JP2002522445A - チオ−オリゴサッカリドの固相合成 - Google Patents

チオ−オリゴサッカリドの固相合成

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JP2002522445A
JP2002522445A JP2000563671A JP2000563671A JP2002522445A JP 2002522445 A JP2002522445 A JP 2002522445A JP 2000563671 A JP2000563671 A JP 2000563671A JP 2000563671 A JP2000563671 A JP 2000563671A JP 2002522445 A JP2002522445 A JP 2002522445A
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オウル ヒンドスガウル,
ゲルト フメル,
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シンソーブ バイオテック, インコーポレイテッド
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H15/00Compounds containing hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H15/20Carbocyclic rings
    • C07H15/203Monocyclic carbocyclic rings other than cyclohexane rings; Bicyclic carbocyclic ring systems

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Abstract

(57)【要約】 硫黄連結ジサッカリドおよびオリゴサッカリドを形成する固相合成法を記載し、ここで、アノマー炭素に保護チオール基を有するサッカリドまたはオリゴサッカリドは、還元糖のアノマー炭素以外の任意の位置で、固体支持体上で固定化される。得られる固定化したチオールまたはその誘導体は、求核サッカリド付加を受け、ジサッカリドまたはオリゴサッカリドを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) (発明の分野) 本発明は、硫黄連結ジサッカリドおよびオリゴサッカリドを形成するための固
相合成法に関する。これらの方法において、保護チオール基を有するサッカリド
またはオリゴサッカリドは、保護チオール基以外の任意の位置にて固体支持体上
に固定化される。次いで、チオール保護基は除かれ、必要に応じてそのチオラー
ト塩に変換される。得られるチオール/チオラートは、求核的サッカリド付加を
受け、固相に結合したジまたはオリゴサッカリドを提供し得る。
【0002】 好ましい実施態様において、求核的サッカリド付加反応は、チオール/チオラ
ートによって置換され、スルフィド連結を形成する脱離基の導入によって、連結
の所望の点において活性化されているサッカリドまたはオリゴサッカリドを含む
【0003】 別の好ましい実施態様において、サッカリドまたはオリゴサッカリドの保護チ
オール基は、還元サッカリド基のアノマー炭素原子に位置する。
【0004】 (参考文献) 以下の刊行物、特許、および特許出願は、上付き数字として本出願に引用され
る:1 Hindsgaul、1−Tiogalactose Derivativ
es、国際特許出願公報第WO98/21221号、1998年5月22日に公
開された。2 Witczakら、Thiosugars II,Carbohydrat
e Research、301:167−175(1997)。3 L.X.Wand、N.SakariおよびH.Kuzuhara、J.C
hem.Soc.Perkin Trans.,1:1677−1682(19
990)。4 L.A.ReedおよびL.Goodman、Carbohydr.Res
.,94:91−99(1981)。5 S.Mehta、J.S.Andrews、B.D.Jonstonおよび
B.M.Pinto、J.Am.Chem.Soc.,116:1569−15
70(1994)。6 Hindsgaul、Combinatorial Synthesis
of Carbohydrate Libraries、国際特許出願公報第W
O98/22487、1998年5月28日に公開された。7 F.Shafizadeh、R.H.FurneauxおよびT.T.St
evenson、Carbohydr.Res.,71(1979)169−1
91。8 M.G.Essig、Carbohydr.Res.,156(1986)
225−231。9 T.W.GreeneおよびG.M.Wuts、Protecting G
roups in Organic Synthesis、第2版、Wiley
、New York、1991。10 Gallopら、米国特許第5,525,734号、「Methods f
or Synthesizing Diverse Collections
of Pyrrolidone Compounds」、1996年6月11日
に発行された。
【0005】 (技術の状況) チオ糖、または1−チオグリコシドは、従来、種々の用途に対して開示されて
いる。例えば、Hindsgaul1,6は、特定のチオガラクトース誘導体がト
キシン(例えば、易熱性エンテロトキシンまたはコレラトキシン)の、インビボ
またはインビボのいずれかでのそれらのレセプターへの結合をブロックすること
に有用である。同様に、Witczakら2,7は、酵素阻害研究におけるプロー
ブと同様に有用なチオ糖(αおよびβ連結チオジサッカリド)を開示し、糖抗生
物質の成分として開示している。
【0006】 このようなチオ連結を有する化合物の合成は、一般的に、対応するエーテル連
結よりも困難である。例えば、チオール基のイオウ原子は、アルコールの酸素原
子よりも電気陰性ではなく、従って、プロトンに対して親和性が低い。このため
、チオール基は、典型的に、アルキル化の前に、対応するチオラート基(例えば
−S-)に脱プロントン化される。
【0007】 いずれにしても、チオール連結ジサッカリドの液相合成は、いくつかの方法(
例えば、チオラートアニオンとグリコシルハライド間のSN2型反応3、1−チオ
グリコピラノースによる脱離基の置換4、ベンジル化1、6−アンヒドロ−グル
コピラノースと保護化4−チオグルコピラノシドの縮合5)によって達成されて
いる。これらの従来の方法は、一般的に種々の収率の所望の生成物を生成する多
工程の方法である。糖チオールのレボルグルコセノン(levolglucos
enone)へのマイケル付加によりチオジサッカリドを生成する他の方法も公
知である7,8
【0008】 しかし、チオジ−またはオリゴサッカリドを形成する上記従来の手段は、溶液
中でチオジ−またはオリゴサッカリドの形成を必要とする。これは、所望の最終
生成物に影響することなく、あるいは精製の間に収率を減少することなく、所望
でない副生成物および過剰の試薬を除去することを困難にする。
【0009】 チオ連結サッカリド化合物の形成のための固相反応は、特に所望である。なぜ
なら、これは、全収率を減少することなく、最終生成物、ならびに合成の間に精
製される全ての中間体の容易な精製を可能にするからである。しかし、明らかに
、固体支持体上でのチオジ−またはオリゴサッカリドを形成する方法は報告され
ていない。
【0010】 (発明の要旨) 本発明は、ジサッカリドを形成するための従来の公知の溶液相求核置換反応も
、固体支持体上に結合されたサッカリドまたはオリゴサッカリドで行われ得ると
いう予期されない、新規の発見に関する。固体支持体上のジ−およびオリゴサッ
カリドの合成は、反応のコンフォメーションの制御、得られる精製物の高められ
た純度、および改善された全収率において特に利点を提供する。
【0011】 従って、この方法の局面の1つにおいて、本発明は、固体支持体上のイオウ連
結ジサッカリドまたはオリゴサッカリドを形成するための方法に関し、この方法
は以下: i)固体支持体上で第1サッカリドまたはオリゴサッカリドを固定化する工程
であって、この第1サッカリドまたはオリゴサッカリドは、還元サッカリドユニ
ットのアノマー炭素原子に、式−SRの保護したチオール基を含み、Rはチオー
ル基保護剤である、工程; ii)このチオール基を脱保護し、そして脱保護したチオール基を対応するチ
オラートに任意に転換する工程; iii)金属錯化剤を任意に添加する工程;ならびに iv)上記のii)またはiii)で形成される固定化したサッカリドまたは
オリゴサッカリド基を、置換可能な求核基を含む第2サッカリドまたはオリゴサ
ッカリドと、チオール基またはチオラート基が、この置換可能な求核基を置換す
る条件下で、接触させ、これにより第1サッカリド/オリゴサッカリドと第2サ
ッカリド/オリゴサッカリドとの間にスルフィド連結を形成する工程を含む。
【0012】 1つの好ましい実施態様において、固体支持体上に固定化されたサッカリドま
たはオリゴサッカリドは、保護されていないサッカリドまたはオリゴサッカリド
基であるが、ヒドロキシ/アミノ保護サッカリドまたはオリゴサッカリドが使用
され得る(ただし、この固定支持体への接続のために利用できる1つの官能基に
おいて)。特に好ましい実施態様において、サッカリドまたはオリゴサッカリド
の固体支持体上への固定化または接続の点は、1級アミンと優先的に反応する官
能基を含む固体支持体の使用によって方向付けられる。
【0013】 別の好ましい実施態様において、チオールブロック基Rは、アシル、アルキル
、置換アルキル、アリール、へテロアリール基、チオアルキル、チオ置換アルキ
ル、チオシクロアルキル、チオアリールおよびチオへテロアリールなどからなる
群から選択される。
【0014】 なお別の好ましい実施態様において、固体支持体に接続されるオリゴサッカリ
ドは、切断可能な連結アームを介して接続される。この実施態様の好ましい局面
いおいて、上記プロセスは、さらに、上記i)に記載されるサッカリドまたはオ
リゴサッカリドを切断可能なリンカーを介して固体支持体に固定化する工程、お
よび上記iv)に続いて、固体支持体からiv)において形成される生成物を除
去する工程を包含する。
【0015】 別の好ましい実施態様において、上記工程iv)において使用される第2サッ
カリドまたはオリゴサッカリドは、還元サッカリドユニットのアノマー炭素にお
いて式−SRの保護されたチオール基を含み、ここで、Rは、チオール基保護剤
であり、工程ii)、iii)およびiv)は、所望なだけしばしば繰り返され
る。
【0016】 本発明の方法に使用される好ましいサッカリドには、例として、D−ガラクト
ース、D−グルコース、D−マンノース、D−キシロース、D−グルコン酸(例
えば、D−グルコロン酸)、N−アセチル−D−グルコサミン、N−アセチル−
D−ガラクトサミン、シアル酸、L−フコース、ケト−デオキシオクツロールソ
ン酸(keto−deoxyoctulolsonic acid)(KDO)
などが挙げられる。この用語の定義には、このようなサッカリドのデオキシ、デ
オキシハロ、デオキシアミノ、アシル化、ホスホリル化および硫酸化誘導体が挙
げられる。また、この定義には、イノシトールのようなシクリトールが挙げられ
る。
【0017】 本明細書に使用されるように、時々、糖(サッカリド)は、従来の3つの文字
の命名法を使用して参照される。全ての糖は、他に記載がない限り、L形である
フコースを除いて、D形であると想定される。さらに、全ての糖は、ピラノース
形である。
【0018】 本明細書中に記載される方法に使用されるか、または本明細書中に記載される
方法によって作製される好ましいオリゴサッカリドは、上に列挙された2以上の
、好ましくは2〜10個のサッカリドユニットを有するものが挙げられ、ここで
、各サッカリドユニットは、オリゴサッカリドの他のサッカリドユニットに対し
て独立して選択される。
【0019】 本明細書において使用するための好ましい固体支持体は、シリカ、合成シリカ
、生物由来のシリカ、多孔質ガラス(porous glass)、ヒドロゲル
、シリケート含有鉱物、合成ポリマー、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリア
クリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、およびこれらの
コポリマー(ポリスチレン/ポリエチレングリコールおよびポリアクリルアミド
/ポリエチレングリコールのコポリマーを含む)からなる群から選択される。
【0020】 (発明の詳細な説明) 上に記載したように、本発明は、固体支持体上で硫黄連結オリゴサッカリドを
形成する方法に関する。しかし、本発明をさらに詳細に説明する前に、以下の用
語が最初に規定される。
【0021】 (定義) 用語「チオール保護基」は、チオールの硫黄に結合される場合、得られる保護
されたチオール基(−SR)を化合物の他の部分で行われる反応条件に対して不
活性にし、適切な時にチオール基を再生するように反応され得る、周知の官能基
を示す。Rチオール保護基の性質(identity)は、重要ではなく、チオ
ールサッカリドまたはオリゴサッカリドおよびそこで行われる化学反応、ならび
にチオール上にこの保護基を形成する化合物の合成の相対的な容易さ、および引
き続くこの保護基の除去の相対的な容易さと適合性であるように選択される。好
ましくは、Rは、アシル、アルキル、置換アルキル、アリール、へテロアリール
基、チオールアルキル、チオ置換アルキル、チオシクロアルキル、チオアリール
およびチオへテロアリールなどからなる群から選択される。
【0022】 用語「金属錯化剤」は、チオラートアニオンに対して対イオンを形成するカチ
オンと錯化する周知の錯化剤を示す。好ましくは、カチオンは、リチウムイオン
、ナトリウムイオン、カリウムイオン、またはテトラアルキルアンモニウムイオ
ンを含むアンモニウムイオンのようなアルカリイオンである。カチオンの錯化は
、チオラートアニオンの求核性を高める。適切な金属錯化剤の例には、18−ク
ラウン−6、15−クラウン−5、クリプトフィックスなどが挙げられる。特定
の金属錯化剤の選択は、錯化されるカチオンに関して行われ、このような選択は
、当該分野で周知である。
【0023】 用語「求核置換可能基」は、求核剤によって置換され、それによって脱離基の
除去とともにそれらの間で共有結合を形成する、従来の脱離基を示す。例えば、
求核剤がチオラート基であり、脱離基が炭素原子に結合したブロモ基(−Br−
C<)である場合、チオラート基(−S-)によるブロモ脱離基の置換は、硫黄
−炭素共有結合の形成を生じる。適切な脱離基の選択は重要ではなく、任意の種
々の周知の脱離基が公知であり得る。このような脱離基の例には、種々のスルホ
ン酸エステル基(例えば、トシラート、メシラート、ブロシラート(brosy
late)、ノシラート(nosylate)基)およびフッ素化スルホン酸エ
ステル基(例えば、トリフラート、ノナフラート(nonaflate)および
トレシラート(tresylate)基)などが挙げられる。
【0024】 「アルキル」は、好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、より好ましくは1
〜6個の炭素原子を有する1価のアルキル基を示す。この用語は、メチル、エチ
ル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、n−へキ
シルなどのような基によって例示される。
【0025】 「置換アルキル」は、以下からなる群から選択される1〜3個の置換基を有す
る1〜8個の炭素原子の、分枝鎖または直鎖のアルキル基を示す:ヒドロキシ、
アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルケニ
ル、アルキニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、アリールオキ
シ、カルボキシ、カルボキシアルキル、シアノ、シクロアルキル、グアニジノ、
ハロ、へテロアリール、複素環式、ニトロ、チオール、チオアルキル、チオ(置
換アルキル)、チオアリール、チオへテロアリールなど。好ましい置換基には、
ヒドロキシおよびアミノが挙げられる。
【0026】 「アシル」は、アルカリール(alkaryl)−C(O)−、アルキル−C
(O)−、アリール−C(O)−、およびへテロアリール−C(O)−基を示し
、ここで、アルカリール、アルキル、アリール、およびへテロアリールは、本明
細書中に規定される通りである。
【0027】 「アシルアミノ」は、基−C(O)NRRを示し、ここで、各Rは、独立して
水素またはアルキルである。
【0028】 「アシルオキシ」とは、アルキル−C(O)O−、アリール−C(O)O−、
ヘテロアリール−C(O)O−、および複素環式−C(O)O−をいい、ここで
アルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式は、本明細書中で定義され
る通りである。
【0029】 「アルカリール」とは、−アルキレン−アリール基をいい、ここでアルキレン
およびアリールは本明細書中で定義される通りである。このようなアルカリール
基は、ベンジル、フェネチルなどによって例示される。
【0030】 「アルコキシ」とは、アルキル−O−基をいう。このようなアルコキシ基には
、例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−
ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキ
ソキシ、1,2−ジメチルブトキシなどが挙げられる。
【0031】 「置換アルコキシ」とは、(置換アルキル)−O−基をいい、ここで置換アル
キルは、本明細書中で定義される通りである。
【0032】 「アルケニル」とは、好ましくは、2〜8個の炭素原子、より好ましくは、2
〜6個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1個、好ましくは1〜2個のアルケニ
ル不飽和部位を有する、アルケニル基をいい、これらの基は、以下からなる群か
ら選択される1〜3個の置換基で必要に応じて置換される:ヒドロキシ、アシル
、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルケニル、ア
ミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、カ
ルボキシアルキル、シアノ、シクロアルキル、グアニジノ、ハロ、ヘテロアリー
ル、複素環式、ニトロ、チオール、チオアルキル、チオ(置換アルキル)、チオ
アリール、チオへテロアリールなど。このようなアルケニル基には、エテニル(
−CH=CH2)、n−プロペニル(すなわち、アリル)(−CH2CH=CH2
)、iso−プロペニル(−C(CH3)=CH2)などが挙げられる。
【0033】 「アルキレン」または「アルキルジイル」とは、好ましくは、1〜8個の炭素
原子、より好ましくは1〜6個の炭素原子を有する2価のアルキレン基をいう。
この用語は、メチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、プロピレ
ン異性体(例えば、−CH2CH2CH2−および−CH(CH3)CH2−)など
によって例示される。
【0034】 「アルキニル」とは、好ましくは2〜8個の炭素原子、より好ましくは2〜6
個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1個、好ましくは1〜2個のアルキニル不
飽和部位を有する、アルキニル基をいい、これらの基は以下からなる群から選択
される1〜3個の置換基によって、必要に応じて置換される:ヒドロキシ、アシ
ル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルケニル、
アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、
カルボキシアルキル、シアノ、シクロアルキル、グアニジノ、ハロ、ヘテロアリ
ール、複素環式、ニトロ、チオール、チオアルキル、チオ(置換アルキル)、チ
オアリール、チオへテロアリールなど。このようなアルキニル基には、エチニル
(−C≡CH)、プロパルギル(−CH2C≡CH)などが挙げられる。
【0035】 「アミノ」とは、−NH2基をいう。
【0036】 「置換アミノ」とは、−N(R)2基をいい、ここで各Rは、水素、アルキル
、置換アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、複
素環式からなる群から独立して選択され、そしてここで、両方のR基はそれらが
結合している窒素と一緒に結合して複素環式基を形成する。両方のR基が水素の
場合、−N(R)2は、上記の定義通りのアミノ基である。置換アミノ基の例に
は、例として、モノおよびジアルキルアミノ、モノおよびジ(置換アルキル)ア
ミノ、モノおよびジアリールアミノ、モノおよびジヘテロアリールアミノ、モノ
およびジ複素環式アミノ、ならびにアルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロ
アリールおよび複素環式から選択される、異なる置換基を有する非対称二置換ア
ミノなどが挙げられる。
【0037】 「アミノアシル」とは、−NRC(O)R基をいい、ここで各は独立して、水
素またはアルキルである。
【0038】 「アリール」とは、単環(例えば、フェニル)、または多縮合環(例えば、ナ
フチルまたはアンスリル)を有する、6〜14個の炭素原子の不飽和芳香族炭素
環式基をいう。好ましいアリールには、フェニル、ナフチルなどが挙げられる。
【0039】 アリール置換基についての定義によって他の限定がなされない限り、このよう
なアリール基は、以下からなる群から選択される1〜3個の置換基で必要に応じ
て置換され得る:ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルキル、置換アルキル
、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アミノ、アミノアシル、アリール、ア
リールオキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、シアノ、ハロ、ニトロ、ヘテ
ロアリール、トリハロメチルなど。好ましい置換基には、アルキル、アルコキシ
、ハロ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、トリハロメチルおよびチオアルコキシが
挙げられる。
【0040】 「アリールオキシ」とは、アリール−O−基をいい、ここでアリール基は本明
細書中で定義される通りであり、これは必要に応じて置換されるアリール基(こ
れもまた本明細書中で定義される通りである)を含む。
【0041】 「カルボキシ」とは、−COOH基をいう。
【0042】 「カルボキシアルキル」とは、−C(O)O−アルキル基をいい、ここでアル
キルは本明細書中で定義されるとおりである。
【0043】 「シクロアルキル」とは、単環または多縮合環を有する3〜8個の炭素原子の
環式アルキル基または環式アルキル環をいい、これは、以下からなる群から選択
される1〜3個の置換基で必要に応じて置換され得る:ヒドロキシ、アシル、ア
シルオキシ、アルキル、置換アルキル、アルキレン、アルコキシ、アルケニル、
アルキニル、アミノ、アミノアシル、アリール、アリールオキシ、カルボキシ、
カルボキシアルキル、シアノ、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、トリハロメチル
など。好ましい置換基には、アルキル、アルコキシ、ハロ、カルボキシ、シアノ
、ニトロ、トリハロメチルおよびチオアルコキシが挙げられる。このようなシク
ロアルキル基には、例として、単環構造(例えば、シクロプロピル、シクロブチ
ル、シクロペンチル、シクロオクチル、1−メチルシクロプロピル、2−メチル
シクロペンチル、2−メチルしクロオクチルなど)、または多環構造(例えば、
アダマンタニルなど)、ならびにスピロ化合物が挙げられる。適切なシクロアル
キル環の例には、単環構造(例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロ
ヘプタン、シクロオクタンなど)、または多環構造(例えば、ビシクロ[2.2
.1]ヘプタン、ビシクロ[3.2.1]オクタンなど)が挙げられる。好まし
いシクロアルキル環には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンお
よびビシクロ[3.2.1]オクタンが挙げられる。
【0044】 「シクロアルケニル」とは、単環式環および少なくとも1つの内部不飽和点を
有する、4〜8個の炭素原子の環式アルケニル基または環式アルケニル環をいい
、これは以下からなる群から選択される1〜3個の置換基で必要に応じて置換さ
れ得る:ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルキル、置換アルキル、アルキ
レン、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アミノ、アミノアシル、アリール
、アリールオキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、シアノ、ハロ、ニトロ、
ヘテロアリール、トリハロメチルなど。好ましい置換基には、アルキル、アルコ
キシ、ハロ、カルボキシ、シアノ、ニトロ、トリハロメチルおよびチオアルコキ
シが挙げられる。適切なシクロアルケニル基の例には、例えば、シクロブトー2
−エニル、シクロペント−3−エニル、シクロオクト−3−エニルなどが挙げら
れる。このようなシクロアルケニル環には、例として、シクロペンテン、シクロ
ヘキセンなどが挙げられる。
【0045】 「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを
いい、そして好ましくは、クロロまたはブロモのいずれかである。
【0046】 「ヘテロアリール」とは、環内に、酸素、窒素およびイオウから選択される1
〜4個のヘテロ原子を有する2〜8個の炭素原子の1価の芳香族炭素環式基をい
う。
【0047】 ヘテロアリール置換基についての定義によって他の限定がなされない限り、こ
のようなヘテロアリール基は、以下からなる群から選択される1〜3個の置換基
で必要に応じて置換され得る:アルキル、置換アルキル、アルコキシ、アリール
、アリールオキシ、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、チオアルコキシ、チオアリ
ールオキシなど。このようなヘテロアリール基は、単環(例えば、ピリジルまた
はフリル)、あるいは多縮合環(例えば、インドリジニルまたはベンゾチエニル
)を有し得る。好ましいヘテロアリールには、ピリジル、ピロリルおよびフリル
が挙げられる。
【0048】 「複素環」または「複素環式」とは、その環内に、単環または多縮合環、1〜
8個の炭素原子、および窒素、硫黄または酸素から選択される1〜4個のヘテロ
原子を有する、1価の飽和または不飽和基をいう。本願の目的のため、用語「複
素環」または「複素環式」は、炭水化物環(すなわち、モノサッカリドまたは多
サッカリド)を含まない。
【0049】 複素環式置換基についての定義によって他の限定がなされない限り、このよう
な複素環式基は、以下からなる群から選択される1〜3個の置換基で必要に応じ
て置換され得る:アルキル、置換アルキル、アルキレン、アルコキシ、アリール
、アリールオキシ、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、チオアルコキシ、チオアリ
ルオキシなど。このようなヘテロアリール基は、単環(例えば、ピロリジニル、
ピペリジニル、モルホリニルまたはテトラヒドロフラニル)、あるいは多縮合環
(例えば、インドリニル)を有し得る。
【0050】 窒素複素環およびヘテロアリールの例には、ピロール、イミダゾール、ピラゾ
ール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソイン
ドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノ
リン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン
、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フ
ェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソキサゾール、フェノキサジ
ン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン
、インドリンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】 「チオール」とは、−SH基をいう。
【0052】 「チオアルキル」とは、−S−アルキル基をいい、ここでアルキル基は本明細
書中で定義される通りである。
【0053】 「チオ(置換アルキル)」とは、−S−(置換アルキル)基をいい、ここで置
換アルキルは本明細書中で定義される通りである。
【0054】 「チオシクロアルキル」とは、−S−シクロアルキル基をいい、ここでシクロ
アルキル基は本明細書中で定義される通りである。
【0055】 「チオアリール」とは、アリール−S−基をいい、ここでアリール基は本明細
書中で定義される通りであり、必要に応じて置換されるアリール基(これもまた
本明細書中で定義されるとおりである)を含む。
【0056】 「チオへテロアリール」とは、ヘテロアリール−S−基をいい、ここでヘテロ
アリール基は本明細書中で定義されるとおりであり、必要に応じて置換されるヘ
テロアリール基(これもまた本明細書中で定義されるとおりである)を含む。
【0057】 「チオ糖」とは、任意の公知の糖、特に5〜6員環、例えば、哺乳動物の糖(
例えば、グルコース、フルクトース、スクロールおよびマンノース)およびそれ
らの誘導体、細菌の糖(例えば、KDOおよびジデオキシ糖)およびそれらの誘
導体、ならびにシクリトール(例えば、イノシトールおよびアルジトール(例え
ば、ソルビトール、マンニトール、グルシトールなど))およびそれらの誘導体
をいい、ここで本明細書中で定義される糖は、シクリトール以外、芳香族炭素に
置換硫黄基を有し、ここで任意のヒドロキシル置換基はチオール置換基に変換さ
れ得る。
【0058】 「チオサッカリド」とは、本明細書中に記載されるチオ糖をいい、ここでチオ
糖はイオウ結合によって連結された1つより多くの糖単位を含み得る。複数の糖
単位は同一であるかまたは異なり得る。
【0059】 本発明において、チオサッカリド誘導体は、個体支持体に共有結合される。こ
のようなチオサッカリド誘導体を含む個体支持体は、好ましくは、この個体支持
体をチオサッカリド誘導体に結合する結合原子を含有する。この結合原子は望ま
しくは、切断可能である。
【0060】 「オリゴサッカリド」とは、2〜10個の糖単位を含有する化合物をいい、こ
の糖単位の各々は、オリゴサッカリド中の他の糖に対して独立して選択される。
【0061】 用語「個体支持体」とは、剛性または半剛性の表面を有する材料をいい、これ
は、第1糖またはオリゴサッカリドをその表面に共有結合する特定の反応性官能
基を含むか、または特定の反応性官能基に誘導体化され得る。このような材料は
当該分野で周知であり、例として、シリカ、合成シリケート、生体シリケート、
多孔性ガラス、ヒドロゲル、シリケート含有無機物、合成ポリマー、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリアク
リルアミド、ならびにポリスチレン/ポリエチレングリコールおよびポリアクリ
ルアミド/ポリエチレングリコールのコポリマーなどを含む、それらのコポリマ
ーが挙げられる。
【0062】 「切断可能な結合アーム」とは、結合アームであり、これはチオ糖またはその
誘導体を支持体に必要に応じて共有結合する化学基または共有結合である。化合
物を固体支持体に結合する、結合アームの少なくとも1つの共有結合は、特定の
化学反応によって容易に切断され得、これにより固体支持体から離れたジサッカ
リドおよび多サッカリドを提供する。この結合アームの共有結合を切断するため
に用いられる化学反応は、結合の切断に対して特異的であるように選択され、こ
れによってこの化合物上の他の部位で意図しない反応が起こるのが防止される。
この切断可能な結合基は、固体支持体上で形成されるべきオリゴサッカリドの合
成に関連して、支持体上での合成の間、オリゴサッカリドの時期尚早の固体支持
体からの切断を防止し、かつ用いられるいずれの手順も妨害しないように、選択
される。適切な切断可能な結合アームは当該分野に周知であり、Ellmanの
テトラヒドロピラニルリンカー、シリコンリンカーなどのような基が挙げられ得
る。切断可能な結合アームの例はまた、Gallopら10により記載される。
【0063】 (方法論) 本発明の方法は、上記の定義および添付の図1〜4を参照して、ここで詳細に
記述される。
【0064】 本発明の可逆的に保護したヒドロキシル/チオール化合物を、当該分野で容易
に利用可能であるか、または以下の一般的な方法および手順を使用する本明細書
で記載されるかのいずれかの出発物質から調製する。典型的な、または好ましい
プロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)
が与えられる場合、他のプロセス条件がまた、他の記載がなければ、使用され得
ることが、理解される。最適な反応条件は、使用される特定の反応物または溶媒
で変化し得るが、このような条件は、所定の最適化手順により、当業者により決
定され得る。
【0065】 さらに、当業者に明らかであるように、本明細書に記載される保護基に加えて
、従来の保護基がまた、特定の官能基が所望でない反応を受けることを防止する
ために必要とされ得る。種々の官能基のための適切な保護基ならびに特定の官能
基を保護および脱保護するための適切な条件は、当業者に周知である。例えば、
多くの保護基が、T.W.GreeneおよびG.M.Wuts、「Prote
cting Groups in Organic Synthesis」、第
2版、Wiley、New York、1991に記載されており、そして参照
がその中で引用される9
【0066】 上記のように、本発明は、以下の工程を含む硫黄連結ジサッカリドまたはオリ
ゴサッカリドを形成するための方法を含む:第1サッカリドまたはオリゴサッカ
リドを固体支持体につなぐ工程(ここで、このサッカリドまたはオリゴサッカリ
ドは、還元サッカリドユニットのアノマ−炭素原子に保護したチオール基を含む
)、第2サッカリドまたはオリゴサッカリドを、第1サッカリドまたはオリゴサ
ッカリドに、硫黄連結を介して連結する工程、ならびに支持体からチオ−ジサッ
カリドを必要に応じて放出する工程。
【0067】 該固体支持体上で固定化されたサッカリドまたはオリゴサッカリドは、還元糖
ユニットのアノマー炭素にチオール置換基を有する。好ましくは、固体支持体に
連結されるか、またはつながれるべきサッカリドまたはオリゴサッカリドは、そ
のヒドロキシル基で保護されない。連結は、還元糖のアノマー炭素で、チオール
基以外のサッカリドまたはオリゴサッカリドの任意の置換基間で起こり得る。好
ましくは、サッカリドの連結部位は、固体支持体上でのカップリング官能基の使
用により方向付けられ、好ましくは、サッカリドの第1級OH基(例えば、6−
ヒドロキシル基)と反応する。適切な官能基は、図1に例示されるようなトリチ
ルクロリド基を含む。
【0068】 任意の事象において、他の切断可能なリンカーまたは実際には切断不可能なリ
ンカーを使用し得、第1サッカリドまたはオリゴサッカリドを固体支持体に固定
化する。切断可能なリンカーならびに切断不可能なリンカーは、当該分野で公知
である(例えば、Ellmansのテトラヒドロピラニルリンカー、シリコンリ
ンカーなど)。他の切断可能な連結基には、例として、Gallopら、米国特
許第5,525,734号(これらはまた、このような切断可能な連結アームを
介して化合物を固体支持体につなぐための方法を記載する)に例示される連結基
を含む。
【0069】 固体支持体はまた、古典的なポリスチレン樹脂、誘導体化シリケートまたはガ
ラス、PEG樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ハイブリッド樹脂などであり得る
。好ましくは、この固体支持体は、図1に示されるように、主にサッカリドの第
1級OH基を介する固定化が得られる、トリチルクロリド誘導体化固体支持体で
ある。
【0070】 第1サッカリドまたはオリゴサッカリド基は、還元サッカリドユニットのアノ
マ−炭素原子にチオール基を有する、任意の種々のサッカリドまたはオリゴサッ
カリド基を含む。このようなサッカリドまたはオリゴサッカリドを調製するため
の例は、当該分野において周知であり、そして例えば、Ippolitoら、国
際特許公開WO93/24506;およびIppolitoら、米国特許第5,
580,858号(1996年12月3日に発行された)に記載され、この両方
は、本明細書中でその全体が参考として援用される。
【0071】 好ましくは、第1サッカリドまたはオリゴサッカリドのアノマーのチオール置
換基は、糖の固体支持体への連結の間、保護される。アノマーのチオールの好ま
しい保護基は、非対称性のジスルフィド(例えば、Rは、チオメチル、チオエチ
ルなどである)である。
【0072】 固体支持体への第1サッカリドまたはオリゴサッカリドの連結は、任意の大多
数の公知のカップリング技術によって達成される。いくつかの場合において、固
体支持体への第1サッカリドまたはオリゴサッカリドの連結は、サッカリドまた
はオリゴサッカリドでの適切な脱離基の使用により容易となる。このような脱離
基の例には、例示として、種々のスルホン酸エステル基(例えば、トシラート、
メシレート、ブロシエート(brosylate)、ノシレート(nosyla
te)基)、ならびにフッ素化スルホン酸基(例えば、トリフレート、ノナフレ
ート(nonaflate)、およびトレシレート(tresylate)基)
などが挙げられる。
【0073】 相補的な反応性官能基は、固体支持体上に存在するか、またはその上に導入さ
れ、反応性官能基を脱離基と反応させ、サッカリドと固体支持体との間で共有結
合を形成する。上記のように、この連結は、切断可能または切断不可能な連結の
いずれかであり得る。
【0074】 脱離基が、第1サッカリドまたはオリゴサッカリドで使用される場合、好まし
くは、単一のヒドロキシル基を選択的に曝すために、サッカリドまたはオリゴサ
ッカリドのいくつかのヒドロキシル基を特異的に保護し、次いで当該分野で周知
の化学によって、このヒドロキシル基を脱離基に転換することによって、これら
の脱離基は導入される。
【0075】 適切なヒドロキシルまたはチオール保護基の選択に関連する重要な問題は、こ
れらの保護基の除去を果たすために必要な反応条件が、固相化学と分子の残基と
が融和性でなければならないことである。
【0076】 例えば、ヒドロキシル保護基として周知のベンジル基は、除去が行われるべき
である場合(例えば炭素上のパラジウムの存在下での水素添加により一般的に実
施される)でも、スルフィド含有化合物および/または不飽和の化合物との使用
には不適合性である。このような不適合性は、このような硫黄基がこれらの触媒
に悪影響を与え、スルフィド基をチオール基に還元し、そして化合物の任意の不
飽和がまた、この還元が所望されるか否かに関係なくこれらの除去の条件によっ
て還元される、という十分に確立された事実に起因する。この不適合性のために
、チオール官能基および/または不飽和を含む化合物に、このような保護基を使
用しないようにする。さらに、固体支持体上のベンジル基の存在は、炭素上のパ
ラジウムのような固相触媒を使用する場合、固相脱保護手順に対して非効率的な
固相を必要とする。
【0077】 従って、本明細書中に記載される方法において、ヒドロキシル、アミノ、およ
びチオール官能基に使用されるブロック基(blocking group)は
、好ましくは、溶液相の薬剤により除去可能である。このようなブロック基の1
つのクラスは、オルトおよび/またはパラ置換ベンジル基であり、これは、代理
人整理番号026579−212として本明細書と同時に出願され、そして「C
ompounds Comprising an Ortho or Para
−Substituted Benzyl Protecting Group
For at Least One Hydroxyl and/or Th
iol Group」と題された米国特許出願番号第60/ , に記
載され、このテキストは、本明細書中でその全体が参考として引用される。この
出願に記載される保護基には、例えば、p−アセトキシベンジル、p−メトキシ
ベンジルなどが挙げられる。固相条件下で除去可能な他の適切な保護基には、例
えば、アセテート、クロロアセテート、ベンゾエート、または他のエステル、ウ
レタンまたはカーボネート;シリル基(トリメチルシリル、t−ブチルジメチル
シリルなどを含む)、O−アリル、ベンジリデン、アセトニド(acetoni
de)、他のアセタールおよびケタールなどが挙げられる。光化学的に除去可能
なニトロベンジル基がまた、使用され得る。あるいはさほど好ましくはないが、
第1サッカリドまたはオリゴサッカリドのチオールおよびこのサッカリドまたは
オリゴサッカリドはまた、通常の方法によって保護され得るアミノ基を含み得る
。例えば、固相上の保護基の除去は、化合物7で生じる(図2)。
【0078】 本発明で使用される糖は、任意のチオール含有のサッカリドまたはオリゴサッ
カリドであり、ここで、チオール置換基は、好ましくは、アノマー炭素である。
サッカリドを、適切な置換基を導入するために化学的に修飾するための方法は、
当該分野で周知でありる。例えば、Ratcliffeら、米国特許第5,07
9,353号およびJ.Defayeら、「Thiooligosacchar
ides:Their Synthesis and Reactions w
ith Enzymes」、Studies in Natural Prod
ucts Chemistry、第8巻、315〜357頁、Elsevier
Sciences Publishers(1991)を参照のこと。例えば
、1−チオサッカリドは、サッカリドをアシル化剤と反応させ、全てのヒドロキ
シル基をアシル基に転換することによって調製され得る。次いで、1−アシル基
を選択的に、過剰のチオール酢酸と反応させることによって1−チオールアセチ
ル基に転換する。次いで、加水分解により1−チオサッカリドを提供する。
【0079】 あるいは、サッカリドのヒドロキシル基の選択的な保護により、当該分野で周
知の化学によって適切な脱離基(例えば、メシルまたはハロ基)に転換され得る
1以上の遊離ヒドロキシル基が提供される。次いで、このような脱離基は、対応
するチオール基を与えるために置換され得る。例えば、国際特許出願番号PCT
/CA92/00242を参照のこと。詳細には、メシル基は、選択的に、ヒド
ロキシル基のうちの1個に導入され、次いでチオアセチル基(例えばチオ酢酸カ
リウム)と反応させ、対応するチオ酢酸誘導体を提供する。この化合物を弱い(
mild)塩基で処置することにより、対応するチオール基を提供する。
【0080】 固体支持体に連結した後、チオサッカリド上の遊離チオールは、固定化したサ
ッカリド(化合物2、図1)をDTT(ジチオスレイトール)(しかし、当該分
野で公知の多くの他の還元剤が使用される)のような還元剤と反応させることに
よって生じ得る。次いで、遊離チオール(化合物3、図1)を、求核性を増大さ
せるために、当業者に公知であるような任意の適切な塩基によって、脱プロトン
化し得る。好ましい塩基は、ナトリウムメトキシド(これは、糖のナトリウムチ
オラートを生じさせる)であるが、任意の適切な塩基が使用され得る。このチオ
ールの求核性により、さらに金属錯化剤(例えば、18−クラウン−6,15−
クラウン−5または当該分野で公知の他の任意の金属錯化種(例えば、クリプト
フィックス(cryptofix))の添加によって高められ得る。他の対イオ
ン(例えば、Li、K(配位種(co−ordinating spexies
)を有するか、または有さない)およびアンモニウムまたはアルキルアンモニウ
ムイオン)がまた、使用され得る。得られる固定化した種(化合物4、図1)は
、非常に反応性に富む。
【0081】 固定化したナトリウムチオラート(化合物4、図1および2)を、SN2反応
で活性である脱離基を有するサッカリド(例えば、化合物5、図2)またはオリ
ゴサッカリド誘導体と反応させる。正味の結果は、ジサッカリドまたはオリゴサ
ッカリド(例えば、化合物6(図2))を生成するようなチオラートのアルキル
化(サッカリドの付加)である。サッカリドまたはオリゴサッカリド(例えば、
化合物5)上の好ましい脱離基は、トリフルオロメチルスルホネート(トリフレ
ート、Tf)基である。使用され得る他の脱離基は、メタンスルホネート、p−
トルエンスルホネート、イミダゾリルスルホネートおよび当該分野で公知の他の
スルホネート誘導体、ならびにヨード、ブロモ、およびクロロ基のようなハロ基
含むが、これらに限定されない。脱離基はまた、インサイチュで付加した糖で生
じ得る(例えば、Mitsunobu反応またはPPh3/CCl4によりホスホ
ニウム脱離基に導く)。固定化した糖チオラートをアルキル化し得るさらに他の
糖の誘導体は、糖エポキシドを含み、ここでエポキシドは、糖環またはアシル(
acylclic)側鎖に存在する。環式スルホジエステルまたはスルホエステ
ルアミドがまた、使用され得る。サッカリドまたはオリゴサッカリドに対して有
用ないくつかの脱離基を寄せ集めたものを、図3に示す。
【0082】 好ましい実施態様において、固定化した糖チオールは、ヒドロキシル保護基を
有さず、そして脱離基を有する糖は、いったん固体支持体上の固定化した糖に結
合すると除去可能な基で保護される。この保護基は、上記で引用した溶液相試薬
を介して除去され得る保護基を含む。あるいは、好ましくはないが、固定化した
糖は、これらの同じ保護基を有し得る。固定化したチオ糖および添加した糖の両
方はまた、標準的な保護基によって保護されるか、または保護されないかのいず
れかであり得るアミノ基を含み得る。固体支持体上のこれらの保護基の除去は、
図2の化合物7で起こる。
【0083】 保護基は、硫黄連結糖が固体支持体に結合されている間、除去する必要がない
。しかし、この段階での保護基の除去により、最終生成物の収量においてほとん
どロスがないか、または全くロスがない状態で高い等級の純度を達成するのを可
能にする。
【0084】 最終の糖連結ジサッカリドおよびオリゴサッカリド(例えば、化合物8)は、
切断可能なリンカーが使用される場合、固体支持体から切断することで得られる
。切断条件は、切断可能なリンカーに対応して選択され、そしてこのような条件
は、当該分野で周知である。例えば、トリチル結合ジサッカリドの切断は、標準
的な酸性条件下(例えば、TFA、図2)で達成される。切断されたジサッカリ
ドまたはオリゴサッカリドは、精製なし、またはクロマトグラフィー(C−18
シリカまたはイオン交換などを通過させる)による簡単な精製の後に、生物学的
研究のために直接使用され得る。
【0085】 本発明の方法は、単一のサッカリドまたはオリゴサッカリドの付加反応に限定
されないが、適切な第2サッカリドまたはオリゴサッカリドの選択によって、図
4に例示されるような多数の付加反応が得られ得る。詳細には、固定化したサッ
カリドまたはオリゴサッカリド自体に添加したサッカリドが、保護チオール(例
えば、化合物9、図4)を含む場合、この反応は繰り返され、より長いオリゴサ
ッカリド(例えば、トリサッカリド)(化合物10、図4)を生成し得る。
【0086】 さらに、最終的なオリゴサッカリドを、固体支持体から切断する前に、オリゴ
サッカリドおよびチオオリゴサッカリド(11)に有用性を与えるために、一般
的に使用される基で標識化し得る(例えば、蛍光性タグ(ダンシル、ローダミン
など)、ビオチン、放射標識種、ミセル形成のための脂質、細胞取り込みを向上
させる構造など)。これは特に、得られた生成物が、酵素阻害研究、細胞結合研
究、標識化研究などに使用することを意図している場合、有用である。
【0087】 以下の実施例は、本発明の典型的な反応スキームを示し、そしていかなる点に
おいても本発明の範囲を制限しないと解釈される。当業者は、本発明の目的が達
成され得る、適切な代替の物質および条件を理解する。他に記載されない限り、
温度は全て摂氏温度である。
【0088】 (実施例) 以下の実施例において、以下の略号は以下の意味を有する。略号が定義されて
いない場合、その略号は、その一般に許容される意味を有する。
【0089】 Å =オングストローム bd =ブロード二重線 bs =ブロード一重線 d =二重線 dd =二重線の二重線 ddd =二重線の二重線の二重線 DMAP =ジメチルアミノピリジン DTT =ジチオトレイトール DVB =ジビニルベンゼン g =グラム h =時間 L =リットル m =多重線 M =モル濃度 mg =ミリグラム min =分 mL =ミリリットル mmol =ミリモル q =四重線 s =一重線 t =三重線 TFA =トリフルオロ酢酸 THF =テトラヒドロフラン μL =マイクロリットル μmol =マイクロモル (チオ−オリゴサッカリドの固相合成) 以下の一連の反応は、硫黄連結糖の段階的な形成(出発反応物の形成を含む)
を示す。これらの反応は4つの別個の化合物について例示される。当業者は、こ
れらの実施例を使用し、そして選択された試薬および目的の所望の生成物に適す
るように反応条件を改変することで他の化合物を形成することが可能である。
【0090】 (1.非対称ジスルフィドとしてのフリーチオールの保護) 以下の化合物の形成を以下に例示する: エチル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−ジチオ−β−D−ガラク
トピラノシド(A−1); エチル2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−ジチオ−β−D−グルコ
ピラノシド(A−2); エチル2−アセタミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオキシ−1
−ジチオ−β−D−グルコピラノシド(A−3);および メチル5−アセタミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチル−3,5−ジ
デオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート−ジ
チオエチル(A−4);
【0091】
【化1】 A.化合物A−1の調製: 2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−チオS−アセチル−β−D−ガ
ラクトピラノシド(B.Rajanikanthら、Tetrahedron
Lett.,28:20、2295〜2296頁(1987))(557mg、
1.37mmol)をメタノール(15mL)およびジクロロメタン(5ml)
の混合物中に溶解した。−40℃まで冷却した後、メタノール性ナトリウムメト
キシド(1.5mL、1.5mmol)を添加した。−40℃で1時間後、イオ
ン交換樹脂[IR−120(H+型)]を添加し、そして反応混合物を室温まで
加温した。濾過後、濾液を減圧下でエバポレートした。残渣をジクロロメタン(
14mL)に溶解し、そしてジエチル−N−エチル−スルフェニルヒドラゾジカ
ルボキシレート(360mg、2.0mmol)を添加し、室温で攪拌した。1
0分後、この溶液を濃縮して残渣を得、その残渣をカラムクロマトグラフィー(
SiO2、ヘキサン/酢酸エチル 2:1)により精製し、無色非結晶塊として
化合物A−1を得た(580mg、100%)。 RF=0.27(ヘキサン/酢酸エチル 2:1)。
【0092】
【数1】 B.化合物A−2の調製: 化合物A−2を2,3,4,6−テトラ−O−アセチル−1−チオ−S−アセ
チル−β−D−グルコピラノシド(J.Defayeら、Carbohydr.
Res.,130:317−321(1984))から、化合物A−1の調製に
用いられる方法に従って調製した。
【0093】
【数2】 C.化合物A−3の調製: 化合物A−3を2−アセタミド−3,4,6−トリ−O−アセチル−2−デオ
キシ−1−チオ−S−アセチル−β−D−グルコピラノシド(D.Zanini
ら、Tetrahedron Lett.,36:41,7383〜7386頁
(1995))から化合物A−1の調製に使用される方法に従って調製した。
【0094】
【数3】 D.化合物A−4の調製: 化合物A−4をメチル5−アセタミド−4,7,8,9−テトラ−O−アセチ
ル−3,5−ジデオキシ−2−チオ−S−アセチル−D−グリセロ−α−D−ガ
ラクト−2−ノヌロピラノシロネート(A.Hasegawaら、J.Carb
ohydr.Chem.,5:11−19(1986))から、化合物A−1の
調製に用いられる方法に従って調製した。
【0095】
【数4】 (2.A−1、A−2、A−3、A−4の脱アセチル化) 以下の化合物の形成を以下に例示する: エチル1−ジチオ−β−D−ガラクトピラノシド(1a); エチル1−ジチオ−β−D−グルコピラノシド(1b); エチル2−アセタミド−2−デオキシ−1−ジチオ−β−D−グルコピラノシ
ド(1c);および メチル−5−アセタミド−3,5−ジデオキシ−D−グリセロ−α−D−ガラ
クト−2−ノヌロピラノシロネート−ジチオエチル(1d)。
【0096】
【化2】 A.化合物1aの調製: 化合物A−1(500mg、1.18mmol)を乾燥メタノール(10mL
)に溶解し、そしてメタノール性ナトリウムメトキシド(1M、150μL)で
処理した。4時間後、溶液をAmberliteIR−120(H+)樹脂で中
和し、濾過し、そして濃縮した。化合物1aを無色非結晶塊として得た(300
mg、100%)。
【0097】 Rf=0.35(ジクロロメタン/メタノール 5:1)
【0098】
【数5】 B.化合物1bの調製: 化合物1bを化合物1aの調製法に従って調製した。
【0099】
【数6】 C.化合物1cの調製: 化合物1cを化合物1aの調製法に従って調製した。
【0100】
【数7】 D.化合物1dの調製: 化合物1dを化合物1aの調製法に従って調製した。
【0101】
【数8】 (3.1a、1b、1c、1dの固体支持体(例−トリチルクロリド樹脂)へ
のカップリング) 以下の化合の形成を以下に例示する: エチル1−ジチオ−6−トリチル−ポリマー−β−D−ガラクトピラノシド(
2a); エチル1−ジチオ−6−トリチル−ポリマー−β−D−グルコピラノシド(2
b); エチル2−アセタミド−2−デオキシ−1−ジチオ−6−トリチル−ポリマー
−β−D−グルコピラノシド(2c);および メチル5−アセタミド−2−ジチオ−3,5−ジデオキシ−6−トリチル−ポ
リマーD−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート(2d)
【0102】
【化3】 A.化合物2aの調製: 化合物1a(200mg、780μmol)を乾燥ピリジン(8mL)に溶解
した。トリチルクロリド−樹脂(1g、950mmolのトリチルクロリド樹脂
(活性クロリドの充填(loading)は0.95mmol/g)、ポリマー
マトリクス:コポリスチレン、1%DVB、200−400メッシュ、Nova
biochem)およびDMAP(5mg)を添加し、そして混合物を24時間
60℃で加熱した。室温まで冷却した後、メタノール(500μL)を添加し、
そして1時間後、樹脂を濾別し、連続的にN,N−ジメチルホルムアミド、メタ
ノール、テトラヒドロフランおよびジクロロメタン(各10mL、全サイクルを
2回繰り返した)で洗浄し、そして高減圧下で乾燥した。糖の樹脂への充填を元
素分析(硫黄含量)によって測定し、これは0.43mmol/gであった。
【0103】 B−D.化合物2b、2c、2dの調製: 化合物2b〜2dを化合物2の調製法に従って調製した。
【0104】 (4.樹脂上でのフリーチオールの生成) 以下の化合の形成を以下に例示する: 1−チオ−6−トリチル−ポリマー−β−D−ガラクトピラノシド(3a); 1−チオ−6−トリチル−ポリマー−β−D−グルコピラノシド(3b); 2−アセタミド−2−デオキシ−1−チオ−6−トリチル−ポリマー−β−D
−グルコピラノシド(3c);および メチル5−アセタミド−3,5−ジデオキシ−2−チオ−6−トリチル−ポリ
マー−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート(3d)
【0105】
【化4】 A.化合物3aの調製: 樹脂2a(50mg)を乾燥テトラヒドロフラン(2mL)中で膨潤させた。
乾燥メタノール(300μL)、ジチオトレイトール(74mg)およびトリエ
チルアミン(180mL)を添加し、そしてこの混合物を10時間、室温で振盪
した。樹脂を濾別し、そして連続的にN,N−ジメチルホルムアミド、メタノー
ル、テトラヒドロフランおよびジクロロメタン(各2mL、全サイクルを2回繰
り返した)で洗浄し、そして高減圧下で乾燥した。
【0106】 IR(ビーズのIR):SH伸縮:2565cm-1
【0107】 B〜D.化合物3b、3c、3dの調製: 化合物3b〜3dを化合物3aの調整法に従って調製した。
【0108】 (5.樹脂上でのナトリウムチオレートの生成) 以下の化合の形成を以下に例示する: 1−ナトリウムチオレート−6−トリチル−ポリマー−β−D−ガラクトピラ
ノシド(4a); 1−ナトリウムチオレート−6−トリチル−ポリマー−β−D−グルコピラノ
シド(4b); 1−ナトリウムメチオレート−6−トリチル−ポリマー−2−アセタミド−2
−デオキシ−β−D−グルコピラノシド(4c);および メチル5−アセタミド−3,5−ジデオキシ−2−ナトリウムチオレート−9
−トリチル−ポリマー−D−グリセロ−α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシ
ロネート(4d)。
【0109】
【化5】 A.化合物4aの調製: 樹脂3a(50mg)をテトラヒドロフラン(2mL)中で10分間膨潤した
。メタノール性ナトリウムメトキシド(1M、150μL)を添加し、そして樹
脂を室温で振盪した。2時間後、樹脂を濾別し、そして連続的にN,N−ジメチ
ルホルムアミド、メタノール、テトラヒドロフランおよびジクロロメタン(各2
mL、全サイクルを2回繰り返した)で洗浄し、そして高減圧下で乾燥した。
【0110】 B〜D.化合物4b、4c、4dの調製: 化合物4a〜4dを化合物4aの調整法に従って調製した。
【0111】 (6.固定した糖ナトリウムチオレートと脱離基を有する誘導体との反応) A.1,2,3,4−ジ−イソプロピリデン−6−O−トリフルオロメタンス
ルホノ−α−D−ガラクトピラノシドを用いる例 以下の化合物の形成を以下に例示する: イソプロピルO−β−D−ガラクトピラノシル−(1→6)−2,3,4−ト
リ−O−イソプロピリデン−β−D−ガラクトピラノシド(5−B−C−1); イソプロピルO−β−D−ガラクトピラノシル−(1→6)−2,3,4−ト
リ−O−イソプロピリデン−β−D−ガラクトピラノシド(5−B−C−2); イソプロピルO−β−D−2−アセタミド−2−デオキシ−β−D−グルコピ
ラノシル−(1→6)−2,3,4−トリ−O−イソプロピリデン−β−D−ガ
ラクトピラノシド(5−B−C−3);および イソプロピルO−(5−アセタミド−3,5−ジデオキシ-D−グリセロ−α
−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート−(2→6)−2,3,4−トリ
−O−イソプロピリデン−β−D−ガラクトピラノシド(5−B−C−4)。
【0112】
【化6】 a.化合物5−B−C−1の調製: 樹脂4a(50mg)をTHF(1mL)中で10分間膨潤した。クラウンエ
ーテル15−クラウン−5(3滴)および1,2,3,4−ジ−イソプロピリデ
ン−6−O−トリフルオロメタンスルホノ−α−D−ガラクトピラノシド(50
mg)を添加し、そして混合物を室温で10時間振盪した。樹脂を濾別し、そし
て連続的にN,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、テトラヒドロフランお
よびジクロロメタン(各2mL、全サイクルを2回繰り返した)で洗浄た。樹脂
をジクロロメタン中2%のTFAで10分間処理した。濾過後、トルエンを添加
し、濾液を濃縮し、そしてトルエンと共に2回エバポレートした。カラムクロマ
トグラフィー(SiO2、ジクロロメタン/メタノール 9:1)の後、化合物
5−B−C−1を得た。
【0113】
【数9】 b.化合物5−B−C−2の調製: 化合物5−B−C−2を化合物5−B−C−1の調製法に従って調製した。
【0114】
【数10】 c.化合物5−B−C−3の調製: 化合物5−B−C−3を化合物5−B−C−1の調製法に従って調製した。
【0115】
【数11】 d.化合物5−B−C−4の調製: 化合物5−B−C−4を化合物5−B−C−1の調製法に従って調製した。
【0116】
【数12】 B.n−オクチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−4−O−トリフルオロ
メタンスルホノ−β−D−グルコピラノシドを用いる例 以下の化合物の形成を以下に例示する: オクチルO−β−D−ガラクトピラノシル−(1→4)−β−D−ガラクトピ
ラノシド(8−C−1); オクチルO−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−β−D−ガラクトピラ
ノシド(8−C−2); オクチルO−β−D−2−アセタミド−2−デオキシ−β−D−グルコピラノ
シル−(1→4)−β−D−ガラクトピラノシド(8−C−3);および オクチルO−メチル−5−アセタミド−3,5−ジデオキシ-D−グリセロ−
α−D−ガラクト−2−ノヌロピラノシロネート−(2→4)−β−D−ガラク
トピラノシド(8−C−4)。
【0117】
【化7】 a.化合物8−C−1の調製: 樹脂4a(50mg)をテトラヒドロフラン(1mL)中で10分間膨潤した
。クラウンエーテル15−クラウン−5(3滴)およびn−オクチル−2,3,
6−トリ−O−ベンゾイル−4−O−トリフルオロメタンスルホノ−β−D−グ
ルコピラノシド(50mg)を添加し、そして混合物を室温で10時間振盪した
【0118】 樹脂を濾別し、そして連続的にN,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、
テトラヒドロフランおよびジクロロメタン(各2mL、全サイクルを2回繰り返
した)で洗浄た。樹脂をテトラヒドロフラン(2mL)中で10分間膨潤し、メ
タノール性ナトリウムメトキシド(1M、300μL)を添加し、そして樹脂を
室温で振盪した。12時間後、樹脂を濾別し、そして連続的にN,N−ジメチル
ホルムアミド、メタノール、テトラヒドロフランおよびジクロロメタン(各2m
L、全サイクルを2回繰り返した)で洗浄した。
【0119】 樹脂をジクロロメタン中2%TFAを用いて10時間処理した。濾過後、トル
エンを添加し、濾液を濃縮し、そしてトルエン/メタノールと共に2回エバポレ
ートした。
【0120】
【数13】 b.化合物8−C−2の調製: 化合物8−C−2を化合物8−C−1の調製法に従って調製した。
【0121】
【数14】 c.化合物8−C−3の調製: 化合物8−C−3を化合物8−C−1の調製法に従って調製した。
【0122】
【数15】 d.化合物8−C−4の調製: 化合物8−C−4を化合物8−C−1の調製法に従って調製した。
【0123】
【数16】 (7.8−メトキシカルボニルオクチルO−β−d−ガラクトピラノシル−(
1→4)−2,3−ジ−O−アセチル−6−O−ベンゾイル−β−D−グルコピ
ラノシド(6−A−C)の調製)
【0124】
【化8】 樹脂4a(50mg)をテトラヒドロフラン(1mL)中で10分間膨潤した
。クラウンエーテル15−クラウン−5(3滴)および8−メトキシカルボニル
オクチルn−オクチル−2,3−ジ−O−アセチル−6−O−ベンゾイル−4−
O−トリフルオロメタンスルホノ−β−D−グルコピラノシド5−A(50mg
)を添加し、そして混合物を室温で10時間振盪した。
【0125】 樹脂を濾別し、そして連続的にN,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、
テトラヒドロフランおよびジクロロメタン(各2mL、全サイクルを2回繰り返
した)で洗浄た。樹脂をジクロロメタン中2%のTFAで10分間処理した。濾
過後、トルエンを添加し、濾液を濃縮し、そしてトルエン/メタノールと共に2
回エバポレートした。残渣をSiO2[ジクロロメタン/メタノール(15:1
→12:1)]で精製し、表題化合物6−A−Cを得た。
【0126】
【数17】 (8.エチル4,6−O−ベンジリデン−1−ジチオ−β−D−ガラクトピラ
ノシド9aの調製)
【0127】
【化9】 化合物1a(1.456g、5.68mmol)を乾燥アセトニトリル(50
mL)に懸濁した。ベンズアルデヒドジメチルアセタール(1.3mL、8.6
6mmol)およびp−トルエンスルホン酸(10mL)を添加した。1時間後
、トリエチルアミン(0.5mL)を添加し、そしてこの透明溶液を減圧下でエ
バポレートした。残渣をSiO2[トルエン/酢酸エチル(1:1→1:2)]
で精製し、表題化合物9aを無色非結晶塊として得、これを酢酸エチル/ヘキサ
ンから再結晶した(1.82g、93%)。
【0128】
【数18】 (9.エチル2,3−ジ−O−ベンゾイル−4,6−O−ベンジリデン−1−
ジチオ−β−D−ガラクトピラノシド9bの調製)
【0129】
【化10】 化合物9a(1.175g、3.41mmol)を乾燥ジクロロメタン(20
mL)および乾燥ピリジン(2mL)に溶解した。0℃まで冷却した後、ベンゾ
イルクロリド(1.6mL、13.78mmol)を添加した。2時間後、反応
混合物をジクロロメタンで希釈し、そして氷水に注いだ。有機相を分離し、そし
て水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下で
エバポレートした。残渣をSiO2[ヘキサン/酢酸エチル(4:1→5:2)
]で精製し、表題化合物9bを無色非結晶塊として得、これを酢酸エチル/ヘキ
サンから再結晶した(1.72g、91%)。
【0130】
【数19】 (10.エチル2,3−ジ−O−ベンゾイル−1−ジチオ−β−D−ガラクト
ピラノシド9cの調製)
【0131】
【化11】 化合物9b(1.5g、2.71mmol)を乾燥ジクロロメタン(40mL
)に溶解した。エタンチオール(1.5mL、78.2mmol)およびp−ト
ルエンスルホン酸(30mg)を添加した。1時間室温で攪拌した後、トリエチ
ルアミン(0.5mL)を添加し、そしてこの反応混合物を減圧下でエバポレー
トした。残渣をSiO2[トルエン/酢酸エチル(3:1→2:1)]で精製し
た。化合物9cを無色非結晶塊として得、これを酢酸エチル/ヘキサンから再結
晶した(1.13g、90%)。
【0132】
【数20】 (11.エチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−1−ジチオ−β−D−ガ
ラクトピラノシド9dの調製)
【0133】
【化12】 化合物9c(800mg、1.72mmol)を乾燥ジクロロメタン(20m
L)および乾燥ピリジン(1.8mL)に溶解した。−40℃まで冷却した後、
ベンゾイルクロリド(220μL、1.89mmol)を添加した。−40℃で
2時間後、メタノール(200μL)を添加し、そして反応混合物をジクロロメ
タンで希釈し、そして氷水に注いだ。有機相を分離し、そして水で洗浄した。そ
の有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下でエバポレートし
た。残渣をSiO2[ヘキサン/酢酸エチル(4:1→3:1)]で精製し、表
題化合物9dを無色非結晶塊として得、これを酢酸エチル/ヘキサンから再結晶
した(871g、89%)。
【0134】
【数21】 (12.エチル2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−1−ジチオ−4−O−トリ
フルオロメタンスルホノ−β−D−ガラクトピラノシド9eの調製)
【0135】
【化13】 化合物9d(500mg、1.06mmol)を乾燥ジクロロメタン(20m
L)および乾燥ピリジン(2.3mL)に溶解した。0℃まで冷却した後、無水
トリフルオロメタンスルホン酸(1.6mL、9.51mmol)を添加した。
0℃で30分、室温で1時間後、反応混合物をジクロロメタン(20ml)で希
釈し、そして飽和炭酸水素ナトリウム(2回、10mL)で洗浄した。有機相を
分離し、そして水で洗浄した。その有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し
、そして減圧下でエバポレートした。固体残渣をさらに精製することなく直接使
用した。 (13.エチル1−ジチオ−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−β−D−
グルコピラノシド9A−2−Cの調製)
【0136】
【化14】 樹脂4b(50mg)をテトラヒドロフラン(2mL)中で10分間膨潤した
。クラウンエーテル15−クラウン−5(3滴)およびエチル2,3,6−トリ
−O−ベンゾイル−1−ジチオ−O−トリフルオロメタンスルホノ−β−D−ガ
ラクトピラノシド(9)(50mg)を添加し、そして混合物を室温で10時間
振盪した。
【0137】 樹脂を濾別し、そして連続的にN,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、
テトラヒドロフランおよびジクロロメタン(各2mL、全サイクルを2回繰り返
した)で洗浄た。樹脂をテトラヒドロフラン(2ml)中で10分間膨潤し、メ
タノール性ナトリウムメトキシド(1M、300μL)を添加し、そして樹脂を
室温で振盪した。12時間後、樹脂を濾別し、そして連続的にN,N−ジメチル
ホルムアミド、メタノール、テトラヒドロフランおよびジクロロメタン(各2m
L、全サイクルを2回繰り返した)で洗浄した。
【0138】 樹脂をジクロロメタン(1ml)中2%TFAで10分間処理した。濾過後、
樹脂をメタノールおよびジクロロメタン(各2mL)で洗浄し、次いで、再度2
%TFAで処理し、そして上記のように洗浄した。トルエン(2mL)を添加し
、濾液を濃縮し、そしてトルエンと共に2回エバポレートした。残渣をメタノー
ル(2mL)に溶解し、そして0.22μmのフィルターユニット(Milli
pore filter)を通した。濾液を濃縮し、そして再び2mLの水に溶
解した。凍結乾燥によって、表題化合物9A−2−Cを無色非結晶粉末として得
た。
【0139】
【数22】 (14.エチル1−ジチオ−β−D−グルコピラノシル−(1→4)−β−D−
グルコピラノシル−(1→4)−β−D−グルコピラノシド10−Bの調製)
【0140】
【化15】 樹脂9A−4(50mg)をテトラヒドロフラン(2mL)中で10分間膨潤
した。クラウンエーテル15−クラウン−5(3滴)およびエチル2,3,6−
トリ−O−ベンゾイル−1−ジチオ−O−トリフルオロメタンスルホノ−β−D
−ガラクトピラノシド(9)(50mg)を添加し、そして混合物を室温で10
時間振盪した。
【0141】 樹脂を濾別し、そして連続的にN,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、
テトラヒドロフランおよびジクロロメタン(各2mL、全サイクルを2回繰り返
した)で洗浄た。樹脂をテトラヒドロフラン(2ml)中で10分間膨潤し、メ
タノール性ナトリウムメトキシド(1M、300μL)を添加し、そして樹脂を
室温で振盪した。12時間後、樹脂を濾別し、そして連続的にN,N−ジメチル
ホルムアミド、メタノール、テトラヒドロフランおよびジクロロメタン(各2m
L、全サイクルを2回繰り返した)で洗浄した。樹脂をジクロロメタン(1ml
)中2%TFAで10分間処理した。濾過後、樹脂をメタノールおよびジクロロ
メタン(各2mL)で洗浄し、次いで、再度2%TFAで処理し、そして上記の
ように洗浄した。トルエン(2mL)を添加し、濾液を濃縮し、そしてトルエン
と共に2回エバポレートした。残渣をメタノール(2mL)に溶解し、そして0
.22μmのフィルターユニット(Millipore filter)を通し
た。濾液を濃縮し、そして再び2mLの水に溶解した。凍結乾燥によって、表題
化合物10−Bを無色非結晶粉末として得た。
【0142】
【数23】 上記の記載から、この組成物および方法における種々の改変および変更が当業
者に想到される。添付の特許請求の範囲内となるこれらすべての改変は、その中
に包含されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、アノマー炭素原子にて、保護されたチオール基を有する固定化された
サッカリド基の形成のための反応スキームを示す。この図において示されるサッ
カリド基では、ヒドロキシル基が保護されていない(この図においてPSは、ポ
リスチレンを示す)。
【図2】 図2は、固相に結合されたジサッカリドを提供するための求核的サッカリド付
加反応を示し、ここで、サッカリドユニットがスルフィド連結によってともに連
結される(この図においてPSは、ポリスチレンを示す)。
【図3】 図3は、図2に示される求核的サッカリド付加反応に有用な種々のサッカリド
を示す。図3のサッカリドのそれぞれが、求核置換可能基を含み、これは、固相
結合サッカリドまたはオリゴサッカリドのチオール/チオラートによって適切な
反応条件下で置換される。
【図4】 図4は、固定化サッカリド基の形成のための第2の反応スキームを示し、第2
サッカリドは、その上に求核置換可能な基を有する。この図において示される結
合サッカリド基では、ヒドロキシル基は、保護されておらず、非結合サッカリド
では、2、3、および6位のヒドロキシル基のヒドロキシル基が保護され、この
サッカリドは、さらにそのアノマー炭素原子において、保護されたチオール基を
含む(この図のPSはポリスチレンを示す)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CR, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G D,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN ,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC, LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,M K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ, TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,Y U,ZA,ZW (71)出願人 201, 1204 Kensington R oad N.W., Calgary, Alberta, Canada T2N 3P5 (72)発明者 フメル, ゲルト ドイツ国 78467, バーテン−ビュルテ ンベルク, コンスタンツ, レーヴェン ヴェック 2 Fターム(参考) 4C057 AA03 BB01 BB03 BB04 CC01 CC05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体支持体上で硫黄連結ジサッカリドまたはオリゴサッカリ
    ドを形成する方法であって、該方法は、以下の工程: i)固体支持体上で第1サッカリドまたはオリゴサッカリドを固定化する工程
    であって、該第1サッカリドまたはオリゴサッカリドは、還元サッカリドユニッ
    トのアノマー炭素原子に、式−SRの保護したチオール基を含み、Rはチオール
    基保護剤である、工程; ii)該チオール基を脱保護し、そして該脱保護したチオール基を対応するチ
    オラートに必要に応じて転換する工程; iii)金属錯化剤を必要に応じて添加する工程;ならびに iv)上記のii)またはiii)で形成される該固定化したサッカリドまた
    はオリゴサッカリド基を、置換可能な求核基を含む第2サッカリドまたはオリゴ
    サッカリドと、該チオール基またはチオラート基が、該置換可能な求核基を置換
    する条件下で、接触させ、これにより該第1サッカリド/オリゴサッカリドと第
    2サッカリド/オリゴサッカリドとの間に硫黄連結を形成する工程、 を含む、方法。
  2. 【請求項2】 前記第2サッカリドまたはオリゴサッカリドのヒドロキシル
    基/アミノ基の各々が、除去可能な保護基で保護される、請求項1に記載の方法
  3. 【請求項3】 前記第2サッカリドまたはオリゴサッカリドが、さらに、前
    記還元サッカリドユニットのアノマー炭素原子に、前記式−SRの保護したチオ
    ール基を含み、Rはチオール基保護剤である、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記固体支持体上で固定化された前記第1サッカリドまたは
    オリゴサッカリドが、その任意のヒドロキシル基/アミノ基で保護されないサッ
    カリドまたはオリゴサッカリドである、請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記固体支持体が、シリカ、合成シリケート、生体シリケー
    ト、多孔性ガラス、ヒドロゲル、シリケート含有鉱物、合成ポリマー、ポリスチ
    レン、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミドおよびそ
    れらのコポリマーからなる群から選択され、ポリスチレンとポリエチレングリコ
    ールとのコポリマー、およびポリアクリルアミドとポリエチレングリコールとの
    コポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記反応性チオール基を有するチオール置換オリゴサッカリ
    ドが、アノマー炭素に反応性チオール基置換基を有するオリゴサッカリドを含む
    、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 固体支持体上で硫黄連結ジサッカリドまたはオリゴサッカリ
    ドを形成する方法であって、該方法は、以下の工程: i)切断可能な連結アームを介して固体支持体上で第1サッカリドまたはオリ
    ゴサッカリドを固定化する工程であって、該第1サッカリドまたはオリゴサッカ
    リドは、還元サッカリドユニットのアノマー炭素原子に、式−SRの保護したチ
    オール基を含み、Rはチオール基保護剤である、工程; ii)該チオール基を脱保護し、そして該脱保護したチオール基を対応するチ
    オラートに必要に応じて転換する工程; iii)金属錯化剤を必要に応じて添加する工程; iv)上記のii)またはiii)で形成される該固定化したサッカリドまた
    はオリゴサッカリド基を、置換可能な求核基を含む第2サッカリドまたはオリゴ
    サッカリドと、該チオール基またはチオラート基が、該置換可能な求核基を置換
    する条件下で、接触させ、これにより該第1サッカリド/オリゴサッカリドと第
    2サッカリド/オリゴサッカリドとの間に硫黄連結を形成する工程;ならびに v)該iv)で生成される生成物を、該切断可能な連結アームを切断すること
    によって該固体支持体から除去する工程、 を含む、方法。
  8. 【請求項8】 前記第2サッカリドまたはオリゴサッカリドのヒドロキシル
    基/アミノ基の各々が、除去可能な保護基で保護される、請求項7に記載の方法
  9. 【請求項9】 前記第2サッカリドまたはオリゴサッカリドが、さらに、前
    記還元サッカリドユニットのアノマー炭素原子に、前記式−SRの保護したチオ
    ール基を含み、Rはチオール基保護剤である、請求項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】 工程iv)の後に、前記第2サッカリドまたはオリゴサッ
    カリドのチオール保護基を除去し、そして工程iii)およびiv)を繰り返す
    、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記固体支持体が、シリカ、合成シリケート、生体シリケ
    ート、多孔性ガラス、ヒドロゲル、シリケート含有鉱物、合成ポリマー、ポリス
    チレン、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミドおよび
    それらのコポリマーからなる群から選択され、ポリスチレンとポリエチレングリ
    コールとのコポリマー、およびポリアクリルアミドとポリエチレングリコールと
    のコポリマーを含む、請求項7に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記オリゴサッカリドのサッカリドまたはサッカリドユニ
    ットが、D−ガラクトース、L−ガラクトース、D−グルコース、D−マンノー
    ス、D−キシロース、D−グルコン酸、N−アセチル−D−グルコサミン、N−
    アセチル−D−ガラクトサミン、シアリン酸、イズロン酸、L−フコース、イノ
    シトール、ならびにそれらのデオキシ、デオキシハロ、デオキシアミノ、アシル
    化、リン酸化、および硫酸化誘導体からなる群から選択される、請求項7に記載
    の方法。
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