JP2002528035A - 給電電圧妨害をフィルタリング除去するためのフィルタ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、電気的負荷用の給電電圧を供給する電圧源の給電電圧妨害をフィルタリング除去するためのフィルタ装置（１００）に関する。その際、コンデンサ（１８）が設けられていて、該コンデンサは前記の電圧源と負荷との間で基準電位（２０）に対する接続を形成している。ここにおいて（図１）、電圧源とコンデンサ（１８）との間に接続されたダイオード（１０）が設けられており、このダイオードに並列に可変抵抗（１６）が接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 産業上の利用分野 本発明は、電気的負荷用の給電電圧を供給する電圧源の給電電圧妨害をフィル
タリング除去するために、コンデンサが設けられていて、該コンデンサは前記の
電圧源と負荷との間で基準電位に対する接続を形成している、請求項１の上位概
念に記載のフィルタ装置、ならびに請求項８記載の上位概念記載の該フィルタ装
置の作動方法に関する。

【０００２】 従来の技術 導線で導かれる車載電源妨害ないしは車載電源ノイズを抑圧するために通例、
コイルとコンデンサから成るフィルタ素子が設けられており、これはＬＣフィル
タ素子もしくはＬＣフィルタと呼ばれる。これによって行おうとしているのは、
たとえば自動車の発電機あるいは他の自動車コンポーネントなどのノイズが、た
とえばカーラジオの音声信号中で聞こえてしまうことのないようにすることであ
る。また、うっかりと極性を誤ってしまうことで、接続すべき負荷が損傷してし
まうのを防ぐために付加的に電力用ダイオードが設けられており、これは極性を
誤ったときに機器のヒューズを破壊する。

【０００３】 しかし前述のＬＣフィルタは振動性システムであって、その共振周波数は音声
再生における低音の周波数領域にある。共振した場合、コイルとコンデンサに蓄
積されたエネルギーがこれら両方のコンポーネントの間で行ったり来たりし、し
たがって負荷つまりたとえばカーラジオやステレオ装置の低周波出力段がエネル
ギーを取り込むことができない。その結果、たとえばカーラジオの出力段に対し
低音周波数の領域で十分に電流を供給することができず、それによって低音領域
におけるひずみ率が高まる。このことはいわゆる「ベース落ち込み」（"Bassbeu
le）と称する。

【０００４】 慣用のＬＣフィルタを使用したときのさらに別の欠点は、負荷電流が大きいと
きつまりたとえば負荷として設けられているカーラジオの音声出力が大きいとき
、コイルの作用が著しく弱まることであり、その結果、このような状況ではコイ
ルのオーム抵抗および著しく抑圧されたリアクタンスだけしかはたらかないこと
になる。この場合、コンデンサに加わる交流負荷つまりはその損失電力が非常に
大きくなる可能性があり、結果としてコンデンサの老化が早くなる。負荷の大き
さは実質的に、電流がコイルの抵抗とコンデンサの内部抵抗とによってどのよう
に分配されるかに依存する。その際、コイルの内部抵抗が小さければ、それに応
じてコンデンサの負荷も小さくなる。

【０００５】 本発明の開示、課題、解決手段、利点 本発明の課題は、前述の形式のフィルタ装置およびこの装置を作動させるため
の適切な方法において、これまで述べてきた欠点を解消し、ノイズのフィルタリ
ングを向上させ、それと同時に負荷機器の影響ができるかぎり僅かに抑えられる
よう改善することにある。

【０００６】 この課題は、請求項１の特徴部分に記載の構成を備えた前述の形式のフィルタ
装置ならびにこのフィルタ装置を作動させるための請求項８記載の方法によって
解決される。

【０００７】 この目的で本発明によれば電圧源とコンデンサとの間に接続されたダイオード
が設けられており、このダイオードに並列に可変抵抗が接続されている。

【０００８】 これによる利点は、コイルのないフィルタを提供できることであり、それによ
れば効果を等しく維持しながらあるいはそれを向上させながら、従来技術におい
てコイルによって引き起こされていた欠点が除去される。なぜならば、振動性シ
ステムが存在しないからである。

【０００９】 本発明の重要な核心部分は、フィルタリング素子内のコイルがダイオードによ
って置き換えられていることであり、このダイオードは負荷電流が大きいとき可
制御抵抗を橋絡する。これと同時に従来一般的であった極性を誤ったときに保護
するためのダイオードを省略することができるので、負荷機器の接続時に極性を
うっかりと間違えたときに機器のヒューズが破壊されないようになる。本発明に
よる回路は振動性システムではないため、それに付随するあらゆる欠点がなくな
る。この場合、共振がなく、つまり「ベース落ち込み」はもはや存在しない。

【００１０】 また、従来のＬＣフィルタでは可能であったような、電流給電部つまりは車載
電源を介したコンデンサの放電は不可能であるため、それに付随する不所望な現
象たとえば音声段による音響衝撃などが回避される。

【００１１】 請求項２から７には本発明による装置の有利な実施形態が示されている。

【００１２】 １つの有利な実施形態によれば、可変抵抗は電気的に制御可能な抵抗である。
その際に好適であるのはダイオードと抵抗が、電圧源とコンデンサとの間に接続
されたＭＯＳＦＥＴトランジスタトランジスタとして形成されており、さらにた
とえば可変抵抗を制御する制御回路が設けられている。

【００１３】 所要電力が高いときに負荷に対し十分な電流給電を確保するために、可変抵抗
のための制御信号を導出する制御回路がたとえば負荷の出力側と接続されている
。

【００１４】 たとえば電圧源は自動車の車載電源であり、負荷は自動車のオーディオコンポ
ーネントたとえばカーラジオである。また、基準電位はたとえばアース電位であ
る。

【００１５】 前述のフィルタ装置を作動させるにあたり本発明によれば、負荷によるエネル
ギー消費の増大につれて可変抵抗の抵抗値を下げるようにする。

【００１６】 図面の簡単な説明 次に、添付の図面を参照しながら本発明について詳しく説明する。

【００１７】 図１は、本発明によるフィルタ装置の有利な実施形態の概略図であり、図２は
、本発明によるフィルタ装置の有利な実施形態の回路の実例である。

【００１８】 本発明を実施するための最良の方法 図１の概略ブロック図に示されているように本発明によるフィルタ装置は、ダ
イオード１０と、可変のたとえば電子的に制御可能な抵抗１６と、コンデンサ１
８を有している。ダイオード１０は、図示されていない電圧供給源の端子１２と
図示されていない負荷の端子１４との間に接続されており、抵抗１６はこのダイ
オード１０に対し並列に接続されており、さらにコンデンサ１６はダイオード１
０と負荷における端子１４との間で基準電位２０たとえばアースとの接続を形成
している。

【００１９】 可変抵抗１６の抵抗値を調節するために制御回路２２が設けられている。この
回路は、可変抵抗１６の抵抗値を調整するための適切な制御信号を負荷の信号出
力から導出する。負荷がたとえばカーラジオであれば制御回路は好適には、カー
ラジオの低周波出力段の音声出力側と接続されている。たとえば高い低周波レベ
ルに対応する大きい負荷電流が生じた場合、可変抵抗１６の抵抗値をそれに対応
させて低下させることにより、ダイオード１０が可変抵抗１６によって橋絡され
る。この場合、可変抵抗１６の抵抗値は、さもなければ用いられるコイルの抵抗
値よりも可変抵抗の抵抗値が小さくなるよう低減される。これにより交流負荷つ
まりはコンデンサの損失電力が小さくなる。橋絡を行う抵抗における電圧降下が
小さいことで負荷たとえばカーラジオの音声段に対しいっそう高い電圧を使うこ
とができるので、車載電源電圧や低周波ひずみ率などに関してその他の点では等
しい条件において、ＬＣフィルタを有する装置よりも負荷の出力が大きい。これ
に加え、大きいコイルを比較的小さいダイオードと置き換えることでフィルタ装
置に対する所要スペースがいっそう僅かになり、このことはたとえば最近のカー
ラジオや他の自動車コンポーネントをコンパクトにする点で重要さのましている
ファクタである。

【００２０】 動作中、ダイオード１０だけがアクティブである間に給電電圧妨害が生じると
、妨害を受けている給電電圧の最大値まで充電コンデンサ１８が充電される。そ
の際、コンデンサ電圧のリプルは負荷の電流消費によってのみ定まる。負荷の出
力たとえばラジオの低周波出力を最大にしようとするかぎり、ダイオード１０は
可変抵抗１６によって橋絡され、その結果、ダイナミックレンジを制約してしま
う電圧降下はダイオードにおいて発生しない。

【００２１】 基本的に、自動車のカーラジオコンポーネントたとえばラジオやブースタなど
においては比較的小さい休止電流ないしは零入力電流が流れ、これは低周波出力
が増大すると高まるので、本発明によるフィルタ装置の有利な実施形態によれば
図２に示されているように、可変抵抗１６の抵抗値が低周波出力信号とダイレク
トに結合されている。この場合、ダイオード１０と可変抵抗１６から成る組み合
わせが、電力用ＭＯＳＦＥＴトランジスタ２６によて実現されている。この種の
ＭＯＳＦＥＴトランジスタ２６の場合にはすでに電力用ダイオード１０が含まれ
ているので、ダイオード１０と可変抵抗１６という２つの素子がともにただ１つ
のケーシング内に統合されている。制御は電荷ポンプによって行われ、これは音
声出力側２４における音声信号からのダイレクトな出力の導出に依存して必要と
される制御電圧を発生させる。

【００２２】 これに対する代案として、可変抵抗１６の制御を音声信号から導出される他の
制御量に依存して行うようにする。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明によるフィルタ装置の有利な実施形態の概略図である。

【図２】 本発明によるフィルタ装置の有利な実施形態の回路の実例を示す図である。

【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書

【提出日】平成１２年１２月８日（２０００．１２．８）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】特許請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【特許請求の範囲】

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気的負荷用の給電電圧を供給する電圧源の給電電圧妨害を
   フィルタリング除去するためのフィルタ装置（１００）において、 コンデンサ（１８）が設けられていて、該コンデンサは前記の電圧源と負荷と
   の間で基準電位（２０）に対する接続を形成しており、 前記の電圧源とコンデンサ（１８）との間にダイオード（１０）が接続されて
   おり、該ダイオード（１０）に並列に可変抵抗（１６）が接続されていることを
   特徴とするフィルタ装置。
2. 【請求項２】 前記可変抵抗（１６）は電気的に制御可能な抵抗である、請
   求項１記載のフィルタ装置。
3. 【請求項３】 前記のダイオード（１０）と可変抵抗（１６）は、電圧源と
   コンデンサ（１８）との間に接続されたＭＯＳＦＥＴトランジスタ（２６）とし
   て形成されている、請求項１または２記載のフィルタ装置。
4. 【請求項４】 前記可変抵抗（１６）を制御するために制御回路（２２）が
   設けられている、請求項１から３のいずれか１項記載のフィルタ装置。
5. 【請求項５】 前記制御回路（２２）は、可変抵抗（１６）のための制御信
   号を導出するため前記負荷の出力側（２４）と接続されている、請求項４記載の
   フィルタ装置。
6. 【請求項６】 前記電圧源は自動車の車載電源であり、前記負荷は自動車の
   オーディオコンポーネントたとえばカーラジオである、請求項１から５のいずれ
   か１項記載のフィルタ装置。
7. 【請求項７】 前記基準電位（２０）はアースである、請求項１から６のい
   ずれか１項記載のフィルタ装置。
8. 【請求項８】 請求項１から７のいずれか１項記載のフィルタ装置の作動方
   法において、 負荷によるエネルギー消費の増大につれて可変抵抗の値を下げることを特徴と
   する、フィルタ装置の作動方法。