JP2002523594A - 難燃性ポリマーブレンド並びにその製造方法 - Google Patents

難燃性ポリマーブレンド並びにその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 1種類以上のポリエステルカーボネートと、スチレン−アクリロニトリル共重合体又はABS共重合体等の1種類以上の付加重合体と、1種類以上のホスホリル難燃剤とを含んでなる難燃性ブレンドが、ポリエステルカーボネートの代わりにポリカーボネートを含む類似ブレンドよりも優れた高温安定性を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性ポリマーブレンドに関するものであり、さらに具体的には
、高温特性の改善された難燃性ブレンドに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネートのような熱可塑性ポリマーの難燃性の改善は、長い間ポリマ
ーブレンド業者の目標であった。熱可塑性ポリマーの耐燃性を改善するため、含
リン化合物が組成物に用いられている。かかる目的に有用なリン化合物には、レ
ゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ヒドロキノンビス(ジフェニル
ホスフェート)及びビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)等で例示
されるジヒドロキシ芳香族化合物のビス(ジアリールホスフェート)エステルが
ある。ある種の水溶性ホスホルアミドも繊維業界で繊維の難燃化仕上げに利用さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、含リン化合物は、往々にして熱可塑性ポリマーの他の物性に悪影響を
与える。例えば、含リン化合物は、ポリカーボネート及びポリカーボネート含有
ブレンド(特に、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(以下「A
BS共重合体」という。)のような付加重合体も含むもの)の高温特性に悪影響
を与えることが多い。かかる悪影響は、1以上のポリマー相のガラス転移温度(
Tg)の大幅な低下によって実証されることがある。さらに、ブレンドの他の物
性(例えば延性)にも時として悪影響があり、改善が必要とされる。
【0004】 難燃性で耐熱性の向上したポリマー組成物に対する、エレクトロニクス及びコ
ンピュータ産業等の主要産業からの要求は増大しつつある。コンピューター用ハ
ウジング、コンピューターモニター用ハウジング及びプリンター用ハウジング用
途には、かかる組成物は適度な流動性及び衝撃強さのような他の主要物性も保持
していなければらなない。もう一つの増大する要求はアンダーライターズラボラ
トリーUL−94規格のV−0、V−1又はV−2評価をもつ材料に対するもの
である。そこで、上記その他の要求を満たす新規樹脂組成物が求められているこ
とは明らかである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記成分(a)、(b)及び(c)及びその任意の反応生成物を含
んでなる樹脂組成物を提供することによって上記のニーズを満たす。
【0006】 (a)式Iの構造単位と式IIの繰返し又は反復構造単位とを含んでなる1種類
以上のポリエステルカーボネート、
【0007】
【化35】
【0008】 式中、Dは二価芳香族基である。
【0009】
【化36】
【0010】 式中、Dは上記で定義した通りであり、R1は式III及び式IVから選択される1以
上の二価部分である。
【0011】
【化37】
【0012】 (b)1種類以上の付加重合体、及び (c)式Vの1種類以上のホスホリル化合物。
【0013】
【化38】
【0014】 式中、Qは酸素又はイオウであり、R2、R3及びR4は各々独立にアルキルオキ
シ残基、アルキルチオ残基、アリールオキシ残基、アリールチオ残基、1以上の
アルキル置換基もしくはハロゲン置換基もしくはそれらの混合置換基を有するア
リールオキシ残基もしくはアリールチオ残基、又はアミン残基である。
【0015】 本発明は上記樹脂組成物から製造した製品も提供する。さらに、本発明は当技
術分野で公知の組成物に比べて耐熱性及び/又は加工性の向上した樹脂組成物を
製造する方法も提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
ある実施形態では、本発明の組成物は、式Iの構造単位と式IIの繰返し又は反
復単位とを含んでなるポリエステルカーボネートを含む。
【0017】
【化39】
【0018】 式中、Dは二価芳香族基であり、
【0019】
【化40】
【0020】 式中、Dは上記で定義した通りであり、R1は式III及び式IVから選択される1以
上の二価部分である。
【0021】
【化41】
【0022】 本発明で使用し得るポリエステルカーボネート類及びその製造方法は、例えば
米国特許第3030331号、同第3169121号、同第3207814号、
同第4194038号、同第4156069号、同第4238596号、同第4
238597号、同第4487896号、同第4506065号、及び1998
年10月29日に出願されており本出願と同じ譲受人に譲渡された係属中の米国
特許出願09/181902号に開示されている通り当技術分野で周知である。
これらの特許及び特許出願はすべて文献の援用によって本明細書に取り込まれる
。これらのポリマーを特徴づける特性には、向上した荷重変形温度(DTUL)
、及びノッチ付アイゾット試験で測定したときの向上した衝撃強さがある。
【0023】 かかるポリエステルカーボネートは一般にコポリエステルと呼ばれ、ポリマー
鎖中にカーボネート基、カルボキシレート基及び芳香族炭素環基を含んでおり、
カルボキシレート基の少なくとも若干及びカーボネート基の少なくとも若干が芳
香族炭素環基の環炭素原子に直接結合している。これらのポリエステル−カーボ
ネートは一般に少なくとも二価フェノールと1種類以上の二官能性カルボン酸又
は該酸の反応誘導体(酸ジハライド等)とカーボネート前駆体とを反応させるこ
とによって製造される。
【0024】 ポリエステルカーボネートの製造に好適な二価フェノールには、式VIで表され
るものがある。
【0025】
【化42】
【0026】 式中、Dは二価芳香族基である。好ましくは、Dは式VIIの構造のものである。
【0027】
【化43】
【0028】 式中、Aは、フェニレン、ビフェニレン、ナフチレンのような芳香族基を表す。
Eは、メチレン、エチレン、エチリデン、プロピレン、プロピリデン、イソプロ
ピリデン、ブチレン、ブチリデン、イソブチリデン、アミレン、アミリデン、イ
ソアミリデンのようなアルキレン基又はアルキリデン基とし得る。Eがアルキレ
ン基又はアルキリデン基のときは、Eは2以上のアルキレン基又はアルキリデン
基が、芳香族結合、第三アミノ結合、エーテル結合、カルボニル結合、含ケイ素
結合、又はスルフィドやスルホキシドやスルホンのような含イオウ結合、又はホ
スフィニルやホスホニルのような含リン結合等のアルキレン又はアルキリデンと
は異なる部分で結合したものからなっていてもよい。さらに、Eは、脂環基(例
えば、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、3,3,5−トリメチルシク
ロヘキシリデン、メチルシクロヘキシリデン、2−[2.2.1]−ビシクロヘ
プチリデン、ネオペンチリデン、シクロペンタデシリデン、シクロドデシリデン
、アダマンチリデン等);スルフィドやスルホキシドやスルホン等の含イオウ結
合;ホスフィニルやホスホニル等の含リン結合;エーテル結合;カルボニル基;
第三窒素基;又はシランやシロキシ等の含ケイ素結合であってもよい。R5は、
水素、又はアルキル、アリール、アラルキル、アルカリールもしくはシクロアル
キル等の一価炭化水素基を表す。Y1はハロゲン(フッ素、臭素、塩素、ヨウ素
)等の無機原子;ニトロ等の無機基;上記R5のような有機基又はOR等のオキ
シ基であればよく、Y1に必要とされるのはY1がポリエステルカーボネートの製
造に用いられる反応体及び反応条件に対して不活性であるとともにそれらによっ
て影響されないことだけである。添字mは0から置換可能なA1上の部位の数ま
での任意の整数を表し、pは0から置換可能なE上の部位の数までの整数を表し
、tは1以上の整数を表し、sは0又は1であり、uは0を含めた任意の整数を
表す。
【0029】 Dが上記式VIIで表される二価フェノール化合物において、2以上のY置換基
が存在する場合には、これらのY置換基は同一でも異なっていてもよい。同じこ
とがR5置換基についてもいえる。式VIIでsが0でuが0以外のときは、芳香環
は、アルキリデンその他の橋かけ基を介在さずに直接結合する。炭化水素残基(
1)の2以上の環炭素原子がY1基及びヒドロキシル基で置換されている場合に
は、芳香核残基A1上でのヒドロキシル基及びY1の位置はオルト位、メタ位又は
パラ位で種々異なっていてもよく、各基はビシナルな関係でも、非対称な関係で
も対称な関係のいずれにあってもよい。
【0030】 式VIの二価フェノールの非限定的な具体例には、米国特許第4217438号
に名称又は式(一般式又は特定式)で開示されているジヒドロキシ置換芳香族炭
化水素がある(その開示内容は文献の援用によって本明細書に取り込まれる)。
二価フェノールの好ましい例には、4,4′−(3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキシリデン)ジフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン(ビスフェノールAとして知られる)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,
5−ジメチルフェニル)プロパン、2,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、
ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキ
シ−2,6−ジメチル−3−メトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−クロロフェニ
ル)エタン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン
、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、レゾルシノール、C1-3アルキ
ル置換レゾルシノールがある。
【0031】 好適な二価フェノールには、式VIIIで表されるようなスピロビインダン構造単
位を含むものがある。
【0032】
【化44】
【0033】 式中、R6は各々独立に一価炭化水素基及びハロゲン基から選択され、R7、R8
、R9及びR10は各々独立にC1-6アルキルであり、R11及びR12は各々独立にH
又はC1-6アルキルであり、各nは独立に内含で0〜3の値を有する正の整数か
ら選択される。R6で表される一価炭化水素基には、アルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基、アラルキル基及びアルカリール基が包含される。R6で表さ
れるアルキル基は、好ましくは炭素原子数1〜約12のものであり、枝分れアル
キル基及び直鎖アルキル基を包含する。かかるアルキル基の非限定的な具体例に
は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペ
ンチル、ネオペンチル、ヘキシルがある。R6で表されるシクロアルキル基は、
好ましくは環炭素原子数3〜約12のものである。かかるシクロアルキル基の非
限定的な具体例には、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチル
シクロヘキシル、シクロヘプチルがある。R6で表されるアリール基は、好まし
くは環炭素原子数6〜12のものである。かかるアリール基の非限定的な具体例
には、フェニル、ビフェニル、ナフチルがある。R6で表される好ましいアラル
キル基及びアルカリール基は、炭素原子数7〜約14のものである。かかる基に
は、ベンジル、エチルフェニル、フェニルブチル、フェニルプロピル、プロピル
フェニル及びフェニルエチルがあるが、これらに限定されない。R6で表される
好ましいハロゲン基は、フッ素、塩素及び臭素である。
【0034】 式VIIIの二価フェノール化合物において、2以上のR6置換基が存在する場合
には、これらのR6置換基は同一でも異なっていてもよい。芳香核残基上でのヒ
ドロキシル基とR6の相対的な位置はオルト位でもメタ位でもよい。各ヒドロキ
シ基の位置は独立に各芳香族環上のどの非置換部位にあってもよい。さらに好ま
しくは、各ヒドロキシ基は独立に各芳香環の5位又は6位と5′位又は6′位に
ある。最も好ましくは、各ヒドロキシ基は各芳香環の6位と6′位にある。
【0035】 好ましくは、各R6は独立に塩素、臭素及び炭素原子数1〜約5の低級アルキ
ル基から選択され、R7、R8、R9及びR10は各々独立にC1-6アルキルであり、
11及びR12は各々独立にH又はC1-6アルキルであり、各nは独立に0〜3で
ある。さらに好ましくは、各R6は独立に塩素、及び炭素原子数1〜約3の低級
アルキル基から選択され、R7、R8、R9及びR10は各々独立にC1-2アルキルで
あり、R11及びR12は各々独立にH又はC1-2アルキルであり、各nは独立に0
〜2である。さらに好ましくは、R7、R8、R9及びR10は各々メチルであり、
11及びR12は各々Hであり、各nは0である。
【0036】 式VIIIのスピロ二価フェノールは当技術分野で公知の化合物であり、市販品と
して入手できるし、或いは公知の方法で容易に製造することができる。製造方法
には、米国特許第4701566号に記載の方法、R.F.Curtis及びK
.O.Lewis, Journal of the Chemical So
ciety(England),1962,p.420に記載の方法、及びR.
F.Curtis, Journal of the Chemical So
ciety(England),1962,p.417に記載の方法がある。非
限定的な具体例では、かかるスピロ二価フェノールは、(i)2モルのフェノー
ル化合物をアセトンのような含カルボニル化合物1モルのと反応させ、(ii)し
かる後に、酸性条件下で(i)の生成物3モルのを共反応させてスピロ二価フェ
ノールと4モルのフェノール化合物を生じさせることによって、簡単に製造する
ことができる。(ii)で使用し得る酸には、無水メタンスルホン酸及び無水塩酸
のような酸がある。
【0037】 本発明での使用に好適なポリエステルカーボネートの合成に最も好ましいスピ
ロ二価フェノールは、6,6′−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テトラメ
チル−1,1′−スピロビインダン(「SBI」)であり、この場合、式VIIIの
nは0であり、ポリマー分子の残りの部分との結合は芳香環の特定の位置にある
【0038】 好適なポリエステルカーボネートの製造に当たっては、上述の二価フェノール
を単独で用いてもよいし、2種類以上の異なる二価フェノールの混合物として用
いてもよい。入手性さ及び本発明に格好の適性のため、好ましい二価フェノール
は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(「BPA」)であり、こ
の場合、式VIIのDはビス(4−フェニル)イソプロピリデンである。
【0039】 一般に、本発明のポリエステルカーボネートの製造には、あらゆる二官能性カ
ルボン酸又は酸ジハライドのような対応する反応性誘導体を従来通り使用し得る
。通例、使用し得るカルボン酸は、脂肪族ジカルボン酸、脂肪芳香族ジカルボン
酸又は芳香族ジカルボン酸である。芳香族ジカルボン酸又は芳香族酸ジハライド
のようなその反応性誘導体は、本発明の実施に最も有用な芳香族ポリエステルカ
ーボネートを生じるので特に好ましい。これらのジカルボン酸は下記の一般式IX
によって表される。
【0040】
【化45】
【0041】 式中、R13は、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、置換フェニレンのよう
な芳香族基;式VIIのEで定義したもののように非芳香族結合で結合した2以上
の芳香族基;トリル、キシリルのようなアラルキル基、又はベンジルのようなア
ルカリール基を表す。ポリエステルカーボネートの製造に特に好ましい芳香族ジ
カルボン酸は、式X及び式XIの1以上のジカルボン酸を含むものである。
【0042】
【化46】
【0043】 好適な芳香族ジカルボン酸の非限定的な具体例には、フタル酸、イソフタル酸
、テレフタル酸、ホモフタル酸、o−、m−及びp−フェニレン二酢酸;並びに
ジフェン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸及び2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸のような多核芳香族酸がある。好適なポリエステルカーボネートの製造に当
たっては、これらの酸は単独で用いてもよいし、2種類以上の異なる酸の混合物
として用いてもよい。
【0044】 カーボネート前駆体は、ハロゲン化カルボニルでも炭酸エステルでもハロホル
メートでもよい。本発明で使用し得るハロゲン化カルボニルは、塩化カルボニル
、臭化カルボニル及びこれらの混合物である。本発明で使用し得る炭酸エステル
の典型例は、ジ(クロロフェニル)カーボネート、ジ(ブロモフェニル)カーボ
ネート、ジ(トリクロロフェニル)カーボネート、ジ(トリブロモフェニル)カ
ーボネートのような炭酸ジ(ハロフェニル)、ジ(トリル)カーボネートのよう
な炭酸ジ(アルキルフェニル)、ジ(ナフチル)カーボネート、ジ(クロロナフ
チル)カーボネート、フェニルトリルカーボネート、クロロフェニルクロロナフ
チルカーボネート、又はこれらの混合物である。本発明での使用に好適なハロホ
ルメートには、二価フェノールのビスハロホルメート類(例えばヒドロキノンや
ビスフェノールA等のビスクロロホルメート)又はグリコールのビスハロホルメ
ート(例えばエチレングリコールやネオペンチルグリコールやポリエチレングリ
コール等のビスハロホルメート)がある。ホスゲンとしても知られる塩化カルボ
ニルが好ましい。
【0045】 本発明のポリエステルカーボネートは、界面重合又は相境界分離、エステル交
換、溶液重合、溶融重合及びエステル交換等の公知のプロセスで製造し得る。様
々な従来技術の重合プロセスが開示されており、例えば、米国特許第30303
31号、同第3169121号、同第3207814号、及び1998年10月
29日出願の係属中の米国特許出願09/181902号を参照されたい。プロ
セスは種々変更し得るが、幾つかの好ましいプロセスでは、通例、適当な水に非
混和性の溶媒中に反応体を溶解又は分散させて、適当な触媒及び苛性アルカリ水
溶液の存在下、制御されたpH条件下で、ホスゲン等のカーボネート前駆体と反
応体とを接触させることからなる。最も多用されている水不混和性の溶媒には、
塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン及びトルエン等がある
【0046】 別の製造方法では、アルカリ条件下で、1種類以上の二価フェノールを1種類
以上のジカルボン酸又はビス(酸ハライド)のような反応性誘導体と、ヒドロキ
シ末端ポリエステルオリゴマーを生じるようなモル比で反応させる。ポリエステ
ルオリゴマーの重合度(DP)は約4以上であり、好ましくは約10以上であり
、さらに好ましくは約20以上であり、最も好ましくは約30〜約150である
。次いで、オリゴマーを常法によって二価フェノール及びカーボネート前駆体で
処理して、カーボネートブロックのDPが一般に約10以上、好ましくは約20
以上、最も好ましくは約50〜200のポリエステルカーボネートを形成する。
好ましい実施形態では、二価フェノールはレゾルシノールであり、ジカルボン酸
源はイソフタロイルクロライドとテレフタロイルクロライドの混合物(通例、イ
ソ:テレ比約5:95〜約95:5)であり、カーボネート前駆体はホスゲンで
ある。
【0047】 反応体とカーボネート前駆体との接触前又は接触時に、分子量調節剤(すなわ
ち連鎖停止剤)を反応体に添加するのが一般的である。有用な分子量調節剤には
、フェノール、クロマン−I、p−tert−ブチルフェノール等の一価フェノ
ール類があるが、これらに限定されない。分子量制御の技術は当技術分野で周知
であり、ポリエステルカーボネート樹脂の分子量制御のため本発明のプロセスに
使用し得る。
【0048】 好適には、反応を促進するため触媒を反応混合物に添加する。代表的な触媒に
は、トリエチルアミンのような第三アミン、第四ホスホニウム化合物、第四アン
モニウム化合物等があるが、これらに限定されない。
【0049】 重合反応の進行する温度は0℃未満の温度から100℃を上回る温度までであ
る。好ましくは、重合の温度は約−20℃〜約100℃であり、最も好ましくは
ほぼ室温(25℃)〜約50℃の温度である。この反応は発熱反応であるので、
ホスゲン等のカルボニル前駆体の添加速度を利用して反応温度を調節し得る。カ
ルボニル前駆体の必要量は一般に二価フェノール反応体の添加量に依存する。
【0050】 二価フェノールとジカルボン酸又はその反応性誘導体とカーボネート前駆体の
反応に際しては、酸受容体が存在していてもよい。好適な酸受容体の例には、第
三アミン、及びアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物等がある。
【0051】 本発明の実施に特に有用なポリエステルカーボネートは、ビスフェノールAと
、テレフタル酸、イソフタル酸もしくはこれらの混合物又はテレフタロイルジク
ロライド、イソフタロイルジクロライドもしくはこれらの混合物と、ホスゲンと
から誘導されるポリエステルカーボネートである。テレフタル酸とイソフタル酸
との混合物又はテレフタロイルジクロライドとイソフタロイルジクロライドとの
混合物を用いる場合、テレフタル単位とイソフタル単位のモル比(及び重量比)
は、約5:95〜約95:5、好ましくは約7:93〜約50:50である。好
ましいポリエステルカーボネートは、約5000〜約100000、さらに好ま
しくは約10000〜約65000、最も好ましくは約18000〜約3600
0の重量平均分子量を有する。
【0052】 ポリエステルカーボネート樹脂の製造に使用する反応体の量は、この樹脂生成
物を含む本発明のブレンドの用途に応じて変わる。一般に、式IIのエステル単位
の量は、式Iのカーボネート単位に対して約10重量%〜約90重量%であり、
好ましくは約60重量%〜約80重量%である。
【0053】 本発明の組成物には1種類のポリエステルカーボネートを用いてもよいし、2
種類以上の異なるポリエステルカーボネートの混合物を用いてもよい。用途によ
っては、1種類以上のポリエステルカーボネートと、1種類以上のホモポリカー
ボネートもしくはホモポリエステルもしくはこれらの混合物との混合物を組成物
に用いることも思料される。例えば、ビスフェノールAとイソフタル酸/テレフ
タル酸から誘導されたポリエステルカーボネートを含む組成物は、用途によって
は、BPAホモポリカーボネートと組合せると都合がよい場合がある。好ましく
は、ホモポリカーボネートの重量平均分子量は約5000〜約100000、さ
らに好ましくは約10000〜約65000、さらに一段と好ましくは約160
00〜約40000、最も好ましくは約20000〜約36000である。ビス
フェノールAとイソフタル酸/テレフタル酸から誘導されたポリエステルカーボ
ネートを含んでなる組成物は、用途によっては、2:1:1のビスフェノールA
とイソフタル酸とテレフタル酸を共重合させて得られるポリアリーレートと組合
せると有利な場合もある。ポリエステルカーボネートを含む組成物にホモポリカ
ーボネートとポリアリーレートの混合物を用いてもよい。
【0054】 樹脂組成物では、ある分子量グレードの1種類以上の樹脂成分を低分子量グレ
ードの類似樹脂成分と併用するとメルトフロー及び/又は他の物性が向上するこ
とが多々ある。非限定的な代表例には、1種類以上のポリカーボネートを含む組
成物がある。例えば、ポリカーボネート含有ブレンドでは、ある分子量グレード
のポリカーボネートを低分子量グレードの類似ポリカーボネートと併用するとメ
ルトフローが向上することが多い。従って、本発明は、単一の分子量グレードの
樹脂成分だけを含む組成物、並びに2以上の分子量グレードの類似樹脂成分を含
む組成物を包含する。2以上の分子量グレードの類似樹脂成分が存在するときは
、最低分子量成分の重量平均分子量は、最高分子量成分の重量平均分子量の約1
0%〜約95%であり、好ましくは約40%〜約85%であり、最も好ましくは
約60%〜約80%である。非限定的な例示的実施形態では、ポリカーボネート
含有ブレンドには、重量平均分子量約28000〜約32000のポリカーボネ
ートと重量平均分子量約16000〜約26000のポリカーボネートとの組合
せを含むブレンドが包含される。2以上の分子量グレードの類似樹脂成分が存在
するときは、各種分子量グレードの重量比は、ある分子量グレード約1部〜約9
9部、残りの分子量グレード約99部〜約1部とし得る。2つの分子量グレード
の樹脂成分の混合物が好ましいことが多く、この場合、2つのグレードの重量比
は、約99:1〜約1:99、好ましくは約80:20〜約20:80、さらに
好ましくは約70:30〜約50:50とし得る。ある樹脂成分の製造プロセス
のすべてがその成分のあらゆる分子量グレードを製造し得るわけではないので、
本発明は、異なる製造プロセスで各々の樹脂を製造した2以上の分子量グレード
の類似樹脂成分を含んでなる組成物を包含する。ある実施形態では、本発明は、
界面法で製造したポリカーボネートと溶融エステル交換法法で製造した重量平均
分子量の異なるポリカーボネートとの組合せを含む組成物を包含する。
【0055】 式Iのカーボネート構造単位を含む共重合体に式IIの芳香族エステル構造単位
が存在すると、その共重合体のTgが、式Iの構造単位だけを含む対応ホモポリ
カーボネートのTgに比べて上昇することが多々観察される。例えば、イソフタ
ル酸/テレフタル酸から誘導されたエステル構造単位を含むBPAコポリカーボ
ネートからなるポリエステルカーボネートは、例えば米国特許第4506065
号に開示されている通り、通例、対応BPAホモポリカーボネートよりも高いT
gを有する。
【0056】 本発明のブレンドの付加重合体成分は、公知のあらゆる付加単独重合体又は付
加共重合体を含んでいてよい。付加単独重合体には、オレフィン、極性基置換オ
レフィン、非極性基置換オレフィン、ジエン及びアルケニル芳香族化合物等の不
飽和単量体の単独重合体、並びに環状カーボネート、環状エステル、環状アミド
、環状シロキサン、環状イミド、環状エーテルイミド及び環状エーテル等の環式
単量体の単独重合体があるが、これらに限定されない。付加共重合体には、オレ
フィン、極性基置換オレフィン、非極性基置換オレフィン、ジエン及びアルケニ
ル芳香族化合物単量体のような2種類以上の不飽和単量体の共重合体、並びに環
状カーボネート、環状エステル、環状アミド、環状シロキサン、環状イミド、環
状エーテルイミド及び環状エーテル等の2種類以上の環式単量体の共重合体も包
含されるが、これらに限定されない。2種類のオレフィン単量体、オレフィン単
量体と極性基置換オレフィン単量体、アルケニル芳香族単量体と非極性基置換オ
レフィン単量体、及びアルケニル芳香族単量体と極性基置換オレフィン単量体の
ような2種類以上の不飽和単量体の付加共重合体が好ましい。かかる共重合体の
代表例には、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)、耐衝撃性ポリス
チレン(HIPS)、ブレンド型及びグラフト型を始めとするゴム変性ポリスチ
レン(ゴムがポリブタジエン又は約70%〜98%のスチレンと2%〜30%の
ジエン単量体のゴム状共重合体であるもの)がある。その他にも、SAN共重合
体の一種として、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)共重合体
が包含され、ABS共重合体は通例は予め合成しておいたジエン重合体主鎖(例
えばポリブタジエン又はポリイソプレン)にスチレンとアクリロニトリルをグラ
フトしたものである。
【0057】 大抵は、付加重合体をベースとするゴム変性熱可塑性樹脂が好ましい。好適な
ゴム変性熱可塑性樹脂は、硬質熱可塑性枝連続相中に不連続幹エラストマー相が
分散したものからなり、硬質熱可塑性樹脂の少なくとも一部が該エラストマー相
に化学的にグラフトしたものである。
【0058】 エラストマー相として用いるのに好適な材料は、Tgが25℃以下、さらに好
ましくは0℃以下、さらに好ましくは−30℃以下のポリマーである。本明細書
中でいうポリマーのTgとは、示差走査熱量測定で測定したポリマーのTg値(
加熱速度20℃/分、Tg値は変曲点で決定)である。
【0059】 好ましい実施形態では、エラストマー相は共役ジエン単量体、非共役ジエン単
量体及びC1-12アルキル(メタ)アクリレート単量体から選択される1種類以上
のエチレン性不飽和単量体から誘導される繰返し単位を有するポリマーを含んで
なる。
【0060】 好適な共役ジエン単量体には、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1
,3−ヘプタジエン、メチル−1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジ
エン、2−エチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,4−ヘ
キサジエン、ジクロロブタジエン、ブロモブタジエン、ジブロモブタジエン及び
共役ジエン単量体混合物がある。好ましい実施形態では、共役ジエン単量体は1
,3−ブタジエンである。好適な非共役ジエン単量体には、例えばエチリデンノ
ルボルネン、ジシクロペンタジエン、ヘキサジエン又はフェニルノルボルネンが
ある。
【0061】 本明細書中で用いる「C1-12アルキル」という用語は、1基当たりの炭素原子
数が1〜12の直鎖又は枝分れアルキル置換基を意味し、例えばメチル、エチル
、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−プロピル、イソプロピル、ペ
ンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル及びドデ
シル等がある。本明細書中で用いる「(メタ)アクリレート単量体」という用語
は、アクリレート単量体及びメタクリレート単量体を総称していう。好適なC1- 12 アルキル(メタ)アクリレート単量体には、エチルアクリレート、ブチルアク
リレート、イソペンチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート等のC1-12アルキルアクリレート単量体、並びにそのC1- 12 アルキルメタクリレート類似体、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチルメ
タクリレート、ヘキシルメタクリレート、デシルメタクリレート等がある。
【0062】 エラストマー相は、任意成分として、C2-8オレフィン単量体、ビニル芳香族
単量体及びモノエチレン性不飽和ニトリル単量体から選択される1種類以上の単
量体を最高約25重量%(「wt%」)まで含んでいてもよい。
【0063】 本明細書中で用いる「C2-8オレフィン単量体」という用語は、1分子当たり
の炭素原子数が2〜8で1分子当たり1箇所のエチレン性不飽和部位を有する化
合物を意味する。好適なC2-8オレフィン単量体には、例えば、エチレン、プロ
ペン、1−ブテン、1−ペンテン、ヘプテンがある。
【0064】 好適なビニル芳香族単量体には、例えばスチレン、並びに芳香環に1以上のア
ルキル、アルコキシ、ヒドロキシ又はハロ置換基が結合した置換スチレン、例え
ばα−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン
、トリメチルスチレン、ブチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、
ブロモスチレン、p−ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン等、並びにビニル
置換縮合芳香環構造、例えばビニルナフタレン、ビニルアントラセン等、さらに
はビニル芳香族単量体の混合物がある。
【0065】 本明細書中で用いる「モノエチレン性不飽和ニトリル単量体」という用語は、
1分子当たり1つのニトリル基と1箇所のエチレン性不飽和部位を有する非環式
化合物を意味し、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロア
クリロニトリル等がある。
【0066】 エラストマー相は、任意成分として、例えばブチレンジアクリレート、ジビニ
ルベンゼン、ブテンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(
メタ)アクリレート等のポリエチレン性不飽和「架橋用」単量体から誘導される
繰返し単位を少量(例えば5wt%以下)含んでいてもよい。本明細書中で用い
る「ポリエチレン性不飽和」という用語は、1分子当たり2以上のエチレン性不
飽和部位を有することを意味する。
【0067】 エラストマー相は、特にエラストマー相がアルキル(メタ)アクリレート単量
体から誘導される繰返し単位を有しているような実施形態では、ポリエチレン性
不飽和「グラフト結合用」単量体から誘導される繰返し単位を少量(例えば5w
t%以下)含んでいてもよい。好適なグラフト結合用単量体には、幹又は枝を誘
導したモノエチレン性不飽和単量体と同様の反応性をもつ第一のエチレン性不飽
和部位と、幹エラストマー相を誘導したモノエチレン性不飽和単量体とは実質的
に異なる相対的反応性をもつ第二のエチレン性不飽和部位とを有していて、エラ
ストマー相の合成時に第一の部位が反応し、第二の部位はその後の異なる反応条
件下での反応、例えば硬質熱可塑性プラスチック相の合成時に利用できるような
ものがある。好適なグラフト結合用単量体には、例えばアリルメタクリレート、
ジアリルマレエート、トリアリルシアヌレート等がある。
【0068】 好ましい実施形態では、エラストマー相は、1種類以上の共役ジエン単量体か
ら誘導される繰返し単位60〜100wt%と、ビニル芳香族単量体及びモノエ
チレン性不飽和ニトリル単量体から選択される1種類以上の単量体から誘導され
る繰返し単位0〜40wt%とからなり、例えばスチレン−ブタジエン共重合体
、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体又はスチレン−ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合体等がある。
【0069】 別の好ましい実施形態では、エラストマー相は、1種類以上のC1-12アルキル
(メタ)アクリレート単量体から誘導される繰返し単位を含んでなる。さらに一
段と好ましい実施形態では、エラストマー相は1種類以上のC1-12アルキル(メ
タ)アクリレート単量体、さらに好ましくはエチルアクリレート、ブチルアクリ
レート及びn−ヘキシルアクリレートから選択される1種類以上の単量体から誘
導される繰返し単位を40〜95wt%含んでなる。
【0070】 好ましい実施形態では、エラストマー相は、ラジカル開始剤(例えばアゾニト
リル開始剤、有機過酸化物開始剤、過硫酸系開始剤又はレドックス開始剤系等)
及び任意成分としての連鎖移動剤(例えばアルキルメルカプタン等)の存在下で
水性乳化重合し、凝固(coagulation)させてエラストマー相物質の粒子を形成す
ることにより製造される。好ましい実施形態では、乳化重合したエラストマー相
粒子は光透過率で測定して50〜800nm、さらに好ましくは100〜500
nmの重量平均粒径を有する。乳化重合エラストマー粒子の大きさは任意には乳
化重合粒子を公知技術に従って機械的又は化学的に凝集させることにより増大さ
せることができる。
【0071】 グラフト枝としての硬質熱可塑性樹脂相は1種類以上の熱可塑性ポリマーから
なり、25℃を上回るTg、好ましくは90℃以上のTg、さらに好ましくは1
00℃以上のTgを有する。
【0072】 好ましい実施形態では、硬質熱可塑性樹脂相はC1-12アルキル(メタ)アクリ
レート単量体、ビニル芳香族単量体及びモノエチレン性不飽和ニトリル単量体か
らなる群から選択される1種類以上の単量体から誘導される繰返し単位を有する
重合体又はかかる重合体2種類以上の混合物からなる。好適なC1-12アルキル(
メタ)アクリレート単量体、ビニル芳香族単量体及びモノエチレン性不飽和ニト
リル単量体は、上述のエラストマー相についての説明で挙げたものである。
【0073】 非常に好ましい実施形態では、硬質熱可塑性樹脂相は1種類以上のビニル芳香
族ポリマーを含んでなる。好適なビニル芳香族ポリマーは1種類以上のビニル芳
香族単量体から誘導される繰返し単位を50wt%以上含んでなるものである。
好ましい実施形態では、硬質熱可塑性樹脂相は1種類以上のビニル芳香族単量体
から誘導される第一の繰返し単位と1種類以上のモノエチレン性不飽和ニトリル
単量体から誘導される第二の繰返し単位とを有するビニル芳香族ポリマーを含ん
でなる。さらに好ましい実施形態では、硬質熱可塑性樹脂相は、スチレンから誘
導される繰返し単位約60wt%〜約90wt%と、アクリロニトリルから誘導
される繰返し単位約10wt%〜約40wt%からなる。別の好ましい実施形態
では、熱可塑性樹脂相は、1種類以上のC1-12アルキル(メタ)アクリレート単
量体から誘導される繰返し単位を含み、任意成分として、ビニル芳香族単量体及
びエチレン性不飽和ニトリル単量体から選択される1種類以上の単量体から誘導
される繰返し単位をさらに含んでいてもよい。別の好ましい実施形態では、硬質
熱可塑性樹脂相は、1種類以上のC1-12アルキル(メタ)アクリレート単量体、
さらに好ましくは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメ
タクリレート、イソプロピルメタクリレート及びブチルメタクリレートから選択
される1種類以上の単量体から誘導される繰返し単位を50wt%以上含む。
【0074】 硬質熱可塑性樹脂相は例えば塊重合、乳化重合、懸濁重合又はそれらの組合せ
等の公知の方法で製造されるが、その際、硬質熱可塑性樹脂相の少なくとも一部
がエラストマー相に存在する不飽和部位との反応を介してエラストマー相に化学
結合(すなわち「グラフト」)する。エラストマー相における不飽和部位は、例
えば共役ジエン由来の繰返し単位中の残留不飽和部位或いはグラフト結合用単量
体由来の繰返し単位中の残留不飽和部位によってもたらされる。
【0075】 好ましい実施形態では、硬質熱可塑性樹脂相の少なくとも一部は、エラストマ
ー相及び重合開始剤系(例えば熱又はレドックス開始剤系)の存在下での水性乳
化重合反応又は水性懸濁重合反応によって作られる。別の好ましい実施形態では
、熱可塑性樹脂相の少なくとも一部は塊重合プロセスで製造するが、その際、エ
ラストマー相を形成させようとする材料の粒子を硬質熱可塑性樹脂相を形成させ
ようとする単量体混合物中に溶解し、次いでその混合物の単量体を重合してゴム
変性熱可塑性樹脂を形成する。
【0076】 硬質熱可塑性樹脂相とエラストマー相との間で起こるグラフト反応の量はエラ
ストマー相の相対量及び組成によって変化する。好ましい実施形態では、硬質熱
可塑性樹脂相の約10〜約90wt%、好ましくは約30〜約80wt%、さら
に好ましくは約65〜約80wt%がエラストマー相にグラフトし、硬質熱可塑
性樹脂相の約10〜約90wt%、好ましくは約20〜約70wt%、さらに好
ましくは約20〜約35wt%は「フリー」な状態、すなわちグラフトせずに残
る。
【0077】 ゴム変性熱可塑性樹脂の硬質熱可塑性樹脂相は、(i)エラストマー相の存在
下で実施される重合のみによっても形成し得るし、或いは(ii)エラストマー相
の存在下で重合しておいた硬質熱可塑性ポリマーに対して別個に重合した1種類
以上の硬質熱可塑性ポリマーを添加することによっても形成し得る。好ましい実
施形態では、別個に重合した硬質熱可塑性ポリマーの添加量は、本発明の熱可塑
性樹脂組成物100重量部(pbw)当たり約10重量部未満、さらに好ましく
は約5重量部未満である。最も好ましくは、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、
別個に重合した硬質熱可塑性ポリマーは添加しない。 ゴム変性熱可塑性樹脂のエラストマー相及び硬質熱可塑性樹脂相の個々のポリ
マーは、各々の相についてのTg要件が満足されることを条件として、任意成分
として1種類以上の別の共重合性単量体から誘導される繰返し単位を最高10w
t%までさらに含んでいてもよく、かかる共重合性単量体としては、例えばアク
リル酸やメタクリル酸やイタコン酸のようなモノエチレン性不飽和カルボン酸、
ヒドロキシエチルメタクリレートのようなヒドロキシC1-12アルキル(メタ)ア
クリレート単量体、シクロヘキシルメタクリレートのようなC4-12シクロアルキ
ル(メタ)アクリレート単量体、アクリルアミドやメタクリルアミドのような(
メタ)アクリルアミド単量体、N−アルキルマレイミドやN−アリールマレイミ
ドのようなマレイミド単量体、無水マレイン酸、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニ
ルのようなビニルエステル等がある。本明細書で用いる「C4-12シクロアルキル
」という用語は、1基当たりの炭素原子数が4〜12の環状アルキル置換基を意
味し、用語「(メタ)アクリルアミド」はアクリルアミド及びメタクリルアミド
を総称していう。
【0078】 第一の好ましい実施形態では、幹エラストマーは、1種類以上の共役ジエン単
量体から誘導される繰返し単位を有していて任意にはさらにビニル芳香族単量体
及びモノエチレン性不飽和ニトリル単量体から選択される1種類以上の単量体か
ら誘導される繰返し単位を含んでおり、グラフト枝としての硬質熱可塑性樹脂相
はビニル芳香族単量体及びモノエチレン性不飽和ニトリル単量体から選択される
1種類以上の単量体から誘導される繰返し単位を含んでなる。好ましいグラフト
共重合体樹脂には、例えば「ABS」樹脂と呼ばれるアクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン樹脂がある。
【0079】 特に好ましいのは、30重量%を上回る幹エラストマー、好ましくは約45重
量%を上回る幹エラストマーを有するアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
共重合体である。最も好ましい幹エラストマーはポリブタジエン又はスチレン−
ブタジエン共重合体である。好適なアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共
重合体は当技術分野で公知の方法で製造し得る。好ましい実施形態では、好適な
ABSは、乳化重合段階を含むプロセスで製造されるハイラバーグラフトアクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体である。「ハイラバーグラフト」と
いう用語は約30重量%を上回る、好ましくは約45重量%を上回る硬質高分子
相がゴム状高分子相に化学的に結合もしくはグラフトしているグラフト共重合体
樹脂全般を意味する。好適なABS型ハイラバーグラフト共重合体は市販品とし
て入手可能であり、例えばGEスペシャルティ・ケミカルズ社(GE Spec
ialty Chemicals, Inc.)からBLENDEXという商品
名のグレード131、336、338、360及び415として販売されている
ものがある。別の好ましい実施形態では、好適なABSは塊状重合法で製造され
たABS(塊状法ABS)である。塊状法ABSは通例ゴム粒子分散相中でスチ
レン−アクリロニトリルを共重合したものからなる。
【0080】 別の好ましい実施形態では、幹エラストマーは1種類以上のC1-12アルキルア
クリレートから誘導される繰返し単位を含んでなり、枝の硬質熱可塑性樹脂はビ
ニル芳香族単量体及びエチレン性不飽和ニトリル単量体から選択される1種類以
上の単量体から誘導される繰返し単位を含んでなるものであり、例えばスチレン
−アクリレート(「SA」)ハイラバーグラフト共重合体及びアクリロニトリル
−スチレン−アクリレート(「ASA」)ハイラバーグラフト共重合体などがあ
る。好適なASA型グラフト共重合体は市販品として入手可能であり、例えばG
Eスペシャルティ・ケミカルズ社からBLENDEXという商品名のグレード9
75、977及び980として販売されているものがある。
【0081】 さらに別の好ましい実施形態では、幹エラストマーは1種類以上の共役ジエン
単量体から誘導される繰返し単位を含んでなるもので、任意成分としてC1-12
ルキル(メタ)アクリレート単量体、ビニル芳香族単量体及びエチレン性不飽和
ニトリル単量体から選択される1種類以上の単量体から誘導される繰返し単位を
さらに含んでいてもよく、熱可塑性枝は1種類以上のC1-12アルキル(メタ)ア
クリレートから誘導される繰返し単位を含んでなるもので、任意成分としてビニ
ル芳香族単量体及びエチレン性不飽和ニトリル単量体から選択される1種類以上
の単量体から誘導される繰返し単位をさらに含んでいてもよく、例えばメタクリ
レート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(「MABS」)高ゴムグラ
フト共重合体、メタクリレート−ブタジエン−スチレン(「MBS」)高ゴムグ
ラフト共重合体などがある。好適なMBS型グラフト共重合体は市販品として入
手可能であり、ローム・アンド・ハース社(Rohm and Haas Co
mpany)からPARALOIDという商品名のグレードBTA−733及び
BTA−753として、並びにカネカ・テキサス(Kaneka Texas)
社からKANE ACEという商品名のグレードB−56として市販されている
ものがある。
【0082】 別の好ましい実施形態では、幹エラストマーは1種類以上のオレフィン単量体
から誘導される繰返し単位を含んでなるもので、任意成分として1種類以上の非
共役ジエン単量体から誘導される繰返し単位をさらに含んでいてもよく、熱可塑
性枝はビニル芳香族単量体及びエチレン性不飽和ニトリル単量体から選択される
1種類以上の単量体から誘導される繰返し単位を含んでなるものがあり、例えば
アクリロニトリル−エチレン−プロピレン−スチレン(「AES」)ハイラバー
グラフト共重合体などがある。
【0083】 別の好ましい実施形態では、幹エラストマーは1種類以上のC1-12アルキル(
メタ)アクリレート単量体から誘導される繰返し単位を含んでなり、枝は1種類
以上のC1-12アルキル(メタ)アクリレート単量体から誘導される繰返し単位を
含んでなるものがあり、例えばアクリル系コア−シェルグラフト共重合体などが
ある。ブタジエン改質アクリル共重合体もアクリル系コア−シェルグラフト共重
合体に含まれる。好適なアクリル系コア−シェルグラフト共重合体は、ローム・
アンド・ハース社からPARALOIDという商品名のグレードKM334及び
KM335として、並びにエルフ・アトケム(Elf Atochem) 社から
Dura−strength200として市販されているものがある。
【0084】 ホスホリル化合物は、1種類以上の式Vの化合物を含んでなる。
【0085】
【化47】
【0086】 式中、Qは酸素又はイオウであり、R2、R3及びR4は各々独立にアルキルオキ
シ残基、アルキルチオ残基、アリールオキシ残基、アリールチオ残基、1以上の
アルキル置換基もしくはハロゲン置換基もしくはそれらの混合置換基を有するア
リールオキシ残基もしくはアリールチオ残基、又はアミン残基である。好適な化
合物には、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールA
ビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールビス(ジ−2,6−キシリル
ホスフェート)、ヒドロキノン(ジ−2,6−キシリルホスフェート)及びホス
ホルアミド等のホスフェート類があるが、これらに限定されない。本明細書中で
用いる「ホスホルアミド」という用語は、R2、R3及びR4の1以上がアミン残
基である式Vの含リン化合物をいう。
【0087】 本発明の組成物に特に好ましいのは、約0℃以上、好ましくは約10℃以上、
最も好ましくは約20℃以上のガラス転移点を有する式Vの1種類以上のホスホ
ルアミドであり、このとき、R2はアミン残基であり、R3及びR4は独立にアル
キルオキシ残基、アルキルチオ残基、アリールオキシ残基、アリールチオ残基、
1以上のアルキル置換基もしくはハロゲン置換基もしくはそれらの混合置換基を
有するアリールオキシ残基もしくはアリールチオ残基、又はアミン残基である。
かかるホスホルアミドの例は、係属中の本願出願人に係る米国特許出願第09/
144687号に開示されている。
【0088】 ガラス転移点が約0℃以上のホスホルアミドを樹脂組成物のリン源として用い
ると、意外なことに、その樹脂組成物で作成した試験片では、有機リン酸トリア
リールを含む組成物から作成した試験片よりも高い加熱撓み温度を有していた。
本発明は作用機序に依存するものではないが、リンとの結合の回転を制限するよ
うなR2、R3及びR4残基の各々を選択することで、制限の少ない残基を有する
類似ホスホルアミドよりもガラス転移点が上昇するものと考えられる。例えば、
1以上のハロゲン又は好ましくは1以上のアルキル置換基を有するアリールオキ
シ残基のような嵩高い置換基を有する残基は、アリールオキシ残基に置換基のな
い類似ホスホルアミドよりも高いガラス転移点を有するホスホルアミドを与える
。同様に、R2、R3及びR4基の2以上が互いに結合し、例えばR2とR4基の組
合せがネオペンチル残基であると、ガラス転移点が約0℃以上の望ましいホスホ
ルアミドが得られる。
【0089】 好ましい実施形態では、ホスホルアミドは、約0℃以上、好ましくは約10℃
以上、最も好ましくは約20℃以上のガラス転移温度を有する式XIIのホスホル
アミドを含む。
【0090】
【化48】
【0091】 式中、各Qは独立に酸素又はイオウであり、A2-5は各々独立にアルキルオキシ
残基、アルキルチオ残基、アリールオキシ残基、アリールチオ残基、1以上のア
ルキル置換基もしくはハロゲン置換基もしくはそれらの混合置換基を有するアリ
ールオキシ残基もしくはアリールチオ残基、又はアミン残基である。本発明の特
に好ましい実施形態では、各Qは酸素であり、式XIIのA2-5は各々2,6−ジメ
チルフェノキシ基であるか、或いはA2-5は各々2,4,6−トリメチルフェノ
キシ基である。これらのホスホルアミドはピペラジン型ホスホルアミドである。
上記の式で各Qが酸素で各Aが2,6−ジメチルフェノキシ基であると、対応す
るホスホルアミドのガラス転移温度は約62℃となり、融点は約192℃となる
。逆に、上記の式で各Qが酸素で各Aがフェノキシであると、対応するホスホル
アミドのガラス転移温度は約0℃となり、融点は約188℃となる。各Qが酸素
で各Aが2,6−ジメチルフェノキシ基である式XIIのホスホルアミドのガラス
転移温度が、各Qが酸素で各Aがフェノキシ基である式XIIの対応するホスホル
アミドのガラス転移温度(すなわち約0℃)と比べてこれほど高い(すなわち約
62℃)ことは、特にこれら2つのホスホルアミドの融点の差が約4℃しかなか
ったことから、予想外であった。比較のため、テトラフェニルレゾルシノールジ
ホスフェートのガラス転移温度は約−38℃である。また、ホスホルアミド内に
各種の置換及び非置換アリール部分の混合を用いることによって、中間のガラス
転移温度を有するホスホルアミドを製造することもできる。
【0092】 別の好ましい実施形態では、ホスホルアミドは、約0℃以上、好ましくは約1
0℃以上、最も好ましくは約20℃以上のガラス転移温度を有する式XIIIのホス
ホルアミドを含む。
【0093】
【化49】
【0094】 式中、各Qは独立に酸素又はイオウであり、A6-10は各々独立にアルキルオキシ
残基、アルキルチオ残基、アリールオキシ残基、アリールチオ残基、1以上のア
ルキル置換基もしくはハロゲン置換基もしくはそれらの混合置換基を有するアリ
ールオキシ残基もしくはアリールチオ残基、又はアミン残基であり、nは0〜約
5である。さらに好ましい実施形態では、各Qは酸素であり、A6-10部分は各々
独立にフェノキシ、2,6−ジメチルフェノキシ又は2,4,6−トリメチルフ
ェノキシであり、nは0〜約5である。
【0095】 本発明の別の実施形態では、ホスホルアミドは、約0℃以上、好ましくは約1
0℃以上、最も好ましくは約20℃以上のガラス転移温度を有する式XIVのホス
ホルアミドを含む。
【0096】
【化50】
【0097】 式中、各Qは独立に酸素又はイオウであり、A11-16は各々独立にアルキルオキ
シ、アルキルチオ、アリールオキシもしくはアリールチオ残基、又は1以上のア
ルキル置換基もしくはハロゲン置換基もしくはそれらの混合置換基を有するアリ
ールオキシもしくはアリールチオ残基、又はアミン残基である。さらに好ましい
実施形態では、各Qは酸素であり、A11-16部分は各々独立にフェノキシ、2,
6−ジメチルフェノキシ又は2,4,6−トリメチルフェノキシである。
【0098】 本発明の別の実施形態では、ホスホルアミドは、約0℃以上、好ましくは約1
0℃以上、最も好ましくは約20℃以上のガラス転移温度を有する式XVのホスホ
ルアミドを含む。
【0099】
【化51】
【0100】 式中、各Qは独立に酸素又はイオウであり、A17-20は各々独立にアルキルオキ
シ残基、アルキルチオ残基、アリールオキシ残基、アリールチオ残基、1以上の
アルキル置換基もしくはハロゲン置換基もしくはそれらの混合置換基を有するア
リールオキシ残基もしくはアリールチオ残基、又はアミン残基であり、各R14
アルキル基であるか、或いは2つのR14基一体で1つのアルキリデン基又はアル
キル置換アルキリデン基である。好ましい実施形態では、各Qは酸素であり、2
つのR14基一体で非置換(CH2mアルキリデン基であり(mは2〜10)、A 17-20 部分は各々独立にフェノキシ、2,6−ジメチルフェノキシ又は2,4,
6−トリメチルフェノキシである。さらに好ましい実施形態では、各Qは酸素で
あり、各R14はメチルであり、A17-20部分は各々独立にフェノキシ、2,6−
ジメチルフェノキシ又は2,4,6−トリメチルフェノキシである。
【0101】 本発明の別の実施形態では、ホスホルアミドは、約0℃以上、好ましくは約1
0℃以上、最も好ましくは約20℃以上のガラス転移点を有する式Vのホスホル
アミドを含む。
【0102】
【化52】
【0103】 式中、Qは酸素又はイオウであり、R2は以下の式XVIのものであり、R3及びR4 は各々独立にアルキルオキシ残基、アルキルチオ残基、アリールオキシ残基、ア
リールチオ残基、1以上のアルキル置換基もしくはハロゲン置換基もしくはそれ
らの混合置換基を有するアリールオキシ残基もしくはアリールチオ残基、又はア
ミン残基である。
【0104】
【化53】
【0105】 式中、各Qは独立に酸素又はイオウであり、A21-23は各々独立にアルキルオキ
シ残基、アルキルチオ残基、アリールオキシ残基、アリールチオ残基、1以上の
アルキル置換基もしくはハロゲン置換基もしくはそれらの混合置換基を有するア
リールオキシ残基もしくはアリールチオ残基、又はアミン残基であり、各Z1
アルキル基、芳香族基、又は1以上のアルキル置換基もしくはハロゲン置換基も
しくはそれらの混合置換基を有する芳香族基であり、各X1はアルキリデン基、
芳香族基、又は1以上のアルキル置換基もしくはハロゲン置換基もしくはそれら
の混合置換基を有する芳香族基であり、nは0〜約5である。好ましい実施形態
では、各Qは酸素であり、A21-23部分は各々独立にフェノキシ、2,6−ジメ
チルフェノキシ又は2,4,6−トリメチルフェノキシであり、各Z1はメチル
又はベンジルであり、各X1は炭素原子数2〜24のアルキリデン基であり、n
は0〜約5であり、R3及びR4は各々独立にフェノキシ、2,6−ジメチルフェ
ノキシ又は2,4,6−トリメチルフェノキシである。
【0106】 本発明の別の実施形態では、ホスホルアミドは、約0℃以上、好ましくは約1
0℃以上、最も好ましくは約20℃以上のガラス転移点を有する式Vのホスホル
アミドを含む。
【0107】
【化54】
【0108】 式中、各Qは酸素又はイオウであり、R2は以下の式XVIIのものであり、R3及び
4は各々独立にアルキルオキシ残基、アルキルチオ残基、アリールオキシ残基
、アリールチオ残基、1以上のアルキル置換基もしくはハロゲン置換基もしくは
それらの混合置換基を有するアリールオキシ残基もしくはアリールチオ残基、又
はアミン残基である。
【0109】
【化55】
【0110】 式中、各Qは独立に酸素又はイオウであり、各X2はアルキリデン残基、アルキ
ル置換アルキリデン残基、アリール残基又はアルカリール残基であり、各Z2
アルキリデン残基又はアルキル置換アルキリデン残基であり、R15、R16及びR 17 は各々独立にアルキルオキシ残基、アルキルチオ残基、アリールオキシ残基、
アリールチオ残基、1以上のアルキル置換基もしくはハロゲン置換基もしくはそ
れらの混合置換基を有するアリールオキシ残基もしくはアリールチオ残基、又は
アミン残基であり、nは0〜約5である。好ましい実施形態では、各Qは酸素で
あり、各X2はアルキリデン残基又はアルキル置換アルキリデン残基であり、各
2はアルキリデン残基又はアルキル置換アルキリデン残基であり、R3、R4
15、R16及びR17は各々独立にフェノキシ、2,6−ジメチルフェノキシ又は
2,4,6−トリメチルフェノキシであり、nは0〜約5である。さらに好まし
い実施形態では、各Qは酸素であり、X2及びZ2は各々独立に(CH2mの非置
換アルキリデン残基であり(mは2〜10)、R3、R4、R15、R16及びR17
各々独立にフェノキシ、2,6−ジメチルフェノキシ又は2,4,6−トリメチ
ルフェノキシであり、nは0〜約5である。特に好ましい実施形態では、ホスホ
ルアミドはピペラジンから誘導される(すなわち、X2及びZ2は各々−CH2
CH2−である。)。 ールチオ残基、1以上のアルキル置換基もしくはハロゲン置換基もしくはそれら
の混合置換基を有するアリールオキシ残基もしくはアリールチオ残基、又はアミ
ン残基であり、nは0〜約5である。好ましい実施形態では、各Q1は酸素であ
り、各X2はアルキリデン基又はアルキル置換アルキリデン基であり、各Z2はア
ルキリデン基又はアルキル置換アルキリデン基であり、R2、R3、R8、R9及び
10は各々独立にフェノキシ、2,6−ジメチルフェノキシ又は2,3,6−ト
リメチルフェノキシであり、nは0〜約5である。 別の実施形態では、ホスホルアミドは、約0℃以上、好ましくは約10℃以上
、最も好ましくは約20℃以上のガラス転移点を有する式XVIIIの環式ホスホル
アミドを含む。
【0111】
【化56】
【0112】 式中、R18-21は各々独立に水素又はアルキル基であり、X3はアルキリデン基で
あり、Qは酸素又はイオウであり、A24は、同一又は異なる脂肪族もしくは脂環
式もしくは芳香族もしくはアルカリール基を有する第一アミン又は第二アミンか
ら誘導される基、或いはA24は複素環式アミンから誘導される基、或いはA24
ヒドラジン化合物である。好ましくは、Qは酸素である。なお、nが0のときは
、その部位(すなわちX3が存在しない部位)で2つのアリール環がホスホリル
結合に対してオルト位,オルト′位で単結合により結合している。
【0113】 別の好ましい実施形態では、ホスホルアミドは、約0℃以上、好ましくは約1
0℃以上、最も好ましくは約20℃以上のガラス転移点を有する式XIXのビス(
環式)ホスホルアミドを含む。
【0114】
【化57】
【0115】 式中、Qは酸素又はイオウであり、R22-29は各々独立に水素又はアルキル基で
あり、X4はアルキリデン基であり、m及びnは各々独立に0又は1であり、A2 5
【0116】
【化58】
【0117】 (式中、G1はイオウ、アルキリデン基、アルキル置換アルキリデン基、アリー
ル基又はアルカリール基であり、各Z3は独立にアルキル基、アリール基、又は
1以上のアルキル置換基もしくはハロゲン置換基もしくはそれらの混合置換基を
有するアリール基である)であるか、或いはA25
【0118】
【化59】
【0119】 (式中、G2はアルキリデン、アリール又はアルカリールであり、Y2はアルキリ
デン又はアルキル置換アルキリデンである)である。好ましいホスホルアミドは
、Qが酸素で、A25がピペラジン残基であるものであり、かかるホスホルアミド
はA25を通る対称面を有している。非常に好ましいホスホルアミドには、Qが酸
素で、A25がピペラジン残基であるものがあり、かかるホスホルアミドはA25
通る対称面を有しており、各アリール環の1以上のR置換基は酸素置換基に隣接
したメチルであり、n及びmは各々1であり、X4はCHR30であり、R30は水
素又は炭素原子数約1〜約6のアルキル残基である。なお、mとnのいずれか又
は両方が0であるときには、その部位(すなわちX4が存在しない部位)で2つ
のアリール環がホスホリル結合に対してオルト位,オルト′位で単結合により結
合している。
【0120】 なお、本明細書中では「基」と「残基」という用語は互換的に用いられており
、共に有機部分を意味する。例えば、アルキル基とアルキル残基はいずれもアル
キル部分を意味する。本発明の各種実施形態で用いる「アルキル」という用語は
、直鎖アルキル基、枝分れアルキル基、アラルキル基及びシクロアルキル基を意
味する。直鎖アルキル基及び枝分れアルキル基は好ましくは炭素原子数1〜約1
2のもので、非限定的な具体例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル
、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル及びヘキシルがある。シ
クロアルキル基は好ましくは環炭素原子数3〜約12のものである。シクロアル
キル基の非限定的な具体例には、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチルがある。好ましいアラルキル基は炭
素原子数7〜約14のものであり、例えばベンジル、フェニルブチル、フェニル
プロピル及びフェニルエチルがあるが、これらに限定されない。本発明の各種実
施形態で用いられるアリール基は好ましくは環炭素原子数基6〜12のものであ
る。アリール基の非限定的な具体例には、フェニル、ビフェニル、ナフチルがあ
る。本発明の各種実施形態で用いられる好ましいハロゲン基は塩素及び臭素であ
る。
【0121】 有用な分子構造のホスホルアミドは、好ましくは、第三アミンの存在下で、例
えばピペラジンやN,N′−ジメチルエチレンジアミンのような対応アミンを式
(アリール−O)2POClのジアリールクロロホスフェートと反応させて製造さ
れる。この製造方法は、Talley, J. Chem. Eng. Dat
a, 33, 221−222(1988)に記載されており、繰返し単位のな
いホスホルアミド化合物を与える。別法として、ホスホルアミドは、第三アミン
の存在下で、対応アミンをP(O)Cl3、及びアミン添加と同時又はアミン添加
後に加えられる所望の含ヒドロキシ又は含チオヒドロキシ化合物と反応させるこ
とによっても製造できる。P(O)Cl3にジアミン又はトリアミンを加え、それ
と同時又は後で含ヒドロキシ又は含チオヒドロキシ化合物を添加すると、大抵は
化合物当たり1〜約5個のホスホルアミド結合を有するホスホルアミドの繰返し
単位を生じると考えられる。同様に、モノ置換ホスホリルジクロライド又はモノ
置換チオホスホリルジクロライドにジアミン又はトリアミンを加え、それと同時
に又は後で含ヒドロキシ又は含チオヒドロキシ化合物を添加しても、ホスホルア
ミドの繰返し単位が得られると考えられる。好適なホスホルアミドを製造するた
めの上述の調製法において、P(O)Cl3に代えてP(S)Cl3を用いてもよい。
【0122】 本発明の樹脂組成物は、難燃化量(後で定義する)及び/又は加工性向上量の
1種類以上のホスホリル化合物、例えば、リン酸エステル、ホスホルアミド、又
は2種類以上のリン酸エステルの混合物、2種類以上のホスホルアミドの混合物
、或いはホスホルアミドと、有機リン酸エステル類及びチオリン酸エステル類か
らなる群から選択される1種類以上の非高分子状もしくは高分子状リン添加剤と
の混合物を含む。好ましいリン添加剤は非高分子状有機リン酸エステルであり、
例えば、リン酸アルキルエステル、リン酸アルキル−アリール混合エステル、及
びレゾルシノール系リン酸エステルその他当技術分野で公知のビスフェノール系
リン酸エステルを始めとするリン酸アリールエステルがあるが、これらに限定さ
れない。樹脂組成物は好ましくは、1種類のホスホリル化合物、最も好ましくは
1種類のホスホルアミドを実質的に含む。
【0123】 難燃性は、好ましくはアンダーライターズラボラトリーUL−94規格(AS
TM D3801)に従って測定される。この試験において、望ましいV−0評
価が与えられるポリマーは、その試験片に試験炎を当てた後10秒以上炎を出し
て燃焼せず、しかも5枚の試料片のそれぞれに2回炎を当てたときに試験片が炎
を上げて燃焼する時間が50秒を超えない、すなわち試料の「消炎時間」が50
秒以下であるものである。難燃化量とは、約0.03〜約0.125インチ厚×
約0.5インチ×約5インチ、好ましくは約0.125インチ厚×約0.5イン
チ×約5インチ、さらに好ましくは約0.06インチ厚×約0.5インチ×約5
インチ、最も好ましくは約0.03インチ厚×約0.5インチ×約5インチの寸
法の試験片で測定して、UL−94規格で試験したときにV−2以上評価、好ま
しくはV−1以上評価、最も好ましくはV−0評価を組成物に与えるのに有効な
量をいう。加工性の向上は、例えばコンパウンディング時の押出機のトルク低下
、射出成形時の圧力の低下、粘度の低下及び/又はサイクル時間の短縮として求
めることができる。
【0124】 本発明の組成物は、大抵は、全樹脂成分を基準として約55重量%〜95重量
%のポリエステルカーボネート部分と約5重量%〜45重量%の付加重合体を含
む。なお、ポリエステルカーボネートの量比は、追加のホモポリカーボネート、
ポリアリーレート又はこれらの混合物が存在する場合には、それらも含めた値で
ある。ホスホリル化合物は、通例、樹脂材料100部当たりリン約0.1部〜5
部(phr)の範囲で存在する。ここでの百分率はすべて重量基準である。さら
に好ましくは、ホスホリル化合物は難燃化量で存在するが、この量は通例樹脂材
料100部当たりリン約0.25重量部〜2.5重量部である。ホスホリル化合
物の合計量は大抵は約1phr〜50phr、好ましくは約5phr〜35ph
rである。
【0125】 本発明の実施形態では、含ハロゲン難燃剤又はその他の含ハロゲン種が組成物
中に存在していてもよい。多数の樹脂組成物で、含ハロゲン難燃剤と特にガラス
転移点約0℃以上のホスホルアミドを始めとするホスホリル化合物とを併用する
と、適当な難燃性を与えるだけでなく、意外にも高温特性(樹脂相のHDT又は
Tgで測定されるものなど)の改善をもたらす。含ハロゲン難燃剤又は含ハロゲ
ン種の非限定的な代表例には、臭素化難燃剤、及びハロゲン化芳香族置換基を有
するホスホルアミドがある。環境規制のため、用途によっては無塩素及び無臭素
組成物が好ましいこともある。従って、好ましい実施形態では、本発明は塩素及
び臭素を実質的に含まない組成物を包含する。ここでいう実質的に含まないとは
、塩素種及び臭素種が組成物の配合に当たり全く添加されていないことを意味す
る。別の実施形態では、本発明は、かかる無塩素又は無臭素組成物から得られる
製品を包含する。
【0126】 本発明の組成物は、その他にも、安定剤、防止剤、可塑剤、充填材、離型剤及
びドリップ防止剤を始めとする慣用添加剤を含んでいてもよい。最後のものの代
表例として、テトラフルオロエチレン重合体又は共重合体があり、ポリスチレン
−コ−アクリロニトリル(本明細書中ではスチレン−アクリロニトリル共重合体
ともいう。)のような他のポリマーとの混合物も含まれる。
【0127】 本発明の組成物は、式IIから誘導されるエステル構造単位を含んでいない同様
のブレンドよりも高いTg値で実証されるような、優れた高温特性で特徴づけら
れる。本発明の組成物は高い加熱撓み温度も有していることが多い。
【0128】 本発明の好ましい組成物は、約0℃以上、好ましくは約10℃以上、最も好ま
しくは約20℃以上のTgを有するホスホルアミドを含むホスホリル化合物を含
有している。かかる組成物は高温特性が改善されている。これらは、ホスホルア
ミドを組成物に配合した結果としてガラス転移温度(Tg)の低下が、例えばジ
ヒドロキシ芳香族化合物のビス(ジアリールホスフェートのようなリン酸エステ
ルを含むブレンドでみられる低下よりも格段に小さいことで実証される。これは
、例えばUL−94試験法で測定した難燃性を向上させる量でホスホルアミドを
有機リン酸エステルと比較すれば明らかである。ポリカーボネート−ABSブレ
ンドのような相分離ブレンドの場合、Tgの低下はポリカーボネート相で認めら
れる。
【0129】 経験上、樹脂組成物に含まれるホスホリル系化合物の難燃性は概して化合物自
体の量ではなく組成物中のリンの量に比例することが判明している。従って、同
じ難燃性をもつ分子量の異なる2種類の添加剤を同じ重量で用いると異なるUL
−94の結果を生じることがあるが、2種類の添加剤の量を樹脂組成物中でのリ
ンの割合が同じになるようにすると同じUL−94の結果を生じる。他方、高温
耐性のような他の物性は化合物自体の量に依存し、リンの割合にはさほど依存し
ない。そのため、2種類のリン系化合物を含む組成物の難燃性及び高温耐性の依
存性は同じパターンを示さないことがある。
【0130】 ただし、本発明で用いる好ましいホスホルアミドに関しては、その優れた難燃
性と高温耐性は一致することが判明した。例えば、ある種の樹脂組成物で適当な
消炎時間を付与するのに有効な従来技術の添加剤レゾルシノールビス(ジ−2,
6−キシリルホスフェート)の割合は典型的ビス(2,6−キシリル)ホスホル
アミドの割合とリン換算でほぼ同レベルであるが、上記ビスホスホルアミドは量
が若干多いにもかかわらず加熱撓み温度(HDT)を低下させる傾向が格段に低
い。
【0131】 本発明が、UL−94規格でV−2以上、好ましくはV−1以上、最も好まし
くはV−0の難燃性評価を組成物に付与するのに有効な量の1種類以上のホスホ
リル化合物を含む難燃性組成物の加熱撓み温度を上昇させる方法であって、当該
方法が、式I及び式IIの構造単位を含んでなる1種類以上のポリエステルカーボ
ネートと、1種類以上の付加重合体と、1種類以上の式Vのホスホリル化合物と
を混合することを含んでなる方法も提供することは明らかである。好ましい実施
形態では、本発明は、上記のようにして、無塩素・無臭素難燃性組成物の加熱撓
み温度を上昇させる方法も提供する。本発明の方法は、1種類のホスホリル化合
物又は2種類以上の異なるホスホリル化合物の混合物を含む組成物の加熱撓み温
度の向上に使用し得る。基本的に1種類のホスホリル化合物を含む組成物が好ま
しいことが多い。大半の事例で好ましいホスホリル化合物は、レゾルシノールビ
ス(ジフェニルホスフェート)(以下「RDP」という)、ビスフェノールAビ
ス(ジフェニルホスフェート)(以下、「BPADP」という)、及びN,N′
−ビス[ジ(2,6−キシリル)ホスホリル]ピペラジン(以下、「XPP」と
いう)であり、XPPは高温特性を向上させるので特に好ましいことが多い。本
発明が、当該方法で製造した組成物並びに該組成物から製造した製品を包含する
ことも明らかである。
【0132】 本発明の組成物の製造方法は、樹脂ブレンドに用いられる方法に典型的なもの
である。かかる方法は、ドライブレンディングとその後の溶融加工等の段階を含
んでいてもよく、溶融加工作業は押出等での連続条件下で行なわれることが多い
。溶融加工に続いて、組成物を射出成形等の従来手段で試験片へと成形する。
【0133】 組成物への1種類以上のホスホルアミド又は1種類以上のホスホルアミドと1
種類以上のリン添加剤の添加は、溶融加工前に配合成分すべてを一緒に混合する
ことによって行ってもよい。別法として、前加工段階で含リン種のいずれか1種
類以上、特にホスホルアミド又はリン添加剤を、1種類以上の樹脂配合成分と混
ぜてコンセントレートとしてもよい。かかるコンセントレートは溶融加工で作ら
れることが多い。このコンセントレートを次いで残りの配合成分と混ぜ合わせれ
ばよい。
【0134】 本発明の各種実施形態は、1種類以上の熱可塑性樹脂と1種類以上のホスホル
アミドを含む単なるブレンドのみならず、上記物質のいずれか1種類以上がそれ
自体で又は他の配合成分と化学反応を起こしたブレンドをも包含する。量比が特
定されている場合には、かかる反応後の残留物の量比ではなく、最初に配合した
物質の量比をいう。
【0135】 別の実施形態では、本発明は、本明細書に開示した組成物から製造した製品を
包含する。かかる製品は、当技術分野で公知の任意の従来手段で製造し得る。典
型的手段には、射出成形、熱成形、ブロー成形及びカレンダ加工があるが、これ
らに限定されない。特に好ましい製品には、テレビ及びコンピューターモニター
を始めとするあらゆる陰極線管用の間接及び直接巻回型偏向ヨーク、スリットタ
イプ偏向ヨーク、モールドコイル偏向ヨーク、テレビ用バックプレート、ドッキ
ングステーション、ペデスタル、ベゼル、パレット、スイッチ類やスイッチ用ハ
ウジングやプラグやプラグ用ハウジングや電気コネクタや接続器具やソケット等
の電子設備;テレビキャビネット、並びにデスクトップコンピューター、ポータ
ブルコンピューター、ラップトップコンピューター、パームヘルド型コンピュー
ターを始めとするコンピューター用ハウジング等の電子機器用ハウジング;モニ
タ用ハウジング、プリンタ用ハウジング、キーボード、ファックス機用ハウジン
グ、コピー機用ハウジング、電話用ハウジング、携帯電話用ハウジング、無線送
信機及び/又は無線受信機用ハウジング、照明及び照明器具、充電器、電池用ハ
ウジング、アンテナ用ハウジング、変圧器、モデム、カートリッジ、ネットワー
クインタフェイス装置、回路遮断機、計器用ハウジング、並びに食器洗い機や洗
濯機や衣服乾燥機や冷蔵庫等のウェット及びドライ電気製品用パネル;暖房及び
換気装置用筐体、ファン、エアコン用ハウジング、並びに電車、地下鉄、バスを
始めとする公共交通機関等のインドア及びアウトドア用外装材及び座席材料;自
動車用電装部品がある。
【0136】 以下の実施例で本発明を例示する。部及び百分率はすべて重量基準である。H
DT値はASTM D648法に従って264psi(1820kPa)で決定
した。ノッチ付アイゾット衝撃強さの値は、ASTM D256法に従って決定
した。溶剤曝露後の伸び(ESCR、%)は、歪みジグに1%の歪みで装着され
て、周囲温度で5分間にわたって88:12(体積/体積)のヘキサン/酢酸エ
チルに曝露されたタイプIの引張り試験棒に対して決定された。
【0137】 例1−例2 70重量%のビスフェノールAホモポリカーボネートと、9重量%の市販ハイ
ラバーグラフトABS共重合体と、8.5重量%の市販SAN共重合体と、難燃
化量のRDP(11.5phr、リン換算1.24phr)とのブレンドをヘン
シェルミキサーでブレンディングした後二軸押出機で押出すことによって調製し
、試験片へと成形した。ホモポリカーボネート−ABS−SANを含むが難燃剤
を含まない対照ブレンド(例2)も同一条件下で調製した。対照ブレンドは例1
の生成物とはポリマー配合比が若干異なっていたが、対照ブレンドの役割はポリ
カーボネート相のTgの基準線としての役目しかないので比較という点で重要で
ない。各ブレンドは、ドリップ防止剤としてスチレン−アクリロニトリル共重合
体中に分散させたポリテトラフルオロエチレン0.5部を含む従来の添加剤も含
も含んでいた(これらは量比の決定に当たって考慮しなかった)。ノッチ付アイ
ゾット衝撃強さ(NI)及び溶媒暴露後の伸び率(ESCR)を例1の試験片に
ついて決定した。各々の例の試験片についてポリカーボネート相のTgを決定し
た。例1を対照例2と比較すると、所要量のRDPの添加によってポリカーボネ
ートのTgが大きく低下していることが分かる。
【0138】
【表1】
【0139】 例3−例12 例1と同様にして例3〜12を調製した。これらの例は、ビスフェノールA−
イソフタル酸/テレフタル酸から誘導したエステル単位約60重量%及びカーボ
ネート単位約40重量%のポリエステルカーボネート(PCE)を含んでいた。
ポリエステルカーボネートを様々な量のBPAホモポリカーボネート(PC)と
組合せて、様々な重量比のエステル/カーボネート単位を形成した。市販ハイラ
バーグラフトABS共重合体9重量%と、市販SAN共重合体8.5重量%と、
難燃化量のRDP(11.5phr、リン換算1.24phr)又はXPP(1
3.5phr、リン換算1.26phr)を含むポリエステルカーボネートブレ
ンドを、ホモポリカーボネートと共に又はホモポリカーボネートなしで、調製し
た。各ブレンドは、ドリップ防止剤としてスチレン−アクリロニトリル共重合体
中に分散させたポリテトラフルオロエチレン0.5部を含む従来の添加剤も含も
含んでいた(これらは量比の決定に当たって考慮しなかった)。ノッチ付アイゾ
ット衝撃強さ(NI)及び溶媒暴露後の引張り伸び(ESCR)を例1の試験片
について決定した。各々の例の試験片についてポリカーボネート相のTgを決定
した。結果を表IIに示す。エステル/カーボネート(es/ca)比はすべて重
量%単位である。
【0140】
【表2】
【0141】 例3〜例6(表2)を例1(表1)と比較すると、異なる量のポリエステルカ
ーボネート共重合体(異なるエステル/カーボネート比)を用いると、ポリカー
ボネート相のTgが11℃〜23℃上昇することが分かる。さらに、これらのP
CE共重合体を低可塑性ホスホルアミド(XPP)と組合せると(例7〜例12
、表2)、組成物のポリカーボネート相のTgが33℃〜46℃上昇した。
【0142】 これらのデータから、PCE共重合体を用いると、得られるブレンドの衝撃特
性に正の効果があることが分かる。室温でのノッチ付アイゾット衝撃強さは、R
DP含有ブレンド(例3〜例6)では6ft・lb/inから12ft・lb/
inへとかなり増大しており、XPP含有ブレンド(例7〜例12)では4ft
・lb/inから14ft・lb/inにかなり増大している。
【0143】 溶剤暴露後の引張り伸び率(ESCR)についても同様の効果が観察される。
まず、表2の例3、7、8及び9は含PCEブレンド(60〜40wt%のエス
テル)のESCR性能は、典型的な用途(例1、表1を参照)の要件を満たさな
いことを示している。しかし、例4、5及び6、並びに例10、11及び12は
、エステル/カーボネートのある重量比においては(30重量%以下のエステル
)、ESCR、延性及び耐熱性能の組合せに優れる難燃性組成物が得られること
を極めて明瞭に示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/521 C08K 5/521 5/5399 5/5399 C08L 25/12 C08L 25/12 55/02 55/02 101/00 101/00 (31)優先権主張番号 09/404,456 (32)優先日 平成11年7月8日(1999.7.8) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),AU,BR,C A,CN,JP,KR,MX,RU,SG (72)発明者 キャンベル,ジョン・ロバート アメリカ合衆国、12065、ニューヨーク州、 クリフトン・パーク、ペッパー・ホロウ、 41番 (72)発明者 ゴヴェルツ,ルク・カルロス ベルギー、フーグストラテン、ビー− 2320、ルイス・ドムストラート・21番 Fターム(参考) 4F071 AA02 AA22 AA22X AA34X AA50 AC15 AE07 AF47 AH11 AH12 AH16 AH17 BA01 BB05 BC01 BC07 4J002 BC002 BC022 BC042 BC062 BN152 CG001 CG011 EW046 EW156 FD136 GM00 GN00 GQ00 4J029 AA08 AB07 AC01 AC02 AE01 BD09A BD09B BD09C BD10 CB05 CB06 CC06 HC01 HC02 HC03 JC021 JC091 JC631 KE02 KE05 KE09 KE11

Claims (60)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分及びその任意の反応生成物を含んでなる樹脂組成物
    。 (a)式Iの構造単位と式IIの繰返し又は反復構造単位とを含んでなる1種類
    以上のポリエステルカーボネート、 【化1】 (式中、Dは二価芳香族基である。) 【化2】 (式中、Dは上記で定義した通りであり、R1は式III及び式IVから選択される1
    以上の二価部分である。) 【化3】 (b)1種類以上の付加重合体、及び (c)式Vの1種類以上のホスホリル化合物 【化4】 (式中、Qは酸素又はイオウであり、R2、R3及びR4は各々独立にアルキルオ
    キシ残基、アルキルチオ残基、アリールオキシ残基、アリールチオ残基、1以上
    のアルキル置換基もしくはハロゲン置換基もしくはそれらの混合置換基を有する
    アリールオキシ残基もしくはアリールチオ残基、又はアミン残基である。)
  2. 【請求項2】 DがビスフェノールAから誘導される単位からなる、請求項
    1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 Dが6,6′−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テトラ
    メチル−1,1′−スピロビインダンから誘導される単位からなる、請求項1記
    載の組成物。
  4. 【請求項4】 R1がイソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレン−2,6
    −ジカルボン酸の1以上から誘導される単位からなる、請求項1記載の組成物。
  5. 【請求項5】 R1がイソフタル酸とテレフタル酸の混合物から誘導される
    単位からなる、請求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】 イソフタル酸とテレフタル酸との重量比が約95:5〜約5
    :95である、請求項5記載の組成物。
  7. 【請求項7】 イソフタル酸とテレフタル酸との重量比が約93:7〜約5
    0:50である、請求項6記載の組成物。
  8. 【請求項8】 式Iの単位と式IIの単位との重量比が約10:90〜約90
    :10である、請求項1記載の組成物。
  9. 【請求項9】 式Iの単位と式IIの単位との重量比が約20:80〜約40
    :60である、請求項8記載の組成物。
  10. 【請求項10】 前記付加重合体がアルケニル芳香族化合物の共重合体であ
    る、請求項1記載の組成物。
  11. 【請求項11】 前記アルケニル芳香族化合物がスチレンである、請求項1
    0記載の組成物。
  12. 【請求項12】 前記付加重合体が1種類以上のスチレン−アクリロニトリ
    ル共重合体である、請求項11記載の組成物。
  13. 【請求項13】 前記付加重合体が2種類のスチレン−アクリロニトリル共
    重合体の組合せである、請求項12記載の組成物。
  14. 【請求項14】 前記スチレン−アクリロニトリル共重合体の一方がABS
    共重合体である、請求項13記載の組成物。
  15. 【請求項15】 全樹脂成分を基準として、約55重量%〜95重量%のポ
    リエステルカーボネートと約5重量%〜45重量%の付加重合体を含む、請求項
    1記載の組成物。
  16. 【請求項16】 前記ホスホリル化合物がリン酸エステル類及びホスホルア
    ミド類からなる群から選択される1種類以上からなるなる、請求項1記載の組成
    物。
  17. 【請求項17】 前記ホスホリル化合物がレゾルシノールビス(ジフェニル
    ホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、又は式XI
    Iのホスホルアミドである、請求項16記載の組成物。 【化5】 式中、各Qは独立に酸素又はイオウであり、A2-5は各々2,6−ジメチルフェ
    ノキシ基又は2,4,6−トリメチルフェノキシ基である。
  18. 【請求項18】 前記ホスホリル化合物が式XIIのホスホルアミドである、
    請求項17記載の組成物。 【化6】 式中、各Qは酸素であり、A2-5は各々2,6−ジメチルフェノキシ基である。
  19. 【請求項19】 前記ホスホリル化合物が約0℃以上のガラス転移点を有す
    る1種類以上のホスホルアミドを含んでなる、請求項1記載の組成物。
  20. 【請求項20】 前記ホスホルアミドすべてが約0℃以上のガラス転移点を
    有する、請求項19記載の組成物。
  21. 【請求項21】 R2が式XVIのものである、請求項1記載の組成物。 【化7】 式中、 各Qは独立に酸素又はイオウであり、 A21-23は各々独立にアルキルオキシ残基、アルキルチオ残基、アリールオキ
    シ残基、アリールチオ残基、1以上のアルキル置換基を有するアリールオキシ残
    基もしくはアリールチオ残基、又はアミン残基であり、 各Z1はアルキル基、芳香族基、又は1以上のアルキル置換基を有する芳香族
    基であり、 各X1はアルキリデン基、芳香族基、又は1以上のアルキル置換基を有する芳
    香族基であり、 nは0〜約5であり、 R3及びR4は各々独立にアルキルオキシ残基、アルキルチオ残基、アリールオ
    キシ残基、アリールチオ残基、1以上のアルキル置換基を有するアリールオキシ
    残基もしくはアリールチオ残基、又はアミン残基である。
  22. 【請求項22】 R2が式XIのものである、請求項1記載の組成物。 【化8】 式中、 各Qは独立に酸素又はイオウであり、 各X2はアルキリデン、アリール又はアルカリールであり、 各Z2はアルキリデンであり、 R15、R16及びR17は各々独立にアルキルオキシ残基、アリールオキシ残基、
    1以上のアルキル置換基を有するアリールオキシ残基、又はアミン残基であり、 nは0〜約5であり、 R3及びR4は各々独立にアルキルオキシ残基、アルキルチオ残基、アリールオ
    キシ残基、アリールチオ残基、1以上のアルキル置換基を有するアリールオキシ
    残基もしくはアリールチオ残基、又はアミン残基である。
  23. 【請求項23】 1種類以上のホスホリル化合物が、約0.125インチ×
    約0.5インチ×約5インチの寸法の試験片で測定してアンダーライターズラボ
    ラトリーUL−94規格でV−0、V−1又はV−2の難燃性評価を当該樹脂組
    成物に付与するのに有効な量で存在する、請求項1記載の組成物。
  24. 【請求項24】 樹脂材料100部当たりのリンの合計量が約0.1重量部
    〜3重量部である、請求項1記載の組成物。
  25. 【請求項25】 塩素及び臭素を実質的に含まない、請求項1記載の組成物
  26. 【請求項26】 下記成分及びその任意の反応生成物を含んでなる樹脂組成
    物。 (a)式Iの構造単位と式IIの繰返し又は反復構造単位とを含んでなる1種類
    以上のポリエステルカーボネート、 【化9】 (式中、Dは二価芳香族基である。) 【化10】 (式中、Dは上記で定義した通りであり、R1は式III及び式IVから選択される1
    以上の二価部分である。) 【化11】 (b)1種類以上の付加重合体、及び (c)約0℃以上のガラス転移点を有する式XIVの1種類以上のホスホルアミ
    ド 【化12】 (式中、 各Qは独立に酸素又はイオウであり、 A11-16は各々独立にアルキルオキシ残基、アルキルチオ残基、アリールオキ
    シ残基、アリールチオ残基、1以上のアルキル置換基を有するアリールオキシ残
    基もしくはアリールチオ残基、又はアミン残基である。)
  27. 【請求項27】 下記成分及びその任意の反応生成物を含んでなる樹脂組成
    物。 (a)式Iの構造単位と式IIの繰返し又は反復構造単位とを含んでなる1種類
    以上のポリエステルカーボネート、 【化13】 (式中、Dは二価芳香族基である。) 【化14】 (式中、Dは上記で定義した通りであり、R1は式III及び式IVから選択される1
    以上の二価部分である。) 【化15】 (b)1種類以上の付加重合体、及び (c)約0℃以上のガラス転移点を有する式XVIIIの1種類以上の環式ホスホ
    ルアミド 【化16】 (式中、Qは酸素又はイオウであり、R18-21は各々独立に水素又はアルキル基
    であり、X3はアルキリデン基であり、nは0又は1であり、A24は、脂肪族、
    脂環式、芳香族もしくはアルカリール系の第一アミン又は第二アミンから誘導さ
    れる基、或いはA24は複素環式アミンから誘導される基、或いはA24はヒドラジ
    ン化合物である。)。
  28. 【請求項28】 下記成分及びその任意の反応生成物を含んでなる樹脂組成
    物。 (a)式Iの構造単位と式IIの繰返し又は反復構造単位とを含んでなる1種類
    以上のポリエステルカーボネート、 【化17】 (式中、Dは二価芳香族基である。) 【化18】 (式中、Dは上記で定義した通りであり、R1は式III及び式IVから選択される1
    以上の二価部分である。) 【化19】 (b)1種類以上の付加重合体、及び (c)約0℃以上のガラス転移点を有する式XIXの1種類以上の環式ホスホル
    アミド 【化20】 (式中、各Qは独立に酸素又はイオウであり、R22-29は各々独立に水素又はア
    ルキル基であり、X4はアルキリデン基であり、m及びnは各々独立に0又は1
    であり、A25は 【化21】 (式中、G1はイオウ基、アルキル基、アリール基又はアルカリール基であり、
    各Z3は独立にアルキル基又はアリール基である)であるか、或いはA25は 【化22】 (式中、G2はアルキル、アリール又はアルカリールであり、Y2はアルキルであ
    る)である。)
  29. 【請求項29】 (a)式Iの構造単位と式IIの繰返し又は反復構造単位と
    を含んでなる1種類以上のポリエステルカーボネート、 【化23】 (式中、Dは二価芳香族基である。) 【化24】 (式中、Dは上記で定義した通りであり、R1は式III及び式IVから選択される1
    以上の二価部分である。) 【化25】 (b)1種類以上の付加重合体、及び (c)式Vの1種類以上のホスホリル化合物 【化26】 (式中、R2、R3及びR4は各々独立にアルコキシ残基、アリールオキシ残基、
    又はアミン残基、又は1以上のアルキル置換基を有するアリールオキシ残基であ
    り、Qは酸素又はイオウである。) から実質的になる樹脂組成物。
  30. 【請求項30】 請求項1記載の組成物から製造した製品。
  31. 【請求項31】 当該製品が、陰極線管用偏向ヨーク、テレビ用偏向ヨーク
    、スリットタイプ偏向ヨーク、モールドコイル偏向ヨーク、テレビ用バックプレ
    ート、ドッキングステーション、ペデスタル、ベゼル、パレット、スイッチ、ス
    イッチ用ハウジング、プラグ、プラグ用ハウジング、電気コネクタ、接続器具、
    ソケット、テレビ用ハウジング、コンピューター用ハウジング、デスクトップコ
    ンピューター用ハウジング、ポータブルコンピューター用ハウジング、ラップト
    ップコンピューター用ハウジング、パームヘルド型コンピューター用ハウジング
    、モニター用ハウジング、プリンター用ハウジング、キーボード、ファックス機
    用ハウジング、コピー機用ハウジング、電話機用ハウジング、携帯電話機用ハウ
    ジング、無線送信機用ハウジング、無線受信機用ハウジング、照明器具、充電器
    用ハウジング、電池用ハウジング、自動車用電装部品、アンテナ用ハウジング、
    変圧器用ハウジング、モデム、カートリッジ、ネットワークインターフェース装
    置用ハウジング、回路遮断器用ハウジング、計器用ハウジング、ウェット及びド
    ライ電気製品用パネル、食器洗い機用パネル、洗濯機用パネル、衣類乾燥機用パ
    ネル、冷蔵庫用パネル、暖房・換気装置用筐体、ファン、エアコン用ハウジング
    、公共交通機関用の外装材もしくはシート、又は電車もしくは地下鉄もしくはバ
    ス用の外装材もしくはシートである、請求項30記載の製品。
  32. 【請求項32】 約0.125インチ×約0.5インチ×約5インチの寸法
    の試験片で測定してアンダーライターズラボラトリーUL−94規格でV−2以
    上の難燃性評価を組成物に付与するのに有効な量のホスホリル化合物を含む難燃
    性組成物の加熱撓み温度を上昇させる方法であって、当該方法が、下記成分(a
    )、(b)及び(c)を混合することを含んでなる方法。 (a)式Iの構造単位と式IIの繰返し又は反復構造単位とを含んでなる1種類
    以上のポリエステルカーボネート、 【化27】 (式中、Dは二価芳香族基である。) 【化28】 (式中、Dは上記で定義した通りであり、R1は式III及び式IVから選択される1
    以上の二価部分である。) 【化29】 (b)1種類以上の付加重合体、及び (c)式Vの1種類以上のホスホリル化合物 【化30】 (式中、Qは酸素又はイオウであり、R2、R3及びR4は各々独立にアルキルオ
    キシ残基、アルキルチオ残基、アリールオキシ残基、アリールチオ残基、1以上
    のアルキル置換基もしくはハロゲン置換基もしくはそれらの混合置換基を有する
    アリールオキシ残基もしくはアリールチオ残基、又はアミン残基である。)
  33. 【請求項33】 DがビスフェノールAから誘導される単位からなる、請求
    項32記載の方法。
  34. 【請求項34】 Dが6,6′−ジヒドロキシ−3,3,3′,3′−テト
    ラメチル−1,1′−スピロビインダンから誘導される単位からなる、請求項3
    2記載の方法。
  35. 【請求項35】 R1がイソフタル酸、テレフタル酸及びナフタレン−2,
    6−ジカルボン酸の1以上から誘導される単位からなる、請求項32記載の方法
  36. 【請求項36】 R1がイソフタル酸とテレフタル酸の混合物から誘導され
    る単位からなる、請求項32記載の方法。
  37. 【請求項37】 イソフタル酸とテレフタル酸との重量比が約95:5〜約
    5:95である、請求項36記載の方法。
  38. 【請求項38】 イソフタル酸とテレフタル酸との重量比が約93:7〜約
    50:50である、請求項37記載の方法。
  39. 【請求項39】 式Iの単位と式IIの単位との重量比が約10:90〜約9
    0:10である、請求項32記載の方法。
  40. 【請求項40】 式Iの単位と式IIの単位との重量比が約20:80〜約4
    0:60である、請求項39記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記付加重合体がアルケニル芳香族化合物の共重合体であ
    る、請求項32記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記アルケニル芳香族化合物がスチレンである、請求項4
    1記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記付加重合体が1種類以上のスチレン−アクリロニトリ
    ル共重合体である、請求項42記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記付加重合体が2種類のスチレン−アクリロニトリル共
    重合体の組合せである、請求項43記載の方法。
  45. 【請求項45】 前記スチレン−アクリロニトリル共重合体の一方がABS
    共重合体である、請求項44記載の方法。
  46. 【請求項46】 全樹脂成分を基準として、約55重量%〜95重量%のポ
    リエステルカーボネート部分と約5重量%〜45重量%の付加重合体を含む、請
    求項32記載の方法。
  47. 【請求項47】 前記ホスホリル化合物がリン酸エステル類及びホスホルア
    ミド類からなる群から選択される1種類以上からなるなる、請求項32記載の方
    法。
  48. 【請求項48】 前記ホスホリル化合物がレゾルシノールビス(ジフェニル
    ホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)、又は式XI
    Iのホスホルアミドである、請求項47記載の方法。 【化31】 式中、各Qは独立に酸素又はイオウであり、A2-5は各々2,6−ジメチルフェ
    ノキシ基又は2,4,6−トリメチルフェノキシ基である。
  49. 【請求項49】 前記ホスホリル化合物が式VIのホスホルアミドである、請
    求項48記載の方法。 【化32】 式中、Qは酸素であり、A2-5は各々2,6−ジメチルフェノキシ基である。
  50. 【請求項50】 前記ホスホリル化合物が約0℃以上のガラス転移点を有す
    る1種類以上のホスホルアミドを含んでなる、請求項32記載の方法。
  51. 【請求項51】 前記ホスホルアミドすべてが約0℃以上のガラス転移点を
    有する、請求項50記載の方法。
  52. 【請求項52】 R2が式XVIのものである、請求項32記載の方法。 【化33】 式中、 各Qは独立に酸素又はイオウであり、 A21-23は各々独立にアルキルオキシ残基、アルキルチオ残基、アリールオキ
    シ残基、アリールチオ残基、1以上のアルキル置換基を有するアリールオキシ残
    基もしくはアリールチオ残基、又はアミン残基であり、 各Z1はアルキル基、芳香族基、又は1以上のアルキル置換基を有する芳香族
    基であり、 各X1はアルキリデン基、芳香族基、又は1以上のアルキル置換基を有する芳
    香族基であり、 nは0〜約5であり、 R3及びR4は各々独立にアルキルオキシ残基、アルキルチオ残基、アリールオ
    キシ残基、アリールチオ残基、1以上のアルキル置換基を有するアリールオキシ
    残基もしくはアリールチオ残基、又はアミン残基である。
  53. 【請求項53】 R2が式XIのものである、請求項32記載の方法。 【化34】 式中、 各Qは独立に酸素又はイオウであり、 各X2はアルキリデン、アリール又はアルカリールであり、 各Z2はアルキリデンであり、 R15、R16及びR17は各々独立にアルキルオキシ残基、アリールオキシ残基、
    1以上のアルキル置換基を有するアリールオキシ残基もしくはアリールチオ残基
    、又はアミン残基であり、 nは0〜約5であり、 R3及びR4は各々独立にアルキルオキシ残基、アルキルチオ残基、アリールオ
    キシ残基、アリールチオ残基、1以上のアルキル置換基を有するアリールオキシ
    残基もしくはアリールチオ残基、又はアミン残基である。
  54. 【請求項54】 1種類以上のホスホリル化合物が、約0.125インチ×
    約0.5インチ×約5インチの寸法の試験片で測定してアンダーライターズラボ
    ラトリーUL−94規格でV−0、V−1又はV−2の難燃性評価を当該樹脂組
    成物に付与するのに有効な量で存在する、請求項32記載の方法。
  55. 【請求項55】 樹脂材料100部当たりのリンの合計量が約0.1重量部
    〜3重量部である、請求項32記載の方法。
  56. 【請求項56】 前記組成物がV−1以上の難燃性評価を有する、請求項3
    2に記載の方法。
  57. 【請求項57】 前記組成物がV−0以上の難燃性評価を有する、請求項3
    2に記載の方法。
  58. 【請求項58】 前記組成物が塩素及び臭素を実質的に含まない、請求項3
    2記載の方法。
  59. 【請求項59】 請求項58記載の耐燃性組成物。
  60. 【請求項60】 請求項32記載の耐燃性組成物。
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