JP2002519430A - ヒトアンギオテンシン変換酵素のn−末端部位選択的阻害薬 - Google Patents

ヒトアンギオテンシン変換酵素のn−末端部位選択的阻害薬

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ヒトアンギオテンシン変換酵素のN-末端部位選択的阻害薬として有用なペプチド誘導体に関する。前記誘導体は、以下の式:-Asp-Phe-Ψ(POCH)-Ala-Xaa’-に従うアミノ酸配列を含んでなり;式中:Ψ(POCH)は、PheとAlaとの間のペプチド結合(CONH)がホスホニック結合POCHで置換されていることを示し;そしてXaa’はアミノ酸残基を表す。前記誘導体は、特に攻撃性の化学治療又は放射線治療を受けている患者の造血系細胞を保護するための製薬製剤において使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、ヒトアンギオテンシン変換酵素(ACE)のN-末端部位を、AC
Eの第二の活性部位無しに、選択的に阻害するホスフィニックペプチド誘導体に
関する。 ACEのN-末端部位の選択的阻害薬(インヒビター)である前記ペプチド誘
導体は、攻撃性の化学治療又は放射線治療を受けている患者の造血系細胞を保護
するための治療目的で使用できる。
【0002】 (関連技術の現状) 1980年代に、疑似ペプチドACE阻害薬の開発が、動脈性高血圧、心臓疾
患及び慢性腎不全の治療を純粋に革命を起こした。このようにして、現在、臨床
実務で使用される広範な合成ACE阻害薬が存在する。これらの中で、それらの
構造をFig1に与えるカプトプリル、エナラプリル及びフォシノプリル(fosin
opril)が知られている。
【0003】 この研究に並行して、1988年のP.CovolのグループでのACE酵素のクロ
ーニングにより、前記酵素における2つの活性部位の存在が示され、これは、Pr
oc. Natl. Acad. Sci. USA (1988) 85, 9386-9390 [1]においてSoubrier等によ
り記載されている通りである。
【0004】 前記の2つのACE部位がヒトにおける別々の生理学的機能を調節するという
公式見解は、この分野でのもう一つの革命を象徴し、治療的タームの有意な重要
性を有している。今日までに開発された全てのACE阻害薬は、インビトロで両
方の活性ACE部位を同程度に阻害するので、このタイプの化合物により前記2
つの活性部位の生理学的機能をインビボで治療することはできない。しかしなが
ら、2つの活性ACE部位の間を識別できる最初の阻害薬は極めて価値がある。
【0005】 ACEは、動脈圧、循環血液容量及び心臓血管血行動態の調節に含まれる幾つ
かの天然基質を加水分解する。主要な基質はアンギオテンシンIという不活性デ
カペプチドであり、これは、His-Leuカルボキシ末端ジペプチドの加水分
解の後に、アンギオテンシンIIという昇圧性及び抗ナトリウム輸送性のペプチ
ドに活性化される。並行して、ACEはブラジキニンという血管拡張性及びナト
リウム輸送性のペプチドを、共に不活性なヘプタペプチド、次いでペンタペプチ
ドに不活性化する。ACEの2つのN-及びC-末端部位は、この加水分解に類似
の形式で含まれている。
【0006】 ACEのN-末端の特異的機能は、P. Corvolのグループによって最近同定され
た。Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1989) 86, 779-782 [2]においてLenfant等に
より記載されているように、N-アセチル-セリル-アスパルチル-リシル-プロリ
ン(AcSDKP)は、造血系細胞のS相への進入の天然循環阻害薬である。そ
れはまた、Cell. Tissue. Kinet (1990) 23, 99-103 [3]においてLombard等によ
って記載されているように、再生相における血液細胞、リンパ球及び幾つかの安
定な細胞系といった他の細胞型のS相への進入も阻害する。造血細胞の細胞周期
に対するAcSDKPの阻害作用は正常な造血細胞に特異的であり;白血球細胞
は関与しない。従って、AcSDKpは、化学治療中の延髄性前駆体の防止のた
めの治療薬として提案された。実際に、AcSDKPは細胞毒性薬で処理したマ
ウスの生存を延長させる(Bodgen等, Ann. N.Y. Acad. Sci. (1991) 628, 126-1
39 [4])。J. Biol. Chem. (1995) 270, 3656-3661 [5]のRousseau等及びJ. Cli
n. Invest. (1996) 97, 839-844 [6]のAzizi等に記載されているように、AcS
DKPはACEによって、より詳細には酵素のN-末端ドメインによってインビ
トロ及びインビボで加水分解される。インビトロでは、AcSDKPは、C-末
端ドメインによるよりN-末端ドメインによって50倍速く加水分解される。こ
の発見は、動脈圧調節及びハイドロナトリウム代謝以外の機能に含まれる基質に
作用することを可能にする、ACEのN-又はC-末端ドメインの特異的阻害薬を
開発することができることを示している。
【0007】 ACEは、血漿AcSDKPの代謝において主要な、排他的でさえある酵素で
ある。健常な志願者におけるカプトプリルの1回投与は、ペプチドの血漿レベル
を6−7倍上昇させた。N-末端ドメインの選択的阻害薬は、カプトプリルや今
日までに使用されている他の変換酵素阻害薬とは異なり、動脈圧の調節及びハイ
ドロナトリウム代謝で役割を担うペプチド(アンギオテンシン、ブラジキニン)
の代謝を改変することなく、そのような結果を得ることを可能にする。従って、
ACEのN-末端ドメイン阻害薬は、攻撃性の化学治療又は放射線治療処理を受
けている患者の造血系細胞の保護のために極めて興味深いものである。この阻害
薬は、抗癌治療の前又は同時に投与することができる。
【0008】 さらに、J. Clin,. Invest. (1996) 98, 671-679 [7]においてVolpert等によ
り、ACEの両方の活性部位を阻害するカプトプリルが、インビトロ及びインビ
ボで、保護的な抗癌効果を実験的に発揮することが示された。この保護的効果の
メカニズムは知られていないが、おそらくAcSDKPが、その多くの型の細胞
の細胞周期への進入に対する特性により含まれているであろう。従って、血管作
動性ペプチドの代謝を改変することなく、AcSDKPの血漿レベルを潜在的に
するACEのN-末端ドメインの選択的阻害薬は、有利な効果を有しているであ
ろう。
【0009】 今日までに開発され、Fig1に例示した強力なACE阻害薬の殆どは、活性
ACE部位に局在する亜鉛原子と好ましく相互作用する化学的基がグラフトされ
た疑似ジペプチド細胞の存在を特徴とする。確かに、ACEは亜鉛金属酵素分解
酵素のグループに属し、酵素の両方の活性部位における亜鉛原子の存在を特徴と
しており、亜鉛原子は触媒において必須の役割を担う。多くの研究は、亜鉛をキ
レートできる化学基を含む疑似ペプチドの合成が、極めて強力な亜鉛金属タンパ
ク質分解酵素阻害薬への利用を提供することを示した。市販のACE阻害薬にお
ける亜鉛と相互作用できる化学基は、HSチオール基(カプトプリル)、CH-
COOカルボキシアルキル基(エナラプリル)及びXがNH、O、CHである
場合のPO-Xホスホリル基(フォシノプリル)である。
【0010】 文献FR-A-2 676 059 [8]及びEP-A-0 725 075 [9]は、亜鉛と相互作用するホス
フィン型の基を含む、亜鉛プロテアーゼ阻害薬として使用できるペプチド誘導体
を例示している。FR-A-2 676 059では、前記誘導体は細菌性コラゲナーゼ阻害薬
であるが、EP-A-0 725 075では、それらは選択的24−15亜鉛エンドペプチダ
ーゼ阻害薬であり、アンギオテンシン変換酵素といった他のプロテアーゼに対し
ては不活性である。 このように、今日まで、アンギオテンシン変換酵素のN-末端の選択的阻害薬
は存在しない。
【0011】 本発明は、特に前記酵素のN-末端の選択的阻害薬であるホスフィニック基を
含む新規なペプチド誘導体に関する。
【0012】 (本発明の説明) 本発明によると、前記の新規なペプチド誘導体は、下記式: -Asp-Phe-Ψ(POCH)-Ala-Xaa’- (I) (式中: Ψ(POCH)は、PheとAlaとの間のペプチド結合(CONH)がホ
スホニック結合POCHで置換されていることを示し、そして Xaa’はアミノ酸残基を表す)に従うアミノ酸配列を含んでなる。
【0013】 この配列において、POCH基はPO 形態であり;従って、K、N
又は他の任意の生理学的に許容される対イオンを伴う。水中では、荷電した
基が分離するので、対イオンの型は重要ではない。
【0014】 本発明の特別な実施態様によると、ペプチド誘導体はこれらの配列の4つのア
ミノ酸のみを含み、下記式: R-Asp-Phe-Ψ(POCH)-Ala-Xaa’-NH (II) (式中: Rは、アセチル又はベンジルオキシカルボニル基を表し、 Ψ(POCH)は、PheとAlaとの間のペプチド結合(CONH)がホ
スホニック結合POCHで置換されていることを示し、そして Xaa’はアミノ酸残基を表す)に従う。 好ましくは、Rはアセチル基を表す。
【0015】 上に与えた式I及びIIにおいて、Xaa’に用いられるアミノ酸は天然又は
非天然のアミノ酸、又は疑似アミノ酸である。 天然アミノ酸は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、シ
ステイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、
ロイシン、ノルロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、
ヒドロキシプロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン
、ニトロフェニルアラニン、ホモアルギニン、チアゾリジン及びデヒドロプロリ
ンから選択できる。
【0016】 疑似アミノ酸は、アミノ又はカルボニル官能基が他の化学基に置換されたアミ
ノ酸として定義される。 前記式において、アミノ酸Asp、Phe、Ala及びXaa’はL又はD型
であってよい。従って、ペプチド誘導体は、誘導体における2つの対象中心の存
在により、単一の異性体又は4つのジアステレオ異性体であってよい。
【0017】 本発明によるペプチド誘導体において、アミノ酸Xaa’は、好ましくはAC
EのC-末端部位に対して低い活性を持つ以下のアミノ酸:Pro、Ala、T
hr、Lys及びLeuから選択される。 好ましくは、Xaa’はAlaを表すが、これは、このアミノ酸が酵素のN-
末端部位の阻害についてペプチド誘導体を強化する一方、C-末端部位への低い
阻害活性を有するからである。
【0018】 本発明のペプチド誘導体は、EP-A-0 725 075に記載されたペプチド誘導体と、
それらが疑似-Pheの前にAsp残基を含み、ペプチド誘導体をアンギオテン
シン変換酵素のC-末端に対して不活性にし、よって所望の選択性を提供してい
る点において相違する。さらに、EP-A-0 725 075のペプチド誘導体は、この酵素
に対して不活性であったが、本発明の誘導体は前記酵素のN-末端部分に対して
活性である。
【0019】 Asp及び疑似-Phe残基の存在は、ペプチド誘導体が酵素の副次的部位S
1及びS2に対して作用することを可能にし、それはACE阻害薬に通常の特性
である。更にまた驚くべき事実は、前記ペプチド誘導体がその構造のC-末端位
置においてカルボキシレート基を含む一方、今日までに記載された全てのACE
阻害薬は遊離のカルボキシアミド基を含む。このように、前記ペプチド誘導体は
、その化学構造及びその阻害活性の点で元々悩みの種である。
【0020】 本発明では、任意のPhe及びAlaアミノ酸配置が好適であるが、Pheに
ついてはR配置を有するのが好ましい。さらに、Alaアミノ酸についてはS配
置を有するのが好ましい。このように、好ましいペプチド誘導体は下記式: Ac-Asp-(R)Phe-Ψ(POCH)-(S)Ala-Ala-NH
(III) (式中: Acはアセチル基を表し、 Ψ(POCH)は、PheとAlaとの間のペプチド結合(CONH)がホ
スホニック結合POCHで置換されていることを示す)に従う。
【0021】 本発明のペプチド誘導体は、FR-A-2 676 059に記載されているような従来の方
法を用いて、あるいはEP-A-0 725 075に記載されたような固相合成法を用いて、
下記式: Fmoc-PheΨ(PO(Ad)-CH)AlaOH (式中、Fmocは(フルオレニルメトキシル)カルボニル基を表し、Adはアダ
マンチル基を表す)のシントンに基づいて、そして固体基質として2-クロリト
リチル樹脂を用いて調製できる。
【0022】 このシントンは、特にJ. Org. Chem., 1996, 61, 6601-6605 [10]においてYio
takis等によって記載されたプロトコールに従って調製してよい。 また本発明は、上記に与えた式I、II又はIIIに従うペプチド誘導体を含
んでなる、ヒトアンギオテンシン変換酵素のN-末端部位を選択的に阻害する製
薬製剤にも関する。
【0023】 前記製薬製剤は、攻撃性の化学治療又は放射線治療、例えば癌治療を受けてい
る患者の造血系細胞を保護するために特に使用できる。 また本発明は、上記の式I、II又はIIIに従うペプチド誘導体の、ヒトア
ンギオテンシン変換酵素のN-末端部位を選択的に阻害する医薬製品の製造のた
めの使用にも関する。
【0024】 このような医薬製品は、癌治療を受けている患者の造血系細胞の増殖の調節を
意図するものとすることができる。 本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して、以下の説明を読むこと
により更に明確に理解されるが、それは当然に例示として与えられるものであり
、限定するものではない。
【0025】 (実施態様の説明) 実施例1 この実施例では、一般式Ac-Xaa-PheΨ(POCH)Ala-Xaa
’-NHに従う20の混合物を合成したが、式中、Xaaの位置は知られた構
造のアミノ酸で占められる一方、Xaa’の位置は、等モル形式での20の天然
アミノ酸によって占められる。
【0026】 この合成のために、J. Biol. Chem. (1995) 270, 21701-21706 [12]においてJ
iracek等により、及びJ. Biol. Chem. (1996) 271, 19606-19661 [13]においてJ
iracek等によって記載された化学的手法の組み合わせを、ホスフィニックブロッ
クとしてJ. Org. Chem., 1996, 61, 6601-6605 [10]においてYiotakis等によっ
て5つのタイプのシントンについて記載された方法に従って得られたシントンF
moc-Phe-Ψ(PO(Ad)-CH)AlaOHを用いた固相合成とともに使
用した。
【0027】 a)Fmoc-Phe-Ψ(PO(Ad)-CH)AlaOHホスフィニックブロ
ックの合成 1.Z-Phe(PO-CH)AlaOetブロック(Z=ベンジルオキシカ
ルボニル)の調製 Z-Phe(PO)H(1 mmol)及びヘキサメチジシラザン(5 mmol)の懸濁物
を、アルゴン雰囲気中で110℃に1時間加熱した。90℃まで冷却した後、メチルア
クリル酸エチル(1.3 mmol)を滴状で30分添加した。反応物を、90℃で撹拌しな
がら3時間放置した。反応混合物を70℃にした後、3mlの無水エタノールを滴下し
た。室温に戻した後、揮発性生成物を真空下で気化させて除去し、残りの生成物
を10%のNaHCO中に取り込んだ。この水相をエーテルで洗浄し、1NのHC
lでpH1.5まで酸性化し、次いで沈殿物を酢酸エチルに取り込んだ。この有機
相をNaSOで乾燥し、気化させて乾燥し、Z-Phe(PO-CH)Al
aOetブロックを良好な収率で得た。
【0028】 2)Z-Phe(PO(Ad)-CH)AlaOetブロックの調製 Z-Phe(PO-CH)AlaOet化合物(1 mmol)を95%エタノール(2
5 ml)に溶解させた。この溶液を、0.5Mの硝酸銀溶液に滴下した。10分後、反応
混合物に15mlの水を添加し、真空下でエタノールを気化させた。銀沈殿物を含有
する残りの水相を、水及びアイスバスで冷却した。形成された沈殿物を濾過し、
冷水で洗浄し、Pの存在下で真空乾燥させてホスフィニックブロックの銀
塩を90%の収率で得た。この生成物(1 mmol)を、クロロホルム(10ml)中の臭
化アダマンチル溶液(1.2 mmol)に添加した。この混合物を30分間還流煮沸した
。沈殿物である臭化銀を濾過で除去し、残りの反応混合物を真空下で気化して乾
燥させた。予測される生成物をフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:クロロ
ホルム/イソプロパノール、9:3)により80%の収率で精製した。
【0029】 3)Z-Phe(PO(Ad)-CH)AlaOHブロックの調製 Z-Phe(PO(Ad)-CH)AlaOHブロック(1 mmol)をエタノール(
10 ml)に溶解させた。この溶液に、4Nのソーダを滴状で添加した。2時間の反応
の後、真空下でエタノールを気化させ、残りを20mlの水で希釈した。反応混合物
をアイスバスで冷却し、次いで0.5NのHClでpH2まで酸性化した。沈殿した生
成物をエーテルに取り込み、有機相を水ですすぎ、NaSOで乾燥し、次いで
気化して乾燥させて、ケン化ホスフィニックブロックを95%の収率で得た。
【0030】 4)Fmoc-Phe(PO(Ad)-CH)AlaOHブロックの調製 Z-Phe(PO(Ad)-CH)AlaOHホスフィニックブロック(1 mmol)
及びギ酸アンモニウム(4 mmol)を含有するエタノール(Rml)に、0.25gの10%
Pd/Cを添加した。室温で12分後、セライト上の濾過で触媒を除去し、次いで
残りを真空中で乾燥させた。前記残物をジクロロメタンに取り込み、次いで気化
して乾燥させた。この手法を数回繰り返した。前記残物をクロロホルムで処理し
、未反応で沈殿物形態で存在する過剰のギ酸アンモニウムを濾過で除去した。形
成された生成物をNaCO(3 ml)中に取り込んだ。反応混合物を真空中で
1/2まで蒸発させ、次いで1.5mlの水及び2mlのジオキサンを添加した。ジオキ
サン(2 ml)中のFmoc-Cl(1.2 mmol)溶液を反応混合物に添加し、アイ
スバスで冷却した。この溶液を撹拌しながら、4℃で2時間、次いで室温で4時間
放置した。反応混合物を20mlの水で希釈し、アイスバスで冷却し、2NのHClで
pH2まで酸性化した。沈殿した生成物を即座にエーテルに取り込んだ。この有
機相を水ですすぎ、NaSOで乾燥し、次いで気化して乾燥させて、必要と
する生成物を得たが、これはフラッシュクロマトグラフィー(クロロホルム/メ
タノール、9.5:0.5)により65%の最終収率で精製した。
【0031】 b)ホスフィニックペプチド合成 ホスフィニックペプチド合成のために、第1のアミノ酸Xaaを、G. Int. J.
Rept. Protein., Res, 1991, 37, 513-520 [11]においてBarlos等によって記載
された技術を用いて2-クロロトリチル樹脂に結合させた。ホスフィニックブロ
ックは、次いで第1のアミノ酸、次いでXaa’アミノ酸に固定した。Fmoc
基をN-メチルピロリドン中の30%ピペリジンで除去し、続くXaa’残基を2-(
1H)ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム
ヘキサフルオロホスフェート/ジイソプロピルエチルアミンを用いて結合させた
。この方法において、種々の工程は、Yiotakis等, J. Org. Chem. (1996) 61, 6
601-6605 [10]に記載されたように、ペプチド化学で一般に使用される試薬及び
溶媒を用いて従来の技術で実施した。
【0032】 このように、ペプチド混合物は、Xaa位置において20の異なるアミノ酸及
びXaa’位置において20の異なるアミノ酸を含み、このペプチド混合物は、
Xaa位置のアミノ酸の型に従って分離され同定された。
【0033】 前記混合物は、それらのACE阻害能力を決定するために、200nMの最終ペプ
チド濃度で評価した。ACEを検定するために、新たにクエンチした蛍光ACE
基質(Mca-Ala-Ser-Asp-Lys-Dpa)を開発したが、ここでM
caはメトキシクマリンであり、Dpaは2-(N-ジニトロフェニル)アミノプロ
ピオン酸である。前記の基質は、未変性のときにのみ蛍光性であり、ACEによ
ってAspとLysの間が分裂された後に強力な蛍光シグナルを放出する。この
タイプの基質を用いて、ELISAプレートにおける非常に多数の化合物の阻害
力を試験することができる。
【0034】 化合物の阻害力は、クエンチされた蛍光基質Mca-Ala-Asp-Ser-L
ys-Proの分解に基づく従来の競合試験において決定される。ACEによる
前記基質の分解は、試料を328nmで励起した場合に400nmにおける蛍光シグナルの
観察をもたらす。阻害実験は、ELISAプレートにおいて、200μl容量のバッ
ファー:pH 6.8、50mM Hepes、200mM NaCl、1mMZnCl中で、25℃
で、Dynatech Fluorolite 1000型ユニットにおいて実施した。典型的な実験の基
質濃度は20μMである。阻害実験のために、阻害薬を酵素存在下に45分間配し、
次いで極めて少容量の基質を単に添加することにより反応を開始させた。阻害割
合は、阻害薬存在下での初期速度変化から計算した。分解速度は40分の時間間隔
に渡る蛍光変化の記録から決定した。
【0035】 各混合物の阻害活性は、ACEの2つの変異形態:J. Biol. Chem. (1992) 26
7, 13398-13405 [14]においてWei等によって記載されているような突然変異誘発
によりC-末端を不活性としたN-末端形態及び不活性なN-末端を含むC-末端形
態について評価した。前記変異体はCHO細胞から作成した。
【0036】 Fig2において、ACEのN-及びC-末端変異体について、阻害薬のXaa
位置に存在するアミノ酸の型の関数として阻害割合が与えられている。この図は
、極めて多数の基質が、ACEのN-末端及びC-末端部位の両方の阻害を両立し
ていることを示す。しかしながら、選択性の点では、Xaa位置にアスパラギン
残基が存在するもののみが、N-末端部位の阻害が可能である一方、この残基を
含む阻害薬の混合物をACEのC-末端部位に対して不活性とすることを注記し
ておく。 従ってこれらの結果は、選択的N-末端部位阻害薬を得るためには、Xaa位
置にAsp残基を持つことが必須であることを示している。
【0037】 実施例2 実施例1の結果に基づき、実施例1と同様の方法に従って、一般式Ac-As
p-PheΨ(POCH)-Ala-Xaa’-NH(ここで、Xaa’は単一
のアミノ酸で占められる)に従う20のホスフィニックペプチドを合成した。前
記ペプチドは、実施例1におけるように、ACEのN-末端及びC-末端部位に対
するそれらの阻害活性を試験した。 得られた結果をFig3に示すが、それはACEのN及びC-末端部位に対す
る前記ペプチドの阻害割合を、Xaa’位置の残基の型の関数として示している
【0038】 N-末端部位について、阻害薬は100nMの濃度で実験したが、C-末端部位につ
いては、注目に値する阻害を観察するのに使用した濃度は5μMであることを記す
のは重要である。濃度における前記の相違は、これらの化合物のACEのN-末
端に対するより良い親和性を反映している。 Fig3において、Xaa’位置におけるプロリン及びアラニン残基の存在に
より、N-末端部位を選択する選択性の程度を向上させ、Thr、Lys、Me
t及びLeu残基の酵素のC-末端部位に対する反応性が極めて低いことを観察
した。
【0039】 実施例3 この実施例では、実施例2で得られたAc-Asp-PheΨ(POCH)A
la-Xaa’-NH 化合物の阻害定数Kiを、ACEのN-及びC-末端変異
体について決定する。得られた結果を表Iに与える。 このデータに従って、前記ペプチドがACEのN-末端部位に対して、そのC-
末端部位よりも3オーダーの大きさで活性が高いことが観察された。
【0040】 実施例4 実施例3において異なる末端基を有するペプチドの4つの類似物を合成し、N
-及びC-末端基のACEのN-末端部位に対する選択性に対する影響を、実施例
1におけるのと同じ方法を用いて決定した。結果を表IIに与える。
【0041】 表IIの結果は、カルボキシアミド基の存在が分子の選択性に必須であること
を示している。確かに、カルボキシレート基の存在はN-末端部位に対する親和
性を強化するが、この新たな化合物はC-末端ドメインにおいて非常に活性であ
るので、この改変は選択性の低下を誘発する。程度は低いが、N-アセチル基の
存在も選択性において役割を担うことが示された。最後の類似物は、N-末端位
置のアスパラギン残基が選択性において非常に重要な役割を担うことを明らかに
した。
【0042】 実施例5 この実施例では、ホスフィニックブロックを取り囲むPhe及びAla残基の
立体配置の、実施例3のペプチド誘導体のN-末端部位に対する親和性に対する
影響を研究した。 Ac-Asp-Phe-Ψ(POCH)Ala-Ala-NHペプチドの合成
は、前記化合物における2つの対象中心の存在により、4つのジアステレオ異性
体の混合物をもたらした。この生成物のSpectra System VYDAC分析用C18カラム
での逆相HPLC高速液体クロマトグラフィー精製(λ=220nm、流速=1 ml/分
)を用いて3つのフラクションに分離した。
【0043】 Fig4は得られたクロマトグラムを示し、3つのピークを有している。 HPLCピークの強度及びリンぼNMRスペクトルに基づいて、第1のピーク
が2つのジアステレオ異性体を含み、他の2つのピークは1つのみのジアステレ
オ異性体を含むことが示された。これらのフラクションの活性の測定により、第
1のフラクションのみが活性化合物を含むことが示された。
【0044】 実施例6 実施例5の精製方法は、第1のピークに相当するフラクションに存在する2つ
のジアステレオ異性体を分離することができないので、合成終了時に、逆相HP
LCで容易に分離できる2つのジアステレオ異性体の混合物を得るために、Ac
-Asp-Phe-Ψ(POCH)-Ala-AlaNHペプチドを、R配置の
フェニルアミノホスフィニック残基から合成した。
【0045】 R配置のアミノフェニルホスフィニック残基を含むペプチドを合成するために
、前記アミノフェニルホスフィン酸のラセミ体を合成し、J. Chem. Soc. Perkin
. Trans (1984) 2845-2849 [15]においてBaylis等によって記載されている方法
に従って、キラルアミンの存在下で再結晶化させることにより異性体を分離した
。このように、光学的に純粋なR及びS配置のアミノフェニルホスフィン酸残基
を得た。C18逆相HPLCで分離される2つのジアステレオ異性体 Ac-Asp-(R)Phe(POCH)(R)Ala-Ala-NH Ac-Asp-(R)Phe(POCH)(S)Ala-Ala-NH の混合物を得るために実施例1と同様ににR配置の酸Fmoc(R)Phe(P
O(Ad)-CH)AlaOHを用いた。
【0046】 Ac-Asp-PheΨ(POCH)Ala-Ala-NHペプチドは、従来
の固相合成手法を用いて、固相基質としてRinkアミド樹脂を使用して、Fmoc
化学によって合成した。前記ペプチドの合成は、以下のブロック:Fmoc-A
la、Fmoc-Phe(PO(Ad)-CH)AlaOH及びFmoc-Asp(t-
Bu)を連続的に結合させることにより実施した。結合は、2-(1Hベンゾトリ
アゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム-ヘキサフルオロホ
スフェート/ジイソプロピルエチルアミンを用いたオンサイト手法で作成した。
結合条件は以下の通り:ジメチルホルムアミド中の3のFmoc誘導体当量及び
4のジイソプロピルエチルアミン当量を樹脂に添加して30分間反応させた。Fm
oc基を分離させるために以下の条件:ジメチルホルムアミド中50%のピペリジ
ンを30分間用いた。樹脂からのペプチド及び保護基の分離は、2.5%の水、2.5%の
チオアニソール、2.5Mのフェノール、1.25%のエタンジチオール及び1.25%のトリ
イソプロピルシランを含むトリフルオロ酢酸溶液での処理により実施した。生成
物はC18逆相HPLCで精製した。
【0047】 Fig5は、これらの条件下で観察されたクロマトグラムを示し、2つのピー
クを含むが、その一方、第1のもののみがACEに阻害力を持つ。活性なピーク
は、ACEのN-末端に対する12nMというKi及びC-末端部位に対する25μM
というKiにより特徴付けられる分子を含有する。
【0048】 ペプチドの最も活性なフラクションは、S配置の疑似-アラニン残基を含む。
従って、ペプチドの活性構造は以下の通り:Ac-Asp-(R)Phe(PO
CH)-(S)Ala-Ala-NH(III)であり、以下RXP407と呼
称する。この光学的に純粋な化合物の阻害定数は表IIIに与える。 RXP407化合物の純度は、マススペクトル(理論的重量498.5、実験的重
量498)及びリン、プロトン及び炭素13の磁気共鳴により確定した。
【0049】 リンスペクトル:d=40.78 ppm、参照リン酸(0 ppm)。 プロトンスペクトル(ppm):Asp:Ha、4.28、Hb,b’、2.0及び2.28
、Phe:Ha、4.08、Hb,b’、2.55及び3.10、Ar、7.13及び7.22;Al
a:Ha、2.58、Hb、1.08;Ala:Ha、4.12、Hb、1.28;P-CH2、1
.48及び1.62;CH3-CO、1.82、参照TSP(0 ppm)。 炭素13スペクトル(ppm):Asp:Ca、55.3、Cb、41.5、CO、180.5
;Phe:Ca、54.5、Cb、36、Ar、129.8、131.7、132.5、141.2;Ala
:Ca、37.6、Cb、21.4、CO、182.3;Ala:Ca、53、Cb、19.6、C
O、181.5;CH2-P、34.4;CH3-CO、24.5及び177、参照TSP(0 ppm
)。 スペクトルは、DO中で、プロトンについては250MHz、リンについては101M
Hzそして炭素については62MHzで作動するBruker DRX型ユニットにおいて測定し
た。帰属は、COSY、TOCSY、HMQCお酔いHMBC型の二次元の実験を用いて行った。
【0050】 RXP407化合物は、ACEの2つの活性部位間を識別できるので非常に興
味深い。この化合物は、ACEのN-末端部位の強力な阻害薬(Ki=12nM)で
あるが、C-末端部位には極めて低い親和性しか持たない(Ki=25μM)。この
特性に加えて、この分子が、Asp及び疑似-Phe残基が与えられると、その
相互作用に、ACEのS及びS補助部位を含み、これはACE阻害薬にとっ
て通常の特性ではないことを記しておくのは重要である。更に驚くべきことに、
前記の分子は、その構造のC-末端位置にカルボキシアミド基を含むが、これま
でに記載された全てのACE阻害薬は系統的に遊離のカルボキシレート基を有す
る。このように、前記の分子は、その化学構造からもその阻害活性からも極めて
独創的である。
【0051】 実施例7 この実施例では、RXP407ペプチドをACE阻害薬として用い、RXP4
07の(nMでの)濃度のACE阻害割合への影響を実験した。 化合物の阻害力は、参考文献Wei等, J. Biol. Chem. (1992) 267, 13398-1340
5 [14]に記載されたプロトコールに従ってCHO細胞から作成された野生型ヒト
ACEを用いて実施例1のように決定した。
【0052】 得られた結果をFig6に示すが、これは天然ACE阻害についてRXP40
7で得られる阻害プロフィールを示している。阻害曲線における2つのレベルの
存在は、天然ACEにおける2つの活性部位の存在を表しており、曲線の左側は
ACEのN-末端ドメインの阻害により、右側はC-末端ドメインによる。この曲
線に現れる変曲点は、天然ACEのN及びC-末端部位に対するRXP407の
IC50値を示し、これらはACE変異体を用いて測定したKi値に匹敵する。
【0053】 この実験は、RXP407は確かに天然酵素のN-末端ドメインの選択的阻害
薬のように振る舞うことを示している。曲線の形状は、この実験に使用した基質
がN-末端及びC-末端ドメインによって等価に分離するという事実によることを
記しておくのは興味深い。 このように、RXP407は、酵素の2つの活性部位の一方のみによって分離
する基質を同定するのに使用することができる。確かに、2つの活性部位の一方
のみで分離する基質については、阻害曲線は2つではなく1つのレベルのみを含
むであろう。基質がN-末端ドメインのみで分離する場合、曲線の変曲点は100nM
のRXP407濃度の周辺に位置するが、C-末端ドメインのみで分離する基質
は、変曲点が10mMへ移動するであろう。 このように、この新規な阻害薬は、生理学的基質の分解に対する天然ACEの
選択性を研究するための非常に優れた道具である。
【0054】 実施例8 この実施例では、RXP407化合物の薬物動態及び代謝を動物で実験した。 この目的のために、N-アセチル基に3つのチタン原子を含むRXP407を
合成し、前記生成物を0.1、1及び5mg/kgの用量で静脈内ボーラスにより注入する
ことによって、ラットにおける前記分子の薬物動態及び代謝実験を実施できるよ
うにした。
【0055】 次いで、時間の関数としての血漿RXP407濃度を測定した。 得られた結果をFig7に示す。曲線1は0.1mg/kg、曲線2は1mg/kgそして曲
線3は5mg/kgに対応する。点線曲線は、RXP407(20nM)のKiを示す。
【0056】 このように、5mg/kg用量の静脈内ボーラスによる1回の注入は、4時間に渡る1
00ng/mlの生成物という血漿RXP407濃度を導き、それは前記阻害剤のN-末
端部位に対するKiの10倍に等しい濃度である。 表IVは、ラットにおけるインビボでのトリチウム化RXP407の排出につ
いて得られた結果を含む。これらの結果は、注入された放射活性の%として表示
されている。これらは、化合物が、本質的に尿中に(24時間後87%)、そして極
めて少量が便に(13%)排出されることを示している。気道には、この生成物の
痕跡は検出されない。
【0057】 この表に従うと、4匹のラットは、48時間で注入されたRXP407の100%(
100.09+-7)を排出することがわかる。生成物の大部分は尿中に、極めて少量が
便に排出され、特に気道には全く排出されない。 さらに、尿及び便中の生成物の構造の分析は、RXP407は如何なる代謝も
受けないことを示している。
【0058】 この生成物の毒性をマウスで評価した。このようにして、前記生成物は、25mg
/kgの用量で、マウスにおいて毒性の徴候を誘発しないことがチェックされた。
観察の7日後、処理したマウスは完全に正常に生存していた。 このように、RXP407は有効な阻害薬である。この新規なACE阻害薬の
興味は、それがこの酵素のN-末端部位の最初の選択的阻害薬であるという事実
にある。薬物動態学的特性、代謝が存在しない、従ってインビボで安定なことは
、治療プロトコールにおいて、この酵素のC-末端によって制御される生理学的
機能に影響を与えることなくACEのN-末端部位を阻害ために理想的な生成物
である。
【0059】 さらに、RXP407は、インビボにおいて、Ac-Ser-Asp-Lys-P
roの代謝におけるACEのN-末端及びC-末端部位の各々の寄与を確立するこ
とができる。インビトロで行われた実験は、ACEのN-末端が前記ペプチドの
分解に対してC-末端よりも極めて有効であることを示し、従って、RXP40
7を介する代謝の制御は合理的な目的である。
【0060】 実施例9 この実施例では、マウスにおけるインビボでのRXP407の注入の効果を実
験した。 この目的のために、マウスに、0.1、1及び10mg/kgの用量でのRXP407の3
0分間の注入を施し、マウス血漿のAc-Ser-Asp-Lys-Pro-(Ac-S
DKP)ペプチド濃度を測定した。 Ac-Ser-Asp-Lys-Proは、ポリクローナル抗体及び起電盤エレク
トリクスアセチルコリンエステラーゼに結合したAc-SDKPを用いた競合的
粘液酵素アッセイによって測定した。
【0061】 同様の血漿Ac-SDKP測定を、10mg/kg用量のリシノプリルを注入したマウ
ス及び非注入の対照マウスにも行った。リシノプリルは臨床的実務で使用されて
いる阻害薬で、ACEの両方の活性部位を非選択的に阻害する。 Fig8は、得られた結果、即ち、時間(分)の関数としてのAc-SDKP
濃度(nM)を示す。
【0062】 曲線4、5及び6は、0.1mg/kg(曲線4)、1mg/kg(曲線5)及び10mg/kg(
曲線6)の用量でのRXP407を注入したマウスに関するものである。 曲線7は、10mg/kgのリシノプリルを注入したマウスに関するものである。
【0063】 曲線Tは対照マウスのに関するものである。RXP407の注入が、Ac-S
DKPペプチドの血漿レベルの極めて重大な増加を誘発することが観察された。
ACEの両方の活性部位の非選択的阻害薬と比較して、血漿中のAc-SDKP
レベルは、RXP407で得られたものと同様であることを注記しておく。RX
P407が2つのACE部位の一方、N-末端のみを阻害するので、これらの実
験から、ACEのC-末端部位はAc-SDKPの代謝に含まれておらず、一方、
前記代謝はACEのN-末端のみに依存していると結論でき、従って、ACEの
両方の部位を非選択的に阻害する従来のACE阻害薬に比べてRXP407を用
いることは興味深い。またこの事件は、RXP407のインビボ活性における有
効性も示した。
【0064】 実施例10 この実施例では、動脈圧調節に含まれる他の酵素であるレニンのレベルに対す
るRXP407の効果を決定する。前記酵素の従来の阻害薬でのACEの阻害は
、アンギオテンシンIのアンギオテンシンIIへの加水分解を停止させる。アン
ギオテンシンは確かにACEの生理学的基質の一つである。逆調節メカニズムに
よる血漿中のアンギオテンシンIIレベルの低下はh、アンギオテンシノーゲン
からのアンギオテンシンIの生成に直接含まれる酵素のレニンの血漿レベルを増
加させる。 このように、ACEの阻害は血漿レニンレベルによって間接的に監視できる。
【0065】 このレベルは、血漿試料中でレニンがマウス血漿に存在する過剰のアンギオテ
ンシノーゲンを加水分解する能力により評価できる。次いでアンギオテンシンI
の形成を放射免疫学的アッセイにより測定し、レニンレベルを、インキュベーシ
ョン1時間当たりの血漿1ml当たりに形成されたアンギオテンシンIのngで表示す
る。
【0066】 以下について得られた結果をFig9に与える: 0.1mg/kg(曲線8)、1mg/kg(曲線9)及び10mg/kg(曲線10)の用量での
RXP407を注入したマウス、 10mg/kgのリシノプリルを注入したマウス(曲線11)、及び 対照マウス(曲線T)。
【0067】 Fig9は、リシノプリルでのマウスの処理が血漿レニンレベルの増加を誘発
することを示し、これはこの化合物のACE阻害効果と一致する。しかしながら
RXP407での処理はレニンの増加を誘発しないことが示された。このように
、この阻害薬は、動脈圧調節に影響を与えずにAc-SDKPペプチドの分解を
選択的に阻害することを可能にする。この観察は、RXP407化合物のインビ
ボでの活性の選択性という点で非常に重要であり、アンギオテンシンIの加水分
解にはACEのC-末端のみが含まれていることを示唆し、よってRXP407
注入がレニンレベルに影響しない理由を説明している。
【0068】 このように、これら全ての実験は、Ac-SDKPペプチドの血漿レベルを制
御するためのRXP407の使用の興味深さを確認した。前記ペプチドが化学治
療及び放射線治療プロトコールにおいて骨髄系細胞に対して保護効果を有するこ
とが示されたことが思い出される。従って、RXP407は、Ac-SDKPペ
プチドの生理学的レベルを、そのACEでの代謝の阻害を介して動かすことによ
り、この状況において極めて有用であろう。
【0069】 ペプチドAc-Ser-Asp-Lys-Proペプチドは血液新生レギュレータ
であるので、本発明による阻害薬を、抗癌化学治療又は放射線治療プロトコール
において、癌治療の毒性効果に対する骨髄細胞を保護するために使用することを
提案することができる。また、ACEの、そのN-末端ドメインの活性を介する
種々の細胞型の増殖に対する効果も考えられるので、癌治療の分野における応用
も考えられる。
【0070】 前記阻害薬の他の重要性は、それが、前記酵素の種々の生理学的基質の分解に
おけるACEのN-及びC-末端部位の各々の寄与を研究するための極めて有効な
道具となることである。
【0071】 引用した参考文献
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【図面の簡単な説明】
【Fig1】 既に述べたように、従来技術に従う公知のヒトアンギオテン
シン変換酵素の構造を例示する図である。
【Fig2】 種々のペプチド混合物の、ヒトアンギオテンシン変換酵素の
C-末端部位及びN-末端部位に対する阻害割合を示す図である。
【Fig3】 種々のペプチド誘導体の、C-末端部位及びN-末端部位に対
する阻害割合を示す図である。
【Fig4】 本発明によるペプチド誘導体Ac-Asp-PheΨ(PO
CH)-Ala-Ala-NHのジアステレオ異性体混合物の逆相HPLCによ
り得られたクロマトグラムを示す図である。
【Fig5】 本発明によるペプチド誘導体Ac-Asp-PheΨ(PO
CH)Ala-Ala-NHの2つのジアステレオ異性体混合物の逆相HPL
Cクロマトグラムを示す図である。
【Fig6】 用いた濃度の関数としてのペプチド誘導体RXP407によ
り得られた阻害割合を示す図である。
【Fig7】 ラットにおける本発明のペプチド誘導体の血漿濃度の時間の
関数としての変化を示す図である。
【Fig8】 本発明の阻害薬RXP407を0.1、1及び10mg/k
g用量で注入したマウス(曲線4、5及び6)、リシノプリルを10mg/kg
の用量で注入したマウス(曲線7)及び非注入対照マウス(曲線T)における、
Ac-Ser-Asp-Lys-Proペプチドの血漿濃度の時間の関数としての変
化を示す図である。
【Fig9】 RXP407を0.1、1及び10mg/kg用量で注入し
たマウス(曲線8、9及び10)、リシノプリルを10mg/kgの用量で注入
したマウス(曲線11)及び非注入対照マウス(曲線T)における、アンギオテ
ンシンIの血漿濃度(ng/ml/h)の時間の関数としての変化を示す図であ
る。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年6月20日(2000.6.20)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】 (本発明の説明) 本発明によると、前記の新規なペプチド誘導体は、下記式: -Asp-Phe-Ψ(POCH)-Ala-Xaa’- (I) (式中: Ψ(POCH)は、PheとAlaとの間のペプチド結合(CONH)が
スフィニック結合POCHで置換されていることを示し、そして Xaa’はアミノ酸残基を表す)に従うアミノ酸配列を含んでなる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】 本発明の特別な実施態様によると、ペプチド誘導体はこれらの配列の4つのア
ミノ酸のみを含み、下記式: R-Asp-Phe-Ψ(POCH)-Ala-Xaa’-NH (II) (式中: Rは、アセチル又はベンジルオキシカルボニル基を表し、 Ψ(POCH)は、PheとAlaとの間のペプチド結合(CONH)が
スフィニック結合POCHで置換されていることを示し、そして Xaa’はアミノ酸残基を表す)に従う。 好ましくは、Rはアセチル基を表す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】 本発明では、任意のPhe及びAlaアミノ酸配置が好適であるが、Pheに
ついてはR配置を有するのが好ましい。さらに、Alaアミノ酸についてはS配
置を有するのが好ましい。このように、好ましいペプチド誘導体は下記式: Ac-Asp-(R)Phe-Ψ(POCH)-(S)Ala-Ala-NH
(III) (式中: Acはアセチル基を表し、 Ψ(POCH)は、PheとAlaとの間のペプチド結合(CONH)が
スフィニック結合POCHで置換されていることを示す)に従う。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 コトン,ジョエル フランス国 エフ−91400 オルセー,ブ ールヴァール ドゥ モンデトゥール 159 (72)発明者 キュニアス,フィリップ フランス国 エフ−75020 パリ,リュ デ ピレネー 361 (72)発明者 イオタキス,アタナシオス ギリシア国 ジーアール−153 42 アテ ネ,アグ パラスケヴィ,リュ パラディ ソン 7 (72)発明者 コルヴォル,ピエール フランス国 エフ−75007 パリ,リュ ドゥ セーヴル 88 (72)発明者 ミショー,アニー フランス国 エフ−93100 モントレイユ, アヴェニュー パストゥール 9 (72)発明者 ショーヴェ,マリー−テレーズ フランス国 エフ−92310 セーヴル,レ ジダンス デュ パルク エッフェル,リ ュ ブリュイェール 32 (72)発明者 メナール,ジョエル フランス国 エフ−75013 パリ,スクワ ール デュ ポール ルワヤル 11 (72)発明者 エザン,エリック フランス国 エフ−92240 マラコフ,リ ュ ヴィクトル ユーゴ 16 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA07 BA01 BA09 BA16 BA33 CA59 DC50 NA14 ZA511 ZB261 ZC201 ZC202 4H045 AA10 AA30 BA13 BA50 DA57 EA23 EA24 FA31 FA33 FA58 GA21

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式: -Asp-Phe-Ψ(POCH)-Ala-Xaa’- (I) (式中: Ψ(POCH)は、PheとAlaとの間のペプチド結合(CONH)がホ
    スホン結合POCHで置換されていることを示し、そして Xaa’はアミノ酸残基を表す)に従うアミノ酸配列を含んでなるペプチド誘
    導体。
  2. 【請求項2】 下記式: R-Asp-Phe-Ψ(POCH)-Ala-Xaa’-NH (II) (式中: Rは、アセチル又はベンジルオキシカルボニル基を表し、 Ψ(POCH)は、PheとAlaとの間のペプチド結合(CONH)がホ
    スホニック結合POCHで置換されていることを示し、そして Xaa’はアミノ酸残基を表す)に従うペプチド誘導体。
  3. 【請求項3】 Rがアセチル基を表す、請求項2に記載のペプチド誘導体
  4. 【請求項4】 Xaa’がAlaを表す、請求項1から3のいずれか1項に
    記載のペプチド誘導体。
  5. 【請求項5】 Phe残基がR配置を有する、請求項1から4のいずれか1
    項に記載のペプチド誘導体。
  6. 【請求項6】 Ala残基がS配置を有する、請求項1又は2に記載のペプ
    チド誘導体。
  7. 【請求項7】 下記式: Ac-Asp-(R)Phe-Ψ(POCH)-(S)Ala-Ala-NH
    (III) (式中: Acはアセチル基を表し、 Ψ(POCH)は、PheとAlaとの間のペプチド結合(CONH)がホ
    スホニック結合(POCH)で置換されていることを示す)に従うペプチド誘
    導体。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれか1項に記載のペプチド誘導体を含
    んでなる、ヒトアンギオテンシン変換酵素のN-末端部位を選択的に阻害する製
    薬製剤。
  9. 【請求項9】 攻撃性の化学治療又は放射線治療を受けている患者の造血系
    細胞を保護するために使用できる、請求項8に記載の製薬製剤。
  10. 【請求項10】 治療が癌治療である、請求項8に記載の製剤。
  11. 【請求項11】 請求項1から7のいずれか1項に記載のペプチド誘導体の
    、ヒトアンギオテンシン変換酵素のN-末端部位を選択的に阻害する医薬製品の
    製造のための使用。
  12. 【請求項12】 医薬製品が、癌治療を受けている患者の造血系細胞の増殖
    の調節を意図する、請求項11に記載の使用。
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