JP2002524732A - 石炭用に適したレーザ誘起イオン化分光器 - Google Patents

石炭用に適したレーザ誘起イオン化分光器

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JP2002524732A JP2000569213A JP2000569213A JP2002524732A JP 2002524732 A JP2002524732 A JP 2002524732A JP 2000569213 A JP2000569213 A JP 2000569213A JP 2000569213 A JP2000569213 A JP 2000569213A JP 2002524732 A JP2002524732 A JP 2002524732A
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チャドウィック、ブルース・レオナルド
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Abstract

(57)【要約】 石炭のような材料を分析する装置は、石炭(14)をレーザ光に当てることを含む。レーザ光を使用して、少量の石炭を蒸気化およびイオン化して、スペクトル放射を生成する。複数の検出手段は(26,30,34)は、各々がスペクトル放射のスペクトルの一部を検出し、スペクトル情報を収集し、それをデータ検出手段(38,40,42)へ送る。次にデータが分析されて、石炭内の元素または核種の存在または量、あるいはこの両者を判断する。好ましい実施形態では、装置は複数のデータ収集手段(26,30,34)を含み、複数の検出手段の各々はそれぞれのデータ収集手段(38,40,42)と関係している。装置は石炭の迅速で正確な分析を行う。装置を使用して、コンベヤベルト上の石炭またはシーム内および地面内の石炭を分析することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の属する技術分野 本発明は、材料を分析するための装置および方法に関する。本発明は、とくに
石炭を分析するのに適しており、便宜的に本発明はこれより石炭を分析する応用
を参照して記載することにする。しかしながら本発明は石炭の分析に制限される
と考えられるべきではないことが分かるであろう。
【0002】 石炭は、主成分として炭素と炭化水素を含む化石燃料である。さらに加えて、
石炭は、微量とはいえ、依然かなりの量のシリコン、アルミニウム、鉄、カルシ
ウム、ナトリウム、カリウム、および他の元素を含む。これらの核種(species
)は、石炭が燃焼した後では、概ね灰に属する。ビクトリアンブラウン炭のよう
な石炭は、かなりの量の水も含んでいる。
【0003】 従来の技術 石炭を2つの情況で分析することが望ましい。第1の情況では、短期間の炭鉱
計画を補助し、さらにシーム内の石炭の値のより正確な推定を行うことができる
石炭層(コールシーム)の元の場所での石炭の分析を含む。第2の応用は、燃焼
の少し前または燃焼中の石炭の分析を含む。これは石炭燃焼ボイラまたは燃焼器
内の付着およびスラッギング(スラグ形成)の可能性を予測し、それによって予
防措置をとることができるようにするのを補助する。付着物とスラグの堆積は、
発電産業における主要な問題であり、これらの堆積物の重大さは石炭の無機質成
分に依存する。
【0004】 石炭分析を行う多数の技術が記載されてきた。石炭シーム内の石炭化合物を判
断する既知の分析技術では一般的に、Perry、他の文献(“Chemical Engineer’s
Handbook”5th Edition, McGraw Hill International Book Company, 1974, pa
ge 9.4)に記載したようにシームから1つまたは多数のサンプル抽出、石炭につ
いての従来の石炭分析のために実験室へサンプルを戻すことが必要である。
【0005】 Bohlの(The BabockおよびWilcox Companyへ委任された)米国特許第4,562,04
4号には、石炭サンプルのオンライン分析の方法および装置が記載されている。
装置は4つのラジアルアーム(放射状に延びる腕木)を含み、各アームはサンプ
ルカップを保持している。指標付けモータは、カップを微粉炭で充填する充填部
を通る円形通路に沿って各サンプルカップに指標を付ける。次にカップは、種々
の化学分析を行う分析部を通る。次にカップはダンピング部および精選部へ移動
し、その後カップは再び微粉炭を充填する用意が完了する。
【0006】 Wormaldの(Cognet Limitedに譲渡された)米国特許第4,841,153号明細書は、
石炭が中性子によって衝撃を与えられ、ガンマ光線を発生する石炭分析システム
および分析方法に関する。ガンマ光線が検出され、そこから石炭化合物が判断さ
れる。
【0007】 他の検出機では、石炭にガンマ光線またはx線で衝撃を与える。このようなシ
ステムは、x線またはガンマ光線にオペレーティングスタッフ(作業要員)を露
出する可能性を避けるために採られる厳格な安全対策を必要とする。
【0008】 石炭分析において実験室規模で使用されていると報告された別の技術は、レー
ザ誘起のブレークダウン分光器(LIBS)またはレーザスパーク放射分光器で
ある。この技術では、高エネルギーレーザ(通常はパルス化されている)を使用
して、少量の分析材料を蒸気化して、イオン化する。蒸気化された材料またはレ
ーザ誘起のブレークダウンプラズマは強力な光放射を生成する。光放射のスペク
トル分析では、分析される材料の特性に関する情報を与える。LIBSを使用す
る技術は、Ottesen、他による文献(“Laser Spark Emission Spectroscopy for
In-Situ, Real Time Monitoring of Pulverised Coal Particle Composition”
, published by Sandia National Laboratories (No. SAND 90-8586), on behal
f of the Department of Energy, printed August 1990)に記載されている。
【0009】 LIBS技術は、石炭分析に適しているという保証を示しているが、スペクト
ルライン干渉、緩慢なサンプリング並びに応答時間、および校正の不確実さを含
む問題によって、実験室規模を超えて応用可能な技術を本発明の発明者は認識し
ていない。
【0010】 発明が解決しようとする課題 本発明の目的は、材料分析のための装置および方法を提供することである。
【0011】 第1の態様において、本発明は、レーザ光を材料に衝突させて、材料の少なく
とも一部分を蒸発して、イオン化し、そこからスペクトルを放射させるレーザと
、材料からのスペクトル放射を検出する複数の検出手段であって、各検出手段が
スペクトル放射のスペクトルの一部を検出する検出手段と、前記スペクトル放射
において前記複数の検出手段からデータを収集するデータ収集手段と、材料内の
元素または核種の存在または量、あるいはその両者を判断する判断手段とを含む
装置を提供する。
【0012】 装置はさらにデータ収集手段を含み、複数の検出手段の各々が各データ収集手
段と関係付けられていることが好ましい。
【0013】 複数の検出手段の各々は、スペクトル領域の一部に調節された分光計を含んで
もよい。各分光計は、CCD検出器を接続してもよい。CCD検出器はスペクト
ル領域内の情報をコンピュータまたはメモリスペース内のデータ捕捉(取得)カ
ードまたはデータファイルへ送ることができる。次にこのデータを分析して、材
料内の元素または核種の存在を判断し、好ましくは、材料内の元素または核種の
量または濃度を判断することができる。
【0014】 本発明に使用するのに適した分光計のタイプはグレーティングとプリズム分光
法;エタロンおよび走査計干渉計形式のような干渉計;およびスペクトラムの一
部の透過または反射を可能にする色付きガラスまたは干渉フィルタのタイプを含
むフィルタを含む。
【0015】 CCD(電荷結合検出器)以外の検出器を使用することができる。本発明で使
用可能な他の検出器には、ホトダイオードアレイ、ビジコン、ホトマルチプライ
ア管、およびホトダイオードを含む。当業者は何れの検出器を使用すべきかを容
易に認識するであろう。
【0016】 装置はさらに、レーザの励起を制御し、複数の検出手段の動作を制御して同期
化する制御手段を含むことが好ましい。制御手段はタイミング回路を含み、特定
の時間にレーザを励起し、他の特定の時間に検出手段を動作することができる。
制御手段はさらに、複数の検出手段の各々の動作を同期化し、複数の検出手段が
材料からスペクトル放射を同時に検出することがとくに好ましい。
【0017】 タイミング回路の代わりに、制御手段は、レーザおよび検出手段の動作を制御
する制御ソフトウエアを含んでもよい。
【0018】 装置はさらに光学系を含み、材料上でレーザ光の焦点を結び、複数の検出手段
上でスペクトル放射の焦点を結ぶ。光学系は、レンズ、光ファイバ、プリズム、
ビームスプリッタ、または他の光部品を含んでもよい。適切な光学系が必要であ
るが、光学系の設計は本発明の発明の概念の一部を形成しておらず、当業者は発
明として評価されるような新奇性(ingenuity)を必要とせずに多数の適切な光
学系を設計することができる。したがって、光学系についてさらに記載する必要
はない。
【0019】 レーザは、材料の一部を蒸気化およびイオン化することができるレーザである
。適切なレーザは、1064ナノメータのNd:YAGレーザ、すなわち532
ナノメートル、355ナノメートル、および266ナノメートルの高調波波長を
もつNd:YAGレーザのような固体レーザ;例えば308ナノメートルのXe
Cl、または248ナノメートルのKrFのエキシマレーザのようなガスレーザ
;二酸化炭素レーザ;色素レーザのような液体レーザ;または波長/周波数をシ
フトする高調波発生器、またはこれらの混合を含む。上述でとくに記載した以外
のレーザも使用することができる。当業者は適切なレーザを容易に選択すること
ができる。
【0020】 本発明の装置は、実験室内で、コンベヤ上で、または地中で材料を分析するの
に適している。
【0021】 本発明の装置では、高分解能の元素の蛍光を得ることができ、既知のLIBS
の分析者では一般的なスペクトル干渉をほぼ避けるかまたは最小化する。本発明
はさらに、単一のレーザパルス内の大きいスペクトル範囲の検出を可能にして、
分析時間を相当に低減することができる。この分析時間の低減により、装置を実
時間分析ツールとして使用することができる。分析時間の低減はさらに、サンプ
リングエラーを最小化する。これに関して、各レーザパルス内で蒸気化された材
料の一部分内の多数の元素の分析を達成できる。対照的に、既知のLIBS装置
では、材料の連続的な分析が必要であり、したがって多数のレーザパルスが必要
であった。各レーザパルスは材料の異なる部分を蒸発するので、とくに分析され
る材料が明らかに異質性をもつときは、エラーを導く可能性がある。
【0022】 本発明は材料を分析する方法にも関係する。
【0023】 第2の態様において、本発明は前記材料にレーザ光を当てて、前記材料を少な
くとも部分的に蒸発して、イオン化し、スペクトル放射を生じさせることと、複
数の検出手段を使用して前記スペクトル放射を検出し、前記複数の検出手段の各
々がスペクトル放射の一部を検出することと、複数の検出手段からデータを収集
することと、前記データを分析して、材料内の元素または核種の存在または量、
あるいはその両者を判断することとを含む方法を提供する。
【0024】 複数の検出手段からデータを収集する段階は、スペクトル情報を複数の検出手
段から複数の検出手段の各々と関係するデータ捕捉カードへ送ることを含むこと
が好ましい。
【0025】 本発明はさらに、レーザおよび複数の検出手段の動作を制御することを含む。
【0026】 ここで本発明の装置および方法を本発明の好ましい実施形態を参照してさらに
記載することにする。
【0027】 発明の実施の形態 本発明の好ましい実施形態の次の記述では、本発明の方法および装置を使用し
て、石炭を分析した。しかしながら本発明の方法および装置を使用して、幅広い
範囲の材料を分析できることが分かるであろう。本発明の方法によって分析でき
る材料は、固体、液体、または気体ですらある。図1に示した装置では、レーザ
10、例えば1064ナノメートルのNd:YAGレーザはレーザ光のパルスを放
射し、レーザ光のパルスは光学系12によって分析される材料14上で焦点を結ばれ
る。レーザパルスは材料14上で焦点を結ばれたレーザスポットの小さい領域では
、レーザの出力密度が材料の小さいサンプルの迅速な加熱およびイオン化を行う
。光は、関係する材料の特定の情報を含む蒸気化およびイオン化された材料から
放射される。蒸気化およびイオン化された材料から放射される光は参照符号16で
模式的に表わされ、この放射された光は複数の検出手段20、22、24によって検出
される。図1に示した装置は3つの検出手段をもつが、より少ないまたはより多
い検出手段を使用してもよいことが分かるであろう。とくに高い分解能が要求さ
れるとき、より多くの検出手段を使用できると考えられる。検出手段20は分光計
26を含み、材料14から放射しているスペクトル放射のスペクトルの一部に調節さ
れる。検出手段20はさらにCCD検出器28を含み、CCD検出器28は容易に使用
可能な市販のCCD検出器を適切に含む。CCD検出器28には12ないし16ビ
ットの検出器を含むことができる。
【0028】 同様に、検出手段22は分光計30およびCCD検出器32を含む。検出手段24は、
さらに分光計34およびCCD検出器36を含む。
【0029】 CCD検出器28、32、36は関係する分光計によって用意される特定のスペクト
ル領域から情報を検出する。次にCCD検出器は検出された情報を、中央コンピ
ュータ44と関係する各専用データ捕捉カード38、40、42へ送る。データ捕捉カー
ドにはアナログ−対−ディジタル変換ボード/回路を含んでもよい。コンピュー
タ44はさらに制御手段46を含み、レーザ10および複数の検出手段20、22、24の動
作を制御する。
【0030】 図1に示した装置を使用する際に、制御手段46は制御信号をレーザ10へ送り、
レーザはレーザ光のパルスを放射する。レーザ光10のパルスが材料14の表面上で
焦点を結ばれて、材料14の小さい部分の蒸気化およびイオン化を行う。
【0031】 制御信号がレーザ光10のパルスをレーザによって放射した少し後で、制御手段
46が制御信号を検出手段20、22、24へ送ると、これらの検出手段はオンになる。
レーザの励起と分光計の動作の開始との間にはわずかな遅延があり、CCD検出
器がレーザ光のパルスを検出せず、放射されたスペクトルのみを検出することを
確実にすることが好ましい。この制御信号によって分光計26、30、34は所定の期
間に関連するスペクトル領域から光を集め、CCD検出器28、32、36がその光を
検出できるようにする。分光計26、30、34の各々は、放射スペクトルの特定の領
域から光を収集する。特定の領域は、スペクトラムのディスクリートで、別個の
領域であるか、または分光計の1つによって収集されるスペクトル領域と分光計
の別のスペクトル領域と部分的に重なり合っていてもよい。検出手段20、22、24
はサンプル14から放射されたスペクトル領域からの光を収集および検出する一方
で、CCD検出器はさらに情報を各データ捕捉カード38、40、42へ送る。CCD
検出器は、ピクセルとして知られている光感知材料(通常はシリコン)の個々の
領域から形成される。各ピクセルは光強度を電荷または電流に変換し、次にデー
タ捕捉カードによってディジタル化される。各検出手段に対して別々のデータ捕
捉カードを使用すると、大量のデータを迅速に収集することができ、したがって
材料の迅速な分析を高スペクトル分解能で行うことができる。
【0032】 次に捕捉カード38、40、42によって収集されるデータは、コンピュータによっ
て分析されて、材料内に存在している元素または核種を判断し、さらにそれらの
元素または核種の各々の関係する量を判断する。材料内の各元素または核種の量
は、所定の元素または核種のスペクトル放射の特徴である波長においてスペクト
ルライン内の領域を統合し、この領域を特定の元素または核種の既知の内容をも
つ材料から得られる同じスペクトルライン内の領域と比較することによって判断
することができる。
【0033】 本発明の装置から収集されたスペクトル放射データを図2に示した。図2は、
イオン、カルシウム、ナトリウム、水素、炭素、マグネシウム、ケイ素、および
アルミニウムのスペクトルラインを示すようにマークを付した。
【0034】 装置は、炭素(C)、水素(H)、および酸素(O)−並びに灰形成成分を含
む石炭成分の測定が可能であるので、石炭利用に関係する燃料特性、とくに石炭
熱量(カロリー)値および含水量の判断も可能にする。
【0035】 本発明の装置および方法は、可視光範囲内で分析される材料からのスペクトル
放射を検出することが好ましい。しかしながら、装置は長波長の赤外線および短
波長の紫外線も検出することができる。
【0036】 本発明の装置は、一定の範囲の材料の高分解能の判断を可能にする装置を提供
する。単一のレーザパルス内の大きいスペクトル範囲を判断でき、分析にかかる
時間を相当に低減する。したがって分析される元素の全てが各レーザパルス内で
蒸発するサンプルの一部分内に存在しているので、元素が連続的に分析されると
きにサンプルの異なる部分を蒸発するレーザと比較して、サンプリングエラーは
低減する。材料内の幅広い元素の分析にするには単一のレーザパルスで十分であ
るが、サウンドサンプリング技術では複数のレーザパルスから収集および分析さ
れる情報を使用する。例えば20ないし100のレーザパルスを使用して、材料
から収集されるデータ量を増加して、より正確な分析を達成することができる。
【0037】 さらに複数のCCD検出器を使用して、比較的に短いCCD検出器アレイを使
用することができ、これは非常に長いCCDアレイを使用する構成と比較すると
、CCDからコンピュータへの転送時間を低減する。さらに、装置は良好なダイ
ナミックレンジを与える。ダイナミックレンジは、分析装置における重要なコン
セプトである。分析装置は、元素もしくは化合物の希釈された濃度を検出するよ
うに設計されていることが理想的である。しかしながら分析装置は高濃度、並び
に潜在的なアプリケーションの拡大を判断することができるように設計される必
要がある。現在の装置では2つの要素によってダイナミックレンジが判断される
【0038】 第1に、ダイナミックレンジは、分光計システムの感度によって判断される。
これはCCDの感度および分解能に、検出器への光透過レベル(例えば、フィル
タの使用によって調節可能である)を加えた関数である。
【0039】 ダイナミックレンジを調節する第2の方法は、レーザの出力に関係している。
この技術の感度(すなわち、検出制限)は決定的にレーザ出力に依存する。した
がってレーザ出力を調節して、ユーザに使用可能なダイナミックレンジを広げる
好都合な方法を提供する。この装置におけるレーザ出力の調節は、タイミングま
たは制御回路を変化するか、または装置の設計者が使用できる多数の他の方法に
よって実行することができる。これは、本発明の別の長所である。
【0040】 個々に記載した発明は、本明細書にとくに記載した以外の多数の変形および変
更を受けることが分かるであろう。とくに、図1は多数の分光計の使用を示して
いるが、単一のマルチチャンネル分光計を使用してもよい。しかしながらこのよ
うなマルチチャンネル分光計の各チャンネルは、それと関係する専用CCD検出
器(または他の適切な検出手段)をもつ。
【0041】 レーザ光がサンプル上で焦点を結び、放射された光が検出手段上で焦点を結ぶ
ために使用される光学系は、特定の設計をもつが、依然として本発明の技術的範
囲内に入る。
【0042】 本発明の装置は実験室装置または領域内装置(in-field instrument)として使
用することができる。本発明の応用の装置および方法は、反射された光ではなく
、放射された光を分析し、したがって分析される材料の表面は光収集光学系と正
確にアラインしている必要はない。したがってこの装置をサンプルの準備が重要
でない情況で使用することができる。とくにこの装置を石炭分析に使用すること
に関して、領域内装置を使用して、コンベヤベルト上を移動する石炭を分析する
ことができる。レーザはコンベヤベルトに沿って移動する石炭に直接に当たり、
検出手段はコンベヤベルト上の材料からのスペクトル放射を検出するようにされ
ている。その代わりに、サンプリング装置は、コンベヤベルト付近の装置による
分析のためにコンベヤベルトから石炭のサンプルを取除いて、コンベヤベルト上
の石炭の実時間分析を行うことができる。本発明を使用して、領域内の石炭以外
の材料を分析できることも理解されるであろう。
【0043】 装置は、石炭シーム内の石炭を分析するためのホール内(in-hole)または地
中(in-ground)の装置として使用することもできる。この実施形態では、サンプ
リングヘッドは石炭シーム内に穿孔されたホールを下げることができる。その代
わりに石炭シームが比較的に柔軟であるとき、針入度計または石炭シームへ押し
込まれる他の貫入装置としてサンプリングヘッドを含んでもよい。サンプリング
ヘッドは、光ファイバを含む光学系によって検出手段へ光学的にリンクし、その
結果検出手段をサンプリングヘッドから離れて位置付けることができる。こうし
てサンプリングヘッドの大きさを最小にすることができる。
【0044】 ここで図3を参照すると、地中の分析器は、レーザを含むレーザ分析システム
50を含む。光ファイバケーブル51はレンズシステム52へリンクされ、レーザ分析
システム50からのレーザ光を、分析される材料の領域へ送ることができるように
する。ボアホール54は地面を予めドリルされて作られるか、または針入装置によ
って形成される。
【0045】 光ファイバケーブル51およびレンズシステム52は、ボアホール54へ挿入される
強力なハウジング55内に収容される。ハウジング55はクリアウインドウ53を含み
、クリアウインドウ53にはレンズシステム52が隣接して位置付けられている。こ
れは、図3の挿入された拡大図内により明白に示した。したがってレーザ光はク
リアウインドウ53に隣接する石炭に当たって、プラズマを形成することができる
。プラズマの放射スペクトルは分析のために光ファイバケーブル51を介してレー
ザ分析システム50へ戻される。レーザ分析システム50は、これに関して、図1に
示した装置に本質的に同じである。
【0046】 図3に示した実施形態の代わりとして、レーザはハウジング55内に直接に装着
され、地中内を下降することができる。
【0047】 図4は、元の場所で分析するための代わりの装置を示す。装置は、図1に示し
たものと実質的に等しいレーザ分析システム60を含む。地面から材料を分析する
ために、ドリルビット61およびドリルストリンガ62はボアホール63を掘削する。
圧縮された空気は、ドリルストリンガ62を通って下方へ送られ(ドリルストリン
ガ62内の空気流の方向は矢印64によって示されている)、続いてドリルストリン
ガ62の外側の壁とボアホール63との間に規定された環状空間を通って、矢印65に
よって示したように上方へ移動する。空気エンジンの上へ向かう流れ65はドリル
の刃61からの切取り部を一緒に移動させ、これらの切取り部は分析のためにレー
ザ分析システム60へ送られる。切取り部の配送は参照符号66によって模式的に示
した。
【0048】 コンベヤベルト上の石炭の分析は図5に模式的に示した。図5において、コン
ベヤベルト71上を移動する石炭70の層はレーザ分析システム73から放射している
レーザビーム72を受ける。レーザ分析システム73は図1に示した装置と実質的に
同じである。石炭から放射される蛍光スペクトル74はレーザ分析システム73によ
って分析される。
【0049】 コンベヤ上の石炭を分析するための別の装置は図6に示した。図6では、図5
と共通の特徴は図5と同じ参照符号で示した。図6の装置と図5の装置とが相違
するのは、図6のシステムはサンプリングシステム75を含み、サンプリングシス
テム75がコンベヤから石炭のサンプルを抽出し、次にこのサンプルがレーザ分析
システム73によって分析されることである。分析後に、サンプルはコンベヤへ戻
されて、分析のために新しいサンプルがとられる。
【0050】 当業者は、本明細書に記載した発明が、とくに記載した以外の変形および変更
が可能であることが分かるであろう。本発明は、本発明の技術的範囲を逸脱せず
に全てのこのような変形および変更を含むことが理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態にしたがう装置の模式図。
【図2】 本発明の実施形態の装置を使用して得られた石炭の分析を示すグラフ。
【図3】 本発明と協働して、石炭を元の場所で分析する構成を示す図。
【図4】 石炭のシーム内で石炭を分析する代わりの構成を示す図。
【図5】 コンベヤ上の分析に使用される本発明施形態を示す図。
【図6】 石炭のコンベヤ上での分析のための本発明の代わりの構造を示す図。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年6月13日(2000.6.13)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】 第1の態様において、本発明は、レーザ光を材料に衝突させて、材料の少なく
とも一部分を蒸発して、イオン化し、そこからスペクトルを放射させるレーザと
、材料からのスペクトル放射を検出する複数の検出手段であって、各検出手段が
スペクトル放射のスペクトルの一部を検出する検出手段と、前記スペクトル放射
において前記複数の検出手段からデータを収集し、それによって複数の検出手段
の各々が各データ収集手段と関係付けられている複数のデータ収集手段と、材料
内の元素または核種の存在または量、あるいはその両者を判断する判断手段とを
含む装置を提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】 第2の態様において、本発明は前記材料にレーザ光を当てて、前記材料を少な
くとも部分的に蒸発して、イオン化し、スペクトル放射を生じさせることと、複
数の検出手段を使用して前記スペクトル放射を検出し、前記複数の検出手段の各
々がスペクトル放射の一部を検出することと、複数の検出手段からデータを収集
することと、前記データを分析して、材料内の元素または核種の存在または量、
あるいはその両者を判断することとを含み、複数の検出手段からデータを収集す
る段階は、スペクトル情報を複数の検出手段から複数の検出手段の各々と関係す
るデータ捕捉カードへ送ることを含む方法を提供する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01J 3/443 G01J 3/443 3/45 3/45 3/51 3/51 G01N 21/64 G01N 21/64 Z 33/22 33/22 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CR, CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI,G B,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL ,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ, LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL, TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,V N,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2G020 AA03 AA04 AA05 BA02 BA20 CA01 CB23 CB42 CB43 CC02 CC13 CC23 CC26 CC31 CC47 CD03 CD06 CD22 CD23 CD24 CD34 CD36 CD37 CD56 2G043 AA01 BA01 BA02 BA03 BA09 BA10 CA05 DA01 DA05 EA01 EA10 FA06 GA08 GB21 HA05 HA09 HA15 JA02 JA03 JA04 JA05 JA08 KA01 KA02 KA03 KA08 KA09 LA01 LA02 LA03 NA01 NA04 NA06 NA14

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を材料に衝突させて、材料の少なくとも一部分を蒸
    発して、イオン化し、そこからスペクトル放射を生じさせるレーザと、材料から
    のスペクトル放射を検出する複数の検出手段であって、各検出手段がスペクトル
    放射のスペクトルの一部を検出する検出手段と、前記スペクトル放射について前
    記複数の検出手段からデータを収集するデータ収集手段と、材料内の元素または
    核種の存在または量、あるいはその両者を判断する判断手段とを含む装置。
  2. 【請求項2】 複数のデータ収集手段をさらに含み、複数の検出手段の各々
    が各データ収集手段と関係している請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 複数の検出手段の各々が、スペクトル領域の一部を検出する
    ようにされている分光計を含む請求項1または2記載の装置。
  4. 【請求項4】 分光計の各々が、それと関係している電荷結合デバイス(C
    CD)検出器をもつ請求項3記載の装置。
  5. 【請求項5】 複数のデータ収集手段が、複数のデータ捕捉カードを含む請
    求項2ないし4の何れか1項記載の装置。
  6. 【請求項6】 複数のデータ捕捉カードの各々が、各分光計と関係している
    CCD検出器からスペクトル情報を受け取る、請求項4に追加されるとき、請求
    項5記載の装置。
  7. 【請求項7】 分光計がグレーティングとプリズム分光法;エタロンおよび
    走査計干渉計形式を含む干渉計;およびスペクトラムの一部の透過または反射を
    可能にする色付きガラスまたは干渉タイプフィルタ;の中から選択される請求項
    3ないし6の何れか1項記載の装置。
  8. 【請求項8】 レーザの励起を制御し、複数の検出手段の動作を制御および
    同期化する制御手段をさらに含む請求項2ないし7の何れか1項記載の装置。
  9. 【請求項9】 制御手段が、特定の時間にレーザを励起し、他の特定の時間
    に検出手段を動作するタイミング回路を含む請求項8記載の装置。
  10. 【請求項10】 制御手段が、レーザおよび複数の検出手段の動作を制御す
    る制御ソフトウエアを含む請求項8記載の装置。
  11. 【請求項11】 制御手段が、複数の検出手段の各々の動作を同期し、その
    結果複数の検出手段が材料からスペクトル放射を同時に検出する請求項8ないし
    10の何れか1項記載の装置。
  12. 【請求項12】 材料上でレーザ光と焦点を結び、複数の検出手段上でスペ
    クトル放射の焦点を結ぶ光学系をさらに含む請求項1ないし12の何れか1項記
    載の装置。
  13. 【請求項13】 レーザが、1064ナノメートルのNd:YAGレーザ、
    すなわち532ナノメートルと355ナノメートルと266ナノメートルの高調
    波波長をもつNd:YAGレーザ;308ナノメートルのXeClのエキシマレ
    ーザ、または248ナノメートルのKrFのエキシマレーザを含むガスレーザ;
    二酸化炭素レーザ;色素レーザを含む液体レーザ;または波長/周波数シフト;
    高調波生成またはその混合を含むグループから選択される請求項1ないし12の
    何れか1項記載の装置。
  14. 【請求項14】 検出手段が、ホトダイオードアレイ、ビジコン、ホトマル
    チプライヤ管、およびホトダイオードを含む請求項1ないし3の何れか1項記載
    の装置。
  15. 【請求項15】 前記レーザが、コンベヤベルト上を移動する材料に当たり
    、それによってコンベヤベルト上の材料を分析する請求項1ないし14の何れか
    1項記載の装置。
  16. 【請求項16】 装置が、地中の材料を分析するためのホール内または地中
    の装置を含む請求項1ないし14の何れか1項記載の装置。
  17. 【請求項17】 装置が、ホールを下降するためのサンプリングヘッドを含
    む請求項16記載の装置。
  18. 【請求項18】 装置が、針入度計または他の地面貫通装置内で保持されて
    いるサンプリングヘッドを含む請求項16記載の装置。
  19. 【請求項19】 サンプリングヘッドが、光ファイバを含む光学系によって
    検出手段に光学的にリンクされ、検出手段がサンプリングヘッドから遠隔に位置
    している請求項17または18記載の装置。
  20. 【請求項20】 前記材料にレーザ光を当てて、前記材料を少なくとも部分
    的に蒸発して、イオン化し、スペクトル放射を生じさせることと、複数の検出手
    段を使用して前記スペクトル放射を検出し、前記複数の検出手段の各々がスペク
    トル放射のスペクトルの一部を検出することと、複数の検出手段からデータを収
    集することと、前記データを分析して、材料内の元素または核種の存在または量
    、あるいはその両者を判断することとを含む方法。
  21. 【請求項21】 複数の検出手段からデータを収集する段階は、スペクトル
    情報を複数の検出手段から複数の検出手段の各々と関係するデータ捕捉カードへ
    送ることを含む請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】 分析される装置が石炭である請求項20または21記載の
    方法。
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