JP2002521560A - 生分解性高酸化安定性オイル - Google Patents
生分解性高酸化安定性オイルInfo
- Publication number
- JP2002521560A JP2002521560A JP2000563129A JP2000563129A JP2002521560A JP 2002521560 A JP2002521560 A JP 2002521560A JP 2000563129 A JP2000563129 A JP 2000563129A JP 2000563129 A JP2000563129 A JP 2000563129A JP 2002521560 A JP2002521560 A JP 2002521560A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- composition
- plant
- seed
- content
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C10—PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
- C10M—LUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
- C10M101/00—Lubricating compositions characterised by the base-material being a mineral or fatty oil
- C10M101/04—Fatty oil fractions
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C11—ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
- C11B—PRODUCING, e.g. BY PRESSING RAW MATERIALS OR BY EXTRACTION FROM WASTE MATERIALS, REFINING OR PRESERVING FATS, FATTY SUBSTANCES, e.g. LANOLIN, FATTY OILS OR WAXES; ESSENTIAL OILS; PERFUMES
- C11B1/00—Production of fats or fatty oils from raw materials
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/63—Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
- C12N15/79—Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
- C12N15/82—Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
- C12N15/8241—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology
- C12N15/8242—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with non-agronomic quality (output) traits, e.g. for industrial processing; Value added, non-agronomic traits
- C12N15/8243—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with non-agronomic quality (output) traits, e.g. for industrial processing; Value added, non-agronomic traits involving biosynthetic or metabolic pathways, i.e. metabolic engineering, e.g. nicotine, caffeine
- C12N15/8247—Phenotypically and genetically modified plants via recombinant DNA technology with non-agronomic quality (output) traits, e.g. for industrial processing; Value added, non-agronomic traits involving biosynthetic or metabolic pathways, i.e. metabolic engineering, e.g. nicotine, caffeine involving modified lipid metabolism, e.g. seed oil composition
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C10—PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
- C10M—LUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
- C10M2207/00—Organic non-macromolecular hydrocarbon compounds containing hydrogen, carbon and oxygen as ingredients in lubricant compositions
- C10M2207/40—Fatty vegetable or animal oils
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C10—PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
- C10M—LUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
- C10M2207/00—Organic non-macromolecular hydrocarbon compounds containing hydrogen, carbon and oxygen as ingredients in lubricant compositions
- C10M2207/40—Fatty vegetable or animal oils
- C10M2207/404—Fatty vegetable or animal oils obtained from genetically modified species
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C10—PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
- C10N—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASS C10M RELATING TO LUBRICATING COMPOSITIONS
- C10N2040/00—Specified use or application for which the lubricating composition is intended
- C10N2040/08—Hydraulic fluids, e.g. brake-fluids
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Zoology (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Plant Pathology (AREA)
- Cell Biology (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Nutrition Science (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Fats And Perfumes (AREA)
- Edible Oils And Fats (AREA)
- Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Lubricants (AREA)
Abstract
(57)【要約】
少なくとも約50%の1,3-ジエルコイル-2-オレオイルグリセロール(EOE)含有量を有するトリアシルグリセロール含有オイルを開示する。また、高EOE含有量を有するオイルを産生する植物も開示する。
Description
【0001】技術分野 本発明は、全トリアシルグリセロール組成に基づいて少なくとも約50%の1,3-
ジエルコイル-2-オレオイルグリセロール(EOE)含有量を有するオイルおよび該オ
イルの工業用途における使用に関する。
ジエルコイル-2-オレオイルグリセロール(EOE)含有量を有するオイルおよび該オ
イルの工業用途における使用に関する。
【0002】発明の背景 工業用途に用いられるオイルは典型的には石油ベースの炭化水素であるが、こ
れは環境に悪影響を与え、同時にそれを用いる人の健康を脅かすことがある。植
物オイルは石油ベース製品の環境に都合のよい代替物であり、再生可能な天然資
源をベースとする。植物オイルの主要な成分はトリアシルグリセロールであり、
これは3つの脂肪酸鎖がグリセロール分子にエステル化したものである。極性グ
リセロール領域および非極性炭化水素領域が金属表面の境界に整列し、従って、
石油系炭化水素よりも良好な潤滑特性を有する。
れは環境に悪影響を与え、同時にそれを用いる人の健康を脅かすことがある。植
物オイルは石油ベース製品の環境に都合のよい代替物であり、再生可能な天然資
源をベースとする。植物オイルの主要な成分はトリアシルグリセロールであり、
これは3つの脂肪酸鎖がグリセロール分子にエステル化したものである。極性グ
リセロール領域および非極性炭化水素領域が金属表面の境界に整列し、従って、
石油系炭化水素よりも良好な潤滑特性を有する。
【0003】 植物オイルの2つの主要な特性がそれらの工業用途を妨げている。ほとんどの
植物オイルがこれらの特徴の双方を持っているわけではない。第1に、オイルは
液体でなければならず、かつ、低温において程よい粘性をもつ必要がある。例え
ば、高エルカ酸の精製ナタネ油は-16℃の流動点を有するが、温度が低下するに
つれて粘性が相当増大する。
植物オイルがこれらの特徴の双方を持っているわけではない。第1に、オイルは
液体でなければならず、かつ、低温において程よい粘性をもつ必要がある。例え
ば、高エルカ酸の精製ナタネ油は-16℃の流動点を有するが、温度が低下するに
つれて粘性が相当増大する。
【0004】 第2に、オイルは高酸化安定性を有しなければならない。一般に酸化安定性は
脂肪酸中に存在する不飽和度と関係がある。酸素との反応が脂肪酸の重合および
架橋をもたらし、ひいては粘度を上昇させる。飽和炭化水素ベースのオイルは不
飽和がなく、従って高酸化安定性を有する。
脂肪酸中に存在する不飽和度と関係がある。酸素との反応が脂肪酸の重合および
架橋をもたらし、ひいては粘度を上昇させる。飽和炭化水素ベースのオイルは不
飽和がなく、従って高酸化安定性を有する。
【0005】発明の概要 本発明は、高EOE含有量を有するオイルおよび工業用途における該オイルの使
用に基づいている。該オイルは合成することも、植物に産生させることもできる
。
用に基づいている。該オイルは合成することも、植物に産生させることもできる
。
【0006】 1つの態様では、本発明は、全トリアシルグリセロール組成に基づいて、少な
くとも約50%の1,3-ジエルコイル-2-オレオイルグリセロール含有量を有するトリ
アシルグリセロール含有オイルを特徴とする。特定の実施形態では、該オイルは
約60%〜約95%(例えば、約60%〜約90%)または約75%〜約95%(例えば、約75%〜
約90%)の1,3-ジエルコイル-2-オレオイルグリセロール含有量を有する。本発明
のオイルは、添加される酸化防止剤の不在下で、約80 AOM時間〜約300 AOM時間
の酸化安定性を有する。特に、酸化安定性は添加される酸化防止剤の不在下で約
84 AOM時間〜約120 AOM時間である。かかるオイルの粘度指数は約195より大であ
る。
くとも約50%の1,3-ジエルコイル-2-オレオイルグリセロール含有量を有するトリ
アシルグリセロール含有オイルを特徴とする。特定の実施形態では、該オイルは
約60%〜約95%(例えば、約60%〜約90%)または約75%〜約95%(例えば、約75%〜
約90%)の1,3-ジエルコイル-2-オレオイルグリセロール含有量を有する。本発明
のオイルは、添加される酸化防止剤の不在下で、約80 AOM時間〜約300 AOM時間
の酸化安定性を有する。特に、酸化安定性は添加される酸化防止剤の不在下で約
84 AOM時間〜約120 AOM時間である。かかるオイルの粘度指数は約195より大であ
る。
【0007】 もう1つの態様では、本発明は、対応する野生型植物の種子と比較して、植物
の種子においてΔ12デサチュラーゼ活性の種子特異的減少を有する植物を特徴と
する。好適な植物はエルカ酸を天然に産生する種に由来するものである。かかる
改変植物は約45%〜約70%のエルカ酸および約22%〜約35%のオレイン酸を含有する
オイルが得られる種子を産生する。例えば、該オイルは約48%〜約66%、約50%〜
約66%、または約55%〜約66%のエルカ酸および約25%〜約35%、約28%〜約35%、ま
たは約30%〜約35%のオレイン酸を含み得る。ある実施形態では、該植物はさらに
、対応する野生型植物の種子と比較して、該植物の種子においてパルミトイルAC
Pチオエステラーゼ活性が減少しており、かつΔ9デサチュラーゼ活性が増加して
いる。また、該植物は、対応する野生型植物の種子と比較して、該植物の種子に
おいてΔ15デサチュラーゼ活性が減少していてもよい。
の種子においてΔ12デサチュラーゼ活性の種子特異的減少を有する植物を特徴と
する。好適な植物はエルカ酸を天然に産生する種に由来するものである。かかる
改変植物は約45%〜約70%のエルカ酸および約22%〜約35%のオレイン酸を含有する
オイルが得られる種子を産生する。例えば、該オイルは約48%〜約66%、約50%〜
約66%、または約55%〜約66%のエルカ酸および約25%〜約35%、約28%〜約35%、ま
たは約30%〜約35%のオレイン酸を含み得る。ある実施形態では、該植物はさらに
、対応する野生型植物の種子と比較して、該植物の種子においてパルミトイルAC
Pチオエステラーゼ活性が減少しており、かつΔ9デサチュラーゼ活性が増加して
いる。また、該植物は、対応する野生型植物の種子と比較して、該植物の種子に
おいてΔ15デサチュラーゼ活性が減少していてもよい。
【0008】 本発明はまた、天然にエルカ酸を産生する種のトランスジェニック植物を特徴
とし、その際該トランスジェニック植物は少なくとも1つの核酸構築物を有する
。核酸構築物はfad2コード配列に機能しうる形で連結された調節配列を含む。ト
ランスジェニック植物は対応する非トランスジェニック植物と比較してΔ12デサ
チュラーゼ活性の種子特異的減少を示し、かつ、全脂肪酸組成に基づいて約45%
〜約70%のエルカ酸および約22%〜約35%のオレイン酸を含有するオイルが得られ
る種子を産生する。該オイルは、例えば、約48%〜約66%、約50%〜約66%、または
約55%〜約66%のエルカ酸、および約25%〜約35%、約28%〜約35%、または約30%〜
約35%のオレイン酸を有し得る。かかるトランスジェニック植物の後代は親のエ
ルカ酸含有量およびオレイン酸含有量を有するオイルが得られる種子を産生する
。
とし、その際該トランスジェニック植物は少なくとも1つの核酸構築物を有する
。核酸構築物はfad2コード配列に機能しうる形で連結された調節配列を含む。ト
ランスジェニック植物は対応する非トランスジェニック植物と比較してΔ12デサ
チュラーゼ活性の種子特異的減少を示し、かつ、全脂肪酸組成に基づいて約45%
〜約70%のエルカ酸および約22%〜約35%のオレイン酸を含有するオイルが得られ
る種子を産生する。該オイルは、例えば、約48%〜約66%、約50%〜約66%、または
約55%〜約66%のエルカ酸、および約25%〜約35%、約28%〜約35%、または約30%〜
約35%のオレイン酸を有し得る。かかるトランスジェニック植物の後代は親のエ
ルカ酸含有量およびオレイン酸含有量を有するオイルが得られる種子を産生する
。
【0009】 本発明のトランスジェニック植物は、パルミトイルACPチオエステラーゼコー
ド配列に機能しうる形で連結された調節配列およびΔ9デサチュラーゼコード配
列に機能しうる形で連結された調節配列を有する、少なくとも1つの構築物をさ
らに有し得る。かかる植物は、対応する非トランスジェニック植物と比較して、
Δ9デサチュラーゼ活性の種子特異的増加およびパルミトイルACPチオエステラー
ゼ活性の種子特異的減少を示す。いくつかの実施形態では、トランスジェニック
植物がさらに、fad3コード配列に機能しうる形で連結された調節配列を有する少
なくとも1つの構築物を含み、かつ、対応する非トランスジェニック植物と比較
して、Δ15デサチュラーゼ活性の種子特異的減少を示す。
ド配列に機能しうる形で連結された調節配列およびΔ9デサチュラーゼコード配
列に機能しうる形で連結された調節配列を有する、少なくとも1つの構築物をさ
らに有し得る。かかる植物は、対応する非トランスジェニック植物と比較して、
Δ9デサチュラーゼ活性の種子特異的増加およびパルミトイルACPチオエステラー
ゼ活性の種子特異的減少を示す。いくつかの実施形態では、トランスジェニック
植物がさらに、fad3コード配列に機能しうる形で連結された調節配列を有する少
なくとも1つの構築物を含み、かつ、対応する非トランスジェニック植物と比較
して、Δ15デサチュラーゼ活性の種子特異的減少を示す。
【0010】 また、本発明は内在性植物油を製造する方法を特徴とする。該方法は本発明の
植物の種子を圧潰し、圧潰した種子からオイルを抽出することを含む。
植物の種子を圧潰し、圧潰した種子からオイルを抽出することを含む。
【0011】 もう1つの態様では、全脂肪酸組成に基づいて約45%〜約70%のエルカ酸含有量
および約22%〜約35%のオレイン酸含有量を有する内在性オイルが記載されている
。該オイルのトリアシルグリセロールは約75%以上の1,3-ジエルコイル-2-オレオ
イルグリセロールを含む。特定の実施形態では、該オイルのトリアシルグリセロ
ールは約75%〜約90%の1,3-ジエルコイル-2-オレオイルグリセロールを含む。ま
た、全トリアシルグリセロール組成に基づいて少なくとも約38%の1,3-ジエルコ
イル-2-オレオイルグリセロール含有量を有する内在性アブラナ属オイルも提供
される。
および約22%〜約35%のオレイン酸含有量を有する内在性オイルが記載されている
。該オイルのトリアシルグリセロールは約75%以上の1,3-ジエルコイル-2-オレオ
イルグリセロールを含む。特定の実施形態では、該オイルのトリアシルグリセロ
ールは約75%〜約90%の1,3-ジエルコイル-2-オレオイルグリセロールを含む。ま
た、全トリアシルグリセロール組成に基づいて少なくとも約38%の1,3-ジエルコ
イル-2-オレオイルグリセロール含有量を有する内在性アブラナ属オイルも提供
される。
【0012】 また、本発明は、植物油および植物油の酸化安定性を高めるのに有効な量の1,
3-ジエルコイル-2-オレオイルグリセロールを含む高酸化安定性組成物を特徴と
する。
3-ジエルコイル-2-オレオイルグリセロールを含む高酸化安定性組成物を特徴と
する。
【0013】 また、本発明は、全トリアシルグリセロール組成に基づいて少なくとも50%の1
,3-ジエルコイル-2-オレオイルグリセロール含有量を有するオイルおよび添加剤
を含む作動油組成物も特徴とする。添加剤は、例えば、酸化防止剤、防錆剤、耐
摩耗剤、流動点降下剤、粘度指数改良剤、消発剤またはそれらの組合せであり得
、また組成物の重量に対して約0.01%〜約20%の量で存在する。
,3-ジエルコイル-2-オレオイルグリセロール含有量を有するオイルおよび添加剤
を含む作動油組成物も特徴とする。添加剤は、例えば、酸化防止剤、防錆剤、耐
摩耗剤、流動点降下剤、粘度指数改良剤、消発剤またはそれらの組合せであり得
、また組成物の重量に対して約0.01%〜約20%の量で存在する。
【0014】 全トリアシルグリセロール組成に基づいて少なくとも約50%の1,3-ジエルコイ
ル-2-オレオイルグリセロール含有量を有するトリアシルグリセロール含有オイ
ルを含む潤滑添加剤も記載される。該添加剤は、潤滑液中に該潤滑液の約2〜約2
0重量%の量で存在するとき、摩擦を減少させるのに有効である。
ル-2-オレオイルグリセロール含有量を有するトリアシルグリセロール含有オイ
ルを含む潤滑添加剤も記載される。該添加剤は、潤滑液中に該潤滑液の約2〜約2
0重量%の量で存在するとき、摩擦を減少させるのに有効である。
【0015】 特に断らない限り、本明細書中で用いるすべての技術および科学用語は、本発
明が属する技術分野における当業者に一般的に理解されているものと同一の意味
を有する。本明細書に記載されるものと同様または同等の方法および材料を用い
て本発明を実施することができるが、好適な方法および材料について以下に記載
する。本明細書に記載されるすべての出版物、特許出願、特許およびその他の参
照文献はその全体を参照により本明細書に含めるものとする。対立する場合には
、定義を含む本明細書が優先する。さらに、材料、方法および実施例は単に説明
のためのものであって、限定を意図するものではない。
明が属する技術分野における当業者に一般的に理解されているものと同一の意味
を有する。本明細書に記載されるものと同様または同等の方法および材料を用い
て本発明を実施することができるが、好適な方法および材料について以下に記載
する。本明細書に記載されるすべての出版物、特許出願、特許およびその他の参
照文献はその全体を参照により本明細書に含めるものとする。対立する場合には
、定義を含む本明細書が優先する。さらに、材料、方法および実施例は単に説明
のためのものであって、限定を意図するものではない。
【0016】 本発明のその他の特徴および利点は以下の詳細な説明および特許請求の範囲か
ら明らかとなろう。
ら明らかとなろう。
【0017】詳細な説明 本発明では、特定のトリアシルグリセロール組成を有するオイルを特徴とする
。特に、グリセロールのsn-1およびsn-3位置にエルカ酸成分およびsn-2位置にオ
レイン酸成分を有するトリアシルグリセロール(1,3-ジエルコイル-2-オレオイ
ルグリセロール、EOE)を含有するオイルを特徴とする。
。特に、グリセロールのsn-1およびsn-3位置にエルカ酸成分およびsn-2位置にオ
レイン酸成分を有するトリアシルグリセロール(1,3-ジエルコイル-2-オレオイ
ルグリセロール、EOE)を含有するオイルを特徴とする。
【0018】 1つの態様では、本発明はオイルの全トリアシルグリセロール(TAG)組成に対し
て約50%またはそれ以上のEOE含有量を含むトリアシルグリセロール含有オイルを
特徴とする。本明細書において、「トリアシルグリセロール含有オイル」とは主
にトリアシルグリセロールからなる合成または天然のオイルを指す。特定の実施
形態では、トリアシルグリセロール含有オイルは約60%〜約95%(例えば、約60%
〜約90%)のEOE含有量を含み得るが、約75%〜約95%(例えば、約70%〜約90%)が
好ましい。本発明のオイル中におけるTAG部分(EOE)の割合は、AOCS公認方法Ce
5B-89に従って容易に測定することができる。個々のTAGは外部標準または内部標
準と比較することにより同定し、非線形二次適合曲線を用いて定量することがで
きる。本発明のオイルは合成のもの、または天然源由来のものでもあり得る。
て約50%またはそれ以上のEOE含有量を含むトリアシルグリセロール含有オイルを
特徴とする。本明細書において、「トリアシルグリセロール含有オイル」とは主
にトリアシルグリセロールからなる合成または天然のオイルを指す。特定の実施
形態では、トリアシルグリセロール含有オイルは約60%〜約95%(例えば、約60%
〜約90%)のEOE含有量を含み得るが、約75%〜約95%(例えば、約70%〜約90%)が
好ましい。本発明のオイル中におけるTAG部分(EOE)の割合は、AOCS公認方法Ce
5B-89に従って容易に測定することができる。個々のTAGは外部標準または内部標
準と比較することにより同定し、非線形二次適合曲線を用いて定量することがで
きる。本発明のオイルは合成のもの、または天然源由来のものでもあり得る。
【0019】EOEの合成 全トリアシルグリセロール組成に対して少なくとも50%のEOE含有量を有するト
リアシルグリセロール含有オイルは、出発物質として1,3-ジヒドロキシアセトン
ならびに遊離エルカ酸およびオレイン酸の脂肪酸を用いて化学合成することがで
きる。本明細書に記載のように化学合成されたオイルは80%またはそれ以上、お
よび好ましくは90%以上のEOE含有量を有する。第1工程では、1,3-ジヒドロキシ
アセトン二量体およびエルカ酸をジシクロヘキシルカルボジイミドおよび4-ジメ
チルアミノピリジンの存在下で反応させて1,3ジエルコイルプロパノンを形成さ
せることができる。1,3ジエルコイルプロパノンのケトン基は、例えば、水素化
ホウ素ナトリウムおよび水を用いて還元して1,3ジエルコイルプロパノールを形
成させることができる。EOEは1,3ジエルコイルプロパノールとオレイン酸を、ジ
シクロヘキシルカルボジイミドおよび4-ジメチルアミノピリジンの存在下で反応
させて1,3ジエルコイル2-オレオイルプロパンを形成させることにより製造でき
る。
リアシルグリセロール含有オイルは、出発物質として1,3-ジヒドロキシアセトン
ならびに遊離エルカ酸およびオレイン酸の脂肪酸を用いて化学合成することがで
きる。本明細書に記載のように化学合成されたオイルは80%またはそれ以上、お
よび好ましくは90%以上のEOE含有量を有する。第1工程では、1,3-ジヒドロキシ
アセトン二量体およびエルカ酸をジシクロヘキシルカルボジイミドおよび4-ジメ
チルアミノピリジンの存在下で反応させて1,3ジエルコイルプロパノンを形成さ
せることができる。1,3ジエルコイルプロパノンのケトン基は、例えば、水素化
ホウ素ナトリウムおよび水を用いて還元して1,3ジエルコイルプロパノールを形
成させることができる。EOEは1,3ジエルコイルプロパノールとオレイン酸を、ジ
シクロヘキシルカルボジイミドおよび4-ジメチルアミノピリジンの存在下で反応
させて1,3ジエルコイル2-オレオイルプロパンを形成させることにより製造でき
る。
【0020】 あるいは、高エルカ酸ナタネ(HEAR)油をカンジダ・ルゴサ(Candida rugosa)由
来のリパーゼ(Sigma Chemical Company, St Louis, MO)により加水分解して1,3
ジエルシンおよび遊離脂肪酸を得ることができる。この工程では、C. rugosaリ
パーゼの水溶液をHEARオイルに加え、一定に攪拌しながら約18時間室温に維持す
る。加水分解されたオイルを等割合のクロロホルムと水で抽出することができる
。クロロホルム層を回収し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる
とオイル状残渣が得られる。冷エタノールで洗浄した後、得られた固体を濾過し
て遊離脂肪酸を除去し、冷エタノールで再洗浄すると、1,3ジエルシンが得られ
る。ジエルシンはCSC-Spherisorb-ODS3カラムおよび移動相として等割合のアセ
トンとアセトニトリルを用いるHPLCで精製することができる。Trani, M. 1993,
J. Am. Oil Chem. Soc., 70(10):961-964参照。もう1つの別法として、ジエルシ
ンはSigma Chemical Company (St. Louis, MO) から入手できる。少なくとも約5
0%のEOE含有量を有するオイルは、精製1,3ジエルシンを、固定されたSP382(Novo
)などの非特異的リパーゼの存在下で、遊離オレイン酸と反応させることにより
製造できる。
来のリパーゼ(Sigma Chemical Company, St Louis, MO)により加水分解して1,3
ジエルシンおよび遊離脂肪酸を得ることができる。この工程では、C. rugosaリ
パーゼの水溶液をHEARオイルに加え、一定に攪拌しながら約18時間室温に維持す
る。加水分解されたオイルを等割合のクロロホルムと水で抽出することができる
。クロロホルム層を回収し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させる
とオイル状残渣が得られる。冷エタノールで洗浄した後、得られた固体を濾過し
て遊離脂肪酸を除去し、冷エタノールで再洗浄すると、1,3ジエルシンが得られ
る。ジエルシンはCSC-Spherisorb-ODS3カラムおよび移動相として等割合のアセ
トンとアセトニトリルを用いるHPLCで精製することができる。Trani, M. 1993,
J. Am. Oil Chem. Soc., 70(10):961-964参照。もう1つの別法として、ジエルシ
ンはSigma Chemical Company (St. Louis, MO) から入手できる。少なくとも約5
0%のEOE含有量を有するオイルは、精製1,3ジエルシンを、固定されたSP382(Novo
)などの非特異的リパーゼの存在下で、遊離オレイン酸と反応させることにより
製造できる。
【0021】天然源からのEOEの製造 EOEはまた、例えば高エルカ酸ナタネから抽出された内在性オイルからまたは
種々のハマナ属種の種子から精製することもできる。通常のHEARオイルから抽出
されたトリアシルグリセロールは、sn-2位置で脂肪酸の0.5モル%未満を構成する
エルカ酸(22:1)とともに、主としてsn-2位置にオレイン酸(18:1)、リノレン酸(1
8:2)またはリノレイン酸(18:3)を含む。HEAR型ナタネおよびハマナ属由来のオイ
ルはそれぞれ約17%および46%のEOEを含む。C.アビシニカ(C. abyssinica)または
C.ヒスパニカ(C. hyspanica)由来のTAGはをHPLCを用いてAOCS公認法Ce 5B-89に
従って分離することができる。このようにして精製したEOEは約17分の保持時間
を有する。あるいは、EOEはChromSphere Lipidカラム(Chrompack, Raritan, NJ)
を用いてHPLC精製することもできる。ヘキサン:トルエン、トルエン:酢酸エチ
ルおよびトルエン:99%ギ酸を含む溶媒の一連の組み合わせを用いてTAGを溶出す
ることができる。Lassner, M.W.ら, 1995, Plant Physiol., 109:1389-1394。EO
EをLassnerらの方法論によって精製する場合には、EOEは約13分の保持時間を有
する。
種々のハマナ属種の種子から精製することもできる。通常のHEARオイルから抽出
されたトリアシルグリセロールは、sn-2位置で脂肪酸の0.5モル%未満を構成する
エルカ酸(22:1)とともに、主としてsn-2位置にオレイン酸(18:1)、リノレン酸(1
8:2)またはリノレイン酸(18:3)を含む。HEAR型ナタネおよびハマナ属由来のオイ
ルはそれぞれ約17%および46%のEOEを含む。C.アビシニカ(C. abyssinica)または
C.ヒスパニカ(C. hyspanica)由来のTAGはをHPLCを用いてAOCS公認法Ce 5B-89に
従って分離することができる。このようにして精製したEOEは約17分の保持時間
を有する。あるいは、EOEはChromSphere Lipidカラム(Chrompack, Raritan, NJ)
を用いてHPLC精製することもできる。ヘキサン:トルエン、トルエン:酢酸エチ
ルおよびトルエン:99%ギ酸を含む溶媒の一連の組み合わせを用いてTAGを溶出す
ることができる。Lassner, M.W.ら, 1995, Plant Physiol., 109:1389-1394。EO
EをLassnerらの方法論によって精製する場合には、EOEは約13分の保持時間を有
する。
【0022】 天然にエルカ酸を産生する植物を遺伝子工学、突然変異誘発またはその組み合
わせにより、高レベルのEOEを産生するよう操作することができる。全脂肪酸組
成に対して約45%〜約70%のエルカ酸含有量および約22%〜約35%のオレイン酸含有
量を有する内在性植物油は、かかる改変植物の種子を粉砕し、さらにそれらから
オイルを抽出することにより得ることができる。かかるオイルのEOE含有量は全
トリアシルグリセロール組成の約75%〜約90%であることが好ましい。
わせにより、高レベルのEOEを産生するよう操作することができる。全脂肪酸組
成に対して約45%〜約70%のエルカ酸含有量および約22%〜約35%のオレイン酸含有
量を有する内在性植物油は、かかる改変植物の種子を粉砕し、さらにそれらから
オイルを抽出することにより得ることができる。かかるオイルのEOE含有量は全
トリアシルグリセロール組成の約75%〜約90%であることが好ましい。
【0023】 アブラナ(B.napus)、カラシナ(B.juncea)、カブ(B.rapa)などのアブラナ属(Br
assica)種、C.アビシニカ(C.abyssinica)およびC.ヒスパニカ(C.hispanica)など
のハマナ属(Crambre)種、L.アルバ(L. alba)およびL.ドウグラシー(L. douglasi
i)(meadowfoam)などのリムナンセス(Limnanthes)種をはじめとする天然にエルカ
酸を産生する植物がかかる操作に好適である。一般に、オレイン酸およびエルカ
酸含有量を増加させ、その結果、EOE含有量を増加させるよう改変された植物で
は、飽和脂肪酸およびポリ不飽和脂肪酸のレベルが低下している。
assica)種、C.アビシニカ(C.abyssinica)およびC.ヒスパニカ(C.hispanica)など
のハマナ属(Crambre)種、L.アルバ(L. alba)およびL.ドウグラシー(L. douglasi
i)(meadowfoam)などのリムナンセス(Limnanthes)種をはじめとする天然にエルカ
酸を産生する植物がかかる操作に好適である。一般に、オレイン酸およびエルカ
酸含有量を増加させ、その結果、EOE含有量を増加させるよう改変された植物で
は、飽和脂肪酸およびポリ不飽和脂肪酸のレベルが低下している。
【0024】 トランスジェニック植物は本明細書に記載のように、少なくとも1種の核酸構
築物を植物細胞に導入することによって得ることができる。トランスジェニック
植物によって産生された種子を成長させて、自家受粉(または外部交配と自家受
粉)させて構築物に関してホモ接合体の植物を得ることができる。種子を解析し
て構築物を所望通り発現するそれらのホモ接合体を同定することができる。トラ
ンスジェニック植物を、例えば、種子を増加させるため、新規構築物をその他の
系統または種に遺伝子移入するため、またはその他の所望の特性のさらなる選択
のために育種プログラムに入れることができる。あるいは、トランスジェニック
植物細胞の無性増殖により、かかる技術を許容する種に関してはトランスジェニ
ック植物を得ることができる。
築物を植物細胞に導入することによって得ることができる。トランスジェニック
植物によって産生された種子を成長させて、自家受粉(または外部交配と自家受
粉)させて構築物に関してホモ接合体の植物を得ることができる。種子を解析し
て構築物を所望通り発現するそれらのホモ接合体を同定することができる。トラ
ンスジェニック植物を、例えば、種子を増加させるため、新規構築物をその他の
系統または種に遺伝子移入するため、またはその他の所望の特性のさらなる選択
のために育種プログラムに入れることができる。あるいは、トランスジェニック
植物細胞の無性増殖により、かかる技術を許容する種に関してはトランスジェニ
ック植物を得ることができる。
【0025】 本明細書において、トランスジェニック植物とは最初のトランスジェニック植
物の後代も指す。後代としては特定の植物または植物系統の後代、例えば、イン
スタント植物で発達した種子が挙げられる。また、インスタント植物の後代とし
てはF1、F2、F3およびその後の世代の植物で形成される種子、またはBC1、BC2、
BC3およびその後の世代の植物で形成される種子が挙げられる。
物の後代も指す。後代としては特定の植物または植物系統の後代、例えば、イン
スタント植物で発達した種子が挙げられる。また、インスタント植物の後代とし
てはF1、F2、F3およびその後の世代の植物で形成される種子、またはBC1、BC2、
BC3およびその後の世代の植物で形成される種子が挙げられる。
【0026】 本発明において使用するためのトランスジェニック技術としては、限定するも
のではないが、アグロバクテリウム媒介性形質転換、エレクトロポレーションお
よびパーティクルガン形質転換が挙げられる。形質転換技術の例証となる例は米
国特許第5,204,253号(パーティクルガン)および米国特許第5,188,958号(アグ
ロバクテリウム)に記載されている。アグロバクテリウム種のTiおよびRiプラス
ミドを用いる形質転換法では典型的にはバイナリー型のベクターを使用する。Wa
lkerpeach, C.ら,Plant Molecular Biology Manual, S. Gelvin and R. Schilpe
roort,編,Kluwer Dordrecht, C1:1-19(1994)。形質転換の受容体組織として細胞
または組織培養物を用いる場合には、当業者に公知の技術により、形質転換した
培養物から植物体を再生することができる。
のではないが、アグロバクテリウム媒介性形質転換、エレクトロポレーションお
よびパーティクルガン形質転換が挙げられる。形質転換技術の例証となる例は米
国特許第5,204,253号(パーティクルガン)および米国特許第5,188,958号(アグ
ロバクテリウム)に記載されている。アグロバクテリウム種のTiおよびRiプラス
ミドを用いる形質転換法では典型的にはバイナリー型のベクターを使用する。Wa
lkerpeach, C.ら,Plant Molecular Biology Manual, S. Gelvin and R. Schilpe
roort,編,Kluwer Dordrecht, C1:1-19(1994)。形質転換の受容体組織として細胞
または組織培養物を用いる場合には、当業者に公知の技術により、形質転換した
培養物から植物体を再生することができる。
【0027】 対応する非トランスジェニック植物と比較してΔ12脂肪酸デサチュラーゼ活性
の種子特異的減少を示す、トランスジェニックアブラナ属またはハマナ属植物を
作出することができる。かかる植物はそれらの種子オイルにおいてEOEのレベル
が上昇している。かかる植物に由来する種子は、全脂肪酸組成に対して約45%〜
約70%のエルカ酸(例えば、約48%〜約66%または約50%〜約66%)および約22%〜約
35%のオレイン酸(例えば、約25%〜約35%)を含むオイルを生じ得る。オイル組
成は、典型的には、バルク種子サンプル(例えば10個の種子)を粉砕して脂肪酸
を抽出することによって解析する。種子中の脂肪酸トリグリセリドは加水分解さ
れて脂肪酸メチルエステルに変換される。脂肪酸組成が変化されたそれらの種子
は当業者に公知の技術、例えば、まとめた種子サンプル、単一種子または単一半
種子のガス液体クロマトグラフィー(GLC)分析よって同定することもできる。胚
の生存率が維持されるため、所望の脂肪酸プロフィールを有するそれらの種子を
植えて次世代を形成させることができることから、半種子解析は有用であると当
業者に十分に知られている。しかしながら、典型的にはバルク種子解析が所与の
遺伝子型の脂肪酸プロフィールをより正確に表す。脂肪酸組成はまた、大きなサ
ンプルについて、例えば種子中の内在性オイルを試験的な設備でまたは市販規模
で、精製、漂白および脱臭することよって得たオイルについても決定できる。
の種子特異的減少を示す、トランスジェニックアブラナ属またはハマナ属植物を
作出することができる。かかる植物はそれらの種子オイルにおいてEOEのレベル
が上昇している。かかる植物に由来する種子は、全脂肪酸組成に対して約45%〜
約70%のエルカ酸(例えば、約48%〜約66%または約50%〜約66%)および約22%〜約
35%のオレイン酸(例えば、約25%〜約35%)を含むオイルを生じ得る。オイル組
成は、典型的には、バルク種子サンプル(例えば10個の種子)を粉砕して脂肪酸
を抽出することによって解析する。種子中の脂肪酸トリグリセリドは加水分解さ
れて脂肪酸メチルエステルに変換される。脂肪酸組成が変化されたそれらの種子
は当業者に公知の技術、例えば、まとめた種子サンプル、単一種子または単一半
種子のガス液体クロマトグラフィー(GLC)分析よって同定することもできる。胚
の生存率が維持されるため、所望の脂肪酸プロフィールを有するそれらの種子を
植えて次世代を形成させることができることから、半種子解析は有用であると当
業者に十分に知られている。しかしながら、典型的にはバルク種子解析が所与の
遺伝子型の脂肪酸プロフィールをより正確に表す。脂肪酸組成はまた、大きなサ
ンプルについて、例えば種子中の内在性オイルを試験的な設備でまたは市販規模
で、精製、漂白および脱臭することよって得たオイルについても決定できる。
【0028】 酵素Δ12脂肪酸デサチュラーゼ(これはオレイン酸デサチュラーゼとしても知
られている)はオレイン酸のリノレン酸への酵素的変換に関与している。ミクロ
ソームのΔ12デサチュラーゼはクローンニングされ、T-DNAタグを用いて特性決
定されている。Okuleyら,Plant Cell 6:147-158(1994)。ミクロソームΔ12脂肪
酸デサチュラーゼをコードする高等植物遺伝子のヌクレオチド配列がLightnerら
,WO94/11516に記載されている。アブラナ属およびシロイヌナズナにおいてΔ12
脂肪酸デサチュラーゼをコードする遺伝子はfad2と呼ばれている。
られている)はオレイン酸のリノレン酸への酵素的変換に関与している。ミクロ
ソームのΔ12デサチュラーゼはクローンニングされ、T-DNAタグを用いて特性決
定されている。Okuleyら,Plant Cell 6:147-158(1994)。ミクロソームΔ12脂肪
酸デサチュラーゼをコードする高等植物遺伝子のヌクレオチド配列がLightnerら
,WO94/11516に記載されている。アブラナ属およびシロイヌナズナにおいてΔ12
脂肪酸デサチュラーゼをコードする遺伝子はfad2と呼ばれている。
【0029】 Δ12デサチュラーゼ活性の種子特異的減少は、限定するものではないが、アン
チセンス、リボザイム切断、優性ネガティブ抑制および共抑制をはじめとする技
術によって達成することができる。これらの現象は天然の遺伝子の遺伝子産物の
発現を有意に減少させる。fad2遺伝子発現およびΔ12デサチュラーゼ活性の減少
は非トランスジェニック植物における対応するレベルと比較して、反応産物レベ
ルの低下(例えば、18:2の低下)および種子中の基質レベルの上昇から推察する
ことができる。
チセンス、リボザイム切断、優性ネガティブ抑制および共抑制をはじめとする技
術によって達成することができる。これらの現象は天然の遺伝子の遺伝子産物の
発現を有意に減少させる。fad2遺伝子発現およびΔ12デサチュラーゼ活性の減少
は非トランスジェニック植物における対応するレベルと比較して、反応産物レベ
ルの低下(例えば、18:2の低下)および種子中の基質レベルの上昇から推察する
ことができる。
【0030】 本発明のトランスジェニック植物はまた、対応する非トランスジェニック植物
と比較してパルミトイルACPチオエステラーゼ活性の種子特異的減少およびΔ9デ
サチュラーゼ活性の種子特異的増加を示し得る。パルミトイル-ACPチオエステラ
ーゼまたはチオエステラーゼ2はパルミトイル-ACPを遊離パルミチン酸とACPに加
水分解する。パルミトイル-ACPチオエステラーゼ活性の種子特異的減少は、ACP
キャリヤータンパク質からのパルミチン酸の放出を阻害し、パルミトイル-ACPの
ステアロイル-ACPへの伸長をもたらす。植物パルミトイル-ACPチオエステラーゼ
配列はWO95/13390、WO96/06436および米国特許第5,530,186号に記載されている
。パルミトイル-ACPチオエステラーゼ活性の種子特異的減少は、限定するもので
はないが、突然変異誘発、アンチセンス、リボザイム切断、優性ネガティブ抑制
および共抑制をはじめとする技術によって達成することができる。
と比較してパルミトイルACPチオエステラーゼ活性の種子特異的減少およびΔ9デ
サチュラーゼ活性の種子特異的増加を示し得る。パルミトイル-ACPチオエステラ
ーゼまたはチオエステラーゼ2はパルミトイル-ACPを遊離パルミチン酸とACPに加
水分解する。パルミトイル-ACPチオエステラーゼ活性の種子特異的減少は、ACP
キャリヤータンパク質からのパルミチン酸の放出を阻害し、パルミトイル-ACPの
ステアロイル-ACPへの伸長をもたらす。植物パルミトイル-ACPチオエステラーゼ
配列はWO95/13390、WO96/06436および米国特許第5,530,186号に記載されている
。パルミトイル-ACPチオエステラーゼ活性の種子特異的減少は、限定するもので
はないが、突然変異誘発、アンチセンス、リボザイム切断、優性ネガティブ抑制
および共抑制をはじめとする技術によって達成することができる。
【0031】 Δ9デサチュラーゼはステアロイル-ACP(18:0)のΔ9位置での不飽和化を触媒し
、オレオイル-ACP(18:1)を生じ、ステアリン酸への高い活性のために「ステアロ
イル-ACPデサチュラーゼ」と呼ばれることも多い。酵母、ラット、およびマウス
由来のミクロソームのΔ9デサチュラーゼをコードするヌクレオチド配列が記載
されている。Stukeyら,J. Biol. Chem. 265:20144-20149, (1990); Thiedeら, J
. Biol. Chem. 261:13230-13235, (1986); Kaestnerら, J. Biol. Chem. 264:14
755-14761, (1989)。高等植物由来の可溶性Δ9デサチュラーゼをコードするヌク
レオチド配列も記載されている。Thompsonら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88
:2578-2582, (1991);Shanklinら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88:2510-2514
。Δ9デサチュラーゼコード配列を種子特異的調節エレメントにセンス方向で機
能しうる形で連結し、この構築物を前記で論じられた技術を用いて植物細胞に導
入することによりΔ9デサチュラーゼを過剰発現させることができる。
、オレオイル-ACP(18:1)を生じ、ステアリン酸への高い活性のために「ステアロ
イル-ACPデサチュラーゼ」と呼ばれることも多い。酵母、ラット、およびマウス
由来のミクロソームのΔ9デサチュラーゼをコードするヌクレオチド配列が記載
されている。Stukeyら,J. Biol. Chem. 265:20144-20149, (1990); Thiedeら, J
. Biol. Chem. 261:13230-13235, (1986); Kaestnerら, J. Biol. Chem. 264:14
755-14761, (1989)。高等植物由来の可溶性Δ9デサチュラーゼをコードするヌク
レオチド配列も記載されている。Thompsonら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88
:2578-2582, (1991);Shanklinら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88:2510-2514
。Δ9デサチュラーゼコード配列を種子特異的調節エレメントにセンス方向で機
能しうる形で連結し、この構築物を前記で論じられた技術を用いて植物細胞に導
入することによりΔ9デサチュラーゼを過剰発現させることができる。
【0032】 パルミトイル-ACPをステアロイル-ACPに伸長する3-ケトアシル-ACPシンター
ゼII(KAS II)の発現の増加を用いて、パルミトイルACPレベルを低下させるこ
ともできる。植物KAS II配列は、例えば、米国特許第5,500,361号に記載されて
いる。パルミトイル-ACPチオエステラーゼ活性の減少もしくはΔ9デサチュラー
ゼの過剰発現と組み合わせて、またはパルミトイルACPチオエステラーゼ活性の
減少およびΔ9デサチュラーゼ活性の増加発現と組み合わせて、KAS IIを過剰発
現する植物を作出することができる。
ゼII(KAS II)の発現の増加を用いて、パルミトイルACPレベルを低下させるこ
ともできる。植物KAS II配列は、例えば、米国特許第5,500,361号に記載されて
いる。パルミトイル-ACPチオエステラーゼ活性の減少もしくはΔ9デサチュラー
ゼの過剰発現と組み合わせて、またはパルミトイルACPチオエステラーゼ活性の
減少およびΔ9デサチュラーゼ活性の増加発現と組み合わせて、KAS IIを過剰発
現する植物を作出することができる。
【0033】 本発明のトランスジェニック植物はまた、対応する非トランスジェニック植物
と比較してΔ15脂肪酸デサチュラーゼ活性の種子特異的減少を示し得る。Δ15脂
肪酸デサチュラーゼ(リノレン酸デサチュラーゼとしても知られている)はリノ
レン酸のα-リノレイン酸への酵素的変換に関与している。アブラナ属(Brassica
)およびシロイヌナズナ属(Arabidopsis)においてΔ15脂肪酸デサチュラーゼをコ
ードする遺伝子はfad3と呼ばれている。ミクロソームおよびプラスチドfad3デサ
チュラーゼをコードする高等植物遺伝子の配列はYadav, N.,ら, Plant Physiol.
, 103:467-476(1993)、WO93/11245およびArondel, V.ら, Science 258:1353-135
5 (1992)に開示されている。Δ15デサチュラーゼ活性の種子特異的減少は、限定
するものではないが、前記のような、アンチセンス、リボザイム切断、優性ネガ
ティブ抑制および共抑制をはじめとする技術によって達成することができる。か
かる植物の後代は約50%〜約70%のエルカ酸および約25%〜約35%のオレイン酸を有
するオイルを生じる種子を産生する。
と比較してΔ15脂肪酸デサチュラーゼ活性の種子特異的減少を示し得る。Δ15脂
肪酸デサチュラーゼ(リノレン酸デサチュラーゼとしても知られている)はリノ
レン酸のα-リノレイン酸への酵素的変換に関与している。アブラナ属(Brassica
)およびシロイヌナズナ属(Arabidopsis)においてΔ15脂肪酸デサチュラーゼをコ
ードする遺伝子はfad3と呼ばれている。ミクロソームおよびプラスチドfad3デサ
チュラーゼをコードする高等植物遺伝子の配列はYadav, N.,ら, Plant Physiol.
, 103:467-476(1993)、WO93/11245およびArondel, V.ら, Science 258:1353-135
5 (1992)に開示されている。Δ15デサチュラーゼ活性の種子特異的減少は、限定
するものではないが、前記のような、アンチセンス、リボザイム切断、優性ネガ
ティブ抑制および共抑制をはじめとする技術によって達成することができる。か
かる植物の後代は約50%〜約70%のエルカ酸および約25%〜約35%のオレイン酸を有
するオイルを生じる種子を産生する。
【0034】 デサチュラーゼまたはチオエステラーゼ活性を阻害するための、アンチセンス
および共抑制構築物の調製には、該デサチュラーゼまたはチオエステラーゼの遺
伝子の転写配列を含む断片を用いればよい。好適な核酸構築物は、Δ12デサチュ
ラーゼ活性の減少のための、fad2コード配列に機能しうる形で連結された調節配
列を含む。Δ15デサチュラーゼ活性の減少に好適な核酸構築物はfad3コード配列
に機能しうる形で連結された調節配列を含む。調節配列自体は典型的には遺伝子
産物をコードしない。その代わりに、調節配列はコード配列の発現レベルに影響
を及ぼす。当技術分野において公知の調節配列の例としては、限定するものでは
ないが、胚発生の間に発現される遺伝子のプロモーター、例えば、ナピン(napin
)プロモーター、ファゼオリンプロモーター、オレオシンプロモーター、クルシ
フェリン(cruciferin)プロモーターおよびカリフラワーモザイクウイルス35Sプ
ロモーターなどの構成プロモーターが挙げられる。また、Δ9、Δ12およびΔ15
脂肪酸デサチュラーゼ遺伝子およびパルミトイル-ACPチオエステラーゼ遺伝子の
天然プロモーターをはじめとする天然の調節配列を本発明の構築物において用い
てもよい。好適な調節配列のその他の例としてはエンハンサーまたはエンハンサ
ー様エレメント、誘導可能エレメント、イントロンおよびポリA配列などの3'非
コード領域が挙げられる。Δ9、Δ12、もしくはΔ15デサチュラーゼ、およびパ
ルミトイル-ACPチオエステラーゼコードの配列、または飽和脂肪酸生合成に関与
するその他の遺伝子の適当な発現に好適な調節配列のさらなる例が、当技術分野
において公知である。
および共抑制構築物の調製には、該デサチュラーゼまたはチオエステラーゼの遺
伝子の転写配列を含む断片を用いればよい。好適な核酸構築物は、Δ12デサチュ
ラーゼ活性の減少のための、fad2コード配列に機能しうる形で連結された調節配
列を含む。Δ15デサチュラーゼ活性の減少に好適な核酸構築物はfad3コード配列
に機能しうる形で連結された調節配列を含む。調節配列自体は典型的には遺伝子
産物をコードしない。その代わりに、調節配列はコード配列の発現レベルに影響
を及ぼす。当技術分野において公知の調節配列の例としては、限定するものでは
ないが、胚発生の間に発現される遺伝子のプロモーター、例えば、ナピン(napin
)プロモーター、ファゼオリンプロモーター、オレオシンプロモーター、クルシ
フェリン(cruciferin)プロモーターおよびカリフラワーモザイクウイルス35Sプ
ロモーターなどの構成プロモーターが挙げられる。また、Δ9、Δ12およびΔ15
脂肪酸デサチュラーゼ遺伝子およびパルミトイル-ACPチオエステラーゼ遺伝子の
天然プロモーターをはじめとする天然の調節配列を本発明の構築物において用い
てもよい。好適な調節配列のその他の例としてはエンハンサーまたはエンハンサ
ー様エレメント、誘導可能エレメント、イントロンおよびポリA配列などの3'非
コード領域が挙げられる。Δ9、Δ12、もしくはΔ15デサチュラーゼ、およびパ
ルミトイル-ACPチオエステラーゼコードの配列、または飽和脂肪酸生合成に関与
するその他の遺伝子の適当な発現に好適な調節配列のさらなる例が、当技術分野
において公知である。
【0035】 好ましい実施形態では、調節配列は種子特異的であり、すなわち、特定の遺伝
子産物が成長中の種子において選択的に発現され、植物の残りの組織では低レベ
ルで発現されるか、または全く発現されない。種子特異的調節配列は、組換えデ
サチュラーゼコード配列断片の発現を、天然のデサチュラーゼ遺伝子の発現と同
時かまたはわずかに先行する時点で、刺激するかまたは誘導するのが好ましい。
Murphyら, J. Plant Physiol. 135:63-69 (1989)。
子産物が成長中の種子において選択的に発現され、植物の残りの組織では低レベ
ルで発現されるか、または全く発現されない。種子特異的調節配列は、組換えデ
サチュラーゼコード配列断片の発現を、天然のデサチュラーゼ遺伝子の発現と同
時かまたはわずかに先行する時点で、刺激するかまたは誘導するのが好ましい。
Murphyら, J. Plant Physiol. 135:63-69 (1989)。
【0036】 アンチセンスRNAは植物標的遺伝子を組織特異的に阻害するために用いられてい
る。van der Krolら, Biotechniques, 6:958-976 (1988)。アンチセンス阻害に
は、全cDNA配列ならびに部分cDNA配列を用いるものが示されている。Sheehyら,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85:8805-8809 (1988); Cannonら, Plant Mol. Bi
ol., 15:39-47 (1990)。また、3'非コード配列断片および5'コード配列断片がア
ンチセンス阻害において重要な役割を果たし得るという証拠がある。Ch>ngら, P
roc. Natl. Acad. Sci. USA,86:10006-10010 (1989); Cannonら、前掲。アンチ
センス核酸構築物は、少なくとも1個の好適な調節配列にアンチセンス方向に機
能しうる形で連結されたコード配列の部分または全長コード配列を含む。
る。van der Krolら, Biotechniques, 6:958-976 (1988)。アンチセンス阻害に
は、全cDNA配列ならびに部分cDNA配列を用いるものが示されている。Sheehyら,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85:8805-8809 (1988); Cannonら, Plant Mol. Bi
ol., 15:39-47 (1990)。また、3'非コード配列断片および5'コード配列断片がア
ンチセンス阻害において重要な役割を果たし得るという証拠がある。Ch>ngら, P
roc. Natl. Acad. Sci. USA,86:10006-10010 (1989); Cannonら、前掲。アンチ
センス核酸構築物は、少なくとも1個の好適な調節配列にアンチセンス方向に機
能しうる形で連結されたコード配列の部分または全長コード配列を含む。
【0037】 リボザイムを用いて植物の種子オイルにおける脂肪酸レベルの望ましい変化を
引き起こすことができる。Δ12もしくはΔ15デサチュラーゼまたはパルミトイル
-ACPチオエステラーゼmRNA転写物を切断するよう設計されたリボザイム分子を用
いて、Δ12もしくはΔ15デサチュラーゼおよびパルミトイル-ACPチオエステラー
ゼの発現を阻害することができる。部位特異的認識配列でmRNAを切断する種々の
リボザイムを用いてデサチュラーゼmRNAを破壊することができるが、ハンマーヘ
ッドリボザイムが特に有用である。ハンマーヘッドリボザイムは標的mRNAと相補
的塩基対を形成するフランキング領域によって指定された位置でmRNAを切断する
。唯一の必要条件は、標的RNAが5'-UG-3'ヌクレオチド配列を含むことである。
ハンマーヘッドリボザイムの構築および製造は当技術分野では十分に公知である
。例えば、米国特許第5,254,678号参照。ハンマーヘッドリボザイム配列をトラ
ンスファーRNA(tRNA)などの安定なRNAに埋め込み、in vivoでの切断効率を高め
ることができる。Perriman, R.ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 92(13):6175-
6179 (1995); de Feyter, R.およびGaudron, J., Methods in Molecular Biolog
y, 74巻, 43章,「Expressing Ribozymes in plants」,Turner, P.C.編, Humana
Press Inc., Totowa, NJ。テトラヒメナ・サーモフィラ(thermophila)に本来生
じるRNAエンドリボヌクレアーゼ、およびCechと共同研究者によって詳細に記載
されているRNAエンドリボヌクレアーゼも有用である。例えば、米国特許第4,987
,071号参照。
引き起こすことができる。Δ12もしくはΔ15デサチュラーゼまたはパルミトイル
-ACPチオエステラーゼmRNA転写物を切断するよう設計されたリボザイム分子を用
いて、Δ12もしくはΔ15デサチュラーゼおよびパルミトイル-ACPチオエステラー
ゼの発現を阻害することができる。部位特異的認識配列でmRNAを切断する種々の
リボザイムを用いてデサチュラーゼmRNAを破壊することができるが、ハンマーヘ
ッドリボザイムが特に有用である。ハンマーヘッドリボザイムは標的mRNAと相補
的塩基対を形成するフランキング領域によって指定された位置でmRNAを切断する
。唯一の必要条件は、標的RNAが5'-UG-3'ヌクレオチド配列を含むことである。
ハンマーヘッドリボザイムの構築および製造は当技術分野では十分に公知である
。例えば、米国特許第5,254,678号参照。ハンマーヘッドリボザイム配列をトラ
ンスファーRNA(tRNA)などの安定なRNAに埋め込み、in vivoでの切断効率を高め
ることができる。Perriman, R.ら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 92(13):6175-
6179 (1995); de Feyter, R.およびGaudron, J., Methods in Molecular Biolog
y, 74巻, 43章,「Expressing Ribozymes in plants」,Turner, P.C.編, Humana
Press Inc., Totowa, NJ。テトラヒメナ・サーモフィラ(thermophila)に本来生
じるRNAエンドリボヌクレアーゼ、およびCechと共同研究者によって詳細に記載
されているRNAエンドリボヌクレアーゼも有用である。例えば、米国特許第4,987
,071号参照。
【0038】 また、共抑制という現象も、植物標的遺伝子を組織特異的に阻害するために用
いられている。全長cDNA配列ならびに部分cDNA配列を用いる内在性遺伝子の共抑
制が知られている。Napoliら, The Plant Cell, 2:279-289 (1990); van der Kr
olら, The Plant Cell, 2:291-229 (1990); Smithら, Mol. Gen. Genetics, 224
:477-481 (1990)。植物における、例えば、Δ12またはΔ15デサチュラーゼ活性
の共抑制はfad2またはfad3遺伝子の全コード配列または部分コード配列をセンス
方向に発現させることによって達成できる。例えば、WO94/11516および米国特許
第5,850,026号参照。
いられている。全長cDNA配列ならびに部分cDNA配列を用いる内在性遺伝子の共抑
制が知られている。Napoliら, The Plant Cell, 2:279-289 (1990); van der Kr
olら, The Plant Cell, 2:291-229 (1990); Smithら, Mol. Gen. Genetics, 224
:477-481 (1990)。植物における、例えば、Δ12またはΔ15デサチュラーゼ活性
の共抑制はfad2またはfad3遺伝子の全コード配列または部分コード配列をセンス
方向に発現させることによって達成できる。例えば、WO94/11516および米国特許
第5,850,026号参照。
【0039】 デサチュラーゼ、チオエステラーゼまたはシンターゼ発現が非組織特異的に変
化した植物もまた有用であるということが理解されるはずである。かかる植物は
構成プロモーター(例えば、誘導可能プロモーターおよびカリフラワーモザイク
ウイルス35Sプロモーターまたはその変異体)を用いて作出し、適当な酵素のコ
ード配列を発現させることができる。
化した植物もまた有用であるということが理解されるはずである。かかる植物は
構成プロモーター(例えば、誘導可能プロモーターおよびカリフラワーモザイク
ウイルス35Sプロモーターまたはその変異体)を用いて作出し、適当な酵素のコ
ード配列を発現させることができる。
【0040】 また、突然変異誘発を用いてかかる活性を非組織特異的に変化させることもで
きる。例えば、Δ12デサチュラーゼ、Δ15デサチュラーゼ、またはパルミトイル
チオエステラ−ゼをコードする遺伝子、または飽和脂肪酸生合成に関与するその
他の遺伝子の突然変異誘発を用いて、植物において飽和脂肪酸レベルを低下させ
ることができる。例えば、米国特許第5,668,299号参照。突然変異誘発剤を用い
て、種子の集団または再生可能な植物組織内にランダムな遺伝子の突然変異を誘
導することができる。好適な突然変異誘発剤としては、例えば、スルホン酸エチ
ルメタン、メチルN-ニトロソグアニジン、エチジウムブロミド、ジエポキシブタ
ン、X線、UV線および当技術分野で公知のその他の突然変異原が挙げられる。処
理集団またはその集団のその後の世代を、突然変異原に起因するデサチュラーゼ
またはチオエステラーゼの活性の減少に関してスクリーニングする。変異はコー
ド配列、イントロン配列および調節エレメントをはじめとする遺伝子のいずれの
部分にあってもよく、その変異により得られる遺伝子産物が非機能性となるかま
たは低下した活性を有することとなる。好適な種類の突然変異原としては、例え
ば、ヌクレオチドの挿入または欠失、ならびに野生型コード配列における転移ま
たは塩基変換が挙げられる。かかる変異は対応する遺伝子産物においてアミノ酸
の欠失または挿入、および保存性または非保存性のアミノ酸置換をもたらし得る
。
きる。例えば、Δ12デサチュラーゼ、Δ15デサチュラーゼ、またはパルミトイル
チオエステラ−ゼをコードする遺伝子、または飽和脂肪酸生合成に関与するその
他の遺伝子の突然変異誘発を用いて、植物において飽和脂肪酸レベルを低下させ
ることができる。例えば、米国特許第5,668,299号参照。突然変異誘発剤を用い
て、種子の集団または再生可能な植物組織内にランダムな遺伝子の突然変異を誘
導することができる。好適な突然変異誘発剤としては、例えば、スルホン酸エチ
ルメタン、メチルN-ニトロソグアニジン、エチジウムブロミド、ジエポキシブタ
ン、X線、UV線および当技術分野で公知のその他の突然変異原が挙げられる。処
理集団またはその集団のその後の世代を、突然変異原に起因するデサチュラーゼ
またはチオエステラーゼの活性の減少に関してスクリーニングする。変異はコー
ド配列、イントロン配列および調節エレメントをはじめとする遺伝子のいずれの
部分にあってもよく、その変異により得られる遺伝子産物が非機能性となるかま
たは低下した活性を有することとなる。好適な種類の突然変異原としては、例え
ば、ヌクレオチドの挿入または欠失、ならびに野生型コード配列における転移ま
たは塩基変換が挙げられる。かかる変異は対応する遺伝子産物においてアミノ酸
の欠失または挿入、および保存性または非保存性のアミノ酸置換をもたらし得る
。
【0041】 変異Δ12およびΔ15デサチュラーゼ遺伝子の例がWO97/21340に見出される。デ
サチュラーゼ活性の減少またはチオエステラーゼ活性の減少のいずれかを示す植
物を用いて、慣例の育種技術により、少なくとも約50%のEOE含有量を有する種子
を産生する植物系統を作出することができる。前記に記載のように、遺伝子工学
、突然変異誘発またはその組み合わせによって、オレイン酸およびエルカ酸含有
量を増加させることができる。例えば、fad2-dおよびfad2-f遺伝子に変異を有す
る高オレイン酸Q4275キャノーラ植物系統を、米国特許第5,850,026号の植物など
の高オレイン酸および低リノレン酸特性を有する植物系統と交配させることがで
きる。次いで、この交配から得られる選択された植物を高エルカ酸含有系統と交
配させることができる。好適な高エルカ酸ナタネ系統としては、例えば、ヒーロ
(Hero)(HE101、HEC01)、マーキュリー(Mercury)、ビーナス(Venus)、ネプチュ
ーン(Neptune)またはS89-3673が挙げられ、約45%またはそれ以上のエルカ酸を有
する。McVetty, P.B.E.ら, Can. J. Plant Sci., 76(2):341-342 (1996); Scart
h, R.ら, Can. J. Plant Sci. 75(1):205-206 (1995);およびMcVetty, P.B.E.ら
, Can. J. Plant Sci., 76(2):343-344 (1996)。用いることができる、さらなる
高エルカ酸ナタネ系統としては、ドラフトエセックス(Dwarf Essex)、ブリッジ
ャー(Bridger)、レストン(Reston)およびR-500と称される系統が挙げられる。好
適な高オレイン酸および低リノレン酸ナタネ系統としては、例えば、トランスジ
ェニック系統048X068および663-40が挙げられる。系統663-40は、リノレン酸デ
サチュラーゼ遺伝子に連結されたナピンプロモーターを含む導入遺伝子を用いる
共抑制事象によってもたらされる。系統048X058は663-40導入遺伝子ならびにオ
レイン酸デサチュラーゼ遺伝子に連結されたオレオシンプロモーターを含む導入
遺伝子の導入に起因する第2の共抑制事象を含む。
サチュラーゼ活性の減少またはチオエステラーゼ活性の減少のいずれかを示す植
物を用いて、慣例の育種技術により、少なくとも約50%のEOE含有量を有する種子
を産生する植物系統を作出することができる。前記に記載のように、遺伝子工学
、突然変異誘発またはその組み合わせによって、オレイン酸およびエルカ酸含有
量を増加させることができる。例えば、fad2-dおよびfad2-f遺伝子に変異を有す
る高オレイン酸Q4275キャノーラ植物系統を、米国特許第5,850,026号の植物など
の高オレイン酸および低リノレン酸特性を有する植物系統と交配させることがで
きる。次いで、この交配から得られる選択された植物を高エルカ酸含有系統と交
配させることができる。好適な高エルカ酸ナタネ系統としては、例えば、ヒーロ
(Hero)(HE101、HEC01)、マーキュリー(Mercury)、ビーナス(Venus)、ネプチュ
ーン(Neptune)またはS89-3673が挙げられ、約45%またはそれ以上のエルカ酸を有
する。McVetty, P.B.E.ら, Can. J. Plant Sci., 76(2):341-342 (1996); Scart
h, R.ら, Can. J. Plant Sci. 75(1):205-206 (1995);およびMcVetty, P.B.E.ら
, Can. J. Plant Sci., 76(2):343-344 (1996)。用いることができる、さらなる
高エルカ酸ナタネ系統としては、ドラフトエセックス(Dwarf Essex)、ブリッジ
ャー(Bridger)、レストン(Reston)およびR-500と称される系統が挙げられる。好
適な高オレイン酸および低リノレン酸ナタネ系統としては、例えば、トランスジ
ェニック系統048X068および663-40が挙げられる。系統663-40は、リノレン酸デ
サチュラーゼ遺伝子に連結されたナピンプロモーターを含む導入遺伝子を用いる
共抑制事象によってもたらされる。系統048X058は663-40導入遺伝子ならびにオ
レイン酸デサチュラーゼ遺伝子に連結されたオレオシンプロモーターを含む導入
遺伝子の導入に起因する第2の共抑制事象を含む。
【0042】 少なくとも50%のEOE含有量を有するオイルの特性決定 少なくとも約50%のEOE含有量を有するオイルは酸化に対する安定性が高くかつ
優れた低温特性を有する。特定の機構に拘束されるものではないが、大部分のト
リアシルグリセロールにおいて、モノ不飽和含有率が高いことおよび脂肪酸の鎖
長が異なることが、トリアシルグリセロールの規則的なパッキングを妨げると考
えられている。末端メチル基により分子容量に不一致が生じ、ファンデルワール
ス相互作用を減少させる。エルカ酸とオレイン酸とで単一の二重結合の位置が異
なること(それぞれ炭素13-14間および炭素9-10間)もパッキングを妨害し、隣
接する鎖間のπ-π電子相互作用を減少させると考えられている。
優れた低温特性を有する。特定の機構に拘束されるものではないが、大部分のト
リアシルグリセロールにおいて、モノ不飽和含有率が高いことおよび脂肪酸の鎖
長が異なることが、トリアシルグリセロールの規則的なパッキングを妨げると考
えられている。末端メチル基により分子容量に不一致が生じ、ファンデルワール
ス相互作用を減少させる。エルカ酸とオレイン酸とで単一の二重結合の位置が異
なること(それぞれ炭素13-14間および炭素9-10間)もパッキングを妨害し、隣
接する鎖間のπ-π電子相互作用を減少させると考えられている。
【0043】 少なくとも50%のEOE含有量を有するオイルの酸化安定性はその他の植物油より
も高い。酸化安定性はオイルの不飽和度に関係しており、例えば、AOCS公式方法
Cd 12b-92(1993年に改定された)に従って酸化安定性指数機器、Omnion, Inc.,
Rockland, MAを用いて測定できる。酸化安定性は「AOM」時間という用語で表現
されることが多い。例えば、少なくとも約50%のEOE含有量を有するオイルの酸化
安定性は、添加される酸化防止剤の不在下で60AOM時間〜約120AOM時間、または
約80AOM時間〜約120AOM時間であり得る。特定の実施形態では、オイルは添加さ
れる酸化防止剤の不在下で約84AOM時間の酸化安定性を有する。それに対してHEA
Rおよびダイズオイルは、添加される酸化防止剤の不在下で、それぞれ約10およ
び16AOM時間の酸化安定性を有する。合成EOEは植物材料に認められる天然のトコ
フェロールまたはその他の酸化防止剤を全く含まない。植物によって産生された
EOEは植物オイル中のEOEのパーセンテージに依存してさらに高い酸化安定性を有
し得る。
も高い。酸化安定性はオイルの不飽和度に関係しており、例えば、AOCS公式方法
Cd 12b-92(1993年に改定された)に従って酸化安定性指数機器、Omnion, Inc.,
Rockland, MAを用いて測定できる。酸化安定性は「AOM」時間という用語で表現
されることが多い。例えば、少なくとも約50%のEOE含有量を有するオイルの酸化
安定性は、添加される酸化防止剤の不在下で60AOM時間〜約120AOM時間、または
約80AOM時間〜約120AOM時間であり得る。特定の実施形態では、オイルは添加さ
れる酸化防止剤の不在下で約84AOM時間の酸化安定性を有する。それに対してHEA
Rおよびダイズオイルは、添加される酸化防止剤の不在下で、それぞれ約10およ
び16AOM時間の酸化安定性を有する。合成EOEは植物材料に認められる天然のトコ
フェロールまたはその他の酸化防止剤を全く含まない。植物によって産生された
EOEは植物オイル中のEOEのパーセンテージに依存してさらに高い酸化安定性を有
し得る。
【0044】 酸化防止剤の存在下では、少なくとも50%のEOE含有量を有するオイルの酸化安
定性は約250〜約600AOM時間である。酸化安定性は約380AOM時間〜約570AOM時間
であることが好ましい。ジチオリン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸メチル、ヒンダ
ードフェノール、硫化フェノール、硫化フェノール金属、サリチル酸金属、芳香
族アミン、ホスホ硫化脂肪およびオレフィン、硫化オレフィン、硫化脂肪および
脂肪誘導体、硫化パラフィン、硫化カルボン酸、ジサリチラル-1,2-プロパンジ
アミン、2,4-ビス(アルキルジチオ-1,3,4-チアジアゾール)およびジラウリル
セレニドなどの酸化防止剤が使用に好適である。酸化防止剤は典型的には組成物
の重量に対して約0.001%〜約5%の量で存在する。特定の実施形態では、tert-ブ
チルヒドロキノン(TBHQ)、Lubrizol製品番号OS-121056F、またはDover Chemical
Corporation(Ohio)製のDovernox酸化防止剤などの酸化防止剤を加え、それらは
約0.001%〜約3%の量で存在する。
定性は約250〜約600AOM時間である。酸化安定性は約380AOM時間〜約570AOM時間
であることが好ましい。ジチオリン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸メチル、ヒンダ
ードフェノール、硫化フェノール、硫化フェノール金属、サリチル酸金属、芳香
族アミン、ホスホ硫化脂肪およびオレフィン、硫化オレフィン、硫化脂肪および
脂肪誘導体、硫化パラフィン、硫化カルボン酸、ジサリチラル-1,2-プロパンジ
アミン、2,4-ビス(アルキルジチオ-1,3,4-チアジアゾール)およびジラウリル
セレニドなどの酸化防止剤が使用に好適である。酸化防止剤は典型的には組成物
の重量に対して約0.001%〜約5%の量で存在する。特定の実施形態では、tert-ブ
チルヒドロキノン(TBHQ)、Lubrizol製品番号OS-121056F、またはDover Chemical
Corporation(Ohio)製のDovernox酸化防止剤などの酸化防止剤を加え、それらは
約0.001%〜約3%の量で存在する。
【0045】 全TAG組成物に対して少なくとも50%のEOE含有量を有するオイルは優れた低温
粘性特性を有している。-5℃で、粘性は約440センチポイズ(cP)であり、トリメ
チルプロパントリオレエート(TMPTO)に匹敵する。対照的に、商品名66Hおよび71
S(Lubrizol, Wickliffe, OH)で販売されている石油ベースのオイルは、-5℃で66
0〜1565cPの粘性を有する。ハマナ属オイルは-5℃で約1300cPの粘性を有する。
少なくとも50%のEOE含有量を有するオイルは約208の粘性指数値を有する。粘性
指数は、温度による粘性変化に対する潤滑油の耐性を示す任意数であり、材料試
験協会(ASTM)標準法D2270-91を用いて容易に測定される。粘性指数は40℃および
100℃で観察される潤滑油の動粘性率から算出することができ、粘性指数値は典
型的には0〜200を超える値にまで及ぶ。動粘性率値は試験法D445、IP 71またはI
SO 3104によって測定することができる。より高い粘性指数値はオイルの粘性が
温度の変化によってあまり変化しないということを示す。換言すれば、粘性指数
が高いほど、低温での増粘および高温での希薄化に対する潤滑油の耐性が高い。
トリアシルグリセロールは典型的には炭化水素オイルのものよりも高い粘性指数
値を有し、すなわち、トリアシルグリセロールは温度変化による粘性変化がより
小さい。少なくとも約50%のEOE含有量を有するオイルの粘性指数は、HEAR、IMC-
6QカノーラおよびTMPTOなどのオイルに匹敵し、鉱物油の粘性指数よりもかなり
優れている。
粘性特性を有している。-5℃で、粘性は約440センチポイズ(cP)であり、トリメ
チルプロパントリオレエート(TMPTO)に匹敵する。対照的に、商品名66Hおよび71
S(Lubrizol, Wickliffe, OH)で販売されている石油ベースのオイルは、-5℃で66
0〜1565cPの粘性を有する。ハマナ属オイルは-5℃で約1300cPの粘性を有する。
少なくとも50%のEOE含有量を有するオイルは約208の粘性指数値を有する。粘性
指数は、温度による粘性変化に対する潤滑油の耐性を示す任意数であり、材料試
験協会(ASTM)標準法D2270-91を用いて容易に測定される。粘性指数は40℃および
100℃で観察される潤滑油の動粘性率から算出することができ、粘性指数値は典
型的には0〜200を超える値にまで及ぶ。動粘性率値は試験法D445、IP 71またはI
SO 3104によって測定することができる。より高い粘性指数値はオイルの粘性が
温度の変化によってあまり変化しないということを示す。換言すれば、粘性指数
が高いほど、低温での増粘および高温での希薄化に対する潤滑油の耐性が高い。
トリアシルグリセロールは典型的には炭化水素オイルのものよりも高い粘性指数
値を有し、すなわち、トリアシルグリセロールは温度変化による粘性変化がより
小さい。少なくとも約50%のEOE含有量を有するオイルの粘性指数は、HEAR、IMC-
6QカノーラおよびTMPTOなどのオイルに匹敵し、鉱物油の粘性指数よりもかなり
優れている。
【0046】 少なくとも約50%のEOE含有量を有するオイルは、ヨウ素値(IV)が同等のその他
の植物油よりも低い流動点を有する。流動点とは冷却した場合にオイルが流動す
る最低温度であり、典型的にはASTM標準法D 97を用いて測定される。少なくとも
約50%のEOE含有量を有するオイルの流動点は約0℃〜約-30℃であり得る。
の植物油よりも低い流動点を有する。流動点とは冷却した場合にオイルが流動す
る最低温度であり、典型的にはASTM標準法D 97を用いて測定される。少なくとも
約50%のEOE含有量を有するオイルの流動点は約0℃〜約-30℃であり得る。
【0047】 驚くべきことに、少なくとも約50%のEOE含有量を有するオイルは室温で液体で
あり、約6℃またはそれ未満の融点を有する。EOEは不飽和脂肪酸を含むトリアシ
ルグリセロールにおいてありうる最低の不飽和度を含み、ありうる最低のIV(73.
3)を有する。少なくとも約50%のEOE含有量を有するオイルの室温での流動性は
部分的には前記で論じられたようなTAGの充填性質によるものであり得る。EOEの
脂肪酸部分は多様な鎖長を有し、異なる位置に二重結合を有する。それに対して
、トリエルコイルグリセロール(EEE)は脂肪酸鎖の同一の位置に二重結合を含む
グリセロールにエステル化された3個のエルカ酸部分を有し、室温で固体である
(約35℃の融点)。
あり、約6℃またはそれ未満の融点を有する。EOEは不飽和脂肪酸を含むトリアシ
ルグリセロールにおいてありうる最低の不飽和度を含み、ありうる最低のIV(73.
3)を有する。少なくとも約50%のEOE含有量を有するオイルの室温での流動性は
部分的には前記で論じられたようなTAGの充填性質によるものであり得る。EOEの
脂肪酸部分は多様な鎖長を有し、異なる位置に二重結合を有する。それに対して
、トリエルコイルグリセロール(EEE)は脂肪酸鎖の同一の位置に二重結合を含む
グリセロールにエステル化された3個のエルカ酸部分を有し、室温で固体である
(約35℃の融点)。
【0048】オイル組成物 本発明はまた高酸化安定性を有するオイル組成物を特徴とする。かかる組成物
としては植物油および植物油の酸化安定性を高めるのに有効な量のEOEが挙げら
れる。限定するものではない、好適な植物油の例としては、パーム、ココナッツ
、コーン、ダイズ、ヒマワリおよび菜種(カノーラをはじめとする)オイルが挙
げられる。合成EOEまたは全トリアシルグリセロール組成物に対して少なくとも
約50%のEOE含有量を有するオイルを植物油に添加することができる。典型的には
、植物油の酸化安定性を約10%〜約90%のEOEの添加によって高めることができる
。約40%〜約60%のEOEを植物油に添加できるのがより好ましい。例えば、50%の合
成EOEのIMC130オイル、すなわち、中程度オレイン酸カノーラオイルへの添加に
より植物油の酸化安定性が約38から約87AOM時間へと高まり得る。
としては植物油および植物油の酸化安定性を高めるのに有効な量のEOEが挙げら
れる。限定するものではない、好適な植物油の例としては、パーム、ココナッツ
、コーン、ダイズ、ヒマワリおよび菜種(カノーラをはじめとする)オイルが挙
げられる。合成EOEまたは全トリアシルグリセロール組成物に対して少なくとも
約50%のEOE含有量を有するオイルを植物油に添加することができる。典型的には
、植物油の酸化安定性を約10%〜約90%のEOEの添加によって高めることができる
。約40%〜約60%のEOEを植物油に添加できるのがより好ましい。例えば、50%の合
成EOEのIMC130オイル、すなわち、中程度オレイン酸カノーラオイルへの添加に
より植物油の酸化安定性が約38から約87AOM時間へと高まり得る。
【0049】 本発明はまた全トリアシルグリセロール組成物に対して少なくとも約50%のEOE
含有量を有するオイルと添加剤とを含むオイル組成物を特徴とする。例えば、1
種以上の添加剤を全トリアシルグリセロール組成物に対して少なくとも約50%のE
OE含有量を有するオイルに添加することによって、本発明のオイルをエンジン潤
滑油または油圧液などの工業用途用に調合することができる。例えば、ディーゼ
ルエンジンのトランスミッション液を作製でき、これは酸化防止剤、消泡添加剤
、摩耗防止添加剤、腐食抑制剤、分散剤、洗浄剤、および酸中和剤、またはそれ
らの組み合わせを含む。油圧オイル組成物は酸化防止剤、腐食防止添加剤、摩耗
防止添加剤、流動点降下剤、粘性指数改良剤および消泡添加剤またはそれらの組
み合わせを含み得る。特定のオイル組成物はオイルの最終的な使用に依存してさ
まざまであろうが、標準的な技術を用いて評価することができる。典型的には添
加剤は組成物の重量に対して総計約0.01%〜約20%となる量で存在する。
含有量を有するオイルと添加剤とを含むオイル組成物を特徴とする。例えば、1
種以上の添加剤を全トリアシルグリセロール組成物に対して少なくとも約50%のE
OE含有量を有するオイルに添加することによって、本発明のオイルをエンジン潤
滑油または油圧液などの工業用途用に調合することができる。例えば、ディーゼ
ルエンジンのトランスミッション液を作製でき、これは酸化防止剤、消泡添加剤
、摩耗防止添加剤、腐食抑制剤、分散剤、洗浄剤、および酸中和剤、またはそれ
らの組み合わせを含む。油圧オイル組成物は酸化防止剤、腐食防止添加剤、摩耗
防止添加剤、流動点降下剤、粘性指数改良剤および消泡添加剤またはそれらの組
み合わせを含み得る。特定のオイル組成物はオイルの最終的な使用に依存してさ
まざまであろうが、標準的な技術を用いて評価することができる。典型的には添
加剤は組成物の重量に対して総計約0.01%〜約20%となる量で存在する。
【0050】 典型的な酸化防止剤としてはジチオリン酸亜鉛、ジチオカルバミン酸メチル、
ヒンダードフェノール、硫化フェノール、硫化フェノール金属、サリチル酸金属
、芳香族アミン、ホスホ硫化脂肪およびオレフィン、硫化オレフィン、硫化脂肪
および脂肪誘導体、硫化パラフィン、硫化カルボン酸、ジサリチラル-1,2-プロ
パンジアミン、2,4-ビス(アルキルジチオ-1,3,4-チアジアゾール)およびジラ
ウリルセレニドが挙げられる。TBHQおよびLubrizol製品番号OS-121056Fは特に有
用な酸化防止剤であり、典型的には組成物の重量に対して約0.01%〜約5%の量で
存在する。特定の実施形態では、約0.01%〜約3%の酸化防止剤を本発明のオイル
に添加する。その他の酸化防止剤に関しては米国特許第5,451,334号を参照のこ
と。
ヒンダードフェノール、硫化フェノール、硫化フェノール金属、サリチル酸金属
、芳香族アミン、ホスホ硫化脂肪およびオレフィン、硫化オレフィン、硫化脂肪
および脂肪誘導体、硫化パラフィン、硫化カルボン酸、ジサリチラル-1,2-プロ
パンジアミン、2,4-ビス(アルキルジチオ-1,3,4-チアジアゾール)およびジラ
ウリルセレニドが挙げられる。TBHQおよびLubrizol製品番号OS-121056Fは特に有
用な酸化防止剤であり、典型的には組成物の重量に対して約0.01%〜約5%の量で
存在する。特定の実施形態では、約0.01%〜約3%の酸化防止剤を本発明のオイル
に添加する。その他の酸化防止剤に関しては米国特許第5,451,334号を参照のこ
と。
【0051】 腐食防止剤は腐食に対して表面を保護するもので、これにはアルキルコハク酸
型の有機酸およびそれらの誘導体、アルキルチオ酢酸およびそれらの誘導体、有
機アミン、有機リン酸、多価アルコールならびにスルホン酸ナトリウムおよびカ
ルシウムが挙げられる。摩耗防止添加剤は金属に吸着し、金属対金属の接触を減
少させるフィルムを提供する。一般に、摩耗防止添加剤としてはジアルキルジチ
オリン酸亜鉛、リン酸トリクレシル、亜リン酸ジドデシル、硫化鯨油、硫化テル
ペンおよびジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛が挙げられ、約0.05%〜約4.5%の
量で用いられる。
型の有機酸およびそれらの誘導体、アルキルチオ酢酸およびそれらの誘導体、有
機アミン、有機リン酸、多価アルコールならびにスルホン酸ナトリウムおよびカ
ルシウムが挙げられる。摩耗防止添加剤は金属に吸着し、金属対金属の接触を減
少させるフィルムを提供する。一般に、摩耗防止添加剤としてはジアルキルジチ
オリン酸亜鉛、リン酸トリクレシル、亜リン酸ジドデシル、硫化鯨油、硫化テル
ペンおよびジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛が挙げられ、約0.05%〜約4.5%の
量で用いられる。
【0052】 腐食抑制剤としてはジチオリン酸塩、特にジチオリン酸亜鉛、スルホン酸金属
、硫化石炭酸金属、脂肪酸、酸性リン酸エステル、およびアルキルコハク酸が挙
げられる。
、硫化石炭酸金属、脂肪酸、酸性リン酸エステル、およびアルキルコハク酸が挙
げられる。
【0053】 流動点降下剤はオイル組成物が改変されていない潤滑油の流動点以下で流動す
ることを可能にする。一般的な流動点降下剤としてはポリメタクリレート、アル
キル化ナフタレン重合体ワックス、アルキル化フェノール重合体ワックスおよび
塩素化重合体が挙げられ、これらは約1%以下の量で存在する。例えば、米国特許
第5,451,334号および同第5,413,725号を参照のこと。粘性指数は、例えば、ポリ
イソブチレン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、エチレンプロピレン共
重合体、スチレンイソプレン共重合体、スチレンブタジエン共重合体およびスチ
レンマレイン酸エステル共重合体を添加することで高めることができる。
ることを可能にする。一般的な流動点降下剤としてはポリメタクリレート、アル
キル化ナフタレン重合体ワックス、アルキル化フェノール重合体ワックスおよび
塩素化重合体が挙げられ、これらは約1%以下の量で存在する。例えば、米国特許
第5,451,334号および同第5,413,725号を参照のこと。粘性指数は、例えば、ポリ
イソブチレン、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、エチレンプロピレン共
重合体、スチレンイソプレン共重合体、スチレンブタジエン共重合体およびスチ
レンマレイン酸エステル共重合体を添加することで高めることができる。
【0054】 消泡添加剤は安定な表面泡沫の形成を減少させるかまたは妨げるもので、典型
的には約0.00003%〜約0.05%の量で存在する。ポリメチルシロキサン、ポリメタ
クリレート、アルキレンジチオリン酸の塩、アミルアクリレートテロマーおよび
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-エチルアクリレートは限定するもので
はない消泡添加剤の例である。
的には約0.00003%〜約0.05%の量で存在する。ポリメチルシロキサン、ポリメタ
クリレート、アルキレンジチオリン酸の塩、アミルアクリレートテロマーおよび
ポリ(2-エチルヘキシルアクリレート-co-エチルアクリレートは限定するもので
はない消泡添加剤の例である。
【0055】 洗浄剤および分散剤は極性物質であり、洗浄作用をもたらす。洗浄剤としては
スルホン酸金属、サリチル酸金属およびチオホスホン酸金属が挙げられる。分散
剤としてはポリアミンスクシンイミド、ヒドロキシベンジルポリアミン、ポリア
ミンスクシンアミド、ポリヒドロキシコハク酸エステルおよびポリアミンアミド
イミダゾリンが挙げられる。
スルホン酸金属、サリチル酸金属およびチオホスホン酸金属が挙げられる。分散
剤としてはポリアミンスクシンイミド、ヒドロキシベンジルポリアミン、ポリア
ミンスクシンアミド、ポリヒドロキシコハク酸エステルおよびポリアミンアミド
イミダゾリンが挙げられる。
【0056】 以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、特許請求の範囲に記載の本
発明の範囲を限定するものではない。
発明の範囲を限定するものではない。
【0057】実施例 実施例1-EOEの合成: 1,3-ジヒドロキシアセトン二量体、97%、4-ジメチルアミノピリジン、99%、ジ
シクロヘキシルカルボジイミド、99%、ホウ化水素ナトリウム、99%および無水四
塩化炭素(CCl4)、ゴールドラベル、はAldrich(Milwaukee, WI)から入手した。エ
ルカ酸、86%はEdenor(Hankel Corp., Dusseldorf, Germany)から入手し、後に95
%まで精製した。オレイン酸、97%はSigma Chemical Company(St. Louis, MO)か
ら入手した。蒸留テトラヒドロフラン(THF)はFisher Scientific(Pittsburgh,
PA)から入手した。
シクロヘキシルカルボジイミド、99%、ホウ化水素ナトリウム、99%および無水四
塩化炭素(CCl4)、ゴールドラベル、はAldrich(Milwaukee, WI)から入手した。エ
ルカ酸、86%はEdenor(Hankel Corp., Dusseldorf, Germany)から入手し、後に95
%まで精製した。オレイン酸、97%はSigma Chemical Company(St. Louis, MO)か
ら入手した。蒸留テトラヒドロフラン(THF)はFisher Scientific(Pittsburgh,
PA)から入手した。
【0058】 第1工程では、1,3-ジエルコイルプロパノンを合成した。300mlのCCl4に約0.14
1モルの1,3-ジヒドロキシアセトン(12.67g、1当量)を加え、0.282モルの4-ジメ
チルアミノピリジン(34.35g、2当量)および0.296モルのエルカ酸(100.21g、2.1
当量)と混合した。この混合物を攪拌しながら全ての成分が溶解するまで約50℃
までゆっくり加熱した。
1モルの1,3-ジヒドロキシアセトン(12.67g、1当量)を加え、0.282モルの4-ジメ
チルアミノピリジン(34.35g、2当量)および0.296モルのエルカ酸(100.21g、2.1
当量)と混合した。この混合物を攪拌しながら全ての成分が溶解するまで約50℃
までゆっくり加熱した。
【0059】 150mlのCCl4に63.81gのDCC(0.31モル、2.2当量)を加えることによって1,1'ジ
シクロヘキシルカルボジイミド(DCC)溶液を作製し、添加漏斗により30分間にわ
たって前記の反応物に滴下しって加えた。Spectra-Tech製の60°ATR付属品を備
えたNicollet FT-IR 5DXC分光光度計を用いてIR分光法によって反応をモニター
した。約1mlの反応混合物をATRセルに加えることによってスペクトルを得た。典
型的には、先に得られたバックグラウンドスペクトルに対して約10スキャンをま
とめて平均する。エステルカルボニル領域に変化が認められない場合に反応物を
完全であると判断した。
シクロヘキシルカルボジイミド(DCC)溶液を作製し、添加漏斗により30分間にわ
たって前記の反応物に滴下しって加えた。Spectra-Tech製の60°ATR付属品を備
えたNicollet FT-IR 5DXC分光光度計を用いてIR分光法によって反応をモニター
した。約1mlの反応混合物をATRセルに加えることによってスペクトルを得た。典
型的には、先に得られたバックグラウンドスペクトルに対して約10スキャンをま
とめて平均する。エステルカルボニル領域に変化が認められない場合に反応物を
完全であると判断した。
【0060】 沈殿したジシクロヘキシル尿素を真空濾過によって除去した。rotovap中でCCl 4 を蒸発させた後、黒褐色のペーストが得られた。このペーストを約1リットルの
熱イソプロパノールを攪拌しながら添加することにより溶解した。イソプロパノ
ールを一晩室温で放置し、結晶化させ、次いで、濾過し、冷(-5℃)イソプロパノ
ールで洗浄することによって1,3ジエルコイルプロパノンの結晶を得た。生成物
を真空オーブンで乾燥させた。収率は約35%〜約60%の範囲にわたり、典型的には
約44%または43gであった。
熱イソプロパノールを攪拌しながら添加することにより溶解した。イソプロパノ
ールを一晩室温で放置し、結晶化させ、次いで、濾過し、冷(-5℃)イソプロパノ
ールで洗浄することによって1,3ジエルコイルプロパノンの結晶を得た。生成物
を真空オーブンで乾燥させた。収率は約35%〜約60%の範囲にわたり、典型的には
約44%または43gであった。
【0061】 次の工程では、150mlのTHFと10mlの水に10グラムの1,3-ジエルコイルプロパノ
ンを溶解し、5℃まで冷却することによって1,3-ジエルコイルプロパノールを合
成した。1グラムのホウ化水素ナトリウムを少量ずつ添加した後、反応を前記の
ようにIR分光法によってモニターした。pH試験紙で判断して混合物のpHが7近く
になるまで酢酸を滴下することによって、約30分後、過剰のホウ化水素ナトリウ
ムが崩壊した。混合物に約300mlのイソプロピルエーテルを加え、次いで、50ml
の水で3回洗浄した。混合物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、次いで、それを
濾去する。溶媒を蒸発させて、1,3-ジエルコイルプロパノールを得た。収率は約
90%〜約95%であった。
ンを溶解し、5℃まで冷却することによって1,3-ジエルコイルプロパノールを合
成した。1グラムのホウ化水素ナトリウムを少量ずつ添加した後、反応を前記の
ようにIR分光法によってモニターした。pH試験紙で判断して混合物のpHが7近く
になるまで酢酸を滴下することによって、約30分後、過剰のホウ化水素ナトリウ
ムが崩壊した。混合物に約300mlのイソプロピルエーテルを加え、次いで、50ml
の水で3回洗浄した。混合物を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、次いで、それを
濾去する。溶媒を蒸発させて、1,3-ジエルコイルプロパノールを得た。収率は約
90%〜約95%であった。
【0062】 最終産物であるEOEは以下の手順によって合成した。150mlのCCl4に10gの1,3-
ジエルコイルプロパノール(0.015モル、1.1当量)を溶解することによって1,3-
ジエルコイルプロパノール溶液を調製した。この1,3-ジエルコイルプロパノール
溶液に約0.015モルのオレイン酸(4.24g、1.1当量)および1.65gの4-ジメチルアミ
ノピリジン(0.014モル、1当量)を加えた。15mlのCCl4に6.16gのDCC(0.03モル
、1.2当量)加えることによってDCCの溶液を調製し、10分間にわたって反応混合
物に滴下した。IR分光法によって反応をモニターし、ヒドロキシルピークの消失
によって完全と判断した。反応が完全であった場合には、沈殿したジシクロヘキ
シルカルボ尿素を濾去し、溶媒を蒸発させた。カラムクロマトグラフィーを用い
て最終産物を精製した。ガラスカラム(12インチ×2.25インチ、Ace Glass)にヘ
キサンとDavisil 646 シリカゲルのスラリーを充填した。次いで、カラムの上部
に取り付けた添加漏斗を用いて約20グラムの生成物をシリカにアプライした。サ
ンプルをヘキサンで溶出し、回転蒸発によって乾燥させた。最終工程の収率は約
80%であった。全体の収率は約35%〜約40%であった。種々の代替的合成および生
合成法を用いて全体の収率を高めることができるであろうと考えられる。
ジエルコイルプロパノール(0.015モル、1.1当量)を溶解することによって1,3-
ジエルコイルプロパノール溶液を調製した。この1,3-ジエルコイルプロパノール
溶液に約0.015モルのオレイン酸(4.24g、1.1当量)および1.65gの4-ジメチルアミ
ノピリジン(0.014モル、1当量)を加えた。15mlのCCl4に6.16gのDCC(0.03モル
、1.2当量)加えることによってDCCの溶液を調製し、10分間にわたって反応混合
物に滴下した。IR分光法によって反応をモニターし、ヒドロキシルピークの消失
によって完全と判断した。反応が完全であった場合には、沈殿したジシクロヘキ
シルカルボ尿素を濾去し、溶媒を蒸発させた。カラムクロマトグラフィーを用い
て最終産物を精製した。ガラスカラム(12インチ×2.25インチ、Ace Glass)にヘ
キサンとDavisil 646 シリカゲルのスラリーを充填した。次いで、カラムの上部
に取り付けた添加漏斗を用いて約20グラムの生成物をシリカにアプライした。サ
ンプルをヘキサンで溶出し、回転蒸発によって乾燥させた。最終工程の収率は約
80%であった。全体の収率は約35%〜約40%であった。種々の代替的合成および生
合成法を用いて全体の収率を高めることができるであろうと考えられる。
【0063】実施例2-EOEの特性決定: 合成で製造したEOEの融点、結晶化の開始点、酸化安定性および粘性をIMC-130、
IMC-6Q、ダイズ、66Hおよび81S(Lubrizolより入手した、石油ベース炭化水素オ
イル(National Sun Industries, Cenderlin, ND))、TMPTO(Mobil)、低エルカ酸
菜種(LEAR)、ハマナ属、IMC/EOE、ダイズ/EOE、トリオレオイルグリセロール(Si
gma)、EEE、およびHEARオイルと比較した。IMC-130、IMC-6Q、ダイズ(精製され
、漂白され、さらに脱臭された)、LEAR、およびHEARオイルはCargill, Inc.か
ら入手した。トリオレオイルグリセロール(OOO)は、EOEに関する前記のように、
DMAPおよびDCCの存在下で3分子のエルカ酸を1分子のグリセロールに対しエステ
ル化することによって製造したが、OOOはSigmaから市販もされている。これらの
オイルの脂肪酸組成を表1に要約した。IMC130/EOEおよびダイズ/EOEは50%の合成
EOEと50%の植物油の混合物である。
IMC-6Q、ダイズ、66Hおよび81S(Lubrizolより入手した、石油ベース炭化水素オ
イル(National Sun Industries, Cenderlin, ND))、TMPTO(Mobil)、低エルカ酸
菜種(LEAR)、ハマナ属、IMC/EOE、ダイズ/EOE、トリオレオイルグリセロール(Si
gma)、EEE、およびHEARオイルと比較した。IMC-130、IMC-6Q、ダイズ(精製され
、漂白され、さらに脱臭された)、LEAR、およびHEARオイルはCargill, Inc.か
ら入手した。トリオレオイルグリセロール(OOO)は、EOEに関する前記のように、
DMAPおよびDCCの存在下で3分子のエルカ酸を1分子のグリセロールに対しエステ
ル化することによって製造したが、OOOはSigmaから市販もされている。これらの
オイルの脂肪酸組成を表1に要約した。IMC130/EOEおよびダイズ/EOEは50%の合成
EOEと50%の植物油の混合物である。
【0064】
【表1】
【0065】 結晶化の開始点はパーキンエルマーモデル7示差走査熱量計で示差走査熱量測
定(DSC)を用いて測定した。7-12mgのサンプルをサンプル皿に入れ、密閉し、オ
ートサンプラーに入れた。サンプルを1分あたり50℃の速度で最初の温度30℃か
ら最終温度75℃まで加熱し、この温度で10分間維持して皿の中の物質が溶解して
平らに広がるようにした。サンプルを1分あたり5℃の速度で-30℃まで冷却し、1
5分間平衡化した後、最終DSCスキャンを1分あたり5℃の速度で-30℃から75℃ま
で記録した。
定(DSC)を用いて測定した。7-12mgのサンプルをサンプル皿に入れ、密閉し、オ
ートサンプラーに入れた。サンプルを1分あたり50℃の速度で最初の温度30℃か
ら最終温度75℃まで加熱し、この温度で10分間維持して皿の中の物質が溶解して
平らに広がるようにした。サンプルを1分あたり5℃の速度で-30℃まで冷却し、1
5分間平衡化した後、最終DSCスキャンを1分あたり5℃の速度で-30℃から75℃ま
で記録した。
【0066】 粘性はサイズ18スピンドルを備えたブロックフィールドモデルDV-II粘度計お
よび標準的な方法論を用いて-5℃から100℃までの温度で測定した。Fisher Scie
ntific 循環水浴槽モデル910を用いて、試験されているオイルの温度を制御した
。各オイルの粘度対温度比は粘性指数によって特徴づけられ、ASTM標準法D2270-
91の手順Bを用いて算出した。
よび標準的な方法論を用いて-5℃から100℃までの温度で測定した。Fisher Scie
ntific 循環水浴槽モデル910を用いて、試験されているオイルの温度を制御した
。各オイルの粘度対温度比は粘性指数によって特徴づけられ、ASTM標準法D2270-
91の手順Bを用いて算出した。
【0067】 酸化安定性はAOCS公式方法Cd12b-92(1993年に改正された)に従って酸化安定
性指数機器、Omnion, Inc. Rockland, MAを用いて測定した。この方法は、活性
酸素法(AOM)工程、AOCS公式方法Cd 12-57の自動化した代替法である。AOM時間は
添加される酸化防止剤の不在下および存在下の双方で測定し、OSIソフトウェア
を用いて製造業者の使用説明書に従って算出した。用いた酸化防止剤はTBHQ(0.1
-1%)および3%Lubrizol製品番号OS-121056Fを含んでいた。
性指数機器、Omnion, Inc. Rockland, MAを用いて測定した。この方法は、活性
酸素法(AOM)工程、AOCS公式方法Cd 12-57の自動化した代替法である。AOM時間は
添加される酸化防止剤の不在下および存在下の双方で測定し、OSIソフトウェア
を用いて製造業者の使用説明書に従って算出した。用いた酸化防止剤はTBHQ(0.1
-1%)および3%Lubrizol製品番号OS-121056Fを含んでいた。
【0068】 表2、3および6に示されるように、合成EOEは、試験した他のすべての種類のオ
イルと比較して、高い酸化安定性、高い粘性指数値、および低温粘性という優れ
た組み合わせを有していた。合成EOEは約84AOM時間という酸化安定性、約208と
いう粘性指数値を有していたが、他方、ダイズおよびHEARなどの植物油はEOEと
同程度の粘性指数を有していたものの、EOEよりも有意に低い酸化安定性を有し
ていた。IMC-130オイルの酸化安定性および粘性指数は合成EOEよりも双方とも低
かった。ハマナ属オイルはより低い酸化安定性(約78AOM時間)、より低い粘性
指数(約187)を有していた。さらに、ハマナ属オイルの粘性は-5℃および0℃で
それぞれ1,314および810センチポイズ(cP)であったが、他方、合成EOEは-5℃お
よび0℃でそれぞれ440および360cPの粘性を有していた。
イルと比較して、高い酸化安定性、高い粘性指数値、および低温粘性という優れ
た組み合わせを有していた。合成EOEは約84AOM時間という酸化安定性、約208と
いう粘性指数値を有していたが、他方、ダイズおよびHEARなどの植物油はEOEと
同程度の粘性指数を有していたものの、EOEよりも有意に低い酸化安定性を有し
ていた。IMC-130オイルの酸化安定性および粘性指数は合成EOEよりも双方とも低
かった。ハマナ属オイルはより低い酸化安定性(約78AOM時間)、より低い粘性
指数(約187)を有していた。さらに、ハマナ属オイルの粘性は-5℃および0℃で
それぞれ1,314および810センチポイズ(cP)であったが、他方、合成EOEは-5℃お
よび0℃でそれぞれ440および360cPの粘性を有していた。
【0069】 合成EOEは約6℃という融点を有していた。植物油および合成EOEの混合物は合
成EOEのものよりも低い融点を有していた。例えば、IMC130オイルとEOEの混合物
は約3℃という融点を有していた。ダイズオイルおよび合成EOEの混合物は約-2℃
という融点を有していた。また、これらの混合物では結晶化の開始点も<-30℃ま
で低下した。これに対して、合成EOEの結晶化の開始点は約-19℃であった。
成EOEのものよりも低い融点を有していた。例えば、IMC130オイルとEOEの混合物
は約3℃という融点を有していた。ダイズオイルおよび合成EOEの混合物は約-2℃
という融点を有していた。また、これらの混合物では結晶化の開始点も<-30℃ま
で低下した。これに対して、合成EOEの結晶化の開始点は約-19℃であった。
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】 Penn State Microoxidation試験を用い、合成EOEの酸化熱および触媒安定性を
、IMC130、OOO(Pfaltz Baver Inc, Waterbury, CT)および市販配合潤滑剤と比較
した。Cvitkovic, E.ら, ASLE, Trans, 22:395-399(1979)。マイクロ酸化反応試
験は、3時間の試験時間で190℃にて20μlの非配合サンプルを用いて行った。結
果は表4に示されている。揮発性物質および沈殿物の%が低いのが望ましい結果
である。EOEはIMC130と同程度であったが、市販配合潤滑剤とは同程度でなかっ
た。例えば酸化防止剤と摩耗防止添加剤の添加はEOEの性能を改良するものと考
えられた。
、IMC130、OOO(Pfaltz Baver Inc, Waterbury, CT)および市販配合潤滑剤と比較
した。Cvitkovic, E.ら, ASLE, Trans, 22:395-399(1979)。マイクロ酸化反応試
験は、3時間の試験時間で190℃にて20μlの非配合サンプルを用いて行った。結
果は表4に示されている。揮発性物質および沈殿物の%が低いのが望ましい結果
である。EOEはIMC130と同程度であったが、市販配合潤滑剤とは同程度でなかっ
た。例えば酸化防止剤と摩耗防止添加剤の添加はEOEの性能を改良するものと考
えられた。
【0073】 非配合サンプルの合成EOE、IMC130およびOOO、ならびに市販配合潤滑剤の耐摩
耗性は、75℃、40kgで実施される4小球摩耗試験を用いて評価した。一連の試験
は10mlの鉱物油サンプル(ホワイトオイル、WO)を用いて30分、次いで6μlの試
験オイルサンプルを用いて30分を含んだ。結果は表5に示されている。試験中に
行ったスキャンをその他の植物油または植物油ベースの潤滑剤を用いて行ったも
のと比較した。平均摩擦係数もまたその他の試験材料と同様であった。
耗性は、75℃、40kgで実施される4小球摩耗試験を用いて評価した。一連の試験
は10mlの鉱物油サンプル(ホワイトオイル、WO)を用いて30分、次いで6μlの試
験オイルサンプルを用いて30分を含んだ。結果は表5に示されている。試験中に
行ったスキャンをその他の植物油または植物油ベースの潤滑剤を用いて行ったも
のと比較した。平均摩擦係数もまたその他の試験材料と同様であった。
【0074】
【表4】
【0075】
【表5】 4小球摩耗試験 1Δ摩耗痕はHertz値または以前のD値に対する摩耗痕直径(Dmm)の増加をさす。
【0076】2 平均f係数は摩擦係数である。
【0077】
【0078】 表6に示されるように、IMC130または大豆油に合成EOEを添加すると、得られる
植物油組成の酸化安定性が上昇した。例えば、IMC130/EOE組成の酸化安定性は約
87AOM時間であり、これはIMC130オイル単独よりも約38AOM時間高かった。
植物油組成の酸化安定性が上昇した。例えば、IMC130/EOE組成の酸化安定性は約
87AOM時間であり、これはIMC130オイル単独よりも約38AOM時間高かった。
【0079】 合成EOEの酸化安定性は、酸化防止剤の添加によって高めることができる。例
えば、合成EOEの酸化安定性は約3%Lubrizol製品番号OS-121056F(表3)の添加に
より、約84AOM時間〜約230AOM時間高まった。0.1%および1.0%TBHQの添加は合成E
OEの酸化安定性をそれぞれ約274および563AOM時間まで高めた。比較すれば、IMC
130は、それぞれ0.1%および1.0%TBHQの存在下で約182および345AOM時間の酸化安
定性を有していた。
えば、合成EOEの酸化安定性は約3%Lubrizol製品番号OS-121056F(表3)の添加に
より、約84AOM時間〜約230AOM時間高まった。0.1%および1.0%TBHQの添加は合成E
OEの酸化安定性をそれぞれ約274および563AOM時間まで高めた。比較すれば、IMC
130は、それぞれ0.1%および1.0%TBHQの存在下で約182および345AOM時間の酸化安
定性を有していた。
【0080】
【表6】 酸化防止剤の存在下での酸化安定性
【0081】実施例3 高レベルのエルカ酸およびオレイン酸を示す植物 本実施例は、ポリ不飽和含有量を低下させ、かつ全体のモノ不飽和含有量を増
加させることによる、アブラナ属種子のエルカ油を増加させる一連の交配を示す
(表7)。用いた高エルカ酸系統はマニトバ大学で開発され、商品名Hero(HE101)
の下に販売されている。HE101は表8に示される脂肪酸組成プロフィールを有する
。Q4275系統は約82〜85%のオレイン酸を有し、fad2-f遺伝子配列中のヌクレオチ
ド908番にGからAへの、およびfad2-d遺伝子配列中のヌクレオチド316番にGからA
への一塩基転換を含む。663-40系統を、fad3(リノレインデサチュラーゼ)遺伝子
に連結したナピン(napin)プロモーターを含む導入遺伝子を用いる共同抑制現象
により作出した。048X058系統は、663-40導入遺伝子およびfad2(オレインデサ
チュラーゼ)遺伝子に連結したオレオシン(oleosin)プロモーターを含む導入遺
伝子による第2の共同抑制を含む。植物は23/17℃の昼/夜温度の下で、16時間光
をあてて生育チャンバーで育成した。花は開花前に徐雄し、交配受粉を避けるた
めに覆った。翌日、徐雄した花の柱頭に所望の花粉供与体を受粉させた。莢の成
熟時にF1種子を採種した。
加させることによる、アブラナ属種子のエルカ油を増加させる一連の交配を示す
(表7)。用いた高エルカ酸系統はマニトバ大学で開発され、商品名Hero(HE101)
の下に販売されている。HE101は表8に示される脂肪酸組成プロフィールを有する
。Q4275系統は約82〜85%のオレイン酸を有し、fad2-f遺伝子配列中のヌクレオチ
ド908番にGからAへの、およびfad2-d遺伝子配列中のヌクレオチド316番にGからA
への一塩基転換を含む。663-40系統を、fad3(リノレインデサチュラーゼ)遺伝子
に連結したナピン(napin)プロモーターを含む導入遺伝子を用いる共同抑制現象
により作出した。048X058系統は、663-40導入遺伝子およびfad2(オレインデサ
チュラーゼ)遺伝子に連結したオレオシン(oleosin)プロモーターを含む導入遺
伝子による第2の共同抑制を含む。植物は23/17℃の昼/夜温度の下で、16時間光
をあてて生育チャンバーで育成した。花は開花前に徐雄し、交配受粉を避けるた
めに覆った。翌日、徐雄した花の柱頭に所望の花粉供与体を受粉させた。莢の成
熟時にF1種子を採種した。
【0082】
【表7】 交配ブロック
【0083】
【表8】 HE101の脂肪酸組成
【0084】 表7の交配から得られたF1種子からF2種子世代を生育チャンバー内で育成した
。各交配につきそれぞれ10個の種子を植えた。開花時に植物を袋で覆い確実に自
家受粉するようにした。成熟時にF2種子を収穫した。
。各交配につきそれぞれ10個の種子を植えた。開花時に植物を袋で覆い確実に自
家受粉するようにした。成熟時にF2種子を収穫した。
【0085】 室温、暗所にて濾紙上で種子を発芽させた。発芽開始から8時間〜24時間後、
脂肪酸の抽出のため、各々の種子から1枚の子葉を取り除いた。脂肪酸組成はガ
スクロマトグラフィーを用いて調べた。選択された高エルカ酸含有量を有するF2
半種子(half seed)を表9および10に示す。
脂肪酸の抽出のため、各々の種子から1枚の子葉を取り除いた。脂肪酸組成はガ
スクロマトグラフィーを用いて調べた。選択された高エルカ酸含有量を有するF2
半種子(half seed)を表9および10に示す。
【0086】
【表9】 HEHOA[HE101X(048X052)]のF2種子における半種子選択
【0087】
【表10】 HEHOC[HE101X(04275X663-40)]のF2種子における半種子選択
【0088】 選択した半種子を土に植え、上記の生育チャンバー条件にて育成した。開花時
には自家受粉のために植物を袋で覆った。成熟後、F3自家受粉種子を採種し、脂
肪酸組成を分析した。10〜15個の種子のサンプルを用いて分析した。内在性オイ
ル中に高いエルカ酸含有量を有するF3系統は表11および12に示されている。表11
および12に示されているものより高いエルカ酸含有量は、育種スキームにおいて
HE101をHE101より高いエルカ酸含有量を有する植物系統または品種、例えばMerc
ury、Venus、Neptune、Hero、Bridger、またはR-500 で置き換えることにより達
成できる。
には自家受粉のために植物を袋で覆った。成熟後、F3自家受粉種子を採種し、脂
肪酸組成を分析した。10〜15個の種子のサンプルを用いて分析した。内在性オイ
ル中に高いエルカ酸含有量を有するF3系統は表11および12に示されている。表11
および12に示されているものより高いエルカ酸含有量は、育種スキームにおいて
HE101をHE101より高いエルカ酸含有量を有する植物系統または品種、例えばMerc
ury、Venus、Neptune、Hero、Bridger、またはR-500 で置き換えることにより達
成できる。
【0089】
【表11】 HEHOA[HE101X(048X052)]のF3系統の脂肪酸組成
【0090】
【表12】 HEHOC[HE101X(04275X663-40)]のF3系統の脂肪酸組成
【0091】 選択したHEHOC-214F3種子を植え、上記の生育チャンバー条件にて育成した。
開花時にF4種を採種し、10〜15個のサンプルを用いて脂肪酸組成を分析した。選
抜したF4系統の脂肪酸組成は表13に示されている。サンプル2および3は約45%を
超えるエルカ酸含有量および22%を超えるオレイン酸含有量を有していた。サン
プル1は約35%のオレイン酸含有量、約37%のエルカ酸含有量および約4.4%のポリ
不飽和化物含有量を有していた。脂肪酸組成に作用する遺伝子はこのF4材料でも
まだ分離している。次の世代での選択が遺伝子構成を固定し、50%以上のEOE含有
量を有する系統が得られる。
開花時にF4種を採種し、10〜15個のサンプルを用いて脂肪酸組成を分析した。選
抜したF4系統の脂肪酸組成は表13に示されている。サンプル2および3は約45%を
超えるエルカ酸含有量および22%を超えるオレイン酸含有量を有していた。サン
プル1は約35%のオレイン酸含有量、約37%のエルカ酸含有量および約4.4%のポリ
不飽和化物含有量を有していた。脂肪酸組成に作用する遺伝子はこのF4材料でも
まだ分離している。次の世代での選択が遺伝子構成を固定し、50%以上のEOE含有
量を有する系統が得られる。
【0092】
【表13】 HEHOC214[HE101X(04275X663-40)]のF4系統の脂肪酸組成
【0093】実施例4 表11の系統から得た種子を2つの区画に植え、自然受粉させた。各区画の自由
受粉植物の種子からバルクのオイルサンプルを抽出した。表14で示される脂肪酸
組成を有するオイルサンプルを精油および漂白(bleach)する(高エルク-1)か、
または精油、漂白および脱臭した(高エルク-2)。第1のオイルサンプル、高エ
ルク-1は全飽和脂肪酸含有量5.55%、全モノ不飽和脂肪酸含有量85.23%および全
ポリ不飽和脂肪酸含有量6.80%であった。第2のオイルサンプル、高エルカ-2は全
飽和脂肪酸含有量5.22%、全モノ不飽和脂肪酸含有量82.90%および全ポリ不飽和
脂肪酸含有量9.56%であった。高エルカ-1および-2オイルのヨウ素価はそれぞれ7
9および81.7であった。脱臭したエルカ-1オイルサンプルは420ppmのトコフェロ
ールを含んでいた。高エルカ-2オイルサンプルは280ppmのトコフェロールを含ん
でいた。
受粉植物の種子からバルクのオイルサンプルを抽出した。表14で示される脂肪酸
組成を有するオイルサンプルを精油および漂白(bleach)する(高エルク-1)か、
または精油、漂白および脱臭した(高エルク-2)。第1のオイルサンプル、高エ
ルク-1は全飽和脂肪酸含有量5.55%、全モノ不飽和脂肪酸含有量85.23%および全
ポリ不飽和脂肪酸含有量6.80%であった。第2のオイルサンプル、高エルカ-2は全
飽和脂肪酸含有量5.22%、全モノ不飽和脂肪酸含有量82.90%および全ポリ不飽和
脂肪酸含有量9.56%であった。高エルカ-1および-2オイルのヨウ素価はそれぞれ7
9および81.7であった。脱臭したエルカ-1オイルサンプルは420ppmのトコフェロ
ールを含んでいた。高エルカ-2オイルサンプルは280ppmのトコフェロールを含ん
でいた。
【0094】
【表14】 高エルカ酸およびオレイン酸ナタネの脂肪酸組成
【0095】 高エルカ-1および-2オイルサンプルはそれぞれ70AOM時間(n=2、69および71AO
M時間)および49.5AOM時間(n=2、48および51AOM時間)の平均酸化安定性を有し
ていた。表15にはDSCで測定したこれらのオイルの特性が示されている。サンプ
ルを初期温度20℃を1分間維持し、1分につき40℃の速度で-30℃まで冷却した。
サンプルを-30℃で10分間維持した後、1分間につき5℃の速度で75℃まで加熱し
て融解曲線を得た。サンプルを75℃で10分間維持した後、1分につき5℃の速度で
-30℃まで冷却して冷却曲線を得た。
M時間)および49.5AOM時間(n=2、48および51AOM時間)の平均酸化安定性を有し
ていた。表15にはDSCで測定したこれらのオイルの特性が示されている。サンプ
ルを初期温度20℃を1分間維持し、1分につき40℃の速度で-30℃まで冷却した。
サンプルを-30℃で10分間維持した後、1分間につき5℃の速度で75℃まで加熱し
て融解曲線を得た。サンプルを75℃で10分間維持した後、1分につき5℃の速度で
-30℃まで冷却して冷却曲線を得た。
【0096】
【表15】 高エルカ酸ナタネの特性
【0097】 これらのオイルのTAGプロフィールは、3μm(150×4.6mm)の孔径のSpherisorb
ODS-2カラムを用いる高圧液体クロマトグラフィーにより測定した。35℃、圧力2
.2バールで行った。サンプル(50mg)を塩化エチレン5mlに溶解し、70:30のアセト
ニトリル(ACN):塩化メチレンを、30分間にわたって30:70の塩化メチレン:ACNま
で変化させる勾配で溶出した。蒸発光散乱検出器(ELSD)、Sedex 55を用いた。表
16では高エルカ系統1および2のTAGプロフィールが示されている。表15において
、「O」はオレイン酸、C18:1を示し;「L」はリノール酸、C18:2を示し;「Ln」
はリノレン酸、C18:3を示し;「P」はパルミチン酸、C16:0を示し;「S」はステ
アリン酸、C18:0を示し;「A」はアラキジン酸、C20:0を示し;「G」はエイコセ
ン酸(eicosenoic acid)、C20:1を示し;「E」はエルカ酸、C22:1を示し;「N」
はネルボン酸、C24:1を示す。
ODS-2カラムを用いる高圧液体クロマトグラフィーにより測定した。35℃、圧力2
.2バールで行った。サンプル(50mg)を塩化エチレン5mlに溶解し、70:30のアセト
ニトリル(ACN):塩化メチレンを、30分間にわたって30:70の塩化メチレン:ACNま
で変化させる勾配で溶出した。蒸発光散乱検出器(ELSD)、Sedex 55を用いた。表
16では高エルカ系統1および2のTAGプロフィールが示されている。表15において
、「O」はオレイン酸、C18:1を示し;「L」はリノール酸、C18:2を示し;「Ln」
はリノレン酸、C18:3を示し;「P」はパルミチン酸、C16:0を示し;「S」はステ
アリン酸、C18:0を示し;「A」はアラキジン酸、C20:0を示し;「G」はエイコセ
ン酸(eicosenoic acid)、C20:1を示し;「E」はエルカ酸、C22:1を示し;「N」
はネルボン酸、C24:1を示す。
【0098】
【表16】 TAGプロフィール
【0099】実施例5 ナタネ(Brassica napas)品種IMC 129の種子は、WO98/56239に記載の通りにMNN
Gで変異させた。処理した種子をWO98/56239に記載の通りに育成し、種子のステ
アリン酸含有量が減少したもの、またはパルミチン酸含有量が減少したものにつ
いての選択をM3世代で行った。2つの選択系統由来の植物をZW1441(パルミチン
酸減少)およびY30137(ステアリン酸減少)と呼び、HE101と交配した。パルミ
チン酸が減少し、かつエルカ酸が増加したZW1441XHE101後代を選抜した。ステア
リン酸が減少し、かつエルカ酸が増加した種子を生産したY30137XHE101後代を選
抜した。代表的なF4世代後代の脂肪酸組成は表17に示されている。これらの結果
は、全飽和物含有量が4%未満(例えば約2.0〜約4.0%)で、かつ、エルカ酸含有
量が増加した種子が達成できたことを示している。これらの結果は実施例4に記
載のものなどの系統への、全飽和物含有量を低下させる遺伝子の導入により、か
かる系統で見られるものを超えて、EOE含有量をさらに増加させ得ることを示唆
する。
Gで変異させた。処理した種子をWO98/56239に記載の通りに育成し、種子のステ
アリン酸含有量が減少したもの、またはパルミチン酸含有量が減少したものにつ
いての選択をM3世代で行った。2つの選択系統由来の植物をZW1441(パルミチン
酸減少)およびY30137(ステアリン酸減少)と呼び、HE101と交配した。パルミ
チン酸が減少し、かつエルカ酸が増加したZW1441XHE101後代を選抜した。ステア
リン酸が減少し、かつエルカ酸が増加した種子を生産したY30137XHE101後代を選
抜した。代表的なF4世代後代の脂肪酸組成は表17に示されている。これらの結果
は、全飽和物含有量が4%未満(例えば約2.0〜約4.0%)で、かつ、エルカ酸含有
量が増加した種子が達成できたことを示している。これらの結果は実施例4に記
載のものなどの系統への、全飽和物含有量を低下させる遺伝子の導入により、か
かる系統で見られるものを超えて、EOE含有量をさらに増加させ得ることを示唆
する。
【0100】
【表17】 表17 自家受粉F4系統の脂肪酸組成 その他の実施形態 詳細な説明により本発明を説明したが、上記の説明は例示を意図するものであ
って、添付の請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものではな
い。その他の態様、利点および改変も添付の請求の範囲内にある。
って、添付の請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものではな
い。その他の態様、利点および改変も添付の請求の範囲内にある。
【図1】 図1はEOEの化学構造を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12R 1:91) 15/09 C10N 30:02 //(C12N 5/10 30:06 C12R 1:91) 30:10 C10N 30:02 30:12 30:06 30:18 30:10 40:08 30:12 C12N 15/00 A 30:18 5/00 C 40:08 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CR, CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,G D,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN ,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC, LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,M K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ, TM,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,Y U,ZA,ZW (72)発明者 ディボント,ローリン,アール. アメリカ合衆国 80525 コロラド州,フ ォート コリンズ,ロシュデール ドライ ブ 3706 Fターム(参考) 2B030 AA02 AB03 AD08 CA01 CA06 CA17 CA19 CB02 CD21 4B024 AA17 BA80 CA01 DA01 EA04 FA02 GA11 GA17 4B065 AA89X AA89Y AB01 BA01 CA13 CA53 CA54 4H059 BA33 BB02 BB03 BB06 BB07 BC13 CA02 DA30 EA03 4H104 DA06 EB05 EB09 EB10 EB13 LA01 LA03 LA05 LA06 LA09 PA05
Claims (26)
- 【請求項1】 全トリアシルグリセロール組成に基づいて、少なくとも約50
%の1,3-ジエルコイル-2-オレオイルグリセロール含有量を有するトリアシルグリ
セロール含有オイル。 - 【請求項2】 前記1,3-ジエルコイル-2-オレオイルグリセロール含有量が
約60%〜約95%である、請求項1記載のオイル。 - 【請求項3】 前記1,3-ジエルコイル-2-オレオイルグリセロール含有量が
約75%〜約90%である、請求項2記載のオイル。 - 【請求項4】 前記オイルが、添加される酸化防止剤の不在下で、約80 AOM
時間〜約300 AOM時間の酸化安定性を有する、請求項1記載のオイル。 - 【請求項5】 前記オイルが約84 AOM時間〜約120 AOM時間の酸化安定性を
有する、請求項4記載のオイル。 - 【請求項6】 前記オイルが、約195を超える粘度指数を有する、請求項1
記載のオイル。 - 【請求項7】 天然にエルカ酸を産生する種の改変植物であって、対応する
野生型植物の種子と比較して、該改変植物の種子ではΔ12デサチュラーゼ活性が
減少しており、約45%〜約70%のエルカ酸および約22%〜約35%のオレイン酸を含有
するオイルが得られる種子を産生する、上記改変植物。 - 【請求項8】 前記オイルが、全脂肪酸組成に基づいて、約50%〜約70%のエ
ルカ酸および約25%〜約35%のオレイン酸を含有する、請求項7記載の改変植物。 - 【請求項9】 対応する野生型植物と比較して、前記改変植物の種子ではさ
らにパルミトイルACPチオエステラーゼ活性が減少しており、かつΔ9デサチュラ
ーゼ活性が増加している、請求項7記載の改変植物。 - 【請求項10】 対応する野生型植物の種子と比較して、前記改変植物の種
子ではさらにΔ15デサチュラーゼ活性が減少している、請求項9記載の改変植物
。 - 【請求項11】 天然にエルカ酸を産生する種のトランスジェニック植物で
あって、fad2コード配列に機能しうる形で連結された調節配列を含む少なくとも
1つの核酸構築物を有し、対応する非トランスジェニック植物と比較して、Δ12
デサチュラーゼ活性の種子特異的減少を示し、かつ全脂肪酸組成に基づいて約45
%〜約70%のエルカ酸および約22%〜約35%のオレイン酸を含むオイルが得られる種
子を産生する、上記トランスジェニック植物。 - 【請求項12】 前記オイルが、全脂肪酸組成に基づいて、約50%〜約70%の
エルカ酸および約25%〜約35%のオレイン酸を含む、請求項11記載のトランスジ
ェニック植物。 - 【請求項13】 少なくとも1つの前記構築物がパルミトイルACPチオエス
テラーゼコード配列に機能しうる形で連結された調節配列およびΔ9デサチュラ
ーゼコード配列に機能しうる形で連結された調節配列をさらに含み、対応する非
トランスジェニック植物と比較して、Δ9デサチュラーゼ活性の種子特異的増加
およびパルミトイルACPチオエステラーゼ活性の種子特異的減少を示す、請求項
11記載のトランスジェニック植物。 - 【請求項14】 少なくとも1つの前記構築物がfad3コード配列に機能しう
る形で連結された調節配列をさらに含み、対応する非トランスジェニック植物と
比較して、Δ15デサチュラーゼ活性の種子特異的減少を示す、請求項13記載の
トランスジェニック植物。 - 【請求項15】 請求項14記載のトランスジェニック植物の後代であって
、前記エルカ酸含有量および前記オレイン酸含有量を有する前記オイルが得られ
る種子を産生する、上記後代。 - 【請求項16】 請求項7または請求項11に記載の植物の種子を圧潰し、
圧潰した種子からオイルを抽出することを含んでなる、内在性の植物油の製造方
法。 - 【請求項17】 全脂肪酸組成に基づいて約45%〜約70%のエルカ酸含有量お
よび約22%〜約35%のオレイン酸含有量を有する内在性の植物油。 - 【請求項18】 全脂肪酸組成に基づいて約50%〜約70%のエルカ酸および約
25%〜約35%のオレイン酸を有する、請求項17記載のオイル。 - 【請求項19】 前記オイルの約75%以上のトリアシルグリセロールが1,3-
ジエルコイル-2-オレオイルグリセロールからなる、請求項17記載のオイル。 - 【請求項20】 前記オイルの約75%〜約90%のトリアシルグリセロールが1,3
-ジエルコイル-2-オレオイルグリセロールからなる、請求項19記載のオイル。 - 【請求項21】 植物油および該植物油の酸化安定性を高めるのに有効な量
の1,3-ジエルコイル-2-オレオイルグリセロールを含有する高酸化安定性組成物
。 - 【請求項22】 全トリアシルグリセロール組成に基づいて少なくとも50%
の1,3-ジエルコイル-2-オレオイルグリセロール含有量を有するオイルおよび添
加物を含有する作動油組成物。 - 【請求項23】 前記添加物が酸化防止剤、防錆剤、耐摩耗剤、流動点降下
剤、粘度指数改良剤および消泡剤からなる群より選択される、請求項22記載の
組成物。 - 【請求項24】 前記添加物が前記組成物の重量に基づいて約0.01%〜約20%
の量で存在する、請求項22記載の作動油組成物。 - 【請求項25】 全トリアシルグリセロール組成に基づいて少なくとも約50
%の1,3-ジエルコイル2-オレオイルグリセロール含有量を有するトリアシルグリ
セロール含有オイルを含んでなる潤滑添加剤であって、潤滑液中に該潤滑液の約
2〜約20重量%の量で存在するとき摩擦を減少させるのに有効である、上記潤滑添
加剤。 - 【請求項26】 全トリアシルグリセロール組成に基づいて少なくとも約38
%の1,3-ジエルコイル-2-オレオイルグリセロール含有量を有する、内在性のアブ
ラナ属オイル。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US09/127,743 US6281375B1 (en) | 1998-08-03 | 1998-08-03 | Biodegradable high oxidative stability oils |
US09/127,743 | 1998-08-03 | ||
PCT/US1999/017569 WO2000007432A1 (en) | 1998-08-03 | 1999-08-03 | Biodegradable high oxidative stability oils |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002521560A true JP2002521560A (ja) | 2002-07-16 |
Family
ID=22431716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000563129A Withdrawn JP2002521560A (ja) | 1998-08-03 | 1999-08-03 | 生分解性高酸化安定性オイル |
Country Status (11)
Country | Link |
---|---|
US (3) | US6281375B1 (ja) |
EP (1) | EP1104231B1 (ja) |
JP (1) | JP2002521560A (ja) |
CN (1) | CN1213148C (ja) |
AT (1) | ATE415481T1 (ja) |
AU (2) | AU764694B2 (ja) |
BR (1) | BR9913354A (ja) |
CA (1) | CA2339365A1 (ja) |
DE (1) | DE69939980D1 (ja) |
PL (1) | PL346115A1 (ja) |
WO (1) | WO2000007432A1 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007004694A1 (ja) * | 2005-06-30 | 2007-01-11 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | ペトロセリン酸生合成に関与する新規遺伝子、ペトロセリン酸の製造方法 |
JP2017510698A (ja) * | 2014-04-07 | 2017-04-13 | イーパクス ノルウェー アーエス | 長鎖一価不飽和脂肪酸組成物、及びその製造方法 |
Families Citing this family (24)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2382693C (en) | 1999-08-26 | 2013-10-01 | Calgene Llc | Nucleic acid sequences and methods of use for the production of plants with modified polyunsaturated fatty acids |
US7531718B2 (en) | 1999-08-26 | 2009-05-12 | Monsanto Technology, L.L.C. | Nucleic acid sequences and methods of use for the production of plants with modified polyunsaturated fatty acids |
US7067722B2 (en) | 1999-08-26 | 2006-06-27 | Monsanto Technology Llc | Nucleic acid sequences and methods of use for the production of plants with modified polyunsaturated fatty acids |
US7566813B2 (en) | 2002-03-21 | 2009-07-28 | Monsanto Technology, L.L.C. | Nucleic acid constructs and methods for producing altered seed oil compositions |
AR039113A1 (es) | 2002-03-21 | 2005-02-09 | Monsanto Technology Llc | Construcciones de acidos nucleicos y metodos para producir composiciones de aceites de semillas alteradas |
US7166771B2 (en) | 2002-06-21 | 2007-01-23 | Monsanto Technology Llc | Coordinated decrease and increase of gene expression of more than one gene using transgenic constructs |
US8871960B2 (en) | 2005-04-26 | 2014-10-28 | Battelle Memorial Institute | Preparation of esters and polyols by initial oxidative cleavage of fatty acids followed by esterification reactions |
US8859794B2 (en) | 2005-04-26 | 2014-10-14 | Battelle Memorial Institute | Use of fatty acids as feed material in polyol process |
US8247582B2 (en) | 2006-02-07 | 2012-08-21 | Battelle Memorial Institute | Esters of 5-hydroxymethylfurfural and methods for their preparation |
CN101421406B (zh) | 2006-02-13 | 2016-08-31 | 孟山都技术有限公司 | 用于产生改变的种子油组成的核酸构建体和方法 |
US20100104625A1 (en) * | 2007-02-16 | 2010-04-29 | Cornell University | Biodegradable compositions and materials |
KR100951765B1 (ko) * | 2007-06-12 | 2010-04-09 | 주식회사 엘지화학 | 유기 금속 착물 유도체 및 이를 이용하는 유기발광소자 |
WO2009089115A1 (en) * | 2008-01-04 | 2009-07-16 | Hormel Foods Corporation | Encapsulation of oxidatively unstable compounds |
US20110020519A1 (en) * | 2008-01-04 | 2011-01-27 | Aveka, Inc. | Encapsulation of oxidatively unstable compounds |
JP5767585B2 (ja) | 2008-09-29 | 2015-08-19 | モンサント テクノロジー エルエルシー | 大豆遺伝子組換え事象mon87705およびその検出方法 |
CH699659B1 (de) * | 2008-10-14 | 2012-10-15 | Natoil Ag | Hydraulikflüssigkeit und Getriebeöl auf Pflanzenölbasis. |
BRPI0923801B1 (pt) | 2008-12-31 | 2020-10-13 | Battelle Memorial Institute | Métodos para produzir um éster, e para produzir amidas |
EP2382292B1 (en) | 2008-12-31 | 2018-02-21 | Battelle Memorial Institute | Pre-esterification of primary polyols to improve solubility in solvents used in polyol process |
BRPI0900280A2 (pt) * | 2009-02-17 | 2010-10-26 | Promax Produtos Maximos S A | composição de fluido lubrificante ecológico, biodegradável e anticongelante para sistemas hidráulicos |
BRPI1009394B1 (pt) | 2009-03-13 | 2021-08-17 | Battelle Memorial Institute | Método para produzir um lubrificante, e, composição lubrificante |
CA2782423C (en) * | 2009-12-18 | 2019-06-18 | Cargill Incorporated | Brassica plants yielding oils with a low total saturated fatty acid content |
US9695434B2 (en) | 2010-05-25 | 2017-07-04 | Cargill, Incorporated | Brassica plants yielding oils with a low alpha linolenic acid content |
EP2576765A4 (en) | 2010-05-25 | 2013-12-18 | Cargill Inc | KOHLPFLANZEN FOR OBTAINING OILS WITH LOW CONTENT ON ALPHA-LINOLENIC ACID |
CN110747044B (zh) * | 2019-11-09 | 2022-06-21 | 江苏翊安环保科技有限公司 | 一种可生物降解环保液压油及其制备方法 |
Family Cites Families (22)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FI66899C (fi) | 1983-02-11 | 1984-12-10 | Kasvisoeljy Vaextolje Ab Oy | Smoerjmedel med triglycerider som huvudkomponent |
US5188958A (en) | 1986-05-29 | 1993-02-23 | Calgene, Inc. | Transformation and foreign gene expression in brassica species |
US4987071A (en) | 1986-12-03 | 1991-01-22 | University Patents, Inc. | RNA ribozyme polymerases, dephosphorylases, restriction endoribonucleases and methods |
US5254678A (en) | 1987-12-15 | 1993-10-19 | Gene Shears Pty. Limited | Ribozymes |
US4970010A (en) | 1988-07-19 | 1990-11-13 | International Lubricants, Inc. | Vegetable oil derivatives as lubricant additives |
US4925581A (en) | 1988-07-19 | 1990-05-15 | International Lubricants, Inc. | Meadowfoam oil and meadowfoam oil derivatives as lubricant additives |
DE3927155A1 (de) * | 1989-08-17 | 1991-02-21 | Henkel Kgaa | Umweltfreundliches grundoel fuer die formulierung von hydraulikoelen |
US5204253A (en) | 1990-05-29 | 1993-04-20 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Method and apparatus for introducing biological substances into living cells |
EP0563191B2 (en) | 1990-12-20 | 2000-01-19 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Nucleotide sequences of soybean acyl-acp thioesterase genes |
US5679881A (en) | 1991-11-20 | 1997-10-21 | Calgene, Inc. | Nucleic acid sequences encoding a plant cytoplasmic protein involved in fatty acyl-CoA metabolism |
AU675923B2 (en) | 1991-12-04 | 1997-02-27 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Fatty acid desaturase genes from plants |
US5300242A (en) * | 1992-03-05 | 1994-04-05 | The Lubrizol Corporation | Metal overbased and gelled natural oils |
WO1994011516A1 (en) | 1992-11-17 | 1994-05-26 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Genes for microsomal delta-12 fatty acid desaturases and related enzymes from plants |
US5413725A (en) | 1992-12-18 | 1995-05-09 | The Lubrizol Corporation | Pour point depressants for high monounsaturated vegetable oils and for high monounsaturated vegetable oils/biodegradable base and fluid mixtures |
DE4323771A1 (de) * | 1993-07-15 | 1995-01-19 | Henkel Kgaa | Grundöl auf Triglyceridbasis für Hydrauliköle |
EP0728212A1 (en) | 1993-11-10 | 1996-08-28 | Calgene, Inc. | Plant acyl acp thioesterase sequences |
HUT76842A (en) | 1994-08-31 | 1997-11-28 | Du Pont | Nucleotide sequences of canola and soybean palmitoyl-acp thioesterase genes and their use in the regulation of fatty acid content of the oils of soybean and canola plants |
US5633151A (en) | 1994-11-04 | 1997-05-27 | The United States Of America As Represented By The Secretary Of Agriculture | Enzymatic process for the isolation of erucic acid from vegetable oils |
BR9504838A (pt) | 1994-11-15 | 1997-10-07 | Lubrizol Corp | Ester de poliol composição de óleo lubrificante |
GB9502468D0 (en) | 1995-02-09 | 1995-03-29 | Gene Shears Pty Ltd | DNA Sequence |
ATE520302T1 (de) | 1995-12-14 | 2011-09-15 | Cargill Inc | Pflanzen mit mutierten sequenzen, welche einen veränderten fettsäuregehalt vermitteln |
US5703022A (en) | 1997-01-06 | 1997-12-30 | The Lubrizol Corporation | Sulfurized vegetable oils containing anti-oxidants for use as base fluids |
-
1998
- 1998-08-03 US US09/127,743 patent/US6281375B1/en not_active Expired - Lifetime
-
1999
- 1999-08-03 AU AU55466/99A patent/AU764694B2/en not_active Ceased
- 1999-08-03 CN CNB998105341A patent/CN1213148C/zh not_active Expired - Fee Related
- 1999-08-03 AT AT99941998T patent/ATE415481T1/de not_active IP Right Cessation
- 1999-08-03 WO PCT/US1999/017569 patent/WO2000007432A1/en active IP Right Grant
- 1999-08-03 DE DE69939980T patent/DE69939980D1/de not_active Expired - Lifetime
- 1999-08-03 EP EP99941998A patent/EP1104231B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1999-08-03 JP JP2000563129A patent/JP2002521560A/ja not_active Withdrawn
- 1999-08-03 BR BR9913354-7A patent/BR9913354A/pt not_active Application Discontinuation
- 1999-08-03 CA CA002339365A patent/CA2339365A1/en not_active Abandoned
- 1999-08-03 PL PL99346115A patent/PL346115A1/xx not_active Application Discontinuation
-
2001
- 2001-05-21 US US09/861,690 patent/US20010037514A1/en not_active Abandoned
-
2003
- 2003-11-27 AU AU2003266448A patent/AU2003266448A1/en not_active Abandoned
-
2005
- 2005-03-02 US US11/070,678 patent/US20050150006A1/en not_active Abandoned
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007004694A1 (ja) * | 2005-06-30 | 2007-01-11 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | ペトロセリン酸生合成に関与する新規遺伝子、ペトロセリン酸の製造方法 |
JPWO2007004694A1 (ja) * | 2005-06-30 | 2009-01-29 | トヨタ自動車株式会社 | ペトロセリン酸生合成に関与する新規遺伝子、ペトロセリン酸の製造方法 |
JP4840360B2 (ja) * | 2005-06-30 | 2011-12-21 | トヨタ自動車株式会社 | ペトロセリン酸生合成に関与する新規遺伝子、ペトロセリン酸の製造方法 |
JP2017510698A (ja) * | 2014-04-07 | 2017-04-13 | イーパクス ノルウェー アーエス | 長鎖一価不飽和脂肪酸組成物、及びその製造方法 |
JP2020073638A (ja) * | 2014-04-07 | 2020-05-14 | イーパクス ノルウェー アーエス | 長鎖一価不飽和脂肪酸組成物、及びその製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP1104231A4 (en) | 2004-04-28 |
US20010037514A1 (en) | 2001-11-01 |
US20050150006A1 (en) | 2005-07-07 |
US6281375B1 (en) | 2001-08-28 |
CA2339365A1 (en) | 2000-02-17 |
BR9913354A (pt) | 2001-05-15 |
AU2003266448A1 (en) | 2004-01-08 |
ATE415481T1 (de) | 2008-12-15 |
WO2000007432A9 (en) | 2000-11-16 |
CN1368842A (zh) | 2002-09-11 |
AU764694B2 (en) | 2003-08-28 |
DE69939980D1 (de) | 2009-01-08 |
AU5546699A (en) | 2000-02-28 |
EP1104231B1 (en) | 2008-11-26 |
EP1104231A1 (en) | 2001-06-06 |
PL346115A1 (en) | 2002-01-28 |
WO2000007432A1 (en) | 2000-02-17 |
CN1213148C (zh) | 2005-08-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2002521560A (ja) | 生分解性高酸化安定性オイル | |
CN104726473B (zh) | 包含二十二碳六烯酸的提取的植物脂质 | |
US6441278B1 (en) | Canola oil having increased oleic acid and decreased linolenic acid content | |
Liu et al. | Field production, purification and analysis of high-oleic acetyl-triacylglycerols from transgenic Camelina sativa | |
AU2013252489B2 (en) | High oleic acid oils | |
KR20010108111A (ko) | 불균질 사슬 길이를 갖는 오일 | |
US6649782B2 (en) | Plants, seeds and oils having an elevated total monounsaturated fatty acid content | |
Rodríguez-Rodríguez et al. | Lipid profiling and oil properties of Camelina sativa seeds engineered to enhance the production of saturated and omega-7 fatty acids | |
Beaudoin et al. | Oleaginous crops as integrated production platforms for food, feed, fuel and renewable industrial feedstock | |
Singer et al. | The effect of AINTEGUMENTA-LIKE 7 over-expression on seed fatty acid biosynthesis, storage oil accumulation and the transcriptome in Arabidopsis thaliana | |
CA2344278C (en) | Vegetable oil having elevated stearic acid content | |
MXPA01001223A (en) | Biodegradable high oxidative stability oils | |
AU2013202935B2 (en) | Soybean seed and oil compositions and methods of making same | |
Beaudoin et al. | Perspectives offertes par la selection varietale sur la qualite nutritionnelle et technologique des oleagineux | |
Faure et al. | les nouvelles perspectives de l’oleochimie europeenne | |
AU2005202251A1 (en) | Vegetable oil having elevated stearic acid content | |
MXPA01011314A (en) | Methods for producing plants with elevated oleic acid content |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20061003 |