。隣接したリングが互いに楔入される(be wedged)ように、半径方向に重な
り合うコイルは、互いの間に半径方向の溝が設けられる。最後に、側面に配置さ
れたコイルの内部半径の自由縁部は、例えば、車軸に対しトラックでは15°、
乗用車では5°傾斜した直線上に位置し、コイルがその一体部分であるビードが
、同一の傾斜角度を有するそれぞれのビードシート上に装着されるのを可能にす
る。 【0008】 タイヤの製造中、およびその通常の使用中に、タイヤのビードコアは、高温度
および圧力のような種々の外部応力(external stresses)を受ける。タイヤの
個々の要素が組み立てられて、最終製品を形成するときに、機械的な力がビード
コアに働く。この結果、ビードコアの異なった要素(すなわち、同心に卷回され
るワイヤ、ストラップ、またはテープ)は不揃いになる可能性があるか、あるい
はねじり応力(torsional stresses)に耐える能力を失うことがある。これが生
じたならば、ビードコアは十分に機能しないであろう。この理由は、特に、ビー
ドが適切な環状グリップ手段を含まないならば、ビードコアが、それ自体とリム
シートとの間に必要なグリップ力を発生できないからである。 【0009】 これを補償するために、クランプまたはグリップ手段がビードコア部分の周囲
に加えられる。これらのクランプまたはグリップ手段は、ビードコアの種々の要
素を相互に圧縮するために環状に機能する。これらは、ビードがリムシートを確
実にグリップするのを補助する相互の圧縮力(reciprocal compacting force)
を提供する。ビードコアの周囲に加えられる金網(wire fabrics)、ナイロン糸
、高粘性混合物、半加硫の混合物(自動車用タイヤ用)、あるいは同様にビード
コアの周囲に配置される鋼帯(steel bands)あるいは真鍮または亜鉛で被覆さ
れた金属ストリップ(大型タイヤ用)のような、ビードコア用の多くの適切なク
ランプまたはグリップ手段が公知である。 【0010】 金属ストリップ製のクランプは、最初に所定の長さに切断され、次に、2つの
端部がフック状に形成され、ストリップは、ビードの周囲でストリップ自体の上
に卷回され、フックが連結される。代わりに、ストリップの端部を共にはんだ付
けすることが可能である。最後に、クランプの端部が互いに接続される方法にか
かわらず、クランプがビード上に十分に縛られるように、クランプを叩くことが
可能である。 【0011】 特定のクランプまたはグリップ手段が形成される方法に関係なく、一旦組み立
てられると、クランプは、ビードコアの外周寸法に対応する環状バンドを形成す
る。他の同様のクランプまたはグリップ手段とまさに同じように、バンドは、タ
イヤの製造中またはタイヤの使用中に種々の要素が不揃いになるか、あるいは緩
むことがないように、ビードコアの種々の要素に圧縮力を及ぼす。 【0012】 発明の開示 従来技術に関する問題を解決しようと試みている間に、ビードコアのクランプ
または同様の要素が、時間の経過につれてグリップ力を幾分失うことが観測され
た。この理由は明らかでないが、製造中のバンドの取扱いから生じる応力が相当
の役割を果たしていると思われる。さらに、把持強度の損失は、加硫中の、ある
いはタイヤリム上に一旦取り付けられたタイヤの使用中の加熱作用に帰因し得る
と思われる。バンドのグリップ力の損失は、任意の熱的現象または任意の機械的
現象に直接相関しないので、それを任意の特定の原因に帰すことは困難である。
これにもかかわらず、温度効果に感受性が高く、また把持強度の前述の損失を補
償することもできるクランプ用の材料を見つけることができると信じられた。 【0013】 次に、バンドが反応して、把持強度の変化に比例して収縮応力を発生し得るよ
うに、バンドまたはグリップ手段それら自体の製造に、温度変化に敏感な材料を
使用できるかもしれないと考えられた。このようにして、クランプの把持強度は
、ビードコア要素上の必要な圧縮力に比例するであろう。換言すれば、ビードコ
アの要素が、それぞれの環境で経験される高温度と圧力において不具合にならな
いように、加硫工程中に、またタイヤの使用中に高い把持強度を提供し得る材料
を使用することが有益であると信じられた。このような解決方法はまた、周囲温
度(ambient temperatures)でリムシートを確実にグリップするビードに対する
要求にも叶い、同時に、ビードコアをタイヤリムに装着できるようにビードコア
を変形することが必要な場合、周囲温度においてある程度の変形能(deformabil
ity)を示す材料にも叶うであろう。 【0014】 次に、形状記憶物質の合金から造られる環状クランプまたはグリップ手段を用
いることによって、問題が解決されると思われた。この結果、本発明の1つの実
施形態では、タイヤのビードコアの周囲に配置された形状記憶合金から形成され
る環状クランプまたはグリップ手段を含むことが意図される。グリップ手段用の
このような合金は、周囲温度で変形可能であるだけでなく、周囲温度を超える温
度で収縮して、以前に記憶されたその形状を回復する。物質が収縮すると、物質
がより高い温度から周囲温度に冷却するあいだ、物質はこの大きさの収縮力を維
持する。 【0015】 好ましくは、グリップ手段は少なくとも1つのワイヤを備える。より詳しくは
、グリップ手段は、ビードコア周囲の閉鎖位置で連結されるフックの形態の端部
で曲げられた少なくとも1つの金属ストラップを含む。 【0016】 本発明はまた、タイヤビードのビードコア周囲にクランプまたはグリップ手段
を製造するための手順を提供する。手順は、ビードコアの周囲にストリップを卷
回すステップ、ビードコアの周囲にストリップの端部を共にロックして閉鎖クラ
ンプまたはグリップ手段を形成するステップ、クランプに圧縮力を加えてビード
コア上にグリップ手段を縛るステップといった、いくつかのステップを含む。こ
の工程では、以前に記憶された平面形状に対し延伸することによって変形される
形状記憶合金から金属ストリップを製造することが必要である。次に、クランプ
は、形状記憶物質が第1の構造から、第1の構造とは異なる第2の構造に遷移す
る所定の温度に加熱され、この時点において、形状記憶合金は、以前に記憶され
た形状を回復する傾向を有し、ビードコアに収縮応力を及ぼすことができる。 【0017】 好ましくは、手順は、マルテンサイト構造(martensitic structure)からオ
ーステナイト構造(austenitic structure)への形状記憶物質の変態(transfor
maiton)の開始に対応する所定の温度Aに、グリップ手段を加熱することによ
って特徴付けられる。再び好ましくは、手順は、温度Aが50〜150℃の間
にあるという事実によって特徴付けられる。 【0018】 ビードコアグリップ手段を製造するための手順は、タイヤ製造の加硫段階に特
に適合されなければならない。タイヤの加硫は、ビードコアに対するグリップ手
段の少なくとも200MPaの収縮応力に対応する140〜180℃の温度で行
われる。上述のように、この相互作用は望ましいが、これは、相互作用によって
種々のビードコア要素がコンパクトに保持されるため、このような要素がそれら
の位置で不具合にならないからである。 【0019】 本発明のさらにもう1つの態様は、カーカス、トレッドバンド、トレッドバン
ドとカーカスとの間のベルト構造体、1対のビードコア、および各ビードコアの
周囲の少なくとも1つのクランプまたはビードコアグリップ手段を有するタイヤ
製造にある。カーカスは、1対のビードを形成するために、ビードコアを囲んで
端部が開いた裏張り(a backing with ends unrolled)を含む。ビードコアの周
囲に巻き付けられたクランプまたはグリップ手段は、形状記憶合金から造られる
。本発明の本実施形態では、ビードコアは、実質的に六角形の断面を有する、半
径方向に重なり合うコイルから成る、半径方向に並んで互い違いに配置された、
複数のリングまたは金属ストラップから形成されることが意図される。 【0020】 さらにより好ましくは、本発明のこの特定の実施形態のタイヤは、マルテンサ
イト状態からオーステナイト状態への構造の完全な変態に対応する70〜200
℃の間にある温度Aにおいて、ビードコアグリップ手段が、100〜600M
Paの間にある値σmaxのビードコアに対する収縮応力を示すという事実によ
って特徴付けられる。 【0021】 最後に、通常の使用中にビードがタイヤリム上で加熱するにつれて、上述の応
力の大きさによって、ビードコアの種々の要素がより圧縮されることを好適に可
能にし、かくしてタイヤビードがホイールリムのシートをグリップするのを保証
する。 【0022】 明細書の部分に組み込まれ、かつその部分を構成する添付の図面は、本発明の
複数の実施形態を例示し、また、上記に示した一般的説明および以下に示した実
施形態の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明するために貢献する。 【0023】 好ましい実施形態の説明 図1は、商業用タイヤ1を説明する。タイヤ1には、トレッドバンド2が含ま
れるが、これはショールダー部3を通ってサイドウォール4につながる。一対の
ビード5がタイヤ1の端部に配置される。ビード5には、ビードコア6、ビード
フィラー7、および強化層(reinforcement borders)8が含まれる。タイヤ1
には、さらに子午面に配置された薄いコードを有するラジアルカーカス9、およ
びカーカスとトレッドバンド2との間に配置されたベルト構造体10が含まれる
。ベルト構造体10は、図1に示されるように方向づけされた三層の薄いコード
で示される。カーカス9は、エッジ部9’をビードコア6の周りに取り巻いて外
側に折り返された一つ以上のカーカスプライバッキングで形成される。 【0024】 図1に示されるように、ビードコア6は、多数のラジアルワイヤー(それぞれ
四角形の断面を有する)から構成される。これらのワイヤーは、環状のクランプ
またはグリップ手段15によってまとめられているが、その一つのみを図に示す
。バンド型グリップ手段が例示されるが、クランプ15は、本発明の精神および
範囲を逸脱することなく、多数の異なった形態のいずれか一つで製造されるであ
ろうことが理解されよう。すなわち、一群のワイヤー、ワイヤーベルトまたはこ
れらの類似物などである。 【0025】 どのような特定の形態が用いられるとしても、本発明によれば、クランプ15
は、設定された温度で生じる構造変形によって定められる特性(用いられる合金
には典型的である)を有する形状記憶合金から製造される。一般に、各合金は、
それ自体の変態ダイアグラムを有するが、それは、マルテンサイト構造からオー
ステナイト構造への変態およびその逆を、温度の関数として予測するのに用いら
れる。その一例を図2に示す。 【0026】 図2のグラフの縦座標は、マルテンサイト構造Mの%値を示す。図2のグラフ
には、100%マルテンサイト構造(M)から全くのオーステナイト構造への移
およびその逆が示される。形状記憶合金の温度が変化すると、図2に示される矢
印に基づいて、合金はマルテンサイト構造からオーステナイト構造に変態し、ま
た逆方向に変態するであろう。 【0027】 マルテンサイトからオーステナイトへの変態は、形状記憶合金が温度ASに達
した時に始まり、そして温度がAに達した時に終わる。合金が冷却されると、
物質構造は、温度Aにおけるオーステナイト構造からマルテンサイト構造に変
態する。マルテンサイト構造への変態は、温度MSにおいて始まり、そして合金
が温度Mに達した時に完了する。 【0028】 物質の変態挙動から、その物質の機械的特性が決定されよう。特に、物質構造
の変態は、温度ASから温度Afへ加熱することにより得られるが、これにより
物質内に、予め記憶された形状の回復につながる応力が発生する。 【0029】 形状記憶物質は、多数の異なった組成物のいずれから選ばれよう。すなわち、
いくつかを挙げればNiTi合金、NiTiX合金(XはFe、CuまたはNb
のいずれか1つである)、FeNiCoTi合金、FeMnSi合金、CuZn
Al合金、CuAlNi合金、CuAlBe合金、FeMnSi基合金、または
FeNiCo基合金などである。図1に示されるクランプ15の好ましい実施形
態においては、金属ストラップは、厚さ0.3〜0.7mmおよび幅5〜20m
mを有するであろう。 【0030】 本発明について意図される型の形状記憶物質は、出版物“Engineeri
ng Aspects of Shape Memory Alloys”(B
utterworth−Heinemann出版、London)(T.W.D
uerig版)(1990年)に論ぜられ、そして定義されている。しかし、こ
れらの物質は、クランプ15を構成するのに用いられる唯一の物質である必要は
ない。クランプ15と、タイヤ1の囲包ゴムとの間の付着性を向上するために、
クランプ15は相当多数の物質によって被覆されるであろう。すなわち、いくつ
かを挙げると、他金属と混合した銅、銅および亜鉛と他金属との組合わせ、他金
属と混合したスズ、他金属と混合した亜鉛、他金属と混合したニッケルまたはコ
バルト、もしくは銅、または銅および亜鉛と鋼との組合わせの冷プラズマ蒸着物
である。 【0031】 本発明の別の一実施形態を図3に示す。そこに示される構造は、チューブレス
型の大型タイヤに適する。図示されるように、ビードコア6は、並んで配置され
た六個のリング16、17、18、19、20、および21のグループで形成さ
れる。各リング16〜21は、五重に重なったラジアルコイル30、31、32
、33、および34(それぞれ六角形状の断面を有する)で形成される。 【0032】 並んだリング16〜21の種々のコイル30〜34は、形状記憶物質のクラン
プ15によりまとめられている。リング16〜21の重なったコイルは、リング
16〜21に隣接して並んで千鳥に(staggered)配列され、またリング16〜
21は、コイル30〜34を形成し、そしてリング16〜21も形成する個々の
金属ストラップ22の一つの厚さの半分に等しい距離をずらして、お互いにラジ
アルに半径方向に千鳥に配列されている。コイル30〜34がこのように配置さ
れた場合には、金属ストラップ22は、コイル30〜34の自由端(free edges
)で互いに楔締めとなり、コイル30〜34は、ホイールの回転軸に関してあら
かじめ設定された角度αで傾斜した直線に乗る。角度αは、図3に示されるよう
に、リムシート23上に取付けられたタイヤ1のビード5の傾斜角度に等しい。
角度αの好ましい大きさは、トラックで15°および乗用車で5°である。ビー
ド5の外側の端は、リムのフランジ23’上のストップに接する。 【0033】 図3に示されるビードコア6は、多数の金属ストラップ22を、円筒形ステッ
プを有する外側支持面を持つラッピングドラム上に巻きつけることによって構成
され、それにより基部が15゜傾斜したビードコア6を製造することができよう
。金属ストラップ22は、いくつかのラジアルに重なったリング16〜21にそ
れぞれ巻きつけられる。これらは、ラジアルに千鳥に配列されているので、並ん
で配置された各金属ストラップ22間で、楔締め効果によりお互いに結合してい
る。 【0034】 図4は、ビードコアクランプ15をビードコア6に付与するのに用いられるで
あろう装置24の一実施形態を示す。装置24には、垂直軸周りに回転する台2
5が含まれる。台上には、ビードコア6が配置される。三つのステーションA、
BおよびCは、台25の周りにラジアルに配置される。ビードコア6は、コレク
トシステムおよびその類似物などの公知タイプの手段のいずれか(図示しない)
によって台25上に固定される。一例として、ビードコア6は、それ自体の軸を
台軸に平行させて配置される。 【0035】 クランプ15をビードコア6に付与するための手順を以下に示す。先ず、形状
記憶合金のストリップを、リール(図示せず)から解き、そして平らな形態で第
一のステーションAに移す。リールが解かれた際に、ストリップは、周囲温度T において値lに伸び変形される。値lは、ストリップに予め記憶された予め設
定された値lより大きい。図5に、周囲温度Tでの変形状態を、ストリップ
に加えた応力σ、およびその結果の変形εに関して示す。図には、最初の増加部
分、続いて点kで始まる水平部分が示される。その点の温度Msでは、マルテン
サイト成形が、形状記憶物質によって得られる一定負荷における大きな伸びと共
に始まる。その物質の伸長%は、式 ε=(l−l)/l により示され
る。 【0036】 その後の段階で、ストリップはカットされて、ビードコア6の周りにクランプ
15を形成するのに適切な長さの細片を得る。つないでないストリップ片は、長
さlおよびマルテンサイト構造を有する。この時点で、ストリップ15の端部は
曲げられて、2つのC形フックを形成する。次いで、ストリップ15は、図6に
示されるように、ビードコア6の周りに巻きつけられ、そしてC形端部が互いに
つながれる。図6には、金属ストリップ15が、その内側にコイル30〜34を
示すことなく示される。その後で、C形端部は、合せて押しつぶしされ、そして
圧縮応力が、ハンマーおよびその類似物によってクランプ15に加えられて、ク
ランプ15がビードコア6の周りに閉められる。 【0037】 その後の手順段階においては、ビードコア6は、台25を回転して第二のステ
ーションBに進められる。第二のステーションBにおいて、クランプ15は、予
め設定された温度Asに加熱される。温度Asは、マルテンサイト構造からオー
ステナイト構造への形状記憶合金の変態の開始に対応する。 【0038】 変態状態を図7に定性的に示す。その例図においては、温度は横座標に記され
、そして応力σは縦座標軸上に示される。ここで、応力σは、温度Asから最終
温度Af(ビードコア構造がマルテンサイトからオーステナイトに完全に変態す
る)まで加熱されることに起因する。 【0039】 クランプ15が端部でつながれ、そして加熱された際に、それが形状記憶合金
から製造されていることから、その内部に剛体(ビードコア6で表される)が存
在することによって可能な限り、予め記憶された長さに戻る傾向がある。したが
って、クランプ15は、図8の矢印で示されるように、内側へ収縮して、幾つか
のビードコア構成要素を互いに有利に固定する。次いで、クランプ15を取り付
けたビードコア6は、第3ステーションCに進められ、そこで停止および/また
は除去される。次いで、この手順が繰り返される。 【0040】 第一のステーションAで、第二のクランプ15が、ビードコア6の周りに取付
けられる。台25は回転され、そして第二のクランプ15が第二のステーション
B(第二のクランプ15の加熱段階となる)に移動する。引き続いて、ビードコ
ア6の周りに付与される各クランプ15について、クランプ15を形成するため
に述べた操作が繰り返される。ビードコア6を台25から除く際に、クランプ1
5の内側の収縮は、クランプ15がその最も高い温度から最終の低い温度Afま
で冷却する間継続する。クランプ15は、加熱段階で達するよりも収縮が少ない
状態を持続するものの、ビードコア6の幾つかの構成要素をつなぐのに十分な収
縮力が、タイヤの他の部分への組込むための移動および/または調製段階を通し
て、少なくともいくらかは保持される。 【0041】 ここで、クランプ15の残留する収縮状態を、図9を引用して説明する。その
図には、温度Tの関数として、応力σの変化間の相互関係が示される。Msは、
合金のオーステナイト構造Pからマルテンサイト構造Mへの変態開始からの変化
を示す。Asは、マルテンサイト構造Mからオーステナイト構造Pへの変化を示
す。図で示されるように、応力間の変化は直線である。これは、また形状記憶合
金に対するクラウジウス−クラペイロン式により表される。 【0042】 簡単のために、図9のグラフは理想状態を表す。この場合、第一の曲線は温度
を指し、温度Mはマルテンサイトの形成が完成する際の温度Mに符号し
、また第二の線は温度Aを指し、温度Aはオーステナイトの形成が完成する
際の温度Aに符号する。非理想合金の実際の観察によれば、オーステナイト構
造からマルテンサイト構造への推移およびその逆を起こさせる温度変化が小さい
場合には、理想状態に近い。さらに、実際問題としては、図2に示される変態曲
線が急勾配になるほど、実際の状態は理想状態により近くなる。 【0043】 図9のグラフにおいては、実線の矢印は、クランプ15の形状記憶物質の挙動
を示す。図に記載されるように、ビードコア6が加熱された場合に、最大収縮応
力σmaxに達する。最大収縮応力に達した後、物質は徐々に冷却する。冷却中
に、クランプ15の構造は、温度T’で収縮応力σ’となるまでマルテンサイト
化する傾向となる。この場合、収縮応力σ’は、σmaxより低いものの、ビー
ドコア6の種々の構成要素を互いに締め続けるのに依然として十分な値である。
それが最大値より低いという事実にもかかわらず、収縮応力σ’は十分に大きい
ので、プラットホーム25上での調製の間、および他の装置(該装置において、
クランプ15を取り付けたビードコア6がタイヤ1の他の要素と組合わされる)
への引き続く移動操作の間のいずれにおいても、ビードコア6の構成要素を一緒
に保持することができる。 【0044】 台25から除かれた後、ビードコア6および付帯するクランプ15は、ラッピ
ングドラムに移動される。ラッピングドラムにおいて、当業者に知られた方法に
したがって、ビードコア6が、ドラムに円筒形に巻かれたカーカス9の端部につ
ながれる。次いで、カーカス9の端部は、ビードコア6およびビードフィリング
7上に折り返されてビード5が形成される。さらに、カーカス9は、円環構造の
状態を経て、次いでベルト群10およびトレッドバンド2がカーカスリムの上に
取り付けられる。これらの操作に続いて、タイヤ1は加硫金型に導入され、そし
てトレッドバンド2の上に模様が形成される。 【0045】 タイヤ1の加硫は、高温および高圧の両方で行われる。したがって、これらの
二つの力は、ビードコア6の構成要素が本発明に基づいて固定されない場合には
、ビードコア6の種々の構成要素を乱す可能性があろう。図7を見れば直ちに明
らかとなるように、加硫段階で各クランプ15のマルテンサイト構造がオーステ
ナイト構造に再び変態する。結果として、加硫段階においては、クランプ15の
収縮応力が付随して増加する。クランプ15は加硫段階でビードコア6に高い圧
力を加えるので、クランプ15においては、加硫段階でリング16〜21のコイ
ル30〜40が乱される危険性がさらに減少する。すなわち、クランプ15がそ
れらをより強固に保持するからである。 【0046】 本発明によれば、クランプ15は、FeMnSiから構成され、そして周囲温
度(例えば18℃および35℃の間)で2.5%の予変形をしてビードコア6の
周りに配置されよう。 【0047】 一実施例においては、クランプは、次の特性を有する物質から製造された。 温度A=190℃ 温度A=250℃ 臨界変態応力σ=200MPa(オーステナイトから応力誘起によるマル
テンサイト形成の開始にいたる間)(図5) 伸び値ε=1.5%(σに対応する) 伸び値ε=5% 応力値σmax=600MPa(温度Aにおける)(図7) 応力値σ=300MPa(1/2(A+A)に等しい温度における) 応力値σ’=200MPa(ビードコアの調製および移動に対応する温度T
’25℃における)(図9) 応力値σTo=200MPa(リム上への取り付け温度Tにおける) 【0048】 クランプ15は、上記のものとは異なる形状記憶物質から製造されよう。例え
ば、NiTi、NiTiX(X=Fe,Cu,Nb)、CuZnAl、CuAl
Ni、CuAlBeの金属合金である。またFeNiCo基合金を用いて製造さ
れよう。 【0049】 同一の形状記憶合金の特性パラメーターを以下の表1に示す。 【0050】 【表1】 【0051】 本発明のさらに他の実施形態においては、クランプ15は、超弾性合金から製
造されよう。その特性は上記の出版物に開示される。 【0052】 理論的には、超弾性を有する物質は、一定負荷を加え、また一定温度を保持す
ることによって、高い値に対しても徐々に変形するであろう。 【0053】 これらの物質の応力変形曲線には、カルテシアン図表において、横座標に関し
て傾斜する第一の部分が含まれる。この部分は、ゼロ応力(構造がオーステナイ
トである)から、臨界変態応力(critical stress of transformation)と呼ば
れる応力値(構造がオーステナイト構造からマルテンサイト構造に変態し始める
)にいたる。 【0054】 マルテンサイト状態への変態の過程における開始から終了にいたる物質の理論
的な挙動は、横座標軸に平行なプラットホームとして表されるが、これは一定負
荷における相当量の変形を示す。物質に加えられる負荷がなくなった際に、変形
の回復が認められる。この回復は、傾斜部分に交差するまで反対方向に伸びる部
分を除いて、変形プラットホームに平行な第二の直線として表される。次いで、
それは、原点においてゼロ負荷で終了し、結果的にオーステナイト構造に戻る。 【0055】 さらに、超弾性物質は、マルテンサイト構造からオーステナイト構造への変態
の開始時に温度値Aを有するが、これは周囲温度Tより高い(T>M
。したがって、前述した超弾性物質の理論的特性を考慮すれば、これらは、本発
明の目的に対して用いるのに不適切と考えられよう。 【0056】 しかし、逆もまた真実である。図4において、台24のステーションAに向か
うストリップSを取り上げる。これらのストリップが、予め形状記憶をした超弾
性物質から製造され、そして伸び変形を受けていると考えると、前述のように、
ビードコア6を閉じ込めるための収縮力の発現を付随する、予め記憶された形状
の回復を利用することが可能となる。超弾性物質の理論に基づいて、ストリップ
Sをカットした後、変形負荷がなくなった際に、ストリップSがステーションA
に向かって解かれるあいだ付与された伸びから回復する。ストリップSは、超弾
性物質の応力変形図面の原点で示されるように、全体としてオーステナイト構造
の状態であろう。したがって、理論的に、ストリップを用いて形成されたビード
コア6が加熱された際に、収縮応力とともに回復するであろういかなる伸びも有
さないであろう。 【0057】 超弾性物質の理論によって定められる先の状態にもかかわらず、それらを用い
ることが本発明で見出された。超弾性物質の真の挙動は、理論的挙動から離れた
ものであるので、それらを本発明の目的に用いることができ、またオーステナイ
ト状態からマルテンサイト状態への変態は、加えられた応力が多少とも増加した
場合に実際に起こることが見出された。換言すれば、カルテシアン応力変形図面
において、変態は、横座標軸に平行なプラットホームによってではなく、プラッ
トホームに関してやや傾斜した直線によって示され、しかもマルテンサイト状態
への変態が完成するように進展する。対応して、負荷がなくなった際には、第一
の線に平行で、反対方向に延びる第二の線がある。 【0058】 第二の線は、その勾配に起因して、ゼロ負荷において、ゼロとは異なりまたε 値に等しい伸び%値に対応する点で横座標軸と出会う。第二の線は、原点に戻
らなかったので、超弾性物質の構造は、一部オーステナイトかつ一部マルテンサ
イトであろう。先の考察により、図4においてクランプ15の組み立てに関して
開示されたのと全く同様にして、ストリップSを超弾性物質から構成し、それを
タイヤに組み込むことが可能であることが見出された。 【0059】 ストリップSは、平板形状を予め記憶される。ステーションA方向に解く過程
(図4)で、ストリップSは引き寄せられ、その結果伸び変形がもたらされる。
ストリップが小片を形成すべくカットされ、そしてクランプ15を製造するのに
用いられる際に、ストリップ15に加えられた負荷がなくなり、前述したように
、加えられた伸びがε値まで戻る。 【0060】 ストリップSは、伸び%εのゼロ負荷条件では、一部オーステナイトおよび
一部マルテンサイト構造である。したがって、加硫に伴う加熱条件の過程で、ま
たタイヤ1を使用しているあいだ、クランプ15に存在するマルテンサイト部分
はオーステナイト状態に変態し、予め記憶された形状を回復しようとして、ビー
ドコア6に対し収縮応力を発現する。クランプ15は、全マルテンサイト構造が
オーステナイト構造に変態する場合に、図7の図面に示されるように、最大値σ max を呈する。 【0061】 次に、一般にすべての形状記憶物質は、以下の場合に本発明の目的に適する。
すなわち、無理なく加えられた負荷がなくなった際に、カット後のストリップS
の小片に対して起こるように、伸びを加えた後に、残余伸び%ε=(l−l )/lがある場合である。式中、lは、ストリップが用いられる前に始めに
記憶された伸びであり、またlは、ストリップが解かれる際に加えられる伸びで
ある。 【0062】 タイヤ1の使用中に、ビード5に近接したタイヤの域は、物質に作用する種々
の熱応力によるのみならず、他の要因の中でもとりわけディスクブレーキのブレ
ーキ状態に起因して影響されたリム表面からの熱伝達により加熱を受ける。クラ
ンプ15は、また同じ熱的条件にさらされ、その結果、クランプは図7のグラフ
に示されるようにマルテンサイト状態からオーステナイト状態に変態し、タイヤ
1の使用中においてクランプの収縮がもたらされる。したがって、クランプ15
の収縮が増大することによって、ビードコア6の種々の構成要素の締まりが対応
して増大し、同時にリムシート23上にビード5が強固に固着する。 【0063】 上述の利点に加えて、本発明のさらなる利点が理解されよう。現今では、たと
えタイヤが空気が抜けた状態(flat)になったとしても、運転者がサービスステ
ーションに到達してそれを交換できるように、自動車が移動し続けることが可能
なタイヤに対して需要がある。本発明は、空気の抜けたタイヤで妥当な距離を安
全に移動することを可能とする。 【0064】 タイヤの空気が低下又は抜けた場合には(When a tire is deflated or flat
)、タイヤの側面は二つの部分に折れ曲がり、その結果、タイヤのその部分に相
対的な逆クリープ(relative reciprocal creep)および過熱がもたらされる。
タイヤは空気の抜けた状態で用いられると過熱するであろうことから、クランプ
15もまた熱くなろう。上述したように、クランプ15が加熱されると、さらに
構造変態が進行し、その結果としてビードコア6上でより大きく収縮する。この
現象は図7に説明される。したがって、タイヤにとって最も厳しい条件下では、
クランプ15は、ビードコア6上で一段と大きく収縮し、ビードコア6を構成す
る種々の構成要素をさらに締め付け、その結果ビード5をリムシート23により
強く固着する。 【0065】 加えて、本発明の特徴は、クランプ15の収縮力がビードコア6の周りに均等
に分布され、それゆえに、タイヤ1が空気が抜けた状態になったり、タイヤ1が
加硫される場合など、最も厳しい条件においてさえ、最大固着能力が発現される
ことにある。それより低い値は、ビードコア6がタイヤに組み立てられる台で調
製される場合など、それが望まれる状況において達成することができる。最も低
い収縮応力は、以下に説明されるように、最低値を必要とする場合、特にタイヤ
がリムに取り付けられる場合に得ることができる。 【0066】 図9のグラフに指摘されるように、周囲温度Tにおけるクランプ15の収縮
応力は、構造がマルテンサイト状態からオーステナイト状態に変態する際の加熱
条件で達成される値より低い。したがって、ビードコア6を形成する種々の構成
要素の圧縮程度は、タイヤの加硫および使用段階で求められる値より小さい。そ
して、いずれにせよ、それを作り上げる種々の構成要素間において、ある程度の
滑りを認める値である。実際に、ビードコア6は、周囲温度ではリムのフランジ
上を滑るのに適した長円形態に変形することができる。 【0067】 合金組成の特性およびその適用に先立つ熱処理を変えることによって、図9の
二つの直線の間隔を、第一の線について破線bで示されるように、変えることも
また可能である。この場合、周囲温度Tにおいては、直線に対応する値より低
いクランプ15の収縮応力値σT0が得られ、その結果としてビードコア6の要
素に対するクランプ15による圧縮が低くなり、したがって必要な時にビード5
をホイールリム上に取り付けることが容易となる。 【0068】 追加の利点および修正は、当業者においては容易に想起されよう。したがって
、より広い観点では、本発明は、表示および開示された特定の詳細な説明、代表
的な装置、および例示された実施例に限定されない。それゆえ、添付された請求
項およびその等価物により明確にされる一般的な発明概念の精神または範囲から
逸脱することなく、新たな試みがこれらの詳細な説明からなされよう。 【図面の簡単な説明】 【図1】 クランプまたはビードコアグリップ手段を有する本発明によるタ
イヤについて、1つのビードコアの周囲に前記クランプまたはビードコアグリッ
プ手段が配置され示される、一部を取り除いた部分斜視図である。 【図2】 本発明のクランプが造られる種類の形状記憶物質の構造変態を、
温度の関数として、定性的に例示する。 【図3】 ホイールリム上に位置決めされた、本発明によるタイヤビードの
部分断面図である。 【図4】 ビードコアクランプまたはグリップ手段をタイヤのビードコアに
付与するための本発明の教示による装置の概略ブロック図である。 【図5】 本発明のクランプまたはグリップ手段を造るために使用された形
状記憶合金の種類から作られるストリップの応力変形を質的に示したダイアグラ
ムである。 【図6】 本発明のクランプまたはビードコアグリップ手段を形成するため
に接合した後の形状記憶合金のストリップの端部を示す。 【図7】 グリップ手段が加熱されて、物質が構造的に変態するときの本発
明によるクランプまたはビードコアグリップ手段の挙動を質的に示す応力−温度
ダイアグラムである。 【図8】 加熱された後ビードコアの周囲で収縮したときにグリップ手段に
よって加えられる応力を示す、本発明のビードコアグリップ手段の断面図である
。 【図9】 加熱され、次に冷却された後のクランプまたはビードコアグリッ
プ手段の収縮の大きさの応力−温度グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),BR,CN,J P,KR,TR,US (72)発明者 モウドゥッド,シド,カウジア アメリカ合衆国,オハイオ州 44236, ハドソン,エッセン サークル 16 (72)発明者 ヴォルピ,アレッサンドラ イタリア国,アイ−20144 ミラノ,14, ピアザ ポ (72)発明者 ヴィラーニ,クラウディオ イタリア国,アイ−20155 ミラノ,9, ヴィア マック マオン Fターム(参考) 4F212 AH20 VA11 VA12 VD13

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーカスと、 トレッドバンドと、 前記トレッドバンドと前記カーカスとの間の少なくとも1つの補強ベルトと、 前記カーカスの各端部にそれぞれ配置された1対のビードコアであって、前記
    カーカスの端部が前記1対のビードコアの周囲に巻き付けられて1対のビードを
    形成する、前記1対のビードコアと、 前記各ビードコアの周囲に配置され、形状記憶物質からつくられる少なくとも
    1つのクランプと、 を具備するタイヤ。
  2. 【請求項2】 少なくとも1つのクランプが周囲温度で変形され、周囲温度
    よりも高い温度で、以前に記憶された形状に収縮し、また一旦加熱されると、周
    囲温度よりも高い温度から周囲温度まで、前記ビードコアの周囲の収縮度を維持
    する、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 【請求項3】 少なくとも4つのクランプが配置され、各ビードコア上の2
    つのクランプが、前記ビードコアの周囲で互いに正反対に対向する位置に配置さ
    れる、請求項1に記載のタイヤ。
  4. 【請求項4】 前記各ビードコアが、互いに隣接して並んで配置された、半
    径方向に千鳥配置の複数のリングを具備し、前記半径方向に千鳥配置のリングが
    、実質的に六角形の断面を有する半径方向に重なり合うコイルであり、前記少な
    くとも1つのクランプが、前記複数の千鳥配置のリングの周囲に配置される、請
    求項1に記載のタイヤ。
  5. 【請求項5】 前記少なくとも1つのクランプが、NiTi合金、NiTi
    X合金(この場合、XはFe、CuまたはNbのいずれか1つである)、FeN
    iCoTi合金、FeMnSi合金、CuZnAl合金、CuAlNi合金、C
    uAlBe合金、FeMnSi基合金、FeNiCo基合金、から選択される1
    つの合金を含む、請求項1に記載のタイヤ。
  6. 【請求項6】 前記少なくとも1つのクランプが、開始温度Aと最終温度
    との間の収縮力を発現することによって、以前に記憶された形状を回復し、
    ここで、 Aは、マルテンサイト状態からオーステナイト状態への前記少なくとも1つ
    のクランプの構造変態を開始し、 Aは、マルテンサイト状態からオーステナイト状態への前記少なくとも1つ
    のクランプの構造変態を完了する、請求項1に記載のタイヤ。
  7. 【請求項7】 Aが約30〜250℃である、請求項6に記載のタイヤ。
  8. 【請求項8】 Aが約50〜150℃である、請求項7に記載のタイヤ。
  9. 【請求項9】 Aが約50〜350℃である、請求項6に記載のタイヤ。
  10. 【請求項10】 Aが約70〜200℃である、請求項9に記載のタイヤ
  11. 【請求項11】 マルテンサイトからオーステナイト状態への構造の完全な
    変態に対応するAにおいて、前記少なくとも1つのクランプが、約100〜8
    00MPaの収縮応力σmaxを出す、請求項6に記載のタイヤ。
  12. 【請求項12】 前記収縮応力σmaxが約100〜600MPaである、
    請求項11に記載のタイヤ。
  13. 【請求項13】 カーカスと、所定の配列の複数のリングおよびコイルを含
    む少なくとも1つのビードコアと、前記少なくとも1つのビードコアの周囲に配
    置され、形状記憶物質からつくられる少なくとも1つのクランプと、を有するタ
    イヤ製造方法であって、該方法が、 前記ストリップを周囲温度で変形するステップと、 前記ストリップを前記少なくとも1つのビードコアの周囲に卷回するステップ
    と、 前記クランプを周囲温度よりも高い温度に加熱するステップと、 前記タイヤを形成するために、前記少なくとも1つのクランプを有する前記少
    なくとも1つのビードコアと前記カーカスとを組み合わせるステップと、 を含む方法。
  14. 【請求項14】 前記方法が、前記卷回のステップ後に、前記少なくとも1
    つのクランプを形成するために前記ストリップの両端を互いにロックするステッ
    プを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記方法が、前記ロックするステップ後に、前記少なくと
    も1つのクランプを前記ロックするステップ後に前記少なくとも1つのビードコ
    アに結合するために、前記少なくとも1つのクランプを圧縮するステップを含む
    、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記少なくとも1つのクランプが、マルテンサイト構造か
    らオーステナイト構造への形状記憶物質の変態を開始する所定の温度Aに加熱
    される、請求項13に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記少なくとも1つのビードコア上の前記少なくとも1つ
    のクランプによる少なくとも200MPaの収縮応力に対応して、前記タイヤを
    前記少なくとも1つのクランプと共に140〜180℃の加硫温度で加硫するス
    テップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
  18. 【請求項18】 所定の配列の複数のワイヤまたはストラップと、 前記複数のワイヤまたはストラップの周囲に配置され、形状記憶物質からつく
    られる少なくとも1つのクランプと、 を具備するビードコア。
  19. 【請求項19】 前記少なくとも1つのクランプが、NiTiの合金、Ni
    TiXの合金(この場合、XはFe、CuまたはNbの任意の1つである)、F
    eNiCoTiの合金、FeMnSiの合金、CuZnAlの合金、CuAlN
    iの合金、CuAlBeの合金、FeMnSi基合金、FeNiCo基合金、か
    ら選択される1つの合金を含む、請求項18に記載のビードコア。
  20. 【請求項20】 所定の配列の複数のリングおよびコイルと、ビードコアの
    周囲に配置され、形状記憶物質からつくられる少なくとも1つのクランプと、を
    含むビードコアの製造方法であって、該方法が、 ストリップを周囲温度で変形するステップと、 ストリップを前記ビードコアの周囲に卷回するステップと、 クランプを周囲温度よりも高い温度に加熱するステップと、 を含む方法。
JP2000579454A 1998-10-30 1999-10-22 クランプを有するビードコア、そのビードコアを組み込んだタイヤ、およびその製造方法 Withdrawn JP2002528335A (ja)

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