JP2002524464A - 不斉触媒反応のためのフェロセンを基礎とするジホスホナイト - Google Patents

不斉触媒反応のためのフェロセンを基礎とするジホスホナイト

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JP2002524464A
JP2002524464A JP2000568854A JP2000568854A JP2002524464A JP 2002524464 A JP2002524464 A JP 2002524464A JP 2000568854 A JP2000568854 A JP 2000568854A JP 2000568854 A JP2000568854 A JP 2000568854A JP 2002524464 A JP2002524464 A JP 2002524464A
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規なキラル1,1’フェロセニレンジホスホナイトおよびその合成、さらに、該化合物と周期表のVIIb、VIIIbおよびIb族由来の金属との錯体、ならびにオレフィン、ケトンおよびイミンのエナンチオ選択的水素化またはエナンチオ選択的ヒドロホウ素化および活性化オレフィンへの1,4付加のためのその使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、新規なキラル1,1’−フェロセニレンジホスホナイトおよびその
合成、さらに、該化合物と周期表のVIIb、VIIIbおよびIb族由来の金
属との錯体およびオレフィン、ケトンおよびイミンのエナンチオ選択的水素化の
ためのその使用に関する。
【0002】 過去20年の間に、触媒的エナンチオ選択的合成、例えば、遷移金属で触媒さ
れる不斉水素化が産業界における重要性を獲得した(B. Cornils, W.A. Herrman
n, Applied Homogeneous Catalysis with Organometallic Compounds, Wiley-VC
H, Weinheim, 1996; R. Noyori, Asymmetric Catalysis in Organic Synthesis,
Wiley, New ork, 1994)。所望により活性化ジホスファン、例えば、BINA
P(R. Noyoriら、J. Am. Chem. Soc. 1980, 102, 7932)、DuPHOS(M.J.
Burkら、J. Am. Chem. Soc. 1995, 117, 9375)、BICP(X. Zhangら、J. A
m. Chem. Soc. 1997, 119, 1799)およびBPE(M.J. Burkら、J. Am. Chem. S
oc., 1996, 118, 5142)のロジウム、ルテニウムまたはイリジウム錯体が通常、
触媒として使用される。これらの系における欠点は、調製における調製費用が比
較的高いこと、および必要ならば、ラセミリガンドの光学分割および触媒におい
て観察されるしばしば不十分なエナンチオ選択性である。したがって、新規な特
に高性能のリガンドをできるかぎり単純な方法で調製することが、産業的および
学術的研究の目的であった。
【0003】 ジホスファンとは対称的に、触媒反応におけるリガンドとしてのキラルジホス
ホナイトは、2つのケースに記載されただけであった(L. Dahlenburgら、J. Or
ganomet. Chem. 1998, 564, 227,およびEur. J. Inorg. Chem. 1998, 1, 885お
よびI.E. Nifant'evら、Russ. J. Gen. Chem. 1995, 65, 682)。
【0004】 第一のケースでは、光学的に純粋な1,2−ビス(ジクロロホスフィノ)シク
ロペンタンおよびアキラル一価アルコールまたは光学的に純粋な(R)−ビナフ
トール由来のジホスホナイトを使用した。2−アセトアミド桂皮酸のロジウムで
触媒された水素化において、対応するフェノール誘導化ジホスホナイトの場合に
、かかるリガンドを用いて78%の最大のエナンチオマー過剰率を達成できた。
使用された基質−対−触媒比は、全てのケースで非常に低かった(76:1)。
さらに、これらのリガンドのロジウム錯体の調製において重大な調製上の困難が
存在することが指摘される。これらは、実用性を妨げる2つの重要な欠点である
【0005】 Nifant'evらは、保護された単糖類を基礎とするフェロセニレンジホスホナイ
ト、すなわち、C−対称脂肪族1,2−ジオール(二例)および1,3−ジオ
ールおよびC−対称脂肪族1,4−ジオール(各々、一例)を使用した。これ
らのリガンドのロジウム錯体は、前駆体として[Rh(CO)Cl]から合
成され、アセトフェノンの不斉ヒドロシリル化において使用された。達成された
エナンチオマー過剰率の最高値は32%であり、そのうえ、化学選択性が不十分
であるため、産業上の有用性が除外される。
【0006】 しかしながら、発明者らの結果によると、フェロセニレンジホスホナイトは、
適当なキラルジオールを出発材料として選択する場合、優秀な特性を有するリガ
ンドである。さらに、それらは、非常に容易かつ安価に調製することができる。
有用なジオールが主として、C−対称脂肪族1,2−ジオールまたはアキシア
ルキラル芳香族もしくは複素環式芳香族ジオールを包含することが見出された。
したがって、適当な骨格、この場合、フェロセンの選択だけでなく、適当なジオ
ールの選択も、ジホスホナイトの応用を成功させるために不可欠である。文献(
上記)から今までに知られた2つの例は、この点を考慮しないままであり、その
ため、今日まで実際的な結果に到達できなかった。本発明は、一般に、不斉触媒
において99%以上のエナンチオ選択性を有し、それにより、実際的応用に有用
な選択性を達成できるキラルジホスホナイトの最初の例を包含する。
【0007】 本発明の基本的な理論は、脂肪族基本構造を有するキラルC−対称1,2−
ジオールあるいはP/O複素環におけるアキシアルキラル芳香族または複素環式
芳香族ジオールのいずれかを含有する骨格としてフェロセンを有するキラルC −対称ジホスホナイトおよびその合成を包含する。本発明は、また、かかるリガ
ンドの金属錯体および不斉合成におけるそれらの使用を包含する。該型のリガン
ドは、種々のプロキラルオレフィンの水素化において優秀なエナンチオ選択性を
示すが、明らかにより単純に調製でき、それにより、文献から今までに知られて
いる比較的高い選択性を有する系(例えば、DuPHOSまたはPennPHOS; M.J. Burk
ら、J. Am. Chem. Soc. 1995, 117, 9375およびX. Zhangら、Angew. Chem. 1998
, 110, 1203)と比べて費用がかからない。
【0008】 詳細には、本発明は、I、II、IIIおよびIV型の1,1’−フェロセニ
レンジホスホナイトを含む。
【0009】
【化6】
【0010】
【化7】
【0011】 クラスIの化合物の場合、ビルディング・ブロック(building block)はV型
のC−対称キラルジオールである。
【0012】
【化8】
【0013】 残基Rは、例えば、保護炭水化物または保護アミノアルコールの1,2−ジ
オール単位の場合、所望により官能基化されていてもよい飽和炭化水素であるこ
とができる。可能な残基はまた、芳香族または複素環式芳香族基、例えば、フェ
ニル、ナフチルまたはピリジルを包含し、それら自体は、所望により官能基化さ
れることができる。最終的に、残基はエステルまたはアミド基、例えば、−CO CH、−CO、−CO−i−Cまたは−CO[N(CH]、−CO[N(C]または−CO[N(i−C
よりなることが可能であり、対応するジオールVは酒石酸誘導体である。
【0014】 クラスIIのリガンドの場合、酸素含有ビルディング・ブロックは、残基R 、R、R、R、RおよびRを有するビナフトールVIよりなり、それ
は独立して、基:水素(H)、所望により官能基化されていてもよく、および/
または架橋していてもよい飽和炭化水素(例えば、R+R=−(CH −)、官能基化されていてもよく、および/または縮合されていてもよい芳香族
または複素環式芳香族基、よって、環状残基(例えば、R+R=オルト−フ
ェニレン;4,4’−ジヒドロキシ−5,5’−ビス(フェナントリル)に対応
する)を示し、官能基化されていてもよい非芳香族不飽和炭化水素、例えば、ア
ルキニル基−C≡CR、シリル基、例えば、−SiMe、ハロゲン(−Cl、
−Br、−F、−I)、ニトロ(−NO)またはニトリル(−CN)基、また
はエステル(−COR)、アミド(−C(O)NRR’)、アミン(−NRR
’)、エーテル(−OR)、スルフィド(−SR)およびセレニド(−SeR)
を示してもよく、ここに、RおよびR’は、水素、所望により官能基化されてい
てもよい飽和または非芳香族不飽和炭化水素、または所望により官能基化されて
いてもよい芳香族残基である。特に、本発明は、ビナフトール基本構造の全C −およびC−対称置換パターンを包含するR、R、R、R、Rおよ
びRについて挙げられた残基の全ての組み合わせを包含する。さらに、ビナフ
トールコアの1以上の炭素原子は、また、ヘテロ原子、例えば、窒素で置換され
ていてもよい。好ましくは、ビナフトール(R=R=R=R=R=R =H)自体がビルディング・ブロックとして作用する。
【0015】
【化9】
【0016】 クラスIIIの化合物の場合、ジヒドロキシビルディング・ブロックは、官能
基化された配置上安定なビフェノールVIIである。アキシアルキラリティーに
関する配置安定性は、R≠Hの場合に保証される(E.L. Eliel, S.H. Wilen,
L.N. Mander, Stereochemistry of Organic Compounds, Wiley, New York, 1994
)。R〜Rは、クラスVIの化合物の場合の残基R〜Rと同じ範囲で変
化する。しかしながら、好ましくは、R=R=Hであって、R+R=−
(CH−である(2,2’−ジヒドロキシ−5,5’,6,6’,7,7
’,8,8’−オクタヒドロ−1,1’−ビナフチル、D.J. Cramら、J. Org. C
hem. 1978, 43, 1930)。
【0017】
【化10】
【0018】 クラスIVの化合物の場合、ジヒドロキシビルディング・ブロックは、2,2
’−ジヒドロキシ−3,3’−ビス(インドリル)(X=N)、2,2’−ジヒ
ドロキシ−3,3’−ビス(ベンゾ[b]チオフェニル)(X=S)または2,
2’−ジヒドロキシ−3,3’−ビス(ベンゾ[b]フラニル)(X=O)由来
の官能基化された配置上安定な複素環式芳香族系VIIIである。これらの場合
も、置換基は、VIにおけるのと同じ範囲で変化する。置換基Rは、X=Oま
たはX=Sの場合に存在しない。
【0019】
【化11】
【0020】 本発明は、ビルディング・ブロックとしてのジオールV、VI、VIIおよび
VIIIの全ての立体異性形態を包含する。
【0021】 スキーム1は、本発明のリガンドの合成経路を示す。第一段階において、文献
(J.J. Bishopら、J. Organomet. Chem. 1971, 27, 241)から知られるように、
テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)の存在下でn−ブチルリチウムを
用いてフェロセンの2倍のリチウム化をもたらし、次いで、塩化リン、例えば、
CIP[N(CHまたはCIP[N(Cでリン酸化さ
せて、クラスIXの化合物を形成させ;第二段階において、これらをジオールV
、VI、VIIまたはVIIIと反応させて、各々、リガンドI、II、III
またはIVを形成させる。
【0022】
【化12】 スキーム1.
【0023】 該合成の変形は、付加段階を包含する。すなわち、IXとHClを反応させて
Xを形成し、次いで、それをジオールV、VI、VIIまたはVIIIと反応さ
せる(スキーム2)。多くの場合、これは、全収量を増加させる。
【0024】
【化13】 スキーム2.
【0025】 本発明は、また、本発明のリガンドと通常、ジホスフィンと共に使用される遷
移金属化合物、特に、周期表VIIb、VIIIbおよびIb族の金属との反応
による新規な金属錯体の形成を包含する(例えば、B. Cornils, W.A. Herrmann,
Applied Homogeneous Catalysis with Organometallic Compounds, Wiley-VCH,
Weinheim, 1996; R. Noyori, Asymmetric Catalysis in Organic Synthesis, W
iley, New York, 1994)。例は、XI−XXXVIII型(ここに、codはη :η−1,5−シクロオクタジエンを示し、cymolは、η−1−is
o−プロピル−4−メチルベンゼンを示す)のRh、Ru、Ir、Ni、Pdま
たはCu錯体を包含する。
【0026】
【化14】
【0027】
【化15】
【0028】
【化16】
【0029】
【化17】
【0030】
【化18】
【0031】
【化19】
【0032】 最終的に、本発明は、また、不斉触媒反応、例えば、水素化、ヒドロホルミル
化、ヒドロシアン化、ヒドロシリル化、ヒドロビニル化、ヒドロホウ素化および
銅触媒化1,4−付加における触媒としての本発明の金属錯体の使用を包含する
。例は、イタコン酸ジメチルXXXIX、アクリル酸2−アセトアミドメチルX
L、(Z)−2−アセトアミド桂皮酸XLIおよびそのメチルエステルXLII
、α−アセトアミドスチレンXLIIIおよびN−(1−フェニル−エチリデン
)アニリンXLIVの不斉水素化を包含し、それは、本発明の金属錯体を使用す
る場合、非常に高い化学的収量およびエナンチオ選択性で実施できる。同様に、
スチレンVLのヒドロホウ素化、および2−シクロヘキセン−1−オンVLIま
たは2−シクロヘプテン−1−オンVLIIに対する銅触媒化1,4−付加に応
用される。これらの結果は非常に実際的に重要であり、さらにそれは、これらの
化合物を産業的応用に関して興味深いものとする。
【0033】
【化20】
【0034】
【化21】
【0035】
【化22】
【0036】 実施例1. 1,1’−ビス[ビス(ジエチルアミノ)ホスフィノ]フェロセ
ン(IX,R=Et)の合成 室温にて、600mlの無水ヘキサン中における30.0g(0.161モル
)のフェロセンを容器に入れる。室温にて40分以内で、250ml(0.40
モル)の1.60M n−ブチルリチウムのヘキサン中溶液および63.0ml
(48.5g、0.417モル)の無水N,N,N’,N’−テトラメチルエチ
レンジアミンの混合物を滴下する。該混合物を室温で一晩、攪拌させる。沈殿し
たオレンジ色の固体をP4リバースフリットによってろ過し、ろ液が無色になる
まで、ペンタンで徹底的に洗浄する。その後、ろ過残渣をオイルポンプ真空中で
乾燥させて、37.7g(0.12モル、75%)のN,N,N’,N’−テト
ラメチルエチレンジアミノ−1,1’−ジリチオフェロセンを微細なオレンジ色
の粉末として得る。
【0037】 −78℃にて、11.7g(37.2ミリモル)の該粉末を300mlの無水
THF中に懸濁する。20.0ml(92.3ミリモル)のビス(ジエチルアミ
ノ)クロロホスフィンの50mlの無水THF中溶液を1時間以内で滴下する。
混合物を室温まで解凍させ、さらに15時間攪拌する。溶液はこのとき赤茶色を
有するが、該溶液から溶媒を除去し、油状残渣を300mlの無水ペンタン中に
溶解する。溶解しない塩化リチウムをセライト(Celite)545(登録商標)を
ろ過助剤として用いるP4フリットによるろ過によって分離する。さらに、透明
のろ液から溶媒を完全に除去する。油状の赤茶色の残渣を10−6ミリバールで
の分別蒸留に付す。これらの条件下で、生成物は175−190℃の上限温度で
蒸留して、18.4g(34.7ミリモル、93%、使用したN,N,N’,N
’−テトラメチルエチレンジアミノ−1,1’−ジリチオフェロセンに基づいて
計算される)の非常に粘性の赤茶色油状物を得る。分析結果:1H NMR (d6-C6H6,
300MHz): 4.13(t) J=1.8Hz [4H], 4.10 (m) [4H], 2.81 (m) [16H], 0.81 (t) 3 JH-H=7.2Hz [24H]; 13C{1H}NMR (d6-C6H6, 75MHz): 82.1 (d) JC-P=11.9, 72.9
(dd) JC-P=2.6Hz, 9.8Hz, 72.5 (dd) JC-P=2.3Hz, 4.4Hz, 43.1 (d) 2JC-P=17.
4Hz, 15.2 (d) 3JC-P=3.2Hz; 31P NMR (d6-C6H6, 121MHz): 91.6 (s); MS (EI,
陽イオン):m/z=534 [M+] (30%), 463 [M+-C4H9N] (14%), 391 (72%), 320 (10
0%), 247 (25%), 195 (25%), 128 (11%), 104 (10%); HRMS (EI,陽イオン):実
測値:534.270322±0.000625、予測値:534.270361; IR (キャピラリー):ν (
cm-1)=3097 (w), 2965 (s), 2929 (m-s), 2850 (m-s), 1461 (m), 1373 (s), 13
42 (w), 1291 (m-w), 1187 (s), 1100 (w), 1072 (m-w), 1023 (s), 1012 (s),
908 (s), 792 (m-s), 662 (s-m)
【0038】 実施例2. 1,1’−ビス(ジクロロホスフィノ)フェロセン(X)の合成 −78℃にて、無水ジエチルエーテル400ml中における8.63g(16
.3ミリモル)の1,1’−ビス[ビス(ジエチルアミノ)ホスフィノ]フェロ
セン(IX,R=Et)を容器に入れる。40mlの3.9M HClの無水ジ
エチルエーテル150ml中溶液を2時間以内で滴下する。添加完了後、混合物
を室温に温め、一晩攪拌させて、そこに懸濁された無色固体を含有するオレンジ
色の溶液を得、それをセライト545(登録商標)をろ過助剤として用いるP4
フリットによるろ過によって分離する。次いで、透明のオレンジ色のろ液から溶
媒を完全に除去する。その後、オレンジ色の固体を30mlの無水トルエン/ペ
ンタン(1:1)混合物から再結晶化して、5.94g(15.3ミリモル)の
生成物X(94%)を粗い針状結晶の形態で得る。分析結果:1H NMR (d6-C6H6,
300MHz): 4.66 ppm (s); 13C{1H}NMR (d6-C6H6, 75MHz): 82.3 (d) JC-P=55.4H
z, 74.8 (t) JC-P=2.9Hz, 72.8 (m); 31P NMR (d6-C6H6, 121MHz): 163.7 (s);
MS (EI, 陽イオン):m/z=386 [M+] (49%), 351 [M+-Cl] (17%), 258 (5%), 223
(5%), 159 (24%), 130 (100%), 95 (58%), 69 (19%); EA: C: 30.69% (計算値
、30.97%), P: 16.13% (計算値、15.97%), H: 2.15% (計算値、2.08%)
【0039】 実施例3. 中間体を単離しない1,1’−ビス[ジクロロホスフィノ]フェ
ロセン(X)の直接的合成 室温にて、400mlの無水ヘキサン中における40.69g(0.2186
モル)のフェロセンを容器に入れる。342ml(0.547モル)の1.60
M n−ブチルリチウムのヘキサン中溶液および82.0ml(63.6g、0
.547モル)の無水N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの混
合物を室温にて、6時間以内で滴下する。混合物を室温で18時間、攪拌させる
。上澄液を浸漬フリットによってろ過し、オレンジ色のろ過残渣を400mlの
無水THF中に懸濁する。−78℃にて、95.0ml(94.6g、0.48
1モル)のビス(ジエチルアミノ)クロロホスフィンの200mlの無水THF
中溶液を4時間以内で滴下する。THFを4時間以内で滴下する。混合物を室温
で解凍させ、さらに15時間攪拌する。溶液はここで赤茶色を有するが、該溶液
を−78℃に冷却し、ジエチルエーテル中の390mlの5.6M HClを5
時間以内で滴下する。室温まで加温後、溶媒を完全に蒸留し、残渣を2Lのジエ
チルエーテル中に溶解し、溶液をセライト545(登録商標)をろ過助剤として
用いるP4フリットによって不溶物からろ過する。さらに、透明のろ液から溶媒
を完全に除去する。最終的に、赤茶色の固体を200mlのトルエン/ペンタン
から−20℃にて再結晶化させる。オイルポンプ真空中で乾燥後、52.82g
の粗結晶状固体(0.136モル、62%)を得る。分析結果:適当(実施例2
参照)
【0040】 実施例4. (R,R)−1,1’−ビス{ジナフト[1,2−d;1,2−
f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル}フェロセン(II,R =R=R=R=R=R6=H)の合成 1.28g(3.30ミリモル)の1,1’−ビス(ジクロロホスフィノ)フ
ェロセン(X)を1.89g(6.60ミリモル)の(R)−ビナフトール(>
99.9% ee)と一緒に250mlの無水トルエン中に溶解し、次いで、3
6時間還流下で加熱する。その後、溶媒を完全に除去し、残渣を150mlの沸
騰トルエン中に溶解する。室温に冷却後、セライト545(登録商標)をろ過助
剤として用いるP4フリットによるろ過によって、溶液を不溶物から分離する。
透明のオレンジ色のろ液を25mlに濃縮し、80mlの無水ペンタンの層で覆
う。一晩で、微結晶状のオレンジ−茶色の固体が沈殿し、次いで、それをろ過し
、オイルポンプ真空中で乾燥させて、2.70g(2.98ミリモル、90%)
の微結晶状オレンジ−茶色固体を得る。生成物は、1モルの物質あたり1モルの
トルエンを含有する。分析結果:1H NMR (d2-CH2Cl2, 300MHz): 7.88-7.72 (m)
[6H], 7.64(s) [1H], 7.61 (s) [1H], 7.44 8s) [1H], 7.41 (s) [1H], 7.37-7.
23 (m) [8H], 7.22-7.12 (m) [6H], 7.11-7.02 (m) [3H], 6.81 (s) [1H], 6.78
(s) [1H], 4.63 (m) [2H], 4.50 (s) [2H], 4.23 (m) [2H], 3.64 (m) [2H], 3
.64 (s) [3H] PhCH3 (トルエンで評価); 13C{1H}NMR (d2-CH2Cl2, 75MHz): 14
9.38 (s), 148.3 (s), 132.0 (s), 131.7 (S), 130.7 (s), 130.2 (s), 128.5 (
s), 127.6 (s), 127.5 (s), 127.3 (s), 125.80 (s), 125.78 (s), 125.2 (s),
124.4 (s), 124.1 (s), 123.9 (s), 123.7 (m), 122.6 (s), 121.4 (s), 120.8
(s), 76.1 (m), 72.9 (m), 72.3 (t)J=4.1Hz, 71.5 (s), 69.7 (s) (トルエンで
評価); 31P NMR (d2-CH2Cl2, 121MHz): 190.8 (s); MS (EI, 陽イオン):m/z
=814 [M+] (100%), 499 (7%), 435 (14%), 419 (12%), 268 (10%), 167 (12%);
IR(KBr): ν (cm-1)=3056 (w), 1617 (w-m), 1586 (m), 1505 (m), 1462 (m-s),
1430 (w), 1228 (s)νAr-O, 948 (s)νP-O, 820 (s), 789 (m-s), 780 (m-s),
751 (s), 684 (m), 636 (m-w), 573 (m), 552 (m), 497 (m); EA: C: 75.39% (7
5.50%計算値, H: 4.58% (4.45%計算値)
【0041】 得られた粗生成物をまた、ジクロロメタンから再結晶化してもよく;次いで、
微結晶オレンジ色固体の形態で得られる(物質1モルあたり1.5モルのジクロ
ロメタンを含有する;分析結果:適当)。
【0042】 実施例5. (S,S)−1,1’−ビス{ジナフト[1,2−d;1,2−
f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル}フェロセン(II,R =R=R=R=R=R=H)の合成 (S)−ビナフトールを用い、他の点では実施例3と同じプロトコールを用い
て、2.70g(2.98ミリモル、90%;トルエン付加物として計算される
)の(S,S)生成物を得る。分析結果:NMR、MSおよびIRは実施例3の
とおりである。
【0043】 実施例6. 1,1’−ビス−[ビス(ジエチルアミノ)ホスフィノ]フェロ
セン(IX,R=Et)から出発する(R,R)−1,1’−ビス(ジナフト[
1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル)フ
ェロセン(II,R=R=R=R=R=R=H)の合成 オイルポンプ真空中、1.000gの強酸性酸化アルミニウムを徹底的に加熱
する。冷却後、1.471g(2.773ミリモル)の1,1’−ビス[ビス(
ジエチルアミノ)−ホスフィノ]フェロセン(IX,R=Et)および1.71
0g(5.546ミリモル)の(R)−ビナフトールおよび75mlの無水トル
エンを加える。混合物を20日間、熱還流する。冷却後、不溶物をろ過し、ろ液
から溶媒を除去して1.011g(1.115ミリモル、40%)のオレンジ色
の固体を得、再結晶化後のその分析結果は適当である(実施例3参照)。
【0044】 実施例7. (R,R)−1,1’−ビス{3,3’−ジメチルジナフト[1
,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル}フェ
ロセン(II,R=CH,R=R=R=R=R=H)の合成 0.772g(1.99ミリモル)の1,1’−ビス(ジクロロホスフィノ)
フェロセン(X)を50mlの無水トルエン中に1.407g(3.981ミリ
モル)の(R)−3,3’−ジメチルビナフトールヘミベンゼナート(>99.
9% ee)と一緒に溶解し、次いで、23日間、還流下で加熱する。その後、
溶媒を完全に除去し、残渣を10mlのトルエン中に溶解する。室温に冷却後、
不溶物をろ過し、透明のオレンジ色のろ液を40mlの無水ペンタンの層で覆う
。所望の生成物を部分的に結晶状のオレンジ−茶色固体の形態で得、それをろ過
し、オイルポンプ真空中で乾燥して、1.542g(1.601ミリモル、80
%)のオレンジ−茶色固体を得る。生成物は、1モルの物質あたり1モルのトル
エンを含有する。1H NMR (d2-CH2Cl2, 300MHz): 7.78-7.63 (m) [6H], 7.47(s)
[2H], 7.34-7.20 (m) [4H], 7.18-6.98 (m) [13H], 4.76 (m) [2H], 4.55 (m) [
2H], 4.25 (m) [2H], 3.57 (m) [2H], 2.46 (s) [3H], 2.24 (s) [3H] PhCH3, 1
.79 (s) [3H] (トルエンで評価); 13C{1H}NMR (d2CH2Cl2, 75MHz): 148.2 (s)
, 147.7 (s), 137.2 (s) (PhCH3), 130.9 (s), 130.58 (s), 130.55 (s), 130.2
(s), 129.8 (s), 129.3 (s), 129.2 (s), 128.3 (s), 128.2 (s), 127.4 (s),
126.8 (s), 126.7 (s), 125.8 (s), 125.7 (m), 124.5 (s), 124.4 (s), 124.2
(s), 124.1 (s), 123.9 (s), 122.6 (s), 21.5 (s) (PhCH3), 17.7 (s), 17.4 (
s); (d1-CHCl3, 75MHz): 約77.6 (m, ABXスピン系のX核),73.4 (m, ABXスピン
系のX核),72.6 (m), 72.4 (s), 70.2 (s) (トルエンなしで評価); 31P NMR
(d2-CH2CL2, 121MHz): 187.2 (s); MS (EI, 陽イオン):m/z=870 [M+] (100%),
527 (9%), 463 (33%), 447 (20%), 435 (11%), 296 (13%), 280 (10%), 167 (2
1%)
【0045】 o−キシレンを溶媒として用いることにより、反応時間を4日に減らすことが
できる(1.60ミリモルの出発材料、再結晶化後62%収率、分析結果は適当
である)。
【0046】 実施例8. (R,R,R,R)−1,1’−ビス(4,5−ジフェニル−1
,3,2−ジオキサホスホラン−2−イル)フェロセン(I,R=R=Ph
)の合成 −78℃にて、651mg(3.04ミリモル)の(R,R)−ヒドロベンゾ
インを無水トルエン150ml中における1.0mlの無水トリエチルアミン(
6.63ミリモル)と一緒に容器に入れる。425mg(0.80ミリモル)の
1,1’−ビス(ジクロロホスフィノ)フェロセン(X)の25ml無水THF
中溶液を2時間以内で滴下する。次いで、冷却浴中で一晩、攪拌しながらゆっく
りと解凍させる。得られた溶液を完全に溶媒から遊離させ、オレンジ色の固体を
200mlの無水ジエチルエーテル中に溶解する。セライト545(登録商標)
をろ過助剤として用いるP4フリットによるろ過によって、不溶物を分離する。
透明のオレンジ色のろ液を完全に溶媒から遊離させて、オレンジ色の固体を得る
。分析結果:1H NMR (d8-THF, 300MHz): 7.40 (s) [8H], 7.36-7.30 (m) [6H],
7.29-7.23 (m) [4H], 7.22-7.11 (m) [6H], 5.05 (d) JH-P=8.1Hz [2H], 4.95 (
d) JH-P=9Hz [2H], 4.82-4.60 (m) [8H]; 31P NMR (d8-THF, 121MHz): 181.7 (
s)
【0047】 実施例9. (R,R)−1,1’−ビス{ジナフト[1,2−d;1,2−
f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル}フェロセン−η:η −1,5−シクロオクタジエンロジウム(I)テトラフルオロホウ酸塩(XII
,R=R=R=R=R=R=H)の合成 −78℃にて、14.7ml(0.24ミリモル)の無水ジクロロメタン中に
おけるRh(cod)BFの16.4mM溶液を容器に入れる。シリンジポ
ンプを用いて、219mg(0.242ミリモル)の(R,R)−1,1’−ビ
ス{ジナフト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホスフェピン
−8−イル}フェロセントルエン付加物(II,R=R=R=R=R =R=H)の無水ジクロロメタン20ml中溶液を滴下する。添加完了後、混
合物を室温に温め、一晩攪拌する。得られた溶液を7mlに濃縮し、50mlの
無水ペンタンを攪拌しながら迅速に添加する。オレンジ色の固体をそこに懸濁さ
せた薄い黄色の溶液を得る。上澄液をろ過し、得られた固体をオイルポンプ真空
中で乾燥させて、245mg(0.20ミリモル、CHCl付加物として計
算される、収率85%)のオレンジ色の粉末状固体を得る(CHCl付加物
として計算される、収率85%)。分析結果:1H NMR (d-CHCl3, 300MHz): 8.19
(s) [4H], 7.99 (s) [1H], 7.96 (s) [1H], 7.83 (s) [1H], 7.73 (s) [1H], 7
.70 (s) [1H], 7.53-7.35 (m) [4H], 7.35-7.21 (m) [8H], 7.05 (s) [1H], 7.0
2 (s) [1H], 6.41 (t) JH-P=7Hz [2H], 5.10 (m) [2H], 4.59 (m) [2H], 4.19 (
d) JH-P=1Hz, 3.94 (m) [2H], 3.84 (s) [2H], 2.83-2.20 (m) [6H], 1.85-1.58
(m) [2H]; 13C{1H}NMR (d2-CH2Cl2, 75MHz): 133.3 (s), 133.1 (s), 132.8 (s
), 132.5 (s), 132.4 (s), 131.5 (s), 129.6 (s), 129.5 (s), 128.1 (s), 127
.7 (s) [2C], 127.3 (s), 127.0 (s), 126.6 (s), 124.3 (s), 123.4 (s), 122.
0 (s), 121.8 (s), 112.2 (q) JC-P=5Hz, 106.6 (q) JC-P=6.5Hz, 78.1 (t) JC -P =6.5Hz, 77.8 (t) JC-P=16.2Hz, 74.7 (s), 74.4 (s), 34.1 (s), 27.8 (s); 31 P NMR (d2-CH2Cl2, 81MHz): 169.4 (d) 1JP-Rh=212.7Hz; MS (ESI, 陽イオン
):m/z=1025 [1112-BF4], 917 [M+-COD]; IR (KBr):ν (cm-1)=3056 (w), 294
7 (w), 2920 (w),2920 (w), 2879 (w), 2829 (w), 1586(m), 1507 (m), 1462 (m
), 1424 (m-w), 1361 (w), 1321 (m), 1222 (s), 1185 (s-m), 1068 (s), 1051
(s), 1033 (s), 944 (s), 825 (s), 806 (s), 771 (m), 691 (m), 558 (m-s); E
A: C: 59.10% (計算値59.80%), P: 5.41% (計算値5.17%), H: 3.95% (計算値3.8
7%), Rh: 8.98% (計算値8.59%), Cl: 5.49% (計算値5.92%); 計算値はモノ−C
Cl付加物に基づく。
【0048】 実施例10. (S,S)−1,1’−ビス{ジナフト[1,2−d;1,2
−f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル}フェロセン−η:η −1,5−シクロオクタジエンロジウム(I)テトラフルオロホウ酸塩(XI
I,R=R=R=R=R=R=H)の合成 (S,S)−1,1’−ビス{ジナフト[1,2−d;1,2−f][1,3
,2]ジオキサホスフェピン−8−イル}フェロセンを用いて、その他の点では
実施例6と同じプロトコールを用いて、246mg(0.20ミリモル)のオレ
ンジ色の固体を得る(85%)。
【0049】 実施例11. (R,R)−1,1’−ビス{ジナフト[1,2−d;1,2
−f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル}フェロセン−η:η −1,5−シクロオクタジエンイリジウム(I)ヘキサフルオロリン酸塩(X
X,R=R=R=R=R=R=H)の合成 324mg(0.36ミリモル)の(R,R)−1,1’−ビス{ジナフト[
1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル}フ
ェロセントルエン付加物(II,R=R=R=R=R=R=H)を
20mlの無水ジクロロメタン中に溶解し、シリンジポンプを用いて該溶液を−
78℃に冷却した212mg(0.35ミリモル)のビス(ピリジン)−η
η−1,5−シクロオクタジエンイリジウム(I)ヘキサフルオロリン酸塩の
無水ジクロロメタン20ml中溶液に滴下する。該混合物をゆっくりと一晩、室
温に温め、溶媒を完全に除去する。得られた緑色がかった固体を20mlの無水
ジエチルエーテルで洗浄して、400mgの緑色がかった固体を得る(0.32
ミリモル、91%)。分析結果:1H NMR (d2-CH2Cl2, 300MHz): 8.14 (s) [1H],
8.11 (s) [1H], 8.03-7.93 (m) [4H], 7.88 (s) [1H], 7.85 (s) [1H], 7.82 (
s) [1H], 7.77 (s) [1H], 7.52-7.40 (m) [6H], 7.35-7.17 (m) [約6H], 7.01 (
s) [1H], 6.98 (s) [1H], 6.28 (m) [2H], 5.03 (m) [2H], 4.64 (m) [2H], 4.2
4 (m) [2H], 3.89 (m) [2H], 3.59 (m) [2H], 2.47-2.22 (m) [5H], 1.80-1.49
(m) [3H]; 31P NMR (d2-CH2Cl2, 121MHz): 136.5 (s)
【0050】 実施例12. (R,R)−1,1’−ビス{ジナフト[1,2−d;1,2
−f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル}フェロセンクロロ−η −1,4−シメンルテニウム(II)塩化物(XVI,R=R=R=R =R=R=H)の合成 162mg(0.18ミリモル)の(R,R)−1,1’−ビス{ジナフト[
1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル}フ
ェロセントルエン付加物(II,R=R=R=R=R=R=H)を
20mlの無水ジクロロメタン中に溶解し、シリンジポンプを用いて該溶液を、
−78℃に冷却した6.0ml(0.09ミリモル)のビス[η−1,4−シ
メンルテニウム(II)ジクロリド](0.19ミリモルのRu)の無水ジクロ
ロメタン中15.5mM溶液に滴下する。混合物を一晩ゆっくりと室温に温め、
溶媒を完全に除去する。オイルポンプ真空中で乾燥後、赤茶色の固体を得る。
【0051】 実施例13. (R,R)−1,1’−ビス{ジナフト[1,2−d;1,2
−f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル}フェロセン銅(I)ト
リフレート(XXXII,R=R=R=R=R=R=H)の合成 53.1mgの90%CuOTf・0.5PhH(銅(I)トリフレートヘミ
ベンゼナート、Tf=−SOCF)(0.19ミリモル)を無水ジクロロエ
タン中で、室温にて一晩攪拌する。10℃にて、13ml(0.20ミリモル)
の(R,R)−1,1’−ビス{ジナフト[1,2−d;1,2−f][1,3
,2]ジオキサホスフェピン−8−イル}フェロセントルエン付加物(II,R =R=R=R=R=R=H)の無水ジクロロエタン中15mM溶液
をCuOTf溶液に、シリンジポンプを用いてゆっくりと滴下する。溶液を室温
にて一晩攪拌し、次いで、P4フリットによってろ過する。室温にて、透明の暗
いオレンジ色のろ液を30mlの無水ペンタンの層で覆う。室温で3日後、上澄
液をろ過し、残留固体をオイルポンプ真空中で乾燥させて、緑色がかったベージ
ュの固体を得る。
【0052】 実施例14. その場で調製された触媒(R,R)−1,1’−ビス{ジナフ
ト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル
}フェロセン−η:η−1,5−シクロオクタジエンロジウム(I)テトラ
フルオロホウ酸塩(XII,R=R=R=R=R=R=H)を用い
るイタコン酸ジメチルのエナンチオ選択的水素化のプロトコール 側方コックを有する丸底フラスコ中のジクロロメタン中における0.125M
基質溶液(イタコン酸ジメチル)8.0mlに、1.0mlのRh(cod) BFのジクロロメタン中1.0mM溶液を加え、次いで、1.1mlの(R,
R)−1,1’−ビス{ジナフト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジ
オキサホスフェピン−8−イル}フェロセン(II,R=R=R=R
=R=H)のジクロロメタン中1.0mM溶液を加える。ここで、溶媒が
わずかに沸騰するまで排気し、水素ガスを補充することを3サイクル行うことに
より、該溶液を水素で飽和させる。最終的に、該溶液を1.3バールの水素圧に
付し、室温で20時間攪拌する。生産混合物のガスクロマトグラフィー分析の場
合、2mlのそのように得られた溶液を125mgのシリカ(70−230メッ
シュ、活性グレードI)によってろ過する。水素化が定量的である場合、R−配
置生成物2−メチルコハク酸ジメチルエステルに関して99.6%のエナンチオ
マー過剰率(ee)が測定される。
【0053】 触媒として予め形成された金属錯体、(R,R)−1,1’−ビス{ジナフト
[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル}
フェロセン−η:η−1,5−シクロオクタジエンロジウム(I)テトラフ
ルオロホウ酸塩(XII,R=R=R=R=R=R=H)を用いる
イタコン酸ジメチルのエナンチオ選択的水素化のプロトコール 側方コックを有する丸底フラスコ中のジクロロメタン中における0.125M
基質溶液(イタコン酸ジメチル)8.0mlに、1.0mlの(R,R)−1,
1’−ビス{ジナフト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホス
フェピン−8−イル}フェロセン−η:η−1,5−シクロオクタジエンロ
ジウム(I)テトラフルオロホウ酸塩(XII,R=R=R=R=R =R=H)のジクロロメタン中1.0mM溶液を加え、次いで、1.0mlの
ジクロロメタンを加える。ここで、溶媒がわずかに沸騰するまで排気し、水素ガ
スを補充することを3サイクル行うことにより、該溶液を水素で飽和させる。最
終的に、該溶液を1.3バールの水素圧に付し、室温で20時間攪拌する。生産
混合物のガスクロマトグラフィー分析の場合、2mlのそのように得られた溶液
を125mgのシリカ(70−230メッシュ、活性グレードI)によってろ過
する。水素化が定量的である場合、R−配置生成物2−メチルコハク酸ジメチル
エステルに関して99.6%のエナンチオマー過剰率(ee)が測定される。
【0054】 実施例16. その場で調製された触媒(S,S)−1,1’−ビス{ジナフ
ト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル
}フェロセン−η:η−1,5−シクロオクタジエンロジウム(I)テトラ
フルオロホウ酸塩(XII,R=R=R=R=R=R=H)を用い
るイタコン酸ジメチルのエナンチオ選択的水素化のプロトコール 側方コックを有する丸底フラスコ中のジクロロメタン中における0.125M
基質溶液(イタコン酸ジメチル)8.0mlに、1.0mlのRh(cod) BFのジクロロメタン中1.0mM溶液を加え、次いで、1.1mlの(S,
S)−1,1’−ビス{ジナフト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジ
オキサホスフェピン−8−イル}フェロセン(II,R=R=R=R
=R=H)のジクロロメタン中1.0mM溶液を加える。ここで、溶媒が
わずかに沸騰するまで排気し、水素ガスを補充することを3サイクル行うことに
より、該溶液を水素で飽和させる。最終的に、該溶液を1.3バールの水素圧に
付し、室温で20時間攪拌する。生産混合物のガスクロマトグラフィー分析の場
合、2mlのそのように得られた溶液を125mgのシリカ(70−230メッ
シュ、活性グレードI)によってろ過する。水素化が定量的である場合、S−配
置生成物2−メチルコハク酸ジメチルエステルに関して99.6%のエナンチオ
マー過剰率(ee)が測定される。
【0055】 実施例17. その場で調製された触媒(R,R)−1,1’−ビス{ジナフ
ト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル
}フェロセン−η:η−1,5−シクロオクタジエンロジウム(I)テトラ
フルオロホウ酸塩(XII,R=R=R=R=R=R=H)を用い
るアクリル酸2−アセトアミドメチルのエナンチオ選択的水素化のプロトコール 側方コックを有する丸底フラスコ中のジクロロメタン中における0.125M
基質溶液(アクリル酸2−アセトアミドメチル)8.0mlに、1.0mlのR
h(cod)BFのジクロロメタン中1.0mM溶液を加え、次いで、1.
1mlの(R,R)−1,1’−ビス{ジナフト[1,2−d;1,2−f][
1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル}フェロセン(II,R=R =R=R=R=R=H)のジクロロメタン中1.0mM溶液を加える。
ここで、溶媒がわずかに沸騰するまで排気し、水素ガスを補充することを3サイ
クル行うことにより、該溶液を水素で飽和させる。最終的に、該溶液を1.3バ
ールの水素圧に付し、室温で20時間攪拌する。生産混合物のガスクロマトグラ
フィー分析の場合、2mlのそのように得られた溶液を125mgのシリカ(7
0−230メッシュ、活性グレードI)によってろ過する。水素化が定量的であ
る場合、R−配置生成物N−アシルアラニンメチルエステルに関して99.6%
のエナンチオマー過剰率(ee)が測定される。
【0056】 実施例18. 実施例14と同様であるが、抽出物として2−アセトアミドア
リール酸メチルエステルを用い、生成物としてN−アセチルアラニンメチルエス
テルを得る(定量的変換;ee=99.5%)。
【0057】 実施例19. その場で調製された触媒(R,R)−1,1’−ビス{ジナフ
ト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル
}フェロセン−η:η−1,5−シクロオクタジエンロジウム(I)テトラ
フルオロホウ酸塩(XII,R=R=R=R=R=R=H)を用い
る(Z)−2−アセトアミド桂皮酸メチルエステルのエナンチオ選択的水素化の
プロトコール 側方コックを有する丸底フラスコに、1.0mlのRh(cod)BF
ジクロロメタン中1.0mM溶液を加え、次いで、1.1mlの(R,R)−1
,1’−ビス{ジナフト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホ
スフェピン−8−イル}フェロセン(II,R=R=R=R=R=R =H)のジクロロメタン中1.0mM溶液を加える。これに、ジクロロメタン
中における0.125Mの基質溶液((Z)−2−アセトアミド桂皮酸メチルエ
ステル)8.0mlを加える。ここで、溶媒がわずかに沸騰するまで排気し、水
素ガスを補充することを3サイクル行うことにより、該溶液を水素で飽和させる
。最終的に、該溶液を1.3バールの水素圧に付し、室温で20時間攪拌する。
生産混合物のガスクロマトグラフィー分析の場合、2mlのそのように得られた
溶液を125mgのシリカ(70−230メッシュ、活性グレードI)によって
ろ過する。N−アシルフェニルアラニンメチルエステルを得るための水素化が定
量的である場合、99%のエナンチオマー過剰率(ee)が測定される。エナン
チオマー過剰率(ee)の決定は、キラル固定相を用いるHPLCによって行わ
れた。
【0058】 実施例20. その場で調製された触媒(R,R)−1,1’−ビス{ジナフ
ト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル
}フェロセン−η:η−1,5−シクロオクタジエンロジウム(I)テトラ
フルオロホウ酸塩(XII,R=R=R=R=R=R=H)を用い
る(Z)−2−アセトアミド桂皮酸のエナンチオ選択的水素化のプロトコール 30mlのシュレンク容器に、1.0mlのRh(cod)BFのジクロ
ロメタン中1.0mM溶液を加え、次いで、1.1mlの(R,R)−1,1’
−ビス{ジナフト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホスフェ
ピン−8−イル}フェロセン(II,R=R=R=R=R=R=H
)のジクロロメタン中1.0mM溶液を加える。これに、ジクロロメタン/is
o−プロパノール3:1中における0.125Mの基質溶液((Z)−2−アセ
トアミド桂皮酸)8.0mlを加える。溶液をテフロン(登録商標)(Teflon) インセット(inset)およびマノメーター連結管を有する50mlのV4Aスチ ールオートクレーブ中に移し、20バールの水素圧に付し、室温で20時間攪拌 する。オートクレーブから圧力を放出後、全溶液から完全に溶媒を除去し、H NMR分光学によって分析して変換率を決定する。エナンチオマー過剰率の決 定は、キラル固定相を有するHPLCによって行う。N−アシルフェニルアラニ ンを得るための水素化が定量的である場合、99%のエナンチオマー過剰率(e e)が測定される。
【0059】 実施例21. その場で調製された触媒(R,R)−1,1’−ビス{ジナフ
ト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル
}フェロセン−η:η−1,5−シクロオクタジエンイリジウム(I)ヘキ
サフルオロリン酸塩(XX,R=R=R=R=R=R=H、X=P
)を用いるN−(1−フェニル−エチリデン)アニリンのエナンチオ選択的
水素化のプロトコール 30mlのシュレンク容器に、1.0mlの(py)Ir(cod)PF のジクロロメタン中1.0mM溶液を加え、次いで、1.1mlの(R,R)−
1,1’−ビス{ジナフト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサ
ホスフェピン−8−イル}フェロセン(II,R=R=R=R=R
=H)のジクロロメタン中1.0mM溶液を加える。これに、ジクロロメタ
ン中における0.125Mの基質溶液(N−(1−フェニルエチリデン)アニリ
ン)8.0mlを加える。溶液をテフロンインセットおよびマノメーター連結管
を有する50mlのV4Aスチールオートクレーブ中に移し、100バールの水
素圧に付し、室温で24時間攪拌する。オートクレーブから圧力を放出後、2m
lのそのように得られた溶液を125mgのシリカ(70−230メッシュ、活
性グレードI)によってろ過する。変換率の決定は、ガスクロマトグラフィーに
よって行われ、エナンチオマー過剰率は、キラル固定相を有するHPLCによっ
て決定される。N−フェニル−1−フェニルエチルアミンを得るための水素化が
定量的である場合、63%のエナンチオマー過剰率(ee)が測定される。
【0060】 実施例22. その場で調製された触媒(R,R)−1,1’−ビス{ジナフ
ト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル
}フェロセン−η:η−1,5−シクロオクタジエンロジウム(I)テトラ
フルオロホウ酸塩(XII,R=R=R=R=R=R=H)を用い
るα−アセトアミドスチレンのエナンチオ選択的水素化のプロトコール 30mlのシュレンク容器に、2.0mlのRh(cod)BFのジクロ
ロメタン中1.0mM溶液を加え、次いで、2.2mlの(R,R)−1,1’
−ビス{ジナフト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホスフェ
ピン−8−イル}フェロセン(II,R=R=R=R=R=R=H
)のジクロロメタン中1.0mM溶液を加える。これに、ジクロロメタン中にお
ける0.125Mの基質溶液(α−アセトアミドスチレン)8.0mlを加える
。溶液をテフロンインセットおよびマノメーター連結管を有する50mlのV4
Aスチールオートクレーブ中に移し、80バールの水素圧に付し、室温で20時
間攪拌する。オートクレーブから圧力を放出後、全溶液から完全に溶媒を除去し
H NMR分光学によって分析して変換率を決定する。エナンチオマー過剰
率の決定は、キラル固定相を有するHPLCによって行う。N−アシル−1−フ
ェニルエチルアミンを得るための水素化が定量的である場合、96%のエナンチ
オマー過剰率(ee)が測定される。
【0061】 実施例23. 実施例22と同様であるが、1.0mlのRh(cod)
のジクロロメタン中1.0mM溶液および1.1mlの(R,R)−1,1
’−ビス{ジナフト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホスフ
ェピン−8−イル}フェロセン(II,R=R=R=R=R=R
H)のジクロロメタン中1mM溶液を用いる;>99%の変換率の場合、これは
、>92%のエナンチオマー過剰率(ee)をもたらした。
【0062】 実施例24. その場で調製された触媒(R,R)−1,1’−ビス{ジナフ
ト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8−イル
}フェロセン−η:η−1,5−シクロオクタジエンロジウム(I)テトラ
フルオロホウ酸塩(XII,R=R=R=R=R=R=H)を用い
るスチレンのエナンチオ選択的水素化のプロトコール 30mlのシュレンク容器に、1.0mlのRh(cod)BFのジクロ
ロメタン中10mM溶液を加え、次いで、1.1mlの(R,R)−1,1’−
ビス{ジナフト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホスフェピ
ン−8−イル}フェロセン(II,R=R=R=R=R=R=H)
のジクロロメタン中10mM溶液を加える。溶媒を除去後、ジメトキシエタン(
DME)中における0.5Mのスチレン溶液2.0mlを加え、得られた溶液を
−80℃に冷却する。該溶液に、DME中における3Mカテコールボラン溶液1
.0mlを加え、反応混合物を−80℃で攪拌する。
【0063】 1mlのメタノールを加え、室温に温めることによって、22時間後に反応を
止める。混合物を0℃に冷却し、2mlの3M水性NaOHおよび0.5mlの
30%水性Hを連続的に加える。室温に加温後、25mlの蒸留水および
30mlのジクロロメタンを加え、相を分離する。各25mlのジクロロメタン
で水相を3回、抽出する。有機相を合わせ、各々、30mlの1M水性NaOH
、次いで、飽和水性NHClで2回分配する。最終的に、溶液を硫酸マグネシ
ウム上で乾燥させ、溶媒から除去する。変換率およびエナンチオマー過剰率(e
e)の決定は、ガスクロマトグラフィーによって行った。変換が定量的である場
合、87%のエナンチオマー過剰率(ee)および(R)−1−フェニルエタノ
ールに関する97%の選択性(2−フェニルエタノールの形成に対し)を決定で
きた。
【0064】 実施例25. 実施例24と同様であるが、−30℃にて行う;100%変換
率および83%収率(1−フェニルエタノール、FID応答因子を考慮に入れ、
GC内部標準のn−テトラデカンと比較して決定される)にて、これは、84%
のエナンチオマー過剰率(ee)および(R)−1−フェニルエタノールに関す
る93%の選択性(2−フェニルエタノールの形成に対し)をもたらした。
【0065】 実施例26. 実施例24と同様であるが、室温にて行う;100%変換率お
よび79%収率(1−フェニルエタノール、FID応答因子を考慮に入れ、GC
内部標準のn−テトラデカンと比較して決定される)にて、これは、72%のエ
ナンチオマー過剰率(ee)および(R)−1−フェニルエタノールに関する9
0%の選択性(2−フェニルエタノールの形成に対し)をもたらした。
【0066】 実施例27. 実施例24と同様であるが、予め形成された金属錯体(R,R
)−1、1’−ビス{ジナフト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオ
キサホスフェピン−8−イル}フェロセン−η:η−1,5−シクロオクタ
ジエンロジウム(I)テトラフルオロホウ酸塩(XII,R=R=R=R =R=R=H)を触媒として用いる(その場で調製される溶液の代わりに
ジクロロメタン中の10mM溶液(1.0ml)として充填される);完全な変
換率および85%収率(1−フェニルエタノール、FID応答因子を考慮に入れ
、GC内部標準のn−テトラデカンと比較して決定される)にて、これは、88
%のエナンチオマー過剰率(ee)および(R)−1−フェニルエタノールに関
する96%の選択性(2−フェニルエタノールの形成に対し)をもたらした。
【0067】 実施例28. その場で調製された触媒ビス{(R,R)−1,1’−ビス{
ジナフト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−8
−イル}フェロセン}銅(II)トリフレート(XXXVI,R=R=R =R=R=R=H)を用いる2−シクロヘキセン−1−オンへのジエチル
亜鉛のエナンチオ選択的1,4−付加のプロトコール 30mlのシュレンク容器に、1.0mlのCu(OTf)のテトラヒドロ
フラン中10mM溶液を室温で加え、次いで、2mlの(R,R)−1,1’−
ビス{ジナフト[1,2−d;1,2−f][1,3,2]ジオキサホスフェピ
ン−8−イル}フェロセン(II,R=R=R=R=R=R=H)
のテトラヒドロフラン中10mM溶液を加える。室温で30分攪拌後、得られた
溶液を−30℃に冷却し、1.0mlの2−シクロヘキセン−1−オンのTHF
中1M溶液を加える。該溶液に、1.0mlのジエチル亜鉛のテトラヒドロフラ
ン中1.5M溶液を加え、反応混合物を−30℃で攪拌する。
【0068】 20時間後、10mlの約1.3M水性HClを添加することによって反応を
止め、混合物を0℃にする。20mlの蒸留水および30mlのジクロロメタン
の添加後、室温で相を分離し、水相を各20mlのジクロロメタンで3回分配す
る。硫酸マグネシウム上で乾燥後、溶媒を完全に除去し、粗生成物を2mlのジ
クロロメタン中に溶解する。変換率およびエナンチオマー過剰率(ee)の決定
は、ガスクロマトグラフィーによって行い、完全な変換の場合、95%のeeを
生じた。1,2−付加生成物は形成されなかった。
【0069】 実施例29. 実施例28と同様であるが、2−シクロヘキセン−1−オンの
代わりに2−シクロヘプテン−1−オン(95%純度)を用いる;92%変換率
にて、これは、84%のエナンチオマー過剰率(ee)をもたらした。1,2−
付加生成物は形成されなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 49/403 C07C 49/403 E 49/413 49/413 67/303 67/303 69/34 69/34 209/52 209/52 211/45 211/45 231/18 231/18 233/05 233/05 233/47 233/47 // C07B 53/00 C07B 53/00 B 61/00 300 61/00 300 (72)発明者 マンフレート・テー・レーツ ドイツ連邦共和国デー−45470ミュールハ イム・アン・デア・ルール、カイザー−ビ ルヘルム−プラッツ1番 (72)発明者 アンドレアス・ゴスベルク ドイツ連邦共和国デー−45470ミュールハ イム・アン・デア・ルール、カイザー−ビ ルヘルム−プラッツ1番 Fターム(参考) 4G069 AA06 AA08 BA27A BA27B BC26A BC30A BC31A BC31B BC65A BC66A BC66B BC68A BC69A BC70A BC71A BC72A BC74A BD11A BE13A BE14A BE18A BE21A BE21B BE23A BE25A BE25B BE32A BE33A BE34A BE34B BE35A BE35B BE36A BE36B BE43A CB02 CB25 CB61 DA02 FA01 4H006 AA02 AC11 AC21 AC41 BA19 BA48 BE20 BE32 4H039 CA10 CA12 CA60 CB10 CC40 CF10 4H050 AB40 WB11 WB21

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族基本構造を有するキラルC−対称1,2−ジオール
    あるいはP/O複素環におけるアキシアルキラル芳香族または複素環式芳香族ジ
    オールのいずれかを含有することを特徴とする、骨格としてフェロセンを含むキ
    ラルC−対称ジホスホナイト。
  2. 【請求項2】 光学的に純粋およびジアステレオマーに関して純粋である請
    求項1記載のジホスホナイト。
  3. 【請求項3】 構造が一般式I 【化1】 [式中、Rは、所望により官能基化されていてもよい飽和炭化水素、所望によ
    り官能基化されていてもよい非芳香族不飽和炭化水素、所望により官能基化され
    ていてもよい芳香族または複素環式芳香族基、エステル(−COR)またはア
    ミド(−C(O)NRR’)であり、ここに、RおよびR’は水素、所望により
    官能基化されていてもよい飽和または非芳香族不飽和炭化水素、または所望によ
    り官能基化されていてもよい芳香族残基である置換基を示す] で示される請求項1または2記載のジホスホナイト。
  4. 【請求項4】 Rがフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、カルボキシ
    プロピル、カルボキシ−iso−プロピル、カルボキシブチル、カルボキシ−t
    ert−ブチル、カルボキシネオペンチルまたはカルボキシフェニルを示す請求
    項3記載のジホスホナイト。
  5. 【請求項5】 構造が一般式IIまたはIII 【化2】 [式中、残基R、R、R、R、RおよびRは独立して基:水素(−
    H)、所望により官能基化されていてもよく、および/または架橋していてもよ
    い飽和炭化水素、所望により官能基化されていてもよく、および/または縮合さ
    れていてもよい芳香族または複素環式芳香族基、所望により官能基化されていて
    もよい非芳香族不飽和炭化水素、シリル基、ハロゲン(−Cl、−Br、−Fま
    たは−I)、ニトロ(−NO)またはニトリル(−CN)基、またはエステル
    (−COR)、アミド(−C(O)NRR’)、アミン(−NRR’)、エー
    テル(−OR)、スルフィド(−SR)またはセレン化物(−SeR)を示し、
    ここに、RおよびR’は水素、所望により官能基化されていてもよい飽和または
    非芳香族不飽和炭化水素、または所望により官能基化されていてもよい芳香族残
    基である置換基を示す] で示される請求項1または2記載のジホスホナイト。
  6. 【請求項6】 構造がR=R=R=R=R=R=Hである一般
    式IIで示される請求項5記載のジホスホナイト。
  7. 【請求項7】 構造がR=R=R=R=R=Hであって、残基R がメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、tert−ブチル、フ
    ェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,5−ジ−tert−ブチルフェニル、
    −NO、−Br、−SiR、−C≡C−R、−C≡C−SiR、−CO Rまたは−NR(ここに、Rは飽和炭化水素または芳香族残基である)を示し
    てもよい一般式IIで示される請求項5記載のジホスホナイト。
  8. 【請求項8】 構造がR=R=HであってR+R=−(CH −である一般式IIIで示される請求項5記載のジホスホナイト。
  9. 【請求項9】 構造がR=H、R+R=−(CH−であって、
    残基Rがメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、tert−ブチ
    ル、フェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,5−ジ−tert−ブチルフェ
    ニル、−NO、−SiR−、−C≡C−R、−C≡C−SiR、−CO Rまたは−NR(ここに、Rは飽和炭化水素または芳香族残基である)を示し
    てもよい一般式IIIで示される請求項5記載のジホスホナイト。
  10. 【請求項10】 構造が一般式IV 【化3】 [式中、X=窒素、硫黄または酸素であって、残基R(X=Nについてのみ)
    、R、R、RおよびRは独立して、基:水素(−H)、所望により官能
    基化されていてもよく、および/または架橋していてもよい飽和炭化水素、所望
    により官能基化されていてもよく、および/または縮合されていてもよい芳香族
    または複素環式芳香族基、所望により官能基化されていてもよい非芳香族不飽和
    炭化水素、シリル基、ハロゲン(−Cl、−Br、−Fまたは−I)、ニトロ(
    −NO)またはニトリル(−CN)基、またはエステル(−COR)、アミ
    ド(−C(O)NRR’)、アミン(−NRR’)、エーテル(−OR)、スル
    フィド(−SR)またはセレン化物(−SeR)を示してもよく、ここに、Rお
    よびR’は、水素、所望により官能基化されていてもよい飽和または非芳香族不
    飽和炭化水素、または所望により官能基化されていてもよい芳香族残基から選択
    される置換基を示す] で示される請求項1または2記載のジホスホナイト。
  11. 【請求項11】 一般式IX 【化4】 で示される構造を有する1,1’−フェロセニレン二亜ホスホン酸テトラアミド
    を適当なジオールと反応させる請求項1〜10のいずれか1項記載の骨格として
    フェロセンを含むキラルC−対称ジホスホナイトの製法。
  12. 【請求項12】 1,1’−ビス(ジクロロホスフィノ)フェロセンをさら
    に試薬または触媒を添加することなく、適当なジオールと反応させる請求項1〜
    10のいずれか1項記載の骨格としてフェロセンを含むキラルC−対称ジホス
    ホナイトの製法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜10のいずれか1項記載のジホスホナイトおよ
    び周期表のVIIb、VIIIまたはIb族の遷移金属よりなるキラル遷移金属
    錯体。
  14. 【請求項14】 一般式XI〜XXXVIII 【化5】 [式中、式XI〜XXXVIIIにおいて、Xは、アニオン:テトラフルオロホ
    ウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヘキサフルオロアンチモン酸塩(V)または
    BAr を示し、ここに、Arはフェニルまたは2,5−ビス(トリフルオロ
    メチル)フェニルであり、codは、η:η−1,5−シクロオクタジエン
    を示し、cymolはη−1−iso−プロピル−4−メチルベンゼンを示す
    ] で示される請求項13記載の遷移金属錯体。
  15. 【請求項15】 オレフィン、ケトンまたはイミンのエナンチオ選択的水素
    化のための請求項13または14記載のキラル遷移金属錯体の使用。
  16. 【請求項16】 使用される遷移金属化合物が一般式XI〜XXIIの化合
    物であり、ここに、式XI〜XXIIにおいて、Xはアニオン:テトラフルオロ
    ホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヘキサフルオロアンチモン酸塩(V)また
    はBAr を示し、ここに、Arはフェニルまたは2,5−ビス(トリフルオ
    ロメチル)フェニルであり、codは、η:η−1,5−シクロオクタジエ
    ンを示し、cymolはη−1−iso−プロピル−4−メチルベンゼンを示
    す請求項15記載の使用。
  17. 【請求項17】 使用される遷移金属化合物が一般式XI〜XIVおよびX
    IX〜XXIIの化合物であるオレフィンのエナンチオ選択的ヒドロホウ素化の
    ための請求項13記載のキラル遷移金属錯体の使用。
  18. 【請求項18】 使用される遷移金属化合物が一般式XXXI〜XXXVI
    IIの化合物である活性化オレフィンに対するエナンチオ選択的1,4−付加の
    ための請求項13記載のキラル遷移金属錯体の使用。
  19. 【請求項19】 α,β−不飽和ケトンが活性化オレフィンとして使用され
    る請求項18記載の使用。
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