JP2002526065A - 安定な神経幹細胞系 - Google Patents
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Abstract
Description
的かつ効率的方法を開示する。得られる細胞系は、正常な核型と正常なニューロ
ン表現型を維持しながら、ヒトおよび他の哺乳動物ニューロンの強靭かつ単純で
、再現性のある培養物を商業的に有用な量で提供する。
織化してニューロンの最終網状構造を作るのに必要なすべてのプログラムを含ん
でいる。発生の初期段階では、神経系は胚芽細胞で占められ、発生の以後の段階
でここから他のすべての細胞(主に、ニューロン、星状細胞および乏突起膠細胞
)が誘導される。正常な脳の発達の前駆細胞であるそのような胚芽細胞は、これ
らの胚芽細胞が単離され、増殖され、成熟細胞型に分化するならば、遺伝子ベー
スの治療および細胞ベースの治療に理想的であろう。
離された細胞が脳の中の細胞にどの程度似ているかに依存する。発生中の脳にど
れだけの異なる種類の神経前駆細胞があるかは不明である。しかし、いくつかの
特徴的な型の細胞が存在する: ニューロンのみに対する単分化能前駆体(「約束された神経前駆細胞」または
「神経芽細胞」)、 乏突起膠細胞のみに対する単分化能前駆体(「乏突起神経膠芽細胞」)、 星状細胞のみに対する単分化能前駆体(「神経膠芽細胞」)、 ニューロンまたは乏突起膠細胞、ニューロンまたは星状細胞、および乏突起膠
細胞または星状細胞のいずれかになることができる二分化能前駆体、および 3つの型の細胞のいずれかに分化する能力を維持する多分化能前駆体。
ーロン、星状細胞、および乏突起膠細胞を含む)に分化する固有の性質を有する
多分化能前駆細胞である。CNS幹細胞の単離と分化方法および分化した細胞型の
性状解析法は、すでに米国特許第5,753,506号(Johe)に詳細に記載されている
。簡単に説明すると、CNS幹細胞は、唯一の分裂促進因子として塩基性繊維芽細
胞増殖因子(bFGF)を含有する化学的に規定された無血清培地で増殖される。そ
の培養条件は、大量培養物およびクローン性培養物の両方として、長期間、CNS
幹細胞のほぼ純粋な集団を与える。
の細胞倍加(この時点で、大多数の細胞は、神経分化能力を喪失し、多分化能幹
細胞としてよりグリア前駆体として増殖する)を超えてCNS幹細胞を増殖するこ
とは困難であった。この限界の機序はいまだに不明である。
抑制する1種以上の自己分泌性因子を分泌すると仮定した。これは、bFGFの分裂
作用に有効に拮抗し、分化経路を開始するであろう。すなわち、これは、CNS幹
細胞の増殖を自己制御し、in vivoで発生中のニューロンとグリアの形成を制限
する作用機序である。高い細胞密度が、bFGFの存在下でもかつ継代時間に無関係
に、CNS幹細胞を迅速に分化させるという観察結果は、この作用機序に一致して
いる。
な増殖方法は、商業的価値が高いであろう。本明細書において我々は、CNS幹細
胞中のc-mycタンパク質の構成的活性化は、高細胞密度で自然発生的分化を防止
し、グリア分化に対する抵抗性を与え、60回を超える細胞倍加分裂能を与えるこ
とを開示する。従って本方法は、CNS幹細胞の1018倍を超える増殖を与える。
を開示する。本方法は、無血清培地中で神経前駆細胞の培養物を調製する工程;
第1の分裂促進因子の存在下で神経前駆細胞を培養する工程(ここで、第1の分
裂促進因子は、aFGF、bFGF、EGF、TGFαおよびこれらの組合せよりなる群から選
択される);該細胞に取り込まれてc-myc遺伝子を発現することができる物質に
該細胞を接触させる工程;および第1の分裂促進因子と第2の分裂促進因子とを
含有する培地中で該細胞をさらに培養する工程(ここで、第2の分裂促進因子は
aFGF、bFGF、EGF、TGFα、血清およびこれらの組合せよりなる群から選択される
が、第2の分裂促進因子は第1の分裂促進因子とは異なるものである)を含んで
なる。
り、ここで該他のDNA成分は、エストロゲン受容体、アンドロゲン受容体、プロ
ゲステロン受容体、グルココルチコイド受容体、甲状腺ホルモン受容体、レチノ
イド受容体、およびエクジソン受容体のリガンド結合ドメインよりなる群から選
択される少なくとも1つの成分を含んでなる。
因子とを含有する培地は、β−エストラジオール、RU38486、デキサメタゾン、
甲状腺ホルモン、レチノイドおよびエクジソンよりなる群から選択されるmyc活
性化化学物質をさらに含む。
のものである。本方法の別のより好適な実施形態において、哺乳動物の神経前駆
細胞は、多能性の胚性幹細胞のin vitro培養物から得られる。
適な実施形態において、該細胞は、ニューロン、星状細胞および乏突起膠細胞に
分化する多分化能を保持する。この細胞系の他の好適な実施形態において、該細
胞は、ニューロンと星状細胞または星状細胞と乏突起膠細胞に分化する二分化能
を保持する。
細胞に分化する単分化能を保持する。
を産生する方法を開示する。本方法は、無血清培地中で神経前駆細胞の培養物を
調製する工程;第1の分裂促進因子の存在下で神経前駆細胞を培養する工程(こ
こで、第1の分裂促進因子は、aFGF、bFGF、EGF、TGFαおよびこれらの組合せよ
りなる群から選択される);該細胞に取り込まれてc-myc遺伝子と選択マーカー
を発現することができる物質に該細胞を接触させる工程;および第1の分裂促進
因子と第2の分裂促進因子とを含有する培地中で該細胞をさらに培養する工程(
ここで、第2の分裂促進因子は、aFGF、bFGF、EGF、TGFα、血清およびこれらの
組合せよりなる群から選択されるが、第2の分裂促進因子は第1の分裂促進因子
とは異なるものである);c-myc処理細胞を回収し、これを、選択マーカーを含
まずかつ第1の分裂促進因子と第2の分裂促進因子とを含有する培地中でc-myc
処理細胞の生存を支援することができるフィーダー細胞と共培養する工程(ただ
し、第2の分裂促進因子は第1の分裂促進因子とは異なるものである)とを含ん
でなる。
り、ここで該他のDNA成分は、エストロゲン受容体、アンドロゲン受容体、プロ
ゲステロン受容体、グルココルチコイド受容体、甲状腺ホルモン受容体、レチノ
イド受容体、およびエクジソン受容体のリガンド結合ドメインよりなる群から選
択される少なくとも1つの成分を含んでなる。
因子とを含有する培地は、β−エストラジオール、RU38486、デキサメタゾン、
甲状腺ホルモン、レチノイドおよびエクジソンよりなる群から選択されるmyc活
性化化学物質をさらに含む。
のものである。本方法の別のより好適な実施形態において、哺乳動物の神経前駆
細胞は、多能性の胚性幹細胞のin vitro培養物から得られる。
適な実施形態において、該細胞は、ニューロン、星状細胞および乏突起膠細胞に
分化する多分化能を保持する。この細胞系の他の好適な実施形態において、該細
胞は、ニューロンと星状細胞または星状細胞と乏突起膠細胞に分化する二分化能
を保持する。
細胞に分化する単分化能を保持する。
短時間接触させても、細胞の表現型に対して小さいが有意な長期的作用を有する
。ほとんどすべての報告された神経培養物は、分裂促進因子の主要な供給源とし
て血清を使用する。我々および他の研究者は、幹細胞と他の細胞の本質的分化能
力を維持するためには、血清への細胞の暴露を減少させることが決定的に重要で
あり、無血清培地中の別個の増殖因子(特に、bFGF)および/または表皮増殖因
子EGF)は、種々の異なる型の細胞を、単一の培養物中で増殖させることができ
ることを証明した(Johe、米国特許第5,735,506号;Weissら、米国特許第5,851,
832号)。
存在しうる何千もの可能な異なる型の神経細胞を単離することは現実的ではなか
った。以前の研究で我々は、培養物中に種々の異なるニューロンを与える方法お
よび別個のCNS幹細胞集団の組成物を記載した。ここでは、神経細胞の分化能を
安定化させかつ安定なクローン性細胞系を単離するための、c-myc遺伝子の過剰
発現を利用する再現性がありかつ効率的な方法を説明する。
リア前駆細胞になる。このプロセスを加速する条件には、増殖中の高細胞密度、
細胞外マトリックス被覆表面への細胞の付着の不足、グリア促進因子(例えば、
CNTF(毛様体神経栄養因子)、LIF(白血病阻害因子)、BMP(骨形態発生因子)
および血清)への暴露がある。CNS幹細胞の神経分化能のこの不安定性を克服す
るために、我々は、その活性が細胞外分子であるβ−エストラジオールの有無に
より制御することができる、細胞性癌原遺伝子c-mycを細胞に導入した。
子とβ−エストラジオールの継続的存在下で増殖させた。細胞の増殖は、有意に
より強固であり、より速い分裂速度、自然分化への抵抗、および増殖中のより大
きな全体的安定性を示す。細胞は、新生物性形質転換または異常増殖パターンも
しくは形態の兆候を示さなかった。分裂促進因子とβ−エストラジオールを除去
すると、細胞は速やかに分化を開始し、ニューロンとグリアに特徴的な不均質な
形態を示した。神経分化は効率的であり、未改変の親CNS幹細胞と本質的に区別
できない分子発現パターン、ニューロン特異的タンパク質の局在化、および細胞
形態と挙動を示した。
チロシンヒドロキシラーゼ陽性ドーパミン作動性表現型を10〜20%含んでいた。
かかる神経分化能は、60回の細胞倍加を超えて安定であり、幹細胞由来のニュー
ロンとグリアの数が少なくとも1×1018倍増加した。すなわち、本明細書に記載
の遺伝的改変と幹細胞培養法は、発生中の哺乳動物の脳のすべての領域に由来す
る実質的に無限な数のCNS幹細胞の安定な単離を可能にし、各CNS幹細胞クローン
は、潜在的に異なるニューロンのサブタイプを無限に生み出す。その結果として
、成熟脳の多様な細胞表現型を示す異なる分子/遺伝子レパートリーを有する哺
乳動物ニューロン(ヒトを含む)のライブラリーが得られる。
ベクターをEcoRIで線状化し、ヒトc-Myc cDNAとヒトエストロゲン受容体cDNAと
の融合遺伝子をコードするDNAのEcoRI断片に連結した(Eilerら、1989, Nature
340: 60-68)。融合遺伝子を、MMLV長末端反復配列(LTR)の制御下に置いた。
最終的なレトロウイルスベクターpMycERの全体的配列を、図1に示す。
ッケージング細胞系を、pMycERプラスミドでトランスフェクションした。安定な
クローンをG418(1mg/ml、Life Technology Inc.,メリーランド州)で4週間か
けて選択した。常法に従ってHela細胞に対する高力価産生について、20個のクロ
ーンをスクリーニングした。ラット線条体幹細胞の感染による測定で、105pfu/m
lのレトロウイルス力価を有する細胞系MycER.10を以後の実験のために選択した
。
に従って調製した。継代1の細胞を、100mmのプレートにつき0.5×106細胞でプ
レートし、無血清N2培地+10ng/ml bFGF中でさらに3日間増殖させた。MycER.10
細胞を、DMEM/10%胎児牛血清中で50〜75%コンフルエンスになるまで増殖させ
、次にDMEMで3回洗浄し、レトロウイルス採取培地(IFM)中で4〜16時間イン
キュベートした。IFMは、DMEM中の標準的N2成分(25mg/Lヒト組換えインスリン
、100mg/Lヒトアポトランスフェリン、プロゲステロン、プトレッシン、亜セレ
ン酸ナトリウム)+10ng/ml bFGFと1μg/mlのヒト血漿フィブロネクチン(hFN
)から成っていた。IFMを含有するレトロウイルスを、1400rpmと3000rpmで2回
遠心分離して清澄化した。上清を、最終濃度がそれぞれ10ng/mlと1μg/mlの新
鮮なbFGFとhFNと、1:1の比で新鮮なN2に混合させ、50〜75%コンフルエント
なCNS幹細胞培養物にアプライした。感染期間は典型的には6時間であった。ヒ
トCNS幹細胞は、2〜3日の期間で1〜3回感染させて、その遅い分裂速度を補
った。次に細胞を、Ca2+とMg2+を含まないハンクス平衡塩類溶液(HBSS)で3回
洗浄し、継代し、さらにN2+10ng/ml bFGFで増殖した。
し、0.5×106細胞/100mmプレートで再度プレートし、感染の2日後から0.1〜0.
2mg/mlのG418(pH7.4)で選択した。完全な最適増殖培地(IGM)は、DMEM/F12(
1:1)、25mg/Lヒト組換えインスリン、100mg/Lヒトアポトランスフェリン、プロ
ゲステロン、プトレッシン、亜セレン酸ナトリウム、10ng/ml bFGF、0.2μM β
−エストラジオール、0.1mg/ml G418、および10ng/ml EGFまたは1%胎児牛血清
から成っていた。新鮮なbFGF(10ng/ml、最終濃度)を毎日加え、培地を2日毎
に交換した。細胞を、HBSSで3回洗浄し、トリプシン(1×)処理して、約50〜7
5%コンフルエンスで継代した。トリプシン活性は、大豆トリプシンインヒビタ
ー(1mg/ml最終濃度)を加えて停止させた。
細胞を再度プレートした。プレートした24時間以内に、充分単離した1種類の細
胞を、培養プレートの底に3mmの丸でマークした。時に、完全な培養培地を、細
胞の生存理率を高めるために高細胞密度の同じ細胞により調整した培地の等量と
混合した。マークしたクローンを、クローニングリングの使用とトリプシン処理
により採取した。個々のクローンを、大量培養して増殖し、凍結保存した。
ほとんどすべてのクローンは、結局グリア形態を取り、ニューロンに分化しなか
った。すなわち、血清の存在下でのMycER改変細胞は、その本来の分化能力を維
持し生存するために、比較的高細胞密度を必要とすることが明らかになった。従
って、MycER発現細胞のクローン性密度を未改変初代幹細胞で補足することによ
り、細胞密度を、0.5×106〜1.0×106細胞/100mmプレートの範囲で維持した。0
.1mg/ml G418で5〜8日間にわたっって抗生物質選択を維持することにより、フ
ィーダー細胞集団は徐々に死滅し、一方その最適増殖を維持するためにG418耐性
MycER細胞の局所的細胞密度は徐々に上昇した。抗生物質選択は、以後の増殖の
間維持され、すべての残存細胞がMycER改変細胞であることを確実にした。
細胞とも有効であった。繊維芽細胞も有効であったが、その急速な増殖速度とG4
18に対する強い耐性のために、管理が困難であった。ニューロンもまた有効であ
りうるが、分裂後の性質のために、G418に対してより耐性になった。ガンマ線照
射したかまたは分裂インヒビター(例えば、アラビノシドCまたはマイトマイシ
ン)で処理した非分裂性繊維芽細胞および他の非神経細胞もまた、c-myc改変神
経細胞を維持するのに有効でありうる。
、血清、およびβ−エストラジオールを含まないN2で置換することにより、MycE
Rを安定に発現するCNS幹細胞を分化させた。典型的には、免疫組織学的分析の6
〜30日前に、細胞を分化させた。
約60時間であり、これは、同一培養条件下のラットCNS幹細胞の24時間よりも著
しく遅い。これは、特定の細胞の自律性における種差、例えば、DNA複製速度ま
たは細胞周期の他の分裂期(G1またはG2)の差によるものかも知れない。我々は
、ヒトCNS幹細胞の分裂速度を加速する他の因子を調査した。
験した。ヒトCNS幹細胞の分裂速度は、分裂標識物であるブロモデオキシウリジ
ン(BrdU)を24時間で取り込んだ細胞の割合を測定することにより評価した。bF
GFに加えて各増殖因子を、1日1回培養物に供給した。bFGF+EGFおよびbFGF+T
GFα(トランスフォーミング増殖因子α)の組合せだけが、ヒトCNS幹細胞のbFG
F誘導分裂速度を超えて加速した。両方の条件において、細胞の倍加時間は、bFG
F単独の1.5倍の40時間に増大した。bFGFと1%又は10%の胎児牛血清との組合せ
もまた、CNS幹細胞のbFGF誘導分裂速度としてのBrdU取り込み速度を、同様な速
度まで加速させた。
を増大させたが、このような条件下でさえ、CNS幹細胞は、コンフルエントに近
い細胞密度では自然分化を受けやすく、また、多回継代培養ではグリア前駆細胞
状態に陥りがちである。CNS幹細胞の分裂能力の強化およびニューロン分化能力
に対する安定性を向上させるために、我々は、MMLV長末端反復配列の下にヒトc-
mycとヒトエストロゲン受容体遺伝子との融合タンパク質を発現するレトロウイ
ルスベクターを構築した(図1)。
染させ、生じた細胞をG418処理に対する耐性により選択した。融合タンパク質(
MycER)におけるc-mycの転写活性は、培地中のエストロゲン受容体リガンドであ
るβ−エストラジオールの有無により制御した。さらに、長末端反復配列のプロ
モーター活性は、ニューロンへのCNS幹細胞分化中は封じられており、有効にMyc
ER転写産物を排除している。分裂促進因子の除去、β−エストラジオールの欠失
、及びLTRの転写活性の制限の組合せによって、未改変親細胞と区別がつかない
ような、CNS幹細胞の効率的な構成的分化が起こった。
1でMycER発現レトロウイルスで感染させた。感染細胞をG418耐性により選択し
て、bFGF、10ng/mlのEGFまたは1%のFBS、およびβ−エストラジオールを含むN
2B培地(フェノールレッドを含まないN2)中で増殖させた。MycER自体の発現は
、細胞の分裂速度に有意な変化を引き起こさなかった;しかしEGFおよび/また
はFBSの添加によって、分裂速度が有意に増大して、培養物の総合的な安定性が
強化された。強固に増殖した細胞は、安定な形態を多数回の連続的継代培養にわ
たって維持し、そしてコンフルエントに近い細胞密度においてさえ、自然分化を
伴わないその多分化能性を持続していた。増殖培地を、分裂促進因子とβ−エス
トラジオールを含まないN2Bで置換すると、幹細胞は急速に分化して、ニューロ
ン、星状細胞および乏突起膠細胞が生じた。
胞を連続80日間増殖させ、感染から12回の継代培養により増殖させた。この間そ
の時点の細胞数の計算上の増大分を定量し、各継代時の細胞収量を測定して分裂
速度の経時的安定性を測定した(図2)。全体的に、細胞は約54回の倍加を重ね
て細胞数が1015倍増大した。細胞の倍加時間は、1分裂あたり約40時間と顕著に
一定であり、親の初代ヒトCNS幹細胞の時間と同じである(図2)。
独、またはbFGFとEGF中で増殖させた。分裂促進因子としてbFGF単独では、MycER
発現CNS幹細胞は、未改変細胞よりも強化された分裂能力を示したが、bFGF+1
%FBSよりもはるかに小さい増殖能力であった。未改変親細胞と同様に、MycER細
胞もまた、bFGF単独で60時間の倍加時間を保持した。一方、bFGF+EGFでは、Myc
ER発現幹細胞は、分裂速度の増大、分裂能力の増大、ニューロン分化能力の安定
性の増大を示し、そしてbFGF+1%FBS条件と全く同様に自然分化に対して抵抗
性であった。MycER発現がないとき、同じ3つの条件によって、増殖の同様なパ
ターンが得られたが、安定性は低かった。重要なことに、bFGF+1%FBS条件は
、より効率的な細胞増殖を引き起こすが、必ずニューロン分化能力の消失をもた
らした。これは、これらの細胞における構成的c-myc機能は非常に小さいことを
証明している:これは、より安定な多分化能と分裂能力の強化を提供するが、明
白な分裂促進因子非依存性や形質転換は提供しない。
の部位に由来するCNS幹細胞にも拡張できるであろう。
ジオールを培地から除去することにより分化させた。ニューロンおよびグリア細
胞の形態の分岐は、2日以内に起こり始めた。第3日目には、ニューロンの形態
は明らかに識別可能であった。ニューロンは、そこから3〜5週間かけて完全に
機能性のニューロンへ成熟し続けた。
細胞型特異的抗体を用いる免疫組織化学により分析した。分化の10日目に、全細
胞の約50%が、MAP2c、タウ、およびチューブリンIIIbタンパク質(全て、比較
的初期のニューロン分化のマーカー)を発現した。全細胞の約20〜30%は、ニュ
ーロンの成熟マーカーであるMAP2aおよびMAP2bタンパク質を発現した。種々の神
経フィラメント抗体が、ニューロンの同様の比を示した。ニューロンの中で、約
70%がGABA陽性であった。また同様の比率のニューロンがカルレチニン(calret
inin)陽性であった。ニューロンの約10〜20%が、ドーパミンの重要な生合成酵
素であるチロシンヒドロキシラーゼ(TH)を発現した。すべての免疫陽性ニュー
ロンは典型的なニューロンの形態を示し、グリア細胞マーカーGFAPを同時発現し
なかった。すなわち、MycER強化細胞系は、種々の神経伝達物質表現型を示すニ
ューロンを高率に発生させるように分化する。
た(図3A〜L)。54回の幹細胞倍加の初めから終わりまで、ニューロンの割合と
種々の生成する神経伝達物質表現型の両方において、ニューロン分化能力の低下
はなかった。
、領域同一性およびその関連神経伝達物質表現型の安定な遺伝を可能とした。こ
のことは、ニューロンとグリア細胞に分化するその能力において同じではあって
も、培養中の幹細胞が極めて多様であることを意味する。すなわち、培養開始時
の各幹細胞を、その未変性状態で不死化することができ、かつこの方法が、単一
の培養皿において何千もの幹細胞をサンプリングするのに好適であれば、多様な
ニューロン表現型は、細胞系の形で永久に「捕捉」することができるであろう。
つ安定な細胞培養系が得られた。改変プロセス自体は、非常に効率的であり、2
日間にわたって1回のレトロウイルス感染あたり5,000〜50,000個の独立クロー
ンが得られる。これは、必要であれば、レトロウイルス粒子を増大させるか、ま
たは標的細胞密度の数を増大させることにより、容易にスケールアップできるで
あろう。
かめるために、ラットおよびヒトの胎児脳の多くの異なる領域からの幹細胞を、
MycERレトロウイルスにより改変した。これらの領域は、皮質、中隔、海馬、中
脳、菱脳 、線条、および脊髄を含んでいた。本方法の再現性を評価するために
、いくつかの異なる在胎齢からの皮質、中脳、および脊髄培養物の多数の例を検
査した。全てのケースで、得られる独立したクローンのプールは、非常に再現性
の高いニューロン対グリア細胞の比を示した。予想されるように、ニューロンの
形態、抗原性プロフィール、およびその相対比もまた、領域毎に細胞系で明確に
識別できた。
査すると、全細胞の約0.1%が一貫してTH陽性ドーパミン作動性ニューロンであ
ったが、これはまた未改変幹細胞培養物において見い出される比である。クロー
ン分析によって、TH発現はクローン的に制限されていることが明らかになった。
すなわち、大多数のクローンは、THを発現するニューロンを含まなかった。これ
らを含有したものでは、その比はクローンごとに様々であった。17〜20週齢のヒ
ト胎児の皮質組織由来の細胞系のいくつかのプールも検査した。興味深いことに
全ての皮質細胞は、未改変幹細胞に比較して著しく増大したTH陽性ニューロンを
発生させた。TH陽性ニューロンの比は、全細胞の2〜4%であった。次にクロー
ン分析によって、TH陽性ニューロンの分布における類似したパターンが明らかに
なった。大多数はなにも含んでいなかったが、THを生成するものは、種々の比で
存在していた。このパターンはまた、いくつかの異なる領域由来の未改変幹細胞
のクローン、およびいくつかの異なる抗原マーカーで観察されていた。
ーンは、他の領域由来のものと同じであったが、これらの幹細胞形態および増殖
特性は特異的であった。
能力を変化させない。全ての細胞系において長期連続培養期間を通して、腫瘍形
成または他の異常形質転換の証拠は得られなかった。継代14の1つのプールのヒ
ト皮質細胞系の核型分析により、異常型再配列を伴わない正常倍数染色体パター
ンが観察された。すなわち、通常すべての真核生物細胞に存在する細胞遺伝子で
あり、かつ細胞周期機構の周知の重要なレギュレーターであるc-mycによる分裂
能力の制御は発ガン性ではなく、かつv-mycやSV40ラージT抗原のようなウイル
ス癌遺伝子を使用する他の方法よりも著しく有利である。
の発現は分裂促進性ではなく非形質転換性であるため、特定の神経前駆細胞集団
の増殖を促進する培養条件が必要である。aFGF(酸性繊維芽細胞増殖因子)、bF
GF、EFGおよびTGFαのような精製した増殖因子は、種々の異なる神経細胞型を増
殖させることができる。上記の説明の多くは、1つの優勢な細胞集団としての多
分化能CNS幹細胞に関するものであったが、クローン分析中にいくつかの異なる
細胞型が観察された。
ニューロンと星状細胞が発生する二分化能前駆細胞であった。これらの二分化能
前駆細胞は、増殖中の形態が多分化能幹細胞とほとんど同様であった。分化パタ
ーンも同様であって、約50%のニューロンと50%の星状細胞が発生した。すなわ
ち、2つの細胞集団の間の重要な確定的な差は、分化培養物に乏突起膠細胞が存
在しないことである。
ンのみからなる単分化能ニューロン前駆細胞クローンであった。これらのニュー
ロン前駆細胞クローンは、クローンサイズが小さく、増殖中に識別し得る未成熟
なニューロンの形態をとっており、そしてタウタンパク質および/またはベータ
−チューブリンIIIを発現した。例を図5に示す。2つの識別し得る細胞型が観
察された(図5A)。1つの型は、細胞体から分岐した非常に短い単一の突起を有
する小型の細胞であり、これらは密な集団になった。分裂中、これらの細胞は、
抗タウ抗体と免疫反応性であったが、抗チューブリンIIIb抗体とは反応しなかっ
た(図5b)。他の型の細胞は、拡張的な分岐なしに識別し得るように延長した神
経突起を有する細胞であり、より小さくばらつきあるパターンを示し、高い遊走
能力を示唆した。第1の型とは対照的に、これらはまた抗タウ抗体と抗チューブ
リンIIIb抗体の両方と免疫反応性であった(それぞれ図5Cおよび5D)。しばしば
第2の細胞型は、第1の細胞型の近くにまたはこれと混合して見い出されたが、
このことは、これらがニューロン前駆細胞になることが約束された、単一の連続
的系統の2つの段階であることを示唆している(タウ+/TuJ1+状態がより成熟
した状態)。
らなるクローンの集団であった。これらのクローンの多くは、ほとんどまたは全
く乏突起膠細胞を含まない星状細胞であった。
に応答することを示している。哺乳動物の神経系組織から調製した初代神経培養
物に加えて、胚性幹細胞培養物における最近の進歩は、種々の神経前駆細胞が、
in vitroで分化全能または分化多能胚性幹細胞および長期培養で維持される細胞
系の分化の間に生じることを示している(Renoncourtら, Mech. Dev. (1998) 78
, 185;Svendsenら, Trends Neurosci. (1999) 22, 357;Brustleら, Science (
1999) 285, 754)。これらの培養物は、ネスティング陽性神経前駆細胞を生じさ
せることができ、次にこれらを無血清培地に移し、次いでbFGFおよび/またはEG
Fと共に短期間増殖させることができる。初期の神経前駆細胞の形成が効率的で
ないため、長期の大量増殖は未だ実現可能になっていない。しかし本明細書に記
載されるc-myc遺伝子による遺伝子改変法を利用することにより、これらの一時
的な神経前駆細胞を、安定な細胞系に変えることができる。
、かつ無血清条件で培養することができる。しかしこの方法は、効率的でなく少
数の増殖性細胞しか得られない。しかし本明細書に記載されるようなc-myc遺伝
子の移送により、神経組織生検試料から得られるこのような少数の細胞から安定
な細胞系を樹立することができる。
ロセスに関与している。c-mycは従来は、非神経由来細胞を形質転換するために
使用されてきた。しかし、これらの以前の研究は、3T3繊維芽細胞系のような既
に安定な細胞系を用いて、そして、分裂促進因子非依存性を与える自然の染色体
異常に基づき選択されていた細胞系の腫瘍状態を発生させるために行われた。他
の研究は、分裂後ニューロンを再び細胞周期に入れるための不死化プロセスを利
用しようとした。
の分裂促進性培養条件が既に確立している。すなわち我々の目的は、30回の細胞
倍加を十分に超えて、少なくとも、60〜80回の細胞周期の間で起こると考えられ
ている老化の開始時まで増殖能力を増大させることである。60回の細胞倍加とは
、細胞数の1×1018倍の増大に相当するが、これはそれぞれが500,000種の化合
物からなる100万個の化学物質ライブラリーをスクリーニングするのに十分な、
または500億人のパーキンソン病患者に細胞治療を提供するのに十分な大きさで
ある。重要な概念は、初代CNS幹細胞について確立された培養条件下で増殖能力
を強化しながら、その本来備わっているニューロン分化能力を破壊しない、細胞
の「穏やかな」改変法を見い出すことである。
の生成へとつながる。この効果は、細胞周期の分裂性パラメーターおよび分化パ
ラメーターを明白に脱制御することによってではなく、グリア前駆細胞状態への
多分化能性の制限を誘導するオートクリンおよびパラクリン因子に対する抵抗性
を提供することによって生じる。この結果は、細胞の発ガン性形質転換ではなく
、むしろ細胞増殖の安定化である。すなわち、コンフルエントな細胞密度で存在
するもののような、分化を引き起こす内因性シグナルは、なお有効である。細胞
分裂はさらに、bFGFおよび/またはEGFおよび/または血清のような適正な外因
性の分裂促進因子の供給に依存している。成熟機能性ニューロンへの幹細胞系の
分化は、60回の細胞倍加の最後でも未改変初代細胞と同様の効率である。種々の
神経伝達物質表現型およびそれらの相対比は、増殖の間を通して維持される。
したc-mycのキメラタンパク質を構築することにより制御された(Eilerら, Natu
re (1988) 340, 60)。エストロゲンの意図される役割は、細胞で誘導される機
能的に活性なc-mycの量を制御することである。キメラタンパク質のエストロゲ
ン受容体部分は、β−エストラジオールまたはタモキシフェンのような細胞透過
性アゴニストまたはアンタゴニストと結合すると、活性化される。
ガンドがプラズマ二重層を通って拡散してその受容体に結合し、次に複合体とし
て核まで輸送され、種々の転写関連イベントを誘導する。これらの核受容体タン
パク質のリガンド結合ドメインとそのリガンドは、融合c-mycタンパク質残基の
機能を制御するために、エストロゲン受容体とβ−エストラジオールを置換する
ことができる。このような核受容体の例は、グルココルチコイド受容体、プロゲ
ステロン受容体、アンドロゲン受容体、ビタミンD受容体、甲状腺ホルモン受容
体、レチノイン酸受容体、およびエクジソン受容体である。これらの受容体はそ
れぞれ、培地にその適切なリガンドを添加することにより、細胞内で活性化する
ことができる。かかるリガンドの例は、グルココルチコイドまたはデキサメタゾ
ンのようなステロイドホルモン、甲状腺ホルモン、レチノイン酸のようなレチノ
イド、ビタミンD、および昆虫脱皮ホルモン、エクジソン、さらにはそれぞれの
受容体において作用するように設計されたこれらの合成類似体である。これら全
ての化合物は、一旦細胞の外から供給されると、細胞膜を通り抜けることのでき
る疎水性低分子である。
、他のものよりも適している。例えば、疾患の治療としてc-myc改変細胞を組織
中に移植するという目的には、c-myc受容体キメラタンパク質が内因性の生理的
リガンドに応答しないことが望ましいであろう。本明細書に記載されるc-myc−
エストロゲン受容体は、女性患者に存在する潜在的に高レベルのエストロゲンが
、予期しない作用を細胞に及ぼしうるという欠点がある。別の例では、培養物中
のc-myc活性を調節するために使用されるリガンドは、内因性受容体に対するそ
れ自身の関連のない作用を持つかもしれない。このように、理想的な受容体−リ
ガンド系は、融合タンパク質の受容体部分は内因性リガンドを認識せず、かつリ
ガンドが細胞に有害な作用を及ぼさない合成化合物である。このような1つの可
能な系は、ヒトプロゲステロン受容体とそのアンタゴニストリガンドであるRU38
486である。ヒトプロゲステロン受容体のリガンド結合断片は、内因性リガンド
であるプロゲステロンには応答しないが、プロゲステロンの合成類似体であるRU
38486により高感度に活性化され、一方RU38486は、内因性の全長プロゲステロン
受容体を活性化しないことが確立されている(Wangら, Proc. Natl. Acad. Sci.
USA (1994) 91, 8180)。
トc-myc遺伝子が、12個のアミノ酸がC末端で欠失してヒトプロゲステロン受容
体のリガンド結合ドメインに融合しているプラスミドを構築し、融合DNA(c-myc
PR)を切り出し、5'LTRの下流でレトロウイルスプラスミドpLXSNに連結し、そし
てキメラタンパク質であるc-myc−プロゲステロン受容体(MycPR)を発現する無
傷のレトロウイルスを作製するというものであろう。
治療するためのTH陽性ドーパミン作動性ニューロンの細胞移植;可能性ある薬理
学的化合物をスクリーニングするための基質;特異的薬剤によりまたは疾患過程
を表す/模倣するように設計されたプロトコールにより影響される、細胞の遺伝
子とタンパク質レベルの再現性ある供給源;新規な遺伝子およびタンパク質の再
現性ある供給源;3次元の組織および神経プロテーゼの操作のためのニューロン
とグリア細胞の再現性ある供給源;アルツハイマー病を治療するためのNGFのよ
うな、可能性ある治療用高分子化合物の送達ビヒクル;および、増殖性TH発現ニ
ューロン細胞のような、種々のニューロン前駆細胞集団になることが約束された
種々の細胞を、in vitroでさらに誘導するための出発細胞集団。
したが、本発明は開示された実施形態に限定されるのではなく、添付される請求
の範囲の精神と範囲の中に含まれる種々の改変および同等な組合せをカバーする
ことが意図されると理解されたい。すなわち、本発明では、請求の範囲に定義さ
れる本発明の新規な側面から逸脱することなく、変法を実施できると理解された
い。本明細書に引用される全ての特許や論文は、参照することによりその全体を
本明細書の一部とする。
lerら、1989, Nature 340: 60-68)のリガンド結合ドメインに融合したヒトc-my
c遺伝子を含有する線状化EcoRI断片を、pLXSNレトロウイルス発現プラスミド(C
lontech)の5'LTRの下流に連結した。最終構築体はまた、SV40プロモーター(PS V40 )の下に選択マーカー、ネオマイシン耐性遺伝子(Neor)を含有する。
令のヒト胎児皮質組織から得られたMycER改変ヒトCNS幹細胞系のプール(HK18.2
)を、約80日間培養物中で連続的に増殖した。各継代(黒丸)で、細胞を採取し
、計測し、一部を新しいプレートに再度プレートした。この操作を12継代繰り返
した。最初の摂取密度から採取の時までに増加した細胞数を、1継代当たりの培
養時間で割って、およその倍加時間を推定した(白三角)。グラフを横切る点線
は、全培養期間の平均倍加時間である。各継代で増加した細胞数の倍数を掛けて
、細胞の累積増殖を算出し、0日での初期細胞数に対する「累積増殖倍数」とし
て表した。0日の初期の出発細胞数は、5.0×106細胞であった。
変ヒト皮質細胞; D.分化し、抗MAP2ab抗体で免疫染色し、高倍率で見た、継代4でのMycER改
変ヒト皮質細胞; E.分化し、抗TH抗体で免疫染色し、低倍率で見た、継代4でのMycER改変ヒ
ト皮質細胞; F.分化し、抗TH抗体で免疫染色し、高倍率で見た、継代4でのMycER改変ヒ
ト皮質細胞; G.分化し、抗GABA抗体で免疫染色し、低倍率で見た、継代4でのMycER改変
ヒト皮質細胞; H.分化し、抗GABA抗体で免疫染色し、高倍率で見た、継代4でのMycER改変
ヒト皮質細胞; I.分化し、抗MAP2ab抗体で免疫染色し、低倍率で見た、継代9でのMycER改
変ヒト皮質細胞; J.分化し、抗MAP2ab抗体で免疫染色し、高倍率で見た、継代9でのMycER改
変ヒト皮質細胞; K.分化し、抗TH抗体で免疫染色し、低倍率で見た、継代9でのMycER改変ヒ
ト皮質細胞; L.分化し、抗TH抗体で免疫染色し、高倍率で見た、継代9でのMycER改変ヒ
ト皮質細胞。
。MAP2abまたはTHタンパク質について免疫染色したニューロンの数を定量し、総
細胞に対するその比率を報告する。
。 C.抗tau抗体で免疫染色した、tau+/TuJ1+ニューロン前駆細胞の形態と配列
。 D.抗TuJ1抗体で免疫染色した、Cのtau+/TuJ1+ニューロン前駆細胞の形態と
配列。
Claims (22)
- 【請求項1】 in vitroで哺乳動物の神経前駆細胞の安定な細胞系を産生す
る方法であって、 a)無血清培地中で神経前駆細胞の培養物を調製する工程; b)第1の分裂促進因子の存在下で神経前駆細胞を培養する工程、ここで、第
1の分裂促進因子はaFGF、bFGF、EGF、TGFαおよびこれらの組合せよりなる群か
ら選択されること; c)該細胞により取り込まれてc-myc遺伝子を発現することができる物質に該
細胞を接触させる工程;および d)第1の分裂促進因子と第2の分裂促進因子とを含有する培地中で該細胞を
さらに培養する工程、ここで、第2の分裂促進因子はaFGF、bFGF、EGF、TGFα、
血清およびこれらの組合せよりなる群から選択されるが、第2の分裂促進因子は
第1の分裂促進因子とは異なるものであること; を含んでなる上記方法。 - 【請求項2】 c-myc遺伝子は他のDNA成分と融合されており、ここで該他の
DNA成分は、エストロゲン受容体、アンドロゲン受容体、プロゲステロン受容体
、グルココルチコイド受容体、甲状腺ホルモン受容体、レチノイド受容体、およ
びエクジソン受容体のリガンド結合ドメインよりなる群から選択される少なくと
も1つの成分を含んでなる、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 第1の分裂促進因子と第2の分裂促進因子とを含有する培地
は、β−エストラジオール、RU38486、デキサメタゾン、甲状腺ホルモン、レチ
ノイドおよびエクジソンよりなる群から選択されるmyc活性化化学物質をさらに
含む、請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】 哺乳動物の神経前駆細胞はヒト由来のものである、請求項1
に記載の方法。 - 【請求項5】 哺乳動物の神経前駆細胞は多能性の胚性幹細胞のin vitro培
養物に由来するものである、請求項1に記載の方法。 - 【請求項6】 請求項1に記載の方法に従って産生される細胞系。
- 【請求項7】 前記細胞はニューロン、星状細胞および乏突起膠細胞に分化
する多分化能を保持する、請求項6に記載の細胞系。 - 【請求項8】 前記細胞はニューロンと星状細胞とに分化する二分化能を保
持する、請求項6に記載の細胞系。 - 【請求項9】 前記細胞は星状細胞と乏突起膠細胞とに分化する二分化能を
保持する、請求項6に記載の細胞系。 - 【請求項10】 前記細胞はニューロンに分化する単分化能を保持する、請
求項6に記載の細胞系。 - 【請求項11】 前記細胞は星状細胞に分化する単分化能を保持する、請求
項6に記載の細胞系。 - 【請求項12】 in vitroで哺乳動物の神経前駆細胞の安定なクローン性細
胞系を産生する方法であって、 a)無血清培地中で神経前駆細胞の培養物を調製する工程; b)第1の分裂促進因子の存在下で神経前駆細胞を培養する工程、ここで、第
1の分裂促進因子は、aFGF、bFGF、EGF、TGFαおよびこれらの組合せよりなる群
から選択されること; c)該細胞に取り込まれてc-myc遺伝子と選択マーカーを発現することができ
る物質に該細胞を接触させる工程; d)第1の分裂促進因子と第2の分裂促進因子とを含有する培地中で細胞をさ
らに培養する工程、ここで、第2の分裂促進因子は、aFGF、bFGF、EGF、TGFα、
血清およびこれらの組合せよりなる群から選択されるが、第2の分裂促進因子は
第1の分裂促進因子とは異なるものであること;および e)c-myc処理細胞を回収し、これを、選択マーカーを含まずかつ第1の分裂
促進因子と第2の分裂促進因子とを含有する培地中でc-myc処理細胞の生存を支
援することができるフィーダー細胞と共培養する工程、ただし、第2の分裂促進
因子は第1の分裂促進因子とは異なるものであること; を含んでなる上記方法。 - 【請求項13】 c-myc遺伝子は他のDNA成分と融合されており、ここで該他
のDNA成分は、エストロゲン受容体、アンドロゲン受容体、プロゲステロン受容
体、グルココルチコイド受容体、甲状腺ホルモン受容体、レチノイド受容体、お
よびエクジソン受容体のリガンド結合ドメインよりなる群から選択される少なく
とも1つの成分を含んでなる、請求項12に記載の方法。 - 【請求項14】 第1の分裂促進因子と第2の分裂促進因子とを含有する培
地は、β−エストラジオール、RU38486、デキサメタゾン、甲状腺ホルモン、レ
チノイドおよびエクジソンよりなる群から選択されるmyc活性化化学物質をさら
に含む、請求項12に記載の方法。 - 【請求項15】 哺乳動物の神経前駆細胞はヒト由来のものである、請求項
12に記載の方法。 - 【請求項16】 哺乳動物の神経前駆細胞は多能性の胚性幹細胞のin vitro
培養物に由来するものである、請求項12に記載の方法。 - 【請求項17】 請求項12に記載の方法に従って産生される細胞系。
- 【請求項18】 前記細胞はニューロン、星状細胞および乏突起膠細胞に分
化する多分化能を保持する、請求項17に記載の細胞系。 - 【請求項19】 前記細胞はニューロンと星状細胞とに分化する二分化能を
保持する、請求項17に記載の細胞系。 - 【請求項20】 前記細胞は星状細胞と乏突起膠細胞とに分化する二分化能
を保持する、請求項17に記載の細胞系。 - 【請求項21】 前記細胞はニューロンに分化する単分化能を保持する、請
求項17に記載の細胞系。 - 【請求項22】 前記細胞は星状細胞に分化する単分化能を維持する、請求
項17に記載の細胞系。
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