JP2002520074A - シス作用性核酸エレメントおよび使用法 - Google Patents

シス作用性核酸エレメントおよび使用法

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スチュアート・エイ・コーフマン
マルク・バリヴェ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、シス作用性核酸エレメントを含有する核酸分子の同定方法を提供する。また、核酸結合因子の単離方法も提供する。本発明は、また、シス作用性核酸エレメント類似体である化合物、核酸結合因子類似体である化合物、シス作用性核酸エレメントに選択的に結合する化合物および核酸結合因子とシス作用性核酸エレメントの間または核酸結合因子間の結合を選択的に置換する化合物を提供する。また、核酸の結合状態の決定方法も提供する。シス作用性核酸エレメントを含有する複数の単離核酸分子、単離シス作用性エレメントおよび単離核酸結合因子もまた提供される。さらに、本発明は、病的状態に関与する核酸の遺伝子活性を改変するための本発明の分子を用いて病的状態を治療する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 本発明は、核酸の遺伝子活性を調節するために核酸結合因子に結合するシス作
用性核酸エレメントの同定および使用に関する。
【0002】 全ての生きている生物は、構造および調節タンパク質をコードするDNAまた
はRNAと呼ばれる核酸分子中に情報を貯蓄している。核酸およびタンパク質の
集合行動は、正常な細胞および生物の生活環を構成および制御している。核酸お
よびタンパク質は、また、病的状態の原因物質として、または病的状態に対する
応答因子として作用する。
【0003】 DNAのRNAへの転写、RNAのタンパク質への翻訳および核酸合成、選別
、プロセッシング、修復および分解のような他の遺伝子事象は、種々の特殊化さ
れた核酸結合因子によって調節される。核酸結合因子は、それらが調節する核酸
分子上に存在する、シス作用性核酸エレメントと呼ばれる特定の配列に結合する
。特定のシス作用性核酸エレメントに結合したこれらの核酸結合因子は、他の細
胞因子と相互作用して、特定の遺伝子事象を変調する。核酸結合因子のシス作用
性核酸エレメントへの結合、または遺伝子事象を媒介する他の因子と相互作用す
るその能力は、細胞外部から細胞中へ伝えられたシグナルに応答して調節できる
【0004】 例えば、「転写因子」と呼ばれる調節タンパク質は、ゲノムDNA上のシス作
用性核酸エレメントに、それらが調節する遺伝子の転写開始部位から変化可能に
距離をおいて存在する「プロモーター」および「エンハンサー」として知られる
部位にて結合する。エンハンサー配列および隣接する核酸配列は、それらの結合
した転写因子と共に、プロモーターに結合した転写複合体に接触するように曲が
ることができる。かかる接触は、調節される遺伝子の発現を増加または減少させ
ることができる。
【0005】 ヒト細胞の遺伝子情報をDNAとして貯蓄するヒトゲノムは、約100,00
0個の遺伝子を含有すると見積もられる。これらの遺伝子およびそれらがコード
するRNAの各々は、遺伝子発現を調節するために対応する核酸結合因子に結合
する複数のシス作用性核酸エレメントを有するようである。これらのシス作用性
核酸エレメントおよびそれらに結合する因子は、遺伝子発現を変調するために使
用できる治療薬の標的になる可能性がある。また、シス作用性核酸エレメントが
異なる条件下で結合されることを決定することは、正常、病的または実験条件下
で細胞の遺伝子応答を特徴付け、モニターするために使用できる。
【0006】 シス作用性核酸エレメントの現行の同定方法は、いくつかの欠点を有する。こ
れらの方法のほとんどは、調節される核酸または対応する調節核酸結合因子のい
ずれか、またはその両方の事前の同定を必要とする。例えば、いったん核酸が同
定されると、シス作用性核酸エレメントを含有すると予想される隣接配列を単離
でき、それ由来の配列をシス活性について試験する。別法では、いったん核酸結
合因子が単離されると、それに結合する配列を同定できる。転写エンハンサーエ
レメントを同定することに限定される他の方法は、レポーター遺伝子の上流にラ
ンダム核酸配列をクローン化し、レポーター遺伝子産物の発現を観察することを
含む。
【0007】しかしながら、現在、調節される核酸または調節核酸結合因
子を事前に同定せずにシス作用性核酸エレメントを同定するために幅広く応用で
きる方法はない。また、複数のシス作用性核酸エレメントを同時に同定するため
の迅速かつ有効な方法もない。
【0008】 したがって、シス作用性核酸エレメントを迅速かつ有効に同定する方法に対す
る要望がある。本発明は、この要望を満たし、さらに関連の利益を提供する。
【0009】 発明の概要 本発明は、シス作用性核酸エレメントを含有する核酸の同定方法を提供する。
該方法は、核酸結合因子が選択的に核酸に結合できる条件下で、核酸結合因子の
多様な集団を単離核酸分子の多様な集団と接触させることよりなる。核酸結合因
子に結合する核酸が同定され、シス作用性核酸エレメントを含有する核酸として
特徴付けられる。同時に、該方法は、単離核酸分子に選択的に結合する核酸結合
因子の単離のために提供する。
【0010】 本発明は、また、シス作用性核酸エレメント類似体である化合物、核酸結合因
子類似体である化合物および選択的にシス作用性核酸エレメントに結合する化合
物の同定方法を提供する。本発明は、さらに、核酸結合因子とシス作用性核酸エ
レメントの間または核酸結合因子間の結合を選択的に置換する化合物の同定方法
を提供する。
【0011】 本発明は、さらに、各々が1以上のシス作用性核酸エレメントを含有する複数
の単離核酸分子を提供する。また、複数の単離シス作用性核酸エレメント類似体
も提供される。シス作用性核酸エレメントを含有する複数の単離核酸分子および
複数の単離シス作用性核酸エレメント類似体は、核酸結合因子に結合できる。複
数の単離核酸結合因子もまた提供される。
【0012】 本発明は、また、核酸の結合状態を決定する方法も提供する。該方法は、核酸
に結合した核酸結合因子が単離シス作用性核酸エレメントに結合できる条件下で
、核酸を複数の単離シス作用性核酸エレメントと接触させることよりなる。核酸
結合因子に結合する単離シス作用性核酸エレメントが同定され、核酸の結合状態
を特徴付ける。
【0013】 本発明は、さらに、個体における病的状態の治療法を提供する。該方法は、病
的状態に関与する核酸の遺伝子活性を調節するシス作用性核酸エレメントの能力
を選択的に改変する有効量の治療物質を個体に投与することよりなる。また、個
体の細胞をシス作用性核酸エレメントおよび標的配列を含む有効量の標的構築物
と接触させることによる、個体における病的状態の治療法も提供される。標的構
築物は、細胞により取り込まれ、核酸の遺伝子活性を改変するように、相同組換
えによって病的状態に関与する核酸中に挿入される。
【0014】 発明の詳細な記載 本発明は、シス作用性核酸エレメントの同定および使用に向けられる。 シス作用性核酸エレメントおよび選択的にかかるエレメントに結合する結合因
子は、細胞および生物の成長および発達の全態様を制御する遺伝子回路構成(ci
rcuitry)を調節する。シス作用性核酸エレメントは、例えば、核酸の複製なら
びに核酸およびタンパク質の発現を包含する成長および発達を強調する遺伝子活
性を調節する。したがって、シス作用性核酸エレメントおよびそれらの対応する
核酸結合因子は、それらが調節する核酸の遺伝子活性を改変、増加または減少す
ることによって、細胞または組織成長、発達、病原、再生または修復を変調する
治療物質の標的となっている。
【0015】 選択的にシス作用性核酸エレメントに結合する化合物、選択的に核酸結合因子
に結合する化合物、または選択的にシス作用性核酸エレメントのその結合因子へ
の結合を置換する化合物は、全て、シス作用性核酸エレメントによって調節され
る核酸の遺伝子活性を変調できる治療物質の可能性がある。さらに、単離シス作
用性核酸エレメントおよび対応する核酸結合因子は、それ自体、選択的に遺伝子
活性を変調するための治療物質として使用できる。シス作用性核酸エレメントは
、また、特定の疾患に関与するか、または発達の特定の段階を調節する遺伝子ま
たは遺伝子ファミリーのようなシス作用性核酸エレメントによって変調される核
酸または核酸の群を同定および単離するために使用できる。
【0016】 1の具体例において、本発明は、シス作用性核酸エレメントの同定方法を提供
する。該方法は、シス作用性核酸エレメントの迅速かつ有効な同定が、それらが
調節する核酸配列またはシス作用性エレメントに結合する対応する核酸結合因子
を事前に知ることなく可能であるという点において有益である。該方法は、複数
の核酸の遺伝子活性を変調するシス作用性核酸エレメントを同時に同定する手段
を提供する。シス作用性核酸エレメントは、治療物質として、または治療物質を
スクリーンするために、ならびに疾患の診断に使用できる。
【0017】 別の具体例において、本発明は、シス作用性核酸エレメントに結合する核酸結
合因子を、それらが結合するシス作用性核酸エレメントまたはそれらが調節する
核酸配列のいずれかを事前に知ることなく同定する方法を提供する。該方法は、
複数の核酸の遺伝子活性を変調する核酸結合因子を同時に同定する手段を提供す
る点において有益である。核酸結合因子は、治療物質として、または核酸もしく
は核酸の群を選択的に標的とする治療物質についてスクリーンするために使用で
きる。
【0018】 また別の具体例において、本発明は、シス作用性核酸エレメントまたは核酸結
合因子の類似体である化合物、またはシス作用性核酸エレメントの核酸結合因子
への結合を置換する化合物の同定方法を提供する。該方法は、それらが疾患に関
与する核酸または核酸の群の遺伝子活性を変調するための治療物質として使用で
きる化合物についてスクリーニングする迅速かつ有効な手段を提供する点におい
て有益である。
【0019】 別の具体例において、本発明は、1または複数の核酸の結合状態の決定方法に
向けられている。核酸結合因子のシス作用性核酸エレメントへの結合は、一般に
、その調節活性に必要である。したがって、核酸または複数の核酸の結合状態は
、核酸または複数の核酸の活性状態を特徴付ける手段である。かかる特徴付けは
、種々の目的、例えば、病的状態の診断または治療手段の効力をモニターするた
めに使用できる。
【0020】 本明細書で使用される場合、「シス作用性核酸エレメント」なる語は、核酸結
合因子によって選択的に結合されて、同じ分子上に存在する核酸配列の1以上の
遺伝子活性を調節できる1本鎖または2本鎖RNAまたはDNA配列をいう。シ
ス作用性核酸エレメントは、原核生物、真核生物およびウイルスを包含する全生
物に存在する。例えば、シス作用性核酸エレメントは、酵母、動物、植物、細菌
およびウイルスに存在する。
【0021】 シス作用性DNAエレメントは、例えば、ゲノム、ミトコンドリアおよびクロ
ロプラストDNAを包含する種々の異なる型のDNAに見出される。シス作用性
DNAエレメントは、また、染色体上の種々の場所に位置する。例えば、シス作
用性DNAエレメントは、転写単位内または転写単位のドメイン境界、ならびに
染色体のセントロメア、動原体(kinetochore)およびテロメアのような染色体
内の様々な場所に位置する。シス作用性DNAエレメントは、例えば、構造また
は調節遺伝子あるいはオペロンの転写の増加、減少または抑制を包含する種々の
遺伝子活性を調節できる。シス作用性DNAエレメントは、また、例えば、DN
A配列の複製、修復、パッケージング、修飾、制限または分解を調節できる。
【0022】 シス作用性DNAエレメントは、また、DNAのアッセンブリーまたは構造無
欠性を変調する核酸エレメントを包含する。DNAのアッセンブリーまたは構造
無欠性(structural integrity)を変調するシス作用性DNAエレメントの特定
の例は、選択的に骨格タンパク質に結合し、クロマチンの転写ドメインを明確に
するために働く境界エレメントである。さらに、シス作用性DNAエレメントは
、染色体の動原体、セントロメアまたはテロメアに存在し、DNAのアッセンブ
リーおよび構造無欠性を変調する。
【0023】 シス作用性RNAエレメントは、また、例えば、メッセンジャーRNA(mR
NA)、リボソームRNA(rRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、
ヘテロ核RNA(hnRNA)、核内低分子RNAまたは細胞質内低分子RNA
(snRNAまたはscRNA)およびウイルス性RNAを包含する種々の異な
る型のRNAにおいて見出される。シス作用性RNAエレメントは、例えば、R
NA翻訳、複製、スプライシング、エディティング、細胞内輸送、局在化、分解
および逆転写を包含する種々の遺伝子活性を調節できる。
【0024】 核酸中に存在するシス作用性核酸エレメントの型は、細胞および核酸型に依存
して変化する。例えば、真核生物DNAの転写は、プロモーターエレメント、エ
ンハンサーエレメントおよび応答エレメントのような種々のシス作用性核酸エレ
メントを伴う。これらのシス作用性核酸エレメントのいくらか、例えば、TAT
Aボックスは、多数の遺伝子において見出される。他のシス作用性核酸エレメン
ト、例えば、ホルモン応答エレメントは、配位結合で調節された遺伝子に特有で
ある。いくつかのシス作用性核酸エレメントが組織特異的にまたは一時的方法で
核酸結合因子に結合するのに対し、他は核酸結合因子によって構成的に結合され
る。個々のシス作用性核酸エレメントは多くの異なる核酸の調節に関与できるが
、シス作用性核酸エレメントの特定の組み合わせは、1または限定数の核酸に特
異的であることができる。
【0025】 シス作用性核酸エレメントは、それが調節する核酸配列内、またはその上流も
しくは下流に位置する。シス作用性核酸エレメントは、連続的な核酸配列または
多くの部分に分かれた配列であることができる。例えば、核酸結合因子または因
子の複合体は、連続的なシス作用性核酸エレメント、またはポリヌクレオチドの
折りたたみもしくはルーピングのために極めて接近して核酸エレメントを一緒に
形成する2以上の不連続な核酸配列に結合できる。シス作用性核酸エレメントは
、一般に、約4〜約100個のヌクレオチド長であり、より典型的には、約6〜
約25個のヌクレオチド長である。
【0026】 本発明の方法は、多種多様な核酸型およびサイズであって、いずれかの生物由
来のシス作用性核酸エレメントの同定および使用に応用できる。本発明の方法は
、また、いずれかの調節もしくは構造遺伝子活性を変調し、目的の核酸のいずれ
かのサブセットを変調するシス作用性核酸エレメントまたはシス作用性核酸エレ
メントの組み合わせの同定および使用を可能にする。
【0027】 本明細書で使用される場合、「選択的結合」または「選択的に結合する」なる
語は、シス作用性核酸エレメントと核酸結合因子または化合物のいずれかとの間
の結合に関して使用される場合、特定のシス作用性核酸エレメントの配列と実質
的に類似の配列を有する核酸に、特定のシス作用性核酸エレメントの配列に対す
る実質的な類似性を欠く核酸よりも実質的に高いアフィニティーで結合すること
をいう。核酸結合因子または化合物の選択的結合に必要とされる、特定のシス作
用性核酸エレメントに対する核酸配列類似性の程度または範囲は、例えば、シス
作用性核酸エレメントの長さおよび配列組成ならびに結合相互作用の性質に依存
する。かかる選択的結合は、既知の方法によって、例えば、シス作用性核酸エレ
メントと類似したまたは異なる核酸との競合によって、質的または量的に決定で
きる。
【0028】 核酸結合因子と化合物の間の選択的結合は、実質的に類似の結合因子または化
合物に対し、無関係な結合因子または化合物に対するよりも実質的に高いアフィ
ニティーで結合することをいう。核酸結合因子と化合物の間の選択的結合は、例
えば、実質的に類似の結合因子および化合物の競合または置換によって、実質的
に類似性を欠く結合因子および化合物と比較した場合、同様に決定できる。さら
に、核酸結合因子とシス作用性核酸エレメント類似体である化合物との間の選択
的結合は、類似化合物が選択的に置換されるように、結合因子に対する類似化合
物との結合に関して競合できる実質的にシス作用性核酸エレメントに類似した配
列を含有する核酸の能力によって決定できる。
【0029】 本明細書で使用される場合、「単離核酸分子の多様な集団」なる語は、潜在的
にシス作用性核酸エレメントを含有する複数の異なる単離ポリヌクレオチド核酸
分子を含む組成をいう。本発明の方法において使用される核酸の多様な集団は、
種々の異なる型、構造およびトポロジーであることができる。核酸型、構造およ
びトポロジーの選択は、必要な所望の結果に依存するであろう。例えば、本発明
の核酸の多様な集団は、2本鎖または1本鎖DNAもしくはRNA、ならびに直
鎖状、環状または分枝状核酸分枝を包含できる。
【0030】 「単離」なる語は、単離核酸分子に関して使用される場合、核酸分子が天然に
見出されるのとは異なる形態または状態で存在することを意味するように意図さ
れる。同様に、「単離」なる語は、単離核酸結合因子に関して使用される場合、
核酸結合因子が天然に見出されるのとは異なる形態または状態で存在することを
意味するように意図される。例えば、単離分子は、天然に見いだされる集団とは
異なることができ、それらは実質的に精製されており、したがって、核酸以外の
または核酸結合因子以外の分子を含まない。かかる分子は、また、天然に見出さ
れる分子とは異なることができ、例えば、それらは、組換え手段によって生産ま
たは発現されるか、または化学的手段によって合成される。したがって、かかる
組換えまたは化学的に生産された分子は、天然に見出されるような、または天然
供給源から単離されるような正常な細胞成分のいくつかまたは多くを含有せず、
また、天然に見出される分子の集団とは多重性または均一性において異なること
ができる。さらに、かかる分子は、また、天然に見出される分子とは異なること
ができ、それらは細胞成分を伴ってまたは伴わずに、フィルターまたは固体支持
体上に結合または固定される。単離分子は、また、天然に見出される状態または
形態とは異なることができ、それらは、検出可能に標識されているか、または非
天然核酸配列を含有する。
【0031】 異なる単離核酸分子の集団、すなわち、本発明の方法の特定の応用に適当ない
ずれかの多様性の集団を調製または得ることができる。多様性の低い核酸の集団
は、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、約10〜20、約21〜80、
または約81〜200個の異なる核酸分子を含有できる。方法のある特定の応用
の場合、例えば、約200から10個、好ましくは、約10個より多く、よ
り好ましくは、約10個より多くの異なる核酸分子を含有する適度な多様性の
核酸の集団で始めるのが好ましい。所望ならば、現在利用可能な方法を用いて、
例えば、約10〜10個の異なる核酸分子、好ましくは、約10〜10 個の異なる核酸分子、最も好ましくは、約1013個の異なる核酸分子を含有
する多様性の高い単離核酸分子の集団を合成することが可能である。例として、
4つの天然ヌクレオチドの各々を各位置に包含する5〜20ヌクレオチド長の全
ての可能な分子を包含する集団は、約4+4+4+...420または約
1013個の異なる核酸分子を有するであろう。約1013個の20の異なる核
酸分子のかかる集団は、本質的に、約20ヌクレオチド長までの全ての可能なシ
ス作用性核酸エレメントを包含する。
【0032】 単離核酸分子の多様な集団は、集団内のいくつかの核酸配列が異なるかぎり、
完全に無作為な組成または部分的もしくは完全に既知の組成のものであることが
できる。当業者は、方法の特定の応用に必要な多様性の範囲および無作為の程度
を決定できるであろう。
【0033】 単離核酸分子の多様な集団は、潜在的にシス作用性核酸エレメントを含有する
核酸分子を包含する。方法の応用に依存して、単離核酸分子の多様な集団は、1
本鎖または2本鎖RNAもしくはDNA分子、またはそのいずれかの組み合わせ
を包含することができる。多様な集団中の単離核酸分子は、約4〜約100ヌク
レオチド長であることができ、同じまたは種々の長さの分子を包含することがで
きる。所望ならば、単離核酸分子のいくつかまたは全ては、ポリメラーゼ連鎖反
応(PCR)のためのオリゴヌクレオチドプライマーに相同な配列、制限部位を
含有する配列、または検出可能な配列のような既知配列を包含でき、または該既
知配列を一端もしくは両端に位置させることができる。
【0034】 本明細書で使用される場合、「核酸結合因子」なる語は、シス作用性核酸エレ
メントに選択的に結合して、核酸または核酸の群の遺伝子活性を変調する因子で
ある。変調は、例えば、核酸の調節を増加、抑制または減少させることを包含す
る。核酸結合因子は、例えば、転写因子、複製因子、翻訳因子、制限および修飾
因子、構造およびアッセンブリー因子、および核酸配列の1以上の遺伝子活性の
調節に関与する他の分子を包含する。核酸結合因子は、また、例えば、骨格タン
パク質のようなクロマチンまたは染色体の構造無欠性に関与する因子、および境
界エレメント、動原体、セントロメアおよびテロメアに選択的に結合する他の因
子を包含する。
【0035】 核酸結合因子は、電子対を共有してまたは電子対を共有せずに、他の因子と相
互作用して、シス作用性核酸エレメントに結合する複合体を形成することができ
る。かかる結合複合体内の因子もまた、「核酸結合因子」なる語に包含される。
核酸結合因子の複合体内のいくつかの核酸結合因子は、シス作用性核酸エレメン
トに直接接触することができる。核酸結合因子の複合体内の他の核酸結合因子は
、シス作用性核酸エレメントに直接接触しないが、1以上の他の核酸結合因子と
接触することができる。複合体内の2以上の核酸結合因子間、または核酸結合因
子とシス作用性核酸エレメント間の相互作用を崩壊させることは、シス作用性核
酸エレメントのそれが調節する核酸の遺伝子活性を変調できる能力を改変させる
であろう。
【0036】 核酸結合因子は、ポリペプチドあるいは例えば、リン酸化または1以上の炭水
化物、ヌクレオチド、核酸、補因子もしくは脂質の添加によって修飾されたポリ
ペプチドであることができる。核酸結合因子は、また、脂質、炭水化物または核
酸、またはそのいずれかの組み合わせのような非タンパク質性分子であることが
できる。
【0037】 本明細書で使用される場合、「核酸結合因子の多様な集団」なる語は、複数の
異なる核酸結合因子を含有する組成を意味するように意図される。集団内に異な
る因子の数が多ければ多いほど、集団の多様性が増す。核酸結合因子の集団は、
方法のある特定の応用のための多様性の低いものであることができる。例えば、
多様性の低い核酸結合因子の集団は、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9
、約10〜20、約21〜50、または約51〜100個の異なる核酸結合因子
を包含できる。多様性のより高い核酸結合因子の集団は、約100個より多く、
約10個より多く、または約10個より多くの異なる核酸結合因子を包含で
きる。単離核酸分子の多様な集団を用いる場合、核酸結合因子の多様な集団内の
メンバーは、因子のいくつかが異なるかぎり、既知、未知または部分的に既知で
あることができる。当業者は、本発明の特定の具体例を実施するのに必要な核酸
結合因子の集団における多様性のサイズおよび範囲を決定することができるであ
ろう。
【0038】 核酸結合因子の多様な集団は、核酸に結合した、または結合しない核酸結合因
子の集団であることができる。例えば、核酸に結合した核酸結合因子の集団は、
核酸結合因子を含有する細胞の核酸調製物であることができる。かかる調製物は
、得られることが所望されるシス作用性核酸エレメントおよび核酸結合因子の型
および機能に依存して、例えば、クロマチン調製物、hnRNA調製物、mRN
A調製物、または核酸結合因子を包含する他の核酸調製物であることができる。
非結合核酸結合因子の集団は、例えば、核酸調製物または細胞抽出物またはその
サブセットから溶出された核酸結合因子の集団であることができる。
【0039】 本明細書で使用される場合、「化合物の多様な集団」なる語は、シス作用性核
酸エレメント、核酸結合因子またはその両方に選択的に結合するために使用でき
る治療化合物を潜在的に包含する複数の異なる分子をいう。したがって、化合物
の多様な集団は、シス作用性核酸エレメントの類似体、核酸結合因子の類似体、
およびシス作用性核酸エレメントとその対応する結合因子の間の結合を選択的に
置換する分子を包含できる。かかる化合物は、ポリペプチド、核酸、炭水化物ま
たは脂質のような天然高分子であることができる。しかしながら、これらの高分
子の誘導体、類似体および模倣物、ならびにポリマーおよび小型有機化合物を包
含する有機化合物もまた、シス作用性核酸エレメントまたは核酸結合因子に選択
的に結合できる。
【0040】 本発明の方法の特定の応用に必要な化合物の集団の多様性の範囲は、当業者に
よって決定できる。一般に、多様性が大きいほど、シス作用性核酸エレメントま
たは核酸結合因子に結合するか、またはシス作用性核酸エレメントと核酸結合因
子との間の結合を置換する化合物を同定する可能性が増す。約10個より多く
の異なる化合物、より好ましくは、約10個より多くの異なる化合物を含有す
る適度な多様性の化合物の集団は、容易に生産または得ることができる。約10 個より多く、好ましくは、約1011個より多く、より好ましくは、約10 個より多くの異なる化合物を含有する非常に多様な化合物の集団もまた、本発
明の方法に使用でき、容易に生産または得ることができる。より多様性の小さい
化合物の集団もまた、例えば、結合するらしい化合物の型が既知であるか、また
は例えば、シス作用性核酸エレメント、核酸結合因子またはそれらの間の結合相
互作用の配列または構造についての情報に基づいて予想できる場合、有益である
【0041】 化合物の多様な集団は、例えば、天然の核酸および非天然ヌクレオシド類似体
または結合を含有する修飾された核酸を包含できる。かかる修飾は、例えば、化
学または酵素分解に対する抵抗を増すことについて有益である。核酸の安定性を
増加させる種々の修飾が当該分野で知られており、例えば、ホスホチオエート結
合を包含する。天然および修飾された核酸の多様な集団を生産する方法は、当該
分野で既知である。
【0042】 シス作用性核酸エレメントまたは核酸結合因子を標的とする治療物質を潜在的
に包含する化合物の多様な集団は、また、ペプチド、炭水化物または合成有機分
子のライブラリーを包含できる。ペプチドライブラリーは、例えば、化学的に合
成したペプチドおよびペプチド模倣分子の多様な集団を包含できる。ペプチドラ
イブラリーは、また、ファージディスプレーあるいはそれによりペプチドがそれ
をコードする核酸と結びつくまたは結びつくことができる他の組換え法のような
組換え手段によって生じたペプチドの集団を包含できる。多様性の高いペプチド
およびペプチド模倣ライブラリーは、商業的に得ることができるか、または当該
分野で既知の方法によって生産できる。シス作用性核酸エレメントまたは核酸結
合因子を標的とする治療物質を潜在的に包含する化合物の多様な集団は、オリゴ
糖類および複合糖質ライブラリーのような炭水化物ベースのコンビナトリアルラ
イブラリーであることができる。コンビナトリアル化学法によって調製された小
型合成分子の多様な集団は、また、商業的に入手できるか、または当該分野で既
知の手段によって生産できる。例えば、1以上の共通の構造的特徴を有するが、
反応性基において変化する有機分子の多様な集団を慣用的に生産できる。化合物
のこれらのライブラリーのいずれも、所望ならば、固体支持体上で合成または固
定でき、または当該分野で既知の方法によって検出可能に標識して検出の手段を
提供することができる。
【0043】 本明細書で使用される場合、「結合状態」なる語は、シス作用性核酸の核酸結
合因子による結合のコンディションまたは程度をいう。シス作用性核酸エレメン
トによる核酸の遺伝子特性の活性化、抑制および減弱化を包含する変調は、しば
しば、核酸結合因子のシス作用性核酸エレメントへの結合を必要とする。したが
って、核酸の結合状態は、核酸の調節の型、程度または範囲の反映または測定で
ある。
【0044】 「結合状態」の決定は、質的または量的のいずれかで行うことができる。ある
特定の応用の場合、1または複数の核酸がいずれかの核酸結合因子によって、ま
たは特定の核酸結合因子によって結合されるかされないかを決定することで十分
である。他の応用の場合、核酸が核酸結合因子によって結合される程度または範
囲を決定することが望ましい。例えば、核酸結合因子によって結合される核酸の
パーセンテージを決定すること、または結合相互作用のアフィニティーを決定す
ることが望ましい。結合状態のある特定の決定の場合、核酸に結合する核酸結合
因子を同定することも望ましい。
【0045】 方法の応用に使用される特定の核酸および単離シス作用性核酸エレメントに依
存して、「結合状態」なる語は、例えば、「転写状態」、「複製状態」、「翻訳
状態」または核酸の他の遺伝的特性を示すことができる。さらに、「結合状態」
なる語は、単一の核酸または核酸の群の結合状態を示すことができる。「結合状
態」なる語は、また、細胞、細胞の群、または組織の結合状態を示すこともでき
る。例えば、「結合状態」なる語は、目的の細胞型において遺伝子または遺伝子
ファミリーの転写活性化状態を特徴付けることができる。
【0046】 本発明は、シス作用性核酸エレメントを含有する核酸の同定方法を提供する。
該方法は、核酸結合因子が選択的に核酸に結合できる条件下で、核酸結合因子の
多様な集団を単離核酸分子の多様な集団と接触させることを含む。選択的に核酸
結合因子に結合する核酸が同定され、シス作用性核酸エレメントを含有する核酸
として特徴付けられる。
【0047】 以前に記載されたように、シス作用性核酸エレメントは、選択的に核酸結合因
子に結合し、近隣の核酸の1以上の遺伝子活性を変調する。シス作用性エレメン
トと核酸結合因子との間の相互作用を改変するいずれかの方法が、調節される核
酸の遺伝子活性を改変するために使用できる。例えば、シス作用性核酸エレメン
トと核酸結合因子間の選択的結合は、シス作用性核酸エレメントまたは核酸結合
因子のいずれかに選択的に結合する分子によって置換できる。かかる分子は、例
えば、シス作用性核酸エレメントを含有する核酸、核酸結合因子または他の化合
物であることができる。同様に、化合物と核酸結合因子間の選択的結合は、核酸
結合因子またはシス作用性核酸エレメントを含有する核酸によって選択的に置換
できる。同様に、化合物とシス作用性核酸エレメント間の選択的結合は、シス作
用性核酸エレメントまたは核酸結合因子のいずれかによって選択的に置換できる
。置換される分子および置換をもたらす分子、またはこれらの分子のいずれかの
組み合わせは、本発明の方法によって同定および単離できる。したがって、核酸
結合因子または他の化合物によって結合される核酸と結合されない核酸との間を
区別する方法を提供することによって、本発明の方法は、シス作用性核酸エレメ
ント、核酸結合因子およびシス作用性核酸エレメントまたは核酸結合因子のいず
れかを結合する化合物の同定および単離に応用できる。
【0048】 シス作用性核酸エレメント、核酸結合因子および本発明の方法によって同定さ
れる化合物は、例えば、疾患、発達、組織修復または再生に関与する1または複
数の核酸の活性を改変するための治療目的に使用できる。本発明は、単離核酸分
子または核酸結合因子の大きい多様な集団、または例えば、特定のゲノム領域に
局在することが知られているかまたは予想される、あるいは特定の正常または病
的状態を示すことが知られているかまたは予想される核酸配列または核酸結合因
子を含有するより小さな偏りのある集団と一緒に用いることができる。
【0049】 単離核酸分子の多様な集団は、当該分野で既知の種々の手段によって生産また
は得ることができる。集団の多様性および核酸の型のどちらも、方法の特定の応
用に依存するであろう。単離核酸分子の多様な集団を生産する方法はよく知られ
ており、例えば、生物化学的および組換え方法ならびに化学的合成を包含する。
例えば、単離核酸分子の多様な集団は、酵素的、機械的または化学的手段によっ
て、核酸の適当な細胞またはウイルス性供給源をより小さなフラグメントに分裂
させることによって得ることができる。およその所望のサイズのフラグメントは
、カラムクロマトグラフィーまたはゲルによる電気泳動のような当該分野で既知
の分取方法によって単離される。以前に記載されたように、かかるフラグメント
は、例えば、約4〜約1000ヌクレオチド長であることができる。
【0050】 ゲノムのサブ領域は、成長、発達または病原に関与することが知られているか
、または予想される遺伝子または遺伝子ファミリーを調節するシス作用性核酸エ
レメントを同定することが望ましい応用において特に有用である。したがって、
単離核酸分子の多様な集団を形成するためにフラグメント化できる2本鎖DNA
の供給源は、例えば、ゲノムDNAまたはそれ由来のフラグメント、例えば、染
色体または染色体アーム、1以上のDNA構造または転写ドメイン、または1以
上の遺伝子であることができる。かかるDNA調製物を単離する方法は、当該分
野で既知である。1本鎖DNAの供給源は、例えば、フラグメント化の前または
後に加熱およびアルカリ処理を包含する当該分野で既知の方法によって変性され
た上記の2本鎖DNAのいずれかであることができる。同様に、hnRNA、m
RNAおよびウイルスRNAのようなRNAの供給源は、当該分野で既知の方法
によって、生産およびフラグメント化または分別できる。所望ならば、既知核酸
配列を単離核酸分子の一端または両端に接着することができる。
【0051】 種々の長さおよび配列構成の単離核酸分子の多様な集団は、また、合成手段に
よって生産できる。例えば、1本鎖DNAまたはRNA分子は、自動核酸合成機
によって合成できる。かかる分子は、予め決定された変性またはランダム配列を
全てまたはいくつかの位置に包含できる。ランダム、変性または部分的変性核酸
配列を生じる合成方法は、当該分野で既知である(例えば、米国特許第5,72
3,323号参照(出展明示により本明細書の一部とする))。所望ならば、既
知核酸配列を単離核酸分子の一端または両端に接着できる。必要により、1本鎖
核酸を2本鎖にでき、当該分野で既知の方法によって精製できる。
【0052】 単離核酸分子の多様な集団のサイズは、特定のシス作用性核酸エレメントを同
定するために必要および所望の効率によって変化できる。集団が大きく多様なほ
ど、得られる生産的相互作用の可能性が増し、したがって、1または多くのシス
作用性核酸エレメントを得る可能性が増す。しかしながら、本発明の方法を実施
するために、大きく多様な集団を使用する必要はない。例えば、サイズまたは多
様性は小さいが、シス作用性核酸エレメントを含有することが知られているかま
たは予想される単離核酸分子の集団を同様に使用でき、シス作用性核酸エレメン
トの同定をもたらすことができる。例えば、2つの核酸と同じくらい小さい集団
からシス作用性核酸エレメントを同定することが可能である。使用されるべき単
離核酸分子の集団のサイズおよび多様性が同定されるべきシス作用性核酸エレメ
ントの所望の数および型に依存することは、当業者により知られており、容易に
決定できるであろう。
【0053】 5〜20ヌクレオチド長の全ての可能な分子を包含する少なくとも約1013 個の異なる核酸の集団は、合成手段によって容易に得ることができる。例えば、
4つの天然ヌクレオチドの各々を各位置に有するオリゴヌクレオチドを合成する
ことによって、約4+4+4+...420または約1013個の異なる
候補配列の多様な集団を得ることができる。かかる集団は、事実上、5〜20ヌ
クレオチド長のあらゆる可能なシス作用性核酸エレメントを包含する事実上、5
〜20ヌクレオチド長のあらゆる可能な配列を包含するであろう。
【0054】 また、より長い核酸配列は、直接合成でき、またはより短い配列を結合するこ
とによって生成できる。より短い配列の結合方法は、当該分野で既知である。例
えば、当該分野で既知のアニーリング条件下で1本鎖核酸と相補的な領域をアニ
ールすることができる。次いで、重合反応を行って、鋳型として相補鎖の重複部
分を用いてオリゴヌクレオチドの各鎖を伸長することができる。所望により、鎖
を分離し、再アニールし、所望の長さの多様な集団に達するまで伸長を繰り返す
ことができる。
【0055】 さらなる例として、当該分野で既知の酵素的方法を用い、多数の短い2本鎖D
NAを結合して、より長い配列を形成することができる。所望ならば、潜在的な
シス作用性核酸エレメントを含有する核酸の隣接配列に、または該核酸内に制限
酵素部位を設計することができる。制限消化後、核酸配列のランダムな組み合わ
せを連結反応において一緒に連結できる。別法では、平滑末端を有する2本鎖核
酸のランダムな組み合わせを連結反応において一緒に連結することができる。
【0056】 所望ならば、単離核酸分子を、所望の特性を有する核酸配列の一端または両端
に隣接させることができる。例えば、単離核酸分子は、制限酵素結合共通配列ま
たはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅のためのプライマーに相補的な
配列を一端または両端に有することができる。これらの隣接する核酸配列は、例
えば、上記のように核酸を結合または伸長するため、核酸結合因子とのインキュ
ベーション前または後にPCRによって核酸配列を増幅するため、あるいは選択
的に核酸結合因子または化合物に結合する核酸を同定または単離するために使用
することができる。
【0057】 核酸結合因子の多様な集団もまた提供され、単離核酸分子の多様な集団を接触
するために使用される。必要により、核酸結合因子の多様な集団は、サイズおよ
び多様性を変化できる。集団が大きく、多様なほど、生産的相互作用を得る可能
性が増し、したがって、核酸結合因子に結合した1または多くのシス作用性核酸
エレメントを得る可能性が増す。しかしながら、本発明の方法を実施するために
、多様性の大きい集団を使用する必要はない。例えば、サイズまたは多様性は小
さいが、核酸結合因子を含有することが知られているかまたは予想される核酸結
合因子集団を同様に使用できる。2つほどの少ない核酸結合因子を含有する集団
を本発明の方法に用いて、1以上のシス作用性核酸エレメントを同定することが
可能である。使用されるべき単離核酸結合因子集団のサイズおよび多様性が、同
定されるべきシス作用性核酸エレメントおよび核酸結合因子の所望の数および型
に依存することは、当業者により知られており、容易に決定できるであろう。
【0058】 必要により、例えば、同定されることが意図されるシス作用性核酸エレメント
および核酸結合因子の型に応じて、核酸結合因子の集団は、例えば、通常、特定
の型のシス作用性核酸エレメントに結合するか、通常、特定の細胞型に見出され
るか、特定の細胞外刺激に応答するか、または特定の染色体もしくは下部染色体
位置に局在する核酸結合因子を包含するように偏ることができる。
【0059】 核酸結合因子の供給源は、例えば、当該分野で既知の生物化学的分別手法によ
って得られた細胞または亜細胞性抽出物であることができる。例えば、細胞質抽
出物は、例えば、翻訳、エディティング、分解などのような遺伝学的プロセスに
関与する核酸結合因子を包含するmRNAに結合する核酸結合因子の多様な集団
の供給源であることができる。例えば、核抽出物は、例えば、複製因子、転写因
子、スプライシング因子および境界エレメント結合因子を包含するhnRNAな
らびに1本鎖および2本鎖核DNAに結合する核酸結合因子の多様な集団の供給
源であることができる。ミトコンドリア抽出物は、例えば、ミトコンドリアDN
Aに結合する核酸結合因子の多様な集団の供給源であることができる。クロロプ
ラスト抽出物は、例えば、クロロプラストDNAに結合する核酸結合因子の多様
な集団の供給源であることができる。
【0060】 核酸結合因子の供給源は、また、細胞内のまたは細胞から得られた核酸に結合
した核酸結合因子であることができる。例えば、核酸結合因子の供給源は、細胞
質、ミトコンドリアまたは核RNAもしくはDNAであることができる。核酸結
合因子の供給源は、また、他の細胞成分から単離される核酸結合因子に結合した
核酸の調製物であることができる。例えば、特定の疾患または発達状態に関与す
るシス作用性核酸エレメントの同定が所望の場合、疾患に関与することが知られ
ている特定のゲノムまたは染色体位置由来の核酸に結合した核酸結合因子を結合
因子の供給源として使用できる。したがって、核酸に結合した核酸結合因子の多
様な集団は、方法の応用に依存して、例えば、クロマチン、染色体、染色体アー
ム、転写ドメイン、遺伝子ファミリーまたは遺伝子であることができる。転写ド
メインは、染色粒から押出され、シス作用性境界エレメントによって結合された
DNAのループまたはセグメントをいう。かかる構造ドメインは、しばしば、D
NAの活性に転写された領域である。
【0061】 所望ならば、核酸結合因子を核酸調製物から解離し、単離核酸分子の多様な集
団に接触させるために使用することができる。核酸調製物中の核酸に結合した核
酸結合因子の解離方法は、当業者によって特定の核酸調製物について決定でき、
例えば、溶液の塩濃度またはpHを変化させることを包含する。
【0062】 核酸結合因子の多様な集団は、また、組換え法によって得ることができる。当
業者は、方法の特定の応用のための核酸結合因子を得るために発現するのに適当
な核酸の供給源を決定できるであろう。例えば、cDNAライブラリーを利用で
き、あるいはいずれかの所望の組織または細胞供給源によって、またはいずれか
の病原性もしくは通常の刺激に反応して発現される遺伝子から既知の方法によっ
て生産できる。
【0063】 同定が望まれるシス作用性核酸エレメントの型に依存して、核酸結合因子を異
なる組織由来の、または異なる発達段階の細胞から上記のように得ることができ
る。核酸結合因子は、また、正常または病気の細胞のいずれかから、または細胞
を治療薬のような外部刺激に曝露した後に得ることができる。
【0064】 いったん単離核酸分子および核酸結合因子の開始集団を選択し、得たならば、
核酸結合因子が選択的にシス作用性核酸エレメントを含有する単離核酸分子に結
合できる条件下で該集団を混合する。結合条件は、核酸結合因子の型および供給
源ならびに核酸の型および供給源によって変化するが、容易に決定できる。例え
ば、核酸結合因子とシス作用性核酸エレメントとの間の相互作用のアフィニティ
ーおよび特異性は、一般に、両方の分子の電荷に依存するので、バッファーの塩
濃度またはpHを変化させて、特定のアフィニティーの結合相互作用を差別的に
可能にすることができる。
【0065】 核酸配列と核酸結合因子の間の結合を可能にする条件は、また、核酸および核
酸結合因子の十分な濃度が特定の応用のために確実に存在するように設計される
。例えば、本発明の1の具体例において、核酸調製物中の核酸に結合した核酸結
合因子を単離核酸の多様な集団と接触させる。核酸調製物中に存在するシス作用
性核酸エレメントに結合している核酸結合因子と単離核酸分子の多様な集団中に
存在するシス作用性核酸エレメントに結合している核酸結合因子との間は、平衡
化するであろう。核酸調製物中に存在するシス作用性核酸エレメントに結合して
いる核酸結合因子と核酸の単離集団中のシス作用性核酸エレメントに結合してい
る核酸結合因子との間の核酸結合因子の分布は、例えば、核酸調製物中に存在す
る対応するシス作用性核酸エレメントのコピー数と単離集団中の対応するシス作
用性核酸エレメントのコピー数との間の比率に依存するであろう。核酸調製物中
に存在するシス作用性核酸エレメントに対して過剰な特定の単離シス作用性核酸
エレメントは、単離核酸分子に対する優先的な結合に向かって結合平衡をシフト
するであろう。例えば、核酸調製物中に存在するシス作用性核酸エレメントに対
して約10対1、または約10対1、または約10〜1010対1の過剰な
単離シス作用性核酸エレメントを本発明に使用することができた。しかしながら
、より小さい比率もまた、相互作用の選択性を実質的に減少させることなく使用
できる。例えば、調製物中のシス作用性核酸エレメントと比べて等量またはあま
り過剰ではない単離シス作用性核酸エレメントを包含するより小さい比率の使用
は、例えば、シス作用性核酸エレメントと核酸結合因子の間の高アフィニティー
相互作用を選択的に同定する場合に有益である。
【0066】 例として、クロマチン調製物を単離核酸分子の多様な集団と接触させる場合、
特定の応用のための所望の範囲まで、クロマチンに結合した因子についてクロマ
チンと競合するように、単離核酸分子の数を選択する。当業者は、方法の特定の
応用に必要な単離核酸分子の多様な集団の各メンバーのコピー数を決定できた。
ポリメラーゼ連鎖反応のような当該分野で既知の方法は、特定の単離核酸配列の
望まれるだけ多くのコピーの生産を可能にする。
【0067】 単離核酸分子を核酸結合因子と接触および結合させた後、選択的に核酸結合因
子に結合する核酸を同定する。これらの核酸は、1以上のシス作用性核酸エレメ
ントを含有する。結合および非結合核酸を物理的に分離する方法、ならびに非結
合核酸から結合核酸を物理的に分離することを必要としない結合および非結合核
酸を区別する方法を包含する、選択的に核酸結合因子に結合される核酸を同定す
るためのいずれかの方法を用いることができる。
【0068】 非結合核酸から結合因子に結合した核酸を物理的に分離する方法は、当該分野
で既知である。例えば、核酸結合因子に結合した核酸および結合しない核酸は、
非結合核酸と比べて、結合複合体のサイズ、形状、電荷または密度によって分離
できる。例えば、核酸結合因子に結合した核酸は、非結合核酸とは異なる速度で
クロマトグラフィーカラムを通過するであろう。適当なクロマトグラフィー樹脂
は、特定の応用について当業者によって決定できる。さらに、核酸結合因子の性
質に依存して、核酸結合因子に結合した核酸は非結合核酸より大きいまたは小さ
い密度を有することができ、密度遠心分離の既知の方法によって、非結合核酸か
ら分離できる。さらに、結合および非結合核酸は、異なる電気泳動移動性を有し
、電気泳動移動度シフトアッセイ(EMSA)のような既知の方法によって分離
できる。所望ならば、結合した核酸を単離、保管、増幅、配列決定または下記の
ように使用することができる。
【0069】 さらに、ニトロセルロース膜は選択的に、タンパク質性核酸結合因子に結合し
た2本鎖DNAを保持するが、非結合DNAをフィルターを通過させることが知
られている。したがって、単離核酸分子の核酸結合因子との結合後、結合反応物
をニトロセルロースフィルターによってろ過できる。核酸結合因子に結合された
DNAはニトロセルロースフィルター上に保持される。これらのDNAは、シス
作用性核酸エレメントを含有する。所望ならば、保持された核酸をニトロセルロ
ース膜から溶出でき、保管、増幅、配列決定または下記のように使用することが
できる。当業者は、また、核酸結合因子に結合した1本鎖核酸配列をニトロセル
ロースフィルター上に選択的に保持するが、非結合核酸配列をフィルターを通過
させるようにバッファー条件を変化させることができる。保持された核酸は、シ
ス作用性核酸エレメントを含有する。当業者は、また、例えば、膜の型を変化さ
せることによって、非タンパク質性核酸結合因子に結合した核酸を選択的に保持
するように、かかるアッセイを修飾することができる。
【0070】 非結合核酸からの結合核酸の物理的分離を必要とせずに、核酸結合因子に結合
した核酸と結合しない核酸とを区別する方法は、同様に当該分野で既知である。
結合核酸と非結合核酸とを区別する方法は、例えば、ヌクレアーゼ耐性のように
、非結合核酸と比べて結合核酸を区別する特性を利用する。結合核酸を非結合核
酸から区別するためのヌクレアーゼ耐性の使用の一例として、単離2本鎖DNA
の多様な集団は、一端または両端に、既知の制限酵素の結合部位を含有する配列
を隣接させることができ、または結合部位から少し離れた部位で切断するように
設計することができる。核酸の両端は、また、PCRプライマーに相補的な配列
を含有する。単離核酸分子と核酸結合因子間の結合後、反応混合物をさらに、制
限酵素切断部位に核酸結合因子が結合しない場合にだけ該切断部位でのDNAの
切断が可能な条件下で、かかる制限酵素と一緒にインキュベートする。したがっ
て、結合されないDNAは切断され、結合したDNAは切断されない。したがっ
て、切断されないDNAは、シス作用性核酸エレメントの両端にPCRプライマ
ー部位を保持し、PCRによって増幅できるが、切断されたDNAは、単一のプ
ライマー部位のみを有し、PCRによって増幅できない。所望ならば、核酸結合
因子および制限酵素を当該分野で既知の方法、例えば、バッファー条件を適当に
変化させることによって除去できる。次いで、PCR反応を行い、核酸結合因子
に結合された核酸のみを増幅する。これらの核酸は、シス作用性核酸エレメント
を含有する。
【0071】 結合部位から約5〜約30ヌクレオチド離れた位置で切断する制限酵素は、商
業的に入手可能である。かかる酵素は、例えば、BbvI、BcgI、BciV
I、BpmI、BseRI、BsmFI、FokI、HgaI、HphI、Mb
oII、MnIIおよびSfaNIを包含し、その各々がNew England BioLabs,
Inc.より入手可能である。制限酵素構造の知見を用いて、所望の結合部位特異
性を所望の切断部位特異性および切断部位距離と組み合わせる制限酵素を設計す
ることも可能である。
【0072】 結合および非結合核酸を区別するある特定の方法の場合、核酸の多様な集団ま
たは核酸結合因子の多様な集団のいずれかを検出可能に標識することが望ましい
。検出可能な標識は、例えば、酵素、放射性同位元素、蛍光色素、化学ルミネセ
ンスマーカーおよびビオチンのような部分を包含し、それを単離核酸分子および
核酸結合因子中に取り込むことができるか、または代謝性標識化によって、イン
・ビボまたは培養細胞中の核酸および核酸結合因子中に取り込むことができる。
検出可能な標識は、また、例えば、抗体のような結合部分によって特異的に認識
できるタグであることができる。
【0073】 治療化合物および診断手法についての高処理量スクリーニングのような方法の
ある特定の応用の場合、固体支持体上に核酸の多様な集団を提供することが有益
である。核酸の多様な集団は、ビーズ、ピン、樹脂またはチップのような固体支
持体上で合成されるか、またはその後に固体支持体上に接着できる。固体支持体
に接着された核酸を核酸結合因子と接触させることができ;核酸に特異的に結合
されない核酸結合因子を除去し、結合および非結合核酸は固体支持体に接着した
ままである。結合した核酸は、例えば、核酸または核酸結合因子のいずれかに存
在する検出可能な標識によって、あるいは電荷、サイズまたはヌクレアーゼ耐性
のような結合核酸を非結合核酸から区別する別の固有の検出可能な特性によって
、検出することができる。
【0074】 例えば、蛍光標識された核酸の蛍光は、核酸結合因子への結合によって消光で
き、該消光を検出することができる。同様に、検出できる核酸の化学ルミネセン
スシグナルまたは放射能の量を核酸結合因子への結合によって改変することがで
きる。さらに、核酸結合因子の結合は、ヌクレアーゼによる分解から核酸を保護
でき、分解されない核酸をそれらの検出可能な標識によって検出することができ
る。
【0075】 核酸結合因子に結合した核酸の対応する配列が既知の場合、核酸結合因子に結
合される核酸を同定するために、それを直接単離できる必要はない。例えば、核
酸は、既知の場所に存在する既知配列の核酸と共に、アレイ中の固体支持体上で
合成できる。したがって、核酸のアレイ中に存在する核酸の多様な集団において
選択的に結合した核酸を非結合核酸から同定するいずれかの特性を用いて、シス
作用性核酸エレメントを同定することができる。核酸チップおよび自動化検出方
法は、シス作用性核酸エレメント、核酸結合因子、ならびにシス作用性核酸エレ
メントおよび核酸結合因子に結合する化合物を同定するための高処理量スクリー
ニング方法において特に有益である。
【0076】 固相オリゴヌクレオチド合成法は、当該分野で既知である(例えば、J. Weile
rら、Anal. Biochem. 243:218 (1996)およびU. Maskosら、Nucleic Acids Res.
20(7):1679 (1992); T. Atkinsonら、Solid-Phase Synthesis of Oligodeoxyrib
onucleotides by the Phosphitetriester Method, in Oligonucleotide Synthes
is 35 (M. J. Gaint ed., 1984),オリゴヌクレオチドのアレイを合成する方法(
例えば、米国特許第5,474,796号;国際公報WO95/25116;Bl
anchardら、"High-density oligonucleotide arrays" Biosensors & Bioelectro
nics 11(6/7):687-690 (1996)参照)。
【0077】 核酸結合因子に結合された核酸と結合されない核酸を区別する上記の方法は、
個々にまたはいずれかの組み合わせもしくは順に用いて、シス作用性核酸エレメ
ントを含有する核酸を同定できる。
【0078】 いったんシス作用性核酸エレメントを含有する1または複数の単離核酸分子の
配列を決定すれば、当該分野で既知の方法を用いて、そのいずれかの所望のセッ
トまたはサブセットを合成でき、種々の治療的、診断的およびスクリーニング方
法に用いることができる。所望ならば、単離核酸分子内のシス作用性核酸エレメ
ントを当該分野で既知の方法によって決定できる。例えば、既知の核酸「フット
プリント」方法を用いることができる。核酸は、検出可能に標識でき、核酸結合
因子または核酸結合因子の集団と接触させることができる。次いで、核酸をヌク
レアーゼで部分的に消化する。結合した核酸結合因子によってヌクレアーゼ消化
から保護される配列は、シス作用性核酸エレメントである。
【0079】 所望ならば、本発明によって同定される単離シス作用性核酸エレメントを直接
、細胞性またはウイルス性DNAまたはRNA中に見出されるシス作用性核酸エ
レメントと比較できる。かかる比較は、例えば、本発明の方法によって同定され
るシス作用性核酸エレメントが天然の核酸集団に見出されるシス作用性核酸エレ
メントと一致する範囲を決定することにおいて有益である。かかる比較は、また
、有益なことに、特定のシス作用性核酸エレメントによって調節される核酸の決
定も可能にする。これらの調節された核酸は、疾患または発達に関与する以前に
知られていないか、または特徴付けられていない遺伝子を包含でき、それ自体、
治療および診断的手法に用いることができる。
【0080】 単離したシス作用性核酸エレメントの配列を細胞性またはウイルス性DNAま
たはRNAにおいて見出されるシス作用性核酸エレメントと比較するために使用
できるいくつかの方法が当該分野で既知である。例えば、ヒトを包含する種々の
異なる生物の部分的または完全なゲノム配列は、データベースにおいて入手可能
である。これらのデータベースは、本発明の方法によって同定されるシス作用性
核酸エレメントと同一または実質的に類似した配列について検索することができ
る。調節される遺伝子を同定でき、当該分野で既知の組換えまたは合成手段によ
って生産できる。
【0081】 さらに、例えば、ファージ、プラスミド、コスミドまたはYACライブラリー
においてクローン化された核酸の集団は、入手可能であるか、または当該分野で
既知の方法によって調製できる。これらのライブラリーを核酸ハイブリダイゼー
ションのような当該分野で既知の方法を用いてスクリーンして、本発明の方法に
よって同定されたシス作用性核酸エレメントと実質的に類似した細胞性またはウ
イルス性核酸におけるシス作用性核酸エレメントおよび隣接配列を決定できる。
【0082】 さらに、特定の細胞コンパートメントまたは特定の染色体内の1または複数の
シス作用性核酸エレメントの位置を有利に用いて、シス作用性核酸エレメントお
よびそれらが調節する核酸を特徴付ける。例えば、単離核酸分子および核酸結合
因子の開始集団に依存して、いくつかの型のシス作用性核酸エレメントを同時に
同定できる。したがって、シス作用性核酸エレメントの細胞性核酸に対するハイ
ブリダイゼーションの位置を調べることによって、シス作用性核酸エレメントの
型および調節される核酸の位置を決定することができる。例えば、境界エレメン
ト、テロメアに結合するエレメントおよび転写因子に結合するエレメントは、各
エレメントが染色体のどこに位置付けられたかを知ることによって区別できる。
同様に、hnRNAと比べてmRNAに存在するRNAエレメントは、それらの
細胞内位置によって区別できる。核酸配列を特定の核酸位置に位置付けるかかる
方法は、当該分野で既知であり、例えば、蛍光in situハイブリダイゼー
ション(FISH)を包含する。
【0083】 核酸結合因子に結合されるシス作用性核酸エレメントを同定および単離するた
めの本発明の方法は、また、同時に、シス作用性核酸エレメントに選択的に結合
する核酸結合因子の同定および単離のために提供する。したがって、本発明は、
核酸結合因子の単離方法を提供する。該方法は、核酸結合因子が選択的に核酸に
結合できる条件下で、核酸結合因子の多様な集団を単離核酸分子の多様な集団と
接触させ、選択的に1以上の単離核酸分子に結合する1以上の核酸結合因子を単
離することを含む。核酸結合因子および単離核酸分子の集団の多様性および供給
源は、以前に記載されたように、方法の特定の応用において単離が望まれる核酸
結合因子の型および数に基づいて、当業者によって決定できる。
【0084】 単離核酸分子および核酸結合因子の集団を接触後、核酸結合因子によって選択
的に結合された単離核酸分子を非結合核酸から分離する。以前に記載されたよう
に、核酸結合因子に結合された核酸を結合されない核酸から物理的に分離するた
めの方法が当該分野で知られている。かかる方法は、例えば、ろ過、クロマトグ
ラフィー、電気泳動および遠心分離を包含する。選択的に結合した核酸結合因子
は、それらが結合する核酸から解離され、単離される。核酸結合因子を核酸から
解離する方法は、当該分野において知られており、例えば、バッファーの塩もし
くは界面活性剤濃度またはpHを変化させることを包含する。
【0085】 いったん単離すれば、目的の核酸結合因子を核酸結合因子の多様な集団から、
例えば、その対応するシス作用性核酸エレメントまたは特異的抗体のような他の
結合因子をアフィニティー試薬として用いて、大量に生産することができる。さ
らに、核酸結合因子がタンパク質である場合、コードしている遺伝子の配列を容
易に決定でき、核酸結合因子を組換え的に生産できる。
【0086】 また、核酸結合因子と結合複合体中の他の結合因子の間の相互作用部位、およ
び核酸結合因子とその対応するシス作用性核酸エレメントの間の相互作用部位は
、当該分野で既知の方法を用いて決定できる。これらの相互作用部位についての
知見を用いて、これらの相互作用を改変または崩壊させる治療化合物を設計する
ことができる。
【0087】 細胞およびウイルスの遺伝子回路構成(circuitry)は、例えば、増殖、分化
および病原性を包含する細胞および生物の行動を制御する。したがって、これら
のプロセスを媒介する核酸を改変するために、宿主細胞または病原体を制御して
その遺伝子回路構成の制御特性、動特性または行動を変調できるか、または遺伝
子回路構成を直接修飾できることは、治療に有益である。例えば、細胞の遺伝子
回路構成の制御特性、動特性または行動を変調すること、または遺伝子回路構成
を直接修飾することは、特定の治療的応用に依存して、細胞の増殖、分化、疾患
に対する罹患性または薬物に対する感受性を変調するために用いることができる
。病原体の遺伝子回路構成の制御特性、動特性または行動を変調すること、また
は遺伝子回路構成を直接修飾することは、また、病原体の感染性、病原性または
薬剤耐性を変調するために用いることができる。
【0088】 シス作用性核酸エレメントおよび核酸結合因子の同定は、治療目的で細胞また
はウイルスの遺伝子回路構成の制御特性、動特性または行動を改変できる化合物
を迅速に同定する手段を提供する。病的状態に関与する核酸の遺伝子活性を変調
するシス作用性核酸エレメントの同定は、また、治療目的で細胞の遺伝子回路構
成を直接修飾するために、シス作用性核酸エレメントを挿入、除去または置換す
る手段を提供する。
【0089】 本発明の方法は、1以上のシス作用性核酸エレメントを含有する目的のいずれ
かの核酸または核酸の群を標的にできる治療化合物の同定のために提供する。か
かる治療化合物は、例えば、シス作用性核酸エレメントの類似体、核酸結合因子
の類似体、シス作用性核酸エレメントまたは核酸結合因子のいずれか、または両
方に結合する化合物、ならびにシス作用性核酸および核酸結合因子自体を包含す
る。これらの治療化合物は、例えば、核酸結合因子に対する結合について内因性
シス作用性核酸エレメントと競合するか、またはその対応するシス作用性核酸エ
レメントとの結合について核酸結合因子と競合することができる。これらの化合
物は、また、内因性シス作用性核酸エレメントのその対応する核酸結合因子への
結合を物理的に崩壊できるか、または2以上の核酸結合因子間の結合を物理的に
崩壊できる。
【0090】 疾患に関連する核酸の調節を改変することは、疾患を予防または治療できる。
特定の疾患に関与するシス作用性核酸エレメントおよび核酸結合因子を標的とす
る化合物を同定し、疾患に関連することが知られているか、または予想される核
酸の調節を増幅、抑制、改変、拮抗または模倣するために使用することができる
。例えば、癌、変性疾患、遺伝子障害、免疫障害、細菌およびウイルス感染性疾
患などに関与する1または複数の核酸を変調することが知られているか、または
予測されるシス作用性核酸エレメントまたは核酸結合因子を下記の方法に用いて
、対応する調節される核酸を標的とする特定の治療化合物を同定することができ
る。これらの治療化合物は、疾患を改善または予防するために、核酸の遺伝子活
性、例えば、その構造無欠性、転写、翻訳または複製を有益に改変することがで
きる。
【0091】 下記の治療化合物を同定するための例示的方法において、単離核酸分子または
核酸結合因子、または両方は、疾患に関与する核酸を調節することが知られてい
るか、または予想されるシス作用性核酸エレメントまたは核酸結合因子を包含す
る偏りのある集団であることができる。そのようにして得られる化合物は、特定
の疾患に関与する核酸に選択的な化合物を優先的に包含することが予測されるで
あろう。
【0092】 別法では、開始集団は、核酸および核酸結合因子の大きくランダムな集団であ
ることができる。後者の場合、化合物のライブラリーが得られ、その2、3個の
みがいずれかの特定の核酸または核酸結合因子に対して選択的であることが予測
される。しかしながら、本発明の方法を用いて得られる化合物のライブラリーは
、どの化合物のサブセットがいずれかの目的の核酸の調節を改変するかを決定す
るために、容易にスクリーンできる。
【0093】 化合物が特定の核酸の調節を改変することを決定するためのスクリーニング方
法は、核酸およびその特性に依存して、当業者によって決定できる。例えば、化
合物の特定のシス作用性核酸エレメントまたは核酸結合因子への結合に対するア
フィニティーおよび選択性は、結合競合アッセイを用いて決定できた。同様に、
核酸の調節に対する化合物の効果は、mRNAの発現または調節される核酸によ
ってコードされるタンパク質を調べることによって決定できた。さらに、成長、
分化またはアポトーシスのような遺伝子の発現に依存する細胞の特性に対する化
合物の効果を決定できた。
【0094】 選択的に単離核酸分子によって置換できるように、選択的に核酸結合因子に結
合する化合物は、シス作用性核酸エレメントの類似体である。かかる化合物は、
シス作用性核酸エレメントによって変調される遺伝子活性を改変できる可能性の
ある治療物質であり、該化合物はシス作用性核酸エレメントの類似体である。し
たがって、本発明は、シス作用性核酸エレメント類似体を同定する方法を提供す
る。該方法は、化合物が選択的に核酸結合因子に結合できる条件下で、核酸結合
因子の多様な集団を化合物の多様な集団と接触させることを含む。1以上の単離
核酸分子が1以上の選択的に結合した化合物を選択的に置換できる条件下で、選
択的に1以上の化合物に結合した1以上の核酸結合因子を1以上の単離核酸分子
と接触させる。単離核酸分子または核酸結合因子、または両方は、目的の疾患に
おいて役割を果たすことが知られているかまたは予測される核酸に対応できるか
または該核酸を調節できる。置換された化合物を同定し、シス作用性核酸エレメ
ント類似体として特徴付ける。かかる方法は、さらに、1以上の選択的に結合し
た化合物を選択的に置換する1以上の単離核酸分子の同定のために提供する。1
以上の選択的に結合した化合物を選択的に置換する単離核酸分子は、シス作用性
核酸エレメントを含有する核酸として特徴付けられる。
【0095】 核酸結合因子への選択的結合によって置換できるような選択的に単離核酸分子
または核酸結合因子複合体中の核酸結合因子に結合する化合物は、核酸結合因子
の類似体である。かかる化合物は、核酸結合因子に結合するシス作用性核酸エレ
メントによって変調される遺伝子活性を改変できる可能性のある治療物質であり
、該化合物は核酸結合因子の類似体である。したがって、本発明は、また、核酸
結合因子類似体を同定する方法を提供する。1の具体例において、該方法は、化
合物が選択的に単離核酸分子に結合できる条件下で、化合物の多様な集団を単離
核酸分子の多様な集団と接触させることよりなる。選択的に1以上の化合物に結
合した1以上の単離核酸分子は、1以上の選択的に結合した化合物を1以上の結
合した核酸から選択的に置換する条件下で、1以上の核酸結合因子と接触させる
。単離核酸分子または核酸結合因子、または両方は、目的の疾患において役割を
果たすことが知られているかまたは予測される核酸に対応できるか、または該核
酸を調節できる。置換された化合物を同定し、核酸結合因子類似体として特徴付
ける。該方法は、さらに、1以上の選択的に結合した化合物を置換する1以上の
核酸結合因子の同定のために提供する。
【0096】 上記の方法のさらなる具体例において、選択的にシス作用性核酸エレメントま
たは核酸結合因子複合体中の核酸結合因子のいずれか、またはその両方に結合す
る化合物を同時に同定することができる。該方法は、化合物が選択的に単離核酸
分子または核酸結合因子のいずれかに結合できる条件下で、化合物の多様な集団
を核酸結合因子に結合した単離核酸分子の多様な集団と接触させることを含む。
選択的に核酸結合因子に結合し、選択的に1以上の化合物に結合した1以上の単
離核酸分子は、1以上の核酸結合因子が1以上の選択的に結合した化合物を選択
的に置換できる条件下で、1以上の核酸結合因子と接触させる。単離核酸分子ま
たは核酸結合因子、または両方は、目的の疾患において役割を果たすことが知ら
れているかまたは予測される核酸に対応できるか、または該核酸を調節できる。
置換された化合物を同定し、核酸結合因子類似体として特徴付ける。置換された
化合物は、さらに、それらがシス作用性核酸エレメントまたは核酸結合因子の複
合体中の核酸結合因子に結合するかを決定するために特徴付けることができる。
【0097】 シス作用性核酸エレメントに選択的に結合する化合物は、また、シス作用性核
酸エレメントによって変調される核酸の活性を改変するための治療物質として使
用できる。したがって、本発明は、また、シス作用性核酸エレメントに結合する
化合物を同定する方法を提供する。該方法は、化合物が単離核酸分子に選択的に
結合できる条件下で、各核酸が1以上のシス作用性核酸エレメントを含む複数の
単離核酸分子を化合物の多様な集団と接触させることを含む。1以上のシス作用
性核酸エレメントを含有する1以上の単離核酸分子を選択的に結合する化合物を
同定する。
【0098】 以前に記載されたように、シス作用性核酸エレメントを含有する単離核酸分子
は、目的の疾患において役割を果たすことが知られているかまたは予測される核
酸に対応できるか、または大きくランダムな集団であることができる。該方法に
よって同定される化合物は、目的のシス作用性核酸エレメントを結合するその能
力について、当該分野で既知の直接または間接的アッセイによって試験すること
ができる。かかるアッセイは、例えば、結合アッセイ、レポーターアッセイ、お
よび細胞の特性に対する化合物の導入の効果を測定する機能的アッセイを包含す
る。
【0099】 本発明は、また、シス作用性核酸エレメントの核酸結合因子への結合または核
酸結合因子の別の核酸結合因子への結合を選択的に置換する化合物を同定する方
法を提供する。該方法は、化合物が1以上の選択的に結合した核酸結合因子を1
以上の結合した核酸から、または結合因子複合体中の1以上の結合した核酸結合
因子から選択的に置換できる条件下で、核酸結合因子に選択的に結合した複数の
単離核酸分子を化合物の多様な集団と接触させることを含む。シス作用性核酸エ
レメントまたは核酸結合因子、または両方を含有する単離核酸分子は、目的の疾
患において役割を果たすことが知られているかまたは予測される核酸に対応でき
るか、または該核酸を調節できる。単離核酸分子は、各々が1以上のシス作用性
核酸エレメントを含有するように選択できる。1以上の結合した核酸結合因子を
1以上の結合した核酸から、または結合因子複合体中の1以上の結合した核酸結
合因子から選択的に置換する化合物を同定する。かかる化合物は、例えば、シス
作用性核酸エレメントと核酸結合因子の間の相互作用部位に結合でき、したがっ
て、シス作用性核酸エレメント類似体または核酸結合因子類似体のいずれかであ
ることができる。かかる化合物は、また、例えば、核酸結合因子複合体内の2以
上の核酸結合因子間の相互作用部位に結合できる。別法では、かかる化合物は、
核酸結合因子とシス作用性核酸エレメントまたは別の核酸結合因子のいずれかと
の間の結合が化合物の結合によって、選択的に修飾または置換されるかぎり、シ
ス作用性核酸エレメント上のどこか、または1以上の核酸結合因子上のどこかに
結合できる。
【0100】 上記の本発明の方法は、多くの異なる核酸に選択的な化合物ならびに非常に限
られた数の核酸のみを標的とする化合物を同定するために使用することができる
。以前に記載されたように、特定の核酸を調節するシス作用性核酸エレメントの
いくつかは、また、多くの他の核酸の調節にも関与するようである。したがって
、シス作用性核酸エレメントまたはその対応する核酸結合因子に結合する治療化
合物は、意図される標的核酸以外の多くの核酸の調節に対して効果を有するかも
しれない。しかしながら、シス作用性核酸エレメントの特定の組み合わせは、特
定の核酸または核酸のファミリーに比較的特異的であろう。したがって、本発明
は、また、上記の方法においてシス作用性核酸エレメントの組み合わせを包含す
る単離核酸分子を用いることによる、1または数個の核酸に特異的な治療物質の
同定のために提供する。シス作用性核酸エレメントの組み合わせにおけるシス作
用性核酸エレメントは、天然の介在配列によって結合できる。別法では、都合の
よい全ての核酸長に対して提供するために、非天然介在配列をシス作用性核酸エ
レメント間に導入することができる。上記の方法を用いて、シス作用性核酸エレ
メントの組み合わせに選択的に結合する治療化合物、あるいは核酸結合因子の組
み合わせに選択的に結合するかまたは該組み合わせを選択的に置換する化合物を
同定することができる。
【0101】 治療物質として使用できる化合物を同定する上記の方法は、選択的に特定の化
合物または結合因子に結合される核酸と、異なる化合物または結合因子に結合し
ないまたは結合した核酸を区別する能力を利用する。結合した核酸を非結合核酸
から区別するいずれかの方法は、以前に記載されたように、シス作用性核酸エレ
メントおよび核酸結合因子に結合する治療化合物を同定する上記の方法において
使用することができる。かかる方法は、例えば、単離核酸分子のアレイを固体支
持体上に提供することによって自動化できる。同様に、固体支持体上の化合物の
アレイを提供できる。化合物、核酸結合因子、または核酸は、当該分野で既知の
方法によって検出可能に標識できる。さらに、特定の化合物に結合される単離核
酸分子は、非結合核酸または異なる化合物もしくは核酸結合因子に結合した核酸
と、ニトロセルロースフィルターのようなフィルター上に保持されるその能力に
おいて異なることができ、電荷、サイズ、密度、電気泳動移動度およびヌクレア
ーゼに対する耐性において異なることができる。
【0102】 化合物、核酸結合因子および単離核酸は、所望ならば、さらなる特徴づけのた
めに、それらが選択的に結合している分子から取りはずすことができる。別法で
は、かかる分子のプールを、1または複数の選択的に結合したまたは選択的に置
換された分子が単離または同定されるまで、繰り返し再分することができる。
【0103】 本発明は、また、各単離核酸分子が1以上のシス作用性核酸エレメントを含有
する複数の単離核酸分子を提供する。シス作用性核酸エレメントを含有するかか
る複数の単離核酸分子は、例えば、約2〜5個の異なる単離核酸分子、または約
6〜10個の異なる単離核酸分子を含有することができる。複数の単離核酸は、
また、約11〜20個の異なる単離核酸分子または約20個より多くの異なる単
離核酸分子を含有することもできる。単離核酸分子の数は、複数および複数の使
用が意図される核酸の型に依存するであろう。所望ならば、これらの核酸を固体
支持体に接着でき、自動化スクリーニングおよび診断的手法に有利に使用するこ
とができる。
【0104】 シス作用性核酸エレメントを含有する複数の単離核酸分子は、例えば、上記の
方法によって同定し、得ることができる。複数性は、例えば、化学的合成によっ
て、またはポリメラーゼ連鎖反応による増幅によって、豊富に生産できる。所望
ならば、単離したシス作用性核酸エレメントを種々の量の隣接配列と合成できる
。これらの隣接配列は、例えば、配列の検出、増幅、クローニングまたはさらな
る修飾において使用することができる。上記のように、シス作用性核酸エレメン
トを含有する複数の単離核酸分子は、例えば、エンハンサーおよびプロモーター
のような一連の単離した転写因子結合エレメント;複製起点のような一連の単離
した複製因子結合エレメント;一連の単離した制限または修飾酵素結合部位;ま
たは核酸の所望の遺伝子活性を調節するいずれか他の一連の核酸シス作用性エレ
メントであることができる。
【0105】 上記のように、シス作用性核酸エレメントを含有する複数の単離核酸分子は、
例えば、特定の細胞型、特定の疾患または細胞の発達状態、または外部刺激に対
する特定の応答を特徴とすることができる。また、シス作用性核酸エレメントを
含有する複数の核酸は、疾患の遺伝子座に位置付けられる染色体領域のような細
胞性核酸の特定のサブセットを特徴とすることができる。
【0106】 本発明は、また、各単離核酸分子が1以上のシス作用性核酸エレメントを含有
する、核酸結合因子に結合した複数の単離核酸分子を提供する。核酸結合因子に
結合したかかる複数の単離核酸分子は、例えば、約2〜5個の異なる単離核酸分
子、または約6〜10個の異なる単離核酸分子を含有することができる。複数の
単離核酸は、また、約11〜20個の異なる単離核酸分子または約20個より多
くの異なる単離核酸分子を含有することができる。核酸結合因子に結合した単離
核酸分子の数は、複数のおよび複数の使用が意図される核酸および核酸結合因子
の型に依存するであろう。
【0107】 所望ならば、これらの核酸または核酸結合因子を固体支持体に接着でき、自動
化スクリーニングおよび診断的手法に有利に使用できる。上記のように、かかる
複数性は、例えば、シス作用性核酸エレメントの核酸結合因子への結合を選択的
に修飾または置換できる、あるいは2以上の核酸結合因子間の結合を選択的に修
飾または置換できる治療化合物を同定するために使用できる。
【0108】 本発明は、また、少なくとも約15の異なる単離核酸結合因子を包含する複数
の単離核酸結合因子を提供する。複数の単離核酸結合因子は、また、約16〜2
5の異なる単離核酸結合因子、好ましくは、約26〜50の異なる単離核酸結合
因子、より好ましくは、約51より多くの異なる単離核酸結合因子を含有するこ
とができる。複数の単離核酸結合因子の数は、複数のおよび複数での使用が意図
される核酸結合因子の型に依存するであろう。所望ならば、複数の単離核酸結合
因子を固体支持体に接着でき、自動化スクリーニングおよび診断的手法に有利に
使用できる。
【0109】 本発明は、また、複数のシス作用性核酸類似体を提供する。かかる複数のシス
作用性核酸類似体は、約2〜5の異なる単離シス作用性核酸エレメント類似体、
または約6〜10の異なる単離シス作用性核酸エレメント類似体を包含できる。
複数のシス作用性核酸類似体は、また、約11〜20の異なる単離シス作用性核
酸エレメント類似体または約20より多くの異なる単離シス作用性核酸エレメン
ト類似体を含有できる。これらの類似体は、例えば、本発明の方法によって得ら
れる化合物であることができ、それらが模倣するシス作用性核酸エレメントと核
酸結合因子の間の相互作用を改変するために使用できる可能性のある治療物質で
ある。
【0110】 本発明は、さらに、複数の核酸結合因子類似体を提供する。かかる複数のシス
作用性核酸類似体は、約2〜5の異なる単離シス作用性核酸エレメント類似体、
または約6〜10の異なる単離シス作用性核酸エレメント類似体を包含すること
ができる。複数の単離シス作用性核酸エレメント類似体は、また、約11〜20
の異なる単離シス作用性核酸エレメント類似体または約20より多くの単離シス
作用性核酸エレメント類似体を含有することができる。これらの類似体は、例え
ば、本発明の方法によって得られる化合物であることができ、それらが模倣する
核酸結合因子とシス作用性核酸エレメントまたは核酸結合因子の複合体内の他の
核酸結合因子との間の相互作用を改変するために使用できる可能性のある治療物
質である。
【0111】 以前に記載されたように、本発明は、病的状態を引き起こすかまたは病的状態
に伴う核酸の遺伝子活性を調節または変調するシス作用性核酸エレメントおよび
核酸結合因子の同定のために提供する。本発明の方法は、また、病的状態に関与
するこれらの核酸の遺伝子活性を改変するために治療上使用できる、シス作用性
核酸エレメント、核酸結合因子およびそれらの類似体を包含する治療化合物の同
定のために提供する。したがって、本発明は、個体における病的状態の治療法を
提供する。該方法は、罹患した個体に、病的状態に関与する1以上の核酸の遺伝
子活性を調節できる1以上のシス作用性核酸エレメントの能力を選択的に改変す
る有効量の1以上の治療物質を投与することを含む。
【0112】 1以上の核酸の調節異常によって媒介される病的状態は、本発明の方法によっ
て治療できる。例えば、治療化合物は、必要に応じて、病気の個体の細胞中で異
常に調節される1以上の核酸の遺伝子活性を選択的に増加または選択的に減少さ
せるために投与できる。同様に、ウイルスまたは細菌によって媒介される病的状
態は、病原体の遺伝子活性を選択的に改変する化合物を投与することによって治
療できる。
【0113】 病的状態に関与する核酸は、当該分野で既知であるか、または、例えば、シス
作用性核酸エレメントが活発に転写される遺伝子の近くに存在するという知見を
用いて、下記のように決定される。本発明の方法を用いて標的とするのに適当な
遺伝子活性は、当業者によって決定でき、特定の疾患の基礎をなす疾患メカニズ
ムに依存するであろう。一例として、オンコジーン転写を選択的に標的とする本
発明の治療化合物を投与することによって、癌を治療できる。さらなる例として
、ウイルス複製を選択的に標的とする本発明の化合物を投与することによって、
ウイルス感染を治療できる。
【0114】 治療物質は、物質を標的細胞および細胞内の標的位置、例えば、核または細胞
質に送達するのに便利な医薬組成物に処方できる。かかる医薬組成物は、治療物
質と一緒に医薬上許容される担体を含有する。医薬上許容される担体は、当該分
野でよく知られており、水、生理学的緩衝化セーラインまたは他の溶媒のような
水性溶液あるいはグリコール、グリセロール、オリーブ油のような油のようなビ
ヒクルあるいは注射可能な有機エステルおよびリポソームを包含する。
【0115】 医薬上許容される担体は、例えば、治療物質の吸収を安定化または増加させる
ように作用する生理学的に許容される化合物を含有することができる。かかる生
理学的に許容される化合物は、例えば、グルコース、シュークロースまたはデキ
ストランのような炭水化物、アスコルビン酸またはグルタチオンのような抗酸化
物質、キレート剤、低分子量タンパク質または他の安定化剤または賦形剤を包含
する。当業者は、生理学的に許容される化合物を包含する医薬上許容される担体
の選択が例えば、治療物質の性質および投与経路に依存することを知っているで
あろう。
【0116】 治療物質は、また、所望ならば、リン脂質または他の脂質からなり、非毒性で
生理学上許容され、かつ、製造および投与が比較的簡単な代謝可能な担体である
リポソーム中に組み入れることができる。リポソーム中に包まれた治療物質の個
体における細胞または組織に対する標的化は、受動的または能動的であることが
できる。例えば、受動的標的化は、洞様毛細血管を含有する細網内皮系(RES
)の細胞中および肝臓のような器官中にリポソームが蓄積する傾向を利用する。
対照的に、能動的標的化は、モノクローナル抗体のような特異的リガンド、糖、
糖脂質または標的細胞によって発現される受容体に対するリガンドのようなタン
パク質をカップリングすることによるリポソームの改変を含む。
【0117】 核酸治療物質、またはコードされるポリペプチドは、プラスミド、コスミドま
たはウイルスベクターのような当該分野で既知のベクター中に含有できる。レト
ロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、ヘルペス単純ウイルスベクター
、ワクシニアウイルスなどのウイルスベクターは、核酸治療物質およびコードさ
れるポリペプチドの投与に特に有用である。ベクターおよびベクターを投与する
経路の選択は、例えば、特定の標的細胞に依存し、当業者によって決定できる。
【0118】 シス作用性核酸エレメントによって媒介される遺伝子活性を変調する治療物質
は、各々、例えば、経口的および静脈内、筋内、皮下、眼窩内、嚢内、腹膜内、
直腸内、槽内、あるいは例えば、皮膚パッチもしくは経皮的イオン導入を用いて
皮膚による受動的または促進した吸収によるような非経口的経路を包含する種々
の経路によって、個体に投与できる。さらに、治療物質は、注射、挿管、経口ま
たは局所的に投与でき、その後者は、例えば、軟膏または粉末の直接的適用によ
る受動的、あるいは例えば、鼻腔スプレーまたは吸入を用いる能動的であること
ができる。
【0119】 治療物質として上記のように同定される化合物は、例えば、増加した安定性ま
たはバイオアベイラビリティーを有するように、またはシス作用性核酸エレメン
トもしくは核酸結合因子に対する最適なアフィニティーを有するように、既知の
方法を用いてさらに修飾できる。化合物は、また、正または負の調節活性を有す
るように修飾できる。例えば、シス作用性核酸エレメントまたは核酸結合因子に
結合する化合物は、遺伝子の転写を選択的に活性化するように、転写活性化ドメ
インを包含するように修飾できる。同様に、化合物は、例えば、隣接の核酸配列
を切断するかまたはその転写を減少させるドメインを包含するように修飾できる
【0120】 シス作用性核酸エレメントの同定は、また、遺伝子修飾による細胞の遺伝子回
路構成の改変を可能にする。遺伝子修飾は、例えば、核酸または核酸の群の発現
を治療目的で増加、減少または改変するために使用できる。例えば、近隣の核酸
の調節を修飾するために、正常または改変した1以上のシス作用性核酸エレメン
トのコピーを細胞のゲノム内の正常な位置または改変した位置に導入できる。シ
ス作用性核酸エレメントは、例えば、ホルモン、成長因子、金属イオンまたは抗
生物質のような物質に応答することができる。挿入後、シス作用性核酸エレメン
トは、物質による調節を目的の核酸に与える。同様に、目的の核酸の発現を構造
的に増加するために、強力な構造性プロモーターまたはエンハンサーエレメント
を目的の核酸の極めて近くに挿入することができる。また、目的の核酸の調節を
改変するために、目的の核酸を正常に調節する1以上のシス作用性核酸エレメン
トを除去または置換することができる。
【0121】 したがって、本発明は、遺伝子修飾によって個体における病的状態の治療する
方法を提供する。該方法は、個体の細胞を、シス作用性核酸エレメントおよび標
的配列を包含する有効量の標的構築物と接触させることを含む。標的配列は、病
的状態に関与する核酸の配列に対応する。標的構築物は細胞に取り込まれ、相同
組換えによってシス作用性核酸エレメントが病的状態に関与する核酸中に、その
遺伝子活性を改変するように挿入される。
【0122】 相同組換えを用いて所定の位置で核酸配列を挿入、除去および置換する方法は
、当該分野で既知であり、例えば、Yanezら、Gene Therapy 5:149-159 (1998)(
出典明示により本明細書の一部とする)に記載されている。標的核酸ならびに所
望の修飾した配列に対して相同な核酸のセグメントを有する標的構築物を調製す
る。上記のように、修飾した配列は、例えば、標的位置に導入されるべき正常ま
たは改変したシス作用性核酸エレメントのコピーであることができる。標的構築
物は、例えば、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、オプトポ
レーション(optoporetion)、ポリブレン、DMSO、DEAE−デキストラン
、リポソーム処方、遺伝子銃、ポリアミドアミンデンドリマー、合成ペプチドお
よびこれらの物質および方法の組み合わせを包含する当該分野で既知の種々の方
法によって、それらが標的細胞によって取り込まれ、標的核酸中に組み込まれる
ように、標的細胞に送達できる。相同組換えのための大きな標的構築物は、例え
ば、プラスミド、コスミドまたはレトロウイルスもしくはアデノウイルスベクタ
ーのようなウイルスベクター中に組み込まれることができる。別法では、短い標
的配列に隣接するシス作用性核酸エレメントを包含するキメラDNA−RNAオ
リゴヌクレオチドまたは小型変性DNAフラグメントもまた、シス作用性核酸エ
レメントを細胞中にゲノム中の所定の位置にて導入するために使用することがで
きる。
【0123】 相同組換えは、必要に応じて、エクス・ビボまたはイン・ビボのいずれかで、
治療的戦略に依存して実施できる。例えば、種々の系統の細胞を個体から得、有
益遺伝子または遺伝子産物の発現を増加させるかあるいは有害遺伝子または遺伝
子産物の発現を減少させるために、1以上のシス作用性核酸エレメントの挿入、
欠失または置換によってエクス・ビボで遺伝学的に修飾し、治療的利益のために
同じ個体または免疫学的に合致した個体に戻すことができる。同様に、標的構築
物を細胞によって取り込ませ、病的状態に関与する標的核酸中に挿入してその遺
伝子活性を改変するために、標的構築物を用いて個体内の病気の細胞に直接接触
させることができる。
【0124】 シス作用性核酸エレメントは、また、疾患の診断および治療に重要であるかも
しれない新規な遺伝子を同定するために使用することができる。当該分野で既知
および上記のように、ほとんどの構造および調節遺伝子は、該遺伝子内または該
遺伝子に隣接したシス作用性核酸配列の存在によって特徴付けられる。したがっ
て、シス作用性核酸エレメントの存在は、近隣遺伝子を示す。例えば、シス作用
性DNAエレメントは、検出可能に標識でき、既知の方法を用いてゲノムライブ
ラリーまたはサブゲノム領域のライブラリーにハイブリダイズするために使用で
きる。そのようにして同定された遺伝子を配列決定し、同定できる。該手法は、
有利に、同じシス作用性核酸エレメントまたはエレメントの組み合わせによって
変調される複数の遺伝子の同時同定を可能にする。
【0125】 本発明は、また、核酸の結合状態を決定する方法を提供する。該方法は、核酸
に結合した核酸結合因子が単離シス作用性核酸エレメントに結合できる条件下で
、核酸を複数の単離シス作用性核酸エレメントと接触させることを含む。核酸結
合因子に結合する単離シス作用性核酸エレメントを同定し、核酸の結合状態を特
徴付ける。
【0126】 細胞の核酸結合因子は、シス作用性核酸エレメントに構造的に結合されるか、
または適当な細胞該シグナルに応答して結合できる。例えば、核酸結合因子は、
ホルモン、成長および分化因子、ストレス、病的状態、近隣細胞との接触および
他のかかる刺激に対する応答としてシス作用性核酸エレメントに結合できる。し
たがって、核酸の結合状態は、検出時の環境に対するその応答を反映する。
【0127】 方法の所望の応用に依存して、目的の単一細胞、細胞の群または組織における
いずれかの核酸分子に関する結合状態を決定することができる。核酸は、その正
常な核酸結合因子に結合したままである条件下で得られる。例えば、クロマチン
調製物、hnRNA調製物、mRNA調製物またはこれらのいずれかのフラクシ
ョンまたは上記の他の調製物は、単一細胞、細胞の群または組織から得ることが
できる。上記の方法によって、核酸調製物は、核酸結合因子が単離シス作用性核
酸エレメントに結合する条件下で、複数の単離シス作用性核酸エレメントと接触
させる。上記のように、かかる条件は、所望ならば、単離シス作用性核酸エレメ
ントに対する結合を好む方へ平衡をシフトするために、過剰な単離シス作用性核
酸エレメントを含むことができる。
【0128】 核酸の結合状態を決定するのに有用な複数の単離シス作用性核酸エレメントは
、上記のように、遺伝子の特定の群を調節するか、または目的の特定の細胞型に
おいて見出されるシス作用性核酸エレメントのような単離シス作用性核酸エレメ
ントのいずれかの型および組み合わせを包含できる。核酸結合因子に結合する単
離シス作用性核酸エレメントは、例えば、ニトロセルロース上での保持、制限消
化からの保護、および密度またはサイズ分別を包含する上記の方法のいずれかに
よって、非結合核酸から区別できる。
【0129】 単離シス作用性核酸エレメントが核酸結合因子によって結合される決定方法は
、また、自動化できる。自動検出は、多数の試料の結合状態を決定するために、
多数の試料を迅速かつ再現性をもってスクリーニングすることに特に有利である
。例えば、既知のシス作用性核酸エレメントを示すオリゴヌクレオチドは、アレ
イ上の既知の位置で合成できる。核酸結合因子によって結合されるシス作用性核
酸エレメントは、非結合シス作用性核酸エレメントと比べて、以前に記載された
ように、それらを当該分野で既知の自動化した方法によって検出できる改変され
た特性を有する。結合したシス作用性核酸エレメントの型、数、パターンまたは
範囲は、アッセイされている核酸の結合状態を示す。
【0130】 本発明の方法は、疾患の疑いのある個体の細胞、細胞の群または組織から得ら
れた核酸の結合状態を正常な個体由来の同様の細胞から得られた核酸の結合状態
と比較することによって、個体における疾患を診断するために使用できる。非制
限的な例として、1以上の核酸の結合状態を癌の診断に用いることができる。癌
は、異常な細胞の増殖および代謝を促進する遺伝子、例えば、成長因子、プロテ
アーゼ、脈管形成因子などの増加した発現によって特徴付けられる。したがって
、本発明の方法は、かかる遺伝子の発現を調節するシス作用性核酸エレメントが
特定の組織において核酸結合因子に結合されるかどうかを決定するために使用で
きる。癌は、また、DNA合成の増加によって特徴付けられる。したがって、本
発明の方法は、DNA合成を調節するシス作用性核酸エレメントが特定の組織に
おいて結合されるかどうかを決定するために使用できる。
【0131】 核酸の結合状態は、治療の結果をモニターするために、例えば、治療物質の投
与の前後に決定できる。例えば、治療が成功ならば、核酸の結合状態は、以前の
病気の状態よりも既知の正常な結合状態により密接に似ているであろう。
【0132】 本発明の種々の具体例の活性に実質的に影響を及ぼさない修飾もまた、本明細
書に提供される本発明の定義内に包含されることが理解される。したがって、下
記の実施例は、例示を意図するものであって、本発明を制限しようとするもので
はない。
【0133】 実施例I シス作用性核酸エレメントを含有する核酸の同定方法および核酸結合因子の単
離方法 該実施例は、シス作用性核酸エレメントを含有する核酸の同定方法および核酸
結合因子の単離方法を示す。
【0134】 該方法は、2本鎖DNAベイト(bait)の1つの鎖を5’末端でビオチン化す
ることによって実施する。2本鎖DNAベイトのコアは、約20塩基対を超えて
ランダムである。ベイトの両端に制限部位、例えば、Sau3A1部位が存在す
る。DNAベイト構造は、ビオチン化した鎖の化学的合成、および適当なプライ
マーの伸長による相補鎖の酵素的合成によって調製される。
【0135】 ベイトの設計は、所望により、以前に記載されたように、結合部位から距離を
おいて切断する制限酵素によって認識される配列を包含する。所望によりヒスト
ンを含まない核タンパク質が、標準的な技術によって、細胞系統または組織核(
動物または植物)から大量に精製される。別法では、所望によりヒストンを含ま
ないクロマチンが、同じ供給源から調製される。さらに別法として、その転写因
子複合体および核膜に結合した他のDNA結合タンパク質に手法を集中させるた
めに、核膜フラグメントをシュークロース勾配中における浮遊によって調製する
【0136】 ベイトDNAは、核タンパク質、クロマチンまたは核膜フラグメントと一緒に
、プロテアーゼ阻害剤を含有するバッファー培地中でインキュベートする。ベイ
ト濃度は、約5μgの50bpベイトに対応する約10コピーのあらゆる可能
な20merランダムコアが存在するような濃度である。インキュベーション変
数は、時間、温度およびイオン強度であり、その全てが特異性を増加するように
変化されうる。インキュベーション混合物は、また、DNAに対して配列独立性
アフィニティーを有する(非特異的結合)タンパク質について競合するために、
複雑性の低い合成2本鎖DNA(例えば、ポリdI−ポリdC)を含有する。次
いで、混合物はニトロセルロースフィルターを通過させる。該工程は、確実に、
タンパク質に対して複合体を形成したベイトDNAのみをフィルター上に保持す
る。結合したベイトDNAの回収は、穏かな界面活性剤での溶出の後、アビジン
で被覆されたダイナビーズ(dynabead)での磁気的単離によってもたらされる。
該段階にて、いくつかの手法を同時に行うことができる。
【0137】 1)結合したDNAを変性させるために洗浄したビーズを加熱し、該ビーズを
磁石で除去し、ビオチン化しない鎖を溶液中に残す。その1つが5’末端をビオ
チンで誘導体化されたランダム配列に隣接するプライマーを用いて、これをPC
Rによって増幅する。増幅したDNAは、上記のように、ベイトとして選択の第
2ラウンドにおいて使用される。該手法は、繰り返してもよい。
【0138】 2)別法では、洗浄したビーズを制限酵素Sau3A1で処理して、GATC
粘着性末端(ヘミ−BamH1部位でもある)を生じる。次いで、DNAをBa
mH1で線状化した適当なベクターに連結し、アルカリホスファターゼによって
脱リン酸化する。スーパーコンピテント細胞中への形質転換において、10
10個の独立したクローンを得る。これらを大量に増殖させ、それらのインサ
ートをさらに上記のようにPCR(プライマーの1つはビオチン化されている)
によって増幅する。別法では、10−10個のクローンのいくつかのプール
を調製してもよく、それらのインサートは独立して増幅する。手順1)における
ように、増幅したDNAを1以上のさらなる選択ラウンドにおいてベイトとして
使用する。
【0139】 3)さらに別法では、ベイトDNAと一緒にインキュベートした核膜調製物を
シュークロース勾配においてさらに浮遊させ、該フラクションに特異的に結合し
たベイトDNAを穏かな界面活性剤処理によって溶出し、濃縮し、アビジンビー
ズ上で精製し、上記のように増幅および再スクリーニングに付す。これは、核酸
結合因子に結合するDNA配列の選択的精製および増幅を確実にする。
【0140】 シス−エレメント単離手法の特異性は、その認識配列がベイトDNAの固定し
たセグメント中にあり、その切断部位が末端まで10−20bpに位置するII
S型制限酵素と称される制限酵素の使用によってさらに増加させることができる
。かかる酵素でのベイトDNA−核タンパク質複合体の消化は、裸のベイトDN
Aを選択的に切断し、タンパク質複合体化したDNAを容赦する。切断されたD
NAは、その後の増幅反応における基質ではなく、それにより、該手法の特異性
を増加させ、そのオフ速度がゆっくりなタンパク質−DNA複合体について選択
する。
【0141】 該段階において、一連の選択されたベイトDNAは、核タンパク質および核膜
受容体に有効に結合できる配列において非常に豊富である。ベクターのBamH
1部位でアリコートをクローン化し、インサートから約50bp距離をおいてプ
ライミング(priming)することによって、30−40個の独立したクローンを
配列決定する。これは、その中にSP1およびAP2部位、NおよびEボックス
などのような既知のシス−エレメントが存在する第1の収穫物を生じる。
【0142】 開始のセットにおける残存配列は、パリンドロームについて分析される。次い
で、選択されたモチーフを化学的に合成し、ビーズにつなぎとめ、核タンパク質
、クロマチンまたは核膜フラグメントと一緒にインキュベートする。次いで、結
合したタンパク質を磁気的に単離し、微量配列決定に付す。N末端配列を全ての
既知オープンリーディングフレームのデータバンクセットと比較して、対応する
遺伝子が以前に配列決定されているか、何かあるとしても、それらの機能につい
て何が知られているかを見出す。N末端配列が新規である場合、それらをクロー
ン化し、確立された手法によって配列決定できる。
【0143】 新規なシス−エレメントの単離を増加するために、最も優勢で遍在する転写因
子のための認識配列モチーフを有する合成2本鎖DNAの存在下で、DNAを核
タンパク質と一緒にインキュベートする。
【0144】 種々の組織から単離された約10個のDNA配列に及ぶ該プロセスの最終的
な結果は、大きな一連のシス作用性核酸エレメントに特異的に結合できる一連の
タンパク質の単離および同定である。組織、その発達段階またはその病理学的状
態に依存して、非等価なセットが得られ、それは、農業または生物医学的な応用
のために転写に特異的に影響を及ぼす方法を示唆する。
【0145】 実施例II プロモーターライブラリーの調製 該実施例は、プロモーター配列が豊富なライブラリーの調製方法を示す。
【0146】 1.ポリA+mRNAを目的の組織から単離する。 2.ランダム6量体によりプライムされた逆転写酵素によって、Br−dUT
P(またはジゴキシゲニン−dUTP)の存在下で、第1鎖を合成する。ランダ
ム6量体の使用は、mRNAキャップまで伸長している完全な第1鎖合成につい
ての可能性を増加する。
【0147】 3.1本鎖DNAの第1鎖を、高ストリンジェンシー条件下でゲノムDNA(
EcoRI、HindIIIで切断された)にアニールする。 4.ハイブリッドの3’末端をビオチン−dUTPの存在下で、TaqDNA
ポリメラーゼを用いて伸長する。該工程において、転写された配列に相補的なB
rdU標識化cDNAを上流(プロモーター)配列に相補的なビオチン標識化D
NAまで伸長する。
【0148】 5.Sau3A(BamHI/BgII−適合性5’−GATC突出部を生じ
る)のような制限酵素で試料を消化する。別法では、他の酵素(6−カッター(
cutter))を用いてより長いフラグメントを製作することができる。 6.DNA試料を(1)BrdU含有DNA(mRNAコーディング配列)を
精製するために、抗BrU抗体を含有する抗マウスIgGビーズおよび(2)ビ
オチン含有DNA(プロモーター配列)を精製するために、ストレプトアビジン
ビーズと一緒に連続的にインキュベートする。BrdUおよびビオチンの両方を
含有するDNAフラグメントだけが両方のビーズに結合するであろう。これは、
伸長されない第1鎖cDNAおよび工程4における非特異的伸長から得られるD
NAを削除する。
【0149】 調製物の質は、既知の構造的に発現される遺伝子(アクチン、サイクリン、K
u)のプロモーター配列の存在をGenBank配列データに基づくプライマー
を用いて試験することによって決定できる。
【0150】 プロモーターライブラリーは、例えば、下記の応用に使用することができる。 A.BrdU+/ビオチン+フラグメントをランダムプライムした15〜20
merライブラリーの調製のための鋳型として使用する。 B.個々の生産物の配列決定のために、BrdU+/ビオチン+フラグメント
をプラスミドベクターのBamHI部位にクローン化する。 C.生産物の単一プライマーPCR増幅のために、「アダプター」をSau3
A1末端に連結する。 D.クローンを使用して、「プロモーター・チップ」を生成する。
【0151】 本明細書を通して、種々の出版物が括弧内に示された。これらの出版物のその
全体としての開示は、これにより、より十分に本発明が属する分野の状況を記載
するために、出典明示により本明細書の一部とされる。
【0152】 開示された具体例を参照して本発明を記載したが、当業者は、詳述された特定
の実施例が単に本発明の例示であることを容易に認めるであろう。本発明の精神
を逸脱することなく、種々の修飾が可能であることが理解されるべきである。し
たがって、本発明は上記の特許請求の範囲によってのみ限定される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 マルク・バリヴェ スイス、ツェーハー−1207ジェニーヴァ、 リュ・ミュジ15番

Claims (70)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)核酸結合因子が選択的に単離核酸分子に結合できる条
    件下で、核酸結合因子の多様な集団を単離核酸分子の多様な集団と接触させ; (b)1以上の核酸結合因子に結合する1以上の単離核酸分子を同定し、該核
    酸結合因子に結合する該単離核酸分子がシス作用性核酸エレメントを含有する核
    酸として特徴付けられている ことを特徴とするシス作用性核酸エレメントを含有する核酸の同定方法。
  2. 【請求項2】 単離核酸分子の多様な集団が2個以上の異なる核酸分子を含
    む請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 単離核酸分子の多様な集団が約10個より多くの異なる核
    酸分子を含む請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 単離核酸分子の多様な集団が固体支持体に接着した核酸を含
    む請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 核酸結合因子の多様な集団が2個以上の異なる核酸結合因子
    を含む請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 核酸結合因子の多様な集団が約10個より多くの異なる核
    酸結合因子を含む請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 核酸結合因子の多様な集団がクロマチン、染色体、染色体ア
    ーム、転写ドメイン、遺伝子ファミリーおよび遺伝子よりなる群から選択される
    核酸に結合した核酸結合因子を含む請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 (a)核酸結合因子が選択的に単離核酸分子に結合できる条
    件下で、核酸結合因子の多様な集団を単離核酸分子の多様な集団と接触させ; (b)1以上の該単離核酸分子に選択的に結合する1以上の該核酸結合因子を
    単離する ことを特徴とする核酸結合因子の単離方法。
  9. 【請求項9】 単離核酸分子の多様な集団が2個以上の異なる核酸分子を含
    む請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 単離核酸分子の多様な集団が約10個より多くの異なる
    核酸分子を含む請求項8記載の方法。
  11. 【請求項11】 単離核酸分子の多様な集団が固体支持体に接着した核酸を
    含む請求項8記載の方法。
  12. 【請求項12】 核酸結合因子の多様な集団が2個以上の異なる核酸結合因
    子を含む請求項8記載の方法。
  13. 【請求項13】 核酸結合因子の多様な集団が約10個より多くの異なる
    核酸結合因子を含む請求項8記載の方法。
  14. 【請求項14】 核酸結合因子の多様な集団がクロマチン、染色体、染色体
    アーム、転写ドメイン、遺伝子ファミリーおよび遺伝子よりなる群から選択され
    る核酸に結合した核酸結合因子を含む請求項8記載の方法。
  15. 【請求項15】 (a)化合物が選択的に核酸結合因子に結合できる条件下
    で、核酸結合因子の多様な集団を化合物の多様な集団と接触させ; (b)何らかの方法によって1以上の単離核酸分子が選択的に、1以上の選択
    的に結合した化合物を1以上の結合した核酸結合因子から置換する条件下で、1
    以上の該結合化合物に選択的に結合した1以上の該核酸結合因子を1以上の単離
    核酸分子と接触させ; (c)1以上の置換された化合物を同定し、該化合物がシス作用性核酸エレメ
    ント類似体として特徴付けられる ことを特徴とするシス作用性核酸エレメント類似体の同定方法。
  16. 【請求項16】 さらに、1以上の選択的に結合した化合物を置換する1以
    上の単離核酸分子を同定することを含み、該単離核酸分子はシス作用性核酸エレ
    メントを含有する核酸として特徴付けられる請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 核酸結合因子の多様な集団が2個以上の異なる核酸結合因
    子を含む請求項15記載の方法。
  18. 【請求項18】 核酸結合因子の多様な集団が約10個より多くの異なる
    核酸結合因子を含む請求項15記載の方法。
  19. 【請求項19】 核酸結合因子の多様な集団がクロマチン、染色体、染色体
    アーム、転写ドメイン、遺伝子ファミリーおよび遺伝子よりなる群から選択され
    る核酸に結合した核酸結合因子を含む請求項15記載の方法。
  20. 【請求項20】 化合物の多様な集団が約10個より多くの異なる化合物
    を含む請求項15記載の方法。
  21. 【請求項21】 (a)化合物が選択的に単離核酸分子に結合できる条件下
    で、化合物の多様な集団を単離核酸分子の多様な集団と接触させ; (b)何らかの方法によって1以上の核酸結合因子が選択的に、1以上の選択
    的に結合した化合物を1以上の結合した核酸から置換する条件下で、1以上の該
    化合物に選択的に結合した1以上の該単離核酸分子を1以上の核酸結合因子と接
    触させ; (c)1以上の置換された化合物を同定し、該化合物が核酸結合因子類似体と
    して特徴付けられる ことを特徴とする核酸結合因子類似体の同定方法。
  22. 【請求項22】 さらに、1以上の選択的に結合した化合物を1以上の結合
    した核酸から選択的に置換する1以上の核酸結合因子を同定することを特徴とす
    る請求項21記載の方法。
  23. 【請求項23】 単離核酸分子の多様な集団が2個以上の異なる核酸分子を
    含む請求項21記載の方法。
  24. 【請求項24】 単離核酸分子の多様な集団が約10個より多くの異なる
    核酸分子を含む請求項21記載の方法。
  25. 【請求項25】 単離核酸分子の多様な集団が固体支持体に接着した核酸を
    含む請求項21記載の方法。
  26. 【請求項26】 化合物の多様な集団が約10個より多くの異なる化合物
    を含む請求項21記載の方法。
  27. 【請求項27】 (a)化合物が選択的に単離核酸分子に結合できる条件下
    で、複数の単離核酸分子を化合物の多様な集団と接触させ、各単離核酸分子は1
    以上のシス作用性核酸エレメントを含み; (b)シス作用性核酸エレメントを含む1以上の単離核酸分子に選択的に結合
    する1以上の化合物を同定する ことを特徴とするシス作用性核酸エレメントに選択的に結合する化合物の同定方
    法。
  28. 【請求項28】 化合物の多様な集団が約10個より多くの異なる化合物
    を含む請求項27記載の方法。
  29. 【請求項29】 複数の単離核酸分子が約2〜5個の異なる単離核酸分子、
    好ましくは、約6〜10個の異なる単離核酸分子、より好ましくは、約11〜2
    0個の異なる単離核酸分子、最も好ましくは、約20個より多くの異なる単離核
    酸分子を含む請求項27記載の方法。
  30. 【請求項30】 複数の単離核酸分子が固体支持体に接着した核酸を含む請
    求項27記載の方法。
  31. 【請求項31】 (a)化合物が1以上の選択的に結合した核酸結合因子を
    選択的に置換できる条件下で、核酸結合因子に選択的に結合した単離核酸分子の
    多様な集団を化合物の多様な集団と接触させ; (b)1以上の結合した核酸結合因子を選択的に置換する1以上の化合物を同
    定する ことを特徴とする、核酸結合因子とシス作用性核酸エレメントまたは核酸結合因
    子との間の結合を選択的に置換する化合物の同定方法。
  32. 【請求項32】 1以上の結合した核酸結合因子を置換する1以上の化合物
    がシス作用性核酸エレメント類似体である請求項31記載の方法。
  33. 【請求項33】 1以上の結合した核酸結合因子を置換する1以上の化合物
    が核酸結合因子類似体である請求項31記載の方法。
  34. 【請求項34】 化合物の多様な集団が約10個より多くの異なる化合物
    を含む請求項31記載の方法。
  35. 【請求項35】 単離核酸分子の多様な集団が2個以上の異なる核酸分子を
    含む請求項31記載の方法。
  36. 【請求項36】 単離核酸分子の多様な集団が約10個より多くの異なる
    核酸分子を含む請求項31記載の方法。
  37. 【請求項37】 複数の単離核酸分子が固体支持体に接着した核酸を含む請
    求項31記載の方法。
  38. 【請求項38】 各単離核酸分子が1以上のシス作用性核酸エレメントを含
    む複数の単離核酸分子。
  39. 【請求項39】 約2〜5個の異なる単離核酸分子、好ましくは、約6〜1
    0個の異なる単離核酸分子、より好ましくは、約11〜20個の異なる単離核酸
    分子、最も好ましくは、約20個より多くの異なる単離核酸分子を含む請求項3
    8記載の複数性。
  40. 【請求項40】 固体支持体に接着した単離核酸分子を含む請求項38記載
    の複数性。
  41. 【請求項41】 各単離核酸分子が1以上のシス作用性核酸エレメントを含
    む核酸結合因子に結合した複数の単離核酸分子。
  42. 【請求項42】 約2〜5個の異なる単離核酸分子、好ましくは、約6〜1
    0個の異なる単離核酸分子、より好ましくは、約11〜20個の異なる単離核酸
    分子、最も好ましくは、約20個より多くの異なる単離核酸分子を含む請求項4
    1記載の複数性。
  43. 【請求項43】 固体支持体に接着した単離核酸分子を含む請求項41記載
    の複数性。
  44. 【請求項44】 複数の単離シス作用性核酸エレメント類似体。
  45. 【請求項45】 約2〜5個の異なる単離シス作用性核酸エレメント類似体
    、好ましくは、約6〜10個の異なる単離シス作用性核酸エレメント類似体、よ
    り好ましくは、約11〜20個の異なる単離シス作用性核酸エレメント類似体、
    最も好ましくは、約20個より多くの異なる単離シス作用性核酸エレメント類似
    体を含む請求項44記載の複数性。
  46. 【請求項46】 核酸結合因子に結合した複数の単離シス作用性核酸エレメ
    ント類似体。
  47. 【請求項47】 約2〜5個の異なる単離シス作用性核酸エレメント類似体
    、好ましくは、約6〜10個の異なる単離シス作用性核酸エレメント類似体、よ
    り好ましくは、約11〜20個の異なる単離シス作用性核酸エレメント類似体、
    最も好ましくは、約20個より多くの異なる単離シス作用性核酸エレメント類似
    体を含む請求項46記載の複数性。
  48. 【請求項48】 少なくとも約15個の異なる単離核酸結合因子を含む複数
    の単離核酸結合因子。
  49. 【請求項49】 約16〜25個の異なる単離核酸結合因子、好ましくは、
    約26〜50個の異なる単離核酸結合因子、より好ましくは、約51個より多く
    の単離核酸結合因子を含む請求項48記載の複数性。
  50. 【請求項50】 固体支持体に接着した単離核酸結合因子を含む請求項48
    記載の複数性。
  51. 【請求項51】 (a)核酸に結合した核酸結合因子が単離シス作用性核酸
    エレメントに結合できる条件下で、核酸を複数の単離シス作用性核酸エレメント
    と接触させ; (b)該核酸結合因子に結合する該シス作用性核酸エレメントを同定し、該核
    酸結合因子に結合する該シス作用性核酸エレメントが該核酸の結合状態を特徴付
    けている ことを特徴とする核酸の結合状態の決定方法。
  52. 【請求項52】 結合状態が癌、変性疾患、遺伝子障害、免疫障害、細菌感
    染性疾患およびウイルス感染性疾患よりなる群から選択される病的状態の特徴を
    示す請求項51記載の方法。
  53. 【請求項53】 複数の単離シス作用性核酸エレメントが約2〜5個の異な
    る単離核酸分子、好ましくは、約6〜10個の異なる単離核酸分子、より好まし
    くは、約11〜20個の異なる単離核酸分子、最も好ましくは、約20個より多
    くの異なる単離核酸分子を含む請求項51記載の方法。
  54. 【請求項54】 複数の単離シス作用性核酸エレメントが固体支持体に接着
    した単離シス作用性核酸エレメントを含む請求項51記載の方法。
  55. 【請求項55】 病的状態に関与する1以上の核酸の遺伝子活性を調節する
    1以上のシス作用性核酸エレメントの能力を選択的に改変する有効量の1以上の
    治療物質を個体に投与することを特徴とする個体における病的状態の治療法。
  56. 【請求項56】 治療物質がシス作用性核酸エレメントである請求項55記
    載の方法。
  57. 【請求項57】 治療物質がシス作用性核酸エレメント類似体である請求項
    55記載の方法。
  58. 【請求項58】 治療物質が核酸結合因子である請求項55記載の方法。
  59. 【請求項59】 治療物質が核酸結合因子類似体である請求項55記載の方
    法。
  60. 【請求項60】 治療物質が選択的に1以上の核酸の遺伝子活性を増大する
    請求項55記載の方法。
  61. 【請求項61】 治療物質が選択的に1以上の核酸の遺伝子活性を減少する請
    求項55記載の方法。
  62. 【請求項62】 遺伝子活性が核酸複製、修復、パッケージング、修飾、制
    限、分解、転写、構造無欠性、翻訳、スプライシング、エディティング、細胞内
    輸送、局在化および逆転写よりなる群から選択される請求項55記載の方法。
  63. 【請求項63】 病的状態が病的状態に関与する1以上の核酸の調節異常に
    よって媒介される請求項55記載の方法。
  64. 【請求項64】 病的状態が病原体によって媒介される請求項55記載の方
    法。
  65. 【請求項65】 病的状態が癌、変性疾患、遺伝子障害、免疫障害、細菌感
    染性疾患およびウイルス感染性疾患よりなる群から選択される請求項55記載の
    方法。
  66. 【請求項66】 個体の細胞をシス作用性核酸エレメントおよび標的配列を
    含む有効量の標的構築物と接触させ、該標的配列は病的状態に関与する核酸に対
    応しており、該接触は標的構築物が細胞によって取り込まれ、シス作用性核酸エ
    レメントが相同組換えによって病的状態に関与する核酸中に挿入されるのに十分
    な期間行われ、挿入されたシス作用性核酸エレメントは該細胞中の該核酸の遺伝
    子活性を改変する効果を有していることを特徴とする、個体における病的状態の
    治療法。
  67. 【請求項67】 標的構築物を個体中の細胞と接触させる請求項66記載の
    方法。
  68. 【請求項68】 標的構築物をエクス・ビボで細胞と接触させ、該細胞を個
    体に戻す請求項66記載の方法。
  69. 【請求項69】 遺伝子活性が核酸複製、修復、パッケージング、修飾、制
    限、分解、転写、構造無欠性、翻訳、スプライシング、エディティング、細胞内
    輸送、局在化および逆転写よりなる群から選択される請求項66記載の方法。
  70. 【請求項70】 病的状態が癌、変性疾患、遺伝子障害、免疫障害、細菌感
    染性疾患およびウイルス感染性疾患よりなる群から選択される請求項69記載の
    方法。
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