JP2002521037A - スプライシングされた核酸を検出および測定する方法 - Google Patents

スプライシングされた核酸を検出および測定する方法

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Abstract

(57)【要約】 増幅に適している、生物学的試料から核酸(好適にはスプライシングされたmRNA)を調製するための簡便化された方法が開示されている。核酸増幅後、試料中に存在するスプライシングされたmRNAの一つまたはそれ以上の種の量を検出および測定する方法が開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 関連分野 本発明は生物源から誘導された核酸の検出および測定に関係し、特に、細胞内
プロセッシングから生じる正常にスプライシングされたmRNAおよびいくつか
の癌性細胞で起こるような染色体転座から生じる異常にスプライシングされたm
RNAを含む、スプライシングされたmRNAを特異的に検出する方法に特に関
係している。
【0002】 背景技術 真核生物において、DNA中の遺伝情報は核内に含まれている染色体上に存在
している。いくつかのウイルスは染色体様遺伝子構造を持っている。DNAの一
つの鎖内に含まれている遺伝情報は塩基の配列に依存しており(即ち、”塩基配
列”または”ヌクレオチド配列”)、ここで塩基とはアデニン(A)、グアニン
(G)、シトシン(C)およびチミン(T)である。DNAは相補的メッセンジ
ャーリボ核酸(mRNA)配列をコード化しており、そこではTはウラシル(U
)に置き換えられおよび5’から3’へのヌクレオチド配列はコード化されたタ
ンパク質のアミノ酸配列を特定している。真核生物遺伝子は一般に、介在する非
コード領域(”イントロン”)で分離された非連続性のコード領域(”エキソン
”)を含んでいる。遺伝子の核転写はコードDNA鎖に相補的な前駆体mRNA
(pre−mRNA、イントロンおよびエキソンを含んでいる)を合成する。p
re−mRNAの正常なスプライシングは、RNAを切断およびスプライシング
することによりイントロンを除去し、エキソンを共有結合で連結すると同時にイ
ントロンを切り出す。生じた成熟核mRNAは細胞質へ出て行き、そこでタンパ
ク質への翻訳が起こる。
【0003】 核酸スプライシングはまた多くのウイルスの生活環でも起こる。いくつかのウ
イルスはスプライシング機構を用いてプロウイルスとして宿主細胞DNA内に統
合されるが、それにおいては宿主DNAが切断されウイルス核酸が挿入され、宿
主DNAへ結合される。ウイルス挿入はウイルスまたはウイルスファミリーに特
徴的に、しばしば宿主染色体中の特異的座位または関連する座位で起こる。標的
細胞集団中に存在する病原性プロウイルスはしばしば特定の状態または疾患に関
連している。染色体エキソンまたはイントロン−エキソン境界近辺へのプロウイ
ルスの挿入は、正常に転写されたmRNAおよび/または翻訳されたタンパク質
とは異なった、細胞に対して有害な影響を与える異常体の産生を導くであろう。
分子生物学的方法が疾患の遺伝子的基礎の調査および、癌のようないくつかの疾
患に関連する分子変化の同定(例えば、異常な遺伝子スプライシング、欠失、挿
入、置換および増幅)に使用されてきた。
【0004】 染色体転座はいくつかの白血病およびリンパ腫のようなある種の癌に関連する
遺伝子組換えである。いくつかの転座においては、染色体間の相互遺伝子交換に
より再組み立てされた二つの異なった染色体が二つのハイブリッド染色体を形成
しており、各々が二つの正常染色体の一部を含んでいる。別の転座は染色体内組
換え体であり、そこでは同じ染色体の正常では非連続的である領域が結合されて
いる。転座の”切断点部位(breakpoint junction)”とは
正常では分離されている染色体部位に由来する配列の結合点を意味している。切
断点部位は二つの染色体の一つまたは両方の保存された部位に密集していること
もある。遺伝子コード化領域内での転座の発生は分離した領域を持っている異常
mRNAを生じる(例えば、一つの染色体部位に由来する5’位および別の染色
体部位に由来する3’位)。そのような異常転写体は”融合転写体(fusio
n transcripts)”または”融合mRNA(fusion mRN
A)”として知られている。
【0005】 一群の転座が慢性骨髄性白血病(”CML”)を患っている患者に特徴的であ
る。CML関連転座はヒト染色体9および22間で起こり(”t(9.22)”
と称される)、生じる短縮された染色体22はフィラデルフィア染色体(または
Ph1)として知られている。転座t(9.22)は染色体9のabl遺伝子の
一部および染色体22の”切断点クラスター領域”またはbcr遺伝子を結びつ
ける。Ph1陽性細胞株から単離された融合mRNAから調製されたcDNA(
約8kb)が配列決定され、ablエキソン2およびbcr b3領域間の転座
、それがチロシンキナーゼ活性を持っている融合タンパク質をコード化している
ことが明らかにされている(Shtivelman et al.,Natur
315:550−554,1985)。正常Ablタンパク質より大きな分
子量を持っている改変Ablタンパク質の抗体検出がPh1陽性細胞を検出する
ために(CMLの診断)使用されている(Witteらによる米国特許第4,5
99,305号を参照されたい)。染色体22および9間の別の転座(CML関
連bcr領域の5’側の約50kbのbcr領域内での)は急性リンパ芽球性白
血病(ALL)に特徴的である。ALL関連転座はbcr領域の推定第一イント
ロン内で起こり、染色体22のbcr b1および染色体9のablエキソン2
をスプライスするキメラmRNAを産生し、それは続いて融合タンパク質を産生
する(Hermans et al.,Cell 51:33−40, 198
7)。染色体22上のALL関連転座はbcr遺伝子の一部に特異的なプローブ
で検出されてきた(Nakamuraらによる欧州特許公開第EP 0 364
953号を参照されたい)。
【0006】 ヒト染色体8および21を含んでいる染色体転座はFAB−M2形態学を持っ
ている約40%の小児急性骨髄性白血病(”AML”)に関連している。両方の
染色体上の切断点は変化し易いが、一般に染色体21のAML1遺伝子の5’部
分および染色体8のETO遺伝子の3’部分を含んでいる共通の融合転写体を生
じ、融合タンパク質を生成する(Ohkiらによる米国特許第5,580,72
7号を参照されたい)。
【0007】 リンパ腫および白血病のような疾患に関連する別の染色体転座はALL関連t
(15;17)転座およびAML関連t(12;21)、t(4;11)および
t(1;19)転座である。
【0008】 上に例示したような異常状態または疾患に関連したキメラDNAおよび/また
はRNAおよび/または融合タンパク質の検出は初期診断の確認、処置に対する
患者応答のモニタリング、および寛解後の疾患再発の早期警告の提供のために有
用である。キメラ核酸またはタンパク質を検出する能力は、疾患の異なった段階
(例えば、寛解後または非急性期)に存在する細胞数が極端に少ないために制限
されている。染色体転座に関連する状態(状態の再発を含んで)のための患者の
予後は通常早期診断よりもさらに好ましいことである。一般的に、免疫学的技術
は試料中の非常に少数の分析物を検出するには感度が十分ではない。
【0009】 CMLおよびALLのような染色体転座に関連する状態の診断法が報告されて
いる。Stephensonらによる米国特許第4,681,840号およびP
CT公開第WO85/03297号はbcr領域に相補的な染色体DNA由来プ
ローブを使用したCML関連Ph1異常を検出するためのDNAおよびハイブリ
ダイゼーション法を開示している。
【0010】 bcr b2またはb3とablエキソン2を連結するCML関連t(9,2
2)転座は、融合タンパク質を増幅し、次にこれらのスプライシングされた配列
に特異的な合成オリゴヌクレオチドを増幅された核酸にハイブリダイズさせるこ
とにより検出できる(Rossiらによる米国特許第4,874,853号およ
び欧州特許公開第0338713号を参照されたい)。Ph1染色体によりコー
ド化されている配列に相補的な一つまたはそれ以上の合成DNAオリゴヌクレオ
チドとRNAをハイブリダイズさせることにより特有の異常遺伝子転写体を検出
する方法はLeeらによる米国特許第4,999,290号に記載されている。
これらの方法においては、酵素的分解に耐性を持つRNA−DNAヘテロ二重鎖
が形成され、続いてのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅およびDNA検出に
より異常遺伝子転写体の存在が示される。相補的DNAオリゴヌクレオチドは
cr b2および/またはb3およびabl配列を含んでいる。ヒト染色体11
のALL−1切断点領域を含んでいる腫瘍DNAにおける染色体異常(例えば、
t(9,11)転座)を検出および同定するためのDNA配列およびハイブリダ
イゼーション法は既知である(Croceらによる米国特許第5,567,58
6および5,633,136号を参照されたい)。
【0011】 転座を検出するために切断点プローブ(junction probe)を使
用する方法は、各プローブが特定の切断点部位に方向付けられているため特定の
融合により生じるDNAおよびmRNAのみしか検出できない。小さなbcr
域内で起こる多くの切断点の一つを使用するCML関連転座のような転座に対し
ては、融合mRNA検出は多くの異なった切断点接合部プローブの使用を必要と
するであろう。また、プローブハイブリダイゼーションを制限するであろう点変
異がしばしばスプライス部位の2,3の塩基内に存在する。さらに、bcr遺伝
子内での欠失または挿入のような染色体転位は、切断点接合部プローブの使用で
は検出されないであろう一般的ではないCML関連異常転写体を産生するであろ
う。
【0012】 Rowleyらによる米国特許第5,487,970号は切断点接合部プロー
ブを使用した、または蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)を
用いた染色体11(11q22)転座を検出するための方法を開示している。F
ISH法において、共通に観察される切断点に隣接する11q22染色体領域に
向かう二つの蛍光標識プローブがインサイチュで染色体へハイブリダイズされ、
それは蛍光顕微鏡を使用して観察される。標識が染色体11上のみに存在する細
胞が正常と分類され、一方、標識が異なった染色体上に現れる細胞は転座が進行
していると同定される。この方法は、転座が試料中の多くの細胞に存在しないか
ぎり比較的多くの細胞集団のスクリーニングを必要とする。染色体11 ALL
−1遺伝子を含んでいる染色体転座へハイブリダイズできる制限エンドヌクレア
ーゼ断片をプローブは含んでいる(FISHまたはサザンブロッティングを使用
して)。CML関連転座を検出する別のFISH法は、Sicilianoらに
よる米国特許第5,538,869号に記載されているような反復セグメント間
の種特異的DNA領域(”インターAlu”配列)から誘導されたプローブを使
用している。
【0013】 上記の方法はシグナルまたは標的の増幅なしでの核酸ハイブリダイゼーション
によるキメラRNAまたはDNAの直接検出に依存している。従って、これらの
検出法は試料(例えば、組織、血液または他の体液)中に、染色体転位を持つ比
較的多数の標的細胞を必要とする。しかしながら、疾患が寛解期である場合、ま
たは慢性の非急性期である場合には多数の異常細胞は一般的には試料中には存在
しない。従って、遺伝子異常を持つ十分な数の細胞が存在する場合が直接検出を
可能にし、患者処置オプションは非常に制限されている。
【0014】 核酸検出の別の方法は検出感度を上昇させるため、標的核酸(相補的鎖の片方
または両方)またはレポーター分子の多数のコピーを得るための増幅を用いてい
る。以下に簡単に記すように種々の核酸増幅法が知られている(例えば、Per
sing,D.H.,Diagnostic Medical Microbi
ology:Principles and Applications 51
”In Vitro Nucleic Acid Amplification
Techniques”(Persing et al.,Ed.,1993
)を参照されたい)。
【0015】 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、二つまたはそれ以上のプライマーおよび
熱変性反復サイクル、プライマーアニーリングおよびDNA合成を用いてDNA
標的を増幅することにより、試料中に存在する少量のDNAの検出を可能にする
(Mullisらによる米国特許第4,683,195号;PCR Proto
cols:A Guide to Methods and Applicat
ions,1990,Innes,M.A.et al,Eds.(Acade
mic Press,Inc.,San Diego,CA))。一般に、第一
のプライマーは標的核酸の特異的領域にハイブリダイズし、第二のプライマーは
第一のプライマーの結合部位に対して5’側にある標的DNAの反対鎖へハイブ
リダイズする。一連の合成工程において、ポリメラーゼはプライマー伸長生成物
を生成し、それはプライマー間の領域を指数的に増幅する。
【0016】 リガーゼ連鎖反応(LCR)は標的核酸の隣接領域にハイブリダイズする短い
DNAオリゴヌクレオチドの二つの相補的組を使用し、オリゴヌクレオチドは次
にDNAリガーゼを使用して共有結合で連結される(欧州特許第0320308
号を参照されたい)。熱変性、ハイブリダイゼーションおよび連結反応の反復サ
イクルを用いることにより、蓄積された二重鎖連結オリゴヌクレオチド生成物が
検出でき、試料中の標的核酸の存在が示される。
【0017】 鎖置換増幅(Walker et al.,1992,Proc.Natl.
Acad.Sci.USA 89:392−396)は制限エンドヌクレアーゼ
切断部位を含み、および増幅されるべき配列のどちらかの側の標的核酸二重鎖の
反対鎖にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーを用いている。三つ
のデオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)および単一のdNTP[α]Sを
使用するDNAポリメラーゼ仲介プライマー伸長は二重鎖ヘミホスホロチオエー
ト化プライマー伸長生成物を産生し、それは制限エンドヌクレアーゼにより切断
というよりもむしろ切れ目を付けられる。次に、ニックの3’末端がDNAポリ
メラーゼにより伸長され、それは同時に非ヘミホスホロチオエート化鎖を置換す
る。一つのセンスの各々の置換鎖は反対センスのオリゴヌクレオチドプライマー
結合のための鋳型として働くことができ、二本鎖核酸の幾何学的蓄積を生じる。
【0018】 別の核酸増幅法はプローブそれ自身を増幅することが可能なRNAレプリカー
ゼ(Qβレプリカーゼ)を用いている(Kramerらによる米国特許第5,1
12,734号を参照されたい)。
【0019】 転写に基づいた増幅系は標的領域のRNA転写体の作製にRNAポリメラーゼ
を用いている(Kacianらによる米国特許第5,480,784および5,
399,491号を参照されたい)。転写仲介増幅(TMA)と称される一つの
方法は、標的核酸へハイブリダイズするプロモータープライマーを使用する。逆
転写酵素の存在下、二本鎖DNAが形成され、二本鎖プロモーターが形成される
。次に、RNAポリメラーゼがRNA転写体を産生し、それはRNA転写体へハ
イブリダイズできる第二のプライマーの存在下、次の回のTMAの鋳型となる。
熱変性を必要とするPCRおよび他の方法と異なり、TMAはRNA−DNAハ
イブリッドのRNA鎖を切断するためにRNAse H活性を使用する等温増幅
法であり、それによりDNA鎖をプライマーまたはプロモータープライマーとの
ハイブリダイゼーションに利用可能にしている。一般に、RNAse H活性は
増幅のために準備されたレトロウイルス逆転写酵素により供給される。
【0020】 染色体転座およびその転写生成物は核酸増幅を含む方法を使用して検出されて
きた。切断点クラスター領域を囲んでいる配列を増幅することによる、濾胞性リ
ンパ腫(特に最少残留または再発性疾患)に関連したt(14q32;18q2
1)染色体転座を含んでいる細胞を検出するためのPCRに基づいた方法はLe
eによる米国特許第5,024,934号に記載されている。患者組織中のt(
9;11)転座を同定するためのPCRプライマーおよびcDNA増幅法はCr
oceらによる米国特許第5,633,135号に記載されている。標的核酸の
PCR増幅を含んでいる癌転移を検出する方法(10,000から100,00
0細胞中の一つ)がGreenらによる欧州特許公開第EP520794号に記
載されている。
【0021】 同様に、ALLに関連するキメラmRNA(Kawasakiらによる米国特
許第5,057,410号)および白血病細胞中のt(8;21)転座に由来す
るRNA転写体(Nissonらによる米国特許第5,547,838号)を検
出するためにPCR増幅が使用されている。米国特許第5,057,410号は
エキソン−エキソン結合部位を含んでいるキメラRNAを検出するためのPCR
法を開示している。この方法において、標的細胞から抽出されたmRNAは逆転
写されてcDNAを生成し、それはPCRにより増幅されて二本鎖DNA増幅生
成物が作製される。この増幅生成物は次に変性され、生じた鎖の一つが切断点部
位へのオリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズすることにより検出される
。個々のプローブはCMLおよびALLに関連した固有のbcrabl結合部
位化学種へハイブリダイズする。
【0022】 Sooknananら(Experimental Hematol.21:
1719−1724,1993)はFICOLLTM−分画化末梢血白血球からR
NAを抽出し、転写を含んでいる等温増幅法を使用して標的核酸を増幅すること
による、CMLに特徴的なbcrabl mRNA検出のための方法を記載し
ている。四つの増幅プライマーを使用する一連の反応(第一の反応におけるプラ
イマー対および第二の反応におけるひとそろいの対)が増幅および検出に必要で
あった。この方法により生成された増幅核酸は本来のmRNAと同じセンスであ
り、二つのスプライス部位を検出するための二つの異なったbcrabl結合
部位プローブを使用して検出された。切断点部位へのプローブは正常bcrおよ
び/またはabl mRNAと患者試料からのキメラbcrabl mRNA
を識別した。
【0023】 PCRに基づいた方法は癌に関連した他の転座またはその転写生成物を検出す
るために使用されてきた。胞巣状横紋筋肉腫に関連したt(2;13)転座を検
出するためのプローブおよびPCRプライマーはBarrによる米国特許第5,
650,278号に記載されている。t(2;5)リンパ腫に関連する融合タン
パク質(未分化リンパ腫キナーゼまたはALK)をコード化している核酸配列は
Morrisらによる米国特許第5,529,925号に開示されている。
【0024】 キメラ核酸、特に血液、骨髄、血漿、生検組織、痰、尿、糞、精液または他の
体液のような生物試料から得られたキメラmRNAを検出するための簡便で、感
度が高くおよび迅速な方法が本分野で未だに必要とされている。好適には、その
ような方法は実験室職員の最低限の専門的技術および最低限の特殊実験設備(例
えば、遠心分離機、熱サイクルおよび電気泳動装置)しか必要とせず、および比
較的安価な試薬を使用するであろう。さらに、例えば偽陽性および偽陰性結果の
可能性を減少させることにより、最低限の条件で説明可能な結果を提供するであ
ろうキメラRNAを検出するためのアッセイが必要とされている。
【0025】 診断核酸ハイブリダイゼーションアッセイにおける可能性のある標的としてま
たは核酸増幅のための鋳型として使用するための細胞質核酸、特にmRNAを調
製する簡便で迅速な方法もまた本分野で必要とされている。そのような簡便化さ
れた調製法は徹底的な抽出および精製法に対する必要性を軽減させる。
【0026】 RNA(またはそれから作製される増幅生成物)、特にmRNAを検出する方
法の決定的要素は細胞からRNAを抽出する方式である。種々のRNaseの遍
在のため、抽出法は試料中に存在するであろう少量の標的RNAを保護しなけれ
ばならない。標的細胞からすべての核酸(核核酸を含んで)を遊離させる抽出法
は標的mRNAのみでなくそれをコード化しているDNAも含んでいる試料が生
成され、それは多くの核酸に基づくアッセイにおいて偽陽性の結果を与えるであ
ろう。
【0027】 既知の抽出技術は一般的に細胞を溶解させるためにグアニジニウムのようなカ
オトロピック剤を使用する。続いての処理には典型的には、DNAの機械的せん
断、フェノールおよびクロロホルム抽出、およびグアニジニウムからのRNAの
エタノールまたはLiCl沈殿が含まれる。mRNA調製の別の方法はポリ−A
mRNAを捕捉するために樹脂上に固定化されたオリゴ−dT(即ち、ポリチ
ミン)を使用している。
【0028】 抽出緩衝液内へ成熟RNA種を放出するが、一方、核の物質を感知できるほど
には放出しない、細胞を透過可能な成熟RNAを検出する診断法が都合がよいで
あろう。従って、DNAおよび未成熟核RNA種は所望の標的核酸には混ぜ合わ
さっていないであろう。所望のRNA種および同一または相補的配列を含んでお
りおよび/または粘性を増加させる夾雑物の初期の混合を除くことにより、染色
体DNAおよび生じる偽陽性を除去するために必要な追加の工程が避けるられる
であろう。細胞質RNA種を遊離する一方でプレ−mRNAまたはDNAを放出
しないであろう、および高レベルの特殊な技術または訓練を必要としない迅速で
簡便な方法が商業的アッセイおよびキットで特に望ましい。定性的および/また
は定量的核酸増幅または特異的核酸の直接的検出に適したRNAを得る、迅速で
容易な溶解方法が必要とされている。
【0029】 発明の要約 本発明は生物学的試料中の融合核酸、特にキメラmRNA種を検出するための
方法に関している。本発明はまた、試料からRNAを調製する簡単な方法も含ん
でおり、調製されたRNAは色々な方法による増幅に適している。
【0030】 本発明の一つの態様に従うと、スプライス接合部位(splice junc
tion site)を含む第一の一本鎖融合核酸を含んでいる試料を提供し;
核酸増幅条件下、第一の一本鎖融合核酸と、スプライス接合部部位の3’側に位
置している第一のプライマー結合部位で融合核酸に特異的にハイブリダイズする
第一のプライマー、および少なくとも一つの核酸ポリメラーゼ活性を接触させる
工程を含んでいる、試料中の融合核酸を検出するための方法が提供される。次に
、本方法は第一のプライマーを使用して核酸増幅反応で融合核酸を増幅し、スプ
ライス接合部部位を含む第一の一本鎖融合核酸の少なくとも一部に相補的な、複
数の第二の核酸鎖を生成させる。各々の第二の核酸鎖は一つの相補的スプライス
接合部位、3’側に位置するが相補的スプライス接合部位とは重複していない第
一のプローブ結合部位、および5’側に位置するが相補的スプライス接合部位と
は重複していない第二のプローブ結合部位(ここで第二のプローブ結合部位は第
一のプライマー結合部位に相補的な配列と重複しているかまたはその3’側に位
置している)を含んでいる。本方法は次に、ハイブリダイゼーション条件下、第
一または第二のプローブ結合部位と特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオ
チドプローブと第二の核酸鎖をハイブリダイズさせる工程を含んでおり、それに
よりプローブ:標的ハイブリッドを形成させ、試料中の融合核酸存在の指標とし
てプローブ:標的ハイブリッドを検出する。本方法の一つの態様において、第一
の一本鎖融合核酸はmRNAであり、第一のプローブはプロモータープライマー
であり、ポリメラーゼ活性はRNAポリメラーゼ活性であり、オリゴヌクレオチ
ドプローブはmRNAと同一のセンスであり、第一のプローブ結合部位へ特異的
にハイブリダイズする。本方法の別の態様において、第一の一本鎖融合核酸はm
RNAであり、第二の核酸鎖は相補的RNAであり、増幅工程はさらに第二の核
酸鎖と、相補的スプライス接合および第一のプローブ結合部位両方の3’側に位
置している第二のプライマー結合部位へ特異的にハイブリダイズする第二のプラ
イマーまたはプロモータープライマーを接触させることを含んでもよく、および
増幅生成物の合成にRNAポリメラーゼ活性、DNA指向性DNAポリメラーゼ
活性およびRNA指向性DNAポリメラーゼ活性を使用してもよい。一つの態様
において、オリゴヌクレオチドプローブは第二のプローブ結合部位へ特異的にハ
イブリダイズし、第一の一本鎖融合核酸と安定なハイブリダイゼーション複合体
を形成することはできない。本方法はまた、第一の工程において、融合核酸を含
んでいる生物学的試料と緩衝液、約150mMから約1Mの範囲のイオン強度を
持っている可溶性塩、および約0.5%から約1.5%(v/v)の範囲の非イ
オン性界面活性剤を含んでいる溶液を接触させて試料中に存在する細胞から細胞
質核酸を放出させて試料を調製することを含んでいる。試料を調製する工程はさ
らに、試料中に存在する一本鎖融合核酸と安定なハイブリダイゼーション複合体
を直接的または間接的にハイブリダイゼーション条件下で形成するヌクレオチド
塩基配列を含む固定化オリゴヌクレオチドへ結合された固形支持体と試料を接触
させ、他の試料成分から固形支持体へ結合されたハイブリダイゼーション複合体
を分離する工程も含んでいる。好適な態様において、精製された融合核酸はmR
NAであり、および固定化オリゴヌクレオチドのヌクレオチド塩基配列はポリ−
T配列を含んでいる。本方法の別の態様において、融合核酸は遺伝子転座により
生成された融合mRNA転写体であり、それはスプライス接合部位に二つの染色
体領域を連結している;接触工程において、第一のプライマーはスプライス接合
部位の3’側に位置している第一の染色体領域から誘導された第一のプライマー
結合部位で融合mRNA転写体へ特異的にハイブリダイズする;および増幅工程
において、第一のプローブ結合部位は第二の染色体領域から誘導され、および第
二のプローブ結合部位は第一のプライマー結合部位に相補的な配列と重複してい
るかまたはその3’側に位置している第三の染色体領域から誘導され;およびハ
イブリダイゼーション工程において、オリゴヌクレオチドは第二の核酸鎖へ第一
または第二のプローブ結合部位でハイブリダイズするが、しかし融合mRNA転
写体へハイブリダイズできない。融合mRNA転写体を検出する一つの態様にお
いて、増幅工程はプロモータープライマーである第一のプライマーおよびRNA
ポリメラーゼ活性を持っている酵素を使用し、ハイブリダイズする工程は、第一
のプローブ結合部位へ特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブ
を使用する。別の態様において、増幅工程は増幅条件下、融合RNA転写体と相
補的なRNAのヌクレオチド配列に特異的にハイブリダイズする第二のプライマ
ーまたはプロモータープライマーを含んでおり、RNAポリメラーゼ活性、DN
A指向性DNAポリメラーゼ活性およびRNA指向性DNAポリメラーゼ活性を
使用する。好適な態様において、RNA指向性DNAポリメラーゼ活性およびD
NA指向性DNAポリメラーゼ活性は逆転写酵素により供給される。本方法はま
た内部対照転写体の検出を含んでいてもよく、そこにおいて増幅工程はさらに内
部対照転写体にも特異的にハイブリダイズする第一のプライマーを使用すること
により内部対照転写体を増幅することを含み、ハイブリダイゼーション工程はさ
らに内部対照転写体に相補的な配列に特異的にハイブリダイズする第二のオリゴ
ヌクレオチドプローブを含んでおり、それにより内部対照ハイブリダイゼーショ
ン複合体を形成させ、および検出工程はさらに内部対照ハイブリダイゼーション
複合体を検出することを含んでいる。融合mRNA転写体を検出する方法の一態
様において、第一および第二のプローブ結合部位は一つの染色体の異なった領域
から誘導される。別の態様において、第一のプローブ結合部位は第一の染色体か
ら誘導され、および第二のプローブ結合部位は第二の染色体から誘導される。好
適には、融合mRNA転写体はt(1;19)、t(2;5)、t(2;13)
、t(4;11)、t(6;9)、t(8;21)、t(9;11)、t(9;
22)、t(11;14)、t(11;19)、t(11;22)、t(12;
21)、t(14;18)およびt(15;17)から成る群より選択されるヒ
ト染色体の転座により生じる。好適な態様において、融合mRNA転写体はt(
9;22)転座から生じ、オリゴヌクレオチドプローブはbcr由来配列または abl 由来配列を含んでいる。別の好適な態様において、オリゴヌクレオチドプ
ローブは第二の核酸鎖中のbcr由来ヌクレオチド塩基配列に特異的に結合する
。本発明はまた融合mRNA転写体を検出する方法で使用する、配列ID番号:
1から配列ID番号:23、配列ID番号:26および配列ID番号:27から
成る群から選択される配列を持っている一つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチ
ドも含んでいる。好適には、本方法は配列ID番号:1、配列ID番号:13お
よび配列ID番号:16の配列を持っているオリゴヌクレオチドを使用する。
【0031】 本発明の別の態様は、未精製RNAを含んでいる試料を提供し、約6.5から
約8.5のpH範囲を持っている緩衝液、少なくとも約150mMのイオン強度
を持っている可溶性塩、細胞からの染色体DNAによる試料粘性の増加を起こす
ことなく細胞から細胞質RNAを放出させるのに十分な量の非イオン性界面活性
剤、および試料中に存在するRNAへ直接的または間接的にハイブリダイズする
ヌクレオチド塩基配列(それによりハイブリダイゼーション条件下、安定なハイ
ブリダイゼーション複合体を生成させる)を含んでいる固定化オリゴヌクレオチ
ドへ結合された固形支持体を含んでいる溶液と試料とを混合する工程を含んでい
る、試料からRNAを調製する方法である。本方法は次に、他の試料成分から固
形支持体に結合されたハイブリダイゼーション複合体を分離し、固形支持体に結
合されたハイブリダイゼーション複合体を維持するのに十分なイオン強度を持っ
ている洗浄溶液で洗浄し、および洗浄溶液から固形支持体に結合されたハイブリ
ダイゼーション複合体を回収する工程を含んでいる。好適な態様において、試料
とは非凝固血、血漿、または骨髄または真核細胞の懸濁液である。別の態様にお
いて、非イオン性界面活性剤の有効量は約0.5%から約1.5%(v/v)の
間である。
【0032】 本発明は、図および実施例で例示された好適な実施態様を含む以下の発明の詳
細な説明でより詳しく説明されている。 発明の詳細な説明 本発明は体液、組織または真核細胞のような生物学的試料に由来するRNA試
料を調製する方法を含んでいる。RNA調製のこの比較的簡単な方法は、生物学
的試料中に比較的低頻度で存在するmRNA種の分析および検出に適したRNA
を提供する。本発明はまたキメラRNA種、特に生物源から調製されたRNA試
料中に比較的低頻度で存在するmRNA種を検出する方法も含んでいる。これら
の方法(ヒト医学および獣医学分野で有用である)は、疾患または医学状態が生
物学的試料中に存在するmRNAの特定の型および/またはレベルと関連するよ
うな場合、治療に対する患者応答の医学診断および臨床モニタリングに有用であ
る。
【0033】 本明細書の別の部分で提供されている定義に加え、以下の用語は特に指示しな
い限り次のような意味を持っている。本明細書で使用された他の科学的および技
術的用語は当業者に共通して理解されているものと同一の意味を持っている。本
明細書で使用されている多くの用語の一般的定義は例えば、Dictionar
y of Microbiology and Molecular Biol
ogy,第二版(Singleton et al.,1994,John W
iley & Sons,New York,NY)、The Harper
Collins Dictionary of Biology(Hale &
Marham,1991,Harper Perennial,New Yo
rk,NY)、およびDorland’s Illustrated Medi
cal Dictionary,第27版(W.A.Dorland,1988
,W.B.Saunders Co.,Philadelphia,PA)に提
供されている。
【0034】 ”ヌクレオチド配列”とは相補的塩基配列を持っているDNAまたはRNAと
水素結合できる、直線状情報含有分子に沿った窒素性塩基の配列を意味している
。本用語はそのようなヌクレオチドポリマーのような情報含有分子に制限される
こと意味しているわけではなく、一つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体を含
んでいる分子も含んでいる。例えば、類似体はリボースまたはデオキシリボース
以外の糖部分(例えば、2’ハライド−またはメトキシ−置換ペントース糖類)
および/またはホスホジエステル結合以外の既知の結合(例えば、ホスホロチオ
エート、メチルホスホネートおよびペプチド結合)を含んでいるサブユニットを
含んでいてもよい。
【0035】 水素結合核酸二重鎖は二つの相補的核酸鎖を含んでいる。これらの関連する鎖
は逆の”センス”であるといわれており、二つの完全に相補的鎖のどちらのヌク
レオチド配列も、各々の鎖のヌクレオチド配列は他方とは異なっていても自動的
に他方の鎖のヌクレオチド配列を述べるものである。慣習的に、一方の鎖が任意
に(+)鎖と称され、他方の関連鎖は(−)鎖と称される。
【0036】 ”オリゴヌクレオチド”とは少なくとも二つの、一般には約5から約100の
間の化学的サブユニットの重合鎖を意味しており、各々のサブユニットはヌクレ
オチド塩基部分、糖部分および直線的空間コンフィグレーションでサブユニット
を連結する結合部分から成っている。通常のヌクレオチド塩基部分はグアニン(
G)、アデニン(A)、シトシン(C)、チミン(T)およびウラシル(U)で
あるが、他のまれなまたは修飾されたヌクレオチド塩基が水素結合できることは
当業者にはよく知られている。通常の糖部分はリボースおよびデオキシリボース
であるが、2’−O−メチルリボース、ハロゲン化糖および他の修飾および異な
った糖が本分野で知られている。通常、結合基はリン含有残基であるが(最も普
通にはホスホジエステル結合)、例えば、ホスホロチオエート、メチルホスホネ
ートおよびペプチド様結合(そのような結合を含んでいるオリゴヌクレオチドが
ある(”ペプチド核酸”またはPNA))のような非リン含有結合も本分野で知
られている。PNAはオリゴヌクレオチドの定義内に含まれている。同様に、修
飾塩基残基がG、A、C、TまたはUと非共有結合的会合を形成する能力を保持
している限りは、ヌクレオチド塩基部分は修飾されていてもよく(例えば、プロ
ピン基の付加)、および少なくとも一つの修飾ヌクレオチド塩基残基を含んでい
るオリゴヌクレオチドは一本鎖核酸とのハイブリダイゼーションを立体的に妨害
されない。オリゴヌクレオチドは、そのオリゴヌクレオチドが相補的核酸鎖とハ
イブリダイズできるようにする情報を与えるヌクレオチド塩基部分の配列を有す
る ”核酸増幅条件”とは、与えられた核酸増幅法を使用する標的核酸の増幅を可
能にする塩濃度、温度(等温または温度サイクリングを含んで)、少なくとも一
つの核酸ポリメラーゼ、ヌクレオシド三リン酸および補因子を含んでいる環境条
件を意味している。増幅生成物はまた”アンプリコン”とも称される。
【0037】 ”プライマー”とは、標的核酸の領域(即ち、プライマーの”標的結合領域”
または”標的結合部位”)に結合し、標的核酸の核酸増幅を促進するオリゴヌク
レオチドを意味している。通常、プライマーは核酸ポリメラーゼにより伸長され
る3’末端を持っている。プロモータープライマーは標的結合部位の5’側に位
置しているプロモーター配列を含んでいるオリゴヌクレオチドである。ある条件
下、プロモータープライマーの3’末端またはプロモータープライマーの亜集団
はプライマー伸長を阻止または減少させるために修飾されていてもよい。
【0038】 ”標的配列”とは、プライマー結合部位によってその3’側に結合される標識
プローブを使用して少なくともその一部が検出可能である核酸鎖(RNAまたは
DNA)のヌクレオチド塩基配列か、または正確に相補的であるRNAまたはD
NA塩基配列を意味している。
【0039】 ”RNA均等物”とは、UがTで置換されていることを除いて、DNAと同一
のヌクレオチド配列を持っているRNAを意味している。 ”固形支持体”とは、与えられた溶媒および温度条件下で本質的に不溶性の物
質であり、オリゴヌクレオチドまたは核酸を結合する化学基を含んでいる。直接
または間接的に標的核酸を結合するオリゴヌクレオチドに共有結合で繋がれる固
形支持体が特に好適である。標的核酸がmRNAである場合、繋がれるオリゴヌ
クレオチドは好適にはポリ−Tヌクレオチド塩基配列を含んでいる。好適には固
形支持体はミクロンまたはサブミクロンのサイズ範囲の粒子(例えば、ビーズま
たは球体)である。固形支持体は一つまたはそれ以上の以下の物質から作製され
ていてもよく:シリカ、ポリアクリレート、ポリアクリアミド、金属、ポリスチ
レン、ラテックス、ニトロセルロース、ポリプロピレンおよびナイロン、好適に
は磁場により吸引される(例えば、磁鉄鉱コアを含ませることにより)。
【0040】 ”ヌクレオチド配列”とは情報含有分子中の窒素性塩基の直線状配列を意味し
ており、相補的塩基配列を持っているDNAまたはRNAと水素結合する。本用
語はそのようなヌクレオチドポリマーのような情報含有分子に制限されること意
味しているわけではなく、一つまたはそれ以上のヌクレオチド類似体を含んでい
る分子も含んでいる。ヌクレオチド類似体はリボースまたはデオキシリボース以
外の糖部分(例えば、2’ハライド−またはメトキシ−置換ペントース糖類)お
よび/またはホスホジエステル結合以外の既知の結合(例えば、ホスホロチオエ
ート、メチルホスホネートおよびペプチド結合)を含んでいる一つまたはそれ以
上のサブユニットを持っていてもよい。
【0041】 ”スプライス接合部プローブ”とはスプライス点の5’および3’側の配列へ
ハイブリダイズするために十分に相補的である配列をプローブが含んでいること
を意味している。同様に”切断点接合部プローブ”はキメラ核酸の5’および3
’側の配列にハイブリダイズするのに十分である配列を含んでいる。即ち、スプ
ライス接合部プローブまたは切断点接合部プローブのプローブ結合部位は、正常
では隣接していない配列を連結している接合部に広がっている。
【0042】 ”スプライス接合点部位”とは、核酸またはオリゴヌクレオチドのヌクレオチ
ド塩基配列(またはその相補鎖)における位置を意味しており、そこでは、核酸
の一つの鎖上のスプライス部位の5’側に位置している配列は第一の核酸領域か
ら誘導されており、スプライス部位の3’側に位置している配列は(同一の鎖に
関して)第二の核酸領域から誘導されており、ここで第一および第二の領域は正
常では隣接していない。
【0043】 ”融合”または”キメラ”核酸とは、第一および第二の核酸領域から誘導され
た近接または隣接配列を含む核酸またはオリゴヌクレオチドを意味しており、こ
こで第一および第二の領域は細胞DNA中で通常は近接または隣接していない。
一般に、キメラ核酸は異常細胞の核酸中に観察される。
【0044】 本発明は生物学的試料からの、特に真核細胞の細胞質からのRNA調製のため
の簡便化された迅速な方法を含んでおり、そのRNAは増幅および検出アッセイ
での使用に適している。本方法はまた生物学的試料(例えば、血漿)からウイル
スRNAを調製するためにも使用されるであろう。本方法は広範囲な抽出、粘性
を減少させるための染色体DNAのせん断、またはRNAを調製するための潜在
的に有害な試薬(例えば、フェノールまたはクロロホルム)の使用を必要としな
い。さらに、本方法は試料調製工程を最小化するので、調製の間の試料損失およ
び変性を制限している。RNA調製におけるこの高められた信頼性および再現性
は、融合またはキメラRNA種のような多量には存在しないRNA種を検出する
アッセイに特に有用である。
【0045】 本発明はまた、融合またはキメラRNA種を検出するまたは定量する方法を含
んでいる。本方法は核酸増幅条件下、(1)スプライス接合部部位を含む第一の
一本鎖融合核酸、(2)スプライス接合部部位の3’側に位置しているプライマ
ー結合部位で融合核酸へハイブリダイズできる第一のプライマーまたはプロモー
タープライマー、および(3)少なくとも一つの核酸ポリメラーゼ活性を接触さ
せる最初の工程を含んでいる。次に、本方法は核酸増幅反応で融合核酸を増幅さ
せることに進み、それにより、スプライス接合部部位、スプライス接合部部位の
3’側に位置しおよび重複していない第一のプローブ結合部位、およびスプライ
ス接合部部位の5’側に位置しおよび重複していない第二のプローブ結合部位を
各々が含んでいる、最初の一本鎖核酸の領域に相補的な領域を含む多数の第二の
核酸鎖を生成させる。第二のプローブ結合部位は第一のプライマー結合部位と重
複でき、またはその3’側に位置することもできる。次に、本方法はハイブリダ
イゼーション条件下で相補的第二の核酸鎖と第一または第二のプローブ結合部位
へハイブリダイズできるオリゴヌクレオチドプローブとをハイブリダイズさせる
ことを含んでおり、それによりプローブ:標的ハイブリッド(即ち、プローブの
塩基配列および標的の塩基配列間の相補的塩基対形成により形成されるハイブリ
ダイゼーション複合体)を形成する。プローブ:標的ハイブリッドは一本鎖融合
核酸が得られた試料中の、融合核酸存在の指標として検出される。この方法にお
いて、もし融合核酸がRNAであれば、オリゴヌクレオチドプローブは一本鎖融
合核酸と同一のセンスである。もしただ一つのプライマー(またはプロモーター
プライマー)が増幅工程で使用されるならば、プローブは第一のプローブ結合部
位を標的とするものである。
【0046】 本方法が入れ子状態のプライマーを使用せず、および一連の増幅反応を必要と
しないことに注目するのは重要なことである。好適には、本方法はKacian
らによる米国特許第5,480,784、5,399,491および5,554
,516号に詳細に記載されている転写仲介増幅系を使用している。本方法の一
つの態様において、増幅法で二つのオリゴヌクレオチドが使用される:検出され
るべき融合RNAの逆のセンスを持つ一つのプライマーおよびプロモータープラ
イマーおよびスプライス接合部の両方より5’側に位置に融合RNAと同一セン
スの一つのプライマー。
【0047】 本明細書で使用された場合、”プロモータープライマー”とは少なくとも二つ
の異なったヌクレオチド塩基配列を含んでいるオリゴヌクレオチドである。第一
の配列は、スプライス接合部の3’側位で融合RNAの結合部位へハイブリダイ
ズするプライマー配列である。第二の配列は、プライマーの5’側に位置し、プ
ロモーター配列が二本鎖である場合、RNAポリメラーゼの結合に転写を始める
ために好適な結合部位を提供するプロモーター配列である。従って、プロモータ
ー配列は、プロモータープライマーがハイブリダイズするヌクレオチド塩基配列
の転写を可能にする(即ち、鋳型としてキメラRNAを使用するRNA合成)。
プロモータープライマーの例は配列ID番号:1であり、そこでは1から27の
残基が機能性T7プロモーター配列を提供し(二本鎖を作製した場合)、および
残基28から54は相補的核酸塩基配列を結合するプライマー配列を提供する。
【0048】 別の態様において、本アッセイはプロモータープライマーである単一の増幅オ
リゴヌクレオチドを使用する。逆センスのプライマーなしで単一のプロモーター
プライマーが用いられた場合、増幅された相補的核酸上のスプライス接合部3’
側に位置するヌクレオチド塩基配列とハイブリダイズするキメラRNAと同じセ
ンスのプローブを使用してキメラRNAが検出される。この方式で、増幅された
キメラRNAのみが検出される。単一プロモータープライマーを用いる核酸増幅
法はKacianらによる米国特許第5,554,516号に詳細に記載されて
いる。
【0049】 好適には、プライマー(プロモータープライマーを含んで)およびプローブは
染色体DNA内の通常は連続していない領域へ方向付けられている。例えば、本
方法の好適な実施態様において、該領域は通常は異なった染色体上に存在するヌ
クレオチド塩基配列から成っている。同様に、ウイルス(即ちプロウイルス)お
よび真核生物核酸の両方に由来する領域を含む核酸の検出では、これらの個々の
領域に含まれている配列は通常連続していない。また、検出されるべき領域は、
同一の染色体の分離された部分に通常存在するが、スプライシングまたは染色体
内転座なしでは通常の増幅法では同時に増幅されないであろうような領域であっ
てもよい。
【0050】 二つのプライマーが使用される態様においては、検出プローブはスプライス接
合部部位のどちらかに位置しているヌクレオチド塩基配列に方向付けられていて
もよい。本発明のこの態様において、プローブはキメラRNAと同一のセンスを
持っていなければならない。増幅された逆センス核酸が検出され、それにより”
正常”mRNA(増幅されない)と異常にスプライスされたRNA(増幅されて
いる)との区別が可能である。さらに、プローブはスプライス接合部へ方向付け
られていないが、代わりに切断点またはスプライス領域の外側に位置している隣
接配列に結合するため、異なったスプライシングにより生じるであろう多数のス
プライシング形を一つのプローブで検出できる。
【0051】 転座の部位に”隣接している”とは、オリゴヌクレオチド結合部位がスプライ
ス接合部または切断点クラスター領域のどちらかの側の場所に位置していること
を意味している。染色体転座に関連する多くの疾患および状態において、多くの
可能なキメラRNA種が存在するであろう。各々のキメラRNAにおいて、既知
のスプライス接合部はプローブが特異的に結合するであろう特定のヌクレオチド
配列を持っているが、この型の検出は各々が既知のキメラRNA種(通常のまた
は希なRNAの両方)に方向付けられている多数のスプライス接合部プローブを
含んでいることが必要とされる。
【0052】 多くの特徴付けられた転座は、特定の疾患または状態に関連した、分離した、
既知の領域に群をなす切断点を持っている。特定の状態または疾患のためのマー
カーとして転座を検出するために、キメラRNAの各々の種を検出または特徴付
ける必要はない。代わりに、本方法を使用することにより、転座に関連するRN
Aが標的細胞により産生されおよび増幅されたかどうかを検出することのみが必
要である。
【0053】 好適な態様において、増幅されるべき標的mRNAの能力は、細胞中で転座が
起こったことを示している。単一プロモータープライマーを用いる増幅法のよう
な別の態様においては、正常およびスプライスされた転写体の両方が増幅される
が、プローブは正常転写体から増幅された核酸へはハイブリダイズしない。どち
らの場合も、増幅されたRNAの検出は、電気泳動、増加した光吸収、高色素性
シフトまたは検出可能プローブ(好適には標識されたオリゴヌクレオチドプロー
ブ)の使用のような、種々の既知の方法を使用するであろう。適した標識には酵
素、酵素基質、蛍光、発光、化学発光および電気化学発光分子、放射性核種およ
び蛍光原子が含まれる。好適な標識は蛍光または化学発光標識であり、より好適
にはアクリジニウムエステルである。
【0054】 プローブは、増幅された核酸に特異的にハイブリダイズする限り、増幅された
核酸の任意の領域を標的とすることができる。好適なプローブはスプライス接合
部の外側の配列を検出し(即ち、隣接プローブ)、この方法を使用して検出され
るであろう異なってスプライシングされた核酸の数を増加させている。
【0055】 そのようなアッセイの例は図1Aから1Cに概略で例示されており、二つの融
合標的核酸(図:1Aおよび1B)および正常標的核酸(図1C)を示している
。正常標的核酸の検出は、増幅および検出法のための随意の内部対照として含ま
れている。図1Aおよび1Bを参照すると、融合標的核酸(黒いバーおよび白い
バーとして表されている)はプライマーを使用して増幅され、アンプリコンはス
プライス接合部(黒いバーおよび白いバーの接合部)に隣接するヌクレオチド配
列に方向付けられたプローブで検出され、生物学的試料中のスプライシングされ
た核酸の存在を示す。このアッセイ方式は、プローブはスプライス接合部には結
合しないため、潜在的なスプライシングされた核酸の任意のファミリーを検出で
きる。図1Cはアッセイにおける内部対照(または”非標的”核酸)を示してお
り、正常標的核酸もまた増幅および検出される。内部対照は、試料中の核酸が増
幅できておりおよびプローブにより検出されること(即ち、これらのアッセイ工
程の一つまたは両方を阻害するであろう夾雑物が存在しないこと)を示している
【0056】 図1Aおよび1Bに例示したように、標的核酸の増幅はスプライシングの単一
サイズまたはカテゴリーに制限を受けない。図1Aおよび1Bにおいて、標的核
酸は二つの異なったbcrabl転座の融合生成物であり、一つはbcr
3とablを接合させ(図1A)、および他方はbcr b2とablを接合さ
せている(図1B)。標的核酸は異なった染色体に正常に含まれている部位のよ
うな核酸の正常非近接部分上の部位へ方向付けられたプライマーを使用して増幅
される(例えば、”CML−1”プライマーにより認識されるヒト染色体22上
に位置しているbcr部位、および”T7−ablプライマー”により認識され
るヒト染色体9上に位置しているabl部位)。
【0057】 図1Aおよび1Bに示したように、標的核酸の増幅はキメラスプライシングに
関係する核酸の一つに特異的な一つのプライマー(例えば、abl配列に特異的
な”T7−ablプライマー”)およびキメラスプライシングに関係する他の核
酸に特異的な第二のプライマー(例えば、bcr配列に特異的な”CML−1”
プライマーを使用する。増幅された標的配列は二つの配列の一つに特異的なプロ
ーブを使用して検出される(例えば、図1Aおよび1Bに示されたスプライシン
グのbcrパートナーに特異的な”b2プローブ”)。プライマーおよびプロー
ブのこの組み合わせは、異なったスプライシングの結果である異なった大きさの
生成物を同一のプライマーが増幅できるので(それらのすべてが同一のプライマ
ーで検出可能である)、一つ以上のキメラスプライシングが検出できる。例えば
、CML−1およびT7−ablプライマーを用いて図1Aの融合生成物で得ら
れた比較的長い増幅生成物と、同一のプライマーを用いて図1Bの融合生成物で
得られた比較的短い増幅生成物を比較すると、両方の増幅生成物がb2プローブ
で検出される。従って、種々の異常スプライシングで生じる融合転写体が、切断
点接合部の特定の配列とは無関係に検出可能である。
【0058】 本アッセイは任意に、標的核酸の増幅にも使用される一つのプライマーを使用
する、内部対照(非標的)核酸の増幅および検出を含んでいる(例えば、図1A
から1CにおけるT7−ablプライマー)。内部対照増幅に使用される第二の
プライマーは標的配列の増幅に使用される第二のプライマーとは異なっていなけ
ればならず、一つまたはそれ以上の潜在的スプライス接合部を含んでいるであろ
う領域とは反対側の標準近接領域に方向付けられている(例えば、図1Cに示さ
れたようなabl−1プライマー)。好適には、この第二のプライマーは切断点
接合領域に近接した部位で内部対照核酸を増幅でき、異常スプライシングが正常
核酸と間違われる可能性を除いている。即ち、第二のプライマーは潜在的スプラ
イス接合部領域に近いため、内部対照核酸の増幅生成物はプローブハイブリダイ
ゼーションのための配列を含んでいるであろうが、それは異常なスプライシング
によりしばしば排除されているであろう。図1Cに例示したように、非標的正常 abl 核酸の増幅は、非融合核酸上で通常連続的であろう配列に対するプライマ
ーを使用する(例えば、”abl−1”プライマーおよび”T7−ablプライ
マー”)。第二のプローブが増幅された内部対照核酸の検出に必要とされる(例
えば、図1Cの”ablプローブ”)。このプローブは非標的特異的プライマー
のように、潜在的スプライス接合部領域と同じ側の内部対照配列に独特である。
【0059】 これらの配列領域の関係は非常に詳細に図2および図3に示されている。図2
は図1Aで概略で示されているような、bcrablスプライス接合部を取り
囲んでいる領域の5’から3’へのDNA配列(配列ID番号:24)を示して
おり、下線を付けた領域は(残基1から126)はCML−1プライマー結合部
位に相補的な配列(ボールド体で示した65から88の残基;配列ID番号:5
)およびb2プローブ結合部位に相補的な配列(ボールド体およびイタリック体
で示した89から113の残基;配列ID番号:9)を含んでいるbcr b2
配列を表している。二重下線を付けた領域(残基127から201)は残基20
1および202間にスプライス接合部を含んでいるbcr b3配列を表してい
る。図2に示された残基202から終わりまでの配列は、図1Aから1CのT7
ablプライマーのためのプライマー結合部位(ボールド体;配列ID番号:
22)を含んでいるabl/A2領域である。
【0060】 図3は正常ablDNAの潜在的スプライス接合部領域を取り囲んでいる5’
から3’へのDNA配列(配列ID番号:25)を示している。残基1から15
1はabl 1bエキソン配列であり、図1Cのabl−1プライマーの結合部
位に相補的な領域(ボールド体の残基84から103;配列ID番号:13)を
含んでいる。二重下線を付けた領域(残基102から119;配列ID番号:2
6)は、スプライス接合部領域と隣接するプローブ結合部位に相補的である。下
線を付けた領域(残基142から165;配列ID番号:16)は潜在的スプラ
イス接合部を含んでおり、図1Cのablプローブのためのプローブ結合部位に
相補的である。残基152から299は図1Aから1CのT7−ablプライマ
ーのためのプライマー結合部位(ボールド体残基175から201;配列ID番
号:22)を含んでいる正常abl配列である。
【0061】 本発明で使用される好適な増幅法はRNAである増幅された核酸(”アンプリ
コン”)を生成し、およびより好適には主として標的配列に相補的である(即ち
、標的配列と逆のセンスの)増幅されたRNAを生成する。”主として”とは生
成物の少なくとも50%、およびより好適には55%より多くが相補的RNAで
あることを意味している。従って、もし標的がmRNAであれば(任意に(+)
センス鎖と称される)、増幅生成物は好適には(−)センス鎖である。米国特許
第5,480,784および5,399,491号に以前に説明されているよう
な転写関連増幅法を使用すると、(−)センスのプロモータープライマーおよび
(+)センスの鋳型標的核酸から、(−)センスの増幅生成物が産生される。も
し、第一のプライマーが標的および内部対照核酸の両方の増幅に共通して使用さ
れるとしたら、プライマー、増幅生成物およびプローブの同じ関係が対照核酸増
幅および検出にも使用される。
【0062】 これらの方法は、スプライシングされるかまたはさもなくば再配置された核酸
により生じる種々の既知の遺伝的または生理学的出来事を検出するために有用で
ある。これらの方法は特に、遺伝子転座(特に病的状態または疾患に関連した)
から生じる融合転写体またはキメラ転写体の存在を検出するために有用である。
これらの方法は癌、特に、例えば、CMLおよびALLのような白血病形に関連
する、種々の既知の転座を生物学的試料で検出するのに適している。
【0063】 本発明の方法はヒトに起こる、種々の既知の転座を検出するのに適しており、
その転座に関連する既知の配列のためのプライマーおよびプローブの設計を必要
とするだけである(Mitelman et al.,Cytogenet.C
ell.Genet.55:358−386,1990)。検出可能な転座には
t(9;22)、t(4;11)、特にt(4;11)(q21;q23)、t
9;11)、特にt(9;11)(p22;q23),t(11;19)、特
にt(11;19)(q23;pl3)、t(8;21),t(1;19)、特
にプレB細胞、t(11;14),t(2;5)、特に(2;5)(p23;q
35),t(11;22)、特にt(11;22)(q24;q12)、t(1
5;17),t(6;9)、t(14;18)、t(12;21)およびt(2
;13)転座が含まれるが、これらに限定されるわけではない。これらの転座の
検出のための標的配列には、Bakhshi et al.,Cell 41:
899−906,1985;Bakhshi et al.,Proc.Nat
l Acad Sci.USA 84:2396−2400,1987;Bar
r et al.,Genomics 11:941,1991;Chen e
t al.,Blood 78:2498−2504,1991;Cleary
et al,Proc.Natl Acad.Sci.USA 82:743
9−7443,1985;Cleary et al.,Cell 47:19
−28,1986;Crescenzi et al,Proc.Natl.A
cad.Sci.USA 85:4869−4873,1988;Domer
et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:788
4−7888,1993;Dragon−Durey et al.,Leuk
emia 12(7):1159−1162,1998;Groffen et
al.,Cell 36:93−99,1984;Gu et al.,Ca
ncer Res.54:2327−2330,1994;Hermans e
t al,Cell 51:33−40,1987;Kakizuka et
al.,Cell 66:663−674,1991;Kamps et al
.,Cell 60:547−555,1990;Kawasaki et a
l.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5698−57
02;LeBeau et al.,Leukemia 3(12):866−
870,1989;Mellentin et al.,Science 24
6:379−382,1989;Mitelman et al.,Cytog
enet Cell.Genet.55(1−4):358−386,1990
;Nakamura et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 90:4631−4635,1993;Nourse et al.,
Cell 60:535−545,1990;Sacchi et al., Science 231:379−382,1986;Sarris et a
l.,Leuk Lymphoma 29(5−6):507−514,199
8;Sawyers et al,Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA 87:563−567,1990;Selleri et al.,Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 88:887−891,1991
;Shtivelman et al.,Nature 315:550−55
4,1985;Sooknanan et al.,Experimental
Hematol.21:1719−1724,1993;Tkachuk e
t al.,Science 250:559−562,1990;Tsuji
moto et al.,Science 224:1403−1406,19
84;von Lindern et al.,Mol.Cell Biol
12:1687−1697,1992;Zhao et al.,Am.J.H
um.Genet.47:A119,1980;およびZemin−VanDe
rPoel et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
88:10735−10739,1991;Kawasakiらによる米国特許
第5,057,410号;Tsujimotoらによる米国特許第5,459,
251号;Meekerによる米国特許第5,538,846号;Croceら
による米国特許第5,149,628、5,198,338、5,202,42
9および5,242,795号;およびNisson らによる米国特許第5,
547,838号に記載されているような本分野では既知の配列に含まれている
【0064】 特に記載しない限り、本明細書に記載されている技術は当業者にはよく知られ
ている標準方法論である。以下の実施態様の例は例示のためにのみ提供されてい
る。
【0065】 実施例1 生物学的試料の溶解およびmRNAの単離 以下の方法は生物学的試料からmRNAを単離するために使用された。この実
施例において、血液および骨髄細胞は個々に溶解およびmRNA単離法で使用さ
れた。もし、他の組織において、細胞塊中に存在する細胞数を制限するために標
準の細かい切り刻み、スクリーン分離および/またはタンパク質分解法を使用し
て、細胞が個々の細胞または小さな細胞塊に分離されているならば、本方法は同
様にうまく働く。溶解過程は標的細胞を、少なくとも150mMの可溶性塩、好
適にはリチウムハロゲン塩(例えば、LiCl)、キレート剤(例えば、エチレ
ンジアミン四酢酸(EDTA))および核内容物を実質的に放出させることなく
細胞の細胞質膜を溶解させるのに有効な量の非イオン性界面活性剤を含んでいる
溶解溶液と接触させることを含んでいる。一般に、溶解溶液の非イオン性界面活
性剤はオクチルフェノキシ ポリエトキシエタノール(TRITONR型界面活
性剤)であったが、他の非イオン性界面活性剤(例えば、TWEENR型および
NP型界面活性剤)も同様に機能する。非イオン性界面活性剤の”有効量”とは
核DNAまたはRNAの実質的放出なしで細胞質膜の溶解または透過を起こすの
に十分な量を意味しており、一般的に約0.5%(v/v)から約2.0%(v
/v)の間である。好適な溶解溶液は約1%(v/v)のTRITONRX−1
02を含んでいた。
【0066】 典型的な方法においては、約250μlの非凝固血液または骨髄が約750μ
lの溶解溶液へ加えられた。”非凝固”とは血液または骨髄が採取の際に約2m
Mから約20mM EDTA、または有効量のヘパリンまたは本分野で知られて
いる同様の抗凝固剤で処理されていることを意味している。溶解溶液に対する試
料の割合は厳密ではないが、一般的に約1:1から1:3の成分比(試料:溶解
溶液)で試料の溶解を起こすことができる。一般に、溶解溶液は50mM HE
PES(pH7.5)、1M LiCl、5mM EDTAおよび1%TRIT
ONRX−102から成っていた。緩衝液のpHは以下に説明するように、ハイ
ブリダイゼーションによるmRNAの捕捉を容易にするため上記および中性(p
H7.0)以下の範囲、好適には約6.5から約8.5のpH範囲、およびより
好適には約pH7.5であろう。
【0067】 驚くべきことに、試料および溶解溶液を混合後、溶解溶液へ放出されたRNA
は安定であり、追加のRNAse阻害剤が存在しなくても、RNAが有意に分解
されることなく室温で少なくとも約2時間貯蔵されるであろう。溶解溶液のHE
PES、LiCl、EDTAまたはTRITONRX−102成分のどれも個々
にはほとんど瞬間的なRNAの分解を防止できなかった。従って、本成分の組み
合わせがRNA分解の阻害に有効であるのは驚くべきことであった。
【0068】 mRNA単離(または標的捕捉)のため、捕捉粒子が前記の溶解混合液に加え
られた。mg当たり約1から100ピコモルの間の密度でポリ−T(dT14から
dT30の範囲の)が共有結合で連結されている超常磁性粒子(約300μg)の
懸濁液約30μlが、約1mlの溶解混合物に加えられた。dT14、dT20、d
25またはdT30オリゴマーを持っている粒子がこれらの過程で使用された。一
般に、粒子にはmg当たり約10から100ピコモルの間のポリ−dTが結合さ
れており、最も普通には粒子は粒子mg当たり約10から50ピコモルのポリ−
dTが結合されていた。粒子は溶解混合物へ添加するため、140mM NaC
lを含んでいる標準リン酸緩衝液(PBS)、pH7.4、へ懸濁された。
【0069】 典型的には、使用された粒子は市販品として入手可能なラテックスまたはシリ
カで被覆された磁鉄鉱コアであり、それにポリ−dTオリゴヌクレオチド(”尾
”)が結合されている。粒子が磁気を帯びているまたは常磁性であるのは決定的
なことではないが、磁性はポリ−dT尾を経る粒子上への遊離されたmRNAの
ハイブリダイゼーション後の粒子回収を助けている。ポリ−dTを持つ非磁性粒
子(例えば、セルロース)は標準沈降または濾過法を使用して置換および分離さ
れることを当業者は理解するであろう。ポリ−dTへのカップリングのため、非
誘導体化粒子はアミン、ヒドロキシル、カルボキシル、エステル基またはこれら
の基の混合物のような遊離基を持っている。すでにポリ−dT尾で誘導体化され
た適した粒子が入手可能である(例えば、Serodyn、Dynal、Nov
agen)。もしくは、非誘導体化粒子が購入され(例えば、Seradyne
から)、よく知られたカップリング化学(Lund et al.,Nuc.A
cids Res.16:10861−10880,1988)を使用してポリ
−dTオリゴヌクレオチドと連結された。
【0070】 溶解混合物およびポリ−dT粒子はボルテックスすることにより穏やかに混合
し、次に約22℃から42℃の間で約30分間インキュベートした。粒子を保持
するために磁場を適用することにより、粒子が混合物の残りの部分から分離され
た;上清は廃棄された。当業者は磁気による分離工程を沈降(例えば、遠心分離
)に容易に置き換えることができる。分離された粒子は、50mM HEPES
(pH7.5)、5mM EDTA、150mM NaClおよび0.1%(w
/v)ドデシル硫酸ナトリウムの洗浄溶液(約1ml)と撹拌機で約3から5秒
混合することにより洗浄して粒子を懸濁させ、続いて上記のように上清から分離
し、上清洗液を捨てた。洗浄工程は2回繰り返し、粒子は最終的に10mM H
EPES(pH7.5)および1mM EDTAから成る250μlの緩衝液に
懸濁した。この懸濁液は後での使用のため−30℃で保存するか、または直ちに
使用した。この様式で調製されたRNAは、RNAの構造的または機能的完全性
を認められるほどには減損させることなく1年以上にわたって保存された。
【0071】 もし単離されたRNAがすぐに使用されるべきなら、RNAは捕捉粒子から放
出されるか(例えば、標準低塩溶出法を用いて)、または溶出の必要性がない増
幅法を使用して放出させることなく増幅されるであろう。例えば、ポリ−dTと
の塩基対形成または固形支持体との他の相互作用に関与していない分離された核
酸領域に結合するプライマーを使用して、粒子からmRNAを分離することなく
結合されたmRNAを増幅できる。
【0072】 当業者は上に例示された正確な容量および比率は本発明には決定的ではないこ
とを認識するであろう。しかしながら、凝固に感受性が高い生物学的試料に由来
する試料(例えば、血液、骨髄または細胞懸濁液)が凝固を防ぐために処理され
ていることは重要である。また、核DNAの放出による夾雑なしに標的細胞の細
胞膜の溶解を可能にするように、溶解溶液のイオン強度が少なくとも約150m
M、好適には約150mMから約1Mの範囲にあることが細胞性試料には重要で
ある。150mM未満のイオン強度では、放出された核物質が放出された細胞質
核酸を汚染する(例えば、染色体DNA)。一つの説または機構に縛られるのを
望んでいるわけではないが、約150mMまたはそれ以上のイオン強度では、核
膜は十分に無傷で残っており、染色体DNAの有意な放出を防止しているようで
ある。染色体DNAの夾雑は混合物の粘性を増加させ、例えば、交叉反応しおよ
び偽陽性反応を産み出すことにより、RNAおよび/またはプライマーを隔離す
ることにより、および/または反応体の混合を妨げることにより、続いてのアッ
セイにおける細胞質RNAの使用を妨害する。リチウム塩を含んでいる溶解溶液
はRNA分解を防止するために好適であるが、他の可溶性塩(例えばNaCl)
および既知のRNAse阻害剤を含んでいる緩衝液も、イオン強度が少なくとも
150mMであれば、この選択的溶解過程で等しく有効であると期待される。
【0073】 前記の溶解法により調製された核酸は、標的核酸を選択しおよび固定化する他
の方法でも使用できる。そのような方法の一つにはStabinskyらにより
米国特許第4,751,177号に記載されているような、特異的標的核酸に溶
液中でハイブリダイズするメディエィターオリゴヌクレオチドを含まれる。他の
固定化法はRankiらによる米国特許第4,486,539および4,563
,419号、Rabbaniらによる欧州特許第159719号、Pergol
izziらによる欧州特許公開第128332号、Soderlundらによる
米国特許第5,476,769号、Ishiiらによる米国特許第5,474,
895号およびHornesらによる欧州特許公開第444120号に記載され
ている。
【0074】 本溶解法は種々の組織中に含まれている細胞からの核酸の調製に有用である。
例えば、固形腫瘍組織にような固形組織に由来する細胞は、標準法を用いて、切
り刻まれおよびトリプシンで処理されて細胞懸濁液を作り、それは次に前記のよ
うに溶解される。細胞を懸濁液にする他の方法は本分野でよく知られている。以
下に示すように、組織培養または液体培地で増殖させた細胞もまた使用されるで
あろう。
【0075】 ボルテックスすることによる試薬の混合は本方法の小規模の使用には好適であ
るが、大規模での使用のためには本分野で既知の他のより労力がいらない混合法
が都合がよいであろう。十分で激しい混合を提供する既知の方法は本発明の範囲
内である。
【0076】 捕捉された標的核酸を増幅する前に3回の洗浄工程が使用されたが、粒子への
標的核酸の結合に続く洗浄工程の回数は変えてもよい。洗浄工程は、細胞質核酸
調製試料から夾雑するタンパク質および核酸を除くのみならず、好適な転写関連
増幅法(Kacianらによる米国特許第5,480,784および5,399
,491号を参照されたい)で使用される少なくとも一つの酵素活性(RNA指
向性DNAポリメラーゼ、DNA指向性DNAポリメラーゼ、RNAse Hお
よびRNAポリメラーゼ)を阻害することが観察されているリチウムを除くため
にも重要である。リチウム塩は他の酵素は阻害しないので、もし他の増幅法が使
用されるならば溶解後の陽イオン交換は必要ないであろう。
【0077】 標的核酸の選択に使用された粒子は、濾過、沈殿および遠心分離のような種々
の既知の方法により上清から分離される。前記のように、特定の細胞質核酸に特
異的に結合する核酸捕捉プローブを持っている。もしくは、あまり好ましくはな
いが、固形相は例えば、ポリカチオン性支持体を使用することにより非特異的に
標的核酸を結合するであろう(Arnoldらによる米国特許第5,599,6
67号を参照されたい)。
【0078】 次の実施例はこの実施例の溶解法を使用して単離された核酸の増幅を説明して
いる。 実施例2 生物学的試料からの単離核酸の増幅および増幅生成物の検出 生物学的試料から単離された核酸の転写関連増幅のため、CML陽性患者の血
液から実施例1に説明したように単離された核酸を含んでいる50μlの粒子懸
濁液を25μlの増幅試薬を含んでいるチューブに加えた。各々の反応に対し、
増幅試薬は160mMトリス−HCl(pH7.5)、100mM MgCl2
、70mM KCl、20%(w/v)ポリビニルピロリドン、16mMの4つ
の各々のリボヌクレオシド三リン酸ATP、GTP、CTPおよびUTP、4m
Mの4つの各々のデオキシリボヌクレオシド三リン酸dATP、dGTP、dC
TPおよびdTTP、400nM(15ピコモル)の配列ID番号:1(TAA
ATTAATACGACTCACTATAGGGAGACTCAGACCCTG
AGGCTCAAAGTCAGA)のヌクレオチド塩基配列を持っているプロモ
ータープライマー、および400nM(15ピコモル)の配列ID番号:5(G
ACCAACTCGTGTGTGAAACTCCA)のヌクレオチド塩基配列を
持っているプライマーを含んでいた。混合後、チューブは60℃で10分間イン
キュベートした。一般に、標的核酸中の分子内塩基対形成を融解させるのに適し
た任意の温度がこの工程で許される。好適には、インキュベーション温度は約6
0℃から70℃の間、より好適には約65℃から約67℃の間である。
【0079】 次に、チューブを約42℃で5分間インキュベートした。続いて、酵素試薬(
25μl、2000単位の組換え体MMLV逆転写酵素、2000単位の組換え
体T7 RNAポリメラーゼ、8mM HEPES(pH7.5)、50mM
N−アセチル−L−システイン、0.04mM酢酸亜鉛、80mMトレハロース
、140mMトリス−Cl(pH8.0)、70mM KCl、1mM EDT
A、0.01%(w/v)フェノールレッド、10%(v/v)TRITONR
X−102および20%(v/v)グリセロールを含んでいる)を反応混合物へ
加えた。チューブは穏やかに混合し、42℃で1時間インキュベートした。この
増幅法は標的RNAとはセンスの増幅されたRNAを生成する。
【0080】 増幅されたRNAは、100mMコハク酸リチウム(pH4.7)、1.2M LiCl、15mMアルドリチオール−2、2%(w/v)ラウリル硫酸リチ
ウム(LLS)、20mM EDTA、20mMエチレン グリコール−ビス−
(β−アミノエチルエーテル)N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA),3%
エタノール、および7.5nMの化学発光性アクリジニウムエステル(AE)で
標識されたハイブリダイゼーションプローブを含んでいる100μlのプローブ
試薬を使用して検出された。bcr b2−配列検出に特異的な合成DNAプロ
ーブは配列ID番号:9(GACTGTCCACAGCATTCCGCTGAC
C)の配列を持っており、それは非ヌクレオチドリンカーおよび以前にArno
ldらによる米国特許第5,585,481号に記載されている方法を使用して
AE標識と結合された。この検出溶液を反応混合物へ加え、増幅された標的への
プローブのハイブリダイゼーションを可能にするため、60℃で30分間インキ
ュベートした。
【0081】 プローブは、Arnoldらによる米国特許第5,283,174号に詳細に
記載されているような均質保護アッセイ(HPA)のような均質アッセイ様式で
検出された。簡単には、600mMホウ酸ナトリウム(pH8.5)および1%
(v/v)TRITONRX−100を含んでいる300μlのアルカリ溶液を
前記の混合物に加えて非結合プローブに存在するAE標識を加水分解した。ハイ
ブリダイズしたプローブ上のAE標識は二重らせんとの会合により加水分解から
保護されているが、一方、ハイブリダイズしていないプローブ上のAE標識は加
水分解から保護されない。従ってハイブリダイズしていないプローブは好適にも
検出されないようにできる。溶液は60℃で10分間インキュベートし、5分間
室温まで冷却し、30mM過酸化水素および1mM硝酸を含んでいる溶液200
μlを加え、続いてすぐに1M NaOH および2%(w/v)ZWITTE
RGENTR3−14を含んでいる200μlの溶液を加えた。化学発光はルミ
ノメーター(例えば、LEADERR1、LEADERR50、LEADERR
50またはLEADERRHC、すべてGen−Probe,Inc.,San
Diego,CAから)を使用して検出された。化学発光出力は相対的光単位
(”RLU”)で測定および報告されている。
【0082】 ここに例示された方法は核酸プローブを検出する特別の検出方式を用いている
が、当業者はハイブリダイズしたプローブを検出するため、標準法を使用し、放
射性標識、蛍光および他の化学発光標識のようなAE以外の標識を容易に使用で
きる。同様に、均質アッセイ系は不均質アッセイ(即ち、ハイブリダイズしてい
ないプローブによる信号からハイブリダイズしたプローブの信号を区別するため
に物理的分離を必要とする系)よりもある種の明らかな利点を持っているが、均
質検出態様は本発明にとって決定的ではない。
【0083】 実施例3 単離された、スプライスされた核酸の増幅および増幅生成物の検出 このアッセイにおいて、bcr−abl転座から生じるスプライスされた標的
核酸は、スプライス接合部に隣接する配列に方向付けられたプローブで増幅およ
び検出され、生物学的試料中の融合生成物の存在が示された。融合生成物の増幅
および検出に使用された一般法は図1Aから1Cに例示されている。
【0084】 使用された生物学的試料は、CMLが陽性であることが既知の患者から得られ
た血液細胞であり、それからポリ−A RNAが実施例1で実質的に説明したよ
うな溶解法を使用して単離された。RNAの増幅は実施例2で実質的に説明した
ように実施されたが、配列ID番号:1のプロモータープライマー、配列ID番
号:5のプライマーおよび配列ID番号:13(CAAAGGAGCAGGGA
AGAAGG)の配列を持っている400nMのabl特異的DNAプライマー
が使用された。このabl特異的プライマーは標的核酸と同一のセンスである。
【0085】 検出に先立って、増幅された核酸は二つの部分に分割された。実質的に実施例
2で説明したように、第一の部分へbcr特異的AE標識プローブが検出のため
に加えられた。bcr特異的AE標識プローブは図1Aおよび1Bに関して説明
したb2プローブと同様に機能的であり、融合核酸は実施例2に説明したように
RLUを測定することにより検出された。配列ID番号:16(GTGGAAC
ATGAAGCCCTTCAGCGG)を持っているAE標識abl特異的プロ
ーブを第二の部分に加え、実施例2に実質的に説明したように化学発光検出のた
めに混合物を処理した。このabl特異的プローブは共通して使用されるスプラ
イス接合部領域に広がるヒトabl遺伝子にハイブリダイズできるが、スプライ
ス接合部領域の5’側へ方向付けられたプローブもまた使用された(実施例6を
参照されたい)。この実施例で使用されたプライマーは増幅混合物中に存在する
融合標的および正常abl核酸の各々を増幅するように設計されているので、増
幅反応混合物中の両方の型の核酸を同時に増幅するが、検出工程の二つの部分で
別々に検出可能であった。
【0086】 二つの部分の各々の化学発光は実施例2に実質的に説明したように検出された
が、増幅混合物が分割されていることを計算して試薬の量が調節された(即ち、
半量が使用された)。
【0087】 別の方法が標的および非標的アンプリコンの各々を検出するために使用された
。そのような別法の一つは、異なった光放出の波長、異なった至適反応pH値、
または異なった化学発光反応動力学のような異なった特性を持っている二つの化
学発光標識を用いることであり、その特性は、適した標識で異なって標識されて
いるプローブを用いることにより同一反応容器中の異なった二つのアンプリコン
を検出することを可能にする。そのような方法はすでにPCT国際特許公開WO
96/13612号およびPCT国際特許公開WO91/00511号で詳細に
説明されている。
【0088】 実施例4 単一プロモータープライマーを使用する増幅および増幅された核酸の選択的検出
この実施例は、標的のセンスと逆のセンスの増幅核酸産生のために標的核酸に ハイブリダイズできる単一プロモータープライマーを使用する核酸増幅を示して
いる。正常および融合核酸の両方が一つのプライマーを使用して増幅されるが、
増幅された核酸は切断点接合部の5’側にある位置(標的核酸と比較して)を標
的とするbcrプローブ、および融合核酸では失われているであろうabl配列
を標的とするablプローブを使用して別々に検出された。
【0089】 比較のため、実施例1に説明したような三つの異なった供給源のポリ−dT磁
気粒子がこの実施例で使用された。25−merポリ−dTが結合された市販品
として入手可能な粒子が購入され(dT25ビーズ,Novagenから)、二つ
の組の合成粒子が非誘導体化粒子(Seradyneから購入された)へポリ−
dTをカップリングさせることにより調製された。一組のビーズはホモポリマー
性14−merオリゴヌクレオチドとカップリングされ(”dT14ビーズ”)、
第二の組のビーズはホモポリマー性30−merオリゴヌクレオチドとカップリ
ングされた(”dT30ビーズ”)。各々の型のビーズは実質的に実施例1で説明
したように懸濁液に存在していた。
【0090】 細胞質mRNAは、標準組織培養で約5x106細胞/mlの密度まで増殖さ
せたK562細胞を用意し、実施例1に説明した試料調製法に従って処理した。
約2x105細胞が試験された各々の反応混合物で使用され、未希釈または1:
10希釈として使用された。別々の反応混合物において、各々60μlの洗浄さ
れたビーズ調製物が核酸増幅反応当たりに使用された。対照試料にはビーズは加
えずにバックグラウンド測定が行われ(データは示されていない)、ビーズが加
えられている試料の結果から差し引かれた。核酸増幅は実質的に実施例2および
Kacianらによる米国特許第5,554,516号に説明されているように
実施されたが、ただし、増幅反応には配列ID番号:1の単一プロモータープラ
イマー(30ピコモル)が使用された。標的核酸と同一センスのプライマーは使
用されなかった。
【0091】 増幅反応は1時間進行させた。各々の試料は次に、二つに非等量で分割した、
一方は配列ID番号:9のbcr特異的AE標識プローブによる検出のために各
々の増幅反応液の3分の1を含んでおり、;他方は配列ID番号:16のabl
特異的AE標識プローブによる検出のために各々の増幅反応液の3分の2を含ん
でいる。プローブハイブリダイゼーションは実質的に実施例2で説明したように
実施された。ハイブリダイズしたプローブの検出は、検出試薬の量を使用した試
料の量に比例するように調節し、実質的に実施例2で説明したように実施された
。放出された光は前に説明したように相対光単位(RLU)により、LEADE
R50ルミノメーター中で測定され、結果は表1に示されている。
【0092】
【表1】
【0093】 これらの結果は、本発明の方法が潜在的スプライス接合部領域の3’側に位置
している場所で標的核酸にハイブリダイズする単一プロモータープライマーを使
用する増幅方式で使用できることを示している。増幅で標的核酸のセンスと逆の
センスを持っているアンプリコン(相補的RNA転写体)の蓄積を生じた。結果
はまた、14−mer ポリ−dTオリゴヌクレオチドとカップリングした粒子
および結合されたポリ−dT25を持っている市販品として得られた(Novag
en)粒子が、これらの条件下で溶液中のmRNAの捕捉に有効であったことを
示している。合成ポリ−dT30粒子は、表1に示された結果に基づくと、RNA
捕捉では幾分変動があった。これらの結果により示されたように、単一プロモー
タープライマーを使用する増幅反応は、異なったプローブを使用することにより
、同じ生物学的試料中の二つの異なった核酸転写体の存在を特異的に検出するた
めに使用されるであろう。この場合、一つの転写体はbcrプローブで検出され
、他方はablプローブで検出された。他の実験の結果はこれら二つのプローブ
間での交差反応を示さなかった。従って、一つの転写体(例えば、abl転写体
)の検出は本発明の試料調製、増幅および検出工程における内部対照として働く
であろう。
【0094】 実施例5 抹消血細胞中の正常abl転写体の増幅および検出 増幅は実質的に実施例1および2で説明したように、抹消血細胞から単離され
た核酸に対して実施され、使用前に貯蔵された。EDTAで処理された全血は実
施例1で説明したように処理され、細胞質RNAが結合されている粒子は使用前
に貯蔵された。この実施例は正常abl mRNAを調製する試料調製法および
正常abl mRNAの検出を可能にする増幅法の使用を示している。この実施
例はまた、異なったdT長を持っている異なった供給源からの固定化dTが標的
単離に有効であることを示している。
【0095】 天然に存在するabl遺伝子産物の単離に使用された粒子は実施例4で使用さ
れたものと同じ型であり、細胞質核酸の単離は実質的に実施例1で説明したよう
に実施された。血液標本は未希釈または1:10または1:100の希釈で使用
された。捕捉された標的核酸を持つ粒子(60μgおよび6μg)は、配列ID
番号:1の配列を持っているプロモータープライマーおよび配列ID番号:13
の配列を持っているプライマーを用いて、実質的に実施例2で説明したような転
写仲介増幅法で使用された。増幅後、実質的に実施例2で説明したような検出法
を使用し、配列ID番号:16の配列を持っているabl特異的プローブを用い
て増幅生成物を検出した。RLUで測定された化学発光の結果は表2に示されて
いる。陰性対照(”標的なし”)はバックグラウンドRLUを表している。
【0096】
【表2】
【0097】 表2のデータは本試料調製法が特異的核酸種の捕捉に適しており、それは標的
特異的プライマーで増幅でき、標的特異的プローブを使用して検出できることを
示している。
【0098】 実施例6 正常abl転写体およびCML患者から単離されたRNA中の融合bcr−ab
l転写体の増幅および検出 この実施例は二つの異なった型のbcrabl転写体(bcr b2−ab
およびbcr b3−abl)が異なったbcrプローブを使用してCML患
者から得られたRNAの増幅生成物中に検出できたことを示している。さらに、 abl RNAの増幅および検出が内部対照として働くことも示されている。
【0099】 これらの実験で使用されたRNA源は:(1)3人から得られたCML患者の
RNA、(2)abl遺伝子クローン(標準DNAクローニング技術を用いて患
者のRNAからクローン化された)から標準インビトロ転写法により生成された
対照合成RNA転写体、および(3)bcr b3−abl転座切断点接合部を
含んでいるクローン(K562細胞株からクローン化された)から生成された合
成RNA転写体であった。3人のCML患者(患者A、BおよびC)は疾患の異
なった段階を示していた:患者AおよびBは活性なCML徴候を持っており、患
者Cは骨髄移植を受け、わずかなCML徴候を示すかまたはほとんど徴候を示さ
なかった。各々の患者において、全RNAは標準グアニジニウム イソチオシア
ネート法(Chirgwin,et al.,1979,Biochem.18
:5294−5299)を使用して血液試料の白血球層から単離された。各々の
患者で各々のアッセイに使用された全RNAは約10ng(約1,000細胞に
相当する)であった。対照合成RNAは、標準法を用いて計算された配列のコピ
ー数を使用し、表3に示されているアッセイ当たりのコピー数でアッセイされた
。陰性対照では増幅反応混合物へRNAは加えられなかった。
【0100】 患者の全RNAおよび対照合成RNA転写体の増幅は本質的に実施例2で説明
したように実施された。増幅された核酸の検出は本質的に実施例2で説明したよ
うに行われ、bcr b2プローブ(配列ID番号:9を持っているAE標識オ
リゴヌクレオチド)、bcr b3プローブ(配列ID番号:27を持っている
AE標識オリゴヌクレオチド)、およびablプローブ(配列ID番号:26を
持っているAE標識オリゴヌクレオチド)を使用して増幅物が個々に検出された
ablプローブは図3に示された領域(二重下線を付けた配列)を標的として
いる。アッセイは3重に実施され、平均RLU結果が表3に示されている(”N
D”は”行われなかった”ことを示している)。
【0101】
【表3】
【0102】 表3の結果はbcr b2特異的プローブは50コピーほどの少ないbcr
b2を検出でき(3列、データ行8を参照されたい)、および患者AおよびBか
らのRNA中のbcr b2の存在を検出したが、患者CからのRNAでは検出
できなかった(3列、データ行1から3、3列、データ行9の”RNAなし”の
対照との比較)。結果はまた、bcr b3プローブは50コピーほどの少ない bcr b3を検出でき(4列、データ行8を参照されたい)、および患者Aか
らのRNA中のbcr b3の存在を検出したが、患者BからのRNAでは検出
できなかった。患者Cの転座はすでにbcr b2プローブの標的を取り去られ
ているので、従ってbcr b3プローブの標的もまた取り去られており、患者
Cはbcr b3を持っているとは期待されないであろう。表3はまた、内部対
照(abl)が3人すべての患者で検出され、たぶん正常abl転写体の検出を
表していることを示している(2列、データ行1−3)。他の結果(示されてい
ない)から、bcr b2およびbcr b3プローブはablアンプリコンと
交差反応せず、およびablプローブはbcrアンプリコンと交差反応しないこ
とが確認されている。
【0103】 以上の実施例は本発明のいくつかの態様を例示している。他の態様は当業者に
は明らかであろうし、付随する特許請求の範囲により定義される方法と法的に均
等である。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aは増幅に標的核酸に対して逆のセンスのT7ablプロモータープライ
マー(”T7−ablプライマー”)およびbcr b2領域の配列と実質的に
同一であるプライマー(”CML−1”)、およびbcr b2内の配列と実質
的に同一であるプローブ(”b2プローブ”)を使用することによるbcr
3領域およびabl遺伝子間の転座から生成された融合転写体検出の図的描写で
ある。垂直線の左側のバーの黒い部分はbcr b2配列を表しており、垂直線
の右側のバーの黒い部分はbcr b3配列を表しており、白い部分はabl
列を表している。 図1Bは図1Aと同一の組み合わせのプライマーおよびプローブを使用した、 bcr b2領域およびabl遺伝子間の転座から生成された融合転写体検出の
図的描写である;バーの黒い部分はbcr b2配列を表しておりおよび白い部
分はabl配列を表している。 図1Cは標的核酸に対して逆のセンスのT7ablプロモータープライマー(
”T7−ablプライマー”)および標的核酸に対して同じセンスの”abl
1”プライマー、およびabl標的配列と実質的に同一である”ablプローブ
”(ここでは、abl配列中、潜在的切断点接合部(バー中の垂直線として示さ
れている)に重複している位置で示されている)を使用した正常abl mRN
A検出の図的描写である。
【図2】 図2は図1Aで概略的に示されたようなbcrablスプライス接合部を取
り囲んでいる領域の5’から3’へのDNA配列を示しており、下線を付けた領
域は(残基1から126)はプライマー結合部位に相補的な配列(ボールド体で
示した65から88の残基)およびb2プローブ結合部位に相補的な配列(ボー
ルド体およびイタリック体で示した89から113の残基)を含んでいるbcr
b2配列を表している。二重下線を付けた領域(残基127から201)は
cr b3配列、塩基201および202間で生じたスプライス接合部を表して
おり、残りの配列はablプライマー結合部位(ボールド体)を含んでいるab
のA2領域である。
【図3】 図3は正常abl転写体中の潜在的スプライス接合部領域を取り囲んでいる5
’から3’へのDNA配列を示している;ここで残基1から151はabl−1
プライマー結合部位に相補的な領域(ボールド体の残基84から103)を含ん
でいるabl 1bエキソン配列であり;二重下線を付けた領域(残基102か
ら119)はabl b1およびabl b2のスプライス接合部側と側面を接
するabl特異的プローブ結合部位に相補的であり;下線を付けた領域(残基1
42から165)は潜在的スプライス接合部と重複している第二のプローブ結合
部位であり;および残基175から201(ボールド体)は別のプライマー結合
部位を含んでいる正常abl配列である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 CA01 CA09 CA12 CA20 DA03 HA08 HA12 HA14 HA19 4B063 QA01 QA13 QA19 QQ03 QQ08 QQ42 QQ53 QQ58 QR08 QR31 QR42 QR56 QR62 QR82 QS12 QS24 QS34

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料中の融合核酸を検出するための方法であって、該方法は
    以下の工程を含んでいる: a)スプライス接合部部位を含んでいる第一の一本鎖融合核酸を含む試料を提
    供し; b)核酸増幅条件下: 第一の一本鎖融合核酸、 スプライス接合部部位の3’側に位置する第一のプライマー結合部位で
    融合核酸へ特異的にハイブリダイズする第一のプライマー、および 少なくとも一つの核酸ポリメラーゼ活性を接触させ; c)第一のプライマーを使用して核酸増幅反応で融合核酸を増幅して、スプラ
    イス接合部部位を含む第一の一本鎖融合核酸の少なくとも一部と相補的な、複数
    の第二の核酸鎖を生成させ、ここで各々の第二の核酸鎖は: 相補的スプライス接合部部位、 相補的スプライス接合部部位と重複していないで、その3’側に位置す
    る第一のプローブ結合部位、および 相補的スプライス接合部部位と重複していないで、その5’側に位置す
    る第二のプローブ結合部位、ここで第二のプローブ結合部位は第一のプライマー
    結合部位と相補的な配列と重複しているか、またはその3’側に位置している、
    を含んでいる; d)ハイブリダイゼーション条件下、第二の核酸鎖を、第一または第二のプロ
    ーブ結合部位へ特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブとハイ
    ブリダイズさせ、それによりプローブ:標的ハイブリッドを形成させ;および e)試料中の融合核酸存在の指標としてプローブ:標的ハイブリッドを検出す
    る。
  2. 【請求項2】 第一の一本鎖融合核酸がmRNAであり、第一のプライマー
    がプロモータープライマーであり、ポリメラーゼ活性はRNAポリメラーゼ活性
    を含んでおり、およびオリゴヌクレオチドプローブはmRNAと同一のセンスで
    あり第一のプローブ結合部位へ特異的にハイブリダイズする請求項1に記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 第一の一本鎖融合核酸がmRNAであり、 第二の核酸鎖が相補的RNAであり、および 増幅工程が、さらに、第二の核酸鎖を、相補的スプライス接合部および第一の
    プローブ結合部位両方の3’側に位置している第二のプライマー結合部位へ特異
    的にハイブリダイズする第二のプライマーまたはプロモータープライマーと接触
    させ、および増幅生成物の合成においてRNAポリメラーゼ活性、DNA指向性
    DNAポリメラーゼ活性およびRNA指向性DNAポリメラーゼ活性を使用する
    ことを含んでいる 請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 オリゴヌクレオチドプローブが第二のプローブ結合部位へ特
    異的にハイブリダイズし、第一の一本鎖融合核酸と安定なハイブリダイゼーショ
    ン複合体を形成できない請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 工程a)がさらに、 融合核酸を含んでいる生物学的試料を以下の試薬を含んでいる溶液と接触させ
    : 緩衝液、 約150mMから約1Mの範囲のイオン強度持っている可溶性塩、およ
    び 約0.5%から約1.5%(v/v)の非イオン性界面活性剤、 それにより、試料中に存在する細胞から細胞質核酸を放出させることで融合核酸
    を含んでいる試料を調製すること を含む請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 工程a)がさらに試料を、 試料中に存在する一本鎖融合核酸とハイブリダイゼーション条件下で直接また
    は間接的に安定なハイブリダイゼーション複合体を形成するヌクレオチド配列を
    含んでいる固定化されたオリゴヌクレオチドへ結合されている固形支持体と接触
    させること;および 固形支持体へ結合されたハイブリダイゼーション複合体を他の試料成分から分
    離すること を含んでいる請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 融合核酸がmRNAである請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 固定化オリゴヌクレオチドのヌクレオチド塩基配列がポリ−
    T配列を含む請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 融合核酸が、スプライス接合部部位で二つの染色体領域を連
    結する遺伝子転座により生成される融合mRNA転写体であり; 接触工程において、第一のプライマーが、スプライス接合部部位の3’側に位
    置している第一の染色体領域から誘導される第一のプライマー結合部位で融合m
    RNA転写体へ特異的にハイブリダイズし; 増幅工程において、第一のプローブ結合部位が第二の染色体領域から誘導され
    、および第二のプローブ結合部位が、第一のプライマー結合部位に相補的な配列
    と重複するまたは3’側に位置している第三の染色体領域から誘導され;および ハイブリダイズする工程において、オリゴヌクレオチドプローブが第一または
    第二のプローブ結合部位で第二の核酸鎖へハイブリダイズするが、融合mRNA
    転写体へハイブリダイズできない 請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 増幅工程において、第一のプライマーがプロモータープラ
    イマーでありおよび酵素がRNAポリメラーゼ活性を持っており、および ハイブリダイズする工程において、オリゴヌクレオチドプローブが第一のプロ
    ーブ結合部位へ特異的にハイブリダイズする 請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 増幅工程が、増幅条件下、融合RNA転写体に相補的なR
    NAのヌクレオチド配列へ特異的にハイブリダイズする第二のプライマーまたは
    プロモータープライマーを含み、および増幅工程がRNAポリメラーゼ活性、D
    NA指向性DNAポリメラーゼ活性およびRNA指向性DNAポリメラーゼ活性
    を使用する請求項9に記載の方法。
  12. 【請求項12】 RNA指向性DNAポリメラーゼ活性およびDNA指向性
    DNAポリメラーゼ活性が逆転写酵素により供給される請求項11に記載の方法
  13. 【請求項13】 増幅工程が、さらに、内部対照転写体にも特異的にハイブ
    リダイズする第一のプライマー使用することにより内部対照転写体を増幅するこ
    とを含み、 ハイブリダイズする工程が、さらに、内部対照転写体に相補的な配列へ特異的
    にハイブリダイズする第二のオリゴヌクレオチドプローブを含み、それにより内
    部対照ハイブリダイゼーション複合体を形成し、および 検出工程が、さらに、内部対照ハイブリダイゼーション複合体を検出すること
    を含んでいる 請求項9に記載の方法。
  14. 【請求項14】 第一および第二のプローブ結合部位が一つの染色体の異な
    った領域から誘導される請求項9に記載の方法。
  15. 【請求項15】 第一のプローブ結合部位が第一の染色体から誘導され、お
    よび第二のプローブ結合部位が第二の染色体から誘導される請求項9に記載の方
    法。
  16. 【請求項16】 融合mRNA転写体が、t(1;19)、t(2;5)、
    t(2;13)、t(4;11)、t(6;9)、t(8,21)、t(9;1
    1)、t(9;22)、t(11;14)、t(11;19)、t(11;22
    )、t(12;21)、t(14;18)およびt(15:17)から成る群か
    ら選択されるヒト染色体の転座により生じる請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 融合mRNA転写体がt(9,22)転座から生じ、およ
    びオリゴヌクレオチドプローブがbcr由来配列またはabl由来配列を含む請
    求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 オリゴヌクレオチドプローブが第二の核酸鎖中のbcr
    導ヌクレオチド塩基配列へ特異的に結合する請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 配列ID番号:1から配列ID番号:23、配列ID番号
    :26および配列ID番号:27から成る群より選択される配列を持っている、
    請求項9の方法で使用するための一つまたはそれ以上のオリゴヌクレオチド。
  20. 【請求項20】 配列ID番号:1、配列ID番号:13および配列ID番
    号:16の配列を持っている、請求項19の方法で使用するためのオリゴヌクレ
    オチド。
  21. 【請求項21】 試料からRNAを調製する方法であって以下の工程を含ん
    でいる: a)非精製RNAを含んでいる試料を提供し; b)試料と以下の試薬を含んでいる溶液とを混合し: 約6.5から約8.5の範囲のpHを持っている緩衝液、 少なくとも約150mMのイオン強度を持っている可溶性塩、 細胞からの染色体DNAの放出による試料の粘性増加を起こさず、細
    胞から細胞質RNAを放出するのに十分な有効量の非イオン性界面活性剤、およ
    び 試料中に存在するRNAへ直接または間接的にハイブリダイズするヌ
    クレオチド配列を含んでいる固定化オリゴヌクレオチドへ連結された固形支持体
    、それにより、ハイブリダイゼーション条件下、安定なハイブリダイゼーション
    複合体が生成する; c)固形支持体へ連結されたハイブリダイゼーション複合体を他の試料成分か
    ら分離し; d)固形支持体へ結合されたハイブリダイゼーション複合体を維持するのに十
    分なイオン強度を持っている洗浄溶液で固形支持体へ結合されたハイブリダイゼ
    ーション複合体を洗浄し;および e)固形支持体へ結合されているハイブリダイゼーション複合体を洗液から回
    収する。
  22. 【請求項22】 試料が非凝固血、血漿または骨髄あるいは真核細胞の懸濁
    液である請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 非イオン性界面活性剤の有効量が約0.5%から約1.5
    %(v/v)の間である請求項21に記載の方法。
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