JP2008514213A - 遺伝子発現の分析のための改善された電気泳動分離方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は生物材料の遺伝子発現の定量及び定性分析のための改善された方法に関する。
Description
本発明は生物材料の遺伝子発現の定量又は定性分析のための改善された方法に関する。
遺伝子を包括的機能的に特徴づけることは、今日生物科学又は医学、さらには食品工学の分野で中心的役割を果たす。その場合いわゆる「遺伝子発現研究」、即ち生物の遺伝子活性の決定のための定性及び定量分析が重要な意義を有する。現在遺伝子発現分析はいわゆる「マイクロアレイ技術」によって行われる。ところがマイクロアレイ技術に基づく方法は重大な欠点がある。マイクロアレイは通常数千に及ぶ様々なDNA断片を包含し、これが特異的プローブの役割をする。このプローブの作製は極めて手数がかかり、従って費用がかさむ。さらにこのプローブを生成するには、分析しようとする遺伝子の配列情報が前提となる。こうしてこれまでゲノムの全域に及ぶ発現研究は、完全に配列決定された生物に限られている。多数の経済的に重要な複雑な生物、例えば作物植物又は有用動物では包括的な遺伝子発現研究を行うことができない。目下のところごく少数の選ばれた高等モデル生物、例えばヒト又はマウスの完全なゲノム配列しかないからである。従って上記の欠点のない、既存のマイクロアレイ技術の有利な代替法の必要が増していることは明らかである。
そこで本発明の根底にあるのは、特に配列情報がこれまで全く又は不完全にしか存在しない複雑な生物材料でも遺伝子発現研究をなるべく安価かつ簡単に行うことを可能にする生物材料の遺伝子発現の定量又は定性分析方法を提供する技術問題である。
本発明は、第1の処理工程a)で生物材料からRNAを単離すること、第2の処理工程b)でRNAから標識二本鎖cDNAの少なくとも1つの集団を取得すること、第3の処理工程c)で1つの分離系で少なくとも1つのcDNA集団の多次元分離を行うこと、及び第4の処理工程d)で少なくとも1つのcDNA集団の得た多次元分離スポットの定性的及び/又は定量的評価を行うこと、を含む生物材料の遺伝子発現の定量又は定性分析方法を提供することによって、発明の基礎をなす技術問題を解決する。
また本発明は、第1の処理工程a)で生物材料から少なくとも2つの異なる全RNA又は少なくとも2つの異なるmRNA集団を単離すること、第2の処理工程b)で少なくとも2つの異なるRNA、特に少なくとも2つの異なる全RNA又は少なくとも2つの異なるmRNA集団から特に逆転写により二本鎖cDNAの少なくとも2つの異なる集団を取得し、場合によってはこれを増幅し、この処理工程b)中に、得た少なくとも2つの異なるcDNA集団をそれぞれ別様に標識すること、第3の処理工程c)で1つの分離系で少なくとも2つの異なるcDNA集団の多次元分画を行うこと、及び第4の処理工程d)で少なくとも2つのcDNA集団の得た多次元分離スポットの定性的及び/又は定量的評価を行い、その際少なくとも2つの異なるcDNA集団を1つの分離系で共に分離すること、を含む生物材料の遺伝子発現の定量又は定性分析方法に関する。
本発明に関連してRNAとはmRNAも全RNAも意味する。従って本発明は出発材料としてmRNA、特に少なくとも1つのmRNA集団の使用も、全RNAの使用も予定している。mRNA又はmRNA集団を使用する場合、これは通常、単離工程を行った後の全RNAに由来するものである。
本発明に関連してRNA、mRNA、DNA、cDNAとの用語は、別に指示しなければ、必ず当該のDNA又はRNA分子を意味する。
そこで本発明は第1工程で生物材料のRNA、即ち全RNA又は少なくとも1つのmRNA集団を用意し、続いてこのRNAから特に逆転写により少なくとも1つのcDNA集団を作製し、その際逆転写中に又はそれに続いてこのcDNA集団を標識するものとする。本発明の好ましい実施形態では逆転写に続いて、即ちcDNA合成に続いて、得たcDNAの増幅を例えばPCRにより行うように構成することができる。好ましい実施形態では特定の遺伝子又は特定のヌクレオチド配列に対して特異性をもたない、即ち配列、遺伝子及び/又は生物に対して非特異的なプライマーをcDNA合成にも、場合によって行われるcDNA増幅にも使用することができる。その場合プライマーを標識し、特に蛍光標識することができる。
好ましい実施形態では、DNA切断酵素、例えば制限エンドヌクレアーゼ、とりわけ配列特異性制限エンドヌクレアーゼによって、得たcDNA集団の分子、即ちcDNA断片を切断して、とりわけcDNA集団の平均分子量を確定する。
それに続いて、得た少なくとも1つのcDNA集団を1つの分離系、特に電気泳動分離系、とりわけゲル電気泳動分離系で少なくとも2つの異なる次元、例えば二次元又は三次元で分離し、少なくとも1つのcDNA集団から空間的に互いに分離されたスポットの多次元パターンを生じさせ、このパターンを定性的及び/又は定量的に評価することができる。本方法は、在来のマイクロアレイ技術で使用された、特異的遺伝子プローブでの相補的DNAのハイブリダイゼーションの原理に関係なく、二本鎖DNAを高い分離度で分離することができるので好都合である。本方法は配列情報がまだないか又は不完全な生物材料の分析、さらには同定、特に遺伝子発現分析を可能にし、かつそのために利用され、この分析は被検生物材料又は特定の遺伝子の配列データの知識を前提としない。本発明によれば本発明に基づき設けられた例えば二次元ゲル系によってcDNA集団の核酸が分離され、こうして複合スポットパターンの形で表示される。定性的及び定量的評価によって種々のスポットパターン及び種々のDNA試料又はmRNA集団を互いに比較し、同定することができ、事前に配列情報が知られていなくてもよい。本発明に基づきさらに個々のスポットを分離系から分離して、配列決定を行うことも可能である。
本発明に関連して生物材料とは、遺伝情報を含み、それ自体が再生し、又はある生物系で再生することができる材料を意味する。このような生物材料の例は生体即ちウイルス、細胞、酵母、細菌、細胞系、組織等である。本発明の特に好ましい実施形態は遺伝情報が不明の、即ち遺伝子材料の配列情報がまったく又は不完全な断片でしか存在しない生物材料を出発材料とする。特に好ましい実施形態では生物材料として例えば有用動物、例えばヤギ、ヒツジ、ウマ、イヌ、ブタ等が取り上げられる。もちろん本発明は植物、特に作物植物、例えばライムギ、オオムギ、ライコムギ、トウモロコシ、コムギ、カラスムギ、キビ、サトウキビ、飼料用カブラ、テンサイ、イネ等も包含する。
本発明に関連してスポットとは、cDNA集団の分離を行った後に得られる、多次元の場で同様に振舞い、従って分離系で本質的に同じ位置を有する、空間的に集束されたcDNA分子の局部的集合を意味する。
本発明の別の好ましい実施形態が定めるところでは、第1の処理工程で生物材料から単離したRNA、即ち全RNA又は少なくとも1つのmRNA集団を二本鎖cDNAの集団への逆転写の時又は後に標識するが、標識は例えば放射性標識又は蛍光標識である。また本発明は特に複数の、とりわけ2つ又は3つの挿入色素、例えばCyber Green、SYBR-Green又はSYBR-Goldによる標識を行う。
本発明の特に好ましい実施形態が定めるところでは、少なくとも1つのcDNA集団の多次元分離は二次元又は三次元分離である。本発明の好ましい実施形態では、少なくとも1つのcDNA集団を分子量に従って一次元で分離するように構成することができ、さらに別の好ましい実施形態では、例えばポリアクリルアミドゲルを用いた高分離度のDNAゲル電気泳動を使用する。
本発明の別の実施形態では、少なくとも1つのcDNA集団の分離をそのGC含量に従って一次元で行い、別の好ましい実施形態ではGC含量による分離を変性剤濃度勾配ゲル電気泳動で行うものとする。
本発明の特に好ましい実施形態では、GC含量による分離を温度勾配ゲル電気泳動によって行うことができる。
特に好ましい実施形態では複合集団又は混合物からのcDNA分子の二次元高分離度分離が行われ、1つの次元では分子量により、第2の次元ではGC含量により分離が行われる。
分離系で多次元分離の後に得たスポットパターンの定量的及び/又は定性的評価は、例えば市販のスキャナーで行うことができる。
本発明の好ましい実施形態では、単数個又は複数個の得たスポットを慣用の方法により分離系から分離し、続いて常法による配列決定分析に供するように構成されている。
また本発明の好ましい実施形態では、もちろん本発明の方法により複数の異なる全RNA又はmRNA集団、例えば2つの異なるmRNA集団を同時に複数の異なるcDNA集団に逆転写し、場合によっては増幅し、続いて1つの分離系で共に多次元分離を行う。この実施形態では、得た異なるcDNA集団を別様に標識することが好ましい。
本方法は特に薬物探索及び基礎研究の分野で分析、診断に使用するのに適している。さらに本方法は植物栽培又は獣医学の分野で都合よく使用することができる。上記のすべての分野で重要なのは、標的生物及び/又は標的遺伝子に関する配列情報が不明でも、生物材料の遺伝子発現に関するデータと知見を得ること、即ち例えば生物材料、特に生物の遺伝子の位置又は時間又は発生特異的活性に関する知見を得ることである。本発明に基づく方法は、生物材料についての配列情報をあらかじめ知り又は使用することなく、この生物材料の発現遺伝子の迅速かつ効率的な分析及び同定を行うことができ、使用する分離系、例えば二次元ゲルの分離度によっては分離系当り実に1000に及ぶ様々なスポットのパターンが得られ、これによって遺伝子発現の明確な特徴づけと分析が可能になる。また本方法は続いて行われる配列決定分析によって配列情報を提供することも保証する。
本発明に基づく方法はとりわけ遺伝子発現研究の枠内で微生物、例えば酵母、特にカンジダ(Candida)、とりわけカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)の潜在的ビルレンス因子の同定のために都合よく使用することが好ましい。
その他の有利な実施形態は従属請求項で明らかである。
下記の実施例に基づき本発明を詳述する。
添付の図1は二次元DNAゲル電気泳動の結果、即ちカンジダ・アルビカンスのcDNAの代表的なスポットパターンを示す。
実施例1
ブタの肉質の重要な性質は本質的に筋組織の筋繊維の組成及び構造特性で決まる。その場合好ましい性質の発現は遺伝的、素因的因子に大いに左右される。このような因子の確認のために高い肉質をもつブタの筋組織も、低い繊維品質をもつブタの組織試料も採取する。2つの試料からそれぞれ全RNAを単離し、続いてそれに含まれるmRNAを様々に標識したプライマー又はヌクレオチドの存在下で逆転写によって二本鎖cDNA(ds−cDNA)に転写する。所定の長さのds−DNA断片を作るために、このcDNAを配列特異性制限エンドヌクレアーゼで切断する。様々に標識したds−cDNAプールを組合わせ、多次元ゲル電気泳動により同時に高分離度で分離する。その場合第1の次元では様々な断片をポリアクリルアミドゲルでそれぞれの特定の分子量に従って分離する。続いて第2の次元で断片をそれぞれの特定のGC含量に従って、さらに第1の次元の分離に対して直角に分離する。DNA断片は、変化するハイブリダイゼーションストリンジェンシーの連続的勾配に沿って移動し、その際ゲル中のホルムアミド及び尿素濃度が連続的に増加する。標識DNA断片の二次元分離の後に複合スポットパターンを蛍光スキャナーで可視化し、続いて定量的及び定性的に分析する。もっぱら高い肉質の試料で検出され、従って潜在的マーカーをなすスポットをゲルから切り取り、DNA配列決定によって同定する。
ブタの肉質の重要な性質は本質的に筋組織の筋繊維の組成及び構造特性で決まる。その場合好ましい性質の発現は遺伝的、素因的因子に大いに左右される。このような因子の確認のために高い肉質をもつブタの筋組織も、低い繊維品質をもつブタの組織試料も採取する。2つの試料からそれぞれ全RNAを単離し、続いてそれに含まれるmRNAを様々に標識したプライマー又はヌクレオチドの存在下で逆転写によって二本鎖cDNA(ds−cDNA)に転写する。所定の長さのds−DNA断片を作るために、このcDNAを配列特異性制限エンドヌクレアーゼで切断する。様々に標識したds−cDNAプールを組合わせ、多次元ゲル電気泳動により同時に高分離度で分離する。その場合第1の次元では様々な断片をポリアクリルアミドゲルでそれぞれの特定の分子量に従って分離する。続いて第2の次元で断片をそれぞれの特定のGC含量に従って、さらに第1の次元の分離に対して直角に分離する。DNA断片は、変化するハイブリダイゼーションストリンジェンシーの連続的勾配に沿って移動し、その際ゲル中のホルムアミド及び尿素濃度が連続的に増加する。標識DNA断片の二次元分離の後に複合スポットパターンを蛍光スキャナーで可視化し、続いて定量的及び定性的に分析する。もっぱら高い肉質の試料で検出され、従って潜在的マーカーをなすスポットをゲルから切り取り、DNA配列決定によって同定する。
実施例2
ヒト病原性酵母は、当該の宿主である組織に定着して感染を引き起こす能力を持つために、特異的な毒性機構を発展させた。例えばカンジダ・アルビカンスは高い死亡率を伴う全身感染を引き起こす。カンジダ・アルビカンスの潜在的ビルレント因子の同定のために、種々の条件下でカンジダ・アルビカンスの臨床的分離株で遺伝子発現研究を行う。そのためにカンジダ・アルビカンス細胞から全RNA又はmRNAを単離し、続いて周知のように逆転写によって対応のcDNAを作製する。こうして作られたcDNAを制限エンドヌクレアーゼにより消化し、続いて所定のアダプターをこうして断片化したcDNAに連結する。このアダプター連結cDNAを次にPCRにより増幅し、二次元DNAゲル電気泳動により分離する。こうして得たスポットパターンを次に定性的及び定量的に評価し、個々のスポットを切り取り、PCRで増幅し、続いて配列決定することができる。個々の実験工程を以下で詳しく列挙する。
ヒト病原性酵母は、当該の宿主である組織に定着して感染を引き起こす能力を持つために、特異的な毒性機構を発展させた。例えばカンジダ・アルビカンスは高い死亡率を伴う全身感染を引き起こす。カンジダ・アルビカンスの潜在的ビルレント因子の同定のために、種々の条件下でカンジダ・アルビカンスの臨床的分離株で遺伝子発現研究を行う。そのためにカンジダ・アルビカンス細胞から全RNA又はmRNAを単離し、続いて周知のように逆転写によって対応のcDNAを作製する。こうして作られたcDNAを制限エンドヌクレアーゼにより消化し、続いて所定のアダプターをこうして断片化したcDNAに連結する。このアダプター連結cDNAを次にPCRにより増幅し、二次元DNAゲル電気泳動により分離する。こうして得たスポットパターンを次に定性的及び定量的に評価し、個々のスポットを切り取り、PCRで増幅し、続いて配列決定することができる。個々の実験工程を以下で詳しく列挙する。
I.カンジダ・アルビカンス細胞の培養と細胞ペレットの作製
全RNAの単離のために、前培養として11mlのYPD培地にカンジダ・アルビカンス細胞(臨床分離株SC5314)を接種し、培養物を30℃で一晩振とうする。続いて50mlのYPD培地に接種して、一晩培養で0.15〜0.20のOD600とする。この培養物を振とう装置(180rpm)で30℃でODが0.8〜1.0になるまで増殖させる。細胞ペレットの作製のために細胞懸濁液を3000×gで4分間遠心分離し、残りの1.0〜1.5mlの培地にペレットを再懸濁し、液体窒素を満たした50ml試験管にピペットで懸濁液を滴下する。こうして凍結した試料を−80℃で単離まで保存することができる。
全RNAの単離のために、前培養として11mlのYPD培地にカンジダ・アルビカンス細胞(臨床分離株SC5314)を接種し、培養物を30℃で一晩振とうする。続いて50mlのYPD培地に接種して、一晩培養で0.15〜0.20のOD600とする。この培養物を振とう装置(180rpm)で30℃でODが0.8〜1.0になるまで増殖させる。細胞ペレットの作製のために細胞懸濁液を3000×gで4分間遠心分離し、残りの1.0〜1.5mlの培地にペレットを再懸濁し、液体窒素を満たした50ml試験管にピペットで懸濁液を滴下する。こうして凍結した試料を−80℃で単離まで保存することができる。
II.全RNAの単離
カンジダ・アルビカンス及び真核細胞から全RNAを単離するためにRNeasy-Midi-Kit(Qiagen)を使用することができる。但しガラスビーズでなく、例えばRetsh社のボールミルで細胞を破壊する。
カンジダ・アルビカンス及び真核細胞から全RNAを単離するためにRNeasy-Midi-Kit(Qiagen)を使用することができる。但しガラスビーズでなく、例えばRetsh社のボールミルで細胞を破壊する。
その場合、得た細胞ペレットをあらかじめ液体窒素で冷却したテフロン容器の中で炭化タングステン球で粉砕して微粉末とし(振とう数=30/sec、時間=2分)、続いてキットのLyse緩衝液(RLT緩衝液+0.01容積%メルカプトエタノール)に移す。均質化のために試料を1分間渦動させ、すなわち激しく振とうする。続いて溶解物の固形分をまず3500×gで5分間遠心分離し、上清に1容積の70%エタノールを加えてよく混合する。次にこの溶液を全体として4ml刻みでRNeasy−Midiカラムに入れ、3500×gでそれぞれ5分間遠心分離する。続いて製造業者の指示書に従って、膜に結合したRNAをまず4mlのRW1緩衝液で、次にそれぞれ2.5mlのRPE緩衝液で2回洗浄する。RNAの溶出のためにRNアーゼを含まない250μlの水をピペットで膜に加え、カラムを室温で1分間インキュベートし、続いて3500×gで3分間遠心分離する。最終容積が500μlとなるように、この工程を1回繰り返す。
III.全RNAの沈降
全RNAの沈降のためにそれぞれ250μlの溶出液を2つの1.5ml反応容器に移し、25μlの3mol/l酢酸ナトリウム、pH5.3及び625μlの100%エタノール(−20℃)を加えて、−20℃で1晩沈降させる。4℃、13000×gで30分の遠心分離によって、沈降した核酸をペレット化し、なお存在する残留塩を除去するために続いて1mlの70%EtOH−DEPC(−20℃)で2回洗浄する。
全RNAの沈降のためにそれぞれ250μlの溶出液を2つの1.5ml反応容器に移し、25μlの3mol/l酢酸ナトリウム、pH5.3及び625μlの100%エタノール(−20℃)を加えて、−20℃で1晩沈降させる。4℃、13000×gで30分の遠心分離によって、沈降した核酸をペレット化し、なお存在する残留塩を除去するために続いて1mlの70%EtOH−DEPC(−20℃)で2回洗浄する。
全RNA沈殿物を37℃で乾燥した後、RNAを10〜50μlのDEPC−H2Oに受け、紫外線分光法により濃度と純度の決定を行う。
IV.ポリA + 又は全RNAからのds−cDNAの作製
SMART cDNA Library Construction Kit(BD Bioscience)の修正プロトコルにより0.5〜1μgのポリA+又は全RNAから完全長ds−cDNAの合成を行う。
SMART cDNA Library Construction Kit(BD Bioscience)の修正プロトコルにより0.5〜1μgのポリA+又は全RNAから完全長ds−cDNAの合成を行う。
使用するプライマー(それぞれ10mol/l):
SMART IV オリゴヌクレオチド:
5’-AAGCAGTGGTATCAACGCAGAGTGGCCATTACGGCCGGG-3’(配列番号1)
ODD_T_all:
5’-GCGAGTCGACCGTTTTTTTTTTTTT-3’(配列番号2)
ODD-TA:
5’-GCGAGTCGACCGTTTTTTTTTTTTTA-3’(配列番号3)
ODD-TG:
5’-GCGAGTCGACCGTTTTTTTTTTTTTG-3’(配列番号4)
ODD-TC:
5’-GCGAGTCGACCGTTTTTTTTTTTTTC-3’(配列番号5)
A2-Sau3a:
5’-AAGCAGTGGTATCAACGCAGAGT-3’(配列番号6)
SMART IV オリゴヌクレオチド:
5’-AAGCAGTGGTATCAACGCAGAGTGGCCATTACGGCCGGG-3’(配列番号1)
ODD_T_all:
5’-GCGAGTCGACCGTTTTTTTTTTTTT-3’(配列番号2)
ODD-TA:
5’-GCGAGTCGACCGTTTTTTTTTTTTTA-3’(配列番号3)
ODD-TG:
5’-GCGAGTCGACCGTTTTTTTTTTTTTG-3’(配列番号4)
ODD-TC:
5’-GCGAGTCGACCGTTTTTTTTTTTTTC-3’(配列番号5)
A2-Sau3a:
5’-AAGCAGTGGTATCAACGCAGAGT-3’(配列番号6)
第1鎖cDNA合成のために、RNアーゼを含まない反応容器で1〜3μlのRNA(0.5〜1.0μgのポリA+又は全RNA)とそれぞれ1μlの10μmol/l SMART IV オリゴヌクレオチド及びODD_T_allプライマー(代案としてODD-TA、ODD-TG及びODD-TCの10μmol/l混合物)を混合し、全容積が5μlになるまでDEPC-H2Oを補充する。
RNA二次構造の変性のために反応混合物をまず72℃で2分、次いで氷で2分インキュベートする。続いて2μlの5×第1鎖緩衝液(250mmol/l Tris、pH8.3;30mmol/l MgCl2;375mmol/l KCl)、1μlの20mmol/l DTT、1μlの10mmol/l dNTP混合物及び1μlのPowerScript 逆転写酵素を加え、ピペットで入念に加減して成分を混合する。逆転写酵素反応を42℃で1時間行い、氷上に移すことによって停止する。この第1鎖cDNAは二本鎖合成に直接使用するか、又は−20℃で3ヶ月まで貯蔵することができる。
長距離(LD)PCRにBD Advantage TM 2ポリメラーゼ混合物を使用して二本鎖合成を行う。この混合物はBD TITANIUMTM Taq DNAポリメラーゼとBD TaqStartTM抗体及び少量のプルーフリーディング・ポリメラーゼを組み合わせたものである。
100μlの全容積に2μlの第1鎖cDNA、80μlの分子生物学的H2O、10μlの10×Advantage 2 PCR緩衝液(400mmol/l トリシン-KOH、pH8.7;150mmol/l KOAc;35mmol/l Mg(OAc)2;37.5μg/ml BSA;0.05% Tween 20;0.05% Nonidet-P40)、2μlの50×dNTP混合物(それぞれ10mmol/l)、2μlのA2-Sau3Aプライマー、2μlのODD_T_allプライマー(代案として:ODD-TA/TC/TGプライマー混合物)及び2μlの50×AdvantageTM 2 ポリメラーゼ混合物を一緒に加え、短時間渦動させ、即ち激しく攪拌し、続いて“Hot-Start-PCR”を2サイクル行う。
PCRプログラム:
95℃ − 0:20分
95℃ − 0:05分
68℃ − 6:00分
95℃ − 0:05分
68℃ − 6:00分
95℃ − 0:20分
95℃ − 0:05分
68℃ − 6:00分
95℃ − 0:05分
68℃ − 6:00分
V.ds−cDNAの精製
ds−cDNAの精製はカラム精製法で行う(例えばQIAGEN QIAquick PCR 精製キット)。90μlのEB緩衝液(10mmol/l Tris-Cl、pH8.5)を加えて溶出する。
ds−cDNAの精製はカラム精製法で行う(例えばQIAGEN QIAquick PCR 精製キット)。90μlのEB緩衝液(10mmol/l Tris-Cl、pH8.5)を加えて溶出する。
VI.制限エンドヌクレアーゼ(例えばRsaI)によるds−cDNAの制限消化
90μlの溶出液を120μlの消化混合物中で12μlの10×緩衝液1(100mmol/l Bis Tris プロパン−HCl、pH7.0;100mmol/l MgCl2;10mmol/l ジチオトレイトール)及び12μlの10mg/ml BSAと混合し、30UのRsaIを加えた後、37℃で2時間インキュベートする。さらに15UのRsaIを加え、1時間インキュベートした後、切断されたds−cDNAを沈降させることができる。
90μlの溶出液を120μlの消化混合物中で12μlの10×緩衝液1(100mmol/l Bis Tris プロパン−HCl、pH7.0;100mmol/l MgCl2;10mmol/l ジチオトレイトール)及び12μlの10mg/ml BSAと混合し、30UのRsaIを加えた後、37℃で2時間インキュベートする。さらに15UのRsaIを加え、1時間インキュベートした後、切断されたds−cDNAを沈降させることができる。
VII.ds−cDNA断片の沈降
0.1容の3mol/l 酢酸ナトリウム(pH 5.3)及び2.5容の100%EtOHを制限消化物に直接加え、−20℃で2時間インキュベートすることによってcDNAの沈降が起こる。冷却遠心装置で4℃で25分遠心分離(13000×g)することによりペレットが形成される。70%エタノール(−20℃)で洗浄した後、ペレットを10μlの分子生物学的水に受けることができる。そのうち5μlをアダプター連結反応のために使用し、残量は−20℃で冷凍する。
0.1容の3mol/l 酢酸ナトリウム(pH 5.3)及び2.5容の100%EtOHを制限消化物に直接加え、−20℃で2時間インキュベートすることによってcDNAの沈降が起こる。冷却遠心装置で4℃で25分遠心分離(13000×g)することによりペレットが形成される。70%エタノール(−20℃)で洗浄した後、ペレットを10μlの分子生物学的水に受けることができる。そのうち5μlをアダプター連結反応のために使用し、残量は−20℃で冷凍する。
VIII.アダプター合成
使用したオリゴヌクレオチド:
Long Oligo RsaI(100μmol/l):
GCGTGAAGACGACAGAAAGGGCGTGGTGCGGAGGGCGGT(配列番号7)
Short Oligo RsaI(100μmol/l):
ACCGCCCTCCGC(配列番号8)
使用したオリゴヌクレオチド:
Long Oligo RsaI(100μmol/l):
GCGTGAAGACGACAGAAAGGGCGTGGTGCGGAGGGCGGT(配列番号7)
Short Oligo RsaI(100μmol/l):
ACCGCCCTCCGC(配列番号8)
20μmol/lアダプター・ストック(ODD_Adapter_RsaI)を作るために、それぞれ20μlのLong Oligo RsaIプライマーとShort Oligo RsaIプライマーを総容積100μlの50mmol/l Tris-HCl、pH7.5;10mmol/l MgCl2;10mmol/lジチオトレイトール;1mmol/l ATP;25μg/ml BSA中で混合する。95℃で3分間変性し、続いて室温で徐々に(約8時間)冷却することによって、相補的ヌクレオチド配列がハイブリダイズすることで二本鎖アダプターを得て、これをRsaI消化ds−cDNAの連結反応のために使用することができる。
IX.アダプター連結反応
RsaI消化の後に沈降した5μlのds−cDNAをアダプター連結反応のために使用する。
RsaI消化の後に沈降した5μlのds−cDNAをアダプター連結反応のために使用する。
連結反応のために1μlの20μmol/lアダプター・ストック溶液(ODD_Adapter_RsaI)、1μlの10×T4-リガーゼ_緩衝液(500mmol/l Tris-HCl、pH 7.5;100mmol/l MgCl2;100mmol/l ジチオトレイトール;10mmol/l ATP;250μg/ml BSA)、5μlのds−cDNA及び200UのT4-DNAリガーゼを混ぜ合わせて総容積10μlとし、16℃で一晩インキュベートする。
翌日、熱不活性化(65℃で10分)によりリガーゼの活性を停止する。
続いて10μlの連結反応混合物に90μlの水を補充して100μlとし、カラム(QIAGEN PCR精製キット−プロトコル)により精製する。
X.アダプターPCR I(RsaI消化ds−cDNAの3’末端の増幅)
プライマーODD_T_all及びプライマーAP1によるいわゆる「抑制PCR」を、とりわけcDNAの3’末端の増幅のために利用する。
プライマーODD_T_all及びプライマーAP1によるいわゆる「抑制PCR」を、とりわけcDNAの3’末端の増幅のために利用する。
アダプター連結DNAの増幅のために次のPCRを行う。
アダプター連結ds−cDNAの10μlの溶出液を、2.5μlの10×PCR緩衝液(200mmol/l Tris-HCl、pH 8.4;500mmol/l KCl)、0.6μlの50mmol/l MgCl2、0.5μlの5mmol/l dNTP、
0.25μlの10μmol/l AP1プライマー
(5’-TGTAGCGTGAAGACGACAGAA-3’)(配列番号9)、
0.25μlのODD_T_allプライマー
(5’-GCGAGTCGACCGTTTTTTTTTTTTT-3’)(配列番号2)、
10.65μlの分子生物学的水及び2UのTaqポリメラーゼと混合し、続いて次のPCRプログラムで増幅する。
0.25μlの10μmol/l AP1プライマー
(5’-TGTAGCGTGAAGACGACAGAA-3’)(配列番号9)、
0.25μlのODD_T_allプライマー
(5’-GCGAGTCGACCGTTTTTTTTTTTTT-3’)(配列番号2)、
10.65μlの分子生物学的水及び2UのTaqポリメラーゼと混合し、続いて次のPCRプログラムで増幅する。
PCRプログラム:
1.95℃ − 0:05分
2.65℃ − 0:30分
3.72℃ − 1:00分
工程2及び3を19回繰り返す(総サイクル数:20)。
1.95℃ − 0:05分
2.65℃ − 0:30分
3.72℃ − 1:00分
工程2及び3を19回繰り返す(総サイクル数:20)。
こうして増幅したcDNAを続いて第2のPCR(アダプターPCR II)で特異的に増幅することができ、その際いわゆる「アンカープライマー」、即ち
プライマー1:
AGGGCGTGGTGCGGAGGGCGGTCCNN(配列番号10)
(ここにNはヌクレオチドA、G、C又はTを表し、従ってプライマー1の16の変型が可能である)及び
プライマー2:
5’-GCGAGTCGACCGTTTTTTTTTTTTTVN-3’(配列番号11)
(ここにVはヌクレオチドA、G又はCを、NはヌクレオチドA、G、C又はTを表し、従ってプライマー2の12の変型が可能である)
が使用される。
プライマー1:
AGGGCGTGGTGCGGAGGGCGGTCCNN(配列番号10)
(ここにNはヌクレオチドA、G、C又はTを表し、従ってプライマー1の16の変型が可能である)及び
プライマー2:
5’-GCGAGTCGACCGTTTTTTTTTTTTTVN-3’(配列番号11)
(ここにVはヌクレオチドA、G又はCを、NはヌクレオチドA、G、C又はTを表し、従ってプライマー2の12の変型が可能である)
が使用される。
XI.アダプターPCRII
アダプターPCRIによる増幅cDNA断片の部分集団の特異的増幅のために次の手順を選ぶ。
アダプターPCRIによる増幅cDNA断片の部分集団の特異的増幅のために次の手順を選ぶ。
アダプターPCRIの増幅cDNA断片を水で1:30に希釈する。この希釈液10μlを、10μlの10×PCR緩衝液(200mmol/l Tris-HCL、pH 8.4;500mmol/l KCl)、3μlの50mmol/l MgCl2、4μlの5mmol/l dNTP、
2.5μlの10μmol/l プライマー1
(5’-GGGCGTGGTGCGGAGGGCGGTCCNN-3’)(配列番号10)、
2.5μlの10μmol/l プライマー2
(5’-GCGAGTCGACCGTTTTTTTTTTTTTVN-3’)(配列番号11)、
65.5μlの分子生物学的水及び20UのTaqポリメラーゼと混合し、続いて次のPCRプログラムで増幅する。
2.5μlの10μmol/l プライマー1
(5’-GGGCGTGGTGCGGAGGGCGGTCCNN-3’)(配列番号10)、
2.5μlの10μmol/l プライマー2
(5’-GCGAGTCGACCGTTTTTTTTTTTTTVN-3’)(配列番号11)、
65.5μlの分子生物学的水及び20UのTaqポリメラーゼと混合し、続いて次のPCRプログラムで増幅する。
PCRプログラム:
1.95℃ − 0:05分
2.65℃ − 0:30分
3.72℃ − 1:00分
工程2及び3を20回繰り返す(総サイクル数:21)。
1.95℃ − 0:05分
2.65℃ − 0:30分
3.72℃ − 1:00分
工程2及び3を20回繰り返す(総サイクル数:21)。
XII.cDNAの二次元分離
アダプターPCRIIの増幅cDNA断片を、続いて二次元ゲル電気泳動により高分離度で分離する。そのために試料をまず第1の次元で非変性ポリアクリルアミドゲルにのせる。第1の次元(分子量による分離)のためのゲルの組成:1×TAE(40mmol/l Tris;20mmol/l 氷酢酸;1mmol/l EDTA、pH 8.0)中の8%アクリルアミド(アクリルアミドとビスアクリルアミドの比37.5:1)。試料を200ボルトの定電圧で2〜4時間電気泳動する。続いて第1の次元のレーンを切り取り、第2の次元での分離のために、尿素及びホルムアミドの濃度勾配を含むポリアクリルアミドゲルの上に置く。第2次元のポリアクリルアミドゲルはアクリルアミドの定濃度又は濃度勾配を有する。第2次元のためのゲルの組成:1×TAE(40mmol/l Tris;20mmol/l 氷酢酸;1mmol/l EDTA、pH 8.0)中の8%アクリルアミド(アクリルアミドとビスアクリルアミドの比37.5:1)、上側の0.7mol/l尿素、4%ホルムアミドから下側の2.8mol/l尿素、16%ホルムアミドに至る連続的勾配。この第2次元で断片を60℃の定温、100ボルトの定電圧で15時間電気泳動する。
アダプターPCRIIの増幅cDNA断片を、続いて二次元ゲル電気泳動により高分離度で分離する。そのために試料をまず第1の次元で非変性ポリアクリルアミドゲルにのせる。第1の次元(分子量による分離)のためのゲルの組成:1×TAE(40mmol/l Tris;20mmol/l 氷酢酸;1mmol/l EDTA、pH 8.0)中の8%アクリルアミド(アクリルアミドとビスアクリルアミドの比37.5:1)。試料を200ボルトの定電圧で2〜4時間電気泳動する。続いて第1の次元のレーンを切り取り、第2の次元での分離のために、尿素及びホルムアミドの濃度勾配を含むポリアクリルアミドゲルの上に置く。第2次元のポリアクリルアミドゲルはアクリルアミドの定濃度又は濃度勾配を有する。第2次元のためのゲルの組成:1×TAE(40mmol/l Tris;20mmol/l 氷酢酸;1mmol/l EDTA、pH 8.0)中の8%アクリルアミド(アクリルアミドとビスアクリルアミドの比37.5:1)、上側の0.7mol/l尿素、4%ホルムアミドから下側の2.8mol/l尿素、16%ホルムアミドに至る連続的勾配。この第2次元で断片を60℃の定温、100ボルトの定電圧で15時間電気泳動する。
XIII.DNA断片の検出
DNAスポットの可視化のために二次元ゲルをSYBR−Goldで染色する。アダプターPCRIIで蛍光標識プライマー1及びプライマー2を使用する場合は、SYBR−Goldによる二次元ゲルの染色は行わない。DNAスポットの検出は市販の蛍光ドキュメンテーションシステムで行う。
DNAスポットの可視化のために二次元ゲルをSYBR−Goldで染色する。アダプターPCRIIで蛍光標識プライマー1及びプライマー2を使用する場合は、SYBR−Goldによる二次元ゲルの染色は行わない。DNAスポットの検出は市販の蛍光ドキュメンテーションシステムで行う。
図1は、二次元分離及びSYBR−Gold染色後のカンジダ・アルビカンスのcDNAの代表的なスポットパターンを示す。
第1次元:8%TAEポリアクリルアミドゲル(分子量による分離)
第2次元:変性剤濃度勾配ゲル電気泳動、8%アクリルアミド、4%ホルムアミド+0.7mol/l尿素から16%ホルムアミド+2.8mol/l尿素への連続的変性剤濃度勾配(GC含量による分離)。
第2次元:変性剤濃度勾配ゲル電気泳動、8%アクリルアミド、4%ホルムアミド+0.7mol/l尿素から16%ホルムアミド+2.8mol/l尿素への連続的変性剤濃度勾配(GC含量による分離)。
Claims (9)
- 生物材料の遺伝子発現の定量又は定性分析方法であって、
第1の処理工程a)で生物材料からRNA、特に全RNA又は少なくとも1つのmRNA集団を単離すること、
第2の処理工程b)でRNA、特に全RNA又は少なくとも1つのmRNA集団から標識二本鎖cDNAの少なくとも1つの集団を取得すること、
第3の処理工程c)で1つの分離系で少なくとも1つのcDNA集団の多次元分離を行うこと、及び、
第4の処理工程d)で少なくとも1つのcDNA集団の得た多次元分離スポットの定性的及び/又は定量的評価を行うこと、
を含む、前記方法。 - 多次元分離が二次元分離である、請求項1に記載の方法。
- 少なくとも1つのcDNA集団をその分子量に従って一次元で分離する、請求項1又は2に記載の方法。
- 分子量による分離がDNAゲル電気泳動系によって行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 少なくとも1つのcDNA集団をそのGC含量に従って一次元で分離する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- GC含量による分離が変性剤濃度勾配ゲル電気泳動で行われる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 処理工程d)に続いて、分離系で得られ、それから単離された少なくとも1つのcDNAスポットからDNA分子の配列決定を行う、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 二本鎖cDNA集団を挿入色素で、又は放射性もしくは蛍光により標識する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 生物材料の遺伝子発現の定量又は定性分析方法であって、
第1の処理工程a)で生物材料から少なくとも2つの異なる全RNA又は少なくとも2つの異なるmRNA集団を単離すること、
第2の処理工程b)で少なくとも2つの異なるRNA、特に少なくとも2つの異なる全RNA又は少なくとも2つの異なるmRNA集団から特に逆転写により二本鎖cDNAの少なくとも2つの異なる集団を取得し、この処理工程中に二本鎖cDNAの少なくとも2つの異なる集団をそれぞれ別様に標識すること、
第3の処理工程c)で1つの分離系で少なくとも2つの異なるcDNA集団を共同で多次元分画すること、及び、
第4の処理工程d)で少なくとも2つのcDNA集団の得た多次元分離スポットの定性的及び/又は定量的評価を行うこと、
を含む、前記方法。
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