JP2002526714A - 鍛造されたスチールから成るピストン基体と冷却通路とを有したピストン - Google Patents

鍛造されたスチールから成るピストン基体と冷却通路とを有したピストン

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Abstract

(57)【要約】 冷却通路（１２）を有したピストン（１）であって、ボックス形のスカート（１１）と、ボス孔（７）を有したボスと、ボス支持部（８）と、これらのボス支持体の間の結合壁（９）とを有した、鍛造されたスチールから成るピストン基体（２）並びに燃焼凹部（６）を有している形式のものにおいて、リング部分の剛性を高めるのが所望されている。このためにピストン（１）は、ボス孔（７）の軸方向上方で環状壁（１０）を有している。この環状壁とピストン頂面（５）との間に、冷却通路（１２）を誓言する構成部分が溶接されている。このような構造により、上位概念に記載のピストン（１）では、リング部分の剛性が高められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】 本発明は、請求項１の上位概念に記載の形式の、鍛造されたスチールから成る
ピストン基体と冷却通路とを有したピストンに関する。
【０００２】 このような形式のピストンとその製造法とはドイツ連邦共和国特許出願公開第
４４４６７２６号明細書により公知である。このような形式のピストンでは、環
状区分とピストン基体との結合が、ピストン頂面を介してしか行われず、その結
果、環状区分が変形し易い領域となってしまうという欠点を有している。
【０００３】 従って本発明は、冒頭で述べた形式のピストンにおいて、環状区分の領域にお
ける変形を最小にすることを課題としている。
【０００４】 この課題は、請求項１の特徴部により解決される。有利な別の構成は、請求項
２以下に記載されている。
【０００５】 本発明の構成により、環状区分の少なくとも一部とピストン頂面の少なくとも
一部が、２つの溶接シームによってピストン基体に溶接された構成部分によって
形成されているので、リング部分の剛性は著しく高められる。
【０００６】 ボックス状のスカートは、スラスト・反スラスト方向で、図示したように環状
区分の切欠によって分割されているか、またはこの環状区分に、ひいては環状壁
１０にも結合されている。
【０００７】 国際公開第８０／０２３０８号パンフレットにより公知の、鋳鉄から成るピス
トンでは、上方部分とボス部分とが互いに溶接されており、ボスの上方には環状
のリブが設けられている。しかしながらこの環状のリブは、上方部分に溶接され
ておらず、剛性化機能を有していない。
【０００８】 ドイツ連邦共和国特許出願公開第２４３４９０２号明細書により公知のピスト
ンでは、環状区分の部分と、ピストン頂面の半径方向外側に位置する部分とが溶
接された部分によって形成されている。しかしながらこのような手段は、専ら冷
却通路を形成するために、即ち、上位概念の先行技術において、切削加工により
形成された冷却通路を薄板によって閉鎖することにより通常はすでに解決されて
いる課題を解決するために働く。
【０００９】 ドイツ連邦共和国特許出願公開第３０３２８７１号明細書によりさらに公知の
ピストンでは、耐熱性のスチールから成る上方部分と、圧出されたスチールから
成る下方部分とが溶接されている。
【００１０】 次に図面につき本発明の実施例を詳しく説明する。
【００１１】 ピストン１は、ピストン基体２と、このピストン基体２に溶接された構成部分
３とから成っている。溶接された構成部分３は、リング部分及びトップランドの
一部と、ピストン頂面５の一部とを有している。リング部分とトップランドとは
一緒に符号４で図示されている。ピストン頂面５には燃焼凹部６が配置されてい
る。ピストン基体２は、ボス孔７を有したボスと、ボス支持体８と、ボスの間の
結合壁９と、ボス孔７の上側に一体成形された、ボスおよびボスの間の結合壁９
の半径方向外側に位置する環状壁１０と、燃焼凹部６を備えたピストン頂面５と
から成っている。
【００１２】 環状壁１０は、ボスから、もしくはボス支持体の間の結合壁から出発して、半
径方向外方に向かって上方に向かって傾斜して延びている。
【００１３】 溶接シームは、軸方向シームとしては、ピストン頂面の半径方向外側に位置す
る領域に配置されており、半径方向シームとしては、溝ＩＩと溝ＩＩＩとの間の
環状区分の領域に配置されている。
【００１４】 ボックス状のスカート１１は、ボスだけに、または付加的に環状区分４にも結
合することができる。
【００１５】 環状壁１０は、主として冷却通路１２の下方の制限部を形成し、溶接された構
成部分３が、主として冷却通路１２の半径方向外側の制限部を形成する。
【図面の簡単な説明】
【図１】 半部をピンの方向で断面した本発明によるピストンを示す図である。
【図２】 半部をスラスト・反スラスト方向で断面した図１に相応する本発明によるピス
トンを示した図である。
【図３】 半部をピンの方向で断面した本発明による別のピストンを示す図である。
【図４】 半部をスラスト・反スラスト方向で断面した図３に相応する本発明によるピス
トンを示した図である。
【手続補正書】特許協力条約第３４条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成１２年９月２７日（２０００．９．２７）
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項１】 冷却通路（１２）を有したピストン（１）であって、ボック
ス形のスカート（１１）と、ボス孔（７）を有したボスと、ボス支持部（８）と
、これらのボス支持体の間の結合壁（９）とを有した、鍛造されたスチールから
成るピストン基体（２）ならびに燃焼凹部（６）有している形式のものにおいて
、 （イ）ボス孔（７）の軸方向上方で、かつボス支持体（８）および結合壁（９
）の半径方向外側に、ピストン基体（２）と一体に環状壁（１０）が一体成形さ
れており、 （ロ）環状区分の少なくとも一部と、ピストン頂面（５）の、半径方向外側に
位置する部分とが、ピストン基体（２）に溶接された構成部分（３）によって形
成されており、 （ハ）ピストン基体（２）の環状壁（１０）と、ピストン基体（２）に溶接さ
れた構成部分（３）とが一緒に、冷却通路（１２）の、半径方向外側の制限壁お
よび軸方向下方の制限壁を形成しており、これによりリング部分の領域には曲げ
剛性的な区域が形成されており、 （ニ）ピストン基体（２）のスチールが、少なくとも０．３％の炭素量を有し
ており、 （ホ）溶接シームが、ＭＩＧ溶接法またはＭＡＧ溶接法で、レーザ溶接または
電気放射溶接によって製造されており、 （へ）ピストン（１）の内部形状において、固有のばね応力下でボス支持体（
８）の領域に位置固定されている薄板（１３）が、内側の冷却室の下方の制限部
を形成しており、 （ト）スカート（１１）とピストン基体（２）とが一体であって、 （チ）環状壁（１０）が、その全周にわたって、ピストンの水平平面に対して
、即ちピストンの長手方向軸線に対して垂直な平面に対して、相対的な傾斜位置
を有していることを特徴とする、冷却通路を備えたピストン。
【手続補正書】
【提出日】平成１３年４月１９日（２００１．４．１９）
【手続補正１】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｆ１６Ｊ 1/01 Ｆ１６Ｊ 1/01 (72)発明者 ミヒャエル ウルリヒ ドイツ連邦共和国 メークリンゲン レー ナウヴェーク 18 Ｆターム(参考） 3J044 AA09 BA03 CA03 CA04 CA20 CA25 DA09 EA10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 冷却通路（１２）を有したピストン（１）であって、ボック
    ス形のスカート（１１）と、ボス孔（７）を有したボスと、ボス支持部（８）と
    、これらのボス支持体の間の結合壁（９）とを有した、鍛造されたスチールから
    成るピストン基体（２）ならびに燃焼凹部（６）有している形式のものにおいて
    、 （イ）ボス孔（７）の軸方向上方で、かつボス支持体（８）および結合壁（９
    ）の半径方向外側に、ピストン基体（２）と一体に環状壁（１０）が一体成形さ
    れており、 （ロ）環状区分の少なくとも一部と、ピストン頂面（５）の、半径方向外側に
    位置する部分とが、ピストン基体（２）に溶接された構成部分（３）によって形
    成されており、 （ハ）ピストン基体（２）の環状壁（１０）と、ピストン基体（２）に溶接さ
    れた構成部分（３）とが一緒に、冷却通路（１２）の、半径方向外側の制限壁お
    よび軸方向下方の制限壁を形成しており、これによりリング部分の領域には曲げ
    剛性的な区域が形成されており、 （ニ）ピストン基体（２）のスチールが、少なくとも０．３％の炭素量を有し
    ており、 （ホ）溶接シームが、ＭＩＧ溶接法またはＭＡＧ溶接法で、レーザ溶接または
    電気放射溶接によって製造されており、 （ヘ）スカートと基体とが一体であることを特徴とする、冷却通路を備えたピ
    ストン。
  2. 【請求項２】 ピストン（１）の内部形状において、ばね弾性的な薄板（１
    ３）が、内側の冷却室の下方の制限部を形成しており、前記薄板（１３）は固有
    のばね応力下で、ボス支持体（８）の領域に位置固定されている、請求項１記載
    のピストン。
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